【原ゆみこのマドリッド】もう皆、練習している…
2018.07.18 11:00 Wed
▽「これじゃ、どちらが優勝したのかわからないわね」そんな風に私が苦笑していたのは火曜日、ロシアから帰還した代表チームをザグレブの市民が街を挙げて大歓迎。選手たちがオープンデッキバスに乗って、パレードする様子をTVで見た時のことでした。いえ、日曜のW杯決勝の後には何とも言えない悲しげな表情で大会MVPのトロフィーをもらっていたモドリッチが豹変、ここ近年、4度もあったレアル・マドリーのCL優勝パレードでも見たことがない程、ノリノリでbengala(ベンガラ/発煙筒)を振り回していたのにはちょっと引いてしまわないでもなかったんですけどね(https://twitter.com/B24PT/status/1019265604480532481)。
▽ええ、人口400万人程でしかないクロアチアにとって、史上初のW杯準優勝はお祝いするにふさわしい快挙でしたが、フランスとの決勝が行われた日曜には一足に先にブリュッセルに戻ったベルギー代表も人で埋め尽くされたグラン・プリュス(市内中心にある大広場)で3位という、同国史上最高成績を祝うイベントを開催。もちろん王道は凱旋門からシャンゼリゼ通りに30万人が集結して、1998年以来、2度目のW杯優勝を達成したチームをパリに迎えたフランスの祝勝行事なんでしょうけどね。折しもスペインでは火曜にひっそり、代表新監督に就任するルイス・エンリケ氏がAVE(スペインの新幹線)でマドリッドに到着。
▽ラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会本部に直行すると、9月のネーションズリーグ開幕戦に向けての準備をするオフィスや練習施設を案内されていましたが、何せ今回、スペインのW杯など、7月1日の16強対決で終わってしまいましたからね。バラハス空港に到着後、散り散りになった選手たちもまだバケーション中とあって、その消息も時折、SNSで伝わってくるぐらいなんですが、まあそれは仕方ないこと。イニエスタ(ヴィッセル神戸)も火曜には日本に向かいましたし、とりあえず、今は私もW杯チャンピオンにレアル・マドリー勢がバラン1人だけなのに比べ、アトレティコ勢が加入したばかりのレマル(モナコから移籍)も含めて3人もいることを祝うぐらいしかないんですが…。
▽ちなみに3位決定戦でベルギーがムリエル(PSG)とアザール(チェルシー)のゴールでイングランドを2-0で破った翌日、モスクワのルジニキ・スタジアムで行われた決勝がどんなだったか、ちょっと触れておくと。前半18分にはグリーズマン(アトレティコ)の蹴ったFKをマンジュキッチ(ユベントス)が頭でオウンゴールにして、フランスが先制。それでもボール支配で勝っていたクロアチアは28分、ペリシッチ(インテル)がgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて同点に追いついたため、行方がわからなくなっていたんですが、この日のフランスには運も味方したんでしょうかね。
▽何と38分、クロアチアのCKクリアでVAR(ビデオ審判)確認が入り、ペリシッチのハンドでPKとなったから、さあ大変。ピタナ主審がモニターを見に行っている4分間、キッカーとして待機していたグリーズマンもきっと、頭の中では2年前のCL決勝でPKを失敗。それも響いて最後は延長、PK戦の末にお隣さんに負けてしまったことを思い出していたのでは?その上、クロアチアのGKスバシッチ(モナコ)は16強対決のデンマーク戦、準々決勝のロシア戦でもPK戦で活躍したparapenarti(パラペナルティ/PK止め屋)となれば、プレッシャーもひときわだったはずですが…。
▽とはいえ、後半のフランスは自慢の多民族融合パワーが炸裂。14分にはグリーズマンの折り返しをポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)が2度撃ちして追加点を挙げると、20分にもエムバペ(PSG)が4点目を決めてしまったとなれば、いえ、後でラキテッィチ(バルサ)など、「Marcaron cuatro goles en sus tres tiros a gol/マルカロン・クアトロ・ゴーレス・エン・スス・トレス・ティロス・ア・ゴル(枠内シュート3回で4点取った)」と皮肉っていましたけどね。「Nos basamos en defender como hacemos en el Atletico/ノス・バサモス・エン・デフェンデール・コモ・アセモス・エン・エル・アトレティコ(ウチのプレーはアトレティコのように守備が基本)」とリュカ(アトレティコ)も言っていたように、クロアチアの反撃をGKロリス(トッテナム)のゴールスローミスをマンジュキッチが押し込んだ1点だけに留め、4-2で勝利することに。
▽え、この結果、フランスの優勝が決まり、2016年はCL、ユーロと続けざまに決勝で負けるという並々ならぬ悲劇を経験したグリーズマンが決勝のMVPをゲット。リベンジを果たしたのはめでたいとはいえ、だからと言って、彼が今年のバロンドール候補ナンバーワンになったというのは持ち上げすぎじゃないかって?そうですね、この大会開幕数日前にアトレティコ残留を決意するドキュメンタリー番組を公開、グループリーグ第1戦終了後の中日にはヒル・マリン筆頭株主がわざわざ、モスクワ郊外のフランスのベースキャンプに駆けつけて、リュカ共々、延長契約にサインをもらっていたのはこうなると、先見の明があったと言えますが、その時点ではまだ当人が活躍できるかどうか、定かではありませんでしたからね。
▽逆にフランスが早期敗退でもしていれば、ただのお騒がせ男で終わってしまうところでしたが、おかげで「Estoy muy orgulloso de la decision que he tomado/エストイ・ムイ・オルグジョーソ・デ・ラ・セシシオン・ケ・エ・トマードー(自分の取った決断をとても誇りに思う)。このW杯のタイトルは全てのアトレティコファンのものでもあるし、ボクらにはワクワクする1年が待っている」(グリーズマン)と戴冠後、胸を張れていたのは良かったかと。
▽だってえ、折しも月曜にはバロンドールのライバルの1人であるクリスチアーノ・ロナウドがトリノでユベントス入団プレゼン。当人は「Nadie en el Real Madrid estara llorando por mi/ナディエ・エン・エル・レアル・マドリッド・エスタラ・ジョランドー・ポル・ミー(レアル・マドリーでは誰もボクがいなくなったことを泣いていないだろう)」と言っていたものの、8月15日のUEFAスーパーカップに出ないことが確定しているんですよ。同じくこのW杯で候補に急浮上したモドリッチはグリーズマン同様、バケーションを短くする覚悟があれば、投票までにもう1つ、タイトルを増やせる可能性がありますが、果たしてどうなることやら。常連のメッシ(バルサ)もスペイン・スーパーカップがあるため、予断は許さないものの、彼もロナウドもW杯16強で敗退しているというのは決勝組の2人にとって、有利に働くかもしれませんね。
▽そしてW杯の終了と共に入れ替わりでとうとう、マドリーのプレシーズンもこの月曜から始まり、ロペテギ新監督が指揮を執るバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションにはベイル、ベンゼマ以下、セバジョス、ジョレンテ、テオ、バジェホ、マジョラル、カシージャ、そして昨季はラージョで修行して戻って来たラウール・デ・トマス、新入団の18歳、FWビンチウス(フラメンゴから移籍)や19歳のGK、ルニン(同ゾリャ・ルハンシク)らが参加。でもねえ、今のところ、非公開で入れないんですよ。
▽どちらにしろ、W杯参加組が戻って来るのは8月1日のマンチェスター・ユナイテッド戦を皮切りに3試合あるアメリカ遠征辺りからですし、エムバペも決勝後、PSG残留するつもりとコメントするなど、ロナウド放出に見合った大型補強もまだ決まっていないとなれば、いえ、噂としては「普通なら、決勝を戦うチームから選ばれるものだけど、ボクもブラジルやフランス戦ではいい試合をしたし、日本戦ではカウンターの起点となったからね」と自身の言う通り、W杯ベストGKに選ばれたクウトワ(チェルシー)獲得は来季で契約が終わることもあり、値段も3000~4000万ユーロ(約40億~53億円)と手頃。ほぼ確定ながら、アリソン(ローマ)のチェルシー到着を待たないといけないとか、そのクルトワが「ボクが行くところには絶対、連れて行くよ」と主張していた、国でもクラブでも同僚のアザールについては難航しているとか、あるんですけどね。
▽とりあえず、W杯前に決まったオディオソラ(レアル・ソシエダから移籍)は水曜にプレゼンがあるんですが、こちらも練習合流は7月末となれば、またしても私が月曜にマハダオンダ(マドリッド近郊)にアトレティコを覗きに行ってしまったとしても仕方なかった?いやまあ、こちらもinternacionales(インテルナシオナレス/各国代表選手)はおらず、トップチームの選手はGKオブラク、アダン(ベティスから移籍)、フアンフラン、トマス、ロドリ(同ビジャレアル)、ビトロ、コレア、そして退団予定のガメイロ、ビエットしかいないんですけどね。
▽今週は朝一番、7時45分からのセッションはグラウンドでランニングなどのフィジカルがメイン、トリプルの場合は10時30分からジムが入るんですが、ボールも使う夕方の部ではフィジカルコーチのプロフェ・オルテガが「La perdemos y la robamos/ラ・ペルデモス・イ・ラ・ロバモス(ボールを失くしたら盗む)。相手に考えるヒマを与えるな」とロンド(輪の中に選手が入ってボールを奪うゲーム)でカンテラーノ(下部組織の選手)たちにアトレティコ・サッカーの基本を説いたり、10人のフィールドプレーヤーがポジションについてチームとしての動きをマスターする演習は必ず、最後は高速で自陣エリアに戻って守ることで終了。その辺、シメオネ監督の特徴が出ていて面白かったりもするんですが、グラウンドを囲む金網の外から見学しているファンは西日を真っ向から浴びて、ちょっと辛そうでしたっけ。
▽そんな中、ヘタフェは月曜からバレンシア(スペイン南東部)のオリバにキャンプに行ってしまい、土曜までは戻って来ず。チチソラ(ラス・パルマスから移籍)を獲った後、ダビド・ソリア(同セビージャ)も加入して、クリスタル・パレスに行ってしまったグアイタの穴を埋める正GK争いが激化したり、ボランチのマキシモビッチ(同バレンシア)に500万ユーロ(約6億6000万円)を払ったりと補強の動きも続いていますが、逆にホルヘ・モリーナやジェネが移籍するという噂もありますからね。新シーズンを落ち着いて迎えるにはまだ、時間がかかりそうですが、人の出入りが続いているのは同じ弟分、レガネスやラージョも同じかと。
▽そのラージョも木曜からはマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプと河岸を変えるようですが、どうやら今年も猛暑のマドリッドでずっと過ごすようなのはレガネス。今週土曜から始まるプレシーズンマッチも2部のマドリッド勢アルコルコンだったり、今季からその仲間入り、シュダッド・デポルティバ・ワンダにあるミニスタジアムの改修が済むまで、ワンダ・メトロポリターノでリーガを戦うことがきまったラージョ・マハダオンダといった近隣のチームが多いのも交通費が節約できるから?そろそろ、スペイン各地では1部チームの親善試合も始まっているため、観光などで来る機会のあるファンはマルカ(スポーツ紙)の予定表(http://www.marca.com/futbol/primera-division/2018/07/03/5b3a5613ca474190178b45bf.html)などを参考に立ち寄ってみてもいいかもしれませんね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
▽ええ、人口400万人程でしかないクロアチアにとって、史上初のW杯準優勝はお祝いするにふさわしい快挙でしたが、フランスとの決勝が行われた日曜には一足に先にブリュッセルに戻ったベルギー代表も人で埋め尽くされたグラン・プリュス(市内中心にある大広場)で3位という、同国史上最高成績を祝うイベントを開催。もちろん王道は凱旋門からシャンゼリゼ通りに30万人が集結して、1998年以来、2度目のW杯優勝を達成したチームをパリに迎えたフランスの祝勝行事なんでしょうけどね。折しもスペインでは火曜にひっそり、代表新監督に就任するルイス・エンリケ氏がAVE(スペインの新幹線)でマドリッドに到着。
▽ちなみに3位決定戦でベルギーがムリエル(PSG)とアザール(チェルシー)のゴールでイングランドを2-0で破った翌日、モスクワのルジニキ・スタジアムで行われた決勝がどんなだったか、ちょっと触れておくと。前半18分にはグリーズマン(アトレティコ)の蹴ったFKをマンジュキッチ(ユベントス)が頭でオウンゴールにして、フランスが先制。それでもボール支配で勝っていたクロアチアは28分、ペリシッチ(インテル)がgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて同点に追いついたため、行方がわからなくなっていたんですが、この日のフランスには運も味方したんでしょうかね。
▽何と38分、クロアチアのCKクリアでVAR(ビデオ審判)確認が入り、ペリシッチのハンドでPKとなったから、さあ大変。ピタナ主審がモニターを見に行っている4分間、キッカーとして待機していたグリーズマンもきっと、頭の中では2年前のCL決勝でPKを失敗。それも響いて最後は延長、PK戦の末にお隣さんに負けてしまったことを思い出していたのでは?その上、クロアチアのGKスバシッチ(モナコ)は16強対決のデンマーク戦、準々決勝のロシア戦でもPK戦で活躍したparapenarti(パラペナルティ/PK止め屋)となれば、プレッシャーもひときわだったはずですが…。
▽見事にスバシッチの裏をかき、成功したんですよ!うーん、この日のゴールで大会4得点目だった彼ですが、ウルグアイ戦でGKムスレラ(ガラタサライ)のミスにより入ったシュート以外、他は全てPKによるものですからね。ここは大事な場面で失敗しなくなった当人の成長を喜ぶべきかと。結局、2-1とリードしてハーフタイムに入ったフランスでしたが、納得していなかったのはクロアチア勢。ええ、キャプテンのモドリッチなど、審判団がアルゼンチン人でスペイン語が通じるのをいいことに、「El penalti no era. Y la primera falta no era falta/エル・ペナルティ・ノー・エラ。イ・ラ・プリメーラ・ファルタ・ノー・エラ・ファルタ(あれはペナルティじゃなかった。最初のファールもファールじゃなかった)」と抗議してしましたが、確かにエリアの左前でブロゾビッチ(インテル)にグリーズマンが倒されたプレーについては是非が問われていましたけどね。
▽とはいえ、後半のフランスは自慢の多民族融合パワーが炸裂。14分にはグリーズマンの折り返しをポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)が2度撃ちして追加点を挙げると、20分にもエムバペ(PSG)が4点目を決めてしまったとなれば、いえ、後でラキテッィチ(バルサ)など、「Marcaron cuatro goles en sus tres tiros a gol/マルカロン・クアトロ・ゴーレス・エン・スス・トレス・ティロス・ア・ゴル(枠内シュート3回で4点取った)」と皮肉っていましたけどね。「Nos basamos en defender como hacemos en el Atletico/ノス・バサモス・エン・デフェンデール・コモ・アセモス・エン・エル・アトレティコ(ウチのプレーはアトレティコのように守備が基本)」とリュカ(アトレティコ)も言っていたように、クロアチアの反撃をGKロリス(トッテナム)のゴールスローミスをマンジュキッチが押し込んだ1点だけに留め、4-2で勝利することに。
▽え、この結果、フランスの優勝が決まり、2016年はCL、ユーロと続けざまに決勝で負けるという並々ならぬ悲劇を経験したグリーズマンが決勝のMVPをゲット。リベンジを果たしたのはめでたいとはいえ、だからと言って、彼が今年のバロンドール候補ナンバーワンになったというのは持ち上げすぎじゃないかって?そうですね、この大会開幕数日前にアトレティコ残留を決意するドキュメンタリー番組を公開、グループリーグ第1戦終了後の中日にはヒル・マリン筆頭株主がわざわざ、モスクワ郊外のフランスのベースキャンプに駆けつけて、リュカ共々、延長契約にサインをもらっていたのはこうなると、先見の明があったと言えますが、その時点ではまだ当人が活躍できるかどうか、定かではありませんでしたからね。
▽逆にフランスが早期敗退でもしていれば、ただのお騒がせ男で終わってしまうところでしたが、おかげで「Estoy muy orgulloso de la decision que he tomado/エストイ・ムイ・オルグジョーソ・デ・ラ・セシシオン・ケ・エ・トマードー(自分の取った決断をとても誇りに思う)。このW杯のタイトルは全てのアトレティコファンのものでもあるし、ボクらにはワクワクする1年が待っている」(グリーズマン)と戴冠後、胸を張れていたのは良かったかと。
▽だってえ、折しも月曜にはバロンドールのライバルの1人であるクリスチアーノ・ロナウドがトリノでユベントス入団プレゼン。当人は「Nadie en el Real Madrid estara llorando por mi/ナディエ・エン・エル・レアル・マドリッド・エスタラ・ジョランドー・ポル・ミー(レアル・マドリーでは誰もボクがいなくなったことを泣いていないだろう)」と言っていたものの、8月15日のUEFAスーパーカップに出ないことが確定しているんですよ。同じくこのW杯で候補に急浮上したモドリッチはグリーズマン同様、バケーションを短くする覚悟があれば、投票までにもう1つ、タイトルを増やせる可能性がありますが、果たしてどうなることやら。常連のメッシ(バルサ)もスペイン・スーパーカップがあるため、予断は許さないものの、彼もロナウドもW杯16強で敗退しているというのは決勝組の2人にとって、有利に働くかもしれませんね。
▽そしてW杯の終了と共に入れ替わりでとうとう、マドリーのプレシーズンもこの月曜から始まり、ロペテギ新監督が指揮を執るバルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションにはベイル、ベンゼマ以下、セバジョス、ジョレンテ、テオ、バジェホ、マジョラル、カシージャ、そして昨季はラージョで修行して戻って来たラウール・デ・トマス、新入団の18歳、FWビンチウス(フラメンゴから移籍)や19歳のGK、ルニン(同ゾリャ・ルハンシク)らが参加。でもねえ、今のところ、非公開で入れないんですよ。
▽どちらにしろ、W杯参加組が戻って来るのは8月1日のマンチェスター・ユナイテッド戦を皮切りに3試合あるアメリカ遠征辺りからですし、エムバペも決勝後、PSG残留するつもりとコメントするなど、ロナウド放出に見合った大型補強もまだ決まっていないとなれば、いえ、噂としては「普通なら、決勝を戦うチームから選ばれるものだけど、ボクもブラジルやフランス戦ではいい試合をしたし、日本戦ではカウンターの起点となったからね」と自身の言う通り、W杯ベストGKに選ばれたクウトワ(チェルシー)獲得は来季で契約が終わることもあり、値段も3000~4000万ユーロ(約40億~53億円)と手頃。ほぼ確定ながら、アリソン(ローマ)のチェルシー到着を待たないといけないとか、そのクルトワが「ボクが行くところには絶対、連れて行くよ」と主張していた、国でもクラブでも同僚のアザールについては難航しているとか、あるんですけどね。
▽とりあえず、W杯前に決まったオディオソラ(レアル・ソシエダから移籍)は水曜にプレゼンがあるんですが、こちらも練習合流は7月末となれば、またしても私が月曜にマハダオンダ(マドリッド近郊)にアトレティコを覗きに行ってしまったとしても仕方なかった?いやまあ、こちらもinternacionales(インテルナシオナレス/各国代表選手)はおらず、トップチームの選手はGKオブラク、アダン(ベティスから移籍)、フアンフラン、トマス、ロドリ(同ビジャレアル)、ビトロ、コレア、そして退団予定のガメイロ、ビエットしかいないんですけどね。
▽今週は朝一番、7時45分からのセッションはグラウンドでランニングなどのフィジカルがメイン、トリプルの場合は10時30分からジムが入るんですが、ボールも使う夕方の部ではフィジカルコーチのプロフェ・オルテガが「La perdemos y la robamos/ラ・ペルデモス・イ・ラ・ロバモス(ボールを失くしたら盗む)。相手に考えるヒマを与えるな」とロンド(輪の中に選手が入ってボールを奪うゲーム)でカンテラーノ(下部組織の選手)たちにアトレティコ・サッカーの基本を説いたり、10人のフィールドプレーヤーがポジションについてチームとしての動きをマスターする演習は必ず、最後は高速で自陣エリアに戻って守ることで終了。その辺、シメオネ監督の特徴が出ていて面白かったりもするんですが、グラウンドを囲む金網の外から見学しているファンは西日を真っ向から浴びて、ちょっと辛そうでしたっけ。
▽そんな中、ヘタフェは月曜からバレンシア(スペイン南東部)のオリバにキャンプに行ってしまい、土曜までは戻って来ず。チチソラ(ラス・パルマスから移籍)を獲った後、ダビド・ソリア(同セビージャ)も加入して、クリスタル・パレスに行ってしまったグアイタの穴を埋める正GK争いが激化したり、ボランチのマキシモビッチ(同バレンシア)に500万ユーロ(約6億6000万円)を払ったりと補強の動きも続いていますが、逆にホルヘ・モリーナやジェネが移籍するという噂もありますからね。新シーズンを落ち着いて迎えるにはまだ、時間がかかりそうですが、人の出入りが続いているのは同じ弟分、レガネスやラージョも同じかと。
▽そのラージョも木曜からはマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)でキャンプと河岸を変えるようですが、どうやら今年も猛暑のマドリッドでずっと過ごすようなのはレガネス。今週土曜から始まるプレシーズンマッチも2部のマドリッド勢アルコルコンだったり、今季からその仲間入り、シュダッド・デポルティバ・ワンダにあるミニスタジアムの改修が済むまで、ワンダ・メトロポリターノでリーガを戦うことがきまったラージョ・マハダオンダといった近隣のチームが多いのも交通費が節約できるから?そろそろ、スペイン各地では1部チームの親善試合も始まっているため、観光などで来る機会のあるファンはマルカ(スポーツ紙)の予定表(http://www.marca.com/futbol/primera-division/2018/07/03/5b3a5613ca474190178b45bf.html)などを参考に立ち寄ってみてもいいかもしれませんね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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