遠藤航フル出場のリバプールvsシティは白熱ドロー決着…三つ巴の熾烈優勝争いはアーセナルが首位浮上【プレミアリーグ】

2024.03.11 02:51 Mon
Getty Images
プレミアリーグ第28節、リバプールvsマンチェスター・シティが10日にアンフィールドで行われ、1-1のドローに終わった。なお、リバプールのMF遠藤航はフル出場した。
PR
首位のリバプール(勝ち点63)は前節、ノッティンガム・フォレストとのアウェイゲームを、後半最終盤のラストプレーでヌニェスが決めた決勝点によって1-0で制し、劇的な形でのリーグ4連勝を達成。首位で大一番を迎えることになった。さらに、ほぼ主力を起用したヨーロッパリーグ(EL)のスパルタ・プラハ戦では敵地で5-1の先勝を収め、大きな弾みを付けた。クロップ監督はこの大一番に向けてELから先発3人を変更。負傷のコナテに代わってファン・ダイクが復帰したほか、ロバートソンとガクポに代わってブラッドリー、ソボスライが起用された。
一方、2位のシティ(勝ち点62)は前節、マンチェスター・ユナイテッドとのダービーに3-1で逆転勝利。フォーデンの見事な2ゴールにハーランドがトドメの3点目を挙げ、地力の差を見せつけた。リーグ3連勝で1ポイント差を維持したシティズンズは、直近のチャンピオンズリーグ(CL)では一部主力を温存した中、コペンハーゲンを3-1で退けて危なげなくベスト8進出を決定。こちらも良い状態で難所アンフィールドに乗り込んだ。グアルディオラ監督はこの首位攻防戦に向けてCLから先発6人を変更。ウォーカーやデ・ブライネ、フォーデン、ベルナルド・シウバら主力が復帰した。

ホームサポーターの“YNWA”の大合唱によって荘厳な空気の中でスタートした全世界注目のプレミア首位攻防戦。立ち上がりはアウェイの空気に気圧されることなく、よりアグレッシブによりしたたかに入ったシティがペースを握る。デ・ブライネとベルナルド・シウバのインサイドハーフを起点にスムーズにボールを動かし、開始2分のアルバレスのファーストシュートを皮切りに攻勢を仕掛けた。

一方、キックオフから数分間の守勢を撥ね返したリバプールは、傑出した切り替えの精度に加え、シティの激しいプレスをいなす巧さも見せて完全に押し返していく。決定機には至らずもブラッドリーの高速クロスにヌニェスが飛び込む場面や、好調のルイス・ディアス、ヌニェスがアタッキングサードで存在感を示す。
リバプールの流れが続いていたものの、先にゴールをこじ開けたのはシティ。23分、右CKの場面でキッカーのデ・ブライネがゴール前のスペースへ意表を突く低い弾道の速いボールを入れると、アケがマク・アリスターをブロックしたことでニアを抜けたところをストーンズが右足で押し込んだ。

見事にデザインされた王者シティのセットプレーによって均衡が破れた試合は、ここからさらにぺースが上がっていく。中央では遠藤やデ・ブライネ、サイドではウォーカーとルイス・ディアスらのハイレベルな局地戦が繰り広げられ、一進一退の攻防が続く。

その中でリバプールは31分、エリオットの正確な左足クロスにゴール前で反応したソボスライのヘディングシュート、遠藤の潰しを起点としたカウンターからのディアスのミドルシュートで同点に迫る。

対してロングカウンターを軸に追加点を狙うシティは、ハーランドとDFファン・ダイクによる見応え十分の一対一のバトル、右サイドのスペースに一気に飛び出したウォーカーの高速クロスからチャンスを作り出した。

しかし、互いに高い集中力を発揮した相手の守備陣を上回るまでには至らず。白熱の首位攻防戦はアウェイチームの1点リードで折り返した。

迎えた後半、試合は思わぬ形で立ち上がりに動く。47分、自陣左サイドでプレッシャーをかけられたアケがGKエデルソンに戻したバックパスが短くなると、これを狙っていたヌニェスが猛スプリント。何とか先に蹴りだそうとしたエデルソンに先んじてボールを突いた際に蹴られたことでPKを獲得。そして、プレッシャーがかかるPKをキッカーのマク・アリスターがきっちり左隅に蹴り込んで50分の同点ゴールとした。

