主将ファン・ダイク弾で120分の激闘制したリバプールが有終の美へまず1冠! フル出場の遠藤航は新天地で初タイトル【EFLカップ】

2024.02.26 02:54 Mon
Getty Images
EFLカップ(カラバオカップ)決勝、チェルシーvsリバプールが25日にウェンブリー・スタジアムで行われ、120分の激闘を0-1で制したリバプールが2シーズンぶり通算10度目の優勝を果たした。なお、リバプールのMF遠藤航はフル出場した。
PR
ポチェッティーノ新体制で2014–15シーズン以来、6度目の優勝を目指すチェルシー。今大会ではブライトン、ニューカッスルというプレミアリーグ勢、準決勝でチャンピオンシップ(2部)のミドルズブラを撃破し、ファイナル進出を果たした。アルゼンチン人指揮官は新天地での初タイトル懸かる大一番へ1-1のドローに終わったマンチェスター・シティ戦と全く同じメンバーで臨んだ。
一方、クロップ体制ラストシーズンで4冠の可能性を有するリバプールは、2021-22シーズン以来、10度目のタイトルを狙った。今大会ではレスター・シティ、ボーンマス、ウェストハムを連破し、準決勝ではフルアムとの接戦を制して決勝の舞台へ駒を進めた。この大一番では守護神アリソンらに加え、サラー、ヌニェスが間に合わず。直近のルートン・タウン戦からの変更はクアンサーに代えてコナテを起用する1点のみで、遠藤は聖地ウェンブリーでの重要な一戦でスタメンを担った。

共に今季初タイトルが懸かる一戦は立ち上がりから主導権争いが続いていく。序盤はリバプールがより効率的にフィニッシュまで持ち込み、14分にはルイス・ディアスがGKペトロビッチにファインセーブを強いる。

一方、時間の経過と共に押し返すチェルシーは20分にビッグチャンスを創出。右サイドを起点とした攻撃からボックス中央でルーズボールに反応したパーマーがゴール至近距離から強烈な左足シュートを放つ。だが、これはGKケレハーが左腕で大きくはじき出す驚異的なセーブで阻んだ。
見応えのある攻防が続くなか、リバプールにアクシデントが発生。カイセドとの接触プレーで足首を痛めたグラフェンベルフがプレー続行不可能となり、担架でピッチを後に。これを受けてクロップ監督は27分にジョー・ゴメスを右サイドバックに投入し、エリオットをインサイドハーフ、ブラッドリーを右ウイングに配置換えした。

前半半ばから終盤にかけて試合はよりオープンな展開に。32分にはゴール左にタイミング良く抜け出したスターリングがワンタッチシュートを決めるが、これは直前のジャクソンの抜け出しのタイミングでのオフサイドを取られる。一方、リバプールは40分にロバートソンの正確な左クロスをゴール前のガクポが頭で合わせるが、これは惜しくも右ポストを叩いた。

互いにチャンスは作りながらもゴールレスで後半に突入。立ち上がりには遠藤がミドルシュートを狙うなどリバプールが良い入りを見せると、60分には決定機が訪れる。ロバートソンのFKをゴール前で競り勝ったファン・ダイクがヘディングでゴール左隅に突き刺す。だが、オンフィールド・レビューの結果、オフサイドポジションでDFコルウィルをブロックした遠藤のプレー関与と判断されてゴールは取り消しに。

VARに救われて失点を回避したチェルシーはここから攻勢を強めていく。自慢の中盤とパーマーを起点に良い形の崩しを見せると、76分にはボックス右付近でのパーマーの高速クロスに反応したギャラガーがゴール右で右足ダイレクトで合わす。だが、これは惜しくも左ポストを叩いた。

後半半ばを過ぎて耐える時間が続くリバプールはクラークやマコーネル、ダンズと続けてフレッシュなアカデミー育ちの選手をピッチに送り出すが、チェルシーの攻勢をなかなか止められない。それでも、後半終盤に訪れたギャラガーの2度の決定機、パーマーの決定的なシュートは出色のパフォーマンスを見せるGKケレハーの圧巻の連続セーブによって事なきを得た。

そして、以前から拮抗したカードとして知られる青と赤の名門対決は0-0のまま延長戦に突入した。

延長戦前に闘将から激しい檄を受けたリバプールは、後半終盤の守勢から一転して攻勢を仕掛けていく。94分にはセットプレーの流れからファン・ダイクのヘディングでの折り返しをゴール前のダンズが頭で合わせるが、ここはGKペトロビッチのワンハンドセーブに阻まれた。

ただ、チェルシーも粘りを見せて押し返すと、延長戦も均衡が保たれたまま時間だけが進んでいく。延長後半のエリオット、ダンズの連続決定機もポスト、GKペトロビッチの好守に阻まれ、このまま延長戦突入かに思われたが、リバプールの頼れるスキッパーが土壇場で試合を動かした。

延長後半の118分、右CKの場面でキッカーのツィミカスの左足インスウィングのクロスを中央からニアにタイミング良く走り込んだファン・ダイクがゴール左隅に流し込んだ。

そして、この虎の子の1点を集中した守備で守り抜いたリバプールが、2シーズン前はPK戦で破ったチェルシーに再び競り勝って最多優勝記録を更新する10度目の優勝を達成。4冠を狙うクロップ体制ラストシーズンで最初のトロフィーを獲得した。

PR
関連ニュース

プレミア最優秀監督の最終候補5名が発表! ペップ、クロップ時代にアルテタが割り込むか?

プレミアリーグは9日、2023-24シーズンの最優秀監督賞であるマネージャー・オブ・ザ・シーズンのノミネート監督5名を発表した。 シーズンも残すところあとわずか。2022-23シーズンに続いてアーセナルとマンチェスター・シティが優勝を争っている状況だ。 4連覇を目指すシティと20年ぶりの優勝を目指すアーセナル。両クラブを指揮するジョゼップ・グアルディオラ監督、ミケル・アルテタ監督がノミネートされている。 また、3位のリバプールを指揮し今季限りでの退任が決まっているユルゲン・クロップ監督、4位のアストン・ビラを指揮するウナイ・エメリ監督、そして3月の月間最優秀監督賞も受賞したボーンマスのアンドニ・イラオラ監督がノミネートされている。 ファン投票は5月13日まで、プレミアリーグの公式サイトから投票が可能。サッカー専門家委員会の投票と合わせて勝者が決定され、5月18日に受賞者が発表される。 ◆最優秀監督候補5名 ミケル・アルテタ監督(アーセナル) 今季成績:36試合26勝5分け5敗/+60 ウナイ・エメリ監督(アストン・ビラ) 今季成績:36試合20勝7分け9敗/+20 ジョゼップ・グアルディオラ監督(マンチェスター・シティ) 今季成績:35試合25勝7分け3敗/+54 ※4回受賞 アンドニ・イラオラ監督(ボーンマス) 今季成績:36試合13勝9分け14敗/-11 ユルゲン・クロップ監督(リバプール) 今季成績:36試合23勝9分け4敗/+43 ※2回受賞 2024.05.09 23:55 Thu

プレミア最優秀選手の最終候補8名が発表! 優勝争う2クラブから2名ずつがノミネート

プレミアリーグは9日、2023-24シーズンの最優秀選手賞であるプレーヤー・オブ・ザ・シーズンのノミネート選手8名を発表した。 シーズンも残すところあとわずか。2022-23シーズンに続いてアーセナルとマンチェスター・シティが優勝を争っている状況だ。 4連覇を目指すシティと20年ぶりの優勝を目指すアーセナル。8名の最終候補には、それぞれ2名ずつがノミネートしている。 現在首位のアーセナルからはキャプテンであるノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴールと、今シーズン加入したイングランド代表MFデクラン・ライスの2名、4連覇を目指すシティからは、得点ランキングトップを走り昨シーズンはこの賞を受賞したノルウェー代表FWアーリング・ハーランド、イングランド代表MFフィル・フォーデンがノミネートしている。 その他、3位で追いかけるリバプールのオランダ代表DFヴィルヒル・ファン・ダイク、今季シティからチェルシーに移籍し、プレミアリーグで21ゴールの活躍を見せているイングランド代表MFコール・パーマー、4位につけるアストン・ビラで19ゴールを記録するイングランド代表FWオリー・ワトキンス、そして20ゴールで得点ランキング3位につけるニューカッスルのスウェーデン代表FWアレクサンダー・イサクがノミネートされた。 ファン投票は5月13日まで、EA SPORTSの公式サイトから投票が可能。サッカー専門家委員会の投票と合わせて勝者が決定され、5月18日に受賞者が発表される。 ◆最優秀選手候補8名 MFフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ) 今季成績:32試合16ゴール8アシスト FWアーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ) 今季成績:28試合25ゴール5アシスト FWアレクサンダー・イサク(ニューカッスル) 今季成績:27試合20ゴール1アシスト MFマルティン・ウーデゴール(アーセナル) 今季成績:33試合8ゴール8アシスト MFコール・パーマー(チェルシー) 今季成績:31試合21ゴール9アシスト MFデクラン・ライス(アーセナル) 今季成績:36試合ゴール8アシスト DFヴィルヒル・ファン・ダイク(リバプール) 今季成績:34試合2ゴール2アシスト FWオリー・ワトキンス(アストン・ビラ) 今季成績:35試合19ゴール12アシスト 2024.05.09 23:30 Thu

リバプール時代以来の欧州カップ戦決勝出場へ…急転先発復帰の36歳ミニョレ「明日で全てが変わる」

元ベルギー代表GKシモン・ミニョレがECL決勝戦進出へ意気込んだ。ベルギー『Nieuwsblad』が伝えている。 かつてリバプールで6年間プレーし、現在はクラブ・ブルージュの正守護神を担う36歳ミニョレ。母国の名門でベルギー1部を2度、国内カップ戦を2度制している。 チームは今季ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)を戦い、フィオレンティーナとの準決勝まで進出。1stレグはアウェイで2-3と敗れており、ホームでの2ndレグ(8日)は決勝戦進出を懸けた正念場となる。 実はミニョレ、3月以降ケガの連続により、ECLでは準々決勝から出場しておらず、準決勝1stレグ時点で遠征メンバーに復帰もプレーはできず。ただ、代役GKの負傷により2ndレグでの先発復帰が確実視されている。 前日会見にも出席し「フィオレンティーナは時間を稼ごうとするだろう。2-3の状態が長引けば長引くほどにね。僕たちはイライラしないのが重要。目標は2点差で勝つことだ」と意欲。 また、ミニョレはリバプール時代に2015-16シーズンのEL決勝と18-19シーズンのCL決勝、2度の欧州カップ戦ファイナルを経験。ただ、ELは自身がフル出場も敗戦で準優勝、CLは優勝も自身出場せず…36歳の大ベテランも欧州タイトル獲得へ燃えたぎる。 「ハッキリ言って、ECLは欧州のトップ・オブ・トップが集まる大会ではない。比べるなら、CLよりもベルギー1部がレベル的に近いと言っても良いだろう」 「されど欧州のタイトル。クラブ・ブルージュにとって何かを起こせる大きなチャンスだし、グループステージ前の予選からここまで素晴らしい道のりを歩んできた」 「ロッカールームの雰囲気は、ビハインドを背負っていると思えないほど最高潮だ。流れが来ている時特有のそれだよ。明日(8日)で全てが変わる…地に足つけて決勝へ行く」 2024.05.08 15:30 Wed

チェルシーが今夏ウクライナ代表MFを狙う? 契約解除金は242.4億円…プレミアトップ3も注目の逸材

今シーズンも苦しい戦いが続いているチェルシー。今夏の補強に向けて、ウクライナ代表MFの獲得を考えているようだ。 チェルシーが関心を寄せているとされるのが、シャフタール・ドネツクに所属するウクライナ代表MFヘオルヒー・スダコフ(21)とのこと。10番を背負う攻撃的MFだ。 スダコフは、6500万ポンド(約126億円)の評価を受けている期待の若手。プレミア・リーガで22試合に出場し5ゴール4アシスト。チャンピオンズリーグ(CL)でも6試合1ゴール、ヨーロッパリーグ(EL)で2試合1ゴールを記録していた。 ウクライナ代表としても14試合に出場し1ゴールを記録しているスダコフには、チェルシー以外にもアーセナル、マンチェスター・シティ、リバプールも注目を寄せ、イタリアからも関心があるという。 チェルシーはここ数週間で相手の温度感を知るために代理人らと面会を行ったとされており、エバートン戦にはシャフタールのCEO(最高経営責任者)であるセルゲイ・パルキン氏がスタンフォード・ブリッジを訪れていたという。 イギリス『デイリー・メール』によれば、パルキン氏はスダコフの今夏の動きについて言及。「この夏、彼にはいくつかのビッグクラブに移籍する大きなチャンスがある。いくつかのビッグクラブと接触しており、直接交渉していないクラブもあるが、夏の状況を感じ取っている」と語り、今夏の移籍の可能性を示唆した。 チェルシーにはウクライナ代表FWミハイロ・ムドリクも所属しており、ウクライナコンビで躍動する未来もある。ただ、ムドリクは支払った移籍金ほどの結果を残せていない状況だ。 評価額は6500万ポンドだが、2028年まで契約を残しており、6月から有効となる契約解除条項は1億2500万ポンド(約242億4000万円)に設定されている。ただ、それ以外の金額でもクラブは売却を考えると見られており、争奪戦に転じる可能性もありそうだ。 2024.05.07 21:40 Tue

来季も見据える若きエリオット、今季残り2試合に全力投球宣言「ひとえに勝ちたい」

リバプールのU-21イングランド代表MFハーヴェイ・エリオットが残り2試合へ意気込んだ。クラブ公式サイトが伝えている。 エリオットは世代別イングランド代表のエースにして、今季はリバプール加入5年目、キャリアハイとなる公式戦51試合に出場。 インサイドハーフに右ウイング…今季1度も累積警告がなく、ケガがない限り何らかの形で必ず起用される21歳は、直近のトッテナム戦で挙げたゴールにより、リバプールでの通算得点が「10」となった。 個人レベルでじわじわ存在感を高める一方、リバプールは佳境に入って躓き、ユルゲン・クロップ監督ラストシーズンのヨーロッパリーグ(EL)制覇を逃しただけでなく、プレミアリーグも残り2試合で優勝が限りなく難しい状況に。 それでも来たる来季、そしてアンフィールドでの未来にも目を向ける若きエリオットに落ち込んでいる暇はなし。今季残り2試合に全力を注ぐと誓った。 “チャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得できていますが、シーズン最後に向けての意気込みは?” 「それ(CL出場権)だけを成し遂げたかったわけじゃない。ここ数週間は十分ではなく、もっと欲しかったモノがある。それでもファンが僕らを支えてくれている。残り2試合も勢いよく臨みたいと思っているよ」 「2試合とも勝ちたい。ひとえにそれだけ。それこそ来季はCLがある。まさにリバプールのいるべき大会だし、CLがあれば特別な夜も生まれるだろうね。そういう来季にするためにも、この2試合が大事になる」 13日 第37節 vsアストン・ビラ(A) 19日 最終節 vsウォルバーハンプトン(H) 2024.05.07 21:20 Tue
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly