【特集】丹羽「ガンバは優勝争いを楽しめるチーム」《G大阪総力特集》
2015.07.10 20:37 Fri
▽7月某日、超WS編集部はG大阪の日本代表MF今野泰幸と同代表DF丹羽大輝のインタビューに成功した。2人にはJリーグやACL、さらには日本サッカーと海外サッカーの差など、多岐にわたるテーマについて語ってもらった。まず、本稿では丹羽がJリーグについて話してくれた内容をお送りする。
▽昨シーズン、クラブ史上初の3冠を成し遂げたG大阪。J2からの昇格直後の偉業達成であり、2013年に就任した長谷川健太監督にとって、自身初のJ1でのタイトル獲得となった。選手時代は攻撃的な選手として名を馳せた長谷川監督だが、丹羽によると、同監督の守備へのこだわりがチームの安定感を生んでいるとのことだ。
──長谷川監督が練習で気を使っているところは?
「守備は本当に細かいですね。ポジショニングひとつをとってもすごく言われます。中を締めるところも、ボールが動いているときのコントロールも、すごく言われますね。監督はどちらかといったら攻撃的なイメージが強いと思っていたんですが、本当に守備のことを細かく言ってくれる監督。それはチームにとって大きなことだと思います」
──J1で13失点はリーグ最少です。昨シーズンは魅せる戦いが多かった印象だが、今シーズンは、苦しみながらも僅差の勝利をつかむ試合が多かったように思います
「昨年も苦しみながら勝った試合っていうのは結構ありました。今年は、昨シーズンに3冠を獲ったこともあり、僕らの戦いが分析されている中でなかなか崩しきれない場面が多かった。だから、守備でゲームをつくるという展開になりがちなので、そういう意味で苦しんで勝ち点を取っているというのはあるかもしれない。ただ、僕らの中では、苦しんでいるというよりも、守備でリズムを作っているという感覚ですね」
──以前のG大阪は、すごくガツガツいくチームという印象でした
「3点取られたら4点取るみたいなチームでしたよね」
──長谷川監督のスタイルが浸透して、守備から入るスタイルになったということでしょうか?
「そうですね。もちろん攻撃的なプレーで点を取るのが理想ですけど、2点取られたら3点取らないといけないし、3点取られたら4点取らないといけいない。それなら0で抑えれば、1点取ることができれば勝つことはできる。勝つ確率を考えた時、なかなか毎試合毎試合3点、4点と取るのは難しいと思うので、守備からしっかり入らないと。チームの安定感は守備から生まれていると思います」
「もちろん、それはあると思いますよ。やはり免疫がつくので。Jリーグにはない高いレベルを体験して日本に帰ってきたら、スピード等への対応は楽になる。(速さに対する)免疫がついているので、余裕が生まれる。そういう意味でも、本当にACLでの経験は大きいと思います」
「やっぱり昨季3冠で注目されていますし、分析もされている中で、どうしても2トップが相当強固にマークされる。だから、今後の攻撃のポイントは2列目の選手。阿部(浩之)だったり、(大森)晃太郎だったり、(倉田)秋だったりが、バンバン点を取ってくれれば、彼らにもマークがいく。2列目の選手にマークがいったら、今度はFWの選手が空くという、良い相乗効果が生まれると思う。僕は後半戦の攻撃のキーが、2列目の選手がいかに点を取れるかというところだと思うので、そこのポジションの選手にはすごく期待をしています」
──ただ、2列目の3選手には守備のタスクもあります
「そうなんですよね。守備もしないといけないし、前に出なくてはいけない。なかなか点を取るのは難しいと思う。でも、チームとしてもうワンランク上に行くためには、そのポジションの選手が点を取ることが必要。そうすれば、2トップが楽になるし、お互いにとっても、チームにとっても良いと思うので。去年もやっぱり、2列目の選手が点を取っているときはすごく良い状態だった。後半戦の攻撃のキーは2列目の選手だと思う」
──1stステージを制した浦和ですが、ACLではグループステージ敗退。一方で、G大阪はACLでも順調に勝ち上がり、J1でも年間チャンピオン射程圏内につけています
「あまり浦和と比べる必要はないかと思いますが、JリーグもACLも結果を残せているのは、チームとして本当に良いこと。レッズは逆に、Jリーグ一本で、Jに懸けることになる。チーム力という点では、確実にACLを戦っているガンバの方が上がっていくと思う。そのことが、もしかしたらJリーグの終盤に差として表れたらいいですね」
──具体的には、浦和との違いはどこにあると思いますか?
「僕のイメージでは浦和は終盤落ちてくる印象がある。その理由は、メンタルの部分だけだと思うんです。もしかしたら、あの6万人のサポーターが選手にとってプレッシャーになっているかもしれない。本来なら出せる自分たちのパフォーマンスが、優勝することやサポーター、メディアを意識しすぎて、出せなくなっているのかもしれない。逆にガンバは、優勝争いを楽しめる選手が多い。(サポーターや優勝争いが)プレッシャーになっている選手が多いのが浦和で、それを楽しめる選手が多いのがガンバ。そのことが昨季の終盤によく表れたんじゃないかと」
──ちなみに、楽しめている選手というのは……
「まあ、僕ですよね。まず(笑) 僕を筆頭に、ヤットさんとかね、優勝争いしていてもいつも同じプレーしてます。あとはパト(パトリック)とかもそう。やっぱりブラジル人だし、メンタル強いなと思います。(宇佐美) 貴史ももちろんそう。昨シーズンの終盤もずっと点を取っていましたし。そういう選手が多ければ多いほど、チームは結果を残せていけると思う。昨季も、浦和が勝ったら優勝っていう試合で僕らが2-0で勝った。今年の終盤も、そういう(タイトルが)決まるような試合が出てくると思うんですよ。それをものにできるかできないかっていうのが、僕は一番大事だと思う。メンタルの強さというか、本当にそこだけだと思うんですよね」
──最後に、後半戦の意気込みをお願いします
「1stステージでは優勝できなかったんですが、2ndステージでしっかり優勝して、さらに年間勝ち点1位で、総合チャンピオンを目指していきたいと思います。ACLも優勝を狙えるところにいますし、スルガ銀行チャンピオンシップ、ナビスコカップ、天皇杯もあります。タイトルを獲れるチャンスが盛りだくさんなので、狙えるタイトルは全部狙っていきます。後半戦しっかりと巻き返していきます!」」
▽昨シーズン、クラブ史上初の3冠を成し遂げたG大阪。J2からの昇格直後の偉業達成であり、2013年に就任した長谷川健太監督にとって、自身初のJ1でのタイトル獲得となった。選手時代は攻撃的な選手として名を馳せた長谷川監督だが、丹羽によると、同監督の守備へのこだわりがチームの安定感を生んでいるとのことだ。
──長谷川監督が練習で気を使っているところは?
「守備は本当に細かいですね。ポジショニングひとつをとってもすごく言われます。中を締めるところも、ボールが動いているときのコントロールも、すごく言われますね。監督はどちらかといったら攻撃的なイメージが強いと思っていたんですが、本当に守備のことを細かく言ってくれる監督。それはチームにとって大きなことだと思います」
「昨年も苦しみながら勝った試合っていうのは結構ありました。今年は、昨シーズンに3冠を獲ったこともあり、僕らの戦いが分析されている中でなかなか崩しきれない場面が多かった。だから、守備でゲームをつくるという展開になりがちなので、そういう意味で苦しんで勝ち点を取っているというのはあるかもしれない。ただ、僕らの中では、苦しんでいるというよりも、守備でリズムを作っているという感覚ですね」
──以前のG大阪は、すごくガツガツいくチームという印象でした
「3点取られたら4点取るみたいなチームでしたよね」
──長谷川監督のスタイルが浸透して、守備から入るスタイルになったということでしょうか?
「そうですね。もちろん攻撃的なプレーで点を取るのが理想ですけど、2点取られたら3点取らないといけないし、3点取られたら4点取らないといけいない。それなら0で抑えれば、1点取ることができれば勝つことはできる。勝つ確率を考えた時、なかなか毎試合毎試合3点、4点と取るのは難しいと思うので、守備からしっかり入らないと。チームの安定感は守備から生まれていると思います」
──ACLでの経験も、守備面に還元されていると思いますか?
「もちろん、それはあると思いますよ。やはり免疫がつくので。Jリーグにはない高いレベルを体験して日本に帰ってきたら、スピード等への対応は楽になる。(速さに対する)免疫がついているので、余裕が生まれる。そういう意味でも、本当にACLでの経験は大きいと思います」
(c) CWS Brains, LTD.
──G大阪は今シーズン、攻撃力が落ちていると言われることもありますが?「やっぱり昨季3冠で注目されていますし、分析もされている中で、どうしても2トップが相当強固にマークされる。だから、今後の攻撃のポイントは2列目の選手。阿部(浩之)だったり、(大森)晃太郎だったり、(倉田)秋だったりが、バンバン点を取ってくれれば、彼らにもマークがいく。2列目の選手にマークがいったら、今度はFWの選手が空くという、良い相乗効果が生まれると思う。僕は後半戦の攻撃のキーが、2列目の選手がいかに点を取れるかというところだと思うので、そこのポジションの選手にはすごく期待をしています」
──ただ、2列目の3選手には守備のタスクもあります
「そうなんですよね。守備もしないといけないし、前に出なくてはいけない。なかなか点を取るのは難しいと思う。でも、チームとしてもうワンランク上に行くためには、そのポジションの選手が点を取ることが必要。そうすれば、2トップが楽になるし、お互いにとっても、チームにとっても良いと思うので。去年もやっぱり、2列目の選手が点を取っているときはすごく良い状態だった。後半戦の攻撃のキーは2列目の選手だと思う」
──1stステージを制した浦和ですが、ACLではグループステージ敗退。一方で、G大阪はACLでも順調に勝ち上がり、J1でも年間チャンピオン射程圏内につけています
「あまり浦和と比べる必要はないかと思いますが、JリーグもACLも結果を残せているのは、チームとして本当に良いこと。レッズは逆に、Jリーグ一本で、Jに懸けることになる。チーム力という点では、確実にACLを戦っているガンバの方が上がっていくと思う。そのことが、もしかしたらJリーグの終盤に差として表れたらいいですね」
──具体的には、浦和との違いはどこにあると思いますか?
「僕のイメージでは浦和は終盤落ちてくる印象がある。その理由は、メンタルの部分だけだと思うんです。もしかしたら、あの6万人のサポーターが選手にとってプレッシャーになっているかもしれない。本来なら出せる自分たちのパフォーマンスが、優勝することやサポーター、メディアを意識しすぎて、出せなくなっているのかもしれない。逆にガンバは、優勝争いを楽しめる選手が多い。(サポーターや優勝争いが)プレッシャーになっている選手が多いのが浦和で、それを楽しめる選手が多いのがガンバ。そのことが昨季の終盤によく表れたんじゃないかと」
──ちなみに、楽しめている選手というのは……
「まあ、僕ですよね。まず(笑) 僕を筆頭に、ヤットさんとかね、優勝争いしていてもいつも同じプレーしてます。あとはパト(パトリック)とかもそう。やっぱりブラジル人だし、メンタル強いなと思います。(宇佐美) 貴史ももちろんそう。昨シーズンの終盤もずっと点を取っていましたし。そういう選手が多ければ多いほど、チームは結果を残せていけると思う。昨季も、浦和が勝ったら優勝っていう試合で僕らが2-0で勝った。今年の終盤も、そういう(タイトルが)決まるような試合が出てくると思うんですよ。それをものにできるかできないかっていうのが、僕は一番大事だと思う。メンタルの強さというか、本当にそこだけだと思うんですよね」
──最後に、後半戦の意気込みをお願いします
「1stステージでは優勝できなかったんですが、2ndステージでしっかり優勝して、さらに年間勝ち点1位で、総合チャンピオンを目指していきたいと思います。ACLも優勝を狙えるところにいますし、スルガ銀行チャンピオンシップ、ナビスコカップ、天皇杯もあります。タイトルを獲れるチャンスが盛りだくさんなので、狙えるタイトルは全部狙っていきます。後半戦しっかりと巻き返していきます!」」
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