5戦ぶり白星狙う東京Vの城福監督…「形があってないようなところが鳥栖の強み」、3戦ぶり得点へ「ショートカウンターが大事」

2024.05.02 19:15 Thu
鳥栖戦で5戦ぶり白星目指す城福浩監督
©超ワールドサッカー
鳥栖戦で5戦ぶり白星目指す城福浩監督
東京ヴェルディの城福浩監督が、5戦ぶりの勝利を狙うサガン鳥栖戦への意気込みを語った。

前節、ホーム初勝利を目指したアビスパ福岡戦を0-0のドローで終えた15位の東京V。これで無敗試合を「7」に伸ばしたものの、4試合連続ドローと今季2勝目が遠い。
そういったなか、3日に駅前不動産スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第11節では、勝ち点2差で降格圏の18位に位置する鳥栖とのシックスポインターに臨む。

城福監督は1日にクラブハウスで行われた公式会見で、そのアウェイゲームに向けた意気込みを語った。

開幕9試合連続で失点が続いていた中、2試合連続クリーンシートを達成した前節の結果に関しては、「ずっと出ていた選手がアクシデントで変わっても、ディフェンスの堅さというのが崩れることなく、むしろゼロで抑えられているのはポジティブ」と、守備面での手応えを口に。
一方、その無失点と引き換えに2試合連続無得点という攻撃面に関しては、福岡戦で苦しんだ[5-4-1]の守備ブロック攻略、MF山田楓喜不在の中でのセットプレーの改善の必要性を訴えた。

流れの中での攻撃の改善については、「決定機を決め切るところ」、「決定機に持っていくところ」、「シュートまで持ち込むところ」の“3段階”の部分で、「何かをすれば全部が解決するということよりも、ひとつひとつの質であったり、判断であったりのところ」の追求が重要になると主張する。

とりわけ、4バックと3バックを併用する鳥栖戦に向けては、チームコンセプトでもあるニアゾーンへのランニングをポイントのひとつに挙げている。

「この前のゲーム(福岡戦)の様子が変わったのは、思いのほか相手が引いてきた。引いた相手にしかも5バックの相手にどういうふうにスペースをこじ開けていくかという意味では、我々がやるべきことは、ニアゾーンへのランニング」

「それを使う使わないは別としても、そこに対してのそういうハードワークの意識が薄まったというよりは、もっと他の選択肢がありそうな気配があって、選手が少し近道を探したのかなと思います。相手をどういうふうに広げるかというところが、我々にとって大事なところなので、そこは立ち位置で前線の人数を増やしたり、ニアゾーンへのランニングであったり、逆サイドの駆け上がりであったりのところは意識ですぐに取り戻せるものなのではないかなと思っています」

福岡戦では後半途中から両ワイドにFW山見大登、MFチアゴ・アウベスという、よりアタッカー色が強い2選手を同時起用し、幾つか決定機も創出。指揮官はこの試みがまずまず機能した手応えを感じつつ、堅固な守備をベースに、選手の組み合わせや戦い方をを含めより攻撃面でチームの最大値を出していきたい考えだ。

「(山見とチアゴ・アウベスの活躍について)先発というか前半から出ている選手が隙を見せない。中で特徴を出そうとし続けてくれたからこそ、バトンを受けた選手がやりやすい状況にはなったと思います。特に後半の入りがチームは悪くて、僕から見て戦えていなかった。ちょっと一息ついた感じで後半に入ってしまった中でバトンを受けたので、簡単ではなかったと思います」

「ただ、両サイドが守備の穴を作ることなく、縦への推進力というのを見せてくれたので、これはひとつ大きな明るい材料だと思いますし、山見が右でもしっかりできることが確認できたので、もちろんどのタイミングで(後半)頭から含めて、どのタイミングで彼らの特徴を出していくかという部分で、今後選択肢として増えていったということは大きい」

「特徴を活かすということが大事だと思うので、我々の守備の堅さをキープしながら、いかに攻撃的な特徴を引き出していくかという意味で、それは前線の選手だけに限らないので、いろんな組み合わせというのは少し考えられる状況にはなってきたかなと思います」

3試合ぶりの得点に向けて重要なポイントとなるセットプレーに関しては、「キッカーが変わったからこそ違う選手の味を出してほしい」と代役となるキッカーの精度向上を促しつつ、直接狙う以外の局面では「キッカーだけの問題ではなくて全員で意識を高めることが必要」と、チーム全体として役割の徹底を求めている。

「違う選手が蹴った時には、中が合わせてあげなければいけないと。それは助走からキックの弾道からスピードが全部違うわけで、そこがまだ合ってきていないと、まだそこはプロセスの段階にあると感じています」

「もうひとつはどのチームもそうですけどデザインした中で、各々の選手の役割がある。例えば、ある選手のヘディングをさせようとして、我々がファウルにならないようなブロックをするとか、ゴールキーパーに守備範囲を出させないような相手キーパーが気になるようなポジションを取るとか、あるいは1人が走り込んで相手を釣り出した後に入ってくる選手がいるとか、最後に決め切るというのはその選手だけではなくて、いろんな役割を全員が全うした上で、そこにボールが来るというところ」

「そこにもしボールが来なくても、あるいはセカンドになっても、そこに準備している選手というのも我々は役割を決めているので、そこでさぼることなく油断することなく、来ることを信じて足を運んでる選手がいて初めてセットプレーというのは、得点の可能性が高まると思っています」

そういった課題を踏まえた上で臨む鳥栖戦では、横浜FC時代から注目していたという絶好調のFWマルセロ・ヒアンへの警戒と共に、「形が合ってないようなところが強み」と語る川井健太監督率いるチームに対して、相手の変化を覚悟しながら自分たちのスタイルを貫いて結果を残したいと語った。

「マルセロ・ヒアンは我々も去年の横浜FCの時に見ていて、ある程度注目していた選手。日本のサッカーにアジャストとして非常に怖い選手だなと思っていたら、鳥栖がしっかり戦力化した。何もないところからでも得点を生み出す身体能力がありますし、高さとかスピードも含めて、鳥栖の機動力のあるサッカーにアジャストしている印象があります」

「鳥栖は試合の中で変化してくるというか、おそらく鳥栖自身が変化する手法も持っているし、相手を見てやり方を変えてくるというようなことにも慣れているので、形があってないようなところというのは、鳥栖の強みだと思います」

「我々もそこに警戒するというよりは、そこを覚悟しながら、自分たちの原則にのとって対応していくということ。逆に言えば、おそらくそういう攻撃をしてくるということは、完全なブロックを引くような状況ではない時に攻め切れるチャンスもあると思うので、ショートカウンターというところは大事にしたいなと思っています」
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