コラム

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【東本貢司のFCUK!】見えてきた“サウスゲイト式”

▽オランダがブルガリアに敗れた以外は平穏なW杯ヨーロッパ予選だった。実力伯仲のアイルランド-ウェールズのドローも“順当”、北アイルランドには底力が備わってきた。崖っぷち寸前のスコットランドは、終了間際の決勝ゴールで望みをつなぎ、その勝利はイングランドの後押しにもなった。ハイライトといえば、やはりそのイングランド。約3年半ぶりに代表復帰したジャーメイン・デフォーが話題をさらった。ハリー・ケインの負傷欠場さまさまだったとしても、きっちり先制ゴールをたたき出した事実は、ニューズネタとしても大きい。ポドルスキの“独り舞台”が既定路線だった対ドイツ・フレンドリーも、特に悲観すべき点は見当たらなかった。予選は順調でも本番でコケる最近の悪いクセを考えれば、楽観も悲観もないところだが、ギャレス・サウスゲイトの更迭論が出る余地もないだけで良しとすべきだろう。そのうえで、今後の課題についていくつか気になることを。 ▽現実的ではないという見方もあろうが、サウスゲイト・イングランドはこの対リトアニア勝利の余韻を大切にしていくべきだと思う。実績、経験、その他の“ありきたり”な尺度にあえてこだわらず、この布陣を基本路線に定めていくということだ。大筋はほぼ見えてきている。司令塔アリ、エースチャンスメイカーはララーナ、守りの軸はストーンズ。アンカーのダイアーについては、前回ユーロから個人的に物足りない部分も感じるが、穴になるというわけでもない。スターリングもパフォーマンスが安定してきて戦力としての“独り立ち”が見込める。両サイドバックはウォーカー(右)がマストになるが、オプションは豊富。ディフェンス面に不安が残るショーは、ドイツ戦でとった3バックシステムのウィングバックに使う方が生きそうだ。つまり「Bプラン要員」。中盤を5人で組む場合、底にダイアー、中央にアリとバークリー(格下で守備的な相手ならオクスレイド=チェンバレンなど)、両ワイドにララーナとスターリング。トップはケインでヴァーディーとデフォーがサブ、もしくは状況次第でいずれかがケインのパートナーに。ではルーニーは? ▽それは後回しにして、一番の考えどころがディフェンスセンター。ここほどパートナーシップが要なところもない。とっかえひっかえではサマにならない。やはり、最後はジャギエルカの経験に頼ることになるのか・・・・? とりあえず現状での「理想論」を。まず、めっきりグアルディオラの信頼を勝ち取りつつあるストーンズを軸とする。相方には心境著しいマイケル・キーン。この、若いコンビを主戦と位置付ける。ジャギエルカはいざというときの“最後の砦”として(相手次第で)起用する。あえてダメもとという言い方をするが、こうした方が先の希望が開けるはず。つまり、思い切って若返りの早期実現を“謳う”のだ。筆者はこの“謳う”メッセージこそ、スリーライオンズ復活の真の決め手になると信じている。いわば、オープン・セサミ、開けゴマ。そして、サウスゲイト自身もきっと同じことを考えていると思う。アンダーエイジで好成績を上げてきた彼だからこその説得力もある。というか、それこそがサウスゲイト指名の最大の根拠に違いないからだ。 ▽そこで、ルーニー。サウスゲイトは「まだやれる、必要」と言い切っている。そのココロ、もしくは“条件”は(おそらく)こうだ。「あまり動きすぎるな」。ルーニーが(クラブでも代表でも)しっくりこなくなっている理由は、彼自ら役割の多様性をもたらしている諸刃の剣。そもそもがストライカー由来なのに、妙に責任感が強いせいで、あれもこれも自分が、という逸る気持ちが出すぎて、かえってチームプレーをぎくしゃくさせている。モウリーニョが使い辛くなっているのもその点にあるはず。どんと構えればいい。トップ下に入ればディフェンスは他に任せる、引いた位置ならそれこそ周りの回転軸になるポジションを死守する。本人が納得するかどうかだが、筆者はあえてアンカーに固定してみてはどうかと考えている。つまり、ダイアーの代わりだ(その場合、ダイアーはセンターバックに使える)。攻撃の組み立て、お膳立てはアリとバークリーに託して、むやみにファイナルサードには立ち入らないと肝に銘じるのだ。ひょっとしたら、このルーニーの“世紀の決断”こそが、イングランドが世界の頂点に挑戦するためのキモではないだろうか。 ▽総体的にぐっと若返り、ぐっと肝が据わって“動かない”ルーニーが名実ともに柱石の姿勢を堅持すれば、きっと相手は勝手が違って面食らう。むろん、そのための十分な練習とコミュニケーションは欠かせないが、こういうチームが淀みなく一丸となり、あらゆる状況に対処できるようになれば、けっこう「負けないチーム」になっていく気がする。その点、参考にすべきなのが最近の北アイルランドだ。“国際的知名度”は薄くとも、どこか得体のしれない粒ぞろいの印象と、実際に当たってみて歯ごたえの凄さで、徐々に主導権をもぎ取っていく。劣勢になっても、さして変わらず黙々とかかってくる。これもまた、強力なメッセージになるだろう。ユーロで対戦したチームは総じてそれを痛感したのではなかったか。言うまでもなく、上記にざっと組んでみた“新生”スリーライオンズには、北アイルランドよりもずっと才能の前提があるはずだ。そして、サウスゲイトは必ずやその線に基づいてチーム改造(→醸成)を目論んでいるに違いない。楽しみになってきた。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.03.27 11:53 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】本当の力はまだわからない…

▽「なかなか勇気があるわね」そんな風に私が感心していたのは日曜。代表戦中は週末の練習が休みなのを利用して、レアル・マドリーのジダン監督が末っ子のエリアス君を応援しに奥さんのベロニクさんはもとより、RMカスティージャ(マドリーのBチーム、リーガ2部B)所属で今節は出場停止だったエンツォ、負傷中の次男ルカ、カデテBで今週末は試合がなかった三男のテオ君を引き連れて、マハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場で行われたアレビンBのマドリーダービーに姿を現したとニュースで知った時のことでした。 ▽いやあ、先日のインタビューでアトレティコのシメオネ監督は「選手たちは息子のようなもの」と言いながら、インターナショナルウィークになるたび、数日は練習を“モノ"・ブルゴス第2監督に任せ、リーベル・プレートのユース組織にいる次男のジャンルカ君と三男のジュリアーノ君に会いに行くのが習慣んなっていますけどね。最近は時間ができると、長男のジョバンニがプレーするセリエAのジェノバの試合を見に行ったりもしていますが、やはり自分の息子にサッカーの才能が受け継がれているのを目の当たりにするのは父親にとって、何より嬉しいことなのでしょう。 ▽ちなみにそのアトレティコvsマドリーのアレビンダービーは2-1でホームチームの勝利でしたが、そのせいもあってか、ジダン監督がスタンドにいても特に騒ぎにはならなかったよう。まあまだ、来週のparon(パロン/リーガの休止期間)明けはマドリーと新弟分・レガネスとのミニダービーに続いて、その翌週末にならないと、サンティアゴ・ベルナベウでの大人のダービーは到来しませんからね。実際、首位のお隣さんと4位のアトレティコの勝ち点差は現在、10もあるため、今更どうこうという感じではないせいもあるんでしょうけど…。もし両チームが優勝を争っているような状態だったら、ユースチームが試合する練習場のグラウンドにはパルコ(貴賓席)もないため、ちょっと行きにくかったかもしれませんね。 ▽え、そんなことより、金曜にスペイン代表のW杯予選、イスラエル戦はどうだったのかって? まあ、想定通りの結果ではありましたが、それでも彼らがいい試合を見せてくれたのは否定できず。いえ、エル・モリロン(スポルティングのホーム)では序盤から、ザハリ(広州富力)が1人で2度程抜け出して、ドッキリさせられたなんてこともあったんですけどね。12分に先制したのはスペインで、ジョルディ・アルバ(バルサ)の敵DFへの股抜きスルーパスを、シルバ(マンチェスター・シティ)が同様にGKマルシアーノ(ヒバーニアンズ)の股間を通すシュートでゴールを決めてくれます。いやあ、決してゴール量産タイプのアタッカーではないとはいえ、彼も今ではセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)、イニエスタ(バルサ)と合わせて3人しかいないスペイン黄金期の始まり、2008年ユーロ優勝からいるメンバーの生き残り。これで代表通算得点数も29となり、歴代4位のイエロに並んだとなれば、何とも立派じゃありませんか。 ▽その後もボールを独占して攻め続けたスペインでしたが、追加点が入ったのはハーフタイム直前のこと。ええ、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が敵の危ないヘッドをparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれた直後、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)からパスをもらったビトロ(セビージャ)のシュートがマルシアーノの手に当たりながら、最後はシルバに見守られてラインを割ってくれます。ちなみにビトロはロペテギ監督時代になってからの新戦力で、当人も「Cuando vengo aquí veo portería con facilidad/クアンドー・ベンゴ・アキー・ベオ・ポルテリア・コン・ファシリダッド(代表に来るとゴールが簡単に入る)」と言っていましたが、この2018年W杯予選ではすでに5試合で4点目。まだ27歳ですし、この先もスペインのゴール供給源になってくれることが期待されます。 ▽そして後半にはいよいよ、待望のCFによる追加点が入ったんですが、意外なことにそれはセットプレーから。ええ、50分、スペインにCKのチャンスが巡ってくると、キッカーに立ったのはチアゴ。「ウチにはラモス、ピケ、ジエゴ・コスタと3人の偉大なcabeceadores(カベセアドーレス/ヘッドの得意な選手)がいる。大抵はラモスを探すんだけど、ジエゴには試合中、ずっとパスを頼まれていて借りがあった」と当人は後で言っていましたが、まあバルサ出身、おまけに4月のCL準々決勝でマドリーと当たる彼が、つい同じブラジル人であるチェルシーのFWにボールを送ってしまったというのもわからなくはない? ▽おかげで見事にヘッドを決め、こちらもこの予選4点目を挙げたジエゴ・コスタでしたが、彼自身は「Me estoy acostumbrando a la manera de jugar aquí/メ・エストイ・アコストゥンブラードー・ア・ラ・マネラ・デ・フガール・アキー(ここでのプレーの仕方に慣れてきている)」と言っていましたけどね。今季もプレミアリーグですでに17得点挙げて好調なんですがこの日、頭以外でゴールを狙っている姿を見た記憶が私にはなし。やっぱりその辺、代表では勝手が違うのかと思いますが、さて。そうそう、ゴールの数分後にもコスタは頭でカルバハル(マドリー)のクロスをエリア内で落とし、シルバのシュートはゴールポストに当たってしまったものの、いいアシスト役を務めてもいましたっけ。 ▽これで3点をリードしたため、ロペテギ監督も交代策を発動し、「Thiago tenía una pequeña molestias/ティアゴ・テニア・ウナ・ペケーニャ・モレスティア(チアゴには軽微な痛みがあった)」と代わりにコケ(アトレティコ)、「イニエスタは最近、頻繁にプレーしていなかった」とイスコ(マドリー)を投入。いえ、コケでなく、チアゴが先発だったのは攻撃力を重視したせいで、反対に言えば、コケは相手に対する抑止力になる選手ってことだったんですけどね。75分にはイスラエルがFKからゲルション(ヘント)のヘッドはポストに弾かれてしまったものの、レファエロフ(クラブ・ブルージュ)が撃ち込んでイスラエルが1点を返すことに。それでも最後にいい感じで試合をまとめてくれたのは、場内から大きな拍手を受けて交代したイニエスタにも「Tiene un talento brutal/ティエネ・ウン・タレントー・ブルタル(物凄い才能を持っている)」と褒められていたイスコでした。 ▽ええ、87分にGKの逆を突く、それ程スピードのないシュートが敵の複数DFの間を縫ってゴールになった時は私も呆気に取られたものです。今回の代表戦週間が始まってからもまだマドリーとの延長契約に漕ぎつけていない彼には宿敵バルサを始め、様々なチームからのオファーの噂が途切れず。それに関して当人は、「今はparon(パロン/リーガの停止期間)であまりサッカーがなくて、マスコミはニュースを作らないといけない。Yo hablo en el campo/ジョ・アブロ・エン・エル・カンポ(ボクはピッチで話すよ)」と言っていましたが、どちらにせよ彼の契約が終わるのは2018年ですしね。実際、リーガのない週には、アトレティコの控えGKモヤが来季終了までの延長にサインしたなんていう、確定した話は別として、ページの埋め草のような記事ばかり出て来るのは私もどうかと思いますよ。 ▽結局、イスラエルに4-1で快勝したスペインだったんですが、残念だったのは予選Gグループで同じ勝ち点で並ぶイタリアも2-0と勝利。スペインが単独首位に立つことができなかったことですが、まあ、これは「Sabemos que esto es una carrera de fondo/サベモス・ケ・エスト・エス・ウナ・カレラ・デ・フォンド(これが長距離走なのは知っている)」(カルバハルも)というのは事実ですからね。ただ、「ウチはイタリアが勝ち点を取りこぼしてくれることを期待するしかない」と言われても、2度目の直接対決が9月にありますし、いくらあとイエローカード1枚で累積警告だったラモス、ピケ、ブスケツ、チアゴ、ビトロ、コスタらが今回の試合を無傷で終え、そのため逆に3月のマケドニア戦でカードをもらったら、大一番に出られない危険があるとはいえ、ちょっと消極的では? ▽選手たちがそんな姿勢だから、最近は代表戦が満員にならず、エル・モリロンも3万人収容のところ、1万6000人しかファンが来てくれなかったんだというのは単なる私の屁理屈ですが、何せここ2回の国際主要大会(2014年W杯グループリーグ敗退、2016年ユーロ・ベスト16敗退)で彼らは不成績が続いていますからねえ。また優勝トロフィーを持ち帰るぐらい強いチームに戻ってくれれば、代表人気も高まってくれるんじゃないかと思いますが、こればっかりは。リヒテンシュタインなどに比べれば、予選グループの中で強い方ではあるとはいえ、イスラエル相手にいいプレーを披露したとしても、本大会で倒さないといけない敵はドイツやイタリア、フランス、ポルトガルetc.。それまではやっぱり、スペインが以前の実力を取り戻したのかどうか、本当のところはわかりませんよね。 ▽そして選手の希望通り、試合後にはヒホン(スペイン北部のビーチリゾート)から帰京。土曜はラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でリハビリトレをしたチームは日曜午後1時まで自由時間をもらえることに。近所に自宅があるマドリーやアトレティコの選手だけでなく、プレミア勢やブンデス勢でなければ、バルサも含めて家族の元に戻ったようですが、まあ次は前回のユーロ準優勝チームのフランス相手とはいえ、親善試合ですからね。ロペテギ監督も火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのスタッド・ド・フランスでは金曜に使えなかったモラタ(マドリー)やデウロフェウ(ミラン)、プレー時間が数分だったイアゴ・アスパス(セルタ)ら、違う攻撃オプションを試してみる気になるかも。 ▽ただ、フランスも土曜にはアトレティコでここ3回連続失敗して以来、キッカーを辞退していたグリーズマンがとうとうPKを決めたこともあって、ルクセンブルクに3-1で勝利。決して侮ることはできないんです。ただ、先日、注目を浴びていたのはバルブエナへの脅迫関与事件が発覚してから、ここ1年半、デ・シャン監督からお呼びがかかっていないマドリーのベンゼマで、バルデベバス(バラハス空港の近く)での練習だけでは時間が余ってしまうせいもあるんでしょうけどね。フランスのラジオ局のインタビューを受け、「代表に招集されないのは不公平だと思う。バルブエナの件のせいだったら、ボクはもうとっくにツケを払った」と不満を爆発させることに。 ▽いえ、当人曰く、「自分の実力は、8年前からマドリーでやっていることが物語っている」そうで、今回は負傷で代表に行かなかった同僚のヴァランなども「Si lleva tantos años como delantero del Madrid es por algo/シー・ジェバ・タントス・アーニョス・コモ・デランテーロ・デル・マドリッド・エス・ポル・アルゴ(これだけの年数、マドリーのFWでいるのは何か理由があるおかげ)」と応援してあげていたんですけどね。ベンゼマと同じラジオ番組に出演したペレス会長が、もちろん自身で彼の自宅まで行って入団を勧誘したという経緯はあるとはいえ、「私にとって、彼は世界最高の9番。私なら永遠にマドリーにいてもらうね」というのは少々、マズくない? ▽うーん、ルクセンブルク戦ではグリーズマンの他にもジルー(アーセナル)が2得点を挙げていますし、近頃人気沸騰中、マンチェスター・ユナイテッドやそれこそマドリーも獲得を狙っているという噂もあるムバッペ(モナコ)もA代表デビューしましたからね。となると、「デ・シャン監督が戦術的判断でボクを呼ばないというなら、要は自分よりいい選手がいるって言いたいんだろう」(ベンゼマ)という読みの方が案外、当たっていたりして。 ▽ちなみにマドリー勢では今回のヨーロッパ予選、ベイルのウェールズはアイルランドとスコアレスドローで引き分け、クリスチアーノ・ロナウドとペペが出場したポルトガルは前者が2ゴールを挙げて、3-0でハンガリーに快勝。クロースのいるドイツもアゼルバイジャンを1-4で一蹴して、アトレティコのブルサリコが左ヒザのケガで参加できず、自宅で応援していたクロアチアもモドリッチとコバチッチがプレーして、1-0でウクライナに勝っていますが、何せW杯はこの試合でようやく半分が終わったばかり。各グループ首位のみ参加が確定、2位チームはプレーオフということで、来年の夏、ロシアの本大会でどれだけ馴染みの選手を見ることができるか、まだまだわからないのはじれったいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.03.27 11:51 Mon
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【日本代表コラム】“経験”と“勢い”の融合が見せたモノ

▽約4カ月ぶりの代表活動、そして後半戦を迎えるロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選。日本にとってはこの上ない勝利だったと言える。勝ち点3という結果、そして収穫も多かった。 ▽試合前に最も驚いたのは、所属クラブのミランで出場機会に恵まれないFW本田圭佑、レスター・シティで再びポジションを掴んだFW岡崎慎司がベンチに座ったことではなく、守護神にGK川島永嗣を起用したことだった。「経験がたくさん必要な試合になる」と前日会見でヴァイッド・ハリルホジッチ監督が語っていたが、それはセカンドチームでプレーする川島にも当てはまることだったことがうかがえた。 ▽試合後の会見でハリルホジッチ監督は「メンタル的に落ち着いた選手が必要だった」と川島の起用についてコメント。得点を与えないことはもちろんのこと、時間の使い方、最後尾からの精神的な支柱という意味でも川島の起用に踏み切ったのだろう。ゲームキャプテンを務めたDF吉田麻也のパフォーマンスが安定していたことにも影響はあるはず。兼ねてから川島の姿勢を評価して代表に招集していたことも、ここに来て生きたと言える。 ▽そして、攻守に躍動し1ゴールを記録したMF今野泰幸も経験をチームにもたらしていた。「ほぼ完ぺきなプレーをして、ボールを奪いながら点も決めてくれた」とハリルホジッチ監督が評価したとおり、厳しい試合での日本の勝利に大きく貢献した。4度目のW杯最終予選ともなれば、中東での戦い方も心得ていることがうかがえる。そして、ガンバ大阪ですでに3ゴールを決めている調子の良さも遺憾なく発揮した。 ▽一方で、昨年11月のサウジアラビア代表戦に続き右ウイングのポジションに入ったFW久保裕也は出色の出来だった。13分には右サイドバックのDF酒井宏樹からのスルーパスを引き出すと、相手DFを振り切りダイレクトシュート。狭いニアサイドを打ち抜いて代表初ゴールを記録した。また、51分には右サイドでキープすると、走り込んだFW原口元気ではなくファーサイドに左足でクロス。今野をめがけたピンポイントクロスでアシストを記録した。 ▽冬にベルギーのヘントへと移籍すると、環境の変化にも適応しゴールを量産。すでにチームの中心選手として活躍をしている。スイスで磨いたゴールへの意識は、ベルギーで開花。そして、日本代表としても結果を残した。クラブでの調子の良さを、結果として代表チームに還元できたことは大きな収穫だ。 ▽また、ケルンで高い評価を得ているFW大迫勇也も1トップとして仕事をこなした。身体の強さを生かしたキープや競り合いでも強さを発揮。ゴールこそ生まれなかったが、可能性のあるシュートも放った。終盤にヒザを痛めたことは気がかりだが、久保同様にクラブでの好調ぶりを見せてくれた。守備での貢献度が高かったFW原口元気も同様。前線での攻守への貢献は高く、クラブでの調子の良さをしっかりと発揮できたことは収穫と言える。 ▽クラブで結果を残し、勢いに乗っている選手、そしてこれまで数多くの激闘を経験している選手がしっかりと融合でき、結果も残せたUAE戦はハリルホジッチ監督が目指しているものに少し近づいた様に思う。 ▽ベンチスタートとなった本田や岡崎は経験値も高く、UAE戦では強力なオプションとなっていた。岡崎は大迫の負傷で急遽の出場となったが、ファーストプレーでCKを得意の頭で合わせた。終盤にはビッグチャンスを生かせなかった場面があったが、頼れる経験者がベンチに控えていることは、観ていても頼もしかった。 ▽本田はクラブで試合出場がほとんどないために試合勘不足は否めないが、コンディションや調子が悪いとは思えないプレーだった。MF倉田秋やMF山口蛍とも良い距離感を保ち、本田がボールを持つことで原口やDF長友佑都など逆サイドの選手も積極的に動き出していた。やはりこのチームには欠かせない存在であることを、短時間でも証明してくれた。 ▽失意の敗戦でスタートしたW杯アジア最終予選だったが、ここに来てハリルホジッチ監督が目指していたものが、形になりかけている様子がうかがえる。若手とベテラン、勢いと経験───これらの融合が進むことで、日本代表は1つステージを上げることができるはずだ。チームとしてのバランスを考えた選手選考、そしてしっかりと結果を残した日本代表。その歩みを止めないためにも、28日のタイ代表戦はより完璧な試合を見せてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.03.24 15:00 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ラジオでは皆、よく喋る…

▽「これじゃ罰ゲームみたい」そんな風に私が同情していたのは木曜。雪が降りしきるマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で各国代表に招集されなかったアトレティコの選手たちがトレーニングしている風景をTVのニュースで見た時のことでした。前日から真冬に逆戻りしたスペインでは国内各地が悪天候に見舞われ、私も午前中はみぞれが絶え間なく落ちてくるため、マドリッドのセントロ(中央部)にあるピソ(マンション)から、外に出る気も起きなかったんですけどね。 ▽同じぐらいの時刻、アトレティコBの選手を呼んで数を水増ししたお隣さんと同様に、RMカスティージャの選手たちと一緒にセッションをしていたバルデベバス(バラハス空港の近く)のレアル・マドリー練習場では、まったく降っていなかったようなのは不思議ではありますが、前者はシメオネ監督までアルゼンチンに里帰りしていなかったとか。うーん、当人は旅行前日に受けたインタビューで「Mis futbolistas son mis hijos/ミス・フトボリスタス・ソン・ミス・イホス(選手たちは私の息子のようなもの)」と言っていましたけどね。これって、どこか見捨てられた感があったかも。 ▽まあ、それでも居残り組はこの週末、リーガのparon(パロン/休止期間)で試合がなく、練習もお休み。ちょっとぐらいの逆境があった方が体を鍛えられていいのかもしれませんが、おかげで時間の余裕があったせいか、数社の取材を受けたシメオネ監督から、アトレティコのすでに今季も準々決勝にまで進出したCLでの強さの秘密が明かされたなんてことも。曰く、「El dolor es la fuerza más grande que tiene el Atlético en esta Champions/エル・ドロール・エス・ラ・フエルサ・マス・グランデ・ケ・ティエネ・エル・アトレティコ・エン・エスタ・チャンピオンズ(このCLでのアトレティコの一番大きい力は痛みだ)。大会のアンセムを聞くたび、自分は痛みを覚える」そうで、その理由はもちろん、昨季CL決勝での敗北。 ▽さらにサン・シーロでの試合後会見の時、アトレティコの監督続投を疑問視されるような返答をしたことに対して、「Para mí lo de Milán fue un fracaso/パラ・ミー・ロ・デ・ミラン・フエ・ウン・フラカソ(自分にとってミラノでのことは失敗だった)。CLに優勝するという目標を持っていて、それが達成できなかったのは物凄く辛かった。その次のシーズンが大変になることがわかっていたから、PK戦で負けた後、チームを率いていく力が出るのか確信がなかった」と説明していましたけどね。「どんなチームだって、ほとんど連続してCL決勝に敗れた後、回復するのは不可能なのに、nosotros estamos otra vez ahí, peleando/(ノソトロス・エスアモス・オトラ・ベス・アイー、ペレアンドー(ウチはまたここにいて、戦っている))」というのは確かに、誇れることなのかもしれません。 ▽え、その件に関しては、キャプテンのガビも「Perder dos finales fue duro, levantarse aún más duro/ペルデル・ドス・フィナレス・フエ・ドゥーロ、レバンタールセ・アウン・マス・ドゥーロ(2度の決勝に負けて辛かったし、そこから立ち上がるのはもっと辛かった)。今季は6カ月ぐらいかかった」と、リーガの前半戦で残念な試合が多かったことの理由付けをしていなかったかって? そうですね、これがカンテラーノ(ユース組織出身の選手)の後輩、コケになると、「Somos el Atlético y siempre nos levantamos/ソモス・エル・アトレティコ・イ・シエンプレ・ノス・レバンタモス(ボクらはアトレティコだから、いつも立ち上がるのさ)」と至極、単純明快でいいんですけどね。 ▽何はともあれ、前節の彼らはセビージャに快勝して、リーガ3位フィニッシュへの道もようやく見えてきたようですし、4月のCL準々決勝レスター戦でもこの勢いを維持して、同じぐらい立ち直るのに苦労したアトレティコのファンたちにまた希望を与えてほしいもの。ちなみにこのコケは今週、スペイン代表合宿にアトレティコから1人参加しているんです。私もまだ寒波が襲来する前の火曜午前中、練習見学時間は15分しかなかったものの、チームの様子を見にラス・ロサス(マドリッドの近郊)まで足を伸ばしたんですけどね。定例記者会見では、昨年のユーロ大会当時、代表での先発機会が少ないのに「チームワークを高めるためだけに代表に来るのもどうかと」と、不満をマスコミに告白して以来の招集となったペドロ(チェルシー)と大人代表初参加だったイジャラメンディ(レアル・ソシエダ)が登場。 ▽いやあ、ペドロもそれはそれでアトレティコやマドリー同様、クラブでの居残り練習メンバーとなるのは肩身が狭いことがわかったんですかね。「creo que aquello se malinterpretó/クレオ・ケ・アケージョ・セ・マルインテルプレト(あれは曲解されたんだと思う)」と、全てをなかったことに…。2年前に古巣に出戻って復活したイジャラメンディが、「マドリーが自分に分不相応だったとは思わない。Me faltó confianza y valentía/メ・ファルトー・コンフィアンサ・イ・バレンティア(自信と勇気が欠けていたんだ)」なんて言っているのを聞いていたんですが、どうやらその頃には選手たちのロビー行為が着々と成果を挙げていたよう。 ▽私は、その後にあった保険会社のスポンサー契約延長を祝って行われた、グラウンドでの記念撮影時、キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)がロペテギ監督とずっと何か話しているのには気づいたんですけどね。どうやらそれは、月曜に合宿入りした時、W杯予選イスラエル戦のため、木曜にヒホン(スペイン北部のビーチリゾート、スポルティングのホームタウン)入りしてから、金曜の試合後も同地に滞在。土曜日曜とあちらで練習して、次のフランスとの親善試合のため、直接パリに飛ぶという代表の今回の予定が気に入らなかったからのようで、初日からラモスが監督と交渉を始めていたんだとか。 ▽そう、それから間もなく、イスラエル戦の後、マドリッドに帰京することになったとサッカー協会から公式発表されたんですが、火曜の午後に山のようにあった選手のラジオインタビューではブスケツ(バルサ)も「一番いいのはここの宿舎で休むことで、土曜に自由行動の午後があったら、最高にいいね」と言っていたように、選手たちの多くはヒホンでの合宿を望まず。いえ、もちろんロペテギ監督は「La decisión de volvernos es mía/ラ・デシシオン・デ・ボルベルノス・エス・ミア(戻って来るという決定は私がした)。こういうことを変えることは何度もあった」と主張していましたが、何かそんな話を聞くと、昔からよく、マドリーの選手たちがホームでの試合前日は合宿を止めてくれるよう、歴代監督に働きかけていた事例を思い出してしまうのは私だけ? ▽実際、ルイス・アラゴネス監督やデル・ボスケ監督時代のスペイン代表で選手たちの願望による予定変更があったか、ちょっと私も思い出せないんですが、ラモスなど、もうマドリーのキャプテン歴も長いですし、そういった交渉はお手のもの。こんなケースでは普段、「nos gusta tirarnos alguna piedrecita/ノス・グスタ・ティラールノス・アルグーナ・ピエドレシータ(ボクは小石を飛ばし合うのが好きなんだ)」(ラモス)という、マスコミへの発言やツィートで対立関係にされるピケ(バルサ)とも結託できるのか、どうやら今回はベテラン選手たちで共同戦線を張ったようです。でもねえ、せっかく代表チームを招いてのイベントを盛り沢山、企画していたアストゥリアス(ヒホンのある地方)のサッカー協会長はアテが外れて、かなり怒っていましたよ。 ▽そんなことはともかく、木曜にアラブ諸国と根深い問題を抱えるイスラエルの代表チームを迎えるのと、現地の市議会がイスラエル製品ボイコット政策を取っており、市民のデモが予定されているため、厳戒態勢が敷かれているヒホン入りしたスペインはエル・モリロン(スポルティングのホーム)で前日練習を実施。前日は風邪による発熱でセッションをお休みしたカルバハル(マドリー)も無事回復し、どうやらロペテギ監督もGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、DFカルバハル、ピケ、ラモス、ジョルディ・アルバ(バルサ)、中盤はブスケツ、イニエスタ(バルサ)、コケもしくはチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、前線をシルバ(マンチェスター・シティ)、ジエゴ・コスタ(チェルシー)、ビトロ(セビージャ)という、思い描いていたベストメンバーで挑めるようです。 ▽え、相手は予選グループGでたったの勝ち点1差で3位につけるチームなのだから、実は試合も結構、厳しいものになるんじゃないかって? うーん、そうですね。前日記者会見でロペテギ監督などは、「Le queremos un poquito enfadado/レ・ケレモス・ウン・ポキート・エンファダードー(ちょっと怒っている彼がいい)。でもちょっとだよ、いつものようなサッカーをしてもらうためにね」とコスタに期待していましたが、「No salgo enfadado al campo, me enfado durante los partidos/ノー・サルゴ・エンファダードー・アル・カンポ、メ・エンファド・ドゥランテ・ロス・パルティードス(ボクは怒ってピッチに出るんじゃない。試合中に怒るんだ)」と答える当人も相変わらず。 ▽それでも今シーズン始めは、「La relación con Conte no empezó bien/ラ・レラシオン・コン・コンテ・ノー・エンペソ・ビエン(コンテ監督との関係はいい始まり方じゃなかった)。着任した時に自分はアトレティコに戻りたいと言ったんだから。結局、アトレティコに待ってもらえなくて、尻尾を巻いた犬のようにボクが話しに行ったら、こっちを見てももらえなかったよ」と苦労した経験もある彼ですからね。そのせいで「アトレティコに移籍できるよう、できること全部をやったけど、クラブは待ってくれなかった。Ya no me pelearía igual para volver/ジャー・ノー・メ・ペレアリア・イグアル・パラ・ボルベル(もう戻るために同じようには戦わないよ)」と、ラス・ロサスでのインタビューで宣言していたのにはちょっとビックリさせられたかも。 ▽おかげでセレソ会長に「Hay cosas que son imposibles y son imposibles/アイ・コーサス・ケ・ソン・インポシーブレス・イ・ソン・インポシーブレス(不可能なことはあって、それは不可能だった)」とたしなめられたりもしていましたが、現在のコスタがチェルシーで絶好調なのは紛れもない事実。金曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのイスラエル戦では勝利に貢献するゴールを決めてくれることを期待しています。いえ、万が一、彼が不発でもベンチにはモラタ(マドリー)やイアゴ・アスパス(セルタ)、ペドロも控えていますし、いざとなれば、伝家の宝刀、ラモスの頭もありますしね。多分、勝って、今節はアルバニアと戦う、同じ勝ち点で2位のイタリアにリードを許すことはないと思うんですが…。 ▽そうそう、最後に、木曜にデンマークと親善試合をしたU21スペイン代表のことも伝えておくと、いやあ、一緒に合宿していたラス・ロサスで、後輩チームにこちらもアトレティコから1人参加だったサウールがラモスと火曜の写真撮影に行く時、やたら仲良くしていたおかげですかね。ムルシア(スペイン南西部)のヌエボ・コンドミナでの試合では、ふくらはぎのケガで離脱したレイナ(ナポリ)の代わりにケパ(アスレティック)がA代表の第3GKとして狩り出されたため、その試合はパウ(トッテナム)がゴールを守ることに。だからって、別に彼に罪はないとは思いますが、意表を突かれて、序盤に相手に先制されてしまったところ、22分にはミケル・メリーノ(ドルトムント)が、クロース役を務めたアセンシオ(マドリー)のCKから強烈なヘッドを決めて同点にしてくれます。 ▽さらに75分には途中出場したサウールが、これまたラモスを彷彿させるゴールを頭で叩き込み、スペインが勝ち越してくれたから、嬉しかったの何のって。いえ、3点目を決めたデニス・スアレス(バルサ)は、さすがに足で決めていましたけどね。最後は3-1で勝利と、若いスペインにも強さが戻ってきたのには大満足。これなら月曜のイタリアとの親善試合もいい勝負になるかもしれません。うーん、何せ、この夏はスペインがコンフェデレーションズカップに参加しないため、オフシーズンに楽しめる大会が6月16日から30日までポーランドで開催されるU21ユーロ大会しかありませんからね。 ▽その後、7月には各クラブのプレシーズンキャンプもだんだん始まって、7月23日にはサンフランシスコでマドリーvsマンチェスター・ユナイテッド、29日にはマイアミでマドリーvsバルサといった、チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)などもあるんですが、それまでをどう過ごすかが私の当面の課題。あ、でもマドリーやアトレティコが6月3日のCL決勝まで行けなかったら、その前もヒマになってしまう可能性もあるし…。となると、まずはスペイン勢がヨーロッパの大会で長く健闘してくるのを祈るのが先でしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.03.24 12:30 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】UAE戦展望とこぼれ話

▽いまアル・アインの現地時間は10時20分だ。あと9時間後にロシアW杯アジア最終予選のUAE戦がキックオフとなる。19日から現地に滞在しているが、21日は氷雨に見舞われ、昨日と今日も曇天が続き、Tシャツ1枚では肌寒さを感じるほど。浅野が「涼しくなりましたね」と言えば、酒井高も「思ったより気温が高くないので、いいコンディションです」と歓迎している。 ▽W杯予選と言えば、いわゆる“アウェイの洗礼”とか、情報が錯綜するなど様々な駆け引きが試合前から始まっている。過去には加茂ジャパン時代のアウェイUAE戦では、ピッチにクギが散らばっていることがあったし、加茂監督の更迭の原因となったカザフスタン戦のピッチはデコボコで、とてもサッカーができる環境ではなかった。 ▽当時はインターネットの普及が今ほど進んでおらず、YouTubeといった動画投稿サイトもなかった。しかし現在はネットの普及により情報過多のため、クギの散らばったピッチを用意しようものなら、すぐさまネットにアップされ、世界中から批判が殺到するだろう。 ▽フランスW杯の第3代表決定戦のイラン戦では、イランの主力選手が足を石膏で固め、車いすに乗っていたが、試合当日は何事もなかったようにプレーしていた。 ▽今回、日本は長谷部が右膝の負傷と治療のため代表チームを離脱した。長谷部は19日の夜に現地入りしたが、その際に大きなスーツケースを持っていたため、日本に長期滞在する覚悟でドイツを後にしたことが推測できた。 ▽これに対しUAEもMFタレク・アハメドは出場停止で、昨年9月の対戦でフル出場したMFアメル・アブドゥルラフマンが負傷離脱。さらにFWアハメド・ハリル、FWイスマイール・マタルの2人もケガで出場が微妙だという情報が20日頃から流れた。 ▽正直なところ、「眉唾ものの情報」だと思った。UAEがチーム事情、それも主力選手の出場の可否を簡単に明かすわけがないからだ。もしも本当なら、極力隠そうとするはず。それが数日前から噂が流れるのは、意図的にリークしているとしか思えない。UAEにとっては、23日の日本戦と、28日のアウェイ、オーストラリア戦はグループ突破に向けて 正念場でもあるだけに必死なのだろう。 ▽試合会場であるハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムで公式練習を行った昨夜は、「ピッチが狭く感じた」という選手もいた。サイズ的にはFIFAの規格を満たしている。ピッチはゴール裏とバックスタンド側に背の高いAFCのスポンサーボードが設置されているため、圧迫感を覚えたのかもしれない。 ▽いずれにせよ、そうした外野の様々な噂や環境は気にしないで、目の前の試合に集中することだ。長谷部の離脱は痛いものの、「団結力を高めて試合に臨みたい」と酒井高が言えば、吉田も「厳しい時だからこそ成長できるチャンス」と前向きにとらえているのは、チームが成長している証でもある。 ▽いまから思うと、ホームでのUAE戦は主審の厳しいジャッジもあったが、どこか見下していたのではないだろうか。しかし、あの1敗で危機感を募らせているハリル・ジャパンだけに、同じ轍を踏むことはないだろう。成長した姿が9時間後に見られるはずだ。 2017.03.23 18:09 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】大事な試合に勝った…

▽「今季絶望じゃなかったんだ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜。セビージャ戦の開始2分でピッチを去ったアトレティコのヴルサリコの診断結果が出て、痛めた左ヒザの前十字靭帯は切れておらず、内側と後ろの部分断裂だったため、3、4週間で戻って来られることがわかった時のことでした。いやあ、最近はファンフランに代わって先発することも増え、デポルティボ戦でフェルナンド・トーレスが頭部を挫傷して意識を失った際にはガビと一緒に適切な緊急措置を実施。おかげで一気に知名度も高まり、最近のホームゲームはとうとうサポーターにカンティコ(節のついたシュプレヒコール)も作ってもらえたのを先日のAS(スポーツ紙)のインタビューで大層、喜んでいた当人だったんですけどね。 ▽日曜の試合ではエスクデロと接触した後、負傷して交代を要請。自分の足で歩いてロッカールームへ続く階段を降りて行ったため、そんなに重傷ではないんだろうとその時は私も比較的楽観視。ただ後々、ちょっと昔のことですが、アルゼンチン代表としてスペインとの親善試合に出たマキシ・ロドリゲスがその試合で靭帯を断裂。ところがすぐにはコトの重大さに本人も気づかず、バレンシアだか、アリカンテだかから車でマドリッドに戻った後、ケガが発覚したなんて、信じられない例がアトレティコの選手にはあるのを思い出したため、ヴルサリコも正式な検査が終わるまでちょっとドキドキしていたものの、大丈夫。これなら、4月8日のマドリーダービーと12日のCL準々決勝レスター戦1stレグはきつくても、18日の2ndレグには間に合うってことじゃないですか。 ▽加えて今週から、リーガはparon(パロン/休止期間)に入るため、クロアチア代表の先輩、モドリッチや後輩のコバチッチと旧交を温める機会は逸してしまう彼ですが、2週間は試合のことを考えずにリハビリに専念できますからね。もちろんその間、右SB担当がファンフラン1人になってしまうのは、もしもの時に不安ではありますが、アレイクス・ビダルが足首を脱臼し、今季は戻って来られず。おかげでセルジ・ロベルトしか、そのポジションにいなくなってしまい、最近ではSBを置かない3人CB制をもっぱら採用しているバルサを思えば、次のCLの相手がユベントスやバイエルンではなく、レスターだったなんて辺りも含め、最近のアトレティコって結構、ツイているのでは? ▽まあ、私がついつい浮かれてしまうのは先週末のリーガ戦の結果のせいもあるんですが…。とりあえず順を追って話していくと、一足早く、土曜にキックオフしたのはレアル・マドリー。サン・マメスでのアスレティック戦だったんですが、さすが相手は今季、ホームで負けたのがバルサだけとあって、序盤から拮抗した展開に。それでも前半24分にはカゼミロのパスを受けたクリスチアーノ・ロナウドがベンゼマに絶妙のアシストを送り、マドリーは1点をリードしてハーフタイムに入ります。とはいえ、64分にはアスレティクのエース、36歳のアドゥリスのヘッドが炸裂。自分で撃つシュートにはあまり精度がなかったウィリアウスのクロスをラウール・ガルシアが頭で折り返し、ゴール前からGKケイロル・ナバスが破られてしまったから、一時、試合の行方はわからなくなったものの…。 ▽やっぱりキッカーにクロースを持つマドリーのセットプレーは最強です。何とその3分後にはCKからロナウドがヘッドで流し、ファーポスト側にフリーでいたカゼミロが決めて再び勝ち越してしまうのですから、楽なもんじゃないですか。うーん、その試合は前日、急性胃腸炎で夜中に病院に駆けつけ、点滴を受けていたせいか、ヘッドは決まらなかったものの、このところゴールを量産していたセルヒオ・ラモスをバルベルデ監督も事前に警戒。「CKの守備時のマークを変えて、ニアポストに2人でなく、3人置いた」ものの、「Cuando hay una peinada generalmente todo el mundo se descoloca/クアンドー・アイ・ウナ・ペイナーダ・ヘネラルメンテテ・トードー・エル・ムンド・セ・デスコロカ(誰かにヘッドされると大概、皆バラバラになってしまう)」って、いや、そこをしっかりケアするのがプロなのでは? ▽まあ、その辺が攻める方も守る方も難しいところなんでしょうが、意外だったのはその後、点差は増えなかったにも関わらず、ジダン監督が15分を残してロナウドをイスコに代えてしまったこと。その理由はまたしても「Al final buscamos mas equilibrio con el 4-4-2/アル・フィナル・ブスカモス・マス・エキリブリオ・コン・エル・クアトロ・クアトロ・ドス(最後は4-4-2のシステムでバランスを求めた)」(ジダン監督)と、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)先発時に露見する守備の欠点を補うためだったようですが、今回選ばれてベンチに戻る時の当人が、「Por que a mi? Fodase!/ポル・ケ・ア・ミー?フォダセ(何でオレが?ファックユー)」と悪態をついていたこともTVの映像で発覚しています。 ▽それでもジダン監督は、「En el cambio de Cristiano no pasa nada, el puede salir de vez en cuando/エン・エル・カンビオ・デ・クリスティアーノ・ノー・パサ・ナーダ、エル・プエデ・サリール・デ・ベス・エン・クアンドー(クリスチアーノが交代したからって何も起こらない。彼も時々、代わることがある)」と平然。「試合に勝ったから、満足していた」そうなので、あまり気にしないでもいいかと。ええ、結局、そのまま1-2でアスレティックを下したマドリーはこの2週間、暫定とは言えど、バルサに首位を奪われて過ごす憂鬱から解放された上、残り試合で一番厳しいと言われていたアウェイ戦で取りこぼしせずに済みましたからね。となれば、もう6年ぶりのリーガ優勝までの道筋もかなり見えて来た? ▽一方、他のマドリッド勢は日曜試合となったんですが、正午にミチェル新監督が率いるマラガをブタルケに迎えた新弟分のレガネスはゴールを奪うことができず、スコアレスドローで終了。順位も降格圏ギリギリの17位は変わらず、すぐ下のスポルティングとの勝ち点差5と、まだ危うい状態で、残留確定目安の勝ち点40まで、残り10試合であと14ポイント溜めないといけないのはいささか不安かと。いえ、下のチームとの兼ね合いですから、必ずしもそこまで達しなくてもいいんですけどね。来季には現在、2部でプレーオフ出場圏の6位にいるヘタフェも戻って来て、マドリッド1部4チーム体制が復活するのを望んでいる、私のようなファンもいるため、レガネスもこの2週間を最大限に活用して、リーガ再開後の頑張りを期待したいところです。 ▽そしてお昼ご飯を済ました後、私はビセンテ・カルデロンへ向かったんですが、その日がスペインでは“El Dia de Padre/エル・ディア・デ・パドレ(父の日)"だったのと、ここ数日、急に春めいてきた気候のおかげもあったんでしょうかね。後でシメオネ監督も「No parecia un partido de Liga, sino de Champions/ノー・パレシア・ウン・パルティードー・デ・リーガ、シノ・デ・チャンピオンズ(リーガ戦ではなく、CLのようだった)」と驚いていましたが…。いやあ、水曜にあったCL16強対決レバークーゼン戦2ndレグとはスタンドの熱気が雲泥の差。それもそのはず、相手は3位のセビージャで、ええ、今シーズン終了後にお別れOB試合の予定も決まっているスタジアムで8月にCLプレーオフを戦うなんて、間抜けな事態を避けるための“final(フィナル/決勝)"と、誰もが思っていた試合だったから。 ▽それがいきなりヴルサリコの負傷でケチがついた時には少々、暗雲が立ち込めなかった訳ではありませんが、やはり向こうに先週、レスターに予想外の逆転負けをして、CL敗退となったショックが残っていたのがラッキーだったんでしょうかね。大した攻撃は受けず、序盤にはガメイロのシュートが枠を直撃するなど、惜しい場面はあったんですが、その日は何とも喜ばしいことに今季、リーガ20チーム中下から2番目に低いセットプレーからの得点率を記録しているアトレティコが往年の特技を思い出してくれたんですよ。そう、35分、エリア前右側でFKをもらったところ、珍しくキッカーをグリーズマンが務めたんですが、いやあ、プライベートでも仲がいいだけにあうんの呼吸なんですかね。見事にゴディンの頭にヒットして、先制点を挙げてくれたから、サポーターもどんなに盛り上がったことか。 ▽おまけに60分にもグリーズマンはレアル・ソシエダ時代から、当時の同僚、GKクラウディオ・ブラボ(現マンチャスター・シティ)相手にセッション終了後も居残り特訓していたという直接FKの妙技を披露。これがゴールバーに当たって入り、2点目となってくれたとなれば、毎試合、GKとの1対1で失敗したり、絶好のチャンスで外したりしてしまうことがあるとて、やっぱり凄い才能の持ち主と認めるしかないかと。ええ、これにはサンパオリ監督も「cuando empezamos a controlarlos vino el gol a pelota parada/クアンドー・エンペサモス・ア・コントロラールロス、ビノ・エル・ゴル・ア・ペロータ・パラダ(ウチが試合をコントロールしだした時にセットプレーでゴールを奪われた)。後半も同じだった」と、悔やんでも悔やみきれないようでしたっけ。 ▽その直後、シメオネ監督はガメイロと交代でトーレスをピッチに入れ、レバークーゼン戦の時、45分間アップをしながら、出場機会を与えなかったため、世間で取り沙汰された不仲説を払拭。うーん、これで彼が復活ゴールを決めてくれれば、この試合の結末として最高だったんですけどね。71分、カウンターからガイタン、カラスコと繋ぎ、ファンフランがエリア内右奥から撃ったシュートがGKセルヒオ・リコに弾かれた時、無人のゴール前にいたのは現在のチームで最多の4得点、セビージャキラーとして君臨しているコケ。さすがにこの状態で的を外すことはなく、チームの3点目を決めてくれます。 ▽結果的にそのゴールで助かったのは85分、トーレスのvaselina(バセリーナ/ループシュート)が失敗したのに気を取られているうちに、セビージャの方のFWコレアが単独でGKオブラクを襲い、名誉の1点を取られてしまったせいで、何せ、シーズン前半戦では1-0で負けているアトレティコですからね。2-1だと、直接対決における得失点差がなくなってしまうところ、3-1であれば、最後に同じ勝ち点で並んだとしても相手を上回れるため、コケの3点目の功績は大きかったと言えましょう。 ▽え、それより何より、重要なのは3節前には9ポイントまで開いていた3位との差が2ポイントに縮まったことじゃないかって? その通りで、「素晴らしいシーズンを送って、世間やマスコミから賞賛されているセビージャ相手だけに、el resultado ensalza aun mas el partido que hizo el Atletico/エル・レスルタードー・エンサルサ・アウン・マス・エル・パルティードー・ケ・イソ・アル・アトレティコ(この結果はアトレティコのやった試合を尚更、褒め称えるものになる)」とプレーには満足しつつも、「残り試合数から考えてまだ差は大きい」とシメオネ監督はあくまで慎重でしたけどね。チーム内には状況の急変にしれっと態度を翻す選手もなきにしもあらず。 ▽何せ、一番最初に4位死守を口にしていたキャプテンのガビからして、この節、レアル・ソシエダとビジャレアルが負けていたせいもあるんですが、「El cuarto puesto ya queda lejos, ahora vamos a por el tercero/エル・クアルト・プエストー・ジャー・ケダ・レホス、アオラ・バモス・ア・ポル・エル・テルセーロ(4位はもうかなり遠のいた。今は3位を取りにいく)」ですもの。となれば、カンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の後輩、コケが「Hemos dado un golpe en la mesa/エモス・ダードー・ウン・ゴルペ・エン・ラ・メサ(ボクらは机をガツンと叩いてやった/衝撃を与えるの意)」と、やたら大きく出ていたのもムリはなかった? ▽いえ、同じ後輩でも「チームのイメージ、一体感は凄く良かったけど、調子に乗っちゃいけない。Hay que pensar partido a partido, no perder la filosofia/アイ・ケ・ペンサル・パルティードー・ア・パルティードー、ノー・ペルデル・ラ・フィロソフィア(1試合1試合と考えて、フィロソフィを忘れてはいけない)」というサウルのように堅実な選手もいるんですけどね。実際、離れたと言っても5位との差は、アトレティコもセビージャとたったの2試合で詰めた5ポイントだけ。この先、後続との直接対決やマドリーダービーだってあるんですから、その時に泣きを見ないよう、選手たちが今の調子をキープしてくれるといいのですが。 ▽ただ、今週からは16人招集されているお隣さんと同様、アトレティコも13人が各国代表に出向。バルデベバス(バラハス空港の近く)同様、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でも活動は最小限になってしまうんですが、逆に大賑わいだったのは月曜のラス・ロサスのサッカー協会施設でした。ええ、スペイン代表の合宿が始まり、丁度、前日の父の日が祝日だったための代休で、子供たちに学校がなかったのが良かったんでしょうね。午後6時半からの公開練習ではスタンドに人が鈴なりになっていましたが、トレーニング自体は前日に試合をした選手が過半数だったため、比較的軽いものだったよう。 ▽ちなみに今回、マドリーからの参加はラモス、カルバハル、ナチョ、イスコ、モラタの5人で、アトレティコからはコケの1名だけ。いえ、同日、同じ施設で合宿を始めたU21代表の方にはサウールが呼ばれ、再びアセンシオとの友情を深めていますけどね。若い子たちは夏のユーロ大会に向けたデンマークとイタリアの親善試合を2つこなすだけなのに比べ、大人の代表にはこの金曜日、2018年W杯予選のイスラエル戦が入っている分、ちょっと大変でしょうか。 ▽その他、A代表で目新しいのはマドリーからソシエダに戻って、復調著しいイジャラメンディが初招集されたことと、これまでU21で活躍していたデウロフェウ(ミラン)の昇格。また、2016年のユーロ以来、ご無沙汰していたペドロ(チェルシー)が戻って来たことですが、何せ総勢25名と、ロペテギ監督のリストはいつも人が多いですからねえ。ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート都市、スポルティングのホーム)での予選と、来週火曜にスタッド・ド・フランスで行われるフランスとの親善試合の2つで全員がプレーできるかは疑問。まあ、スペイン代表の情報はこれから追々伝えていきますが、彼らも同グループで現在、勝ち点が同じイタリアと10月マッチレースが続くため、楽な試合でも決して油断はできませんよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.03.21 11:25 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】同国勢対決がなかった…

▽「敵を討ってあげるって言ってもダメかしらね」。そんな風に私が呟いていたのは金曜日、お昼のCL準々決勝抽選でアトレティコの相手がレスターに決まったのを知った時のことでした。いやあ、今週は16強対決2ndレグの残りが行われ、世間ではスペイン勢4チーム全勝ち抜け後のユーロクラシコやユーロマドリーダービーの予想で盛り上がっていたりもしたんですけどね。何と、火曜にレスターと対戦したセビージャが1stレグでは2-1で勝っていたにも関わらず、キングパワー・スタジアムで2-0と負け、敗退してしまったから、私も驚いたの何のって。 ▽うーん、ヨーロッパリーグを昨季まで3連覇、泣く子も黙る大会史上最多の5回優勝を達成しているセビージャですが、やはりCLでは準々決勝進出をしたことがないという経験不足が祟ったんでしょうかね。ただ内容的には頼みの綱だったナスリが、1点さえ取れば延長に持ち込めるという状況だった後半26分、バーディの挑発に乗って2枚目のイエローカードをゲット。チームを10人にしてしまった上、ヨーロッパで指揮を執るのが今季初めてのサンパオリ監督までその10分後には退席処分になるという、悔しがって当然という事情もなきにしもあらず。 ▽だったら、アトレティコが頑張ってレスターをCLの次ラウンドで倒す代わりに、この日曜のリーガ戦ではまだ勝ち点差も5あることですし、手加減してくれないかと思った次第ですが…いえ、やっぱりないですよね。何故なら、優勝の目がなくなったセビージャにとって、来季ヨーロッパの大舞台に戻ってリベンジを果たす道は4位以上のリーガフィニッシュオンリー。もちろんアトレティコの目標も同じですが、ここ3年で2度も大願成就直前で敗れているせいでしょうか。その辺はセレソ会長からして、「Toque quien toque, tenemos la misma ilusion, llegar a la final/トケ・キエン・トケ、テネモス・ラ・イルシオン、ジェガール・ア・ラ・フィナル(どこと当たったとしてもウチは同じ夢を持っている。決勝進出だ)」と至極控えめ。でもお、準優勝じゃ、CLグループリーグ出場特権ないですよ。 ▽ただ、この水曜にアトレティコが戦ったレバークーゼンとの2ndレグを見れば、あまり大きなことも言えないのもわかるというもので、いえ、先週のPSGや同日のマンチェスター・シティのように相手にremontada(レモンターダ/逆転劇)を許すような過ちは、さすがにビセンテ・カルデロンを満員にしたファンの前では犯さなかったんですけどね。1stレグに2-4と過度な余裕で勝っていたため、選手たちのプレーに「Nos valia con cero a cero, no hemos ido al ataque como locos/ノス・バリア・コン・セロ・ア・セロ、ノー・エモス・イドー・アル・アタケ・コモ・ロコス(0-0で十分だったから、ウチは気が狂ったような攻撃には出なかった)」(グリースマン)という態度が反映されてしまっていても仕方なかったかも。 ▽同様に3点を取っての逆転突破を目指さないといけなかったレバークーゼンもかなり達観していたのか、前半はグリースマンやコレア、コケのシュートがGKレノにセーブされていたぐらいで、ほとんど何も起こらないまま、両者無得点で終了。後半も同じような展開になるかと思いきや、22分にいきなり見せ場がやってきたんですよ! いえ、元はと言えば、ヒメネスが自陣エリア前で敵にボールを奪われてしまったのがいけないんですけどね。まあ、そこのところはその少し前に彼は接触プレーで鼻を打撲。骨折した状態でプレーしていたためについ、ミスッてしまったんだと楽観的に理解するしかありませんが、同僚の失態を有り余る好プレーで補ってくれたのはGKオブラク。 ▽まずはエリア内正面から撃ってきたブラントの一撃を弾き、その跳ね返りを右側からフォラントが蹴ったボールも弾いた上、同選手の最後のトライも反転して肩でブロック。最後にチチャリートの左側からのシュートが外れてくれたのはラッキーでしたが、これだけの連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)を見せられたら、アトレティコ歴代名GKのデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)やクルトゥワ(チェルシー)が来季、お隣さんに加入することになったって、まったく惜しむ必要はない? うーん、オブラクにも先日のデポルティボ戦ではうっかりゴールキックを近くの敵に蹴ってしまい、失点してしまったなんてポカがない訳ではないんですけどね。 ▽その日は他に特筆すべきプレーもなかっため、レバークーゼンのタイフン監督は「彼だけでなく、アトレティコは何人もの選手がゴールをカバーしていて、ウチは隙間を見つけられなかった」と言っていたものの、2ndレグを無得点に抑えた彼が、必然的に4年連続のCL準々決勝進出の立役者になることに。まあ、終盤はカラスコを、こちらはリーガ前節のグラナダ戦で鼻骨骨折してマスクを装着しているCBサビッチに代え、「時間が経つにつれ、敵が試合への恐れを忘れてくるかもしれなかったから、ヒメンスをボランチにして、グリースマン1人を前線に残した」シメオネ監督ですからね。 ▽その心は「Nos quedamos todos con la idea de que se podia tener la pelota para que el tiempo pasase/ノス・ケダモス・トードス・コン・ラ・イデア・デ・ケ・セ・ポディア・テネール・ラ・ペロータ・パラ・ケ・エル・ティエンポ・パサセ(ウチは全員、ボールを保持して、時間が経つのを待つという考えでまとまっていた)」となれば、試合が面白くならなかったのは仕方ない? そのままスコアレスドローで終わったんですが、何せここ2年間、16強対決ではPK戦の苦しみを味わっていたアトレティコですからね。あんなドキドキを再々体験することなく、準々決勝進出が決まったのにはきっとファンもホッとしていたかと。 ▽ただ唯一、残念だったのはせっかく、頭部の打撲から回復。その日2週間半ぶりにベンチに復帰して、後半はずっとアップをしていたフェルナンド・トーレスを監督が使わず、交代枠も1人余らせてしまったことですが、まあ次は大事なリーガの天王山ですからね。スタンドが「Cholo sacalo!/チョロ・サカロ(シメオネ監督、彼を出せ)」と歌っていたのも結局、負傷者多発で駆り出されていた、実質戦力外のチェルチに対してのからかいだったようですし、トーレスには日曜午後4時15分(日本時間翌午前零時15分)からのセビージャ戦で、ビセンテ・カルデロンのサポーターを安心させてもらえばいいかと。そうそう、足の付け根を痛めてレバークーゼン戦を欠場したガメイロも木曜には全体練習に復帰。ガビも指は骨折しているものの、プレーに支障はないため、今度はベストメンバーで挑めそうですよ。 ▽え、それよりCL準々決勝で大変なのはお隣さんじゃないかって? そうですね、4月は8日の土曜日にシーズン後半マドリーダービーがあるため、例年に倣って、今年はダービー祭りになるんじゃないかと、私も恐れていたんですが、ユベントスを引き当てたバルサ同様、レアル・マドリーもヨーロッパの老舗の強豪、バイエルンと顔を合わせることに。ええ、5年前の準決勝ではサンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグでPK戦にもつれ込み、セルヒオ・ラモスが最後のキックを天高く打ち上げて敗退が決まったなんてイヤな思い出もある相手ですが、3年前の準決勝ではアリアンツ・アレナで当人の2発を含む0-4で大勝とリベンジもしているため、すでに選手たちの頭の中はいい方に書き換えられている? ▽ただ当時とは違いがあって、奇しくも最後の対戦でマドリーを率いていたアンチェロッティ監督が今ではバイエルンを指揮。それだけに当人も昨季の準決勝アトレティコ戦でマドリッドを訪れた時より数段、流暢になったドイツ語で、「Die Spiele gegen Real sind naturlich speziell fur mich/ディ・シュピーレ・ゲーゲン・レアル・ジンド・ナトゥーリッヒ・シュペツィエル・フュア・ミッヒ(マドリー戦は自分にとってもちろん特別な試合だ」と話していましたが、3年前は彼のアシスタントだったジダン監督もその思いは一緒だったよう。「Sera especial enfrentarme a el, aprendi mucho a su lado/セラ・エスペシアル・エンフレンタールメ・ア・エル、アプレンディ・ムーチョ・ア・ス・ラドー(彼と対戦するのは特別だね。彼の横で自分は沢山、学んだよ)」と言っていましたが、この師弟対決、果たしてどちらに軍配が挙がるのでしょうか。 ▽まあ、因縁と言えば、ロッベンやシャビ・アロンソは元マドリーですし、逆にクロースはバイエルン出身とか、イロイロ出て来るんですが、試合があるのはアトレティコvsレスター戦と同じ、4月12日、18日ですので、その辺はおいおいと。うーん、前後をダービーとクラシコで挟まれているだけに、ビッグゲームが続いて、選手たちにはキツそうですけどね。となると、この土曜午後4時15分、EL32強対決でアポエルを前に敗退し、今週は試合がなくて体力満々。更にエースのアドゥリスも復活したアスレティクとのリーガ戦では何としても勝って、現在2位のバルサと勝ち点差2、未消化分のセルタ戦を楽観的に勘定に入れれば、5差となるアドバンテージをキープしておかないといけないかと。 ▽ちなみにこのサン・マメス(アスレティックのホーム)での一戦では、ここ2試合出場停止だったベイルが復帰。いえ、最近はBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)が揃い踏みすることに異論もなきにしもあらずなんですが、この節が終わると代表戦週間に入りますしね。ウェールズ代表に行くベイルも足慣らしが必要でしょうし、フランス・サッカー協会会長から招集OKの弁を得ても、デシャン監督に呼ばれなかったベンゼマは前節ベティス戦では途中出場だったので、運動不足を解消しておかないと。ロナウドはまあ、いつも通りですが、まだ新しくなったサン・マメスではゴールを挙げていないだけに、モチベーションには事欠かないはずです。 ▽そしてマドリッドの新弟分、レガネスは日曜正午からブタルケに1つ上の16位にいるマラガを迎え、再び残留に向けての戦いを再開するんですが、彼らもparon(パロン/中断期間)後はレアル・ソシエダ、マドリーと強敵が続きますからね。前節、セビージャを引き分けた心意気を保てれば、勝ち点2差のデポルティボを抜いて、15位という高みで2週間過ごせるんじゃないかと思いますが、さて。ちなみにそのデポルティボと日曜に当たるセルタは木曜に無事、EL16強対決クラスノダール戦2ndレグに0-2で勝って、総合スコア4-1で準々決勝進出が決定。こちらは4月にベルギーのヘンクと当たることになりました。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.03.18 11:30 Sat
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【倉井史也のJリーグ】どっかの監督の代わりに見ておくべき選手を見に行こう?! の巻

▽あぁ、よくわかりましたよ。どっかの監督って、あんまりJリーグ見てないみたいですね。こんなに好調なのに代表外されちゃうって、リーグの開幕に帰ってこなかった理由は、ヨーロッパの選手たちと会ってたからかよ! 出ても出なくても関係ないのかよ! 自分でトレーニングしてても、ヨーロッパにいたらいいのかよ! なんで今回は通訳が違うんだよ! どうしてハリルホジッチ監督は質問された内容と全然違う答えを延々としゃべり続けるんだよ! 相手にうんざりさせて二の句を告げさせない作戦かよ! ▽ってもう完全にお腹が立っていらっしゃる状態なんですけど。だいたい、この発表の度にドキドキしながら待ってる名前があるんですよ。散々監督に貢献したのに、パタッと呼ぶのを止めてしまってる選手……。あ、みなさん、そう聞くと、「あれかな?」「あれだろう!」って結構思い浮かばないですか? ▽まぁ最初にかわいそうでならないと思ったのは、浦和のFW武藤雄樹なんですけどね。東アジアカップの時は唯一活躍してたのに、あれ? その後青いユニフォーム姿、あんまり見てませんよね。ちょっとかわいそうじゃないですか? で、今回も絶対呼ぶべき選手がいたと思うんですよ。 ▽そりゃもちろん、川崎のMF大島僚太。だって前回のUAE戦の時は、いきなり代表初出場で投入されて、PK取られちゃって、本人悔しかったと思うんですよ。だったら今回のアウェイはその苦い思い出をバネにできる、いいチャンスじゃないですか。でもね、名前も挙げてあげないなんて、マジちょっとかわいそうで仕方がない。 ▽ちゅうことで、今週は大島を見に行きますよ。あ、しかもすごくいいことが。だって18日、横浜FMvs三浦文丈、じゃなかった新潟が14時キックオフ、FC東京vs川崎Fが19時キックオフじゃないですか。16時に試合が終わって、バッチリ間に合う時間です。ちなみに経路は16時35分の横浜線快速に乗って橋本駅まで。そこで今度は17時18分の京王相模原線の準特急に乗って調布へ。んでもって、17時40分の京王線各停高尾山口行きに乗って飛田給着が17時43分。ま、誰かの代わりにしっかり見ておきましょうかね。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.03.17 08:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】気になるUAE戦の主審

▽3月23日から始まるロシアW杯アジア最終予選のUAE戦とタイ戦(28日)に臨む日本代表25名が16日に発表された。すでにメンバーとハリルホジッチ監督のコメントはニュースで掲載されているので割愛するが、興味深かったのは指揮官が会見の冒頭と終わりに、3回もレフェリーについて言及していたことだ。 ▽最初は「選手たちは誰も第1戦(昨年9月のUAE戦、1-2で敗戦)を忘れていないと思う。われわれにとってリベンジの機会でもある。W杯の出場権は誰もプレゼントしてくれない。もしかしたら暴力的なことや挑発もあるかもしれないし、フィジカル的な戦いもあるだろう」とした上で、「そのような中でもスポーツマンシップに則って、ルールに則って戦うことができればと思うし、適正なレフェリングを期待している」と、やんわり牽制した。 ▽そして終わりの頃には「たとえば初戦、私は思い出すと39度くらい熱が上がるのであまり思い出さないが、内容は悪くはなかった。守備でも攻撃でも興味深い点があった。少し細かいミスがあったが、それにプラスしてレフェリー影響があり、受け入れがたい試合だった。だからこそリベンジしたい」と語り、最後には「レフェリーに厳正な判定を期待したい」と締めくくった。 ▽終わりの頃の2つの発言は、記者の質問に答えているうちに、話が脱線してレフェリーに話題が及んだものだ。ハリルホジッチ監督は、よほどカタール人レフェリーのアル・ジャシム主審のジャッジに腹が据えかねているようだ。1点目につながったDF吉田麻也の反則は、相手の腕に軽く触れただけで吉田にはイエローカードが出て、FKを与えてしまった。デュエルを求めるなら流してもいいプレーだ。 ▽決勝点は3人で囲みながら、MF大島僚太が足を引っ掛けたとしてPKを取られた。このプレーについて、昨年のW杯予選サウジ戦かCSか、記憶は定かではないが、元審判委員長の上川徹とエレベーターの中でご一緒したので、PKかどうか質問したことがある。上川氏の答えは「足が掛かっていたのでPKでしょう」というものだった。 ▽しかし、すぐに我ながら愚問だと気付いた。PKというジャッジが下された以上、審判経験者が「あれは誤審です」と言うはずがない。立場上、下されたジャッジは認めざるを得ないのが上川氏でもあるからだ。さらに、FW浅野拓磨のゴールも認められなかった。これではハリルホジッチ監督に限らず、レフェリーに文句を言いたくなるものだ。 ▽昨年のACL決勝はアル・アインと全北現代が対戦した。全北現代は韓国らしいフィジカルを前面に押し出したサッカーで、アル・アインのエース、MFオマル・アブドゥルラフマンに何も仕事をさせなかった。アウェイではあるが、日本もデュエルを前面に押し出して戦えば、UAEは決して怖がらなければならないような存在ではない。ただし、問題はどの国のレフェリーが主審を務めるかだ。 ▽まだAFCの公式ホームページに試合のデータはアップされていないため確かめようがないが、できれば中東でも極東でもない第3国となるオーストラリアの審判団を期待したいものだ。23日はUAE対日本戦の3時間30分前に、タイがホームでサウジと対戦する。タイはホームでオーストラリアと引き分けただけに、こちらもサプライズを期待したい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.03.16 23:30 Thu
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【東本貢司のFCUK!】クラブレジェンドの“貫目”

▽ンゴロ・カンテについて、フランク・ランパードが「現役世界最高のミッドフィールダー」だと言ったらしい。納得するファンも多かろう、少なくとも「当たらずとも遠からず」といったところだろう。しかし、ちょっと待った。カンテがもしチェルシーのプレーヤーじゃなかったら? ランパードがわざわざそこまで声を上げて褒めちぎっただろうか。素直な感想にケチをつけるつもりは毛頭ないが、ひいき目の要素は押さえておくべきではないか。なぜなら、先のFAカップ戦でスタンフォード・ブリッジのファンがジョゼ・モウリーニョに対して冷やかし/侮蔑的なやじを飛ばした事実に思い至るからだ。二度の解任の際の後味の悪さや“口の悪さ”という瑕疵(?)は確かにあるにしろ、モウリーニョはチェルシーが果たした1部優勝5回のうち3つに導いた、史上最高の指導者ではないか。どうせならランパードもそのことに触れて「哀しい」とくらいは言ってほしかったが・・・・・。 ▽実際に、その“哀しみ”を口にした人物がいる。モウリーニョ・チェルシー時代に副官を任じたこともあり、クラブ史に名を残すレジェンドの一人、レイ・ウィルキンズだ。付け加えておくと、ウィルキンズは80年代のイングランド代表でキャプテンを務めたトッププレーヤーであり、そのうえ他ならぬマンチェスター・ユナイテッドに籍を置いていたこともある。彼曰く「チェルシーを最も輝かせてくれた男にそんな仕打ちをするとは恥ずかしい。もっと敬意を示すべきだろう」。そうなのだ。例えば、ジョージ・グレアム。ヴェンゲル到来の少し前、アーセナルに「ダブル」(リーグ&FAカップ)をもたらした名将に対し、リーズおよびスパーズの監督として彼がハイベリー(当時)に帰ってきたとき、ガナーズファンは万雷の拍手で迎えたものである。アーセナルから追われた理由が、北欧のプレーヤー2名獲得の際の「収賄(疑惑)」だったにもかかわらず。それは90年代に入ったばかりのことだった。まさか、チェルシーファンは忘れっぽいなんてことはあるまい? ▽それにひきかえ、レスターのサポーターは(まだ「間もない」とはいえ)ラニエリへの恩を熱く語り「哀しんで」いる。そこには決して、後を引き取ったクレイグ・シェイクスピアを腐す意味合いはなく、シェイクスピア自身もしっかりと敬意と“慕情”を隠さない。なぜ、ラニエリ解任後のレスターに快進撃が蘇ったのか。短絡な脳は「だから、ラニエリがダメだったってことだろう」と片付けるかもしれないが、それはまったく逆だ。ラニエリを去らせてしまった責任を感じて、シュマイケル、ヴァーディー以下が奮起したのであり、何よりもシェイクスピアが昨シーズン花開いた“ラニエリ流”の原点に戻った采配に徹しているからだ。間違っても、アーセナルをねじ伏せたリヴァプールが「不調」だったとは言わせない。レッズもハルも気圧されたのだ、レスター・イレヴンのラニエリに捧ぐ“回帰”の熱気と気迫に。セヴィージャも間の悪いときに乗り込んできたものである。ひょっとしたら「ラニエリ監督のままだったらよかったのに」と嘆いているかもしれない? ▽昨シーズンとはまるで人が変わったように、凡プレーを連発していたドリンクウォーターとフークスが、なぜか“直後”のリヴァプール戦から“復活”した。カンテの抜けた穴をまったく感じさせない、全軍躍動のオールコート・ディフェンスがさく裂する。急に得点感覚を取り戻したヴァーディーには“(移籍)価格”高騰の噂すら飛び交っている。ならば、なぜそれが“息をひそめて”いたのか。そう、彼らは予想外のチャンピオンになってしまった“重荷”に、奇妙な“とってつけのプライド”を身にまとおうとしたのではなかったか。恥ずかしいゲームはできない、相手は目の敵にして立ち向かってくるだろう、そのためには何かプラスαがなければ・・・・とか何とかの強迫観念に(無意識のうちに)とらわれていたのだろう。それが証拠に、チャンピオンズでは無心に「自分たちのプレーができて」(おや? どこかで聞いたセリフ)悠々と勝ち進んできたではないか。言葉は悪いが「負けてもともと」の肩の力が抜けた彼らの本領が“初体験の土俵”で生きたのだろう。 ▽だからこそ、ブッフォンは真っ先に「一番当たりたくないチーム」とレスター警戒を口にした。少しはプレミアを知るアンチェロッティも遠からずの気持ちかもしれない。奇跡の逆転劇の直後、まさかの対デポルティーヴォ敗戦に肩を落としているはずのルイス・エンリケには、レスターの「レ」の字も関係ないか。逆に、レスターが一番避けたい相手はモナコかもしれない。モナコにもプレッシャーに(良い意味で)鈍感なあっけらかんさを感じる(のは筆者だけ?)からだ。それを言えば、嗚呼、堅調に戻ったはずのシティーの不甲斐なさよ。あんな、マークの甘さでホームのモナコを黙らせることができると思ったのだろうか。グアルディオラもさぞやため息を・・・・その一方で、内心、あの“かっ飛び”核弾頭のムバッペをマジで獲りにいこうか、などと考えているかもしれない。おっと待った、せっかく、クラブレジェンド・アンリの「再来」といわれるからにはアーセナルに行ってもらわないとね。それがヴェンゲル続投のまたとない説得力になるやもしれないし・・・・!【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.03.16 11:15 Thu
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若手の登竜門・ルヴァンカップで観たいヤングガンズ14名!《YBCルヴァンカップ》

▽15日、JリーグYBCルヴァンカップが開幕する。25周年を迎えるリーグカップ戦は、AFCチャンピオンズリーグに出場している鹿島アントラーズ、浦和レッズ、川崎フロンターレ、ガンバ大阪を除くJ1所属の14チームがグループステージから参加する。 ▽今大会からレギュレーションで、21歳以下の選手1名以上のスタメン起用が決定しており、若手の公式戦出場機会の確保を実現。各チームともにユース出身、高校からの新入団選手をスタメンに起用することになる。 ▽そこで、開幕を前に超ワールドサッカー編集部が各チームの21歳以下の選手を1名ずつピックアップ。グループステージに登場する14チームの注目ヤングガンズを紹介する。 【グループA】 ◆FW菅大輝(北海道コンサドーレ札幌) 1998年9月10日(18歳) ▽札幌が誇るアカデミー育ちの至宝。昨シーズンは2種登録されると、明治安田生命J2リーグで5試合に出場。天皇杯でも2試合でプレーした。 ◆MF茂木駿佑(ベガルタ仙台)(C)J.LEAGUE PHOTOS1996年10月2日(20歳) ▽仙台ユース出身の期待の若手。2015年にトップチーム昇格を果たすと、デビューシーズンにJ1で11試合に出場。2016年1月にはアイスランド1部リーグのヴィキングル・レイキャビクに練習参加するなど将来が期待されている。 ◆MF黒川淳史(大宮アルディージャ) 1998年2月4日(19歳) ▽大宮のユース出身で、U-20日本代表候補にも選ばれる逸材。期待された昇格1年目は開幕前に左ヒザ前十字じん帯損傷の大ケガを負い、1年目を棒に振った。今シーズンの飛躍に注目。 ◆DF古賀太陽(柏レイソル) 1998年10月28日(18歳) ▽今シーズンすでにJ1デビューを果たし、先発出場も経験。柏の下部組織で育った右サイドバックで、その名の通り“柏の太陽”になることが期待されている。 ◆DF小川諒也(FC東京)Getty Images1996年11月24日(20歳) ▽正確なクロスが売りの左サイドバック。昨シーズン序盤は先発出場を続けポジションを確保したかに思われたが、徐々にパフォーマンスを落とし18試合の出場に留まった。今シーズンはDF太田宏介の復帰でポジション争いが激化。カップ戦での活躍でポジションを奪えるか。 ◆FW北川航也(清水エスパルス)Getty Images1996年7月26日(20歳) ▽昨シーズンのJ2では途中出場がメインながら30試合に出場し9得点を記録。経験を積み、結果も残している。今季はカップ戦での活躍でスタメン奪取を目指したい。 ◆MF針谷岳晃(ジュビロ磐田)(C)CWS Brains,LTD.1998年10月15日(18歳) ▽ボールの扱いに長けており、攻撃の起点になることが期待される高卒新人。まだプロデビューは果たしていないものの、司令塔としての成長が期待されている。カップ戦で経験を積み、磐田の主軸になることが期待される。 【グループB】 ◆MF遠藤渓太(横浜F・マリノス)Getty Images1997年11月22日(19歳) ▽昨シーズンは途中出場が多かったもののJ1で23試合に出場。U-19日本代表としても活躍し、5大会ぶりのU-20W杯出場に貢献した。右サイドでの縦への推進力が魅力で、今シーズンはゴールに期待したい。 ◆FW森晃太(ヴァンフォーレ甲府)Getty Images1997年6月13日(19歳) ▽昨シーズンは途中出場から攻撃のアクセントになる機会が多かったものの、負傷により戦線を離脱。ポテンシャルは高いものを持っており、ゴールの匂いがする選手。 ◆MF原輝綺(アルビレックス新潟)(C)J.LEAGUE PHOTOS1998年7月30日(18歳) ▽高卒新人ながら開幕戦でJ1デビューを果たすと、3試合連続で先発出場。センターバックとしては異例の抜擢と言える。U-20日本代表としてもプレーし、今後の成長から目が離せない。 ◆MF丸岡満(セレッソ大阪) 1996年1月6日(21歳) ▽ドルトムントでの経験を経て、昨シーズン復帰した丸岡。昨シーズンは明治安田生命J2リーグでわずか3試合の出場に終わったが、今シーズンはここまでJ1で2試合に出場。経験を積んで先輩たちに追いつきたい所だ。 ◆MF中坂勇哉(ヴィッセル神戸)(C)J.LEAGUE PHOTOS1997年8月5日(19歳) ▽昨シーズンもルヴァンカップでブレイクを果たし、ニューヒーロー賞の候補にもノミネートされていた。ボックス付近での落ち着いたプレーと攻撃センスはピカイチ。今シーズンもカップ戦での活躍が期待される。 ◆MF森島司(サンフレッチェ広島)(C)J.LEAGUE PHOTOS1997年4月25日(19歳) ▽昨シーズンはリーグ戦の出場機会がなかったものの、今シーズンは開幕から3試合全てに出場。2シャドーの一角として持ち前のドリブルテクニックを駆使し、ゴールに絡むプレーが観たいところだ。 ◆FW田川亨介(サガン鳥栖) 1999年2月11日(18歳) ▽今シーズンからトップチームに昇格した田川は第2節の川崎フロンターレ戦でデビュー。サンフレッチェ広島戦にも出場し、着実に経験を積んでいる。まずはカップ戦で初ゴールを奪い、鳥栖の攻撃陣の一角を担う存在に成ることが期待される。 2017.03.15 18:45 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】後ろは振り返っちゃいられない…

▽「ちゃんとカメラは戻ったのね」そんな風に私が驚いていたのは月曜。ベティス戦後のミックスゾーンでセルヒオ・ラモスが喋っている映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、前日の夜は私もサンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンにいたんですけどね。マルセロに続いてモドリッチが登場したため、いつも2人しか選手を出さないレアル・マドリーですし、すでに時計の針も12時過ぎ。TV各局のクルーも撤退していたとなれば、久々にちがう選手の話を聞けたと満足していた私がスタジアムを後にしてしまったとしても無理はなかった? ▽それが驚いたことに、メトロ(地下鉄)の駅に向かう途中もラジオ・マルカ(スポーツ専門放送局)をつけっぱなしにしていたところ、いきなりラモスの囲み会見が始まるんですから、やられた感の半端ないことといったら! うーん、同郷のモドリッチのコメントが取れて、嬉しそうにしていた顔馴染みのクロアチア人記者から、帰りがけに「ラモスは待たないの?」と冗談交じりに訊かれてはいたんですけどね。このところ、マドリーの成績が安定せず、敗戦や引き分けのたびに言い訳会見をしていたキャプテンですし、試合直後のピッチインタビューも受けていたため、「いくら何だって、6試合連続でミックスゾーンに出て来る訳ないじゃないの」と勝手に判断してしまった自分が悪いんですが…いや、その日の試合同様、ラモスのやることは常識で判断しちゃいけないって、本当に勉強になりましたよ。 ▽まあ、その辺はまた後からお話しますが、先週末のリーガはマドリッド勢、皆がハッピーになれる結果に。始まりは土曜、サンチェス・ピスファンでセビージャに挑んだ新弟分。相手は今週火曜にクラブ史上初のCL準々決勝進出が懸かった16強対決レスター戦2ndレグ(1stレグは2-1で勝利)が控えているため、気が散っていたんですかね。開始2分にエル・ザールのラストパスから、ガブリエウ・ピレスが器用なバックヒールでゴールを挙げ、レガネスが見事に先制。前半終了までもう少しという42分にはヨベティッチに同点弾を決められてしまったものの、後半何とか持ちこたえて、1-1の引き分けをもぎ取っているんですから、頑張ってくれたじゃないですか。 ▽そして夜は先輩格のアトレティコがセビージャ(スペイン南部、アンダルシア地方の首都)からそれ程、遠くないグラナダ(アルハンブラ宮殿で有名な町)でキックオフとなったんですが、CL戦を控えているのは同じとはいえ、こちらはフェルナンド・トーレスやガメイロ、ガビら、欠場者が多かったのが響いたんですかね。前半はカラスコやグリーズマンのゴールがfuera de jugo/フエラ・デ・フエゴ(オフサイド)で取り消されたぐらいで、どちらも得点することなしに終了。このままではスコアレスドローになりかねないと心配したか、シメオネ監督は後半頭からトーマスの代わりにコレアを入れたんですが、あまり代わり映えはしませんでしたねえ。 ▽それどころか、グラナダに決定力のあるストライカーがいないため、ゴールにこそなりませんでしたが、シュートをどんどん撃ち始めたため、ガイタンをCBヒメネスに代え、彼にボランチをやらせて敵の攻勢を止めるなんて苦労もしていましたが…。またもや私が諦めかけたころ、ようやく才能を発揮してくれた選手がいたんですよ! 38分、コケが短いCKから繋いで、再びエリア前すぐ右からクロスを上げたところ、ワンクッション置いたせいでマークが外れたのか、グリーズマンがヘッドでネットに収めてくれたから、どんなに助かったの何のって。 ▽まあ、シメオネ監督によると、「El cabezazo es por la tecnica mas que por la altura/エル・カベサソ・エス・ポル・ラ・テクニカ・マス・ケ・ポル・ラ・アルトゥーラ(ヘッディングが決まるのは身長より、テクニックのおかげ)」なんだそうですが、決して長身FWとは言えないグリーズマンが邪魔をされずにボールをミートするにはチームメートの協力が不可欠。地道なセットプレーの練習が実ったおかげで、何とか0-1で勝利をゲットと、レガネスのためにもなってあげられましたが、実際、降格圏にいる相手にここまで苦労しているのでは先が思いやられるかも。となると、シメオネ監督が「セビージャを見るのは良くない。Cinco puntos son muchos/シンコ・プントス・ソン・ムーチョス(勝ち点5差というのは大きいからね)。レアル・ソシエダもビジャレアルも強いから、4位の座を確定させるべきだ」と話していたのはもっともだった? ▽いえ、終了直後にマイクを向けられたコケなどは、まだ監督記者会見前だったせいか、「estamos felices por estar mas cerca del objetivo, que es ser terceros/エスタモス・フェリセス・ポル・エスタル・マス・セルカ・デウ・オブヘティーボ、ケ・エス・セル・テルセーロス(3位になるという目標に近づけて嬉しいよ)」と、素直に喜んでいましたけどね。実際、本当にアトレティコにここ数年、定位置の3位奪回の可能性が出て来るのは今度の日曜。直接対決でセビージャとの差を勝ち点差2まで近づけてから。その前、1stレグでは2-4でアウェイゴールをいっぱい持っているとはいえ、先週バルサがPSG相手に4-0を6-1で引っくり返したなんて例もあったことですし、0-3なら逆転敗退してしまう水曜のレバークーゼン戦2ndレグも気になりますしね。 ▽こうなるとそれこそ、「Nosotros tenemos que tratar de ganar todas las finales que nos quedan de aqui al final/ノソトロロス・テネモス・ケ・トラタル・デ。ガナーウ・トーダス・ラス・フィナレス・ケ・ノス・ケダン・デ・アキー・アル・フィナル(ウチはこれから最後まで残っている全ての決勝に勝っていかないといけない)」(ヒメネス)という姿勢でいってもらいたいものですが、さて。そんな目が離せないアトレティコvsレバークーゼン戦は水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。ロジャー・シュミット監督からタイフン監督に代わった相手にはCBトプラクが負傷、GKレノやベンダーら主力の出場が微妙と戦力的に不安がありますが、アトレティコもトーレスは月曜から全体練習に復帰したものの、ガメイロはまだ個別メニューですしね。グラナダ戦で終盤に鼻を強打、オブラクがタオルを貸してあげたり、コケが顔に水をかけて鼻血をゴマかそうとしたにも関わらず、結局骨折が判明したサビッチはマスクをすればプレー可能なようです。 ▽そして翌日曜、夕方の試合でバルサがデポルティボに2-1で敗戦するという不覚を取るという朗報(17位に落ちてしまったレガネスには凶報)を手にベティス戦を迎えたマドリーでしたが、また性懲りもなく、敵に先制されてしまったんですよ。いえ、前半20分に1人、ゴールに向かって来たダルコをエリア外に飛び出て迎え撃ったGKケイロル・ナバスは、相手にぶつかって倒してしまったものの、マテオ・ラオス主審が「Él sabe que hay contacto, me lo reconoce, pero no le da lo suficiente para pitarlo/エル・サベ・ケ・アイ・コンタクトー、メロ・レコノセ、ペロ・ノ・レ・ダ・ロ・スフィシエンテ・パラ・ピタールロ(接触があったのはわかっていて、それは認めていた。でもファールを吹くには十分じゃなかったって)」(セバージョス)とのことで、スルーしてくれたため、レッドカードは出されずに済んだんですけどね。 ▽それで心が乱れたかどうかは知りませんが、その4分後、せっかくサナブリアのシュートを止めながら、「Toco con la mano derecha y es mala suerte/トコ・コン・ラ・マノ・デレッチャ・イ・エス・マラ・スエルテ(右手に当たって、運が悪かった)」(ナバス)と、逃げたボールがラインを割ってしまったから、さあ大変! うーん、最近はベルナベウのサポーターの目がとりわけナバスに対して厳しくて、ポルトに移籍する前のシーズンのカシージャスのように、何かというとすぐにpito(ピト/ブーイング)が飛んできますからね。これでは落ち着いてプレーもできないんじゃないかと心配になりましたが、幸い40分にはマルセロのクロスをクリスチアーノ・ロナウドがヘッドでゴールして、同点でハーフタイムに入れることに。 ▽後半も後半でなかなか点が奪えなかったんですが、ハメス・ロドリゲスをルーカス・バスケスに、モラタをベンゼマにと、ジダン監督も前線を変えて四苦八苦していた75分過ぎ、私もこのまま引き分けたら、バルサと同じ勝ち点になって、またリーガが面白くなるかなと思っていた頃…。ベティスのピッチーニが2枚目のイエローカードをもらって、10人になってしまったの。ただそれが彼らの命取りになってしまったのは、その直後にCKを与えてしまったからで、ええ、ビクトル・サンチェス監督も「それまでウチはマドリーのセットプレーを上手くコントロールしていたが、退場のすぐ後でマークの調整ができなかった」と言っていましたけどね。 ▽クロースがCKを蹴る間、身長168センチの左SBドゥルミシが懸命にラモスを牽制していたものの、何せ相手はヘッドのスペシャリスト。デポルティボ戦では同様に小柄なジョルディ・アルバがベルガンティーニョを抑えられず、決勝点を奪われていましたが、ボールが落ちて来る一番肝心な瞬間に逃がしてしまってはいけません。これでリーガ7点目、CLでも先週のナポリ戦での2発を含めて3点と、今季のゴールを10本にしたラモスはまた、息子さんに電話を掛けるポーズやら何やら、イロイロなパフォーマンスをしていましたが、その一部は「Se lo dedico a mi mujer/セ・オ・デディコ・ア・ミ・ムヘル(自分の妻に捧げる)」(ラモス)ものだったよう。これまで1度も捧げてくれないのを芸能人の奥さん、ピラル・ルビオさんに文句を言われたからだそうですが、なかなか家庭を平和に保つのも大変ですね。 ▽え、それでもロスタイムにナバスのparadon(パラドン/スーパーセーブ)がなかったら、マドリーは追いつかれていたんだろうって? そうですね、ジダン監督が「Keylor tiene carácter aunque cometa un error/ケイロル・ティエネ・カラクテル、アウンケ・コメタ・ウン・エロール(ナバスはミスをしても強い気概がある)」と太鼓判を押していた通り、当人が「Tenía que seguir adelante/テニア・ケ・セギール・アデランテ(前に進まななければならなかった)と、サナブリアの至近距離ヘッドを鬼のような反射神経で弾いてくれたおかげというのは本当だったかと。 ▽うーん、こういうシーンを見ると、どんなにひどいミスをしてもすぐに忘れてしまえる選手が活躍するのがサッカーなんだという気がしてきますが…。まあそんなことはお隣さんを見ていれば、とっくの昔に明らかなこと。もちろんビクトル・サンチェス監督も「前半のナバスのプレーが試合のカギだった。Era de expulsión muy clara/エラ・デ・エクスプルシオン・ムイ・クラーラ(あれは明白な退場行為だったからね)。実際、ウチはピッチーニの退場をすぐに利用された」と嘆いていたように、運にも大きく左右されますけどね。おかげで2-1の勝利を掴んだマドリーはバルサに勝ち点差2をつけて、堂々首位に復帰。ええ、堂々ですよ。だって、まだ未消化のセルタ戦だって残ってるんですから。 ▽そんな彼らは今週のミッドウィークに試合がなく、火曜夕方まで休みで、その後は土曜までみっちり練習ができるんですが、それだけに余裕があるということでしょうかね。いえ、大して時間のないアトレティコでも、日曜のお休みにグリーズマンがパリまで大好きなラッパーのドレイクのコンサートに駆けつけていたぐらいですから、一概には言えないものの、月曜のお昼にはロナウドが市内のシュダッド・リネアルにできた、自身が経営するジム、CR7クランチ・フィットネスの2号店の入会金無料、会員募集プロモーションに出現。 ▽彼女のジョルジーナ・ロドリゲスさんが見守る中、選ばれた一般客と一緒にトレーニングを楽しんでいましたが、面白かったのは今では都市伝説と化していた当人が毎日、腹筋を3000回やるという噂をマジメに否定していたことでしょうか。ええ、「Los suelo entrenar tres o cuatro veces por semana. No sé si llegaré a los mil por semana/ロス・スエロ・エントレンーアル・トレス・オ・クアトロ・ベセス・ポル・セマーナ。ノー・セ・シー・ジェガレ・ア・ロス・ミル・ポル・セマーナ(週3、4回やるけど、1週間で1000回になるかはわからないよ)」とのことですが、それでも十分に勤勉で羨ましい。最近はほとんどミックスゾーンでもお目にかかれないロナウドですが、ベティス戦でトップのメッシまで4点差まで迫ったpichichi(ピチチ/得点王)レースにもそろそろ本腰を入れないといけませんしね。ラモスにも存在感で負けないよう、また次のアスレティック戦ではガンガン、ゴールを決められるといいのですが。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.03.14 13:40 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】大物がCLに残った…

▽「来週には戻って来てくれるのかなあ」そんな風に私が心配していたのは金曜日、翌日にグラナダ戦を控え、記者会見に出たアトレティコのシメオネ監督が「今は回復の途中、esperamos que para el miércoles esté con nosotros/エスペラモス・ケ・パラ・エル・ミエルコレス・エステ・コン・ノソトロス(水曜にはいてくれることを期待している)」と、先週ミッドウィークのデポルティボ戦で頭を強打。病院に緊急搬送となって以来、いまだ全体練習に加わっていないフェルナンド・トーレスについて、そう語った時のことでした。いやあ、今週はガメイロも足の付け根を痛め、アンダルシア(スペイン南部)遠征に参加できなくて、それでもFWはグリースアンとコレアがいるんですが、木曜に22歳の誕生日を迎えたばかりの後者はどうにも先発した際のパフォーマンスに信頼が置けず。 ▽といっても今回のリーガの相手は18位のチームですし、もちろん残留を争っているマドリッドの新弟分のために叩いておいてあげたいところですが、同日、3位のセビージャと当たるレガネスが、来季のCLグループリーグ出場権獲得を目指す兄貴分のために何かできるかというと、それも心もとないところですからね。ならば、ここは来週水曜のCL16強対決レバークーゼン戦2ndレグに備えて、休養の意味でもトーレスとガメイロはお休みさせて、人手不足に招集されたカンテラーノ(アトレティコBの選手)のFWシアッピカッセはともかく、カラスコやガイタン辺りにゴールを担当してもらうのも悪くはないかと。 ▽え、2月の1stレグでは2-4とアウェイで勝利、おかげでガビやフィリペ・ルイスにもイエローカードを取らせ、2ndレグで累積警告を消化させることにしたアトレティコなんだから、レバークーゼン戦に向けて、そんなに身構えることはないんだろうって?いやあ、そこがサッカーとはわからないもので、いい例だったのが今週、先行してプレーしたスペイン勢の2試合。どちらも予想外の展開となったため、決して気を緩めることはできないと、私も認識を新たにしたものでしたが…。 ▽ちなみに火曜にレアル・マドリーがプレーした、サン・パオロでのCL16強対決ナポリ戦2ndレグは、いえ、お昼(スペインのランチタイムは午後2時~4時なため、ニュースもこの時間にある)に現地からのTV中継の時点で、すでに観客がスタンドに多数。キックオフ前のレポーターコメントで午後5時頃にはほぼ満員状態になっていたと聞いた時には、ナポリファンはそこまで力が入っているんだと驚かされたものですけどね。当然ながら、選手たちもこの期待に応えたため、前半のマドリーはホームチームの大攻勢にさらされることに。おまけに前半23分にはとうとう、ハムシークのスルーパスを受けたメルテンスが先制点を決め、逆転突破まであと1点にされてしまったから、こちらもドキドキしたの何のって。 ▽うーん、1-0でハーフタイムを迎え、後半のピッチに出て行く前、クリスチアーノ・ロナウドは「No sabemos defendernos/ノー・サベモス・デフェンデール(ウチは守ることを知らない)」と、チームメートを批判していたけど、それはまず自身が反省するべきことだと突っ込みたくなりましたけどね。何せ、前半のマドリーはやられっぱなしで、チャンスといってもロナウドのシュートがゴールポストに当たったぐらいしかなかったんですが、相手が1本しかゴールが決まらないのが不思議なくらい沢山、シュートを撃っていたのは別に守備陣の責任だけではなかったかと。 ▽もちろんこれにはジダン監督も休憩中のロッカールームで、「Lo que hablamos es como siempre, tienes que cambiar/ロ・ケ・アブラモス・エス・コモ・シエンプレ、ティエネス・ケ・カンビアール(話し合ったのはいつものように、状況を変えなければいけないということ)」と、選手たちに意識改革を訴えたんですけどね。その効用が発揮される前に飛び出したんですよ。苦境に立つと発現する、CKクロース+セルヒオ・ラモスのヘッド=ゴールというマドリーの黄金則が!ええ、まずは6分、元同僚のアルビオルを遥かに高く上回って同点弾を撃ち込むと、その5分後には再びヘッドを叩きつけ、ボールの軌道上にあった身長169センチのメルテンスの頭に当たって勝ち越しゴールになっているのですから、恐ろしいじゃありませんか。 ▽ただ試合後、サッリ監督が「マドリーはフィジカル的にウチよりずっと強い。一番小さい選手でも188センチある」と言ったのにはちょっと偏見があって、何せカルバハルやマルセロ、モドリッチらは175センチありませんからね。ナポリのDF陣も高さ的には遜色ないのですから、やっぱり点を取ることばかりを考えて、セットプレー守備の練習がおざなりになってしまった?これであと3ゴール必要になってしまったため、その後のナポリの勢いは緩んできたというか、ジダン監督が順々にベイルやベンゼマを下げ、働き者のルーカス・バスケスやモラタを投入。 ▽チームのバランスを取ったため、最後はロスタイム、ロナウドがGKペペ・レイナに弾かれたボールをモラタがダメ押し点にして、昨季までセリエAのライバル、ユベントスで修業していたせいで、現地入りして以来、ナポリファンのブーイングの的になっていた鬱憤を、指を唇当て、沈黙を要求するポーズを取って晴らすことまでできましたっけ。 ▽これで1stレグ同様、2ndレグでも1-3で勝利、総合スコア2-6で7年連続の準々決勝進出を決めたマドリーだったんですが、当然ながら試合後のヒーローはラモス、ラモス、ラモス。ここ4試合程、イタンビューの連続出場を続けているキャプテンですが、この日は敗戦や引き分けの言い訳をするためではなく、しかも自分の活躍で逆転敗退の危機を乗り越えたため、当人の嬉しそうなことといったらもう。ええ、ピッチではレポーターに訊かれもしないのに、「Qué mejor manera de celebrar mis 100 partidos que marcando los goles/ケ・メホール・マネラ・デ・セレブラル・ミス・シエン・パルティードス・ケ・マルカンド・ロス・ゴーレス(ゴールで100試合出場を祝えるなんて最高)」と、まずヨーロッパの大会出場数で節目に達したことを自らアピール。 ▽続いて、2度目のヘッドが自身ではなく、メルテンスのオウンゴールにされたことに「No jodas, me han quitado el doblete/ノー・ホデス、メ・アン・キタードー・エル・ドブレテ(冗談だろ、ボクの2得点を取られたなんて)」と思わず、文句が出てしまったのはまあ、後で彼もミックスゾーンで言っていた通り、先日のバレンシア戦、マンガラにシュートが当たりながら、得点者はアトレティコのガメイロになったなんて例もありますから、ツキがなかったのを嘆く気持ちもわかりますけどね。でもゴールの後、自分が電話をかけるポーズをしたことについて、「Yo lo hice antes que Leo/ジョ・ロ・イセ・アンテス・ケ・レオ(ボクはメッシより先にやっていたよ)。疑うんなら、ビデオを見てみればいい」って、もしやゴールパフォーマンスの特許権でも争っている? ▽加えて、翌日に同じ16強対決2ndレグで4-0敗戦から、PSG相手に逆転を狙う永遠のライバルに対して、「Estaré más contento si pierde el Barcelona, dormiré más tranquilo/エスタレ・マス・コンテント・シー・ピエルデ・エル・バルセロナ、ドルミレ・マス・トランキーロ(バルサが負けたら満足だよ。落ち着いて眠れるね)」とまで来たら、3月下旬にはスペイン代表の合宿が迫っているのをすっかり忘れているんじゃないだろうかと、私が疑ってしまっても無理はなかったかと。 ▽ただねえ、水曜にはマドリーの大先輩、ラウールも「Remontada del Barça? Esa es la especialidad del Real Madrid/レモンターダ・デル・バルサ?エサ・エス・ラ・エスペシアリダッド・デル・レアル・マドリッド(バルサの逆転劇?それはレアル・マドリーの専門だよ)」と言っていたように、どうにもこのクラブの人たちは奇跡のレモンターダは彼らの専売特許、他のクラブでは真似できないと信じきっているような傾向がなきにしもあらず。 ▽ところがどっこい、翌日のカンプ・ノウでは「そうなるにはバルサが物凄い試合をして、同時にPSGが最低の試合をしないといけない」(ラウール)という条件が実現してしまったから、さあ大変!いえ、一応、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で私も物見雄山的な気分で見てはいたんですけどね。3点リードと、目標まであと2点と迫っていたバルサが後半、カバーニにゴールを奪われ、3-1になった時、意外にも店内からは歓声が上がったのはおそらく、その日、逆転を期待して応援に来ていたクレ(バルサファンのこと)が少なかった?それはともかく、残り30分であと3点が必要になったとなれば、大抵のチームだったら諦めてしまうはずですって。 ▽そんな思いが私にもあり、用事もあったため、後半35分ぐらいにはバルを出たところ、まさか早めにカンプ・ノウから引き揚げた、決して少なくないファンたちと同じ憂き目に遭うことになろうとは!ええ、そこからネイマールの直接FKは決まるわ、後でPSG勢全員が憤っていた、チアゴ・シウバがエリア内でルイス・スアレスを倒したという怪しいPKで、またしてもネイマールが得点。挙句の果てにロスタイム5分、「Me tiré con todo, sin saber si estaba en línea/メ・ティレ・コン・トードー、シン・サベール・シー・エスタバ・エン・リネア(全力で突っ込んだ。オフサイドなのかどうかもわからなかったよ)」と、セルジ・ロベルトが逆転突破を確定する6点目もラジオで聴くだけしかできなかったんですから、逃がした魚は大きかった? ▽え、つまりこれって、ラモスが心安らかに眠れなくなっただけでなく、アトレティコにも準々決勝でバルサに当たる可能性が出てきたってことじゃないかって?まあ、その通りなんですが、心配してくれたファンに感謝するため、クラブのオフィシャルページにインタビューを受けたフェルナンド・トーレスなど、「バルサの試合はnos tiene que servir para ver que nada está hecho/ノス・ティエネ・ケ・セルビル・パラ・ベル・エ・ナーダ・エスタ・エッチョー(ボクらにまだ何も終わっていないと思わせるために役立てないといけない)」と折良く、レバークーゼン戦2ndレグに向けて意識が高まったよう。 ▽他の選手たちにもいい教訓になるんじゃないかと思いますが、とりあえずレバークーゼンを破っても次にバルサに当たったりしたら、彼らには先日のコパ・デル・レイ準決勝の苦い経験もありますからね。ただ、PSGのエメリ監督は「Tuvimos culpa nosotros, el Barça y el árbitro/トゥビモス・クルパ・ノソトロス、エル・バルサ・イ・エル・アルビトロ(この敗退の責任は私たち、バルサ、そして審判にある)」と言っていましたが、まずは1stレグでアトレティコが彼らに4点差もつけることなど想像できず。 ▽となると、2015年のスペイン・スーパーカップでバルサを破ったアスレティックが、ツィッターで「Pues a nosotros no nos pareció tan difícil mantener el 4-0 de la ida/プエス・ア・ノソトロス・ノー・ノス・パレシオ・タン・ディフィシル・マンテネール・エル・クアトロ・ア・セロ・デ・ラ・イダ(ウチには1stレグの4-0勝利を守ることはそんなに難しく見えなかったね)」(https://twitter.com/AthleticClub/status/839597836660584453)というような前提は心配しなくてもいいんですけどね(2nレグ1-1で優勝)。 ▽何かの間違いが起きて、そうなった場合でもPSGのようにアトレティコが消極的にプレーすることはないはずですが、ただまたしても逆転が必要になったりすると、1点を決めた後、留めの2点目をGKテア・シュテーゲンに阻まれてしまったカバーニや、撃っても撃っても枠を捉えられなかったナポリの例などはとても他人事とは思えない?そうとなれば、エースのグリースマンにも前節のバレンシア戦で彼女のエリカさんに捧げるメッセージを見せた件で後日、競技委員会から処分が通達。それに怒って、「Multa y amonestacion por felicitar a mi mujer y eso 3 dias despues... /ムルタ・イ・アモネスタシオン・ポル・フェリシタール・ア・ミ・ムヘル・イ・イソ・トレス・ディアス・デスプエス(ボクの彼女をお祝いしたら、罰金とイエローカード。しかも3日後に)」と、ツィッター(https://twitter.com/AntoGriezmann/status/839471972283269121)で文句のハッシュタグ、#PreocupateDeOtrasCosas(他のことを心配したらいい)なんて作っていないで、自身の決定力を少しでも上げるよう努力をしてもらいたいものですが、さて。 ▽そんなアトレティコは土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からグラナダ戦なんですが、今週CLあったお隣さんは日曜にベティスをサンティアゴ・ベルナベウに迎えることに。うーん、マドリーはベイルが2試合目の出場停止処分で、先週末のエイバル戦に続き、またしても出られないんですが、ナポリ戦の例でもやはり、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)は揃い踏みしない方が、攻守にバランスの取れたいいチームになる感じが強まってしまいましたからね。今回はジダン監督も大手を振って、モラタやルーカス・バスケス、もしくはハメス・ロドリゲスやイスコ、アセンシオといったところを先発させられるのは嬉しいかも。 ▽ただ心配なのは、バルサの大逆転劇に感化されて終盤、本家本元、奇跡のレモンターダを見せつけてやるべく、前半は敵にリードさせてやろうなんて、選手たちがうっかり考えてしまわないかということですが、バレンシア戦やラス・パルマス戦のように完遂できない試合もありますしね。そこは中位にいるベティスとはいえ、決して油断せず、日曜にデポルティボ戦に挑むバルサに圧力をかけるためにも、しっかり勝ってもらいたいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.03.11 10:15 Sat
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【倉井史也のJリーグ】サッカーはボールがスタンド近くに来たら逃げましょう?!の巻

▽この原稿が掲載される10日って、もう今週のJ1がスタートしてるんですよ。鹿島vs横浜FM、川崎vs柏、浦和vs甲府の3試合は金曜のナイトゲームです。理由はもちろんACL。来週水曜日には鹿島とG大阪がホーム戦、川崎と浦和はアウェイ戦が控えてますからね。 ▽ここでちょっと疑問なのが、鹿島は金曜日に試合をして中4日でブリスベン・ロアーを迎えるのに対して、G大阪は土曜日に試合をして、中3日で江蘇蘇寧戦に臨むこと。で、その理由を探ったら、どうやらG大阪は過去の経験から、こういう場合は中3日のほうがいいと結論づけているようなのです。もちろん他のチームもアウェイ戦ということや、いろいろなノウハウがあって、中4日を選んでいるのでしょう。 ▽こういうのって、日本がマジでACL獲ろうと思ってるのならJリーグが情報やデータをいろいろ集めて管理してくれるといいと思うんですけどいかがなもんでしょ。過去にはクラブ同士が情報のやりとりをしたことがありましたし。 ▽で、そのACL組の対戦がなかなか面白い。これ、もし10日に呼んでるんだったら、勝手にプレミアム・フライデー先行取得しちゃって、今日試合に行ったほうがいいくらい。鹿島不調、マジ? 横浜FM好調、マジ? みたいな対戦カードだから、もしかすると横浜FM3連勝ってこともあるだろうし、横浜FMの勢いはここで止まるかもしれないし。 ▽開幕戦で鳥栖の本拠地に乗り込んで逆転勝利し、攻撃陣エゲツないと思わせといて、前節ホームでG大阪にコロッと負けちゃうお茶目な柏と、やっぱ大久保抜けた穴ってあるけど、負けないよ?的な川崎とが対戦ってのも楽しそうだし。 ▽しかも、このカードに今一番輝いてる2人がいるわけですよ。横浜FMの齋藤学と川崎の小林悠って、ちょっとすごくないですか? キレキレというかノリノリというか。海外組では試合に出られない選手多いし、国内組ではまだコンディション低い選手多い中、この2人の活躍は心強いわけですよ。 ▽今のままなら、UAE戦、先発の右FWが小林で、左FWが齋藤ってのを推薦しておきます。今週はこの2人のどっちか、見に行っていいんじゃないですか? あ、邪気払いのために言っておきます。小林選手、ケガに気を付けて。マジで。 ▽おっと、ってことになると今週末のJリーグのお勧めが金曜で終わりってことになるので、土曜日のACL組も、G大阪vsFC東京で、これも面白そうだって言っておきましょう。ま、世間の注目は3月11日に仙台vs神戸というカードがあることに集まるかもしれないけどね! ▽え? タイトルが内容と関係ない? それって記事を全部読ませるテクニックですから! 決してオチを思いつかなかったからじゃないからね!! 汗。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.03.10 14:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】U-20でも遜色ない久保の凄さ

▽3月8日、小平市にあるFC東京の練習場には100人を超す報道陣と600人以上のファンが集結した。お目当ては、FC東京とU-20日本代表候補のトレーニングマッチに、15歳の久保建英(たけふさ)が招集されたからだ。45分ハーフの試合で久保は後半から登場すると、51分にボールを受けて反転すると、DF2人を次々に抜き去り左足でシュート。これはバーを越えたが、53分には原輝綺(新潟)のドリブル突破から岩崎悠人(京都)がつないだボールをワントラップ後に左足で突き刺して追加点を奪った。 ▽ゴールシーンについて久保は「ただ決めるだけの簡単なゴール。あそこは決めなきゃいけなかった」と冷静沈着に振り返っていた。ピッチでは簡単にフリーになってパスを受けると、いともたやすくマーカーを抜き去る。しかし、いま目の前で話しをしているのは、黒い詰襟の(ちょっと汚れたような)学生服を着た、正真正銘の中学生だ。他の選手が所属するJクラブのスーツを着ているのと比べ、そのギャップに違和感を覚えずにはいられない。 ▽もしも今年5月に韓国で開幕するU-20W杯に出場すれば、2世代飛び級の快挙となる。なぜなら本来なら久保は、2021年に開催される同大会の資格保持者だからだ。もしも2019年と2021年のアジア予選を突破して本大会出場を決めれば、3大会連続出場という記録更新の可能性もある。過去にはメッシ(2005年に18歳で出場して得点王とMVPを受賞)や、日本なら平山相太ら2大会連続出場のケースはあるが、さすが3大会連続はない。 ▽そんな久保のプレーで何がすごいのか。当日はカメラで彼のプレーを追ったことで分かったことがある。例えばカズや香川は“またぎフェイント”、いわゆるシザースフェイントを使うが、久保にはこれといったフェイントはない。しかし、対戦相手の体重移動、つま先立ちならタックルの足を出せるが、カカトが地面に着いていると咄嗟に足を出すことができない。それを本能的に察知して、ちょっとした体の向きで相手を誘い、ひらりとかわしているように見えた。ここらあたりも和製メッシと言われるゆえんだろう。 ▽3月15日には韓国で本大会の抽選会が行われる。果たして日本はどのグループに入るのか。そして久保は最終メンバーにエントリーされるのか。久保自身はU-20W杯について、「世界トップレベルで活躍している選手もいると思うので、どのくらいの力なのか比べたいし、将来的に避けて通れない人たちだと思うので挑戦したい」と、気負うことなく抱負を語る。学生服に身を包んだ中学生が、こんなにも堂々としたコメントを発信する。驚かされるのはプレーだけではない、日本サッカー界の宝と言っていいだろう。 ▽蛇足だが、3月15日の抽選会を日本から取材に訪れようとしたあるメディアは、10日に朴槿恵大統領の弾劾訴追に関する決定を宣告することに加え、北朝鮮の金正男氏が殺害された事件の影響で、取材を拒否されたそうだ。今月28日からはアジアカップ最終予選がスタートするが、平壌での試合は安全が確保されないとして、マレーシアサッカー協会はAFCに対し中立的な第3国に変更するよう要請している。こちらの成り行きも気になるところだ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.03.09 15:05 Thu
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【東本貢司のFCUK!】ヴェンゲル放逐の大いなる罪

▽数字は正直だ。確かに、アウェイのファーストレッグと寸分違わない最終スコアは屈辱的だろう。だが、その(合計)「2-10」の“字面”にとらわれすぎてはいないか? 一部の“比較的まともな”メディアは、同点ゴール(レヴァンドフスキのPK)が決まった直後から、アーセナルイレヴンの戦意がみるみる萎んでいった結果、「17分間」に立て続けに4ゴールを失ったと“分析”している。要するに、ガナーズの面々のプレーぶりは明らかに(哀しむべきことに)投げやりになってしまっていたということだ。さらに、ヴェンゲル自身「(それまでは)台頭以上に戦っていた」と述べ、敵将アンチェロッティもそれを認めている。ならば、この大敗の責任は誰でもない、プレーヤーたちにこそあるはずだ。ところが、メディアも、大半のアーセナル・フェイスフル(=忠実なサポーター)も、口を揃え、さも当然のように「ヴェンゲルのクビ」を声高に叫ぶ。批判や揚げ足取りが仕事のメディアはともかく、ファンまで即物的なシロウトよろしく“背を向ける”とは驚いた。 ▽百歩譲って、この期に及んでは「リフレッシュ」、もしくはある元プレーヤー曰く「クレンジング」つまり「洗い清める」ための、監督交代要望も一つの手ではあろう。たまたまにしろ(?)、ラニエリを切った直後のレスターが蘇ったかのように連勝を収めた事例を見たばかりでもある。嗚呼、しかし、なんと思慮の浅きことだろうか。たとえ、もしも仮にここでヴェンゲルにご退場いただき、誰が引き継ごうと(おそらく、暫定的にスティーヴ・ボウルド辺りになるのだろう)、そして残り10戦あまりのリーグ戦で“快進撃”を続け、唯一の希望となったFAカップを制してみせたところで、ではそのあとはどうする? アレグリ? まさかとは思うが、彼をコンテの“二番煎じ”と錯覚はしていまいか? 少々うんざりした気分で「探索」してみた。そしてやっと見つけた。「現実」を最も正しく理解していると思われる意見を。アーセナル・レイディーズ(アーセナル女子チーム)の前キャプテン、レイチェル・ヤンキー。「ヴェンゲルを切って、それで誰が? 誰をつれてくるというの? 彼以外にこの逆風を受けて立つことができる人がどこにいると? ▽そして、何よりの“証明”は他でもない、アーセナル・ディフェンス陣からの“叫び”、「すべては自分たちの落ち度。我々は全員、アーセンを今までと変わらず、信頼し支持している」。なぜ、彼らがそう主張するのか。これもたまたまだが、拙訳『インヴィンシブル~アーセナルの奇跡』を読めば、その意味がわかるはずだ(これ、決して本の宣伝ではありません、念のため)。アーセン・ヴェンゲルという人物が、いかに優れた異能の指導者、メンターなのかを、彼らは誰よりも肌身をもって知っているからだ。では、なぜあの2003-04シーズンを最後に、ヴェンゲルのアーセナルがリーグ優勝に届かないままでいるのか。ロマン・アブラモヴィッチの登場がリーグの地平をそっくり変えてしまったからだ。誤解のないように言っておこう。決して、ラニアリ(!)が、ジョゼ・モウリーニョが、アンチェロッティ(!)が、監督としてヴェンゲルよりも優れていたからではない。決して彼らの“戦術(論)”がヴェンゲルのそれよりも優れていたからでもない。この単純明快な事実がわからない(ふりをしている?)評論家やメディアは「ヘボ」である。 ▽と、ここまで書き進めて、ふと「どうなったかな」とニューズサイトを覗いてみると・・・・とんでもないドラマの結末が飛び込んできた。終了2分前(正規タイム)からの3得点でバルセロナ、奇跡的な逆転勝利! 大したものだが、パリSGのディフェンスも何やってんだかと思う一方で、これじゃアーセナルへの風当たりもさらに・・・・? いいや、むしろ現実がもっとあからさまに明白になったと考えたい。先制点がスアレス、崖っぷちからの起死回生の2ゴール(うち1点はPK)がネイマール。いざとなった局面で“不可能”を何とか可能にしてしまう、名前も実績も、そして何より動いたカネも桁違いのプレーヤーの(それも複数の)存在・・・・。ヴェンゲルがそのポリシーにおいて決して良しとしない、出来上がった大物プレーヤーの大挙補強が、やはり最後にモノを言う“味気ない”時代。なるほど、グアルディオラがメッシを喉から手の出るほど欲しがるはずだ、ユナイテッドがロナウドを買い戻したくなるはず、それらをチェルシーが虎視眈々横取りを狙うはず? ▽だが、そんな阿漕な“物量作戦”がいつまでもまかり通っていいはずがない。もうお忘れか。“手作りミラクル”レスターの快挙をもろ手で喧伝した大はしゃぎぶりを、アカデミー上がり主体で長く牙城を守り抜いたファーギー・ユナイテッド、そのハイライトとしてドイツ中の精鋭を揃えたバイエルン(!)を劇的にうっちゃってみせて果たしたトレブルのしびれるような快感を、0-3から大豪ミランをイスタンブールに葬ったリヴァプールの気骨を、ほぼ「未完」と「無名」で始まったヴェンゲル・アーセナルの歴史的“インヴィンシブル”をーーー。そう、チェルシー、シティーにレアル、バルサ、パリSGに倣ったカネ太りチームを作って、それでヨーロッパを制したところで何か誇れるものがあるだろうか。以前にも述べたように、名前が入れ替わってもおかしくも何ともないチームばかりがチャンピオンズの歴代覇者に名を連ねて、何が名誉か。そのためにも、アーセン・ヴェンゲルにはその信念と信義を貫いてもらいたい。願わくば引き続き・・・・エミレイツにて。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.03.09 11:30 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】ちょっといい感じになってきた…

▽「どっちもどっちよね」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、マドリッドの両雄、レアル・マドリーとアトレティコのキャプテンがニュースで取り上げられているのを見た時のことでした。いやあ、セルヒオ・ラモスが試合と試合の間の短いフリータイムを利用して、これでもかというぐらい、タトゥーのコレクションをせっせと増やしているのは、クラブW杯のため、日本への長期フライトに出る前にもあったことですし、それに比べれば、イタリアなんてご近所のようなものですから、今更驚きませんけどね(https://www.instagram.com/p/BRRQQEmD0sW/?taken-by=sr4oficial)。同じ指の話でも、まさかガビが家庭内事故で小指と薬指を骨折して、バレンシア戦ではギプスをしてプレー。火曜には手術もするって、こんなシーズンの大事な時期に一体、家で何していたんですか? ▽まあ、それは試合に差し障りはないようなので、別にいいんですけどね。というか、先週末のリーガはマドリッド勢、皆がメデタイ結果に終わったため、私も久々に気分がいいんですが、先陣を切って、今季リーガの“final(フィナル/決勝)“に勝ったのは新弟分のレガネス。ええ、ブタルケに降格圏住人のグラナダを迎え、後半39分に試合唯一のゴールを挙げたマチスは、実は対戦相手からのレンタル移籍選手だったものの、契約条項による出場制限がなかったため、ブエノやティトとは違って、ピッチにいてくれたのはラッキーだったかと。当人的には複雑な心境だったかもしれませんが、おかげで1-0の勝利をモノにしたレガネスは18位と勝ち点差を5に広げることができましたっけ。 ▽そして続いてはマドリーがイプルアでのエイバル戦に挑んだんですが、この日はジダン監督が火曜のCL16強対決ナポリ戦2ndレグを睨んで、ローテーションをかけたのがバッチリ成功。ええ、ラス・パルマス戦で退場したベイルは仕方ないとしても、クリスチアーノ・ロナウドも疲れをとるためにマドリッドでお留守番としたところ、トップを務めたベンゼマがBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)全員を合わせた分に匹敵する働きをしてくれるんですから、有難いことじゃないですか。 ▽いえ、もちろんそれには普段出場機会の少ないアセンシオやハメス・ロドリゲスが発奮したという理由もありますけどね。前半13分には、そのアセンシオからのラストパスを1度はGKジョエルに弾かれながら、2度目のトライでは先制点に。24分にはハメスの蹴ったFKをゴールに流し込んで自身2点目、29分には逆にハメスをアシストして、3点目のお膳立てをしているとなれば、ベンゼマもその日の試合がサンティアゴ・ベルナベウでなかったのは残念だったかも。 ▽後半はどちらかというと落ち着いた展開になったんですが、14分にはno habituales(ノー・アビトゥアレス/控え選手のこと)コンビが連携。というか、アセンシオがハメスに完璧なラストパスを送ったんですが、後者のシュートがゴールポストに当たって跳ね返ってきたため、結局は自分で決めたんですけどね。もうこれで0-4となれば、ここバレンシア戦、ビジャレアル戦、ラル・パルマス戦と相手にリードされ、少々、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)攻勢に食傷気味だったファンも久々にスッキリした気持ちになれたかと。 ▽え、このマドリー戦までは決して調子が悪い訳じゃなかったエイバルなのに、エンリッチやペドロ・レオン、アドリアンがいても反撃1つできなかったのかって?うーん、前節に退場させられたおかげでメンディリバル監督がベンチにいなかったのもありますし、丁度、残留確定ライン程度となる勝ち点をすでに溜めていたため、選手たちがヨーロッパリーグ出場圏の6位(コパ・デル・レイでバルサが優勝、リーガでも4位以内に入っていたら7位)まで、この先も8位からの順位アップを目指して頑張るべきか決めかねているタイミングでもありましましたしね。41分には乾貴士選手もペドロ・レオンと交代で入ったんですが、ロスタイムにルベン・ペーニャが記念のゴールを入れただけで、最後は1-4で完敗となりました。 ▽ちなみにこの試合の後、引き分けでも敗戦でもなかったため、第2キャプテンのマルセロはお役御免になったにも関わらず、ラモスがミックスゾーンに姿を現したのは先日、ラス・パルマス戦の後にあったミーティングで当人が、「ロナウドだけは年に60本ゴールを決めるんだから、試合で走らなくてもいい」と言ったという報道があったのを正したかったからのよう。曰く、「あれはでっちあげだよ。Aquí corremos todos, somos todos iguales/アキー・コレモス・トードス、ソモス・トードス・イグアレス(ウチじゃ皆が走る。皆、同等さ)」とのことですが、ただねえ。敵にリードを許してしまった最近の試合では、よくチームが上下でパッカリ分れていましたからね。 ▽月曜にはナポリに移動したマドリーの記者会見では、ジダン監督も「Lo que importa no es el dibujo, es la actitud/ロ・ケ・インポルタ・ノー・エス・エル・ディーホ、エス・ラ・アクティトゥッド(大事なのはシステムではなく、選手の態度)」と言っていましたし、ここは火曜のサン・パオロ(ナポリのホーム)での試合でロナウドやベイルのボールロスト時の走りっぷりを、エイバル戦でのアセンシオやハメスと比べてみるのも一興かと。いやあ、実はベイルについては現地での練習中、痛みを覚えて早退したなんて情報も入ってきているんですけどね。おまけに30年ぶりにナポリを訪れたマドリーには、1987年に欧州チャンピオンズカップで対戦した時、郊外に宿を取ったにも関わらず、当時は現役だったブトラゲーニョ渉外ディレクターらが熱烈なティフォシ(サポーター)が周囲で騒いで眠れなかったという辛い経験が。 ▽そこで今回は市内にありながら、内部が隔離状態になるPlazzo Caracciolo(パラッツォ・カラチオロ)ホテルを選んだものの、すでにナポリファンの騒音にシエスタ(昼寝)ができなかったというカルバハルの証言もありますしね。寝不足ではロナウドがあまり走れなくても非難はできないかと思いますが、前回の試合では、そのブトラゲーニョ氏が同点ゴールを挙げて1-1に持ち込み、マドリーは総合スコア3-1で悠々と勝ち抜けしていることも参考までにお知らせしておこうかと。 ▽実際、火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのこの一戦では、1stレグで3-1と負けているナポリは2-0にしないと逆転できない訳ですし、CLとなると、マドリーの選手たちの気合もリーガの数倍はアップしますしね。ここ2試合、スポルティングに6-1、セルタに5-0とカンプ・ノウでgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を続け、水曜のPSG戦で永遠のライバルのお株を奪うremuntada(レモンターダのカタルーニャ語)達成のリハーサルを着々としているバルサが、前者の結果では敗退となるのとはまったく事情が違うので、まあ大丈夫じゃないかと思うんですが…。 ▽そして翌日曜はビセンテ・カルデロンにバレンシア戦を見に行った私でしたが、最近では珍しいイライラの少ない試合だったから、意外だったの何のって。そう、それは開始から9分になろうかという頃、丁度、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)のサポーターたちが、木曜のデポルティボ戦で頭を打って意識を失い、病院に緊急搬送された後、異常がないことがわかって、2日間は同じガリシア地方(スペインの北西部)のサンティアゴ・コンポステーラに住む、奥さんのオラジャさんの両親のところにお世話になっていたものの、試合当日に帰京。チームの応援にパルコ(貴賓席)に来ていたフェルナンド・トーレスを励ます、「El Calderon te quiere. Fuerza Torres!/エル・カルデロン・テ・キエレ。フエルサ・トーレス(カルデロンは君を愛している。頑張れ、トーレス)」と書かれた横断幕を広げる準備をしている最中のことでした。 ▽当然、それが用意できたら、スタンドは「フェルナンド・トーレス、ロロロロー」と一斉に合唱するはずだったんですが、間が悪いというか、いや悪いことなんて絶対ないんですけどね。その寸前にコケのスルーパスをグリースマンが撃ち込んで、先制点を挙げてしまったとなれば、ファンだって、そっちを優先して喜ばない訳にいかないじゃないですか! ▽もちろん、殊勲の当人が先日、レアル・ソシエダのファンミがユニフォームを頭までめくり上げたせいで、イエローカードをもらったばかりだったのもあるんでしょうかね。アトレティコのスタッフの指導が効いていたか、聴診器を当ててもらう時のような位置までしか上げず、「Feliz cumple♡Gordita!!!/フェリス・クンプレ、ゴルディータ(誕生日おめでとう、おデブちゃん/注:スペインで親しい仲で言う場合は悪口にはならない)」という、彼女のエリカさんに捧げるメッセージを披露。その後、ちゃんとトーレス・コーレスも始まりましたが、いやいや、タイミングを見計らうのもなかなか大変です。 ▽そして前半はそれしか得点はなかったものの、アトレティコは後半開始早々にも2点目をゲット。今度はフィリペ・ルイスが送ったパスをガメイロがエリアすぐ前からシュートして、CBマンガラの足に当たったボールがGKジエゴ・アウベスを破ってくれたから、助かったの何のって。いやあ、何せ33分には再び、ガイタンのパスをトマスが受け損ない、前方に転がったボールにグリースマンが追いついて、ダメ押しの3点目が入ったというものの、その日、クラブのオフィシャルサイトの試合レポートですら、「primero Bakkali, y después Cancelo se empeñaron en ser atacantes del Atlético/プリメーロ・バッカリ、イ・デスプエス・カンセロ・セ・エンペニャロン・エン・セル・アタカンテス・デル・アトレティコ(最初はバッカリ、その後はカンセロがアトレティコのアタッカーになろうと尽力していた)」と皮肉られていた程、自陣でのミスが多かったバレンシアというのに相も変わらず、アトレティコは決定力の低さを再三露呈。 ▽ええ、ガメイロもグリースマンも絶好機にGKにそらされたり、枠を外したりしていたんですが、それでも8回の枠内シュートの3本がゴールになったのはいい方かと。ただし、相手がバルサやマドリー、その他のヨーロッパの強豪の場合を別にすればですが、グリースマン自身も「Contento con mi rendimiento/コンテントー・コン・ミ・レンディミエントー(自分のパフォーマンスには満足している)」と言っていましたしね。実際、全てのチャンスを決めていたら、それこそ彼らもメッシ、ロナウドといった、extraterrestre(エクストラテレストレ/地球外生物)という括りに入れられてしまいますって。 ▽だとしても、せめて全盛期のファルカオ(現モナコ)やジエゴ・コスタ(現チェルシー)ぐらいの確率でゴールを決めてほしいと思ってしまうのは私が欲張りなせいでしょうか。うーん、3-0で勝利と、2試合ぶりのリーガで快勝を味わったシメオネ監督は、「Salvo la derrota con el Barcelona, jugando bien, hemos mantenido una línea/サルボ・ラ・デロータ・コン・エル・バルセロナ、フガンドー・ビエン、エモス・マンテニードー・ウナ・リネア(バルサ戦の敗北を除いて、ウチはいいプレーで一定のラインを保っていた)」とちょっと、だったらあのデポルティボ戦のダメダメぶりは何だったのよと、首を傾げてしまうようなコメントをしていましたけどね。 ▽この白星のおかげで2日間、ソシエダに奪われていたCL出場権、最後の砦の4位も取り戻せましたし、「今、ウチはシーズンの最も大事な時期にある。全ての試合が決勝で、どこが一番強いかわかる時」(シメオネ監督)というのは事実。幸い、ゴディンが出場停止だったその日、元カノとの相互DV訴訟で公的奉仕21日間の判決を受けて以来、初めてマイクの前に立ったルカスも「He aprendido que hay que ser más listo y más precavido en la vida/エ・アプレンディードー・ケ・アイ・ケ・セル・マス・リストー・イ・マス・プレカビードー・エン・ラ・ビダ(人生ではもっと賢く、そしてもっと用心深くないといけないことを学んだ)」と言っていた通り、教訓を生かした好プレーでしっかり穴を埋めてくれていましたしね。 ▽デポルティボ戦では、意識を失った同僚の気道確保に緊急救命措置レッスンの成果を披露しただけに留まっていたベルサリコも右サイドを何度も上がって、いい働きをしていましたし、彼らのCL16強対決レバークーゼン戦2ndレグは来週開催で、それまでにはトーレスも復帰できる見込みですしね。何より、次戦の相手はグラナダとなれば、そう悲観することもない?その上、月曜開催リーガでは3位のセビージャがアラハベスと引き分けたなんて報もあり、選手たちも力づけられていると思いますが…ただ、アトレティコがミッドウィークに引き分けているため、勝ち点差は7ポイントに戻っただけなんですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.03.07 11:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】最初からちゃんとやっていれば…

▽「大したことなくて本当に良かった」そんな風に私がホッとしていたのは金曜日、お昼のニュースでフェルナンド・トーレスがデ・ラ・コルーニャ(スペイン北西部の避暑地、デポルティボのホームタウン)の病院から、歩いて出て来る映像を見た時のことでした。いやあ、すでに午前中にはアトレティコのツィターでも元気そうな本人の写真と共に退院報告があったため(https://twitter.com/Atleti/status/837601117643096066 )、前夜にリアソルでベルガンティーニョスと空中戦で争って、落下時に頭を打撲。危険な状態になりながら、後でデポルティボのチームドクターも「素早い措置で完璧だった」と褒めていましたが、毎シーズン、アトレティコの選手たちが参加している緊急救命法レッスンがブルサイコとガビによって、最大限に役立てられたのはわかっていたんですけどね。 ▽「Gabi se llevo un mordisco al intentar sacarle la lengua/ガビ・セ・ジェボ・ウン・モルディスコ・アル・インテンタール・サカールレ・ラ・レングア(ガビは喉に詰まった舌を引き出そうとして、噛まれちゃったけどね)」というのは余談としても、おかげで正直、トーレスが担架で運び出されるまで、ピッチにいる選手たちもTVの前にいたファンもどうなることかとドキドキすることに。ただ、そんな場面であまりにひどいなと思えたのは、リアソル・ブルース(デポルティボの過激なファングループ)のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)で、折しも2014年11月にあったアトレティコのウルトラたちとの集団抗争事件の際、命を落としたデポルティボ側のメンバーの捜査が犯人不明のまま、お蔵入りになったことも影響していたのでしょうが、「Si se muere, qué se le va a hacer/シー・セ・ムエレ、ケ・セ・レ・バ・ア・アセール(死んじゃったら、何をしてやればいい)」なんて歌っているなんて、まったく縁起でもない。 ▽トーレス自身は「Recuerdo hasta justo antes del golpe/レクエルドー・アスア・フストー・アンテス・デル・ゴルペ(打撃の前までしか覚えていない)。救急車の中で意識が戻った」そうなので、そのカンティコもスタンドからの拍手もその時は耳にしていないんですけどね。幸い検査の結果もただの脳震盪で、他に異常はなかったものの、凄い重傷だったりしたら、先週末レガネスに負け、ガイスカ・ガリターノ監督が解任となった後、火曜にチームを引き継いだメル新監督の下でようやく、今季リーガ初出場の機会をもらえたせいもあって、きっと張り切っていただけですよね。転倒の原因となったベルガンティーニョスのショックもただならぬものになっていたでしょうし、彼とメル監督が病院にお見舞いに駆けつけた時には当人がもう、話せる状態まで回復していたのは何より有難いことでしたっけ。 ▽とまあ、ここまでがミッドウィーク開催の前節、ルイス・エンリケ監督がバルサとの契約を来季は延長しないと、スポルティングに6-1で大勝した後に発表したことと並んで、話題を独占した事件の顛末なんですが、肝心の試合の方もお伝えてしていかないと。マドリッド勢の先陣を切って、火曜にバレンシアに挑んだのは新弟分のレガネスだったんですが、残念ながら、デポルティボ戦に続いての連勝はならず。いえ、バレンシアも前半29分にCKからのrebote(レボテ/リハウンド)でマンガラが入れた1点しか取れなかったんですけどね。アシエル・ガリターノ監督のチームも攻撃の決め手に欠けたか、そのまま1-0でメスタジャから帰ることになりました。 ▽そして水曜はバルサがカンプ・ノウで勝利して、勝ち点差2で首位に立った直後、特等席を取り戻すためにラス・パルマス戦に挑んだレアル・マドリーだったんですが、とりあえず出だしは良かったんですよ。ええ、ジダン監督のローテーションで一緒に先発に入ったモラタは意気込みすぎたか、ゴールを決めてもオフサイドだったものの、前半7分にはイスコがGKバラスの脇を抜くシュートを決めて先制。でもねえ、その2分後にはセルヒオ・ラモスがタナに後れを取り、同点弾を撃ち込まれているのではまったく、先が思いやられます。 ▽ただ、マドリーに本当の災厄が襲い掛かったのは、そのまま1-1で迎えた後半で、2分も経たないうちにベイルがドリブルで先を行くジョナタン・ビエイラを後ろから2度も蹴ってイエローカードをもらった挙句、最後は相手を両手で突き飛ばして一発退場。うーん、当人は後で「あれはレッドカードじゃない。先にビエイラが押してきたんだから」と弁解していましたが、身長183センチ体重74キロ、筋肉隆々の彼が170センチ64キロの相手に手を出したら、審判が危険な行為と解釈してしまうのも仕方ないかと。 ▽おかげで予期しない早い時間に10人になってしまったマドリーでしたが、元々、その日はラス・パルマスにボールを握られていた上、チームが前後に分かれやすくなっていたのが災いすることに。10分にはボアテングのシュートをエリア内で弾いたセルヒオ・ラモスが続く、シモンの撃ったボールを手で防いでしまいペナルティを献上。ビエイラがPKを沈めて勝ち越し点を奪われてしまいます。更に14分にはロングボールに抜け出したボアテングにマルセロ1人では対抗できず、GKケイロル・ナバスまでかわされて、とうとうスコアが1-3になってしまったから、驚いたの何のって。 ▽え、先週末はビジャレル戦で2点差を覆して2-3で勝利したマドリーなら、人数が少なくたって、こんなのremontada(レモンターダ/逆転)可能範囲だろうって?まあ、その通りですし、実際、41分にはクリスチアーノ・ロナウドがクロスをカステジャーノの手に当てて稼いだPKで自ら1点を返すと、43分にはハメス・ロドリゲスのCKからヘッドを決めて、3-3にはしたんですけどね。これも今までサンティアゴ・ベルナベウで33試合して勝ち星なし、28敗しているラス・パルマスに「最後の10分間、ウチは経験が足りなかった」(ボアテング)おかげもなきにしろあらず。 ▽ビエイラなども「Debimos tener cabeza y retener la pelota como hicimos durante todo el partido/デビアモス・テネール・カベッサ・イ・レテネール・ラ・ペロータ・コモ・イシモス・ドゥランテ・トードー・エル・パルティードー(ボクらは頭を使って、試合の間ずっとやっていたようにボールをキープするべきだった)」と嘆いていましたしね。それでも最後は奇跡の逆転劇まではさせず、勝ち点1が手元に残っただけでもラッキーだと思っている選手も多かったようですが…3度もナバスと1対1で対峙するチャンスを迎えながら、決めることができなかったヘセが、「si hay alguien que te puede empatar o remontar perdiendo 1-3 es el Real Madrid/シー・アイ・アルギエン・ケ・テ・プエダ・エンパタール・オ・レモンタール・ペルディエンドー・ウノ・トレス・エス・エル・レアル・マドリー(1-3で負けていて追いついたり、逆転したりできるチームがあるとすれば、レアル・マドリーだけ)」と威張っていたのはどうにも解せないかと。 ▽いえ、ユースチームから過ごしたマドリーから今季は河岸を変え、PSGに移籍したものの、パリの水が合わずに生まれ故郷のチーム、ラス・パルマスにレンタルで来ることになった彼は、今でも「いつかはマドリーに戻ることを頭で描いている」ため、あまり反感を買うようなことは言えないのはわかりますけどね。あれだけはっきりしたチャンスに何度も失敗していては、お隣さんの間抜けなFWたちじゃあるまいし、キケ・ステイン監督は「Nos aporta cosas que no nos da nadie/ノス・アポルタ・コーサス・ケ・ノー・ノス・ダ・ナディエ(他の誰もできないことでチームに貢献してくれている)」と庇っていたものの、実は「あの位置まで行くと、多くの選手はゴールを入れることばかり考える。その瞬間に間を取れるのが偉大な選手だ」という方が本音だった? ▽ただ同様に試合後はマドリーサイドも後悔しきりで、勝てなかった場合はチームの内規みたいなもんなんでしょうね。キャプテンクラスが試合終了直後のピッチ上インタビューに出るんですが、それもまた序列があるのか、ここ3試合連続で狩り出されている第2キャプテンのマルセロは「こういう何が起きたか説明しないといけない試合にはいつも自分が当たる」と諦め顔。「ウチは最近、やらなきゃいけないことをしていない」と正直に認めたため、後でミックスゾーンに最後に登場した第1キャプテンのラモスが批判を避けるために、そのコメントを訂正することに。 ▽曰く、「マルセロが言いたかったのは、nos precipitamos a la hora de tomar decisiones y no salen las cosas como quremos/ノス・プレシピタモス・ア・ラ・オラ・デ・トマル・デシシオネス・イ・ノー・サレン・ラス・コーサス・コモ・ケレモス(ボクらは決断する時に早まってしまい、上手くいかない)ということ」だそうですが、彼も「マドリーを倒すには何度も殺さないといけない。Tenemos mas vidas que un gato/テネモス・マス・ビダス・ケ・ウン・ガトー(ウチは猫より沢山の命がある)」と、ちょっとマドリー十八番の根性のレモンターダに自信を持ち過ぎな感も。うーん、今までの実績は買うものの、何せこの3試合で逆転勝ちできたのはビジャレアル戦だけで、ラス・パルマスには勝ち点2を取りこぼし、バレンシア戦なんてあと1点が足りずに負けてしまっていますからね。 ▽それだけにジダン監督も「Hemos hecho un esfuerzo enorme/エモス・エッチョー・ウン・エスフエルソ・エノルメ(ウチは甚大な努力をした)だけに、あの前半は怒ってもいい。後半の力を注いだら、もっと簡単になっていた。もうこれで3、4試合、同じような傾向が続いている」と、追い込まれないと本気になれない選手たちに苦言を呈していましたが、まあこればっかりはねえ。普通なら、嵐のような終盤の攻撃に歓喜するベウナベウの観客たちもこの日はさすがに呆れていたようですし、そこは根性の逆転劇はたまに見るから感動するのであって、こう毎回毎回では食傷気味になるという私の意見と一致していたようです。 ▽そして翌日、デポルティボとアウェイ戦だったのがアトレティコなんですが、こちらはまた、前半から信じられない場面に遭遇することに。それは12分、先週末のバルサ戦からレギュラーに戻ったGKオブラクがエリア近くでアンドネに後ろを張られていたヒメネスにゴロでゴールキックを出すって一体、どういうこと?もちろん、まんまとボールを取られてしまったCBも悪いんですが、そのアンドネのシュートが決まって、先制されているんですから、お粗末もいいところじゃないですか。さすがに選手たちにもこれは相当ショックだったんでしょうね。それまではボールを支配して、そこそこいいプレーをしていたアトレティコだったのが、この失点を境にパスが3本と繋がらない、完全なダメダメチームに変貌してしまうって、ちょっとお、精神面弱すぎじゃないですか? ▽それでも後半、22分にはフィリペ・ルイスのエリア外からのシュートがゴールポストに弾かれたのを起点に、クリアされたボールを繋いだ後、グリースマンが30メートル先から撃ち込んで、もうこれは天賦の才としか言えないgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を披露。おかげで同点にはできたアトレティコだったんですけどね。せっかく途中出場のトーレスにもチャンスが到来、GKルックスにparadon(パラドン/スーパーセーブ)を強いるシュートを撃って盛り上がったものの、例の昏倒騒ぎで試合が39分から4分間中断。もうその後は全員がチームメートの安否を気遣って、心そこにあらずの状態になってしまったため、ロスタイムが7分あった意味もまったくなく、そのまま引き分けで終了です。 ▽その結果、レアル・ソシエダはエイバルと火曜に2-2で引き分けていたものの、丁度その日は3位のセビージャがアスレティックに1-0で勝利したため、アトレティコとの差が勝ち点9に拡大。おまけに金曜夜に再び試合をしたソシエダがベティスに2-3と勝ったため、もうこの今節は2ポイント下の5位として、バレンシアに挑むことになってしまったアトレティコですけどね。頭を打ったばかりのトーレスは当然、出られませんし、ゴディンも累積警告で出場停止と、この日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのビセンテ・カルデロンには、私も一体、何を期待して行ったらいいのか。せめてCL出場圏復帰ぐらいは果たしてもらわないと、来季からの新しいホームスタジアム、鳴り物入りでオープンするワンダ・メトロポリターノが泣いてしまいますよ。 ▽一方、お隣さんは土曜にレガネスがブタルケにグラナダを迎え、残留争いの直接ライバルと対決をした後、やはり午後4時15分からアウェイで乾貴士選手のいるエイバルと試合なんですが、レッドカードをもらったベイルは2試合の出場停止処分が課されて不在。更にモラタも累積警告でお休み、軽い痛みのあるロナウドも来週火曜のCLナポリ戦2ndレグを見据え、お留守番となると、もうBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)の生き残り、ベンゼマを頼りにするしかないのは辛いところかと。 ▽いえ、それでもイスコやハメス、ルーカス・バスケスらがいるマドリーは大抵のチームが羨ましがる強豪。金曜の練習前には反省ミーティングをして、「Hay que defender todos, hay que correr todos/アイ・ケ・デフェンデール・トードス、アイ・ケ・コレール・トードス(全員で守り、全員で走らないといけない)」と周知徹底したようですしね。ただ、加えてラモスなどは、「El único que está liberado es Cristiano porque mete 60 goles/エル・ウニコ・ケ・エスタ・リベラードー・エス・クリスティアーン・ポルケ・メタ・セセンタ・ゴーレス(唯一、それをしないでいいのはクリチアーノ。年60本ゴールを入れるだから)」と言っていたようですが、今季のロナウドはリーガでまだ18得点、CLでも2得点と、ゴール数が減少しているため、その辺は現実と少々合致しないところ。 ▽もちろん、ラス・パルマス戦の2点のように、彼が未だに救世主的な働きをしてくれる日もあるのは確かですが、とにかく最近のマドリーは失点が多いですからね。何かとミスを責められがちなGKナバスだけでなく、今季はラモスがプレーしている時は68分に1失点、いない時は185分に1失点と、不安なデータもスポーツ紙には出ていましたが、とにかくこの土曜はバルサがセルタを迎える前に再び、現在の勝ち点差1を引っくり返して、一時でも首位に返り咲いていたいもの。実際、相手のエイバルもすでに残留ほぼ確定の勝ち点を溜めて余裕ですし、ペドロ・ロンやエンリッチが好調ですから、油断はせずに立ち向かった方がいいですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.03.04 10:15 Sat
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【倉井史也のJリーグ】今週はもういろいろ言われちゃってるあの人の守護霊的な発言かも?!の巻

▽ええ、ワタクシにはわかってましたよ。横浜FM、勝つんならここしかない! キレキレの齋藤が浦和を粉砕って感じでしたね。なのに私の周りの横浜FMファンってのが、「あんな試合運びじゃ」なんて文句言ってたんですけどね。「齋藤がケガしたらどうすんだ?」って。おっしゃりたいことはわかります。でも、それって贅沢ってもんじゃありませんか? え? どうしてワタクシが横浜FMの勝利を予想してたって? だって去年の1stステージ第1節、名古屋も勝ってたじゃないですか。“自動車”繋がりってことにしておきます!! ▽で、今週のACLでは鹿島がタイにアウェイで負けちゃうなどと、日本勢は1勝1分2敗! あ! なんかACL始まったって感じがしたのはワタクシだけじゃないですよね。むしろ第1節の3勝1分はビックリで。 ▽その中で特に心配なのはホームで済州に1-4と大敗しちゃったG大阪なのです。今年はタイトルを狙わなきゃいけないと長谷川健太監督は言ってたんですけど、何なのコレ? みたいに思っちゃったんですけどね。でもよく考えたら、あまり破れかぶれなことやる監督じゃないし。 ▽だいたい今回の補強にしても、ちょっと他の関西チームに比べるとシブチンな気がするのはワタクシだけ? もしかすると、この戦力の中でどこかしらタイトルを獲るなら、的を絞って行かなきゃダメってこと? うーん、なんかそんな感じがするんですよ。監督が現役のとき、清水で3バックやってたから「3バックの裏も表も知ってる」と言ってたの聞いたことがありますし。 ▽これってもの1シーズン制に戻ったからできるチャレンジって感じですな。あとは完成するまで厳しい試合が続くだろうけど、それをみんなが我慢できるかって感じじゃないでしょうかね。ま、この世界でよく我慢できないのはサポーターよりもクラブだったりするんですけど。 ▽そんなG大阪は今週末も苦戦必至! 去年は尻上がりに調子を上げて、今年は出だしからアウェイで鳥栖を破るなど絶好調の柏じゃないですか。しかも柏は休養十分! いやいや、まさか2節で風前の灯ってことはないでしょ? ちゅうか、お隣のクラブにビッグネームが来たんですから、それに負けてちゃ名前が廃るってもんですよ。 ▽あ、もしかして今年はこの陣容でタイトルを獲って、来年の強化費は自分たちで稼いでこいってこと? ってことなら、さすが関西の商売は厳しいっ!!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.03.03 11:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】ACLで勝負弱いFCソウルに失望

▽AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の第2節が2月28日と3月1日に行われ、浦和はFCソウルを5-2で葬って2連勝と首位をキープしたものの、鹿島は後半アディショナルタイムの失点でムアントンに1-2と敗れ2位に後退。そして川崎Fは香港のイースタンSCに1-1のドローで3位、G大阪も済州ユナイテッドに1-4と大敗して3位と明暗を分ける形になった。 ▽グループEではダークホースと見られるタイのムアントンだが、代表選手を数多く揃え、ホームでは圧倒的な強さを発揮し首位に躍り出た。鹿島の次の相手はブリスベン・ロアーで、蔚山現代は6-0で勝っているだけに、鹿島としては大量点での勝利が期待される。グループGの川崎Fは、アウェイとはいえ広州恒大が7-0と圧勝したイースタンSCから勝点3を奪えなかったのは痛い。次節はアウェイで首位の広州恒大との対戦だけに、グループステージ突破を左右する一戦になる。そしてグループHのG大阪はホームでまさかの1-4。次節はホームに2連勝中の江蘇蘇寧を迎えるため、首位に一泡吹かせたいところだ。 ▽といったところで、2月28日は埼スタでの浦和vsFCソウル戦を取材したが、結果は浦和が5-2で圧勝したものの、これほど“勝負弱い”FCソウルを見たのは初めてだった。予想スタメンのCBキム・ドンウが負傷ためかメンバー外となり、代わりにCBに起用されたのが、FC東京が獲得を狙っていた巧ボランチのスペイン出身のオスマール。しかし彼は、李忠成や興梠が下がってボールを受けるとマン・マークにつかずフリーにしてしまい、簡単にポストプレーを許して攻撃の起点を作らせてしまった。 ▽“緩い”のは彼だけではない。FCソウルといえば、チェ・ヨンス前監督の激しい気性を受け継ぎ、ロングボールとフィジカルコンタクトを前面に押し出したタフなスタイルが特徴だった。2月に宮崎で行われたFC東京とのプレマッチでも、あわや乱闘寸前の肉弾戦を展開した。しかし浦和戦では、ボールロスト後の“攻から守”への切り替えが遅いため、李忠成や関根、興梠、武藤に簡単にドリブル突破を許し、カウンターから失点を重ねた。 ▽昨年6月から指揮を執るファン・ソンホン監督は、前任のチェ・ヨンス監督同様Jリーグでのプレー経験があり、C大阪時代は得点王にも輝いた。チェ・ヨンス監督が激情派とするなら、ファン・ソンホン監督は知的派のため、チーム作りにも方向転換があったのかもしれない。試合後の会見では「連敗によりグループステージの通過は難しくなったが、来シーズンに向けて2試合を分析したい。リーグ開幕に向けよい準備をしたい」と語っていた。 ▽FCソウルはACL初戦で上海上港に0-1で敗れているため、ファン・ソンホン監督は目標を3月4日に開幕するKリーグに切り替えたのか。そのためにデヤン・ダムヤノビッチやマウリーニョといったストライカーをベンチに温存したのか。真相は不明だが、これだけ覇気の感じられない韓国勢を目の当たりにすると、逆に気がかりになってしまう。唯一の救いは、元代表のパク・チュヨンがFKから鮮やかな一撃を決めて健在をアピールしたことだった。 ▽浦和の次節の相手は勝点6で並び、得失点差で2位につける上海上港だ。ブラジル代表MFオスカルとFWフッキを擁する難敵だ。3月15日と4月11日に行われる頂上対決が楽しみだが、グループFはこの2強が飛び抜けているため、2試合ともドローに終わる可能性も否定できない。それともペトロヴィッチ監督は、攻撃的なサッカーで勝利を目指すのか。指揮官の采配にも注目が集まる一戦だ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.03.02 17:50 Thu
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【東本貢司のFCUK!】ミラクル・レスター“異聞”

▽ロンドン在住の友人に聞いてみた。「ラニエリは“プレーヤーたちの造反”でクビになった」という一部報道についてどう思う? 信憑性はあるのか? 返事は「・・・・に違いない、ってところだろうな」。つまり、メディアは昨今の“症例”に照らし合わせて「その可能性が大だと決めつけている」ということらしい。真相は今も藪の中だ。が、友人の印象はほぼ的を射ていると思う。彼はさらに言い及ぶ。「(ジェイミー)カラガーは歩く(フットボールの)辞書かもしれないが、真実を見通す感性はスッカスカだ」。カラガーはあまりにもフェアな、言い換えれば、ありきたりで平均的な考え方しかできない、と彼は言う。友人はとりたててレスターの内情に詳しいわけでも何でもないが、ラニエリ解任直後のリヴァプール戦勝利だけを取り上げても、カラガーの「不器用な見立て」は成立しないと言う。「(信用できなくなった)監督がいなくなっただけで、人が変わったように強いチームに変身するはずがない。ヤツらは怒ったんだ、捨て身でね。それがあの快勝だったのさ」 ▽なぜかほっとした。その通りだと思う。そして、遠い異国にいながらも、友人の見解を後押しする“証拠”を並べることだってできる。リヴァプール戦で昨シーズンのフォームを取り戻したかに見えるヴァーディーは言った。「間違いだらけの風評にすごく傷ついた」シュマイケルも「(ヴァーディーと一緒にラニエリ追放を直訴したと囁かれて)冗談じゃないと思った」と反論した。何よりも、暫定で指揮を執ることになったクレイグ・シェイクスピアが「ドレッシングルームにもどこにもそんな(ラニアリを嫌う)雰囲気は一切なかった」と証言している。今更、彼らが嘘をつく理由などあるだろうか。すべては“自分たち”のせいだ、“自分たち”の不甲斐なさがラニエリをスケープゴートにしてしまった、このままおめおめと降格してしまおうものなら、それこそラニエリの業績と名誉を汚すことになる・・・・だから「捨て身」で怒りをプレーにぶつけた、それ以外に世間の「間違った悪意」を雪ぐすべはない。クロップ自身が嘆いたように、リヴァプールはそれこそ不甲斐ない試合ぶりだったが、おそらくそれもヴァーディー以下の怒りに気圧されたからだろう。 ▽出る杭は打たれる。それも“ミラクル”の看板付きの“ぽっと出”なら“打つ”勢いも半端じゃなくなる。今シーズンが始まった頃から、それは感じられた。“まぐれ”のチャンピオンならばこそ、さあて、どんな“化けのはがれ方”を見せてくれるんだろうか、どうせなら・・・・そう、筆者は密に心配していた。メディアの意地悪な“目論見”を、おいしい(かつ、ウキウキするような)ヘッドラインと特集記事の青写真を。プレミア始まって以来の「チャンピオン、一転して降格へ」。困ったものだ。およそあり得ない(はずの)成功を、羨み、嫉妬し、足の引っ張りどころばかりを探しつつ、目の敵にする人の世の習い。もし、優勝ではなく、準優勝もしくはチャンピオンズ参戦程度で収まっていたら、天晴あっぱれ、たとえ翌シーズンに失速しようとも、ずっとこの先も好意の目で包み込んであげたのに? リヴァプール戦快勝の直後、元アーセナルのマーティン・キーオンは、そんな虚しさを込めてか、逆説的な笑えないジョークをもらした。「これをクラウディオ(ラニエリ)がイタリアで見ていたら、テレビに飛び蹴りを食らわしたい気分になったかも」 ▽あえて、あえて前向きなとらえ方をしてみようか。ラニエリ解任は、あわよくばこうなることを願ってのショック療法だった。プレーヤーたちの憤りと反発を引き出そうと、ラニエリには悪いが、禁断の最後の手段に出た。それが裏目に出たなら、つまり、何も起こらなければ、降格もやむを得まい、それだけのチームだというだけのことだ、と。ならば、プレーヤーたちは、非情なクラブ上層部を見返すためにも、それ以上の結果を目指さねばなるまい。その最大の標的はもちろん、3月14日の対セヴィージャ・リーターンマッチ。彼らは心に誓っているに違いない。“その先”までもを。そして無言の直訴をつきつける。ホジソンだろうとマンチーニだろうとごめん被る、ラニエリの分身シェイクスピアとともに突き進むのみ。そして、あわよくば・・・・新たな“ミラクル”を歴史に刻むこまんことを。「ラニエリ、逆転の復帰」! しがない物書きの笑ってしまうような「夢」である。だが、考えれば考えるほど、どこも真似のできっこない、ミラクル・レスターにはお似合いの道筋ではないか。ギャリー・リネカーなら必ずや「よくぞ言った」と喝采してくれるだろう。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.03.02 13:34 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】ただ差が開いただけだった…

▽「8月にプレーオフがあるのもイヤだけど、今更ヨーロッパリーグもねえ」そんな風に私が嘆いていたのは月曜。前夜は怖くて見られなかったリーガの順位表をスポーツ紙で確認した時のことでした。いやあ、一足早くセビージャがベティスとのダービーに1-2で勝ち、首位のレアル・マドリーと勝ち点で並んだ時は、TVでサンパオリ監督の満足顔を見てもまだ、アトレティコとの差が広がったって一晩だけのことと、あまり気にしていなかったんですけどね。日曜の試合が終わってみれば、上位3チームは勝ち点3差内と変わらないのに、彼らはお隣さんと10差、CLグループステージ出場圏内までは7ポイント。それどころか、5位のレアル・ソシエダと1差しかないとなれば、バルサ戦の後、キャプテンのガビが「Lo importante es mantener el cuarto/ロ・インポルタンテ・エス・マンエネール・エルクアルト(大事なのは4位の座を維持すること)」と話していたのは当然だったから。 ▽いえ、シメオネ監督の「A mí no me cambia el objetivo desde que llegué al club/ア・ミー・ノ・メ・カンビア・エル・オブヘティボ・デスデ・ケ・ジェゲ・アル・クルブ(このクラブに来てからの目標は自分にとって変わらない)」という言葉を伝え聞いたか、チームがダメダメだった時代をあまり覚えていない後輩のカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)、コケなどは、「ボクらは常に上を見ていて、el objetivo es alcanzar la tercera plaza/エル・オブヘティボ・エス・アルカサール・ラ・テルセラ・プラサ(目標は3位の座につくことだよ)」と言っていましたけどね。今季、ここまでリーガ上位5チームとの対戦でたった勝ち点1しか取れていない現実を踏まえれば、直接対決で差を縮めればいいとか、そんな上手い話はとても考えられず。 ▽となると、精一杯楽観したとして、私のできるのは夏のバケーションを早めに切り上げて、8月15、16日には絶対マドリッドにいるようにすることぐらいですが、来季は新規にオープンするワンダ・メトロポリターノがホームとなるアトレティコ。ただ、それもリーガ開幕から2試合はLEP(スペイン・プロリーグ協会)にアウェイ戦にしてくれるように頼んでいるぐらい、少々遅れ気味なため、すでにビセンテ・カルデロンお別れイベントのOB試合やコンサートの予定も組まれていながら、またCLプレーオフの1試合のために芝を貼らないといけないというのはやっぱり、間が抜けて見えますよね。 ▽まあ、何でそんな破目になったかはまた後で話すとして、先週末のリーガ戦のマドリッド勢は土曜のレガネスからスタートすることに。ブタルケにデポルティボを迎えたんですが、前節にカンプ・ノウで善戦したのがよっぽど自信になったんでしょうかね。これまでゴール不足に悩んでいたチームとは思えない勢いで、前半はシマノフスキとマントバーニが、後半もウナイ・ロペスとブエノがゴールを決め、4-0と大勝してしまったから、驚いたの何のって。おかげでアシエルとガイスカのガリターノ監督対決は前者に軍配が挙がり、レガネスの順位も16位に上昇。降格圏とも勝ち点差4がついたため、今週ミッドウィーク開催の火曜のバレンシア戦でも浮かれず、その勢いを維持してほしいものです。 ▽そして翌日の夕方、私はビセンテ・カルデロンに向かったんですが、バルサを迎えたその一戦の前半はまるでコパ・デル・レイ準決勝の続きを見ているかのごとし。ええ、もちろん1stレグ前半でまったく覇気がなかったのを反省していたアトレティコは、あわや逆転勝ち抜けも夢ではないと思わせた2ndレグのような勢いでスタートし、実際、先制するチャンスもあったんですけどね。GKがシレッセンからテア・シュテーゲンに代わっても結果は同じ。グリーズマンの強烈な一撃はparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまいます。ただ、彼らも肩の脱臼から回復し、モヤから先発を引き継いだオブラクがメッシのFKを弾き飛ばし、ルイス・スアレスに蹴られてもゴールを死守したため、0-0のまま、ハーフタイムに入ったんですが…。 ▽うーん、基本的にバルサ来襲時のアトレティコは、どうせ自分たちはそんなに完璧なパスサッカーはできないからという諦めもあるんでしょうかね。ピッチの芝を長めにし、水も撒かないでおくため、現在はカタールでプレーしているチャビを筆頭に、試合後はいつもブーブー文句を言われていたんですが、この日は「Nos benefició para conseguir los dos goles y a ellos en una contra de Griezmann/ノス・ベネフィシオ・パラ・コンセギール・ロス・ドス・ゴーレス・イ・ア・エジョス・エン・ウナ・コントラ・デ・グリースマン(ウチが2点を取る助けになり、グリーズマンのカウンターを邪魔した)」(ルイス・エンリケ監督)という現象が発生。いえ、もちろんシメオネ監督は認めていませんし、「No logramos despejar una jugada de muchos rebotes/ノー・ログラモス・デスペハール・ウナ・フガダ・デ・ムーチョス・レボテス(何度も跳ね返ったボールをクリアすることができなかっただけ)」という意見はもっともなんですけどね。 ▽まずは63分、エリア内で行ったり来たりするボールを最後はルイス・スアレスが撃ちに行ったところ、この試合で復帰したゴディンが同じウルグアイ代表のチームメートの前をふさいだものの、ボールは通ってしまい、その辺りにいた誰より素早かったラフィーニャにゴールにされてしまうんですから、困ったもんじゃないですか! ▽でもこの時はまだ良かったんです。ええ、70分にはコケのFKをゴディンが名誉挽回とばかりにヘッドで同点弾を決め、勝負は一旦、振り出しに。折しも前回のリーガのホームゲームではセルタ相手に奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を披露、お隣さんのようなこともできるんだとわかっただけでなく、火曜のCLレバークーゼン戦1stレグで4点も取っていたことあって、これですっかりスタンドのファンも行けると思ったところ…。 ▽それが諸刃の剣だったとは! 実際、「前半での頑張りとミッドウィークのCL戦で、les pasó facture/レス・パソ・ファクトゥーラ(彼らはツケを払うことになった)」(イニエスタ)だったんでしょうかね。フェルナンド・トーレスとコレアが交代でピッチに立ったものの、いつまで経ってもアトレティコは追加点を奪えず。いえ、それどころか86分には再び、エリア内で混乱状態に陥ってしまいます。ええ、メッシの蹴ったFKが弾かれて、ラキティッチによって戻って来ると、ウムティティ、ルイス・スアレスと繋がれ、最後はまたメッシがシュートなんて一体、あっていい? 挙句の果てに前をふさいだサビッチの脚に当たったボールをもう1度メッシに蹴り込まれ、バルサに勝ち越し点を取られてしまったなんて日には、もう「今日みたいに好ゲームを演じたって、こういう試合では常に幸運が必要なんだ。No la hemos tenido/ノーラ・エモス・テニードー(それがボクらにはなかった)」とコケが嘆く気もわからなくはない? ▽いえまあ、サッカー選手として正しい姿勢は「上手いことプレーしても結果が出ないのをウチは見てきたから、habrá que apretar más el culo/アブラ・ケ・アプレタール・マス・エル・クーロ(もっと尻を引き締めていかないといけない)」と、できた後輩のサウールの言う通りなんでしょうけどね。こうもバルサに勝てない試合ばかりを見せられると以前、14年間、マドリーダービーで白星がなかった時代を思い出してしまうばかり。就任以来、リーガ戦でバルサに勝ったことのないシメオネ監督もこの日は珍しく、「おそらく今日は値しない勝利を持ち帰られた」と不満を漏らしていましたが、大事なのは「Ellos demostraron su categoría en el lugar más importante, el área/エジョス・デモストラロン・ス・カテゴリア・エン・エル・ルガール・マス・インポルタンテ、エウ・アレア(彼らは一番重要な場所、エリア内でクラスを見せた)」(シメオネ監督)なんですから、もう仕方ないですよね(最終結果1-2)。 ▽そして夜になって、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でマドリーの試合を見た私でしたが、さすがこちらは根性のレモンターダの本家本元。昨年12月、クラブW杯参加のため延期され、先週、ミッドウィークにあったバレンシア戦同様、前半は0-0という違いはあったものの、後半序盤にトリゲロスとバカンブのゴールで2点を先行されながら、きっちり逆転勝利しているのですから、伝統芸とは何とも恐ろしいものです。いえ、今回は起爆剤としてカゼミロに代えてイスコが入った後、60分にカルバハルのクロスをベイルがヘッドで決めてしばらく、同じバレンシア地方(スペイン南東部)のお隣さんですし、そのままビジャレアルに逃げ切られるんじゃないかと思われた時間帯もあったんですけどね。 ▽70分にクロースがエリア内に入れたクロスをビクトル・ルイスが弾いたところ、ボールがブルーノ・ソリアーノの腕に当たり、何と審判がペナルティを宣告。どうもこれは当人も後で「el balón me viene rebotado al brazo y no puedo cortarmelo/エル・バロン・メ・ビエネ・レボタンドー・アル・ブアソ・イ・ノー・プエド・コルタルメロ(ボールは弾かれて腕に当たったし、自分の腕を切り落とす訳にもいかないし)」と言っていましたし、この時の抗議で退場処分になったエスクリバ監督も「審判とのミーティングではリバウンドのボールが腕に当たってもペナルティにはならないと言われていた」と主張。スポーツ紙などでも概ね、PKを与えるのはおかしいという意見だったんですけどね。 ▽判定が覆る訳もなく、実際に蹴るまで3分程、中断されていたにも関わらず、ここはクリスチアーノ・ロナウドが落ち着いて同点をゲット。うーん、大体がして、どこそのチームの当てにならないPKキッカーたちとは違い、前節のレガネス戦ではメッシも土壇場で勝利のPKゴールを決めていましたしね。やはり一流の選手は、ここ一番の大事な場面では失敗しないのが普通です。木曜にはバチカンで教皇に福音を授けてもらったビジャレアルの選手たちもこれには落胆してしまったか、その後、83分にはイスコが取り戻したボールを起点となり、マルセロのクロスを同じ途中出場のモラタが頭で撃ち込んで、とうとうマドリーの逆転劇が完成となりました(最終結果2-3)。 ▽うーん、ジダン監督も後で「Isco y Morata cambiaron el partido, seguro que merecen más minutos/イスコ・イ・モラタ・カンビアロン・エル・パルティードー、セグロ・ケ・メレセン・マス・ミヌートス(イスコとモラタは試合を変えた。もっと多くのプレー時間を与えるに値するよ)」と、この日お手柄だった2人について言っていましたけどね。BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)が勢揃いしたからには、大事な試合は彼らが先発となるのがマドリーのマスト。となると、この日はモラタが3点目を挙げた後、痛みを訴えてルーカス・バスケスと交代したベイルも「Tiene un golpe, no parece que sea nada más/ガレス・ティエネ・ウン・ゴルペ、ノー・パレセ・ケ・セア・ナーダ・マス(ただの打撲で、それ以上には見えない)」(ジダン監督)ため、他のアタッカーたちにまだ辛抱の時期が続きそうなのはちょっと、気の毒かもしれませんね。 ▽え、ビジャレアルではそれどころではないケガ人が前半に出て、大変だったんだろうって? その通りで、実は24分にベンゼマのヘッドを弾いた拍子にGKアセンホが左ヒザの靭帯を断裂。実は彼、アトレティコにいた時代の2010年、マラガにレンタル移籍していた2011年、そして2015年にも今のチームで右ヒザの靭帯断裂を経験しており、今回は反対の脚だったからでしょうか。その直後は当人も気づかず、しばらくプレーを続けたものの、34分には控えのアンドレス・フェルナンデスに交代。すぐに病院に行って検査したところ、4度目の重傷発覚となりました。 ▽いやあ、今季のアセンホは絶好調で、チームはリーガでどこより失点が少なく、当人はサモラ(失点率の一番低いGKに与えられる賞)街道まっしぐら。昨年11月のスペイン代表戦でもデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、レイナ(ナポリ)に次ぐ第3GKとして招集を受けていた程だったんですが、本当にこういう話を聞くと、人生だけでなく、サッカーでも一番大事なのは運じゃないかと私も思うことしきりなんですけどね。27歳のアセンホはまた手術を受け、6カ月のリハビリに耐えての復帰を誓っていますが、何はともあれ、来季には元気になった姿を再びピッチで見せてくれるのを願っています。 ▽一方、マドリーはその夜、カステジョン(ビジャレアルのある州)の飛行場が霧に覆われ、帰京できなかったんですが、翌朝にはマドリッドに無事到着。そのままバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に直行すると、水曜のラス・パルマス戦に備えて練習を開始しています。何せ、このミッドウィーク開催リーガでも2位のバルサは同じ水曜ながら、午後7時30分からスポルティング戦と、9時30分(日本時間翌午前5時30分)キックオフのマドリーの前にプレーしますからね。まだ日程が決まっていないセルタ戦(バライドスの屋根が壊れて延期)が行われるまで、消化試合が1つ少ないというのりしろはありますが、バレンシア戦の例もあることですし、ここは相手が先に勝って順位表の上に立ち、プレッシャーをかけてきても決して慌てず、自分たちのノルマをこなすしかないかと。 ▽ラス・パルマスも前節、レアル・ソシエダに0-1で負け、いえ、これが、アトレティコが5位に勝ち点1差に迫られてしまった原因というのはともかく、4連敗中と決して調子が良くないのも有難いかもしれませんしね。お楽しみは今季、PSGに移籍しながら、パリの水が合わず、1月から生まれ故郷のチームにレンタルで加入したヘセがサンティアゴ・ベルナベウに戻って来ることですが、果たして古巣への恩返しができるかどうか。 ▽そうそう、アトレティコは木曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイのデポルティボ戦なんですが、折しもレガネス戦で大敗したガイスカ・ガリターノ監督はラ・コルーニャ(スペイン北西部のリゾート都市)に戻るやいなや、解任の憂き目に。試合までにはペペ・メル監督が就任すると聞いていますが、こちらもソシエダが火曜にエイバル戦、セビージャも同じ木曜の早い時間帯にアスレティック戦となるため、自分の試合が終わるまで、選手たちには順位表を見ていてほしくないですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.28 10:59 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】上位戦線に異変が起こるかも…

▽「最終節前の平日にいきなり差をつけられてもねえ」そんな風に私が憂いていたのは金曜日、前夜のヨーロッパリーグ32強戦2ndレグはTVでこそ見られなかったものの、当日の午前中はチーム全員でバチカンに赴き、フランシスコ教皇に拝謁。1stレグで4-0と大敗した後、恥ずかしくない試合ができることを祈願してもらったのが効いたか、ローマに0-1で勝って、心安らかに敗退したビジャレアルはともかく、同じ早い時間のうちにアスレティックまでアポエルにキプロス島で2-0と負け、衝撃の逆転敗退という大番狂わせを演じてくれることに。そのせいもあって、スペイン勢最後の砦となったセルタがウクライナでのシャフタール戦、後半ロスタイムにPKで1点を取って延長に持ち込み、最後はカブラルのゴールで総合スコア2-1と逆転突破するのをドキドキしながら、スポーツ紙のテキスト中継で見守っていたんですけどね。 ▽おかげでEL16強戦でロシアのクラスノダールと当たることが決まり、それだったら、準々決勝進出も夢ではないと思わせてくれたセルタでしたが、問題は彼らには暴風雨でバライドス(セルタのホーム)の屋根が壊れ、延期になったレアル・マドリーとのリーガ戦があること。セルタがELのこのラウンドで負けていれば、3月にマドリーのCL16強戦2ndレグのない週の平日に設定できたんですが、まずこの可能性が消滅して、実はお隣さんも先週はCL16強戦1sレグでナポリに3-1と勝利と、準々決勝進出にかなり近づいているんですよ。となれば、最短で双方がベスト8で負けた場合には4月、片方でもそれ以上進んだら、やっぱり対戦すうのは5月17日頃となってしまう?現在のように2位との勝ち点差が1、未消化分を含んでも4しかないとなると、あまりリーガ終了が押し迫っての開催は、マドリーにとってもプレッシャーがかかるような気がするんですが…。 ▽まあ、余裕の首位だった彼らが何で急にそんなことまで心配しなければならなくなったのかはまた後でお話しすることにして、今週CL16強戦に挑んだアトレティコはどうだったかというと。これがまた、相手のレバークーゼンは2年前の同じステージで当たり、その時は互いにホームで1-0勝利の末のPK戦決着だったため、あまり得点が期待できない試合なるかと思いきや、まったく真逆なゴール祭り的展開に。ええ、前回のバイアレナ訪問時は相手選手との接触プレーで腎臓を痛めて途中交代。ロッカールームに着くまでに何度も吐いて、病院に緊急搬送となった上、4日間も入院しなければならなかったサウルが今度は絶対、いい思い出を作ってやると決心していたんでしょうかね。 ▽前半16分には1人、スルスルと右サイドを上がり、エリア内に入ってから、狙い澄ましたvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKレノを破っているんですから、こちらもビックリしたの何のって。おまけにそれから10分もしないうちにドラゴビッチが失ったボールを拾ってガメイロが敵陣をドリブル。最後はタイミングを見計らってグリースマンにパスを出すと、そのシュートが決まり、前半から2点もリードしているって、あまりに簡単じゃありません? ▽でも、そこはしなくてもいい苦労をするのが大好きなアトレティコ。後半開始早々、ベララビに1点を返されてしまったのは守備陣のちょっとした油断からだったんでしょうけどね。13分にはその日、大殺界だったようなドラゴビッチがガメイロをエリア内で倒し、アトレティコがPKを獲得。その際には同時進行のマンチェスター・シティ戦で、かつてのエース、今はモナコにいるファルカオがPKをGKカバジェーロに弾かれたという報も入っていたため、喜ぶよりもこのチームに奥深く根付いたPK失敗率の高さにむしろ頭が痛くなったものの、ようやく練習の成果が実ったようです。ガメイロが落ち着いて決めて、再び2点差となったんですが、まさか22分、フォラントのシュートをGKモヤが弾いたところ、サビッチに当たってオウンゴールになってしまうなんて、やっぱりアトレティコの不幸体質はまだ改善されていない? ▽おかげでそれまではサッカー的には上回るとこがなかったレバークーゼンがスタンドの後押しもあって勢いづき、私も気が気ではなかったんですけどね。2-3になって幾らもしないうちに、シメオネ監督は「mi intención era poner gente fresca/ミ・インテンシオン・エラ・ポネール・ヘンテ・フレスカ(自分の意図はフレッシュな選手をいれることだった)」と交代策を発動。フランス人の同僚の背番号が第4審判の掲げる電光ボードに現れたのを見た途端、グリースマンが「No, no! ¡Es el mejor, es el mejor!/!エス・エル・メホール(ダメ、ダメだよ。彼が一番いいんだから)」と抗議するのも無視して、ガメイロをトマスに代えると、その6分後には当人もカラスコと共にベンチへの道を辿ることになります。 ▽え、ガメイロも交代時には怒っていたようだったけど、結果的にはフェルナンド・トーレスとコレアが入って吉と出たんだろうって?そうですね、後でグリースマンも「彼は斜めに切り込んで、ボクらを凄く助けていてくれていたけど、el míster tuvo razón porque marcamos el cuarto/エル・ミステル・トゥボ・ラソン・ポルケ・マルカモス・エル・クアルト(ウチは4点目を取ったんだから、監督の考えが正しかった)」と認めていたように41分、トーレスがベルサリコのクロスを頭でゴールに流し込んでくれたんです!最後は2-4のスコアで終わり、つまりこれはレバークーゼンがビセンテ・カルデロンでの2ndレグを0-3で勝たないと逆転突破できないってことですからね。 ▽そんな余裕もあってか、その後はガビとフィリペ・ルイスがイエローカードをゲットし、累積警告で次戦出場停止となるローテーション計画も実行できたとなれば、試合後のシメオネ監督が「Fue tácticamente perfecto/フエ・タクティカメンテ・ペルフェクト(戦術的に完璧だった)」とほくそ笑んでいたのも当然だったかと。まあ、このところはグリースマン、ガメイロ、トーレスと、FWたちにゴールが戻っても来ましたしね。彼らにはその夜、軍配は5-3でシティに挙がったものの、それぞれ別のサイドで2ゴールを決めて大活躍。超一流のストライカーを持つという、アトレティコのいい方の伝統を作ってくれたアグエロやファルカオに負けない働きをこのシーズン残りに期待しています。 ▽そして翌日、CL戦でセビージャがラモン・サンチェス・ピスファンでレスター・シティを2-1と下す前、これもクラブW杯参加のため、延期されていたバレンシア戦にメスタジャで挑んだマドリーなんですが、まさかの伏兵に足元をすくわれることに。だってえ、本来の日程だった12月に試合をしていれば、開始早々、4分にムニルのクロスを胸で受け、エリア内で体を捻って先制弾を決めたザザ(ユーベからレンタル移籍、シーズン前半はウェストハムでプレー)も、その4分後、ザザ、ナニと繋いだカウンダーから2点目を挙げたオレジャナ(セルタから移籍)だって、バレンシアにはいなかったんですよ。 ▽もちろん、「Esos 10 minutos nos ha faltado concentración sin balón/エソス・ディエス・ミヌートス・ノス・ア・ファルタードー・コンセントラシオン・シン・バロン(この10分間、ウチはボールを持っていない時の集中力が欠けていた)」(ジダン監督)というのは自業自得ではありますが、まあそれは、かつて「眠ったままピッチに出る」という悪癖を性懲りもなく繰り返していた、どこぞのチームの例もありますからね。そんな時があるのはわかるんですが、予想外だったのはそれから80分も時間があったにも関わらず、ゴールには不自由していないはずのマドリーが同点にもできなかったことでしょうか。 ▽いえ、ハーフタイムに入るちょっと前にはマルセロのクロスをクリスチアーノ・ロナウドが見事なヘッドで決めて、1点は返したんですけどね。バレンシアは前半にナニを負傷で、後半には早々にオレジャナを引っ込め、専守防衛になっていたものの、ハメス・ロドリゲスに代えてベイル、その日は間の悪さでドラゴビッチと双璧を成していたバランがケガでナチョに代わったのはともかく、最後はモドリッチを下げて、ルーカス・バスケスまで投入したのも実らず、結局、2-1で負けてしまうことに。要は「Jugamos ochenta minutos concentrados, pero diez no/フガモス・オチェンタ・ミヌートス・コンセントラードス、ペオ・ディエス・ノー(ボクらは80分間集中して戦ったけど、10分間は違った)」(カセミロ)ということで、まさに覆水盆に返らずの典型だった? ▽おかげでこの日曜、保険分だった勝ち点3を増やせず、2位と1差のままとなった彼らは首位防衛を懸けてリーガ戦に挑まないといけなくなってしまったんですが、相手はローマ戦で主力を10人温存、しかも霊験あらたかなビジャレアルですからね。ELを敗退したことで、優勝ご褒美のCL出場権獲得の夢も消えてしまった今、彼らとしても来季もヨーロッパの大会でプレーできる6位の座は死守したいところでしょうし、果たしてマドリーが名誉挽回のプレーを見せられるのかどうか。 ▽そんなビジャレアルvsマドリー戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。そろそろBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)のスタメン復活が期待されますが、モラタやイスコらもあまり出られないと不満が溜まりそうですし、その辺はジダン監督の心づもり次第。負傷欠場者は肉離れで全治3、4週間となってしまったバランぐらいになりそうです。 ▽え、それならマドリッドの両雄として、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、2位のバルサをビセンテ・カルデロンに向かい撃つアトレティコが一肌脱いでやるべきだろうって?いやあ、ライバル意識とは恐ろしいもので、こういう機会ではお隣さんを首位から引きずり下ろすために負けた方がいいなんて声がファンから聞こえてくるのも珍しくないんですが、今回は状況が状況ですからね。というのも、ここでアトレティコが勝って、マドリーが負ければ、両者の勝ち点差は7から4に縮小。2位との差も3になって、CLグループステージ出場権のある3位以内フィニッシュが近付くだけでなく、一旦は諦めた優勝戦線に復帰するのも夢じゃなくなるってことなんですよ。 ▽その上、バルサ相手には2月上旬のコパ・デル・レイ準決勝であと一歩のところまで相手を追い詰めながら、逆転勝ち抜けを逃したという苦い記憶がまだ新しいですからね。向こうがCL16強戦1stレグでPSGに4-0の大敗を喰らったため、この先、今季は対戦の機会がないかもしれないとすれば、もうここでリベンジしておくしかない?うーん、シメオネ監督がこれまでバルサ戦で2勝しかしていないというのは気になりますけどね。そろそろゴディンもケガが治って戻って来られそうなため、今度こそはウルグアイ代表の同僚、ルイス・スアレスを抑えてくれることを期待。マドリッドで彼女との相互DV裁判で証言した後、レバークーゼンにプライベートジェットで当日移動してベンチ観戦していたルカスも体調は万全ですし、この試合ではいよいよGKがモヤからオブラクになるかもしれませんね。 ▽そして前節はそのバルサにカンプ・ノウで引き分け寸前まで行きながら、終了間間際のPKで2-1と涙を呑んだマドリッドの新弟分、レガネスは土曜にデポルティボ戦なんですが、今週末は兄貴分たちも上位チーム対戦なので、助けてあげられませんからね。勝ち点2まで迫ってしまった降格圏に落ちしないためには、何とか自力で勝つしかないかと。まあ、1つ上にいるデポルティボも今年になって白星がないという点ではレガネスと同じですし、ここで勝てば16位になれるというのもいいモチベーションになると思うので、選手たちが頑張ってくれることを私も祈っています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.25 08:50 Sat
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【2017 J1順位予想③】川崎Fの初タイトル、C大阪のジンクス破りを予想

▽2017シーズンの明治安田生命Jリーグは、25日のJ1を皮切りに、全カテゴリーが開幕を迎える。再び1シーズン制となる今シーズンから、10年総額2100億円で放映権契約を結んだ『DAZN』が参入。上位クラブに還元される配分金が手厚くなり、「共存から競争の時代」に突入する。 ▽その激戦必至のJリーグ開幕に先駆けて、超ワールドサッカー編集部が今シーズンにおけるJ1の順位を予想。本稿では編集部Nの予想を紹介していく。 Getty Images1位 川崎フロンターレ 2位 浦和レッズ 3位 鹿島アントラーズ 4位 サンフレッチェ広島▽まず、優勝候補に挙げたのが上記の4チーム。中でも、優勝候補筆頭に挙げたのは、川崎フロンターレだ。主力の放出はFW大久保嘉人のみに抑え、大宮アルディージャの躍進を支えたMF家長昭博や3冠経験者MF阿部浩之ら各チームのレギュラーを獲得。川崎Fに足りなかった才能と勝負強さが加え、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を並行してリーグ優勝を狙うだけの戦力を揃えた。また、新指揮官の鬼木達監督は「勝負にもこだわる」姿勢も見せており、風間八宏監督が創りあげた魅力ある攻撃サッカーを磨き上げることで念願のタイトルを獲得すると予想した。 ▽対抗は、浦和レッズと鹿島アントラーズ。川崎F同様、ACLも戦う両チームだが、浦和はFWラファエル・シルバやMF長澤和輝らを獲得し、選手層にも厚みを加えた。例年指摘される終盤の失速癖さえ露呈しなければ、優勝も十分狙える。一方の鹿島は昨年終盤からの戦いぶりを見れば、1位予想でもおかしくないチームだ。しかし、ACLもある今シーズンは、DFファン・ソッコが抜け、DF昌子源、DF植田直通の両センターバックが通年を通して戦い切れるかが気になるところ。 ▽また、優勝争いに名乗りを挙げそうなのがサンフレッチェ広島。今年はACLがなく、リーグ戦に専念できる状況に加え、オフにはFW工藤壮人を獲得するなどピンポイント補強に成功。新加入選手の早期フィットは不可欠だが、その問題を解消できれば、日程面で有利に立てる。ただ、長年クラブを支えてきたFW佐藤寿人とMF森崎浩司が退団した影響は気がかりな点だ。 Getty Images5位 ガンバ大阪 6位 FC東京 7位 セレッソ大阪 8位 柏レイソル 9位 サガン鳥栖 10位 ヴィッセル神戸 11位 横浜F・マリノス 12位 大宮アルディージャ▽次に、中位を争うのがこの8チーム。その中で、上位争いに加わる可能性が高いチームがガンバ大阪、FC東京、セレッソ大阪だ。昨シーズンからの主力がベースとなり、選手層に厚みを加えているが、上位に予想した4チームと比べると決定打に欠ける印象だ。続いて8位から12位に予想した柏レイソル、サガン鳥栖、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノス、大宮は、チームの主軸を放出。しっかりと戦力補強は行っているものの、チームにフィットするかが未知数だ。 (c) CWS Brains, LTD.13位 ジュビロ磐田 14位 北海道コンサドーレ札幌 15位 清水エスパルス 16位 ベガルタ仙台 17位 アルビレックス新潟 18位 ヴァンフォーレ甲府▽最後に残留争い。13位のジュビロ磐田、14位の北海道コンサドーレ札幌、15位の清水エスパルスの3チームは、中位と比べて選手層が薄い印象。ただ、MF中村俊輔(磐田)、MF兵藤慎剛(札幌)、GK六反勇治(清水)など戦力的には実力者も加入し、下位3チームに比べると、残留争いで一歩リードしているように思える。ただし、ベガルタ仙台、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府も新監督や新加入選手、新戦術がフィットすれば順位を上げるはず。シーズンを通じた残留争いは、この6チームで繰り広げられそうだ。 2017.02.24 23:50 Fri
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【2017 J1順位予想②】王者・鹿島の連覇、鳥栖の上位進出を予想

▽2017シーズンの明治安田生命Jリーグは、25日のJ1を皮切りに、全カテゴリーが開幕を迎える。再び1シーズン制となる今シーズンから、10年総額2100億円で放映権契約を結んだ『DAZN』が参入。上位クラブに還元される配分金が手厚くなり、「共存から競争の時代」に突入する。 ▽その激戦必至のJリーグ開幕に先駆けて、超ワールドサッカー編集部が今シーズンにおけるJ1の順位を予想した。本稿では編集部Kの予想を紹介していく。 Getty Images1位 鹿島アントラーズ 2位 浦和レッズ 3位 サガン鳥栖 4位 ガンバ大阪▽王者・鹿島アントラーズの連覇を予想する。昨シーズンのチャンピオンシップ、そしてクラブ・ワールドカップを経て得た経験値は、チームを1ランク上に上げた印象。さらに、MFレオ・シルバ、FWペドロ・ジュニオール、GKクォン・スンテを筆頭に、適材適所で大幅な戦力アップを敢行。不安要素が大きく減った印象だ。唯一あるとすればCBの厚さ。DF昌子源、DF植田直通に次ぐ選手のレベルアップが待たれる。 ▽対抗には、浦和レッズとサガン鳥栖を挙げたい。浦和レッズはリーグタイトルこそのがしたものの、昨シーズンの勝ち点1位は実力。さらに、FWラファエル・シルバ、MF矢島慎也、MF長澤和輝、MF菊池大介と補強。チームに馴染むまでは時間がかかりそうだが、終盤に戦力となっていれば優勝を争い続ける可能性は高い。また、ゼロ円補強でチームのベースアップを図ったサガン鳥栖を3位と予想する。マッシモ・フィッカデンティ監督の戦術も浸透し、昨シーズンの2ndステージは好調を維持。GK林彰洋の穴が心配されたが、GK権田修一を獲得し一件落着。全てにおいてベースアップが行えた印象だ。シーズン中に戦術がさらに浸透することを考えれば、J1で鳥栖旋風が起こる可能性は高い。 ▽4番手には、ガンバ大阪を挙げたい。昨シーズンは序盤につまづき、ホームである市立吹田サッカースタジアムで勝てないなどマイナス要素が強かったが、終わってみれば4位フィニッシュ。AFCチャンピオンズリーグの出場権も獲得した。選手の入れ替えは行ったものの、既存選手に合わせたスタイルであるボックス型の[4-4-2]を採用。強いガンバが復活する雰囲気を感じる。 Getty Images5位 サンフレッチェ広島 6位 大宮アルディージャ 7位 ヴィッセル神戸 8位 川崎フロンターレ 9位 セレッソ大阪 10位 横浜F・マリノス 11位 柏レイソル 12位 FC東京▽シーズン中の調子次第では上位争いを繰り広げられそうなチームとして8チームをピックアップした。5位に予想したサンフレッチェ広島は、FW佐藤寿人が退団したものの、積年の愛が実りFW工藤壮人を獲得。MFフェリペ・シウバも卓越したテクニックをプレシーズンで発揮するなど、攻撃陣に期待が懸かる。また、昨シーズン5位と躍進を果たした大宮アルディージャも6位と予想。MF家長昭博、MF泉澤仁の退団で評価が下がりそうだが、チームのベースアップは着実に果たしている。着実に力をつけていることを考えると、今年も上位に食い込みそうだ。 ▽また、ネルシーニョ体制3年目を迎えるヴィッセル神戸、鬼木達新監督を迎えた川崎フロンターレ、MF清武弘嗣が復帰したセレッソ大阪は6位〜8位に予想。選手個々の能力を見ればトップ4入りも可能だが、チームとして機能するまでに時間がかかりそうな印象がある。特に川崎Fは風間八宏監督の下、攻撃面では特に緻密なサッカーを展開していたが、前線の入れ替えにより崩れてしまう可能性が見て取れる。新戦力がどのタイミングでフィットするかが成績を左右するだろう。 Getty Images13位 ジュビロ磐田 14位 北海道コンサドーレ札幌 15位 ベガルタ仙台 16位 清水エスパルス 17位 ヴァンフォーレ甲府 18位 アルビレックス新潟▽残留争いも非常に予想が難しい。ポイントを昨シーズンのベースをどこまで残せているかに置き、清水エスパルス、ヴァンフォーレ甲府、アルビレックス新潟がJ2降格と予想する。外国人をすべて入れ替え、さらにDF舞行龍ジェームズ、MF小林裕紀とチームの軸を失った新潟は、厳しい戦いが待っているはずだ。指揮官も三浦文丈監督と監督として新潟を率いるのは初。どの様なチームになるのかは未知数だ。 ▽また、甲府も吉田達磨新監督を迎え、チームに変革をもたらせようとしている。昨シーズン崩壊した守備面の改善がどこまで進むのか。攻撃的に切り替えて結果が出なかった場合は厳しい結果が待っているだろう。また、清水もJ1を戦いぬく戦力を揃えたとは言い難い。FW鄭大世に頼り切りになりそうな攻撃陣がどこまで奮闘するか。1年での復帰とはいえ、J1を離れていた昨シーズンからの積み上げが大きく影響しそうだ。 2017.02.24 23:45 Fri
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【2017 J1順位予想①】優勝筆頭に広島、対抗に鹿島&浦和…鬼木体制の川崎Fは序盤戦苦戦の予感

▽2017シーズンの明治安田生命Jリーグは、25日のJ1を皮切りに、全カテゴリーが開幕を迎える。再び1シーズン制となる今シーズンから、10年総額2100億円で放映権契約を結んだ『DAZN』が参入。上位クラブに還元される配分金が手厚くなり、「共存から競争の時代」に突入する。 ▽その激戦必至のJリーグ開幕に先駆けて、超ワールドサッカー編集部が今シーズンにおけるJ1の順位を予想した。本稿では編集部Tの予想を紹介していく。 Getty Images1位 サンフレッチェ広島 2位 鹿島アントラーズ 3位 浦和レッズ 4位 ガンバ大阪▽本命はサンフレッチェ広島だ。優良助っ人のオーラを漂わせるMFフェリペ・シウバや、Jリーグで実績十分のFW工藤壮人ら適材適所な補強に成功し、過去5年で3度もJリーグ王者に導いた森保一監督の手腕も健在。ケガ人が出たときの選手層の薄さは気がかりだが、J1屈指のチーム完成度を誇る。さらに、AFCチャンピオンズリーグ(AFC)を戦わない日程面も鹿島アントラーズと浦和レッズとのJ1の覇権争いで優位に働くと予想した。 ▽対抗は、鹿島と浦和。両チームともに即戦力級を補強したことで、昨年以上のチーム力を手にした。ただ、先のFUJI XEROX SUPER CUP 2017での戦いを見る限り、昨年のJリーグ王者と天皇杯の2冠王者である鹿島が持ち前の勝負強さで頭一つ抜けている印象。とはいえ、浦和に優勝の可能性がないわけではない。シーズン中に何度か訪れる勝負どころで力を発揮できるかどうかがカギになりそうだ。 ▽4番手には、長谷川健太体制5年目を迎えたガンバ大阪の名前を挙げる。サガン鳥栖や川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸、セレッソ大阪、FC東京の勢いも気になるところ。しかし、昨シーズンのJ1リーグ2ndステージ最終節で川崎Fに3-2で逆転勝利した戦いを見てのとおり、“ここぞ”というときの勝負強さは健在だ。今オフ、戦力の入れ替わりも含めて多くの変革があったが、経験値の部分で群を抜く存在に変わりはない。 Getty Images5位 サガン鳥栖 6位 川崎フロンターレ 7位 ヴィッセル神戸 8位 FC東京 9位 大宮アルディージャ 10位 セレッソ大阪 11位 横浜F・マリノス 12位 柏レイソル▽そして、上位争いを面白くしてくれそうな存在が、先述した鳥栖、川崎F、神戸、C大阪に、FC東京、大宮アルディージャ、横浜F・マリノス、柏レイソルを加えた8クラブ。いずれも新たな戦力を加えて試行錯誤の段階にあるクラブだけに、予想の順位よりも上に行く可能性もあれば、下を彷徨う可能性さえある。トップ4位に比べて劣る経験値を新戦力がカバーする働きを見せることができれば、優勝争いも十分に見込める。 ▽ただ、川崎Fに関しては開幕前の評価を低めに設定した。MF家長昭博、MF阿部浩之、DF舞行龍ジェームズら積極補強が際立ったが、ACLでの戦いを見る限り、序盤戦は鬼木達新監督の下で試行錯誤が続きそうだ。もちろん、実力的には申し分なく、波に乗れば昨シーズンと同様、優勝争いに食い込んでくる可能性は十分だが、上位争いを演じる上で重要な安定した戦いが継続して見せられるかどうか未知数なところがある。 Getty Images13位 ベガルタ仙台 14位 ジュビロ磐田 15位 ヴァンフォーレ甲府 16位 清水エスパルス 17位 アルビレックス新潟 18位 北海道コンサドーレ札幌▽最後に、下位に関しては、上記6チームを予想。MF中村俊輔の加入で今冬を賑わせたジュビロ磐田だが、現時点で不確定要素が多く、蓋を開けてみないとわからない状況。とはいえ、磐田にベガルタ仙台を加えた2チームは、戦力面からして残留争いの主役になることはないだろう。したがって、戦力値で劣るヴァンフォーレ甲府、清水エスパルス、アルビレックス新潟、北海道コンサドーレ札幌の4クラブによる残留争いが繰り広げられそうだ。 2017.02.24 23:45 Fri
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【2017 J1チーム診断】的を射た補強でフィッカデンティ2年目は飛躍のシーズンへ《サガン鳥栖》

▽25日、2017シーズンの明治安田生命J1リーグが開幕を迎える。今シーズンは優勝賞金や分配金などクラブへ直接的に影響する部分で大幅な見直しが行われたことで、高みを目指した戦いにこれまで以上の激化が必至だ。 ▽開幕を前に超ワールドサッカー編集部がJ1全18クラブを診断。今シーズンの展望や注目選手をピックアップした。今回は、的を射た補強で飛躍を遂げるシーズンとなりそうな鳥栖編をお届けする。 ◆成熟度に期待がかかるフィッカデンティ政権2シーズン目 ▽マッシモ・フィッカデンティ監督の就任初年度となった昨季の序盤は過去最高に苦しんだ時期となった。戦術家で知られる指揮官の下、これまでの堅守速攻にポゼッションに加えた新たなスタイルの構築に取り組んだ結果、1stステージでは15位に沈むなど降格争いに巻き込まれた。 ▽しかし、2ndステージではその状況が一転。フィッカデンティ監督の戦術が浸透すると8位で後半戦を終えた。年間通しては11位とやや不満が残り結果となるも、昨季の後半に見せた戦いぶりは新シーズンに期待が持てるものだった。さらにストーブリーグでもシント・トロイデンからFW小野裕二、名古屋グランパスからMF小川佳純、横浜F・マリノスからDF小林祐三、FC東京からGK権田修一を獲得するなど、各ポジションを補った。今季目指すは初のJ1タイトルだ。 ◆2017 シーズンの注目ポイント ▽これまでは堅守速攻のチームスタイルにFW豊田陽平の得点力が鍵を握っていた。しかし、今シーズンはアタッカーとして小野が加入し、豊田への負担が減らせるだろう。さらに中盤では小川や原川力(川崎フロンターレから期限付き移籍)で加入し、またFW鎌田大地の成長もあって、能動的なオフェンスができる選手が増えた。持ち味のハードワークに、自分たちから仕掛けるオフェンスがハマれば非常に面白い戦いを見せてくれるだろう。 ◆予想フォーメーション[4-3-1-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:権田修一 DF:小林祐三、キム・ミンヒョク、谷口博之、吉田豊 MF:小川佳純、高橋義希、福田晃斗 MF:鎌田大地 FW:小野裕二、豊田陽平▽昨季同様に中盤ダイヤの[4-4-2]を採用。GK林彰洋が抜けた守護神のポジションには権田、兵役の関係で退団した金民友のところは、小川が埋める。右サイドバックは新加入の小林祐三とDF藤田優人がポジションを争うことになりそうだ。攻撃陣はトップ下の鎌田と前線の豊田は当確で、もう一枚のアタッカーを新加入の小野や昨季活躍したFW富山貴光らが争う。 ◆期待の新戦力Getty ImagesGK権田修一(日本) 1989年3月3日(27歳) 2016シーズン(オーストリア・2部):15試合▽2015年にオーバートレーニング症候群が発覚して戦列を離れていたが、ミランでプレーする日本代表FW本田圭佑がオーナーを務めるSVホルンに期限付き移籍で加入してリーグ戦にも出場した。今年1月にFC東京との契約を解除して海外でのプレーを目指すも新天地が見つからず。恩師でもあるフィッカデンティ監督の下で、2年ぶりにJリーグへと復帰した。守護神である林をFC東京に引き抜かれた鳥栖としては、今回のストーブリーグで最大の補強だったと言える。 ◆キープレーヤーGetty ImagesMF鎌田大地 1996年8月5日(20歳) 2016シーズン(J1):28試合7ゴール▽鳥栖が用いているフォーメーションの鍵となるトップ下を任されており、昨シーズンは得点力も開花して自身最多の7ゴールをマーク。今季も前線と中盤のリンクマンとしてだけでなく、得点でも結果を残したい。目標では、ライバル視している鹿島アントラーズのFW鈴木優磨の15ゴールを上回る16ゴールと公言。有言実行となれば、タイトル獲得に大きく近づくことができるだろう。 2017.02.24 17:55 Fri
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【2017 J1チーム診断】バンディエラ去り…新陳代謝必要もリーグ集中でACL圏以上へ《サンフレッチェ広島》

▽25日、2017シーズンの明治安田生命J1リーグが開幕を迎える。今シーズンは優勝賞金や分配金などクラブへ直接的に影響する部分で大幅な見直しが行われたことで、高みを目指した戦いにこれまで以上の激化が必至だ。 ▽開幕を前に超ワールドサッカー編集部がJ1全18クラブを診断。今シーズンの展望や注目選手をピックアップした。今回は、一昨シーズンの王者でありながら昨シーズン苦しみ、再び上昇を狙うサンフレッチェ広島編をお届けする。 ◆新陳代謝しながら前進できるか ▽リーグ連覇を目標とした昨シーズンは、負傷者が相次いだこともあって、年間順位6位と振るわず。1stステージは4位とまずまずの成績だったものの、夏にFW浅野拓麿が欧州に移籍した後の2ndステージは、10位と二桁順位の屈辱を味わった。長年クラブを支えた生え抜きのMF森崎浩司が昨季限りで引退し、オフシーズンにはクラブのバンディエラだったFW佐藤寿人が移籍。森保体制の6年目となる2017シーズンは、過渡期を迎えていると言えるチームを新陳代謝しつつも、昨季からの前進をアピールしたい。リーグに集中できる状況だけに、AFCチャンピオンズリーグ出場権獲得のラインは狙っていきたいところだ。 ◆2017シーズンの注目ポイント ▽一昨シーズンからFWドウグラス、FW浅野、FW佐藤と抜けていった攻撃の“トリデンテ”の連係をいかに構築するかに注目。右ヒザ前十字じん帯断裂で全治8カ月となったDF佐々木翔の長期離脱は痛いが、最終ラインと中盤にはDF千葉和彦、DF塩谷司、DF水本裕貴、MF青山敏弘、MF柏好文といった経験と実績を備える計算可能な選手たちがおり、大崩れは考えにくい。そのため、課題はゴールを奪うための得点パターン確立。新戦力のFW工藤壮人を軸に、MF柴崎晃誠、MFアンデルソン・ロペス、MF宮吉拓実、MFフェリペ・シウバといったアタッカー陣のベスト構成をいかに早く見つけられるかがポイントになる。 ◆予想フォーメーション[3-4-2-1] (C)CWS Brains,LTD.GK:林卓人 DF:塩谷司、千葉和彦、水本裕貴 MF:ミキッチ、青山敏弘、稲垣祥、柏好文 MF:フェリペ・シウバ、柴崎晃誠 FW:工藤壮人▽森保監督が一貫して使用してきた[3-4-2-1]を引き続き採用する見込み。ヴァンフォーレ甲府から獲得したMF稲垣祥がMF丸谷拓也やMF森崎和幸と、ファジアーノ岡山から加わったGK中林洋次がGK林卓人とそれぞれポジションを争う。また、セカンドトップのポジション争いも激しくなりそうで、柴崎、宮吉、フェリペ・シウバ、アンデルソン・ロペス、MF茶島雄介らが2枠をかけて凌ぎを削る。 ◆期待の新戦力Getty ImagesFW工藤壮人(日本) 1990年5月6日(26歳) 2016シーズン(MLS:バンクーバー):17試合2得点▽電撃的な加入に驚いた人も多いであろう工藤に期待が懸かる。FWピーター・ウタカとはタイプが異なり、むしろFW佐藤に近いプレースタイル。オフ・ザ・ボールの動きに長けており、相手最終ラインとの駆け引きもうまい。ゴールだけでなくアシストもできるため、シャドーストライカー陣や両ウイングの選手は、可能な限り早く工藤の特徴を掴みたい。26歳という年齢から伸び代も大きく、すんなりフィットすれば2ケタ得点も期待できる。 ◆キープレーヤーGetty ImagesMF青山敏弘(日本) 1986年2月22日(30歳) 2016シーズン(J1):28試合2得点▽2014シーズンからクラブの主将を務めているが、今季はFW佐藤とMF森崎浩が抜けたことで、より一層とチームのまとめ役としての責任がかかる。昨シーズンは、優勝した一昨シーズンに比べれば出来が安定しなかっただけに、今シーズンは一貫したパフォーマンスを見せたい。献身的な守備のほか、持ち味であるロングフィード能力を生かし、裏への抜け出しが得意な工藤へのパス供給源としても期待。中盤をオーガナイズする主将のパフォーマンスがチームの浮沈のカギを握る。 2017.02.24 17:50 Fri
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【2017 J1チーム診断】ネルシーニョ体制3年目で目指すは2年連続のクラブ最高順位更新と初タイトル《ヴィッセル神戸》

▽25日、2017シーズンの明治安田生命J1リーグが開幕を迎える。今シーズンは優勝賞金や分配金などクラブへ直接的に影響する部分で大幅な見直しが行われたことで、高みを目指した戦いにこれまで以上の激化が必至だ。 ▽開幕を前に超ワールドサッカー編集部がJ1全18クラブを診断。今シーズンの展望や注目選手をピックアップした。今回はネルシーニョ体制3年目で悲願の初タイトルを目指すヴィッセル神戸編をお届けする。 ◆噂の大物獲得先送りも悲願の初タイトルに向け充実補強 ▽ストーブリーグを賑わせた元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキの獲得は、今夏に先送りとなった模様だ。しかし、それぞれ鹿島アントラーズ、ジュビロ磐田へ旅立ったFWペドロ・ジュニオール、DF高橋祥平の後釜にFW田中順也、MFウエスクレイ、DF渡部博文ら実力者を補強。加えて、ガンバ大阪から両サイドでプレー可能なサイドアタッカーのMF大森晃太郎、日本代表歴もあるマルチロールプレーヤーのMF高橋秀人らを獲得し、質と量を兼ね備えたスカッドの構築に成功している。 ◆2017シーズンの注目ポイント ▽新シーズンの注目ポイントは、今冬の積極補強で充実の戦力を与えられたJリーグ屈指の名将の采配だ。昨シーズン、攻守にバランスの取れた戦いで2ndステージを2位で終えるなど、クラブ史上最高位となる年間7位でフィニッシュした神戸は、来る新シーズンに悲願の初タイトルを目指す。巨大戦力を誇る鹿島や浦和レッズなど、その他の優勝候補に比べて選手層の面では劣るものの、神戸には卓越したマネジメント力、勝負勘、戦術眼を武器に、これまで多くのタイトルを獲得してきたブラジル人指揮官の存在という強烈なストロングポイントがある。 ▽新シーズンに向けては自身の戦術を知り抜く渡部、田中ら教え子に加え、複数のタスクをこなせる大森や高橋といった実力者が加入しており、複数のシステムや状況に応じた用兵を得意とするネルシーニョ監督の持ち味が遺憾なく発揮できる環境が整った。前述の新戦力とFWレアンドロやGKキム・スンギュらJ屈指のタレント、伸び盛りの有望な若手をうまく融合させることができれば、同じく就任3年目でJ1制覇を成し遂げた柏レイソル時代の再現は十分に可能だ。 ◆予想フォーメーション[4-4-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:キム・スンギュ DF:高橋峻希、岩波拓也、渡部博文、橋本和 MF:三原雅俊、藤田直之、ニウトン、渡邉千真 FW:レアンドロ、田中順也▽昨シーズンと同様に[4-4-2]、[4-3-3]、[3-4-2-1]の3つの布陣を併用する見込みだが、基本フォーメーションは[4-4-2]となる見込みだ。スタメンに関しては、守護神と最終ライン、MFニウトン、FWレアンドロは当確として、それ以外のポジションに関しては、新戦力の見極めを含めて流動的な起用法となるはずだ。とりわけ、レアンドロとニウトンの相棒、両サイドハーフは、熾烈なポジション争いが繰り広げられており、新戦力のMF高橋秀人、大森、田中、ウエスクレイらには、積極的なアピールが求められる。 ◆期待の新戦力Getty ImagesFW田中順也(日本) 1987年7月15日(29歳) 2016シーズン(J1):21試合4得点▽ストーブリーグを賑わせたポドルスキではなく、同じパンチ力のある左足のキックを武器に和製ポドルスキと評される田中に注目したい。昨シーズンはスポルティング・リスボンから鳴り物入りで古巣柏レイソルに期限付き移籍で復帰した田中だが、下平監督の下で若手を中心に据えたスカッドの中で思うように出場機会を得ることができなかった。恩師ネルシーニョ監督の下で再起を図る今シーズンは、レアンドロの相棒や左右のサイドハーフのポジションでのプレーを通じ、リーグ13ゴールを記録して柏の初優勝に貢献した時代の輝きを取り戻したい。 ◆キープレーヤー Getty ImagesGKキム・スンギュ(韓国) 1990年9月30日(26歳) 2016シーズン(J1):34試合0得点▽昨シーズンの得点王レアンドロが攻撃の軸ならば、守備の軸は神戸2年目を迎える絶対的守護神キム・スンギュだ。昨シーズン、蔚山現代から神戸に加入したキム・スンギュは、高い身体能力と優れた判断力、確かなテクニックを武器に、圧巻のゴールキーピングを披露し、全試合フル出場を果たした。そして、Jリーグ屈指の総合力を誇る頼れる守護神は、第2GK山本海人のジェフユナイテッド千葉移籍で選手層に不安を抱えるチームで今季もフル稼働の活躍が期待される。また、神戸が悲願のタイトルを獲得するためには、昨季の43失点からさらに失点を減らす必要があり、最終ラインとの連係を深めて昨季以上の堅守を築きたい。 2017.02.24 17:45 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】今シーズンの判定基準で難しいのはホールディングの判断

▽日本サッカー協会(JFA)は、毎年恒例となっているレフェリング・カンファレンスを2月22日にJFAハウスで開催した。これは、新シーズンのレフェリング基準をJ1からJ3までの54クラブとJFL16クラブに伝えた後にメディアへも公開してきた。 ▽昨シーズンの傾向として、ラフプレーによるイエローカードが増えたこと、昨年夏に導入されたPKの際に、守備側がボールへのアタックから反則を犯した場合は、これまではレッドカードだったのがイエローカードに変更されたものの、GKは認識していたがフィールドプレーヤーは認識が不十分な選手がいたこと、ヘディングの際に手を使う選手が増えたので今シーズンは注意した、とのことだった。ヘディングの際は両手を上げてジャンプしがちだが、フリーの時は手を上げてもいいが、競り合いなどで手を上げて相手の顔と接触した場合は反則を取るということだった。 ▽ジャッジで難しいのが、CKやFK時のホールディングだ。守備側がホールディングで攻撃側の選手を倒せばPKで、ボールのないところでのプレーならカードは出さず、ボールのあるところでの反則にはイエローカードというのがこれまでの解釈だった。ところが昨シーズンは、反則を受けた攻撃側の選手が、守備側の選手のホールディングを利用して、相手の手をつかんだまま倒れてPKをもらうといったプレーが増えたこと。上川副委員長は「大事なのはどちらが先にホールドしたか」と判定基準を話していたが、密集地帯での瞬時の判断はかなり難しいだろう。 ▽そして新シーズンの新たな取り組みとして、試合後にクラブ関係者(実行委員か強化担当者)と審判アセッサー(審判のレフェリングを評価する人)で意見交換をする。クラブによるレフェリングに関するフィードバック・レポート(クラブから見た評価)の提出。メディア関係者へのレフェリング説明会の頻度を上げ、定期的に開催しオープンに伝えて相互理解を図る、ことなどを実施することになった。 ▽クラブ関係者と審判アセッサーではなく、主審と両チームの監督が直接話し合った方が、より具体的な話ができるのではと上川副委員長に質問したところ、「それでは生々しすぎて話し合いにはならないかも」と危惧していた。残念ながらこの話し合いはメディアには公表しないとのこと。 ▽カンファレンスでは昨シーズンの試合中のプレーをピックアップし、イエローカードかレッドカードかの判断基準なども解説していた。こちらは「激しいプレーを続けて行こう。Jリーグを変えて行こう。メディア、サポーターも含めて変えて行こう。基準を共有したい(原Jリーグ副チェアマン)」ということで、JリーグのHPでも『2017シーズン競技規則スタンダード映像』として公開されている。興味のある方はHPでチェックして下さい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.02.24 11:00 Fri
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