キス問題に股間握り…女子W杯で問題行為のスペイン・ルビアレス会長をリーグも非難、退任求め告訴「前例なき国際的な恥」

2023.08.24 15:55 Thu
Getty Images
スペインサッカー連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長へは各所からも非難の声明が挙がっている。20日に行われたオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)決勝戦、スペイン女子代表vsイングランド女子代表は、29分に挙げたオルガ・カルモナのゴールが決勝点となり、スペインが初優勝を飾った。
波紋を広げているのはルビアレス会長の行為。選手たちが壇上で優勝メダルを受け取るなかで、ルビアレス会長はFWジェニファー・エルモソとハグをかわしたのち、頭を掴み、唇へとキスをした。

この行為が世界各国で批判の的に。政府からも釈明を求められたルビアレス会長はRFEFを通じて謝罪したが、自身の正当性も主張したことで火に油を注いでいた。

ルビアレス会長はこのほかにも、スタジアムに来場していたスペイン王室のレティシア王妃とソフィア王女の隣で自身の性器を握るなどの行為が確認されており、前述のキス問題と併せてスペイン女子サッカー1部のリーガFはスポーツ高等評議会(CSD)へ告訴状を提出。会長の退任要求や声明を23日に公式サイトでも発表するなど、騒動は収まりそうにない。
「スペインスポーツ界における非常に歴史的な偉業の一つは、スペインサッカー界の責任者の恥ずべき行為によって汚された。その上、権威への継続的かつ習慣的な欲求から、自らが担うべき行いを実行できていないと判明した」

「勝利を祝う最中、王妃とソフィア王女の隣で性器を握るとはとても容認できるものではなく、上の立場の者が選手の頭を掴んでキスをするなど、到底容認できるものではない」

「それを非難したものに対し、公の場で『ろくでなし、愚か者』と述べたことも許されることではなく、嫌悪感を抱かせるものだ。その後の主張も(ペドロ・サンチェス)首相の言葉を借りれば『不適切』である」

「キスだけの問題ではない。これらは我々の抱く社会的価値観から大きくかけ離れた態度だ。世界のスポーツ史に残る深刻な問題であり、我々の女子代表チームにも永遠に関連付けられてしまうだろう」

「かの行為は世界中で歴史的な社会的警戒を引き起こし、政治階級、メディア、文化、芸術、スポーツをはじめとした各著名者からも拒絶と軽蔑を招いている。これは、スペインのブランド、スペインのスポーツ、そして世界の女子サッカーにとって、前例のない国際的な恥辱である」

「世界が我々の国のサッカー選手に注目しているときに、会長は世界の目を自分の『男らしさ』へ向けることに見事に成功したが」

「女子プロサッカーリーグは変化の象徴であり、サッカー界の女性の地位向上のために何十年も費やしてきた、とても多くのサッカー選手、とても多くのクラブ、そしてとても多くの人々の献身と犠牲があって今があると、我々は認識している」

「このため、団体として、スポーツに対する信念、責任、敬意から、この出来事が然るべき結果を伴わずに収束することを許すことはできない」

「大きな変化は通常、大きな危機の後に起こる。スペイン社会が示す団結、選手や女子サッカー、そしてスポーツにおける女性の成功こそが、スポーツとスペインサッカーの運命を変え、この種の指導者や行動に終止符を打つことになるだろう」

「事の深刻さ、引き起こされた損害、そして全世界も全会一致で否定しており、決断は迫られている。社会がそれを明確にした。スペインとスペインサッカーは(現会長が)このレベルの代表に相応しいとは考えておらず、組織は社会の想いに応えなければならない」

「一歩を踏み出す時が来ました。でなければ、すべての女性にとって屈辱であり、スペインのスポーツと我が国にとって最大の敗北となるだろう」

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