ジョージアが初の本大会行き! ウクライナとポーランドも激戦のPO制す【ユーロ2024予選】

2024.03.27 07:50 Wed
ムドリク弾で逆転突破のウクライナ
Getty Images
ムドリク弾で逆転突破のウクライナ
ユーロ2024予選プレーオフ決勝が26日に欧州各地で行われ、ユーロ本大会に出場する最後の3チームが決定した。

ユーロ2024予選の各グループにて2位以下となったチームの中から、UEFAネーションズリーグ(UNL)2022-23の結果によって選定された12カ国が参加するプレーオフ。パスAからCまでの3グループに分かれてミニトーナメントを実施し、各パスで優勝した3カ国にユーロ本大会の出場権が与えられる。
パスA決勝のウェールズ代表vsポーランド代表は、0-0で120分の戦いが終了。その後、PK戦を4-5で制したポーランドが本大会行きを決めた。

準決勝でそれぞれフィンランド、エストニアを一蹴したウェールズとポーランドの一戦は慎重な入りに。そのため、攻防の中心は中盤となり、互いにフィニッシュの数を増やせない。

そういった膠着状態が続く中、セットプレーを起点に幾度か決定機を作り出すウェールズは、前半終盤の44分にセットプレーからボックス内でムーアが競り勝った頭での折り返しをゴール前のベン・デイビスが頭で右隅に流し込むが、これは際どいオフサイド判定でゴールは認められず。試合はゴールレスでの折り返しとなった。
後半は立ち上がりにムーアのゴール至近距離からのヘディングシュートでウェールズがゴールに迫ったが、以降はポーランドが押し込む時間が続く。ただ、アウェイチームはレヴァンドフスキが徹底監視に遭い、なかなかボックス付近で良い形でボールを受けられず。攻撃に厚みを出せない。

その後は互いにリスクをかけ切れず、再びクローズな展開のまま90分の戦いが終了。延長戦でも試合の構図はほぼ変わらず、延長後半終了間際にはメファムが2枚目のカードをもらってウェールズに退場者が出たものの、互いにゴールを奪えぬまま120分の戦いを終えて、決着はPK戦に委ねられることになった。

そのPK戦では互いに5人目まで全員が成功する拮抗した展開となったが、先攻のポーランドのピョンテクが決めたのに対して、後攻のウェールズはダン・ジェームズが左を狙って蹴ったシュートをポーランド守護神シュチェスニーが完璧な読みでセーブ。これで激戦に終止符が打たれてポーランドの勝ち抜けが決定した。

パスB決勝のウクライナ代表vsアイスランド代表は、2-1で勝利したウクライナがプレーオフ突破を決めた。

準決勝でそれぞれボスニア・ヘルツェゴビナ、イスラエルを破ったウクライナとアイスランドの一戦は、立ち上がりから一進一退の攻防が続く。

ボールを握るウクライナ、カウンターで応戦するアイスランドという構図の下で痺れる攻防が繰り広げられる中、30分にスコアが動く。ペナルティアーク付近でボールを受けたアルベルト・グズムンドソンが鮮やかなステップワークでDF2枚を外して左足を振り抜くと、鋭いシュートがゴール右隅を射抜いた。

先に失点したウクライナは前半終盤にツィガンコフのボックス右での折り返しからヤレムチュクがゴールネットを揺らすが、ここはツィガンコフの抜け出しのタイミングでのオフサイドを取られてゴールは認められず。

アイスランドの1点リードで折り返した試合は立ち上がりからリスクを冒して前に出るウクライナペースで進むと、54分に同点ゴールが生まれる。自陣からのロングカウンターによって右サイドでボールを受けたツィガンコフが鋭いカットインからペナルティアーク付近で左足を振り抜くと、グラウンダーのシュートがゴール左隅に決まった。

1-1のイーブンに戻った試合は追いついた直後こそウクライナの攻勢が続いたが、アイスランドも後半半ばを過ぎてきっちり押し返す。そして、幾度かGKルニンにビッグセーブを強いる際どいシーンを作り出した。

後半終盤にかけて流れはアイスランドに傾きつつあったが、ウクライナのエースが決定的な仕事を果たす。84分、右サイド深くでタメを作ったツィガンコフからボックス右でマイナスのパスを受けたスダコフがDF2枚を引き付けて中央で浮いたムドリクに丁寧な横パス。これをムドリクが右足ダイレクトでゴール左下隅に流し込んだ。

背番号10の価千金のゴールで逆転に成功したウクライナは、その後のアイスランドの決死の猛攻を身体を張った守備で凌ぎ切り2-1で勝利。戦禍の母国に大きな勇気を与えるユーロ本大会進出となった。

パスC決勝のジョージア代表vsギリシャ代表は、0-0で120分の戦いが終了。その後、PK戦を4-2で制したジョージアが本大会行きを決めた。

準決勝でそれぞれルクセンブルク、カザフスタンを破ったジョージアとギリシャの一戦は、ホームのジョージアペースで進んでいく。

左サイドのクワラツヘリアを起点に押し込む形を作り出したジョージアは、そのエースの個人技、セットプレーを軸にチャンスを窺う。幾度かセットプレー流れで厚みのある攻撃を仕掛けたが、前半のうちにゴールをこじ開けるまでには至らなかった。

後半はギリシャがボールの主導権を握って押し返す形となったが、再三のシュートも枠を捉えることができず。試合は完全に膠着状態に。互いに交代カードで流れに変化を加えようとしたが、拮抗した展開のまま0-0のスコアで90分が終了。決着は延長戦に委ねられる。

延長戦の前半ではギリシャがセットプレーからマヴロパノスのクロスバー直撃のヘディングシュートなどでゴールに迫る一方、ジョージアもカウンターから幾度か際どいシーンを作り出す。だが、互いに最後の局面で決め手を欠いた。

そして、本大会行きを懸けた運命のPK戦ではジョージアがミカウタゼ、ギリシャがバカセタスと1人ずつ失敗した中、後攻のギリシャは4人目のギアクマキスが左を狙ったシュートを枠の左に外す。そして、先攻ジョージアは5人目のクベクベスキリがきっちり決め切り、ギリシャとの死闘を制したホームチームが史上初のユーロ本大会出場を成し遂げた。

【パスA決勝】
ウェールズ代表 0-0(PK:4-5) ポーランド代表

【パスB決勝】
ウクライナ代表 2-1 アイスランド代表
【ウクライナ】
ツィガンコフ(後9)
ムドリク(後39)
【アイスランド】
アルベルト・グズムンドソン(前30)

【パスC決勝】
ジョージア代表 0-0(PK:4-2) ギリシャ代表
関連ニュース

足首負傷のウクライナ代表DFミコレンコに手術の可能性…ユーロ出場に暗雲

負傷したエバートンのウクライナ代表DFヴィタリー・ミコレンコは、ユーロ2024への出場が危ぶまれているようだ。 2022年1月にエバートンへ加入したミコレンコ。ショーン・ダイチ監督の信頼を掴み左サイドバックの主力に定着すると、今シーズンも公式戦34試合に出場して2ゴールの成績を収めている。 しかし、ミコレンコは25日に行われたプレミアリーグ第29節延期分のリバプール戦で足首を負傷。前半だけでピッチを後にすると、3日後に行われた第35節のブレントフォード戦は欠場となった。 イギリス『デイリー・メール』によると、ミコレンコの足首の状態は当初の想定より重く、30日に手術が必要かどうかが判断されるとのこと。もし手術となれば今シーズン絶望となるだけでなく、6月から開催されるユーロ出場も絶望的になる模様だ。 ウクライナでも主力としてユーロ本大会出場に尽力してきただけに、仮に欠場となればミコレンコ本人としてもチームとしても大打撃になるのは間違いないだろう。 2024.04.30 12:10 Tue

来るユーロに問題なしか…途中出場で交代のマクトミネイが軽傷アピール

マンチェスター・ユナイテッドのスコットランド代表MFスコット・マクトミネイが状態を明らかにした。 当初こそ出番を待つ状況が続いたが、ケガ人続きのチーム事情も追い風となり、公式戦39試合の出場数を積み上げるマクトミネイ。得点感覚が冴え渡り、自己ベストの公式戦10ゴールをマークしている。 そんなマクトミネイは27日にホームで行われたプレミアリーグ第35節のバーンリー戦に後半途中から出場したが、最終盤にメイソン・マウントと交代。エリク・テン・ハグ監督が診断待ちを口にした。 そうしたなか、27歳MFは自身インスタグラムのストーリーで負傷時の状況とともに、思ったよりも軽傷と報告した。 「チェルシー戦と同じように、ぎこちなくヒザをつき、滑って転んでしまったんだ。伸ばしただけで大したことじゃないけど、実際よりもひどいものだと思って怒り、動揺してしまった。できるだけ早くピッチに戻って、チームを助けれれればと思う」 現時点ではどれぐらいで戻ってこれるか定かでないものの、来る夏のユーロ2024に向けても重傷説を一蹴した。 2024.04.30 09:45 Tue

ユーロ2024は選手登録が26名になる予定、UEFAのスタンダードになる可能性も

欧州サッカー連盟(UEFA)は、ユーロ2024のチーム登録に関して、26名の登録になることが近づいているという。イングランド『スカイ・スポーツ』が伝えた。 今夏ドイツで行われるユーロ2024。ジョージア代表が史上初となる出場を決めるなど、ヨーロッパの頂点を決める大会は6月14日に開幕する。 24カ国の出場国が決まっている中、選手登録枠が23名となっていたものの、26名に拡大する案が出ていた。 各国の監督が集まった会議では賛成の声があった中、UEFAは22日に会議が行われ、多くの賛成票が投じられたとのこと。ユーロ2020に続いて、選手登録が26名になることは近々発表されるという。 また、今回の決定により、UEFAの管轄で行われる国内大会でも26名登録が基本になる可能性がある。 2024.04.23 20:35 Tue

「GKとCBには問題がある」ユーロで優勝期待されるイングランド代表にカペッロ氏が懸念

ファビオ・カペッロ氏はかつて自身が率いたイングランド代表について、明確な課題があると語った。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 2016年に就任したガレス・サウスゲイト監督の下で、2018年のロシア・ワールドカップは4位、ユーロ2020は準優勝、2022年のカタール・ワールドカップはベスト8と安定した成績を残してきたイングランド。多くの経験を積んできたチームには、6月14日から開幕するユーロ2024での悲願の初優勝が期待されている。 しかし、2008年から4年にわたってイングランドを指揮してきたカペッロ氏は、チームに対して懐疑的な模様。歴戦の名将はチームに優れた選手が揃っていることは認めつつ、GKとセンターバックは明確なウィークポイントになり得るとの見方を示している。 「彼らのGK、ジョーダン・ピックフォードにはいくつかの問題があると思う。もちろん、良い部分もある。彼は時折、本当に本当に良いパフォーマンスを見せてくれるからね。だが、2021年にウェンブリーで行われたユーロ決勝で、私は彼らがイタリアに負けた試合を見ていた。ピックフォードは試合開始から20分くらいで、ロングボールを蹴り始めたんだ」 「これはボールが敵陣にあった方が良い、自分の近くにはない方が良いという考えだろう。こうした恐れは、チームの他の選手にも影響を与えたと思う。もし本当に優れたGKがいれば、それだけでチームは別物になる。自信が生まれるからね」 「それから、彼らのセンターバックにも問題があるだろう。中盤は良いし、前線は本当に優れている。左右のサイドバックも申し分ない。だが、2人のセンターバックには疑問があり、GKにも疑問が残る」 「私はイングランドが好きだよ。彼らの中盤と前線は最高だ。ジュード・ベリンガム、ハリー・ケイン、ブカヨ・サカがいるのだからね。だが問題は、彼らが勝つべき瞬間に、時折恐怖を感じながらプレーしていることにあるだろう」 2024.04.23 16:55 Tue

スパーズに激震…ウドジェが今季絶望を明かす

トッテナムのイタリア代表DFデスティニー・ウドジェの今シーズンが終了した。 ウドジェは20日、『インスタグラム』に家族を伴って病院のベッドに横たわる自身の写真と共に「ケガによって、僕のシーズンは早くも終わりを告げた。それでも、今シーズン自分を支えてくれたすべての人への感謝の気持ちは忘れません」と、手術を受けたことを明かした。 現時点でクラブからの公式なアナウンスはなく、負傷箇所やケガの程度は不明だが、一部報道では今回のケガによって3カ月程度の離脱を強いられることになる模様。そのため、イタリア代表として参戦予定だったユーロ2024出場も欠場となる見込みだ。 今シーズンにウディネーゼから正式加入となったウドジェは、ここまでの公式戦30試合に出場し、2ゴール3アシストを記録。スペイン代表DFペドロ・ポロと共に、アンジェ・ポステコグルー監督が志向する特殊なスタイルにおいて最もタスクが多いサイドバックの主力として活躍していた。 現在、アストン・ビラ、マンチェスター・ユナイテッドらと共に熾烈なトップ4争いを繰り広げるトッテナムは、残り試合でアーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティ、リバプールといった強豪とのビッグマッチを控えており、多才な左サイドバックの不在は大きな痛手となる。 2024.04.21 08:00 Sun
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly