【プレミアリーグ第10節プレビュー】マンチェスターダービー開催! 上位陣はボトムハーフ相手に勝ち点3必須

2023.10.27 19:30 Fri
Getty Images
先週末に行われた第9節はチェルシーとアーセナルの白熱ダービーがドローに終わったが、首位のトッテナムやマンチェスター勢、リバプールといった強豪が順当に勝ち点3を積み重ねた。
PR
10月最後の今節は8位のマンチェスター・ユナイテッドと、2位のマンチェスター・シティによる、今シーズン最初のマンチェスター・ダービーに大きな注目が集まる。
多くの負傷者の影響もあって振るわないパフォーマンスが続くユナイテッドだが、前節は最下位のシェフィールド・ユナイテッド相手に伏兵ダロトの値千金の勝ち越しゴールで2-1の勝利。リーグ戦で今季初の連勝を飾った。さらに、直近のチャンピオンズリーグ(CL)では格下コペンハーゲンとのホームゲームで思わぬ苦戦を強いられたが、元主将DFマグワイアのゴールで先制に成功すると、後半ラストプレーで与えたPKを守護神オナナが圧巻のセーブで阻止し、批判に晒される2選手の活躍で勝ち切り、グループステージ初勝利とした。公式戦3連勝とはいえ、パフォーマンスを鑑みると、宿敵相手に苦戦必至のダービーだが、クラブ伝統の勝負強さでその差を埋めたい。

対するシティは前節、難敵ブライトンに2-1の勝利を収めてリーグ連敗をストップ。前半に2点を先行するラクな展開となったが、後半はしっかりと修正を施したシーガルズに苦戦。1点差に詰め寄られ、後半終盤にはDFアカンジの退場で冷や汗をかいたが、ひとまず負の流れを払しょくした。続くCLではヤング・ボーイズとのアウェイゲームで慣れない人工芝や雨による悪コンディションでやや苦戦したが、FWハーランドの2ゴールの活躍で3-1の勝利。グループステージ3連勝を達成した。敵地でのダービーに向けてはMFフォーデンやDFウォーカーら一部主力をCLで完全休養させており、復調のエースと共に良い形で臨めるはずだ。

前述のダービーを除き、多くの上位陣はボトムハーフの相手との対戦となり、上位争いにおいて勝ち点の取りこぼしが許されない一節となる。
リーグ3連勝で首位をキープするトッテナムは、フライデーナイト開催の一戦で11位のクリスタル・パレスとのロンドン・ダービーに臨む。マンデーナイト開催となったフルアム戦ではFWソン・フンミン、MFマディソンの2ゴールによって2-0の快勝。ただ、主力を下げて控え選手中心で戦った後半に関しては各自の試合勘の問題に加え、“アンジェボール”への順応の遅れを感じさせる微妙なパフォーマンスに。

とりわけ、来年1月のアフリカ・ネーションズカップとアジアカップによって一部主力の離脱が想定されるなか、全体の底上げが必須な状況だ。そういった意味では中3日での戦いとなるパレス戦は前節同様に早いタイミングでの交代も予期されており、フルアム戦からのチームとしての改善に注目したい。一方、対戦相手のイーグルスでは引き続きMFエゼやMFオリーズという攻撃の核が不在となっており、2試合連続無得点で臨む格上とのホームゲームはストライカー陣の奮起が求められるところだ。

3位のアーセナルは開幕未勝利が続く最下位のシェフィールド・ユナイテッドと対戦。前節はチェルシーに圧倒されながらも後半終盤の2ゴールでドローに持ち込む勝負強さを発揮。とはいえ、熾烈な上位争いにおいては痛い勝ち点逸となった。それでも、CLでは直前にレアル・マドリーと引き分けた新生セビージャとの接戦を2-1で勝利し、きっちりバウンスバックに成功した。同試合ではDFジンチェンコに代わって左サイドバックに入ったDF冨安健洋が守備の主役として圧巻のパフォーマンスを披露。1ゴール1アシストと攻撃の主役を担ったFWガブリエウ・ジェズスと共に勝利の立役者となった。

起用法に柔軟性を欠くアルテタ監督だけに終始押し込めるブレイズ相手に、ジンチェンコを再びスタメンに戻す可能性は十二分に考えられるが、攻撃面でも進境著しい日本代表DFの継続起用を期待したい。

マージーサイド・ダービーをFWサラーの2ゴールによって2-0で快勝し、3戦ぶりの白星を挙げた4位のリバプールは、15位のノッティンガム・フォレスト相手に連勝を狙う。直近のヨーロッパリーグ(EL)では大幅なターンオーバーを敢行したなか、トゥールーズ相手に今季最多5ゴールを奪って5-1の快勝を収めた。同試合でフル出場したMF遠藤航は決勝点となるヘディングでの加入後初ゴールを記録し、ポジション奪取へ良いアピールを見せた。ただ、同じく好アピールのMFグラフェンベルフに加え、MFソボスライ、MFマク・アリスターとのポジション争いは熾烈を極めており、今回のフォレスト戦ではクローザー役での起用が見込まれる。

MF三笘薫を擁する7位のブライトンは、13位のフルアムと対戦。リーグ前節は王者シティに屈したが、ELでは絶不調のアヤックスとの一戦に2-0で勝利。クラブ史上初となるELでの勝利と共に、公式戦6試合ぶりに白星を取り戻した。同試合で先制点の起点となるなどフル出場となった三笘はコンディション的にかなり厳しい状況だが、MFマーチ、FWウェルベックが新たに負傷者リストに入ったこともあり、中2日の一戦でもフル稼働が求められる。

10位のチェルシーは14位のブレントフォード相手に仕切り直しの勝利を目指す。公式戦3連勝を引っ提げて臨んだアーセナルとのダービーでは後半半ばまで相手を圧倒したが、GKサンチェスのミスで与えた失点で相手に勢いを与えた結果、ホームで勝ち点2を失う厳しいドロー。改めてチームとして発展途上にあることを自覚する一戦に。それでも、パフォーマンス自体は大きく向上しており、自信を失うことなく曲者ビーズを叩いて今後の巻き返しにつなげたい。

その他では直近の公式戦2試合をいずれも4-1で快勝し、リーグ戦では5位まで順位を上げてきたアストン・ビラ、ややパフォーマンスに波はあるものの6位に浮上してきたニューカッスルの戦いにも注目。前者はエメリ体制移行後、圧倒的な強さを見せるホームでの17位ルートン・タウン戦となり、勝利は堅いか。後者は直近のCLドルトムント戦の敗戦に加え、MFトナーリの10カ月の出場停止にFWイサク、MFマーフィーの負傷とアクシデントが続くなか、12位のウォルバーハンプトンとのアウェイゲームに臨む。

◆プレミアリーグ第10節
▽10/27(金)
《28:00》
クリスタル・パレス vs トッテナム

▽10/28(土)
《20:30》
チェルシー vs ブレントフォード
《23:00》
ボーンマス vs バーンリー
アーセナル vs シェフィールド・ユナイテッド
《25:30》
ウォルバーハンプトン vs ニューカッスル

▽10/29(日)
《22:00》
ウェストハム vs エバートン
《23:00》
ブライトン vs フルアム
リバプール vs ノッティンガム・フォレスト
アストン・ビラ vs ルートン・タウン
《24:30》
マンチェスター・ユナイテッド vs マンチェスター・シティ

PR
関連ニュース

プレミア8位に終わったユナイテッド…OBはテン・ハグ監督の解任予想「たとえFAカップ優勝でも来季はいないだろう」

マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドであるリオ・ファーディナンド氏は、古巣が指揮官交代の決断を下すだろうと予想した。イギリス『イブニング・スタンダード』が伝えている。 ユナイテッドは今シーズンのプレミアリーグ、就任2シーズン目を迎えたエリク・テン・ハグ監督の下で苦戦。タイトルレースどころかチャンピオンズリーグ(CL)出場権を得られるトップ4争いにすら加われず、8位フィニッシュとなった。 CLも最下位でグループステージ敗退と良いところがなかった今シーズン、唯一の希望となっているのが決勝にまで進出したFAカップ。25日に行われる決勝ではマンチェスター・シティと対戦する予定であり、テン・ハグ監督の去就もここでの結果次第と予想されていた。 しかし、ファーディナンド氏は異なる考えを持っているようだ。YouTube『Vibe with FIVE』にて、同氏はたとえFAカップで優勝したとしても、今夏にジム・ラトクリフ共同オーナーのもとチームに改革に乗り出すクラブは、テン・ハグ監督を解任するだろうとの見方を示している。 「考えれば考えるほど、(FAカップで)勝っても負けても来シーズンにテン・ハグはいないと思う。それは私自身が望んでいることではない。私はただ、そうなると信じていることを話すだけだ。クラブはおそらくテン・ハグではなく、別の方向に目を向けている」 「たとえFAカップで優勝しても、(オーナーグループの)INEOSとしての考えは何も変わらないと思う。もちろん、私はそこで誰かと話したわけではない。これはあくまで推測で、単に私がそう思っているだけだがね」 「今シーズン、ケガの問題はさておき、チームパフォーマンスは非常に悪いものだった。そして、ユナイテッドほどではないかもしれないが、たいていはどのチームも負傷者を抱えているものさ」 「私は常々言っているが、たとえパフォーマンスレベルが下がったとしても、自分たちのフットボールのスタイルについては維持できるはずだ。しかし、今のチームはそうではない」 「自分たちが何者なのか、わかっていないんだ。自分が何なのか、チームが何なのかがね」 2024.05.21 18:20 Tue

批判に「建設的なものならいつでも歓迎」 カゼミロが意見

マンチェスター・ユナイテッドのブラジル代表MFカゼミロが批判に対して物申した。 2022年夏にレアル・マドリーからユナイテッドに移り、エリク・テン・ハグ体制1年目のチームを支えたカゼミロ。だが、今季はチームとともに思うようにいかず、批判に晒される。 一部では衰えが指摘され、来たるコパ・アメリカの代表からも落選してしまったなか、イギリス『スカイ・スポーツ』で今季の自身をこう振り返っている。 「全体的な分析でないなら難しいよ。シーズン序盤はファンが選ぶ月間最優秀選手にも輝いたわけだしね。でも、その直後にケガをしてしまった。大きなケガだったんだ。それから復帰したけど、その後に再びケガをして、こうしてセンターバックをやっている。大変だよ。より広い分析、もっと十分な分析が必要だ」 また、チームとしての今季も振り返るなかで、自身に向けられる厳しい目にも触れ、意見を述べている。 「ケガ人だ。シーズンのどの時点においても、監督が25人ぐらいの選手を起用できる時期なんてなかったと思う。だから、僕ら選手だけじゃなく、監督にとっても、すごく試練だった。クラブにとってもね」 「批判はフットボールの一部。僕はいつだって冷静でいる。それが建設的な批判なら、いつでも歓迎さ。フットボールでは10年間にわたって高いレベルでプレーしようが、少しでもレベルが落ちると批判される」 そして、「僕も間違いなくベストとはほど遠かったけど、大きなケガをした」としつつ、ユナイテッドでの日々にも語った。 「僕は元気で幸せにここでプレーできる毎日を過ごしている。いつも言うように、ユナイテッドは僕が望むものを与えてくれた。試合を、そしてプレミアリーグを楽しめるこの喜びだ。だから、ここユナイテッドで楽しめているのを嬉しく思う」 2024.05.21 11:40 Tue

勝利締めも8位フィニッシュのユナイテッド…FA杯制してのEL出場権獲得へ「これが最後のチャンス」

マンチェスター・ユナイテッドのエリク・テン・ハグ監督が勝利や今シーズンを振り返った。クラブ公式サイトが伝えた。 プレミアリーグ前節のニューカッスル戦で競り勝ち、4試合ぶりの白星を手にしていたユナイテッド。19日の最終節ではブライトン&ホーヴ・アルビオンとのアウェイゲームに臨んだ。 長期離脱明けのアルゼンチン代表DFリサンドロ・マルティネスが先発復帰し、退団が決まっている元フランス代表DFラファエル・ヴァランもベンチに戻ってきたなか、前半は守勢を強いられる形に。それでも無失点で試合を折り返す。 迎えた後半、交代カードを切りながら試合を進めていくと、73分にはポルトガル代表DFジオゴ・ダロトが最終ライン裏への抜け出しから先制点をゲット。さらに途中出場のデンマーク代表FWラスムス・ホイルンドが終盤に追加点を奪い、2-0の勝利で最終節を終えた。 試合を振り返ったテン・ハグ監督は、前半の出来の悪さを指摘。ハーフタイムの戦術変更がうまくいったと明かしている。 「前半は100%コントロールできていなかった。我々はそれを目の当たりにした。ブライトンのチャンスに何度か直面しなければならなかったが、ハーフタイム後にプレーのやり方を変えたところ、よりコントロールできるようになった」 「守備や組織力、プレッシングが良くなり、ボールキープも良くなった。背後を狙う動きも出てきた。前半はあまりにも停滞していた」 また、8位で終えた今シーズンの戦いについても言及。ケガ人の多さに触れながらも、言い訳にはできないとした。 「難しいことだが、この件については以前も話した。我々にとっては非常に厳しいシーズンだった。全く十分ではないことはわかっている。シンプルなことだ」 「理由はあるが、結局のところそこは問題ではない。我々はユナイテッドだ。上位でフィニッシュしなければならないし、十分な結果ではない。我々は勝ち点60を得たが、2年前は勝ち点58で6位だった。だが、今は勝ち点60で8位だ。それでも十分ではないことはわかっているし、がっかりしている」 「今シーズンは最終ラインの負傷者がシーズン後半に多かった。特にセンターバックと左サイドバックだ。常にそこで調整し、妥協しなければならなかった。我々のレベルを考慮すれば良いことではなかったし、結果にも繋がらない。誰もがこれをわかっている」 今シーズン、残すはFAカップ決勝のマンチェスター・シティ戦。テン・ハグ監督はリサンドロ・マルティネスらの復帰をポジティブに捉えており、優勝してのヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得を狙っている。 「カップ戦の決勝に進出し、選手たちが戻ってくるのは良いことだ。彼らは懸命に復帰しようとしている。100%の状態を目指し、競争力のあるチームになってから決勝に臨むまで1週間ある。成し遂げられると確信している」 「決勝に進んだことは大きな成果だし、進んだからには優勝したいと思う。トロフィーが全てだし、我々にはカップを掲げるチャンスがある。その結果としてヨーロッパへの出場権を獲得する必要がある。これが最後のチャンスだ」 2024.05.20 10:39 Mon

ユナイテッドがデ・ゼルビ退任ブライトン撃破! 8位フィニッシュも連勝でFA杯決勝に弾み【プレミアリーグ】

プレミアリーグ最終節、ブライトンvsマンチェスター・ユナイテッドが19日にアメックス・スタジアムで行われ、アウェイのユナイテッドが0-2で勝利した。なお、ブライトンのMF三笘薫は負傷欠場となった。 ホーム最終戦となった前節のニューカッスル戦で意地の勝利を収めた8位のユナイテッドだが、得失点差の悪さによって逆転での欧州出場権獲得は非常に困難な状況。10位のブライトンとのアウェイでのリーグ最終戦では、来週末に控えるFAカップ決勝のマンチェスター・ダービーに弾みを付ける白星を狙った。テン・ハグ監督はそのニューカッスル戦からエバンスに代えてマルティネスを起用した以外、同じスタメンを採用。ブルーノ・フェルナンデスが引き続きゼロトップを担った。 試合前日にデ・ゼルビ監督の今季限りでの退任も発表されたシーガルズの今季最終戦。立ち上がりから試合の主導権を握ったのはホームチームで、ボールを動かしながら相手を揺さぶると、12分にはボックス付近でバルコが得意の左足を振るが、ここはGKオナナの好守に遭う。 以降も効果的に攻撃をフィニッシュで完結させるブライトンは、セットプレーからウェブスターのヘディングシュート、32分にはボックス内に抜け出したジョアン・ペドロにビッグチャンスが舞い込むが、この決定機でシュートを枠の左に外してしまった。 一方、守勢を強いられたユナイテッドはガルナチョの仕掛けやボックス内に侵入したマクトミネイのシュートでゴールに迫るシーンはあったものの、攻守両面でいまひとつエンジンがかからないまま最低限のゴールレスで前半を終えた。 後半もブライトンペースの入りとなったが、立ち上がりのジョアン・ペドロ、ララナの連続決定機で決め切れず。 一方、ユナイテッドは60分付近でマルティネス、ブルーノ・フェルナンデスを下げてエバンス、ホイルンドを同時投入。さらに、69分にはアムラバトを下げてこれがクラブラストマッチとなるヴァランを投入し、カゼミロを中盤に上げる。 すると、直後の73分にはカゼミロのロングフィードに反応したダロトが中央でのランニングからDFに当たってボックス内にこぼれたボールをマイボールにし、冷静にGKとの一対一を制した。 先制直後にはアマド、メイヌーの若手2人を下げてラッシュフォード、エリクセンを投入し、逃げ切りを図りつつFAカップ決勝に向けてプレータイムをコントロール。 対するブライトンは81分に3枚替えを敢行し、アンス・ファティ、ランプティ、ギルモアとフレッシュな選手を投入。反撃を試みるが、後半立ち上がり以降はなかなか良い形を作れなかった。 すると、後半終了間際の88分には相手陣内中央でエリクセンとパス交換したホイルンドが馬力のある縦への仕掛けからボックス内に持ち込むと、最後は利き足とは逆の右足シュートをゴール左隅に流し込み、2戦連発となる決定的な2点目を奪った。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、デ・ゼルビ体制ラストマッチのシーガルズを退けたユナイテッドが2連勝で今季リーグ戦を終了した。なお、プレミアリーグで最低順位の8位フィニッシュとなった赤い悪魔は、来季ヨーロッパ出場権獲得に向けて宿敵マンチェスター・シティとのFAカップ決勝に挑む。 2024.05.20 02:49 Mon

【プレミアリーグ最終節プレビュー】シティの前人未踏4連覇か、アーセナルの20季ぶり歓喜か…運命の最終戦

先週末に行われた第37節では三つ巴のタイトルレースからリバプールが脱落。優勝チームはマンチェスター・シティ、アーセナルの2強に絞られた中、ミッドウィークに開催された第34節延期分のトッテナム戦を制したシティが首位に浮上し、運命の今季最終節を迎えることになった。 最終節を前にした両者の戦績は首位のマンチェスター・シティが勝ち点88、得失点差が「+60」、総得点が93点。2位のアーセナルが勝ち点86、得失点差が「+61」、総得点が89点となっている。 そして、優勝条件はシティがアーセナルと同条件以上の結果、アーセナルは勝利且つ、シティが引き分け以下に終わることが必須だ。 対戦相手の結果に関係なく勝利で前人未踏のプレミア4連覇を決められるシティは、本拠地エティハド・スタジアムで9位のウェストハムを迎え撃つ。対戦相手はモイーズ体制ラストマッチではあるものの、9位が確定しており、リーグ戦での対戦成績も16戦無敗(13勝3分け)と圧倒的。さらに、エティハドでは7連勝中と地力に加え、データ面を鑑みれば勝ち点3を取りこぼす可能性は非常に低い。 トッテナム戦で負傷した守護神エデルソンが眼窩底骨折で不在となるが、そのスパーズ戦で2-0の勝利の立役者となった控えGKオルテガの存在は心強い。2シーズン連続得点王確実のFWハーランドも状態を上げており、ホームでの偉業達成に死角はない。 一方、同じロンドン勢のハマーズのアシストに期待しつつ、逆転での悲願達成を狙うアーセナルは、PSR違反による勝ち点8減点という思い枷を撥ね返して残留を確定させた15位のエバートンとエミレーツ・スタジアムで対戦する。 前節、マンチェスター・ユナイテッドを1-0で下して5連勝と安定感際立つアルテタのチームだが、対戦相手も直近4勝1分けで且つ4試合でクリーンシートを記録する侮れない相手だ。また、直近は2連勝中も過去10試合の戦績は4勝5敗1分けと負け越しており、圧倒的に分がいいホームゲームとは言えどもタフな戦いを強いられるはずだ。逆転優勝に向けて勝利が絶対条件となる中、同時刻開催のシティに圧力をかけるためには開始早々の先制点を含め前半からのゴールラッシュを狙っていきたい。 前節と第34節延期分の結果、4位確定アストン・ビラのチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得が決定。また、残り1つの降格枠も17位のノッティンガム・フォレスト(勝ち点29)との得失点差12という圧倒的な差によって、18位のルートン・タウン(勝ち点26)の事実上の降格が確定。これにより、優勝争いを除く最終節の注目はヨーロッパリーグ(EL)、カンファレンスリーグ(ECL)の出場権争いに向けられる。 ミッドウィーク開催の延期分でシティに0-2の敗戦を喫し、逆転でのトップ4の可能性が潰えた5位のトッテナム(勝ち点63)は、勝ち点3差且つ得失点差で上回る6位チェルシー(勝ち点60)の思わぬ追走を受けており、最下位のシェフィールド・ユナイテッドとのアウェイゲームでは引き分け以上の結果を残し、自力でのEL出場権確保を狙う。 MFサールのゼロトップ、DFファン・デ・フェンの左サイドバック起用など変化を加えた中、王者相手に善戦した一方、ポステコグルー監督は宿敵アーセナルの優勝を回避するためシティの勝利を望む姿勢を見せた一部クラブスタッフやファンの態度に激高。近年タイトルから大きく遠ざかるクラブ内外の振る舞いに憤りを示し、改めて大きな改革の必要性を説いた。その反省を踏まえて臨む最終節では格下相手にしっかりと勝ち切り、紆余曲折のシーズンを最後は白星で締めくくりたい。 一方、シーズン序盤、中盤戦の混迷を脱して最終盤の4連勝でEL出場権獲得に迫るチェルシー。EL出場権確保にはトッテナムの取りこぼしか、FAカップでのシティの優勝と他力本願の形とはなるが、敗れると7位のニューカッスル(勝ち点57)に抜かれて欧州出場権を逃す可能性もあるだけに、11位のボーンマス相手の今季ホーム最終戦をしっかりとモノにしたい。インテンシティの高い難敵チェリーズ相手に絶好調のMFパーマー、FWジャクソンらを中心にしっかりとチャンスで決め切りたい。 ホーム最終戦となった前節のニューカッスル戦で意地の勝利を収めた8位のマンチェスター・ユナイテッド(勝ち点57)だが、得失点差の悪さによって逆転での欧州出場権獲得は非常に困難な状況だ。そのため、10位のブライトンとのアウェイゲームでしっかりと結果を残しつつ、来週末に控えるFAカップ決勝のマンチェスター・ダービーに備えたい。決勝でのスタメン入りに向けてDFマルティネスら負傷上がりの選手にプレータイムを与える可能性もありそうだ。 前節のアストン・ビラ戦のドローによってわずかに残された逆転優勝の可能性が潰えた3位のリバプールは、13位のウォルバーハンプトン相手にアンフィールドでクロップ体制ラストゲームを戦う。この一戦に先駆けてはMFチアゴ、DFマティプの退団も発表され、よりエモーショナルな形での今季最終戦となる。ドイツ人指揮官への感謝、ひとつの時代の終焉を迎える一戦ではホームチーム全員が笑顔と涙で終われるような試合を期待したいところだ。 その他では1シーズンでの降格が決定的なDF橋岡大樹を擁するルートンやバーンリーには1年での1部復帰に繋がる戦いを期待しつつ、今季最終盤の戦いを盛り上げたクリスタル・パレスと、4位大躍進のアストン・ビラの実力者対決にも注目だ。 ◆プレミアリーグ最終節 ▽5/19(日) 《24:00》 アーセナル vs エバートン ブレントフォード vs ニューカッスル ブライトン vs マンチェスター・ユナイテッド バーンリー vs ノッティンガム・フォレスト チェルシー vs ボーンマス クリスタル・パレス vs アストン・ビラ リバプール vs ウォルバーハンプトン ルートン・タウン vs フルアム マンチェスター・シティ vs ウェストハム シェフィールド・ユナイテッド vs トッテナム 2024.05.19 12:00 Sun
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly