伏兵サウールのゴラッソでアトレティコがアウェイゴールを与えずバイエルンに先勝《CL》

▽チャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグ、アトレティコ・マドリーvs バイエルンが27日にビセンテ・カルデロンで行われ、1-0でアトレティコが先勝した。

▽準々決勝で優勝候補筆頭の前回王者バルセロナを2戦合計スコア3-2で逆転突破したアトレティコは、今大会10試合5失点と最強の守備力を持つ。そしてリーガではバルセロナと同勝ち点で並び、優勝争いを演じている。そのアトレティコは直近のマラガ戦のスタメンから2選手を変更。負傷したカラスコと、リュカに代えてアウグスト・フェルナンデスとサビッチを起用した。
▽一方、ベンフィカの反撃に遭いながらも2戦合計スコア3-2で退けたバイエルンは、5シーズン連続のベスト4進出を果たした。そのバイエルンは今大会ここまでの10試合で28ゴールを挙げ、最強の攻撃力を持つ。国内リーグでも4連覇に王手をかけている中、直近のヘルタ・ベルリン戦のスタメンから6選手を変更。元リーガ勢のシャビ・アロンソやハビ・マルティネス、チアゴにベルナトらが先発となって、ミュラーがベンチスタートとなった。

▽立ち上がりからハイプレスをかけ、ボールホルダーに激しく寄せるアトレティコが、4分にサウールのミドルシュートでゴールに迫る良い入りを見せた。ボールを保持しにかかるバイエルンに対し、8分にもトーレスが右サイドからのカットインで枠内シュートを浴びせると、11分に先制点を奪いきる。

▽中央でボールを持ったサウールがドリブル突破を開始し、見事なステップワークでDF3人をかわす。そのままボックス右へ進入すると、DF2人が寄せてきた間を通すコントロールシュートを放ち、ボールは左ポスト内側に当たってゴールへ吸い込まれた。▽失点後もアトレティコの鋭い寄せの前に思うようにビルドアップできないバイエルンは25分、右サイドで得たFKをドグラス・コスタが直接狙ってゴールを脅かす。前半序盤を経て徐々に自陣に引き出したアトレティコに対し、サイドを起点に活路を見いだしにかかるバイエルンは28分にラームのカットインからのシュートがボックス内のアウグスト・フェルナンデスの手に当たるもノーファウルの判定が下される。

▽思惑通りに試合を運ぶアトレティコは30分、グリーズマンがロングボールに抜け出してボックス右へ進入。右足でシュートし、GKノイアーを強襲した。ハーフタイムにかけても自陣でソリッドな守備を続けるアトレティコがペースを握ると、43分にもゴールに迫る。左サイドのサウールが入れたクロスをニアのコケがヒールで合わせた。しかし、ここはハビ・マルティネスにカットされ、前半を1-0で終えた。

▽後半もバイエルンがボールを保持する展開で推移。ドグラス・コスタの左サイドを起点に打開にかかると、54分には中央でボールを持ったアラバが思い切りよくロングシュートを狙い、これがバーを直撃した。続く56分には左CKからハビ・マルティネスのヘディングシュートがゴール左を捉えたが、GKオブラクの好セーブに阻まれた。

▽アトレティコを自陣に貼り付けにするバイエルンは、64分にレヴァンドフスキがボックス内からシュートを浴びせると、直後にコマンに代えてリベリを左サイドに投入。右サイドにドグラス・コスタを回した。さらに70分、チアゴに代えてミュラーを投入したバイエルンが決定機を演出する。ロングボールに抜け出したドグラス・コスタがボックス右へ進入。ループシュートを狙ったが枠の上に外れた。

▽73分にビダルのミドルシュートでゴールを脅かされたアトレティコは、GKオブラクの好守で阻むと、一方的に押し込まれていた中、75分にロングカウンターから決定機を演出。グリーズマンが持ち上がり、パスを受けたボックス右のトーレスがアラバをかわして右足アウトでシュート。だが、左ポストを直撃し、ルーズボールを拾ったコケのシュートもGKノイアーにセーブされた。

▽試合終盤にかけて殊勲のサウールを下げてトーマスを投入したアトレティコは試合をクローズにかかる。そして、追加タイム3分のベナティアのヘディングシュートが枠を捉えたものの、GKオブラクがセーブしてタイムアップ。アトレティコが伏兵サウールの決勝弾でアウェイゴールを与えずに先勝し、5月3日に行われる2ndレグに向けてアドバンテージを得た。