コラム

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【原ゆみこのマドリッド】ようやく決勝に行った甲斐があった…

▽「早くもcrisis(クリシス/危機)状態ね」そんな風に私が対岸の火事を眺めていたのは金曜日、深夜1時にようやくタリンからマドリッドへ辿り着いた翌朝、ボンヤリした頭でスポーツ紙を読んでいた時のことでした。いやあ、少しでも安い航空券を手に入れようと四苦八苦した挙句、どうせ着くのが夜になるなら、ついでに乗り継ぎ地でも観光しようと計画。元々、午前6時発という早朝発着だったのもあって、予定外の延長戦に睡眠時間が1時間にも満たない状態でオスロをウロウロしてきたため、疲れが抜けていなかったのは自分が悪いんですけどね。 ▽試合後にはチャーター機で木曜朝7時に帰国。お祝いに集まった数百人のファンもすでに引けたネプトゥーノの噴水広場を経由して帰宅したリュカとヒメネス(https://twitter.com/Atleti_Goleador/status/1030147367964749827)みたいな例外はあったものの、総じて自宅で休養をとった後、アトレティコの選手やスタッフがAmazonico(アマソニコ/マドリッド市内にある流行りの国際創作料理レストラン)に集まった祝勝ディナーも帰宅する前に終わっていたんですが、でもねえ。UEFAスーパーカップの結果が逆だったら、今頃、クライシス入りしていたのは彼らの方だったかと。 ▽ええ、現在、レアル・マドリーではプレシーズンマッチ好成績のおかげで一時は下火になっていた補強選手探しが再燃。ユベントスに行ってしまったクリスチアーノ・ロナウドの1シーズン50ゴールを穴埋めするFWを始め、プレー時間を増やしたい希望が叶ってチェルシーに移籍したコバチッチの代役となるMF、更に今季初の公式戦直前にまたしてもバジェホが負傷してしまったため、頭数不足が心配されるCBなど、とにかくベンチの選手層が薄くて、戦力が足りないという話になっているんですが、もし負けたのがアトレティコだったら、クラブ史上最高の移籍金7000万ユーロ(約90憶円)のレマル(元モナコ)獲得やグリーズマンの引き止めに大枚はたいても全然、意味がなかったと言われかねない? ▽それが今では“Supercampeon/スーペルカンペオン(スーパーチャンピオン)”と持ち上げられ、今季の彼らは全てのタイトルを狙っているなんて、大望はなはだしい扱いをされているんですから、まったく世の中って調子いい。うーん、もちろん2014年にはリスボン、2016年にもミランでのCL決勝でお隣さんに失意のどん底に落とされながら、タリンなんて辺境の地にも1300人のファンが移動。私が知り合った中には試合前々日の朝6時にマドリッドを出発し、リスボン経由でラトビアのリガから、バスで4時間かけて着いたなんて猛者もいましたが、共々、長い帰京の道のりを明るい気分で過ごせたのは何より有り難ったんですが…。 ▽え、それより試合がどうだったか、早く知りたいって?そうですね、私も火曜にはタリンに着き、ア・ル・コック・スタジアム(フローラ・タリンのホーム)でマドリーの練習を見学したんですが、いえ、先にピッチを踏んだアトレティコを見なかったのは単に到着時間の問題で、先週土曜のインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏の親善大会)最後のインテル戦で不甲斐なく、0-1で負けていたため、ここまで来て再度、実力の差を確認したくなかったという訳ではないんですけどね。両チーム共、ファンの大半が現地入りしたのは当日の水曜、徒歩で回れてしまう、中世の趣きを残したコケットな旧市街はcamiseta(カミセタ/ユニフォーム)やbandera(バンデラ/旗)をまとったスペイン人で溢れていたんですが、新市街にあるスタジアムまで徒歩30分で行けてしまうというのがちょっと曲者だったんです。 ▽ええ、知らない国でトラムやバスに乗って、エストニアはユーロが使えるものの、切符の買い方や降りる停留所がわからず、変なところに行ってしまうのが怖いという心理も手伝っているんでしょうけどね。今はgoogle mapが誘導してくれるため、多少なら歩いた方が気楽という面はあるんですが、実はあれ、万全ではなく、注意していないと、変な遠回りをしていたり、操作のたびに経路が変わってしまったりするんですよ。更に市内中心部からは鉄道線路を越えないといけないものの、踏切が少ないといったハードルもあったため、スマホを見ながら、まったく反対に歩いていくファンと途中、何度すれ違ったことか。 ▽それでも何とか、スタジアムに辿り着き、午後10時(エストニアはスペインと時差が1時間ある)という遅い時刻にはエストニアの民族舞踊によるオープニングセレモニーを経て、無事にキックオフを迎えたんですが、驚かされたのは両チームのサポーターが陣取るのが対面するfondo(フォンド/ゴール裏席)の半分だけという、UEFAの出場チームファン向け割り当てチケットの少なさ。いえ、前日、空港から乗ったタクシーの運転手のお兄さんなど、片言の英語で「ファン同士が衝突したりするのかな」と騒ぎを心配していたぐらいですから、あまり多く出回って、うっかりウルトラたちが紛れ込んでも困るんですけどね。 ▽私など、あの無数のパスミスやロストチャス、おまけに相手が永遠のライバルとなると大抵、守り一辺倒で耐えるアトレティコのサッカーに耐えられるのはまず、アトレティコファンしかいないと思っていたため、世紀のイベントに期待している地元民や他の国から来たサッカーファンたちにどう思われるか心配だったんですが、とんでもない。ユーロダービーでの不安な気持ちをなだめようと、馴染みのオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継をイターネットラジオで探している間、まさか開始49秒、ゴディンがセンターから放ったロングパスをジエゴ・コスタがセルヒオ・ラモスとの争いに勝ってゲット。バランもかわすと、GKケイロル・ナバスの左脇を抜いてゴールを決めてしまったから、意表を突かれるとはまさにこのこと? ▽とはいえ、相手は天下のマドリー。ほとんど0-1でゲームをスタートさせたからって、安心するにはほど遠く、すぐにボールを持たれるようになったアトレティコは、アセンシオの天才的なゴール前からのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)によるシュートこそ、GKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)。だからマドリッドに戻って来たかったクルトワは河岸を変えざるを得ず、選手登録も間に合わなくて、この日はスタンド観戦するしかなかったんだと納得させてくれたんですが、そのオブラクも27分、ベイルのクロスをベンゼマにヘッドされた時にはどうしようもありません。ええ、この1点で試合が振り出しに戻った上、後半18分にはファンフランがエリア内でハンドの反則。ロナウド退団で第1キッカーになったラモスにPKを決められて、とうとうリードされてしまったとなったら…。 ▽だってえ、その時にはもう、グリーズマンがコレアに代わっていたんですよ。確かにフランス代表がW杯に優勝したため、まだ10日程しかトレーニングをしておらず、本来のキレがまったくなかった彼ですけどね。UEFA処分のため、その日もパルコ(貴賓席)見学をしていたシメオネ監督も、ベンチで指揮を執っていたブルゴス第2監督も勇気あるなあと思ったものですが、時折、レマルが奮闘。ボランチでバランスを取っていたロドリゴ(ビジャレアルから移籍)から、ビトロに代えて攻撃の駒も増やしていたものの、ゴールが遠いまま、刻々と時間が経過していくことに。 ▽いよいよ、「アトレティコはマドリーと違ってremontada(レモンターダ/逆転)体質じゃないから」と自分もネガティブになっていた34分、まさかサイドスローを避けようとしたマルセロからファンフランがボールを取り返し、パスを受けたコレアがエリア内奥からキラーパス、それをゴール前からコスタが押し込んで同点にしてしまうとは!うーん、丁度、マドリーはやはりプレシーズン開始が遅れ、本調子でなかったカセミロとはいえ、中盤の守備の要がセバジョスと代わったばかりだったせいもあったんでしょうかね。 ▽おまけに1-1のまま、勝負が延長戦に入ると、ブルニコ(イタリア)でのキャンプにも帯同せず、「Ya le dije al Cholo que si quería ganar títulos tenía que ficharme/ジャー・ディヘ・アル・チョロ・ケ・シー・ケリア・ガナール・ティトゥロス・テニア・ケ・フィチャールメ(もうチョロにはタイトルを獲りたいなら、自分をチームに入れないといけないと言っていたよ)」という約束を実行するべく、猛暑のマドリッドで身体を鍛えていたコスタも含め、アトレティコは自慢の体力を発揮。思い返せば、シメオネ監督が初めてマドリーを倒して優勝した2013年コパ・デル・レイ決勝も延長戦でしたが、この日は90分が終わる頃、レマルに代え、「試合前、ガーナ代表でプレーしている位置で使うことを話していた。カリニッチ(インテルから移籍)は来たばかりだし、ジェルソン(同スポルティグCP)はチームの動きをまだ知らないから」(シメオネ監督)という理由でトマスをトップ下に起用したのも当たったかと。 ▽ええ、そのおかげで延長戦前半8分にはバランからボールを奪ったトマスが折り返し、サウールのvolea(ボレア/ボレーシュート)によるgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)が生まれたとなれば、その頃から就寝時間が気になっていた自分もどんなに嬉しかったことか。それどころか、14分にはガビ(アウ・サッドへ移籍)とフェルナンド・トーレス(同ヴィッセル神戸)が去った後、カンテラーノ(下部組織出身の選手)一番の古株となり、責任感に目覚めたんでしょうかね。それともW杯でスペインが16強対決で敗退する原因となったPK戦での失敗から、そこまで行くのだけは避けたかったか、コケがビトロのアシストで4点目を決めているって、これ、本当にアトレティコ? ▽いやまあ、それでも臆病者の私など、土壇場で相手の奇跡のレモンターダ体質が発現しないか、怖くて仕方なかったんですけどね。さすがに2点差、しかも後でカセミロも「Claro que echamos de menos a Cristiano/クラーロ・ケ・エチャモス・デ・メノス・ア・クリスティアーノ(クリスチアーノがいないのを残念に思うのは当然)」と言っていたように、頼りのロナウドもいなかったせいか、延長戦後半もマドリーは得点することができず。最後は2-4でアトレティコが勝利して、誰より多い16キロを走り倒したコケなども「Claro que teníamos ganas. Nos da igual el rival/クラーロ・ケ・テニアモス・ガナス。ノス・ダ・イグアル・エル・リバル(もちろん意欲はあったよ。ライバルは誰でも同じだった)。でもヨーロッパの決勝でレアル・マドリーに勝ちたかったのは確かだね」と嬉しさの余り、何だか訳のわからないコメントをすることに。 ▽その辺、後輩ながら、サウールの方は「チームやファンは舞い上がっているけど、平常心を保つメッセージを送らないと。Si ya lo sabes, ¿para qué lo preguntas? Partido a partido. Ya está/シー・ジャー・ロ・サベス、パラ・ケ・ロ・プレグンタス?パルティードー・ア・パルティードー(もうわかっているなら、何で訊くの?1試合1試合、それだけさ)」と落ち着いたもの。まあ、この日はマドリーも守備がガタガタでしたし、就任後、最初のタイトル獲得のチャンスを逃したロペテギ監督も「El fútbol son aciertos o errores que te aúpan o te castigan/エル・フトボル・ソン・アシエルエトス・オ・エローレス・ケ・テ・アウパン・オ・テ・カスティガン(サッカーは当たるかミスるか、それで上向きになるか、罰を与えられるかだ)」と言っていた通り、枠内シュートが5回しかなかったアトレティコが珍しく、4点も取れたというツキもありましたからね。 ▽キャプテンのラモスや移籍騒動の収束したモドリッチもSNSでチームを鼓舞するメッセージを送っていましたし、何より、まだシーズンは始まったばかり。ええ、金曜からリーガも開幕し、日曜にはエスタディオ・バジェカスに先日、バルサとのスペイン・スーパーカップには1-2で負けてしまったものの、木曜にはリトアニアのジャルギリスを0-5で破り、EL予選プレーオフでチェコのシグマと対戦することになったセビージャを迎えるラージョに続き、マドリーにもサンティアゴ・ベルナベウに弟分のヘタフェとのミニダービーが午後10時15分(日本時間翌午前5時15分)に待っていますからね。 ▽今週は水木金とpuerta cerrada(プエルタ・セラーダ/非公開)で練習を行った相手も、「El Real Madrid es un grande/エル・レアル・マドリッド・エス・ウン・グランデ(マドリーはビッグクラブ)。1回悪い結果があったとしてもその実力や可能性が減ることはない」(ボルダラス監督)と、UEFAスーパーカップでの敗北で自分たちが有利に立てるとは決して過信していないだけに早めに気合を入れ直すことが必要かと。今のところ、人事面での注目はヘタフェ側では柴崎岳選手の出場があるかないか、マドリーではGKがナバスからクルトワに代わるのか辺りでしょうか。 ▽そして月曜まであるこの第1節、残り2つのマドリッド勢は平日営業になっていて、午後8時にはレガネスのペジェグリーノ新監督がアスレティック戦で初陣を飾り、午後10時(日本時間翌午前5時)からはアトレティコがバレンシアにメスタシジャで挑むことに。うーん、親切にもマルセリーノ監督のチームがpasillo(パシージョ/花道)を作って、スーペルカンペオンを迎えてくれるのには感謝ですが、今季3年ぶりにCLグループリーグ復帰をする相手はガメイロ(アトレティコから移籍)だけでなく、バチュアイ(同チェルシー)も加入し、FW陣が厚くなっているみたいですからね。新入団選手のおかげでスタメン選びが難しくなったアトレティコも決して撃ち負けることなく、いい形でリーガを始めてもらいたいものです。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.08.18 10:30 Sat
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【リーガエスパニョーラ・シーズンプレビュー】王者バルサ優位もマドリ―ド勢との三つ巴の争い

▽2018-19シーズンのリーガエスパニョーラが8月17日(金)に開幕を迎える。昨シーズンは、無敗優勝こそ逃したものの圧倒的な強さを見せたバルセロナが2年ぶりの覇権奪還を果たした。今季はバルベルデ体制2年目のバルセロナ、シメオネ体制8年目のアトレティコ・マドリーと継続路線の上位2チームと、フレン・ロペテギ新体制の新生レアル・マドリーの3強による覇権争いとなるはずだ。 ◆戦力値は文句なしのトップ! 2年目バルベルデの新オプションに期待~バルセロナ~Getty Images▽本命はバルベルデ体制1年目で28勝9分1敗の見事な戦績で優勝を果たしたバルセロナだ。昨季は開幕前にFWネイマールの退団と補強の失敗によってネガティブなスタートを切ったものの、指揮官の採用した[4-4-2]の新布陣が機能。さらにエースのFWメッシがシーズンを通して好パフォーマンスを披露したことで、最終節前のレバンテ戦でまさかの敗戦を喫したがリーガではほぼ完璧なシーズンを過ごした。 ▽今夏の移籍市場ではレジェンドのMFイニエスタの退団に加え、加入濃厚と思われたアトレティコのエースFWグリーズマン獲得失敗という2つのネガティブな話題があったが、補強ポジションだったセンターバックにセビージャからDFラングレ、イニエスタとMFパウリーニョが旅立った中盤に新星MFアルトゥールとバイエルンMFビダルを獲得。さらに、選手層に問題を抱えた前線には逸材レフティのFWマウコムをローマから強奪する形で確保。また、今月末の移籍市場締め切りを前に新戦力の加入も見込まれる。なお、今夏の移籍市場ではMFアンドレ・ゴメス(レンタル)やDFミナ、DFアレイシ・ビダル、DFディーニュ、FWデウロフェウら余剰人員をしっかりと換金できた点もプラスだ。 ▽プレシーズンマッチで主力が揃ったのは12日のスーペル・コパのみだが、同試合では[4-4-2]ではなく伝統の[4-3-3]を採用しており、今夏の補強を見ても[4-3-3]がメインシステムとなりそうだ。その中で左ウイング、左のインテリオールに関してはメンバーが固定されておらず、残留を決断したMFデンベレや昨季途中加入のコウチーニョ、新戦力のビダルやアルトゥール、マウコム、カンテラ出身の18歳逸材MFリキ・プイグらの活躍がカギを握りそうだ。さらに、適材適所の用兵に定評があるバルベルデ監督の新たなオプション導入にも期待したい。 ◆エース残留に的確補強で5年ぶりの優勝へ~アトレティコ・マドリー~Getty Images▽対抗は、昨季の2位チームにしてヨーロッパリーグ(EL)王者のアトレティコだ。昨季は新本拠地ワンダ・メトロポリターノの最初のシーズンとして高いモチベーションで臨んだものの、FIFAからの補強禁止処分の影響やシーズン序盤の不振が響き早々に優勝争いから脱落。それでも、エースのグリーズマンの復調や1月から登録可能となったFWジエゴ・コスタらの活躍によって後半戦に盛り返し上々の2位フィニッシュとなった。 ▽今夏の動きではバルセロナ移籍濃厚とみられたグリーズマンがロシア・ワールドカップ(W杯)開幕直前に残留を宣言し多くのファンを喜ばせると、エースの心意気に応えたいフロントもMFレマル、MFロドリゴ・エルナンデス、FWカリニッチ、FWジェウソン・マルティンス、GKアダン、DFアリアスと6人の実力者を確保。さらに、守護神オブラクの慰留にも成功し、闘将ガビとFWトーレスという2人の頼れるベテラン、DFヴルサリコが旅立ったものの、昨季以上のスカッドを手に入れた。 ▽新シーズンに向けてはワンダ・メトロポリターノがファイナルの舞台となるチャンピオンズリーグ(CL)初制覇と共に5年ぶりのリーガ優勝が大きな目標となる。前述の積極補強によって二兎を追う戦力は十分に整っており、あとはシメオネ監督の采配次第だ。上位チームに強い一方、ボールを持たされる下位相手の取りこぼしを防ぐための新たなオプションの導入が必須だ。すでに同監督もロドリゴ・エルナンデスをアンカーに配した[4-1-4-1]の導入を構想しており、シーズン序盤のうちにある程度形にしていきたいところだ。 ◆CR7の穴を埋められるか?~レアル・マドリー~Getty Images▽3番手は昨季の3位チームにしてCL3連覇のレアル・マドリーだ。昨季のリーガではエースFWクリスティアーノ・ロナウドの不振などによって年内に優勝の可能性がほぼ潰えると、以降はCL優先の戦いを選んだなか、最低限のノルマだった3位でシーズンを終えることになった。 ▽前述のライバルが継続路線を採用した一方、今季のレアル・マドリーはCL3連覇に導いたジダン監督の電撃辞任、C・ロナウドのユベントスへの電撃移籍によって大きな変革を強いられる夏となった。ジダン監督の後任には前スペイン代表監督のロペテギ監督を招へいするも、現時点でC・ロナウドの後釜となり得るワールドクラスのアタッカーの獲得には至っていない。ここまで名前が挙がっていたFWネイマール、FWムバッペのパリ・サンジェルマンコンビは早々にクラブの公式声明で獲得の可能性を否定し、エースストライカー候補だったFWレヴァンドフスキの獲得も見送った。移籍市場閉幕までに時間があるため、今後MFアザール、FWロドリゴ・モレーノらの獲得に動く可能性もあるが、ロペテギ監督はMFベイルやMFイスコ、FWアセンシオといった現有戦力でエースの穴を埋める構えだ。 ▽一方、今夏の補強に関しては攻撃的サイドバックのDFオドリオソラ、ブラジルの次代を担う、FWヴィニシウス、FWロドリゴ、ウクライナの逸材GKルニンと将来を見据えた4人の新戦力を確保。さらに、以前から獲得を熱望していた新守護神クルトワをMFコバチッチをレンタルで貸し出す異例のオペレーションで獲得した。ただ、クルトワを除いて即戦力は1人もおらず、昨季までの現有戦力が屋台骨を支えることになりそうだ。 ▽昨季からの伸びしろという部分では戦術家として知られるロペテギ新監督の采配だ。前指揮官のジダン監督は驚異的な勝負強さや選手交代の妙など百戦錬磨の閃きが評価された一方、目新しい戦術や起用法は皆無だった。一方、ロペテギ新監督はボールプレーヤーとグアルディオラ監督の流れを組むポゼッションスタイルのフットボールを志向しており、プレシーズンマッチではアセンシオやイスコを最前線に配す“ゼロトップ”の採用を窺わせる戦い方も見せていた。新エース候補のベイルの起用法を含めてその采配に大きな期待が集まる。 ◆セビージャ勢とバレンシア勢に期待も二足の草鞋が懸念材料~オトラ・リーガ~Getty Images▽今季も優勝争いは巨大な戦力を誇る3チームに限られることになるが、ヨーロッパの出場権を争う“オトラ・リーガ”も十分に魅力のある戦いとなりそうだ。その“オトラ・リーガ”の争いをけん引するのはバレンシアとビジャレアルのバレンシア勢と、セビージャとベティスのセビージャ勢の4チームだ。 ▽昨季マルセリーノ新監督の下で組織的な守備と高速カウンターを武器に4位フィニッシュを果たしたバレンシア。しかし、今夏の移籍市場では準主力クラスのFWビエットやMFアンドレス・ペレイラがレンタル元に戻り、パリ・サンジェルマンから完全移籍で買い取りを目指す主力FWゴンサロ・ゲデスに関しても現時点で交渉が難航中だ。もちろん、FWバチュアイ(レンタル)、FWガメイロ、MFチェリシェフ、MFヴァス、DFピッチーニ、DFディアカビと各ポジションで補強を行ったものの、リーガ一本の昨季と異なりリーガとCLを並行して戦うには厳しい選手層だ。そのため、攻守にフルパワーを求められるプレースタイルを含め何らかの策を講じる必要がありそうだ。 ▽シーズン序盤に昇格したカジェハ監督の下で見事に立て直しを図り、最終的にELストレートインの5位に入ったビジャレアルに関してもバレンシア同様に選手層の面で問題を抱えている。今夏の移籍市場では昨季の躍進を支えたロドリゴ・エルナンデスがアトレティコに旅立つと、DFルカビナがアスタナ、FWバッカがレンタル元のミランに戻った。一方、補強に関してはDFフネス・モリ、DFラジュンと代表クラスの実力者と昨季途中に中国へ旅立ったFWバカンブを彷彿とさせる快速アタッカーのFWエカンビ、エスパニョールのエースFWジェラール・モレーノと前線と最終ラインのテコ入れに成功した。ただ、中盤に関してはケガの影響でアーセナルを退団しフリーとなったレジェンドMFカソルラの獲得を決めたものの、ロドリゴ・エルナンデスの後釜の確保に至っていないことが気がかりだ。 ▽やや不安要素があるバレンシア勢と異なり、ポジティブな要素を感じさせるのはセビージャの2チームだ。昨季、ベリッソ、モンテッラと2人の監督を解任する混乱に見舞われながらもEL出場圏内の7位でシーズンを終えたセビージャは、ジローナで見事な手腕を発揮したマチン監督を新指揮官に招へい。今夏の移籍市場ではセルヒオ・リコとソリアの2人のGK、ラングレ、MFコレアと4人の主力クラスを放出した一方、フランスからDFニャニョン、MFアマドゥの逸材2選手とバーゼルの正GKバシリク、セルタの主力DFセルジ・ゴメス。前線はミランからのレンタルでFWアンドレ・シウバ、古巣復帰のアレイシ・ビダルを獲得した。また、EL予備予選やバルセロナとのスーペル・コパではマチン監督が得意とする[3-4-3]の新布陣も機能しており、シーズン開幕に向けて良い滑り出しを見せている。 ▽昨季、セティエン監督の下で攻撃的なポゼッションスタイルに生まれ変わり6位フィニッシュを成し遂げたベティスは今夏の移籍市場で積極的な補強を敢行。正GKのアダンと生え抜きの逸材MFファビアン・ルイスが引き抜かれたものの、MF乾貴士、MFカナレス、GKパウ・ロペス、GKロブレスをフリーで獲得。さらにDFシドネイ、MFウィリアム・カルバーリョという実力者を完全移籍で獲得した。3バックと4バックを併用し、複数のシステムを操るセティエン監督が豊富なタレントをいかに使いこなすのか要注目だ。 ▽そのほかのチームでは昨季いずれもボトムハーフに甘んじた中、ガリターノ監督、ベリッソ監督という新指揮官を迎えた昨季12位レアル・ソシエダと16位アスレティック・ビルバオのバスク勢、プリメーラ初昇格のウエスカやラージョ、バジャドリーの昇格組3チームにも注目したい。 リーガエスパニョーラ観るならDAZN!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! ◆~日本人選手~Getty Images▽最後に今季のリーガエスパニョーラではMF乾貴士とMF柴崎岳の2選手が昨季に続いてプレーすることになる。 ▽エイバルでの充実した3年間を経て今夏フリーでベティスにステップアップを果たした乾は、W杯での印象的な活躍を受けて現地紙の選ぶ今夏のヒット補強に選出されるなど、大きな期待を背負ってのシーズンとなる。ただ、エイバルと大きく異なるプレースタイルへの順応やFWテージョやMFブデブス、カナレスらとの激しいポジション争いが待っている。前述のようにセティエン監督は複数のシステムを使い分けており、乾は[4-2-3-1]の左ウイングという最も得意とするポジションだけでなく、[3-4-2-1]の左シャドーあるいは[3-3-2-2]の2トップの一角など、新たな役割を求められる可能性が高い。 ▽一方、現時点でヘタフェで開幕を迎えることが濃厚な柴崎だが、見事な活躍を見せたW杯の影響や守備的なボルダラス監督との相性の悪さから移籍市場閉幕までにポルトなどの新天地候補に移籍する可能性も十分にある。仮にヘタフェに残留する場合は昨季同様にトップ下かセントラルMFでのポジション争いが待っている。トップ下ではセンターフォワードに当てた後のセカンドボールの回収やゴールに直結する仕事、セントラルMFでは持ち味のキープ力と展開力に加えて、対人守備などでの力強さ泥臭さを出すなど、チームが求める仕事をいかに果たせるかがポジション奪取のカギになりそうだ。 2018.08.17 18:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】アジア大会パキスタン戦に見る「対応力」の欠如

▽インドネシアのジャカルタで開催されているサッカーのアジア大会。日本は14日の初戦でネパールを1-0で下すと、16日はパキスタンに4-0で勝って決勝トーナメント進出が確定した。ただし、チームとしてまとまった練習ができずに臨んだ大会とはいえ、2試合を通じて早くも明らかになった課題がある。それは引いて守られた相手をいかに崩すのか――フル代表がアジアでの戦いで苦戦を強いられるのと同じ課題でもあった。 ▽日本に限らず、アジアのレベルは年々アップしている。このため、実力的に劣るネパールやパキスタンといえども10-0で勝てるような時代ではない。とはいえパキスタン戦の前半のように、相手が“普通のサッカー"をすればスペースも生まれるだけに技術の差でゴールを重ねることができた。 ▽しかし、ネパール戦は相手が6BKで守備を固めてくると、なかなかこじ開けられない。同じことは16日のパキスタン戦の後半も当てはまり、日本は横パスやバックパスをつなぐだけで、ほとんど効果的な攻撃を仕掛けることはできなかった。 ▽ゴール前に人数を割いて守備を固める相手に対し有効な攻撃方法は次の4つが上げられる。ロングやミドルで相手を引き出す。ドリブルで仕掛けて数的優位な状況を作る。空中戦ならゴール前を固めていても人数に関係なく勝負できる。FKやCKなどセットプレーを有効活用する(PKを獲得できれば最高)、といったところだろう。 ▽ただし、ロングやミドルはそのリバウンドから、そしてドリブル突破はこぼれ球からカウンターを食らうリスクもある。このため常にリスクマネジメントを考慮しておかなければならない。 ▽そしてヤング・ジャパンはパキスタン戦の後半でどのような選択をしたかというと、ロングやミドルシュートは皆無。前田(松本)や旗手(順天堂大)といった快足FWはいるものの、ドリブル突破を仕掛けられるドリブラーは今大会に招集されていない。そして空中戦を仕掛けることもなければ、セットプレーにも工夫がなかった。 ▽その象徴が、後半のCKだ。2度ほどショートコーナーを選択したものの、相手に詰められると最後はバックラインまで戻し、パス回しのためのパスに終始していた。森保監督は今大会に限らず「目標はベスト4」をどの大会でも掲げると宣言した。試合間のインターバルが短い大会のため、そして4-0とリードしたので体力の消耗とケガを避ける意味でパス回しを選択したのであれば文句はつけない。 ▽しかし、ネパール戦から大幅にメンバーを変更したのは、連戦を考慮してターンオーバー制を採用したのと同時に、森保監督は多くの選手をテストしたかったのではないだろうか。だとすれば、攻撃に工夫の見られない、消極的なパス回しに終始した後半は消化不良の45分だったと言える。 ▽テレビのアナウンサーはしきりに森保監督が目指す「対応力」を強調していた。そこで改めてショートコーナーを取り上げたい。なぜヤング・ジャパンはショートコーナーを選択したのか。パキスタンが制空権を握っているのなら理解できるが、実際は日本と互角か日本が上回っていた。ならばGKの出られないライナー性のクロスを入れるとか、ニアでワンクッション入れるなど工夫はいくらでもあったはず。対戦相手に応じて戦略を変えることこと「対応力」ではないだろうか。 ▽年齢的に年下で、いきなり集まってぶっつけ本番という状況ではあるが、実力的に差があるのは明白なため、それを言い訳にはできない。改めて「対応力」のなさ、守りを固められると打つ手がなくなる日本の現実を見せつけられたアジア大会の2試合だった。願わくば、試合を重ねることで成長して欲しいものだ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.08.17 15:00 Fri
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【倉井史也のJリーグ】イニエスタとかトーレスとか横目で見ながら警戒するのは!? の巻

▽今、取材の現場に行くと話題になるのが名古屋の快進撃。ただみんな、「別チームになった」と言いつつ、ぼちぼち警戒してるってだけな感じなんですけど。 ▽いやいや、対戦相手じゃないのに、なんで記者たちが警戒するの? ってのは、名古屋が上位に食い込んできたとき、どうしても名古屋がらみの記事を書かなきゃいけないでしょ? そのネタ探しをしたほうがいいんじゃないかって心配してるわけですよ。あ、そりゃ一部の人だけか。 ▽でもね、これがあながち洒落にならないところがJリーグの恐ろしさ。だって、この順位表を見てください。 1節   勝点0   14位 勝点3     2位 2節   勝点3     5位 勝点6     1位 3節   勝点4     9位 勝点7     4位 4節   勝点5   11位 勝点7     5位 5節   勝点5   14位 勝点7     8位 6節   勝点5   16位 勝点7   15位 7節   勝点6   15位 勝点7   16位 8節   勝点9   13位 勝点7   17位 9節   勝点9   14位 勝点7   18位 10節 勝点9   15位 勝点7   18位 11節 勝点9   16位 勝点7   18位 12節 勝点12 15位 勝点8   18位 13節 勝点15 11位 勝点9   18位 14節 勝点15 16位 勝点9   18位 15節 勝点18 13位 勝点9   18位 16節 勝点21 11位 勝点9   18位 17節 勝点24   8位 勝点10 18位 18節 勝点27   6位 - - 19節 勝点30   5位 勝点13 18位 20節 勝点30   7位 勝点16 18位 21節 勝点31   8位 勝点19 18位 22節 勝点34   7位 勝点22 16位 23節 勝点37   5位 24節 勝点40   5位 25節 勝点43   5位 26節 勝点46   4位 27節 勝点49   2位 28節 勝点52   2位 29節 勝点52   2位 30節 勝点55   2位 31節 勝点56   2位 32節 勝点59   2位 33節 勝点62   1位 34節 勝点63   1位 ▽おや、これってもしかして。 ▽左は2014年、降格圏にいたG大阪が奇跡の逆転優勝を果たしたときの節別動向順位表、そして右が今年の名古屋の節別動向順位表なのです。 ▽2014年の中断期間って14節後から始まって、今年は15節後だったという、わずか1節の違い。中断前の勝点では6の差があっても、今年のJ1リーグはかなりの混戦だからまだまだわからない!! ▽補強したチームが順位を上げていくって、健全ですよ。にしても、4年経ったらG大阪がこんなに苦しんでるなんてあの当時は……(涙)。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.08.16 20:00 Thu
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【特集】東京五輪経由カタール行きへ…編集部厳選のアジア競技大会注目選手!

▽10日から、第18回アジア競技大会の男子サッカーが開幕。日本代表は14日の21時に初戦を迎える。 ▽U-23の世代別代表で参加が可能な今大会だが、日本は森保一監督が率いる東京オリンピック代表に当たる、U-21日本代表で参加。まずは、2年後に迫った東京オリンピックに向けた強化の一貫として位置づけているようだ。 ▽「1試合でも多く経験したい」とメンバー発表会見で森保監督は語ったが、既にメンバー選考はスタート。今大会は、Jリーグの関係や欧州リーグの開幕時期も重なり、現状招集できるベストメンバーを呼んだと明かしている。 ▽4年後のカタール・ワールドカップを目指す日本代表指揮官も兼任する森保監督だけに、今大会での活躍がA代表への近道にもなるはずだ。そこで、今大会に招集されたメンバーから注目すべき選手をピックアップしたい。 Getty Images◆DF立田悠悟(20) 所属:清水エスパルス▽清水の下部組織出身の立田は、190cm近い長身が武器。本職はセンターバックでありながら、プロ2年目の今シーズンは右サイドバックとして開幕戦で先発出場。すると、第2節のヴィッセル神戸戦では初ゴールを記録。さらに、第9節まで先発出場。その後試合に絡まない時期があったが、第16節からは再びスタメンの座を勝ち取っている。 ▽線の細かった立田だが、ウェイト強化にも力を入れ、ヤン・ヨンソン監督(清水)の下ではサイドバックとしてのプレーも習得。サイドバックとしての伸び代はまだまだあるものの、今後センターバックに戻った時には何段階もレベルアップしたプレーが見られるはずだ。高さに加え、ビルドアップ能力もつけており、3バック、4バック、サイドバック、センターバックと最終ラインのキーマンになり得る存在の立田に注目だ。 (C)J.LEAGUE PHOTOS◆DF杉岡大暉(19) 所属:湘南ベルマーレ▽FC東京の下部組織で育ち、市立船橋高校ではインターハイで全国制覇を成し遂げた杉岡。2017年に湘南に入団すると、1年目の開幕戦でいきなり先発デビュー。第2節で初ゴールを記録し、明治安田生命J2リーグで37試合に出場し3得点を記録。チームのJ2優勝、J1昇格に大きく貢献した。 ▽今シーズンはJ1で経験を積み、ここまでの全20試合(先発19試合)に出場。左ウイングバック、3バックの左と、守備だけでなく攻撃面でも成長を見せ、2年目の今シーズンも大きく成長を見せている。 ▽2017年に行われたU-20ワールドカップにも出場し、全4試合を経験。元センターバックであることから、対人守備の強さを発揮し、攻撃参加も湘南で成長した走力を活かして左サイドを活性化させた。日本代表としても選手層が薄い左サイドバックだけに、杉岡の飛躍が期待される。 Getty Images◆MF神谷優太(21) 所属:愛媛FC▽東京ヴェルディの下部組織出身ながら、ユース昇格後に青森山田高校に編入。2016年に湘南ベルマーレに入団した。1年目からデビューを果たすと、明治安田生命J1リーグで14試合に出場。YBCルヴァンカップにも4試合出場するなど経験を積んだ。しかし、2017年はケガの影響でJ2の出場が7試合に。U-20ワールドカップのメンバーからも漏れていた。 ▽今シーズンは、J2の愛媛FCへとレンタル移籍を決断。自身の成長のために武者修行に出ると、背番号「10」を背負い、ここまで20試合に出場。チーム最多の5得点を記録し、苦しむチームをけん引している。 ▽キック精度、高い技術、そしてハードワークできる走力。さらには、負けん気の強さと高い目標に向かって進める精神力を持ち合わせている。将来的に日本の中盤を支える可能性も持つ神谷。まずは、U-21日本代表としてアジアの地で武者修行の成果を見せてもらいたい。 Getty Images◆MF三笘薫(21) 所属:筑波大学(川崎フロンターレ内定)▽川崎フロンターレの下部組織出身。U-18まで所属すると、トップチームに昇格せずに筑波大学への進学を選んだ。2017年の関東大学サッカーリーグで優勝に貢献。さらに、2年生ながら天皇杯に出場し、ベガルタ仙台戦で2ゴールの活躍を見せる。 ▽ユニバーシアード代表のほか、U-20日本代表にも選出。U-21日本代表としては、トゥーロン国際大会にも出場し、ゴールも記録。2年連続で川崎Fの特別指定選手となり、2020シーズンからの加入内定も発表された。 ▽特徴はドリブル能力の高さ。ボールスキルが高く、テクニカルなドリブルで相手をかわしていくプレーが特徴。レフティーでもあり、対峙したDFにとってはやりづらいはずだ。そして、前線への飛び出しからゴールを奪う力もあり、アタッカーとして今大会でも違いを作れるかに期待だ。 Getty Images◆MF渡辺皓太(19) 所属:東京ヴェルディ▽東京ヴェルディの下部組織出身で、2016年に2種登録でJ2デビュー。2017年からトップチームに昇格した。166cmと上背はないものの、豊富な運動量とポジショニングの良さ、判断の良さに秀でている中盤の選手だ。 ▽守備力が特徴の選手だが、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の下で大きく成長。攻撃面でも違いを生み出せることができ、攻守にわたってチームを支えることが可能な選手だ。元々はトップ下の選手であっただけに、ボランチ、シャドーのどちらでもプレー可能。現在はインサイドハーフとしてプレーしており、さらに戦術面の向上も見られる。 ▽中盤の全ての役割を担うことが可能な渡辺。ピッチを駆け回る渡辺の特徴を生かせれば、チームとしては大きな力となることは間違いない。 (C)J.LEAGUE PHOTOS◆FW前田大然(20) 所属:松本山雅FC▽2017シーズンに期限付き移籍した水戸ホーリーホックで大ブレイクを果たした前田。爆発的なスピードを武器に、明治安田生命J2リーグで36試合に出場し13得点を記録した。 ▽今シーズンからは古巣の松本山雅FCに復帰。ここまでリーグ戦24試合に出場し6得点を記録し、J2首位を走るチームをけん引している。 ▽前述の通り、前田の最大の特長は爆発的なスプリント力だ。一瞬で相手選手を剥がすスピードは圧巻で、加速力はJリーグ屈指。さらに、シュート能力も持ち合わせており、ただ早い選手という訳ではない。代表経験が少ない前田だけに、今大会で結果を残し、まずは東京オリンピックを目指したい。 Getty Images◆FW旗手怜央(20) 所属:順天堂大学(川崎フロンターレ加入内定)▽3年生ながら現在の大学サッカー界をけん引するストライカー。MF三笘薫(筑波大学)とともに、2020年からの川崎フロンターレ加入が内定している。静岡学園高校出身の選手であり、テクニックもあるストライカー。さらに、身体の強さもあり、前線では様々なプレーを見せる。 ▽今年1月のAFC U-23選手権にも出場。Jリーグでプレーする選手たちの中にあって、その存在感を示し、今大会のメンバーにも選ばれた。上背はないものの、体幹の強さを武器とし、さらにはスピードもある。その上、足元の技術に優れ、トラップの技術が高く、相手DFの逆を取り、シュートチャンスを作る動きが特徴的だ。 ▽今大会に招集されたFWは前田大然(松本山雅FC)と上田綺世(法政大学)を含めた3名。自身が出場しなかったトゥーロン国際大会では上田がスーパーサブとして結果を残す活躍。今大会でチャンスを掴み、結果を残したいところだ。 2018.08.14 15:30 Tue
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【六川亨の日本サッカーの歩み】ソウル五輪予選で日本を破った中国選手の息子がJ1で活躍

▽先週末10日のJ1リーグ、今シーズンから導入された「フライデーナイトJリーグ」のG大阪対FC東京戦で、懐かしい名前を久々に聞いた。試合はG大阪がファビオのゴールで先制すれば、FC東京もディエゴ・オリヴェイラが個人技による突破から同点に追いつく。そして迎えた後半アディショナルタイムの95分、G大阪は高宇洋(こう たかひろ)のアシストからアデミウソンが決勝点を決めて9試合ぶりの、宮本監督になってからは初の勝利をあげた。 ▽試合後、解説を務めた水沼貴史さんは決勝点をアシストした高をヒーローインタビューしたが、そこで「僕もお父さんと試合をしたことがあるんですよ」と高に話しかけたのでピンと来た。 ▽調べたところ高は川崎Fの下部組織出身で、ユースに昇格できたものの市立船橋高に進み、高校3年時にはインターハイで優勝している。そして市立船橋高に在学中に日本国籍を取得した。ボランチとしてJの複数クラブから声がかかり、G大阪に入団したのが昨シーズンのこと。昨夏にはA契約を結んだのだから、将来を嘱望される選手なのだろう。 ▽さて彼の父親である。水沼さんが「試合をしたことがある」のは、忘れもしない87年のソウル五輪アジア最終予選の中国戦だ。日本はアウェー広州での試合を原博実のゴールにより1-0の勝利を収めた。あとは日本でのホームゲームで引き分ければ20年ぶりの五輪出場が決まる。しかしホームで0-2と敗れ、五輪出場の夢を断たれた。 ▽そのときの中国DFが高の父親である高升(こう しょう)だった。当時の中国には後にG大阪入りするストッパー賈秀全や、馬林、柳海光といった大型ストライカーを擁し、1948年のロンドン五輪以来40年ぶりの五輪出場を果たした。 ▽なぜ高升の名前を覚えていたかというと、その後は沈祥福、呂洪祥ら中国代表のチームメイトから誘われ、富士通(現川崎F)でプレーしたからだった(当時の富士通はJSL2部)。当時の富士通は中国に進出するため、中国人選手を獲得したという噂も流れた。日本での現役生活は91年から95年の4年間と短かったものの、その間に日本人女性と結婚し、06年には川崎Fの指導者を務めたこともある。 ▽さらに岡田武史氏が中国スーパーリーグの杭州緑城の監督を務めた際は、アシスタントコーチとして同氏を支えるなど、日本との縁も深い。現役時代の水沼氏にとっては五輪出場を阻まれたライバルでもある高升。ひょんなところから懐かしい名前が飛び出したものだと感心せずにはいられなかった。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.08.14 13:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】プレシーズンマッチの結果は当てにならないとは言うものの…

▽「本当にリベンジできるのかな」そんな風に私が不安を募らせていたのは土曜日、マドリッドの両雄がUEFAスーパーカップ前最後のプレシーズンマッチを実施。見事に結果が吉凶分かれてしまった時のことでした。いやあ、確かにアトレティコは大黒柱のグリーズマンがフランス代表でW杯に優勝、そのためチーム合流が遅れたのは仕方ないんですが、それより早く練習を始めていたジエゴ・コスタも不具合があって、その日がこの夏初めての実戦。翻って、お隣さんはクリスチアーノ・ロナウドのユベントス移籍という逆境はあったものの、今季の核になるベイルとベンゼマがW杯に行かず、ここまでトレーニングをみっちり積んでいますからねえ。 ▽それがこのプレシーズン、昨季CLとELのチャンピオンの得点力の差につながっているとも言えなくもありませんが、いやいや。レアル・マドリーなんて、スペイン代表でW杯に行っていたアセンシオが早くも3ゴールを挙げているとなると、これはもう練習量の多寡よりも元々、チーム自体がgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)体質であるところが大きいかと。逆にアトレティコの方はなけなしの1点を守り倒すのがシメオネ監督時代のトレードマーク。それでも勝てれば全然、文句はありませんが…その結果が2つのCL決勝、2014年リスボンでは後半ロスタイムにセルヒオ・ラモスの奇跡の同点ヘッドで延長戦、2016年ミランでは1-1のまま延長、PK戦での負けに繋がっているとなれば、この水曜のタリン(エストニア)での一戦もあまり楽観できないというのが今の私の本音ではあるんですが…。 ▽とりあえず、先に先週の彼らがどうだったのかをお話ししていくことにすると、どちらもミッドウィークにもう1つ、親善試合をこなしていて、いえ、マドリーはインターナショナル・チャンピオンズカップのアメリカツアー最終戦、火曜の深夜にニュージャージーでローマ戦だったため、私は生中継を見ることができなかったんですけどね。ただ先の2試合とは違い、折しもアトレティコが水曜にはブルニコ(イタリア)キャンプの打ち上げとしてカリアリと対戦。何せ、2年前から、彼らはカランサ杯(カディス主催の夏の親善大会)に参加せず、おかげで私も便乗して、ビーチ&試合観戦の夏休みが過ごせないのに不満でしたからね。よく聞けば、カリアリのあるサルディーニャ島は地中海きってのリゾートアイランドとなれば、どうして連日猛暑のマドリッドなんかで煮詰まっていられる? ▽そこで水着を持って出かけることにしたんですが、大丈夫。島の南部にあるカリアリの町からバスで1時間半、ビラシミウスの透明度抜群、旅行パンフレットに出て来るような純白ビーチでアトレティコのリュカの大ファンという大学生のスペイン女子と知り合いになった翌日、水曜の朝には2-1でローマに勝っているのを確認できましたっけ。ええ、速攻で前半2分にはアセンシオが先制ゴールを挙げると、15分にはベイルが2点目。相手の反撃を後半38分、ストロートマンの1発に抑え、先週土曜のユベントス戦(ロナウドは出ていない)に続いて、アメリカの地で連勝しているとなれば、ロペテギキ新監督だって、一体、何を心配することがありますでしょうか。 ▽一方、その夜、サルディーニャ・アレアで行われたアトレティコの試合はというと、もう最近は知らない土地に行ってもGoogl mapのおかげで、迷わずに目的地に着けますからね。カリアリの地元ビーチ、ポエットの手前にあるスタジアムはバスで10分程と近いんですが、キックオフ前にはこの試合のため、シメオネ監督がマドリッドからゴディン、ヒメネス、フィリペ・ルイスらW杯参加組、そしてリハビリの終わったサビッチ、インテルに行ったベルサイコと入れ替わりでPSVから移籍してきたアリアスと、5人のDFをマドリッドから呼び寄せていたことが判明。ブルニコから来た本隊と当日合流し、最初の3人が先発したところ…確かに守りはカンテラーノ(下部組織の選手)ばかりの試合に比べ、かなりまともになりましたよ。 ▽でもねえ、シメオネ監督も「ウチはここまで中盤から後ろのラインでしか、練習ができなかった。Nos falta la parte ofensiva/ノス・ファルタ・ラ・パルテ・オフェンシバ(攻撃部分が不足している)」と言っていたように得点は前半32分、ジェルソン・マルティンス(スポルティグCPから移籍)のシュートを敵GKが弾き、それで正面に転がってきたボールをBチームのボルハ・ガルシアが押し込んだ1点のみに留まることに。何せ、トップチームのFWはビエット(フラムに移籍)やガメイロ(同バレンシア)すらおらず、フィリペ・ルイスがレマル(同モナコ)と左サイドで連携するのもこの日が初めてでしたからね。それも仕方ないところはあるんですが、後半など、馴染みの選手が次々と代わり、最後はサビッチがキャプテンに。その他、ロドリゴ(同ビジャレアル)、GKアダン(同ベティス)以外、全員カンテラーノとなれば、0-1で勝てただけでも御の字だった? ▽そして試合後、そのままマドリッドに戻ったチームはマハダオンダ(マドリッド近郊)で木金と練習。ようやく全員が揃った状態でいよいよ、土曜のインターナショナル・チャンピオンズカップ最後のインテル戦をワンダ・メトロポリターノで迎えたんですが、まさかキックオフ直前から、違いを見せつけられることになろうとは!というのもこちらは午後9時5分スタートで、9時ジャストにはお隣さんのサンティアゴ・ベルナベウ杯、ミラン戦が始まっていたんですが、何と開始2分、カルバハルのクロスからベンゼマがヘッドを決め、マドリーが先制したという報がオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の多元実況で伝わってきたから。 ▽まあ、そのリードはまだアトレティコとインテルがピッチで挨拶している間、ロナウド加入の玉突き効果により、ユベントスからミランに移籍したイグアインが5万4000人の観衆が見守る中、エリア前から古巣恩返し弾。GKケイロル・ナバスを破って、帳消しになったんですが、ワンダでの最初の見せ場は10分、GKオブラクによるイカルディの至近距離シュートのparadon(パラドン/スーパーセーブ)でしたからね。いやあ、これは先週木曜にはクルトワがマドリーの入団プレゼンで「Mi objetivo siempre ha sido venir aqui/ミ・オブヘティボ・エス・シエンプレ・ア・シードー・ベニール・アキー(ボクの目標は常にここに来ることだった)。皆、知っていたけど、マスコミに言う訳にはいかなかった」と発言。 ▽あまつさえ、「アトレティコにはレンタルでいたから、違っていた。だから今日まで紋章にキスしたことはなかったんだよ」と、ユニフォーム姿でピッチに出てのお披露目では5度もそのポーズを繰り返していたことに傷ついていた2万3000人のファンの心を大いに慰めてくれましたけどね。それでもスタジアム正面の地面に並んでいるクルトワの100試合以上出場した選手の記念プレートをスプレーなどで汚す輩が出現するのは避けられませんでしたっけ(https://twitter.com/diarioas/status/1028375752432005120)。 ▽とはいえ、そのオブラクも31分、アサモアのクロスをラウタロがアクロバティックな空中volea(ボレア/ボレーシュート)でゴールに叩き込むのを防ぐことはできず、インテルが先制。うーん、40分にはコケのスルーパスから、ようやくコレアのシュートがゴールに入ってくれたんですけどね。運悪くというか、リーガ開幕に先駆けてこの日、実験的に使われていたVAR(ビデオ審判)からのお達しにより、オフサイドでこの1点はスコアにあがらず。ええ、丁度この頃辺りでしたよ。ベルナベウから、前半ロスタイムにCKのこぼれ球をベイルが押し込み、マドリー再びリードの報が伝わってきたのは。 ▽おまけにアトレティコに2013年のコパ・デル・レイ優勝をもたらしたミランダが後半15分、スタンドの拍手を浴びて交代した後、ジエゴ・コスタもお役御免に。まだ練習を始めて1週間のグリーズマンと入れ替わり、2人がピッチで一緒にプレーした時間がなかったため、いえ、入団したてのFWカリニッチ(同インテル)もデビューしましたし、ジェルソンが持ち前の突破力からクロスを上げ、ビトロの強烈ヘッドがGKハンダノビッチに弾かれてしまうという惜しいチャンスもあったはあったんですけどね。 ▽対照的にマドリーの方は後半ロスタイム、いきなり浮上したインテル移籍の噂が年棒をベイル、ラモス並の1000万ユーロ(約13億円)に引き上げることで解決。ワンダでの試合後記者会見でスパレッティ監督に、「ウチは強いチーム、彼がいればとても強いチームになったろう」と言わしめることになる残留が決まったモドリッチのシュートはGKドンナルンマに弾かれながら、マジョラルが頭で決めて3点目をゲットしているんですよ。3-1でミランに勝利し、ラモスがトロフィーを掲げる予行練習をしている間、結局、アトレティコはたった1点がどうしても返せず、そのまま0-1で負けてしまったとなれば、やっぱりファンだって、あんまり元気にはなれませんって。 ▽え、実はその土曜はスペイン中でプレシーズンマッチをやっていて、マドリッドの弟分チームたちも大体、同じ時間に戦っていたんだろうって?その通りでブタルケに3年ぶりに1部に戻って来た弟分仲間のラージョを迎えたレガネスはここ2年分の貫録を示して2-0で勝利。この夏、加入した大型FWカリージョ(サザンプトンから移籍)がdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)と、期待を持たせる活躍をしてくれました。その反面、ラージョは水曜にも同じ1部出戻り組のバジャドリーに2-0と負けていて、日曜のリーガ開幕、セビージャ戦がちょっと不安なんですが、エスタディオ・バジェカスでなら、熱いファンの応援を頼りにできるのが慰めになるでしょうか。 ▽そして理由はよくわからないながら、その日は同じマドリッドの2部の弟分、アルコルコンのホーム、サント・ドミンゴでヘタフェもジローナと対戦していたんですが、こちらは3-3の撃ち合い。ええ、前半に2点を先行されながら、後半にはホルヘ・モリーナが反撃の狼煙を上げると、ファンペに1-3とされた後にアンヘルが2点を決め、引き分けに持ち込むことに。いやあ、グラナダ(2部)戦、ボアビスタ戦に続いて、水曜もスポルティング・ヒホン(2部)とスコアレスドローに終わった時はゴール日照りが心配された彼らですが、どうやら今季もチームのエースは不動。モリーナとアンヘルの両輪が当たる日は安心なようです。ちなみに柴崎岳選手はジローナ戦で途中出場となったんですが、今のところ、まだ移籍決定の報はないため、日曜の開幕戦、サンティアゴ・ベルナベウでの兄貴分とのミニダービーには出てくれるかもしれませんよ。 ▽そしてこれで週末までもう試合のない弟分たちにはこの1週間、練習でしっかり調子を整えてもらうことにして、最後に水曜のUEFAスーパーカップの情報もお伝えしておくことにすると。月曜にはタリンに移動するマドリーではどうやら、先発GKは入団したばかりのクルトワではなく、ナバスのよう。いえ、別に日曜のセッション前、アトレティコ時代の習慣のまま、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場入りする際、サインを求めるファンのために車を止め、5分以上もサービス。後ろで待っていたラモスの不況を買ったせいなんてことはないと思いますけどね(https://as.com/videos/2018/08/12/portada/1534086055_073771.html)。 ▽ロペテギ監督も「Keylor y Courtois no son un problema sino dos magníficas soluciones/ケイロル・イ・クルトワ・ノー・ソン・ウン・プロブレマ・シノ・ドス・マグニフィカス・ソルシオネス(ナバスとクルトワがいるのはトラブルではなく、2つの素晴らしい解決策)」と一流のGKを2人も持てるのを喜んでいましたが、当人は移籍が決まる寸前までチェルシーでの練習もボイコットしていて、新チームでのトレーニング回数も少ないですからね。残りのスタメンもほぼサンティアゴ・ベルナベウ杯のリピートで、モドリッチが入るかどうかといったところが焦点になりそうです。 ▽逆に組み合わせで四苦八苦しそうなのはシメオネ監督で王道はコスタとグリーズマンを並べることでしょうけど、補強でレマル、ジェルソン、ロドリゴと中盤やサイドの選択肢が増えているため、もう少し、当日が近づくまで予想はできないかと。うーん、今更ながら、サッカースタイルを変えることはできませんし、監督も「Es el grupo lo que harán una buena plantilla y no simplemente los buenos futbolistas/エス・エル・グルッポ・ロ・ケ・アラン・ウナ・ブエナ・プランティージャ・イ・ノー・シンプレメンテ・ロス・ブエノス・フトボリスタス(いいチームを作るのは選手たちのグループで、ただ単にいいサッカー選手がという訳じゃない)」と言っていましたしね。 ▽ボールを圧倒的に持つことになるだろうマドリーの前に耐え忍ぶのは当然としても、数少ないであろうチャンスを生かすことのできる選手を上手く起用できればいいんですが、さて。そうそう、まだUEFAの処分が残っているシメオネ監督は水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのこの試合でもベンチに入れず。まあ、昨季のEL決勝でも同じだったため、別に差し障りはないかと思いますが、いよいよマドリッド勢同士のガチンコタイトル争いですからね。一足先に日曜にはスペイン・スーパーカップがモロッコのタンジェで開催され、バルサがセビージャを2-1で破って戴冠しましたが、こちらは人事じゃないだけに、マドリーダービー前の緊張感を私もだんだん感じてきたところです。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.08.13 12:00 Mon
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【リーグ・アン・シーズンプレビュー】フランスのW杯優勝で注目集まるもPSG連覇濃厚か

▽2018-19シーズンのリーグ・アンが8月10日(金)に開幕を迎える。昨シーズンは、FWネイマール、FWムバッペの加入で沸いたパリ・サンジェルマン(PSG)が圧倒的な強さを見せて2シーズンぶりの優勝を果たした。ロシア・ワールドカップでのフランス代表の優勝で俄然注目を集める今季の覇権の行方はいかに。 ◆戦術マニアの新指揮官との相性に懸念も連覇に死角なし~パリ・サンジェルマン~Getty Images▽本命は連覇を目指すパリの巨人だ。今夏の移籍市場序盤にはエースのFWネイマール、W杯でさらに評価を高めたFWムバッペ、FWカバーニの前線3選手に揃って移籍の噂が出ていたものの、いずれも残留の可能性が高くなっている。そのほかのポジションでは換金対象だったDFユーリやMFパストーレの放出、FWゴンサロ・ゲデスらの今後の放出、MFモッタの現役引退によってやや戦力値を落としたものの、補強ポイントのGKに百戦錬磨のベテランGKブッフォンをフリーで獲得。加齢によるパフォーマンスの低下は否めないが、そのリーダーシップと経験は大きなプラス要素をロッカールームにもたらすはずだ。 ▽また、良くも悪くも今夏の注目ポイントはエメリ前監督に代わって新指揮官に就任するトゥヘル監督だ。複数のシステムや柔軟な選手起用からブンデスリーガ屈指の戦術家と評されるドイツ人指揮官だが、ドルトムント時代には自身のスタイルに固執するあまりスター選手の扱いがおざなりになった結果、求心力を失い解任に至った経緯もありネイマールを筆頭に曲者揃いのスター軍団のマネジメントに不安を残す。プレシーズンでは[3-4-3]の布陣をメインに使っていたが、主力の復帰に伴いどんな戦い方を採用するのか注目したい。 ◆大エース残留濃厚でPSGのライバル筆頭に~リヨン~Getty Images▽対抗は、昨季の3位チームのリヨンだ。ジェネジオ監督の下で攻守にバランスの取れた安定した戦いを昨季見せたリヨンに関してはシーズン終了時に退団が決定的となっていたエースでキャプテンのFWフェキルの残留の可能性が高まっている。さらに、MFエンドンベレやFWマリアーノ、FWデパイらその他の主力の慰留にも成功した。 ▽また、今夏の移籍市場ではバレンシアに去ったDFディアカビの後釜にリストアップしたバルセロナDFミナらの獲得に失敗したものの、リーグ屈指の右サイドバックのDFデュボワをナント、快速アタッカーのFWテリエをストラスブール、イングランド期待の若手FWのグリフィスをトッテナムから獲得しており、若きタレントの加入により選手層が増している。その一方で、今季は2シーズンぶりのチャンピオンズリーグ(CL)参戦となるため、巨大戦力を誇るPSGからの覇権奪還に向けては二足の草鞋を履く年内の戦いが重要になる。 ◆エースFW獲得が急務! 3年目酒井は更なる高みへ~マルセイユ~Getty Images▽3番手には日本代表DF酒井宏樹を擁する昨季4位チームにしてヨーロッパリーグ(EL)ファイナリストのマルセイユを挙げたい。アメリカ人の新オーナーの就任に伴い、積極的な補強でクラブの立て直しに成功したマルセイユだが、更なる飛躍を求められる今季はCL出場権獲得が第一の目標となる。ただ、今夏の移籍市場ではエースFWトヴァンやMFサンソンらの慰留に成功した一方、ここまでの補強はレッドブル・ザルツブルクからクロアチア代表DFチャレタ=ツァルを獲得したのみ。逆に守備的MFとして主力を担ったザンボ=アンギッサがクリスタル・パレスに移籍し、プラスマイナス0という状況だ。 ▽PSGとリヨンに食い下がるためにはチーム最大の補強ポイントである、エースストライカーの獲得が急務だ。ここまではニースFWバロテッリ、チェルシーFWジルーの獲得に動いてきたもののいずれの交渉も停滞しており、移籍市場閉幕までにいずれの選手か新たな選手を獲得する必要がある。なお、マルセイユ2年目となった昨季に左右のサイドバックに3バックの一角と獅子奮迅の活躍を見せた酒井はW杯の舞台でもマルセイユでの充実ぶりを窺わせるハイレベルのパフォーマンスを披露しており、今季はいよいよリーグ最高のサイドバックを目指すシーズンになるはずだ。 ◆主力大量流出で新星台頭必須~モナコ~Getty Images▽昨季は終盤に勝負強さを見せて最終的に2位フィニッシュしたモナコだが、今季はより一層厳しいシーズンが予想される。FWムバッペ、MFベルナルド・シウバ、MFバカヨコ、DFメンディらが引き抜かれた昨夏に続き、今季はここまでMFファビーニョ、MFモウティーニョ、MFレマルと3人の主力が流出することに。代わって加入したのはW杯で活躍したロシア代表MFゴロビンやDFバレッカ、MFアホルと戦力値の低下は避けられないところだ。さらに、主力FWケイタにインテル行きの噂も出ており、仮に同選手まで引き抜かれれば、昨夏以上に厳しいシーズンになるはずだ。 ▽そのため、移籍市場終了までに数人の即戦力の獲得が急務だ。また、加入1年目で期待を裏切ったFWヨベティッチやMFティーレマンスらの奮起も必要となる。また、育成路線に切り替えた中で第2のムバッペやレマル、ベルナルド・シウバらの台頭にも期待したい。その候補としてイタリア人FWペッレグリ、スペイン人FWムボウラ、フランス人FWジーベルズら3人のティーンエイジャーの名前を挙げたい。 ◆ヴィエラ率いるニースや各クラブの逸材に注目~そのほかのチーム~Getty Images▽昨季は4位のマルセイユと5位レンヌの勝ち点が20近く開いていたこともあり、優勝争いに関しては前述の4チームの争いになることに間違いない。それ以外の16チームに関しては資金力などの影響で少なからず差はあるものの、昨季同様に混戦が予想される。 ▽その中で注目チームはかつてアーセナルやユベントスで活躍した元フランス代表MFのパトリック・ヴィエラ新監督が率いるニースだ。ドルトムントにステップアップしたファブレ監督の下、昨季8位に入ったニースだが、絶対的司令塔のセリ、FWバロテッリと共にゴールを量産したFWプレア、主力DFマルロンらが揃って移籍。さらに、現時点で実績のある後釜の加入はなくヨーロッパのトップリーグで監督初挑戦のヴィエラ監督は難しい船出となりそうだ。これまでレ・ブルーの黄金期を支えた同年代の選手ではジダンやデシャン、ブランが指揮官として実績を残している一方、リザラズやマケレレらは思うように成績を残せておらず、ヴィエラ監督は前者の道を歩むのか、はたまた後者の道をたどるのか。 ▽リールにビエルサ監督、ナントにラニエリ監督が就任した昨季と異なり、前述の4チーム以外にトピックが少ない今季のリーグ・アンだけに最後は各クラブの注目選手に関して少し紹介したい。 ▽まずはロシアW杯の日本代表戦で躍動したセネガル代表でレンヌに所属するFWイスマイラ・サール。爆発的なスピードとパワー、決定力を兼ね備えた20歳の逸材は今季15ゴール以上が期待される。 ▽サールと同様に個での打開力のあるアタッカーではリールのコートジボワール代表FWニコラ・ペペ(23)やニースのフランス人FWアラン・サン=マクシマン(21)も昨季に圧巻のパフォーマンスを見せており、今季も躍動が期待される。 ▽また、PSGとギャンガンに所属するジョージ・ウェアとリリアン・テュラムの息子である、FWティモシー・ウェアやFWマルクス・テュラムにも注目。さらにユベントスやバルセロナも関心を示すアンジェの逸材左サイドバックのアイト・ヌーリらも今季の活躍が期待されている。 2018.08.10 18:01 Fri
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【プレミアリーグ・シーズンプレビュー】王者シティと積極補強リバプールの一騎打ちか

▽2018-19シーズンのプレミアリーグが8月10日(金)に開幕を迎える。昨シーズンは、優勝候補本命だったマンチェスター・シティが宿敵マンチェスター・ユナイテッドに19ポイント差を付ける独走劇で4年ぶりの5度目のリーグ制覇を成し遂げた。ワールドカップ(W杯)開催後、開幕前の移籍市場閉幕という2つの大きなトピックがあった中で臨む新シーズンは果たしてどんな結末を迎えるのか。 ◆補強最低限も死角なし~マンチェスター・シティ~Getty Images▽本命は昨季プレミアリーグ最多勝利(32勝)、最多勝ち点(100ポイント)、最多得点(106点)など記録尽くめの完勝劇を見せ、連覇を目指すシティだ。グアルディオラ体制3年目となる今シーズンに向けては大幅な刷新を行った1年目、守備陣に積極的な投資を行った2年目とは異なり、以前から獲得を希望していたレスター・シティMFマフレズを6000万ポンドで獲得したのみと、最低限の補強に留めた。 ▽とはいえ、各セクションに各国のビッグクラブで主力を務められるレベルの選手を2人以上抱えており、プレミアリーグ2年目、3年目のMFザネやMFベルナルド・シウバ、DFメンディ、FWガブリエウ・ジェズスなど伸びしろのある若手とペップスタイルの熟成が進めば、2008-09シーズンに3連覇を達成したユナイテッド以来の連覇は十分に可能なはずだ。唯一の懸念は今夏にMFフレッジやMFジョルジーニョら獲得候補を逃した守備的MFの選手層だ。昨季はベテランのMFフェルナンジーニョがフル稼働しており、仮に同選手が負傷した場合、守備力が大きく劣るMFギュンドアンやMFデルフらが代役を担うことになる。また、グアルディオラ監督はその緊急事態に備えて本職センターバックのDFストーンズのコンバートも視野に入れている。 ◆待望の新守護神獲得に選手層拡充でプレミア初制覇へ~リバプール~Getty Images▽対抗は、昨季4位ながらチャンピオンズリーグ(CL)でファイナリストとなったリバプールだ。昨季は脆弱な守備陣やボールを持たされる格下相手の取りこぼしが響き最終節で辛くも4位を死守したレッズだったが、クロップ3年目の継続路線に新エースのFWサラーの加入によって世界屈指のアタッキングユニットとなったサラー、FWマネ、FWフィルミノの超強力3トップが猛威を振るい、全世界にその強さを見せつけた。 ▽国内リーグで18度の優勝回数を誇るリバプールだが、最後の優勝はフットボールリーグ時代の1989-90まで遡り、プレミアリーグでの優勝は1度もない。そのため、クロップ体制4年目となる今季はプレミア初制覇が求められるところだ。そして、フロントはサラーやマネの主力慰留に加え、当時GK史上最高額の6700万ポンドでローマから新守護神のアリソン、中盤と前線にMFファビーニョ、MFシャキリ、MFナビ・ケイタと4人の実力者を迎え入れる最高のアシストを行った。今やシティと並ぶ優勝候補筆頭に躍り出たマージーサイドの雄だが、“2年目のジンクス”と戦う昨季得点王のサラー、積極補強によって優勝が求められるプレッシャーに打ち勝てるが悲願達成のカギとなりそうだ。 ◆モウ3年目で崩壊の兆し…~マンチェスター・ユナイテッド~Getty Images▽3番手には昨季2位のユナイテッドを挙げたい。これまでのキャリアを通じて就任2年目に真価を見せてきたモウリーニョ監督だが、勝負の1年として臨んだ昨季は宿敵ペップ率いるシティのあまりの強さに早々と優勝争いから脱落。さらにCLでのセビージャ相手の敗退に国内の2つのカップでも優勝を逃すなど、屈辱の無冠に終わった。 ▽今季は捲土重来のシーズンと位置付けられるものの、今夏の補強ではポジティブな要素を見いだすことはできず。移籍市場序盤にシティとのレースを制してMFフレッジ、右サイドバックの若き逸材ジオゴ・ダロト、第3GKリー・グラントと早々に3人の獲得に成功したものの、指揮官が臨んだ右ウイングに関してはMFベイルやMFウィリアン、FWペリシッチといったトップターゲットをことごとく逃した。さらに同じく補強ポジションだったセンターバックに関してもDFヴァランやDFボアテング、DFアルデルヴァイレルト、DFマグワイアの獲得交渉に失敗。イラ立ちを募らせたポルトガル人指揮官とウッドワードCEOの衝突が幾度となく報じられた。 ▽また、MFポグバやFWマルシャルなど昨季から指揮官との確執が伝えられた一部主力に流出の可能性があり、スペインやフランス、イタリアと移籍市場閉幕までに時間を残すビッグクラブに引き抜かれるという最悪のシナリオも想定される。補強の停滞から「このままでは難しいシーズンになる」と語ったモウリーニョ監督の言葉通り、難しい1年となるか。それでも、本格フィットが期待されるFWサンチェスやW杯でも存在感を示したFWルカク、残留を決断した守護神デ・ヘアらが120パーセントの働きを見せられれば、十分に覇権奪還の可能性はあるはずだ。 プレミアリーグを観るならDAZN!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! ◆補強ゼロに主力のW杯疲労で新本拠地での船出は?~トッテナム~Getty Images▽直近3シーズンで3位、2位、3位と最も安定した成績を残してきたトッテナムも優勝候補の一角に挙げて差し支えはないが、現実を考えればトップ4フィニッシュが今季の目標となるはずだ。トッテナム・ホットスパー・スタジアム(仮称)で迎える新シーズンに向けて積極的な補強が期待された今夏だが、例年以上にスロースタートのクラブはポチェッティーノ監督やエースFWケイン、FWソン・フンミンら主力との契約延長、MFエリクセンら流出候補の慰留に成功した一方、新戦力補強はまさかのゼロに。 ▽また、ここ数年は伸びしろのある若手主力の成長をそのままチーム力に転換してきたが、守護神ロリスやケインらイングランド代表勢、DFヴェルトンゲンらベルギー勢が揃って今夏のW杯でベスト4以上に進出した影響で疲労が懸念される。さらにソン・フンミンが兵役の問題からアジア大会への参加を決断し、序盤戦数試合の欠場も重なる。そのため、今季の成功のためにはMFルーカス・モウラやFWジョレンテら加入2年目の選手、長期離脱明けのMFラメラ(昨季終盤に復帰)やMFウィンクス、レンタルバックの逸材MFオノマーやプレシーズンでアピールしたMFエイモスら若手の台頭が必要となるはずだ。 ▽なお、新スタジアム建設工事遅延の影響で第2節フルアムとの今季最初のホームゲームはウェンブリー・スタジアムでの代替開催となり、9月15日に行われる第5節のリバプール戦が新スタジアムでの初陣となる。 ◆智将サッリ就任も主力の去就は?~チェルシー~Getty Images▽一昨シーズンのプレミアリーグ王者のチェルシーだが、CL圏外の5位フィニッシュとなった今季も厳しいシーズンが予想される。昨季の最終盤にFAカップのタイトルを獲得した無冠を逃れたチェルシーだが、今夏にコンテ監督からサッリ新監督への監督交代が行われた。しかし、違約金を巡る契約解消交渉の停滞や後任監督の選定に手間取り、最終的にコンテ監督の退任とサッリ新監督の就任が決着したのはシーズン開幕まで1カ月を切った7月14日に。そのため、新戦力補強でも後れを取った結果、早期の補強は指揮官のナポリの教え子であるMFジョルジーニョの獲得、第3GKグリーンの獲得にとどまった。 ▽その後、守護神クルトワのレアル・マドリーに流出に伴い、国外初の移籍に加えビッグクラブでプレー経験のないアスレティック・ビルバオGKケパをGK史上最高額の7200万ポンドで急遽後釜に据えることに。さらにクルトワ流出の副産物としてMFコバチッチのレンタルに成功したものの、エースのMFアザールやMFカンテに依然移籍の噂が燻るなど難しい状態でシーズンに臨む。 ▽さらにグアルディオラ監督が絶賛する美しいフットボールを展開するサッリ監督だが、ボールを基準とするゾーンマークなど独特のスタイルを採用するため、ジョルジーニョを除く現有戦力の戦術浸透に時間を要する可能性が高い。とりわけ、新守護神ケパのフィット具合を含め守備面が懸念されるところだ。 ◆ヴェンゲル退団後、初のシーズン!~アーセナル~Getty Images▽優勝争いに絡めるかは微妙なところだが、在任22年のアーセン・ヴェンゲルが昨季限りで旅立ちエメリ新監督を招へいしたアーセナルは注目のチームの1つだ。2年連続トップ4圏外でシーズンを終えたアーセナルでは、“マネージャー”としてチーム全体を掌握したヴェンゲル体制から元バルセロナFDのサンレヒ氏、元ドルトムントのチーフスカウト、ミスリンタート氏の強化部門とエメリ新監督がオーガナイズする現場と役割分担が図られた。今夏の移籍市場においても新強化部門の意向が強く反映され、GKレノ、DFパパスタソプーロス、DFリヒトシュタイナー、MFトレイラ、MFグエンドウジの5選手が加入。そして、10番を背負ってきたMFウィルシャーがウェストハムに旅立った。 ▽また、ピッチレベルでは同じ[4-2-3-1]、[4-1-4-1]の布陣を採用するも華麗なパスサッカーを志向した前体制から質実剛健のカウンタースタイルというエメリ監督のスタイルが見え始めている。前線にはカウンター向きのFWオーバメヤンやMFムヒタリアン、FWラカゼットが揃っており、前体制から課題とされた守備面が改善されれば、トップ4争いに十分に絡めるはずだ。 ◆積極補強敢行でトップ6崩しに挑む~エバートン、ウェストハム、ウルブス~Getty Images ▽トップ6を除く中堅以下のチームで注目すべきは積極補強敢行でトップ6崩しを目論むエバートン、ウェストハム、昇格組ウォルバーハンプトンの3チームだ。昨季の積極補強が実らず、クーマン監督、アラダイス監督と指揮官交代が図られたエバートンは今季からワトフォード前指揮官のマルコ・シウバ監督を招へい。今夏の移籍市場ではFWリシャルリソン、DFディーニュ、DFミナ、MFアンドレ・ゴメス、MFベルナールら実力者を獲得。指導力に定評があるポルトガル人指揮官と昨季期待を裏切った2年目の選手を含めた新戦力の融合で上位進出を目指す。 ▽また、シティ時代に2度のリーグ制覇に導いたペジェグリーニ監督を新指揮官に迎えたウェストハムはMFウィルシャー、GKファビアンスキ、FWルーカス・ペレスの元アーセナル勢に加え、FWヤルモレンコ、FWフェリペ・アンデルソンの両翼、逸材DFディオプと各ポジションに実力者を獲得。さらにMFアルナウトビッチらも現時点で残留が濃厚となっており、今季の躍進が期待される。 ▽昨シーズンのチャンピオンシップ(イングランド2部)優勝チームのウォルバーハンプトンは、経営に携わる世界屈指の代理人、ジョルジュ・メンデス氏のコネクションを使い、GKルイ・パトリシオ、MFモウティーニョ、MFデンドンカー、FWラウール・ヒメネス、FWアダマ・トラオレなど実力者を次々と獲得。その戦力に加え、ポルトやバレンシアで手腕を発揮してきたヌーノ監督の存在によってダークホースの呼び声高い。 ◆武藤がニューカッスルでプレミア初挑戦~日本人選手~Getty Images▽最後に今季のプレミアリーグではレスター・シティのFW岡崎慎司、サウサンプトンのDF吉田麻也に続いてマインツからニューカッスルに加入したFW武藤嘉紀が新たなプレミアリーグ戦士に。マインツでの活躍を経て950万ポンドといわれる移籍金でプレミア初挑戦となる武藤は、[4-2-3-1]をベースに堅守速攻を志向するスペイン人指揮官のベニテス監督の下でまずはチーム内の争いを制することが求められる。今夏のニューカッスルの陣容を見ると、1トップにはターゲットマンタイプのFWロンドン、FWホセルの起用が濃厚となるため、武藤は左右のウイング、セカンドトップでの起用が想定される。同ポジションではMFアツやMFリッチーといったドリブラーに加え、多彩なプレーの引き出しを持つMFマーフィー、FWアジョセ・ペレスと難敵が揃う。 ▽一方、チーム内で一定のポジションを築く岡崎と吉田に関しても今季は再びポジション争いに臨むことに。昨季準主力に甘んじた岡崎に関してはMFマフレズやFWムサがチームを去った一方、MFゲザルとMFマディソンが新たに加入。トップ下を本職とする逸材マディソンは直接のライバルであり、左右のウイングとトップ下でもプレー可能なゲザルも強力なライバルになりそうだ。吉田に関しては190cm超えの長身DFヴェステルゴーアが加入したものの、これまでの信頼やW杯での好パフォーマンス、チームが3バックを採用していることもあり、引き続き主力としての活躍が期待される。 武藤、吉田、岡崎の活躍をDAZNで!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! 2018.08.10 18:00 Fri
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【プレミアリーグ移籍総括】GK移籍最高額が2度更新! ビッグクラブ停滞も中堅が積極補強

▽現地時間8月9日17時(日本時間9日25時)に今夏のプレミアリーグ移籍市場が閉幕した。例年、8月末までに移籍期限が設けられた中、初めてリーグ開幕前に前倒しとなった今夏のトランスファーウィンドウではビッグクラブが守備陣を中心に比較的静かな夏を過ごした一方、ウェストハムやエバートンら中堅、フルアム、ウォルバーハンプトンの昇格組がとりわけデッドライン・デイに派手な動きを見せた。なお、選手の獲得は前述の日時に締め切られたものの、放出に関しては国外の移籍市場が開いている9月初旬まで認められるため、ここから主力が国外に流出する可能性も十分にある。 ◆トップ3は難しい夏にGetty Images▽初めての前倒し日程とロシア・ワールドカップ(W杯)開催の影響でリバプール、アーセナルを除きトップ6のチームは難しい夏を過ごすことになった。昨季、圧倒的な強さでリーグ制覇を成し遂げたマンチェスター・シティは昨年から獲得候補に挙がっていたMFリヤド・マフレズを6000万ポンドでレスター・シティから引き抜くことに成功も、もう1つの補強ポイントだったMFフェルナンジーニョのバックアップに関してはMFフレッジやMFジョルジーニョ、MFヴァイグル、MFピャニッチらの獲得にことごとく失敗。現時点で十分な選手層を確保しているもののやや不安を残す形となった。 ▽さらにシティを追う立場にある2位マンチェスター・ユナイテッド、3位トッテナムは失敗の夏に。ユナイテッドはシティとの争奪戦を制してシャフタールからフレッジの獲得に成功したものの、モウリーニョ監督が獲得を臨んだ右ウイング、センターバックの補強に関してMFウィリアン、MFベイル、FWペリシッチ、DFアルデルヴァイレルト、DFマグワイアらの獲得が難航。最終的に主力クラスの補強はフレッジのみにとどまり、補強方針を巡ってクラブと対立するポルトガル人指揮官の早期退団の噂も出ている。 ▽例年、スロースターターのトッテナムに関してはプレミアリーグ史上初めて補強選手ゼロという不名誉な夏に。もちろん、エースFWケインやMFエリクセンら移籍市場の人気株の残留に成功した点は評価されるべきだが、新スタジアム建設による資金不足やレヴィ会長の財布の紐の堅さもあり、MFグリーリッシュやFWザハなど高額な移籍金を要求する相手との交渉で譲歩することなく、今夏の補強を断念する結果となった。 ◆リバプールは積極補強で優勝候補にGetty Images▽今夏の移籍市場における勝ち組筆頭は的確な補強でウィークポイントを潰した昨季4位のリバプールだ。今夏の移籍市場では最重要補強ポイントのGKにローマとセレソンの正GKアリソンを当時のGK歴代最高額の6700万ポンドで獲得すると、昨夏に内定させていたMFナビ・ケイタやモナコの実力派MFファビーニョ、ストーク・シティの降格に伴い安価な金額で獲得可能となったFWシャキリの4選手を確保。加えて、エースFWサラーらの慰留にも成功と完璧な立ち回りを見せた。 ▽共にトップ4返り咲きを目指し新指揮官を迎えたチェルシーとアーセナルでは共にまずまずの補強に成功した。チェルシーに関しては守護神クルトワのレアル・マドリー流出に伴い、前述のアリソンの移籍金を上回る7200万ポンドでビルバオGKケパを獲得する拙いオペレーションはあったものの、サッリ新監督のナポリ時代の教え子ジョルジーニョ、クルトワのオペレーションの一環でMFコバチッチと2人の逸材MFを確保。守備陣の補強失敗は痛恨だが、予断を許さないMFアザールやMFカンテの慰留に成功すれば、まずまずの陣容となる。 ▽アーセナルに関しては新リクルート部門主導でDFパパスタソプーロス、GKレノらの獲得に成功した一方、新指揮官エメリ監督の望む中盤の逸材MFトレイラの獲得など、課題の守備陣のテコ入れに成功。前線に関しては個で打開できるアタッカーの獲得に失敗したものの、主力に離脱者が出なければ現有戦力で補えるはずだ。 各国スターが勢揃い!プレミアリーグを観るならDAZN!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! ◆中堅&昇格組が躍動Getty Images▽リバプールを除く今夏の勝ち組はそれぞれ新指揮官を迎えたエバートン、ウェストハムの中堅2クラブとウォルバーハンプトンとフルアムの昇格組2チームだ。マルコ・シウバ監督を迎えたエバートンは教え子のワトフォードFWリシャルリソンの獲得に成功すると、バルセロナからDFディーニュ、DFミナ、MFアンドレ・ゴメス、今夏フリー選手の中で大物と評されたMFベルナールを移籍市場最終盤に獲得した。 ▽また、今夏最も積極補強を行ったペジェグリーニ新監督率いるウェストハムは目玉補強となったMFウィルシャー、FWフェリペ・アンデルソン、FWヤルモレンコに加え、GKファビアンスキ、DFディオプ、MFカルロス・サンチェスと各ポジションに的確な補強を敢行した。 ▽昇格組2チームに関しては世界最高の代理人、ジョルジュ・メンデス氏が経営に参画するウルブスがGKルイ・パトリシオ、MFモウティーニョのポルトガル代表コンビ、FWラウール・ヒメネスやMFデンドンカーとW杯出場選手を獲得することに成功。一方、フルアムはMFセリ、MFザンボ=アンギッサのリーグ・アン屈指のMFの完全移籍に加え、GKセルヒオ・リコやFWビエット、FWシュールレなどビッグクラブで戦力外の実力派をレンタルで獲得する巧さを見せた。 ◆GK移籍最高額が2度更新Getty Images▽なお、プレミアリーグの今夏の移籍金トップは7200万ポンドでビルバオからチェルシーに加入したケパ、次点にはローマからボーナス含め総額6700万ポンドでリバプールに加入となったアリソンと、いずれもGK移籍金最高額を更新した2人のGKに。3番手にはレスターから待望のシティ加入を決めたマフレズの6000万ポンド、4位にナポリからチェルシーに加入したジョルジーニョの5300万ポンド、5位にRBライプツィヒからリバプール加入のナビ・ケイタの5275万ポンドとなった。 ▽今夏プレミアリーグ主な移籍の一覧は以下の通り。 各国スターが勢揃い!プレミアリーグを観るならDAZN!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! 【今夏のプレミアリーグ主な移籍】 ◆マンチェスター・シティ 【IN】 DFフィリップ・サンドレル←ズウォレ(オランダ) MFダニエル・アルザニ←メルボルン・シティ(オーストラリア) MFリヤド・マフレズ←レスター・シティ 【OUT】 GKジョー・ハート→バーンリー MFヤヤ・トゥーレ→無所属 ◆マンチェスター・ユナイテッド 【IN】 MFフレッジ←シャフタール(ウクライナ) DFジオゴ・ダロト←ポルト(ポルトガル) GKリー・グラント←ストーク・シティ 【OUT】 DFダレイ・ブリント→アヤックス(オランダ) DFティモシー・フォス=メンサー→フルアム※ MFマイケル・キャリック→引退 ◆トッテナム 【IN】 なし 【OUT】 なし ◆リバプール 【IN】 GKアリソン・ベッカー←ローマ(イタリア) MFナビ・ケイタ←ライプツィヒ(ドイツ) MFファビーニョ←モナコ(フランス) FWジェルダン・シャキリ←ストーク・シティ 【OUT】 GKダニー・ウォード→レスター・シティ DFジョン・フラナガン→レンジャーズ(スコットランド) MFエムレ・ジャン→ユベントス(イタリア) FWダニー・イングス→サウサンプトン※ FWベン・ウッドバーン→シェフィールド・ユナイテッド※ ◆チェルシー 【IN】 GKケパ・アリサバラガ←ビルバオ(スペイン) GKロバート・グリーン←ハダースフィールド MFジョルジーニョ←ナポリ(イタリア) MFマテオ・コバチッチ←レアル・マドリー(スペイン)※ 【OUT】 GKティボー・クルトワ→レアル・マドリー(スペイン) MFマリオ・パシャリッチ→アタランタ(イタリア) ◆アーセナル 【IN】 GKベルント・レノ←レバークーゼン DFソクラティス・パパスタソプーロス←ドルトムント(ドイツ) DFシュテファン・リヒトシュタイナー←ユベントス(イタリア) MFルーカス・トレイラ←サンプドリア(イタリア) MFマッテオ・グエンドウジ←ロリアン(フランス) 【OUT】 DFペア・メルテザッカー→引退 DFカラム・チャンバース→フルアム※ MFジャック・ウィルシャー→ウェストハム MFサンティ・カソルラ→ビジャレアル FWルーカス・ペレス→ウェストハム FWチューバ・アクポム→PAOK ◆バーンリー 【IN】 GKジョー・ハート←マンチェスター・シティ DFベン・ギブソン←ミドルズブラ FWマテイ・ヴィドラ←ダービー 【OUT】 MFスコット・アルフィールド→レンジャーズ(スコットランド) ◆エバートン 【IN】 DFジェリー・ミナ←バルセロナ(スペイン) DFリュカ・ディーニュ←バルセロナ(スペイン) MFアンドレ・ゴメス←バルセロナ(スペイン)※ MFベルナール←シャフタール(ウクライナ) FWリシャルリソン←ワトフォード 【OUT】 DFラミロ・フネス・モリ→ビジャレアル(スペイン) DFアシュリー・ウィリアムズ→ストーク・シティ MFデビー・クラーセン→ブレーメン(ドイツ) FWケビン・ミララス→フィオレンティーナ(イタリア)※ FWウェイン・ルーニー→DCユナイテッド(アメリカ) ◆レスター・シティ 【IN】 GKダニー・ウォード←リバプール DFリカルド・ペレイラ←ポルト(ポルトガル) DFフィリップ・ベンコビッチ←ディナモ・ザグレブ(クロアチア) DFチャグラル・ソユンク←フライブルク(ドイツ) DFジョニー・エバンス←WBA MFジェームズ・マディソン←ノリッジ FWラシド・ゲザル←モナコ(フランス) 【OUT】 GKベン・ハマー→ハダースフィールド DFロベルト・フート→無所属 MFリヤド・マフレズ→マンチェスター・シティ FWアーメド・ムサ→アル・ナスル(サウジアラビア) ◆ニューカッスル 【IN】 DFファビアン・シェア←デポルティボ(スペイン) DFフェデリコ・フェルナンデス←スウォンジー MFキ・ソンヨン←スウォンジー FW武藤嘉紀←マインツ(ドイツ) FWサロモン・ロンドン←WBA※ 【OUT】 MFミケル・メリーノ→ソシエダ(スペイン) FWアレクサンダル・ミトロビッチ→フルアム FWドワイト・ゲイル→WBA※ ◆クリスタル・パレス 【IN】 GKビセンテ・グアイタ←ヘタフェ(スペイン) MFシェイフ・クヤテ←ウェストハム MFマックス・マイヤー←シャルケ(ドイツ) FWジョルダン・アイェウ←スウォンジー※ 【OUT】 MFヨアン・キャバイエ→アル・ナスル(UAE) MFバカリ・サコ→無所属 ◆ボーンマス 【IN】 DFディエゴ・リコ←レガネス(スペイン) MFジェフェルソン・レルマ←レバンテ(スペイン) 【OUT】 MFマックス・グラデル→トゥールーズ(フランス) MFハリー・アーター→カーディフ※ ◆ウェストハム 【IN】 GKウカシュ・ファビアンスキ←スウォンジー DFイサ・ディオプ←トゥールーズ(フランス) MFカルロス・サンチェス←フィオレンティーナ(イタリア) MFジャック・ウィルシャー←アーセナル MFフェリペ・アンデルソン←ラツィオ(イタリア) FWアンドリー・ヤルモレンコ←ドルトムント(ドイツ) FWルーカス・ペレス←アーセナル 【OUT】 DFパトリス・エブラ→無所属 MFシェイフ・クヤテ→クリスタル・パレス MFドミンゴス・クイナ→ワトフォード ◆ワトフォード 【IN】 DFアダム・マジーナ←ボローニャ(イタリア) MFケン・セマ←エステルンド(スウェーデン) MFドミンゴス・クイナ←ウェストハム FWジェラール・デウロフェウ←バルセロナ(スペイン) 【OUT】 GKコステル・パンティリモン→ノッティング・フォレスト FWリシャルリソン→エバートン ◆ブライトン&ホーヴ・アルビオン 【IN】 DFベルナルド←ライプツィヒ(ドイツ) DFマルティン・モントーヤ←バレンシア(スペイン) DFレオン・バログン←マインツ(ドイツ) MFイヴ・ビスマ←リール(フランス) FWアリレザ・ヤハンバクフシュ←AZ(オランダ) 【OUT】 GKティム・クルル→ノリッジ FWジェイミー・マーフィー→レンジャーズ(スコットランド) ◆ハダースフィールド 【IN】 DFテレンス・コンゴロ←モナコ(フランス) DFエリク・ドゥルム←ドルトムント(ドイツ) MFラマダン・ソブヒ←ストーク・シティ FWイサーク・ムベンザ←モンペリエ(フランス)※ FWアダマ・ディアカビ←モナコ(フランス) 【OUT】 GKロバート・グリーン→チェルシー FWトム・インス→ストーク・シティ ◆サウサンプトン 【IN】 GKアレックス・ガン←マンチェエスター・シティ DFヤニク・ヴェステルゴーア←ボルシアMG(ドイツ) FWモハメド・エルヨナッシ←バーゼル(スイス) FWダニー・イングス←リバプール※ 【OUT】 MFドゥシャン・タディッチ→アヤックス(オランダ) MFジョルディ・クラジー→フェイエノールト(オランダ)※ MFソフィアン・ブファル→セルタ(スペイン) FWギド・カリージョ→レガネス(スペイン)※ ◆ウォルバーハンプトン 【IN】 GKルイ・パトリシオ←スポルティング・リスボン(ポルトガル) DFジョニー・カストロ←アトレティコ・マドリー(スペイン)※ MFジョアン・モウティーニョ←モナコ(フランス) MFリーンデル・デンドンカー←アンデルレヒト(ベルギー)※ FWラウール・ヒメネス←ベンフィカ(ポルトガル)※ FWアダマ・トラオレ←ミドルズブラ 【OUT】 なし ◆カーディフ 【IN】 MFジョシュ・マーフィー←ノリッジ MFハリー・アーター←ボーンマス※ MFビクトル・カマラサ←ベティス(スペイン)※ 【OUT】 なし ◆フルアム 【IN】 GKセルヒオ・リコ←セビージャ(スペイン)※ DFティム・フォス=メンサー←マンチェスター・ユナイテッド※ DFカラム・チャンバース←アーセナル※ DFアルフィ・モーソン←スウォンジー MFアンドレ・ザンボ=アンギッサ←マルセイユ(フランス) MFジャン・ミシェル・セリ←ニース(フランス) MFアンドレ・シュールレ←ドルトムント(ドイツ)※ FWアレクサンダル・ミトロビッチ←ニューカッスル FWルシアーノ・ビエット←アトレティコ・マドリー(スペイン)※ 【OUT】 DFライアン・フレデリックス→ウェストハム ※はレンタル移籍 2018.08.10 14:45 Fri
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【倉井史也のJリーグ】因縁カードって言うけどどんなもんなん!? の巻

▽今週末の注目カードって、一見、神戸vs磐田のイニエスタ&ポドルスキそろい踏み? かも? ってヤツ? まぁそりゃそうかもしれませんな。でもね、このコーナーじゃ、もうちょっと斜めからJリーグ、見てますよ。 ▽ってことで今週のまとめは、前年度の監督が新チームで対戦したときの勝敗ってどうなのか調べちゃおう!! って、これまた編集者泣かせのデータを集めてみました。ま、J1が18チームになって、でなおかつVゴールなしってことで調べてみると、そこには驚愕の事実が!! ▽まずは過去の対戦で言うと、 ○三浦俊也監督 2010(~9/12)・神戸 ⇒ 2011(~8/7)・甲府 0勝1分1敗 ○西野朗監督 2011・G大阪 ⇒ 2012(5/19~11/8)・神戸 0勝1分0敗 ○ランコ・ポポヴィッチ監督 2013・FC東京 ⇒ 2014(~6/8)・C大阪 0勝0分1敗 ○ネルシーニョ監督 2014・柏 ⇒ 2015・神戸 0勝0分2敗 ○樋口靖洋監督 2014・横浜FM ⇒ 2015・甲府 0勝1分1敗 ○マッシモ・フィッカデンティ監督 2015・FC東京 ⇒ 2016・鳥栖 1勝1分0敗 ○吉田達磨監督 2016(~9/27)・新潟 ⇒ 2017・甲府 0勝0分2敗 ○石井正忠監督 2017(~5/31)・鹿島 ⇒ 2017(11/5~)・大宮 対戦なし ▽という結果に。新しいチームで勝ち越しているのはフィッカデンティ監督のみ。おかしいですな、前のチームや選手のことを理解しているはずだけど、実は選手たちのほうが前の監督のことをよくわかってるってのが浮き彫りです。でもって、今年進行中のカードは、 ○ミハイロ・ペトロヴィッチ監督 2017(~7/30)・浦和 ⇒ 2018・札幌 0勝1分0敗 ○ヤン・ヨンソン監督 2017(7/10~)・広島 ⇒ 2018・清水 0勝0分1敗 ▽そして今週、このコラムが最も注目するカードでは!! ○長谷川健太監督 2017・G大阪 ⇒ 2018・FC東京 1勝0分0敗。しかも前回は3-2の大接戦をホームのFC東京が制したのでした。 ▽このカード、金曜のナイトゲームです。いろいろ資金があるのか、ハーゲンダッツのミニカップは配られるし、ハーフタイムにはDA PUMPのパフォーマンスがあるし。こんな熱いゲームで今週末の幕が開くってなかなかいいでしょ? ▽ところで、そんな因縁カードに3回絡んでいるのは、神戸、甲府、FC東京の3チーム!! やっぱり神戸って盛り上げてくれるんですなぁ。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.08.09 20:30 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】鼎談で一致したロシアW杯での西野ジャパンの評価

▽今週初めのこと、ある新聞社の企画でロシアW杯を振り返り、ドイツS級ライセンスを持つS氏と、元ワールドサッカー誌編集長のN君と鼎談した。優勝したフランスはもちろんのこと、日本代表の戦いぶりや森保ジャパンの今後など、話は多岐に渡った。 ▽そこで日本代表に関しては、次の点で意見が一致した。日本が勝ったのは10人が相手のコロンビアだけで、11人で戦った残り3試合は2分け1敗とけして好成績ではないこと。ポーランド戦は残り10分をボール回しに終始したことがクローズアップされたが、そもそもグループリーグの突破が決まっていないのに、なぜポーランド戦はスタメンを6人も入れ替えたのか西野監督の采配に疑問が残ること。そしてポーランド戦で起用された宇佐美、酒井高、槙野は力量不足だったし、ケガを抱えている岡崎をスタメンで使うリスクを考慮しなかったこと。 ▽ポーランド戦で時間稼ぎをしたのに、なぜベルギー戦のCKを本田は簡単に蹴ってしまったのか。その際に吉田と昌子のCB2人がゴール前に上がったが、足の遅い吉田はともかく、なぜ昌子を最終ラインに残しておかなかったのか。ベンチはリスクマネジメントを怠ったのではないかということ。 ▽そして最終的に、これらの疑問をJFA(日本サッカー協会)技術委員会は総括することなく、「世代交代」や「オールジャパン」、「ジャパンズウェイ」と耳に心地よい言葉でロシアW杯の結果を自分たちの都合の良いように解釈し、森保ジャパンを規定路線として五輪監督のみならず日本代表の監督にも選んだことなど、かなり批判的な意見で一致した。 ▽これらの意見は他のメディアでも散見されたが、「南米勢からアジア勢初勝利」やベルギー戦での善戦により、南アW杯(パラグアイ戦はPK戦のためドローとカウントし2勝1分け1敗)の成績を下回っているにもかかわらず、西野ジャパンはその健闘を讃えられたことで深く検証されることはなかった。 ▽さらに大会全体の傾向としてポゼッションサッカーよりカウンター主体のチームが勝ち上がったこと、セットプレーからの得点が多いという結果を日本は4年後のカタールW杯にどうつなげていくのかという検証もなされていない。 ▽そして指導者の育成に関しては、S氏から「サッカー協会が費用を負担して、協会と提携しているドイツやスペインの代表チームに、将来の代表監督候補を2年間くらい帯同させるなど育てる努力をするべき。JリーグはJリーグで同じようにバイエルンやバルセロナなどクラブへのパイプを通じて指導者を送り出して育成した方がいい」という建設的な意見も出た。 ▽日本の指導者が海外で研修したのは1979年まで遡る。五輪のメダリストを対象にナショナルコーチを育成しようとした日本体育協会の助成を受け、将来の代表監督と目されていたメキシコ五輪銅メダリストの森孝慈(2011年7月17日没)が西ドイツへ留学。ボルシアMGや1FCケルンの監督を務め、奥寺をケルンに加入させたヘネス・バイスバイラーや、「トータル・フットボールの生みの親」であるリヌス・ミケルスらの指導を受けた。 ▽当初は2年の研修予定だったが、当時の代表監督だった渡辺氏が病で倒れたため1年前倒しで帰国し代表監督に就任。85年のメキシコW杯アジア予選では最終予選まで勝ち進んだものの韓国に敗れてW杯初出場はならなかった。 ▽それ以来、JFAが日本人指導者をヨーロッパへ派遣した例はない。個人的に私費でヨーロッパに渡り、指導者として研修を積んだ人々は多いものの、彼らが日本代表の各カテゴリーで指導者として起用された例も聞いたことはない。彼らが街のクラブで結果を残したら、J3やJ2クラブに引き上げる。そんな環境が日本でも整うようになればいいというのも3人の一致した意見だった。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.08.09 18:30 Thu
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【六川亨の日本サッカーの歩み】東京五輪の公式ソングを歌うのは?

▽まだ2年先の話ではあるが、2020年東京五輪・パラリンピックの開閉会式を演出する総合統括に、狂言師の野村萬斎さんが就任した。そして五輪統括には映画監督の山崎貴さん、パラリンピック統括には広告クリエーティブディレクターの佐々木宏さんが就任した。五輪は野村さんと山崎さん、パラリンピックは野村さんと佐々木さんが中心となって具体的な演出と企画をする。 ▽狂言師の野村さんに加え、山崎さんは映画「ALWAYS三丁目の夕日」や「永遠の0」で日本アカデミー賞最優秀監督賞を2度受賞。佐々木さんは、16年リオ五輪・パラリンピックのハンドオーバーセレモニー(東京大会への引き継ぎ式)の演出チームとして活躍した。いずれも現在の日本を代表するクリエーターだけに、どんな開閉会式になるのか楽しみだ。 ▽こうした国際的なイベントに欠かせないのが「大会公式ソング」だろう。54年前の東京五輪では三波春夫さんが和服姿で「東京五輪音頭」を歌っていた。当時小学1年生だった僕は、オリンピックという国際的なイベントと夏祭りで踊っていた「音頭」の組み合わせに違和感を覚え、子供心に気恥ずかしさを感じてしまった。 ▽いま振り返ると、当時はニューミュージックもJポップもない時代であり、歌謡曲や演歌が全盛だっただけに、国民的な歌手である三波さんが歌ったのは当然のことだったのだろう。 ▽さて2年後の東京五輪である。もしも公式ソングを作るとして、歌うのは幅広い層のファンを持つサザンオールスターズか。あるいはEXILEやテノール歌手の秋川雅史さんあたりが候補になるのだろうか。 ▽そこで個人的な提案である。W杯では98年フランス大会から公式テーマソングが採用された。リッキーマーティンが歌ったノリノリの曲を覚えている読者も多いことだろう。しかし02年日韓大会や06年ドイツ大会はどうも印象が薄い。むしろ10年南ア大会で女性シンガーのシャキーラ(バルセロナのピケと結婚)が歌った「Waka Waka」はいまも耳に残っているし、なぜかロシアW杯でも流れていた。 ▽その後のブラジルはもちろん、ロシアでもFIFAの公式テーマソングはあったが、スタジアムで耳にした記憶はない。そんなロシアのスタジアムでいつも流れていたのは「トロイカ」であり「カリンカ」だった。いずれもロシア民謡として50代以上の年齢層には聞き覚えのあるメロディーだ。 ▽ちなみに日本のサポーター集団であるウルトラスもロシア大会ではこの「トロイカ」を応援ソングに採用した(98年フランス大会はフランスの歌手ミッシェル・ポルナレフの「シェリーに口づけ」、06年のドイツ大会は西ドイツの音楽グループ、ジンギスカンの「ジンギスカン」を採用)。 ▽日本対コロンビア戦の2日後、JFA主催の懇親会で田嶋会長と飲んだ時も、同世代ということもあり、スタジアムで流れている「トロイカ」は「小学生の頃に音楽の時間に歌った記憶がある」ということで意見が一致した。 ▽話を20年東京五輪に戻そう。大会公式テーマソングを作るのもいいが、海外から訪れる多くの観客や選手、関係者に対し、ロシアW杯で採用した「トロイカ」ように誰もが知っている馴染みの曲を使うのも1つの方法ではないだろうか。 ▽と提案したところで、世界的にヒットした日本の歌はというと、坂本九さんの「スキヤキ」か由紀さおりさんの「夜明けのスキャット」くらいしか思いつかない。もしかしたら若い世代にはアニメソングの方が有名かもしれない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.08.06 19:00 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】タイトル争い前の最終リハ、どっちを選ぼう…

▽「何も同じ日にプレーしなくたっていいのに」そんな風に私が愚痴っていたのは日曜日、この先、手軽に見に行けそうな親善試合の日程をチェックしていた時のことでした。いやあ、8月第3の週末から始まる今季のリーガは前代未聞のマドリッド勢1部5チーム体制とあって、これからも似たような悩みが発生する可能性は大いにあるんですけどね。折しも11日の土曜はアトレティコのインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏の親善大会)の3試合目、インテル戦がワンダ・メトロポリターノで午後8時(日本時間翌午前3時)から開催。おかげで泣く泣く、同じ時間にホームのファンへ新チームの紹介を兼ねて、レガネスがブタルケにラージョを迎えるビジャ・デ・レガネス杯を諦めることに。 ▽それがいつの間にやら、レアル・マドリーまでが土曜の午後9時(日本時間翌午前4時)から、サンティアゴ・ベルナベウ杯でミランと対戦って、うーん、すでに残り1000枚を切ったと聞くものの、10ユーロ(約1300円)という格安値段からチケットがあるため、丁度、マドリッド訪問の時期と重なるファンにはお勧めの試合なんですけどね。ユベントスから移籍したばかりの懐かしいイグアインの古巣再訪というのも魅力的ではありますが、ワンダでもインテルに行ってしまったばかりのベルサイコが見られるかもしれないし、最近の移籍市場の噂を鑑みると、同じクロアチの先輩、モドリッチなんて、どちらの試合に出るかすら、わからなかったりする? ▽え、レガネスに関してはシュダッド・デポルティバ・レガネスでの2部のマドリッド勢、アルコルコン(1-1)とラージョ・マハダオダ(3-0)との練習試合をスタンドで観戦。この水曜、唯一の海外遠征、ピレウス(ギリシャ)でのオリンピアコス戦ではスコアレスドローと健闘していたし、土曜には再び、2部のサラゴサ相手に差を見せつけて、エセキエル・ムニョス、そしてカンテラーノのオヘダとカリージョ(サザンプトンから移籍)が2発ずつ、5-2の勝利とペジェグリーノ新監督の下、着々と力をつけてきているため、あまり心配することはないんじゃないかって? ▽そうですね。レンタルでプレーした4シーズン前、いい印象を残したカクタ(河北華夏から移籍)や、昨季はレガネスにいたティト(2年前、6年間いたラージョからグラナダに移籍)が復帰と、3年ぶりのリーガ1部で戦う準備を進めているラージョにしても、水曜にはRMカスティージャ(2部BのマドリーBチーム)と親善試合。メトロ8号線フェリア・デ・マドリッド駅から歩いて30分、ベルデベバス(バラハス空港の近く)のレアル・マドリー練習場に隣接したエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノまで、私も汗だくになって行って、モンティアル、トレホ、そしてハビ・ゲラのゴールで0-3と、ミチェル監督のチームが快勝するところを見ることができましたしね。 ▽もちろん、このソラーリ監督率いるカスティージャは主力をトップチームのアメリカ遠征に駆り出されていたため、カテゴリー差以上に不利だったのは否めませんが、猛暑の中、駆けつけたラージョファンたちの熱い応援は決して途切れず。エスタディオ・バジェカス(ラージョのホーム)に行けば、今季も独特の雰囲気を味わえる予感をさせてくれたのは大きな収穫だったかと。おまけにリーガ開幕戦の相手は折しもヨーロッパリーグ予選3回戦ジャルギリス(リトアニア)との2試合を終え、いよいよグループリーグ参加に向けて、正念場となるプレーオフに頭が行っているはずのセビージャとなれば、嬉しい白星発進ができるかもしれない? ▽一方、レガネスのお隣さん、ヘタフェは水曜のグラナダ(2部)の前半で柴崎岳選手が負傷交代。その詳細情報もないまま、第2次キャンプ地のカンポアモール(アリカンテ)からポルトに移動しての金曜、ボアビスタ戦でもスコアレスドローをリピートしてしまったんですが、同日には昨季はレギュラーを務め、モロッコ代表でW杯にも参加したファジルがフランスのカーンに移籍してしまうというショックなニュースも。まあ、もう新顔が9人もいるヘタフェですから、今後はさくさくと人減らしもしていかないといけないんですが、せめてリーガ開幕戦、マドリーとのミニダービーまでは柴崎選手にいてもらえると、夏休みを利用してマドリッドに観戦に来るファンも気合が入りますよね。 ▽え、それよりクリスチアーノ・ロナウドのユベントス移籍に続き、いえ、アメリカツアーに帯同中のペレス会長など、即座に「La unica posibilidad de que salga Modric es pagando 750 millones de euros/ラ・ウニカ・ポシビリダッド・デ・ケ・サルガ・モドリッチ・エス・パガンドー・セテシエントス・ミジョネス・デ・エウロス(モドリッチが退団する唯一の可能性は契約破棄金額の7億5000万ユーロ/約970億円を払うことだ)」と拒否姿勢を見せていたんですけどね。後輩のコバチッチにしてもマンチェスター・ユナイテッドのオファーは断ったものの、移籍希望は変わっていないのに対し、すでに契約秒読みに入っていると言われていたGKクルトワ(チェルシー)すら、到着していないマドリーは何をしているのかって? ▽いやあ、先週の火曜にはマイアミでインターナショナル・チャンピオンズカップの初戦、マンチェスター・ユナイテッド戦に挑んだ彼らはアレックス・サンチェスとアンデル・エレラのゴールでリードされ、テオのアシストでベンゼマが1点を返しただけに留まったため、2-1で敗戦。その後、セルヒオ・ラモスも加わったチームは金曜にワシントンに移動し、こちらで行ったユベントス戦では、うーん、ロナウドがトリノでプレシーズン練習を続けているため、一緒に来ていなかったのも良かったんでしょうかね。 ▽前半12分にはカンセロのクロスをカットしようとしたカルバハルがオウンゴールを入れてしまい、この日も先制点を許したものの、39分にはベイルがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決め、ロナウドが抜けた後、攻撃陣の主役を張るのは自分だとアピールをしてくれたから、助かったの何のって。後半は交代出場した若手が発奮、ええ、今季は籍をフベニル(RMカスティージャの下のチーム)に置くことになった18歳のビニシウス(フラメンゴから移籍)のアシストを受け、22歳のアセンシオが再開2分で勝ち越しゴールを挙げると、11分にもエリア内からのシュートで3点目をゲット。そのまま、3-1で終了し、マドリーはこの夏、そしてロペテギ新監督にとっても1つ目の勝利を祝うことができましたっけ。 ▽そんな彼らはアメリカで残すところあと1試合、日曜にはニューヨークに移動して、火曜深夜26時(日本時間水曜午前9時)からのローマ戦に備えることになりますが、実はここ近日、バルデベバスの方でも動きがなきにしろあらず。ええ、先週金曜にはカセミロ、翌日にはマルセロとW杯ブラジル勢が練習を始め、日曜にはコバチッチも戻って来ましたっけ。マドリーファンが一番心配しているモドリッチについては、ロペテギ監督も「W杯の後に話して、合流は8日。それで15日に間に合うかどうか見ることになる」と言っていたように、まだマドリッドにはいないようなんですけどね。結果は天と地の差とはいえ、同じW杯決勝組のバランもその日からトレーニングですが、移籍云々はともかく、まだこのグループの選手たちはサンティアゴ・ベルナベウ杯ではプレーしないかもしれません。 ▽そしてその15日、UEFAスーパーカップでマドリーダービーを繰り広げることになる相手、アトレティコの方はというと、いえ、先週は私も木曜の午前中にマハダオンダ(マドリッド近郊)までシンガポール遠征から帰って来たチームを偵察に行ったんですけどね。遅れてプレシーズンを始めたコケ、サウール、ゴディン、ヒメネス、フィリペ・ルイスらも途中から姿を現したんですが、グラウンド内にテントを張って作った特設ジムにこもってしまったため、状態はよくわからず。その間、シメオネ監督はロドリゴ(ビジャレアルから移籍)、トマス、フアンフラン、コレア、ガメイロら以外、主流はカンテラーノ(アトレティコBの選手)の本隊に延々と守備特訓を課していましたが、いやあ、何せ、今の時期、マドリッドは気温40度という猛暑に突入してしまいましたからね。 ▽同日、午後6時30分から、全員参加の攻撃練習は普段、体を鍛えている訳でもない自分が見学などしたら、熱中症まっしぐらという確信があったため、冷房のある近所のカフェで涼むことにしたんですが、勤勉なアトレティコの選手たちは翌朝8時にもセッションを行い、その足でブルニコ(イタリア)に向かうことに。いえ、ジエゴ・コスタや新加入のアリアス(PSVから移籍)も含む、まだフィジカルのできていない南米組やリハビリ中のサビッチ、ビトロ、トマス、ビエットらはお留守番なんですけどね。月曜からはいよいよ、栄えあるW杯王者、先週まではアメリカで趣味のNBAチーム訪問をしていたグリーズマン(https://twitter.com/AntoGriezmann/status/1025467193004355591)と、父親になったばかりのリュカも加わるものの、この常軌を逸した暑さが続く限り、あまりグラウンドでハードな練習はできないかもしれません。 ▽そして日曜、キャンプ組はドイツでシュツットガルトと親善試合。ガメイロが前日のセッションで早退したため、いよいよレマル(モナコから移籍)、ジェルソン・マルティンス(同スポルティングCP)の新人アタッカー2人に加え、コケ、サウールも初先発したんですが、いやあ、やっぱりグリーズマンとジエゴ・コスタがいないアトレティコという感じでしたかねえ。押し気味に進めていた19分、コレアから最高のラストパスをもらったレマルがシュートをゴールポストに当ててしまったり、36分にもフアンフランがエリア内右奥から折り返したボールをコケはスルー、予想していなかったサウールも逃してしまい、最後はカンテラーノのオラベが天高く撃ち上げているとなれば、点がなかなか取れないのも仕方ない? ▽0-0のまま、ピッチにロドリゴ、コレア以外、トップチームのフィールドプレーヤーがいなくなった後半、10分にはモンテーロがディダビを2度も倒してペナルティを献上すると、シュツットガルトはそのディダビのPKで先制。それでも2分後にはホアキン・ムニョスがエリア前から放ったシュートが決まり、なかなか後輩たちもやるじゃないかと思わせたんですが、まさか25分には再び、アイトールがペナルティを犯してくれるとは!この試合のゴールはアーセナル戦で腕を痛めたオブラクでなく、その試合のPK戦でヒーローとなったアダン(ベティスから移籍)が守っていたため、今度は止めてくれるかもしれないと期待したところ…シュッツガルトのトミーがキックをバーに当ててくれたため、最後は1-1で引き分けることができましたっけ。 ▽いやまあ、まだ半分アトレティコBのチームですからね。この日はレマルとジェルソンが前評判通りのプレーをしてくれたため、「Este equipo ilusiona, pero debemos trabajar/エステ・エキポ・イルシオナ、ペロ・デベモス・トラバハール(このチームは期待ができるけど、ボクらはもっと練習しないといけない)」(コケ)といった通りなんですけどね。大黒柱のFWがいなくてもそろそろ、他のトップチームの選手たちにもゴールを入れてほしいというのは私の偽らざる本音だったかと。 ▽ちなみに試合後、ブルニコに戻ったアトレティコは水曜午後8時(日本時間翌午前3時)から、サルディーニャ島(イタリア)でカリアリと親善試合をして帰国の予定。ガメイロが回復すれば、今度はシメオネ監督もCFを使えることになりますが、ドルトムントから移籍金3400万ユーロ(約44億円)のオファーがあったため、ほぼまとまっていたバレンシア行きがなかなか決まらず、当人も集中できていないなんて噂もありますからね。とりあえず、ジエゴ・コスタも準備が整い、グリーズマン以外はかなり完全形に近いチームが見られそうな土曜のインテル戦まで、今季のアトレティコの得点力を判断するのはお預けにした方がいいかと。こちらも15~60ユーロ(約2000~8000円)とかなりお手頃な値段でチケットが売っているため、現地観戦したいファンにはお勧めですよ。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.08.06 12:00 Mon
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【倉井史也のJリーグ】これを読めば今週末の予想がバッチリ。ってことはtotoも!? の巻

▽どんなに暖かくても、いや暑くても、急いで試合を消化しないといけないんです、Jリーグ。今週も茹だるような水曜日の後、週末のゲームがやって参りました。ここで注意しなきゃいけないのは、連戦に強いチームと弱いチーム。各チームのデータをまとめてみましょ!! ▽で、ルヴァンカップはメンバーを結構入れ替えたりするチームがあったので、ここではリーグ戦に限定して、各チームの連戦で週末のゲームの勝敗を調べてみるのです。今年、週半ばと週末にゲームがあったのは、7節(週中)=>8節(週末)、10節(週中)=>11節(週末)、12節(週中)=>13節(週末)、16節(週中)=>17節。さらにC大阪と鹿島だけは14節(週中)=>18節(週末)ってのもありました。 札 幌 8節(○)11節(△)13節(○)17節(△) 2勝2分0敗 仙 台 8節(△)11節(△)13節(○)17節(○) 2勝2分0敗 鹿 島 8節(○)11節(●)13節(○)17節(○)18節(△)3勝1分1敗 浦 和 8節(○)11節(●)13節(●)17節(△) 1勝1分2敗 柏 8節(●)11節(●)13節(●)17節(●) 0勝0分4敗 FC東京 8節(●)11節(○)13節(○)17節(○) 3勝0分1敗 川 崎 8節(△)11節(○)13節(●)17節(○) 2勝1分1敗 横浜FM 8節(●)11節(○)13節(△)17節(●) 1勝1分2敗 湘 南 8節(●)11節(○)13節(●)17節(○) 2勝0分2敗 清 水 8節(●)11節(○)13節(●)17節(○) 2勝0分2敗 磐 田 8節(○)11節(△)13節(○)17節(△) 2勝2分0敗 名古屋 8節(●)11節(●)13節(△)17節(△) 0勝2分2敗 G大阪 8節(●)11節(○)13節(●)17節(●) 1勝0分3敗 C大阪 8節(○)11節(△)13節(○)17節(△)18節(△)2勝3分0敗 神 戸 8節(○)11節(●)13節(●)17節(●) 1勝0分3敗 広 島 8節(○)11節(○)13節(○)17節(△) 3勝1分0敗 鳥 栖 8節(●)11節(●)13節(○)17節(●) 1勝0分3敗 長 崎 8節(○)11節(●)13節(●)17節(●) 1勝0分3敗 ▽ここで目立つのは首位の広島。それから札幌と仙台、磐田、C大阪に負けがないってこと。対して柏と名古屋には週末の試合に勝利がない。名古屋は成績が低迷してるから、当然と言えば当然なんですけどね。柏、どうした?! ▽それにしても、全体の傾向を見ると北高南低って感じ? もしかしてやっぱり暑さのせい? そう言えば九州のチームの選手が「関東ってやっぱり涼しいです」って言ってたもんなぁ。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.08.03 15:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】日本サッカー殿堂で感じる疑問

▽毎年恒例となっている「日本サッカー殿堂」入りの2名が投票の結果、加藤久氏とラモス瑠偉氏に決まった。そして特別選考としてメキシコ五輪の日本代表チームの掲額も発表された。式典は9月10日にJFAハウスで開催される。 ▽この「殿堂入り」、殿堂委員会が60歳以上で日本サッカー界に貢献したプレーヤーを対象に候補者名簿(7名)を作成し、サッカー関係者などの有識者による投票で、得票率75%以上が掲額対象となる。投票方法は1人2票の記名投票で、満票は123票。昨年も加藤久氏とラモス瑠偉氏が上位の得票だったが、得票率75%に満たないため殿堂入りは見送られた経緯がある。 ▽今年の候補者は加藤久氏とラモス瑠偉氏の他に、碓井博行氏(元日立)、前田秀樹氏(元古河)、松木安太郎氏(元読売クラブ)、吉田弘氏(元古河)、金田喜稔氏(元日産)の7名だった。松木氏や金田氏はテレビの解説などで馴染みもあるだろうが、その他の碓井氏、前田氏、吉田氏はオールドファンでないとピンとこないだろう。 ▽加藤久氏とラモス瑠偉氏は1993年に誕生したJリーグでもプレーしていたため、知名度は他の候補とは比較にならないだけに、得票率が高かったのは当然と言える。それにしても毎年書いてきたと思うが、この日本サッカー殿堂、今年で15回目を迎えるが、候補者が尻すぼみになっている印象が拭えない。 ▽たとえば今回は受賞できなかった碓井氏や前田氏も、日本代表の一員として「暗黒の80年代」を支えた名プレーヤーである。しかし得票率が低かったり、受賞を逃したりすれば候補から外されてしまう。同じようなことは過去にも例があり、今回特別選考で選ばれたメキシコ五輪の日本代表チームも、杉山氏や釜本氏ら個人としても殿堂入りしている選手がいる一方、同じ銅メダル組でも個人選考の対象外となった選手もいた。 ▽そんな彼らを救済する制度はいまのところない。「名誉職なのだから目くじらを立てる必要はない」と言われればそれまでだが、「片手落ち」の印象が強いのは僕だけだろうか。個人的には第1回から投票委員の末席に加えてもらっているが、11名以内の殿堂委員がどのようにして候補者を選定しているのか、その過程も不透明なままだ(細かい規約はあるけれど)。 ▽このままでは身内だけの表彰式になりかねないし、殿堂委員会の委員長(任期2年)は理事会で選出されるとはいえ、慣例的に元JFA会長(現在は大仁邦彌氏)が務めることになっている。このため「元会長の天下りポスト」と批判されても仕方ないだろう。 ▽日本サッカーの功労者に光を当てることは悪いことではない。しかし、候補者は選手に偏りすぎているきらいがある。指導者をはじめ、もっと広い視野で日本のサッカーに貢献した人にスポットライトを当てて欲しいものである。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.08.02 22:25 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】見たい試合が見られない…

▽「ようやくマドリッドを脱出できるのね」そんな風に私が羨ましがっていたのは火曜日、7月2週目のプレシーズン開始から、ずっと地元のシュダッド・デポルティバ・レガネス(マドリッド近郊)でトレーニング。足慣らしの親善試合も2つは同じグラウンドでプレー、唯一、河岸を変えて行ったアラベス戦でさえ、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での開催だったため、バスで日帰りしていたレガネスが水曜のオリンピアコス戦に備え、ギリシャのピレウスに移動すると知った時のことでした。いえ、もちろん7月のマドリッドは暑かったとはいえ、午前中はまだ過ごしやすく、運動できない訳ではないんですけどね。 ▽今週後半など、いよいよ気温40度になると言われている一番暑い夕方でも湿度は低いため、ダブルセッションをして倒れる選手の話なんか、聞いたことはないものの、いくらホテル等の費用が浮くといったって、ずっと同じところで練習していたら、リーガ開幕までに選手たちが飽きてしまう恐れがなきにしろあらず。何せ、アメリカツアー中のレアル・マドリーや1週間のシンガポール滞在をしたアトレティコなどにはクラブの商業的な理由もあるんですが、同じマドリッドの弟分仲間、ラージョも先週はマルベージャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプ、お隣さんのヘタフェに至ってはこの月曜から、オリバ(バレンシア)に続いてのカンポアモール(アリカンテ)で第2次キャンプ入りしていますからね。どこも時には環境を変えて、練習がマンネリにならないようにしているだけに、レガネスもこの遠征が気分転換になってくれるといいかと。 ▽ただ、すでに10人も補強選手が到着した彼らの仕上がり状態は上々、私も正面から照りつける練習場のスタンドで観戦した、先週土曜のラージョ・マハダオンダ(2部)戦では3-0でこのプレシーズン最初の白星をゲット。先々週のアルコルコン(2部)戦とは違い、今季、5年ぶりに1部に戻ってきたバジャドリーへの移籍が近いと言われているGKクェジェルの姿はありませんでしたが、新入団組のロラン(デポルからレンタル移籍、昨季はマラガでプレー)やカリージョ(サザンプトンから移籍)らが前線に加わったチームは前半39分、エル・ザールのゴールで先制。後半はカンテラーノ(下部組織の選手)のアギレスとオヘダが追加点を挙げてくれましたが、ガリターノ前監督(今季はレアル・ソシエダを指揮)時代より、ペレグリーニ新監督のレガネスの得点力が上がったのかどうかを見極めるのはまだ、時期尚早かと。 ▽まあ、相手も2部に初昇格したばかりのチームでしたからね。そうそう、実はこの日、ラージョ・マハダオンダではアラベスからレンタル移籍してきたエンソ・ジダンが先発してたいたんですが、眩しくて私は気がつかなかったものの、マドリー監督を辞任して、今は時間があるんでしょうか。ゴール裏で立ち見する観客に混じって、お父さんが長男を応援しに来ていたそう。おかげで昔、息子のアドリアン(マラガ)がヘタフェにいた時代、元マドリーのミチェル氏(今年の1月までマラガを指揮)がよく練習場に見学に来ていて、そのうち監督になってしまったなんていう過去の逸話を思い出すことに。 ▽もちろんCL3連覇の偉業を成し遂げたジダン監督が2部のチームに収まるなんてことはありえないんですが、これまでマハダオンダ(マドリッド近郊)にあるアトレティコのシュダッド・デポルティバ・ワンダ内のミニスタジアムでプレーしていたラージョ・マハダオンダは施設の改修が追いつかず、完成するまではワンダ・メトロポリターノでホームゲームを開催することが決定。となると、今季はそちらのパルコ(貴賓席)で彼の姿を見かけることもあるかと思いますが、さて。残念ながら、アトレティコのリーガ戦は日程に合わないものの、新しいスタジアムは見ておきたいというファンにとっても、ラージョ・マハダオンダの試合はいいオプションになるんじゃないでしょうか。 ▽え、6万7000人入るワンダのスタンドは解放限定で客席を少なくするからいいとして、ラージョ・マハダオンダにしろ、相手の2部チームにしろ、あの映画館のようなプレスコンファレンスルームで監督会見するとしたら、ちょっと仰々しすぎて気の毒じゃないかって?そうですね、実はこの月曜、火曜と続けて私もアトレティコの新入団プレゼンに行ってきたんですが、今は世間も夏休み真っ盛りなのが悪かったんでしょうか。 ▽先週木曜にはW杯フランス代表の同僚、グリーズマンとリュカより一足早く休暇を切り上げてマドリッド入り、翌日からフィジカルコーチのプロフェ・オルテガの下、コケ、サウール、ジエゴ・コスタらのスペイン代表組と一緒に練習を始め、「モナコでやっていたのとは違って、もっと要求が高くて難しい」と言っていたレマルのプレゼンも、「シメオネ監督の言葉が移籍を決めるのに重要だった。チームにもっと価値を与えられると言われた」というジェルソン・マルティンス(スポルティグCPから移籍)のプレゼンもマスコミの数がいつもより控え目だったのは少々、寂しかったかと。 ▽ちなみにこの2人のサイドアタッカーの加入により、変動があったのが背番号で、レマルが11番をもらったため、コレアが1月にカラスコが中国に行って以来、空いていた10番を着けることに。またリュカがW杯王者で割り当てられた21番を移籍予定のガメイロから受け継ぎ、おかげでジエゴ・コスタがお気に入りの19番に復帰。彼が昨季つけていた18番がジェルソンに回ることになったんですが、それより、早めに埋めてもらいたいのはサガン鳥栖へ移ったフェルナンド・トーレスの残した9番ですって。というのも…。 ▽いやあ、またしても中継を見られるバル(スペインの喫茶店兼バー)は見つからなかったんですが、月曜にシンガポールでPSGと対戦したアトレティコが、またしても昨季の前半を思い起こさせるような状態だったんですよ。ええ、まさに「El futbol es contundencia, ellos la tuvieron y nosotros no/エル・フトボル・エス・コントゥンデンシア、エヨス・ラ・トゥビエロン・イ・ノソトロス・ノー(サッカーは決定力で相手にはあったが、こちらにはなかった)」とシメオネ監督も試合後、言っていた通りで、コレア、ガメイロ、ビエットが次から次へとチャンスをムダにしていたとなれば、グリーズマン、ジエゴ・コスタに続くゴールゲッターを獲得してほしいと願うのは決して自分だけではなかった? ▽おまけにその間、前半32分にはヌクンクに、後半26分にもディアビに決められ、2点ビハインドの逆境でピッチからGKアダン以外、トップチームの選手が1人もいなくなったから、ウェブでスポーツ紙のマッチログを見ていた私もこれは諦めるしかないと肩を落としたものでしたが…まさか、30分にはCKから17歳のモジェホが決め、41分にもボルハ・ガルセスのクロスがベルナーデに当たったオウンゴールでスコアが同点になったから、驚いたの何のって。でもねえ、カンテラーノたちも結構、やるじゃないかと見直した直後、ロスタイムにポストラチからボールを奪えず、決勝ゴールを決められてしまうんですもの。やっぱりまだまだ修行が足りなかった?ええ、1戦目のアーセナル戦でオブラクが腕をケガしたため、2試合連続のPK戦でparapenalti(パラペナルティ/PK止め屋)ぶりを披露してやると張り切っていたアダン(ベティスから移籍)だって、これにはどんなにガッカリしたことでしょう。 ▽結局、3-2でPSGに負け、火曜には帰国したアトレティコですが、今週からトレーニングを始めたゴディン、ヒメネス、フィリペ・ルイスも含めたチームをマハダオンダで見られるのは木曜のセッションだけ。金曜にはイタリアのブルニコへキャンプに行ってしまうせいですが、そちらから向かう日曜のシュツットガルトとの親善試合ではいよいよ、ジエゴ・コスタが出場可能になるとか。いえ、トマスなどが「Estamos deseando volver a jugar con el/エスタモス・デセアンドー・ボルベル・ア・フガール・コン・エル(ボクらはまた彼とプレーするのを望んでいる)」と言っていたグリーズマンは8月6日まで戻りませんけどね。できれば、お隣さんと対決する15日のUEFAスーパーカップまでにはガメイロ、ビエットと入れ替わりになる控えFWの獲得が済んでいると、ファンも心強いですよね。 ▽そしてその、先週土曜からマイアミにいるマドリーはどうしているかというと。移動前日にはクロース、アセンシオ、ルーカス・バスケス、ナチョ、そしてイスコもバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に駆けつけ、土曜にフロリダ・インターナショナル・ユニバーシティのグラウンドで始まったセッションからはGKケイロル・ナバスとカルバハルも現地合流したんですが、不思議なのは同じスペイン代表組、しかもアメリカ滞在中なのにまだセルヒオ・ラモスが姿を現していないこと。一応、ツイッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/1023651991820615680)に自主トレしているビデオを上げて、「体は鍛えているよ」とアピールはしていたんですが、うーん、マルセロもまだブラジルにいるみたいですし、もしやこれってキャプテン権限の一種? ▽どちらにしろ、カセミロも含め、スペインの火曜深夜26時(日本時間水曜午前9時)から行われるインターナショナル・チャンピオンズカップ、マンチェスター・ユナイテッド戦が終わった翌日には合流するようですが、次のマドリーの試合はワシントン、土曜深夜のユベントス戦、最後のローマ戦も7日の深夜ともう、これはとてもバルに行って見られるような時間帯ではないため、すでに私はTV観戦を諦めているんですが、何せこちらは攻撃の主力、ベイルとベンゼマがプレシーズン練習開始から参加していて初戦から、出場できますからね。 ▽この夏、加入したビンチウス(フラメンゴから移籍)もデビューが見込まれるとあって、クリスチアーノ・ロナウド(ユベントスに移籍)退団後の攻撃陣を試合でチェックできないのは残念なんですが、まあこればかっかりはねえ。その他、オドリオソラ(レアル・ソシエダから移籍)やデ・トマス(昨季はラージョにレンタル移籍)ら、新顔が登場するのも楽しみですし、ここはまず、ロペテギキ新監督のお手並み拝見。朝起きてビックリな結果が出ていないことを祈っています。このアメリカ遠征終了後は移籍希望のコバチッチはともかく、モドリッチやバランのW杯決勝組も加わってまた、マドリーはバルデベバスでUEFAスーパーカップまで(おそらく非公開)練習。夏休みのマドリッド訪問で選手たちを近くで見たいファンには練習場入り口で待つという手がありますが…周囲に日影が少ないため、多分、物凄く暑いですよ。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.08.01 18:30 Wed
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【六川亨の日本サッカーの歩み】大迫のブレーメン移籍で思い出す奥寺氏への愚問

▽29日のことだ。ブンデスリーガ1部のヴェルダー・ブレーメンに移籍した大迫勇也が、ドイツ北部のブレーメンの本拠地で入団会見に応じた。前所属の1FCケルンは2部に降格したための移籍だが、ケルンからブレーメンへの移籍といえば、誰もが思い出すのが日本人プロ第1号の奥寺康彦氏だろう。 ▽奥寺氏は77-78シーズンにJSL(日本サッカーリーグ)の古河からケルンへ移籍し、同シーズンにはリーグ優勝とドイツカップ優勝の2冠に輝いた。当時の奥寺氏は強烈な左足のシュートを武器にした左ウイングで、ケルンというチーム自体もバイエルン・ミュンヘン、ボルシア・メンヘングラッドバッハと優勝を争う名門クラブだった。 ▽奥寺氏はその後、同リーグ2部のヘルタ・ベルリンを経て1部に昇格したブレーメンへと移籍を果たす。当時のブレーメン監督オットー・レーハーゲル氏(2004年にポルトガルで開催されたEUROではギリシャを率いて初優勝を遂げる)は、奥寺氏をウイングから3-5-2の左ウイングバックに起用。そこで同氏は労を惜しまぬ豊富な運動量と、堅実で安定した守備からレーハーゲル監督にも高く評価され、地元メディアも「東洋のコンピューター」と賞賛した。 ▽そんな奥寺氏は78年の第1回ジャパンカップ(現キリンカップ)にケルンの一員として、82年のジャパンカップ・キリンワールドサッカーと、86年のキリンカップサッカーではブレーメンの一員として3度の凱旋帰国を果たしている。 ▽その中で82年はスペインW杯の開催された年だが、この年にサッカー専門誌に入社した若造は、無謀にも奥寺氏にインタビューを申し込んだ。当時はJFA(日本サッカー協会)にも広報担当者はいなかったため、帰国した奥寺氏に対し、たぶんブレーメン付きのJFA職員を通じてインタビュー取材をお願いしたのだと思う。もちろんノーギャラだった。 ▽奥寺氏に指定されたのは宿泊先である東京プリンスホテル1階にある喫茶店だった。そこで移籍の経緯や現地での苦労話を聞きつつ、「プロとアマチュアの差はなんですか」という愚問をぶつけた記憶がある。すると奥寺氏は人差し指と親指で示しつつ、「1人1人の差は小さいけれど、それが10人になるとものすごく大きな差になるんだよ」と両手を広げながら教えてくれた。 ▽しかし大学を出たての新米記者にはその真意が理解できず、奥寺氏のコメントをそのまま原稿にした恥ずかしい記憶がある。 ▽きっと奥寺氏は、選手個々人の瞬時の判断スピード、戦術理解度、ボールを止めて蹴るといったプレースピードやパススピードなどの差がチームとして積み重なった時に、プロとアマチュアでは大きな差になると言いたかったのだろう。その言葉通り、ブレーメンは4試合で15ゴールを奪う攻撃力で初優勝を果たした。 ▽この年のキリンワールドサッカーは2年後のロス五輪出場を目指す森ジャパンのスタートとなった年でもあった。エースストライカーの尾崎加寿夫がフェイエノールト戦で4ゴールを奪う活躍で5-2と大勝するなど2位に躍進し、ブレーメンのテスト生として来日した19歳のフランク・ノイバートと得点王に輝いたことも明るい話題だった。 ▽話を大迫に戻そう。奥寺氏がブレーメンで活躍したのは82-83シーズンから85-86シーズンまでの5シーズンだった。あれから30年以上が過ぎ、当時は10歳だった少年も不惑の40代を迎えている。それでも奥寺氏の活躍を覚えていれば、それを大迫に重ねて声援を送ってくれるのではないだろうか。 ▽奥寺氏が移籍して以来、チームは1度も2部に降格したことがないだけでなく、優勝争いを演じる強豪へと成長した時代もあった。かつての栄光を再び取り戻すことができるのか。今シーズンもブレーメンを始め、ブンデスリーガからは目が離せそうにない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.07.31 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】暑さも親善試合もこれからが本番

▽「もう本気モードなのね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、前夜に行われたヨーロッパリーグ予選2回戦1stレグでセビージャがサンチェス・ピスファンで4-0と圧勝。ハンガリーのウーイペシュトにヘスス・ナバス、ベン・イェデル、サラビア、フランコ・バスケスのゴールで大差をつけ、来週木曜の2ndレグが済んだら、続く2週間での3回戦でジャルギリス(リトアニア)vsファドゥーツ(リヒテンシュタイン)の勝者と当たることをお昼のニュースで知った時のことでした。 ▽いやあ、まだこの段階では相手が相手ですし、昨季はシーズン後半の不調で最後はやっとのこと、リーガ7位の座を手に入れた彼らとて、コパ・デル・レイは準優勝、CLだって準々決勝まで進んだチームなんですから、こういう結果も全然、不思議はないんですけどね。この予選はプレーオフまである上、その隙間の8月12日にはモロッコのタンジェでの開催が決まったスペイン・スーパーカップでバルサとのタイトル争いも控えているとなれば、もしや今季から就任したマチン新監督も夏の間だけで一生分、セビージャを指揮したような気分を味わえるかも。 ▽え、灼熱のセビージャ(スペイン南部)で、異例の早期発進を余儀なくされたその様子を今季、グループリーグからのEL参加が決まっている同じ街のライバルは高見の見物と洒落込んでいるんだろうって?そうですね、折しもセビージャが今季初の公式戦に臨んだ同じ木曜、ベティスは午前中に乾貴士選手のプレゼンをベニト・ビジャマリンで開催。2週間程前、当人の日本滞在中には東京のスペイン大使館でもやったんですが、地元のファンには初お目見えとあって、4500人余りがスタンドに駆けつけるビッグイベントになったとか。 ▽記者たちの前で話した乾選手も最初は「Estoy muy feliz de estar en el Betis./エストイ・ムイ・フェリス・デ・エスタル・エン・エル・ベティス(ベティスにいられてとても幸せだ)」とスペイン語で挨拶。ただ、「Viva el Betis 'manquepierda'/ビバ・エル・ベティス・マンケピエルダ(万歳、ベティス、???)」と続けたのは意味不明で、ちょうど私もコリセウム・アルフォンソ・ペレスでベルガラ(昨季はレアル・ソシエダからのレンタルでプレー)とカブレラ(同クロトーネ)の入団プレゼンが始まるを待っていたため、顔見知りのラジオ記者に尋ねたところ、「Aunque pierda(アウンケ・ビエルダ/負けても)をアンダルシア(セビージャのある地方)訛りで言うとそうなる」とはいやはや。 ▽乾選手も早く現地に溶け込もうとなかなか、抜かりがありませんが、翌日の練習ではチームメートが彼を手荒く歓迎(https://twitter.com/RealBetis/status/1022893630116257792)。うーん、おそらく次のハードルは来週のイギリス遠征で、カナレス(レアル・ソシエダから移籍)などもやらされていた(https://twitter.com/RealBetis/status/1017143995405701121)ベティス恒例のnovatada(ノバタダ/新入団選手の通過儀礼)を済ませ、外国人には理解が難しいホアキンのchiste(チステ/ジョーク)に大笑いができるようになれば、きっと新天地での居場所が確保できますって。 ▽そうそう、何故、私がその日、ヘタフェにいたのかというと、そろそろW杯で乾選手と一緒に活躍した柴崎岳選手もプレシーズン練習に合流するんじゃないかと、チームがオリバ(バレンシア)でのキャンプから戻った月曜にもGKダビド・ソリア(セビージャから移籍)とマキシモビッチ(同バレンシア)のプレゼンを見るついでに偵察に行っていたんですけどね。その時はスポーツディレクターのニコ・ロドリゲス氏の「ガクへのオファーは来ているが、まだ選手はバケーション中。戻ってから、代理人や当人と話す」という言葉を聞いてまだ当分、帰ってこないのかと思いきや、とんでもない。 ▽木曜のプレゼン前に練習も見学しておくかと、早めにヘタフェに向かったところ、メトロでの長い道中、読んでいたAS(スポーツ紙)で前日のコンケンセ(3部)との親善試合にすでに柴崎選手が出場しているんですから、驚いたの何のって。スタジアム右横を下りたところにある練習場ではもちろん、当人も真っ黒に日焼けしたチームメートたちと一緒にpartidillo(パルティージョ/ミニゲーム)中で、引き上げる時にはヘタフェ主催のカンプス(サッカー教室)に参加している子供たちに囲まれて大変なことになっていましたが、クラブの人の話だと、もう火曜から合流していたとか。 ▽いやあ、日影もようようない練習場のため、つい私も行き渋ってしまったのが悪いんですが、何せ現在、昨季から時々、試合に出してもらっていたメルヴェイユやドゥロらカンテラーノ(ヘタフェBの選手)らも加えて、チームは26人以上の大所帯。更に金曜にプレゼンされたアレホ(エイバルから移籍)などもいて、ここまですでに1200万ユーロ(約16億円)程、補強にお金を使っているそうなので、この先は柴崎選手も含め、移籍金が見込める選手は売却して、収支を合わせないといけないのは自明の理ですからね。ただこの状態で初戦のユニオン・アダルベ(2部B)に4-1と快勝したのに続き、水曜のプレシーズン2試合目でもマタ(バジャドリーから移籍)、ホルヘ・モリーナ、ロベルト・イバニェス、ドゥロ、アンヘルのゴールで0-5の勝利と、かなり破壊力のあるチームに変貌しているのは痛し痒しといったところ? ▽ええ、ボルダラス監督も取捨選択に困るところかもしれませんが、こればかっかりはねえ。とりあえず、この先のヘタフェの予定を伝えておくと、この土曜にはタラベラ(2部B)と親善試合をした後、来週月曜からはカンポアモール(アリカンテ、スペイン南西部)から2次キャンプに入り、それ以降はずっと地元で練習。柴崎選手の姿が見られるのもいつまでになるか、わかりませんが、8月上旬にマドリッド訪問を予定している方など、クラブのオフォシャルウェブ(http://www.getafecf.com/PrimerEquipo/Entrenamientos.aspx)で練習予定を確認の上、紫外線対策を十分して、見学に行ってみるのもいいかと思います。 ▽え、それでその木曜にはお待ちかねだったアトレティコ、この夏、最初のプレシーズンマッチもあったんだろうって? その通りなんですが、W杯が全試合、オープンチャンネルで見られたのとは対照的にこのインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏の親善大会)はバル(スペインの喫茶店兼バー)に行かないとダメなんですよ。おまけに開催地がシンガポールだったため、午後1時30分という、こちらでは誰もサッカーの試合があるなんて想像もしない時間帯。探し回っても流しているお店が1軒も見つからず、結局、終わってからサマリーをチェックするだけになってしまったんですが…。 ▽まあ、彼らのサッカーは変わりません。プレシーズン初日から参加しているトップチームメンバーがたったの9人ということで、火曜にカンテラーノ(下部組織の選手)13人を連れて16時間のフライトに挑んだアトレティコでしたが、ここ2週間、シメオネ監督がガッチリ、「una estructura defensiva muy fuerte/ウナ・エストルクトゥーラ・デフェンシバ・ムイ・フエルテ(とても強靭な守備構造)」を教え込んだのが良かったんでしょうか。相手のアーセナルは昨季のEL準決勝の時同様、ラガゼットを中心に攻め込んできたんですが、最後はGKオブラクのparadon(パラドン/スーパーセーブ)x3もあって、前半は得点に至らず。その隙をついて、40分にはコレアがエリア内右奥から上げたクロスをビエットがヘッドで押し込み、ちゃっかり先制しているって、いかにも彼ららしいじゃないですか。 ▽ただオブラクから、この月曜にワンダ・メトロポリターノでプレゼンがあったアダン(ベティスから移籍)に代わってすぐ、後半1分にはアーセナルの17歳、スミス・ロウにエリア前からのシュートを決められ、同点に追いつかれてしまった時はやはり、DFラインがファンフラン以外、カンテラーノだったのが響いた風もあったんですが、ない袖は振れませんからね。トマスやガメイロが撃って、5分程は猛攻タイムもあったものの、結局、試合は1-1で終わると即PK戦に。アトレティコは最初のキッカーだったコレアがポストに当ててしまい、カンテラーノのボルハ・ガルシアもGKチェフに止められてしたまったものの、アダンが面目躍如の3人止めを披露、最後は自身もPKを決めて、1-3で勝利できたのはまあ、良かったかと。 ▽何よりの収穫はガビ(アル・サッドへ移籍)の14番を受け継いだロドリゴ(ビジャレアルから移籍)がフル出場、PK戦でも成功し、背番号に恥じない名ボランチぶりを発揮していたことでしたが、この日はアーセナルでもエジルがベンチ観戦していたように、W杯に参加した選手はどちらのチームにもいませんでしたからね。来週月曜午後1時30分(日本時間午後8時30分)からの、エムバペやネイマール、カバーニがいないPSG戦も同じような感じになるんじゃないかと思いますが、それは置いておいて。実は入れ違いでこの水曜から、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でフィジカルコーチのプロフェ・オルテガのしごきを受けているアトレティコの選手が4名いるんですよ。 ▽それはすでに月曜にはジムに顔を出していたサウールを始め、コケ、ジエゴ・コスタ、そして自由契約で移籍してきたジェルソン・マルティンス。うーん、このポルトガル代表は昨季、ウルトラ(過激なファン)が練習場のロッカールームに多数、乱入してきた事件を理由に、一方的にスポルティングCPとの契約破棄した選手の1人なんですが、この金曜になって相手がFIFAに提訴。アトレティコと選手当人に賠償金を請求しているようなので、ちょっと先行き、不安がないでもないんですが、何せ木曜にバラハス空港に到着、一緒にW杯優勝を遂げたフランス代表の同僚、グリーズマンとリュカに一足先んじて金曜から練習を始めたレマル(モナコから移籍)に7000万ユーロ(約91億円)という、クラブ史上最高額の移籍金を使ってしまったアトレティコですからね。 ▽後になってジェルソンに高いお金を払うことにならないといいのですが、戦力的には22歳のレマル同様、23歳の伸び盛りのサイドアタッカーということで、今季のアトレティコの「ワンダ・メトロポリターノでCL優勝杯を掲げる」という大望の役に立ってくれるのは間違いない?来週からはゴディン、ヒメネス、フィリペ・ルイスらの南米組も戻って来ますし、チーム本体が帰ってくる火曜以降には8月6日に戻るW杯決勝組(フランス勢とベルサイコ)以外、かなり見慣れたアトレティコらしくなってくるため、私もまた練習を見に行ってみようと思いますが…8月って、モンクロア(マドリッド市内のバスターミナル駅)からのバスが極端に少なくなるのがネックなんですよね。 ▽そしてオディオソラ(レアル・ソシエダから移籍)、ビニシウス(同フラメンゴ)、ルニン(同ゾリャ・ルハンシク)のプレゼンから、まだユベントスに行ってしまったクリスチアーノ・ロナウドの穴埋めをする大型補強に進展のないレアル・マドリーはどうしているのかというと。いやあ、彼らもすでに1週間以上、バルデベバス(バラハス空港の近く)でダブルセッションなど、厳しいトレーニングを続けているんですが、残念なことに全てがpuerta cerrada(プエルタ・セラーダ/非公開)。おかげでその様子はオフィシャルウェブ(https://www.realmadrid.com/)に上がるビデオでしか、わからないんですが、アメリカツアー出発を翌日に控えた金曜にはクロース、ルーカス・バスケス、ナチョ、アセンシオら、W杯参加組の一部が初出勤しています。 ▽いえ、他もニューヨークでブルックリン橋を自転車で渡っているビデオをアップしたセルヒオ・ラモス(https://www.instagram.com/p/BltgqgTnKpK/?hl=ja&taken-by=sergioramos)、バハマで女優の彼女、サラ・サラモさんと過ごしているイスコ(https://www.instagram.com/p/BlnLy8Cjs1k/?hl=ja&taken-by=iscoalarcon)、それこそすでに最初のマドリーの上陸地、マイアミに先乗りしたカルバハル(https://www.instagram.com/p/BlrRK9iAZ9q/?hl=es&taken-by=dani.carvajal.2)と皆、チーム合流に備えて近いところにいるようなんですけどね。さすがにインターナショナル・チャンピオンズカップの初戦、来週水曜のマンチェスター・ユナイテッド戦でのプレーを期待するのは時期尚早かと。 ▽アメリカでは5日のユベントス戦、8日のローマ戦も組まれているため、最後の辺りには見ることができそうですが、やはり注目はロナウドの去った後、今季こそは主役になれると張り切っているベイルとベンゼマ。ええ、2人共、W杯に行っていないため、ロペテギキ新監督の下、プレシーズン開始から、ずっと練習に励んでいますしね。スタイル的にもボールを持って攻撃的なサッカーと、ジダン前監督との違いもあまりないようですし、ここは彼らの活躍を楽しみにしたいところ。ちなみにマドリーの親善試合は今のところ、アメリカでの3試合しか予定されておらず、あとは8月15日のUEFAスーパーカップ前にサンティアゴ・ベルナベウ杯が入るかもしれないぐらい。 ▽何せ、19日にはもうリーガ1節、マドリッド1部5チーム体制の先陣を切って、ホームで弟分ヘタフェとのミニダービーが控えていますからね。同じ日に昇格組のラージョはセビージャとアウェイ戦、20日の月曜にはアトレティコがメスタジャでバレンシア戦、レガネスもサン・マメスにアスレティックを訪ねることになります。その一方でこの土曜午後7時にはまた、レガネスがシュダッド・デポルティバ・レガネスでラージョ・マハダオンダ(2部)と対戦するのを始め、土曜のエジプト遠征ではピラミッズFCとスコアレスドローを演じたラージョが水曜にRMカスティージャ(2部BのマドリーのBチーム)と手合わせといったように、マドリッドで見られる試合もあったりするんですが…いよいよ来週はスペインも気温40度到達の猛暑期に突入とあって、観光旅行などで来る方は覚悟しておいた方がいいですよ。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.07.28 14:30 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】森保代表監督誕生の懸念材料

▽毎月第3木曜はJFA(日本サッカー協会)の定例理事会が開催される。7月26日は、次期日本代表の監督が理事会で承認される可能性が高いとあって、JFAハウスには昼過ぎから多くの記者・カメラマン、そしてTVクルーが詰めかけた。 ▽ところがJFAに着いてみると広報が1枚のペーパーを配っている。そこには午後6時30分から都内のホテルで「SAMURAI BLUE(日本代表)新監督 就任記者会見のご案内」とあり、6時からは田嶋会長と関塚技術委員長による経緯説明を行うとあった。 ▽ホテルの大会場を確保している周到な用意に比べ、メディアへのリリースが当日の午後というアンバランス。そのことを広報に確認すると、「ホテルのバンケットは押さえてありましたが、今日の理事会で新監督が承認されなければ会見もありません。理事会の決定を受け、急きょ会見の案内を出した次第です」とのことだった。 ▽すでにスポーツ紙の報道などから森保監督の誕生は規定路線かと思われたが、手順に則っての代表監督の選定。さすがの田嶋会長も、ハリルホジッチ監督を解任して西野監督を誕生させた剛腕から一転、JFAのルールに従って新監督の誕生に漕ぎつけたようだ。 ▽そんな森保監督誕生で注目されたのが、東京五輪の監督と日本代表の監督を兼任するか否かだ。結論から言うと、東京五輪でのメダル獲得とカタールW杯への出場という二兎を追うことになった。森保監督自身「身体は一つしかない」ということで、これからフル代表と五輪代表のスタッフ選びに着手しつつ、田嶋会長から託された「世代交代と各年代間の融合」に着手することになる。 ▽その意味では、日本人監督は適任だろう。なぜなら外国人監督は、育成よりも実績を残すことを優先させる傾向が強いからだ。ハリルホジッチ前監督は、その点若返りを狙ったものの結果として「コミュニケーション不足」を指摘されて解任された。本来なら西野技術委員長がフォローすべきだったが、監督就任後の記者会見でもわかるように「弁舌爽やかなタイプ」ではない。そこに両者の不幸があったと思う。 ▽しかし日本人監督なら、ロシアW杯後に代表からの引退を表明した長谷部や本田らのように、代表チームの若返りは急務だし、各世代間の融合というリクエストにも“忖度”することができる。ここらあたり、人当たりのソフトな森保監督は適任者だろう。 ▽今後はフル代表に五輪代表から選手を引き上げつつ、五輪代表にはアンダーカテゴリーから選手を抜擢して日本代表の若返りと、世代間の融合を図るプランを森保監督は明言した。ただし、懸念材料がないわけではない。 ▽来月の14日からはインドネシアでアジア大会がスタートする。日本は東京五輪を見据えて21歳以下の代表で臨むが、もしも勝ち進めば3位決定戦と決勝は9月1日、その前の準決勝は8月29日だ。一方フル代表は9月7日と11日にチリとコスタリカと対戦する。恐らく8月31日のJ1リーグ終了後の9月1日に代表選手の招集がかかるが、アジア大会で勝ち進めば勝ち進むほど日程は重複する。 ▽加えて海外組の乾と武藤は新天地に移り、香川にもトルコ行きの噂がある。移籍した選手はレギュラー獲得のためにテストマッチでは呼びにくいという事情もある。そして年明けにはUAEでのアジア杯が控えている。代表を取り巻くスケジュールは目白押しだ。いきなり難問に直面する森保ジャパンがどう乗り切れるのか。 ▽過密スケジュールが予想される森保監督の船出は前途多難と思える。そして彼しか選択肢がなかったのではないかと疑りたくなり、日本サッカー界の人材不足が浮き彫りになった新監督誕生の一夜でもあった。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.07.27 13:00 Fri
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【倉井史也のJリーグ】半分を終わってどれくらいあれば残留できる!? の巻

▽名古屋とか鳥栖とか、かつてないくらい補強ラッシュじゃないですか。これは残留争いもますますわからないぞ!! ってことで、リーグを半分終えた時点でどれくらいの勝点のチームが残留したのか調べちゃうぞ!! なお、17試合終了時点の順位で、括弧内はそのときの勝点。2008年までは入れ替え戦があったので、降格ライン以下にいても降格しなかったチームもあるのでご注意を。 【2005年】 残留 12位川崎(21)、13位FC東京(20)、14位新潟(20)、16位大分(18) 降格ライン 15位柏(18)、17位東京V(16)、18位神戸(11) 【2006年】 残留 12位FC東京(21)、13位名古屋(20)、14位甲府(18)、15位広島(16) 降格ライン 16位福岡(11)、17位京都(11)、18位C大阪(6) 【2007年】 残留 13位FC東京(20)、15位大宮(16)、16位千葉(16)、17位大分(16) 降格ライン 12位広島(22)、14位甲府(17)、18位横浜FC(10) 【2008年】 残留 13位大宮(22)、15位清水(19)、16位横浜FM(18)、18位千葉(10) 降格ライン 12位磐田(23)※、14位東京V(20)、17位札幌(15) 【2009年】 残留 12位大宮(21)、13位横浜FM(20)、14位山形(19)、16位神戸(18) 降格ライン 15位千葉(19)、17位柏(15)、18位大分(4) 【2010年】 残留 13位神戸(18)、14位大宮(17)、15位磐田(17)、16位仙台(14) 降格ライン 12位FC東京(19)、17位湘南(12)、18位京都(10) 【2011年】 全チームの消化が17試合になる節がないので省略 【2012年】 残留 13位鹿島(22)、14位C大阪(19)、15位大宮(19)、16位新潟(16) 降格ライン 12位神戸(24)、17位G大阪(13)、18位札幌(4) 【2013年】 残留 12位名古屋(21)、13位新潟(20)、14位甲府(14)、15位鳥栖(14) 降格ライン 16位磐田(13)、17位湘南(13)、18位大分(8) 【2014年】 残留 12位清水(21)、13位仙台(20)、14位名古屋(19)、16位甲府(18) 降格ライン 15位C大阪(18)、17位大宮(15)、18位徳島(8) 【2015年】 残留 12位甲府(20)、13位神戸(19)、14位柏(18)、17位新潟(14) 降格ライン 15位松本(15)、16位山形(14)、18位清水(13) 【2016年】 残留 12位神戸(20)、13位新潟(18)、17位甲府(15)、15位鳥栖(17) 降格ライン 14位名古屋(17)、16位湘南(16)、18位福岡(11) 【2017年】 残留 12位仙台(21)、13位清水(18)、17位広島(10)、15位札幌(15) 降格ライン 14位甲府(16)、16位大宮(14)、18位新潟(8) ※J1・J2入れ替え戦で残留 ▽いやぁこれ見ると、17節終了時で勝ち点24上げてるチームですら降格ラインを下回るし、勝ち点10だったチームでも残留してるし。 ▽つーことはですよ、9位の清水までは残留争いに巻き込まれる危険性があるし、勝ち点10の名古屋だって十分残留する可能性があるし。 ▽取材してると、まだまだ各チームとも補強は終わってない模様。これはさらに波乱があるかもしれませんぞ!!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.07.26 15:30 Thu
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【六川亨の日本サッカーの歩み】ロシアW杯総括

▽ロシアW杯の決勝から10日あまり。次期日本代表の監督は森保氏の就任が濃厚だが、ロシアW杯における日本代表を総括した話は一切聞こえてこない。西野前監督が短期間にもかかわらずベスト16に進出したことで、これまであった「主力選手がヨーロッパで活躍しているのだから、監督もヨーロッパで実績のある外国人を起用すべき」といった意見はなし崩しに霧消したようだ。 ▽そんなロシアW杯で、フランス対クロアチアの決勝戦は今大会を象徴するようなゴールが生まれた。まず前半18分、それまで守勢一方だったフランスは右FKからマンジュキッチのOGで先制する。それまで1本もシュートを放っていないフランスが先制したのはちょっとした驚きだった。 ▽決勝戦が見応えのある好ゲームになったのは、3試合連続して延長戦を闘ったクロアチアが、守備を固めてカウンターを狙うのではなく攻撃的なサッカーを展開したからだ。前半28分の同点ゴールもFKからの流れで生まれた。 ▽そしてフランスの勝ち越しゴールは今大会から採用されたVARによるPKからのもの。賛否両論のあるVARだが、PKの判定が下されるまで3分ほどの中断期間があったのは正直興ざめした。決勝戦に限らず、オフサイドの判定もラインズマンが旗をあげるタイミングが遅いのもVAR導入の影響だったが、今後も改善の余地は多々あるように感じた。 ▽そのフランスの追加点は攻勢に出たクロアチアの隙をついたカウンターからだった。近年のW杯はボールを奪ってから15秒以内のカウンターとセットプレーからゴールが生まれる傾向があると指摘されてきたが、ロシアW杯はさらにセットプレーからのゴール、とりわけヘディングによるゴールが増えた印象が強い(特にイングランド)。 ▽各国とも代表はームは強化する時間は限られている。そこで短期決戦を乗り切るには「個の力」によるカウンターとセットプレーがカギになることを示したのがロシアW杯だった。フランスのムバッペ、イングランドのスターリング、そしてベルギーのE・アザールやデ・ブライネらベスト4に進出したチームにはいずれも俊足のアタッカーを擁していた。 ▽そうした中で大会MVPを獲得したクロアチアのモドリッチは、「クラシカルなセントラルMF」だけに、貴重な存在でもある。彼をMVPに選出したFIFA(国際サッカー連盟)のテクニカルスタッフも、モドリッチのファンタジーあふれるプレーに、ヨハン・クライフらかつての名選手に通じるノスタルジーを感じたのかもしれない。 ▽翻って日本である。失点は大会前のテストマッチからカウンターとセットプレーが多いと指摘されてきた。それが本大会でも続いたわけだが、それは日本に限ったことではないことがW杯でも証明された。こちらに関しては、技術委員会がどのようなレポートを作成するのか注目したい。 ▽最後に、ロシアW杯の期間中は多くのロシア人から「日本のファンになった」と声を掛けられた。夜行の寝台車で同席したポーランドのサポーターからも「日本はいいチームだ」と言われた。知人の記者はカザフスタンのファンから「ずっと日本を応援していた。なぜならアジアの代表だから」と言われたそうだ(カザフスタンはヨーロッパに所属しているにもかかわらず)。 ▽こんなことは、ベスト16に進出した02年日韓W杯や10年南アW杯でも言われた記憶がない。それだけコロンビア戦の勝利、ポーランド戦の時間稼ぎ、そしてベルギー戦の奮闘が多くの人々の印象に残ったからだろう。 ▽ただ、冷静に振り返ってみれば、西野監督はグループステージを1勝1分け1敗で通過した。トルシエ・ジャパンは2勝1分け、岡田ジャパンは2勝1敗でベスト16に進んでいる。数字的にはギリギリのグループステージ突破だったが。ポーランド戦以外はゴールを目指した攻撃的なサッカーが他国のファンを魅了したのだろう。 ▽記録としてはたいしたことはないものの、記憶に残る闘いを演じたのがロシアW杯の日本代表と言える。 ▽6月上旬に日本のベースキャンプ地であるカザン入りしてから6週間を現地で過ごした。カザンでは「ワールドカップ」と言っても話は通じず、現地の人々からは「チャンピオンシップね」と訂正された。それだけ認識のズレがあったのだろう。 ▽しかし大会が進むにつれて「ワールドカップ」は浸透し、ヴォルゴグラードで知り合った女性記者は「ワールドカップって、スタジアムに人々が集うだけじゃないのね。街の中心街にある広場やレストラン、夜にはバーにも世界各地から来た人々でいっぱい。こんなことは今までのロシアにはなかったことだわ」と興奮気味に話していた。 ▽南ア、ブラジル、ロシアと3大会連続して広大な大陸を取材したが、いつも勝者は開催国かもしれない。新たなマーケットの開発と獲得というFIFAの深謀遠慮を改めて感じたW杯。そして次は初めて中東・カタールでの開催だ。大会期間中の7月11日からカタールは、大会PRのためのブースをモスクワ川に面したゴーリキーパークに設置した。さらに市内中心部の、赤の広場に面した高級デパート「グム」や繁華街でもPRイベントを実施した。 ▽こちらも関係者を取材したので、別の機会に紹介したい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.07.24 18:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】大物はまだ来ない…

▽「意外と大丈夫なのね」そんな風に私がホッとしていたのは日曜日、フェルナンド・トーレスがJリーグのベガルタ仙台戦でサガン鳥栖デビューする映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、何せ彼が日本に行ったのはたった1週間前。11日からマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でプレシーズンのトレーニングを開始したアトレティコの元同僚たちなど、まだ今週は毎日、ダブル、トリプルセッションで体力増強を図っている最中ですからね。この夏、最初の親善試合だって、この木曜にシンガポールで行われるアーセナル戦までないというのに、熱中症が蔓延する日本で彼がもう公式戦に出るなんて、とても正気の沙汰と思えなかったから。 ▽同日はイニエスタもヴィッセル神戸ので湘南ベルマーレ戦でに途中出場したようですが、あちらはもっと大変そうで、ええ、彼はW杯に参加していましたからね。古巣のバルサもそうですが、アトレティコでもスペイン代表組のコケ、サウール、ジエゴ・コスタらはチームがアジア遠征に出た翌日の水曜から、ようやく練習開始。心置きなくバケーションを満喫した後、一から体を作り出すとなれば、日本のチームは随分、無茶させると心配になったものですが、でもこれって、いい方に考えると、先週はパリでのW杯優勝祝勝行事を始め、金曜にも出身地マコンの市役所に招かれて、バルコニーで地元の人たちに挨拶(https://www.bienpublic.com/actualite/2018/07/20/macon-pres-de-9000-supporters-d-antoine-griezmann-sur-l-esplanade-(images-et-video))。お祝いの限りを尽くしていたグリーズマンの練習復帰が8月6日に予定されていたとしても、15日のUEFAスーパーカップでプレーするのは不可能ではないってこと? ▽いえ、昨季のEL準決勝アーセナル戦1stレグで退場処分を受け、4試合のベンチ入り禁止となったシメオネ監督はCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)にも減刑を認められず、もうタリン(エストニア)のア・ル・コック・アレーナのパルコ(貴賓席)を予約したそうなんですけどね。そこはリヨンでの決勝オリンピック・マルセイユ戦でも問題がなかったことから、あまり気にすることはないと思いますが、何せ今季のアトレティコにはW杯に最終日までいたメンバーが大量4人。バロンドール受賞の可能性さえ、噂されるようになったグリーズマンを始め、フランス代表で左SBのレギュラーとなったリュカ、モナコから移籍したレマル、そして準優勝のクロアチアの右SBだったベルサイコと、バラン、モドリッチ、コバチッチだけのお隣さんより多いのは果たして自慢していいのか、ハンデになるのか。 ▽それどころか、コバチッチなど、大会中から移籍希望を公けにして、レアル・マドリーには戻って来ないかもしれないんですが、一方では先週の水曜、サンティアゴ・ベルナベウで入団プレゼンをした後、まだ16日間程残っていた休暇を返上。クラブの渉外担当ディレクター、ブトラゲーニョ氏が休暇中だったのか、右SBの先輩、アルベロア氏に付き添われていた会見で、「マドリーは歴史上、最も偉大なクラブ。Es como cuando de nino te dice tu padre si quieres ir a Disney/エス・コモ・クアンドー・デ・ニーニョ・テ・ディセ・トゥ・パドレ・シー・キエレス・イル・ア・ディズニー(父親に子供にディズニーランドに行きたいかと訊くようなもの)」と言っていたオディオソラ(レアル・ソシエダから移籍)など、その日の午後からバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションに加わることに。 ▽いやあ、彼はロペテギ監督にW杯メンバーとして、スペイン代表に呼んでもらったものの、大会では後任のイエロ監督からプレー時間をもらえず。それこそ、この度同僚となったカルバハル、ナチョの後塵を拝してしまったため、7月末のアメリカツアーから合流するライバルたちより、プレシーズンを早く始めて、ポジション争いに名乗りを挙げようという腹積もりでしょうが、当人が選んだ背番号19は昨季、カルバハルの控えだったアシュラフ(ドルトムントへ移籍)のものというのは決して偶然ではありません。 ▽そう、セバジョス(昨夏、ベティスから移籍)やテオ(同アトレティコ)といった国内チームから、実力を評価されて移籍した若手も1年目は出場機会を得るのに苦労していたことを考えると、今季はなかなか大変かもしれませんが、ピッチでのお目見えには多くのファンが駆けつけてくれましたしね。まだ22歳ですし、成長が楽しみな選手なのは確かでしょう。 ▽え、それよりマドリーではもっと若い、18歳の新鋭FWビニシウスが金曜に入団プレゼンされていなかったかって?その通りで、彼は昨年中にフラメンゴからの移籍が決まり、成人年齢になるのをブラジルで待っていたんですが、ただねえ。いくらネイマール、エムバペ(どちらもPSG)が残留宣言したからって、これを持ってクリスチアーノ・ロナウド(ユベントスに移籍)の穴埋めとするのはちょっとムリがあるかと。 ▽だってえ、当人はロペテギ監督の信頼を得ようと、先週月曜のプレシーズン初日から、意欲満々で練習に参加していますが、まだヨーロッパでのプレー経験もありませんし、実際、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)での修行も検討されているように背番号も未定。マスコミは早くもBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)転じて、BBVを売り込みたいようですが、むしろ実戦力としてはW杯ベルギー代表で活躍したアザール(チェルシー)などの方が頼りになるかと。 ▽その一方で月曜には19歳のGKルニン(ウクライナのゾリャ・ルハンシクから移籍)のプレゼンがあるんですが、こちらはジダン前監督の次男、ルカの後を継いで第3キーパーになる予定。ケイロル・ナバスとレギュラーを懸けてガチンコ対決するはずのクルトワ(チェルシー)ともすでに合意ができ、あとはクラブ間の交渉だけと言われているんですが、何せ相手がアリソン(ローマからリバプールに移籍)を逃してしまいましたからね。古巣帰還となるチェフ(アーセナル)なり、ドンナルンマ(ミラン)なり、後任を獲得するまで、移籍はできないようで、クルトワも今はテネリフェ(カナリア諸島)でバカンスに勤しみながら、じっと待機しているようです。 ▽どうもこの辺はW杯初戦後、ダリッチ監督にクロアチア代表を追放されたカリニッチ(インテル)なり、グリーズマンのお勧めながら、ロシアでは1ゴールも挙げられなかったジルー(チェルシー)なりが到着するまで、すでにバレンシアとの交渉は済んでいるものの、ガメイロを出せないアトレティコに似ていますが、うーん、もしやそのせいですかね。5年前まではリュカと一緒にカンテラ(下部組織)にいたロドリ改め、ロドリゴ(ビジャレアルから移籍)も木曜にワンダ・メトロポリターノであったプレゼンでは、「Llevo una semana pero que semana... intensa/ジェボ・ウナ・セマーナ・ペロ・ケ・セマーナ…インテンサ(1週間いるけど、何て1週間…激しいよ)」と打ち明けていたハードトレーニングをガメイロだけ、週の途中からジムに変更。それこそ、シメオネ監督のサッカーでなければ、そんなに体力をつける必要はないということでしょうが、同様に先週最後のセッションとなった土曜の午前中もトップチームメンバーが実質8人しかいない中、ヘルプに駆り出されていたカンテラーノたちの半分がお休みをもらっていましたっけ。 ▽そしてアトレティコではロドリゴに続いて、この月曜にもGKアダン(ベティスから移籍)もワンダのプレスコンファレンスルームでプレゼンされるんですが、こちらは現在、コンサート仕様でピッチに芝がないため、ユニフォームでのお披露目はなし。要はファンはスタジアムに入れてもらえないということで、折しも時間が午前12時30分と丁度、先週はバレンシアのオリバルでキャンプを行っていたヘタフェが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでGKダビド・ソリア(セビージャから移籍)とマキシモビッチ(同バレンシア)をプレゼンするのと重なっているんですが、同じ理由でピッチでのお決まりポーズは見られなくてもスタジアムの正面ホールにファンサービスしに選手が来てくれるだけ、弟分の方が親切かも。ちなみにマドリーのルニンのプレゼンは午後1時、知名度はなくても、サンティアゴ・ベルナベウでは選手がボールを20個程スタンドに蹴って、歓迎に来たファンにプレゼントしてくれるため、たまたまマドリッド訪問をしている方などは覗いてみるのもいいかもしれませんよ。 ▽え、先週のマドリッドはプレゼン三昧だったようだけど、一番大事なのを忘れていないかって?そうですね、実は木曜にはラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でスペイン代表のルイス・エンリケ新監督の就任イベントがあったんですが、うーん、W杯3日前のロペテギキ監督解任の不手際からのイメージチェンジの思惑もあったんですかね。あまりに舞台が華々しかったため、私も驚いたんですが、当人は今回も16強対決で敗退となり、ここ3回の国際メジャートーナメントで結果を残せていないチームに対して、「No habra revolucion. Hay que evolucionar/ノー・アブラ・レボルシオン。アイ・ケ・エボルシオナール(革命はない。進化しないといけない)」とコメント。 ▽散々議論に挙がっているスペインのサッカースタイルについては継続で、それに自身のニュアンスを加えるそうですが、「Tiene que circular muy rapido, dando muy pocos toques/ティエネ・ケ・シルクラール・ムイ・ラピドー、ダンドー・ムイ・ポコス・トケス(ボールをとても速く回さないといけない。なるたけ少ないタッチで)」というのは私も大賛成。どちらにしろ、最初の試合はネイションズリーグの始まる9月までないとなれば、今はじっくり、スペインをまた強くする策を1年間の充電期間で愛想の良くなった元バルサの指揮官には考えてもらいたいものです。 ▽そして最後にいよいよ、始まったマドリッドの弟分チームたちのプレシーズンマッチの様子をお伝えしておくことにすると、トップバッターとなったのは金曜にキャンプ先で2部Bの後輩、ウニオン・アダルベと対戦したヘタフェ。もちろん中継なんかなかったんですが、メルベイユ、ホルヘ・モリーナ、アンヘル、マタ(1部昇格したバジャドリーから移籍)がゴールを挙げて4-1で勝利と貫録を示しています。ただまだ、この試合は本当に足慣らしみたいなもんで、この夏、加入した7選手のうち6人を使うなど、ボルダラス監督もイロイロ試しているようですが、この先もヘタフェのテストマッチは全てアウェイ。今週は再び、地元の練習場でのセッションとなるものの、リーガ開幕まで生で実戦が見られないのはちょっと残念ですね。 ▽そして翌土曜、今季からまた1部に戻って来たラージョがこちらもキャンプ先、マルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でイングランド2部のブリストル・シティと対戦して1-0で勝利したのはともかく、夕方にはレガネスが2部の弟分、アルコルコンとシュダッド・デポルティバ・レガネスで練習試合をすると聞いて、私も足を運んでみることに。またしても真逆の入り口に行ってしまい、高速道路沿いに道なき道をグルリと回らないと施設に入れなかったのはもう、私にとって、彼らの練習を見に行く時にはお馴染みの逆境なので仕方ないとしても、正面から西日の照りつける中での観戦はご近所さんということで、丁度半々ぐらいでスタンドを満員にした両チームのファンですら、時折、雲で太陽が隠れると拍手が湧くぐらいの辛さ。 ▽おまけに隣に座ったレガネスユニ姿の地元男子ですら、「知らない選手が多すぎて全然、わからない」と嘆いていたように、私も目を細めながら、GKクェジェルやCBシオバス、11人総取っ替えをした後半にはエル・ザールやブスティンサ、グンバウ、ディエゴ・リコら、見知った顔が出て来たのを喜ぶしかなかったんですが、どうやらこのチーム、ガリターノ監督(今季からレアル・ソシエダ)からペレグリーニ監督に代わっても相変わらず、ゴールが足りていないよう。ええ、アルコルコンのGKのparadon(パラドン/スーパーセーブ)は何度かあったものの、後半33分、至近距離のシュートを何度か失敗していたエル・ザールがようやく1点を取ってくれた時には、ファンたちもどんなにホッとしたことか。 ▽それも結局、残り3分にはペレイラにエリア内から決められて、1-1の引き分けに終わってしまいましたけどね。一応、サザンプトンからレンタルで大型FWのカリージョが入ったものの、司令塔のガブリエル・ピレスもベンフィカ移籍が濃厚となった今、攻撃陣はもっと補強した方が良さそうな。そんなレガネスは水曜にアラベスとサン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で試合した後、再び土曜には練習場で今季から2部に上がったラージョ・マハダオンダと対戦。多分、今度も午後7時からで暑いと思いますが、入場料も5ユーロ(約660円)と格安なため、時間のある方は覗いてみたらどうでしょうか。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.07.23 16:00 Mon
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【2022年カタールへ期待の選手②】ロシア出番なしの中で感じた「個のレベルアップの必要性」。リベンジを期す4年後/遠藤航

▽フランスがクロアチアを下して2度目の優勝を飾った2018年ロシアワールドカップ決勝から3日。約2カ月間中断されていた2018年J1が再開され、浦和レッズは名古屋グランパスをホーム・埼玉スタジアムに迎えた。この一戦で大いなる輝きを放ったのが、日本代表の一員としてロシアに参戦しながら出番なしに終わった遠藤航だった。 ▽3-4-3の右DFに陣取った背番号6はマウリシオ、槙野智章と連携しながら元ブラジル代表FWジョーを確実にマーク。まず守備の仕事をしっかりとやり切った。そして前半40分、柏木陽介の左CKに鋭く反応し、ゴール正面で相手に競り勝ってヘディングシュートを決め、チームに大きな先制点をもたらすことに成功する。 ▽浦和はその後1点を返されたものの、後半もしっかりとした守備組織を構築し続ける。そういう中で槙野の2点目が生まれ、勝利に大きく近づいた後半33分、再び遠藤航の決定力が炸裂する。1点目と同じ柏木からの左CKに対して今度はニアサイドに侵入。相手のマークを振り切って1試合2ゴールをマークし、3-1の勝利の原動力となったのだ。 ▽「1点目はどっちかというと陽介さんのキックに合わせて自分が動いた形。2点目は僕主導というか、あのニアの部分はチームとして狙いがあった。その1本前に陽介さんが蹴って前に引っかかったところがあったんで、もう1回来るからってイメージをしていた。しっかりいいボールを蹴ってくれたんで、うまく決められましたね」と本人もしてやったりの表情を浮かべていた。 ▽ロシアワールドカップでは総得点の約4割がリスタートから生まれた。現代サッカーにおけるセットプレーの重要性がより一層高まったことが実証された。そういう意味でも遠藤のようにリスタートから得点できる選手は今後の日本代表に必要不可欠と言っていい。今回は出番なしに終わったものの、4年後の2022年カタールワールドカップは何としてもピッチに立ちたいという強い思いが今、彼の中にはあるはずだ。 ▽「ロシアで試合に出れてれば自分の世界も少しは変わったのかなと思うけど、やっぱりワールドカップに行くのと行かないのでは大きく違った。それは確かです。日本には相手を上回る組織力があると思ったし、実際、グループリーグでそれを体現していた。 ▽ただ、ベルギー戦の最後のカウンターでやられた場面では『個の部分』を強く感じました。試合の最後の最後であれだけのスプリントができるっていうのは日本には足りないところだし、世界との差なのかもしれない。あのカウンターに自分の見えきたものが集約された感がある。やっぱり個を伸ばせば、組織力も上がる。最終的にはそこかなと。4年後のメンバーがどうなるか分かんないけど、やっていくことは整理されてると思いますね」と遠藤は神妙な面持ちで語っていた。 ▽リスタートの得点力という強みを前面に押し出すことは代表生き残りのためにも重要だ。ただ、その前段階として、どのポジションで勝負していくかをある程度、ハッキリさせなければいけないところはあるだろう。ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督体制ではボランチ、西野朗監督体制では右サイドバックとして位置づけられてきた遠藤だが、浦和では3バックの右や中央を担うことが多い。そのユーリティリティ性は大きな魅力なのだが、代表ではどっちつかずになってしまいがちだ。現に同じような位置づけだった酒井高徳(HSV)が「代表ではどの役割をやっても自分の中で納得いく仕事ができなかった」と語り、27歳の若さで一線を退く決断をしている。遠藤には、2つ年上の先輩が歩んだ軌跡をいい教訓にしてほしいのだ。 ▽さしあたって、近未来の代表の中で人材不足が顕著なのは、ボランチとサイドバックだ。ボランチは絶対的柱だった長谷部誠(フランクフルト)が代表引退を表明。今後は柴崎岳(ヘタフェ)が軸を担うと見られるが、守備的な遠藤がパートナーになれる可能性は少なくない。サイドバックにしても酒井高徳が去った今、酒井宏樹(マルセイユ)と長友佑都(ガラタサライ)をサポートできる人材がいなくなってしまう。新体制になれば遠藤と同じリオデジャネイロ五輪世代の室屋成(FC東京)らの抜擢が有力されるものの、彼にも実績はほどんどない。遠藤がそこに割って入り、徐々に出場機会を増やしていくことは十分、考えられるシナリオなのだ。 ▽そうやって代表で何らかのスペシャリティを見出し、強固な立場を築いていくことが、4年後のカタールでのリベンジにつながる。リオ世代でずっとキャプテンを務めてきた通り、彼の人間力と統率力は全く問題ない。次の代表を森保一率いようが、別の指揮官が就任しようがその評価は不変のはずだ。20代前半以下の世代にはなかなかそういう信頼のおける人物が見当たらないだけに、この男の存在価値は大きい。それをまずは浦和でしっかりと示し続け、日本代表にとって必要不可欠な人間だと認めさせること。ロシアでピッチに立てなかった遠藤航の逆襲はそこから始まる。【元川悦子】長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 2018.07.21 13:00 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】似ているイングランドと日本

▽約6週間ぶりに戻った自室は、定期購読している新聞に加え、W杯期間中に執筆した雑誌や新聞、コメントを出した掲載紙誌と郵便物で足の踏み場もなかった(もともと本や雑誌で足の踏み場は少ないが)。 ▽気は進まないものの、自分で整理しなくては片付かない。今日20日はJFA(日本サッカー協会)の技術委員会が14時から開かれて、次期日本代表監督の方向性が示されるかもしれない。取材しなければと思いつつ、そちらは知人の記者に託し、まずは請求書など郵便物の整理から手をつけた。 ▽18時前から始まった関塚技術委員長の説明によると、この日の技術委員会では「候補は森保氏か外国人か一本化されていないものの、結論は関塚委員長に一任すること」で決まったという。当の関塚委員長は記者からの質問に対し、いつもの柔和な笑顔で「答えられません」と繰り返したそうだ。 ▽今後は7月23日のJFA常務理事会と、26日の理事会の承認を得て新監督の誕生となる。恐らく森保氏が五輪代表と日本代表の監督を兼務することになるだろう。日本代表のコーチ陣らの組閣はそれ以降となる。 ▽不思議なのは、これまで代表スタッフとして活動を共にしてきた手倉森氏の名前が、新監督人事の際にいっさいマスコミに出なかったことだ。リオ五輪の監督であり、ロシアW杯でヘッドコーチ的な役割も務めた。西野監督が退任を表明したため、そのキャリアから手倉森氏が日本代表と五輪代表の総監督的な立場になってもおかしくないところだが、彼の名前が新聞紙上に出たことは一度もない。 ▽ここらあたり、何かあるのではないかと疑いたくなるのがジャーナリストの性分でもある。 ▽といったところで、今回は月曜コラムの続き――決勝戦レビューや大会総評の予定だったが、3位決定戦のベルギー対イングランド戦で書き残したことがあるので、今一度お付き合い願いたい。 ▽試合は月曜のコラムでも書いたように、ベルギーの完勝だった。GKクルトワ、CBコンパニー、ボランチにヴィツェル、CFルカクとタテのラインに核となる選手を配し、さらにE・アザールやデ・ブライネらワールドクラスの選手が攻撃陣をリードする。穴がないだけでなく、控えの選手層も充実した完成度の高いチームだった。 ▽それに対しイングランドは、空中戦に強いCBストーンズ、スピードが魅力のスターリング、精度の高い右足クロスを持つトリッピアーら好選手はいたものの、チーム全体として小粒感は否めない。その一番の原因は、イングランドには攻撃陣をリードするデ・ブライネや、チャンスメイクと同時にゴールも決められるE・アザールのような“決定的な仕事”のできる選手がいなかったからだ。このためイングランドはベスト4に進んだものの、“平凡なチーム”という印象を受けてしまった。 ▽その原因は、もちろん彼らにあるわけではない。エントリーメンバー23人は全員がスパーズやマンチェスター・U、マンチェスター・C、チェルシー、リバプールといったプレミアリーグの強豪チームでレギュラーとして活躍している。 ▽だが、その一方でベルギーの選手の所属チームを見ると、イングランド戦のスタメン11人のうちヴィツェル(天津権健)、ムニエ(PSG)、ティーレマンス(モナコ)以外の8人は前述したプレミアリーグを主戦場としている。 ▽GKを含め3バックのDF陣と前線の攻撃陣3人はいずれもスパーズやマンチェスター・U、マンチェスター・C、チェルシーの主力である。そしてプレミアリーグで“外人部隊”として活躍しているのはベルギーの選手だけではない。優勝したフランスではGKロリス(スパーズ)、決勝戦でゴールを決めたポグバ(マンチェスター・U)、今大会はノーゴールに終わったもののポストプレーで貢献したFWジルーとボランチのカンテ(チェルシー)に加え、他の強豪国もプレミアリーグでプレーする主力選手は多い。 ▽その結果、彼らがイングランドの選手からポジションを奪っている、あるいは若手選手の台頭を妨げている可能性は高い。攻守に決定的な仕事をする、もしくは創造性に富んだプレーをするポジションは外国人頼りのため、自国の選手がなかなか育たないジレンマを抱えているのがイングランドではないだろうか。 ▽翻って日本である。コロンビア戦でのプレーで川島は批判の的となった。さりとてW杯は初出場となる東口や中村にゴールマウスを任せられるかどうかは正直心許ない(その後の川島は好プレーも見せた)。CBも槙野はポーランド戦で余計なファウルからイエローカードをもらうなど安定感に欠ける。川島に限らず、吉田の後継者探しは日本にとって急務である。 ▽GKやCBは慢性的な人材不足であり、近年はそれを外国人選手、とりわけ韓国人選手で補っているのが実情だ。身長が求められるポジションだけに仕方のない面もある。Jリーグは近い将来、外国人枠の撤廃を視野に入れているとも聞く。しかしイングランドではないが、主要なポジションを外国人に頼っていると自国選手の育成に弊害が出ないとも限らない。 ▽幸いなことにJリーグはダ・ゾーンのおかげで潤沢な資金を手にした。とはいえ資金規模はプレミアリーグと比較にならないし、クラブの投資額も限られる。このため、そう簡単に“外国人天国”にはならないだろう。とはいえ、日本はGKやCBの後継者に安堵できる状況ではない。 ▽そんな堂々巡りの議論を頭の中で繰り返しながら、不手際を感じつつ試合後のセレモニーを見た、サンクトペテルブルクでの3位決定戦だった。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.07.21 13:00 Sat
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【倉井史也のJリーグ】普通の順位表だけじゃわからない補強のポイントって!? の巻

▽18日にJ1の試合に行ったんですけど、あれ? フェルナンド・トーレス出てないじゃん。みたいな。どうやら登録期限の問題で、この日は間に合わないって、どうなのそれ、Jリーグ。この中断期間に戦力補強あったら、やっぱり再開第一戦から見たいじゃないですか。 ▽つーか、そっから盛り上げていかないとダメじゃん。こういうとこ、もっと柔軟に対応していけばいいのにね。背番号だってシーズン途中から変えてもいいことになっちゃったんだし。 ▽ってことで、今週末の試合から新戦力が登場するんです。そりゃ楽しみなんですけど、はたしてその補強って的確? いいの、それで? っていう疑問の声もあると思うんですよ。ちゅーことで、今回はここまでの順位を、攻撃力(得点数)と守備力(失点数)でも分析してみました。するってぇと!! 1位 広島 (攻撃 2位/守備 1位) 2位 FC東京 (攻撃 5位/守備 2位) 3位 川崎F (攻撃 3位/守備 2位) 4位 C大阪 (攻撃 9位/守備 5位) 5位 札幌 (攻撃 7位/守備 8位) 6位 神戸 (攻撃 3位/守備 5位) 7位 磐田 (攻撃12位/守備 7位) 8位 仙台 (攻撃10位/守備15位) 9位 清水 (攻撃 5位/守備11位) 10位 横浜FM(攻撃 1位/守備15位) 11位 浦和 (攻撃14位/守備 4位) 12位 柏 (攻撃11位/守備10位) 13位 鹿島 (攻撃14位/守備 8位) 14位 湘南 (攻撃12位/守備13位) 15位 長崎 (攻撃 7位/守備17位) 16位 G大阪 (攻撃18位/守備13位) 17位 鳥栖 (攻撃14位/守備12位) 18位 名古屋(攻撃14位/守備18位) ▽ってことなんですよ。当然自分の弱いところを中断期間中に補強したはず!! ▽それからこの分析で出てきたのは、やっぱり守備力が大体順位に反映されるってこと。となると、仙台と横浜FMって、攻撃陣が不調になったらちょっとヤバイかも。逆に浦和と鹿島はもうちょっと上でもいいかも!! ▽どれどれ中断期間中の移籍を見てみますかな。仙台は矢島慎也とハーフナー・マイクを取りました。浦和はファブリシオと茂木力也を入れました。横浜FMはミロシュ・デゲネクが、鹿島は植田直通とペドロ・ジュニオールがいなくなりました。 ▽……。うーん、まぁ攻守は一体だから。ここからは監督の腕の見せ所だから(汗)!!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.07.19 15:00 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】もう皆、練習している…

▽「これじゃ、どちらが優勝したのかわからないわね」そんな風に私が苦笑していたのは火曜日、ロシアから帰還した代表チームをザグレブの市民が街を挙げて大歓迎。選手たちがオープンデッキバスに乗って、パレードする様子をTVで見た時のことでした。いえ、日曜のW杯決勝の後には何とも言えない悲しげな表情で大会MVPのトロフィーをもらっていたモドリッチが豹変、ここ近年、4度もあったレアル・マドリーのCL優勝パレードでも見たことがない程、ノリノリでbengala(ベンガラ/発煙筒)を振り回していたのにはちょっと引いてしまわないでもなかったんですけどね(https://twitter.com/B24PT/status/1019265604480532481)。 ▽ええ、人口400万人程でしかないクロアチアにとって、史上初のW杯準優勝はお祝いするにふさわしい快挙でしたが、フランスとの決勝が行われた日曜には一足に先にブリュッセルに戻ったベルギー代表も人で埋め尽くされたグラン・プリュス(市内中心にある大広場)で3位という、同国史上最高成績を祝うイベントを開催。もちろん王道は凱旋門からシャンゼリゼ通りに30万人が集結して、1998年以来、2度目のW杯優勝を達成したチームをパリに迎えたフランスの祝勝行事なんでしょうけどね。折しもスペインでは火曜にひっそり、代表新監督に就任するルイス・エンリケ氏がAVE(スペインの新幹線)でマドリッドに到着。 ▽ラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会本部に直行すると、9月のネーションズリーグ開幕戦に向けての準備をするオフィスや練習施設を案内されていましたが、何せ今回、スペインのW杯など、7月1日の16強対決で終わってしまいましたからね。バラハス空港に到着後、散り散りになった選手たちもまだバケーション中とあって、その消息も時折、SNSで伝わってくるぐらいなんですが、まあそれは仕方ないこと。イニエスタ(ヴィッセル神戸)も火曜には日本に向かいましたし、とりあえず、今は私もW杯チャンピオンにレアル・マドリー勢がバラン1人だけなのに比べ、アトレティコ勢が加入したばかりのレマル(モナコから移籍)も含めて3人もいることを祝うぐらいしかないんですが…。 ▽ちなみに3位決定戦でベルギーがムリエル(PSG)とアザール(チェルシー)のゴールでイングランドを2-0で破った翌日、モスクワのルジニキ・スタジアムで行われた決勝がどんなだったか、ちょっと触れておくと。前半18分にはグリーズマン(アトレティコ)の蹴ったFKをマンジュキッチ(ユベントス)が頭でオウンゴールにして、フランスが先制。それでもボール支配で勝っていたクロアチアは28分、ペリシッチ(インテル)がgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて同点に追いついたため、行方がわからなくなっていたんですが、この日のフランスには運も味方したんでしょうかね。 ▽何と38分、クロアチアのCKクリアでVAR(ビデオ審判)確認が入り、ペリシッチのハンドでPKとなったから、さあ大変。ピタナ主審がモニターを見に行っている4分間、キッカーとして待機していたグリーズマンもきっと、頭の中では2年前のCL決勝でPKを失敗。それも響いて最後は延長、PK戦の末にお隣さんに負けてしまったことを思い出していたのでは?その上、クロアチアのGKスバシッチ(モナコ)は16強対決のデンマーク戦、準々決勝のロシア戦でもPK戦で活躍したparapenarti(パラペナルティ/PK止め屋)となれば、プレッシャーもひときわだったはずですが…。 ▽見事にスバシッチの裏をかき、成功したんですよ!うーん、この日のゴールで大会4得点目だった彼ですが、ウルグアイ戦でGKムスレラ(ガラタサライ)のミスにより入ったシュート以外、他は全てPKによるものですからね。ここは大事な場面で失敗しなくなった当人の成長を喜ぶべきかと。結局、2-1とリードしてハーフタイムに入ったフランスでしたが、納得していなかったのはクロアチア勢。ええ、キャプテンのモドリッチなど、審判団がアルゼンチン人でスペイン語が通じるのをいいことに、「El penalti no era. Y la primera falta no era falta/エル・ペナルティ・ノー・エラ。イ・ラ・プリメーラ・ファルタ・ノー・エラ・ファルタ(あれはペナルティじゃなかった。最初のファールもファールじゃなかった)」と抗議してしましたが、確かにエリアの左前でブロゾビッチ(インテル)にグリーズマンが倒されたプレーについては是非が問われていましたけどね。 ▽とはいえ、後半のフランスは自慢の多民族融合パワーが炸裂。14分にはグリーズマンの折り返しをポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)が2度撃ちして追加点を挙げると、20分にもエムバペ(PSG)が4点目を決めてしまったとなれば、いえ、後でラキテッィチ(バルサ)など、「Marcaron cuatro goles en sus tres tiros a gol/マルカロン・クアトロ・ゴーレス・エン・スス・トレス・ティロス・ア・ゴル(枠内シュート3回で4点取った)」と皮肉っていましたけどね。「Nos basamos en defender como hacemos en el Atletico/ノス・バサモス・エン・デフェンデール・コモ・アセモス・エン・エル・アトレティコ(ウチのプレーはアトレティコのように守備が基本)」とリュカ(アトレティコ)も言っていたように、クロアチアの反撃をGKロリス(トッテナム)のゴールスローミスをマンジュキッチが押し込んだ1点だけに留め、4-2で勝利することに。 ▽え、この結果、フランスの優勝が決まり、2016年はCL、ユーロと続けざまに決勝で負けるという並々ならぬ悲劇を経験したグリーズマンが決勝のMVPをゲット。リベンジを果たしたのはめでたいとはいえ、だからと言って、彼が今年のバロンドール候補ナンバーワンになったというのは持ち上げすぎじゃないかって?そうですね、この大会開幕数日前にアトレティコ残留を決意するドキュメンタリー番組を公開、グループリーグ第1戦終了後の中日にはヒル・マリン筆頭株主がわざわざ、モスクワ郊外のフランスのベースキャンプに駆けつけて、リュカ共々、延長契約にサインをもらっていたのはこうなると、先見の明があったと言えますが、その時点ではまだ当人が活躍できるかどうか、定かではありませんでしたからね。 ▽逆にフランスが早期敗退でもしていれば、ただのお騒がせ男で終わってしまうところでしたが、おかげで「Estoy muy orgulloso de la decision que he tomado/エストイ・ムイ・オルグジョーソ・デ・ラ・セシシオン・ケ・エ・トマードー(自分の取った決断をとても誇りに思う)。このW杯のタイトルは全てのアトレティコファンのものでもあるし、ボクらにはワクワクする1年が待っている」(グリーズマン)と戴冠後、胸を張れていたのは良かったかと。 ▽だってえ、折しも月曜にはバロンドールのライバルの1人であるクリスチアーノ・ロナウドがトリノでユベントス入団プレゼン。当人は「Nadie en el Real Madrid estara llorando por mi/ナディエ・エン・エル・レアル・マドリッド・エスタラ・ジョランドー・ポル・ミー(レアル・マドリーでは誰もボクがいなくなったことを泣いていないだろう)」と言っていたものの、8月15日のUEFAスーパーカップに出ないことが確定しているんですよ。同じくこのW杯で候補に急浮上したモドリッチはグリーズマン同様、バケーションを短くする覚悟があれば、投票までにもう1つ、タイトルを増やせる可能性がありますが、果たしてどうなることやら。常連のメッシ(バルサ)もスペイン・スーパーカップがあるため、予断は許さないものの、彼もロナウドもW杯16強で敗退しているというのは決勝組の2人にとって、有利に働くかもしれませんね。 ▽そしてW杯の終了と共に入れ替わりでとうとう、マドリーのプレシーズンもこの月曜から始まり、ロペテギ新監督が指揮を執るバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションにはベイル、ベンゼマ以下、セバジョス、ジョレンテ、テオ、バジェホ、マジョラル、カシージャ、そして昨季はラージョで修行して戻って来たラウール・デ・トマス、新入団の18歳、FWビンチウス(フラメンゴから移籍)や19歳のGK、ルニン(同ゾリャ・ルハンシク)らが参加。でもねえ、今のところ、非公開で入れないんですよ。 ▽どちらにしろ、W杯参加組が戻って来るのは8月1日のマンチェスター・ユナイテッド戦を皮切りに3試合あるアメリカ遠征辺りからですし、エムバペも決勝後、PSG残留するつもりとコメントするなど、ロナウド放出に見合った大型補強もまだ決まっていないとなれば、いえ、噂としては「普通なら、決勝を戦うチームから選ばれるものだけど、ボクもブラジルやフランス戦ではいい試合をしたし、日本戦ではカウンターの起点となったからね」と自身の言う通り、W杯ベストGKに選ばれたクウトワ(チェルシー)獲得は来季で契約が終わることもあり、値段も3000~4000万ユーロ(約40億~53億円)と手頃。ほぼ確定ながら、アリソン(ローマ)のチェルシー到着を待たないといけないとか、そのクルトワが「ボクが行くところには絶対、連れて行くよ」と主張していた、国でもクラブでも同僚のアザールについては難航しているとか、あるんですけどね。 ▽とりあえず、W杯前に決まったオディオソラ(レアル・ソシエダから移籍)は水曜にプレゼンがあるんですが、こちらも練習合流は7月末となれば、またしても私が月曜にマハダオンダ(マドリッド近郊)にアトレティコを覗きに行ってしまったとしても仕方なかった?いやまあ、こちらもinternacionales(インテルナシオナレス/各国代表選手)はおらず、トップチームの選手はGKオブラク、アダン(ベティスから移籍)、フアンフラン、トマス、ロドリ(同ビジャレアル)、ビトロ、コレア、そして退団予定のガメイロ、ビエットしかいないんですけどね。 ▽今週は朝一番、7時45分からのセッションはグラウンドでランニングなどのフィジカルがメイン、トリプルの場合は10時30分からジムが入るんですが、ボールも使う夕方の部ではフィジカルコーチのプロフェ・オルテガが「La perdemos y la robamos/ラ・ペルデモス・イ・ラ・ロバモス(ボールを失くしたら盗む)。相手に考えるヒマを与えるな」とロンド(輪の中に選手が入ってボールを奪うゲーム)でカンテラーノ(下部組織の選手)たちにアトレティコ・サッカーの基本を説いたり、10人のフィールドプレーヤーがポジションについてチームとしての動きをマスターする演習は必ず、最後は高速で自陣エリアに戻って守ることで終了。その辺、シメオネ監督の特徴が出ていて面白かったりもするんですが、グラウンドを囲む金網の外から見学しているファンは西日を真っ向から浴びて、ちょっと辛そうでしたっけ。 ▽そんな中、ヘタフェは月曜からバレンシア(スペイン南東部)のオリバにキャンプに行ってしまい、土曜までは戻って来ず。チチソラ(ラス・パルマスから移籍)を獲った後、ダビド・ソリア(同セビージャ)も加入して、クリスタル・パレスに行ってしまったグアイタの穴を埋める正GK争いが激化したり、ボランチのマキシモビッチ(同バレンシア)に500万ユーロ(約6億6000万円)を払ったりと補強の動きも続いていますが、逆にホルヘ・モリーナやジェネが移籍するという噂もありますからね。新シーズンを落ち着いて迎えるにはまだ、時間がかかりそうですが、人の出入りが続いているのは同じ弟分、レガネスやラージョも同じかと。 ▽そのラージョも木曜からはマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプと河岸を変えるようですが、どうやら今年も猛暑のマドリッドでずっと過ごすようなのはレガネス。今週土曜から始まるプレシーズンマッチも2部のマドリッド勢アルコルコンだったり、今季からその仲間入り、シュダッド・デポルティバ・ワンダにあるミニスタジアムの改修が済むまで、ワンダ・メトロポリターノでリーガを戦うことがきまったラージョ・マハダオンダといった近隣のチームが多いのも交通費が節約できるから?そろそろ、スペイン各地では1部チームの親善試合も始まっているため、観光などで来る機会のあるファンはマルカ(スポーツ紙)の予定表(http://www.marca.com/futbol/primera-division/2018/07/03/5b3a5613ca474190178b45bf.html)などを参考に立ち寄ってみてもいいかもしれませんね。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.07.18 11:00 Wed
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【六川亨の日本サッカーの歩み】やはり3決はテンションが上がらず再考が必要か

▽長かったロシアW杯も、7月15日の決勝戦でフランスがクロアチアを4-2で下し、20年ぶり2回目の優勝で幕を閉じた。正直な感想は、「やはり、そう簡単に新たなW杯優勝国は出現しないな」というものだった。 ▽それでもクロアチアはよく頑張ったと思う。3試合連続して延長戦を戦った後での決勝戦。にもかかわらず、守備を固めてカウンターを狙うのではなく、試合開始から積極的に攻撃を仕掛けた。彼らのそうした姿勢が、ともすれば“ガチンコ勝負”で退屈な試合になりがちな決勝戦を盛り上げたのだと思う。 ▽これでW杯は4大会連続してヨーロッパ勢が制覇した。ブラジルをはじめアルゼンチンやウルグアイといった南米ビッグ3がこれほど早い段階で姿を消したのは、組み合わせのせいだけではないだろう。 ▽そうした大会全体の総括や決勝戦のレビューについては今週木曜のコラムに譲るとして、今回は3位決定戦について考察してみた。 ▽大会前のイングランドは、けして下馬評の高いチームではなかった。ダイア-、スターリング、ケインら若返りに成功したとはいえ、得点力不足に課題を抱えていた。グループステージではパナマに6-1と大勝するなど2位でラウンド16に進出し、コロンビア(PK戦)とスウェーデンを連破したことで52年ぶりのベスト4に進出した。 ▽しかし準決勝でクロアチアの前に延長戦で力尽きて3位決定戦に回った。それでもイングランドにとっては66年イングランド大会の優勝に次ぐ最高成績を残すチャンスだった。それは対戦相手のベルギーも同様で、86年メキシコ大会の4位(3決でフランスに敗退)を上回る絶好の機会だ。このため好ゲームを期待したのだが……。 ▽イングランドにとって、クロアチアとの延長戦に加え中2日(ベルギーは中3日)の日程は体力的に厳しかったのかもしれない。さらに、ベルギーはイングランドの長所を見事に消してきた。 ▽今大会のイングランドの基本システムは3-5-2で、3バックの前に攻守のつなぎ役としてヘンダーソンを置き、インサイドハーフは右リンガード、左アリで、左右のウイングバックにトリッピアーとヤングを配し、ケインとスターリングの2トップというフォーメーション。 ▽左右のウイングバックは守備時にDFラインまで下がり5バックとなるが、特徴的だったのはマイボールになると左右に大きく開いていたことだ。ボールを持ってカットインすることも、ダイアゴナルランでゴール前に飛び込むこともほとんどない。コンパクト&スモールフィールドが常識の現代サッカーにおいて、異質とも言えるスタイルだった。 ▽左右に大きく開くことで、サイドチェンジは有効になる。しかしDFトリッピアーとヤングに与えられた役割は、2トップと彼らとの間にオープンスペースを作ることだった。意図的に味方の選手と距離を取ることで、相手DF陣をワイドに広げる。そしてできたスペースにインサイドハーフのリンガードやアリが侵入して3トップや4トップを形成する。準々決勝で対戦したスウェーデンは彼らを捕まえきれずに苦戦した。 ▽ところが3位決定戦のベルギーは、いつもの3バックに加え、サイドハーフのムニエとシャドリが戻り5バック気味にしてスペースを消したことと、イングランドはリンガードとアリ、ヤングをベンチスタートにしたため前半の攻撃は手詰まり状態が続いた。 ▽なんとか後半は選手交代から攻撃は活性化したものの、決定機は後半25分にワンツーからダイア-が抜け出しGKと1対1になったシーンのみ。体力、技術、戦術ともベルギーが1枚上手だった。スコアこそ0-2だったものの、ベルギーの完勝と言える。 ▽正直、試合内容は期待を裏切られた。イングランドの実力からすれば、それも仕方ないかもしれないが、両チームとも勝つか負けるかで「天国と地獄」というヒリヒリするような緊張感は、残念ながら今回の3位決定戦にもなかった。 ▽そして表彰式では、敗れたイングランドの選手は表彰されるベルギーの選手をピッチで見守るだけで、セレモニーが終わると静かにピッチを後にした。敗者が残る必要があるのか疑問の残るセレモニーである。 ▽敗者はもちろんのこと、勝者にも笑顔のない3位決定戦。6万を越える大観衆を集め、興業的には大成功かもしれないが、改めて存在意義を見直す必要があるのではないだろうか。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.07.17 14:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】W杯はまだ終わってないけど…

▽「グリーズマンとモドリッチ、優勝した方がバロンドールっていうのはちょっと、気が早いんじゃ」そんな風に私が疑問を覚えていたのは金曜日、W杯準決勝が終わるやいなや、スペインのマスコミが一斉に今年こそ、10年間続いたクリスチアーノ・ロナウドとメッシのバロンドール独占状態に終止符が打たれるんじゃないかという論調になっているのに気がついた時のことでした。いやあ、確かにロシアでの2人はあまりいいところを見せられず、ポルトガルもアルゼンチンも16強対決で姿を消していますけどね。 ▽でもこの賞って、近年では2006年W杯で優勝したイタリアのキャプテン、カンナバーロ(この年にユベントスからレアル・マドリーに移籍)が受賞なんて例外はあるものの、必ずしも国際メジャートーナメントに優勝したチームから選ばれる訳ではなく、スペインが戴冠した2010年もチャビやイニエスタを抑えてメッシ。むしろ、クラブでのタイトルやゴール数が決め手になっている節もなきにしろあらずかと。となると昨季、マドリーでCL3連覇、自身も6年連続のCL得点王となったロナウドやバルサのdoblete(ドブレテ/リーガとコパ・デル・レイの2冠優勝)に貢献、34得点でゴールデンシュー(ヨーロッパの得点王)をゲットしたメッシの方が断然、有利に見えるんですが、もしや世間もそろそろ、表彰台に違う顔を望んでいる? ▽ちなみにその、新たなるバロンドール候補が誕生することになった準決勝がどんなだったか、ちょっと説明しておくと、火曜にベルギーと戦ったフランスは後半6分、グリーズマン(アトレティコ)のCKをウムティティ(バルサ)がヘッドで決めて先制。相手も今大会、最多得点を誇るチームとあって、キャプテンのアザール(チェルシー)を中心に必死で反撃したんですが、「CKからゴールを入れた後、ウチはよく守った。ちょっとアトレティコみたいで、家にいるような感じがしたよ)」(グリーズマン)というフランスが逃げ切って、1-0で決勝のチケットを手に入れることに。 ▽え、そんな勝ち方じゃ、ベルギー側から文句が出なかったかって?そうですね、決勝点となったゴール以外、何度もparadon(パラドン/スーパーセーブ)でチームを救っていたGKクルトワ(チェルシー)など、「試合の時々ではジルー(マンチェスター・ユナイテッド)やグリーズマンら、FWの選手たちが自陣ゴールから35メートルのところにいた」と全員で守備固めをしていたのを皮肉っていたりしたんですけどね。それには丁度、入れ違いで、一緒にシメオネ監督の下でプレーしたことのなかったせいか、グリーズマンも「アトレティコでリーガに優勝したくせに。今いるチェルシーはきっと、バルサみたいにプレーするんだろう」と、これまた手厳しいこと。まあ、16強対決で敗退したスペインもそうでしたが、ボールを握って主導権を取りたいチームにとって、今回は難しい大会になっているのは本当のようです。 ▽おかげでデシャン監督も「未だに2016年ユーロ決勝の傷は癒えていない」と言っていたように、2年越しのリベンジに挑むことになったフランスですが、何せ、当時はグリーズマンがCL決勝でお隣さんに負けた後、自国開催のユーロでもロナウドのいるポルトガルにトロフィーを持って行かれるという、不運ぶりでしたからねえ。翻って、ヨーロッパリーグに優勝した今年はその勢いを借りて、フランスに2度目のW杯制覇の栄光をもたらすことができれば、「彼はジダンのようなレジェンドになる途中」というポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)の言葉を裏付けることになる? ▽更に同僚のエムバペ(PSG)を抑えて大会MVP、冬にはバロンドールなんてことになったら、W杯開催直前までバルサ移籍か、残留かわからず、イライラさせられたアトレティコファンもきっと、自慢に思えるに決まってますって。ただねえ、翌水曜には序盤のFKから、トリピア(トッテナム)に直接決められ、イングランドに先制を許したものの、後半にはベルサイコ(アトレティコ)のクロスをペリシッチ(インテル)が同点ゴール。16強対決から、3試合連続の延長戦に突入すると、今回はPK戦ではなく、延長後半4分、こちらも元アトレティコのマンジュキッチ(ユベントス)が決勝点を挙げて、2-1で決勝初出場となったクロアチアを牽引するのは奇しくも3年連続、4度目のCL優勝をしたばかりのモドリッチ(マドリー)なんですよ。 ▽となると、日曜午後5時(日本時間翌午前零時)から、ルジニキ・スタジアムで彼がこれまで通りに活躍。クロアチアが優勝すると、個人の賞でもあちらが有利という見方がされていますが、こればっかりはねえ。ちなみにどちらの側にもマドリー(バランとモドリッチ)勢、アトレティコ(グリーズマン、リュカ、レマルとベルサイコ)勢、バルサ(ウムティティ、デンベレとラキテッィチ)勢がいるというのは、リーガのファンにとっては喜ばしいことではないでしょうか。 ▽まあ、そんなことはともかく、今週はマドリッドでも色々、動きがあって、W杯開幕2日前に解任されたロペテギ監督の後を継ぎ、ロシアで4試合の指揮を執ったイエロ監督が続投どころか、スポーツディレクター復帰も固辞。その結果、月曜にサッカー協会に指名されたルイス・エンリケ氏のスペイン代表監督就任プレゼンは来週木曜の予定なのでまだいいんですが、火曜午前中にはアトレティコを退団したフェルナンド・トーレスがサガン鳥栖入団を自身の経営するスポーツジムで発表することに。「近日中に日本に行って、来週にはプレーしたい。El del dia 22, seria mi debut en casa/エル・デル・ディア・ベインティドス、セリア・ミ・デブー・エン・カサ(22日がボクのホームデビューになるだろう)」と言っているのを聞いた時には、たった1週間のプレシーズン練習で大丈夫なんだろうかと不安を覚えたものですけどね。 ▽それどころか、同日午後にはとうとうロナウドのユベントス移籍が正式に決まり、いえ、当人は相変わらず、ギリシャでバカンス中。声明もマドリーのオフィシャルページに掲載された「人生で新しいステージを始める時期が来たと思う。Y por eso he pedido al club que acepte traspasarme/イ・ポル・エソ・エ・ペディードー・アル・クルブ・ケ・アセプテ・トランスパサールメ(だから、クラブに移籍を受けて入れてくれと頼んだ)」という手紙だけなのは素っ気なさすぎるきらいもあるんですが、どうやらそれはマドリーが提案したお別れイベントに出席するのを当人が嫌がったからだとか。 ▽うーん、昨季後半からずっと退団の噂はありましたが、この9年間、あれだけゴールとタイトルをもたらしてくれた選手ながら、5月末のCL優勝祝賀の時などを除いては、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドから熱心な「Quedate!/ケダテ(残留して)」のコールが聞かれることもありませんでしたしね。ペレス会長同様、ファンもそろそろ、新しいギャラクティコを欲していた?今のところ、ネイマール(PSG)だの、エムバペだの、アザールだの、候補の名前は挙がってはいるものの、大物選手の移籍には時間がかかるのが定番ですからね。とりあえず、ベルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でプレシーズンのトレーニングがスタートする来週には、スペインがロシアから帰って来て早速、入団が決まったオディオソラ(レアル・ソシエダから移籍)のプレゼンを期待したいところです。 ▽そして水曜には今週頭から、マドリッド勢の先頭を切ってプレシーズン入りしたレガネスをシュダッド・デポルティバ・ブタルケ(メトロ5号線アルーチェ駅からバス15分)に偵察に行った私でしたが、いやあ、昨季途中から建設が進んでいた新グラウンドにはファンが座って見学できるスタンドもオープン。去年、初めて訪れた時には市営総合スポーツ施設の一角で細々、隣でテニスサークルなどがプレーしているのを横目で見ながら練習していたのと比べると、凄い進歩なんですが、行くたびに入り口が変わるってあんまりじゃない?その日も大回りすることになったんですが、幸い新任のペレグリーニ監督がpartidillo(パルティデージョ/ミニゲーム)中心のセッションを率いているのには間に合いましたっけ。 ▽おまけに彼らはすでに10人近く、新しい選手を獲っているとあって、グラウンド脇にこちらも新しく建てられたクラブハウスにあるプレスコンファレンスルームで今週は毎日、2人ずつ、プレゼンが行われているんですが、やはり入れ替えの多い弟分チームだからでしょうね。お隣さんのヘタフェも仕事始めの木曜にはGKチチソラ(ラス・パルマスから移籍)以下、新入団選手の4人を一気にプレゼン。それでもまだ、金曜に決まったGKダビド・ソリア(同セビージャ)を加えて、まだ数名、顔見せが遅れている選手がいるんですが、レガネスと一緒で多くを2部や2部B、下のカテゴリーから獲っているため、ファンに名前を覚えてもらうのにはちょっと時間がかかるかと。 ▽久々にコリセウム・アルフォンソ・ペレス(メトロ・スールのロス・エスパルタレス駅から徒歩1分)に駆けつけた私もいい機会だったので、気になっている柴崎岳選手の先行きについて、マルカ(スポーツ紙)の番記者などに探りを入れてみたんですけどね。「ドルトムントが興味を持っているという噂を聞いたぐらい」ということで、今のところ具体的なオファーについては不明。チームはその日の夕方、スタジアム右脇を下って行ったところにある練習場で初セッションを行ったとはいえ、W杯に参加していた当人も今月遅くまでは合流しないとあって、もし移籍が決まるとしてもちょっと時間がかかるかもしれませんね。 ▽そして金曜にはマハダオンダのシュダッド・デポルティバ・ワンダ(メトロ3、6号線モンクロア駅からバスで20分)でアトレティコのプレシーズンを見学してきた私だったんですが、何せ、まだロシアにいるメンバーを含め、W杯組が総勢10名と多いですからね。そこからトーレスやガビ(アル・サッドに移籍)が抜け、水曜に始まったセッションには今季から加わったロドリ(ビジャレアルから移籍)とGKアダン(同ベティス)を含めても10人しかトップチームのメンバーいないとあって、シメオネ監督は17人ものカンテラーノ(下部組織の選手)を徴用。しかもガメイロ、ビエットは移籍予定、昨季終了後に恥骨炎の手術をしたサビッチはジムでリハビリとあって、あまり見知った顔がいないのは寂しかったんですが、2時間近く続くトレーニングは半分以上がフィジカルトレだったのさすが。 ▽手を変え、品を変え、様々なエクササイズを課すフィジカルコーチのプロフェ・オルテガの指示に不慣れなロドリなどが戸惑い、先輩のビエットが丁寧に教えてあげていたのが印象的でしたが、アトレティコでのプレシーズンは初体験のビトロ(FIFA処分で選手の新規登録ができなかった昨季は前半ラス・パルマスにレンタル)と共にしっかりついていっているのはやはり、例年、脱落者の出るロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)キャンプ程のハードメニューではなかったせい? ▽まあ、本格的なチーム練習も25日過ぎ、現在はタンザニアに新婚旅行中(https://twitter.com/BEATRIZESPEJEL/status/1017135440137203714)のコケやイビサ(地中海のリゾートアイランド)でバケーション中のサウール(https://twitter.com/saulniguez/status/1017859287882829830)ら、スペイン代表組以下、ゴディン、ヒメメス(ウルグアイ)、フィリペ・ルイス(ブラジル)らが合流する、シンガポール遠征の後でないとできないでしょうしね。今はできるだけ体力をつけてくれるだけでいいんですが、マドリッドは猛暑とあって、見ているだけでこちらが消耗してしまうのは辛いですよね。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.07.14 12:15 Sat
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【倉井史也のJリーグ】まさか今週末がこんな決勝戦みたいな戦いだなんて!? の巻

▽ワタクシ、今回ちゃんと元J2の選手にお会いして、現在のJ2ってどうなのか聞いてきましたよ!! そこでは「やっぱそうか!!」っていう意見があったりして、まぁまぁ自分の見立てってものも間違ってないと思ったわけなんですけどね。エヘン。 ▽で、現状のJ2の暫定順位(福岡と京都の試合消化が1試合少ないため)をみると、 1位 松本 勝点40 得失点差+12 2位 大分 勝点40 得失点差+8 ――――自動昇格圏内―――― 3位 山口 勝点40 得失点差+6 4位 町田 勝点37 得失点差+9 5位 福岡 勝点36 得失点差+8 6位 横C 勝点36 得失点差+3 ――昇格プレーオフ出場圏内―― 7位 大宮 勝点35 得失点差+9 8位 岡山 勝点34 得失点差+5 9位 山形 勝点34 得失点差+4 10位 東V 勝点32 得失点差+6 11位 甲府 勝点31 得失点差+12 と続いとるわけです。 ▽なんで順位表が不自然に11位までなワケ? って気付いたアナタ。今週のポイントはそこですよ。注目ポイントは11位の甲府なんです。 ▽甲府、いろいろチャレンジしてます。ルヴァンカップ、グループステージ6試合戦って2位になりました。プレーオフステージでもアウェイゴールで浦和を下して準々決勝に進出しました。ここまでで他のJ2のクラブより、10試合多いってことが確定です。 ▽しかもなんたることか、天皇杯は2回戦で流通経済大学を退け、3回では清水を破ってラウンド16に駒を進めてます。つまり現時点でも年間試合数って55試合。いいですか、1年って52週ですからね。まるでワールドカップの決勝トーナメントで3試合とも延長戦まで戦い、1分1秒でも多く観客に見せてくれるクロアチアと同じじゃないですか。 ▽こりゃせめてリーグ戦だけでも自動昇格して、少しでも試合数を減らさなきゃ。で、2017年の2位長崎は勝点80、2016年の2位清水は勝点84、2015年2位の磐田は勝点82、2014年2位松本は勝点83、2013年2位神戸は勝点83、2012年2位湘南は勝点75。つまりプレーオフ制度が始まってから、2位になったチームの平均勝点は、81.1点。 ▽ってことはですよ。残り20試合で甲府は勝点51点を挙げればいいんです。これって17勝0分3敗か、16勝3分0敗!! う、うーん。で、できそうな気がしてきた……。 ▽そんな甲府の次の試合はホームで岐阜。なんと、11位vs12位なんですよ。まさか、ここがすでにこんな決勝戦みたいな、というか土俵際なんて、きっと岐阜も甲府も思ってないだろうなぁ。 ▽え? そのJ2経験者の選手が何と言っていたかって? 「J2、マジでヤバイッスよ。全然分かんないッス」。ふむふむ。私もそう思ってたよ、はい。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.07.13 11:00 Fri
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