今季初の味スタでJ1初勝利誓う東京Vの城福浩監督、シンパシー感じる新潟に「リスペクトしすぎずに強気でいきたい」

2024.03.15 20:00 Fri
今季初の味スタで初勝利誓う城福浩監督
©超ワールドサッカー
今季初の味スタで初勝利誓う城福浩監督
東京ヴェルディを率いる城福浩監督が、味の素スタジアムでの今シーズン開幕戦となる明治安田J1リーグ第4節、アルビレックス新潟戦(16日)への意気込みを語った。

16年ぶりJ1復帰となった東京Vは、開幕から横浜F・マリノス、浦和レッズ、セレッソ大阪と強豪クラブと対戦。その3試合すべてで勝ち点獲得に値する試合内容を見せたものの、いずれも後半最終盤に与えたPKによる失点によって1分け2敗と、思うような結果を残せず。
その開幕3試合でJ1の舞台で戦える手応えと共に、勝利・勝ち点を得る厳しさを体感したチームは、開幕2勝1敗と上々のスタートを切った新潟戦で初白星を目指す。

城福監督は、14日にクラブハウスで行われた会見で、1-2で競り負けた前節のC大阪戦の戦いを改めて振り返った。

同点に追いついた後半半ばに試合の流れを変える形となったMF稲見哲行の退場に関しては、試合後に改めて話す機会を持った上で「軽率なプレーであったことは間違いない」と指摘。さらに、「ゲームの重さというか、勝ち点の重さ。それをこういう機会でみんなで思い知らないといけない」と、経験が少ないチームとして厳しいJ1で勝ち点を獲得するための教訓にすべきだと語った。
開幕から3試合連続のPK献上を含め、明確な課題となっている試合のクローズの部分は、「ゲームの状況、その瞬間でどう判断するかというところでは、3試合ともやはりペナの中での判断は、まだ冷静でいられていない」と、水際での対応の部分での改善を求める。

「決して我々は弱者のサッカーをするつもりはないので、終盤まで自分たちの目指すものをやりますが、最後の最後の場面というのは、その中でどういう判断をして、一つのプレーをするのか。どういう判断をして寄せるのか。特に最終盤のペナルティエリアの中では難しい判断だと思いますが、この3試合で痛いほどそこを学んだと思います」

「終盤の心のあり方というのは、一つ一つ進歩はしていっているけれども、最後のペナルティエリアの中での冷静の判断に関しては、正直足りなかったと思います。PKになるそのプレーそのものもそうですが、その前のプレーもそうです。勝ち点を取るために、どのプレーが一番近いかというのを冷静に判断できれば、おそらくレフェリーのジャッジがどうのこうのというようなプレーにならなかったはずです」

「そこまではしっかりと戦えていると思うので、そこの判断のレベルを上げていくという言い方がいいか、冷静さを保てるようなチームには本当にしていきたいなと思います」

さらに、「良い得点だった」と語る得点シーンを中心に、いくつかの場面での手応えを感じながらも、トップクラスの相手から勝ち点をもぎ取る上でチームとして緩みを見せない戦いが必要であることを改めて強調。

「我々がボールを保持するのに外回りではなく、しっかりと我々の中というか、アンカーのエリアをしっかり使っていく。そこは今目指しているところ。外回り外回りになると。プレッシャーを受けて結局キーパーにバックパスして、大きく蹴るみたいな展開は試合中ではありますが、より我々が意図的にチャレンジできるシーンを作るためにしっかりアンカーエリアを使って攻めるという部分で、あの得点シーンは本当に下げずに中盤を使えて、今度ヘッドアップしたときにしっかり裏を取るべき選手が取る。そういう意味で、良い得点だったというふうに思います」

「できれば、もっと前半からそういう展開になれば良かったと思います。ただ、30分から35分ぐらいまでは我々が思い描く感じではなくても押されっぱなしの展開ではなかった。その中で失点をしたからこそ、ちょっと腹が据わって後半にああいう入りができたのかなと。それを前半からやはりチャレンジしたボールのフィードとか、サポートをできるようにしてやりたいなと思います」

「やっぱりセレッソの個のレベルは高い。彼らの前半のパフォーマンスは過去2試合を見ても非常に高かった。ただ、90分を通して見たときに、絶対自分たちの時間が来る。それは選手とも共有していたので、前半からあのようなサッカーをやりたかった。それは我々の目指すもの。ただ、やれなかったとしても、後半自分たちが目指すものに近づいて行けるまでにしっかり我慢できるチームにならないといけない」

「そういう意味では、僕らから見れば、やっぱり後半は自分たちの時間になったという思いと、なぜ前半に我慢できなかったという思いと、もう一つは前半から自分たちの時間にできるようなチームにしたい。これは1試合、2試合では無理です。それはゲームやトレーニングを重ねていって、こういうメンバーを相手にも自分たちの時間が前半から作れたじゃないか、確たるものをしっかりとみんなで積み上げていきたいなと思います」

対戦相手の新潟に対しては「確たるプレーモデル」、クラブとしての予算規模を含めてシンパシーと共にリスペクトを口にする城福監督。

「新潟は確たるプレーモデルを持ったチームだと思います。それは去年から非常にシンパシーを感じながら見ていましたし、一昨年の最後の最後に僕は対戦しましたけど、そこから去年のJ1での戦いを見て僕らも勇気をもらっていました」

「もちろん志向するスタイルは全く同じではないですし、選手も違いますが、プレーモデルを持っているとていう意味で、我々はある意味で新潟が一つのお手本の一つだというふうに思っています」

一方で、初勝利を目指す今回の対戦ではビルドアップの精度に関してJ1トップクラスの相手に対して、メリハリを利かせながら「強気でいきたい」とアグレッシブに臨みたいとしている。

「そういう確たる方向性を持ってやっていることに対してリスペクトしていますが、プレーそのものに対してリスペクトしすぎないようにしたいと思います」

「ビルドアップをするということは、リスクを背負っている。我々からすると、より相手に近いところでハンティングすれば、それはもうゴールに直結するわけで、そういう形で前から圧力をかけて奪ってゴールを取りたい。それが理想です。ただ、そんなに簡単ではないと思いますし、大事なのは、だから引くのかという話です」

「我々はだから腰が引けたサッカーをするのかというわけではなく、果敢に相手陣でサッカーをするための攻守の姿勢を示しながらも、それができなかったときの仕切り直しとか、メリハリというところが、僕はこの前のセレッソ戦でも課題だったと考えています。出来なかったとしても、やり直せばいい。自陣でブロックを組んでもっと押し返せばいい、ゴール前で守ればいいというような、そこの局面局面での気持ちの切り替えやタフさというか、前から行くから全部取れるわけではないですが、自分たちは走れるじゃないかというところです」

「そこは強気でいきたい。相手対策というのは、新潟のビルドアップに対してどうしようかというだけではない。我々がボールを持てば、新潟は我々の対策をしなきゃいけないわけですし、自分たちの強みは新潟に対してだけではなくて、どういうふうに出していくかというところと合わせて、セレッソよりも、より攻守に改善された状況でみんなが共有された状況で、良いバトンの受け渡しをして90分戦い抜くことが大事かなと思います」

最後に、昨年11月に行われたジェフユナイテッド千葉とのJ1昇格プレーオフ準決勝以来となる味の素スタジアムでの戦いに向けては、ここ十数年の低迷期を支えたファン・サポーターへの感謝を改めて示すと共に、「我が家」での16年ぶりのJ1での白星を誓った。

「我々をずっと応援してきてくれたサポーターという部分では、新たに増えたことは大歓迎ですし、本当に嬉しいことです。もっともっと仲間を増やしてほしいなと思いますけど、忘れてはいけないのは、平均入場者数が3千や4千のときに、来てくれてる方がいた。この15年間、16年間で見放さなかった方々がいたと。我々はどん底で苦しんだ中で、クラブの存続そのものが危ぶまれた中でも、サポーター含めみんなが耐え忍んで切り抜けてきた過去があって、今J1にいるということを絶対に忘れてはいけない。思いはそこで一緒に戦った彼らとともにあると僕は思っています」

「もちろん、5万人に増えてきてくださった方は大事ですけど、3千や4千の中で来てくれた方たち。おそらくあの頃から比べれば、考えられない、想像できないような状況で今試合がやれている。このありがたさとか感謝、得がたい機会を、選手もそうですし、我々もサポーターも、その時間を大事にしたい。一緒に大事にしましょうという思いです」

「なかなか勝ち点という意味では、僕らが願っているような状況ではない中で迎える初めての味スタですけども、いわゆる我が家なので多くのサポーターが来てくれると思いますし、そこで思い切ってプレーしてみんなと一緒に喜び合いたいと思います」
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