コラム

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【原ゆみこのマドリッド】ゴールがないと盛り上がらない…

▽「もう5年も前のことなのね」そんな風に私が思い起こしていたのは月曜日、ヨーロッパリーグ32強組み合わせ抽選でアトレティコの相手が決まった時のことでした。いやあ、ここ数年、CL決勝トーナメントの常連と化していた彼らですが、今季はグループリーグで3位敗退し、年明けからは2012-13シーズン以来のELに挑戦することに。相手がアーセナルやドルトムント、ナポリ、ミランといった大物なら、話は違うんでしょうが、これがコペンハーゲンとなると、2月22日の2ndレグなんて、ワンダ・メトロポリターノのスタンドにかなり空きが出るのは間違いないかと。 ▽実際、寒くて人も少ないビセンテ・カルデロンで私が見た最後のEL試合も2013年の32強対決ルビン・カザン戦1stレグだったんですが、これまた結果も最悪で、そう、0-1で負けていたアトレティコはGKアセンホ(現ビジャレアル)がロスタイムに全員攻撃に参加してカウンターを喰らい、2点目を奪われて被害が拡大。結局、ロシアでの2ndレグにファルカオ(現モナコ)のゴールで勝ったものの、総合スコア1-2で敗退という悲惨さだったんですが、そのシーズンは当時、フェルナンド・トーレスもいたチェルシーが、昨季もマンチェスター・ユナイテッドが優勝と、通常ならCLにいるであろうチームが優勝することもありますしね。前人未到のEL3連覇を果たしたセビージャだって、今季のCL16強対戦でユナイテッドに負けたら、もう先はないことを考えると、シーズン終盤までヨーロッパの大会を楽めそうという意味では良かったのかもしれませんが…。 ▽いやいや、もちろん私が自分を慰めているだけというのはわかっていますよ。だってえ、同じ金曜に決まったお隣さんのCL16強対戦の相手はあのPSG。グループ2位通過のため、2月14日にあるホームの1stレグなど、ネイマール、カバーニ、エムバペを擁するチームとの名勝負目当てのファンで、サンティアゴ・ベルナベウが超満員になるのは日を見るより明らかじゃないですか。3月6日の2ndレグもパリで開催とマドリッドから近いため、応援に行くレアル・マドリーファンも多いかと思いますが、その頃、順当に行っていれば、アトレティコはEL16強対戦の1stレグ。自己責任と言ってしまえばそれまでですが、ラウンドが1つ少ないCLに比べ、ミッドウィーク全てがコパ・デル・レイで占められる1月のハードスケジュールの後、ELだと2月3月も週2試合ペースを続けないといけないのは本当に辛いですよね。 ▽まあ、その辺はまた時期が来たらお話しすることにして、とりあえず、先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったかを伝えておかないと。この15節、先陣を切って土曜のアジアンゴールデンタイム、正午からキックオフしたのは弟分のヘタフェ。丁度、相手がエイバルということで、柴崎岳選手と乾貴士選手の日本人対決をLEP(スペイン・プロリーガ協会)が盛り上げたかったのか、いえ、選手入場時にスタンドに大きな日の丸の垂れ幕が広がったり、マドリッド日本人会が応援ツアーを企画したりというのは別にいいんですけどね。まさか、キックオフ前に両選手が始球式をするスペイン人フィギアスケーター、ハビエル・フェルナンデスのご相伴までするのはちょっと演出過多だったかと(https://twitter.com/LaLigaEN/status/939484109575000064)。 ▽ええ、後で乾選手に訊くと、一緒に始球式したのが誰だったかも知らなかったようで、「日本人が出るだけで、何でこんなに日本で盛り上がるのかよくわからない。始球式もいるのかなって感じで」とのこと。「もうボクなんか、3年いるんだから、こういうのは1年目の選手同士でやってほしい。エイバルでのホームゲームでもやるって言われたら、絶対止めます」と言っていたものですが、残念ながら、この日はピッチの上で2人がマッチアップすることはありませんでした。というのも先発した乾選手は後半18分でベベに交代、9月のバルサ戦で負傷して以来、柴崎選手が初めてコリセウム・アルフォンソ・ペレスのピッチに帰って来たのはその後、28分になってからだったから。 ▽それも柴崎選手の出場はやはり回復したばかりのパチェコ同様、ボルダラス監督に言わせると、「Es importante que esten en el verde para que tengan minutes/エス・インポルタンテ・ケ・エステン・エン・エル・ベルデ・パラ・ケ・テンガン・ミヌートス(プレー時間を持つため、ピッチに出るのは大事なこと)」だったからのようで、残念ながら、チームの勝利には結びつかなかったんですが、何せエイバルのキャプテン、ダニ・ガルシアでさえ、「家で見ていたら、チャンネルを変えていただろう。Un partido sin ocasiones, muchas faltas.../ウン・パルティードー・シン・オカシオネス、ムーチャス・ファルタス(チャンスがなく、ファールばっかりある試合…)」という展開でしたからね。 ▽それでもエイバルには後半8分、ジェネにエンリッチがゴール前で倒されたため、PKが与えられたんですが、ホルダンが天高く撃ち上げてしまって得点ならず。「Nos han hecho una presion tremenda/ノス・アン・エッチョー・ウナ・プレシオン・トレメンダ(ウチに凄いプレスをかけてきた)。プレーをやりにくさせられて、パス3回も繋げさせてもらえなかった」(ボルダラス監督)というヘタフェの方は後半途中、中盤の要、ベルガラがヒザを痛めて交代という不運も響いたんでしょうか。ロスタイムにはラセンの強烈シュートもGKディミトロビッチに阻まれて、結局、スコアレスドローで終わったため、ガッカリした日本人ファンも多かったかと。 ▽でも大丈夫、次の時間帯で行われたマドリーvsセビージャ戦では一気に憂さを晴らすことができたんですよ。そう、ヘタフェから大急ぎで駆けつけたサンティアゴ・ベルナベウも先日、メッシと並ぶ5回目のバロンドールを受賞したクリスチアーノ・ロナウドのトロフィーお披露目から始まったんですが、試合の方でもお祭りは続行。そう、開始3分にはCKからナチョが先制点を奪ったかと思いきや、22分にはアセンシオのスルーパスを受けて、ロナウドが自らお祝い弾を挙げると、31分にはヘスス・ナバスがエリア内でハンドを犯してペナルティもゲットすることに。当然、このPKもロナウドが決め、更に38分にはクロースが、41分にもベンゼマのアシストで右SBのアクラフがトップチーム初ゴールと、前半だけで5点なんて、こんな景気のいい試合、今季のリーガで初めて見ましたっけ。 ▽いやあ、こんなことになるならカセミロ、カルバハル、セルヒオ・ラモスの出場停止、バランの負傷欠場で守備の不安を煽られていたキックオフ前は何だったのかと思ってしまいますが、やはり最大の防御は攻撃と言いますか、水曜のマリボル戦でようやくCLグループ突破を果たしたセビージャも選手の疲れを考慮して、ローテーションしていましたからね。後半も大した反撃は見られず、すでに大量リードでアブ・ダビ行きのことを考えだしたマドリー同様、無得点で終わったため、最終スコアはそのまま5-0となりましたっけ。 ▽え、セビージャ相手にそんなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見せられるのなら、今年もクラブW杯のタイトル獲得は確実じゃないかって?そうですね、日曜には寒いマドリッドを離れ、常夏のアラブ首長国連邦に着いた彼らですが、現地での最初のセッションではベイルとバランが問題なしに全体練習をこなしたといういい知らせも。いえ、FIFAに登録する大会メンバーには入っていないバジェホも同伴しており、またバランに何かあった場合は水曜午後6時(日本時間翌午前2時)からの準決勝、土曜に浦和レッズに勝利したアル・ジャジーラとの試合の24時間前までなら差し替えできるため、心配には及ばないんですけどね。 ▽ただ、現地でのインタビューでジダン監督は「No va a ser fácil/ノー・バ・セル・ファシル(簡単にはいかないだろう)。去年もウチは日本のチーム(柴崎選手のいた鹿島アントラーズ)相手に大変な苦労をして優勝した」と言ってはいたんですが、どう見たって、準決勝も火曜のグレミオvsパチューカ戦勝者と顔を合わせる土曜の決勝にしても彼らの方が格上。逆に負けたりしたら、何を言われるかわからないという恐れもありますし、全力を尽くして夏のUEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップに続く、今季3つ目のタイトルを持って帰ってくれるんじゃないかと。 ▽そして話をリーガに戻すと、土曜は続いてレガネスがラ・コルーニャ(スペイン北西部)でデポルティボに挑んだんですが、いやあ、あまりにEL出場圏に近付いてしまったのが裏目に出ましたかね。試合は結局、前半24分にアドリアンに決められたゴールが決勝点となって、1-0で負けてしまったんですが、ガリターノ監督によると、「前半が本当に悪くて、ハーフタイムに5、6人代えられるならそうしていただろう」という最悪の出来で、もっと大量点差で負けていてもおかしくなかったよう。幸い翌日、ビジャレアルがバルサに負けたため、同じ勝ち点差のヘタフェに7位を奪われたとはいえ、6位まで勝ち点差1の8位といういい位置はキープしたままなんですが、何せ彼らの次節、兄貴分とのミニマドリーダービーは相手の都合で来年回しにされていますからね。 ▽そこは今週末、首位バルサとの差が勝ち点8から11へと、更に開いてしまうかもしれないマドリーも同じなんですが、おかげで両チーム共、今年のリーガはあと1試合だけ。レガネスが19日(火)にレバンテ戦を終え、真っ先にクリスマスのparon(パロン/リーガの停止期間のこと)に入るのに比べ、23日(土)にクラシコ(伝統の一戦)でライバルと直接対決するマドリーながら、どちらも年明けは1月4日のコパ・デル・レイ16強対決1stレグ(レガネスvsビジャレアル、ヌマンシアvsマドリー)とあって、バケーションが短い方は気の毒ですが、今週日曜にジローナ戦、20日(水)にホームのラス・パルマス戦の後、コパ・デル・レイを敗退しているため、1月最初の週末まで試合のないヘタフェのように上には上がいるため、そこはあまり羨んでも仕方ないかと。 ▽え、先週末は4位から上の勝ち点差がまったく変わらなかったということは、日曜にプレーしたアトレティコもベティスに勝ったのかって?いやあ、その通りなんですが、恥ずかしながら、お隣さんに引けを取らない試合をしたとは決して言えなず、だってえ、前半も後半もポゼッションが30%にさえ満たなかったんですよ。もうその惨状はパスが3回続かなかった弟分どころではなく、ボールを拾うやいなや、敵目掛けて蹴っているような恐ろしさだったんですが、それでも前半30分にはゴールが決まったから、呆気に取られたの何のって。そう、センターラインからゴディンが出したロングフィードをベルサイコが受け、ゴール前にラストパス。ニアポストではコレアもガメイロも捉えることができなかったものの、反対側にいたサウールが押し込んで先制点って、こんな上手い話があっていいんでしょうか。 ▽うーん、彼は先週のCL最終節チェルシー戦でも彼は劣勢の中からヘッドを決め、スタンフォード・ブリッジまで応援に行った1500人のアトレティコファンを喜ばせていたんですけどね。GKオブラクが後半、テージョのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)で逸らし、チームを同点の危機から救っていたのはその日と同じだったんですが、幸いビジャマリン(ベティスのホーム)では味方のオウンゴールは生まれず。加えてシメオネ監督も15分にはコレアに代え、3人目のCBヒメネスを投入し、ロスタイムにはリュカまで出して、自慢の4CB総動員体制で守ったため、何とか最後まで1点のリードを守り切ることはできたんですが…「今日はあまりチャンスがなかったが、より確実なものだった。Para mí, es el juego bueno y el resultado major/パラ・ミー、エス・エル・フエゴ・ブエノ・イ・エル・レスルタードー・メホール(私にとってはいいゲームだったし、結果も最高だ)」(シメオネ監督)って、ちょっと本気で言っている? ▽いえ、確かに「Ellos tampoco es que nos hayan tirado mucho/エジョス・タンポコ・エス・ケ・ノス・アジャン・ティラードー・ムーチョ(彼らも沢山、シュートしてきた訳じゃない)。ボールは持っていたけど、そんなに危険はなかったよ」とコケが言うのももっともなんですけどね。いくらグリーズマンがケガでいないからって、6人のDFで守るアトレティコがカッコいいかというと、やっぱりそうは言えないでしょ。 ▽まあ、その辺は土曜のアラベス戦、そして年内最終戦となる22日(金)、アウェイのエスパニョール戦で改善を試みて、いよいよジエゴ・コスタとビトロが出場可能となる1月3日のコパ、ジェイダ(2部B)戦ではもっと積極的なアトレティコを見せてくれることを期待していますが、さて。そうそう、冬の市場で移籍の噂が出ているベルサイコですが、コパのエルチェ戦に続き、この試合でも本職の右SBらしいアシストで貢献。バルカン半島出身仲間のサビッチも「Yo creo que se queda/ジョ・クレオ・ケ・セ・ケダ(彼は残ると思う)」と言っていましたし、トーマスが一生懸命修行しているとはいえ、やっぱりいてくれた方がチームのためになるんじゃないですかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.12 13:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】日本人選手の試合が続いている…

▽「思いつくのはやっぱり、このパターンなのね」そんな風に私が笑いを押し殺していたのは金曜日、LEP(プロ・リーガ協会)の公式ツイッターで週末のヘタフェvsエイバル戦のイメージイラストを見た時のことでした。そう、前者には柴崎岳選手が、後者には乾貴士選手が在籍するため、1つは2人が武士となって刃を交えているもの(https://twitter.com/LaLiga/status/939135819725631489)、もう1つはキャプテン翼風のアニメキャラになってボールを争っているもの(https://twitter.com/LaLiga/status/938840400395227139)で、スペイン人が日本に抱くお決まりのイメージを端的に反映している2作だったから。 ▽だったら、もしJリーグがスペイン人2選手の対戦宣伝ツイートを作ったら、闘牛士とフラメンコのイラストになるのだろうかなどと、勝手に想像を巡らせていた私でしたが、実際、土曜午後1時(日本時間午後9時)からのコリセウム・アルフォンソ・ペレスで今回、日本人選手の顔合わせが実現するのかは不明。いえ、エイバルの招集リストに乾選手が入ったのは確認できましたし、彼はここ3連勝中のリーガの試合にずっと先発しているため、余程のことがない限り、プレーしてくれるんじゃないかと思いますけどね。 ▽不確定なのは柴崎選手の方で、木曜に私がヘタフェの練習場に行ったところ、珍しいことに留学生らしい男子のグループやカップルら、10人近い日本人が来ていて驚かされることに。ジムセッションで1時間遅れて始まったトレーニングでは、フットバレーの後、チームでボールを繋いで攻めの形を作る演習やシュート練習など全てに参加。前日の記者会見でボルダラス監督も「Está totalmente recuperado de la lesion/エスタ・トータルメンテ・レクペラードー・デ・ラ・レシオン(負傷からは完全に回復している)」と言っていたものの、何せ、前節は今季無敗だった2位バレンシアに土をつける程、彼の不在中にチームが成長していますからね。負傷者はチュリだけ、後はその試合でレッドカードをもらったアランバリが出場停止になるぐらいと、メンバー的にも足りているため、柴崎選手がベンチに入るかどうかすら、まだわからないのは辛いところかと。 ▽まあ、今節は6位のビジャレアルが首位バルサと対戦するため、同じく土曜のデポルティボ戦で1ポイント差を覆してのヨーロッパリーグ出場圏入りを狙うレガネスや、お隣さんと1差でやはり、エイバルに勝てばEurogeta(エウロヘタ)復活が近づく、この試合の様子はまだ次回、報告することにして、CL最終節のあった今週、マドリッドの兄貴分チームたちの結果もお伝えしていかないと。いえ、火曜はここまでバルサとレアル・マドリーの試合ばかりだったアンテナ・トレス(スペインの民放、オープンチャンネル)がとうとう、チェルシーvsアトレティコ戦を中継してくれたんですけが、元々、こちらは自分たちが勝って、なお且つ、ローマがポイントを落とさないといけないと、分が悪すぎましたからね。 ▽おまけに序盤は威勢よく攻めていたシメオネ監督のチームだったものの、30分を過ぎるともう活躍するのはGKオブラクばかりという怖い状態に。それでも後半10分にはコケのCKをフェルナンド・トーレスが頭で繋ぐと、ファーサイドでサウールがヘッドを叩きこみ、カンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の連携で元同僚のGKクルトワを驚かせたから、嬉しかったの何のって。いやあ、当のサウールも「Con el 0-1 crimos que si era possible/コン・エル・セロ・ウノ・クリモス・ケ・シー・エサ・ポシーブレ(0-1になって、突破は可能だとボクらは信じていた)」と後で言っていたように、どうやらこの時、彼らは2分程前、ローマがペロッティのゴールでカラバフからリードを奪ったのを知らなかったようなんですけどね。 ▽その時は私もまだ、「アトレティコから1点取ったカラバフなんだから、ローマからだって、1点ぐらい取れるかも」と淡い期待を抱いていたものの、29分、アザールのシュートをサビッチがオウンゴールにしてしまっては…。その試合、モラタやザッパコスタらのシュートを7回もの見事なparadon(パラドン/スーパーセーブ)で阻止しながら、味方のゴールで1-1となってしまったオブラクも本当に気の毒ですが、結局、スタディオ・オリンピコ(ローマのホーム)の方も1-0で終了。いくらシメオネ監督が「ウチは1位のチーム(ローマ)から一番多くの勝ち点を奪った」とか、「カラバフ戦では10回もチャンスを作りながら、得点できなかった」とグループリーグ敗退決定を残念がったとしても、もうあとの祭りですって。 ▽そう、原因不明のゴール入らない病がチームに蔓延した9月10月、とりわけ楽勝と見られていたアゼルバイジャンのチームとの2連戦、どちらも引き分けてしまったんですから、そこは自業自得。ようやく最近は復調してきたため、この先はシメオネ監督が「リーガ、コパ・デル・レイ、ELで勝利を目指す。大会名ではなく、nosotros nos motivamos jugando con la camiseta del Atletico/ノソトロス・ノス・モティバモス・フガンドー・コン・ラ・カミセタ・デル・アトレティコ(ウチはアトレティコのユニを着てプレーすることにモチベーションが高まる)のだから」と言う通り、頭を切り替えるしかありませんが、木曜のELグループリーグが終了した途端、来年の32強対決抽選でシードチームになった彼らがいきなり、ネットブックメーカーで優勝候補に躍り出てしまったというのは喜んでいい? ▽うーん、確かにこのラウンドでは当たらないELグループ突破スペイン勢、アスレティック、ビジャレアル、レアル・ソシエダはともかく、アーセナルやミラン、ラツィオなどは1位で勝ち抜けているため、最初から難しい組み合わせにはなる可能性は低いですけどね。加えてFIFA処分が終わる来年1月からはジエゴ・コスタ、そしてセビージャで前人未到のEL3連覇を果たしたビトロが加わるとなれば、鬼に金棒というか、返すがえすもCL敗退が勿体ないというか…いえ、過ぎたことを後悔しても仕方ありません。今はただ、グリーズマンが右太ももの負傷で出られなくなってしまったハンデはあるものの、この日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのベティス戦に勝利して、リーガ上位2チームとの差を維持するよう、努めるしかないかと。 ▽え、その決勝トーナメントの組み合わせが決まるのはCL16強対戦同様、来週の月曜日だけど、同じCL敗退組でノーシードのナポリやドルトムントとアトレティコが当たったら、油断できないんじゃないかって?そうですね、丁度、水曜はサンティアゴ・ベルナベウでマドリーが後者と対戦となったため、私もドイツ人ファンで賑わっているだろうと、定番のプラサ・マジョール(市内中央にある広場)へお昼前に偵察に行ったところ…12月になると、そこってクリスマス・マーケットの屋台で埋まってしまい、普段なら出ているレストランのテラス席もなくなってしまうんですよね。おまけにこの日から連休が始まったため、物凄い混みようで、リースやベレン(キリスト誕生風景の模型)の人形を見てクリスマス気分を味わいたくても歩くだけで一苦労。黄色いユニを着たグループも広場外のお店にチラホラといった感じだったんですが、そこは旅行好きなドイツ人サポーターです。ベルナベウのフォンド・ノルテ(ゴール裏北側席)3、4階には1000人ぐらいは来ていたかと。 ▽ただ、すでにこのグループは1、2位がトッテナム、マドリーで確定しており、アポエルがロンドンで勝ち点を稼ぐ可能性を考えたら、ドルトムントの3位が脅かされる可能性も低かったため、どこか消化試合っぽくなってしまったのは否めないんですけどね。この試合ではキックオフからいくらもしないうちに、CLバージョンのクリスチアーノ・ロナウドが違いを見せてくれました!ええ、前半8分にはイスコにスルーパスを送って、マジョラルの先制点を呼び込む起点になったかと思えば、12分にはエリア前からの一撃を沈めて、2点目をゲット。こういうシュートが外れてしまうのが今季のリーガ・バージョンの彼で、ここまでたったの2ゴールと停滞しているんですが、CLではグループリーグ6試合連続得点で新記録達成とはやってくれます。 ▽更に今季CL通算も9得点とランキングトップを独走となれば、当人が「Ojala el Madrid la pueda ganar por tercera vez consecutiva/オハラ・エル・マドリッド・ラ・プエダ・ガナール・ポル・テルセーラ・ベス・コンセクティバ(マドリーが3連続優勝できますように)」と壮大な夢を抱いて当然だった?とはいえ、2点をリードした後のマドリーはしばし、休眠状態に入ってしまい、いえ、25分過ぎにシュートを2本、GKケイロル・ナバスに弾かれてしまった香川真司選手は、「数少ないチャンスを決め切らないと、もっと上に上がれないし、結果を残していないので、そこは悔しい」と試合後、反省していたんですけどね。バランが突然、ケガでアセンシオと交代、ルーカス・バスケスが右SBに移動したりで敵の守備が乱れたのを利用して、ドルトムントは42分、マドリーキラーのオバメヤングがシュメルツァーのクロスをヘッドで決めて1点を返し、後半に繋げることに。 ▽実際、オバメヤングはゲーム再開3分で1度はナバスに弾かれながら、2度目のvaselina(バセリーナ/ループシュート)を成功させ、スコアを同点にしたんですが、いやあ、その頃にはウェンブリーでアポエルが2-0と負けていたのも影響しましかね。追加点が入らないまま、36分にはエリア内の混戦からテオがヘッドで外に出したボールをルーカス・バスケスがシュート。当人曰く、「足の外側で蹴ったせいで変な軌道になったんだけど、入ってくれたね。Mi gol no fue muy ortodoxo/ミ・ゴル・ノー・フエ・ムイ・オルトドクソ(あまりまともなゴールじゃなかった)」そうですが、これでマドリーが勝ち越すことに。残り3分には再び、香川選手にもチャンスが回ってきたんですが、ボールは枠の外へ。「もちろん足がつっていたし、チームメートには後でただ流し込めばいいんだよと言われたけどね」(香川)そうで、ドルトムントが再び同点に追いつくことはできませんでしたっけ。 ▽結局、3-2でマドリーの勝利となりましたが、実は彼ら、これで直近のホームゲーム3試合連続2失点。マンチェスターの両雄やPSGなど、グループ1位終了の強豪と当たるかもしれない16強対戦については、「Creo que estaremos bien en febrero/クレオ・ケ・エスタレモス・ビエン・エン・フェブレロ(ウチは2月にはいい状態になっていると思う)。クリスマス明けには良くなっていると確信しているよ」とジダン監督も楽観していたんですが、この土曜のリーガ、セビージャ戦に向けては不安があるかも。何せ今回、前節のアスレティック戦でカルバハルとカセミロが累積警告となっているのに加え、退場したセルヒオ・ラモスも出場停止。更に来週のクラブW杯(水曜にアル・ジャジーラvs浦和レッズ戦の勝者と対戦)には同行するようですが、バランはこの試合に間に合わないそうで、バジェホも金曜に筋肉痛が治ったばかりとなれば、ボランチのマルコス・ジョレンテのCB転用を含め、守備陣編成にはかなり頭を捻る必要が。 ▽え、それでもドルトムント戦ではモドリッチやクロース、マルセロ、ベンゼマらを温存できたし、ベイル復帰のメドは立たずとも、木曜にはロナウドがライトアップされたエッフェル塔の1階展望台にドラマチックに登場(https://www.realmadrid.com/noticias/2017/12/cristiano-ronaldo-gana-su-quinto-balon-de-oro)。メッシと並ぶ通算5回目のバロンドール受賞を果たし、「自分はこの賞を7回獲りたいし、子供も7人欲しい」(ロナウド)と意気揚々、パリから戻って来たんだろうって?そうなんですが、さっきも言った通り、今季のリーガではシュート精度がどこか狂いっぱなしの彼ですからね。こればっかりは一体、どこまで期待していいのやら。 ▽相手も現在、前立腺ガンの手術を受けたベリッソ監督が戦列を離れながら、水曜にはマリボルと引き分け、CLグループ通過を2位で決めたセビージャですし、実はリーガ5位の彼らは4位のマドリーと同じ勝ち点を保持。どうもこうなると、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのこの一戦、非常に拮抗して見えるんですが、さて。ちなみに今節はまた2試合同日、マドリッドで開催ですが、ヘタフェ(マドリッド近郊)からサンティアゴ・ベルナベウへはエイバル戦終了直後、セルカニアス(国鉄近郊路線)C4線にLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅から乗り、Nuevos Ministerios(ヌエボス・ミニステリオス)駅へ、そこからメトロ(地下鉄)1駅で着けるため、ギリギリ梯子が可能かと。まだどちらもチケットがあるようなので、マドリッドでの休日をサッカー漬けで過ごしたいファンなどは試してみてもいいかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.09 12:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】まだ取り返しのつく大会もある…

▽「もしやこれって、リーガ優勝を諦めないでいいってことかしら」。そんな風に私がワクワクしていたのは月曜日、いえ、14節が終わっても1位から4位の順番は変わってないんですけどね。動いたのは勝ち点差で、2節前には10ポイントもあった首位バルサと3位アトレティコの差がたったの6に。2位バレンシアとも1差になったんですが、このまま順調に行けば、今回、2差の4位となったお隣さんが年内最終戦のクラシコ(伝統の一戦)でバルサを破ってくれた暁には、たったの3差で新年を迎えることも夢ではなし。それぐらいだったら、アトレティコの場合、直接対決で縮めればいいと言えないのが辛いところとはいえ、シーズン後半、次のクラシコまで待ったっていいですし、土曜にセルタがカンプ・ノウで引き分けたように他のチームが波乱を起こしてくれるかもしれませんし、6月にはワンダ・メトロポリターノ初年度に祝勝イベント開催なんて可能性だって…。 ▽いえ、まだ12月になったばかりなんですから、白昼夢に耽っていてはいけません。とりあえず、寒波に襲われた先週末のマドリッド勢の様子を順々にお話していくことにすると、先陣を切ったのはアトレティコ。すでにバルサが躓いたことを知りながら、レアル・ソシエダ戦が始まったんですが、もう日中の気温が10度に達しないこの時期、まだ外が明るくてもヒートテックで防寒していって大正解でした。おまけに彼らがパッとしなかった前半、28分にはフィリペ・ルイスのパスミスがキッカケとなり、エリア内に入り込んだオジャルサバルをGKオブラクが倒してしまい、PKを献上。ウィリアム・ホセがゴールを決め、1点リードされてしまったとなれば、体感温度が一気に低くなったのはきっと、私だけではなかったかと。 ▽それに輪をかけたのは2度もGKルリとの1対1となりながら、シュートを相手に当ててしまったコレアのビエット症候群感染で、いえ、今季少し前まではアトレティコのFW陣全員が多かれ少なかれ、このゴール入らない病に罹っていたんですけどね。ハーフタイムに「queremos ganar/ケレモス・ガナール(勝ちたいね)と話し合った」(サウール)というチームがピッチに戻った後半序盤にも、彼は同様のチャンスに天高く撃ち上げてしまい、スタンドを絶望させていたんですが、その日は救いの手が思いもかけないところから現れます! それはアトレティコが諦めずに攻め続けていた18分、エリア内右奥まで侵入したサウールが上げたクロスを反対側で受け取ったフィリペ・ルイス。 ▽ええ、「ペナルティはボクのボールロストからだったんだけど、soy asi, si pierdo 40 balones, voy a pedir el 41/ソイ・アシー、シー・ピエルド・クアレテンタ・バロネス、ボイ・ア・ペディール・エル・クアレンタイウノ(自分はそういう奴。40回ボールを失ったら、41回パスを頼むよ)」という、常に前向きな彼が利き足でない右で放ったシュートがファーサイドに決まったから、ビックリしたの何のって。当人も慣れないゴールに30通り程、考えていたポーズの1つでお祝い。まだ同点で逆転ではないことに気づかず、ベンチに駆け寄って、その喜びを分かち合おうとしたそうですが、チームメートに許してもらえませんでしたっけ。 ▽だってえ、リーガのホームゲームではここ3試合、バルサ、ビジャレアル、レアル・マドリーと続けて引き分けているアトレティコですよ。バルサが勝ち点を落とすなんて滅多にない状況でしたし、シメオネ監督も畳みかけるなら今と、ガメイロ、コレアに代え、フェルナンド・トーレス、カラスコを投入したんですが…残り3分、終盤の奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)は彼らの得意技ではないし、リーガ18試合連続無敗はクラブ史上2度目の快挙とはいえ、うち8つがドローなんて、あまり威張れない記録なんじゃないかと私もほとんど諦めていた時のことでした。そう、コケのクロスを再びサウールが頭で繋ぎ、ゴール左前に突っ込んだグリーズマンが押し込んでくれたんですよ! ▽いやあ、2-1で勝利した後、当人は「con el empuje de la aficion y el esfuerzo de cada uno hemos conseguido la victoria/コン・エル・エンプーヘ・デ・エラ・アフィシオン・イ・エル・スフエルソ・デ・カーダ・ウノ・エモス・コンセギードー・ラ・ビクトリア(ファンの後押しと各人の努力で勝利を手に入れた)」と言っていましたけどね。サウールも「Cuando nos animan todo es diferente/クアンドー・ノス・アニマン・トードー・エス・ディフェレンテ(応援されている時は全てが違う)。ファンのサポートがわかると、チームはより勇敢になれるんだ」と言っていましたが、それはちょっと微妙。CLカラバフ戦やマドリーダービーの時など、開始から終了まで物凄い応援ぶりだったにも関わらず、結果は引き分けだったことを考えると、効を奏したのはやはり、最近はご一緒するCFを置いて、シメオネ監督がグリーズマンにプレーしやすい環境を提供したこと。 ▽おかげで彼もここ3試合で4得点というエースらしい働きを見せていますし、加えてこの日は敵にリードされていたため、チームが決して後退しなかったというのも良かったかと。まあ、そうは言っても、シメオネ監督が「El gol tiene una energia que es inigualable y es dificil de explicar/エル・ゴル・ティエネ・ウナ・エネルヒア・ケ・エス・イニグアラブレ・イ・エス・ディフィシル・デ・エクスプリカル(ゴールは説明するのが難しい、他にはないエネルギーを与えてくれる)」と言っていたように、以前は何をやっても入らなかったシュートがまだ例外はあるものの、入るようになったのが、一番大きいんじゃないでしょうかね。 ▽ただ、これでリーガはいいんですが、時宜を逸した大会もあって、この月曜、もう今更、スタンフォード・ブリッジの雰囲気に慣れるも何もないと思ったんですかね。恒例に背いて、マハダオンダ(マドリッド近郊)で朝練した後、ロンドンに向かったアトレティコは火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのチェルシー戦にたとえ勝てたとしても、ローマのホームで戦うカラバフが引き分け以上の成績を残さない限り、CLグループリーグ3位での敗退が決定。来年は1月からプレーが可能となるジエゴ・コスタやビトロと共に、2012年以来のヨーロッパリーグ優勝を目指すことになりますが、それはまだ先の話ですからね。サウールも「こうなったのは自分たちのせい。Solo podemos ganar y esperar/ソロ・ポデモス・ガナール・イ・エスペラール(できるのは勝って待つことだけ)」と言っていたように、今はフアンフランのケガ治らず、再びトマスが右SB修行を続けるグループ最終節をいい形で終えてくれるのを祈るしかありません。 ▽え、そのアトレティコ立ち直りの特効薬がわかれば、同じ病に苦しんでいるお隣さんにも分けてあげたいって? うーん、確かにその土曜、ナイトゲームでアスレティックに挑んだマドリーは雨のサン・マメスでスコアレスドロー。「Estamos ocho puntos por la falta de gol/エスタモス・オチョ・プントス・ポル・ラ・ファルタ・デ・ゴル(ウチはゴール不足で首位と勝ち点8差にある)」(ジダン監督)という結果に。とはいえ、イスコも「昨季は終盤に得点できていたけど、nos esta faltando un poco de suerte, en el futbol tambien influye/ノス・エスタ・ファルタンドー・ウン・ポコ・デ・スエルテ、エン・エル・フトボル・タンビエン・インフルージェ(ウチにはちょっとツキが足りない。そういうのもサッカーには影響するんだ)」と言っていた通り、廻り合わせのいい悪いの問題もありますからね。 ▽大体、あれだけ才能余りある選手が揃っていて、先日など、2部Bのフォルメンテーラに0-1で負け、コパ・デル・レイ32強敗退の憂き目に遭っている今季不調のアスレティックから、どうして1点ぐらい取れないんだという感じですが、何より困るのはこの14節まで、ベイルは治ってもまたケガしたりといった具合で仕方なくても、クリスチアーノ・ロナウドとベンゼマが揃って2得点ずつしか挙げていないこと。うーん、前者はシュート68本とかなり狙いにいっているんですけどね。この日もGKケパに防がれたり、ゴールポストに弾かれたりと、ネットを揺らすことはできず。その対極で昨夏、移籍したモラタ(チェルシー)が9ゴール、マリアーノ(リヨン)が12ゴールと当たりまくっているため、逃した魚は大きかったみたいな話なってしまうのは仕方ない? ▽だったら、今季序盤、オブラクがどんなに頑張ってもスコアレスドローにしかならなかったアトレティコの例もありますし、冬の市場でケパ獲得云々ではなく、FWの緊急補強でもした方がいいような気がしますが、ジダン監督はこのゴール日照りについて、「Esto seguro que va a cambiar/エストー・セグロ・ケ・バ・ア・カンビアール(これは絶対、変わっていく)」と断言。「El balon empezara a entrar un dia y no parara/エル・バロン・エンペサラ・ア・エントラール・ウン・ディア・イ・ノー・パララ(いつかボールはゴールに入り始めるし、そしたらもう止まらないよ)」というカセミロの言葉にも嘘はないと思いますが、実は彼らには切迫した問題が。それはリーガ次節のセビージャ戦で同日、デポルティボに2-0で勝って、同じ勝ち点で5位につけている相手をサンティアゴ・ベルナベウに迎える試合では、カルバハルとカセミロが累積警告でプレーできないこと。 ▽加えて、鼻骨骨折をカバーするマスクを外して、セットプレーでの攻撃に参加していたセルヒオ・ラモスが張り切りすぎたか、アスレティック戦の後半42分に空中戦でアドゥリスにcodazo(コダソ/肘撃ち)を見舞ったとして、2枚目のイエローカードで退場。これでリーガ19回目と単独最多記録を打ち立てただけでなく、こちらも出場停止となるため、守備的にかなり不安なんですが、いくらシーズンは長いとはいえ、取りこぼしを続けていたら、いつになっても首位との差は縮みませんからねえ。 ▽ただお隣さんとは違い、CLグループリーグは前節、2位通過が決定した彼らなので、水曜午後8時45分からのホームゲーム、ドルトムント戦は結果を気にしなくていいのが救いと言えば救いなんですが、さて。アセンシオが負傷から回復、ベイルの様子はいつもながら、よくわからないマドリーに対して、相手はまだアポエルと3位を争っていますし、香川真司選手のプレーも見られるかもしれないだけに、いい試合になるといいですね。 ▽え、マドリッドの両雄の結果はともかく、今節、サプライズ感がより強かったのは日曜の弟分たちの方じゃないかって? そうなんですよ、まず正午からのビジャレアル戦のため、ブタルケ(レガネスのホーム)に向かった私でしたが、まさかこちらでも見事な逆転劇を目撃できるとは一体、誰に予想できたでしょう。そう、両チームとも無得点に終わった前半の後、後半15分にはトリゲロスのロングパスにGKクエジェルが飛び出したところ、ボールを受けたラバにかわされてしまう失態。ガラ空きのゴールに流し込まれて先制されたものの、この日のpepineros(ペピネーロス/キュウリ農家、レガネスの愛称)は決して諦めません。 ▽アムラバットがシマノフキに代わって入ったのが起爆剤となり、27分にはディエゴ・リコがエリア外からの一撃で同点にすると、36分にはエル・ザールが2点目、ロスタイム2分にもガブリエルが決めて、EL圏内6位のビジャレアルに3-1で勝ってしまうんですから、驚かせてくれるじゃないですか。うーん、セビージャ、バルサ、バレンシアと強豪との対決が続き、前節のセルタ戦にも勝てず、ここ4連敗していた彼らなんですけどね。マドリーがクラブW杯に参加するため、ミニダービーが来年に回されているため、12月の残り試合はあとデポルティボ戦とレバンテ戦だけ。となれば、ガリターノ監督も「Estar rozando Europa nos acerca a nuestro objetivo que es la permanencia/エスタル・ロサンドー・エウロッパ・ノス・アセルカ・ア・ヌエストロ・オブヘティーボ・ケ・エス・ラ・ペルマネンシア(ヨーロッパの大会出場圏近辺にいるのは我々の目標、1部残留に近づくことになる)」と言っていたように、今の7位をキープするだけでなく、EL出場順位に喰い込んで年を終わるのもありかもしれませんね。 ▽そしてブタルケを出た後、Julian Besteiro(フリアン・ベステイロ)駅まで20分程歩き、メトロ・スールで3駅、Los Espartalers(ロス・エスパルタス)で下車してすぐのコリセウム・アルフォンス・ペレスに向かった私でしたが、いやあ、まさかヘタフェにここまで根性があるとは意外。というのも、前半23分にアランバリのシュートがアマトに当たって入ったゴールはオフサイドで認められず、そのアランバリが1分後には早くも2枚目のイエローカードをもらって、彼らは10人になっちゃったんですよ。 ▽それでも粘って、2位チームに得点を許さなかっただけでなく、後半21分にはベルガラのシュートがパウリスタに当たって先制点をゲット。まあ、マルセリーノ監督がここ2試合ベンチ入り禁止処分で代理を務めたウリア第2監督など、後で「Nos ha sorprendido la dureza del partido/ノス・ア・ソルプレンディードー・ラ・ドゥレサ・デル・パルティードー(試合のハードさに驚いた)」と言っていましたけどね。そこここでtangana(タンガナ/小競り合い)があったのはともかく、アトレティコ、マドリー、バルサと引き分けている今季無敗の相手に初めて土をつけるって、物凄い偉業じゃない(最終結果1-0)? ▽ちなみにバレンシアの文句は昨季の2部時代を彷彿させるヘタフェのラフプレーだけに留まらず、以前、この地での活躍を認められ、引き抜かれたパレホなど、「El balon no corria, el campo estaba seco/エル・バロン・ノー・コリア、エル・カンポ・エスタバ・セコ(ボールが走らなくて、ピッチが乾いていた)。まるで1週間、整備をしていないみたいにね」と嘆くことしきり。確かに相手は何度も変なところで転んでいたりしましたが、これはバルサやマドリー戦の時も同じで、それでも彼らは勝っているため、あまりいい言い訳にはならないかと。 ▽おかげでレガネスに続き、勝ち点差1で8位となったヘタフェですが、次はまたホームゲームで土曜の正午からエイバル戦。乾貴士選手が来るのも楽しみですが、バレンシア戦前の記者会見でボルダラス監督が「La vuelta la tenemos muy cerca/ラ・ブエルタ・ラ・テネモス・ムイ・セルカ(復帰はとても近い)。もうチームに合流しているし、実質、戦力と言っていい」と発言。いえ、今週末、出られるかどうかはまだ100%確かではないそうですけどね。となると、その前に私も厚着をして、練習を見学してきた方が良さそうですが…ええ、お昼からの試合でも最近のマドリッドは使い捨てカイロがいるんですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.05 13:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】コパが片付いたら…

▽「もう完璧にクリスマスムードね」そんな風に私が感心していたのは木曜日、冬のマドリッドは午後6時には暗くなるため、夕方以降の外出が億劫になっていたものの、今週は午後9時30分からのナイトゲームを2日連続で観戦。ヒートテックを重ねていけば、寒さにも何とか耐えられるのがわかり、思い切ってセントロ(市内中央部)に出てみたところ、すでに通りがイルミネーションで美しく飾られているのに気づいた時のことでした。いやあ、市役所のお知らせによると、1月6日まで続く、こういった電飾はブランドショップの並ぶセラーノ通りから、アルカラ門、レアル・マドリーが優勝のお祝いをするシベレス広場を経て、グラン・ビアまでと、この経路を3ユーロ(約400円)で回れる観賞用のデッキバスも出ているそうなんですけどね。 ▽ただそれだと、オンライン予約(https://naviluz.emtmadrid.es/es/inicio/8-entradas-naviluz.html)が必要で、しかも結構先まで埋まっているため、マドリッドに来たついでにイルミネーションも楽しもうかという観光客の方には利用しづらいところがなきにしろあらず。ちなみに私からサッカーファンへのお勧めはショッピングを兼ねた、徒歩でも回れる簡単コースで、メトロ(地下鉄)のGran Via(グラン・ビア)駅からスタートして、すぐ側あるアディダス・ショップで来年のW杯を6月15日、ソチでのポルトガル戦でスタートすることになったスペイン代表のユニフォームをチェック。そのままイルミネーションに彩られたグラン・ビアをCallao(カジャオ)駅方面に向かうと、途中でレアル・マドリーのオフィシャルショップに寄れますし、カジャオ広場を超えて2ブロック程先にはアトレティコのお店もあるのも嬉しい限りかと。 ▽それからまた、カジャオ広場に戻り、今度はプエルタ・デル・ソルへ向かう道を歩いて、最後は市庁舎前のイルミネーションツリーを拝見という行程ですが、例えば、この土曜とかでしたら、そのまま午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)から始まるアスレティック]vsマドリー戦を見に、近隣にあるアイリッシュパブ、La Fontana de Oro(フォンタナ・デ・オロ/Calle de la Victoria 1)やDubliners(ダブリナーズ/Calle de Espoz y Mina 7)に入ってもいいですしね。どちらもTV画面が幾つもあって、観光客も多いバルのため、ビールを飲みながら、気楽にサッカーが見られるのがいいところですが、さて。中心街なので夜遅くなっても人通りが絶えないのも安心ですけど、とりあえず置き引きとかには気をつけましょうね。 ▽まあ、そんなことはともかく、まずはコパ・デル・レイ32強対決2ndレグの行われた今週、マドリッド勢の結果がどうだったのかとお伝えしないと。火曜の早い時間にキックオフしたレガネスはまあ、1stレグでもバジャドリッド(2部)に1-2で勝っていましたからね。ブタルケでのホームゲームもリーガのレギュラーから半分程、ローテーションをかけながら、前半34分にティトが挙げた1点を守って勝利。総合スコア3-1でOctavos(オクタボス/16強対決)進出が決定し、私もサンティアゴ・ベルナベウのスタンドで喜ぶことができましたっけ。 ▽続いて始まったのが、フエンラブラダ(2部B)との2ndレグだったんですが、何せ、1カ月前にはどちらもPKからの得点だったものの、0-2でマドリーが先勝していましたからね。いくらスタメンに先週、土曜のリーガ戦で同じ相手と0-0と引き分けたRMカスティージャ(マドリーのBチーム)の選手が3人入っていたとて、GKケイロス・ナバスやコバチッチが復帰。トップチームのBメンバーと言われているセバージョスやテオ、マジョラル、マルコス・ジョレンテらもいいところを見せようと張り切っているかと思いきや、何と、先手を取ったのは敵の方でした。 ▽ええ、前半25分にCKからクリアされたボールをルイス・ミジャが25メートル離れた位置からシュート。当人が「El balon ha hecho muchas cosas raras/エル・バロン・ア・エッチョー・ムーチャス・コーサス・ラーラス(ボールがかなり変な動きをした)」と言っていた通りなのか、単なるナバスのミスなのかはわかりませんけどね。それが決まって2試合合計での差を1点に縮められ、更に後半14分にはカタ・ディアスのヘッドが枠を直撃って、これじゃ、いくらチケットが5ユーロ(約700円)からと格安だったとはいえ、雨もちらつく寒い夜に応援に駆けつけたファンから、pito(ピト/ブーイング)が飛んでも仕方なかった? ▽実際、「後半はマドリーにアイデアが欠けていたのがわかった」と言っていたフエンラブラダのカルデロン監督も「今こそウチの番だ」と確信したそうですが…「Pero entonces entro Bale/ペロ・エントンセス・エントロ・ベイル(だが、そこへベイルが入った)」のが運の尽き。ふくらはぎのケガがようやく治って再登場した彼でしたが、最初に触ったボールでゴール前に見事なクロスを入れ、マジョラルがヘッドで同点にするのに貢献しているのですから、やっぱり1億ユーロ(約134億円)で引き抜かれてくる選手の才能は別格なのかと。ベイルは25分にも敵DFラインを抜けて、いえ、シュートはGKに弾かれてしまったんですけどね。こぼれたボールをマジョラルが拾い、またしてもゴールを決めてしまったとなれば、相手は逆転にあと3点も必要なのですから、もう突破は確定と言って良かったでしょう。 ▽いえ、それでも残り2分にポルティージャにゴールを許し、2ndレグを2-2で引き分けたのはあまり褒められませんけどね。試合後は「一緒にプレーしたことのない者やカンテラーノ(ユースチームの選手)もいたし、相手は2部Bのレベルじゃなかった」と選手たちを庇っていたジダン監督は、「Estoy contento por pasar la eliminatoria/エストイ・コンテントー・ポル・パサール・ラ・エリミナトリア(ラウンドを突破したから満足だ)」そうですけどね。こんな様子では次の16強対決、相手次第とはいえ、ベンチにベイル以外、トップチーム勢が1人もいないような、あまりに極端なローテーションは控えた方がいいかも。 ▽加えて、フエンラブラダの1点目を止められなかったせいで、負傷中の代理を務めていたカシージャがCLトッテナム戦やリーガ前節のマラガ戦での失点で評判を落としていたのに続き、ナバスまで不安視されてしまい、ますますアスレティックのケパ即時獲得の噂が広まってしまったのが、この試合のネガティブな結果だったんですが、それより何より、翌日にはベイルが再びジムごもり。今週は足首のケガで練習を休み、移籍を控えて、マドリー戦には出ないんじゃないかと言われていたケパが回復したのとは逆に、「ふくらはぎに違和感があるだけだが、no puedo dar una fecha de regreso/ノー・プエド・ダール・ウナ・フェチャ・デ・レグレソ(いつ復帰するかはわからない)」(ジダン監督)状態に戻ってしまったというから、呆気に取られたの何のって。 ▽いえ、アスレティック戦にはクリスチアーノ・ロナウドを始め、ベンゼマやイスコらtitulares(ティトゥラレス/レギュラー)が戻りますし、マドリーダービーで鼻骨骨折したセルヒオ・ラモスも特注マスクをつけてプレーできますからね。サン・マメスでの試合とはいえ、相手は2部Bのフォルメンテーラを前に後半ロスタイムのゴールでコパ敗退が決定したばかり。リーガもここ5試合白星がなく、16位と低迷しているため、あまり恐れることはないんですが、大事なのは前節でバルサがバレンシアと引き分け、せっかく8に縮まった首位との勝ち点差をマドリーが維持できるかどうか。12月中旬にはクラブW杯があり、16節のレガネス戦が来年回しになる彼らのため、一時的にまた差が開くのは仕方ないものの、できれば年内最終戦のクラシコ(伝統の一戦)で何とか一桁に戻して、新年を迎えたいところですよね。 ▽え、珍しい偶然だけど、この土曜に2部B相手にコパ敗退した相手と戦うのはマドリーだけではないんじゃないかって?その通りでアトレティコも1stレグでは0-1と勝ちながら、水曜の2ndレグでジェイダに2-3と逆転され、1月ミッドウィークの予定がすっかりなくなったレアル・ソシエダを午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、ワンダ・メトロポリターノに迎えることに。ただ、お隣さんと違うのは自身のコパ、エルチェ戦2ndレグでの彼らが最近の好調の波をキープできたことで、いえ、やはりプレーしたのは控え選手が多かったんですけどね。 ▽おまけに1stレグ同様、ビエットのゴール入らない病には回復の兆しがまるで見えず、前半31分にヒメネスがCKからヘッドで先制する前に4回失敗。33分にフェルナンド・トーレスがカラスコの弾かれたシュートを拾って2点目をゲット、後半23分にもベルサイコのアシストでdoblrete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成し、グリーズマン、ガメイロに続いてとうとう、10月にはチーム中に蔓延していた疫病から罹患したことを証明した後にもまた4回程失敗って、もうここまで来ると、泣くに泣けないのは当人だけじゃありませんって。 ▽うーん、この日はトーレスも数度、好機に決められなかったため、先日、0-5と大勝したレバンテ戦の際には「次の機会のために少しはゴールを取っておけばいいのに」とケチ臭い考えに浸っていた私も、「ワンダ初得点ついでにハットトリックでもしちゃえばいいのに」と思ったもんでしたけどね。とにかくビエットの場合は、シメオネ監督も「チームで最もいいプレーをする選手だが、彼のポジションはゴールを入れるか入れないで判断される。Yo le valoro que no se esconde y que sigue jugando y pidiendola/ジョー・レ・バロロ・ケ・ノー・セ・エスコンデ・イ・ケ・シゲ・フガンドー・イ・ピディエンドラ(それでも隠れず、プレーしてパスを頼んでいるところを私は評価しているよ)」と言っていましたが、彼がFWとしての本領を発揮するキッカケを掴むには本当にラッキーな何かが必要かと。当人は頑張っているだけに、ガメイロが今季初ゴールを挙げた時、レバンテのチェマがゴール前でボールを止めるというregalo(レガーロ/プレゼント)があったような幸運が近々、訪れてくるといいですよね。 ▽何はともあれ、アトレティコは3-0で勝利したため、極寒の平日の夜、ワンダに集った4万7000人のファンも逃したチャンスの多さなど、細かいことは気にせず、総合スコア4-1での突破を祝ったんですが、来週火曜に決まる16強対決の組み合わせには要注意。というのもこの32強対決では火曜にマラガを総合スコア3-2で下したヌマンシア(2部)、木曜にベティスを3-5で破り、逆転突破を果たしたカディス(2部)を含め、下部カテゴリーのチームが4つ残っているんですが、残りは全て1部だから。 ▽ええ、この先はマドリーやバルサと当たる可能性もあるんです!来週の最終節でチェルシーのホームで勝利かつカラバフがローマと引き分け以上という奇跡が起きない限り、来年はCLからヨーロッパリーグに転戦、リーガもお隣さん同様、首位と勝ち点8の彼らとなれば、コパぐらいしかタイトル獲得の期待が持てない気もしますしね。となると、ラス・パルマスのコパ、デポルティボ戦2ndレグで肉離れを起こしたビトロはともかく、ジエゴ・コスタがプレーできるようになる1月のミッドウィーク試合はチームにとって、最優先課題になりそうですが、さて。その傍らでリーガの3位維持、来季のCL出場権確保は万年マストの彼らなので、フアンフランのケガが治っていないにも関わらず、またベルサイコが招集リスト落ちし、トマスの右SB修行が続くこの土曜のソシエダ戦もきっと手を抜くことはないはずですよ。 ▽そしてリーガでは翌日曜、それぞれビジャレアル戦、バレンシア戦にホームで挑むことになるマドリッドの弟分チームなんですが、先に正午キックオフとなるのはレガネス。何せ、相手はコパと違って、同じカテゴリーのチームですし、ビジャレアルもポンフェラディーナ(2部B)を余裕で倒し、現在6位の実力を見せつけていますからね。このところ、リーガ4連敗と勝ち星から遠ざかっている彼らにはちょっと荷が重いかもしれませんが、ガリターノ監督も「Queremos estar más cerca de Europa/ケレモス・エスタル・マス・セルカ・デ・エウロッパ(ウチはもっとヨーロッパの近くにいたい)」と言っていたように、勝てば再び、EL出場圏が視野に入ってくるのは大きな励みとなってくれるかと。 ▽一方、木曜のアラベス戦でまるで2節前、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで4-1とやられたリバンジのごとく、メンディソロサで3-0と完敗。1stレグでの0-1負けを覆すどころではなく、マドリッド勢で唯一、32強対決敗退となったヘタフェは、梯子観戦も可能な午後4時15分からの時間帯で2位のバレンシアを迎えるんですが、うーん、敵はもちろんコパではサラゴサ(2部)を総合スコア6-1と圧倒。リーガでも2節前にお隣さんが3-0と一蹴されていましたからね。柴崎岳選手もまだ復帰せず、私としても頑張ってせめて引き分けてくれたらぐらいしか望めないんですが、ここで勝ち点1でももぎ取れば、兄貴分2チームから感謝されるのは間違いなし。順位も今はレガネスと勝ち点1差の12位と悪くはないですし、年内の見どころはマドリッド第3のチームの座はどちらが手に入れるのかといったところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.02 12:40 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】同じ5ゴールでも違う…

▽「そろそろヒートテックの出番かな」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜。ここ数日前から一気に真冬モードに入ったマドリッドの夜間気温を調べていた時のことでした。いえ、最初はこのブラック・フライデー期間中、あまりにお手頃価格だったため、つい衝動買いしてしまったジーンズとセーターで行くつもりだったんですけどね。マドリッドの両雄がホームゲームとなるコパ・デル・レイ32強対戦2ndレグは平日だからなのか、どちらもキックオフが午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)と遅い時間。気温は5度ぐらいが予想されるんですが、暖房のあるサンティアゴ・ベルナベウはともかく、荒野の真ん中に立つワンダ・メトロポリターノで風でも吹いた日には相当、覚悟を決めておかないと辛そうに思えたから。 ▽ただ、このラウンドのコパにもいいことがあって、何せ相手が2部Bと格下ですからね。チケットがまだ大分、残っているため、火曜はマドリーvsフエンラブラダ戦を15~40ユーロ(約2000~5300円)、VIP席150~350ユーロ(約2万~4万7000円)、水曜はアトレティコvsエルチェ戦を5~10ユーロ(約700~1400円)、VIP席も50ユーロ(約7000円)からという、格安値段で見られてしまうとなれば、たまたまマドリッド観光に来ているサッカーファンも行ってみない手はない? ちなみに1カ月前に行われた1stレグでレアル・マドリーはエスタディオ・フェルナンド・トーレス(マドリッド近郊にあるフエンラブラダのホーム)で0-2と勝利。相手は2部Bグループ1首位とはいえ、先週末の土曜にはRMカスティージャ(マドリーのBチーム)ともゴールレスドローだったそうですからね。 ▽普通なら、ジダン監督も控え選手プラス、カンテラーノ(ユースチームの選手)で迎えるところですが、今回は丁度、GKケイロル・ナバスとコバチッチが負傷明けの足慣らしをするのと同時に、9月のCLドルトムント戦以来、ミステリアスな左足のケガに苦しんでいたベイルもいよいよ招集リスト入り。「La idea es que juegue ya mañana, pero veremos cuánto/ラ・イデア・エス・ケ・フエゲ・ジャー・マニャーナ、ペロ・ベレモス・クアントー(明日はプレーさせるという考えだが、どのぐらいかは様子を見ながら)」(ジダン監督)だそうですし、1stレグで退場したバジェホが出場停止のため、CBコンビもヴァバランとナチョになるかも。鼻骨を骨折したセルヒオ・ラモスのマスク姿はまだ見られませんが、U-21スペイン代表で大活躍ながら、なからなか使ってもらえないセバージョスやW杯行きが確実視されているアセンシオなど、ファンが楽しめる要素はいっぱいあるような。▽一方、初戦をエルチェと1-1で引き分けているアトレティコは試合が水曜なこともあり、どんな陣容で挑むかはまだ不明。月曜には背筋痛だったヴルサリコがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場グラウンドでチームに合流したため、本職右SB不在問題は解決しそうですけどね。何せ今季、彼らが大得意の0-0でも勝ち抜けできるとなれば、最初はシメオネ監督も控え選手中心でいくかもしれません。 ▽え、でも先週末のリーガ戦を見れば、そんないかにもアトレティコが景気悪そうな物言いはもうしなくてもいいんじゃないかって? そうですね、この13節、マドリッドの兄貴分たちの試合ではどちらもゴールを5本ずつ見ることができたんですが、その内容は大違い。まずはベルナベウにマラガ戦を見に行った私だったんですが、とりあえず9分にマルセロのクロスをクリスティアーノ・ロナウドがヘッド、枠に当たって跳ね返ったボールをベンゼマが押し込んで先制したところまでは良かったんですけどね。それがまさか、17分にはあの精密機械のようなクロースがパスミス、ボールをケコに奪われて、そのクロスをロランに決められ、同点にされてしまうんですから、誰もが呆気に取られたの何のって。 ▽この時は幸い、3分後にCKでカゼミロのヘッドをアシストして、クロースも面目を保てたんですが、どうもここ最近のマドリーはダービーでもスコアレスドローでしたし、いつの間にか、お隣さんの悪癖が伝染ってしまったんでしょうかね。ロナウドがGKロベルトに2度もパラドン(パラドン/スーパーセーブ)されてしまったのはともかく、後でジダン監督も「Lo inhabitual son las perdidas de balon que tuvimos/ロ・インアビトゥアル・ソン・ラス・ペルディーダス・デ・バロン・ケ・トゥビモス(ボールの失い方が普通じゃなかった)」と言っていたように、さっぱりパスが続かないのは一体、どうして?▽まさか、アトレティコを見ている時と同じイライラを感じるようになるとは想像だにしませんでしたが、少なくともツキはあったようですね。ええ、前半最後のプレーでマラガのバイセにFKから見事なヘッドを決められたものの、「voy a saltar, me pone los brazos y creo que es falta/ボイ・ア・サルタル、メ・ポネ・ロス・ブラソス・イ・クレオ・ケ・エス・ファルタ(ジャンプするつもりだったところに腕をかけられた。ファールだと思う)」というカルバハルの主張通り、得点を認められなかったため、マドリーは何とかリードを保って折り返すことに。 ▽うーん、これにはマラガの選手たちも「クリスティアーノだって先制点の時には体を支えていたし、バイセは身長の差でカルバハルにジャンプで勝っただけだ」(チョリ)と抗議していましたが、それも57分、当人のエリア外からのシュートが直前でバウンド、GKカシージャが止められず、アウェイでの今季2得点目が入ったとなれば、その悔しさも半端じゃなかったかと。おまけに彼らにとって悪いことはさらに続き、最後は75分、またしても引き分けで首位バルサとの差が拡大するんじゃないかという恐れにベルナベウのスタンドが包まれていた頃、ルイス・エルナンデスが途中出場のモドリッチを倒してペナルティを献上。ロナウドのPKは一旦、ロベルトが弾いたものの、その跳ね返りを押し込まれ、マドリーに3-2で屈することになりましたっけ。 ▽え、その日のfondo sur(フォンド・スール)では12節までPKを1本ももらえず、審判に逆ひいきされていると感じていたマドリーサポーターたちがレッドカードを掲げる抗議行動などもあったけど、試合後のミチェル監督は「前半の2-2となるゴールは有効に見えたが、結果は変えられない。Arbitrar es complicado/アルビトラール・エス・コンプリカードー(ジャッジするのは難しいからね)」とそれ程、根に持っていなかったみたいじゃないかって? そうですね、マドリーは当人の古巣ですし、降格圏でもがいているチームにしては、前半にはフアンカルがヒザの靭帯断裂で早期交代、後半もキャプテンのレシオが足を引き摺ってプレーしていたにも関わらず、拮抗した試合ができたことに満足していたのかも。 ▽まあ、そんなミチェル監督ですから、丁度、プレスルームに降りるエレベーターで一緒になった、今はレアル・マドリーTVで解説者として働いている元同僚のロベルト・カルロスなども「マラガは1部に残らないといけないよ。あそこにはいいビーチもあるし、監督も好きだからね」と言っていたんでしょうが、そんなことはともかく。年内のリーガはアスレティック戦、セビージャ戦と強敵が続き、最後はクラシコ(伝統の一戦)で締めないといけないマドリーなんですから、あまり不安定な試合が続くと、先行きが思いやられますよね。 ▽そして一旦、家に戻った後、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にアトレティコを見に行った私でしたが、いやあ、もしやあのダービーが厄払いに役立ったんでしょうか。先週のCLでローマに2-0で快勝していた彼らですが、この日は5分から、幸運の女神が微笑むことに。だってえ、ガビのロングボールに抜け出したガメイロのラストパスをレバンテのロベルがクリアしようとして、オウンゴールで先制ですよ。その後、GKオイエルとの1対1を2度共失敗したガメイロだったんですが、28分にはコレアのシュートをチェマがゴール前で止めながら、自分は勢いでピッチの外に出てしまうという大失態。完璧ガラ空きのゴール50センチ前であれば、彼だって失敗しようがありませんって。 ▽おかげで2点リードという滅多にない好スコアで後半に入ったアトレティコでしたが、意外なことにそれでもチームは後退せず、ハーフタイム後も攻撃精神を維持したのが効を奏します。ええ、58分にはグリーズマンのスルーパスをガメイロが3度目の正直でGKの脇を通すシュートを成功させ、3点目をゲット。「Con Antoine tengo una buena relacion dentro y fuera del campo/コン・アントワン・テンゴ・ウナ・ブエナ・レラシオン・デントロ・イ・フエラ・デル・カンポ(アントワーヌとはピッチの中でも外でもいい関係だよ)」(ガメイロ)というフランス人FWコンビは64分にも連携し、この時はガメイロのアシストでグリーズマンがゴール、67分にもガメイロはGKに弾かれたものの、跳ね返りに突っ込んだグリーズマンのおかげで5点目が入るなんて…これまでとは打って代わった効率のいいgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を目の辺りにして、逆にこの先、反動で途方もなく悪いことが起きそうで心配になるって、もしや不幸体質が染みついているのは私だった? ▽結局、その後、ピッチに入ったフェルナンド・トーレスは「チームはゴールまでの数メートル、より落ち着いてプレーできるようになったし、no se sabe por que, pero nos entusiasma/ノー・セ・サベ・ポル・ケ、ペロ・ノス・エントゥシアスマ(何故かはわからないが、ウチはスピリッツが高揚している)」(シメオネ監督)というムードには乗れず、今季初得点を挙げることはできなかったんですが、0-5にもなれば、もういいですよ。自分など、ケチ臭い考えで次の試合にゴールを取っておくべきだなんて思ってしまったぐらいですが、運のいい日ってそういうものなんですかね。これまでは必ず敵に渡っていたリバウンドのボールなどもこの日は味方に行くというラッキーな面もあり、これまで2分け3敗と1度もシュタット・デ・バレンシアで勝ったことのなかったシメオネ監督が初勝利、チームとしても10年ぶりの白星を挙げてくれたとなれば、何の文句がありましょう。 ▽いえ、レバンテのムニス監督に「Nos hemos enfrentado a un rival de mucho nivel. Nos hemos encontrado un gran Atletico de Madrid/ノス・エモス・エンフレンタードー・ア・ウン・リバル・デ・ムーチョ・ニベル。ノス・エモス・エンコントラードー・ウン・グラン・アトレティコ・デ・マドリッド(ウチは高いレベルの相手に当たった。偉大なアトレティコ・デ・マドリーに出会った)」なんて褒められてしまうと、私もちょっとくすぐったいんですけどね。実際、この日は「彼らの全てのカウンターが凄い打撃だった」とモラレスも言っていたように、今季は不発が多かったクラブの伝統芸が大きな武器に。実際、こういう試合がもっと早くからできていれば、11月末にCLほぼ敗退、リーガ首位との差もこれ程、開いていなかったとはずなんですが…。 ▽そして翌日曜にはバルサがメスタジャでメッシのゴールがラインを割りながら、スコアボードに挙がらなかったせいもあり、ジョルディ・アルバの1点でロドリゴの先制点を帳消しにしただけに。1-1の引き分けで終わったため、得失点差で3位になったアトレティコと4位マドリーの差は2位バレンシアと勝ち点4、首位とは8に縮まったんですが、まあこれだけあると、そう簡単には近づけませんからね。12月のバルサの相手はセルタ、ビジャレアル、デポルティボと、あまりポイントを落とすこともなさそうですし、やっぱり年内最終戦のクラシコに期待するしかないでしょうかね。 ▽え、それで月曜にエスパニョールに挑んだマドリッドの弟分、ヘタフェはどうなったんだって? いやあ、土曜には私も練習を偵察に行って来たんですが、相変わらず柴崎岳選手は1人でリハビリトレーニングと、フットバレーを楽しんでいるチームメートの輪には加わらず。サッカーシューズも履いておらず、ボルダラス監督も「ガクはまだ馴らしているところ。Hay que esperar días para que entrene con el grupo/アイ・ケ・エスペラール・ディアス・パラ・ケ・エントレネ・コン・エル・グルッポ(グループ練習に加わるには何日か、待たないといけない)」と言っていたため、バルセロナ遠征に行かないのはわかっていたんですけどね。 ▽それでも9月から試合に出ていない彼を練習見学に来たヘタフェファンが忘れておらず、グラウンドを引き揚げる際に囲まれていたのは喜ばしい限りでしたが、残念ながら、RCDEスタジアムでの一戦は後半、ジュラール・モレノに決められた1点を返せず、4節ぶりにヘタフェは敗戦。お隣さんのレガネスと勝ち点1差の12位のままで、次は木曜、アラベス戦のコパ2ndレグに挑みます。何せ、彼らはマドリッド勢で唯一、1stレグで0-1と負けており、しかもアウェイでの逆転が必要ですからね。丁度、相手はその試合でデビューしたデ・ビアージ監督が月曜に解任され、今季3番目の指揮官を探している最中とはいえ、ここはかなり頑張って逆転突破してくれないと、年明けに柴崎選手が試運転できる試合がなくなってしまうかも。 ▽そして水曜午後7時30分から、2部のバジャドリッドをブタルケに迎えるレガネスは、1stレグでの1-2勝利を突破につなげたいというのがガイターノ監督の考えですが、いや、今の彼らはリーガ4連敗中。しかもシオバス、エセキエル・ムニョス、マントバーニとCBが3人も当分、負傷で出場できないとなれば、あまりコパ勝ち上がりはお勧めしないんですが、さて。ちなみにこの次のラウンド、16強対決は年明け早々の3日から予定されているため、お正月休みにマドリッド訪問を予定されている方などはこまめに日程をチェエクしておくといいかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.28 18:16 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】勝利に浮かれはしても現実は厳しい…

▽「ホントにここって何もないよね」そんな風に私が嘆きながら、IFEMA(イフェマ/マドリッドにある大型展示場施設)の横を歩いていたのは木曜日、バルデベバス(バラハス空港の近く)にあるレアル・マドリーの練習場に向かっている時のことでした。いえ、選手たちの出入りを見たいのであれば、セルカニアス(国鉄近郊路線)C1線のValdebebas(バルデベバス)駅で降りて徒歩1分、関係者用ゲート前で待てばいいだけなんですけどね。練習見学などで内部に入る場合、そちらからだと、広大な施設の敷地外周をグルリと回らないと入り口がないため、メトロ(地下鉄)8号線のFeria de Madrid(フェリア・デ・マドリッド)駅から徒歩30分の方が、乗り継ぎの関係で楽という面も。 ▽実際、まだ今のマドリッドは天気の良い昼間は寒さも厳しくなく、そこここで黄色に色づいた街路樹や高速道路を超えた後、野っぱらに生えているススキのような雑草に秋の情緒を感じながら歩くのも悪くないんですが、難点は猛暑の時に水が買える売店や、極寒に耐えかねた時に熱いコーヒーが飲めるバル(スペインの喫茶店兼バー)などが、練習場の付近一帯にまったくないこと。おかげで思い出してしまったのは、いえ、アトレティコのマハダオンダ(マドリッド近郊)のシュダッド・デポルティバ・ワンダのように、お隣に飲食店の並んだブロックがあるなんて環境は珍しいんですけどね。弟分のヘタフェもそういう意味ではかなり恵まれているかと。 ▽というのもコリセウム・アルフォンソ・ペレス右脇の道を下って行くと着く練習場では、トップチームのグラウンドの少し手前にバルがあるため、まだ誰もいない時はここでお茶をして待っていればいいし、毎回、2時間以上ある長いセッションをずっと見ているのに飽きてもテラスに座っていれば、柴崎岳選手を含め、引き揚げてくる選手たちを見逃す心配はゼロ。更にチームが朝食を取るスタジアム内のバルは試合のない日も開いており、Menu del dia(メヌー・デル・ディア/本日の定食)もあるため、セントロ(市内中心部)に戻る前に腹ごしらえしていくこともできます。 ▽他にも最寄のメトロ・スールの駅、Los Espartales(ロス・エスパルタレス)の出口前ある、カーニャ(グラスビール)やコーラなど、コールドドリンクを頼むとtapita(タピータ/おつまみ)をつけてくれる(ただし試合前は混雑しているためか、出ない)バルも重宝しますし、セルカニアスC4線のLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅へ向かう途中、大通りより1本外側のEmilia Prado Bazan(エミリオ・プラド・バサン)通りにも数軒、テラスで食事のできるレストランバルが並んでいるため、ランチをする場所に事欠かないのがいいところ。その辺は一番近いお店がショッピングセンターながら、そこまでスタジアムからも練習場からも10分以上歩かないといけない同じ弟分のレガネスより、立地がいいと言えますね。 ▽まあ、そんなことはともかく、木曜の私はスポンサーのアウディが恒例の選手への車の貸与式をやると聞いてバルデベバスへ向かったんですが、なかなか面白かったのはプレイベントのカーレースゲーム。バスケチームが練習に使うバビリオン内に作られた舞台で、F1レーサーのようなつなぎを着た選手たちがオンラインで繋がれた運転席に座り、8人ずつの予選を戦った後、決勝レースという運びでしたが、贅沢なカーコレクションが自慢のクリスチアーノ・ロナウドが最下位で予選落ちしてしまったのはかなり意外だったかと。もちろん普段、どんなに高性能の車に乗っていようが、自宅と練習場の往復では超高速を出す機会などある訳ないということでしょうが、この日、チーム一の器用さを発揮したのはカルバハル、以下、セルヒオ・ラモス、アセンシオと続いて表彰台に立つことに。 ▽その後、パビリオンの外に移動して1人ずつ、車を受け取ったんですが、ジダンの息子さん、第3GKのリュカを始め、セバジョス、アクラフ、マジョラル、コバチッチら、一番安い物でも7万5000ユーロ(約1000万円)、最高額はケイロル・ナバス、ロナウドのRS7の15万ユーロ(約2000万円)を超える、ラモスの選んだスポーツカー、R8スパイダーで21万ユーロ(約2800万円)だったそうですが、どれにしても一般人にしてみれば、何とも羨ましい限り。ええ、このイベントにはレースはベンゼマ、マルセロと共に欠場したものの、久方、ピッチでご無沙汰しているベイルもしっかり出席しています。 ▽え、彼らが呑気に新しい車をもらって喜んでいられるのも火曜のCLアポエル戦で今季初めて、トレードマークのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を達成したからじゃないのかって?そうですね、その試合、イスコやカセミロをベンチに置き、アセンシオとルーカス・バスケスでローテーションしたマドリーでしたが、前半23分に敵がエリア内からクリアしたボールをモドリッチが見事なvolea(ボレア/ボレーシュート)で決め、口火を切るともう止まらず。39分にはクロースのスルーパスからベンゼマが2点目を挙げると、その1分後にはCKからナチョが3点目、ロスタイムにもロナウドがベンゼマにアシストして、前半だけで0-4になるなんて一体、いつ以来のことでしょう。 ▽後半も序盤にロナウドの2ゴールで、とうとう0-6としたマドリーは勝ち点3を積み上げて、グループリーグ突破を決めたんですが、同日、トッテナムもドルトムントのホームで2-1と勝ったため、最終節に何をしても2位で変わらないことも確定。いえ、昨季もトップ通過できずにCL2連覇を果たしたジダン監督のチームですしね。12月6日にサンティアゴ・ベルナベウを訪れるドルトムントにはアポエルと3位を争って、ヨーロッパリーグ出場権を得るという目標があるため、香川真司選手も出場すれば、真剣に向かってきてくれると思いますが、実はキプロスでの試合の後、大勝にも関わらず、不機嫌だった選手が約1名。それは今季のCL5試合で8得点として、ランキングトップを走るロナウドでした。 ▽というのも前節、ウェンブリーでトッテナムに3-0と負けた際、「ペペ(ベシクタシュ)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)、モラタ(チェルシー)のいた昨季程、経験の足りない選手の多い今季のウチは強くない」と発言したせいで揚げ足を取られ、キャプテンのラモスに「今、そういうことを言うのはご都合主義」と批判されたことを根に持ったんでしょうかね。「Digo una cosa y poneis otra... ?como quereis que hable con la prensa?/ディゴ・ウナ・コーサ・イ・ポネイス・オトラ…コモ・ケレイス・ケ・アブレ・エン・ラ・プレンサ(自分が何か言うと、他のことを書かれる。何で自分がプレスにコメントしないといけない)」とインタビューなしで行ってしまうから、まったくもって気難しい。 ▽ただ、後でマルセロなども「Paz no vamos a tener nunca, la gente no esta acostumbrada a eso/パス・ノー・バモス・ア・テネール・ヌンカ、ラ・ヘンテ・ノー・エスタ・アコストゥンブラダ・ア・エソ(ウチが平穏になることはない。皆、そういうのには慣れていないからね)」と言っていたように、この決勝トーナメント進出決定で来年2月まで、CLのことは考えなくて良くなったからとて、心配事がなくなった訳じゃないのがマドリーの辛いところ。ええ、すぐに週末にリーガ戦が来てしまうため、再び首位バルサとの勝ち点差10という、ジダン監督もシーズン前には「No me lo imaginaba, para nada/ノー・メ・イマヒナバ、パラ・ナーダ(まったく想像もしなかった)」逆境に立ち向かわないといけないんですよ。 ▽うーん、相手は前節、ようやくデポルティボに勝って最下位を脱出したマラガですが、リーガでのロナウドはベンゼマと共にまだ1ゴールで全然、調子が出ていませんからね。ベイルはもちろん、アセンシオも全治10日のケガを左足に負ってしまったそうで、マドリーダービーで鼻骨を骨折したラモスも木曜には1個300ユーロ(約4万円)相当のカーボンファイバー製フェイスマスクが完成し、インスタグラム(https://www.instagram.com/p/Bb33pdVjhzL/?taken-by=sergioramos)で披露していたものの、招集リストには入らず。この試合ではナチョが累積警告で出場停止になっているため、CBにバランとバジェホしかいないというのはちょっと心配かと。 ▽朗報はとうとう、GKナバスとコバチッチが復帰したことですが、今季はホームでベティスに負け、レバンテとバレンシアに引き分けるという失態をすでに犯している彼らですからね。日曜の頂上決戦、バレンシアvsバルサ戦がどういう結果になるにしても、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのマラガ戦では絶対、勝ち星を落とすことは許されないかと。そうそう、その永遠のライバル、バルサは水曜のCLユベントス戦で前節オリンピアコス戦に続いてスコアレスドロー。それでもメッシを後半まで温存しつつ、グループ首位通過が決まっているんですから、今季はヨーロッパの大会に参加していないバレンシア同様、ここ当分、リーガに集中できるのが怖いですよね。 ▽え、それで火曜には後半に劇的な追い上げを見せ、リバプールと3-3で引き分けたセビージャが最終節にマリボルと引き分け以上なら、グループ突破ができることになっていたけど、カラバフとの2連戦を両方共ドローで終えた時点で勝ち点がたったの3。CLスペイン勢4チーム目、今季最後のCLホームゲームになる可能性が限りなく高かったアトレティコはどうだったのかって?いやあ、アゼルバイジャンで当日、先に試合をしたチェルシーが0-4とカラバブに大勝、もうこれじゃ、選手もやる気にならないんじゃないかと放心して、ワンダ・メトロポリターノのスタンドに座っていた私でしたけどね。その上、ローマ戦のキックオフ前にフアンフランの負傷離脱が発覚、元々、ベルサイコも背筋痛で欠場が決まっていたため、右SBがトマスになると聞いた日にはもう一体、何を期待していいのやら。 ▽代わりに招集リスト外だったアウグストが中盤に入ったものの、トマス共々、序盤は何度も自陣でボールを失う始末。アポエル戦で面目躍如をしたベンゼマが、「No tengo derecho a fallar cuatro pases, uno ya puede ser un problema/ノー・テンゴ・デレッチョー・ア・ファジャール・クアトロ・パセス、(ボクにはパスを4回失敗する権利はない。1度でも問題にされかねないからね)」なんて言っていたのに比べ、何て寛容なチームだろうと苦い思いもしたものでしたが、幸い相手も鋭い攻撃を繰り出すことはできず、今季恒例の0-0でハーフタイムに入ります。でも…後半はいつもとちょっと違ったんです! ▽いえ、シメオネ監督がアウグストをコレアに、ダービーで引き分けた翌日、落ち込みもせずに彼女のベアトリスさんにプロポーズなんてしていたせいでしょうかね(https://www.instagram.com/p/BbwmNQXg_rr/?taken-by=beatrizespejel)。珍しくコケもガビにと、早々に交代カードを切ったのもグッジョブだったんですが、24分、ピッチにいたFWたちが久々に完璧な連携を見せてくれたから、ビックリしたの何のって。 ▽そう、フェルナンド・トーレスの浮き球のパスを追ったコレアがゴールラインぎりぎりからクロスを上げると、反対側にいたグリーズマンがchile(チレナ/オーバーヘッドシュート)で先制点が決まるって、我が目を疑ってしまったのはきっと、私だけではないはず。だってえ、「En los entrenamientos y en la seleccion si que entraba, pero con el Atletico no/エン・ロス・エントレナミエントス・イ・エン・ラ・セレクシオン・シー・ケ・エントラバ、ペロ・コン・エル・アトレティコ・ノー(練習や代表では入るんだけど、アトレティコではゴールにならない)」と本人も言っていた、ここ8試合無得点だったグリーズマンですよ。 ▽いくら試合前、先日のダービーではpito(ピト/ブーイング)を浴びせながら、かといって、他に頼る者のないファンが当人の応援歌を歌って励ましていてくれたとはいえ、話が出来過ぎではないかと思ったんですが、その日のアトレティコはリードした後もいつもように後退せず。それどころか、ローマのブルーノ・ペレスが2枚目のイエローカードをもらって退場した後の40分、カラスコの代わりに入っていたガメイロがグリーズマンのスルーパスを受け、GKアリソンをかわすと、角度のないところから2点目のゴールを決めるという嬉しいおまけまでつくことに。うーん、確かにフランチェスコ監督も「アトレティコの方が試合に勝ちたいというハングリー精神があった」と言っていた通りだったんですが、はあ。その気概、カラバフ戦の時に見せてくれていたらなんて、今更言っても仕方ありません。 ▽結局、そのまま2-0で勝ったアトレティコは紙一重で数字上、グループ勝ち抜けの可能性を残したんですが、何せ、その日、1位通過を決めたチェルシーにスタンフォード・ブリッジでの最終節で勝ったとしても、木曜にアディダスのイベントに出演したコケも「necesitamos que el Qarabag haga algo/ネセシタモス・ケ・エル・カラバフ・アガ・アルゴ(カラバフが何かしてくれることが必要)」と口にした後、苦笑を抑えられず。ローマがホームで最下位の決定したチームに遅れを取るとは思えませんからね。ここは腹を決めて、もう年明けは5年ぶりのEL優勝に懸けるしかない? ▽まあ、シメオネ監督も「最後の90分が終わるまで、ネガティブなことは考えない。La vida esta para pensar positivamente/ラ・ビダ・エスタ・パラ・ペンサル・ポシティバメンテ(人生はポジティブに考えるためにある)」と言っていたように、世の中にはたまに奇跡もあるため,その辺は12月5日の試合が終わるまで私も気に病まないようにしようと思いますが、やっぱり心配しない訳にはいかないのは土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレバンテ戦。何せ、彼らの条件はお隣さんとまったく同じ、首位と勝ち点10差ですからね。ハムストリングを痛めたフアンフランはもちろん出られず、今度の右SBはヒメネスになりそうですが、さて。 ▽とにかく1度、ゴールが入り始めたら、調子の波に乗るはずという定説を今は信じたいところですが、一足早く、金曜夜にセルタ戦に挑んだレガネスはここ3連敗という流れを変えられず、イアゴ・アスパスに決められたPKゴールで1-0とまた敗戦。ヘタフェの方は月曜にエスパニョール戦となるため、その前に私も柴崎選手のリハビリがどのくらい進んだのか、偵察してこようと思いますが、来週はコパ・デル・レイ32強対戦2ndレグもありますし、どこのチームも忙しくなりますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.25 11:01 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】勝って負けて引き分けた…

▽「こうも首位決戦が縁遠いものになるとは」そんな風に私が嘆いたのは月曜日。今週末の日曜にあるバレンシアvsバルサの話題でTVのスポーツニュースが盛り上がっているのを見た時のことでした。確かにこの日曜、エスパニョールに0-2と快勝したリーガ2位の前者が勝てば、1位との差はたったの勝ち点1に。退場したマルセリーノ監督はメスタジャのベンチに入れないものの、ピッチでの影響が大きいのはピケが累積警告で出場停止になる相手の方でしょうし、大体、その前にバルサは水曜のCLでユベントスとのアウェイ戦に挑まないといけませんからね。今季はヨーロッパの大会に参加していないバレンシアにとって、願ってもないチャンスかと思いますが、それにしても寂しいのは両者があまりに高みにいすぎるため、マドリッド勢にしてみれば、どっちが勝とうが、どうでもいいような状態になっていること。 ▽だって、レアル・マドリーもアトレティコも首位とは勝ち点10、2位とも6ポイントも差があるんですよ。こうなるともう、直接ライバルとも言えなくて、そりゃあ、ジダン監督もリーガは長いと言っていた通り、先々を考えると、シーズン後半戦での息切れがありそうなバレンシアより、バルサとの差が縮まった方がいいのかもしれませんけどね。ただ、現在のマドリッドの両雄の調子が続くなら、10差が7差になったって焼け石に水。この先はCLグループリーグ直接出場権のある3位争いとなるのか、後ろにつけているセビージャやビジャレアルといったチームに追いつかれないようにするのが先決なのか、何にしろ、はなはだパッとしない未来が待っていそうにない気がするのは私だけではない? ▽いえ、まずはその原因となった先週末のリーガについて、話さないといけませんね。珍しく、マドリッドの4チームが揃って試合となった土曜日は私も忙しいスケジュールをこなすことに。ええ、まず午後1時から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにアラベスを迎えるヘタフェを見に行ったんですが、こちらはメトロ(地下鉄)10番線終点Puerta de Sur(プエルタ・デ・スール)でメトロ・スールに乗り換え、Los Espartales(ロス・エスパルタレル)下車、徒歩1分と、セントロ(市内中心部)から1時間ぐらいかかるのを別にすれば、慣れた道ですから、まったく大したことはありません。 ▽実際、試合も先日のコパ・デル・レイベスト32 1stレグでは同じ相手に終盤、サントスのヘッドでゴールを奪われ、0-1で負けていたヘタフェでしたが、この日はベストメンバーを並べたのが奏功。5分から、アランバリのクロスをベルガラが頭で押し込んで先制したのを皮切りに、8分にはホルヘ・モリーナがPKを決めて追加点を挙げると、後半にはアンヘルの2ゴールで、30分を残して4点差になっていたから、デイゲームに駆けつけたファンもどんなに喜んだことか。うーん、ここまでリードすると、今季の彼らの悪い癖、ラスト10分間での失点も致命傷にはなりませんからね。その日も35分にサントスに1点を返されていたものの、4-1での勝利なら、誰も文句を言いやしませんって。 ▽え、ここリーガ4試合を2勝2分けと調子に乗ってきたヘタフェだけど、このままガンガン、行かれると、柴崎岳選手が回復してもスタメンに入るのが難しくなってしまうんじゃないかって? そうですね、ボルダラス監督も「モリーナとアンヘルは正直、上手くやっているよ。互いにわかり合っていて、チームはその成果を享受している」と言っていましたしね。アマトやポルティージョもだんだん1部の水に馴染んできたようで、おまけに11月30日のコパ2ndレグでアラベスに逆転し損ねると、年明けの試合数がめっきり減ってしまうのは辛いかと。まだ次の月曜、エスパニョール戦には間に合わなさそうな柴崎選手ですが、早く万全の状態になって、ヘタフェの更なるレベルアップに貢献できるといいのですが。 ▽そして勝利の余韻に浸ったまま、次は午後4時15分からバルサを迎えるレガネスを応援しにブタルケへ向かった私でしたが、実は同じマドリッド近郊で町同士が並んでいる弟分同士ながら、移動が便利とは言えないのが難点。いえ、車なら簡単なんですけどね。地図で事前に調べた通り、メトロ・スールで数駅引き返し、Julian Besteiro(フリアン・ベルテイロ)駅から10分程歩いてバスを捕まえたところ、運転手さんから「本当に乗るの?」と問われてしまうことに。そのオチは次の停留所で下車しても、そこから徒歩で向かっても、バスは下の道を通るため、丘の上にあるスタジアムまでは同じぐらいの道のりだったからなんですが…何でも初めてには失敗がつきものです。 ▽まあ、どちらにしても40分もあれば着くので、またヘタフェとレガネスが同じ日に試合する節があれば、マドリッド観光で訪れるサッカーファンも簡単に梯子が楽しめるということがわかったのは良かったかと。ただ、ホームのレガネスがViolencia de genero/ビオレンシア・デ・ヘネロ(異性間暴力)防止運動を後押しするため、その日は紫色のユニでプレー、対するバルサも水色の第2ユニだったため、一見、どことどこの対戦かわからず。おまけに夕日が落ちて行く時間帯だったため、逆境となる正面スタンドからは非常に見づらかったこの試合、いえ、キックオフ前のサポーターたちは大いに盛り上がっていたんですけどね。▽結果はまさに、後でガリターノ監督も「Hemos generado ocasiones, pero ahi esta la diferencia/エモス・ヘネラードー・オカシオネス、ペロ・アイー・エスタ・ラ・ディフェレンシア(ウチはチャンスを作ったが、差が出たのはそこだった)」というもので、序盤から決して首位チームに引けを取っていなかった彼らだったんですが、29分、パコ・アルカセルのシュートを弾いたGKクェジェルがこぼれたボールに反応できず。すかさずルイス・スアレスに蹴り込まれ、まさか先制点を喰らってしまうなんて一体、誰に予想できる? うーん、その日はクェジェルが大殺界だったのか、60分にもまたしてもアルカセルのシュートを弾いたところ、スアレスに決められてしまっていましたけどね。逆にアムラバトやエル・ザールが撃ってもGKテル・シュテーゲンに止められてしまうのでは、「Ellos con nada nos hicieron los goles/エジョス・コン・ナーダ・ノス・イシエロン・ロス・ゴーレス(彼らは何でもないところからゴールを挙げた)」(エル・ザール)と、レガネスの選手たちが嘆いていたのも仕方なかったかと。▽最後は90分、ゴール右脇で地面に倒れたメッシが押し出したボールをパウリーニョが決め、0-3でバルサが勝ったんですが、これにはバルベルデ監督も「このスコアはちょっと大袈裟だね。ウチは決定力が高くて相手は違った」と苦笑。それでも「Le reconozco al Leganes el esfuerzo que ha hecho/レ・レコノスコ・アル・レガネス・エル・エスフエルソ・ケ・ア・エッチョー(レガネスのやった努力は認めるよ)」と言ってくれていたため、ホームチームはかなり頑張ったんだと思いますが、「La diferencia en Primera son las areas/ラ・ディフェレンシア・エン・プリメーラ・ソン・ラス・アレアス(1部での差はエリア内での違い)」(ガリターノ監督)というのも事実ですからね。このセビージャ、バレンシアと続く強豪3連戦、全敗したのを見てもわかるように、こればっかりはお金のないレガネスにはどうしようもない? ▽でも大丈夫、上位候補チームには敵わなくても数時間前、降格圏のアラベスに快勝したヘタフェのように下位の相手から着実に勝ち点を奪っていけば、シーズン序盤は強敵続きで苦労していた弟分の同僚だって、今ではヨーロッパリーグ出場圏の6位にあと5ポイント。いきなりユーロ・ヘタ復活の期待を懸けられ、ボルダラス監督が「Europa? Eso da mucho vertigo/ヨーロッパ?エソー・ダ・ムーチョ・ベルティーゴ(そんなのは凄い眩暈を感じるよ)」と言っていたように、巡りあわせ次第ですからね。いつの間にやら、勝ち点差1で10位のヘタフェと1つ違いの9位になってしまったレガネスもこの金曜のセルタ戦から、白星を稼いでいってくれればいいですよ。 ▽そして土曜のクライマックスはもちろんマドリーダービーで、何せワンダ・メトロポリターノへはマドリッド南部から東部への大移動とあって、今度は私も速度を重視してセルカニアス(国鉄近郊路線)を選択。ええ、幾つか経路はあるんですが、まずはブタルケの最寄駅、Zaraquemada(サラケマダ)からC5線でAtocha(アトーチャ)駅へ。C2もしくはC7線に乗り換えて、Coslada(コスラダ)駅で降りた後、メトロで2駅なんですが、まさかそこまで来て券売機前に長蛇の列ができているとは! うーん、丁度今、メトロが紙の切符を廃止して、カード(金額のデポジットではなく、買った切符が記憶される)に切り替えている最中なため、マドリッド住民でさえ、勝手がよくわからず、駅員のアドバイスを受けないと切符が買えない状態なのも困ったもんなんですけどね。 ▽幸い私は手持ちのセントロとメトロ・スール乗り継ぎ回数券がここでも使えたため、並ばずに済んだんですが、この現象はワンダやサンティゴ・ベルナベウで試合が終わった後にメトロに乗る時も同じ。よって、試合観戦の際は着いた時に帰りの切符も買っておくことをつとにお勧めしますが、まあ、順調に行けばレガネスーワンダ間はヘタフェーワンダ間同様、1時間半というところでしょうか。次の時間帯に1試合が入る場合はこちらも十分、梯子が可能ということがわかりましたが、すでにバルサの勝利で勝ち点差が12に開いていたのを知っていた3位、4位で並ぶマドリッドの兄貴分、どちらが最悪の状態を回避できたかというと…。 ▽双方共倒れだったんですよ。いやあ、新スタジアムで最初のダービーを迎えたアトレティコはコケが先発に戻ったこともあり、開始から積極的にプレーしていたんですけどね。3分に誰もが「ゴール!」と叫びかけたシュートをコレアが外した後も気落ちせず、「En los 25-30 minutos se vio el equipo que somos/エン・ロス・ベインティシンコ・トレインタ・ミヌートス・セ・ビオ・エル・エキポ・ケ・ソモス(25~30分までウチがどういうチームか見せた)」(シメオネ監督)という状態を維持していたんですが、徐々に相手に主導権を奪われてしまうことに。それでもサビッチがクロースの足首を踏むようなタックルをしても、セットプレーでリュカが頭で合わせようとしてきたセルヒオ・ラモスの顔面を蹴ってしまっても、誰もレッドカードで退場させられることはなく、アトレティコはいつもの0-0でハーフタイムを迎えます。 ▽後半もラモスがナチョに交代したものの、マドリーの優位は揺るがず、もういつ点を取られるか、取られるかと、私など、生きた心地もしなかったんですが、どうやら今季は両チーム共、「falta de gol/ファルタ・デ・ゴル(ゴール不足)」に苦しんでいるせいですかね。加えて、「falta de futbol/ファルタ・デ・フトボル(サッカー力不足)」もあるアトレティコから、グリーズマンが完璧に消えていたのに歩調を合わしてくれたのか、いえ、マドリーにもチャンスはあったんですけどね。前半にはモドリッチのパスで1人抜け出しながら、何とフアンフランに先回りされてしまったクリスティーノ・ロナウドが得意のFKもGKオブラクに弾かれるわ、ゴディンやサビッチ、とりわけフィリペ・ルイスの代わりに抜擢されたリュカの奮闘に阻まれるわで、ゴールを決めることができず。 ▽75分にはシメオネ監督もグリーズマンとコレアを見限り、フェルナンド・トーレスとガメイロを投入。後者のvaselina(バセリーナ/ループシュート)がゴール前でバヴァランにクリアされてしまったのは残念でしたが、ベンゼマをアセンシオに代えた後、あちらのベンチにはルーカス・バスケスやセバジョスら、アタッカーがまだ残っていたにも関わらず、ジダン監督が3人目の選手を入れなかったのもアトレティコにはラッキーだったのでしょう。後でマルセロが「Tres o cuatro penaltis, yo que se/トレス・オ・クアトロ・ペナルティス、ジョ・ケ・セ(3つか4つのペナルティがあったかもしれないけど、ボクは知らないよ)」と言っていたように、エリア内でのハンドなども審判の注意を引くことなく、93分の奇跡の男、ラモスもピッチにいなかったため、結局、どちらもネットを揺らせないまま、試合は0-0で終了です。 ▽おかげで両者共、首位との差が絶望的に開いてしまったんですが、何せまだマドリーにはCLの希望が残っていますからね。ええ、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのアポエル戦に勝てば、彼らはグループ突破が決定。「Volveria a sangrar una y mil veces mas por este escudo y esta camiseta/ボルベリア・ア・サングラール・ウナ・イ・ミル・ベセス・マス・ポル・エステ・エスクード・イ・エスタ・カミセタ(この紋章とユニフォームにためなら、1000回でも血を流す)」と試合後のツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/932253732284321798)では威勢が良かったものの、鼻骨を折ったラモス、リハビリ中のGKナバス、ベイル、コバチッチがまだ出られないとはいえ、ここまでリーガでシュートを55回撃ちながら、1得点しかしていないロナウドもCLでは4試合6得点と好調なので、ほとんど問題はないかと。▽一方、ダービー後の質問が交代の時、スタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛んだグリーズマンのことに集中していたアトレティコは、いえ、サウールやコケ、フアンフランら、チームメートたちは皆、当人を庇っていたんですけどね。この水曜のCLローマ戦で勝たないとグループ敗退してしまうんですよ。しかも最終節に希望を残すには、アゼルバイジャンのカラバフがチェルシーのホームで負けないことを祈るしかないという藁をも掴む状況となれば、誰もがCL話題を避けているのも当然だったかと。いえ、とりあえず、3位で来年ELに回るためにも自身が勝ち点を稼いでおくのにこしたことはないんですけどね。シメオネ監督は「trabajo, trabajo, trabajo y despues talento/トラバッホ・イ・デスプエス・タレント(まず努力、努力、努力、才能はその次)」と信念を失っていなかったものの、とにかくゴールが入らないと良くて引き分けにしかならないのは悲しいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.21 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】どちらも崖っぷちだった…

▽「そっか、勝ち点は同じなんだっけ」。そんな風に私が思い出していたのは金曜日、今節はマドリッドの4チームが全て土曜にプレー、しかも最後を飾るのがワンダ・メトロポリターノで初となるマドリーダービーというビッグデーを前に順位表を確認していた時のことでした。いやあ、この代表戦週間、スペインは親善試合だけだったとはいうものの、さすがparon(パロン/リーガの停止期間)で2週間も空くと、前節の出来事も遥か記憶の彼方へ。 ▽そこでスポーツ紙の各クラブ試合結果ページをチラ見して、そういえば、アトレティコは2試合連続のトマスのゴールで辛くも引き分けを逃れ、0-1でデポルティボに勝ったんだっけとか、レアル・マドリーは3-0とラス・パルマスに快勝したものの、待望のクリスチアーノ・ロナウドの今季リーガ2得点目は出なかったんだっけとか、おさらいしていたんですが、よく見ると、首位バルサとの差はどちらも勝ち点8。つまり双方共、すでに逆転がかなり難しい状況の中、このダービーで負けて、差が11ポイントに広がった暁にはシーズン3分の1経過時点で優勝戦線脱落どころか、今季は優勝絶望という扱いをされる悲しい未来が待っているってことじゃないですか。 ▽まあ、その辺はまた後で語っていきますが、とりあえず、スペイン代表今年最後となったロシアとの親善試合がどうだったのか報告しておくことにすると。先週土曜のコスタリカ戦ではかつての黄金時代を彷彿させるポゼッションサッカーを披露して、5-0と大勝。W杯に向けて、ファンの期待を高めてくれた彼らだったんですが、サンクトペテルスブルクでのこのロシア戦はかなり異なった展開に。いえ、開始9分でアセンシオ(マドリー)のクロスをジョルディ・アルバ(バルサ)がヘッドで決め、35分にも怪しいハンドでペナルティの判定をゲット。キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)が「Hoy es cumpleanos de mi hijo/オイ・エス・クンプレアーニョス・デ・ミ・イホ(今日はボクの息子の誕生日なんだ)」という、かなり個人的な理由でPKキッカーをイニエスタ(バルサ)に譲ってもらい、それが無事に決まったため、リードも2点に広がったんですけどね。 ▽そこに加え、相手がW杯開催国として、この1年間、公式戦をしていないロシアだったせいもあって、気が緩んだんでしょうか。41分にはピケ(バルサ)を切り返してスモロフ(クラスノダール)が放ったシュートで1点差に迫られてしまいます。更に「Cuando perdemos el control no nos sentimos comodos/クアンドー・ペルデモス・エル・コントロル・ノー・ノス・センティモス・コモドス(試合のコントロールを失い、ウチは落ち着かなく感じた)」(ロペテギ監督)スペインは、前半のうちに同点にされてもおかしくない程、攻められていたんですが、それが現実になったのは後半間もなくのこと。ええ、エリア内左奥からジルコフ(ゼニト)が出したボールがナチョ(マドリー)に当たり、ゴール前からミランチュク(ロコモティフ・モスクワ)に押し込まれてしまうとは、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)もとんだ外れクジを引かされたもんですよ。 ▽ただその2分後、今度はセットプレー時にラモスを倒したとして、普通は見過ごされるペナルティをもらえたため、再び当人がPKを決めて、2-3とまたリードしたスペインだったんですけどね。イスコが打撲で代表を離脱、シルバ(マンチェスター・シティ)も後半途中に投入という事情もあり、コスタリカ戦のような優位性を見せられなかった彼らはそれ以降、追加点を奪うことができず。実際、守備の方もロペテギ監督がCB3人制とか、慣れないことを試してみたせいで、選手たちも混乱したんでしょうかね。 ▽25分にスモロフがエリア前から自身2ゴール目を入れて、ロシアに再度同点にされた後は、最後のチャンスもロスタイムにロドリゴ(バレンシア)がGKルネフ(ゼニト)と衝突して、頭を打った相手が担架退場。交代枠がもうなかったため、急遽、グローブをはめたMFグルシャコフ(スパルタク・モスクワ)が活躍する時間もなく、終了の笛が鳴ることに。何せ、せっかく盛り上がりかけていたスペイン代表ですからね。3-3の引き分けは大いに不満の残る結果。それでもロペテギ監督などは、「ウチはW杯にグループ首位として出場を決めた。イタリアやチリが出られないんだから、la nota es alta/ラ・ノタ・エス・アルタ(高成績と言っていいよ)」と就任以来、1敗もしていないこの予選の道のりを評価していましたけどね。 ▽とはいえ、彼らが3点も取られたのは、それこそ2014年W杯ブラジル大会グループ初戦のオランダ戦で1-5と負けて以来だそうですから、やっぱりかつての強さを取り戻した気になるのはまだ早い? 12月1日にはいよいよ、本大会グループリーグ組み合わせ抽選もありますし、ほぼ18~19人は決まったと言われているW杯用招集メンバーも、残りの席を懸けて争っている選手たちもこの先、しっかり精進を続けて、来年6月には最高のチームでロシアに乗り込めるといいのですが…。 ▽そして話をリーガに戻すと、実は今週は天気も良かったため、マドリッドのチームの練習見学にせっせと足を運んでいた私だったんですけどね。まずは火曜、今節はバルサをホームのブタルケに迎えるとあって、兄貴分の期待を一身に背負っているレガネスを偵察。ロッカールームやジムなどがある新しいクラブハウス前にオープンしたインスタラシオン・デポルティボ・ブタルケの新グラウンドは、以前のように四方から丸見えでは訳ではないものの、ファン見学用のスペースもちゃんと用意されていました。丁度、モロッコがW杯出場を決めた後だったのもあって、国旗を持ってアムラバットの応援に来ていた男性などもいましたが、ちょっと厄介なのはまだ施設で工事が続いているせいで、よく出入り口が変わることでしょうか。 ▽ちなみにこの土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのバルサ戦、1つ嬉しいニュースがあって、昨季は1部昇格後のホーム2試合目というタイミングだったため、チケットが早くに完売していたのが今回、試合当日午前10時から600枚が売り出されるということ。値段は50~80ユーロ(約7000~1万円)だそうですが、マドリッドにいるものの、ダービーのチケットが手に入らなかったというファンにはお勧めかも。エスタディオ・ブタルケへはアトーチャ駅から、セルカニアス(国鉄近郊路線)C5でZaraquemada(サラケマダ)駅下車して徒歩20分、もしくはメトロ(地下鉄)5号線のAluche(アルーチェ)駅から、482、491、492、493番のバスに乗って、セントロ(市内中央)から1時間ぐらいで行けますよ。 ▽え、でも相手はメッシがアルゼンチン代表から早帰り、今季無敗の首位だけにマドリッドの弟分チームには難しい相手なんじゃないかって? うーん、確かにガリターノ監督も「去年は前方でプレスをかけるという思い切った策を試して、1-5で負けた。Si vamos con la intencion de disfrutar nos meteran cinco o seis/シー・バモス・コン・ラ・インテンシオン・デ・ディスフルタール・ノス・メテラン・シンコ・オ・セイス(ウチが試合を楽しもうという気持ちで挑めば、5、6点取られるだろう)」と言っていましたけどね。ここ2試合、セビージャに2-1、バレンシアに3-0と上位チームにはとても歯が立たないことも判明してしまったんですが、このバルサ戦で彼らはホームながら、Violencia de genero/ビオレンシア・デ・ヘネロ(異性間暴力)撲滅運動に賛同する紫色の第2ユニフォームを着てプレー。せっかく社会の意識改革に貢献するんですから、ここは何とか、意地を見せてくれることを祈るばかりでしょうか。 ▽そして水曜はアトレティコの夕方練習を見学にマハダオンダ(マドリッド近郊)に行った私ですが、何せあそこはお隣さん同様、ファンが入れる一般公開練習がない上、マスコミも開始から15分しか見られないという徹底ぶりですからね。運良く下のグラウンドでのセッションならば、敷地の外から覗くという手が使えるんですが、ミニスタジアムだとアップで参加選手の顔を確認するぐらいがせいぜい。それだけにモンクロア(市内のバスターミナル駅)から653、654、655番のバスに払う運賃がもったいない気もしないではないんですが、そんな日の私の楽しみは施設のすぐ横にあるカフェテリア、アトゥエルでお茶をすること。 ▽こちら、最近はあまりないんですが、以前はアグエロやコケなどにも店内で遭遇。小腹が空けばサアンドイッチやキッシェなども食べられますし、ケーキ類も充実しているのがウリです。午前11時とかの昼間のセッションであれば、テラスに陣取って、真向かいにある駐車場出口を見張りながら、練習を終えて車で出て来る選手たちを待つにもいい位置かと。ビールの方が嬉しい人には横にバル(スペインの喫茶店兼バー)、ラ・ラソンもありますし、このブロック、裏側もハンバーガーや食事の取れるレストランが鈴なり。ただし、たまにシメオネ監督も姿を見せるデ・マリア(アルゼンチン風肉料理店)も含め、スペインでは午後1時半を過ぎないとキッチンが開かないことが多いため、ランチするなら選手たちのサインをゲットした後の方がいいかもしれませんね。 ▽続いて木曜には土曜午後1時からアラベを迎えるヘタフェを覗きに行ったんですが、通常の午前10時半の開始時間、グラウンドにトップチームの姿はなし。30分程、Bチームの練習を眺めていたところ、ようやく用具係のスタッフが現れたため、訊いてみると、ビデオセッションをコリセウム・アルフォンソ・ペレスでやっていて、開始が1時間程遅れているのだとか。まあ、そんなこともありますが、ラッキーだったのはおかげで日本での治療を終え、負傷後、初めてグラウンドに降りて来る柴崎岳選手に会えたこと。うーん、その日はサッカー・バレーがメインの軽いメニューながら、まだグループには加われず、当人はコーチと2人でずっとリハビリだったんですけどね。 ▽金曜に記者会見したボルダラス監督も「練習はしているが、特別な中敷きが届くのを待っていてサッカーシューズが履けない。復帰までの時間も正確にはわからないし、todavia es pronto/トダビア・エス・プロントー(まだ早いよ)」と言っていたため、今週末の試合に出ないことは確かなんですが、練習姿だけでも見たいファンには朗報かと。こちらはレガネスと違い、メトロ・スールのLos Espartales(ロス・エスパルタレス)駅から徒歩1分にあるスタジアムの右脇の道を下りて行くだけで施設に着けるため、マドリッド観光ついでに訪問するハードルが低いのがいいところでしょうか。 ▽え、それでダービー直前情報はどうなっているのかって? いやあ、まず戦力から言うと、アトレティコはコケ、カラスコ、そしてフィリペ・ルイスにも全快通知が出て、ケガ人が皆無に。ただ、木曜にはシメオネ監督が11人だけを集めてビデオセッションを行ったそうで、そのメンツによると、左SBはリュカ、カラスコもベンチ待機になるよう。一方、マドリーではウィルス性の心膜炎で休んでいたカルバハルが復帰、イスコは水曜から練習に参加しており、クロアチアのW杯予選プレーオフ、ギリシャ戦でお疲れだったモドリッチも金曜には回復したようで、負傷欠場はベイル、コバチッチ、GKケイロル・ナバスの3人だけだとか。 ▽その他、トピック的にはこの代表戦週間中、フランスのTV番組に出演して、「ネイマール、ムバッペとの前線を夢見ることはある?」と訊かれ、またしれっとして「Oui/ウィ(イエス)」と返答。おかげでまた、批判が集まっていたグリーズマンをワンダ・メトロポリターノでのスポンサー契約延長発表のイベントに出席したコケが、「Yo le veo comprometido/ジョ・レ・ベオ・コンプロメティードー(ボクは彼がチームに集中していると思う)」と言いながら、「アトレティコに100%集中していない選手はそう言って、出て行くだけさ」とドライなところも示したため、同僚にクギを刺したなんて報じられていましたけどね。 ▽とはいえ、シメオネ監督も「マスコミがいじりたくなるのもわかるが、es el jugador mas desequilibrante que tenemos/エス・エル・フガドール・マス・デセキリブランテ・ケ・テネモス(彼は我々が持つ一番、均衡を崩せる選手)」というのも事実。ジエゴ・コスタがFIFA処分で来年1月からしかプレーできないため、今はとにかく「Estamos teniendo problemas/エスタモス・テニエンドー・プロブレマス(ウチには問題がある)。練習ではシュートが全部決まるのに、試合になると入らない」(グリーズマン)という逆境を打破していけるよう、当人のご機嫌を損ねないのが大事かと。 ▽その傍らでマドリーにもスペイン代表合宿中にラモスが、「ペペ(ベシクタシュ)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)、モラタ(チェルシー)らに比べて今季の新しい選手には経験がない」というロナウドの言葉を「今、そういうことを言うのはご都合主義的」と反論したなんて騒動も。ただ、ジダン監督によると「Dentro las cosas se arreglan y ya esta arreglado/デントロ・ラス・コーサス・セ・アレグラン・イ・ジャー・エスタ・アレグラードー(内部で片づけることだし、もう解決した)」そうなので、チーム内不和は期待するだけムダというものでしょう。 ▽何より、この2週間、ポルトガル代表にも行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっとシュート精度を磨いてきたロナウドですからね。軽く見たら、痛い目に遭うのはアトレティコの選手たちもわかっているはず。フランス代表でゴールを決め、これをツキを変えるキッカケにしたいグリーズマンとの7番対決にも興味を持たれますが、そんなマドリーダービーは土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。果たしてどちらに軍配が挙がるのか、いやあ、今から私も胸がドキドキしています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.18 13:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】久しぶりにゴールを沢山見た…

▽「もしかして産休だったんだろうか」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。クリスティアーノ・ロナウドがSNSに挙げた第4子誕生報告の投稿を見た時のことでした(https://www.instagram.com/p/BbaImIfFr0h/?hl=es&taken-by=cristiano)。いやあ、この国際代表戦週間、フェルナンド・サントス監督からポルトガル代表の招集免除をされていた彼ですけどね。確か、この夏のコンフェデレーションズカップでは準決勝でチリに負けた後、3位決定戦は出ずに、到着したばかりの双子のエバちゃんとマテオ君の顔を見るのを楽しみに帰国した当人だったかと思いますが、今度は現在の彼女、ジョルジーナさんが出産とあって、7歳になった長男のクリスティアーノ・ジュニア君と一緒にアラナ・ビクトリアちゃんに病院で面会って、何かあまりにタイミングが良すぎない? ▽まあ、それもポルトガルが先月、W杯出場をグループ1位で決めており、今回は親善試合しかないのと、当人が2008年ユーロ、2010年W杯と続けて制覇したお隣の国を見習い、2016年ユーロチャンピオンとして、国際メジャートーナメント連覇を狙うべく、来年6月にロシアの地に乗り込むチームの先頭に立つことは保証されているため、まったく問題はないんでしょうけどね。逆に2008年から2012年までの黄金期が終わり、W杯ブラジル大会、フランスでのユーロでは低迷しているスペイン代表などにとって、この11月の親善試合はチームの復権を託す本大会メンバーを選ぶための大事なテストマッチ。それだけに、この土曜の試合でいい結果が出たのは私もどんなに嬉しかったことか! ▽そう、満員のラ・ロサレダ(マラガのホーム)にコスタリカを迎えたスペインはカルバハル(レアル・マドリー)が負傷でおらず、GKこそ初出場のケパ(アスレティック)だったという点を除けば、ほぼベストメンバーを並べてスタート。早くも開始5分には今季、リーガで注目の成長株。先月のアルバニアとのW杯予選で代表デビューした右SBのオドリオソラ(レアル・ソシエダ)がエリア内のシルバ(マンチェスター・シティ)に繋ぐと、そのゴール前へのラストパスはモラタ(チェルシー)もイスコ(マドリー)も撃てなかったんですけどね。ノーマークで反対側にいたジョルディ・アルバ(バルサ)が決めて、先制点が入っているんですから、何とも幸先がいいじゃないですか。 ▽続いて22分、今度は自身で直接ゴールを狙ったシルバでしたが、そのシュートはGKが阻止。こぼれ球に素早く詰めたモラタが2点目をゲットすることになります。うーん、この夏、マドリーからロンドンのチームに行ってしまったため、リーガファンが活躍を目にする機会が減ってしまった彼ながら、CLでワンダ・メトロポリターノを訪れた時もしっかり同点ゴールを挙げていましたしね。しばらく絶対的CFの不在で悩んでいたスペインですが、その好調ぶりが続く限り、ロペテギ監督も大船に乗った気でいられる? アトレティコがFIFAの処分を受けているため、来年1月からしかプレーのできないジエゴ・コスタもしっかり、シーズン後半でゴール量産をしないと、本大会メンバーに呼んでもらえないかもしれませんね。 ▽え、それにしても2008年ユーロ優勝から始まったスペイン全盛期からのメンバーで、今年はもう31歳になるベテランながら、シルバの衰えを知らないプレーぶりには驚かされなかったかって? そうですね、前半は2点止まりで終わったスペインですが、55分にはコスタリカDFのクリアミスを拾って、彼が3点目のゴールを入れただけでなく、64分には敵陣エリア近くで果敢にタックルしてボールを奪うと、シュートも決めて自身2得点目って、いやあ、最近は私もマドリッドの両雄クラブのFWたちが次から次へと、失敗するのばかりを見慣れていたせいでしょうかね。 ▽こうもあっさりネットを揺らしているのには…。ラミレス監督が「tiene una lesion de alto riesgo y tuvo una recaida importante/ティエネ・ウナ・レシオン・デ・アルト・リエスゴー・イ・トゥボ・ウナ・レカイダ・インポルタンテ(重度の再発で、高い危険のあるケガをしている)」と言っていたケイロル・ナバス(マドリー)でなかったせいかもしれませんけどね。ゴールってこんなに簡単なものだったのかと、ちょっと目が覚めるような気分になったなんてこともなきにしもあらず。 ▽そして最後は72分、同じくベテラン、33歳のイニエスタ(バルサ)がエリア外からのミドルシュートを決め、とうとう5-0としたスペインでしたが、この大勝にもロペテギ監督は相手を立てることを忘れていません。曰く、「コスタリカはいいチーム。Si nos encontramos en el Mundial, el partido sera muy diferente/シー・ノス・エンコトラモス・エン。エル・ムンディアル、エル・パルティードー・セラ・ムイ・ディフェレンテ(W杯で当たったら、全然違う試合になるだろう)」と、ええ、確かに相手にもブライアン・ルイス(スポルティング・リスボン)やキャンベル(ベティス)といった主力アタッカーが欠けていたというハンデがありましたけどね。 ▽おかげでケパなど、アディショナルタイムにボルヘス(デポルティボ)のシュートを弾くぐらいしか、見せ場が作れなかったんですが…。それでもこの日はほぼボールを独占、スムースにパスを繋ぐ彼らのサッカーを見ていると、何だか、ティキタカ時代のスペインが戻って来たようで、これなら来年の夏に期待してもいいかと。そうそう、毎回、話題になるピケ(バルサ)へのpito(ピト/ブーイング)もこの日はそれをかき消す拍手と半々ぐらいだったそうで、当人もセルヒオ・ラモス(マドリー)と共にハーフでナチョ(マドリー)、バルトラ(ドルトムント)に代わっていますからね。これから次の代表戦がやって来る3月まで、余計なことを言わなければ、だんだんこの現象も沈静化していくんじゃないかと思います。 ▽え、それでご当地出身選手で前日練習では終了後にピッチで息子さんと遊んで、ギャラリーの視線を釘付け。今季はマドリーでもプレゼンス(価値)がどんどん上がっているイスコの活躍ぶりはどうだったのかって? うーん、cano(カーニョ/股抜き)をしたり、器用なボール扱いを披露したりして、スタンドから何度もイスココールを受けていましたが、64分にはDFワストン(バンクーバー)に強烈なタックルを見舞われてダウン。左太ももを痛めたようで、アセンシオ(マドリー)と交代することに。 ▽いえ、試合終了直後のピッチインタビューを受けた、昨季までクラブの同僚だったモラタも「Poca cosa, lo de Isco tiene un golpe /ポカ・コーサ、ロ・デ・イスコ・ティエネ・ウン・ゴルペ(大したことじゃない。イスコは打撲しただけだよ)」と言っていたように重傷ではないんですけどね。次も親善試合のため、日曜にマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)からサンクトペテルスブルクに向かう飛行機には乗らず、マドリッドに帰還しています。 ▽それでもイスコは週末土曜のマドリーダービーまでに復帰できるようですが、どうやらナバスの方は間に合わないようで…。いえ、だからといって、アトレティコがスペイン同様、お隣さんをgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)できるかと言えば、そんなことはまったくないんですけどね。とはいえ、先週はふくらはぎのケガがもう治るはずだったベイルが今度は左太ももに肉離れを起こし、全治1カ月となってしまったマドリーに対し、フランス代表に行っているグリーズマンが奇しくもウェールズ戦でゴールを挙げたアトレティコ。実は彼、10月のW杯予選最終戦以来、クラブでは得点していないため、これはぬか喜びに終わる可能性もありますが、コケもカラスコも代表に行かずにケガを完治。、微妙なのはフィリペ・ルイスぐらいというのは実行戦力という面において、ちょっとシメオネ監督のチームが有利かもしれませんね。 ▽まあ、そんなダービーに関しては日曜にクロアチアがプレーオフ2ndレグでギリシャと0-0と引き分け、総合スコア4-1でW杯出場を決定。モドリッチもベルデベバス(バラハス空港の近く)でリハビリ最終段階に入った後輩のコバチッチを安心させてあげることができましたし、ヴルサリコもアトレティコではなかなか実現しない2試合連続フル出場で貢献したとか、土曜にはアフリカ予選最終節でアクラフが弟分チームのアムラバット(レガネス)、ファイル(ヘタフェ)らと協力してコートジボワールを2-0で撃破したなんてことも。こちらもロシア行きを決めていますし、とにかく代表でのお勤めを果たして帰って来る選手たちが揃わないことにはどうにも予想が立て辛いため、また次回にでもお話しますが、月曜夕方にはスペインの選手たちもサンクトベテルスブルクのペトロフスキー・スタジアム(ゼニトの旧ホーム)で練習。 ▽火曜午後7時45分(日本時間翌午前3時45分)からのロシア戦はW杯用に新築されたクレストフスキ・スタジアムで開催されるんですけどね。芝を荒らさないためのようですが、そのセッションに参加しなかったのはシルバだけで、コスタリカ戦で首を痛めたため、当日まで様子見だとか。それでも今回の代表には、ルイス・アルベルト(ラツィオ)こそ、マラガで代表デビューの夢が叶いましたが、他にもカジェホン(ナポリ)、ビトロ(ラル・パルマス)、スソ(ミラン)、ロドリゴ(バレンシア)と攻撃のオプションはかなり豊富。GKだけはデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)で決まりと言われていますが、それ以外の先発がどうなるかは見てのお楽しみになりそうな。 ▽一方、相手のロシアは先日、アルゼンチンとの親善試合でアグエロ(マンチェスター・シティ)のゴールで0-1と敗れていますが、開催国代表として気合が入っているでしょうからね。いくら現地が気温零度近くと、極寒の気候であることを言い訳にせず、ロペテギ監督下で再生したスペインの強さをこの試合でも思う存分、見せてもらいもの。12月1日にはいよいよ、本大会のグループリーグ抽選もありますしね。トップシードの組に入れなかったため、万が一、スペインがドイツ、ブラジル、アルゼンチンといった強豪国と一緒になることがあったとしても、ロシアまで追いかけるファンのため、2014年のグループリーグ敗退の悪夢の再現など、無用な心配をしないでいいぐらいのチームになってくれると嬉しいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.14 19:09 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】親善試合が終わったら…

▽「W杯前の力試しには最適ね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、というのも相手がブラジルだったおかげでしょうか。こちらでは滅多に見られない日本代表の親善試合がオープン放送で中継されたため、私もTV観戦していたんですけどね。序盤からVAR(ビデオ審判)により、ブラジルにPKが与えられ、ネイマール(PSG)に先制されたのはともかく、それから5分もしないうちにまたペナルティ。2度目のPKは川島永嗣選手が弾いてくれたものの、マルセロ(レアル・マドリー)にエリア前からの弾丸シュートを決められて2点目、36分にも今季はマドリーを離れてマンチェスター・シティでプレーするダニーロが同僚のガブリエル・ジェズスをアシストして3点目。そんな圧倒的な強さを発揮していた相手が、3月の国際代表戦週間にスペインと親善試合をするかもしれないと聞いたから。 ▽幸い後半には槙野智章選手のヘッドで一矢を報いることができた日本でしたが、1-3という結果を見れば、やはりW杯優勝候補の1つに挙げられるサッカー大国と実力的に互角とは言えないのが現実。だったら、先日はアルゼンチン代表参加中のメッシ(バルサ)も「Prefiero evitar a Espana en la fase de grupos/プレフィエロ・エビタル・ア・エスパーニャ・エン・ラ・ファセ・デ・グルッポス(グループリーグではスペインを避けたい)」と言っていたロペテギ監督のチームとなら、いい勝負になると思ったんですが…何より、今度こそ会場がワンダ・メトロポリターノになりそうだとなれば、他にもカゼミロ(マドリー)やフィリペ・ルイス(アトレティコ)ら、お馴染みの選手も多いですからね。対戦相手に私がブラジルを激しく希望してしまったのも仕方なかった? (C)CWS Brains,LTD.▽え、どうやら代表戦デビューも遅かれ早かれ決まりそうなワンダ・メトロポリターノだけど、最近はとうとうスタジアムツアーも始まったというのは本当なのかって?その通りで実は先日、私も見学してきたんですが、行ったのは試合のない日曜の午前中。それでもメトロ(地下鉄)7号線のEstadio Metropolitano(エスタディオ・メトロポリターノ)駅を降りると、スタジアム前の遊歩道はそこそこファンや観光客で賑わっていたため、そろそろここもマドリッド訪問定番メニューに加えてもいいかも。入場券(大人16ユーロ(約2300円)/子供8ユーロ)はオフィシャルメガストアで販売、ツアー入り口は10番ゲートになります。 (C)CWS Brains,LTD.▽今のところ、始まったばかりとあって、ガイドなしで順路もVIPルーム、パルコ(貴賓席)、プレス・コンファレンスルーム、天井の大きな紋章が美しいホームチームのロッカールームを廻ると、それからピッチへ。選手たちの座るベンチやシメオネ監督が立っているテクニカルエリアを体験できる程度なんですが、印象的だったのは試合の時、選手たちが出て行くホールの壁にあったアトレティコのレジェンド2人の名言。ええ、故ルイス・アラゴネス氏の「君たちはアトレティコ・マドリーの選手で外には5万人、君らのために死ねる者がいる。それ故にこのユニフォーム、その誇りのためにピッチに出て、チャンピオンは1人だけ、それは赤と白をまとったチームだと言わないといけない」なんていうのを読むと、結構じわっとくるアトレティコファンは多いかも。 (C)CWS Brains,LTD.▽もう1つはシメオネ監督のもので、こちらは2014年の「これはただのリーガ優勝ではない。この選手たちがあなた方、皆に伝えるのはもっと重要な何かだ。Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(人は信じて努力すれば、実現できる)」という、私もリアルタイムで感激したフレーズだったんですが、うーん、今季のアトレティコは少々、その信念が薄れてきている兆しもなきにしろあらず。ワンダでプレーする時はそれこそ、選手たちもこの言葉を読み直して、気合を入れてプレーしてもらいたいところですが、さて。もしかして、あまりに新スタジアムが壮大すぎて、まだピッチで足が縮こまってしまっているのだとしたら、ちょっと情けないですよね。 ▽まあ、このツアーは現在、金土日の3日間のみ(開催時間はクラブのオフィシャルページ、http://www.atleticodemadrid.com/でTour Wanda Metropolitanoのタイトルのついた記事から確認)、試合のある日はないとのことなので、それこそ博物館も併設されていそうな来年3月の代表戦週間頃を狙って行ってみるというのでもいいかと思いますが、今回、ラ・ロサレダ(マラガのホーム)でコスタリカと親善試合を行うスペイン代表の近況もお伝えしておかないと。火曜からラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿を始めたチームでしたが、初日は午後7時半からの練習を一般公開。いえ、この時期のその時間帯はスペインでも真っ暗なんですけどね。もうこれで今年は代表も見収めとあって、スタンドには大勢のファンが詰めかけることに。 ▽ただちょっと残念だったのは、アップとロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)を終えた後、日曜にクラブの試合があったチーム半数余りの選手たちがロッカールームに引き上げてしまったことなんですが、まあ今回は親善試合しかありませんからね。残ってpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていた選手の中にはピケ(バルサ)がいたものの、その日は10月の公開練習では嵐のように浴びせられていたpito(ピト/ブーイング)がすっかり影を潜めていたのは不思議。うーん、それこそ喉元過ぎれば熱さも忘れるというか、昨今はあまりにカタルーニャ独立問題が大事になりすぎて、ファンもピケ1人に関わりあっていられなくなったんでしょうか。どちらにしろ、代表チームにとってはありがたいことです。 ▽とはいえ、合宿中にラジオのインタビューを受けていたセルヒオ・ラモス(マドリー)も「Esta muy tranquilo, no sabemos lo que le va a durar/エスタ・ムイ・トランキーロ、ノー・セベモス・ロ・ケ・レ・バ・ア・ドゥラール(とても静かだよ。いつまで続くかはわからないけど)」と言っていましたが、何せ、彼には人が予想もしていない時に爆弾発言する悪い癖がありますからねえ。今年の3月、私も現地観戦したスタッド・ド・フランスの0-2と快勝した親善試合の後もいきなり、ミックスゾーンで演説会。その時はサンティアゴ・ベルナベウのパルコでスペインの政治が動くと仄めかし、聞いていた記者たちもポカンとしていたものですが、そんな前例を考えると、このコスタリカ戦、そして来週火曜のロシア戦の後などは要注意かと。 ▽そして水曜、15分間だけのマスコム向け公開練習前にW杯用の新しいユニフォームを着て集合写真を撮ったチームだったんですが、どうやら今回のデザインのダイヤ柄のazul petroleo(アスール・ペトロレオ/石油のような濃い青)が見ようによってはmorado(モラードー/紫色)に映るということから、スペイン内戦前にあった共和国の旗を彷彿させると言われ、マスコミで針小棒大な議論になっていたせいですかね。元々は前回2015年時のような舞台を組んで、アディダスがメガプレゼンを予定していたのが、全員が並んでグラウンドでポーズするだけになってしまったのは残念。おまけに寒かったせいか、皆、すぐジャージを羽織ってしまいましたしね。選手たちが気に入っていたのはラモスのツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/928268541048119298)などからわかりますが、ピッチでどんな風に映えるのかといったことは、土曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコスタリカ戦を待つしかないよう。 ▽ちなみにその日のラス・ロサスでは、初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)と共にビトロ(ラス・パルマス)が記者会見に登場。「彼らの試合は見ているけど、espero que cambie la dinamica/エスペロ・ケ・カンビエ・ラ・ディナミカ(流れが変わることを期待している)」と、1月からプレーすることになっているCLグループリーグ敗退目前のアトレティコに立ち直ってもらいたいようでしたが、もう確率的にかなり厳しいですからね。少なくともヨーロッパリーグ優勝を狙うには、セビージャで前人未到のEL3連覇を果たした彼の経験が頼りになるんじゃないかと思いますが、まあそれは置いておいて。 (C)CWS Brains,LTD.▽その後、協会の本部ビル内にある、サッカー博物館に併設された代表オフィシャルショップ(火曜から土曜10~19時オープン)にも立ち寄った私でしたが、あいにく新ユニフォームは売り切れ。やはりマドリッド市内のメトロ、グラン・ビア駅前にあるアディダスの大型店の方などが品揃えも充実している上、マドリーのユニなども取り扱っているため、イロイロ見たい人には便利でしょうか。そう言えば、そちらではドイツやコロンビア、ロシアなどに混じって日本代表の新ユニも見かけましたが、スペインで売れるのかはちょっと不明。90ユーロ(約1万円)と、値段は国内で買うのとあまり変わらないみたいですね。 ▽そして金曜にはマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)に移動したスペインはスタジアムで前日練習を実施。土曜の試合が早々にチケット完売になったのに加え、このセッションのために無料配布した入場券もあっという間になくなったそうで、中でもご当地選手のイスコ(マドリー)への声援が一際、大きかったとか。実際、彼の好調ぶりはバレンシアのカンテーラ(ユース組織)で一緒だったジョルディ・アルバ(バルサ)も試合前の記者会見で、「Es de los mejores del mundo, aunque no me gusta verlo asi en su club/エス・デ・ロス・メホーレス・デル・ムンド、アウンケ・ノー・メ・グスタ・ベルロ・アシー・エン・ス・クルブ(彼は世界一の選手の1人、そういうプレーを彼のクラブで見るのはイヤだけどね)」と言っていた程ですからね。 ▽ロペテギ監督も「何もなければW杯にも招集されるだろう」と言っていたため、本大会でもチームに大きく貢献してくれることを私も期待していますが、ちなみにその日の練習を見たAS(スポーツ紙)の番記者の予想スタメンを伝えておくと、GKは背筋痛を抱えているレイナ(ナポリ)ではなく、マドリーが来夏の獲得を狙っているという噂が最近、激しくなってきたケパ(アスレティック)がA代表デビュー。DFはオディオソラ(レアル・ソシエダ)、ラモス、ピケ、ジョルディ・アルバ、ボランチにブスケツ(バルサ)、その前にイスコ、イニエスタ(バルサ)、ルイス・アルベルト、シルバ(マンチェスター・シティ)で、ワントップはモラタ(チェルシー)とありましたが、何せ、この代表戦明けにはマドリーダービーが待っていますからね。今回は先輩コケが招集されなかったため、ちゃっかり背番号8をゲットしたアトレティコから1人参加のサウールも適当なところで使ってもらって、サンクトペテルスブルクのロシア戦ではプレーしないで済むといいんですが。 ▽え、金曜にはそのコスタリカ戦にはGKケイロル・ナバスは呼ばれず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっと続けていた負傷のリハビリが最終フェーズに入ったという朗報とは真逆のニュースが、マドリーから発表されたんじゃないかって?そうなんですよ、それは同様にウェールズ代表に行かず、9月末のCLドルトムント戦以来、欠場する原因となった左ふくらはぎのケガの完治を目指していたベイルで、いよいよダービーで復帰かと言われていたんですけどね。練習中に今度は左太ももの肉離れを起こしたそうで、全治には1カ月ぐらいかかりそうな感じだとか。 ▽これでますます、イスコに活躍の機会が増えそうなのはともかく、お留守番組もクリスチアーノ・ロナウドなどにはいい調整期間になっているようですし、ウィルス性の心膜炎を患っていたカルバハルも全快。代表出向選手では先の日本戦で活躍したマルセロを始め、ヴァラン(フランス)、クロース(ドイツ)らは親善試合、W杯プレーオフを戦っているモドリッチ(クロアチア)とアフリカ予選のアクラフ(モロッコ)だけがちょっと心配ですが、前者など、木曜にギリシャ戦でPKゴールを挙げ、1stレグに4-1と快勝したという嬉しい知らせも。 ▽一方のアトレティコもコケとカラスコは全体練習に戻っていますし、フィリペ・ルイスだけがちょっと回復が微妙な程度で、招集組もベルサリコ(クロアチア)以外、ゴディンやヒメネス(ウルグアイ)にしてもヨーロッパ内での親善試合と、今回は長旅をせずに済みますからね。おそらく双方、似たようなチーム状況で18日のダービーに挑むことになるかと思いますが…それはまだ先の話。今はまだどう転がるか、まったくわかりません。 ▽そうそう、マドリッドの弟分チームに関しては火曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレス前にオフィシャルショップがオープン、記念イベントでアンヘル・トーレス会長が、「ガクはあと20日ぐらいで復帰できるだろう。コパ・デル・レイ32強対戦アラベス戦2ndレグかリーガのエスパニョール戦ぐらいにね」と発言したとの情報を得て、木曜には私も練習見学に。ただ、ヘタフェの広報部長によると前日、日本から戻ったと言うものの、グラウンドで柴崎岳選手の姿を見ることはできませんでした。 ▽まだジムで左足中足骨手術からのリハビリをしているそうですが、何せ、その日もボルダラス監督のチームは午前10時半から午後1時近くまで続く、超長いセッションでしたからね。寒風吹きすさぶ中、ずっと見ているこちらも泣きそうでしたが、当人もこれに合流するには相当、体力をつけないと大変かと。また来週辺りには様子を見に行くつもりですが、日本人ファンも応援に来られるよう、なるたけ早く治ってくれるといいですね。。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.11 17:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】このままダービーを迎えるのは怖い…

▽「今はあまり練習する必要もないのよね」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、スペイン代表がいつもより1日遅く、火曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合することを知った時のことでした。そう、10月のW杯予選でグループ首位として、来年6月のロシア大会に参加することが決まった彼らの今回の国際代表戦週間は親善試合のみ。2位でプレーオフに回ったイタリアがスウェーデンと命運を懸けて戦うのを高みの見物と洒落込んで、土曜にマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)でコスタリカと、そして来週火曜にサンクトペテルスブルクでロシアとプレーする際には、久々に呼ばれたアルベルト・モレーノ(リバプールの左SB)や初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)ら、ロペテギ監督も思う存分、選手を試すことができるっていうことです。 ▽どちらにしろ、火曜の午後7時半からあるこの合宿、唯一の一般公開練習にはモンクロア(マドリッド市内のバスターミナル)から628/629番のバスに乗って行ってみるつもりですが、今、私がちょっと気になっているのはこの月曜に発表されたW杯用の新ユニフォーム(http://www.sefutbol.com/sabes-donde-puedes-comprar-ya-nueva-camiseta)。協会によると、来週月曜まではラス・ロサスの施設内にある代表オフィシャルショップとアディダス直営ショップのみでの限定販売だそうですが、まあ練習の日に見られなくてもグラン・ビア(市内の中央大通り)にはアディダスの大型店もありますからね。コスタリカ戦では選手がそれを着てプレーしてくれるそうですし、そんなに焦ることはないんですが…1994年W杯アメリカ大会のバージョンを模した右側に黄色と紺の菱形ストライプが入ったこの新ユニ、同大会での準々決勝敗退という結果以上を出せるラッキーアイテムとなってくれるんでしょうか。 ▽まあ、代表戦のことはまた後で話すとして、先に先週末のリーガがどうだったのかをお伝えしておかないと。今節はマドリッドの弟分にはいい目が出ず、ベティスとのアウェイ戦に挑んだヘタフェが2-2と引き分けた翌日、レガネスも土曜のお昼のバレンシア戦でパレホ、ロドリゴ、サンティ・ミナにゴールを入れられて完敗。いやあ、確かにガリターノ監督も「この3-0というスコアを見れば、誰でも何がああいったチームとの差なのかわかる。Ni aun jugando bien eres capaz de sacar nada/ニ・アウン・フガンドー・ビエン・エレス・カパス・デ・サカール・ナーダ(ウチがいいプレーをしていたって、何も得ることはできない)」と、前節のセビージャ戦からの連敗にリーガ上位候補との実力の違いを痛感していたようですけどね。 ▽実際、ローコストの選手で構成されているレガネスの目標は1部残留のため、今も9位ですし、これからも同等チームとの対戦でしっかり勝ち点を稼いでいけば問題はないんですが、paron(パロン/リーガの停止期間)明けにはバルサ戦が控えていますからね。やはり3連敗ともなると選手たちの士気に良くありませんし、それこそ先日は昇格組のジローナが兄貴分のレアル・マドリーに勝つという僥倖があったばかり。となれば、月火の練習休みの後、新グラウンドもオープンしたというインスタラシオン・デポルティボ・ブタルケで水曜から再開される練習では、各国代表に出向する選手がアムラバット(モロッコ)1人しかいないという強みを生かし、気合も新たにトレーニングに励んでもらいたいものです。 ▽そして同じ土曜、やはりアウェイでデポルティボ戦となったのがアトレティコで、うーん、最近は私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に彼らの試合を見に行くたび、あんなチームを応援している自分が変な奴に思われていないかと恥ずかしくなる、何年かぶりの肩身の狭さを感じているんですけどね。その日も先週ミッドウィークのCLカラバフ戦からプレーが向上した気配がまったくなく、中盤でパスがまったく続かないわ、ロングボールは必ず敵選手のものになるわ、グリーズマンのシュートはGKにセーブされるわと、とにかく頭が痛くなる一方だったんですが、デポルティボにも決定力が欠けていたのが幸い。 ▽よって90分が0-0で終わり、またドローかと溜息をついていたところ、いやあ、たまにはツキが回ってくることもあるんですね。いえ、ロスタイムにリュカがエリアすぐ前で倒されてFKをゲットした時には、別にアトレティコにはメッシやクリスティアーノ・ロナウドのように直接狙って成功するキッカーがいる訳じゃないしと、あまり期待はしていなかったものの、何とガビが短く横に出したボールをトーマスが弾丸シュート。GKパンティリモンは一歩も動けず、土壇場で1点をもぎ取った彼らが0-1で勝利って、まったく冗談みたいじゃないですか。 ▽ただ、「ガビとボクで決めたんだ。Hemos trabajado en los entrenamientos el pegarle asi/エモス・トラバハードー・エン・ロス・エントレナミエントス・エル・ペガールレ・アシー(練習でああいう風に蹴るってね)」と後で打ち明けていたトーマスでしたが、実を言うと、先日のカラバフ戦同様、それまではミスのオンパレード。見ているのが辛くなる程の酷さでありながら、その時も彼がエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパードール)で1-1の同点に持ち込み、驚かせてくれたんですが、要はパスやボール扱いとシュート能力にはまったく関係がない? ▽というか、両方とも秀でていたなら、アトレティコなどにはおらず、それこそお隣さんの選手になっていたりするんじゃないかと思いますが、これで今季4ゴールでチームの得点王となったからって、この先もトーマスの決定力だけにチームの命運を預ける訳にはいかないですからね。その日はグリーズマンを後半35分で下げ、代わりにCBのヒメネスをボランチとして入れることで「buscaba fortalecer el medio campo, buscamos el gol con Saul, Gameiro y Gaitan/ブスカバ・フォルタレセル・エル・メディオ・カンポ、ブスカモス・エル・ゴル・コン・サウル、ガメイロ・イ・ガイタン(中盤を強化して、サウール、ガメイロ、ガイタンで得点を目指そうと思った)」とシメオネ監督は言っていましたが、このFW陣のゴール日照りぶり、いくらここまでリーガ11試合無敗、昨季の同時点より勝ち点2多いとはいえ、かなり心配ですよね。 ▽え、せっかくアトレティコが勝ったのに私が喜べないのは次の試合がマドリーダービーだからじゃないかって?そうですね、デポルティボ戦でも相変わらず、ひどいサッカーをしていた点についてはこの火曜、マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場で午前11時から始まるセッションから改善に取り組んでもらうしかないんですが、今回の各国代表戦ではすでに予選敗退の決まったオブラク(スロベニア)やサビッチ(モンテネグロ)は試合がなく、トーマス(ガーナ)も出場停止なので行く必要はなし。負傷中のコケ(スペイン)とカラスコ(ベルギー)、フィリペ・ルイス(ブラジル)もこの2週間で全快する見込みと、不在なのはグリーズマン(フランス)、ゴディンとヒメネス(ウルグアイ)、リュカ(フランスU21)、そしてギリシャとのW杯予選プレーオフに挑むクロアチアのヴルサリコと極少数に留まったこともありがたいんですが、同様にcrisis(クリシス/危機)状態と言われていたマドリーが翌日曜のラス・パルマス戦で何だか、立ち直ってしまったみたいなんですよ。 ▽いえ、ジローナ戦、CLトッテナム戦の連敗を経て、大胆なローテーションをするんじゃないかと言われていたその試合、ジダン監督はW杯出場の懸かった代表戦の待っているモドリッチ(クロアチア)を控えに、アクラフ(モロッコ)をベンチ外にしただけで、アセンシオやCBバジェホが先発に入った程度のメンバーチェンジだったんですが、前半はまるでお隣さんに憑依されたようにボールが繋がらず。40分にようやくCKからカセミロのヘッドが決まり、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドからの一斉pito(ピト/ブーイング)を避けた彼らだったんですけどね。ハーフタイムに「監督からllevaramos el balon de lado a lado con circulaciones rapidas/ジェバラモス・エル・バロン・デ・ラードー・ア・ラードー・コン・シルクラシオネス・ラピダス(素早くボールを回してサイドチェンジをするように)と言われた」(バジェホ)のが功を奏したんでしょうか。 ▽後半10分にはGKラウールがパンチングしたボールをエリア外でアセンシオが待ち受け、25メートルの距離から狙い澄ました一発を決めたため、会場の雰囲気が一変。ラス・パルマスも前半こそ、器用にパスを回していたものの、時間の経過と共に疲れが出たか、28分にはとうとうマドリーのお家芸、高速カウンターにはまってしまってはどうしようもありませんって。ええ、この日はロナウドがドリブルで右サイドを上がり、ゴール前にラストパス。ピッチ中央を一緒に全力疾走してきたイスコがこれに合わせ、3点目をゲットしたとなれば、もう勝利は安泰です(最終結果3-0)。 ▽ただ、こちらもいい話ばかりではなくて、この試合でも今季まだリーガ1得点のコンビ、ロナウドとベンゼマのゴール日照りは続行。いえ、後者などは序盤、GKとの1対1を失敗し、交代時にもブーイングを受けながら、特に表情に変わりなかったんですが、「Cris es cierto que se va a casa molesto cuando no mete/クリス・エス・シエルトー・ケ・セ・バ・ア・カサ・モレスト・クアンドー・ノー・メテ(ロナウドはゴールを入れないとムクれて家に帰る)」とセルヒオ・ラモスも言っていた通り、前者はイスコのゴールが決まった時もまったく喜ばず。ジダン監督は「アシストして彼は満足しているよ」と一応、フォローしていましたけどね。今月はフェルナンド・サントス監督からポルトガル代表参加も免除されているため、サウジアラビアとアメリカ相手の親善試合でゴールを量産する機会を逃し、逆にこの2週間、当人がフラストレーションを溜め続けることにならない? ▽加えて、10月の代表戦直前から負傷で欠場が続いているベイルも今回、ウェールズ代表には行かず、ダービーで復帰予定ですし、ベンゼマはずっとデ・シャン監督に呼ばれていませんからね。18日のワンダ・メトロポリターノにはBBCが勢揃いというのも怖いんですが、他にもカルバハル(スペイン)がそろそろ実戦に戻れそうだとか。ヴァランも元気になってフランス代表に行きましたし、唯一、コバチッチだけはまだ時間がかかりそうで、今回も先輩モドリッチが何とか母国をロシアに導いてくれるよう、マドリッドで応援。ブラジルの親善試合に参加するマルセロ、カゼミロも日本戦はリールで、イングランド戦はロンドンでと短い旅程ですし、スペイン代表もラモス、ナチョ、アセンシオ、イスコの4人だけと最近は少ないんですよ。 ▽となると、あまり代表疲れしてダービーに臨む選手もいないかと思いますが、こればっかりはねえ。ちなみにマドリーのバルデベバス(バラハス空港近く)でのセッションは水曜午後4時から再開されますが、この代表戦週間は有名選手が結構、残っているため、マドリッド観光に来ているファンなら、クラブのオフィシャルページ(http://www.realmadrid.com/)でentrenamiento(エントレナミエントー/練習)の予定をチェックして、セルカニアス(国鉄近郊路線)C-1号線Valdebebas(バルデベバス)駅から歩いてすぐの関係者用車両出入り口前で選手を待つなんてしても楽しいかも。 ▽彼らの車が止まってくれるのは帰りの方が多いんですが、目安として、セッションは1時間程。それから着替えやマッサージをして、それぞれ三々五々、出て来ることや、最近のマドリッドは急激に気温が低下している上、現地は吹きっさらしでお店も何もないため、しっかり防寒していった方がいいというのがアドバイスになりますでしょうか。そうそう、代表戦週間中は大抵、どのクラブも週末は練習休みになるのも覚えておいた方がいいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.07 12:21 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】いきなりクライシス流行りになった…

「ホントに観光名所よねえ」。そんな風に私が感心していたのは木曜日、用事ついでにサンティアゴ・ベルナベウの近くを通ったところ、ツアー入り口のあるPaseo de Castellana(パセオ・デ・カステジャーナ)側の駐車場に大型観光バスが7、8台横付けされているのを見た時のことでした。いやあ、世界で唯一、11個もの神々しいCLトロフィーがズラリと並んでいるのを目にできるこのスタジアムツアー、レアル・マドリーがホームゲームをやる日はキックオフの何時間か前で入れなくなったり、巡回コースが制限されたりするため、あまりお勧めしないんですけどね。 ▽それでちょっと思いついたのが、マドリーがアウェイゲームの日の方が楽しめるんじゃないかということで、例えば、先日のCLトッテナム戦のように夜に試合がある場合。ツアーは平日午後7時、日祝は午後6時半までなので、閉館ギリギリまで楽しんで、あとは最終出口にもなっているスアジタム併設オフシャルメガストアで買い物三昧、お店も平日午後9時、日祝午後7時半とクローズが遅いですし、午後8時45分のキックオフが迫ってきたら、近場のレストラン・バルに入って夕食をとりつつ、試合観戦するのもいいかと。 ▽ちなみに周辺にTVのあるバルはいくつかあるんですが、お勧めはオフィシャルショップを出て、右へ歩いてすぐのショッピングセンター、La Esquina de Bernabeu(ラ・エスキーナ・デ・ベルナベウ)内にあるFriday(フライデー)。ちょっとファミレスっぽいチェーン店ですが、席数も多く、TVがいくつもあるため、見やすい位置を確保しやすのがウリです。北側カステジャーナ大通り近くにあるVolapie(ボラピエ)はワンダ・メトロポリターノの近くにもあるバルで気軽に入れる雰囲気ですし、スタジアムを回ってメトロ(地下鉄)の駅に向かう道、Avenida de Concha Espina(アベニダ・デ・コンチャ・エスピーナ)には信号を渡ってすぐのところに並んだ2軒、El Almacen Argentina(エル・アルマセン・アルヘンティーナ)とCafe & Tapas(カフェ・アンド・タパス)は壁掛け大型スクリーンを設置、迫力あるプレーが楽しめるところがいいですね。 ▽ただ、これらのお店、マドリーのアウェイゲーム時にはゆっくり座って食事もできるんですが、ホーム戦の前後はファンで大混雑なんですよ。私もすぐ続いてお隣さんの試合がある時など、利用させてもらっていますが、それがバルサvsアトレティコ戦のようなビッグカードだったりすると超満員。空席待ちするぐらいなら、いっそ自宅近くまで帰った方が、後半だけでも落ち着いて見られていいという気分になったこともあったため、立ち寄るかどうかはケースバイケースかと。日本から来るファンの方々も自分の予定に合わせて、上手くこういったバルを使えるといいのですが…。 ▽え、昨今、マドリッドでは“crisis/クリシス(危機)”という言葉が飛び交っているのに、そんな呑気な話をしている場合かって? そうですね、実はこのミッドウィークは惨々で、いやあ、もう私なんて、火曜のCLカラバフ戦が引き分けに終わった時点でボロボロで、その翌日にはマドリーまでがウェンブリーであんな目に遭うとは予想もせず。とりあえず、順番に話すことにすると、CLでの生き残りを懸けてワンダ・メトロポリターノにアゼルバイジャンのチームを迎えたアトレティコはまた、サッカーをすることを忘れてしまったんですよ。 ▽ええ、序盤こそ攻めて行ったんですが、15分もしないうちに軽快にパスを回すのは敵の方になり、何と前半39分にはCKからスペイン人選手のミチェルにヘッドを決められて、先制を許すとは一体、どうなっている? 冗談ではなく、今季はサイドからのクロスで失点するのが定番になってしまった彼らですが、それでも後半10分にはトマスが名誉挽回の一撃をネットに突き刺してくれたから、ひとまずホッとできることに。そう、何度も恐ろしいパスミスを繰り返しながら、決して下を向かないアトレティコのカンテラーノ(下部組織出身の選手)の芯の強さをエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で示してくれたんですが、どうやら今の彼らは1点を取るのが精いっぱいのよう。 ▽ええ、トマスの同点弾の前にもガメイロが空のゴールを前に外していましたし、フィリペ・ルイスが撃ったシュートも枠を捉えられず。相手が13分に退場者を出した後、終盤などはガビやフアンフラン、ゴディンら、ベテランがチームを引っ張って、総攻撃体制に入っていたんですが…ロスタイム、最後にガイタンが至近距離から放ったシュートも敵GKに弾かれ、ここ数年、すっかり姿を消していたホームチームへのpito(ピト/ブーイング)がワンダ・メトロポリターノのスタンドから初めて聞こえたとあっては、かつてあの「Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(信じて努力すれば、可能になる) 」という名言を残したシメオネ監督まで、「En el segundo tiempo hicimos meritos, el destino no quiere.../エン・エル・セグンド・ティエンポー・イシモス・メリトス、エル・デスティーノ・ノー・キレ(後半のウチはよくやったが、運命が欲してくれないのでは…)」と嘆いていたのも仕方なかった? ▽結局、試合は1-1で終わり、同グループのローマがチェルシーに3-0と勝ったため、この4試合で勝ち点3しか溜まらなかったアトレティコはほぼ敗退が決定。ほぼというのは残り2試合、彼らが連勝して、カラバフが勝ち点1でも取ってくれれば、2位通過できるからですが、何せアトレティコが次のローマ戦に勝つ姿も、チェルシーがスタンフォード・ブリッジでポイントを落とす姿も同じぐらい想像できませんからね。そのせいもあってか、これまで運の悪さを努力で変えてきたという自負のあるキャプテンのガビなど、試合後、「A dia de hoy, la Liga Europa es una mierda/ア・ディア・デ・オイ、ラ・リーガ・エウロッパ・エス・ウナ・ミエルダ(今日の時点ではヨーロッパリーグなんてクソみたいなもの)」とか、「1月までこの調子が続いたら、ジエゴ・コスタが来ても何の役にも立たない」なんて極論に走っていたんですが、まあ理解はできますって。 ▽そんな彼らはもうこの土曜、午後4時15分(日本時間翌午前零時15分)から、リーガのデポルティボ戦に挑むんですが、とにかくあまり朗報がなくってねえ。ここ数試合休場中のコケとカラスコもまだ回復せず、加えてフィリペ・ルイスが太もものケガで出られない上、「No tenemos un jugador que el solo gane un partido/ノー・テネモス・ウン・フガドール・ケ・エル・ソロ・ガネ・ウン・パルティドー(ウチには1人で試合を決められる選手はいない)」というシメオネ監督の言葉から察するに、とうとうグリーズマンもtitular indiscutible/ティトゥラル・インディスクティブレ(不動のレギュラー)ではなくなってしまったようなんですが、だからって代わりがいる訳でもなし。 ▽よって、メンツは同じまま、2節前にペペ・メル監督を解任、現在はBチームを率いていたクリストバル監督が昇格したデポルティボにうっかり頭でのゴールを入れられないように用心、あとは何かの間違えでもいいから、1点を取れることを祈るしかありません。うーん、木曜夜にはガビ、ゴディン、コケ、モヤら、チームの重鎮が集まって決起ディナーを開いたというアトレティコですが、どうせなら来週の国際代表戦週間を利用して、paron(パロン/リーガの停止期間)明けのマドリーダービーに勝てるよう、チーム全員でお祓いにでも行く方がいいんじゃないかと思ってしまうのはきっと、私だけではないはずです。 ▽え、いくらトッテナムには負けたとはいえ、水曜にはドルトムントがアポエル2試合目でも引き分けたため、グループ2位で突破は順調に決まりそうなお隣さんなのに、クライシスという声がアトレティコどころではなく高まっているのはどうしてなのかって? いやあ、それは世間の反響の大きさが違うせいもありますが、彼らの場合は先週末のリーガ、ジローナ戦に続いての黒星。しかもCLグループリーグで負けるのは5年ぶりともなれば、騒がれるのも当然なんですけどね。 ▽ただ実際、その試合のマドリーはまるでアトレティコが憑依したかのような状態で、ジローナ戦同様、マルセロ、クロース、モドリッチ、カセミロが次から次へとパスをミス。それが前半27分に敵のカウンターを招き、ウィンクスのロングパスを受けたトリッピアーはオフサイドだったんですが、見咎められずにデル・アリがフィニッシュして、トッテナムに先制されてしまったから、さあ大変! 再び、カセミロを下げての3CB制に入った後半も11分にはデレ・アリのシュートがセルヒオ・ラモスに当たって2点目を奪われると、20分にはエリクセンにも決められて、とうとう3点差って、我が目を疑うとはまさにこのことだったかと。 ▽うーん、どういう訳か、最後にエリクセンを追う役目になっていたモドリックなど、後で「Tenemos que hacer todo para recuperar nuestro juego/テネモス・ケ・アセール・トードー・パラ・レクペラル・ヌエストロ・フエゴ(ウチは何としても自分たちのプレーを取り戻さないといけない)。フィジカルやメンタル的に問題はないんだから」と言っていましたけどね。今季はお隣さん程ではないものの、効率的に得点するのにも苦しんでいるマドリーは結局、35分にはエリア内の混戦からクリスティアーノ・ロナウドが決めて1点を返したんですが、3-1なんて、トッテナムのポチェッティーノ監督も「Me esperaba la mejor version del Madrid/メ・エスペラバ・ラ・メホール・ベルシオン・デル・マドリッド(最高のバージョンのマドリーを期待していた)」と拍子抜けしていたように、まったく2年連続CLチャンピオンにあるまじき惨状と言っていいでしょう。 ▽ただ、マドリーのゴールが減ったのには、ロナウドによると、どうやら選手の控え層の変化も影響していたようで、「ペペ(現ベシクタシュ)、モラタ(チェルシー)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)はチームを強化してくれたけど、los de ahora son mas jovenes/ロス・デ・アオラ・ソン・マス・ホベネス(今の選手たちはもっと若い)。その分、経験が少なくて、それは大事なことだからね」とのこと。まあ、確かにアセンシオ、セバジョス、マジョラル、テオ、バジェホと控えはほとんど皆、20代前半ですからね。このところ、カルバハルの代理で右SBを務めているアクラフに至っては18歳となれば、比べるのも気の毒なんですが、え、その前にロナウドは今季、CLでこそ6得点とランキング首位とはいえ、リーガでまだ1ゴールしか挙げられていない我が身を振り返った方がいいんじゃないかって? ▽そうですね、CLは次のアポエル戦で勝てば、決勝トーナメント進出が決まるため、別にいいんですが、先日、ジローナ戦で1-2と負けた後、ラモスも「No es la primera Liga en la que se remontan ocho puntos/ノー・エス・ラ・プリメーラ・リーガ・エン・ラ・ケ・セ・レモンタン・オチョ・プントス(勝ち点差8を覆したリーガは初めてじゃない)。ボクは勝ち点8以上を逆転して優勝したことがあるよ」とラジオのインタビューで言っていたように、ちょっと誤解があるんですよ。というのも過去、リーガで8差以上から追い上げて優勝したチームはバルサ、バレンシアだけで、マドリーの最大記録は7差。ジダン監督初年度の2015-16シーズンこそ、バルサに4試合で11ポイント詰めたりしたんですが、結局、1差で優勝はできていないから。 ▽そう考えると、ジダン監督も「No estamos en crisis/ノー・エスタモス・エン・クリシス(ウチはクライシスにある訳じゃない)」なんて悠長に構えている場合ではないはずですが、この日曜のラス・パルマス戦、それぞれウェールズ代表、フランス代表に招集されたものの、トッテナム戦は負傷欠場しているベイルとバランが復帰できるのかどうかはまだ不明。カルバハルも一緒でもう、今はバルデベバス(バラハス空港の近く)での全体練習に参加しているんですけどね。気がせいてまたケガされても困りましますし、いくら昨季は2引き分けを演じた相手とはいえ、ここは慎重になった方がいい? ▽そんなラス・パルマス戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)にサンティアゴ・ベルナベウでキックオフ。火曜にオリンピアコスとスコアレスドローながら、相変わらずCLグループ首位のバルサはスパルタク・モスクワに2-1と勝ったセビージャを土曜にカンプ・ノウに迎えるため、下手したら、試合前に勝ち点11差になっていることもありえますが、12月23日午後1時と決まったホームでのクラシコ(伝統の一戦)までは、少なくとも現状を維持してほしいですね ▽おっと、マドリーの両雄の話をしているうちに金曜試合だったヘタフェのベティス戦が終了。いやあ、せっかく前半にベルガラとポルティージョのゴールで2点リードしながら、後半23分にはサナブリアに決められ、更に残り3分にブアデスに同点弾を許す辺り、やっぱり終盤に弱いという弟分の今季の宿命、前節のレアル・ソシエダ戦で逆転勝利したぐらいでは変わっていなかったのは残念だったかと。まあ、それでも2-2でアウェイのベニト・ビジャマリンで勝ち点1をゲットとしたとなれば、健闘したと褒めるべきなんでしょうが、こういう勝ち切れない試合を後で悔やむことがないよう、この代表戦週間はみっちり練習に集中してもらいたいところです。 ▽そしてもう1つのマドリッドの弟分は土曜にメスタジャでバレンシア戦ですが、何せ現在、2位のこの相手は唯一、勝ち点差4でバルサを追っているチームですからね。とりわけ、今季はヨーロッパの試合がないだけに、もしかしたらこのままかなり長い間、高みを維持しかなないとなれば、ここは無理は承知でレガネスに一肌脱いでもらうしかない? 前節はセビージャに負けて7位に後退してしまった彼らとはいえ、勝ち点は6位のビジャレアルと同じ17とあって、きっと選手たちもEL出場圏内復帰を目指して張り切っているはずですが…そうそう兄貴分たちにいいようには転がらないような気がします。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.04 12:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】リーガが逃げて行く…

▽「期待されてないのはわかるけど」そんな風に私が悲しくなっていたのは日曜の夜、テレデポルテ(TVE/スペイン国営放送のスポーツ専門局)のサッカー番組、エストゥディオ・エスタディオのコメンテーターたちがレアル・マドリーは今季のリーガ優勝を捨てたの何のと、口角泡を飛ばして議論しているのを聞いた時のことでした。というのも、その日の夕方、思いもかけず、ジローナ戦で躓いて、首位バルサとの勝ち点差が8に開いてしまったお隣さんなんですけどね。前日はアトレティコのビジャレアル戦も失意のうちに終わったため、それまで順位表など、見る気もしなかったものの、確認してみると、あら?4位のアトレティコは3位のマドリーと同じ勝ち点20で、首位との距離は変わらなかったから。 ▽それにも関らず、優勝争い云々の話題が一切、出ていないというのは即ち、今季の彼らは候補にも入れてもらえていないんだってことだと思いますが、何せ、土曜はクラブが”El dia de las Penas/エル・ディア・デ・ラス・ペーニャス(ファンクラブの日)“と銘打って、スペイン内外から駆けつけた1万人余りの会員がワンダ・メトロポリターノを初体験。私もちょっと早めに行って、メトロ(地下鉄)7号線、エスタディオ・メトロポリターノ駅の1つ手前、ラス・ムサス駅で下車すると、途中にある広場、Plaza Grecia(プラサ・グレシア)にあるバル(スペインの喫茶店兼バー)の賑わいぶりを観察したり、更地の中央にそびえ立つスタジアムにファンたちが数方向から向かうパノラマを楽しんだりした後、今日こそはと座席でキックオフを待ったんですが…アップの時間、最後まで残って、シュート練習を繰り返していたグリーズマンの努力が実ることはありませんでしたっけ。 ▽そう、サビッチのタックルでバカンブのシュートを間一髪のところで防いだものの、サウールの一撃もゴール前で敵DFの壁に跳ね返されてしまったアトレティコは恒例のようにスコアレスで前半を終了。それでも後半15分にはグリーズマンのクロスを受けたコレアが至近距離から決め、何とか先制したんですが、その5分後、ガメイロが絶好機でGKバルボサを破れないんですよ。うーん、マルカ(スポーツ紙)のコラムでクラブのレジェンド、横浜フリューゲルスでもプレーしたことのある元FWのフトレ氏も「カラのゴールを前にしたり、1対1でGKをかわして上手くゴールを挙げられるよう、que entrenamiento especifico piensas inventar para ensenar a tus cracks/ケ・エントレナミエントー・エスペシフィコ・ピエンサス・インベンタール・パラ・エンセニャール・ア・トゥス・クラックス(手持ちのクラックたちに教えるのにどんな特別な練習を考えているのか)」と、シメオネ監督に訊いてみたいと書いていましたけどね。 ▽ガメイロと交代で入ったビエットも先日のコパ・デル・レイ32強対戦エルチェ戦1stレグでの続けざまの失敗の後、何かの特訓で決定力が改善したかどうか見せる機会もなく、アトレティコは時間が経つにつれ、またしてもリードをいいことにチーム全員が後ずさり。まあ、万全の守備を誇っていた時代の彼らなら、それで良かったんでしょうが、何せ今季はリーガ前節のセルタ戦でしか、その作戦、成功していませんからね。とうとう35分、CKからの空中戦でゴディンが競り負けて、バッカにヘッドで同点にされると、もう選手を代えても望みは薄いとシメオネ監督も達観していたんでしょうか。結局、交代枠を1人しか使わないまま、1-1のドローで終了し、10月は公式戦5試合中4引き分けとなれば、フラストレーションが溜まらないファンなんている? ▽うーん、試合後、「De los ultimos partidos, este fue el mejor, por intensidad y rendimiento individual de cada uno/デ・ロス・ウルティモス・パルティードス、エステ・フエ・エル・メホール、ポエル・インテンシダッド・イ・レンディミエントー・デ・カーダ・ウノ(ここ最近の試合では今日が一番良かった。プレーの激しさや各自のパフォーマンスの面でね)」と評価していたシメオネ監督はそれでも絶望せず、「選手たちを信じ続けている」と言っていましたけどね。ビジャレアル戦で唯一、アトレティコに得点をもたらしてくれたコレアにしても他にもチャンスはあった訳で、ゴールがなかなか入らない理由が「no tenemos suerte/ノー・テネモス・スエルテ(ツキがない)」となれば、もうお祓いにでも行く以外、どうしようもないじゃないですか。 ▽そんなゲン担ぎの必要性をシメオネ監督も感じたか、月曜には6月にお別れした古巣、ビセンテ・カルデロンでCLカラバフ戦の前日練習を行ったアトレティコですが、いえ、これには前日の夕方、マハダオンダ(マドリッド近郊)のミニスタジアムで女子チームがリーガ優勝争いのライバル、バルサと対戦。相手に退場者が出るぐらいの熱いプレーの連続にピッチが痛んでいたという理由もあったようですけどね。男子同様、1-1の引き分けで終わったとはいえ、こちらは追いついてのドローですから、どちらの方が根性あるかわかるってもんですが、まあ、ヨーロッパの大会に関しては彼女たち、今季、初出場だった女子CLのラウンド32でヴォルフスグルクに総合スコア15-2で大敗という、突拍子しもないことをしてくれましたからね。 ▽そこはやはりアトレティコ男子の方が頼りになるのかもしれませんが、何せ今季はここまでグループ3試合で1勝も挙げられず。前節もバクーでカラバフと0-0で分けて戻って来たため、もう相手がアゼルバイジャンの無名チームだとか、格下だとか、言っていられないんですよ。勝ち点2しかない彼らの上にはチェルシーとローマがいるため、どうにもこの試合、まだ0ポイントの相手と3位のヨーロッパリーグ出場権を争うような様相を呈していなくもないんですが、いえ、ワンダ・メトロポリターノに私がカラバフの練習を見に行った時、顔なじみのベテラン、アトレティコ番ラジオ記者など、「リーガとは違う顔のアトレティコが絶対見られるよ」と慰めてくれたんですけどね。結局、コケもカラスコも負傷から回復せず、ビジャレアル戦と同じメンバーで戦うことになるため、火曜の午後8時45分(日本時間翌午前4時45分/先週末でスペインは冬時間、時差が8時間になった)を戦々恐々として迎えるのはきっと、私だけではないはず。 ▽え、リーガに話を戻すと、土曜は弟分のレガネスもサンチェス・ピスファンで踏ん張りきれず。前半19分のベン・イエデルのゴールは後半早々、せっかくシマノフスキがPKを決めて同点に追いついたものの、9分にはサラビアのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で勝ち越されてしまうことに。反撃もようようならなかったみたいで、午前零時15分過ぎには2-1の負けで終わったのも痛かったんじゃないかって?そうですね、おかげでセビージャが勝ち点1差の5位に迫ってきたのは気懸りではありますが、いくら今季序盤は快進撃を続けているとはいえ、レガネスの目標はあくまで1部残留。できたら、上位候補チームから勝ち点を奪ってほしいなんてアトレティコが思うのはおこがましいかと。今週末土曜にはメスタジャで2位バレンシアと対戦、代表戦明けにもバルサをブタルケに迎えることになるレガネスとあって、この強豪との対決3連戦、彼ら自身のためにも勝ち点1でも稼げるといいと祈るばかりでしょうか。 ▽実際、前日がそんな風でしたから、日曜の朝、ヘタフェの試合を見にコリセウム・アルフォンソ・ペレスに向かった私も気が重かったんですが、いやあ、あるんですねえ。ツキがいきなり変わることって。いえ、レアル・ソシエダを迎えた弟分の片割れは開始早々、5分にはヤヌザイのスルーパスから、オヤルサバルがGKグアイタを破って先制されちゃったんですけどね。後半にボルダラス監督が投入した選手たちが大活躍。78分にポルティージョのクロスを頭で上手く落としたアンヘルが同点ゴールを叩き出すと、彼は85分にもイニゴ・マルティネスにエリア内で倒されてPKをゲットすることに。これをホルヘ・モリーナが決め、2-1で逆転勝利をモノにしてしまったから、嬉しかったの何のって。 ▽というのもここまで、彼らにはリードや同点で終盤を迎えながら、守り切れず、惜しいところで勝ち点を失った試合がいくつもありませしたからね。ボルダラス監督も「El futbol nos devuelve lo que nos habia quitado/エル・フトボル・ノス・デブエルベ・ロ・ケ・ノス・アビア・キタードー(サッカーが我々から奪ったものを返してくれた)」と喜んでいましたが、これでホーム戦はようやく今季2勝目。負傷で2試合休む前は好調だったアンヘルが復帰してくれたのもありがたいですし、この試合がキッカケとなって、コリセウムで勝ち点を溜められるようなれば、柴崎岳選手が戻って来られる12月まで、何とか降格圏から離れていられるんじゃないでしょうか。 ▽そして今節、最大のサプライズが待っていたのはヘタフェ(マドリッド近郊)から戻り、自宅近くのバルで見たジローナvsマドリー戦だったんですが、いえ、試合前の焦点は先日、カタルーニャ州議会のindependencia unilateral(インデペンデンシア・ウニラテラル/一方的独立)宣言を受け、スペイン中央政府が憲法155条に基づき、同州の自治権言を停止する事態に至ったため、モンテリビを訪問するマドリーがそのトバッチリを受けるんじゃないかということだったんですけどね。蓋を開けてみれば、警備は強化されていたものの、ジローナ(バルセロナの南東にある町)で騒ぎが起こることはなく、時間通り試合はキックオフ。 ▽前半12分にはクリスチアーノ・ロナウドのシュートをGKボノが弾いたところ、駆けつけたイスコが押し込んで先制という辺りまで、まったく普段と同じだったんですが、後半がいけません。ええ、1点を奪われたものの、前半に枠に当たるシュートを2本放っていたジローナは8分、開幕アトレティコ戦で2ゴールを挙げていたストゥアーニが同点弾。その5分後にも、いえ、同選手のシュートはGKカシージャが弾いたんですけどね。その日はバルサ戦のように、メッシにマンマークで密着という難しい任務を与えられなかったからでしょうか。マフェオ自身は「Si tengo que seguir a Cristiano por todo el campo, lo hare/シー・テンゴ・ケ・セギール・ア・クリスティアーノ・ポル・トードー・エル・カンポ、ロ・アレ(ロナウドをピッチ中追い回さないといけないなら、やるよ)」を言っていましたが、おかげでエリア内まで上がれていた彼が出したラストパスをポルトゥがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で決め、勝ち越し点まで奪われてしまったから、さあ大変! ▽え、その2点目、リプレーで見ると、fuera de juego/フエラ・デ・フエゴ(オフサイド)じゃなかったかって?まあ、そうなんですが、プレーしているのは天下のマドリーですよ。まさか1点リードされたぐらいで、ジダン監督がマルセロとアクラフの両SBに代えてアセンシオとルーカス・バスケス、2人のアタッカーを投入。カゼミロのポジションを下げて、3バックにしたのも大袈裟に感じましたが、いくら珍しく、お隣さん並にクロースやモドリッチら中盤がパスミスしようが、そこは奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)が売りの彼ら。私もいつ、ゴールが入るか入るかと待っていたところ…。 ▽そのまま終わっちゃったんですよ。うーん、何とかしようと孤軍奮闘していたイスコなど、「後半最初の数分、試合から気持が離れてしまったツケを払った」と言っていましたけどね。ジダン監督も「No creo que jugaramos mal. No ha faltado intensidad/ノー・クレオ・ケ・グファラモス・マル。ノー・ア・ファルタードー・インテンシダッド(悪いプレーをしたとは思わない。激しさが足りないこともなかった)。失点した2度のプレーの時だけ,集中力が欠けていた」と選手たちを庇っていましたが、いや、ここまで来ると、まだリーガで1得点だけのロナウドとか、心配にならない方がおかしいですって。 ▽おかげで前日アスレティックにも0-2と勝利、開幕から全勝しているバルサとの差が3試合分になってしまったとなれば、今からクラシコ(伝統の一戦)では2勝しないといけないとか、ライバルの日程表を見て、勝ち点を落としそうな試合を予想するとか、逆転優勝を目指して、また鬱陶しい雰囲気になりそうなのがイヤなんですが、さて。幸い今週は水曜午後8時45分に控えたトッテナムとのCL4節が優先されるため、リーガはまた後で考えればいいんですが、月曜には負傷のリハビリ中のベイルとGKケイロル・ナバスがロンドンでの試合に間に合わないことが判明。 ▽ジローナ戦ハーフタイムでナチョと交代したヴァランもケガをしているようですし、ウィルス性の心膜炎は全快したカルバハルもまだ、実戦復帰は早いと言われているのは辛いところかと。イスコも足を打撲しており、月曜はジムごもりと、先発できるか微妙なようですしね。ポチェッティーノ監督のチームにもエースのハリー・ケインがギリギリ間に合うかどうかという、厳しい台所事情があるようですが、ウェンブリーでのこの一戦、勝ってグループ首位に君臨するのはどちらになるんでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.31 23:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】サッカーだけとはいかない…

▽「悩むところだわ」そんな風に私が決めかねていたのは金曜日、アトレティコの試合が翌日の午後4時15分(日本時間午後11時15分)からだったため、少し早めにワンダ・メトロポリターノ近辺まで行って、お昼を食べるのもいいんじゃないかと思いついたものの、新スタジアムがオープンして以来、ずっと使っているメトロ(地下鉄)7号線の最寄駅、Estadio Metropolitano(エスタディオ・メトロポリターノ)はほぼスタジアム直結ながら、周辺はほぼ荒野。丁度、その日は” el Día de las Peñas/ディア・デ・ラス・ペーニャス(ファンクラブの日)“が開催され、試合日恒例のファンゾーンが午前11時に開場、キッズ向けエリア近くではcallos(カジョス/スペイン風モツ煮)、tortilla(トルティージャ/同オムレツ)、bunuelos(ブニュエロス/揚げ菓子)のコンビプレートが3.5ユーロ(約460円)で食べられるという情報もあったんですけどね。 ▽他にもピザやホットドッグ等のフードトラックが多数出ているため、スタジアム周りで過ごすというのも考えたものの、実は先日、7号線の1つ手前の駅、Las Musas(ラス・ムサス)で下車して付近を散歩がてらに探索してみたところ、Avenida de Niza(アベニダ・デ・ニサ)を北上して着くPlaza de Garcia(プラサ・デ・ガルシア)には4、5軒のバル(スペインの喫茶店兼バー)が並んでいるのを発見。どこもテラス席があり、Volapie(ボラピエ)やCerveceria de Niza(セルベセリア・デ・ニサ)といった辺りは食べ物メニューも充実しているようで、スタジアム正面まで徒歩300メートル程とまあ、距離感も良かったんですが…問題はこの方向の新市街地にはそのエリア以外、ほとんどバルがないということ。 ▽つまり、ファンによる試合前の大混雑はお約束で、実際、ビセンテ・カルデロン時代なども近隣には何十軒もバルがありながら、座る席を見つけるどころか、人垣をかき分けてcana(カーニャ/グラスビール)を注文しないで済む場所を探すにはかなり、スタジアムから遠ざからないとなりませんでしたからね。ちなみにクラブの案内(https://www.atleticodemadrid.com/atm/ubicacion-del-wanda-metropolitano)で挙げられている最寄駅の1つ、2号線のLas Rosas(ラス・ロサス)駅側も似たりよったりでお店はあまりなく、唯一、5号線のCanillejas(カニジェハス)駅周辺だけが飲食できるお店もそこそこある商店街なんですが、スタジアムまでは30分程、歩かないといけないのが欠点かと。 ▽もちろん、アトレティコのcamiseta(カミセタ/ユニフォーム)を着たり、bufanda(ブファンダ/マフラー)を持ったファンの後をついて行くなり、今日び、google mapの機能を使えば、外国の知らない土地でも目的地に着けるとはいえ、夜のキックオフだったりすると、初めて訪れる人は不安になるかも。何にしろ、これからの8試合中、この土曜のビジャレアル戦を皮切りに来週火曜にはCLカラバフ戦、各国代表戦週間明けにはマドリーダービー、11月14日にはCLローマ戦、そしてコパ・デル・レイ32強対決エルチェ戦2ndレグ、レアル・ソシエダ戦と6試合がホーム開催されるアトレティコ。私もその間に周辺をもっと見てみるつもりですが、そうそう、ゲーム終了直後、エスタディオ・メトロポリターノ駅で起きる大混雑を避けるため、ファンゾーンや前述のバルで一杯やって、メトロに乗る時間をズラすというのはいい手だと思いますよ。 ▽え、いくら私がワンダ・メトロポリターノの魅力を説いても、肝心のチームがあんなではファンも見に行く気がなくなるんじゃないかって?そうですね、1部チームのコパ・デル・レイ初戦が始まった今週のマドリッド勢は弟分のヘタフェが火曜にアラベスをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えて始まったんですが、彼らも少々残念な結果に。こちらは同じカテゴリー同士の対戦だったんですが、ファンもあまり期待していなかったんでしょうかね。再昇格後にしては珍しく、スタンドも半分程しか埋まらず、どちらのメンバーも控え中心で消極的なプレーに終始したため、そのままスコアレスドローの気配が濃厚に漂い始めたところ…。 ▽それが後半42分、またしてもヘタフェの悪い癖が出て、FKからサントスにヘッドでゴールを奪われてしまうんですから、ホントにツメが甘い。結局、0-1で2ndレグに挑むことになったんですが、まあ、彼らの場合、コパはもう気にせず、日曜のホームゲーム、レアル・ソシエダ戦に心血を注がないといけませんからね。幸いアルバロ・ヒメネスがその試合から戦列に復帰、ゴロシートもベンチに入り、ジェフェルソン・モンテーロも治ったため、残る負傷者は柴崎岳選手とパチェコのみとなりますが、相手は木曜にコパでジェイダ(2部)にカナレスのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で0-1と勝ったものの、リーガでは前節エスパニョールと1-1で引き分け。現在9位とあまり振るっていないだけに今度こそ、今季ホーム2勝目を挙げて、同じマドリッド郊外南部のお隣さんにこれ以上、置いていかれないようにしてくれるといいのですが。 ▽実際、レガネスの快進撃はコパでも止まらず、いえ、彼らはアトレティコと同じ水曜、1時間早い始まりでバジャドリッド(2部)との1stレグを戦ったため、私も試合を見ることはできなかったんですけどね。丁度、近所のバルでエルチェ(2部B)戦に先発したフェルナンド・トーレスが開始2分、ベルサイコのクロスをシュート、ボールはゴール脇に外れたのにオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)からは、「Goooool!」の絶叫が止まらず。何のことやらと思えば、レガネスが後半1分にディエゴ・リコのゴールで先制したのと重なったというオチだったんですが、その後、一旦は同点にされながら、42分には途中出場のボーヴュが敵GKとの1対1を確実に仕留めているんですから、まったく侮れない。1-2の先勝という有利な状態でブタルケでの2ndレグを迎えられるとなれば、安心じゃないですか。 ▽そんな彼らなら、土曜のリーガ、セビージャ戦が午後4時15分に設定されながら、未だに日中30度を超えるスペイン南部の暑さを警戒、急遽、キックオフが午後10時30分に変更されるという目に遭っても十分、対処できるはずですが、一応、相手も最近、調子が落ち気味とはいえ、火曜のカルタヘナ(2部B)戦には0-3と快勝していますし、CL出場組とあって用心は必要かと。それでも兄貴分のアトレティコの結果次第ではこの10節、ヨーロッパリーグ出場圏の5位から、CL出場圏の4位へと下剋上も可能だなんて、いつの間にか、世の中も変わったものです。 ▽そして、この夏はFIFA処分で新規選手登録ができないというハンデはあったものの、今季はシメオネ体制の勤続疲労とでも言ったらいいんでしょうかね。予算は弟分たちの10倍近くありながら、ファンを喜ばせる試合をあまり見せられていないアトレティコはコパでも同じでした。いえ、前半こそ、相手が格下なのをいいことに優勢に進めていたんですけどね。16分にはヒメネスのクロスをトマスがゴール右前から強烈ヘッドで決め、先制したんですが、後半6分にリュカの与えたPKで同点にされると、そこから勝ち越しゴールの報はいつになっても届かず。 ▽ええ、キックオフ前には地元出身選手としてエルチェ(2部B)に記念品をもらっていたサウールなども「Hemos tenido ocasiones muy claras, tres manos a mano, pero es lo de siempre.../エモス・テニードー・オカシオネス・ムイ・クラーラス、トレス・マノス・ア・マノ、ペロ・エス・ロ・デ・シンプレ(ウチは絶好機が、1対1のチャンスが3度もあったけど、いつもの通りで…)効率性が欠けていた」と言っていましたが、いやあ、私だってもう、シュートが枠をほんの少し外れたり、ポストに当たったり、敵GKに弾かれたりと、次から次へとビエットがチャンスを無駄にする度、呆気に取られていましたよ。シメオネ監督の「Sólo nos faltó el acierto de cara a la portería/ソロ・ノス・ファルトー・エル・アシエルトー・デ・カラ・ア・ラ・ポルテリア(ウチに欠けていたのはシュート精度だけ)」という言葉も何度聞いたかわかりませんが、何せこのスポーツ、ゴールが入らないと勝てませんからね。 ▽ライバルのレベルを考慮しなければ、とりあえず、アウェイでの1-1引き分けは2ndレグに向けて好結果と見なされるため、別に心配することはないんですが、困ったのは今のアトレティコは同等のライバルに当たると、サッカーにはとても見えない何かを始めてしまうこと。何せ、木曜にはチラとマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でボールを蹴る姿を目撃されたコケもまだ太ももの浮腫が治らず、カラスコもジムにこもっていますからね。慰めとなるのはグリーズマン、ガメイロ、ガビ、ゴディン、フィリペ・ルイス、サビッチ、フアンフラン、オブラクらがエルチェ(スペイン南部の町)遠征を免除され、休養十分でビジャレアル戦に臨めることですが、さて。ちなみに相手はこの水曜、ポンフェラディーナ(2部B)に1-0で負けていますが、あちらも控え選手がプレーしているため、あまり参考にはなりません。 ▽え、それより金曜にはカタルーニャ議会がついに「Independencia unilateral/インデペンデンシア・ウニラテラル(一方的独立)」を宣言。それに反応してスペイン中央政府が州の自治権を停止する憲法155条の即時適用を表明したが、日曜に同州にあるジローナを訪ねるレアル・マドリードのリーガ戦に影響はないのかって?うーん、どうやらここ数日、バルセロナを始め、反スペイン政府デモが頻発しそうで、週明けには交通機関の一斉スト(メトロなどの本数が激減)があると、私も在スペイン日本大使館からの注意喚起メイルを読んで、何だか剣呑な雰囲気を感じているんですけどね。独立したいのはカタルーニャ政府で、その地域のサッカー協会はスペイン・サッカー協会からの離脱を表明しておらず。そうする場合でも手続きには時間がかかるため、治安が極端に悪化しない限り、予定通りに試合は行われるとか。 ▽マドリーは土曜の夜に現地入りして、午後4時15分(日本時間午後11時15分)の試合開始1時間半前にモンテリビに向かうまでパラウ・ベジャビスタ・ホテルに滞在。目立つチームバスも使用しないそうですが、ジダン監督も木曜のコパの後、「No estamos preocupados y no va a cambiar nada/ノー・エスタモス・プレオクパードス・イ・ノー・バ・ア・カンビアール・ナーダ(ウチは心配していないし、何も変える気はない)」と言っていましたしね。うーん、カタルーニャ州軍はないため、武力衝突の懸念ないはずですが、警官隊とデモ隊が揉み合ったり、この異常事態を利用して、町で暴力騒ぎを起こすウルトラ(過激なサポーター)グループがまた出現しないかどうか、その辺は私も心配です。 ▽まあ、試合自体については、相手は昇格組のジローナですし、コパでも木曜にレバンテに0-2で敗戦。15位と調子づいている訳でもないため、フエンラブラダ(2部B)戦を免除されたクリスチアーノ・ロナウドを始め、ベンゼマ、イスコ、クロース、モドリッチ、カゼミロ、セルヒオ・ラモス、バラン、マルセロといったメンバーで挑めるマドリーが優勢なのは否めないところかと。GKケイロル・ナバスとベイルは来週水曜のCLトッテナム戦を目指してリハビリしているため、まだ招集されないはずですが、今は勝ち点差5ある首位バルサとの距離を縮めないといけませんしね。勝ち点3を逃す余裕はないため、選手たちも必勝を期しているのでは? ▽そうそう、今回のコパ32強対戦1stレグで唯一、オープンチャンネルのGolTVでの放送となり、私も自宅で快適に見られたフエンラブラダ戦の方は、うーん、マドリッド郊外にあるエスタディオ・フェルナンド・トーレスが平地にあるため、裏が丘になっているコリセウム・アルフォンソ・ペレスでも以前は木や鉄塔に登って外からタダ見する勇気あるファンもいたものの、そこではスタジアムの柵の外に大勢が鈴なり状態。仮設スタンドで収容力を7500人に増強したのに加えれば、軽く観客8000人にはなっていたのには驚かされたかと。 ▽前半が0-0で終わったのも意外だったんですが、それでも後半にはアクラフがエリアに入るか入らないかのところでフラン・ガルシアに引っ張られ、PKをゲット。これをアセンシオが決めて先制したマドリーは35分にもセットプレー時にテオがカンデラに倒され、ルーカス・バスケスのPKで2点目を追加することに。同時にカンデラが2枚目のイエローカードで退場になったのはいいんですが、まさか終盤に今季初出場したバジェホが乱暴なタックルで一発レッドとはちょっと張り切りすぎてしまった? ▽結局、0-2で勝利しましたが、同じBチームを起用して、クルトゥラル・レオネサ(2部B)を1-7で粉砕した昨季とは実力的に大きな差があった感はなきにしもあらず。いえ、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)の選手も混じった平均年齢22.45歳のチームですから、仕方ない面もありますけどね。3年前はそのカンテラを率いてフエンラブラダに来たジダン監督も「Contento con el partido de todos. Perdí aquella vez y hoy ganamos/コンテントー・コン・エル・パルティードー・デ・トードス。ペルディ・アケージャ・ベス・イ・オイ・ガナモス(皆のプレーに満足している。あの時は負けたけど、今日は勝ったしね)」と、これで2ndレグでもローテーションできることになったため、まあ良かったかと。ちなみにまだ11月29日前後というだけで、日時は決まっていませんが、コパ初戦はサンティアゴ・ベルナベウのチケットが割と簡単に手に入るカード。その辺りにマドリッドに来る予定のあるファンはチェックしておいて損はありませんよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.29 20:00 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】勝ってホッとはしている…

▽「郷土愛もここまで来ると何て言っていいのやら」そんな風に私が目を丸くしていたのは月曜日、いえ、生まれ故郷のチームとの対戦が決まった時から、サウールの左腕に半分がアトレティコ、半分がエルチェ(2部B)の紋章のタトゥーがあるのは知っていたんですけどね(https://twitter.com/saulniguez/status/913506434393964544)。折しも今週から、リーガ1部チームが参加するコパ・デル・レイ32強対戦1stレグがいよいよ始まるとあって、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場ミニスタジアムのスタンドでインタビューを受けた当人が、その隣に「Dama de Elche(ダマ・デ・エルチェ/エルチェの貴婦人)」まで彫ってあるのを披露。 ▽これはエルチェ(スペイン南東部)近辺で発見された紀元前4世紀頃の古代イベリア彫刻の有名な像で、実物はマドリッドの国立考古学博物館で展示。この夏には密封されたショーケースの中に蟻が発見される事件があり、おかげで以前から現地返還要求をしていた自治体との議論が再燃したなんてことも。まあ、それはともかく先日、アリカンテ(エルチェに近い地中海のビーチリゾート都市)であったスペイン代表W杯予選、アルバニア戦の時も親族が大勢応援に駆けつけたサウールだけに、今回もチケットの手配で大わらわなのは当然なんですけどね。 ▽え、彼は22歳と若手でも今季はチームの大黒柱と見なされるまで成長。コパ初戦はレギュラー陣の多数がお留守番というのが毎年恒例なだけにまず、シメオネ監督に自分は招集メンバーに入れるのか、確認するのが先じゃないかって?そうですけど、アトレティコでは先週末のリーガ戦、コケが太ももの浮腫で、カラスコもヒザのケガで欠場。トーマスとリュカ・エルナンデス以降、後者の年子の弟、テオが夏にお隣さんに移籍してしまったこともあって、めぼしいカンテラーノ(アトレティコBの選手)が育ってないという事情もありますしね。それでも頭数的に連れて行ってはもらえると思いますが…当人は体力があるつもりでもこの先、来週火曜などにはとにかく勝つしか、CL生き残りの道がないカラバフ戦もありますし、できれば温存されてくれた方が、実は私も嬉しかったりするんですよ。 ▽まあ、コパはまた後で話すとして、とりあえず先週末のマドリッド勢のリーガ戦の様子を報告しておかないと。この9節、土曜に先陣を切ったのはヘタフェだったんですが、アウェイのシュタット・デ・バレンシアではレバンテと1-1のドロー。後半13分、ファイルのエリア外からのゴールで先制したものの、その4分後にモラレスに同点弾を喰らってしまってはねえ。幸い最近、トラウマとなっている終盤の失点はなかったため、勝ち点1は確保できましたが、これで彼らはもう3試合連続白星なし。柴崎岳選手、パチェコ、アルバロ・ヒメネス、ジェファルソン・モンテーロと負傷離脱しているアタッカーの復帰もまだ先になるため、この火曜のコパ、アラベス戦はあまり力を入れず、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにレアル・ソシエダを迎える日曜正午からのリーガに向けて、力を蓄えておいた方がいいかもしれません。 ▽そして日曜には残りの3チームがプレーしたんですが、はあ。トップバッターだった午後4時15分からのアトレティコのセルタ戦は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で、どうせ前半は得点もないだろうとタカを括り、遅めのお昼ご飯にカラマレス(イカリング)とロモ(ブタ肉)のplatot combinado/プラート・コンビナードー(ワンプレート料理)を食べていた私でしたが、それはまあ正解だったかと。というのも最近の彼らはパスが3回と続かず、動きもやたら緩慢でとてもサッカーとは思えない惨状が続いており、正視に耐えないのはその日も変わらなかったから。 ▽実際、私がマハダオンダに見学に行った金曜など、ハードルを3つ跳んだ後、かなり高いところから吊るされたボールをヘッドするなんて奇妙な練習をしていて、いやあ、グリーズマンはヒットしなかったものの、次のビエットは頭に当てていたから、別に背の高さは関係ないみたいでしたけどね。前回、行った時もフィジカルメニューに綱渡りまであって、もうどうして普通にパスを繋いだり、敵をかわしたり、GKに止められずにシュートするエクササイズをしないのかと、イライラしたものでしたけどね。 ▽ただ、昨季は強風で屋根が剥がれ、レアル・マドリー戦を延期する憂き目にも遭ったバライドスの工事が遅れ、その試合はグラダ・デ・リオが封鎖となり、TV画面奥の正面スタンドが無人に。金曜夜にそれが決まってから、すでにチケットを買ったファンやアボナード(年間指定席保持者)8000人余りが入場できないことを受け、セルタも試合の順延や何を血迷ったか、ワンダ・メトロポリターノに急遽、会場変更を申し込んだらしいんですが、もちろんそんな無茶は実現せず。スタジアムの半分が静かだったせいで、敵も影響されてしまった? ▽そのせいか、相変わらず、ボロボロだったアトレティコですが、前半27分、それまで好機の欠片もなかったにも関わらず、ガビのCKをセルタのセルジ・ゴメスが頭でゴール前にいたガメイロにアシスト。彼が右足高く上げてボールをネットに流し込み、今季初ゴールを挙げて、夏のバケーション終了直前にした恥骨炎の手術から完全に回復していることを証明してくれたから、ビックリしたの何のって。 ▽これで虎の子の1点を手に入れた彼らはもうあとは専守防衛、シメオネ監督も「Lo importante es que demostramos saber sufrir/ロ・インポルタンテ・エス・ケ・デモストラモス・サベール・スフリル(大事なのはウチが苦しむことを知っているのを示すことだった)」と言っていたように、後半半ばにはガビをヒメネス、最後はコレアをフィリペ・ルイスへと代えて、元々ピッチにいたフアンフラン、ゴディン、サビッチ、リュカと合わせて6人DF体制で守り倒したんですが、この日もMVP級の働きをしたのはGKオブラクだったかと。ほとんど一方的に攻撃していたセルタのシュートを9度も止めてくれたため、0-1で試合は終了し、アトレティコは4試合ぶりに勝利をゲットすることに。 ▽何はともあれ、「Esperemos que esto nos libere de cara a lo que viene。/エスペレモス・ケ・エストー・ノス・リベレ・デ・カラ・ア・ロ・ケ・ビエネ(この勝利がウチを来るべきものに向けて解放してくれることを期待している)」(シメオネ監督)という通りになってくれるといいと私も祈るしかありませんが、まずは水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)からのエルチェ戦。そしてワンダ・メトロポリターノに戻れる土曜のビジャレアル戦でファンが見ていて悲しくならない試合をしてもらいたいものですが、さて。ええ、今のままだと弟分にも笑われてしまいますよ。 ▽そう、丁度、アトレティコ戦の後、サンティアゴ・ベルナベウでのマドリーの試合との谷間だったため、私も全部は見られなかったんですが、レガネスはブタルケでアスレティックと対戦。ガリターノ監督など試合前、「Que seamos favoritos en las casas de apuestas me parece una chorrada/ケ・セアモス・ファボリートス・エンラ・カサス・デ・アプエスタス・メ・パレセ・ウナ・チョラーダ(ウチがブックメーカーで勝ち馬だなんて言うのは莫迦げている)」と一笑に付していたものの、同じ1-0勝利でもあちらはまったく危なげなかったよう。 ▽そう、テクニシャンのシマノフスキが熱で欠場しながら、後半9分にボーヴュがセンターからスタートして敵エリアまでドリブル。最後はラポルテを切り返して決めたゴールなど圧巻でしたし、ここ5試合で無敗、うち3勝でとうとう5位まで上昇って、信じられない躍進ぶりじゃないですか。そんなレガネスには水曜のコパ、アウェイでのバジャドリッド(2部)でも頑張ってもらいたものですが、リーガではこの先、セビージャ、バレンシア、バルサと強敵が続きますからね。ガリターノ監督もローテーションする予定のようですし、元々、目標は1部残留のチームなので、あまりムリはしないつもりかもしれませんね。 ▽え、それでホームでの不振が心配されていたマドリーのエイバル戦はどうだったのかって?そうですね、その日は「1カ月ケガで休んだ後、2試合プレーしたから3戦目は休ませる方がいい」というジダン監督の方針でベンゼマとマルセロが途中出場した彼らだったんですが、勝負が前半についたのはラッキーだったかと。まず17分にはアセンシオのクロスをセルヒオ・ラモスと空中で争ったパウロがオウンゴールに。36分にも今度はイスコのパスをアセンシオがワンバウンドからvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んで、2-0で折り返したとなれば、前節から5人DF体制にシステム変更していたエイバルのやる気が削がれてしまったのも仕方ない? ▽ただ残念だったのは後半9分、その日はトップ下として起用されていた乾貴士選手がエリア内にボールを追って入ったところにカゼミロが接近。足が接触して倒されたように見られたものの(http://www.marca.com/futbol/primera-division/2017/10/22/59ecfa1546163fcc7b8b465e.html)、ペナルティを取ってもらえなかったことで、いえ、後でマルセリーノ監督には「Se ha reído y ha dicho que no, que no le han tocado/セ・ア・レイドー・イ・ア・ディッチョー・ケ・ノー、ケ・ノー・レ・アン・トカードー(笑ってペナルティじゃないと言っていた。接触はないと)。乾はライバルを騙すことを知らないし、インチキする選手じゃないが、le falta un poco saber competir/レ・ファルタ・ウン・ポコ・サベール・コンペティール(ちょっと競うことに欠けているね)」と言われていたんですけどね。 ▽試合後に当人に話を聞いたところ、「当たっていたけど、倒れる程じゃなかった。でもチームとしてPKになった方がいい場面だから、ちょっともらいにいって、審判も後ろにいたんだけどね」とのこと。うーん、やはり日本人は表現力不足で、ネイマールやルイス・ルアレスを見習った方がいいところもあるのかと思いましたが、そこは乾選手にも「昨季はクリロナやベイル、ハメス・ロドリゲスら個の力で崩す感じで、カウンター主体だったのが、今季はイスコやアセンシオが入って違うサッカーになりつつある。攻撃は凄く強いです」と称賛されていたマドリー。 ▽少々、マンネリになりかけていた後半途中に選手交代するとまた息を吹き返し、36分にはベンゼマのtaconazo(タコナソ/ヒールキックパス)を起点にテオがサイドを駆け上がり、その日は中盤の左に入ったマルセロにパス。そこからベンゼマとワンツーでマルセロがチーム3点目を決めるって、まさに先日、名古屋グランパスでもプレーしたことのあるイングランドの元名ストライカー、ガリー・リネカー氏に「過剰評価されているのは私かベンゼマか。2試合に1ゴールはマドリーのような強豪チームでは全然特別じゃない。グレートじゃなくて控え目」(https://twitter.com/GaryLineker/status/920378807655305218)とケチをつけられたことに、ジダン監督が記者会見で猛反論した通り? ▽ええ、「カリムは年間60本ゴールを入れる訳じゃないが、30得点60アシストをする。Para mí es el mejor con diferencia/パラ・ミー・エス・エル・メホール・コン・ディフェレンシア(私にとっては違いのある最高の選手だ)」と言うんですが、こんな質の高いプレーを見せられてはエイバルも白旗を挙げるしかなかったかと。それでも「90分出るとは思ってなくて、60分か、下手したらハーフで交代かと予想していたから、最初から飛ばした」という乾選手は新しいポジションへの挑戦もあって、試合を楽しめたようですし、申し訳ないものの、前日には首位のバルサがマラガに勝っていたため、マドリーがこれ以上、勝ち点を失って、現在の5ポイント差がまた広がっても困りますからね。 ▽降格圏ギリギリとなってしまったエイバルには週末のレバンテ戦で発奮してくれるように願うばかりで、とりあえず私も3-0でのマドリー勝利を喜んだんですが、今週の彼らの課題は木曜のコパ、午後9時30分(日本時間翌午前)4時30分)からのフエンラブラダ(2部B)戦。太もものケガが再発して日曜の試合を休んだGKケイロル・ナバスがリハビリ中のため、カシージャの連投になりますが、何せかなり格下の相手ですからね。すでにチケット完売ですし、セルカニア(国鉄近郊路線)の駅から遠いため、私も現地観戦は遠慮しますが、ジダン監督はRMカスティージャを率いて、エスタディオ・フェルナンド・トーレス(本人はプレーしたことないが出身地だったことからついた名称)を経験しているのは心強い? ▽月曜にはFIFAベストプレーヤーを2連連続で受賞して、ここまで今季リーガでたった1ゴールの憂さを晴らしたクリスチアーノ・ロナウドを始め、ベストイレブンに入ったラモス、マルセロ、クロース、モドリッチらも最優秀監督賞をもらったジダン監督と共にロンドンでの表彰式に出席したため、お休みとなるもしれませんが、大丈夫。エイバル戦でも活躍したセバジョスやテオ、他にもマジョラルやマルコス・ジョレンテ、バジェホら若くて優秀なメンバーが沢山いるため、心配はいらないかと。彼らの次のリーガの試合は日曜のジローナ戦、来週はウェンブリーでのCLトッテナム戦もありますし、ここしばらく、マドリーのスタメンはローテーションが多くなるかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.24 08:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】同じゴール日照りでも程度が違う…

▽「リヨンなら行きやすいわね」。そんな風に私が頷いていたのは木曜日、アゼルバイジャンからの長旅を終え、早朝のバラハス空港に着いたアトレティコ一行の尾羽打ち枯らした様子をお昼のニュースで見た時のことでした。いえ、最初は何となく決勝もバクーのオリンピア・スタジアムだから、予行演習になって良かったんじゃないかと思っていたんですけどね。よくよく考えると、彼の地でEL決勝が行われるのはワンダ・メトロポリターノにCL決勝が割り当てられた2019年。つまり来季の話で、2018年は5月16日にスタッド・ド・リヨンで開催されることを思い出したから。 ▽え、どちらにしろ来年5月26日のCL決勝はウクライナのキエフ、NSKオリンピスキー・スタジアムなんて遠すぎて、私にはとても行けたものじゃないだろうって? まあ、そうなんですが、距離的な問題はともかく、このままだとアトレティコは決勝進出どころか、グループリーグ敗退で来年はELを戦うことになるって一体、何年ぶりの苦境でしょう。折しも今年は夏っぽい気候が長らく続いていたスペインでしたが、週明けの雨で一気に晩秋が到来。来週はコパ・デル・レイ32強対戦のエルチェ(2部B)との1stレグがありますし、そこでまたうっかり躓いたりしたら、シメオネ監督就任以降はなかったアトレティコ恒例、真冬のcrisis(クリシス/危機)が起こるんじゃないかと心配になってしまうのは、ちょっと気の回しすぎですかね。 ▽ちなみに今週のCLでいい結果が出せなかったマドリッド勢はアトレティコだけでなく、1日早く火曜にトッテナムをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたお隣さんも勝利を祝うことはできず。いえ、こちらは同グループのドルトムントがアポエルと予想外の1-1ドローを演じてくれたため、順位的に問題がある訳じゃないんですけどね。4000人余りのイギリス人ファンが大声援を送る中、前半24分、オーリエのラストパスをハリー・ケインがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)、間が悪くもバランに当たってオウンゴールとなり、先制された時もそれ程、ショックはなく、実際、42分にはそのオーリエがエリア内でクロースを倒してマドリーはPKをゲット。クリスチアーノ・ロナウドがしっかり決めてくれたため、試合は1-1で折り返すことに。 ▽ただ困ったのは今季の彼らはホームでの成績が悪く、いえ、CL第1節のアポエル戦こそ3-0で快勝していますけどね。リーガではエスパニョールにしか勝っておらず、残り3試合は2分け1敗。とにもかくにもゴールが少ないのが原因ですが、その日も開始早々、ロナウドのシュートがゴールポストに阻まれた後、至近距離から外していたベンゼマが後半にもGKロリスにヘッドを弾かれてしまってはねえ。うーん、ジダン監督は「Lloris en esta ocasion de diez para una, y ha sido hoy/ロリス・エン・エスタ・オカシオン・デ・ディエス・パラ・ウナ、イ・ア・シードー・オイ(ロリスはこういうチャンスの10回に1度は止める。それが今日だった)」と当人を庇っていましたが、それ以外にもイスコ、ロナウドの決定機を防がれてしまっては相手を褒めるしかない? ▽まあ、こんな展開で昨季のようにベンチにモラタ(チェルシー)のようなスーパーサブFWがおらず、その日はマジョラルさえ、ベンチ外だったのはどうかと思うんですが、幸いだったのはこの試合ではGKケイロル・ナバスも冴えていたこと。ええ、前半にはハリー・ケインの強烈なヘッド、後半も「ジョレンテが凄くいいボールを送ってくれて、ボクも上手くコントロールして狙ったんだけど…」というシュートを指先でそらすparadon(パラドン/スーパーセーブ)を披露。スコアが動かないまま、アセンシオやルーカス・バスケスの入った終盤、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質を発動させても良かったマドリーでしたが、やはり引き分けでも両者揃ってグループ首位のままという、危機感のない状況が災いしましたかね。 ▽そのまま1-1で試合は終わったため、うーん、マルセロなど「No se por que hemos pinchado estos partidos porque siempre salimos a ganar/ノー・セ・ポル・ケ・エモス・ピンチャードー・エストス・パルティードス・ポルケ・シエンプレ・サリモス・ア・ガナール(どうしてボクらがいくつもホームゲームで躓いているのかわからない。常に勝つつもりでプレーしているからね)」と言っていましたけどね。ポチェッティーノ監督も「結果はともかく、lo que mas contento me deja es haber competido con el Madrid/ロ・ケ・マス・コンテント・メ・デホ・エス・アベール・コンペティードー・コン・エル・マドリッド(マドリーと競えたことに私は満足だ)」と納得していたように、DF5人制を採用するとか、敵CBを引き付けるため、今季加入した大型FWフェルナンド・ジョレンテを先発させた辺り、トッテナムは戦術的にも上手くやったと思いますよ。 ▽そんなマドリーは11月1日のCL次戦、得意のアウェイでグループ突破が決まるかもしれないんですが、昨季からトッテナムのホーム、ホワイト・ハート・レーンは改装中のため、試合はウェンブリーで開催。まあ、その頃には負傷中のベイルやカルバハルも復帰しているかもしれませんし、同日、スパルタク・モスクワに5-1と大敗を喫しながら、まだ十分突破の可能性があるセビージャ同様、くよくよする必要はないんですけど、何せリーガは待ってくれませんからね。そう、この日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からはエイバルを迎えてのホームゲームとあって、そろそろ自慢の得点力を爆発させてくれないと元々、あまり辛抱強くないサポーターからのpito(ピト/ブーイング)が響き渡ることになるかも。 ▽その一方で、今はヘタフェの柴崎岳選手が負傷中のため、リーガで唯一、活躍が期待できる日本人、エイバルの乾貴士選手は前節のデポルティボ戦でベンチ外。チームは降格圏外の16位ではあるものの、メンディリバル監督が今季8試合ですでに17失点、翻って得点は3点のみという事態にシステムを変更し、3CB制に変えたため、ベベと共にポジションがなくなってしまったとマルカ(スポーツ紙)が言っていたんですが、それが続けば、マドリッド遠征のメンバーから漏れてしまうかもというのもちょっと気になりますよね。 ▽おっと、いくら自分が意気消沈していてもCLの話を終わらせてしまわないと。翌水曜、例外的に午後6時という早い時間から、カラバフ戦のキックオフとなったアトレティコですが、まず驚きだったのは会場がワンダ・メトロポリターノに負けないぐらい、近未来的なデザインのスタジアムだったこと。いえ、カラバフは1993年までナゴルノ・カラバフをホームとしていたんですが、アルメニアとアゼルバイジャンの間で戦争が起こって首都に移転。バクーでも普段は違うスタジアムを使っているんですが、さすが同国初のCL本戦出場とあって、最高の場所でプレーさせてもらえることになったのだとか。 ▽それはともかく、前日練習から筋肉痛で個別メニューだったコケが欠場したアトレティコはここまで1分け1敗で勝ち点1と出遅れていることもあって、前半こそ、カラスコとグリースマンが敵GKとの1対1を弾かれるなど、チャンスを作ったんですけどね。シメオネ監督も「Debemos buscar el partido desde el comienzo/デベモス・ブスカル・エル・パルティードー・デスデ・エル・コミエンソ(キックオフから勝利を求めないといけない)」と言っていたんですが、その割にプレーからはまったく覇気が感じられず。ええ、とりわけ先発に抜擢されたガイタンなど、かなり恐ろしい出来だったかと。 ▽いやあ、トッテナム戦の前、イスコが「Un dia eres Dios y si fallas cinco pases seguidos te quieren echar del Madrid/ウン・ディア・エレス・ディオス・イ・シー・ファジャ・シンコ・パセス・セギードス・テ・キエレン・エチャール・デル・マドリッド(ある日は神様扱いされても、5回続けてパスを失敗すればマドリーから放り出すべきと言われる)」と話していたんですけどね。そういう点ではアトレティコのハードルは低いんですが、ガメイロ同様、こう出る度、失望させてくれるのでは来年1月、ジエゴ・コスタとビトロ(現在ラス・パルマスにレンタル移籍中)が加わるのに合わせての放出要員確定扱いされてしまうのも仕方ない? ▽そんなチームの緩慢なプレーぶりは後半も続き、というか、悪化の一途をたどり、いえ、シメオネ監督は「Al no convertir la ansiedad te lleva a cometer errors/アル・ノー・コンベルティール・ラ・アンシエダッド・テ・ジェバ・ア・コメテル・エローレス(点が入らないせい焦燥感がミスを誘発した)」と言っていましたけどね。28分にはカラバフのFWディノが2枚目のイエローカードをもらって退場となったにも関わらず、前日は風邪による発熱で練習を休んだグリースマンが最後に放ったシュートも大きく外れ、スコアレスドローという結果で彼らは試合を終えることに。 ▽うーん、相手がカラバフとあって、何度も危険なカウンターを受けながら、GKオブラクの手を煩わせることもなく、シュートが外れてくれただけでも恩の字とも言えるんですけどね。前日はマドリーとトッテナムの好ゲームを見ていましたし、夜、CLの他の試合のダイジェスト映像を見てもスタンフォード・ブリッジで3-3と、両者最後まで譲らなかった同グループのライバル、チェルシーvsローマ戦を始め、どこもいい試合だったせいもあって、アトレティコだけがとても同じサッカーとは思えない動きをしていたのがあまりに衝撃的。孤軍奮闘したサウルなど、「あと3試合、ウチは勝ち抜けるために全勝しないといけない」と言っていたものの、いや、ちゃんとサッカーしないとどこにも勝てませんよ。 ▽そんな彼らは早朝帰国後の木曜正午にリハビリトレ、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのセルタ戦の準備に入ったんですが、それにつけても羨ましいのは同じ水曜にオリンピアコスに3-1で勝利したバルサの強さ。だってえ、カンプ・ノウがドシャ振りの雨だったのは事あるごとに「芝が乾いていた」とアウェイのピッチに文句をつける選手たちのチームですから、大歓迎だったはずですけどね、とはいえ、目下、現地はカタルーニャ州独立騒動の真っ只中。前日、独立派の政治団体幹部が逮捕されたことなどもあり、スタンドは試合そっちのけで「Independencia(インデペンデンシア/独立)」、「Libertad(リベルタッド/解放)」とシュプレヒコールを繰り返していたにも関わらず、ピケが前半に退場処分になったのも何のその、まったく相手を寄せ付けないのですから、凄いじゃないですか。 ▽おかげでグループ3連勝と首位通過に邁進している彼らですが、実際、スペイン政府の勧告に従わず、住民投票の後、独立宣言をしたのか、していないのかについて、カタルーニャ州政府が期日までに返答しなかったため、今週土曜には州の自治権を停止する憲法規定の適用を決める会合が開かれるとか、だったら州政府は一方的に独立宣言に踏み切るとか、もう正直、この国の政情は私には訳がわからず。まさか最悪に事がこじれて、12月20日の週末に予定されているマドリーvsバルサのクラシコ(伝統の一戦)に支障が出ないよう、今は祈るばかりかと。 ▽ただ幸い今もマドリッドは落ち着いていて、特に市内には異変もないし、普通なんですけどね。とりあえず、今週末は土曜にプレーするヘタフェは前節、マドリー戦でセルヒオ・ラモスとぶつかって脇腹を痛めたアルバロ・ヒメネスが全治1カ月、その他、柴崎選手、パチェコ、ゴロシート、ジェファーソン・モンテロがケガのリハビリ中、セルヒオ・モラも出場が微妙という状況で、トップチームの選手が16人しかいないというハンデはあるものの、バレンシア(スペイン南部のビーチリゾート)でのレバンテ戦ですしね。 ▽もう1つの弟分、現在6位と好調なレガネスも日曜に誰かさん同様、今季のELグループリーグで2分け1敗と追いつめられているアスレティックをブタルケに迎えるホームゲームですから、何の支障はないんですが…やっぱり気になってしまうのはこのところ、信じられない程、ダメダメぶりが加速しているアトレティコの行く末とまさか、自分がいる時に起こるなんて思いもしなかったカタルーニャ州独立問題が早期解決してくれるのかどうかでしょうか。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.20 20:00 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ボールを追うばかりなのは辛い…

▽「忘れちゃうこともあるんだ」そんな風に私が笑いを噛み殺していたのは月曜日、CLグループリーグのレアル・マドリー戦を控え、サンティアゴ・ベルナベウで記者会見をしたポチェッティーノ監督が「パフォーマンスって何だっけ」と横のアシスタントコーチに訊いているのを目撃した時のことでした。いやあ、当人がアルゼンチン人とあって、質疑応答もどちらかというとスペイン語の方が多かったんですけどね。実際、英語とスペイン語には語尾だけ変えればいい似た単語も多いんですが、rendimiento(レンディミエントー/パフォーマンス)はちょっと連想が不可能。うーん、サウサンプトンにもトッテナムにも母国語で会話できる選手は結構いたはずですが、さすがイギリス暮らしが4年も続くと、咄嗟に出てこないこともある? ▽まあ、些細なことはともかく、その日は昨今、プレミアリーグを席巻しているハリー・ケインを一目見たくて、トッテナムのスタジアム練習を見学に行った私でしたが、ホームゲーム初戦のアポエルとは違い、ピッチでは他にもGKロリスを始め、ソン・フンミンやフェルナンド・ジョレンテといった私でも見分けられる選手がいた上、フィジカルコーチがエクササイズの指示を英語で出しているだけで何か本格的なサッカーをやっているように思えるのは私だけ? CLの割に意外とTVカメラの数が少なく、まだチケットも残っていると聞くため、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの対戦はそれ程、注目カードではないのかもしれませんが、1分け1敗で次は敗退の危機にも陥りかねないどこぞのチームとは違って、トッテナムもマドリーも2連勝中と、グループ首位の高みをガチンコで争う大事な試合ですからね。 ▽先週末のリーガ戦ではGKケイロル・ナバスを始め、ヴァランやモドリッチ、カゼミロ、イスコらをローテーションしたジダン監督も今回は「La primera final por el grupo es manana/ラ・プリメーラ・フィナル・ポル・エル・グルッポ・エス・マニャーナ(グループリーグ最初の決勝)」と言っていたため、ファンは大喜びするものの、心臓に悪いお家芸、土壇場での決勝ゴールなどに頼らなくても済むよう、ベスト中のベストメンバーで挑むはずですが、さて。折しも今季のリーガで初ゴールを挙げたばかりのクリスティアーノ・ロナウドもCLでは4得点と順調なだけに、現在5得点でランキングトップを走るケインとのストライカー対決は絶対、見逃せないところでしょう。 ▽そうそう、その土曜のリーガ戦はヘタフェとのミニダービーだったマドリーなんですが、マドリッドの弟分はバルサ戦同様、ボールがあまり速く走りすぎないよう、少々長めにコリセウム・アルフォンソ・ペレスの芝を剪定。それが却って裏目に出てしまったんでしょうか、アルバロ・ヒメネスの早期負傷交代のアクシデントにも関わらず、何とか相手を無得点に抑えていた前半38分、チャンスを与えてしまったのはCBのカラでした。ええ、自陣エリア前のFKを蹴る時に滑り、ボールが敵へ。そこから切り込んできたベンゼマにタックルを挑むもかわされ、最後はシュートを決められてしまったとなれば、後で当人が「Algo no estamos haciendo bien/アルゴ・ノー・エスタモス・アシエンドー・ビエン(ウチは何か上手くやれていない)。最高責任者の監督から用具係までね」と、失点の原因が選手たち以外にもあることを強調していたのも仕方ない? ▽ただこの1点は後半、11分にファイルが出したラストパスをホルヘ・モリーナがゴール前から流し込み、いえ、リプレー映像だと、ナチョかマルコス・ジョレンテのオウンゴールにも見えなくないんですけどね。モリーナも「Por poner, que me lo pongan a mi/ポル・ポネール、け・メ・ロ・ポンガン・ア・ミー(誰のゴールにするかだったら、ボクにしてくれたらいい)。最後かどうかはわからないけど、足を出して触ったのは確かだよ」と言っていましたし、せっかくローテーションで先発できた2人もミソはつけたくなかったか、得点者として名乗りは挙げず。これでスコアは1-1の同点となったんですが…ここでボルダラス監督が守りに入ってしまったのは残念だったかと。 ▽もちろん手持ちの選手レベルに大きな差があるため、仕方ない面もあるんですけどね。後半途中からベテランボランチのセルヒオ・モラを入れるのは今季のヘタフェのお約束なんですが、この日は彼がベンチにいなかったため、初出場となるラセンをアマスに代えて20分に投入。対するジダン監督もなかなか勝ち越し点が入らなかったため、26分にスペイン代表イスラエル戦の2匹目のドジョウを狙ったか、スーパーサブのカードを切ります。それはイスコで、どうやらその日はプレーさせるつもりはなかったようなんですが、おかげでその直後、クロースからのFKをゴールすぐ前でvolea(ボレア/ボレーシュート)しながら、信じられないことに外してしまったロナウドも面目躍如できることに。 ▽そう、後でボルダラス監督も「Teniamos problemas a nivel fisico/テニアモス・プロブレマス・ア・ニベル・フィシコ(ウチには体力的な問題があった)」と認めていたように、格上相手に必死に守った結果、明らかに終盤のヘアタフェは燃料切れに。そこでボランチのアランバッリをブルーノに代え、5人DF体制で逃げ切りを図ったんですが、40分、何とそれを嘲笑うかのようにイスコのパスが守備ラインをふわりと超え、抜け出したロナウドがシュート。これが決勝点となって、1-2で負けてしまうんですから、まさに勝負とは非情です。おまけに今季、あとちょっとのところの失点で勝ち点1を失ってしまうのはセビージャ、バルサ、デポルティボ戦に続き、この試合で4試合目となれば、ヘタフェの面々がショックを受けていたのもムリないかと。 ▽うーん、丁度、中足骨のヒビを治す手術をした柴崎岳選手も日本に帰国していたため、先週は練習見学をサボッてしまった私でしたが、このチーム、もともとマドリーやアトレティコに比べ、1回のセッションが2時間前後と沢山、トレーニングはしているんですけどね。もしや試合後、「Isco juega asi porque le sale, es lo que lleva dentro/イスコ・フエガ・アシー・ポルケ・レ・サレ、セ・ロ・ケ・ジェバ・デントロ(イスコは自然にああいうプレーをする。自分の中にそれを持っているんだ)」とルーカス・バスケスも言っていたように、才能ある選手ばかりが集まったチームに対抗するには、もっともっと鍛えて、敵の何倍も走れる体力をつけないといけない? ▽ただどんなにフィジカル強化を熱心にしても人間、限界というのはあるもので、それを示してくれたのは同日、バルサを迎えたアトレティコ。間に2時間以上あったため、私も何とかマドリッド郊外南部のヘタフェから市内東北部のワンダ・メトロポリターノに駆けつけることができたんですが、いえ、シメオネ監督のチームが高い位置でプレスをかけ、グリースマンのシュートは2度共、GKテア・シュテーゲンに弾かれてしまったものの、20分には彼らにしては珍しく19回もパスを繋ぐことに成功。それだけでも僥倖だったのに、最後はサウルがエリア外から利き足でない右で放ったシュートが決まり、冗談のように先制できてしまった前半はまだ良かったんですけどね。 ▽実際、カタルーニャ州独立問題にはまだ決着がついていないものの、スタンドにはスペイン国旗を掲げるかなりの数のファンがいたぐらいで当分、ピケへのpito(ピト/ブーイング)は各地のスタジアムで恒例行事となる気配が濃厚とはいえ、試合中に不穏な雰囲気はまったくなし。予想外のリードに場内も盛り上がったんですが、後半があれではねえ。とりわけバルサがイニエスタとセメドを下げ、デウロフェウとセルジ・ロベルトを入れて攻勢に入った15分以降はとにかく、いつ点を取られるかという恐怖と闘うだけになるとは一体、誰が予想できた? ▽それも「El plan era intentar aguantar y salir a la contra cuando dejasen espacios/エル・プラン・エラ・インテンタール・アグアンタル・イ・サリール・ア・ラ・コントラ・クアンドー・デハセン・エスパシオス(作戦は耐えて、スペースができたらカウンターに出ることだった)」という彼らが、「Cuando recuperabamos no conseguiamos hacer la salida limpia/クアンドー・レクペラバモス・ノー・コンセギアモス・アセール・ラ・サリーダ・リンピア(ボールを奪い返してもボールをスムーズに出せなかった)。すぐ取り戻されて、また攻められた」(サウール)のが悪いんですけどね。真夏のロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプでしごかれて、弟分より持久力がついているはずのアトレティコだって、健脚自慢のコケも「El equipo ha hecho un gran desgaste fisico/エル・エキポ・ア・エッチョー・ウン・グラン・デスガステ・フィシコ(チームの体力消耗は凄かった)」と言っていたように、ずっとボールを追ってばかりでは疲れるんですよ。 ▽そう、シメオネ監督もカラスコをトーマスに代え、守備固めに入ったんですが、ファンもあまりの劣勢ぶりに心を砕かれたか、応援の声も途絶えていた36分、セルジ・ロベルトのクロスをルイス・スアレスがファンフランの目の前でヘッド。こんな形で同点にされているなんて、もう体力の限界で頭が働かなかった故のポカとしか思えませんが、その後もピンチは到来します。ええ、ロスタイム終了間際など、エリアすぐ前でFKがバルサに与えられ、メッシがキッカーに立ったため、誰もが最悪の結末を予想したんですが…大丈夫、その日も再三のparadon(パラドン/スーパーセーブ)で失点を防いでくれたGKオブラクがストライクでキャッチしてくれて、試合は1-1の引き分けで終了。ほんの少しだけですが、弟分との差を示すことができたかと。 ▽まあ、これまで全勝だったバルサから勝ち点2を奪ったという意味ではアトレティコを褒めてあげるべきなんでしょうけどね。どうにもこの土曜の2試合、サッカーはどんなに凡人が努力できる範囲で体力アップを図ったとて、やっぱり才能の閃きには敵わないんじゃないだろうかという疑問が再浮上してきたのも確か。シメオネ監督など、ゴールを挙げたサウルを「Sigue creciendo/シゲ・クレシエンドー(成長し続けている)。朝も合宿先のホテルでジムに行って夜の試合のために体調を整えるようになったしね」と評価していましたが、いえ、そういうのって普通にやるもので、今までやっていなかったら、そっちの方が問題では? ▽その辺の差がとりわけ、CLのチェルシー戦(1-2で負け)やこのバルサ戦で明らかになってしまったのは悲しいですが、いくら文句を言ったって、FIFA処分のせいでジエゴ・コスタもビトロ(現在ラス・パルマスにレンタル中)も1月までプレーできませんからね。とりあえず、これでお隣さんに順位を追い抜かれてしまったことは忘れて、月曜にはもう水曜のCL3節に備え、空路6時間のアゼルバイジャンに旅立って行った彼らには決勝トーナメント進出の可能性を残すため、とにかくカラバフに勝ってくれることを祈るばかり。うーん、このぐらいの相手には通常、楽勝のはずなんですが、今季はリーガで絶好調のバレンシアはともかく、ジローナ、レガネスにも引き分けているアトレティコだけにちょっと心配ですよね。 ▽え、レガネスが10月の代表戦週間前、スコアレスドローで兄貴分から勝ち点1をもぎ取ったのは決してフロックでなかったことは日曜のマラガ戦で証明されたんじゃないかって?そうですね、相手は今季まだ勝ち点1しかない最下位でしたが、後半に入ってギアを上げたガリターノ監督のチームは11分にはFKからガブリエウが、32分にもカウンターから1対1を制したシマノフスキが決めて、0-2で勝利。おかげでまた6位まで上がって、とうとうオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の担当レポーターから「Eurolega/エウロレガ」の声まで聞こえてくることに。 ▽確かにこのままの順位で終われば、来季はヨーロッパリーグ出場となりますし、ヘタフェも最盛期にはエウロヘタと呼ばれて欧州遠征を楽しんだものでしたが、ただしこの先の道は険し。何せ、今週末にアスレティックをブタルケに迎えた後、レガネスにはセビージャ、バレンシア、そしてバルサと次々と強敵が待ち構えていますからね。この難所を半分ぐらい引き分けで抑えられれば、まだ夢を見続けられるかと思いますが…その前に定員20名ぐらいしかないようなホームの記者席の少なさはどうにかならない?来季、せっかくヨーロッパの名門が訪ねてきてくれても応援に行けないんじゃ、私も困ってしまいますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.17 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】リーガが戻って来る…

▽「あまりピンとはこないけれど」そんな風に私が呟いていたのは木曜日、そろそろリーガ再開が近づいてきたため、マドリッドの4クラブから代表戦に行っていたメンバーについて調べていたところ、弟分レガネスにも来年のW杯に参加できる選手がいるのに気がついた時のことでした。いやあ、アムラバトのプレーするモロッコはまだ、11月の予選最終戦でコートダジュール(コートジボワール)に引き分け以上の成績を残さないと確定しないんですけどね。当人もワトフォードからの1年間のレンタル移籍とあって、大会開催時はレガネスの選手と言っていいのかも微妙なところですが、それでも1人しかいないinternacional(インテルナシオナル/各国代表選手のこと)がロシアに行けるかもしれないとなれば、チームメートたちのいい励みになるかも。 ▽加えてモロッコと言えば、お隣さんヘタフェのファイルや大先輩レアル・マドリーで先日、デビューしたアクラフ・ハキミも同僚になりますからね。強敵イタリアをrepesca(レペスカ/プレーオフ)に追いやって、先週金曜にグループ1位でW杯進出を決めたスペインも来月は親善試合のみですし、それなら私もアフリカ予選を気にする余裕もあるかと。唯一、気になるのはマドリーのモドリッチとコバチッチ、そしてアトレティコのヴルサリコのいるクロアチアが17日の抽選で相手の決まるプレーオフに出場。相手はスウェーデン、北アイルランド、ギリシャ、アイルランドのどれかになるようですが、ここで勝ち抜けないと本大会に行けないとはいえ、まだ1カ月ありますしね。できれば、W杯でもマドリッドのクラブの選手たちがなるたけ沢山、活躍してほしいものの、今は元気でも来年6月にはケガに見舞われていたり、調子が落ちていたりなんてこともあるため、あまり取らぬ狸の皮勘定はしない方が無難ですかね。 ▽え、それでもW杯行きが決まって消化試合となった月曜のイスラエル戦、スペインのロペテギ監督は将来を見据えて、控えメンバーを試しまくっていたじゃないかって?そうですね、キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)こそ、「que jugara Ramos es una decision mia/ケ・フガラ・ラモス・エス・ウナ・デシシオン・ミア(ラモスが先発したのは私の決断)。多くの選手を代えたから、彼はプレーすべきだった」という理由でリピートしたんですが、後はアルバニア戦で出場停止だったブスケッツ(バルサ)やペドロ(チェルシー)を除き、あまり代表では馴染みのない選手が並ぶことに。ただ、だからといって、そんなに若いチームという訳でもなく、トップは36歳のアドゥリス(アスレティック)、GKは34歳のレイナ(ナポリ)って、ちょっと世代交代に逆行していた例もなきにしろあらず。 ▽そこへやはり、試合の前夜10時過ぎにチーム全員でエルサレムの嘆きの壁を訪問するなど、観光気分が混じっていたのも災いしたんですかね(https://twitter.com/SeFutbol/status/917120666062729222)。敗退の決まっているイスラエル相手になかなか点を取れず、後半からラモスを下げ、イアゴ・アスパス(セルタ)を入れて3バック制にした上、ロペテギ監督率いるスペインの切り札、イスコ(マドリー)も31分に投入。彼の放ったCKが敵DFにクリアされ、そのボールをイジャラメンディ(レアル・ソシエダ)がエリア外から撃ち込んだシュートが決まってくれたため、何とか0-1で勝利を手に入れた彼らでしたが、まあ他に喜ばしかったのはジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)の代表デビュー、後半にはキャプテンも務めたブスケツの代表100試合出場達成ぐらいだったでしょうか。 ▽そして翌火曜にはスペイン代表の選手たちもそれぞれのチームに帰還、マドリッド勢を乗せた飛行機がバラハス空港に着くのが遅れたため、アトレティコなどは午前11時開始予定のセッションを遅らせて、コケとサウールがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に着くのを待っていたそうですが、やはり次は強敵バルサをワンダ・メトロポリターノに迎える大一番ですからね。今週は私も2度程、彼らの夕方練を見学に行くことに。 ▽ええ、月曜には1月からスペイン代表復帰を目指すジエゴ・コスタはともかく、モンテネグロにまだプレーオフ出場の可能性がありながら、2差試合目は出場停止となったサビッチしか、代表から帰還した選手はグラウンドにいませんでしたが、水曜になると同様に予選敗退が決まったスロベニアから戻ったGKオブラク、すでにベルギーのW杯進出が確定していた1戦目のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でゴールを挙げ、次戦出場停止だったカラスコも合流。火曜のベラルーシ戦で1ゴール1アシストと活躍、フランスのW杯出場決定に大きく貢献してきたグリーズマン、2試合目のサウジアラビアとの親善試合では2得点したものの、ガーナの予選敗退を防ぐことはできなかったトマスはジムにいたとかで、姿を見ることはできなかったんですが、朗報は代表選週間直前のレガネス戦をケガで欠場したフィリペ・ルイスとルカスの両名が完全復活していたことでしょうか。 ▽そう、何せ弟分とのミニダービーでは本職はもとより、CB兼任の控えも欠き、苦肉の策で左SBをサウールがやらされていたなんてこともありましたからね。別にそればかりがスコアレスドローに終わった理由ではありませんが、とりわけ予選最終節エクアドル戦でハットトリック、アルゼンチンを1-3の逆転勝利に導いて、土壇場で劇的なW杯出場を達成したメッシを迎えるとなると、やはりこのポジションには百戦練磨のフィリペ・ルイスにいてもらいたいもの。いえ、何度も対決している当人は「Es imposible parar a Messi uno contra uno sin faltas/エス・インポシブレ・パラール・ア・メッシ・ウノ・コントラ・ウノ・シン・ファルタス(メッシを1対1でファールなしに止めるのは不可能)。自分が1人の時、ボールを持って向かって来られたら、引っ張るとか、何か変なことをしない限り、20回のうち1度ぐらいしか勝てない」と言っていましたけどね。 ▽それでも不慣れな選手が対峙したら、相手は今季リーガでも11得点していますから、勢い余って、レッドカードでももらってしまうんじゃないかという心配があるからですが、加えてバルサにはまだ今季2ゴールとはいえ、ウルグアイがW杯行きを決めた最終節、ボリビア戦でdoblate(ドブレテ/1試合2得点のこと)してきたルイス・スアレスの脅威も。木曜夕方の練習から合流した同僚のゴディンが、間が悪くもその試合でオウンゴールしてしまったなんてこともありましたしね。おまけにスペイン代表戦をケガで欠場、その間にクラブと期限なし契約延長更改をしたイニエスタも回復し、累積警告でイスラエルに行かなかったピケもセットプレーでは要注意となると、シメオネ監督もスタメン守備陣はよくよく考えて選ばないと。 ▽そんなアトレティコvsバルサ戦は結局、カタルーニャ州の独立宣言が議会でされたかされないか、曖昧なまま、延期状態に入ったようなので、相手はスペイン・:リーガのチームのまま、予定通り土曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。幸いクロアチアがウクライナに勝ってプレーオフ進出を決めた試合で筋肉痛になったヴルサリコも金曜には練習に参加できていますが、右SBの先発はこの2週間、じっくりトレーニングを積んだファンフランになる目が高い?ちなみにその彼曰く、バルサ戦での「La clave es que no se sientan comodos/ラ・クラベ・エス・ケ・ノー・セ・シエンタン・コモドス(カギは相手に心地良くプレーさせないこと)」だとか。 ▽ただ、今回はホームゲームとはいえ、フィリペ・ルイスも「ビセンテ・カルデロンではドリブルしやすい場所、どこに窪みがあるか、何時なら日差しに目をくらませられないとか、全部わかっていた。Esa es la soltura que aun no tenemos en el Wanda/エサ・エス・ラ・ソルトゥーラ・ケ・アウン・ノー・テネモス・エン・エル・ワンダ(それがまだボクらがワンダでノビノビプレーできてない理由なんだ)」と言っていたように、アトレティコ自身も3試合目とあって、未だに手探り状態のところがありますからね。このparon(パロン/リーガの停止期間)でスタジアム内や周辺の工事もかなり進んだと聞きますが、今回は私も時間的にギリギリの到着になるため、あまりわかりにくくなっていないと助かるかと。 ▽というのもその土曜には午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに弟分のヘタフェがマドリーを迎えるからで、こちらにはクリスチアーノ・ロナウドと共に火曜のスイス戦に勝利、ポルトガルのW杯行きを決めたアントゥネスがいるんですけどね。実際、ファジルのモロッコもそれに続けば、日本代表の柴崎岳選手と合わせ、W杯に3人も参加できるかもしれないというのは昇格組ながら、ヘタフェはかなりいい人材を擁していると言っていいかと。 ▽それでも「Nosotros tenemos que confiar en nuestras cualidades/ノソトロス・テネモス・ケ・コンフィアール・エン・ヌエストラス・クアリダーデス(ボクらは自分たちの質の高さを信じないといけない)。サッカー選手なんだから、自分たちの才能や努力を信じないと」(アントゥネス)と、マドリー戦前にはどこか、精神論頼みになってしまうのは仕方ないことで、何せ相手にはそのロナウドを始め、ラモス、イスコ、アセンシオ、ナチョ、そしてウィルス感染による心膜炎は快方に向かっているものの、まだこの試合には出られないカルバハルらスペイン代表勢の面々、1試合目でドイツのW杯出場が決まったため、お役御免で早期帰還をしたクロース、フランス代表でバルサのユムティティとCBコンビを組んでいるヴァラン、そしてブラジルの初キャプテンを務めてきたカゼミロに、この代表戦週間は負傷のリハビリをしていたマルセロと、ロシアに行くメンバーがゴロゴロいますからね。 ▽そんな中、コスタリカの出場が決まったGKケイロル・ナバスは足のケガでこの試合、カシージャにゴールを譲るようですが、元々、代表戦週間明けのローテーションはジダン監督の恒例行事。ただ1人、目の前でウェールズの敗退が決まるのを見ているしかなかったベイルはふくらはぎのケガで全治1カ月となっているため、当人が落ち込んでいてもこの試合では関係ありませんしね。フランス代表には事情があって呼ばれず、この2週間、ケガが治ってから、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で調子を整えてきたベンゼマやU21ユーロ予選でゴールを挙げたセバジョスなど、却ってモチベーションの高い選手が出てきそうとなれば、やっぱりボルダラス監督のチームが勝利をつかむのは至難の業かと。 ▽まあ現在、首位バルサとマドリーの差がもう勝ち点7もありますし、柴崎選手も12月まで負傷で出られず。頼みの綱のアトレテティコもシメオネ監督がバルサに勝っていないのもあって、これ以上差が開くと優勝戦線が面白くなくなるため、私も今回はそうそう、弟分に肩入れもしていられないんですけどね。コリセウムも今季、2度目のチケット完売だそうですし、スタンドを埋めたサポーターに胸を張れる試合をしてくれればまずは良しとするしかないかと。そうそう、レガネスは日曜にアウェイで最下位のマラガに挑むんですが、こちらは続投が懸かっているミチェル監督には悪いものの、私的にはマドリッド勢の応援一択といったところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.13 13:59 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】これなら期待してもいいかも…

▽「まだ考えるには気が早いよね」そんな風に私が首を振っていたのは日曜日、スペインのロシア・ワールドカップ予選最終節が余裕の消化試合となってしまったせいでしょうかね。スポーツ紙の代表ページではもう、来年6月のW杯ロシア大会行き選手名が取り沙汰されているのを見た時のことでした。いやあ、私は、これで11月の代表ウィークは親善試合三昧、ホームゲームの会場を引き受ける予定のワンダ・メトロポリターノで初めてプレーする相手はどの国なのかの方が気になってしまったんですけどね。ロペテギ監督にはすでに16人の固定メンバーがいると言われても今回、モラタ(チェルシー)、カルバハル(レアル・マドリー)、イニエスタ(バルサ)の常連が欠けていたように、本大会まであと半年以上もあるとなれば、負傷者の発生はもとより、各人の調子自体も大きく変わっている可能性があったから。 ▽ただそうは言っても逆にもし、この11月に開催するんだったら、2014年のW杯ブラジル大会ではグループリーグ敗退、2016年ユーロでもベスト16で姿を消すという残念ぶりだったスペインも再び、優勝候補に入れるんじゃないかと思わせてくれたのが金曜のアルバニア戦だったのは事実。そう、試合前はカタルーニャ州の独立を問う住民投票に対するコメントetc.のせいで、ピケ(バルサ)にしかスポットが当たっていなかったような代表チームだったんですが、ロペテギ監督は世間の騒音に惑わされず、着々と準備を整えていたよう。リコ・ペレス(2部Bエルクレスのホーム)での一戦に秘密兵器を投入とは、スタメンを見て驚いたのは私だけではなかったかと。 ▽それは今季、好調バレンシアを支えるFWロドリゴと当日、ホテルでの軽食時間に先発を告げられ、すぐに母親に電話して伝えたところ、「Pobrecita, casi le da un ataque cuando se lo he dicho/ポブレシータ、カシー・レ・ダ・ウン・アタケ・クアンドー・セー・ロ・エ・ディッチョー(可哀そうに、ボクが先発すると言うと心臓発作を起こさんばかりだったよ)」という22歳のオドリオソラ(レアル・ソシエダ)ら新顔の抜擢。いえ、この夏、ポーランドで共にU21ユーロ準優勝という結果を残したサウール(アトレティコ)も実は代表での先発はその日が初めてだったんですけどね。 ▽そこへイスコ(マドリー)、コケ(アトレティコ)、チアゴ(バイエルン)、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)ら、ロペテギ監督の下、2013年のU21ユーロで優勝したメンバーが加わり、2008年~2012年に国際メジャータイトル三連覇を達成した黄金期メンバーはシルバ(マンチェスター・シティ)、セルヒオ・ラモス(マドリー)、ピケ、ジョルディ・アルバ(バルサ)の4人しかいないって、おやおや、いつの間にか随分、世代交代が進んでいるじゃないですか。 ▽実際、若いメンバーが多いせいか、ピッチに上がった選手たちも気合十分。ピケがボールを持つたびスタンドから湧き上がるpito(ピト/ブーイング)とaplauso(アプラウソ/拍手)など、まったく意に介さず、スペインは序盤から高い位置でプレッシャーをかけてボールを独占します。それこそ30分ぐらいまで、TV画面に時折映るポゼッション率もアルバニアが30%を切っていたぐらいなんですが、この日は嬉しいことにゴールも順調に決まってくれたから、助かったの何のって。 ▽そう、16分にはそれまで2度程、シュートを外していたCFのロドリゴがイスコの浮き球パスをエリア内、コントロールの難しいボールながら器用にGKベリシャ(アタランタ)の手の届かないゴール右上に撃ち込んで先制。続いて23分にはデ・ヘアから始まって18本目、最後は代表に来るといつも「El balon va super rapido!/エル・バロン・バ・ア・スーペル・ラピド(ボールが超速く動く)」と戸惑いながら、2、3日経つと慣れるというコケがスルーパスを送り、イスコが見事な弾丸シュートでフィニッシュすることに。おまけにその3分後にはオドリオソラが右サイドを上がりきり、そのクロスを2列目から飛び込んだチアゴがヘッド。あっさり3点目をゲットしているんですから、まさに目を見張るような効率の良さじゃないですか。 ▽え、中でも9月の予選でもイタリア戦で2ゴール、リヒテンシュタイン戦でも1ゴールを挙げているイスコの代表での活躍ぶりは特筆に値するんじゃないかって?そうですね、後で当人も「クラブであまり出ていなかった時も呼んでくれた監督には感謝している。Yo intento devolverle la confianza en el campo/ジョ・インテントー・デボルベールレ・ラ・コンフィアンサ・エン・エル・カンポ(ボクはその信頼をピッチで返そうとしているんだ)」と言っていましたが、その相乗効果か、今季はマドリーでも頼りになる存在になっているのは誰しも認めるところ。この調子を維持してくれれば、W杯でも2014年優勝時のイニエスタ的役割が期待できるかも。 ▽同時にブスケツ(バルサ)の出場停止を受け、本人は「No es algo nuevo para mi, Julen me conocia en esa posicion de categorias inferiors/ノー・エス・アルゴ・ヌエボ・パラ・ミー、ユーレン・メ・コノシア・エン・エサ・ポシシオン・デ・カテゴリアス・インフェリオーレス(自分にとって新しいことじゃないよ。ロペテギ監督は年代別代表でボクがこのポジションでプレーできることを知っていたのさ)」とは言っていたものの、イジャラメンディ(レアル・ソシエダ)を差し置いて,珍しくDFライン前の1人ボランチという役目を与えられたサウールもかなり上手くやっていたと思いますけどね。U21ユーロではもう少し前の位置で大会ピチチ(得点王)もゲットしている彼だけに、このまま精進を続ければ、本大会でも中盤の万能選手として重宝されるのは間違いありませんって。 ▽ただそれ以降、とりわけ後半のスペインは「no me ha gustado porque hemos perdido el control/ノー・メ・ア・グスタードー・ポルケ・エモス・ペルディードー・エル・コントロル(ウチがコントロールを失ってしまったのは気に入らなかった)」とロペテギ監督も言っていた状態で、いえ、別にイエローカードを受けたピケがナチョ(マドリー)に代わったのは関係なかったと思いますけどね。アルバニアもゴール枠に当たったシュートが2本あったものの、得点するまでには至らず。そのまま3-0でスペインが勝利すると、終了後には2位のイタリアがマケドニアと1-1で引き分けたという報も入り、「En el vestuario hemos cantado, saltado y bailado/エン・エル・ベストゥアリオ・エモス・カンタードー、サルタードー・イ・バイラードー(ロッカールームでウチは歌って跳んで踊った)」(ロペテギ監督)と、最終節を残してのW杯出場決定をお祝いできることに(https://twitter.com/andresiniesta8/status/916578309978447873)。 ▽おかげで翌日、午前中に予定されていたセッションは中止となり、代わりに途中出場のナチョ、アセンシオ(マドリー)、アドゥリス(アスレティク)を含め、この試合に出場しなかった選手たちはリコ・ペレスのピッチで遅くまで練習させられていましたけどね。午後4時にテル・アビブ行きの飛行機が出るまで自由時間となったのはとりわけ、アルバニア戦の会場となったアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート)の隣町、エルチェの出身で、「Jugar tan cerquita de mi casa es muy especial para mi/フガール・タン・セルキータ・デ・ミ・カサ・エス・ムイ・エスペシアル・パラ・ミー(実家のこんな近くでプレーするのはボクにとって特別)。親族が大勢、会いに来てくれた」サウールなどには嬉しかったかと。 ▽ちなみにそんなスペインではピケ同様、アルバニア戦でイエローカードをもらったシルバは次の試合が出場停止となるため、両人とも土曜には代表を離脱。90分プレーしたものの、足首を捻挫したチアゴも4時間のフライトを免れましたが、彼はイスラエル戦が行われるエルサレムのテディ・スタジアムで2013年U21ユーロに優勝した時のメンバーの1人ですからね。思い出の地を踏めないのはちょっと残念だった? ▽ただ、この月曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合ではロペテギ監督も「Habra cambios, vamos a refrescar el equipo/アボラ・カンビオス、バモス・ア・レフレスカール・エル・エキポ(スタメン変更はある。チームをリフレッシュするつもりだ)」と言っていたため、今度はイジャレメンディやバルトラ(ドルトムント)ら、他の当時の仲間や初招集のジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)、再招集のカジェホン(ナポリ)といったところをブスケツが率いていく形になるんでしょうが、ふむふむ、アルバニア戦でフル出場したコケやサウールが休めそうなのは今週末のバルサ戦に向けて嬉しい話かも。 ▽更にアトレティコ勢は日曜にスロベニア、モンテネグロの最終節が終わり、両国共予選敗退となったものの、GKオブラクとサビッチが月曜にはマドリッドに帰還できますしね。すでにW杯出場が決まっていたベルギーのカラスコもこの2戦目は出場停止となり、早期合流が期待されているため、あと気になるのは火曜のベルラーシ戦に1位通過か2位プレーオフかが懸かったフランスのグリーズマン、ほぼウルグアイの出場は決まっているものの、こちらの火曜深夜にボリビア戦があるゴディンとヒメネスの到着が遅いといった辺りですが、まあバルサにも来年のロシアにアルゼンチンが行けないかもしれない瀬戸際にいるメッシやヒザの関節に水が溜まり、手術するしないの話になっているウルグアイのルイス・スアレスなど、イロイロ逆境はありますからね。 ▽まあ、細かいことはまだ予選も全て終了していないですし、後日、お伝えすることにしますが、実はお隣さんにもW杯出場が最終節に懸かっている選手がいるんですよ。その筆頭はクリスティアーノ・ロナウドで、いえ、土曜のアンドラ戦ではあと1枚で出場停止になるイエローカードをフェルナンド・サントス監督が恐れ、当人をベンチ待機に。相手が相手だけにそれでも楽勝できると思ったんでしょうが、前半に点を取れなかったため、後半から投入されたんですけどね。先制点を決めた上、2点目のキッカケになるクロスも上げるという活躍でポルトガルを0-2の勝利に導いて、火曜のスイス戦で勝てば1位でW杯進出が決まるところまで来たんですが、そうでなくとも2位でプレーオフに回れるのが確定しているのはまだ気が楽かと。 ▽それ以上に大変なのはモドリッチがキャプテンを務めるクロアチアで、いえ、アトレティコのヴルサリコも一緒なんですけどね。火曜のウクライナ戦の結果次第では2位で終わっても、最低成績の2位となり、プレーオフ出場権も得られない可能性があるとはビックリ。うーん、微妙なのは代表に合流してふくらはぎのケガが見つかったものの、マドリーに戻らず、カーディフに残ってチームを応援しているベイルのウェールズも同じなんですけどね。最初の試合でW杯出場が決まったドイツのクロースが第2戦参加を免除されたり、土曜の試合でホンジュラスと土壇場で引き分けたケイロル・ナバスのコスタリカが出場決定といった朗報もあるものの、11月の代表戦週間明けはいよいよ、ワンダ・メトロポリターノでの初マドリーダービーとなれば…ジダン監督もプレーオフに参加する選手は多くない方がありがたいかと。 ▽まあ、そんな先の話はともかく、先週末はどこも2連休だったマドリッド勢4チームですが、月曜からは週末のリーガ戦に向けて練習を再開予定。うーん、またしてもこの土曜はヘタフェvsレアル・マドリーのミニダービーが午後4時15分からコリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催、午後8時45分にはワンダ・メトロポリターノでアトレティコvsバルサ戦となるため、綱渡り梯子観戦をする予定の私も頭が痛いんですけどね。日曜にマラガとのアウェイ戦に挑むレガネス同様、各国代表選手の少ないヘタフェなど、大先輩に一泡吹かせるいい機会と張り切っているようですが。とはいえ、相手には代表に呼ばれず、丁度、負傷が治って戻って来るマルセロやベンゼマなどもいますしね。左足第5中足骨のヒビを手術した柴崎岳選手も出られないですし、とりあえず私も弟分の善戦を期待するぐらいな気持ちでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.09 13:31 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】誰もサッカーの話をしていなかった…

▽「やっぱり頼りにはできないか」そんな風に私が失望していたのは水曜日、アトレティコ・フェメニーノが初めて女子CLに挑んだ試合をTVで見た後のことでした。いやあ、男子チームが午前中、練習で使ったシューダッド・デポルティーボ・ワンダ(マドリッド郊外のマハダオンダにある練習施設)のミニスタジアムで開催というあたり、見事に女子大会のマイナーさを象徴している気がしないでもありませんでしたけどね。彼女たちの試合は先週の土曜、同じ会場でのリーガ戦も中継されていて、その時はアスレティックを6-0と粉砕。 ▽さすが昨季のリーガ女子1部覇者、何と強いのだろうと感心したまさにその後、ブタルケでマドリッド勢の弟分、レガネスと対戦した男子は昨季に続き、スコアレスドローがやっとだったとなれば、いっそ代表戦週間明けのバルサ戦は女子チームに出てもらった方がいいかもなんて、私がつい思ってしまったとしても仕方ない? ▽でもねえ、男子CLと違い、グループリーグではなく、いきなりラウンド32・1stレグでから始まったアトレティコ・フェメニーノは女子CL2度の優勝を誇る強豪、ボルフスブルクを迎えたんですが、あまりにドイツのチームとは選手の体格が違いすぎたせいもあるんでしょうかね。前半から押されっぱなしだった上、後半には3点を奪われ、まだ2ndレグはあるものの、0-3の負けではほとんど敗退は確実。ヨーロッパの壁は厚かったと言っていいかと。 ▽え、月曜にラジオのインタビューに出ていたシメオネ監督も「Empatamos en Leganes y parecia que se habia caido el mundo/エンパタモス・エン・レガネス・イ・パレシア・ケ・セ・アビア・カイドー・エル・ムンド(レガネス戦で引き分けたら、まるで天が落ちてきたように思われた)。大丈夫、そんな単純なことじゃない」とチームの不調説を否定。ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で合宿中のサウルもエル・ムンド(一般紙)の取材を受け、「creo que estamos bastante bien para lo que podía haber sido/クレオ・ケ・エスタモス・バスタンテ・ビエン・パラ・ロ・ケ・ポディア・アベール・シードー(起こりうることからしたら、ボクらは十分、いい状態だよ)」とまずクラブについて語ってしまい、記者に「いや、代表のことを訊きたいんだけど」と言われていたように、アトレティコ男子チーム当事者たちは不安を感じていないんだろうって? ▽そうですね、ここ数日、ジエゴ・コスタがプロフェ・オルテガ(フィジカルコーチ)にしごかれているのは、たとえ早期にコンディションが整ったとて、出場できるのは来年1月からなのであまり重要じゃないんですが、木曜には前節をケガでお休みしたフィリペ・ルイスとルカスがグラウンドに姿を現し、9月のアルゼンチン代表招集時に負傷したアウグストもようやくalta medica/アルタ・メディカ(全快通知)をゲット。ワンダ・メトロポリターノにバルサを迎える14日には戦力となってもらえそうなのは朗報なんですけどね。 ▽未だにレガネス戦での惨状が記憶に残っている私としては、グリースマン(フランス)やオブラク(スロベニア)、ゴディン(ウルグアイ)、サビッチ(モンテネグロ)、そしてコケ、サウルといった中心選手たちが各国代表に駆り出されているため、このparon(パロン/リーガの停止期間)でもちっとも休めないことが心配。それ以上に向こうの方が代表選手数は多いとはいえ、元々、バルサはあまり走らないでも勝ててしまうチームですからね。せめてアルゼンチンがW杯に出場できるかどうかの瀬戸際にあるメッシ辺りが消耗して帰って来てくれるといいのですが、きっとそう上手くはいかないかと。 ▽まあ、そんなことはともかく、いよいよこちらもW杯出場決定が目前と迫ったスペイン代表の話をしておかないと。ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設に集合直後の月曜夕方、最初のセッションのみ一般公開すると、いえ、別にスペイン政府から違法と見なされ、中止命令が出ながら、前日には独立を問う住民投票がカタルーニャ州で実施。警察との衝突で多くの負傷者が発生したことなどもありましたが、その住民投票開催をずっと支持していたピケ(バルサ)がスタンドを埋めたファンのpito(ピト/ブーイング)や野次の標的に。おかげで練習が20分程で終わってしまったのとは関係なく、最初からの予定で続く2日間は非公開でアルバニア戦に向けて準備をしていた彼らですが、一応、水曜には私もマスコミ向けの15分のみ公開時間目当てに足を運んでみたところ…。 ▽実際、アトレティコやレアル・マドリー同様、セッションもこの部分はフィジカルやロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)しかやらないため、せいぜい不在の選手がいないかどうか確認するぐらいで、あまりチームの調子を見る役には立たないんですけどね。ただその後、施設のプレスルームに閉じ込められ、練習後の記者会見を待っていると、うーん、火曜に壇上に座ったコケ(アトレティコ)とチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)への質問がほとんどピケ関連だったせいなんでしょうかね。「Cansa un poco el tema/カンサ・ウン・ポコ・エル・テーマ(その話題にはちょっと疲れたよ)。いつも同じこと話している」とコケも愚痴っていたんですが、そんな状況に終止符を打つべく、渦中の人が現れたからビックリしたの何のって。 ▽ええ、そのことは私なんかより全然、情報通のTVやラジオの代表番記者たちも5分前に広報から知らされるまで予想もしていなかったようで、私も初招集のジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)やまだ新顔のロドリゴ(バレンシア)やオドリオソラ(レアル・ソシエダ)が来るんだろうと思っていたんですけどね。運がいいんだか悪いんだか、30分以上もそのご高説を拝聴する破目に。 ▽ただ、「自分の発言は後悔していない。それはボクが感じたことだから。人は皆、意見を持つものさ」とか、「un independentista podría jugar en la selección porque no hay selección catalana/ウン・インデペンデンティスタ・ポドリア・フガール・エン・ラ・セレクシオン・ポルケ・ノー・アイ・セレクシオン・カタラーナ(独立主義者もスペイン代表でプレーできる。だってカタルーニャ代表はないのだから)」と言いながら、自身は独立派なのかと訊かれると、「No te la voy a contestar porque creo que los jugadores somos figuras globales/ノー・テ・ボイ・ア・コンテスタール・ポルケ・クレオ・ケ・ロス・フガドーレス・ソモス・フィグラス・グロバーレス(それには答えない。何故なら、選手は世界的な有名人だから)」って、ちょっと矛盾していない? ▽大体、これまでのコメントやツィートだって、大きな反応を引き起こすことをわかってやっていたはずですが、とりあえず重要なのは、金曜に迫ったアルバニア戦前に彼が「今、代表辞退はブーイングする人たちが正しいという認識を与えるからしない」という点と、懸念されたセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)との仲に亀裂は入っていないということ。ええ、「Incluso vamos a ser socios en un negocio/インクルソ・バモス・ア・セル・ソシオス・エン・ウン・ネゴシオ(それどころか、ボクらは共同事業をするつもり)」って、後でそれはスポーツ紙などにより「Power to the Players」というスポーツ選手専門のSNSプラットフォーム開設だと明かされているのを見るにつけ、もしや宣伝も兼ねていたのでは疑ってしまったのは私だけではなかったかと。 ▽まあ、それでも自ら事態を収拾するために出て来た姿勢を評価されたか、翌木曜に移動したアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート)では宿泊先のホテル・メリダにチームが裏口から入ったこともあり、そこではファンからブーイングはあったものの、夕方のリコ・ペレス(2部Bエルクレスのホーム)での公開練習時には拍手と拮抗しましたからね。時にピケの言動にチェックを入れるラモスも試合前日記者会見では「人には人の意見がある」的なコメントに終始するなど、アルバニア戦を前にとにかくチームの団結を優先したいようでしたっけ。 ▽実際、火曜の夜には今回の事態を重く見たスペイン国王フェリペ6世が、父のファン・カルロス1世の在任時も2度しかしたことのないという、国民に向けて緊急メッセージをTVで発信。それがカタルーニャ自治政府の暴走を強く非難する内容だったせいか、「Quería escucharlo pero se me pasó, estaba jugando a la pocha/ケリア・エスクチャールロ・ペロ・セ・メ・パソ、エスタバ・フガンドー・ア・ラ・ポチャ(聞きたかったんだけど逃した。ポチャ/スペインのカードゲームをしていたからね)」とピケが流してしまったことについても、「Chapeau para el Rey/シャポー・パラ・エル・レイ(王様にシャッポを脱ぐよ)。絶対必要なメッセージだったし、言っていることにも同感だ。彼がアトレティコファンなのは何だけど、良かったのは認めないと」程度でラモスが留めていたのは大人の対応だったかと。 ▽一方、ピケの件はもう終わったことと見なしていたロペテギ監督は、「Estamos pensando en el estilo que podemos utilizar/エスタモス・ペンサンドー・エン・エル・エスティーロ・ケ・ポデモス・ウティリサール(使えるスタイルを考えている)」と、金曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合にどんな戦略で行くのか明かさず。公開練習ではCFとしてアドゥリス(アスレティック)を使った4-3-3やアセンシオ(マドリー)のfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/CFの場所にいるMF)など、イロイロ試していたそうですけどね。うーん、モラタ(チェルシー)やイニエスタ(バルサ)、カルバハル(マドリー)の負傷欠場やこの試合にはブスケツ(バルサ)が出場停止になるというハンデはあったとしても相手はアルバニアですからね。 ▽いくら昨年のアウェイ戦では0-2と少し苦労したとはいえ、このぐらいは軽く勝利してくれないとW杯に行ってからが思いやられるのでは?ちなみにグループ3位のアルバニアはイタリアと勝ち点6差で、最終戦ではそのイタリアと対決。ただ、得失点差も大きいため、よっぽどのことがない限り、プレーオフに回れる2位に上がるのは無理なんですが、要注意なのはこの夏、指揮官がデ・ビアージ監督(現アラベス)からパヌッチ監督に代わっていることでしょうか。ええ、現役時代にマドリーでもプレーし、スペインのファンにも馴染みのあるイタリア人元DFは勝ち点差3で逆転1位通過を狙っている母国のため、ひと肌脱ぎたいと思っているようですが、さて。何にしてもスペインには早めにW杯進出を決めてもらいたいところです。 ▽え、この1週間、アトレティコが何しているかは聞いたけど、お隣さんの情報は何もないのかって?そうですね、マドリーも小所帯となりながら、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニングを続けていたんですが、負傷中だったマルセロやテオ、ベンゼマがセッションに加わり、復帰が間近になった半面、前節のエスパニョール戦を欠場、満を持してウェールズ代表に向かったベイルがケガでプレーできないという残念な知らせも届くことに。 ▽それも少々、経過が謎めいていて、先週のCLドルトムント戦で途中交代した後、ジダン監督は「ただのこむら返り」としながら、リーガ戦の前にはハムストリングの筋肉痛にステップアップ。それが代表で検査を受けたところ、またしても左ふくらはぎのミニ肉離れで全治1カ月って、いやあ、飛行機で移動している間にもしや何かあった? ▽ただ、今回のW杯予選最終2試合、ウェールズは勝ち点4差のセルビアを上回る可能性もあれば、最終節で当たる1差の3位、アイルランドに2位の座を奪われてしまう可能性もあるといった予断を許さない状況のため、ベイルはマドリッドには戻らず、帯同してチームを応援するようですけどね。これで2013年にマドリーに入団して以来、18回目の負傷ともなると、中にはロッベン(バイエルン)のようにリーグを変えた途端、丈夫になった選手もいますからね。要はスペインの水が合っていないんじゃないかと思えてきますが、果たしてどうなんでしょうか。 ▽同様に水曜はポルトガル代表での練習をセーブしたと報じられ、体の不調が心配されたクリスチアーノ・ロナウドの方は大したことはなかったようで、木曜には軍用機でチームメートと一緒にアンドラ入り。こちらの2位は確定していますが、1位のスイスと勝ち点差3、最終節で直接対決となるため、勝利が見え次第、フェルナンド・サントス監督も温存を考えてくれるんじゃないかと。 ▽その他、木曜に1位突破を決めたクロースのドイツやすでにW杯進出が決まっていたブラジルのカセミロなどはともかく、モドリッチのクロアチアなど、突破が懸かっての激戦になりそうな代表に行っている選手はケガをしないかどうか、注意していないといけませんが、その辺、アムラバット(モロッコ)1人しか各国代表がいないレガネス、ジェネ(トーゴ)、ファジル(モロッコ)、アントゥネス(ポルトガル)と3人だけのヘタフェは余裕があって、このミッドウィークにはそれぞれエイバル(2-0で勝利)、ヒムナスティック・セゴビアーナ(1-2で勝利)と親善試合で調整。それって、リーガ再開2日前ぐらいならないと選手が揃わない兄貴分チームたちの監督にとっては羨ましい限りかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.06 17:25 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】この先が思いやられる…

▽「いくらこれじゃ練習する気にならないって言ってもね」そんな風に私が呆れていたのは月曜。通常より遅めの午後7時45分からの練習開始だったからですかね。モンクロア(バスターミナル)で帰宅ラッシュに遭遇し、予定していたバスに乗れずに10分程、遅れてしまったのも悪いんですが、ラス・ロサス(マドリッド近郊)サッカー協会施設のグラウンドでロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)をしていたスペイン代表選手たちが早くも8時5分、サウール(アトレティコ)、チアゴ(バイエルン)、ペドロ(チェルシー)、イアゴ・アスパス(セルタス)だけを残して全員、ロッカールームに戻ってしまうのを見た時のことでした。 ▽いやあ、誰もが想像した通り、今回、W杯グループ予選最後の2試合を控えた合宿で唯一、一般公開されるセッションとあって、スタンドに詰めかけたファンたちはピケが姿を現すと、力の限り大きなpito(ピト/ブーイング)で迎えたんですけどね。実際、ロンドの最中も観客の野次は止まらず、その一方であてつけのように「yo soy español/ジョ・ソイ・エスパニョール(ボクはスペイン人)」というカンティコ(節のついたシュプレヒコール)や、「Que viva España!/ケ・ビバ・エスパーニャ(スペイン万歳)」といった歌が聞こえてくるとなれば、ロペテギ監督だって、火曜以降の非公開ダブルセッションで形を整えていけばいいと判断した? ▽実際、本当のところはわかりませんが、何にしろ、スペイン代表の最初の試合は金曜と先ですし、どうしてピケがそんなことになってしまったのかはまた後でお伝えすることにして、とりあえず先週末のリーガの話をしておかないと。この7節、マドリッド勢の先陣を切ったのは弟分のヘタフェで、いやあ、私もゴールレスだった前半は見逃してしまったんですけどね。それでも8分にはアマトがGKとの1対1をようやく制して、今季初ゴール。先制のシーンに間に合ったため、今日はツキがあるのかと思いきや、それは束の間の夢に終わることに。ええ、ペペ・メル監督のクビが懸かっていたデポルティボは65分にはルーカス・ペレスが決めて同点に追いつくと、86分にはエリア内の混戦を制してアンドネがゴールを挙げ、ヘタフェは勝ち点を稼いでおくことができませんでしたっけ(最終結果1-2)。 ▽うーん、代表戦週間明けにはコリセウム・アルフォンソ・ペレスに大先輩マドリーを迎える彼らだけに、この敗戦は痛かったんですが…。月曜には左足第5中足骨にヒビが入っていた柴崎岳選手の手術が成功に終わったというパルテ・メディコ(医療報告)もクラブのオフィシャルウェブにアップ。マルカ(スポーツ紙)によると、これで実戦復帰は12月までお預け確定だそうで、もちろんマドリー戦にも出られないため、ボルダラス監督もこの2週間、ホルヘ・モリーナやアンヘル、そしてアマトらのFW陣、アルバロ・ヒメネス、ポルティージョといったところにもっとシュート精度を磨いてもらわないといけないかと。何にしろ、今のところヘタフェが12位と降格圏から離れているのはありがたいことですよね。 ▽そしてその日の夜、「ブタルケに行かなくて良かった」と私が心から思ってしまう試合をしてくれたのが兄貴分のアトレティコ。というのもクラブ史上初の1部ミニダービーとなった昨季同様、スコアレスドローだったからで、いえ、「Leí el partido a mi manera/レイ・エル・パルティードー・ア・ミ・マネラ(自分なりに試合を読んだ)。水曜にCLチェルシー戦をプレーしたから、選手たちが元気な前半が勝負だった」というシメオネ監督は、「最初の20分には攻撃のチャンスもあった」とも言っていたものの、どうやらそれはフィリペ・ルイスとリュカの両名が負傷で欠場したため、ヒメメス、ゴディン、サビッチが先発。メンバー表からは3CB制に見えながら、実はヒメネスが右SB、そして左SBが何とサウールだったことに相手が戸惑っていた時間だけだったような。 ▽まあ、確かにサウールはラージョ(今は2部)にレンタル移籍時代、CBの修行もしていたし、本職はボランチながら、トップ下もサイドもこなせてしまう器用な選手なんですけどね。いくら何でもこれはと思っているうちに前半は0-0で終了。それでもこのところ、後半の得点で勝つことが多かったアトレティコなので、まだ一縷の望みはあったんですが、やはり「ウチはアウェイゲームが多かった上、ホームにもまだ慣れる必要がある」(シメオネ監督)という選手たちの疲労度には余程、凄いものがあったんでしょうね。時間が経つにつれ、パスですら、ようよう出せなくなり、面倒臭いのか思考停止に陥ってしまったのか、ロングボールを放り込むだけの単調な攻めに終始したため、レガネスの反撃を招き、「Ha sido diferente, hemos generado más ocasiones/ア・シードー・ディファレンテ、エモス・ヘネラードー・マス・オカシオネス(昨季とは違った。ウチはもっとチャンスを作れたからね)」とガリターノ監督を喜ばすことに。 ▽ええ、実際、レガネスはキッチリ守っていただけでなく、2度のエル・ザールのシュート、そしてアマラバットの一撃をGKオブラクにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてなければ勝てていましたからね。それに比べてアトレティコはコレア、ビエットの先発FWをカラスコ、フェルナンド・トーレスに代えてもまったく改善せず、最後はグリーズマンを下げ、ヴルサリコを左SBに置くってもう、最初からそうしていれば良かったんじゃないの? これにはそれこそ、シメオネ監督からして疲れているのではと思えましたけどね。一生懸命慣れないポジションで頑張り、前半には惜しいシュートを弾かれているサウールも「hay que tener... no más de ganas/アイ・ケ・テネール…ノー・マス・デ・ガナス(もっと必要なものがあって…やる気じゃないけど)、前線でガツンといって、攻撃する時は態度で示さなきゃ」と、2年連続弟分のホームで0-0引き分けを演じてしまった理由についてはよくわかっていないようでしたっけ。 ▽え、翌日曜のエスパニョール戦の後、ジダン監督も「La segunda parte creo que estuvimos algo cansados/ラ・セグンダ・パルテ・クレオ・ケ・エストゥビモス・アルゴ・カンサードス(後半のウチはどこか疲れが出ていたと思う)」と言っていたように、9月の代表戦終了からずっと、週2試合で厳しかったのはお隣さんも同じじゃないかって? まあ、その通りで実際、ベイルなど、火曜のCLドルトムント戦でのこむら返りが筋肉痛にステップアップ、それでもケガではないそうですが、月曜にはウェールズ代表に加わるため、サンティアゴ・ベルナベウのピッチに上がるのは控えていたぐらいなんですけどね。それでも大丈夫なのは、マドリーには才能のある選手が沢山いるから。 ▽ちなみにその日はマドリッドでは特に騒ぎはなかったんですが、独立を問う住民投票がスペイン政府に法的に無効とされながらもカタルーニャ州で実施。先日も「投票に行こう」のアピールツィートを発信したピケは何の問題もなく、自身の票を預けてくることができたんですが、どうやら一部の投票所ではグァルディア・シビル(国家憲兵)の介入から、衝突が起こり、ケガ人が大量発生していたよう。おかげでお昼(スペインは午後2時~4時がランチタイム)のスポーツニュースでも丁度、バルサvsラス・パルマス戦が午後4時15分キックオフだったため、カンプ・ノウに入場できずに困っているファンを映しながら、試合が開催されるのか、延期になるのか、注目していたところ…。 ▽カタルーニャとの連帯を示すため、延期にしたかたったものの、LEP(スペイン・プロリーガ)からプレーしなければ没収試合と見なし、ラス・パルマスの不戦勝だけでなく、制裁で3ポイント減点という連絡を受け、板ばさみになっていたバルサのバルトメウ会長はロッカールームにいた選手たちに相談。そこではピケやセル・ロベルトは試合をしないという立ち位置だったものの、最後はリーガで勝ち点6を失うのはあまりに危険すぎるという意見が大勢を占めたとか。ちなみに結局、無観客で行われたその試合で2ゴールを挙げ、3-0の勝利に貢献したメッシに関しては、「Leo no dijo ni mu/レオ・ノー・ディホ・ニー・ムウ(レオはひと言も喋らなかった)」(マルカ)という報道と、彼の言葉が決定的だったというTVキャスターのコメントがあったため、真相はわからず。 ▽それより試合後、ミックスゾーンに出て来たピケが涙ながらにreferendum ilegal(レフェレンドゥム・イレガル/法律違反の住民投票)が中央政府により弾圧されたことを嘆き、更にスペイン代表についても言及。曰く「Ir a la selección no es una competición de patriotismo/イル・ア・ラ・セレクシオン・ノー・エス・ウナ・コンペティシオン・デ・パトリオティスモ(代表に行くのは別に愛国精神の表れではないよ)。スペイン人でない多くの選手が国籍を取って代表に入る。ボクにとって、代表はそこに行って、勝つために最善を尽くすということ」だそう。まあ、その辺は私も同感ですけどね。いくら当人が、「監督やサッカー協会の幹部が自分を問題だと思うなら、2018年より前に辞めてもいい」とまで口にしたとて、カタルーニャ独立への動きに反感を覚えているスペイン人も多い昨今の折、火に油を注ぐような結果になるのは仕方ありませんって。 ▽おかげでその日の夜にキックオフとなったサンティアゴ・ベルナベウではスペイン国旗が散見。チーム入場時のみならず、12分にはサポーターは12番目の選手という意味から、まるでスペイン代表戦のように赤黄赤のボーダーがスタンドを彩っていましたが…。おっと、そろそろ話を試合に戻さないといけません。まだベンゼマもリハビリ中のため、クリスチアーノ・ロナウドをトップに置き、アセンシオ、イスコらが入ったマドリーですが、いえ、もうメッシにゴール11本も差をつけられていたため、一番、得点したかったのは当人だったんでしょうけどね。どうにもCLと違って、リーガでは照準が曇るのか、ロナウドは出場3戦目でもネットを揺らせなかったんですが、このエスパニョール戦ではイスコが発奮。▽ええ、開始1、2分からGKパウの手を煩わせていた彼ですが、とうとう27分にはロナウドのスルーパスからゴールをゲット。「Metí yo así uno con la sub 21, con la puntera. Es un recurso más/メティ・ジョー・アシー・ウノ・コン・ラ・スブ・ベインティウノ、コン・ラ・プンテラ。エス・ウン・レクルソ・マス(U21の試合でもこういう、つま先でのシュートを入れたよ。テクニックの1つさ)」(イスコ)という先制点だったんですが、更に敵が3ボランチを2人に代え、攻勢に出た後半にも追加点を挙げることに。それは70分、自らカウンターの起点となると、最後はアセンシオがエリア内から折り返しのパス。これがロナウドでなく、イスコの方に行ったのは普段から2人の仲がいいからかもしれませんけどね。 ▽しっかりダメ押しの2点目を決めてしまったため、試合後にはジダン監督からも「juega como se juega en la calle, y eso me gusta/フエガ・コモ・セ・フエガ・エン・ラ・カジェ、イ。エソー・メ・グスタ(町の通りでプレーするみたいにプレーする。そういうのは好きだ)」とお褒めの言葉をもらっていましたが、ああまったく! ゴール嗅覚のある選手が何人もいるっていうのは本当に羨ましい。ただ1つ、そのまま2-0で勝ったその試合で付け加えておきたいのはお隣さん同様、マルセロ、テオの両左SBが負傷欠場、そこへカルバハルがウィルス性の疾患で心膜に炎症を起こし、右SBレギュラーもいないという人出不足の事態にジダン監督は18歳のカンテラーノ、アシュラフを信用して先発起用したこと。 ▽やはりそこは若くても本職ですし、左SBを務めたナチョは最近、スーパーマルチDFと呼んでもいい域に達していますからね。ピンチらしいピンチもジュラール・モレノのシュートがゴールポストを叩いた時ぐらいしかありませんでしたし、GKケイルロ・ナバスのセーブに頼らなくも勝てている辺り、マドリーの選手層はレベルが違うと言うしかないかと。この勝利で首位バルサとの差は勝ち点7のままながら、5位に上昇した彼らに対して、アトレティコは好調を維持しているバレンシアに抜かれて4位に後退したんですが、かろうじて勝ち点差1をキープ。ただ、paron(パロン/リーガの停止期間)明けは片やヘタフェとのミニダービー、もう一方はバルサをワンダ・メトロポリターノに迎えないといけませんからね。 ▽うーん、試合後のミックスゾーンでは待機時間にツィターを眺めていたラジオマルカ(スポーツ専門局)の記者が、「カタルーニャ州知事がindependencia unilateral(インデペンデンシア・ウニラテラル/一方的独立)を宣言するって! それじゃ革命じゃないか」と大笑いしていましたが、どうやら住民投票の現場は大混乱で、国家警察が自治体のシステムをブロックしたため、投票人の身元チェックができず。同じ人が2度も3度も投票できたり、住民登録してなくてもOKだったりと、賛成過半数という結果も怪しげながら、2日後には独立宣言するなんて話も…。 ▽まさか次のリーガ8節、アトレティコの相手が外国のチームになっているなんてことがないといいんですが、さて。あまり普段は政治のことなど考えない私ですけど、留学中、日本などでは戦後も遠い彼方になっていた1981年、スペインでは軍事クーデター未遂事件が勃発。あの時代にそんなことが起きる西ヨーロッパの国があったのかと知って驚いた記憶があるため、もう少し、普通のニュースも気にしていた方がいいかもしれないです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.03 11:07 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】こんなに弱いチームだったっけ…

▽「今、試合に出られないんじゃ意味ないよね」そんな風に私がやさぐれていたのは金曜日、3カ月もブラジルでバケーション三昧していた割には意外と早く、その日からチームの全体練習に加わったジエゴ・コスタについて、シメオネ監督が「Muy bien anímicamente y espiritualmente/ムイ・ビエン・アニミカメンテ・イ・エスピリトゥアルメンテ(士気も精神的にも凄くいい)」と記者会見で答えているのを聞いた時のことでした。いやあ、当人の移籍がこの水曜、正式に決まったため、同日にあったCLチェルシー戦の前、ワンダ・メトロポリターノにあるオフィシャルメガストアで彼がつけることになる背番号18のユニフォームが大いに売れたのは大いに結構なことなんですけどね。 ▽とはいえ、FIFAに科された選手の新規登録禁止処分が解ける来年1月までコスタはアトレティコでプレーできないため、先週末のセビージャ戦に続き、その試合もパルコ(貴賓席)で応援していたんですが、これぞまさかの青天霹靂。CL優勝を目指すチームに戻って来たはずなのが、この先の出来如何によってはヨーロッパリーグ優勝に目標を切り替えることも視野に入れないといけなくなったって、いえ、セビージャ在籍中に前人未到のEL3連覇を達成したビトロ(現在はラル・パルマスにレンタル移籍)が来るのは頼もしいですけどね。昨今はELタイトルにCLグループリーグ出場権がついてくるのもおいしいんですが、ここ数年でCL決勝に2度進出しているアトレティクにしてみれば、後退感は否めないところかと。これでは来年のW杯でスペイン代表エースの座をモラタに譲る危険を犯し、わざわざ古巣に帰還した当人も後悔してしまうかも。 ▽まあ、どうしてそんなことになったのかはまた後で話しますが、まずはお隣さんのCL2節の結果をお伝えしておかないと。今回火曜試合となったレアル・マドリーはアウェイでのドルトムント戦だったんですが、ジグナル・インドゥナ・パルクでこれまで1勝もしたことがないせいもあって、試合前は厳しい予想も出ていたものの、案ずるより産むがやすしとはまさにこのこと。ええ、前半18分にはカルバハルのクロスをベイルが見事なvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて先制すると、後半にはリーガこそ、5試合の出場停止処分が終わった後に出たベティス戦、アラベス戦でゴールが生まれず、心配されていたクリスチアーノ・ロナウドがCLでの好調ぶりを披露。9分にはベイルのラストパスをワンタッチで流し込むと34分にもエリア内からシュートを決めて、初戦のアポエル戦に続き、doblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を挙げてくれます。 ▽これで0-3と快勝したマドリーだったんですが、ちょっとラッキーだったところもあって、まだ0-0だった前半13分、GKケイロル・ナバスのクリアしたボールがゴールライン上でセルヒオ・ラモスの手に当たったプレーは、「VAR(ビデオ審判)があればペナルティになったかもしれない」とドルトムントのボス監督も嘆いていたようにお咎めはなし。どうやらUEFAは判定する審判の人員不足で導入を見送っているようですけどね。それをいいことに「cuando no es voluntaria no es penalty/クアンドー・ノー・エス・ボルンタリオ・ノー・エス・ペナルティ(意図的でなければペナルティではない)と教わった」(ラモス)と、当人があっけらかんとしているのもどうでしょうか。 ▽もう1つの幸運は、「ドルトムントはホームで戦う時、守備ラインをかなり上げてくる。Si le dejas espacio, Bale es letal/シー・レ・デハス・アスウパシオ、ベイル・エス・レタル(スペースを与えられたベイルは非常に危険だからね)」とジダン監督も言っていましたが、相手がここまで19得点1失点で1位というブンデスリーガでの優位に過信してしまったこと。その辺、リーガの対戦相手は心得ているんですが、おかげでこのシーズン序盤、まだ調子が上がっていなかったベイルも1ゴール1アシストと面目躍如できましたしね。 ▽いつもこうだと、ホームサポーターからのpito(ピト/ブーイング)回避も早期達成できそうですが、そうそう、残り4分で彼が交代したのは「Sólo se le ha subido el gemelo/ソロ・セ・レ・ア・スビードー・エル・ヘメロ(ふくらはぎがつっただけ)」(ジダン監督)だそうで、マドリッドに戻ってからの検査でもケガは見つからなかったとのこと。ただし、来週はプレーオフ出場が懸かったウェールズのW杯予選もあるため、日曜の試合に出るかどうかは微妙なようです。 ▽え、CLでは2連勝して、10月17日、11月1日のトッテナムとの2試合でグループ首位突破も決まるかもしれないぐらい順調なマドリーだけど、リーガではまだホームでの勝利がないんじゃないかって?その通りでバレンシア、レバンテと引き分けた後、ベティスに0-1で負けてしまったため、全勝している首位バルサとの勝ち点差7の6位に甘んじているんですが、その元凶のサンティアゴ・ベルナベウではこの木曜、金曜にもバラン、アセンシオと選手の契約延長プレゼンが続くことに。 ▽うーん、これでマルセロ、イスコ、カルバハル、ベンゼマ、マルコス・ジョレンテと7人が2021~23年までの延長にサインしたことになり、ロナウドなどもドルトムント戦の後には「Mi renovacion? A lo major el presidente lo sabe contestar mejor/ミ・レノバシオン?ア・ロ・メホール・エル・プレシデンテ・ロ・サベ・コンテスタール・メホール(ボクの契約更改?会長の方が上手く答えられるかもね)」と、自分の番が回ってくるのを待っているようでしたけどね。彼の場合、現在、2100万ユーロ(約28億円)の手取りをクラブは2500万ユーロ(約33億円)に上げようという心積もりはあるものの、当人はメッシやネイマール級の3000~4000万ユーロ(40~53億円)を希望しているらしいので、そう簡単にはいかないかも。 ▽まあ、その辺は日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのエスパニョール戦をまずは皮切りに、ホームのリーガ戦でもゴールを量産、もう9得点しているメッシの追撃を始めることでアピールしてほしいものですが、キケ・サンチェス・フローレス監督のチームも前節はデポルティボに4-1で勝利して自信をつけていますからね。とにかく根性のremontada(レモンターダ/逆転優勝)の掛け声が年内のうちからスポーツ紙を賑わすのもうっとうしいですし、これ以上、バルサとの差が広がらないよう、気合を入れてプレーしてもらいたいものですが…。 ▽いやあ、アトレティコがまた悲劇に見舞われてしまったせいで、私もあまりヨソ様の幸せを祈る余裕がなくなっているんですよ。そう、他のCLスペイン勢は火曜にセビージャがマリボルにベン・イェデルのハットトリックで3-0のグループリーグ初勝利、水曜のバルサも敵のオウンゴールでスポルティングに0-1と勝って2連勝と好結果だったんですが、ワンダ・メトロポリターノでの初開催となったヨーロッパの試合で彼らは序盤からチェルシーに圧倒されてしまうことに。それでもGKオブラクがモラタの至近距離ヘッドをparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたり、敵のシュートがギリギリ外れてくれたりしたため、失点は免れていたんですけどね。 ▽もしやそんな劣勢だったにも関わらず、CKの時にダビド・ルイスがルーカスを倒してPKをゲット。昨季はあれだけ呪われていたにも関わらず、グリースマンがGKクルトワをあっさり破り、先制してしまったことでその日のツキを使い果たしてしまった?後半になってますます激しくなったチェルシーの攻勢が実を結んだのは14分。キレまくっていたアザールのクロスをモラタがヘッドして追いついたとなれば、コスタがチェルシーを出る原因を作ったコンテ監督だって、もう誰にも文句は言われないに決まっていますって。 ▽実際、後でアトレティコサイドも口を揃えて「Fue superior tácticamente, físicamente.../フエ・スペリオール・タクティカメンテ、フィシカメンテ(相手が戦術的にもフィジカル的にも上だった)」(シメオネ監督)と認めていたように、もうここまでピッチで実力の差をつけられてしまうと、30分にはヒメネスを入れ、CB3人体制で引き分けを守りにいったのも理解できるんですけどね。まさか、あと一息というロスタイム、予想もしなかった悲劇に見舞われるとは!最初の戦犯はダビド・ルイスを倒して無用なFKを与えたコケだったんですが、ボールをエリアに放り込まず、チェルシーが回してチャンスを伺う中、右奥でボールを持ったマルコス・アロンソにゴディン、ルカス、ヒメネスの3CBがついていくって一体、何を考えていたんでしょう。 ▽その結果、マークの外れたFWバチュアイにパスが渡り、そのシュートが決まったのは94分のこと。アトレティコに反撃する時間はまったくなく、そのまま1-2で試合終了のホイッスルが鳴っているんですから、たまったもんじゃありませんって。おかげで2節を終えて勝ち点1に留まった彼らは、「Tenemos que ganar todos los partidos que nos quedan/テネモス・ケ・ガナール・トードス・ロス・パルティードス・ケ・ノス・ケダン(ウチは残った試合に全勝しないといけない)」(グリースマン)状態になってしまったんですが、まあ正確には3、4節のアポエルとの連戦に勝ち、次にホームに迎えるローマも倒せば希望が見えるといったところかと。 ▽うーん、試合後、ファンフランなどは「Si nos dan por muertos, major/シー・ノス・ダン・ポル・ヌエルトス、メホール(もうダメと思われたなら、その方がいい)。ウチはハンデがある時程、上手くいくから」とまったくメゲてはいなかったんですけどね。昨季もそうでしたが、どうにもアトレティコは5人DF制のチーム攻略が苦手なようで、いえ、私が金曜に偵察に行ったリーガの次の相手、レガネスのガリターノ監督は「El Atlético tiene capacidad para jugar bien con cualquier sistema/エル・アトレティコ・ティエネ・カパシダッド・パラ・フガール・ビエン・コン・クアルキエル・システマ(アトレティコはどんなフォーメーションにも適応できる能力がある)。そんな単純なら、ウチもやればばいいだけだが、そうはいかない」と、ジローナやチェルシーの例に倣うことはしないよう。 ▽それよりインスタラシオン・ブタルケでのセッションでは選手たちに手とり足とり指導、「サウルはこういう時、上がっていくから」と事細かにポジションニングを指示していた彼は、「これまで先手を取られると皆、逆転は不可能と思っていたが、それが崩れた」と、アトレティコが珍しく逆転負けを喰らったことに希望の光を見出していたようで、何せ今はレガネスも7位と余裕がありますからね。前節のラス・パルマス戦ではチームで一番テクニックのあるシマノフスキが2アシストと調子に乗ってきたこともありますし、土曜午後8時45分からのマドリー兄弟分ダービーにまったく気後れしている風はなかったかと。 ▽実際、アトレティコではフィリペ・ルイスとルカスが揃ってハムストリングを痛め、この試合ではベルサリコかファンフランが左SBを務めないといけないというのもちょっと心配の種なんですが、こればっかりはねえ。一応、チェルシー戦でのショックな負け方が後を引くのではないかという懸念に対しては、シメオネ監督も「lo que pasó se queda atrás/ロ・ケ・パソ・セ・ケダ・アトラス(過ぎたことは過ぎたこと)」と切り替えができていることを強調していましたが、果たして選手たちは如何に?ようやくリーガではここ3連勝して2位に躍進しているだけに、チケット完売で満員となるブタルケで兄貴分の貫録を示すことができるといいのですが。 ▽そしてレガネス同様、今週はミッドウィークの試合がなかったもう1つの弟分、ヘタフェはどうしていたかというと。いやあ、こちらは木曜に見学に行ったところ、また熱心にシュート練習を続けていましたが、相変わらず柴崎岳選手の姿はグランウンドに見られず。クラブの広報の話では左足第5中足骨のヒビを手術するしないを含めて、月曜には正式なパルテ・メディコ(医療報告)が出るだろうとのことでしたが、今週もジムでのリハビリをずっと続けているのだとか。 ▽ちなみにコリセウム・アルフォンソ・ペレスのロビーでバッタリ遭ったヘタフェ最初の1部昇格時のレジェンド、今はユースチームのコーチをしているパチョンに柴崎選手の様子と訊くと、「よくスタジアム内のバル(喫茶店兼バー)で朝食をとっているのを見かけるけど、el es muy serio/エル・エス・ムイ・セリオ(彼は本当にマジメだね)」と言っていましたが、まあスペイン語でなくても外国語で雑談するのは難しいですからね。慣れていけば、そのうちチームメートと談笑する姿なども見られるんじゃないかと思いますが、今はとにかく辛抱が大事。早くケガが治って、最近増加傾向にある日本人観戦客を沸かせてくれることを期待するしかありません。 ▽そんなヘタフェは今週末、土曜の午後1時(日本時間午後8時)からアウェイのデポルティボ戦に挑むんですが、うーん、前節はビジャレアルに4-0と大勝したところ、相手のエスクリバ監督が翌日解任の憂き目に。現在18位のチームを率いるペペ・メル監督も進退が危ない状況で、ここでヘタフェが勝つと不穏なジンクスができてしまいそうですが、各国代表戦週間明けの14日にはマドリーを迎えないといけない彼らですからね。ボルダラス監督としてもここは絶対、落とせないところかと。今回はデポルティボがレンタル元になるファジルが契約条項で欠場するものの、何とか勝ち点3をゲットして、気分良くparon(パロン/リーガの停止期間)に入ってほしいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.01 08:00 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】揃って勝利というのは珍しい…

▽「もうクビとは気が早いこと」そんな風に私が驚いていたのは月曜日、リーガ6節が終わったばかりというのにビジャレアルのエスクリバ監督が解任されたというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、確かに日曜はコリセウム・アルフォンソ・ペレスで4-0と惨敗、ヘタフェに待望の1部復帰後ホーム初勝利を与えてくれた時には2年前、彼の率いていたシーズンにチームが2部降格の憂き目に遭ったお詫びぐらいにはなったんじゃないだろうかと気楽に思っていたものでしたけどね。実際、ビジャレアルは2勝1分け3敗で14位につけていたため、監督自身も試合後の記者会見では進退を問われる可能性は考えていないと、意に介していなかったものの、ホントに昨今は世知辛い。 ▽それだけに月曜にはその試合で今季初得点、昨季のヘタフェ昇格に大きく貢献したMoligol(モリゴル)の復活を印象づけてくれた35歳のベテラン、ホルヘ・モリーナなど「Sabemos que cuando los resultados no se dan el entrenador es el primero que cae/サビアモス・ケ・クアンドー・ロス・レスルタードス・ノー・セ・ダン・エル・エントレナドール・エス・エル・プリメーロ・ケ・カエ(結果が出ない時、最初に辞めさせられるのは監督ということはわかっている)」と達観していましたが、逆に言えば、ここで2勝目を挙げられず、ホーム3連敗を喫していたら、ボルダラス監督の立ち位置も微妙になっていたはず。そう思うと、エスクリバ監督には悪いけれど、つくづくこの勝利、ありがたいと感じてしまうんですが…。 ▽いえ、話は順番にしていきましょう。先週末のリーガ、トップバッターを務めたのはアトレティコだったんですが、ワンダ・メトロポリターノの2試合目がデーゲームというのは私にとって、周辺を観察するのにおあつらえ向き。さすがに午前10時までのチョコラーテ・コン・チュロス(ホットチョコレートと揚げ菓子、スペインの伝統的な朝食メニュー)無料配布には間に合わなかったものの、少し早めにメトロ(地下鉄)7号線のEstadio Metropolitano(エスタディオ・メトロポリターノ)駅を出て、スタジアム正面の歩道にある100試合以上に出場した歴代アトレティコ選手のプレートを見たり、taquilla(タキージャ/チケット窓口)がその正面左手側のプレハブ小屋にあるのを発見したり、ファンゾーンや軽食販売トラックが大賑わいしているのを眺めながら、一周してみたんですが、天気が良かったせいか、一番売れていたのはやっぱりビールだったかと。 ▽今のところ、クラブ博物館の移転はまだのため、付属施設がオフィシャルメガストアしかなく、そこは入り口に行列ができるぐらいの大混雑。時間が気になる試合前に行くのはあまりお勧めしませんが、この土曜のように試合が終わるのも早いと、正面右側、メトロの駅近くにあるスタジアム内駐車場の出入り口の周りで選手たちの車が出て来るのを待つファンもかなり多数いて、その頃でしたら、ストアの方も入り易くなっているかと思います。ただ、難点はアトレティコがアジアン・ゴールデンタイム枠に当たるのはあまりないことでしょうか。 ▽え、それより肝心のrival directo/リバル・ディレクトー(直接ライバル)との対戦はどうだったのか知りたいって? いやあ、ミッドウィークのアスレティック・ビルバオ戦から5人の選手をローテーション、しかもその試合同様、前半は大したチャンスもなかったアトレティコだったんですけどね。セビージャのカリッソも「Nos hicieron gol en la primera jugada del segundo tiempo」/ノス・イシエロン・ゴル・エン・ラ・プリメーラ・フガダ・デル・セグンド・ティエンポ(後半最初のプレーでゴールを奪われた)」と言っていたように、再開から1分で先制点をゲット。そう、ビエットのスルーパスを受けたカラスコがエリア内でGKセルヒオ・リコをかわしてガラ空きのゴールにボールを蹴り入れたんですが、おかげで最初から盛り上がっていたスタンドがますます沸き立つことに。 ▽これがまた、新スタジアムは上部に屋根がグルリとついているため、ビセンテ・カルデロンと違った響き方で、後でシメオネ監督も「Cuando la gente anima y grita parece un circo romano/クアンドー・ラ・ヘンテ・アニマ・イ・グリタ・パレセ・ウン・シルコ・ロマーーノ(人々が応援して大声を出すと、まるで古代ローマの円形闘技場のようだ)」と感心することしきり。更に24分にはカラスコがエリア内右側から出したパスを敵DFに取られそうになりながら、グリーズマンが必死に足を延ばしてボールを一旦外へ。それをフィリペ・ルイスが戻したところ、新スタジアム初ゴールに続き、リコの股間を抜くシュートで2点目にしてくれるんですから、ようやく彼にもエンジンがかかってきた? ▽結局、そのまま2-0と勝利、順位を逆転して2位となったアトレティコでしたが、相手のセビージャがリーガ3連戦の最後だったため、ノリートがケガで招集されていなかったり、ヘスス・ナバスも目立たったりと、プレーのレベルが落ちていたのに比べ、メンツが代わっても守備力はもちろん、ゴールも決められるようになった彼らには感心するばかり。これにはその日、午前中にメディカルチェックを済ませ、パルコ(貴賓席)で観戦していたジエゴ・コスタにもこの3カ月間で心してコンディションを整えないと、先発に食い込めないという危機感を与えたかもしれません。 ▽ただ本当に今季のチームに得点力があるのかどうかはこの水曜、今季2度目のヨーロッパの強豪との対決となるCLチェルシー戦を迎えてみないと何とも言えないんですが、いえ、同じ出戻り組のフィリペ・ルイスなど、「ジエゴがただの通過点ではなく、留まるために帰って来たのはアトレティコがビッグなクラブという証明」と自信を見せていましたけどね。2014年夏にチェルシーに移った最後の1人、後釜として来たオブラクが優秀なせいもありますが、これまで1度も復帰を乞われたことのないGKクルトワなど、「凄いFWだから、estoy contento de que hasta el proximo ano no tengamos que enfrentarnos a el/エストイ・コンテントー・デ・ケ・アスタ・エル・プロキシモ・アーニョ・ノー・テンガモス・ケ・エンフレンタールノス・ア・エル(来年まで彼と当たらなくて済むのにボクは満足しているよ)」と、FIFA処分でアトレティコがコスタを選手登録できず、年明けまでプレーできないことを歓迎。 ▽その辺はグリーズマン、コレア、フェルナンド・トーレス、ビエット、ガメイロら、今いるFWたちがそうは問屋が卸さないと発奮してくれることに期待するしかないんですが、要注意は先週末、プレミアリーグのストーク・シティ戦でハットトリックを挙げたモラタ。BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウドの頭文字)の頸木から放たれ、コンテ監督の下で爆発しているため、その日は休養をもらったゴディンも決して気を抜くことはできないかと。加えてペドロ、セスク、アスピリクエタといったスペイン人選手たちが見られるのも楽しみなアトレティコvsチェルシー戦は水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。1節はカラバフに大勝した相手とは対照的にローマとスコアレスドローだったアトレティコだけにここは絶対、勝ち点が欲しいところです。 ▽そして土曜の次の時間帯ではお隣さんがメンディソローサでアラベスと試合したんですが、メトロで40分程かけて自宅近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)に私が着いた頃にはすでに前半も30分が経過。こちらは現在、ケガ人が多いながら、CLドルトムント戦が火曜と近いため、ジダン監督はベイルやモドリッチをベンチスタートに。代わってセバージョスが先発デビューしていたんですが、その彼が早くも前半10分、アセンシオからのパスを敵DFにコースを塞がれる前に撃って先制点を挙げているんですから、これはもう、レアル・マドリーのスペイン人若手逸材獲得力を褒めるしかありませんって。 ▽一方、開幕から5連敗、20チーム中最初に監督解任踏み切ったアラベスもこの日はカベージョ暫定監督の下、意地を見せ、40分にはムニルのクロスをキャプテンのマヌ・ガルシアがヘッドで決めて同点に追いつくことに成功。でもその3分後にまたセバージョスにゴールを許し、再びリードされてしまってはねえ。後半はどちらもポストを叩くシュートがあったものの、得点は生まれず、そのまま1-2でマドリーが勝利することに。まあ、結果はこれでいいんですが、それにしても気懸りなのはジダン監督も「Para nosotros irnos con los dos goles es muy poco/パラ・ノソトロス・イルノス・コン・ロス・ドス・ゴーレス・エス・ムイ・ポコ(ウチにとって、2ゴールはとても少ない終わり方)」と言っていたように、最近の彼らはなかなかシュートが決まらないこと。 ▽とりわけミッドウィークのベティス戦で12本もシュートを撃ち、その日も8本撃ったものの、ロナウドが得点できなかったのは当人も試合中、かなりイラついていましたしね。ちょっと心配ではありますが、幸い次は気合が入るCLマッチ。しかもここ数年、恒例になっているドルトムントとのアウェイ戦となれば、きっとロナウドも照準を取り戻してくれるはずです。月曜に現地入りしたチームにはアラベス戦を肋骨の痛みでお休みしたクロースが復帰したものの、ベンゼマ、コバチッチ、マルセロ、テオ、バジェホはまだケガが治らず。その影響で右SBの控えがRMカスティージャ(マドリーのBチーム)から昇格したばかりのアシャーフしかいないため、開幕から10試合皆勤しているカルバハルの疲労が心配されますが、「Es joven y puede aguantar/エス・ホベン・イ・プエデ・アグアンタール(若いから耐えられる)」とジダン監督は気にしていないよう。 ▽どちらにしろ、今は左SB2名がおらず、万能DFのナチョをそこに充てないといけないため、カルバハルが出るしかないんですけどね。ちなみにドルトムントは開幕から5勝1分けでブンデスリーガ首位を走っており、とりわけ8得点を挙げているオーバメヤンが絶好調。その他、香川真司選手は途中出場が多いようですが、フィリップ、プリシッチなど、計19得点しながら、失点はたったの1と文句のつけようのない成績を挙げているものの、何故かCLでは1節のトッテナム戦に3-1で黒星スタートしています。うーん、これまでマドリーのジグナル・イドゥナ・パルクでの成績は3分け3敗とまだ白星がないのはちょっと心配とはいえ、火曜午後8時45分からの一戦では撃ち負けないでくれるといいですね。 ▽そして翌日曜はヘタフェ(マドリッド郊外)にメトロ10号線とメトロ・スールを乗り継いで向かった私でしたが、そこでは予期しないgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)にお目にかかることに。いえ、前日の兄貴分同様、前半をスコアレスで終え、柴崎岳選手の欠場が響いているのかなという印象もあったホームチームだったんですけどね。後半には秘密兵器が炸裂。それは後でボルダラス監督も「Le damos mucha importancia al balon parado y hemos conseguido el premio/レ・ダモス・ムーチャ・インポルタンシア・アル・バロン・パラードー・イ・エモス・コンセギードー・エル・プレミオ(ウチはセットプレーを重要視していて、ご褒美を手に入れた)」と満面に笑みを浮かべていた、週2回の非公開練習の成果だったんですよ。 ▽ええ、後半8分にはCKからカラのヘッドをアンヘルがゴール右前から頭で押し込み先制したかと思えば、いえ、18分の2点目はモリーナがセメドのパスミスを敵陣エリア前で奪って決めたんですけどね。24分にはFKからカラのヘッドはGKバルボサに弾かれたものの、ベルガラがこぼれ球を3点目に。ロスタイムにも最後の仕上げとばかり、アンヘルが再びFKからヘッドで4点目を入れているんですから、ビックリしたの何のって。もちろん、その日のビジャレアルのように集中力を欠いたチームも珍しいですけどね。まだ左足の第5中足骨のヒビを手術して治すか決める検査が残っており、復帰時期が見えない柴崎選手もこれには安心? それともアンヘルやアルバロ・ヒメネスに先発の座を固められてしまう方が心配でしょうか。 ▽そんなヘタフェはミッドウィークの苦行も今週はなくなり、土曜のデポルティボとのアウェイ戦にも余裕を持って臨めることになったんですが、その日の朗報はまだ終わらず。そう、丁度、駅から自宅への帰り道、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)でもう1つのマドリッドの弟分、レガネスが終盤に差し掛かっていたんですが、こちらも後半に入って掴んだボーヴュのゴールによる1点リードを必死で守っているだけかと思えば、ロスタイム最後のプレーで再びシマノフスキが絶妙のラストパス。今度はエラソが決め、ラス・パルマスに0-2と勝ったため、マドリッドの4チームが全て白星という最高の週末になることに。 ▽いえ、月曜の試合でサンティアゴ・ベルナベウでマドリーに勝って勢いに乗るベティスがレバンテに4-0で勝ったため、彼らはヨーロッパリーグ出場圏の6位から7位に落ちてしまったんですけどね。1つ上の大先輩、マドリーとたった勝ち点差1だけというのは大いに胸を張っていいかと。ただ次節はもう1つの兄貴分、アトレティコをブタルケに迎えるため、そうそう浮かれてもいられないんですが、それが終われば世間は各国代表戦ウィークに突入。ほとんど招集される選手がいないレガネスにとっては願ってもない練習漬けの2週間になるため、ここでマラガ戦の後はアスレティック・ビルバオ、セビージャ、バレンシアと続く、格上チームとの戦いを乗り切る力をつけてくれるといいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.26 13:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】アウェイの方がいいらしい…

▽「やっと来てくれた」そんな風に私が満足していたのは金曜日、ジエゴ・コスタがバラハス空港ターミナル4の到着ゲートから姿を現した映像をスポーツ紙のサイトで確認した時のことでした。いやあ、各TV局もお昼(スペインでは午後2時-4時がランチライム)のスポーツニュース枠で生中継しようと、現場にカメラとリポーターを張り付けていたものの、残念ながらタイムアップ。先日は当人がチェルシーと話し合うため、ロンドン入りしたなんて誤報もあったため、前夜にはすでにアトレティコのオフィシャルページに移籍決定と出ていても当人を見ない限り信用できないなと思っていたんですけどね。さすがに今度は間違いなかったようで、意外と体型も崩れていないのにホッとしたファンも多かったかと。 ▽いえ、ようやくアトレティコが3年前に3800万ユーロ(約51億円)でチェルシーに売ったコスタをクラブ史上最高額の5500万ユーロ(約74億円)+1000万ユーロ(約14億円)の成功報酬で買い戻したと言っても、FIFA処分の終わる来年1月まで彼がプレーすることはできないんですけどね。実際、夏の市場が閉じた後のこんな時期まで決まらなかったのはそのせいなんですが、母国ブラジルで3カ月ものバケーションを満喫する破目になった当人は「世間が言っている程、ひどい状態じゃないよ。プロフェ・オルテガ(フィジカルコーチ)が鍛えてくれるしね。Me dan miedo sus entrenamientos, no la bascule/メ・ダン・ミエードー・スス・エントレナミエントス、ノー・ラ・バスクラ(体重計より、彼のトレーニングの方が怖い)」とジョーク混じりにコメント。 ▽何にせよ、あと3ケ月もあれば、フィジカルコンディションも整い、木曜のアディダスのイベントでコケが「Con Diego tenía un entendimiento especial/コン・ディエゴ・テニア・ウン・エンテンディミエントー・エスペシアル(ジエゴとは特別な相互理解があった)。自分がボールを持つたび、彼がやろうとすることがわかったし、向こうもどこにパスが来るかわかっていた」と再会を喜んでいた元同僚とのフィーリングも戻ってくるんでしょうが、それまでが不安というファンもご安心を。アトレティコはこのミッドウィーク開催のリーガで当面、コスタがいなくても強いことを証明してくれたんです。 ▽え、次の時間帯にあるサンティアゴ・ベルナベウでのお隣さんの試合を見るため、水曜の私は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)をアスティック戦途中で出ないといけなかったんだろうって?その通りで目撃できたのは前半、ガイタンのシュートがポストに阻まれたり、グリースマンの一撃がGKケパにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたり、挙句の果てにはフィリペ・ルイスがエリア内でラウール・ガルシアを倒したと見なされ、PKを献上。幸いにもそれを2節のラス・パルマス戦のビエラに続き、GKオブラクがアドゥリスのキックも見事に弾き、いえ、1年前、ミラノでのCL決勝ではPK戦で1本も止められなかったことから、あまりparapenalti(パラペナルティ/PK止め屋)の呼び声はあまり高くない彼だったんですけどね。試合中のPKに限るとその日を合わせ、10本中6本を弾いているって物凄くない? ▽おかげでスコアは0-0のまま、後半が始まっていくらもしないうちにお店を出たところ、メトロ(地下鉄)の改札を通った瞬間、「Gooool! Gol del Atletico!/ゴル・デル・アトレティコ」という絶叫がオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)から伝わってくるのですから、運命とはかくも皮肉。ええ、10分にエリア内に走り込んだコケがグリースマンのスルーパスを受け、コレアに折り返すと、そのシュートが決まってアトレティコが先制点を挙げたんですが、まったくももう。試合の大半の時間、どうして彼らは上手くパスを繋いでシュートチャンスが作れないんだろうと常にイライラしている私が映像を見られなくなった途端、そんな絶妙のコンビネーションを見せるなんてあんまりじゃないですか。 ▽まあ、これもシメオネ監督も「今はより意識して練習に取り組んでいる。En el fútbol el trabajo paga y los resultados están a la vista/エン・エル・フトボル・エル・トラバッホ・パガ・イ・ロス・レスルタードス・エスタン・ア・ラ・ビスタ(サッカーでは努力が報われるし、結果は明白だ)」と褒めていた通り、コレアの成長を褒めるしかないんですが、更に私がサンティアゴ・ベルナベウの駅を出た時にはリードが2点に。こちらは28分、ヒメネスのスローインをサウルがグリースマンに繋ぎ、その浮かせたパスをカラスコがシュート。どうやら彼も監督の「Somos más fuertes cuanto mejor sea la competencia interna/ソモス・マス・フエルテス・クアントー・メホール・セア・ラ・コンペテンシア・シンテルナ(ウチはチーム内の競争が激しい程、強くなれる)」というメッセーッジを素直に理解したか、このところ途中出場が続いているにも関わらず、立派にアタッカーの責任を果たしてくれたようです。 ▽最後、ロスタイムにはバレンシアガのクロスをラウール・ガルシアが押し込んで、アスレティックに1点差と迫られたものの、アトレティコは1-2の勝利で新しいサン・マメスがオープンして以来、6勝1分けで無敗という記録を維持。もちろんゴールが2つも生まれたことは嬉しいんですが、相手のジガンダ監督も「PK失敗でウチはショックを受けた」と言っていたように、やはり勝利のポイントはオブラクが前半の失点を防いでくれたことにあったかと。当人は「Es una loetría/エス・ウナ・ロテリア(あれは宝くじのようなもの)。止められれば満足だけど、決められてもそんなに悔やんではいられないよ」といつものクールさを崩しませんでしたが、勝ち点を稼いでくれるGKっていうのはきっと、彼みたいな選手のことを言うんですよね。 ▽そんなアトレティコはもう土曜午後1時(日本時間午後8時)にはワンダ・メトロポリターノにセビージャを迎えるんですが、相手はこの5節、ラス・パルマスにマンチェスター・シティから古巣に戻って来たヘスス・ナバスのゴールで1-0と勝利。現在、3位のアトレティコの勝ち点2上をいく2位につけています。まさにベリッソ監督も「Somos rivales directos/ソモス・リバレス・ディレクトス(我々は直接のライバルだ)」という状況で、新スタジアムでの2戦目に挑むアトレティコも油断できないんですが、2019年のCL決勝会場に選ばれたこともあってか、周辺でのフィエスタは今回も続行。ええ、朝9時から10時までのchocolate con churros/チョコラーテ・コン・チューロス(ホットチョコレートと揚げ菓子、スペインの伝統的な朝食メニュー)の無料配布に始まり、キッズ用とコンサート用の2つのファンゾーンもオープンするのだそう。 ▽木曜時点で1000枚残っていたというチケットも運が良ければ、当日、スタジアムのチケット売り場で買えるようですし、先週オープンしたメガストアも他のお店であまり見かけない、歴代の紋章がプリントされたビンテージシリーズなどが置いてあって面白いし、試合後も軽食販売のバンではハッピーアワーを開催と、マドリッド観光に来ている日本人が立ち寄っても半日ぐらい楽しめそうなんですが…万が一、チケットが売り切れていた場合、スタジアム近隣にTV観戦できるバルがないというのがネックでしょうか。そうそう、金曜夜に前日合宿に入ったメンバーからはフェルナンド・トーレスとヒメネスが監督の戦略的判断で外れ、ベルサイコがリスト入り。前節終盤に痛みを覚えて交代したフィリペ・ルイスは回復したようです。 ▽え、それより大変なことになってしまったお隣さんの話を聞きたいって?そうですね、実はその水曜、アトレティコと同時進行でマドリッドの弟分、レガネスが昇格組のジローナとブタルケでスコアレスドローに終わった後、ベティス戦に挑んだレアル・マドリーだったんですが、いえ、予定通り、5試合の出場停止処分が終わったクリスチアーノ・ロナウドはリーガ初先発したんですけどね。それでもポルトガル代表戦やCLアポエル戦などでゴールを挙げていることから、火曜のエイバル戦でのpoker(ポケル/1試合4得点のこと)で早くも9ゴールとリーガ得点王レーストップを独走するメッシ追撃を早速、始めてくれるものと思いきや、その日の彼はまったくシュートが決まらず。 ▽ただそれはロナウドだけでなく、ベイルもイスコもクロースも同じだったんですが、うーん、このところ、ホームゲームではバレンシア、レバンテ戦とドローが続いていたとはいえ、後半半ばから根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)モードに入られてもねえ。先日は契約を2022年まで延長、それだけにこの日は張り切ってピッチに立ったイスコなども「Si no metemos un gol pronto en el Bernabéu nos entra ansiedad/シー・ノー・メテモス・ウン・ゴル・プロントー・エン・エル・ベルナベウ・ノス・エントラ・アンシエダッド(ベルナベウでは早くゴールを入れないと焦りが生じる)」と言っていましたが、実際、25分のマルセロ負傷と同時にジダン監督がdoble cambio(ドブレ・カンビオ/2選手交代)をした折など、一時、ルーカス・バスケスとマジョラルが入りながら、もう1人アウトする選手が誰かわからず。ピッチに12人いるなんて不可解な状況、私も初めてお目にかかりましたっけ。 ▽結局、ここではモドリッチが退き、ロナウド、ベイル、マジョラル、アセンシオ、ルーカス・バスケスの5人FW体制となったマドリーでしたが、それでも得点には至らず。ロスタイムにはセルヒオ・ラモスも前線に張って、93分の奇跡を狙ったんですが…まさかロスタイム4分、その試合最初のシュートを撃っていたサナブリアにノーマークでグアルダードのクロスをヘッドされ、土壇場の決勝点という十八番を奪われてしまったから、私も呆気にとられるばかり。だって3連戦の谷間ということもあって、セティエン新監督はキャプテンのホアキンやメキシコシティ大地震で傷心のグアルダードを温存、後半終盤まで出さなかったんですよ。それどころか、ファビアンやフランシスといったカンテラーノ(ベティスB出身の選手)の抜擢が当たり、敵の猛攻に耐え抜くと、0-1でベルナベウでは19年ぶりとなる勝利をもぎ取ってしまうって、こんな監督冥利に尽きる試合はない? ▽いえ、当人は「Ganar aquí es sabiendo que vas a sufrir y que tienes que tener suerte/ガナール・アキー・エス・サビエンドー・ケ・バス・ア・スフリル・イ・ケ・ティエネス・ケ・テネール・スエルテ(ここで勝つには苦しむことを知り、ツキもなければならない)」と謙遜していましたけどね。実はこのセティエン監督、昨季もラス・パルマスを率いてマドリーとの2試合にドロー。今までと打って変わって、ベティスがパスを丁寧に繋げるチームになっていたのにも驚かされたものですが、逆にちょっと心配なのはジダン監督の方で、だって「No quiso entrar el balón, tuvimos 26 ó 27 ocasiones/ノー・キソ・エントラール・エル・バロン、トゥビモス・ベインティセイス・オ・ベインティシエテ・オカシオネス(ウチは26、7回、シュートしたが、ボールがゴールに入りたがらなかった)」なんて、お隣さんではよくあるにしても天下のマドリーでは絶対、通じない言い訳だから。 ▽おかげで首位バルサとの差がまだ9月なのにも関わらず、勝ち点差7に開いてしまい、こんな時期から奇跡の逆転優勝の話をしないといけなくなりそうなのは私も辛いんですが、それでもアウェイでは好調なマドリーですからね。マルセロが左太もも肉離れで全治1カ月、テオも先週末のレアル・ソシエダ戦で肩を半脱臼して2週間、更にクロースも肋骨が痛んでお休みと、まだベンゼマも全快せず、メンバー的にはちょっと不安がある彼らですけどね。移籍して2試合に出ただけではありますが、エンソとジダン監督の親子対決が実現するかもしれないアラベス戦は土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)にキックオフ。ちなみに相手は開幕から5連敗中で、4節にはスベルダ監督を解任、金曜にはデ・ビアージ氏が後継に決まったものの、この試合はハビエル・セバジョ暫定監督のまま戦うようです。 ▽そして木曜には弟分の片割れ、ヘタフェがアウェイでセルタ戦だったんですが、前半24分にマキシ・ゴメスに奪われた先制点を後半40分、途中出場コンビのアルバロ・ヒメネスのパスからアンヘルが決め、1-1の引き分けに持ち込んでボルダラス監督のチームが意地を見せたというのはまあ、喜ばしいんですけどね。実は同日のお昼、オペラ近くの「くらや」という比較的新しいラーメン屋でランチを私がとっていたところ、いきなり柴崎岳選手が友人連れで隣のテーブルに現れるというハプニングが勃発。こんなことがあるなら、火曜にヘタフェの練習見学に行った際、せっかく海を越えて応援に来ながら、バルサ戦のケガでリハビリ中のため、グラウンドで当人を見られず、それではと、彼の白いベンツが駐車場から出て来るのを待ちながら、タッチの差で止まってもらえなかった日本人女子2人に教えてあげたかったと思ったものですが、まあ私も10年以上、マドリッドにいて、選手とお店で出くわすなんて初めての体験でしたからね。 ▽あまり期待するのもどうかと思いますが、肝心の柴崎選手のケガの状態は金曜と言っていたクラブのパルテ・メディコ(負傷者情報)が出ず。よって正確にはわからないんですが、AS(スポーツ紙)の番記者が夜に出した記事によると、左足第5中足骨にヒビが入っており、全治2カ月程だとか。うーん、ボルダラス監督やクラブ広報は楽観的でしたし、ラーメン屋で見た彼も楽しそうにお喋りしていたため、まさかそんな重傷とは私も思わなかったんですけどねえ。これが本当だとすると、すでにセルタ戦でも前線に繋げる選手がいないせいか、後方からロングボールを放り込むという、どこかアバウトなサッカーになっていたヘタフェにとっては大打撃。日曜のビジャレアル戦からあと7試合、何とか乗り切って、同日、ラス・パルマスと顔を合わせるレガネス共々、柴崎選手の復帰まで降格圏外を維持できるといいのですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.23 08:20 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】何とか両方無事に見られた…

▽「嫌疑が晴れて良かったわ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜。バルベルデ監督の記者会見の内容を知った時のことでした。というのも、先月、ネイマールがPSGに移籍した穴を埋めるため、1億5000万ユーロ(約200億円/ボーナス込みの金額)という巨額移籍金を払ってドルトムントから獲得したデンベレが、先週末にコリセウム・アルフォンソ・ペレスでハムストリングを断裂…。いえ、今はカタールのアル・サッドでプレーするチャビ以来、バルサの選手たちが「en ese campo no se podía jugar/エン・エセ・カンポ・ノー・セ・ポディア・フガール(ここのピッチじゃプレーできない)」(デウロフェウ)、「Antes de empezar el partido ya vimos que estaba alto y seco/アンテス・デ・エンペサール・エル・パルティードー・ジャー・ビモス・ケ・エスタバ・アルト・イ・セコ(試合が始まる前から、芝が長くて乾燥していたのはわかった)」(デニス・スアレス)とアウェイのピッチコンディションに文句をつけるのはお約束のようなものなんですけどね。 ▽そこに運が悪くもデンベレが全治4カ月という重傷で、4年前にもネイマールがコリセウムの同じような場所で筋肉系のケガをしていることも重なって、その原因は整備責任者のヘタフェにあるんじゃないかと疑われてしまったんですが、バルベルデ監督は「No creo que tuviera una incidencia decisiva el estado del césped/ノー・クレオ・ケ・トゥビエラ・ウナ・インシデンシア・デシシバ・エル・エスタードー・デル・セスペッド(芝の状態が決定的だったとは思わない)」ときっぱり否定。曰く、「彼のように大きなケガをしたことのないサッカー選手は体に違和感があってもそれが何か、理解する経験に欠けている。自分もやったことがあるが、taconazo(タコナソ/ヒールキック)はもっとも大腿2頭筋に負担をかける動き。ベテランなら無理せず、ボールを見逃しただろう」とのことですが、え、だったら柴崎岳選手はどうして足首を痛めて途中交代してしまった? ▽それはヘタフェのボルダラス監督も「Ha sido el sólo. Ha notado una molestia grande en el pie/ア・シードー・エル・ソロ。ア・ノタードー・ウナ・モレスティア・グランデ・エン・エル・ピエ(1人でやったケガで、足がひどく傷むのに気づいた)」と言うだけで、まだ検査結果がクラブから発表されていないため、程度もわからないんですけどね。今のところ、木曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのセルタ戦に出られるかは微妙。当人も差し当たり、火曜のカンプ・ノウで日本代表の同僚、乾貴士選手がバルサにリベンジしてくれることを願うばかりかと思いますが…。まあ、こればっかりはねえ。金曜にはマドリッド勢の弟分の片割れであるレガネスを、それこそ乾選手のアシストからガルベスがヘッドを決めて1-0で破ったエイバルですが、デンベレの早期負傷交代はまったく影響なく、バルサがヘタフェに逆転勝ちしたことを考えると、あまり過度の期待を懸ける訳にもいかないかと。 ▽そう、その土曜の試合、「No estábamos jugando rápido y el campo no nos ayudaba porque el balón no corría/ノー・エスタバモス・フガンドー・ラピド・イ・エル・カンポ・ノー・ノス・アジュダバ・ポルケ・エル・バロン・ノー・コリア(ウチはスピードのあるプレーをしていなかった。ピッチもボールが走らず、助けにならなかった)」とバルベルデ監督は言っていましたっけ。そんな試合は40分、FKから始まって、ベルガラが頭で落としたボールを柴崎選手がエリア前からシュート。これが見事に決まって、ヘタフェが先制。私の隣に座っていた顔なじみのヘタフェ番女性記者など、「golazo(ゴラソ/スーパーゴール)って日本語でどう書くの?」とノートに綴った文字をスマホで撮るぐらいハシャイでいたものですけどね。 ▽チラホラとスタンドにいた日本人ファンも大喜びしていたんですが、後半はイニエスタをデニス・スアレスに代えてきたバルサが底力を発揮。ええ、ボルダラス監督は「ゴールの前にアントゥネスへのファウルがあった」と言いますが、51分にはセルジ・ロベルトがエリア内右奥からフリーのデニス・スアレスにラストパス。そのシュートが決まって同点に追いつかれただけでなく、83分には伏兵も登場したんですよ。それは中国の広州恒大から来たということでどこか、これまで過小評価されていた感のあったパウリーニョ。メッシからスルーパスをもらってエリア内に入り込むと、ジェネが邪魔するのをモノともせず、強烈な一撃でGKグアイタを破り、ブラジル代表の貫録で決勝点を挙げてしまったから、驚いたの何のって(最終結果1-2)。 ▽おかげで1部復帰ホームデビューだったセビージャ戦同様、土壇場の失点で引き分けを逃してしまったヘタフェですが、まだ先は長いですからね。ただコリセウムではこの日曜がビジャレアル戦、その次は各国代表戦を挟んで10月14日にレアル・マドリー戦と強敵が続くため、初勝利を掴むのはなかなか大変そうなんですが、その辺、アウェイのセルタ戦、デポルティボ戦で埋め合わせできるといいんですが…。 ▽その試合の後は知り合いの車に乗せてもらい、メトロ(地下鉄)7番線の途中の駅からエスタディオ・メトロポリターノで下車。キックオフ1時間程前にはスタジアムに着いた私でしたが、恐れていたような大混雑にも遭わず。というのもクラブや市当局が再三、早めの来場を勧告したり、隣接のメガオフィシャルショップを午前10時にオープンしたり、周辺に設けたファンゾーンでキッズパークやコンサートなどのアクティビティを昼間からやっていた甲斐があったんですかね。ビセンテ・カルデロンとお別れして3カ月余り、この日を待ちわびていたファンたちは午後7時の開門から三々五々、入場していったようです。帰りのメトロ入口が凄いことになっていたらしいのはともかく、スペイン国王フィリペ6世もパルコ(貴賓席)観戦したアトレティコの新しいホームでのマラガ戦を試合前のセレモニーから楽しむことができたのは非常に嬉しかったかと。 ▽まあ、始球式にクラブのレジェンド、ガラテとフェルナンド・トーレス、そしてカンテラ(ユース組織)の少年の3人が登場。パスを回して、先発ではなかったトーレスがベンチに戻るというのはご愛嬌でしたけどね。シメオネ監督も「Nunca vi una cosa igual. Las banderas flameando todas juntas/ヌンカ・ビ・ウナ・コーサ・イグアル。ラス・バンデラス・フラマンドー・トーダス・フンタス(同じことは見たことがない。全てのフラッグが一斉に振られていた)」と感動していたようですが、ただ、ボールが走り出すとそこにいるのはいつものアトレティコ。前半は開幕3連敗で腰が引けていたか、専守防衛のマラガをまったく崩せず、大いにイライラさせられることに。 ▽それどころか、38分にはアトレティコのカンテラ出身のボルハ・バストンに至近距離からシュートを撃たれ、「メトロポリターノの初ゴールを挙げるのはカンテラーノだといいね」と言っていたサウールの希望が皮肉な形で実現してしまうところでしたが、そこはGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)で危機を回避。シメオネ監督もこのままだと先週火曜のCLローマ戦と同じになってしまうと恐れたか、後半開始からはガビ、コケ、サウール、トーマスのカンテラーノ4人の中盤を諦め、トーマスに代えてカラスコを投入したものの、その効果もすぐには見えなかったんですが…。 ▽ええ、丁度、テコ入れ第2弾として、「最初はちょっと変な感じで、ホームじゃなくて、何かの決勝を戦っているような感じだったけど、con la afición, con nuestras canciones...empezamos a notarlo nuestro/コン・ラ・アフィシオン、コン・ヌエストラス・カンシオネス…エンペサモス・ア・ノタールロ・ヌエストロ(ファンやボクらの歌…それで自分たちのホームだと気づき始めた)」というトーレスがライン際で出場を待っていた時でしたっけ。アトレティコが一瞬だけ、輝きを放ってくれたんですよ。 ▽それは60分、コレアがマラガのDFをかわしてエリア内奥から出したパスをグリーズマンが方向を変えたところ、やはりアトレティコのカンテラーノだったGKロベルトを破ってネットに突き刺さったから、それまで途切れなく応援していた場内がどんなに盛り上がったことか。ようやく虎の子の1点を手に入れた彼らはまあ、最後はまたオブラクに助けられたりもしたんですけどね。何とか最後まで1-0を保って、胸を張って試合後のイベントに臨めることに。 ▽え、選手全員揃ってvuelta de honor(ブエルタ・デ・オノール/ファンに感謝するピッチ一周)をしたり、その後はド派手な打ち上げ花火をしたりだなんて、トロフィーがないだけで、まるで優勝祝いみたいじゃないかって? そうですね、これで選手たちが満足して、今季は他に何もなしで終わってしまったりしたら困りますが、一応、殊勲のゴールで夏のマンチェスター・ユナイテッド移籍騒動や開幕ジローナ戦で退場、リーガ2試合に出場停止になってチームに迷惑をかけた件をチャラにしてしまった形のグリーズマンなど、「タイトルを祝えるよう、できることは全てやるよ。Todos tenemos ganas. Yo el primero/トードス・テネモス・ガナス。ジョ・エル・プリメーロ(皆がやる気だ。ボクが一番にね)」と意欲を見せてくれましたしね。 ▽その辺はまず、水曜午後午後8時(日本時間翌午前3時)からのアウェイ、ビルバオ戦で証明してもらいたいものですが、さて。日曜の練習にこのマラガ戦をケガで欠場したヒメネス、ヴルサリコが復帰したアトレティコは再び、ワンダ・メトロポリターノに戻って来る土曜に強敵セビージャを迎えるため、サン・マメスではローテーションが考えられますが、相手も日曜のラス・パルマス戦では1-0で負けてしまったものの、ビルバオはヨーロッパリーグに出場しているチームですからね。シメオネ監督もここは頭の悩ませどころでしょうか。 ▽そして翌日曜、セントロ(マドリッド市内中心部)に戻るまでメトロに30分近く乗らないといけないため、午前様になってしまった私が大寝坊をしてしまったのはレアル・マドリーの試合が夜の時間帯だったのもありますが、大丈夫。このソシエダ戦が出場停止処分5試合の最後となるクリスチアーノ・ロナウドが彼女のジョルジーナさんと前夜、古巣のスポルティングを見にリスボンに行ってしまおうと、マルセロも前節に退場して今回はお留守番になろうと、ベンゼマやコバチッチが負傷離脱中だろうと、クロースが軽いケガでお休みしようと、彼らには代わりになる選手がいるんです。 ▽その第一人者は、バレンシア戦に続いてドローに終わったレバンテ戦でベンチに入れていなかったのをジダン監督も深く反省したんでしょうかね。この日、初先発に抜擢されたCFマジョラルが序盤から躍動。ええ、18分にはセルヒオ・ラモスが敵DFに引き倒されながら、chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)を試みようとツマ先で上げたボールをかっさらい、先制点を決めているんですから、マドリーのカンテラーノもしっかりしているじゃないですか。 ▽ただ残念ながら、このリードは長くは続かず、10分後にはソシエダの右SBオドリオソラのクロスを左SBケビン・ロドリゲスがvolea(ボレア/ボレーシュート)。ボールがGKケイロル・ナバスの手をすり抜けて、スコアが同点となり、アノエタのゴール裏に設けられた簡易スタンドにいた応援団が前のめりになったため、看板が落ちてTVのカメラマンが骨折するなんて騒ぎにもなったんですが…。しかしマジョラルは35分の2点目にも貢献。うーん、どちらかというと、直前、再び同じ形でケビンのシュートがゴールバーを直撃、そこからカウンターでマドリーが攻め上がり、マジョラルがアセンシオに向けて出したラストパスをカットしようと突っ込んだのがこれまた、ケビンだったことの方が私には驚きだったんですけどね。 ▽エウセビオ監督も「彼についてはelogiar que haya llegado de una portería a otra para ayudar al equipo/エロヒアル・ケ・アジャ・ッジェガードー・デ・ウナ・ポルテリア・ア・オトラ・パラ・アジュダール・アル・エキポ(一方のゴールからもう一方のゴールにチームを助けるため、駆けつけたことを褒めるばかり)」と言っていましたが、その結果はオウンゴールという最悪な形になることに。加えて、このフランス人のカンテラーノは60分、イスコが自陣から出したパスを追うベイルと70メートルのガチンコで徒競争。時速35キロにも達するスピード自慢の相手に追い抜かれてしまい、最後はGKルリの頭を超えるシュートで3点目を奪われたとなれば、とてもその夜、マドリー戦初得点を祝う気にはならなかったに違いありませんって。 ▽結局、これで1-3と快勝したマドリーでしたが、何より良かったのは水曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、ホームにベティスを迎える前にベイルがゴールを挙げて、自信を取り戻してくれたこと。いえ、本人は昨今、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドからpito(ピト/ブーイング)が聞こえてきても「そういうのはサッカーではよくあるし、コントロールはできない。ブーイングされないよう、練習しないとね」とあまり気にしていないようでしたけどね。ジダン監督も「Para mí esta no es todavía su mejor version/パラ・ミー・エスタ・ノー・エス・トダビア・ス・メホール・ベルシオン(私にとってはまだ、最高のバージョンじゃない)。もっと上手くできるのだから、辛抱してやらないと」と言っていましたが、それって、マドリーファンには一番ないものですよ。 ▽とにかく早々に復調してくれるに越したことはないんですが、一方のベティスも先週末、デポルティボにホアキンのdoblete(ドブレテ/1試合2得点)で2-1と勝利。キケ・ステイン新監督の下で徐々に進歩してきているようなので、マドリーも油断は大敵です。とはいえ、今度は先週のCLアポエル戦で2ゴールを挙げたロナウド、そしてマルセロ、クロースも出られますからね。ソシエダ戦で頑張ったマジョラルや左SBのテオなどは控えに戻る可能性が高いんですが、何せライバルのバルサは開幕4連勝で、アトレティコも同じですが、現在の勝ち点差は4。これ以上広がると先々、面倒なため、まずはガッチリ勝利を掴んでおかないといけませんよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.19 12:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】得点しなくちゃ始まらない…

「怖くないんだ」そんな風に私が驚いてしまったのは木曜日、2時間半もの長い練習を終え、グラウンドから引き揚げてきたボルダラス監督に次はバルサ戦だから、ドキドキしていると私が打ち明けたところ、「Un partido bonito/ウン・パルティードー・ボニート(美しい試合だ)。楽しみにしているよ」という答えが返ってきた時のことでした。いやあ、もちろんプロの監督さんですから、チームを勝利に導くため、強敵をあっと言わせるような戦略を練るなり、ウィークポイントを探すなり、弱気になっているヒマなどないのはわかりますけどね。2004年にヘタフェが最初に1部に上がった頃から、彼らを見ている私にはあまりバルサ戦でのいい思い出はなし。 ▽それもそのはずで、ここまでリーガ24試合ではたったの2勝だけ。シュスター監督時代の2007年コパ・デル・レイ準決勝ではカンプ・ノウでの5-2負けをコリセウム・アルフォンソ・ペレスで4-0と大逆転、初の決勝進出を果たしたなんてこともあったものの、その1stレグでメッシがマラドーナばりに何人ものDFをかわして決めたゴールは今でも当人の名ゴール集ビデオの定番ですし、実際、彼1人に17試合で18得点も挙げられているんですよ。この火曜にバルサが3-0で勝ったCLユベントス戦でも2ゴールと、大体、相手は開幕からリーガ3連勝の首位チーム。となれば、前節、ようやくマドリッドの弟分ダービーでレガネスを倒し、今季初勝利したばかりのヘタフェにはちょっと荷が重いかもと思ってしまう私はシビアすぎる? ▽ただ、とにかくメッシにボールがいかないようにして守り倒すしかないと悲観してしまう自分とは違い、バルダラス監督は攻撃は最大の防御と思っているんでしょうかね。その日のセッションでは全体練習が終わった後、柴崎岳選手も含む攻撃陣9人だけが残って、30分以上もシュートを特訓。レガネス戦ではアランバリ、アルバロ・ヒメネスのゴールがエリア外から決まったのに味をしめたか、パスを繋いで2列目から上がった選手が撃ったり、コーチの出すボールをエリア内で反転してシュート、5本決めた選手は終わりといったメニューをこなしていましたが、ちなみに日本人のカップル1組が見守る中、柴崎選手は3人目に上がっていましたっけ。 ▽うーん、最後まで残っていたのはアトレティコからレンタル中のアマトと控えCFのアンヘルだったのは何ですけどね。もちろん前日、金曜のスタジアム非公開練習では守備にも万全を期すはずですが、果たしてあのバルサに撃ち合いを挑んで勝算があるのかどうか。とはいえ、どこぞのチームももう少し、そういう得点力アップへ努力する姿勢を見習ってほしいと思ったのは事実だった訳で…。 ▽ええ、アトレティコです。月曜の記者会見ではシメオネ監督も「今のように努力を続けたら、遅かれ早かれCL優勝は達成できる」と力強いことを言っていたため、ローマ戦には私も期待していたんですけどね。いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)の有料チャンネルに何故か、その試合のメニューがなく、4試合が代わる代わる映るマルチチャンピオンズで見る破目になったのはともかく、寂しかったのはバイエルン、PSG、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーと次々ゴールが決まっていくにも関わらず、待てど暮らせど、アトレティコの今季CL初得点の映像が届かなかったこと。 ▽いえ、中盤をガビ、トマス、コケ、サウルのカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)で固め、「ボールを奪って、敵MFのバックを取れるよう、jugue con esos cuatro centrocampistas/フゲ・コン・エソス・クアトロ・セントロカンピスタス(あの4人のMFを使ったんだ)。後半はスピードのある選手(コレア、カラスコ、ガイタン)でプレーのテンポを上げて、疲れた相手がついて来られないようにした」というシメオネ監督の作戦は見事に当たり、シュートだけなら20回も撃ったんですけどね。 ▽うち12回は枠内だったんですが、序盤にサウルのボールがポストをかすめたのに始まり、32分にはコケの至近距離からのシュートもDFマノレスにライン前でクリアされる始末。ビエットなどに至っては先日のバレンシア戦に続き、後半の絶好機にvaselina(バセリーナ/ループシュート)をGKアリッソンにそらされて、深刻なゴール入らない病の疑いがますます濃くなることに。 ▽そして極めつきは後半ロスタイム、CKからのサウルのヘッドがまたしてもアリッソンに弾かれてしまったのはまだしも、素早い反応で当人がこぼれ球をゴール前から蹴ったところ、ポストに当たって入らないって一体、どうなっている? 結局、そのまま試合はスコアレスドローで終わり、この夏、選手が大量に変わり、「ウチはまだ建設途上のチームだから」というディ・フランチェスコ監督は満足そうだったんですけどね。シメオネ監督も「Nosotros estamos creciendo, estamos mejorando, con pasos lentos/ノソトロス・エスタモス・クレシエンドー、エスタモス・メホランドー、コン・パソス・レントス(ウチは成長し、改善している。ゆっくりとだけどね)」と勝ち点3が取れなかったことにそれ程、失望はしていなかったんですが、いやいや。だって、CLグループリーグ2節でアトレティコはその日、カラバフに6-0と大勝したチェルシーを迎えるんですよ。 「ボクらはここまで全部アウェイ戦で物凄い努力を強いられてきながら、el equipo responde bien, falta meter gol, pero este es el camino/エル・エキポ・レスポンデ・ビエン、ファルタ・メテール・ゴル、ペロ・エス・エル・カミーノ(チームはいいリアクションをしている。ゴールが足りないけど、これが行くべき道だ)」なんて言っていたコケみたいな選手もいましたけどね。でも点が入らないと勝てないし、グループ2位以上で決勝トーナメントに行かないと、せっかく獲ったビトロ(今はラス・パルマスにレンタル中)も、ようやくチェルシーと交渉を始めたジエゴ・コスタが来ても宝の持ち腐れになるってわかっている? ▽え、ローマに勝てなかったのはここ2試合、リーガ戦出場停止でプレーできなかったグリースマンが先発しながら、その憂さを晴らすような活躍を見せてくれなかったせいもあるんだろうって? そうですね、その辺り真逆なのがお隣さんで、水曜にアポエルをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたレアル・マドリーではスペイン・スーパーカップ2ndレグでの退場で5試合の処分を受け、まだ今季リーガ戦に出場していないクリスチアーノ・ロナウドが大張り切り。前日、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場を私が訪れた時は15分の公開時間でロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)しか見せてもらえなかったため、よくわからなかったんですが、敵の堅い守りに手を焼いていた前半、12分には早速、ベイルのラストパスを撃ち込み、先制点を挙げてくれるんですから、まったく羨ましい限りじゃないですか。 ▽ええ、それこそ「Es el mejor del mundo, siempre esta ahi, siempre mete goles/エス・エル・メホール・デル・ムンドー、シエンプレ・エスタ・アイー、シエンプレ・メテ・ゴーレス(彼は世界一の選手。常に必要な場所にいて、常にゴールを入れてくれる)」とジダン監督が言う通りなんですが、残念ながら後半すぐにゴールバーを直撃して、ライン上でバウンドしたシュートはホークアイの判定でゴールにならず。6分にはベイルのクロスをアポエルのロベルト・ラゴが腕に当ててもらったPKを決め、2点目を取った後、自身で走ってボールをセンターサークルまで運ぶ程、当人のハットトリック願望は高かったものの、終盤のゴールもオフサイドで認めてもらえなかったのはツイていなかったかと。 ▽ただ後半16分、マドリーには追加点が生まれていて、その殊勲者はセルヒオ・ラモス。中盤で敵からパスを受けた後、マルセロに繋いで自分もガンガン上がり、最後はベイルが頭で落としたボールをchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でゴールにするって、もうこの人、本当にDF? これにはジダン監督も「Yo no podia hacer eso, solo lo pueden hacer pocos/ジョ・ノー・ポディア・アセル・エソ、ソロ・ロ・プエデン・アセール・ポコス(私にはああいうことはできなかった。できるのは僅かな選手だけだよ)。セルヒオは普通、頭で決めるんだが、ちょっと妙なオーバーヘッドだったね」と苦笑いしていましたが、何はともあれ、これでスコアは3-0。おかげでセバージョス、マジョラルがCLデビューの機会をもらえることになりましたっけ。 ▽まあ、相手は試合後、ドニス監督からして「マドリーはウチの可能性の上を行くチーム」とあっさり敗北に納得していたようなアポエルなので、3-0で快勝も当然だったかと思いますが、実はネガティブなこともあって、いえ、馴染みの番記者たちが「きっとラモスは子供の頃、パパとビーチでオーバーヘッドの練習をしたみたいな話をしに出てくるぞ」と、ゴールの後、太もも前面に新たに刻んだ手紙のようなタトゥーを披露した理由を聞くのを期待していたにも関わらず、当人がミックスゾーンで止まらなかったことじゃありませんよ。1つ目は前半途中でクロースに交代したコバチッチが太ももの筋を部分断裂、全治2カ月の重傷だったこと。ローテーション政策をとるジダン監督にとって、持ち札が1枚減ってしまったことになりますが、もう1つ、この日はチームの3点全てに絡んでいたにも関わらず、ベイルにpito(ピト/ブーイング)をするファンがいたのも如何なものと。 ▽ええ、今季まだ1得点で決して本調子とは言えない彼ですけどね。現在、ベンゼマも1カ月の負傷離脱、もう1人のCFマジョラルはここぞという時に頼りにするには経験が足りないという事情があるこの時期、ホームのサポーターが選手のやる気を削ぐような真似はしない方がいいのでは? 何せ今週末、日曜のレアル・ソシエダ戦では出場停止最後の試合でロナウドが再び出られず、更に前節レバンテ戦で退場したマルセロも上訴委員会のおかげで試合数は1つになったものの、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート、ソシエダのホームタウン)には行けず。その上、バルサ同様、開幕3連勝で首位に並んでいるソシエダは木曜のヨーロッパリーグ・グループリーグ1節ローゼンボリ戦にも4-0と大勝してノリノリですからね。 ▽1節でトッテナムに3-1負けと予想外の結果を出したドルトムントを訪れるCL次戦のことはまだ考えなくてもいいものの、バレンシア、レバンテと2試合連続で引き分けて、リーガではすでに永遠のライバルと勝ち点差が4もついてしまったマドリーですし、たとえ、弟分のヘタフェが渾身の力を振り絞って、土曜の午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでバルサを倒してくれたとしても、日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合で自身が勝たなければ、まったく意味がありませんって。 ▽一方、そのヘタフェvsバルサ戦の後、土曜の午後8時45分から、ワンダ・メトロポリターノのこけら落としでマラガを迎えるのがアトレティコなんですが、いえ、選手たちは木曜に初めて新スタジアムのピッチで練習できて嬉しそうでしたけどね。試合観戦の梯子をする予定の私は今から戦々恐々。というのも当局から、スタジアムへは公共交通機関を使い、混雑を見越して2時間前には着くようにとの通達が出ていると聞いたから。 ▽うーん、確かに私も初めての会場ではゲートがわからず、気がついたら一周していたという経験が多いため、早めに着きたいんですが、ヘタフェ(マドリッド郊外)から、セルカニアス(国鉄近郊路線)とメトロ(地下鉄)を乗り継いで、最寄り駅のエスタディオ・メトロポリターノまでの所要時間は1時間越え間違いなし。タクシーもスタジアム付近の渋滞に巻き込まれる心配が大きいですし、何とかスムースに移動できることを祈るばかりかと。これって、今季はまたマドリッドの1部チームが4つになった弊害でもあるんですが、記念のオープニングマッチで3試合ぶりにアトレティコがゴールを挙げる姿を見逃したらと思うと、もう気が気ではありません。 ▽そうそう、最後に今節、レガネスは金曜にアウェイでエイバル戦なんですが、開幕から4試合中3試合が金曜開催って、ちょっと可哀そうすぎ。それでも前節はヘタフェに負け、初黒星を喫したものの、まだ勝ち点6でマドリッド勢一番上の5位にいますからね。先週はセビージャに3-0と完敗したエイバルですが、あちらは水曜のCLでリバプールと2-2で引き分けたくらいレベルの高い相手。決して乾貴士選手のいるチームが弱い訳ではないため、決して油断をせず、いい結果をイプルア(エイバルのホーム)から持ち帰ってくれるといいのですが。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.15 16:53 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールが入らない日もある…

▽「このままじゃ独走されてしまう」そんな風に私が怯えていたのは日曜日、リーガ第3節も5-0でエスパニョールとのダービーに快勝と、開幕3連勝中のバルサがマドリッドの両雄に順位表で勝ち点4差をつけて首位にいるのを見た時のことでした。いやあ、カンプ・ノウではアルゼンチン代表が来年のW杯に出場できるかできないかの瀬戸際にいる憂さを晴らすが如く、メッシがハットトリックを挙げ、スタンドは「Nobita Dimision!/ノビタ・ディミシオン(ドラえもんののび太/バルトメウ会長のあだ名、辞めちまえ)」という大合唱。経営陣と選手たちの仲が最悪と言われ、メッシやイニエスタの契約延長問題にも決着がつかないでいる彼らなんですけどね。 ▽逆に片やこの夏、すでに2つもスーパーのつくタイトルを獲得し、世間からは近年最高のチームと絶賛され、ペレス会長も「Zidane es una bendicion del cielo/ジダン・エス・ウナ・ベンディシオン・デル・シエロ(ジダンは天からの恵みのようなものだ)」と、かつてのギャラクティコ選手がギャラクティコ監督に成長してくれたことに大満足を示しているレアル・マドリー。そのお隣さん、アトレティコだって先日、シメオネ監督と2020年まで契約を再延長し、新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノのオープンまであと1週間という、良い時期にあるはずなんですけどね。どちらも先週末は結果が出せず、ここまで1勝2分けで勝ち点5留まりとなれば、私が先行きを不安に思ってしまったとしても仕方ない? ▽いえ、話は順番にしていかないといけません。この各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間のこと)明けの3節は金曜、レガネスvsヘタフェというマドリッドの弟分ダービーから始まったんですが、予想通り、互いのスタジアムが5キロ程しか離れておらず、長年のライバルながら、リーガ1部では初の対決とあって、ブタルケ(レガネスのホーム)は物凄い盛り上がりを見せることに。試合の展開も互いに押したり引いたり、拮抗していたんですが、前半38分、敵エリア内からクリアされたボールをボランチのアランバッリが豪快にシュート。これが「A todos nos ha sorprendido, ha sido fantastico/ア・トードス・ノス・ア・ソルプレンディードー、ア・シードー・ファンタスティコ(皆、ビックリしたし、素晴らしかったよ)。30メートル離れたところからで、GKは何もできなかった」とボルダラス監督も驚くゴールになったから、場内には200枚程のチケットしか売ってもらえなかった、その日のユニは赤かったものの、azulones(アスロンネス/青い奴ら、ヘタフェとそのファンの愛称)の歓声だけが響き渡ることに。 ▽とはいえ、後半は気を取り直したアシエル・ガリターノ監督のチームが反撃を開始。ええ、当日の朝、ファイル(モロッコ)やジェネ(トーゴ)ら同様、監督と話し合って先発出場を決めたという日本代表から帰還したばかりの柴崎岳選手も後で「良いモチベーションを持っていたし、しっかりやろうと思っていた」は言ってはいたものの、やはり疲れが出てしまったんでしょうね。当人がアルバロに交代した後の21分、ヘタフェは、ディエゴ・リコの2度のシュートを放たれると、GKクエジャールが弾き返したものの、ゲレーロのシュートが3度目の正直となって、とうとうホームチームに同点を許します。おまけにその6分後にはアントゥネスがエリア内でガブリエウを倒し、レガネスにPKを与えられたため、スタンドの大多数はその夜だけでも、3連勝でリーガ首位に君臨する、レガネスのビッグな姿を夢見たものだったんですが…。 ▽それまでも好セーブを連発していたヘタフェのGKグアイタがゲーレロのシュートを弾いてしまったから、驚いたの何のって。レガネスの選手たちも気持ちは同じだったようで、そのまま引き分けても首位にはなれたんですが、38分にはCKからヘタフェのアルバロに、エリア外からのシュートを決められてしまい、試合は1-2で終了。ヘタフェにとって、喉から手が出る程欲しかったリーガ復帰初勝利という結果になりました。そうは言っても勝ち点6あるレガネスはマドリッドの兄貴分たちの上にいますしね。また金曜試合となる次節では乾貴士選手のいるエイバルを訪問と、しばらく同格チームとの対戦が続くため、1敗ぐらいでめげることはまったくありませんって。 ▽一方、ヘタフェは土曜にバルサをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎え、それからもセルタ、ビジャレアルと、ちょっとネーム的には格上に見えるチームとの対戦となるんですが、幸いなのはカタルーニャ州のクラブ以外、どちらもまだリーガで1勝のみと、エンジンがかかっていないこと。メッシが絶好調のバルサだって、今週火曜にはユベントスとのCLグループリーグ初戦があるため、疲れて上京してくるかもしれませんしね。ビジャレアルもヨーロッパリーグが始まって、やり繰りが大変になるはずなので、とりあえず9月は10位以内ぐらいを維持できれば、残留への道筋をつけていけるのではないでしょうか。 ▽そして翌土曜、午後1時というアジアン・コールデンタイムにレバンテをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたのがマドリーだったんですが、ジダン監督もこれまでローテーション政策が非常に上手くいっていたため、ちょっと過信しましたかね。水曜にCLのアポエル戦もあることを考慮したか、各国代表戦で遠方から戻って来たケイロル・ナバス(コスタリカ)やモドリッチ(クロアチア)をベンチ外にし、マルコス・ジョレンテとテオ・エルナンデスが今季初めて先発に入ったんですが、前半12分にサプライズに襲われることに。 ▽ええ、後でゴール前での争奪戦でカルバハルを出し抜いてゴールを決めたイヴィも「Es una jugada ensayada, porque sabemos de la fuerza de Ivan Lopez en el saque/エス・ウナ・フガダ・エンサジャーダ、ポルケ・サベモス・デ・ラ・フエルサ・デ・イバン・ロペス・エン・エル・サケ(あれは練習したプレー。ボクらはイバン・ペレスがスローインに強いのを知っていたからね)」と言っていたんですが、まさか、昨季は2部の絶対王者だったとはいえ、昇格組のレバンテに先制されてしまうとは! ▽ただ、それだけなら時間もまだ十分ありましたし、心配することもなかったんですが、想定外だったのは28分にベンゼマが1人で太モモの筋を伸ばしてしまい、全治1ケ月のケガで交代を余儀なくされたから、さあ大変!でもねえ、その日、モラタ(チェルシー)とマリアーノ(リヨン)の移籍で今季の控えの中で唯一のCF、マジョラルをスタンド見学にしてしまったのはジダン監督のミスだったかもしれませんが、代わりに入ったのはベイルですよ。ピッチにはスペイン代表のルーカス・バスケスやアセンシオもいましたし、そんな贅沢な状況に一体、誰が文句を言えるというのでしょう。 ▽実際、35分にはクロースのCKをセルヒオ・ラモスが「Ramos entra como un animal y con fuerza muy arriba, cualquier contacto con el hacia irte al suelo/ラモス・エントラ・コモ・ウン・アニマル・イ・コン・フエルサ・ムイ・アリバ、クアルキエル・コンタクトー・コン・エル・アシア・イルセ・アル・スエロ(ラモスはアニマルのように突っ込んできて、とても高いところでも力がある。彼と接触すれば、誰だって倒れるしかないよ)」(GKラウール)という勢いでカンパーニャを潰しながらヘッド。これは弾かれたものの、こぼれたボールをルーカス・バスケスが押し込んでマドリーは同点に追いついいたんですが、その日、本当に欠けていたのはツキだったかと。 ▽だってえ、ベイルも何度かシュートを撃っていましたし、後半にはイスコやコバチッチを投入。41分にはマルセロがラウールにセーブされた後、もつれて倒れたレルマを蹴ったため、レッドカードをゲット。クリスティアーノ・ロナウド、ラモスに続く、今季3人目のキャプテン退場となって、1人少なくなったため、完全に根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)の舞台は整ったと、私など思ったんですけどね。奇跡の男、ラモスも最後は前線に残ってFWとしてプレー、ロスタイムにはクロースのエリア外からのシュートが近いところまで行ったんですが…ポストに弾かれ、試合は1-1のまま終了し、「La clave es ilusion y trabajo/ラ・クラベ・エス・イルシオン・イ・トラバッホ(鍵は夢と努力だった)」(ムニョス監督)というレバンテの前にホームで勝ち点2を落とすという、代表週間前のバレンシア戦と同じ躓きをしてしまうことに。 ▽え、その結果を知りながら、次の時間帯で勝利を掴めなかったアトレティコだって十分、間抜けじゃないかって? まあ、そうなんですが、こちらはアウェイのメスタージャですし、火曜のCLローマ戦を前にゴディンやガビを温存したのはあまり関係なかったんですよ。バレンシアもシュートが枠内に飛ばず、GKオブラクの手を煩わすシーンはほとんどなかったんですが、最大のチャンスに大空高く撃ち上げてしまったビエットを始め、自分たちも点を取れなければ答えは簡単。ゴールレスの引き分けです。 ▽ただ、ジダン監督が「Tenemos que jugar major/テネモス・ケ・フガール・メホール(ウチはもっと上手くプレーしないといけない)。より効率的にゴールを決めないと」と反省、テオなども「Necesitamos a Cristiano para que meta goles/ネセシタモス・ア・クリスティアーノ・パラ・ケ・メタ・ゴーレス(ゴールを入れるため、クリスティアーノが必要だ)」とあと1試合、リーガの出場停止が残っているエースを恋しがっていたのと対照的にアトレティコの方は試合後、「Hemos hecho un buen futbol/エモス・エッチョー・ウン・ブエン・フトボル(ウチはいいサッカーをした)」(フィリペ・ルイス)と妙に楽観的。 ▽確かに「チャンスも作ったし、ゴールが足りなかっただけ。今週はFIFAウィークだったんだから、FWたちを辛抱して見守らないと。そのうち入るよ。練習すれば良くなるはずさ」というのは正論ですが、ちょっと待って!今回、アトレティコの前線で各国代表に行っていたのはグリーズマン(フランス)とカラスコ(ベルギー)のみ、先発したコレア、ビエット、そして後半に入ったフェルナンド・トーレス、ガメイロ、ガイタンは2週間、ずっとマハダオンダ(マドリッド近郊)でトレーニング漬けだったのを忘れていない? ▽まあ、マルセリーノ新監督も「マドリーにもアトレティコにも負けなかったのは特筆に値する。Va a ser muy dificil ganarnos/バ・ア・セル・ムイ・ディフィシル・ガナールノス(ウチに勝つのは難しくなるだろう)」と言っていた通り、良い補強選手も入ったバレンシアが昨季よりずっと強くなったのはわかりましたけどね。「El peor momento hasta ahora es el primer tiempo en Girona/エル・ペオール・モメントー・アスタ・アオラ・エス・エル・プリメール・ティンポー・エン・ジローナ(今まで最悪だったのはジローナでの前半だけ)」というシメオネ監督の言葉ももっともなんですが、要はそれが響いての1勝2分け。うーん、来週土曜の次節マラガ戦はいよいよ、ワンダ・メトロポリターノでプレーすることができますが、選手たちも初めてのスタジアムとあって、まだホームゲームという感覚が持てないかもしれないのがちょっと怖いです。 ▽え、それよりもう、アトレティコはローマ遠征の準備で大変なんじゃないかって?そうですね、日曜にリハビリセッションをした彼らは月曜には機上の人に。シメオネ監督はアルゼンチン代表でケガをして帰って来たアウグスト以外、21名全員を連れ、火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、スタジオ・オリンピコでの1節に挑みます。何せ、間の悪いことに相手は同じ土曜開催予定だったセリエAのサンプドリア戦が天候不順で順延、体力の消耗なしでプレーできますからね。リーガで2試合出場停止だったグリーズマンが準備万端なのは心強いですが、果たしてゴールは入るのかどうか。彼らのグループにはチェルシーもいるため、あまり取りこぼしができないのは辛いところですよね。 ▽そしてグリーズマン同様、代表戦から1週間おいて、最高のコンディションでロナウドが復帰するのが水曜のマドリーなんですが、何せこちらは相手がキプロスのアポエル。しかもホームとあって、勝利は当然、むしろ何点取れるかの方が気になるぐらいで、むしろ彼らにとって頭痛の種は日曜のレアル・ソシエダ戦かと。そう、ロナウド、ベンゼマ、そして下手したら2試合以上の処分が下りかねないマルセロも欠場するためで、その上、バルサと並んで唯一、開幕3連勝をしているチームとのアウェイゲームですからね。ソシエダも木曜にELローゼンボリ戦があって、日程的にはむしろ不利なぐらいとはいえ、こんな時こそ、イスコやアセンシオが真価を発揮してくれないと困ってしまう? とはいえ、リーガ4節はまだ先、とりあえず今はヨーロッパの大会の開幕を楽しみに待つことにしましょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.11 17:49 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】スタジアムが遠い…

▽「やっぱり近づけないのね」そんな風に私が愚痴っていたのは木曜日、アトレティコの新しいホームに一番近いメトロ(地下鉄)のエスタディオ・メトロポリターノ駅メインエントランス・オープニングセレモニーの後、階段を上がればそこにスタジアムがあるというのに、まだ工事中だからとマスコミもファンも即座に駅舎内に押し戻されてしまった時のことでした。いやあ、ここ数日は完成した豪華なロッカールームをビデオ(http://www.atleticodemadrid.com/videos/asi-es-el-vestuario-del-primer-equipo-en-el-wanda-metropolitano)で紹介したり、ピッチの芝張りも終わったりと、こけら落としとなる16日のマラガ戦に向け、準備は着々と進んでいるようなんですけどね。 ▽どうにも怪しいのは駐車場や周辺道路へ繋がる道で、セレモニーに出席したマドリッド州知事のシフエンテ氏が「グリースマンには是非、ほんの数タッチでゴールまで行ける、このライン7の駅を使ってもらいたいわ」と笑いと取りつつ、試合前後の時間には列車を3分間隔で運行して、大混雑にも対応できることをアピール。更に徒歩15分程のライン2(イメージキャラはゴディン)のLas Rosas(ラス・ロサス/スペインサッカー協会施設があるのはLas Rozas)駅やライン5(同トマス)のカニジェハス駅の利用をファンにくどい程、お勧めしていたのはやっぱり、まだ自家用車では入れないから? ▽まあ、私などは車も持っていないため、メトロしか選択肢がないですし、セレモニーではこの2週間、じっくりマハダオンダ(マドリッド近郊)で練習していたガビやフェルナンド・トーレスはともかく、代表戦に駆り出されていたコケ、サウル、グリースマンが元気そうなのを確認できただけで満足だったんですけどね。火曜に昨年、2018年までに一旦減らした契約年数を2020年まで再延長、週末は彼女と娘さんを連れてパリのディズニーランドで楽しんできたシメオネ監督も姿を見せていたものの、彼らは午後の練習に備えて早々にライトバンに乗って撤収。 ▽最後はセレソ会長の「No podemos fichar hasta enero/ノー・ポデモス・フィチャール・アスタ・エネロ(ウチは1月まで選手を獲れない)が、それまでにジエゴ・コスタや他の選手が来ることはありうる」という今週、ようやくロンドンに戻ったらしいチェルシーのFWの古巣復帰を仄めかすようなコメントを聞いてお開きとなったんですが、うーん、それにしてもワンダ・メトロポリターノの近隣にはあまりに何もなさすぎ。屋台ぐらいは出るとしても、ビセンテ・カルデロン時代は早めにスタジアムまで行って、近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)で士気を高めていた大勢のファンたちは一体、どうするんでしょうかね。 ▽え、それより今週あったスペイン代表のW杯予選2試合目がどうだったか知りたいって?そうですね、火曜のリヒテンシュタイン戦は予想通りの展開で、何せ相手の選手は半分がセミプロですからね。「Tratamos de tener variantes ofensivas ademas de la calidad de los jugadores/トラタモス・デ・テネール・バリアンテス・オフェンシバス・アデマス・デ・ラ・カリダッド・デ・ロス・フガドーレス(選手たちの質だけでなく、攻撃的オプションを増やしたかった)」というロペテギ監督の意向で、チームは先日のイタリア戦からスタメン4人を変更。コケ、カルバハル(レアル・マドリー)はベンチ外でアセンシオ(マドリー)、ジョルディ・アルバ(バルサ)が控えとなり、モラタ、ペドロ(チェルシー)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、モンレアル(アーセナル)が入ってDF3人体制って随分、強気じゃないですか。 ▽ただ実際、それで困るような場面はまったくなく、開始3分にシルバ(マンチェスター・シティ)のFKをセルヒオ・ラモス(マドリー)が頭で決めて先制したスペインは、15分にも今度はビジャ(ニューヨーク・シティ)の負傷離脱で背番号7を取り戻したモラタがこれもシルバのクロスをヘッドしてゴール。その1分後にはGKジェーレ(バルダール)が蹴り損ねたボールをエリア内で奪ったモラタがイスコ(マドリー)に繋いで3点目が入ることに。更に39分にはシルバがFKを直接、ネットに突き刺してしまったとなれば、ロペテギ監督ももう誰をキッカーにしていいか、途方に暮れてしまったかも。その直後、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が珍しくミスをして、ジェーレ同様、エリア内で敵にボールを渡してしまったんですが、シュートはしっかりセーブしている辺り、やっぱり雲泥の実力差ですよね。 ▽後半はラモス、シルバの2008年から2012年まで続いたスペイン黄金期を支えたベテランがナチョ(マドリー)とイアゴ・アスパス(セルタ)に代わったんですが、それでもgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は止まりません。ええ、6分にはモラタのヘッドがゴールバーに弾かれて落ちたところをアスパスが押し込み、その3分後にはアスパスがお礼のスルーパスでモラタをアシスト。当人もW杯行き当確ラインぎりぎりにあるのはわかっているんでしょうかね。「Me llevo muy bien con Morata tambien fuera y eso ayuda/メ・ジェボ・ムイ・ビエン・コン・モラタ・タンビエン・フエラ・イ・エソ・アジュダ(モラタとはウマがピッチ外でもウマが合う。そういうのは助けになるね)」(アスパス)と、ジエゴ・コスタが怠けている間にエース候補ナンバーワンに昇格したFWと相性がいいことを強調していましたが、彼は17分にも弾かれたペドロのシュートを撃ち直して自身2点目をゲット。 ▽最後は44分、イスコと交代したデウロフェウ(バルサ)のシュートが敵DFに当たってオウンゴールになったため、昨年の対戦と同じ0-8という大勝になったんですが、こうもレベルが違うとねえ。リーガ1部のチームと2部Bのチームが当たるコパ・デル・レイ32強対戦以上の差があるように見えましたが、幸いこの試合ではケガ人は1人もなし。イエローカードをもらったブスケツ(バルサ)が累積警告となり、10月にアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート都市)で行われるアルバニア戦を欠場となるのはちょっと痛いですけどね。同日イスラエルに勝った2位のイタリアは1-0止まりだったため、勝ち点差3のままでも得失点差が17に拡大。ええ、もうこうなるとW杯進出まであと1勝でいいってことじゃないですか。 ▽おかげで試合後はキャプンのラモスなど、「Te mentiria si te diria que no veo a este equipo haciendo algo importante/テ・メンティリア・シー・テ・ディリア・ケ・ノー・ベオ・ア・エステ・エキポ・アシエンドー・アルゴ・インポルタンテ(このチームが何か大きなことを成し遂げられないなんて言ったら、ウソになる)」と黄金期再来を予感しているようでしたが、まあ本大会はまだまだ先ですからね。私ももう1度、スペインの優勝を見られたら嬉しいものの、2014年ブラジル大会のようにいきなりグループリーグ敗退になったりすることもあるため、今のところは生ぬるい目で見守っていくことにしましょうかね。 ▽そしてその晩はチューリッヒに泊まり、翌日にはマドリッド組、バルセロナ組、その他イギリス、イタリア組と分かれて選手たちもそれぞれのクラブに戻ったんですが、今週の私はラス・ロサス(マドリッド近郊)の代表練習見学がなくなったため、この金曜に1部では初となる弟分ダービーを迎えるレガネスをチェック。いえ、夏の間、全面運行停止していたメトロのライン5がようやく動きだしたため、アルーチェ駅前から何本も出ているバスを使って、簡単に練習場のインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに行けるようになったというのもあるんですけどね。火曜はあっさり着いたと思いきや、練習はスタジアムで非公開だったり、翌日は施設の入り口が開いておらず。仕方なく広い敷地の外をグルリと一周しないといけなかったりと、チャレンジするたび何が起こるのは私とレガネスの相性が悪いのかも。 ▽ただ新しいプレハブのロッカールームやジムがすぐ側にできたそのグラウンドは日焼けが避けられないヘタフェとは違い、木陰から見学できるため、かなり快適で、更に練習を終えた選手が普通に歩いてくるので、ファンが写真やサインを頼み放題というのは同じ。とはいえ、この夏には13人が退団、11人を補強したレガネスですからね。誰が誰か見分けるのが難しいんですが、その日のセッションでアシエル・ガリターノ監督は念入りにセットプレーを指導。木曜の記者会見ではヘタフェのボルダラス監督も「A balon parado hizo los dos goles, hay que tener cuidado/ア・バロン・パラードー・イソ・ロス・ドス・ゴレス、アイ・ケ・テネール・クイダードー(セットプレーで2ゴール挙げているから、注意しないといけない)」と言っていように、開幕2試合をFKとCKからの得点で勝っている彼らとしては、長所により磨きをかけたかったのかもしれません。 ▽加えてレガネスでは移籍市場最終日に獲得したFWアラバマット(ワトフォードから移籍)がヘタフェのファジルと一緒にモロッコ代表参加しており、来週月曜までチームに合流しないため、大幅な攻撃力アップは望めませんからね。まだ1分け1敗で1部復帰後、白星を飾っていないヘタフェには他に柴崎岳選手、ジェネ(トーゴ)と代表から帰って来たばかりの選手がいるため、ボルダラス監督は「Confiamos que de aqui a manana puedan estar al 100 %/コンフィアモス・ケ・デ・アギー・ア・マニャーナ・プエデン・エスタル・アル・シエントー・ポル・シエン(明日までには100%になってくれると信じている)」と言っていたものの、金曜午後9時(日本時間翌午前4時)キックオフのブタルケ(レガネスのホーム)ではスタメン変更も多分にあるんじゃないでしょうか。 ▽ちなみにガリターノ監督は現役時代、ボルダラス監督の指揮下でプレーして、一緒にコーチングスタッフとして働いていたこともあるため、このダービーは師弟対決でもあるんですが、最後にマドリッドの両雄の今週末の試合について触れておくことにすると。ブラジルのW杯予選2戦目を出場停止になったマルセロを皮切りに、木曜朝にコスタリカからケイロル・ナバスがバラハス空港に着いて、ようやく17人の各国代表選手が全員帰還したマドリーはこの3節、土曜の午後1時(日本時間午後8時)というアジアゴールデンタイムでレバンテ戦をプレー。ポルトガル代表ではフェロー諸島戦でハットトリックの大活躍、0-1で辛勝したハンガリー戦でもアシストで貢献したクリスチアーノ・ロナウドはまだ出場停止処分が続いているんですが、その分、来週水曜のCLグループリーグ開幕戦、キプロスのアポエルをサンティアゴ・ベルナベウに迎える試合で爆発してくれる可能性が高い? ▽ただ今回の相手、レバンテもリーガ初戦に勝って、2節のデポルティボ戦で2-2の引き分けと、paron(パロン/リーガの停止期間のこと)直前にバレンシアと2-2のドローで終わったマドリー共々、現在の勝ち点は4と見た目は拮抗。とはいえ、スペイン代表で大車輪の働きだったイスコがジダン監督のローテーションでお休みしても、アセンシオやルーカス・バスケスなどはリヒテンシュタイン戦に出ていませんからね。フランス代表から遠ざかっているベンゼマもバルデベバス(バラハス空港の近く)でじっくり調整できたようですし、昨季、ヘタフェ同様、レバンテを1年で1部復帰に導いたムニョス監督は「No vamos a ir a sacar fotos ni a pedir camisetas/ノー・バモス・ア・イル・ア・サカール・フォトス・ニ・ア・ペディール・カミセタス(ウチは写真を撮るためやユニ交換を頼むために行くんじゃない)。勝ち点3を懸けて競いに行く」と言っているものの、かなり厳しいものがあるんじゃないでしょうか。 ▽そして同じ土曜、こちらは午後4時15分(日本時間11時15分)から、この開幕アウェイ3連戦の最後としてバレンシアに赴くアトレティコも木曜にはメンバーが勢揃い。唯一、アルゼンチン代表に行っていたアウグストだけが試合に出てもいないのに太ももをケガするという不運に遭っていますが、中にはガーナ代表のコンゴ2連戦で4得点1アシストを記録してきたトマスのように急にゴールづいてしまった選手もいるのは心強いかと。何せ、こちらもグリースマンが2試合目の出場停止処分をこなさないといけないため、メスタジャではトーレス、コレア、ガメイロ、ビエット頼りになりますからね。シメオネ監督もトマスに結構、期待しているかもしれません。 ▽え、アトレティコは1節のジローナ戦を2-2で引き分け、ラス・パルマス戦に1-5で勝って4ポイント、バレンシアはラス・パルマスに1-0で勝って、マドリーに劣勢から追いついてのドローで4ポイントとなると、勢い的には両者互角の戦いが見られるんじゃないかって?そうですね、今季からマルセリーノ監督体制となり、GKネト(インテル)、MFマクシモビッチ(アスタナ)、コンドグビア(インテル)、ペレイラ(マンチェスター・ユナイテッド)、グアデス(PSG)、DFムリージョ(インテル)、パウリスタ(アーセナル)と精鋭7人を補強して、ここ2年間の不振から脱却しようと、相手も気合が入っていますからね。 ▽それだけにジローナ戦での教訓をラス・パルマス戦で生かしたアトレティコでしたが、この2週間のうちにまた忘れているんじゃないかというのだけが、私の心配の種。おまけに来週火曜にはCLグループリーグ初戦でローマに遠征ですし、以降も9月は日程が詰まっているため、ちょっと大変なんですが、まだまだシーズンは始まったばかり。補強ができず、メンツに変わり映えがないのはちょっと寂しいものの、何とか、お隣さんやバルサのペースに遅れず、ついていってもらいたいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.09 12:15 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】まだW杯は遠い先だけど…

▽「帰っちゃうんだ」そんな風に私が残念に思っていたのは月曜日。お昼のニュースにバラハス空港ターミナル4のカウンターで搭乗手続きをするダビド・ビジャ(ニューヨーク・シティ)の姿が映った時のことでした。いやあ、前日、ラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設の非公開練習のビデオでは彼も機嫌が良く、グラウンドに向かっていたため、リヒテンシュタイン代表戦では待望の代表復帰ゴールが観られるかもと楽しみしていたんですけどね。当人曰く、「セッション最後のプレーでintento llegar a un balon y estiro demasiado el cuadriceps/インテントー・ジェガール・ア・ウン・バロン・イ・エスティロ・デマシアドー・エル・クアドリセプス(ボールに届かせようとして大腿四頭筋を伸ばしすぎた)」そう。同日、チューリッヒ経由で現地入りするチームメートに別れを告げ、家族と共にニューヨークに戻ることにしたのだとか。 ▽それでもケガの程度は軽いようなので、10月初旬の代表ウィークに行われるロシア・ワールドカップ(W杯)欧州予選最後の2試合には間に合うはず。それに世の中はとっくにシーズンが開幕していながら、チェルシーに戻らず母国ブラジルで個人トレーニングを始め、プレミアリーグには選手登録されながら、チャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグには登録外。まだアトレティコ・マドリーへの移籍も決まらないジエゴ・コスタが次の招集リストに入れるとは思えませんからね。となれば、この土曜日に代表98試合出場を達成し、大台まであと2つに迫ったビジャに再びお鉢が回ってくることもありうる? ▽まあ、そんなことはともかく、そのイタリア代表戦がどうだったかお話すると、当日午後、キックオフまでに時間があったため、私は会場のサンティアゴ・ベルナベウ近くの高層ビル街の中に設けられたファンゾーンを訪問。これまでスペインの獲得したユーロやW杯のトロフィーと写真を撮れるというは本当でしたけどね。予想外にこじんまりとしていて、列に並ぶファンの数もそう多くはなかった辺りに以前、メジャートロフィー獲得が3回続いていた代表黄金期との温度差を感じたものでしたが、試合の方は大丈夫。先週の水曜日にチケットが完売となっただけあって、camiseta(カミセタ/ユニフォーム)やbufanda(ブファンダ/マフラー)、ウィッグや帽子で完全装備したサポーターが赤と黄色のスペインのbandera(バンデラ/旗)を振って大いに雰囲気を盛り上げてくれました。 ▽え、試合前からCFを使うのか、それともfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/偽9番)でいくのか、スペインのスタメンでは疑問点になっていましたが…。まさかダビド・シルバ(マンチェスター・シティ)、イスコ(レアル・マドリー)、マルコ・アシンシオ(同)を前線に並べ、1人もFWがいないというのはショックじゃなかったかって? そうですね、これがイアゴ・アスパス(セルタ)やデウロフェウ(バルセロナ)、ルーカス・バスケス(レアル・マドリー)ら、今回招集された他のFWたちの奮起につながると良いのですが、作戦的には大成功。そう、12分にはイスコが放ったFKにGKブッフォン(ユベントス)の手が届かず、スペインが早い段階で先制点を奪うことに。 ▽うーん、実はこれより前にもコケ(アトレティコ)がエリア前で敵DFに突き飛ばされ、彼らは近い距離でFKをゲットしていたんですけどね。その時は先日、バレンシア戦で見事なFKゴールを挙げたアセンシオも蹴りたそうにしていたんですが、蹴らせてもらえず。代表でもクラブでもキャプテンのセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)はイスコに対しても「次に蹴らせてあげるから」と丸めこみ、結果、セルヒオ・ラモスのシュートは枠外へ。似たような位置でボヌッチ(ミラン)がアセンシオを潰し、イエローカードをもらったため、すぐに次のFKのチャンスが来てくれたのは本当にツイていましたっけ。 ▽とはいえ、相手は去年のユーロで、ベスト16で敗退させられたイタリア。昨年のトリノでの試合でも1-0とリードした後、スペインは追いつかれて引き分けていましたから、油断はまだまだできなかったんですが、何なんでしょうかね。3バックではなく、4-2-4という超攻撃的なフォーメーションを採用しながら、この日の敵には怖さがほとんど感じられず。もちろん、ヒマでも決して集中力を途切らせていなかったGKダビド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が新鋭アンドレア・ベロッティ(トリノ)のヘッドをparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたなんてこともあったんですが、やはり中盤の人数が全然違うことが致命的だったんでしょう。ええ、39分には再びイスコがエリア前からシュートを決め、2-0になったとなればもう、大船に乗った気でいて良い? ▽ロレンツォ・インシーニェ(ナポリ)の至近距離シュートをデ・ヘアが弾いて始まった後半もそれ以降、危険な場面はほとんどなく、さすがにこれぐらいの時間になれば、相手も疲れて、マークも甘くなるだろうと踏んだんですかね。フレン・ロペテギ監督は72分にアンドレス・イニエスタ(バルセロナ)からアルバロ・モラタ(チェルシー)に代え、スペインはいよいよ文字通りの9番を投入。それでも最初はせっかくこの夏までの同僚、イスコからスルーパスをもらいながら、ユベントス時代にお世話になったボヌッチに止められてしまった彼でしたが、76分には自陣でボールを奪い返したセルヒオ・ラモスが上がるのに合わせ、ベルナベウを根城にするチームのお家芸を披露してくれます。もちろんそれは超高速カウンターで、最後はセルヒオ・ラモスのキラーパスをゴール前から押し込んで、とうとう3点目。同等ランクの代表相手にこんなに強いスペインを見るのは私もかなり久々だったかと。 ▽まさに「Hemos jugado sin 9 muy bien y luego, con 9, hemos cerrado el partido/エモス・フガードー・シン・ヌエベ・ムイ・ビエン・イ・ルエゴ、コン・ヌエベ・エモス・セラードー・エル・パルティードー(ウチは9番なしで凄く良いプレーをして、それから9番を入れて試合を終わらせた)」(モラタ)ということですが、その直後にはアセンシオもこの夏、U21ユーロで決勝まで共に戦い、トロフィーはドイツに奪われてしまったものの、ピチチ(得点王)となったサウール・ニゲス(アトレティコ・マドリー)に交代。まあこれはコケ同様、しっかり守るお隣さんの特性を期待しての起用でしょうが、おかげでロペテギ監督もスタンドのコールに応えて、ビジャをピッチに入れる余裕が持てることに。 ▽ええ、残り時間は少なかったんですが、後半もマルコ・ヴェッラッティ(パリ・サンジェルマン)へのcano(カーニョ/股抜き)やsombrero(ソンブレロ/敵の頭上にパスを上げて抜く技)など、マドリーのロッカールームでmagia(マヒア/マジック)と呼ばれている所以を十二分に証明したイスコ。試合前はアセンシオ・フィーバー一色だった世間に元々、ベルナベウのお気に入りナンバーワンは自分だったと思い出させた同選手が大喝采を浴びてベンチに戻ります。それと同時に、スペイン黄金期を支えた7番がいよいよ登場したんです! いえ、実際、プレーした5分間でボールに触ったのは2、3回だったため、モラタの「David ha estado increible, como siempre. Ha sido un partidazo/ダビド・ア・エスタードー・インクレイブレ、コモ・シエンプレ。ア・シードー・ウン・パルティダソ(いつも通り、ビジャは信じられない程だった。最高のナイスゲームだったよ)」という言葉にはちょっと??? なんですけどね。 ▽それでも当人は「Estoy feliz de que la gente me haya recibido asi/エストイ・フェリス・デ・ケ・ラ・ヘンテ・メ・アジャ・レシビードー・アシー(観客があんな風に自分を迎えてくれてボクは幸せだよ)」と大満足していましたし、バレンシア時代にカンテラ(ユースチーム)から呼ばれてトップチームと一緒に練習していた頃から知っていたというイスコのことも絶賛。「La esta rompiendo/ラ・エスタ・ロンピエンドー(ブレイクしている)。スペイン人だから、みんなが彼のプレーを代表で楽しめる」と言っていましたが、スペインではバルセロナ、アトレティコとライバルチームにいたビジャだけにあまり、マドリーでの活躍は見たくはない? ▽実際、そのイスコに関してはロペテギ監督のみならず、イタリアのジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督からも称賛しか聞こえなかったんですが、あまりに時間が遅くて、私がスタジアムから出てしまった午前0時過ぎ、ミックスゾーンに出てきたセルヒオ・ラモスなどからは、ビジャとは逆に「Estoy contento por mis cachorritos del Madrid/エストイ・コンテントー・ポル・ミス・カチョリートス・デル・マドリッド(ボクのマドリーの子犬ちゃんたちのおかげで満足だよ)」なんてコメントも。いえ、モラタは今、スタンフォード・ブリッジでプレーしていますけどね。もしかしてチャビ・エルナンデス(今はカタールのアル・サッドでプレー)、イニエスタらの全盛期で迎えたスペイン黄金期を今度はイスコ、アセンシオのマドリーコンビで再現できたらという野望でもあるんでしょうか。 ▽え、それで今回、ベルナベウではジェラール・ピケ(バルセロナ)へのpito(ピト/ブーイング)はあったのかって? いやあ、同僚のセルヒオ・ブスケッツなどは「La aficion estuvo de 9,5, porque hubo algun pito al inicio/ラ・アフィシオン・デ・ヌエベ・コンマ・シンコ、ポルケ・ウボ・アルグン・ピト・アル・イニシオ(ファンの態度は9.5点。序盤はブーイングがあったから)」なんて言っていましたが、私にはまったく聞こえず。ピケがボールを持つたび、大きな拍手が始まるため、最後はうっとおしいぐらいに感じた程で、さらにコケのCKを当人がヘッドで外した時など、ピケコールまでありましたからね。そのおかげもあって、選手全員がピッチで輪になって3-0の勝利を喜んだ後、当人も安心して自分の子供たちとピッチで遊ぶことができたのではないかと。 ▽まあ、次はアウェイですから、そんな心配はしないでいいんですが、月曜日の夕方にはビジャ以外、25人の代表選手たちはファドゥーツのラインパーク・シュタディオンで練習。グループ2位のイタリアに勝ったことで勝ち点差3がつきましたし、相手のリヒテンシュタインには昨年の試合で0-8と大勝しているため、この2戦目はあまり心配することはないんですけどね。前日会見に出たロペテギ監督は「El futbol es como es y lo vimos en el Francia Luxemburgo/エル・フトボル・エス・コモ・エス・イ・ロ・ビモス・エン・エル・フランシア・ルクセンブルゴ(サッカーはサッカー、フランスvsルクセンブルクでそれを見たよ)」と慎重な姿勢を決して崩さず。これは多分、アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)が悪いんですが、好機を2度とも決められず、フランスが小国と日曜日の試合でスコアレスドローに終わった例を出して、自信過剰になるのを戒めています。 ▽それでもローテーションは大いにありそうで、今度はファンも次のリーグ戦が視野に入ってきますからね。半分ぐらいスタメンを変えて、あとは様子を見ながらでもいいかと思いますが、スペインのW杯出場がまだ決まっていないのも事実は事実。この火曜日午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのリヒテンシュタイン戦、そして10月のアルバニア代表、イスラエル代表戦と上手くやって、プレーオフなどで気を揉むことなく、来年のロシアでグループリーグ敗退した2014年ブラジル大会のリベンジをじっくり計画できたらいいですよね。 ▽そして最後にマドリッドの4クラブの様子も少々、お伝えしておくと、土曜日にレバンテ戦を控えるマドリーでは各国代表選手の先陣を切ってマルセロが帰還、月曜日から再開されたバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習に加わっています。これは先週のエクアドル代表戦でイエローカードをもらい、火曜日のコロンビア代表戦に出場停止となったからですが、え、ということは同じ土曜にバレンシアに乗り込むアトレティコのフィリペ・ルイスが代わりにブラジルの左SBとして出場? ちょっと不公平な感じはしますが、どちらにせよ彼らはすでにW杯出場権を得ているため、そんなに気にすることはないかと。ちなみに日曜日にポルトガル代表の予選2試合目、ハンガリー代表戦を終えたクリスティアーノ・ロナウドはまだリーガでの出場停止処分が続いているため、合流が遅れるようです。 ▽同様にあと1試合、出場停止があるグリーズマンの姿も月曜日のマハダオンダ(マドリッド近郊)では見られませんでしたが、気の毒なのは、アトレティコではシメ・ヴルサリコ、マドリーではルカ・モドリッチ、マテオ・コバチッチといるクロアチア勢。土曜日のコソボ代表戦が豪雨で途中中断、日曜日の午前中に試合の残りをやって1-0で勝ったものの、火曜日にはもうアウェイでトルコ代表戦に挑まないとならないなんて、あまりにハードでは? 大西洋を渡っている選手に関してもディエゴ・ゴディン、ホセ・ヒメネスのアトレティコ・ウルグアイ勢、ケイロル・ナバス(コスタリカ)、カゼミロ(ブラジル)らは帰還が木曜日になりますが、何せジネディーヌ・ジダン監督にはお得意のローテーションがありますからね。代表選手の総数は17対13でマドリーの方が多いものの、未だに工事中でスタジアムに近づけもしないワンダ・メトロポリターノのせいで今節までリーガはずっとアウェイ、来週火曜日のCLローマ戦も遠征というアトレティコはかなり大変そうですね。 ▽一方、今週も移籍市場のクローズ寸前に獲得した選手たちのプレゼンに余念がないのがマドリッドの弟分2チームで、両者は奇しくもこの金曜日、2004年に2部で対戦して以来、1部ではクラブ史上初となるダービーで激突。こちらも代表選手がまったくいないレガネスと柴崎岳選手、ジェネ・ダコナム(トーゴ)、ファイサル・ファイル(モロッコ)と、3人の主力が出向しているヘタフェでは準備に差が出るかと思いますが、2連勝で現在、3位につける前者とまだ開幕から1勝も挙げられていない後者では心理的な余裕も違う? うーん、今回は満員が予想されるブタルケ開催とあって、レガネスファンの応援に押されてしまうことも考えられますが、こればっかりはねえ。今週はまた日を見て、私も両チームの練習を偵察してこようかと思います。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.05 13:13 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】どちらが強いのだろう…

▽「意外と弱気なものね」そんな風に私がいぶかっていたのは金曜日、サンティアゴ・ベルナベウのプレスコンファレンスルームでベントゥーラ監督が着くのを待っている間、イタリアから来たラジオ記者が「ウチは11月まで大変だ」と愚痴っているのを聞いた時のことでした。いやあ、木曜にW杯進出を決めた日本と違い、スペインのいるヨーロッパ予選グループGは首位の彼らと2位のイタリアが同勝ち点で並走。得失点差4で順位が決まっているため、今回の対戦でどんな結果が出ても10月まで勝負は続くんですけどね。「イタリア人はリアリストなんだ。2位になる自信ならあるよ」という彼は更にその先、プレーオフまで戦うことを覚悟していたから。 ▽まあ、昨年の両者は直接対決もトリノで1-1と引き分けていますし、実際、圧倒的にロペテギ監督率いるチームが優勢という訳じゃないんですけどね。ちなみに月曜の夜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合したスペイン代表は翌日からトレーニングを開始。そこで結局、正確な開始時間はわからなかったものの、8月中はモンクロア(マドリッド市内にあるバスステーション)からの便が少なくなることもあり、午前11時ぐらいには着けるかなあという感じで私も向かうことに。運良く、それがドンピシャだったのはラッキーだったんですが、アップが終わった時点で取材陣全員にプレスルーム行きの命令が出るなんて、やられたとしか言いようがない? ▽そこでようやく顔なじみの代表番記者にスケジュール表を見せてもらい、わかったのは今回の合宿では水曜午前のセッションと前日のサンティアゴ・ベルナベウでの練習以外、一般公開はなし。マスコミでも昨今のレアル・マドリーやアトレティコ同様、午前中は開始から15分間しか見られない上、午後は完全非公開、しかも施設外の丘から丸見えのグラウンドをなるたけ隠すため、ネットにシートをかける作業まで始めている念の入りよう。ええ、これってもう、マドリッドで気楽に最初から最後まで練習見学できるチームは弟分のレガネスとヘタフェしかないってことじゃないですか。 ▽おかげで翌日、私が1本遅めのバスで施設に着いた時にはもう、唯一の公開日を狙って駆けつけたファンたちでスタンドに席がない程の混雑状態。何せ、世間はまだ夏休みですからね。私も人垣の間から、選手たちがグラウンド半分で11人対11人のpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)に興じるのを覗き見るしかなかったんですが、組分けの方はまだロペテギ監督も試している段階だったのか、例えば前線など、片やビジャ(ニューヨーク・シティ)とデウロフェウ(バルサ)、アセンシオ(マドリー)が並んでいるかと思えば、もう一方はモラタ(チェルシー)、ペドロ(同)、シルバ(マンチェスター・シテイ)のプレミア勢の3人。 ▽今回は総勢26人呼んでいるため、途中から負傷離脱したビトロ(ラス・パルマス)の代わりに追加招集されたルーカス・バスケス(マドリー)、イアゴ・アスパス(セルタ)、A代表初体験のスソ(ミラン)が入り、アセンシオ、デウロフェウ、ペドロが抜け、最後はまたピッチに戻ったアセンシオのfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/CFの位置に入る仮のMF)なんてパターンもありましたが…うーん、ちょっと心配だったのは前日、グループリーグで敗退した2014年のW杯ブラジル大会以来となった、35歳での再招集を受けたビジャなど、「リストにいる選手の質の高さにはビックリだよ。Por qué no va a volver otra época gloriosa como la que tuvimos?/ポル・ケ・ノー・バ・ア・ボルベル・オトラ・エポカ・グロリオーサ・コモ・ラ・ケ・トゥビモス(どうして以前の栄光に満ちた時代に戻れない訳がある?)」と非常に楽観的だったんですけどね。 ▽というのも、このミニゲームでゴールを入れたのはたった1人、それも先週末、ラス・パルマス戦でキャリア初のdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成して勢いづいているコケ(アトレティコ)だけだったから。もちろん今年、MSLで19得点も挙げているビジャが戻って来たのは、前日記者会見でイタリアのGKブッフォンも「リーグが開幕したばかりで、ウチはまだ100%じゃない。スペインはシーズン真っ最中のリーグにいる選手を呼んだ。彼は以前、随分痛手を与えてくれたけど、明日はそうじゃないことを祈るよ」と警戒はしていましたけどね。やはり移籍騒動が長引き、母国ブラジルでバケーション3ケ月目という状態のジエゴ・コスタが来られなかったのは大きなマイナスだったかと。 ▽その上、チェルシーで当人の後釜になり、代表でも同じ期待が懸かるモラタなど、「自分はビジャやトーレスがA代表でゴールを入れているのを見て育った」と、24歳という自身の若さを強調しつつも、2年間のユベントス経験は未だに強烈な記憶として残っているんでしょうかね。元同僚のボヌッチ(この夏ミランに移籍)、バルザーリ、キエッリニーリら、イタリアのBBCに正面から挑むのは気が進まないのか、「Aunque me fastidie decirlo, jugar con falso nueve es una buena idea/アウンケ・メ・ファスティディ・デシールロ、フガール・コン・ファルソ・ヌエベ・エス・ウナ・ブエナ・イデア(こう言うのは嫌気が差すけど、偽の9番を使うのはいいアイデアだね)。イタリアのDFはCFがいるとやり易いかもしれない」なんて言い出す始末。 ▽さすがにこれにはロペテギ監督も「Morata tiene que estar preparado para jugar./モラタ・ティエネ・ケ・エスタル・プレパラードー・パラ・フガール(モラタはプレーするため、準備ができていないといけない)」と苦笑していましたが、確かにコケも「Ellos intentarán que sea un partido muy físico/エジョス・インテンタラン・ケ・セア・ウン・パルティードー・ムイ・フィシコ(彼らは試合を肉弾戦に持ち込むようにしてくるはず)」と言っていたように、ガチンコの勝負になる可能性はかなり高いかと。ええ、金曜にあったU21のイタリアとの親善試合でもスペインが3-0と勧奨したしたものの、セバジョス(マドリー)が頸椎を痛めて担架で病院に搬送されたなんてこともありましたしね。ただ、大人の代表からは金曜には練習中に負傷したキエッリーニが代表を離脱したため、これで少しはモラタも気が楽になったかもしれませんね。 ▽そして前日から入場券を配って、1万人のファンを集めて開催された金曜夕方のサンティアゴ・ベルナベウでの公開練習はどうだったのかというと。こちらでのミニゲームではサウル(アトレティコ)やイアゴ・アスパス、更にはバルトラ(ドルトムント)のオウンゴールなどもあって、そこそこ点は入ったんですが、やはりそのチーム分けではスタメン予測はできず。慣例通り、アウェイのスタジアム練習はせず、選手たちが芝生の状態をチェックするため、スーツ姿で散歩していたイタリア同様、グループ予選中、一番難しい試合とあって、ロペテギ監督も最後の最後までカードをさらすのは避けたかったのか、何度も前線の選手を変えていましたっけ。 ▽そんな中での朗報は、さすがお膝元だけあって、アセンシオやイスコ(マドリー)へのコールが多かったのはともかく、この日はスタンドのファンからピケ(バルサ)へのpito(ピト/ブーイング)がまったく聞こえなかったこと。何せ、ことあるごとに永遠のライバルへの物議を醸す言動やSNSメッセージで反感を買うという自業自得的な面はあるものの、この件に関しては代表戦があるたび、マスコミが蒸し返すため、ファンが面白がってピーピーやっているようなところもありましたからね。今回はキャプテンのセルヒオ・ラモスが合宿初日から率先して当人を擁護、折しもスペイン・スーパーカップ優勝で溜飲を下げたばかりのカルバハルやナチョもそれに続いたため、ファンも控えることにしたのかもしません。 ▽ちなみにイニエスタ(バルサ)など、「El España-Italia se ha convertido en un auténtico clásico/エル・エスパーニャ・イタリア・セ・ア・コンベルティードー・エン・ウン・アウテンティコ・クラシコ(スペイン対イタリアは真のクラシコになった)」と言っていたこの大一番は土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)キックオフ。木曜にはクリスチアーノ・ロナウドがchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でのゴールを含めハットトリック、ポルトガルがフェロー諸島に5-1で勝っていたり、ベルギーなど、先発したカラスコは得点しなかったものの、ジブラルタルに9-0で大勝。こういう非現実的なスコアが出ると、本当に見るに足る予選は少ないのかと思われますが、それだけにグリースマンが先制点を挙げ、最後は4-0でフランスがオランダに勝った一戦のように、これはネームバリューのある代表同士の対戦ですからね。チケットも水曜には完売していますし、スペインには期待に背かないいいプレーを披露してもらいたものです。 ▽え、その間、マドリッドのクラブチームの方は何をやっていたんだって?いやあ、そのロナウド以下、総勢17名が各国代表に出向中のマドリーなど、水曜はジダン監督もニヨンで行われる恒例のUEFAエリート監督会議に出席するために不在。シメオネ監督はずっといたものの、選手13人が欠けているアトレティコ同様、細々と練習を続けていたんですが、どちらもこの週末はオフに。リーガ再開の準備が本格的に始まるのは来週水曜以降、少しずつメンバーが増えていってからになるはずです。まあ、前者ではバジャホ、後者ではガイタンのケガ治り、チームに合流したなんていいニュースもありましたしね。ジダン監督は現在のメンバー維持を希望していましたし、ジエゴ・コスタがアトレティコでプレーできるのは来年1月からとあって、土壇場移籍とも今年は縁がない両者なので、何とも静かなものでしたよ。 ▽一方、マドリッド勢で駆け込み補強を続けていたのはレガネスで今週はFWボービュー(セルタ)とMFブラサナツ(ベティス)がレンタルで加入。リーガ3位という現在の実力を証明するように、水曜のグアダラハラ(3部)との親善試合にも1-3で快勝しているんですが、やはり誰も代表に招集されていないというのは丸々2週間、トレーニングに励めるということで、paron(パロン/リーガの停止期間)明けも彼らには結構、期待できるかと。 ▽それとは対照的に柴崎岳選手を始め、4人が留守にしているヘタフェは同じ水曜、レクレアティボ(2部B)とのトロフェオ・コロンビーノ(夏の親善大会)に0-1で敗戦。リーガ開幕から3試合も無得点が続いたため、さすがにフロントも焦ったんでしょうね。ヨーロッパの5大リーグで唯一、1日遅れでスペインは登録期限が9月1日に終わるのを利用して、ジェファーソン・モンテロをスワンジーシティからレンタルで獲得しています。ウィングもできる攻撃的MFのエクアドル人選手ですが、柴崎選手も長距離移動で次戦の弟分ダービー、レガネス戦はまだ疲れているはずですしね。果たしてヘタフェが早期に1部復帰初ゴールを挙げるのに貢献してくれる即戦力になってくれるのでしょうか。 ▽その脇で奥さんがインスタグラムにボルダラス監督の悪口を書いたことが発覚して以来、チームから隔離されていたカタ・ディアスは木曜に契約を解除、翌日にはマドリッドの2部Bの弟分、フエンラブラダに入団したなんてこともあったんですが、何せ市場は丁度今、閉まったばかり。今のところ、ネイマール(PSGに移籍)の穴埋めに奔走していたバルサにデンベレ(ドルトムント)以降、誰が入ったなんて話も聞かないんですが、朝が明けて発覚するビックリの人事異動があること珍しくないため、その辺はまた改めてお伝えすることにしますね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.02 09:45 Sat
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