【ELプレビュー】拮抗のナポリvsバルサの突破行方は? ドルトムントが大逆転目指す

2022.02.24 18:06 Thu
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ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメントのプレーオフ2ndレグが24日に開催される。ELグループステージ2位通過8チームと、チャンピオンズリーグ(CL)の3位敗退8チームで争われるプレーオフ第2戦の展望を、注目カードを中心に紹介していく。
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◆ELプレーオフ2ndレグ
▽2/24(木)
《26:45》
ディナモ・ザグレブ vs セビージャ
オリンピアコス vs アタランタ
レアル・ソシエダ vs RBライプツィヒ
ラツィオ vs ポルト
《29:00》
ナポリ vs バルセロナ
ベティス vs ゼニト
レンジャーズ vs ドルムント
ブラガ vs シェリフ
◆ELプレーオフ1stレグ結果
バルセロナ 1-1 ナポリ
ゼニト 2-3 ベティス
ドルトムント 2-4 レンジャーズ
シェリフ 2-0 ブラガ
セビージャ 3-1 ディナモ・ザグレブ
アタランタ 2-1 オリンピアコス
RBライプツィヒ 2-2 レアル・ソシエダ
ポルト 2-1 ラツィオ

◆バルサ優位もナポリにホームアドバンテージ
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今プレーオフ屈指の好カードとなったバルセロナとナポリの第一ラウンドは、戦前の予想通り、拮抗した内容での1-1のドロー決着に終わった。戦いの舞台をカンプ・ノウからスタディオ・ディエゴ・アルマンド・マラドーナに移して開催される運命の2ndレグも、引き続き拮抗した攻防が予想される。

カンプ・ノウ開催の1stレグはホームチームが序盤からボールの主導権を握ったが、先制点を奪えない内にナポリの狙っていたカウンターが発動。MFエルマスの見事なチャンスメークから“両利き”のMFジエリンスキの左右の強烈なシュートの2本目がGKテア・シュテーゲンの牙城を破った。
それでも、後半に入って流れを引き戻したバルセロナはFWフェラン・トーレスのPKによるゴールで追いつくと、以降はナポリを自分たちの狙いの形から押し込み、再三の決定機を創出。だが、試合後に自らの不甲斐なさに涙したフェランの決定機逸が響き、1-1のイーブンで敵地へ乗り込むことになった。

後半は完全に劣勢も敵地でドローに持ち込んだナポリだが、先週末のセリエAでは降格圏のカリアリ相手に1-1のドロー。負傷者や主力温存の意図で[3-4-2-1]への布陣変更を行ったが、DFクリバリを筆頭にビルドアップのミスや切り替えの鈍さが目立ち、低調な内容での勝ち点逸となった。その試合で頭部を痛め負傷交代したDFディ・ロレンツォがプレー可能となり、FWインシーニェ、FWポリターノも起用に目途が立った点は朗報だが、1stレグの劣勢を撥ね返す上では粘り強い守備と共にFWオシムヘンと共にカウンターを牽引するアタッカー陣の奮起が求められる。

一方、試合後にピケが「4-1や5-1で勝てた」と語ったように、バルセロナにとっては追いついたことよりも、勝ち切れなかった印象が強い初戦に。ただ、週末に行われたラ・リーガでは曲者バレンシア相手に敵地で4-1の快勝を収めた。FWオーバメヤンが加入後初ゴールを含むハットトリックを記録する見事な活躍を見せた他、前半に関しては質の高いボールポゼッションに、背後への積極的な飛び出しを織り交ぜた見事なアタッキングハーモニーを奏で、指揮官チャビが求める水準のパフォーマンスを見せた。

バレンシアと異なり、ナポリは背後のスペースを徹底的に消してくる可能性が高いが、切れ味増すFWデンベレや名誉挽回を期すフェランらアタッカー陣の個での打開、MFガビやMFペドリらボールプレーヤーの連携による多彩な仕掛けでゴールをこじ開けたい。

◆崖っぷちドルトムントが逆転目指す
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今ラウンドでは最多王者セビージャと共に有力な突破候補に挙がっていたドルトムントだったが、スコットランド王者のレンジャーズをホームで迎え撃った1stレグでは屈辱の2-4で敗戦を喫した。

試合の入り自体はそこまで悪くなかったものの、前半終盤にセットプレーからの連続失点を喫すると、後半序盤にも出ばなを挫かれる連続失点によって劣勢に。MFベリンガムの孤軍奮闘の1ゴール1アシストで辛くも逆転突破に望みを繋ぐのが精一杯という体たらくとなった。

だが、直近のブンデスリーガではボルシアMGを相手に主将MFロイスが2ゴール3アシストの驚異的なパフォーマンスを見せるなど、レンジャーズ戦の大敗を払しょくする6-0の圧勝。敵地での大一番に向けて大きな弾みを付けた。ただ、同試合ではDFアカンジに続きDFザガドゥ、MFレイナの2選手が負傷。さらに、2ndレグでの復帰が期待されたFWハーランドは回復の遅れにより引き続き欠場が決定。スカッドは万全の状態とは言い難い。さらに、チームはこの1カ月の間に3度連続で勝利と敗戦を繰り返しており、そのパフォーマンスの一貫性のなさは懸念材料となる。

ドルトムントと異なり、得意のコンペティションでさすがの勝負強さを発揮したセビージャは、ディナモ・ザグレブとの初戦に3-1で勝利。試合内容は決して一方的ではなかったが、メリハリの利いた試合運びでクロアチア王者に力の差を見せつけた。直近のリーグ戦ではDFクンデの一発退場が響きエスパニョール相手に勝ち点2を失う結果となったが、相次ぐ主力の戦列復帰によって試合展開に応じて様々な戦い方ができる点は大きいはずだ。

優勝候補の一角に挙がるアタランタはオリンピアコスとの初戦に2-1で勝利。ホームで先制を許したものの、セットプレーからDFディムスティが連続ゴールを挙げて鮮やかな逆転勝利に導いた。ただ、前線に離脱者が目立つチームは1月半ば以降の7試合で挙げた勝利がオリンピアコスとの前回対戦のみと、決してチーム状態は芳しくない。より重圧を感じる敵地でしっかりと勝ち切れるか。

また、今大会に相性が良いスペイン勢ではベティスがゼニトを敵地で3-2で破り、先勝に成功。一方、レアル・ソシエダはRBライプツィヒ相手に守勢を強いられながらも、セットプレー2発で2-2のドローに持ち込んだ。先週末のリーグ戦でもマジョルカに勝ち切ったベティスはゼニトに対して優位に戦えるが、週末に控えるセビージャとのダービーに気を取られれば、思わぬ結果を招く可能性もある。ソシエダに関しては先週末のバスク・ダービーで0-4の大敗を喫しており、バウンスバックが求められるが、対戦相手のライプツィヒは直近のヘルタ・ベルリン戦で6-1の大勝を飾っており、初戦に続き難しい試合となるはずだ。

セルジオ・コンセイソン監督の古巣対戦に注目が集まったポルトとラツィオの一戦は、ホームのポルトが2-1の逆転勝利を飾ったが、試合内容自体は拮抗。堅守を売りとするポルトが突破に向けて有利な立場にいることは間違いないが、ラツィオも爆発力を持ったチームだけに2ndレグも拮抗した展開が想定される。その中で直近2試合を体調不良で欠場していたFWインモービレのコンディションが試合の行方を大きく左右することになるはずだ。

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