痛恨のミスで追いつかれたシティは、さらにこの交錯プレーで右足に強い打撲を負ったエデルソンがプレー続行不可能となり、56分に控えGKオルテガのスクランブル投入を余儀なくされる。それでも、タフなグアルディオラのチームは直後にアルバレスのクアンサーからのボール奪取をきっかけとした波状攻撃でデ・ブライネの絶妙ラストパスでゴール右に抜け出したフォーデンに絶好機を創出。だが、ここは絶妙な飛び出しを見せたGKケレハーのビッグセーブに阻まれた。

一方、後半はより良いリズムで進めるホームチームは61分、ブラッドリーとソボスライを下げてロバートソンと切り札のサラーを同時投入。これでジョー・ゴメス、エリオットが立ち位置を変える。

エース投入でギアを上げると、62分にはサラーのダイレクトスルーパスで完全に背後を取ったディアスにビッグチャンスが舞い込むが、ここはシティ守備陣の粘りもあってシュートを枠の右に外してしまった。さらに、攻勢を続ける中でロバートソンの絶妙クロスからゴール前のヌニェスにビッグチャンスも、今度はGKオルテガのビッグセーブに阻まれた。

守勢を撥ね返したいシティは69分、デ・ブライネとアルバレスを下げてコバチッチ、ドクを同時投入。異なる特長を持つ選手に勝ち越しの仕事を託した。これにより、完全に押し返すまでには至らぬもののイーブンに持ち込むことに成功した。

後半も終盤に入ると、さすがに両者消耗が出始めて試合は膠着。ゴール前での攻防から中盤での攻防が目立つ展開に。それでも、土壇場の89分にはドクの左ポスト直撃のシュート、サラーが背後への飛び出しからGKオルテガを脅かすシュートと決定機を作り合う。

8分が加えられた後半アディショナルタイムではホームのリバプールがより押し込む形を作り出したが、シティの集中した守備を前に劇的逆転ゴールを奪うまでには至らず。

首位攻防に相応しい見応え十分の攻防が繰り広げられた激闘は1-1のドロー決着に終わり、共に勝ち点1ずつを積み上げるのにとどまった両者は順位を一つずつ下げ、同勝ち点ながら得失点差でリバプールを上回ったアーセナルが首位に浮上した。

PR
関連ニュース

プレミア最優秀監督の最終候補5名が発表! ペップ、クロップ時代にアルテタが割り込むか?

プレミアリーグは9日、2023-24シーズンの最優秀監督賞であるマネージャー・オブ・ザ・シーズンのノミネート監督5名を発表した。 シーズンも残すところあとわずか。2022-23シーズンに続いてアーセナルとマンチェスター・シティが優勝を争っている状況だ。 4連覇を目指すシティと20年ぶりの優勝を目指すアーセナル。両クラブを指揮するジョゼップ・グアルディオラ監督、ミケル・アルテタ監督がノミネートされている。 また、3位のリバプールを指揮し今季限りでの退任が決まっているユルゲン・クロップ監督、4位のアストン・ビラを指揮するウナイ・エメリ監督、そして3月の月間最優秀監督賞も受賞したボーンマスのアンドニ・イラオラ監督がノミネートされている。 ファン投票は5月13日まで、プレミアリーグの公式サイトから投票が可能。サッカー専門家委員会の投票と合わせて勝者が決定され、5月18日に受賞者が発表される。 ◆最優秀監督候補5名 ミケル・アルテタ監督(アーセナル) 今季成績:36試合26勝5分け5敗/+60 ウナイ・エメリ監督(アストン・ビラ) 今季成績:36試合20勝7分け9敗/+20 ジョゼップ・グアルディオラ監督(マンチェスター・シティ) 今季成績:35試合25勝7分け3敗/+54 ※4回受賞 アンドニ・イラオラ監督(ボーンマス) 今季成績:36試合13勝9分け14敗/-11 ユルゲン・クロップ監督(リバプール) 今季成績:36試合23勝9分け4敗/+43 ※2回受賞 2024.05.09 23:55 Thu

プレミア最優秀選手の最終候補8名が発表! 優勝争う2クラブから2名ずつがノミネート

プレミアリーグは9日、2023-24シーズンの最優秀選手賞であるプレーヤー・オブ・ザ・シーズンのノミネート選手8名を発表した。 シーズンも残すところあとわずか。2022-23シーズンに続いてアーセナルとマンチェスター・シティが優勝を争っている状況だ。 4連覇を目指すシティと20年ぶりの優勝を目指すアーセナル。8名の最終候補には、それぞれ2名ずつがノミネートしている。 現在首位のアーセナルからはキャプテンであるノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールと、今シーズン加入したイングランド代表MFデクラン・ライスの2名、4連覇を目指すシティからは、得点ランキングトップを走り昨シーズンはこの賞を受賞したノルウェー代表FWアーリング・ハーランド、イングランド代表MFフィル・フォーデンがノミネートしている。 その他、3位で追いかけるリバプールのオランダ代表DFヴィルヒル・ファン・ダイク、今季シティからチェルシーに移籍し、プレミアリーグで21ゴールの活躍を見せているイングランド代表MFコール・パーマー、4位につけるアストン・ビラで19ゴールを記録するイングランド代表FWオリー・ワトキンス、そして20ゴールで得点ランキング3位につけるニューカッスルのスウェーデン代表FWアレクサンダー・イサクがノミネートされた。 ファン投票は5月13日まで、EA SPORTSの公式サイトから投票が可能。サッカー専門家委員会の投票と合わせて勝者が決定され、5月18日に受賞者が発表される。 ◆最優秀選手候補8名 MFフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ) 今季成績:32試合16ゴール8アシスト FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ) 今季成績:28試合25ゴール5アシスト FWアレクサンダー・イサク(ニューカッスル) 今季成績:27試合20ゴール1アシスト MFマルティン・ウーデゴール(アーセナル) 今季成績:33試合8ゴール8アシスト MFコール・パーマー(チェルシー) 今季成績:31試合21ゴール9アシスト MFデクラン・ライス(アーセナル) 今季成績:36試合ゴール8アシスト DFヴィルヒル・ファン・ダイク(リバプール) 今季成績:34試合2ゴール2アシスト FWオリー・ワトキンス(アストン・ビラ) 今季成績:35試合19ゴール12アシスト 2024.05.09 23:30 Thu

リバプール時代以来の欧州カップ戦決勝出場へ…急転先発復帰の36歳ミニョレ「明日で全てが変わる」

元ベルギー代表GKシモン・ミニョレがECL決勝戦進出へ意気込んだ。ベルギー『Nieuwsblad』が伝えている。 かつてリバプールで6年間プレーし、現在はクラブ・ブルージュの正守護神を担う36歳ミニョレ。母国の名門でベルギー1部を2度、国内カップ戦を2度制している。 チームは今季ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)を戦い、フィオレンティーナとの準決勝まで進出。1stレグはアウェイで2-3と敗れており、ホームでの2ndレグ(8日)は決勝戦進出を懸けた正念場となる。 実はミニョレ、3月以降ケガの連続により、ECLでは準々決勝から出場しておらず、準決勝1stレグ時点で遠征メンバーに復帰もプレーはできず。ただ、代役GKの負傷により2ndレグでの先発復帰が確実視されている。 前日会見にも出席し「フィオレンティーナは時間を稼ごうとするだろう。2-3の状態が長引けば長引くほどにね。僕たちはイライラしないのが重要。目標は2点差で勝つことだ」と意欲。 また、ミニョレはリバプール時代に2015-16シーズンのEL決勝と18-19シーズンのCL決勝、2度の欧州カップ戦ファイナルを経験。ただ、ELは自身がフル出場も敗戦で準優勝、CLは優勝も自身出場せず…36歳の大ベテランも欧州タイトル獲得へ燃えたぎる。 「ハッキリ言って、ECLは欧州のトップ・オブ・トップが集まる大会ではない。比べるなら、CLよりもベルギー1部がレベル的に近いと言っても良いだろう」 「されど欧州のタイトル。クラブ・ブルージュにとって何かを起こせる大きなチャンスだし、グループステージ前の予選からここまで素晴らしい道のりを歩んできた」 「ロッカールームの雰囲気は、ビハインドを背負っていると思えないほど最高潮だ。流れが来ている時特有のそれだよ。明日(8日)で全てが変わる…地に足つけて決勝へ行く」 2024.05.08 15:30 Wed

チェルシーが今夏ウクライナ代表MFを狙う? 契約解除金は242.4億円…プレミアトップ3も注目の逸材

今シーズンも苦しい戦いが続いているチェルシー。今夏の補強に向けて、ウクライナ代表MFの獲得を考えているようだ。 チェルシーが関心を寄せているとされるのが、シャフタール・ドネツクに所属するウクライナ代表MFヘオルヒー・スダコフ(21)とのこと。10番を背負う攻撃的MFだ。 スダコフは、6500万ポンド(約126億円)の評価を受けている期待の若手。プレミア・リーガで22試合に出場し5ゴール4アシスト。チャンピオンズリーグ(CL)でも6試合1ゴール、ヨーロッパリーグ(EL)で2試合1ゴールを記録していた。 ウクライナ代表としても14試合に出場し1ゴールを記録しているスダコフには、チェルシー以外にもアーセナル、マンチェスター・シティ、リバプールも注目を寄せ、イタリアからも関心があるという。 チェルシーはここ数週間で相手の温度感を知るために代理人らと面会を行ったとされており、エバートン戦にはシャフタールのCEO(最高経営責任者)であるセルゲイ・パルキン氏がスタンフォード・ブリッジを訪れていたという。 イギリス『デイリー・メール』によれば、パルキン氏はスダコフの今夏の動きについて言及。「この夏、彼にはいくつかのビッグクラブに移籍する大きなチャンスがある。いくつかのビッグクラブと接触しており、直接交渉していないクラブもあるが、夏の状況を感じ取っている」と語り、今夏の移籍の可能性を示唆した。 チェルシーにはウクライナ代表FWミハイロ・ムドリクも所属しており、ウクライナコンビで躍動する未来もある。ただ、ムドリクは支払った移籍金ほどの結果を残せていない状況だ。 評価額は6500万ポンドだが、2028年まで契約を残しており、6月から有効となる契約解除条項は1億2500万ポンド(約242億4000万円)に設定されている。ただ、それ以外の金額でもクラブは売却を考えると見られており、争奪戦に転じる可能性もありそうだ。 2024.05.07 21:40 Tue

来季も見据える若きエリオット、今季残り2試合に全力投球宣言「ひとえに勝ちたい」

リバプールのU-21イングランド代表MFハーヴェイ・エリオットが残り2試合へ意気込んだ。クラブ公式サイトが伝えている。 エリオットは世代別イングランド代表のエースにして、今季はリバプール加入5年目、キャリアハイとなる公式戦51試合に出場。 インサイドハーフに右ウイング…今季1度も累積警告がなく、ケガがない限り何らかの形で必ず起用される21歳は、直近のトッテナム戦で挙げたゴールにより、リバプールでの通算得点が「10」となった。 個人レベルでじわじわ存在感を高める一方、リバプールは佳境に入って躓き、ユルゲン・クロップ監督ラストシーズンのヨーロッパリーグ(EL)制覇を逃しただけでなく、プレミアリーグも残り2試合で優勝が限りなく難しい状況に。 それでも来たる来季、そしてアンフィールドでの未来にも目を向ける若きエリオットに落ち込んでいる暇はなし。今季残り2試合に全力を注ぐと誓った。 “チャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得できていますが、シーズン最後に向けての意気込みは?” 「それ(CL出場権)だけを成し遂げたかったわけじゃない。ここ数週間は十分ではなく、もっと欲しかったモノがある。それでもファンが僕らを支えてくれている。残り2試合も勢いよく臨みたいと思っているよ」 「2試合とも勝ちたい。ひとえにそれだけ。それこそ来季はCLがある。まさにリバプールのいるべき大会だし、CLがあれば特別な夜も生まれるだろうね。そういう来季にするためにも、この2試合が大事になる」 13日 第37節 vsアストン・ビラ(A) 19日 最終節 vsウォルバーハンプトン(H) 2024.05.07 21:20 Tue
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly