【セリエA・シーズンプレビュー】7連覇目指す本命ユーベにナポリ、ローマ、ミラノ勢が挑戦

2017.08.19 12:01 Sat
Getty Images
▽2017-18シーズンのセリエAが19日に開幕する。昨季はローマとナポリの健闘が光ったものの、ユベントスの史上初の6連覇で幕を閉じた。一強時代を長らく築いてきた王者ユベントスだが、新シーズンはミラノ勢の復活が期待でき、群雄割拠のスクデット争いが繰り広げられそうだ。また、チャンピオンズリーグ出場枠がこれまでの3枠から4枠に増えることもあってスクデット争いのみならず上位争いも例年以上に盛り上がりを見せることが期待される。
PR
(C)CWS Brains,LTD.
◆ボヌッチとD・アウベス流出で目指す7連覇~ユベントス~
Getty Images
▽就任4季目のアッレグリ監督率いる本命のユベントスだが、守備の要であり攻撃の起点ともなっていたDFボヌッチがアッレグリ監督との確執からミランへ電撃移籍したことは大きな戦力ダウンとなる。また、未だに世界最高の右サイドバックであることを証明し、ストロングポイントとなったDFダニエウ・アウベスが退団したのも痛手だ。
▽守備面でネガティブな要素がある一方、攻撃面では打開力に優れる高速ウインガーのFWドグラス・コスタ、次代のアッズーリを担うFWベルナルデスキを獲得できた点は、オフェンスのバリエーションを増やす意味でプラスに働きそうだ。10番を背負うことになったFWディバラ、エースFWのイグアインらと、彼らがどのような連係を築いていけるかによって、守備面での不安を圧倒的な攻撃力で打ち消せるかどうかの分岐点となる。さらに懸案だった中盤には攻守両面で幅広くピッチをカバーできるマテュイディを2年超しに獲得できたのも好材料だ。

◆熟成路線で悲願達成へ~ナポリ~
Getty Images
▽ユベントスの対抗に推したいのは現在のセリエAで最もスペクタクルなサッカーを展開するナポリだ。3季目を迎えるサッリ監督に率いられたチームは主力に流出がなく、DFマリオ・ルイとMFウナスのみを補強し、バックアッパーを充実させるに留まった。

▽それでも、1989-90シーズン以来となる悲願のスクデット獲得へ向けて熟成路線で十分に狙えるチーム力を誇っている。得点力を開花させたFWメルテンス、一流選手に成長したFWインシーニェ、ケガの癒えたFWミリクらアタッカーをキャプテンのMFハムシクがいかにオーガナイズしていけるかがナポリの悲願が成就するかどうかの鍵となる。
◆新監督の手腕次第~ローマ~
Getty Images
▽ナポリの次に推したいのがディ・フランチェスコ監督を迎えたローマだ。サッスオーロをヨーロッパリーグ出場に導くなど着実に実績を積み上げたローマの2000-01シーズンのスクデットメンバーであるディ・フランチェスコ監督は、FWサラー、MFパレデス、DFリュディガー、GKシュチェスニーといった主力を失った中、スクデット獲得を目指すことになる。

▽主力を一部失った一方、セビージャで多くの好人材を発掘してきた目利きに優れるモンチSD(スポーツ・ディレクター)によってDFモレーノ、DFコラロフ、MFゴナロン、MFペッレグリーニ、FWデフレル、FWジェンギズといった名より実を取った補強を実施。昨季15ゴールを挙げた快速アタッカーであるサラーの抜けた穴を埋めるのは至難の業だが、新戦力たちをディ・フランチェスコ監督がいかに機能させていくかがダイレクトにチームの結果に直結しそうだ。

◆大型補強敢行で一新~ミラン~
Getty Images
▽近年不振が続いていたミランが中国資本をバックに大型補強を敢行し、一気に新シーズンの目玉チームに変貌している。一時は移籍確実と見られたGKドンナルンマの残留を皮切りに、DFボヌッチの電撃加入。ポルトガルの次代を担うストライカーのFWアンドレ・シウバ、ブンデスリーガからFK達人のMFチャルハノールと、高精度クロスが売りのDFリカルド・ロドリゲス、躍進のアタランタからMFケシエとDFコンティ、ベテランMFのビリアとDFムサッキオとレギュラークラスをこぞって獲得した。

▽獲得してきた選手たちの実力は確かなだけに、手腕に定評のあるミラン2季目のモンテッラ監督がいかに新戦力たちをスムーズにフィットさせていくかがスクデット争いに食い込めるかのポイントとなりそうだ。最低でも4位以内を確保し、チャンピオンズリーグ出場権を獲得することがファイナンシャル・フェアプレーを考慮するとノルマとなる。

◆スパレッティ招へいが最大の補強~インテル~
Getty Images
▽昨季は2度の監督交代を行うなど、不安定なシーズンを過ごした。そんなインテルにとってローマで好結果を残し続けてきたスパレッティ監督を引き抜けたのは、何よりの補強と言える。

▽なりふり構わない補強を敢行したライバルのミランに対し、インテルは要所に的確な補強を施した印象だ。リーグ屈指の攻撃陣に比べ、脆弱な守備陣にパワー系センターバックのDFシュクリニアル、リーグ・アン最高の左サイドバックと評されるDFダウベルト・エンリケを補強。そしてフィオレンティーナの中盤の要であったMFボルハ・バレロとMFヴェシーノを両獲りするなど、実力者を加えた。実績十分の指揮官と、ウィークポイントを確実に補った新戦力がうまく融合すれば、リーグ戦一本に集中できることもあってスクデット争いに十分絡める陣容と言えそうだ。プレシーズンマッチで一定の存在感を示して構想外を免れたDF長友佑都だが、ダウベルトとのポジション争いは厳しいものとなりそうだ。

◆SPAL、ベネヴェントは生き残れるか~昇格組~
▽例年、苦戦を強いられる昇格組だが、新シーズンも1年での復帰を果たしたヴェローナ以外は厳しい戦いを強いられそうだ。資金力にある程度余裕のあるヴェローナはFWカッサーノこそ電撃引退したものの、FWパッツィーニ、FWチェルチ、DFカセレスにDFウルトーとセリエAでの実績が十分な有力選手たちを揃え、残留できるだけの戦力を整えている。

▽一方でSPALとベネヴェントは苦戦必至のシーズンを送ることになりそうだ。まずはセリエBで優勝し、49年ぶりのセリエA昇格を果たしたSPALだが、守護神のGKメトレを再レンタルできたのは幸運だったものの、新戦力として獲得したのはFWパロスキにMFヴィヴィアーニ、DFマッティエッロにDFフェリペとかなり小粒な感は否めない。

▽そしてセリエBで5位となりながら昇格プレーオフでセリエA初昇格を勝ち取ったベネヴェントは、さらに苦しい。セリエBで15ゴールを挙げたFWコーダのみが期待できる新戦力で、彼以外はビッグクラブで出場機会を得られない若手のみと、セリエA残留を果たせれば偉業と言えそうだ。

PR
関連ニュース

【セリエA第34節プレビュー】3位ユベントスvs2位ミランの上位対決

前節はインテルがミランとのダービーを制し、3季ぶり20度目のスクデットを確定させた。残り5試合の注目は5位までに与えらえる来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いと、3チームが自動降格となる残留争いに絞られた。そして今節は来季のCL出場権獲得に迫る3位ユベントス(勝ち点64)と2位ミラン(勝ち点69)による上位対決が行われる。 ユベントスは前節、敵地でのカリアリ戦を2点を先行される展開から辛くも追いつきドロー。前々節インテル相手に引き分けに持ち込んでいた相手にやはり苦戦を強いられた。そして火曜に行われたコッパ・イタリアではラツィオに終始劣勢を強いられた中、途中出場FWミリクの一撃で1-2とし、1stレグのアドバンテージを生かして決勝に進出した。苦しい内容の試合が続いているが、何とか結果を出してシーズン最終盤を迎えている状況だ。コッパ・イタリア優勝、CL出場権獲得に向けてミランとの上位対決を制し、勢いを付けることはできるか。 対するミランは前節、前述のようにインテルに敗れ、目の前で優勝を決められてしまった。史上初めての屈辱を受け、試合終了間際にはDFテオ・エルナンデスとDFカラブリアが退場に。さらに累積でDFトモリが出場停止とバックラインの主軸3枚を欠くが、勝利して鬱憤を晴らすCL出場権獲得となるか。 先週末の前節ボローニャとの上位対決ではホームで完敗したものの、木曜に行われたウディネーゼとの中断試合を劇的にラストプレー弾で制した5位ローマ(勝ち点58)は、8位ナポリ(勝ち点49)との太陽ダービーに臨む。ウディネーゼ戦を最高の形で制し、ボローニャ戦の敗戦を払拭できた中、前節エンポリ相手に低調なウノゼロ敗戦となったナポリを下し、翌木曜に行われるヨーロッパリーグ準決勝レバークーゼン戦に向かいたい。 前節ジェノア戦をボランチでスタメン出場したMF鎌田のアシストで制した7位ラツィオ(勝ち点52)は15位ヴェローナ(勝ち点31)と対戦。その鎌田はコッパ・イタリア準決勝ユベントス戦は欠場。完全休養となった中、ヴェローナ戦での活躍が期待されるところだが、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』はベンチスタート予想に。仮に先発で出場した際には引き続きゴールに絡むプレーを期待したい。 その他、CL出場権獲得が現実味を増している4位ボローニャ(勝ち点62)はカンナバーロ監督が就任した17位ウディネーゼ(勝ち点28)と、コッパ・イタリア決勝進出を果たした6位アタランタ(勝ち点54/1試合未消化)は16位エンポリ(勝ち点31)と対戦する。 ◆セリエA第34節 ▽4/26(金) フロジノーネ 3-0 サレルニターナ ▽4/27(土) 《22:00》 レッチェvsモンツァ 《25:00》 ユベントスvsミラン 《27:45》 ラツィオvsヴェローナ ▽4/28(日) 《19:30》 インテルvsトリノ 《22:00》 ボローニャvsウディネーゼ 《25:00》 アタランタvsエンポリ ナポリvsローマ 《27:45》 フィオレンティーナvsサッスオーロ ▽4/29(月) 《27:45》 ジェノアvsカリアリ 2024.04.27 07:30 Sat

シュチェスニーの後継者探すユベントス、イタリア代表入りも見えるモンツァGK獲得へ

ユベントスがモンツァのイタリア人GKミケーレ・ディ・グレゴリオ(26)の獲得に迫っている。イタリア『トゥット・スポルト』が報じた。 長らく正守護神を務めるポーランド代表GKヴォイチェフ・シュチェスニーとの契約が2025年6月までとなっているユベントス。昨年9月あたりから契約延長交渉へ動いていると報じられた一方、イタリア代表入りが囁かれるディ・グレゴリオや、アタランタのイタリア代表GKマルコ・カルネセッキ(23)が後継者候補に浮上している。 シュチェスニーの年俸を650万ユーロ(約10億9000万円)+ボーナスから引き下げたいユベントスは、現在も契約更新に至っておらず。また、控えの元イタリア代表GKマッティア・ペリン(31)も先発を望んで移籍の可能性があるという。 チャンピオンズリーグ(CL)復帰が濃厚なユベントスは、シュチェスニーとディ・グレゴリオの2人体制で来シーズンに臨み、2025年夏のシュチェスニー退団にも備えるプランを立てている模様。24日にはユベントスのスポーツ・ディレクター(SD)を務めるクリスティアーノ・ジュントリ氏とモンツァの最高経営責任者(CEO)を務めるアドリアーノ・ガッリアーニ氏がミラノで会談し、インテルやミランも注目する守護神の移籍に向け、交渉を行ったようだ。 ディ・グレゴリオに対しては、1月の移籍市場でニューカッスルが2000万ユーロ(約33億6000万円)を用意したものの、選手本人が移籍を拒否。モンツァはユベントスに同額の2000万ユーロを求めているようで、1500万ユーロ(約25億2000万円)+ボーナスなどの形もありえるという。 また、ユベントスはイタリア代表MFアンドレア・コルパーニ(24)にも好感。対するモンツァはU-21イタリア代表MFファビオ・ミレッティ(20)がかねてからお気に入りで、レンタルを望む可能性があり、両クラブの話し合いは今後も続きそうだ。 2024.04.26 17:25 Fri

あと一歩及ばずコッパ・イタリア準決勝敗退…それでもラツィオ指揮官は「パフォーマンスに満足している」

ラツィオのイゴール・トゥドール監督が、コッパ・イタリア敗退を嘆くも前向きな姿勢を示した。イタリア『スカイ・スポーツ』が伝えている。 23日、ホームでユベントスとのコッパ・イタリア準決勝2ndレグを迎えたラツィオ。1stレグを0-2で落とす厳しい状況の中で、12分にFWタティ・カステジャノスのゴールで先制すると、後半開始直後に再びカステジャノスが決めてトータルスコアは同点に。その後はさらなる得点を目指すも83分に痛恨の失点を許すと、2-1で試合を終えた。 試合自体は勝利するも、2戦合計スコア2-3でコッパ・イタリア準決勝敗退が決定。トゥドール監督は敗退を悔やみつつも、チームの見せたパフォーマンスには満足感を示している。 「結果は残念だが、ゴール、競争心、メンタリティの面でチームのパフォーマンスには満足している。これで(就任してから)ユーベとは3回対戦することになったが、そのうち2回で我々は勝利した」 「この試合は、チャンピオンズリーグ出場権を得るための大きな力となるだろう。そして我々は夏になれば、適切なプロフィールを備えたチームを完成させることができるはずだ」 「我々は今日、素晴らしい試合をしたがそれだけでは十分ではなかった。相手を祝福するしかないね。彼らは終盤のゴールで勝ち上がりを決めたんだ。それでも、カステジャノスの2ゴール、競争心、メンタリティなど、多くのことに満足している」 「我々はここからしっかり回復しなければならない。この試合で全てを出し切った後、土曜日再びピッチに立つことになるのだ。今日は目標に届かなかったが、メンタリティや意欲には指導者として満足している」 2024.04.24 11:20 Wed

「難しい試合になると理解していた」コッパ・イタリア決勝進出のユベントス、アッレグリ監督「選手たちはこれに値する」

ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督が、苦しみながらのコッパ・イタリア決勝進出を喜んだ。クラブ公式サイトが伝えている。 23日、敵地でラツィオとのコッパ・イタリア準決勝2ndレグに挑んだユベントス。1stレグを2-0で制したチームだったが、12分に失点を許すとハーフタイムを挟んで迎えた後半も開始早々に追加点を奪われ2戦合計スコアで同点に。その後は拮抗した展開が続いたが、83分のFWアルカディウシュ・ミリクの得点が決勝点となり、試合自体は1-2で敗れるも2戦合計スコア3-2でコッパ・イタリア決勝進出が決定した。 クラブを通算22度目の決勝へ導くことになったアッレグリ監督は、難しい試合を戦ったチームを称賛。選手たちは決勝進出に相応しいパフォーマンスを見せたと誇っている。 「難しい試合になることは理解していたつもりだが、試合開始してすぐに失点してしまった。それでも、後半はフィジカル面で成長できていたと思う。選手たちは素晴らしかったし、簡単な試合ではなかったからこそ、彼らは決勝戦に相応しい。今は、チャンピオンズリーグ出場権獲得に直結するミラン戦に集中すべきだろう」 「現在はいろいろな理由で、ここ1年半経験してこなかったタフな試合をしている。勝利に困難はつきものだ。今晩は結果を残さなければ、敗退する可能性があっただろう。成長を試すいいテストになり、結果として我々は試合に留まることができた」 2024.04.24 10:10 Wed

鎌田欠場のラツィオがホームで意地の勝利もユベントスが22度目の決勝進出!【コッパ・イタリア】

コッパ・イタリア準決勝2ndレグのラツィオvsユベントスが23日に行われ、2-1でラツィオが勝利。2戦合計スコア3-2でユベントスが決勝へ駒を進めた。ラツィオのMF鎌田大地はベンチ外となった。 2日に行われた1stレグを0-2で敗れたラツィオは、直近のジェノア戦からスタメンを4人変更。鎌田やラッツァーリ、パトリックらに代えてゲンドゥージやカタルディ、ロマニョーリらをスタメンで起用した。 一方、ホームで先勝したユベントスは、直近のカリアリ戦からスタメンを4人変更。ウェアやアルカラス、GKシュチェスニーらに代えてコスティッチ、マッケニー、GKペリンらをスタメンで起用した。 試合は立ち上がりからホームチームが積極的な入りを見せると、12分にスコアが動く。ルイス・アルベルトの右CKをファーサイドで競り合ったカステジャノスがヘディングシュートを叩き込み、ラツィオが先制に成功した。 早い時間に1点を返されたユベントスは23分、アレックス・サンドロの鋭い縦パスから敵陣でワンタッチパスを繋ぐと、ラビオのループパスでボックス左に抜け出したキエーザの折り返しをニアに走り込んだヴラホビッチが左足で合わせたが、シュートはGKマンダスが左足でブロック。 さらにユベントスは、32分にもコスティッチの左CKからボックス中央に走り込んだブレーメルがドンピシャヘッドでゴールに迫ったが、これは枠の上に外れた。 ハーフタイムにかけては一進一退の好ゲームが続く中、ラツィオは44分に決定機。左サイドのL・アルベルトが供給したスルーパスからボックス左に抜け出したカステジャノスがGKとの一対一を迎えたが、シュートはGKペリンのファインセーブに防がれ、前半は1-0で終了した。 迎えた後半、再びラツィオは早い時間にスコアを動かす。49分、フェリペ・アンデルソンのくさびのパスを敵陣中盤のL・アルベルトがワンタッチで繋ぐと、上手くDFの裏に抜け出したカステジャノスがボックス内まで侵入しシュートを流し込んだ。 2戦合計スコアで2-2のタイに戻った中、両者は選手を入れ替えて勝ち越しゴールを目指すが拮抗した展開が続く。するとユベントスは、83分に左クロスの流れたボールをボックス右で拾ったウェアがワントラップから右足を振り抜くと、ゴールから逸れたボールをゴール前に走り込んだミリクがゴールに押し込んだ。 結局、この得点が決勝点となり、2-1でタイムアップ。2戦合計スコア3-2でラツィオを下したユベントスが22度目の決勝進出を決めた。 2024.04.24 06:05 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly