コラム

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【原ゆみこのマドリッド】今の強さを信じていいの?

▽「最後はこの2人になったんだ」そんな風に私が頷いていたのは月曜の夕方、大連一方にカラスコとガイタンの移籍が正式に決まったという報をスポーツ紙のネット版で見つけた時のことでした。いやあ、前者については先週木曜のヨーロッパリーグ32強対決コペンハーゲン戦2ndレグ前から話が始まり、先発予定だった当人もベンチ入りもせず。代わって1月の市場で移籍が叶わなかったガイタンが途中出場したため、残留するんだと思っていたんですけどね。時期を同じくして、シメオネ監督の発言から、今期末で契約が終わるフェルナンド・トーレスの来季残留に疑問が持ち上がったため、こちらがカラスコと中国スーパーリーグにご一緒するんじゃないかと言われていたんですが、結局は落ち着くところに落ち着いたということ? ▽いえ、当日の午前中にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場を訪ね、チームメートに別れを告げたというカラスコとガイタンが抜けると、先月にはアウグストも北京人和に行っているため、アトレティコは残りのリーガとELをフィールドプレーヤー、たったの17人で戦わないといけないというのはちょっと、心配なんですけどね。シメオネ監督としては、専門のサイドアタッカーはビトロだけで十分。FWのコレアやグリーズマンも融通が利きますし、あとはコケ、サウール、トマスらの一応、本職はボランチながら、左右でもプレーできるカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)を使い回していけばいいというスタンスなんでしょうけど、やっぱり怖いのはケガや出場停止といったハプニングが重なった折かと。 ▽まあ、それも今は問題になっていないため、思い悩んでも仕方ないんですが、とりあえず、マドリッド勢が先週末のリーガでどうだったか、順番にお伝えしていくことにすると。まずは土曜、午後4時15分からのレアル・マドリーvsアラベス戦のため、サンティアゴ・ベルナベウに向かった私でしたが、用心してツバ付きUVカット帽を持って行って大正解。まただんだん、日が伸びてきたため、この時間の正面スタンドは西日が直撃、5時半頃まで眩しくてピッチがよく見えないのはともかく、冬でもスペインならではの強い紫外線をずっと顔に浴びていたら、いくらベースに日焼け止めを塗るのが1年中デフォとはいえ、日本人女子にはたまったもんじゃありませんって。 ▽そんなことはともかく、久々にBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)が揃い踏み先発したその試合は前半15分頃までアクシデント続き。ええ、ふっと気づくとアラベスの選手が10人しかおらず、ペドラサがライン外で手首の治療中だったり、エルナン・ペレスがテオにぶつかられ、担架退場寸前になったり、マドリー側でもカルバハルやGKケイロル・ナバスが接触プレーで倒れていたりと、先行きが思いやられたんですが…ハーフタイムに入る直前、ようやく最初のゴールが生まれることに。17分にはエリア内からのシュートを撃つ際、足が滑って失敗、早速スタンドのpito(ピト/ブーイング)を浴びていたベンゼマがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で繋いだボールをロナウドが体を回しながら決めて、今年に入っての好調が持続しているところを証明してくれたから、頼もしいじゃないですか。 ▽これで1-0とリードして後半を迎えたマドリーは再開直後、またしてもベンゼマのスルーパスからこの日は左サイドに入ったベイルが得点。更に16分にはロナウドが自身2点目を決めて、後でアラベスのアベラルド監督も「Hemos pillado al Madrid en su mejor momento/エモス・ピジャードー・アル・マドリッド・エン・ス・メホール・モメントー(マドリー最良の時期に当たってしまった)。ウチもベティスやレガネスにいい勝ち方をしていたんだが」と嘆いていたように、ほとんど勝負はついたんですが、何より意表を突いたのは残り2分、ベイルがラグアルディアにエリア内で倒されたゲットしたPKをロナウドが躊躇せず、ベンゼマに託したこと。 ▽うーん、これについてはジダン監督など、「Cristiano ha tenido un detalle precioso con Benzema/クリスティアーノ・ア・テニードー・ウン・デタジェ・プレシオーソ・コン・ベンゼマ(ロナウドはベンゼマにいいプレゼントをした)。それがチームのムードの良さを示している」と言っていましたけどね。アラベスがまだ戦闘意欲を失っていなかった前半、ペドラサやアレクシスのシュートを弾き、後半のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)に繋げたGKケイロル・ナバスも「ボクらは驚らかなかったよ。クリスがどんな類いの人か知っているからね」と話していたものの、何せ、数年前には同僚のシャビ・アロンソやセルヒオ・ラモスから頼み込まれ、渋々譲っている姿も目撃されたロナウドですからね。 ▽おまけにここで決めればハットトリック達成という場面でしたから、ここまでリーガで3得点と、天下のマドリーのCFとしてはあまりにゴール数が少ないため、批判の的になることが多いチームメートに華を持たせたのは当人の好感度アップに役立ったかも。その信頼に応え、ベンゼマがPKをしっかり決めてくれたため、最後は4-0という大勝で終わったマドリーでしたが、聞くとBBC3人が揃ってゴールを決めたのは2016年4月のヘタフェ戦以来のことだったとか。いえまあ、今のところ、リーガ首位との勝ち点差は14と大きいですし、この火曜午後8時(日本時間4時)からのエスパニョール戦、弟分をベルナベウに迎える土曜のヘタフェ戦にしてもこのところ、20ゴール挙げて5連勝と自慢の得点力が爆発している彼らですから、それ程、心配することはないと思うんですけどね。 ▽そろそろ気にしないといけないのは来週に迫った、3月6日のCL32強対決PSG戦2ndレグので、1stレグでは3-1勝利という余裕のスコアながら、何せ、今季はタイトルゲットの最後の希望となっている大会ですからね。先発はBBCでいくのか、アラベス戦でもいいプレーを披露したルーカス・バスケスや親知らずを抜いたばかりでお休みしたアセンシオを入れるのか、ジダン監督も大いに迷うところかと。その間、マルセロ、クロース、モドリッチのケガ治るのを待ちながら、今週のリーガ2試合では適度にローテーションして、選手たちの様子を見ていくはずですが、さて。一方のPSGは週末のオリンピック・マルセイユ戦でネイマールが足首をネンザしたとはいうものの、決して油断はできませんよね。 ▽そして続いてブタルケにラス・パルマスを迎えたレガネスはまだ、コパ・デル・レイ準決勝敗退から始まった不調から抜け出せないようで、得点のチャンスは何度か作ったものの、全てGKチチソラに阻まれてスコアレスドロー。いえ、まだ13位のままですし、この1ポイントで勝ち点30の節目に達したとあって、そこまで悲観したもんじゃないですけどね。ここ5試合白星のない彼らにとって気の毒なのは次節、水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)にはワンダ・メトロポリターノに兄貴分を訪ねないといけないことで、いや何というか、先週末のアトティコは妙に強かったんですよ。 ▽そう、翌日曜はまず、正午からビジャレアルvsヘタフェ戦がキックオフしたんですが、ネットで先発をチェックしたところ、ボルダラス監督もこの3試合あるミッドウィークリーガ開催週を乗り切るため、ローテーションしてみたんでしょうかね。ホルヘ・モリーナとアマトがベンチでレミと柴崎岳選手がスタメン入りしていたため、大急ぎで近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に駆けつける破目に。おかげで開始3分にウナルが決めたビジャレアルの先制点は見ることができなかったものの、35分にヘタフェに到来したチャンスには間に合いました。ええ、ジェネがハビ・フエゴにエリア内で倒され、PKが与えられたんですが、まさかアンヘルがGKアセンホに弾かれてしまうとは! ▽そのボールを柴崎選手が上げ、ジャウメ・コスタのクリアがハンドっぽかったのも見逃されたヘタフェは後半、頭からエースのホルヘ・モリーナを投入。その効果はすぐ現れて、3分にはそのモリーナがPKをゲットしたんですが、キッカーを務めたその当人もアセンホに弾かれてしまうって、もしやデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、クルトワ(チェルシー)に続いて、恐るべしは元アトレティコのGK?結局、そのまま1-0で負けてしまい、前節快勝したセルタ戦での勢いを持続できなかったヘタフェですが、大丈夫。今週は水曜午後7時30分(日本時間3時30分)から、セードルフ新監督になってから、まだ1勝もしていない18位のデポルティボをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えますからね。この日はハーフで交代となった柴崎選手も今度こそ、チームに貢献する働きを披露して、土曜のマドリー戦出場に繋げてくれるといいんですが。 ▽え、それでアトレティコが強いって一体、何が起きたのかって?いやあ、夜になって再び馴染みのバルに足を向けた私でしたが、キックオフから、セビージャにガンガン攻められているのを見て、最初はコパ準々決勝2ndレグのように開始28秒でゴールを入れられたらどうしようとビクビクするばかり。それでもこの日はピッチ入場時に真っ暗になり、照明塔が点滅する中、himno del centenario(イムノー・デル・センテナリオ/クラブ創設100周年の歌)がファンのアカペラで響き渡る独特なサンチェス・ピスファンの雰囲気に選手たちも免疫ができていたようで、モヤでなく、GKをオブラクが務めていたのも助けになったんでしょうかね。2分にはムリエルに至近距離から撃たれながら、しっかり弾いているって、やっぱり彼も近い将来、お隣さんかプレミアのビッグクラブに行ってしまうかも。 ▽そんなアトレティコが守勢一辺倒だった試合の流れが変わったのは17分、右SBのヘスス・ナバスがふくらはぎを痛めてラユンに代わったことで、ええ、1月半ばのコパ準々決勝1stレグから、モンテッラ監督はほとんどローテーションをしていませんからね。力尽きるメンバーが出てきても仕方ないんですが、27分頃から始まった一連の出来事には困惑するばかり。だってえ、ラユンの入った敵エリア左側でラングレとボールを争っていたジエゴ・コスタにイエローカードが出たため、TVはそのシーンをリプレー、ああコスタが顔に肘打ちを喰らった恥ずかしいteatro(テアトロ/芝居)をしてひっくり返ったのがバレたのかとわかった直後、その当人がゴールを入れて喜んでいるんですよ。アトレティコは何か、マジックの類いでも使ったのかと、キョトンとしてしまったのはきっと私だけではないはず。 ▽いえ、もちろんそんなことはなく、コスタがカードを受けた場所から、セビージャはFKでGKセルヒオ・リコに戻し、そこからエリア前にいたバネガにパスが出ただけなんですが、あらやだ。反省にも落ち込みにも無縁なのか、いきなりガッと詰めたコスタがボールを後ろから奪い、そのままエリア内に入ってシュート。見事に決まって先制って、ああ、だから、コパ2ndレグの時のようにこの人にはケガをしていてほしくないんですよ。これで気勢を上げたアトレティコは43分にもラングレがヘッドでクリアしたボールをグリーズマンが拾い、敵3人をすり抜けて右足を一閃。ゴール左上に決まった2点目を携えてロッカールームに戻ります。 ▽そして奇跡は後半も続いて何と、5分にはセルヒオ・リコがコスタを倒したとして、リーガ20チーム中、唯一彼らだけが今季ここまで24試合、1度ももらえなかったペナルティをゲット。マルカ(スポーツ紙)の取材によると、どうやら金曜日の練習では他の選手たちが引き揚げた後、コスタとグリーズマンが第1キッカーを賭けて第3GKヴェルネルとPK対決したそうで、後者が勝って、その座を手にした時にはまさか、こんなに早くチャンスが巡ってくるとは思いもしなかったでしょうけどね。備えあれば憂いなしとはまさにこのこと。グリーズマンがネットを揺らし、とうとう3点差になったとなれば、大抵1-0とかで勝っているアトレティコ。私が大船に乗った気になったのも当然だったんですが…。 ▽よっぽどコパ敗退が悔しかったんでしょうかね。止まらなかったんですよ、この日は。そう、後でシメオネ監督も「No es casualidad robar pelotas donde se robaron/ノー・エス・カスアリダッド・ロバール・ペロータス・ドンデ・セ・ロバロン(あの場所でボールを奪ったのは偶然じゃない)。相手がミスするようにプレスをかけてないと」と言っていた通り、攻撃体勢を解かなかったアトレティコは20分にもグリーズマンがメルカードのバックパスをカット。リコの前でコケに踵で送り、最近不調で叩かれ気味だったチームメートに4点目のゴールを贈ったかと思えば、いえ、次の自身のシュートはゴールポストに嫌われてしまったんですけどね。38分にはエリア内左奥からサウールの折り返しを受け、とうとうアトレティコで2度目のハットトリックを達成しているんですから、もうビックリ。 ▽何せ相手は先日、CL32強対決1stレグでマンチェスター・ユナイテッドとも互角に戦ったセビージャですからね。さすがにその後、気が緩んでサラビアとノリートに2点を返されたのも2-5のスコアでは苦笑いで済む話ですが、3期連続のサモラ(リーガで失点が一番少ないGKに与えられる賞)を狙っているオブラクはイヤだったかも。ただ、ここまで頑張っても前日、バルサもジローナに6-1と大勝していたため、首位との2位アトレティコの勝ち点差7は縮まらず。確かに「Es dificil que el Barca pierda 3 o 4 partidos/エス・デフィシウ・ケ・エル・バルサ・ピエルダ・トレス・オ・クアトロ・パルティードス(バルサが3、4試合負けるのは難しい)」とコスタも言っていたんですが、いやいや。もしももしも、次のラス・パルマス戦に相手が負けて、アトレティコがレガネス戦に勝てば、日曜のカンプ・ノウでの勝ち点差は4。そこで打ち負かすことができれば、たったの1差ですから、あとはお隣さんに5月のクラシコ(伝統の一戦)で引き分けてもらえばいい? ▽まあそんなの所詮、調子のいい私の白日夢ですし、グリーズマンも「Sonamos con ganar todos los partidos y luego a ver que pasa/ソニャノス・コン・ガナール・トードス・ロス・パルティードス・イ・ルエゴ・ア・ベル・ケ・パサ(ボクらは残り試合全てに勝つことを夢見ていて、それからどうなるか見てみよう)」と言っていたぐらいですからね。正直、これまで2度しかバルサに勝ったことのないシメオネ監督が3勝目を挙げられるかも疑問ですが、相手にはジローナ戦でルイス・スアレスは失敗したものの、ジョルディ・アルバが故意に5枚目のイエローカードをもらい、次節で累積警告を済ませて直接対決に備えるなんて動きも。それだけ用心されているというのは、少しは自信を持っていいのかもしれませんが…いえ、 「el partido a partido/エル・パルティードー・ア・パルティードー(1試合1試合)」を忘れてはいけません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.27 12:50 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】わざわざ暴れに来ないでほしい…

▽「もう人事じゃないわね」そんな風に私がおののいていたのは金曜日、UEFAの抽選会でアトレティコがヨーロッパリーグ16強対決で顔を合わすのがロコモティブ・モスクワに決まった時のことでした。いやあ、前日の32強対決2ndレグではビジャレアルとレアル・ソシエダが敗退。無事に次のラウンドに進めたのはアトレィコとアスレティックだけと、一挙に参加チームが半分になってしまったスペイン勢でしたけどね。翌日のEL関連報道は勝敗より、ビルバオに襲来したスパルタク・モスクワの準軍事的組織とまで言われるウルトラ(過激なファン)800人とアスレティックのウルトラ、そして警官隊800人の衝突についてばかりだったから。 ▽実際、その日は試合の結果に関わらず、騒ぎが起こることを心配して、サン・マメス(アスレティックのホーム)側の小学校は休校。近隣のバル(スペインの喫茶店兼バー)も武器として利用されないよう、テラス席を撤去するなど、用心はしていたようですが、恐れていた通り、キックオフ前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)やビール瓶が飛び交い、三方入り乱れて殴るわ蹴るわの乱闘状態に。途中、機動隊員の1人が心臓発作で命を落としたこともあり、懸念はロシアで開催される6月のW杯にまで広がっていましたが、名前こそ違えど、3月6日にワンダ・メトロポリターノを訪れるのも危険なフーリガンがいるモスクワのチーム。こちらは立地的にスタジアム周辺300メートル程が更地と、住宅や商業地区とは隔たりがあるものの、フレンテ・アトレティコも好戦的ですからねえ。今はただ、一般のファンが騒ぎに巻き込まれないことを祈るしかないんですが、果たしてどうなるんでしょうか。 ▽まあ、その辺はまた試合が近づいたら話すことにして、今週のマドリッドでは月曜にヘタフェがセルタに3-0で快勝した試合に続き、水曜には昨年12月のクラブワールドカップで延期されていたレガネスとレアル・マドリーのミニダービーも開催。丁度、その日はCL16強対決1stレグ最後の2試合もあったため、時間をずらして午後6時45分からという、平日にしては早い始まりとなったんですが、1部2年目の弟分チームにとっては、兄貴分をブタルケに迎える試合は一大イベントですからね。正面ゲート前に止まったマドリーのチームバスとセルフィーを撮っているファンなども多く、当然ながらチケット完売でキックオフとなりましたっけ。 ▽ちなみに試合の方は、ジダン監督にお休みをもらったクリスチアーノ・ロナウドが自身のインスタグラムに彼女のジョルジーナさんとプライベートジェットでお出かけの写真(https://www.instagram.com/p/Bfa_LA0FgJS/?hl=ja&taken-by=cristiano)を投稿。加えてベイルはベンチスタート、クロース、モドリッチ、マルセロも負傷中とあって、メンバー的には1月のコパ・デル・レイ準々決勝のような感じだったマドリーに対し、レガネスが前半6分、CKからの混戦で最後は倒れこんだブスティンサが地上スレスレでヘッドを押し込んで先制しているから、ビックリしたの何のって。ええ、コパではサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転でマドリーから準決勝を奪い取った記憶もまだ新しいですからね。この先制点には寒風吹きすさぶ中、応援に駆けつけたファンも大いに期待を膨らませたんですが…。 ▽当時とはマドリーBチーム、とりわけルーカス・バスケスとアセンシオの調子が段違いなのが致命的だったんですよ。そう、早くも11分にはカセミロのパスをルーカス・バスケスが決めて同点に持ち込んだ彼らは、29分には役割を逆転してカセミロが勝ち越しゴール。ただこれには、後でガリターノ監督も「No ayuda tener tantos partidos y tan pocos entrenamientos/ノー・テネール・アジュダ・テネール・タントス・パルティードス・イ・タン・ポコス・エントレナミエントス(これ程試合が多くて、練習回数が少ないのは助けにならない)」と言っていたように元々、週1ペースを想定して組まれたチームが年明けからの負荷に耐えられず、息切れしてしまったせいもあるんですけどね。 ▽え、でも後半にはボービューが至近距離からのシュートをGKカシージャに弾かれてしまうなど、レガネスにも追いつくチャンスがあったんじゃないかって?まあ、そうだったんですが、当人も「ああいうのは運次第で、できるところに撃つだけだからね」と語っていたように、彼らには兄貴分のような決定力の高いFWがいないのが悲しいところ。この1年半、降格圏に落ちることなくやってこられたのはひたすら、「Hay que ser intensos, para defender major/アイ・ケ・セル・インエンソス、パラ・デフェンデール・メホール(より良く守るために激しくプレーしないといけない)」というガリターノ監督の信条を忠実に守ってきたおかげだったかと。 ▽それももちろん、体力あっての話ですから、終盤にはディエゴ・リコがコバチッチをエリア内で倒してPKを献上。その頃にはベイルもピッチに入っていたんですが、「Siempre que no esta Cris, si no es Gareth soy yo, nos alternamos/シエンプレ・ケ・ノー・エスタ・クリス、シー・ノー・エス・ガレス・ソイ・ジョ、ノス・アルテルナモス(ロナウドがいなくてベイルじゃなかったら、ボクが担当。交代でやっている)」というセルヒオ・ラモスがキッカーに立ち、自身のマドリー公式戦550試合出場を祝うチーム3点目を決められてはもう、どうしようもありませんって(最終結果1-3)。 ▽これで3試合連続の逆転勝利とあって、ジダン監督も「序盤の失点が集中力の欠如からなのは明白だが、firmaria que el rival marque uno y nosotros cuatro o cinco/フィルマリア・ケ・エル・リバル・マルケ・ウノ・イ・ノソトロス・クアトロ・オ・シンンコ(敵が1点を取って、ウチが4、5点取るならいい)」と言っていたように、おかげでバレンシアを追い越し、マドリーは3位に上昇。ただ、どうにも後味良く終われなかった選手が約2人いて、いや、それは試合後ブタルケのロッカールームでラモスが撮った記念写真(https://twitter.com/SergioRamos/status/966411958584053760)に当人たちだけが写ってなかったせいではありませんよ。 ▽それは先日の大一番、CL16強対決PSG戦1stレグでも先発を外れ、早くもこの夏の放出まで噂され始めたベイルとラモスのPKが決まった後、ピッチに入ったもののプレー時間がたった26秒しかなかったセバージョス。いやあ、後者は前節のベティス戦で古巣のベニト・ビジャマリンを訪れた際にもファンから、「Comepipas/コメピパス(ひまわりの種を喰っている奴)」とか、「Chupabanquillo/チュパバンキージョ(ベンチ要員)」といった酷い野次を受けて心痛めていたこともあり、ジダン監督もこの試合ではとにかく、出してやらなければという思いが強すぎたんですかね。 ▽おかげで時計を見るのを忘れたようで、金曜の記者会見では「Me senti muy mal y lo siento mucho/メ・センティ・ムイ・マル・イ・ロ・シエントー・ムーチョ(とても悪かったと思う。本当にすまない)」と選手に謝罪していたんですが、肝心のベイルの方は「大事な選手、100%でいてもらいたいだけ」と相変わらず、曖昧の域を出ず。要は3月6日のPSG戦2ndレグ前にケガをしてほしくないということのようですが、今季は永遠のライバルのMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)時代が終わったのに続き、マドリーもBBC(同ベイル、ベンゼマ、ロナウド)時代が終焉を迎えつつあるんでしょうか。 ▽まあ、それはまだ先の話とはいえ、リーガに関しては今でも2位のお隣さんとは勝ち点差7、首位バルサとは14もありますからね。いくらラモスが「Vamos a seguir luchando y metiendo presion en la Liga/バモス・ア・セギール・ルチャンドー・イ・メティエンドー・プレシオン・エン・ラ・リーガ(ウチは戦い続けてリーガ優勝戦線にプレッシャーをかけていく)」と張り切ろうとあまり現実味はないですし、それは土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのアラベス戦でも同じ。 ▽むしろ今季、4人目の指揮官となったアベラルド監督が大当たりして、現在、降格圏から勝ち点10離れた堂々15位を張っている相手に冷や汗をかかされることにならないようにと思うんですが、向こうは最近好調なFWムニルが出場停止に。マドリーでは木曜に親知らずを抜いたアセンシオの出場が危ぶまれていますが、ここ6試合で10得点挙げているロナウドが戻ってくるのは頼りになりますね。 ▽一方、順位は13位と変わらないもの、これでリーガ3連敗となったレガネスは土曜に「Es una final para ellos y para nosotros/エス・ウナ・フィナル・パラ・ジョス・イ・パラ・ノソトロス(これは相手にとってもウチにとっても決勝のようなもの)」(ガリターノ監督)というラス・パルマス戦にブタルケで挑むんですが、向こうには先日、降格圏で苦しんでいるチームを残し、司令塔のジョナタン・ビエラが北京国安に移籍してしまうというショッキングな出来事も。でもねえ、実は2月28日まで開いている中国スーパーリーグの脅威はマドリッドのチームにも及んでいたんですよ。 ▽というのも木曜にはもう1つの弟分、ヘタフェのカラが河南建業に引き抜かれたというニュースが入ったからで、ボルダラス監督によると、「Si por mi hubiera sido no habria salido/シー・ポル・ミー・ウビエラ・シードー・ノー・アブリア・サリードー(自分の判断だったら、決して出しはしなかったろう)。急なことで本人とも話してなくて、メッセージをもらっただけ」という電撃移籍だったようなんですけどね。大体がして、補強もできないこの時期、今季ほとんどの試合で先発を務めていた選手を放出して、残り3カ月以上をCB3人で賄うなんて、とても正気の沙汰とは思えませんでしたが、ヘタフェは選手のお給料も控えめですからね。今季で契約が終わる当人、緊縮予算でやりくりしているクラブ、それぞれ事情があったんでしょうが、それがまさかアトレティコにまで飛び火するとは! ▽いやあ、カラスコの大連一方への移籍交渉が進んでいるのは同クラブを買収したワンダグループとの絡みもあるものの、シメオネ監督の元、なかなか実力を開花できない当人が中国で一稼ぎした後、第2のパウリーニョ(バルサ)を狙っているとも考えられますけどね。ついでに冬の市場で移籍先が決まらなかったガイタンもどうかとクラブが勧めたところ、向こうはフェルナンド・トーレスを狙っているって、ちょっとお。いくら水曜の記者会見でシメオネ監督が「グリーズマンの残留を実現するためと同じだけの努力をトーレスについてもするつもりか」と尋ねられ、「No」と答えたからって、あまりに話が飛躍しすぎじゃない? ▽うーん、翌日のELコペンハーゲン2ndレグの後、新規オープンしたワンダの映画館のようなプレスコンファレンスルームでは、「El y yo desde nuestro lugar queremos lo mejor para el club/エル・イ・ジョ・デスデ・ヌエストロ・ルガール・ケレモス・ロ・メホール・パラ・エル・クルブ(彼も私もそれぞれの立場から、クラブにとって一番良いことを望んでいる)」(シメオネ監督)というフォローは一応、あったんですけどね。大方のマスコミはたとえ、この6月で終わるトーレスの契約を延長しないことに監督が決めていたとしても今、そんな発言をするのは大きな間違いだったんじゃないかという意見なんですが、まあそれはともかく。前夜のレガネスでの失敗に懲り、再び厳寒冬装備で私も向かったその試合ではつつがなくトーレスが先発。 ▽何せこの対戦、1stレグでは1-4でアトレティコの圧勝。その割にはファンも結構、見に来てくれていたんですが、開始7分には、かつてセビージャで前人未踏のEL3連覇を達成したガメイロが威厳を見せて、エリア外からシュート。ここ3試合連続となるゴールを奪って呆気なく勝負がついてしまったため、後はラジオ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継も延々とトーレスやカラスコの話ばかりしているというオチだったんですけどね。スタンドからは「Ole, ole, ole, Cholo Simeone/オレ、チョロ・シメオネ」と「フェルナンド・トーレス、ロロロ」のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)が同じぐらいの頻度で聞こえていましたっけ。 ▽そのため、サポーターを分断する騒ぎになっていないことがわかり、私もホッとできたんですが、この日は1500人来ていたコペンハーゲンのファンも唯一、覚えてきたらしいスペイン語で「Puta Atletico!/プータ・アトレティコ」と試合中、繰り返すぐらいで、実に穏やかなもの。結局、チェルシー時代にはEL優勝経験もあるトーレスがゴールでアピールする機会もなく、1-0のまま試合は終わり、総合スコア5-1で勝ち抜けたアトレティコはELグループリーグでコペンハーゲンを抑え、首位突破。このラウンドではニースを破ったロコモティブと当たることになったんですが…言うまでもなく、心配は相手チームの実力ではなく、ロシア人ウルトラたちの振る舞いですよね。 ▽そして今週末のアトレティコは日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイでセビージャ戦なんですが、何せ向こうはこの水曜、マンチェスター・ユナイテッドとの激戦をスコアレスドローで乗り切ったばかりですからね。その前日はチェルシーがスタンフォード・ブリッジでバルサと1-1で分け、両CL戦で元アトレティコのGK、デ・ヘアとクルトワが活躍していたのはともかく、現職のオブラクも3回目のサモラ(リーガで失点が最も少ないGKに与えられる賞)に向かってなく驀進中。ELではジエゴ・コスタやグリーズマンを温存と、楽することができた彼らがコパ準々決勝の敵を討つのに願ってもないチャンスかと。 ▽ちなみに同じ日曜は正午(日本時間午後8時)からヘタフェもビジャレアル戦で、逆にこちらはオリンピック・リヨンに総合スコア1-4でEL敗退というショックを利用できそうですが、まあ勝負は時の運ですからね。前節セルタ戦でのホルヘ・モリーナ、アンヘルのFWコンビの活躍ぶりを見ると、柴崎岳選手の先発復帰があるかどうかも微妙ですが、今季の残り試合もだんだん少なくなってきましたし、途中出場でもいいので、何とかチームの勝利に貢献する働きを見せてもらいたいところです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.24 11:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】いい試合ができるようになってきた…

▽「せっかく盛り上げてくれているのに」そんな風に私が肩透かしを喰らったのは火曜日、クラブワールドカップで延期されていたリーガ16節のレガネス戦を翌日に控え、どうやら今回もクリスチアーノ・ロナウドはお休みとなりそうなことがわかった時のことでした。そう、日程の妙で今季、レアル・マドリーがこのマドリッドの弟分チームと試合をするのはコパ・デル・レイ準々決勝に続いて3回目。その際はジダン監督のローテーション政策により、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)がベンチ入りすらせず、ブタルケでの1stレグにはアセンシオのゴールで0-1と先勝したものの、サンティアゴ・ベルナベウで1-2と逆転突破され、赤っ恥をかくことに。 ▽その経験に懲りていないばかりか、いつも捻ったジョークで笑わせてくれるレガネスのオンライン対戦ポスター(https://twitter.com/CDLeganes?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.deportivoleganes.com%2F )では、折しもCL16強対決1stレグ最後の2試合と同じ日付となっていることと、マドリーが同2ndレグでPSGのホーム、Parc de Princes(パルク・デ・プランス、直訳すると王子たちの公園でスペイン語はParque de los Principes)を訪れることをかけて、「Jornada de Champions en el 'Butarque de los Príncipes’/ホルナーダ・デ・チャンピオンズ・エン・エル・’ブタルケ・デ・ロス・プリンシペス’(CLの節、王子たちのブタルケ)」と銘打ってくれたにも関わらず、ジダン監督は「llega un momento que es necesario de vez en cuando no jugar/ジェガ・ウン・モメントー・ケ・エス・ネセサリオ・デ・ベス・エン・クアドー・ノー・フガール(時々はプレーしないことが必要な時期が来ている)」とロナウドの出場に否定的だったから。 ▽昨季のリーガ戦でも地元のスタジアムで生ロナウドを見ることができなかったレガネスサポーターをガッカリさせてくれましたが、それもねえ。確かにマドリーはこの先、土曜にアラベス戦、来週火曜にはミッドウィーク開催リーガのエスパニョール戦、更に3月3日の土曜にはベルナベウでもう1つの弟分、ヘタフェにいる柴崎岳選手も楽しみにしているはずのミニダービーと試合が途切れず。切り札にはできるだけ、体力を温存させたいのはわかりますけどね。ただコパ準決勝でセビージャに敗退したショックから立ち直れず、2連敗中のレガネスとはいえ、この水曜午後6時45分(日本時間翌午前2時45分)からの一戦ではシオバス、ティト、ガブリエル・ピレス、オマール・ラモス、マウロ・ドス・サントスら、出場停止やケガでジローナに3-0と完敗とした金曜の前節に出られなかった選手たちが復帰。うっかりコパの時のようにBチームを当てると、痛い目に遭う可能性もなきにしろあらずなんですが、その辺はあまり考えないんでしょうか。 ▽まあ、それはともかく、レガネス以外のマドリッド勢の前節の様子もお伝えしておかないと。久々にまだお日様の出ている時間にワンダ・メトロポリターノに私が向かったのは日曜日。先週のアトレティコはコペンハーゲンで、アスレティックはモスクワで雪の降りしきる中、ヨーロッパリーグ32強対決1stレグを戦い、どちらもそれぞれ1-4、1-3で余裕のある先勝と、互角のコンディションだったんですが、その日の大きな違いはコペンハーゲン戦には筋肉痛で参加しなかったジエゴ・コスタが先発に戻った前者に比べ、後者はエースのアドゥリスとラウール・ガルシアを出場停止で欠いていたこと。そのせいか、風邪が治ったGKオブラクの手をほとんど煩わすこともなく、前半を今季のリーガ24試合中13回目の0-0で終えたアトレティコでしたが、コスタがエリア内でムニョスに倒され、明らかにペナルティのように見えながら、PKをもらえないところも今季恒例と言ってよかったかと。 ▽だってえ、もう2月にもなるというのに彼らには1本もPKがないんですよ。シメオネ監督など、もう「このテーマはあまり触れない方がいい。審判も記事を読んで考えるから、cuanto mas hablemos, menos penaltis nos van a dar/クアントー・マス・アブレモス・メノス・ペナルティス・ノス・バン・ア・ダール(話せば話す程、ウチにPKをくれないだろう)」と半ば、諦め気味でしたけどね。このままではいざその時が来ても一体、誰がキッカーだったのか、選手たちも忘れてしまわない? ▽でも大丈夫、相手の攻撃力は恐れるに足らずと気づいたか、後半の彼らは一歩、前に出ることに。いえ、リュカがゴディンに代わっていたのはウィリアムスに足をぶつけ、打撲を負ってしまったせいで、まだバレンシア戦で折れた3本の前歯治療のため、口内にプロテクターをつけているCBの頭を当てにした訳ではなかったんですけどね。試合前、アスレティックのジガンダ監督が「El Atleti tiene ocho o nueve delanteros de primer nivel/エル・アトレティコ・ティエネ・オチョー・オ・ヌエベ・デランテーロス・デ・プリメール・ニベル(アトレティコは8、9人、一流のFWを持っている)」というのはちょっとサバの読みすぎなんですが、13分にはコケをガメイロに代え、元からピッチにいたコスタ、グリーズマン、コレアと合わせてFW4人体制で畳みかけるんですから、感心したの何のって。 ▽それが実ったのは22分、グリーズマンのパスをガメイロが撃ったところ、敵守備陣の隙間を縫って先制点が入ります。その直後にはコレアからガビにしている辺り、1-0なら逃げ切れるというシメオネ監督の信条なんでしょうが、その日は34分に追加点という嬉しいおまけも。この時は最近、先日のコペンハーゲン戦でもパス成功率91%を記録するなど、成長著しいトマスが中盤でボールを奪い、ガメイロに繋ぐとそこからコスタへ絶妙なスルーパス。いえ、GKとの1対1を毎試合数回は失敗というのも彼らの十八番だったりするんですけどね。コスタは見事にケパの脇を抜き、とうとう2-0となったとなれば、もう安心です。おかげで前日、エイバルに0-2で勝利した首位バルサが勝ち点10に広げていた差を7に戻すことができましたっけ。 ▽まあ、「Tenemos que atacar tan bien como defendemos/テネモス・ケ・アタカール・タン・ビエン・コモ・デフェンデモス(ウチは守備同様、上手く攻撃しないといけない)」とフィリペ・ルイスも言っていたように、攻守に渡って相手を上回ったアトレティコが快勝したため、これなら木曜午後7時(日本時間午前3時)からのELコペンハーゲン戦2ndレグも観客の入りはともかく、心配することはないだろうと、私も気分良く家路を辿ったんですが、お隣さんの試合を見るため、その夜は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に出向くことに。ええ、マドリーがベティスとのアウェイ戦に挑んだんですが、先週水曜のPSG戦でのベイルに続き、この日はベンゼマがベンチスタート。代わって、CL16強対決1tstレグで終盤2点を挙げての3-1逆転勝利に大きく貢献したアセンシオとルーカス・バスケスが先発しているとは、何ともわかりやすい。 ▽ただ実際、前半11分にはロナウドのシュートをGKアダンが弾いたところ、アセンシオが抜け目なくヘッドでゴールを決め、先制点を奪った彼らだったんですが、そのせいで「Nos echamos atras y les dejamos jugar demasiado/ノス・エチャモス・アトラス・イ・レス・デハモス・フガール・デマシアドー(ウチは後ろへ引いてしまい、敵にプレーさせすぎた)」(ルーカス・バスケス)だなんて、これって今季はアトレティコだけの悪癖じゃなかったんですね。29分にはマルセロが負傷、テオに代わったのも響いたのか、33分にはホアキンのクロスをマンディに頭で押し込まれて同点にされたかと思えば、その10分後には再び36歳のキャプテンが今度はジュニオールにラストパス。彼のシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、運悪く目の前にいたナチョに当たってしまい、オウンゴールで逆転されているですから、困ったもんじゃないですか。 ▽え、それでも後でアセンシオも「El plan que hablams en el desanso salio bien/エル・プラン・ケ・アブラモス・エン・エル・デスカンソ・サリオ・ビエン(ハーフタイムに話し合ったプランが上手くいった)」と言っていたように、最近のマドリーにはremontada(レモンターダ/逆転)体質が戻って来つつあるんじゃないかって?そうですね、気合を入れ直した彼らは後半5分に早速、CKからセルヒオ・ラモスが自慢のヘッドを決めて同点にすると、13分にはカルバハルのパスをアセンシオがワンタッチでシュートして勝ち越し点をゲット。更に20分にはロナウドも続くと、いえ、40分には途中出場のセルジ・レオンに1点を返され、ちょっとベティスが盛り返したんですけどね。最後はロスタイムにベンゼマが仕上げの5点目を挙げ、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)の完成です(最終結果3-5)。 ▽いやあ、今季のベティスはセティエン監督のポゼッションサッカーが浸透してよく点を取るんですが、5点以上失点をしている試合もこの日で5回目。しかも「今週、ずっと改善しようと練習してきて、試合前にも注意した場所でボールを失った」(セティエン監督)のではどうしたものやらですが、本音を言えば、マドリーが3失点もしたのは決して褒められたもんではないかと。それこそパリでの決戦でこうも守備ミスが出ては、余裕の準々決勝進出が悪夢に変わってしまう恐れもあるんですが、こればっかりは。今はロナウドを始め、チームとして打ち負けなくなったことを喜ぶべきかと。 ▽ただ懸念は他にもあって、まだ時間はありますが、先週のPSG戦でヒザを痛めたクロース、この試合で太ももを負傷したマルセロに加えて、月曜にはモドリッチも太もものケガを再発。このAチームメンバー3人が3月6日までに回復するかどうか、ギリギリのところと言われている点で、何せマドリーはその前にリーガ戦4試合をこなさないといけないですからね。大事な選手をプレーさせればケガするかもしれない、かといって、ずっとお休みにしても実戦の勘が鈍るとあって、この2週間はジダン監督も頭が痛いですよね。 ▽そして土曜に3位のバレンシアもマラガに勝っていたため、マドリーの順位は勝ち点差1の4位のままだったんですが、翌月曜には前節最後の試合がコリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催。ええ、ヘタフェがセルタを迎えたんですが、平日の夜ながら、スタンドがかなりの盛況だったのは2年前、2部降格するまでの数年間、閑古鳥が鳴きまくりだったのを知っている私などには嬉しい限りだったかと。そんなファンたちの応援のおかげもあってか、いえ、残念ながら、先週カンプ・ノウでスコアレスドローを勝ち取ったバルサ戦で先発した柴崎選手は控えだったんですけどね。 ▽あまり覇気のなかったセルタを前にこの日はアンヘルが爆発。前半37分、自身の1対1では天高く撃ち上げてしまったアマトからもらったパスをエリア外からシュートして、ヘタフェに先制点をもたらしてくれます。続いて後半7分にも彼はホルヘ・モリーナにラストパスを送り、チームの2点目に貢献すると、クライマックスは40分。早帰りの習慣ある観客が引き揚げていく中、ブルーノが押し戻したボールが落ちてきたところを完璧なタイミングでvolea(ボレア/ボレーシュート)、3-0で勝利って、ここ4試合引き分けの停滞状態から脱出するのに最高の形じゃないですか。 ▽え、これで勝ち点33となったからって、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のアナのように「昨季18位で降格したスポルティングは31ポイントだったから、もうヘタフェはこの先、全部負けても残留できるかも」なんて安易な考え方はしてほしくないって?そうですね、今季も現在、降格圏にいるマラガ、デポルティボ、ラス・パルマスはまだ20ポイントにも届いておらず、ボーダーラインは低くなりそうなんですが、殊勲のアンヘルも「今はウチの目標を達成するのにいい時期。勝ち点40を貯めるというね」と言っていましたし、最低、そのくらいは軽く超えてほしいかと。 ▽それよりボルダラス監督に見てもらいたいのはもっと上の順位で、コパ・デル・レイ決勝がバルサvsセビージャになったため、今季もご褒美のコパチャンピオンのEL出場権がリーガ7位に回ってくる可能性が高いですしね。現在9位ながら、7位のエイバルとは勝ち点2差となれば、ヘタフェにもまだ十分チャンスがあるかと思いますが、さて。ちなみにこの日は冬の移籍市場で加入したレミ(ラス・パルマスからレンタル)、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のメルヴェイユ、セルヒオ・モラが交代出場、柴崎選手にはピッチに立つチャンスがなかったんですが、日曜にはアウェイでビジャレアル戦がありますからね。来週は水曜にデポルティボ戦も控えているため、必ずチャンスは巡ってくるはずですが…最近はチーム内のポジション争いが激化しているため、ここは気合を入れないといけません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.21 09:30 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】勝てば何でも微笑ましく見える…

「可愛いと言えばそうかもしれないけど」そんな風に私が首を傾げていたのは金曜日、チャイニーズ・ニューイヤーを祝うアトレティコのビデオを見た時のことでした。いやあ、昨今はどこのクラブも中国人ファンを増やそうと熱心で、この時期は選手たちが中国語で新年おめでとうと言っている映像が沢山出るんですけどね。今回のアトレティコ版は、いえ、先日、大連万達(ワンダ)グループがスタジアムのスポンサー契約は続けるものの、持ち株をイスラエルの企業に売却。そのせいで制作費が減ったなんてことはないと思いますが、戌年にちなんだ企画として、サウール、カラスコ、ヒメネスがペットのワンちゃんたちを紹介って、あまりに安易すぎる企画な気がしたから。 ▽え、今週はヨーロッパの大会が再開したせいで、選手たちに中国語を覚えてもらう時間がなかったんじゃないかって?そうですね、お隣さんなども現在、解説者をしているロベルト・カルロスが主役。さり気にCLトロフィーが神々しく12個並んだクラブ博物館内の風景も入れ、こういうのを見て駆けつけたファンがまた、サンティアゴ・ベルナベウ前のツアーチケット売り場の行列を長くするんだなと思いましたが、まあそれはそれ。まずはレアル・マドリーの今季全てが懸かった水曜のCL16強対決PSG戦1stレグがどうだったか、お伝えすると。 ▽セルヒオ・ラモスの呼びかけにファンが応え、その日はチームバスがスタジアム入りする午後7時15分頃には周辺の道路が人で溢れんばかりに。予想通り、bengala(ベンガラ/発煙筒)が何本も赤々と燃え上がっている光景を近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で眺めてから、観戦に向かった私でしたが、何せフランスからPSGの応援に来るサポーター4000人中、1割ぐらいウルトラ(過激なファン)が混じっていると聞いていましたからね。ビジターファン区画に繋がるTorre D(タワーD)の入り口もボディチェックが厳しいせいか、物凄い渋滞ぶりでしたが、幸い大きな騒ぎはなかったよう。私も無事にスタンドの席に着くことができたんですが…。 ▽fondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側席)に巨大垂れ幕がかかり、ビッグマッチ特有の華々しさで幕を開けた試合の方は、いえ、ジダン監督の「Jugamos cuatro en el medio contra tres de ellos/フガモス・クアトロ・エン・エル・メディオ・コントラ・トレス・デ・エジョス(相手の3人に対し、ウチは4人を中盤に入れてプレーした)」という作戦でイスコがトップ下を務めたため、BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)対MCN(ムバッペ、カバーニ、ネイマール)のガチンコ対決にならなかったせいではないんでしょうけどね。最初のゴールが決まったのは前半33分と遅めで、しかも今季のベルナベウでは珍しいことではないんですが、ムバッペのクロスをネイマールが戻し、フリーだったラビオが撃ち込んで先制されてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫。ハーフタイムに入る前にクロースがロ・セルソにエリア内で倒されてPKをゲットすると、ロナウドがしっかり決めて、1-1の同点で折り返したんですが、後半、両チームの明暗を分けたのはそれぞれの交代策でした。そう、アウェイゴール付きの引き分けを良しとしたか、PSGのエメリ監督が20分にはカバーニをムニエに代え、ダニエウ・アウベルとの右サイドダブルSB制を敷いたのとは違い、ジダン監督はまずはベンゼマをベイルに。とはいえ、最後の最後にモノを言ったのは30分過ぎ、カセミロとイスコを引き上げ、ルーカス・バスケスとアセンシオをサイドに投入したことで38分、後者のラストパスをGKアレオラが弾いたところ、詰めていたロナウドのヒザに当たり、勝ち越しゴールが入るとは何てラッキーなんでしょう。 ▽つまりこういうことがあるから、「Esto es la Champions y el Madrid tiene experiencia/エストー・エス・ラ・チャンポンズ・イ・エル・マドリッド・ティエネ・エクスペリエンシア(これはCLでマドリーには経験がある)」(ロナウド)と威張れるんだと思いますが、これで当人はマドリーに来てからのCL得点記録を101ゴールに更新。その3分後にも再びアセンシオが違いを見せつけ、今度はマルセロにアシストすると、とうとう3-1という、かなり安全なスコアで勝利したとなれば、私も含め、もしやこの日で今季のCLナイトは終わりかもしれないと恐れていたマドリーファンたちがどんなに喜んだことか。 ▽いえ、後で帽子をかぶった粋な姿でミックスゾーンに現れたラモスは、「Al Real Madrid no se le puede dar por muerto/アル・レアル・マドリッド・ノー・セ・レ・プエデ・ダール・ポル・ムエルトー(レアル・マドリーは死んだものと見なすことはできない)」と言ってはいたものの、この手の終盤のremontada(レモンターダ/逆手劇)は今季、珍しいんですけどね。やはり「Este club tiene 12 Champions por algo/エステクルブ・ティエネ・ドセ・チャンピオンズ・ポル・アルゴ(このクラブがCLに12回優勝しているには理由がある)」(ジダン監督)ということなのか、前評判は高かったPSGですが、ここぞという時のマドリーの強さには私も感心するばかりだったかと。 ▽ただ、エメリ監督を始め、相手側からはクロースへのペナルティや、逆にエリア内でラモスの腕にボールが当たったプレーでPKをもらえなかったことなど、ジャッジに対する文句が山積みで、いえ、結局、せっかくこの冬獲ったラス・ディアラではなく、若いロ・セルソを先発させたり、今年になって絶好調のディ・マリアを最後まで投入せず、交代枠を余らせたりした采配が災いした面もあると思うんですけどね。時折、個人技で光っただけのネイマールなど、3月6日の2ndレグで逆転突破を期して、「El ano pasado tuvimos una situacion mas dificil para poder pasar/エル・アーニョ・パサードー・トゥビモス・ウナ・シトゥアシオン・マス・デフィシル・パラ・ポデール・パサール(昨季は突破にもっと難しい状況だった)」と強気でしたが、いや、それ、バルサがパリで4-0と大敗して、カンプ・ノウで6-1と逆転した16強対決のことですか? ▽うーん、その時は2得点した当人が大逆転の立役者になっていましたが、今回は横にメッシもルイス・スアレスもイニエスタもいないとなると、さてどうなることやら。一方、マドリーも嬉しいことばかりではなく、金曜にはクロースが試合中にムバッペとぶつかった際、左ヒザを痛め、その日は走行距離13キロとチーム一の健脚ぶり、ミックスゾーンでもドイツ人記者にたちと楽しそうに話していたものの、2ndレグまでに回復できるか、ギリギリのところだとか。いえ、それまでのリーガ戦5試合はこの日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのベティス戦を含め、首位のバルサとの差も縮まったとはいえ、勝ち点17と凄まじいものがあるため、生ぬるく来季CL出場圏内の4位維持に努めてくれればいいんですけどね。セバージョスのケガも治り、コバチッチやマルコス・ジョレンテら、出場したい中盤の選手には事欠かないとはいえ、クロースのプレーが見られないのは残念なファンも多いかと。 ▽そして翌木曜には、キラキラしたCLの舞台と昨季中に縁を切ったアトレティコがヨーロッパリーグ32強対決1stレグでコペンハーゲンと顔合わせ。それでもパルケン・スタディオンのサポーターがキックオフ前、大弾幕やスモークで場を盛り上げてくれたおかげもあったんですかね。あれだけ前夜、マドリーが注目された後、ワンランク下の大会で戦う肩身の狭い思いを忘れられたか、序盤からグリーズマンやサウールがチャンスを迎えていた彼らだったんですが、前半14分、エリア内でアンケルセンのシュートをフィッシャーがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で軌道を変え、当日、オブラクの風邪で先発を任されたGKモヤを破ってしまったから、驚いたの何のって。 ▽いやあ、この遠征にはふくらはぎの筋肉痛でジエゴ・コスタも参加しておらず、CLグループリーグではアゼルバイジャンのカラバフに1度も勝てなかったアトレティコですからね。もうこの時点で、1-1で帰って来てくれたら御の字と気弱になった私だったんですが、どうやら彼らを見損なっていたよう。ええ、早くも21分にはグリーズマンのクロスをサウールがヘッドで叩き込み、スコアが同点に。37分にはグリーズマン、リュカが連携し、最後はゴール前からガメイロが決めて見事に逆転って、もしやコペンハーゲンは本当に格下だった? ▽おまけにピッチに激しい雪が降り注ぐ中、後でトマスも「Hacia frio, pero corriendo no hace tanto/アシア・フリオ、ペロ・コリンドー・ノー・アセ・タントー(寒かったけど、走っているとそうでもなかった)」と言っていたように前線から、勤勉に全員がプレスをかける作戦が成功したんでしょうかね。後半にもアトレティコは得点してくれたんです。ええ、26分にはコレアから代わったカラスコからスルーパスを受けたグリーズマンが3点目を挙げ、32分にはガメイロ同様、セビージャで前人未踏の3連覇を達成と、この大会のスペシャリストと言っていいビトロが相手にとって、ほぼ死刑宣告に等しい4点目をゲット。最後は1-4の勝利で終わり、いえ、相手のソルバッケン監督が「アトレティコはウチが当たった最高のチームの1つ。誰も休まず、ずっと働き続けているし、マドリッドの隣人に勝ち点差10つけているのもわかる」と褒めていたのは、多分にお世辞も混じっていたんでしょうけどね。 「マドリッドでは違うメンバーが出るかもしれない」ともう逆転を諦め、ローテーションに出ることも仄めかしていたため、来週木曜午後7時からのワンダ・メトロポリターノでの2ndレグは大船に乗ったつもりでいいかも。ただちょっと気になるのはアトレティコファンの反応で、AS(スポーツ紙)ではすでに1万2000枚売れて、残りのチケットは4000枚程と、満員近くなるような記事が出ていましたけどね。私の経験から言うと、最後に戦った2013年EL決勝トーナメントなどもそうでしたが、32強対決辺りではスタンドはガラガラ。1月のコパ・デル・レイでのエルチェ(2部B)戦やジェイダ(同)戦のように当日券も出るんじゃないかと思いますが、さて。来週は水曜にブタルケで延期されていたリーガのレガネスvsマドリー戦もあるものの、そちらはチケット完売が見込まれているため、ミッドウィークにマドリッドを訪れるファンにはいいサッカー観戦の機会になるんじゃないですかね。 ▽ちなみに今週末のアトレティコは日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、アスレティックをホームに迎えるんですが、実は相手も同じ木曜、雪の降るロシアでスパルタク・モスクワとのEL32強1stレグを戦ったばかり。リヨンに3-1で負けたビジャレアル、アノエタで後半ロスタイムに南野拓実選手にゴールを決められ、ザルツブルクと土壇場で2-2と引き分けたレアル・ソシエダなどとは違い、この11日に37歳となったアドゥリスの2得点などで1-3と快勝してきたものの、この試合では彼と共にラウール・ガルシアも出場停止になるのはラッキーだったかと。金曜にはジエゴ・コスタも練習に合流し、土曜のエイバル戦の結果次第ではバルサとの差を勝ち点7から更に縮めるチャンスと、アトレティコファンも意気込んでいるんですが…うーん、そう上手く事が運ぶのかどうか。 ▽そしてマドリッドの弟分チームは金曜と月曜の平日開催という気の毒な扱いを受けている今節のリーガなんですが、まだコパ酔いが抜けていなかったか、レガネスはジローナに3-0で先程完敗したばかり。何せ、年明けから準決勝まで、ずっと週2試合のハードスケジュールをこなしたせいで負傷者が続発していますし、まだ降格圏までは勝ち点差10以上とちょっと余裕があるのも油断に繋がった可能性はありますけどね。来週はミッドウィークのマドリー戦、そして土曜にはラス・パルマス戦と続くため、後悔する前に早く調子を取り戻せるといいのですが。 ▽一方、月曜午後9時(日本時間翌午前5時)からセルタをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えるヘタフェも前節、カンプ・ノウでバルサからスコアレスドローをもぎ取った直後なだけに別な意味での二日酔いが心配なんですが、そこはよく考えて。何せ、首位相手から勝ち点1ゲットはお手柄ですが、その前から彼らは引き分けが続き、ここまで4連続ドローですからね。そろそろ毎試合きっちり勝ち点3を溜めて、速やかに1部残留ライン突破に漕ぎつけてもらいたいかと。前節では先発に返り咲いた柴崎岳選手が再び、スタメンに入れるのかもファンには気になるところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.17 14:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】戻って来たのはCLだけじゃない…

▽「今度こそホントよね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、スペイン・サッカー協会理事会の会合でようやく、4月21日に開催されるコパ・デル・レイ決勝の会場がワンダ・メトロポリターノに決定したという記事をスポーツ紙のネット版で見つけた時のことでした。いやあ、FAカップはウェンブリー、クープ・ド・フランスはスタッド・ド・フランス、DFBポーカルはオリンピアシュタディオンといったように、ヨーロッパの主要リーグでは決勝のスタジアムが固定されているのとは違って、スペインは毎シーズンどこになるかわからず。それでも丁度、今季はアトレティコの新しいホームが華々しくオープンしたとあって、誰もがその任を授かるとつい最近までは疑っていなかったんですけどね。 ▽それが、いえ、別にアトティコが準々決勝であっさり敗退してしまったせいではありませんよ。ファイナリスタがセビージャとバルサに決まった後、前者のホセ・カストロ会長が決勝は地元のサンチェス・ピスファンかエスタディオ・オリンピコがいいと主張。後者は後者でコパ5連覇を永遠のライバルのお膝元で果たしたいという、嫌味な願いもあって、サンティアゴ・ベルナベウを希望する声もあったものの、その週末に重なるリーガ34節のベティス戦をコパ決勝翌日の日曜にプレーすることになっても準備は滞りなくできると、クラブが請け合ったのが効いたんでしょうか。結局、アトレティコの望み通り、会場はワンダと決まったんですが、そのベティス戦の方も同じ節のセビージャvsレアル・マドリー戦、バルサvsビジャレアル戦と一緒に5月9日に延期されることに。 ▽実際、これはまだ取らぬ狸の皮勘定ですが、ありがたいことにパルケン・スタディオンはすでにチケット完売。スペインからも勇気あるアトレティコファン400人が応援に駆けつけると言われている、この木曜午後9時5分(日本時間翌午前5時5分)からの32強対決コペンハーゲン戦1stレグから始まるヨーロッパリーグ決勝トーナメントを順調に勝ち上がっていったとしたら、その頃は準決勝間近と佳境に入っているはずですからね。もちろんコパ決勝でトロフィーを掲げ、初年度からワンダに歴史を刻む夢が無残に砕けた後ですし、参加チームにドルトムントやアーセナル、ナポリ、ミランといった老舗もある中、5月16日のリヨンでのEL決勝に出ようなんて、昨今のプレーぶりからすれば、高望みもいいところなのかもしれないんですが…どういう訳か、最近アトレティコにリーガ優勝争いの目が戻って来たみたいなんですよ。 ▽え、先週末はマドリッド勢のトップバッターとしてマラガ戦に挑んだ彼らだったけど、開始41秒、ベルサイコのスローインを敵がクリアしたところ、サウールがエリア前からシュート。ケコに当たってエリア内にこぼれたボールをグリーズマンが素早く拾って先制点を挙げてから、後は何もなかったじゃないかって? まあ、そのゴールの後、当人が用具係の渡してくれたユニフォームをかざし、先日、サッカーをプレー中に急死した15歳のアトレティコファン、ナチョ・バルベラ君に哀悼の意を捧げていたのは感動的だったんですけどね。その日もパスが3回と続かないせいで、ジエゴ・コスタにボールが届かなかったのもありますが、せっかくリーガ初先発を飾ったビトロも実力を示すことができず。 ▽結局、その後、枠内シュートが1本もなかったチームで目立ったのは、「lo de hoy fue extraordinario, estando en todos los sitos, arriba, abajo, cortando centros/ロ・デ・オイ・フエ・エクスラオルディナリオ、エスタンドー・エン・トードス・ロス・シティオス、アリバ、アバッホ、コルタンドー・セントロス(今日は格別に素晴らしかった。クロスをカットしたり、前線でも後方でも全ての場所にいた)」とシメオネ監督も褒めていたグリーズマンの攻守に渡る獅子奮迅ぶりと、いつもながらのGKオブラクの安定感。後半43分にはコスタと代わったフェルナンド・トーレスにラセン(冬の市場でヘタフェとの契約を解除してマラガに移籍)が頭をぶつけ、担架退場となったこともあり、最後は10人で戦った相手にそのまま0-1で勝利したんですが、いやはや。 ▽いえ、シメオネ監督自身も「Tenemos que mejorar, pero ganando es mas facil hacerlo/テネモス・ケ・メホラール、ペロ・ガナンドー・エス・マス・ファシル・アセールロ(ウチは向上しないといけないが、勝ちながらの方がやりやすい)」と言っていたものの、ここ2週間、コパ敗退のおかげで週1試合ペースになったにも関わらず、最下位のマラガにも最少得点差勝利しかできない有様ですからね。いくらゴディンとサビッチの負傷のおかげで先発が回ってきたヒメネスが、「Lo importante es ganar, nadie se va a acordar de como jugaste contra el Malaga/ロ・インポルタンテ・エス・ガナール、ナディエ・セ・バ・ア・アコルダール・デ・コモ・フガステ・コントラ・エル・マラガ(大事なのは勝つこと。マラガにどんな風に勝ったかなんて誰も思い出しはしない)」と開き直っていたとて、90分間、いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)でイライラしながら、じっと見ているこちらの身にもなってくださいって。 ▽ただそんな勝利でも実になったのは多分に翌日曜、弟分のヘタフェがカンプ・ノウで頑張ってくれたおかげで、まず驚かされたのはキックオフ前、顔なじみのオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の記者が、まあ私にしてくれたバルサ戦の先発予想が外れたせいもあったんでしょうかね。柴崎岳選手のスタメン出場を伝えてきてくれたことなんですが、いやいや。まさかボルダラス監督がエースのホルヘ・モリーナを外してくるなんて、誰も予想できませんって。その日の前線を担ったアンヘルや柴崎選手もシュートを撃って得点を狙ったんですが、まあそれはともかく、何より助けになったのは先週木曜にバレンシアとコパ準決勝2ndを戦っていたバルサには、「Nos falto chispa para hacer algo mas/ノス・ファルト・チスパ・パラ・アセール・アルゴ・マス(ウチはもっと何かをするための火花が欠けていた)」(バルベルデ監督)ということ。 ▽幸い前半終了間際のルイス・スアレスのゴールもオフサイドを取ってもらえましたしね。そこへ「Hemos hecho un gran partido a nivel defensivo, alternando marcas a Messi/エモス・エッチョー・ウン・グラン・パルティードー・ア・ニベル・デフェンシボ、アルテルナンドー・マルカス・ア・メッシ(ウチは守備のレベル的に素晴らしい試合をした。交代でメッシをマークしながらね)」(ボルダラス監督)というヘタフェの堅守が功を奏し、GKグアイタのparadon(パラドン/スーパーセーブ)にも助けられた彼らは終了の笛が鳴るまで、相手を無得点に抑えることに成功。スコアレスドローで勝ち点1をマドリッドに持ち帰って来るんですから、何て頼りになる弟分なんでしょう! ▽おかげでここ2節連続の引き分けとなったため、バルサと2位のアトレティコとの差が勝ち点11から7に縮小。いえ、まだ世間は本気にしていないからか、お隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転優勝)体質がアトレティコに備わっていないせいか、リーガ23節から、この差をひっくり返した前例があるのかといった情報はまだ出ていないんですけどね。楽観的なファンからは「直接対決とクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点1差になる」なんて意見も聞かれたんですが、いや、アトレティコもマドリーもカンプ・ノウで勝てるんですか? ▽まあその辺は何ですが、とりあえずリーガ次節はアトレティコが日曜にワンダでアスレティック戦、バルサは土曜にアウェイのエイバル戦ですから、今度は乾貴士選手の力を借りることができるかも。一方、ヘタフェもホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでセルタ戦なんですが、こちらは月曜午後9時からの設定。終わる時間が遅いのは気になりますが、徒歩1分のLos Espartales(ラス・パスパルタレス)駅から、メトロスールと10号線でセントロ(マドリッド市内中心部)に戻れる地下鉄は午前1時過ぎまでありますし、15分歩いてLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)を捕まえるにしても、終電の午後11時40分には間に合うと思うので、チケットの取りやすそうな試合としてお勧めはできます。 ▽え、コパ疲れが出たのは準決勝でセビージャに敗退したレガネスも同じじゃないかって?そうですね、先週末はアトレティコの次の時間帯にブタルケにエイバルを迎えた弟分の片割れだったんですが、こちらは最後の最後までゴールが生まれず。それでもミッドウィークに試合がなく、体力満々で攻めてくる相手の攻撃を凌いでいたものの、後半ロスタイム4分、CKからラミスがヘッドを叩き込み、土壇場で勝ち点3を持っていかれることに。とはいえ、それでも彼らは12位ですし、消化試合が1つ少ないという状態ですから、別に悲観することはないんですけどね。今週は金曜にジローナ戦をプレーした後、いよいよ来週水曜にはその延期されていたマドリー戦が到来。その後は日程も楽になるため、少しずつコパ酔いを解消して、1部残留ライン確定に早く近づけたらと思います。 ▽そして土曜の夜、サンティアゴ・ベルナベウに足を運んで私が見た、マドリーの今季が懸かったCL16強対決PSG戦のensayo general/エンサージョ・ヘネラル(総合リハーサル)、レアル・ソシエダ戦はどうだったのかというと。いやあ、それが前半は完璧な出来で、お隣さんに対抗するかのように開始50秒、クリスチアーノ・ロナウドのクロスをルーカス・バスケスがヘッドして、先制点が決まっているんですから、驚いたの何のって。逆にまたその後、何も起きないのだろうかと私も先行き不安に駆られたものでしたが、いえいえ、とんでもない。29分にはマルセロの折り返しをゴール前でロナウドがコースを変えて2点目、33分にもクロースがエリア前から決めると、その3分後にはロナウドがCKを頭で叩き込み、前半だけで4点差をつけているんですから、心強いじゃないですか。 ▽うーん、この日のジダン監督はベイル、カセミロ、ナチョを温存していたんですけどね。ルーカス・バスケスとアセンシオを入れた4-4-2のシステムが良かったのか、「Claro que estaba presente el partido del miercoles en la segunda parte.../クラーロ・ケ・エスタバ・プレセンテ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス・エン・ラ・セグンダ・パルテ(後半、水曜の試合が頭にあったのは当然)」(セルヒオ・ラモス)というハーフタイム後は、ブスティンサとイジャラメンディに守備のミスからGKケイロル・ナバスが破られ、2点を返されていただけに、PSG戦ではBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)の揃い踏みにあまり、固執しない方がいいんじゃないかとも思ったんですが…。 ▽いえ、CL再開が目の前に迫ってきたためか、その日は傍目でも明らかな程、ハングリー精神に満ち溢れていたロナウドが35分、3本目のゴールを挙げ、今季初のハットトリックを達成できたのは途中出場のベイルのシュートをGKルリがこぼしてしまったせいというのは否定できませんけどね。どうにも間が悪かったのはベンゼマでまさか、最後のプレーでベイルのゴール前へのラストパスを天高く撃ち上げてしまい、場内から大きなpito(ピト/ブーイング)を浴びて試合を終えることになるとは。結局、この日は5-2の大勝、ジダン監督も「Tengo claro quien va a jugar el miercoles/テンゴ・クラーロ・キエン・バ・ア・フガール・エル・ミエルコレス(水曜にプレーするメンバーは決めている)」と屈託なく言っていたものの、ちょっとこのベンゼマの状態は、「es importante que equipo y aficion esten unidos/エス・インポルタンテ・ケ・エキポ・イ・アフィシオン・エステン・ウニドス(チームとファンが一体になることが大事)」(ルーカス・バスケス)なビッグマッチを前に気になるかと。 ▽そこへ加わるのがマドリーには昨年12月のセビージャ戦以来、リーガで無失点に終わった試合がないということで、このPSG戦には3月6日に2ndレグもあるんですよ。昨季は同じラウンドでバルサに4-0とホームで先勝しながら、2ndレグで6-1と大逆転負けを喰らった相手ですが、今年はネイマールやエムバペでかなりパワーアップしているとなれば、たとえ大勝してもアウェイゴールを奪われるのは怖いような。ええ、グループリーグ5節のドルトムント戦でわざとイエローカードをもらい、最終節のアポエル戦で累積警告を済ませようとしたとして、これが2試合目の出場停止となっているカルバハルなども、「右SBをやるナチョもアクラフもわかっているだろうけど、向こうが絶好調でなくて、自分が最高の状態の日でないと、ネイマールと対峙するのは難しい」と認めていましたっけ。 ▽そんなPSG戦1stレグは水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。もうとうにチケットは売り切れで、ネットやスタジアム周辺に出没するダフ屋からは1万ユーロ(約140万円)越えなんて法外な値段が聞こえてくるんですが、丁度、マドリッドに旅行に来ているファンでしたら、ラモスがソシエダ戦直後、自身のツイッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/962462712788930561)で呼びかけたように、サンティアゴ・ベルナベウの角にあるlos Sagrados Corazones(ロス・サグラードス・コラソネス)広場で午後6時30分にチームバスのお出迎えをしてもいいかも。 ▽いえ、人が多すぎてバスが見えないかもしれませんし、側でbengala(ベンガラ/発煙筒)とか炊かれたら怖いですし、実際、まだ16強対決、しかも1stレグの時点でやることじゃないんですけどね。とはいえ、ここで躓いてしまってはかつて6シーズン程、続いた3月でマドリーのCLが終わるという10年以上前の悪夢が蘇ってしまいますからね。アトレティコもいない折、私もまだしばらくはヨーロッパ最高のクラブが見られる大会がマドリッドで続いてほしいんですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.13 11:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】ようやくコパが終わって…

▽「これって最高の旅程よね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、週明けの降雪から始まって連日、朝晩の気温はマイナスに。そこへ北風まで吹いて全然、外出する気にならなかった今週のマドリッドだったんですが、その日は少し寒さが和らいだため、ヘタフェの練習場を訪ねてみたところ、日本から来たという女子2人に遭遇。フットテニスやロンド(輪になって中にいる選手がボールを奪うゲーム)などの軽い試合2日前のセッションを終え、グランドから上がって来る柴崎岳選手のサインやツーショットの写真をゲットした彼女たちは明日にはバルセロナに移動して観光、日曜にはカンプ・ノウでバルサvsヘタフェ戦を見ることになっていると聞いた時のことでした。 ▽いやあ、最近はリーガの時間割が出るのも結構、早まって、1カ月ぐらい前には予定が組めますからね。地中海沿いのバルセロナはマドリッド程、寒くはならないですし、今季はカンプ・ノウの観客が減っていて、チケットが手に入りやすいというのも旅行で来る日本人ファンには嬉しいニュースですが、ただ1つ難なのはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでボルダラス監督の記者会見を待つ間、顔なじみの記者たちに訊いたところ、前節のレガネスとの弟分ダービーで控えだった柴崎選手がバルサ戦で先発復帰する可能性はかなり薄いんじゃないかという意見が多かったこと。 ▽オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の番記者など、「ケガでブランクがあった後、ほとんど貢献していないし、彼は守れないから。そういった面では同じにゴールやアシストがなくても、チームのために汗をかくアマトとかの方が監督の評価は高い。ヘタフェはガクを守備のために獲ったんじゃないけどね」と言っていましたが、まあ確かに。おまけに今回の相手にはメッシやルイス・スアレスら、点を取ることに秀でた選手が多いため、ベルガラが負傷中、新加入のフラミニ(昨季クリスタル・パレスを退団後、フリーだった)はまだ調整に時間がかかるという事情もありながら、中盤で使えるMFを総動員。アランバリ、モラ、ファジルによるtrivote(トリボテ/3人ボランチ)起用の可能性まで、マルカ(スポーツ紙)で論じられていましたからね。 ▽それでもバルサにも木曜のコパ・デル・レイ準決勝2ndレグにヒザのケガを押して出たピケが休養見込み、ベルマーレンはまだリハビリ中、そしてウムティティは出場停止。CBが1月に入ったジェリー・ミナ(パルメイラから移籍)しかおらず、DFに駒が足りないという弱点が今回はありますから、何とか無失点を終盤まで保ち、今季シーズン前半の対戦でゴールを挙げている柴崎選手が途中出場から決勝点を奪うなんて展開になったら、練習場で遭った彼女たちには一生記憶に残るラッキーな旅行になるかと思いますが、さて。そんなバルサvsヘタフェ戦は日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からキックオフ。ちなみにこういう流れでスペイン観光定番のマドリッドとバルセロナを回る予定のあるファンにお勧めの次の日程は3月の第1週で、3日の土曜にサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリーvsヘタフェ戦、日曜はカンプ・ノウでバルサvsアトレティコ戦なんていうのはおいしいと思いますよ。 ▽え、いきなり週末の話になっているってことは、やっぱりレガネスはコパ決勝に行けなかったのかって?そうなんですよ、準々決勝では大先輩のマドリーにサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転突破を果たしていた彼らは今回、1stレグで1-1という拮抗した状態でセビージャに挑んだんですけどね。一応、ガリターノ監督も「Queríamos evitar el arranque fuerte que suele tener el Sevilla/ケリアモス・エビタルエルアランケ・フエルテ・ケ・スエレ・テネール・エル・セビージャ(セビージャがよくやる序盤の猛攻を避けたかった)」と言っていたように兄貴分の片割れ、アトレティコが準々決勝2ndレグ開始23秒で失点したような大ポカはしなかったんですが、何せ先週、ブタルケで私が観戦した時も両チームのレベルの差と言いますか、全般的に押され気味でしたからね。 ▽選手たちがキックオフ前の「Volver a ser campeon es lo que mas quiero/ボルベル・ア・セル・カンペオン・エス・ロ・ケ・マス・キエロ(自分が一番したいのは再びチャンピオンになること)」といった垂れ幕や、サンチェス・ピスファン恒例の暗くした場内に響き渡るhimno del centenario/イムノ・デル・センテナリオ(クラブ創設100周年歌)アカペラ合唱に気を飲まれることはなかったものの、前半15分にはエリア内右奥に入りこんだムリエルをシオバスが止められず、ゴール前にラストパスを出されてコレアに先制点を決められてしまうことに。それでも1点を取れば延長戦に入れることから、決して気落ちせず、アムラバットやガブリエル・ピレスを中心にゴールを挙げようと頑張ったんですが…終盤、最後の切り札として投入されたのがCBマントバーニだった辺りがやはり、チームとしての限界だったかと。 ▽うーん、後でガリターノ監督は「延長戦に入った場合、ゲレロを入れていたら、バランスが崩れていただろう」と言っていましたけどね。クロスを放り込んでキャプテンのヘッドで何とかしてもらうという算段もあったのかもしれませんが、とにかく負けているですから、ここは先を考えずにFWを入れた方が良かった?そうこうするうち、セビージャのカウンターがはまり、残り1分にフランコ・バスケスが2点目をゲット。これで総合スコア3-1と完全に息絶えてしまったレガネスでしたが、無料バス6台を連ねて応援に駆け付けたファン400人もスタンドでチームを称えていたように、このコパでビジャレアル、マドリーと強豪を倒してきた彼らの健闘は立派としか言いようがありませんって。 ▽年明けからずっと続いた週2試合ペースにも絶妙のローテーションで息切れしなかったですしね。選手たちにも自信がついたことでしょうし、木曜朝にセビージャ(スペイン南部)からAVE(スペインの新幹線)で帰京した彼らにはなるたけ早く、気持ちを切り替えて、チームの根本目標である1部残留を速やかに達成してほしいかと。ちなみに今週末、レガネスは土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、ホームに先日、近々契約延長が決まりそうだ報じられた乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎えるんですが、奇しくも前節、セビージャに5-0と大勝した相手とはいえ、幸いガリターノ監督のチームにはコパ準決勝による負傷者は発生しておらず。 ▽リーガでは現在、お隣さんのヘタフェと同じ勝ち点数29で、どちらも降格圏までは12、来季のヨーロッパリーグ出場権をもらえる6位まで4と、これだとどちらのチームも残留決定後、更に上を目指す余裕がありそうな。加えて、忘れてはいけないのはここ12年で17回目の決勝進出、コパでは8回の決勝で5回優勝しているセビージャですが、翌木曜にはサンチェス・ピスファン同様、大勢のファンがメスタジャ入りするチームバスをお出迎え。声を限りに応援したものの、バレンシアはコウチーニョとラキティッチにゴールを許し、総合スコア0-3で準決勝敗退に。 ▽おかげで誰もがワンダ・メトロポリターノで行われると思っていたにも関わらず、その週末がベティス戦と重なるため、新たにメスタジャやサンティアゴ・ベルナベウが開催スタジアムとして浮上してきた4月21日のコパ決勝では2年前にも負けているバルサと対戦するんですよね。となると、かなり分が悪そうですが、もしここでバルサがコパ4連覇を遂げると、うーん、リーガ独走は勝ち点差9で2位のアトレティコも何とか止めたいと努力はしているものの、彼らの来季CL出場権獲得はまず確実。その場合、コパ優勝チーム用のEL出場権がリーガ7位に回るとなれば、マドリッドの弟分チームが揃ってヨーロッパの大会に参加なんてこともありうるかもしれない? ▽おっと、そんな絵に描いた餅のような話は置いといて、試合のないミッドウィーク2週目を終えた兄貴分たちについても触れておかないと。月曜に練習場を覆った雪も火曜にはすっかりキレいになっていたため、どちらも4日間じっくりトレーニングに励めたんですが、やっぱり首位まで勝ち点19ともなると、マドリーファンも来週水曜のCL決勝トーナメント16強対決PSG戦1stレグの方が気になっているはずと各紙も判断したんでしょうね。ただ、ネイマールの連日バースデーパーティや雪の中でサンタ帽をかぶってパンツ一丁でポーズをとるツイート(https://twitter.com/neymarjr)などばかりではさすがにネタがもたないためか、木曜にはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)の復活により、控えに戻ってからの態度の悪さに失望して、ジダン監督はこの夏、イスコを放出する意向を固めたという噂なども現れることに。 ▽まあ、これは金曜の試合前日監督会見に出た当人が「自分はイスコが好きだ。マドリーにずっといてほしい。Todo lo dicho es mentira/トードー・ロ・ディッチョー・エス・メンティーラ(言われていることは全て嘘だよ)」と否定していましたので、そんなに気にしないでもいいかと思いますが、ちょっと心配なのはあまりにCLが近づきすぎて、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレアル・ソシエダ戦で選手たちが上の空にならないかということ。何せ、今回はウィリアム・ホセとジャヌザイがケガで出られないとはいえ、相手は前節デポルティボに5-0と大勝して、調子を取り戻しつつありますからね。今季のマドリーはサンティアゴ・ベルナベウでの試合でも勝ち点を落とすことが多いため、うっかり選手を温存もできないって、なんだか大変そうですが、とりあえず、現在5位のビジャレアルと勝ち点差2の4位の座だけは死守しないと面目が立たないかと。 ▽そして土曜の午後4時15分から、4試合ぶりのアウェイゲームで最下位のマラガに挑むのがアトレティコなんですが、こちらもバルサ程ではありませんが、前節のバレンシア戦でサビッチとゴディンが全治3週間見込みのケガを負ってしまったため、今週の練習ではシメオネ監督がCBコンビを務めるヒメネスとリュカに居残りまで命じて鍛えていたとか。いえ、ゴディンなど、金曜には失くした前歯3本の治療を終え、マハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドで元気な姿を見せていたんですけどね。やはり当分は頭を使うようなプレーは避けた方がいいようで、招集リストには入らず。相手のマラガはミチェル監督がヘタフェ戦の後に解任され、ホセ・ゴンサレス新監督となってから、2分け1敗とまだ白星がないんですが、窮鼠猫を噛むといったことわざもありますしね。アトレティコとしても油断は禁物ですが…こちらも来週木曜にはEL32強対決コペンハーゲン戦1stレグなのにまったく盛り上がってないのはやっぱり大会柄、仕方ないんでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.10 10:15 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】もうすぐヨーロッパの大会なのに…

▽「嬉しいもんなのかしら」そんな風に私が首を傾げていたのは月曜日、前夜ワンダ・メトロポリターノから自宅に着いたのが午前1時過ぎだったため、遅めに新聞を買いに出たところ、外は激しく雪が舞い踊る状態。道にも積もり始めているのに閉口して、おっかなびっくり歩いていたんですが、途中でセルフィーを撮っているスペイン人を何人も見かけたから。いえ、幸いスタジアムに試合観戦に行かないといけなかった日曜はまだみぞれとかで、レバンテ戦を終えて帰京したイスコが、雪がちらつくマドリッド郊外にある家の庭で上半身裸になって犬と戯れるビデオ(http://espndeportes.espn.com/video/clip/_/id/3954321)などが話題にもなったんですけどね。 ▽それが月曜になると、ジエゴ・コスタはまだ服を着ていたからいいものの(https://twitter.com/diegocosta/media)、21歳のリュカなど、半裸で雪の上にダイブ(http://www.marca.com/futbol/atletico/2018/02/05/5a786f96468aebcf048b4617.html)なんて映像も出てきたため、思わず、「また当分、出づっぱりが続くんだから、風邪だけは引かないで」と祈ってしまったものの、幸いながらアトレティコは火曜午後5時まで練習がなし。ええ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場なんて凄い積雪になっていたと思うんですが、おかげで月曜午後からトレーニングを予定していたお隣さんなど、バルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドが雪まみれ(https://www.realmadrid.com/noticias/2018/02/la-nieve-cubre-la-ciudad-real-madrid-y-el-santiago-bernabeu)でセッション中止になったとか。 ▽まあ、それでもレアル・マドリーは今週土曜のリーガ、レアル・ソシエダ戦しかないからいいものの、気の毒だったのは、その大先輩をコパ・デル・レイ準々決勝で破り、水曜にはセビージャとの準決勝2ndレグを控えるレガネス。前日もみぞれの降りしきる中、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで行われたヘタフェとの弟分ダービーを戦ったんですが、いえ、私もその正午からの試合をスタンドで寒さに震えながら見ていたんですけどね。丁度、コパの谷間ということもあり、9人もローテーションしながら、後半序盤にはアントゥネスのFKがゴールポストに当たったり、ホルヘ・モリーナのシュートもGKクェジェルが弾いて何とかピンチを脱出。新加入のロイク・レミ(ラス・パルマスからレンタル)や柴崎岳選手が交代でピッチに入っても最後まで無失点をキープしているんですから、頑張るじゃないですか。 ▽ただ、自分たちのチャンスも終盤、キャプテンのマントバーニのヘッドが際どく枠をそれたぐらいしかなかったため、「El punto es muy bueno para nosotros/エル・プント・エス・ムイ・ブエノ・パラ・ノソトロス(この勝ち点1はウチにとって非常にいいもの)」(ガリターノ監督)というスコアレスドローを勝ち取るにとどまったんですが、次の試合まで中2日しかないとなれば、雪が降ろうが槍が降ろうが、トレーニングをしない選択はないですからね。それも1-1だった1stレグから勝ち抜けるには1点以上、サンチェス・ピスファンで挙げないといけないため、たとえ先週末はエイバルに5-1と大敗した相手とはいえ、月曜午前11時にはインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケでセッションを強行することに。クラブのツイッターの映像(https://twitter.com/CDLeganes/status/960472663369158656)によると、ホントにこれで練習になるのかという気はしますが、レガネスの選手たちにとってはコパ決勝に出られるチャンスなど、一生に一度あるかないか。 ▽もうそうなると、今回スペインのかなりの地方を襲った降雪も決戦の地、セビージャ(スペイン南部)には無縁、快適な気温でプレーできることを期待して、ここは歯を喰いしばって立ち向かうしかないと思いますが、さて。うーん、ヘタフェ戦の後、年明けからは週2試合でかなりのハードワークになっているエル・ザールなどは、「La carga de minutos la llevamos bien/ラ・カルガ・デ・ミヌートス・ラ・ジェバモス・ビエン(ボクらはプレー時間の多さを上手くこなしている)」と言っていましたけどね。ガリターノ監督に「Esta enfermo/エスタ・エンフェルモ(/病気中)」と言われ、日曜の試合に出なかったトップ下のガブリエル・ピレスが回復するのかも気にならなくはないとはいえ、今週の土曜午後6時30分、乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎える試合でコパ決勝進出祝いができたら、私も嬉しいんですけど。 ▽そしてヘタフェの方は次節、カンプ・ノウでバルサと日曜に対戦。セントロ(マドリッド中心部)でも夕方には雪が雨に変わったため、こちらは天候が落ち着いた頃を見計らって偵察に行ってくるつもりですが、その一方で先週末、マドリッドの兄貴分チームたちの出来はどうだったのかというと。いやあ、それが土曜に一足早く試合をしたのはマドリーだったんですが、このところ、リーガでデポルティボとバレンシアに連勝して、調子が戻ったのかと思っていたんですけどね。実際、前節に続いて同じバレンシア(スペイン西部にある地中海沿岸のリゾート都市)でのレバンテ戦でも前半11分にはクロースのCKをセルヒオ・ラモスがヘッドで決め、早い時間に先制。 ▽相手は昨年11月から勝ってないし、順位も降格圏ギリギリだったため、その日もgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を期待したファンも多かったかもしれませんが、気を抜くのが早すぎたんでしょうかね。ハーフタイムまであと3分というところでカウンターを喰らい、モラレスのシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、こぼれたボールをエリア前からボアテングに撃ち込まれ、1-1で前半を折り返すことに。おまけに後半は拮抗してしまったため、とうとうジダン監督はベイルを諦めて、20分にはイスコを投入。それが功を奏したのは36分、ベンゼマがエリア内右奥から送ったパスをその彼がシュートして、ようやく再びリードを奪ったんですが…。 ▽え、大体がしてその直後、ジダン監督が、当人は不満の表情を浮かべたにも関わらず、クリスチアーノ・ロナウドを下げてしまったのが一番いけないんじゃないかって?いやあ、「代えたのは中盤に選手を入れたかったから。Más fuerza en el centro del campo/マス・フエルサ・エン・エル・セントロ・デル・カンポ(ピッチのセンターをもっと強化できるようにね)」(ジダン監督)という考えは悪くはないんですが、アセンシオは半分FWみたいなもんですからね。この辺はアトレティコなどとは感覚が違っていて、おそらくシメオネ監督だったら、ナチョやテオでDFを厚くして、なりふり構わず1点差を守りにいったと思いますが、そこは天下のマドリー。 ▽それまで何度もモラレスの独走を招いていた守備が44分に再びほころびを見せ、ジェイソンのスルーパスから、移籍市場クローズの日にベローナから加入したばかりのパッツィーニに同点ゴールを決められ、痛恨の引き分けと終わった後、キャプテンのラモスも「あと5分という時に引き分けにされるなんて普通じゃない」と怒っていましたけどね。「経験を生かして、プレーを遅らせて時間を稼いだり…Pero el Madrid está obligado a jugar bien y queremos dar una buena imagen/ペロ・エル・マドリッド・エスタ・オブリガードー・ア・フガール・ビエン・イ・ケレモス・ダール・ウナ・ブエナ・イマヘン(でもマドリーはいいプレーをすることを義務付けられていて、ボクらもいいイメージを見せたいから)」とも言っていたように、きっとジダン監督の頭も追加点を取りに行く方に向いていたのかと。 ▽うーん、この結果、翌日にバルサがエスパニョールとのダービーに勝っていたら、勝ち点差が21ポイントに広がってしまうところだったんですけどね。それでもまだ、「Yo siempre voy a decir que la Liga no está sentenciada/ジョ・シエンプレ・ボイ・エ・デシール・ケ・ラ・リーガ・ノー・エスタ・センテンシアーダ(自分は常にまだリーガの行方は決まっていないと言うよ)」と主張するジダン監督はある意味、凄いんですが、心配なのは事あるごとにカウンターを受けて失点してしまうマドリーの守備の弱さ。昨季とかなら、自慢の点取り屋たちのおかげでそんなの何てことはなかったんですけどね。一応、バランなどは「No nos afecta, la Champions es diferente/ノー・ノス・アフェクタ、ラ・チャンポンズ・エス・ディフェレンテ(影響はないよ、CLはまた違うんだから)」と強気でしたが、レバンテに2点取られるなら、果たしてネイマール、カバーニ、エムバペを擁するPSGにはどれだけゴールを奪われることになるのやら。 ▽ええ、CL16強対決1stレグも来週水曜と迫ってきただけに不安も尽きないかと思いますが、折しもこの2月5日の月曜はロナウドが33歳、ネイマールが26歳の誕生日。さすがにこの年にもなると、日曜夜にはパリのディスコを借り切った後者のメガバースデーパーティがTV画面を賑わせても、自分も30歳になった時などやっているし、今は静かに家族とアットホームに祝うのがいいみたいな感じにロナウドもなってしまうんでしょうが(https://www.instagram.com/p/Be0ZuuuFs9Y/?hl=ja&taken-by=cristiano)、向こうはフランス・リーグ1でも18得点と、PSGの独走に大いに貢献していますからね。それでも今季、マドリー唯一の命綱となってしまったCLでは8得点のリーガと違い、6試合9得点で大会トップを走っている彼に期待を預けるしかないんですが…まずはこの土曜のリーガ、レアル・ソシエダ戦で上手く助走をつけられるといいですね。 ▽そして日曜、ヘタフェ(マドリッド近郊の衛星都市)で冷え切った体を一旦、家に帰って温め、今度は体感温度マイナス1度との予想にヒートテックを1枚余分に着込み、ホッカイロを大量持ちしてワンダ・メトロポリターノに向かった私でしたが、同じように覚悟してスタンドに足を運んだファンは約5万人。相手のバレンシアがバルサとのコパ準決勝1stレグの疲労or2ndレグに備えての体力温存もあったのか、前半、鬼のように守備を固めてきたため、せいぜいサウールのミドルシュートとCKからのジエゴ・コスタのヘッドぐらいしかチャンスを作れなかったアトレティコでしたが、どちらもGKネトのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に阻まれてしまっては。とはいえ、前半0-0で終わるのはよくあることだったため、むしろ28分にサンティ・ミナにタックルされたサビッチが左太もも裏を痛め、アップもせずにヒメネスがピッチに入ったことの方が私としては心配だったんですが、何と後半5分には先発CBの片割れ、ゴディンまでもケガで交代なんてことあっていい? ▽いえ、彼の場合、CKで攻撃参加した際、クリアにジャンプしたネトの腕で顔面を強打。あとから空中に白い物が飛んでいるショッキングな映像も出てきたように、前歯3本を折る大変な目に遭ったんですけどね。シメオネ監督も「si la de hoy de Godín no lo es... Nos van a matar uno para que se penalti/シー・ラ・デ・オイ・デ・ゴディン・ノー・ロ・エス…ノス・バン・ア・マタール・ウノ・パラ・ケ・セ・ペナルティ(今日のゴディンのがそうでないなら、ウチがペナルティを取ってもらうには誰かが殺されないと)」と言っていたようにこの災難も今季のリーガで初PKゲットには繋がらず。ここは急遽、右SBのフアンフランが入り、CBはヒメネスとリュカ、左SBにベルサイコを回して窮地を凌ぐことに。 ▽そんな不運続きでしたから、すでに守備固めに入るつもりでガビがライン際で交代を待っていた後半13分、コケのパスを受けたコレアがハーフタイムに「バレンシアはエリア外からなら撃たしてくれる」とロッカールームで話し合ったのを生かし、エリアの左前から斜めにシュート。それが決まった時にはビックリしたの何のって。1-0となって、カラスコに代わって入ったガビは反撃を始めたバレンシアに対し、しっかり中盤を支えてくれましたし、いやまあ、コスタとグリーズマンのFWコンビはアトレティコ最強ですからね。追加点を狙うなら、そのままの方がいいのもあったんでしょうが、残り15分には今季はビジャレアル、バルサ、ジローナなど、終盤の失点で引き分けられてしまったのを反省したんですかね。そうそうに逃げ切りの姿勢に入ります。 ▽その方法はそれまで40%を切っていたポゼッションを上げることで、危険なパスを避けて、後半30分以降は60%に、最後の5分など、70%以上になっていたそうですが、おかげでせっかくのカウンターのチャンスにグリーズマンがボールを戻してしまい、スタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛ぶ一幕も。怒った当人が指を唇の前に立てるポーズでファンを批判するのも大人気ないんですが、後でシメオネ監督も「no atacó innecesariamente cuando no había que atacar/ノー・アタコ・インネセサリアメンテ・クアンドー-・ノー・アビア・ケ・アタカール(攻撃すべきでない時、不必要に攻めていかなかった)」と褒めていましたしね。ファンにしてみれば、もっとガンガン行くチームを見たいのはわかりますが、そのまま1-0の勝利で勝ち点3が手に入ったとなれば、文句を言ってはバチが当たるかと。 ▽だってえ、丁度、その日はバルサがエスパニョールと1-1で引き分けていたため、これで首位との勝ち点差が9になったんですよ。ただ11差になったのは2節前、彼らがジローナに追いつかれ、引き分けてしまったせいなので、元に戻っただけなんですが、サルールなども「Tenemos que pensar en nosotros e ir partido a partido/テエモス・ケ・ペンサール・エン・ノソトロス・エ・イル・パルティードー・ア・パルティードー(ウチは自分たちのことだけを考えて、1試合1試合やっていかないと)」と言っていましたしね。月曜にはゴディンもサビッチも全治3週間と診断されてしまいましたし、もしやバルサは木曜のコパ準決勝、バレンシアとの2ndレグ(1stレグは1-0で先勝)で力を使い果たし、リーガの次戦では弟分のヘタフェが手助けしてくれるかもしれないなんて夢は見るだけ時間の無駄というもの。それより早く練習場のグラウンドをしっかり雪かきして、土曜のマラガ戦に備えるべきですが、何だか来週木曜のヨーロッパリーグ32強対決、アウェイのコペンハーゲン戦もデンマークだけに寒さとの戦いになりそうですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.06 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】今熱いのはマドリッド南部のチームかも…

▽「ファンだって、これに懸けるしかないものね」そんな風に私が呟いていたのは金曜。14日にサンティアゴ・ベルナベウであるCL決勝トーンメント16強対決のPSG戦1stレグで一般チケットが売り出しからたったの37分間でソールドアウト。ネット上のreventa(レベンタ/ダフ屋)では300ユーロ(約4万2000円)から、果ては2万4000ユーロ(約330万円)の高値で取引されているという記事をマルカ(スポーツ)紙)で見つけた時のことでした。いやあ、コパ・デル・レイ準決勝1stレグが行われた今週、すでにマドリッドの両雄は敗退済みとあって、各紙のクラブページもミニマムに。だからといって、翌15日にヨーロッパリーグ決勝トーナメント32強対決1stレグを戦うアトレティコの相手、コペンハーゲンの情報など、皆無に等しかったんですけどね。 ▽ネイマールやムバッペにレアル・マドリー移籍の噂があったことや、スペイン人のエメリ監督が率いているのも話題を作りやすかったんでしょうか。ここ数日、マドリーページの半分がPSG関連で埋まっているのにうんざりしていた私でしたが、まあ確かに。いくらリーガのレバンテ戦を土曜に控え、前日記者会見で久々に話したジダン監督が、「La Liga dices que está sentenciada y yo no lo creo/ラ・リーガ・ディセス・ケ・エスタ・センテンシアーダ・イ・ジョ・ノー・ロ・クレオ(君はリーガの結果はもう決まっていると言うが、私はそうは思わない)」と主張しても、首位バルサとの間には厳然たる勝ち点19の壁が。どこから見ても逆転優勝はムリそうとなれば、来季はUEFAの規則が変わって、スペインは2位から4位まで直接CLグループリーグに出場できますからね。 ▽となれば、4位から落ちないことさえ気をつけていれば、「Tenemos que terminar la Liga lo más alto posible/テネモス・ケ・テルミナール・ラ・リーガ・ロ・マス・アルトー・ポシーブレ(ウチはできるだけ高い順位でリーガを終えないといけない)」(ジダン監督)ということもなさそうですが、それより大事なのはCLで3連覇できる可能性をシーズン終盤まで残しておく方。万が一、決勝トーナメントの最初で躓いたりしたら、マドリーファンは残りの3カ月、夢も希望もない日々を送る破目になるとなれば、とにかくPSG戦はスタジアムに駆けつけて、チームを応援しようという心理もチケット高騰の原因になっているんでしょうか。 ▽まあ、マドリーについてはまた後で話すことにして、今週の主役はその兄貴分を逆転で準々決勝敗退に追いやって堂々、マドリッド唯一のコパ生き残りとなったレガネスで、水曜にはブタルケで準決勝1stレグが開催。その相手は同じ兄貴分のアトレティコを連勝で破ったセビージャだったんですが、さすがここまでの高みまで来たのはクラブ史上初とあって、マドリー戦同様、平日の午後9時30分という遅いキックオフだったにも関わらず、スタジアムから人が溢れんばかりの盛況ぶりでしたっけ。正面スタンドとfondo norte/フォンド・ノルテ(北側ゴール裏席)の間の角に陣取ったセビージャ応援団から開始直前、発煙筒が投げ入れられたり、爆竹の煙でそのエリアが真っ白になったりと、ちょっと過激な雰囲気もあったんですが、大丈夫。他の席にホームサポーターに混じって座っていたセビージャファンはまったく問題を起こしていませんって。 ▽試合の方は序盤から優勢だったビジターアウェイチームが20分、サラビアのパスをムリエルがシュートしたところ、ボールがポストに当たってゴールとなり、レガネスは先制点を奪われてしまうことに。それからもGKシャンパンの連続セーブなど、危険なシーンもあったんですが、後半頭から、イエローカードをもらっていたブラサナツに代わり、先日、ベルナベウでエリア外から殊勲の同点弾を決めたエラソが入ったのがいい刺激になったんでしょうか。しばらくの間、攻勢に転じたレガネスは55分、彼の放ったCKをファーポストでブスティンサが敵DFと争いながらヘッド、高く上がって落ちてきたボールをGKセルヒオ・リコがパンチングでクリアしようとしたんですが…何と空振りしてしまったから、さあ大変! 丁度、その下にいたシオバスの頭にボールがミートして同点ゴールになるなんて、目が点になるとはまさにこのこと? ▽いやあ、実はそのセルヒオ・リコは先週末のリーガ戦でも後半アディショナルタイムに似たようなハイボールのクリアミスを犯し、お隣さんのヘタフェがアンヘルのゴールで勝ち点1をゲットと、ラッキーボーイになってくれていたんですけどね。その後は辛くも守り切り、1-1で「hemos conseguido el empate y mantenemos viva la eliminatoria/エモス・コンセギードー・エル・エンパテ・イ・マンテネモス・ビバ・ラ・エリミナトリア(ウチは引き分けをもぎ取り、対戦を生きたものに保った)」(ガリターノ監督)レガネスは、初戦に1-2と負けたアトレティコよりいい状況で来週の水曜の2ndレグに挑むことに。ただ、怖いのはサンチェス・ピスファンの雰囲気で、いえ、ほとんど観客がセビージャファンになるため、発煙筒や爆竹の数が比べものにならないなんてこと、まったくありませんよ。 ▽そうではなく、私もアトレティコとの2ndレグをTVで見た時、感じたんですが、キックオフ前、暗くした場内にレーザー光線が飛び交う中、ファンが合唱するhimno de centenario(イムノー・デ・センテナリオ/クラブ生誕百周年記念の歌)が響き渡る光景は鳥肌が立たんがばかり。そのせいかどうかは知りませんが、ボヤッとしてゲームを始めたアトレティコなんて、開始23秒でゴールを喰らっていましたからねえ。おまけに相手はコパ5回、EL5回に優勝と準決勝慣れしていますし、やはりこの日の押し込まれぶりを見ると、レガネスが勝ち抜けて4月21日、兄貴分ご自慢の新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノで翌木曜の準決勝1stレグでは好カードにも関わらず、ガラガラだったカンプ・ノウでバレンシアに1-0と先勝。来週木曜のメスタジャは満員御礼でremontada(レモンターダ/逆転突破)を後押しするようですが、このままだとコパ4連覇を果たしそうなバルサと晴れの決勝の舞台に立つのは難しいような気がしますが、いえいえ、諦めてはいけません。 ▽そう、相手にアキレス腱があるとすれば、まあ、これはブタルケで一緒になった顔見知りのガーディアン(イギリスの一般紙)の記者の冗談でしょうが、「マンチェスター・ユナイテッドとのCL16強対決に勝つのを諦めて、コパに懸けているのかもしれない」と言っていたように、セビージャはモンテッラ新監督になってから、トップのムリエルとベン・イェデル以外、選手のローテーションがほとんどないということ。実際、同じベストメンバーでずっとリーガもコパも戦っているのは諸刃の剣で、土曜のエイバル戦も選手を変えず、2ndレグまで来るようだと、いい加減、疲労が半端ないと思うんですが、さて。それとも冬の移籍市場で補強したFWサンドロ(エバートン)、右SBラユン(ポルト)、ロケ・メサ(スワンジー)らが、いよいよ登場となるんですかね。 ▽え、そんなセビージャに比べればかなりローテーションをしているレガネスだけど、さすがにこの日曜のマドリー郊外ダービー、ヘタフェ戦では体力の限界に近いんじゃないのかって? そうですね、ガリターノ監督は「Si no jugamos un buen partido, no será por el cansancio/シー・ノー・フガモス・ウン・ブエン・パルティードー、ノー・セラ・ポル・エル・カンサンシオ(いい試合をしなかったとしてもそれは疲労のせいじゃない)」と言っていたものの、ケガが治ったのはルーベン・ペレスだけ。補強もLEP(スペイン・プロリーガ協会)がサウジアラビアからスポンサー料付きで連れて来たアル・シェーリ(アル・ナセル・リヤド)だけと、フル出場はしなくても皆勤しているガブリエル・ピレスやアムラバットら、かなりしんどいところはありそうですけどね。 ▽そこはもう、選手たちの根性で頑張ってもらうしかないんですが、一方のヘタフェはコパ早期敗退のおかげで新年からずっと週1ペースで試合。だからって訳ではないものの、丁度、今週は寒さも少し緩んだため、私も木曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスの側にあるシュダッド・デポルティバに偵察に行ってみたところ、いやあ相変わらず、このチームはセッションが長いこと。その日は午前11時に始まり、終わったのは午後1時近くで、やれやれと私も引き上げようとしたんですが、あら? 居残って、CKを蹴り始めた選手が2人いて、その片方が柴崎岳選手だったとなれば、動けないじゃないですか。 ▽いやあ、ヘタフェに来てからはセットプレーのキッカーを務める姿を1回ぐらいしか見かけたことのない彼だったんですけどね。昨季後半から入団したテネリフェ(2部)でも担当するようになったのは2カ月ぐらい経ってからだったため、そろそろボルダラス監督もアントゥネス、ダミアン以外のキッカーを試してみたくなった? 最初はファジルがエリア内のフィニッシャーを務め、後は交互にCKを蹴って、コーチ2人がシュート役。何度もいいところに来たと褒められていましたが、とうとう最後にはファジルも帰ってしまい、柴崎選手だけ更に数分、FKにもトライ。結局、全体練習終了後、30分も追加特訓って、もしやこれはレガネス戦で彼の蹴ったセットプレーから得点が生まれるのを期待してもいい? ▽ちなみにヘタフェは契約解除をしたラセンに代わるMFを移籍市場クローズまでに獲れず、ようやくこの金曜にフリーだったフラミニ(昨季はクリスタル・パレス)が入ったんですが、その日の練習のpartidillo(パルテディージョ/ミニゲーム)では柴崎選手がボランチに入る時間も。同日、入団プレゼンだったFWロイク・レミ(ラス・パルマス)はシーズン前半5得点という実績もありますし、すぐベンチに入れるかもしれませんが、アーセナルやミランで活躍したベテラン33歳のフラミニにはブランク期間が結構、ありますしね。これまでは第2FWやトップ下で使われていた柴崎選手にも時にはポジションを下げて、ベルガラが負傷で全治2、3カ月と手薄になったゾーンを助けてもらいたいという意図が監督にはあったのかも。そんなヘタフェvsレガネス戦は日曜正午(日本時間午後8時)からコリセウム・アルフォンソ・ペレスでキックオフ、前半戦の対決ではアランバリとアンヘルのゴールで1-2とヘタフェが勝っていますが、今回はどんな結果になるでしょうかね。 ▽そして「Hemos tenido semana larga y es el momento para echar gasolina/エモス・テニードー・セマーナ・ラルガ・イ・エス・エル・モメントー・パラ・エチャール・ガソリーナ(ウチは長い1週間を過ごして、今は給油する時)」(ジダン監督)というお隣さん同様、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)から、とんでもない寒波到来の予想が出ているワンダにバレンシアを迎えるのがアトレティコなんですが、こちらも私が水曜にマハダオンダ(マドリド近郊)の練習場に見学に行ったところ、やっぱりミッドウィークに試合がないせいでしょうね。いつもは1時間で終わるセッションが1時間半あったのには驚いたんですが、取材陣用にある敷地内の高台から見ていた15分間はゴムでできた半球のクッションを使ったエクササイズとパス回しだけ。 ▽外に出された後、敷地をグルリと回って金網のフェンス越しに眺めていたメインの方は選手たちを2班に分け、仮想先発組、仮想控え組がそれぞれカンテラーノ(下部組織の選手)のチームと対戦するというものでしたが、そのお題の開き直りぶりはあっぱれの一言。ええ、まず前線がボールを敵陣で失ったところからプレーが始まり、GKオブラクの近くで取り戻して速攻カウンターというのが筋書きなんですが、まあゴディンやヒメネスのロングパスの狙いが外れ、すぐに敵が戻って来るのは昨今のアトレティコでは日常茶飯事ですから、批判はできませんよね。かといって、後方から几帳面に繋いでいく器用さもない彼らとなれば、この週末はケガが完治したジエゴ・コスタもグリーズマンとコンビを組めそうともあって、シメオネ監督がカウンターに懸けるのは正解だったかも。 ▽その上、相手はコパで疲労困憊、ガライ、ゲデス、コンドグビア、そしてバルサ戦でセルジ・ロベルトのレッド相当、でもイエローカードだった足を上げてのタックルで打撲したペレイラもケガで出られないバレンシアとなれば、かなりアトレティコの勝率は上がるんじゃないかと思いますが、こればっかりはねえ。とりわけ気になるのは前節のラス・パルマス戦でもハーフで交代させられたコケの目に余る不調ぶりで、いえ、丁度、帰りがげに敷地の横にあるパステレリア(パンやケーキの食べられるカフェ)前の駐車場出入り口から出て来た当人はいつものように愛想良く、サインや写真を頼むファンに応じていましたけどね。 ▽この冬の移籍市場でGKモヤがヘタフェに戻ることはなかったものの、MFはアウグストが中国の北京人和に行ってしまったため、ボランチがガビ、コケ、サウール、トマスら、ゲームメーカーの概念とは程遠いカンテラーノの独壇場になってしまうのがちょっと心配なんですが、長年アトレティコファンをやっている、私の家の前にあるキオスクのお兄さんによると、「昔からチームの司令塔なんていなかった」のだとか。要はバルサやマドリーとはまったく別次元のサッカーだと思って見るしかないんですが、何はともあれ、ELが始まるまで、できるだけ沢山ゴールを挙げて勢いをつけるのと共に、勝ち点差11で逆転優勝の目はお隣さん同様、ほとんどなくても現在、3位バレンシアと6差の2位の座は死守してほしいかと。 ▽そして最後に土曜午後8時45分から、アウェイでのレバンテ戦に臨むマドリーについてですが、ジダン監督は前節、バレンシアを1-4と破ったことを良しとして、再びBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)をリピートするよう。うーん、最初の2点はPKでしたし、終盤の2点はベイル、ベンゼマが退いて、ルーカス・バスケス、アセンシオが入ってから決まったんですけどね。リーガ20チーム中、この1月に補強を一切しなかったのがマドリーだけだったのを見てもわかるように、看板アタッカーへの信頼は絶大とはいえ、レバンテも今は降格圏まで勝ち点2の16位とあって、必死ですからね。シーズン前半戦にはベルナベウで1-1の引き分けと健闘していますし、この冬、7人も加入したとあって、油断は禁物。そうそう、マドリーでは前節お休みしたセルヒオ・ラモスとイスコが復帰するようですが、PSG戦まであと2週間を切りましたし、今はまだ、あまりムリして長い時間プレーさせない方がいいかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.03 13:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】勝っても順位は変わらないけど…

「ここで休んでおくのも悪くはないのかも」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、先週の準々決勝でコパ・デル・レイを敗退したアトレティコの練習が水曜までないと知った時のことでした。いえ、お隣さんも状況は同じで、ここ2週間は週末のリーガしか試合がないんですけどね。どちらも2月の第3週からヨーロッパの大会の決勝トーナメントが始まるとはいえ、レアル・マドリーのPSGとのCL16強対決は14日の1stレグの後、2ndレグが3月6日と間が長く空くのに比べ、ヨーロッパリーグの方は15日にコペンハーゲンとの32強対決1stレグを皮切りに翌週は2ndレグ、次は16強対決の2試合とハードスケジュール。その前に一息つければ、選手たちもリフレッシュできて助かるんじゃないかと思ったから。 ▽まあ、そうは言っても少しは期待もあっただけに4月21日、ワンダ・メトロポリターノでの開催が予定されている決勝でまたしてもバルサが優勝、コパ4連覇を達成するシーンを目撃する破目になるのは決してマドリッド市民にとって、喜ばしいとは言えないんですけどね。とはいえ、逃した魚を悔んでいてもキリがなし。せめて今はリーガでいいプレーを見せてくれれば、ファンも決勝は5月と、まだかなり先なヨーロッパ制覇の夢に向けて、少しは前向きでいられるんですが、果たして先週末の試合がどうだったかというと。 ▽この21節、先陣を切ったのはマドリーで、メスタジャで3位のバレンシアと対決。偶然にも先週、コパ準々決勝2ndレグをプレーしている相手だったのが、幸いしたか、何せ、あちらはアラベスと延長戦にもつれ込み、PK戦を制してようやく勝ち抜けという苦労をしていますからね。その割にはローテーションした選手もあまり多くなかったのとは真逆で、マドリーはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)を擁したAチームを投入。Bチームがプレーしたレガネスとのコパ2ndレグから続けて先発したのはナチョだけだったとなれば…え、モントーヤが2回もペナルティを犯さなければ、前半16分と38分にロナウドにPKを決められて、バレンシアが2点ビハインドで折り返すこともなかったんじゃないかって? ▽そうですね、実際、最初にロナウドをエリア内で倒したプレーはともかく、空中戦でベンゼマを押したとされた2度目の方は、後半13分にパレホのCKから、ヘッドでゴールを挙げ、点差を縮めたサンティ・ミナも後で「Si pita un penalti como ese habria que pitar muchos penaltis en todos los partidos/シー・ピタ・ン・ペナルティ・コモ・エセ・アブリア・ケ・ピタール・ムーチョス・ペナルティス・エン・トードース・ロス・パルティードス(ああいうのをペナルティにするんだったら、全ての試合で沢山、ペナルティを取らないと)」と文句を言っていましたけどね。ジャッジにツキがない時はありますって。 ▽その後、バレンシアの猛反撃をGKケイロル・ナバスのファインセーブにも助けられ、何とか凌いだマドリーはルーカス・バスケス、アセンシオ、コバチッチの投入が、「終盤、選手たちはそこまでの大きな努力と水曜の試合からの蓄積が堪えた」(マルセリーノ監督)というバレンシアの落ち込みに重なって功奏。38分にはマルセロがアセンシオとのワンツーから、44分にもコバチッチのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)を受けたクロースがゴールを挙げて、最後は1-4で快勝することに。おかげで試合後、モドリッチなどからは、「No me puedo creer que se cuestione al mister despues de todo lo que ha conseguido/ノー・メ・プエド・クレエル・ケ・セ・クエスティオネ・アル・ミステル・デスプエス・デ・トードー・ロ・ケ・ア・コンセギードー(あれだけのことを達成した監督を疑問視するなんて信じられない)」とコパ敗退で昨今、世間からの批判が高まっていたジダン監督を擁護する発言も聞かれたのですが…。 ▽いや、だって先週、弟分チームのレガネスに1-2で負け、逆転敗退したのはBチームですからね。いくらジダン監督が「Nosotros fisicamente estamos bien/ノソトロス・フィシカメンテ・エスタモス・ビエン(ウチはフィジカル的にはいい)。良くない時があるのはむしろメンタルのせいで、そっちの方が影響する」と言っても、Aチームはリーガ前節デポルティボ戦でも7-1のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で爆発。すでに問題はなかったはずなんですが、実際、問われているのは、負けたら後のない大事なトーナメント戦でBチームを出すという選択の過ちの方ですからねえ。とはいえ、その控えメンバーの彼らだって、バレンシア戦のように途中出場で貢献することもありますし、大体がして現在、リーガで首位バルサと勝ち点差19という惨状になったのは大方、Aチームの選手たちのせいだったなんてことも考えると、何とも言えませんが、とりあえず、来季CL出場圏の4位をキープして、3位との差も勝ち点2に詰められたのは良かったかと。 ▽そんなマドリーは次は土曜、今度もアウェイとなるレバンテ戦でAチームの復調ぶりを見せつけていくことになりますが、翌日曜の私はディゲームのブタルケで、勢いに乗っている時はツキも味方してくれるということを実感することに。ええ、兄貴分を倒して栄えあるsemifinalista(セミフィナリスタ/準決勝進出チーム)となったレガネスが、同じくコパ準々決勝でバルサに1-0と先勝しながら、カンプ・ノウで2-0と負けて逆転敗退したエスパニョールを迎えたんですけどね。戦力的に余裕のある訳ではないにも関わらず、ガリターノ監督が何とも上手に選手たちをローテーションしていたのはお見事。それも兄貴分のカンテーラ(ユース組織))出身のCB、エルモーソの協力があってこそだったんですが、まずは前半11分、オマル・ラモスのシュートがゴールポストに弾かれた後、サルドゥアが撃ち込んだボールに当たってオウンゴールを献上してくれることに。 ▽それでも後半4分にはマルク・ナバーロに同点にされてしまったレガネスでしたが、23分にはリーガの先発CF、ゲレロがラウール・ガルシアのクロスを頭で決めて再びリードすると、何と37分には交代出場のアムラバットのクロスをクリアしようとしたエルモーソが2度目のオウンゴール。これで2点差になったから、寒風吹きすさぶ中、キックオフからずっとお祭りムードだったスタンドがどんなに盛り上がったことか。場内を何周もするウェーブまで始まっていましたが、いやあ、ゴールづいた選手ってそういうもんなんですかね。43分、FKをGKクエジェルがパンチングでクリアしたところ、真正面にいたエルモーソの顔に当たり、ようやく自分のチームのために得点していたんですが、時すでに遅し。そのままレガネスが3-2で勝利です。 ▽うーん、こんな風に運が味方してくれると、水曜午後9時30分にセビージャを迎えるコパ準決勝1stレグも何とかなりそうな気がするんですけどね。それに輪をかけたのは同じ日曜、サンチェス・ピスファンでそのセビージャと対戦したお隣さん、ヘタフェもツキに恵まれたせいで、後半26分にムリエルに先制点を奪われながら、ロスタイム3分、アントゥネスの蹴ったFKをジャンプしてクリアしたGKセルヒオ・リコにカラがぶつかり、そのこぼれ球をシュートしたアンヘルが同点ゴールをゲット。相手方の抗議も空しく、1-1の引き分けをもぎ取ったとなれば、後半15分には交代していた柴崎岳選手も大いに喜んだのでは? ▽おかげでヘタフェは9位、レガネスは11位ながら、同じ勝ち点28となったため、この日曜正午からの弟分ダービーでは両者、完全に互角な状態でコリセウム・アルフォンソ・ペレスで顔を合わせることになりますが、月曜にはラス・パルマスからFWレミの加入も決まったものの、ヘタフェはヒサの半月板の負傷が治ったベルガラが今度はシーズン前半の柴崎選手のように左足中足骨を骨折。また2カ月程休場になるというハンデが。とはいえ、水曜にコパのあるレガネスの方が大変なのは否定できませんが、まずはエスパニョール戦を打撲でお休みしたシオバスやルーベン・ペレス、風邪を引いたエラソ、エル・ザールらが回復してくれないと。 ▽ちなみにセビージャはアトレティコを破ったコパ準々決勝2ndレグから、ヘタフェ戦でもほとんどメンバーを変えておらず、そろそろ疲労が出てきそうですが、MFロケ・メサ(スワンジーシティからレンタル移籍)やSBミゲール・ラユン(同ポルト)など、ガンガン新戦力が加わっているのがちょっと気掛かり。対照的にLEP(スペイン・プロリーガ協会)の肝いりでサウジアラビアから受け入れた9人の選手の1人、MFアル・シェーリ(アル・ナサル・リアドからレンタル移籍)で登録枠がいっぱいになってしまい、必要な補強ができていないレガネスは、エスパニョール戦で唯一、真っ当なゴールを挙げたゲレロなど、「Se ha demostrado que somos una plantilla amplia/セ・ア・デモストラードー・ケ・ソモス・ウナ・プランティージャ・アンプリア(ウチは選手層が厚いことを示した)」と言っていましたけどね。ガリターノ監督は中盤に誰か獲れないか、クラブと方法を探している最中のようですよ。 ▽え、それでこのところ、3試合勝っていないアトレティコはラス・パルマス戦で悪い流れを断ち切ったのかって? いやあ、今回はブタルケを出て徒歩20分、Zaraquemada(サラケマダ)駅からセルカニアス(国鉄近郊路線)に乗り、Mendez Alvaro(メンデス・アルバロ)駅でメトロ(地下鉄)にチェンジ。6号線と7号線を乗り継いで、1時間20分程でワンダ・メトロポリターノに着いた私も道中は、前日練習では回復したように見えていたとはいえ、シメオネ監督も2014年の優勝が懸かったリーガ戦やCL決勝の序盤で無念の交代となった黒歴史に懲りたんでしょう。用心のため、ジエゴ・コスタが招集リストに入らなかったこともあり、気が重かったんですけどね。 ▽強風でスタジアム前にあるトレードマークの大きなbanndera(バンデラ/旗)がその日はしまわれていたのもあまり幸先良くは思えなかったんですが、いつも通り、彼らは前半を0-0で終えることに。いえ、パコ・ヘメス新監督になって、再び高いポゼッションを目指すようになった相手にガビの1対1のシュートがGKチチソラに弾かれたり、グリーズマンの器用なヒールでのフィニッシュが枠に当たるといったチャンスがなかった訳じゃないんですけどね。相変わらず、パスもようよう続かないサッカーに、トイレに行く時、すれ違ったファンからは「Koke necesita 5 partidos en banquillo/コケ・ネセシータ・シンコ・パルテイードス・エン・バンキージョ(コケは5試合、控えでベンチにいてもらわないと)」という、このところダメダメの一応、チームの司令塔であるはずのMFへ厳しい言葉なども聞こえてきて、私もこっそり頷いたりしていたんですが…いやはや、まさかホントにシメオネ監督がハーフで彼を代えてしまうとは! ▽でもそれが当たったんです。いえ、「Buscabamos mas velocidad/ブスカバモス・マス・ベロシダッド(よりスピードある選手を求めた)」(シメオネ監督)という理由で入ったカラスコの活躍は終盤近くだったんですけどね。「もう1歩前に出て、相手に前半のようにボールを持たせず、攻撃するように言われた」(フアンフラン)という選手たちが早々に敵の守備のほころびを見つけてくれたから、ありがたかったの何のって。ええ、後半16分、フアンフランが自陣から放ったパスを追いかけたグリーズマンがGKのすぐ前で絶妙なチップキックを放ち、先制点を挙げてくれたんです。とはいえ、最近は1点では逃げ切れない傾向のあるアトレティコですから、追加点がなかなか入らないのを不安に思って眺めていたところ、28分、丁度、中盤を固めるべく、トマスがピッチ際で待っていた時のことでした。当日朝の腹痛でガメイロがベンチを外れ、代わって先発していたフェルナンド・トーレスが喉から手がほしかった2点目を入れてくれたんですよ。 ▽これもまたカウンターでコレアからパスをもらったトーレスはエリア内で敵をかわして、対角線上にGKの頭の上を超すシュート。やはり年齢からくる衰えは隠せず、今は「Cada partido para mi en el club es especial, porque puede ser el ultimo o el ultimo gol(カーダ・パルティードー・パラ・ミー・エン・エル・クルブ・エス・エスペシアル、ポルケ・セル・エル・ウルティモ・オ・エル・ウルティモ・ゴウ(自分にとって、このクラブでの試合は全て特別だ。最後の試合、最後のゴールかもしれないからね)」という気持ちでやっている当人ですが、やっぱり彼が得点すると、ファンのテンションも一気に上がりますって。更に43分にはボールを持ってエリア内に入ったカラスコがトマスにゴールをプレゼントして、試合は3-0で終了。いえ、夜にはバルサもコパ準々決勝敗退組のアラベスに2-1と逆転勝ちして、結局、勝ち点差は11のままなんですけどね。 ▽パコ・ヘメス監督も「Cuando nos hemos equivocado el Atletico ha sido capaz de sacar su mejor cara/クアンドー・ノス・エモス・エキボカードー・エル・アトレエィコ・ア・シードー・カパス・デ・サカール・ス・メホール・カラ(ウチが間違えを犯した時、アトレティコは最良の部分を発揮できた)」と言っていたように、この週末、日曜に彼らがワンダ3連戦最後に迎えるバレンシアもバルサとのコパ準決勝でマドリー戦以上に疲弊してきますしね。せめて3位との差をもっと開くことぐらいは期待していいかと。まあ何にしろ、彼らもヨーロッパの大会の試合が来るまで、今は調子を上げることに専念しているだけですが、ELはお隣さんともバルサとも当たることがなし。それなら優勝できるかもしれないって、ちょっと私は楽観的すぎでしょうか。 2018.01.30 22:50 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】意外なチームがコパに残った…

▽「つまり大一番は2月の3週目まで来ないってことか」そんな風に私が溜息をついていたのは金曜日、コパ・デル・レイ準決勝の組み合わせが決まり、来週ミッドウィークのお出かけ予定はできたものの、マドリッドの両雄の顔を拝むのは週末までないことに気づいた時のことでした。いやあ、それでもまだ来月、CL16強対決PSG戦に挑むレアル・マドリーとヨーロッパリーグ32強対決コペンハーゲン戦に挑むアトレティコにはタイトルを獲る可能性が残されているんですけどね。クリスチアーノ・ロナウドなど、丁度、木曜に中国のスポーツメディアから表彰を受けた席で「Si al final ganamos la Champions sera un año increíble/シー・アル・フィナル・ガナモス・ラ・チャンピオンズ・セラ・ウン・アーニョ・インクレイブレ(最終的にCLに優勝すれば信じられない程いい年になる)」と話していましたが、まあ確かにCL3連覇なら威張れる記録と言えなくはなし。 ▽翻って、アトレティコファンからコパ敗退の埋め合わせはEL優勝でという声はあまり聞こえてこないんですが、実際、シメオネ監督はジダン監督のように責められてはいませんからね。もちろん、このミッドウィークのコパ準々決勝2ndレグに関しては同様に、足りないところもありましたが、それがない袖は振れなかったのと、原因不明の出し惜しみをしてしまったせいだったのは彼岸の差。おかげで就任以来、トロフィーを8つも獲ってきた指揮官が、あれよあれよという間に進退を問われる騒ぎになってしまう辺り、やっぱり世間からの要求が高いマドリーなればこそと気の毒になってしまったんですが…。 ▽とりあえず、順番にコパ準々決勝の顛末を話していくことにすると、1stレグで1-2と負け、火曜にサンチェス・ピスファンに乗り込んだアトレティコは見事にremontada(レモンターダ/逆転勝ち抜け)に失敗。まあ元々、お隣さんと違って得意分野ではありませんでしたし、頼りのジエゴ・コスタがリーガ前節のジローナ戦で負傷して、お留守番だったため、期待もあまりできなかったんですけどね。まさか自分たちがキックオフしてからたったの26秒、サラビアのクロスをエスクデーロに決められて、先制点を奪われるとはもしや、伝説の悪癖、「眠ったままピッチに出る」が復活した? ▽ただ幸い、この時はすぐにアトエティコもショックを克服し、12分にはリュカのロングパスをガメイロが落とし、そのボールをグリーズマンがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)にして同点に追いつくことに。あと1点を取れば、少なくとも延長戦に入れるため、その後も再三、ベルサリコがクロスを入れてチャンスを作ったんですが、フィニッシュを担当したフランス人FWコンビは追加点を挙げることができず。1-1のままハーフタイムに入ったところ、またしても後半開始早々、不運が降りかかります。それは3分、エリア内に入ったセビージャのコレアをサウールが倒し、ペナルティを献上しているってもう、シメオネ監督が来る前の悪しき慣習、「Falta de concentracion/ファルタ・デ・コンセントラシオン(集中力不足)」(ヒメネス)に加え、生来のツキのなさが戻ってきたとしか思えないじゃないですか。 ▽GKモヤはバネガのPKを止められず、2-1とされたアトレティコは3分後、コレアがGKセルヒオ・リコと1対1のシュートを撃つも当然のごとく弾かれて、得点できませんでしたしね。交代でカラスコ、フェルナンド・トーレスが入るも敵ゴールには近づけないまま、逆に33分にはカウンターからサラビアに3点目を決められたとなれば、その数分後、シメオネ監督が審判への抗議で退場してしまったのもこれ以上、まともにプレーも繋げないチームを見ているのがイヤになったから?ええ、最後は総合スコア5-2と、モンテッラ監督に「セビージャとの契約にサインした時から夢見ていたような夜」をプレゼントしているんですから、呆れたもんじゃないですか。 ▽いえ、シメオネ監督は「Tengo la responsabilidad de caer eliminados de la Champions y de la Copa/テンゴ・ラ・レスポンサビリダッド・デ・カエール・エリミナードス・デ・ラ・チャンピオンズ・イ・デ・ラ・コパ(CLとコパで敗退したのは自分の責任)」と言っていましたけどね。CLグループリーグはFIFA処分でまだコスタがプレーできず、この日もケガでいなかったのは仕方ないんですが、それ以外のFWがほとんどゴールを決められないのは監督にはどうしようもありませんし、コケ、サウールといったMFたちも最近はパスをまともに送れない状態となれば…そうそう、次は日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)に降格圏にいるラス・パルマスをワンダ・メトロポリターノに迎える彼らですが、金曜のマハダオンダ(マドリッド郊外)での練習には予想外に早く回復したコスタが参加。 ▽おかげで先週のジローナ戦から始まった3CBプラス2SBのシステムが、通常の4-4-2に戻ったというニュースもあったため、ワンダでのコパ決勝でアトレティコを応援する夢が消えたファンにお詫びする意味でもいい試合をしてくれることを期待。年明けからパコ・ヘメス新監督を迎えた相手は前節、バレンシアに2-1と勝利して、ちょっと勢いをつけているようですが、幸いセビージャ戦での退場によるシメオネ監督の3試合ベンチ入り禁止処分も来季のコパで済ませればいいようですしね。首位バルサとの勝ち点差も今や11にもなりますし、2位をキープできれば、後はゆっくり、EL決勝トーナメントのために調子を整えてくれればいいですよ。 ▽そして翌水曜は早い試合でアラベスvsバレンシア戦が延長戦にもつれ込み、結局、PK戦で後者がコパ準決勝の切符を手に入れたんですが、その頃にはすでにサンティアゴ・ベルナベウでもマドリーvsレガネス戦がスタート。先週の1stレグでは終了間際にアセンシオがゴールを決め、兄貴分が0-1で先勝していたため、優勢と見られていたんですが、何と前半31分、アムラバットのプレスに驚いたか、アクラフが後ろに送ったパスをナチョが取り損ね、そのボールを奪ったエラソがエリア外から豪快なシュート、これで先制点を挙げたレガネスが総合スコアをタイに持ち込んでしまったから、さあ大変! ▽そのままマドリーに得点がなく、前半が終わった時にはパルコ(貴賓席)にいたペレス会長も「心配して、周りの人にベンチに誰がいるのか訊いていたわ」と、レガネスのビクトリア・パボン会長が後日、AS(スポーツ紙)のインタビューで暴露していましたが、いやいや。コパではここまで格下のフエンラブラダ(2部B)、ヌマンシア(2部)双方共、ホームでの2ndレグで2-2と引き分けていた彼らですし、曲りなりにもこの日の相手は同じ1部ですからね。リードも1点しかなかったため、キックオフ前、メンバー表が出た時から、控えにクロースやマルセロはともかく、前節のデポルティボ戦でそれぞれ2ゴールと活躍したロナウドもベイルもいないのを不安に思わなかったのは、「Yo tenia un equipo competitivo ante el Leganes/ジョ・テニア・ウン・エキポ・コンペティティボ・アンテ・エル・レガネス(自分はレガネス相手に競争力のあるチームを持っていた)。少なくとも紙の上ではね」というジダン監督だけだったかと。 ▽それでも後半2分にはルーカス・バスケスのアシストでベンゼマが同点ゴールを決め、危機は去ったかと思われたんですが、10分のCKでテオがガブリエル・ピレスのマークに失敗、ヘッドを決められて再びリードされてはねえ。元々、守備が堅いことに定評があるレガネスですし、点を取るべくピッチに入ったのがまずはカルバハルとモドリッチ。30分を過ぎてようやくFWのマジョラルが加わったものの、交代したのがイスコとあって、スタンドからはpito(ピト/ブーイング)が響き渡ることに。ふくらはぎのケガが治り、今年初出場を果たしたセルヒオ・ラモスも終盤、CFとして頑張ったんですけどね。デポルティボ戦では3人目のdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を果たしたナチョもこの日は不発とあって、結局、試合は1-2でレガネスが勝利。そう、総合スコア2-2、アウェイゴールによる弟分の逆転勝ち抜けです。 ▽え、これじゃ試合後の場内は凄いブーイングだったろうって?そうですね、スピーカーからはいつものように大音響でクラブ歌が流れてきたものの、隠しきれなかった程だったんですが、そんなのことはピッチで歓喜を爆発させていたレガネス陣営には知ったことじゃなし。ガリターノ監督などは、「まだ祝うことは何もない。Salir de Segunda B a Segunda fue lo mas importante para este Leganes/サリール・デ・セグンダ・ベー・ア・セグンダ・フエ・ロ・マス・インポルタンテ・パラ・エステ・レガネス(このレガネスにとって、一番重要だったのは2部Bから2部に昇格した時だった)」とクールだったんですが、後でTVで見たロッカールームの光景や応援に駆けつけたファンに呼ばれて再びピッチに出て来た選手たちの喜びよう、バスでインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに戻った夜中の2時にファンがお出迎えしていた様子など、まるで優勝でもしたかのような騒ぎでしたっけ。 ▽一方、まさかの敗退を喫したマドリーでは、いえ、試合終了の笛が鳴ったすぐ後、このBチームの中では唯一、昨季と同じ働きを披露していたルーカス・バスケスが「Que puta verguenza todo esto!/ケ・プータ・ベルグエンサ・トードー・エスト(全てが最悪の赤っ恥だ)」と吐き捨てていたのはともかく、「Es un fracaso y lo asumo, soy el responsable/エス・ウン・フラカソ・イ・ロ・アスモ、ソイ・エル・レスポンサブレ(これは失態だと受け入れているし、自分の責任だ)」というジダン監督を始め、ミックスゾーンに現れたカルバハルやラモスもコパ優勝の目標が道半ばにして潰えてしまったのを嘆くことに。ええ、実際、もうリーガも首位と勝ち点差19では望みはほとんどありませんし、だったら、どうして週末に備えて、ロナウドやベイルを温存したんだという疑問は湧くものの、後悔先に立たず。 ▽それこそ「Solo nos queda la Champions/エオロ・ノス・ケダ・ラ・チャンピオンズ(ボクらにはCLが残っているだけ)」(カルバハル)となれば、もう後はPSG戦が来るまで力を蓄えて、土曜午後4時15分からのメスタジャではコパ準々決勝で力を使い果たしている上、来週は木曜にエスパニョールを2-0と勝利、総合スコア2-1で逆転突破を果たしたバルサと準決勝を戦うことになり、気もそぞろなバレンシアを前にマドリーらしい試合を見せてくれることを期待するしかありません。そうそう、金曜にはラモスがケガを再発、イスコも練習で腰を痛めて遠征に参加できなくなったなんて悪い知らせも入ってきましたが、向こうもベソとパウリスタが出場停止。ガライしかCBがいませんからね。久々に先発で揃い踏みするBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)には、CL出場圏のライバル相手にゴールを稼ぐいい機会になるかもしれません。 ▽そしてレガネスは日曜にこちらは、コパ逆転敗退で落ち込んでいるエスパニョールをブタルケに迎えた後、水曜のコパ準決勝1stレグでセビージャとホームで対戦することになったんですが、偶然にも今回、週末のリーガでそのセビージャと当たるのはお隣さんのヘタフェ。何せ、こちらは早くにミッドウィークの戦いから敗退しているため、休養十分で体力がありますからね。エースのホルヘ・モリーナが累積警告、左SBのダミアンがケガで出場できませんが、ここは柴崎岳選手にも頑張ってもらって、サンチェス・ピスファンで兄貴分の敵討ちプラス、同じ弟分のため、できるだけ相手を消耗させてほしいかと。そんなセビージャvsヘタフェ戦は日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からキックオフ。シーズンが折り返して、また強敵相手の試合が続くヘタフェなんですが、実は今節、そして次のレガネスとのダービー、そしてバルサ戦と、コパにどっぷり浸っているチームとばかり当たるのは、ちょっとラッキーな偶然ですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.27 10:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】コパの方が大事になってる…

▽「聞いた? ジエゴ・コスタが全治10日だってさ」そんな風に私が話しかけられたのは日曜日、金土日とマドリッドにあるスタジアムで試合が続いた20節、毎日顔を合わせていたオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のレポーターとサンティアゴ・ベルナベウのプレス用スタンドで遭った時のことでした。いやあ、もうその情報は家を出る前、スポーツ紙のウェブページで見て呆然、自宅前のキオスクでも店仕舞い中だったアトレティコファンの販売員さんからも言われていたんですけどね。年が明けてようやくCLグループリーグ敗退のショックも薄らぎ、FIFA処分が済んで、コスタとビトロの新戦力もプレー解禁。リーガは首位との勝ち点差は大きいものの、堂々2位だし、コパ・デル・レイも準々決勝まで来たしと浮かれていた日々がこんなにも早く終わってしまうとは一体、誰が想像したことでしょう。 ▽いえ、レポーターのお兄さんは「大丈夫、まだヨーロッパリーグがあるよ。決勝はリヨンだし」と慰めてくれたんですけどね。そりゃあ確かにお隣さんともバルサとも当たらないELなら、アトレティコにも優勝の可能性はあるでしょうし、今季のCL決勝はウクライナのキエフですから、フランスの方が行きやすくて好都合。とはいえ、決勝トーナメントが始まるのは2月の中旬、それもワンダ・メトロポリターノで閑古鳥が鳴くのが容易に想像できる32強対決のコペンハーゲン戦から始まって、組み合わせによってはドルトムントやナポリ、アーセナルといったビッグネームとも当たりかねない8試合もの長い道のりを経ないと、5月16日の決勝には出られないんですよ。 ▽それだけに私もあまり楽観的にはなれないんですが、まあ、それはそれ。とりあえず、先週末のマドリッド勢がどうだったか、お伝えしておかないと。先陣を切ったのは弟分のヘタフェで、2週連続の金曜試合でコリセウム・アルフォンソ・ペレスにアスレティックを迎えたところ、2回リードされながら、ホルヘ・モリーナのPKとアンヘルのゴールで追いついて、最後は2-2の引き分けに。この試合も実況を担当していたオンダ・マドリッドのお兄さんは、「ガクはもっとピリッとしないと」と柴崎岳選手のプレーに注文をつけていましたが、次節、日曜のセビージャ戦ではエースのモリーナが累積警告で出場停止になりますからね。先発の座は保証されているんじゃないかと思いますが、アマトがレクエとの接触プレーで歯を4本折ったという知らせもあり、モンテッラ新監督の元、調子が上がってきた相手だけにサンチェス・ピスファンでの対戦はちょっと心配ではあります。 ▽そしてご近所さん同様、日曜正午にアウェイでアラベスと対戦したレガネスも2点をリードされた後、ガブリエル・ピレスのPKと終了間際に生まれたサルドゥアのゴールで2-2と引き分けたんですが、何せ、先週ミッドウィークのコパ準々決勝1stレグでバレンシアに2-1と敗れたアラベスもですが、レガネスもレアル・マドリーとのブタルケでの一戦に0-1と敗れ、今週の2ndレグでは総力を挙げてremontada(レモンターダ/逆転)に取り組まないといけないですからね。とりわけ現在、降格圏まで勝ち点9と比較的、リーガでの状態が落ち着いているため、ガリターノ監督など、サンティアゴ・ベルナベウではレギュラー陣を投入、大先輩を驚かせるべく、秘策を練っているはずかと。次節は同じくコパ準々決勝1stレグで1-0とバルサに先勝、この木曜にはカンプ・ノウでこの僅差を守れても守れなくても精根尽き果てることは確かなエスパニョールが相手なのも、レガネスがマドリー戦に集中できる理由になりますかね。 ▽一方、コパ日程の関係でリーガの開催日をお隣さんと入れ替えたアトエティコは土曜日、ワンダでジローナ戦となったんですが、実はこの相手には、いきなりストゥアーニが2点を挙げ、最後は2-2で勝ち点2をもぎ取られたというシーズン開幕戦の苦い思い出が。それだけにシメオネ監督も「No podemos repetir el primer tiempo que hicimos allí/ノー・ポデモス・レペティル・エル・プリメール・ティエンポー・ケ・イシモス・アジー(あそこでの前半を繰り返す訳にはいかない)」と、選手たちに言い含めていたのが効いたのか、この日は逆にハーフタイム前に得点することに成功。ええ、34分にエリア内でグリーズマンが地面から押し出したボールをトマスが上げ、コスタが頭で落としたところ、今度はゴール右前に来ていたグリーズマンがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めてくれます。 ▽ただ前回、手こずった敵の5バックに対抗するため、自らもサビッチ、ヒメネス、リュカの3CBにカラスコとベルサイコを左右にカリレーロ(長い距離をカバーするSB)として配置したのも功を奏し、ストゥアーニが出場停止だったジローナの攻撃を抑えていたのもあって、「en el segundo con el correr de los minutos nos empezamos a confiar de la situación/エン・エルセグンド・コン・エル・コレール・デ・ロス・ミヌートス・ノス・エンペサモス・ア・コンフィアール・デ・ラ・シトゥアシオン(後半、時間が経つにつれ、ウチは戦況を過信してしまった)」(ヒメネス)のが悪かったんですかね。15分にコスタがガメイロに代わったのは、シメオネ監督も「内転筋に痛みがあって、ケガを避けたかった」と言っていた通り、というか、翌日には時すでに遅しだったことが判明したんですが、25分にはグリーズマンまで下げ、早々と守りの態勢に入ってしまったのが、この日は裏目に出ることに。 ▽え、でもまさか、監督にも「uno de los mejores futbolistas del futbol espanol/ウノ・デ・ロス・メホーレス・フトボリスタス・デル・フトボル・エスパニョル(スペインサッカーで最高の選手の1人)」と評価されているコケがピッチに入るなり、先週のセビージャ戦1stレグで失点のキッカケとなったボールロストに続いて、あんな大ポカをするなんて一体、誰に予想できただろうって? ですよねえ、それは27分、ジローナのアダイが放ったFKはGKオブラクが弾いたものの、コケが2度に渡り、クリアボールを敵に贈っているんですから、開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。実際、エリア内右奥から蹴り上げた方はどう見ても完璧なクロスで、ベルナルドが頭で落とし、ポルトゥのフィニッシュで1-1の同点になってしまった時はもう、当人だってスペイン代表を辞退したくなったのでは? ▽結局、そのままジローナとは今季2度目の引き分けに終わったアトレティコでしたが、いえ、昇格したばかりの向こうが、「凄いチーム相手に難しいスタジアムで、勝利の味のするnos llevamos un punto importantisimo/ノス・ジェバモス・ウン・プント・インポルタンティシモ(重要極まりない勝ち点1をボクらは奪った)」(ポルトゥ)と胸を張っていたのは当然なんですけどね。何とも解せないのは、やはり1点リードしながら、追いつかれ、逆転までされたセビージャ戦に続き、得意の逃げ切りに失敗したにも関わらず、シメオネ監督が「Nosotros segun ustedes estamos muy mal y segun yo, estamos bien/ノソトロス・セグン・ウステデス・エスタモス・ムイ・マル・イ・セグン・ジョ、エスタモス・ビエン(君たち、記者によるとウチの状態はとても悪いが、自分にとってはいい)」と開き直っていたこと。 ▽うーん、確かにあのコケのミスさえなければ、勝てていたのかもしれませんけどね。これで首位バルサとの差が勝ち点11と更に開いたのは元々、9ポイントだって、ほとんど逆転優勝の目はないため、別にいいとはいえ、決してセビージャ戦2ndレグを前に勇気づけられる結果ではなかったかと。そこへ、「Esta claro que siempre que Costa no esta en el terreno de juego afecta/エスタ・クラーロ・ケ・シエンプレ・ケ・コスタ・ノー・エスタ・エン・エル・テレーノ・デ・フエゴ・アフェクタ(コスタがピッチにいないのはいつだって明らかに影響がある)」とリュカも言っていた、すでに復帰して3ゴールを挙げている頼りの点取り屋が、チケット完売のサンチェス・ピスファンで最低でも2点は取らないと逆転突破できない、火曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からの試合に出られないとなったら、もう何を期待したらいいのか。 ▽いえ、それでも棄権はできないため、月曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)のシュダッド・デポルティバ・ワンダではシメオネ監督がGKモヤ、ベルサイコ、ヒメネス、ゴディン、リュカ、コケ、サウール、ガビ、カラスコ、コレア、ガメイロ、フェルナンド・トーレス、グリーズアンら、13人を集めて、作戦を練っていたようですけどね。セビージャは土曜のエスパニョール戦でも0-3で勝利と攻守共に回復してきたようですし、何よりベリッソ監督が去って、中盤にエンゾンジが復帰したのが脅威。また3回もパスが続かないようなアトレィコだったりすると、思いっきり返り討ちに遭いそうなのは怖いですよね。 ▽そして、そんな彼らとまったく好対照なリーガ戦を披露したのがマドリーだったですが、日曜のサンティアゴ・ベルナベウでは私も久々のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を目撃。うーん、前半23分、スローインからアンドネが繋ぎ、ルーカス・ペレスのラストパスをアドリアンが決めて、デポルティボが先制した時には昨年最終戦のクラシコ(伝統の一戦)以来の悪いホームゲームの流れがまだ、続いているように見えたんですけどね。この日は伏兵、今季は同僚が代わる代わる負傷するせいもあって、不動のレギュラーと化しているナチョが反撃の狼煙を上げます。32分、同点を求めて、デポルティボのエリアを包囲していたマドリーだったんですが、彼がマルセロの折り返しを撃ち込んだところ、ボールがゴール前の密集陣を抜けてネットに突き刺さったから、昨今、フラストレーションを溜めていいたスタンドのファンもどんなにホッとしたことか。 ▽続いて42分にはマルセロが上げたクロスをベイルが美しい弧を描くシュートで決め、勝ち越してハーフタイムに入った彼らでしたが、本当のショウが始まったのは後半のこと。ええ、13分にクロースのCKを誰より高く跳んだベイルがヘッドで沈めると、「a partir de su tercer gol nos hemos venido abajo/ア・パルティル・デ・ス・テルセール・ゴル・ノス・エオス・ベニードー・アバッホ(3点目以降、ウチは下を向いてしまった」(アドリアン)と言うように、デポルティボが諦めてしまったせいもあるものの、その10分後にはクリスチアーノ・ロナウドのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)を受けたモドリッチがエリア前から決めてくれます。そのロナウドも33分にはカセミロのクロスをワンタッチで叩き込み、ゴール祭りに参加。ただ彼の場合、その6分後にもルーカス・バスケスの送ったボールに頭を合わせ、自身2点目を奪ったんですが…。 ▽気の毒にもクリアしようと足を出したシェルに蹴られ、左目の横に1センチ以上あろうかという切り傷を負ってしまったんですよ。おかげで顔面血まみれになった当人もチーム医のスマホのカメラで自分でも確認していましたが、婦女子のファンには映像的にあまりにショッキングすぎると思ったんでしょうかね。すでにチームは交代枠を使い果たしていたものの、点差も点差ですし、そのままロッカールームに戻ることに。そちらで3針程、縫う破目になったそうですが、大丈夫。10人しかおらずとも43分にはCKからナチョが締めのゴールを決めて、マドリーは7-1の大勝です。 ▽いやあ、これにはジダン監督も「Los jugadores necesitaban un partido asi/オス・フガドーレス・ネセシターバン・ウン・パルティードー・アシー(選手たちにはこういう試合が必要だった)」と満足を表していましたが、実は1人だけ、この日はワリを喰ったメンバーがいて、それはクラシコでのケガが治って、久々に出場したベンゼマ。マジョラルに代わり、後半19分にピッチに入ったんですが、まさか何もしないうちからpito(ピト/ブーイング)を受けるとはこれいかに。今週は契約更改の約束をペレス会長に果たしてもらえず、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍希望が報じられていたロナウドがチャンスに失敗した時すら、拍手で励まされていたのとは対照的でしたが、まあ、マドリーファンにも好き嫌いはありますからね。その辺は今週、先発となるであろうコパのレガネス戦2ndレグで名誉挽回を図るべく、ベンゼマ自身に努力してもらう他ないかと。 ▽え、「感触はいいけど、まだ100%じゃない。少しずつ最高のフォームを取り戻していくつもりだよ」と試合後、言っていたベイルの2得点は当然の活躍のような気もするけど、DFながら、今季これで4ゴールとしたナチョには脱帽してもいいんじゃないかって? そうですね、当人も「Si es muy dificil para los de arriba, imaginate para los de atrás/シー・エス・ムイ・ディフィシル・パラ・ロス・デ・アリバ、イマヒナテ・パラ・ロス・デ・アトラス(前線の選手でも難しいんだから、後ろのボクらがどうだか想像してみてよ)」と笑っていましたが、もしやこの先、マドリーではリーガ次節のバレンシア戦で復帰予定のセルヒオ・ラモスと熾烈なDF得点王争いが繰り広げられることになるかも。 ▽何にしろ、水曜午後9時30分からのレガネス戦ではバジェホが1stレグで太ももを負傷、全治4~6週間になってしまったため、ナチョの皆勤状態も続くはずですが、その他ではこのデポルティボ戦に出場しなかったイスコやアセンシオらがスタメン入りする可能性が高いかと。残念ながら、セバージョスは練習中に足首をネンザして出られませんけどね。何はともあれ、リーガはマドリーも4位をキープしたものの、首位とは勝ち点差19ですし、どちらが勝ち抜けることになってもマドリッド勢が1つはコパ準決勝に残るのは、私にとってありがたいことです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.23 12:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】こうまで試合が続くのは珍しい…

▽「お昼時に見たい映像じゃないのに」そんな風に私が眉をしかめていたのは金曜日、ラス・ムサス駅前のベンチから、清掃員が血まみれの衣服を拾ってゴミ袋に入れているシーンがどのチャンネルのスポーツニュースでも映るのにうんざりしてのことでした。というのもワンダ・メトロポリターノでコパ・デル・レイ準々決勝1stレグがあった水曜日、メトロ(地下鉄)7号線エスタディオ・メトロポリターノ駅の1つ手前、スタジアムに至る道のりにお店が並んでいる通りがあり、こちらから歩いて行くファンも多いエリアで傷害事件が発生。キックオフ20分前にとあるバル(スペインの喫茶店兼バー)にいた22歳のスペイン人がナイフで3カ所を刺され、助けを求めて警察に保護されたのがそこだったから。 ▽被害者の方は一命を取りとめたそうなので、不幸中の幸いだったんですが、すぐに捕まった犯人は元フレンテ・アトレティコ(過激なファングループ)の一員。それも1998年にビセンテ・カルデロン周辺でレアル・ソシエダのファンが殺害された時にも容疑者の1人とされ、2005年に不振を極めていたチームに抗議するため、当時、リバプール移籍前のフェルナンド・トーレスもいたマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に柵を破って侵入した集団にもいた人物だったとか。おまけにここ10数年、強盗などの罪で服役し、釈放されてたったの6カ月しか経っていなかったというのには言葉もありませんが、おかげでまたしてもウルトラたちの蛮行がクローズアップされてしまったのは何とも嘆かわしいかと。 ▽ええ、同じ水曜遅くに行われたコパ、エスパニョールvsバルサ戦でもRCDEスタジアムへの入場を断られた一団がスタジアム外でbengala(ベンガラ/発煙筒)を炊いて大騒ぎ、警官隊と揉み合っていましたしね。アトレティコが迎えたセビージャも先日には練習場にビリス(過激なファングループ)の訪問を受けて、どうにも落ち着きませんが、いくら取り締まってもこういう類いの人たちはサッカー周辺から消えないよう。自分としてもできるのは、そういう騒動にぶつからないことを祈るぐらいしかないんですが、それも運次第としか言えなくって…スペインに試合観戦に来るファンにとって、何のアドバイスにもならないのが申し訳ないです。 ▽まあ、そんなことはともかく、今週のミッドウィークは私もコパ三昧。マドリッド勢が3チームも準々決勝に残っているため、連夜のスタジアム通いとなったんですが、格下相手だった16強対決とは違い、どちらも大勢の観客を集めての試合となりました。ちなみに水曜のアトレティコvsセビージャ戦は5万1000人とかつてのビセンテ・カルデロンなら、ほぼ満員になる数字で、木曜のマドリーミニダービーとなったレガネスvsレアル・マドリー戦は1万1000人と、こぶりなブタルケはスタンドから人が溢れんばかり。結局、ソシオ(協賛会員)に先行販売した後、当日券が80枚ばかり出たそうですが、やはり一般のファンにとっては狭き門だったかと。 ▽ただ、どちらも結果から言うと、残念なもので、アトレティコなど、グリーズマンとFIFA処分明けで1月からプレーできるようになったジエゴ・コスタ、ビトロ、シメオネ監督待望の黄金コンビが初めて揃い踏みしたんですけどね。期待たがわず、前半13分にはCKからコスタがヘッドでゴールを決めたんですが、残念ながら、グリーズマンがGKセルヒオ・リコにぶつかったとして、ファールでゴールが認められず、続くコスタの一撃もリコにparadon(パラドン/スーパーセーブ)される始末。更に彼にはゴール前の揉み合いでメルカドにユニフォームを破られながら、ペナルティを取ってもらえない不運もあったんですが、セビージャもコレアの1対1やエスクデーロの意表を突くロングシュートをGKモヤに阻まれ、先制点を奪うことはできません。 ▽それでもスコアレスドローで迎えた後半28分、クリアされたCKをカラスコが撃ったボールが敵DFに当たって逸れ、そのこぼれ球をコスタがゴールしてとうとうアトレティコが1点を入れたんですよ! ところが35分、途中出場のヘスス・ナバスのクロスがリュカに当たって軌道が変わったため、モヤも慌ててしまったんでしょうかね。ボールは枠の外に向かっていたにも関わらず、手を伸ばして弾こうとして、オウンゴールにしてしまったから、場内も呆気に取られたの何のって。 ▽ええ、これにはサウールなども「El gol del empate fue muy doloroso, de rebote, nos hizo mucho dano moralmente/エル・ゴル・デル・エンパテ・フエ・ムイ・ドローロ、デ・レボテ、ノス・イソ・ムーチョ・ダーニョ・モラルメンテ(同点ゴールはとても痛かった。リバウンドだったし、士気的に凄く影響した)」と言っていたんですが、だからって、「Hemos perdido la cabeza/エモス・ペルディードー・ラ・カベッサ(ボクらは考える頭を失ってしまい)、やみくもに2点目を取りにいった」なんて、ちょっとお。コパは180分間で決着がつくのを忘れていた? ▽うーん、思うにこれにはこの日のアトレティコが先発のアタッカートリオに加え、ベンチにはコレア、カラスコ、トーレス、ガメイロとやたらFW人口が多め。おかげでハーフにはビトロをコレアに、後半22分にはグリーズマンをカラスコへと太っ腹に代えたシメオネ監督は更に、同点になった後もコケに代えてトーレスを投入し、攻めに出たんですが、これまでのパターンだったら、ここはヒメネスで中盤の守備強化だったかと。ついつい豊富な攻撃陣に誘惑され、コケ、サウール、ガビらMFたちがまったく役に立っていなかったことに目をつむってしまったというところでしょうが、そんな彼らを最悪の災難が襲ったのは43分。 ▽それは昨今のアトレティコには珍しいCB陣のダブルミスからで、センターからバネガが頭で戻したボールをゴディンがベン・イェデルに競り負け、落ちた先でサビッチもクリアし損ねてセビージャのコレアがゲット。最後はモヤも破られて、2点目を取られてしまったとなれば、もうどうしたらいいものやら。残り時間もなく、そのまま1-2で逆転負けしてしまったんですが、いやあ、まさか昨季最後のリーガ戦後、ベリッソ監督を解任。モンテッラ監督をイタリアから呼んだものの、ベティスとのアンダルシアダービーにホームで3-5とやられ、続くアラベス戦にも負けて、絶不調と言われていた相手が息を吹き返す勝利を与えるとは、まったくお人よしにも程があるってもんじゃありませんか。 ▽まあ、嘆いても後の祭りで、こうなったら来週火曜の2ndレグ、すでにチケット完売のサンチェス・ピスファンでremontada(レモンターダ/逆転劇)を目指すしかないんですが、ファンフランは「No es la primera vez que hemos ido a Sevilla y hemos ganado tanto en Liga como en Copa/ノー・エス・ラ・プリメーラ・ベス・ケ・エモス・イドー・ア・セビージャ・イ・エモス・ガナードー・タントー・エン・リーガ・コモ・エン・コパ(ウヒがセビージャで勝ったのはリーガもコパも初めてじゃない)」とは言っていたものの、ホームで1-2負けからの逆転突破はクラブ史上、これまで1回のみ。それを考えると、かなり厳しそうですが、今はもう土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのジローナ戦に頭を切り替えないと。何せ、ワンダのオープンが遅れ、開幕からアウェイが3試合続いたシーズン序盤と逆にここから、リーガはホーム3連戦ですからね。フィリペ・ルイスにまたケガが見つかり、リュカが出づっぱりというのもちょっと心配ですが、首位バルサとの勝ち点差9を少しでも縮められるよう、全力を尽くしてほしいものです。 ▽そして木曜、午後9時30分という遅いキックオフだっただけに、帰りはセルカニアス(国鉄近郊路線)の終電に間に合わず。それでもグーグルマップを見ながら、サン・ニカシオ駅まで20分程歩けばメトロスール(地下鉄南線)はまだあるからと、観念してブタルケに向かった私でしたが、マドリーのBチームも相変わらずパッとしませんねえ。いえ、開始14分でCBバジェホが負傷、コパ32強対決フエンラブラダ(2部B)で退場したのに続き、せっかくのチャンスを利用できず、ナチョと代わる破目になったのは気の毒でしたけどね。レガネスは元々、しっかりした守りに定評のあるチームなんですが、ボールは支配していたマドリーだったものの、先発したマジョラル、アセンシオ、ルーカス・バスケス、セバジョスらでは上手く攻め込むことができず、前半のチャンスなど、コバチッチがGKシャンパンとの1対1で不可思議にも枠を外してしまった時ぐらいでしたっけ。 ▽だからといって、お隣さんとは対照的にケガの直ったベンゼマも含め、BBCを招集しなかったジダン監督のチームの控えにはFWが1人もいませんでしたしね。さすがに0-0のまま、後半半ばにもなると、セバジョスをモドリッチにしてみたんですが、すると対するガリターノ監督も勝負に出ます。そう、24分には現在、チームで一番調子のいいアムラバットを入れ、攻勢をかけたところ、ボービューが至近距離からvolea(ボレア/ボレーシュート)。残念ながら、これはGKカシージャに弾かれてしまったため、勝負は来週水曜のサンティアゴ・ベルナベウに持ち越されるかと、スタンドを埋めたサポーターたちも思ったんですが…いやあ、才能ある選手というのは本当に油断がなりませんよ。 ▽そう、残り1分、途中出場したイスコが始めたプレーから、左SBのテオがクロスを上げると、アセンシオがゴール右前、ティトに先んじてボールのコースを変えてゴール。これで0-1と、マドリーが土壇場で勝利をモノにしたんですが、ガリターノ監督も「ベルナベウでチャンスを探す。Allí daremos todo lo que tenemos/アジー・ダレモス・トードー・ロ・エ・テネモス(そこで我々の持つ全てを出すつもりだ)」と言っていた通り、安心とは程遠い結果だったのも事実だったかと。 ▽いえ、ジダン監督は「Este triunfo es un punto de inflexión para seguir y sacar dos, tres o cuatro partidos adelante/エステ・トリウンフォ・エス・ウン・プント・デ・インフレクシオン・パラ・セギール・イ・サカール・ドス、トレス・オ・クアトロ・パルテイードス・アデランテ(この勝利が先の2試合、3、4試合に勝ち続ける分岐点になるだろう)」と楽観的でしたけどね。バランなども「他の日より劣ったプレーをしたけど、今日は勝った。ボクは悪いプレーでも勝つ方がいいね」と認めていたように、年が変わって以来、1部の相手には引き分け、敗戦と白星がなかったことを考えると、弟分チームとはいえ、レガネスに勝てたのは選手たちの自信回復にもなって良かったかと。 ▽まあ、そんな彼らは日曜午後4時15分から、ホームサポーターの前で今度はデポルティボ相手に復調したことを証明しないといけないんですが、まあ、首位のバルサとは勝ち点差19ありますからね。焦っても仕方ないんで、1ポイント差で5位のビジャレアルに来季のCL出場圏順位の4位を奪われないように気をつけながら、グループリーグに直接参加できる3位のバレンシアとの8差を少しずつ詰めていくことが当面の目標でしょうか。 ▽ちなみにこの試合の注目は今週、メッシやネイマールに年棒で激しく抜かれながら、ペレス会長が一向に契約更改をしてくれないことに業を煮やしてか、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍を望んでいると大々的に報じられたクリスチアーノ・ロナウドに対するスタンドのリアクション。うーん、これまでならあっさりハットトリックでも挙げて、ファンの恩寵を取り戻すのに苦労はなかった当人ですが、今季はリーガでなかなかゴールが入らず。まだ、たったの4得点という悪い流れを変えないと、pito(ピト/ブーイング)が飛んできたりもするかもしれませんね。 ▽え、コパ生き残り勢の様子はわかったけど、初ラウンドで敗退したため、ミッドウィークはカヤの外となっているマドリッド勢、ヘタフェのことも知りたいって? いやあ、実はそうでもなくて、今週はCBカブラル(クロトーネからレンタル移籍)の入団プレゼンがあったり、水曜には私も練習を見て来たんですけど、ここ2週続けて金曜に試合というのはもしや、彼らに疎外感を与えたくないというスペイン・プロリーガ協会の思いやりだったりする?おかげで私もとうとう、3夜連続でスタジアム通いをしてしまったんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにアスレティックを迎えた一戦はペナルティが3つも吹かれる珍しい展開に。 ▽いえ、前半12分には落ちてきたクロスをウィリアムスがすくい上げ、ファーサイドの味方に合わそうとしたところ、今年になって負傷中だか、プレミアリーグへの移籍を待っているのだか、よくわからないGKグアイタに代わり、ゴールを守っているエミ・マルティネスが掻き出しきれず、アスティックにリードを許してしまったヘタフェだったんですけどね。21分にはホルヘ・モリーナがGKエレリンに倒され、そのPKを自ら決めて1-1に追いつきながら、後半序盤にはケガをしたダミアンの代わりに入ったモリネーロがセットプレー中にラポールを倒してしまい、こちらはラウール・ガルシアがPKを沈めて再び、ヘタフェは1-2の劣勢に陥ります。 ▽するとその3分後、またしてもエレリンがホルヘ・モリーナにペナルティを犯してしまったんですが、ここはボルダラス監督もキッカーを変えても良かったかもしれませんね。度重なるファールの影響もあったか、今度はPKをエレリンに弾かれてしまい、ヘタフェは同点に追いつけず。そんな逆境時、チームに勢いを与えてくれたのはアンヘルで、いえ、代わって退いた柴崎岳選手も頑張っていたんですけどね。「ケガが治って前節初めて先発で、今日はリズムの激しい試合だった。No estaba cómodo, lo ha intentado y no encontraba esa posición para recibir y participar/ノーエスタバ・コモドー、ロ・ア・インテンタードー・イ・ノー・エンコントラバ・エサ・ポシシオン・パラ・レシビール・イ・パルティシパール(いい感じがつかめず、試みはしたものの、ボールを受けて、プレーに加わるポジションが見つからなかった)」(ボルダラス監督)だったようで、何にしても28分にはそのアンヘルが、ポルティージョが頭で落としたボールをゴールに流し込み、待望の同点弾を決めてくれたとなれば、まさに的確な交代策だったと言わざるをえないかと。 ▽ただ残念ながら、アンヘルも勝ち越し点のチャンスには決めることができず、結局、2-2の引き分けで終わったんですが、暫定7位で、ヨーロッパリーグ出場圏の6位セビージャにも少し近づきましたしね。次節はそのセビージャと直接対決、続いてお隣さんのレガネスとの弟分ダービー、バルサ戦としばらく茨の道が続く彼らには、悪くないシーズン後半戦のスタートになったはず。そうそう、こちらも午後9時の遅い試合だったんですが、嬉しいのはブタルケと違い、コリセウム・アルフォンソ・ペレスはすぐ側にメトロスールのロス・エスパルタレス駅があること。マドリッド中心部に戻るには1時間ぐらいと、ちょっと時間はかかるんですが、暗い道を延々と歩かなくて済むのはありがたいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.20 14:31 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢はコパに懸ける…

▽「前代未聞のハードスケジュールだわ」そんな風に私がおののいていたのは月曜日、今週の観戦予定をチェックしていた時のことでした。いやあ、リーガ後半戦開始となる20節は珍しく、マドリッドの3チームがホームゲームとなるのはすでにわかっていたんですけどね。それもヘタフェが金曜、アトレティコが土曜、レアル・マドリーが日曜とバラけてくれた時には今週末、スペインの首都に滞在するサッカー好きの観光客は毎晩試合が見られてラッキーだなぐらいにしか思わなかったんですが、よくよく見てみれば、ミッドウィークにはコパ・デル・レイ準々決勝1stレグが開催。水曜にアトレティコがセビージャをワンダ・メトロポリターノに迎えた後、木曜にはブタルケ(レガネスのホーム)でマドリーミニダービーのコパ版って、もしかして私、5日連続でスタジアムに通うことになる? ▽ちなみにコパのいいところはチケットの値段がリーガ戦より安いことで、アトレティコの場合は一般25ユーロ(約3400円)から。相手が近年、ライバル意識の強いセビージャだけにすでに7000枚売れたと言われていますが、リーガより手に入れやすいのは確かかと。前売りはビセンテ・カルデロンの窓口かクラブのオフィシャルウェブのEntradas(エントラーダス/入場券)セクション(http://www.atleticodemadrid.com/entradas/entrada/atletico-de-madrid-sevilla-12)で、当日もワンダのスタジアムに向かって左手前にあるチケット売り場で買うことができます。 ▽一方、マドリッドの大先輩の胸を借りることになるレガネスは40ユーロ(約5500円)からなんですが、何せ、あそこは収容人数が1万人ちょっとと少ないですからね。月曜のベティス戦では今年初めて2得点しながら、アムラバトのハンドで与えたPKをルベン・カストロに決められ、3-2と負けてしまったものの、コパ16強対決ではビジャレアルを破ったというのもあって、先行販売されているソシオ(協賛会員)たちが駆けつけないはずはなし。もし余ったら木曜の試合当日に一般用チケットが出るとはいえ…あまり期待はしない方がいいかもしれませんね。 ▽まあ、コパについてはまた後で話すことにして、まずは先週末のリーガ戦がどうだったかお伝えしておかないと。先陣を切ったのは弟分のヘタフェで金曜にマラガをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたんですが、ようやく柴崎岳選手が負傷から復帰後、初先発となったものの、得点はかなり遅くまで生まれず。そんな時、切り札となったのはセットプレー。何せ彼らは最初のラウンドでコパを敗退しているため、練習時間が沢山ありますからね。後半26分、ファジルのFKから途中出場のアンヘルがクロスを上げ、カラが頭で決めて待望の先制点をゲットすることに。 ▽相手が降格圏で低空飛行しているマラガだったこともあり、その後、攻撃陣の一角だった柴崎選手をボランチのモラに代え、そのまま1-0で勝利。シーズン前半戦を勝ち点26の8位という好成績で終えたヘタフェでしたが、ボルダラス監督によると、「(2年前)降格したシーズンも勝ち点は同じだったのだから、tenemos que seguir trabajando con mucha humildad/テネモス・ケ・セギール・トラバハンドー・コン・ムーチャ・ウミルダッド(謙虚さを忘れずに努力し続けないといけない)」のだとか。クラブもそのための用心は怠らず、今週はCBのゴロシートがアルバセテ(2部)に移籍するのと入れ替わりでカブラル(カントーネからレンタル移籍)を獲得。プレミアリーグ行きの噂があったGKグアイタも残留することになったようですしね。再び金曜午後9時(日本時間翌午前5時)に振られた、ホーム連戦となるアスレティックとの試合でもいい結果を出せば、ヨーロッパリーグ出場圏入りも夢ではないというのはきっと、選手たちの励みになるはずですよ。 ▽そして土曜は兄貴分たちの番で先に試合をしたのはマドリー。サンティアゴ・ベルナベウでのビジャレアル戦でしたが、氷雨が降る中、いえ、このスタジアムだけは客席に暖房があるため、凍えることは滅多にないんですけどね。ファンに寒気を与えたのは試合内容の方で、前半にはベイルのゴールがオフサイドで認められなかったり、クリスチアーノ・ロナウドのシュートがゴール枠を叩いたりしたものの、ジダン監督も後で「Hemos tenido muchas ocasiones y no quiere entrar/エモス・テニードー・ムーチャス・オカシオネス・イ・ノー・キエレ・エントラール(ウチには沢山チャンスがあったが、ボールが入りたがらなかった)」と嘆いていたように、待てど暮せど、ゴールが決まらないんですよ。 ▽すると後半、それまで押し込まれるばかりだったビジャレアルが少しずつ攻撃を繰り出し、残り3分にとうとうそれが実ってしまったから、さあ大変! マドリーのCKをクリアすると、チェリシェフがドリブルで抜け出してカウンターをスタート。バッカから代わっていた20歳のウナルのシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、フォルナルスのカバーを誰もしていなかったため、vaselina(バセリーナ/ループシュート)で虎の子の1点を奪われてしまうって、あんまりじゃないですか。すでにイスコとベイルをアセンシオとルーカス・バスケスに代えていたマドリーですが、その後もめぼしいリアクションはなく、FWマジョラルも投入も見送られ、そのまま0-1で負けてしまうことに。 ▽いやあ、ビジャレアルにとって、これがベルナベウ初勝利で、殊勲の決勝点を挙げたフォルナルスが試合後、「実は金曜の練習でまったく同じシチュエーションがあって、その時のシュートはバーに当たっちゃったんだけどね」と嬉しそうにしていたのは別にいいんですけどね。問題はカジェハ監督も「No veo imposible llegar a la Champions/ノー・ベオ・インポシーブレ・ジェガール・ア・ラ・チャンピオンズ(CL出場圏に入るのは不可能には見えない)」と言っていたように、これで4位マドリーと5位に上がったビジャレアルの差がたったの勝ち点1になってしまったことで、え、翌日、レアル・ソシエダに逆転勝ちした首位バルサとの19差になったのはいいのかって? ▽まあ、こうまで離されると、カンテラーノ(ユース組織出身選手)のナチョなどは「No vamos a tirar la Liga hasta el ultimo minuto/ノー・バモス・ガ・ティラール・ラ・リーガ・アスタ・エル・ウルティモ・ミヌート(ボクらは最後の1分までリーガ優勝を諦めたりしない)」と建前を貫いたものの、「ウチは来季のCL出場権獲得に集中すべき。それが今季残りの目標だ」というクロースの意見の方がずっと現実的ですからね。昨年最後の試合だったクラシコ(伝統の一戦)でバルサに負けて以来、セルタとの引き分けを挟んでここ3試合、リーガで白星なし、ホームでのコパ2ndレグもフエンラブラダ(2部B)、ヌマンシア(2部)の格下に続けて2-2のドローという体たらくでは、その日もファンが試合終了と共に大音響のpito(ピト/ブーイング)をチームに浴びせたのも仕方なかったかと。 ▽よってもう、この木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのレガネスとの今季まだタイトル獲得の可能性があるコパ準々決勝1stレグ、日曜のリーガ、ホームでのデポルティボ戦はマドリーにとって、まさに背水の陣と言っていいかと思いますが、悪い時には悪いことが重なるのは人生の常。ええ、月曜にはAS(スポーツ紙)が「ロナウド、ユナイテッド移籍を希望」報道を開始してしまったんですよ。その理由は昨季、カーディフでの決勝で2ゴールと活躍、ユベントスを倒してDuodecima(ドゥオデシマ/12回目のCL優勝のこと)に貢献した際に契約更改をペレス会長が約束しながら、まだ果たされておらず。その間にメッシやネイマールらに年棒で大きな差をつけられてしまったのが不満だというのですが、何せ今季の彼はリーガで4得点ですからね。いくら先日は自身5度目のバロンドールを受賞したとはいえ、今はそうそう、強気には出られないんじゃないのでは? ▽ただどちらにしろ、それはこの夏のことで、今はロナウド引き止めより、緊急補強でも何でもして、シーズン前半戦18試合(クラブW杯でレガネス戦が未消化)でたったの32得点という、2006-07シーズンの26得点に次ぐゴール日照りを解消すべきだと思うんですが、相変わらず、ジダン監督の意見は今のメンバーで十分というもののよう。いえ、バルサがここまで52得点というのが異常で、前半終了時点でお隣さんに勝ち点差10をつけた2位のアトレティコなど、たったの28得点ですから、要は守備との兼ね合いなんですけどね。まだ今週は負傷のリハビリ中のベンゼマもセルヒオ・ラモスも戻って来ませんし、いざとなれば、今季のCLに優勝すれば来季のグループリーグに出られるとはいえ…本当にどうするつもりなんでしょうかね。 ▽え、ということは、その土曜はジエゴ・コスタが出場停止でいなかったにも関わらず、アトレティコはエイバルに勝ったのかって? いやあ、私も試合の前半はまだベルナベウのミックスゾーンにいたため、彼らがガンガン押していた前半は見ることができなかったんですけどね。コレアやコケのシュートが外れた後、27分にはコケのパスを追ったグリーズマンがエリア内でガメイロにアシスト。そのシュートが決まって先制してくれたため、自宅近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)に駆け込んで、後半が始まるのを楽しみに待っていたところ…ちょっとお、「Ellos crecian y nosotros elegimos refugiarnos/エジョス・クレシアン・イ・ノソトロス・エレヒモス・レフヒアールノス(相手が強くなってきたので、ウチは避難することにした)」(シメオネ監督)って、どういうこと? ▽おかげで私が見たのは自陣にこもって守る一方のアトレティコで、いえ、乾貴士選手の強烈な一撃を弾いたのを始め、7回にも及ぶGKオブラクの奮闘にはいつもながら、感動させられたんですけどね。チャンスと言えば、グリーズマンが1対1でGKドミトロビッチに弾かれたシュートぐらいなもので、フラストレーションもかなり溜まったとはいえ、この日はコスタ以外にもガビやサビッチが累積警告で不在。おまけにエイバルは3連勝中と絶好調だったのを考えると、「Despues de ver la segunda parte creo que hemos merecido mas/デスプエス・デ・ベル・ラ・セグンダ・パルテ・クレオ・ケ・エモス・メレシードー・マス(後半を見た後のウチはもっと報われても良かった)」(メンディリバル監督)という相手を零封して、0-1で渋い勝利をもぎ取ったんですから、不満を言ったらバチが当たりますって。 ▽まあ、「Estamos un poco cansados de jugar cada tres dias/エスタモス・ウン・ポコ・カンサードス・デ・フガール・カーダ・トレス・ディアス(ボクらは3日ごとにプレーするのにちょっと疲れていて)」というガメイロの言葉は、イプルア(エイバルのホーム)でもゴディンが5枚目のイエローカードをもらい、土曜のリーガ次節、ジローナ戦で出場停止になったように、すでに強制ローテーションも始まっていますし、コパもEL決勝トーナメントも勝ち続けて、3月の各国代表戦週間までノンストップで行く予定となれば、今は聞かないふりをしておいた方がいいんですけどね。 ▽それより喜ばしいのは今年になって、彼を始め、グリーズマン、フェルナンド・トーレス、コレアとFW陣が全員得点していること。何せ、あのコスタだけにまた退場による出場停止があるかもしれませんし、実際、出ずっぱりという訳にもいかないですしね。となれば、シーズン前半は決定力不足に悩まされた前線にゴールが戻ってきたのは現在、勝ち点9差で唯一、リーガ優勝戦線でバルサの対抗馬と言われている彼らにとっては心強いかと。 ▽いえ、もちろんこの先、バルサが3敗もするとは私も思えないため、アトレティコの現実的な目標もELはまだ先が長いですし、4月21日にワンダ・メトロポリターノで開催することが決定したコパで優勝することなんですけどね。そのためには水曜午後7時(日本時間翌午前3時)からの準々決勝1stレグでセビージャを叩いておかないといけないんですが、昨年最後のレアル・ソシエダ戦で敗れた後、ベリッソ監督を解任、イタリア人のモンテッラ監督が引き継いだ相手が未だに復調していないのはツイている? ええ、年明け最初のアンダルシアダービーで宿敵ベティスに3-5と負けた後、この日曜にもアラベスに1-0と惜敗し、翌朝には練習場にビリス(セビージャの過激なサポーターグループ)のメンバーが詰めかけ、選手たちと話すことを要求。そういうのはリバプールに移籍する前にトーレスがいた時代、アトレティコでもあったんですが、これってかなりヤバい状態ですよ。 ▽とりあえず、月曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習でシメオネ監督はグリーズマンとコスタのコンビで前線を試していたそうですが、今度は私も威勢よく攻めていくアトレティコをワンダで見られることを期待。ただビセンテ・カルデロンに負けず劣らず、周囲が荒野のあのスタジアムは風が通って非常に寒いんですよね。ここしばらくはマドリッドも夜は低温が続くため、もし水曜からの5連戦、スタジアムに行こうと思っているファンはできるだけ暖かい恰好をしていくのがお勧め。ええ、今はマドリッドもrebaja(レバッハ/バーゲン)のシーズンということもあり、私も裏フリースのニット帽をつい買ってしまいましたっけ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.16 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】消化試合にもイロイロある…

▽「せめて勝つぐらいはしてくれないと」そんな風に私が愚痴っていたのは水曜。今週マドリッドで行われたコパ・デル・レイ16強対決2ndレグ、2日目の試合がサンティアゴ・ベルナベウで終わった時のことでした。いやあ、確かに格下のヌマンシア(2部)相手に0-3で先勝していたとあれば、レアル・マドリーの選手たちのやる気がそげるのも無理はないんですけどね。それを言ったら、前夜のワンダ・メトロポリターノなど、リーガ前節のヘタフェ戦同様に雨。アトレティコも1stレグでジェイダ(2部B)に0-4と大勝していため、観客数もたったの2万8000人と今季最低の入りだったものの、スタンドで寒さに耐えた甲斐のある内容だったのとはかなり、対照的だったから。 ▽とりあえず順番にお話ししていくことにすると、アトレティコはマドリーミニダービーで累積警告や退場となったガビ、サビッチ、ジエゴ・コスタが次節に出場停止となるため、シメオネ監督は彼らをコパで先発に使うことに。それ以外はグリーズマン、ゴディン、サウール、コケ、トーマス、ヴルサイコ、ヒメネス、GKオブラクら、リーガのtitulares(ティトゥラレス/レギュラー)を招集しなかったんですが、前半が0-0で終わったのはいつもの習慣のようなものだったかと。実際、CKからリュカがシュートをゴールポストに当てたり、フェルナンド・トーレスのラストパスで敵GKと1対1になったコスタが弾かれたりと、チャンスはあったんですが、待望のゴールは57分まで生まれませんでしたっけ。 ▽とはいえ、彼らの得点は十分、見ごたえのあるもので、今は9月に復帰しながら、アトレティコの受けたFIFA処分のせいで年明けまでプレーできなかったコスタが張り切っていますからね。先制点のキッカケも彼で、自陣でボールを取り戻すと、一気にカウンターが始まり、最後は当人がエリア内から出したパスからカラスコが決めてくれます。ええ、シメオネ監督も「No tengo ninguna duda de que ha sido el jugador más importante que ha llegado al Atlético en los últimos años/ノー・テンゴ・ニングーナ・ドゥーダ・デ・ケ・ア・シードー・エル・フガドール・マス・インポルタンテ・ケ・ア・ジェガードー・アル・アトレティコ・エン・ロス・ウルティモス・アーニョス(ここ数年でアトレティコに来た一番重要な選手であることに自分はまったく疑いを持っていない)」とベタ褒めしていましたが、とにかくコスタがピッチにいるだけで何かが起こるような気がするのはきっと、私だけではないかと。 ▽そして2点目は72分、今度は途中出場組のコレアとガメイロの連携で、とりわけ彼らの場合は新戦力がプレー解禁されたせいで、チーム内競争激化の影響をモロに喰らっていますからね。スローインからのボールを前者が持ち込むと、ゴールライン際から出したパスを後者が流し込んでゴールに。何せ、このコパづくめの1月に続き、2月もヨーロッパリーグ32強対決コペンハーゲン戦を皮切りにはずっとミッドウィークの試合が続く(予定)のアトレティコ。この日、ワンダデビューしたビトロ(昨夏セビージャから移籍して、シーズン前半はラル・パルマスにレンタル)も11月に負傷して以来、1カ月間、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でリハビリしながら、横目でチームメートのトレーニングぶりを見学していたのが早い適応に繋がったんでしょうかね。 ▽78分にはトーレスのロングフィードを追いかけ、3点目のゴールを決めたとなれば、当人も「No podía pedir más en mi debut en casa/ノー・ポディア・ペディール・マス・エン・ミ・デビュー・エン・カサ(自分のホームデビューにこれ以上のことは頼めない)」と喜んでいたように、選手層の厚さを試す最高な消化試合だったと言っていい? 結局、そのまま3-0で勝利したアトレティコは総合スコア7-0で準々決勝進出を決めたんですが、うーん、それでもやっぱり気になるのは土曜の午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのエイバル戦。相手はコパ敗退組で1週間、十分休養を取っているというのもありますが、一応、クラブもヘタフェ戦でスタンドのファンに揉みくちゃにされてゴールを祝ったコスタに出されたイエローカードの取り消しを協議委員会に申請。 ▽それが木曜には却下されてしまったため、今月になって初めて彼抜きで戦わないといけないというのはちょっと不安ですが、今度は週中にお休みをもらった選手たちが頑張ってくれる? そうそう、同日行われたラス・パルマスとのコパ2ndレグでバレンシアの一員として、レンタル移籍デビューしたビエットは今季前半のゴール入らない病がいきなり全快したようで、ハットトリックで4-0の勝利に貢献。チームも総合スコア5-1で準々決勝に進んでいますが、その相手は現在、リーガ3位、2位のアトレティコとはCL出場権争いのライバルっていうのは当人にとっては喜ばしくても、ちょっと敵に塩を送るみたいな形になってしまいましたかね。 ▽そして翌水曜、一足先にコパ16強2ndレグに挑んだのはマドリッドの弟分、レガネスでこちらはアウェイでのビジャレアル戦。先週はブタルケで1-0の最少得点差勝利だったため、危ういところもあったんですが、31分にナランホのスルーパスからエル・ザールが見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めて1点を取ってくれたため、ラバとチェリシェフのゴールで後半、2-1と逆転されながら、アウェイゴール差で勝ち上がることができました。ええ、ガリターノ監督も「Es lo que tiene la Copa, a pesar de haber perdido, pasamos de ronda/エス・ロ・ケ・ティエネ・ラ・コパ、ア・ペサール・デ・アベール・ペルディードー、パサモス・デ・ロンダ(これがコパにはある。負けたのにウチは次のラウンドに進んだ)」と言っていましたが、とにかく感心するのは年明けからの3試合、どれも1点しか取ってないにも関わらず、彼らが最大限の効率を上げていること。 ▽さすがに来週になると、リーガ次節ベティス戦が月曜、コパ準々決勝は金曜の抽選で相手が決まりますが、これも間違いなく1部のチームとで1stレグは木曜、そして日曜にはアウェイでのアラベス戦と超ハードスケジュールになるため、息切れが心配ですけどね。ちなみに今のところ、コパ8強進出組で一番勝ち目がありそうなのは、お隣さんのヘタフェは32強対決で後れを取ったものの、そのアラベス(2部Bのフォルメンテラに総合スコア3-0で勝利)ですが、謙虚なレガネスファンは1-0の辛勝でも決して文句を言わないものの、さすがに3連戦とかなると、それはそれで観客動員数に影響が出るかもしれませんね。 ▽え、そんな弟分とは真逆で、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)でないとpito(ピト/ブーイング)が飛ぶサンティアゴ・ベルナベウのファンの要求度の高さにも問題ななきにしろあらずだけど、水曜のヌマンシア戦では仕方ないところもあったんじゃないかって? そうですね、リーガでは前節のセルタ戦で2-2と引き分け、とうとう首位バルサとの差が勝ち点16に開いてしまったマドリーだったんですが、前日にはジダン監督がバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習前に30分間、反省ミーティングを開きながら、その鬱憤をコパで晴らすには至らず。もちろんクリスチアーノ・ロナウドを始め、モドリッチやクロース、GKケイロル・ナバスらはローテーションでお休み、ベイルも実戦のリズムは戻ったとして、ベンチに入らなかったせいもあったんでしょうが、結果は2試合連続となる引き分けとなれば、もうAチームもBチームも違いはない? ▽いえ、確かに1stレグで3点リードしていたところに10分、カルバハルのクロスをノーマークでルーカス・バスケスが頭で決め、すでについていた勝負が序盤から更についてしまったという巡り合わせはあったんですけどね。こういう試合でこそ、アピールして出場機会を増やさないといけないマジョラル、アセンシオ、セバージョス、コバチッチ、ジョレンテらが揃って精彩なく、追加点は一向に奪えず。それどころか、前半終了間際にはカウンターから、負傷で交代したヒヒニオに代わって入っていたギジェルモに同点ゴールを決められているのでは、ハーフタイムでロッカールームに戻る時から選手たちがブーイングを浴びていたのも仕方なかったかと。 ▽後半も53分にはアセンシオのクロスをマジョラルが落としたところをルーカス・バスケスが押し込み、再びリードしたマドリーだったんですが、その後、積極的に攻めているのがヌマンシアばかりでは。おかげで「al final nos faltó gasolina/アル・フィナル・ノス・ファルトー・ガソリーナ(ウチは最後、ガソリンが足りなかった)」とジダン監督も残り15分、唯一のFWだったマジョラルを下げ、ボランチのカセミロを入れることになったんですが、36分には再びギジェルモに決められて、同点に追いつかれてるって一体、このマドリー、守備も攻撃もどうなっている? ▽いえ、それでも総合スコアは5-2ですから、いくらヌマンシアのアラサーテ監督が「Vimos la posibilidad incluso de ganar/ビモス・ラ・ポシビリダッド・インクルソ・デ・ガナール(勝利の可能性さえウチにはあった)」と胸を張っても逆転突破される心配はなかったんですけどね。この日の引き分けで今季のホームゲーム15試合中、勝ったのはたったの8試合だけって、うーん、これじゃ、いくら2得点を挙げて満足していたルーカス・バスケスに「La afición tiene que ilusionarse en los cinco títulos que ganamos el año pasado/ラ・アフィシオン・ティエネ・ケ・イルシオナールセ・エン・ロス・シンコ・ティトゥロス・ケ・ガナモス・エル・アーニョ・パサードー(ファンはボクらが去年獲った5つのタイトルに夢を抱かないといけない)」と言われたって、フラストレーションが溜まるのは当然でしょう。 ▽そんなマドリーはこの週末、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、またしてもベルナベウでビジャレアル戦に挑むんですが、今の時点ではあまりリーガの優勝戦線に復帰することを考えても空しいばかりなので、まずは12月9日のセビージャ戦以来となるホームでの白星をファンにプレゼントすることに専念するべきかと。バルサと違って、即戦力となる戦力補強の話もありませんし、木曜に残っている16強対決2ndレグ3試合が終わって、相手が決まらないことにはコパの先行きもわからず、このところ1試合1試合進むごとに2月のCL決勝トーナメントPSG戦が到来するのが怖くなってくるというのも非常に悪い傾向ですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、2月にクラブW杯のせいで延期されたリーガのレガネス戦を迎える頃までには現在、勝ち点3しかない5位との差を広げてくれていると安心なんですが、才能にはまったく問題がないはずの選手たちがまずは90分間、集中してプレーできるようになるのが最優先でしょうか。 ▽そうそう、最後にコパの話題がまったくなかったヘタフェについてですが、彼らはこの週末のリーガ、金曜試合で午後9時(日本時間翌午前5時)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに19位の降格圏にいるマラガを迎えることに。前節は先輩のアトレティコに2-0と軽くひねられてしまったんですが、今回は再び、夢のEL出場圏に近づくいいチャンスかと。ちなみにそのワンダの試合で控えとなったGKグァイタにはクリスアル・パレスへの移籍の噂があったせいで、何かと注目されていたんですが、ボルダラス監督が言うには単に身体的に問題があったからだとか。マラガ戦にもまだ出られるかわかりませんが、このシーズン前半最終戦を過ぎると、また強豪との対戦が始まる彼らですからね。そろそろ柴崎岳選手の先発などもあるかもしれませんし、ここはマドリッド勢唯一、週1試合ペースでいられるメリットを生かして、リーガで健闘してくれることを期待しています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.12 12:31 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】新年、メデタイことばかりじゃない…

▽「ここまで来るといっそ、忘れてしまいたいかも」そんな風に私が呟いていたのは日曜の夜、18節ではすでにリーガの1位から3位まで皆、勝っていたのを知りながら、4位のレアル・マドリーがバライドス(セルタのホーム)で勝ち点2をむざむざ失ってしまったのを見た時のことでした。いやあ、昨年最後のクラシコ(伝統の一戦)で0-3と宿敵に一蹴され、クラブW杯のおかげで消化試合は1つ少ないとはいえ、首位との差が勝ち点14に開いた時点でもう、彼らの今季のリーガは終わったという声はそこここから聞こえていたんですけどね。 ▽ただ、その直後にクリスマスのparon(パロン/リーガの停止期間)に入ったため、いえ、この月曜にコウチーニョ(リバプールから移籍)の入団発表があったバルサのように、即戦力となる選手を獲得するとかの噂はその間、GKのケパ(アスレティック)を除いてまったくなし。それもジダン監督の「ahora no necesito un porter/アオラ・ノー・ネセッシートー・ウン・ポルテーロ(今、GKは必要ない)」という、至極ごもっともなコメントで後回しとなったようですが、世間がお祭りムードに入るのと同時にマドリーの絶望的な状況も記憶の彼方に。おまけに年明け最初の試合、コパ・デル・レイ16強対決ヌマンシア(2部)戦1stレグなど、内容はともかく、0-3と快勝だったため、セルタ戦の後に思い出した現実がより悲惨に感じられたという見方もできなくはないんですが…。 ▽まあ、その辺についてはまた後で話しますが、2018年最初のリーガのマドリッド勢がどうだったかというと。この節のトップバッターを飾ったのはマドリー・ミニダービーで、アトレティコとヘタフェがワンダ・メトロポリターノで激突。雨模様の中、los Reyes Magos/ロス・レジェス・マゴス(東方の三博士)の祝日、土曜の午後1時からの試合に駆けつけたホームチームのサポーターには、待ちに待ったジエゴ・コスタ(昨夏チェルシーから移籍したものの、FIFA処分でシーズン前半はプレーできなかった)とグリーズマンのFWコンビをスタメンで見られるというregalo(レガーロ/プレゼント)があったんですが、シメオネ監督が左右にコレアとカラスコを配して攻撃的な布陣を敷いたのも効果的だったかと。 ▽ええ、コスタとグリーズマンのシュートが1本ずつ外れた後の前半18分、今度はアシスト役になった後者のスルーパスをコレアがエリア内で受け取りシュート。余裕のある1対1でなかったのが逆に良かったか、これが決まってアトレティコが先制点を挙げてくれたから、昨年最後の試合でエスパニョール相手にゴールが入らず。0-1で負けて、首位との差が勝ち点9になってしまったことを嘆いていたファンもどんなに喜んだことか。それ以降は両チーム共にファウルが増え、ハーフタイムまでに7枚ものイエローカードが飛び交ったため、次節のエイバル戦ではガビとサビッチが出場停止になってしまったんですが、これもアトレティコでは毎シーズンのお約束。例年に比べれば、累積警告ローテーションが始まったのはこの日のサウールからなので、むしろ今季は遅かったと言っていいでしょうか。 ▽そして後半序盤、チームメートに負けじとばかり、コスタもジェネの顔面にcodazo(コダソ/肘打ち)を入れてイエローカードをもらったんですが、それが22分、ヴルサリコのラストパスをCFとはかくありなんとばかりにゴール前から決めたすぐ後、災いの種となるとは!そう、自分を待ち望んでいたファンの前でワンダ初得点を挙げて感極まり、ピッチの囲いを飛び越えて、応援団のいるfondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側席)に駆けつけて一緒に祝ったところ、審判に2枚目のイエローカードを提示されてしまったから、誰もが呆気に取られたの何のって。もちろんこれでコスタは退場、リーガの次節にも出られないって、いや、彼はまだローテーションいりませんってば! ▽うーん、後でガビなど、「se merece una colleja, aunque espero y deseo que no conociera la norma/セ・メレセ・ウナ・コジェハ、アウンケ・エスペロ・イ・デセオ・ケ・ノー・コノシエラ・ラ・ノルマ(規則を知らなかったんだと思いたいけど、頭をガツンとやるのにふさわしいね)」とキャプテンらしく、一応、コスタに苦言を呈していたんですけどね。コレアも「yo tampoco sabía que era amarilla celebrar el gol con la grada/ジョー・タンポコ・サビア・ケ・エラ・アマリージャ・セレブラール・エル・ゴル・コン・ラ・グラダ(ボクもスタンドと一緒にゴールを祝ったらイエローだってのは知らなかった)」と言っていましたし、本当かどうか、私は知りませんが、リュカによると、「イングランドじゃそんな規則はなくて、ファンと祝ってもいいんだ」そう。ただ、その次の時間帯で試合をしたバレンシアでロドリゴがロマーリョのオウンゴールを誘発した際、同じようにファンに揉みくちゃにされてもカードは出ずと、この規則に関しては適用がまちまちなのは如何なものかと。 ▽それでも幸い、途中出場の柴崎岳選手も大したインパクトは残せず、ヘタフェが「Nos faltó golpear y no las metimos/ノス・ファルトー・ゴルペアール・イ・ノー・ラス・メティモス(ウチはシュートが足らず、ゴールも入れなかった)」(ボルダラス監督)ため、10人になったアトレティコながら、そのまま2-0で終了の笛を聞くことに。丁度、3位のバレンシアもジローナに2-1で逆転勝利、翌日には首位のバルサもレバンテに3-0と快勝したため、ありがたい勝ち点3ゲットとなりましたが、何より嬉しいのはコスタがプレーできるようになって、チーム全体が前に引っ張られるようになったことでしょうか。 ▽それだけに火曜のコパ16強対決ジェイダ(2部B)戦2ndレグは先週の試合で0-4と大勝しているため、ビトロ(セビージャから移籍、シーズン前半はラス・パルマスでプレー)に慣れてもらったり、ガメイロやフェルナンド・トーレスが調子を上げるのに使ってもらって全然、構わないんですが、土曜のエイバル戦がちょっと気掛かりな面もなきにしもあらず。一方、すでにコパに敗退しているヘタフェは金曜にマラガ戦を迎えるんですが、もうこれでアンヘルは6試合連続ノーゴールですしね。順位的には11位とまったく問題ないものの、そろそろボルダラス監督も柴崎選手の先発起用など、ちょっとフォーメーションをいじることを考えてみてもいいかもしれませんね。 ▽そして翌日曜、同じアジアン・ゴールデンタイムの正午からブタルケにレアル・ソシエダを迎えたもう1つの弟分、レガネスは後半31分にガブリエルのゴールが決まり、コパのビジャレアル戦1stレグに続き、1-0で勝利。それこそ、ガリターノ監督も「Es para estar increíblemente contentos con lo que estamos haciendo/エス・パラ・エスタル・インクレイブレメンテ・コンテントス・コン・ロ・ケ・エスタモス・アシエンドー(自分たちがやっていることに信じられないぐらい満足な状態)」と言っていた程、守備の堅さに裏打ちされた省エネゲームで連勝しているんですが、ビジャレアルのホームに乗り込む水曜にもその勢いが衰えないといいのですが。何せ、コパ準々決勝に進出すると次のリーガ、ベティス戦が月曜に組まれているため、来週は3試合という超ハードなスケジュールになりますからね。レガネスの場合、2大会同時進行に慣れている選手もあまり多くないため、1月にムリをすると、あとでツケが回りそうなのがちょっと怖かったりします。 ▽え、そんなことより、早くマドリーに何が起こったのか知りたいって?そうですね、日曜の夜にセルタ戦を迎えた彼らだったんですが、この日は木曜のヌマンシア戦とは違い、クリスチアーノ・ロナウド、ベイル、イスコ、クロース、モドリッチ、カセミロらが先発。ただケガでセルヒオ・ラモス、出場停止でカルバハルがいなかったのが大きかったというか、うーん、それよりマルセロにこのところ精彩がないせいですかね。前半32分にはイアゴ・アスパスからのロングパスを受けたヴァスにvaselina(バセリーナ/ループシュート)を見事に決められ、先制点を奪われてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫。この時は3分もしないうちにベイルがクロースのアシストから同点弾、38分にもイスコのパスを押し込んで逆転弾と、負傷続きで目立てなかった2017年の鬱憤を晴らすかのごとく大活躍してくれたため、すぐ安心できたんですけどね。ただ、良くなかったのはその後で、セルタのGKルベンも「Nos enchufaron dos goles y vivieron de ellos/ノス・エンチュファロン・ドス・ゴレス・イ・ビビエロン・デ・エジョス(ウチから2ゴール奪って、それで良しとした)」と言っていたように、後半に畳みかけないんではねえ。それでも26分にはGKケイロル・ナバスがアスパスを倒して与えたPKを自己責任で弾き、最大のピンチは逃れたかと思ったんですが…いえいえ、世の中、そんなに甘くありませんって。 ▽それは38分、またしてもマルセロがボールを失い、最後はアスパスのクロスをマキシ・ゴメスがヘッドして、とうとうセルタに追いつかれてしまったんですよ。そのまま2-2で引き分けて、キャプテンを務めていた当人は「No podemos hacer nada más. Hacemos lo que podemos/ノー・ポデモス・アセール・ナーダ・マス。アセモス・ロ・ケ・ポデモス(これ以上のことはできない。できることをやるだけさ)。いいサッカーをして、ゴールを入れて、ボールを回すようにしているけど、上手くいかないんだ」と開き直っていましたけどね。ジダン監督も「Tuvimos muchas pérdidas de balón, algo que no suele ser un problema y hoy sí/トゥビモス・ムーチャス・ペルディダス・デ・バロン、アルゴ・ケ・ノー・スエレ・セル・ウン・プロブレマ・イ・オイ・シー(ウチは沢山ボールを失った。問題にならないことが多いんだが、今日はそうなった)」と言っていたように、得点力のあるチームの前であのミスは致命的だったかと。 ▽実際、ここ4試合のアウェイゲームでマドリーは3分け1敗と滅多にない程の情けない成績で、これでは首位に勝ち点16差をつけられてしまっても仕方ないかと思えるんですが、この日はセルタの思いきりのいいサッカーに私も感心。だってえ、彼らは丁度、先週の16強対決1stレグでバルサと1-1と引き分けたばかりで、といっても相手はメッシやルイス・スアレスが出ていませんでしたけどね。ウンスエ監督も今週木曜の2ndレグに備え、メンバーを調整しているため、ひょっとしたら、2年前はアトレティコ、昨季はそれこそマドリーを撃破している流れを継いで、現在、3連覇中のバルサをコパ敗退に追いやってくれるかもしれないじゃないですか。 ▽そうなれば、これから長いヨーロッパリーグの戦いに挑まないといけないアトレティコはもちろんですが、先週末もレンヌに1-6と大勝し、フランス・リーグアンの首位を独走。命綱のCLですら、ネイアールやエムバペ、カバーニらの強力FW陣を要するPSGに2月の決勝トーナメント16強対決で打ち勝てるかという疑問が湧いてきたマドリーにもコパ優勝で何とか、スーパーのつく大会やクラブW杯は別勘定として、今季の面目を保てる可能性が出て来るんじゃないかと思うんですが、こればっかりはねえ。 ▽とりあえず、この水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのヌマンシア戦2ndレグにはBチーム起用でも余裕で挑めるマドリーですが、とにかく一刻も早い改善が必要とされるのは土曜のリーガ、ビジャレアル戦。ええ、今節はセビージャがベティスとのアンダルシアダービーに3-5と負けたため、4位を奪われることはなかったものの、差はたったの勝ち点3ですからね。このまま不調が続くと、来季のCL出場権までが危うくなるって、まったく、こんな心配をしないといけないのはお隣さんだけかと思いきや、世の中、不思議なことも起こるものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.09 09:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】期待してもいいのだろうか…

▽「どこと当たったら楽かしら」そんな風に私が取らぬ狸の皮勘定をしていたのは金曜日、コパ・デル・レイ16強対決1stレグの結果が出揃った時のことでした。いやあ、コパなんて、昨季、バルサが祝勝パレードもイベントもしなかったように、タイトル慣れしているクラブにとっては優勝しても大したことないと思われている大会なんですけどね。この週末から再開されるリーガの現状を見る限り、首位にそれぞれ勝ち点9差、14差と水を開けられているマドリッドの両雄にしてみれば、国内でトロフィーを掲げられる貴重なチャンス。となれば、フォルメンテーラ(2部B)がアラベスに1-3、カディス(2部)もセビージャに0-2と負けた後、おそらく1部のチーム同士の対戦になるであろう準々決勝ではなるたけ、与しやすい相手に恵まれることが大事だったから。 ▽ちなみにまだ来週には2ndレグもあるのに何故、私がこうも先走っているのかというと、実は凄かったんですよ、アトレティコの変身ぶりが。ええ、FIFA処分のせいで昨年の夏に獲得しながら、この1月までプレーできなかったジエゴ・コスタ(チェルシーから移籍)とビトロ(同セビージャ、シーズン前半はラス・パルマスにレンタル)がメンバーに加わり、悩みの種だったゴール不足が解消されるだろうとは予見されてはいたんですが、まさか新年そうそう、水曜のジェイダ(2部B)戦で即座に効果が現れるとは!いえ、両者とも先発ではなく、ベンチスタートだったんですけどね。前半32分、カラスコのFKを2度目の正直でゴディンが先制点にした後、前日にはビエットのバレンシアへのレンタル移籍が決まったものの、ますます熾烈になった前線のポジション争いにFWたちが発奮。 ▽そう、ガメイロがエリア内右から放ったラストパスをオフサイドの疑いはあったものの、ゴール前でフェルナンド・トーレスが押し込み、2点もリードしてハーフタイムに入ってくれるんですから、何ともありがたいじゃないですか。おかげでシメオネ監督も後半、プレッシャーのかからない場面で新戦力を投入できたんですが、13分にはカラスコからビトロ、18分にはトーレスとコレアとコスタとグリーズマンって、もしやこれって、チームの最大火力を試してみる誘惑に抵抗できなかった?すると期待たがわず、ピッチに入ってたったの5分後、フアンフランからのパスからコスタがアトレティコ復帰後初ゴールを決めたとなれば、「あのカラバフ2連戦に彼がいれば、今でもCLを戦っていられたのに」と嘆いてしまったのはきっと、私だけではなかったかと。 ▽いえ、過去を嘆いていても仕方ありません。実はそのゴールの時、後でビトロも「Sabemos que él mete la pierna en un ventilador/サベモス・ケ・エル・メテ・ラ・ピエルナ・エン・ウン・ベンティラドール(彼は扇風機にだって足を突っ込むことをボクらは知っている)」と言っていたように、シュートした時に足がジェイダのDFに当たり、ヒザに傷を負ったコスタですが、大したことがなかったのは本当にラッキー。何せ、前回の在籍時には得点を量産したものの、ケガをおして優勝の懸かった試合に出場した挙句、序盤で交代という悪癖もあった当人ですからね。この再デビューで負傷、当分出られないなんてことになっていたら、目も当てられないじゃないですか。 ▽そして最後はロスタイム、グリーズマンが蹴ったGKが敵の壁に当たってゴールを割り、0-4と大勝をしたため、来週火曜、ワンダ・メトロポリターノでの2ndレグではかなり楽ができるようになったからでしょうかね。試合後はシメオネ監督も「2人ができるだけ早く最高の状態になってくれるといい。ウチは沢山、試合があるという幸運に恵まれているから、プレー時間を与えるのもたやすい」と言っていましたが、実際、そうなんですよねえ。1月から2月前半のミッドウィークはコパが準決勝まで続きますし、CLグループリーグ3位敗退でヨーロッパリーグ決勝トーナメントに回った彼らはその後もコペンハーゲンとの32強対決、そして16強対決と週2試合ペースが途切れず。 ▽つまり3月の各国代表戦週間まで負けない限り、ハードスケジュールが続くことになるんですが、とりあえず、当面の課題は弟分とのマドリー・ミニダービー。ええ、コパを32強対決でアラベス相手に敗退、クリスマスのバケーション明け後、ダブルセッションを何度もこなし、「Nosotros vamos a plantear un partido serio a nivel defensive/ノソトロス・バモス・ア・プランテアール・ウン・パルティードー・セリオ・ア・ニベル・デフェンシーボ(ウチは守備面でしっかりした試合をプランニングするつもりだ)」(ボルダラス監督)と、張り切ってワンダデビューに挑むヘタフェとのリーガ戦ですが、どうやら金曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習ではジェイダ戦を太ももの筋肉痛でお休みしたコケの復帰も確認されたよう。 ▽その他、GKオブラク、ガビ、サビッチらもコパでは休養をもらっていますからね。対するヘタフェでは、ボルダラス監督が前日記者会見で「Es una posibilidad/エス・ウナ・ポシビリダッド(可能性の1つだ)」と言っていたように、ここ5試合ノーゴールのアンヘルに代わり、いよいよ柴崎岳選手の先発もあるかも。ただ、シメオネ監督は「ヘタフェはFWを2人にしたのが良かった。統制のとれたプレーをする」と牽制していたため、微妙ですけどね。それぞれ中盤ではサウールが累積警告、ベルガラが負傷からの回復最終段階という事情での欠員がありますが、その影響は弟分の方が大きいかと。 ▽そんなアトレティコvsヘタフェ戦はアジアン・ゴールデンタイムの土曜午後1時(日本時間午後9時)にキックオフ。丁度、その日は子供たちがプレゼントをもらうlos Reyes Magos/ロス・レジェス・マゴス(東方の三博士)の祝日とあって、チケットの売れ行きもいいようですし、ヘタフェ(マドリッド近郊の衛星都市)からも応援団が駆けつけるとあって、かなりの大入りが期待できますが、果たして笑顔で家に帰るのはどちらのファンになるんでしょうかね。 ▽そして残りのマドリッド勢は翌木曜にコパを戦ったんですが、弟分の片割れ、レガネスはホームで1-0の辛勝。まあ、相手が同じ1部、しかもリーガで上位にいるビジャレアルでしたからね。2年ぶりとなるアムラバットのゴールで勝てただけでも立派なんですが、ガリターノ監督は「Por lo menos este resultado nos hace creer que podemos tener opciones de pasar/ポル・ロ・メノス・エステ・レスルタードー・ノス・アセ・クレエル・ケ・ポデモス・テネール・オプシオネス・デ・パサール(少なくともこの結果はウチに勝ち抜けのオプションがあると信じさせてくれる)」と来週水曜の2ndレグに向けて自信をつけたよう。彼らは昨年12月のリーガでもビジャレアルに3-1と快勝しているため、それもわかるんですが、チーム自体、週2回ペースの試合を想定した選手層にはなっていないのが辛いところ。 ▽この日曜にはレアル・ソシエダ、次も同様にコパから敗退しているベティスとの試合が控えているため、あまり週中に頑張ると、リーガでツケを払うことにならないか心配ですが、もしや経営陣は次のラウンドで人気チームを引き当てて、ブタルケ(レガネスのホーム)の興行収入アップを望んでいるかも。今のところ、この冬の移籍市場ではエリック・モランがAEKに行っただけで、新加入の選手はいないレガネスですが、目標の早期1部残留確定のみならず、現在の13位という成績を再び、夢のEL出場圏に近付けるためにもできたら、もう少し攻撃陣を手厚くできたらいいですよね。 ▽え、そんなレガネスだったら、同じ木曜にコパ1stレグに快勝した大先輩、レアル・マドリーと次に当たったら、願ったり叶ったりだろうって?まあ、それだとファンも喜ぶと思いますが、実はそのヌマンシア(2部)戦、内容的には少々問題があって、いえ、ジダン監督がクリスチアーノ・ロナウドやセルヒオ・ラモス、クロース、カセミロ、マルセロ、GKケイロル・ナバスらを温存したのは理解できるんですけどね。それでもベイルやアセンシオ、ルーカス・バスケスらがスタメンにいたため、早めのゴールを期待していたところ、先制点が入ったのは前半35分になってから。ルーカス・バスケスがエリア内で倒されゲットしたPKをベイルが決めたんですが、その後もねえ。 ▽だって後半14分にはディマンカが2枚目のイエローカードをもらい、ヌマンシアが10人になったにも関わらず、追加点が43分になるまで入らないんですよ。しかもこれまた、ルーカス・バスケスの受けたペナルティからで、今度は途中出場のイスコがPKを沈めましたが、え、PKで2点って、32強対決フエンラブラダ(2部B)戦1stレグとまったく同じでは?おまけにその日、キャプテンを務めたナチョも「時に審判が助けてくれることもある」と告白していたように、それまでにはマドリーサイドのエリア内でのファールが見逃された風のプレーが2件あって、うーん、ヌマンシアのニエトも「Si nos adelantamos con 1-0 es otro partido/シー・ノス・アデランタモス・コン・ウノ・セロ・エス・オトロ・パルティードー(ウチが1-0でリードしていたら、違った試合になっていた)」と言っていましたしね。 ▽それでもロスタイムにはアクラフのクロスをマジョラルがヘッドで決め、0-3で勝ったため、ジダン監督も「Al final es el resultado que cuenta/アル・フィナル・エス・エル・レスルタードー・ケ・クエンタ(最後にモノを言うのは結果だ)」と言っていた通り、来週水曜の2ndレグでヌマンシアが逆転するのはほぼ不可能なスコアとなりましたが、やっぱり今季のマドリーBチームは怪しげだったかと。まあ、彼らの場合、2月にはCL16強でPSG戦が控えているため、それまで主力メンバーを酷使したくないというのはわかりますけどね。負傷から復帰後、ここまで途中出場しかしていなかったベイルも「Jugó una hora y sin problemas/フゴ・ウナ・オラ・イ・シン・プロブレマス(1時間プレーしてトラブルもなかった)」(ジダン監督)とだんだん、実戦のリズムを取り戻しつつあるのは心強いんですが、コパ準々決勝の組み合わせ次第ではいよいよベストメンバー登場ということになるかも。 ▽そんなマドリーはこの週末、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からセルタ戦なんですが、実はこの相手、同日のコパでバルサと1-1で引き分けたばかり。昨年12月のリーガでもカンプ・ノウで2-2のドローを演じているだけに、バライドス(セルタのホーム)にはかなり心して乗り込まないといけないんですが、正直、今の彼らはクラブW杯のせいで消化試合が1つ少ないものの、5位のセビージャと勝ち点差2しかないですからね。首位を見るより、CL出場圏絶対維持の方が優先されるんですが、この金曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)でお留守番練習をしていたラモスが左ふくらはぎのケガで全治2、3週間になってしまったというバッドニュースも。カルバハルも出場停止とあって、逆境に次ぐ逆境ですが、こんな時こそ、自慢のマドリー魂を見せてもらいたいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.06 12:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】年明けそうそう試合が始まる…

「先にコパがあるのは良かったかも」。そんな風に私が思っていたのは火曜日、ようやく長いクリスマスのバケーションも終わり、またサッカーに明け暮れる日々が戻って来たため、すでに遠く感じられる2017年リーガ最後の節を見直してみたところ、本当に最悪。いえ、マドリッド勢の弟分に限って言えば、レバンテとスコアレスドローを演じたレガネスが他チームとの兼ね合いもあって、13位まで落ちてしまったのは残念だったものの、柴崎岳選手のいるヘタフェはラス・パルマスに2-0と快勝。ヨーロッパリーグ出場圏6位に勝ち点差3と、かなりいい形で再昇格1年目前半を終えているんですけどね。 ▽どうにも後味が悪かったのは兄貴分たちがだらしなかったせいで、アトレティコはエスパニョールに1-0と負け、1年余りに渡るアウェイ無敗記録がジ・エンドに。それでも順位は2位と変わらなかったとはいえ、翌日のクラシコ(伝統の一戦)でもお隣さんが0-3とバルサに完敗したため、勝ち点差が9に拡大してしまったから。もちろん、それで14ポイント差となってしまった4位のレアル・マドリーに比べれば、まだマシという見方はできますが、どちらのチームにしろ、年明けそうそう、remontada(レモンターダ/逆転優勝)の掛け声を挙げるにはかなり辛い現実があるかと…。 ▽まあ、その辺はまた週末のリーガ再開が近づいてから話すことにして、とりあえず、先週末から練習を始めた各チームの様子をお話ししていくことにすると。最初にバケーションを切り上げたのは28日から、インスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに集まったレガネスで、何せ彼らは休暇入りも一番乗りでしたからね。おまけに11月にはバジャドリッド(2部)を下し、コパ・デル・レイ16強対決に進出しているため、もうこの木曜にはビジャレアルをホームに迎えての1stレグを迎えるとなれば、ガリターノ監督がダブルセッションを行い、お休み中に溜まった選手たちの脂肪を絞ったのも当然だった? ▽ちなみに昨年最後の月を負傷渦で苦しんだチームにとって、いいニュースだったのは、マントバーニ、シオバス、ティト、ガブリエル・ピレスらのグループ合流で、当面、1月第2週まで続く週2試合ペースを乗り切るメドは立ったようですが、あくまで彼らの目標は1部残留。クラブW杯のせいで2月に延期となったレアル・マドリー戦のせいで消化試合が1つ少ないとはいえ、現在、降格圏との差が6というのは少々、心もとないため、やはり優先するのは日曜のレアル・ソシエダ戦の方になりますでしょうか。 ▽そして翌29日にはお隣のヘタフェもコリセウム・アルフォンソ・ペレスの先にあるシュダッド・デポルルティバに戻って来たんですが、マドリッド勢では彼らだけ、すでにコパから敗退。ええ、32強対決でアラベスに総合スコア4-0と苦もなく捻られてしまっているため、年明けは土曜のリーガまで試合がないせいですかね。大晦日、元旦は練習を休む代わりに、柴崎選手を始め、大勢のチームメートが参加して「Feliz Ano Nuevo/フェリス・アーニョ・ヌエボ(新年おめでとう)」のメッセージビデオをツイッターに上げていましたが、実はその一戦が難関なんですよ。 ▽というのも6日のLos Reyes Magos(ロス・レジェス・マゴス/東方の三博士)の祝日午後1時(日本時間午後9時)からという、アジアンゴールデンタイムに設定されているその試合は今季前半、ヘタフェにとって最後のダービー。大先輩、アトレティコの胸を借りることになるんですが、降格前の数シーズンはビセンテ・カルデロンに集団で応援に駆けつけることもなくなっていたファンたちもやはり、ワンダ・メトロポリターノ初体験というのには魅かれたんでしょうかね。当日はヘタフェ(マドリッド南部の衛星都市)からバス4台を連ね、ここまで1勝1敗(レガネスに1-2で勝利、マドリーに1-2で負け)で、ダービー勝ち越しを狙うチームを盛り立てに向かう予定だとか。 ▽え、ところでそのワンダ・メトロポリターノは年末、かなり賑わっていたんじゃないかって?その通りで、29日にマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で休暇明け初トレーニングを行ったアトレティコは夕方、エジプトに移動。翌日のアル・アハリとの親善試合は、いえ、相変わらず前半はまったく点を取れず、40分にはザカリアのヘッドで先制され、後半7分にもシェイクのゴールでリードが広がった時にはどうしようかと私も思ったんですけどね。幸い後半から出場したガメイロが今季の鬱憤を晴らすかのように大爆発。19分にベルサイコのクロスを頭で決めたのを皮切りに、28分にはクリアされたCKから回って来たボールを最後にネットに収め、36分にはグリーズマンのスルーパスから、とうとうGKとの1対1を決めてのハットトリック達成って、凄い張り切りようじゃないですか。 ▽おかげで2-3と逆転勝利を果たしたアトレティコでしたが、何せ相手が相手ですからね。むしろ失点の方が心配ではあったんですが、大丈夫。帰国した翌日の大晦日、ワンダでの公開練習には2万5000人が詰めかけ、2017年最後となる声援を選手たちに送ってくれることに。いえ、セッション前には今季前半、チームが喉から手が出るぐらい待ちわびていたゴールを決めてくれるはずの助っ人、ビトロとジエゴ・コスタの入団プレゼンがあったというのも年末の忙しい時期、遥々、マドリッドの西の端にある新しいホームまでファンが足を運んだ理由だったんですけどね。 ▽最初にワンダのVIPルームに設けられたステージに登場したのはビトロで、彼はアトレティコがFIFA処分を受け、昨年の夏は新規選手登録ができなかったため、半年間、ラス・パルマスにレンタル移籍。負傷のリハビリもあり、12月からはすでにマドリッドに来ていたんですが、どうやらこのバケーション期間で完全に復調したよう。残念ながら、すでに今季はCLを敗退してしまったアトレティコでしたが、背番号23のユニを受け取ったアタッカーは「Vengo con la expectativa de ganar titulos/ベンゴ・コン・ラ・エクスタティバ・デ・ガナール・ティトゥロス(タイトル獲得の期待を持ってここに来た)」と前向きで、2018年はEL決勝トーナメントに鞍替え。セビージャ時代、前人未到の3連覇を成し遂げた経験を今はもう、2012年同大会優勝時のメンバーがガビ、ゴディン、フィリペ・ルイス、フアンフラン、コケしかいないチームに注入してくれそうなのは頼りになるかと。 ▽続いてはジエゴ・コスタの番で、こちらはチェルシーから出戻った後、試合には出ず、マハダオンダでずっと調整に専念。その間、「He sufrido mucho como aficionado/エ・スフリードー・ムーチョ・コモ・アフィシオナードー(ファンのようにとても苦しんだ)」そうですが、考えようによれば、4年前、当人がアトレティコで最後にプレーした2013-14シーズンはリーガ優勝を決めたカンプ・ノウでの最終戦も、リスボンでのCL決勝も先発しながら、ケガですぐに交代。それもあって、お隣さんに優勝をさらわれたという逸話もあるため、逆に今季は最後までガス欠にならず、ガンガン飛ばしてくれるという期待も。 ▽今回は背番号18となったコスタ自身もこのシーズン後半にゴールを量産して、5月末にはロペテギ監督にスペイン代表W杯メンバーに呼んでもらうという夢がありますしね。上手くいけば、コケとサウールのみならず、ビトロとコスタも加えて、アトレティコ勢4人参加でロシア行きというのは、場内一周してスタンドのファンに応えた2人を大歓迎していたファンたちもきっと、誇らしく思うはずですよ。 ▽そして元旦も練習と水曜午後7時(日本時間翌午前3時)からのコパ、ジィイダ(2部B)戦1stレグへの準備に余念のないアトレティコなんですが、実はバケーション明けにはケガ人も発生していて、それはフィリペ・ルイスとコケ。エジプトでの親善試合にも出ていないんですが、とりわけ前者はハムストリングのケガで3週間程、かかるかもしれないとか。まあ、コパの方はカテゴリーも2つ違う相手ですし、来週火曜には2ndレグもあるため、たとえ、コスタのトランスファーが間に合わなくとも、問題はあまりないはずですが、何せ、リーガの方がああいう状態ですからね。まずは一番、タイトル獲得の可能性のありそうな大会から、しっかり勝ち進んで行ってくれればと思います。 ▽一方、マドリッド勢最後に練習再開となったマドリーは30日にアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムでの公開セッションでスタート。さすがファンが見学できるのはこの年1回の機会だけとあって、ソシオ(協賛会員)対象の入場整理券は26日にはもうなくなってしまったそうで、結局、一般のファンに出回ることはなかったんですが、こればっかりはねえ。セッション自体もランニング、ロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)、partidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)程度と、あっさりしたものだったようですが、スタジアムには2017年に獲得した優勝トロフィー5個(リーガ、CL、UEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップ、クラブW杯)が堂々と鎮座。 ▽セッション終了後には選手たちがスタンドに近寄って、サインや写真撮影に応じてくれたとなれば、5000人のソシオも今季、sextete(UEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップ、クラブW杯、リーガ、コパ、CLの6冠優勝のこと)達成の野望が現在、かなり遠のいてしまった無念さも忘れられた?そうそう、大晦日はサンティアゴ・ベルナベウでの練習で行く年を締め括ったジダン監督のチームだったんですが、意外だったのは休暇明けにベンゼマがクラシコでハムストリングを負傷、全治2、3週間となっていたのが発覚したこと。いえ、そのバルサ戦ではまたパッとした働きができず、スタンドからpito(ピト/ブーイング)を浴びて交代した当人ですが、年明け木曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのコパ、ヌマンシア(2部)戦1stレグ、続く日曜のセルタ戦はどちらもアウェイのため、当面はホームのファンに叩かれる心配はしなくて良かったんですけどね。 ▽ただ、どうやら今年もクリスチアーノ・ロナウドはこの1月、格下相手のコパの試合には出ず、2月からのCL再開に向けて温存というプランらしいため、代わりで入るだろう、ルーカス・バスケス、アセンシオ、マジョラルといったところにはしっかり頑張ってもらわないと、先行きが不安なんですが、さて。ちなみにコパ32強対決フエンラブラダ(2部B)戦のカタ・ディアスに続いて今回、ヌマンシアでマドリーに立ち塞がるのは同じ元ヘタフェのマヌ・デ・モラル。当人はここまで今季5得点、チームも5位で昇格プレーオフ圏内と乗っているため、油断は禁物かと。すでにロス・パハリート(ヌマンシアのホーム)はチケット完売が見込まれているそうですが、何はともあれ、面白い試合が見られるといいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.02 21:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】最悪の年末になった…

▽「どちらの方がより不幸なクリスマスかしら」そんな風に私が考え込んでいたのは土曜日、リーガ17節の試合全てが終わり、2017年の最後の順位表が確定した時のことでした。いやあ、もう自分の最低気分はアトレティコが負けた前夜から始まったんですが、そこはお隣さんのよしみ。せめてクラシコ(伝統の一戦)でレアル・マドリーが首位バルサに勝ってくれれば、勝ち点差は6のままでしたからね。それがあろうことか、サンティアゴ・ベルナベウでの試合でも大きく裏切られてしまうとは! ▽だってえ、宿敵に0-3と完敗し、消化試合は1つ少ないものの、勝ち点差は14。マドリーの今季リーガは終わったとマスコミが口を揃えて言うのも当然なんですが、誰も気にせずともアトレティコだって、9ポイントに差が拡大してしまったんですよ。今の時期から、ここまでの数字を引っくり返して逆転優勝したチームは皆無のはずですし、元々、執念のremontada(レモンターダ/逆転優勝)などとは縁のないチームですからね。ただ、1つ救われるのはエスパニョール戦の後、シメオネ監督も「Yo iba a ver el Valencia-Villarreal/ジョー・イバ・ア・ベル・エル・バレンシア・ビジャレアル(私はバレンシアvsビジャレアル戦を見るつもりだった)」と言っていたように、アトレティコのマストは3位以上でのCL出場権獲得。 ▽日曜のクラシコの後、ビジャレアルが0-1で勝ったため、バレンシアに2位の座を奪われず、その点に関してはラッキーだったんですが、逆に不憫が募るのは「El Madrid nunca se rinde, pase lo que pase/エル・マドリッド・ヌンカ・セ・リンデ・パセ・ロ・ケ・パセ(マドリーは何が起きても諦めたりしない)」(ジダン監督)と弱音を吐けないマドリーかと。いやあ、正直言うと、現在4位の彼らは5位のセビージャとたったの勝ち点差2で、むしろCL出場圏死守を目標にしてもいいぐらいの苦境のはずなんですけどね。いくら今季のCL優勝で来季のCLグループリーグ直接出場権ゲットという切り札があるとはいえ、そこはヨーロッパリーグ優勝で同じ権利が手に入るアトレティコと同じですから、当面はこれ以上、順位を落とさないことから始めないといけないと思うんですが…。 ▽まあ、その辺はともかく、クリスマスのparon(パロン/リーガ停止期間のこと)に私も入る前に今節のマドリッド両雄の試合ぶりをお伝えしておかないと。すでにレガネス、ヘタフェの弟分チームたちがバケーション入りしていた金曜、ここ1年、アウェイゲームで負けてないのに選手たちもファンも油断していまいましたかね。バルセロナに当日移動してRCDEスタジアムに乗り込んだアトレティコでしたが、ほとんどチャンスも作らず、前半は0-0で終了というのはよくあること。よって、まだ私の中でもアラームは鳴っていなかったんですが、よくよく考えれば、予兆はあって、自陣でのボールロストからフリーのレオ・バチストンがvaselina(バセリーナ/ループシュート)、驚くほど見事に外してくれた時など、「だからアトレティコには1年しかいられなかったんだろうか」なんて呑気にしている場合ではなかったかも。 ▽そう、後半はいつもの通り、トマスをコレアに代えて得点を目指した彼らだったんですが、残念ながらコケのクロスをゴディンがヘッドで決めたゴールはファールで認められず。更にフェルナンド・トーレスと交代したガメイロが撃ったシュートはGKパウの正面という、ありがちな失敗を繰り返しているうちに試合も終盤に。まさに「El que tuviera la ocasión y la metiera parecía que se iba a llevar el partido/エル・ケ・トゥビエラ・ラ・オカシオン・イ・ラ・メティエラ・パレシア・ケ・セ・イバ・ア・ジェバール・エル・パルティードー(チャンスがあって、それを決めたチームが試合をモノにしそうに見えた)」(シメオネ監督)という展開になっていたんですが、ここ2試合、ベティス、アラベス戦と、ひどいサッカーをしながらもワンチャンスの1点で勝ってきたアトレティコとあって、私も最後まで希望を捨てることはなかったものの…。 ▽そんな上手い話がいつまでも続く訳ありませんって!後半43分、キッカケは懲りずにコレアが強引に敵の間を抜けようとしてボールを失ったことで、そこからエスパニョールが一気にカウンターをスタート。ピアッティ、グラネロと繋がれ、最後はセルヒオ・ガルシアがエリア内からシュートして、あっという間にゴールが決まるんですから、ショックを受けたの何のって。結局、そのまま1点を返せず、アトレティコは1-0で負けてしまったんですが、いえ、試合後のシメオネ監督は「今季の前半はとても良かった。Ojalá volvamos a perder dentro de 20 partidos/オハラ・ボルバモス・ア・ペルデル・デントロ・デ・ベインテ・パルティードス(また負けるのは20試合後であってほしいね)」と、リーガでのシーズン初黒星がこの日まで来なかったことを評価していたんですけどね。 ▽実際のところ、コケも「Es un paso atrás no sumar/エス・ウン・パソ・アトレアス・ノー・スマール(勝ち点を稼げなかったのは一歩後退だ)」と言っていた通り、それこそ翌日にはクラシコがあることを知りながら、負けてしまうのは情けない限りなんですが、思い返してみれば、誰もが期待している試合で玉砕するのはアトレティコの伝統のようなもの。ここ数年はあまりなかったんですが、いくらクヨクヨしたとて、首位との差が縮まる訳ではないですし、これでクリスマス休暇入りともなれば、もう「desconectaremos y ya está/デスコネクタレモス・イ・ジャー・エスタ(気分転換をしてそれでお終い)」(コケ)にするしかないかと。ええ、年明けからはFIFA処分が解けて、いよいよジエゴ・コスタも出場できますしね。1月3日のコパ・デル・レイ32強対決ジェイダ゛(2部B)戦1stレグからはきっと、全然違う、もっと強いアトレティコが見られるはずですよ。 ▽そして日曜日、アジアンゴールデンタイムを意識して午後1時という早い時間に初めて開催されたクラシコの方はというと。マドリーのクラブW杯優勝を称えるためのpasillo de campeones/パシージョ・デ・カンペオネス(チャンピオンの花道)はなかったものの、キックオフ前にはキャプテンのセルヒオ・ラモスが2017年5コ目となるトロフィーをfondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)に大きな垂れ幕が広がる中、場内を満員にしたファンに披露。世界チャンピオンの貫録を示して、序盤はそれこそ押し気味に試合を進めていた彼らだったんですけどね。 ▽残念ながら、それが得点に結びつかなかったのはクリスチアーノ・ロナウドがベンゼマのラストパスを信じられないことに空振りしてしまったり、ベンゼマの方も方でまたしてもヘッドをゴールポストに当ててしまったりしたせいですが、幸い相手も前半はメッシがあまり動かず。それが「Con Isco no puedes buscar anular a Messi, con Mateo sí/コン・イスコ・ノー・プエデン・ブスカール・アヌラール・ア・メッシ、コン・マテオ・シー(イスコでメッシを無力化することはできないが、マテオならできる)」(セルヒオ・ラモス)というように、ジダン監督が大方の予想に反して、イスコではなく、コバチッチを先発させたおかげがどうかはわからないものの、こちらも0-0のまま、ハーフタイムを迎えます。 ▽ただ後半は大きく違って、うーん、まさかそれこそ、コバチッチがメッシ一筋だったことが仇となるんですから、サッカーとは恐ろしい。悲劇が起ったのは9分、自陣からカウンターを開始したバルサはラキティッチがドリブルでピッチ中央をGKケイロル・ナバスの守るゴールに向かって真っしぐら。エリア前でセルジ・ロベルトに繋ぐと、フリーで反対側に入ったルイス・スアレスにボールが渡り、先制点を奪われてしまったから、さあ大変!更に悪いことは続いて、このままではいけないと、ジダン監督もベイルとアセンシオを入れるべく、ピッチ脇で待機させていたところ…。 ▽折しも再び、ルイス・スアレスがシュート。今度はナバスが弾いたものの、回りまわって、ゴールポストに当たって返ってきたボールをパウリーニョがヘッドしたところ、カルバハルが手で弾くって、いやあなた、フィールドプレーヤーでしょ。当然、ハンドによるペナルティを取られ、レッドカードも出されてしまったため、メッシがPKを決めた後はアップもしていなかったナチョがピッチへ。うーん、確かに「Piensas en unos cambios te meten el segundo con expulsion/ピエンサス・エン・ウノス・カンビオス・テ・メテン・エル・セグンド・コン・エクスプルシオン(交代を考えている時に退場と一緒に2点目を取られる)。こうなるともう別の試合だ」と、ジダン監督が嘆いていた通りではあるんですけどね。 ▽そこは奇跡のレモンターダ(逆転劇)がウリのマドリー。たとえ、交代枠オーバーでイスコの出番がなくなろうと、10人であろうと、終盤にはドラマがあるはずと誰もが期待していたんですが…最後はロスタイム、右サイドでボールを取り返したメッシがその時、右のサッカーシューズが脱げてしまったのも何のその、素知らぬ顔でエリア内奥まで行くと、折り返しのキラーパス。それを時間稼ぎでセルジ・ロベルトから代わったばかりのアレイチェ・ビダルに撃ち込まれ、ナバスの手を逃れたボールが3点目になってしまうんですから、もう処置なしです。 ▽え、本音のところ、先週はアブ・ダビでアル・ジャジーラとグレミオを破り、世界の頂点に立ったものの、スコアはそれ程、景気のいいものではなし。自分もマドリーの調子自体はあまり良くない気がしていたんじゃないかって?まあ、そうなんですが、マルセロも「Os tenemos muy mal acostumbrados y pensáis que tenemos que ganar siempre/オス・テネモス・ムイ・マル・アコストゥンブラドス・イ・ペンサイス・ケ・テネモス・ケ・ガナール・シエンプレ(凄く悪い習慣で皆、常にウチが勝たないといけないと思っている)」とミックスゾーンで開き直っていたように、夏にはスペイン・スーパーカップの2試合に連勝して、圧倒的な実力差を示していた彼らですからね。本気になれば、勝てないことはないだろうと、私も希望的観測をしていたんですが、現実は何ともシビア。 ▽こうも圧勝されては、いくら試合後、ルイス・スアレスへcodazo(コダソ/肘打ち)を喰らわせながら、ここ10試合目のクラシコで4回目の退場は免れたものの、フェルナンド・イエロを抜いて、イエローカードが最も多い選手となってしまったラモスが、「Nuestra historia y nuestro escudo nos obliga a luchar hasta el final/ヌエストラ・イストリア・イ・ヌエストロ・エスクード・ノス・オブリガ・ア・ルチャール・アスタ・エル・フィナル(このクラブの歴史、ボクらの紋章が最後まで戦うことを義務付けている)。可能性がある限り、マドリーは戦うよ。それがウチのDNAだ」と言っていたとはいえ、未消化分を除いても勝ち点差は11。これってマドリーが残り全勝しても、バルサが4試合負けないと逆転できないってことですからねえ。 ▽一体、どうしたらそんなことが起こるのか、私にもわかりかねますが、何せ、まだバルサと五分条件のCL決勝トーナメントは2月後半まで始まらず。その前の1月、4日のヌマンシア(2部)戦1stレグから、コパの戦いもあるマドリーとはいえ、このままじゃリーガは盛り下がってしまうばかりかと。とりあえず、29日までバケーションを取り、30日にはアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムでの公開練習でバルデベバス(バラハス空港の近く)に戻って来る彼らですが、できればフロントもこの間に状況をよく分析して、必要なら1月の市場でFWなり何なり補強。年明けのリーガでは熾烈なCL出場圏争いを繰り広げてファンを楽しませてもらいたいものですが…いや、やっぱりそこに興味が行くのはアトレティコファンだけかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.24 17:15 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】1-0って結構、寂しい…

▽「別にどっちでもいいよね」そんな風に私がうんざりしていたのは月曜日、クラブW杯決勝のニュースが一段落した後、クラシコ(伝統の一戦)に向けて、どのメディアもまるで大問題のように取り扱っていたのはpasillo(パシージョ/花道)があるかないか。つまりレアル・マドリーがサンティアゴ・ベルナベウのピッチに出る際、バルサの選手たちが世界チャンピオンに敬意を表し、2列に分かれてお出迎えするかどうかなんですが、いえ、確かにクリスティアーノ・ロナウドなど、「Seria bonito y a mi me gustaria que el Barcelona nos hiciera el pasillo/セリア・ボニート・イ・ア・ミー・メ・グスタリア・ケ・エル・バルセロナ・ノス・イシエラ・エル・パシージョ(いいだろうね。ボクはバルサに花道を作ってもらいたいよ)」と言っていましたけどね。 ▽それにはすぐに相手側からも反応があって、この夏、UEFAスーパーカップ優勝を果たした後、スペイン・スーパーカップで両者が顔を合わせた時同様、「ウチは自分たちが参加していない大会の勝者に花道を作る習慣はない」(バルサのアモル渉外ディレクター)というもので、え、そんなこと言ったら、クラブW杯なんてCLに優勝しないと出られない大会。各大陸の覇者が参加者ですから、スペインから2チームが出ることは主催国にでもならない限り、ありえないんですが、まあマドリーのペレス会長も「花道がなくてもこのタイトルの価値が下がる訳ではない」と言っていましたしね。 ▽バルサだって、クラブW杯に優勝した直後のスペイン国内の試合で、花道で迎えてもらったことがあるくせにという突っ込みはともかく、何より大事なのはこのクラシコの結果の方。何せ、先週末の16節を来年に先送りしたため、首位とマドリーの勝ち点差が8から11に拡大してしまいましたからね。実際、月曜にあったマルカ(スペインのスポーツ紙)主催の表彰式で昨季のピチチ(リーガ得点王)とディ・ステファノ賞(最優秀選手賞)をもらったメッシも「Ganando es una ventaja importante/ガナンドー・エス・ウナ・ベンターハ・インポルタンテ(勝てば大きなアドバンテージになる)」と言っていたように、ここで相手が勝てば14差。こうなるともう、マドリーの選手たちだけではなく、ファンも含めて、クリスマス休暇を心おきなく楽しめるかどうかに大きく関わってくるじゃないかと思うんですが…。 ▽まあ、クラシコについてはマドリーがアブ・ダビからバラハス空港に到着したのは日曜早朝。練習は火曜までお休みで、月曜には恒例のクラブ主催のクリスマス・ランチをベルナベウのアンテパルコ(貴賓席前ホール)で楽しんでいたようなので、また次回にでもお話しすることにしますが、とりあえず、グレミオとの決勝の様子を伝えておかないと。この日の彼らは準決勝のアル・ジャジーラ戦とは違い、チャンスの嵐を無駄にするということはなかったんですが、前半に得点できなかったのは同じ。敵のカウンターも食らわなかったため、0-0のまま後半が始まったところ、7分に自ら受けたファールからのFKをロナウドが決め、ようやく先制点を奪うことに。 ▽いやあ、まさかグレミオ選手たちの壁が真ん中で別れ、ボールが通ってしまうとは意外でしたが、困ったのはそれからで、だってえ、追加点がさっぱり入らないんですよ。何せ、私もアトレティコvsアラベス戦を見るため、ワンダ・メトロポリターノへ向かう時間が迫ってきていましたからね。モドリッチはゴールポストに弾かれるわ、今回は35分に入ったベイルのシュートも決まらず、終盤ギリギリに追いつかれ、延長戦になったりしたら大変だと心配していたものの…。 ▽でも大丈夫。というのも、グレミオは枠内シュートを1本も撃たなかったからで、おかげで1-0のまま、試合終了の笛が鳴るのと同時に私もバル(スペインの喫茶店兼バー)を離れ、メトロ(地下鉄)に直行することができたのは助かったかと。何はともあれ、「No va a fallar nunca. Siempre esta en los momentos clave/ノー・バ・ア・ファジャール・ヌンカ。シエンプレ・エスタ・エン・ロス・モメントス・クラベ(決して期待を裏切ることはない。いつも肝心な時にいてくれる)」というジダン監督も言っていた通り、ロナウドのゴールが決まってくれたのはラッキーでしたっけ。 ▽これでマドリーは今季3つ目、2017年に限れば5つ目のタイトル獲得ですからね。こうなると、sextete(セクステテ/1シーズン7冠)をジダン監督が夢見るのもわかりますが、次の16強対戦は2部のヌマンシアと当たるものの、昨季も準々決勝でセルタに負けるなど、コパ・デル・レイにはハプニングが付き物。2月からのCL決勝トーナメントも初っ端からPSG戦とあって、決して予断は許しませんが、クラブW杯大会MVPをもらったモドリッチなども「El sabado nos espera el clasico para recortar puntos/エル・サバドー・ノス・エスペラ・エル・クラシコ・パラ・レコルタール・プントス(土曜には勝ち点差を縮めるためのクラシコが待っている)。ウチは今いい時期だし、それをバルサ相手に示せたらいいね」と言っていたように、まずはリーガを逆転優勝可能な状態に持っていかないと。 ▽え、それで年内最終節、お隣さんの頑張りで漁夫の利を得ようとしているアトレティコは自身の仕事を果たしたのかって? そうなんですよ! 夜8時45分からの試合ということで、私も厚手のヒートテック着用で臨んだその試合、やはり寒さのせいか、スタジアム移転後、最も少ない5万人という観客の入りだったんですが、いやいや。2月のヨーロッパリーグ32強コペンハーゲン戦なんて絶対、もっとスカスカになるじゃないかと思いますが、1月9日のコパ16強ジェイダ(2部B)戦2ndレグなども含め、その辺はたまたま観光でマドリッドに寄ったファンもワンダで当日券を買いやすいため、チェックしておくのもいいかと。 ▽アラベス戦の方は、前半、ゴールがなかったのはマドリーと同じなんですけどね。丁度、直前に2位のバレンシアが乾貴士選手の先制点のおかげもあって、エイバルに2-1で負けたという報が到着。ここはシメオネ監督もチャンスを絶対に逃したくなかったんでしょう。ピッチでボールロストを頻発していたトーマス・パルディをハーフで代え、コレアを入れただけでなく、堅い敵の守りをこじ開けるため、23分にはサウールとガメイロから、フェルナンド・トーレスとカラスコと早くも交代枠を使い切ってしまうことに。うーん、その起用策は29分、ベルサイコが右サイドから入れたラストパスをトーレスが押し込んでゴールをゲット。待望の先制点が入ったため、有難かったんですけどね。これじゃあ、前節のベティス戦のようにDFを総動員してリードを守り倒すことができないじゃないですか! ▽ただ最近のアトレティコは守備が良くなってきていて、何しろこの日は今年最後のホームゲームに駆けつけたファンの応援もありましたからね。そのまま1-0で終わった後、アラベスのペドラツァなど、「El Atletico no nos creo practicamente ocasiones/エル・アトレティコ・ノー・ノス・クレオ・プラクティカメンテ・オカシオネス(アトレティコは実際、ほとんどチャンスを作らなかった)」と負け惜しみを言っていたものの、GKオブラクが珍しくparadon(パラドン/スーパーセーブ)をしなくて済んだのも事実。ええ、それは相手のアベラルド監督も「tuvimos dos en la primera mitad, pero no disparamos/トビモス・ドス・エン・ラ・プリメーラ・ミタッド、ペロ・ノー・ディスパラモス(ウチには前半、2度チャンスがあったが、シュートまで行かなかった)」と認めていましたっけ。 ▽もちろんファンとしては、できればもっといいプレーをして、ゴールも景気良く沢山、入れてもらいたいところですが、「Son los mismos que nos veian fuera hace siete semanas/ソン・ロス・ミスモス・ケ・ノス・ベイアン・フエラ・アセ・シエテ・セマーナス(7週間前、全ての大会で優勝の可能性がなくなったと思われていたのと同じメンバー)」(シメオネ監督)というのも本当ですからねえ。とりあえず、今は最少得点差での勝利でも上出来として、素直に2位浮上を喜ぶのがいいかと。ようやく今季リーガ初ゴールを挙げ、チームの勝利に貢献できたトーレスも「今はこのユニフォームのために全力を尽くして、新しいスタジアムを感動の時とタイトルで満たす時」と嬉しいことを言ってくれましたしね。 ▽あとは金曜の年内最終戦、RCDEスタジアムでのエスパニョール戦も白星で飾り、お隣さんと5ポイント差もあるリーガの高みを満喫して年を越してもらいたいと思いますが、さて。ちなみに日曜を休養日に充てた彼らは月曜夕方にマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習を再開。サモラ(リーガで一番失点率の低いGKに与えられる賞)を2シーズン連続で受賞したオブラクはマルカの表彰式でバルセロナに行っていたため欠席、ヒザを痛めているヒメネスもまだジムごもりのようですが、セッション後は全員ワンダ・メトロポリターノでのクリスマス・ディナーを楽しんだとか。年明けの彼らは3日にコパのジェイダ戦1stレグがありますし、年内も30日にエジプトでアル・アハリとのチャリティーマッチが予定されているため、バケーションも1週間しかないそうです。 ▽そして翌日曜、正午からのジローナ戦に挑んだマドリッドの弟分、ヘタフェはどうだったかというと、いやあ、前夜、ワンダからの帰宅が午前様だったため、私も前半は見られなかったんですけどね。開始早々の5分、FKから最後はモジカのクロスをストゥアーニにヘッドされて奪われた1点を彼らは最後まで返せず。後半20分には先週のエイバル戦に続き、柴崎岳選手も途中出場して反撃を試みたものの、残念ながら、そのまま1-0で終わり、マドリーとのミニダービーが延期になったお隣さん、レガネスに勝ち点差をつけることはできませんでした。 ▽おまけに順位でもジローナ、エイバルに先を越され、憧れのEL出場圏6位が少し遠のいてしまったヘタフェですが、嘆いている暇はまったくなくてもう、この水曜午後7時30分(日本時間翌午前4時30分)にはホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスにラス・パルマスを迎えないといけないんですよ。うーん、相手は最下位とはいえ、日曜のエスパニョール戦で残り10分で0-2から追いつくという粘りを見せていますからね。ホルヘ・モリーナ、アンヘルのFWコンビがここリーガ4試合無得点というのもありますし、ボルダラス監督もちょっと趣向を変えて、そろそろ柴崎選手の先発なんていうのもあるかも。ちなみにチームは木曜以降、バケーションに入りますが、彼らはコパ敗退で、年明けもReyes Magos/レジェス・マゴス(東方の3博士)の祝日、6日午後1時キックオフにされてしまったリーガ戦、アトレティコに胸を借りるダービーからと間があるため、他のマドリッド勢よりゆっくり休めるのはいいですよね。 ▽一方、9日のデポルティボ戦で1-0と負けて以来、試合のなかったレガネスは年内最後が火曜のレバンテ戦となりますが、何せこちらは飛ばした試合がマドリー相手とあって、2月のミッドウィークに勝ち点挽回というのが、極めて高いハードルなのは日を見るよりも明らか。よって、ここでガッチリ勝利を掴んでおくにこしたことないんですが、あまり彼らはEL出場圏に近付くことを考えない方が選手たちも浮つかなくていいかも。そんなレガネスは年明けも4日から、コパのビジャレアル戦1stレグをホームのブタルケで戦わないといけないんですが、うっかり勝ち抜けたりすると、それはそれで大変。ただでさえ、ケガ人多発に悩まされているガリターノ監督ですからね。このレベルのチームの選手層は週2試合ペースを想定していないため、相当厳しい戦いを覚悟しないといけなくなりそうです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.19 12:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】アブ・ダビは暖かいに違いない…

▽「この寒さじゃ、早く行く気はしないわよねえ」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日、今年最後となるワンダ・メトロポリターノのアラベス戦は土曜の午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からと遅いキックオフながら、いい稼ぎ収めになるとクラブも思ったんでしょうかね。午前中にはスタジアムツアーを開催、恒例のファンゾーンやフードトラックも午後6時には営業開始と、ファンに試合の数時間前から来てもらいたいようなアピールをしているのをアトレティコのオフィシャルウェブで見た時のことでした。いやあ、最近はマドリッドの冬も本格化、夜になると気温3、4度とかなり寒くなる上、ワンダ周辺は広大な更地とあって、まったくの吹きっさらしなんですけどね。 ▽いくら食べたり飲んだりはできるとはいえ、それだったらメトロ(地下鉄)7号線、エスタディオ・メトロポリターノ駅1つ手間のラス・ムサス駅下車して、途中にあるバル(スペインの喫茶店兼バー)で暖まっている方がいいと思ってしまう私は軟弱?実際、当日はお隣さんのクラブW杯決勝が午後6時(日本時間翌午前2時)からという時間にあるため、いっそそのグレミオ戦をワンダ近隣で見てしまおうかとも考えたものでしたが、うーん、アトレティコファンに囲まれてレアル・マドリーの応援をするのはかなり微妙。ビセンテ・カルデロン時代は続いて始まる試合をスタジアム併設のバルで見たりもしましたが、悪態が飛ぶ中、ゴールを大っぴらに喜べなかったという経験がありますしね。 ▽となると、ここはやっぱり自宅近くのバルで途中まで観戦して、優勝祝いのシーンなどは後日、ニュースで確認するのでもいいかなと思ったりもするんですが…え、万が一、セルヒオ・ラモスがその中心におらず、ブラジルのチームのキャプテンがトロフィーを掲げていたら、どうするんだって?うーん、その場合、運が悪かったと諦めるしかないものの、どうして火曜の準決勝で本田圭佑選手のいるパチューカ(メキシコ)と延長戦に突入、かろうじて1-0で決勝進出を決めた相手にそんな心配をしなければならないのかというと。そりゃあ、マドリーの準決勝、水曜のアル・ジャジーラ戦もかなりドキドキさせられたからなんです! ▽そう、開催国のアラブ首長国連邦リーグ優勝チームとして参加したアル・ジャジーラを率いるテン・カテ監督はかつて、ロナウジーニョ全盛期で覇権を謳歌したバルサでライカールト監督のアシスタントを務めていたせいか、マドリーのことを熟知。前日記者会見でも「Necesitamos tres autobuses/ネセシタモス・トレス・アウトブセス(ウチはバス3台が必要だ)」と宣言していた通り、守備に特化していたんですが、予想外だったのは序盤から攻め続けだったマドリーが、GKハセイフの「息子や孫たちに語り継げる歴史的な」奮闘もあって、なかなか点を取れなかったこと。いえ、30分にはイスコのクロスをカセミロがヘッドで決めて、ようやく先制点ゲットかと思われたんですけどね。 ▽ところが最初はカセミロのファールを吹いた主審が選手たちの抗議でそれを撤回して得点を認めたながら、今度はVAR(ビデオ審判)から異議が。都合3分近くのプレー中断の末、最後はベンゼマのオフサイドがあったとしてノーゴールって、あまりに間が長すぎたかと。すると今度は40分、「Sabiamos que iban a estar abiertos y por eso hemos tenido dos delanteros/アビアモス・ケ・イバン・ア・エスタル・アビエルトス・イ・ポル・エソ・エモス・テニードー・ドス・デランテーロス(オープンなゲームになるとわかっていたから、FWを2人入れた)」というテン・カテ監督の読みが的中。カウンターからブスファとロマリーニョが抜け出すと、後者がGKケイロル・ナバスをかわしてゴールって一体、何の冗談でしょう! ▽おまけに後半2分にも敵はカウンターを成功させ、今度はブスファがアル・ジャジーラの2点目を挙げたかに見えたんですが、この時はVARがマドリーに味方。オフサイドを取られて無効になったため、命拾いした彼らだったんですが、むしろ有難かったのはそれから数分もしないうちに前半から、負傷を抱えていたGKハセイフが交代してくれた方だったかと。ええ、7分にはモドリッチのスルーパスから、とうとうクリスチアーノ・ロナウドがシュートを沈めてくれましたからね。これで同点となったため、一旦はホッとできたんですが、そのから先が長かったの何のって。ええ、勝ち越し点がなかなか生まれず、ベンゼマなどGKアル・セナニとの1対1で弾かれるわ、2回もシュートを枠に当てるわって、えー、これじゃお隣さんのビエットと同じじゃない? ▽さすがにこれにはジダン監督も同じフランス出身のFWのツキのなさを確信したんでしょうか。残り10分になったところで3人目の交代選手として、ベンゼマに代えてベイルを送り出すことにしたんですが、まさか、あんなにすぐに効果が表れるとは!ええ、彼がピッチに入って最初のタッチでルーカス・バスケスから折り返しに足を出したところ、待望の勝ち越し点になってしまうって、あまりに話が出来すぎのような気がしますが、そういえば、11月末にケガが治って久々の出場で、コパ・デル・レイ32強対決フエンラブラダ戦2ndレグの後半途中に入った時も同じでしたからね。その日も2部Bのチームに意表を突かれ、リードされていた場面で登場したベイルは最初のプレーでマジョラルの同点ゴールをアシスト。同選手の2点目も助けて、チームの16強進出に貢献したんですが、問題はその後。 ▽というのも翌日には再びふくらはぎを痛め、このアル・ジャジーラ戦までお休みしていたからですが、そのまま1-2でマドリーが勝利した後、「辛抱強く自分の体の声を聞かないと。まだ100%じゃないから、ピッチに立つ時間がいる。少しずつリズムを取り戻していくよ」と言っていた当人は幸い、今回は具合の悪いところが出なかったよう。翌日のフリータイム、チームメートがモスクやルーブル美術館分館見学に精を出している際もホテルに残り、マッサージを受ける程、用心していますし、練習も普通に参加できたそうですからね。 ▽この準決勝をふくらはぎと首の痛みでベンチ観戦したラモスなども金曜には、「他の機会だったら考えるけど、決勝だから出たいし、そう努力するよ。Mañana con una ayudita médica, pues es más fácil/マニャーナ・コン・ウナ・アジュディータ・メディカ、プエス・エス・マス・ファシル(明日は薬の力も借りるから、もっと楽にやれる)」と言っていたように、いえ、彼の場合、うっかり退場して、FIFA規則で今年最後のリーガ、クラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦)に出られなくなるという危険もあったりするんですけどね。このグレミオ戦は曲りなりにもタイトルの懸かった大一番とあって、たとえ、先発ではなくとも、ベイルもチームの危機時には出て行く覚悟は決めているはずかと。 ▽今度は19歳のアクラフに代わって右SBにカルバハルと、守備の方も改善が期待されますし、大体、35回もシュートして2点しか取れないなんて、カセミロも「Nunca tuvimos tan mala suerte/ヌンカ・トゥビモス・タン・マラ・スエルテ(こんなに運がなかったことはない)」と言っていたように、そうそうマドリーに起こることではないですしね。クラブW杯通算得点を6にして、メッシやルイス・スアレルを超える最多記録を達成したばかりのロナウドも更に差をつけたいと張り切っているはずですし、やっぱり今年もクラブ世界王者は彼らになるんじゃないんでしょうか。 ▽え、そんなこんなでマドリーが遠い中東の地でスポットライトを浴びている間、マドリッドの他のチームは何をしていたのかって?いやあ、丁度この週末、その兄貴分とのミニダービーの節に当たっていたレガネスはその試合が来年まで行われないため、来週火曜の年内最終戦、レバンテとのアウェイ戦を目指して、ひたすら練習していますが、最初にお話しした通り、土曜にアラベス戦を迎えるアトレティコには前節をケガでお休みしたグリーズマンが復帰という朗報が。そのベティス戦で決勝点を挙げたサウールも週前半は筋肉痛でジムにこもっていたりしたものの、金曜に発表された招集リストに間に合うように回復。今回、負傷欠場するのはヒメネスのみですが、いくらシメオネ監督でもホームで4人もCBを投入して、守り抜く采配はしないでしょうからねえ。 ▽相手もアベラルド新監督の元で再生、ここリーガ2試合に連勝して順位を18位へと上げ、ヘタフェを32強敗退させたコパ・デル・レイの試合も含めると3連勝と乗っているアラベスとはいえ、極寒の中、応援に駆けつけるファンを失望させることはないのでは?ちなみに金曜の記者会見でシメオネ監督は最近、レキップ(フランスのスポーツ紙)へのインタビューで移籍の噂が絶えないグリーズマンに関して、「彼のような選手が出て行きたいと言うなら、邪魔はできない」と発言したことを肯定。これはもう、ファルカオ(現モナコ)、ジエゴ・コスタ(2014年リーガ優勝後にチェルシーへ移籍)、ラウール・ガルシア(現アスレティック)らで経験した道で、「No puedo cerrar la puerta a alguien que nos dio la vida/ノー・プエド・セラール・ラ・プエルタ・ア・アルギエン・ケ・ノス・ディオ・ラ・ビダ(ウチに命を懸けてくれた選手の扉を閉ざすことはできない)」からだそうですが、でもそれって、来年の夏以降の話ですよね。 ▽だってえ、今はようやく引き分け地獄を脱して、リーガ順位もお隣さんに勝ち点2差で単独3位。鬼の居ぬ間の洗濯で今節は更にリードを広げてやろうという野望のみならず、クラシコのおかげで首位バルサとの差を6から3に縮められれば、3年ぶりの優勝の可能性も出てくるアトレティコですからね。ファンも年が明ければ、グリーズマンとFIFA処分明けで出場できるようになるジエゴ・コスタの2人でコパ快進撃、決勝開催スタジアムに選ばれる予定のワンダでの戴冠や、2月から始まるヨーロッパリーグ決勝トーナメントでもあわよくばと期待に満ちているんですよ。大体、グリーズマンはチームを後にした偉大な先人たちと違って、まだタイトル獲得に貢献していないのですから、やっぱりこの冬の移籍は時期尚早かと。 ▽まあ、その辺はリーガがクリスマスのparon(パロン/停止期間)に入ってからでもあれこれ出て来るでしょうが、とりあえず今は日曜正午(日本時間午後8時)にジローナ戦を控えるもう1つの弟分、ヘタフェの様子もお伝えしておかないと。実は今週は木曜に彼らを偵察に行った私ですが、クラブのオフィシャルページの練習予定(http://www.getafecf.com/PrimerEquipo/Entrenamientos.aspx)に当日朝には書いてなかったにも関わらず、非公開セッションとのことで練習場の入り口で追い返されてしまうことに。 ▽いやあ、そうは言ってもグラウンドの向こうの丘にはいつも散歩している近所の住人がいるし、私も探せばたどり着けたはずですけど、その日はあいにく天気も冴えませんでしたしね。すごすご引き返すことにしたんですが、先週のエイバル戦でとうとう途中出場。ケガが完治した柴崎岳選手に会いたくて日本から来て、日を改めて出直すことができないファンがこのような目に遭った場合は練習場ゲート、あるいはコリセウム・アルフォンソ・ペレスの右側にある出入り口で待機するのがお勧め。選手たちは歩いてスタジアムのロッカールームとグラウンドを行き来するため、見逃すことはありませんし、ここでダメでも正面ゲート右手の関係者用駐車場出口という最終チャンスがありますからね。 ▽ちなみにヘタフェの練習時間が長すぎて、すっかり体が冷えてしまったという人に教えてあげたいのは最近、マドリッドにも流行が訪れたらしいラーメン屋さんで、メトロのオペラ駅近くにあるRamen Kagura(calle de las Fuentes 1/ フエンテス通り1)と、同じ道をもう少し上がったところにあるKurayaは兄弟店のようで、ツケ麺が売りの後者では1度、私も柴崎選手と遭遇してビックリしたことが。メニュー・デル・ディア(本日の定食)は9.8ユーロ(約1300円)、トンコツ系で麺増量とかも頼めるため、どちらかというと男性向きでしょうか。 ▽もう1つはサンティアゴ・ベルナベウに隣接したショッピングモールに入っている爛々亭(Ranrantei)で、いやあ、ここは営業時間が午後1時から3時と妙に短いのが欠点なんですが、スタジアムツアーの後に寄ったりするには便利かと。定食は12.50ユーロ(約1600円)、本格的な家系ラーメンですが、お店はフードコートにあるような感じで1人でも入りやすいかも。あと、私が気に入っているのはビルバオ駅近くにオープンしたてのKonnichiwa(Calle de Fuencarral, 98/フエンカラル通り98)で、ここは中国人経営なんですが、コンセプトが居酒屋。「鳥焼いた丼」には笑わせられましたが、メニューだと11.50ユーロ(約1500円)で食べられる、あっさり系スープのラーメンはスペイン料理でこってりしすぎた胃にはありがたいんです。 ▽あ、そんなことを話しているうちにヘタフェの情報がどっかに行ってしまったんですが、このジローナ戦は同じ勝ち点20で並んでいる者同士の対決で、ボルダラス監督のチームにとってはやはり同じ位置にいて、今節試合のないお隣さん、レガネスに差をつける絶好のチャンス。EL出場圏6位のビジャレアルともたった勝ち点1差ですしね。ただ、ここに来るまで、ホルヘ・モリーナとアンヘル、FW2人の起用で成功してきただけに、柴崎選手が元気になったとはいえ、今回、先発に喰い込めるかはまだ不明。いやあ、ベイルみたいに途中出場でおいしいところをさらっていくのも悪くはないと思いますが、丁度、パチェコも復帰したため、アタッカーは激戦区になっちゃいましたからね。何はともあれ、マドリッド勢の試合が2つしかない今週末、どちらも白星を飾ってくれるといいのですが。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.16 12:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールがないと盛り上がらない…

▽「もう5年も前のことなのね」そんな風に私が思い起こしていたのは月曜日、ヨーロッパリーグ32強組み合わせ抽選でアトレティコの相手が決まった時のことでした。いやあ、ここ数年、CL決勝トーナメントの常連と化していた彼らですが、今季はグループリーグで3位敗退し、年明けからは2012-13シーズン以来のELに挑戦することに。相手がアーセナルやドルトムント、ナポリ、ミランといった大物なら、話は違うんでしょうが、これがコペンハーゲンとなると、2月22日の2ndレグなんて、ワンダ・メトロポリターノのスタンドにかなり空きが出るのは間違いないかと。 ▽実際、寒くて人も少ないビセンテ・カルデロンで私が見た最後のEL試合も2013年の32強対決ルビン・カザン戦1stレグだったんですが、これまた結果も最悪で、そう、0-1で負けていたアトレティコはGKアセンホ(現ビジャレアル)がロスタイムに全員攻撃に参加してカウンターを喰らい、2点目を奪われて被害が拡大。結局、ロシアでの2ndレグにファルカオ(現モナコ)のゴールで勝ったものの、総合スコア1-2で敗退という悲惨さだったんですが、そのシーズンは当時、フェルナンド・トーレスもいたチェルシーが、昨季もマンチェスター・ユナイテッドが優勝と、通常ならCLにいるであろうチームが優勝することもありますしね。前人未到のEL3連覇を果たしたセビージャだって、今季のCL16強対戦でユナイテッドに負けたら、もう先はないことを考えると、シーズン終盤までヨーロッパの大会を楽めそうという意味では良かったのかもしれませんが…。 ▽いやいや、もちろん私が自分を慰めているだけというのはわかっていますよ。だってえ、同じ金曜に決まったお隣さんのCL16強対戦の相手はあのPSG。グループ2位通過のため、2月14日にあるホームの1stレグなど、ネイマール、カバーニ、エムバペを擁するチームとの名勝負目当てのファンで、サンティアゴ・ベルナベウが超満員になるのは日を見るより明らかじゃないですか。3月6日の2ndレグもパリで開催とマドリッドから近いため、応援に行くレアル・マドリーファンも多いかと思いますが、その頃、順当に行っていれば、アトレティコはEL16強対戦の1stレグ。自己責任と言ってしまえばそれまでですが、ラウンドが1つ少ないCLに比べ、ミッドウィーク全てがコパ・デル・レイで占められる1月のハードスケジュールの後、ELだと2月3月も週2試合ペースを続けないといけないのは本当に辛いですよね。 ▽まあ、その辺はまた時期が来たらお話しすることにして、とりあえず、先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったかを伝えておかないと。この15節、先陣を切って土曜のアジアンゴールデンタイム、正午からキックオフしたのは弟分のヘタフェ。丁度、相手がエイバルということで、柴崎岳選手と乾貴士選手の日本人対決をLEP(スペイン・プロリーガ協会)が盛り上げたかったのか、いえ、選手入場時にスタンドに大きな日の丸の垂れ幕が広がったり、マドリッド日本人会が応援ツアーを企画したりというのは別にいいんですけどね。まさか、キックオフ前に両選手が始球式をするスペイン人フィギアスケーター、ハビエル・フェルナンデスのご相伴までするのはちょっと演出過多だったかと(https://twitter.com/LaLigaEN/status/939484109575000064)。 ▽ええ、後で乾選手に訊くと、一緒に始球式したのが誰だったかも知らなかったようで、「日本人が出るだけで、何でこんなに日本で盛り上がるのかよくわからない。始球式もいるのかなって感じで」とのこと。「もうボクなんか、3年いるんだから、こういうのは1年目の選手同士でやってほしい。エイバルでのホームゲームでもやるって言われたら、絶対止めます」と言っていたものですが、残念ながら、この日はピッチの上で2人がマッチアップすることはありませんでした。というのも先発した乾選手は後半18分でベベに交代、9月のバルサ戦で負傷して以来、柴崎選手が初めてコリセウム・アルフォンソ・ペレスのピッチに帰って来たのはその後、28分になってからだったから。 ▽それも柴崎選手の出場はやはり回復したばかりのパチェコ同様、ボルダラス監督に言わせると、「Es importante que esten en el verde para que tengan minutes/エス・インポルタンテ・ケ・エステン・エン・エル・ベルデ・パラ・ケ・テンガン・ミヌートス(プレー時間を持つため、ピッチに出るのは大事なこと)」だったからのようで、残念ながら、チームの勝利には結びつかなかったんですが、何せエイバルのキャプテン、ダニ・ガルシアでさえ、「家で見ていたら、チャンネルを変えていただろう。Un partido sin ocasiones, muchas faltas.../ウン・パルティードー・シン・オカシオネス、ムーチャス・ファルタス(チャンスがなく、ファールばっかりある試合…)」という展開でしたからね。 ▽それでもエイバルには後半8分、ジェネにエンリッチがゴール前で倒されたため、PKが与えられたんですが、ホルダンが天高く撃ち上げてしまって得点ならず。「Nos han hecho una presion tremenda/ノス・アン・エッチョー・ウナ・プレシオン・トレメンダ(ウチに凄いプレスをかけてきた)。プレーをやりにくさせられて、パス3回も繋げさせてもらえなかった」(ボルダラス監督)というヘタフェの方は後半途中、中盤の要、ベルガラがヒザを痛めて交代という不運も響いたんでしょうか。ロスタイムにはラセンの強烈シュートもGKディミトロビッチに阻まれて、結局、スコアレスドローで終わったため、ガッカリした日本人ファンも多かったかと。 ▽でも大丈夫、次の時間帯で行われたマドリーvsセビージャ戦では一気に憂さを晴らすことができたんですよ。そう、ヘタフェから大急ぎで駆けつけたサンティアゴ・ベルナベウも先日、メッシと並ぶ5回目のバロンドールを受賞したクリスチアーノ・ロナウドのトロフィーお披露目から始まったんですが、試合の方でもお祭りは続行。そう、開始3分にはCKからナチョが先制点を奪ったかと思いきや、22分にはアセンシオのスルーパスを受けて、ロナウドが自らお祝い弾を挙げると、31分にはヘスス・ナバスがエリア内でハンドを犯してペナルティもゲットすることに。当然、このPKもロナウドが決め、更に38分にはクロースが、41分にもベンゼマのアシストで右SBのアクラフがトップチーム初ゴールと、前半だけで5点なんて、こんな景気のいい試合、今季のリーガで初めて見ましたっけ。 ▽いやあ、こんなことになるならカセミロ、カルバハル、セルヒオ・ラモスの出場停止、バランの負傷欠場で守備の不安を煽られていたキックオフ前は何だったのかと思ってしまいますが、やはり最大の防御は攻撃と言いますか、水曜のマリボル戦でようやくCLグループ突破を果たしたセビージャも選手の疲れを考慮して、ローテーションしていましたからね。後半も大した反撃は見られず、すでに大量リードでアブ・ダビ行きのことを考えだしたマドリー同様、無得点で終わったため、最終スコアはそのまま5-0となりましたっけ。 ▽え、セビージャ相手にそんなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見せられるのなら、今年もクラブW杯のタイトル獲得は確実じゃないかって?そうですね、日曜には寒いマドリッドを離れ、常夏のアラブ首長国連邦に着いた彼らですが、現地での最初のセッションではベイルとバランが問題なしに全体練習をこなしたといういい知らせも。いえ、FIFAに登録する大会メンバーには入っていないバジェホも同伴しており、またバランに何かあった場合は水曜午後6時(日本時間翌午前2時)からの準決勝、土曜に浦和レッズに勝利したアル・ジャジーラとの試合の24時間前までなら差し替えできるため、心配には及ばないんですけどね。 ▽ただ、現地でのインタビューでジダン監督は「No va a ser fácil/ノー・バ・セル・ファシル(簡単にはいかないだろう)。去年もウチは日本のチーム(柴崎選手のいた鹿島アントラーズ)相手に大変な苦労をして優勝した」と言ってはいたんですが、どう見たって、準決勝も火曜のグレミオvsパチューカ戦勝者と顔を合わせる土曜の決勝にしても彼らの方が格上。逆に負けたりしたら、何を言われるかわからないという恐れもありますし、全力を尽くして夏のUEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップに続く、今季3つ目のタイトルを持って帰ってくれるんじゃないかと。 ▽そして話をリーガに戻すと、土曜は続いてレガネスがラ・コルーニャ(スペイン北西部)でデポルティボに挑んだんですが、いやあ、あまりにEL出場圏に近付いてしまったのが裏目に出ましたかね。試合は結局、前半24分にアドリアンに決められたゴールが決勝点となって、1-0で負けてしまったんですが、ガリターノ監督によると、「前半が本当に悪くて、ハーフタイムに5、6人代えられるならそうしていただろう」という最悪の出来で、もっと大量点差で負けていてもおかしくなかったよう。幸い翌日、ビジャレアルがバルサに負けたため、同じ勝ち点差のヘタフェに7位を奪われたとはいえ、6位まで勝ち点差1の8位といういい位置はキープしたままなんですが、何せ彼らの次節、兄貴分とのミニマドリーダービーは相手の都合で来年回しにされていますからね。 ▽そこは今週末、首位バルサとの差が勝ち点8から11へと、更に開いてしまうかもしれないマドリーも同じなんですが、おかげで両チーム共、今年のリーガはあと1試合だけ。レガネスが19日(火)にレバンテ戦を終え、真っ先にクリスマスのparon(パロン/リーガの停止期間のこと)に入るのに比べ、23日(土)にクラシコ(伝統の一戦)でライバルと直接対決するマドリーながら、どちらも年明けは1月4日のコパ・デル・レイ16強対決1stレグ(レガネスvsビジャレアル、ヌマンシアvsマドリー)とあって、バケーションが短い方は気の毒ですが、今週日曜にジローナ戦、20日(水)にホームのラス・パルマス戦の後、コパ・デル・レイを敗退しているため、1月最初の週末まで試合のないヘタフェのように上には上がいるため、そこはあまり羨んでも仕方ないかと。 ▽え、先週末は4位から上の勝ち点差がまったく変わらなかったということは、日曜にプレーしたアトレティコもベティスに勝ったのかって?いやあ、その通りなんですが、恥ずかしながら、お隣さんに引けを取らない試合をしたとは決して言えなず、だってえ、前半も後半もポゼッションが30%にさえ満たなかったんですよ。もうその惨状はパスが3回続かなかった弟分どころではなく、ボールを拾うやいなや、敵目掛けて蹴っているような恐ろしさだったんですが、それでも前半30分にはゴールが決まったから、呆気に取られたの何のって。そう、センターラインからゴディンが出したロングフィードをベルサイコが受け、ゴール前にラストパス。ニアポストではコレアもガメイロも捉えることができなかったものの、反対側にいたサウールが押し込んで先制点って、こんな上手い話があっていいんでしょうか。 ▽うーん、彼は先週のCL最終節チェルシー戦でも彼は劣勢の中からヘッドを決め、スタンフォード・ブリッジまで応援に行った1500人のアトレティコファンを喜ばせていたんですけどね。GKオブラクが後半、テージョのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)で逸らし、チームを同点の危機から救っていたのはその日と同じだったんですが、幸いビジャマリン(ベティスのホーム)では味方のオウンゴールは生まれず。加えてシメオネ監督も15分にはコレアに代え、3人目のCBヒメネスを投入し、ロスタイムにはリュカまで出して、自慢の4CB総動員体制で守ったため、何とか最後まで1点のリードを守り切ることはできたんですが…「今日はあまりチャンスがなかったが、より確実なものだった。Para mí, es el juego bueno y el resultado major/パラ・ミー、エス・エル・フエゴ・ブエノ・イ・エル・レスルタードー・メホール(私にとってはいいゲームだったし、結果も最高だ)」(シメオネ監督)って、ちょっと本気で言っている? ▽いえ、確かに「Ellos tampoco es que nos hayan tirado mucho/エジョス・タンポコ・エス・ケ・ノス・アジャン・ティラードー・ムーチョ(彼らも沢山、シュートしてきた訳じゃない)。ボールは持っていたけど、そんなに危険はなかったよ」とコケが言うのももっともなんですけどね。いくらグリーズマンがケガでいないからって、6人のDFで守るアトレティコがカッコいいかというと、やっぱりそうは言えないでしょ。 ▽まあ、その辺は土曜のアラベス戦、そして年内最終戦となる22日(金)、アウェイのエスパニョール戦で改善を試みて、いよいよジエゴ・コスタとビトロが出場可能となる1月3日のコパ、ジェイダ(2部B)戦ではもっと積極的なアトレティコを見せてくれることを期待していますが、さて。そうそう、冬の市場で移籍の噂が出ているベルサイコですが、コパのエルチェ戦に続き、この試合でも本職の右SBらしいアシストで貢献。バルカン半島出身仲間のサビッチも「Yo creo que se queda/ジョ・クレオ・ケ・セ・ケダ(彼は残ると思う)」と言っていましたし、トーマスが一生懸命修行しているとはいえ、やっぱりいてくれた方がチームのためになるんじゃないですかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.12 13:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】日本人選手の試合が続いている…

▽「思いつくのはやっぱり、このパターンなのね」そんな風に私が笑いを押し殺していたのは金曜日、LEP(プロ・リーガ協会)の公式ツイッターで週末のヘタフェvsエイバル戦のイメージイラストを見た時のことでした。そう、前者には柴崎岳選手が、後者には乾貴士選手が在籍するため、1つは2人が武士となって刃を交えているもの(https://twitter.com/LaLiga/status/939135819725631489)、もう1つはキャプテン翼風のアニメキャラになってボールを争っているもの(https://twitter.com/LaLiga/status/938840400395227139)で、スペイン人が日本に抱くお決まりのイメージを端的に反映している2作だったから。 ▽だったら、もしJリーグがスペイン人2選手の対戦宣伝ツイートを作ったら、闘牛士とフラメンコのイラストになるのだろうかなどと、勝手に想像を巡らせていた私でしたが、実際、土曜午後1時(日本時間午後9時)からのコリセウム・アルフォンソ・ペレスで今回、日本人選手の顔合わせが実現するのかは不明。いえ、エイバルの招集リストに乾選手が入ったのは確認できましたし、彼はここ3連勝中のリーガの試合にずっと先発しているため、余程のことがない限り、プレーしてくれるんじゃないかと思いますけどね。 ▽不確定なのは柴崎選手の方で、木曜に私がヘタフェの練習場に行ったところ、珍しいことに留学生らしい男子のグループやカップルら、10人近い日本人が来ていて驚かされることに。ジムセッションで1時間遅れて始まったトレーニングでは、フットバレーの後、チームでボールを繋いで攻めの形を作る演習やシュート練習など全てに参加。前日の記者会見でボルダラス監督も「Está totalmente recuperado de la lesion/エスタ・トータルメンテ・レクペラードー・デ・ラ・レシオン(負傷からは完全に回復している)」と言っていたものの、何せ、前節は今季無敗だった2位バレンシアに土をつける程、彼の不在中にチームが成長していますからね。負傷者はチュリだけ、後はその試合でレッドカードをもらったアランバリが出場停止になるぐらいと、メンバー的にも足りているため、柴崎選手がベンチに入るかどうかすら、まだわからないのは辛いところかと。 ▽まあ、今節は6位のビジャレアルが首位バルサと対戦するため、同じく土曜のデポルティボ戦で1ポイント差を覆してのヨーロッパリーグ出場圏入りを狙うレガネスや、お隣さんと1差でやはり、エイバルに勝てばEurogeta(エウロヘタ)復活が近づく、この試合の様子はまだ次回、報告することにして、CL最終節のあった今週、マドリッドの兄貴分チームたちの結果もお伝えしていかないと。いえ、火曜はここまでバルサとレアル・マドリーの試合ばかりだったアンテナ・トレス(スペインの民放、オープンチャンネル)がとうとう、チェルシーvsアトレティコ戦を中継してくれたんですけが、元々、こちらは自分たちが勝って、なお且つ、ローマがポイントを落とさないといけないと、分が悪すぎましたからね。 ▽おまけに序盤は威勢よく攻めていたシメオネ監督のチームだったものの、30分を過ぎるともう活躍するのはGKオブラクばかりという怖い状態に。それでも後半10分にはコケのCKをフェルナンド・トーレスが頭で繋ぐと、ファーサイドでサウールがヘッドを叩きこみ、カンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の連携で元同僚のGKクルトワを驚かせたから、嬉しかったの何のって。いやあ、当のサウールも「Con el 0-1 crimos que si era possible/コン・エル・セロ・ウノ・クリモス・ケ・シー・エサ・ポシーブレ(0-1になって、突破は可能だとボクらは信じていた)」と後で言っていたように、どうやらこの時、彼らは2分程前、ローマがペロッティのゴールでカラバフからリードを奪ったのを知らなかったようなんですけどね。 ▽その時は私もまだ、「アトレティコから1点取ったカラバフなんだから、ローマからだって、1点ぐらい取れるかも」と淡い期待を抱いていたものの、29分、アザールのシュートをサビッチがオウンゴールにしてしまっては…。その試合、モラタやザッパコスタらのシュートを7回もの見事なparadon(パラドン/スーパーセーブ)で阻止しながら、味方のゴールで1-1となってしまったオブラクも本当に気の毒ですが、結局、スタディオ・オリンピコ(ローマのホーム)の方も1-0で終了。いくらシメオネ監督が「ウチは1位のチーム(ローマ)から一番多くの勝ち点を奪った」とか、「カラバフ戦では10回もチャンスを作りながら、得点できなかった」とグループリーグ敗退決定を残念がったとしても、もうあとの祭りですって。 ▽そう、原因不明のゴール入らない病がチームに蔓延した9月10月、とりわけ楽勝と見られていたアゼルバイジャンのチームとの2連戦、どちらも引き分けてしまったんですから、そこは自業自得。ようやく最近は復調してきたため、この先はシメオネ監督が「リーガ、コパ・デル・レイ、ELで勝利を目指す。大会名ではなく、nosotros nos motivamos jugando con la camiseta del Atletico/ノソトロス・ノス・モティバモス・フガンドー・コン・ラ・カミセタ・デル・アトレティコ(ウチはアトレティコのユニを着てプレーすることにモチベーションが高まる)のだから」と言う通り、頭を切り替えるしかありませんが、木曜のELグループリーグが終了した途端、来年の32強対決抽選でシードチームになった彼らがいきなり、ネットブックメーカーで優勝候補に躍り出てしまったというのは喜んでいい? ▽うーん、確かにこのラウンドでは当たらないELグループ突破スペイン勢、アスレティック、ビジャレアル、レアル・ソシエダはともかく、アーセナルやミラン、ラツィオなどは1位で勝ち抜けているため、最初から難しい組み合わせにはなる可能性は低いですけどね。加えてFIFA処分が終わる来年1月からはジエゴ・コスタ、そしてセビージャで前人未到のEL3連覇を果たしたビトロが加わるとなれば、鬼に金棒というか、返すがえすもCL敗退が勿体ないというか…いえ、過ぎたことを後悔しても仕方ありません。今はただ、グリーズマンが右太ももの負傷で出られなくなってしまったハンデはあるものの、この日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのベティス戦に勝利して、リーガ上位2チームとの差を維持するよう、努めるしかないかと。 ▽え、その決勝トーナメントの組み合わせが決まるのはCL16強対戦同様、来週の月曜日だけど、同じCL敗退組でノーシードのナポリやドルトムントとアトレティコが当たったら、油断できないんじゃないかって?そうですね、丁度、水曜はサンティアゴ・ベルナベウでマドリーが後者と対戦となったため、私もドイツ人ファンで賑わっているだろうと、定番のプラサ・マジョール(市内中央にある広場)へお昼前に偵察に行ったところ…12月になると、そこってクリスマス・マーケットの屋台で埋まってしまい、普段なら出ているレストランのテラス席もなくなってしまうんですよね。おまけにこの日から連休が始まったため、物凄い混みようで、リースやベレン(キリスト誕生風景の模型)の人形を見てクリスマス気分を味わいたくても歩くだけで一苦労。黄色いユニを着たグループも広場外のお店にチラホラといった感じだったんですが、そこは旅行好きなドイツ人サポーターです。ベルナベウのフォンド・ノルテ(ゴール裏北側席)3、4階には1000人ぐらいは来ていたかと。 ▽ただ、すでにこのグループは1、2位がトッテナム、マドリーで確定しており、アポエルがロンドンで勝ち点を稼ぐ可能性を考えたら、ドルトムントの3位が脅かされる可能性も低かったため、どこか消化試合っぽくなってしまったのは否めないんですけどね。この試合ではキックオフからいくらもしないうちに、CLバージョンのクリスチアーノ・ロナウドが違いを見せてくれました!ええ、前半8分にはイスコにスルーパスを送って、マジョラルの先制点を呼び込む起点になったかと思えば、12分にはエリア前からの一撃を沈めて、2点目をゲット。こういうシュートが外れてしまうのが今季のリーガ・バージョンの彼で、ここまでたったの2ゴールと停滞しているんですが、CLではグループリーグ6試合連続得点で新記録達成とはやってくれます。 ▽更に今季CL通算も9得点とランキングトップを独走となれば、当人が「Ojala el Madrid la pueda ganar por tercera vez consecutiva/オハラ・エル・マドリッド・ラ・プエダ・ガナール・ポル・テルセーラ・ベス・コンセクティバ(マドリーが3連続優勝できますように)」と壮大な夢を抱いて当然だった?とはいえ、2点をリードした後のマドリーはしばし、休眠状態に入ってしまい、いえ、25分過ぎにシュートを2本、GKケイロル・ナバスに弾かれてしまった香川真司選手は、「数少ないチャンスを決め切らないと、もっと上に上がれないし、結果を残していないので、そこは悔しい」と試合後、反省していたんですけどね。バランが突然、ケガでアセンシオと交代、ルーカス・バスケスが右SBに移動したりで敵の守備が乱れたのを利用して、ドルトムントは42分、マドリーキラーのオバメヤングがシュメルツァーのクロスをヘッドで決めて1点を返し、後半に繋げることに。 ▽実際、オバメヤングはゲーム再開3分で1度はナバスに弾かれながら、2度目のvaselina(バセリーナ/ループシュート)を成功させ、スコアを同点にしたんですが、いやあ、その頃にはウェンブリーでアポエルが2-0と負けていたのも影響しましかね。追加点が入らないまま、36分にはエリア内の混戦からテオがヘッドで外に出したボールをルーカス・バスケスがシュート。当人曰く、「足の外側で蹴ったせいで変な軌道になったんだけど、入ってくれたね。Mi gol no fue muy ortodoxo/ミ・ゴル・ノー・フエ・ムイ・オルトドクソ(あまりまともなゴールじゃなかった)」そうですが、これでマドリーが勝ち越すことに。残り3分には再び、香川選手にもチャンスが回ってきたんですが、ボールは枠の外へ。「もちろん足がつっていたし、チームメートには後でただ流し込めばいいんだよと言われたけどね」(香川)そうで、ドルトムントが再び同点に追いつくことはできませんでしたっけ。 ▽結局、3-2でマドリーの勝利となりましたが、実は彼ら、これで直近のホームゲーム3試合連続2失点。マンチェスターの両雄やPSGなど、グループ1位終了の強豪と当たるかもしれない16強対戦については、「Creo que estaremos bien en febrero/クレオ・ケ・エスタレモス・ビエン・エン・フェブレロ(ウチは2月にはいい状態になっていると思う)。クリスマス明けには良くなっていると確信しているよ」とジダン監督も楽観していたんですが、この土曜のリーガ、セビージャ戦に向けては不安があるかも。何せ今回、前節のアスレティック戦でカルバハルとカセミロが累積警告となっているのに加え、退場したセルヒオ・ラモスも出場停止。更に来週のクラブW杯(水曜にアル・ジャジーラvs浦和レッズ戦の勝者と対戦)には同行するようですが、バランはこの試合に間に合わないそうで、バジェホも金曜に筋肉痛が治ったばかりとなれば、ボランチのマルコス・ジョレンテのCB転用を含め、守備陣編成にはかなり頭を捻る必要が。 ▽え、それでもドルトムント戦ではモドリッチやクロース、マルセロ、ベンゼマらを温存できたし、ベイル復帰のメドは立たずとも、木曜にはロナウドがライトアップされたエッフェル塔の1階展望台にドラマチックに登場(https://www.realmadrid.com/noticias/2017/12/cristiano-ronaldo-gana-su-quinto-balon-de-oro)。メッシと並ぶ通算5回目のバロンドール受賞を果たし、「自分はこの賞を7回獲りたいし、子供も7人欲しい」(ロナウド)と意気揚々、パリから戻って来たんだろうって?そうなんですが、さっきも言った通り、今季のリーガではシュート精度がどこか狂いっぱなしの彼ですからね。こればっかりは一体、どこまで期待していいのやら。 ▽相手も現在、前立腺ガンの手術を受けたベリッソ監督が戦列を離れながら、水曜にはマリボルと引き分け、CLグループ通過を2位で決めたセビージャですし、実はリーガ5位の彼らは4位のマドリーと同じ勝ち点を保持。どうもこうなると、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのこの一戦、非常に拮抗して見えるんですが、さて。ちなみに今節はまた2試合同日、マドリッドで開催ですが、ヘタフェ(マドリッド近郊)からサンティアゴ・ベルナベウへはエイバル戦終了直後、セルカニアス(国鉄近郊路線)C4線にLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅から乗り、Nuevos Ministerios(ヌエボス・ミニステリオス)駅へ、そこからメトロ(地下鉄)1駅で着けるため、ギリギリ梯子が可能かと。まだどちらもチケットがあるようなので、マドリッドでの休日をサッカー漬けで過ごしたいファンなどは試してみてもいいかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.09 12:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】まだ取り返しのつく大会もある…

▽「もしやこれって、リーガ優勝を諦めないでいいってことかしら」。そんな風に私がワクワクしていたのは月曜日、いえ、14節が終わっても1位から4位の順番は変わってないんですけどね。動いたのは勝ち点差で、2節前には10ポイントもあった首位バルサと3位アトレティコの差がたったの6に。2位バレンシアとも1差になったんですが、このまま順調に行けば、今回、2差の4位となったお隣さんが年内最終戦のクラシコ(伝統の一戦)でバルサを破ってくれた暁には、たったの3差で新年を迎えることも夢ではなし。それぐらいだったら、アトレティコの場合、直接対決で縮めればいいと言えないのが辛いところとはいえ、シーズン後半、次のクラシコまで待ったっていいですし、土曜にセルタがカンプ・ノウで引き分けたように他のチームが波乱を起こしてくれるかもしれませんし、6月にはワンダ・メトロポリターノ初年度に祝勝イベント開催なんて可能性だって…。 ▽いえ、まだ12月になったばかりなんですから、白昼夢に耽っていてはいけません。とりあえず、寒波に襲われた先週末のマドリッド勢の様子を順々にお話していくことにすると、先陣を切ったのはアトレティコ。すでにバルサが躓いたことを知りながら、レアル・ソシエダ戦が始まったんですが、もう日中の気温が10度に達しないこの時期、まだ外が明るくてもヒートテックで防寒していって大正解でした。おまけに彼らがパッとしなかった前半、28分にはフィリペ・ルイスのパスミスがキッカケとなり、エリア内に入り込んだオジャルサバルをGKオブラクが倒してしまい、PKを献上。ウィリアム・ホセがゴールを決め、1点リードされてしまったとなれば、体感温度が一気に低くなったのはきっと、私だけではなかったかと。 ▽それに輪をかけたのは2度もGKルリとの1対1となりながら、シュートを相手に当ててしまったコレアのビエット症候群感染で、いえ、今季少し前まではアトレティコのFW陣全員が多かれ少なかれ、このゴール入らない病に罹っていたんですけどね。ハーフタイムに「queremos ganar/ケレモス・ガナール(勝ちたいね)と話し合った」(サウール)というチームがピッチに戻った後半序盤にも、彼は同様のチャンスに天高く撃ち上げてしまい、スタンドを絶望させていたんですが、その日は救いの手が思いもかけないところから現れます! それはアトレティコが諦めずに攻め続けていた18分、エリア内右奥まで侵入したサウールが上げたクロスを反対側で受け取ったフィリペ・ルイス。 ▽ええ、「ペナルティはボクのボールロストからだったんだけど、soy asi, si pierdo 40 balones, voy a pedir el 41/ソイ・アシー、シー・ピエルド・クアレテンタ・バロネス、ボイ・ア・ペディール・エル・クアレンタイウノ(自分はそういう奴。40回ボールを失ったら、41回パスを頼むよ)」という、常に前向きな彼が利き足でない右で放ったシュートがファーサイドに決まったから、ビックリしたの何のって。当人も慣れないゴールに30通り程、考えていたポーズの1つでお祝い。まだ同点で逆転ではないことに気づかず、ベンチに駆け寄って、その喜びを分かち合おうとしたそうですが、チームメートに許してもらえませんでしたっけ。 ▽だってえ、リーガのホームゲームではここ3試合、バルサ、ビジャレアル、レアル・マドリーと続けて引き分けているアトレティコですよ。バルサが勝ち点を落とすなんて滅多にない状況でしたし、シメオネ監督も畳みかけるなら今と、ガメイロ、コレアに代え、フェルナンド・トーレス、カラスコを投入したんですが…残り3分、終盤の奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)は彼らの得意技ではないし、リーガ18試合連続無敗はクラブ史上2度目の快挙とはいえ、うち8つがドローなんて、あまり威張れない記録なんじゃないかと私もほとんど諦めていた時のことでした。そう、コケのクロスを再びサウールが頭で繋ぎ、ゴール左前に突っ込んだグリーズマンが押し込んでくれたんですよ! ▽いやあ、2-1で勝利した後、当人は「con el empuje de la aficion y el esfuerzo de cada uno hemos conseguido la victoria/コン・エル・エンプーヘ・デ・エラ・アフィシオン・イ・エル・スフエルソ・デ・カーダ・ウノ・エモス・コンセギードー・ラ・ビクトリア(ファンの後押しと各人の努力で勝利を手に入れた)」と言っていましたけどね。サウールも「Cuando nos animan todo es diferente/クアンドー・ノス・アニマン・トードー・エス・ディフェレンテ(応援されている時は全てが違う)。ファンのサポートがわかると、チームはより勇敢になれるんだ」と言っていましたが、それはちょっと微妙。CLカラバフ戦やマドリーダービーの時など、開始から終了まで物凄い応援ぶりだったにも関わらず、結果は引き分けだったことを考えると、効を奏したのはやはり、最近はご一緒するCFを置いて、シメオネ監督がグリーズマンにプレーしやすい環境を提供したこと。 ▽おかげで彼もここ3試合で4得点というエースらしい働きを見せていますし、加えてこの日は敵にリードされていたため、チームが決して後退しなかったというのも良かったかと。まあ、そうは言っても、シメオネ監督が「El gol tiene una energia que es inigualable y es dificil de explicar/エル・ゴル・ティエネ・ウナ・エネルヒア・ケ・エス・イニグアラブレ・イ・エス・ディフィシル・デ・エクスプリカル(ゴールは説明するのが難しい、他にはないエネルギーを与えてくれる)」と言っていたように、以前は何をやっても入らなかったシュートがまだ例外はあるものの、入るようになったのが、一番大きいんじゃないでしょうかね。 ▽ただ、これでリーガはいいんですが、時宜を逸した大会もあって、この月曜、もう今更、スタンフォード・ブリッジの雰囲気に慣れるも何もないと思ったんですかね。恒例に背いて、マハダオンダ(マドリッド近郊)で朝練した後、ロンドンに向かったアトレティコは火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのチェルシー戦にたとえ勝てたとしても、ローマのホームで戦うカラバフが引き分け以上の成績を残さない限り、CLグループリーグ3位での敗退が決定。来年は1月からプレーが可能となるジエゴ・コスタやビトロと共に、2012年以来のヨーロッパリーグ優勝を目指すことになりますが、それはまだ先の話ですからね。サウールも「こうなったのは自分たちのせい。Solo podemos ganar y esperar/ソロ・ポデモス・ガナール・イ・エスペラール(できるのは勝って待つことだけ)」と言っていたように、今はフアンフランのケガ治らず、再びトマスが右SB修行を続けるグループ最終節をいい形で終えてくれるのを祈るしかありません。 ▽え、そのアトレティコ立ち直りの特効薬がわかれば、同じ病に苦しんでいるお隣さんにも分けてあげたいって? うーん、確かにその土曜、ナイトゲームでアスレティックに挑んだマドリーは雨のサン・マメスでスコアレスドロー。「Estamos ocho puntos por la falta de gol/エスタモス・オチョ・プントス・ポル・ラ・ファルタ・デ・ゴル(ウチはゴール不足で首位と勝ち点8差にある)」(ジダン監督)という結果に。とはいえ、イスコも「昨季は終盤に得点できていたけど、nos esta faltando un poco de suerte, en el futbol tambien influye/ノス・エスタ・ファルタンドー・ウン・ポコ・デ・スエルテ、エン・エル・フトボル・タンビエン・インフルージェ(ウチにはちょっとツキが足りない。そういうのもサッカーには影響するんだ)」と言っていた通り、廻り合わせのいい悪いの問題もありますからね。 ▽大体、あれだけ才能余りある選手が揃っていて、先日など、2部Bのフォルメンテーラに0-1で負け、コパ・デル・レイ32強敗退の憂き目に遭っている今季不調のアスレティックから、どうして1点ぐらい取れないんだという感じですが、何より困るのはこの14節まで、ベイルは治ってもまたケガしたりといった具合で仕方なくても、クリスチアーノ・ロナウドとベンゼマが揃って2得点ずつしか挙げていないこと。うーん、前者はシュート68本とかなり狙いにいっているんですけどね。この日もGKケパに防がれたり、ゴールポストに弾かれたりと、ネットを揺らすことはできず。その対極で昨夏、移籍したモラタ(チェルシー)が9ゴール、マリアーノ(リヨン)が12ゴールと当たりまくっているため、逃した魚は大きかったみたいな話なってしまうのは仕方ない? ▽だったら、今季序盤、オブラクがどんなに頑張ってもスコアレスドローにしかならなかったアトレティコの例もありますし、冬の市場でケパ獲得云々ではなく、FWの緊急補強でもした方がいいような気がしますが、ジダン監督はこのゴール日照りについて、「Esto seguro que va a cambiar/エストー・セグロ・ケ・バ・ア・カンビアール(これは絶対、変わっていく)」と断言。「El balon empezara a entrar un dia y no parara/エル・バロン・エンペサラ・ア・エントラール・ウン・ディア・イ・ノー・パララ(いつかボールはゴールに入り始めるし、そしたらもう止まらないよ)」というカセミロの言葉にも嘘はないと思いますが、実は彼らには切迫した問題が。それはリーガ次節のセビージャ戦で同日、デポルティボに2-0で勝って、同じ勝ち点で5位につけている相手をサンティアゴ・ベルナベウに迎える試合では、カルバハルとカセミロが累積警告でプレーできないこと。 ▽加えて、鼻骨骨折をカバーするマスクを外して、セットプレーでの攻撃に参加していたセルヒオ・ラモスが張り切りすぎたか、アスレティック戦の後半42分に空中戦でアドゥリスにcodazo(コダソ/肘撃ち)を見舞ったとして、2枚目のイエローカードで退場。これでリーガ19回目と単独最多記録を打ち立てただけでなく、こちらも出場停止となるため、守備的にかなり不安なんですが、いくらシーズンは長いとはいえ、取りこぼしを続けていたら、いつになっても首位との差は縮みませんからねえ。 ▽ただお隣さんとは違い、CLグループリーグは前節、2位通過が決定した彼らなので、水曜午後8時45分からのホームゲーム、ドルトムント戦は結果を気にしなくていいのが救いと言えば救いなんですが、さて。アセンシオが負傷から回復、ベイルの様子はいつもながら、よくわからないマドリーに対して、相手はまだアポエルと3位を争っていますし、香川真司選手のプレーも見られるかもしれないだけに、いい試合になるといいですね。 ▽え、マドリッドの両雄の結果はともかく、今節、サプライズ感がより強かったのは日曜の弟分たちの方じゃないかって? そうなんですよ、まず正午からのビジャレアル戦のため、ブタルケ(レガネスのホーム)に向かった私でしたが、まさかこちらでも見事な逆転劇を目撃できるとは一体、誰に予想できたでしょう。そう、両チームとも無得点に終わった前半の後、後半15分にはトリゲロスのロングパスにGKクエジェルが飛び出したところ、ボールを受けたラバにかわされてしまう失態。ガラ空きのゴールに流し込まれて先制されたものの、この日のpepineros(ペピネーロス/キュウリ農家、レガネスの愛称)は決して諦めません。 ▽アムラバットがシマノフキに代わって入ったのが起爆剤となり、27分にはディエゴ・リコがエリア外からの一撃で同点にすると、36分にはエル・ザールが2点目、ロスタイム2分にもガブリエルが決めて、EL圏内6位のビジャレアルに3-1で勝ってしまうんですから、驚かせてくれるじゃないですか。うーん、セビージャ、バルサ、バレンシアと強豪との対決が続き、前節のセルタ戦にも勝てず、ここ4連敗していた彼らなんですけどね。マドリーがクラブW杯に参加するため、ミニダービーが来年に回されているため、12月の残り試合はあとデポルティボ戦とレバンテ戦だけ。となれば、ガリターノ監督も「Estar rozando Europa nos acerca a nuestro objetivo que es la permanencia/エスタル・ロサンドー・エウロッパ・ノス・アセルカ・ア・ヌエストロ・オブヘティーボ・ケ・エス・ラ・ペルマネンシア(ヨーロッパの大会出場圏近辺にいるのは我々の目標、1部残留に近づくことになる)」と言っていたように、今の7位をキープするだけでなく、EL出場順位に喰い込んで年を終わるのもありかもしれませんね。 ▽そしてブタルケを出た後、Julian Besteiro(フリアン・ベステイロ)駅まで20分程歩き、メトロ・スールで3駅、Los Espartalers(ロス・エスパルタス)で下車してすぐのコリセウム・アルフォンス・ペレスに向かった私でしたが、いやあ、まさかヘタフェにここまで根性があるとは意外。というのも、前半23分にアランバリのシュートがアマトに当たって入ったゴールはオフサイドで認められず、そのアランバリが1分後には早くも2枚目のイエローカードをもらって、彼らは10人になっちゃったんですよ。 ▽それでも粘って、2位チームに得点を許さなかっただけでなく、後半21分にはベルガラのシュートがパウリスタに当たって先制点をゲット。まあ、マルセリーノ監督がここ2試合ベンチ入り禁止処分で代理を務めたウリア第2監督など、後で「Nos ha sorprendido la dureza del partido/ノス・ア・ソルプレンディードー・ラ・ドゥレサ・デル・パルティードー(試合のハードさに驚いた)」と言っていましたけどね。そこここでtangana(タンガナ/小競り合い)があったのはともかく、アトレティコ、マドリー、バルサと引き分けている今季無敗の相手に初めて土をつけるって、物凄い偉業じゃない(最終結果1-0)? ▽ちなみにバレンシアの文句は昨季の2部時代を彷彿させるヘタフェのラフプレーだけに留まらず、以前、この地での活躍を認められ、引き抜かれたパレホなど、「El balon no corria, el campo estaba seco/エル・バロン・ノー・コリア、エル・カンポ・エスタバ・セコ(ボールが走らなくて、ピッチが乾いていた)。まるで1週間、整備をしていないみたいにね」と嘆くことしきり。確かに相手は何度も変なところで転んでいたりしましたが、これはバルサやマドリー戦の時も同じで、それでも彼らは勝っているため、あまりいい言い訳にはならないかと。 ▽おかげでレガネスに続き、勝ち点差1で8位となったヘタフェですが、次はまたホームゲームで土曜の正午からエイバル戦。乾貴士選手が来るのも楽しみですが、バレンシア戦前の記者会見でボルダラス監督が「La vuelta la tenemos muy cerca/ラ・ブエルタ・ラ・テネモス・ムイ・セルカ(復帰はとても近い)。もうチームに合流しているし、実質、戦力と言っていい」と発言。いえ、今週末、出られるかどうかはまだ100%確かではないそうですけどね。となると、その前に私も厚着をして、練習を見学してきた方が良さそうですが…ええ、お昼からの試合でも最近のマドリッドは使い捨てカイロがいるんですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.05 13:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】コパが片付いたら…

▽「もう完璧にクリスマスムードね」そんな風に私が感心していたのは木曜日、冬のマドリッドは午後6時には暗くなるため、夕方以降の外出が億劫になっていたものの、今週は午後9時30分からのナイトゲームを2日連続で観戦。ヒートテックを重ねていけば、寒さにも何とか耐えられるのがわかり、思い切ってセントロ(市内中央部)に出てみたところ、すでに通りがイルミネーションで美しく飾られているのに気づいた時のことでした。いやあ、市役所のお知らせによると、1月6日まで続く、こういった電飾はブランドショップの並ぶセラーノ通りから、アルカラ門、レアル・マドリーが優勝のお祝いをするシベレス広場を経て、グラン・ビアまでと、この経路を3ユーロ(約400円)で回れる観賞用のデッキバスも出ているそうなんですけどね。 ▽ただそれだと、オンライン予約(https://naviluz.emtmadrid.es/es/inicio/8-entradas-naviluz.html)が必要で、しかも結構先まで埋まっているため、マドリッドに来たついでにイルミネーションも楽しもうかという観光客の方には利用しづらいところがなきにしろあらず。ちなみに私からサッカーファンへのお勧めはショッピングを兼ねた、徒歩でも回れる簡単コースで、メトロ(地下鉄)のGran Via(グラン・ビア)駅からスタートして、すぐ側あるアディダス・ショップで来年のW杯を6月15日、ソチでのポルトガル戦でスタートすることになったスペイン代表のユニフォームをチェック。そのままイルミネーションに彩られたグラン・ビアをCallao(カジャオ)駅方面に向かうと、途中でレアル・マドリーのオフィシャルショップに寄れますし、カジャオ広場を超えて2ブロック程先にはアトレティコのお店もあるのも嬉しい限りかと。 ▽それからまた、カジャオ広場に戻り、今度はプエルタ・デル・ソルへ向かう道を歩いて、最後は市庁舎前のイルミネーションツリーを拝見という行程ですが、例えば、この土曜とかでしたら、そのまま午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)から始まるアスレティック]vsマドリー戦を見に、近隣にあるアイリッシュパブ、La Fontana de Oro(フォンタナ・デ・オロ/Calle de la Victoria 1)やDubliners(ダブリナーズ/Calle de Espoz y Mina 7)に入ってもいいですしね。どちらもTV画面が幾つもあって、観光客も多いバルのため、ビールを飲みながら、気楽にサッカーが見られるのがいいところですが、さて。中心街なので夜遅くなっても人通りが絶えないのも安心ですけど、とりあえず置き引きとかには気をつけましょうね。 ▽まあ、そんなことはともかく、まずはコパ・デル・レイ32強対決2ndレグの行われた今週、マドリッド勢の結果がどうだったのかとお伝えしないと。火曜の早い時間にキックオフしたレガネスはまあ、1stレグでもバジャドリッド(2部)に1-2で勝っていましたからね。ブタルケでのホームゲームもリーガのレギュラーから半分程、ローテーションをかけながら、前半34分にティトが挙げた1点を守って勝利。総合スコア3-1でOctavos(オクタボス/16強対決)進出が決定し、私もサンティアゴ・ベルナベウのスタンドで喜ぶことができましたっけ。 ▽続いて始まったのが、フエンラブラダ(2部B)との2ndレグだったんですが、何せ、1カ月前にはどちらもPKからの得点だったものの、0-2でマドリーが先勝していましたからね。いくらスタメンに先週、土曜のリーガ戦で同じ相手と0-0と引き分けたRMカスティージャ(マドリーのBチーム)の選手が3人入っていたとて、GKケイロス・ナバスやコバチッチが復帰。トップチームのBメンバーと言われているセバージョスやテオ、マジョラル、マルコス・ジョレンテらもいいところを見せようと張り切っているかと思いきや、何と、先手を取ったのは敵の方でした。 ▽ええ、前半25分にCKからクリアされたボールをルイス・ミジャが25メートル離れた位置からシュート。当人が「El balon ha hecho muchas cosas raras/エル・バロン・ア・エッチョー・ムーチャス・コーサス・ラーラス(ボールがかなり変な動きをした)」と言っていた通りなのか、単なるナバスのミスなのかはわかりませんけどね。それが決まって2試合合計での差を1点に縮められ、更に後半14分にはカタ・ディアスのヘッドが枠を直撃って、これじゃ、いくらチケットが5ユーロ(約700円)からと格安だったとはいえ、雨もちらつく寒い夜に応援に駆けつけたファンから、pito(ピト/ブーイング)が飛んでも仕方なかった? ▽実際、「後半はマドリーにアイデアが欠けていたのがわかった」と言っていたフエンラブラダのカルデロン監督も「今こそウチの番だ」と確信したそうですが…「Pero entonces entro Bale/ペロ・エントンセス・エントロ・ベイル(だが、そこへベイルが入った)」のが運の尽き。ふくらはぎのケガがようやく治って再登場した彼でしたが、最初に触ったボールでゴール前に見事なクロスを入れ、マジョラルがヘッドで同点にするのに貢献しているのですから、やっぱり1億ユーロ(約134億円)で引き抜かれてくる選手の才能は別格なのかと。ベイルは25分にも敵DFラインを抜けて、いえ、シュートはGKに弾かれてしまったんですけどね。こぼれたボールをマジョラルが拾い、またしてもゴールを決めてしまったとなれば、相手は逆転にあと3点も必要なのですから、もう突破は確定と言って良かったでしょう。 ▽いえ、それでも残り2分にポルティージャにゴールを許し、2ndレグを2-2で引き分けたのはあまり褒められませんけどね。試合後は「一緒にプレーしたことのない者やカンテラーノ(ユースチームの選手)もいたし、相手は2部Bのレベルじゃなかった」と選手たちを庇っていたジダン監督は、「Estoy contento por pasar la eliminatoria/エストイ・コンテントー・ポル・パサール・ラ・エリミナトリア(ラウンドを突破したから満足だ)」そうですけどね。こんな様子では次の16強対決、相手次第とはいえ、ベンチにベイル以外、トップチーム勢が1人もいないような、あまりに極端なローテーションは控えた方がいいかも。 ▽加えて、フエンラブラダの1点目を止められなかったせいで、負傷中の代理を務めていたカシージャがCLトッテナム戦やリーガ前節のマラガ戦での失点で評判を落としていたのに続き、ナバスまで不安視されてしまい、ますますアスレティックのケパ即時獲得の噂が広まってしまったのが、この試合のネガティブな結果だったんですが、それより何より、翌日にはベイルが再びジムごもり。今週は足首のケガで練習を休み、移籍を控えて、マドリー戦には出ないんじゃないかと言われていたケパが回復したのとは逆に、「ふくらはぎに違和感があるだけだが、no puedo dar una fecha de regreso/ノー・プエド・ダール・ウナ・フェチャ・デ・レグレソ(いつ復帰するかはわからない)」(ジダン監督)状態に戻ってしまったというから、呆気に取られたの何のって。 ▽いえ、アスレティック戦にはクリスチアーノ・ロナウドを始め、ベンゼマやイスコらtitulares(ティトゥラレス/レギュラー)が戻りますし、マドリーダービーで鼻骨骨折したセルヒオ・ラモスも特注マスクをつけてプレーできますからね。サン・マメスでの試合とはいえ、相手は2部Bのフォルメンテーラを前に後半ロスタイムのゴールでコパ敗退が決定したばかり。リーガもここ5試合白星がなく、16位と低迷しているため、あまり恐れることはないんですが、大事なのは前節でバルサがバレンシアと引き分け、せっかく8に縮まった首位との勝ち点差をマドリーが維持できるかどうか。12月中旬にはクラブW杯があり、16節のレガネス戦が来年回しになる彼らのため、一時的にまた差が開くのは仕方ないものの、できれば年内最終戦のクラシコ(伝統の一戦)で何とか一桁に戻して、新年を迎えたいところですよね。 ▽え、珍しい偶然だけど、この土曜に2部B相手にコパ敗退した相手と戦うのはマドリーだけではないんじゃないかって?その通りでアトレティコも1stレグでは0-1と勝ちながら、水曜の2ndレグでジェイダに2-3と逆転され、1月ミッドウィークの予定がすっかりなくなったレアル・ソシエダを午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、ワンダ・メトロポリターノに迎えることに。ただ、お隣さんと違うのは自身のコパ、エルチェ戦2ndレグでの彼らが最近の好調の波をキープできたことで、いえ、やはりプレーしたのは控え選手が多かったんですけどね。 ▽おまけに1stレグ同様、ビエットのゴール入らない病には回復の兆しがまるで見えず、前半31分にヒメネスがCKからヘッドで先制する前に4回失敗。33分にフェルナンド・トーレスがカラスコの弾かれたシュートを拾って2点目をゲット、後半23分にもベルサイコのアシストでdoblrete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成し、グリーズマン、ガメイロに続いてとうとう、10月にはチーム中に蔓延していた疫病から罹患したことを証明した後にもまた4回程失敗って、もうここまで来ると、泣くに泣けないのは当人だけじゃありませんって。 ▽うーん、この日はトーレスも数度、好機に決められなかったため、先日、0-5と大勝したレバンテ戦の際には「次の機会のために少しはゴールを取っておけばいいのに」とケチ臭い考えに浸っていた私も、「ワンダ初得点ついでにハットトリックでもしちゃえばいいのに」と思ったもんでしたけどね。とにかくビエットの場合は、シメオネ監督も「チームで最もいいプレーをする選手だが、彼のポジションはゴールを入れるか入れないで判断される。Yo le valoro que no se esconde y que sigue jugando y pidiendola/ジョー・レ・バロロ・ケ・ノー・セ・エスコンデ・イ・ケ・シゲ・フガンドー・イ・ピディエンドラ(それでも隠れず、プレーしてパスを頼んでいるところを私は評価しているよ)」と言っていましたが、彼がFWとしての本領を発揮するキッカケを掴むには本当にラッキーな何かが必要かと。当人は頑張っているだけに、ガメイロが今季初ゴールを挙げた時、レバンテのチェマがゴール前でボールを止めるというregalo(レガーロ/プレゼント)があったような幸運が近々、訪れてくるといいですよね。 ▽何はともあれ、アトレティコは3-0で勝利したため、極寒の平日の夜、ワンダに集った4万7000人のファンも逃したチャンスの多さなど、細かいことは気にせず、総合スコア4-1での突破を祝ったんですが、来週火曜に決まる16強対決の組み合わせには要注意。というのもこの32強対決では火曜にマラガを総合スコア3-2で下したヌマンシア(2部)、木曜にベティスを3-5で破り、逆転突破を果たしたカディス(2部)を含め、下部カテゴリーのチームが4つ残っているんですが、残りは全て1部だから。 ▽ええ、この先はマドリーやバルサと当たる可能性もあるんです!来週の最終節でチェルシーのホームで勝利かつカラバフがローマと引き分け以上という奇跡が起きない限り、来年はCLからヨーロッパリーグに転戦、リーガもお隣さん同様、首位と勝ち点8の彼らとなれば、コパぐらいしかタイトル獲得の期待が持てない気もしますしね。となると、ラス・パルマスのコパ、デポルティボ戦2ndレグで肉離れを起こしたビトロはともかく、ジエゴ・コスタがプレーできるようになる1月のミッドウィーク試合はチームにとって、最優先課題になりそうですが、さて。その傍らでリーガの3位維持、来季のCL出場権確保は万年マストの彼らなので、フアンフランのケガが治っていないにも関わらず、またベルサイコが招集リスト落ちし、トマスの右SB修行が続くこの土曜のソシエダ戦もきっと手を抜くことはないはずですよ。 ▽そしてリーガでは翌日曜、それぞれビジャレアル戦、バレンシア戦にホームで挑むことになるマドリッドの弟分チームなんですが、先に正午キックオフとなるのはレガネス。何せ、相手はコパと違って、同じカテゴリーのチームですし、ビジャレアルもポンフェラディーナ(2部B)を余裕で倒し、現在6位の実力を見せつけていますからね。このところ、リーガ4連敗と勝ち星から遠ざかっている彼らにはちょっと荷が重いかもしれませんが、ガリターノ監督も「Queremos estar más cerca de Europa/ケレモス・エスタル・マス・セルカ・デ・エウロッパ(ウチはもっとヨーロッパの近くにいたい)」と言っていたように、勝てば再び、EL出場圏が視野に入ってくるのは大きな励みとなってくれるかと。 ▽一方、木曜のアラベス戦でまるで2節前、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで4-1とやられたリバンジのごとく、メンディソロサで3-0と完敗。1stレグでの0-1負けを覆すどころではなく、マドリッド勢で唯一、32強対決敗退となったヘタフェは、梯子観戦も可能な午後4時15分からの時間帯で2位のバレンシアを迎えるんですが、うーん、敵はもちろんコパではサラゴサ(2部)を総合スコア6-1と圧倒。リーガでも2節前にお隣さんが3-0と一蹴されていましたからね。柴崎岳選手もまだ復帰せず、私としても頑張ってせめて引き分けてくれたらぐらいしか望めないんですが、ここで勝ち点1でももぎ取れば、兄貴分2チームから感謝されるのは間違いなし。順位も今はレガネスと勝ち点1差の12位と悪くはないですし、年内の見どころはマドリッド第3のチームの座はどちらが手に入れるのかといったところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.12.02 12:40 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】同じ5ゴールでも違う…

▽「そろそろヒートテックの出番かな」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜。ここ数日前から一気に真冬モードに入ったマドリッドの夜間気温を調べていた時のことでした。いえ、最初はこのブラック・フライデー期間中、あまりにお手頃価格だったため、つい衝動買いしてしまったジーンズとセーターで行くつもりだったんですけどね。マドリッドの両雄がホームゲームとなるコパ・デル・レイ32強対戦2ndレグは平日だからなのか、どちらもキックオフが午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)と遅い時間。気温は5度ぐらいが予想されるんですが、暖房のあるサンティアゴ・ベルナベウはともかく、荒野の真ん中に立つワンダ・メトロポリターノで風でも吹いた日には相当、覚悟を決めておかないと辛そうに思えたから。 ▽ただ、このラウンドのコパにもいいことがあって、何せ相手が2部Bと格下ですからね。チケットがまだ大分、残っているため、火曜はマドリーvsフエンラブラダ戦を15~40ユーロ(約2000~5300円)、VIP席150~350ユーロ(約2万~4万7000円)、水曜はアトレティコvsエルチェ戦を5~10ユーロ(約700~1400円)、VIP席も50ユーロ(約7000円)からという、格安値段で見られてしまうとなれば、たまたまマドリッド観光に来ているサッカーファンも行ってみない手はない? ちなみに1カ月前に行われた1stレグでレアル・マドリーはエスタディオ・フェルナンド・トーレス(マドリッド近郊にあるフエンラブラダのホーム)で0-2と勝利。相手は2部Bグループ1首位とはいえ、先週末の土曜にはRMカスティージャ(マドリーのBチーム)ともゴールレスドローだったそうですからね。 ▽普通なら、ジダン監督も控え選手プラス、カンテラーノ(ユースチームの選手)で迎えるところですが、今回は丁度、GKケイロル・ナバスとコバチッチが負傷明けの足慣らしをするのと同時に、9月のCLドルトムント戦以来、ミステリアスな左足のケガに苦しんでいたベイルもいよいよ招集リスト入り。「La idea es que juegue ya mañana, pero veremos cuánto/ラ・イデア・エス・ケ・フエゲ・ジャー・マニャーナ、ペロ・ベレモス・クアントー(明日はプレーさせるという考えだが、どのぐらいかは様子を見ながら)」(ジダン監督)だそうですし、1stレグで退場したバジェホが出場停止のため、CBコンビもヴァバランとナチョになるかも。鼻骨を骨折したセルヒオ・ラモスのマスク姿はまだ見られませんが、U-21スペイン代表で大活躍ながら、なからなか使ってもらえないセバージョスやW杯行きが確実視されているアセンシオなど、ファンが楽しめる要素はいっぱいあるような。▽一方、初戦をエルチェと1-1で引き分けているアトレティコは試合が水曜なこともあり、どんな陣容で挑むかはまだ不明。月曜には背筋痛だったヴルサリコがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場グラウンドでチームに合流したため、本職右SB不在問題は解決しそうですけどね。何せ今季、彼らが大得意の0-0でも勝ち抜けできるとなれば、最初はシメオネ監督も控え選手中心でいくかもしれません。 ▽え、でも先週末のリーガ戦を見れば、そんないかにもアトレティコが景気悪そうな物言いはもうしなくてもいいんじゃないかって? そうですね、この13節、マドリッドの兄貴分たちの試合ではどちらもゴールを5本ずつ見ることができたんですが、その内容は大違い。まずはベルナベウにマラガ戦を見に行った私だったんですが、とりあえず9分にマルセロのクロスをクリスティアーノ・ロナウドがヘッド、枠に当たって跳ね返ったボールをベンゼマが押し込んで先制したところまでは良かったんですけどね。それがまさか、17分にはあの精密機械のようなクロースがパスミス、ボールをケコに奪われて、そのクロスをロランに決められ、同点にされてしまうんですから、誰もが呆気に取られたの何のって。 ▽この時は幸い、3分後にCKでカゼミロのヘッドをアシストして、クロースも面目を保てたんですが、どうもここ最近のマドリーはダービーでもスコアレスドローでしたし、いつの間にか、お隣さんの悪癖が伝染ってしまったんでしょうかね。ロナウドがGKロベルトに2度もパラドン(パラドン/スーパーセーブ)されてしまったのはともかく、後でジダン監督も「Lo inhabitual son las perdidas de balon que tuvimos/ロ・インアビトゥアル・ソン・ラス・ペルディーダス・デ・バロン・ケ・トゥビモス(ボールの失い方が普通じゃなかった)」と言っていたように、さっぱりパスが続かないのは一体、どうして?▽まさか、アトレティコを見ている時と同じイライラを感じるようになるとは想像だにしませんでしたが、少なくともツキはあったようですね。ええ、前半最後のプレーでマラガのバイセにFKから見事なヘッドを決められたものの、「voy a saltar, me pone los brazos y creo que es falta/ボイ・ア・サルタル、メ・ポネ・ロス・ブラソス・イ・クレオ・ケ・エス・ファルタ(ジャンプするつもりだったところに腕をかけられた。ファールだと思う)」というカルバハルの主張通り、得点を認められなかったため、マドリーは何とかリードを保って折り返すことに。 ▽うーん、これにはマラガの選手たちも「クリスティアーノだって先制点の時には体を支えていたし、バイセは身長の差でカルバハルにジャンプで勝っただけだ」(チョリ)と抗議していましたが、それも57分、当人のエリア外からのシュートが直前でバウンド、GKカシージャが止められず、アウェイでの今季2得点目が入ったとなれば、その悔しさも半端じゃなかったかと。おまけに彼らにとって悪いことはさらに続き、最後は75分、またしても引き分けで首位バルサとの差が拡大するんじゃないかという恐れにベルナベウのスタンドが包まれていた頃、ルイス・エルナンデスが途中出場のモドリッチを倒してペナルティを献上。ロナウドのPKは一旦、ロベルトが弾いたものの、その跳ね返りを押し込まれ、マドリーに3-2で屈することになりましたっけ。 ▽え、その日のfondo sur(フォンド・スール)では12節までPKを1本ももらえず、審判に逆ひいきされていると感じていたマドリーサポーターたちがレッドカードを掲げる抗議行動などもあったけど、試合後のミチェル監督は「前半の2-2となるゴールは有効に見えたが、結果は変えられない。Arbitrar es complicado/アルビトラール・エス・コンプリカードー(ジャッジするのは難しいからね)」とそれ程、根に持っていなかったみたいじゃないかって? そうですね、マドリーは当人の古巣ですし、降格圏でもがいているチームにしては、前半にはフアンカルがヒザの靭帯断裂で早期交代、後半もキャプテンのレシオが足を引き摺ってプレーしていたにも関わらず、拮抗した試合ができたことに満足していたのかも。 ▽まあ、そんなミチェル監督ですから、丁度、プレスルームに降りるエレベーターで一緒になった、今はレアル・マドリーTVで解説者として働いている元同僚のロベルト・カルロスなども「マラガは1部に残らないといけないよ。あそこにはいいビーチもあるし、監督も好きだからね」と言っていたんでしょうが、そんなことはともかく。年内のリーガはアスレティック戦、セビージャ戦と強敵が続き、最後はクラシコ(伝統の一戦)で締めないといけないマドリーなんですから、あまり不安定な試合が続くと、先行きが思いやられますよね。 ▽そして一旦、家に戻った後、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にアトレティコを見に行った私でしたが、いやあ、もしやあのダービーが厄払いに役立ったんでしょうか。先週のCLでローマに2-0で快勝していた彼らですが、この日は5分から、幸運の女神が微笑むことに。だってえ、ガビのロングボールに抜け出したガメイロのラストパスをレバンテのロベルがクリアしようとして、オウンゴールで先制ですよ。その後、GKオイエルとの1対1を2度共失敗したガメイロだったんですが、28分にはコレアのシュートをチェマがゴール前で止めながら、自分は勢いでピッチの外に出てしまうという大失態。完璧ガラ空きのゴール50センチ前であれば、彼だって失敗しようがありませんって。 ▽おかげで2点リードという滅多にない好スコアで後半に入ったアトレティコでしたが、意外なことにそれでもチームは後退せず、ハーフタイム後も攻撃精神を維持したのが効を奏します。ええ、58分にはグリーズマンのスルーパスをガメイロが3度目の正直でGKの脇を通すシュートを成功させ、3点目をゲット。「Con Antoine tengo una buena relacion dentro y fuera del campo/コン・アントワン・テンゴ・ウナ・ブエナ・レラシオン・デントロ・イ・フエラ・デル・カンポ(アントワーヌとはピッチの中でも外でもいい関係だよ)」(ガメイロ)というフランス人FWコンビは64分にも連携し、この時はガメイロのアシストでグリーズマンがゴール、67分にもガメイロはGKに弾かれたものの、跳ね返りに突っ込んだグリーズマンのおかげで5点目が入るなんて…これまでとは打って代わった効率のいいgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を目の辺りにして、逆にこの先、反動で途方もなく悪いことが起きそうで心配になるって、もしや不幸体質が染みついているのは私だった? ▽結局、その後、ピッチに入ったフェルナンド・トーレスは「チームはゴールまでの数メートル、より落ち着いてプレーできるようになったし、no se sabe por que, pero nos entusiasma/ノー・セ・サベ・ポル・ケ、ペロ・ノス・エントゥシアスマ(何故かはわからないが、ウチはスピリッツが高揚している)」(シメオネ監督)というムードには乗れず、今季初得点を挙げることはできなかったんですが、0-5にもなれば、もういいですよ。自分など、ケチ臭い考えで次の試合にゴールを取っておくべきだなんて思ってしまったぐらいですが、運のいい日ってそういうものなんですかね。これまでは必ず敵に渡っていたリバウンドのボールなどもこの日は味方に行くというラッキーな面もあり、これまで2分け3敗と1度もシュタット・デ・バレンシアで勝ったことのなかったシメオネ監督が初勝利、チームとしても10年ぶりの白星を挙げてくれたとなれば、何の文句がありましょう。 ▽いえ、レバンテのムニス監督に「Nos hemos enfrentado a un rival de mucho nivel. Nos hemos encontrado un gran Atletico de Madrid/ノス・エモス・エンフレンタードー・ア・ウン・リバル・デ・ムーチョ・ニベル。ノス・エモス・エンコントラードー・ウン・グラン・アトレティコ・デ・マドリッド(ウチは高いレベルの相手に当たった。偉大なアトレティコ・デ・マドリーに出会った)」なんて褒められてしまうと、私もちょっとくすぐったいんですけどね。実際、この日は「彼らの全てのカウンターが凄い打撃だった」とモラレスも言っていたように、今季は不発が多かったクラブの伝統芸が大きな武器に。実際、こういう試合がもっと早くからできていれば、11月末にCLほぼ敗退、リーガ首位との差もこれ程、開いていなかったとはずなんですが…。 ▽そして翌日曜にはバルサがメスタジャでメッシのゴールがラインを割りながら、スコアボードに挙がらなかったせいもあり、ジョルディ・アルバの1点でロドリゴの先制点を帳消しにしただけに。1-1の引き分けで終わったため、得失点差で3位になったアトレティコと4位マドリーの差は2位バレンシアと勝ち点4、首位とは8に縮まったんですが、まあこれだけあると、そう簡単には近づけませんからね。12月のバルサの相手はセルタ、ビジャレアル、デポルティボと、あまりポイントを落とすこともなさそうですし、やっぱり年内最終戦のクラシコに期待するしかないでしょうかね。 ▽え、それで月曜にエスパニョールに挑んだマドリッドの弟分、ヘタフェはどうなったんだって? いやあ、土曜には私も練習を偵察に行って来たんですが、相変わらず柴崎岳選手は1人でリハビリトレーニングと、フットバレーを楽しんでいるチームメートの輪には加わらず。サッカーシューズも履いておらず、ボルダラス監督も「ガクはまだ馴らしているところ。Hay que esperar días para que entrene con el grupo/アイ・ケ・エスペラール・ディアス・パラ・ケ・エントレネ・コン・エル・グルッポ(グループ練習に加わるには何日か、待たないといけない)」と言っていたため、バルセロナ遠征に行かないのはわかっていたんですけどね。 ▽それでも9月から試合に出ていない彼を練習見学に来たヘタフェファンが忘れておらず、グラウンドを引き揚げる際に囲まれていたのは喜ばしい限りでしたが、残念ながら、RCDEスタジアムでの一戦は後半、ジュラール・モレノに決められた1点を返せず、4節ぶりにヘタフェは敗戦。お隣さんのレガネスと勝ち点1差の12位のままで、次は木曜、アラベス戦のコパ2ndレグに挑みます。何せ、彼らはマドリッド勢で唯一、1stレグで0-1と負けており、しかもアウェイでの逆転が必要ですからね。丁度、相手はその試合でデビューしたデ・ビアージ監督が月曜に解任され、今季3番目の指揮官を探している最中とはいえ、ここはかなり頑張って逆転突破してくれないと、年明けに柴崎選手が試運転できる試合がなくなってしまうかも。 ▽そして水曜午後7時30分から、2部のバジャドリッドをブタルケに迎えるレガネスは、1stレグでの1-2勝利を突破につなげたいというのがガイターノ監督の考えですが、いや、今の彼らはリーガ4連敗中。しかもシオバス、エセキエル・ムニョス、マントバーニとCBが3人も当分、負傷で出場できないとなれば、あまりコパ勝ち上がりはお勧めしないんですが、さて。ちなみにこの次のラウンド、16強対決は年明け早々の3日から予定されているため、お正月休みにマドリッド訪問を予定されている方などはこまめに日程をチェエクしておくといいかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.28 18:16 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】勝利に浮かれはしても現実は厳しい…

▽「ホントにここって何もないよね」そんな風に私が嘆きながら、IFEMA(イフェマ/マドリッドにある大型展示場施設)の横を歩いていたのは木曜日、バルデベバス(バラハス空港の近く)にあるレアル・マドリーの練習場に向かっている時のことでした。いえ、選手たちの出入りを見たいのであれば、セルカニアス(国鉄近郊路線)C1線のValdebebas(バルデベバス)駅で降りて徒歩1分、関係者用ゲート前で待てばいいだけなんですけどね。練習見学などで内部に入る場合、そちらからだと、広大な施設の敷地外周をグルリと回らないと入り口がないため、メトロ(地下鉄)8号線のFeria de Madrid(フェリア・デ・マドリッド)駅から徒歩30分の方が、乗り継ぎの関係で楽という面も。 ▽実際、まだ今のマドリッドは天気の良い昼間は寒さも厳しくなく、そこここで黄色に色づいた街路樹や高速道路を超えた後、野っぱらに生えているススキのような雑草に秋の情緒を感じながら歩くのも悪くないんですが、難点は猛暑の時に水が買える売店や、極寒に耐えかねた時に熱いコーヒーが飲めるバル(スペインの喫茶店兼バー)などが、練習場の付近一帯にまったくないこと。おかげで思い出してしまったのは、いえ、アトレティコのマハダオンダ(マドリッド近郊)のシュダッド・デポルティバ・ワンダのように、お隣に飲食店の並んだブロックがあるなんて環境は珍しいんですけどね。弟分のヘタフェもそういう意味ではかなり恵まれているかと。 ▽というのもコリセウム・アルフォンソ・ペレス右脇の道を下って行くと着く練習場では、トップチームのグラウンドの少し手前にバルがあるため、まだ誰もいない時はここでお茶をして待っていればいいし、毎回、2時間以上ある長いセッションをずっと見ているのに飽きてもテラスに座っていれば、柴崎岳選手を含め、引き揚げてくる選手たちを見逃す心配はゼロ。更にチームが朝食を取るスタジアム内のバルは試合のない日も開いており、Menu del dia(メヌー・デル・ディア/本日の定食)もあるため、セントロ(市内中心部)に戻る前に腹ごしらえしていくこともできます。 ▽他にも最寄のメトロ・スールの駅、Los Espartales(ロス・エスパルタレス)の出口前ある、カーニャ(グラスビール)やコーラなど、コールドドリンクを頼むとtapita(タピータ/おつまみ)をつけてくれる(ただし試合前は混雑しているためか、出ない)バルも重宝しますし、セルカニアスC4線のLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅へ向かう途中、大通りより1本外側のEmilia Prado Bazan(エミリオ・プラド・バサン)通りにも数軒、テラスで食事のできるレストランバルが並んでいるため、ランチをする場所に事欠かないのがいいところ。その辺は一番近いお店がショッピングセンターながら、そこまでスタジアムからも練習場からも10分以上歩かないといけない同じ弟分のレガネスより、立地がいいと言えますね。 ▽まあ、そんなことはともかく、木曜の私はスポンサーのアウディが恒例の選手への車の貸与式をやると聞いてバルデベバスへ向かったんですが、なかなか面白かったのはプレイベントのカーレースゲーム。バスケチームが練習に使うバビリオン内に作られた舞台で、F1レーサーのようなつなぎを着た選手たちがオンラインで繋がれた運転席に座り、8人ずつの予選を戦った後、決勝レースという運びでしたが、贅沢なカーコレクションが自慢のクリスチアーノ・ロナウドが最下位で予選落ちしてしまったのはかなり意外だったかと。もちろん普段、どんなに高性能の車に乗っていようが、自宅と練習場の往復では超高速を出す機会などある訳ないということでしょうが、この日、チーム一の器用さを発揮したのはカルバハル、以下、セルヒオ・ラモス、アセンシオと続いて表彰台に立つことに。 ▽その後、パビリオンの外に移動して1人ずつ、車を受け取ったんですが、ジダンの息子さん、第3GKのリュカを始め、セバジョス、アクラフ、マジョラル、コバチッチら、一番安い物でも7万5000ユーロ(約1000万円)、最高額はケイロル・ナバス、ロナウドのRS7の15万ユーロ(約2000万円)を超える、ラモスの選んだスポーツカー、R8スパイダーで21万ユーロ(約2800万円)だったそうですが、どれにしても一般人にしてみれば、何とも羨ましい限り。ええ、このイベントにはレースはベンゼマ、マルセロと共に欠場したものの、久方、ピッチでご無沙汰しているベイルもしっかり出席しています。 ▽え、彼らが呑気に新しい車をもらって喜んでいられるのも火曜のCLアポエル戦で今季初めて、トレードマークのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を達成したからじゃないのかって?そうですね、その試合、イスコやカセミロをベンチに置き、アセンシオとルーカス・バスケスでローテーションしたマドリーでしたが、前半23分に敵がエリア内からクリアしたボールをモドリッチが見事なvolea(ボレア/ボレーシュート)で決め、口火を切るともう止まらず。39分にはクロースのスルーパスからベンゼマが2点目を挙げると、その1分後にはCKからナチョが3点目、ロスタイムにもロナウドがベンゼマにアシストして、前半だけで0-4になるなんて一体、いつ以来のことでしょう。 ▽後半も序盤にロナウドの2ゴールで、とうとう0-6としたマドリーは勝ち点3を積み上げて、グループリーグ突破を決めたんですが、同日、トッテナムもドルトムントのホームで2-1と勝ったため、最終節に何をしても2位で変わらないことも確定。いえ、昨季もトップ通過できずにCL2連覇を果たしたジダン監督のチームですしね。12月6日にサンティアゴ・ベルナベウを訪れるドルトムントにはアポエルと3位を争って、ヨーロッパリーグ出場権を得るという目標があるため、香川真司選手も出場すれば、真剣に向かってきてくれると思いますが、実はキプロスでの試合の後、大勝にも関わらず、不機嫌だった選手が約1名。それは今季のCL5試合で8得点として、ランキングトップを走るロナウドでした。 ▽というのも前節、ウェンブリーでトッテナムに3-0と負けた際、「ペペ(ベシクタシュ)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)、モラタ(チェルシー)のいた昨季程、経験の足りない選手の多い今季のウチは強くない」と発言したせいで揚げ足を取られ、キャプテンのラモスに「今、そういうことを言うのはご都合主義」と批判されたことを根に持ったんでしょうかね。「Digo una cosa y poneis otra... ?como quereis que hable con la prensa?/ディゴ・ウナ・コーサ・イ・ポネイス・オトラ…コモ・ケレイス・ケ・アブレ・エン・ラ・プレンサ(自分が何か言うと、他のことを書かれる。何で自分がプレスにコメントしないといけない)」とインタビューなしで行ってしまうから、まったくもって気難しい。 ▽ただ、後でマルセロなども「Paz no vamos a tener nunca, la gente no esta acostumbrada a eso/パス・ノー・バモス・ア・テネール・ヌンカ、ラ・ヘンテ・ノー・エスタ・アコストゥンブラダ・ア・エソ(ウチが平穏になることはない。皆、そういうのには慣れていないからね)」と言っていたように、この決勝トーナメント進出決定で来年2月まで、CLのことは考えなくて良くなったからとて、心配事がなくなった訳じゃないのがマドリーの辛いところ。ええ、すぐに週末にリーガ戦が来てしまうため、再び首位バルサとの勝ち点差10という、ジダン監督もシーズン前には「No me lo imaginaba, para nada/ノー・メ・イマヒナバ、パラ・ナーダ(まったく想像もしなかった)」逆境に立ち向かわないといけないんですよ。 ▽うーん、相手は前節、ようやくデポルティボに勝って最下位を脱出したマラガですが、リーガでのロナウドはベンゼマと共にまだ1ゴールで全然、調子が出ていませんからね。ベイルはもちろん、アセンシオも全治10日のケガを左足に負ってしまったそうで、マドリーダービーで鼻骨を骨折したラモスも木曜には1個300ユーロ(約4万円)相当のカーボンファイバー製フェイスマスクが完成し、インスタグラム(https://www.instagram.com/p/Bb33pdVjhzL/?taken-by=sergioramos)で披露していたものの、招集リストには入らず。この試合ではナチョが累積警告で出場停止になっているため、CBにバランとバジェホしかいないというのはちょっと心配かと。 ▽朗報はとうとう、GKナバスとコバチッチが復帰したことですが、今季はホームでベティスに負け、レバンテとバレンシアに引き分けるという失態をすでに犯している彼らですからね。日曜の頂上決戦、バレンシアvsバルサ戦がどういう結果になるにしても、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのマラガ戦では絶対、勝ち星を落とすことは許されないかと。そうそう、その永遠のライバル、バルサは水曜のCLユベントス戦で前節オリンピアコス戦に続いてスコアレスドロー。それでもメッシを後半まで温存しつつ、グループ首位通過が決まっているんですから、今季はヨーロッパの大会に参加していないバレンシア同様、ここ当分、リーガに集中できるのが怖いですよね。 ▽え、それで火曜には後半に劇的な追い上げを見せ、リバプールと3-3で引き分けたセビージャが最終節にマリボルと引き分け以上なら、グループ突破ができることになっていたけど、カラバフとの2連戦を両方共ドローで終えた時点で勝ち点がたったの3。CLスペイン勢4チーム目、今季最後のCLホームゲームになる可能性が限りなく高かったアトレティコはどうだったのかって?いやあ、アゼルバイジャンで当日、先に試合をしたチェルシーが0-4とカラバブに大勝、もうこれじゃ、選手もやる気にならないんじゃないかと放心して、ワンダ・メトロポリターノのスタンドに座っていた私でしたけどね。その上、ローマ戦のキックオフ前にフアンフランの負傷離脱が発覚、元々、ベルサイコも背筋痛で欠場が決まっていたため、右SBがトマスになると聞いた日にはもう一体、何を期待していいのやら。 ▽代わりに招集リスト外だったアウグストが中盤に入ったものの、トマス共々、序盤は何度も自陣でボールを失う始末。アポエル戦で面目躍如をしたベンゼマが、「No tengo derecho a fallar cuatro pases, uno ya puede ser un problema/ノー・テンゴ・デレッチョー・ア・ファジャール・クアトロ・パセス、(ボクにはパスを4回失敗する権利はない。1度でも問題にされかねないからね)」なんて言っていたのに比べ、何て寛容なチームだろうと苦い思いもしたものでしたが、幸い相手も鋭い攻撃を繰り出すことはできず、今季恒例の0-0でハーフタイムに入ります。でも…後半はいつもとちょっと違ったんです! ▽いえ、シメオネ監督がアウグストをコレアに、ダービーで引き分けた翌日、落ち込みもせずに彼女のベアトリスさんにプロポーズなんてしていたせいでしょうかね(https://www.instagram.com/p/BbwmNQXg_rr/?taken-by=beatrizespejel)。珍しくコケもガビにと、早々に交代カードを切ったのもグッジョブだったんですが、24分、ピッチにいたFWたちが久々に完璧な連携を見せてくれたから、ビックリしたの何のって。 ▽そう、フェルナンド・トーレスの浮き球のパスを追ったコレアがゴールラインぎりぎりからクロスを上げると、反対側にいたグリーズマンがchile(チレナ/オーバーヘッドシュート)で先制点が決まるって、我が目を疑ってしまったのはきっと、私だけではないはず。だってえ、「En los entrenamientos y en la seleccion si que entraba, pero con el Atletico no/エン・ロス・エントレナミエントス・イ・エン・ラ・セレクシオン・シー・ケ・エントラバ、ペロ・コン・エル・アトレティコ・ノー(練習や代表では入るんだけど、アトレティコではゴールにならない)」と本人も言っていた、ここ8試合無得点だったグリーズマンですよ。 ▽いくら試合前、先日のダービーではpito(ピト/ブーイング)を浴びせながら、かといって、他に頼る者のないファンが当人の応援歌を歌って励ましていてくれたとはいえ、話が出来過ぎではないかと思ったんですが、その日のアトレティコはリードした後もいつもように後退せず。それどころか、ローマのブルーノ・ペレスが2枚目のイエローカードをもらって退場した後の40分、カラスコの代わりに入っていたガメイロがグリーズマンのスルーパスを受け、GKアリソンをかわすと、角度のないところから2点目のゴールを決めるという嬉しいおまけまでつくことに。うーん、確かにフランチェスコ監督も「アトレティコの方が試合に勝ちたいというハングリー精神があった」と言っていた通りだったんですが、はあ。その気概、カラバフ戦の時に見せてくれていたらなんて、今更言っても仕方ありません。 ▽結局、そのまま2-0で勝ったアトレティコは紙一重で数字上、グループ勝ち抜けの可能性を残したんですが、何せ、その日、1位通過を決めたチェルシーにスタンフォード・ブリッジでの最終節で勝ったとしても、木曜にアディダスのイベントに出演したコケも「necesitamos que el Qarabag haga algo/ネセシタモス・ケ・エル・カラバフ・アガ・アルゴ(カラバフが何かしてくれることが必要)」と口にした後、苦笑を抑えられず。ローマがホームで最下位の決定したチームに遅れを取るとは思えませんからね。ここは腹を決めて、もう年明けは5年ぶりのEL優勝に懸けるしかない? ▽まあ、シメオネ監督も「最後の90分が終わるまで、ネガティブなことは考えない。La vida esta para pensar positivamente/ラ・ビダ・エスタ・パラ・ペンサル・ポシティバメンテ(人生はポジティブに考えるためにある)」と言っていたように、世の中にはたまに奇跡もあるため,その辺は12月5日の試合が終わるまで私も気に病まないようにしようと思いますが、やっぱり心配しない訳にはいかないのは土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレバンテ戦。何せ、彼らの条件はお隣さんとまったく同じ、首位と勝ち点10差ですからね。ハムストリングを痛めたフアンフランはもちろん出られず、今度の右SBはヒメネスになりそうですが、さて。 ▽とにかく1度、ゴールが入り始めたら、調子の波に乗るはずという定説を今は信じたいところですが、一足早く、金曜夜にセルタ戦に挑んだレガネスはここ3連敗という流れを変えられず、イアゴ・アスパスに決められたPKゴールで1-0とまた敗戦。ヘタフェの方は月曜にエスパニョール戦となるため、その前に私も柴崎選手のリハビリがどのくらい進んだのか、偵察してこようと思いますが、来週はコパ・デル・レイ32強対戦2ndレグもありますし、どこのチームも忙しくなりますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.25 11:01 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】勝って負けて引き分けた…

▽「こうも首位決戦が縁遠いものになるとは」そんな風に私が嘆いたのは月曜日。今週末の日曜にあるバレンシアvsバルサの話題でTVのスポーツニュースが盛り上がっているのを見た時のことでした。確かにこの日曜、エスパニョールに0-2と快勝したリーガ2位の前者が勝てば、1位との差はたったの勝ち点1に。退場したマルセリーノ監督はメスタジャのベンチに入れないものの、ピッチでの影響が大きいのはピケが累積警告で出場停止になる相手の方でしょうし、大体、その前にバルサは水曜のCLでユベントスとのアウェイ戦に挑まないといけませんからね。今季はヨーロッパの大会に参加していないバレンシアにとって、願ってもないチャンスかと思いますが、それにしても寂しいのは両者があまりに高みにいすぎるため、マドリッド勢にしてみれば、どっちが勝とうが、どうでもいいような状態になっていること。 ▽だって、レアル・マドリーもアトレティコも首位とは勝ち点10、2位とも6ポイントも差があるんですよ。こうなるともう、直接ライバルとも言えなくて、そりゃあ、ジダン監督もリーガは長いと言っていた通り、先々を考えると、シーズン後半戦での息切れがありそうなバレンシアより、バルサとの差が縮まった方がいいのかもしれませんけどね。ただ、現在のマドリッドの両雄の調子が続くなら、10差が7差になったって焼け石に水。この先はCLグループリーグ直接出場権のある3位争いとなるのか、後ろにつけているセビージャやビジャレアルといったチームに追いつかれないようにするのが先決なのか、何にしろ、はなはだパッとしない未来が待っていそうにない気がするのは私だけではない? ▽いえ、まずはその原因となった先週末のリーガについて、話さないといけませんね。珍しく、マドリッドの4チームが揃って試合となった土曜日は私も忙しいスケジュールをこなすことに。ええ、まず午後1時から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにアラベスを迎えるヘタフェを見に行ったんですが、こちらはメトロ(地下鉄)10番線終点Puerta de Sur(プエルタ・デ・スール)でメトロ・スールに乗り換え、Los Espartales(ロス・エスパルタレル)下車、徒歩1分と、セントロ(市内中心部)から1時間ぐらいかかるのを別にすれば、慣れた道ですから、まったく大したことはありません。 ▽実際、試合も先日のコパ・デル・レイベスト32 1stレグでは同じ相手に終盤、サントスのヘッドでゴールを奪われ、0-1で負けていたヘタフェでしたが、この日はベストメンバーを並べたのが奏功。5分から、アランバリのクロスをベルガラが頭で押し込んで先制したのを皮切りに、8分にはホルヘ・モリーナがPKを決めて追加点を挙げると、後半にはアンヘルの2ゴールで、30分を残して4点差になっていたから、デイゲームに駆けつけたファンもどんなに喜んだことか。うーん、ここまでリードすると、今季の彼らの悪い癖、ラスト10分間での失点も致命傷にはなりませんからね。その日も35分にサントスに1点を返されていたものの、4-1での勝利なら、誰も文句を言いやしませんって。 ▽え、ここリーガ4試合を2勝2分けと調子に乗ってきたヘタフェだけど、このままガンガン、行かれると、柴崎岳選手が回復してもスタメンに入るのが難しくなってしまうんじゃないかって? そうですね、ボルダラス監督も「モリーナとアンヘルは正直、上手くやっているよ。互いにわかり合っていて、チームはその成果を享受している」と言っていましたしね。アマトやポルティージョもだんだん1部の水に馴染んできたようで、おまけに11月30日のコパ2ndレグでアラベスに逆転し損ねると、年明けの試合数がめっきり減ってしまうのは辛いかと。まだ次の月曜、エスパニョール戦には間に合わなさそうな柴崎選手ですが、早く万全の状態になって、ヘタフェの更なるレベルアップに貢献できるといいのですが。 ▽そして勝利の余韻に浸ったまま、次は午後4時15分からバルサを迎えるレガネスを応援しにブタルケへ向かった私でしたが、実は同じマドリッド近郊で町同士が並んでいる弟分同士ながら、移動が便利とは言えないのが難点。いえ、車なら簡単なんですけどね。地図で事前に調べた通り、メトロ・スールで数駅引き返し、Julian Besteiro(フリアン・ベルテイロ)駅から10分程歩いてバスを捕まえたところ、運転手さんから「本当に乗るの?」と問われてしまうことに。そのオチは次の停留所で下車しても、そこから徒歩で向かっても、バスは下の道を通るため、丘の上にあるスタジアムまでは同じぐらいの道のりだったからなんですが…何でも初めてには失敗がつきものです。 ▽まあ、どちらにしても40分もあれば着くので、またヘタフェとレガネスが同じ日に試合する節があれば、マドリッド観光で訪れるサッカーファンも簡単に梯子が楽しめるということがわかったのは良かったかと。ただ、ホームのレガネスがViolencia de genero/ビオレンシア・デ・ヘネロ(異性間暴力)防止運動を後押しするため、その日は紫色のユニでプレー、対するバルサも水色の第2ユニだったため、一見、どことどこの対戦かわからず。おまけに夕日が落ちて行く時間帯だったため、逆境となる正面スタンドからは非常に見づらかったこの試合、いえ、キックオフ前のサポーターたちは大いに盛り上がっていたんですけどね。▽結果はまさに、後でガリターノ監督も「Hemos generado ocasiones, pero ahi esta la diferencia/エモス・ヘネラードー・オカシオネス、ペロ・アイー・エスタ・ラ・ディフェレンシア(ウチはチャンスを作ったが、差が出たのはそこだった)」というもので、序盤から決して首位チームに引けを取っていなかった彼らだったんですが、29分、パコ・アルカセルのシュートを弾いたGKクェジェルがこぼれたボールに反応できず。すかさずルイス・スアレスに蹴り込まれ、まさか先制点を喰らってしまうなんて一体、誰に予想できる? うーん、その日はクェジェルが大殺界だったのか、60分にもまたしてもアルカセルのシュートを弾いたところ、スアレスに決められてしまっていましたけどね。逆にアムラバトやエル・ザールが撃ってもGKテル・シュテーゲンに止められてしまうのでは、「Ellos con nada nos hicieron los goles/エジョス・コン・ナーダ・ノス・イシエロン・ロス・ゴーレス(彼らは何でもないところからゴールを挙げた)」(エル・ザール)と、レガネスの選手たちが嘆いていたのも仕方なかったかと。▽最後は90分、ゴール右脇で地面に倒れたメッシが押し出したボールをパウリーニョが決め、0-3でバルサが勝ったんですが、これにはバルベルデ監督も「このスコアはちょっと大袈裟だね。ウチは決定力が高くて相手は違った」と苦笑。それでも「Le reconozco al Leganes el esfuerzo que ha hecho/レ・レコノスコ・アル・レガネス・エル・エスフエルソ・ケ・ア・エッチョー(レガネスのやった努力は認めるよ)」と言ってくれていたため、ホームチームはかなり頑張ったんだと思いますが、「La diferencia en Primera son las areas/ラ・ディフェレンシア・エン・プリメーラ・ソン・ラス・アレアス(1部での差はエリア内での違い)」(ガリターノ監督)というのも事実ですからね。このセビージャ、バレンシアと続く強豪3連戦、全敗したのを見てもわかるように、こればっかりはお金のないレガネスにはどうしようもない? ▽でも大丈夫、上位候補チームには敵わなくても数時間前、降格圏のアラベスに快勝したヘタフェのように下位の相手から着実に勝ち点を奪っていけば、シーズン序盤は強敵続きで苦労していた弟分の同僚だって、今ではヨーロッパリーグ出場圏の6位にあと5ポイント。いきなりユーロ・ヘタ復活の期待を懸けられ、ボルダラス監督が「Europa? Eso da mucho vertigo/ヨーロッパ?エソー・ダ・ムーチョ・ベルティーゴ(そんなのは凄い眩暈を感じるよ)」と言っていたように、巡りあわせ次第ですからね。いつの間にやら、勝ち点差1で10位のヘタフェと1つ違いの9位になってしまったレガネスもこの金曜のセルタ戦から、白星を稼いでいってくれればいいですよ。 ▽そして土曜のクライマックスはもちろんマドリーダービーで、何せワンダ・メトロポリターノへはマドリッド南部から東部への大移動とあって、今度は私も速度を重視してセルカニアス(国鉄近郊路線)を選択。ええ、幾つか経路はあるんですが、まずはブタルケの最寄駅、Zaraquemada(サラケマダ)からC5線でAtocha(アトーチャ)駅へ。C2もしくはC7線に乗り換えて、Coslada(コスラダ)駅で降りた後、メトロで2駅なんですが、まさかそこまで来て券売機前に長蛇の列ができているとは! うーん、丁度今、メトロが紙の切符を廃止して、カード(金額のデポジットではなく、買った切符が記憶される)に切り替えている最中なため、マドリッド住民でさえ、勝手がよくわからず、駅員のアドバイスを受けないと切符が買えない状態なのも困ったもんなんですけどね。 ▽幸い私は手持ちのセントロとメトロ・スール乗り継ぎ回数券がここでも使えたため、並ばずに済んだんですが、この現象はワンダやサンティゴ・ベルナベウで試合が終わった後にメトロに乗る時も同じ。よって、試合観戦の際は着いた時に帰りの切符も買っておくことをつとにお勧めしますが、まあ、順調に行けばレガネスーワンダ間はヘタフェーワンダ間同様、1時間半というところでしょうか。次の時間帯に1試合が入る場合はこちらも十分、梯子が可能ということがわかりましたが、すでにバルサの勝利で勝ち点差が12に開いていたのを知っていた3位、4位で並ぶマドリッドの兄貴分、どちらが最悪の状態を回避できたかというと…。 ▽双方共倒れだったんですよ。いやあ、新スタジアムで最初のダービーを迎えたアトレティコはコケが先発に戻ったこともあり、開始から積極的にプレーしていたんですけどね。3分に誰もが「ゴール!」と叫びかけたシュートをコレアが外した後も気落ちせず、「En los 25-30 minutos se vio el equipo que somos/エン・ロス・ベインティシンコ・トレインタ・ミヌートス・セ・ビオ・エル・エキポ・ケ・ソモス(25~30分までウチがどういうチームか見せた)」(シメオネ監督)という状態を維持していたんですが、徐々に相手に主導権を奪われてしまうことに。それでもサビッチがクロースの足首を踏むようなタックルをしても、セットプレーでリュカが頭で合わせようとしてきたセルヒオ・ラモスの顔面を蹴ってしまっても、誰もレッドカードで退場させられることはなく、アトレティコはいつもの0-0でハーフタイムを迎えます。 ▽後半もラモスがナチョに交代したものの、マドリーの優位は揺るがず、もういつ点を取られるか、取られるかと、私など、生きた心地もしなかったんですが、どうやら今季は両チーム共、「falta de gol/ファルタ・デ・ゴル(ゴール不足)」に苦しんでいるせいですかね。加えて、「falta de futbol/ファルタ・デ・フトボル(サッカー力不足)」もあるアトレティコから、グリーズマンが完璧に消えていたのに歩調を合わしてくれたのか、いえ、マドリーにもチャンスはあったんですけどね。前半にはモドリッチのパスで1人抜け出しながら、何とフアンフランに先回りされてしまったクリスティーノ・ロナウドが得意のFKもGKオブラクに弾かれるわ、ゴディンやサビッチ、とりわけフィリペ・ルイスの代わりに抜擢されたリュカの奮闘に阻まれるわで、ゴールを決めることができず。 ▽75分にはシメオネ監督もグリーズマンとコレアを見限り、フェルナンド・トーレスとガメイロを投入。後者のvaselina(バセリーナ/ループシュート)がゴール前でバヴァランにクリアされてしまったのは残念でしたが、ベンゼマをアセンシオに代えた後、あちらのベンチにはルーカス・バスケスやセバジョスら、アタッカーがまだ残っていたにも関わらず、ジダン監督が3人目の選手を入れなかったのもアトレティコにはラッキーだったのでしょう。後でマルセロが「Tres o cuatro penaltis, yo que se/トレス・オ・クアトロ・ペナルティス、ジョ・ケ・セ(3つか4つのペナルティがあったかもしれないけど、ボクは知らないよ)」と言っていたように、エリア内でのハンドなども審判の注意を引くことなく、93分の奇跡の男、ラモスもピッチにいなかったため、結局、どちらもネットを揺らせないまま、試合は0-0で終了です。 ▽おかげで両者共、首位との差が絶望的に開いてしまったんですが、何せまだマドリーにはCLの希望が残っていますからね。ええ、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのアポエル戦に勝てば、彼らはグループ突破が決定。「Volveria a sangrar una y mil veces mas por este escudo y esta camiseta/ボルベリア・ア・サングラール・ウナ・イ・ミル・ベセス・マス・ポル・エステ・エスクード・イ・エスタ・カミセタ(この紋章とユニフォームにためなら、1000回でも血を流す)」と試合後のツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/932253732284321798)では威勢が良かったものの、鼻骨を折ったラモス、リハビリ中のGKナバス、ベイル、コバチッチがまだ出られないとはいえ、ここまでリーガでシュートを55回撃ちながら、1得点しかしていないロナウドもCLでは4試合6得点と好調なので、ほとんど問題はないかと。▽一方、ダービー後の質問が交代の時、スタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛んだグリーズマンのことに集中していたアトレティコは、いえ、サウールやコケ、フアンフランら、チームメートたちは皆、当人を庇っていたんですけどね。この水曜のCLローマ戦で勝たないとグループ敗退してしまうんですよ。しかも最終節に希望を残すには、アゼルバイジャンのカラバフがチェルシーのホームで負けないことを祈るしかないという藁をも掴む状況となれば、誰もがCL話題を避けているのも当然だったかと。いえ、とりあえず、3位で来年ELに回るためにも自身が勝ち点を稼いでおくのにこしたことはないんですけどね。シメオネ監督は「trabajo, trabajo, trabajo y despues talento/トラバッホ・イ・デスプエス・タレント(まず努力、努力、努力、才能はその次)」と信念を失っていなかったものの、とにかくゴールが入らないと良くて引き分けにしかならないのは悲しいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.21 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】どちらも崖っぷちだった…

▽「そっか、勝ち点は同じなんだっけ」。そんな風に私が思い出していたのは金曜日、今節はマドリッドの4チームが全て土曜にプレー、しかも最後を飾るのがワンダ・メトロポリターノで初となるマドリーダービーというビッグデーを前に順位表を確認していた時のことでした。いやあ、この代表戦週間、スペインは親善試合だけだったとはいうものの、さすがparon(パロン/リーガの停止期間)で2週間も空くと、前節の出来事も遥か記憶の彼方へ。 ▽そこでスポーツ紙の各クラブ試合結果ページをチラ見して、そういえば、アトレティコは2試合連続のトマスのゴールで辛くも引き分けを逃れ、0-1でデポルティボに勝ったんだっけとか、レアル・マドリーは3-0とラス・パルマスに快勝したものの、待望のクリスチアーノ・ロナウドの今季リーガ2得点目は出なかったんだっけとか、おさらいしていたんですが、よく見ると、首位バルサとの差はどちらも勝ち点8。つまり双方共、すでに逆転がかなり難しい状況の中、このダービーで負けて、差が11ポイントに広がった暁にはシーズン3分の1経過時点で優勝戦線脱落どころか、今季は優勝絶望という扱いをされる悲しい未来が待っているってことじゃないですか。 ▽まあ、その辺はまた後で語っていきますが、とりあえず、スペイン代表今年最後となったロシアとの親善試合がどうだったのか報告しておくことにすると。先週土曜のコスタリカ戦ではかつての黄金時代を彷彿させるポゼッションサッカーを披露して、5-0と大勝。W杯に向けて、ファンの期待を高めてくれた彼らだったんですが、サンクトペテルスブルクでのこのロシア戦はかなり異なった展開に。いえ、開始9分でアセンシオ(マドリー)のクロスをジョルディ・アルバ(バルサ)がヘッドで決め、35分にも怪しいハンドでペナルティの判定をゲット。キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)が「Hoy es cumpleanos de mi hijo/オイ・エス・クンプレアーニョス・デ・ミ・イホ(今日はボクの息子の誕生日なんだ)」という、かなり個人的な理由でPKキッカーをイニエスタ(バルサ)に譲ってもらい、それが無事に決まったため、リードも2点に広がったんですけどね。 ▽そこに加え、相手がW杯開催国として、この1年間、公式戦をしていないロシアだったせいもあって、気が緩んだんでしょうか。41分にはピケ(バルサ)を切り返してスモロフ(クラスノダール)が放ったシュートで1点差に迫られてしまいます。更に「Cuando perdemos el control no nos sentimos comodos/クアンドー・ペルデモス・エル・コントロル・ノー・ノス・センティモス・コモドス(試合のコントロールを失い、ウチは落ち着かなく感じた)」(ロペテギ監督)スペインは、前半のうちに同点にされてもおかしくない程、攻められていたんですが、それが現実になったのは後半間もなくのこと。ええ、エリア内左奥からジルコフ(ゼニト)が出したボールがナチョ(マドリー)に当たり、ゴール前からミランチュク(ロコモティフ・モスクワ)に押し込まれてしまうとは、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)もとんだ外れクジを引かされたもんですよ。 ▽ただその2分後、今度はセットプレー時にラモスを倒したとして、普通は見過ごされるペナルティをもらえたため、再び当人がPKを決めて、2-3とまたリードしたスペインだったんですけどね。イスコが打撲で代表を離脱、シルバ(マンチェスター・シティ)も後半途中に投入という事情もあり、コスタリカ戦のような優位性を見せられなかった彼らはそれ以降、追加点を奪うことができず。実際、守備の方もロペテギ監督がCB3人制とか、慣れないことを試してみたせいで、選手たちも混乱したんでしょうかね。 ▽25分にスモロフがエリア前から自身2ゴール目を入れて、ロシアに再度同点にされた後は、最後のチャンスもロスタイムにロドリゴ(バレンシア)がGKルネフ(ゼニト)と衝突して、頭を打った相手が担架退場。交代枠がもうなかったため、急遽、グローブをはめたMFグルシャコフ(スパルタク・モスクワ)が活躍する時間もなく、終了の笛が鳴ることに。何せ、せっかく盛り上がりかけていたスペイン代表ですからね。3-3の引き分けは大いに不満の残る結果。それでもロペテギ監督などは、「ウチはW杯にグループ首位として出場を決めた。イタリアやチリが出られないんだから、la nota es alta/ラ・ノタ・エス・アルタ(高成績と言っていいよ)」と就任以来、1敗もしていないこの予選の道のりを評価していましたけどね。 ▽とはいえ、彼らが3点も取られたのは、それこそ2014年W杯ブラジル大会グループ初戦のオランダ戦で1-5と負けて以来だそうですから、やっぱりかつての強さを取り戻した気になるのはまだ早い? 12月1日にはいよいよ、本大会グループリーグ組み合わせ抽選もありますし、ほぼ18~19人は決まったと言われているW杯用招集メンバーも、残りの席を懸けて争っている選手たちもこの先、しっかり精進を続けて、来年6月には最高のチームでロシアに乗り込めるといいのですが…。 ▽そして話をリーガに戻すと、実は今週は天気も良かったため、マドリッドのチームの練習見学にせっせと足を運んでいた私だったんですけどね。まずは火曜、今節はバルサをホームのブタルケに迎えるとあって、兄貴分の期待を一身に背負っているレガネスを偵察。ロッカールームやジムなどがある新しいクラブハウス前にオープンしたインスタラシオン・デポルティボ・ブタルケの新グラウンドは、以前のように四方から丸見えでは訳ではないものの、ファン見学用のスペースもちゃんと用意されていました。丁度、モロッコがW杯出場を決めた後だったのもあって、国旗を持ってアムラバットの応援に来ていた男性などもいましたが、ちょっと厄介なのはまだ施設で工事が続いているせいで、よく出入り口が変わることでしょうか。 ▽ちなみにこの土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのバルサ戦、1つ嬉しいニュースがあって、昨季は1部昇格後のホーム2試合目というタイミングだったため、チケットが早くに完売していたのが今回、試合当日午前10時から600枚が売り出されるということ。値段は50~80ユーロ(約7000~1万円)だそうですが、マドリッドにいるものの、ダービーのチケットが手に入らなかったというファンにはお勧めかも。エスタディオ・ブタルケへはアトーチャ駅から、セルカニアス(国鉄近郊路線)C5でZaraquemada(サラケマダ)駅下車して徒歩20分、もしくはメトロ(地下鉄)5号線のAluche(アルーチェ)駅から、482、491、492、493番のバスに乗って、セントロ(市内中央)から1時間ぐらいで行けますよ。 ▽え、でも相手はメッシがアルゼンチン代表から早帰り、今季無敗の首位だけにマドリッドの弟分チームには難しい相手なんじゃないかって? うーん、確かにガリターノ監督も「去年は前方でプレスをかけるという思い切った策を試して、1-5で負けた。Si vamos con la intencion de disfrutar nos meteran cinco o seis/シー・バモス・コン・ラ・インテンシオン・デ・ディスフルタール・ノス・メテラン・シンコ・オ・セイス(ウチが試合を楽しもうという気持ちで挑めば、5、6点取られるだろう)」と言っていましたけどね。ここ2試合、セビージャに2-1、バレンシアに3-0と上位チームにはとても歯が立たないことも判明してしまったんですが、このバルサ戦で彼らはホームながら、Violencia de genero/ビオレンシア・デ・ヘネロ(異性間暴力)撲滅運動に賛同する紫色の第2ユニフォームを着てプレー。せっかく社会の意識改革に貢献するんですから、ここは何とか、意地を見せてくれることを祈るばかりでしょうか。 ▽そして水曜はアトレティコの夕方練習を見学にマハダオンダ(マドリッド近郊)に行った私ですが、何せあそこはお隣さん同様、ファンが入れる一般公開練習がない上、マスコミも開始から15分しか見られないという徹底ぶりですからね。運良く下のグラウンドでのセッションならば、敷地の外から覗くという手が使えるんですが、ミニスタジアムだとアップで参加選手の顔を確認するぐらいがせいぜい。それだけにモンクロア(市内のバスターミナル駅)から653、654、655番のバスに払う運賃がもったいない気もしないではないんですが、そんな日の私の楽しみは施設のすぐ横にあるカフェテリア、アトゥエルでお茶をすること。 ▽こちら、最近はあまりないんですが、以前はアグエロやコケなどにも店内で遭遇。小腹が空けばサアンドイッチやキッシェなども食べられますし、ケーキ類も充実しているのがウリです。午前11時とかの昼間のセッションであれば、テラスに陣取って、真向かいにある駐車場出口を見張りながら、練習を終えて車で出て来る選手たちを待つにもいい位置かと。ビールの方が嬉しい人には横にバル(スペインの喫茶店兼バー)、ラ・ラソンもありますし、このブロック、裏側もハンバーガーや食事の取れるレストランが鈴なり。ただし、たまにシメオネ監督も姿を見せるデ・マリア(アルゼンチン風肉料理店)も含め、スペインでは午後1時半を過ぎないとキッチンが開かないことが多いため、ランチするなら選手たちのサインをゲットした後の方がいいかもしれませんね。 ▽続いて木曜には土曜午後1時からアラベを迎えるヘタフェを覗きに行ったんですが、通常の午前10時半の開始時間、グラウンドにトップチームの姿はなし。30分程、Bチームの練習を眺めていたところ、ようやく用具係のスタッフが現れたため、訊いてみると、ビデオセッションをコリセウム・アルフォンソ・ペレスでやっていて、開始が1時間程遅れているのだとか。まあ、そんなこともありますが、ラッキーだったのはおかげで日本での治療を終え、負傷後、初めてグラウンドに降りて来る柴崎岳選手に会えたこと。うーん、その日はサッカー・バレーがメインの軽いメニューながら、まだグループには加われず、当人はコーチと2人でずっとリハビリだったんですけどね。 ▽金曜に記者会見したボルダラス監督も「練習はしているが、特別な中敷きが届くのを待っていてサッカーシューズが履けない。復帰までの時間も正確にはわからないし、todavia es pronto/トダビア・エス・プロントー(まだ早いよ)」と言っていたため、今週末の試合に出ないことは確かなんですが、練習姿だけでも見たいファンには朗報かと。こちらはレガネスと違い、メトロ・スールのLos Espartales(ロス・エスパルタレス)駅から徒歩1分にあるスタジアムの右脇の道を下りて行くだけで施設に着けるため、マドリッド観光ついでに訪問するハードルが低いのがいいところでしょうか。 ▽え、それでダービー直前情報はどうなっているのかって? いやあ、まず戦力から言うと、アトレティコはコケ、カラスコ、そしてフィリペ・ルイスにも全快通知が出て、ケガ人が皆無に。ただ、木曜にはシメオネ監督が11人だけを集めてビデオセッションを行ったそうで、そのメンツによると、左SBはリュカ、カラスコもベンチ待機になるよう。一方、マドリーではウィルス性の心膜炎で休んでいたカルバハルが復帰、イスコは水曜から練習に参加しており、クロアチアのW杯予選プレーオフ、ギリシャ戦でお疲れだったモドリッチも金曜には回復したようで、負傷欠場はベイル、コバチッチ、GKケイロル・ナバスの3人だけだとか。 ▽その他、トピック的にはこの代表戦週間中、フランスのTV番組に出演して、「ネイマール、ムバッペとの前線を夢見ることはある?」と訊かれ、またしれっとして「Oui/ウィ(イエス)」と返答。おかげでまた、批判が集まっていたグリーズマンをワンダ・メトロポリターノでのスポンサー契約延長発表のイベントに出席したコケが、「Yo le veo comprometido/ジョ・レ・ベオ・コンプロメティードー(ボクは彼がチームに集中していると思う)」と言いながら、「アトレティコに100%集中していない選手はそう言って、出て行くだけさ」とドライなところも示したため、同僚にクギを刺したなんて報じられていましたけどね。 ▽とはいえ、シメオネ監督も「マスコミがいじりたくなるのもわかるが、es el jugador mas desequilibrante que tenemos/エス・エル・フガドール・マス・デセキリブランテ・ケ・テネモス(彼は我々が持つ一番、均衡を崩せる選手)」というのも事実。ジエゴ・コスタがFIFA処分で来年1月からしかプレーできないため、今はとにかく「Estamos teniendo problemas/エスタモス・テニエンドー・プロブレマス(ウチには問題がある)。練習ではシュートが全部決まるのに、試合になると入らない」(グリーズマン)という逆境を打破していけるよう、当人のご機嫌を損ねないのが大事かと。 ▽その傍らでマドリーにもスペイン代表合宿中にラモスが、「ペペ(ベシクタシュ)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)、モラタ(チェルシー)らに比べて今季の新しい選手には経験がない」というロナウドの言葉を「今、そういうことを言うのはご都合主義的」と反論したなんて騒動も。ただ、ジダン監督によると「Dentro las cosas se arreglan y ya esta arreglado/デントロ・ラス・コーサス・セ・アレグラン・イ・ジャー・エスタ・アレグラードー(内部で片づけることだし、もう解決した)」そうなので、チーム内不和は期待するだけムダというものでしょう。 ▽何より、この2週間、ポルトガル代表にも行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっとシュート精度を磨いてきたロナウドですからね。軽く見たら、痛い目に遭うのはアトレティコの選手たちもわかっているはず。フランス代表でゴールを決め、これをツキを変えるキッカケにしたいグリーズマンとの7番対決にも興味を持たれますが、そんなマドリーダービーは土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。果たしてどちらに軍配が挙がるのか、いやあ、今から私も胸がドキドキしています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.18 13:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】久しぶりにゴールを沢山見た…

▽「もしかして産休だったんだろうか」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。クリスティアーノ・ロナウドがSNSに挙げた第4子誕生報告の投稿を見た時のことでした(https://www.instagram.com/p/BbaImIfFr0h/?hl=es&taken-by=cristiano)。いやあ、この国際代表戦週間、フェルナンド・サントス監督からポルトガル代表の招集免除をされていた彼ですけどね。確か、この夏のコンフェデレーションズカップでは準決勝でチリに負けた後、3位決定戦は出ずに、到着したばかりの双子のエバちゃんとマテオ君の顔を見るのを楽しみに帰国した当人だったかと思いますが、今度は現在の彼女、ジョルジーナさんが出産とあって、7歳になった長男のクリスティアーノ・ジュニア君と一緒にアラナ・ビクトリアちゃんに病院で面会って、何かあまりにタイミングが良すぎない? ▽まあ、それもポルトガルが先月、W杯出場をグループ1位で決めており、今回は親善試合しかないのと、当人が2008年ユーロ、2010年W杯と続けて制覇したお隣の国を見習い、2016年ユーロチャンピオンとして、国際メジャートーナメント連覇を狙うべく、来年6月にロシアの地に乗り込むチームの先頭に立つことは保証されているため、まったく問題はないんでしょうけどね。逆に2008年から2012年までの黄金期が終わり、W杯ブラジル大会、フランスでのユーロでは低迷しているスペイン代表などにとって、この11月の親善試合はチームの復権を託す本大会メンバーを選ぶための大事なテストマッチ。それだけに、この土曜の試合でいい結果が出たのは私もどんなに嬉しかったことか! ▽そう、満員のラ・ロサレダ(マラガのホーム)にコスタリカを迎えたスペインはカルバハル(レアル・マドリー)が負傷でおらず、GKこそ初出場のケパ(アスレティック)だったという点を除けば、ほぼベストメンバーを並べてスタート。早くも開始5分には今季、リーガで注目の成長株。先月のアルバニアとのW杯予選で代表デビューした右SBのオドリオソラ(レアル・ソシエダ)がエリア内のシルバ(マンチェスター・シティ)に繋ぐと、そのゴール前へのラストパスはモラタ(チェルシー)もイスコ(マドリー)も撃てなかったんですけどね。ノーマークで反対側にいたジョルディ・アルバ(バルサ)が決めて、先制点が入っているんですから、何とも幸先がいいじゃないですか。 ▽続いて22分、今度は自身で直接ゴールを狙ったシルバでしたが、そのシュートはGKが阻止。こぼれ球に素早く詰めたモラタが2点目をゲットすることになります。うーん、この夏、マドリーからロンドンのチームに行ってしまったため、リーガファンが活躍を目にする機会が減ってしまった彼ながら、CLでワンダ・メトロポリターノを訪れた時もしっかり同点ゴールを挙げていましたしね。しばらく絶対的CFの不在で悩んでいたスペインですが、その好調ぶりが続く限り、ロペテギ監督も大船に乗った気でいられる? アトレティコがFIFAの処分を受けているため、来年1月からしかプレーのできないジエゴ・コスタもしっかり、シーズン後半でゴール量産をしないと、本大会メンバーに呼んでもらえないかもしれませんね。 ▽え、それにしても2008年ユーロ優勝から始まったスペイン全盛期からのメンバーで、今年はもう31歳になるベテランながら、シルバの衰えを知らないプレーぶりには驚かされなかったかって? そうですね、前半は2点止まりで終わったスペインですが、55分にはコスタリカDFのクリアミスを拾って、彼が3点目のゴールを入れただけでなく、64分には敵陣エリア近くで果敢にタックルしてボールを奪うと、シュートも決めて自身2得点目って、いやあ、最近は私もマドリッドの両雄クラブのFWたちが次から次へと、失敗するのばかりを見慣れていたせいでしょうかね。 ▽こうもあっさりネットを揺らしているのには…。ラミレス監督が「tiene una lesion de alto riesgo y tuvo una recaida importante/ティエネ・ウナ・レシオン・デ・アルト・リエスゴー・イ・トゥボ・ウナ・レカイダ・インポルタンテ(重度の再発で、高い危険のあるケガをしている)」と言っていたケイロル・ナバス(マドリー)でなかったせいかもしれませんけどね。ゴールってこんなに簡単なものだったのかと、ちょっと目が覚めるような気分になったなんてこともなきにしもあらず。 ▽そして最後は72分、同じくベテラン、33歳のイニエスタ(バルサ)がエリア外からのミドルシュートを決め、とうとう5-0としたスペインでしたが、この大勝にもロペテギ監督は相手を立てることを忘れていません。曰く、「コスタリカはいいチーム。Si nos encontramos en el Mundial, el partido sera muy diferente/シー・ノス・エンコトラモス・エン。エル・ムンディアル、エル・パルティードー・セラ・ムイ・ディフェレンテ(W杯で当たったら、全然違う試合になるだろう)」と、ええ、確かに相手にもブライアン・ルイス(スポルティング・リスボン)やキャンベル(ベティス)といった主力アタッカーが欠けていたというハンデがありましたけどね。 ▽おかげでケパなど、アディショナルタイムにボルヘス(デポルティボ)のシュートを弾くぐらいしか、見せ場が作れなかったんですが…。それでもこの日はほぼボールを独占、スムースにパスを繋ぐ彼らのサッカーを見ていると、何だか、ティキタカ時代のスペインが戻って来たようで、これなら来年の夏に期待してもいいかと。そうそう、毎回、話題になるピケ(バルサ)へのpito(ピト/ブーイング)もこの日はそれをかき消す拍手と半々ぐらいだったそうで、当人もセルヒオ・ラモス(マドリー)と共にハーフでナチョ(マドリー)、バルトラ(ドルトムント)に代わっていますからね。これから次の代表戦がやって来る3月まで、余計なことを言わなければ、だんだんこの現象も沈静化していくんじゃないかと思います。 ▽え、それでご当地出身選手で前日練習では終了後にピッチで息子さんと遊んで、ギャラリーの視線を釘付け。今季はマドリーでもプレゼンス(価値)がどんどん上がっているイスコの活躍ぶりはどうだったのかって? うーん、cano(カーニョ/股抜き)をしたり、器用なボール扱いを披露したりして、スタンドから何度もイスココールを受けていましたが、64分にはDFワストン(バンクーバー)に強烈なタックルを見舞われてダウン。左太ももを痛めたようで、アセンシオ(マドリー)と交代することに。 ▽いえ、試合終了直後のピッチインタビューを受けた、昨季までクラブの同僚だったモラタも「Poca cosa, lo de Isco tiene un golpe /ポカ・コーサ、ロ・デ・イスコ・ティエネ・ウン・ゴルペ(大したことじゃない。イスコは打撲しただけだよ)」と言っていたように重傷ではないんですけどね。次も親善試合のため、日曜にマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)からサンクトペテルスブルクに向かう飛行機には乗らず、マドリッドに帰還しています。 ▽それでもイスコは週末土曜のマドリーダービーまでに復帰できるようですが、どうやらナバスの方は間に合わないようで…。いえ、だからといって、アトレティコがスペイン同様、お隣さんをgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)できるかと言えば、そんなことはまったくないんですけどね。とはいえ、先週はふくらはぎのケガがもう治るはずだったベイルが今度は左太ももに肉離れを起こし、全治1カ月となってしまったマドリーに対し、フランス代表に行っているグリーズマンが奇しくもウェールズ戦でゴールを挙げたアトレティコ。実は彼、10月のW杯予選最終戦以来、クラブでは得点していないため、これはぬか喜びに終わる可能性もありますが、コケもカラスコも代表に行かずにケガを完治。、微妙なのはフィリペ・ルイスぐらいというのは実行戦力という面において、ちょっとシメオネ監督のチームが有利かもしれませんね。 ▽まあ、そんなダービーに関しては日曜にクロアチアがプレーオフ2ndレグでギリシャと0-0と引き分け、総合スコア4-1でW杯出場を決定。モドリッチもベルデベバス(バラハス空港の近く)でリハビリ最終段階に入った後輩のコバチッチを安心させてあげることができましたし、ヴルサリコもアトレティコではなかなか実現しない2試合連続フル出場で貢献したとか、土曜にはアフリカ予選最終節でアクラフが弟分チームのアムラバット(レガネス)、ファイル(ヘタフェ)らと協力してコートジボワールを2-0で撃破したなんてことも。こちらもロシア行きを決めていますし、とにかく代表でのお勤めを果たして帰って来る選手たちが揃わないことにはどうにも予想が立て辛いため、また次回にでもお話しますが、月曜夕方にはスペインの選手たちもサンクトベテルスブルクのペトロフスキー・スタジアム(ゼニトの旧ホーム)で練習。 ▽火曜午後7時45分(日本時間翌午前3時45分)からのロシア戦はW杯用に新築されたクレストフスキ・スタジアムで開催されるんですけどね。芝を荒らさないためのようですが、そのセッションに参加しなかったのはシルバだけで、コスタリカ戦で首を痛めたため、当日まで様子見だとか。それでも今回の代表には、ルイス・アルベルト(ラツィオ)こそ、マラガで代表デビューの夢が叶いましたが、他にもカジェホン(ナポリ)、ビトロ(ラル・パルマス)、スソ(ミラン)、ロドリゴ(バレンシア)と攻撃のオプションはかなり豊富。GKだけはデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)で決まりと言われていますが、それ以外の先発がどうなるかは見てのお楽しみになりそうな。 ▽一方、相手のロシアは先日、アルゼンチンとの親善試合でアグエロ(マンチェスター・シティ)のゴールで0-1と敗れていますが、開催国代表として気合が入っているでしょうからね。いくら現地が気温零度近くと、極寒の気候であることを言い訳にせず、ロペテギ監督下で再生したスペインの強さをこの試合でも思う存分、見せてもらいもの。12月1日にはいよいよ、本大会のグループリーグ抽選もありますしね。トップシードの組に入れなかったため、万が一、スペインがドイツ、ブラジル、アルゼンチンといった強豪国と一緒になることがあったとしても、ロシアまで追いかけるファンのため、2014年のグループリーグ敗退の悪夢の再現など、無用な心配をしないでいいぐらいのチームになってくれると嬉しいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.14 19:09 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】親善試合が終わったら…

▽「W杯前の力試しには最適ね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、というのも相手がブラジルだったおかげでしょうか。こちらでは滅多に見られない日本代表の親善試合がオープン放送で中継されたため、私もTV観戦していたんですけどね。序盤からVAR(ビデオ審判)により、ブラジルにPKが与えられ、ネイマール(PSG)に先制されたのはともかく、それから5分もしないうちにまたペナルティ。2度目のPKは川島永嗣選手が弾いてくれたものの、マルセロ(レアル・マドリー)にエリア前からの弾丸シュートを決められて2点目、36分にも今季はマドリーを離れてマンチェスター・シティでプレーするダニーロが同僚のガブリエル・ジェズスをアシストして3点目。そんな圧倒的な強さを発揮していた相手が、3月の国際代表戦週間にスペインと親善試合をするかもしれないと聞いたから。 ▽幸い後半には槙野智章選手のヘッドで一矢を報いることができた日本でしたが、1-3という結果を見れば、やはりW杯優勝候補の1つに挙げられるサッカー大国と実力的に互角とは言えないのが現実。だったら、先日はアルゼンチン代表参加中のメッシ(バルサ)も「Prefiero evitar a Espana en la fase de grupos/プレフィエロ・エビタル・ア・エスパーニャ・エン・ラ・ファセ・デ・グルッポス(グループリーグではスペインを避けたい)」と言っていたロペテギ監督のチームとなら、いい勝負になると思ったんですが…何より、今度こそ会場がワンダ・メトロポリターノになりそうだとなれば、他にもカゼミロ(マドリー)やフィリペ・ルイス(アトレティコ)ら、お馴染みの選手も多いですからね。対戦相手に私がブラジルを激しく希望してしまったのも仕方なかった? (C)CWS Brains,LTD.▽え、どうやら代表戦デビューも遅かれ早かれ決まりそうなワンダ・メトロポリターノだけど、最近はとうとうスタジアムツアーも始まったというのは本当なのかって?その通りで実は先日、私も見学してきたんですが、行ったのは試合のない日曜の午前中。それでもメトロ(地下鉄)7号線のEstadio Metropolitano(エスタディオ・メトロポリターノ)駅を降りると、スタジアム前の遊歩道はそこそこファンや観光客で賑わっていたため、そろそろここもマドリッド訪問定番メニューに加えてもいいかも。入場券(大人16ユーロ(約2300円)/子供8ユーロ)はオフィシャルメガストアで販売、ツアー入り口は10番ゲートになります。 (C)CWS Brains,LTD.▽今のところ、始まったばかりとあって、ガイドなしで順路もVIPルーム、パルコ(貴賓席)、プレス・コンファレンスルーム、天井の大きな紋章が美しいホームチームのロッカールームを廻ると、それからピッチへ。選手たちの座るベンチやシメオネ監督が立っているテクニカルエリアを体験できる程度なんですが、印象的だったのは試合の時、選手たちが出て行くホールの壁にあったアトレティコのレジェンド2人の名言。ええ、故ルイス・アラゴネス氏の「君たちはアトレティコ・マドリーの選手で外には5万人、君らのために死ねる者がいる。それ故にこのユニフォーム、その誇りのためにピッチに出て、チャンピオンは1人だけ、それは赤と白をまとったチームだと言わないといけない」なんていうのを読むと、結構じわっとくるアトレティコファンは多いかも。 (C)CWS Brains,LTD.▽もう1つはシメオネ監督のもので、こちらは2014年の「これはただのリーガ優勝ではない。この選手たちがあなた方、皆に伝えるのはもっと重要な何かだ。Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(人は信じて努力すれば、実現できる)」という、私もリアルタイムで感激したフレーズだったんですが、うーん、今季のアトレティコは少々、その信念が薄れてきている兆しもなきにしろあらず。ワンダでプレーする時はそれこそ、選手たちもこの言葉を読み直して、気合を入れてプレーしてもらいたいところですが、さて。もしかして、あまりに新スタジアムが壮大すぎて、まだピッチで足が縮こまってしまっているのだとしたら、ちょっと情けないですよね。 ▽まあ、このツアーは現在、金土日の3日間のみ(開催時間はクラブのオフィシャルページ、http://www.atleticodemadrid.com/でTour Wanda Metropolitanoのタイトルのついた記事から確認)、試合のある日はないとのことなので、それこそ博物館も併設されていそうな来年3月の代表戦週間頃を狙って行ってみるというのでもいいかと思いますが、今回、ラ・ロサレダ(マラガのホーム)でコスタリカと親善試合を行うスペイン代表の近況もお伝えしておかないと。火曜からラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿を始めたチームでしたが、初日は午後7時半からの練習を一般公開。いえ、この時期のその時間帯はスペインでも真っ暗なんですけどね。もうこれで今年は代表も見収めとあって、スタンドには大勢のファンが詰めかけることに。 ▽ただちょっと残念だったのは、アップとロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)を終えた後、日曜にクラブの試合があったチーム半数余りの選手たちがロッカールームに引き上げてしまったことなんですが、まあ今回は親善試合しかありませんからね。残ってpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていた選手の中にはピケ(バルサ)がいたものの、その日は10月の公開練習では嵐のように浴びせられていたpito(ピト/ブーイング)がすっかり影を潜めていたのは不思議。うーん、それこそ喉元過ぎれば熱さも忘れるというか、昨今はあまりにカタルーニャ独立問題が大事になりすぎて、ファンもピケ1人に関わりあっていられなくなったんでしょうか。どちらにしろ、代表チームにとってはありがたいことです。 ▽とはいえ、合宿中にラジオのインタビューを受けていたセルヒオ・ラモス(マドリー)も「Esta muy tranquilo, no sabemos lo que le va a durar/エスタ・ムイ・トランキーロ、ノー・セベモス・ロ・ケ・レ・バ・ア・ドゥラール(とても静かだよ。いつまで続くかはわからないけど)」と言っていましたが、何せ、彼には人が予想もしていない時に爆弾発言する悪い癖がありますからねえ。今年の3月、私も現地観戦したスタッド・ド・フランスの0-2と快勝した親善試合の後もいきなり、ミックスゾーンで演説会。その時はサンティアゴ・ベルナベウのパルコでスペインの政治が動くと仄めかし、聞いていた記者たちもポカンとしていたものですが、そんな前例を考えると、このコスタリカ戦、そして来週火曜のロシア戦の後などは要注意かと。 ▽そして水曜、15分間だけのマスコム向け公開練習前にW杯用の新しいユニフォームを着て集合写真を撮ったチームだったんですが、どうやら今回のデザインのダイヤ柄のazul petroleo(アスール・ペトロレオ/石油のような濃い青)が見ようによってはmorado(モラードー/紫色)に映るということから、スペイン内戦前にあった共和国の旗を彷彿させると言われ、マスコミで針小棒大な議論になっていたせいですかね。元々は前回2015年時のような舞台を組んで、アディダスがメガプレゼンを予定していたのが、全員が並んでグラウンドでポーズするだけになってしまったのは残念。おまけに寒かったせいか、皆、すぐジャージを羽織ってしまいましたしね。選手たちが気に入っていたのはラモスのツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/928268541048119298)などからわかりますが、ピッチでどんな風に映えるのかといったことは、土曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコスタリカ戦を待つしかないよう。 ▽ちなみにその日のラス・ロサスでは、初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)と共にビトロ(ラス・パルマス)が記者会見に登場。「彼らの試合は見ているけど、espero que cambie la dinamica/エスペロ・ケ・カンビエ・ラ・ディナミカ(流れが変わることを期待している)」と、1月からプレーすることになっているCLグループリーグ敗退目前のアトレティコに立ち直ってもらいたいようでしたが、もう確率的にかなり厳しいですからね。少なくともヨーロッパリーグ優勝を狙うには、セビージャで前人未到のEL3連覇を果たした彼の経験が頼りになるんじゃないかと思いますが、まあそれは置いておいて。 (C)CWS Brains,LTD.▽その後、協会の本部ビル内にある、サッカー博物館に併設された代表オフィシャルショップ(火曜から土曜10~19時オープン)にも立ち寄った私でしたが、あいにく新ユニフォームは売り切れ。やはりマドリッド市内のメトロ、グラン・ビア駅前にあるアディダスの大型店の方などが品揃えも充実している上、マドリーのユニなども取り扱っているため、イロイロ見たい人には便利でしょうか。そう言えば、そちらではドイツやコロンビア、ロシアなどに混じって日本代表の新ユニも見かけましたが、スペインで売れるのかはちょっと不明。90ユーロ(約1万円)と、値段は国内で買うのとあまり変わらないみたいですね。 ▽そして金曜にはマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)に移動したスペインはスタジアムで前日練習を実施。土曜の試合が早々にチケット完売になったのに加え、このセッションのために無料配布した入場券もあっという間になくなったそうで、中でもご当地選手のイスコ(マドリー)への声援が一際、大きかったとか。実際、彼の好調ぶりはバレンシアのカンテーラ(ユース組織)で一緒だったジョルディ・アルバ(バルサ)も試合前の記者会見で、「Es de los mejores del mundo, aunque no me gusta verlo asi en su club/エス・デ・ロス・メホーレス・デル・ムンド、アウンケ・ノー・メ・グスタ・ベルロ・アシー・エン・ス・クルブ(彼は世界一の選手の1人、そういうプレーを彼のクラブで見るのはイヤだけどね)」と言っていた程ですからね。 ▽ロペテギ監督も「何もなければW杯にも招集されるだろう」と言っていたため、本大会でもチームに大きく貢献してくれることを私も期待していますが、ちなみにその日の練習を見たAS(スポーツ紙)の番記者の予想スタメンを伝えておくと、GKは背筋痛を抱えているレイナ(ナポリ)ではなく、マドリーが来夏の獲得を狙っているという噂が最近、激しくなってきたケパ(アスレティック)がA代表デビュー。DFはオディオソラ(レアル・ソシエダ)、ラモス、ピケ、ジョルディ・アルバ、ボランチにブスケツ(バルサ)、その前にイスコ、イニエスタ(バルサ)、ルイス・アルベルト、シルバ(マンチェスター・シティ)で、ワントップはモラタ(チェルシー)とありましたが、何せ、この代表戦明けにはマドリーダービーが待っていますからね。今回は先輩コケが招集されなかったため、ちゃっかり背番号8をゲットしたアトレティコから1人参加のサウールも適当なところで使ってもらって、サンクトペテルスブルクのロシア戦ではプレーしないで済むといいんですが。 ▽え、金曜にはそのコスタリカ戦にはGKケイロル・ナバスは呼ばれず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっと続けていた負傷のリハビリが最終フェーズに入ったという朗報とは真逆のニュースが、マドリーから発表されたんじゃないかって?そうなんですよ、それは同様にウェールズ代表に行かず、9月末のCLドルトムント戦以来、欠場する原因となった左ふくらはぎのケガの完治を目指していたベイルで、いよいよダービーで復帰かと言われていたんですけどね。練習中に今度は左太ももの肉離れを起こしたそうで、全治には1カ月ぐらいかかりそうな感じだとか。 ▽これでますます、イスコに活躍の機会が増えそうなのはともかく、お留守番組もクリスチアーノ・ロナウドなどにはいい調整期間になっているようですし、ウィルス性の心膜炎を患っていたカルバハルも全快。代表出向選手では先の日本戦で活躍したマルセロを始め、ヴァラン(フランス)、クロース(ドイツ)らは親善試合、W杯プレーオフを戦っているモドリッチ(クロアチア)とアフリカ予選のアクラフ(モロッコ)だけがちょっと心配ですが、前者など、木曜にギリシャ戦でPKゴールを挙げ、1stレグに4-1と快勝したという嬉しい知らせも。 ▽一方のアトレティコもコケとカラスコは全体練習に戻っていますし、フィリペ・ルイスだけがちょっと回復が微妙な程度で、招集組もベルサリコ(クロアチア)以外、ゴディンやヒメネス(ウルグアイ)にしてもヨーロッパ内での親善試合と、今回は長旅をせずに済みますからね。おそらく双方、似たようなチーム状況で18日のダービーに挑むことになるかと思いますが…それはまだ先の話。今はまだどう転がるか、まったくわかりません。 ▽そうそう、マドリッドの弟分チームに関しては火曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレス前にオフィシャルショップがオープン、記念イベントでアンヘル・トーレス会長が、「ガクはあと20日ぐらいで復帰できるだろう。コパ・デル・レイ32強対戦アラベス戦2ndレグかリーガのエスパニョール戦ぐらいにね」と発言したとの情報を得て、木曜には私も練習見学に。ただ、ヘタフェの広報部長によると前日、日本から戻ったと言うものの、グラウンドで柴崎岳選手の姿を見ることはできませんでした。 ▽まだジムで左足中足骨手術からのリハビリをしているそうですが、何せ、その日もボルダラス監督のチームは午前10時半から午後1時近くまで続く、超長いセッションでしたからね。寒風吹きすさぶ中、ずっと見ているこちらも泣きそうでしたが、当人もこれに合流するには相当、体力をつけないと大変かと。また来週辺りには様子を見に行くつもりですが、日本人ファンも応援に来られるよう、なるたけ早く治ってくれるといいですね。。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.11 17:30 Sat
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