【プレビュー】モウリーニョ、進退を懸けた一戦に? クロップと激突《チェルシーvsリバプール》
2015.10.31 07:30 Sat
▽プレミアリーグ第11節のチェルシーvsリバプールが31日の日本時間21:45からスタンフォード・ブリッジで開催される。
▽一方のリバプールは、前節のサウサンプトン戦で先制しながらも勝ちきれず、クロップ体制で3試合連続ドロー。それでも、水曜日にはCOC4回戦でボーンマスに1-0で勝利し、ついにクロップ監督が初白星を手にした。今回は不振のチェルシーを叩き、クロップ監督のプレミア初勝利として勢いをつけたいところだ。
◆過去の対戦は4度
▽モウリーニョ監督とクロップ監督が過去に対戦したのは4度。そのすべてが、モウリーニョ監督がレアル・マドリー、そしてクロップ監督がドルトムントを率いていた2012-13シーズンにおけるチャンピオンズリーグでの対戦だ。グループステージでの2戦は、クロップ監督から見て1勝1分け。準決勝では1勝1敗だったが、クロップ監督のドルトムントが2戦合計スコア4-3で上回り、マドリーを敗退に追い込んでいる。
◆チェルシー◆
【4-2-3-1】
▽チェルシー予想スタメン
GK:ベゴビッチ
DF:ズマ、ケイヒル、テリー、アスピリクエタ
MF:ウィリアン、ラミレス、セスク、マティッチ、アザール
FW:レミ
負傷者:GKクルトワ(ヒザ)、DFイバノビッチ(ハムストリング)
◆リバプール◆
【4-3-2-1】
▽リバプール予想スタメン
GK:ミニョレ
DF:クライン、シュクルテル、サコー、アルベルト・モレーノ
MF:ミルナー、ルーカス・レイバ、カン
MF:ララナ、コウチーニョ
FW:ベンテケ
負傷者:DFフラナガン(ひざ)、DFジョー・ゴメス(ひざ)、DFコロ・トゥーレ(ハムストリング)、MFヘンダーソン(足)、MFロシター(ハムストリング)、FWイングス(ひざ)、FWスタリッジ(ひざ)
▽長期離脱中のイングスのほか、スタリッジやヘンダーソンといった主力が起用できない厳しい状況が続く。フォーメーションに関しては、クロップ体制後のリーグ戦で使っているクリスマスツリー型の[4-3-2-1]を引き続き採用するものとみられる。
★タクティカル・プレビュー
◆高い守備意識とセットプレーで勝機を~チェルシー~
▽チェルシーとしては左右のサイドバックに守備型のズマとアスピリクエタを起用することになっている現状、厚みのある攻撃はなかなか仕掛けることができない。そのため、ある程度はウィリアンやアザールの個人技に頼らざるを得ない状況だ。
▽現在のチェルシーでは複数選手のコンディションが上がっていない中、好調のウィリアンが頼みの綱となっている。ここまでウィリアンの直接FKやCKなどが非常にさえているため、この試合でもセットプレーに勝機を見いだしたい。サイドでの一対一では、対人プレーに強いクラインが守るアザールのサイドよりも、A・モレーノと対峙するウィリアンを積極的に生かし、セットプレーの機会を増やしたい。
▽あとは、不振の原因の1つである前線の守備意識だ。これを高く保たせることが必須だろう。もちろんモウリーニョ監督がすでに着手していることだが、爆発的な得点力が期待できない現状、複数失点を喫することになれば勝利を手にするのは難しい。リバプールはクロップ体制後にチーム全体の運動量が上がっているが、チェルシーとしても簡単に走り合いに負けることはできない。火曜日に120分間戦っている苦しい状況の中、セスクやアザールといった選手がどれだけ運動量を増やすことができるかがポイントとなる。
◆ベンテケを積極活用へ~リバプール~
▽対するリバプールはクロップ体制下となったものの、さすがにこの短い期間では明確な色は出せていない。現時点では、全体的な運動量や指揮官との新たな信頼関係から見える選手コンディションの変化あたりが顕著なところだ。パス回しなどは、ロジャーズ監督時代のものが残っている状態と言える。
▽布陣は、前節までと同様の[4-3-2-1]で臨むことが濃厚。クロップ監督が就任直後から、より力を入れていることが見受けられる守備では、「ゲーゲンプレッシング」というよりも、むしろセットして待ち構える場面が増えてきている。ゲーゲンプレッシングはチーム全体として高い連動性が必要なだけに、無難な守備戦術を採用しているクロップ監督の判断は正しいだろう。
▽一方の攻撃では、インサイドハーフのカンとミルナーがバランスを見ながら攻守に積極的に関与し、センターフォワード後方のコウチーニョとララナがアクセントを付けながら、サイドバックのオーバーラップを絡めている。
▽クロップ監督はここまで、スタリッジとイングスが負傷しているセンターフォワードに、スピードに特長があるオリジを重用している。だがオリジは、フィニッシャーとして十分な働きができていないだけでなく、ポストワーカーとしてもコウチーニョ&ララナを生かしきれていない。前節のサウサンプトン戦では後半からベンテケを投入し、それまで徹底していたショートパス主体の攻撃にハイボールを織り交ぜることで相手への圧力を高めることに成功した。
▽負傷明けのベンテケは今回の一戦に向けてコンディションを整えている模様。今回の一戦では、スタートからサウサンプトン戦の後半のようにロングボールやフィードを活用し、ベンテケのフィジカルを生かしていくのが得策だ。無理が利かなくなってきているテリーや身長の低いアスピリクエタのところにベンテケを当てれば、大きな効果が期待できる。ベンテケをうまく活用して相手セントラルMFの注意をひきつけることができれば、バイタルエリアでの仕掛けを狙うコウチーニョやララナも、よりスペースを得ることができそうだ。
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▽チェルシーは前節のウェストハム戦、1点ビハインドで迎えた前半44分にマティッチが2枚目のイエローカードを受けて退場。後半にケイヒルのゴールで同点としたが、キャロルにネットを揺らされて敗れた。さらに、火曜日にはキャピタルワンカップ(COC)4回戦でストーク・シティを相手にPK戦の末に敗退。これで最近の公式戦7試合の成績は、1勝3分け3敗となった。現地メディアは今回のリバプール戦で敗れることになれば、モウリーニョ監督が解任される可能性を報じている。進退が懸かる名将にとって、絶対に落とせない一戦となった。◆過去の対戦は4度
▽モウリーニョ監督とクロップ監督が過去に対戦したのは4度。そのすべてが、モウリーニョ監督がレアル・マドリー、そしてクロップ監督がドルトムントを率いていた2012-13シーズンにおけるチャンピオンズリーグでの対戦だ。グループステージでの2戦は、クロップ監督から見て1勝1分け。準決勝では1勝1敗だったが、クロップ監督のドルトムントが2戦合計スコア4-3で上回り、マドリーを敗退に追い込んでいる。
◆チェルシー◆
【4-2-3-1】
▽チェルシー予想スタメン
GK:ベゴビッチ
DF:ズマ、ケイヒル、テリー、アスピリクエタ
MF:ウィリアン、ラミレス、セスク、マティッチ、アザール
FW:レミ
負傷者:GKクルトワ(ヒザ)、DFイバノビッチ(ハムストリング)
▽クルトワとイバノビッチは引き続き負傷で起用できない。前節で退場したマティッチはCOCで出場停止処分を消化したため、起用可能だ。肋骨を痛めているジエゴ・コスタに加え、セスクとアザール、ペドロの4選手は軽傷を負っているため、先発で起用できるか分からない状況だ。
◆リバプール◆
【4-3-2-1】
▽リバプール予想スタメン
GK:ミニョレ
DF:クライン、シュクルテル、サコー、アルベルト・モレーノ
MF:ミルナー、ルーカス・レイバ、カン
MF:ララナ、コウチーニョ
FW:ベンテケ
負傷者:DFフラナガン(ひざ)、DFジョー・ゴメス(ひざ)、DFコロ・トゥーレ(ハムストリング)、MFヘンダーソン(足)、MFロシター(ハムストリング)、FWイングス(ひざ)、FWスタリッジ(ひざ)
▽長期離脱中のイングスのほか、スタリッジやヘンダーソンといった主力が起用できない厳しい状況が続く。フォーメーションに関しては、クロップ体制後のリーグ戦で使っているクリスマスツリー型の[4-3-2-1]を引き続き採用するものとみられる。
★タクティカル・プレビュー
◆高い守備意識とセットプレーで勝機を~チェルシー~
▽チェルシーとしては左右のサイドバックに守備型のズマとアスピリクエタを起用することになっている現状、厚みのある攻撃はなかなか仕掛けることができない。そのため、ある程度はウィリアンやアザールの個人技に頼らざるを得ない状況だ。
▽現在のチェルシーでは複数選手のコンディションが上がっていない中、好調のウィリアンが頼みの綱となっている。ここまでウィリアンの直接FKやCKなどが非常にさえているため、この試合でもセットプレーに勝機を見いだしたい。サイドでの一対一では、対人プレーに強いクラインが守るアザールのサイドよりも、A・モレーノと対峙するウィリアンを積極的に生かし、セットプレーの機会を増やしたい。
▽あとは、不振の原因の1つである前線の守備意識だ。これを高く保たせることが必須だろう。もちろんモウリーニョ監督がすでに着手していることだが、爆発的な得点力が期待できない現状、複数失点を喫することになれば勝利を手にするのは難しい。リバプールはクロップ体制後にチーム全体の運動量が上がっているが、チェルシーとしても簡単に走り合いに負けることはできない。火曜日に120分間戦っている苦しい状況の中、セスクやアザールといった選手がどれだけ運動量を増やすことができるかがポイントとなる。
◆ベンテケを積極活用へ~リバプール~
▽対するリバプールはクロップ体制下となったものの、さすがにこの短い期間では明確な色は出せていない。現時点では、全体的な運動量や指揮官との新たな信頼関係から見える選手コンディションの変化あたりが顕著なところだ。パス回しなどは、ロジャーズ監督時代のものが残っている状態と言える。
▽布陣は、前節までと同様の[4-3-2-1]で臨むことが濃厚。クロップ監督が就任直後から、より力を入れていることが見受けられる守備では、「ゲーゲンプレッシング」というよりも、むしろセットして待ち構える場面が増えてきている。ゲーゲンプレッシングはチーム全体として高い連動性が必要なだけに、無難な守備戦術を採用しているクロップ監督の判断は正しいだろう。
▽一方の攻撃では、インサイドハーフのカンとミルナーがバランスを見ながら攻守に積極的に関与し、センターフォワード後方のコウチーニョとララナがアクセントを付けながら、サイドバックのオーバーラップを絡めている。
▽クロップ監督はここまで、スタリッジとイングスが負傷しているセンターフォワードに、スピードに特長があるオリジを重用している。だがオリジは、フィニッシャーとして十分な働きができていないだけでなく、ポストワーカーとしてもコウチーニョ&ララナを生かしきれていない。前節のサウサンプトン戦では後半からベンテケを投入し、それまで徹底していたショートパス主体の攻撃にハイボールを織り交ぜることで相手への圧力を高めることに成功した。
▽負傷明けのベンテケは今回の一戦に向けてコンディションを整えている模様。今回の一戦では、スタートからサウサンプトン戦の後半のようにロングボールやフィードを活用し、ベンテケのフィジカルを生かしていくのが得策だ。無理が利かなくなってきているテリーや身長の低いアスピリクエタのところにベンテケを当てれば、大きな効果が期待できる。ベンテケをうまく活用して相手セントラルMFの注意をひきつけることができれば、バイタルエリアでの仕掛けを狙うコウチーニョやララナも、よりスペースを得ることができそうだ。
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