【2022-23ラ・リーガ前半戦総括】超WS選出の最優秀選手はテア・シュテーゲン

2023.02.04 18:00 Sat
Getty Images
◆バルサが4年ぶりの覇権奪還へ順調な歩み
超大型補強を敢行したバルセロナと王者レアル・マドリーの2強中心の覇権争いが予想された中、ここまでは大方の予想通りの展開に。その中で超大型補強を敢行したバルセロナ(勝ち点50)が5ポイント差で冬の王者に輝いた。
PR
直近数シーズンの体たらくを受け、昨夏にクラブの“将来”を担保にFWレヴァンドフスキ、FWハフィーニャ、DFクンデらビッグネームを獲得したバルセロナ。開幕前はサラリーキャップの問題やディフェンスラインを中心とする負傷者続出に苦しんだが、チャビ体制2年目で強度、連動性を増した堅守、レヴァンドフスキの圧倒的な決定力を武器に、第2節から圧巻の7連勝を記録。
10月半ばに行われたエル・クラシコでは1-3のスコア以上の内容の差で初黒星を喫したが、以降の10試合では9勝1分けと安定して勝ち点を積み重ねている。再開後はスーペル・コパ決勝での2度目のクラシコでは今季ベストゲームに近い圧巻のパフォーマンスを見せた一方、それ以外の試合ではパフォーマンスの低下が見受けられるが、守備陣の奮闘もあって勝負強い戦いが印象的だ。

そのバルセロナを追う王者レアル・マドリー(勝ち点45)は、好調のバルセロナの取りこぼしの少なさで勝ち点差を付けられているが、後半戦の巻き返しが十分可能な立ち位置にいる。マンチェスター・ユナイテッド移籍のMFカゼミロの後釜にMFチュアメニ、DFリュディガーと最低限の補強にとどまり継続路線を貫く中、前述のクラシコの快勝を含めカタール・ワールドカップの中断前にはラージョ・バジェカーノ戦で思わぬ初黒星を喫したが、さすがの安定感で首位をキープ。ただ、再開後はW杯での消耗や多くの負傷者の影響によってパフォーマンスが低下。年明け以降の4試合では3勝1敗1分けで首位の座を明け渡すことになった。今冬の補強を見送り、負傷者が続く中で巻き返しに向けてやや不安を残す。

アトレティコ・マドリーら強豪を抑えて2強と覇権を争う3位に位置するレアル・ソシエダ(勝ち点39)は、前半戦のベストチームのひとつだ。智将イマノルの下で鍛え上げられたGKレミロ、MFスビメンディ、MFメリーノらバスク出身の選手にMFダビド・シルバ、昨夏獲得のMF久保建英、FWセルロートらの新戦力がうまく融合し、攻守両面で質の高いパフォーマンスを披露。
シーズン序盤はチームの骨格がハッキリとせず、強豪相手の力負けや格下相手に思わぬ取りこぼしもあったが、シーズンを経るごとに安定感を増している。中断期間を挟んでのクラブ記録の公式戦9連勝、前節のレアル・マドリー戦(0-0)の堂々たるドローと負傷者を出しながらもパフォーマンスを上げており、2強の取りこぼし次第では最後まで覇権争いに絡んでいけるはずだ。

その“ラ・レアル”に後れを取る4位のアトレティコ・マドリー(勝ち点34)は、年明け以降にやや盛り返したものの、期待外れの前半戦となった。大きな主力の流出もなくピンポイント補強を行ったシメオネ11年目のチームは、昨季に比べて守備の問題はある程度改善。ただ、試合運びの部分ではリードを守り切れないなど、昨季同様の問題が散見されており、中断前に格下相手に1分け2敗の3戦未勝利も経験した。

オトラリーガでは6位のベティス(勝ち点31)、9位のアスレティック・ビルバオ(勝ち点26)らが安定したパフォーマンスを見せている一方、ガットゥーゾ新監督を招へいした14位のバレンシア(勝ち点20)は、フロントのバックアップが足りない中での成績不振にも関わらず、そのイタリア人指揮官を1月末に解任。また、昨季終盤からの不振が続いた13位のセビージャ(勝ち点21)は、ロペテギ前監督を解任し、サンパオリ監督の再任を決断。ここに来て復調も一時降格圏に転落する厳しい前半戦を過ごした。

その中でウナイ・エメリ監督をアストン・ビラに引き抜かれ、前バルセロナのセティエン新監督を招へいしたビジャレアル(勝ち点31)は、大きくスタイルが異なる監督交代によって一時低迷も、現在最も好調なチームのひとつでトップ4肉薄の5位に位置する。

残留争いでは、6分け13敗と前半戦唯一未勝利となった最下位のエルチェ(勝ち点6)が崖っぷちの状況。また、ヘタフェ(勝ち点17)とカディス(勝ち点19)が降格圏に沈んでいるが、11位のアルメリア(勝ち点22)までポイント差はほぼなく、エルチェを除く残り2枠の降格を巡る争いは今後も熾烈を極める。

【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆GKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)
Getty Images

圧巻のパラドン連発で鉄壁の守備を牽引。4年ぶりの覇権奪還へ好スタートを切ったバルセロナの最大の功労者は、ラ・リーガ初挑戦で得点ランキング首位を快走する新エースストライカーでもなく、圧倒的な個の力で局面を打開するFWデンベレ、中盤で躍動する若手MFコンビでもなく、最後尾でチームを支える守護神だ。

バルセロナが前半戦で喫した失点はわずかに7失点、さらにクリーンシートは14試合と、リーグ戦はおろかその他の主要リーグを見渡しても驚異的な記録となっている。ただ、序盤戦を中心に多くの負傷者に悩まされた4バックは試合ごとにメンバーが入れ替わり、左利きのバルデの右サイドバック起用や本職左サイドバックのマルコス・アロンソのセンターバック起用など、スクランブル起用も目立った。そのため、前述の数字とは裏腹に試合ごとのピンチの回数は少なくなく、その大半を30歳GKが驚異的な反射神経、確かなプレーリードで防いできた。

ここ数年はディフェンスラインの問題に加え、自身のパフォーマンスも今一つな状況が続いたが、一昨年の右ヒザ手術や昨季シーズン終了後の代表辞退による休養の効果が出てきたか、全盛期のパフォーマンスを完全に取り戻した印象だ。このままのパフォーマンスを継続し、再開後にメンバーが固まった現ディフェンスラインでの戦いを維持できれば、自身初のサモラ賞獲得は間違いないはずだ。

★最優秀監督
◆イマノル・アルグアシル(レアル・ソシエダ)
Getty Images

就任5年目でベストスカッドを更新。16勝2分け1敗と見事な戦績でチームを首位に導いたチャビ監督の手腕も評価しているが、やはり大幅な資金力、戦力差をその育成力と的確な采配で埋めてきた“ラ・レアル”の智将を前半戦の最優秀監督に推す。

2018年の途中就任以降、国内屈指のカンテラを中心に国内外の経験豊富なベテランや、伸びしろのある若手を巧みに融合させ、結果と内容を両立させてきたイマノル監督。[4-3-1-2]のメインシステムを中心に、ハイインテンシティのフットボールを志向しつつ、シルバらベテランがうまくテンポをコントロールしながら魅力的な攻撃スタイルも両立させている。また、決して充実した選手層とは言えないものの、巧みな用兵術で試合途中の修正やパフォーマンスを大きく落とさないターンオーバーなど確かな手腕を発揮している。

サイドバックのクオリティやセンターバックの選手層など、チームとしての課題はあるものの、FWオヤルサバルの復調や自慢のカンテラーノの台頭があれば、悲願のトップ4フィニッシュは十分に可能なはずだ。

【期待以上】
★チーム
◆ラージョ・バジェカーノ
Getty Images

昇格組として躍動した昨季の勢いを維持。青年指揮官イラオラの下で昨季躍進を遂げたマドリード第4のチームは、ほぼ昨季の主力を維持する継続路線でシーズンをスタート。バルセロナとの敵地での開幕戦をドローでスタートすると、序盤戦はやや取りこぼしが目立ったが、一時7戦無敗を記録するなどきっちり盛り返してきた。

昨季同様に躍動感のある戦いぶりは健在で、ソシエダやベティスに敗れたものの、レアル・マドリーとセビージャ、ビジャレアルに勝利し、バルセロナとアトレティコに引き分けるなど上位相手の勝負強さも光った。

イシとアルバロ・ガルシアの両翼が相変わらず安定したパフォーマンスを披露する一方、DFルジューヌとFWカメージョの今季加入組が攻守両面で新たな強みをチームに与えている。ここに今冬からプレー可能となるFWデ・トーマスがうまく戦力として機能すれば、ヨーロッパの出場権獲得も夢ではない。

★選手
◆MFアレックス・バエナ(ビジャレアル)
Getty Images

イエローサブマリンの新星アタッカー。ビジャレアル生え抜きのカンテラーノは、U-16から常にスペインの世代別代表に招集されてきたエリート。だが、特大の輝きを放つ1歳下のジェレミ・ピノの活躍に隠れる形でトップチームでは思うようなインパクトを残せずにいた。

それでも、昨季レンタル先のジローナをプリメーラ昇格に導く働きをみせると、プレシーズンのアピールが実って前指揮官ウナイ・エメリに開幕から積極的にチャンスを与えられることに。ここで同世代のFWジャクソンと共にチャンスを掴むと、セティエン新監督の下でも主力を担い、ここまでリーグ戦17試合4ゴール1アシストを記録。

前体制では左ウイング、現体制ではインテリオールでプレーし、卓越した個人技と攻撃センスを遺憾なく発揮している。174cmと上背はないものの、体幹の強さとアジリティを生かしたドリブル突破、視野の広さが光るラストパス、正確なシュートに秀逸なオフ・ザ・ボールの動きと、崩しからフィニッシュの局面でなんでもこなせる万能型アタッカーだ。ライバルの数は少なくないが、現状のパフォーマンスを継続できれば、ラ・ロヒータで指導を受けてきたデ・ラ・フエンテ監督率いる新生ラ・ロハ入りは間違いないはずだ。

【期待外れ】
★チーム
◆セビージャ
Getty Images

一時降格圏転落の大不振。昨季は最終的に4位フィニッシュも、後半戦は結果、内容共に低調だったアンダルシアの雄は、一時解任が取り沙汰されたロペテギ監督の続投を決定した。だが、この選択に加え、モンチSDによる昨夏の補強がことごとく外れた結果、チームは開幕から低迷。昨季から続く得点力不足だけでなく、DFクンデとDFジエゴ・カルロスが流出したディフェンスラインが脆さを露呈し、守護神ボノの孤軍奮闘も実らずに堅守が崩壊。昨年10月にスペイン人指揮官の解任に踏み切った。

その後、サンパオリ監督を4年ぶりに再招へいしたが、指揮官交代後も残留圏内と降格圏内を行ったり来たりする状況は変わらず。新指揮官の戦術が浸透し始めた再開後は復調の気配を示すが、降格圏とはわずか2ポイント差の13位と苦しい前半戦となった。

昨夏、獲得したMFイスコとFWドルベリはすでにクラブを離れ、構想外のMFヤヌザイの今冬退団も決定的となっており、流出したセンターバックコンビの後釜として実力不足を露呈するDFマルコンやDFタンギ・ニアンズの獲得を含めモンチSDの責任は避けられない状況だ。そういった中、アヤックスから呼び戻したFWオカンポスやFWブライアン・ヒル、DFバデ、MFパプ・ゲイエといった新戦力が後半戦の浮沈のカギを握る。

★選手
◆FWユセフ・エン=ネシリ(セビージャ)
Getty Images

相変わらずのムラッ気であわや前半戦ノーゴールの体たらく。前半戦のセビージャ低迷は新加入のセンターバックコンビや、その他のアタッカー陣の責任もあるが、やはり得点源と期待された中で不発が続いた25歳のモロッコ代表FWの責任は大きい。

2020-21シーズンの18ゴールがまぐれだったという声もあるが、先のカタール・ワールドカップで2ゴールを挙げてモロッコ史上初のベスト4進出に貢献したようにそのポテンシャルは高い。だが、今季は開幕から状態が上がらず、決してパフォーマンスが高かったとは言えないFWラファ・ミルやドルベリとプレータイムを分け合った中、開幕から14試合連続ノーゴールと低迷。ゴール以外の貢献も低かった。

ただ、前半戦最終戦となったエルチェ戦では今季初ゴールを含むドブレーテの活躍でチームを今季初の連勝に導いており、後半戦での巻き返しに期待したいところだ。

PR
関連ニュース

「このレベルで起こり得ない重大なエラー」ミスから崩れて逆転負け、レアルの優勝を決めてしまったバルサ指揮官は「成熟度の欠如の問題」と指摘

バルセロナのチャビ・エルナンデス監督が、ジローナ戦の敗戦を振り返った。スペイン『アス』が伝えた。 4日、ラ・リーガ第34節でバルセロナはアウェイでジローナと対戦。2位と3位の直接対決となった。 勝った方が2位の座に着く一戦。試合は開始3分にアンドレアス・クリステンセンのゴールでバルセロナが幸先良く先制したものの、1分後にジローナが同点に。そでも前半アディショナルタイムにロベルト・レヴァンドフスキのPKで勝ち越して折り返す。 しかし、後半はジローナが圧倒。65分にセルジ・ロベルトのバックパスが短くなると、 アルテム・ドフビクに奪われ、最後はポルトゥに決められ追いつかれると、その後連続失点。終わってみれば4-2で敗れ、3位に陥落。また、レアル・マドリーの36度目の優勝が決まることとなった。 試合後、『DAZN』のインタビューに応じたチャビ監督は、ミスによる敗戦を悔やみ、チームとしての改善が必要だと語った。 「真実は、このレベルでは起こり得ない重大なエラーにより、何らかの形でゲームのコントロールを失ってしまったということだ。この種のエラーに関しては、何度も話してきたが、今でも発生し続けている」 「試合はコントロールされていた。我々はジローナを1時間、彼らのフィールドに立たせたが、最後の30分で離してしまった」 「今シーズンの総括的なものだ。これはマドリーにダブル、ジローナにダブルだ。競争するには、大きく変わらなければならない」 今シーズンの不安定ぶりが最後まで出てしまったバルセロナ。チャビ監督は要因について「我々はどんなネガティブな状況でも崩壊する。個人的な誤差だろう。我々は彼らに全幅の信頼を寄せている。それは成熟度の欠如の問題でもあると思うが、おそらく我々の若い選手たちのせいだと思う」と、選手の経験値の少なさと成熟度の低さを挙げた。 それでも来シーズンも指揮を執る指揮官は「ただ、我々は学び、来シーズンはより良い競争ができると思う。継続していかなければいけない。素晴らしい65分間のプレーがあった。そして、心理的、競争的なレベルで多くのことを修正する必要がある。我々は戦い続ける。来シーズンは修正が必要だ」と、修正していかなければならないと口にした。 一方で、これによりライバルであるマドリーの優勝が決定。チャビ監督は「彼らを祝福しなければならない。彼らは最も多くのことを成し遂げた人たちだ。彼らにチームを誇りに思ってもらえるよう、我々は全力を尽くすつもりだ」とコメント。競争相手として、責務をしっかり果たしたいとした。 <span class="paragraph-title">【動画】ミスから崩壊のバルセロナ、レアルに優勝を与える逆転負け</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="4lN-Kil3ODY";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.05.05 09:20 Sun

レアル・マドリーが2季ぶり36度目のラ・リーガ制覇! バルサ敗戦で4節残して優勝決定

レアル・マドリーの2シーズンぶり36度目のラ・リーガ優勝が決定した。 マドリーは4日、サンティアゴ・ベルナベウで行われたラ・リーガ第34節でカディスと対戦。バイエルンとのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグを週明けに控える中、多くの主力を温存して臨んだが、MFブラヒム・ディアス、MFジュード・ベリンガム、FWホセルのゴールを、今季初出場のGKティボー・クルトワを中心に無失点で守り抜き3-0の快勝を収めた。 さらに、試合後に行われた3位のジローナと2位のバルセロナの上位対決でバルセロナが2-4で敗れたことで、4節を残してのプリメーラ制覇が決定した。 カルロ・アンチェロッティ第二次政権3年目となった今季は補強の目玉となったMFベリンガムに加え、DFフラン・ガルシア、FWホセル、MFアルダ・ギュレル、ミランからローンバックのMFブラヒム・ディアスといった新戦力を補強。 基本的には昨季からの継続路線で臨むと、シーズン序盤はそのベリンガムの驚異的な得点力と勝負強さで開幕5連勝。第6節のアトレティコ・マドリーとのマドリード・ダービーで今季初黒星を喫したが、以降は優勝を争うジローナ、バルセロナにいずれもシーズンダブルを達成するなど、22勝6分けの28戦無敗を継続。ライバルが勝ち点を取りこぼす中で独走態勢を築いた。 なお、第34節消化時点での74得点22失点はいずれもリーグベストで文句なしの2シーズンぶりの戴冠となった。 コパ・デル・レイは逃したものの、すでにスーペル・コパ・デ・エスパーニャを制しているエル・ブランコは、CL制覇でのシーズン3冠を目指してまずは週明けのバイエルンとの大一番に臨む。 2024.05.05 03:51 Sun

ジローナがバルセロナとの上位対決でシーズンダブル達成!マドリーのリーグ優勝をアシスト【ラ・リーガ】

ラ・リーガ第34節のジローナvsバルセロナが4日に行われ、4-2でジローナが勝利した。 同日に首位レアル・マドリー(勝ち点87)が勝利したため、2位バルセロナ(勝ち点73)が勝たなければマドリーの優勝が決まる一戦。 3位ジローナ(勝ち点71)のホームに乗り込んだバルセロナは、前節のバレンシア戦のスタメンからハフィーニャをセルジ・ロベルトに変更した以外は同じスタメンを採用した。 バルセロナは開始早々にスコアを動かす。3分、ヤマルのロングパスをボックス右手前で受けたクリステンセンが胸トラップから右足ボレーでゴールを狙うと、これがゴール左隅に吸い込まれた。 先制を許したジローナだったが、すぐに試合を振り出しに戻す。4分、左サイドを持ち上がったグティエレスのパスでボックス左に侵入したマルティンが切り返しでDFアラウホをかわしクロス。これをドブビクがヘディングでゴール左に沈めた。 追いつかれたバルセロナは、セットプレーからチャンス。15分、ギュンドアンの左CKをファーサイドのクリステンセンがヘディングでゴールを狙ったが、叩きつけたシュートはGKガッサニーガの好セーブに阻まれた。 前半半ば以降は一進一退の展開が続く中、バルセロナは43分にチャンス。右サイドからドリブルでカットインしたヤマルがペナルティエリア付近でグティエレスに倒されると、オンフィールドレビューの末にPKを獲得。このPKをレヴァンドフスキがゴール左隅に決めた。 迎えた後半、先にスコアを動かしたのはジローナだった。65分、セルジ・ロベルトのバックパスが短くなったところをカットしたドフビクがボックス中央左まで切り込み折り返すと、直前に投入されたポルトゥがゴールに流し込んだ。 再び追いつかれたバルセロナは立て続けに失点する。67分、A・ガルシアのパスで右サイドを抜け出したポルトゥがボックス右まで切り込み折り返すと、ボックス中央に走り込んだグティエレスがワントラップからシュート。これがDFクンデに当たり、そのままゴールに吸い込まれた。 逆転を許したバルセロナは、69分にフェルミン・ロペスとクリステンセンを下げてハフィーニャとペドリを投入。しかし、勢いに乗ったジローナ攻撃陣を止めることができない。 ジローナは75分、中盤でボールを受けたサヴィオのロングパスをボックス右角付近に走り込んだポルトゥが右足ボレーで合わせると、このシュートがゴール左隅に吸い込まれた。 結局、試合はそのまま4-2でタイムアップ。この結果、レアル・マドリーの2年ぶり36度目のリーグ優勝が決定。シーズンダブルを達成したジローナが2位に浮上、バルセロナは3位へ後退した。 2024.05.05 03:40 Sun

今季終了後のバルサ復帰望むエリック・ガルシア、チャビ監督も同意見 「我々のアイデアは彼の復帰」

バルセロナのチャビ・エルナンデス監督がジローナへレンタル移籍中のスペイン代表DFエリック・ガルシア(23)に言及した。スペイン『アス』が伝えた。 首位レアル・マドリーとの直接対決に敗れ、ラ・リーガ制覇が現実的ではなくなった2位バルセロナ。第33節のバレンシア戦は4-2で勝利と立て直した中、4日に行われる第34節では3位ジローナとの上位対決に臨む。 ジローナの最終ラインを支えているのが今シーズン、バルセロナからレンタル移籍中のエリック・ガルシア。ミチェル監督の下でここまで公式戦28試合を戦い、チームの快進撃に貢献している。 そんなエリック・ガルシアは先日、バルセロナからジローナへのレンタル移籍がファイナンシャル・フェアプレー(FFP)の問題によるものだったとコメント。チャビ監督からは残留を望まれていたと明かし、シーズン終了後には「バルサに戻るつもりだ」と述べていた。 一方のチャビ監督もジローナ戦を前にエリック・ガルシアについてコメント。レンタル移籍の経緯を同様に語り、今夏の復帰希望を明らかにした。 「そう、彼は残らなければならなかった。(移籍は)我々が意図したことではなかった。彼はフェアプレーが理由で去った。我々のアイデアは彼の復帰だ」 また、チャビ監督は昨夏ジローナからバルセロナへ完全移籍したスペイン人MFオリオル・ロメウ(32)にも触れ、 「プレッシャー以上に良いスタートを切ったが、フィジカル的な問題で彼を欠くことになった」とプレー機会減少の経緯を説明。「当時は他にもっと良い選手がいると思った。これがバルサの熾烈な競争だ」と語っている。 ロメウと行き違いになったエリック・ガルシアに関しては、ジローナでよりのびのびプレーしていると感じている模様。その要因はバルセロナとのプレッシャーの大きさの違いにあるという考えだ。 「(バルセロナで受けるプレッシャーに対応するのは)とても難しいことだ。バルセロナを取材する人が一体何人いるだろうか? ジローナならもっと少ない。エリックと話すと、彼はより自由を感じているように思える。彼自体はほとんど変わっていないよ」 2024.05.04 17:26 Sat

【ラ・リーガ第34節プレビュー】2位の座懸けたジローナvsバルセロナ! CL控えるマドリーはカディス戦

先週末に行われた第34節ではアスレティック・ビルバオとの上位対決を制したアトレティコ・マドリーを始め、レアル・マドリー、バルセロナ、ジローナの上位4チームが順当に勝利。また、最下位のアルメリアが5節を残してのセグンダ降格が決定した。 5月最初に行われる第34節は、3位のジローナ(勝ち点71)と2位のバルセロナ(勝ち点73)による2位の座を懸けたカタルーニャ自治州ダービーに大きな注目が集まるところだ。 ジローナは前節、敵地でラス・パルマスと対戦。試合序盤に与えたPKを守護神ガッサニーガのビッグセーブで凌ぐと、前半半ばに獲得したPKはFWドフビクが止められるも、こぼれに詰めたDFダビド・ロペスのゴールで先制に成功。後半にはこの試合2度目のPKを今度はドフビクがきっちり決めて4試合連続ゴールを達成。その後、相手の反撃を凌ぎ切って2-0の勝利。リーグ連勝で今回の大一番を迎えることになった。4-2で快勝した前回対戦に比べ相手の状態は上がっており、ホームとはいえ簡単なゲームとはならないが、悲願のチャンピオンズリーグ(CL)出場と2位でのスーペル・コパ出場権獲得に向けてシーズンダブルを決めたい。 対するバルセロナは前節、ホームでバレンシアと対戦。チャビ監督の来季続投が決まった直後ということもあり、より注目が集まった名門対決は前半半ばにMFフェルミン・ロペスのゴールで先制するまでは良かったが、守護神テア・シュテーゲン、DFアラウホの軽率なプレーもあって逆転を許した。それでも相手守護神ママルダシュヴィリの退場で前半終了間際に数的優位を手にすると、後半に主砲レヴァンドフスキが圧巻の直接FKを含めトリプレーテを達成。4-2で競り勝ってクラシコ敗戦を払拭すると共に、今回のジローナ戦へ弾みを付けた。順位を考えれば敵地でドローでも問題はないが、前回対戦の屈辱を晴らす上でしっかりとリベンジを果たしたい。 週明けにバイエルンとのCL準決勝2ndレグを控える首位のレアル・マドリーは、ホームに降格圏の18位カディスを迎え撃つ。敵地で行われた1stレグはMFクロースの圧巻のアシストからFWヴィニシウスのゴールで先制し、前半は冷静にゲームをコントロール。だが、後半序盤に立ち位置を変えた相手に連続失点を喫し逆転を許した。それでも、FWロドリゴが獲得したPKをヴィニシウスが決め切り終盤に追いつくと、2-2のドローと悪くない結果で初戦を終えた。その運命の第2戦に万全の状態で臨むべく、今回のカディス戦はMFギュレルのゴールでウノセロ勝利を収めた前節レアル・ソシエダ戦と同じく大幅なターンオーバーが見込まれる。この試合では守護神クルトワの戦列復帰も期待されており、さらなるコンディション改善が求められるDFミリトンやギュレルと共にそのパフォーマンスに注目。優勝に向けて勝ち点を積み上げつつ、バイエルン戦へ弾みを付ける試合にしたい。 前節、アスレティックとのシックスポインターを制した4位のアトレティコは、これで勝ち点差を「6」に広げてCL出場権確保へ大きく前進。FWニコ・ウィリアムズに対する一部サポーターの人種差別虐待行為でホーム2試合のスタンド部分閉鎖という事件も起きてしまったが、堅い展開の中でツキも味方に3ゴールを重ねて勝ち切った点は評価に値する。ただ、今回の一戦は苦手のアウェイで、且つ残留に向けて勝ち点が必要な16位のマジョルカというタフな相手との対戦となるため、ある意味でアスレティック戦以上に難しい試合になりそうだ。堅守速攻を徹底してくる相手に対して、アタッキングサードでの崩しのアイデア、セットプレーを追求して勝ち切りたい。 そのアトレティコに敗れた5位のアスレティックは、難所コリセウムで10位のヘタフェとのタフな戦いでバウンスバックの白星を狙う。今季のアトレティコのアウェイ戦績を考えれば、まだまだ逆転の可能性は残されているだけに自分たちの戦いに集中したい。4試合未勝利が続くリーグ戦では全試合で失点し、複数得点を奪い切れていない部分で攻守両面での改善が求められる。 MF久保建英を擁する6位のレアル・ソシエダは、14位のラス・パルマス相手に4試合ぶりの白星を目指す。前節は主力温存のマドリー相手にイーブンの試合を見せながらも、味方のファウルで取り消された久保の幻の恩返しゴールを含め運や決定力の問題で勝ち切れず。また、この一戦に向けては主力MFスビメンディが左足大腿部の負傷によって欠場となり、中盤の構成力の部分で難しい試合を強いられそうだ。その中で引き続きスタメン起用が見込まれる久保にはチャンスメークと共にゴールという決定的な仕事を期待したい。 《ラ・リーガ第34節》 ▽5/3(金) 《28:00》 ヘタフェ vs アスレティック・ビルバオ ▽5/4(土) 《21:00》 レアル・ソシエダ vs ラス・パルマス 《23:15》 レアル・マドリー vs カディス 《25:30》 ジローナ vs バルセロナ 《28:00》 マジョルカ vs アトレティコ・マドリー ▽5/5(日) 《21:00》 オサスナ vs ベティス 《23:15》 セルタ vs ビジャレアル 《25:30》 バレンシア vs アラベス 《28:00》 ラージョ vs アルメリア セビージャ vs グラナダ 2024.05.03 19:00 Fri
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly