J1復帰の磐田、東京五輪にも参加したU-24ブラジル代表DFリカルド・グラッサの完全移籍加入内定を発表「これから美しい物語が始まりますように」

2021.12.23 21:16 Thu
Getty Images
J2王者のジュビロ磐田は23日、ヴァスコ・ダ・ガマのU-24ブラジル代表DFリカルド・グラッサ(24)を完全移籍で獲得することが内定したことを発表した。センターバックを主戦場とするグラッサは、ヴァスコ・ダ・ガマの下部組織出身。これまで、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエA(ブラジル1部)で52試合に出場し3得点、セリエB(ブラジル2部)で19試合に出場し1ゴール2アシストを記録している。
今シーズンはセリエBでプレー。センターバックとして19試合にフル出場した。

また、グラッサは世代別のブラジル代表も経験。東京オリンピックにのメンバーにも選ばれていたが、試合出場はなかった。なお来日後にメディカルチェックを受け、正式契約を結ぶとのことだ。

リカルド・グラッサはクラブを通じてコメントしている。
「本日、日本そしてジュビロ磐田の色を守るという発表をできたこと、大変誇りに思います」

「伝統ある、勝者のメンタリティを備えたクラブのサポーター、クラブ関係者から熱い信頼をいただき、心より感謝いたします。私自身、可能な限り献身的に、全身全霊をかけることをここにコミットいたします」

「これから美しい物語が始まりますように。そして、会える日を楽しみにしています!」

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