ローマが薄氷の逆転2位通過! ザニオーロが圧巻のゲームチェンジャーに《EL》

2022.11.04 07:22 Fri
Getty Images
ヨーロッパリーグ(EL)グループC最終節、ローマvsルドゴレツが3日にスタディオ・オリンピコで行われ、ホームのローマが3-1で逆転勝利した。
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ここまで2勝1分け2敗でグループ3位に位置するローマ(勝ち点7)だが、ホームで戦う2位のルドゴレツ(勝ち点7)との直接対決の勝利で自力での2位通過を決められる状況。今週末にラツィオとのデルビー・デッラ・カピターレを控える中、モウリーニョ監督は3-1で競り勝った直近のヴェローナ戦から先発4人を変更。サスペンションのマンチーニに加え、ザレフスキ、ザニオーロ、クリスタンテをベンチに置き、ビーニャ、エル・シャーラウィ、マティッチ、ベロッティを起用した。
逆転突破に勝利が条件と明確な構図で試合に臨んだローマは、立ち上がりからリスクを冒して前に出ていく。そして、早い時間帯からペッレグリーニやマディ・カマラと中盤の選手が積極的に足を振る。さらに、16分にはセットプレーの流れからエル・シャーラウィのクロスをボックス右でフリーのイバニェスが頭で合わすが、これは枠を捉え切れない。

その後はボールを握りサイドを起点に厚みのある仕掛けを見せるローマに対して、ルドゴレツが堅守速攻で応戦する形で緊迫感のある攻防が続く。

フィニッシュの数では勝るローマだが、クロスやラストパス、フィニッシュの精度を欠く場面が多く決定機まであと一歩という場面が目立つ。すると、徐々に間延びした中盤のスペースを推進力のあるウイングを起点にロングカウンターで攻略し始めたアウェイチームが前半終了間際にスコアを動かす。
41分、左のハーフスペースでシシーニョのパスを引き出したリックが長い距離を持ち上がりペナルティアーク付近で右足を一銭。低弾道の鋭いシュートがゴール左下隅の完璧なコースに決まった。

相手の狙いにまんまと嵌って1点ビハインドで試合を折り返したローマは後半に3枚替えを敢行。カルスドルプ、ベロッティ、マディ・カマラを下げてザニオーロ、クリスタンテ、ヴォルパートを投入。勢いを持って試合に入ると、キックオフ直後にはエル・シャーラウィが続けざまに鋭い枠内シュートを放って相手GKにファインセーブを強いる。

さらに、ヴェローナ戦でいずれもゴールを挙げたザニオーロ、ヴォルパートのレフティコンビが右サイドで違いを生むと、早い時間帯に追いつく。56分、ボックス内でエイブラハムの胸での落としに反応したザニオーロが相手DFからアフターチャージを受けてPKを獲得。これをキッカーのペッレグリーニが右隅へ決め切った。

ゴールを決めたカピターノがホームサポーターを煽って逆転に向けた空気を作り出すと、61分にはマティッチを下げてザレフスキを投入し、より前がかるホームチーム。すると、64分には味方からのフィードに抜け出したザニオーロがボックス内でDFに後ろから押し倒されて2つ目のPKを獲得。これを再びペッレグリーニが決め切って逆転に成功した。

ここからゲームをコントロールしたいローマだが、ゴールを奪うために攻撃的なカードを切ってきたブルガリア王者の反撃に遭う。そして、77分には相手のカウンターからボックス左にこぼれたボールを途中出場のノナトに流し込まれる。痛恨の失点かに思われたが、オンフィールド・レビューの確認が入ると、カウンターの起点となった場面でリックの振った腕がイバニェスの顔面に当たったプレーがファウルを判断されて事なきを得た。

前節のヘルシンキ戦に続いてVARに救われたローマは、85分にカウンターからボックス付近まで運んだザニオーロがDFとGKのタイミングを完璧に外す見事な左足のフィニッシュでトドメの3点目を奪取した。

その後、ザレフスキへの悪質なスタンプで相手に退場者が出た中で今度こそリードを守り切ると、ルドゴレツとの直接対決を制して逆転での2位通過を決定。プレーオフに駒を進めることになった。

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