トッティラストゲームで劇的勝利のローマが2位で来季CLストレートイン! 1G2Aで勝利演出のゼコが29得点で初の得点王!《セリエA》

2017.05.29 03:14 Mon
Getty Images
▽ローマは28日、スタディオ・オリンピコで行われたセリエA最終節でジェノアと対戦し、3-2で勝利した。この結果、勝ち点87で2位確定のローマが来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)ストレートインを決めた。
PR
▽前節、キエーボとの打ち合いを制した2位ローマ(勝ち点84)は、3位ナポリ(勝ち点83)と勝ち点1差をキープして最終節を迎えた。来シーズンのCLストレートインに向けて勝ち点3が必須となる16位ジェノア戦(勝ち点36)は、ローマの今後を左右する重要な一戦。ただ、それ以上に注目を集めたのが、この試合を最後に下部組織時代を含め28年を過ごしたクラブを去る元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティ(40)のラストダンス。前日会見で「重要な場面で使う」と語ったスパレッティ監督だが、得点王争いが懸かるゼコを先発で起用し、バンディエラはベンチからのスタートとなった。
▽バンディエラのラストプレーを拝もうと、普段は閑散とするオリンピコが超満員となった中でスタートしたローマの今季最終戦。新シーズンのユニフォームを着用したローマに対して、対戦相手のジェノアはローマの背番号10への敬意を示し特別ユニフォームを着用してプレーした。

▽トッティの花道を勝利で飾るため、前がかりな入りを見せたローマだったが、開始3分に一瞬の隙を突かれて先制点を許す。右サイドのラゾビッチから高い最終ライン裏にスルーパスが送られると、DFマノラスがラインを上げ切れず、ペッレグリに抜け出されると、GKとの一対一を決められた。なお、2001年3月生まれのペッレグリは、前日に2000年2月生まれでセリエA初ゴールを記録したユベントスFWケアンを抜き、今季のセリエA最年少ゴール記録となった。

▽思わぬ新星の登場でまさかのビハインドを背負ったローマは、らしくないボールロストやGKシュチェスニーの不用意な飛び出しでピンチを招くなど、失点後もバタ付く。しかし、頼れるエースストライカーがチームを救う。10分、左サイドから内に切り込んだエメルソン・パルミエリのパスを受けたストロートマンがワンタッチの浮き球パスをゴール前に送る。これを胸でトラップしたゼコのシュートは左ポストを叩くが、こぼれ球を身体ごと押し込んだ。
▽ゼコの今季29点目で試合を振り出しに戻したローマだが、再びアクシデントに見舞われる。守備の局面で左ヒザを痛めたエメルソンがプレー続行不可能となり、ストレッチャーに乗せられてピッチを後に。この緊急事態を受けて、18分にマリオ・ルイが投入された。

▽続け様の逆境に晒されたローマだが、徐々に落ち着きを取り戻して本来のプレーを見せ始める。19分と21分にはいずれもストロートマンの絶妙なスルーパスからゼコ、サラーがGKと一対一を迎えるが、ゼコのシュートはGKラマンナの好守、サラーのシュートは枠の左に外れ、逆転ゴールとはならない。

▽前半終盤にかけても猛攻を見せるローマは、マンマーク気味の対応を続けるジェノアに対して、ポジションチェンジや横の揺さぶりでチャンスを創出していくが、ゼコやエル・シャーラウィの決定機はGKラマンナに防がれ、前半のうちに勝ち越すことはできなかった。

▽後半も立ち上がりから攻勢に出るローマは、ゼコやエル・シャーラウィに決定機も決め切れない。流れを変えたいスパレッティ監督は54分、サラーを下げてこれがセリエA通算619試合目となるトッティをオリンピコでのラストピッチに送り出した。

▽[4-2-3-1]のトップ下に入ったトッティを起点にジェノアを自陣に押し込むローマだが、球際で粘りを見せる相手の守備に苦戦してなかなか決定機を作れない。67分にはバイタルエリアでボールを受けたトッティから浮き球の短いパスを受けたストロートマンが豪快に左足を振り抜くが、このシュートは枠の右に外れる。さらに69分には相手陣内左サイドのトッティからゴール前のエル・シャーラウィに絶妙なフィードが入るが、このヘディングシュートはGKラマンナのビッグセーブに遭い、ゴールとはならず。

▽この直後にエル・シャーラウィを下げて、古巣対戦のペロッティを最後の交代カードとして投入したローマは、74分に待望の逆転ゴールを奪う。バイタルエリアのストロートマンがボックス右に走り込むゼコに絶妙な浮き球のパスを通す。これを巧みなトラップで収めたゼコのマイナスの折り返しを、トッティと被り気味に入ってきたデ・ロッシが左足ダイレクトでニアに蹴り込んだ。

▽トッティと最も長い時間苦楽を共にしてきた“未来のカピターノ”のゴールで試合を引っくり返したローマだったが、その歓喜から一転5分後に悪夢を味わう。79分、左サイド深くに侵攻したラクサールが浮き球で入れたクロスをファーサイドに走り込んだラゾビッチに頭で流し込まれた。

▽痛恨の失点で再びゴールが必要となったローマだが、焦りからか前がかりなところを突かれて、ラゾビッチにポスト直撃の決定機を許すなどあわやというピンチを招く。

▽その後も時間だけが過ぎ、CLストレートイン、トッティのラストゲーム勝利が風前の灯となったローマだったが、最後の最後に劇的展開が待っていた。90分、相手陣内右サイドで得たFKの場面でキッカーのナインゴランがゴール前にハイボールを入れると、ファシオ、ゼコが頭で繋いでボックス左のペロッティにボールが渡る。これをアルゼンチン代表FWが渾身の左足ボレーで流し込み、土壇場で勝ち越しに成功した。

▽その後、オリンピコラストゲームのトッティが相手陣内で得たセットプレーの場面で冷静に時間を使い切り、試合はこのままタイムアップ。消化試合のジェノア相手に大苦戦も、劇的な形でバンディエラのラストゲームを勝利で飾ったローマが、来季CLストレートインを決めた。

▽なお、この試合で1ゴール2アシストの大活躍を見せたゼコは、今季リーグ戦29ゴールで自身初のセリエA得点王を獲得した。

PR
関連ニュース

ローマが後半ラストプレー弾で異例の“20分ゲーム”制す! ウディネーゼはカンナバーロ初陣で厳しい敗戦に【セリエA】

セリエA第32節延期分、ウディネーゼvsローマが25日にスタディオ・フリウリで行われ、アウェイのローマが1-2で逆転勝利した。 当初、今回の一戦は今月14日に開催。23分にロベルト・ペレイラのゴールでウディネーゼが先制も、64分にルカクのゴールでローマが追いつき1-1のイーブンに。 だが、70分過ぎにローマのエンディカが胸の痛みを訴えてピッチに座り込み、応急処置を受けた後に緊急搬送。生命に関わる事象ということもあり、試合続行が困難とのローマ側の訴えが認められて試合途中での中止が決定。 幸いエンディカは大事に至らず、25日に1-1のスコアを引き継ぐ形で72分の時点から再開となった。 ホームのウディネーゼではこの間にチオフィ前監督が解任され、ファビオ・カンナバーロ新監督を招へい。このイレギュラーな一戦が新天地での初陣に。 対するローマは直近のボローニャ戦に1-3で敗れ、チャンピオンズリーグ出場権争いでより厳しい立場に。ヨーロッパリーグのレバークーゼン戦を含め、ナポリ、ユベントス、アタランタと痺れる上位対決を控える中、“20分ゲーム”での勝ち点3を狙った。なお、中断前の時点から6選手を入れ替えて臨んだ。 72分からの再開で勝ち点3を目指して20分間に全力を注ぐという、非常に難しいシチュエーションで迎えた試合。 より勝ち点3がほしいローマが押し込む形でスタートしたが、81分にはウディネーゼがセットプレー流れからボックス左に抜け出したルッカが左足の際どいシュートを放つが、これはGKスヴィラールの好守に遭う。 一方、ローマは直後の85分に決定機。アズムンがDFペレスに圧力をかけてボックス付近でボールを奪い切ってそのまま右足シュートを放つが、これはGKオコイェに阻まれた。 その後、4分が加えられた後半アディショナルタイムにローマが決死の猛攻を仕掛けると、後半ラストプレーで劇的なゴールが生まれる。 95分、連続で得た左CKの場面でキッカーのディバラが正確な左足アウトスウィングのクロスを入れると、ニアにタイミング良く走り込んだクリスタンテがゴール右隅にヘディングシュートを流し込んだ。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ウディネーゼとの再開“20分ゲーム”を劇的に制したローマが、フリウリから勝ち点3を持ち帰ることに成功した。一方、カンナバーロ新体制のウディネーゼは厳しい黒星発進となった。 2024.04.26 03:39 Fri

エンディカが練習復帰! 来月2日レバークーゼンでの出場目指す

ローマのコートジボワール代表DFエヴァン・エンディカは、レバークーゼン戦での戦列復帰を目指すことになるようだ。 エンディカは、14日に行われたセリエA第32節のウディネーゼ戦に先発出場。しかし、72分に胸の痛みを訴えて突如倒れ込み試合は中断。担架で運び出され、試合は中止となった。 しかし、精密検査の結果、心臓の問題などは確認されず。外傷性の肺気胸と診断された。 以降、数々の有酸素運動やテストにポジティブな反応を示したことで、メディカルスタッフはトレーニングへの復帰を許可。同選手は今週に入ってトレーニングへの復帰を果たした。 そして、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、エンディカは今週末に行われるセリエA第34節のナポリ戦で招集メンバーに復帰する見込みだという。 しかし、ダニエレ・デ・ロッシ監督は、5月2日に行われるレバークーゼンとのヨーロッパリーグ準決勝1stレグでの先発起用を計画しているとのことだ。 2024.04.25 12:00 Thu

4位争いから一歩後退のローマ…デ・ロッシ監督「こうした試合もある」

ローマのダニエレ・デ・ロッシ監督が、セリエAでの敗北を振り返った。クラブ公式サイトが伝えている。 22日、4位ボローニャとのセリエA第33節に臨んだ5位ローマ。4日前にはミランを破ってヨーロッパリーグ(EL)準決勝進出を決めたチームだったが、この日は14分に先制を許すとハーフタイム直前にも失点を喫する苦しい展開に。後半に入ると、56分にFWサルダール・アズムンのゴールで1点を返すも9分後に再び失点してしまい、そのまま3-1で試合を終えた。 セリエAで久々の敗北となりボローニャとの差が広がることになってしまったデ・ロッシ監督は、内容に満足できる点はあると強調しつつ改善の必要性を口にしている。 「今日の我々はいつものような鋭さがなかったかもしれないが、相手は良いフットボールをするチームだった。プレスをかけた際も彼らは体を張ってくるから、審判に悪い印象を与えてしまったと思う。それに、機動力あるチームを相手にして試合をクローズするのは簡単ではない」 「だが、こうした試合もあるだろう。ほぼすべてのチャンスをモノにして勝った試合もあったし、相手のシュート数のほうが多かった試合もあった。ボローニャは自分たちの役割を果たしていたが、データを見る限りではかなりの互角だったのだ。我々のほうが、相手より先に危険なプレーをしていたと思う」 「レアンドロ・パレデスへのイエローカードはフェアではなかった。そのせいで負けたわけではないが、あの判定とその直後に喫した失点で我々は少し調子を崩したと思う。それでも、選手たちは最後までパフォーマンスを続けてくれた」 「我々は大人であり、経験も備えている。長い間この仕事をしてきて、ポジティブな感情もネガティブな感情も扱いには慣れているはずだ。これまでの我々はライバルとの試合で常に良い結果を残しており、かなり過酷な試合の連続でもメンタル面はうまく対処できていた」 「(ELの勝利もあり)気が高ぶっていたかもしれないが、それはプレーに影響していないだろう。数字やパフォーマンスを見れば、我々は常に試合の中にいたと思う。いつものようにはいかなかったが、若者たちは決して諦めなかった」 「もちろん、完璧な試合をしたいのであれば、そして3カ月前に始まったこの好調を維持したいのであれば、さまざまな局面をうまく切り抜ける必要がある。経験豊富なチームなら44分に失点すべきではなく、1-2とした後に同点へと追いつく時間はあったと理解すべきだ。3点目を許したことで、風向きは変わってしまった」 <span class="paragraph-title">【ハイライト動画】ローマvsボローニャ</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SI2nLCGDSuk";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.23 12:15 Tue

エル・アジズの華麗バイシクル弾にザークツィー1G1A、ボローニャがローマとの上位対決を制してCL出場権獲得に大きく前進【セリエA】

セリエA第33節、ローマvsボローニャが22日に行われ、1-3でボローニャが快勝した。 5位ローマ(勝ち点55/1試合未消化)と4位ボローニャ(勝ち点59)によるチャンピオンズリーグ(CL)出場権争い。 ローマは前節ウディネーゼ戦、エンディカがピッチで倒れて試合が中止に。1試合消化が少ない中、4ポイント差でボローニャを追うローマは4日前に行われたヨーロッパリーグではミランを下して2季連続準決勝進出とした。そのミラン戦で負傷交代となったルカクが欠場となった中、エイブラハムがディバラ、エル・シャーラウィと共に3トップを形成した。 一方、前節モンツァにゴールレスドローで2試合連続無得点のボローニャは、ザークツィー、エンドイエ、サーレーマケルスの3トップで臨んだ。 共に[4-3-3]でスタートした一戦。立ち上がりの主導権争いを経て14分、ボローニャが先制する。左サイドをオーバーラップしたカラフィオーリのクロスをエル・アジズが華麗なバイシクルシュートで蹴り込んだ。 失点したローマは20分、敵陣でボールを奪ったチェリクがボックス内へ侵入してシュートを放つ決定機を迎えるも、枠を捉えきれず。 ハーフタイムにかけては互角の攻防が続いていた中42分、ボローニャはサーレーマケルスの直接FKがバーに直撃すると、45分に追加点。サーレーマケルスの浮き球パスをエル・アジズが落とし、受けたザークツィーがボックス左で縦へ。左足で放ったシュートがGKスヴィラールの手を弾いてゴールラインを割った。 2点ビハインドで迎えた後半開始5分、ローマはエル・シャーラウィの強烈なミドルシュートが枠を捉えたが、ゴールライン前のポッシュに頭部でクリアされた。 それでも56分に1点差に強める。4分前に投入されていたアズムンがペッレグリーニの右クロスに頭で合わせるとGKスコルプスキを強襲。ルーズボールを押し込んだ。 しかし65分、ボローニャに決定的な3点目が生まれる。中盤でのボールカットからショートカウンターに転じ、ザークツィーのラストパスを受けたサーレーマケルスが独走。GKとの一対一をチップキックで制した。 終盤にかけてはボローニャがローマの攻撃をシャットアウト。3-1で快勝し、CL出場権獲得へ大きく前進している。 2024.04.23 03:29 Tue

カンナバーロが17位低迷ウディネーゼの新指揮官就任へ! 初陣はデ・ロッシとの代表元同僚対決か…

ファビオ・カンナバーロ氏(50)がウディネーゼの新指揮官に就任する見込みだ。 現役時代にナポリやパルマ、インテル、ユベントス、レアル・マドリーで活躍し、2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)制覇に導いた際にはバロンドールも受賞した稀代の名DFだったカンナバーロ氏。 現役引退後は中国の広州恒大(現:広州FC)や、天津権健(現:天津天海)、中国代表を指揮。ヨーロッパでは2022年9月にセリエBのベネヴェントの指揮官に就任したが、成績不振により4カ月で解任されている。 以降はアジア圏での代表監督や古巣ナポリの指揮官就任の噂も取り沙汰されたが、ここにきてウディネーゼの新指揮官就任の可能性が高まっている。 移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏ら複数のイタリアメディアによると、20日に行われたセリエA第33節のエラス・ヴェローナ戦で0-1の敗戦を喫し、直近1分け3敗で自動降格圏とわずか1ポイント差の17位に低迷するウディネーゼはガブリエレ・チオフィ監督の解任を決断したという。 そして、その後任としてカンナバーロ氏の招へいに迫っており、週明けにも交渉が完了する見込みだという。 なお、ウディネーゼは、ローマDFエヴァン・エンディカの健康上の問題で後半半ばに中止となったセリエA第32節のローマ戦が25日に控えており、カンナバーロ氏の初陣は、アッズーリの後輩であるダニエレ・デ・ロッシとの元同僚対決となる可能性が高いようだ。 2024.04.22 07:00 Mon
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly