コラム

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【原ゆみこのマドリッド】強すぎてちょっと怖い…

▽「何だか現実味があるわよね」そんな風に私が羨んでいたのは木曜日、レアル・マドリーでUEFAスーパーカップに続き、スペイン・スーパーカップ優勝も果たしたテオのコメントを見つけた時のことでした。いやあ、アトレティコのカンテラ(ユース組織)で育ち、昨季はアラベスで修業。ワンダ・メトロポリターノでのトップチームデビューを待たず、この夏、お隣さんへと河岸を変えた彼はサンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグ終盤でとうとう、初出場できたんですけどね。古巣だったら、滅多に掲げる機会もなかっただろうトロフィーに感激したんでしょうか、当人が「quiero seguir ganando muchos mas titulos/キエロ・セギール・ガナンドー・ムーチョス・マス・ティトゥロス(もっと沢山、タイトルを獲得し続けたいね)」と話していたから。 ▽実際、2014年のスペイン・スーパーカップ以来、優勝から遠ざかっているアトレティコは当然ながら、この夏もスーパーのつく大会などはなし。プレシーズン、トレーニングだけに集中できたおかげか、私がマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場まで見学に行った火曜の夕方セッションなども、プロフェ・オルテガの説明を聞いているだけでややこしくて皆、ちゃんとできるのかと心配してしまったフィジカルサーキットを一糸乱れずこなす姿に結構、感心したものですけどね。 ▽ただ、それ以降のエクササイズは見学時間終了と外へ出されてしまったため、彼らがボール扱いでも少しは上達したのか、検証することはできず。その辺は日を改めて、フェンスで仕切られた敷地外から、ファンに混ざって偵察するしかないと思っているんですが、アウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)でふくらはぎを痛めたフィリペ・ルイスがまだ戻っていないことは確認できたため、この週末に迫ったリーガ開幕戦もテオの年子の兄、本職CBのルカスが左SBを務める可能性がかなり高いかと。 ▽となると、スコピエでもカンプ・ノウでもベンチ待機だったテオも移籍していなければ、トップチームに昇格する予定だった今季、開幕からスタメン入りが狙えたのにと思ってしまうんですが、アトレティコの場合、優勝云々はシーズン終盤までわかりませんからね。それでも木曜の開幕前キャプテン合同会見でガビなどは、「クラブは選手の引き留めに尽力を注いだ。Aunque no hemos podido fichar, internamente el equipo se ha reforzado bien/アウンケ・ノー・エモス・ポディードー・フィチャール、インテルナメンテ・エル・エキポ・セ・ア・レフォルサードー・ビエン(新戦力の補強はできなかったけど、チーム内部は強力になった)」と、FIFA処分のせいで選手登録ができず、代わりにグリースマン、コケ、サウル、ルカスらの契約延長や年棒アップに5000万ユーロ(約64億円)もの大枚を費やしたのを評価。 ▽とはいえ、彼らがその信頼に報いるだけの成長を見せてくれるかどうかは不確定となれば、やっぱり昨季、リーガとCLのdoblete(ドブレテ/二冠優勝)を達成したメンバーがほぼ残っているマドリーに行く方がずっとタイトル獲得に近いと、テオが判断するのは当然なんですけどね。こうも早くも結果が表れてしまうと、ちょっと私も複雑な気分になってしまうんですよ。 ▽まあ、そんなことはともかく、水曜のスペイン・スーパーカップ2ndレグの様子をお伝えしておかないといけません。その日はキックオフがCL予選プレーオフ終了後となる午後11時という、超遅い時刻に設定。そこで私もヘタフェの夕方セッションを覗いてから、ベルナベウに向かうことにしたんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスの右脇の道を下りていく、彼らの練習場には手前にカンテラが使うピッチがあって、どうやら丁度、プレシーズンの試合が開催中。え、でも何でプレーの指示が日本語で聞こえてくるの? ▽その正体はセレッソ大阪のU18チームで、練習試合ツアーの一環でヘタフェB(3部)と対戦していたんですが、まったく不思議な偶然もあること。いえ、目当てのトップチームのセッションがもう始まっていたため、私もずっと見ていることはできなかったんですけどね。奥のピッチの方では午前中とは違い、フィジカルメニューはなく、ゴール力を高める演習を繰り返していたボルダラス監督や柴崎岳選手などもルッカールームへの帰り道、ゲームをチラ見していましたが、意外とこういうところでスカウトされ、スペインのチームに誘われる選手もそのうち増えていくのかもしれませんね。 ▽おっと、ちょっと脱線してしまいましたが、その後、メトロ・スールと10番線を乗り継いで、1時間ほど車内で涼みながら、私が見に行ったこの夏、3度目のクラシコ(伝統の一戦)はどうだったかというと。いやあ、日曜の1stレグで1-2と負けていたバルサはバルベルデ監督がピケ、ウムティティ、マスチェラーノで3バックを構成、3-5-2の新機軸で巻き返しを図ったんですが、クリスチアーノ・ロナウドがカンプ・ノウで退場し、更に審判を押したせいで計5試合の出場停止処分。上訴委員会にも減刑を認められず、彼女のジョウルジーナさんとパルコ(貴賓席)で観戦していた上、ベイル、イスコ、カセミロをローテーションでベンチに置いたマドリーに一泡吹かせることはできませんでした。 ▽いえ、それどころか、「またFW2人でくると思っていたら、3人出てきた」(ピケ)というショックも相手にはあったんでしょうか。開始4分にはカルバハルのスローインをウムティティが落としたところ、ゴールから25メートルの地点にこぼれたボールを先発に抜擢されたアセンシオがシュート。1stレグに続くgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてしまったから、驚いたの何のって。当人的には「El otro fue mas dificil por la carrera/エル・オトロ・フエ・マス・ディフィシル・ポル・ラ・カレラ(もう1つの方が走ってからだったから、難しかった)」そうですが、序盤からそんな才能のほとばしりを見せつけられたら、大抵のチームの選手たちは神様の不公平さに歯ぎしりするしかないかと。 ▽でもそこはメッシに代表されるサッカー力の高いバルサですから、反撃されることを私も覚悟していたんですけどね。この日はマドリーファンの観光客が多数を占めたカンプ・ノウとは真逆で、バルサファンの姿を見つけるも難しかったスタンドから、彼らがボールを持つたび、pito(ピト/ブーイング)が響き渡ったり、「Suares tirate!/スアレス・ティラテ(スアレス、ダイブしろ)」といったような、1stレグのペナルティ判定のせいでの新手のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)などの影響もあったんでしょうか。その後もマドリーは「En los primeros 20 minutos les pasamos por encima/エン・ロス・プリメーロス・ベインテ・ミヌートス・レス・パサモス・ポル・エンシーマ(ウチは最初の20分間、相手の上を行った)」(カルバハル)という状態を維持。 ▽おかげでルーカス・バスケスのシュートはゴールポストに跳ね返されたのものの、39分にはマルセロからのクロスをウムティティの先を越してベンゼマがゲットすると、そのシュートが決まって2点目となったんですが、ジダン監督も「La primera parte fue espectacular/ ラ・プリメーラ・パルテ・フエ・エスペクタクラル(前半はスペクタクルだった)。プレーの強度、敵前線へのプレス、そしてボール支配もね」と言っていた通り、バルサに対してこんなに優勢なマドリーは私もほとんど記憶になかったような。これなら後半、やはり公式戦初出場となったセバジョス(ベティスから移籍)が、「前半はバルサにウチは全てを見せつけたね。ボクはファンのように大いに楽しんだよ」と言っていたのも納得かと。 ▽まあ、後半はマドリーファンの敵ナンバーワン、ピケが足の付け根の痛みに耐えかねて4分でセメドに交代、メッシやルイス・スアレスの普段なら、絶対外さないシュートがゴール枠に嫌われるツキなどもあったんですが、もう総合スコアは5-1ですからね。昨季は6-1の大逆転を可能にしたネイマールも今はその時のCLベスト16の相手、PSGに行ってしまっていないとなれば、そのまま2-0で試合は終了。ロナウドも加わって、マドリーがピッチで優勝杯と共にお祝いする結果になったのはともかく、あの口の減らないピケが、「自分がバルサにいる9年間でes la primera vez que hemos sentido que el Madrid es superior a nosotros/エス・ラ・プリメーラ・ベス・ケ・エモス・センティードー・ケ・エル・マドリッド・エス・スペリオール・ア・ノソトロス(マドリーがウチより上だと感じたのはこれが初めてだ)」と認めていただけに、かなりバルサも重症のよう。 ▽ええ、バルベルデ監督も「Tenemos que recuperar mecanismos/テネモス・ケ・レクペラール・メカニスモ(ウチはメカニズムを取り戻さないといけない)」と言っていましたけどね。翌目木曜にはパウリーニョ(広州恒大から移籍)の入団プレゼンがあったとはいえ、本当に必要なネイマールの代理、果たしてデンベレ(ドルトムント)やコウチーニョ(リバプール)がそのレベルなのかはわかりませんが、その獲得が遅れているのは困ったもの。正直、リーガ開幕となる日曜のベティス戦までに何とかなるとは思えないんですが、どうやらその試合はバルサがどこまで弱体化したのか、それとも宿命のライバルが強くなりすぎたのかを測るいい機会になりそうですね。 ▽そしてマドリーも同じ日曜、午後10時15分(日本時間翌午前5時15分)からのデポルティボ戦でリーガをスタートするんですが、ラッキーなことにこれはラ・コルーニャ(スペイン北東部の避暑地)でのアウェイゲーム。おかげで私も午前1時に終わり、それから記者会見などがあったため、午前2時まで延長運転していたメトロの終電を逃し、タクシーも捕まらずに大勢のマドリーファン共々、自宅まで45分かけて歩いて帰るなんて目に逢うことは心配せず、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でペペ・メル監督率いるチームがどこまで善戦してくれるのか、ジダン監督のローテーションが今度も当たるのか、楽しんで見ていればいいんですが、心もとないのは同日午後6時15分(日本時間翌午前1時15分)からのアスレティックvsヘタフェ戦。 ▽いえ、もちろん昨季、1部昇格プレーオフ決勝まで戦ったため、プレシーズン開始が20チーム中、最も遅かったヘタフェと今季はヨーロッパリーグ予選3回戦から参加。7月27日に公式戦を開始し、ディナモ・ブカレストを総合スコア4-1で破った後、木曜にはプレーオフ1stレグでパナシナイコスに36歳のベテランFW、アドゥリスの2ゴールを含め、敵の応援熱いギリシャの地で2-3と逆転勝ちしたジガンダ新監督の率いるチームのコンディション差が気懸りというのもありますけどね。サン・マメスで柴崎選手が念願の1部デビューを果たす可能性も大いにあるんですが、マドリッドの郊外がホームの彼らはレガネス同様、セントロ(市内中心部)では試合を放送してくれるバルが少ないんですよ。 ▽9月16日午後4時15分キックオフが決まった4節のヘタフェvsバルサ戦ぐらいになると、大丈夫なんですけどね。1年ぶりのビッグマッチとあって、おそらくコリセウム・アルフォンソ・ペレスのチケットを買うのも難しくなるのはともかく、まずは初戦で新生チームの実力を披露できるといいのですが、さて。幸いアスレティックがELプレーオフの谷間とあって、メンバーを落としてきてくれるかもしれないのは好材料になりますかね。 ▽一方、1部2年目となるレガネスは金曜にそれこそ、2017-18シーズン・リーガ最初の試合をブタルケで開催するんですが、相手は9日にも親善試合で対戦し、1-1の引き分け。PK戦4-2でやっと勝ったアラベスとあって、気を許せないものの、今週はチームが練習をするインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに建設中だったロッカールームがオープンといういいニュースも。ええ、先日、私が初めて訪れた時にはあまりにボロボロの建物を使っていて、気の毒になってしまったぐらいでしたが、今度は最新ジム設備やプレスルームも完備しているそうで、間もなく新しいピッチもお目見えする予定となれば、選手たちも他のお金持ちチームに気が引けることなく、立ち向かうことができる? ▽そして最後にアトレティコなんですが、彼らは土曜午後8時15分(日本時間翌午前3時15分)から、火曜にはあのグアルディオラ監督が指揮するマンチェスター・シティとの親善試合に1-0で勝利して、意気上がるジローナに立ち向かうことに。うーん、コケも「El ano pasado costo mucho empezar/エル・アーニョ・パサードー・コストー・ムーチョ・エンペサール(昨季はシーズンスタートがとても大変だった)。いい結果で始められなくて、イレギュラーだったから、それを直すのが最初の目標」と言っていましたが、去年は1節アラベス戦、2節レガネス戦と昇格組との連続ドローで躓きましたからね。 ▽このところ、度々、「Mi destino ya esta definitivo/ミ・デスティーノ・ジャー・エスタ・デフェニティボ(自分の運命はもう決まっている)。今季はアトレティコに戻らないといけない」といったような、古巣移籍を熱望する台詞をマスコミに流し、今か今かと到着が待たれているジエゴ・コスタも罰金が33万ユーロ(約4200万円)まで溜まってもチェルシーの帰還命令を無視。母国ブラジルでのバケーションが長すぎ、かなりお腹がダブついてきたにも関わらず、まだクラブ間の交渉が始まっていないようですし、どちらにしろ、来年1月まではプレーできませんからね。となれば、ない袖を無理してでも振ってもらうしかありませんが、果たしてどうなることやら。何はともあれ、マドリッドの4チームが揃って好スタートしてくれると、私もいい週末を過ごせるんですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.18 11:30 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールだけで最高なのに…

▽「見せたがりも度を超えると良くないわね」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。スペイン・スーパーカップ1stレグで退場させられたクリスチアーノ・ロナウドが、競技委員会から5試合の出場停止処分を科されたと知った時のことでした。いやあ、試合数が多いのはレッドカードが提示された後、腹を立てた当人が主審を押したせいなんですけどね。さすがにこれだけの数となると、2014年のスペイン・スーパーカップ2ndレグでの退場による出場停止を今回のカンプ・ノウの一戦で消化したモドリッチとは違って、2ndレグはもちろん、残り4試合はリーガのデポルティボ、バレンシア、レバンテ、レアル・ソシエダ戦に掛かることに。 ▽ようは9月12、13日のCLグループリーグ初戦は別として、リーガでは19、20日ミッドウィーク開催予定の5節ベティス戦までロナウドが出られないということで、遅めの夏休みを取って、スペインでのマドリー戦観戦を計画している日本人ファンもいるかもしれませんしね…。クラブは上訴委員会に望みを懸けているものの、たとえ2枚目のイエローカードが取り消されたって、主審への行為は別物ですし、大体、バケーション中も含め、筋肉隆々の上半身を自身のSNSで披露することに余念のない彼だけに、まだチーム合流から日が浅いにも関わらず、ジダン監督の「フィジカル的には昨季のCL決勝時と同じ」という言葉に嘘偽りなしと証明したかったんでしょうか。永遠のライバルのホームでユニフォームを脱ぐという誘惑に負けてしまったツケはあまりに高かったとしか言いようがないんですが…。 ▽まあ、そんなことはともかく、他のマドリッド勢がプレシーズンマッチを先週土曜に終了させる中、一足先にUEFAスーパーカップを済ませたレアル・マドリーが挑んだ今季2つ目の公式戦、スペイン・スーパーカップ1stレグの様子をお伝えしないといけません。夜10時のキックオフということで、チームは当日午前11時にマドリッドを経ち、バルセロナ入り。先発の方はモドリッチの代わりを同じクロアチア人の後輩、コバチッチが務める以外、マンチェスター・ユナイテッド戦と同じだったんですが、前半はどちらも動きが鈍かったような。マドリーが初お目見えのブルーの第3ユニを着用したこともあり、ピッチが見にくかったのにも参ったんですが、ベイルの2度のシュートもゴールにはならず、試合は0-0のままでハーフタイムに入ることに。 ▽それが後半、一変したから驚いたの何のって。キッカケは59分、マルセロのシュートをクリアしようとしたピケがそれをオウンゴールにしてしまったことなんですが、実は彼、前日記者会見でネイマール移籍騒動の内幕を話して大いに注目を浴びたばかり。ええ、6月30日にブエノスアイレスであったメッシの結婚式の際にはもう当人の決意を知り、それでもファンのリアクションを見れば翻意してくれるかもと、相手を怒らせながらも「se queda/セ・ケダ(彼は残る)」と自分がツィートしたことや、「No es nuestro papel ir a comunicárselo al club/ノー・エス・ヌエストロ・パペル・イル・ア・コムニカールセロ・アル・クルブ(クラブに伝えるのはボクらの役目じゃない)。言うなら本人で、言ってないのなら、秘密にすべき」と、経営陣には8月になるまでPSG移籍の話が伝わっていなかった事情を説明したんですが、どうやらそれがマズかったよう。 ▽おかげで試合後、「el error de Gerard, ha sido determinante/エル・エロール・デ・ジェラール・ア・シードー・デテルミナンテ(ピケのミスが決定的だった)」なんて、スポーツディレクターのセグラ氏に名指しで戦犯扱いされてしまったりもしたんですが…。いや、だって、こういうのは事故のようなものですから。実際、その後、攻勢に出たバルサは77分、ゴール右横でGKケイロル・ナバスにルイス・スアレスが倒されたとされ、PKをゲット。リプレーではほとんど接触もなかったように見えながら、それまでコバチッチのマークが効いて見せ場がなかったメッシがしっかり決め、同点になったとなれば、とりあえずピケは無罪放免してあげてもいいのでは? ▽ただ、そうもいかなかったのはそれから数分もしないうちにマドリーの伝家の宝刀が発動したせい。ええ、それは高速カウンターで、後でバルベルデ監督も「Ellos son un equipo que corre bien al espacio/エジョス・ソン・ウン・エキポ・ケ・コレ・ビエン・アル・エスパシオ(彼らはスペースへと上手く走るチーム)」と認めていたように、バルサの攻撃を自陣エリアから跳ね返すと、イスコのスルーパスで58分からベンゼマに代わってピッチに入ったロナウドが前に立ちふさがるピケをものともせずにシュート。これがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)となったため、つい当人もユニフォームを脱いで自慢の肉体美を披露してしまったんでしょうけどね。ついでにマルセロの勧めでそのユニの背中をスタンドに掲げ、昨季リーガのダービーでメッシがサンティアゴ・ベルナベウで見せたパフォーマンスのリベンジまでしていましたっけ。 ▽え、でもその2分後、ユムティティに押されてロナウドがエリア内に倒れたプレーは、ジダン監督も「A lo mejor no hay penalti, pero la tarjeta es un poco fuerte/ア・ロ・メホール・ノー・アイ・ペナルティ、ペロ・ラ・タルヘタ・エス・ウン・ポコ・フエルテ(ペナルティではなかったかもしれないが、カードはちょっとキツい)」と言っていた通り、pisicinazo(ピシナソ/ダイブ)と見なされ、2枚目の警告を受けるには値しなかったんだろうって? まあ、そうですけど、決めるのは審判ですからね。世の中、そんなこともあるんですから、いくら当人がバルサのベンチに「Así ganáis con diez!/アシー・ガナイス・コン・ディエス(こうやってお前らは10人相手に勝つんだろ)」と悪態をつきながら、ロッカールームに帰ったとしても後の祭りだったかと。 ▽でも大丈夫、カウンターなら人数の減ったマドリーでも実行可能なんですよ。今度は90分、ベイルに代わって入ったルーカス・バスケスがアセンシオに繋ぎ、彼もメッシを追いすぎて太ももを痛めたコバチッチの交代で入ったフレッシュな選手だったため、一気にピッチを縦断。ピケが前を塞ぐ前に左足を振り抜き、チームの3点目を挙げてしまうんですから、私など、もう才能溢れる選手が沢山いるマドリーをただただ、羨むしかないかありません。ええ、これで1-3の勝利となったとなれば、ロナウドがいなくても、2ndレグの心配はしなくていい? ▽ちなみにその日のカンプ・ノウはバルサがこの試合をabono(アボノ/年間指定席)対象としなかったため、大量の観光客がチケットを買って入場。どうやらその内訳はマドリーファンが多かったようで、ロナウドのパフォーマンスもアセンシオのUEFAスーパーカップ、リーガ、CL、コパ・デル・レイに続く大会デビュー戦ゴールにもpito(ピト/ブーイング)より、拍手が多かったようですが、ホームサポーターをバックに戦える2ndレグは水曜午後11時(日本時間翌午前6時)からキックオフ。中2日しかないとあって、両チームとも月曜から早速、練習を再開しています。 ▽でもねえ、ロナウドはともかく、次はモドリッチも復帰するマドリーに対し、奇しくも同日、PSGでのデビュー戦でもゴールを挙げていましたが、そんなネイマールの代役はやはりデウロフェウでは肩の荷が重いことが判明。敗戦直後に「El equipo no necesita fichajes por este resultado, los necesita porque hay que renovarse/エル・エキポ・ノー・ネセシータ・フィチャヘス・ポル・エステ・レスルタードー、ロス・ネセシータ・ポルケ・アイ・ケ・レノバル(この結果のせいで補強がいるんじゃない。チームを刷新するために必要なんだ)」とブスケッツが言っていたのに呼応するがごとく、ようやくその2億2200万ユーロ(約284億円)のうち、4000万ユーロ(52億円)を使って、パウリーニョを広州恒大から獲得することができたバルサでしたが、入団は木曜らしいですしね。 ▽おまけに彼はFWではありませんし、デンベレ(ドルトムント)やコウチーニョ(リバプール)移籍が間に合うとは思えないため、サンティアゴ・ベルナベウでレモンターダ(逆転劇)を達成するには再び、クラシコ(伝統の一戦)35試合で24得点を挙げているメッシに頼るしかないのは辛いところ。とはいえ、このままあっさり勝負がついてしまうと、今季のリーガはマドリー独走状態、順位争いの醍醐味がなくなってしまうという危険性もあるため、そこそこの意地はバルサにも見せてもらいところですが…。 ▽あ、その2強の優勝争いに割って入るべく、日々努力を重ねているアトレティコは土曜にプレシーズン最後のレガネス戦で勝利した後、日曜、月曜と練習がお休み。火曜のダブルセッションから、土曜の開幕ジローナ戦に向けての準備が始まるんですが、とにかくこの夏はFIFA処分で補強ができない彼らですからね。今はビエットの移籍先を探しているぐらいで、1月から戦力になってもらいたいジエゴ・コスタ(チェルシー)もまだブラジルに滞在、チェルシーとの交渉も進んでいないようなので、とりたててニュースはなかったかと。 ▽一方、補強に最後の追い上げを見せているのがマドリッドの弟分2チームで、ヘタフェはアトレティコから譲り受けたアマトなど、移籍決定の翌日には古巣とスコアレスドローに終わった試合に途中出場。土曜に2-1と負けたアルバセテ(2部B)戦にも出ているんですが、さらに月曜にはウルグアイ人の19歳左SB、マティアス・オリベイラを獲得。レガネスもマウロ・ドス・サントス(エイバルから移籍)、エセキエル・ムニョス(同ジェノバ)ら、2人のDFのプレゼンを土曜に実施と、戦力アップに余念がありません。何せ彼らはこの金曜、2017-18シーズンのリーガの先陣を切ってアラベスと対戦しますからね。1節が日曜のアスレティック戦となるヘタフェより、時間が少ないため、新しいメンバーと練習できる日があまりないのは気の毒かと。そんな感じでマドリー以外のチームも公式戦が迫ってきただけに、今週は私も各チームの練習をイロイロ見て回れるといいんですが。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.15 12:51 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】選手が同じだとこうなる…

▽「あまり実のある勝利じゃなかったかも」そんな風に私が素直に喜べなかったのは早起きしてブタルケに駆けつけた土曜日、アトレティコのプレシーズン最後の親善試合、レガネス戦が終わった時のことでした。いやあ、もちろんマドリッドの弟分チームを0-1で退け、この夏にこなした5試合で無敗を貫いたのはいいことなんですけどね。その日、後半21分にゴールを挙げたのはアトレティコBのファン・モレノ。加えてフベニル(Bチームの下のカテゴリー)から、21世紀生まれのFW、16歳のビクトル・モジェホがトップチームデビューしたなんて微笑ましい出来事もあったものの、開幕後、コパ・デル・レイ初戦以外で彼らを大人の試合のピッチで見ることが一体、何回あるというのでしょう。 ▽うーん、午前10時30分からという、珍しい時間帯に試合を組まれた上、昼食後はトレド(マドリッドから1時間の世界遺産都市)に移動して、午後8時から当地の2部Bチームとの対戦。まったく意味不明の強行軍でプレシーズンマッチの最後を飾ることになったアシエル・ガリターノ監督など、「Estoy contento, se lo pusimos dificil al Atletico/エストイ・コンテントー、セ・ロ・プシモス・デフィシル・アル・アトレティコ(アトレティコを手こずらせたんだから、私は満足だ)」と言っていましたけどね。レガネス側としても、リーガ1節は出場停止となるゴディンとU21ユーロ参加で練習開始が遅れたサウル以外、控えとカンテラーノ(下部組織の選手)で構成されたアトレティコに負けてしまったのはあまり、士気が上がる理由にはならないかと。 ▽だからって、夜のトレド戦で3-0と格下チームに惨敗した言い訳にはなりませんが、彼らには今季、2年目となる1部での戦いを前に選手がかなり入れ替わっているという事情がなきにしもあらず。逆にFIFA処分でこの夏、戦力補強ができないアトレティコはレギュラーと控えの区分けもあまり変わっていないんですが、丁度、12時間前に終わったもう1つの弟分、ヘタフェとの対戦ではその主力組が昨季とまったく同じ欠点を露呈してしまったから、頭の痛いことと言ったら、もう。そう、エル・パイスのアトレティコ番記者も、「シュートパス交換を頻繁に繰り返しても選手の動きが乏しいため、それに意味が与えられない。たまに誰かがスペースに抜け出すことができた際にはパスの精度が欠けがち」と分析していたんですが、要は決定的なラストパスが出せなくて、ゴールチャンスにまでならないんですよ。 ▽え、得点力不足に悩みそうなのはヘタフェも同じじゃないかって?そうですね、今週はまず、水曜に2部のマドリッド勢アルコルコンとサント・ドミンゴで顔を合わせた彼らだったんですが、何と前半3分にはノノのヘッドで、後半7分にもアルバロ・ペーニャのエリア外からの弾丸シュートで2点をリードされ、先日のアトレティコ・バレアレス(2部B)との練習試合同様、守備での課題を浮き彫りにすることに。それでも11分にはチュリが見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)で1点を返したものの、その後、アルコルコンのファンたちからも「Gaku, Gaku」としきりに呼ばれていた柴崎岳選手を始め、その他4人の選手がリフレッシュに入りながら、結局、同点に追いつくことはできなかったですけどね。 ▽ただ、その日のボルダラス監督は金曜に迎えるアトレティコとの対戦をすでに見据えていたようで、翌日はまたしてもシュダッド・デポルティバ(練習場)で2時間のハードトレーニングを実施。1部復帰に備え、シートをより鮮やかな青に塗り直し、芝も新しくなったコリセウム・アルフォンソ・ペレスでの新チーム、お目見え試合ではかなり張り切って、アスレティックの開幕戦に並んでも不思議のないメンンバーを先発させています。そう、CFはエースのホルヘ・モリーナ、2列目にアルバロ・ヒメネス、パチェコ、そしてトップ下に柴崎選手という布陣だったんですが…。 ▽アトレティコも前半、グリースマンの放ったvolea(ボレア/ボレーシュート)が惜しくも外れてしまったり、後半41分にはこのプレシーズン、チームの救世主になっていたフェルナンド・トーレスがゴール前から真上に撃ち上げてしまう始末で、どうしてもゴールを奪えず。そのせいか、シメオネ監督もせっかくアップさせていたカンテラーノたちを投入することもなく、この夏、初めて国内でプレーする彼らをその日は近場なこともあって、応援に駆けつけたアトレティコファンが「Ole, ole, ole! Ole Cholo Simeone!(オレ・チョロ・シメオネ)」とカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を合唱する中、まるで罰ゲームのように先発した11人を最後までプレーさせることに。 ▽対するヘタフェもボールを持たれっぱなしだった前半を改め、後半は少し、上向きになったものの、得点するまでには至らず。ええ、柴崎選手もシュートを3回程、スルーパスも何度も試みていたんですけどね。後でボルダラス監督も「Quiza el ultimo pase le ha faltado que el destino fuera el correcto/キサ・エル・ウルティモ・パセ・ラ・ラルタードー・ケ・エル・デスティーノ・フエラ・エル・コレクト(方向は正しかったけど、ラストパスが欠けていたかもね)」と言っていたように、チームメートにタイミング良く受けてもらうことはできませんでしたっけ。 ▽それでも途中交代した時には観客から大きな拍手をもらっていましたし、監督も「Es muy generoso, ha trabajado bien sin balon, es un jugador que tiene futbol en las botas/エス・ムイ・ヘネローソ、ア・トラバハードー・ビエン・シン・バロン、エス・ウン・フガドール・ケ・ティエネ・フトボル・エン・ラス・ボタス(彼はとても心が広い。ボールを持たない時もよく働いた。シューズにサッカーが詰まっている選手だね)」と彼を称賛。顔なじみのAS(スペインのスポーツ紙)のヘタフェ番記者も「きっと開幕のアスレティック戦ではスタメンだよ」とお墨付きをくれたため、20日はサン・マメスのピッチでその雄姿が見られるのを期待してもいいかと。実際、昇格組のヘタフェにとって、この試合、残留が目標の今季、ヨーロッパの大会に出場するチームとスコアレスでも引き分けたというのは、リーガなら勝ち点1なのですから、十分な成果だったと言えるかもしれません。 ▽翻って心配なのはアトレティコで、試合後ミックスゾーンに出て来たヒメネスなども「Tenemos ocasiones pero nos falta muy poquito para meterlas/テネモス・オカシオネス・ペロ・ノス・ファルタ・ムイ・ポキート・パラ・メテールラス(ウチはチャンスを作ったけど、ゴールに入れまでが少し足りなかった)。来週のジローナ戦に向けて精度を上げないと」と認めていましたけどね。現実問題、決定力を上げてもらいたいのはゴディンの代わりに開幕戦先発となりそうなCBではなく、FW陣なんですが、うーん、実は土曜のレガネス戦でもビエットが最高のカウンターから、GKクェジェルとの1対1を見事に失敗。 ▽このままだと、彼もサントス・ボレ(リベル・プレートに移籍)、クラネビテル(同ゼニト)、そして前日、ヘタフェに河岸を変え、昨季のテネリフェ(2部)に引き続き、柴崎選手の同僚となったアマトらの後を追って、ワンダ・メトロポリータノのピッチを踏めないことになりそうですが…とにかく、昇格組だったアラベスと0-0で引き分けて始まった昨季の轍だけは踏んでもらいたくないところです。 ▽え、マドリッドの3チームは土曜の夜、アルバセテ(2部)に2-1で負けてしまったヘタフェを含め(柴崎選手は途中出場)、これで全ての親善試合を終え、あとはリーガ1節を指折り数えて待てばいいだけだけど、すでに公式戦モードに入っているレアル・マドリーはどうしているのかって?いやあ、スペインU21代表選手を中心にこの夏は補強したためか、お隣さん同様、昨季とほとんど変わらないメンバーでプレーしている彼らですが、あっちはCL、リーガのドブレテ(二冠優勝のこと)達成のチームですからね。火曜には、そのカーディフでのCL決勝ユベントス戦からクリスチターノ・ロナウドとベイルをスタメンで入れ替えただけのメンツで、マンチェスター・ユナイテッドをUEFAスーパーカップで圧倒。 ▽前半23分にはカルバハルのクロスをカセミロが決め、いえ、モウリーニョ監督は「Es fuera de juego. Y con el VAR no seria gol/エス・フエラ・デ・フエゴ。イ・コン・エル・バル・ノー・セリア・ゴル(あれはオフサイドだったし、VAR/ビデオ・アシスタント・レフェリーがあればゴールにならなかったろう)」と後で文句を言っていましたけどね。これで先制したマドリーは後半6分にもベイルとのワンツーで抜け出したイスコが2点目をゲット。マラガにいた4年前、「いい選手だが、そんなに素早くないし、体に対して頭が大きすぎる」という奇妙な理由で獲得を自粛したユナイテッドにきつい一発を入れることに。その後は相手もルカクのゴールで追いすがったものの、2-1でマドリーの快勝です。ええ、終盤にはまだチーム合流から2セッションしかこなしていなかったロナウドもピッチに入りましたが、あまりその必要性もなかったような。 ▽よって、同様にアメリカでのインターナショナル・チャンピオンズカップでは負けていたバルサが相手となる次のスペイン・スーパーカップもそれ程、心配することはなさそうに見えるんですが、唯一、気になるのはモウリーニョ監督も「Los centrocampistas del Madrid son unicos, no hay replica de Modric, Kroos, Casemiro o Isco/ロス・セントロカンピスタス・デル・マドリッド・ソン・ウニコス、ノー・アイ・レプリカ・デ・モドリッチ、クロース、カセミロ・オ・イスコ(マドリーのMF陣は他にないものだ。モドリッチ、クロース、カセミロ、イスコの複製はいない)」とベタ褒めしていたうちの1人、モドリッチがカンプ・ノウでの1stレグに出場停止となること。 ▽原因は3年前、今のところアトレティコ最後のタイトルとなっている2014年のスペイン・スーパーカップ2ndレグで退場したためですが、それ以来、マドリーもこの大会に出場していなかったのは結構、意外に感じる向きも多いかと。ちなみに前日記者会見で3年間の契約延長を公けにしたジダン監督は再び、「fisicamente ha trabajado muchisimo y esta listo/フィシカメンテ・ア・トラバハードー・ムチシモ・イ・エスタ・リストー(フィジカル的に沢山、トレーニングしているし、プレーする用意は整っている)」とロナウドの先発起用を示唆していましたが、世間一般ではこの試合でもベンチスタートでフル出場はなしとの見方が主流。昨季もローテーションで入るたびにいいプレーを見せたクロアチア人の後輩、コバチッチを入れ、イスコをキープした4-4-2でいくんじゃないかと言われていますが、アセンシオやセバージョスら、オプションも多いだけに、スタメンは当日のお楽しみでいいんじゃないですかね。 ▽一方、先週、ネイマールを史上最高の2億2200万ユーロ(約286億円)でPSGに売ったはいいものの、おかげで移籍市場が超インフレに突入。デンベレ(ドルトムント)やコウチーニョ(リバプール)を獲りたくても相手に足元見られ、値段が1億4000万ユーロ(約180億円)だの、1億2000万ユーロ(約155億円)だのに跳ね上がってしまい、なかなか実現できていない相手のバルサなんですが、それでもあちらにはメッシ、ルイス・スアレスという最強のゴール量産コンビがいますからね。月曜にはガンペル杯でシャペコエンセに5-0と大勝もしているせいですか、いよいよクラシコ(伝統の一戦)スペイン・スーパーカップ版が近づいてきても、あまり試合に関する話が出てこないのが不思議なところ。 ▽何せ、この対戦でネイマールの代理を務めると言われているデウロフェウですら、今季本当にチームに残るのか、確定していない状態ですからね。UEFAスーパーカップで優勝したマドリーを当日、彼らがピッチで花道を作って迎えるかどうかという議論を別にすれば、人事関係の取り沙汰ばかりが耳に入ってくるですが、それでもトロフィーはトロフィー。「No me cansare nunca de ganar y levantar trofeos/ノー・メ・カンサレ・ヌンカ・デ・ガナール・イ・レバンタール・トロフェオス(勝つこととトロフィーを掲げることには決して飽きない)」というセルヒオ・ラモスを筆頭に、どちらも本気の白熱した戦いが見られるのは間違いないかと。そんなスペイン・スーパーカップ1stレグは日曜午後10時(日本時間翌午前6時)キックオフ。まずは両者のお手並み拝見といきましょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.13 11:30 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】真剣勝負の時間が近付いてきた…

▽「こっちになったのはラッキー」そんな風に私が喜んでいたのは月曜。その朝から、ヘタフェが施設入口から近い方のピッチで練習しているのを見つけた時のことでした。いやあ、先週まではずっと、アトレティコ・バレアレス(2部B)との親善試合ですら、奥のグラウンドを使っていたため、このまま通っていると、ビーチにも行っていないのに手足が真っ黒になってしまうと心配していた私でしたけどね。ミニスタンド付きのこちらは屋根のおかげで日影がある上、腰を下ろして見学できるため、午前9時半から始まったセッションが11時50分までと、予想外に長かったにも関わらず、まったく苦にならなかったって、まあそれは10人程、その場にいたファンの話。 ▽もちろん、フィジカルメニューがたっぷり詰まった内容は柴崎岳選手を始め、お日様のギラギラ照りつける中で練習していたメンバーとっては大変だったと思いますが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにあるロッカールームに戻る途中、ボルダラス監督と話したところ、この日はさらに夕方にもセッションがあると言うから、え、そんなに練習したら、熱中症にならない? 曰く、「リーガ開幕まであと1週間、もうあまり時間がない」そうですが、確かに昨季プレーオフで昇格を決めた彼らはプレシーズンを始めたのも最後でしたからね。今のところ、10人に上る新加入選手はリーガ1部経験者が多いものの、これから獲る予定のCFやボランチを含め、チームとしてまとまるにはやっぱりできるだけ沢山、トレーニングしておく必要があるのかも。 ▽ちなみにそのヘタフェは先週末、土曜にプエルトジャノ(マドリッドから車で南に2時間半の内陸都市)で同じ昇格組のジローナと対戦したんですが…。いえ、私はもう1つのマドリッドの弟分チーム、レガネスがいつの間にか、格下になっていたラージョ(2部)とエスタディオ・デ・バジェカスで顔を合わせた試合を見に行っていたんですけどね。丁度、こちらの試合のハーフタイムに、柴崎選手が80分に決めたゴールでヘタフェが1-0で勝利したという報を知り、驚いたの何のって!! そうボルダラス監督に言ったところ、「彼に得点力がないと思っていた?」とからかわれてしまいましたが、いやいや。 ▽というのも、後で映像を探し出して見てみたところ、そのゴールはジローナDFからボールを奪って個人技で決めるというgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)だったんですよ。折しもその試合の日、監督が「Le faltan conceptos de lo que es la Primera pero nos dará cosas/レ・ファルタン・コンセプトス・デ・ロ・エ・エス・ラ・プリメラ・ペロ・ノス・ダラ・コーサス(1部というもののコンセプトがまだ欠けているが、ウチにイロイロ貢献してくれるだろう)」とマルカ(スポーツ紙)のインタビューを読みましたしね。あまりにタイミングバッチリで、しかも地獄の暑さだったというピッチで先発して終盤の決勝点となれば、当人の体力アピールにも大いに役立ったかと。 ▽そんなヘタフェはこの水曜にまた、もう1つの2部の兄弟分、アルコルコンとサント・ドミンゴで午後8時から親善試合。このスタジアムはセルカニアス(近郊路線)C-5線のLas Retamas(ラス・レタマス)駅から歩いてすぐ、入場料も5ユーロ(約660円)と格安なので、たまたまマドリッド観光に来ているファンは覗いてみても面白いかと思いますが、今週金曜午後8時30分には改装されてキレいになったコリセウム・アルフォンソ・ペレスでのチームプレゼン試合も開催。兄貴分の胸を借りるアトレティコ戦もありますからね。そちらの方が1部復活を遂げた彼らの現在の実力を計るにはお勧めかもしれません。 ▽え、それでラージョとレガネスのバジェカス杯はどうなったんだって? いやあ、今季も2部でプレーするにも関わらず、忠実に応援を続けていたホームサポーターには気の毒だったんですが、1部2年目のアシエル・ガリターノ監督のチームはサッカーで一番大事なところでカテゴリーの差を披露。それはずばり得点力で開始1分、ディエゴ・リコのゴールで先制すると、その後はずっと相手にボールを持たれて攻められながら、73分にはガブリエウがPKを獲得して2点差に。そのまま0-2で勝利すると、先日のアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)程、豪華ではありませんでしたが、キャプテンのマントバーニが堂々、トロフィーを掲げています。 ▽何せ、今季も降格候補に挙げられてしまうであろうレガネスですからねえ。こういう堅実な勝利で選手たちが自信をつけるのが一番なんですが、そのいい例が兄貴分のアトレティコ。ええ、アリアンツ・アレナでナポリ、リバプールを下し、優勝杯を持ち帰った後の金曜日、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に夕方のセッションを私が見に行ったところ、これが「Cuando hay ilusión, siempre encuentras cosas para motivarnos/クアンドー・アイ・イルシオン、シエンプレ・エンクエントラス・コーサス・パラ・モティバルノス(夢がある限り、常にモチベーションを上げる何かを見つけられる)」(シメオネ監督)ということなんですかね。物凄い迫力で指導していた当人を筆頭に、ロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)時の選手たちのエキサイトぶりときたら! しかもその日は午前中にも練習していたとなれば、今季も体力的には申し分ない仕上がりになっているのは間違いない? ▽その一方でサッカー的にどれ位、上達したのか、練習で判断できないのは再び彼らのセッションが開始から15分のみ見学可に戻ってしまったためなんですが、大丈夫。その成果は日曜のブライトンとの親善試合で目にすることができました。いえ、相手がプレミアリーグ昇格組ということで、先日の今季CLプレーオフ出場チームを相手にした時はまったく違い、主導権を握っていたアトレティコでしたけどね。得点こそ、なかなか生まれなかったものの、41分にはガイタンのミドルシュートがGKライアンの手をすり抜けて先制。ただこれは61分、ブライトンのFKにガイタンが足を出し、軌道を変えてゴールにしてしまったため、すぐ追いつかれてしまったんですが、ここで大御所が登場します。 ▽ええ、67分にファンフランのクロスをノーマークだったフェルナンド・トーレスがヘッドで決め、勝ち越し点を挙げてくれたんですから、これならジエゴ・コスタ(チェルシー)が来年1月までプレーできなくても心配しなくていい? ところが予想外だったのはブライトンも意地を見せ、78分にはマーチのクロスをシドウェルが同じように頭で易々ゴールにしてしまったことで、どうやら守備の面ではまだまだ課題が残っているよう。うーん、最後は89分にグリーズマンのシュートはライアンに弾かれてしまったものの、ふくらはぎ痛でお留守場となったフィリペ・ルイスの代わりにその日、左SBを務めていたルーカスが押し込んで、2-3と勝利したアトレティコだったんですけどね。 ▽サビッチなどは「失点しようがしまいが、lo más importante es que el equipo gane y lo hizo/ロ・マス・インポルタンテ・エス・ケ・エル・エキポ・ガネ・イ・ロ・イソ(一番大事なのはチームが勝つことで、それはできた)」と言っていましたが、どこぞのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)体質のチームと違い、彼らはいつでも2点3点と挙げられる訳ではなし。ここ3試合、国外のプレシーズンマッチではナポリ戦のremontada(レモンターダ/逆転劇)、リバプール戦のPK戦勝利、そしてこの日の土壇場の決勝点と、お隣さんのお株を奪うような勝ち方をしてきたとはいえ、油断は禁物です。 ▽そして月曜は休養、火曜の夕方から練習を再開するアトレティコは、後は金曜にヘタフェ、土曜にレガネスと、弟分との2連戦でさらに自信をつけて(?)プレシーズンマッチを終える予定なんですが、実はもうそんな悠長なことは言っていられないチームも…。もちろんそれはレアル・マドリーで、先週はアメリカツアーから帰還後、土曜、日曜、午後5時という一番暑い時間にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニングすると、月曜にはUEFAスーパーカップに備え、もうマケドニアに飛ぶことに。 ▽え、あちらはタイトルが懸かった試合だから、マドリーが真剣になるのはわかるけど、コンフェデレーションズカップのポルトガル代表参加でバケーション入りが遅れ、チーム合流からたった2日しか経っていないクリスチアーノ・ロナウドを連れて行くとはかなり切羽詰まっていないかって? まあ、確かにアメリカでのインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏に行われる国際親善大会)の初戦では今回の相手、マンチェスター・ユナイテッドと1-1で引き分けた後、稀に見る悲惨なPK戦2-1で負けていますけどね。試合前日会見で話したジダン監督は、「彼はフィジカル的に2カ月前のCL決勝の時と同じ。Si está con nosotros es que está para jugar/シー・エスタ・コン・ノソトロス・エス・ケ・エスタ・パラ・フガール(我々と一緒にいるのはプレーできる状態ということ)」と言っていましたが、現実問題、そんなことってありえるんでしょうか。 ▽まあ、体質は人それぞれですし、当人はマドリッドと同じぐらいのスコピエの猛暑も平気なのかもしれませんけどね。マドリーはUEFAスーパーカップをこのところ2連覇しているものの、その時はどちらも相手がセビージャ、今回はマドリー打倒に闘志を燃やすモウリーニョ監督のチームと相まみえるとあって、ジダン監督発言には牽制の意味もあるのかもしれませんが、こうなるとますますわかりにくくなるのが試合のスタメン。 ▽そう、ロナウド参戦まではスタメンにベイルを使うのか、昨季終盤からこのプレシーズンも輝きを維持しているアセンシオを抜擢するのかが論争になっていましたが、こうなると普通にBBC(ベイル、ベンゼマ、ロウドの頭文字)先発という目も出てくるかと。ちなみにケガ人が1人もいないマドリーはルーカス・バスケス、コバチッチ、セバージョス辺りからも誰か、スタンド観戦になる可能性があります。 ▽一方、ユナイテッドはバイリーやショーといった出場停止の選手もいるものの、この夏獲得したルカクを先頭にラッシュフォード、ポグバ、ムヒタリアンといった豪華メンバーが前線に並ぶ予定。うーん、カリフォルニアでの対戦ではどこか、手札を隠していた感もあったモウリーニョ監督ですからね。AS(スポーツ紙)などでは5人DF体制もありうるなんて書かれていましたが、果たしてこの勝負、軍配はどちらに挙がるのやら。そんなUEFAスーパーカップのキックオフは火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)。ようやくまともな時間に見られるマドリーの試合ですし、パッとしなかったアメリカでのイメージを払拭するためにもいい結果に終わってくれると嬉しいです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.08 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】親善試合だって勝った方が嬉しい…

▽「だったら、最初からそうしてれば良かったのに」そんな風に私が呆れていたのは木曜。お昼のニュースでは午前中に契約破棄金額の2億2200万ユーロ(約290億円)の小切手をマドリッドにあるLEP(スペイン・プロリーガ協会)の本部に持ち込んだネイマールの法定代理人が受け取りを拒否されたと報じられたものの、彼らはその足でバルセロナに移動。クラブのオフィスに現金で持って行ったところ、受理してくれたため、午後にはPSGへの移籍が叶ったとの記事を見つけた時のことでした。いやあ、先日、1月からアトレティコでプレーするビトロ(現在はラス・パルマスニレンタル)がセビージャとの契約破棄金額4000万ユーロ(約52億円)をLEPに持参した時には何の問題もなかったんですけどね。 ▽ネイマールについては常識破りの額だったのがいけなかったんでしょうか。マイアミでのクラシコ(伝統の一戦)の後、中国商業ツアーに出た当人が火曜にドバイ経由でバルセロナに戻って来る前から、LEPのテバス会長は「これはdopaje financier/ドパヘ・フィナンシエロ(ファイナンシャル・ドーピング)だ。PSGの金は親会社から出ていて、フィアナンシャル・フェアプレー規則にも違反している。そんなものは受け付けられない」と息巻いていたんですが…。でもねえ、彼らはただの仲介役。違約金はそのままバルサに渡されるだけですし、それを規則の枠内かどうかを判断するのはUEFAの仕事となれば、元々、LEPに拒否する権限さえあったのかどうか。 ▽まあ、バルサではチームメートたちもネイマール騒動にもう食傷気味。フロントも後釜探しに入っていたと言いますし、その一番手に挙がったグリーズマンが実はこの夏の移籍市場オープン中だけ、移籍破棄金額が2億ユーロ(約261億円)に倍増。9月からまた1億ユーロに戻ることもあってか、さっさと候補から外れてくれたため、私もセルヒオ・ラモス同様、8月13、16日のスペイン・スーパーカップでレアル・マドリーがMS(メッシ、ルイス・スアレスの頭文字)だけを相手にすればいいのを喜んだぐらいで、金曜にはパリでネイマールのメガプレゼンが予定されているとか、別にどうでもいいんですけどね。ええ実際、今週のミッドウィークにはマドリッド勢が次々とプレシーズンマッチを戦ったため、そちらで忙しかったんです。 ▽そのトップバッターは火曜にミュンヘンでアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)準決勝に挑んだアトレティコで、いやあ、やっぱりヨーロッパ内での試合はいいですよね。夕方からのキックオフだったため、私も家でじっくり見られたんですが、レギュラーをスタメンに並べながら、シメオネ監督のチームは序盤からナポリに押されがちに。それでも24分にはフィリペ・ルイスのクロスをグリーズマンが強烈ヘッド。続いてガイタンのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)をGKレイナにダブルでparadon(パラドン/スーパーセーブ)され、その1分後にはコケのクロスを再びグリーズマンがvolea(ボレア/ボレーシュート)で惜しくも外すというチャンスも発生。そんな楽観的なムードが一転したのは32分で、ゴール前でサビッチがカジェホンを倒し、ペナルティを取られてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫だったんです。というのも、2016年のCL準決勝バイエルン戦2ndレグでもミュラーのPKを止めていたGKオブラクがミリクのキックを弾いてくれたから。彼は前半終了間際にもインシーニェのシュートを決めさせず、試合は0-0のままハーフタイムに入ったんですが、やはりプレシーズンはありがちですよね。55分、アトレティコの守備ミスから、グラムの上げたクロスをカジェホンがノーマークで討ち込んで、先制点を奪われてしまったものの…この日はシメオネ監督の最初の交代策が当たりました。 ▽そう、U21ユーロに出場したため、練習開始が遅れたサウールに代わり、スタメンに入っていたガイタンをトーマスにしたところ、「nos dio recuperación y salida en la circulación de la pelota/ノス・ディオ・レクペラシオン・イ・サリーダ・エン・ラ・シルクラシオン・デ・ラ・ペロータ(ウチがボールを奪えるようになり、パス交換の起点にもなった)」(シメオネ監督)彼が71分、エリア内に向かうグリーズマンにスルーパス。その折り返しがフェルナンド・トーレスに渡り、うーん、ゴールに対面しながら、踵で蹴るというちょっと妙なシュートではあったんですが、これで同点となれば、どこに文句がありましょう。 ▽ただその後、アトレティコは6人も選手を代えたため、勝ち越し点は難しい気がしたんですが、いやあ、たまにはあるもんですね。お隣さんのお株を奪うように81分、カラスコの蹴ったCKをヒメネスが頭で繋ぎ、最後はファーポストのビエットが決めて、とうとう2-1と逆転してしまったから、驚いたの何のって。ええ、そのことは後でシメオネ監督も「Más que ganar, me quedo contento por remontar/マス・ケ・ガナール、メ・ケド・コンテントー・ポル・レモンタール(勝利より、自分は逆転したことに満足だ)」と認めていましたっけ。 ▽まあ、最後はゴディンが2枚目のイエローカードをもらって退場、「ああいうタックルは親善試合ではやらないものだと本人に言ったら、謝っていたよ」(サッリ監督)なんて出来事もあったんですけどね。8月中旬にはCLプレーオフが控えているため、自分たちより準備が進んでいる相手に挑み、見事アウディカップ決勝進出を掴んだアトレティコは、FIFA処分でこの夏、補強ができないことに不安を抱いていたファンをホッとさせてくれた? そして意外にもバイエルンが準決勝で0-2と負けたため、翌水曜はリバプールと戦うことになった彼らでしたが…。 ▽え、午後8時半からの決勝を見逃すのを覚悟で私がヘタフェのプレシーズンマッチに行ったのは、とてもsuplentes(スプレンテス/控え)とカンテラーノ(アトレティコBの選手)でクロップ監督率いるプレミアの名門に勝てるとは思わなかったからじゃないのかって? いやあ、ちょっとはそういう気持ちもあったんですが、1部Uターンしたばかりのマドリッドの弟分チームもこれがこの夏、地元で初めての試合ですからね。同じ気持ちだったファンも多かったようで、15分程前にヘタフェのシウダッド・デポルティバ(練習場)に着いたところ、強烈な日差しにも関わらず、見学スペースのあるピッチの側は隙間なく人がへばりついている状態。 ▽おかげで開始4分、いきなりペナルティを取られ、アトレティコ・バレアレス(2部B)のシスコがPKを決めて先制。その7分後、ホルヘ・モリーナが同点弾を決めたシーンなどもよく見えなかったんですが、右往左往しながら、メモをとっている私って、気の毒に思われたんですかね。家族連れのママが途中で間に入れてくれたため、残りの時間は柴崎岳選手がピッチに入った後半を含め、視界良好で観戦できることに。ただねえ、その日のヘタフェは先日、スポーツディレクターのプラネス氏が「守備的にはいい補強ができた」と言っていたものの、まだコーディネート不足なんでしょうか。 ▽30分には新入団のGKマノイロビッチ(ツベルナ・ズベズダから移籍)が敵のシュートを弾きながら、落ちてきたボールをお手玉してオウンゴールにしてしまったり、45分にも再びシスコにゴールを奪われ、1-3で折り返すと、メンバーがほとんど代わった後半は1点も返せず。そのまま負けてしまったとなれば、翌日にあったDFアントゥネス(ディナモ・キエフからレンタル)とGKマルティネス(アーセナルからレンタル)の入団プレゼンの席で、またしてもプラネス氏が「La necesidad es reforzar la zona ofensiva/ラ・ネセシダッド・エス・レフォルサル・ラ・ソーナ・オフェンシバ(必要なのは攻撃陣の補強)。誰か、創造的なプレーのできる選手を獲れればチームの助けになるだろう」と強調していたのは当然だった? ▽いえ、試合の帰り道、丁度、私の側を歩いていたヘタフェ1部初昇格時のOB、ジカ・クライオベアヌなどは、先週のアルコジャノ(2部B)戦でも引き分けた後だけに心配してチームの様子を訊いてきたファンに、「ウチは今日の午前中も練習があったからね。ボルダラス監督は要求が高いし、これからだよ」と言っていましたけどね。柴崎選手にも2度程、絶好のチャンスがあったんですが、そのシュートも敵GKに阻まれてしまい、得点はならず。それでもファンたちは「この夏、一番レベルの高い補強選手だよ。あとは慣れるだけじゃないか」、「昇格プレーオフのカディス戦、もちろんヘタフェ戦でも見たけど、その時からいいと思っていた」と、彼のことを好意的に受け入れてくれていたのは嬉しかったかと。 ▽唯一、気になったのは私がグラウンドにいるヘタフェの広報部長に監督でも選手でも誰か、試合後にコメントしてくれるのかと訊いていた時、「ガクは話さないわよ」と言われたのは想定内でしたが、昨季のテネリフェ在籍時の伝え聞きから、私が「内気ですからね」と答えたところ、すぐ横にいたCBのカラが「Si, si, sabemos que es timido/シー、サベモス・ケ・エス・ティミドー(そうそう、ボクらも彼が内気だって知ってるよ)」と茶々を入れてきたこと。もちろん、言葉の壁もありますし、南米人も沢山混じったあのスペイン乗りにそうそう、簡単に入れないのは日本人として私もわかりますが、昨季ミックスゾーンなどで見たエイバルの乾貴士選手なんて、もう2年目だったことあり、チームメートと気さくな感じで話していましたからね。この先、土曜には同じ昇格組のジローナとの試合も控えていますし、柴崎選手も少しずつ、チームに溶け込んでいけるといいのですが。 ▽そして1時間かけて家に戻った私でしたが、メトロ(地下鉄)に乗る前、33分にアトレティコが最初のチャンスで先制という嬉しいニュースが!! しかし、60分から入ったガビが82分にオリジを倒しPKを献上。この日のGK、モヤはフェルミーノを止められず、1-1の同点に変わっていたんですけどね。結局、90分終了後のPK戦を見るのに間に合ったのは運が良かったというか、余分にドキドキしてしまったというか。 ▽だって、最後にアトレティコのPK戦を見たのは昨年6月、ミラノでのCL決勝だったんですよ。あれ以来、もう一生、選手たちだってPK戦なんてしたくないに違いないと思っていたんですが、この日の彼らは立派でした。ええ、リバプールが先で1番手のフェルミーノは再びモヤを破ったんですが、グリーズマンもゴール。すると次のヘンダーソンをモヤが弾き、その後はオリジ、ケント、グルジッチが入れたものの、トーレス、ガビ、ガイタン、そして最後はフィリペ・ルイスが決めて、4-5で勝ってしまったから、感心したの何のって。いえ、シメオネ監督に言わせると、「グループの結束力のおかげでeste trofeito(エステ・トロフェイト/このミニカップ)を手にできた」そうで、たとえ豪華なセレモニーがあっても所詮、親善試合の話なんですけどね。 ▽しばらく優勝祝いからは遠ざかっている彼らだけに、これをキッカケにビッグタイトル獲得の決意を更に強めてくれればいいかと。実際、このアウディカップ参加チームは皆、今季CLでのライバルですしね。同日、先に行われた3位決定戦ではナポリがバイエルンを0-2で下して勝利という結果になりましたが、アンチェロッティ監督のチームとの対戦は本番にとっておくことになったアトレティコは木曜午前4時にマドリッドに戻ると、9時にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で早速トレーニング。金曜はダブルセッションを行い、翌日は日曜午後5時(日本時間翌午前零時)からのブライトンとの親善試合に備え、イギリス入りというハードスケジュールになっていますが、それもシーズンに備えての体慣らしの一環なんでしょうか。 ▽え、その水曜の深夜、木曜早朝3時にはお隣さんもシカゴでアメリカツアー最後の試合があったんだろうて?まあ、そうなんですが、さすがに私もそこまでは付き合いきれず、結果だけをお伝えしておくと、偶然も偶然、マドリーもMSLオールスターチームと1-1でPK戦にもつれ込み、ようやくこの夏、最初の勝利をゲット。この日はBチームの番で前半はどちらも得点がなく、59分、セバージョスのアシストでマジョラルがゴールを挙げたものの、86分にCKからドワイヤー(オーランド・シティ)のヘッドで追いつかれてしまうことに。PK戦ではケイロル・ナバス、ヤニェスに続き、最後にゴールを守っていたジダン監督の息子、ルカがドワイヤーを殊勲のセーブ。MSLは第1キッカーのジオも枠に当てていたため、途中出場したベンゼマ、ベイル、コバチッチ、マルセロ、全員が成功した彼らが2-4で勝ったんですが、どうもこのプレシーズン4試合、マドリーらしさがまだ披露できてないような気が。 ▽ええ、ジダン監督も「La sensación no es buena/ラ・センサシオン・ノー・エス・ブエナ(いい感触はしない)。ウチはもっと何かをしないと」と言っていましたしね。何より、彼らが大変なのは次がもう公式戦、来週火曜にはUEFAスーパーカップでマンチェスター・ユナイテッドと対戦しないといけないということ。木曜夕方にはマドリッドに到着したチームがバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で活動を再開する土曜にはクリスチアーノ・ロナウドも合流するんですが、さすがに3日間のトレーニングで出場は無理ではないかと。うーん、去年もロナウド抜きでセビージャを破り、UEFAスーパーカップ優勝という実績があるマドリーですが、今度の相手はモウリーニョ監督。足元をすくわれないよう、ベンゼマやベイルに早いところ、シャキっとしてもらいたいところです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.04 13:00 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】まだこれからだから…

▽「この暑い中、気の毒に」そんな風に私が同情していたのは月曜日、ポスエロ((マドリッド近郊)にある裁判所に出頭するクリスチアーノ・ロナウドが駐車場から建物に入り、脱税疑惑に対する証言後もそのまま直帰。正面玄関前にはスピーチ台まで用意されていたというのにコメントどころか、その姿も見ることができず、待ち構えていた記者200名、TVカメラ40台が無駄足を踏んだとお昼のニュースで知った時のことでした。というのも午前中はまだ、気温はそれ程ではないんですが、スペインの真夏の日差しはこの世のものとは思えない強さ。 ▽丁度、その朝はヘタフェ(マドリッド近郊)に柴崎岳選手の練習を見に出かけた私も日焼け止めと帽子で紫外線対策はしていたものの、このまま通い続けたら、土方焼けするのは時間の問題かと。それでもトレーニングを選手やコーチの声も聞こえる距離で追えるため、まだ救いはありますが、あちらは炎天下で2時間以上待機ですからね。挙句の果てに何も聞けない、撮れないんですから、いえ、「Si no me llamara Cristiano Ronaldo no estaria aqui/シー・ノ・メ・ジャマラ・クリスティアーノ・ロナウド・ノー・エスタリア・アキー(自分がクリスチアーノ・ロナウドという名でなければ、ここにいなかっただろう)」というのはマスコミが漏れ聞いた、当人の裁判官への返答の一節だそうですけどね。まさにそれって、待ちぼうけを喰らった取材陣の方が言いたかったかも。 ▽まあ、その辺はロナウドも予想通り、2011年から2014年の間の自身の肖像権収入をタックスヘーブンの会社に移し、1470万ユーロ(約19億円)の脱税を図ったと言われても、それは2004年から同じでイギリスでは合法、脱税の意図はないと嫌疑を否認していますし、とにかく裁判沙汰ですから、決着するのにかかる時間も年単位ですからね。今は置いておくとして、先にマイアミでの今季最初のクラシコ(伝統の一戦)がどうだったか、お話しすることにすると。うーん、そのロナウドと足首をネンザしたクロースを除き、ベストメンバーでスタートしたレアル・マドリーでしたが、もしかして、これまでのプレシーズンマッチ2試合を右耳の具合が良くなく、欠場していたセルヒオ・ラモスがいきなり先発したのがマズかったんですかね。 ▽前半3分、自陣近くでラモスがメッシを逃すと、相手がボールを持ち込んでシュート。これがバランに当たってGKケイロル・ナバスの頭上を越え、早速先制点を奪われているのですから、たまったもんじゃありません。そしてマドリー守備陣の不手際は7分にもリピートされ、今度はネイマールのパスをルイス・スアレスはスルーしたものの、フリーのラキティッチに決められているって、まさに「Esto significa que falto concentracion/エストー・シグニフィカ・ケ・ファルトー・コンセントラシオン(これは集中力が欠如していたことを意味している)」というジダン監督の言葉通りじゃないですか。 ▽ただ、まだ練習を開始して2週間そこそこのため、バルサの方も全てが完璧という訳ではなく、14分には伏兵、コバチッチがドリブルで数人かわしてエリア前からシュートを決め、マドリーは追い上げを開始。更に36分にはその日、イスコに代わってスタメンに入っていたアセンシオにラストパスを送り、2点目のアシストもしているんですから、実はこっそり成長を遂げていた?これでハーフタイム前に2-2とスコアをタイにした彼らでしたが、後半5分、CBがラモスとバランからナチョとバジェホに代わっていたせいもあったんでしょうかね。セットプレー時のマークが全然なっておらず、ネイマールのFKをピケに楽々シュートされ、勝ち越し点を奪われるとはこれ如何に。 ▽結局、その1点が返せずにマドリーは2-3で敗北。おかげでバルサはインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏に行われる国際親善大会)3連勝で優勝、逆に3連敗のマドリーは最下位というオチになったんですが、いえ、宿命のライバルのキャプテン、イニエスタがハード・ロック・スタジアムでトロフィーを掲げていたって、別に構わないんですけどね。実際、ラモスも「La Supercopa es un titulo y cuando hay un titulo de por medio cambia todo/ラ・スペルコパ・エス・ウン・ティトゥロ・イ・クアンドー・アイ・ウン・ティトゥロ・デ・ポル・メディオ・カンビア・トードー(スーパーカップはタイトルで、タイトルが懸かった時は全てが変わるからね)」と自信を見せていましたが、それってもしや、昨季も時々、あったように、集中力欠如で先制されても、最後はマドリーの伝統芸、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)が発現するから? ▽まあ、それは冗談ですが、公式戦なら、プレシーズンマッチ恒例の選手総取っ替えもありませんしね。この日もジダン監督はgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)だけは避けたかったか、GKナバスのみフル出場したものの、後半頭から4人、26分には6人と交代させているんですが、ただしそれは相手も同じこと。「ネイマールとユニ交換したけど、ojala sea la ultima del Barcelona, a nosotros nos quitaria un problema/オハラ・セア・ラ・ウルティマ・デル・バルセロナ、ア・ノソトロス・ノス・キタリア・ウン・プロブレマ(バルサではこれが最後だといいね。そしたらウチから問題が1つなくなる)」(ラモス)というのが近々、当人のPSG移籍が決まって、8月13、16日のスペイン・スーパーカップの時点では現実になっていることも考えられるとはいえ、マドリーも幾つか改善が必要なところがあるかと。 ▽だってえ、この3試合で8失点もしているんですよ。ペペが契約満了でベシクタシュに移った後、今季のCBはラモス、バラン、ナチョ、バジェホで賄っていかないといけないんですが、まだ誰も満足いく働きを披露していないのが気掛かりですし、それに対して得点はたったの4。しかもカセミロ、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のオスカル、コバチッチ、アセンシオと全員、MFが決めたもので、ベイルもベンゼマもゴールがないというのはどうしたものか。ただまあ、奇遇にも当人の得点と、同日にあったフランス・スーパーカップでエムバペが火を噴かず、モナコがPSGに1-2と惜敗したのが重なって、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)に続くFWは彼でいいんじゃないかという意見が出て来るぐらい、アセンシオはゴールが期待できる選手なんですけどね。 ▽それなら1億8000万ユーロ(約235億円)という超高額移籍金も節約できることですし、クラシコ翌日の日曜をオフにした後、月曜にシカゴに移動。あちらで木曜午前3時(日本時間同午前10時)キックオフとなる、アメリカ遠征最後のMSLオールスター戦を終えて帰国するチームにロナウドが合流すれば、決定力についてはまた別の話になると思いますけどね。何はともあれ、「Lo importante es estar bien el dia 8/ロ・インポルタンテ・エス・エスタル・ビエン・エル・ディア・オチョ(大事なのは8日にいい状態でいること)」とジダン監督も言っていたように、マケドニアのスコピエで開催される今季最初の公式戦、UEFAスーパーカップのマンチェスター・ユナイテッド戦までにはPK練習をよくしておくだけでなく、もっと調子全体が上がっているといいんですが。 ▽え、バルサの方では、バルベルデ監督は「数日前と彼の立場は同じ。Espero que siga asi/エスペロ・ケ・シガ・アシー(このままなのを期待している)」と言っていたものの、クラシコの後、バルセロナに戻るチームメートと別れ、中国での商業イベントに向かったネイマールの移籍話題ばかりだったけど、それが飛び火して、後釜候補にアトレティコのエースの名も上がっていなかったかって?いやあ、確かにネイマールが2億2000万ユーロ(約287億円)で売れれば、契約破棄金額1億ユーロ(約131億円)のグリースマンを獲得するぐらい全然、余裕ですけどね。当人は自身のツィッターにひょうきんなビデオ(https://twitter.com/AntoGriezmann/status/891600668443762688)を残し、月曜にはシメオネ監督に招集された28人のチームメートと一緒にミュンヘン入り。 ▽ゴール日照りはそれこそ、お隣さんの比ではない彼らのため、この火曜午後5時45分(日本時間翌午前0時45分)からのアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)準決勝ナポリ戦、バイエルンかリバプールのどちらかと戦う決勝or3位決定戦でプレーする気満々のようなのは、本当にありがたいかと。2日間の連戦になるため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)も駆り出されての大所帯で行ったチームでは、恥骨炎の手術後のリハビリ中のガメイロとU21ユーロ参加で先週、金曜に戻って来たばかりのサウルだけがお留守番。どうやら後者は若輩ながら、チームの誰より遅くプレシーズン開始となったため、バケーション中も鍛錬は怠ってなかったアピールをしたかったんでしょうかね。上半身裸でリフティングの妙技を披露するビデオ(https://twitter.com/saulniguez/status/891747940720664577)をアップしていたので、お暇な方は見てやってください。 ▽そしてマドリッドの弟分チーム、レガネスは土曜のプレシーズンマッチ、タラベラ(2部B)戦にもルベン・ペレスとアリバスのゴールで0-2と勝って3連勝。今週は水曜にバジャドリッド、土曜に昨季はヘタフェに置いてけぼりを喰らったもう1つの弟分、ラージョとハードルを上げて、2部のチームと対戦するんですが、このプレシーズン、地元の練習場を1度も離れず、親善試合の相手も日帰りで済む近隣ばかりが選ばれている辺りを見ると、やっぱり他と比べて、かなり経費制限がかかっているような。まあ、シーズンが始まれば否応なく、アウェイ戦に行かないといけませんからね。クラブも回せるお金はできるだけ補強に充てて、1部2年目も残留をブタルケで祝いたいということでしょうか。 ▽え、そんなレガネスでさえ、先週私が練習を見に行った折にはTVカメラが1台、記者も4、5人いたというのに月曜のヘタフェのセッションにはクラブ付カメラマン以外、ファンしかいなかったというのは悲しくないかって?いやあ、これはクラブのホームページに出る予定表(http://www.getafecf.com/PrimerEquipo/Entrenamientos.aspx)のせいもあって、当日、私が家を出る時点でも先週分のまま。直前まで「Sin confirmacion/シン・コンフィルマシオン(未定)」の場合も多いんですが、ただ、今までの私の経験と勘で、朝7時45分からなんてけったいなことをするのは練習後、土日の休みをできるだけ長くとりたい時のアトレティコぐらい。 ▽大抵は10時とか、10時半、シーズン中などは11時ぐらいから始めるのがどこのチームでも一般的なのはわかっていましたし、別に練習全部を見る必要もありませんからね。10時半頃にメトロ(地下鉄)のLos Espartales(ロス・エスパルタレス)駅に着くようにしたら、この日は大当たり。コリセウム・アルフォンソ・ペレスの脇を通ってシウダッド・デポルティボ(練習場)に着くと丁度、ジムを終わって、グラウンドで選手たちが動き始めたところでしたっけ。 ▽ちなみにトレーニングの方はプレシーズンらしく、ロンド(輪になって中に入った選手がボールを奪うゲーム)、ピッチを斜めに横断するランニング10本、2グループでのミニゲーム、腰をゴムで引いてもらってからミニハードル、そしてボールを持って障害を越えてシュートといった、フィジカル中心のメニューでしたが、なかなか皆ゴールにならない中、2本も続けてゴールを入れていた柴崎選手はボルダラス監督に好印象を与えられたかも。 ▽いえ、コーチ陣には「Gaku, Gaku」とよく声をかけてもらっていたものの、まだあまりチームメートと親しく話す様子は見られなかった本人は練習後、さっさと行ってしまったため、声をかけるタイミングを逃してしまったんですけどね。監督によると、「今は選手たちに時間を配分して与える時期」とのことなので、先週あったキャンプ地オリバ(バレンシア州にあるゴルフ&ビーチリゾート)でのアルコジャノ(2部B)同様、この水曜午後7時、練習場で対戦するアトレティコ・バレアレス(2部B)との親善試合でもその雄姿が見られる可能性は高いかと。 ▽しかもその試合、入場自由でタダと言われれば、もう見に行くしかないかと思いますが、今の時期、スペインのこの時間はまだ日が高く、気温も36度とかになるため、飲料水は必須。日影があるのかも不明なので、観戦するだけで相当、体力の消耗を覚悟しないといけません。ちなみにその日は丁度、練習の後、またしてもファイサル(デポルから移籍のMF)、ジェネ(同アルコルコン、昨季はベルギーでプレーしていたDF)、そしてアトレティコから2度目のレンタルとなるCBベラスケスの集団プレゼンがあったおかげで、プレスルームで涼めた私でしたが、スポーツディレクターのラモン・プラネス氏の話ではクラブはあと2、3人、アタッカーを補強する予定だとか。 ▽マドリーのボルハ・マジョラル(昨季はボルフスブルクにレンタル移籍)なども候補に入っているようですが、柴崎選手のライバルになるトップ下系のプレーヤーも来るのかはまだ不明。まあ、どちらにしろ、チームにはパチェコやポルティージョら、昇格に大いに貢献したメンバーもいて、彼らは練習場やスタジアムの駐車場出口で待つファンたちから大人気。それと肩を並べるにはとにかく試合で実績を積み上げるしかありません。 ▽そうそう、放出予定選手について話したプラネス氏は「昨季、あまり貢献できなかった選手はもう出した。Es evidente que el hecho de estar en Primera, con el nivel mas alto, haga que salgan/エス・エビデンテ・ケ・エル・エッチョー・デ・エスタル・エン・プリメラ、コン・エル・ニベル・マス・アルトー、アガ・ケ・サルガン(レベルの高い1部に上がったのだから、そうせざるを得ない)」とコメント。要はこれって、昨季の柴崎選手は2部のテネリフェでプレーしていても、1部でやれる能力があると見なされてヘタフェに迎えられたってことですから、きっと、大きな期待が懸かっていると解釈していいんですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.08.01 10:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】夜型になってしまう…

【原ゆみこのマドリッド】夜型になってしまう… ▽「真夏のクラシコは時間が遅くてイヤよね」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、いえ、アメリカでプレーするインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏の国際親善大会)の試合が、ヨーロッパでは真夜中の時間帯に当たり、今季初のレアル・マドリーvsバルサ戦も日曜午前2時(日本時間同9時)からキックオフなのはすでにわかっていたからいいんですけどね。この日、ようやくはっきりしたクラシコ第2弾、8月のスペイン・スーパーカップもカンプ・ノウでのida(イダ/1stレグ)が13日の午後10時(日本時間翌午前5時)、サンティアゴ・ベルナベウでのvuelta(ブエルタ/2ndレグ)に至っては16日午後11時(翌午前6時)にスタート。これって、メトロ(地下鉄)の終電に間に合わず、タクシーも30分以上、歩いてスタジアムから離れないと捕まえられなかった、何年前かのスペイン・スーパーカップと同じパターンになりかねないかも。 ▽まあ、そのマドリーについてはまた後でお話ししますが、今週前半の私はアトレティコもメキシコ遠征、ヘタフェもオリバ(バレンシア州にあるゴルフ&ビーチリゾート)に行ってしまったため、もう1つのマドリッドの弟分、レガネスを偵察してくることに。いやあ、実は練習場を発見するというのは彼らが1部に上がった昨年夏からの自分の課題で、その時は施設のウェブページについていたgoogleマップに沿って着いた先が何故か、ヘタフェのセントロ(中央部)だったり、経路案内にあったバスに乗ってみたところ、降りる場所がわからず、終点のレガネス・セントラル駅まで行ってしまったりと目的を達成できず。 ▽そこで今年は昨季のブタルケ(レガネスのホーム)での試合の後、クラブの広報が「あそこに見えるカルフール(大型スーパー)の向こうだよ」と教えてくれたのを頼りに、月曜の午後6時30分からの練習を目指して、セルカニス(国鉄近郊路線)のzaraquemada(サラケマダ)駅から歩きだしたんですが、太陽に焦がされながら、広大な商業施設の敷地を外側から一周してもそんなものはまったく見当たらず。結局、ブタルケに戻ってしまい、丁度、出くわしたカンテラ(ユース組織)の用具係さんに「その先のautopista(アウトピスタ/高速道路)を超えないといけない」と聞いた時点で力尽き、その日はすごすご、撤退することに。 ▽翌朝にも9時から午前練習があったため、これは一体、何なんでしょうかね。去年はスマホのgoogleマップに施設名のInstalacion Deportiva Butarque(インスタラシオン・デポルティーバ・ブタルケ)を入れてもヒットしなかったのが、今は駅からの経路も見られるのに気づき、再びチャレンジしたところ、いや、その高速道路、歩いて渡れる気配がないんですよ。いくら、通りすがりの地元の人に「よおく周りに注意して車を避けて行くんだ」なんて言われたって、無理なものは無理。結局、高速道路とのロータリーを超えてくれるバスに乗る羽目になったんですが、ようやくたどり着いたレガネスの練習場はかなり衝撃的でしたっけ。 ▽だってえ、そこは市営のかなり古くなった総合スポーツ施設で、隣のコートではテニスサークルみたいな女子たちが準備運動中。兄貴分のマドリーやアトレティコなどは言うまでもなく、昨今ではラージョ(2部)ですら、立派なシウダッド・デポルティボ(練習場)を持っていることを考えると、驚きが止まりませんでしたが、セッション後は選手たちが施設の入り口に近くにあるロッカールームへ歩いて戻るため、アクセスの良さでは同じ1部の弟分と似ているかも。とはいえ、ヘタフェでさえ、選手が用具のあと片付けまで手伝っているのは見たことありませんでしたけどね。折しも翌日、RMカスティージャ(マドリーのBチーム、2部Bでプレー)とのプレシーズンマッチでバルデベバス(バラハス空港の近く)のエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノを訪ねたレガネスですが、もしや、あまりの環境の差に人生の不公平さを感じたりはしなかった? ▽でも大丈夫。この試合、私もいつの間にか、カンポ・デ・ラス・ナシオネスからLa Feria de Madrid(ラ・フェリア・デ・マドリッド)に名前が変わっていた駅から30分歩いて見に行ったんですが、こちらも途中で高速道路を超えないといけないものの、歩道付きの陸橋があるため、手前のロータリーを横切る時、入って来る車にさえ気をつければ十分、渡れるというはともかく、レガネスはサッカーの優劣は経済格差に比例しないということを立派に証明。ソラリ監督率いるカスティージャにはほとんどチャンスを与えず、前半37分にハビ・ゲラがヘッドで、後半38分にもコネが決め、両FWのゴールで0-2と快勝することに(http://videopdapp.realmadrid.com/2017/07/26/93b58b3b-78ac-4574-b337-cb88a4134740_1000k.mp4)。 ▽え、2つもカテゴリー差がある上、相手は7日前に練習を開始したばかり。更に8人程、トップチームのロサンジェルス・キャンプに駆り出されている事情を考えたら、もっと得点差がついても良かったんじゃないかって?そうですね、ただレガネスはその日の午前中も練習をしていますし、アシエル・ガリターノ監督も「No deja de ser un entrenamiento de calidad/ノー・デハ・デ・セル・ウン・エントレナミエントー・デ・カリダッド(質の高い練習にすぎない)」と言っていましたからね。おまけに今週も彼らはグンバウ(バルサB)、マウロ・デ・サントス(エイバル)、エラソ(アスレティック)、シャンパーニュ(オリンポ)と補強が次々と到着。チーム再構成の真っ最中となれば、フエンラブラダ(2部B)戦に続いて2連勝というのは褒めてあげていいかと。 ▽というのも実はその夜、というか、翌日早朝、アメリカでのプレシーズンマッチ第2戦に挑んだマドリーが先日のマンチェスター・ユナイテッド戦に続き、マンチェスター・シティにも負けて、連敗してしまったから。おまけに今度はPK戦で負けるなんて生ぬるいものでなく、後半7分、CKからオタメンディに決められたのを皮切りにスターリング、ストーンズ、ブラヒム・ディアスにゴールを奪われる始末で、終了間際にグティ監督率いるフベニルA(カスティージャの下のユースチーム)から、抜擢されて参加していた19歳のオスカルがミドルシュートで1点を返すに留まっただけ。 ▽そう、1-4の大敗となれば、ジダン監督も「Hemos bajado la intensidad y el partido fue como fue/エモス・バハードー・ラ・イテンシダッド・イ・エル・パルティードー・フエ・コモ・フエ(ウチはプレーの強度を落としてしまい、あんな試合になった)。結果は悪いが、悪いゲームではなかったよ」と呑気にしている場合ではないかと。 ▽うーん、このロサンジェルス・メモリアル・コリセウムでの一戦ではユナイテッドの時より少し遅れて、後半15分に選手の総取っ替えがあったんですけどね。その直前から点を取られ始めているため、カルバハル、ナチョ、バラン、マルセロの先発DF陣も後を継いだアシュラフ、テヘロ、バジェホ、テオらも同程度にミスがあったよう。幸い、試合時間が時間だっただけに、私同様、この試合を見た人が少なかったか、特にスペイン国内で批判は上がっていないものの、次の相手は宿命のライバル、バルサですからね。いくらマドーはBBCM(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウド、エムバペの頭文字)どころか、まだロナウドがバケーション中のため、BBCすら揃っていないとはいえ、シティ戦のようにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を許すようなことがあれば、それこそ何を言われることやら。 ▽いえ、一応、シティのグアルディオラ監督は「彼らからボールを奪うのは大変だし、イスコ、モドリッチ、カセミロ、コボチッチといった質の高い選手たちの前でプレーするのは凄い努力がいる」と持ち上げてくれてはいたんですけどね。これも最後は「El Madrid nunca juega mal, fuimos muy buenos nosotros/エル・マドリッド・ヌンカ・フエガ・マル、フイモス・ムイ・ブエノス・ノソトロス(マドリーは決して悪いプレーはしない。ウチがとても良かったということだ)」と自画自賛になっていたのは何ともはや。 ▽それでも金曜にマイアミに移動する前、UCLAのグラウンドで最後となったセッションでは右耳の状態が良くなく、試合に出ずにずっと個別練習だったセルヒオ・ラモスも合流し、シティ戦を右足首ネンザで欠場したクロースもバルサ戦には出られるかもしれないため、あまり悲観はしたくないんですが…ここまでユベントス、ユナイテッド戦で3得点とチーム全てのゴールを挙げ、2連勝に貢献しているネイマールが丁度、金曜の練習中に新加入のセメド(ベンフィカから移籍)に腹を立て、自主早退したなんてトラブルもあったようですし(https://www.youtube.com/watch?v=9i7Zap0TRc8)、いっそPSG電撃移籍決定なんて、土曜中にはムリですかねえ。 ▽え、ここまで無視されているようだけど、アトレティコも水曜早朝にはトルーカとこの夏、最初の親善試合があったんだろうって?いやあ、頑張って、午前3時のキックオフから、前半だけは私も見たんですが、ロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)からも伝わってきた通り、あまりの点の取れなさ感に後半はリタイア。起きてみると案の定、スコアレスドローだったため、正解だったことが判明したんですが、シメオネ監督は「今はプレシーズンの大事な時期で足が疲れているのがわかる。Nuestro primer objetivo es reforzar el bloque/ヌエストロ・プリメール・オブヘティボ・エス・レフォルサル・エル・ブロケ(ウチの最初の目標はチームの核を強くすること)。その先は試合に勝つという大事なことに個人個人の力で応えてくれるだろう)」と、あくまで楽観的。 ▽まあ、相手を零封できましたし、ヒザの靭帯断裂で昨季をほぼブランクで終えたアウグストが復帰するなど、収穫がなかった訳ではないですけどね。メキシコシティが海抜2600メートルと身体的に厳しい場所だったこともありますが、それにしても帰国して木曜夕方と金曜早朝7時45分から、マハダオンダ(マドリッド近郊)で行われた2セッションでは監督がゴールを入れろと選手たちを何度も叱咤。やっぱり本音はそんなところではないかと思いますが、実は1つだけ朗報もあったんです。それはサウルが3日程、予定を早めて姿を見せたことで、何せ、木曜朝のシティ戦には6月にU21ユーロを一緒に戦ったアセンシオ、セバジョス、マルコス・ジョレンテ、バジェホ、マジョラルらもマドリーのユニを着て、もうプレーしていましたからね。 ▽いくらその大会で得点王になったとて、金曜にようやくマドリッドに戻って来たロナウド並の待遇は恐れ多いと当人が気づいたか、自主的に練習を始めたようですが、もちろん来週火曜水曜にあるアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)には間に合う訳もなし。8月11、12日にヘタフェ、レガネスと続くマドリッド兄弟チーム親善対決辺りにでもチラと顔見せができればいい方でしょうが、いやあ、MFのゴールまでアテにしないといけないとはグリースマン、フェルナンド・トーレス、コレア、ビエットら、まだ恥骨炎の手術からのリハビリをしているガメイロを除いたFWたちは一体、何をしている? ▽今更、愚痴っても仕方ありませんけどね。移籍が決まりそうでまだ決まらないジエゴ・コスタ(チェルシー)もようやく、バケーション中に太りやすい体質なのを思い出したか、この2カ月でついた贅肉を落とすために自主トレを始めたようですが、どちらにしろアトレティコでプレーできるのはFIFA処分が済んだ来年1月から。丁度、私が金曜に売店で見つけたアトレティコ専門誌、「Diario La Grada(ディアリオ・ラ・グラダ)」に載っていたインタビューで、バカンスは彼女とメキシコのリビエラ・マヤで過ごしたというコケも「1月に来る▽選手たちがチームをより強くしてくれるだろうけど、hasta entonces tenemos que dar la talla para que no se nos escape ningun objetivo/アスタ・エントンセス・テネモス・ケ・ダール・ラ・タジャ・パラ・ケ・ノー・セ・ノス・エスカペ・ニングン・オブヘティボ(それまで1つも目標を取り逃がすことないよう、ボクらが実力を示さないと)」と言っていたように、今いるメンバーで早くゴールも入るようになるといいんですが…。 ▽そして最後に現在、オリバでキャンプ中のヘタフェも金曜夜、アルコジャノ(2部B)と最初のプレシーズンマッチに挑んだんですが、結果は1-1の引き分け。昨季の昇格メンバー中心でプレーした前半は点が入らず、後半10分にはアルバロ・ヒメネスのゴールで先制したものの、その7分後に追いつかれると、勝ち越し点は奪えませんでした。ちなみに柴崎岳選手も後半頭から出場したんですが、このランクの親善試合になると、普通のTV中継はもちろんなく、マルカ(スポーツ紙)のマッチログも大雑把なんですよ。以前、AS(マルカの競合紙)のヘタフェ番記者からは現地には行かず、地元のラジオに電話してレポを書いているなんて話も聞いたこともありますしね。よって、細かなことはまだよくわかりませんが、土曜の朝ぐらいにはヘタフェのホームページ(http://www.getafecf.com)にビデオが出るかも。そんなヘタフェも来週はマドリッドに戻って練習となるため、もっと情報が増えることを期待しています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.29 08:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】まだ足慣らしだから…

▽「赤字でもいいんだ」そんな風に私が電卓を叩きながら考えていたのは火曜。レアル・マドリーがモナコのムバッペ獲得に1憶8000万ユーロ(約235億円)を払う用意があると聞いた時のことでした。いやあ、ちょっと前に言われていた移籍金1憶3000万ユーロ(約169億円)から、急激に値上がりしていたのにも驚いたんですけどね。この額って、ほとんどクリスチアーノ・ロナウドとベイルを獲得した時の金額を合わせたぐらい。昨今、賃上げとは縁のない一般庶民には想像もつかない高騰ぶりですが、その一方でこの夏、マドリーが選手売却で稼いだのは1憶2800万ユーロ(約167億円)程。 ▽8000万ユーロ(約104億円)でチェルシーへ行ったモラタを筆頭に先日、ロサンゼルス市内に滞在していたマンチェスター・シティのホテルに河岸を変えたダニーロも3500万ユーロ(約46億円)、プレシーズン開始直前にバイエルンへの2年レンタルを決め、覚えめでたいアンチェロッティ監督の下で巻き返しを図ることにしたハメス・ロドリゲスからも1000万ユーロ(訳13億円)程、収入があるそうで、後はリヨンに移ったマリアーノの分という内訳になりますが、すでにテオ(アトレティコから移籍)、セバージョス(同ベティス)の獲得でクラブは契約破棄金額を超える移籍金を払い、計4600万ユーロ(約60億円)は使っていますからね。 ▽となると、8200万ユーロ(約107億円)しか残ってないことになりますが、それでもモナコにそんなに払えるのなら、カゼミロも「Por qué no jugar aquí en el Real Madrid? Sería bienvenido/ポル・ケ・ノー・フガール・アキー・エン・エル・レアル・マドリッド?セリア・ビエンベニードー(どうしてレアル・マドリーでプレーしない? 歓迎されるよ)」と言っていたように、2億2200万ユーロ(約287億円)をバルサに払って、いっそネイマールを獲った方が確実な気も。まあ、両者は移籍金だけでなく、その後の年棒がムバッペは700万ユーロ(約9憶円)、ネイマールは3000万ユーロ(約39億円)とかなり違いますからね。 ▽同じフランス人ということで、ジダン監督がムバッペを気に入っていることもあるでしょうが、ただ、昨季のCLやモナコのリーグ優勝でブレイクしたとはいえ、リーガ・エスパニョーラは当人初体験。まだ18歳の選手にここまで高額の値段がつくのに何の疑問の声も上がらないというのは、去年も今年もサンティアゴ・ベルナベウでメガプレゼンがなく、フラストレーションの溜まったマスコミの、とにかく大型移籍でこの夏を盛り上げたいという思惑が隠れている? ▽え、まだバケーション中でアジア商業ツアーに出ているロナウドを含め、今、チームにいない選手の話をするより、UCLAでのプレシーズン第1フェーズを終えたマドリーがどんな状態なのか知りたいって? そうですね、彼らが同じカリフォルニア州のサンタ・クラーラにあるリーバイス・スタジアムでインターナショナル・チャンピオンズカップ(夏に行われる親善大会)の初戦に挑んだのは先週の日曜。相手はかつての指揮官、モウリーニョ監督率いるマンチェスター・ユナイテッドだったんですが、実はこれ、8月8日にマケドニアのスコピエで行われるUEFAスーパーカップと同じカードなんですよ。 ▽それもあって、どちらの監督もイロイロ考えたんでしょうね。まず前半にほぼtitulares(ティトゥラレス/レギュラー)を並べたマドリーに対し、相手はポグバやルカク、GKデ・ヘアらをsuplentes(スプレンテス/控え)にしてスタートすることに。それでもプレミアリーグがスペインより早く、8月第2週の週末に開幕することもあり、プレシーズンマッチもこれが4試合目というユナイテッドが押し気味な展開だったんですが、時折、見られたベイル、ベンゼマ、モドリッチ、イスコ、クロースらが信じられない程、器用にワンタッチでボールを繋いでいく姿にはもう、呆気に取られるばかり。さすが2年連続CL優勝を果たしたメンバー、そんじょそこらのチームとはテクニックの高さが比べ物になりません。 ▽ただ、やはり今季最初の試合ということで、チームの最大の売り、決定力がどこか欠けていた彼らは先制点を挙げることができず、それどころか、前半終了間際には左サイドからマルティアルに突破を許し、ガラ空きのゴール前にラストパスを送られると、リンガードに決められてしまったから、さあ大変! それにも関わらず、後半、ジダン監督は予定通り、11人を総取っ替え、カゼミロ、コバチッチ、そして昨季アラベスで修業してきたテオ以外、全員RMカスティージャ(マドリーのBチーム、リーガ2部B)とフベニル(その下のユースチーム)の選手を並べてしまったとなれば、もう見ているこちらも何を期待していいものやら。 ▽ところが69分、コバチッチのスルーパスを追ったテオがエリア内でリンデロフに倒されるというグッジョブで移籍後、初出場にして貢献。これで得たPKをマルセロからキャプテンを引き継いだカゼミロが決め、何とか同点に追いついたマドリーでしたが、そこまでが限界でしたね。後からピッチに入ったユナイテッドの精鋭を前に無得点に抑えたのは褒めてあげるべきでしょうが、勝ち越し点は奪えません。それこそ、ジダン監督も試合前、「Con Morata eramos mejores, nos falta un delantero/コン・モラタ・エラモス・メホーレス、ノス・ファルタ・ウン・デランテーロ(モラタがいた方がウチは良かった。FWが1人足りない)」と言っていた現状を図らずも暴露することになりましたが、それにしても前代未聞だったのは1-1で90分が終わり、突入したPK戦。 ▽だって、最初の2人から、ユニテッドはマルシャルが枠外、マクトミネイがGKカシージャに止められた一方、マドリーもコバッチッチ、カンテラーノのオスカルとデ・ヘアに連続して弾かれる始末で、3人目になって、ようやくムヒタリアン、ケサダとゴールになったんですが…。続いたリンデロフはカシージャが阻止、テオに至っては、さすがアトレティコ出身と言うべきか、大きく外してしまいます。最後はユナイテッドのブリンドが成功し、マドリー最終キッカーのカゼミロがボールをバーに当ててしまったため、1-2で負けたって、古今東西、滅多にお目にかかれないぐらい低レベルのPK戦じゃないですか。 ▽うーん、この時もモウリーニョ監督がポグバとルカクをキッカーに選ばなかったのはタイトルの懸かった対戦を控えて、マドリーに情報を与えたくなかったからという感じもしないではありませんけどね。ジダン監督もジダン監督で、それこそゴールが入らなくて負けたというのに、今度は「No voy a pedir nada/ノー・ボイ・ア・ペディール・ナーダ(補強を頼むつもりはない)。会長とは話しているし、今ここに来ている選手は28人。その働きぶりに満足している。後は8月31まで何でもありだからね」なんて、呑気に言っているんですもの。ちょと!! どんな試合でも勝たないといけないのは一体、どこのチームでしたっけ? ▽ただ、ゴール数の面では、火曜のマルカ(スペインのスポーツ紙)がロナウドから、「昨季、ビッグタイトルを自分のクラブと個人的にも獲れたのは最高だった。Hacerlo otra vez estaría bien/アセールロ・オトラ・ベス・エスタリア・ビエン(またそれをやるのもいいかも)」というコメントを聞いたと報じ、残留がほぼ決定的になったと見なされていますから、それ程、心配はないんでしょうけどね。その日はキャンプに1週間遅れて合流した上、右耳の聞こえが良くないため、ほとんど全体練習ができていないセルヒオ・ラモスがおらず、先週金曜に加わったばかりのU21ユーロ・スペイン代表組がUCLAのグラウンドでフィジカルトレーニング中という事情もあったため、まあ、初戦黒星も許容範囲ってことでしょうか。 ▽ちなみにこの先、マドリーは木曜午前5時30分(日本時間同12時30分)から、ロサンゼルス・メモリアル・コリセウムでマンチェスター・シティと対戦した後、日曜にはバルサとのクラシコ・アメリカバージョンをマイアミで、更に8月3日にビジャ(ニューヨーク・シティ)やカカ(オーランド・シティ)もファン投票で選抜されているMSLオールスターチームとの試合をシカゴでこなして帰国予定。月末には脱税容疑でマドリッドの法廷に喚問されているロナウドも、その頃にはバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を始めているはずです。何せ、昨季はCLとリーガの2冠を果たしてしまったため、この夏はスーパーのつく大会が多くて、親善試合は4試合しか組まれていませんからね。しかもアメリカでプレーするため、私も普段、日本でリーガを見ているファンと同じ状況になってしまって辛いんですが、チームの準備状況など、ぼちぼちお伝えできればいいかと。 ▽え、その悪条件は水曜午前3時(日本時間同午前10時)から、メキシコシティでトルーカとのこの夏の初プレシーズンマッチに挑むお隣さんも同じじゃないかって? その通りで日曜深夜にマドリッドを発ったシメオネ監督のチームは月曜に現地に到着。雨模様だったため、体育館を使っての練習しかできず、いきなり本番を迎えるんですが、こちらに新顔の選手がいないのはFIFA処分で登録ができないだけで、決してお金がなくて補強ができない訳ではありません。ええ、実際、ビトロ(セビージャから移籍)になど、ポンと契約破棄金額の4000万ユーロ(約52憶円)を払い、1月の登録期間が始まるまで、ラス・パルマスにレンタルしていますし、コンテ監督期待のモラタは火曜のインターナショナル・チャンピオンズカップ、アジア部門のバイエルン戦でデビュー初ゴールは挙げられなかったものの、ジエゴ・コスタ(チェルシー)もここ2週間のうちには決まりそうだとか。 ▽おまけにそのトルーカ戦を含め、8月1、2日のアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)、ナポリ戦や決勝or3位決定戦、6日のブライトン(昨季プレミアリーグに昇格)戦もGol TVで放送されることがわかったため、アトレティコもスペイン・メディアに見放されている訳ではないとホッとできることに。先日、決まったばかりの12日のレガネス戦はわかりませんけどね。これはセルカニアス(スペイン国鉄近郊路線)を使ってブタルケ(レガネスのホーム)に見に行けばいいだけなので、まあ満員で入れなくない限り、心配はないかと。 ▽ちなみにマドリッド勢で唯一、地元を離れず、猛暑の中、練習に励んでいるこの弟分チームはアトレティコに胸を借りる前、水曜にはRMカスティージャ、その後はタラベラ(3部)、バジャドリッド(2部)、ラージョ(2部)、そしてアラベスとのプレシーズンマッチを予定。この辺はまずTV中継はないのがお約束ですが、それは1年でリーガ1部復帰を果たしたヘタフェも同じなんですよ。ええ、月曜には柴崎岳選手も一緒にバレンシア州のオリバ(ゴルフ&ビーチリゾート)での2次キャンプに出発したチームは金曜にアルコジャノ(2部B)とこの夏、最初の親善試合。土曜にマドリッドに帰還した後は、うーん、まだオフィシャルウェブに出る情報がどこまで信憑性があるのか、私もちょっと不安なんですけどね。 ▽8月2日には、コリセウム・アルフォンソ・ペレスが現在、改修中のせいでしょうか、そのすぐ近くにあるシウダッド・デポルティボ(練習場)でアトレティコ・バレアレス(2部B)戦とあったものの、あそこって確か、スタンドが1面に申し訳程度にあるぐらい。あとの観客は立ち見しろっていうことでしょうか。9日のアルコルコン(2部)戦は相手のホーム、サント・ドミンゴ開催なので、レガネスのようにセルカニアスで行けるため、マドリッドに観光に来ているファンなどにはお手頃かもしれません。そしてリーガ開幕、アウェイでのアスレティック戦前、最後の親善試合は12日、昨季2部に昇格したアルバセテが相手。何せ、ヘタフェはリーガの注目チームでは決してないため、キャンプ中のニュースもほとんど出ませんからね。私も困っているんですが、来週、こちらに戻って来たら、また練習を見に行って、柴崎選手の様子などもお伝えできるかと思います。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.26 14:15 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】柴崎選手には会えたけど…

▽「ようやく試合があるっていうのにこの時間じゃあ」そんな風に私が嘆いていたのは土曜。マドリッド勢のプレシーズンマッチ予定を見ていた時のことでした。いやあ、レガネスやヘタフェら弟分たちは相手が下部カテゴリーのチームのせいもあって、最初からTV中継がないのは予想済み。来週水曜に行われるRMカスティージャ(レアル・マドリーのBチーム、2部B)戦の機会を利用しなければ見る機会がないのはわかっていたんですけどね。問題は大西洋の向こうでプレーする兄貴分たちで、マドリーのプレシーズン初戦、インターナショナル・チャンピオンズカップ(夏に行われる親善大会)のマンチェスター・ユナイテッド戦こそ、午後11時(日本時間翌午前6時)と許容範囲であるものの、何とそれ以外は全て絶望的。 ▽だって、マンチェスター・シティ戦は木曜午前5時30分、アメリカ出張版クラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)も30日午前2時にキックオフなんですよ。いえ、水曜午前3時からメキシコでトルーカに挑むアトレティコなど、どうやら中継自体ないようですけどね。プレシーズンキャンプ終了をじっと待つこと2週間余り、ようやく練習の成果を見せてもらえると思いきや、この調子だと8月1日のアウディカップ(バイエルン主催の夏の親善大会)ナポリ戦まで、シメオネ監督のチームがどんな風に進歩したか、自分の目で確かめられないってことじゃないですか。 ▽まあ、その辺の愚痴は程ほどにしますが、先週はマドリッドでもイベントが幾つかあって、木曜にはサンティアゴ・ベルナベウでセバージョスの入団プレゼンが開催。このところ、チームはロサンゼルスのUCLAのグラウンドでキャンプ中なため、他に行くところもないマスコミや夏休み中のファン5000人を集めての結構、賑やかな催しになりました。ちなみに弱冠20歳でベティスからマドリー入りを果たした当人は、「No tuve duda por decantarme por el Madrid/ノー・トゥベ・ドゥーダ・ポル・デカンタールメ・ポル・エル・マドリー(マドリーに決めるのに迷いはなかった)。ペレス会長が連絡をくれた時、もう他のオファーは聞かなかったよ」と、自身が本命のチームを選んだことを強調。 ▽それには6月のU21ユーロのスペイン代表でチームメートだったアセンシオの影響もあったようですが、まあ、大変なのはこれからですからね。「me encuentro más cómodo de mediocentro, haciendo jugar a los compañeros/メ・エンクエントロ・マス・コモドー・デ・メディオセントロ、アシエンドー・フガール・ア・ロス・コンパニェロス(自分が一番、やりやすいのはチームメートをプレーさせるボランチ)」というセバージョスのポジションには、バイエルンに移籍したハメス・ロドリゲスの10番を今季から受け継いだモドリッチ、そのクロアチア人後輩のコバチッチ、そしてクロースやイスコとライバルにこと欠かず。自分を勧誘してくれたアセンシオだって、昨季出番が増えたのは後半になってからというのを考えると、当面の目標はベンチ入りになるかと。 ▽加えて、彼の選んだ背番号がかつてイジャメンディ(2013年にU21ユーロに優勝したスペイン代表での活躍が認められ、マドリー入りするが、レギュラーを取れず、2年で古巣のレアル・ソシエダに戻る)がつけていた24というのも気になりますが、翌金曜にはもう当人を含め、アセンシオ、バジェホ(昨季はアイントラハトにレンタル移籍)、マルコス・ジョレンテ(同アラベス)、マジョラル(同ボルフスブルク)ら、U21ユーロ組の5人もペレス会長、今季から執行部アシスタントとなったラウールと一緒にロサンゼルス入り。丁度、入れ替わりのようにモラタのチェルシー移籍が決まったものの、選手32人と大所帯になったようですが、この先もダニーロのマンチェスター・シティ移籍やマジョラルのレンタルリピートがありそうですしね。 ▽あとはこの夏、ずっと獲得が噂されているムバッペでも来れば面白いかもしれませんが、折しも所属するモナコがFIFAやフランス・サッカー協会に契約のある選手に接触するクラブがあると訴えたため、急展開は望めないことに。そうなるとあと足りないのは現在、バケーションを利用して、シンガポール、上海、北京と商業ツアーに出ているクリスチアーノ・ロナウドだけですが、ジダン監督も「al final Cristiano es del Madrid y se va a quedar con nosotros y ya está/アル・フィナル・クリスティアーノ・エス・デル・マドリッド・イ・セ・バ・ア・ケダール・コン・ノソトロス・イ・ジャー・エスタ(結局、クリスチアーノはマドリーの選手だし、私たちのところに残る。それだけだ)」と自信を見せていましたしね。チームがマドリッドに帰還する8月上旬までには練習を始めてくれんじゃないでしょうか。 ▽え、モラタがとうとうコンテ監督のラブコールに応え、マドリーはスペイン人選手最高額の8000万ユーロ(約104億円)の移籍金をゲット。当人が以前、アトレティコとヘタフェのカンテラ(ユース組織)にもいたことから、マドリッドの兄弟分もそれぞれ、80万ユーロ(約1憶円)、20万ユーロ(約2600万円)と育成費用割り当ての恩恵を受けたことは良かったけど、どうしてまだジエゴ・コスタがアトレティコに来ないんだって? うーん、代わりのCFを手に入れたコンテ監督は、「1月にコスタの状況はクラブ、本人、代理人に明確に伝えてあって、私にとってはすでに終わった問題」と全然、引き止める気はないようなんですけどね。イギリスでの報道によると、アトレティコは2700万ユーロ(約35憶円)という、セール値段になったコスタの移籍金の更なるディスカウントを待っているのだとか。 ▽まあ、どちらにしろ、彼の復帰が決まってもFIFA処分で1月からしか試合に出られませんし、それまではビトロ方式(セビージャに契約破棄金額を払って獲得した後、シーズン前半はラス・パルマスにレンタル)でミランが借りたがっているなんて噂もあるため、今すぐどうこうという話ではないんですけどね。チームの方は先週の水曜、プレシーズンキャンプ恒例のセゴビア(マドリッドから1時間の水道橋が有名な古都)にあるレストラン、ホセ・マリアでのcochinillo(コチニージョ/子豚の丸焼き)ディナーも済まし、余りに精がつき過ぎたのか、翌日のpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)ではサビッチがフェルナンド・トーレスから肘打ちを喰らい、鼻血を出す騒ぎもあったロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(セゴビア県にある高原リゾート)滞在もこの土曜で打ち上げ。 ▽そちらでの様子などはフィリペ・ルイスがインスタグラムに載せたビデオなどを見ればわかりますが、それでも最後の紅白戦までスコアレスドローだったなんて聞くと、ちょっと心配になってしまうのは私だけじゃない? ▽何せ、6月の恥骨炎の手術の後、やっとグラウンドでリハビリトレを始められるようになったガメイロと30日に合流予定のサウール以外の選手は皆、日曜夜にはメキシコ行きの飛行機に乗ってしまいますからね。マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場に戻って来るのはまだ先になりますし、金曜にようやく発表された新ユニフォームの売り出しも8月からということで、またしばらく、アトレティコファンはフラストレーションを溜めることになるかも。そうそう、オフィシャルウェブによると、定番ロヒブランコ(赤白ストライプ)に斜めにかかる新機軸の白いラインは紋章にもあるマドリッドのシンボル、熊のかき傷をイメージしていて、強さの象徴だそうですが、今のところ、ファンの受けはあまり良くはないようですよ。 ▽一方、マドリッドの弟分たちではまだ、レガネスの練習を見に行けていない私なんですが、先週は柴崎岳選手の入団が決まったと聞いて、ヘタフェに密着。プレーオフを経ての昇格決定だったため、リーガ1部20チーム中、最後に始まった水曜の初練習に行ってみたところ、マドリーやアトレティコはもちろん、スペイン代表のラス・ロサス(マドリッド近郊)でのセッションでさえ、昨今は開始から15分のみの公開が多いのに比べ、相変わらずオープンな環境に感激すら覚えることに。いえ、コリセウム・アルフォンソ・ペレスの右手の道を下ったところにある練習場でカタ・ディアスやラセン、ホルヘ・モリーナらが汗を流しているのを間近に見て、感動する日本人のファンはあまりいないかもしれませんけどね。 ▽私だって、パチェコやポルティージョ、アルバロ・ヒメネスら、昨季2部にいたチームにレンタル移籍、昇格への貢献を認められて今回、晴れて完全移籍となった選手たちとか、まだしっかり見分けられる訳じゃありませんが、この距離で柴崎選手が練習していたら、絶対、嬉しいファンは多いのでは? 以前と同じで、グラウンドとロッカールームのあるスタジアム間の移動は選手たちもスタッフも徒歩で移動するため、思わず私もサインや写真を頼むファンに混じって、ボルダラス監督にアタックしたところ、柴崎選手のことを訊く前に「日本のサッカーもいいみたいだね。エスナイデルがそっちへ行ったって、クラブの人が言っていたよ」って、え?え?え? ▽そう、昨季、ヘタフェを降格圏に残して途中解任されたエスナイデル監督は現在、ジェフユナイテッド千葉を率いているんですが、いやあ、不勉強な自分が恥ずかしい。ちなみに柴崎選手獲得は「クラブ、フロント、自分たち皆が合意して決めた」そうで、彼にはテネリフェと昇格プレーオフで対決する前から注目していたのだとか。丁度、練習見学で一緒になった顔馴染みのマルカ(スペインのスポーツ紙)のカメラマンは「Un entrenador especial/ウン・エントレナドール・エスペシアル(特別な監督)」と言っていたため、もっと怖いのかと思っていたんですが、ファンにも凄く慕われているようですし、早く柴崎選手も打ち解けられるといいですよね。 ▽そして金曜、いよいよ当人の入団プレゼンがあったんですが、やはりマドリーではなく、ヘタフェですからね。スタジアムに着く早々、正面ゲートの横にあるバル(スペインの喫茶店兼バー)のテラスで彼がお茶していたのも驚きですが、それで思い出したのは数年前、私がもっと足しげくヘタフェに通っていた時代にはそのバルで選手たちが練習前の朝食を取っており、ファンも自由に出入りできていたこと。その習慣、まだ続いていれば嬉しいんですが、さて。実際、会見の方も報道陣が20人程と慎ましいもので、内容は他の記事でもイロイロ、出ているので割愛しますが、折しもその日は先日、汚職横領もろもろの容疑で逮捕されていたスペイン・サッカー協会のビジャル会長が保釈を認められず、収監されていたにも関わらず、2017-18シーズン・リーガの対戦日程組み合わせ抽選会がラス・ロサスの協会本部で開催。 ▽そこへバルサのネイマールのPSG移籍疑惑が重なったため、家に帰って見たお昼の全国放送局スポーツニュースで、まったく柴崎選手入団に触れられていなかったのはちょっとショックだったかと。うーん、彼も今週、月火水にあったプレゼンに出た選手たち同様、現在改装中のため、ピッチにユニフォーム姿で立つことはできず、正面ゲートのホールでファンに歓迎を受け、それからすぐにチームが合宿しているセゴビアに向かったんですけどね。その初めての練習風景などもTVはもちろん、スポーツ紙のサイトでもまず見かけないため、様子を知るにはヘタフェのオフィシャルウェブぐらいしか、頼りようがないのはちょっと悲しいかも。 ▽土曜までのこのミニ合宿が終わっても、月曜からチームはオリバ(バレンシア州にあるゴルフ&ビーチリゾート)に行ってしまいますし、そちらではビジャレアルBと金曜に親善試合を行って、土曜まで滞在。その後はおそらく、地元での練習になるはずですが、何せ1部復帰決定からあまり時間がなかったため、その先のプレシーズンマッチ予定もまだ正式には決まってないとか。とりあえず、8月9日には2部のマドリッドの弟分、アルコルコンとの試合があるみたいですけどね。チームの始動自体が遅かったため、練習に参加したばかりの柴崎選手もここ連日、トップ下のファイサル(デポルティボと契約破棄して移籍)、左SBアントゥネス(ディナモ・キエフからレンタル)、GKマノイロビッチ(ツベルナ・ズベズダから移籍)と次から次へと決まる新入団選手たちも、昨季からのメンバーも身体的条件はほぼ同じ。 ▽それだけにボルバラス監督のお眼鏡に叶えば、すぐに出場できるんじゃないかと思いますが、何よりもファンが見たいのは8月第3の週末にあるリーガ開幕、アスレティック戦でサン・マメスに立つ彼の姿かと。ヘタフェの今季ホームデビューはその翌週のセビージャ戦になりますが、いやあ、夏って結構、早く過ぎていくもんですよねえ。ちなみにその他の第1節、マドリーはアウェイのデポルティボ戦で、ワンダ・メトロポリターノの用意が整うよう、3節までアウェイ続きとなったアトレティコは昇格組のジローナと対戦、そしてレガネスだけがホームのブタルケにアラベスを迎えることに。気の早いファンはもう、クラブW杯直後12月20日の週末にあるサンティアゴ・ベルナベウでのクラシコ、新スタジアムで11月19日の週末にあるマドリーダービーなど、チェック済みかと思いますが、リーガの日程がわかると俄然、旅行の計画を立てるのが楽しくなりますよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.23 13:55 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】マドリッドに来る楽しみが増えた…

▽「何だかいい迷惑よね」そんな風に私が怒っていたのは火曜。お昼のスポーツニュースがほとんどスペインサッカー協会のビジャル会長他複数幹部の逮捕の話題で終わってしまった時のことでした。いやあ、先週はレアル・マドリーもアトレティコもそれぞれのキャンプ地に到着。前者はアメリカのロサンジェルス、後者はセゴビアのロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でプレシーズンのトレーニング中なのをいいことに、私もバケーション旅行を満喫しています。サッカーとはまったく関係のない1週間を過ごしていたため、まさかマドリッドに戻る早々、それもバラハス空港でスーツケースが出て来るのを待っていた午後11時過ぎに柴崎岳選手がヘタフェ加入決定のニュースを知って驚いたものでしたけどね。 ▽だったら当然、翌日のTVで取り上げられるはずと期待していたんですが、いやいや、何とも間が悪い。汚職横領文書偽造、その他もろもろの容疑で朝から治安警察中央部隊がここ27年間、スペインサッカーのトップに立っているビジャル会長の自宅やその息子でスポーツ専門弁護士、CONMEBL(中南米サッカー連盟)のディレクターも務めるゴルカ氏の事務所に急行。お昼過ぎにはラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会本部にビジャル会長が連行され、立ち合い捜査となったため、いえ、マドリーやバルサの最低限の映像はあったんですけどね。時期も時期、木曜の2017-18シーズン・リーガ対戦日程抽選会は開催延期となったものの、現在ではどのクラブも戦力補強の動きが加速。こうも連日、何件も移籍があるのでは、いくら日本のファンたちが心待ちにしていた柴崎選手の4年契約が決まったとて、スペインマスコミで大きな話題にならないのは仕方ない? ▽実際、6月24日まであった昇格プレーオフ決勝で柴崎選手のいたテネリフェを破り、たった1年で辛い2部生活に別れを告げたマドリッドの弟分チームにしても今週は新入団選手のプレゼンラッシュですかね。ただ月曜のFWアンヘル・ロドリゲス(2部サラゴサから移籍)、DFブエノ・ゴンサレス(ベティス)らは本当に初めてのヘタフェなんですが、火曜に登場したアルバロ・ヒメネス(RMカスティージャ)、ダニ・パチェコ(ベティス)は昨季もレンタルでプレー。後者などテネリフェとの2試合で3得点と、まさにプレーオフ優勝のヒーローでしたっけ。そしてこの日の新顔は、マルケル・ベルガラ(ラス・ソシエダからレンタル移籍)だけで、1部チームで最後のプレシーズンスタートとなる水曜も完全移籍が決まったチュリ(アルメリア)とポルティージョ(ベティス)のプレゼンなんですよ。 ▽そして金曜、いよいよ待望の柴崎選手のプレゼンが開かれるんですが…。うーん、水曜夕方の練習後、チームはセゴビアに移動しちゃいますからね。そちらは土曜までの短い滞在で、月曜からはバレンシア州のオリバ(スペイン南東部のビーチリゾート)でキャンプと日程はわかるんですが、ヘタフェの広報部長に訊いても「全然、話の出てなかった移籍で私たちも突然聞いたの。まだ柴崎がいつ練習に合流するかもわからないわ」とのこと。それでもスタジアムが改装中のため、恒例のピッチでのユニフォーム姿披露がなく、正面ゲートに何となく誘導されてきたパチェコやアルバロにサインをねだっていた若いヘタフェファンたちが柴崎選手入団のことをもう知っていて、「プレーオフで見たよ。上手いし、絶対、1部でエギュラーを取れる選手だ」と太鼓判を押してくれたのは私も嬉しかったかと。 ▽ちなみに29日にその第2次キャンプも終わった後、次の週辺りからはスタジアムから5分程、下ったところにある練習場でセッションをやるんじゃないかと思いますが、さて。まだ新シーズン用になっていませんが、ヘタフェの練習予定はオフィシャルサイトに出るはずなので、夏休みでマドリッド観光に来る機会があれば、タイミングを合わせて、柴崎選手を見に行っても楽しいかも。8月の第3週週末近辺には兄貴分のアトレティコや今季、マドリッド第3のチームの座を争うことが宿命づけられているレガネスとの親善試合も予定されているようなので、それについてはまた日付が正式に決まったら、お知らせしますね。 ▽え、1部に復帰したばかりのヘタフェでも外にキャンプに出るのに、1部2年目となるレガネスが猛暑のマドリッドを1度も離れないのは変わっていないかって? そうですね、お金がないからなのか、アシエル・ガリターノ監督の方針なのかは知りませんが、確かに彼らは昨年の夏もどこにも行かず。ブタルケ(レガネスのホーム)からちょっと、歩いたところにあるらしい練習場で頑張っているんですが、私が見学に行くのにネックとなっているのはスタートが午前9時と早いこと。 ▽何せ、こちらもセルカニアス(スペイン国鉄近郊路線)C-5線のZaraquemada(サラケマダ)駅から徒歩15分と、セントロ(マドリッド中心部)から時間がかかりますからね。夕方セッションのある日に行ってみたいものですが、そんな彼らも今週は水曜、木曜、金曜と連続プレゼン。左SBラウール・ガルシア(アラベスから移籍、元アトレティコでアスレティックの選手と同姓同名だが別人)、右SBザルドゥア(レアル・ソシエダからレンタル移籍)、GKクエジェル(スポルティングから移籍)の順番になりますが、もう22日からは親善試合もスタートするとか。対戦相手はRMカスティージャ(2部B)だったり、バジャドリッド(2部)だったり、今季も1部復帰を目指すラージョだったりと地味なものの、1部2期目となれば他のチームの見る目も違ってきますからね。今季はもう少し早めの残留確定ができるよう、しっかり準備してくれたらと思います。 ▽一方、FIFA処分のせいで新入団選手プレゼンとは縁のないアトレティコはこのところ、一体何をしているのかというと…。いやあ、先週、ビトロはセビージャと契約延長する直前に翻意。2022年までの契約を結んでくれたんですが、選手登録のできる来年1月になるまではラス・パルマスにレンタル移籍ですからね。今はカナリア諸島(大西洋にあるリゾート諸島)で練習していますし、ジエゴ・コスタもチェルシーのプレシーズンにはあれこれ理由をつけて参加せず、移籍成立を母国ブラジルで待ってはいるんですが、最近のアトレティコはCL報酬などで羽振りはいいものの、身に着いた貧乏性のせいでしょうかね。コンテ監督が構想外にしているコスタの値下げを待っているのか、まだしばらく時間がかかるよう。 ▽うーん、彼の場合、リーガ前半戦はプレーできずとも、チームで練習だけ参加という方向になりそうですが、9月初旬にはイタリア、リヒテンシュタインと対戦するスペイン代表のW杯予選も控えていますからね。あまり長くバケーションを取るのは当人にとって、良くないんじゃないかと思いますが、こればっかりはねえ。あ、ここずっと、ロス・アンヘレスで1日2セッション、多い日は午前7時45分からの早朝練習を含めて3セッションで汗まみれになっているチームメートを横に、未だにサウールがバケーション三昧なのはU21ユーロに参加していたせいなので、怒っちゃいけませんよ。 ▽そんなサウールは31日に合流。メキシコ遠征やアウディ・カップには参加せず、特別メニューでシーズン開幕に備えるそうですが、今週は6月に恥骨炎の手術をしたガメイロが合宿に参加。もちろんまだ皆と一緒に練習はできないものの、リハビリは順調に進んでいるようです。その他、昨季限りで引退したチアゴがアシスタントコーチとして加わり、ハードなメニューのせいでガイタン、ブルサリコなど、各部の痛みが出て皆勤できてない選手もいるようですが、まあこの時期にはよくあること。とりあえず、22日に予定していたヌマンシア(2部)とのメモリアル・ヘスス・ヒル杯はなくなったため、どの選手もこの夏、最初の親善試合となる25日のトルーカ戦までに体調を整えてくれればいいんじゃないでしょうか。 ▽そして最後に現在、UCLAのグラウンドでプレシーズンのトレーニングを続けているお隣りさんについてなんですが、昨季がリーガ優勝、しかもCLは2連覇なんて、凄い成績だったせいですからですかね。クリスチアーノ・ロナウドのマドリーに戻らない発言騒ぎも当人がまだバケーション中でコメントもないため、どこかうやむやになってしまった感もありますし、ハメス・ロドリゲスのバイエルン移籍もキャンプ出発前に決定。特別休暇延長のあったキャプテンのセルヒオ・ラモスも今週頭から合流していますし、あとはマンチェスター・ユナイテッド行きの夢が消えてしまったモラタがミランに行くのか、チェルシーに行くのか、ダニーロにオファーがあるだかないだかぐらいで、ジダン監督のチームは平穏に過ごしているよう。 ▽この先、マドリッドで控えているイベントも金曜のセバージョス(ベティスから移籍)の入団プレゼンぐらいなため、私も遠目から気長に様子を伺っている感じです。ええ、サウール同様、U21ユーロで活躍したセバージョスもそれが終わると、すぐアメリカに飛んで、この土曜に最初のプレシーズンマッチ、それこそ8月8日のUEFAスーパーカップの予行演習となるマンチェスター・ユナイテッド戦に挑むチーム本隊に合流。その先も26日にはマンチェスター・シティ戦、29日にはアメリカ版クラシコ(伝統の一戦)のバルサ戦、8月2日のMSL選抜チーム戦と、巡業があるマドリーは大西洋の向こうの地から帰って来ませんからね。コンフェデレーションズカップに出場したため、戻りが月末になるロナウドを含め、選手たちの姿をバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で見かけることができるのはおそらく、来月の4日以降になるんじゃないかと。 ▽ただ夏休みにマドリッドを訪れる人にとっては、公式戦を楽しめるチャンスもあって、いえ、リーガは8月3週目の週末からなんですけどね。マケドニアのスコピエで開催されるUEFAスーパーカップを現地観戦するのはハードルが高いものの、コパ・デル・レイのチャンピオン、バルサとリーガのチャンピオンのマドリーが激突する今季、公式戦初クラシコ、スペイン・スーパーカップの方は13日にカンプ・ノウで1stレグがあった後、16日にサンティアゴ・ベルナベウで2ndレグが開催。毎年、この日付けはバケーションに出ている両チームのアボナドー(年間シート保持者)も多いため、リーガなどと違い、比較的チケットが手に入れやすいのも嬉しいところでしょうか。 ▽まあ、マドリッドのチームの近況はこんなところなんですが、1週間ぶりにマルカやAS(スペインのスポーツ紙)をじっくり読んでみれば、今月27日にはディナモ・ブカレス相手にヨーロッパリーグ予選3回戦1stレグを迎えるアスレティックを筆頭に、もう10チームもプレシーズンマッチを戦っていることが判明。セビージャが来日してセレッソ大阪に1-3で勝利なんていうのはともかく、乾貴士選手のいるエイバルも月曜にはレアル・ウニオン(2部B)に3-1で勝ち、おやおや、これじゃもう目が離せない? 難点なのはリーガ3強以外、親善試合のTV中継がないことですけどね。私もまた、サッカー漬けになる日々が始まる時期になりました。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.19 13:23 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】まだまだ試合はないけれど…

▽「男子ならではできる技ね」そんな風に私が頷いていたのは土曜日、アスレティックの選手全員が高校球児のように頭を丸め、リハビリトレーニングに来たジェライを迎える映像を見た時のことでした(https://www.youtube.com/watch?v=4sgRFoFBa5E)。いやあ、彼は6月のU21ユーロのスペイン代表に選ばれながら、ポーランドに経つ直前、2月に完治していた精巣ガンの再発が発覚し、無念のリタイアをすることに。その後は抗がん剤や放射線療法を受けていたため、坊主頭になっていたんですが、リーガ1部20チーム一番乗りの早さで先週からプレシーズンを開始していたチームメーートたちが当人を励ますため、ロッカールームで互いにバリカンで刈り合って、連帯感を示すことにしたのだとか。 ▽これには1人として例外はなく、U21ユーロに参加していたため、まだ休暇中のウィリアムスとケパ・アリサバラガも日付を合わせてスキンヘッドにしていましたけどね。ああも皆さん、同じ容貌になってしまうと試合の時、ファンには誰が誰なのか、なかなか区別がつかないかも。ジガンダ新監督の下で臨むアスレティックの新シーズン、最初の公式戦は7月27日のヨーロッパリーグ予選3回戦1stレグ。どこのスペインのクラブより早いんですが、その頃にはそれぞれ、特徴のある髪型ができるぐらいまで毛が伸びていてくれる?とりあえず、8月末に復帰するジェライのため、少なくともELプレーオフまでは勝ち抜いて、グループリーグ出場権をプレゼントできるといいですよね。 ▽まあ、そんなことはともかく、このところ何かと話題が多いのはそのU21ユーロに出場していた選手たちで、いえ、スペインは決勝でドイツに1-0で負け、惜しくも準優勝に終わったんですけどね。それにも関わらず、大会MVPに選ばれたベティスのセバジョスをレアル・マドリーとバルサが獲り合っているというニュースが日々、マスコミを賑わせていたんですが、とうとうこの土曜には当人が前者のオファーを受けることを決断したという報が。契約破棄金額1500万ユーロ(約19億円)を超える1800万ユーロ(約23億円)の移籍金で、6年契約を月曜に結ぶ予定だそうですが、あれ、その日は先週水曜にマドリー移籍が公式に発表されたテオのプレゼンが組まれてなかった? ▽うーん、アトレティコのカンテラーノ(Bチーム出身の選手)で、昨季はアラベスにレンタル移籍して活躍した19歳の彼は休暇でアメリカに滞在中、先日、契約延長をしたばかりの年子の兄、ルカスの立場も思いやらずに「マドリーでプレーすることが子供の頃からの夢だった」とTVカメラの前で告白。クラブ関係者がこれに気分を害したせいもあってか、オフィシャルウェブでの移籍決定のお知らせ(http://www.atleticodemadrid.com/noticias/theo-hernandez-traspasado-al-real-madrid)でも、当人は「nunca llego a debutar en partido oficial con el primer equipo/ヌンカ・ジェゴ・ア・デブタル・エン・パルティードー・オフィシアル・コン・エル・プリメール・エキポ(トップチームの公式戦でデビューするには至らなかった)」と嫌味に強調されたりしていたんですけどね。 ▽ええ、U21ユーロ後はお兄さんのジョナタン(2部Bのアルコジャノ)やアーロン(2部テネリフェから同オビエドに移籍)らと共にニゲス・カンプス(少年少女向け夏のサッカースクール)で指導に当たり、金曜に上京。この夏はFIFA処分で新規選手登録ができず、当然、華々しい入団プレゼンもできないせいか、6月のコケに続いて契約延長プレゼンをビセンテ・カルデロンのVIPルームで開いてもらったカンテラの先輩、サウルも「ウチのユース出身なのに育ててもらったクラブにリスペクトの気持ちを示せないなんて。El que no quiera estar con nosotros no nos importa/エル・ケ・オー・キエラ・エスタル・コン・ノソトロス・ノー・ノス・インポルタ(ボクらといたくない選手のことなんか、どうでもいいよ)」と、テオにはかなり冷たかったですからね。 ▽その上、これからプレーするクラブでもお披露目の日を、モドリッチの後継者と目されているセバジョスの移籍契約のタイミングにぶつけられてしまうとなれば、マルセロと競う左SBのポジション争いもこの先、思いやられてしまいますが、まあそれも自身が選んだ道。残念ながら、サンティアゴ・ベルナベウの特設ステージでのプレゼン時、兄のルカスはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプに参加しているため、立ち会うことはできないでしょうが、もう翌日には当人もチームと一緒に本場のロサンジェルスへ出発ですからね。意外とこういうちょっとした(?)差に憧れて、リッチなマドリーに行ってしまう選手もいるのかもしれませんよ。 ▽え、金曜にサウルを私が見に行ったということは、U21代表の同僚であるバジェホの方はすっぽかしたのかって?その通りで、最初は私もマドリーのこのプレシーズン、初の入団プレゼンを楽しみにしていたんですけどね。これもまた、テオのことだけでなく、FIFA処分もお隣さんのようにCAS(スポーツ仲裁裁判所)に移籍市場1回分に減刑してもらえなかったアトレティコがまさか、計算してぶつけたんでしょうか。 ▽どちらも午後1時スタートのイベントだったとなれば、いえ、夏ごとにどこかの路線が整備で運休となるマドリッドのメトロ(地下鉄)が今年は5号線を選択。おかげでせっかくピッチに芝も戻り、7、8月はまだスタジアムツアーもできるビセンテ・カルデロンへは、セルカニアス(国鉄近郊路線)を使わないとたどり着けないというのはわかっていましたけどね。何せ、バジェホの移籍が決まったのは2年前。ここ2シーズンは古巣のサラゴサ(2部)、アイントラハト・フランクフルトにレンタル中だったいうこともありますし、大体、彼はまだ20歳なんですよ。 昨季で契約が切れ、先日にはベシクタシュ加入が決まったCBペペの後釜として、すぐにジダン監督に使ってもらえるのか疑問がありますし、となれば、やっぱり私がユーロ大会でお隣さんのアセンシオを上回るゴールを挙げ、ボタ・デ・オロ(得点王)に輝いたサウルを選んでしまったとしても仕方なかったかと。ちなみにそのプレゼンでは先輩のコケ程の大泣きではありませんが、アトレティコの少年チームでプレーしていた時代の思い出写真や2012年に17歳でトップチームデビューをした試合のビデオを見せられた当人が壇上で涙ぐむシーンも。 ▽2026年までという、超長期契約になったのには「ミゲール・アンヘル(筆頭株主)が契約延長の話を持ってきた時、向こうの好きなだけの期間、サインすると言ったよ。Yo quiero mejorar, crecer y hacerlo con el Atletico de Madrid/ジョ・キエロ・メホラル、ウレセル・イ・アセールロ・コン・エル・アトレティコ・デ・マドリッド(ボクは上手くなって成長したい。それをアトレティコでやりたいんだ)」と言っていましたが、そうですね。当面はユーロ決勝のようにプレーのレベルが落ちる試合を減らすことを課題にしてくれることを望みます。 ▽そんなサウルはプレゼン後、再びバケーションに戻り、今月末までチームに合流はしないんですが、実はアトレティコのプレシーズン練習はこの木曜にスタート済み。ええ、前日にフェルナンド・トーレスの契約1年延長も正式に決まったため、初日は私も頑張ってマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場まで見学に行ったんですが、いやあ、こんなこともあるんですねえ。例年なら、猛暑の中のセッションとなるはずが、たまたまその日から、スペイン中で気温が急激に下がったから、私もビックリしたの何のって。おかげで過去にはビエット(昨季はセビージャにレンタル)やメンサー(同ビトリア)らがオルテガ・フィジカルコーチの厳しいメニューについていけず、途中で吐いたりしていたものですが、やはり20度ぐらいしかなく、練習の後半は雨混じりともなると、選手たちもバテなくて済む? ▽ただ翌日からは、別にまた暑くなった訳ではないものの、セッションが午前8時開始と非常に早い時間に設定。さすがに私も金曜、土曜は付き合うことはできなかったんですが、まだこの段階では昨季リーガ終了後に各国代表戦に参加していたメンバーが欠けていますからね。その間、ビエットがpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)中にchilena(チレア/オーバーヘッドシュート)を試み、ヘルプ要員で参加しているカンテラーノの額を蹴って、流血騒ぎなっていたなんてこともあったんですが、大丈夫。大きなケガではなかったようで、その彼も日曜夕方に揃って移動するキャンプには同行できるようです。 ▽そして週明けからはゴディンやヒメネス、フィリペ・ルイスら中南米組、オブラク、サビッチ、カラスコらが加わり、水曜にはコケとグリースマンも合流。21日まで1日2セッション、3セッションとある猛練習をこなした後、親善試合も始まります。そうそう、来年1月加入予定の選手候補だったビトロは契約破棄金額の4000万ユーロ(約52億円)をセビージャに払い、シーズン前半は古巣のラス・パルマスでプレーする方向でほぼ固まったようですが、試合に出ずにアトレティコで練習していてもらうと言われているジエゴ・コスタについてはまだ、チェルシーとの交渉も始まっていないとか。うーん、そろそろコンテ監督のチームもプレシーズンが始まりますしね。その空きを待っている選手もいるため、早いところ話を進めてもらいたいものですが、というのも…。 ▽そう、モラタの移籍先としてほぼ確定とされていたマンチェスター・ユナイテッドが土曜にはルカクをエバートンから1億ユーロ(約130億円)で獲得したことを発表。ポジションもかぶりますし、更にマドリーに移籍金8000万ユーロ(約104億円)を払うことはないだろうという話になっているんですが、これには6月にベネチアでイタリア人モデルのアリス・カンペッロさんと結婚式を挙げてから、熱々のハネムーン写真を披露(https://www.instagram.com/alvaromorata/?hl=ja)してばかりだった当人も一気に現実に引き戻された? ▽何せ、マドリーも来週の月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)に集合して、翌日にはアメリカへ出発ですからね。モラタもそのメンバーに入っているんですが、モウリーニョ監督もUCLAの施設がお気に入り。あちらでは一足先に200メートル離れたグラウンドでマンチェスター・ユナイテッドが練習を始めているため、移籍が決まればすぐさま歩いて新天地となるチームに合流できると思っていたかもしれませんが、そうは問屋が卸さないことに。ちなみにジダン監督はモラタの残留を望んでいますが、そうなるとモナコからエムバペが来られなくなってしまうかもしれませんしね。 ▽ここまでのところ、セバジョスは全然、高額ではありませんし、その他、この夏のプレゼンが移籍金2600万ユーロ(約34億円)のテオ、無料のバジェホに、同じくRMカスティージャ出身で昨季はアラベスにレンタルに出ていたスペインU21代表の同僚、マルコス・ジョレンテだけなると、選手獲得に大枚をはたくのが好きなペレス会長がちょっと欲求不満になってしまう可能性もなきにしろあらず。 ▽もちろん同じく来週月曜に始動するマドリッドの弟分チーム、今のところ、降格したスポルティングからGKクェジェルの入団が決まったぐらいのレガネスや昇格プレーオフの死闘を戦い抜いた後、まだ昨季のレンタル移籍選手の買い取りオプションを行使した程度。練習開始も17日からと遅いヘタフェなどから見たら、本当に羨ましい話なんですけどね。 ▽ただ、土曜のマルカ(スポーツ紙)にインタビューが掲載されたモドリッチなども「Yo solo ficharia si alguien te puede mejorar bastante lo que hay/ジョ・フィチャリア・シー・アルギエ・テ・プエデ・メホラル・バスタンテ・ロ・ケ・ハイ(自分なら、今のチームを相当、良くすることができる選手だけを獲得するだろう)」と言っていましたが、確かに2年連続CL優勝を果たし、昨季はリーガも制覇したチームをもっと強くできる選手を見つけるのは難題中の難題。そういう意味ではマドリーにも苦労はあるんですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.09 11:00 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】もう練習している…

▽「ちょっと早すぎじゃないかしら」そんな風に私が驚いていたのは月曜。前日にメディカルチェックの様子がTVに流れていたアスレティックに続き、ここ数日は猛暑も影を潜めてはいるんですけど、夏の殺人的な暑さには定評のある地元でセビージャがベリッソ新監督に率いられ、朝8時半からプレシーズンのトレーニングを開始したというニュースを見た時のことでした。いやあ、確かに昨季のリーガは5月21日に終わり、その前は3期連続してあった恒例のヨーロッパリーグ決勝もなかったため、選手たちもそろそろ体を動かしたい気分になっていたかもしれませんけどね。 ▽7位で終わったアスレティックの場合、今月27日にEL予選3回戦1stレグが待ち受けていますし、バルサに行ってしまったバルデベルデ監督の後を継いだジガンダ新監督が張り切っているため、納得もできるんですが…。セビージャはCLで決勝トーナメントに進出してしまい、EL4連覇とはいかず、この夏のUEFAスーパーカップはありません。さらに、彼らの今季最初の公式戦は8月15、16日のCLプレーオフ1stレグなんですよ。また、UEFAスーパーカップに2連連続のCL王者として、EL王者のマンチェスター・ユナイテッドと対戦するレアル・マドリーでさえ、プレシーズン開始は11日だというのに…。セビージャは異例の早期始動。もしやこれって、今季こそアトレティコの定位置であるCLグループリーグ出場権のある3位奪取を果たしてやるという、セビージャの意気込みの表れだった? ▽いえ、そういうアトレティコもこの木曜には炎天下のマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で選手たちの体力テストがスタート。9日の夕方にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)に移動して、月曜から地獄のキャンプとなりますから、別にそれ程、後れを取っている訳ではないんですけどね。22日の土曜には毎年恒例のメモリアル・ヘスス・ヒル杯でヌマンシア(2部)と対戦して、翌日にはメキシコへ行き。25日にトルーカとの親善試合をこなしてすぐ帰国すると、8月1、2日はミュンヘンでアウディ・カップに臨み、初日のナポリ戦の後、バイエルンかリバプールと決勝or3位決定戦をプレーすることに。さらに6日にもイギリスに飛んで、今季からプレミアリーグで戦うブライトンと親善試合となかなか密な予定が組まれていますが、公式戦が8月19、20日のリーガ1節までないというのは結構、有難いことかも。 ▽というのも昨季など、お隣さんはジダン監督のローテーション政策が効を奏して肝心な試合で息切れすることはなし。未成年選手獲得における規則違反で受けたFIFA処分もCAS(スポーツ仲裁裁判所)のおかげで、新規選手登録できないのは今年の1月の1回だけに減ったため、放出予定の左SBコエントランの代わりに早速、テオ(昨季はアトレティコからのレンタルで、アラベスでプレー)を獲るなど、穴埋めも滞りなく行えるのとは違い、この夏もシメオネ監督は新戦力をアテにできませんからね。 ▽ジエゴ・コスタ(チェルシー)だ、ビトロ(セビージャ)だと騒いでいるのはあくまで来年1月に向けてで、それまでは一応、負傷離脱が長期に渡ったアウグストやヴァルサリコらは帰って来るとはいえ、リーガ前半戦とCLグループリーグは昨季とほぼ同じAチームメンバーで賄わざるをえず。となれば、出ずっぱりとなる選手たちには極めて高い体力をつけてもらう必要があるから。とりわけ先週の金曜まで、誰よりも長いシーズンを過ごしたサウールなど、恥骨炎の症状も出ていることから、この月末に遅れてプレシーズンに参加したあと、まだ開幕まで間があるのは大いに助かるかと。 ▽え、それでそのサウールの今季最終戦となったU21ユーロの決勝はどうだったのかって? いやあ、私もまた彼の活躍をお伝えしたいと腕まくりをしていたんですが、もしかしてアトレティコ勢は決勝に勝てないというジンクスでもあるんですかね…。去年の夏もCL決勝でマドリーに負けた悔しさをバネにグリーズマンがフランスをユーロ決勝まで牽引していったんですが、最後はクリスチアーノ・ロナウドのポルトガルに敗北。同じシーズンに2つの国際ビッグトーナメントの決勝で負けるという不名誉な記憶を作っていたように、サウールもあと一歩が及ばなかったんですよ。もちろん彼だけの責任ではないのは確かですが、スペインU21代表の同僚、アセンシオ(マドリー)など、6月にカーディフでCLトロフィーを掲げていますからね。ダメージも少なくて済んだのでは? ▽ちなみにドイツとの試合の方は、「En la primera parte no hemos sido nosotros/エン・ラ・プリメーラ・パルテ・ノー・エモス・シードー・ノソトロス(前半のウチは自分たちでなかった)」とセラデス監督も後で言っていたように、チームにいつもの活発な攻める姿勢が見えず。そうこうするうち、40分にはジョニー(スポルティング)が自陣エリア近くで失ったボールが起点となり、トルヤン(ホッフェンハイム)のクロスをバイザー(ヘルタ)にヘッドで決められて、先制点を奪われてしまったから、驚いたの何のって。それでも準決勝のイタリア戦だって、前半は決して優勢だった訳じゃないのだからと、後半に私も期待を懸けていたところ…。 ▽その日はダメでしたね。8人もU21常連メンバーをコンフェデレーションズカップのレーブ監督率いるドイツBチームに引き抜かれ、決して知名度は高いと言えない選手たちで構成されたCチームの団結した守りにスペインは突破口が開けず。うーん、サウールやセバージョス(ベティス)もシュートは試みたんですが、とりわけ前者はイタリア戦のハットトリックで運を使い果たしましたかね。GKポラースベック(2部のカイザースラウルテンからハンブルクに移籍)を破ることはできず、サンドロ(マラガ)からウィリアムス(アスレティック)に、ボランチのマルコス・ジョレンテ(昨季はマドリーからレンタルで、アラベスでプレー)からFWのボルハ・マジョラル(同ボルフスブルク)とアタッカーを増やしても全然、得点できないんだから困ったもんじゃないですか。 ▽結局、そのまま試合は1-0で終わり、U21ユーロはドイツの優勝で幕を閉じたとなれば、実際、大会MVPに選ばれ、トロフィーとポーズさせられたセバージョスも少しも嬉しそうじゃありませんでしたしね。計5得点で大会得点王となったサウールなど、ゴールデンブーツを受け取るのを忘れてしまい、チームバスに乗っているところをわざわざ、中まで取りに行かされたなんて逸話も。これにはさすがにアトレティコも可哀想に思ったから、クラクフからバラハス空港に到着した翌朝、サウールの2026年までの契約延長を発表する気の遣いようでしたが、同時に契約破棄金額も8000万ユーロ(約103億円)から1億5000万ユーロ(193億円)とアップ。 ▽先日、一足早く延長のサインしたコケと同額になった当人は、クラブのオフィシャルサイトに上がったビデオで「Estoy muy contento porque en el Atleti somos una familia y no hay un sitio mejor en el que pueda estar/エストイ・ムイ・コンテントー・ポルケ・エン・エル・アトレティ・ソモス・ウナ・ファミリア・イ・ノー・アイ・ウン・シティオ・メホール・エン・エル・ケ・プエダ・エスタル(アトレティコは家族だし、自分がいられるこれ以上の場所はないから満足だよ)」と言っていましたが、2013年のU21ユーロ優勝チームの一員だったカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の先輩とタイトルでも肩を並べられなかったのは、ちょっと後悔が残るところかと。 ▽まあ、サウールの場合はこの大会を最後にU21から卒業する11人の1人で、GKケパ(アスレティック)、アセンシオ、ベジェリン(アーセナル)、デウロフェウ(決勝当日にバルサがエバートンから買戻しオプションを行使)らと共にA代表でもロペテギ監督のお覚えめでたいメンバーでもあることから、このリベンジは来年のW杯で果たせるかもしれませんけどね。できれば、その前にアトレティコで何かタイトルを獲れるよう、丁度、1日からはオフィシャルショップの看板も新しい紋章に衣替え。すでに物議を醸している新ユニフォームはまだ発売されていませんが、ワンダ・メトロポリターノにホームが移転する今季はツキが変わってくれるといいんですが。 ▽おかげで翌土曜は私もお祝いすることがなくなったため、丁度始まったrebaja(レバッハ/セール)巡りを兼ねて、ワールド・プライド2017(LGBTの権利を主張するフェスティバル)の最終日で賑うセントロ(市内中央部)を散策。主義主張を表明したい人々もきっといるんでしょうが、観光客も含め、コスプレやボテジョン(広場など屋外でやる酒盛り)のいい口実になっていたような。何せ、あのロエベのショーウィンドウまでがレインボーカラー(多様性を示すゲイ・プライド運動の象徴)でデコレーションされていましたからね。フィエスタの中心となるチュエカ地区に入る道では必ず警官が荷物チェック、グラン・ビア(市内中心の大通り)も全面通行止めにして、中央には鉄柵を並べている辺り、テロ対策も近頃は大規模にやっているんだなという感じでしたが、まあご時世柄、それも仕方ないのかも。 ▽そんなことはともかく、サッカーの話を続けると、日曜にあったコンフェデ3位決定戦ではポルトガルが後半アディショナルタイム、マドリーとの契約が終わっても、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)魂は持っていくつもりのペペのゴールでメキシコと同点に。延長戦では前半、アドリエン・シウバ(スポルティングCP)がリベンジPKに成功し、2-1で勝利。双子が生まれたばかりというのを理由に、クリスチアーノ・ロナウドのチーム離脱を認めたフェルナンド・サントス監督を安心させることになりましたが、マドリッドに一旦、戻ったはずの当人からは今もSNSでの写真以外、何の音沙汰もないため、移籍したいのか、チームに残留するのかの結論はまだ出ていません。 ▽うーん、この調子だと、31日にロナウドが脱税容疑でマドリッドの裁判所に出廷した後、ロスアンジェルでキャンプ中のチームに合流するまで、白黒つかない気もしますが、それに応じて、早々にリヨン行きが決まったマリアーノはともかく、モラタやハメス・ロドリゲスの移籍を許可するかどうか、ムバッペ(モナコ)やセバージョスを獲得すべきなのかどうか、クラブの方針も変ってきますからねえ。できれば、早めに答えを出してもらいたいところですが、さて。そうそう、ジダン監督の長男で昨季はたまにベンチに入っていたエンソはアラベスへのレンタル移籍が決定。U21ユーロで実力を示したマルコス・ジョレンテやバジェホのように外のクラブで修業して、トップチーム入りを勝ち取れということのようです。 ▽そしてコンフェデ決勝はドイツがマルセロ・ディアス(セルタ)のミスを利用、バーナーが奪ったボールをシュティンドルが決めて奪った1点で、アレクシス・サンチェス(アーセナル)やアルトゥロ・ビダル(バイエルン)のいるチリに0-1と勝利して優勝。もうBチームとCチームでdoblete(ドブレテ/ダブル優勝のこと)なんてこと、あっていい? どうもこのまま行くと、来年のW杯でスペインが復権するのは難しいように思えてしまうんですが、まあ、それはかなり先の話。来週の月曜にはマドリッドの弟分、レガネスも始動しますし、昇格プレーオフで国内では誰より、長く戦った末、1部Uターンを果たしたヘタフェも17日には練習を始めるため、私もそれまでに英気を養っておかないといけませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.04 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】成長が著しすぎて…

▽「これはもしや渡りに舟?」そんな風に私がポジティブに考えようとしていたのは木。ガメイロが恥骨炎の手術を受け、全治2カ月。その間、前線でグリーズマンとペアを組める選手がフェルナンド・トーレスとコレアしかいないという状態で、アトレティコはリーガ開幕を迎えるという記事を読んだ時のことでした。いえ、FIFAからの処分で新規加入選手は望めないものの、7月6日に始まるプレシーズンにはビエット(昨季はセビージャにレンタル)が戻って来ますけどね。 ▽他にも昨季のレンタル先であるポルトで活躍していたらしいジオゴ・ジョタ、さらにテネリフェで1部昇格プレーオフ決勝まで頑張ったカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)のアマトら、幾人かFWのアテがない訳ではないんですよ。 ▽ただ、、ズラタン・イブラヒモビッチ(マンチェスター・ユナイテッドを退団)はまあないかと思いますし…。ジエゴ・コスタ(チェルシー)やビトロ(セビージャ)がやって来られる1月まで、シメオネ監督も腹をくくるしかないかと。その期間は、U21ユーロのスペイン代表を率いるセラデス監督同様に、サウールをもっと上の位置で使って、チームの得点力アップに役立てようと思ってくれるかもしれませんね。 ▽ちなみにどうしてそういうことになったのか、お話ししていくことにすると…。先週、3連勝でグループリーグを突破したスペインはこの火曜、準決勝で強豪イタリアと対決。といっても相手には大人の代表程、有名な選手はいなかったんですが、前半は拮抗した展開が続きます。それどころか、GKケパ(アスレティック)がペッレグリーニ(サッスオーロ)のシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)して救われるという危ない場面もあったんですが、大丈夫。このRojita(ロヒータ/U21スペインの愛称)には優れた人材が溢れているんです。 ▽その中でも、「Llevaba bastante tiempo esperando este momento/ジェババ・バスタンテ・ティンポー・エスペランドー・エステ・モメントー(この瞬間をずっと待っていた)。自分の人生にとって最も大事な試合の1つで、それを利用することを知っていた」と意気込むセバジョスが52分にも敵エリア前で何人ものDFをかわしてサウールにラストパス。すると、初戦のマケドニア戦、2戦目のポルトガル戦でも先制点を決めていたアトレティコのカンテラーノはこの日も的を外さなかったんです! ▽おまけにその5分後にはガリアルディーニ(インテル)が一発レッドで退場し、これでスペインは決勝に向かってそのまま突っ走るかに思われたんですが、もちろん世の中、そんなに簡単には行きません。ええ、イタリアでは1人、図抜けて存在感があったベルナルデスキ(フィオレンティーナ)が守備陣の乱れを突くと、62分にエリア前からシュート。このボールがバジェホ(昨季はアイントラハトにレンタル、マドリーに復帰予定)に当たり、同点ゴールになってしまうとは、まったく油断ならないじゃないですか。 ▽そこですぐさま流れをスペインに引き戻したのがサウールで、その3分後に今度はエリア外からGKドンナルンマ(ミラン)を破ってしまったから、私も呆気に取られたの何のって。いえ、それどころか、74分にもアセンシオが折り返したボールをネットに収め、とうとうハットトリック達成って、ちょっと!! そんなクリスチアーノ・ロナウドやメッシ、アトレティコならファルカオ(現モナコ)やグリーズマンら、スーパーFWだけの専売特許技ができるなら、何でMFなんて名乗っている? ▽いえ、グループ1節のマケドニア戦で3ゴールを挙げたアセンシオもMFですけどね。彼はジダン監督のBチームメンバーでプレー時間もそれなり。となると、恐るべきは「El hambre que tiene cada vez que viene con nosotros es tremenda/エル・アンブレ・ケ・ティエネ・カーダ・ベス・ケ・ビエネ・コン・ノソトロス・エス・トレメンダ(ウチに来る時、毎回の彼のハングリー精神は凄まじい)」(セラデス監督)のもありますが、あれだけシーズン中、人手不足のアトレティコで出ずっぱりだったにも関わらず、この時期になっても衰えないサウールの体力だったかも。ええ、これには先週末の1部昇格プレーオフ2ndレグに柴崎岳選手との交代で出場。最後はヘタフェに及ばなかったものの、そのテネリフェで2部の超ロングシーズンを過ごしたお兄さんのアーロンもビックリしていたんじゃないでしょうか。 ▽そのままスペインが3-1で勝利、決勝進出を果たした後には、「Es el primero que consigo y lo voy a cuidar muy bien/エス・エル・プリメーロ・ケ・コンシーゴ・イ・ロ・ボイ・ア・クイダル・ムイ・ビエン(初めてのハットトリックだから、よーく面倒看るよ)」と、いそいそと試合球をお持ち帰り。そんな素晴らしい活躍を見せているサウールについて、アトレティコのセレソ会長は「サウールはアトレティコと長期契約をしているから、no se va a ir a ningun sitio/ノー・セ・バ・イル・ア・ニングン・シティオ(どこにも行かない)」と断言してくれましたし、契約破棄金額も今の8000万ユーロ(約103億円)から、グリーズマンやオブラク並の1億ユーロ(約128億円)に上げるようですしね。できれば、新スタジアムのミックスゾーンで私も来季、お目にかかりたいかと。 ▽え、これでドイツと王座を懸けて戦うことになったスペインだけど、他の選手たちが目標だった決勝進出を叶えて喜ぶのに留めているのと対照的に、サウールだけが「Este equipo se merece ser campeon/エステ・エキポ・セ・メレセ・セル・カンペオン(このチームはチャンピオンになるに値する)」と強気だったのは印象に残らなかったかって? まあ、アトレティコではあと一歩というところで、なかなかタイトルが獲れませんからね。その分、彼も周りに上手な選手の多い代表では貪欲になってしまうんだと思いますが、今回、スペインがツイているのは、相手のドイツは現在、コンフェデレーションズカップにも出場中。 ▽そちらにはクロース(マドリー)やエジル(アーセナル)、ケディラ(ユベントス)、ミュラー、ノイアー(バイエルン)といった、来年開催のW杯予選を戦っている主力メンバーを呼ばず、大会最少の平均年齢23.8歳という若手チームで挑んでいるため、U21に出ている選手たちなど、輪をかけて、馴染みのないメンバーになっていることですが、まあ決勝は決勝で結果の読めない試合ですからね。木曜にコンフェデ準決勝でメキシコを4-1と圧倒したドイツBチームも相当、強かったですし、今回のCチーム、U21ドイツの選手たちも「スペイン相手には汚いプレーをしないといけない。小さなファールから始めて、楽しくサッカーする気分を失わせないと」(メイヤー、シャルケ)とか、「ちょっとホットな戦いをしてやれば、彼らは嫌がるだろう」(ポーラースベック、2部のカイザースラウルテンからハンブルクに移籍)なんて、物騒なことを言っているため、用心は必要かと。 ▽一方、予定が大きく変わってしまったのはその前日、水曜のコンフェデレーションズカップ2017準決勝でプレーしていたロナウド。いやあ、チリと0-0で延長戦に突入したまでは良かったものの、まさか続くPK戦でクアレスマ(フェネルバフチェ)、モウチーニョ(モナコ)、ナニ(バレンシア)がGKクラウディオ・ブラボ(マンチェスター・シティ)を前に次々と失敗。相手はアルトゥーロ・ビダル(バイエルン)、アランギス(レバークーゼン)、アレクシス・サンチェス(アーセナル)が3人とも成功したため、当人まで順番が回らず、0-3で負けるって、ほとんどありえないシナリオじゃない? うーん、確かに彼には2012年ユーロ準決勝のスペイン戦でも最後のキッカーを買って出て、結局、蹴る前に負けが決まった経験がありますけどね。 ▽昨年のCL決勝ではそれこそ、ファンフランがポストに当てた後、マドリーの5本目を決め、ウンデシマ(11回目のCL優勝のこと)を引き寄せた記憶の方が、2012年のCL準決勝バイエルン戦で第1キッカーを務め、見事にノイアーに弾かれたことより新しい出来事となれば、この順番を選んだのも決して責められないかと。まあ、日曜にはコンフェデ決勝観戦を楽しむつもりだった私もマドリッド勢のいないチリvsドイツになってしまった不運を嘆くしかありませんが…。また、開催時間も午後2時(日本時間午後9時)と丁度いいし、3位決定戦でのリベンジを期待していたロナウドファンには残念なお知らせが。 ▽というのもこの試合の直後、ポルトガルサッカー協会は彼の代表離脱を許可。子供が生まれたばかりなのに参加していたからだそうですが、え、そうだったんですか? 丁度、当人もこれがいい機会だと思ったのか、自身のフェイスブックで「ようやく息子たちと初めて一緒にいられることになって嬉しい」と公表していましたが、でもまた代理母出産なんですよね。 ▽実はすでにその噂は3月頃からあって、サン(イギリスのタブロイド紙)などでは双子の男女でマテオ君、エバちゃんと名前まで出ていたんですが、どうやら6月8日には無事出産が済んでいたよう。7歳になる長男のクリスチアーノ・ジュニア君同様、ロナウドの母、マリア・ドロレスさんがアメリカまで迎えに行ったとかで、うーん、これって、かつての彼女、ロシア人モデルのイリーナさんもそうでしたが、現カノのジョルジーナさんもまったく立つ瀬がないんじゃないかと思ってしまう女性はきっと、私以外にもいるかと。 ▽まあ、それはともかく、木曜の夕方には2人の赤ちゃんを抱いているロナウドの写真も投稿されている状況なので、マドリッドで待っているペレス会長がロナウド慰留のため、話す機会を設けるのもまた、ちょっと先になってしまうかもしれませんが…。幸い、水曜夜にラジオ出演した会長は「Estoy convencido de que va a seguir/エストイ・コンベンシードー・デ・ケ・バ・ア・セギール(彼が残留することを確信している)」と楽観的。何せ、ロナウドが動けば、「Si traemos a Mbappe, quien sale?/シー・トラエモス・ア・ムバッペ、キエン・サレ(もしムバッペ獲ったら、誰が出て行く?)」と彼が言っていた、モナコの18歳を1億3000万ユーロ(約167億円)出して、本当に獲っちゃうかもしれませんし、そしたらイロイロ玉突きで強豪チームのFW大移動が始まる可能性も…。 ▽その一方で、7月11日になれば、ジダン監督もチームを率いて、こちらは本家、アメリカのロサンジェルスキャンプに出発しないといけませんし、23日のユナイテッド戦を皮切りにプレシーズンマッチではバルサ戦、カカやビジャ、シュバインシュタイガーといった大物も出場するかもしれないMSL選抜戦と、面白そうなカードが幾つもあるとなれば、できれば7月上旬ぐらいは静かであってほしいと願ってしまうんですが、さて。とりあえず一時の猛暑は収まり、ここ数日は涼しすぎるぐらいになってしまったマドリッドなだけに、私もバケーションの計画を練るのに最適な環境をゲット。その間には大きな移籍騒ぎは起きないでほしいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.30 11:50 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】終わり良ければすべて良し…

▽「これは気が抜けないわね」そんな風に私が呟いていたのは月曜。スペイン代表のロペテギ監督がポーランドで開催中のU21ユーロに準決勝から、弟分チームの応援兼視察で駆けつけるという記事を見つけた時のことでした。いやあ、大多数のリーガの選手たちは現在、バケーションの真っ只中。ふと気づくと、セルヒオ・ラモスが水色の海にダイブするビデオなどを見たり、スポーツ紙に載るインタビューがイビサ(地中海のリゾートアイランド、夏はサッカー選手のメッカになる)発ばかりだったりに気がつくと、自分も暑いだけのマドリッドでゆだってないで、ビーチでノンビリしたいと夢想する毎日なんですけどね。 ▽それでもまだお仕事中の選手たちもいない訳ではなく、その1つがスペインU21代表で、1戦目はアセンシオ(レアル・マドリー)のハットトリックなどでマケドニアに5-0、2戦目はポルトガルに3-1で勝利。この2試合でサウール(アトレティコ)が連続ゴールを挙げたおかげもあって、グループリーグ突破を2節目で早々に決定しました。そのため、先週の金曜に行われる最終節、セルビア戦ではスタメン総入れ替えとなったんですが、やはりここは、リーガ3強の残り1チームの選手も存在感を示しておかねばと思ったんですかね。38分にオドリオソラ(レアル・ソシエダ)のラストパスをデニス・スアレス(バルサ)が決めて、1-0と勝利することができましたっけ。 ▽ただ、MVPとなった彼などは「Hemos ganado y hemos mantenido la puerta a cero/エモス・ガナードー・イ・エモス・マンテニードー・ラ・プエルタ・ア・セロ(ボクらは勝って、失点ゼロに抑えた)」と胸を張っていたんですが、その当人を始め、ボルハ・マジョラル(ボルフスブルク)やソレル(バレンシア)らが他にもあったゴールチャンスに次々失敗。セルビアは41分にレッドカードでジョルジュビッチ(パルチザン)を失い、その後ずっと10人で戦っていたことも考えると、なかなか「Hemos tenido oportunidad los que veniamos jugando menos para demostrar que todos podemos cumplir/エモス・テニードー・オポルトゥニダッド・ロス・ケ・ベニアモス・フガンドー・メノス・パラ・デモストラル・ケ・トードス・ポデモス・クンプリール(あまり出ていない選手でも、全員がやり遂げられることを示すチャンスだった)」というミケル・メリノ(ドルトムント)のように大きなことは言えないと思いますが、まあ、グループ3連勝だったのはスペインだけですしね。 ▽その辺は自信を持っていいところかもしれません。ただ、これは本当に短い大会で、土曜にはポーランド北部のグィドゴシュチェから、7時間かけて南部のクラクフに電車で移動。彼らが次に挑むのは火曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、イタリアとの準決勝です。大人のチーム同士の対戦ともなると、予断を許さないカードなんですが、U21のイタリアは最終節にドイツに1-0と競り勝って、何とか4強入りを果たした状態ですし、アセンシオやサウール、デウロフェウ(昨季はミランでプレー)、ベジェリン(アーセナル)ら、頼りになるA代表経験者も多いスペインに比べると、注目されている選手もGKドンナルンマ(ミラン)ぐらいしかいませんからね。大いに勝算はあるかと。 ▽そして勝ち上がれば、金曜にイングランドvsドイツの勝者と対決して優勝できるというのが最高のシナリオですが、この2試合でいい働きをすれば、9月からのW杯予選招集、引いては来年の夏にロシアへ行ける芽も大きくなると思えば、5月下旬からずっと合宿している選手たちも最後の力を振り絞ってくれるはず。まだ皆、若いため、バケーションだってそんなに長くはいらないでしょうしね。2013年、それこそロペテギ監督の下で最後にユーロ優勝を果たしたU21チームから、今ではイスコ、モラタ、カルバハル(マドリー)、コケ(アトレティコ)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)らが、A代表常連になっているのもいい励みになると思います。 ▽え、それより土曜にはマドリッドのチームにとって大事な試合があったんだろうって? その通りで、私が家を出る前に見たコンフェデレーションズカップのグループA最終戦は33分にクリスチアーノ・ロナウドがPKで先制点を挙げると、その後、ベルナルド・シウバ(モナコからマンチェスター・シティに移籍)、アンドレ・シウバ(ポルトからミランに移籍)、ナニ(バレンシア)が続き、予想通り、ポルトガルが4-0の圧勝でニュージーランドを下して首位通過を決定。この試合では後半途中に退き、昨季のマドリー同様、フェルナンド・サントス監督にお休みをもらいながら、3試合連続MVPをゲットしたため、ロナウドも幾分、機嫌を直したかと…思いきや。やはり脱税容疑で訴えられたことに関してはまだ怒りが静まっていなかったよう。翌日には当人のスポーツ・ディレクターから、「クリスチアーノはよく考える時間が必要と言っていた」とのコメントが。 ▽マドリーのペレス会長も、別に慌ててはいないでしょうけどね。まあこのところ、とにかく訳わからない移籍関連記事が溢れている状態なため、とりあえずコンフェデレーションズカップが終わって、ロナウドと話す機会を持つのを待っているようです。まず水曜の準決勝でポルトガルはチリと対戦。その結果がどう出ても、ベスト4入りしたチームは日曜の3位決定戦、決勝のどちらかを戦わないといけないため、彼が本当にスペインに戻りたくないのか、来季もジダン監督の下に留まるのか、白黒はっきりするのは当分、先になりそうですね。 ▽よってそちらは気長に構えるしかありませんが、その土曜にはようやくヘタフェが今季の戦いに決着をつけたんですよ。いやあ、先週の昇格プレーオフ準決勝ウエスカ戦2ndレグにも増して超満員となったコリセウム・アルフォンソ・ペレスにテネリフェを迎えた彼らだったんですが、何せ水曜の決勝1stレグでは0-1で敗戦。remontada(レモンターダ/逆転劇)が必要だったため、私も結構、緊張して試合が始まるのを待っていたところ、キックオフ前には2003年に初の1部昇格を達成した時のメンバー、パチョンやジカ・クライオベアヌ、ナノ、ドラドらがピッチに上がり、その場をますます盛り上げてくれることに。ええ、今の選手たちもそれにしっかり応えてくれて、早くも9分にはダミアンのCKからのボールをファウウリンが蹴り込んで、総合スコアでタイに戻してくれたから、どんなにホッとできたことか。 ▽これで調子に乗ったヘタフェは13分にもチュリが折り返したパスをパチェコが正確に決め、一気に逆転に成功。それから4分後、今度は柴崎岳選手のラストパスをロサナがゴール前で押し込み、テネリフェに1点を返されてしまったから、さあ大変! そう、これはアウェイゴールになるため、このまま2-2で終わった場合、ヘタフェが負けてしまうんですよ。 ▽でも大丈夫。1年ぶりに会った顔馴染みのヘタフェ番の女性記者がチャンスの度に声を枯らして応援している横でじっと待つこと20分。ウエスカ戦同様、2部では十分、得点力を持っていることを彼らは証明してくれました。今度はホルヘ・モリーナのシュートが敵GKに弾かれたところにパチェコが再び登場、確かにこれも周りには誰もいない状態でしたが、さすがにここ2シーズン、ベティスとアラベスで連続して昇格している経験者だけありますね。来季こそ、1部でのプレーを楽しむんだという決意でボールをネットに収め、チームを3-1のリードに導いてくれたんですから、本当に有難いじゃありませんか。 ▽結局、51分には柴崎選手に代えてサウールのお兄さんであるアーロンを送り出して反撃を試みたテネリフェでしたが、何度か観客席に恐怖のどよめきが走ることはあったものの、勝利に必要だったあと1点は最後まで取れず。うーん、アトレティコからレンタルで修業に出ている20歳のアマトなどには惜しいチャンスもあったんですけどね。あの決定力のなさでは、やはりまだ、この夏もFIFA処分のせいで補強のできないシメオネ監督の前線に加わるには力不足であることが露呈してしまったかも。「後半、そういう予定ではなかったが、instintivamente el equipo se metio atras/インスティンティバメンテ・エル・エキポ・セ・メティオ・アトラス(チームは本能的に引いてしまった)」(ボルダラス監督)というヘタフェもそれ以上、追加点を挙げることはなかったため、試合は3-1のまま終了。総合スコア3-2で1年ぶりの1部復帰が決まりました! ▽いやあ、それにしても準備万端とはまさにこのことで、まあ終了直後はピッチにファンが押し寄せ、しばらく混乱していたんですけどね。実は私など、帰りのメトロ(地下鉄)の駅でスタジアムのシートを持っている人を見て、兄貴分のファンが最終戦でビセンテ・カルデロンの座席を引き剥がしていたのを真似しているのかと思ったものですが、この時にはどこのチームより長いシーズンを戦いながら、報われなかったのに逆上したテネリフェのファンがピッチ内のヘタフェサポーター目掛け、シートを投げつける騒ぎがあったのだとか。まあ、ヘタフェサイドにも「Africano que no vote/アフリカーノ・ケ・ノー・ボテ(跳ねないのはアフリカ人)」と、テネリフェのあるカナリア諸島の位置にかこつけて、挑発するようなカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を歌っていた品のないファンたちもいたようですしね。 ▽それでも騒ぎがその程度で済み、群衆はすみやかにピッチから退去、クラブが用意した昇格セレモニーを恙なく行えたのは良かったかと。ええ、先月は残留を達成してブタルケでお祝いするレガネスを見ていた私ですが、やはり1部では先輩のヘタフェ。もちろん兄貴分のマドリーがサンティアゴ・ベルナベウでドゥオデシマ(12回目のCL優勝のこと)の後、開催したメガフィエスタには敵いませんが、選手が呼ばれて登場する時に吹き上がる炎の演出も檀上に全員揃った後の紙吹雪、豪快な打ち上げ花火もお隣さんよりずっと豪華だったのは否定できなかったかと。 ▽そして時刻はもう午前零時、それからチームはオープンデッキバスに乗って、シベリーナ(ヘタフェがファンとお祝いする広場)に向かい、翌日の午前中には市庁舎表敬訪問と、凄い勢いで祝賀行事を済ませたヘタフェでしたが、もしや関係者一堂、少しでも早くバケーションに入りたかった? まあ、休めてせいぜい1カ月ですが、ちなみに来季は、「Tiene contrato, si quiere entrenar en Primera yo le voy a dar la oportunidad/ティエネ・コントラトー、シー・キエレ・エントレナール・エン・プリメーラ・ジョ・レ・ボイ・ア・ダール・ラ・オポルトゥニダッド(契約があるから、もし1部で指揮したいならチャンスを与える)」とアンヘル・トーレス会長がお祝いの最中に確約していたため、昨季はアラベスを昇格させながらペジェグリーノ監督と交代。今季の8節に21位にいたチームをエスナイデル監督から引き継いで見事、目標を達成したボルダラス監督が続投する模様。 ▽ただ選手たちについてはレンタルで来ている人も多いため、まだどうなるかよくわからないんですが、ちょっと心配なのは以前、1部にいた頃はボール扱いの上手いチームを目指していた彼らだったというのに、今季は2部で一番ファール数が多い、荒っぽいプレーをするようになっていたこと。いやあ、プレーオフなんてそれこそ、そのぐらいの気合がないと勝ち抜けないんだと思いますが、ウエスカ戦でもテネリフェ戦でも両チームの選手がすれ違う度、必ずどちらが地面に転がっているというのはねえ。 ▽1部の審判はその辺、厳しいため、来季はイエロカード禍に襲われないよう、プレシーズンの間に調整していってほしいものかと。でもでも、これでまたマドリッドには1部4チーム体制が復活。ヘタフェファンには、これまで前例のないレガネスとの1部ダービーを楽しみにする向きも多いようですが、またマドリーやアトレティコら、兄貴分を迎えて賑わうコリセウム・アルフォンソ・ペレスを見られるのは私もとっても嬉しいですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.27 11:40 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】正念場はここから始まる…

▽「1番乗りはテオじゃないのか」そんな風に私が呟いていたのは木曜日、AS(スポーツ紙)でU21ユーロが終わった後、7月早々にレアル・マドリーがバジェホのプレゼンをするという記事を見つけた時のことでした。いやあ、今週の月曜には対抗馬がおらず、選挙もなかったため、あまり話題にもならなかったんですが、5期目の就任が決まったペレス会長がサンティアゴ・ベルナベウのパルコ(貴賓席)前ホールで挨拶。これ幸いと、このところ、あまりの猛暑に耐えきれず、午後は常にどこかクーラーのある場所を探していた私も見に行ってきたんですけどね ▽ちょうどその折、もうスタンドにお馴染みの仮設ステージがあるのに気づき、この夏、最初にそこに立つ新入団選手は誰かと訝っていたところ、顔馴染みのラジオ記者にすでにアトレティコからお隣さんへの移籍が決まっているテオじゃないかと言われ、ああそうかと頷いたもの。ただ、その当人は今季のレンタル先だったアラベスのシーズンが終わった後、フランスU20代表に行かず、マラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)でバケーションを過ごしているのを目撃されて以来、音沙汰がないですよ。いえ、年子のお兄さんでアトレティコとの契約延長が決まったルカスの方は先週、今年初めに起きたDV事件のせいで500メートル以内の接近禁止令が出ていた彼女とバハマから一緒に帰国。おかげでバラハス空港の入管で逮捕され、拘置所に一泊したとか、実はその彼女とラスベガスで挙式してきたなんて話もあったんですけどね。 ▽それだけに兄と一緒にいないのはわかっていましたが、やっぱりクラブとしても外様のテオより、自分のところのカンテラ(下部組織)で育ち、今季はレンタル先のアイントラハト・フランクフルトで成長。先日のU21ユーロのグループリーグ2節でMVPに選ばれたばかりのバジェホを先にお披露目したいと思うのは当然だったかと。ちなみに彼は今季限りで退団したペペの代わりに入るCBなんですが、他にもボヌッチ(ユーベ)のようなベテランも念のため、マドリーは獲るかもしれないなんて噂もなきにしろあらず。ファン的には早く、ムバッペ(モナコ)やディバラ(ユーベ)、ドンナルンマ(ミラン)といった大型選手のプレゼンを見たいものですが、とりわけアタッカーに関してはハメス・ロドリゲスやモラタの行き先がまだ決まっていませんからね。ジダン監督もようやくバカンス先のイビサ(地中海にあるリゾートアイランド)から戻って来たばかりですし、しばらく気長に待つしかないようです。 ▽え、そのバジェホが賞をもらった試合ではサウルも活躍しなかったかって?その通りで、火曜のポルトガル戦では前半21分、またしてもアトレティコから1人参加の彼が先制点を挙げたから、驚いたの何のって。いやあ、初戦のマケドニア戦ではchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で彼が決めた後、アセンシオ(マドリー)のハットトリックが生まれたため、影が薄くなってしまったんですけどね。今季のCL準々決勝バイエルン戦で見せたような、敵DF陣を何人もかわしてのゴールの後、この日は後半19分、センターからロングパスを出し、それを追ったデウロフェウ(今季はミランでプレー)のアシストでサンドロ(マラガ)が2点目を挙げるのにも貢献とは、頑張っているじゃないですか。 ▽うーん、こんな働きぶりを見ると、当人も「A mi tambien me gusta mas tener mas libertad y poder llegar sin la preocupacion de quedarme atras/ア・ミー・タンビエン・メ・グスタ・マス・テネール・マス・リベルタッド・イ・ポデール・ジェガール・シン・ラ・プレオクパシオン・デ・ケダールメ・アトラス(ボクもより自由に動けて、後ろに残ることを気にしないで敵エリア内に行く方が好き)」と言っていたように、シメオネ監督ももっと前でプレーさせてあげられれば良かったんですけどね。今季のアトレティコはチアゴやアウグストらが長期のケガでボランチに慢性的な人手不足が発生。 ▽それだけにバジェホ同様、来季はマドリーのトップチーム入りが噂されているマルコス・ジョレンテ(今季はアラベスにレンタル移籍)がDFライン前でしっかり踏ん張ってくれる、このU21スペイン代表では思う存分、サウルにも自身のゴール嗅覚を披露してもらいたいものかと。ただ、セラデス監督は「nos da un gran rendimiento y puede jugar en cualquier parte del campo/ノス・ダ・ウン・グラン・レンディミエントー・イ・プエデ・フガール・エン・クアルキエル・パルテ・デル・カンポ(ウチに大きなパフォーマンスを提供してくれるし、ピッチのどこでもプレーできる)」と買ってくれてはいるものの、「今は攻撃に行っても後ろに人がいるから、ボクがパスを失敗してもカウンターを受ける心配がないのさ」と、当人が開き直るのはちょっとねえ。 ▽ええ、そんな、いかにもパスがあまり得意でないアトレティコの選手らしい発言をしていると、U21を卒業して迎える来年、W杯ロシア大会参加を予定するロペテギ監督のA代表に呼ばれず、本当に「El ano que viene tendre vacaciones/エル・アーニョ・ケ・ビエネ・テンドレ・バカシオネス(来年はバケーションがあるよ)」(サウル)という破目になりかねませんが、まあそれは先の話。今はこの試合の続きをお伝えすることにすると、32分にはブルーマの豪快なvolea(ボレア/ボレーシュート)でポルトガルに1点を返されたスペインだったんですが、ロスタイムには途中出場のウィリアムス(アスレティック)が1人抜け出し、ダメ押しゴールを決めて最後は1-3で勝利することに。この2連勝でグループリーグ突破が決まったため、金曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのセルビア戦では大幅なローテーションもありそうですが、それより何より、来週火曜の準決勝の相手がどこになるかが気になりますよね。 ▽そして翌水曜、夕方にはコンフェデレーションズカップ・グループリーグでポルトガルがロシアと対戦。先日発覚した1470万ユーロ(約18憶円)の脱税容疑で、7月31日に出廷を求められたクリスチアーノ・ロナウドが、いえ、再任プレゼンでは彼について、何も言わなかったペレス会長ですけどね。その夜、出演したラジオ番組で「今は大会に集中しているだろうから、話してないが、ロナウドとは会わないといけない」と、スペインには戻らないと代表のチームメートに漏らしたと伝えられていた件に関しても前向きな対処を約束したため、当人の機嫌も少し良くなったんでしょうか。8分にはラファエル・ゲレイロのクロスをヘッドで決めると、そのまま試合にも0-1で勝利。2試合連続でMVPを獲得して、順調に準決勝進出に近づいています。 ▽最後のグループリーグは土曜のニュージランド戦と、基本的に格下相手の試合ですしね。同じ勝ち点のメキシコはロシアと潰し合いをしますから、よっぽどのことがない限り、来週も試合があるはずですが、私にとって、計算外だったのはその日の夜、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)を何軒も巡ってもリーガ1部昇格プレーオフの試合を流しているお店が1つもなかったこと。うーん、先週はまだ準決勝だったから、想像できたんですけどね。せっかくマドリッド勢のヘタフェが1年ぶりにマドリーやアトレティコら、先輩チームと肩を並べる舞台に戻って来られるかどうかの大事なゲームだというのにこの始末、やっぱりマドリッド市民は郊外のチームにあまり関心がないのかも。 ▽よって、テネリフェとのプレーオフ決勝1stレグはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)で聴いているしかなかったんですが、そんな日に限って、実況アナが一番繰り返していたのが柴崎岳選手の名前。ええ、前半21分など、とうとう彼のCKからホルヘ・サエンスがヘッドを決め、先制点を取られたとなればもう、悔しさ倍増だったのも仕方なかったかと。うーん、柴崎選手はプレーオフ準決勝2ndレグでもゴールを挙げ、カディスと総合スコア1-1に持ち込んで、チームが決勝進出を果たす原動力になっていましたからね。ヘタフェの守備陣も重々の注意を払って然るべきでしたが、まさに後悔先に立たず。彼らはそのまま1-0で負けて、本土に戻って来ることに。 ▽え、準決勝2ndレグはヘタフェが土曜、テネリフェが日曜でしかも延長戦だったのに、フィジカルでも相手が劣っていなかったのは意外じゃなかったかって?そうなんですけどねえ、何度も繰り返して申し訳ありませんが、このところマドリッドは連日の酷暑続き。これじゃ練習するだけでも消耗して当然ですし、逆にテネリフェがホームとするカナリア諸島(大西洋上にあるリゾートアイランド)は気温が10度程低くて過ごしやすいんですよ。ヘタフェはウエスカとの2ndレグで退場処分を受けたパチェコが出場停止だったという事情もありましたしね。更にはこの試合でフステルとファン・カラが負傷交代しているとなれば、土曜の2ndレグでremontada(レモンターダ/逆転劇)を起こすのは難しい? ▽いえ、ボルダラス監督は「mis jugadores tienen experiencia y calidad/ミス・フガドーレス・ティエネン・エクスペリエンシア・イ・カリダッド(ウチの選手たちには経験と質がある)。そこにファンの応援があれば、どうして引っくり返せないことがあろう」と自信を失ってはいませんでしたけどね。カディス戦では同じ1-0負けから逆転突破をしたテネリフェのマルティ監督も「Alli tendremos que hacer un gol/アジー・テンドレモス・ケ・アセール・ウン・ゴル(向こうでもウチはゴールを挙げないといけないだろう)。ヘタフェに得点機を作らせないというのは難しいから」と慎重でしたが、確かにその通り。13年前、ヘタフェが奇しくもテネリフェで初の1部昇格を決めた時にはラジオを聴きながら、伝説の4ゴールを挙げたパチョンの名前を耳に刻んだものでしたが、この土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの決戦、コリセウム・アルフォンソ・ペレスのスタンドで見守る予定の私の心に残るのは一体、どの選手になるんでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.23 10:13 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】一生懸命な選手たちもまだいる…

▽「もうバケーション中の人はいいわよね」そんな風に私が溜息をついていたのは日曜日、この週末はやたら結婚式のニュースが多いのに気がついた時のことでした。いやあ、始まりは金曜のことで最近、熱波に襲われているスペインでも特別、暑いことで有名。観光客泣かせのトレド(マドリッドから1時間の世界遺産都市)にある古城、パラシオ・デ・ガディアーナでグリースマンが披露宴というのはTVのスッパ抜きでわかったんですけどね。気温40度はあろうかという中、アトレティコの同僚、コケやゴディン、ファンフランらに加え、火曜にあったフランス代表今季最後の親善試合、イングランド戦まで一緒だったウムティティ(バルサ)やラガゼット(リヨン)まで、スーツ着用で駆けつけていたんですが、幸い、すでに一女をなす仲のエリカさんとの決めの写真はしっとり写っていて良かったかと(https://twitter.com/AntoGriezmann/status/875992015011549184)。 ▽そして翌土曜には、こちらはスポーツ紙などで予定もわかっていたんですが、お隣さんのモラタが彼女のイタリア人モデル、アリス・カンペッロさんとベネツィアで挙式(https://www.instagram.com/p/BVcrJKwnocf/?taken-by=alvaromorata)。当人はすでにマンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ監督からラブコールをもらっているということで、もうチームメートでいられる時間も少ないかもしれませんが、レアル・マドリーからはイスコ、ヤニス、ナチョ、RMカスティージャ時代の仲間だったナチョの弟のアレックス・フェルナンデス(エルチェ)、サラビア(セビージャ)、モスケラ(デポルティボ)らが出席しています。ただこの日、式を挙げたマドリーの選手はモラタだけでなく、コバチッチも母国のクロアチアで学生時代からの彼女、イサベラさんと結婚。こちらはマルセロがお祝いに行っていますが、地球の反対側ブラジルでもダニーロの披露宴があったり、続いて日曜はルーカス・バスケスって、もしや6月のマドリーではご祝儀貧乏に陥る人が多発しているのでは? ▽まあ、そんなことはともかく、私もスペイン代表のワールドカップ予選マケドニア戦が終わったら、勝手にもうバケーションだと思い込んでいた口だったんですが、実はまだあったんですよ。この殺人的な猛暑の中、マドリッドで真剣にサッカーをやっているチームが。それに気づいたのは金曜で、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設のグラウンドでは、スペインでは夏はシエスタ(昼寝、昼休み)後で、決して外へ出てはいけない時間帯、午後5時と7時からコパ・デル・レイナ(女子のカップ戦)準決勝が開催。リーガでも最後まで優勝を争ったバルサがバレンシアに勝った後、アトレティコ女子がリーガ6位のグランディージャ・テネリフェと戦ったんですが、こちらは昨季のコパ女王の余裕で2-0と快勝することに。 ▽いやあ、相手には今年の2月頃、男子のリーガ2部のテネリフェに移籍したばかりの柴崎岳選手が適応に苦しんでいた際、エールを送った件で話題になった堂園綾乃選手が在籍。その日もフル出場したことにまったく気づかなかったため、せっかくオープン放送で中継があったにも関わらず、私も試合自体は見逃してしまったんですけどね。日曜午前11時30分からあった決勝をTV観戦したころ、やっぱり一枚上手だったのはバルサ。そう、準決勝で暑さに苦しんだことから学んだか、前後半両方の半ばに設けられた水分補給タイムには袋詰め氷を用意して、選手たちの首や頭を冷やしていたんですが、アトレティコなんて本当に水を飲むだけなんですよ。ちょっとお、もう少し女子の体を心配してあげられない? ▽おまけに男子チームの悪いところが伝染したか、最初にもらったPKをエースのソニアが外してしまうんですから、困ったもの。その後はリーガ得点女王ジェニに2ゴールを奪われるわ、せっかくソニアが1点を返しても、守備ミス続出でアレシア、アイタナに追加点を許すわで、結局、4-1で敗戦です。うーん、彼女たちが2冠を達成したら、今季はタイトルなしで終わったシメオネ監督率いるチームの励みになるかもしれないという、私の目論見は見事に外れてしまったんですけどね。意外と肩身が今以上に狭くならず、こっそりホッとしていたアトレティコ男子もいるかもしれませんね。 ▽そして変わらず暑かった翌土曜には、先日のマドリーとローマのOB戦、コラソン・クラシック・マッチでは途中で直射日光に耐えられなくなった私も午後9時という遅い開始時間に勇気づけられ、1部昇格プレーオフ準決勝2ndレグを戦うヘタフェを応援に。1年ぶりに訪れたコリセウム・アルフォンソ・ペレスがここ数年、1部のリーガ戦ではまず、お目にかかれなかった活況を呈していたのに驚いたの何のって。チームバスのスタジアム入りにも大勢のファンが集まって、派手なお出迎えがあったようですしね。同じく昨季に2部降格した同じマドリッドの弟分、ラージョがどのカテゴリーにいようと常に熱い地元サポーターに支えられているのとは違い、うつろいやすいヘタフェファンが昇格プレーオフを機にまた戻って来てくれたのは何とも喜ばしい限りかと。 ▽すると試合ではチームの方もスタンドの期待にしっかり応えて、いえ、水曜にあった1stレグでは終盤にウエスカに追いつかれ、2-2と引き分けていたため、その日はスコアレスドローでも全然、突破に問題なかったんですけどね。前半36分にはモラのケガで急遽、スタメン入りをしたベテラン、ラセンの浮かしたFKをホルヘ・モリーナが繋ぎ、ゴール前でファン・カラが押し込んで先制点をゲット。後半にもパチェコとフステルがエリア外からゴールを決め、リーグ3位と6位の差はこんなところに出るのかと感心させてくれることに。 ▽ただ、スタジアム中が歓喜していた3-0の勝利、総合スコア5-2での決勝進出も全てがハッピーで終わった訳ではなく、うーん、元々、1stレグからファール数でウエスカが19、ヘタフェが28、イエローカード計9枚。その日の2ndレグもそれぞれ25、16、計10枚と、1部に比べてフィジカルと言われる2部の試合にしてもとかく荒っぽさの目立つ展開ではあったんですけどね。残り3分にはウエスカのイニゴ・ロペスがカラの顔に唾を吐きかけ、両チームが揉み合う事態に。その時、何やら抗議した交代済みのパチェコがレッドカードを受けるって、どこから見ても理不尽では? ▽ええ、昨季はアラベスを1部昇格に導き、今季は9月にスナイデル監督からチームを降格圏で引き継いで以来、3位まで躍進させたボルバラス監督も「Estoy enojado porque con 3-0 no nos pueden expulsar a un jugador del banquillo/エストイ・エノハードー・ポルケ・コン・トレス・セロ・ノー・ノス・プエデン・エクスプルサール・ア・ウン・フガドール・デル・バンキージョ(3-0なのにベンチにいる選手を退場させられたんだから、自分はとても怒っている)」と、完全に枯れた声で言っていましたけどね。スタンドで最初、アウェーで2点を挙げていたモリーナへのカードかもしれないとオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナが言っているのを聞いた時、私が味わった思いに比べれば、まだ良かったんでしょうが、パチェコもその日は殊勲の2点目を挙げていますし、このままだと決勝1stレグに出場停止なのは辛いところかと。 ▽一方、聞き覚えのある名前だと思っていたウエスカのアンケラ監督は実は2009年、未だにマドリーの黒歴史となっているアルコルコナソ(コパ・デル・レイ16強対戦で当時、ペレグリーニ監督の率いていたチームを2部Bのアルコルコンが総合スコア4-1で敗退させた事件)があった時の監督で、そのシーズンに昇格を果たしたマドリッド勢の末っ子は今季を含め、それからずっと2部を維持。そんな所縁のある監督だったんですが、「Ha sido superior en todo, nos han superado desde el inicio al final/アシードー・スペリオール・エン・トードー、ノス・アン・スペラードー・デスデ・エル・イニシオ・アルフィナル(最初から最後までウチを圧倒して、相手が全てにおいて上だった)」とヘタフェの強さに脱帽していたよう。 ▽うーん、彼らは水曜の1stレグの後、夜にホームスタジアムの事務所が強盗に遭い、当日のチケットやプレーオフ出場記念グッズの売り上げ等、7万ユーロ(約900万円)がなくなってしまうという不運にも見舞われていますからね。ちょっと気の毒な感じもしましたが、このプレーオフで1部に上がれるのはたった1チーム。それだけ大変ということで、昇格を目指してモリーナやフステル、カタ・ディアスら、1部経験の長い選手を揃えて戦ってきたヘタフェだって、今週の水曜と土曜にある決勝でうっかりしていたら、今季一番長く戦って、骨折り損のくたびれ儲けだったクラブとなってしまうのですから、甘いことは言っていられませんって。 ▽ちなみにもう1つの準決勝の勝者は日曜にテネリフェに決定。1stレグではカランサ(カディスのホーム)で1-0と負けたものの、テネリフェ(大西洋のカナリア諸島のリゾートタウン)のエリオドロ・ロドリゲスでは前半34分、柴崎選手がゴールを挙げ、そのまま勝負は延長に。そのまま総合スコア1-1のまま終わったんですが、プレーオフルールでPK戦にはならず、リーガ終了順位が上のテネリフェが勝ち抜けました。 ▽え、私がヘタフェにいた間、スペインのU21代表もユーロ大会の初戦に挑んでいなかったかって?その通りで、先週中は2月に完治していた精巣ガンの再発が発覚、ジェライ(アスレティック)が合宿を離脱したり、開催国のポーランド入りしてもグリマルド(ベンフィカ)のケガが治らず、こちらもグダニスクから帰国。代わりにディエゴ・ゴンサレス(セビージャ)、ロドリ(ビジェレアル)が繰り上がるなんてこともあったんですけどね。5月末からのラス・ロサスでの合宿には、A代表に応援に行くメンバーもいることを考えて、彼らも加わっていたため、チームとして問題はなかったよう。 ▽いえ、それどころか、これはたまたまなんですが、先日のワールドカップ予選の相手でもあったマケドニアは普段はA代表にいるものの、U21にも該当する選手8人を使わずに温存。満を持して挑んだU21ユーロのグループリーグ初戦でありながら、スペインに5-0と惨敗を喫していたから、ビックリしたの何のって。ちなみに突破口を作ったのはアトレティコから1人参加のサウルで前半10分、ガヤ(バレンシア)のクロスをchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)して先制点を挙げたんですが、その後はお隣さんの注目株、アセンシオ(マドリー)の独壇場になりました。 ▽何せ、デウロフェウ(今季はミランでプレー)のPKゴールを挟んで、前半に1点、後半に2点を入れてハットトリックですからね。セラデス監督に自由に動くことを許されているという当人は、「Me atrevo mas a disparar y soy mas agresivo arriba/メ・アトレボ・マスア・ディスパラール・イ・ソイマスアグレシーボ・アリーバ(思い切ってシュートする気になるし、前線だとボクはアグレッシブなんだ)」と言っていましたが、ちょっと振り返れば、先日のCL決勝ユベントス戦でマドリーの4点目を入れたのも彼。FWではないとはいえ、これからもゴールを連発してくれるようなら、クラブもクリスチアーノ・ロナウドの退団要望という非常事態にパニックに陥らないで済む? ▽ええ、そうなんですよ。実は先週はスペイン検察局から2011~14年の肖像権収入をタックスヘイブン経由にして、1470万ユーロ(約18憶円)の脱税があると告発されたことに端を発し、一応、マドリーは選手を信じる旨の公告をオフィシャルウェブに出したものの、当人はクラブのバックアップが不十分と感じたよう。それにここ数年のサンティアゴ・ベルナベウでのpito(ピト/ブーイング)に対する不満も相まってか、金曜にはア・ボラ(ポルトガルのスポーツ紙)に「スペインには戻らないと代表仲間に話している」という記事が出ることに。うーん、だからって、ロナウドの契約破棄金額は10憶ユーロ(約1240億円)という、常識外れの額ですし、そこまで行かずとも、マドリーは4億ユーロ(約500億円)が最低交渉スタートラインと言っているようなので、そう簡単に移籍できる訳でもないんですけどね。 ▽現在、ポルトガル代表でコンフェデレーションズカップに参加している当人からの意思表示コメントもないため、実際は何を考えているのか不明なんですが、脱税容疑の方はたとえ、プレーする国を変えても、ちょっと前にはディ・マリア(PSG)がマドリッドの裁判所に出頭していたように逃れることはできず。万が一、有罪となれば、罰金込みで2950万ユーロ(約37億円)の支払いプラス、執行猶予付きながら21カ月の刑事罰を受けたメッシのようになりかねませんし、何と言ってもイメージダウンは免れないかと。ちなみに日曜にはロシアでの初戦に先発したロナウドはメキシコ戦でクラレスマ(ベシクタシュ)に先制ゴールをアシストをしたものの、自身に得点はなく、試合も2-2のドローで終了。それでもMVPだったため、プレーに影響はないようですが…水曜のロシア戦を横目に当分、マドリーファンのヤキモキは続くかもしれません。 ▽おっと、話が逸れてしまいましたが、スペインU21代表の次戦は火曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からで、またややこしいですが、相手はポルトガルとなります。ただし、こちらは大人の代表と違って、ロナウドはいませんし、スター選手もレナト・サンチェス(バイエルン)ぐらいなんですが、彼らもセルビアとのグループ初戦に2-0と勝っていますからね。この大会、3グループあって、次ラウンドの準決勝に進出するためには首位か、成績最高の2位になるしかないため、スペインも決して気を抜くことはできないかと。日本ではTV中継がないようですが、you tubeのUEFA.tvのライブ配信を見るといった手もあるので、若い選手の活躍をチェックしたい向きにはお勧めです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.19 09:30 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】まだ真剣に戦っているチームもある…

▽「これなら最後にまたフィエスタが見られるかもしれない」そんな風に私がほくそ笑んでいたのは月曜。リーガ2部の昇格プレーオフの日程表を見ていた時のことでした。いやあ、いつだか思い出せないぐらい前に1位で直接昇格を決めたレバンテ、数節前に2位確定してそれにジローナが続いた後、先々週にはマドリッドのチーム3番手復活を狙っているヘタフェもプレーオフ出場を決めていたんですけどね。3位で終わるか、4位で終わるかだけ、土曜の最終節を待たないといけなかったんですが、幸い自身が何とか追いついて、マジョルカと3-3で引き分けたおかげで3位をキープ。同日、レバンテ戦に勝利して、バジャドリッドとオビエドとの差を保ち、6位の座を確保したウエスカとプレーオフ準決勝で激突することに。 ▽いやあ、まだ1部の試合のあった頃はなかなか、2部で頑張っているマドリッドの弟分たちに目を配る暇がなかったんですけどね。準決勝1stレグはこの水曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレス(ヘタフェのホーム)で迎える2ndレグは土曜で、勝ち上がれば、彼らは3位の柴崎岳選手がいるテネリフェと4位のカディスの準決勝勝者と対戦。また水曜、土曜と決勝を戦わないといけないものの、リーガ終了順位が上のチームが2ndレグをホームで戦うという規則からいくと、24日にはヘタフェが1年ぶりの1部回帰を地元のファンと一緒に祝えるという計算にならない? ▽ただ、懸念もちょっとあって、この昇格最後の1席をプレーオフで決める方式は2011年から始まったんですが、その6回中、3位のチームが目的を達成したのは2回だけ。おまけに1部より多いシーズン42節に加え、プレーオフ4試合と6月終盤まで公式戦をした後、ようやく昇格が決まるチームは夏休みが短くなりますからね。今季もプレーオフ経由で昇格してきたオサスナなんて、チーム力が整わないまま開幕を迎え、真っ先に2部Uターンが決まってしまいましたし、それを考えると、たとえヘタフェが来季、お隣りのレガネスと肩を並べることができるようなったとしても難題が山積みしそうですが、まあそれはそれ。 ▽今はまず、ウエスカに勝利することを考えるだけかと。そうそう、最終節には他にもいいニュースがあって、1節前まで降格圏にいたアルコルコンがルゴに3-0で勝利を収め、UCAMを追い越して残留を達成。12位で終わったラージョと共に来季も2部での戦いを続けられることになりました。ちなみに今季の2部B降格チームはそのUCAMの他にマジョルカ、エルチェ、ミランデス。数年前までは普通に1部でプレーしていたチームでも一旦、歯車が狂うとどんどん落ちて行くばかりというのは、スペインリーグの怖いところでもありますね。 ▽そんなことはともかく、先週末、お話しすべき試合があったのは日曜で、夕方からはサンティアゴ・ベルナベウでコラソン・クラシック・マッチが開催。ええ、レアル・マドリーが毎年開くチャリティマッチで、今回はローマOBとの対戦だったんですが、マドリッドはここ数日、まだ6月だというのに真夏モードに突入しているんですよ。おかげで直射日光の当たるスタンドで私も頭をクラクラさせて観戦していたんですが、出場した往年のスターの中でも著しく大型化していたブラジル人のロナウドにとっては、かなりの苦行だったよう。29分、ロベルト・カルロスのクロスをモリエンテスが自慢のヘッドで決めた後、交代一番手となっていましたが、それから間もなくのことでしたっけ。現役時代の鋭さを思わせるFKをフィーゴが直接捻じ込んで、マドリーの2点目を取ったのは! ▽実際、フィーゴやこの試合2点目を挙げたモリエンテス、ロベルト・カルロス、ラウール、サルガドらは今はもう懐かしい、マドリーのギャラクティコ時代のメンバーですからね。5~15ユーロ(約600~1900円)というお手頃値段もあって、スタジアムをほぼ満員にしたファンもノスタルジーを感じたか、うだるような暑さにも関わらず、大いに盛り上がっていました。しかし残念だったのはそこにジダンやベッカムの姿がなかったこと。いえ、今季限りでポルトを退団したものの、GKカシージャスはまだ現役を続けるようなので呼べなかったのはわかりますけどね。ジダンもマドリー監督に就任する前はこういう試合の常連だったんですが、丁度、1週間前にドゥオデシマ(12回目のCL優勝)を同じピッチで盛大に祝ったばかりとあって、今はノンビリ休暇を取りたかったのかも。 ▽どちらにしろ、ローマは最後まで1点も返すことができず、試合は4-0でマドリーの完勝と結果も申し分なかったんですが…。いえ、私は後半開始と同時にスタジアムを出てしまったんですけどね。これは別に日焼けを恐れたせいではなく、夜に控えていたスペイン代表戦を見るためだったんですが、まさに正解でした。何故なら、W杯予選でスコピエに赴いた彼らはその日のマケドニア戦で先日の親善試合とは異なり、Aチームを投入。序盤から圧倒的にボールを支配して、14分にはイニエスタ(バルサ)からジョルディ・アルバ(同)と繋がり、最後はシルバが半回転してシュートと、水曜のコロンビア戦同様、先制点を挙げてしまうんですから、熱中症になる危険を避けたのは賢かったかと。 ▽さらに畳みかけたスペインは26分にも、今度はイスコ(マドリー)が敵DFをかわしてエリア内に入り込むと、ゴール前にキラーパス。ドンピシャの場所にいたジエゴ・コスタ(チェルシー)が押し込んで2点目ゲットとなれば、この先のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は保証されたかと思ったんですが…。その後、ハーフタイムまでにあった2度程のチャンスはどちらもイスコがゴールを決めきれず。おかげで後半、マケドニアがカウンター攻撃を発動、センターから抜け出したリストフスキ(リエカ)を「Quizá he podido hacer un poco más pero había riesgo de tarjeta en esa jugada/キサ・エ・ポディードー・アセル・ウン・ポコ・マス・ペロ・アビア・リエスゴー・デタルヘタ・エン・エスタ・フガダ(多分、もう少し何かできる余地はあったかもしれないけど、あのプレーにはイエローカードをもらう危険があった)」というセルヒオ・ラモス(マドリー)が止められなかったのも響きましたよね。デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)もそのシュートを止められなかったため、スペインは1点差に迫られてしまうことに。 ▽そこでロペテギ監督はチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)をコケ(アトレティコ)に代え、守備の強化を図ったんですが、実際、相手も別に攻撃的に優れたチームという訳ではありませんからね。ピケ(バルサ)のヘッドが外れたり、コスタのシュートが敵GKに止められたりと、追加点は入らなかったものの、最後は1-2でスペインが逃げ切って試合は終了。ええ、ロスタイムにはイニエスタに代わり、U21から応援参加しているサウール(アトレティコ)が出場と、ご褒美A代表公式戦デビューまでさせてもらえるなんて、実は意外と余裕だった? ▽まあ、あくまでこれは予選ですから、スペインのような本大会常連は勝って当然なんですが、何より喜ばしいのはロペテギ監督になってから、コスタがちゃんとゴールゲッターとしての役目を果たせていること。ええ、これでもう5得点として、このW杯予選フェーズではシルバと並んでチームの得点王ですからね。デル・ボスケ監督時代とは随分、変わったものかと。ちなみに当人はこの試合後もミックスゾーンでチェルシー退団の意志を強調。「Fichar por el Atlético no significa estar sin jugar. Podría irme cedido a otro equipo/フィチャール・ポル・エル・アトレティコ・ノー・シグニフィカ・エスタル・シン・フガール。ポドリア・イルメ・セディードー・ア・オトロ・エキポ(アトレティコに移籍するのはプレーしないでいるってことじゃない。他のチームにレンタルで行くこともできるんだから)」と言っていましたが、この口ぶりだと、本当に来年1月まで新規選手登録をできない古巣に戻って来てくれるかもしれませんね。 ▽そして同日、グループのライバル、勝ち点が同じイタリアは予想通り、リヒテンシュタインに5-0と圧勝。それでもまだ得失点差が4あるため、スペインが1位のままなんですが、こうなるとますます9月2日にサンティアゴ・ベルナベウで行われる直接対決から目が離せないことに。幸い、ロペテギ監督が試合中に何度も注意してくれたため、マケドニア戦はコスタを含め、累積警告が迫っていたラモス、ピケ、ブスケツ、チアゴ、ビトロは誰もイエローカードをもらいませんでしたしね。ピケに限っては会場の雰囲気重視のため、出場停止で、ラモスとナチョで馴染みのマドリーCBコンビでも良かったような気がしないでもありませんが、バケーションを挟んだ後のことなので、今の段階ではpito(ピト/ブーイング)を警戒するのも気が早いかと。 ▽実際、8月のスペイン・スーパーカップの結果次第では、場所的に絶対マドリーファンの多いだろう観客も彼に寛容になれるかもしれませんしね。ちなみに試合後、スコピエからスペインに戻った選手たちはそれぞれ、休暇の予定をこなしに散って行ったんですが、例外はサウール、アセンシオ(マドリー)、デウロフェウ(今季後半はミランでプレー)、GKケパ(アスレティック)の4人。月曜には再び、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会に戻り、今度はこの金曜に始まるU21ユーロ大会参加の準備を始めることに。うーん、イスコ同様、ジダン監督の下で今季はあまり出場時間がなく、今が一番波に乗っているようなアセンシオなんかはいいんですけどね。負傷者続発による頭数不足のせいもあって、シーズンフル稼働だったサウールはちょっと疲労が心配なところですが、彼はまだ22歳。若い選手ですから、大丈夫なんですかね。 ▽そしてこのW杯予選期間、今季終盤を絶好調で終えたクリスチアーノ・ロナウドはポルトガル代表でもラトビア戦で2ゴールを挙げて勝利に貢献。土曜から始まるコンフェデレーションズカップにも期待を持たせてくれた他、ヴァランとグリーズマンが先発したフランスは2-1でスウェーデンに不覚、モドリッチとコバチッチが出たクロアチアもアイスランドに1-0で負けるなど、波乱もあったようですが、マドリー勢の中には出場停止でウェールズのセルビア戦に出られなかったベイルやレーブ監督にコンフェデレーションズカップも含め、参加を免除されたクロースなど、一足先にバケーション入りしている選手も。 ▽こうなると後はモウリーニョ監督からラブコールを受けているモラタのマンチェスター・ユナイテッド移籍がいつ決まるのかとか、火曜にヘタフェで行われるカメルーンとの親善試合のため、驚いたことに現在、バルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場でコロンビア代表のトレーニングしているハメス・ロドリゲスが彼とご一緒するのかといった選手の出入りの話題ばかりになってしまいますが、そうそう月曜にはアトレティコファンに朗報が1つ。グリーズマンと2022年まで、1年間の契約延長に合意に達したそうですが、契約破棄金額は1億ユーロ(約123憶円)のままで、先日、2024年まで延長したコケの1億5000万ユーロ(約185億円)より少なくてもいいよう。それもあってか、当人はアトレティコが選手登録できるようになる1月の移籍を考えているのではと穿つ向きもありますが、その時はその時。マドリーが9000万ユーロ(約111億円)と言っているモラタが本当にその値段で決まったら、私もちょっと心配になるかもしれません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.13 12:03 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】ちょっと調子が良すぎるかも…

▽「これもかなり絵に描いた餅よね」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、前日のAS(スペインのスポーツ紙)が「ラガゼット(リヨン)は1月まで寝かせるつもりで獲る計画」と報じたのに続き、マルカ(同競合紙)に至っては「ジエゴ・コスタ(チェルシー)は6カ月のプレシーズンキャンプ」と、どう考えても冗談としてか思えない記事を載せていたのを見つけた時のことでした。いやあ、先日、CAS(スポーツ仲裁裁判所)がFIFAの処分を肯定する裁定を下した際には自分もいささか動転して、グリースマン40得点、フェルナンド・トーレス、ガメイロは20得点、サウルやコケにまで身の丈に余るだろう期待を懸け、来季のアトレティコのゴール数を計算。今年の1月に続いて、この夏も戦力補強ができない不安から、無理矢理目をそらそうとしたりもしたんですけどね。 ▽コスタ自身も「来年はW杯があるから」と言っていた通りで、いくらスペイン代表のロペテギ監督がレアル・マドリーのローテーション政策大成功を目の当たりにしたばかり。CL決勝でのクリスチアーノ・ロナウドの働きはともかく、今季はジダン監督にあまりプレー時間をもらえなかったアセンシオもGKブッフォンからマドリーの4点目を挙げるなど、シーズン終盤に体力に裏打ちされた才能を遺憾なく発揮しているため、この6月の国際代表週間ではA代表でプレーした後、U21ユーロ大会にも参加してもらえる程、お役立ちになっているなんて例もありますけどね。1月から試合に出始めれば、疲労蓄積のない状態でロシアに行ってもらえるはずというのも、やっぱり獲らぬ狸の皮勘定すぎないような。 ▽だってえ、2年前、バルサが同様のFIFA処分を受け、シーズン半分、ムダにすることを承知で入団したアルダ・トゥラン(アトレティコから移籍)やアレイチェ・ビダル(同セビージャ)みたいにならないなんて保証、どこにもないんですよ。いえ、先日、アルダが随行記者を罵倒して、その結果、トルコ代表引退宣言に繋がってしまったというのまで、そのせいだったと言うつもりはありませんけどね。両者ともプレーが解禁となっても、すでに出来上がっていたスタメンに割って入ることはできず、ビダルには足首の脱臼という長期離脱もありましたが、今季もその状況は変わらなかったのは周知の事実。 ▽それを思うと、同じく補強選手候補に挙がっているビトロ(セビージャ)やサンドロ(マラガ)など、前者はラス・パルマスへの半年レンタル、後者は来季前半までミチェル監督のチームで過ごすという段取りをアトレティコは画策中。できれば、コスタにもCLに出ないどこかのチームで待機してもらいたものですが、当人もラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でサウルと再会して、満更でもなさげだったですし(https://twitter.com/saulniguez/status/871814114833727488)、中国などに行って言葉や生活習慣で戸惑うより、意外と半年間の充電期間は悪くないと思っているかも。 ▽あ、チェルシーに留まるのはコンテ監督から、「一緒に過ごした今季はありがとう。Buena suerte para el proximo ano, pero no estas en mis planes/ブエナ・スエルテ・パラ・エル・プロキシモ・アーニョ、ペロ・ノー・エスタス・エン・ミス・プラネス(来季の幸運を祈る。でも君は私の構想には入っていない)」という携帯メッセージをもらったことをコスタ自らが激白。まずありえないので、それこそチェルシーは「Me tienen que vender en las rebajas.../メ・ティエネン・ケ・ベンデル・エン・ラス・レハッハス(値下げしてボクを売らないといけない)」(コスタ)というのはアトレティコにとって、願ったり叶ったりなんですが、うーん、その発言あったのが、自身は出場しなかったスペインの親善試合後のミックスゾーンだったとは…何か、国際メジャー大会予選中はあんまりサッカー自体の話題が注目されない傾向にありますよね。 ▽まあ、もう1人のお騒がせ常連のことはまた後程、お伝えしますが、とりあえずここで水曜のコロンビア戦がどうだったか、振り返ってみることにすると。ムルシア(スペイン南部)のヌエボ・コンドミニナで行われたこの試合、昨年夏からの宿題になっていたマドリー移籍がケイロル・ナバスの復調で今年も叶いそうになくなったせいかどうかは知りませんが、急性胃腸炎でホテルに残ったGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)はともかく、ロペテギ監督は日曜のマケドニアとのW杯予選を考えながらスタメンを選択。そんな中、スペインの攻撃を牽引したのはシルバ(マンチェスター・シティ)で、前半9分に連続して3度もシュートを放ちながら、全て弾かれてしまった時には頭を抱えたものですが、大丈夫。21分にはペドロ(チェルシー)のラストパスをゴール前から押し込んで、しっかり先制点を挙げてくれます。 ▽ただ、その後は今季、マドリーであまりチャンスがない分、代表を心の拠り所としてきたハメス・ロドリゲス率いるコロンビアが発奮。強いプレスをかけたのが効を奏したか、39分には数日前のCL決勝ではイエローカード2枚で退場、12分しかプレーしていないため、先発に入ったクアドラード(ユーベ)が入れたクロスにピケ(バルサ)とアスピリクエタ(チェルシー)のどちらも足を出さず、GKレイナ(ナポリ)のすぐ前でカルドーソがvaselina(バセリーナ/ループシュート)して、同点ゴールとなってしまったから、驚いたの何のって!ええ、ピケがゴールラインで試みたクリアも空しく、コロンビアのTV実況アナから、「No pudiste Shakiro!/ノー・プディステ・シャキーロ(シャキーロも防げなかった)」と絶叫されてしまうんですから、まったく困ったもんじゃないですか(http://www.marca.com/futbol/seleccion/2017/06/08/5939a319ca47413e7b8b45c6.html)。 ▽まあ、スペイン語ではマリオ、マリアのように、語尾がオなら男子、アなら女子になるため、同国の誇る世界的シンガー、シャキーラの彼氏であるピケがコロンビア人たちからシャキーロと呼ばれてしまうのはわかるんですけどね。どうにもこの日は守備陣がレギュラーメンバーでなかったのが、後半9分にも災いしたよう。ええ、今度はハメスのCKをファルカオ(モナコ)が、まるでアトレティコ時代を思わせるような激しいヘッドでゴールにしてしまったから、さあ大変。試合前日、「Me lo encontre hace 5 minutos y me alegro mucho de su estado de forma/メ・ロ・エントントレ・アセ・シンコ・ミヌートス・イ・メ・アレグロ・ムーチョ・デ・ス・エスタードー・デ・フォルマ(5分前に会ったけど、彼が好調でとても嬉しいよ)」なんて言っていたコケ(アトレティコ)なども、これにはあまり喜べなかったかもしれません。 ▽それでロペテギ監督も勇断を下すことになったんですが、すでに後半頭からは打撲を受けたシルバ、イニエスタ、ジョルディ・アルバ(バルサ)に代えて、サウル、アセンシオ、モンレアル(アーセナル)を投入していたのに加えて、更にイアゴ・アスパス(セルタ)とピケに代わって、モラタ(マドリー)とデウロフェウ(今季後半はミランでプレー)がピッチに入ることに。ええ、ここからスペインは3バックで反撃に行ったんですよ。ただ、なかなか得点はできなくて、試合終了が近付くにつれ、ロペテギ監督就任後、初めての敗戦は免れないかと思われたところ…。 ▽まさか、こんなところで、どこぞのチームの伝統芸が見られるとは一体、誰が予想できたでしょう。そう、43分、モラタのヘッドが決まって、土壇場でスペインは追いついたんですよ。え、そのプレーの起点となるパスを出したのはコケ、左サイドからクロスを上げたのはサウルとアトレティコ勢が混ざっていたため、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)まで行かなかったんじゃないかって?そうですね、ここにまだCL決勝の後、代表に合流していなかったセルヒオ・ラモスやイスコら、もっとマドリー勢が多くいたら、残り時間は少なくても勝てていたかもしれませんが、試合は2-2の引き分けで終了。コロンビアもファルカオやハメスは最後までプレーしませんでしたから、助かったようなところもありましたっけ。 ▽そんな展開だったため、ピッチサイドでのインタビューではモラタが喋ったんですが、彼もマドリーからの移籍が噂されていますからね。「Quien sabe, igual somos companeros el ano que viene/キエン・サベ、イグアル・ソモス・コンパニェロス・エル・アーニョ・ケ・ビエネ(誰にわかる。来季もボクらはチームメートかもしれない)」と、ハメスのことを尋ねられてそう答えたのは、2人揃って、マンチェスター・ユナイテッド入りかなんて深読みされたりもしたんですが、そんなのまだまだ可愛い方。ミックスゾーンでその日の主役を見事にかっさらって行ったのはお馴染みの彼でした。 ▽いやあ、私も先週末、ラス・ロサスに練習見学に行った時から心配していたんですが、やはりムルシアの地元ファンも試合中、ピケにpito(ピト/ブーイング)を浴びせていたんですよ。そのことについて、しつこく訊かれた当人が、「Por que os interesa tanto lo de los pitos?/ポル・ケ・オス・インテレサ・タントー・ロ・デ・ロス・ピトス(どうして君たちはそんなにブーイングに興味があるんだ)。マスコミがコトを大袈裟にしている。2016年のユーロの後はもう誰もブーイングしなかったのに、それでまた始まった」と大爆発。でもねえ、その原因には、コロンビア戦の前にも彼がマドリーファン挑発発言をしていたせいもありませんか? ▽というのも、代表合宿中のインタビューでピケは「バルサがコパ・デル・レイ優勝でパレードをする時は、マドリーが絶頂期にあるっていうこと。Nosotros conseguimos que el Madrid hiciera una rua por ganar una Copa del Rey/ノソトロス・コンセギモス・ケ・エル・マドリッド・イシエラ・ウナ・ルア・ポル・ガナール・ウナ・コパ・デル・レイ(ウチはマドリーにコパ優勝でパレードをやらせた)」と、2011年にモウリーニョ監督時代のマドリーが決勝でバルサを破って戴冠した時、シベレス(マドリーがファンと優勝を祝う市内の広場)でイベントを開いたことを揶揄。ラモスがオープンデッキバスからトロフィーを落とし、潰してしまったせいで、世間の記憶にもまだくっきり残っている曰くつきのパレードのことですが、え、でも翌年の2012年、バルサもカンプ・ノウにファンを集めて盛大にコパ優勝を祝っていませんでしたか? ▽うーん、今季のバルサは確かに何もしなかったため、要は前人未到のCL2連覇、今季はリーガとの2冠といえど、ここ近年で3冠(CL、リーガ、コパ)を2度も成し遂げている彼らが羨む程の差がついている訳ではないと、ピケは言いたかったのかもしれませんけどね。こうも口が減らないのでは何せ、スペイン人の観客には人がやっているから、面白がって一緒にブーイングするという傾向もあるため、余計に面倒。とりわけ次の代表ホームゲーム、9月のW杯予選イタリア戦はサンティアゴ・ベルナベウで開催されることが決定しているだけに、この件はまだまだ尾を引くかと。もちろん、そんな状況は他の選手たちにもいい影響を与えませんから、たとえ8月のスペイン・スーパーカップでバルサがマドリーに圧勝したとしても、ここは少し、当人も物議を醸すようなコメントや行動は控えた方がいいんじゃないでしょうか。 ▽そして最初に話したコスタのコンテ監督メッセージ暴露などもあった後、チームはマドリッドに戻り、木曜は午前練習してから、夜まではフリータイムを満喫。金曜のセッションからは最終合流組のラモス、イスコ、カルバハルも特にピケと問題はないようで、和気藹々と汗を流すと、夕方にはスコピエに向けて出発しています。どうやらケガを心配されたシルバも大したことはなかったようで、デ・ヘアも体調を回復。今回のメインディッシュであるマケドニア戦ではベストメンバーで挑めそうですが…むしろ気になるのは同グループで勝ち点で並ばれているイタリアがリヒテンシュタイン戦を利用して、現在の1位と2位を分けるスペインとの得失点差8を縮めるため、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を計画しているという辺り、予選というもののレベルが知れるかと。 ▽あとイエローカード1枚でラモス、ピケ、ブスケツ(バルサ)、チアゴ(バイエルン)、ビトロ、コスタがイタリアとの直接対決で出場停止になってしまうというのも結構、懸念の種ですが、試合の方はまあ、スペインが普通に勝つことを期待していいはず。そんなマケドニア対スペイン戦のキックオフは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)。今度はモラタにしろ、コスタにしろ、大型CFを据えてのスタートになりますから、もっとシュートが増える展開になるのは確実かと。その日は夕方から、マドリーとローマのOBの対決するチャリティマッチ、コラソン・クラシック・マッチを見にサンティアゴ・ベルナベウに行く私ですが、ロナウドやラウール、フィーゴら、往年の名選手に気を取られず、早めに家に帰らないとゴールを見逃してしまいそうですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.10 10:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】勝負は意外とあっさりついた…

▽「自分のチームはいいんだろうか」そんな疑問を私が覚えていたのは月曜。お昼のニュースでヨハン・クライフ財団主催のゴルフ大会に来ていたグアルディオラ監督のインタビューを訊いた時のことでした。いやあ、自身同様2回、指導者としてCL優勝を2回成し遂げたジダン監督と共通点はあるかと訊かれ、「Zidane y yo nos parecemos en el pelo/ジダン・イ・ジョ・ノス・パレセモス・エン・エル・ペロ(ジダンと私は髪が似ているね)」とジョークを言っていた辺りはいかにもオフシーズンっぽかったんですけどね。加えて、「レアル・マドリーは正当なCLチャンピオン。お祝いを言うけど、過信しちゃいけない。バルサは常に戻って来るから」って、あれ? 彼が来季も指揮するマンチェスター・シティは優勝争いに加わらなくてもいいんですか? ▽まあ、今季CLでは16強対決でモナコに敗れ、初体験のプレミアリーグでも3位と無冠に終わった彼ですから、いきなりシティがマドリーに対抗馬宣言するのは難しいと思っていてもムリはありませんけどね。だったら、来季はバルベルデ監督が率いる自身の古巣に期待したいといったところでしょうが、ちょっと寂しいのは今現在、誰も来季のアトレティコにCL優勝争いができるかどうか、論じてくれないこと。私が日曜にスペイン代表の練習見学に行った時に会ったTVE(スペイン国営放送)の女性レポーター、普段はアトレティコ番をしている彼女なんかも今年は決勝の地に行けなかったのが不満だったんでしょかね。「ワンダ・メトロポリターノで優勝することになっているのよ」と来季はすっ飛ばして、アトレティコが決勝会場に立候補している2年後の話をしていましたしね。 ▽というのも、今年もCL準決勝という、あと一息のところまで漕ぎつけたアトレティコですが、CAS(スポーツ仲裁裁判所)の裁定でFIFA処分が確定し、1月に続いてこの夏も新戦力を補強することができず。その知らせにバケーション中、マンチェスター・ユナイテッド行きに色気を出していたグリースマンが「今、出て行くのはチームに悪い。来季も残るよ」とフランスのTVで宣言してくれた上、代表合宿で一緒にいるラガゼット(リヨン)にアトレティコに来るよう、勧誘してくれているのは良かったんですけどね。サンドロ(マラガ)やビトロ(セビージャ)らにもラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でそれぞれ、U21スペイン代表のサウール、A代表のコケが働きかけてくれているかとは思いますが、たとえ契約がこの夏にまとまったとしても、彼らが合流できるのは来年の1月以降。 ▽それまでリーガやCLグループリーグを現有戦力プラス、今季レンタルしていたクラネビテル、ビエット(セビージャ)、ジエゴ・ジョタ(ポルト)ぐらいのメンバーでやっていかざるを得ないとなると、その頃には取り返しのつかない状態になっている可能性もありうる? うーん、施設内のホテルで代表チームメートと揃ってカーディフでの決勝を見ていたら、やっぱり準決勝でマドリーに負けたのには理由があったんだなと、アトレティコ加入を考えてくれている選手も迷ってしまうかもしれませんしね。その一方でバルサ勢などは、自分たちが準々決勝でまったく敵わなかった相手があんなことになってしまって、忸怩たる思いを抱えていたんじゃないでしょうか。 ▽そう、お隣さんは土曜のCL決勝でユベントスに圧勝してしまったんですよ。とりあえず、試合の様子をお伝えすると、中継系列局が総力を挙げて、キックオフの27時間前から代わる代わるプレマッチ番組を放送するなど決勝の日は特別ですね。昼間に外に出た折、マドリーのユニを着た人と何度もすれ違ったため、自分も試合の時間にTVをつけた時には結構、ドキドキしていたんですが…。その頃にはジダン監督が泣く泣くスタンド観戦にしたのはルーカル・バスケス、ハメス・ロドリゲス、ナチョだったと判明済み。 ▽ふくらはぎのケガが治ったばかりのベイルも「最終テストでまだ違和感があったから、後半をベンチで待つことにした」ため、イスコ先発で挑んだマドリーは序盤、ユベントスの猛攻を耐え抜くと、19分にはカルバハルのクロスに合わせたクリスチアーノ・ロナウドのシュートがボヌッチの足に当たり、幸先良く先制点となることに。でもこの時はまだ、敵も気力を失わず、26分にはアレックス・サンドロのクロスをイグアインが落としたところ、マンジュキッチが自作自演のchilea(チレナ/オーバーヘッドシュート)で同点ゴールをゲット。丁度、準決勝に行けなかった2014-15シーズンだけアトレティコにいた彼ですが、どうやらその時、準々決勝で敗れたのがやはりマドリーだったのが、いいモチベーションになったんでしょうか。 ▽そのまま1-1で試合はハーフタイムに入ったんですが、後半、効き目を現したのはミレニアム・スタジアムのロッカールームでのジダン監督の言葉だったよう。モドリッチ曰く、「ウチはよくやっているけど、もっと改善できると言われた。Ser más agresivos, presionar más arriba, no dejar a la Juve jugar fácil/セル・マス・アグレシーボス、プレシオナル・マス・アリバ、ノー・デハール・ア・ラ・ユーベ・フガール・ファシル(もっとアグレッシブに行って、前の方でプレスをかけて、ユーベに容易くプレーさせない)」ということで、アッレグリ監督も「守備が機能しなかったのはウチがマドリーに押し込まれていたせい」とは言っていたものの、60分にカゼミロのミドルシュートが決まったのは運もありましたよね。ええ、1点目に続き、Decima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)時にはマドリーのメンバーだったケディラに当たり、ボールの軌道が変ってしまっては、天下のGKブッフォンだってどうしようもありませんって。 ▽その3分後、さらに畳みかけたマドリーですが、その日、1点目を入れた時点ですでにメッシと並んで、11ゴールで今季CL得点王になっていたロナウドだけに、どうせなら独り占めしたかったんでしょうかね。モドリッチがゴールラインギリギリから出したラストパスを押し込んで3点目を追加。こうなると後はもう、注目は地元のスター、ベイルがいつ登場するかになってしまったんですが、それは76分に実現します。一方、反撃を試みるしかなかったユーベはバルザーリをクアドラードに代えたんですが、まさか当人がたった12分間で退場してしまうとは! ▽うーん、セルヒオ・ラモスを押して受けた2枚目のイエローカードはちょっと、審判が厳しかったような気はしましたけどね。こんな状態になって、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を期待できるチームは世の中広しと言えど、マドリーだけ。セリエAでは泣く子も黙るユーベも例外ではなく、逆に89分にはイスコとの交代で入ったアセンシオにダメ押しの4点目を決められて、最後は1-4という大差でマドリーが2連覇を飾ることに。そう、Duodecima(ドゥオデシマ/12回目のCL優勝)の達成です! ▽え、試合後はMVPとなったロナウドも「He hecho un final de temporada espectacular, me prepare para ello/エ・エッチョー・ウン・フィナル・デ・テンポラーダ・エスペクタクラル、メ・プレパレ・パラ・エジョ(自分はスペクタクルなシーズン終盤を送った。そのために準備したんだ)。監督も頭が良かったね」と言っていた通り、彼を含めて選手全員がローテーション。おかげで「前半は苦労したが、後半はボールを持てて、相手にフィジカルでも勝っていた。El físico y la determinación también han sido clave/エル・フィシコ・イ・ラ・デテルミナシオン・タンビエン・アン・シードー・クラブ(フィジカルと決定力もカギだったね)」(ジダン監督)という結果になったのを見ると、やっぱり体力を温存した才能のある選手ばかりのチームに勝つ方法はこの世には存在しないんじゃないかと絶望的にならないかって? ▽そうですね、今季バルサがリーガでマドリーに追いつけなかった理由の1つにもレギュラー以外のレベルが合格点に達していなかったことがありますし、アトレティコも一生懸命、身体は鍛えていたんですが、ケガ人などで頭数に制限があった上、才能は練習して何とかなるものではなし。こうなると、「Hay mucho talento, pero mucho trabajo también/アイ・ムーホ・タレントー、ペロ・ムーチョ・トラバッホ・タンビエン(大きな才能のおかげもあるが、沢山、働いたおかげもある)」という、ジダン監督のチームには一生、敵わないんじゃないかと思ってしまいますが、でも待って! 控えまで一流選手ばかりというのは諸刃の剣で、すでに決勝のベンチに入れなかったハメスや顔見せ出場に留まったモラタなんかについては、移籍が確定的みたいな話になっていますからね。 ▽イスコやアセンシオにしても1年ぐらいはいいでしょうが、控え扱いではもったいない存在となると、いつまでも上手くいくとは限らないかと。ちなみに優勝後、「Se puede quedar en el Madrid toda la vida/セ・プエデ・ケダール・エン・エル・マドリッド・トーダ・ラ・ビダ(生涯、マドリーにいることができる)」とジダン監督の続投を宣言していたペレス会長は、今季のチームを維持したい意向のようですが、何せ、こちらはお隣さんとは違って、CASのおかげでこの夏、選手補強が可能になったマドリーですからね。ファンに夢を抱かせるためにも1シーズン、1クラックは欲しいところですし、すでにムバッペ(モナコ)やアザール(チェルシー)の名前など挙がっているため、この先は何があるかわからないですよ。 ▽そしてスタジアムでお祝いした後、明け方にマドリッドに戻った彼らはそのままシベレス(マドリーがファンと優勝を祝う市内の広場)には行かず、全ての祝賀イベントを日曜夕方から一斉決行。ええ、私がラス・ロサスでスペイン代表の練習を眺めている間、マドリッッド州庁舎、市庁舎を回ると、それからシベレスにオープンデッキバスで向かい、2週間前のリーガ優勝時には2日に分けてやった行程を完了させます。ただ、この日はまだ続きがあって、いえ、予定が午後10時だったため、何とか私も駆けつけることができたんですけどね。最後はサンティアゴ・ベルナベウでこの4年間で3回目となるメガフィエスタの開催となりました。 ▽いやあ、この3度の決勝ともスタジアムのピッチに大型スクリーンを設置、観客を入れてパブリックビューイング。そのセットをそのまま祝賀イベントにも使えているんですから、マドリーって、本当にラッキーですよね。プロブラムも毎回、ほぼ同じで、デシマの時こそ、アンチェロッテ監督がカラオケを歌い出したのには驚かされましたが、控え目なジダン監督が、今はその歌詞もドゥオデシマに変わってる、変わってないに関わらず、そんな大それた真似をするはずもなし。1人1人、選手が司会に呼ばれて登場、監督の胴上げ、大音響の花火が上がって、最後の場内一周では奥さんや子供も加わってセルフィー大会になっているというのもまったく同じでしたが、檀上に居る時、いきなりスポーツ刈りになっていたロナウドが自ら、「Cristiano, Balon de Oro/クリスチアーノ、バロン・デ・オロ(ロナウドにバロンドールを)」と歌いだしたのはちょっと引いたかも。 ▽あと、あまりにCL優勝に慣れてしまうのもちょっと問題で、カーディフではマルセロが小さい方の息子さんをトロフィーの中に立たせていて、目が点になったものですが、その夜はラモスの彼女、TVタレントのピラル・デ・ルビオさんも同じことをしていたのを目撃。うーん、3度目のCL決勝負けを喰らい、39歳でまだそのトロフィーを掲げたことないブッフォンや、クラブ史上1度も獲得したことのないアトレティコの選手だったりしたら、神棚にでも祀ってしまうんじゃないかと思うんですが、こんなに頻繁に手にしていると貴重さも薄れてしまうんですかね。 ▽そして途中、チラチラ登場していたスペイン代表のことを最後に伝えておくと、実は彼らが合宿しているのは日曜のW杯予選、マケドニア戦のためなんですが、その前にこの水曜にはムルシア(スペイン南部)でコロンビアと親善試合を開催。CL決勝があったマドリーの選手たちの不在を補うため、U21からサウール、ウィリアムス(アスレティック)ら、何人かがヘルプに来ていますが、月曜の午後練習からはカーディフで先発しなかったモラタ、アセンシオ、ナチョ、ルーカス・バスケスも合流しました。ハメスも同日、現地でトレーニングしている母国代表に加っていますし、相手には元アトレティコのファルカオ(モナコ)もいるとなれば、水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)からは面白い試合が期待できるかと。 ▽他のマドリーメンバー、ラモス、イスコ、カルバハルはこの親善試合の後、木曜に合流予定ですが、最近また、ちょっと心配なのはピケ(バルサ)のことで、いえ、ミレニアム・スタジアムを始め、シベレスでもサンティアゴ・ベルナベウでも「Piqué, cabrón, saluda al campeón/ピケ、カブロン、サルーダ・アル・カンペオン(ピケ、クソ野郎、チャンピオンに挨拶しろ)」とカンティコ(節のついたシュプレヒコール)がマドリーファンから湧き上がっていたのは理解できるんですけどね。私がセッションを訪ねた日曜も当日、ハーバード大学のビジネスマスターコースを終え、マドリッドに直接飛んで来た彼がグラウンドに出て来た時にもそれがスタンドから聞こえることに。 ▽何せ、その頃、マドリーファンはマドリッド市内のお祝いに行っていたか、見学客も近年、稀にみる不入りだったんですが、こういうのは代表戦の観客にも伝染しますからね。最終節から1つ前でジローナの1部昇格が決定し、プレーオフに回ることが決まったヘタフェはともかく、今季スペイン国内で行われる最後のビッグゲームですから、なるたけいい雰囲気で終えてほしいものですが、さて。うーん、これは当人の自業自得の面もあるものの、最近、代表の練習も非公開が多いのはそれが理由かもと私なんか、ちょっと穿ってしまったりもしますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.06 15:06 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】今度こそ優勝したら喜べる…

▽「グリースマンもいてくれるなら、何とかなるかな」そんな風に私が捕らぬ狸の皮算用をしていたのは金曜日、マルカ(スポーツ紙)の移籍関連ブログでフランス代表合宿中の彼がモウリーニョ監督に電話、この夏はマンチェスター・ユナイテッドへは行かず、アトレティコに残る旨を伝えたという報を読んだ時のことでした。いやあ、もうCL決勝もすぐそこに迫っているといる折ながら、前日になって、ようやくクラブにCAS(スポーツ仲裁裁判所)からの裁定が通達。それが、理由は外国籍の未成年選手の保有で重大な規定違反案件がレアル・マドリーは最終的にたった2件、アトレティコは26件あったというのが影響したのかどうかは定かではありませんけどね。半減されたお隣さんとは違って、FIFAの処分を丸々認め、冬の移籍市場に続いて、このシーズンオフも選手の新規登録が禁じられたままになるという内容だったため、私まで大ショックを受けることに。 ▽え、そんなの、もうリーガも終わったことだし、CLもコパ・デル・レイも準決勝で負けた悔しさもだんだん薄れ、シメオネ監督が来季、ワンダ・メトロポリターノに来てくれるとファンの前で確約。ジエゴ・コスタ(チェルシー)だ、ビトロ(セビージャ)だ、ラガゼット(リヨン)だ、サンドロ(マラガ)だという、マスコミの補強候補の声に勝手に舞い上がっていた自分が悪いだろうって? まあ、そうなんですが、ここ2週間はグリースマンの移籍を仄めかすコメントに翻弄され、この水曜だって、「自分の将来はこの夏に決まる。でもアトレティコにいるのは幸せで、コケやゴディンとも話した。あとは会長次第だね」なんて発言が合宿地のクレールフォンテーヌから伝わってきましたからね。 ▽もう何だか、訳がわかりませんでしたが、さすがにこのCAS裁定には当人もチームメートが憐れになったんでしょうか。早速、「Ahora más que nunca, Atleti, todos juntos/アオラ・マス・ケ・ヌンカ、アトレティ、トードー・フントス(今こそアトレティ、皆一緒だ)」というツイート(https://twitter.com/AntoGriezmann/status/870348612311678976)を送ってきてくれたから、これは一件落着と見ていいかと。そこで来年1月まで補強ができない彼らのため、ちょっと私が頭を捻った結果、アタッカーのノルマ制に行きつくことに。 ▽要は得点目標をクリスチアーノ・ロナウドやメッシに並びたいグリースマンが40点(今季27点、その前32点)、新スタジアムで主力CFの役目を担うことになるフェルナンド・トーレスは20点(同10点、12点)、放出を逃れたガメイロにも20点(同16点、その前はセビージャで29点)、カラスコもムラをなくしてもらって20点(同14点、5点)、コレアも成長を見込んで15点(同8点、8点)、MFにも頑張ってもらって、コケに10点(同5点、5点)、成長著しいサウルには15点(同9点、9点)として、全部合わせれば何と140得点に。 ▽いや、これって公式戦計で想定した数字ですから、それでも今季、リーガとCL合わせて138得点しているマドリーやそれ以上に入れているバルサに敵うかどうかはわかりませんけどね。何せ、今は夏に新戦力を取っておいて、1月まではレンタルで元のクラブにおいておくとか、2年前、バルサが同じ処分を受けた時のアルダ・トゥランやアレイチェ・ビダルのように練習だけで半年間過ごしてもらうかなんて話をしているぐらいですから、やはりその辺は現有戦力に期待するしかないかと。そうそう、今季は11人程の選手を他チームにレンタルしているアトレティコですが、業績を挙げている選手が少ないため、戻ってくるのはチアゴ引退で手薄になったボランチのクラネビテル(セビージャ)とFWのビエット(同)ぐらいしかいないとか。 ▽実際、先日のコパ・デル・レイ決勝でも見事なFKゴールをバルサ相手に決めたテオ(アラベス)でも戻って来てくれればいいのでしょうが、彼はマドリーへの移籍がほぼ決まっているだけでなく、火曜にはフランスU-21代表の合宿をすっぽかして、マルベジャ(スペイン南部のリゾート地)で今季共に汗を流したアレクシスやビガライとビーチ三昧していたようですからね。本当のところは当人がスペイン代表への鞍替えを考えていて、フランス・サッカー協会には連絡していたなんて記事もありましたが、これでは年子で20歳の兄、マンチェスター・シティの誘いを蹴って、アトレティコの残ることにしたリュカも心労が絶えないのでは? ▽その間、サウルはセレソ会長とトム・クルーズをワンダ・メトロポリターノに迎え、ホスト役を務めた後(https://twitter.com/saulniguez/status/869284616548601857)、カンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の先輩コケを始め、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、イジャラメンディ(レアル・ソシエダ)、イアゴ・アスパス(セルタ)、ビトロら、決勝のないA代表招集選手たちも集う、ラス・ロサス(マドリッドの郊外)のサッカー協会施設でU-21ユーロ大会に向けて練習を始めたなんてニュースもアトレティコ関連ではあるものの、今はやっぱりCL決勝のお話もしないといけません。実は私もこの火曜にはマドリーのメディアデーを見学に久々にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に出動。最寄りのメトロ(地下鉄)、カンポ・デ・ラス・ナシオネス駅前でタクシーを拾うはずが、あろうことかその日は一斉ストだったとかで、30分間、延々と歩くことになるとはまったくツイていない。 [ファイナルに向けて調整を進めるレアル・マドリー]▽うーん、最近ではセルカニアス(国鉄近郊路線)のC-1のバルデベバス駅があるため、選手の出待ちをするファンはそこで降りれば、徒歩3分もかからないんですけどね。マスコミ用の入口やRMカスティージャ(マドリーのBチーム)が試合をするアルフレッド・ディ・ステファノ・スタジアムに行くには広大な敷地の外側をグルリと回ることになるため、まったく役に立たず。おかげで施設に着いた時にはかなりヘバッていた私でしたが、今回は同じスペイン勢のアトレティコと対戦する決勝でないため、昨季以上に国外からの取材陣が多かったのは印象的でした。まあジダン監督の記者会見に続き、滅多にない公開練習の方も相手のユベントスに知られても構わない内容だったため、大したことはしなかったんですけどね。最後のリーガ戦から1週間以上空いていたこともあって、どの選手も体力をしっかり回復していたのは確認できましたっけ。 [起用法が注目されるベイル]▽ちなみにこの決勝に挑むに当たって、マドリーで最大のクエスチョンマークとなっているのはふくらはぎのケガがようやく治ったベイルをスタメンに入れるかどうかで、何せシーズン終盤はイスコが大活躍していましたからね。今更、BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)再結成の必要があるのかという意見はもっともですが、決勝の地、カーディフはベイルの生まれ故郷。そのため、当人が先発にこだわるのではという見方もあったものの、その懸念は当人の「自分はまだ100%でなくて、90分プレーできるかわからない」というミックスゾーンでの言葉であっさり解消することに。 [絶好調のイスコ]▽いつものように「Ellos pueden jugar juntos/エジョス・プエデン・フガール・フントス(彼らは一緒にプレーできる)」と明言はしなかったんですが、これでジダン監督もイスコ先発、ベイルはユーベのベテランBBC(ボヌッチ、バルザーリ、キエッリーニ)が疲れてきた辺りで起爆剤として投入するのが効果的であるのを納得できたかもしれません。それ以外で注目を浴びていたのは、本当かどうかはわかりませんけどね。これまで出た2度のCL決勝で2度ともゴールを決めてきたキャプテンのセルヒオ・ラモスで、このユベントス戦を前に「Le mande una entrada a Pique y no me ha contestado/レ・マンデ・ウナ・エントラーダ・ア・ピケ・イ・ノー・メ・ア・コンテスタードー(ピケにチケットを送ったけど、返事がないんだ)」とのこと。いやいや、彼らが準々決勝で対戦したユーベのディバラやイグアインの成長ぶりなどを訊きたかったのかもしれませんが、どちらにしろ、スペイン代表でペアを組むバルサのCBは丁度今、ハーバード大学でビジネスコースを取っているはずなので、来られませんって。 [連覇に向けて意気込むセルヒオ・ラモス]▽そして水・木とまた非公開練習をした後、いよいよ金曜にはマドリーもカーディフ入り。もうここ数日前から現地の映像がひっきりなしに届き、盛り上がっているのは知っていたんですが、やっぱり会場のミレニアム・スタジアムで最後のセッションをする彼らを見ると、いよいよ大一番が迫ってきた感じが半端ないかと。ちなみにその前にあった会見ではジダン監督とラモス、マルセロが登場。ここ4年で3度目のCL決勝ともなると、もう恒例行事みたいなもんですが、ラモスも「あれだけ何年も勝てなかった後のことだから、nunca se sabe cuándo llega el cambio de ciclo/ヌンカ・セ・サベ・クアンドー・ジェガス・エル・カンビオ・デ・シクロ(いつサイクルが変わるかはわからない)」と言っていたように、2014年にリスボンでDecima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)を達成するまで、12年間、マドリーは決勝にすら縁がありませんでしたからね ▽となると、出られるうちにDuodecima(ドゥオデシマ/12回目のCL優勝のこと)もやっておいた方がいい気もしますが、何せ、今回の相手は間抜けなお隣さんではなくイタリアの強豪。とりわけ39歳のブッフォンなど、CL決勝敗退経験はあっても優勝経験がまだないため、「これが自分にとって最後のチャンス」と意気込んでいますしね。それだけに土曜にカーディフに連れて行ったチーム24人全員から、ベンチ入り18人を選ばないといけないジダン監督も慎重を期さないといけませんが、いやあ、本当にこれって難題です。だってえ、第3GKヤニクやカンテラーノ(RMカスティージャ出身の選手)のマリアーノ、移動前日の練習をまた体調不良で休んだコエントラン、ペペなどは仕方ないんですが、あとの見学組2人はルーカス・バスケスやハメス・ロドリゲス、アセンシオ、コバチッチ、ダニーロといったところから選ばないといけませんからね。 ▽どの選手もここまでチームが辿り着くまで、そこここで貢献してきたため、監督としてもスタンド観戦してもらうのは忍びないところかと。そんなマドリーは練習が終わった後、メルキューレ・カーディフ・ホランド・ハウス・ホテルで夜を過ごし、次に出て来るのは土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの決勝に備え、スタジアムに向かう時になります。いやあ、1つだけ私の気が楽なのは前2回のように延長戦、昨季のミラノの時のようにPK戦に突入しても今年は自宅でTV観戦なため、面倒がないことですが、もしマドリーが史上初の2連覇を達成した場合、またシベレス広場(マドリーファンがお祝いに集まる場所)から大音響が一晩中鳴り響くかもしれないというのはちょっと憂鬱でしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.03 13:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】これで本当にもう最後…

▽「真夏のクラシコ祭りなんて暑そう」そんな風に私がうんざりしていたのは月曜日、早くもレアル・マドリーの7、8月の予定表がAS(スペインのスポーツ紙)に掲載されているのを見た時のことでした。いやあ、恒例のロサンジェルス・キャンプの後、今年も彼らがアメリカでチャンピオンズカップ(夏季に行われる親善大会)に参加、7月29日にはバルサとマイアミで対戦する目玉試合が組まれたのは結構、前から話題になっていましたけどね。マドリーのリーガ優勝に続き、先週末にはバルサのコパ・デル・レイ優勝も決まったため、8月の第2、3週に行われるスペイン・スーパーカップでも両者が激突することに。丁度、バケーションシーズン中とあって、おそらくリーガやCLのクラシコ(伝統の一戦)より、観光客でもチケットが取りやすいんじゃないかと思いますが、要はこちらも早めに休暇を切り上げないといけないってこと? ▽おまけに今週土曜のCL決勝でユベントスを破れば、8月8日にあるUEFAスーパーカップにもマドリーが出場。こちらも因縁ありあり、モウリーニョ監督率いるヨーロッパリーグを制したばかりのマンチェスター・ユナイテッドと激突することになるため、そうなるとますます、ノンビリはしていられないんですけどね。いよいよマドリッドも気候が夏モードに突入、これからバカンスの計画を立てるところだったのに、その前にハードな試合ばかり、仕事始めには待っているとわかるのは気が重いものかと。そこへ、先週末はジダン監督からもらった3日間の練習休みを目一杯楽しんでいたマドリーの選手たちの写真(http://www.marca.com/futbol/real-madrid/album/2017/05/29/592be2e5468aeb70798b4631.html)を見たりすると、尚更羨ましくなってしまいますが、まあそれはそれ。とりあえず、まずはビセンテ・カルデロンでのお別れ試合の様子をお伝えしておかないと。 ▽え、それって、21日のリーガ最終戦だったんじゃないのかって?いやあ、実は今回、お別れ試合が複数あって、そちらは心ならずもアトレティコの公式戦最後となってしまった試合で、この土曜にはカルデロンで開かれる最後の公式戦、コパ・デル・レイ決勝が開催。もちろん出場したのがバルサとアラベスだったため、スタンドをキレイに二分したどちらのファンも今季でお役御免となるスタジアムに思い入れがあった訳ではありませんが、大事な一戦なのには違いありませんからね。私も足を運んだものの、やはり案の定、結果は「Carecimos de talento que si tuvo el Barca/カレシモス・デ・タレントー・ケ・シー・トゥボ・エル・バルサ(ウチはバルサの持っていたタレントが欠けていた)」(ペレグリーニ監督)というものに。 ▽何せ、今季昇格組の中では大健闘、数節残して2部へのUターンが決まったオサスナはもとより、17位でギリギリ残留を決めたマドリッドの新弟分、レガネスなど及びもつかない9位(勝ち点の差は20)という高みでリーガを終えたアラベスとはいえ、相手はあのバルサですからね。序盤はコパ決勝初体験チームがガツガツくるのを余裕で見守っていただけでしたが、30分にはエリア前からメッシがヒョイとすくい上げるように蹴ったシュートがゴールになってしまったから、驚いたの何のって。 ▽ただ、その時は3分後、その日もパルコ(貴賓席)に応援に駆けつけていたアトレティコのルカスの弟、アラベスにレンタル移籍中のテオが27メートル離れたところからのFKを見事にネットに収めて同点に。それこそ、そんな武器があるのなら、キッカーがクリスチアーノ・ロナウドやベイルの専売特許となっているお隣さんなんかに移籍しなければいいのにと思わせたものですけどね。 ▽やっぱりバルサはバルサでアラベスはアラベスなんですよ。いよいよハーフタイムも間近という45分、早い時間にマルコス・ジョレンテと空中戦で頭をぶつけ、ヒザも痛めて交代したマスチェラーノの代わりに右SBに入ったアンドレ・ゴメスのラストパスをネイマールが押し込み、再び前者がリードを奪うと、ロスタイムにも今度はメッシのアシストでパコ・アルカサルが3点目をゲット。うーん、自慢のMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)ではルイス・スアレスが出場停止で、スタンド見学していたんですけどね。何より気を引き締めなければならない時間帯に代理の選手に易々と得点を許してしまう辺り、もろに決勝という場に慣れていないチームの欠点が出てしまったという感じでしょうか。 ▽それでも後半、気落ちせず、「Jugamos al limite de nuestras posibilidades/フガモス・アル・リミテ・デ・ヌエストラス・ポシビリダーデス(自分たちの可能性の限界までプレーした)」(ペレグリーニ監督)アラベスでしたが、最後まで追加点を挙げることはできず。そのままバルサが3-1で勝利して、ルイス・エンリケ監督退任の花道を無事に飾ることができたんですが…トロフィー授与式が終わっても席を立たず、ずっと応援を続けていたアラベスのファンたちには私も感動させられるばかり。 ▽うーん、そんなシーンは先日、アトレティコがマドリーに逆転勝利しての突破が叶わなかったCL準決勝2ndレグでも目撃したんですけどね。アラベスのキャプテン、マヌ・ガルシアも「me siento ganador y nuestra la gente se siente ganadora/メ・シエントー・ガナドール・イ・ヌエストラ・ラ・ヘンテ・セ・シエンテ・ガナドーラ(自分は勝者だと感じるし、ボクらのファンも勝者だと感じている)」と言っていたように、とりわけ決勝で勝つのが当たり前ではないチームのファンって、全力を尽くした選手たちに優しくできるのかも。 ▽逆に優勝慣れの弊害が垣間見られたのはバルサで、いえ、ピケがゴールネット切り取って持ち帰っていくのはもう恒例として、翌日にも試合があったカルデロンのスタッフも予備を用意していたと思いますけどね。丁度、そのシーンで当人がウムティティに「ネットで抽選して、アトレティコファンに贈る」って言っていたのは本気だったのかどうか。それ以上に引いたのは、もちろんスタジアムに来ていたバルサファンは喜んでいたものの、深夜にエル・プラット空港に着いたチームを迎えたファンはほとんどおらず。カナレタス(バルセロナ市内にある、バルサファンが優勝祝いをする広場)にも200人程が集まったぐらいで、クラブ主導の祝勝イベントすらないって、どれだけコパを軽視している? ▽まあ、ルイス・エンリケ監督の就任1年目には3冠(CL、リーガ、コパ)、2年目には2冠(リーガ、コパ)ときて、今季はコパだけとなると、お祝いに力が入らない気分もわかりますが、あのマドリーだって、コパ優勝の際にはシベレス広場に繰り出していましたからね。せっかくの3連覇なんですし、この3年間で9つもタイトルを獲得した功労者を称えるためにも、何かセレモニーがあっても良かったんじゃないでしょうか。 ▽そしてバルサはリーガ2位でCL出場権を得ているため、コパ優勝副賞のEL出場権は使用されず、リーガ7位チームが獲得することに。ルイス・エンリケ監督の後任として発表されたバルベルデ新監督をホッとさせることになったんですが、それはアラベスのペレグリーニ監督が辞任を表明したのと同様、月曜になってからのこと。その前の日曜には再び、私もカルデロンに向かうことになり、はい、これがお別れ試合第3弾です。ちなみにこちらはチャリティマッチで“Final de Leyenda(フィナル・デ・レジェンダ/伝説のフィナル)”と名付けられたその試合では、アトレティコOB、現役混合チームとロナウジーニョ率いるレジェンダチームが対戦。 ▽ただねえ、コパ決勝とは違い、周りが見慣れた色のユニフォームを着たファンばかりなのは私も嬉しかったんですが、何とアトレティコ側の選手が60人近くいたんですよ。キックオフ前、スピーカーに呼ばれて、1人1人出て来るだけでも20分以上もかかったため、フェルナンド・トーレスやガビ、今は違うチームでプレーしながら友情出場したアドリアン(ビジャレアル)や2010年のEL初優勝の時、アグエロ(マンチェスター・シティ)と一緒にチームのアイドルだったフォルラン、他アントニオ・ロペス、GKレオ・フランコら、先発メンバーの時には前半30分にトーレスのvaselina(バセリーナ/ループシュート)で先制するなど、まだ形になっていたんですが、次々と交代が始まってからは選手の年齢層が急上昇。いまだに眩いばかりのテクニックを駆使するロナウジーニョに翻弄されるばかりに。 ▽まずは相手GKイグイータにPKで同点にされると、ハーフタイム間際にもカニーヒアに決められてリードされてしまう始末。後半にはコケやサウール、カンテラーノ(アトレティコB出身の選手)仲間のオリベル・トーレス(ポルト)が入り、惨劇を喰いとめようとしたものの、レジェンダチームのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は続き、とうとう1-5って、ちょっとお。これは一体、誰のための試合なの?とはいえ、その辺はイベント慣れしたロナウジーニョなどにはわかっていたんでしょうね。スタンドから、まさかの「Si se puede!/シー・セ・プエデ(イエス、ウィ・キャン)」の掛け声が響く中、当人がPKを失敗してくれたり、敵DFが動かないでいてくれる前で温情ゴールが決まったりと、残り10分で3点を取ったため、最後は4-5というまともなスコアで終わることができましたっけ。 ▽え、もうこの試合はファンもカルデロンに別れを告げ、最後にイムノ(クラブ歌)を合唱するために来ただけなんだから、結果なんてどうでもいいんだろうって?まあ、そうなんですが、私はマドリーのチャリティマッチも見ていますからね。同じような中高年のOBが出ていても、やっぱりお隣さんの方が根本的に質が高いと感じてしまったのはいた仕方なかったかと。実際、訳わからないペナルティを犯したり、もらえたPKを失敗する辺り、1対1はGK目掛けて蹴っているなんてところなんて、今のチームにも連綿と受け継がれている悪しき伝統ですしね。試合後、全員がピッチに登場して記念写真を撮影、そこで締めのスピーチをしたトーレスは「Vamos a llenar de carino el Metropolitan/バモス・ア・ジェナール・デ・カリーニョ・エル・メトロポリターノ(メトロポリターノも愛情で満たそう)」と言っていたものの、できれば、これまでファンに悲しい思いをさせていた種々の欠点は置いていってほしいところです。 ▽そして名残りは尽きないものの、これでカルデロンはサッカー場としての役目を終え、後は夏の間、コンサートやイベント会場として機能。ゆくゆくは取り壊されることに。いや、だからといって、またしてもスタンドの座席を引っぺがして持っていくファンがいたのは決して褒められたことじゃないんですけどね。クラブは全予定が済んだ後、abnado(アボナードー/年間指定席購入者)には無償で提供、その他のシートは購入できると告知していたにも関わらず、狼藉を働いている親子連れのファンなど見るにつけ、この国ももう少し、公共心を育てる教育をしてくれたらなあと思ってしまうのですが…。 ▽そんな感じでスペインで見られる今季の試合は、まあ、あと2節あって、更には同じマドリッドのヘタフェが喰い込めそうな昇格プレーオフもある2部は別ですが、全て終了。後は土曜のCL決勝でマドリーがクラブ史上、2度目のdoblete(ドブレテ/2冠優勝)を達成できるかどうかを見守るだけになりました。ちなみに週末休みを挟んで、再び彼らが稼働するのは火曜からで、うーん、相手のユーベは土曜にセリエA最終戦だったにも関わらず、月曜からもう練習していましたけどね。丁度、あちらはメディアデーだったため、古巣対決となるイグアインの「Esperemos que Sergio no nos marque en el minuto 90/エスペレモス・ケ・セルヒオ・ノー・ノス・マルケ・エン・エル・ミヌート・ノベンタ(ラモスが90分に得点しないように期待している)」なんてコメントも伝わってきましたが、いえいえ、まだまだそれじゃ甘いですよ、ピピータ(イグアインの愛称)。 ▽昨季のミラノでは前半15分、(オフサイドだったけど)アトレティコがラモスに先制点を奪われていたのをお忘れなく。ベテランCBのキエッリーニなども「自分たちが優勢のように見えてもマドリーはいきなり、その質の高さで勝つ」と言っていましたしね。何せ、相手はジダン監督のチームが今季シーズン後半、リーガ・クラシコで2-3と負けたバルサに準決勝総合スコア3-0で完勝。つまりマドリー 2017.05.30 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】オフシーズンが早いと…

▽「せめてこれでも獲れていたら良かったのかも」そんな風に私が、アトーチャ(マドリッドの主要ターミナル駅)に展示されているコパ・デル・レイ優勝杯の写真を眺めていたのは、いよいよバルサvsアラベスの決勝が翌日に迫った金曜のことでした。いやあ、2011年にはレアル・マドリーのセルヒオ・ラモスが祝賀イベントにシベレス広場に向かう途中、オープンデッキバスから落として潰されましたっけ。さらにバルサが3年連続の決勝とあって、チケットの売れ行きが芳しくなく、バルサファンはあまり盛り上がってないなど、他の大会に比べると、どこかマイナーな扱いをされがちなコパなんですけどね。 ▽オレホナ(大耳という意味のCLトロフィーの愛称)や15キロもあるヨーロッパリーグ優勝杯の重みはないですが…。また、来季にならないと授与されないリーガ優勝杯とも違い、勝ったその場でもらえるため達成感がありますしね。そのせいもあってか、アトレティコもビセンテ・カルデロン最後の試合でシメオネ監督のチームが有終の美を飾れるよう、サッカー協会に決勝会場にしてもらうという用意周到ぶりだったんですけどね。 ▽準決勝でバルサに負けず、せめてその夢ぐらい叶っていれば…。日曜のリーガ最終戦後に行われたお別れセレモニーで登場した51年間のスタジアム史でトロフィー19個というのは少ないかも。しかも2014年が最後というのは私もちょっとショックでしたけどね。そんな非情な現実を悟ってしまったグリーズマンだって、コパ決勝でもあれば、まだ忙しかったでしょうに、「いいプレーをしてゴールを入れるだけでは十分じゃない。自分はタイトルを獲りたい。この夏、将来を決める時にはそれを探すよ」なんて、バケーション入り早々、フランスのメディアに向かって宣言するなんてことはなかったのではないかと思えてしまったから。 ▽え、でも「CL決勝と準決勝と近くまで行ったけど、アトレティコには何かが欠けていた」という彼の台詞を聞くと、去年のサン・シーロでお隣さん相手に同点となるPKを失敗したり、この5月の対戦で逆に2試合でPKからの1ゴールしか挙げられなかったりしたのは一体、誰だったのかという疑問が湧いてこないかって? まあ、そうなんですが…。そこは「自分に代われるPKキッカーがいてくれたら」とか、「自分が繋ぎ役に徹している時にも点を取ってくれるFWがいたら」とか、深読みしてあげるとしても、「クラブは何をすべきか考えるだろう。補強次第だね。でも現時点でボクは移籍する準備ができている」って、何でそこまであからさまに言う必要があるんでしょう。 ▽おかげで今年はアヤックスvsマンチェスター・ユナイテッドという、スペイン勢のいないカードだったため、あまり興味のなかった水曜のEL決勝を見る破目に。ええ、グリーズマンが「ユナイテッドに行く可能性は10のうち6」と、やはりフランスのTV番組で言っていたからですが、アヤックスが勝てば何の問題も起きなかったにも関わらず、ストックホルムでは、ポグバとムヒタリャンのゴールで2-0としたモウリーニョ監督のチームがあっさりと優勝。ちなみにこのタイトル、その日、ベンチからセルヒオ・ロメロを見守っていたGKデ・ヘアはアトレティコ時代の2010年に続いて2回目の経験で、マタもフェルナンド・トーレスと一緒にチェルシーでプレーしていた2013年に獲得済み。逆に2012年決勝でアトレティコに負けたアスレティックにいたアンデル・エレーラは嬉しい初優勝となり、実際、ユナイテッドにとってもUEFAカップ/ELを制したのはクラブ史初めてというので、メデタイことには違いませんけどね。ここで一番大事なのは今季、プレミアリーグを6位で終わった彼らがとうとう来季のCLグループリーグ出場権を手に入れてしまったということ。 ▽要はグリーズマンもCLに出られないというフラストレーションを味わうことなく、弟さんの応援しているチームに大手を振って移れるようになってしまった訳ですよ。ところが、その翌日にはアトレティコの今季最優秀選手に選ばれた際に受けたインタビューで、「Ojala pueda mejorar cada ano y lograr trofeos con este equipo, hare todo lo posible/オハラ・プエダ・メホラル・カーダ・アーニョ・イ・ログラル・トロフェオス・コン・エステ・エキポ、アレ・トードー・ロ・ポシーブレ(毎年、もっと良くなって、このチームでトロフィーを獲得したい。そのために自分はできる限りのことをする)」と言っている映像が公表されたから、もう世間は困惑したの何のって。うーん、そのビデオはリーガ最終戦の前に収録されたようですが、ほんの週末を股いだだけでのこの豹変ぶり。 ▽まったくもって理解不能で、アトレティコのフロントなどは「creo que nadie vaya a pagar la cláusula de Griezmann/クレオ・ケ・ナディエ・バジャ・ア・パガール・ラ・クラウスラ・デ・グリーズマン(グリーズマンの契約破棄金額を払うところがあるとは思わない)」(セレソ会長)と、おそらくこの夏に予定されている契約延長交渉で年棒額の釣り上げが狙いではないかという解釈のようですが、え、でもその1億ユーロ(約125億円)が手に入ったら、アトレティコはジエゴ・コスタ(チェルシー)でもカバーニ(PSG)でも獲れてしまうのでは? いやあ、この契約破棄金額については丁度、水曜に2024年まで契約を延長。ビセンテ・カルデロンのVIPルームで行われたプレゼンでは、家族からのお祝いのビデオ上映中に涙が止まらず。司会者から、マスコミへの質疑応答は止めようかとまで言われていたコケなど、何と1億5000万ユーロ(約188億円)になったそうですからね。 ▽それでも本人は身内やクラブ関係者へのお礼と、「mi sueno es acabar en el Atletico, ojala el dia de manana pueda ser el primer capitan/ミ・スエニョ・エス・アカバル・エン・エル・アトレティコ、オハラ・エル・ディア・デ・マニャーナ・プエダ・セル・エル・プリメール・カピタン(ボクの夢はアトレティコで引退すること。明日にでも第1キャプテンになれますように)」という野望だけは言いたかったんでしょうね。何とか、持ち直して、マイクを握っていましたが、確かに「このクラブはここ数年で凄く成長したし、全てのタイトルを争っている。Hay muy pocos equipos mejores que el Atletico de Madrid/アイ・ムイ・ポコス・エキポス・メホーレス・ケ・エル・アトレティコ・デ・マドリッド(アトレティコよりいいチームはほとんどない)」(コケ)というのはあながち、間違いではないかと。 ▽それこそ昨今の状況を見る限り、アトレティコ以上にタイトル獲得の可能性を求めるなら、国外ならリーグ優勝はお約束事のバイエルンかユベントス、CLを視野に入れるなら、マドリーかバルサに移籍する以外ないと思うんですけどね。まあ、火曜に新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノに導入されるスコアボードやビデオスクリーンの企業プレゼンに出席したトーレスも「Tenemos que intentar que los jugadores quieran seguir aqui/テネモス・ケ・インテンタール・ケ・ロス・フガドーレス・キエラン・セギール・アキー(ボクらは選手たちがここに居続けたがるようにしないといけない)」と言っていましたし、グリーズマンにもタイトル云々以外の理由があるのかも。 ▽ちなみに現在、当人はアメリカに渡って、大好きなNBAのチーム巡り三昧。残留のカギを握るであろうシメオネ監督もさっさとアルゼンチンに帰ってしまいましたし、この夏、新規選手登録ができるかどうかが判明するCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定もまだ出ていないため、しばらくこの問題はペンディングのままになりますね。 ▽そしてここ数日、実はシーズンは終わっても負傷が治っていないファンフラン、ブルサリコ、アウグスト、6月にスペイン代表戦があるコケ、日曜の本当にこれがカルデロンで最後、クラブOBを招いてのチャリティマッチに出場するガビなどはまだ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でトレーニングを続けているというのが、アトレティコの近況なんですが、その間、お隣さんはどうしていたかというと。今週は6月3日にCL決勝が控えているマドリーも月曜にリーガ優勝祝いでマドリッド州庁舎、市庁舎巡りを済ませた後、木曜からセッションを再開。まだユベントスとの決戦には日数がありますから、話題もリーガ終盤にケガで離脱していたカルバハルやベイルがようやく全体練習に戻ったことぐらいで、かなり静かだったかと。 ▽そうそう、そのカルバハルがシベレス広場での祝賀イベントで「Pique carbon! Saluda al campeon!/ピケ・カブロン。サルダ・アル・カンペオン(ピケ、バカ野郎。チャンピオンに挨拶しろ)」という悪口のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を叫んでいたことについては、標的にされた当人から返答が。曰く「No lo considero insulto, es en un momento de euforia, de celebracion/ノー・ロ・コンシデロ・インスルトー、エス・エン・ウン・モメントー・デ・エウフォリア、デ・セレブラシオン(侮辱だとは思わない。お祝いの席で舞い上がっている時だからね)」(ピケ)と、自分も前科があるだけに理解があるようなのは良かったかと。 ▽「カルバハルは自分にメッセージを送ってきたけど、謝る必要はないと言っておいた」そうですが、でもねえ。ついでにカーディフでのCL決勝を見るかどうか訊かれ、「No se si podre verla. Estare en un curso en Harvard/ノー・セ・シーポドレ・ベルラ。エスタレ・エンウン・クルソ・エン・ハーバード(見られるかどうかわからないな。自分はハーバード大学のコースを取っているから)」という答えに何となく、イラッとしたのは私の心が狭いせい? ▽いえ、自身でもゲーム企業を経営しているピケですから、バケーション期間を利用して、メディア・エンターテイメントビジネスの勉強をするのは全然、構わないんですけどね。そこでわざわざ大学名まで出す辺り、やっぱり注目を集めるのが好きな性質なんでしょうか。まあ、そんなことはともかく、今はCL決勝についてはせいぜい、マドリーが紫のユニでプレーするとか、先日のマンチェスターでのテロ事件のせいで会場のミレニアム・スタジアムでは屋根を閉じての開催を検討中とか、そんな情報しかありませんからね。今はマドリッド勢には関係なくても、コパ決勝に注目せざるを得ない状況かと。 ▽そのバルサとクラブ史上決勝進出が初めてのアラベスが激突する試合は土曜の午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)キックオフ。先日、マドリー移籍が決まったと報道された19歳のテオなど、年子の兄のリュカも使っていたアトレティコのロッカールームをアラベスが使えることになって嬉しいかと思いますが、彼らはリーガ戦でカンプ・ノウでは1-2と殊勲の白星を挙げたものの、後半戦では0-6と大敗していましたからね。今回、どっちに転ぶのか、まったく予想もつきませんが、金曜からはもう続々とビトリア(スペイン北部、アラベスのホームタウン)からファンが上京。ただここ2年、アスレティック、セビージャとファンの熱狂度では大きく上回りながら、どちらもバルサの前に屈してしますからね。 ▽また同じ結末になる可能性も高いですが、一方、ルイス・エンリケ監督が指揮を執る最後の試合となるバルサではルイス・スアレスとセルジ・ロベルトが出場停止。前線はネイマールとメッシがいるため、それ程、気にならなくても、アレイシ・ビダルは足首骨折から治ってきたばかりで、マスチェラーノもケガ上がりのため、左SBを誰にするかが大問題になっているようです。うーん2シーズン前、就任1年目で栄えあるトリプレテ(CL、リーガ、コパの3冠)を達成したルイス・エンリケ監督も昨季はドブレテ(リーガ、コパの2冠)となり、いよいよ今季は獲れるタイトルがこれだけになってしまいましたからね。それだけに選手たちも序盤から飛ばしてきそうですが、あくまで勝負は水もの。何はともあれ、最後の最後までファンが楽しめる試合になってくれるといいのですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.27 13:14 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】どこもかしこも祝っている…

▽「最高のフィエスタだったはずなのに」そんな風に私がモヤモヤしていたのは月曜日、前夜は眠りかけでTVを見ていたため、詳細までは把握していなかったレアル・マドリー、リーガV祝勝イベントの風景がお昼のニュースで流れた時のことでした。いやあ、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にたどり着くと、すでにマラガ戦は後半が始まるところ。さすが、優勝決定戦とあって、いつもよりファンの数も多く、そんな時間からでは椅子もなくて、45分間、立ち見をした後にだけだったため、シベレス広場へ駆けつけるなんて選択肢は最初から、私にはなかったんですけどね。 ▽どうやら噴水を囲むキャットウォークでマイクを握って騒いでいたマドリーの選手から、「Pique, cabron. saluda al campeon!/ピケ・カブロン、サルーダ・アル・カンペオン(ピケ、クソ野郎、チャンピンに挨拶しろ)」なんていうのは、6月のスペイン代表戦で他にもイニエスタ、ブスケツ、ジョルディ・アルバと仲間の多い当人と顔を合わすことになるカルバハルが、ラス・ロサス(マドリッド近郊)での合宿で居心地悪くなってもそれは自業自得。実際、件のバルサのCBは以前から、マドリーに対してあれこれ言っていたため、広場を埋め尽くしたファンも喜んで唱和していた気持ちもわかりますけどね。 ▽最悪だったのは、「Indios, decidme que se siente.../インディオス、デシッドメ・ケ・セ・シエンテス(アトレティコ共、何を感じるか言ってみろ)」と、この後、2度も決勝に負けて云々と続く、今季のCL準決勝1stレグでサンティアゴ・ベルナベウに広げられた横断幕の元になったカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を歌い出したのには目が点に。うーん、これはイスコだったんですが、人間、ハイになると、ここまでひどいことを言えるもの?何せ、ラ・ロサレダ(マラガのホーム)のピッチでのお祝いではよちよち歩きの息子さんを連れ、思いっきりイクメンぶりを発揮していた彼ですからね。そんなシーンを見ると、ちょっと残念なパパでお子さんも可哀想にと思ってしまうんですが…。 ▽いやまあ、それについてはアトレティコのセレソ会長など、「No molesta, a ver quien gana el proximo ano.../ノー・メ・モレスタ、ア・ベル・キエン・ガナ・エル・プロキシモ・アーニョ(迷惑ではない。来季はどこが優勝するか見てみよう)」と余裕たっぷりで答えていましたしね。今回もサウルはU21だけで、A代表1人参加となったコケがセルヒオ・ラモスを始め、ナチョ、アセンシオ、モラタ、そしてカルバルとイスコという、最大集団のマドリー勢に抗議するなんて所詮、不可能ですので、別にいいんですが、実は私も先週末はフィエスタづくしの2日間に。そう、土曜はマハダオンダ(マドリッドの近郊)のアトレティコ練習場に女子チームの応援に行ったところ、これがまた、いつもは男子チームがセッションに使っているミニスタジアムが満員の盛況。 ▽女子選手たちもレアル・ソシエダ相手に前半12分までに2点を決める速攻を見せ、いえ、15分に見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)で1点を返された時にはヒヤリとさせられたんですけどね。後半も9番をつけたエステルが何度も敵GKとの1対1に失敗していたため、そんなところは男子チームといい勝負とも思ったものの、大丈夫。ビセンテ・カルデロンでの練習を終え、息子のラウタロウ君を連れて駆けつけたヒメネスも見守る前でアトレティコ女子は2-1で勝利。同じ勝ち点だったバルサがレバンテに同スコアで負けたのもあって、堂々、今季無敗という立派な成績でリーガ初優勝を飾ることに。 ▽試合後にはスピーカーに呼ばれて選手1人1人がピッチに登場するお祝いセレモニーもあって、もちろん男子チームみたいに華々しくはないんですけどね。これで来季の女子CL出場権を勝ち取っただけでなく、この先にはコパ・デ・レイナ(女王杯)も控えているため、もしかして男子も1996年に1度しか達成したことのないdoblete(ドブレテ/2冠)も夢じゃない?それどころか、奇しくもお隣さんには女子チームがないため、悲願のCL優勝まで先を越されてしまうことになったりしたら…。 ▽まあ、その辺は置いておいて、夕方にはブタルケへ向かった私はマドリッドの新弟分、レガネスの1部残留祝いを体験できることに。ええ、すでに目標は前節にアスレティックと引き分けて達成していたため、その日のアラベス戦はセレモニーの前座みたいでしたけどね。後半クルスティチッチのヘッドで先制されながら、残り3分にティモルの驚愕25メートル弾が生まれ、試合も1-1で引き分けています。満員のスタンドに見守られてのお祝いでは、センターサークルを取り巻く青と白の風船や紙吹雪のジェット噴射などもあって、やはり20クラブ中、最低予算であってもそこは1部の男子クラブ。そういえば、今は昇格プレーオフの座を目指している2部のヘタフェも最初のシーズンはこんな風に残留を祝ったものだったと、私も懐かしく思い出してしまいましたっけ。 ▽ただ、レガネスの本当の戦いは来季からで、何せ今季は残留ラインとなったスポルティングが勝ち点31。その1つ上の17位で終わった彼らも35留まりでしたからね。しかもその日、胴上げされていたビクトル・ディアス、アルベルト・マルティンら、3年前、2部B時代から貢献してきたベテランが退団。その他、レンタル選手も多いため、計12人もの入れ替えになるかもしれず、またしてもアシエル・ガリターノ監督がチームを最初から作らないといけないのは辛いところかと。それにまだ1部2年目ですから、あまり心配しなくてもいいものの、今季のようにホームでたった5勝しかできなかったりすると、いずれはヘタフェみたいにサポーターの足が遠のく可能性もありますからね。この夏はできるだけ使える選手を集めて、チームとしても何か特徴を出せるようになるといいのですが。 ▽そして翌日曜はキックオフ前、4万枚のモザイクでスタンドが覆われたビセンテ・カルデロンに私はいたんですが、アトレティコもすでに3位決定済みの消化試合。相手はヨーロッパリーグ出場圏順位の懸かっているアスレティックとあって、お祝い事があるたび、ズッコケてきた彼らの暗い過去をちょっと懸念していたんですが、それは杞憂に終わります。ええ、その日は今のアトレティコのメンバーの中でもひと際、このスタジアムに愛着を持つフェルナンド・トーレスが序盤から発奮。7分には、個人としてもお別れ試合となり、ガビの代わりにキャプテンマークを着けたチアゴのロングパスをグリースマンがエリア内で落としたボールを決め、先制点をゲットしてくれたから、どんなにファンたちも喜んだことか。 ▽おまけにその2分後、今度はグリースマン、コケとエリア内でのプレーが繋がって、最後はトーレスが半chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で2点目となれば、いやあ、こんな活躍ぶり、マドリーとのCL準決勝で見たかったと思ってしまうのは私の性格が悪いせい?その後はフィリペ・ルイスとヒメネスの累積警告、ゴディンの3試合出場停止、ファンフラン、ベルサリコの負傷でDF飢饉に陥りながら、急造SBのトマスとサウルも頑張り、アスレティックを零点に抑えていたため、スタンドも歴代選手の応援歌を次々披露したり、Ola(オラ/ウェーブ)をして楽しんでいたんですが、後半11分、せっかくトーレスがGKケパをかわし、撃ったシュートはライン上でラポルテに当たってすぐにはゴールに入らず。それを見て、グリースマンがカッコをつけたtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で押し込んだところ、オフサイドとなってしまったのは残念だったかと。 ▽トーレスもこれまで達成したことのなかったカルデロンでのハットトリックを逃したことになりますが、ツイてないことは続いて、25分にはウィリアムスのシュートがサビッチに当たってゴールを割り、1点を返されてしまうことに。それでも終盤に大きな拍手を受けて交代となったチアゴの後を引き継いだコレアが42分、グリースマンの弾かれたシュートを決めて、アトレティコは3-1で勝利することができました。うーん、同時進行の試合では終了間際にソシエダがセルタ相手に2-2の引き分けに持ち込み、その勝ち点1のせいで、アスレティックは今週土曜のコパ・デル・レイ決勝でアラベスがバルサに負けない限り、来季のELには行けない7位になってしまったんですけどね。まあこの日はカルデロン最後の公式戦、「ファンに今季のお礼を言いたかった。Ha sido increible, sobre todo en la derrota/ア・シードー・インクレイブレ、ソブレ・トードー・エン・ラ・デロータ(信じられない程だったよ。特に負けた時)」(トーレス)というアトレティコの選手たちの感謝の気持ちの方が強かったようです。 ▽そして前日、リーガ優勝を決めた女子チームを男子チームが花道を作って迎え、彼女たちがピッチを一周している間に舞台が整えられると、いよいよセレモニーが始まります。まずはこのカルデロンでの51年間にアトレティコが獲得したトロフィーを当時の選手たちが中央に運んで来るんですが、1つ気づいたのは1996年の2冠の後は時代がいきなり飛んで、次は2010年のELだったこと。ええ、それまでは監督として知っている中高年ばかりが出てきていたのも、そこからはペレア、アスンソン、アントニオ・ロペス、シモン、ドミンゲスといった比較的近くに引退した元選手となり、その後はフィリペ・ルイスやゴディン、コケ、ガビといった今のメンバーも加わって、最後は2014年のリーガとスペイン・スーパーカップで終わります。 ▽うーん、この14年間の空白期間も気になりますが、そこにorejona(オレホナ/大きな耳というCLトロフィーの愛称)が1つもないのは寂しい限り。いえ、お隣さんのようにリーガだけで33回も優勝していたら、一晩かかっても運びきれなくて困りますけどね。その日、展示されたのはリーガ、コパ、旧CLで優勝したバイエルンが辞退したため、準優勝のアトレティコが参加して勝ったインテルコンティネンタル(トヨタカップ)、EL、スーパーのつく大会合わせて19個。マイクを握ったシメオネ監督も「記者たちはずっと続投するのかと尋ねていたが、Si, me voy a quedar/シー、メ・ボイ・ア・ケダール(私は残る)。このクラブには未来があり、それは私たち全員だからだ」と、ファンの前で宣言してくれていましたし、このトロフィーの数、来季からプレーするワンダ・メトロポリターノでどんどん増やしていってくれませんかね。 ▽え、最後に残りの現チームメンバーが出て来た時、ファンの「madridista el que no bote/マドリディスタ・エル・ケ・ノー・ボテ(跳ねないのはマドリディスタ)」というカンティコに乗って、やたらピョンピョンしていたグリースマンはちょっと異様じゃなかったかって?そうですね、私も目を丸くして眺めていた口ですが、月曜には当人がフランスのTV番組に出て、「来季マンチェスター・ユナイテッドに行く確率は10のうち6」なんて答えていたりもして、何を考えているかはさっぱりわからず。ええ、6月に出るCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定でFIFAの選手の新規登録禁止処分が解けるか解けないかに関わらず、彼の残留はクラブの最優先目標になっているはずなんですけどね。試合後にもあんなに元気だったにも関わらず、もしやグリースマンもアルダ・トゥラン(現バルサ)のように走りすぎてイヤになったとか? ▽トーレスに関してはシメオネ監督直々、「Fernando, cuento contigo/フェルナンドー、クエントー・コンティーゴ(フェルナンド、君をアテにしている)」と本人にお達しがあり、夏の補強が可能になれば、新規FWを2人獲りたいという意向があるため、中心的役割を与えられるかはともかく、来季もアトレティコでプレーできるようですけどね。その辺はまた、お伝えてしていくことにして、今はマドリーの優勝決定試合に話を進めないと。いえ、試合後しばらくカルデロンに残っていた私はミックスゾーンで、マラガ戦開始2分、これまた最近、ローテーションのおかげで若返り著しいクリスチアーノ・ロナウドがイスコからスルーパスを受け、先制点を決めたことを知ったんですけどね。 ▽並行して進むカンプ・ノウではエイバルの乾貴士選手が前半に2ゴールを挙げ、バルサから2得点した初めての日本人選手になったこともラジオで聞いていたんですが、ようやくバルで見られた後半10分にはCKからラモスのシュートは弾かれながら、最後はベンゼマが決めて、マドリーはリードを2点に拡大。それからバルサのremontada(レモンターダ/逆転劇)もあって、2位のライバルも4-2で勝利したものの、元々、勝ち点1さえあれば良かった彼らですからね。0-2で終わって、あっさりリーガ優勝が決まりましたっけ。 ▽そして家でTVを見ながら待つこと数時間、メデタイ優勝インタビューなのにロナウドが前節のセルタ戦で、相手の選手たちに「Maltin, maletin!/マレティン(勝利によってもらえる第3者からのボーナスの隠語)」と毒づいていたことを尋ねられ、「La gente no sabe la realidad de las cosas y hablan de mi como si fuera un delincuente/ラ・ヘンテ・ノー・サベ・ラ・レアリダッド・デ・ラス・コーサス・イ・アブラン・デ・ミー・コモ・シー・フエラ・ウン・デリクエンテ(人々は物事の真実を知らないのにまるで自分を犯罪者のように話す)」と怒りをぶちまけているシーンなども眺めていたんですが、その頃からでしょうか。地鳴りのように響く音楽が私の住んでいるピソ(マンション)に届き出したのは! ▽何と結構、距離はあるはずなのに、それってシベレス広場で始まった祝勝イベントの音楽だったんですよ!うーん、ラ・ロサレダのロッカールームでのお祝い終え、飛行機に乗ったチームがマドリッドに到着したのは午前2時頃。サンティアゴ・ベルナベウでオープンデッキバスに乗り換え、数万人のファンの待つ会場に着いたのはそれから30分程してからで、最後にキャプテンのラモスとマルセロが女神像にマドリーの旗とマフラーを巻き付け、バスで去っていったのは午前3時…いえ、マドリーがバルサを抑えて5年ぶりのリーガ優勝を遂げたのは嬉しいんですけどね。結局、翌日は働かないといけない月曜なのに私がずっとTVを見ていたのは、コンサートのような騒音で眠れなかったからというオチでした。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.23 11:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】多分、優勝できると思うけど…

▽「リーガが終わってからが長いわね」カレンダーを見ながら私が溜息をついていたのは金曜日、レアル・マドリーではCL決勝チケットのソシオ(協賛会員)割り当て抽選があったりしたものの、試合まであと2週間も待たないといけないと気づいた時のことでした。いえ、この水曜にラツィオを下し、コッパ・イタリア優勝を果たした相手のユベントスの選手たちなどはロッカールーム内でのお祝いで、「Que vamos a Cardiff/ケ・バモス・ア・カーディフ(カーディフに行くぞ)」と早くも歌っていたようなんですけどね。それがスペイン語だったのはイグアインやディバラらアルゼンチン出身の選手や、リーガ歴の長いダニエウ・アウベスのせいということで納得ですが、実は彼らはまだ、セリエA優勝が決まっておらず。 ▽もちろん前節、2位のローマに返り討ちに遭い、せっかくのチャンスを逃したとはいえ、勝ち点差は4もありますから、断然有利なのは間違いないですが、この日曜のクロトーネ戦でも決まらなかった時は要注意。何せ3年前、最終節でバルサと引き分け、ようやくの思いでリーガ優勝を決めたアトレティコなど、その後のお祝い行事疲れも相まって、1週間後のCL決勝はロスタイムにセルヒオ・ラモスに奇跡の同点弾を喰らい、延長戦で3点も取られちゃいましたからね。ユーベも来週末のボローニャ戦まで優勝を持ち越すことになると、カーディフでの決勝が大変なことになりかねませんが、ファン的にはその方が緊張感も持続して楽しかったりする? ▽まあ、その辺は今回、優勝すればリーグ6連勝という恐ろしい記録になるイタリアのチームですから、余裕を持って受け止めているとは思いますが、意外なことにリーガのタイトルからはもう、5年も遠ざかっていたというマドリーの話を今はしないと。このミッドウィークは彼らだけ、2月に順延になったセルタ戦に挑んだんですが、やっぱりローテーションで選手が交代で出ているチームは元気があって本当に羨ましい。いえ、セルタも先週、ヨーロッパリーグ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに負けるまで、平日はベストメンバー、週末は控え中心という起用方針だったんですけどね。 ▽片や2月のコパ・デル・レイ準決勝に続き、クラブ史上初の決勝進出の夢破れたばかり、その間にリーガでも5連敗と失速しているチームと、宿命のライバル、バルサが時々、3冠(CL、リーガ、コパ・デル・レイ)を達成しているのと比べると気が引けますが、1958年以来の2冠(CL、リーガ)まであと一歩と迫り、ノリに乗っているチームではああいう結果になったのも当然だったかと。 ▽そう、最近では珍しくクリスチアーノ・ロナウドが2試合連続出場したマドリーは、イスコも「Cristiano ha llegado al final de temporada como un avion/クリスティアーノ・ア・ジェガードー・アル・フィナル・デ・テンポラーダ・コノ・ウン・アビオン(クリスチアーノはシーズン終盤にまるで飛行機のような勢いで着いた)。でも、彼だけじゃなく、ボクら皆、飛行機みたいだよ」と言っていた通り、開始9分には後者のパスから前者が左足で決めて早くも先制。前半はその1点止まりでしたが、ハーフタイムで休憩したすぐ後にもカウンターで抜け出したイスコが再びスルーパス。これもロナウドが決めて2点差になった上、後半16分にはセルタのエース、イアゴ・アスパスが2枚目のイエローカードをもらって退場になってしまったから、もう勝負は決まったと思ったところ…。 ▽え、前半のアスパスのイエローカードはバランの手にボールが当たったにも関わらず、審判がハンドを取らなかったことに抗議したせいで、2枚目もエリア内でラモスに倒されながら、piscinazo(ピシナソ/ダイブ)と判断されて出されたものって、ちょっとひどくないかって?うーん、確かにその1分後にはロナウドが同じようなプレーでペナルティはもらえず、かといって、当人にカードも出されなかったため、その日、ベリッソ監督が処分でベンチに入れず、セルタの指揮を執っていたマルクッチ第2監督も猛抗議。おかげで彼まで退場になってしまいましたが、何せロナウドが警告を受けていたら、累積で最終節に出られなくなってしまいますからね。 ▽そういう意味ではマドリーもラッキーだったんですが、まさか23分にはグィディッティのシュートがラモスに当たってゴールに入り、1点差に迫られてしまうとは!でも大丈夫ですよ。というのも、その1分後にはマルセロのパスをベンゼマがゴール前から押し込んで、スコアが1-3になったからで、終盤にはファールを受けたラモスがパブロ・エルナンデスと揉めていたりもしたんですけどね。後でジダン監督も「un poco cansado porque aunque no juego tengo tension como todos/ウン・ポコ・カンサードー・ポルケ・アウンケ・ノー・フエゴ・テンゴ・テンシオン・コモ・トードス(プレーはしなくても自分も皆同様、緊張していたから、ちょっと疲れた)」と言っていましたが、42分にもクロースが決め、最後は1-4という余裕のあるスコアで勝つことができましたっけ。 ▽この結果、いよいよマドリーは順位表でバルサの下に居ることを止め、勝ち点3差をつけて堂々首位に復帰。つまり、日曜午後8時(日本時間翌午前3時)に揃ってキックオフする最終節で、バルサがエイバルに勝ち、マドリーがマラガに負けた場合のみ、シベレス広場でのお祝いが見られないことになります。そんな状況だからでしょうか、ルイス・エンリケ監督は月火水と3日も練習をお休みにして、MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)もバルセロナ市内にオープンした高級ブランドシューズショップのイベントに夫人同伴で駆けつけていた姿の方が今週は印象に残っているんですが、マラガにもバルサ育ちで「Si marco y le doy la Liga... ojala se de/シー・マルコ・イ・レ・ドイ・ラ・リーガ…オハラ・セ・デ(もし自分がゴールを決めて、リーガ優勝を贈ってあげられたら…そうなってくれますように)」なんて言っているサンドロのような選手もいますからね。マドリーも油断は大敵かと。 ▽ただその一方で、ここ4勝1分けとマラガのシーズン終盤の快進撃を演出したものの、ミチェル監督はマドリーのカンテラ(ユース組織)育ち、1980~90年代に活躍した古巣だけに手心を加えるんじゃないかなんて言う、口の悪い人もいますが、こういうのはプロとしてのプライドの問題ですからね。クラブも11位で終わるのと、今同じ勝ち点のバレンシアに抜かれて12位になるのでは、TV放映権収入が100万ユーロ(約1憶3000万円)も違うそうですし、同時にマドリーが優勝すると3シーズン前に売却したイスコのオプションボーナスでやはり100万ユーロがもらえることに。となれば、結論としては来季、マラガに移籍すると言われているミチェル監督の息子さん、エイバルのアドリアンや乾貴士選手のカンプ・ノウでの好パフォーマンスを期待しつつ、ここ立て続けに引退を表明したデミチェリス、ウェエリグトン、ドゥーダらを勝利で見送れるよう、ミチェル監督も頑張ってくれるんじゃないですか。 ▽え、今週前半3日間、練習しなかったのはアトレティコも同じじゃないかって? いやあ、彼らの場合、もう目標である来季CLグループリーグに出られる3位が前節に確定していますからね。ようやくマハダオンダ(マドリッド近郊)の施設に出て来たと思った木曜もセッション後、チーム全員揃って、完成間近のワンダ・メトロポリターノを見学に行く始末。それから経営陣も加わって、シーズン終了ご苦労さんランチ会って、いや、まだ日曜午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からビセンテ・カルデロンと今生の別れをする大事な試合が残っているんですけどね。おまけにそのアスレティック戦ではゴディン、ヒメネス、フェリペ・ルイスが出場停止、更にファンフランやベルサリコら負傷したままシーズンを終える選手もいるため、フィールドプレーヤーが14人しかいないって、まったく最後まで苦労の尽きないチームです。 ▽そのせいもあってなんですが、今週出て来た彼らの話題はもう来季を見据えてのものが多くて、ラジオのインタビューを受けていたグリースマンからは、「Me encanta Cavani, seria un fichaje top/メ・エンカンタ・カバーニ、セリア・ウン・フィチャヘ・トップ(自分はカバーニが大好き、最高の補強になるね)。ウルグアイ人だから、どんなボールでも全力で行くよ」と、マテ茶を一緒に楽しめる未来の前線のパートナーに夢を馳せるコメントも。とはいえ、現段階ではPSGのエースよりも、オリンピック・リヨンのフランス人FW、ラガゼットの方が確立的に高そうなマスコミの論調もチラホラ見かけます。 ▽逆にまだ契約延長が決まっていないフェルナンド・トーレスなどは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の友人を応援する本の発売プレゼンに出席した機会を利用して、「Todo el mundo sabe cual es mi deseo/トードー・エル・ムンド・サベ・クアル・エス・ミ・デセオ(誰もがボクの望みが何か知っている)。あと何年もこのユニフォームを着続けられたらいいね」と残留の意志をアピールしていましたが、これもどうなることやら。とにかく、万年3位止まりに満足せず、優勝を目指すチームになるためには得点力の高いFWの獲得が絶対必要なため、ガメイロやコレアを含め、この夏にはイロイロ、動きがあるかもしれませんね。 ▽そんな調子だったので、今週のアトレティコはスポーツ紙面でも主役をもっぱら女子チームに奪われがちで、いやあ、実は彼女たちの立場はお隣さんと近くて、男性陣の不甲斐なさをせせら笑うかのごとく、土曜のリーガ最終戦で2位のバルサと同じ結果を出せば優勝できる首位だったんですよ。その大一番、レアル・ソシエダ戦でビセンテ・カルデロンが使えず、マハダオンダのミニスタジアムになってしまったのは気の毒でしたけどね。タイトルを獲得できれば、日曜には男子チームの試合前にPasillo de Campeones/パシージョ・デ・カンペオーネス(チャンピオンの花道)で迎えてもらえるとなれば、一層やる気に拍車がかかるというものかと。 ▽そして前節、アスレティックと引き分け、見事に昇格1年目での1部残留を決定。おかげで相手がEL出場権をよりいい順位で確保するため、兄貴分との試合に真剣に挑まないといけない理由を作ってしまったレガネスは土曜にアラベスと最終節となるんですが、こちらはブタルケのサポーターのお祭りになるのは確かかと。昨季までの3シーズンで彼らを2部Bからステップアップ、1部でやっていけるまでに導いたアシエル・ガリターノ監督は、「La gente nos decia que ahora tocaba disfrutar, pero yo disfrute poco/ラ・ヘンテ・ノス・デシア・ケ・アオラ・トカバ・ディスフルタール、ペロ・ジョ・ディスフルテ・ポコ(人々は今度は自分たちが楽しむ番と言っていたが、私はほとんど楽しめなかった)」と今季の苦労を語っていたものの、この試合だけは心おきなく満喫できるのでは? ▽いえ、現在9位で8位のエイバルと同じ勝ち点のアラベスにはマラガ同様、バルサと戦う同じバスク地方のチーム仲間の最終節を利用して、1つでも順位を上げたいという思惑もあるようですけどね。向こうには来週土曜にコパ・デル・レイ決勝が控えているため、主力は温存するのではないかという読みもなきにしろあらず。マドリッドの3チームはそんな感じで、いよいよ今季が終わるリーガですが、去年のヘタフェやラージョのように最後の最後に降格なんて大ショックが待ち受けているのではなく、マドリーの優勝祝いが見られるかもしれないっていうのは、私も気が楽でいいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.20 08:48 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】優勝だけがまだ決まらない…

▽「まさかバックれたのでは」そんな風に私が呆れていたのは日曜。いよいよ残り2節となり、キックオフがunificacion/ウニフィカシオン(統一)されたカードが一斉に終わった時のことでした。いやあ、とりあえず、順位以上の物が懸かっていたため、この時間帯にプレーしたマドリッドの3クラブは一応、それぞれの目標を達成。これまでなら、サンチャアゴ・ベルナベウのスタンドでオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の3元中継をドキドキして聴いたはずの私も今回はまだ、最終節という持ち札がありましたし、アトレティコもレガネスもあと勝ち点1で上がりとハードル的には低かったため、比較的、穏やかに過ごすことはできたんですけどね。 ▽それでも聞き捨てならなかったのは、ベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)で試合をしていたアトレティコがフェリペ・ルイスに続き、ヒメネスまでボールを手でシュートするという愚行を犯し、前半にイエローカードをゲット。これで切りよく両者共5枚目となり、今週末のリーガ最終戦、それも新スタジアムへ移転のため、51年の歴史にピリオドを打つビセンテ・カルデロン最後の公式戦で累積警告って、もう今季はリーガ終了後に何かの大会の決勝もありませんからね。一刻も早くバケーションに入りたい気持ちもわかりますが、折も折。ゴディンが3試合の出場停止で一足早くシーズンを終え、ファンフラン、ヴァルサリコもケガが治らないまま、トップチームのDFがサビッチとリュカだけって、まさか相手のアスレティックにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)されるという結果になっても、優しいファンは拍手でお別れしてくれると思っている? ▽まあ、その辺はシメオネ監督が何とか辻褄を合わせてくれることを祈るしかありませんが、まずはその37節の試合がどうだったか、お伝えすることにしましょうか。私が見に行ったレアル・マドリーは、アトレティコとCLグループリーグ出場権をもらえる3位を争っているセビージャとの対戦だったんですが、ジダン監督は今回、ABチーム混合のメンバーをピッチに送り出すことに。それでモラタやハメス・ロドリゲス、アセンシオ、コバチッチらがクリスチアーノ・ロナウドをサポートするような形で先発したんですが、9分、意外にも先制点を挙げたのはこの日、マルセロの代理で左SBに入ったマルチDFナチョでした。 ▽キッカケはアセンシオが敵エリア前でファールを受けたことだったんですが、そこで目を離してしまったのは、「Nosotros queríamos ponernos en la barrera y creo que pedimos barrera al arbitro./ノソトオス・ケリアモス・ポネールノス・エンラ・バレラ・イ・クレオ・ケ・ペディモス・バレラ・アル・アルビトロ(ボクらは壁を作りたくて、審判に頼んだと思う)」(ヨベティッチ)というセビージャの選手たちも私も同じ。そこへアセンシオが敵に助けられてようやく立ち上がっているのを横目に、「He visto que todo el mundo estaba descolocado y ante esa indecisión he estado el más listo/エ・ビストー・ケ・トードー・エル・ムンドー・エスタバ・デスコロカードー・イ・アンテ・エサ・インデシシオン・エ・エスタードー・エル・マス・リストー(皆、まだ位置取りをしていなくて、決めかねていた状況で自分が一番、利口だった)」とナチョがさっさとFKを蹴り、ネットに入ったボールがゴールとして認められてしまったから、ビックリしたの何のって。 ▽いえ、もちろん油断したセビージャも悪いですし、障害物がないのにそんな距離からのシュートを外す選手もいるため、正確に決めたナチョは偉いんですけどね。それでも若干、天下のマドリーにしてはせこい感じが…。絶好のFKゴールのチャンスをフイにされたロナウドが怒ってないか心配されたんですが、大丈夫。23分にはハメスの一撃がGKセルヒオ・リコに弾かれたところを押し込んで、当人が2点目を入れてくれます。 ▽これで助かったのは後半早々、ヨベティッチがゴールを挙げ、相手が2-1と差を詰めてきたせいで、うーん、前半の彼は2度もゴール枠に阻まれたり、GKケイロル・ナバスに弾かれたりと、すでに得点していない方がおかしいくらいのノリでしたからね。今季1月からセビージャに加入、ここまで6ゴール、うちマドリー戦3試合で3点となると、まさに天敵と言っていいかと思いますが、きっとジダン監督もそれには同感だったんでしょう。60分に差し掛かるころにはハメスとモラタに代え、カセミロとルーカス・バスケスを投入。さらにはモドリッチも入れ、中盤をAチーム体制にして逃げ切りを図ることに。 ▽というか、実際カセミロが入ったことにより、結果的にマドリーはより攻撃の形が作れるようになったんですけどね。ええ、77分には自由に上がれるようになったクロースがエリア内から折り返したラストパスをロナウドが決めて3点目を奪うと、84分にもまるでデ・ジャブのように今度はナチョの折り返しからクロースがゴール。結局、最後は4-1と快勝したため、並行してプレーしていたバルサがネイマールのハットトリックなどで、奇しくも同じ1-4でラス・パルマスに勝っていたのにも煩わされることはなかったかと。 ▽おまけに彼らの次の試合はいよいよ、順延されていたセルタ戦で、ここで勝ち点を奪えば、しばらく直接対決の結果でバルサの後塵を拝していた状態を脱し、堂々、首位に返り咲けますからね。とりわけ現在、先週木曜にはマンチェスター・ユナイテッドを前にヨーロッパリーグで準決勝敗退したばかり。2月のコパ・デル・レイでも準決勝でアラベスに負け、コパ優勝=来季EL出場権獲得の目が無くなっていた上、EL優勝=来季CL出場権獲得に目がくらみ、このところ週末の試合を疎かにしていたツケが回って、日曜のアラベス戦も含めて5連敗と、リーガ順位でのEL出場チャンスからもすっかり遠ざかるという、尾羽打ち枯らしているチームが相手となれば、ローテーション政策のおかげで体力も十分なマドリーがどうして負けるはずがありましょう。 ▽え、そういうセルタを見ていると、同じダブル準決勝敗退だったアトレティコも非常に哀れに思えてこないかって? いやあ、ベティス戦後にコケが「Sólo nos han eliminado el Madrid en Champions y el Barcelona en Copa del Rey/ソロ・ノス・アン・エリミナードー・エル・マドリッド・エン・チャンピオンズ・イ・エル・バルセロナ・エン・コパ・デル・レイ(CLではマドリー、コパではバルサだけがウチを破ることができた)」と威張っていたのは、一番大事な問題から目をそらしているような気がしないでもないんですけどね。あと2試合の時点でビクトル・サンチェス監督からアレクシス・トルヒージョ監督に交代、最後のホームゲームでファンに報いたいと熱望していた相手から、形はともかく、何とか勝ち点1をもぎ取ったのは賞賛に値するかと。 ▽そう、後でシメオネ監督も「Había un cansancio tremendo en los futbolistas/アビア・ウン・カンサンシオ・トレメンドー・エン・ロス・フットボリスタス(選手たちは途方もなく疲労していた)」と言っていましたが、水曜のCL準決勝2ndレグで慣れないremontada(レモンターダ/逆転劇)を試みて、やっぱり柄じゃないことは叶わず。精神的ショックが大きい上、お隣さんと違って、ほぼ同じメンバーで戦ってきたため、さすがに体力自慢のアトレティコとはいえ、ここにきて限界が。そのため、試合はほぼベティスに攻められっぱなしとなり、挙句の果てに57分、セバジョにgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまったんですが、この日はツキが味方してくれたんです! ▽66分、コケのFKを押し込んだサビッチはオフサイドの位置にいただけでなく、ボールが落ちる前、これもヒメネスに続いて意味がわかりませんが、ジャンプしたサウルが手で触っていたにも関わらず、1点としてスコアボードに挙がってくれたんですから、こんなにありがたいことがあっていい? その後、「sabíamos que el empate nos valía y hemos jugado con eso/サビアモス・ケ・エル・エンパテ・ノス・バリア・イ・エモス・フガードー・コン・エソ(引き分けでOKなのはわかっていたから、それ前提でプレーした)」(コケ)アトレティコはこの試合でサモラ(リーガで失点率が一番低いGKに与えられる賞)レースのトップに躍り出たオブラクの活躍もあり、そのまま1-1のドローをゲット。 ▽まあ、結局セビージャが負けたため、必要はなかった訳ですが、「今季は出足が悪く、10、11月には誰もがウチは順位争いから脱落したと思っていたのに、estamos llegando al final otra vez terceros/エスタモス・ジェガンドー・アル・フィナル・オトラ・ベス・テルセーロス(また最後に3位になった)」(シメオネ監督)のは素直に褒めてあげるべきかと。おかげで収容人数がアップしたワンダ・メトロポリターノで客入りの悪いELを戦うこともなく、華々しくお別れ試合をした後、恥を忍んで8月のCLプレーオフのためにビセンテ・カルデロンを使う必要もなく、ここ5年連続、ファンに9月からCLグループリーグを堪能してもらえますからね。 ▽となると、ここは私もすでにエアチケットも目を覆わんばかりに高騰、宿に至っては街が小さいため、カーディフ市内に取ることもできなくなっているというCL決勝に行くお金と手間を今年は節約できたといい方向に考えて、マドリッド南部から北東部にホームが移り、きっと風水的にも良くなっていると信じたい来季に期待するばかり。最後の気掛かりは日曜にはビジャレアル、レアル・ソシエダとEL圏内5~7位(ただし7位はコパでバルサが優勝した時のみ出場)の順位を争っているアスレティックと残念でない試合をしてくれるか、6月にFIFA処分がCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定で解け、この夏にマドリーやバルサに対抗できる才能のある選手を補強、ローテーション可能に持っていけるかどうかですが…いや、これはまだ取らぬ狸の皮算用です。 ▽そして先週末、どこより頑張ってくれたのはレガネスで、ええ、その来週マドリッドに来るアスレティックから、相手のホーム、サン・マメスで引き分けを勝ち取ってしまったんですから、この新弟分、意外と見上げた根性をしているじゃないですか。いえ、ベルナベウに私がいた前半、アドゥリスに先制ゴールを奪われ、降格を争っているスポルティングがエイバルにリードしているという報が入って来た時にはちょっと心配になったんですけどね。後半16分にはシマノフスキがヘッドで同点とし、最後は1-1と、こちらもマストだった勝ち点1と獲得できることに。 ▽うーん、後でアシエル・ガリターノ監督などは「No me gusta festejar las permanencias, porque creo que hace más pequeños a los equipos/ノー・メ・グスタ・フェステハール・ラス・ペルマネンシアス、ポルケ・クレオ・ケ・アセ・マス・ペケーニョス・ア・ロス・エキポス(私は残留を祝うのは好きではない。チームをちっぽけにするから)」と、ちょっと恰好つけていましたけどね。実際、その虎の子の1点を守ろうと、終盤の彼らは何人もの選手がこむら返りを起こす程、必死でプレーしなければならなかったとなれば、本当に紙一重で降格を回避できたのかも。 ▽何せ、その日はビジャレアルとスコアレスドローに持ち込んだデポルティボも17位で残留を決めましたが、勝ち点33というのはいまだかつてない低い数字だそうですからね。16位のレガネスもそれより1つ多いだけと、決して自慢はできませんが、その日は勝ったにも関わらず、降格となってしまったスポルティングを反面教師として、来季はもっと早い段階から勝利を積み上げていくようにしてほしいものです。 ▽そんなレガネスは土曜に最終戦、アラベスをブタルケに迎えて残留決定祝いとなりますが、まず今週は水曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのセルタvsマドリー戦に注目。故郷コロンビアのラジオではすでにマンチェスター・ユナイテッドと移籍で合意ができてきると報じられ、セビージャ戦でベルナベウのファンたちにお別れをしていたようだったハメスや、ジエゴ・コスタの後釜にとコンテ監督に乞われているというモラタなど、もうマドリーでは見納めになってしまう選手もいるかもしれませんし、幸い他の試合もないですしね。どう転んでも優勝は日曜のマラガ戦を待たないことには決まらないとはいえ、久々に私も心おきなくマドリーを応援できるのは嬉しいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.16 16:39 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】信念だけでは足りない…

▽「器物破損罪って、スペインにはないのかな」法律に疎い私がそんな風に首を捻っていたのは金曜。ビセンテ・カルデロンで最後のヨーロッパの大会の試合となったCL準決勝2ndレグでスタンドのシートを引き剥がし、持って帰ったアトレティコファンが部屋に飾った戦利品をTVで自慢しているのを見た時のことでした。いやあ、AS(スポーツ紙)などには、試合終了間際に突如として降り始めた大雨に、とりわけ500席程が被害にあったfondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)では備えのなかったファンが傘替わりに利用。その場を動かず、応援を続けていたなんて美談的に書いてあったものの、まあ、その日はパソコンを持っていたため、とてもじゃないけどタイムアップの笛が鳴るまで待っていられず、プレスルームに逃げ込んでしまった自分ですから、気持ちはわからなくもないんですけどね。 ▽今季でお役御免となるスタジアムの思い出にそのままシートをお持ち帰りしようとしたファンの大多数は出口で係員に没収され、ほとんどは内部に留まったとも聞いていますが…。いや、ちょっと待って! 私が非力なせいもあるものの、まずはどうして、あのしっかり固定されている席を外してやろうなんて発想が出てくる? その昔、今季は2部で昇格プレーオフを目指して戦っているマドリッドの弟分、ヘタフェがUEFAカップで、GKオリバー・カーンも現役だったバイエルンをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えた際、ビジターチームのウルトラ(過激なサポーター)たちがシートを引き剥がして暴れたと聞いた時には、体格のいいドイツ人ならではの蛮行かと思ったこともあったもの。 ▽試合後、その件について訊かれたウルグアイ人のヒメネスが、「Yo tambien me hubiera llevado un asiento/ジョ・タンビエン・メ・ウビエラ・ジェバードー・ウン・アシエントー(ボクだって、シートを持っていったよ)」と言っていたのはあくまで冗談で、決してお国柄ではないことを祈りたいんですが、ビセンテ・カルデロンでもポルトガルのクラブか何かが来た時、相手方のファンが座るfondo norte(フォンド・ノルテ/北側ゴール裏席)2階のシートが被害にあったこともありましたしねえ。でもいくら、移転が決まっているとはいえ、まだこの先、リーガ最終戦のアスレティック戦、アトレティコは出ないけど、コパ・デル・レイ決勝、お別れOB戦だってあるんですよ。 ▽それまでに座席を元通りにしないといけない整備の人たちにしてみたら、いくら最後のご奉公とはいえ、あまりに心ない仕打ち。運良く私はかち合わなかったものの、キックオフ1時間程前にスタジアム周辺でアトレティコのウルトラたちと警官隊が衝突。ビール瓶や石が飛び交い、25人の負傷者が出た騒動もありましたし、選手たちが「la mejor aficion del mundo/ラ・メホール・アフィシオン・デル・ムンド(世界一のサポーター)」(ガビ)と絶賛するファンの中にも素行の悪い者たちが混じっているのは、こちらのサッカーの本当に嘆かわしい側面かと。 ▽まあ、そんなことはともかく、肝心の試合の話をしないといけません。火曜の夕方はその最高のサポーターたち700人余りがホテル・モンレアルの前に集合。1stレグの前は午後11時に応援を始め、選手たちにわざわざ部屋から出て来させたのを反省したか、この日はビセンテ・カルデロンでの最終練習を終えたチームがバスで到着する時間だったんですが、「Hasta la ultima gota de sangre/アスタ・ラ・ウルティマ・ゴタ・デ・サングレ(最後の血の1滴まで)」という横断幕とカンティコ(節のついたシュプレヒコール)で元気づけられた彼らもその夜、先週のホームゲームを0-2で落としていたモナコがかつてのアトレティコのエース、ファルカオの奮闘も空しく、ユベントスに2-1と再び敗北。総合スコア4-1で姿を消したのにはさぞかし、remonatada(レモンターダ/逆転劇)の難しさを噛み締めることになったのでは? ▽え、それでもアトレティコは奇跡を起こしかけたじゃないかって? その通りで、最初は満員のスタンドも試合がどうあれ、とにかく応援することが目的になっていた感もあったんですけどね。立ち上がりから、お隣さんに怒涛の攻勢を仕掛けた彼らは開始4分、コケがゴール左脇から撃ったシュートこそGKケイロル・ナバスに弾かれてしまったものの、12分にはそのコケの蹴ったCKを頼りになるカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の後輩、サウールがヘッドで決めて早々に先制。さらに16分には先輩のフェルナンド・トーレスがエリア内でヴァランに倒され、PKをゲットしてくれた時には、どんなに我が目を疑ったことか。 ▽アトレティコにとっては大鬼門、そのPKもこの日はグリーズマンがナバスの手を弾いてゴールにしてくれたため、これで総合スコアは2-3に。いよいよ、これはもしかするとファンも湧きたったんですが、後でジダン監督も「ウチは序盤の20~25分、問題があったが、no habia que preocuparse porque ibamos a tener ocasiones/ノー・アビア・ケ・プレオクパールセ・ポルケ・イバモス・ア・テネール・オカシオネス(チャンスは来るはずだったから、心配する必要はなかった)」と言っていた通りになったのは、シメオネ監督がここでチームを後退させてしまったせいもあったかも。いえ、もちろん「Es dificil sostener los primeros 25 minutos que se hicieron/エス・デフィシル・ソステネール・ロス・プリメーロス・ベイテンティシンコ・ミヌートス・ケ・セ・イシエロン(最初の25分にやっていたことを維持するのは難しい)」(シメオネ監督)という意見も、ローテーションすら満足にできず、選手たちにシーズン終盤の疲れが溜まっているチームならでの事情もわかりますけどね。 ▽その時点でのレアル・マドリーはいくら、マルセロが「No hemos tenido miedo en ningun momento/ノー・エモス・テニードー・ミエードー・エン・ニングン・モメントー(ウチは一瞬だって怯えを感じたりはしなかった)」と言い張ろうと、勢いに任せて攻めていくアトレティコに押されていたのは事実。それを利用して、早々に総合スコアをイーブンにする3点目、更に4点目、5点目、6点目…と取っていれば、あとはヘロヘロでも守り倒すぐらいはできただろうにと、自分の素人考えでは思ってしまうんですが…現実は常に非情。それみたことかというプレーが、もうすぐハーフタイムという43分に生まれます。 ▽ええ、クリスチアーノ・ロナウドが急いでスローインしたボールを受けたベンゼマがサビッチ、ゴディン、その日左SBとして入ったヒメネスに囲まれながらも左奥のライン際を突破。エリア内に折り返したパスをシュートしたクロースの一撃はGKオブラクが弾いてくれたものの、ひょっこりゴール前にいたイスコに押し込まれ、致命的な失点をしてしまうんですから、もうどうしたらいいものやら。 ▽うーん、ジダン監督も「le pregunte como ha salido de ahi y el no lo sabia tampoco/レ・プレグンテ・コモ・ア・サリードー・デ・アイー・イ・エル・ノー・ロ・サビア・タンポコ(どうやってあそこから抜けたのか訊いたが、彼も知らなかった)」と説明できなかった程だったベンゼマのjugadon(フガドン/スーパープレー)には、両CBがすでにイエローカードをもらっていて、足をかけたりできなかったのも幸いしたんですけどね。イスコなども「Despues del 2-0 hemos entrado en el partido por fin/デスプエス・デル・ドス・セロ・エモス・エントラードー・エン・エル・パルティードー・ポル・フィン(2-0とされた後、とうとうボクらも試合に没頭した)」と言っていたように、寝た子を起こすようなアトレティコの戦略も失敗だったのは確か。 ▽これで再び3点が必要になったアトレティコだったんですが、後半も決して「Creíamos que la remontada era possible/クレイアモス・ケ・ラ・レモンターダ・エラ・ポシーブレ(逆転は可能だと信じていた)」(フィリペ・ルイス)という態度は変わりませんでした。でも哀しいかな、選手たちのタレントの差は如何ともしがたし。ええ、そのことはこの試合のチーム走行距離計が片や113.1キロ、相手は103.4キロと10キロも違いながら、パスの成功率では70%対86%と、クロースやモドリッチのような選手がいないアトレティコが大きく劣っていたことでもわかるんですが、せっかく65分につかんだカラスコとガメイロの連続シュートもナバスに弾かれてしまう有様ではねえ。 ▽結局、どちらも後半は点を取れず、試合は2-1で終了。久々にマドリーに勝てたものの、総合スコア2-4で敗退となれば、「Nosotros dependemos del equipo y ellos de las individualidades/ノソトロス・デペンデモス・デル・エキポ・イ・エジョス・デ・ラス・インディビドゥアリダーデス(ウチはチーム頼りだが、彼らは個人技次第)。ベンゼマのようなプレーをされたら厳しい」というシメオネ監督のコメントに同意するしかありません。ただ昨季のミラノでのCL決勝後と打って変わって、彼はチームのその日の戦いぶりに「Soy feliz/ソイ・フェリス(自分は幸せだ)」と満足していることを開口一番で強調。 ▽お隣さんの選手との質的量的な差でさえ、「Un paso chico, pero que es muy grande. Ojala lo demos/ウン・パソ・チコ、ペロ・ケ・エス・ムイ・グランデ。オハラ・ロ・デモス(ほんの小さな一歩だが、それがとても大きい。ウチが前進できることを願っている)」と、この敗退を来季に向けての重点補強をフロントにアピールする機会にすることにしたよう。いえ、それも6月に出るCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の判定でFIFA処分が解けるか解けないか次第ですけどね。あの豪雨の中、シートを引っぺがすかどうかは別として、敗退が決まってもスタンドに留まり、再びピッチに現れた選手たちをずっと励ましていた忠実なファンたちには、クラブだって応えない訳にはいかないはずですよ。 ▽一方、2年連続での決勝行きとなったマドリーの選手たちもその後、カルデロンに駆けつけた4000人余りのファンに感謝するため、ピッチに出て来たんですが、ちょっとミソをつけてしまったのは、カルバハル負傷中で空きのあった右SBをダニーロに取られ、出番のなかったナチョ。芝の上にマドリーの旗を広げたため、挑発行為と取られてしまったんですが、おかげで翌日の商業イベントで当人が、「Si hubiera querido provocar, la hubiera puesto en otra parte del campo/シー・ウビエラ・ケリードー・プロボカール、ラ・ウビエラ・プエストー・エン・オトラ・パルテ・デル・カンポ(もし挑発したかったのなら、ピッチの別のところに置いただろう)」と釈明する破目に。 ▽大体がして、2013年に当時、若干21歳だったコケがサンティアゴ・ベルナベウで宿敵マドリーを倒してのコパ・デル・レイ優勝に舞い上がり、アトレティコの旗をセンターサークルに置いたのと比べるのも27歳のナチョに失礼かと思いますが、その日ではゴールではなく、殊勲のスローインで貢献したロナウドも「Somos el Real Madrid y demostramos tener mas experiencia/ソモス・エル・レアル・マドリッド・イ・デモストラモス・テネール・マス・エクスペリエンシア(ボクらはレアル・マドリー、ウチにはより経験があることを示した)」と試合後、いかにも余裕たっぷりだったのも何ともねえ。 ▽勝てば官軍なのは当然ですが、それでも6月3日の決勝で当たるユーベには要注意。セルヒオ・ラモスなどは「al Pipa no le voy a regalar cacahuetes/アル・ピパ・ノー・レ・ボイ・ア・レガラル・カカウエテス(ピパにピーナッツを贈るつもりはないよ)」と言っていたものの、相手には2年前、そちら側でマドリーの準決勝敗退に繋がるゴールを挙げたモラタに続いて、古巣への恩返しを虎視眈々と狙っているイグアインや、モナコとの2試合で1ゴール3アシストを決め、バルサに放出したことを後悔させようと決意しているダニエル・アウベス、1年だけでもアトレティコにお世話になった恩を返そうとしている(いや、していないって?)マンジュキッチといった旧知のライバルがゴロゴロしている上、GKブッフォン、新鋭FWディバラ、ユーベ版BBC(ボヌッチ、バルザーリ、キエッリーニの頭文字)までいて、まったく一筋縄ではいきそうにありませんからね。 ▽これまでCLを連覇したチームがないのも気掛かりですが、当面の彼らの課題はリーガ優勝を決めること。いえ、現在2位のバルサとは勝ち点差がないため、マドリーがミッドウィークのセルタ戦で木曜にはオールド・トラフォードでやはり、ヨーロッパリーグ準決勝逆転突破の夢をマンチェスター・ユナイテッドに阻まれ、失意のドン底にいる相手を倒すのも含め、どちらも連勝を続ければ、21日の最終節に決着なんですけどね。まずはこの日曜にホームでセビージャを破り、敗退のショックと疲労がピークに達しているお隣さんに来季CLグループリーグ出場権の手に入る3位確定をプレゼントするなんていうのはどうでしょう。順番から言って、今度はBチームの出動になるかと思いますが、その強さはもうお墨付きですし、バルサがラル・パルマスに負ける確率も低いので、どちらにしても勝利は必須かと。 ▽ちなみにアトレティコは前節、新弟分のレガネスに4-0と惨敗して、すでに残留確定しているにも関わらず、ビクトル・サンチェス監督を解任したベティスとのアウェイ戦。右SB全滅という事態を受け、マドリーとの2ndレグに出場しようとリハビリを急いだファンフランが再び負傷、もう今季は絶望とか、先週のエイバル戦で退場したゴディンが3試合の出場停止処分を受け、こちらもシーズン終了といった悪いニュースもありますが、自力でもあと勝ち点1で3位は決まりますからね。最終節のアスレティック戦ではビセンテ・カルデロンとのお別れを満喫できるよう、ひと踏ん張りしてくれるといいんですが。 ▽そして土曜の2試合以外、順位が懸かっている試合だけ日曜午後8時(日本時間翌午前3時)に設定された今週末のリーガ、やはりあと勝ち点1ないと残留が確定しないレガネスも兄貴分と同様、この時間帯にサン・マメスでのアスレティック戦を迎えるんですが、こちらもエイバルに挑むスポルティング、ビジャレアルを訪問するデポルティボを睨みながらの展開になるかと。できれば自力で1部の椅子は勝ち取ってもらいたいものですが、相手もEL出場権が懸かっていますからね。アシエル・ガリターノ監督のチームも余力はあまりないため、何とかいい目が出てくれませんかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.13 11:50 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】落ち込んでいても仕方ない…

▽「これもローテーション政策の賜物かな」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、これまでにもイロイロ、噂はあったものの、アトレティコからレンタル移籍でアラベスに修行に出ているテオがとうとうレアル・マドリーのメディカルチェックを受けたというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、本来なら19歳の彼は来季、年子の兄ルカスと一緒にまたアトレティコでプレーする予定だったんですけどね。自身の左SBというポジションを考えれば、あと数日で29歳になるマルセロより、この夏でもう32歳、ブラジル代表でもマドリーの同僚の控えを務めているフィリペ・ルイスの方がレギュラー争いに勝ち目があるような気はするものの、お隣のジダン監督と違って、シメオネ監督はそれ程、頻繁にスタメンを入れ替えず。 ▽しかも昨夏、入団した右SBのブルサリコを見てもわかる通り、いくらアラベスでは不動のレギュラーの座を獲得、前節のアスレティック戦で見事な決勝ゴールを挙げるなどの大活躍をしていても、監督が納得できるレベルのプレーができるまで、アトレティコではほとんど使ってもらえませんからね。CBのルカスも左SBとしてプレーできるため、兄弟で争うのもイヤだったのかもしれませんが、いやいや、ちょっと待って!一番の疑問は何でまだシーズンが終わっていないこの時期、しかも2日後の水曜にはビセンテ・カルデロンで最後のマドリーダービーとなるCL準決勝2ndレグを控えているという今、とりわけアトレティコのファンが嫌がる、同じ街のライバルへの移籍話が脚光を浴びないといけない? ▽ただ、マルカ(スポーツ紙)によると、テオの契約解除金は2400万ユーロ(約30億円)であるものの、アトレティコ経営陣は慰謝料込みなんでしょうか、3000ユーロ(約37億円)を要求。交渉は試合が終わった後の木曜から始まるそうですけどね。実はテオにはバルサも触手を伸ばしていて、マドリーよりいい年棒条件を提示したものの、そこは兄のいるマドリッドから離れたくない気持ちが優先したなんて話も読みましたが…うーん、これじゃ、月曜にはCLがなくなって、ヒマになった平日、テニスのマドリッド・オープンを見にカハ・マヒカに姿を現したバルサのピケではありませんが、すでに余裕で1部残留を達成しているアラベスも27日のコパ・デル・レイ決勝しか目標はなし。だからといって、このヨーロッパ・ダービー、テオがスタジアムのパルコ(貴賓席)に来て応援する(どっちを?)なんてことは、できなくなってしまいましたね。 ▽まあ、そんなことはともかく、いよいよシーズン日程も僅かとなり、こちらも目が離せない週末のリーガ戦がどうだったかというと。マドリッドの2強はCL準決勝の狭間だったため、双方共、土曜にプレーしたんですが、先にキックオフしたのはアトレティコ。ええ、もうビセンテ・カルデロンではあと3回しか、ひいきのチームを応援できる機会がないとあって、その日も満員御礼だったんですが、「Combato y me levanto/コンバト・イ・メ・レバントー(戦うぞ、立ち上がるぞ)」というfondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)の大きな垂れ幕と共に始まった、水曜のremontada(レモンターダ/逆転劇)に向けての応援予行演習はエイバル戦の前半、時間が経過していくにつれ、徐々に尻つぼみになることに。 ▽いえ、その日、サビッチも出場停止だったため、先週のCL準決勝1stレグで即興右SBを務めたルカスがゴディンとCBペアを組まねばならず、思い切った策を取らなければならなかったシメオネ監督に抜擢された、ボランチのトマスがそのポジションにいたせいではなかったんですけどね。そこはまあ、序盤から丁度、マッチアップした乾貴士選手を潰してみたり、次にはかわされてシュートを撃たれてみたりと少々、波乱含みだったものの、だんだん落ち着いてきたため、良かったんですが、スタンドを盛り下げたのは、アトレティコの悲しいまでの決定力のなさ。ええ、コケを筆頭にカラスコ、サウルと前半だけで3人もフリーのシュートを枠外に飛ばしているのでは、とにかく最低でも3本はゴールが必要な水曜に向け、ファンが悲観的になってしまったのも仕方ないかと。 ▽そんな雰囲気を察したか、後半頭からはガイタンに代わり、フェルナンド・トーレスを投入したシメオネ監督でしたが、暗雲を吹き飛ばしてくれたのはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の後輩でした。ハーフタイム間際の大失敗に頭を抱えながらロッカールームに向かい、その反省が実ったか、24分、このままではいけないと男気を発揮して、珍しく敵陣をボールを持って上がって行ったゴディンからのパスをトーレスがスルーすると、サウルがエリア前からシュート。マドリーのイスコやクロースにも負けないゴールポストギリギリのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてしまったから、驚いたの何のって! ▽このゴールに活気づいたのはファンも同じで、それからはこれでもかというように大音量の応援が始まったんですが、残念ながら、その後、アトレティコが追加点を奪うことはできず。幸い、勝てば、コパでバルサが優勝した場合、リーガ7位に回ってくるヨーロッパリーグ出場権に届くかも程度の薄い期待しかなかったエイバルもあまり熱心には反撃はせず、そのまま試合は1-0で終わったんですが、おかげでグリースマンを引っ込められたのはようやく残り5分いなってからというのは痛いですよね。 ▽その上、もうあとロタイムだけという頃になり、些細な判定に抗議したゴディンが続けざまにイエローカードをもらい、退場となってしまったのはいかがなものかと。いやあ、審判の報告書によると、「ponte gafas/ポンテ・ガファス(眼鏡をかけろ)」、「sois muy malos/ソイス・ムイ・マロス(お前らはひどい審判だ)」といった言葉が咎められたようですけどね。下手をすると3~6試合の出場停止処分を喰らいかねず、もう今季のリーガには出られないかもしれないというのはまったく、余計なおまけでしたっけ。 ▽そんなことはあったものの、その日のクライマックスはタイムアップの笛が鳴った後で、というのも席を立たずに歌っていたファンに応えて、選手たちがまた、ピッチに出て来てくれたから。え、そんなのコパ準決勝2ndレグ、逆転が必要なバルサとのアウェイ戦の前にもあったけど、結果はそれみたことかだったんじゃないかって?まあ、そうなんですが、アトレティコの選手のいいところは素直にムードに乗ってくれることで、試合後のサルルなど、「先週の結果にも関わらず、ファンは今日、スタジアムに来てボクらを応援してくれた。感動的だよね。Vamos a intentar remontar, es lo unico que podemos hacer/バモス・ア・インテンタール・レモンタール、エス・ロ・ウニコ・ケ・ポデモス・アセール(逆転を目指すよ。それが自分たちにできる唯一のことだ)」と決意表明。 ▽とはいえ、ミックスゾーンでフィリペ・ルイスが、「Por supuesto, mira el Barcelona si pudo y tuvo un resultado mas complicado/ポル・スプエストー、ミラ・エル・バルセロナ・シー・プド・イ・トゥボ・ウン・レスルタードー・マス・コンプリカードー(もちろんできるさ。バルサを見なよ。もっと難しかったのにやったじゃないか)」と言っていたのには、いや、アトレティコにはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)がいないし、16強対決では4-0を引っくり返してPSGに逆転した彼らだって、どんどん相手も強くなっていく準々決勝ではユベントス相手に3-0を覆せなかったなんて思いもチラと私の頭をよぎったんですけどね。 ▽シメオネ監督が「El miercoles tenemos un partido dificilisimo, para algunos imposible, pero para nosotros no/エル・ミエルコレス・テネモス・ウン・パルティードー・ディフィシリシモ、パラ・アルグーノス・インポシーブレ、ペロ・パラ・ノソトロス・ノー(水曜にウチは最高に難しい試合を控えている。ある者にとっては不可能だろうが、我々にとっては違う)」と断言していたのも一体、何をもって、そんなにも確信しているのだろうといぶかってしまった私でしたが、とにかくまずは信じることが大事なんですよね。そう、元々、選手の質で劣るアトレティコがまかり間違ってもお隣さんに逆転勝ちできる訳がないとウジウジしていても、していなくても試合があるのは水曜日。せめてその時ぐらいまでは、希望を持ち続けていた方がいいに決まっていますって。 ▽実際、リーガだけ見れば、3位争いのライバル、セビージャが金曜にレアル・ソシエダと引き分けてくれたため、この勝利でアトレティコは勝ち点5差をつけ、あと1ポイントあれば、来季もCLグループリーグから出場できることが確定することになりましたしね。それだけに私も比較的、明るい気分で帰宅して、土曜最終試合のグラナダvsマドリー戦を近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に見に行ったところ…。 ▽いやあ、相手がすでに降格が決まっているチームというせいもありましたが、マドリーBチームの強いことと言ったら。ええ、開始2分にはルーカス・バスケスのラストパスをゴール前でハメス・ロドリゲスが押し込んで先制したかと思いきや、10分にはまた、久々にプレーできるようになったコエントランのクロスをハメスが今度はヘッドで2点目ゲット。29分と34分にはモラタが2ゴールを挙げ、今季19得点として、AチームのCFを務めているベンゼマより2点も多いって、もしかしてアトレティコは水曜の試合に前者が先発しないのを喜ぶべき? ▽これで0-4としたマドリーは後半、アセンシオをベンゼマ、カセミロをイスコ、ルーカス・バスケスをマリアーノへと更にローテーションを実施。追加点が入ってもおかしくはなかったんですが、すでに矢折れ刀尽きた敵をそれ以上、痛ぶっても仕方ありませんからね。そのままのスコアで試合は終了し、前の時間帯でビジャレアルに4-1で勝利していた首位バルサと同じ勝ち点に戻ったんですが、やっぱり羨ましいなと思うのは、ジダン監督も「partidos fuera de casa son mas descanso/パルティードス・フエラ・デ・カサ・ソン・マス・デスカンソ(アウェイ戦はより休養になる)」と認めていたように、この日もクリスチアーノ・ロナウドがマドリッドでお留守番だったこと。 ▽うーん、このところ、彼はずっとそうですからね。リーガの遠征には同行せず、体力を温存して、CL戦になるとゴールを入れまくっていますし、他の選手たちも皆、プレー時間を配分しているため、「nosotros podemos decir que fisicamente estamos todos bien/ノソトロス・ポデモス・デシール・ケ・フィシカメンテ・エスタモス・トードス・ビエン(ウチは皆、フィジカル的にいい状態だと言える)」(ジダン監督)というのは今のマドリーの大きな強みでしょう。これだと残り3試合、セビージャ、セルタ、マラガ戦のどれかで勝ち点を落としてくれるという、あと2試合、ラス・パルマス、エイバル戦しかないバルサの願望が成就するのもかなり難しいかと。 ▽そして月曜、ベティスをブタルケに迎えたレガネスもようやく4-0と、これまでの鬱憤を晴らすかのようなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝利。週末にラス・パルマスに勝って一旦は距離が縮まり、残留の希望が再燃したスポルィングとの差を6ポイントに戻したため、あと勝ち点1で1部残留が確定することに。今季が昇格1年目の彼らだけに、最終節のホームゲーム、アラベス戦で残留祝いができれば、盛り上がること間違いありませんって。 ▽そうそう、丁度、その日の夕方、マハダオンダ(マドリッド近郊)の施設でセッションを行っていたアトレティコは、「Necesitamos precision y tranquilidad para llegar al partido del miercoles/ネセシタモス・プレシシオン・イ・トランキリダッド・パラ・ジェガール・アル・ミエルコレス(水曜の試合には正確さと落ち着きが必要)」とシメオネ監督も言っていた通り、とにかくなかなかゴールが決まらない欠点を克服しようとシュート練習に特化。それもセルヒオ・ラモスやバランに邪魔されても力負けしないためなんでしょうかね。各人が重り入りのベストを着たり、腰にゴムを付けたりして、シュートやヘディングに励んでいたそうですが、何かそれって、余計疲れが溜まらない?ついでに思い出してほしいのはもし、相手に1点取られたら、アトレティコは5点が必要になるということなんですが、どうやらファンフランとヒメネスが戻って来られられそうだとはいえ、万が一に備えて一応、守備練習も一生懸命やっておいた方がいいかも。 ▽まあ、その辺はシメオネ監督の考えなので、私には何も言えませんけどね。そんな今季、スペインの地で最後となるCLの試合は水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)にキックオフ。常識的に考えれば、火曜にモナコとの2nレグに挑むユベントスも初戦で0-2と勝っていますし、6月3日の決勝はマドリーvsユーベということになるんでしょうが、私も今はただ、試合が始まるのを待つしかありません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.09 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】質の高さには敵わない…

▽「1つぐらいは先に片付いてくれてもいいな」順位表を眺めながら、そんな風に私が呟いていたのは金曜日、リーガの残りがあと3試合となったため、計算の苦手な自分でも今節、18位のスポルティングがラス・パルマスに負け、レガネスが月曜にベティスと引き分け以上であれば、1部残留が確定することに気づいた時のことでした。いやあ、たった勝ち点31で、また来季もレアル・マドリーやバルサをブタルケで見ることができるなんて、レガネス(マドリッド近郊の衛星都市)市民も本当にラッキーだと思うんですけどね。現在、2部でプレーオフ圏内の3位につけ、すでに1部Uターンを確定させたレバンテに続こうとしている、同じマドリッドの弟分チーム、ヘタフェだって、初めて兄貴分たちと肩を並べた2004-05シーズンはキケ・サンチェス・フローレス監督(現エスパニョール)の下、残留にはそこそこ苦労していましたからね。 ▽それを鑑みれば、レガネスも頑張っているとは言えるものの、今週末、悪い目が出てしまった時には要注意。何せ、あと2試合はビジャレアル、レアル・ソシエダとヨーロッパリーグ出場権が絶対得られる5、6位の座を争っているアスレティックと、5月27日にバルサとのコパ・デル・レイ決勝を控え、特別誂えのユニフォームも発売(http://www.tiendabknda.com/index.php?id_product=2&controller=product)。ここにきてギアを挙げてきているアラベスですからね。すでに目標がなく、バケーション状態に入っているのはベティスだけなので、スポルティングの結果いかんに関わらず、平日でありながら、サポーター総動員体制でスタンドを埋めるというクラブの心遣いを選手たちもムダにしないでほしいものですが…。 ▽え、いきなりリーガの残留争いの話なんて、もしや私は本題に入るのを避けていないかって?うーん、実際、火曜にサンティアゴ・ベルナベウから呆然として帰って以来、ここ数日はずっと鬱っぽくて、何をするのも億劫だったんですが、そうも言っていられません。とりあえず、CL準決勝1stレグで起こったことをお伝えすると、いやあ、前日合宿のホテル入りの時には連休の中日だったせいか、いつものビッグマッチ前のようにチーム到着時に詰めかけず、午後11時近くになってサポーターが集合。発煙筒と大音量のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)に、すでに部屋で休んでいた選手たちがエントランス前に出て来ざるを得なかったというのを聞いた時もちょっと間の悪さを感じたものですけどね。 ▽ピッチへ入場する時も、Fond sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)に「Decidme que se siente/デシッドメ・ケ・セ・シエンテ(どう感じるか、言えよ)」というメッセージと共にCLトロフィーの大きな垂れ幕、ご親切にもリスボンとミラノ、因縁の地名入りという迎え方をされ、無意識にトラウマを思い出してしまったんでしょうか。どうやらキックオフ前に円陣を組んでゲキを飛ばし合った際、2試合制の対戦なのだから、「せめて(今季シーズン前半リーガ戦のように)3-0で負けるのだけは避けよう」という打ち合わせをするのを忘れてしまったか、たった開始10分でカセミロのシュート失敗でバウンドしたボールをクリスチアーノ・ロナウドにヘッドされ、先制点を奪われてしまうのですから、困ったもんじゃないですか。 ▽それからもアトレティコはお隣さんの怒涛の攻勢に遭い、バランやベンゼマのシュートはGKオブラクが弾いてくれたものの、自らのチャンスはコケのスルーパスに抜け出したガメイロがシュート目前でGKケイロル・ナバスにボールを取られてしまったぐらい。おかげでシメオネ監督も焦ったか、後半10分を経過した時点で早くもガメイロ、サウルをフェルナンド・トーレス、ガイタンに交代、肩のケガが治ったばかりのカラスコもその5分後にはコレアに代えるという、性急な手段に訴えたのも逆効果だったのかもしれませんね。 ▽特に敵ゴールが近くなる訳でもなく、結局、28分にはフィリペ・ルイスがエリア前でロナウドを逃し、弾丸シュートで2点目を決められると、とうとう40分にはマドリーの得意技、高速カウンターが炸裂。ルーカス・バスケスの折り返しをPKマーク辺りで受けたロナウドの周りに誰もいない光景にはもう、呆れて物も言えないとはまさにこのこと?これで先日の準々決勝バイエルン戦に続き、ロナウドがハットトリックを達成したマドリーが3-0で勝利って、これじゃ来週の2ndレグの意味がまったくなくなってしまったじゃないですか。 ▽え、アトレティコはこの試合前にケガ人が続出、とりわけ右SBなど、左利きの本職CBのカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)、ルカスが務めていたぐらいなんだから、仕方ない面もあったんじゃないかって?まあ、そうなんですが、皮肉なのは同じく、ベイルを負傷欠場で欠いていたマドリーはそれが逆に吉と出たこと。ええ、クロースなども後で「ウチは相手よりMFが1人(この日はイスコが先発)多かった。普通は3人なんだけど、それがいい戦術だったよ」と認めていたように、主力が揃わなくても彼らは機能してしまうだけでなく、その控え選手たちのレベルが非常に高いため、合間の試合ではローテーションが可能なんですよ。 ▽となれば、いえ、走るだけはチーム計110.5キロと102.9キロのマドリーを上回ったアトレティコですけどね。それでもグループリーグでは1試合118キロも走ったことのある彼らですから、いつも出づっぱりな選手たちが、休養十分なマドリーに1対1のボール争いに負け続け、強烈なプレスに「No podiamos seguir tres pases/ノー・ポディアモス・セギーウ・オレス・パセス(パスを3回繋ぐこともできなかった)」(コケ)状態だったのもムリはなかったかと。前半終了間際、右太もものケガでカルバハルが交代しても、マドリーはマルチDFのナチョが出て全然、問題ありませんでしたしね。唯一自慢の体力で上回れないため、個々の選手の質の差が浮き彫りになってしまったのは、かなり私もショックを受けたんですが…。 ▽これは一体、どこからくる空元気なんでしょうか。試合後は絶望して現れるかと思ったアトレティコ勢は、「El futbol es maravilloso porque suceden cosas inesperadas/エル・フトボル・エス・マラビジョーソ・ポルケ・スセデン・コーサス・インエスペラーダス(予期しないことが起きるから、サッカーは素晴らしい)。ウチは可能性の最後の一滴まで戦うだろう。Que como nos llamamos Atletico de Madrid, seguramente podamos ser capaces/ケ・コモ・ノス・ジャマス・アトレティコ・デ・マドリッド、セグラメンテ・ポダモス・セル・カパセス(我々はアトレティコ・デ・マドリーなのだから、絶対にそれができる)」というシメオネ監督を筆頭に、いえ、仏頂面でミックスゾーンを足早やに通り過ぎてしまったガビやゴディンの代わりに敗戦言い訳コメントの任を担わされた第3キャプテン、コケの言葉は多分に、上司の受け売りだった感もあったんですけどね。 ▽曰く、アトレティコにはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)もいないのに「これはサッカー、何なら(今季のCL16強対戦でバルサに4-0から逆転された)PSGに訊いてみればいい」に始まって、「con Cristiano en el Calderon ganamos con 4-0/コン・クリスチアーノ・エン・エル・カルデロン・ガナモス・コン・クアトロ・セロ(クリスチアーノがいてもウチはカルデロンで4-0で勝った)」というのは確かに、アンチェッティ監督時代の2015年2月にあったことではありますが、当時の私など、こんな試合は生きている間、もう2度とお目にかかれないだろうと思ったもの。サビッチも「Por que no podemos pensar en la remontada?/ポル・ケ・ノー・ポデモス・ペンサル・エン・ラ・レモンターダ(何でボクらが逆転できると考えてはいけない?)」と強気だったものの、いや、そういう奇跡を夢見るのはお隣さんの専売特許じゃなかった? ▽もちろんそれは実績の裏付けもあるからですが、今季だって、バルサとのコパ・デル・レイ準決勝、1-2の1stレグの負けすら、2ndレグ1-1の引き分けがせいぜいで、覆すことができなかったアトレティコの選手たちが何を根拠にそこまで虚勢を張れるのか。いえ、この日、惨敗で終わった後、それでもずっとスタンドで応援歌を歌い続けていた4000人のサポーターの姿などを見ると、サウルじゃありませんが、「Vosotros matariais por nosotros, nosotros moriremos por vosotros!/ボソトロス・マタリアイス・ポル・ノソトロス、ノソトロス・モリレモス・ポル・ボソトロス(君たちはボクらのために死ぬ程、尽くしてくれる。ボクらも君たちのため、死ぬ気でやるよ)」(https://twitter.com/saulniguez/status/859847943473565697)と、彼らが心を奮い立たせるのもわかりますけどね。 ▽正直、いくらロナウドなどに「Es una buena ventaja este resultado, pero no es definitivo/エス・ウナ・ブエナ・ベンタハ・エステ・レスルタードー、ペロ・ノー・エス・デフィニティボ(これはいいアドバンテージだけど、決定的ではない)」と言われても、水曜にもう1つのCL準決勝でユベントスのイグアインに2ゴールを決められ、0-2で負けたモナコより、木曜にヨーロッパリーグの準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに0-1で負けたセルタより、無茶苦茶ハードルが高いのは事実。唯一の慰めはその2チームと違って、彼らの2ndレグがホームのビセンテ・カルデロン開催で、これがヨーロッパの試合の最終戦になるため、ファンもあらん限りの力で応援してくれることですが、結局、プレーするのは選手たちですからねえ。 ▽金曜にはリーガのエイバル戦を控えて、前日記者会見に臨んだシメオネ監督も少しは頭が冷えたのか、「ウチはマドリーやバルサ、バイエルンといった世界一のチームではない。ここ6年で進歩してきたが、彼らのような怪物に近づくにはまだ時間が足りない。Pero para conseguirlo el unico camino es seguir trabajando de esta manera/ペロ・パラ・コンセギールル・エル・ウニコ・カミーノ・エス・セギール・トラバハンドー・デ・エスタ・マネラ(だが、それを達成するにはこのやり方で努力し続けるのがただ1つの道だ)」と足に地をつけた発言をしていましたが…やっぱりこの試合でもローテーションは望めないようですよ。 ▽ええ、ファンが来週水曜、最後のマドリーダービーでの奇跡に向けて、応援の予行演習をする土曜午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からの一戦ではサビッチこそ、累積警告で強制休養になりますが、ファンフラン、ベルサリコ、ヒメネスの誰もまだ戻ってこられず。今度は右SBがマジにトマスになるか、アトレティコBの選手という緊急事態にもなっていますからね。 ▽ただ金曜に3位争いのライバル、セビージャがソシエダと1-1で引き分け、前節に続いて勝ち点を落としてくれたため、ベルナベウでは1度もシュートができなかったグリースマンなど、前半は温存して様子を見てもいい気はしますが、中盤なんて、とても替えの効く状況ではなし。それどころか、エイバルも、アラベスがコパ決勝で負ければEL出場権が与えられる7位のソシエダまで、あと勝ち点8とギリギリで希望が残ってしまったため、乾貴士選手を筆頭に勝利を目指して乗り込んでくるというのは厄介なところかと。 ▽翻って同日午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、すでに降格の決まっているグラナダとのアウェイ戦に挑むマドリーからは、ロナウドが遠征に参加しない予定なんて聞くと、もう本当にどうしたらいいものやら。いえ、現在、消化試合が1つ少ないものの、バルサに首位に立たれている彼らにしても、先に相手のビジャレアル戦の結果はわかるものの、勝っておかないといけないのは同じなんですけどね。 ▽もう、マドリーはBチームが出てもモラタ、ハメス・ロドリゲス、アセンシオ、ルーカス・バスケス、イスコ、コバチッチらは信頼できることを証明していますし、いざとなれば17日(水)の開催が決まったセルタ戦でAチームを投入、マンチェスター・ユナイテッドとの激戦でボロボロになった相手を叩けばいいんですから、もう今は優秀な人材を持て余しているジダン監督を羨むばかり。そんなやるせなさに浸っている私ですが、せめてこの週末は気分を切り替えて、マドリッド勢の好結果を喜ぶことができるのいいんですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.06 08:45 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】CLダービーは胃が痛い…

▽「何か意地が悪いわよね」そんな風に私がイラッとしていたのは月曜。お昼のスポーツニュースでCL準決勝1stレグの話をしているのを聞いた時のことでした。いえ、確かに私もアトレティコはてっきりマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でいつも通りのセッションだろうと思っていたため、オフィシャルサイトで試合前日にはサンティアゴ・ベルナベウでシメオネ監督が記者会見、続いて練習もするとあったのには驚いたんですけどね。どうして、したり顔したアナウンサーに「2年前の準々決勝の時は相手のスタジアムで練習をせず、監督もビセンテ・カルデロンで会見して勝ち抜けられなかったから、今回は変えたんだろう」なんて言われないといけない? ▽うーん、実際、シメオネ監督にはアウェイで負けると、次は同じホテルを使わないといった、ちょっとマニアックな面あるんですけどね。どんなに猛練習したって、選手たちの限りある才能が格段にアップすることはない上、ここ3年間、お隣さんに負けた決勝2回を含むCLでの対戦は内容では拮抗。人生でもサッカーでも最も大切なツキが大事なところで欠けていただけという見方もできるとなれば、幸運を呼び込む方法はわからなくても、監督も会見で「Entendíamos que era lo que mejor nos venía para este partido/エンテンディアオス・ケ・エラ・ロ・ケ・メホール・ノル・ベニア・パラ・エステ・パルティードー(この試合にはこれが一番いいと思った)」と言っていたように、何かをしてみないではいられないのが人間というものでしょう。 ▽まあ、その辺の話はまた後ですることにして、とりあえず先週末の両チームのリーガ戦がどうだったか、お伝えしておくと…。先にスタートしたのはレアル・マドリーで、もちろん相手のレベルや今季残り試合に対するモチベーションの違いもありますけどね。ミッドウィークにデポルティボに圧勝したBチームに代わり、その日、先発したAチームの方が迫力に欠けたという感はあったかも。いえ、試合開始直後、サンティ・ミナの2つのシュートはまずGKケイロル・ナバスに、次はゴールポストに当たり、2月のメスタジャ(バレンシアのホーム)での対戦のように、早々とリードを奪われずに済んだのは、その時の主役、ザザが出場停止でいなかったおかげもあったんでしょうけどね。すでに残留を達成し、消化試合体制に入っているバレンシアから、先制点を挙げたのは26分のこと。ええ、カルバハルのクロスが見事にはまり、クリスチアーノ・ロナウドがヘッドを決めて、ようやくスタンドのファンを安心させてくれます。 ▽追加点のないまま入った後半も55分にはパレホがモドリッチをエリア内で倒したとして、マドリーはPKをゲット。キッカーはもちろんロナウドですし、その辺はPKを入れるより外す方が得意な、どこぞのチームとは違って、信頼できたはずだったんですが…この日は相手が悪すぎました。うーん、バレンシアのGKジエゴ・アウベスが名高いパラペナルティ(PK止め屋)であることはマドリーの選手たちもわかっていたため、同じブラジル人であるマルセロを筆頭にナチョ、モドリッチらがロナウドに話しかけさせまいと懸命に努力したんですけどね。この日もあっさりアウベスに弾かれてしまい、これでロナウドは彼に対してPK4本中3本を失敗って、超相性が悪くない? ▽実際、アウベスはリーガで52本蹴られうち25本を阻止という、脅威のGKなんですが、それでも当人には悩みもあるようで、「Ahora la gente espera que pare todos los penarutis/アオラ・ラ・ヘンテ・エスペラ・ケ・パレ・トードス・ロス・ペナルティス(今では皆、ボクが全てのPKを止めるように期待している)」のだとか。まあ、世の中、そんなものですが、せっかくのチャンスでリードを増やせなかったマドリーは終盤、予期せぬしっぺ返しを喰らうことに。それはマドリー育ちのパレホの古巣恩返し弾で81分、直接FKを決められて、同点にされているんですから、さあ大変! ▽え、それまではまったく試合が盛り上がっていなかったんだから、逆境の到来は願ったり叶ったりだったんじゃないかって?そうですね、後でマルセロも「El Bernabéu cuando el Valencia nos ha empatado nos ha llevado a conseguir el segundo gol/エル・ベルナベウ・クアンドー・エル・バレンシア・ノス・ア・エンパタードー・ノス・ア・ジェバードー・ア・コンセギール・エル・セグンド・ゴル(バレンシアが同点に追いついてから、ベルナベウがボクらを2点目のゴールに導いてくれた)」と言っていましたが、確かに季節外れの氷雨にうんざりしていたスタンドも、それまでとは打って変わって熱狂的に応援を開始。丁度、アセンシオやモラタといったチームBの選手たちが投入されていたおかげもあって、マドリーは伝統芸の1つ、epica(エピカ/英雄譚)モードに切り替わります。 ▽そしてお約束の決勝ゴールが生まれたのは85分、スローインからモラタがエリア内右奥に持ち込むと、そこから出したパスをマルセロが受け、彼のシュートが敵DF陣の間を通ってネットに収まったから、どんななに場内も沸いたことか。結局、この1点がモノを言って、マドリーは2-1で勝利。またしても土壇場で状況を引っくり返した訳ですが、何せこれでもう、今季は80分以降のゴールで勝ち点17も手に入れていますからね。ジダン監督も「No puedo explicar lo de los goles al final, sólo sé que es excitante/ノー・プエド・エクスプリカル・ロ・デ・ロス・ゴレス・アル・フィナル、ソロセ・ケ・エス・エクシタンテ(終盤に得点する理由は説明できないが、エキサイトするってことだけはわかる)」と苦笑するしかなかったのも当然だったかと。 ▽ただ、それもあまり調子の乗りすぎると、先日のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)では勢い余って、せっかく追いついたのにカウンターを喰らい、それこそマルセロがセルジ・ロベルトの独走を止められなかったため、結局勝ち点1も残らず。おかげで残り試合数は1つ多いながら、同じ勝ち点でライバルに並ばれ、直接対決の結果で首位を奪われてしまったなんて例もありますからね。できれば、もっと早いうちに追加点を奪って、勝負を決めておくに越したことはないかと。 ▽そして試合後はしばらく、ミックスゾーンにいた私だったんですが、次の時間帯ではアトレティコのラス・パルマス戦がキックオフ。もうスタンドにいる間に、ほぼ間違いなく火曜のサンティアゴ・ベルナベウのピッチでもお目にかかるであろうスタメンも確認していたため、ドキドキしながら、ラジオにかじりついていたところ、案ずるより産むがやすしとはまさにこのこと。だって、前節のビジャレアル戦ではとにかく何をしてもゴールが入らない、決定力に非常に不自由しているチーム感ありありだった彼らだというのに、開始2分も経たないうちにオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のアトレティコ番実況から、「Gooool!!!Gol del Atletico!/ゴル・デル・アトレティコ(アトレティコのゴール)」の絶叫が届いたんですよ! ▽これは足の付け根のケガから復帰以来、初めて先発したガメイロがようやく本領発揮。「アトレティコでプレーするには走らないといけない」と本人も言っていた通り、サウールが左から出したラストパスにゴール前へ突っ込んで決めたんですが、おかげで55日間に渡る自身のゴール日照りも解消できることに。ラス・パルマスの選手も「El Atlético salió mucho más enchufado que nosotros/エル・アトレティコ・サリオ・ムーチョ・マス・エンチュファードー・ケ・ノソトロス(アトレティコはウチよりずっと試合に没頭してピッチに出た)」(ビガス)と言っていましたが、4月下旬から再び、冬に戻ってしまったマドリッドと違って、グラン・カナリア島(大西洋にあるリゾート地)は日光がさんさんと降り注ぐ、ポカポカ陽気だったのも選手たちに影響したのでしょうか。 ▽その後も彼らの攻勢は止まらず、16分にはCKから、「Me ha sorprendido la pasividad de Las Palmas/メ・ア・ソルプレンディードー・ラ・パシビダッド・デ・ラス・パルマス(ラス・パルマスが受け身だったのには驚かされた)」というサウールがヘッドで2点目を追加。更に18分にも今度はガイタンのスルーパスからガメイロが再び決めて、私がスタジアムを出る前に勝負がついてしまうなんてこと、あっていい? いえ、ちょうどその時、インタビューに答えていたモドリッチなどは「4-0で勝つのも最後の瞬間にゴールを入れて勝つのも自分にとってはほとんど同じ。Lo importante es ganar y seguir adelante/ロ・インポルタンテ・エス・ガナール・イ・セギール・アデランテ(大事なのは勝って先に進むこと)」と言っていましたけどね。 ▽アトレティコのDNAには奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質は組み込まれていませんし、第一、次の試合がCL準決勝1stレグであることを考えたら、Aチーム、Bチームを持たない彼らが早めに試合にカタをつけておいて、悪いことなんか何にもありませんって。おかげで前半終了近くにはグリーズマンがカウンターからフリーで敵ゴールに向かう途中、敵選手が倒れているのに気づき、ボールを外に蹴り出してゲームを止めるといった、紳士的なプレーをする余裕もあったようですが、丁度、後半に殊勲のガメイロがフェルナンド・トーレスと交代する頃に近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に着いた私だけに、すでに0-3で勝っているアトレティコが何かしてくれるという期待はほとんど抱いておらず。 ▽でも、それは単なる早とちりで、この日は交代出場組もハッスル。54分にボアテングが2枚目のイエローカードをもらって退場になったおかげでもあるんですが、74分にはコレアとの息の合った連携でトーマスが4点目を挙げたかと思えば、90分にはフィリペ・ルイスのラストパスが敵DFの鼻先をかすめ、トーレスまでが76日ぶりのゴールを決めてくれるとは、どんなに心強く感じられたことか!結局、0-5の大勝となったんですが、だったら前節0-1で負けたビジャレアル戦に2ゴールぐらい回しておけば良かったのにと思ったのは私だけではなかった? ▽いえ、シメオネ監督は「cuatro días después de esa derrota, hoy resolvieron el partido en dieciocho minutos/クアトロ・ディアス・デスプエス・デ・エサ・デロータ、オイ・レソルビエロン・エル・パルティードー・エン・ディシオチョ・ミヌートス(あの敗戦から4日後の今日、選手たちは18分で試合を決めた)」と大満足だったようですけどね。何せ、これと同じ結果が火曜にも出せれば、どんなにライバルの売りが根性のレモンターダだろうと、今季はバルサがCL16強対戦でPSGに4-0の敗戦から逆転した前例があろうと、来週水曜の2ndレグに比較的、安心して臨めるかと。 ▽ただ、そこは全てがメデタシメデタシで終わらないのがアトレティコで、実はボアテングの退場の原因となったプレーの時、ファールを受けたヒメネスが左太ももの筋肉を痛め、その場で交代となっていたんですよ。もうその時は3点差がついていましたし、ラス・パルマスも反撃してこなかったため、シメオネ監督も大丈夫と踏んだんでしょうね。フアンフラン、ベルサリコの負傷で臨時に右SBを務めて3試合目、ようやく板についてきたヒメネスの代わりにMFのトーマスが入ったんですが、何せマドリー戦ではマルセロとマッチアップしないといけないポジションですからね。 ▽一応、リーガ次節は累積警告で出場停止となるCBのサビッチがモンテネグロ代表で経験があるようだとはいえ、これで全DFがスタメンで出払うというのはかなり不安かと。月曜にはシメオネ監督も誰に右SBを任せるか、決断できていたようですが、「el que juegue de lateral o carrilero nunca lo ha hecho /エル・ケ・フエゲ・デ・ラテラル・オ・カリレーロ・ヌンカ・ロ・ア・エッチョー(普通のSBか攻撃参加をするSBは1度もやったことのない選手)」と言っていたのは、もしや意外な人選への布石かもしれない? ▽その会見後のベルナベウでの練習では、開始前にコケなどを始め、数人の選手たちがベンチでやたらくつろいでいたのはともかく、肩を痛めていたカラスコが回復していたのを目撃できたのが収穫でしたが、丁度、ニヤミスで前日合宿のため、スタジアムに到着したマドリーの選手たちはベイル、ペペ、コエントラン以外、全員プレーできる状態と言いますからね。スタメンは基本、チームAで、ベイルの代理はバレンシア戦でプレーしなかったイスコになる線が強いようですが、どちらにしろ、誰が出てきても強い相手なのは間違いないんですから、当日、スタンドに駆けつける4000人のアトレティコファンも相当の覚悟を持って応援してあげないと。 ▽そんなCL準決勝ダービー1stレグは火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。キャプテンのガビも「Con el corazón no se ganan las copas, hay que hacer un partido casi perfecto/コン・エル・コラソン・ノー・セ・ガナン・ラス・コパス、アイ・ケ・アセール・ウン・パルティードー・カシー・ペルフェクトー(ハートだけではトロフィーは獲得できない。ほぼ完璧な試合をする必要がある)」と言っていたように、ミスも失点も最小限、できればアウェイゴールを奪えるような展開になってくれるといいのですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.02 13:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】人材の余っているチームは羨ましい…

▽「その気持ち、わかるわぁ」そんな風に私が頷いていたのは金曜。サンティアゴ・ベルナベウでのレアル・マドリー戦を控えたバレンシアのボロ監督が、このミッドウィークのリーガの試合でデポルティボを圧倒したことにより、ますます世間で論争が過熱。いわゆるマドリーA、マドリーBのどちらと対戦したいと訊かれた際、「Prefiero el Real Madrid C, el filial/プレフィエロ・エル・レアル・マドリッヂ・セー、エル・フィリアル(レアル・マドリーC、ユースチームがいいね)」と答えているのを聞いた時のことでした。いやあ、本当にRMカスティージャ(2部B)が出てきて、万が一、うっかり負けてしまったりしたら、お助け臨時監督として出動ではなく、正式な指揮官となったボロ監督の功績にケチがつきかねないなんて、私が余計な心配をしても仕方ないんですけどね。 ▽ちなみにマドリーAというのはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)以下、先日のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)で先発した面々で、CL準々決勝のバイエルン戦など、手ごわい相手に挑む時のベストメンバー。ただ、ジダン監督も極端で、この水曜はベイルがふくらはぎのケゲで結局、全治1カ月となってしまったり、セルヒオ・ラモスが出場停止処分だったりという不可抗力はあるものの、クロース、モドリッチ、カセミロ、カルバハル、ケイロル・ナバスもスタメンに入れず。コエントランが万年体調不良のため、代わりがいない左SBはマルセロ、CB4人のうち2人が使えないせいで連続出場となったナチョ以外、メンツが9人も変わっていたため、マドリーBと呼ばれることになったんですが、それでも全然、強いって、まったくもって贅沢な選手層をしているじゃないですか。 ▽うーん、せっかく敵がローテーションしてくれながら、まったく歯が立たなかったデポルティボのペペ・メル監督など、「El Madrid B me gusta mucho mas que el Madrid A/エル・マドリッド・ベー・メ・グスタ・ムーチョ・マス・ケ・エル・マドリッド・アー(私はマドリーBの方がマドリーAよりずっと好きだ)」と言うしかなかったでしょうけどね。来週火曜、お隣さんとのCL準決勝1stレグに出てくるのは休養十分なAチームの方であるのは火を見るよりも明らか。逆にアトレティコにはAチームしかないものの、最近はケガ人のせいもあって、スタメンがAマイナス、ダブルマイナスといった状態な上、出づっぱりな選手たちには疲労が見え隠れしていますからね。そう思うと、やっぱりまだ6月3日の決勝に向けて、カーディフ旅行の手配をするには気が早すぎるという結論になるんですが…。 ▽え、その理由には今季最後のミッドウィーク開催リーガがあった今週、自分が久々に重苦しい気分でビセンテ・カルデロンから帰ることになったからっていうのもあるんだろうって? その通りで、ここ数年、ビジャレアルには相性が良くなく、ほとんど勝ててないというのは知っていたものの、最近はツキもあるから何とかなるだろうと過信していた私も悪いんですけどね。平日にも関わらず、スタジアムを満員にしたファンたちも一生懸命応援してくれたんですが、その日の彼らはまったくゴールに縁がなし。前半はサウールのヘッドもグリーズマンとガイタンのダブルチャンスもGKアンドレス・フェルナンデスに弾かれ、後半序盤もガイタンとの一対一をparadonn(パラドン/スーパーセーブ)されてしまっては、シメオネ監督だって、せっかく一息つかせてあげようとしていたカラスコを投入せざるを得ませんって。 ▽ただ、そのカラスコは15分程でルカビナとの接触プレーで肩を痛めてしまい、フェルナンド・トーレスと交代。結果的に誰の休養にもならず、ケガ人をムダに増やしただけに終わったんですが、それでもせめてスコアレスドローで勝ち点1でも稼いでくれていれば、ちょっとは救われたんですよ。ところがこの日は最近にしては珍しい大ポカが81分に発生。何とフィリペ・ルイスが自陣でボールを失い、エリア内に突入したバカンブの出したパスにソリアーノがゴール前で合わせ、GKオブラクが破られてしまったから、さあ大変! ▽その後も懸命に点を取りに行ったアトレティコでしたが、「Hoy la pelota no quiso entrar/オイ・ラ・ペロータ・ノー・キソ・エントラール(今日はボールがゴールに入りたがらなかった)」(シメオネ監督)という巡り合わせだったんですかね。最後の最後、アディショナルタイムにガビが敵エリア内に放り込もうとした遠くからのFKが地上に落ちる前に終了の笛が無情にも響き、それこそ「いつも自分たちがしていることをやられた」(ガビ)彼らは、2月末のバルサ戦以来となる、公式戦12試合ぶりの負けを喫してしまうことに(最終結果0-1)。 ▽試合後、コケなどは「Seguimos terceros haga lo que haga el Sevilla/セギモス・テルセーロス・アガ・ロ・ケ・アガ・エル・セビージャ(セビージャが何をしてもウチが3位なのは変わらない)」と強がっていましたけどね。大抵、悪いことは続くもので、木曜に試合をした相手は目下のところ、来週のヨーロッパリーグ準決勝マンチェスター・ユナイテッド戦1stレグしか見えていないセルタに2-1で勝利。またしても勝ち点で並ばれてしまったため、マドリーとのCL決戦を控えた土曜のラル・パルマス戦に、より一層のプレッシャーが懸かってしまったのは否めないかと。うーん、ゴディンが累積警告で出場停止になるのはある意味、いいお休みの機会なのかもしれませんけどね。 ▽カラスコは全治2週間、ファンフラン、ベルサリコの両右SBもまだ回復していませんし、何よりこの状態だと、唯一の命綱であるグリーズマンがとても休めそうにないのは不安。それ以外のFWはトーレスなど、木曜に自身のプレミアリーグ体験から、サッカーを通じて英会話を学ぶ本を出版。そのお披露目イベントでも「Estan las ganas de que esta vez si podemos dar a la gente algo que perseguimos desde hace 100 anos/エスタン・ラス・ガナス・デ・ケ・エスタ・ベス・シー・ポデモス・ダール・ア・ラ・ヘンテ・アルゴ・ケ・ペルセギエンドー・デスデ・アセ・シン・アーニョス(今回こそ、ファンが100年前から追っている夢を現実にしてあげたいという意欲がボクらにはある)」と、CL初優勝に向けて嬉しいコメントはしてくれるんですけどね。 ▽問題はその彼もガメイロもコレアも随分、ゴールから遠ざかっていることで、皆、もう少し、マハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションでシュート練習に力を入れてくれるといいのですが、こればっかりはねえ。そうそう、ビジャレアル戦の終了直後に第4審判の肩に手をかけ、「que hijo de puta sos; que hijo de puta!/ケ・イホ・デ・プータ・ソス、ケ・イホ・デ・プータ(お前ら、何て最低な奴らだ)」と悪口を言い、ベンチ入り禁止処分が懸念されていたシメオネ監督は、競技委員会が2試合の処分を科した数時間後に上訴委員会がそれを取り消してくれたため、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのラス・パルマス戦に影響はないことに。 ▽うーん、彼には2014年のスペイン・スーパーカップで退場させられた後、ベンチ裏のスタンドから堂々、指揮を執っていたせいもあって、8試合もの処分を受けた黒歴史もありますからね。もうリーガも今季はあと4節、ビセンテ・カルデロンでのお別れ試合をパルコ(貴賓席)で見ることになるのも外聞が悪いですし、そろそろ新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノでのデビュー戦のことも考えて、金曜に47歳になったシメオネ監督には自重してくれるよう、強くお願いしますよ。 ▽そして翌水曜は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でマドリーの試合を見た私でしたが、序盤はオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継も大忙し。まずは開始52秒で、イスコからラストパスをもらったモラタが日頃、あまり出番がない鬱憤を晴らすかのように速攻ゴールを決めたのにも驚かされたんですけどね。この節は平日だったせいで、夜に3カードやるため、このデポルティボ戦の前半はマドリッドの新弟分、レガネスがラス・パルマスをブタルケに迎えた試合の後半と丸かぶり。普段の彼らなら、そんなにレポーターが報告することもないんですが、54分のルチアーノの先制点を皮切りにゲレーロが続き、最後はPKでルチアーノが自身2点目と、たったの6分間で3点を挙げてしまったから、ビックリさせられたの何のって! ▽いえ、3連戦の真ん中ということで、相手のラス・パルマスもBチームを出していたんですけどね。そこへすでに残留達成しての気の緩み加わったのが、直近7試合に勝てておらず、だからと言って、降格圏の3チームも勝たないので大丈夫そうではあったものの、このままだと勝ち点27で残留という超恥ずかしい記録を作ってしまいかねなかったレガネスに幸いしたよう。そのまま3-0で快勝したため、同日、バルサに7-1と大敗していた最下位オサスナの降格が数字的に決まることにもなりましたっけ。 ▽それと同時進行して、マドリーも14分にはハメス・ロドリゲスが2点目を追加。34分にはアンドネに1点を返されたものの、44分にはイスコが特異な粘り強さを発揮してボールをキープした末、最後はルーカス・バスケスが決め、前半だけで1-4という余裕のスコアに。後半も再びハメス、イスコ、途中出場のカセミロとgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は続き、デポルティボはホセルが意地のヘッドで1点を入れたものの、最後は2-6の大勝で決着です。ええ、おかげでこちらも再び、首位バルサと同じ勝ち点に戻ることができました。 ▽え、試合後はイスコなど、「Es la grandeza de un club como el Madrid, tenemos 23 titulares en el equipo/エン・ラ・グランデサデ・ウン・クルブ・コモ・エル・マドリッド、テネモス・ベインティトレス・ティトゥラレス・エン・エル・エキポ(マドリーみたいなクラブの偉大さは、チームに23人のレギュラーがいるっていうこと)」と胸を張っていたけど、この土曜のバレンシア戦ではA、B、どちらのバージョンでプレーするのかって?いやあ、そこはジダン監督も頭の絞りどころで何せ、CL準決勝が中2日で来るため、30歳越えしているロナウドやモドリッチらは温存してもいいかと思うんですが、2試合連続で出ないと当人が気を悪くするかもしれませんしね。 ▽Aチームでいくにしてもベイルがいない分、イスコ、アセンシオ、ハメスの誰か1人は入れなければならないでしょうし、そうすると連続先発したその誰かはアトレティコとの1stレグでベンチかスタンド観戦になるのは確実。選手的にはそれもイヤかもしれませんが、幸いチーム内は「No hay equipo A o B, todos somos importantes y es gracias al mister/ノー・アイ・エキポ・アー・オ・ベー、トードス・ソモス・インポルタンテス・イ・エス・グラシアス・アル・ミステル(ウチにAチーム、Bチームはないよ。全員が重要なんだ。監督のおかげでね)」(ナチョ)と波風は立っていないよう。まあ、相手のバレンシアももう今季の目標はクリアしていますし、ザザとカンセロが出場停止でいませんからね。 ▽それだけに土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのこの一戦は比較的、穏やかに見られるかと思いますが、その日最後の試合はエスパニョールとバルサのカタルーニャダービー。少しは取りこぼしも期待できますし、まずは勝っておくのが無難でしょう。一方、レガネスは日曜にアウェイで乾貴士選手のいるエイバルと対戦ですが、金曜には18位のスポルティングがビジャレアルに敗戦。更にキックオフ前にグラナダがレアル・ソシエダに負けて降格2チーム目が決まるということもあるかもしれませんが、ここは心を惑わされず、1部に残るチームとしてふさわしい勝ち点の獲得に尽力してもらいたいところかと。うーん、アトレティコの3位争いのライバル、セビージャは月曜試合でマラガ戦なんですけどね。その頃にはきっと誰もリーガのことなんか、考えていませんよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.29 17:28 Sat
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