コラム

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【原ゆみこのマドリッド】同じゴール日照りでも程度が違う…

▽「リヨンなら行きやすいわね」。そんな風に私が頷いていたのは木曜日、アゼルバイジャンからの長旅を終え、早朝のバラハス空港に着いたアトレティコ一行の尾羽打ち枯らした様子をお昼のニュースで見た時のことでした。いえ、最初は何となく決勝もバクーのオリンピア・スタジアムだから、予行演習になって良かったんじゃないかと思っていたんですけどね。よくよく考えると、彼の地でEL決勝が行われるのはワンダ・メトロポリターノにCL決勝が割り当てられた2019年。つまり来季の話で、2018年は5月16日にスタッド・ド・リヨンで開催されることを思い出したから。 ▽え、どちらにしろ来年5月26日のCL決勝はウクライナのキエフ、NSKオリンピスキー・スタジアムなんて遠すぎて、私にはとても行けたものじゃないだろうって? まあ、そうなんですが、距離的な問題はともかく、このままだとアトレティコは決勝進出どころか、グループリーグ敗退で来年はELを戦うことになるって一体、何年ぶりの苦境でしょう。折しも今年は夏っぽい気候が長らく続いていたスペインでしたが、週明けの雨で一気に晩秋が到来。来週はコパ・デル・レイ32強対戦のエルチェ(2部B)との1stレグがありますし、そこでまたうっかり躓いたりしたら、シメオネ監督就任以降はなかったアトレティコ恒例、真冬のcrisis(クリシス/危機)が起こるんじゃないかと心配になってしまうのは、ちょっと気の回しすぎですかね。 ▽ちなみに今週のCLでいい結果が出せなかったマドリッド勢はアトレティコだけでなく、1日早く火曜にトッテナムをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたお隣さんも勝利を祝うことはできず。いえ、こちらは同グループのドルトムントがアポエルと予想外の1-1ドローを演じてくれたため、順位的に問題がある訳じゃないんですけどね。4000人余りのイギリス人ファンが大声援を送る中、前半24分、オーリエのラストパスをハリー・ケインがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)、間が悪くもバランに当たってオウンゴールとなり、先制された時もそれ程、ショックはなく、実際、42分にはそのオーリエがエリア内でクロースを倒してマドリーはPKをゲット。クリスチアーノ・ロナウドがしっかり決めてくれたため、試合は1-1で折り返すことに。 ▽ただ困ったのは今季の彼らはホームでの成績が悪く、いえ、CL第1節のアポエル戦こそ3-0で快勝していますけどね。リーガではエスパニョールにしか勝っておらず、残り3試合は2分け1敗。とにもかくにもゴールが少ないのが原因ですが、その日も開始早々、ロナウドのシュートがゴールポストに阻まれた後、至近距離から外していたベンゼマが後半にもGKロリスにヘッドを弾かれてしまってはねえ。うーん、ジダン監督は「Lloris en esta ocasion de diez para una, y ha sido hoy/ロリス・エン・エスタ・オカシオン・デ・ディエス・パラ・ウナ、イ・ア・シードー・オイ(ロリスはこういうチャンスの10回に1度は止める。それが今日だった)」と当人を庇っていましたが、それ以外にもイスコ、ロナウドの決定機を防がれてしまっては相手を褒めるしかない? ▽まあ、こんな展開で昨季のようにベンチにモラタ(チェルシー)のようなスーパーサブFWがおらず、その日はマジョラルさえ、ベンチ外だったのはどうかと思うんですが、幸いだったのはこの試合ではGKケイロル・ナバスも冴えていたこと。ええ、前半にはハリー・ケインの強烈なヘッド、後半も「ジョレンテが凄くいいボールを送ってくれて、ボクも上手くコントロールして狙ったんだけど…」というシュートを指先でそらすparadon(パラドン/スーパーセーブ)を披露。スコアが動かないまま、アセンシオやルーカス・バスケスの入った終盤、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質を発動させても良かったマドリーでしたが、やはり引き分けでも両者揃ってグループ首位のままという、危機感のない状況が災いしましたかね。 ▽そのまま1-1で試合は終わったため、うーん、マルセロなど「No se por que hemos pinchado estos partidos porque siempre salimos a ganar/ノー・セ・ポル・ケ・エモス・ピンチャードー・エストス・パルティードス・ポルケ・シエンプレ・サリモス・ア・ガナール(どうしてボクらがいくつもホームゲームで躓いているのかわからない。常に勝つつもりでプレーしているからね)」と言っていましたけどね。ポチェッティーノ監督も「結果はともかく、lo que mas contento me deja es haber competido con el Madrid/ロ・ケ・マス・コンテント・メ・デホ・エス・アベール・コンペティードー・コン・エル・マドリッド(マドリーと競えたことに私は満足だ)」と納得していたように、DF5人制を採用するとか、敵CBを引き付けるため、今季加入した大型FWフェルナンド・ジョレンテを先発させた辺り、トッテナムは戦術的にも上手くやったと思いますよ。 ▽そんなマドリーは11月1日のCL次戦、得意のアウェイでグループ突破が決まるかもしれないんですが、昨季からトッテナムのホーム、ホワイト・ハート・レーンは改装中のため、試合はウェンブリーで開催。まあ、その頃には負傷中のベイルやカルバハルも復帰しているかもしれませんし、同日、スパルタク・モスクワに5-1と大敗を喫しながら、まだ十分突破の可能性があるセビージャ同様、くよくよする必要はないんですけど、何せリーガは待ってくれませんからね。そう、この日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からはエイバルを迎えてのホームゲームとあって、そろそろ自慢の得点力を爆発させてくれないと元々、あまり辛抱強くないサポーターからのpito(ピト/ブーイング)が響き渡ることになるかも。 ▽その一方で、今はヘタフェの柴崎岳選手が負傷中のため、リーガで唯一、活躍が期待できる日本人、エイバルの乾貴士選手は前節のデポルティボ戦でベンチ外。チームは降格圏外の16位ではあるものの、メンディリバル監督が今季8試合ですでに17失点、翻って得点は3点のみという事態にシステムを変更し、3CB制に変えたため、ベベと共にポジションがなくなってしまったとマルカ(スポーツ紙)が言っていたんですが、それが続けば、マドリッド遠征のメンバーから漏れてしまうかもというのもちょっと気になりますよね。 ▽おっと、いくら自分が意気消沈していてもCLの話を終わらせてしまわないと。翌水曜、例外的に午後6時という早い時間から、カラバフ戦のキックオフとなったアトレティコですが、まず驚きだったのは会場がワンダ・メトロポリターノに負けないぐらい、近未来的なデザインのスタジアムだったこと。いえ、カラバフは1993年までナゴルノ・カラバフをホームとしていたんですが、アルメニアとアゼルバイジャンの間で戦争が起こって首都に移転。バクーでも普段は違うスタジアムを使っているんですが、さすが同国初のCL本戦出場とあって、最高の場所でプレーさせてもらえることになったのだとか。 ▽それはともかく、前日練習から筋肉痛で個別メニューだったコケが欠場したアトレティコはここまで1分け1敗で勝ち点1と出遅れていることもあって、前半こそ、カラスコとグリースマンが敵GKとの1対1を弾かれるなど、チャンスを作ったんですけどね。シメオネ監督も「Debemos buscar el partido desde el comienzo/デベモス・ブスカル・エル・パルティードー・デスデ・エル・コミエンソ(キックオフから勝利を求めないといけない)」と言っていたんですが、その割にプレーからはまったく覇気が感じられず。ええ、とりわけ先発に抜擢されたガイタンなど、かなり恐ろしい出来だったかと。 ▽いやあ、トッテナム戦の前、イスコが「Un dia eres Dios y si fallas cinco pases seguidos te quieren echar del Madrid/ウン・ディア・エレス・ディオス・イ・シー・ファジャ・シンコ・パセス・セギードス・テ・キエレン・エチャール・デル・マドリッド(ある日は神様扱いされても、5回続けてパスを失敗すればマドリーから放り出すべきと言われる)」と話していたんですけどね。そういう点ではアトレティコのハードルは低いんですが、ガメイロ同様、こう出る度、失望させてくれるのでは来年1月、ジエゴ・コスタとビトロ(現在ラス・パルマスにレンタル移籍中)が加わるのに合わせての放出要員確定扱いされてしまうのも仕方ない? ▽そんなチームの緩慢なプレーぶりは後半も続き、というか、悪化の一途をたどり、いえ、シメオネ監督は「Al no convertir la ansiedad te lleva a cometer errors/アル・ノー・コンベルティール・ラ・アンシエダッド・テ・ジェバ・ア・コメテル・エローレス(点が入らないせい焦燥感がミスを誘発した)」と言っていましたけどね。28分にはカラバフのFWディノが2枚目のイエローカードをもらって退場となったにも関わらず、前日は風邪による発熱で練習を休んだグリースマンが最後に放ったシュートも大きく外れ、スコアレスドローという結果で彼らは試合を終えることに。 ▽うーん、相手がカラバフとあって、何度も危険なカウンターを受けながら、GKオブラクの手を煩わせることもなく、シュートが外れてくれただけでも恩の字とも言えるんですけどね。前日はマドリーとトッテナムの好ゲームを見ていましたし、夜、CLの他の試合のダイジェスト映像を見てもスタンフォード・ブリッジで3-3と、両者最後まで譲らなかった同グループのライバル、チェルシーvsローマ戦を始め、どこもいい試合だったせいもあって、アトレティコだけがとても同じサッカーとは思えない動きをしていたのがあまりに衝撃的。孤軍奮闘したサウルなど、「あと3試合、ウチは勝ち抜けるために全勝しないといけない」と言っていたものの、いや、ちゃんとサッカーしないとどこにも勝てませんよ。 ▽そんな彼らは早朝帰国後の木曜正午にリハビリトレ、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのセルタ戦の準備に入ったんですが、それにつけても羨ましいのは同じ水曜にオリンピアコスに3-1で勝利したバルサの強さ。だってえ、カンプ・ノウがドシャ振りの雨だったのは事あるごとに「芝が乾いていた」とアウェイのピッチに文句をつける選手たちのチームですから、大歓迎だったはずですけどね、とはいえ、目下、現地はカタルーニャ州独立騒動の真っ只中。前日、独立派の政治団体幹部が逮捕されたことなどもあり、スタンドは試合そっちのけで「Independencia(インデペンデンシア/独立)」、「Libertad(リベルタッド/解放)」とシュプレヒコールを繰り返していたにも関わらず、ピケが前半に退場処分になったのも何のその、まったく相手を寄せ付けないのですから、凄いじゃないですか。 ▽おかげでグループ3連勝と首位通過に邁進している彼らですが、実際、スペイン政府の勧告に従わず、住民投票の後、独立宣言をしたのか、していないのかについて、カタルーニャ州政府が期日までに返答しなかったため、今週土曜には州の自治権を停止する憲法規定の適用を決める会合が開かれるとか、だったら州政府は一方的に独立宣言に踏み切るとか、もう正直、この国の政情は私には訳がわからず。まさか最悪に事がこじれて、12月20日の週末に予定されているマドリーvsバルサのクラシコ(伝統の一戦)に支障が出ないよう、今は祈るばかりかと。 ▽ただ幸い今もマドリッドは落ち着いていて、特に市内には異変もないし、普通なんですけどね。とりあえず、今週末は土曜にプレーするヘタフェは前節、マドリー戦でセルヒオ・ラモスとぶつかって脇腹を痛めたアルバロ・ヒメネスが全治1カ月、その他、柴崎選手、パチェコ、ゴロシート、ジェファーソン・モンテロがケガのリハビリ中、セルヒオ・モラも出場が微妙という状況で、トップチームの選手が16人しかいないというハンデはあるものの、バレンシア(スペイン南部のビーチリゾート)でのレバンテ戦ですしね。 ▽もう1つの弟分、現在6位と好調なレガネスも日曜に誰かさん同様、今季のELグループリーグで2分け1敗と追いつめられているアスレティックをブタルケに迎えるホームゲームですから、何の支障はないんですが…やっぱり気になってしまうのはこのところ、信じられない程、ダメダメぶりが加速しているアトレティコの行く末とまさか、自分がいる時に起こるなんて思いもしなかったカタルーニャ州独立問題が早期解決してくれるのかどうかでしょうか。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.20 20:00 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ボールを追うばかりなのは辛い…

▽「忘れちゃうこともあるんだ」そんな風に私が笑いを噛み殺していたのは月曜日、CLグループリーグのレアル・マドリー戦を控え、サンティアゴ・ベルナベウで記者会見をしたポチェッティーノ監督が「パフォーマンスって何だっけ」と横のアシスタントコーチに訊いているのを目撃した時のことでした。いやあ、当人がアルゼンチン人とあって、質疑応答もどちらかというとスペイン語の方が多かったんですけどね。実際、英語とスペイン語には語尾だけ変えればいい似た単語も多いんですが、rendimiento(レンディミエントー/パフォーマンス)はちょっと連想が不可能。うーん、サウサンプトンにもトッテナムにも母国語で会話できる選手は結構いたはずですが、さすがイギリス暮らしが4年も続くと、咄嗟に出てこないこともある? ▽まあ、些細なことはともかく、その日は昨今、プレミアリーグを席巻しているハリー・ケインを一目見たくて、トッテナムのスタジアム練習を見学に行った私でしたが、ホームゲーム初戦のアポエルとは違い、ピッチでは他にもGKロリスを始め、ソン・フンミンやフェルナンド・ジョレンテといった私でも見分けられる選手がいた上、フィジカルコーチがエクササイズの指示を英語で出しているだけで何か本格的なサッカーをやっているように思えるのは私だけ? CLの割に意外とTVカメラの数が少なく、まだチケットも残っていると聞くため、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの対戦はそれ程、注目カードではないのかもしれませんが、1分け1敗で次は敗退の危機にも陥りかねないどこぞのチームとは違って、トッテナムもマドリーも2連勝中と、グループ首位の高みをガチンコで争う大事な試合ですからね。 ▽先週末のリーガ戦ではGKケイロル・ナバスを始め、ヴァランやモドリッチ、カゼミロ、イスコらをローテーションしたジダン監督も今回は「La primera final por el grupo es manana/ラ・プリメーラ・フィナル・ポル・エル・グルッポ・エス・マニャーナ(グループリーグ最初の決勝)」と言っていたため、ファンは大喜びするものの、心臓に悪いお家芸、土壇場での決勝ゴールなどに頼らなくても済むよう、ベスト中のベストメンバーで挑むはずですが、さて。折しも今季のリーガで初ゴールを挙げたばかりのクリスティアーノ・ロナウドもCLでは4得点と順調なだけに、現在5得点でランキングトップを走るケインとのストライカー対決は絶対、見逃せないところでしょう。 ▽そうそう、その土曜のリーガ戦はヘタフェとのミニダービーだったマドリーなんですが、マドリッドの弟分はバルサ戦同様、ボールがあまり速く走りすぎないよう、少々長めにコリセウム・アルフォンソ・ペレスの芝を剪定。それが却って裏目に出てしまったんでしょうか、アルバロ・ヒメネスの早期負傷交代のアクシデントにも関わらず、何とか相手を無得点に抑えていた前半38分、チャンスを与えてしまったのはCBのカラでした。ええ、自陣エリア前のFKを蹴る時に滑り、ボールが敵へ。そこから切り込んできたベンゼマにタックルを挑むもかわされ、最後はシュートを決められてしまったとなれば、後で当人が「Algo no estamos haciendo bien/アルゴ・ノー・エスタモス・アシエンドー・ビエン(ウチは何か上手くやれていない)。最高責任者の監督から用具係までね」と、失点の原因が選手たち以外にもあることを強調していたのも仕方ない? ▽ただこの1点は後半、11分にファイルが出したラストパスをホルヘ・モリーナがゴール前から流し込み、いえ、リプレー映像だと、ナチョかマルコス・ジョレンテのオウンゴールにも見えなくないんですけどね。モリーナも「Por poner, que me lo pongan a mi/ポル・ポネール、け・メ・ロ・ポンガン・ア・ミー(誰のゴールにするかだったら、ボクにしてくれたらいい)。最後かどうかはわからないけど、足を出して触ったのは確かだよ」と言っていましたし、せっかくローテーションで先発できた2人もミソはつけたくなかったか、得点者として名乗りは挙げず。これでスコアは1-1の同点となったんですが…ここでボルダラス監督が守りに入ってしまったのは残念だったかと。 ▽もちろん手持ちの選手レベルに大きな差があるため、仕方ない面もあるんですけどね。後半途中からベテランボランチのセルヒオ・モラを入れるのは今季のヘタフェのお約束なんですが、この日は彼がベンチにいなかったため、初出場となるラセンをアマスに代えて20分に投入。対するジダン監督もなかなか勝ち越し点が入らなかったため、26分にスペイン代表イスラエル戦の2匹目のドジョウを狙ったか、スーパーサブのカードを切ります。それはイスコで、どうやらその日はプレーさせるつもりはなかったようなんですが、おかげでその直後、クロースからのFKをゴールすぐ前でvolea(ボレア/ボレーシュート)しながら、信じられないことに外してしまったロナウドも面目躍如できることに。 ▽そう、後でボルダラス監督も「Teniamos problemas a nivel fisico/テニアモス・プロブレマス・ア・ニベル・フィシコ(ウチには体力的な問題があった)」と認めていたように、格上相手に必死に守った結果、明らかに終盤のヘアタフェは燃料切れに。そこでボランチのアランバッリをブルーノに代え、5人DF体制で逃げ切りを図ったんですが、40分、何とそれを嘲笑うかのようにイスコのパスが守備ラインをふわりと超え、抜け出したロナウドがシュート。これが決勝点となって、1-2で負けてしまうんですから、まさに勝負とは非情です。おまけに今季、あとちょっとのところの失点で勝ち点1を失ってしまうのはセビージャ、バルサ、デポルティボ戦に続き、この試合で4試合目となれば、ヘタフェの面々がショックを受けていたのもムリないかと。 ▽うーん、丁度、中足骨のヒビを治す手術をした柴崎岳選手も日本に帰国していたため、先週は練習見学をサボッてしまった私でしたが、このチーム、もともとマドリーやアトレティコに比べ、1回のセッションが2時間前後と沢山、トレーニングはしているんですけどね。もしや試合後、「Isco juega asi porque le sale, es lo que lleva dentro/イスコ・フエガ・アシー・ポルケ・レ・サレ、セ・ロ・ケ・ジェバ・デントロ(イスコは自然にああいうプレーをする。自分の中にそれを持っているんだ)」とルーカス・バスケスも言っていたように、才能ある選手ばかりが集まったチームに対抗するには、もっともっと鍛えて、敵の何倍も走れる体力をつけないといけない? ▽ただどんなにフィジカル強化を熱心にしても人間、限界というのはあるもので、それを示してくれたのは同日、バルサを迎えたアトレティコ。間に2時間以上あったため、私も何とかマドリッド郊外南部のヘタフェから市内東北部のワンダ・メトロポリターノに駆けつけることができたんですが、いえ、シメオネ監督のチームが高い位置でプレスをかけ、グリースマンのシュートは2度共、GKテア・シュテーゲンに弾かれてしまったものの、20分には彼らにしては珍しく19回もパスを繋ぐことに成功。それだけでも僥倖だったのに、最後はサウルがエリア外から利き足でない右で放ったシュートが決まり、冗談のように先制できてしまった前半はまだ良かったんですけどね。 ▽実際、カタルーニャ州独立問題にはまだ決着がついていないものの、スタンドにはスペイン国旗を掲げるかなりの数のファンがいたぐらいで当分、ピケへのpito(ピト/ブーイング)は各地のスタジアムで恒例行事となる気配が濃厚とはいえ、試合中に不穏な雰囲気はまったくなし。予想外のリードに場内も盛り上がったんですが、後半があれではねえ。とりわけバルサがイニエスタとセメドを下げ、デウロフェウとセルジ・ロベルトを入れて攻勢に入った15分以降はとにかく、いつ点を取られるかという恐怖と闘うだけになるとは一体、誰が予想できた? ▽それも「El plan era intentar aguantar y salir a la contra cuando dejasen espacios/エル・プラン・エラ・インテンタール・アグアンタル・イ・サリール・ア・ラ・コントラ・クアンドー・デハセン・エスパシオス(作戦は耐えて、スペースができたらカウンターに出ることだった)」という彼らが、「Cuando recuperabamos no conseguiamos hacer la salida limpia/クアンドー・レクペラバモス・ノー・コンセギアモス・アセール・ラ・サリーダ・リンピア(ボールを奪い返してもボールをスムーズに出せなかった)。すぐ取り戻されて、また攻められた」(サウール)のが悪いんですけどね。真夏のロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプでしごかれて、弟分より持久力がついているはずのアトレティコだって、健脚自慢のコケも「El equipo ha hecho un gran desgaste fisico/エル・エキポ・ア・エッチョー・ウン・グラン・デスガステ・フィシコ(チームの体力消耗は凄かった)」と言っていたように、ずっとボールを追ってばかりでは疲れるんですよ。 ▽そう、シメオネ監督もカラスコをトーマスに代え、守備固めに入ったんですが、ファンもあまりの劣勢ぶりに心を砕かれたか、応援の声も途絶えていた36分、セルジ・ロベルトのクロスをルイス・スアレスがファンフランの目の前でヘッド。こんな形で同点にされているなんて、もう体力の限界で頭が働かなかった故のポカとしか思えませんが、その後もピンチは到来します。ええ、ロスタイム終了間際など、エリアすぐ前でFKがバルサに与えられ、メッシがキッカーに立ったため、誰もが最悪の結末を予想したんですが…大丈夫、その日も再三のparadon(パラドン/スーパーセーブ)で失点を防いでくれたGKオブラクがストライクでキャッチしてくれて、試合は1-1の引き分けで終了。ほんの少しだけですが、弟分との差を示すことができたかと。 ▽まあ、これまで全勝だったバルサから勝ち点2を奪ったという意味ではアトレティコを褒めてあげるべきなんでしょうけどね。どうにもこの土曜の2試合、サッカーはどんなに凡人が努力できる範囲で体力アップを図ったとて、やっぱり才能の閃きには敵わないんじゃないだろうかという疑問が再浮上してきたのも確か。シメオネ監督など、ゴールを挙げたサウルを「Sigue creciendo/シゲ・クレシエンドー(成長し続けている)。朝も合宿先のホテルでジムに行って夜の試合のために体調を整えるようになったしね」と評価していましたが、いえ、そういうのって普通にやるもので、今までやっていなかったら、そっちの方が問題では? ▽その辺の差がとりわけ、CLのチェルシー戦(1-2で負け)やこのバルサ戦で明らかになってしまったのは悲しいですが、いくら文句を言ったって、FIFA処分のせいでジエゴ・コスタもビトロ(現在ラス・パルマスにレンタル中)も1月までプレーできませんからね。とりあえず、これでお隣さんに順位を追い抜かれてしまったことは忘れて、月曜にはもう水曜のCL3節に備え、空路6時間のアゼルバイジャンに旅立って行った彼らには決勝トーナメント進出の可能性を残すため、とにかくカラバフに勝ってくれることを祈るばかり。うーん、このぐらいの相手には通常、楽勝のはずなんですが、今季はリーガで絶好調のバレンシアはともかく、ジローナ、レガネスにも引き分けているアトレティコだけにちょっと心配ですよね。 ▽え、レガネスが10月の代表戦週間前、スコアレスドローで兄貴分から勝ち点1をもぎ取ったのは決してフロックでなかったことは日曜のマラガ戦で証明されたんじゃないかって?そうですね、相手は今季まだ勝ち点1しかない最下位でしたが、後半に入ってギアを上げたガリターノ監督のチームは11分にはFKからガブリエウが、32分にもカウンターから1対1を制したシマノフスキが決めて、0-2で勝利。おかげでまた6位まで上がって、とうとうオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の担当レポーターから「Eurolega/エウロレガ」の声まで聞こえてくることに。 ▽確かにこのままの順位で終われば、来季はヨーロッパリーグ出場となりますし、ヘタフェも最盛期にはエウロヘタと呼ばれて欧州遠征を楽しんだものでしたが、ただしこの先の道は険し。何せ、今週末にアスレティックをブタルケに迎えた後、レガネスにはセビージャ、バレンシア、そしてバルサと次々と強敵が待ち構えていますからね。この難所を半分ぐらい引き分けで抑えられれば、まだ夢を見続けられるかと思いますが…その前に定員20名ぐらいしかないようなホームの記者席の少なさはどうにかならない?来季、せっかくヨーロッパの名門が訪ねてきてくれても応援に行けないんじゃ、私も困ってしまいますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.17 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】リーガが戻って来る…

▽「あまりピンとはこないけれど」そんな風に私が呟いていたのは木曜日、そろそろリーガ再開が近づいてきたため、マドリッドの4クラブから代表戦に行っていたメンバーについて調べていたところ、弟分レガネスにも来年のW杯に参加できる選手がいるのに気がついた時のことでした。いやあ、アムラバトのプレーするモロッコはまだ、11月の予選最終戦でコートダジュール(コートジボワール)に引き分け以上の成績を残さないと確定しないんですけどね。当人もワトフォードからの1年間のレンタル移籍とあって、大会開催時はレガネスの選手と言っていいのかも微妙なところですが、それでも1人しかいないinternacional(インテルナシオナル/各国代表選手のこと)がロシアに行けるかもしれないとなれば、チームメートたちのいい励みになるかも。 ▽加えてモロッコと言えば、お隣さんヘタフェのファイルや大先輩レアル・マドリーで先日、デビューしたアクラフ・ハキミも同僚になりますからね。強敵イタリアをrepesca(レペスカ/プレーオフ)に追いやって、先週金曜にグループ1位でW杯進出を決めたスペインも来月は親善試合のみですし、それなら私もアフリカ予選を気にする余裕もあるかと。唯一、気になるのはマドリーのモドリッチとコバチッチ、そしてアトレティコのヴルサリコのいるクロアチアが17日の抽選で相手の決まるプレーオフに出場。相手はスウェーデン、北アイルランド、ギリシャ、アイルランドのどれかになるようですが、ここで勝ち抜けないと本大会に行けないとはいえ、まだ1カ月ありますしね。できれば、W杯でもマドリッドのクラブの選手たちがなるたけ沢山、活躍してほしいものの、今は元気でも来年6月にはケガに見舞われていたり、調子が落ちていたりなんてこともあるため、あまり取らぬ狸の皮勘定はしない方が無難ですかね。 ▽え、それでもW杯行きが決まって消化試合となった月曜のイスラエル戦、スペインのロペテギ監督は将来を見据えて、控えメンバーを試しまくっていたじゃないかって?そうですね、キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)こそ、「que jugara Ramos es una decision mia/ケ・フガラ・ラモス・エス・ウナ・デシシオン・ミア(ラモスが先発したのは私の決断)。多くの選手を代えたから、彼はプレーすべきだった」という理由でリピートしたんですが、後はアルバニア戦で出場停止だったブスケッツ(バルサ)やペドロ(チェルシー)を除き、あまり代表では馴染みのない選手が並ぶことに。ただ、だからといって、そんなに若いチームという訳でもなく、トップは36歳のアドゥリス(アスレティック)、GKは34歳のレイナ(ナポリ)って、ちょっと世代交代に逆行していた例もなきにしろあらず。 ▽そこへやはり、試合の前夜10時過ぎにチーム全員でエルサレムの嘆きの壁を訪問するなど、観光気分が混じっていたのも災いしたんですかね(https://twitter.com/SeFutbol/status/917120666062729222)。敗退の決まっているイスラエル相手になかなか点を取れず、後半からラモスを下げ、イアゴ・アスパス(セルタ)を入れて3バック制にした上、ロペテギ監督率いるスペインの切り札、イスコ(マドリー)も31分に投入。彼の放ったCKが敵DFにクリアされ、そのボールをイジャラメンディ(レアル・ソシエダ)がエリア外から撃ち込んだシュートが決まってくれたため、何とか0-1で勝利を手に入れた彼らでしたが、まあ他に喜ばしかったのはジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)の代表デビュー、後半にはキャプテンも務めたブスケツの代表100試合出場達成ぐらいだったでしょうか。 ▽そして翌火曜にはスペイン代表の選手たちもそれぞれのチームに帰還、マドリッド勢を乗せた飛行機がバラハス空港に着くのが遅れたため、アトレティコなどは午前11時開始予定のセッションを遅らせて、コケとサウールがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に着くのを待っていたそうですが、やはり次は強敵バルサをワンダ・メトロポリターノに迎える大一番ですからね。今週は私も2度程、彼らの夕方練を見学に行くことに。 ▽ええ、月曜には1月からスペイン代表復帰を目指すジエゴ・コスタはともかく、モンテネグロにまだプレーオフ出場の可能性がありながら、2差試合目は出場停止となったサビッチしか、代表から帰還した選手はグラウンドにいませんでしたが、水曜になると同様に予選敗退が決まったスロベニアから戻ったGKオブラク、すでにベルギーのW杯進出が確定していた1戦目のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でゴールを挙げ、次戦出場停止だったカラスコも合流。火曜のベラルーシ戦で1ゴール1アシストと活躍、フランスのW杯出場決定に大きく貢献してきたグリーズマン、2試合目のサウジアラビアとの親善試合では2得点したものの、ガーナの予選敗退を防ぐことはできなかったトマスはジムにいたとかで、姿を見ることはできなかったんですが、朗報は代表選週間直前のレガネス戦をケガで欠場したフィリペ・ルイスとルカスの両名が完全復活していたことでしょうか。 ▽そう、何せ弟分とのミニダービーでは本職はもとより、CB兼任の控えも欠き、苦肉の策で左SBをサウールがやらされていたなんてこともありましたからね。別にそればかりがスコアレスドローに終わった理由ではありませんが、とりわけ予選最終節エクアドル戦でハットトリック、アルゼンチンを1-3の逆転勝利に導いて、土壇場で劇的なW杯出場を達成したメッシを迎えるとなると、やはりこのポジションには百戦練磨のフィリペ・ルイスにいてもらいたいもの。いえ、何度も対決している当人は「Es imposible parar a Messi uno contra uno sin faltas/エス・インポシブレ・パラール・ア・メッシ・ウノ・コントラ・ウノ・シン・ファルタス(メッシを1対1でファールなしに止めるのは不可能)。自分が1人の時、ボールを持って向かって来られたら、引っ張るとか、何か変なことをしない限り、20回のうち1度ぐらいしか勝てない」と言っていましたけどね。 ▽それでも不慣れな選手が対峙したら、相手は今季リーガでも11得点していますから、勢い余って、レッドカードでももらってしまうんじゃないかという心配があるからですが、加えてバルサにはまだ今季2ゴールとはいえ、ウルグアイがW杯行きを決めた最終節、ボリビア戦でdoblate(ドブレテ/1試合2得点のこと)してきたルイス・スアレスの脅威も。木曜夕方の練習から合流した同僚のゴディンが、間が悪くもその試合でオウンゴールしてしまったなんてこともありましたしね。おまけにスペイン代表戦をケガで欠場、その間にクラブと期限なし契約延長更改をしたイニエスタも回復し、累積警告でイスラエルに行かなかったピケもセットプレーでは要注意となると、シメオネ監督もスタメン守備陣はよくよく考えて選ばないと。 ▽そんなアトレティコvsバルサ戦は結局、カタルーニャ州の独立宣言が議会でされたかされないか、曖昧なまま、延期状態に入ったようなので、相手はスペイン・:リーガのチームのまま、予定通り土曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。幸いクロアチアがウクライナに勝ってプレーオフ進出を決めた試合で筋肉痛になったヴルサリコも金曜には練習に参加できていますが、右SBの先発はこの2週間、じっくりトレーニングを積んだファンフランになる目が高い?ちなみにその彼曰く、バルサ戦での「La clave es que no se sientan comodos/ラ・クラベ・エス・ケ・ノー・セ・シエンタン・コモドス(カギは相手に心地良くプレーさせないこと)」だとか。 ▽ただ、今回はホームゲームとはいえ、フィリペ・ルイスも「ビセンテ・カルデロンではドリブルしやすい場所、どこに窪みがあるか、何時なら日差しに目をくらませられないとか、全部わかっていた。Esa es la soltura que aun no tenemos en el Wanda/エサ・エス・ラ・ソルトゥーラ・ケ・アウン・ノー・テネモス・エン・エル・ワンダ(それがまだボクらがワンダでノビノビプレーできてない理由なんだ)」と言っていたように、アトレティコ自身も3試合目とあって、未だに手探り状態のところがありますからね。このparon(パロン/リーガの停止期間)でスタジアム内や周辺の工事もかなり進んだと聞きますが、今回は私も時間的にギリギリの到着になるため、あまりわかりにくくなっていないと助かるかと。 ▽というのもその土曜には午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに弟分のヘタフェがマドリーを迎えるからで、こちらにはクリスチアーノ・ロナウドと共に火曜のスイス戦に勝利、ポルトガルのW杯行きを決めたアントゥネスがいるんですけどね。実際、ファジルのモロッコもそれに続けば、日本代表の柴崎岳選手と合わせ、W杯に3人も参加できるかもしれないというのは昇格組ながら、ヘタフェはかなりいい人材を擁していると言っていいかと。 ▽それでも「Nosotros tenemos que confiar en nuestras cualidades/ノソトロス・テネモス・ケ・コンフィアール・エン・ヌエストラス・クアリダーデス(ボクらは自分たちの質の高さを信じないといけない)。サッカー選手なんだから、自分たちの才能や努力を信じないと」(アントゥネス)と、マドリー戦前にはどこか、精神論頼みになってしまうのは仕方ないことで、何せ相手にはそのロナウドを始め、ラモス、イスコ、アセンシオ、ナチョ、そしてウィルス感染による心膜炎は快方に向かっているものの、まだこの試合には出られないカルバハルらスペイン代表勢の面々、1試合目でドイツのW杯出場が決まったため、お役御免で早期帰還をしたクロース、フランス代表でバルサのユムティティとCBコンビを組んでいるヴァラン、そしてブラジルの初キャプテンを務めてきたカゼミロに、この代表戦週間は負傷のリハビリをしていたマルセロと、ロシアに行くメンバーがゴロゴロいますからね。 ▽そんな中、コスタリカの出場が決まったGKケイロル・ナバスは足のケガでこの試合、カシージャにゴールを譲るようですが、元々、代表戦週間明けのローテーションはジダン監督の恒例行事。ただ1人、目の前でウェールズの敗退が決まるのを見ているしかなかったベイルはふくらはぎのケガで全治1カ月となっているため、当人が落ち込んでいてもこの試合では関係ありませんしね。フランス代表には事情があって呼ばれず、この2週間、ケガが治ってから、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で調子を整えてきたベンゼマやU21ユーロ予選でゴールを挙げたセバジョスなど、却ってモチベーションの高い選手が出てきそうとなれば、やっぱりボルダラス監督のチームが勝利をつかむのは至難の業かと。 ▽まあ現在、首位バルサとマドリーの差がもう勝ち点7もありますし、柴崎選手も12月まで負傷で出られず。頼みの綱のアトレテティコもシメオネ監督がバルサに勝っていないのもあって、これ以上差が開くと優勝戦線が面白くなくなるため、私も今回はそうそう、弟分に肩入れもしていられないんですけどね。コリセウムも今季、2度目のチケット完売だそうですし、スタンドを埋めたサポーターに胸を張れる試合をしてくれればまずは良しとするしかないかと。そうそう、レガネスは日曜にアウェイで最下位のマラガに挑むんですが、こちらは続投が懸かっているミチェル監督には悪いものの、私的にはマドリッド勢の応援一択といったところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.13 13:59 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】これなら期待してもいいかも…

▽「まだ考えるには気が早いよね」そんな風に私が首を振っていたのは日曜日、スペインのロシア・ワールドカップ予選最終節が余裕の消化試合となってしまったせいでしょうかね。スポーツ紙の代表ページではもう、来年6月のW杯ロシア大会行き選手名が取り沙汰されているのを見た時のことでした。いやあ、私は、これで11月の代表ウィークは親善試合三昧、ホームゲームの会場を引き受ける予定のワンダ・メトロポリターノで初めてプレーする相手はどの国なのかの方が気になってしまったんですけどね。ロペテギ監督にはすでに16人の固定メンバーがいると言われても今回、モラタ(チェルシー)、カルバハル(レアル・マドリー)、イニエスタ(バルサ)の常連が欠けていたように、本大会まであと半年以上もあるとなれば、負傷者の発生はもとより、各人の調子自体も大きく変わっている可能性があったから。 ▽ただそうは言っても逆にもし、この11月に開催するんだったら、2014年のW杯ブラジル大会ではグループリーグ敗退、2016年ユーロでもベスト16で姿を消すという残念ぶりだったスペインも再び、優勝候補に入れるんじゃないかと思わせてくれたのが金曜のアルバニア戦だったのは事実。そう、試合前はカタルーニャ州の独立を問う住民投票に対するコメントetc.のせいで、ピケ(バルサ)にしかスポットが当たっていなかったような代表チームだったんですが、ロペテギ監督は世間の騒音に惑わされず、着々と準備を整えていたよう。リコ・ペレス(2部Bエルクレスのホーム)での一戦に秘密兵器を投入とは、スタメンを見て驚いたのは私だけではなかったかと。 ▽それは今季、好調バレンシアを支えるFWロドリゴと当日、ホテルでの軽食時間に先発を告げられ、すぐに母親に電話して伝えたところ、「Pobrecita, casi le da un ataque cuando se lo he dicho/ポブレシータ、カシー・レ・ダ・ウン・アタケ・クアンドー・セー・ロ・エ・ディッチョー(可哀そうに、ボクが先発すると言うと心臓発作を起こさんばかりだったよ)」という22歳のオドリオソラ(レアル・ソシエダ)ら新顔の抜擢。いえ、この夏、ポーランドで共にU21ユーロ準優勝という結果を残したサウール(アトレティコ)も実は代表での先発はその日が初めてだったんですけどね。 ▽そこへイスコ(マドリー)、コケ(アトレティコ)、チアゴ(バイエルン)、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)ら、ロペテギ監督の下、2013年のU21ユーロで優勝したメンバーが加わり、2008年~2012年に国際メジャータイトル三連覇を達成した黄金期メンバーはシルバ(マンチェスター・シティ)、セルヒオ・ラモス(マドリー)、ピケ、ジョルディ・アルバ(バルサ)の4人しかいないって、おやおや、いつの間にか随分、世代交代が進んでいるじゃないですか。 ▽実際、若いメンバーが多いせいか、ピッチに上がった選手たちも気合十分。ピケがボールを持つたびスタンドから湧き上がるpito(ピト/ブーイング)とaplauso(アプラウソ/拍手)など、まったく意に介さず、スペインは序盤から高い位置でプレッシャーをかけてボールを独占します。それこそ30分ぐらいまで、TV画面に時折映るポゼッション率もアルバニアが30%を切っていたぐらいなんですが、この日は嬉しいことにゴールも順調に決まってくれたから、助かったの何のって。 ▽そう、16分にはそれまで2度程、シュートを外していたCFのロドリゴがイスコの浮き球パスをエリア内、コントロールの難しいボールながら器用にGKベリシャ(アタランタ)の手の届かないゴール右上に撃ち込んで先制。続いて23分にはデ・ヘアから始まって18本目、最後は代表に来るといつも「El balon va super rapido!/エル・バロン・バ・ア・スーペル・ラピド(ボールが超速く動く)」と戸惑いながら、2、3日経つと慣れるというコケがスルーパスを送り、イスコが見事な弾丸シュートでフィニッシュすることに。おまけにその3分後にはオドリオソラが右サイドを上がりきり、そのクロスを2列目から飛び込んだチアゴがヘッド。あっさり3点目をゲットしているんですから、まさに目を見張るような効率の良さじゃないですか。 ▽え、中でも9月の予選でもイタリア戦で2ゴール、リヒテンシュタイン戦でも1ゴールを挙げているイスコの代表での活躍ぶりは特筆に値するんじゃないかって?そうですね、後で当人も「クラブであまり出ていなかった時も呼んでくれた監督には感謝している。Yo intento devolverle la confianza en el campo/ジョ・インテントー・デボルベールレ・ラ・コンフィアンサ・エン・エル・カンポ(ボクはその信頼をピッチで返そうとしているんだ)」と言っていましたが、その相乗効果か、今季はマドリーでも頼りになる存在になっているのは誰しも認めるところ。この調子を維持してくれれば、W杯でも2014年優勝時のイニエスタ的役割が期待できるかも。 ▽同時にブスケツ(バルサ)の出場停止を受け、本人は「No es algo nuevo para mi, Julen me conocia en esa posicion de categorias inferiors/ノー・エス・アルゴ・ヌエボ・パラ・ミー、ユーレン・メ・コノシア・エン・エサ・ポシシオン・デ・カテゴリアス・インフェリオーレス(自分にとって新しいことじゃないよ。ロペテギ監督は年代別代表でボクがこのポジションでプレーできることを知っていたのさ)」とは言っていたものの、イジャラメンディ(レアル・ソシエダ)を差し置いて,珍しくDFライン前の1人ボランチという役目を与えられたサウールもかなり上手くやっていたと思いますけどね。U21ユーロではもう少し前の位置で大会ピチチ(得点王)もゲットしている彼だけに、このまま精進を続ければ、本大会でも中盤の万能選手として重宝されるのは間違いありませんって。 ▽ただそれ以降、とりわけ後半のスペインは「no me ha gustado porque hemos perdido el control/ノー・メ・ア・グスタードー・ポルケ・エモス・ペルディードー・エル・コントロル(ウチがコントロールを失ってしまったのは気に入らなかった)」とロペテギ監督も言っていた状態で、いえ、別にイエローカードを受けたピケがナチョ(マドリー)に代わったのは関係なかったと思いますけどね。アルバニアもゴール枠に当たったシュートが2本あったものの、得点するまでには至らず。そのまま3-0でスペインが勝利すると、終了後には2位のイタリアがマケドニアと1-1で引き分けたという報も入り、「En el vestuario hemos cantado, saltado y bailado/エン・エル・ベストゥアリオ・エモス・カンタードー、サルタードー・イ・バイラードー(ロッカールームでウチは歌って跳んで踊った)」(ロペテギ監督)と、最終節を残してのW杯出場決定をお祝いできることに(https://twitter.com/andresiniesta8/status/916578309978447873)。 ▽おかげで翌日、午前中に予定されていたセッションは中止となり、代わりに途中出場のナチョ、アセンシオ(マドリー)、アドゥリス(アスレティク)を含め、この試合に出場しなかった選手たちはリコ・ペレスのピッチで遅くまで練習させられていましたけどね。午後4時にテル・アビブ行きの飛行機が出るまで自由時間となったのはとりわけ、アルバニア戦の会場となったアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート)の隣町、エルチェの出身で、「Jugar tan cerquita de mi casa es muy especial para mi/フガール・タン・セルキータ・デ・ミ・カサ・エス・ムイ・エスペシアル・パラ・ミー(実家のこんな近くでプレーするのはボクにとって特別)。親族が大勢、会いに来てくれた」サウールなどには嬉しかったかと。 ▽ちなみにそんなスペインではピケ同様、アルバニア戦でイエローカードをもらったシルバは次の試合が出場停止となるため、両人とも土曜には代表を離脱。90分プレーしたものの、足首を捻挫したチアゴも4時間のフライトを免れましたが、彼はイスラエル戦が行われるエルサレムのテディ・スタジアムで2013年U21ユーロに優勝した時のメンバーの1人ですからね。思い出の地を踏めないのはちょっと残念だった? ▽ただ、この月曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合ではロペテギ監督も「Habra cambios, vamos a refrescar el equipo/アボラ・カンビオス、バモス・ア・レフレスカール・エル・エキポ(スタメン変更はある。チームをリフレッシュするつもりだ)」と言っていたため、今度はイジャレメンディやバルトラ(ドルトムント)ら、他の当時の仲間や初招集のジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)、再招集のカジェホン(ナポリ)といったところをブスケツが率いていく形になるんでしょうが、ふむふむ、アルバニア戦でフル出場したコケやサウールが休めそうなのは今週末のバルサ戦に向けて嬉しい話かも。 ▽更にアトレティコ勢は日曜にスロベニア、モンテネグロの最終節が終わり、両国共予選敗退となったものの、GKオブラクとサビッチが月曜にはマドリッドに帰還できますしね。すでにW杯出場が決まっていたベルギーのカラスコもこの2戦目は出場停止となり、早期合流が期待されているため、あと気になるのは火曜のベルラーシ戦に1位通過か2位プレーオフかが懸かったフランスのグリーズマン、ほぼウルグアイの出場は決まっているものの、こちらの火曜深夜にボリビア戦があるゴディンとヒメネスの到着が遅いといった辺りですが、まあバルサにも来年のロシアにアルゼンチンが行けないかもしれない瀬戸際にいるメッシやヒザの関節に水が溜まり、手術するしないの話になっているウルグアイのルイス・スアレスなど、イロイロ逆境はありますからね。 ▽まあ、細かいことはまだ予選も全て終了していないですし、後日、お伝えすることにしますが、実はお隣さんにもW杯出場が最終節に懸かっている選手がいるんですよ。その筆頭はクリスティアーノ・ロナウドで、いえ、土曜のアンドラ戦ではあと1枚で出場停止になるイエローカードをフェルナンド・サントス監督が恐れ、当人をベンチ待機に。相手が相手だけにそれでも楽勝できると思ったんでしょうが、前半に点を取れなかったため、後半から投入されたんですけどね。先制点を決めた上、2点目のキッカケになるクロスも上げるという活躍でポルトガルを0-2の勝利に導いて、火曜のスイス戦で勝てば1位でW杯進出が決まるところまで来たんですが、そうでなくとも2位でプレーオフに回れるのが確定しているのはまだ気が楽かと。 ▽それ以上に大変なのはモドリッチがキャプテンを務めるクロアチアで、いえ、アトレティコのヴルサリコも一緒なんですけどね。火曜のウクライナ戦の結果次第では2位で終わっても、最低成績の2位となり、プレーオフ出場権も得られない可能性があるとはビックリ。うーん、微妙なのは代表に合流してふくらはぎのケガが見つかったものの、マドリーに戻らず、カーディフに残ってチームを応援しているベイルのウェールズも同じなんですけどね。最初の試合でW杯出場が決まったドイツのクロースが第2戦参加を免除されたり、土曜の試合でホンジュラスと土壇場で引き分けたケイロル・ナバスのコスタリカが出場決定といった朗報もあるものの、11月の代表戦週間明けはいよいよ、ワンダ・メトロポリターノでの初マドリーダービーとなれば…ジダン監督もプレーオフに参加する選手は多くない方がありがたいかと。 ▽まあ、そんな先の話はともかく、先週末はどこも2連休だったマドリッド勢4チームですが、月曜からは週末のリーガ戦に向けて練習を再開予定。うーん、またしてもこの土曜はヘタフェvsレアル・マドリーのミニダービーが午後4時15分からコリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催、午後8時45分にはワンダ・メトロポリターノでアトレティコvsバルサ戦となるため、綱渡り梯子観戦をする予定の私も頭が痛いんですけどね。日曜にマラガとのアウェイ戦に挑むレガネス同様、各国代表選手の少ないヘタフェなど、大先輩に一泡吹かせるいい機会と張り切っているようですが。とはいえ、相手には代表に呼ばれず、丁度、負傷が治って戻って来るマルセロやベンゼマなどもいますしね。左足第5中足骨のヒビを手術した柴崎岳選手も出られないですし、とりあえず私も弟分の善戦を期待するぐらいな気持ちでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.09 13:31 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】誰もサッカーの話をしていなかった…

▽「やっぱり頼りにはできないか」そんな風に私が失望していたのは水曜日、アトレティコ・フェメニーノが初めて女子CLに挑んだ試合をTVで見た後のことでした。いやあ、男子チームが午前中、練習で使ったシューダッド・デポルティーボ・ワンダ(マドリッド郊外のマハダオンダにある練習施設)のミニスタジアムで開催というあたり、見事に女子大会のマイナーさを象徴している気がしないでもありませんでしたけどね。彼女たちの試合は先週の土曜、同じ会場でのリーガ戦も中継されていて、その時はアスレティックを6-0と粉砕。 ▽さすが昨季のリーガ女子1部覇者、何と強いのだろうと感心したまさにその後、ブタルケでマドリッド勢の弟分、レガネスと対戦した男子は昨季に続き、スコアレスドローがやっとだったとなれば、いっそ代表戦週間明けのバルサ戦は女子チームに出てもらった方がいいかもなんて、私がつい思ってしまったとしても仕方ない? ▽でもねえ、男子CLと違い、グループリーグではなく、いきなりラウンド32・1stレグでから始まったアトレティコ・フェメニーノは女子CL2度の優勝を誇る強豪、ボルフスブルクを迎えたんですが、あまりにドイツのチームとは選手の体格が違いすぎたせいもあるんでしょうかね。前半から押されっぱなしだった上、後半には3点を奪われ、まだ2ndレグはあるものの、0-3の負けではほとんど敗退は確実。ヨーロッパの壁は厚かったと言っていいかと。 ▽え、月曜にラジオのインタビューに出ていたシメオネ監督も「Empatamos en Leganes y parecia que se habia caido el mundo/エンパタモス・エン・レガネス・イ・パレシア・ケ・セ・アビア・カイドー・エル・ムンド(レガネス戦で引き分けたら、まるで天が落ちてきたように思われた)。大丈夫、そんな単純なことじゃない」とチームの不調説を否定。ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で合宿中のサウルもエル・ムンド(一般紙)の取材を受け、「creo que estamos bastante bien para lo que podía haber sido/クレオ・ケ・エスタモス・バスタンテ・ビエン・パラ・ロ・ケ・ポディア・アベール・シードー(起こりうることからしたら、ボクらは十分、いい状態だよ)」とまずクラブについて語ってしまい、記者に「いや、代表のことを訊きたいんだけど」と言われていたように、アトレティコ男子チーム当事者たちは不安を感じていないんだろうって? ▽そうですね、ここ数日、ジエゴ・コスタがプロフェ・オルテガ(フィジカルコーチ)にしごかれているのは、たとえ早期にコンディションが整ったとて、出場できるのは来年1月からなのであまり重要じゃないんですが、木曜には前節をケガでお休みしたフィリペ・ルイスとルカスがグラウンドに姿を現し、9月のアルゼンチン代表招集時に負傷したアウグストもようやくalta medica/アルタ・メディカ(全快通知)をゲット。ワンダ・メトロポリターノにバルサを迎える14日には戦力となってもらえそうなのは朗報なんですけどね。 ▽未だにレガネス戦での惨状が記憶に残っている私としては、グリースマン(フランス)やオブラク(スロベニア)、ゴディン(ウルグアイ)、サビッチ(モンテネグロ)、そしてコケ、サウルといった中心選手たちが各国代表に駆り出されているため、このparon(パロン/リーガの停止期間)でもちっとも休めないことが心配。それ以上に向こうの方が代表選手数は多いとはいえ、元々、バルサはあまり走らないでも勝ててしまうチームですからね。せめてアルゼンチンがW杯に出場できるかどうかの瀬戸際にあるメッシ辺りが消耗して帰って来てくれるといいのですが、きっとそう上手くはいかないかと。 ▽まあ、そんなことはともかく、いよいよこちらもW杯出場決定が目前と迫ったスペイン代表の話をしておかないと。ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設に集合直後の月曜夕方、最初のセッションのみ一般公開すると、いえ、別にスペイン政府から違法と見なされ、中止命令が出ながら、前日には独立を問う住民投票がカタルーニャ州で実施。警察との衝突で多くの負傷者が発生したことなどもありましたが、その住民投票開催をずっと支持していたピケ(バルサ)がスタンドを埋めたファンのpito(ピト/ブーイング)や野次の標的に。おかげで練習が20分程で終わってしまったのとは関係なく、最初からの予定で続く2日間は非公開でアルバニア戦に向けて準備をしていた彼らですが、一応、水曜には私もマスコミ向けの15分のみ公開時間目当てに足を運んでみたところ…。 ▽実際、アトレティコやレアル・マドリー同様、セッションもこの部分はフィジカルやロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)しかやらないため、せいぜい不在の選手がいないかどうか確認するぐらいで、あまりチームの調子を見る役には立たないんですけどね。ただその後、施設のプレスルームに閉じ込められ、練習後の記者会見を待っていると、うーん、火曜に壇上に座ったコケ(アトレティコ)とチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)への質問がほとんどピケ関連だったせいなんでしょうかね。「Cansa un poco el tema/カンサ・ウン・ポコ・エル・テーマ(その話題にはちょっと疲れたよ)。いつも同じこと話している」とコケも愚痴っていたんですが、そんな状況に終止符を打つべく、渦中の人が現れたからビックリしたの何のって。 ▽ええ、そのことは私なんかより全然、情報通のTVやラジオの代表番記者たちも5分前に広報から知らされるまで予想もしていなかったようで、私も初招集のジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)やまだ新顔のロドリゴ(バレンシア)やオドリオソラ(レアル・ソシエダ)が来るんだろうと思っていたんですけどね。運がいいんだか悪いんだか、30分以上もそのご高説を拝聴する破目に。 ▽ただ、「自分の発言は後悔していない。それはボクが感じたことだから。人は皆、意見を持つものさ」とか、「un independentista podría jugar en la selección porque no hay selección catalana/ウン・インデペンデンティスタ・ポドリア・フガール・エン・ラ・セレクシオン・ポルケ・ノー・アイ・セレクシオン・カタラーナ(独立主義者もスペイン代表でプレーできる。だってカタルーニャ代表はないのだから)」と言いながら、自身は独立派なのかと訊かれると、「No te la voy a contestar porque creo que los jugadores somos figuras globales/ノー・テ・ボイ・ア・コンテスタール・ポルケ・クレオ・ケ・ロス・フガドーレス・ソモス・フィグラス・グロバーレス(それには答えない。何故なら、選手は世界的な有名人だから)」って、ちょっと矛盾していない? ▽大体、これまでのコメントやツィートだって、大きな反応を引き起こすことをわかってやっていたはずですが、とりあえず重要なのは、金曜に迫ったアルバニア戦前に彼が「今、代表辞退はブーイングする人たちが正しいという認識を与えるからしない」という点と、懸念されたセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)との仲に亀裂は入っていないということ。ええ、「Incluso vamos a ser socios en un negocio/インクルソ・バモス・ア・セル・ソシオス・エン・ウン・ネゴシオ(それどころか、ボクらは共同事業をするつもり)」って、後でそれはスポーツ紙などにより「Power to the Players」というスポーツ選手専門のSNSプラットフォーム開設だと明かされているのを見るにつけ、もしや宣伝も兼ねていたのでは疑ってしまったのは私だけではなかったかと。 ▽まあ、それでも自ら事態を収拾するために出て来た姿勢を評価されたか、翌木曜に移動したアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート)では宿泊先のホテル・メリダにチームが裏口から入ったこともあり、そこではファンからブーイングはあったものの、夕方のリコ・ペレス(2部Bエルクレスのホーム)での公開練習時には拍手と拮抗しましたからね。時にピケの言動にチェックを入れるラモスも試合前日記者会見では「人には人の意見がある」的なコメントに終始するなど、アルバニア戦を前にとにかくチームの団結を優先したいようでしたっけ。 ▽実際、火曜の夜には今回の事態を重く見たスペイン国王フェリペ6世が、父のファン・カルロス1世の在任時も2度しかしたことのないという、国民に向けて緊急メッセージをTVで発信。それがカタルーニャ自治政府の暴走を強く非難する内容だったせいか、「Quería escucharlo pero se me pasó, estaba jugando a la pocha/ケリア・エスクチャールロ・ペロ・セ・メ・パソ、エスタバ・フガンドー・ア・ラ・ポチャ(聞きたかったんだけど逃した。ポチャ/スペインのカードゲームをしていたからね)」とピケが流してしまったことについても、「Chapeau para el Rey/シャポー・パラ・エル・レイ(王様にシャッポを脱ぐよ)。絶対必要なメッセージだったし、言っていることにも同感だ。彼がアトレティコファンなのは何だけど、良かったのは認めないと」程度でラモスが留めていたのは大人の対応だったかと。 ▽一方、ピケの件はもう終わったことと見なしていたロペテギ監督は、「Estamos pensando en el estilo que podemos utilizar/エスタモス・ペンサンドー・エン・エル・エスティーロ・ケ・ポデモス・ウティリサール(使えるスタイルを考えている)」と、金曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合にどんな戦略で行くのか明かさず。公開練習ではCFとしてアドゥリス(アスレティック)を使った4-3-3やアセンシオ(マドリー)のfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/CFの場所にいるMF)など、イロイロ試していたそうですけどね。うーん、モラタ(チェルシー)やイニエスタ(バルサ)、カルバハル(マドリー)の負傷欠場やこの試合にはブスケツ(バルサ)が出場停止になるというハンデはあったとしても相手はアルバニアですからね。 ▽いくら昨年のアウェイ戦では0-2と少し苦労したとはいえ、このぐらいは軽く勝利してくれないとW杯に行ってからが思いやられるのでは?ちなみにグループ3位のアルバニアはイタリアと勝ち点6差で、最終戦ではそのイタリアと対決。ただ、得失点差も大きいため、よっぽどのことがない限り、プレーオフに回れる2位に上がるのは無理なんですが、要注意なのはこの夏、指揮官がデ・ビアージ監督(現アラベス)からパヌッチ監督に代わっていることでしょうか。ええ、現役時代にマドリーでもプレーし、スペインのファンにも馴染みのあるイタリア人元DFは勝ち点差3で逆転1位通過を狙っている母国のため、ひと肌脱ぎたいと思っているようですが、さて。何にしてもスペインには早めにW杯進出を決めてもらいたいところです。 ▽え、この1週間、アトレティコが何しているかは聞いたけど、お隣さんの情報は何もないのかって?そうですね、マドリーも小所帯となりながら、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニングを続けていたんですが、負傷中だったマルセロやテオ、ベンゼマがセッションに加わり、復帰が間近になった半面、前節のエスパニョール戦を欠場、満を持してウェールズ代表に向かったベイルがケガでプレーできないという残念な知らせも届くことに。 ▽それも少々、経過が謎めいていて、先週のCLドルトムント戦で途中交代した後、ジダン監督は「ただのこむら返り」としながら、リーガ戦の前にはハムストリングの筋肉痛にステップアップ。それが代表で検査を受けたところ、またしても左ふくらはぎのミニ肉離れで全治1カ月って、いやあ、飛行機で移動している間にもしや何かあった? ▽ただ、今回のW杯予選最終2試合、ウェールズは勝ち点4差のセルビアを上回る可能性もあれば、最終節で当たる1差の3位、アイルランドに2位の座を奪われてしまう可能性もあるといった予断を許さない状況のため、ベイルはマドリッドには戻らず、帯同してチームを応援するようですけどね。これで2013年にマドリーに入団して以来、18回目の負傷ともなると、中にはロッベン(バイエルン)のようにリーグを変えた途端、丈夫になった選手もいますからね。要はスペインの水が合っていないんじゃないかと思えてきますが、果たしてどうなんでしょうか。 ▽同様に水曜はポルトガル代表での練習をセーブしたと報じられ、体の不調が心配されたクリスチアーノ・ロナウドの方は大したことはなかったようで、木曜には軍用機でチームメートと一緒にアンドラ入り。こちらの2位は確定していますが、1位のスイスと勝ち点差3、最終節で直接対決となるため、勝利が見え次第、フェルナンド・サントス監督も温存を考えてくれるんじゃないかと。 ▽その他、木曜に1位突破を決めたクロースのドイツやすでにW杯進出が決まっていたブラジルのカセミロなどはともかく、モドリッチのクロアチアなど、突破が懸かっての激戦になりそうな代表に行っている選手はケガをしないかどうか、注意していないといけませんが、その辺、アムラバット(モロッコ)1人しか各国代表がいないレガネス、ジェネ(トーゴ)、ファジル(モロッコ)、アントゥネス(ポルトガル)と3人だけのヘタフェは余裕があって、このミッドウィークにはそれぞれエイバル(2-0で勝利)、ヒムナスティック・セゴビアーナ(1-2で勝利)と親善試合で調整。それって、リーガ再開2日前ぐらいならないと選手が揃わない兄貴分チームたちの監督にとっては羨ましい限りかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.06 17:25 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】この先が思いやられる…

▽「いくらこれじゃ練習する気にならないって言ってもね」そんな風に私が呆れていたのは月曜。通常より遅めの午後7時45分からの練習開始だったからですかね。モンクロア(バスターミナル)で帰宅ラッシュに遭遇し、予定していたバスに乗れずに10分程、遅れてしまったのも悪いんですが、ラス・ロサス(マドリッド近郊)サッカー協会施設のグラウンドでロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)をしていたスペイン代表選手たちが早くも8時5分、サウール(アトレティコ)、チアゴ(バイエルン)、ペドロ(チェルシー)、イアゴ・アスパス(セルタス)だけを残して全員、ロッカールームに戻ってしまうのを見た時のことでした。 ▽いやあ、誰もが想像した通り、今回、W杯グループ予選最後の2試合を控えた合宿で唯一、一般公開されるセッションとあって、スタンドに詰めかけたファンたちはピケが姿を現すと、力の限り大きなpito(ピト/ブーイング)で迎えたんですけどね。実際、ロンドの最中も観客の野次は止まらず、その一方であてつけのように「yo soy español/ジョ・ソイ・エスパニョール(ボクはスペイン人)」というカンティコ(節のついたシュプレヒコール)や、「Que viva España!/ケ・ビバ・エスパーニャ(スペイン万歳)」といった歌が聞こえてくるとなれば、ロペテギ監督だって、火曜以降の非公開ダブルセッションで形を整えていけばいいと判断した? ▽実際、本当のところはわかりませんが、何にしろ、スペイン代表の最初の試合は金曜と先ですし、どうしてピケがそんなことになってしまったのかはまた後でお伝えすることにして、とりあえず先週末のリーガの話をしておかないと。この7節、マドリッド勢の先陣を切ったのは弟分のヘタフェで、いやあ、私もゴールレスだった前半は見逃してしまったんですけどね。それでも8分にはアマトがGKとの1対1をようやく制して、今季初ゴール。先制のシーンに間に合ったため、今日はツキがあるのかと思いきや、それは束の間の夢に終わることに。ええ、ペペ・メル監督のクビが懸かっていたデポルティボは65分にはルーカス・ペレスが決めて同点に追いつくと、86分にはエリア内の混戦を制してアンドネがゴールを挙げ、ヘタフェは勝ち点を稼いでおくことができませんでしたっけ(最終結果1-2)。 ▽うーん、代表戦週間明けにはコリセウム・アルフォンソ・ペレスに大先輩マドリーを迎える彼らだけに、この敗戦は痛かったんですが…。月曜には左足第5中足骨にヒビが入っていた柴崎岳選手の手術が成功に終わったというパルテ・メディコ(医療報告)もクラブのオフィシャルウェブにアップ。マルカ(スポーツ紙)によると、これで実戦復帰は12月までお預け確定だそうで、もちろんマドリー戦にも出られないため、ボルダラス監督もこの2週間、ホルヘ・モリーナやアンヘル、そしてアマトらのFW陣、アルバロ・ヒメネス、ポルティージョといったところにもっとシュート精度を磨いてもらわないといけないかと。何にしろ、今のところヘタフェが12位と降格圏から離れているのはありがたいことですよね。 ▽そしてその日の夜、「ブタルケに行かなくて良かった」と私が心から思ってしまう試合をしてくれたのが兄貴分のアトレティコ。というのもクラブ史上初の1部ミニダービーとなった昨季同様、スコアレスドローだったからで、いえ、「Leí el partido a mi manera/レイ・エル・パルティードー・ア・ミ・マネラ(自分なりに試合を読んだ)。水曜にCLチェルシー戦をプレーしたから、選手たちが元気な前半が勝負だった」というシメオネ監督は、「最初の20分には攻撃のチャンスもあった」とも言っていたものの、どうやらそれはフィリペ・ルイスとリュカの両名が負傷で欠場したため、ヒメメス、ゴディン、サビッチが先発。メンバー表からは3CB制に見えながら、実はヒメネスが右SB、そして左SBが何とサウールだったことに相手が戸惑っていた時間だけだったような。 ▽まあ、確かにサウールはラージョ(今は2部)にレンタル移籍時代、CBの修行もしていたし、本職はボランチながら、トップ下もサイドもこなせてしまう器用な選手なんですけどね。いくら何でもこれはと思っているうちに前半は0-0で終了。それでもこのところ、後半の得点で勝つことが多かったアトレティコなので、まだ一縷の望みはあったんですが、やはり「ウチはアウェイゲームが多かった上、ホームにもまだ慣れる必要がある」(シメオネ監督)という選手たちの疲労度には余程、凄いものがあったんでしょうね。時間が経つにつれ、パスですら、ようよう出せなくなり、面倒臭いのか思考停止に陥ってしまったのか、ロングボールを放り込むだけの単調な攻めに終始したため、レガネスの反撃を招き、「Ha sido diferente, hemos generado más ocasiones/ア・シードー・ディファレンテ、エモス・ヘネラードー・マス・オカシオネス(昨季とは違った。ウチはもっとチャンスを作れたからね)」とガリターノ監督を喜ばすことに。 ▽ええ、実際、レガネスはキッチリ守っていただけでなく、2度のエル・ザールのシュート、そしてアマラバットの一撃をGKオブラクにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてなければ勝てていましたからね。それに比べてアトレティコはコレア、ビエットの先発FWをカラスコ、フェルナンド・トーレスに代えてもまったく改善せず、最後はグリーズマンを下げ、ヴルサリコを左SBに置くってもう、最初からそうしていれば良かったんじゃないの? これにはそれこそ、シメオネ監督からして疲れているのではと思えましたけどね。一生懸命慣れないポジションで頑張り、前半には惜しいシュートを弾かれているサウールも「hay que tener... no más de ganas/アイ・ケ・テネール…ノー・マス・デ・ガナス(もっと必要なものがあって…やる気じゃないけど)、前線でガツンといって、攻撃する時は態度で示さなきゃ」と、2年連続弟分のホームで0-0引き分けを演じてしまった理由についてはよくわかっていないようでしたっけ。 ▽え、翌日曜のエスパニョール戦の後、ジダン監督も「La segunda parte creo que estuvimos algo cansados/ラ・セグンダ・パルテ・クレオ・ケ・エストゥビモス・アルゴ・カンサードス(後半のウチはどこか疲れが出ていたと思う)」と言っていたように、9月の代表戦終了からずっと、週2試合で厳しかったのはお隣さんも同じじゃないかって? まあ、その通りで実際、ベイルなど、火曜のCLドルトムント戦でのこむら返りが筋肉痛にステップアップ、それでもケガではないそうですが、月曜にはウェールズ代表に加わるため、サンティアゴ・ベルナベウのピッチに上がるのは控えていたぐらいなんですけどね。それでも大丈夫なのは、マドリーには才能のある選手が沢山いるから。 ▽ちなみにその日はマドリッドでは特に騒ぎはなかったんですが、独立を問う住民投票がスペイン政府に法的に無効とされながらもカタルーニャ州で実施。先日も「投票に行こう」のアピールツィートを発信したピケは何の問題もなく、自身の票を預けてくることができたんですが、どうやら一部の投票所ではグァルディア・シビル(国家憲兵)の介入から、衝突が起こり、ケガ人が大量発生していたよう。おかげでお昼(スペインは午後2時~4時がランチタイム)のスポーツニュースでも丁度、バルサvsラス・パルマス戦が午後4時15分キックオフだったため、カンプ・ノウに入場できずに困っているファンを映しながら、試合が開催されるのか、延期になるのか、注目していたところ…。 ▽カタルーニャとの連帯を示すため、延期にしたかたったものの、LEP(スペイン・プロリーガ)からプレーしなければ没収試合と見なし、ラス・パルマスの不戦勝だけでなく、制裁で3ポイント減点という連絡を受け、板ばさみになっていたバルサのバルトメウ会長はロッカールームにいた選手たちに相談。そこではピケやセル・ロベルトは試合をしないという立ち位置だったものの、最後はリーガで勝ち点6を失うのはあまりに危険すぎるという意見が大勢を占めたとか。ちなみに結局、無観客で行われたその試合で2ゴールを挙げ、3-0の勝利に貢献したメッシに関しては、「Leo no dijo ni mu/レオ・ノー・ディホ・ニー・ムウ(レオはひと言も喋らなかった)」(マルカ)という報道と、彼の言葉が決定的だったというTVキャスターのコメントがあったため、真相はわからず。 ▽それより試合後、ミックスゾーンに出て来たピケが涙ながらにreferendum ilegal(レフェレンドゥム・イレガル/法律違反の住民投票)が中央政府により弾圧されたことを嘆き、更にスペイン代表についても言及。曰く「Ir a la selección no es una competición de patriotismo/イル・ア・ラ・セレクシオン・ノー・エス・ウナ・コンペティシオン・デ・パトリオティスモ(代表に行くのは別に愛国精神の表れではないよ)。スペイン人でない多くの選手が国籍を取って代表に入る。ボクにとって、代表はそこに行って、勝つために最善を尽くすということ」だそう。まあ、その辺は私も同感ですけどね。いくら当人が、「監督やサッカー協会の幹部が自分を問題だと思うなら、2018年より前に辞めてもいい」とまで口にしたとて、カタルーニャ独立への動きに反感を覚えているスペイン人も多い昨今の折、火に油を注ぐような結果になるのは仕方ありませんって。 ▽おかげでその日の夜にキックオフとなったサンティアゴ・ベルナベウではスペイン国旗が散見。チーム入場時のみならず、12分にはサポーターは12番目の選手という意味から、まるでスペイン代表戦のように赤黄赤のボーダーがスタンドを彩っていましたが…。おっと、そろそろ話を試合に戻さないといけません。まだベンゼマもリハビリ中のため、クリスチアーノ・ロナウドをトップに置き、アセンシオ、イスコらが入ったマドリーですが、いえ、もうメッシにゴール11本も差をつけられていたため、一番、得点したかったのは当人だったんでしょうけどね。どうにもCLと違って、リーガでは照準が曇るのか、ロナウドは出場3戦目でもネットを揺らせなかったんですが、このエスパニョール戦ではイスコが発奮。▽ええ、開始1、2分からGKパウの手を煩わせていた彼ですが、とうとう27分にはロナウドのスルーパスからゴールをゲット。「Metí yo así uno con la sub 21, con la puntera. Es un recurso más/メティ・ジョー・アシー・ウノ・コン・ラ・スブ・ベインティウノ、コン・ラ・プンテラ。エス・ウン・レクルソ・マス(U21の試合でもこういう、つま先でのシュートを入れたよ。テクニックの1つさ)」(イスコ)という先制点だったんですが、更に敵が3ボランチを2人に代え、攻勢に出た後半にも追加点を挙げることに。それは70分、自らカウンターの起点となると、最後はアセンシオがエリア内から折り返しのパス。これがロナウドでなく、イスコの方に行ったのは普段から2人の仲がいいからかもしれませんけどね。 ▽しっかりダメ押しの2点目を決めてしまったため、試合後にはジダン監督からも「juega como se juega en la calle, y eso me gusta/フエガ・コモ・セ・フエガ・エン・ラ・カジェ、イ。エソー・メ・グスタ(町の通りでプレーするみたいにプレーする。そういうのは好きだ)」とお褒めの言葉をもらっていましたが、ああまったく! ゴール嗅覚のある選手が何人もいるっていうのは本当に羨ましい。ただ1つ、そのまま2-0で勝ったその試合で付け加えておきたいのはお隣さん同様、マルセロ、テオの両左SBが負傷欠場、そこへカルバハルがウィルス性の疾患で心膜に炎症を起こし、右SBレギュラーもいないという人出不足の事態にジダン監督は18歳のカンテラーノ、アシュラフを信用して先発起用したこと。 ▽やはりそこは若くても本職ですし、左SBを務めたナチョは最近、スーパーマルチDFと呼んでもいい域に達していますからね。ピンチらしいピンチもジュラール・モレノのシュートがゴールポストを叩いた時ぐらいしかありませんでしたし、GKケイルロ・ナバスのセーブに頼らなくも勝てている辺り、マドリーの選手層はレベルが違うと言うしかないかと。この勝利で首位バルサとの差は勝ち点7のままながら、5位に上昇した彼らに対して、アトレティコは好調を維持しているバレンシアに抜かれて4位に後退したんですが、かろうじて勝ち点差1をキープ。ただ、paron(パロン/リーガの停止期間)明けは片やヘタフェとのミニダービー、もう一方はバルサをワンダ・メトロポリターノに迎えないといけませんからね。 ▽うーん、試合後のミックスゾーンでは待機時間にツィターを眺めていたラジオマルカ(スポーツ専門局)の記者が、「カタルーニャ州知事がindependencia unilateral(インデペンデンシア・ウニラテラル/一方的独立)を宣言するって! それじゃ革命じゃないか」と大笑いしていましたが、どうやら住民投票の現場は大混乱で、国家警察が自治体のシステムをブロックしたため、投票人の身元チェックができず。同じ人が2度も3度も投票できたり、住民登録してなくてもOKだったりと、賛成過半数という結果も怪しげながら、2日後には独立宣言するなんて話も…。 ▽まさか次のリーガ8節、アトレティコの相手が外国のチームになっているなんてことがないといいんですが、さて。あまり普段は政治のことなど考えない私ですけど、留学中、日本などでは戦後も遠い彼方になっていた1981年、スペインでは軍事クーデター未遂事件が勃発。あの時代にそんなことが起きる西ヨーロッパの国があったのかと知って驚いた記憶があるため、もう少し、普通のニュースも気にしていた方がいいかもしれないです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.03 11:07 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】こんなに弱いチームだったっけ…

▽「今、試合に出られないんじゃ意味ないよね」そんな風に私がやさぐれていたのは金曜日、3カ月もブラジルでバケーション三昧していた割には意外と早く、その日からチームの全体練習に加わったジエゴ・コスタについて、シメオネ監督が「Muy bien anímicamente y espiritualmente/ムイ・ビエン・アニミカメンテ・イ・エスピリトゥアルメンテ(士気も精神的にも凄くいい)」と記者会見で答えているのを聞いた時のことでした。いやあ、当人の移籍がこの水曜、正式に決まったため、同日にあったCLチェルシー戦の前、ワンダ・メトロポリターノにあるオフィシャルメガストアで彼がつけることになる背番号18のユニフォームが大いに売れたのは大いに結構なことなんですけどね。 ▽とはいえ、FIFAに科された選手の新規登録禁止処分が解ける来年1月までコスタはアトレティコでプレーできないため、先週末のセビージャ戦に続き、その試合もパルコ(貴賓席)で応援していたんですが、これぞまさかの青天霹靂。CL優勝を目指すチームに戻って来たはずなのが、この先の出来如何によってはヨーロッパリーグ優勝に目標を切り替えることも視野に入れないといけなくなったって、いえ、セビージャ在籍中に前人未到のEL3連覇を達成したビトロ(現在はラル・パルマスにレンタル移籍)が来るのは頼もしいですけどね。昨今はELタイトルにCLグループリーグ出場権がついてくるのもおいしいんですが、ここ数年でCL決勝に2度進出しているアトレティクにしてみれば、後退感は否めないところかと。これでは来年のW杯でスペイン代表エースの座をモラタに譲る危険を犯し、わざわざ古巣に帰還した当人も後悔してしまうかも。 ▽まあ、どうしてそんなことになったのかはまた後で話しますが、まずはお隣さんのCL2節の結果をお伝えしておかないと。今回火曜試合となったレアル・マドリーはアウェイでのドルトムント戦だったんですが、ジグナル・インドゥナ・パルクでこれまで1勝もしたことがないせいもあって、試合前は厳しい予想も出ていたものの、案ずるより産むがやすしとはまさにこのこと。ええ、前半18分にはカルバハルのクロスをベイルが見事なvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて先制すると、後半にはリーガこそ、5試合の出場停止処分が終わった後に出たベティス戦、アラベス戦でゴールが生まれず、心配されていたクリスチアーノ・ロナウドがCLでの好調ぶりを披露。9分にはベイルのラストパスをワンタッチで流し込むと34分にもエリア内からシュートを決めて、初戦のアポエル戦に続き、doblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を挙げてくれます。 ▽これで0-3と快勝したマドリーだったんですが、ちょっとラッキーだったところもあって、まだ0-0だった前半13分、GKケイロル・ナバスのクリアしたボールがゴールライン上でセルヒオ・ラモスの手に当たったプレーは、「VAR(ビデオ審判)があればペナルティになったかもしれない」とドルトムントのボス監督も嘆いていたようにお咎めはなし。どうやらUEFAは判定する審判の人員不足で導入を見送っているようですけどね。それをいいことに「cuando no es voluntaria no es penalty/クアンドー・ノー・エス・ボルンタリオ・ノー・エス・ペナルティ(意図的でなければペナルティではない)と教わった」(ラモス)と、当人があっけらかんとしているのもどうでしょうか。 ▽もう1つの幸運は、「ドルトムントはホームで戦う時、守備ラインをかなり上げてくる。Si le dejas espacio, Bale es letal/シー・レ・デハス・アスウパシオ、ベイル・エス・レタル(スペースを与えられたベイルは非常に危険だからね)」とジダン監督も言っていましたが、相手がここまで19得点1失点で1位というブンデスリーガでの優位に過信してしまったこと。その辺、リーガの対戦相手は心得ているんですが、おかげでこのシーズン序盤、まだ調子が上がっていなかったベイルも1ゴール1アシストと面目躍如できましたしね。 ▽いつもこうだと、ホームサポーターからのpito(ピト/ブーイング)回避も早期達成できそうですが、そうそう、残り4分で彼が交代したのは「Sólo se le ha subido el gemelo/ソロ・セ・レ・ア・スビードー・エル・ヘメロ(ふくらはぎがつっただけ)」(ジダン監督)だそうで、マドリッドに戻ってからの検査でもケガは見つからなかったとのこと。ただし、来週はプレーオフ出場が懸かったウェールズのW杯予選もあるため、日曜の試合に出るかどうかは微妙なようです。 ▽え、CLでは2連勝して、10月17日、11月1日のトッテナムとの2試合でグループ首位突破も決まるかもしれないぐらい順調なマドリーだけど、リーガではまだホームでの勝利がないんじゃないかって?その通りでバレンシア、レバンテと引き分けた後、ベティスに0-1で負けてしまったため、全勝している首位バルサとの勝ち点差7の6位に甘んじているんですが、その元凶のサンティアゴ・ベルナベウではこの木曜、金曜にもバラン、アセンシオと選手の契約延長プレゼンが続くことに。 ▽うーん、これでマルセロ、イスコ、カルバハル、ベンゼマ、マルコス・ジョレンテと7人が2021~23年までの延長にサインしたことになり、ロナウドなどもドルトムント戦の後には「Mi renovacion? A lo major el presidente lo sabe contestar mejor/ミ・レノバシオン?ア・ロ・メホール・エル・プレシデンテ・ロ・サベ・コンテスタール・メホール(ボクの契約更改?会長の方が上手く答えられるかもね)」と、自分の番が回ってくるのを待っているようでしたけどね。彼の場合、現在、2100万ユーロ(約28億円)の手取りをクラブは2500万ユーロ(約33億円)に上げようという心積もりはあるものの、当人はメッシやネイマール級の3000~4000万ユーロ(40~53億円)を希望しているらしいので、そう簡単にはいかないかも。 ▽まあ、その辺は日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのエスパニョール戦をまずは皮切りに、ホームのリーガ戦でもゴールを量産、もう9得点しているメッシの追撃を始めることでアピールしてほしいものですが、キケ・サンチェス・フローレス監督のチームも前節はデポルティボに4-1で勝利して自信をつけていますからね。とにかく根性のremontada(レモンターダ/逆転優勝)の掛け声が年内のうちからスポーツ紙を賑わすのもうっとうしいですし、これ以上、バルサとの差が広がらないよう、気合を入れてプレーしてもらいたいものですが…。 ▽いやあ、アトレティコがまた悲劇に見舞われてしまったせいで、私もあまりヨソ様の幸せを祈る余裕がなくなっているんですよ。そう、他のCLスペイン勢は火曜にセビージャがマリボルにベン・イェデルのハットトリックで3-0のグループリーグ初勝利、水曜のバルサも敵のオウンゴールでスポルティングに0-1と勝って2連勝と好結果だったんですが、ワンダ・メトロポリターノでの初開催となったヨーロッパの試合で彼らは序盤からチェルシーに圧倒されてしまうことに。それでもGKオブラクがモラタの至近距離ヘッドをparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたり、敵のシュートがギリギリ外れてくれたりしたため、失点は免れていたんですけどね。 ▽もしやそんな劣勢だったにも関わらず、CKの時にダビド・ルイスがルーカスを倒してPKをゲット。昨季はあれだけ呪われていたにも関わらず、グリースマンがGKクルトワをあっさり破り、先制してしまったことでその日のツキを使い果たしてしまった?後半になってますます激しくなったチェルシーの攻勢が実を結んだのは14分。キレまくっていたアザールのクロスをモラタがヘッドして追いついたとなれば、コスタがチェルシーを出る原因を作ったコンテ監督だって、もう誰にも文句は言われないに決まっていますって。 ▽実際、後でアトレティコサイドも口を揃えて「Fue superior tácticamente, físicamente.../フエ・スペリオール・タクティカメンテ、フィシカメンテ(相手が戦術的にもフィジカル的にも上だった)」(シメオネ監督)と認めていたように、もうここまでピッチで実力の差をつけられてしまうと、30分にはヒメネスを入れ、CB3人体制で引き分けを守りにいったのも理解できるんですけどね。まさか、あと一息というロスタイム、予想もしなかった悲劇に見舞われるとは!最初の戦犯はダビド・ルイスを倒して無用なFKを与えたコケだったんですが、ボールをエリアに放り込まず、チェルシーが回してチャンスを伺う中、右奥でボールを持ったマルコス・アロンソにゴディン、ルカス、ヒメネスの3CBがついていくって一体、何を考えていたんでしょう。 ▽その結果、マークの外れたFWバチュアイにパスが渡り、そのシュートが決まったのは94分のこと。アトレティコに反撃する時間はまったくなく、そのまま1-2で試合終了のホイッスルが鳴っているんですから、たまったもんじゃありませんって。おかげで2節を終えて勝ち点1に留まった彼らは、「Tenemos que ganar todos los partidos que nos quedan/テネモス・ケ・ガナール・トードス・ロス・パルティードス・ケ・ノス・ケダン(ウチは残った試合に全勝しないといけない)」(グリースマン)状態になってしまったんですが、まあ正確には3、4節のアポエルとの連戦に勝ち、次にホームに迎えるローマも倒せば希望が見えるといったところかと。 ▽うーん、試合後、ファンフランなどは「Si nos dan por muertos, major/シー・ノス・ダン・ポル・ヌエルトス、メホール(もうダメと思われたなら、その方がいい)。ウチはハンデがある時程、上手くいくから」とまったくメゲてはいなかったんですけどね。昨季もそうでしたが、どうにもアトレティコは5人DF制のチーム攻略が苦手なようで、いえ、私が金曜に偵察に行ったリーガの次の相手、レガネスのガリターノ監督は「El Atlético tiene capacidad para jugar bien con cualquier sistema/エル・アトレティコ・ティエネ・カパシダッド・パラ・フガール・ビエン・コン・クアルキエル・システマ(アトレティコはどんなフォーメーションにも適応できる能力がある)。そんな単純なら、ウチもやればばいいだけだが、そうはいかない」と、ジローナやチェルシーの例に倣うことはしないよう。 ▽それよりインスタラシオン・ブタルケでのセッションでは選手たちに手とり足とり指導、「サウルはこういう時、上がっていくから」と事細かにポジションニングを指示していた彼は、「これまで先手を取られると皆、逆転は不可能と思っていたが、それが崩れた」と、アトレティコが珍しく逆転負けを喰らったことに希望の光を見出していたようで、何せ今はレガネスも7位と余裕がありますからね。前節のラス・パルマス戦ではチームで一番テクニックのあるシマノフスキが2アシストと調子に乗ってきたこともありますし、土曜午後8時45分からのマドリー兄弟分ダービーにまったく気後れしている風はなかったかと。 ▽実際、アトレティコではフィリペ・ルイスとルカスが揃ってハムストリングを痛め、この試合ではベルサリコかファンフランが左SBを務めないといけないというのもちょっと心配の種なんですが、こればっかりはねえ。一応、チェルシー戦でのショックな負け方が後を引くのではないかという懸念に対しては、シメオネ監督も「lo que pasó se queda atrás/ロ・ケ・パソ・セ・ケダ・アトラス(過ぎたことは過ぎたこと)」と切り替えができていることを強調していましたが、果たして選手たちは如何に?ようやくリーガではここ3連勝して2位に躍進しているだけに、チケット完売で満員となるブタルケで兄貴分の貫録を示すことができるといいのですが。 ▽そしてレガネス同様、今週はミッドウィークの試合がなかったもう1つの弟分、ヘタフェはどうしていたかというと。いやあ、こちらは木曜に見学に行ったところ、また熱心にシュート練習を続けていましたが、相変わらず柴崎岳選手の姿はグランウンドに見られず。クラブの広報の話では左足第5中足骨のヒビを手術するしないを含めて、月曜には正式なパルテ・メディコ(医療報告)が出るだろうとのことでしたが、今週もジムでのリハビリをずっと続けているのだとか。 ▽ちなみにコリセウム・アルフォンソ・ペレスのロビーでバッタリ遭ったヘタフェ最初の1部昇格時のレジェンド、今はユースチームのコーチをしているパチョンに柴崎選手の様子と訊くと、「よくスタジアム内のバル(喫茶店兼バー)で朝食をとっているのを見かけるけど、el es muy serio/エル・エス・ムイ・セリオ(彼は本当にマジメだね)」と言っていましたが、まあスペイン語でなくても外国語で雑談するのは難しいですからね。慣れていけば、そのうちチームメートと談笑する姿なども見られるんじゃないかと思いますが、今はとにかく辛抱が大事。早くケガが治って、最近増加傾向にある日本人観戦客を沸かせてくれることを期待するしかありません。 ▽そんなヘタフェは今週末、土曜の午後1時(日本時間午後8時)からアウェイのデポルティボ戦に挑むんですが、うーん、前節はビジャレアルに4-0と大勝したところ、相手のエスクリバ監督が翌日解任の憂き目に。現在18位のチームを率いるペペ・メル監督も進退が危ない状況で、ここでヘタフェが勝つと不穏なジンクスができてしまいそうですが、各国代表戦週間明けの14日にはマドリーを迎えないといけない彼らですからね。ボルダラス監督としてもここは絶対、落とせないところかと。今回はデポルティボがレンタル元になるファジルが契約条項で欠場するものの、何とか勝ち点3をゲットして、気分良くparon(パロン/リーガの停止期間)に入ってほしいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.01 08:00 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】揃って勝利というのは珍しい…

▽「もうクビとは気が早いこと」そんな風に私が驚いていたのは月曜日、リーガ6節が終わったばかりというのにビジャレアルのエスクリバ監督が解任されたというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、確かに日曜はコリセウム・アルフォンソ・ペレスで4-0と惨敗、ヘタフェに待望の1部復帰後ホーム初勝利を与えてくれた時には2年前、彼の率いていたシーズンにチームが2部降格の憂き目に遭ったお詫びぐらいにはなったんじゃないだろうかと気楽に思っていたものでしたけどね。実際、ビジャレアルは2勝1分け3敗で14位につけていたため、監督自身も試合後の記者会見では進退を問われる可能性は考えていないと、意に介していなかったものの、ホントに昨今は世知辛い。 ▽それだけに月曜にはその試合で今季初得点、昨季のヘタフェ昇格に大きく貢献したMoligol(モリゴル)の復活を印象づけてくれた35歳のベテラン、ホルヘ・モリーナなど「Sabemos que cuando los resultados no se dan el entrenador es el primero que cae/サビアモス・ケ・クアンドー・ロス・レスルタードス・ノー・セ・ダン・エル・エントレナドール・エス・エル・プリメーロ・ケ・カエ(結果が出ない時、最初に辞めさせられるのは監督ということはわかっている)」と達観していましたが、逆に言えば、ここで2勝目を挙げられず、ホーム3連敗を喫していたら、ボルダラス監督の立ち位置も微妙になっていたはず。そう思うと、エスクリバ監督には悪いけれど、つくづくこの勝利、ありがたいと感じてしまうんですが…。 ▽いえ、話は順番にしていきましょう。先週末のリーガ、トップバッターを務めたのはアトレティコだったんですが、ワンダ・メトロポリターノの2試合目がデーゲームというのは私にとって、周辺を観察するのにおあつらえ向き。さすがに午前10時までのチョコラーテ・コン・チュロス(ホットチョコレートと揚げ菓子、スペインの伝統的な朝食メニュー)無料配布には間に合わなかったものの、少し早めにメトロ(地下鉄)7号線のEstadio Metropolitano(エスタディオ・メトロポリターノ)駅を出て、スタジアム正面の歩道にある100試合以上に出場した歴代アトレティコ選手のプレートを見たり、taquilla(タキージャ/チケット窓口)がその正面左手側のプレハブ小屋にあるのを発見したり、ファンゾーンや軽食販売トラックが大賑わいしているのを眺めながら、一周してみたんですが、天気が良かったせいか、一番売れていたのはやっぱりビールだったかと。 ▽今のところ、クラブ博物館の移転はまだのため、付属施設がオフィシャルメガストアしかなく、そこは入り口に行列ができるぐらいの大混雑。時間が気になる試合前に行くのはあまりお勧めしませんが、この土曜のように試合が終わるのも早いと、正面右側、メトロの駅近くにあるスタジアム内駐車場の出入り口の周りで選手たちの車が出て来るのを待つファンもかなり多数いて、その頃でしたら、ストアの方も入り易くなっているかと思います。ただ、難点はアトレティコがアジアン・ゴールデンタイム枠に当たるのはあまりないことでしょうか。 ▽え、それより肝心のrival directo/リバル・ディレクトー(直接ライバル)との対戦はどうだったのか知りたいって? いやあ、ミッドウィークのアスレティック・ビルバオ戦から5人の選手をローテーション、しかもその試合同様、前半は大したチャンスもなかったアトレティコだったんですけどね。セビージャのカリッソも「Nos hicieron gol en la primera jugada del segundo tiempo」/ノス・イシエロン・ゴル・エン・ラ・プリメーラ・フガダ・デル・セグンド・ティエンポ(後半最初のプレーでゴールを奪われた)」と言っていたように、再開から1分で先制点をゲット。そう、ビエットのスルーパスを受けたカラスコがエリア内でGKセルヒオ・リコをかわしてガラ空きのゴールにボールを蹴り入れたんですが、おかげで最初から盛り上がっていたスタンドがますます沸き立つことに。 ▽これがまた、新スタジアムは上部に屋根がグルリとついているため、ビセンテ・カルデロンと違った響き方で、後でシメオネ監督も「Cuando la gente anima y grita parece un circo romano/クアンドー・ラ・ヘンテ・アニマ・イ・グリタ・パレセ・ウン・シルコ・ロマーーノ(人々が応援して大声を出すと、まるで古代ローマの円形闘技場のようだ)」と感心することしきり。更に24分にはカラスコがエリア内右側から出したパスを敵DFに取られそうになりながら、グリーズマンが必死に足を延ばしてボールを一旦外へ。それをフィリペ・ルイスが戻したところ、新スタジアム初ゴールに続き、リコの股間を抜くシュートで2点目にしてくれるんですから、ようやく彼にもエンジンがかかってきた? ▽結局、そのまま2-0と勝利、順位を逆転して2位となったアトレティコでしたが、相手のセビージャがリーガ3連戦の最後だったため、ノリートがケガで招集されていなかったり、ヘスス・ナバスも目立たったりと、プレーのレベルが落ちていたのに比べ、メンツが代わっても守備力はもちろん、ゴールも決められるようになった彼らには感心するばかり。これにはその日、午前中にメディカルチェックを済ませ、パルコ(貴賓席)で観戦していたジエゴ・コスタにもこの3カ月間で心してコンディションを整えないと、先発に食い込めないという危機感を与えたかもしれません。 ▽ただ本当に今季のチームに得点力があるのかどうかはこの水曜、今季2度目のヨーロッパの強豪との対決となるCLチェルシー戦を迎えてみないと何とも言えないんですが、いえ、同じ出戻り組のフィリペ・ルイスなど、「ジエゴがただの通過点ではなく、留まるために帰って来たのはアトレティコがビッグなクラブという証明」と自信を見せていましたけどね。2014年夏にチェルシーに移った最後の1人、後釜として来たオブラクが優秀なせいもありますが、これまで1度も復帰を乞われたことのないGKクルトワなど、「凄いFWだから、estoy contento de que hasta el proximo ano no tengamos que enfrentarnos a el/エストイ・コンテントー・デ・ケ・アスタ・エル・プロキシモ・アーニョ・ノー・テンガモス・ケ・エンフレンタールノス・ア・エル(来年まで彼と当たらなくて済むのにボクは満足しているよ)」と、FIFA処分でアトレティコがコスタを選手登録できず、年明けまでプレーできないことを歓迎。 ▽その辺はグリーズマン、コレア、フェルナンド・トーレス、ビエット、ガメイロら、今いるFWたちがそうは問屋が卸さないと発奮してくれることに期待するしかないんですが、要注意は先週末、プレミアリーグのストーク・シティ戦でハットトリックを挙げたモラタ。BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウドの頭文字)の頸木から放たれ、コンテ監督の下で爆発しているため、その日は休養をもらったゴディンも決して気を抜くことはできないかと。加えてペドロ、セスク、アスピリクエタといったスペイン人選手たちが見られるのも楽しみなアトレティコvsチェルシー戦は水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。1節はカラバフに大勝した相手とは対照的にローマとスコアレスドローだったアトレティコだけにここは絶対、勝ち点が欲しいところです。 ▽そして土曜の次の時間帯ではお隣さんがメンディソローサでアラベスと試合したんですが、メトロで40分程かけて自宅近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)に私が着いた頃にはすでに前半も30分が経過。こちらは現在、ケガ人が多いながら、CLドルトムント戦が火曜と近いため、ジダン監督はベイルやモドリッチをベンチスタートに。代わってセバージョスが先発デビューしていたんですが、その彼が早くも前半10分、アセンシオからのパスを敵DFにコースを塞がれる前に撃って先制点を挙げているんですから、これはもう、レアル・マドリーのスペイン人若手逸材獲得力を褒めるしかありませんって。 ▽一方、開幕から5連敗、20チーム中最初に監督解任踏み切ったアラベスもこの日はカベージョ暫定監督の下、意地を見せ、40分にはムニルのクロスをキャプテンのマヌ・ガルシアがヘッドで決めて同点に追いつくことに成功。でもその3分後にまたセバージョスにゴールを許し、再びリードされてしまってはねえ。後半はどちらもポストを叩くシュートがあったものの、得点は生まれず、そのまま1-2でマドリーが勝利することに。まあ、結果はこれでいいんですが、それにしても気懸りなのはジダン監督も「Para nosotros irnos con los dos goles es muy poco/パラ・ノソトロス・イルノス・コン・ロス・ドス・ゴーレス・エス・ムイ・ポコ(ウチにとって、2ゴールはとても少ない終わり方)」と言っていたように、最近の彼らはなかなかシュートが決まらないこと。 ▽とりわけミッドウィークのベティス戦で12本もシュートを撃ち、その日も8本撃ったものの、ロナウドが得点できなかったのは当人も試合中、かなりイラついていましたしね。ちょっと心配ではありますが、幸い次は気合が入るCLマッチ。しかもここ数年、恒例になっているドルトムントとのアウェイ戦となれば、きっとロナウドも照準を取り戻してくれるはずです。月曜に現地入りしたチームにはアラベス戦を肋骨の痛みでお休みしたクロースが復帰したものの、ベンゼマ、コバチッチ、マルセロ、テオ、バジェホはまだケガが治らず。その影響で右SBの控えがRMカスティージャ(マドリーのBチーム)から昇格したばかりのアシャーフしかいないため、開幕から10試合皆勤しているカルバハルの疲労が心配されますが、「Es joven y puede aguantar/エス・ホベン・イ・プエデ・アグアンタール(若いから耐えられる)」とジダン監督は気にしていないよう。 ▽どちらにしろ、今は左SB2名がおらず、万能DFのナチョをそこに充てないといけないため、カルバハルが出るしかないんですけどね。ちなみにドルトムントは開幕から5勝1分けでブンデスリーガ首位を走っており、とりわけ8得点を挙げているオーバメヤンが絶好調。その他、香川真司選手は途中出場が多いようですが、フィリップ、プリシッチなど、計19得点しながら、失点はたったの1と文句のつけようのない成績を挙げているものの、何故かCLでは1節のトッテナム戦に3-1で黒星スタートしています。うーん、これまでマドリーのジグナル・イドゥナ・パルクでの成績は3分け3敗とまだ白星がないのはちょっと心配とはいえ、火曜午後8時45分からの一戦では撃ち負けないでくれるといいですね。 ▽そして翌日曜はヘタフェ(マドリッド郊外)にメトロ10号線とメトロ・スールを乗り継いで向かった私でしたが、そこでは予期しないgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)にお目にかかることに。いえ、前日の兄貴分同様、前半をスコアレスで終え、柴崎岳選手の欠場が響いているのかなという印象もあったホームチームだったんですけどね。後半には秘密兵器が炸裂。それは後でボルダラス監督も「Le damos mucha importancia al balon parado y hemos conseguido el premio/レ・ダモス・ムーチャ・インポルタンシア・アル・バロン・パラードー・イ・エモス・コンセギードー・エル・プレミオ(ウチはセットプレーを重要視していて、ご褒美を手に入れた)」と満面に笑みを浮かべていた、週2回の非公開練習の成果だったんですよ。 ▽ええ、後半8分にはCKからカラのヘッドをアンヘルがゴール右前から頭で押し込み先制したかと思えば、いえ、18分の2点目はモリーナがセメドのパスミスを敵陣エリア前で奪って決めたんですけどね。24分にはFKからカラのヘッドはGKバルボサに弾かれたものの、ベルガラがこぼれ球を3点目に。ロスタイムにも最後の仕上げとばかり、アンヘルが再びFKからヘッドで4点目を入れているんですから、ビックリしたの何のって。もちろん、その日のビジャレアルのように集中力を欠いたチームも珍しいですけどね。まだ左足の第5中足骨のヒビを手術して治すか決める検査が残っており、復帰時期が見えない柴崎選手もこれには安心? それともアンヘルやアルバロ・ヒメネスに先発の座を固められてしまう方が心配でしょうか。 ▽そんなヘタフェはミッドウィークの苦行も今週はなくなり、土曜のデポルティボとのアウェイ戦にも余裕を持って臨めることになったんですが、その日の朗報はまだ終わらず。そう、丁度、駅から自宅への帰り道、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)でもう1つのマドリッドの弟分、レガネスが終盤に差し掛かっていたんですが、こちらも後半に入って掴んだボーヴュのゴールによる1点リードを必死で守っているだけかと思えば、ロスタイム最後のプレーで再びシマノフスキが絶妙のラストパス。今度はエラソが決め、ラス・パルマスに0-2と勝ったため、マドリッドの4チームが全て白星という最高の週末になることに。 ▽いえ、月曜の試合でサンティアゴ・ベルナベウでマドリーに勝って勢いに乗るベティスがレバンテに4-0で勝ったため、彼らはヨーロッパリーグ出場圏の6位から7位に落ちてしまったんですけどね。1つ上の大先輩、マドリーとたった勝ち点差1だけというのは大いに胸を張っていいかと。ただ次節はもう1つの兄貴分、アトレティコをブタルケに迎えるため、そうそう浮かれてもいられないんですが、それが終われば世間は各国代表戦ウィークに突入。ほとんど招集される選手がいないレガネスにとっては願ってもない練習漬けの2週間になるため、ここでマラガ戦の後はアスレティック・ビルバオ、セビージャ、バレンシアと続く、格上チームとの戦いを乗り切る力をつけてくれるといいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.26 13:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】アウェイの方がいいらしい…

▽「やっと来てくれた」そんな風に私が満足していたのは金曜日、ジエゴ・コスタがバラハス空港ターミナル4の到着ゲートから姿を現した映像をスポーツ紙のサイトで確認した時のことでした。いやあ、各TV局もお昼(スペインでは午後2時-4時がランチライム)のスポーツニュース枠で生中継しようと、現場にカメラとリポーターを張り付けていたものの、残念ながらタイムアップ。先日は当人がチェルシーと話し合うため、ロンドン入りしたなんて誤報もあったため、前夜にはすでにアトレティコのオフィシャルページに移籍決定と出ていても当人を見ない限り信用できないなと思っていたんですけどね。さすがに今度は間違いなかったようで、意外と体型も崩れていないのにホッとしたファンも多かったかと。 ▽いえ、ようやくアトレティコが3年前に3800万ユーロ(約51億円)でチェルシーに売ったコスタをクラブ史上最高額の5500万ユーロ(約74億円)+1000万ユーロ(約14億円)の成功報酬で買い戻したと言っても、FIFA処分の終わる来年1月まで彼がプレーすることはできないんですけどね。実際、夏の市場が閉じた後のこんな時期まで決まらなかったのはそのせいなんですが、母国ブラジルで3カ月ものバケーションを満喫する破目になった当人は「世間が言っている程、ひどい状態じゃないよ。プロフェ・オルテガ(フィジカルコーチ)が鍛えてくれるしね。Me dan miedo sus entrenamientos, no la bascule/メ・ダン・ミエードー・スス・エントレナミエントス、ノー・ラ・バスクラ(体重計より、彼のトレーニングの方が怖い)」とジョーク混じりにコメント。 ▽何にせよ、あと3ケ月もあれば、フィジカルコンディションも整い、木曜のアディダスのイベントでコケが「Con Diego tenía un entendimiento especial/コン・ディエゴ・テニア・ウン・エンテンディミエントー・エスペシアル(ジエゴとは特別な相互理解があった)。自分がボールを持つたび、彼がやろうとすることがわかったし、向こうもどこにパスが来るかわかっていた」と再会を喜んでいた元同僚とのフィーリングも戻ってくるんでしょうが、それまでが不安というファンもご安心を。アトレティコはこのミッドウィーク開催のリーガで当面、コスタがいなくても強いことを証明してくれたんです。 ▽え、次の時間帯にあるサンティアゴ・ベルナベウでのお隣さんの試合を見るため、水曜の私は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)をアスティック戦途中で出ないといけなかったんだろうって?その通りで目撃できたのは前半、ガイタンのシュートがポストに阻まれたり、グリースマンの一撃がGKケパにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたり、挙句の果てにはフィリペ・ルイスがエリア内でラウール・ガルシアを倒したと見なされ、PKを献上。幸いにもそれを2節のラス・パルマス戦のビエラに続き、GKオブラクがアドゥリスのキックも見事に弾き、いえ、1年前、ミラノでのCL決勝ではPK戦で1本も止められなかったことから、あまりparapenalti(パラペナルティ/PK止め屋)の呼び声はあまり高くない彼だったんですけどね。試合中のPKに限るとその日を合わせ、10本中6本を弾いているって物凄くない? ▽おかげでスコアは0-0のまま、後半が始まっていくらもしないうちにお店を出たところ、メトロ(地下鉄)の改札を通った瞬間、「Gooool! Gol del Atletico!/ゴル・デル・アトレティコ」という絶叫がオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)から伝わってくるのですから、運命とはかくも皮肉。ええ、10分にエリア内に走り込んだコケがグリースマンのスルーパスを受け、コレアに折り返すと、そのシュートが決まってアトレティコが先制点を挙げたんですが、まったくももう。試合の大半の時間、どうして彼らは上手くパスを繋いでシュートチャンスが作れないんだろうと常にイライラしている私が映像を見られなくなった途端、そんな絶妙のコンビネーションを見せるなんてあんまりじゃないですか。 ▽まあ、これもシメオネ監督も「今はより意識して練習に取り組んでいる。En el fútbol el trabajo paga y los resultados están a la vista/エン・エル・フトボル・エル・トラバッホ・パガ・イ・ロス・レスルタードス・エスタン・ア・ラ・ビスタ(サッカーでは努力が報われるし、結果は明白だ)」と褒めていた通り、コレアの成長を褒めるしかないんですが、更に私がサンティアゴ・ベルナベウの駅を出た時にはリードが2点に。こちらは28分、ヒメネスのスローインをサウルがグリースマンに繋ぎ、その浮かせたパスをカラスコがシュート。どうやら彼も監督の「Somos más fuertes cuanto mejor sea la competencia interna/ソモス・マス・フエルテス・クアントー・メホール・セア・ラ・コンペテンシア・シンテルナ(ウチはチーム内の競争が激しい程、強くなれる)」というメッセーッジを素直に理解したか、このところ途中出場が続いているにも関わらず、立派にアタッカーの責任を果たしてくれたようです。 ▽最後、ロスタイムにはバレンシアガのクロスをラウール・ガルシアが押し込んで、アスレティックに1点差と迫られたものの、アトレティコは1-2の勝利で新しいサン・マメスがオープンして以来、6勝1分けで無敗という記録を維持。もちろんゴールが2つも生まれたことは嬉しいんですが、相手のジガンダ監督も「PK失敗でウチはショックを受けた」と言っていたように、やはり勝利のポイントはオブラクが前半の失点を防いでくれたことにあったかと。当人は「Es una loetría/エス・ウナ・ロテリア(あれは宝くじのようなもの)。止められれば満足だけど、決められてもそんなに悔やんではいられないよ」といつものクールさを崩しませんでしたが、勝ち点を稼いでくれるGKっていうのはきっと、彼みたいな選手のことを言うんですよね。 ▽そんなアトレティコはもう土曜午後1時(日本時間午後8時)にはワンダ・メトロポリターノにセビージャを迎えるんですが、相手はこの5節、ラス・パルマスにマンチェスター・シティから古巣に戻って来たヘスス・ナバスのゴールで1-0と勝利。現在、3位のアトレティコの勝ち点2上をいく2位につけています。まさにベリッソ監督も「Somos rivales directos/ソモス・リバレス・ディレクトス(我々は直接のライバルだ)」という状況で、新スタジアムでの2戦目に挑むアトレティコも油断できないんですが、2019年のCL決勝会場に選ばれたこともあってか、周辺でのフィエスタは今回も続行。ええ、朝9時から10時までのchocolate con churros/チョコラーテ・コン・チューロス(ホットチョコレートと揚げ菓子、スペインの伝統的な朝食メニュー)の無料配布に始まり、キッズ用とコンサート用の2つのファンゾーンもオープンするのだそう。 ▽木曜時点で1000枚残っていたというチケットも運が良ければ、当日、スタジアムのチケット売り場で買えるようですし、先週オープンしたメガストアも他のお店であまり見かけない、歴代の紋章がプリントされたビンテージシリーズなどが置いてあって面白いし、試合後も軽食販売のバンではハッピーアワーを開催と、マドリッド観光に来ている日本人が立ち寄っても半日ぐらい楽しめそうなんですが…万が一、チケットが売り切れていた場合、スタジアム近隣にTV観戦できるバルがないというのがネックでしょうか。そうそう、金曜夜に前日合宿に入ったメンバーからはフェルナンド・トーレスとヒメネスが監督の戦略的判断で外れ、ベルサイコがリスト入り。前節終盤に痛みを覚えて交代したフィリペ・ルイスは回復したようです。 ▽え、それより大変なことになってしまったお隣さんの話を聞きたいって?そうですね、実はその水曜、アトレティコと同時進行でマドリッドの弟分、レガネスが昇格組のジローナとブタルケでスコアレスドローに終わった後、ベティス戦に挑んだレアル・マドリーだったんですが、いえ、予定通り、5試合の出場停止処分が終わったクリスチアーノ・ロナウドはリーガ初先発したんですけどね。それでもポルトガル代表戦やCLアポエル戦などでゴールを挙げていることから、火曜のエイバル戦でのpoker(ポケル/1試合4得点のこと)で早くも9ゴールとリーガ得点王レーストップを独走するメッシ追撃を早速、始めてくれるものと思いきや、その日の彼はまったくシュートが決まらず。 ▽ただそれはロナウドだけでなく、ベイルもイスコもクロースも同じだったんですが、うーん、このところ、ホームゲームではバレンシア、レバンテ戦とドローが続いていたとはいえ、後半半ばから根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)モードに入られてもねえ。先日は契約を2022年まで延長、それだけにこの日は張り切ってピッチに立ったイスコなども「Si no metemos un gol pronto en el Bernabéu nos entra ansiedad/シー・ノー・メテモス・ウン・ゴル・プロントー・エン・エル・ベルナベウ・ノス・エントラ・アンシエダッド(ベルナベウでは早くゴールを入れないと焦りが生じる)」と言っていましたが、実際、25分のマルセロ負傷と同時にジダン監督がdoble cambio(ドブレ・カンビオ/2選手交代)をした折など、一時、ルーカス・バスケスとマジョラルが入りながら、もう1人アウトする選手が誰かわからず。ピッチに12人いるなんて不可解な状況、私も初めてお目にかかりましたっけ。 ▽結局、ここではモドリッチが退き、ロナウド、ベイル、マジョラル、アセンシオ、ルーカス・バスケスの5人FW体制となったマドリーでしたが、それでも得点には至らず。ロスタイムにはセルヒオ・ラモスも前線に張って、93分の奇跡を狙ったんですが…まさかロスタイム4分、その試合最初のシュートを撃っていたサナブリアにノーマークでグアルダードのクロスをヘッドされ、土壇場の決勝点という十八番を奪われてしまったから、私も呆気にとられるばかり。だって3連戦の谷間ということもあって、セティエン新監督はキャプテンのホアキンやメキシコシティ大地震で傷心のグアルダードを温存、後半終盤まで出さなかったんですよ。それどころか、ファビアンやフランシスといったカンテラーノ(ベティスB出身の選手)の抜擢が当たり、敵の猛攻に耐え抜くと、0-1でベルナベウでは19年ぶりとなる勝利をもぎ取ってしまうって、こんな監督冥利に尽きる試合はない? ▽いえ、当人は「Ganar aquí es sabiendo que vas a sufrir y que tienes que tener suerte/ガナール・アキー・エス・サビエンドー・ケ・バス・ア・スフリル・イ・ケ・ティエネス・ケ・テネール・スエルテ(ここで勝つには苦しむことを知り、ツキもなければならない)」と謙遜していましたけどね。実はこのセティエン監督、昨季もラス・パルマスを率いてマドリーとの2試合にドロー。今までと打って変わって、ベティスがパスを丁寧に繋げるチームになっていたのにも驚かされたものですが、逆にちょっと心配なのはジダン監督の方で、だって「No quiso entrar el balón, tuvimos 26 ó 27 ocasiones/ノー・キソ・エントラール・エル・バロン、トゥビモス・ベインティセイス・オ・ベインティシエテ・オカシオネス(ウチは26、7回、シュートしたが、ボールがゴールに入りたがらなかった)」なんて、お隣さんではよくあるにしても天下のマドリーでは絶対、通じない言い訳だから。 ▽おかげで首位バルサとの差がまだ9月なのにも関わらず、勝ち点差7に開いてしまい、こんな時期から奇跡の逆転優勝の話をしないといけなくなりそうなのは私も辛いんですが、それでもアウェイでは好調なマドリーですからね。マルセロが左太もも肉離れで全治1カ月、テオも先週末のレアル・ソシエダ戦で肩を半脱臼して2週間、更にクロースも肋骨が痛んでお休みと、まだベンゼマも全快せず、メンバー的にはちょっと不安がある彼らですけどね。移籍して2試合に出ただけではありますが、エンソとジダン監督の親子対決が実現するかもしれないアラベス戦は土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)にキックオフ。ちなみに相手は開幕から5連敗中で、4節にはスベルダ監督を解任、金曜にはデ・ビアージ氏が後継に決まったものの、この試合はハビエル・セバジョ暫定監督のまま戦うようです。 ▽そして木曜には弟分の片割れ、ヘタフェがアウェイでセルタ戦だったんですが、前半24分にマキシ・ゴメスに奪われた先制点を後半40分、途中出場コンビのアルバロ・ヒメネスのパスからアンヘルが決め、1-1の引き分けに持ち込んでボルダラス監督のチームが意地を見せたというのはまあ、喜ばしいんですけどね。実は同日のお昼、オペラ近くの「くらや」という比較的新しいラーメン屋でランチを私がとっていたところ、いきなり柴崎岳選手が友人連れで隣のテーブルに現れるというハプニングが勃発。こんなことがあるなら、火曜にヘタフェの練習見学に行った際、せっかく海を越えて応援に来ながら、バルサ戦のケガでリハビリ中のため、グラウンドで当人を見られず、それではと、彼の白いベンツが駐車場から出て来るのを待ちながら、タッチの差で止まってもらえなかった日本人女子2人に教えてあげたかったと思ったものですが、まあ私も10年以上、マドリッドにいて、選手とお店で出くわすなんて初めての体験でしたからね。 ▽あまり期待するのもどうかと思いますが、肝心の柴崎選手のケガの状態は金曜と言っていたクラブのパルテ・メディコ(負傷者情報)が出ず。よって正確にはわからないんですが、AS(スポーツ紙)の番記者が夜に出した記事によると、左足第5中足骨にヒビが入っており、全治2カ月程だとか。うーん、ボルダラス監督やクラブ広報は楽観的でしたし、ラーメン屋で見た彼も楽しそうにお喋りしていたため、まさかそんな重傷とは私も思わなかったんですけどねえ。これが本当だとすると、すでにセルタ戦でも前線に繋げる選手がいないせいか、後方からロングボールを放り込むという、どこかアバウトなサッカーになっていたヘタフェにとっては大打撃。日曜のビジャレアル戦からあと7試合、何とか乗り切って、同日、ラス・パルマスと顔を合わせるレガネス共々、柴崎選手の復帰まで降格圏外を維持できるといいのですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.23 08:20 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】何とか両方無事に見られた…

▽「嫌疑が晴れて良かったわ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜。バルベルデ監督の記者会見の内容を知った時のことでした。というのも、先月、ネイマールがPSGに移籍した穴を埋めるため、1億5000万ユーロ(約200億円/ボーナス込みの金額)という巨額移籍金を払ってドルトムントから獲得したデンベレが、先週末にコリセウム・アルフォンソ・ペレスでハムストリングを断裂…。いえ、今はカタールのアル・サッドでプレーするチャビ以来、バルサの選手たちが「en ese campo no se podía jugar/エン・エセ・カンポ・ノー・セ・ポディア・フガール(ここのピッチじゃプレーできない)」(デウロフェウ)、「Antes de empezar el partido ya vimos que estaba alto y seco/アンテス・デ・エンペサール・エル・パルティードー・ジャー・ビモス・ケ・エスタバ・アルト・イ・セコ(試合が始まる前から、芝が長くて乾燥していたのはわかった)」(デニス・スアレス)とアウェイのピッチコンディションに文句をつけるのはお約束のようなものなんですけどね。 ▽そこに運が悪くもデンベレが全治4カ月という重傷で、4年前にもネイマールがコリセウムの同じような場所で筋肉系のケガをしていることも重なって、その原因は整備責任者のヘタフェにあるんじゃないかと疑われてしまったんですが、バルベルデ監督は「No creo que tuviera una incidencia decisiva el estado del césped/ノー・クレオ・ケ・トゥビエラ・ウナ・インシデンシア・デシシバ・エル・エスタードー・デル・セスペッド(芝の状態が決定的だったとは思わない)」ときっぱり否定。曰く、「彼のように大きなケガをしたことのないサッカー選手は体に違和感があってもそれが何か、理解する経験に欠けている。自分もやったことがあるが、taconazo(タコナソ/ヒールキック)はもっとも大腿2頭筋に負担をかける動き。ベテランなら無理せず、ボールを見逃しただろう」とのことですが、え、だったら柴崎岳選手はどうして足首を痛めて途中交代してしまった? ▽それはヘタフェのボルダラス監督も「Ha sido el sólo. Ha notado una molestia grande en el pie/ア・シードー・エル・ソロ。ア・ノタードー・ウナ・モレスティア・グランデ・エン・エル・ピエ(1人でやったケガで、足がひどく傷むのに気づいた)」と言うだけで、まだ検査結果がクラブから発表されていないため、程度もわからないんですけどね。今のところ、木曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのセルタ戦に出られるかは微妙。当人も差し当たり、火曜のカンプ・ノウで日本代表の同僚、乾貴士選手がバルサにリベンジしてくれることを願うばかりかと思いますが…。まあ、こればっかりはねえ。金曜にはマドリッド勢の弟分の片割れであるレガネスを、それこそ乾選手のアシストからガルベスがヘッドを決めて1-0で破ったエイバルですが、デンベレの早期負傷交代はまったく影響なく、バルサがヘタフェに逆転勝ちしたことを考えると、あまり過度の期待を懸ける訳にもいかないかと。 ▽そう、その土曜の試合、「No estábamos jugando rápido y el campo no nos ayudaba porque el balón no corría/ノー・エスタバモス・フガンドー・ラピド・イ・エル・カンポ・ノー・ノス・アジュダバ・ポルケ・エル・バロン・ノー・コリア(ウチはスピードのあるプレーをしていなかった。ピッチもボールが走らず、助けにならなかった)」とバルベルデ監督は言っていましたっけ。そんな試合は40分、FKから始まって、ベルガラが頭で落としたボールを柴崎選手がエリア前からシュート。これが見事に決まって、ヘタフェが先制。私の隣に座っていた顔なじみのヘタフェ番女性記者など、「golazo(ゴラソ/スーパーゴール)って日本語でどう書くの?」とノートに綴った文字をスマホで撮るぐらいハシャイでいたものですけどね。 ▽チラホラとスタンドにいた日本人ファンも大喜びしていたんですが、後半はイニエスタをデニス・スアレスに代えてきたバルサが底力を発揮。ええ、ボルダラス監督は「ゴールの前にアントゥネスへのファウルがあった」と言いますが、51分にはセルジ・ロベルトがエリア内右奥からフリーのデニス・スアレスにラストパス。そのシュートが決まって同点に追いつかれただけでなく、83分には伏兵も登場したんですよ。それは中国の広州恒大から来たということでどこか、これまで過小評価されていた感のあったパウリーニョ。メッシからスルーパスをもらってエリア内に入り込むと、ジェネが邪魔するのをモノともせず、強烈な一撃でGKグアイタを破り、ブラジル代表の貫録で決勝点を挙げてしまったから、驚いたの何のって(最終結果1-2)。 ▽おかげで1部復帰ホームデビューだったセビージャ戦同様、土壇場の失点で引き分けを逃してしまったヘタフェですが、まだ先は長いですからね。ただコリセウムではこの日曜がビジャレアル戦、その次は各国代表戦を挟んで10月14日にレアル・マドリー戦と強敵が続くため、初勝利を掴むのはなかなか大変そうなんですが、その辺、アウェイのセルタ戦、デポルティボ戦で埋め合わせできるといいんですが…。 ▽その試合の後は知り合いの車に乗せてもらい、メトロ(地下鉄)7番線の途中の駅からエスタディオ・メトロポリターノで下車。キックオフ1時間程前にはスタジアムに着いた私でしたが、恐れていたような大混雑にも遭わず。というのもクラブや市当局が再三、早めの来場を勧告したり、隣接のメガオフィシャルショップを午前10時にオープンしたり、周辺に設けたファンゾーンでキッズパークやコンサートなどのアクティビティを昼間からやっていた甲斐があったんですかね。ビセンテ・カルデロンとお別れして3カ月余り、この日を待ちわびていたファンたちは午後7時の開門から三々五々、入場していったようです。帰りのメトロ入口が凄いことになっていたらしいのはともかく、スペイン国王フィリペ6世もパルコ(貴賓席)観戦したアトレティコの新しいホームでのマラガ戦を試合前のセレモニーから楽しむことができたのは非常に嬉しかったかと。 ▽まあ、始球式にクラブのレジェンド、ガラテとフェルナンド・トーレス、そしてカンテラ(ユース組織)の少年の3人が登場。パスを回して、先発ではなかったトーレスがベンチに戻るというのはご愛嬌でしたけどね。シメオネ監督も「Nunca vi una cosa igual. Las banderas flameando todas juntas/ヌンカ・ビ・ウナ・コーサ・イグアル。ラス・バンデラス・フラマンドー・トーダス・フンタス(同じことは見たことがない。全てのフラッグが一斉に振られていた)」と感動していたようですが、ただ、ボールが走り出すとそこにいるのはいつものアトレティコ。前半は開幕3連敗で腰が引けていたか、専守防衛のマラガをまったく崩せず、大いにイライラさせられることに。 ▽それどころか、38分にはアトレティコのカンテラ出身のボルハ・バストンに至近距離からシュートを撃たれ、「メトロポリターノの初ゴールを挙げるのはカンテラーノだといいね」と言っていたサウールの希望が皮肉な形で実現してしまうところでしたが、そこはGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)で危機を回避。シメオネ監督もこのままだと先週火曜のCLローマ戦と同じになってしまうと恐れたか、後半開始からはガビ、コケ、サウール、トーマスのカンテラーノ4人の中盤を諦め、トーマスに代えてカラスコを投入したものの、その効果もすぐには見えなかったんですが…。 ▽ええ、丁度、テコ入れ第2弾として、「最初はちょっと変な感じで、ホームじゃなくて、何かの決勝を戦っているような感じだったけど、con la afición, con nuestras canciones...empezamos a notarlo nuestro/コン・ラ・アフィシオン、コン・ヌエストラス・カンシオネス…エンペサモス・ア・ノタールロ・ヌエストロ(ファンやボクらの歌…それで自分たちのホームだと気づき始めた)」というトーレスがライン際で出場を待っていた時でしたっけ。アトレティコが一瞬だけ、輝きを放ってくれたんですよ。 ▽それは60分、コレアがマラガのDFをかわしてエリア内奥から出したパスをグリーズマンが方向を変えたところ、やはりアトレティコのカンテラーノだったGKロベルトを破ってネットに突き刺さったから、それまで途切れなく応援していた場内がどんなに盛り上がったことか。ようやく虎の子の1点を手に入れた彼らはまあ、最後はまたオブラクに助けられたりもしたんですけどね。何とか最後まで1-0を保って、胸を張って試合後のイベントに臨めることに。 ▽え、選手全員揃ってvuelta de honor(ブエルタ・デ・オノール/ファンに感謝するピッチ一周)をしたり、その後はド派手な打ち上げ花火をしたりだなんて、トロフィーがないだけで、まるで優勝祝いみたいじゃないかって? そうですね、これで選手たちが満足して、今季は他に何もなしで終わってしまったりしたら困りますが、一応、殊勲のゴールで夏のマンチェスター・ユナイテッド移籍騒動や開幕ジローナ戦で退場、リーガ2試合に出場停止になってチームに迷惑をかけた件をチャラにしてしまった形のグリーズマンなど、「タイトルを祝えるよう、できることは全てやるよ。Todos tenemos ganas. Yo el primero/トードス・テネモス・ガナス。ジョ・エル・プリメーロ(皆がやる気だ。ボクが一番にね)」と意欲を見せてくれましたしね。 ▽その辺はまず、水曜午後午後8時(日本時間翌午前3時)からのアウェイ、ビルバオ戦で証明してもらいたいものですが、さて。日曜の練習にこのマラガ戦をケガで欠場したヒメネス、ヴルサリコが復帰したアトレティコは再び、ワンダ・メトロポリターノに戻って来る土曜に強敵セビージャを迎えるため、サン・マメスではローテーションが考えられますが、相手も日曜のラス・パルマス戦では1-0で負けてしまったものの、ビルバオはヨーロッパリーグに出場しているチームですからね。シメオネ監督もここは頭の悩ませどころでしょうか。 ▽そして翌日曜、セントロ(マドリッド市内中心部)に戻るまでメトロに30分近く乗らないといけないため、午前様になってしまった私が大寝坊をしてしまったのはレアル・マドリーの試合が夜の時間帯だったのもありますが、大丈夫。このソシエダ戦が出場停止処分5試合の最後となるクリスチアーノ・ロナウドが彼女のジョルジーナさんと前夜、古巣のスポルティングを見にリスボンに行ってしまおうと、マルセロも前節に退場して今回はお留守番になろうと、ベンゼマやコバチッチが負傷離脱中だろうと、クロースが軽いケガでお休みしようと、彼らには代わりになる選手がいるんです。 ▽その第一人者は、バレンシア戦に続いてドローに終わったレバンテ戦でベンチに入れていなかったのをジダン監督も深く反省したんでしょうかね。この日、初先発に抜擢されたCFマジョラルが序盤から躍動。ええ、18分にはセルヒオ・ラモスが敵DFに引き倒されながら、chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)を試みようとツマ先で上げたボールをかっさらい、先制点を決めているんですから、マドリーのカンテラーノもしっかりしているじゃないですか。 ▽ただ残念ながら、このリードは長くは続かず、10分後にはソシエダの右SBオドリオソラのクロスを左SBケビン・ロドリゲスがvolea(ボレア/ボレーシュート)。ボールがGKケイロル・ナバスの手をすり抜けて、スコアが同点となり、アノエタのゴール裏に設けられた簡易スタンドにいた応援団が前のめりになったため、看板が落ちてTVのカメラマンが骨折するなんて騒ぎにもなったんですが…。しかしマジョラルは35分の2点目にも貢献。うーん、どちらかというと、直前、再び同じ形でケビンのシュートがゴールバーを直撃、そこからカウンターでマドリーが攻め上がり、マジョラルがアセンシオに向けて出したラストパスをカットしようと突っ込んだのがこれまた、ケビンだったことの方が私には驚きだったんですけどね。 ▽エウセビオ監督も「彼についてはelogiar que haya llegado de una portería a otra para ayudar al equipo/エロヒアル・ケ・アジャ・ッジェガードー・デ・ウナ・ポルテリア・ア・オトラ・パラ・アジュダール・アル・エキポ(一方のゴールからもう一方のゴールにチームを助けるため、駆けつけたことを褒めるばかり)」と言っていましたが、その結果はオウンゴールという最悪な形になることに。加えて、このフランス人のカンテラーノは60分、イスコが自陣から出したパスを追うベイルと70メートルのガチンコで徒競争。時速35キロにも達するスピード自慢の相手に追い抜かれてしまい、最後はGKルリの頭を超えるシュートで3点目を奪われたとなれば、とてもその夜、マドリー戦初得点を祝う気にはならなかったに違いありませんって。 ▽結局、これで1-3と快勝したマドリーでしたが、何より良かったのは水曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、ホームにベティスを迎える前にベイルがゴールを挙げて、自信を取り戻してくれたこと。いえ、本人は昨今、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドからpito(ピト/ブーイング)が聞こえてきても「そういうのはサッカーではよくあるし、コントロールはできない。ブーイングされないよう、練習しないとね」とあまり気にしていないようでしたけどね。ジダン監督も「Para mí esta no es todavía su mejor version/パラ・ミー・エスタ・ノー・エス・トダビア・ス・メホール・ベルシオン(私にとってはまだ、最高のバージョンじゃない)。もっと上手くできるのだから、辛抱してやらないと」と言っていましたが、それって、マドリーファンには一番ないものですよ。 ▽とにかく早々に復調してくれるに越したことはないんですが、一方のベティスも先週末、デポルティボにホアキンのdoblete(ドブレテ/1試合2得点)で2-1と勝利。キケ・ステイン新監督の下で徐々に進歩してきているようなので、マドリーも油断は大敵です。とはいえ、今度は先週のCLアポエル戦で2ゴールを挙げたロナウド、そしてマルセロ、クロースも出られますからね。ソシエダ戦で頑張ったマジョラルや左SBのテオなどは控えに戻る可能性が高いんですが、何せライバルのバルサは開幕4連勝で、アトレティコも同じですが、現在の勝ち点差は4。これ以上広がると先々、面倒なため、まずはガッチリ勝利を掴んでおかないといけませんよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.19 12:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】得点しなくちゃ始まらない…

「怖くないんだ」そんな風に私が驚いてしまったのは木曜日、2時間半もの長い練習を終え、グラウンドから引き揚げてきたボルダラス監督に次はバルサ戦だから、ドキドキしていると私が打ち明けたところ、「Un partido bonito/ウン・パルティードー・ボニート(美しい試合だ)。楽しみにしているよ」という答えが返ってきた時のことでした。いやあ、もちろんプロの監督さんですから、チームを勝利に導くため、強敵をあっと言わせるような戦略を練るなり、ウィークポイントを探すなり、弱気になっているヒマなどないのはわかりますけどね。2004年にヘタフェが最初に1部に上がった頃から、彼らを見ている私にはあまりバルサ戦でのいい思い出はなし。 ▽それもそのはずで、ここまでリーガ24試合ではたったの2勝だけ。シュスター監督時代の2007年コパ・デル・レイ準決勝ではカンプ・ノウでの5-2負けをコリセウム・アルフォンソ・ペレスで4-0と大逆転、初の決勝進出を果たしたなんてこともあったものの、その1stレグでメッシがマラドーナばりに何人ものDFをかわして決めたゴールは今でも当人の名ゴール集ビデオの定番ですし、実際、彼1人に17試合で18得点も挙げられているんですよ。この火曜にバルサが3-0で勝ったCLユベントス戦でも2ゴールと、大体、相手は開幕からリーガ3連勝の首位チーム。となれば、前節、ようやくマドリッドの弟分ダービーでレガネスを倒し、今季初勝利したばかりのヘタフェにはちょっと荷が重いかもと思ってしまう私はシビアすぎる? ▽ただ、とにかくメッシにボールがいかないようにして守り倒すしかないと悲観してしまう自分とは違い、バルダラス監督は攻撃は最大の防御と思っているんでしょうかね。その日のセッションでは全体練習が終わった後、柴崎岳選手も含む攻撃陣9人だけが残って、30分以上もシュートを特訓。レガネス戦ではアランバリ、アルバロ・ヒメネスのゴールがエリア外から決まったのに味をしめたか、パスを繋いで2列目から上がった選手が撃ったり、コーチの出すボールをエリア内で反転してシュート、5本決めた選手は終わりといったメニューをこなしていましたが、ちなみに日本人のカップル1組が見守る中、柴崎選手は3人目に上がっていましたっけ。 ▽うーん、最後まで残っていたのはアトレティコからレンタル中のアマトと控えCFのアンヘルだったのは何ですけどね。もちろん前日、金曜のスタジアム非公開練習では守備にも万全を期すはずですが、果たしてあのバルサに撃ち合いを挑んで勝算があるのかどうか。とはいえ、どこぞのチームももう少し、そういう得点力アップへ努力する姿勢を見習ってほしいと思ったのは事実だった訳で…。 ▽ええ、アトレティコです。月曜の記者会見ではシメオネ監督も「今のように努力を続けたら、遅かれ早かれCL優勝は達成できる」と力強いことを言っていたため、ローマ戦には私も期待していたんですけどね。いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)の有料チャンネルに何故か、その試合のメニューがなく、4試合が代わる代わる映るマルチチャンピオンズで見る破目になったのはともかく、寂しかったのはバイエルン、PSG、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーと次々ゴールが決まっていくにも関わらず、待てど暮らせど、アトレティコの今季CL初得点の映像が届かなかったこと。 ▽いえ、中盤をガビ、トマス、コケ、サウルのカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)で固め、「ボールを奪って、敵MFのバックを取れるよう、jugue con esos cuatro centrocampistas/フゲ・コン・エソス・クアトロ・セントロカンピスタス(あの4人のMFを使ったんだ)。後半はスピードのある選手(コレア、カラスコ、ガイタン)でプレーのテンポを上げて、疲れた相手がついて来られないようにした」というシメオネ監督の作戦は見事に当たり、シュートだけなら20回も撃ったんですけどね。 ▽うち12回は枠内だったんですが、序盤にサウルのボールがポストをかすめたのに始まり、32分にはコケの至近距離からのシュートもDFマノレスにライン前でクリアされる始末。ビエットなどに至っては先日のバレンシア戦に続き、後半の絶好機にvaselina(バセリーナ/ループシュート)をGKアリッソンにそらされて、深刻なゴール入らない病の疑いがますます濃くなることに。 ▽そして極めつきは後半ロスタイム、CKからのサウルのヘッドがまたしてもアリッソンに弾かれてしまったのはまだしも、素早い反応で当人がこぼれ球をゴール前から蹴ったところ、ポストに当たって入らないって一体、どうなっている? 結局、そのまま試合はスコアレスドローで終わり、この夏、選手が大量に変わり、「ウチはまだ建設途上のチームだから」というディ・フランチェスコ監督は満足そうだったんですけどね。シメオネ監督も「Nosotros estamos creciendo, estamos mejorando, con pasos lentos/ノソトロス・エスタモス・クレシエンドー、エスタモス・メホランドー、コン・パソス・レントス(ウチは成長し、改善している。ゆっくりとだけどね)」と勝ち点3が取れなかったことにそれ程、失望はしていなかったんですが、いやいや。だって、CLグループリーグ2節でアトレティコはその日、カラバフに6-0と大勝したチェルシーを迎えるんですよ。 「ボクらはここまで全部アウェイ戦で物凄い努力を強いられてきながら、el equipo responde bien, falta meter gol, pero este es el camino/エル・エキポ・レスポンデ・ビエン、ファルタ・メテール・ゴル、ペロ・エス・エル・カミーノ(チームはいいリアクションをしている。ゴールが足りないけど、これが行くべき道だ)」なんて言っていたコケみたいな選手もいましたけどね。でも点が入らないと勝てないし、グループ2位以上で決勝トーナメントに行かないと、せっかく獲ったビトロ(今はラス・パルマスにレンタル中)も、ようやくチェルシーと交渉を始めたジエゴ・コスタが来ても宝の持ち腐れになるってわかっている? ▽え、ローマに勝てなかったのはここ2試合、リーガ戦出場停止でプレーできなかったグリースマンが先発しながら、その憂さを晴らすような活躍を見せてくれなかったせいもあるんだろうって? そうですね、その辺り真逆なのがお隣さんで、水曜にアポエルをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたレアル・マドリーではスペイン・スーパーカップ2ndレグでの退場で5試合の処分を受け、まだ今季リーガ戦に出場していないクリスチアーノ・ロナウドが大張り切り。前日、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場を私が訪れた時は15分の公開時間でロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)しか見せてもらえなかったため、よくわからなかったんですが、敵の堅い守りに手を焼いていた前半、12分には早速、ベイルのラストパスを撃ち込み、先制点を挙げてくれるんですから、まったく羨ましい限りじゃないですか。 ▽ええ、それこそ「Es el mejor del mundo, siempre esta ahi, siempre mete goles/エス・エル・メホール・デル・ムンドー、シエンプレ・エスタ・アイー、シエンプレ・メテ・ゴーレス(彼は世界一の選手。常に必要な場所にいて、常にゴールを入れてくれる)」とジダン監督が言う通りなんですが、残念ながら後半すぐにゴールバーを直撃して、ライン上でバウンドしたシュートはホークアイの判定でゴールにならず。6分にはベイルのクロスをアポエルのロベルト・ラゴが腕に当ててもらったPKを決め、2点目を取った後、自身で走ってボールをセンターサークルまで運ぶ程、当人のハットトリック願望は高かったものの、終盤のゴールもオフサイドで認めてもらえなかったのはツイていなかったかと。 ▽ただ後半16分、マドリーには追加点が生まれていて、その殊勲者はセルヒオ・ラモス。中盤で敵からパスを受けた後、マルセロに繋いで自分もガンガン上がり、最後はベイルが頭で落としたボールをchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でゴールにするって、もうこの人、本当にDF? これにはジダン監督も「Yo no podia hacer eso, solo lo pueden hacer pocos/ジョ・ノー・ポディア・アセル・エソ、ソロ・ロ・プエデン・アセール・ポコス(私にはああいうことはできなかった。できるのは僅かな選手だけだよ)。セルヒオは普通、頭で決めるんだが、ちょっと妙なオーバーヘッドだったね」と苦笑いしていましたが、何はともあれ、これでスコアは3-0。おかげでセバージョス、マジョラルがCLデビューの機会をもらえることになりましたっけ。 ▽まあ、相手は試合後、ドニス監督からして「マドリーはウチの可能性の上を行くチーム」とあっさり敗北に納得していたようなアポエルなので、3-0で快勝も当然だったかと思いますが、実はネガティブなこともあって、いえ、馴染みの番記者たちが「きっとラモスは子供の頃、パパとビーチでオーバーヘッドの練習をしたみたいな話をしに出てくるぞ」と、ゴールの後、太もも前面に新たに刻んだ手紙のようなタトゥーを披露した理由を聞くのを期待していたにも関わらず、当人がミックスゾーンで止まらなかったことじゃありませんよ。1つ目は前半途中でクロースに交代したコバチッチが太ももの筋を部分断裂、全治2カ月の重傷だったこと。ローテーション政策をとるジダン監督にとって、持ち札が1枚減ってしまったことになりますが、もう1つ、この日はチームの3点全てに絡んでいたにも関わらず、ベイルにpito(ピト/ブーイング)をするファンがいたのも如何なものと。 ▽ええ、今季まだ1得点で決して本調子とは言えない彼ですけどね。現在、ベンゼマも1カ月の負傷離脱、もう1人のCFマジョラルはここぞという時に頼りにするには経験が足りないという事情があるこの時期、ホームのサポーターが選手のやる気を削ぐような真似はしない方がいいのでは? 何せ今週末、日曜のレアル・ソシエダ戦では出場停止最後の試合でロナウドが再び出られず、更に前節レバンテ戦で退場したマルセロも上訴委員会のおかげで試合数は1つになったものの、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート、ソシエダのホームタウン)には行けず。その上、バルサ同様、開幕3連勝で首位に並んでいるソシエダは木曜のヨーロッパリーグ・グループリーグ1節ローゼンボリ戦にも4-0と大勝してノリノリですからね。 ▽1節でトッテナムに3-1負けと予想外の結果を出したドルトムントを訪れるCL次戦のことはまだ考えなくてもいいものの、バレンシア、レバンテと2試合連続で引き分けて、リーガではすでに永遠のライバルと勝ち点差が4もついてしまったマドリーですし、たとえ、弟分のヘタフェが渾身の力を振り絞って、土曜の午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでバルサを倒してくれたとしても、日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合で自身が勝たなければ、まったく意味がありませんって。 ▽一方、そのヘタフェvsバルサ戦の後、土曜の午後8時45分から、ワンダ・メトロポリターノのこけら落としでマラガを迎えるのがアトレティコなんですが、いえ、選手たちは木曜に初めて新スタジアムのピッチで練習できて嬉しそうでしたけどね。試合観戦の梯子をする予定の私は今から戦々恐々。というのも当局から、スタジアムへは公共交通機関を使い、混雑を見越して2時間前には着くようにとの通達が出ていると聞いたから。 ▽うーん、確かに私も初めての会場ではゲートがわからず、気がついたら一周していたという経験が多いため、早めに着きたいんですが、ヘタフェ(マドリッド郊外)から、セルカニアス(国鉄近郊路線)とメトロ(地下鉄)を乗り継いで、最寄り駅のエスタディオ・メトロポリターノまでの所要時間は1時間越え間違いなし。タクシーもスタジアム付近の渋滞に巻き込まれる心配が大きいですし、何とかスムースに移動できることを祈るばかりかと。これって、今季はまたマドリッドの1部チームが4つになった弊害でもあるんですが、記念のオープニングマッチで3試合ぶりにアトレティコがゴールを挙げる姿を見逃したらと思うと、もう気が気ではありません。 ▽そうそう、最後に今節、レガネスは金曜にアウェイでエイバル戦なんですが、開幕から4試合中3試合が金曜開催って、ちょっと可哀そうすぎ。それでも前節はヘタフェに負け、初黒星を喫したものの、まだ勝ち点6でマドリッド勢一番上の5位にいますからね。先週はセビージャに3-0と完敗したエイバルですが、あちらは水曜のCLでリバプールと2-2で引き分けたくらいレベルの高い相手。決して乾貴士選手のいるチームが弱い訳ではないため、決して油断をせず、いい結果をイプルア(エイバルのホーム)から持ち帰ってくれるといいのですが。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.15 16:53 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールが入らない日もある…

▽「このままじゃ独走されてしまう」そんな風に私が怯えていたのは日曜日、リーガ第3節も5-0でエスパニョールとのダービーに快勝と、開幕3連勝中のバルサがマドリッドの両雄に順位表で勝ち点4差をつけて首位にいるのを見た時のことでした。いやあ、カンプ・ノウではアルゼンチン代表が来年のW杯に出場できるかできないかの瀬戸際にいる憂さを晴らすが如く、メッシがハットトリックを挙げ、スタンドは「Nobita Dimision!/ノビタ・ディミシオン(ドラえもんののび太/バルトメウ会長のあだ名、辞めちまえ)」という大合唱。経営陣と選手たちの仲が最悪と言われ、メッシやイニエスタの契約延長問題にも決着がつかないでいる彼らなんですけどね。 ▽逆に片やこの夏、すでに2つもスーパーのつくタイトルを獲得し、世間からは近年最高のチームと絶賛され、ペレス会長も「Zidane es una bendicion del cielo/ジダン・エス・ウナ・ベンディシオン・デル・シエロ(ジダンは天からの恵みのようなものだ)」と、かつてのギャラクティコ選手がギャラクティコ監督に成長してくれたことに大満足を示しているレアル・マドリー。そのお隣さん、アトレティコだって先日、シメオネ監督と2020年まで契約を再延長し、新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノのオープンまであと1週間という、良い時期にあるはずなんですけどね。どちらも先週末は結果が出せず、ここまで1勝2分けで勝ち点5留まりとなれば、私が先行きを不安に思ってしまったとしても仕方ない? ▽いえ、話は順番にしていかないといけません。この各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間のこと)明けの3節は金曜、レガネスvsヘタフェというマドリッドの弟分ダービーから始まったんですが、予想通り、互いのスタジアムが5キロ程しか離れておらず、長年のライバルながら、リーガ1部では初の対決とあって、ブタルケ(レガネスのホーム)は物凄い盛り上がりを見せることに。試合の展開も互いに押したり引いたり、拮抗していたんですが、前半38分、敵エリア内からクリアされたボールをボランチのアランバッリが豪快にシュート。これが「A todos nos ha sorprendido, ha sido fantastico/ア・トードス・ノス・ア・ソルプレンディードー、ア・シードー・ファンタスティコ(皆、ビックリしたし、素晴らしかったよ)。30メートル離れたところからで、GKは何もできなかった」とボルダラス監督も驚くゴールになったから、場内には200枚程のチケットしか売ってもらえなかった、その日のユニは赤かったものの、azulones(アスロンネス/青い奴ら、ヘタフェとそのファンの愛称)の歓声だけが響き渡ることに。 ▽とはいえ、後半は気を取り直したアシエル・ガリターノ監督のチームが反撃を開始。ええ、当日の朝、ファイル(モロッコ)やジェネ(トーゴ)ら同様、監督と話し合って先発出場を決めたという日本代表から帰還したばかりの柴崎岳選手も後で「良いモチベーションを持っていたし、しっかりやろうと思っていた」は言ってはいたものの、やはり疲れが出てしまったんでしょうね。当人がアルバロに交代した後の21分、ヘタフェは、ディエゴ・リコの2度のシュートを放たれると、GKクエジャールが弾き返したものの、ゲレーロのシュートが3度目の正直となって、とうとうホームチームに同点を許します。おまけにその6分後にはアントゥネスがエリア内でガブリエウを倒し、レガネスにPKを与えられたため、スタンドの大多数はその夜だけでも、3連勝でリーガ首位に君臨する、レガネスのビッグな姿を夢見たものだったんですが…。 ▽それまでも好セーブを連発していたヘタフェのGKグアイタがゲーレロのシュートを弾いてしまったから、驚いたの何のって。レガネスの選手たちも気持ちは同じだったようで、そのまま引き分けても首位にはなれたんですが、38分にはCKからヘタフェのアルバロに、エリア外からのシュートを決められてしまい、試合は1-2で終了。ヘタフェにとって、喉から手が出る程欲しかったリーガ復帰初勝利という結果になりました。そうは言っても勝ち点6あるレガネスはマドリッドの兄貴分たちの上にいますしね。また金曜試合となる次節では乾貴士選手のいるエイバルを訪問と、しばらく同格チームとの対戦が続くため、1敗ぐらいでめげることはまったくありませんって。 ▽一方、ヘタフェは土曜にバルサをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎え、それからもセルタ、ビジャレアルと、ちょっとネーム的には格上に見えるチームとの対戦となるんですが、幸いなのはカタルーニャ州のクラブ以外、どちらもまだリーガで1勝のみと、エンジンがかかっていないこと。メッシが絶好調のバルサだって、今週火曜にはユベントスとのCLグループリーグ初戦があるため、疲れて上京してくるかもしれませんしね。ビジャレアルもヨーロッパリーグが始まって、やり繰りが大変になるはずなので、とりあえず9月は10位以内ぐらいを維持できれば、残留への道筋をつけていけるのではないでしょうか。 ▽そして翌土曜、午後1時というアジアン・コールデンタイムにレバンテをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたのがマドリーだったんですが、ジダン監督もこれまでローテーション政策が非常に上手くいっていたため、ちょっと過信しましたかね。水曜にCLのアポエル戦もあることを考慮したか、各国代表戦で遠方から戻って来たケイロル・ナバス(コスタリカ)やモドリッチ(クロアチア)をベンチ外にし、マルコス・ジョレンテとテオ・エルナンデスが今季初めて先発に入ったんですが、前半12分にサプライズに襲われることに。 ▽ええ、後でゴール前での争奪戦でカルバハルを出し抜いてゴールを決めたイヴィも「Es una jugada ensayada, porque sabemos de la fuerza de Ivan Lopez en el saque/エス・ウナ・フガダ・エンサジャーダ、ポルケ・サベモス・デ・ラ・フエルサ・デ・イバン・ロペス・エン・エル・サケ(あれは練習したプレー。ボクらはイバン・ペレスがスローインに強いのを知っていたからね)」と言っていたんですが、まさか、昨季は2部の絶対王者だったとはいえ、昇格組のレバンテに先制されてしまうとは! ▽ただ、それだけなら時間もまだ十分ありましたし、心配することもなかったんですが、想定外だったのは28分にベンゼマが1人で太モモの筋を伸ばしてしまい、全治1ケ月のケガで交代を余儀なくされたから、さあ大変!でもねえ、その日、モラタ(チェルシー)とマリアーノ(リヨン)の移籍で今季の控えの中で唯一のCF、マジョラルをスタンド見学にしてしまったのはジダン監督のミスだったかもしれませんが、代わりに入ったのはベイルですよ。ピッチにはスペイン代表のルーカス・バスケスやアセンシオもいましたし、そんな贅沢な状況に一体、誰が文句を言えるというのでしょう。 ▽実際、35分にはクロースのCKをセルヒオ・ラモスが「Ramos entra como un animal y con fuerza muy arriba, cualquier contacto con el hacia irte al suelo/ラモス・エントラ・コモ・ウン・アニマル・イ・コン・フエルサ・ムイ・アリバ、クアルキエル・コンタクトー・コン・エル・アシア・イルセ・アル・スエロ(ラモスはアニマルのように突っ込んできて、とても高いところでも力がある。彼と接触すれば、誰だって倒れるしかないよ)」(GKラウール)という勢いでカンパーニャを潰しながらヘッド。これは弾かれたものの、こぼれたボールをルーカス・バスケスが押し込んでマドリーは同点に追いついいたんですが、その日、本当に欠けていたのはツキだったかと。 ▽だってえ、ベイルも何度かシュートを撃っていましたし、後半にはイスコやコバチッチを投入。41分にはマルセロがラウールにセーブされた後、もつれて倒れたレルマを蹴ったため、レッドカードをゲット。クリスティアーノ・ロナウド、ラモスに続く、今季3人目のキャプテン退場となって、1人少なくなったため、完全に根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)の舞台は整ったと、私など思ったんですけどね。奇跡の男、ラモスも最後は前線に残ってFWとしてプレー、ロスタイムにはクロースのエリア外からのシュートが近いところまで行ったんですが…ポストに弾かれ、試合は1-1のまま終了し、「La clave es ilusion y trabajo/ラ・クラベ・エス・イルシオン・イ・トラバッホ(鍵は夢と努力だった)」(ムニョス監督)というレバンテの前にホームで勝ち点2を落とすという、代表週間前のバレンシア戦と同じ躓きをしてしまうことに。 ▽え、その結果を知りながら、次の時間帯で勝利を掴めなかったアトレティコだって十分、間抜けじゃないかって? まあ、そうなんですが、こちらはアウェイのメスタージャですし、火曜のCLローマ戦を前にゴディンやガビを温存したのはあまり関係なかったんですよ。バレンシアもシュートが枠内に飛ばず、GKオブラクの手を煩わすシーンはほとんどなかったんですが、最大のチャンスに大空高く撃ち上げてしまったビエットを始め、自分たちも点を取れなければ答えは簡単。ゴールレスの引き分けです。 ▽ただ、ジダン監督が「Tenemos que jugar major/テネモス・ケ・フガール・メホール(ウチはもっと上手くプレーしないといけない)。より効率的にゴールを決めないと」と反省、テオなども「Necesitamos a Cristiano para que meta goles/ネセシタモス・ア・クリスティアーノ・パラ・ケ・メタ・ゴーレス(ゴールを入れるため、クリスティアーノが必要だ)」とあと1試合、リーガの出場停止が残っているエースを恋しがっていたのと対照的にアトレティコの方は試合後、「Hemos hecho un buen futbol/エモス・エッチョー・ウン・ブエン・フトボル(ウチはいいサッカーをした)」(フィリペ・ルイス)と妙に楽観的。 ▽確かに「チャンスも作ったし、ゴールが足りなかっただけ。今週はFIFAウィークだったんだから、FWたちを辛抱して見守らないと。そのうち入るよ。練習すれば良くなるはずさ」というのは正論ですが、ちょっと待って!今回、アトレティコの前線で各国代表に行っていたのはグリーズマン(フランス)とカラスコ(ベルギー)のみ、先発したコレア、ビエット、そして後半に入ったフェルナンド・トーレス、ガメイロ、ガイタンは2週間、ずっとマハダオンダ(マドリッド近郊)でトレーニング漬けだったのを忘れていない? ▽まあ、マルセリーノ新監督も「マドリーにもアトレティコにも負けなかったのは特筆に値する。Va a ser muy dificil ganarnos/バ・ア・セル・ムイ・ディフィシル・ガナールノス(ウチに勝つのは難しくなるだろう)」と言っていた通り、良い補強選手も入ったバレンシアが昨季よりずっと強くなったのはわかりましたけどね。「El peor momento hasta ahora es el primer tiempo en Girona/エル・ペオール・モメントー・アスタ・アオラ・エス・エル・プリメール・ティンポー・エン・ジローナ(今まで最悪だったのはジローナでの前半だけ)」というシメオネ監督の言葉ももっともなんですが、要はそれが響いての1勝2分け。うーん、来週土曜の次節マラガ戦はいよいよ、ワンダ・メトロポリターノでプレーすることができますが、選手たちも初めてのスタジアムとあって、まだホームゲームという感覚が持てないかもしれないのがちょっと怖いです。 ▽え、それよりもう、アトレティコはローマ遠征の準備で大変なんじゃないかって?そうですね、日曜にリハビリセッションをした彼らは月曜には機上の人に。シメオネ監督はアルゼンチン代表でケガをして帰って来たアウグスト以外、21名全員を連れ、火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、スタジオ・オリンピコでの1節に挑みます。何せ、間の悪いことに相手は同じ土曜開催予定だったセリエAのサンプドリア戦が天候不順で順延、体力の消耗なしでプレーできますからね。リーガで2試合出場停止だったグリーズマンが準備万端なのは心強いですが、果たしてゴールは入るのかどうか。彼らのグループにはチェルシーもいるため、あまり取りこぼしができないのは辛いところですよね。 ▽そしてグリーズマン同様、代表戦から1週間おいて、最高のコンディションでロナウドが復帰するのが水曜のマドリーなんですが、何せこちらは相手がキプロスのアポエル。しかもホームとあって、勝利は当然、むしろ何点取れるかの方が気になるぐらいで、むしろ彼らにとって頭痛の種は日曜のレアル・ソシエダ戦かと。そう、ロナウド、ベンゼマ、そして下手したら2試合以上の処分が下りかねないマルセロも欠場するためで、その上、バルサと並んで唯一、開幕3連勝をしているチームとのアウェイゲームですからね。ソシエダも木曜にELローゼンボリ戦があって、日程的にはむしろ不利なぐらいとはいえ、こんな時こそ、イスコやアセンシオが真価を発揮してくれないと困ってしまう? とはいえ、リーガ4節はまだ先、とりあえず今はヨーロッパの大会の開幕を楽しみに待つことにしましょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.11 17:49 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】スタジアムが遠い…

▽「やっぱり近づけないのね」そんな風に私が愚痴っていたのは木曜日、アトレティコの新しいホームに一番近いメトロ(地下鉄)のエスタディオ・メトロポリターノ駅メインエントランス・オープニングセレモニーの後、階段を上がればそこにスタジアムがあるというのに、まだ工事中だからとマスコミもファンも即座に駅舎内に押し戻されてしまった時のことでした。いやあ、ここ数日は完成した豪華なロッカールームをビデオ(http://www.atleticodemadrid.com/videos/asi-es-el-vestuario-del-primer-equipo-en-el-wanda-metropolitano)で紹介したり、ピッチの芝張りも終わったりと、こけら落としとなる16日のマラガ戦に向け、準備は着々と進んでいるようなんですけどね。 ▽どうにも怪しいのは駐車場や周辺道路へ繋がる道で、セレモニーに出席したマドリッド州知事のシフエンテ氏が「グリースマンには是非、ほんの数タッチでゴールまで行ける、このライン7の駅を使ってもらいたいわ」と笑いと取りつつ、試合前後の時間には列車を3分間隔で運行して、大混雑にも対応できることをアピール。更に徒歩15分程のライン2(イメージキャラはゴディン)のLas Rosas(ラス・ロサス/スペインサッカー協会施設があるのはLas Rozas)駅やライン5(同トマス)のカニジェハス駅の利用をファンにくどい程、お勧めしていたのはやっぱり、まだ自家用車では入れないから? ▽まあ、私などは車も持っていないため、メトロしか選択肢がないですし、セレモニーではこの2週間、じっくりマハダオンダ(マドリッド近郊)で練習していたガビやフェルナンド・トーレスはともかく、代表戦に駆り出されていたコケ、サウル、グリースマンが元気そうなのを確認できただけで満足だったんですけどね。火曜に昨年、2018年までに一旦減らした契約年数を2020年まで再延長、週末は彼女と娘さんを連れてパリのディズニーランドで楽しんできたシメオネ監督も姿を見せていたものの、彼らは午後の練習に備えて早々にライトバンに乗って撤収。 ▽最後はセレソ会長の「No podemos fichar hasta enero/ノー・ポデモス・フィチャール・アスタ・エネロ(ウチは1月まで選手を獲れない)が、それまでにジエゴ・コスタや他の選手が来ることはありうる」という今週、ようやくロンドンに戻ったらしいチェルシーのFWの古巣復帰を仄めかすようなコメントを聞いてお開きとなったんですが、うーん、それにしてもワンダ・メトロポリターノの近隣にはあまりに何もなさすぎ。屋台ぐらいは出るとしても、ビセンテ・カルデロン時代は早めにスタジアムまで行って、近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)で士気を高めていた大勢のファンたちは一体、どうするんでしょうかね。 ▽え、それより今週あったスペイン代表のW杯予選2試合目がどうだったか知りたいって?そうですね、火曜のリヒテンシュタイン戦は予想通りの展開で、何せ相手の選手は半分がセミプロですからね。「Tratamos de tener variantes ofensivas ademas de la calidad de los jugadores/トラタモス・デ・テネール・バリアンテス・オフェンシバス・アデマス・デ・ラ・カリダッド・デ・ロス・フガドーレス(選手たちの質だけでなく、攻撃的オプションを増やしたかった)」というロペテギ監督の意向で、チームは先日のイタリア戦からスタメン4人を変更。コケ、カルバハル(レアル・マドリー)はベンチ外でアセンシオ(マドリー)、ジョルディ・アルバ(バルサ)が控えとなり、モラタ、ペドロ(チェルシー)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、モンレアル(アーセナル)が入ってDF3人体制って随分、強気じゃないですか。 ▽ただ実際、それで困るような場面はまったくなく、開始3分にシルバ(マンチェスター・シティ)のFKをセルヒオ・ラモス(マドリー)が頭で決めて先制したスペインは、15分にも今度はビジャ(ニューヨーク・シティ)の負傷離脱で背番号7を取り戻したモラタがこれもシルバのクロスをヘッドしてゴール。その1分後にはGKジェーレ(バルダール)が蹴り損ねたボールをエリア内で奪ったモラタがイスコ(マドリー)に繋いで3点目が入ることに。更に39分にはシルバがFKを直接、ネットに突き刺してしまったとなれば、ロペテギ監督ももう誰をキッカーにしていいか、途方に暮れてしまったかも。その直後、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が珍しくミスをして、ジェーレ同様、エリア内で敵にボールを渡してしまったんですが、シュートはしっかりセーブしている辺り、やっぱり雲泥の実力差ですよね。 ▽後半はラモス、シルバの2008年から2012年まで続いたスペイン黄金期を支えたベテランがナチョ(マドリー)とイアゴ・アスパス(セルタ)に代わったんですが、それでもgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は止まりません。ええ、6分にはモラタのヘッドがゴールバーに弾かれて落ちたところをアスパスが押し込み、その3分後にはアスパスがお礼のスルーパスでモラタをアシスト。当人もW杯行き当確ラインぎりぎりにあるのはわかっているんでしょうかね。「Me llevo muy bien con Morata tambien fuera y eso ayuda/メ・ジェボ・ムイ・ビエン・コン・モラタ・タンビエン・フエラ・イ・エソ・アジュダ(モラタとはウマがピッチ外でもウマが合う。そういうのは助けになるね)」(アスパス)と、ジエゴ・コスタが怠けている間にエース候補ナンバーワンに昇格したFWと相性がいいことを強調していましたが、彼は17分にも弾かれたペドロのシュートを撃ち直して自身2点目をゲット。 ▽最後は44分、イスコと交代したデウロフェウ(バルサ)のシュートが敵DFに当たってオウンゴールになったため、昨年の対戦と同じ0-8という大勝になったんですが、こうもレベルが違うとねえ。リーガ1部のチームと2部Bのチームが当たるコパ・デル・レイ32強対戦以上の差があるように見えましたが、幸いこの試合ではケガ人は1人もなし。イエローカードをもらったブスケツ(バルサ)が累積警告となり、10月にアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート都市)で行われるアルバニア戦を欠場となるのはちょっと痛いですけどね。同日イスラエルに勝った2位のイタリアは1-0止まりだったため、勝ち点差3のままでも得失点差が17に拡大。ええ、もうこうなるとW杯進出まであと1勝でいいってことじゃないですか。 ▽おかげで試合後はキャプンのラモスなど、「Te mentiria si te diria que no veo a este equipo haciendo algo importante/テ・メンティリア・シー・テ・ディリア・ケ・ノー・ベオ・ア・エステ・エキポ・アシエンドー・アルゴ・インポルタンテ(このチームが何か大きなことを成し遂げられないなんて言ったら、ウソになる)」と黄金期再来を予感しているようでしたが、まあ本大会はまだまだ先ですからね。私ももう1度、スペインの優勝を見られたら嬉しいものの、2014年ブラジル大会のようにいきなりグループリーグ敗退になったりすることもあるため、今のところは生ぬるい目で見守っていくことにしましょうかね。 ▽そしてその晩はチューリッヒに泊まり、翌日にはマドリッド組、バルセロナ組、その他イギリス、イタリア組と分かれて選手たちもそれぞれのクラブに戻ったんですが、今週の私はラス・ロサス(マドリッド近郊)の代表練習見学がなくなったため、この金曜に1部では初となる弟分ダービーを迎えるレガネスをチェック。いえ、夏の間、全面運行停止していたメトロのライン5がようやく動きだしたため、アルーチェ駅前から何本も出ているバスを使って、簡単に練習場のインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに行けるようになったというのもあるんですけどね。火曜はあっさり着いたと思いきや、練習はスタジアムで非公開だったり、翌日は施設の入り口が開いておらず。仕方なく広い敷地の外をグルリと一周しないといけなかったりと、チャレンジするたび何が起こるのは私とレガネスの相性が悪いのかも。 ▽ただ新しいプレハブのロッカールームやジムがすぐ側にできたそのグラウンドは日焼けが避けられないヘタフェとは違い、木陰から見学できるため、かなり快適で、更に練習を終えた選手が普通に歩いてくるので、ファンが写真やサインを頼み放題というのは同じ。とはいえ、この夏には13人が退団、11人を補強したレガネスですからね。誰が誰か見分けるのが難しいんですが、その日のセッションでアシエル・ガリターノ監督は念入りにセットプレーを指導。木曜の記者会見ではヘタフェのボルダラス監督も「A balon parado hizo los dos goles, hay que tener cuidado/ア・バロン・パラードー・イソ・ロス・ドス・ゴレス、アイ・ケ・テネール・クイダードー(セットプレーで2ゴール挙げているから、注意しないといけない)」と言っていように、開幕2試合をFKとCKからの得点で勝っている彼らとしては、長所により磨きをかけたかったのかもしれません。 ▽加えてレガネスでは移籍市場最終日に獲得したFWアラバマット(ワトフォードから移籍)がヘタフェのファジルと一緒にモロッコ代表参加しており、来週月曜までチームに合流しないため、大幅な攻撃力アップは望めませんからね。まだ1分け1敗で1部復帰後、白星を飾っていないヘタフェには他に柴崎岳選手、ジェネ(トーゴ)と代表から帰って来たばかりの選手がいるため、ボルダラス監督は「Confiamos que de aqui a manana puedan estar al 100 %/コンフィアモス・ケ・デ・アギー・ア・マニャーナ・プエデン・エスタル・アル・シエントー・ポル・シエン(明日までには100%になってくれると信じている)」と言っていたものの、金曜午後9時(日本時間翌午前4時)キックオフのブタルケ(レガネスのホーム)ではスタメン変更も多分にあるんじゃないでしょうか。 ▽ちなみにガリターノ監督は現役時代、ボルダラス監督の指揮下でプレーして、一緒にコーチングスタッフとして働いていたこともあるため、このダービーは師弟対決でもあるんですが、最後にマドリッドの両雄の今週末の試合について触れておくことにすると。ブラジルのW杯予選2戦目を出場停止になったマルセロを皮切りに、木曜朝にコスタリカからケイロル・ナバスがバラハス空港に着いて、ようやく17人の各国代表選手が全員帰還したマドリーはこの3節、土曜の午後1時(日本時間午後8時)というアジアゴールデンタイムでレバンテ戦をプレー。ポルトガル代表ではフェロー諸島戦でハットトリックの大活躍、0-1で辛勝したハンガリー戦でもアシストで貢献したクリスチアーノ・ロナウドはまだ出場停止処分が続いているんですが、その分、来週水曜のCLグループリーグ開幕戦、キプロスのアポエルをサンティアゴ・ベルナベウに迎える試合で爆発してくれる可能性が高い? ▽ただ今回の相手、レバンテもリーガ初戦に勝って、2節のデポルティボ戦で2-2の引き分けと、paron(パロン/リーガの停止期間のこと)直前にバレンシアと2-2のドローで終わったマドリー共々、現在の勝ち点は4と見た目は拮抗。とはいえ、スペイン代表で大車輪の働きだったイスコがジダン監督のローテーションでお休みしても、アセンシオやルーカス・バスケスなどはリヒテンシュタイン戦に出ていませんからね。フランス代表から遠ざかっているベンゼマもバルデベバス(バラハス空港の近く)でじっくり調整できたようですし、昨季、ヘタフェ同様、レバンテを1年で1部復帰に導いたムニョス監督は「No vamos a ir a sacar fotos ni a pedir camisetas/ノー・バモス・ア・イル・ア・サカール・フォトス・ニ・ア・ペディール・カミセタス(ウチは写真を撮るためやユニ交換を頼むために行くんじゃない)。勝ち点3を懸けて競いに行く」と言っているものの、かなり厳しいものがあるんじゃないでしょうか。 ▽そして同じ土曜、こちらは午後4時15分(日本時間11時15分)から、この開幕アウェイ3連戦の最後としてバレンシアに赴くアトレティコも木曜にはメンバーが勢揃い。唯一、アルゼンチン代表に行っていたアウグストだけが試合に出てもいないのに太ももをケガするという不運に遭っていますが、中にはガーナ代表のコンゴ2連戦で4得点1アシストを記録してきたトマスのように急にゴールづいてしまった選手もいるのは心強いかと。何せ、こちらもグリースマンが2試合目の出場停止処分をこなさないといけないため、メスタジャではトーレス、コレア、ガメイロ、ビエット頼りになりますからね。シメオネ監督もトマスに結構、期待しているかもしれません。 ▽え、アトレティコは1節のジローナ戦を2-2で引き分け、ラス・パルマス戦に1-5で勝って4ポイント、バレンシアはラス・パルマスに1-0で勝って、マドリーに劣勢から追いついてのドローで4ポイントとなると、勢い的には両者互角の戦いが見られるんじゃないかって?そうですね、今季からマルセリーノ監督体制となり、GKネト(インテル)、MFマクシモビッチ(アスタナ)、コンドグビア(インテル)、ペレイラ(マンチェスター・ユナイテッド)、グアデス(PSG)、DFムリージョ(インテル)、パウリスタ(アーセナル)と精鋭7人を補強して、ここ2年間の不振から脱却しようと、相手も気合が入っていますからね。 ▽それだけにジローナ戦での教訓をラス・パルマス戦で生かしたアトレティコでしたが、この2週間のうちにまた忘れているんじゃないかというのだけが、私の心配の種。おまけに来週火曜にはCLグループリーグ初戦でローマに遠征ですし、以降も9月は日程が詰まっているため、ちょっと大変なんですが、まだまだシーズンは始まったばかり。補強ができず、メンツに変わり映えがないのはちょっと寂しいものの、何とか、お隣さんやバルサのペースに遅れず、ついていってもらいたいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.09 12:15 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】まだW杯は遠い先だけど…

▽「帰っちゃうんだ」そんな風に私が残念に思っていたのは月曜日。お昼のニュースにバラハス空港ターミナル4のカウンターで搭乗手続きをするダビド・ビジャ(ニューヨーク・シティ)の姿が映った時のことでした。いやあ、前日、ラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設の非公開練習のビデオでは彼も機嫌が良く、グラウンドに向かっていたため、リヒテンシュタイン代表戦では待望の代表復帰ゴールが観られるかもと楽しみしていたんですけどね。当人曰く、「セッション最後のプレーでintento llegar a un balon y estiro demasiado el cuadriceps/インテントー・ジェガール・ア・ウン・バロン・イ・エスティロ・デマシアドー・エル・クアドリセプス(ボールに届かせようとして大腿四頭筋を伸ばしすぎた)」そう。同日、チューリッヒ経由で現地入りするチームメートに別れを告げ、家族と共にニューヨークに戻ることにしたのだとか。 ▽それでもケガの程度は軽いようなので、10月初旬の代表ウィークに行われるロシア・ワールドカップ(W杯)欧州予選最後の2試合には間に合うはず。それに世の中はとっくにシーズンが開幕していながら、チェルシーに戻らず母国ブラジルで個人トレーニングを始め、プレミアリーグには選手登録されながら、チャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグには登録外。まだアトレティコ・マドリーへの移籍も決まらないジエゴ・コスタが次の招集リストに入れるとは思えませんからね。となれば、この土曜日に代表98試合出場を達成し、大台まであと2つに迫ったビジャに再びお鉢が回ってくることもありうる? ▽まあ、そんなことはともかく、そのイタリア代表戦がどうだったかお話すると、当日午後、キックオフまでに時間があったため、私は会場のサンティアゴ・ベルナベウ近くの高層ビル街の中に設けられたファンゾーンを訪問。これまでスペインの獲得したユーロやW杯のトロフィーと写真を撮れるというは本当でしたけどね。予想外にこじんまりとしていて、列に並ぶファンの数もそう多くはなかった辺りに以前、メジャートロフィー獲得が3回続いていた代表黄金期との温度差を感じたものでしたが、試合の方は大丈夫。先週の水曜日にチケットが完売となっただけあって、camiseta(カミセタ/ユニフォーム)やbufanda(ブファンダ/マフラー)、ウィッグや帽子で完全装備したサポーターが赤と黄色のスペインのbandera(バンデラ/旗)を振って大いに雰囲気を盛り上げてくれました。 ▽え、試合前からCFを使うのか、それともfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/偽9番)でいくのか、スペインのスタメンでは疑問点になっていましたが…。まさかダビド・シルバ(マンチェスター・シティ)、イスコ(レアル・マドリー)、マルコ・アシンシオ(同)を前線に並べ、1人もFWがいないというのはショックじゃなかったかって? そうですね、これがイアゴ・アスパス(セルタ)やデウロフェウ(バルセロナ)、ルーカス・バスケス(レアル・マドリー)ら、今回招集された他のFWたちの奮起につながると良いのですが、作戦的には大成功。そう、12分にはイスコが放ったFKにGKブッフォン(ユベントス)の手が届かず、スペインが早い段階で先制点を奪うことに。 ▽うーん、実はこれより前にもコケ(アトレティコ)がエリア前で敵DFに突き飛ばされ、彼らは近い距離でFKをゲットしていたんですけどね。その時は先日、バレンシア戦で見事なFKゴールを挙げたアセンシオも蹴りたそうにしていたんですが、蹴らせてもらえず。代表でもクラブでもキャプテンのセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)はイスコに対しても「次に蹴らせてあげるから」と丸めこみ、結果、セルヒオ・ラモスのシュートは枠外へ。似たような位置でボヌッチ(ミラン)がアセンシオを潰し、イエローカードをもらったため、すぐに次のFKのチャンスが来てくれたのは本当にツイていましたっけ。 ▽とはいえ、相手は去年のユーロで、ベスト16で敗退させられたイタリア。昨年のトリノでの試合でも1-0とリードした後、スペインは追いつかれて引き分けていましたから、油断はまだまだできなかったんですが、何なんでしょうかね。3バックではなく、4-2-4という超攻撃的なフォーメーションを採用しながら、この日の敵には怖さがほとんど感じられず。もちろん、ヒマでも決して集中力を途切らせていなかったGKダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が新鋭アンドレア・ベロッティ(トリノ)のヘッドをparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたなんてこともあったんですが、やはり中盤の人数が全然違うことが致命的だったんでしょう。ええ、39分には再びイスコがエリア前からシュートを決め、2-0になったとなればもう、大船に乗った気でいて良い? ▽ロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)の至近距離シュートをデ・ヘアが弾いて始まった後半もそれ以降、危険な場面はほとんどなく、さすがにこれぐらいの時間になれば、相手も疲れて、マークも甘くなるだろうと踏んだんですかね。フレン・ロペテギ監督は72分にアンドレス・イニエスタ(バルセロナ)からアルバロ・モラタ(チェルシー)に代え、スペインはいよいよ文字通りの9番を投入。それでも最初はせっかくこの夏までの同僚、イスコからスルーパスをもらいながら、ユベントス時代にお世話になったボヌッチに止められてしまった彼でしたが、76分には自陣でボールを奪い返したセルヒオ・ラモスが上がるのに合わせ、ベルナベウを根城にするチームのお家芸を披露してくれます。もちろんそれは超高速カウンターで、最後はセルヒオ・ラモスのキラーパスをゴール前から押し込んで、とうとう3点目。同等ランクの代表相手にこんなに強いスペインを見るのは私もかなり久々だったかと。 ▽まさに「Hemos jugado sin 9 muy bien y luego, con 9, hemos cerrado el partido/エモス・フガードー・シン・ヌエベ・ムイ・ビエン・イ・ルエゴ、コン・ヌエベ・エモス・セラードー・エル・パルティードー(ウチは9番なしで凄く良いプレーをして、それから9番を入れて試合を終わらせた)」(モラタ)ということですが、その直後にはアセンシオもこの夏、U21ユーロで決勝まで共に戦い、トロフィーはドイツに奪われてしまったものの、ピチチ(得点王)となったサウール・ニゲス(アトレティコ・マドリー)に交代。まあこれはコケ同様、しっかり守るお隣さんの特性を期待しての起用でしょうが、おかげでロペテギ監督もスタンドのコールに応えて、ビジャをピッチに入れる余裕が持てることに。 ▽ええ、残り時間は少なかったんですが、後半もマルコ・ヴェッラッティ(パリ・サンジェルマン)へのcano(カーニョ/股抜き)やsombrero(ソンブレロ/敵の頭上にパスを上げて抜く技)など、マドリーのロッカールームでmagia(マヒア/マジック)と呼ばれている所以を十二分に証明したイスコ。試合前はアセンシオ・フィーバー一色だった世間に元々、ベルナベウのお気に入りナンバーワンは自分だったと思い出させた同選手が大喝采を浴びてベンチに戻ります。それと同時に、スペイン黄金期を支えた7番がいよいよ登場したんです! いえ、実際、プレーした5分間でボールに触ったのは2、3回だったため、モラタの「David ha estado increible, como siempre. Ha sido un partidazo/ダビド・ア・エスタードー・インクレイブレ、コモ・シエンプレ。ア・シードー・ウン・パルティダソ(いつも通り、ビジャは信じられない程だった。最高のナイスゲームだったよ)」という言葉にはちょっと??? なんですけどね。 ▽それでも当人は「Estoy feliz de que la gente me haya recibido asi/エストイ・フェリス・デ・ケ・ラ・ヘンテ・メ・アジャ・レシビードー・アシー(観客があんな風に自分を迎えてくれてボクは幸せだよ)」と大満足していましたし、バレンシア時代にカンテラ(ユースチーム)から呼ばれてトップチームと一緒に練習していた頃から知っていたというイスコのことも絶賛。「La esta rompiendo/ラ・エスタ・ロンピエンドー(ブレイクしている)。スペイン人だから、みんなが彼のプレーを代表で楽しめる」と言っていましたが、スペインではバルセロナ、アトレティコとライバルチームにいたビジャだけにあまり、マドリーでの活躍は見たくはない? ▽実際、そのイスコに関してはロペテギ監督のみならず、イタリアのジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督からも称賛しか聞こえなかったんですが、あまりに時間が遅くて、私がスタジアムから出てしまった午前0時過ぎ、ミックスゾーンに出てきたセルヒオ・ラモスなどからは、ビジャとは逆に「Estoy contento por mis cachorritos del Madrid/エストイ・コンテントー・ポル・ミス・カチョリートス・デル・マドリッド(ボクのマドリーの子犬ちゃんたちのおかげで満足だよ)」なんてコメントも。いえ、モラタは今、スタンフォード・ブリッジでプレーしていますけどね。もしかしてチャビ・エルナンデス(今はカタールのアル・サッドでプレー)、イニエスタらの全盛期で迎えたスペイン黄金期を今度はイスコ、アセンシオのマドリーコンビで再現できたらという野望でもあるんでしょうか。 ▽え、それで今回、ベルナベウではジェラール・ピケ(バルセロナ)へのpito(ピト/ブーイング)はあったのかって? いやあ、同僚のセルヒオ・ブスケッツなどは「La aficion estuvo de 9,5, porque hubo algun pito al inicio/ラ・アフィシオン・デ・ヌエベ・コンマ・シンコ、ポルケ・ウボ・アルグン・ピト・アル・イニシオ(ファンの態度は9.5点。序盤はブーイングがあったから)」なんて言っていましたが、私にはまったく聞こえず。ピケがボールを持つたび、大きな拍手が始まるため、最後はうっとおしいぐらいに感じた程で、さらにコケのCKを当人がヘッドで外した時など、ピケコールまでありましたからね。そのおかげもあって、選手全員がピッチで輪になって3-0の勝利を喜んだ後、当人も安心して自分の子供たちとピッチで遊ぶことができたのではないかと。 ▽まあ、次はアウェイですから、そんな心配はしないでいいんですが、月曜日の夕方にはビジャ以外、25人の代表選手たちはファドゥーツのラインパーク・シュタディオンで練習。グループ2位のイタリアに勝ったことで勝ち点差3がつきましたし、相手のリヒテンシュタインには昨年の試合で0-8と大勝しているため、この2戦目はあまり心配することはないんですけどね。前日会見に出たロペテギ監督は「El futbol es como es y lo vimos en el Francia Luxemburgo/エル・フトボル・エス・コモ・エス・イ・ロ・ビモス・エン・エル・フランシア・ルクセンブルゴ(サッカーはサッカー、フランスvsルクセンブルクでそれを見たよ)」と慎重な姿勢を決して崩さず。これは多分、アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)が悪いんですが、好機を2度とも決められず、フランスが小国と日曜日の試合でスコアレスドローに終わった例を出して、自信過剰になるのを戒めています。 ▽それでもローテーションは大いにありそうで、今度はファンも次のリーグ戦が視野に入ってきますからね。半分ぐらいスタメンを変えて、あとは様子を見ながらでもいいかと思いますが、スペインのW杯出場がまだ決まっていないのも事実は事実。この火曜日午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのリヒテンシュタイン戦、そして10月のアルバニア代表、イスラエル代表戦と上手くやって、プレーオフなどで気を揉むことなく、来年のロシアでグループリーグ敗退した2014年ブラジル大会のリベンジをじっくり計画できたらいいですよね。 ▽そして最後にマドリッドの4クラブの様子も少々、お伝えしておくと、土曜日にレバンテ戦を控えるマドリーでは各国代表選手の先陣を切ってマルセロが帰還、月曜日から再開されたバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習に加わっています。これは先週のエクアドル代表戦でイエローカードをもらい、火曜日のコロンビア代表戦に出場停止となったからですが、え、ということは同じ土曜にバレンシアに乗り込むアトレティコのフィリペ・ルイスが代わりにブラジルの左SBとして出場? ちょっと不公平な感じはしますが、どちらにせよ彼らはすでにW杯出場権を得ているため、そんなに気にすることはないかと。ちなみに日曜日にポルトガル代表の予選2試合目、ハンガリー代表戦を終えたクリスティアーノ・ロナウドはまだリーガでの出場停止処分が続いているため、合流が遅れるようです。 ▽同様にあと1試合、出場停止があるグリーズマンの姿も月曜日のマハダオンダ(マドリッド近郊)では見られませんでしたが、気の毒なのは、アトレティコではシメ・ヴルサリコ、マドリーではルカ・モドリッチ、マテオ・コバチッチといるクロアチア勢。土曜日のコソボ代表戦が豪雨で途中中断、日曜日の午前中に試合の残りをやって1-0で勝ったものの、火曜日にはもうアウェイでトルコ代表戦に挑まないとならないなんて、あまりにハードでは? 大西洋を渡っている選手に関してもディエゴ・ゴディン、ホセ・ヒメネスのアトレティコ・ウルグアイ勢、ケイロル・ナバス(コスタリカ)、カゼミロ(ブラジル)らは帰還が木曜日になりますが、何せジネディーヌ・ジダン監督にはお得意のローテーションがありますからね。代表選手の総数は17対13でマドリーの方が多いものの、未だに工事中でスタジアムに近づけもしないワンダ・メトロポリターノのせいで今節までリーガはずっとアウェイ、来週火曜日のCLローマ戦も遠征というアトレティコはかなり大変そうですね。 ▽一方、今週も移籍市場のクローズ寸前に獲得した選手たちのプレゼンに余念がないのがマドリッドの弟分2チームで、両者は奇しくもこの金曜日、2004年に2部で対戦して以来、1部ではクラブ史上初となるダービーで激突。こちらも代表選手がまったくいないレガネスと柴崎岳選手、ジェネ・ダコナム(トーゴ)、ファイサル・ファイル(モロッコ)と、3人の主力が出向しているヘタフェでは準備に差が出るかと思いますが、2連勝で現在、3位につける前者とまだ開幕から1勝も挙げられていない後者では心理的な余裕も違う? うーん、今回は満員が予想されるブタルケ開催とあって、レガネスファンの応援に押されてしまうことも考えられますが、こればっかりはねえ。今週はまた日を見て、私も両チームの練習を偵察してこようかと思います。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.05 13:13 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】どちらが強いのだろう…

▽「意外と弱気なものね」そんな風に私がいぶかっていたのは金曜日、サンティアゴ・ベルナベウのプレスコンファレンスルームでベントゥーラ監督が着くのを待っている間、イタリアから来たラジオ記者が「ウチは11月まで大変だ」と愚痴っているのを聞いた時のことでした。いやあ、木曜にW杯進出を決めた日本と違い、スペインのいるヨーロッパ予選グループGは首位の彼らと2位のイタリアが同勝ち点で並走。得失点差4で順位が決まっているため、今回の対戦でどんな結果が出ても10月まで勝負は続くんですけどね。「イタリア人はリアリストなんだ。2位になる自信ならあるよ」という彼は更にその先、プレーオフまで戦うことを覚悟していたから。 ▽まあ、昨年の両者は直接対決もトリノで1-1と引き分けていますし、実際、圧倒的にロペテギ監督率いるチームが優勢という訳じゃないんですけどね。ちなみに月曜の夜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合したスペイン代表は翌日からトレーニングを開始。そこで結局、正確な開始時間はわからなかったものの、8月中はモンクロア(マドリッド市内にあるバスステーション)からの便が少なくなることもあり、午前11時ぐらいには着けるかなあという感じで私も向かうことに。運良く、それがドンピシャだったのはラッキーだったんですが、アップが終わった時点で取材陣全員にプレスルーム行きの命令が出るなんて、やられたとしか言いようがない? ▽そこでようやく顔なじみの代表番記者にスケジュール表を見せてもらい、わかったのは今回の合宿では水曜午前のセッションと前日のサンティアゴ・ベルナベウでの練習以外、一般公開はなし。マスコミでも昨今のレアル・マドリーやアトレティコ同様、午前中は開始から15分間しか見られない上、午後は完全非公開、しかも施設外の丘から丸見えのグラウンドをなるたけ隠すため、ネットにシートをかける作業まで始めている念の入りよう。ええ、これってもう、マドリッドで気楽に最初から最後まで練習見学できるチームは弟分のレガネスとヘタフェしかないってことじゃないですか。 ▽おかげで翌日、私が1本遅めのバスで施設に着いた時にはもう、唯一の公開日を狙って駆けつけたファンたちでスタンドに席がない程の混雑状態。何せ、世間はまだ夏休みですからね。私も人垣の間から、選手たちがグラウンド半分で11人対11人のpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)に興じるのを覗き見るしかなかったんですが、組分けの方はまだロペテギ監督も試している段階だったのか、例えば前線など、片やビジャ(ニューヨーク・シティ)とデウロフェウ(バルサ)、アセンシオ(マドリー)が並んでいるかと思えば、もう一方はモラタ(チェルシー)、ペドロ(同)、シルバ(マンチェスター・シテイ)のプレミア勢の3人。 ▽今回は総勢26人呼んでいるため、途中から負傷離脱したビトロ(ラス・パルマス)の代わりに追加招集されたルーカス・バスケス(マドリー)、イアゴ・アスパス(セルタ)、A代表初体験のスソ(ミラン)が入り、アセンシオ、デウロフェウ、ペドロが抜け、最後はまたピッチに戻ったアセンシオのfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/CFの位置に入る仮のMF)なんてパターンもありましたが…うーん、ちょっと心配だったのは前日、グループリーグで敗退した2014年のW杯ブラジル大会以来となった、35歳での再招集を受けたビジャなど、「リストにいる選手の質の高さにはビックリだよ。Por qué no va a volver otra época gloriosa como la que tuvimos?/ポル・ケ・ノー・バ・ア・ボルベル・オトラ・エポカ・グロリオーサ・コモ・ラ・ケ・トゥビモス(どうして以前の栄光に満ちた時代に戻れない訳がある?)」と非常に楽観的だったんですけどね。 ▽というのも、このミニゲームでゴールを入れたのはたった1人、それも先週末、ラス・パルマス戦でキャリア初のdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成して勢いづいているコケ(アトレティコ)だけだったから。もちろん今年、MSLで19得点も挙げているビジャが戻って来たのは、前日記者会見でイタリアのGKブッフォンも「リーグが開幕したばかりで、ウチはまだ100%じゃない。スペインはシーズン真っ最中のリーグにいる選手を呼んだ。彼は以前、随分痛手を与えてくれたけど、明日はそうじゃないことを祈るよ」と警戒はしていましたけどね。やはり移籍騒動が長引き、母国ブラジルでバケーション3ケ月目という状態のジエゴ・コスタが来られなかったのは大きなマイナスだったかと。 ▽その上、チェルシーで当人の後釜になり、代表でも同じ期待が懸かるモラタなど、「自分はビジャやトーレスがA代表でゴールを入れているのを見て育った」と、24歳という自身の若さを強調しつつも、2年間のユベントス経験は未だに強烈な記憶として残っているんでしょうかね。元同僚のボヌッチ(この夏ミランに移籍)、バルザーリ、キエッリニーリら、イタリアのBBCに正面から挑むのは気が進まないのか、「Aunque me fastidie decirlo, jugar con falso nueve es una buena idea/アウンケ・メ・ファスティディ・デシールロ、フガール・コン・ファルソ・ヌエベ・エス・ウナ・ブエナ・イデア(こう言うのは嫌気が差すけど、偽の9番を使うのはいいアイデアだね)。イタリアのDFはCFがいるとやり易いかもしれない」なんて言い出す始末。 ▽さすがにこれにはロペテギ監督も「Morata tiene que estar preparado para jugar./モラタ・ティエネ・ケ・エスタル・プレパラードー・パラ・フガール(モラタはプレーするため、準備ができていないといけない)」と苦笑していましたが、確かにコケも「Ellos intentarán que sea un partido muy físico/エジョス・インテンタラン・ケ・セア・ウン・パルティードー・ムイ・フィシコ(彼らは試合を肉弾戦に持ち込むようにしてくるはず)」と言っていたように、ガチンコの勝負になる可能性はかなり高いかと。ええ、金曜にあったU21のイタリアとの親善試合でもスペインが3-0と勧奨したしたものの、セバジョス(マドリー)が頸椎を痛めて担架で病院に搬送されたなんてこともありましたしね。ただ、大人の代表からは金曜には練習中に負傷したキエッリーニが代表を離脱したため、これで少しはモラタも気が楽になったかもしれませんね。 ▽そして前日から入場券を配って、1万人のファンを集めて開催された金曜夕方のサンティアゴ・ベルナベウでの公開練習はどうだったのかというと。こちらでのミニゲームではサウル(アトレティコ)やイアゴ・アスパス、更にはバルトラ(ドルトムント)のオウンゴールなどもあって、そこそこ点は入ったんですが、やはりそのチーム分けではスタメン予測はできず。慣例通り、アウェイのスタジアム練習はせず、選手たちが芝生の状態をチェックするため、スーツ姿で散歩していたイタリア同様、グループ予選中、一番難しい試合とあって、ロペテギ監督も最後の最後までカードをさらすのは避けたかったのか、何度も前線の選手を変えていましたっけ。 ▽そんな中での朗報は、さすがお膝元だけあって、アセンシオやイスコ(マドリー)へのコールが多かったのはともかく、この日はスタンドのファンからピケ(バルサ)へのpito(ピト/ブーイング)がまったく聞こえなかったこと。何せ、ことあるごとに永遠のライバルへの物議を醸す言動やSNSメッセージで反感を買うという自業自得的な面はあるものの、この件に関しては代表戦があるたび、マスコミが蒸し返すため、ファンが面白がってピーピーやっているようなところもありましたからね。今回はキャプテンのセルヒオ・ラモスが合宿初日から率先して当人を擁護、折しもスペイン・スーパーカップ優勝で溜飲を下げたばかりのカルバハルやナチョもそれに続いたため、ファンも控えることにしたのかもしません。 ▽ちなみにイニエスタ(バルサ)など、「El España-Italia se ha convertido en un auténtico clásico/エル・エスパーニャ・イタリア・セ・ア・コンベルティードー・エン・ウン・アウテンティコ・クラシコ(スペイン対イタリアは真のクラシコになった)」と言っていたこの大一番は土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)キックオフ。木曜にはクリスチアーノ・ロナウドがchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でのゴールを含めハットトリック、ポルトガルがフェロー諸島に5-1で勝っていたり、ベルギーなど、先発したカラスコは得点しなかったものの、ジブラルタルに9-0で大勝。こういう非現実的なスコアが出ると、本当に見るに足る予選は少ないのかと思われますが、それだけにグリースマンが先制点を挙げ、最後は4-0でフランスがオランダに勝った一戦のように、これはネームバリューのある代表同士の対戦ですからね。チケットも水曜には完売していますし、スペインには期待に背かないいいプレーを披露してもらいたものです。 ▽え、その間、マドリッドのクラブチームの方は何をやっていたんだって?いやあ、そのロナウド以下、総勢17名が各国代表に出向中のマドリーなど、水曜はジダン監督もニヨンで行われる恒例のUEFAエリート監督会議に出席するために不在。シメオネ監督はずっといたものの、選手13人が欠けているアトレティコ同様、細々と練習を続けていたんですが、どちらもこの週末はオフに。リーガ再開の準備が本格的に始まるのは来週水曜以降、少しずつメンバーが増えていってからになるはずです。まあ、前者ではバジャホ、後者ではガイタンのケガ治り、チームに合流したなんていいニュースもありましたしね。ジダン監督は現在のメンバー維持を希望していましたし、ジエゴ・コスタがアトレティコでプレーできるのは来年1月からとあって、土壇場移籍とも今年は縁がない両者なので、何とも静かなものでしたよ。 ▽一方、マドリッド勢で駆け込み補強を続けていたのはレガネスで今週はFWボービュー(セルタ)とMFブラサナツ(ベティス)がレンタルで加入。リーガ3位という現在の実力を証明するように、水曜のグアダラハラ(3部)との親善試合にも1-3で快勝しているんですが、やはり誰も代表に招集されていないというのは丸々2週間、トレーニングに励めるということで、paron(パロン/リーガの停止期間)明けも彼らには結構、期待できるかと。 ▽それとは対照的に柴崎岳選手を始め、4人が留守にしているヘタフェは同じ水曜、レクレアティボ(2部B)とのトロフェオ・コロンビーノ(夏の親善大会)に0-1で敗戦。リーガ開幕から3試合も無得点が続いたため、さすがにフロントも焦ったんでしょうね。ヨーロッパの5大リーグで唯一、1日遅れでスペインは登録期限が9月1日に終わるのを利用して、ジェファーソン・モンテロをスワンジーシティからレンタルで獲得しています。ウィングもできる攻撃的MFのエクアドル人選手ですが、柴崎選手も長距離移動で次戦の弟分ダービー、レガネス戦はまだ疲れているはずですしね。果たしてヘタフェが早期に1部復帰初ゴールを挙げるのに貢献してくれる即戦力になってくれるのでしょうか。 ▽その脇で奥さんがインスタグラムにボルダラス監督の悪口を書いたことが発覚して以来、チームから隔離されていたカタ・ディアスは木曜に契約を解除、翌日にはマドリッドの2部Bの弟分、フエンラブラダに入団したなんてこともあったんですが、何せ市場は丁度今、閉まったばかり。今のところ、ネイマール(PSGに移籍)の穴埋めに奔走していたバルサにデンベレ(ドルトムント)以降、誰が入ったなんて話も聞かないんですが、朝が明けて発覚するビックリの人事異動があること珍しくないため、その辺はまた改めてお伝えすることにしますね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.02 09:45 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールを入れるのは易しい?それとも難しい?

▽「やってくれるわね」そんな風に私が呟いていたのは月曜。1節に続いて2節でもレガネスが3位と、CL出場圏内に留まっているのに気づいた時のことでした。いやあ、まだ2試合しかリーガ戦は消化していませんから…。日曜のエスパニョール戦でマントバーニのゴールにより0-1で勝利し、レアル・ソシエダ、バルサと一緒に2連勝とした彼らがマドリッドの兄貴分チームたちを差し置いて、上位にいるのは当たり前なんですけどね。ここで気になるのは、来週はインターナショナルマッチウィークとなるため、レアル・マドリーからは総勢16人、アトレティコも11人、もう1つの弟分、ヘタフェからも柴崎岳選手、ファジル(モロッコ)、ジェネ(トーゴ)の3人がそれぞれの代表戦に駆り出される中、レガネスに招集された選手がいるという話は一向に聞かず。 ▽つまり彼らはこの2週間、ほぼ全員揃って、ブタルケ(レガネスのホーム)から高速道路を挟んだところにあるインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケでじっくり練習に励み、代表戦週間明けのヘタフェとの弟分ダービーを迎えられることに。その後も対戦相手はエイバル、ジローナ、ラス・パルマスと続き、いわゆる強豪と当たるのはアトレティコを迎える7節が初めてとなると、もしやこの快進撃、しばらく止まらない? いえ、開幕のアラベス戦同様、2節も0-1で勝利したアシエル・ガリターノ監督は「Es fundamental no olvidar quién eres/エス・フンダメンタル・ノー・オルビダール・キエン・エレス(自分たちが何者なのか、忘れないことが大事)。それ以上のことを信じれば、1部にいるのも束の間だ」と、決して大風呂敷を広げたりはしませんけどね。 ▽昨季からメンバーも半分近く変わってしまったものの、監督が1部2年目ということで、要領を覚えたんでしょうか。守備も堅くなりましたし、相変わらず、得点を量産するFWには恵まれていないものの、1点ぐらいはチーム皆の力を合わせて取れるようになったため、私もちょっと期待してしまうんですが、こればっかりはねえ。というのも、この2節のマドリッド勢の戦いぶりを見て、ゴールはまさに水ものというのがよくわかったから。 ▽え、それは私が土曜に信じられないアトレティコのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を目撃したから、言っているんじゃないのかって? そうですね、マドリッド勢の先陣を切って、ラス・パルマス(カナリア諸島)での2節に挑んだ彼らですが、1週間前のジローナでは後半、猛反撃して、何とか辻褄は合わせたものの(2-2ドロー)、序盤の寝ぼけぶりをシメオネ監督も反省。グリーズマンが2試合の出場停止処分になっているのもあって、スタメンに手を加えたことが大成功したんです。ええ、開始3分にはツートップに抜擢されたビエットとコレアが繋がり、後者のシュートで先制点を挙げたかと思えば、その2分後にはカラスコも敵DFをエリア内で切り返してゴールをゲット。 ▽あれよあれよという間に2点もリードしてしまったため、これにはFIFA処分が解け、新規選手の登録ができるようになる来年1月までラス・パルマスにレンタルでお世話になっていて、その日は相手側の「cortesia(コルテシア/礼儀)」により、パルコ(貴賓席)見学をしていたビトロも少し安心したかと思いますが、すぐに待機モードに入ってしまうのもアトレティコの悪い癖。そこから後半序盤まで攻撃を怠け、相手にボールを持たせて専守防衛していたんですが、58分にはジローナ戦でストゥアニに後れを取ったサビッチのように、モモのクロスをゴディンがカレリに先を越され、ヘッドで1点差にされてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫だったんです。というのも、この日は325試合に1回という奇跡が起こり、64分にはコケがエリア外右から狙い澄ましたシュートがゴールネットへ。更に74分にはカラスコの撃ったボールがDFに当たり、ゴール前に跳ねたところをchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で決め、キャリア初のdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成してしまったから、驚いたの何って。いえ、その少し後にはビエットの代わりに入っていたガビがエリア内でビエラを倒し、PKを与えるなんて余計なことしてくれましたけどね。そこはGKオブラクが見事に弾き、失点を免れた上、88分にはカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の後輩、トーマスがカラスコの折り返しをコケがスルーしたボールを弾丸シュートで決めて、とうとう1-5の大勝 になっていましたっけ。 ▽え、こんな試合ができるなら、この夏、戦力補強ができなかったのをファンが心配していたのは杞憂だったんじゃないかって? うーん、そうも言えますけどね。試合後、コケが「先週のことは教訓になった。相手の出方を待つんではなく、勝利を求めて向かっていかないといけない。Es importantísimo salir así todos los partidos/エス・インポルタンティシモ・サリール・アシー・トードス・ロス・パルティードス(全ての試合でこんな風にスタートするのがとても大切だ)」と言っていましたが、いや、それって大昔からのお約束じゃない? ▽そんなことすら、たまにすっかり忘れてしまうのが、いかにもアトレティコらしいところなんですが、多分、それもあったんでしょうね。シメオネ監督がガビ、フェルナンド・トーレス、ファンフラン、フィリペ・ルイスら、30歳以上の選手をベンチスタートにし、平均年齢24.4歳という若いチームを組んだのは。最後はヴルサリコに代わってサビッチが入ったため、4CB、4ボランチという異様に守備的なチームになっていたものの、おかげで勝ち点4でparon(パロン/リーガの停止期間)を迎えられることになり、順位も4位に上がったのは良かったかと。ただし、次のバレンシア戦でもそう上手くいくかは保証の限りではありませんが。 ▽その理由はまた後で話しますけど、翌日曜はコリセウム・アルフォンソ・ペレスに行った私はセビージャ戦キックオフ直前にレガネス勝利の朗報を知ることに。同じ弟分に先を越されてはヘタフェだって悔しいでしょうし、丁度、相手はバネガが出場停止、エンゾンジも負傷欠場だった上、先週の彼らは火曜にCLプレーオフ2ndレグのパナシナイコス戦があったため、疲労が見込まれましたからね。1節をアスレティックとゴールレスドローに終わった彼らにとって、1部復帰初勝利を飾る絶好の機会になると思ったんですが…何せ、シュートが入らなくてはねえ。 ▽そう、前節に続き、柴崎選手も前線で先発したこの試合では、後でカラも「ウチは攻撃でも守備でも優勢で、ボールをコントロールした」と言っていた通り、多くのチャンスを作ったヘタフェだったものの、頼りのエース、ホルヘ・モリーナもGKセルヒオ・リコを破ることができず。出場停止のアルバロ・ヒメネスに代わって、サイドに入ったアマトに至っては、テネリフェの一員だった6月の昇格プレーオフ決勝2ndレグ同様、絶好機にも枠をとらえることがまったくできないって、ボルダラス監督は「Tiene muchas cosas buenas/ティエネ・ムーチャス・コーサス・ブエナス(いいところも沢山ある)」とフォローしていましたけどね。いくら守備では献身的で足も速いと言っても、ああまでフィニッシュが下手となると、プレシーズンを過ごしたアトレティコに残れなかったのも無理はなかったかと。 ▽一方、ノリートやヘスス・ナバスがスタメンにいたセビージャも点が入る雰囲気ではなかったんですが、「Una falta de coordinación y una genialidad de Ganso nos priva de los tres puntos/ウナ・ファルタ・デ・コオルディナシオン・イ・ウナ・ヘニアリダッド・デ・ガンソ・ノス・プリバ・デ・ロス・トレス・プントス(コーディネーションの欠如とガンソの才能がウチから勝ち点3を奪った)」(カラ)という事態が起こったのは、すでに柴崎選手もポルティージョに交代していた83分。ええ、メルカドが右から入れたパスにカラの足は届かず、ジェネの前でガンソがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)でボールの軌道を変え、1点を奪われてしまうことに。 ▽これが決勝点になって、結局、ヘタフェは0-1で負けてしまったんですが、ボルダラス監督が昨季、エスナイデル監督を引き継いで以来、コリセウムでは1度も黒星がなかっただけに、せっかく新設されたfondo azulon(フォンド・アスロン/南側ゴール裏にできた応援団席、ここの年間指定席購入者は80%以上の試合に来て、20分前には入場することになっている)のファンたちもこれにはアテが外れたかと。ただそれでも彼らは選手たちが一生懸命、やっているのをわかっているだけに何度、ガッカリさせられてもpito(ピト/ブーイング)が飛ぶなんてことはなかったのですが…。 ▽その次の時間帯でプレーした大先輩チームはそうはいかないんです。いえ、私は柴崎選手が通るかもしれないとミックスゾーンで待つつもりだったのと、ヘタフェ(マドリッド近郊)からサンティアゴ・ベルナベウまでは1時間以上かかるため、バレンシア戦には行っていないんですけどね。日本代表合流のため、当人が急いでいたんでしょうか。柴崎選手は姿も見せず、一番手で帰ってしまった上、珍しくマドリーが勝たなかった試合を見逃してしまうという結末になったんですが、何より悔しかったのはイスコに続く、新たな若きスター誕生の瞬間に立ち会えなかったこと。 ▽もちろんそれはアセンシオのことで、この日は開始10分にコンドグビアの逃したボールを敵陣で拾うとエリア前からのシュートで先制点をゲット。18分にはガヤ、ラトの連携から、20歳のカルロス・ソレルがゴール前で流し込み、バレンシアのカンテラーノトリオの活躍で同点にされてしまったものの、まさか77分に2列目から突っ込んできたコンドグビアに勝ち越し点を奪われた後、おそらくクリスチアーノ・ロナウドがまだ出場停止処分3試合目で、ベイルもルーカス・バスケスに代わっていたせいでしょうか。FKのキッカーをアセンシオが務めたところ、敵の壁の横を抜けるボールにGKネトは一歩も動けず。となれば、場内がアセンンシオコールで埋め尽くされたのも想像に難くありませんって。 ▽残りは7分プラス、アディショナルタイム。丁度、私はメトロの駅を出たところだったんですが、道沿いのバル(スペインの喫茶店兼バー)のテラスにTVがあり、通行人が足を止めて見ていたとなれば、何せ奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質のマドリーですからね。自分も立ち見で成り行きを追ったんですが、でも残念。その日のマドリーはキックオフ前の昨季のリーガ優勝杯授与式では主役を務めていたものの、先週のデポルティボ戦で退場していた93分の男、セルヒオ・ラモスがいなかったんですよ。最後にネトに弾かれ、ポストに当たって外に出たシュートを含め、再三のベンゼマのシュート失敗も響き、そのまま彼らは2-2で引き分けてしまいましたっけ。 ▽え、それでもジダン監督は「何より難しいのはチャンスを作ることだからね。ゴールを入れなかったけど、沢山働いたし、no se puede reprochar a un jugador que falla goles/ノー・セ・プエデ・レプロチャール・ア・ウン・フガドール・ケ・ファジャ・ゴーレス(シュートに失敗する選手を批判することはできない)」とベンゼマを庇っていなかったかって? まあ、そうなんですが、マドリーのCFとなると、期待値の高さはアマトどころじゃないですからね。その分、お給料も多いはずで、ロナウドが出られない今、ゴールを担う役目はベイルとベンゼマに懸かっているとなれば、サンティアゴ・ベルナベウの観客が両者にブーイングを浴びせたのも仕方ないかと。 ▽マドリーと引き分けて満足していたバレンシアのマルセリーノ監督も「ロナウドなら、マドリーがウチのエリアに入れた全てのボールのうち、幾つかは絶対、決めていただろう」と言っていましたしね。ちなみにアセンシオについては、「Puede marcar una época en el Real Madrid y en el fútbol español/プエデ・マルカル・ウナ・エポカ・エン・エル・レアル・マドリッド・イ・エン・エル・フトボル・エスパニョル(マドリーとスペインサッカーで一時代を築くことができるかもしれない)」と絶賛していましたが、9日のレバンテ戦までもう彼のプレーが見られないとお嘆きのマドリーファンには朗報が。 ▽というのもサウール同様、アセンシオも6月のU21ユーロ大会を境に完全にスペインA代表に移行したようで、月曜にはジエゴ・コスタ(チェルシー)が未だにブラジルから戻って来ないため、3年ぶりに招集されたビジャ(ニューヨーク・シティ)らと共にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿に入っているから。最初のW杯予選、土曜のイタリア戦はサンティアゴ・ベルナベウ開催ですし、そこでも雄姿を拝む機会があるかと。 ▽加えて来週火曜にはアウェイのリヒテンシュタイン戦もありますしね。今回、マドリーからの他の参加組はラモス、カルバハル、イスコ、ナチョ、そして月曜にビトロが膝の負傷で来られなくなったため、追加招集を受けたルーカス・バスケス、アトレティコはコケとサウールの2人です。うーん、私も練習を見学に行きたくて、代表のウェブなどをチェックしているんですが、火曜、水曜、木曜とダブルセッションとだけあって、時間も公開非公開も言ってくれないって、ちょっと不親切ですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.29 12:55 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】長距離移動は大変…

▽「予感が当たったわね」そんな風に私が呟いていたのは木曜。CLグループリーグの抽選が終わった時のことでした。いやあ、チェルシー、ローマと同じ組になり、アトレティコは難しいグループに入ったと世間的に言われてはいるものの、前者はUEFAスーパーカップや2013-14シーズンの準決勝でも破ったことがありますし、3年前にはここずっとセリエA連覇を続けているユベントスにグループリーグで1勝1分けしている彼らなんですから、後者にも別に怯えなくてもいいと思うんですけどね。当然のように4番目のチームとして入ったのが、参加クラブの中で一番遠いアゼルバイジャンのカラバフだったとはこれ如何に。 ▽そう、アトレティコは昨季もカザフスタンのアスタナまで8時間のフライトを強いられて、その前もロシアとはいえ、モスクワなどよりはるかに遠いロストフと同じ組に。カラバフもかなり長く飛行機に乗らないといけないはずで、熱心なファンには、ほとんどのスペイン人とって未踏の地であるCLデビューチームのホームに遠征することに喜びを覚える向きもあるかもしれませんが…。予算や移動の手間を考えると、比較的近場のユベントス、スポルティング、オリンピアコスと当たったバルサなどが羨ましいような。その上、今季はアトレティコとバルサが同日程になるため、バル(スペインの喫茶店兼バー)のTVで流してくれるのかも心配って…。あ、もしかして私、一番大事なことから目をそらしている? ▽もちろんそれは現在のチームにFIFA処分の明ける1月までリーガでは2強に離されず、CL出場圏内に留まって、CLでは最低ラインのグループリーグ突破を果たせるだけの力があるかということなんですけどね。ちなみに今週の私は火曜の夕方、モンクロア(マドリッドのバスターミナル駅)からバスに乗って、マハダオンダ(マドリッド近郊)の彼らの練習場を偵察。顔なじみのラジオ記者らがマスコミ向け公開時間の後、金網の向こう側から見学しているファンに混じっても大丈夫だと言うので、その日はフィジカルメニュー以外の練習も観察してみたところ、何より目を引いたのはシメオネ監督のエキサイトぶりでした。 ▽ええ、ピッチ3分の2を使ってのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)などでは、何度も「Balon rapido!/バロン・ラピドー(ボールをもっと速く)」という声が聞こえてきて、よっぽど開幕のジローナ戦でのもたつきがトラウマになっているんだろうなと思えてしまった程だったんですが、正面から照りつける西日にもめげず、ファンの子供たちはグリーズマンやサウールがミニゴールにシュートを決めるたび、「Goool!」と大歓声。まあ、そんなに沢山入った訳ではないんですが、この土曜のラス・パルマス戦ではグリーズマンがジローナ戦での退場による出場停止処分2試合の1つ目で出られませんしね。 ▽そのせいもあってか、今週はずっとコレアとビエットがツートップで仮想スタメン組に入っていたんですが…。今季こそ安定したパフォーマンスを挙げられるように期待されている前者はともかく、後者なんて、この夏はずっと放出要員と言われていたんですけどね。それがとうとう、金曜の試合前会見では、「補強ができないとわかってから、Bチームも含めて、全員が戦力。Los que tengo son todos titulares, del que pueda sacar algo, lo hare/ロス・ケ・テンゴ・ソン・トードス・ティトゥラレス、デル・ケ・プエダ・サカール・アルゴ、ロ・アレ(今いる選手は皆がレギュラーで、何かを引き出せるなら、私はそうする)」とシメオネ監督が言っているため、どうやら現在のアトレティコは立っている者は親でも使えの状態になっているよう。 ▽まあ、それで土曜午後10時15分(日本時間翌午前5時15分)からのラス・パルマス戦に勝って、昇格組のジローナと引き分けてしまった1節の穴埋めができるのなら、全然、文句はありませんが、カナリア諸島遠征に先だって、発表された招集リストにはふくらはぎを痛めていたフィリペ・ルイスと6月に恥骨炎の手術をしたガメイロが復帰という朗報も。初戦は出場停止だったゴディンとトーマスが戻るのもありがたいんですが、水曜にBチームとの練習試合で打撲を負ったガイタンはお留守番となりました。一方、バレンシアに1-0で負け、まだ勝ち点のないラス・パルマスは1月からアトレティコに来ることになっているビトロを契約条項に制限はないものの、レンタルしてくれた恩義を返そうと自主的に出場させない予定。レッドカードを受けたハリロビッチも出られないため、マノロ・マルケス新監督もスタメン編成に苦労するかもしれませんね。 ▽そして水曜の午前中の私はヘタフェに赴き、またしてもボルダラス監督のチームが計2時間半というハードなセションに汗を流しているのを見学。グラウンドから出て、隣接する丘を駆け上がるなど、やはり昇格プレーオフのせいで、プレシーズン開始が遅れたため、まだ体力強化が必要なのかなといった感じでしたが…。さらに夕方練習までやるんですから、柴崎岳選手も含めて皆、大変ですよね。そんなチームもある中、同日にバルデベバス(バラハス空港の近く)でセッションをやる代わりにサンティアゴ・ベルナベウ杯を開催したのはマドリッドの大先輩で、午後10時45分という遅い時間からフィオレンティーナと対戦。 ▽相手チームではこの夏、ジェノバから加入したシメオネ監督の長男、ジョバンニが9番をつけて先発、開始3分にはGKカシージャの意表を突いて、ベレトゥがゴールも入れてリードしたんですが、その日は若手メンバー中心だったとはいえ、やはり今のレアル・マドリーの快進撃を阻むことはできません。ええ、6分には現在、5試合の出場停止処分を2試合消化したところのクリスチアーノ・ロナウドがマジョラルにキラーパスを出し、すぐに追いつくと、32分にはその当人がエリア内から斜めにネットに突き刺さる見事なゴールを決め、あっさり逆転に成功します。 ▽うーん、ジョバンニにも数回、敵エリアに侵入するチャンスはあったんですけどね。開幕デポルティボ戦で退場して、2節は出場停止になるセルヒオ・ラモスとナチョの壁は破れず、得点には至りません。フィオレンティーナはハーフタイムでメンバーを総取り替えしたため、後半からゴールを守ったジダン監督の次男、ルカとの対決も見られなかったのは残念でしたが、数人ずつ、選手を入れ替えたマドリーも追加点はなく、結局、2-1で試合は終了。最後はラモスがこの夏、3つ目となるトロフィーを掲げ、日曜のバレンシア戦に向けて勢いをつけていましたっけ。 ▽そして、翌日はモナコでのUEFAグループリーグ抽選会のセレモニーにロナウド、ラモス、モドリッチの3人が出張。前2人は今週末出られないため、別にいいんですけどね。メッシを抑えて最優秀選手と最優秀FWのダブル受賞をしたロナウドなど、司会者に一番お気に入りのCLゴールを訊かれ、「The last one I scored against this old man(この年寄り相手に奪った最後のゴールだよ)」と、隣に座っていたもう1人の最優秀選手の候補、ユベントスのベテランGKブッフォンにジョークを言うぐらいノリノリで、「世界一のクラブであるマドリーで最高のレベルで常にプレーする機会を持てているんだから、me siento afortunado y feliz de estar aquí un año más/メ・シエントー・アフォルトゥナードー・イ・フェリス・デ・エスタル・アキー・ウン・アーニョ・マス(もう1年、ここにいられて、自分はラッキーで幸せと感じている)」と、コンフェデレーションズカップ前に騒がれた移籍希望発言が完全に否定されたのにはホッとしたファンも多かったかと。 ▽CLグループリーグの組み合わせもドルトムント、トッテナム、アポエルと決まり、2位以上は大丈夫そうな感じになったため、同僚のマルセロを抑えて最優秀DFに選ばれたラモスも同様にご機嫌でしたが、日曜の試合に出ないといけない最優秀MFとなったモドリッチはちょっとこの日帰り旅行は負担になったかも。いえ、ローテーションが定番のジダン監督ですから、残念ながら同賞に落選したクロースとカゼミロに、イスコやセバージョスを並べてもいいんでしょうけどね。 ▽ただ、まだ補強の終わっていないバレンシアもエース、ザザのゴールで開幕戦に勝利。マルセリーノ新監督も「mentiría si no dijera que son dos preocupaciones menos/メンティリア・シー・ノー・ディヘラ・ケ・ソン・ドス・プレオクパシオネス・メノス(心配事が2つ減ったと言わなかったらウソにある)」と主力2人の不在を歓迎しているため、日曜午後10時15分(日本時間翌午前5時15分)からの今季リーカ、ホームデビュー戦ではケチをつけないよう、用心するに越したことはないかと。そうそう、また来週は代表選週間でロナウドもラモスもそれぞれ、ポルトガル、スペインのW杯予選でプレーするはずですから、運動不足になる心配はしなくていいですよ。 ▽え、代表と言えば、ヘタフェの柴崎選手も日本代表に招集されたんだろうって? そうですね、今週はパナシナイコスとのCLプレーオフ2ndレグで2-2と引き分け、総合スコア4-3でグループリーグ進出が決定。そこではリバプール、スパルタク・モスクワ、マリボルと戦うことになったセビージャをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎える試合も迫ってきたため、私も金曜の午前中にまた練習を見に行ってきたんですけどね。スタジアムの右側の道を下りて、ようやく練習場に辿りつけたのが11時過ぎと遅かったものの、クラブのオフィシャルウェブの練習予定表には10時開始とありながら、彼らが1時間程、ジムをしていてくれたのはラッキー。 ▽兄貴分のアトレティコもそうなんですが、そんな感じでスタートが遅れることもあるため、見学に行くつもりがある人は、開始時間ピッタリに行ったのにグラウンドに誰もいなくてもガッカリせず、ちょっと待ってみるのがいいかと。夏休みが終わったのか、最近は練習場内にあるバルも開いていますし、ここはトイレもあるため、心強いんですが、ただ予定表で「Lugar: Coliseum Alfonso Pérez/ルガール:コリセウム・アルフォンソ・ペレス」となっている日はスタジアムでの非公開練習なので注意を。そうなると選手に会えるのは練習後、彼らが着替えて、正面ゲートすぐ右にある駐車場から出て来る時しかありません。 ▽ちなみに30分程、フットボレー(足と頭を使ったバレー)をした後、攻撃陣がシュート練習をしたぐらいで軽めに終わったこの日、私も初めて柴崎選手を見に来た日本人ファン2人に遭遇。練習後、グラウンドから出て来たところで選手と一緒に写真を撮ってもらえた、留学を終えてこれから帰国するという女子はメトロ10番線とメトロスールを乗り継いで来たそうで、まあソルやアトーチャ駅からセルカニアス(国鉄近郊路線)を通るC4線、Las Margaritas(ラス・マルガリータス)駅から歩いても来られるんですけどね。15分程かかりますし、メトロのLos Espartales(ロス・エスパルタレス)駅からなら、2ブロックも歩けばスタジアムですから、道に迷う不安がないという利点が。 ▽ただチームに関しては、ヘタフェにしては珍しいんですが、丁度前日、昨季までキャプテンを務めてきたカタ・ディアスが開幕のアスレティック戦に招集されず、いきなり員数外とされたせいで、奥さんがSNSで「Falso, traidor, cobarde, técnico mediocre y persona nefasta/ファルソ、トライドール、コバルデ、テクニコ・メディオクレ・イ・ペルソナ・ネファスタ(偽善者、裏切り者、臆病者、月並みな監督で有害な人物)」とボルダラス監督を罵倒していたことが発覚。当人もその日の練習には顔を見せず、移籍市場クローズが刻々と迫ってくる中、余計なゴタゴタが始まったようなんですが、このことについて監督自身は「結論はクラブが出す」と詳細については話してくれませんでしたっけ。 ▽実際、他にもアトレティコからのレンタルがこの夏、決まったばかりだったベラスケスがこの木曜に部のマドリッドの弟分、ラージョに行ってしまったり、もう1人のCBゴロシートも放出の見込みだったりと、どうも守備陣の方はまだ顔ぶれが固まっていない感も。うーん、先週のアスレティック戦ではウィリアムスに危ういシュートを何本も撃たれていたため、マンチェスター・シティから古巣に復帰したヘスス・ナバスや同じく、スペインに戻ってきたノリトのいるセビージャ相手にはもっとしっかり守らないといけないと思うんですけどね。まあ、それには日曜午後8時15分(日本時間翌午前3時15分)からの試合を見てみないと。 ▽ちなみに金曜の記者会見でボルダラス監督は日本代表復帰が決まった柴崎選手にも触れていて、曰く「監督にとって日本行はポジティブじゃないけどね。選手にとってはいいことだし、自信もつく。Lo más importante es que lo haga bien y que no tenga ningún percance/ロ・マス・インポルタンテ・エス・ケ・ロ・アガ・ビエン・イ・ケ・ノー・テンガ・ニングン・ペルカンセ(一番大事なのは上手くやって、災難に逢わないこと)」だそう。ヘタフェは代表戦週間中の来週の水曜、トロフェオ・コロンビーノ(2部Bのレクレアティボが主催する夏の親善大会)に参加するそうなので、その間に他の選手が活躍してポジションを取られてしまわないよう、柴崎選手にはセビージャ戦と代表戦でしっかり実力の程を見せてもらいたいところです。 ▽そして最後にもう1つの弟分チーム、レガネスも日曜にエスパニョールとのアウェイ戦に挑むんですが、こちらもあとFW、ボランチ、ウイングに人が必要なようで、どうやら市場の閉まるまでの1週間、慌ただしい状態が続く見込み。それでも開幕のアラベス戦ではいいプレーを披露して勝利していますし、ギリギリで人を獲っても代表戦週間で調整して、リーガ再開3節、9月8日のヘタフェとの1部で初となる弟分ダービーには十分、準備が間に合うかと。ちなみにこの試合、マドリッドからセルカニアスで行けるブタルケ(レガネスのホーム)開催で金曜日なんですが、翌日にはサンティアゴ・ベルナベウでマドリーvsレバンテ戦もあるため、マドリッド滞在中にリーガ観戦を満喫したい向きにはお勧めの日程ですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.26 13:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】どこも負けてはいない…

▽「一晩だけの夢だったか」そんな風に私が呟いていたのは月曜。リーガ1節8試合が終わった時点での順位表を見たときのことでした。いやあ、金曜の2017-18シーズン幕開け試合に勝てば、レガネスがその時点で首位になるのは自明の理だったんですけどね。残念ながら、土曜、日曜と消化試合が増えるにつれ、勝ち点3は同じでありながら、得失点差等で4位まで後退してしまうことに。結局、首位は0-3で勝利したレアル・マドリーとなったんですが、もしや順位決定条件がフェアプレー優先だったら、レガネスがマドリッドの大先輩の上に立てていたかも。 ▽というのもこの週末、退場者を出していないマドリッドのクラブは彼らだけで、まあ、アトレティコやヘタフェは引き分け発進でしたから、勝ち点も1しかないんですけどね。実際、開幕から5節ぐらいまで、順位なんてものは意外なチームが首位になったりして、それも面白かったりするんですが…。今季は初っ端から2強が上位2位を占めるという、毎シーズン大半の時期と同じパターンでスタート。バルサもPSGに行ってしまったネイマールに加え、ルイス・スアレスもケガで欠きながら、ベティスに2-0で勝利しているとなれば、スペイン・スーパーカップで永遠のライバルに総合スコア5-1という大敗を喫したショックから立ち直った、もしくは元々、普通のチーム≺≺≺バルサで今はちょっと、バルサ≺マドリーという図式にすぎないだけ? ▽どちらにしろ、現在のマドリーの強さには手がつけられないことが証明されたような開幕戦でしたが、4位だって堂々たるCL出場圏内ですからね。1部初体験だった昨季はギリギリ17位で残留を決めたレガネスにしてみれば、目覚ましい快挙と言えますが、とりあえず、そのブタルケにアラベスを迎えたその試合から、週末のマドリッド勢を振り返ってみることにすると。 ▽先週木曜に起きたバルセロナでのテロ事件を受け、1分間の黙祷から始まったこのゲームでは14分、ディエゴ・リコがブルギをエリア内で倒し、いきなりホームチームがピンチに。そこでアラベスのキャプテン、マヌ・ガルシアのPKをスポルティング(今季から2部)から移籍してきたGKクェジェルが正面キャッチしてくれたことから、流れが大きく変わります。24分にはゲレロのFKが敵の壁に当たり、ボールはGKパチェコが弾いたものの、詰めていたガブリエウがタイミング良く蹴り込んで先制点を挙げてくれから、まだまだ暑さの残るスタンドから熱心に応援していたファンたちもどんなに喜んだことでしょう。 ▽え、このゴール、もしリーガにもVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)システムが導入されていたら、オフサイドでスコアボードには挙がらなかったんじゃないかって? まあ、それは意見の分かれるところではありますが…。 ▽アシエル・ガリターノ監督率いるチームは得点こそ、それ以上増えなかったものの、時折、個人技の光るプレーを披露して優勢を維持。マドリッドの他のチームがプレシーズン、猛暑の首都を抜け出してキャンプに励む中、あまり見学者も訪れない地元の練習場で黙々とトレーニングを続けた成果が実り、1-0の白星スタートとなりました。 ▽そして翌土曜、新しいホーム、ワンダ・メトロポリターノの最後の仕上げに時間がかかっているため、開幕3試合をアウェイにしてもらったアトレティコがジローナとモンテリビで対戦したんですが、とにかく開いた口がふさがらなかったのは、後で選手たちも「En la primera parte el Girona ha sido muy superior a nosotros/エン・ラ・プリメーラ・パルテ・エル・ジローナ・ア・シードー・ムイ・スペリオル・ア・ノソトロス(前半のジローナはウチよりかなり上だった)」(サウール)と認めていたピッチ上での差。ええ、別に相手がマドリーやバルサなら気になりませんが、昇格組にボールを独占されているなんて、これじゃ、どちらが格上のチームか、わからないじゃないですか。 ▽おまけにゴディンが出場停止でいないのが悪かったんですかね。23分にグラネルがクロスを上げると、サビッチの先を越してストゥアニがヘッドでジローナの先制点をゲット。ええ、以前、エスパニョールにいて、ここ2年程、リーガで見かけなかったと思えば、ミドルスブラにいたというウルグアイ人FWはその2分後にも、今度はグラネルのFKから、同郷のヒメネスのクリアを受け、再び頭で決めてしまったから、一体どうしたらいいものやら。 ▽2-0で迎えた後半はシメオネ監督の檄が効いたか、心を入れ替えたかに見えたアトレティコだったんですが、67分にはさらに大逆境に見舞われます。フェルナンド・トーレスの流したボールを追って敵エリア内に入ったグリースマンがGKイライソスと交錯。当人がボールを触っていることから、ペナルティと見る専門家もいたものの、その日の主審はこれをpiscinazo(ピシナソ/ダイブ)と判断し、イエローカードを提示したから、当人がキレてしまったんですよ。起き上るやいなや、主審に「Eres un cagón!/エレス・ウン・カゴン(あんたはビビリだ)」と悪態をつき、即座に2枚目のイエローカードが出てしまったから、もう目も当てられません。 ▽でもそこからの執念がその日は違いました。すでにファンフランをコレアに代え、3人DF体制でプレーしていた彼らなんですが、グリースマン退場直後、シメオネ監督はガビをガイタンに代え、さらに攻撃的なチームを編成。放出予定のはずのビエットまで投入して、反撃に出たのには相手もビビッたんですかね。その甲斐あって、78分にはコレアが敵DF3人をかわしてエリア前からシュート。これがネットに突き刺さった時には我が目を疑ってしまった私ですが、まさか残り5分、コケのFKをヒメネスがイライソスに競り勝って、とうとう同点にしてしまうとは! ▽最後はGKオブラクのparadon(パラドン/スーパーセーブ)もあり、お隣さんの専売特許、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)までは望むべくなく、2-2で引き分けられただけでラッキーと言うしかないんですけどね。それもそのはず、シメオネ監督が指揮を執った212試合で2点差を追いついたのはこれが初めてのことだったとか。うーん、試合後は彼も「前半に2点差つけられたら、もう試合は終わったと思う者も多いだろう。10人に減ったら尚更だ。しかしウチはel esfuerzo, las ganas de no rendirse, de insistir hasta el final/エル・エスフエルソ、ラス・ガナス・デ・ノー・レンディールセ、デ・インシスティル・アスタ・エル・フィナル(努力、負けない、最後まで戦い続ける気力)という、ここ数年の信念を維持している」と言っていたように、いい面を見るようにすることは大切なんですけどね。 ▽サウールが「estaba dolido por haber dejado al equipo con diez, pero él no tiene mala fe/エスタバ・ドリードー・ポル・アベール・デハドー・アル・エキポ・コン・ディエス、ペロ・ノー・ティエネ・マラ・フェ(チームを10人にして心を痛めていたけど、彼に悪気はなかったんだよ)」と口が災いして、プロ253試合目で初めて退場処分を受けた同僚を庇っていたのも好感が持てましたが、あの前半の惨状はねえ。もしかしたら、「ウチはCL決勝に出慣れているチーム相手に完璧な試合をしていた」にも関わらず、追いつかれてしまったことを大いに悔しがっていたマチン監督を始め、ジローナの選手にも、これなら自分たちだってと、壮大な野望を抱かせることになったかもしれませんよ。 ▽まあ、過ぎたことは忘れるしかありませんが、クラブはグリースマンに2試合以上の出場停止処分が科されないよう、月曜には協議委員会に申し立てを送付。それが叶うかどうかはまだわかりませんが、マドリッド勢の試合はまだ続くんです。ええ、日曜にはまずヘタフェがアスレティックと対戦したんですが、どうやら近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)も今季は弟分チームも応援することにしたんですかね。中継を見られたのはラッキーだったんですが、残念ながら、ゴールを見ることは最後までできませんでしたっけ。 ▽「No puedo decir si va a jugar/ノー・プエド・デシール・シー・バ・ア・フガール(出るかどうかは言えない)」と試合前会見でボルダラス監督は言っていたものの、柴崎岳選手もツートップの一角として先発したんですけどね。最大のチャンスだった8分、ファイサルのFKをマルク・ベルガラがヘッドしたボールがGKケパのお手玉により、ゴールラインを割ったかのように見えたんですが、審判は入らずの判定。前日、セビージャvsエスパニョールで似たようなプレーが前者の先制点になっていたため、これには監督も「Es un gol claro y nos ha perjudicado esa acción/エス・ウン・ゴル・クラーロ・イ・ノス・ア・ペルフディカードー・エスタ・アクシオン(あれは明白にゴール。ウチに不利な判定だ)。ああいうプレーのため、テクノロジーがあるというのに」と文句を言っていましたが、何せVARどころか、ホークアイすらリーガは導入していませんからね。 ▽よって、ゴールが認められなかったのはツキがなかったとしか言いようがありませんが、ヘタフェが無失点で済んだのはパナシナイコスとのヨーロッパリーグ・プレーオフの谷間にあるアスレティックが36歳のベテランFWアドゥリスを温存。代わって先発したウイリアムスが再三、シュートを外してくれたおかげもかなりあったかと。その上、彼らは後半21分にアルバロ・ヒメネスが2枚目のイエローカードをもらい、10人になってしまいましたからね。これで「Teníamos que defender el resultado/テニアモス・ケ・デフェンデール・エル・レスルタードー(結果を守らないといけなくなった)」(ボルダラス監督)ため、柴崎選手もボランチのセルヒオ・モラに交代。結局、スコアレスドローで終わりましたが、1部復帰の初陣、しかも難所指定のサン・マメスでの勝ち点1ですから、まあ上出来と言えるんじゃないでしょうか。 ▽そして日曜最後の試合となったマドリーなんですが、その日はまたジダン監督のローテーションがかかって、ベイル、イスコ、カセミロが先発に復帰。CBにはヴァランに代えてナチョが入ったんですが、まったく強さが変わらないんですから、手がつけらないとはまさにこのこと? いえ、序盤はデポルのFWアンドネが絶好機を2度も迎え、どちらもGKケイロル・ナバスにセーブされたなんてこともあったんですけどね。 ▽来るべくして来た彼らの先制点は20分、モドリッチのシュートはGKルベンに弾かれたものの、ベンゼマが撃ち直したボールがDFに当たってゴール前に転がると、フリーのベイルがフィニッシュ。さらに26分にはGKケイロル・ナバスから始まったプレーから延々とパスを繋ぎ、44本目となったマルセロのラストパスをカセミロが決めて2点目をゲットなんて、まるで全盛期のスペイン代表みたいなことまでしているんですよ。まったくスペイン・スーパーカップ1stレグで見せた伝家の宝刀、超速カウンターに加え、「Es lo que queremos hacer, tenemos jugadores para eso/エス・ロ・ケ・ケレモス・アセール、テネモス・フガドーレス・パラ・エソ(こういうサッカーがしたかった。ウチにはそれができる選手がいる)」(ジダン監督)なんて、どちらも至らないばかりのどこぞのチームなど、羨ましくてたまらなくなるのでは? ▽そんな調子で後半も53分にはベイルの折り返しから、クロースが3点目を入れたマドリーでしたが、全てがメデタシメデタシで終わらなかったのは、またセルヒオ・ラモスがやってしまったから。そう、後半序盤にピッチに倒れている選手がいるのにボールを外に出した出さなかったで両チームが揉めた際、「me dan un cabezazo en el pómulo y le aparto/メ・ダン・ウン・カベサソ・エン・エル・ポヌロ・イ・レ・アパルト(自分の頬に頭突きされたから、押しのけた)」と、シェルの顔を押しただけでもレッドカードの危険があったにも関わらず、アディショナルタイムにはボルハ・バジェとの空中戦で相手の首に腕を当て倒してしまう始末。 ▽当人は「91分に敵選手を傷つけるなんて思いもしないよ。Salto y me apoyo en el hombre/サルト・イ・メ・アポジョ・エン・エル・オンブロ(跳んで相手の肩で自分を支えただけ)」と言っていましたが、何せこれで、マドリーでの526試合で23回目の退場ですからね。リーガだけでも18回と、尊敬する元セビージャの大先輩のCB、アルファロと並んで最多記録になってしまいましたが、どうやら先日、審判を押して計5試合もの処分になったクリスチアーノ・ロナウドに学んだか、口が滑るといったヘマはやらなかったよう。順当に行けば、日曜のバレンシア戦に出られなくなるだけですが、もう誰がプレーしてもこのチームは力が落ちないみたいですからね。あまり気にしなくてもいいんじゃないかと。 ▽ちなみにCLプレーオフ2ndレグのセビージャ、同ELのアスレティクを除いて、今週ミッドウィークは試合のないチームが大半のスペインですが、マドリーは水曜にサンティアゴ・ベルナベウ杯を開催。これも先週のスペイン・スーパーカップ2ndレグ同様、CL戦を配慮して午後10時45分(日本時間翌午前5時45分)という遅い設定なんですが、相手のフィオレンティーナにシメオネ監督の長男、ジョバンニがジェノバから加入したというのは朗報でしょう。当人のプレーはもちろん、それどころか、お父さんがパルコ(貴賓席)で応援している姿が見られるかもしれません。マドリーサイドではあと3試合、リーガには出られないロナウドが足慣らしするかもしれないといったことぐらいですが、今度は私もメトロの終電を逃さないよう、気をつけないといけませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.22 12:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】強すぎてちょっと怖い…

▽「何だか現実味があるわよね」そんな風に私が羨んでいたのは木曜日、レアル・マドリーでUEFAスーパーカップに続き、スペイン・スーパーカップ優勝も果たしたテオのコメントを見つけた時のことでした。いやあ、アトレティコのカンテラ(ユース組織)で育ち、昨季はアラベスで修業。ワンダ・メトロポリターノでのトップチームデビューを待たず、この夏、お隣さんへと河岸を変えた彼はサンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグ終盤でとうとう、初出場できたんですけどね。古巣だったら、滅多に掲げる機会もなかっただろうトロフィーに感激したんでしょうか、当人が「quiero seguir ganando muchos mas titulos/キエロ・セギール・ガナンドー・ムーチョス・マス・ティトゥロス(もっと沢山、タイトルを獲得し続けたいね)」と話していたから。 ▽実際、2014年のスペイン・スーパーカップ以来、優勝から遠ざかっているアトレティコは当然ながら、この夏もスーパーのつく大会などはなし。プレシーズン、トレーニングだけに集中できたおかげか、私がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場まで見学に行った火曜の夕方セッションなども、プロフェ・オルテガの説明を聞いているだけでややこしくて皆、ちゃんとできるのかと心配してしまったフィジカルサーキットを一糸乱れずこなす姿に結構、感心したものですけどね。 ▽ただ、それ以降のエクササイズは見学時間終了と外へ出されてしまったため、彼らがボール扱いでも少しは上達したのか、検証することはできず。その辺は日を改めて、フェンスで仕切られた敷地外から、ファンに混ざって偵察するしかないと思っているんですが、アウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)でふくらはぎを痛めたフィリペ・ルイスがまだ戻っていないことは確認できたため、この週末に迫ったリーガ開幕戦もテオの年子の兄、本職CBのルカスが左SBを務める可能性がかなり高いかと。 ▽となると、スコピエでもカンプ・ノウでもベンチ待機だったテオも移籍していなければ、トップチームに昇格する予定だった今季、開幕からスタメン入りが狙えたのにと思ってしまうんですが、アトレティコの場合、優勝云々はシーズン終盤までわかりませんからね。それでも木曜の開幕前キャプテン合同会見でガビなどは、「クラブは選手の引き留めに尽力を注いだ。Aunque no hemos podido fichar, internamente el equipo se ha reforzado bien/アウンケ・ノー・エモス・ポディードー・フィチャール、インテルナメンテ・エル・エキポ・セ・ア・レフォルサードー・ビエン(新戦力の補強はできなかったけど、チーム内部は強力になった)」と、FIFA処分のせいで選手登録ができず、代わりにグリースマン、コケ、サウル、ルカスらの契約延長や年棒アップに5000万ユーロ(約64億円)もの大枚を費やしたのを評価。 ▽とはいえ、彼らがその信頼に報いるだけの成長を見せてくれるかどうかは不確定となれば、やっぱり昨季、リーガとCLのdoblete(ドブレテ/二冠優勝)を達成したメンバーがほぼ残っているマドリーに行く方がずっとタイトル獲得に近いと、テオが判断するのは当然なんですけどね。こうも早くも結果が表れてしまうと、ちょっと私も複雑な気分になってしまうんですよ。 ▽まあ、そんなことはともかく、水曜のスペイン・スーパーカップ2ndレグの様子をお伝えしておかないといけません。その日はキックオフがCL予選プレーオフ終了後となる午後11時という、超遅い時刻に設定。そこで私もヘタフェの夕方セッションを覗いてから、ベルナベウに向かうことにしたんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスの右脇の道を下りていく、彼らの練習場には手前にカンテラが使うピッチがあって、どうやら丁度、プレシーズンの試合が開催中。え、でも何でプレーの指示が日本語で聞こえてくるの? ▽その正体はセレッソ大阪のU18チームで、練習試合ツアーの一環でヘタフェB(3部)と対戦していたんですが、まったく不思議な偶然もあること。いえ、目当てのトップチームのセッションがもう始まっていたため、私もずっと見ていることはできなかったんですけどね。奥のピッチの方では午前中とは違い、フィジカルメニューはなく、ゴール力を高める演習を繰り返していたボルダラス監督や柴崎岳選手などもルッカールームへの帰り道、ゲームをチラ見していましたが、意外とこういうところでスカウトされ、スペインのチームに誘われる選手もそのうち増えていくのかもしれませんね。 ▽おっと、ちょっと脱線してしまいましたが、その後、メトロ・スールと10番線を乗り継いで、1時間ほど車内で涼みながら、私が見に行ったこの夏、3度目のクラシコ(伝統の一戦)はどうだったかというと。いやあ、日曜の1stレグで1-2と負けていたバルサはバルベルデ監督がピケ、ウムティティ、マスチェラーノで3バックを構成、3-5-2の新機軸で巻き返しを図ったんですが、クリスチアーノ・ロナウドがカンプ・ノウで退場し、更に審判を押したせいで計5試合の出場停止処分。上訴委員会にも減刑を認められず、彼女のジョウルジーナさんとパルコ(貴賓席)で観戦していた上、ベイル、イスコ、カセミロをローテーションでベンチに置いたマドリーに一泡吹かせることはできませんでした。 ▽いえ、それどころか、「またFW2人でくると思っていたら、3人出てきた」(ピケ)というショックも相手にはあったんでしょうか。開始4分にはカルバハルのスローインをウムティティが落としたところ、ゴールから25メートルの地点にこぼれたボールを先発に抜擢されたアセンシオがシュート。1stレグに続くgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてしまったから、驚いたの何のって。当人的には「El otro fue mas dificil por la carrera/エル・オトロ・フエ・マス・ディフィシル・ポル・ラ・カレラ(もう1つの方が走ってからだったから、難しかった)」そうですが、序盤からそんな才能のほとばしりを見せつけられたら、大抵のチームの選手たちは神様の不公平さに歯ぎしりするしかないかと。 ▽でもそこはメッシに代表されるサッカー力の高いバルサですから、反撃されることを私も覚悟していたんですけどね。この日はマドリーファンの観光客が多数を占めたカンプ・ノウとは真逆で、バルサファンの姿を見つけるも難しかったスタンドから、彼らがボールを持つたび、pito(ピト/ブーイング)が響き渡ったり、「Suares tirate!/スアレス・ティラテ(スアレス、ダイブしろ)」といったような、1stレグのペナルティ判定のせいでの新手のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)などの影響もあったんでしょうか。その後もマドリーは「En los primeros 20 minutos les pasamos por encima/エン・ロス・プリメーロス・ベインテ・ミヌートス・レス・パサモス・ポル・エンシーマ(ウチは最初の20分間、相手の上を行った)」(カルバハル)という状態を維持。 ▽おかげでルーカス・バスケスのシュートはゴールポストに跳ね返されたのものの、39分にはマルセロからのクロスをウムティティの先を越してベンゼマがゲットすると、そのシュートが決まって2点目となったんですが、ジダン監督も「La primera parte fue espectacular/ ラ・プリメーラ・パルテ・フエ・エスペクタクラル(前半はスペクタクルだった)。プレーの強度、敵前線へのプレス、そしてボール支配もね」と言っていた通り、バルサに対してこんなに優勢なマドリーは私もほとんど記憶になかったような。これなら後半、やはり公式戦初出場となったセバジョス(ベティスから移籍)が、「前半はバルサにウチは全てを見せつけたね。ボクはファンのように大いに楽しんだよ」と言っていたのも納得かと。 ▽まあ、後半はマドリーファンの敵ナンバーワン、ピケが足の付け根の痛みに耐えかねて4分でセメドに交代、メッシやルイス・スアレスの普段なら、絶対外さないシュートがゴール枠に嫌われるツキなどもあったんですが、もう総合スコアは5-1ですからね。昨季は6-1の大逆転を可能にしたネイマールも今はその時のCLベスト16の相手、PSGに行ってしまっていないとなれば、そのまま2-0で試合は終了。ロナウドも加わって、マドリーがピッチで優勝杯と共にお祝いする結果になったのはともかく、あの口の減らないピケが、「自分がバルサにいる9年間でes la primera vez que hemos sentido que el Madrid es superior a nosotros/エス・ラ・プリメーラ・ベス・ケ・エモス・センティードー・ケ・エル・マドリッド・エス・スペリオール・ア・ノソトロス(マドリーがウチより上だと感じたのはこれが初めてだ)」と認めていただけに、かなりバルサも重症のよう。 ▽ええ、バルベルデ監督も「Tenemos que recuperar mecanismos/テネモス・ケ・レクペラール・メカニスモ(ウチはメカニズムを取り戻さないといけない)」と言っていましたけどね。翌目木曜にはパウリーニョ(広州恒大から移籍)の入団プレゼンがあったとはいえ、本当に必要なネイマールの代理、果たしてデンベレ(ドルトムント)やコウチーニョ(リバプール)がそのレベルなのかはわかりませんが、その獲得が遅れているのは困ったもの。正直、リーガ開幕となる日曜のベティス戦までに何とかなるとは思えないんですが、どうやらその試合はバルサがどこまで弱体化したのか、それとも宿命のライバルが強くなりすぎたのかを測るいい機会になりそうですね。 ▽そしてマドリーも同じ日曜、午後10時15分(日本時間翌午前5時15分)からのデポルティボ戦でリーガをスタートするんですが、ラッキーなことにこれはラ・コルーニャ(スペイン北東部の避暑地)でのアウェイゲーム。おかげで私も午前1時に終わり、それから記者会見などがあったため、午前2時まで延長運転していたメトロの終電を逃し、タクシーも捕まらずに大勢のマドリーファン共々、自宅まで45分かけて歩いて帰るなんて目に逢うことは心配せず、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でペペ・メル監督率いるチームがどこまで善戦してくれるのか、ジダン監督のローテーションが今度も当たるのか、楽しんで見ていればいいんですが、心もとないのは同日午後6時15分(日本時間翌午前1時15分)からのアスレティックvsヘタフェ戦。 ▽いえ、もちろん昨季、1部昇格プレーオフ決勝まで戦ったため、プレシーズン開始が20チーム中、最も遅かったヘタフェと今季はヨーロッパリーグ予選3回戦から参加。7月27日に公式戦を開始し、ディナモ・ブカレストを総合スコア4-1で破った後、木曜にはプレーオフ1stレグでパナシナイコスに36歳のベテランFW、アドゥリスの2ゴールを含め、敵の応援熱いギリシャの地で2-3と逆転勝ちしたジガンダ新監督の率いるチームのコンディション差が気懸りというのもありますけどね。サン・マメスで柴崎選手が念願の1部デビューを果たす可能性も大いにあるんですが、マドリッドの郊外がホームの彼らはレガネス同様、セントロ(市内中心部)では試合を放送してくれるバルが少ないんですよ。 ▽9月16日午後4時15分キックオフが決まった4節のヘタフェvsバルサ戦ぐらいになると、大丈夫なんですけどね。1年ぶりのビッグマッチとあって、おそらくコリセウム・アルフォンソ・ペレスのチケットを買うのも難しくなるのはともかく、まずは初戦で新生チームの実力を披露できるといいのですが、さて。幸いアスレティックがELプレーオフの谷間とあって、メンバーを落としてきてくれるかもしれないのは好材料になりますかね。 ▽一方、1部2年目となるレガネスは金曜にそれこそ、2017-18シーズン・リーガ最初の試合をブタルケで開催するんですが、相手は9日にも親善試合で対戦し、1-1の引き分け。PK戦4-2でやっと勝ったアラベスとあって、気を許せないものの、今週はチームが練習をするインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに建設中だったロッカールームがオープンといういいニュースも。ええ、先日、私が初めて訪れた時にはあまりにボロボロの建物を使っていて、気の毒になってしまったぐらいでしたが、今度は最新ジム設備やプレスルームも完備しているそうで、間もなく新しいピッチもお目見えする予定となれば、選手たちも他のお金持ちチームに気が引けることなく、立ち向かうことができる? ▽そして最後にアトレティコなんですが、彼らは土曜午後8時15分(日本時間翌午前3時15分)から、火曜にはあのグアルディオラ監督が指揮するマンチェスター・シティとの親善試合に1-0で勝利して、意気上がるジローナに立ち向かうことに。うーん、コケも「El ano pasado costo mucho empezar/エル・アーニョ・パサードー・コストー・ムーチョ・エンペサール(昨季はシーズンスタートがとても大変だった)。いい結果で始められなくて、イレギュラーだったから、それを直すのが最初の目標」と言っていましたが、去年は1節アラベス戦、2節レガネス戦と昇格組との連続ドローで躓きましたからね。 ▽このところ、度々、「Mi destino ya esta definitivo/ミ・デスティーノ・ジャー・エスタ・デフェニティボ(自分の運命はもう決まっている)。今季はアトレティコに戻らないといけない」といったような、古巣移籍を熱望する台詞をマスコミに流し、今か今かと到着が待たれているジエゴ・コスタも罰金が33万ユーロ(約4200万円)まで溜まってもチェルシーの帰還命令を無視。母国ブラジルでのバケーションが長すぎ、かなりお腹がダブついてきたにも関わらず、まだクラブ間の交渉が始まっていないようですし、どちらにしろ、来年1月まではプレーできませんからね。となれば、ない袖を無理してでも振ってもらうしかありませんが、果たしてどうなることやら。何はともあれ、マドリッドの4チームが揃って好スタートしてくれると、私もいい週末を過ごせるんですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.18 11:30 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールだけで最高なのに…

▽「見せたがりも度を超えると良くないわね」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。スペイン・スーパーカップ1stレグで退場させられたクリスチアーノ・ロナウドが、競技委員会から5試合の出場停止処分を科されたと知った時のことでした。いやあ、試合数が多いのはレッドカードが提示された後、腹を立てた当人が主審を押したせいなんですけどね。さすがにこれだけの数となると、2014年のスペイン・スーパーカップ2ndレグでの退場による出場停止を今回のカンプ・ノウの一戦で消化したモドリッチとは違って、2ndレグはもちろん、残り4試合はリーガのデポルティボ、バレンシア、レバンテ、レアル・ソシエダ戦に掛かることに。 ▽ようは9月12、13日のCLグループリーグ初戦は別として、リーガでは19、20日ミッドウィーク開催予定の5節ベティス戦までロナウドが出られないということで、遅めの夏休みを取って、スペインでのマドリー戦観戦を計画している日本人ファンもいるかもしれませんしね…。クラブは上訴委員会に望みを懸けているものの、たとえ2枚目のイエローカードが取り消されたって、主審への行為は別物ですし、大体、バケーション中も含め、筋肉隆々の上半身を自身のSNSで披露することに余念のない彼だけに、まだチーム合流から日が浅いにも関わらず、ジダン監督の「フィジカル的には昨季のCL決勝時と同じ」という言葉に嘘偽りなしと証明したかったんでしょうか。永遠のライバルのホームでユニフォームを脱ぐという誘惑に負けてしまったツケはあまりに高かったとしか言いようがないんですが…。 ▽まあ、そんなことはともかく、他のマドリッド勢がプレシーズンマッチを先週土曜に終了させる中、一足先にUEFAスーパーカップを済ませたレアル・マドリーが挑んだ今季2つ目の公式戦、スペイン・スーパーカップ1stレグの様子をお伝えしないといけません。夜10時のキックオフということで、チームは当日午前11時にマドリッドを経ち、バルセロナ入り。先発の方はモドリッチの代わりを同じクロアチア人の後輩、コバチッチが務める以外、マンチェスター・ユナイテッド戦と同じだったんですが、前半はどちらも動きが鈍かったような。マドリーが初お目見えのブルーの第3ユニを着用したこともあり、ピッチが見にくかったのにも参ったんですが、ベイルの2度のシュートもゴールにはならず、試合は0-0のままでハーフタイムに入ることに。 ▽それが後半、一変したから驚いたの何のって。キッカケは59分、マルセロのシュートをクリアしようとしたピケがそれをオウンゴールにしてしまったことなんですが、実は彼、前日記者会見でネイマール移籍騒動の内幕を話して大いに注目を浴びたばかり。ええ、6月30日にブエノスアイレスであったメッシの結婚式の際にはもう当人の決意を知り、それでもファンのリアクションを見れば翻意してくれるかもと、相手を怒らせながらも「se queda/セ・ケダ(彼は残る)」と自分がツィートしたことや、「No es nuestro papel ir a comunicárselo al club/ノー・エス・ヌエストロ・パペル・イル・ア・コムニカールセロ・アル・クルブ(クラブに伝えるのはボクらの役目じゃない)。言うなら本人で、言ってないのなら、秘密にすべき」と、経営陣には8月になるまでPSG移籍の話が伝わっていなかった事情を説明したんですが、どうやらそれがマズかったよう。 ▽おかげで試合後、「el error de Gerard, ha sido determinante/エル・エロール・デ・ジェラール・ア・シードー・デテルミナンテ(ピケのミスが決定的だった)」なんて、スポーツディレクターのセグラ氏に名指しで戦犯扱いされてしまったりもしたんですが…。いや、だって、こういうのは事故のようなものですから。実際、その後、攻勢に出たバルサは77分、ゴール右横でGKケイロル・ナバスにルイス・スアレスが倒されたとされ、PKをゲット。リプレーではほとんど接触もなかったように見えながら、それまでコバチッチのマークが効いて見せ場がなかったメッシがしっかり決め、同点になったとなれば、とりあえずピケは無罪放免してあげてもいいのでは? ▽ただ、そうもいかなかったのはそれから数分もしないうちにマドリーの伝家の宝刀が発動したせい。ええ、それは高速カウンターで、後でバルベルデ監督も「Ellos son un equipo que corre bien al espacio/エジョス・ソン・ウン・エキポ・ケ・コレ・ビエン・アル・エスパシオ(彼らはスペースへと上手く走るチーム)」と認めていたように、バルサの攻撃を自陣エリアから跳ね返すと、イスコのスルーパスで58分からベンゼマに代わってピッチに入ったロナウドが前に立ちふさがるピケをものともせずにシュート。これがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)となったため、つい当人もユニフォームを脱いで自慢の肉体美を披露してしまったんでしょうけどね。ついでにマルセロの勧めでそのユニの背中をスタンドに掲げ、昨季リーガのダービーでメッシがサンティアゴ・ベルナベウで見せたパフォーマンスのリベンジまでしていましたっけ。 ▽え、でもその2分後、ユムティティに押されてロナウドがエリア内に倒れたプレーは、ジダン監督も「A lo mejor no hay penalti, pero la tarjeta es un poco fuerte/ア・ロ・メホール・ノー・アイ・ペナルティ、ペロ・ラ・タルヘタ・エス・ウン・ポコ・フエルテ(ペナルティではなかったかもしれないが、カードはちょっとキツい)」と言っていた通り、pisicinazo(ピシナソ/ダイブ)と見なされ、2枚目の警告を受けるには値しなかったんだろうって? まあ、そうですけど、決めるのは審判ですからね。世の中、そんなこともあるんですから、いくら当人がバルサのベンチに「Así ganáis con diez!/アシー・ガナイス・コン・ディエス(こうやってお前らは10人相手に勝つんだろ)」と悪態をつきながら、ロッカールームに帰ったとしても後の祭りだったかと。 ▽でも大丈夫、カウンターなら人数の減ったマドリーでも実行可能なんですよ。今度は90分、ベイルに代わって入ったルーカス・バスケスがアセンシオに繋ぎ、彼もメッシを追いすぎて太ももを痛めたコバチッチの交代で入ったフレッシュな選手だったため、一気にピッチを縦断。ピケが前を塞ぐ前に左足を振り抜き、チームの3点目を挙げてしまうんですから、私など、もう才能溢れる選手が沢山いるマドリーをただただ、羨むしかないかありません。ええ、これで1-3の勝利となったとなれば、ロナウドがいなくても、2ndレグの心配はしなくていい? ▽ちなみにその日のカンプ・ノウはバルサがこの試合をabono(アボノ/年間指定席)対象としなかったため、大量の観光客がチケットを買って入場。どうやらその内訳はマドリーファンが多かったようで、ロナウドのパフォーマンスもアセンシオのUEFAスーパーカップ、リーガ、CL、コパ・デル・レイに続く大会デビュー戦ゴールにもpito(ピト/ブーイング)より、拍手が多かったようですが、ホームサポーターをバックに戦える2ndレグは水曜午後11時(日本時間翌午前6時)からキックオフ。中2日しかないとあって、両チームとも月曜から早速、練習を再開しています。 ▽でもねえ、ロナウドはともかく、次はモドリッチも復帰するマドリーに対し、奇しくも同日、PSGでのデビュー戦でもゴールを挙げていましたが、そんなネイマールの代役はやはりデウロフェウでは肩の荷が重いことが判明。敗戦直後に「El equipo no necesita fichajes por este resultado, los necesita porque hay que renovarse/エル・エキポ・ノー・ネセシータ・フィチャヘス・ポル・エステ・レスルタードー、ロス・ネセシータ・ポルケ・アイ・ケ・レノバル(この結果のせいで補強がいるんじゃない。チームを刷新するために必要なんだ)」とブスケッツが言っていたのに呼応するがごとく、ようやくその2億2200万ユーロ(約284億円)のうち、4000万ユーロ(52億円)を使って、パウリーニョを広州恒大から獲得することができたバルサでしたが、入団は木曜らしいですしね。 ▽おまけに彼はFWではありませんし、デンベレ(ドルトムント)やコウチーニョ(リバプール)移籍が間に合うとは思えないため、サンティアゴ・ベルナベウでレモンターダ(逆転劇)を達成するには再び、クラシコ(伝統の一戦)35試合で24得点を挙げているメッシに頼るしかないのは辛いところ。とはいえ、このままあっさり勝負がついてしまうと、今季のリーガはマドリー独走状態、順位争いの醍醐味がなくなってしまうという危険性もあるため、そこそこの意地はバルサにも見せてもらいところですが…。 ▽あ、その2強の優勝争いに割って入るべく、日々努力を重ねているアトレティコは土曜にプレシーズン最後のレガネス戦で勝利した後、日曜、月曜と練習がお休み。火曜のダブルセッションから、土曜の開幕ジローナ戦に向けての準備が始まるんですが、とにかくこの夏はFIFA処分で補強ができない彼らですからね。今はビエットの移籍先を探しているぐらいで、1月から戦力になってもらいたいジエゴ・コスタ(チェルシー)もまだブラジルに滞在、チェルシーとの交渉も進んでいないようなので、とりたててニュースはなかったかと。 ▽一方、補強に最後の追い上げを見せているのがマドリッドの弟分2チームで、ヘタフェはアトレティコから譲り受けたアマトなど、移籍決定の翌日には古巣とスコアレスドローに終わった試合に途中出場。土曜に2-1と負けたアルバセテ(2部B)戦にも出ているんですが、さらに月曜にはウルグアイ人の19歳左SB、マティアス・オリベイラを獲得。レガネスもマウロ・ドス・サントス(エイバルから移籍)、エセキエル・ムニョス(同ジェノバ)ら、2人のDFのプレゼンを土曜に実施と、戦力アップに余念がありません。何せ彼らはこの金曜、2017-18シーズンのリーガの先陣を切ってアラベスと対戦しますからね。1節が日曜のアスレティック戦となるヘタフェより、時間が少ないため、新しいメンバーと練習できる日があまりないのは気の毒かと。そんな感じでマドリー以外のチームも公式戦が迫ってきただけに、今週は私も各チームの練習をイロイロ見て回れるといいんですが。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.15 12:51 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】選手が同じだとこうなる…

▽「あまり実のある勝利じゃなかったかも」そんな風に私が素直に喜べなかったのは早起きしてブタルケに駆けつけた土曜日、アトレティコのプレシーズン最後の親善試合、レガネス戦が終わった時のことでした。いやあ、もちろんマドリッドの弟分チームを0-1で退け、この夏にこなした5試合で無敗を貫いたのはいいことなんですけどね。その日、後半21分にゴールを挙げたのはアトレティコBのファン・モレノ。加えてフベニル(Bチームの下のカテゴリー)から、21世紀生まれのFW、16歳のビクトル・モジェホがトップチームデビューしたなんて微笑ましい出来事もあったものの、開幕後、コパ・デル・レイ初戦以外で彼らを大人の試合のピッチで見ることが一体、何回あるというのでしょう。 ▽うーん、午前10時30分からという、珍しい時間帯に試合を組まれた上、昼食後はトレド(マドリッドから1時間の世界遺産都市)に移動して、午後8時から当地の2部Bチームとの対戦。まったく意味不明の強行軍でプレシーズンマッチの最後を飾ることになったアシエル・ガリターノ監督など、「Estoy contento, se lo pusimos dificil al Atletico/エストイ・コンテントー、セ・ロ・プシモス・デフィシル・アル・アトレティコ(アトレティコを手こずらせたんだから、私は満足だ)」と言っていましたけどね。レガネス側としても、リーガ1節は出場停止となるゴディンとU21ユーロ参加で練習開始が遅れたサウル以外、控えとカンテラーノ(下部組織の選手)で構成されたアトレティコに負けてしまったのはあまり、士気が上がる理由にはならないかと。 ▽だからって、夜のトレド戦で3-0と格下チームに惨敗した言い訳にはなりませんが、彼らには今季、2年目となる1部での戦いを前に選手がかなり入れ替わっているという事情がなきにしもあらず。逆にFIFA処分でこの夏、戦力補強ができないアトレティコはレギュラーと控えの区分けもあまり変わっていないんですが、丁度、12時間前に終わったもう1つの弟分、ヘタフェとの対戦ではその主力組が昨季とまったく同じ欠点を露呈してしまったから、頭の痛いことと言ったら、もう。そう、エル・パイスのアトレティコ番記者も、「シュートパス交換を頻繁に繰り返しても選手の動きが乏しいため、それに意味が与えられない。たまに誰かがスペースに抜け出すことができた際にはパスの精度が欠けがち」と分析していたんですが、要は決定的なラストパスが出せなくて、ゴールチャンスにまでならないんですよ。 ▽え、得点力不足に悩みそうなのはヘタフェも同じじゃないかって?そうですね、今週はまず、水曜に2部のマドリッド勢アルコルコンとサント・ドミンゴで顔を合わせた彼らだったんですが、何と前半3分にはノノのヘッドで、後半7分にもアルバロ・ペーニャのエリア外からの弾丸シュートで2点をリードされ、先日のアトレティコ・バレアレス(2部B)との練習試合同様、守備での課題を浮き彫りにすることに。それでも11分にはチュリが見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)で1点を返したものの、その後、アルコルコンのファンたちからも「Gaku, Gaku」としきりに呼ばれていた柴崎岳選手を始め、その他4人の選手がリフレッシュに入りながら、結局、同点に追いつくことはできなかったですけどね。 ▽ただ、その日のボルダラス監督は金曜に迎えるアトレティコとの対戦をすでに見据えていたようで、翌日はまたしてもシュダッド・デポルティバ(練習場)で2時間のハードトレーニングを実施。1部復帰に備え、シートをより鮮やかな青に塗り直し、芝も新しくなったコリセウム・アルフォンソ・ペレスでの新チーム、お目見え試合ではかなり張り切って、アスレティックの開幕戦に並んでも不思議のないメンンバーを先発させています。そう、CFはエースのホルヘ・モリーナ、2列目にアルバロ・ヒメネス、パチェコ、そしてトップ下に柴崎選手という布陣だったんですが…。 ▽アトレティコも前半、グリースマンの放ったvolea(ボレア/ボレーシュート)が惜しくも外れてしまったり、後半41分にはこのプレシーズン、チームの救世主になっていたフェルナンド・トーレスがゴール前から真上に撃ち上げてしまう始末で、どうしてもゴールを奪えず。そのせいか、シメオネ監督もせっかくアップさせていたカンテラーノたちを投入することもなく、この夏、初めて国内でプレーする彼らをその日は近場なこともあって、応援に駆けつけたアトレティコファンが「Ole, ole, ole! Ole Cholo Simeone!(オレ・チョロ・シメオネ)」とカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を合唱する中、まるで罰ゲームのように先発した11人を最後までプレーさせることに。 ▽対するヘタフェもボールを持たれっぱなしだった前半を改め、後半は少し、上向きになったものの、得点するまでには至らず。ええ、柴崎選手もシュートを3回程、スルーパスも何度も試みていたんですけどね。後でボルダラス監督も「Quiza el ultimo pase le ha faltado que el destino fuera el correcto/キサ・エル・ウルティモ・パセ・ラ・ラルタードー・ケ・エル・デスティーノ・フエラ・エル・コレクト(方向は正しかったけど、ラストパスが欠けていたかもね)」と言っていたように、チームメートにタイミング良く受けてもらうことはできませんでしたっけ。 ▽それでも途中交代した時には観客から大きな拍手をもらっていましたし、監督も「Es muy generoso, ha trabajado bien sin balon, es un jugador que tiene futbol en las botas/エス・ムイ・ヘネローソ、ア・トラバハードー・ビエン・シン・バロン、エス・ウン・フガドール・ケ・ティエネ・フトボル・エン・ラス・ボタス(彼はとても心が広い。ボールを持たない時もよく働いた。シューズにサッカーが詰まっている選手だね)」と彼を称賛。顔なじみのAS(スペインのスポーツ紙)のヘタフェ番記者も「きっと開幕のアスレティック戦ではスタメンだよ」とお墨付きをくれたため、20日はサン・マメスのピッチでその雄姿が見られるのを期待してもいいかと。実際、昇格組のヘタフェにとって、この試合、残留が目標の今季、ヨーロッパの大会に出場するチームとスコアレスでも引き分けたというのは、リーガなら勝ち点1なのですから、十分な成果だったと言えるかもしれません。 ▽翻って心配なのはアトレティコで、試合後ミックスゾーンに出て来たヒメネスなども「Tenemos ocasiones pero nos falta muy poquito para meterlas/テネモス・オカシオネス・ペロ・ノス・ファルタ・ムイ・ポキート・パラ・メテールラス(ウチはチャンスを作ったけど、ゴールに入れまでが少し足りなかった)。来週のジローナ戦に向けて精度を上げないと」と認めていましたけどね。現実問題、決定力を上げてもらいたいのはゴディンの代わりに開幕戦先発となりそうなCBではなく、FW陣なんですが、うーん、実は土曜のレガネス戦でもビエットが最高のカウンターから、GKクェジェルとの1対1を見事に失敗。 ▽このままだと、彼もサントス・ボレ(リベル・プレートに移籍)、クラネビテル(同ゼニト)、そして前日、ヘタフェに河岸を変え、昨季のテネリフェ(2部)に引き続き、柴崎選手の同僚となったアマトらの後を追って、ワンダ・メトロポリータノのピッチを踏めないことになりそうですが…とにかく、昇格組だったアラベスと0-0で引き分けて始まった昨季の轍だけは踏んでもらいたくないところです。 ▽え、マドリッドの3チームは土曜の夜、アルバセテ(2部)に2-1で負けてしまったヘタフェを含め(柴崎選手は途中出場)、これで全ての親善試合を終え、あとはリーガ1節を指折り数えて待てばいいだけだけど、すでに公式戦モードに入っているレアル・マドリーはどうしているのかって?いやあ、スペインU21代表選手を中心にこの夏は補強したためか、お隣さん同様、昨季とほとんど変わらないメンバーでプレーしている彼らですが、あっちはCL、リーガのドブレテ(二冠優勝のこと)達成のチームですからね。火曜には、そのカーディフでのCL決勝ユベントス戦からクリスチターノ・ロナウドとベイルをスタメンで入れ替えただけのメンツで、マンチェスター・ユナイテッドをUEFAスーパーカップで圧倒。 ▽前半23分にはカルバハルのクロスをカセミロが決め、いえ、モウリーニョ監督は「Es fuera de juego. Y con el VAR no seria gol/エス・フエラ・デ・フエゴ。イ・コン・エル・バル・ノー・セリア・ゴル(あれはオフサイドだったし、VAR/ビデオ・アシスタント・レフェリーがあればゴールにならなかったろう)」と後で文句を言っていましたけどね。これで先制したマドリーは後半6分にもベイルとのワンツーで抜け出したイスコが2点目をゲット。マラガにいた4年前、「いい選手だが、そんなに素早くないし、体に対して頭が大きすぎる」という奇妙な理由で獲得を自粛したユナイテッドにきつい一発を入れることに。その後は相手もルカクのゴールで追いすがったものの、2-1でマドリーの快勝です。ええ、終盤にはまだチーム合流から2セッションしかこなしていなかったロナウドもピッチに入りましたが、あまりその必要性もなかったような。 ▽よって、同様にアメリカでのインターナショナル・チャンピオンズカップでは負けていたバルサが相手となる次のスペイン・スーパーカップもそれ程、心配することはなさそうに見えるんですが、唯一、気になるのはモウリーニョ監督も「Los centrocampistas del Madrid son unicos, no hay replica de Modric, Kroos, Casemiro o Isco/ロス・セントロカンピスタス・デル・マドリッド・ソン・ウニコス、ノー・アイ・レプリカ・デ・モドリッチ、クロース、カセミロ・オ・イスコ(マドリーのMF陣は他にないものだ。モドリッチ、クロース、カセミロ、イスコの複製はいない)」とベタ褒めしていたうちの1人、モドリッチがカンプ・ノウでの1stレグに出場停止となること。 ▽原因は3年前、今のところアトレティコ最後のタイトルとなっている2014年のスペイン・スーパーカップ2ndレグで退場したためですが、それ以来、マドリーもこの大会に出場していなかったのは結構、意外に感じる向きも多いかと。ちなみに前日記者会見で3年間の契約延長を公けにしたジダン監督は再び、「fisicamente ha trabajado muchisimo y esta listo/フィシカメンテ・ア・トラバハードー・ムチシモ・イ・エスタ・リストー(フィジカル的に沢山、トレーニングしているし、プレーする用意は整っている)」とロナウドの先発起用を示唆していましたが、世間一般ではこの試合でもベンチスタートでフル出場はなしとの見方が主流。昨季もローテーションで入るたびにいいプレーを見せたクロアチア人の後輩、コバチッチを入れ、イスコをキープした4-4-2でいくんじゃないかと言われていますが、アセンシオやセバージョスら、オプションも多いだけに、スタメンは当日のお楽しみでいいんじゃないですかね。 ▽一方、先週、ネイマールを史上最高の2億2200万ユーロ(約286億円)でPSGに売ったはいいものの、おかげで移籍市場が超インフレに突入。デンベレ(ドルトムント)やコウチーニョ(リバプール)を獲りたくても相手に足元見られ、値段が1億4000万ユーロ(約180億円)だの、1億2000万ユーロ(約155億円)だのに跳ね上がってしまい、なかなか実現できていない相手のバルサなんですが、それでもあちらにはメッシ、ルイス・スアレスという最強のゴール量産コンビがいますからね。月曜にはガンペル杯でシャペコエンセに5-0と大勝もしているせいですか、いよいよクラシコ(伝統の一戦)スペイン・スーパーカップ版が近づいてきても、あまり試合に関する話が出てこないのが不思議なところ。 ▽何せ、この対戦でネイマールの代理を務めると言われているデウロフェウですら、今季本当にチームに残るのか、確定していない状態ですからね。UEFAスーパーカップで優勝したマドリーを当日、彼らがピッチで花道を作って迎えるかどうかという議論を別にすれば、人事関係の取り沙汰ばかりが耳に入ってくるですが、それでもトロフィーはトロフィー。「No me cansare nunca de ganar y levantar trofeos/ノー・メ・カンサレ・ヌンカ・デ・ガナール・イ・レバンタール・トロフェオス(勝つこととトロフィーを掲げることには決して飽きない)」というセルヒオ・ラモスを筆頭に、どちらも本気の白熱した戦いが見られるのは間違いないかと。そんなスペイン・スーパーカップ1stレグは日曜午後10時(日本時間翌午前6時)キックオフ。まずは両者のお手並み拝見といきましょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.13 11:30 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】真剣勝負の時間が近付いてきた…

▽「こっちになったのはラッキー」そんな風に私が喜んでいたのは月曜。その朝から、ヘタフェが施設入口から近い方のピッチで練習しているのを見つけた時のことでした。いやあ、先週まではずっと、アトレティコ・バレアレス(2部B)との親善試合ですら、奥のグラウンドを使っていたため、このまま通っていると、ビーチにも行っていないのに手足が真っ黒になってしまうと心配していた私でしたけどね。ミニスタンド付きのこちらは屋根のおかげで日影がある上、腰を下ろして見学できるため、午前9時半から始まったセッションが11時50分までと、予想外に長かったにも関わらず、まったく苦にならなかったって、まあそれは10人程、その場にいたファンの話。 ▽もちろん、フィジカルメニューがたっぷり詰まった内容は柴崎岳選手を始め、お日様のギラギラ照りつける中で練習していたメンバーとっては大変だったと思いますが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにあるロッカールームに戻る途中、ボルダラス監督と話したところ、この日はさらに夕方にもセッションがあると言うから、え、そんなに練習したら、熱中症にならない? 曰く、「リーガ開幕まであと1週間、もうあまり時間がない」そうですが、確かに昨季プレーオフで昇格を決めた彼らはプレシーズンを始めたのも最後でしたからね。今のところ、10人に上る新加入選手はリーガ1部経験者が多いものの、これから獲る予定のCFやボランチを含め、チームとしてまとまるにはやっぱりできるだけ沢山、トレーニングしておく必要があるのかも。 ▽ちなみにそのヘタフェは先週末、土曜にプエルトジャノ(マドリッドから車で南に2時間半の内陸都市)で同じ昇格組のジローナと対戦したんですが…。いえ、私はもう1つのマドリッドの弟分チーム、レガネスがいつの間にか、格下になっていたラージョ(2部)とエスタディオ・デ・バジェカスで顔を合わせた試合を見に行っていたんですけどね。丁度、こちらの試合のハーフタイムに、柴崎選手が80分に決めたゴールでヘタフェが1-0で勝利したという報を知り、驚いたの何のって!! そうボルダラス監督に言ったところ、「彼に得点力がないと思っていた?」とからかわれてしまいましたが、いやいや。 ▽というのも、後で映像を探し出して見てみたところ、そのゴールはジローナDFからボールを奪って個人技で決めるというgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)だったんですよ。折しもその試合の日、監督が「Le faltan conceptos de lo que es la Primera pero nos dará cosas/レ・ファルタン・コンセプトス・デ・ロ・エ・エス・ラ・プリメラ・ペロ・ノス・ダラ・コーサス(1部というもののコンセプトがまだ欠けているが、ウチにイロイロ貢献してくれるだろう)」とマルカ(スポーツ紙)のインタビューを読みましたしね。あまりにタイミングバッチリで、しかも地獄の暑さだったというピッチで先発して終盤の決勝点となれば、当人の体力アピールにも大いに役立ったかと。 ▽そんなヘタフェはこの水曜にまた、もう1つの2部の兄弟分、アルコルコンとサント・ドミンゴで午後8時から親善試合。このスタジアムはセルカニアス(近郊路線)C-5線のLas Retamas(ラス・レタマス)駅から歩いてすぐ、入場料も5ユーロ(約660円)と格安なので、たまたまマドリッド観光に来ているファンは覗いてみても面白いかと思いますが、今週金曜午後8時30分には改装されてキレいになったコリセウム・アルフォンソ・ペレスでのチームプレゼン試合も開催。兄貴分の胸を借りるアトレティコ戦もありますからね。そちらの方が1部復活を遂げた彼らの現在の実力を計るにはお勧めかもしれません。 ▽え、それでラージョとレガネスのバジェカス杯はどうなったんだって? いやあ、今季も2部でプレーするにも関わらず、忠実に応援を続けていたホームサポーターには気の毒だったんですが、1部2年目のアシエル・ガリターノ監督のチームはサッカーで一番大事なところでカテゴリーの差を披露。それはずばり得点力で開始1分、ディエゴ・リコのゴールで先制すると、その後はずっと相手にボールを持たれて攻められながら、73分にはガブリエウがPKを獲得して2点差に。そのまま0-2で勝利すると、先日のアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)程、豪華ではありませんでしたが、キャプテンのマントバーニが堂々、トロフィーを掲げています。 ▽何せ、今季も降格候補に挙げられてしまうであろうレガネスですからねえ。こういう堅実な勝利で選手たちが自信をつけるのが一番なんですが、そのいい例が兄貴分のアトレティコ。ええ、アリアンツ・アレナでナポリ、リバプールを下し、優勝杯を持ち帰った後の金曜日、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に夕方のセッションを私が見に行ったところ、これが「Cuando hay ilusión, siempre encuentras cosas para motivarnos/クアンドー・アイ・イルシオン、シエンプレ・エンクエントラス・コーサス・パラ・モティバルノス(夢がある限り、常にモチベーションを上げる何かを見つけられる)」(シメオネ監督)ということなんですかね。物凄い迫力で指導していた当人を筆頭に、ロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)時の選手たちのエキサイトぶりときたら! しかもその日は午前中にも練習していたとなれば、今季も体力的には申し分ない仕上がりになっているのは間違いない? ▽その一方でサッカー的にどれ位、上達したのか、練習で判断できないのは再び彼らのセッションが開始から15分のみ見学可に戻ってしまったためなんですが、大丈夫。その成果は日曜のブライトンとの親善試合で目にすることができました。いえ、相手がプレミアリーグ昇格組ということで、先日の今季CLプレーオフ出場チームを相手にした時はまったく違い、主導権を握っていたアトレティコでしたけどね。得点こそ、なかなか生まれなかったものの、41分にはガイタンのミドルシュートがGKライアンの手をすり抜けて先制。ただこれは61分、ブライトンのFKにガイタンが足を出し、軌道を変えてゴールにしてしまったため、すぐ追いつかれてしまったんですが、ここで大御所が登場します。 ▽ええ、67分にファンフランのクロスをノーマークだったフェルナンド・トーレスがヘッドで決め、勝ち越し点を挙げてくれたんですから、これならジエゴ・コスタ(チェルシー)が来年1月までプレーできなくても心配しなくていい? ところが予想外だったのはブライトンも意地を見せ、78分にはマーチのクロスをシドウェルが同じように頭で易々ゴールにしてしまったことで、どうやら守備の面ではまだまだ課題が残っているよう。うーん、最後は89分にグリーズマンのシュートはライアンに弾かれてしまったものの、ふくらはぎ痛でお留守場となったフィリペ・ルイスの代わりにその日、左SBを務めていたルーカスが押し込んで、2-3と勝利したアトレティコだったんですけどね。 ▽サビッチなどは「失点しようがしまいが、lo más importante es que el equipo gane y lo hizo/ロ・マス・インポルタンテ・エス・ケ・エル・エキポ・ガネ・イ・ロ・イソ(一番大事なのはチームが勝つことで、それはできた)」と言っていましたが、どこぞのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)体質のチームと違い、彼らはいつでも2点3点と挙げられる訳ではなし。ここ3試合、国外のプレシーズンマッチではナポリ戦のremontada(レモンターダ/逆転劇)、リバプール戦のPK戦勝利、そしてこの日の土壇場の決勝点と、お隣さんのお株を奪うような勝ち方をしてきたとはいえ、油断は禁物です。 ▽そして月曜は休養、火曜の夕方から練習を再開するアトレティコは、後は金曜にヘタフェ、土曜にレガネスと、弟分との2連戦でさらに自信をつけて(?)プレシーズンマッチを終える予定なんですが、実はもうそんな悠長なことは言っていられないチームも…。もちろんそれはレアル・マドリーで、先週はアメリカツアーから帰還後、土曜、日曜、午後5時という一番暑い時間にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニングすると、月曜にはUEFAスーパーカップに備え、もうマケドニアに飛ぶことに。 ▽え、あちらはタイトルが懸かった試合だから、マドリーが真剣になるのはわかるけど、コンフェデレーションズカップのポルトガル代表参加でバケーション入りが遅れ、チーム合流からたった2日しか経っていないクリスチアーノ・ロナウドを連れて行くとはかなり切羽詰まっていないかって? まあ、確かにアメリカでのインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏に行われる国際親善大会)の初戦では今回の相手、マンチェスター・ユナイテッドと1-1で引き分けた後、稀に見る悲惨なPK戦2-1で負けていますけどね。試合前日会見で話したジダン監督は、「彼はフィジカル的に2カ月前のCL決勝の時と同じ。Si está con nosotros es que está para jugar/シー・エスタ・コン・ノソトロス・エス・ケ・エスタ・パラ・フガール(我々と一緒にいるのはプレーできる状態ということ)」と言っていましたが、現実問題、そんなことってありえるんでしょうか。 ▽まあ、体質は人それぞれですし、当人はマドリッドと同じぐらいのスコピエの猛暑も平気なのかもしれませんけどね。マドリーはUEFAスーパーカップをこのところ2連覇しているものの、その時はどちらも相手がセビージャ、今回はマドリー打倒に闘志を燃やすモウリーニョ監督のチームと相まみえるとあって、ジダン監督発言には牽制の意味もあるのかもしれませんが、こうなるとますますわかりにくくなるのが試合のスタメン。 ▽そう、ロナウド参戦まではスタメンにベイルを使うのか、昨季終盤からこのプレシーズンも輝きを維持しているアセンシオを抜擢するのかが論争になっていましたが、こうなると普通にBBC(ベイル、ベンゼマ、ロウドの頭文字)先発という目も出てくるかと。ちなみにケガ人が1人もいないマドリーはルーカス・バスケス、コバチッチ、セバージョス辺りからも誰か、スタンド観戦になる可能性があります。 ▽一方、ユナイテッドはバイリーやショーといった出場停止の選手もいるものの、この夏獲得したルカクを先頭にラッシュフォード、ポグバ、ムヒタリアンといった豪華メンバーが前線に並ぶ予定。うーん、カリフォルニアでの対戦ではどこか、手札を隠していた感もあったモウリーニョ監督ですからね。AS(スポーツ紙)などでは5人DF体制もありうるなんて書かれていましたが、果たしてこの勝負、軍配はどちらに挙がるのやら。そんなUEFAスーパーカップのキックオフは火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)。ようやくまともな時間に見られるマドリーの試合ですし、パッとしなかったアメリカでのイメージを払拭するためにもいい結果に終わってくれると嬉しいです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.08 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】親善試合だって勝った方が嬉しい…

▽「だったら、最初からそうしてれば良かったのに」そんな風に私が呆れていたのは木曜。お昼のニュースでは午前中に契約破棄金額の2億2200万ユーロ(約290億円)の小切手をマドリッドにあるLEP(スペイン・プロリーガ協会)の本部に持ち込んだネイマールの法定代理人が受け取りを拒否されたと報じられたものの、彼らはその足でバルセロナに移動。クラブのオフィスに現金で持って行ったところ、受理してくれたため、午後にはPSGへの移籍が叶ったとの記事を見つけた時のことでした。いやあ、先日、1月からアトレティコでプレーするビトロ(現在はラス・パルマスニレンタル)がセビージャとの契約破棄金額4000万ユーロ(約52億円)をLEPに持参した時には何の問題もなかったんですけどね。 ▽ネイマールについては常識破りの額だったのがいけなかったんでしょうか。マイアミでのクラシコ(伝統の一戦)の後、中国商業ツアーに出た当人が火曜にドバイ経由でバルセロナに戻って来る前から、LEPのテバス会長は「これはdopaje financier/ドパヘ・フィナンシエロ(ファイナンシャル・ドーピング)だ。PSGの金は親会社から出ていて、フィアナンシャル・フェアプレー規則にも違反している。そんなものは受け付けられない」と息巻いていたんですが…。でもねえ、彼らはただの仲介役。違約金はそのままバルサに渡されるだけですし、それを規則の枠内かどうかを判断するのはUEFAの仕事となれば、元々、LEPに拒否する権限さえあったのかどうか。 ▽まあ、バルサではチームメートたちもネイマール騒動にもう食傷気味。フロントも後釜探しに入っていたと言いますし、その一番手に挙がったグリーズマンが実はこの夏の移籍市場オープン中だけ、移籍破棄金額が2億ユーロ(約261億円)に倍増。9月からまた1億ユーロに戻ることもあってか、さっさと候補から外れてくれたため、私もセルヒオ・ラモス同様、8月13、16日のスペイン・スーパーカップでレアル・マドリーがMS(メッシ、ルイス・スアレスの頭文字)だけを相手にすればいいのを喜んだぐらいで、金曜にはパリでネイマールのメガプレゼンが予定されているとか、別にどうでもいいんですけどね。ええ実際、今週のミッドウィークにはマドリッド勢が次々とプレシーズンマッチを戦ったため、そちらで忙しかったんです。 ▽そのトップバッターは火曜にミュンヘンでアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)準決勝に挑んだアトレティコで、いやあ、やっぱりヨーロッパ内での試合はいいですよね。夕方からのキックオフだったため、私も家でじっくり見られたんですが、レギュラーをスタメンに並べながら、シメオネ監督のチームは序盤からナポリに押されがちに。それでも24分にはフィリペ・ルイスのクロスをグリーズマンが強烈ヘッド。続いてガイタンのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)をGKレイナにダブルでparadon(パラドン/スーパーセーブ)され、その1分後にはコケのクロスを再びグリーズマンがvolea(ボレア/ボレーシュート)で惜しくも外すというチャンスも発生。そんな楽観的なムードが一転したのは32分で、ゴール前でサビッチがカジェホンを倒し、ペナルティを取られてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫だったんです。というのも、2016年のCL準決勝バイエルン戦2ndレグでもミュラーのPKを止めていたGKオブラクがミリクのキックを弾いてくれたから。彼は前半終了間際にもインシーニェのシュートを決めさせず、試合は0-0のままハーフタイムに入ったんですが、やはりプレシーズンはありがちですよね。55分、アトレティコの守備ミスから、グラムの上げたクロスをカジェホンがノーマークで討ち込んで、先制点を奪われてしまったものの…この日はシメオネ監督の最初の交代策が当たりました。 ▽そう、U21ユーロに出場したため、練習開始が遅れたサウールに代わり、スタメンに入っていたガイタンをトーマスにしたところ、「nos dio recuperación y salida en la circulación de la pelota/ノス・ディオ・レクペラシオン・イ・サリーダ・エン・ラ・シルクラシオン・デ・ラ・ペロータ(ウチがボールを奪えるようになり、パス交換の起点にもなった)」(シメオネ監督)彼が71分、エリア内に向かうグリーズマンにスルーパス。その折り返しがフェルナンド・トーレスに渡り、うーん、ゴールに対面しながら、踵で蹴るというちょっと妙なシュートではあったんですが、これで同点となれば、どこに文句がありましょう。 ▽ただその後、アトレティコは6人も選手を代えたため、勝ち越し点は難しい気がしたんですが、いやあ、たまにはあるもんですね。お隣さんのお株を奪うように81分、カラスコの蹴ったCKをヒメネスが頭で繋ぎ、最後はファーポストのビエットが決めて、とうとう2-1と逆転してしまったから、驚いたの何のって。ええ、そのことは後でシメオネ監督も「Más que ganar, me quedo contento por remontar/マス・ケ・ガナール、メ・ケド・コンテントー・ポル・レモンタール(勝利より、自分は逆転したことに満足だ)」と認めていましたっけ。 ▽まあ、最後はゴディンが2枚目のイエローカードをもらって退場、「ああいうタックルは親善試合ではやらないものだと本人に言ったら、謝っていたよ」(サッリ監督)なんて出来事もあったんですけどね。8月中旬にはCLプレーオフが控えているため、自分たちより準備が進んでいる相手に挑み、見事アウディカップ決勝進出を掴んだアトレティコは、FIFA処分でこの夏、補強ができないことに不安を抱いていたファンをホッとさせてくれた? そして意外にもバイエルンが準決勝で0-2と負けたため、翌水曜はリバプールと戦うことになった彼らでしたが…。 ▽え、午後8時半からの決勝を見逃すのを覚悟で私がヘタフェのプレシーズンマッチに行ったのは、とてもsuplentes(スプレンテス/控え)とカンテラーノ(アトレティコBの選手)でクロップ監督率いるプレミアの名門に勝てるとは思わなかったからじゃないのかって? いやあ、ちょっとはそういう気持ちもあったんですが、1部Uターンしたばかりのマドリッドの弟分チームもこれがこの夏、地元で初めての試合ですからね。同じ気持ちだったファンも多かったようで、15分程前にヘタフェのシウダッド・デポルティバ(練習場)に着いたところ、強烈な日差しにも関わらず、見学スペースのあるピッチの側は隙間なく人がへばりついている状態。 ▽おかげで開始4分、いきなりペナルティを取られ、アトレティコ・バレアレス(2部B)のシスコがPKを決めて先制。その7分後、ホルヘ・モリーナが同点弾を決めたシーンなどもよく見えなかったんですが、右往左往しながら、メモをとっている私って、気の毒に思われたんですかね。家族連れのママが途中で間に入れてくれたため、残りの時間は柴崎岳選手がピッチに入った後半を含め、視界良好で観戦できることに。ただねえ、その日のヘタフェは先日、スポーツディレクターのプラネス氏が「守備的にはいい補強ができた」と言っていたものの、まだコーディネート不足なんでしょうか。 ▽30分には新入団のGKマノイロビッチ(ツベルナ・ズベズダから移籍)が敵のシュートを弾きながら、落ちてきたボールをお手玉してオウンゴールにしてしまったり、45分にも再びシスコにゴールを奪われ、1-3で折り返すと、メンバーがほとんど代わった後半は1点も返せず。そのまま負けてしまったとなれば、翌日にあったDFアントゥネス(ディナモ・キエフからレンタル)とGKマルティネス(アーセナルからレンタル)の入団プレゼンの席で、またしてもプラネス氏が「La necesidad es reforzar la zona ofensiva/ラ・ネセシダッド・エス・レフォルサル・ラ・ソーナ・オフェンシバ(必要なのは攻撃陣の補強)。誰か、創造的なプレーのできる選手を獲れればチームの助けになるだろう」と強調していたのは当然だった? ▽いえ、試合の帰り道、丁度、私の側を歩いていたヘタフェ1部初昇格時のOB、ジカ・クライオベアヌなどは、先週のアルコジャノ(2部B)戦でも引き分けた後だけに心配してチームの様子を訊いてきたファンに、「ウチは今日の午前中も練習があったからね。ボルダラス監督は要求が高いし、これからだよ」と言っていましたけどね。柴崎選手にも2度程、絶好のチャンスがあったんですが、そのシュートも敵GKに阻まれてしまい、得点はならず。それでもファンたちは「この夏、一番レベルの高い補強選手だよ。あとは慣れるだけじゃないか」、「昇格プレーオフのカディス戦、もちろんヘタフェ戦でも見たけど、その時からいいと思っていた」と、彼のことを好意的に受け入れてくれていたのは嬉しかったかと。 ▽唯一、気になったのは私がグラウンドにいるヘタフェの広報部長に監督でも選手でも誰か、試合後にコメントしてくれるのかと訊いていた時、「ガクは話さないわよ」と言われたのは想定内でしたが、昨季のテネリフェ在籍時の伝え聞きから、私が「内気ですからね」と答えたところ、すぐ横にいたCBのカラが「Si, si, sabemos que es timido/シー、サベモス・ケ・エス・ティミドー(そうそう、ボクらも彼が内気だって知ってるよ)」と茶々を入れてきたこと。もちろん、言葉の壁もありますし、南米人も沢山混じったあのスペイン乗りにそうそう、簡単に入れないのは日本人として私もわかりますが、昨季ミックスゾーンなどで見たエイバルの乾貴士選手なんて、もう2年目だったことあり、チームメートと気さくな感じで話していましたからね。この先、土曜には同じ昇格組のジローナとの試合も控えていますし、柴崎選手も少しずつ、チームに溶け込んでいけるといいのですが。 ▽そして1時間かけて家に戻った私でしたが、メトロ(地下鉄)に乗る前、33分にアトレティコが最初のチャンスで先制という嬉しいニュースが!! しかし、60分から入ったガビが82分にオリジを倒しPKを献上。この日のGK、モヤはフェルミーノを止められず、1-1の同点に変わっていたんですけどね。結局、90分終了後のPK戦を見るのに間に合ったのは運が良かったというか、余分にドキドキしてしまったというか。 ▽だって、最後にアトレティコのPK戦を見たのは昨年6月、ミラノでのCL決勝だったんですよ。あれ以来、もう一生、選手たちだってPK戦なんてしたくないに違いないと思っていたんですが、この日の彼らは立派でした。ええ、リバプールが先で1番手のフェルミーノは再びモヤを破ったんですが、グリーズマンもゴール。すると次のヘンダーソンをモヤが弾き、その後はオリジ、ケント、グルジッチが入れたものの、トーレス、ガビ、ガイタン、そして最後はフィリペ・ルイスが決めて、4-5で勝ってしまったから、感心したの何のって。いえ、シメオネ監督に言わせると、「グループの結束力のおかげでeste trofeito(エステ・トロフェイト/このミニカップ)を手にできた」そうで、たとえ豪華なセレモニーがあっても所詮、親善試合の話なんですけどね。 ▽しばらく優勝祝いからは遠ざかっている彼らだけに、これをキッカケにビッグタイトル獲得の決意を更に強めてくれればいいかと。実際、このアウディカップ参加チームは皆、今季CLでのライバルですしね。同日、先に行われた3位決定戦ではナポリがバイエルンを0-2で下して勝利という結果になりましたが、アンチェロッティ監督のチームとの対戦は本番にとっておくことになったアトレティコは木曜午前4時にマドリッドに戻ると、9時にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で早速トレーニング。金曜はダブルセッションを行い、翌日は日曜午後5時(日本時間翌午前零時)からのブライトンとの親善試合に備え、イギリス入りというハードスケジュールになっていますが、それもシーズンに備えての体慣らしの一環なんでしょうか。 ▽え、その水曜の深夜、木曜早朝3時にはお隣さんもシカゴでアメリカツアー最後の試合があったんだろうて?まあ、そうなんですが、さすがに私もそこまでは付き合いきれず、結果だけをお伝えしておくと、偶然も偶然、マドリーもMSLオールスターチームと1-1でPK戦にもつれ込み、ようやくこの夏、最初の勝利をゲット。この日はBチームの番で前半はどちらも得点がなく、59分、セバージョスのアシストでマジョラルがゴールを挙げたものの、86分にCKからドワイヤー(オーランド・シティ)のヘッドで追いつかれてしまうことに。PK戦ではケイロル・ナバス、ヤニェスに続き、最後にゴールを守っていたジダン監督の息子、ルカがドワイヤーを殊勲のセーブ。MSLは第1キッカーのジオも枠に当てていたため、途中出場したベンゼマ、ベイル、コバチッチ、マルセロ、全員が成功した彼らが2-4で勝ったんですが、どうもこのプレシーズン4試合、マドリーらしさがまだ披露できてないような気が。 ▽ええ、ジダン監督も「La sensación no es buena/ラ・センサシオン・ノー・エス・ブエナ(いい感触はしない)。ウチはもっと何かをしないと」と言っていましたしね。何より、彼らが大変なのは次がもう公式戦、来週火曜にはUEFAスーパーカップでマンチェスター・ユナイテッドと対戦しないといけないということ。木曜夕方にはマドリッドに到着したチームがバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で活動を再開する土曜にはクリスチアーノ・ロナウドも合流するんですが、さすがに3日間のトレーニングで出場は無理ではないかと。うーん、去年もロナウド抜きでセビージャを破り、UEFAスーパーカップ優勝という実績があるマドリーですが、今度の相手はモウリーニョ監督。足元をすくわれないよう、ベンゼマやベイルに早いところ、シャキっとしてもらいたいところです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.04 13:00 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】まだこれからだから…

▽「この暑い中、気の毒に」そんな風に私が同情していたのは月曜日、ポスエロ((マドリッド近郊)にある裁判所に出頭するクリスチアーノ・ロナウドが駐車場から建物に入り、脱税疑惑に対する証言後もそのまま直帰。正面玄関前にはスピーチ台まで用意されていたというのにコメントどころか、その姿も見ることができず、待ち構えていた記者200名、TVカメラ40台が無駄足を踏んだとお昼のニュースで知った時のことでした。というのも午前中はまだ、気温はそれ程ではないんですが、スペインの真夏の日差しはこの世のものとは思えない強さ。 ▽丁度、その朝はヘタフェ(マドリッド近郊)に柴崎岳選手の練習を見に出かけた私も日焼け止めと帽子で紫外線対策はしていたものの、このまま通い続けたら、土方焼けするのは時間の問題かと。それでもトレーニングを選手やコーチの声も聞こえる距離で追えるため、まだ救いはありますが、あちらは炎天下で2時間以上待機ですからね。挙句の果てに何も聞けない、撮れないんですから、いえ、「Si no me llamara Cristiano Ronaldo no estaria aqui/シー・ノ・メ・ジャマラ・クリスティアーノ・ロナウド・ノー・エスタリア・アキー(自分がクリスチアーノ・ロナウドという名でなければ、ここにいなかっただろう)」というのはマスコミが漏れ聞いた、当人の裁判官への返答の一節だそうですけどね。まさにそれって、待ちぼうけを喰らった取材陣の方が言いたかったかも。 ▽まあ、その辺はロナウドも予想通り、2011年から2014年の間の自身の肖像権収入をタックスヘーブンの会社に移し、1470万ユーロ(約19億円)の脱税を図ったと言われても、それは2004年から同じでイギリスでは合法、脱税の意図はないと嫌疑を否認していますし、とにかく裁判沙汰ですから、決着するのにかかる時間も年単位ですからね。今は置いておくとして、先にマイアミでの今季最初のクラシコ(伝統の一戦)がどうだったか、お話しすることにすると。うーん、そのロナウドと足首をネンザしたクロースを除き、ベストメンバーでスタートしたレアル・マドリーでしたが、もしかして、これまでのプレシーズンマッチ2試合を右耳の具合が良くなく、欠場していたセルヒオ・ラモスがいきなり先発したのがマズかったんですかね。 ▽前半3分、自陣近くでラモスがメッシを逃すと、相手がボールを持ち込んでシュート。これがバランに当たってGKケイロル・ナバスの頭上を越え、早速先制点を奪われているのですから、たまったもんじゃありません。そしてマドリー守備陣の不手際は7分にもリピートされ、今度はネイマールのパスをルイス・スアレスはスルーしたものの、フリーのラキティッチに決められているって、まさに「Esto significa que falto concentracion/エストー・シグニフィカ・ケ・ファルトー・コンセントラシオン(これは集中力が欠如していたことを意味している)」というジダン監督の言葉通りじゃないですか。 ▽ただ、まだ練習を開始して2週間そこそこのため、バルサの方も全てが完璧という訳ではなく、14分には伏兵、コバチッチがドリブルで数人かわしてエリア前からシュートを決め、マドリーは追い上げを開始。更に36分にはその日、イスコに代わってスタメンに入っていたアセンシオにラストパスを送り、2点目のアシストもしているんですから、実はこっそり成長を遂げていた?これでハーフタイム前に2-2とスコアをタイにした彼らでしたが、後半5分、CBがラモスとバランからナチョとバジェホに代わっていたせいもあったんでしょうかね。セットプレー時のマークが全然なっておらず、ネイマールのFKをピケに楽々シュートされ、勝ち越し点を奪われるとはこれ如何に。 ▽結局、その1点が返せずにマドリーは2-3で敗北。おかげでバルサはインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏に行われる国際親善大会)3連勝で優勝、逆に3連敗のマドリーは最下位というオチになったんですが、いえ、宿命のライバルのキャプテン、イニエスタがハード・ロック・スタジアムでトロフィーを掲げていたって、別に構わないんですけどね。実際、ラモスも「La Supercopa es un titulo y cuando hay un titulo de por medio cambia todo/ラ・スペルコパ・エス・ウン・ティトゥロ・イ・クアンドー・アイ・ウン・ティトゥロ・デ・ポル・メディオ・カンビア・トードー(スーパーカップはタイトルで、タイトルが懸かった時は全てが変わるからね)」と自信を見せていましたが、それってもしや、昨季も時々、あったように、集中力欠如で先制されても、最後はマドリーの伝統芸、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)が発現するから? ▽まあ、それは冗談ですが、公式戦なら、プレシーズンマッチ恒例の選手総取っ替えもありませんしね。この日もジダン監督はgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)だけは避けたかったか、GKナバスのみフル出場したものの、後半頭から4人、26分には6人と交代させているんですが、ただしそれは相手も同じこと。「ネイマールとユニ交換したけど、ojala sea la ultima del Barcelona, a nosotros nos quitaria un problema/オハラ・セア・ラ・ウルティマ・デル・バルセロナ、ア・ノソトロス・ノス・キタリア・ウン・プロブレマ(バルサではこれが最後だといいね。そしたらウチから問題が1つなくなる)」(ラモス)というのが近々、当人のPSG移籍が決まって、8月13、16日のスペイン・スーパーカップの時点では現実になっていることも考えられるとはいえ、マドリーも幾つか改善が必要なところがあるかと。 ▽だってえ、この3試合で8失点もしているんですよ。ペペが契約満了でベシクタシュに移った後、今季のCBはラモス、バラン、ナチョ、バジェホで賄っていかないといけないんですが、まだ誰も満足いく働きを披露していないのが気掛かりですし、それに対して得点はたったの4。しかもカセミロ、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のオスカル、コバチッチ、アセンシオと全員、MFが決めたもので、ベイルもベンゼマもゴールがないというのはどうしたものか。ただまあ、奇遇にも当人の得点と、同日にあったフランス・スーパーカップでエムバペが火を噴かず、モナコがPSGに1-2と惜敗したのが重なって、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)に続くFWは彼でいいんじゃないかという意見が出て来るぐらい、アセンシオはゴールが期待できる選手なんですけどね。 ▽それなら1億8000万ユーロ(約235億円)という超高額移籍金も節約できることですし、クラシコ翌日の日曜をオフにした後、月曜にシカゴに移動。あちらで木曜午前3時(日本時間同午前10時)キックオフとなる、アメリカ遠征最後のMSLオールスター戦を終えて帰国するチームにロナウドが合流すれば、決定力についてはまた別の話になると思いますけどね。何はともあれ、「Lo importante es estar bien el dia 8/ロ・インポルタンテ・エス・エスタル・ビエン・エル・ディア・オチョ(大事なのは8日にいい状態でいること)」とジダン監督も言っていたように、マケドニアのスコピエで開催される今季最初の公式戦、UEFAスーパーカップのマンチェスター・ユナイテッド戦までにはPK練習をよくしておくだけでなく、もっと調子全体が上がっているといいんですが。 ▽え、バルサの方では、バルベルデ監督は「数日前と彼の立場は同じ。Espero que siga asi/エスペロ・ケ・シガ・アシー(このままなのを期待している)」と言っていたものの、クラシコの後、バルセロナに戻るチームメートと別れ、中国での商業イベントに向かったネイマールの移籍話題ばかりだったけど、それが飛び火して、後釜候補にアトレティコのエースの名も上がっていなかったかって?いやあ、確かにネイマールが2億2000万ユーロ(約287億円)で売れれば、契約破棄金額1億ユーロ(約131億円)のグリースマンを獲得するぐらい全然、余裕ですけどね。当人は自身のツィッターにひょうきんなビデオ(https://twitter.com/AntoGriezmann/status/891600668443762688)を残し、月曜にはシメオネ監督に招集された28人のチームメートと一緒にミュンヘン入り。 ▽ゴール日照りはそれこそ、お隣さんの比ではない彼らのため、この火曜午後5時45分(日本時間翌午前0時45分)からのアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)準決勝ナポリ戦、バイエルンかリバプールのどちらかと戦う決勝or3位決定戦でプレーする気満々のようなのは、本当にありがたいかと。2日間の連戦になるため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)も駆り出されての大所帯で行ったチームでは、恥骨炎の手術後のリハビリ中のガメイロとU21ユーロ参加で先週、金曜に戻って来たばかりのサウルだけがお留守番。どうやら後者は若輩ながら、チームの誰より遅くプレシーズン開始となったため、バケーション中も鍛錬は怠ってなかったアピールをしたかったんでしょうかね。上半身裸でリフティングの妙技を披露するビデオ(https://twitter.com/saulniguez/status/891747940720664577)をアップしていたので、お暇な方は見てやってください。 ▽そしてマドリッドの弟分チーム、レガネスは土曜のプレシーズンマッチ、タラベラ(2部B)戦にもルベン・ペレスとアリバスのゴールで0-2と勝って3連勝。今週は水曜にバジャドリッド、土曜に昨季はヘタフェに置いてけぼりを喰らったもう1つの弟分、ラージョとハードルを上げて、2部のチームと対戦するんですが、このプレシーズン、地元の練習場を1度も離れず、親善試合の相手も日帰りで済む近隣ばかりが選ばれている辺りを見ると、やっぱり他と比べて、かなり経費制限がかかっているような。まあ、シーズンが始まれば否応なく、アウェイ戦に行かないといけませんからね。クラブも回せるお金はできるだけ補強に充てて、1部2年目も残留をブタルケで祝いたいということでしょうか。 ▽え、そんなレガネスでさえ、先週私が練習を見に行った折にはTVカメラが1台、記者も4、5人いたというのに月曜のヘタフェのセッションにはクラブ付カメラマン以外、ファンしかいなかったというのは悲しくないかって?いやあ、これはクラブのホームページに出る予定表(http://www.getafecf.com/PrimerEquipo/Entrenamientos.aspx)のせいもあって、当日、私が家を出る時点でも先週分のまま。直前まで「Sin confirmacion/シン・コンフィルマシオン(未定)」の場合も多いんですが、ただ、今までの私の経験と勘で、朝7時45分からなんてけったいなことをするのは練習後、土日の休みをできるだけ長くとりたい時のアトレティコぐらい。 ▽大抵は10時とか、10時半、シーズン中などは11時ぐらいから始めるのがどこのチームでも一般的なのはわかっていましたし、別に練習全部を見る必要もありませんからね。10時半頃にメトロ(地下鉄)のLos Espartales(ロス・エスパルタレス)駅に着くようにしたら、この日は大当たり。コリセウム・アルフォンソ・ペレスの脇を通ってシウダッド・デポルティボ(練習場)に着くと丁度、ジムを終わって、グラウンドで選手たちが動き始めたところでしたっけ。 ▽ちなみにトレーニングの方はプレシーズンらしく、ロンド(輪になって中に入った選手がボールを奪うゲーム)、ピッチを斜めに横断するランニング10本、2グループでのミニゲーム、腰をゴムで引いてもらってからミニハードル、そしてボールを持って障害を越えてシュートといった、フィジカル中心のメニューでしたが、なかなか皆ゴールにならない中、2本も続けてゴールを入れていた柴崎選手はボルダラス監督に好印象を与えられたかも。 ▽いえ、コーチ陣には「Gaku, Gaku」とよく声をかけてもらっていたものの、まだあまりチームメートと親しく話す様子は見られなかった本人は練習後、さっさと行ってしまったため、声をかけるタイミングを逃してしまったんですけどね。監督によると、「今は選手たちに時間を配分して与える時期」とのことなので、先週あったキャンプ地オリバ(バレンシア州にあるゴルフ&ビーチリゾート)でのアルコジャノ(2部B)同様、この水曜午後7時、練習場で対戦するアトレティコ・バレアレス(2部B)との親善試合でもその雄姿が見られる可能性は高いかと。 ▽しかもその試合、入場自由でタダと言われれば、もう見に行くしかないかと思いますが、今の時期、スペインのこの時間はまだ日が高く、気温も36度とかになるため、飲料水は必須。日影があるのかも不明なので、観戦するだけで相当、体力の消耗を覚悟しないといけません。ちなみにその日は丁度、練習の後、またしてもファイサル(デポルから移籍のMF)、ジェネ(同アルコルコン、昨季はベルギーでプレーしていたDF)、そしてアトレティコから2度目のレンタルとなるCBベラスケスの集団プレゼンがあったおかげで、プレスルームで涼めた私でしたが、スポーツディレクターのラモン・プラネス氏の話ではクラブはあと2、3人、アタッカーを補強する予定だとか。 ▽マドリーのボルハ・マジョラル(昨季はボルフスブルクにレンタル移籍)なども候補に入っているようですが、柴崎選手のライバルになるトップ下系のプレーヤーも来るのかはまだ不明。まあ、どちらにしろ、チームにはパチェコやポルティージョら、昇格に大いに貢献したメンバーもいて、彼らは練習場やスタジアムの駐車場出口で待つファンたちから大人気。それと肩を並べるにはとにかく試合で実績を積み上げるしかありません。 ▽そうそう、放出予定選手について話したプラネス氏は「昨季、あまり貢献できなかった選手はもう出した。Es evidente que el hecho de estar en Primera, con el nivel mas alto, haga que salgan/エス・エビデンテ・ケ・エル・エッチョー・デ・エスタル・エン・プリメラ、コン・エル・ニベル・マス・アルトー、アガ・ケ・サルガン(レベルの高い1部に上がったのだから、そうせざるを得ない)」とコメント。要はこれって、昨季の柴崎選手は2部のテネリフェでプレーしていても、1部でやれる能力があると見なされてヘタフェに迎えられたってことですから、きっと、大きな期待が懸かっていると解釈していいんですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.01 10:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】夜型になってしまう…

【原ゆみこのマドリッド】夜型になってしまう… ▽「真夏のクラシコは時間が遅くてイヤよね」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、いえ、アメリカでプレーするインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏の国際親善大会)の試合が、ヨーロッパでは真夜中の時間帯に当たり、今季初のレアル・マドリーvsバルサ戦も日曜午前2時(日本時間同9時)からキックオフなのはすでにわかっていたからいいんですけどね。この日、ようやくはっきりしたクラシコ第2弾、8月のスペイン・スーパーカップもカンプ・ノウでのida(イダ/1stレグ)が13日の午後10時(日本時間翌午前5時)、サンティアゴ・ベルナベウでのvuelta(ブエルタ/2ndレグ)に至っては16日午後11時(翌午前6時)にスタート。これって、メトロ(地下鉄)の終電に間に合わず、タクシーも30分以上、歩いてスタジアムから離れないと捕まえられなかった、何年前かのスペイン・スーパーカップと同じパターンになりかねないかも。 ▽まあ、そのマドリーについてはまた後でお話ししますが、今週前半の私はアトレティコもメキシコ遠征、ヘタフェもオリバ(バレンシア州にあるゴルフ&ビーチリゾート)に行ってしまったため、もう1つのマドリッドの弟分、レガネスを偵察してくることに。いやあ、実は練習場を発見するというのは彼らが1部に上がった昨年夏からの自分の課題で、その時は施設のウェブページについていたgoogleマップに沿って着いた先が何故か、ヘタフェのセントロ(中央部)だったり、経路案内にあったバスに乗ってみたところ、降りる場所がわからず、終点のレガネス・セントラル駅まで行ってしまったりと目的を達成できず。 ▽そこで今年は昨季のブタルケ(レガネスのホーム)での試合の後、クラブの広報が「あそこに見えるカルフール(大型スーパー)の向こうだよ」と教えてくれたのを頼りに、月曜の午後6時30分からの練習を目指して、セルカニス(国鉄近郊路線)のzaraquemada(サラケマダ)駅から歩きだしたんですが、太陽に焦がされながら、広大な商業施設の敷地を外側から一周してもそんなものはまったく見当たらず。結局、ブタルケに戻ってしまい、丁度、出くわしたカンテラ(ユース組織)の用具係さんに「その先のautopista(アウトピスタ/高速道路)を超えないといけない」と聞いた時点で力尽き、その日はすごすご、撤退することに。 ▽翌朝にも9時から午前練習があったため、これは一体、何なんでしょうかね。去年はスマホのgoogleマップに施設名のInstalacion Deportiva Butarque(インスタラシオン・デポルティーバ・ブタルケ)を入れてもヒットしなかったのが、今は駅からの経路も見られるのに気づき、再びチャレンジしたところ、いや、その高速道路、歩いて渡れる気配がないんですよ。いくら、通りすがりの地元の人に「よおく周りに注意して車を避けて行くんだ」なんて言われたって、無理なものは無理。結局、高速道路とのロータリーを超えてくれるバスに乗る羽目になったんですが、ようやくたどり着いたレガネスの練習場はかなり衝撃的でしたっけ。 ▽だってえ、そこは市営のかなり古くなった総合スポーツ施設で、隣のコートではテニスサークルみたいな女子たちが準備運動中。兄貴分のマドリーやアトレティコなどは言うまでもなく、昨今ではラージョ(2部)ですら、立派なシウダッド・デポルティボ(練習場)を持っていることを考えると、驚きが止まりませんでしたが、セッション後は選手たちが施設の入り口に近くにあるロッカールームへ歩いて戻るため、アクセスの良さでは同じ1部の弟分と似ているかも。とはいえ、ヘタフェでさえ、選手が用具のあと片付けまで手伝っているのは見たことありませんでしたけどね。折しも翌日、RMカスティージャ(マドリーのBチーム、2部Bでプレー)とのプレシーズンマッチでバルデベバス(バラハス空港の近く)のエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノを訪ねたレガネスですが、もしや、あまりの環境の差に人生の不公平さを感じたりはしなかった? ▽でも大丈夫。この試合、私もいつの間にか、カンポ・デ・ラス・ナシオネスからLa Feria de Madrid(ラ・フェリア・デ・マドリッド)に名前が変わっていた駅から30分歩いて見に行ったんですが、こちらも途中で高速道路を超えないといけないものの、歩道付きの陸橋があるため、手前のロータリーを横切る時、入って来る車にさえ気をつければ十分、渡れるというはともかく、レガネスはサッカーの優劣は経済格差に比例しないということを立派に証明。ソラリ監督率いるカスティージャにはほとんどチャンスを与えず、前半37分にハビ・ゲラがヘッドで、後半38分にもコネが決め、両FWのゴールで0-2と快勝することに(http://videopdapp.realmadrid.com/2017/07/26/93b58b3b-78ac-4574-b337-cb88a4134740_1000k.mp4)。 ▽え、2つもカテゴリー差がある上、相手は7日前に練習を開始したばかり。更に8人程、トップチームのロサンジェルス・キャンプに駆り出されている事情を考えたら、もっと得点差がついても良かったんじゃないかって?そうですね、ただレガネスはその日の午前中も練習をしていますし、アシエル・ガリターノ監督も「No deja de ser un entrenamiento de calidad/ノー・デハ・デ・セル・ウン・エントレナミエントー・デ・カリダッド(質の高い練習にすぎない)」と言っていましたからね。おまけに今週も彼らはグンバウ(バルサB)、マウロ・デ・サントス(エイバル)、エラソ(アスレティック)、シャンパーニュ(オリンポ)と補強が次々と到着。チーム再構成の真っ最中となれば、フエンラブラダ(2部B)戦に続いて2連勝というのは褒めてあげていいかと。 ▽というのも実はその夜、というか、翌日早朝、アメリカでのプレシーズンマッチ第2戦に挑んだマドリーが先日のマンチェスター・ユナイテッド戦に続き、マンチェスター・シティにも負けて、連敗してしまったから。おまけに今度はPK戦で負けるなんて生ぬるいものでなく、後半7分、CKからオタメンディに決められたのを皮切りにスターリング、ストーンズ、ブラヒム・ディアスにゴールを奪われる始末で、終了間際にグティ監督率いるフベニルA(カスティージャの下のユースチーム)から、抜擢されて参加していた19歳のオスカルがミドルシュートで1点を返すに留まっただけ。 ▽そう、1-4の大敗となれば、ジダン監督も「Hemos bajado la intensidad y el partido fue como fue/エモス・バハードー・ラ・イテンシダッド・イ・エル・パルティードー・フエ・コモ・フエ(ウチはプレーの強度を落としてしまい、あんな試合になった)。結果は悪いが、悪いゲームではなかったよ」と呑気にしている場合ではないかと。 ▽うーん、このロサンジェルス・メモリアル・コリセウムでの一戦ではユナイテッドの時より少し遅れて、後半15分に選手の総取っ替えがあったんですけどね。その直前から点を取られ始めているため、カルバハル、ナチョ、バラン、マルセロの先発DF陣も後を継いだアシュラフ、テヘロ、バジェホ、テオらも同程度にミスがあったよう。幸い、試合時間が時間だっただけに、私同様、この試合を見た人が少なかったか、特にスペイン国内で批判は上がっていないものの、次の相手は宿命のライバル、バルサですからね。いくらマドーはBBCM(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウド、エムバペの頭文字)どころか、まだロナウドがバケーション中のため、BBCすら揃っていないとはいえ、シティ戦のようにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を許すようなことがあれば、それこそ何を言われることやら。 ▽いえ、一応、シティのグアルディオラ監督は「彼らからボールを奪うのは大変だし、イスコ、モドリッチ、カセミロ、コボチッチといった質の高い選手たちの前でプレーするのは凄い努力がいる」と持ち上げてくれてはいたんですけどね。これも最後は「El Madrid nunca juega mal, fuimos muy buenos nosotros/エル・マドリッド・ヌンカ・フエガ・マル、フイモス・ムイ・ブエノス・ノソトロス(マドリーは決して悪いプレーはしない。ウチがとても良かったということだ)」と自画自賛になっていたのは何ともはや。 ▽それでも金曜にマイアミに移動する前、UCLAのグラウンドで最後となったセッションでは右耳の状態が良くなく、試合に出ずにずっと個別練習だったセルヒオ・ラモスも合流し、シティ戦を右足首ネンザで欠場したクロースもバルサ戦には出られるかもしれないため、あまり悲観はしたくないんですが…ここまでユベントス、ユナイテッド戦で3得点とチーム全てのゴールを挙げ、2連勝に貢献しているネイマールが丁度、金曜の練習中に新加入のセメド(ベンフィカから移籍)に腹を立て、自主早退したなんてトラブルもあったようですし(https://www.youtube.com/watch?v=9i7Zap0TRc8)、いっそPSG電撃移籍決定なんて、土曜中にはムリですかねえ。 ▽え、ここまで無視されているようだけど、アトレティコも水曜早朝にはトルーカとこの夏、最初の親善試合があったんだろうって?いやあ、頑張って、午前3時のキックオフから、前半だけは私も見たんですが、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)からも伝わってきた通り、あまりの点の取れなさ感に後半はリタイア。起きてみると案の定、スコアレスドローだったため、正解だったことが判明したんですが、シメオネ監督は「今はプレシーズンの大事な時期で足が疲れているのがわかる。Nuestro primer objetivo es reforzar el bloque/ヌエストロ・プリメール・オブヘティボ・エス・レフォルサル・エル・ブロケ(ウチの最初の目標はチームの核を強くすること)。その先は試合に勝つという大事なことに個人個人の力で応えてくれるだろう)」と、あくまで楽観的。 ▽まあ、相手を零封できましたし、ヒザの靭帯断裂で昨季をほぼブランクで終えたアウグストが復帰するなど、収穫がなかった訳ではないですけどね。メキシコシティが海抜2600メートルと身体的に厳しい場所だったこともありますが、それにしても帰国して木曜夕方と金曜早朝7時45分から、マハダオンダ(マドリッド近郊)で行われた2セッションでは監督がゴールを入れろと選手たちを何度も叱咤。やっぱり本音はそんなところではないかと思いますが、実は1つだけ朗報もあったんです。それはサウルが3日程、予定を早めて姿を見せたことで、何せ、木曜朝のシティ戦には6月にU21ユーロを一緒に戦ったアセンシオ、セバジョス、マルコス・ジョレンテ、バジェホ、マジョラルらもマドリーのユニを着て、もうプレーしていましたからね。 ▽いくらその大会で得点王になったとて、金曜にようやくマドリッドに戻って来たロナウド並の待遇は恐れ多いと当人が気づいたか、自主的に練習を始めたようですが、もちろん来週火曜水曜にあるアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)には間に合う訳もなし。8月11、12日にヘタフェ、レガネスと続くマドリッド兄弟チーム親善対決辺りにでもチラと顔見せができればいい方でしょうが、いやあ、MFのゴールまでアテにしないといけないとはグリースマン、フェルナンド・トーレス、コレア、ビエットら、まだ恥骨炎の手術からのリハビリをしているガメイロを除いたFWたちは一体、何をしている? ▽今更、愚痴っても仕方ありませんけどね。移籍が決まりそうでまだ決まらないジエゴ・コスタ(チェルシー)もようやく、バケーション中に太りやすい体質なのを思い出したか、この2カ月でついた贅肉を落とすために自主トレを始めたようですが、どちらにしろアトレティコでプレーできるのはFIFA処分が済んだ来年1月から。丁度、私が金曜に売店で見つけたアトレティコ専門誌、「Diario La Grada(ディアリオ・ラ・グラダ)」に載っていたインタビューで、バカンスは彼女とメキシコのリビエラ・マヤで過ごしたというコケも「1月に来る▽選手たちがチームをより強くしてくれるだろうけど、hasta entonces tenemos que dar la talla para que no se nos escape ningun objetivo/アスタ・エントンセス・テネモス・ケ・ダール・ラ・タジャ・パラ・ケ・ノー・セ・ノス・エスカペ・ニングン・オブヘティボ(それまで1つも目標を取り逃がすことないよう、ボクらが実力を示さないと)」と言っていたように、今いるメンバーで早くゴールも入るようになるといいんですが…。 ▽そして最後に現在、オリバでキャンプ中のヘタフェも金曜夜、アルコジャノ(2部B)と最初のプレシーズンマッチに挑んだんですが、結果は1-1の引き分け。昨季の昇格メンバー中心でプレーした前半は点が入らず、後半10分にはアルバロ・ヒメネスのゴールで先制したものの、その7分後に追いつかれると、勝ち越し点は奪えませんでした。ちなみに柴崎岳選手も後半頭から出場したんですが、このランクの親善試合になると、普通のTV中継はもちろんなく、マルカ(スポーツ紙)のマッチログも大雑把なんですよ。以前、AS(マルカの競合紙)のヘタフェ番記者からは現地には行かず、地元のラジオに電話してレポを書いているなんて話も聞いたこともありますしね。よって、細かなことはまだよくわかりませんが、土曜の朝ぐらいにはヘタフェのホームページ(http://www.getafecf.com)にビデオが出るかも。そんなヘタフェも来週はマドリッドに戻って練習となるため、もっと情報が増えることを期待しています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.29 08:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】まだ足慣らしだから…

▽「赤字でもいいんだ」そんな風に私が電卓を叩きながら考えていたのは火曜。レアル・マドリーがモナコのムバッペ獲得に1憶8000万ユーロ(約235億円)を払う用意があると聞いた時のことでした。いやあ、ちょっと前に言われていた移籍金1憶3000万ユーロ(約169億円)から、急激に値上がりしていたのにも驚いたんですけどね。この額って、ほとんどクリスチアーノ・ロナウドとベイルを獲得した時の金額を合わせたぐらい。昨今、賃上げとは縁のない一般庶民には想像もつかない高騰ぶりですが、その一方でこの夏、マドリーが選手売却で稼いだのは1憶2800万ユーロ(約167億円)程。 ▽8000万ユーロ(約104億円)でチェルシーへ行ったモラタを筆頭に先日、ロサンゼルス市内に滞在していたマンチェスター・シティのホテルに河岸を変えたダニーロも3500万ユーロ(約46億円)、プレシーズン開始直前にバイエルンへの2年レンタルを決め、覚えめでたいアンチェロッティ監督の下で巻き返しを図ることにしたハメス・ロドリゲスからも1000万ユーロ(訳13億円)程、収入があるそうで、後はリヨンに移ったマリアーノの分という内訳になりますが、すでにテオ(アトレティコから移籍)、セバージョス(同ベティス)の獲得でクラブは契約破棄金額を超える移籍金を払い、計4600万ユーロ(約60億円)は使っていますからね。 ▽となると、8200万ユーロ(約107億円)しか残ってないことになりますが、それでもモナコにそんなに払えるのなら、カゼミロも「Por qué no jugar aquí en el Real Madrid? Sería bienvenido/ポル・ケ・ノー・フガール・アキー・エン・エル・レアル・マドリッド?セリア・ビエンベニードー(どうしてレアル・マドリーでプレーしない? 歓迎されるよ)」と言っていたように、2億2200万ユーロ(約287億円)をバルサに払って、いっそネイマールを獲った方が確実な気も。まあ、両者は移籍金だけでなく、その後の年棒がムバッペは700万ユーロ(約9憶円)、ネイマールは3000万ユーロ(約39億円)とかなり違いますからね。 ▽同じフランス人ということで、ジダン監督がムバッペを気に入っていることもあるでしょうが、ただ、昨季のCLやモナコのリーグ優勝でブレイクしたとはいえ、リーガ・エスパニョーラは当人初体験。まだ18歳の選手にここまで高額の値段がつくのに何の疑問の声も上がらないというのは、去年も今年もサンティアゴ・ベルナベウでメガプレゼンがなく、フラストレーションの溜まったマスコミの、とにかく大型移籍でこの夏を盛り上げたいという思惑が隠れている? ▽え、まだバケーション中でアジア商業ツアーに出ているロナウドを含め、今、チームにいない選手の話をするより、UCLAでのプレシーズン第1フェーズを終えたマドリーがどんな状態なのか知りたいって? そうですね、彼らが同じカリフォルニア州のサンタ・クラーラにあるリーバイス・スタジアムでインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏に行われる親善大会)の初戦に挑んだのは先週の日曜。相手はかつての指揮官、モウリーニョ監督率いるマンチェスター・ユナイテッドだったんですが、実はこれ、8月8日にマケドニアのスコピエで行われるUEFAスーパーカップと同じカードなんですよ。 ▽それもあって、どちらの監督もイロイロ考えたんでしょうね。まず前半にほぼtitulares(ティトゥラレス/レギュラー)を並べたマドリーに対し、相手はポグバやルカク、GKデ・ヘアらをsuplentes(スプレンテス/控え)にしてスタートすることに。それでもプレミアリーグがスペインより早く、8月第2週の週末に開幕することもあり、プレシーズンマッチもこれが4試合目というユナイテッドが押し気味な展開だったんですが、時折、見られたベイル、ベンゼマ、モドリッチ、イスコ、クロースらが信じられない程、器用にワンタッチでボールを繋いでいく姿にはもう、呆気に取られるばかり。さすが2年連続CL優勝を果たしたメンバー、そんじょそこらのチームとはテクニックの高さが比べ物になりません。 ▽ただ、やはり今季最初の試合ということで、チームの最大の売り、決定力がどこか欠けていた彼らは先制点を挙げることができず、それどころか、前半終了間際には左サイドからマルティアルに突破を許し、ガラ空きのゴール前にラストパスを送られると、リンガードに決められてしまったから、さあ大変! それにも関わらず、後半、ジダン監督は予定通り、11人を総取っ替え、カゼミロ、コバチッチ、そして昨季アラベスで修業してきたテオ以外、全員RMカスティージャ(マドリーのBチーム、リーガ2部B)とフベニル(その下のユースチーム)の選手を並べてしまったとなれば、もう見ているこちらも何を期待していいものやら。 ▽ところが69分、コバチッチのスルーパスを追ったテオがエリア内でリンデロフに倒されるというグッジョブで移籍後、初出場にして貢献。これで得たPKをマルセロからキャプテンを引き継いだカゼミロが決め、何とか同点に追いついたマドリーでしたが、そこまでが限界でしたね。後からピッチに入ったユナイテッドの精鋭を前に無得点に抑えたのは褒めてあげるべきでしょうが、勝ち越し点は奪えません。それこそ、ジダン監督も試合前、「Con Morata eramos mejores, nos falta un delantero/コン・モラタ・エラモス・メホーレス、ノス・ファルタ・ウン・デランテーロ(モラタがいた方がウチは良かった。FWが1人足りない)」と言っていた現状を図らずも暴露することになりましたが、それにしても前代未聞だったのは1-1で90分が終わり、突入したPK戦。 ▽だって、最初の2人から、ユニテッドはマルシャルが枠外、マクトミネイがGKカシージャに止められた一方、マドリーもコバッチッチ、カンテラーノのオスカルとデ・ヘアに連続して弾かれる始末で、3人目になって、ようやくムヒタリアン、ケサダとゴールになったんですが…。続いたリンデロフはカシージャが阻止、テオに至っては、さすがアトレティコ出身と言うべきか、大きく外してしまいます。最後はユナイテッドのブリンドが成功し、マドリー最終キッカーのカゼミロがボールをバーに当ててしまったため、1-2で負けたって、古今東西、滅多にお目にかかれないぐらい低レベルのPK戦じゃないですか。 ▽うーん、この時もモウリーニョ監督がポグバとルカクをキッカーに選ばなかったのはタイトルの懸かった対戦を控えて、マドリーに情報を与えたくなかったからという感じもしないではありませんけどね。ジダン監督もジダン監督で、それこそゴールが入らなくて負けたというのに、今度は「No voy a pedir nada/ノー・ボイ・ア・ペディール・ナーダ(補強を頼むつもりはない)。会長とは話しているし、今ここに来ている選手は28人。その働きぶりに満足している。後は8月31まで何でもありだからね」なんて、呑気に言っているんですもの。ちょと!! どんな試合でも勝たないといけないのは一体、どこのチームでしたっけ? ▽ただ、ゴール数の面では、火曜のマルカ(スペインのスポーツ紙)がロナウドから、「昨季、ビッグタイトルを自分のクラブと個人的にも獲れたのは最高だった。Hacerlo otra vez estaría bien/アセールロ・オトラ・ベス・エスタリア・ビエン(またそれをやるのもいいかも)」というコメントを聞いたと報じ、残留がほぼ決定的になったと見なされていますから、それ程、心配はないんでしょうけどね。その日はキャンプに1週間遅れて合流した上、右耳の聞こえが良くないため、ほとんど全体練習ができていないセルヒオ・ラモスがおらず、先週金曜に加わったばかりのU21ユーロ・スペイン代表組がUCLAのグラウンドでフィジカルトレーニング中という事情もあったため、まあ、初戦黒星も許容範囲ってことでしょうか。 ▽ちなみにこの先、マドリーは木曜午前5時30分(日本時間同12時30分)から、ロサンゼルス・メモリアル・コリセウムでマンチェスター・シティと対戦した後、日曜にはバルサとのクラシコ・アメリカバージョンをマイアミで、更に8月3日にビジャ(ニューヨーク・シティ)やカカ(オーランド・シティ)もファン投票で選抜されているMSLオールスターチームとの試合をシカゴでこなして帰国予定。月末には脱税容疑でマドリッドの法廷に喚問されているロナウドも、その頃にはバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を始めているはずです。何せ、昨季はCLとリーガの2冠を果たしてしまったため、この夏はスーパーのつく大会が多くて、親善試合は4試合しか組まれていませんからね。しかもアメリカでプレーするため、私も普段、日本でリーガを見ているファンと同じ状況になってしまって辛いんですが、チームの準備状況など、ぼちぼちお伝えできればいいかと。 ▽え、その悪条件は水曜午前3時(日本時間同午前10時)から、メキシコシティでトルーカとのこの夏の初プレシーズンマッチに挑むお隣さんも同じじゃないかって? その通りで日曜深夜にマドリッドを発ったシメオネ監督のチームは月曜に現地に到着。雨模様だったため、体育館を使っての練習しかできず、いきなり本番を迎えるんですが、こちらに新顔の選手がいないのはFIFA処分で登録ができないだけで、決してお金がなくて補強ができない訳ではありません。ええ、実際、ビトロ(セビージャから移籍)になど、ポンと契約破棄金額の4000万ユーロ(約52憶円)を払い、1月の登録期間が始まるまで、ラス・パルマスにレンタルしていますし、コンテ監督期待のモラタは火曜のインターナショナル・チャンピオンズカップ、アジア部門のバイエルン戦でデビュー初ゴールは挙げられなかったものの、ジエゴ・コスタ(チェルシー)もここ2週間のうちには決まりそうだとか。 ▽おまけにそのトルーカ戦を含め、8月1、2日のアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)、ナポリ戦や決勝or3位決定戦、6日のブライトン(昨季プレミアリーグに昇格)戦もGol TVで放送されることがわかったため、アトレティコもスペイン・メディアに見放されている訳ではないとホッとできることに。先日、決まったばかりの12日のレガネス戦はわかりませんけどね。これはセルカニアス(スペイン国鉄近郊路線)を使ってブタルケ(レガネスのホーム)に見に行けばいいだけなので、まあ満員で入れなくない限り、心配はないかと。 ▽ちなみにマドリッド勢で唯一、地元を離れず、猛暑の中、練習に励んでいるこの弟分チームはアトレティコに胸を借りる前、水曜にはRMカスティージャ、その後はタラベラ(3部)、バジャドリッド(2部)、ラージョ(2部)、そしてアラベスとのプレシーズンマッチを予定。この辺はまずTV中継はないのがお約束ですが、それは1年でリーガ1部復帰を果たしたヘタフェも同じなんですよ。ええ、月曜には柴崎岳選手も一緒にバレンシア州のオリバ(ゴルフ&ビーチリゾート)での2次キャンプに出発したチームは金曜にアルコジャノ(2部B)とこの夏、最初の親善試合。土曜にマドリッドに帰還した後は、うーん、まだオフィシャルウェブに出る情報がどこまで信憑性があるのか、私もちょっと不安なんですけどね。 ▽8月2日には、コリセウム・アルフォンソ・ペレスが現在、改修中のせいでしょうか、そのすぐ近くにあるシウダッド・デポルティボ(練習場)でアトレティコ・バレアレス(2部B)戦とあったものの、あそこって確か、スタンドが1面に申し訳程度にあるぐらい。あとの観客は立ち見しろっていうことでしょうか。9日のアルコルコン(2部)戦は相手のホーム、サント・ドミンゴ開催なので、レガネスのようにセルカニアスで行けるため、マドリッドに観光に来ているファンなどにはお手頃かもしれません。そしてリーガ開幕、アウェイでのアスレティック戦前、最後の親善試合は12日、昨季2部に昇格したアルバセテが相手。何せ、ヘタフェはリーガの注目チームでは決してないため、キャンプ中のニュースもほとんど出ませんからね。私も困っているんですが、来週、こちらに戻って来たら、また練習を見に行って、柴崎選手の様子などもお伝えできるかと思います。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.26 14:15 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】柴崎選手には会えたけど…

▽「ようやく試合があるっていうのにこの時間じゃあ」そんな風に私が嘆いていたのは土曜。マドリッド勢のプレシーズンマッチ予定を見ていた時のことでした。いやあ、レガネスやヘタフェら弟分たちは相手が下部カテゴリーのチームのせいもあって、最初からTV中継がないのは予想済み。来週水曜に行われるRMカスティージャ(レアル・マドリーのBチーム、2部B)戦の機会を利用しなければ見る機会がないのはわかっていたんですけどね。問題は大西洋の向こうでプレーする兄貴分たちで、マドリーのプレシーズン初戦、インターナショナル・チャンピオンズカップ(夏に行われる親善大会)のマンチェスター・ユナイテッド戦こそ、午後11時(日本時間翌午前6時)と許容範囲であるものの、何とそれ以外は全て絶望的。 ▽だって、マンチェスター・シティ戦は木曜午前5時30分、アメリカ出張版クラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)も30日午前2時にキックオフなんですよ。いえ、水曜午前3時からメキシコでトルーカに挑むアトレティコなど、どうやら中継自体ないようですけどね。プレシーズンキャンプ終了をじっと待つこと2週間余り、ようやく練習の成果を見せてもらえると思いきや、この調子だと8月1日のアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)ナポリ戦まで、シメオネ監督のチームがどんな風に進歩したか、自分の目で確かめられないってことじゃないですか。 ▽まあ、その辺の愚痴は程ほどにしますが、先週はマドリッドでもイベントが幾つかあって、木曜にはサンティアゴ・ベルナベウでセバージョスの入団プレゼンが開催。このところ、チームはロサンゼルスのUCLAのグラウンドでキャンプ中なため、他に行くところもないマスコミや夏休み中のファン5000人を集めての結構、賑やかな催しになりました。ちなみに弱冠20歳でベティスからマドリー入りを果たした当人は、「No tuve duda por decantarme por el Madrid/ノー・トゥベ・ドゥーダ・ポル・デカンタールメ・ポル・エル・マドリー(マドリーに決めるのに迷いはなかった)。ペレス会長が連絡をくれた時、もう他のオファーは聞かなかったよ」と、自身が本命のチームを選んだことを強調。 ▽それには6月のU21ユーロのスペイン代表でチームメートだったアセンシオの影響もあったようですが、まあ、大変なのはこれからですからね。「me encuentro más cómodo de mediocentro, haciendo jugar a los compañeros/メ・エンクエントロ・マス・コモドー・デ・メディオセントロ、アシエンドー・フガール・ア・ロス・コンパニェロス(自分が一番、やりやすいのはチームメートをプレーさせるボランチ)」というセバージョスのポジションには、バイエルンに移籍したハメス・ロドリゲスの10番を今季から受け継いだモドリッチ、そのクロアチア人後輩のコバチッチ、そしてクロースやイスコとライバルにこと欠かず。自分を勧誘してくれたアセンシオだって、昨季出番が増えたのは後半になってからというのを考えると、当面の目標はベンチ入りになるかと。 ▽加えて、彼の選んだ背番号がかつてイジャメンディ(2013年にU21ユーロに優勝したスペイン代表での活躍が認められ、マドリー入りするが、レギュラーを取れず、2年で古巣のレアル・ソシエダに戻る)がつけていた24というのも気になりますが、翌金曜にはもう当人を含め、アセンシオ、バジェホ(昨季はアイントラハトにレンタル移籍)、マルコス・ジョレンテ(同アラベス)、マジョラル(同ボルフスブルク)ら、U21ユーロ組の5人もペレス会長、今季から執行部アシスタントとなったラウールと一緒にロサンゼルス入り。丁度、入れ替わりのようにモラタのチェルシー移籍が決まったものの、選手32人と大所帯になったようですが、この先もダニーロのマンチェスター・シティ移籍やマジョラルのレンタルリピートがありそうですしね。 ▽あとはこの夏、ずっと獲得が噂されているムバッペでも来れば面白いかもしれませんが、折しも所属するモナコがFIFAやフランス・サッカー協会に契約のある選手に接触するクラブがあると訴えたため、急展開は望めないことに。そうなるとあと足りないのは現在、バケーションを利用して、シンガポール、上海、北京と商業ツアーに出ているクリスチアーノ・ロナウドだけですが、ジダン監督も「al final Cristiano es del Madrid y se va a quedar con nosotros y ya está/アル・フィナル・クリスティアーノ・エス・デル・マドリッド・イ・セ・バ・ア・ケダール・コン・ノソトロス・イ・ジャー・エスタ(結局、クリスチアーノはマドリーの選手だし、私たちのところに残る。それだけだ)」と自信を見せていましたしね。チームがマドリッドに帰還する8月上旬までには練習を始めてくれんじゃないでしょうか。 ▽え、モラタがとうとうコンテ監督のラブコールに応え、マドリーはスペイン人選手最高額の8000万ユーロ(約104億円)の移籍金をゲット。当人が以前、アトレティコとヘタフェのカンテラ(ユース組織)にもいたことから、マドリッドの兄弟分もそれぞれ、80万ユーロ(約1憶円)、20万ユーロ(約2600万円)と育成費用割り当ての恩恵を受けたことは良かったけど、どうしてまだジエゴ・コスタがアトレティコに来ないんだって? うーん、代わりのCFを手に入れたコンテ監督は、「1月にコスタの状況はクラブ、本人、代理人に明確に伝えてあって、私にとってはすでに終わった問題」と全然、引き止める気はないようなんですけどね。イギリスでの報道によると、アトレティコは2700万ユーロ(約35憶円)という、セール値段になったコスタの移籍金の更なるディスカウントを待っているのだとか。 ▽まあ、どちらにしろ、彼の復帰が決まってもFIFA処分で1月からしか試合に出られませんし、それまではビトロ方式(セビージャに契約破棄金額を払って獲得した後、シーズン前半はラス・パルマスにレンタル)でミランが借りたがっているなんて噂もあるため、今すぐどうこうという話ではないんですけどね。チームの方は先週の水曜、プレシーズンキャンプ恒例のセゴビア(マドリッドから1時間の水道橋が有名な古都)にあるレストラン、ホセ・マリアでのcochinillo(コチニージョ/子豚の丸焼き)ディナーも済まし、余りに精がつき過ぎたのか、翌日のpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)ではサビッチがフェルナンド・トーレスから肘打ちを喰らい、鼻血を出す騒ぎもあったロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(セゴビア県にある高原リゾート)滞在もこの土曜で打ち上げ。 ▽そちらでの様子などはフィリペ・ルイスがインスタグラムに載せたビデオなどを見ればわかりますが、それでも最後の紅白戦までスコアレスドローだったなんて聞くと、ちょっと心配になってしまうのは私だけじゃない? ▽何せ、6月の恥骨炎の手術の後、やっとグラウンドでリハビリトレを始められるようになったガメイロと30日に合流予定のサウール以外の選手は皆、日曜夜にはメキシコ行きの飛行機に乗ってしまいますからね。マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場に戻って来るのはまだ先になりますし、金曜にようやく発表された新ユニフォームの売り出しも8月からということで、またしばらく、アトレティコファンはフラストレーションを溜めることになるかも。そうそう、オフィシャルウェブによると、定番ロヒブランコ(赤白ストライプ)に斜めにかかる新機軸の白いラインは紋章にもあるマドリッドのシンボル、熊のかき傷をイメージしていて、強さの象徴だそうですが、今のところ、ファンの受けはあまり良くはないようですよ。 ▽一方、マドリッドの弟分たちではまだ、レガネスの練習を見に行けていない私なんですが、先週は柴崎岳選手の入団が決まったと聞いて、ヘタフェに密着。プレーオフを経ての昇格決定だったため、リーガ1部20チーム中、最後に始まった水曜の初練習に行ってみたところ、マドリーやアトレティコはもちろん、スペイン代表のラス・ロサス(マドリッド近郊)でのセッションでさえ、昨今は開始から15分のみの公開が多いのに比べ、相変わらずオープンな環境に感激すら覚えることに。いえ、コリセウム・アルフォンソ・ペレスの右手の道を下ったところにある練習場でカタ・ディアスやラセン、ホルヘ・モリーナらが汗を流しているのを間近に見て、感動する日本人のファンはあまりいないかもしれませんけどね。 ▽私だって、パチェコやポルティージョ、アルバロ・ヒメネスら、昨季2部にいたチームにレンタル移籍、昇格への貢献を認められて今回、晴れて完全移籍となった選手たちとか、まだしっかり見分けられる訳じゃありませんが、この距離で柴崎選手が練習していたら、絶対、嬉しいファンは多いのでは? 以前と同じで、グラウンドとロッカールームのあるスタジアム間の移動は選手たちもスタッフも徒歩で移動するため、思わず私もサインや写真を頼むファンに混じって、ボルダラス監督にアタックしたところ、柴崎選手のことを訊く前に「日本のサッカーもいいみたいだね。エスナイデルがそっちへ行ったって、クラブの人が言っていたよ」って、え?え?え? ▽そう、昨季、ヘタフェを降格圏に残して途中解任されたエスナイデル監督は現在、ジェフユナイテッド千葉を率いているんですが、いやあ、不勉強な自分が恥ずかしい。ちなみに柴崎選手獲得は「クラブ、フロント、自分たち皆が合意して決めた」そうで、彼にはテネリフェと昇格プレーオフで対決する前から注目していたのだとか。丁度、練習見学で一緒になった顔馴染みのマルカ(スペインのスポーツ紙)のカメラマンは「Un entrenador especial/ウン・エントレナドール・エスペシアル(特別な監督)」と言っていたため、もっと怖いのかと思っていたんですが、ファンにも凄く慕われているようですし、早く柴崎選手も打ち解けられるといいですよね。 ▽そして金曜、いよいよ当人の入団プレゼンがあったんですが、やはりマドリーではなく、ヘタフェですからね。スタジアムに着く早々、正面ゲートの横にあるバル(スペインの喫茶店兼バー)のテラスで彼がお茶していたのも驚きですが、それで思い出したのは数年前、私がもっと足しげくヘタフェに通っていた時代にはそのバルで選手たちが練習前の朝食を取っており、ファンも自由に出入りできていたこと。その習慣、まだ続いていれば嬉しいんですが、さて。実際、会見の方も報道陣が20人程と慎ましいもので、内容は他の記事でもイロイロ、出ているので割愛しますが、折しもその日は先日、汚職横領もろもろの容疑で逮捕されていたスペイン・サッカー協会のビジャル会長が保釈を認められず、収監されていたにも関わらず、2017-18シーズン・リーガの対戦日程組み合わせ抽選会がラス・ロサスの協会本部で開催。 ▽そこへバルサのネイマールのPSG移籍疑惑が重なったため、家に帰って見たお昼の全国放送局スポーツニュースで、まったく柴崎選手入団に触れられていなかったのはちょっとショックだったかと。うーん、彼も今週、月火水にあったプレゼンに出た選手たち同様、現在改装中のため、ピッチにユニフォーム姿で立つことはできず、正面ゲートのホールでファンに歓迎を受け、それからすぐにチームが合宿しているセゴビアに向かったんですけどね。その初めての練習風景などもTVはもちろん、スポーツ紙のサイトでもまず見かけないため、様子を知るにはヘタフェのオフィシャルウェブぐらいしか、頼りようがないのはちょっと悲しいかも。 ▽土曜までのこのミニ合宿が終わっても、月曜からチームはオリバ(バレンシア州にあるゴルフ&ビーチリゾート)に行ってしまいますし、そちらではビジャレアルBと金曜に親善試合を行って、土曜まで滞在。その後はおそらく、地元での練習になるはずですが、何せ1部復帰決定からあまり時間がなかったため、その先のプレシーズンマッチ予定もまだ正式には決まってないとか。とりあえず、8月9日には2部のマドリッドの弟分、アルコルコンとの試合があるみたいですけどね。チームの始動自体が遅かったため、練習に参加したばかりの柴崎選手もここ連日、トップ下のファイサル(デポルティボと契約破棄して移籍)、左SBアントゥネス(ディナモ・キエフからレンタル)、GKマノイロビッチ(ツベルナ・ズベズダから移籍)と次から次へと決まる新入団選手たちも、昨季からのメンバーも身体的条件はほぼ同じ。 ▽それだけにボルバラス監督のお眼鏡に叶えば、すぐに出場できるんじゃないかと思いますが、何よりもファンが見たいのは8月第3の週末にあるリーガ開幕、アスレティック戦でサン・マメスに立つ彼の姿かと。ヘタフェの今季ホームデビューはその翌週のセビージャ戦になりますが、いやあ、夏って結構、早く過ぎていくもんですよねえ。ちなみにその他の第1節、マドリーはアウェイのデポルティボ戦で、ワンダ・メトロポリターノの用意が整うよう、3節までアウェイ続きとなったアトレティコは昇格組のジローナと対戦、そしてレガネスだけがホームのブタルケにアラベスを迎えることに。気の早いファンはもう、クラブW杯直後12月20日の週末にあるサンティアゴ・ベルナベウでのクラシコ、新スタジアムで11月19日の週末にあるマドリーダービーなど、チェック済みかと思いますが、リーガの日程がわかると俄然、旅行の計画を立てるのが楽しくなりますよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.23 13:55 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】マドリッドに来る楽しみが増えた…

▽「何だかいい迷惑よね」そんな風に私が怒っていたのは火曜。お昼のスポーツニュースがほとんどスペインサッカー協会のビジャル会長他複数幹部の逮捕の話題で終わってしまった時のことでした。いやあ、先週はレアル・マドリーもアトレティコもそれぞれのキャンプ地に到着。前者はアメリカのロサンジェルス、後者はセゴビアのロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でプレシーズンのトレーニング中なのをいいことに、私もバケーション旅行を満喫しています。サッカーとはまったく関係のない1週間を過ごしていたため、まさかマドリッドに戻る早々、それもバラハス空港でスーツケースが出て来るのを待っていた午後11時過ぎに柴崎岳選手がヘタフェ加入決定のニュースを知って驚いたものでしたけどね。 ▽だったら当然、翌日のTVで取り上げられるはずと期待していたんですが、いやいや、何とも間が悪い。汚職横領文書偽造、その他もろもろの容疑で朝から治安警察中央部隊がここ27年間、スペインサッカーのトップに立っているビジャル会長の自宅やその息子でスポーツ専門弁護士、CONMEBL(中南米サッカー連盟)のディレクターも務めるゴルカ氏の事務所に急行。お昼過ぎにはラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会本部にビジャル会長が連行され、立ち合い捜査となったため、いえ、マドリーやバルサの最低限の映像はあったんですけどね。時期も時期、木曜の2017-18シーズン・リーガ対戦日程抽選会は開催延期となったものの、現在ではどのクラブも戦力補強の動きが加速。こうも連日、何件も移籍があるのでは、いくら日本のファンたちが心待ちにしていた柴崎選手の4年契約が決まったとて、スペインマスコミで大きな話題にならないのは仕方ない? ▽実際、6月24日まであった昇格プレーオフ決勝で柴崎選手のいたテネリフェを破り、たった1年で辛い2部生活に別れを告げたマドリッドの弟分チームにしても今週は新入団選手のプレゼンラッシュですかね。ただ月曜のFWアンヘル・ロドリゲス(2部サラゴサから移籍)、DFブエノ・ゴンサレス(ベティス)らは本当に初めてのヘタフェなんですが、火曜に登場したアルバロ・ヒメネス(RMカスティージャ)、ダニ・パチェコ(ベティス)は昨季もレンタルでプレー。後者などテネリフェとの2試合で3得点と、まさにプレーオフ優勝のヒーローでしたっけ。そしてこの日の新顔は、マルケル・ベルガラ(ラス・ソシエダからレンタル移籍)だけで、1部チームで最後のプレシーズンスタートとなる水曜も完全移籍が決まったチュリ(アルメリア)とポルティージョ(ベティス)のプレゼンなんですよ。 ▽そして金曜、いよいよ待望の柴崎選手のプレゼンが開かれるんですが…。うーん、水曜夕方の練習後、チームはセゴビアに移動しちゃいますからね。そちらは土曜までの短い滞在で、月曜からはバレンシア州のオリバ(スペイン南東部のビーチリゾート)でキャンプと日程はわかるんですが、ヘタフェの広報部長に訊いても「全然、話の出てなかった移籍で私たちも突然聞いたの。まだ柴崎がいつ練習に合流するかもわからないわ」とのこと。それでもスタジアムが改装中のため、恒例のピッチでのユニフォーム姿披露がなく、正面ゲートに何となく誘導されてきたパチェコやアルバロにサインをねだっていた若いヘタフェファンたちが柴崎選手入団のことをもう知っていて、「プレーオフで見たよ。上手いし、絶対、1部でエギュラーを取れる選手だ」と太鼓判を押してくれたのは私も嬉しかったかと。 ▽ちなみに29日にその第2次キャンプも終わった後、次の週辺りからはスタジアムから5分程、下ったところにある練習場でセッションをやるんじゃないかと思いますが、さて。まだ新シーズン用になっていませんが、ヘタフェの練習予定はオフィシャルサイトに出るはずなので、夏休みでマドリッド観光に来る機会があれば、タイミングを合わせて、柴崎選手を見に行っても楽しいかも。8月の第3週週末近辺には兄貴分のアトレティコや今季、マドリッド第3のチームの座を争うことが宿命づけられているレガネスとの親善試合も予定されているようなので、それについてはまた日付が正式に決まったら、お知らせしますね。 ▽え、1部に復帰したばかりのヘタフェでも外にキャンプに出るのに、1部2年目となるレガネスが猛暑のマドリッドを1度も離れないのは変わっていないかって? そうですね、お金がないからなのか、アシエル・ガリターノ監督の方針なのかは知りませんが、確かに彼らは昨年の夏もどこにも行かず。ブタルケ(レガネスのホーム)からちょっと、歩いたところにあるらしい練習場で頑張っているんですが、私が見学に行くのにネックとなっているのはスタートが午前9時と早いこと。 ▽何せ、こちらもセルカニアス(スペイン国鉄近郊路線)C-5線のZaraquemada(サラケマダ)駅から徒歩15分と、セントロ(マドリッド中心部)から時間がかかりますからね。夕方セッションのある日に行ってみたいものですが、そんな彼らも今週は水曜、木曜、金曜と連続プレゼン。左SBラウール・ガルシア(アラベスから移籍、元アトレティコでアスレティックの選手と同姓同名だが別人)、右SBザルドゥア(レアル・ソシエダからレンタル移籍)、GKクエジェル(スポルティングから移籍)の順番になりますが、もう22日からは親善試合もスタートするとか。対戦相手はRMカスティージャ(2部B)だったり、バジャドリッド(2部)だったり、今季も1部復帰を目指すラージョだったりと地味なものの、1部2期目となれば他のチームの見る目も違ってきますからね。今季はもう少し早めの残留確定ができるよう、しっかり準備してくれたらと思います。 ▽一方、FIFA処分のせいで新入団選手プレゼンとは縁のないアトレティコはこのところ、一体何をしているのかというと…。いやあ、先週、ビトロはセビージャと契約延長する直前に翻意。2022年までの契約を結んでくれたんですが、選手登録のできる来年1月になるまではラス・パルマスにレンタル移籍ですからね。今はカナリア諸島(大西洋にあるリゾート諸島)で練習していますし、ジエゴ・コスタもチェルシーのプレシーズンにはあれこれ理由をつけて参加せず、移籍成立を母国ブラジルで待ってはいるんですが、最近のアトレティコはCL報酬などで羽振りはいいものの、身に着いた貧乏性のせいでしょうかね。コンテ監督が構想外にしているコスタの値下げを待っているのか、まだしばらく時間がかかるよう。 ▽うーん、彼の場合、リーガ前半戦はプレーできずとも、チームで練習だけ参加という方向になりそうですが、9月初旬にはイタリア、リヒテンシュタインと対戦するスペイン代表のW杯予選も控えていますからね。あまり長くバケーションを取るのは当人にとって、良くないんじゃないかと思いますが、こればっかりはねえ。あ、ここずっと、ロス・アンヘレスで1日2セッション、多い日は午前7時45分からの早朝練習を含めて3セッションで汗まみれになっているチームメートを横に、未だにサウールがバケーション三昧なのはU21ユーロに参加していたせいなので、怒っちゃいけませんよ。 ▽そんなサウールは31日に合流。メキシコ遠征やアウディ・カップには参加せず、特別メニューでシーズン開幕に備えるそうですが、今週は6月に恥骨炎の手術をしたガメイロが合宿に参加。もちろんまだ皆と一緒に練習はできないものの、リハビリは順調に進んでいるようです。その他、昨季限りで引退したチアゴがアシスタントコーチとして加わり、ハードなメニューのせいでガイタン、ブルサリコなど、各部の痛みが出て皆勤できてない選手もいるようですが、まあこの時期にはよくあること。とりあえず、22日に予定していたヌマンシア(2部)とのメモリアル・ヘスス・ヒル杯はなくなったため、どの選手もこの夏、最初の親善試合となる25日のトルーカ戦までに体調を整えてくれればいいんじゃないでしょうか。 ▽そして最後に現在、UCLAのグラウンドでプレシーズンのトレーニングを続けているお隣りさんについてなんですが、昨季がリーガ優勝、しかもCLは2連覇なんて、凄い成績だったせいですからですかね。クリスチアーノ・ロナウドのマドリーに戻らない発言騒ぎも当人がまだバケーション中でコメントもないため、どこかうやむやになってしまった感もありますし、ハメス・ロドリゲスのバイエルン移籍もキャンプ出発前に決定。特別休暇延長のあったキャプテンのセルヒオ・ラモスも今週頭から合流していますし、あとはマンチェスター・ユナイテッド行きの夢が消えてしまったモラタがミランに行くのか、チェルシーに行くのか、ダニーロにオファーがあるだかないだかぐらいで、ジダン監督のチームは平穏に過ごしているよう。 ▽この先、マドリッドで控えているイベントも金曜のセバージョス(ベティスから移籍)の入団プレゼンぐらいなため、私も遠目から気長に様子を伺っている感じです。ええ、サウール同様、U21ユーロで活躍したセバージョスもそれが終わると、すぐアメリカに飛んで、この土曜に最初のプレシーズンマッチ、それこそ8月8日のUEFAスーパーカップの予行演習となるマンチェスター・ユナイテッド戦に挑むチーム本隊に合流。その先も26日にはマンチェスター・シティ戦、29日にはアメリカ版クラシコ(伝統の一戦)のバルサ戦、8月2日のMSL選抜チーム戦と、巡業があるマドリーは大西洋の向こうの地から帰って来ませんからね。コンフェデレーションズカップに出場したため、戻りが月末になるロナウドを含め、選手たちの姿をバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で見かけることができるのはおそらく、来月の4日以降になるんじゃないかと。 ▽ただ夏休みにマドリッドを訪れる人にとっては、公式戦を楽しめるチャンスもあって、いえ、リーガは8月3週目の週末からなんですけどね。マケドニアのスコピエで開催されるUEFAスーパーカップを現地観戦するのはハードルが高いものの、コパ・デル・レイのチャンピオン、バルサとリーガのチャンピオンのマドリーが激突する今季、公式戦初クラシコ、スペイン・スーパーカップの方は13日にカンプ・ノウで1stレグがあった後、16日にサンティアゴ・ベルナベウで2ndレグが開催。毎年、この日付けはバケーションに出ている両チームのアボナドー(年間シート保持者)も多いため、リーガなどと違い、比較的チケットが手に入れやすいのも嬉しいところでしょうか。 ▽まあ、マドリッドのチームの近況はこんなところなんですが、1週間ぶりにマルカやAS(スペインのスポーツ紙)をじっくり読んでみれば、今月27日にはディナモ・ブカレス相手にヨーロッパリーグ予選3回戦1stレグを迎えるアスレティックを筆頭に、もう10チームもプレシーズンマッチを戦っていることが判明。セビージャが来日してセレッソ大阪に1-3で勝利なんていうのはともかく、乾貴士選手のいるエイバルも月曜にはレアル・ウニオン(2部B)に3-1で勝ち、おやおや、これじゃもう目が離せない? 難点なのはリーガ3強以外、親善試合のTV中継がないことですけどね。私もまた、サッカー漬けになる日々が始まる時期になりました。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.19 13:23 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】まだまだ試合はないけれど…

▽「男子ならではできる技ね」そんな風に私が頷いていたのは土曜日、アスレティックの選手全員が高校球児のように頭を丸め、リハビリトレーニングに来たジェライを迎える映像を見た時のことでした(https://www.youtube.com/watch?v=4sgRFoFBa5E)。いやあ、彼は6月のU21ユーロのスペイン代表に選ばれながら、ポーランドに経つ直前、2月に完治していた精巣ガンの再発が発覚し、無念のリタイアをすることに。その後は抗がん剤や放射線療法を受けていたため、坊主頭になっていたんですが、リーガ1部20チーム一番乗りの早さで先週からプレシーズンを開始していたチームメーートたちが当人を励ますため、ロッカールームで互いにバリカンで刈り合って、連帯感を示すことにしたのだとか。 ▽これには1人として例外はなく、U21ユーロに参加していたため、まだ休暇中のウィリアムスとケパ・アリサバラガも日付を合わせてスキンヘッドにしていましたけどね。ああも皆さん、同じ容貌になってしまうと試合の時、ファンには誰が誰なのか、なかなか区別がつかないかも。ジガンダ新監督の下で臨むアスレティックの新シーズン、最初の公式戦は7月27日のヨーロッパリーグ予選3回戦1stレグ。どこのスペインのクラブより早いんですが、その頃にはそれぞれ、特徴のある髪型ができるぐらいまで毛が伸びていてくれる?とりあえず、8月末に復帰するジェライのため、少なくともELプレーオフまでは勝ち抜いて、グループリーグ出場権をプレゼントできるといいですよね。 ▽まあ、そんなことはともかく、このところ何かと話題が多いのはそのU21ユーロに出場していた選手たちで、いえ、スペインは決勝でドイツに1-0で負け、惜しくも準優勝に終わったんですけどね。それにも関わらず、大会MVPに選ばれたベティスのセバジョスをレアル・マドリーとバルサが獲り合っているというニュースが日々、マスコミを賑わせていたんですが、とうとうこの土曜には当人が前者のオファーを受けることを決断したという報が。契約破棄金額1500万ユーロ(約19億円)を超える1800万ユーロ(約23億円)の移籍金で、6年契約を月曜に結ぶ予定だそうですが、あれ、その日は先週水曜にマドリー移籍が公式に発表されたテオのプレゼンが組まれてなかった? ▽うーん、アトレティコのカンテラーノ(Bチーム出身の選手)で、昨季はアラベスにレンタル移籍して活躍した19歳の彼は休暇でアメリカに滞在中、先日、契約延長をしたばかりの年子の兄、ルカスの立場も思いやらずに「マドリーでプレーすることが子供の頃からの夢だった」とTVカメラの前で告白。クラブ関係者がこれに気分を害したせいもあってか、オフィシャルウェブでの移籍決定のお知らせ(http://www.atleticodemadrid.com/noticias/theo-hernandez-traspasado-al-real-madrid)でも、当人は「nunca llego a debutar en partido oficial con el primer equipo/ヌンカ・ジェゴ・ア・デブタル・エン・パルティードー・オフィシアル・コン・エル・プリメール・エキポ(トップチームの公式戦でデビューするには至らなかった)」と嫌味に強調されたりしていたんですけどね。 ▽ええ、U21ユーロ後はお兄さんのジョナタン(2部Bのアルコジャノ)やアーロン(2部テネリフェから同オビエドに移籍)らと共にニゲス・カンプス(少年少女向け夏のサッカースクール)で指導に当たり、金曜に上京。この夏はFIFA処分で新規選手登録ができず、当然、華々しい入団プレゼンもできないせいか、6月のコケに続いて契約延長プレゼンをビセンテ・カルデロンのVIPルームで開いてもらったカンテラの先輩、サウルも「ウチのユース出身なのに育ててもらったクラブにリスペクトの気持ちを示せないなんて。El que no quiera estar con nosotros no nos importa/エル・ケ・オー・キエラ・エスタル・コン・ノソトロス・ノー・ノス・インポルタ(ボクらといたくない選手のことなんか、どうでもいいよ)」と、テオにはかなり冷たかったですからね。 ▽その上、これからプレーするクラブでもお披露目の日を、モドリッチの後継者と目されているセバジョスの移籍契約のタイミングにぶつけられてしまうとなれば、マルセロと競う左SBのポジション争いもこの先、思いやられてしまいますが、まあそれも自身が選んだ道。残念ながら、サンティアゴ・ベルナベウの特設ステージでのプレゼン時、兄のルカスはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプに参加しているため、立ち会うことはできないでしょうが、もう翌日には当人もチームと一緒に本場のロサンジェルスへ出発ですからね。意外とこういうちょっとした(?)差に憧れて、リッチなマドリーに行ってしまう選手もいるのかもしれませんよ。 ▽え、金曜にサウルを私が見に行ったということは、U21代表の同僚であるバジェホの方はすっぽかしたのかって?その通りで、最初は私もマドリーのこのプレシーズン、初の入団プレゼンを楽しみにしていたんですけどね。これもまた、テオのことだけでなく、FIFA処分もお隣さんのようにCAS(スポーツ仲裁裁判所)に移籍市場1回分に減刑してもらえなかったアトレティコがまさか、計算してぶつけたんでしょうか。 ▽どちらも午後1時スタートのイベントだったとなれば、いえ、夏ごとにどこかの路線が整備で運休となるマドリッドのメトロ(地下鉄)が今年は5号線を選択。おかげでせっかくピッチに芝も戻り、7、8月はまだスタジアムツアーもできるビセンテ・カルデロンへは、セルカニアス(国鉄近郊路線)を使わないとたどり着けないというのはわかっていましたけどね。何せ、バジェホの移籍が決まったのは2年前。ここ2シーズンは古巣のサラゴサ(2部)、アイントラハト・フランクフルトにレンタル中だったいうこともありますし、大体、彼はまだ20歳なんですよ。 昨季で契約が切れ、先日にはベシクタシュ加入が決まったCBペペの後釜として、すぐにジダン監督に使ってもらえるのか疑問がありますし、となれば、やっぱり私がユーロ大会でお隣さんのアセンシオを上回るゴールを挙げ、ボタ・デ・オロ(得点王)に輝いたサウルを選んでしまったとしても仕方なかったかと。ちなみにそのプレゼンでは先輩のコケ程の大泣きではありませんが、アトレティコの少年チームでプレーしていた時代の思い出写真や2012年に17歳でトップチームデビューをした試合のビデオを見せられた当人が壇上で涙ぐむシーンも。 ▽2026年までという、超長期契約になったのには「ミゲール・アンヘル(筆頭株主)が契約延長の話を持ってきた時、向こうの好きなだけの期間、サインすると言ったよ。Yo quiero mejorar, crecer y hacerlo con el Atletico de Madrid/ジョ・キエロ・メホラル、ウレセル・イ・アセールロ・コン・エル・アトレティコ・デ・マドリッド(ボクは上手くなって成長したい。それをアトレティコでやりたいんだ)」と言っていましたが、そうですね。当面はユーロ決勝のようにプレーのレベルが落ちる試合を減らすことを課題にしてくれることを望みます。 ▽そんなサウルはプレゼン後、再びバケーションに戻り、今月末までチームに合流はしないんですが、実はアトレティコのプレシーズン練習はこの木曜にスタート済み。ええ、前日にフェルナンド・トーレスの契約1年延長も正式に決まったため、初日は私も頑張ってマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場まで見学に行ったんですが、いやあ、こんなこともあるんですねえ。例年なら、猛暑の中のセッションとなるはずが、たまたまその日から、スペイン中で気温が急激に下がったから、私もビックリしたの何のって。おかげで過去にはビエット(昨季はセビージャにレンタル)やメンサー(同ビトリア)らがオルテガ・フィジカルコーチの厳しいメニューについていけず、途中で吐いたりしていたものですが、やはり20度ぐらいしかなく、練習の後半は雨混じりともなると、選手たちもバテなくて済む? ▽ただ翌日からは、別にまた暑くなった訳ではないものの、セッションが午前8時開始と非常に早い時間に設定。さすがに私も金曜、土曜は付き合うことはできなかったんですが、まだこの段階では昨季リーガ終了後に各国代表戦に参加していたメンバーが欠けていますからね。その間、ビエットがpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)中にchilena(チレア/オーバーヘッドシュート)を試み、ヘルプ要員で参加しているカンテラーノの額を蹴って、流血騒ぎなっていたなんてこともあったんですが、大丈夫。大きなケガではなかったようで、その彼も日曜夕方に揃って移動するキャンプには同行できるようです。 ▽そして週明けからはゴディンやヒメネス、フィリペ・ルイスら中南米組、オブラク、サビッチ、カラスコらが加わり、水曜にはコケとグリースマンも合流。21日まで1日2セッション、3セッションとある猛練習をこなした後、親善試合も始まります。そうそう、来年1月加入予定の選手候補だったビトロは契約破棄金額の4000万ユーロ(約52億円)をセビージャに払い、シーズン前半は古巣のラス・パルマスでプレーする方向でほぼ固まったようですが、試合に出ずにアトレティコで練習していてもらうと言われているジエゴ・コスタについてはまだ、チェルシーとの交渉も始まっていないとか。うーん、そろそろコンテ監督のチームもプレシーズンが始まりますしね。その空きを待っている選手もいるため、早いところ話を進めてもらいたいものですが、というのも…。 ▽そう、モラタの移籍先としてほぼ確定とされていたマンチェスター・ユナイテッドが土曜にはルカクをエバートンから1億ユーロ(約130億円)で獲得したことを発表。ポジションもかぶりますし、更にマドリーに移籍金8000万ユーロ(約104億円)を払うことはないだろうという話になっているんですが、これには6月にベネチアでイタリア人モデルのアリス・カンペッロさんと結婚式を挙げてから、熱々のハネムーン写真を披露(https://www.instagram.com/alvaromorata/?hl=ja)してばかりだった当人も一気に現実に引き戻された? ▽何せ、マドリーも来週の月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)に集合して、翌日にはアメリカへ出発ですからね。モラタもそのメンバーに入っているんですが、モウリーニョ監督もUCLAの施設がお気に入り。あちらでは一足先に200メートル離れたグラウンドでマンチェスター・ユナイテッドが練習を始めているため、移籍が決まればすぐさま歩いて新天地となるチームに合流できると思っていたかもしれませんが、そうは問屋が卸さないことに。ちなみにジダン監督はモラタの残留を望んでいますが、そうなるとモナコからエムバペが来られなくなってしまうかもしれませんしね。 ▽ここまでのところ、セバジョスは全然、高額ではありませんし、その他、この夏のプレゼンが移籍金2600万ユーロ(約34億円)のテオ、無料のバジェホに、同じくRMカスティージャ出身で昨季はアラベスにレンタルに出ていたスペインU21代表の同僚、マルコス・ジョレンテだけなると、選手獲得に大枚をはたくのが好きなペレス会長がちょっと欲求不満になってしまう可能性もなきにしろあらず。 ▽もちろん同じく来週月曜に始動するマドリッドの弟分チーム、今のところ、降格したスポルティングからGKクェジェルの入団が決まったぐらいのレガネスや昇格プレーオフの死闘を戦い抜いた後、まだ昨季のレンタル移籍選手の買い取りオプションを行使した程度。練習開始も17日からと遅いヘタフェなどから見たら、本当に羨ましい話なんですけどね。 ▽ただ、土曜のマルカ(スポーツ紙)にインタビューが掲載されたモドリッチなども「Yo solo ficharia si alguien te puede mejorar bastante lo que hay/ジョ・フィチャリア・シー・アルギエ・テ・プエデ・メホラル・バスタンテ・ロ・ケ・ハイ(自分なら、今のチームを相当、良くすることができる選手だけを獲得するだろう)」と言っていましたが、確かに2年連続CL優勝を果たし、昨季はリーガも制覇したチームをもっと強くできる選手を見つけるのは難題中の難題。そういう意味ではマドリーにも苦労はあるんですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.09 11:00 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】もう練習している…

▽「ちょっと早すぎじゃないかしら」そんな風に私が驚いていたのは月曜。前日にメディカルチェックの様子がTVに流れていたアスレティックに続き、ここ数日は猛暑も影を潜めてはいるんですけど、夏の殺人的な暑さには定評のある地元でセビージャがベリッソ新監督に率いられ、朝8時半からプレシーズンのトレーニングを開始したというニュースを見た時のことでした。いやあ、確かに昨季のリーガは5月21日に終わり、その前は3期連続してあった恒例のヨーロッパリーグ決勝もなかったため、選手たちもそろそろ体を動かしたい気分になっていたかもしれませんけどね。 ▽7位で終わったアスレティックの場合、今月27日にEL予選3回戦1stレグが待ち受けていますし、バルサに行ってしまったバルデベルデ監督の後を継いだジガンダ新監督が張り切っているため、納得もできるんですが…。セビージャはCLで決勝トーナメントに進出してしまい、EL4連覇とはいかず、この夏のUEFAスーパーカップはありません。さらに、彼らの今季最初の公式戦は8月15、16日のCLプレーオフ1stレグなんですよ。また、UEFAスーパーカップに2連連続のCL王者として、EL王者のマンチェスター・ユナイテッドと対戦するレアル・マドリーでさえ、プレシーズン開始は11日だというのに…。セビージャは異例の早期始動。もしやこれって、今季こそアトレティコの定位置であるCLグループリーグ出場権のある3位奪取を果たしてやるという、セビージャの意気込みの表れだった? ▽いえ、そういうアトレティコもこの木曜には炎天下のマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で選手たちの体力テストがスタート。9日の夕方にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)に移動して、月曜から地獄のキャンプとなりますから、別にそれ程、後れを取っている訳ではないんですけどね。22日の土曜には毎年恒例のメモリアル・ヘスス・ヒル杯でヌマンシア(2部)と対戦して、翌日にはメキシコへ行き。25日にトルーカとの親善試合をこなしてすぐ帰国すると、8月1、2日はミュンヘンでアウディ・カップに臨み、初日のナポリ戦の後、バイエルンかリバプールと決勝or3位決定戦をプレーすることに。さらに6日にもイギリスに飛んで、今季からプレミアリーグで戦うブライトンと親善試合となかなか密な予定が組まれていますが、公式戦が8月19、20日のリーガ1節までないというのは結構、有難いことかも。 ▽というのも昨季など、お隣さんはジダン監督のローテーション政策が効を奏して肝心な試合で息切れすることはなし。未成年選手獲得における規則違反で受けたFIFA処分もCAS(スポーツ仲裁裁判所)のおかげで、新規選手登録できないのは今年の1月の1回だけに減ったため、放出予定の左SBコエントランの代わりに早速、テオ(昨季はアトレティコからのレンタルで、アラベスでプレー)を獲るなど、穴埋めも滞りなく行えるのとは違い、この夏もシメオネ監督は新戦力をアテにできませんからね。 ▽ジエゴ・コスタ(チェルシー)だ、ビトロ(セビージャ)だと騒いでいるのはあくまで来年1月に向けてで、それまでは一応、負傷離脱が長期に渡ったアウグストやヴァルサリコらは帰って来るとはいえ、リーガ前半戦とCLグループリーグは昨季とほぼ同じAチームメンバーで賄わざるをえず。となれば、出ずっぱりとなる選手たちには極めて高い体力をつけてもらう必要があるから。とりわけ先週の金曜まで、誰よりも長いシーズンを過ごしたサウールなど、恥骨炎の症状も出ていることから、この月末に遅れてプレシーズンに参加したあと、まだ開幕まで間があるのは大いに助かるかと。 ▽え、それでそのサウールの今季最終戦となったU21ユーロの決勝はどうだったのかって? いやあ、私もまた彼の活躍をお伝えしたいと腕まくりをしていたんですが、もしかしてアトレティコ勢は決勝に勝てないというジンクスでもあるんですかね…。去年の夏もCL決勝でマドリーに負けた悔しさをバネにグリーズマンがフランスをユーロ決勝まで牽引していったんですが、最後はクリスチアーノ・ロナウドのポルトガルに敗北。同じシーズンに2つの国際ビッグトーナメントの決勝で負けるという不名誉な記憶を作っていたように、サウールもあと一歩が及ばなかったんですよ。もちろん彼だけの責任ではないのは確かですが、スペインU21代表の同僚、アセンシオ(マドリー)など、6月にカーディフでCLトロフィーを掲げていますからね。ダメージも少なくて済んだのでは? ▽ちなみにドイツとの試合の方は、「En la primera parte no hemos sido nosotros/エン・ラ・プリメーラ・パルテ・ノー・エモス・シードー・ノソトロス(前半のウチは自分たちでなかった)」とセラデス監督も後で言っていたように、チームにいつもの活発な攻める姿勢が見えず。そうこうするうち、40分にはジョニー(スポルティング)が自陣エリア近くで失ったボールが起点となり、トルヤン(ホッフェンハイム)のクロスをバイザー(ヘルタ)にヘッドで決められて、先制点を奪われてしまったから、驚いたの何のって。それでも準決勝のイタリア戦だって、前半は決して優勢だった訳じゃないのだからと、後半に私も期待を懸けていたところ…。 ▽その日はダメでしたね。8人もU21常連メンバーをコンフェデレーションズカップのレーブ監督率いるドイツBチームに引き抜かれ、決して知名度は高いと言えない選手たちで構成されたCチームの団結した守りにスペインは突破口が開けず。うーん、サウールやセバージョス(ベティス)もシュートは試みたんですが、とりわけ前者はイタリア戦のハットトリックで運を使い果たしましたかね。GKポラースベック(2部のカイザースラウルテンからハンブルクに移籍)を破ることはできず、サンドロ(マラガ)からウィリアムス(アスレティック)に、ボランチのマルコス・ジョレンテ(昨季はマドリーからレンタルで、アラベスでプレー)からFWのボルハ・マジョラル(同ボルフスブルク)とアタッカーを増やしても全然、得点できないんだから困ったもんじゃないですか。 ▽結局、そのまま試合は1-0で終わり、U21ユーロはドイツの優勝で幕を閉じたとなれば、実際、大会MVPに選ばれ、トロフィーとポーズさせられたセバージョスも少しも嬉しそうじゃありませんでしたしね。計5得点で大会得点王となったサウールなど、ゴールデンブーツを受け取るのを忘れてしまい、チームバスに乗っているところをわざわざ、中まで取りに行かされたなんて逸話も。これにはさすがにアトレティコも可哀想に思ったから、クラクフからバラハス空港に到着した翌朝、サウールの2026年までの契約延長を発表する気の遣いようでしたが、同時に契約破棄金額も8000万ユーロ(約103億円)から1億5000万ユーロ(193億円)とアップ。 ▽先日、一足早く延長のサインしたコケと同額になった当人は、クラブのオフィシャルサイトに上がったビデオで「Estoy muy contento porque en el Atleti somos una familia y no hay un sitio mejor en el que pueda estar/エストイ・ムイ・コンテントー・ポルケ・エン・エル・アトレティ・ソモス・ウナ・ファミリア・イ・ノー・アイ・ウン・シティオ・メホール・エン・エル・ケ・プエダ・エスタル(アトレティコは家族だし、自分がいられるこれ以上の場所はないから満足だよ)」と言っていましたが、2013年のU21ユーロ優勝チームの一員だったカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の先輩とタイトルでも肩を並べられなかったのは、ちょっと後悔が残るところかと。 ▽まあ、サウールの場合はこの大会を最後にU21から卒業する11人の1人で、GKケパ(アスレティック)、アセンシオ、ベジェリン(アーセナル)、デウロフェウ(決勝当日にバルサがエバートンから買戻しオプションを行使)らと共にA代表でもロペテギ監督のお覚えめでたいメンバーでもあることから、このリベンジは来年のW杯で果たせるかもしれませんけどね。できれば、その前にアトレティコで何かタイトルを獲れるよう、丁度、1日からはオフィシャルショップの看板も新しい紋章に衣替え。すでに物議を醸している新ユニフォームはまだ発売されていませんが、ワンダ・メトロポリターノにホームが移転する今季はツキが変わってくれるといいんですが。 ▽おかげで翌土曜は私もお祝いすることがなくなったため、丁度始まったrebaja(レバッハ/セール)巡りを兼ねて、ワールド・プライド2017(LGBTの権利を主張するフェスティバル)の最終日で賑うセントロ(市内中央部)を散策。主義主張を表明したい人々もきっといるんでしょうが、観光客も含め、コスプレやボテジョン(広場など屋外でやる酒盛り)のいい口実になっていたような。何せ、あのロエベのショーウィンドウまでがレインボーカラー(多様性を示すゲイ・プライド運動の象徴)でデコレーションされていましたからね。フィエスタの中心となるチュエカ地区に入る道では必ず警官が荷物チェック、グラン・ビア(市内中心の大通り)も全面通行止めにして、中央には鉄柵を並べている辺り、テロ対策も近頃は大規模にやっているんだなという感じでしたが、まあご時世柄、それも仕方ないのかも。 ▽そんなことはともかく、サッカーの話を続けると、日曜にあったコンフェデ3位決定戦ではポルトガルが後半アディショナルタイム、マドリーとの契約が終わっても、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)魂は持っていくつもりのペペのゴールでメキシコと同点に。延長戦では前半、アドリエン・シウバ(スポルティングCP)がリベンジPKに成功し、2-1で勝利。双子が生まれたばかりというのを理由に、クリスチアーノ・ロナウドのチーム離脱を認めたフェルナンド・サントス監督を安心させることになりましたが、マドリッドに一旦、戻ったはずの当人からは今もSNSでの写真以外、何の音沙汰もないため、移籍したいのか、チームに残留するのかの結論はまだ出ていません。 ▽うーん、この調子だと、31日にロナウドが脱税容疑でマドリッドの裁判所に出廷した後、ロスアンジェルでキャンプ中のチームに合流するまで、白黒つかない気もしますが、それに応じて、早々にリヨン行きが決まったマリアーノはともかく、モラタやハメス・ロドリゲスの移籍を許可するかどうか、ムバッペ(モナコ)やセバージョスを獲得すべきなのかどうか、クラブの方針も変ってきますからねえ。できれば、早めに答えを出してもらいたいところですが、さて。そうそう、ジダン監督の長男で昨季はたまにベンチに入っていたエンソはアラベスへのレンタル移籍が決定。U21ユーロで実力を示したマルコス・ジョレンテやバジェホのように外のクラブで修業して、トップチーム入りを勝ち取れということのようです。 ▽そしてコンフェデ決勝はドイツがマルセロ・ディアス(セルタ)のミスを利用、バーナーが奪ったボールをシュティンドルが決めて奪った1点で、アレクシス・サンチェス(アーセナル)やアルトゥロ・ビダル(バイエルン)のいるチリに0-1と勝利して優勝。もうBチームとCチームでdoblete(ドブレテ/ダブル優勝のこと)なんてこと、あっていい? どうもこのまま行くと、来年のW杯でスペインが復権するのは難しいように思えてしまうんですが、まあ、それはかなり先の話。来週の月曜にはマドリッドの弟分、レガネスも始動しますし、昇格プレーオフで国内では誰より、長く戦った末、1部Uターンを果たしたヘタフェも17日には練習を始めるため、私もそれまでに英気を養っておかないといけませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.04 12:00 Tue
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