コラム

thumb

守備は課題も攻撃陣&ボランチコンビの変化は収穫/日本代表コラム

「選手たちは個の特徴を発揮すること+チームのコンセプトとして一体感を持って戦うところで現段階のバランスは良いですし、良いトライをしてくれています」 ▽ウルグアイ代表戦後、森保一監督が記者会見で語った言葉だ。日本代表は、FIFAランキング5位のウルグアイ相手に互角に戦い、4-3で勝利。森保ジャパンは、新体制発足から3連勝を飾った。 ▽韓国代表とのアウェイゲームを2-1と落としたウルグアイ。時差ボケや移動の疲労、チームとしてのトレーニング時間の不足など、エクスキューズはあった。そして、日本はホームゲームであり、サポーターもチケットが完売するほど集まった。有利な点は多かったが、4-3で勝利することは予想できなかったはずだ。 ▽試合を通じて、個人の良さが出たシーンもあった一方で、ミスも散見。チーム作りの途中ということもあるが、収穫と課題が明確に出た一戦となった。 ◆収穫は攻撃陣の躍動Getty Images▽ウルグアイ戦で最も大きな収穫は4得点を奪った攻撃陣だ。特に2得点を記録したMF南野拓実(ザルツブルク)の活躍は圧巻だった。9月のコスタリカ代表戦、そして先日のパナマ代表戦でもゴールを決めた南野は、3試合で4得点を記録。日本の攻撃陣をけん引している。 ▽パナマ戦、ウルグアイ戦と縦関係でコンビを組んだのはロシア・ワールドカップでもゴールを決めているFW大迫勇也(ブレーメン)だ。日本代表を1トップで支えてきた大迫との関係は良好。タイプの違う2人が前後を入れ替わることで、相手DFの対応に混乱をもたらせた。 ▽持ち味である身体の強さを発揮した大迫は、マッチアップしたDFディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリー)にも競り合いで負けず。背負ってタメを作り、2列目の選手の攻撃参加を促した。一方の南野は、相手とタイミング良く入れ替わるポストプレーを披露。パナマ戦でも見せたターンの上手さを見せた。 ▽南野の活躍が刺激となったか、MF中島翔哉(ポルティモネンセ)、MF堂安律(フローニンヘン)も躍動。堂安は、DF酒井宏樹(マルセイユ)との鮮やかなパス交換から代表初ゴールを記録した。中島はゴールこそなかったが、サイドでの仕掛けやカットインからのシュートで攻撃を活性化。大迫のゴールに繋がるシュートを見せた。 ◆最大の収穫は攻守の切り替えGetty Images▽前線の選手が4得点を奪ったが、それ以上の収穫は攻守の切り替えだろう。堂安のゴール、そして、南野の2点目に繋がったMF柴崎岳(ヘタフェ)のプレーは特筆すべきとも言える。その他にも、大迫のゴールに繋がった堂安の守備、さらには終盤のCKのシーンでの戻りなども同じだ。 ▽堂安の初ゴールは、日本のCKの流れから生まれた。右CKからのクロスがクリアされるが、すぐさま柴崎が拾いダイレクトで前線へ。一旦はFWエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)にカットされるが、大きくなったボールを堂安が拾い、酒井とのパス交換からゴールを決めた。 ▽また、日本の4点目は真価が発揮されただろう。ウルグアイがカウンターを仕掛けるためにパスを交換しようとしたところ、MF遠藤航(シント=トロイデン)と柴崎が連動。相手ボールを奪うと、柴崎がそのまま一気に南野に縦パスを入れ、堂安がこぼれ球をシュート。GKフェルナンド・ムスレラ(ガラタサライ)が弾いたところを南野が詰めた。 ▽コスタリカ戦はMF青山敏弘(サンフレッチェ広島)と遠藤、パナマ戦は青山とMF三竿健斗(鹿島アントラーズ)、そしてウルグアイ戦は柴崎と遠藤がボランチでコンビを組んだ。いずれも補完性を持った2人を並べたが、日本の4点目は攻撃でも持ち味を発揮しつつある遠藤とのバランスを考えた柴崎が、攻撃だけでなく読みを生かした守備面で輝いたシーンだ。 ▽クラブでの出場機会が少ない柴崎は、本来のパフォーマンスからは程遠く、目立つプレーは少なかったが、前線の若手3人、そしてコンビを組んだ遠藤を活かすためのプレーを見せたことは、チームとして収穫だったと言える。個の良さがチームに繋がるという点は、森保監督が目指す形の1津と言えるだろう。 ◆課題は明確…守備の向上Getty Images▽4得点を奪った一方で、コンディションが最高ではないウルグアイに3失点を喫した。勝ったことを素直に喜び切れない失点は、その数よりも内容に課題を感じた。 ▽失点には絡まなかったが、前半から右サイドバックの酒井とDF三浦弦太(ガンバ大阪)の間のスペースをウルグアイに使われていた。ゴールこそ決まらなかったが、ウルグアイが本来の力を持っていたらどうなっていたか分からないし、今回遠征に不参加だったFWルイス・スアレス(バルセロナ)がいたら、失点に繋がっていただろう。 ▽メンバーが変わったことで、連携面が不足している点はある。また、世界の舞台での経験値が三浦に足りないことも影響しただろう。2点目のバックパスの判断ミスも同様だ。カバーニが残っていることが目に入っていなかった。後方でパスを回す際に、安易にGKまでボールを戻してしまったこと。MFルーカス・トレイラ(アーセナル)が前線からプレスをかけていたこともあったが、判断力は鍛える必要がありそうだ。 ▽1失点目はセットプレーから。ファーサイドに振られて、折り返しを決められてしまった。MFガストン・ペレイロ(PSV)に決められてしまった。ワールドカップでのベルギー戦でも見られたように、ファーサイドに振られて高さを使われることは日本が苦手としているパターン。世界と戦う上では、改善が必要となるだろう。 ▽そして最も良くなかったのは3失点目だ。オープンな展開となった中、ウルグアイのカウンターが発動。しかし、日本は数的同数であったため、守り切ることも可能だったはずだ。カバーニにボールが入った際、対応したDF吉田麻也(サウサンプトン)はDF長友佑都(ガラタサライ)に指示。しかし、左サイドに開いていたホナタン・ロドリゲスを誰も見ておらず、三浦もカバーニを警戒。結果、フリーでクロスを送られて失点した。 ▽三浦個人だけの責任ではない。チームとしての守り方の問題であり、数的同数でありながら、パスを通され、しっかりと決められしまったことをどう対応するか。細部を詰める時間はあまりなかったとは言うものの、来年1月のアジアカップまでには守備面の改善を期待したい。 ◆それでも期待値の高いチームにGetty Images▽アジアカップまで残された試合は2試合。11月に行われるベネズエラ代表戦、キルギス代表戦だ。攻撃面では、これまでにない期待が持てる日本代表。特に2列目の3選手の連係とゴールへの意欲は評価すべきものだ。しかし、勢いに乗っていると言う見方もできなくはない。 ▽しかし、本調子でなかったとはいえ、しっかりと守備を作るウルグアイに4得点を奪えたことは、大きな変化と言えるだろう。ミドルシュートのこぼれ球から2点を決めたことも、これまでの日本代表ではあまり見られなかったパターンだ。攻撃面は、大いに期待できる。 ▽守備面に関しては、GKが代表チームとしての経験値の低さもあるだろう。連係が重要になってくるだけに、酒井、吉田、長友とワールドカップ組が入っても3失点を喫した。11月の合宿では、攻撃面だけでなく、守備面にも手をつけてもらいたい。 ▽勝ったことを喜ぶだけでなく、しっかりと課題を見つけることが今は重要だ。本番であるアジアカップまでに、個人がクラブでどのように成長、変化するかが代表チームの強化となる。そして、合宿に集まった際には、しっかりとチームとして戦い方を落とし込むこと。その戦い方を発揮するためにも、各選手には自らを磨き上げて、1カ月後の活動に繋げてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.10.17 23:55 Wed
twitterfacebook
thumb

まだ改善する時間はある…/原ゆみこのマドリッド

▽「ある意味、早いうちにボロが出て良かったかも」そんな風に私が気分を切り替えようとしていたのは火曜日、ファンの期待を大きく裏切ったスペイン代表の試合から、一夜明けた時のことでした。いやあ、今年から始まったUEFAの新しい大会、ネイションズリーグに関しては、これまでの退屈な親善試合に代わるものとして導入されたものの、チマチマしたグループ分けのせいで、ファイナルフォー(準決勝と決勝)までたったの4試合、計6試合で優勝が決まるというお手軽さ。獲得してもあまり泊がつくタイトルじゃなさそうだなと思っていたんですけどね。 ▽ただ、このネーションズリーグ、FIFAランキング順にAからDまでリーグを分けたため、各グループ内のチームレベルが拮抗。イグランド戦を終えた直後、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)も「この種類の対戦は相手にも左右される。世界的に上位のチームで、集団としてだけでなく、個人的にとても危険な選手や監督がいるのだから」と言っていましたが、そうですよねえ。普通のユーロやW杯の予選グループは玉石混合、というか、シード分けして抽選するため、互角の相手がグループ内に1つあればいい方で、あとはほとんど、勝って当然の小国ばかりとあって、スペインが無敗で本大会進出するのも近年では決して珍しいことではなし。 ▽その結果、かなり自信過剰な状態で本大会を迎え、2014年W杯グループリーグ敗退、2016年ユーロのベスト16敗退、まあ、昨夏のW杯では直前にロペテギ監督解任事件などもありましたけどね。やっぱりベスト16敗退と、残念な終わり方になっていることを考えたら、就任後3連勝と順風満帆で発進したように見えたルイス・エンリケ監督率いる新生スペインにとって、このイングランド戦での大失敗は早めに軌道修正をするいい機会になるかもしれない? ▽そんなことはともかく、まずは月曜の試合がどんなだったか、伝えていくことにすると。23年ぶりにスペイン代表を迎えたベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)はもちろん超満員となったんですが、キックオフ前の国歌斉唱時には、うーん、前日からセビージャ(スペイン南部)に乗り込んだ3000人のイングランド人ファンの一部が日曜の夜、市内で警官隊と衝突する騒ぎを起こしたせいもあったんですかね。”God save the Queen”が鳴っている間中、大きなpito(ピト/ブーイング)がスタンドから飛んでいたのはかなり、スペインの印象を悪くしたんですが、より最悪なことが起こったのは前半のピッチだったんですよ。 ▽いえ、序盤からチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)やアセンシオ(マドリー)がシュートを撃ったり、マルコス・アロンソ(チェルシー)のヘッドがゴール枠を直撃したりといったチャンスはあったんですけどね。いつものようにボールを持って相手を自陣閉じ込めていたスペインだったんですが、16分、GKピックフォード(エバートン)のゴールキックを受けたハリー・ケイン(トッテナム)がラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)に繋ぐと、速攻カウンターでスターリング(マンチェスター・シティ)がGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を破っているって、何かこんなシーン、9月のウェンブリーでもなかった? ▽うーん、試合前、イングランドのキャプテンも「ウチはポゼッションに関して、スペイン程のレベルにはない。でも他の資質がある」と言っていましたが、更にその日は30分にもそれが発現。ええ、またしてもピックフォードからのボールをケインがゲットしたかと思えば、今度はラッシュフォードが決めて2点差にされているって、ちょっとお。38分にもバークリー(チェルシー)がDF陣の頭の上を越えてケインに送り、ゴール前へのキラーパスからスターリングがイングランドの3点目を入ったとなれば、もう呆れて物も言えないとはまさにこのことかと。 ▽ちなみにこの日、ルイス・エンリケ監督の選んだDF陣はCBがラモス、ナチョのマドリーコンビで右SBは本職からサイドを変えたジョニー(ウォルバーハンプトン)、左SBがマルコス・アロンソ。その4人の動き出しの遅さに加え、中盤のブスケツ(バルサ)が不活発だったのもあって、面白いようにイングランドのカウンターがはまっていたんですが、実はスペインがホームゲームでハーフタイムまでに3点も奪われたのはこれが史上初めてだったとか。ただ、それでも「La primera parte, malísima, hay que reconocerlo/ラ・プリメーラ・パルテ、マリシマ、アイ・ケ・レコノセールロ(前半は最悪だったと認めないといけない)」という流れを変えるため、ルイス・エンリケ監督が後半頭から交代カードを切らなかったのにはかなり意外。 ▽「選手たちに雷を落とすのが普通だったろうが、元気づけることにした。偉大な代表チームには苦しみながらなるものと言った」そうで、でも結局、スペインが1点を返せたのは11分にサウール(アトレティコ)とイアゴ・アスパス(セルタ)がパコ・アルカセル(ドルトムント)とセバージョス(マドリー)に交代してからでしたけどね。ええ、13分に今季はバルサを離れ、絶好調のアルカセルがアセンシオ(マドリー)の蹴ったCKを敵DF陣のマークから見事に抜け出し、ヘッドで決めたんですが、もしや彼を最初から出していたら、前半が無得点に終わるなんてなかったかもと思ったのは私だけではなかった? ▽その2分後にはロドリゴ(バレンシア)がプレーを始めようとしていたピックフォードからボールを奪い、後ろから体を引っ張られてシュートし損ねたなんてことがあったんですが、「El penalti lo vimos claro, era roja y penalti/エス・ペナルティ・ロ・ビモス・クラーロ、エラ・ロハ・イ・ペナルティ(明らかなペナルティに見えた。あれはレッドカードでPKだよ)」(セバージョス)というスペインサイドの猛抗議にも関わらず、審判からのお咎めはなし。ただ、敵GKが退場していたらどうなっていたかはともかく、後半になってイングランドにカウンターのチャンスを与えなくなったとはいえ、彼らの追加点はロスタイム7分の最後のプレー、セバージョスのクロスをラモスが頭で決めるまで入りませんでしたからねえ。 ▽直後にタイムアップとなり、最後は2-3での惜敗となりましたが、この日は「自陣に閉じこもっている訳にはいかなかった。攻めに出て行って楽しんで、プレスをかけて素早くプレーする」というサウスゲート監督の戦略の前に完敗してしまった感もなきにしろあらず。うーん、この試合に勝っていれば、早くもファイアルフォー進出が決まっていたスペインだったんですけどね。おかげで消化試合となるはずだった11月15日のクロアチア戦で勝たないといけなくなったんですが、まあ物を考えよう。ルイス・エンリケ監督も招集メンバーの再検討を示唆していましたし、一応、Bリーグに降格という辱めを受ける可能性だけはなくなったんですから、ここは落ち着いて、2年後のユーロで強さを発揮できるチームを育てていってほしいものです。 ▽え、来月になればイスコやカルバハルら、今回負傷で来られなかったマドリー勢もスペイン代表に戻れるため、そんなに心配することはないんじゃないかって?そうなんですが、今はマドリー自体が不調なため、ベティス出資で里帰りとなったセバージョスこそ後半、反撃の起爆剤的な働きを見せたんですが、ラモスやアセシオがパッとしなかったという弊害も。その辺りの選手たちの調子が上向いてくれるかどうかはこの先、1カ月のロペテギ監督の手腕次第かと。もう月曜には結局、ケガはしていないものの、ウェールズ代表のアイルランド戦に出るのを諦めたベイルも帰還。バルデベバス(バラハス空港の近く)で別途、リハビリを始めていますし、火曜からはクロアチアの親善試合を免除されたモドリッチもチームに合流、土曜のレバンテ戦に向けて、ケガの治ったイスコ、マルセロらと共に全体練習に加わっていますしね。 ▽一方、火曜の夜にあったネーションズリーグのフランスvsドイツ戦でフル出場したバランとクロースは水曜には戻って来られるはずですが、いやあ、PKでドイツの先制点を挙げたものの、最後は2-1で逆転負けを喫し、レーブ監督がますます危ない状態になっているだけに後者は結構、落ち込んで帰ってくるかも。ちなみにフランスのその2点を挙げたのはグリーズマンで、同点弾はアトレティコの同僚リュカのクロスからヘッドしてのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)。勝ち越し点はPKからでしたが、これでバロンドール獲得に最後の一押しができたと、当人も気分を良くしてくれば、丁度、9月のparon(パロン/リーガの停止期間)から上向き始めたシメオネ監督のチームにとって、鬼に金棒となる? ▽そのアトレティコでは火曜から、イングランド戦で出場のなかったコケとロドリがマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションに参加。先週は手術をした父親の付き添いでアルゼンチンに帰っていたシメオネ監督も戻っており、「ボールを失くしたって構わない。Si se pierde, rápido a recuperarla/シー・セ・ピエルデ、ラピド・ア・レクペラールラ(取られたら、すぐ取り返すんだ)」と始終、選手たちを叱咤激励していたとか。更には前日のイングランド戦の影響か、「Si no cerramos la calle por dentro son todo goles!/シー・オ・セラモス・ラ・カジェ・ポル・デントロ・ソン・トードー・ゴーレス(センターへのパスコースを塞がないと全部ゴールになるぞ)」と口を酸っぱくして言っていたそうですが、確かに次はここ3年、負け続けているエスタディオ・デ・ラ・セラミカでのビジャレアル戦ですからね。 ▽まずはしっかり守ることが肝要かと思いますが、さて。まだジエゴ・コスタ、ヒメネス、サビッチはリハビリでグラウンドに出ていないものの、一応、土曜までには復帰する見込みのようで、日本に3-4で負けたウルグアイの親善試合に出ていたゴディンも含め、木曜までには各国代表に駆り出されていた選手たちも揃いそうですしね。来週水曜にはCLグループリーグでドルトムント遠征も控えているため、この先、後出しで負傷者が増えていないことを今は祈るばかりでしょうか。 ▽そして同じ土曜にはレガネスがバレンシアとアウェイ戦、日曜にはラージョがヘタフェをエスタディオ・バジェカスに迎えてのミニダービーというのが今週末の予定になっていますが、代表選手の少ない弟分たちはそろそろ試合をしたくてウズウズしている頃かと。ちなみに来週は火曜に比較的、チケットの手に入りやすいCLビクトリア・プルゼニ戦がサンティアゴ・ベルナベウで午後9時から開催、翌水曜午後7時からは延期されていたリーガ3節のラージョvsアスレティック戦があるため、マドリッド観光が平日に当たると嘆いていたサッカーファンもスタジアムに行く機会がありますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.17 13:00 Wed
twitterfacebook
thumb

キリン杯誕生の秘話/六川亨の日本サッカーの歩み

▽10月12日、日本対パナマ戦の国歌斉唱の時のことだった。整列している選手の後ろのピッチ中央に「THE OFFICIAL PARTNER SINCE 1978」と書かれたフラッグがあった。「そうか。キリンカップがスタートして、もう40年になるのか」と感慨深いものがあった。 ▽キリンカップ(当時の名称はジャパンカップ)が始まったのはいまから40年前の1978年5月20日だった。当時のアジアにはマレーシアのムルデカ(マレー語とインドネシア語で独立の意味)大会、韓国の朴(当時の大統領)大統領杯などの招待大会があった。しかしジャパンカップはヨーロッパと南米の強豪クラブに、アジアの代表チームと日本代表を加えた豪華な大会としてスタートした。 ▽第1回大会は奥寺康彦さんが所属する1FCケルン(GKは西ドイツ代表のハラルド・シューマッハー)とボルシア・メンヘングラッドバッハ(GKウォルフガング・クレフとユップ・ハインケスは西ドイツ代表で、アラン・シモンセンはバロンドールを獲得したデンマークの伝説的な選手)、コベントリー・シティ(イングランド)、パルメイラス(ブラジル)の4クラブに、韓国代表、タイ代表、そして日本代表と日本選抜の8チームにより争われた。 ▽8チームを4チームずつ2組に分かれてリーグ戦を行い、上位2チームが準決勝に進む大会形式だった。当時の日本代表の主力選手は永井良和、金田喜稔、西野朗、加藤久らで、長らく代表を支えたメキシコ五輪組は一線を退いたものの、逆に代表チームは低迷期に突入していた。 ▽日本はコベントリー・Cに0-1、タイ代表に3-0、ケルンに1-1で準決勝進出は果たせなかった。ベスト4はいずれもヨーロッパと南米が占め、ボルシアMG対パルメイラスの決勝は1-1の引き分けに終わり両チーム優勝となった。 ▽当時のイングランド勢は代表チームもクラブチームもヘディングの強さは世界1と言っていいほど図抜けていた。このためケルン対コベントリー・C戦でのケルンは、空中戦を封じるためオフサイドトラップを積極的に仕掛けたが、最終ラインをセンターサークルまで上げたのは衝撃的だった。 ▽翌年の第2回大会にはイタリア代表のジャンカルロ・アントニョーニ率いるフィオレンティーナや、前年のアルゼンチンW杯で優勝したリカルド・ビジャ、オズワルド・アルディレス(後に清水の監督)を擁するトッテナム・ホットスパー(後に清水の監督に就任したスティーブ・ペリマンも来日してプレー)など8チームが参加(優勝はトッテナム)。W杯優勝チームの選手が来日したのは滅多にないことだった。 ▽このジャパンカップだが、JFA(日本サッカー協会) の長沼健(故人)専務理事が、まだ原宿にある岸記念体育館(日本のアマチュアスポーツの総本山)の3階にあったサッカー協会の部屋の窓からJR山手線の線路を挟んで建っていたキリンビールの本社ビル(現在は移転)を眺め「ああいう大きな会社に支援をお願いできないものか」と思案し、人伝に同社とアポを取り、キリンビールの小西秀次社長(当時)に直談判した結果、冠スポンサーを実現させたと言われている。 ▽2002年の日韓W杯終了後、2003年にJFAはW杯などで得た資金でお茶の水にある三洋電機からビルを購入。通称JFAハウスとしてサッカー協会とJリーグ、JFLなどの事務局を9月に移転した。地下には2002年のW杯を記念した日本サッカーミュージアムを12月22日に開設。オープニングイベントとして、サッカー関係者からサッカーにまつわる思い出のグッズを説明文つきで掲示する企画があり、その取材を手伝うことになった。 ▽ベルリン五輪のメンバーだった鴇田正憲さん(翌年没)、漫画家の望月三起也さん(故人)や奥寺康彦さんら40人近くの方々を電話や会って直接取材したが、その中の1人にキリングループの広報の方もいた。取材テーマは「ジャパンカップ誕生秘話」だったが、八丁堀にある本社を訪ねて広報の方を取材したものの、「ジャパンカップ誕生にまるわる資料は一切ありません」との返事。 ▽長沼さんがサッカー協会からキリンビールの本社を見てジャパンカップのスポンサーをお願いしたエピソードはもちろん知っていたが、それについては「都市伝説のようなものではないでしょうか。伝説は伝説として残しておこうとということで、肯定も否定もしません」との返事だった。 ▽現在キリンのホームページには「KIRINサッカー応援の歴史」というコーナーがあり、「支援のはじまり」では大会の誕生した経緯が、上で紹介したように長沼さんと小西社長との出会いがきっかけだったと書かれている。広報の方が言ったように「伝説は伝説として残して」あるのだ。 ▽実は長沼さんがJFA最高顧問の時に、ジャパンカップ誕生の真相を聞いたことがある。しかし「伝説は伝説として残しておく」ため、真相を書くことは控えたい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.10.16 14:00 Tue
twitterfacebook
thumb

簡単ではない融合、ピッチ内で化学反応を起こすトライを/日本代表コラム

▽森保新体制になった日本代表は、実戦2試合目となったパナマ代表戦でも3-0で勝利。9月のコスタリカ代表戦戦に続き、3得点&無失点と結果を残した。 ▽コスタリカ戦では、MF堂安律(フローニンヘン)、DF佐々木翔(サンフレッチェ広島)、さらに途中出場のMF天野純(横浜F・マリノス)、MF守田英正(川崎フロンターレ)が日本代表デビュー。そして、パナマ戦では、19歳のDF冨安健洋(シント=トロイデン)、FW北川航也(清水エスパルス)がA代表デビューを果たした。 ▽2試合で6名の新戦力を試し、しばらく代表から遠ざかっていたMF南野拓実(ザルツブルク)を起用すれば2試合連続ゴールと、森保監督の目利きという点ではここまで及第点と言える。 ◆簡単ではない融合Getty Images「勝つことが大事だし、選手たちのハードワークは讃えたいと思いますが、内容をポイントで見ると、攻撃も守備もまだまだ上げていかないといけない」 ▽パナマ戦後、森保監督が口にした言葉だ。3-0で勝利したこと、選手たちがしっかりと90分間戦えたことは評価できるが、内容にはまだまだ満足行かない部分があると口にした。 ▽実際にパナマ戦を振り返る。先発の11名には、DF槙野智章(浦和レッズ)、MF原口元気(ハノーファー)、FW大迫勇也(ブレーメン)とロシア・ワールドカップを経験した選手が3名入り、前述の冨安、佐々木、南野に加え、GK権田修一(サガン鳥栖)、MF青山敏弘(サンフレッチェ広島)、MF三竿健斗(鹿島アントラーズ)、DF室屋成(FC東京)、MF伊東純也(柏レイソル)とワールドカップに選ばれなかったメンバーを起用。11名の連係という点では、課題が残るのも仕方がない。 ▽例えば、23分のプレー。青山が中盤から右サイドへ展開。DFの背後を室屋が上手く獲る。これに対し、ゴール前には大迫や南野、原口が飛び込み、室屋はシュートではなくクロスを選択した。シュートを打つという選択肢を選んでも良かった場面だが、室屋はクロスを選択。しかし、大迫や原口の特徴を掴み切れていない室屋は、マイナス気味のクロスを送った。 ▽特徴を把握するには、当然ながら時間が必要だ。例えば、この場面でDF酒井宏樹(マルセイユ)が室屋位置に居たならば、クロスを選択したとしても、ゴールへ向かうクロスを選択したはずだ。GKとDFの間を抜け、ファーに走り込んだ大迫が触るイメージ。何試合も同じピッチに立っていれば、選択できた場面だ。大迫も試合後に「正直ボールの持ち方やタイミング、距離感はまだまだ」と語ったが、「これから先絶対に良くなると思う。もっともっとチャレンジして行きたい」と期待感も口にしている。これからのトレーニングで、融合が進み、精度が上がることに期待したい。 ◆才能の片鱗を見せた2人Getty Images▽一方で、守備面ではデビューとなった冨安が上々のパフォーマンスを見せた。パナマの攻撃精度が低かったこともあるが、局面ではフィジカルの強さを見せてきたパナマ。しかし、冨安は冷静な対応で、決定機という決定機を作らせなかった。 ▽相手の立ち位置を見ては、高くポジションを取って潰しに行き、ロングボールを放り込まれれば、引いてしっかりと跳ね返す判断力も持ち合わせ、コンビを組んだ槙野が前に出たときは、しっかりとカバーに入った。対人の強さも見せるなど、ベルギーに行ってからの成長を見せた冨安。東京オリンピック世代の選手ではあるが、現時点からA代表としての経験を積むべき選手の1人であることをデビュー戦で見せつけた。 Getty Images▽また、2試合連続ゴールを記録した南野も能力の高さを見せた1人だ。南野に関しては、ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督時代からも招集を受けており、その能力に疑いはなかった。しかし、クラブでの結果が伴わなくなると、競争に敗れ徐々に招集外に。しかし、森保監督体制では連続で招集され、ゴールという目に見えた結果を残した。 ▽2列目の真ん中、トップ下とまでは行かないが、セカンドトップの位置でプレーする南野。9月のコスタリカ戦では、1トップに入ったFW小林悠(川崎フロンターレ)との良い連携を見せたが、大迫と組んだことでより良さが出た印象だ。基本の形は大迫が前で受け、南野が受けて展開するといったものだったが、ゴールのシーンでは下がっていた大迫の代わりに最前線に入ると、青山からの縦パスを見事な体の使い方でDFをいなして受け、冷静に決めた。 ▽シュート能力の高さに定評があった南野は、欧州でプレーすることで身につけた体の強さ、使い方を発揮してのゴール。4年後に向けて、自身の能力を改めて見せつけている南野は、攻撃の軸になっていく可能性を見せている。 ▽コスタリカ戦も含め、新戦力が個々の良さを発揮している側面は結果として出ているが、90分を通してはまだまだ連携不足を感じさせる場面もある。選手の距離感、上がるタイミング、パスの強さ、タイミング、距離…。始動してまだまだ時間が足りていない状況ではあるが、トレーニング、試合を重ねるごとに精度を上げなくては意味が無い。結果ではなく、どの様なプレーができたかを評価基準にする段階なのであれば、試合を追うごとに修正、成長した部分を見せる必要はあるだろう。 ◆残された試合は「3」 ▽4年後のカタール・ワールドカップを目指す日本代表だが、当面の目標は来年1月に行われるアジアカップだ。そこまで残された試合は、16日のウルグアイ代表戦と11月に予定されているエクアドル代表戦(11月16日)、キルギス代表戦(11月20日)の3試合のみ。次の代表招集が最後のアピールの場となる。 ▽アジア王者の奪還という目標がある中、新たなチームの完成度はまだまだ。だからこそ、残りの3試合では結果以上に新たに目指すサッカーへのトライを求めたい。「チームとしてやろうとすることを、公式戦の中でレベルアップできるようにしてもらいたい」と森保監督はパナマ戦後に語った。トレーニングでは感じられないものを、ピッチ上で感じて成長できるかが、特に経験の少ない選手には求められること。まずは、残り3試合で1番の強敵となるウルグアイ戦で、世界のレベルを体感してもらいたい。 ▽森保監督は「今回の10月の2試合で、できるだけ多くの選手にピッチに立ってプレーしてもらいたい」とも語っており、ウルグアイ戦に関してはパナマ戦に出場しなかったメンバーが起用されるだろう。新たな11名の組み合わせ。森保監督はどのような化学反応をピッチ内で起こさせる準備をするのか。選手のプレートともに、メンバー選考にも注目したい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.10.14 21:30 Sun
twitterfacebook
thumb

まだ小手調べだから…/原ゆみこのマドリッド

▽「本大会を除けば強いのは昔からよね」そんな風に私が納得していたのは土曜日、ウェールズとの親善試合に勝ったスペインがこれで27試合、無敗を続けているという記事を読んだ時のことでした。いえ、ロシア・ワールドカップ(W杯)では彼ら、開催国ロシアの前にベスト16で敗退しているんですが、PK戦による負けは国際サッカー連盟(FIFA)によると、敗戦にカウントされず。従って、最後の黒星が2016年ユーロのベスト16、イタリア戦になるため、こういう数字が出てきたようですけどね。大体がして、予選では無敗に近い成績で本大会に出場するのが、近年のスペインのデフォルトとなれば、ロペテギ監督(現レアル・マドリー)、イエロ監督を経て、W杯後から受け継いだルイス・エンリケ監督が3連勝で好発進と言っても本当に強いチームが戻ってきたと手放しで喜ぶには早すぎる? ▽え、それでもウェールズ戦はいい内容だったんだろうって? そうですね、元々、イスコやカルバハル(マドリー)ら、負傷で招集されなかった選手がいたのに加えて、来週月曜にUEFAネーションズリーグの公式戦を控え、かなりのメンバーをチェンジしたスペインでしたが、やはりリーグAとBの格の差というのもあったんでしょうね。ずっと苦手にしていた5人DF体制を敷かれたにも関わらず、序盤から積極的に攻めていったところ、前半8分には早くも先制点をゲットすることに。そう、ガヤ(バレンシア)のシュートは間が悪く、サウール(アトレティコ)に当たってしまったんですが、こぼれ球をパコ・アルカセル(ドルトムント)が見事なgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)にしているんですから、大したもんじゃないですか。 ▽おまけに19分にはスソ(ミラン)が蹴ったCKをノーマークでセルヒオ・ラモス(マドリー)がヘッドして追加点を取ると、29分にも今度は敵がエリア内でクリアミスしたボールを撃ち込んで、パコ・アルカセルが自身2本目のゴールを入れているって…はい、思い出しました。実は彼、バレンシアからバルサに移籍して、メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの控えとなる前にはユーロ2016予選など、いいところでゴールを決めていて、この日の2点で代表14試合で8得点。プレー時間を増やすため、今季、レンタルで移ったドルトムントでも7得点と当たっていたため、24日のチャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ3節ではアトレティコも今季は出場機会が減っている香川真司選手より、彼の方に気をつけないといけないと思ってはいたんですけどね。 ▽まさかここまでゴールづいていたとは恐ろしい。同様にマドリーでの出番の少なさから昨季、チェルシーに行ったモラタもこの日はCFとして先発していましたが、残念ながら、こちらにはあまりチャンスが回らず。ええ、後半28分にもスソのCKからヘッドでのゴールがあったんですけど、ラモスから代わったバルトラ(ベティス)が決めていますからね。実際、他にもFWは途中出場したイアゴ・アスパス(セルタ)やロドリゴ(バレンシア)がいるため、今回は招集リスト発表直前のCLクラブ・ブルージュ戦で負傷したジエゴ・コスタ(アトレティコ)も含め、毎試合、ルイス・エンリケ監督は誰を起用するかで大いに頭を悩ますことになりそうな。 ▽その後、ベイル(マドリー)はパルコ(貴賓席)で見学していたものの、終盤にはウェールズがヴォークス(バーンリー)のゴールで1点を返したため、スコアは1-4となりましたが、何より良かったのは、「Con 0-3 hemos seguido haciendo lo mismo/コン・セロ・トレス・エモス・セギードー・アシエンドー・ロ・ミスモ(0-3になってもウチは同じように続けた)」とルイス・エンリケ監督も言っていたように、前半で勝負を決めたスペインが後半になってもダレなかったこと。いえ、ところどころでは、基本が「En la seleccion la idea es la de descansar con la pelota y buscar los espacios/エン・ラ・セレクシオン・ラ・イデア・エス・ラ・デ・デスカンサール・コン・ラ・ペロータ・イ・ブスカル・ロス・エスパシオス(代表ではボールを持って休みながら、スペースを探すというのがアイデア)」(サウール)なせいか、W杯でのようにパスを外縁で回しているだけの退屈な時間もあったりはしたんですけどね。 ▽それでも明らかに縦パスを通そうという試みは以前より増えていましたし、攻撃陣もボールが敵方にある時はしっかりプレスをかけたりと、あのロシア戦にあった倦怠感がなくなっていたのは新監督の功績かと。え、その日はブスケッツ(バルサ)の代役を立派に務めたロドリ(アトレティコ)も「Para nosotros no era un amistoso, sino un examen importante/パラ・ノソトロス・ノー・エラ・ウン・アミストーソ、シノ・ウン・エクサメン・インポルタンテ(ボクらにとっては親善ではなくて、大事な試験だった)」と言っていたように、まだ今のサイクルに入ってメンバーが固定していないのもいい緊張感を保つ原因になったんじゃないかって? ▽そうですね、何よりルイス・エンリケ監督になって顕著なのは、9月の最初の招集リストからして、かつて黄金期のスペイン代表では主流だったバルサ勢がブスケッツとセルジ・ロベルトの2人だけに激減。加えてこの日は後者が負傷で呼ばれず、ブスケッツも温存されため、カーディフのプリンシパリティ・スタジアムのピッチにはバルサの選手が1人も登場しなかったのは特筆すべきかと。だってえ、ただの背番号とはいえ、この日はイニエスタ(ヴィッセル神戸)の着けていた6番をサウールが、チャビ(アル・サッド)の8番をコケが着けていたんですよ。よりによって、アトレティコのカンテラーノ(ユース組織出身選手)コンビがスペイン代表伝説のMFコンビの後釜になるなんて、私もちょっと時代の変化についていけない気がしたものの…。 ▽まあ、今はそれでもいいです。翌金曜にマドリッドに戻ったチームはラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で2回の非公開セッションを行った後、土曜の午後はフリータイムに。どうやら前回、ルイス・エンリケ監督に連れられて行ったエスケープルーム(謎解きをしてバーチャル空間を抜け出すゲーム施設)が癖になってしまったか、ブスケッツ、ガヤ、バルトラ、チアゴ(バイエルン)、アスピリクエタ(アーセナル)らがセントロ(市内中心部)のラ・カサ・デ・パペルで目撃されたなんて話もありましたが、チームは日曜にイングランド戦の行われるセビージャ(スペイン南部)に向かい、午後7時からはベニト・ビジャマリン(ベティス)でファンも見られる前日練習をする予定となっています。 ▽うーん、ルイス・エンリケ監督は「スタメンのヒントは今日、出なかった選手とも言えるが、当たるのは4人か5人だろうね」とウェールズ戦の後、記者たちを煙に巻いていましたが、その方向で行くと、ブスケッツ、アセンシオ、ナチョ(マドリー)、マルコス・アロンソ(チェルシー)などが確定。気になるのは好調、パコ・アルカセルがリピートするのかといった辺りですが、何せ、金曜にはクロアチアとイングランドがスコアレスドローだったため、ここでスペインが引き分け以上だと、ほぼ来年6月に開かれるファイナルフォー(ネーションズリーグ、グループA王者を決める準決勝と決勝)出場が確実になるみたいですからね。この3試合で計12得点したgoleada(ゴエアダ/ゴールラッシュ)体質のスペインが今度は何点取ってくれるのかも楽しみなんですが…どうにも今年から始まったこの大会の位置づけがまだ中途半端なため、ファンとしてもこの快進撃にどこまで喜んでいいのか、微妙なんですよね。 ▽そしてそこここで代表戦が開かれている今週、マドリッドの5チームはどうしていたかというと。いやあ、このparon(パロン/リーガの停止期間)に一番、巻き返しが必要とされているのはここ4試合、勝ち星がなく、次のレバンテ戦、CLビクトリア・プルゼニ(チェコ)戦の結果次第ではクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)前にロペテギ監督解任もありうると言われているマドリーなんですが、ビッグクラブというのはかくも辛いもの。今回も各国代表に大量14人が出向しているため、バルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションには、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)の選手たちがヘルプとして駆けつけることに。 ▽ただ朗報もあって、この成績不振が始まる前に急性盲腸炎の手術を受けたイスコ、0-3と大敗したセビージャ戦でケガをしたマルセロが着々と回復、来週土曜のレバンテ戦に間に合いそうなことですが、まだ様子がわからないのはベンゼマとベイル。うーん、前節アラベス戦のハーフで交代した前者には全治10日間という意見と2、3週間という意見があるため、早くてクラシコに間に合うかといったところでしょうが、アトレティコとのマドリーダービーで筋肉疲労を起こし、CLのモスクワ遠征を休んだベイルはアラベス戦で復帰したものの、再び途中でギブアップしていますからね。代表には行ったものの、ウェールズのライアン・ギグズ監督によると、火曜の公式戦、アイルランド戦出場も難しいようです。 ▽それでもただの筋肉疲労と言い張られてしまうと、もうクラシコまで温存しない限り、頼りになる戦力になってくれないんじゃないかと悲観してしまいますが、さて。とりあえず、マリアーノやルーカス・バスケスは残って練習に励んでいるため、ロペテギ監督も後はアセンシオやセバージョスがケガしないで戻って来ることを祈るばかりといったところでしょうか。ちなみにカルバハルは全治1カ月の重傷のため、当分、リハビリが続くことになります。 ▽一方、前節にはお隣さんに勝ち点差1をつけ、バルサと同じ勝ち点となって3位に上がったアトレティコとはいうと。いやあ、こちらも11人が代表に行っているため、マハダオンダ(マドリッド近郊)のセッションもこじんまりとしたものになっていたんですが、何せ今週はシメオネ監督まで、手術を受けた父親に付き添いに母国のアルゼンチンへ帰ってしまっていませんでしたからね。加えてジエゴ・コスタ、ヒメネスはリハビリ中、9月のモンテネグロ代表の試合でケガして帰って来て以来、グラウンドに姿を現していないサビッチ、リーガ開幕戦で痛めたヒザを鍛え直しているビトロと、何とも寂しい状況だったようですが、大丈夫。 ▽週が明ければ、選手たちもだんだん増えていくはずですし、コスタやヒメネス、ビトロは来週土曜のビジャレアル戦までにはプレーできるようになるはずとあって、やはりこちらも怖いのは代表戦でケガをする選手が出ないかどうか。とりわけグリーズマン、リュカ、レマルの3人が参加しているフランスなど、火曜にドイツとのネーションズリーグの試合があるため、用心が必要かと思いますが、同日、埼玉で日本代表との親善試合があるウルグアイ代表のゴディンも長旅の疲れが心配ですよね。 ▽え、そんな中、3、4名しか各国代表に呼ばれていない弟分チームたちはさぞかし、いい練習ができたんじゃないかって? そうなんですが、エン・ナシリ(モロッコ)、オメロウ(ナイジェリア)、ルニン(ウクライナ)が欠けたメンバーで木曜、エイバルと親善試合を行ったレガネスは3-2で負けてしまうという残念な結果に。ペジェグリーノ監督はこの金土日とチームに3連休を与え、月曜から再び、降格圏の18位を抜け出すため、土曜のバレンシア戦に向かってシュダッド・デポルティバ・レガネスでのセッションを始めることになります。 ▽そのレガネスに前節負け、19位になってしまったラージョはカクタ(コンゴ)、アドビンクラ(ペルー)、ラス(ギニア)、ディミトリビッチ(マケドニア)が留守なんですが、こちらは日曜にヘタフェとの連続ミニダービーに挑むのに加え、エスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖のため、延期された3節アスレティック戦の開催が24日(水)午後7時に決定。ミチェル監督はこちらも見据えて準備を進めないといけないことに。うーん、本来、ホーム2連戦というのは稼ぎどころなんですが、まだ今季、1部に戻って来てから、バジェカスのファンは勝利を祝えていませんからね。この2週間がいい気分転換となってほしいものですが…。 ▽そう、相手のヘタフェもマドリッド勢なだけに私もどっちを応援したらいいか、内心複雑なんですよ。一応、彼らだけは13位と危険地帯にいないとはいえ、ここ4試合、白星から見放されているのが辛いところ。今週は毎日、きっちり午前10時半から練習していたチームからは柴崎岳選手、ジェネ(トーゴ)、マキシモビッチ(セルビア)、アマト(セネガル)が各国代表に出向いています。週中には協議委員会の審理も出て、前節レバンテ戦で退場となったポルティージョが2試合、累積警告となったジェネが1試合の出場停止処分となってしまったのもが逆境ですが、ここはボルダラス監督に頭を捻ってもらうしかないですかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.14 13:30 Sun
twitterfacebook
thumb

代表の10番は中島に/六川亨の日本サッカー見聞録

▽10月12日、新潟のデンカビッグスワンスタジアムでパナマ代表と対戦する日本代表の森保監督が、11日に前日会見に臨んだ。就任2試合目、今回はロシア・ワールドカップ(W杯)に出場した海外組6人、吉田、長友、酒井宏、原口、柴崎、大迫を招集。恐らく彼らが日本代表の骨格となり、リオ五輪世代の室屋、遠藤航、中島、南野、伊東と三浦(2人ともリオ五輪のメンバーからは落選)、浅野(今回はケガのため代表を辞退)らとの融合を図ることになるのだろう。 ▽会見で森保監督は「練習の意図をくみ取ってやってくれているし、お互いに意見を出し合っているので、チームは確実に融合できていると思う」と手応えを口にした。そしてパナマ戦に関しては「相手の情報を持っていないといけないし、ウィークポイントを突かないといけないが、いま我々が何をできるのか。個人としてもチームとしても、この先につながる戦いをしたい」と、来年1月のアジアカップをにらんでチーム作りを進めていることを明言した。 ▽昨日は選手の背番号も発表され、5番は長友、吉田は22番、原口は8番、柴崎は7番、大迫は15番と慣れ親しんだナンバーを背負うことになった。注目の10番は、先月のコスタリカ戦に続いて中島が背負うことが決定。リオ五輪に続いてのエースナンバーだが、これまでの日本代表では香川、中村俊、名波らチームの司令塔を務める選手が背負ってきた番号である。 ▽その意味では、本来なら南野(中島と同じくA社のスパイクを履いている)が背負うべき番号かもしれない。コスタリカ戦での南野は8番だったが、今回は原口が復帰したために譲り、南野は9番を背負うことになった。9番といえばCFのイメージが強いため南野には違和感も覚えるが、追加招集の川又が11番、北川が13番ということで彼に落ち着いたのだろう。 ▽中島の背番号10について森保監督は、「背番号で選手のやることが決まるわけでもないし、背番号でチーム内の存在が変わるわけではない」と言いつつも、「10番は世界中で誰もがつけられる番号ではない。つける本人が責任を持って考えてくれると思う」と、やはり特別な番号であることを認めて中島への期待の高さをうかがわせた。 ▽当の中島は「10番はすごく好きな番号ですし、そういう番号をつけられてうれしいです」と目を輝かせた。10番を背負うことの責任感についても「背番号でサッカーをやるわけじゃないですけど、いままで10番を背負ってきた選手というのは本当にいい選手がたくさんいるので、しっかりとそういう責任は理解しているつもりですし、ただ楽しくプレーしたいです」と、中島の代名詞ともなっている「楽しくプレーしたい」という言葉で締めくくった。 ▽リオ五輪では得意のドリブル突破で地元ファンを沸かせただけに、パナマ戦はもちろんのこと、南米の古豪ウルグアイ戦でも中島のプレーを見たいと思うファンも多いのではないだろうか。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.10.12 14:30 Fri
twitterfacebook
thumb

どんなに渋い試合でもそれが真剣勝負の証ってもんだ!? の巻/倉井史也のJリーグ

▽そりゃ代表戦と比べると違うわけですよ。真剣味って言いますか? 親善試合と来年の契約をかけた試合を一緒にしちゃいかんわけです。J2の上位陣の試合がすっごい面白いかというと、そうじゃない試合もあります。どうしても勝ち点ほしいから。そういう張り詰めた感じの試合は、エンタテインメント性は薄いかもしれないけど、緊張感が楽しめることだけは間違いなし!! じゃあ、今回も22チーム構成になった2012年以降、36節から42節でどれだけ順位が移動したか、温故知新の精神で調べてみようっと!! 【2012年】 ・36節 1位 甲 府 勝点86 2位 湘 南 勝点63 3位 大 分 勝点61 4位 京 都 勝点61 5位 千 葉 勝点59 6位 東京V 勝点59 ・最終順位 1位 甲 府 勝点74 2位 湘 南 勝点75 3位 京 都 勝点74 4位 横浜FC 勝点73 5位 千 葉 勝点72 6位 大 分 勝点71 【2013年】 ・36節 1位 神 戸 勝点72 2位 G大阪 勝点71 3位 京 都 勝点63 4位 徳 島 勝点60 5位 千 葉 勝点58 6位 長 崎 勝点57 ・最終順位 1位 G大阪 勝点87 2位 神 戸 勝点83 3位 京 都 勝点70 4位 徳 島 勝点67 5位 千 葉 勝点66 6位 長 崎 勝点66 【2014年】 ・36節 1位 湘 南 勝点89 2位 松 本 勝点70 3位 磐 田 勝点62 4位 北九州 勝点58 5位 千 葉 勝点55 6位 岡 山 勝点54 ・最終順位 1位 湘 南 勝点101 2位 松 本 勝点83 3位 千 葉 勝点68 4位 磐 田 勝点67 5位 北九州 勝点65 6位 山 形 勝点64 【2015年】 ・36節 1位 大 宮 勝点75 2位 磐 田 勝点66 3位 福 岡 勝点64 4位 C大阪 勝点62 5位 東京V 勝点54 6位 長 崎 勝点53 ・最終順位 1位 大 宮 勝点86 2位 磐 田 勝点82 3位 福 岡 勝点82 4位 C大阪 勝点67 5位 愛 媛 勝点65 6位 長 崎 勝点60 【2016年】 ・36節 1位 札 幌 勝点78 2位 松 本 勝点71 3位 C大阪 勝点67 4位 清 水 勝点66 5位 岡 山 勝点63 6位 京 都 勝点59 ・最終順位 1位 札 幌 勝点85 2位 清 水 勝点84 3位 松 本 勝点84 4位 C大阪 勝点78 5位 京 都 勝点69 6位 岡 山 勝点65 【2017年】 ・36節 1位 湘 南 勝点77 2位 福 岡 勝点67 3位 長 崎 勝点64 4位 名古屋 勝点62 5位 松 本 勝点61 6位 徳 島 勝点57 ・最終順位 1位 湘 南 勝点83 2位 長 崎 勝点80 3位 名古屋 勝点75 4位 福 岡 勝点74 5位 東京V 勝点70 6位 千 葉 勝点68 ▽つまり、36節までに6位に入っていて、最終的にプレーオフ圏内に入れなかったのは、2012年の東京V、2014年の岡山、2015年の東京V、2017年の松本と徳島の5チーム。36チーム中5チームということで、現時点からプレーオフに出られるのは約86パーセント!! ▽これって一息つける? って過去2回、ここから圏外に落ちてしまった東京Vは安心してないだろうなぁ……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.10.11 13:00 Thu
twitterfacebook
thumb

ダービーの醍醐味か勝者のマナーか? 清水がダービー後の一部サポーターの挑発行為を謝罪/編集部コラム

▽ダービーの醍醐味か勝者のマナーか…。7日に開催された“静岡ダービー”では、その2つのバランスの難しさを問うような出来事が起こった。 ▽清水エスパルスは10日、10月7日に開催された明治安田生命J1リーグ第29節ジュビロ磐田戦において、試合終了後の一部サポーターによる挑発行為を謝罪した。 ▽清水の発表によると、一部サポーターは5-1で清水の勝利に終わったダービー終了後、磐田の勝利時に歌われる歌を挑発的な目的で歌ったという。 ▽クラブはこの行為に関して、「相手に対する挑発行為であることは明らかであり、スポーツマンシップにも反し、クラブとして到底容認できる行為ではありません。今後、二度とこのようなことが行われないよう、クラブといたしましても厳正に対処して参ります」と、クラブとしての見解を発表した。 ▽さらに、「ご来場いただいたジュビロ磐田サポーターの皆様はじめ、ジュビロ磐田関係者の皆様に、不快な思いをさせてしまいましたことに対し、深くお詫び申し上げます」と、磐田サイドへの謝罪の言葉を述べた。 ▽今回の一件に関しては磐田サイドやサポーター側からの申し入れ、あるいは挑発を問題視したクラブ、清水サポーターの指摘により、謝罪文の掲載という形になった模様だ。しかし、個人的にはクラブが謝罪すべき案件なのか疑問だ。 ▽もちろん、今回の挑発行為によって磐田サイドやサポーターが不快な思いをしたことは事実であり、清水が試合運営者として謝罪を行う気持ちも理解できる。とはいえ、挑発行為は選手やスタッフ、運営側が主導して行ったものではなく、人種差別的な意図や相手を必要以上に貶めるようなものでもなく、個人的にはブラックユーモアの範疇だと思う。 ▽また、この試合が人間教育の場でもある高校や大学サッカーの場であれば、問題になってもおかしくないが、今回はエンターテイメント性も求められるプロサッカーの舞台で行われたものであり、それも“ダービー”という特別な一戦だ。 ▽イングランド発祥といわれるダービーマッチは、同じ都市や州など同一地域に本拠地を置くクラブ同士が対戦する、いわゆるローカル・ダービーや、労働者階級の支持するクラブと、資本家階級の支持するクラブが対峙する社会的な立場の違いを起源としたものなどがある。 ▽とりわけサッカーが社会、文化に根差しているヨーロッパや南米ではバルセロナvsレアル・マドリーの“エル・クラシコ”や、ローマvsラツィオの“デルビー・デッラ・カピターレ”、ミランvsインテルの“デルビー・ディ・ミラーノ”ボカ・ジュニアーズvsリーベル・プレートの“スーペル・クラシコ”など、多くの有名なダービーマッチがある。 ▽また、チームや街の規模に限らず、ダービーは常にピッチ上、スタンドに熱狂をもたらす大スペクタクルの特別な一戦だ。そこには喜怒哀楽のすべてが詰まっており、順位争いとは異なる大きな魅力がある。 ▽そして、そのダービーを特別なものとするのが、両クラブ間の対立関係だ。試合前の荘厳なコレオグラフィーに定評がある“デルビー・ディ・ミラーノ”では両サポーターが多くのお金やアイデアをつぎ込んで、いかに巧く相手サイドを挑発できるか腐心する。また、ダービーで勝敗が決することになれば、勝者のサポーターはリターンマッチが行われるまでの期間、敗者側のサポーターをイジる特権を得ることになり、勝者はこの優越感をずっと継続することを望み、敗者はこの屈辱をリターンマッチまでの糧とする。この関係性が入れ替わっていくことで、ダービーとしての深みが生まれていく。 ▽もちろん、『敗者は勝者を讃え、勝者は敗者を敬う』という武士道精神を伝統とする日本の相手を敬う考え方や勝者のマナーというものは素晴らしいものである。ただ、普段のゲームとは異なるダービーに限っては少しぐらいの挑発はブラックユーモアとして許容されるべきだとも思う。 ▽今回のダービー後、磐田を率いる名波浩監督は、「選手には清水のサポーターが喜んでいる姿を、いつかここでその悔しさを晴らせるように、ちゃんと目に焼き付けておけと、言いました。実際そのミーティングが終わった時に、外にすぐ出て、何人かの選手がちゃんとそれを見ていました。ロッカーで泣いている選手もいましたけど、この悔しさはチームとして次につながると信じたいです」と、磐田の勝利時に歌われる歌を聞いたかに関しては言及していないもののダービー敗戦の悔しさを次への糧としたい旨の発言をしていた。 ▽また、SNS上ではそれが磐田サポーターの総意ではないが、「次は必ずダービーに勝って“勝ちロコ(清水勝利後の儀式)”をやろう」というような意見も出ていた。 ▽家族連れでの観戦も多いJリーグの試合で過度の挑発合戦や罵り合いは相応しくないと思われるが、ダービーの醍醐味である“悔しさ”、“喜び”を増幅させるような隠し味程度の挑発やブラックユーモアは受け入れられてほしいと感じる。 《超ワールドサッカー編集部・岸上敏宏》 2018.10.10 20:30 Wed
twitterfacebook
thumb

記録更新なるか。かつてない激戦の残留争い/六川亨の日本サッカーの歩み

▽J1リーグも10月7日で第29節を終了。代表ウィークのため2週間ほど中断されるが、今シーズンも残り5試合(札幌とC大阪、湘南、磐田は残り6試合。名古屋は7試合)となった。首位の川崎F対鹿島戦は0-0のドローだったが、2位の広島(勝点56)は柏に0-3と完敗。それでも両チームの勝点差は1しかない。数字上は8位のC大阪まで優勝の可能性を残しているものの、3位の鹿島(勝点46)と川崎F(勝点57)は11勝点差もあるだけに、優勝争いはほぼ2チームに絞られたと言っていいだろう。 ▽一方、下位に目を向けると勝点30で17位の鳥栖はフィッカデンティ監督の解任が決定的と見られているが、近年まれに見る大混戦となっている。現時点で自動降格圏を脱出しているのは4位のFC東京(勝点46)まで。オリジナル10でJ2に降格したことがない横浜FM(勝点38)も、まだ安全圏にいるとは限らない。 ▽J1リーグが現行の18チームになったのは2005年のこと。以来、最下位で降格したJ1チームの最多勝点は09年のジェフ千葉で、勝点は27だった(それに続くのが17年の大宮の25)。ところが今シーズンは、5試合を残してすでに最下位の長崎が勝点27とタイ記録に並んでいる。長崎が残り5試合で1勝でもすれば勝点は30台に乗り、すべてのチームが年間の勝点で30以上という、かつてないハイレベルな残留争いになる。 ▽こうした大混戦の原因は、他ならぬ長崎にあるだろう。これまでの降格パターンで多かったのが、J2昇格組が“1弱"ないしは“2弱"という状況から1シーズンでJ2に舞い戻ることだった。06年の京都(勝点22)、07年の横浜FC(同16)、08年の札幌(同18)、10年の京都(16)と湘南(19)、11年の山形(21)、13年の大分(14)、14年の徳島(14)がこのパターンだ。京都以外はどのクラブも親会社のないチームで、財政的に厳しい状況のため、J1に昇格しても大型補強ができずJ2降格の憂き目に遭っている。 ▽しかし長崎は初のJ1にもかかわらず清水、G大阪、柏、磐田、FC東京、仙台を倒し、名古屋からは2勝をあげているのは立派。残り5試合は磐田、鳥栖、横浜FM、G大阪、清水と前半戦で勝利をあげている“相性の良い相手"かもしれない。 ▽いずれにせよ、J1残留争いは最終節までもつれ込むことになるのではないだろうか。名古屋は消化試合が2試合少ないため、11月は3日と6日が中2日の連戦となるのがどう影響するのか。柏と湘南はルヴァン杯でベスト4に勝ち残っていて、準決勝で激突するためどちらか1チームは決勝戦に進出する。タイトルか残留かで両チームの指揮官も頭を痛めていることだろう。 ▽最後に08年は勝点37の東京Vが17位でJ2に降格した。10年はFC東京が36点の16位、12年は38点で17位のG大阪と、39点で16位の神戸がJ2行きを余儀なくされた。今シーズンはJ2降格の最多勝点記録を更新するのかどうかも見物だ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.10.09 17:30 Tue
twitterfacebook
thumb

ゴールが見足りない…/原ゆみこのマドリッド

▽「ようやく順当なとこまで上がったわね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、いえ、前日のワンダ・メトロポリターノからの帰り道にはいきなりアトレティコがリーガ首位になっていて、これではあまりに話が上手すぎると半信半疑だったんですけどね。家に着いてみれば、セルタに2-1で勝ったセビージャに追い越され、夜にはバレンシアと1-1で引き分けたバルサにも得失点差で及ばず、彼らは近年の定位置となっている3位で8節を終了。とはいえ、今季は開幕から4試合で勝ち点7も落としていたせいで、どうなることかとハラハラしていたのがウソのように、こんな短期間で挽回できたとなれば、ホッとしているアトレティコファンは自分だけじゃなかったはずかと。 ▽もちろん、それにはリーガの2強がここ数試合、取りこぼしまくっているおかげもあるんですけどね。おまけに途中、CLトッテナム戦で一息つけたバルサと異なり、ここ4試合無得点で白星なし。ミッドウィークのCSKAモスクワ戦から2連敗となってしまったマドリーなど、早くも監督交代の噂まで出ていたりするんですが、まあその辺はおいおい話していくことにして、まずは5チームもあるマドリッド勢のゴールが計2本しか見られなかった先週末のリーガがどうだったか、お伝えしていくことにすると。 ▽土曜午後4時15分の試合でトップバッターを飾ったのは弟分のヘタフェだったんですが、3試合ぶりにホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスに帰ってきながら、勝利でファンを喜ばすことはできず。ええ、前半にはホルヘ・モリーナやマキシモビッチのチャンスがあったものの、シュートが決まらず、そうこうするうちに後半14分、バルディに直接FKを見事に叩き込まれてしまったんですよ。そのまま0-1で負けてしまっては、まさに昨季、ムニス監督の後を継いで、ヘタフェ戦で1部リーガ白星デビューを飾ったパコ・ロペス監督が「El Coliseum siempre va a ser un estadio especial para mi/エル・コリセウム・シエンプレ・バ・ア・セル・ウン・エスタディオ・エスペシアル・パラ・ミー(私にとって、コリセウムはいつも特別なスタジアムになるだろう)」と喜んでいたのも当然だった? ▽うーん、ヘタフェには後半ロスタイムとして表示された3分では短すぎると抗議したポルティージョが一発レッドで退場させられる不運もありましたしね。更にこの試合でイエローカードをもらったジェネが累積警告で次戦出場停止となるため、インターナショナルマッチウィーク明けのミニダービー、ラージョ戦でレギュラーが2人欠けることになるのも踏んだり蹴ったりとはいえ…もしやここ3試合、ベンチに入れなかった柴崎岳選手にとっては、これがビッグチャンスになる? ▽うーん、ボルダラス監督も「Tenemos una plantilla con todos disponibles, son decisiones tecnicas./テネモス・ウナ・プランティージャ・コン・トードス・ディスポニブレス、ソン・デシシオネス・テクニカス(今は選手全員がプレー可能で、戦術的判断)」と柴崎選手不在の理由を話していたため、競争相手が23人から21人になれば、もちろん確率は上がりますけどね。ただ、今回の彼は日本代表に招集され、長旅を挟むことになりますし、その間、アレホ、グアルディオラ、ロベル・イバニェスといったMFのライバルたちは地元でみっちり練習。「ガクはもう長い間、チームにいて、当然ながら、もっと貢献してくれないと。あと一歩を踏み出さないとね」というボルダラス監督の要望を叶えるには代表戦で成果を出し、尚且つ、帰還後の短い時間でアピールするしかないんですが、果たしてどうなることやら。 ▽そしてその日はメトロスールが工事中で止まっているため、地上の同じルートを走る代替バスに乗り、最寄りのフリアン・ベステイロ駅から徒歩でブタルケに向かった私でしたが、途中で一休みしたバル(スペインの喫茶店兼バー)のTVでは丁度、アラベスvsレアル・マドリー戦が0-0のまま、後半が始まるところ。ベンゼマと交代でマリアーノがピッチに入ったので、そのうち1点くらい入るだろうと思いながら、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継を聞いていたんですが…まさか、ミニダービーのキックオフをスタンドで待っている間、実況アナウンサーの「Gol del Alaves/ゴル・デル・アラベス(アラベスのゴール)」というガックリした声と共に、記者席が「El Madrid ha palmado!/エル・マドリッド・ア・パルアードー(マドリーがコケた!)」とどよめく場に立ち会うことになろうとは! ▽いやあ、後半になっても点が取れないまま、先日のマドリーダービーのように脚に違和感を覚えたベイルが交代を頼み、35分にビニシウスが入ったなんてこともあったんですけどね。引き分けならまだしも、ロスタイム5分にアラベスがCKから、ソブリーノがヘッド。GKクルトワの弾いたボールが逆のゴール脇にいたマヌ・ガルシアの前に行き、それを頭で押し込まれてしまったから、さあ大変!それこそ反撃の時間もあったもんじゃなく、「20分とかに先制していたら、逆転されていたかもしれない。Es la victoria sonada/エス・ラ・ビクトリア・ソニャーダ(夢見たような勝利だ)」(アベラルド監督)という、1-0で勝ち点3をアラベスに贈ってしまったとなれば、もうこれはロペテギ監督の進退が問われるクライシス突入としか言いようがない? ▽え、それでもマドリーは日曜試合の結果のおかげもあり、首位と勝ち点差2の4位に留まっているのに比べたら、片や最下位、もう一方は18位という降格圏ダービーとなった弟分、レガネスとラージョの方が大変さは深刻だろうって?まあ、そうなんですが、近場ということで普段、ビジターチームのファンが座らされる正面スタンド左側角のスペースからはみ出る程の人数でブカネーロ(ラージョの過激なファンのグループ)がキックオフ前から声を張り上げ、何だかエスタディオ・バジェカス(ラージョのホーム)にいるような気分で始まったというのにどうやら、肝心の選手たちはエンジンがかかるのに時間がかかったよう。 ▽ミチェル監督も「La intensidad de uno y otro en la primera parte ha sido distinta/ラ・ンテンシダッド・デ・ウノ・イ・オトロ・エン・ラ・プリメーラ・パルテ・ア・シードー・ディスティントー(前半の両者のプレーの激しさは違っていた)」と後で怒っていたんですが、まだレガネスのファンたちが喉を温めている間、前半14分にはマイケル・サントスが右奥から送ったラストパスをカリージョがシュート。これが先制点となったから、一気にスタンドが盛り上がることに。その後はキャプテンのCBブスティンサが28分にケガで交代したこともあって、とりわけ後半にはラージョも攻勢をかけていたんですが、メドランの退場が響いたか、最後までスコアは動かず。 ▽おかげで先日のバルサ戦に続き、ホーム2連勝としたレガネスが最下位を脱出して18位に、ラージョは19位と1つ順位を落とすこことになったんですが、まだまだ先は長いですからねえ。paron(パロン/リーガの停止期間)後は20日(土)にアウェイでバレンシアに挑むレガネスも、21日(日)にヘタフェをホームに迎えるラージョもこの2週間、しっかり鍛えて、11月の代表戦週間は降格圏外で迎えられるといいのですが。 ▽そして翌日曜はアトレレティコのベティス戦を見にワンダに向かった私でしたが、うーん、やはりランチタイム(スペインでは午後2時から4時)直後の試合だったせいでしょうかね。開始4分にはいきなり敵陣からのスルーパスがダイレクトにロレンに渡り、エリア内からフリーでシュートを撃たれるという不注意なミスを犯した彼らでしたが、幸いこのボールは枠を外れてくれることに。何せ相手がポゼッション命のセティエン監督のチームですからね。それからもボールは持たせてもらえず、かといってピンチに陥ることもなく、淡々と前半を終えましたが、どうやらそれはシメオネ監督の作戦通りの展開だったよう。 ▽だってえ、後でロドリも「Hay partidos en los que interesa tener mas la posesion, otros menos.../アイ・パルティードス・エン・ロス・ケ・インテレサ・テネール・マス・ラ・ポセシオン、オトロス・メノス(ポゼッションを高くしたい試合とそうでもない試合がある)」と言っていたんですが、相変わらず、ボールはベティスの手にあったものの、後半になって敵陣でのプレスを強めたところ、いきなりチャンスが増えたんですよ。ええ、負傷中のジエゴ・コスタの代理で入ったカリニッチがゴールポストに当たるシュートを放ったり、GKパウ・ロペスにセーブされる惜しい一撃があった後、相手が疲れたところを見計らい、レマルをコレアに、カリニッチをトマスに代えてトップ下をやらせるという交代策が大当たり。とうとう29分にはコレアがジュニオールからボールを奪ってトマスと連携すると、ゴール右隅に狙い澄ましたシュートを送り込んでいるんですから、呆気に取られたの何のって。 ▽そのまま堅守で1点リードを守ったアトレティコは、いえ、後でセティエン監督など、「No es facil que el Atletico termine perdiendo tiempo y pidiendo la hora/ノー・エス・ファシル・ケ・エル・アトレティコ・テルミネ・ペルディエンドー・ティエンポ・イ・ピディエンドー・ラ・オラ(アトレティコが時間稼ぎをして、審判にタイムアップを訴えるような状況で終わらせるのは簡単ではない)」と嫌味を言っていましたけどね。元々、彼らはgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)体質のチームではないですし、大入りだったスタンドのファンも喜びに湧いていたため、1-0の勝利で何の問題もなかったかと。 ▽加えてセティエン監督は、「pero hay una superioridad manifiesta/ペロアイ・ウナ・スペリオリダッド・マニフィエスタ(それでも相手の方が明らかに優れていた)。中盤の3人はスペイン代表、FWは世界一の選手の1人、守備陣も経験豊富だ」と認めてもいたんですが、言われればそんな気もしなくもなし。一方、シメオネ監督は「Los recambios que tienen los equipos que pelean arriba son los que te hacen hacer la diferencia/ロス・レカンビオス・ケ・ティエネン・ロス・エキポス・ケ・ペレア・アリーバ・ソン・ロス・ケ・テ・アセン・アセール・ラ・ディフェレンシア(上位を争うチームで差をつけるのは交代選手)。スタメンの10人だけだと拮抗しているからね」とこの日、控えだったトマスとコレアが試合を決めてくれたことを褒めていましたが、何せ弟分たちと違って、今週のアトレティコは大量11人が各国代表に行ってしまいますからね。 ▽先月、モンテネグロ代表の試合で打撲を受けてきたサビッチがまだ回復していないなど、その辺はちょっと不安なんですが、逆にこの時間を利用して、コスタや今回、日本で親善試合をするウルグアイ代表には行かないヒメネスのケガが、リーガ再開となる20日のビジャレアル戦までには治ってくれればいいかと。いやあ、負傷者に関してはもっと大変なことになっているお隣さんなど、ただの筋肉疲労とは言うものの、2試合連続途中交代したベイルがウェールズ代表に行ってしまいましたけどね。バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に残ってリハビリをするベンゼマ、イスコ、マルセロらはサンティアゴ・ベルナベウでのレバンテ戦に間に合うかもしれません。 ▽そうそう、代表繋がりではベティス戦の後、ワンダのミックスゾーンを通った乾貴士選手も今回の日本代表に呼ばれていないんですが、この日の試合で出番がなかったことには「結果を出している選手が使われるのが当然」と納得していたよう。更に「試合に出るだけが全てではないし、練習でもアピールできるからね。チームに残れることをプラスと考えてやっていきたい」と意欲を表明していましたが、今季、移籍した新天地でも徐々にプレーする機会が増えていくといいですね。 ▽そんな調子で週末が終わり、いよいよ月曜はラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設にスペイン代表が集合。私も唯一、彼らの練習風景を見る機会と午後7時からのセッションを見に行ったんですが、いやあ、やられました。モンクロア(市内のバスターミナル駅)に定刻通りバスが来ず、15分遅れで着くと同時に日曜に試合に出た選手たちが引き揚げていくって、あまりのタイミングの悪さ。おかげでもちろん、コケ、サウール、ロドリのアトレティコ勢はおらず、アセンシオやセバージョスらマドリー勢はいたものの、セルヒオ・ラモスやナチョもすぐジムに行ってしまいましたしね。ピッチを半分使ったミニゲームも半分以上が同じ敷地で練習しているU21代表の選手、バジェホ(マドリー)、オジャルサバル、スベルディア(レアル・ソシエダ)、ウナイ・ニュネス、ウナイ・シモン(アスレティック)らを借りてきて実施というのはちょっと肩透かしを喰らった気がしないでもなし。 ▽ちなみにこちら、火曜は非公開練習で水曜にはウェールズとの親善試合に備えてカーディフ入り。木曜深夜にはまたマドリッドに戻り、月曜のネイションズリーグ3節イングランド戦の前日、ベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)でのセッションまで、ずっと非公開ばかりというのはあまりに秘密めかしていて、何だかチームとの距離が遠ざかってしまったようですが、こればっかりはルイス・エンリケ監督の決めることですからね。その分、試合で楽しませてくれればいいんですが、さて。9月のネイションズリーグ2試合でイングランドに1-2、クロアチアには6-0で連勝して、期待外れに終わったW杯ロシア大会の印象を少し、改善できたスペインですが、国際メジャータイトル3連覇を果たした時のような黄金期はまた巡ってくるのでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.09 17:15 Tue
twitterfacebook
thumb

ロシアはゲンが良くないみたい…/原ゆみこのマドリッド

▽「時代も変わったものね」そんな風に私が感慨を覚えていたのは木曜日、10月のインターナショナルマッチウィークを前に発表されたスペイン代表招集リストから、ケガでセルジ・ロベルトが落ちたため、とうとうバルサ勢がブスケツ1人になってしまったのを知った時のことでした。いやあ、確かにチャビ(アル・サッド)、イニエスタ(ヴィッセル神戸)、ピケら、黄金期を担ったメンバーが代表から引退。ジョルディ・アルバもルイス・エンリケ監督と訳ありで呼ばれていないとなると、ここまで少なくなってしまっても仕方ないんですけどね。代わって勢力を伸ばしたのがアトレティコで今回、コケの復帰でサウール、ロドリと中盤の3選手が招集って、これじゃ一世を風靡したスペイン代表のティキタカ(短いパスを繋ぐサッカースタイルのこと)はもうお目にかかれない? ▽実際、バルサを3年間、指揮していたルイス・エンリケ監督にとっては辛抱する場面も多くなりそうですが、何せ、今回は頼りのイスコ(レアル・マドリー)も急性盲腸炎の手術をして現在、療養中ですからね。来週木曜にカーディフであるウェールズとの親善試合はともかく、15日のネイションズリーグ3節イングランド戦ではスタメン選抜に苦労しそうですが、そうそう、もっと不思議だったのは先日のCL戦でカルバハル(マドリー)が太ももを痛めたにも関わらず、代理として初招集されたのがジョニー(ウォルバーハンプトン)だったこと。 ▽というのも彼はこの夏、アトレティコがフィリペ・ルイスの後釜にと獲得した左SBで、今季はプレミアリーグで修行中。いくらルイス・エンリケ監督がセルタ時代、右SBもやらせたことがあったと言われても、他にそのポジションで先発できそうなのはアスピリクエタ(チェルシー)ぐらいしかおらず、こちらも最近はCBとしてプレーする方が多かったから。もちろん、どんな状況になってもマルチDFのナチョ(マドリー)は当てにできますけどね。代表戦に関しての詳細はまた来週にでもお伝えしますが、近々、マドリッド訪問の予定があるファンは代表チームがラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合するのは月曜日、午後7時から唯一の公開練習があることを覚えておくといいかもしれません。 ▽え、それよりマドリッド勢のCL第2節がどうだったのかの方が気になるって?そうですね、火曜に一足早くプレーしたのはマドリーだったんですが、相手が強豪ではなく、CSKAモスクワだったのがいけなかったんですかね。ロペテギ監督も先日のマドリダービーで途中交代したものの、ケガはしていなかったベイルやプレー時間の多いセルヒオ・ラモスをお留守番で残し、「Me habia dicho el mister que queria darme descanso por jugar tres o cuatro partidos seguidos/メ・アビア・デッチョー・エル・ミステル・ケ・ケリア・ダールメ・デスカンソ・ポル・フガール・トレス・オ・クアトロ・パルティードス・セギードス(3、4試合出場が続いたから、休みを与えたいと監督に言われた)」とモドリッチもベンチスタートにした辺りから、さすが余裕があるなとは思っていたところ…。 ▽その計算が狂ったのは開始2分、ええ、クロースのバックパスをブラシッチに奪われて、先制ゴールを奪われてしまったから、呆気に取られたの何のって!ただそれでも反撃の時間はたっぷりありましたし、その後はずっと攻めていたマドリーだったんですが、こういう日もあるんですね。ええ、CSKAのゴロチェンコ監督も「ハーフタイムにはチームを落ち着かせないといけなかった。1-0で勝っているのを信じられない選手もいたからね」と言っていたように、前半が終了しても彼らはたったの1点が返せず。 ▽そこへカルバハルが負傷でオディオソラに交代という不運が重なり、後半にはカセミロ、ルーカス・バスケスをモドリッチ、マリアーノにして攻撃力アップに努めたんですが、これぞ、同じルジニキ・スタジアムでプレーしたW杯ベスト16のスペイン対ロシアもかくあらやというようにゴールが入らないんですよ。おかげで「Hemos dado tres palos, nos ha faltado fortuna/エモス・ダードートレス・パロス、ノス・ア・ファルタードー・フォルトゥーナ(ウチはシュートが3度、ゴール枠に当たった。ツキがなかった)」(ロペテギ監督)という結末に(最終結果1-0)。 ▽うーん、初戦のローマ戦には3-0と快勝した彼らですし、この先は同日、そのローマに5-0と大敗しているビクトリア・プルゼニ(チェコ)との2連戦ですから、今の段階でグループリーグ突破が危うくなるとか、そういった問題はまったくないんですけどね。気になるのはここ3試合、マドリーが無得点で終わっていることで、これは2007年以来のゴール日照りなのだとか。おかげで再浮上してきたのがクリスチアーノ・ロナウドの移籍に伴う得点力不足懸念で、ええ、GKを務めたケイロル・ナバスも「Cristiano dejo el liston muy alto, no se puede tapar el sol con un dedo/クリスティアーノ・デホ・エル・リストン・ムイ・アルトー、ノー・セ・プエデ・タパール・エル・ソル・コン・ウン・デド(クリスチアーノが残したハードルは高いよ。太陽を指で隠すことができないようにね)」と認めていましたけどね。 ▽とはいえ、「Fue el quien quiso irse/フエ・エル・キエン・キソ・イールセ(出て行きたがったのは彼だから)」とナチョも現実を直視していたように、いない人は当てにできないんですし、ここはベンゼマやベイル、アセンシオが1人平均10得点以上、上増しして、ロナウドの1シーズン40~50ゴールを補っていくしかないんですが…もしやマリアーノ(オリンピック・リヨンから移籍)しかFWを補強しなかったペレス会長の読みは甘かった?このままいくと、同じような悩みを抱えたモウリーニョ監督(元マンチェスター・ユナイテッド)が冬にアデバヨールを緊急補強した2010-11シーズンみたいな展開になるかもしれませんが、まあそれは最悪の場合。この土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのアラベス戦ではイスコ、マルセロ、カルバハルはまだですが、ベイルとラモスが戻って来るため、きっとゴールは見られますって。 ▽そして翌水曜はワンダ・メトロポリターノで今季初のCL戦が開かれたんですが、最初に驚かされたのは、いえ、3000人ものベルギー人ファンが詰めかけ、喉を枯らして歌っていたのもインパクトがあったんですけどね。まさか、クラブ・ブルージュの5人DF体制に対抗して、シメオネ監督もゴディン、ヒメンス、リュカの3CBを並べ、アリアスとサウールをSBというミラー戦略を取ってくるとは、やだあ、これって昨季、セティエン監督のベティスに同じ手を使い、スコアレルドローの不毛な結果に終わってなかった? ▽でも大丈夫。この日のアトレティコは昨季、やはりDFが5人いたカラバフから点が取れず、2試合共引き分けて、グループリーグ敗退した時とは違ったんですよ。個人特定すると、それはグリーズマンで、当人も「メンタル的にビッグゲームを100%で戦える状態になかった。Para mi eso fue la culpa de no pasar la Champions/パラ・ミー・エソ・フエ・ラ・クルパ・デ・ノー・パサール・ラ・チャンピオンズ(ボクにとってはそれがCLグループ通過できなかった理由だ)」と後で認めていたんですが、「アトレティコに残ることを決意して、その成果を受け取っている」(シメオネ監督)今季は真逆。 ▽ええ、前半19分にレマルのパスから決めたvaselina(バセリーナ/ループシュート)によるゴールはオフサイドでスコアに上がらなかったんですが、29分には再び、フランス代表同僚からのクロスをゴール右前でトラップ。狙い澄ました一撃でGKレティカを破ってくれたんですよ。でもねえ、リードして油断したんでしょうか。39分には試合前記者会見でもシメオネ監督が「Tiene gente por banda izquierda, el numero 47/ティエネ・ヘンテ・ポル・バンダ・イスキエルダ、エル・ヌメロ・クアレンテタシエテ(左サイドに背番号47のいい選手がいる)」と言及していたダンジュマにエリア外から、強烈な同点ゴールを浴びてしまうことに。 ▽その瞬間、またしてもカラバフの亡霊が蘇ったのは私だけではなかったかと思いますが、後半のアトレティコは意外なことにヒメネスが太ももを痛めて交代、左SBにフィリペ・ルイスが入って、慣れない5バックから、通常の4バックに戻ったのが幸いしたんです。シメオネ監督の「En el descanso hable de mejorar la ansiedad/エン・エル・デスカンソ・アブレ・デ・メホラル・ラ・アンシエダッド(ハーフタイムには焦らないようにと話した)」のも効いたか、元々、ブルージュ相手にはボールを支配していたんですが、22分にはグリーズマンがエリア内に走り込むジエゴ・コスタへスルーパス、その当人は敵に邪魔されて撃てなかったものの、折り返しをもらったグリーズマンがシュートして2点目が決まったとなれば、もう大船に乗った気でいていい? ▽いやあ、後々のことを考えると、このプレーでコスタが太ももを負傷。この先、数試合欠場することになったのは、「Aunque no meta goles, te libera muchos espacios, nos hace la vida mas fácil/アウンケ・ノー・メタ・ゴーレス、テ・リベラ・ムーチョス・エスパシオス、ノス・アセ・ラ・ビダ・マス・ファシウ(ゴールを入れなくてもスペースを沢山、作って、ボクらをやり易くしてくれる)」とグリーズマンも言っていたように、チームにとって、痛いんですけどね。この日は即座にロドリが入り、敵の攻撃を中盤で抑えてくれたため、見ていて安心できたんですが、まさかロスタイムにもグリーズマンが活躍してくれるとは! ▽だってえ、後半48分にもなって、敵CBに追いすがられながら、ゴールラインまで切り込む体力を披露しているんですよ。その折り返しからのパスをゴール前からコケが決めて、アトレティコは3点目をゲット。おかげでルイス・エンリケ監督も途中、あまりに鈍い動きでシュートチャンスを逸していた当人をセルジ・ロベルトの代わりに代表に呼ぶという決断を正当化でき、ホッとしてパルコ(貴賓席)を後にしたはずですしね。これで3-0とグループ2連勝としたため、次のドルトムントとの2連戦にはアトレティコも自信を持って挑めるはずですし、何よりワンダで迎えるCL決勝に向けて夢を繋いだのは大きかったかと。 ▽そして週末、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からはその因縁のベティスを迎える彼らなんですが、いやあ、ヒメネスの負傷欠場が確定、サビッチが復帰したという噂もなく、CBが2人しかいないため、多分、5バック対決のリピートはないと思うんですけどね。ただ相手も木曜のヨーロッパリーグ2節でデュドランジェ(ルクセンブルク)に3-0で勝利と調子に乗っていますし、リーガでも4位のアトレティコと勝ち点差1で5位につけているため、拮抗した戦いになるのは間違いないかと。 ▽そうそう、そのELではセビージャがクラスノダールに2-1で負け、ビジャレアルもスパルタク・モスクワと3-3と、どちらもロシアの地でいい結果が残せなかったなんてことがあったんですが、試合結果一覧で興味を引いたのはカラバフがアーセナルにあっさり、0-3で負けていたこと。ええ、昨季の準決勝ではそのアーセナルを倒して、アトレティコはEL決勝に進出していますからね。となると、昨季のCLグループリーグは本当に間が悪かっただけのようですが、サッカーではどんな相手にも気を抜いてはいけないという、大きな教訓になったのは確かでしょう。 ▽え、それでミッドウィークにじっくり練習できた弟分たちは今週末、どんな予定になっているのかって?実はどちらも土曜開催ゲームで現在、9位と落ち着いたところにいるヘタフェが午後4時15分から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのレバンテ戦で先陣を切ることに。ここ2試合続いたアウェイ戦では2分けで凌いできただけに、久々のホームゲームでは勝ち点3を期待したいところですが、グッドニュースにもバッドニュースにもなるのは今節のチームにはケガ人が1人もいないこと。ええ、まだ招集リストは出ていないものの、そうなるとここ2回、ベンチ外になってしまった柴崎岳選手がメンバーに入るのは難しいような気がしますが、こればっかりはねえ。 ▽一方、お隣さんのレガネスは最下位脱出を目指して午後8時45分から、ブタルケに18位のラージョを迎えて弟分ダービーとなるんですが、梯子観戦を考えている私にとって辛いのは、未だにメトロスールが工事で止まっているため、5キロそこそこしか離れていないにも関わらず、移動がやっかいなこと。まあ、代替バスを使えば何とかなるんでしょうけど、セルカニアス(国鉄近郊路線)を使ってもスタジアムまでは駅からかなり歩かないといけないのがネックです。 ▽ちなみにまだ本調子ではない彼らは先週、ペレグリーニ監督がバルサに今季初黒星を付けて名を挙げた後、ベティス戦では終盤に痛恨の失点をして1-0で負け。ミチェル監督の方はレアル・ソシエダ、エスパニョール戦と続けて2-2で引き分けているため、だんだんゴールは入るようになってきたようですが…来週は各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間)で試合がないだけにどちらも勝って、降格圏外でお休みに入りたいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.06 13:00 Sat
twitterfacebook
thumb

キリンチャレンジ杯の招待国から欧州勢が消滅。その対抗策は?/六川亨の日本サッカー見聞録

▽キリンチャレンジカップで10月12日にパナマ、16日にウルグアイと対戦する森保ジャパンのメンバー23人が10月4日に発表された。9月のコスタリカ戦から長友、吉田、酒井宏樹、原口、柴崎、大迫のロシアW杯出場組が復帰。森保監督は「前回招集したメンバーと海外組でどんな化学反応があるか見てみたい」と話し、全員攻撃・全員守備をチームのコンセプトとしてあげた。 ▽GK3人は前回と変わらないが、今回の2試合では是非ともシュミット・ダニエルのプレーを見たい。196センチの長身は大きな武器だし、26歳という若さも魅力的だ。それ以外のメンバーでは、それぞれバックアップを森保監督は用意した。 ▽右SBは酒井宏樹に室屋、左SBには長友に佐々木、CBは吉田と槙野のバックアップに三浦と冨安。ボランチは青山と柴崎、遠藤航と三竿健斗が該当し、右MFは原口と伊東純也、左MFは中島と堂安といったところか。1トップは大迫のバックアップに小林と浅野が控える形だろう。 ▽こうしてメンバーを眺めてみると、トップ下の南野のバックアップが不在であることがわかる。コンディション次第という前提つきではあるが、11月の2試合にはGK川島と香川、乾、さらに武藤のロシアW杯組を森保監督は招集するのではないだろうか。 ▽そしてキリンチャレンジ杯である。9月はチリ(北海道胆振東部地震で中止)とコスタリカ、10月はパナマとウルグアイ、11月はベネズエラとキルギスが来日予定だ。いずれも南米か北中米の国々でキルギスだけは中央アジアである。 ▽すでにご存じの読者もいると思うが、UEFA(欧州サッカー連盟)は18年9月から新たな大会、UEFAネーションズリーグをスタートさせた。UEFAに所属する代表チームによる公式大会で、18年9、10、11、12月にグループステージを実施し、19年6月に準決勝と決勝戦を開催する。さらに19年3月からはEURO2020の予選もスタートするため、ロシアW杯終了後からEURO2020までの2年間、UEFAに所属するチームと対戦する機会はほとんどなくなった。 ▽強化はもちろん、興行面でもヨーロッパのサッカー大国と対戦できないのは日本にとって(キリンはもちろんテレビ局も含め)大きな痛手であることは間違いない。さらに、来年1月にUAEで開催されるアジア杯に優勝したとしても、コンフェデ杯は17年で中止となったので、こちらもEURO優勝国(前回はポルトガル)と対戦する機会は消滅した。 ▽こうした状況にJFA(日本サッカー協会)関係者は「韓国や中国ら近隣諸国との連携が重要になる」と話す。例えば9月に来日したチリとコスタリカは、日本と前後して韓国と対戦した。今回来日するウルグアイも12日に韓国と、パナマとは16日に韓国と対戦する。日韓セットでの対戦により、彼らに支払うギャラを抑えることができるし、来日する彼らにとっても近距離移動で大会出場給が入るというメリットがある。 ▽今後も南米や北中米、アフリカ勢の来日が多くなるだろうが、いかにして強化と興行の両立を図るか、UEFAの変革にJFAも難しい舵取りを迫られている。 ▽現実的には、日本が対戦を望む国々にとって、日本戦が強化に役立つとは思っていないだろう。それは日本にも当てはまり、「テストマッチは所詮テストマッチ。それ以下でもそれ以上でもない」ことは過去の歴史が物語っている。 ▽このためUEFAに対抗して、アジア杯以外にアジアで新たな公式大会を創設し、コパ・アメリカのように南米からの招待枠を設けるなどの提唱をAFC(アジアサッカー連盟)にしていくことも1つの手だ。そして一番手っ取り早い解決方法は、カザフスタンのようにAFCからUEFAへ所属を変更することである。 ▽これまでのように毎回W杯に出られる保証はなくなるかわりに、予選から痺れる試合が続くことは間違いない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.10.04 22:10 Thu
twitterfacebook
thumb

みんな! 今週末が終わってもJリーグを忘れないでね!? の巻/倉井史也のJリーグ

▽えっとね、今週末の試合が終わると、またまた代表ウイークでちょっと開いちゃうんですよ。せっかく優勝や残留争いが白熱してるってときなのに! ってことで、忘れないように、今後の予定を整理しておきましょ! 括弧の中は、(日付/対戦相手の現在の勝点または天皇杯かルヴァンかACLか)ってなってるから、これで相手とどれくらいの差があるか、わかるってもんです。 【川 崎(56)】 鹿島(10.7/45) 神戸(10.20/36) 山形(10.24/天皇杯) 柏(11.3/30) C大阪(11.10/41) FC東京(11.24/43) 磐田(12.1/33) 【広 島(56)】 柏(10.6/30) 清水(10.20/37) 磐田(11.3/33) 仙台(11.10/41) 名古屋(11.24/31) 札幌(12.1/44) 【鹿 島(45)】 水原(10.3/ACL) 川崎(10.7/56) 横浜FM(10.10/ルヴァン) 横浜FM(10.14/ルヴァン) 浦和(10.20/41) 水原(10.24/ACL) C大阪(10.31/41) 柏(11.10/30) 甲府(11.21/天皇杯) 仙台(11.24/41) 鳥栖(12.1/30) ※さらにACL決勝、ルヴァンカップ決勝が増える可能性あり 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 【磐 田(33)】 清水(10.7/37) 長崎(10.21/27) 仙台(10.24/天皇杯) 湘南(10.30/32) 広島(11.3/56) FC東京(11.10/43) 札幌(11.24/44) 川崎(12.1/56) 【G大阪(33)】 C大阪(10.6/41) 横浜FM(10.20/35) 浦和(11.3/41) 湘南(11.10/32) 長崎(11.24/27) 柏(12.1/30) 【湘 南(32)】 鳥栖(10.6/30) 柏(10.10/ルヴァン) 柏(10.14/ルヴァン) 札幌(10.20/44) 磐田(10.30/33) 清水(11.2/37) G大阪(11.10/33) 浦和(11.24/41) 名古屋(12.1/31) ※ルヴァンカップ決勝が増える可能性あり 【名古屋(31)】 FC東京(10.7/43) 柏(10.19/30) 札幌(10.28/44) 神戸(11.3/36) 清水(11.10/37) 広島(11.24/56) 湘南(12.1/32) ※J1第28節延期分C大阪戦あり 【鳥 栖(30)】 湘南(10.6/32) 仙台(10.20/41) 浦和(10.24/天皇杯) 長崎(11.4/27) 神戸(11.10/36) 横浜FM(11.24/35) 鹿島(12.1/45) 【 柏 (30)】 広島(10.6/56) 湘南(10.10/ルヴァン) 湘南(10.14/ルヴァン) 名古屋(10.19/31) 川崎(11.3/56) 鹿島(11.10/45) C大阪(11.24/41) G大阪(12.1/33) ※ルヴァンカップ決勝が増える可能性あり 【長 崎(27)】 神戸(10.6/36) 磐田(10.21/33) 鳥栖(11.4/30) 横浜FM(11.10/35) G大阪(11.24/33) 清水(12.1/37) ▽おやおや、スケジュールだけ見ると広島とかG大阪、長崎って有利じゃない? にしても鹿島、どんだけハードスケジュールなんでしょ(汗)。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.10.04 20:00 Thu
twitterfacebook
thumb

コパ・アメリカは辞退か? /六川亨の日本サッカーの歩み

▽マレーシアで開催されているU-16アジア選手権で、日本は準々決勝でオマーンに2-1で競り勝ちベスト4に進出。来年ペルーで開催されるU-17W杯の出場権を獲得した。日本の出場は2大会連続9度目となる。 ▽そして今日は今月ジャカルタで開催されるU-19アジア選手権に臨む日本代表のメンバーが発表された。こちらは来年ポーランドで開催されるU-20W杯の出場を目指すが、久保建英(横浜FM)らの目標はポーランドでのW杯だけでなく、20年の東京五輪も視野に入っている。今後は8月のアジア大会に出場したメンバー(U-21日本)との競争になるが、切磋琢磨して五輪ではメダルを目指して欲しいものだ。 ▽そんな来年は、サッカー界にとってイベントが目白押しだ。まず1月にはUAEでアジアカップが開催される。森保ジャパンにとって初の公式大会で、目標は最多5度目となる優勝しかありえない。そしてアンダーカテゴリーのW杯に加え、6月にはなでしこジャパンがフランスで開催される女子W杯に臨む。 ▽問題は6月から7月にかけてブラジルで開催されるコパ・アメリカだ。日本は1999年と2011年の2回、同大会に招待されている。1910年に創設された世界最古の大会だが、2011年は東日本大震災のため参加を見送った。 ▽初参加の99年はトルシエ・ジャパンが参戦したものの、初戦でペルーに2-3と敗れると、続く地元パラグアイ戦は0-4の完敗。トルシエ監督が名波浩を名指しで「戦えない選手」と批判すれば、名波も記者陣にトルシエ監督への不満を表明するなど、チームは分解寸前。そして最終戦はボリビアと1-1で引き分け、最下位でグループステージを終えた。 ▽個の力、ドリブル突破によるカウンターに当時の日本は手も足も出なかった。パラグアイ戦の帰り道、地元ファンから「ジャパン ゼロ(0)、パラグアイ クワトロ(4)」と何度もからかわれた。初めてのコパ・アメリカで惨敗したことと、選手との求心力を失ったことで、トルシエ監督の解任論が噴出したものの、最後は岡野JFA会長がトルシエ監督の続投を決めたため、2002年の日韓W杯まで指揮を執ることになった。 ▽以来、20年ぶりのコパ・アメリカだが、日本が参加するかどうかJFAの関係者はいまもって未定だと言う。というのも、アジアカップと違ってコパ・アメリカには選手を招集するにあたり強制権がない。海外組はオフのため招集は難しいし、Jリーグの各クラブもシーズン中のため選手を出すことに二の足を踏む可能性が高いからだ。 ▽本来なら五輪代表の強化に最適だが、板倉(仙台)、立田(清水)、杉岡(湘南)、岩崎(京都)らは所属チームでレギュラーだ。アジア大会は1チーム1名という制約つきで招集したが、それでも参加を断ったクラブもある。だからといって大学選抜で臨んでは、相手にとって失礼だろう。 ▽日本以外の招待国はW杯開催を控えるカタールで、W杯をアピールする絶好の機会だけにベストメンバーを送り込んで来るだろう。南米連盟が日本を招待するメリットは、放映権料や場内の看板、大勢の報道陣やファン・サポーターなどがもたらすジャパンマネーだが、中途半端なチームではそれも期待できない。 ▽ここは残念だが、11年同様に参加を見送った方が賢明な判断と言えるのではないだろうか。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.10.02 18:30 Tue
twitterfacebook
thumb

GKが凄いとこうなる…/原ゆみこのマドリッド

▽「何だか一番、得したのはセビージャみたい」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、スポーツ紙などでは”Una semana magnifica/ウナ・セマーナ・マグニフィカ(偉大な1週間)”と、ここ3試合で首位との差を勝ち点7から2に縮めたアトレレティコが称えられていたものの、週明けの順位表では1つ下がって4位に。代わりに3連勝したセビージャがバルサ、レアル・マドリーと勝ち点差1となり、3位に喰い込んでいるのを見た時のことでした。いやあ、まだリーガは30節以上あるため、現時点でその程度の差に大した意味がないことはわかっているんですけどね。 ▽もちろんミッドウィークのレアル・マドリー戦での圧巻3-0勝利を含め、3試合で計12点。5位からや躍進したマチン監督のチームが勢いに乗っていることを否定する気もありませんが、とにかく羨ましいのは両エース、アンドレ・シウバとベン・イェデルがどちらも当たっていること。とりわけ先週末は戦前、あれだけ有利と言われながら、結局、スコアレスで終わったアトレレティコのマドリーダービーを見た後だけに、7試合での得点が16と、セビージャが彼らの倍、マドリーよりも4本多いゴールを入れているというのはもしや、この先の脅威となるかもしれない? ▽まあ、そんなことはともかく、7節のマドリッド勢のリーガがどうだったか、お伝えしていくことにすると。いやあ、木曜にヘタフェがアラベスと1-1で引き分け、6節最後の試合が終わった翌日、金曜にはもうラージョがエスパニョール戦で先陣を切っているんですから、まったく忙しいったらありません。そのエスタディオ・バジェカスの試合では前半6分、意表を突いて、ラウール・デ・トーマスがエリア外からシュートを決め、ようやく昇格後、初のホーム勝利を見られるかと、スタンドのファンも湧いたんですけどね。喜んでいられたのは15分程のことで、19分にはエルモーソのシュートをGKアルベルトが弾いたものの、ゴール前に詰めていたボルハ・イグレシアスに蹴り込まれ、1-1の同点に。更にハーフタイム直前にもアドビンクラに当たったボールがグラネロの前に落ち、勝ち越し点を奪われてしまうんですから、困ったもんじゃありませんか。 ▽それでも後半開始直後にはアドビンクラがディダクにエリア内で倒され、カクタがPKを決めて再びイーブンに戻したラージョだったんですが、それ以降、スコアは動かず。確かに後半の彼らは積極的に攻めていて、ミチェル監督も「Creo que los rayistas se pueden ir descontentos con el resultado, no con el rendimiento/クレオ・ケ・ロス・ラジスタス・セ・プエデン・イル・デスコンテントス・コン・エル・レスルタードー、ノー・コン・エル・レンディミエントー(ラージョファンは結果には不満足だったかもしれないが、パフォーマンスは違う)」と胸を張っていたんですけどね。スタンド閉鎖のせいで延期したアスレティック戦の分があるとはいえ、6試合で勝ち点5だけというのはちょっと寂しいですよねえ。 ▽そして土曜にはいよいよ、マドリーダービーがサンティアゴ・ベルナベウで開催されたんですが、いやあ、ピッチで先日、モドリッチ、クルトワ、セルヒオ・ラモス、ヴァラン、マルセロがロンドンで受賞したFIFA個人賞のトロフィーを披露して、まさかキックオフ前から、お隣さんがマウンティングしてくるとは!夏のW杯MVPから、UEFA最優秀選手賞、FIFAベストまでモドリッチに連取され、残るチャンスはバロンドールだけになっているグリーズマンなど、内心、あまり良い気持ちはしなかったんじゃないかと思いますが、大丈夫。前半のアトレティコは[4-3-3]のシステムで始めマドリーに対し、中盤での数的優位を生かすことに。 ▽でもねえ、早くも7分にはコケのスルーパスからグリーズマンが独走、エリア内でGKと1対1になったんですが、クルトワが顔でそのシュートを阻止。似たようなシーンは36分にも繰り返されて、今度はグリーズマンのスルーパスでジエゴ・コスタが突進したんですが、彼も手で弾かれてしまっては一体、どうしたらいいって言うのでしょう。この2つの神セーブには、シメオネ監督に「クルトワは今のアトレティコでは正GKになれない。ヤンの方が上」と信頼されているオブラクも動揺したか、ハーフタイム間際にはゴールキックをエリア内にいたアセンシオに贈るという珍しいミスを犯したりもしたんですが、幸い、相手のシュートはストライクコース。試合は0-0のままで折り返します。 ▽後半は太ももに違和感を覚えたベイルがセバージョスと交代。「creo que mi salida le ha dado otro aire al equipo/クレオ・ケ・ミ・サリーダ・レ・ア・ダードー・オトロ・アイレ・アウ・エキポ(自分が出場して、チームに別の空気を与えたと思う)」と当人も言っていた通り、俄然、マドリーの方が活発になったんですが、最大のピンチにオブラクが3シーズン連続サモラ(リーガで一番失点率が低いGK与えられる賞)はダテでないことを証明してくれたんです! そう、20分にアセンシオに1対1で迫られながら、paradon(パラドン/スーパーセーブ)で窮地を脱したんですが、何せ、彼は母国、スロベニアがW杯に出られなかったため、世界の注目する大舞台で実力を披露する機会がありませんでしたからね。 ▽おかげでUEFAやFIFAの賞とも無縁になっているんですが、この日はもう一人、マドリー攻撃陣の前に立ちはだかったディフェンダーが。それはヒメネスで、いえ、彼もダービー前には「En un partido de este estilo tiene que jugar mucho la cabeza/エン・ウン・パルティードー・デ・エステ・エスティーロ・ティエネ・ケ・フガール・ムーチョ・ラ・カベッサ(こういうスタイルの試合では頭を沢山、使ってプレーしないといけない)」と言っていたんですけどね。まさに有言実行、敵のクロスを9度も頭で弾き返す活躍で、ゴディンが自陣でアセンシオにパスを出してしまった際にも全力疾走。ボールをカットして、ウルグアイ代表先輩のミスをカバーしてくれたんですが、そのおかげもあって、最後までアトレティコは失点せずに済むことに。 ▽結果、スコアレスドローの痛み分けで終わった両者だったものの、これでサンティアゴ・ベルナベウでのリーガ戦で6年連続無敗とし、1940年代にバレンシアが作った記録に並んだアトレティコのファンには、いえ、私も含め、それ以前、ダービーでは開始1分に先制しようが、相手に退場者が出ようが、絶対に勝てなかった不遇の14年間を覚えている世代にしてみれば、負けなくて良かったという安堵感もあったんですけどね。やはりマドリーファンにはもどかしかったようで、ロペテギ監督がマリアーノを使わず、残り4分、最後の交代枠では「El partido pedia velocidad/エル・パルティードーペディア・ベロシダッド(試合にはスピードが必要だった)」(ロペテギ監督)という理由でベンゼマに代わり、18歳のヴィニシウスをデビューさせた時など、スタンドからはpito(ピト/ブイング)が飛ぶ始末。 ▽おまけにマドリー選手たちからも「Oblak ha tardado un minuto en sacar de puerta/オブラク・ア・タルダードー・ウン・ミヌート・エン・サカール・デ・プエルタ(オブラクはゴールキックに1分もかけていた)」(セバージョス)とか、「開始1分から時間稼ぎして、引き分け狙いのチーム相手に勝つのは難しい」(カルバハル)なんて文句も出ていたんですが、いやいや。だったら、前半、コケのクロスがエリア内でカゼミロの腕を直撃しながら、VAR(ビデオ審判)判定すらなかったことなんて、まさに「Que quieren que les diga.../ケ・キエレン・ケ・レス・ディガ(何を言ってほしいのやら…)」(シメオネ監督)という事態だったかと。 ▽だって、先週末のリーガだけでもエイバルvsセビージャ戦でヘスス・ナバスのクロスが腕に当たったコテがペナルティを取られていたり、ビジャレアルvsバジャドリー戦でもフネス・モリのヘッドがキコの腕に触れ、こちらはVARでPKという似た事例がありながら、カゼミロのハンドだけ、不可抗力として、お咎めを免れているんですよ。この点に関しては、クラブも審判委員会にVARの使用基準を問う書簡を出していましたが、今回のダービーではラモスがコレアの顔にcodazo(コダソ/肘打ち)を見舞ったのがイエローカードに留まったり、終盤は空中戦でカリニッチをド突いたのが2枚目にならなかったりと、どちらのケースもレッドカード案件だったにも関わらず、VAR判定がなかったのは何故? ▽まあ、シメオネ監督も「前半のチャンスを考えると残念だが、後半を見たところ…Creo que el empate es justo/クレオ・ケ・エル・エンパテ・エス・フストー(引き分けは妥当だと思う)」と言っていましたし、ハンドの抗議を主審に流されたコケも「Hoy ha sido el dia de los porteros/オイ・ア・シードー・エル・ディア・デ・ロス・ポルテーロス(今日はGKの日だった)」と認めていた通り、私もあの2度の絶好機を止められては勝てなくても仕方ないという気がしますけどね。実際、その日の前の時間帯ではバルサがカンプ・ノウでアスレティックと1-1で引き分け。ここ3試合連続して勝ち点を落としてくれたため、マドリーも同じ勝ち点で2位のまま、アトレティコも勝ち点差2で変わらずと、セビージャ以外に漁夫の利を与えることもなかったのは良かったかと。10月末のクラシコ(伝統の一戦)まで、リーガはこんな感じで競り合いが続くんじゃないでしょうかね。 ▽それより今週はCL第2節の方に注目で、早くも日曜午後には火曜のCSKAモスクワ戦に備え、マドリーがロシアに移動。セビージャ戦でふくらはぎを痛めたマルセロ、先週、急性盲腸炎で手術したイスコ、そしてケガではなかったものの、大事を取ったベイルが遠征に参加していないんですが、意外だったのはロペテギ監督がラモスをお留守番にしたこと。いえ、ダービーでサウールに頭をぶつけ、眉の上を縫ったのは関係ないんですけどね。ここまで出ずっぱりだったことを考えての休養のようですが、そうなると、センターバックをヴァランとナチョにして、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のレギュイロンを左サイドバックとして使うか、バジェホが中に入って、ナチョがマルセロの代理を務めるか、とにかくマルチDFのナチョは1人しかいないため、ロペテギ監督も考えどころ。 ▽折しも会場となるルジニキ・スタジアムがこの夏、スペインがベスト16でロシアに延長、PK戦の末、敗退した悲劇の舞台とあって、いえ、大会直前に代表監督を解任されたロペテギ監督はいいんですけどね。その時、ロシアのゴールを守っていたアキンフェエフと顔を合わせないといけないアセンシオやナチョ、カルバハル、ルーカス・バスケスらにとってはトラウマが残っているかもしれませんが、ここは同スタジアムでフランス代表の優勝を決めたヴァランを信頼。いくらリーガでここ2試合、ノーゴールが続いているマドリーとはいえ、実力的に後れを取るようなことはないはずですが、とりあえず火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのキックオフを楽しみに待つことにしましょうか。 ▽そしてCL第2節ではワンダ・メトロポリターノにクラブ・ブルージュを迎えるアトレティコはというと、アリアスがダービー前に全快通知をもらったため、ケガ人はサビッチだけになったはずだったんですけどね。どうやら、ヒザの負傷から戻ったビトロがまだ本調子ではなかったようで、今週は試合に出ず、スペシャルメニューでリハビリを続けるよう。他はもう、少数精鋭のチームですから、先発に少々、変更はあってもプレーする選手は同じです。何せ、昨季はグループ最弱と言われたアゼルバイジャンのカラバフと2分けして、3位で敗退してしまった彼らですからね。CL決勝がワンダで開催されることもありますし、いくら初戦でモナコに快勝して今季は好スタートを切ったとはいえ、決して油断をしないで挑んでもらいたいところです。 ▽え、兄貴分たちがリーガの上位争いを続ける一方で、だんだん心配になってきた弟分チームもあるんだろうって? そうですね、実は日曜にベティス戦だったレガネスが終了間際にロレンにゴールを許し、1-0で負け、ミッドウィークのバルサ戦勝利で離れていた最下位にまた戻ってしまったんですよ。おまけにこの土曜には18位のラージョと降格圏内ミニダービーで骨肉の争いを繰り広げないといけないのは何とも皮肉。 ▽いえ、月曜に前半にマキシ・ゴメスのゴールで先制されながら、後半に途中出場のマタが嬉しい1部初ゴールを決めて、アウェイでセルタと1-1で引き分けたヘタフェは順位も9位と安定していますけどね。土曜のレバンテ戦に向けてはここ2試合、連続して招集リスト入りできなかった柴崎岳選手が戻って来られるかどうかぐらいなんですが、さて。せっかくマドリッド勢1部5チームになってすぐ、3シーズン前のヘタフェとラージョのみたいにダブル降格なんて悲しい結末だけは避けたいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.02 15:30 Tue
twitterfacebook
thumb

今週はここから起きた下剋上のデータを調べてみた感じ?! の巻/倉井史也のJリーグ

▽あれ? 気づいたら首位広島と川崎が、勝点56と勝点53って、その差が3なんですけど! これから先ってどれくらい、下剋上があったの? ってのが今週のデータです。 【2005年】 ・第27節終了時 1位 G大阪(勝点54) 2位 鹿 島(勝点49) 3位 C大阪(勝点46) ・最終節 1位 G大阪(勝点60) 2位 浦 和(勝点59) 3位 鹿 島(勝点59) 【2006年】 ・第27節終了時 1位 浦 和(勝点61) 2位 G大阪(勝点56) 3位 川 崎(勝点54) ・最終節 1位 浦 和(勝点72) 2位 川 崎(勝点67) 3位 G大阪(勝点66) 【2007年】 ・第27節終了時 1位 浦 和(勝点61) 2位 G大阪(勝点55) 3位 鹿 島(勝点51) ・最終節 1位 鹿 島(勝点72) 2位 浦 和(勝点70) 3位 G大阪(勝点67) 【2008年】 ・第27節終了時 1位 名古屋(勝点49) 2位 大 分(勝点48) 3位 鹿 島(勝点46)※26試合消化 ・最終節 1位 鹿 島(勝点63) 2位 川 崎(勝点60) 3位 名古屋(勝点59) 【2009年】 ・第27節終了時 1位 鹿 島(勝点50)※26試合消化 2位 清 水(勝点49) 3位 G大阪(勝点46) ・最終節 1位 鹿 島(勝点66) 2位 川 崎(勝点64) 3位 G大阪(勝点60) 【2010年】 ・第27節終了時 1位 名古屋(勝点57) 2位 鹿 島(勝点49) 3位 G大阪(勝点49) ・最終節 1位 名古屋(勝点72) 2位 G大阪(勝点62) 3位 C大阪(勝点61) 【2011年】 ・第27節終了時 1位 G大阪(勝点54) 2位 名古屋(勝点53) 3位 柏 (勝点53) ・最終節 1位 柏 (勝点72) 2位 名古屋(勝点71) 3位 G大阪(勝点70) 【2012年】 ・第27節終了時 1位 広 島(勝点53) 2位 仙 台(勝点48) 3位 浦 和(勝点48) ・最終節 1位 広 島(勝点64) 2位 仙 台(勝点57) 3位 浦 和(勝点55) 【2013年】 ・第27節終了時 1位 横浜FM(勝点52) 2位 広 島(勝点50) 3位 浦 和(勝点48) ・最終節 1位 広 島(勝点63) 2位 横浜FM(勝点62) 3位 川 崎(勝点60) 【2014年】 ・第27節終了時 1位 浦 和(勝点56) 2位 G大阪(勝点49) 3位 鹿 島(勝点49) ・最終節 1位 G大阪(勝点63) 2位 浦 和(勝点62) 3位 鹿 島(勝点60) 【2015年】 ・第27節終了時 1位 広島(勝点58) 2位 浦和(勝点58) 3位 FC東京(勝点53) ・最終節 1位 広 島(勝点74)※チャンピオンシップによる 2位 G大阪(勝点63)※チャンピオンシップによる 3位 浦 和(勝点72)※チャンピオンシップによる 【2016年】 ・第27節終了時 1位 川 崎(勝点60) 2位 浦 和(勝点55) 3位 鹿 島(勝点53) ・最終節 1位 鹿 島(勝点59)※チャンピオンシップによる 2位 浦 和(勝点74)※チャンピオンシップによる 3位 川 崎(勝点72)※チャンピオンシップによる 【2017年】 ・第27節終了時 1位 鹿 島(勝点61) 2位 川 崎(勝点53) 3位 柏 (勝点53) ・最終節 1位 川 崎(勝点72) 2位 鹿 島(勝点72) 3位 C大阪(勝点63) ▽つーことで、2シーズン制だった2015年、2016年を除いて考えると、11シーズンのうち、第27節の順位どおりでフィニッシュしたのは5シーズン、ひっくり返ったのは6シーズン。で、順位どおりだった5シーズンでは、27節で1位と2位の勝点の差が、8点が1回、5点が3回、1点が1回。ひっくり返った6シーズンでは、第27節で1位だったチームと最終的に優勝したチームとの勝点差が、10点、8点、7点、3点、2点、1点がそれぞれ1回ずつ。 ▽ってことはですよ、そのまま優勝したときの平均の勝点差は4.8点、下剋上が起きたときの平均は約5.2点。つまり差が付いていたときのほうが逆転劇が起きやすいってことですね。 ▽となると、ギリギリ1ゲーム差で首位に立ってる広島は、緊張感が続いて逃げ切りやすい? ってこと? 的な? 感じ? かも! でもね、第27節で首位が勝点56以上取ってる5シーズンって、首位のチームが優勝したのは2回、できなかったのが3回あるっていう不気味なデータも。確かに今の川崎ってすごいからなぁ……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.09.28 11:00 Fri
twitterfacebook
thumb

トントン拍子に進んでいる…/原ゆみこのマドリッド

▽「だからって浮かれていちゃいけないわよね」そんな風に私が気を引き締めていたのは木曜日、あれだけスタートダッシュの失敗を言われていたアトレティコがいつの間にやら、週末のマドリーダービーで勝てば、お隣さんの上に立てることに気づいた時のことでした。いやあ、このミッドウィークのリーガであそこまで彼らに嬉しい目が出るとは神様だって、予想していなかったと思いますけどね。おまけにこの夏、UEFAスーパーカップでもレアル・マドリーを倒したシメオネ監督はここ5年間、サンティアゴ・ベルナベウでのリーガ戦で3勝2分けの無敗としているなんて聞くと、期待でワクワクしてしまうファンも少なくないはずですが、実際、ツキなんていつ離れていくかわかったもんじゃなし。 ▽その辺りを踏まえて、6節のマドリッド勢の試合を伝えていくことにすると、アトレティコより一足早く、火曜午後9時からアノエタでレアル・ソシエダと戦った弟分のラージョは、私がワンダ・メトロポリターノに着いた時間にはバウティスタにより序盤に先制された1点をGKルジのミスから、アドビンクラが返して同点に。更に前半36分にはPKをトレホが沈めて、1-2とリードしていたんですけどね。後半32分にウィリアン・ジョゼにヘッドを決められ、最後は2-2で引き分けることに。 ▽まあ、アウェイだったため、勝ち点1でも頑張ったと褒めてあげないといけないところですが、彼らにとって正念場となるのは金曜午後9時、次節のエスパニョール戦。ええ、スタンド閉鎖の影響でまだ今季2試合しかしていないエスタディオ・バジェカスではセビージャに1-4、アラベスに1-5と大量失点負けをしていますからね。ルビ監督率いるエスパニョールは先週末、サンティアゴ・ベルナベウでも1失点だけの拮抗したゲームをしていますし、火曜のエイバル戦でも1-0と勝っているため、手強い相手になりそうですが、早くファンに3年ぶりの1部での勝利を見せてあげられるといいのですが。 ▽一方、煌々と輝く中秋の名月の下で午後10時からという遅いキックオフを迎えたアトレティコはというと、これが信じがたいことに捕らぬ狸の皮算用が上手く行ったんですよ!そう、土曜のダービーを見越してここまで全試合に出場していたサウールはベンチ、30代のファンフランも招集外で温存し、20歳のカンテラーノ(アトレティコBの選手)、イサークが右SBを務めたんですが、相手のウエスカがあまり攻撃してくるチームでなかったため、その点は問題なし。それどころか、後で「次に大事な試合が控えている時、彼らは早めに勝負を決めにくることは話してあった」と、2004~09年にアトレティコの正GKを務めた、勝手知ったるレオ・フランコ監督にも手が打てない程の効率の良さを発揮したから、私も驚いたの何のって。 ▽まずは前半17分、コレアのスルーパスをもらって敵エリア内に入ったジエゴ・コスタが折り返すと、ゴール前に詰めていたグリーズマンが先制点をゲット。続いて29分には、その日は急造右SBをやらされず、本職のボランチで先発させてもらえて発奮したんでしょうかね。トマスがエリア外から狙って追加点を奪うと、早くも3分後、コケが山なりのクロスを送ったところ、GKウェルネルがコレアに目を眩まされて触れず、そのままボールはネットに収まることに。いやあ、このプレーにはコレアのオフサイド疑惑があったため、VAR(ビデオ審判)で確認されるまで、選手たちも喜ぶのを待たなければいけなかったなんてこともあったんですけどね。前半で3-0となれば、もう大手を振るって、選手温存していいってことじゃないですか。 ▽実際のところ、それからすぐ後、ヒメネスがふくらはぎの痛みを訴え、大事を取って、リュカと交代したため、お休みできたのは後半8分にカリニッチと代わったグリーズマン、19分にジェルソンと代わったコスタの2人だけに留まったんですが、「El rival fue superior/エルリバル・フエ・スペリオール(相手が上だった)」(レオ・フランコ監督)とあっさり、実力差を認めていたウエスカから、それ以上、ゴールが奪えなかったのはアトレティコがエネルギーの浪費を避けたせいだった?最近は目を覆うようなボールロストが少し、減ってきたコレアも「Me voy feliz porque el equipo volvió a ser el Atlético que todos queremos/メ・ボイ・フェリス・ポルケ・エル・エキポ・ボルビオ・ア・セル・エル・アトレティコ・ケ・トードス・ケレモス(皆が望むアトレティコが戻って来たから、ボクは幸せな気分で帰れるよ)」と言っていましたしね。 ▽おかげで平日なのに試合終了が午前零時近くとあって、早く帰宅したかったファンも心おきなく、途中で席を立つことができましたし、見た目、かなり楽な展開だったにも関わらず、何故か、記者会見では声がかすれていたシメオネ監督も「エイバル戦で改善の兆しがあって、CLモナコ戦は良かった。ヘタフェ戦ではもっと良くなって、hoy fue un partido contundente/オイ・フエ・ウン・パルティードー・コントゥンデンテ(今日はガツンといけた試合だった)」を満足していましたしね。ヒメネスもすぐ治りそうだったため、これならダービーに胸を張って臨めそうだと私もホッとしていたところ…。 ▽波乱が起きたのは翌水曜のことでした。まずは午後8時からのブタルケでのバルサ戦で、いやあ、何せ今季、まだ1勝もしていない最下位の弟分、レガネスですからね。スタンドを満員にしたファンがどんなに熱く応援しようと、バルベルデ監督がルイス・スアレス、ジョルディ・アルバを温存し、CFはムニル、左SBベルマーレンとメンバーを落としてこようと、5人DF体制で守りを固めたペレグリーニ監督のチームが序盤から、自陣エリア付近に押し込まれてしまったのは仕方なかったかと。その状態で前半11分にはコウチーニョのエリア前からのシュートが決まったとなれば、もう一体どうしたらいい? ▽いやあ、レガネスを見くびっていたのは私もバルサも同じですね。実は彼らが前半途中まで籠城状態になっていたのは、ペレグリーニ監督の説明によると、「ジョルディ・アルバを予想して、サイドに選手が必要だったから5-4-1にしたが、そのせいで中盤に人が足りなくなり、下がりすぎてしまった」からで決して、相手に臆していた訳じゃないんですよ。その証拠に組織的に守って1失点だけで前半を終えたレガネスは後半すぐ、合わせて68秒という速攻で逆転することに。ええ、7分にベスガが自陣からロングボールを出したところ、ジョナタン・シウバがエリア内にクロスを上げることに成功。ベルマーレンのチェックが遅れたため、身長差のかなりあるエル・ザールが頭で決めて同点になったかと思いきや、いや本当にまだ、私もメモを取っている最中だったんですよ。リスタート直後、またしても自陣から放たれたロングボールをエン・ネシリからピケが奪いながら、まさかオスカル・ロドリゲスにドンピシャの横パスを出してくれるとは! ▽そのシュートが逆転のゴールとなり、その後はルイス・スアレスやジョルディ・アルバ、マルコムを投入したバルサですが、メッシが精彩を欠いていたのも災い。そのまま2-1でレガネスが勝ったのがよっぽど心外だったんでしょうね。コウチーニョとラキティッチのダブルチャンスを連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)で防ぎ、1点差を守るのに貢献したGKクエジェルなど、「Nadie ha venido a felicitarnos/ナディエ・ア・ベニードー・ア・フェリシタールノス(誰1人、お祝いを言いには来てくれなかった)」と、バルサの選手たちの対応が失礼だったことを怒っていましたが、まあ、彼らにしてみれば2-2で引き分けた前節ジローナ戦に続く、躓きですからね。 ▽試合後、唯一、バルサでインタビューを受けていたブスケツなども「退場者のいた前の試合とは違う。今日は11対11で戦ったのに、no hemos sido sólidos y hemos dado facilidades/ノー・エモス・シードー・ソリドス・イ・エモス・ダードー・ファシリダーデス(ウチは堅固でなく、敵を手助けしてしまった)」と反省していましたけど、何せ、昨季はかなりシーズンの遅い時期まで黒星のなかったバルサ。RMカステージャ(マドリーのBチーム)から修行に来ている、殊勲のオスカルも「Seguro que muchos compañeros del Real Madrid se han alegrado por mí/セグロ・ケ・ムーチョス・コンパニェロス・デル・レアル・マドリッド・セ・アン・アレグラードー・ポル・ミー(レアル・マドリーの多くの同僚がボクのおかげで喜んでいるだろう)」と言っていたんですが…実はその頃、肝心の兄貴分は大変な目に遭っていたんです! ▽いえ、直後に始まったセビージャ戦をオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継でずっと聞いていたため、ブタルケを出て、セルカニアス(国鉄近郊路線)のサラケマダ駅に向かう頃にはマドリーが前半だけでもう、3点を取られていることは私も知っていたんですけどね。家に着いて映像を見たところ、マルセロのサイドを狙うというマチン監督の作戦がはまりまくり。ええ、17分には彼のパスミスを利用してヘスス・ナバスが突進すると、エリア内でアンドレ・シウバにアシストして先制点が入ったかと思えば、21分にもヘスス・ナバスのシュートをGKクルトワが弾きながら、マルセロのフォローが間に合わずにまたしてもアンドレ・シウバに決められてしまう羽目に。 ▽29分など、まあこれは”ムード”・バスケスの方が背が高いため、CKから回ってきたボールのクリアで空中戦に勝てなくても仕方なかったんですが、それがベン・イェデルの3点目に繋がったとなれば、世間からマルセロが戦犯扱いされても仕方なかったかと。「La primera parte la hemos regalado/ラ・プリメーラ・パルテ・ラ・エモス・レガラードー(前半をウチは相手に贈ってしまった)」(カセミロ)マドリーは後半、反撃に転じたものの、8分にモドリッチが決めた見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)もほんの僅かなオフサイドをVARに指摘され、スコアには上がらず。ベイルの1対1のシュートも前夜、幼いお子さんがテラスから転落し、一晩中、病院で付き添っていたというGKバシリクに弾かれ、挙句の果てにマルセロが負傷で最後は10人でプレーって、これじゃ3-0の完敗でも仕方ありませんって。 ▽え、ここ6シーズンで5敗しているサンチェス・ピスファンでのセビージャ戦とあって、ロペテギ監督はベストメンバーを並べたんじゃないのかって?そうなんですが、問題はその”ベスト”で実はこの日先発したモドリッチ、セルヒオ・ラモス、バラン、マルセロ、GKクルトワの5人は月曜にロンドンでのFIFA表彰式に出席。最優秀GK賞をもらったクルトワなど、「Yo a las 4.00 ya estaba durmiendo, descansé bien, entrené muy bien/ジョ・ア・ラス・クアトロ・ジャー・エスタバドゥルミエンド、デスカンセ・ビエン、エントレネ・ムイ・ビエン(ボクは午前4時には眠っていたし、よく休んだよ。とてもいい練習もした)」と言っていたものの、マドリッドに戻ったのは火曜の午前5時半だったというTVレポーターもいましたしね。 ▽それで練習が午前11時からというのはやっぱりハードスケジュールだったかと思いますが、実はマドリーが同じ轍を踏むのはもう3年目。ええ、初代FIFAベストにクリスチアーノ・ロナウドが選出された2016-17シーズンも直後のコパ・デル・レイでセビージャと3-3と引き分けた後、リーガでも同じ相手に2-1で負けていますし、翌シーズンもロナウドを始め、5人の選手が表彰式に出向いた後、まさにマチン監督率いるジローナに2-1で負けているとなれば、毎年、ベストイレブンなどで大量に選手が表彰されるのも考えものかと。 ▽まあ、そのおかげでこの土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのマドリーダービーではアトレティコが上位2チームと勝ち点差2まで詰め、意外な程、早く首位到達への可能性が開かれたんですけどね。残念ながら、マチン監督を見習おうと、ファンフランをウエスカ戦で温存したシメオネ監督の作戦はマルセロが肉離れと見られるケガをしたことでムダになってしまいましたが、ヒメネスは木曜のセッションで普通に練習。対して相手は火曜に急性盲腸炎の手術をしたイスコが1カ月の離脱となっているのもあまりにタイミングが合いすぎて、逆に怖すぎるぐらいなんですが…いやいや、捕らぬ狸の皮算用が2度も続けて上手くいく保証など、どこにもないのがサッカー。バルサも土曜のアスレティック戦では黙っていないでしょうし、とりあえず、先は長いため、今はマドリーと引き分けても大丈夫そうなのを心の拠り所にして応援したいと思います。 ▽そして最後に木曜、アラベスと戦ったヘタフェは1-1の引き分けで終了。せっかくアマトのゴールで後半35分に先制できた彼らだったものの、ロスタイムにカレリに同点弾を浴びてしまったんですが、実はこの試合、柴崎岳選手が今季初めて招集リスト落ち。まあ、順位的には11位と安定したところにいるヘタフェのため、これはアウェイ連戦となる月曜のセルタ戦も考えてのローテーションかもしれませんが、いよいよベルガラもケガ治って復帰してきただけにチーム内の競争が高まっているのは確かかと。ベティスに行った乾貴士選手が日曜のレガネス戦にも出そうなのと違い、なかなかピッチで見られないのは残念ですが、柴崎選手も早く、ボルダラス監督の信頼が得られるようになってもらいたいところです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.28 11:00 Fri
twitterfacebook
thumb

湘南のチャレンジ。安価な簡易席を増築/六川亨の日本サッカー見聞録

▽J1リーグは昨日26日、延期されていた第26節の湘南対川崎Fの1試合を行い、0-0で引き分けた。2位の川崎Fにとっては首位の広島に勝点1差に詰め寄るチャンスだったものの、小林のPKはGK秋元にストップされるなどノーゴールに終わり、勝点差3で広島を追走している。至近距離からのシュートに滅法強いGK秋元らしい活躍でもあった。 ▽さて湘南は、昨日のホームゲーム後、10月1日よりBMWスタジアムの一部改修に入るため、J1リーグは10月20日まで開催できない。改修場所は両ゴール裏のサポーターゾーン立見席で、観戦環境の改善を目的に、左右両サイドに708席、計1416席の座席を設置するからだ。 ▽同スタジアムは1994年のJリーグ昇格時に改修して以来そのまま使用してきた。今回の改修の目的について、真壁会長は「どうせやるならACL出場を目指そう。しかしAFCは立ち見席を認めていない。川崎がそのために等々力を改修したが、行政の支援を待つのではなく我々でできないか。そこでRIZAP(ライザップ)が協力してくれて安く造ることができた」と説明した。 ▽今シーズンから湘南はRIZAPの子会社となったが、真壁会長らが注目したのは、鉄骨作りながら“仮設”ではなく“簡易”のスタンドだ。フランスの仮設大手のGLイベンツという会社が開発した技術で、すでにF1レースやラグビーのフランス・ワールドカップでも使用された実績がある。さらに、来年日本で開催されるラグビーワールドカップ2019でも釜石会場が同社の簡易スタンドを採用しているため、耐震構造にも対応しているそうだ。 ▽真壁会長いわく「立派に造って借金を抱えるより安く造る」という発想は、市民クラブならではの発想と言えるだろう。 ▽気になる改修費だが、1席あたり9万円台に抑えられ、G大阪の吹田スタジアムの半額で済むという。単純計算で1億5千万円弱だ。そしてこの技法を使えば、新規のスタジアム建設は75億円から90億円ほどかかるが、それが60億円で済むという試算もある。 ▽今回の改修費は全額RIZAP(ライザップ)が負担するため、「RIZAPシート」と名付けられた。ただし、真壁会長によると「来シーズンのネーミングは変わるかもしれない」とのこと。新たなスポンサーを募り、クラブの収入増につなげようという狙いがあるのかもしれない。 ▽販売価格は未定だが、ホーム、アウェーとも席は指定席ではなく自由席のため価格を抑えてくることが予想される。今後は「サポーターの意見を聞き、増やして欲しいという声が出れば検討したい」と真壁会長。シーズン中の改修は、「来シーズンのチケット販売で認知させるため、今年中の改修を決めた」そうだ。 ▽永木、三竿雄、遠藤航と毎シーズンのように主力選手を引き抜かれた湘南。他クラブとの年俸差を少しでも埋めるためRIZAPの子会社となる決断をしたが、将来を見据えて次の手を打ってくる当たり(それも負担にならないよう)、財政難に苦しんできた湘南らしいクラブ経営と言えるのではないだろうか。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.09.27 14:15 Thu
twitterfacebook
thumb

【2022年カタールへ期待の選手⑥】イニエスタ、ポドルスキ、リージョ監督から薫陶を受ける東京世代の大型ボランチ/郷家友太(ヴィッセル神戸/MF)

▽フアン・マヌエル・リージョ新監督就任が発表され、労働ビザが取れ次第、本格的に指揮を執ることになるヴィッセル神戸。2017年夏のルーカス・ポドルスキ、今夏のアンドレス・イニエスタという両ビッグネーム加入に加え、マンチェスター・シティのジョゼップ・グアルディオラ監督が師を仰ぐ名将の合流によって、彼らにはさらなる世界基準と化学変化がもたらされる可能性が高い。 Jリーグを観るならDAZN!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! ▽22日の浦和レッズ戦はイニエスタ欠場と3バック採用による戦術浸透不足などで0-4の大敗を喫したが、19歳の若き大型ボランチ・郷家友太は「自分たちが変わるためには必要な試合だった」と強調。ここからが真の再スタートになると認識している様子だ。 ▽「ファンマ(リージョの愛称)監督からまだ指導は受けてないですけど、相手が来てからボールを出すとか、ギリギリまで引きつけてパスを出すとか『体よりも頭を使ってサッカーをする』という考え方を持っていると聞いています。そういった戦術を早く理解することが大事。吉田(孝行)監督の時は運よく出してもらっていたけど、また新しいポジション争いも始まる。自分と役割の近い選手に負けないように、もっとゴールに迫るプレーだったり、シュートの本数を増やしていかないといけない。それは日々、思ってます」と彼は神妙な面持ちでコメントした。 ▽青森山田高校の2年だった昨年正月の全国高校サッカー選手権制覇で一躍知名度を高めた郷家は今季から神戸入りし、いち早く出場機会を得た逸材だ。3月7日のJリーグ・ルヴァンカップ、V・ファーレン長崎戦でプロデビューを果たし、3月18日のセレッソ大阪戦でJ1初先発。4月18日のルヴァンカップ・長崎戦でプロ初得点と一気に階段を駆け上がり、すでにJ1・20試合出場を記録。イニエスタとポドルスキとともに何度もピッチに立ち、凄まじいハードワークと運動量で彼らを支えてきた。その貢献度の高さとダイナミックさ、底知れぬポテンシャルは吉田監督を筆頭にチーム全体に認められていたのだ。 ▽リージョ監督率いる新体制移行後は、微妙に役割は変わるかもしれないが、185㎝という高さを誇る伸び盛りのMFを使わないことはないはず。本人も「いつ試合に出られなくなるか分からない」という危機感を抱きつつ、自分自身を進化させていこうという意欲を強めている。 ▽「吉田監督の時は下がってボールを受けたりしていいと言われていたけど、今は『あまり下がってこずに前で張ってる状態でいてくれ』と指示されている。それだけFWとの距離は近いので、簡単にFWにつけて、自分がもぐってゴール前に飛び出していくようなシーンを増やさきゃいけない」とゴールに直結するプレーと結果を貪欲に求めていく考えだという。 ▽そのお手本と言うべき存在が近くにいるのは大きな強み。ポドルスキは左足1本で豪快なシュートを打てる選手だし、イニエスタも要所要所でプレーを変化させながらゴールを奪える。8月11日のジュビロ磐田戦と15日のサンフレッチェ広島戦で見せた連続ゴールで多彩な得点パターンを実証している。世界トップレベルで活躍しようと思うなら、中盤の選手と言えども、ペナルティエリアの外側からシュートを決められる能力は必要不可欠。イニエスタの得点シーンを間近で見た郷家はそのことを痛感したはず。そんなスーパースターのクオリティを日々体感できる環境にいられることは本当に恵まれている。それを生かさない手はないのだ。 郷家のプレーをを観るならDAZN!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! ▽「イニエスタとポドルスキは1本1本のパスの精度だったり、シュートの精度だったりが非常に高い。そこは自分に足りない部分だと思うし、成長するうえで絶対に必要なところだと感じます。僕が目標にしているのは(イバン・)ラキティッチ(バルセロナ)や(ルカ・)モドリッチ。点も取れて守備もできてゲームメークもできるという『何でもできる選手』になりたい」と本人も目を輝かせている。 ▽このような総合力を高めていけば、郷家は日本を代表するスーパーボランチに飛躍できる可能性が少なからずある。実際、185㎝という高さを誇るMFはなかなかいない。2018年ロシア・ワールドカップまで8年間日本代表キャプテンを務めた長谷部誠(フランクフルト)といえども180㎝で、世界基準ではそこまで高い方ではなかった。他のボランチ陣を見ても、山口蛍(C大阪)も柴崎岳(ヘタフェ)も遠藤航(シントトロイデン)も170㎝台。190㎝近いアタッカーを次々と投入してくるベルギーやセネガルのような相手を想定した場合、郷家のような選手が順調に育たなければ厳しいのだ。 ▽そういう意味でも、彼には大きな期待が寄せられる。まずはリージョ新監督の信頼を勝ち得て神戸でコンスタントにピッチに立ち続け、10月のAFC U-19選手権(インドネシア)で世界切符を勝ち取り、森保一監督率いるU-21代表へと着実にステップアップすることが重要だ。2020年東京五輪で活躍すれば、A代表の定位置、そして2022年カタールワールドカップ出場も自ずと見えてくる。そういったルートに乗るべく、彼には最高の環境にいるメリットを武器に、急成長を遂げてほしいものである。【元川悦子】長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。ヴィッセル神戸を観るならDAZN!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! 2018.09.26 17:00 Wed
twitterfacebook
thumb

神戸とイニエスタの前途に期待すること/六川亨の日本サッカーの歩み

▽週末はJリーグの取材がルーティンとなっている。先週末の日曜は浦和対神戸の試合を取材した。往路、高速で事故渋滞に巻き込まれたため、埼玉スタジアムに着いたのは試合開始1時間を過ぎていたが、到着そうそう知り合いの記者から「イニエスタはベンチにも入っていないので、帰った記者もいますよ」と教えられた。さすがに帰りはしなかったものの、今シーズン最多となる5万5689人のファン・サポーターもがっかりしたことだろう。 ▽そして、それ以上にがっかりしたのが試合内容だった。8位神戸対9位浦和の試合だから仕方ないのかもしれないが、両チームともただパスを回すだけで、シュートまで持ち込むことができない。「今シーズン見た中で最低の試合内容だな」とつぶやくと、隣に座っていたサッカー専門誌の編集長も「そうですね」と同意してくれた。 ▽浦和はペトロヴィッチ監督が去り、柏木ら主力も高齢化したため、19歳の橋岡をスタメンで起用するなど若返りを図りつつ、オリヴェイラ監督の下カウンタースタイルへとモデルチェンジ中だ。それがハマったのが興梠の2点目であり、武藤の3点目だった。 ▽柏木のタテパス1本から興梠が抜け出し、GKの鼻先でコースを変えるシュートは興梠らしいゴールだった。そして武藤は、自陣ペナルティーエリア内で武藤を抜こうとした高橋からボールを奪うと、至近距離ながらGKの頭上を抜く鮮やかなループシュートを決めた。 ▽問題は神戸である。ボールポゼッションで浦和を上回ったが、それは浦和がブロックを作って守備を固め、カウンター狙いだったからに過ぎない。自分たちで「ボールを握った」のではなく、「持たされていた」に過ぎない。にもかかわらず、アバウトなパスミスでボールを失うなど、パスをつないでいても「どう崩すのか」という攻撃の意図がまるで見えない。 ▽イニエスタがいないため仕方がないのかもしれない。そのため前線に長沢とウェリントンという長身のストロングヘッダーを起用したのだから、シンプルにクロスを上げてもいいのだが、その精度が低い。ポドルスキは彼らの高さを生かすクロスを入れていたが、彼1人ではどうしようもない実力差を感じた試合だった。 ▽この試合を、就労ビザの関係でスタンドから三木谷オーナーと見守ったリージョ新監督も、自身の前途が多難だと思ったのではないだろうか。神戸がバルサ化を目指すのは理解できる。そのためのイニエスタでありリージョ監督であり、ピケの獲得も狙っていると噂されている。しかし数人のOBでバルサ化できるほどサッカーは簡単ではない。 ▽バルサがバルサなのは、メッシを始めほとんどの選手が各国の代表でもトップクラスというクオリティーの高さにある。翻って神戸の日本人選手に代表クラスは皆無である。正直、「このメンバーでよく8位にいるな」というのが久しぶりに神戸の試合を見て抱いた印象だった。 ▽ロシアW杯など短期決戦の大会では、ボールを保持するポゼッションサッカーよりもカウンターかセットプレーの方がゴールの確率は高まる傾向にある。しかし欧州の各国リーグではバルサやレアル、マンチェスター・C、バイエルンのようにポゼッションサッカーで相手を凌駕しているという事実もある。 ▽今後、神戸がどういうサッカーを選択するのか。イニエスタというビッグネームを獲得した効果は5万人を越える観客を動員したことでも証明された。本来ならダゾーンから優勝資金を得た川崎Fや、首都圏の浦和、FC東京、G大阪といった大企業がバックにあるクラブがビッグネームを獲得してリーグを活性化するべきだろう。 ▽かつてC大阪はフォルランというビッグネームを獲得しながら結果が伴わずに降格した例もある。神戸の、三木谷オーナーのチャレンジが成功することが、Jリーグの活性化につながることを期待しているのは私だけではないだろう。なんだかんだと言っても、目の離せないイニエスタであり神戸でもある。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.09.25 18:00 Tue
twitterfacebook
thumb

ファン・ウィジョに漂う救世主のオーラ 復帰後連発、ガンバ連勝/編集部コラム

▽ガンバ大阪に所属する韓国代表FWファン・ウィジョの姿が一段と神々しい。約1カ月間の韓国代表合流から帰還後、明治安田生命J1リーグで2試合に出場して2得点。21日に行われたフライデーナイトJリーグの第27節、清水エスパルス戦で相手のオウンゴールを誘発したシュートを含めると、実質3得点の活躍だ。 (c)J.LEAGUE PHOTOS▽待望の復帰を果たした韓国人ストライカーの活躍により、今年の春先から続く不振で降格圏に沈むG大阪も、第26節の神戸戦で今シーズン初のアウェイ戦白星、続く清水戦で今シーズン初の3連勝を達成。長らく負傷欠場が続いたMF今野泰幸の復帰や、MF小野瀬康介とFW渡邉千真の今夏加入組のフィット具合も相まり、ついに降格圏脱出の道筋も見えてきた。 ▽そこで、ファン・ウィジョの代表合流に伴う離脱決定時の「チームが苦しい状況で離れることになりますが、その分代表できっちりと結果を残し、またガンバに合流します」とのコメントがふと頭の中を過ぎった。開幕からチームトップのスコアラーとして攻撃陣をリードしてきたファン・ウィジョは、シーズン途中での長期的なG大阪離脱を経て、さらなる進化を遂げて帰ってきたのではないか。そう感じたからだ。 Getty Images▽そのファン・ウィジョはG大阪を離脱後、U-23韓国代表のオーバーエイジ枠でアジア競技大会に参戦。大会後の代表ウィークでA代表として2試合の国際親善試合を戦った。特に、アジア競技大会では2度のハットトリックを含む9ゴールで大会得点王に輝き、兵役免除となる金メダルに貢献。一緒にオーバーエイジ枠で出場したFWソン・フンミン(トッテナム)をも凌ぐ存在感だった。 ▽だが、調べてみたところ、ファン・ウィジョに対する大会前の韓国での評価は芳しくなく、城南FC時代の恩師でU-23韓国代表を率いるキム・ハクボム監督による“コネ選出”ともファンから揶揄されるなど、懐疑的な意見が大半を占めたとのこと。ただ、優勝報告で韓国に一時帰国した際は、大活躍のファン・ウィジョをヒーローとして崇める声が挙がるほど評価が一変したという。 (c)J.LEAGUE PHOTOS▽そういった逆境下で結果を残したことがファン・ウィジョの進化に繋がったのだろう。実際、レヴィー・クルピ前監督の後をシーズン途中で受け継ぐ宮本恒靖監督も、復帰初戦のヴィッセル神戸戦で逆転弾を挙げたファン・ウィジョについて、「より効率的なプレーというか、点に直結するような場所でのプレーが増えた。(攻撃の局面での判断が)少し速くなった」と話している。 ▽もちろん、ファン・ウィジョの一時離脱は、J1残留争いの真っ只中にいるチーム的にも相当な痛手だった。それはファン・ウィジョが離脱後もイマイチだったJ1戦績(5試合で2勝1分け2敗)が物語る。だが、国レベルのシビアな戦いに長く身を置いたことでストライカーとしての感覚が研ぎ澄まされ、凄みもさらに増した姿で、G大阪に帰ってきた。今のファン・ウィジョならG大阪の英雄になれる。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2018.09.25 18:00 Tue
twitterfacebook
thumb

まだ秋は来ない…/原ゆみこのマドリッド

▽「どうせ涼しくなれば、忘れちゃうんだろうな」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、スペインが厳しい残暑に見舞われた先週末のリーガ開催時間を巡り、サッカー協会のルビアレス会長とラ・リーガのテバス会長がツイッターを通じて丁々発止の口喧嘩を始めたと聞いた時のことでした。いやあ、スタンドはどちらも日影でしたが、観戦梯子をした土曜は確かに私も午後6時過ぎにコリセウム・アルフォンソ・ペレスにセルカニアス(国鉄近郊路線)のラス・マルガリータス・ウニベルシダッド駅から15分歩いて着いた後など、汗が止まらず。水を飲みすぎたせいもあってか、試合中、とても気持ちが悪かったんですけどね。 ▽実際、午後1時からのエスタディオ・バジェカスではカンカン照りのピッチでプレーしていたラージョのアマト、アラベスのパチェコが試合後、目眩や吐き気に襲われたそうで、ミニダービーの方では何と、フィリペ・ルイスがプレーを続けられず、後半途中に交代を申し出る始末。おまけに翌日曜、もっと暑くて湿気の多い地中海沿岸では観客にも被害が出て、正午からのシュタット・デ・バレンシアのレバンテvsセビージャ戦では14人、午後4時15分からのラ・セラミカでのビジャレアルvsバレンシア戦では4人が熱中症の手当を受けたとなれば、いくらテバス会長が「アラゴングランプリ(バイク)では気温32度の中、11万4000人の観客が日向でレースを楽しんでいた。36度のラス・ロサス(マドリッド近郊)の協会施設グラウンドでも少年サッカーの試合が開かれた」と反論しても、暑さをまったく考慮せずにキックオフ時間を設定した責任は免れないかと。 ▽うーん、それでもアラベスなどはようやくエスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖命令が解け、今季2度目のホームゲームに張り切って駆けつけたラージョファンの熱い応援もなんのその。前半8分にはチモ・ナバロが器用に後ろに流したFKで先制すると、一旦はラウール・デ・トマスのゴールで同点とされたものの、34分にはイバイ・ゴメスがエリア前からのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で再びリードしているんですよ。おまけにその時、CBアブドゥライエがカレリにcodazo(コダソ/肘打ち)を見舞っていたことがVAR(ビデオ審判)により発覚し、彼が一発レッドで退場させられたラージョは残り時間を10人で戦うことに。 ▽そのせいもあってか、後半11分にそのカレリに追加点を奪われた後、「Con un jugador menos nos meten el 1-3 y dejamos de competir/コン・ウン・フガドール・メノス・ノス・メテン・エル・ウノ・トレス・イ・デハモス・デ・コンペティール(1人少なくなって1-3にされて、ウチは競うのを止めた」とミチェル監督は選手たちを批判していたましたが、いや、あの暑さでは気力が湧かないのもわかりますって。対照的にその後もイバイ・ゴメス、ブルギが追加点を挙げ、1-5と最後まで手綱を緩めなかったアラベスは見上げた心意気でしたが、何せ彼らはこれでもう勝ち点10と、「Tenemos una cuarta parte del objetivo conseguido/テネモス・ウナ・クアルタ・パルテ・デル・オブヘティボ・コンセギードー(ウチは目標の4分の1を達成した)」(アベラルド監督)訳ですからね。 ▽このペースで行けば、20節には1部残留確定の勝ち点40が溜まるとなれば、この敗戦で19位に落ちてしまったラージョや、それこそ次の時間帯で、いえ、北部のエイバルでプレーしながら、あちらの暑さもかなりのものだったようですけどね。後半6分に決勝ゴールを挙げたキケ・ガルシアが27分には全力疾走した後、息が切れて倒れてしまい、担架退場になったなんて話もあったんですが、そのまま1-0で負け、未だに勝ち点1しかない最下位に留まったレガネスなどにしてみれば、どんなに羨ましい状況かと。 ▽え、そんなシーズン序盤から、降格圏にはまってしまった弟分2チームには今週、平日開催でキックオフが遅くなるため、暑さの影響もあまりなさそうな次節、そしてラッキーにも夜の時間帯に当たった週末の試合での奮起を期待するしかないだろうって?まあ、その通りなんですが、火曜にサン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート都市)でのレアル・ソシエダ戦を控えているラージョと比べ、あまりに気の毒なのはレガネス。ええ、水曜午後8時(日本時間翌午前3時)から、ブタルケにバルサを迎えるからで、いえ、相手も日曜にジローナとカンプ・ノウで2-2と引き分け、今季初めて勝ち点を取りこぼしていますけどね。 ▽どうやら、「Estamos en el inicio, todavia queda mucho/エスタモス・エン・エル・イニシオ、トダビア・ケダ・ムーチョ(始まったばかりで、まだリーガは沢山残っている)」というペレグリーニ新監督が初白星を挙げるのは日曜、アウェイで乾貴士選手のいるベティスと顔を合わすまで待たないといけない可能性が高そうですが、さて。何はともあれ、カリージョやロラン、エル・ナスリといった今季、加わったFWたちにゴール運が早く巡ってきてくれるといいのですが。 ▽そしてメトロからアトーチャ駅でセルカニアス乗り換えると、1時間以内で結構、楽に移動ができることがわかったヘタフェの試合がどうだったかというと。いやあ、アトレティコも序盤は兄貴分の貫録を示そうと積極的に攻めていたんですけどね。前半14分、グリーズマンのミドルシュートが外れてしまった直後、レマルが同じような距離からトライしたところ、ボールがゴール枠に弾かれ、GKダビド・ソリアの背中に当たってオウンゴールになるという超ラッキーが起こります。 ▽でもねえ、だからって、「Luego hemos dado un pasito atras porque hemos empezado a perder balones en la salida/ルエゴ・エモス・ダードー・ウン・パシート・アトラス・ポルケエモス・エンペサードー・ア・ペルデル・バロネス・エン・ラ・サリーダ(それからウチはボールを出すところで敵に取られ始めたから、一歩あとに下がった)」(コケ)というのは、因果関係はどちらが先か、私にもわからないんですけどね。リードすると引いてしまう、彼らのいつもの悪癖が出てしまったせいで、ゲームはとてつもなく退屈なものに。 ▽そんな状態で前半が終わったため、「Hablamos al descanso y repetimos los 20 del primer tiempo/アブラモス・アル・デスカンソ・イ・レペティモス・ロス・ベインテ・デル・プリメール・ティエンポ(ハーフタイムに話して、前半20分までのプレーを繰り返した)」と後でシメオネ監督も言っていたんですが、おかげで後半15分、ようやくアトレティコのプレーが繋がったんですよ。それはその日、久々にCBとして先発したリュカが自陣エリア近くで取り戻したボールからで、パスを右サイドに繋いだ彼らはレマルから、グリーズマンのtaconazo(タコナス/ヒールキック)を経て、最後は左サイドのコケが敵の股間を抜くスルーパスをエリア内のレマルへ。するとブルーノがカットしかけたボールを追って、ソリアもかわしたレマスが角度のないところからシュート、これが決まってしまったから、ビックリしたの何のって。 ▽すぐ後には、GKオブラクがアンヘルの一撃をparadon(パラドン/スーパーセーブ)で救ってくれたなんてこともあったんですけどね。ヘタフェは途中出場したアレホがサウールの脚を踏み、レッドカードを受けたため、人数的有利になったアトレティコはようやく、ジエゴ・コスタやグリーズマンにチャンスが回ってくることに。それでもソリアに弾かれて、追加点を挙げられなかったため、0-2という地味なスコアでの勝利になりましたが、ちょっと悲しかったのは試合後の記者会見で、「Fue el mejor Atletico de esta temporada?/フエ・エル・メホール・アトレティコ・デ・エスタ・テンポラーダ(今季、これが一番良かったアトレティコの試合だったか?)」とシメオネ監督が訊かれていたこと。 ▽その答えは「リーガではそうかもしれない。一番だったのはUEFAスーパーカップのレアル・マドリー戦だけどね」というものでしたが、まあ、「A todo el mundo le gusta jugar bonito, pero nuestra filosofia es la de ganar/ア・トードー・エル・ムンド・レ・グスタ・フガール・ボニート、ペロ・ヌエストロ・フィロソフィア・エス・ラ・デ・ガナール(皆、美しいプレーが好きだけど、ボクらのフィロソフィーは勝つことだからね)」(コケ)というチームですからね。1試合に1つでも2つでも感心できるプレーがあれば、それで良しとしないといけないのかもしれませんが、ただこの日の白星はひとえに両チームの相性のおかげだったかも。 ▽ええ、シメオネ監督下のアトレティコはここ14試合、ヘタフェに負けておらず、引き分けもスコアレスで2度だけと、通算28-0で圧勝しているんですよ。ボルダラス監督も「他のチームの前ならできるミスも彼らにはできない。Solo tuvieron dos ocasiones hasta el segundo gol/ソロ・トゥビエロン・ドス・オカソネス・アスタ・エル・セグンド・ゴル(2点目を入れるまで、チャンスも2回しかなかった)」と言っていましたが、何をしても上手くいかない相手はいるものですって。それでも勝ち点10あるヘタフェは10位と安全圏にいますからね。木曜午後8時(日本時間翌午前3時)からのアラベス戦、来週月曜のセルタ戦と続くアウェイ2連戦では、この土曜はベンチに留まった柴崎岳選手の出場も含めて、きっといいところを見せてくれますって。 ▽え、相性の良さに助けられたのはお隣さんも同じじゃなかったかって?そうですね、続く時間帯だったため、サンティアゴ・ベルナベウには行けなかった私でしたが、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継を聞きながら、駅に向かっていた途中、前半41分にモドリッチのパスから、アセンシオのシュートがGKディエゴ・ロペスを破ったとの報が。でもねえ、最初は主審がオフサイドを取って、得点を認めなかったものの、VAR判定が入り、2分後に実況アナが「Goool! Gol del Madrid/ゴル・デル・マドリッド(マドリーのゴール)」と叫び直さないといけないって、もしやVAR導入で苦労しているのは選手たちだけじゃない? ▽自宅近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)に私が入った時もスコアは1-0のままで、しかも後半にはレオ・バプチスタンやセルヒオ・ガルシアを入れ、反撃をかけてきたエスパニョールにマドリーは手を焼いていたようですが、何せベルナベウではここ23年間、白星のない相手ですからね。GKクルオワの頭を越えたボルハ・イグレシアスのvaselina(バセリーナ/ループシュート)がバーに当たって入らなかったのも得点すら、彼らは2013-14シーズン以来していないことを考えると、むしろ次回は試合前にお払いにでも行った方がいい? ▽ベイル、クロース、マルセロ、カルバハル(ケガ)がローテーションで出なかったマドリーもセルヒオ・ラモスがその日は積極的に参加して、強烈ヘッドを弾かれたりしていたんですが、結局、最後は1-0で逃げ切ることに。うーん、「lo mas importante son los tres puntos y el 1-0 vale igual que un 3-0/ロ・マス・インポルタンテ・ソン・ロス・トレス・プントス・イ・エル・ウノ・セロ・バレ・イグアル・ケ・ウン・トレス・セロ(大事なのは勝ち点3、1-0で勝っても3-0と同じ価値がある)」(アセンシオ)というのはもっともですが、先日のCLローマ戦であれだけ完璧な強さを見せられてしまうとねえ。マドリーファンとしては少々、物足りない試合だったのは否定できなかったかと。 ▽そんなマドリーは次節、水曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦に挑むんですが、ここはちょっと用心が必要。というのも相手は日曜、猛暑の中でレバンテに2-6、先週木曜にもヨーロッパリーグのスタンール・リエージュ戦で5-1の勝利とgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)づいているから。中でも2試合で5得点を挙げているベン・イェデルからは目が離せませんが、何せ月曜のFIFA表彰式でマドリーのDFはマルセロ、バラン、セルヒオ・ラモスの3人がベストイレブンに選ばれていましたからね。クルトワもベストGKに輝いたとなれば、もちろん守備は鉄壁かと思いますが、まあそれは見てのお楽しみ。そうそう、ベストイレブンにも入ったモドリッチは先日のUEFA年間最優秀選手賞同様、クリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)、サラ(リバプール)を抑えてFIFAベストアワードを獲得しています。 ▽一方、火曜午後10時からワンダ・メトロポリターノに昔からのファンには懐かしい元GKのレオ・フランコ監督が率いるウエスカを迎えるアトレティコは月曜夜から、前日合宿に入っているんですが、いいニュースは開幕節でヒザを痛めたビトロがようやく招集リストに戻って来たこと。ただ、ファンフランが疲労なのか、ローテーションなのか、外れたため、右SBがまたトマス、もしくはカンテラーノ(アトレティコBの選手)のカルロス・イサークになるのかは不明です。 ▽そう、これが終わると次は土曜のマドリーダービーですからね。今季は2分け1敗と早くも躓いて、上位2チームと勝ち点差5をつけられている彼らにしてみれば、距離を縮めるまたとないチャンスとなるため、ここまで出づっぱりのサウールが温存される可能性もあるとか。どちらにしろ、ウエスカ戦に勝たないことには所詮、捕らぬ狸の皮算用ですが、月曜にロンドンでのFIFA表彰式に誰も行っていない彼らとしては、ここは改めて気合を入れるいい機会。来年は1人でも参列できるよう、今からプレーを磨いていってほしいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.25 13:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【2022年カタールへ期待の選手⑤】コスタリカ戦でついにベールを脱いだ東京世代のエース。本田圭佑の後継者たるべき男!/堂安律(フローニンヘン/FW)

▽「ロシア・ワールドカップで戦った日本代表の先輩たちにはすごい感動を与えてもらった。自分自身『何してるんだ』って思わせてもらったから。ただ、それ以上に同い年のキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)やイ・スンウ(ヴェローナ)たちからの方が刺激はもらった。彼らが10番つけてる姿を見て、技術だけじゃなくメンタル面も素晴らしい選手だなってのは思わされました」 ▽2カ月前の世界舞台で躍動する同世代のアタッカーの一挙手一投足を目の当たりにして、20歳の堂安律(フローニンヘン)は焦燥感を強めていた。 ▽日本代表は2大会ぶりの16強入りを果たしたが、主力に君臨したのは長谷部誠(フランクフルト)や長友佑都(ガラタサライ)、乾貴士(ベティス)ら30代選手が中心。そこも彼には悔しさを募らせた部分だろう。 ▽だからこそ、ここから先は自分たち若手が日本代表を担っていかなければならない…。そんな責任感と闘争心を胸に、11日のコスタリカ戦(大阪・吹田)のピッチに立ったはずだ。 ▽堂安が将来的に目指している背番号10をつけた中島翔哉(ポルティモネンセ)が左サイドで小気味いいドリブルで相手をキリキリ舞いさせ、セカンドトップの位置に入った南野拓実(ザルツブルク)が待望の代表初ゴールを挙げる中、右サイドに陣取った背番号21も高度なテクニックと戦術眼を披露。2本あった決定機こそ逃して「あとは決めきるだけでした」と反省の弁を口にしたが、1本目のゴールシーンの時には「シュートが入る前にパフォーマンスを考えてました」と言うほどの強心臓ぶりを垣間見せた。 ▽こうやってメディアの前で歯に衣着せぬ物言いをするところは、若かりし日の本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)に酷似している。関西出身でガンバ大阪の下部組織で育ったレフティという部分も2人の共通点だ。 ▽「本田さんとの接点? 全くないです。似ているかどうか分からないし、あまり人と比較されるのは好きじゃないけど、そういう素晴らしい選手と言ってもらえるのは嬉しいこと。僕も思ったことは伝えて、それを実行していくという信念ややり方があるので、そこは曲げてはダメだと思います」と堂安はワールドカップ3大会4得点という偉業を果たした大先輩への思いを口にした。その12歳年上の本田を超えることが日本代表における一大テーマになってくるのは間違いない。 ▽本田が2008年6月のバーレーン戦(埼玉)で代表デビューを果たしたのは22歳の時。初ゴールは翌2009年5月のチリ戦(大阪・長居)で同じく22歳だった。堂安は初キャップで先輩を超えたが、初ゴールはいつになるか分からない。早ければ10月のパナマ(新潟)・ウルグアイ(埼玉)2連戦でそのチャンスが巡ってきそうだが、次回からロシア・ワールドカップ主力組など年長のアタッカー陣が参戦してくると見られるため、後半40分までプレーした今回ほど長い時間はピッチに立てないかもしれない。そういう中で確実に数字を残し、1つ1つキャリアを積み上げていくことしか、代表エースの座はつかめない。本田や香川真司(ドルトムント)も長い間苦悩しながら、そのポジションを勝ち得てきたのだ。 ▽代表選手としてのスタートラインに立ったばかりの堂安がまずやらなければならないのは、もちろんクラブでの活躍だ。今季フローニンヘンではここまで5試合でまだ1ゴールのみ。チームもエールディビジ18チーム中最下位。この苦境から抜け出すことが重要なポイントになってくる。 ▽「今季はフローニンヘンで完全にチームの中心としてやらしてもらっているのに、チームが勝てていない。僕自身も思うようにゴールが取れていないので、そこは反省点が多いですね。欧州のサッカーはゴール前の攻防の質が高いので、点を取り切るところ、結果にこだわるところを強く追い求めないといけない。最近の課題はゴール前に走り込む回数が増えてきたので、ワンタッチゴール、それこそクリスティアーノ・ロナウド(ユベントス)のような、手本になるようなゴールを増やすこと。それをやっていこうと思っています」と本人の見据えるところは極めて明確だ。 ▽クラブと代表では求められる戦術も役割も異なるため、両方のチームで華々しい活躍をするというのは非常にハードルが高い。けれども、弱冠20歳の若い堂安ならそれを果たせるだけのポテンシャルが十分にある。非凡なテクニックと創造性、アイディア、スピード、そして伸びしろと彼が持ち合わせているものは少なくない。それを駆使していけば、もっともっと幅広いプレーのできるアタッカーになれるはず。2つのチームを行き来しつつ、それぞれの経験を融合させながら、自分自身を成長させていくことが肝要なのだ。 ▽「本田圭佑の後継者」と言われる男には今の勢いを止めることなく、一目散に高みに上り詰めてほしい。そういうフレッシュな若者を出てくれば、日本サッカー界もより活気づくに違いない。【元川悦子】長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 2018.09.21 22:30 Fri
twitterfacebook
thumb

CLはいいスタートが切れた…【原ゆみこのマドリッド】

▽「あっちもいなくて大丈夫だったのね」そんな風に私が頷いていたのは水曜日、同時刻に試合をしていたバレンシアが、前半28分にクリスティアーノ・ロナウドが退場となったユベントスに0-2で負けたのをサンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンで知った時のことでした。いやあ、後で問題のシーンを見たところ、元レアル・マドリーのエースは地面に座ったムリージョの頭を上からギュッと掴んだ程度、別にレッドカードを出すまでのことではなかったという意見が専門家の間でも多かったんですけどね。丁度、CLグループリーグ1節でマドリーに完敗したばかりのローマのディ・フランチェスコ監督も「自分がマドリーファンだったら、ロナウド不在をあまり心配しない」と言っていたように、10人で戦ったユベントスもメスタージャで白星を掴むのにまったく支障はなかった? ▽まあ、4年ぶりにCLに復帰したバレンシアはリーガでも未勝利とまだエンジンがかかっておらず、そこへユベントスのような老舗を迎えるのはさすがに荷が重かったんでしょうかね。失点はどちらもPKからで、ロナウドがいなくてもピャニッチに決められて、自分たちは後半ロスタイムにもらったPKをパレホが失敗するといった具合でツキがなかったと言えなくもなかったかと。翻って、対照的なのはバルサで火曜に同じCLグループリーグ1節でPSVと当たった際、メッシのハットトリックで4点のうちの3点をゲット。 ▽4-0の大勝も彼なしにはありえなかったとなれば、その唯一無二さがわかるというものですが…いえ、まずはそんなバロンドール5回受賞経験者たちと、「Ya como en la misma mesa de Messi y Cristiano/ジャー・コモ・エン・ラ・ミスマ・メサ・デ・メッシ・イ・クリスティアーノ(もうボクはメッシやクリスティアーノと同じテーブルについている)」とCLがスタートする直前、AS(スポーツ紙)のインタビューで宣言。それをセルヒオ・ラモスに「La ignorancia es muy atrevida/ラ・イグノランシア・エス・ムイ・アトレビーダ(無知とは非常に厚かましいもの)。あの子の言うことを聞くと、トッティやブッフォン、ラウール、カシージャス、イニエスタら、全てを獲得しながら、バロンドールをもらえなかった選手たちを思い出すよ。シメオネ監督やコケ、ゴディンみたいに物事がわきまえている人々に忠告してもらった方がいい」と思いっきり叩かれていたグリーズマンのいる、アトレティコのグループリーグ1節がどうだったか、お話していくことにすると。 ▽そう、お隣さんに先行して火曜にモナコと対戦した彼らだったんですが、恐れていた通り、いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)はケーブルTVのチャンネルを探し当てられず。毎年、放送局が変わるのも悪いんですが、昨季の初戦のように全試合の名場面を回るマルチ番組に合わされても困ると思ったため、早々に移動したものの、ようやく水色にネプトゥーノ像(アトレティコが優勝祝賀をする広場にある)などの地模様が入った第3ユニでプレーしている彼らが映っているバルを探し当てた時にはすでに、前半も10分が経過していることに。 ▽でも大丈夫、そこまでアトレティコが押しているのはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況で確認していたため、あまり心配はしていなかったんですが、18分には早くも試練がやってきます。ええ、おそらくファルカオがアトレティコにいた頃はまだBチームにいたため、”El Tigre/エル・ティグレ(虎、ファルカオの愛称)”の怖さがよくわかっていなかったんでしょうね。サウールが自陣エリア前で彼にボールを奪われると、ゴール前の混戦からグランザーがモナコの先制点を入れてしまったから、さあ大変! ▽ただ、今季の彼らはこういう間抜けな失点も多いんですが、どうやら最近は根性もついてきたよう。31分には自陣のファンフランを起点にコケがセンターで、更にグリーズマンとそれぞれワンタッチで繋ぐと、それをジエゴ・コスタがエリア内からGKベナリオの脇を抜くシュートで同点に。滅多にお目にかかれないハイテクニックなプレーに私も呆気に取られていたんですが、前半ロスタイムにもコケのCKにファルカオより高く跳んだヒメネスが頭を合わせて2点目を取ってくれたから、助かったの何のって。え、後でリュカにツイッターで「ゴールが入った訳は?」と訊かれ、「los calzoncillos../ロス・カルソンシージョス(パンツ)」と、ヒメネスは彼にもらったW杯王者、フランス代表の下着をつけていたおかげにしていなかったかって(https://twitter.com/JoseMaGimenez13/status/1042184846330736651)? ▽いや、もちろんそんなの冗談でしょうけど、「La unica posibilidad que tenemos los centrales de marcar son las pelotas quietas/ラ・ウニカ・ポシビリダッド・ケ・テネモス・ロス・セントラレス・デ・マルカル・ソン・ラス・ペロータス・キエタス(CBが得点できる可能性はセットプレーだけだからね)。リーガ優勝したシーズンのように、ウチはセットプレーがPKみたいになるようにしないといけない」(ヒメネス)というのは確かですからね。そう、いくらコスタとグリーズマンが沢山、ゴールを入れてくれたとしてもメッシやロナウドのように年間40、50得点なんて、人間離れした数字には届かないんですから、それが適切な努力の方向かと。 ▽おかげで1-2とスコアを逆転したアトレティコは後半、コレアをレマルに代えただけで交代枠も1つしか使わず、そのままリードを保って、昨季のヨーロッパリーグ準決勝アーセナル戦1stレグで退場したシメオネ監督のベンチ入り禁止処分、最後の試合に勝利。うーん、ここ数年のモナコは、ファルカオも「El Atleti tiene gran experiencia en este tipo de competiciones/エル・アトレティ・ティエネ・グラン・エクスペリエンシア・エン・エステ・ティポ・デ・コンペティシオネス(アトレティコはこういった大会での経験が豊富だ)」と認めていたように、それこそレマルなどを含め、才能ある選手が出て行ってしまい、若手の成長を待っている最中ですからね。 ▽その辺の差が勝敗を決したとも言えますが、これでCLに関しては10月3日のクラブ・ブルージュ戦まで枕を高くして眠れることに。もちろん昨季はグループ最弱のカラバフに2分けと躓いて、3位敗退した彼らですから、決して油断はできないんですが、そうそう、実はこの試合、会場のスタッド・ルイ2世のピッチの芝が剥がれまくり。そのことを訊かれたコスタが、「Venimos del Wanda que tambien esta horrible/ビニモス・デル・ワンダ・ケ・タンビエン・エスタ・オリブレ(ボクらは恐ろしい状態のワンダから来たんだ)」とコメントして、夏の間、コンサート会場として使われた後、張替えをしたワンダ・メトロポリターノの芝がボロボロだったことが初めて発覚するんですから、まったくもう。 ▽ええ、彼らはバルサじゃないので、普段、ピッチの良し悪しについて、あまり文句を言ったりせず、プレーもプレーなだけに周りも問題視しないっていうのもどうかと思いますけどね。先週末のエイバル戦で私もスタンドから見ていて、「ちょっと土、見えているかも」ぐらいには思ってはいましたが、幸い今週末のリーガは土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時医30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで弟分のヘタフェとのミニダービー。来週火曜のウエスカ戦までにマシになっていてくれればいいんですが、ただ、土曜午後6時からはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にあるミニスタジアムの改装が済むまで、ホームとして借りているラージョ・マハダンオンダのリーガ2部戦が開催されるんですよ。それでまた荒れてしまわないか、懸念は残るものの、前回の試合では長男、エンツォを応援するため、スタンドで目撃されていたジダン元マドリー監督はこのエクストレマドゥラ戦にも来るのでしょうか。 ▽そして翌日はサンティアゴ・ベルナベウに向かった私でしたが、この日のマドリーは前半から何度もシュートを放つ活況。もっとも精度が今イチだったため、得点はロスタイム、「Me la había hecho a mí y hoy Ramos me la ha dejado/メ・ラ・アビア・エチョ・ア・ミー・イ・オイ・ラモス・メ・ラ・ア・デハードー(自分がファールを受けたし、今日はラモスが自分に撃たせてくれた)」というイスコが敵エリア近くからのFKを直接、ネットに突き刺すまで入らなかったんですが、やっぱりここ3連覇しているお得意の大会ですねえ。リーガ前節ではアスレティックと引き分けてしまったことなど、忘れさせてくれるように軽快なプレーを披露してくれるんですから、嬉しいじゃないですか。 ▽そんな中、圧巻だったのは後半13分、カウンターからモドリッチが放ったスルーパスにベイルが激走。今季はジダン監督から、英語の話せるロペテギ監督に代わって、より理解を深めることができると言っていた彼がそのままシュートを決め、2点目をゲットしたとなれば、もう大船に乗った気になっていい? ここ2試合リーガで先発していたGKクルトワがベンチに戻り、先発したケイロル・ナバスも幾つか、paradon(パラドン/スーパーセーブ)を見せてくれましたし、最後は古巣に復帰後初出場を果たしたマリアーノが後半ロスタイムにエリア前から、弧を描くgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げて3-0と、いえ、この試合通じてのシュート数が30回で、うち枠内が11回となると、ちょっとスコア的に物足りない気もしないではありませんけどね。 ▽この夏はスポーツディレクターのモンチ氏の肝入りで新しい選手が12人も入り、過渡期にあるローマも昨季の準々決勝でバルサをまさかの逆転敗退に追いやった時より、グループリーグでアトレティコのホームで2-0と負けた時に近かったような気がしますが、まあここはC・ロナウドがおらずともまったく、破壊力が変わらないマドリーの強さを褒めるしかないかと。ええ、ゴールは決まらなかったものの、「El Mundial me provocó mucho desgaste físico y mental, pero me siento cada día major/エル・ムンディアル・メ・プロボコ・ムーチョ・デスガステ・フィシコ・イ・メンタル、ペロ・メ・シエントー・カーダ・ディア・メホール(W杯で自分はフィジカル的にもメンタル的にも凄い消耗をしたけど、日々、良くなってきている)」というモドリッチも試合終了の笛が鳴ると同時にピッチに戻り、この日が最後のサンティアゴ・ベルナベウでのプレーになるかもしれないローマのキャプテン、デ・ロッシとユニ交換できて満足しているようでしたしね。 ▽イスコと途中交代となったアセンシオも妙技を見せるなど、もうこの試合だけを見ると、今季のマドリーには死角がないように思えますが、さて。どちらにしろ、彼らのグループの次戦は10月2日のCSKAモスクワ戦、そしてビクトリア・プルゼニ(チェコ)との2連戦と突破にそれ程、障害はないようなので、あまり心配することもないような。むしろ土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのエスパニョール戦の方が気になりますが、奇しくも現在、あちらの正GKを務めるのはディエゴ・ロペス。そう、アンチェロッティ監督時代の2013-14シーズン、カシージャス(現ポルト)がCLとコパ・デル・レイを担当する一方で、リーガを担当するという珍しいローテーションを経験した選手なんですが、果たしてロペテギ監督はナバスとクルトワの分担をどうするのか、ここは大いに興味が持たれるところです。 ▽そしてこの週末の弟分チームたちの情報も伝えておくと、前述した通り、柴崎岳選手のヘタフェはホームのアトレティコ戦で、うーん、基本的にあまり相性は良くないんですけどね。前節ではセビージャをアウェイで0-2と破っている上、ミッドウィークに試合がない分、体力があるのが強みになるかと。アトレティコの方は水曜からカリニッチとビトロが全体練習に加わり、超少数精鋭状態が少し、解消するかもしれません。 ▽一方、先週末にはとうとう、最下位になってしまったレガネスは土曜にアウェイのエイバル戦。来週水曜にはブタルケにバルサを迎えるだけに何とか、その前に勝ち点を増やしておいてもらいたいところですが、やはり課題は決定力になりますでしょうか。もう1つの弟分、ラージョは各国代表戦週間前から、エスタディオ・バジェカスのスタンドが改修工事で閉鎖。3節のアスレティック戦が延期になり、この土曜のアラベス戦も開催が危ぶまれていたんですが…ようやく木曜になって予定通り、午後1時からキックオフすることが決定。いやあ、先週のウエスカ戦で勝ち点3を手に入れ、レガネスと交代で18位に上がった彼らですが、やっぱり降格圏にいるのは落ち着きませんからね。現在5位にあるヘタフェを見習って、ホームゲームを待ちわびていたファンの前で上昇気流に乗れたらいいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.21 20:00 Fri
twitterfacebook
thumb

外人枠の規制緩和とHG制度の導入【六川亨の日本サッカー見聞録】

▽Jリーグの原博実副チェアマンは、9月18日の実行委員会後、日本版ホームグロウン制度(以下HG)の導入と外国籍選手の規制緩和について、メディアと意見交換の場を設けた。これは7月の実行委員会でも議題に上ったそうで、来シーズンの課題の1つとして育成と強化に新たなシステムを採り入れるため現在も検討中だという。 ▽そもそもの発端は、2016年にダゾーンと高額契約する際に、Jリーグの競争力を高めるために規制を緩和して外国人枠の見直しをすべきではないかという意見が出たことだった。これはその後、「アジアの提携国の選手は外人枠に入れない」という形で、まずは日本から門戸を開いて行こうということになった。 ▽その結果、今シーズンは札幌のチャナティップだけでなく広島にティーラシン、神戸にティーラトンらタイ代表がJリーグに参入したことで、タイ国内でもJリーグの人気が高まり、観戦に日本を訪れるファンの増加というプラス効果があった。戦力としても効果的なため、この「アジア提携国枠」は今後も見直した方がいいという議論も出ているという。 ▽ヨーロッパに目を向けると、イングランドのプレミアリーグだけでなく、ドイツのブンデスリーガ、スペインのラ・リーガも現地でデーゲームを開催することで、アジアのマーケットの拡大を意識している。そこで日本も外国人枠の規制を緩和し、イニエスタのようなスター選手を獲得することで、アジアのマーケットを拡大したいという狙いがある。 ▽原副チェアマンいわく「外国人を使えと言っているわけではなく、外国人も競争になる。その一方でバスク人だけのアスレチック・ビルバオのようなクラブがあってもいい」と、チーム作りは各クラブに任せる方針だ。 ▽こうした規制緩和に舵を切ると同時に欠かせないのが日本人選手の育成で、HG制度の導入は両輪の輪と言えるだろう。UEFAは25名の登録選手中、「年齢、国籍を問わず15~21歳の3年間、現クラブに登録されていた選手=CTPを4名」か、「同じく協会のクラブに登録されていた選手=ATPを4名」の計8名を登録することを各クラブに義務づけていて、不足した場合は登録枠そのものが減らされることになっている。 ▽現在の日本は登録25名枠にプラスして5名のユース枠を設けているが、将来的に7~8名のHG制度を採用する方向で検討中だ。 ▽現状ではACLは外国人枠が3+1に対し、Jリーグは「アジア提携国枠」がありレギュレーションが違う。さらにCWCでのヨーロッパ勢との対戦では、鹿島が外国人部隊のレアルと対戦するなど整合性が取れていない。このため「すべてを決めているわけではなく、話し合いの土台を作っているところ。多くの方の意見を聞きながら、制度設計のための議論をしているところ」(原副チェアマン)でもある。 ▽規制緩和にあたり、「ロシアW杯の強豪国のGKは190センチ台が常識になりつつあるが、日本人選手の大型GKやCBは少ない。その結果、韓国人選手が増加している。規制緩和でその傾向が強まるのではないか」と懸念をぶつけてみた。 ▽すると原副チェアマンは「GKコーチは各年代で、日本の指導スタッフで一番遅れている。このため指導者の育成が急務になる」との見解を示した。そして「U-17の日本と韓国の試合を比べると、日本はペナルティーエリア内でのプレーが少なく、中盤でのプレーが多い。それが優秀な中盤の選手を生んでいるが、逆に大型GKやストッパー、ストライカーが育ちにくいのではないか」と私見を述べた。 ▽まさに正鵠を射ていると思う。Jリーグの多くのチームはボールロストを恐れ、サイドから攻撃を仕掛けながらも、なかなかクロスを入れない。かつての闘莉王や中澤のように、空中戦に圧倒的な強さを誇る選手も近年は激減した。ゴール前の競り合いほどスリリングなシーンはないだろう。「外国人枠の規制緩和」がJリーグのレベル向上につながるならば、早期の導入を期待したい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.09.20 21:01 Thu
twitterfacebook
thumb

過去13年のうち残留ラインと言われる勝点34ではダメだった年が何回あるの?! の巻【倉井史也のJリーグ】

▽広島が負けて川崎が大勝したもんだから優勝争いがすんごくおもしろくなりつつあるんですけど、それにも増してハラハラドキドキなのが今年の残留レース。だってみなさん、26試合が終わったところで、 ・勝点30 湘南(25試合) ・勝点29 横浜FM、鳥栖、柏 ・勝点27 G大阪 ・勝点24 長崎 ▽って、これどんだけやばいのよ。 ▽ということで、今週は過去のこの時点の勝点がどうだったか、そして残留ラインはいくつだったかを調べてみましょう。ってことで、26節時点の順位と、最終節で残留するために必要だった勝点(15位の勝ち点ではなく、16位の勝点プラス1または16位よりも得失点差+1)は、 【2005年】 ・勝点30 柏、新潟 ・勝点29 大分 ・勝点28 清水、大宮 ・勝点25 東京V ・勝点20 神戸 残留ライン 勝点 36 【2006年】 ・勝点30 FC東京 ・勝点27 広島 ・勝点19 福岡、京都 ・勝点18 C大阪 残留ライン 勝点 28 【2007年】 ・勝点29 大分、広島 ・勝点24 甲府 ・勝点21 大宮 ・勝点11 横浜FC 残留ライン 勝点 33 【2008年】 ・勝点27 千葉 ・勝点26 磐田 ・勝点17 札幌 残留ライン 勝点 38 【2009年】 ・勝点30 大宮 ・勝点27 山形 ・勝点26 柏 ・勝点23 千葉 ・勝点14 大分 残留ライン 勝点 35 【2010年】 ・勝点30 仙台 ・勝点27 大宮 ・勝点24 FC東京 ・勝点23 神戸 ・勝点16 京都、湘南 残留ライン 勝点 37 【2011年】 ・勝点29 新潟、大宮 ・勝点28 浦和 ・勝点24 甲府 ・勝点20 山形 ・勝点12 福岡 残留ライン 勝点 34 【2012年】 ・勝点30 大宮 ・勝点28 G大阪 ・勝点26 新潟 ・勝点10 札幌 残留ライン 勝点 40 【2013年】 ・勝点29 甲府 ・勝点23 湘南 ・勝点19 磐田 ・勝点10 大分 残留ライン 勝点 26 【2014年】 ・勝点28 甲府 ・勝点26 C大阪、仙台 ・勝点25 大宮、清水 ・勝点12 徳島 残留ライン 勝点 36 【2015年】 ・勝点29 甲府、鳥栖 ・勝点27 仙台 ・勝点25 新潟 ・勝点21 松本(25試合) ・勝点20 清水 ・勝点18 山形(25試合) 残留ライン 勝点 29 【2016年】 ・勝点28 磐田 ・勝点27 新潟 ・勝点26 甲府 ・勝点19 名古屋、湘南 ・勝点16 福岡 残留ライン 勝点 30(得失点差-19) 【2017年】 ・勝点28 清水 ・勝点26 札幌 ・勝点23 広島 ・勝点21 甲府、大宮 ・勝点11 新潟 残留ライン 勝点 33 ▽今年の特筆すべき点は最下位のチームがこれまでで最も多い勝点を稼いでいるということ。つまり下剋上は起こりやすいのです。となると、下位のチームも順調に勝ち点を伸ばして……ということになりかねず、残留ラインは上がりそう。 ▽ということは2005年のように勝点36が目安か、あるいは2012年のように勝点40を目指さないと残留できないかも。てぇことで、ホームゲームの重みがますます増しているのでした。あ、タイトルの答えは6回。46パーセントも存在してるって、つまり勝点34だったら五分五分ってことですね。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.09.20 21:00 Thu
twitterfacebook
thumb

急に心配になってきた…【原ゆみこのマドリッド】

▽「昨季と同じ手は使えないわよね」そんな風に私が頭を悩ましていたのは月曜日、CLグループリーグ1節に備え、アトレティコがモナコに着いた映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、スタッド・ルイ2世スタジアムで記者会見に現れたコケも「昨季のウチは最弱の相手との2試合で悪い結果を出して、グループ敗退した」と言っていたんですが、実際、一番痛かったのは初戦で、攻めても攻めても点が取れず、ローマとスコアレスドローに終わってしまったこと。もちろんホームでの2節、チェルシー戦で逆転負けを喰らったのも褒められたものではないんですが、おかげでアゼルバイジャンのカラバフとの連続引き分けが止めとなり、最後は3位でヨーロッパリーグへ回ることに。 ▽その結果、強敵があまりいない大会で快進撃を続け、リヨンの決勝で久々のタイトルを獲得できたのは有り難かったんですが、今季のCL決勝は来年6月1日にワンダ・メトロポリターノで開催。となれば、奇しくもアゼルバイジャンの首都バクーで行われる、5月29日のEL決勝で連覇したとしてもファンはあまり喜べないでしょうし、それこそCL決勝と日付が近すぎて、スタジアムでのパブリックビューイングどころか、祝勝行事すらできないかもしれない? ▽それもこれもこの夏はUEFAスーパーカップでお隣さんを堂々たる2-4で破り、クラブ史上最強メンバーを揃えたチームになったと期待されながら、リーガが始まるやいなや、まさしく、1年前と同じゴール日照りに陥ってしまったせいですが、今年もまた、スペインでのCL放送局が変更。近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)がちゃんと初戦からチャンネルを探し出せるかなんて、些末なことばかり気になってしまうのは、私が本質から目を背けたいからなんでしょうかね。 ▽まあ、CLについてはまた後では話すことにして、各国代表戦が終わって再開した先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったかもお伝えしていかないと。金曜にはエスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖で3節を延期していた弟分のラージョが1部昇格により、リニューアルオープンしたアルコラスでウエスカと対戦。前半29分、ストークシティからのレンタルで今季加入したインビュラが圧巻のロングシュートを決め、0-1の勝利で最下位を脱したという朗報があったんですけどね。実は私が確認を待っているのは土曜のアラベス戦がホームで開催できるのかどうかで、一応、市の安全検査に合格したものの、まだわからないってまったく、呑気な話じゃないですか。 ▽一方、来週CLがある兄貴分たちは揃って土曜試合となったものの、いやあ、午後1時のワンダのピッチは日差しが強く、暑かったのはわかりますけどね。それを考えれば、枠内シュートが1本もなかった前節のセルタ戦に比べ、何度もアトレティコがチャンスを作っていたのは進歩でしたが、前半13分にグリーズマンの1対1から始まって、CKからサルールのヘッドもゴディンのシュートもGKドミトロビッチに弾かれてしまっては何にもなりませんって。両チームとも無得点のまま始まった後半もゴール前でコケがグリーズマンのキラーパスをすかすという、目を覆いたくようなロストチャンスがあったため、シメオネ監督は早々にレマルをコレアに交代。更に25分にはこの日、中盤でしっかりエイバルの攻撃を抑えていたロドリを下げ、FWを入れたんですが…。 ▽この起用策がスタンドからpito(ピト/ブーイング)を受けてしまったんですよ。うーん、後でシメオネ監督は、「コケかサウールという選択もあったが、entendi que ellos podian crear mejor transicion en ataque/エンテンディ・ケ・エジョス・ポディアン・クレアル・メホール・トランシシオン・エン・アタケ(彼らの方が攻撃でより良い形を作りだせると思った)」とロドリを下げた理由を説明していましたけどね。そのFWが現在、カリニッチが負傷中のため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)の19歳、リーガ初出場のボルハ・ガルセスだったのも元々、少数精鋭のチームであるからして仕方なかったんですが、事態が急転直下したのは41分。ゴディンのミスから、エンリッチに先制点を決められてしまうなんて、絶体絶命とはまさにこのこと? ▽え、本来だったらその日、ウルグアイ代表でアメリカまでの長旅をしてきた32歳のキャプテンは火曜にCLモナコ戦があることも鑑みて、温存されるはずじゃなかったのかって?そうなんですが、先発予定だったリュカが前夜、食あたりを起こしてしまったため、急遽、出場することに。でもねえ、デ・ブライシのクロスをエンリッチのいる方に弾いてしまい、ゴール前から蹴り込まれたのではGKオブラクだって、何もできませんって。残り3分、しかもお隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質でない彼らにはもう期待できないと思ったか、この時点で席を立つファンも結構、いたんですが…何と、その奇跡が起こったんですよ! ▽それはロスタイム最後の1分、コレアがエリア内右奥から入れたパスをグリーズマンは空振りしてしまったんですけどね。中央で待ち受けていたボルハが、バロンドール受賞を目指す、W杯優勝フランス人ストライカーの信じられないミスにも動じず、右足を一閃。これがとうとうドミトリビッチを破り、土壇場で同点ゴールとなったから、驚いたの何のって。ここで時間切れになったため、試合は1-1で終わり、殊勲の当人も「Es debut amargo porque me hubiera gustado ganar/エス・デビュー・アマルゴ・ポルケ・メ・ウビエラ・グスタードー・ガナール(勝ちたかったから、苦いデビューだね)」とどこか、不満げでしたが、もしや彼、第2のel Nino(エル・ニーニョ/子供)になれるかも。 ▽ええ、奇しくも昨季、アトレティコを退団したフェルナンド・トーレスのお別れ試合だったのもエイバル戦でしたし、今はサガン鳥栖でプレーする当人もマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習や5月のナイジェリア代表との親善試合で一緒だった後輩のお手柄にお祝いのメッセージを送っていますしね(https://twitter.com/Torres/status/1041126769657565184 )。ジエゴ・コスタ不発のせいもあり、リーガ4試合で早くも勝ち点7も落としてしまい、すでに優勝争いのライバル、バルサとレアル・マドリーと距離ができてしまったチームのため、「Es un momento para aguantar y estar fuerte/エス・モメントー・パラ・アグアンタール・イ・エスタル・フエルテス(今は耐えながら、気持ちを強く持つ時)」(シメオネ監督)の助けに少しでもなってくれたらと。 ▽そして月曜にはモナコに旅立ったアトレティコですが、負傷によるお留守番は変わらず、カリニッチ、ビトロ、サビッチ、アリアス。代わりに4人、ボルハも含めたカンテラーノが招集されているんですが、リュカが回復したのは不幸中の幸いだったかと。相手のモナコも週末のリーグ1のトゥールーズ戦を急性胃腸炎で欠場した、アトレティコファンには決して忘れられないゴールゲッター、ファルカオが出られるようなため、火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの一戦は絶対、見逃せませんよね。 ▽え、その土曜にはバルサはレアル・ソシエダに1-2で逆転勝利、開幕4連勝を飾ったものの、マドリーはそれに続けなかったんだろうって?その通りで夜には近所のバルに向かった私でしたが、うーん、ラージョとの3節が延期になったため、ベリッソ監督に3週間も作戦を考える時間ができたのがマズかったですかね。サン・マメスでのマドリーはアスレティックの強烈なプレスとマンマークに苦しんだだけでなく、前半32分にはマルセロの守る左サイドから攻め込まれ、先制されてしまうことに。ゴール前にデ・マルコスが送ったパスをウイリアムスは撃てなかったものの、こぼれ球をムニアインが押し込んで、スペインU21代表で何年もお世話になったロペテギ監督に恩返しされているんですから、困ったもんじゃないですか。 ▽後半は中盤の底としてほとんど機能していなかったクロースをその役割から解放するため、セバージョスに代わってカセミロが入ったマドリーでしたが、ようやく同点ゴールを奪えたのはイスコが出てきてから。ええ、後で当人も「ボクより上手いチームメートがいるのかもしれないし。Lo de que con Lopetegui iba a ser Isco y diez mas lo deciais vosotros/ロ・デ・ケ・コン・ロペテギ・イバ・ア・セル・イスコ・イ・ディエス・マス・ロ・デシアイス・ボソトロス(ロペテギ監督なら、スタメンはイスコと10人云々は君ら(マスコミ)が言っていたことだから)」と、スペイン代表時代から重用してくれた監督だったにも関わらず、前節のレガネス戦同様、彼はモドリッチと交代でピッチに登場。それから3分もしないうちに、ベイルのクロスをヘッドで決めてくれたんですよ。 ▽うーん、こちらもアトレティコと一緒で敵GKのウナイ・シモンが大活躍しましたからね。この夏、ケパがチェルシーに行ってしまったアスレティックはエレリンが負傷、もう1人のGK、ラミスが契約延長を拒み、ずっと招集されない状態が続いているため、エルチェにレンタルに出したばかりだった21歳のシモンを急遽、呼び戻したという事情があるんですが、どうやらこの選手は大当たりだったよう。セルヒオ・ラモスのロングパスに追いついたアセンシオが放ったシュートも弾かれて結局、マドリーはサン・ホセとミケル・リコで守りを固めた相手に最後まで勝ち越し点を奪えません。終盤、ベイルの代わりにルーカス・バスケスを入れ、FWマリアーノを使わなかったことを批判もされたロペテギ監督でしたが、とりあえず、この日は鬼のような気迫でプレスをかけていたアスレティックが頑張ったということにしておきましょうか(最終結果1-1)。 ▽そしてマドリーも水曜にはローマ戦で控えているんですが、注目はここ2試合、リーガ戦で先発したGKクルトワがCLでもリピートするのか。実際、この2週間、コスタリカ代表に行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でずっとトレーニングをしていたケイロル・ナバスにはアスレティック戦でプレーしない理由がまったくなかったんですが、これをCL前の温存と考えるか、正GKはクルトワになったと考えるべきか、迷うところ。相手ローマのアタッカーは昨季、アトレティコがグループリーグで対戦した時とあまり変わらず、ジェコやシャーラウィ、ペロッティらになりますが、開幕からの2つのミニダービーでは入りが悪かったサンティアゴ・ベルナベウが水曜午後9時、CL戦では満員になるのかも気になりますね。 ▽一方、残りの弟分チームは日曜試合となったんですが、正午からビジャレアル戦がキックオフとなったレガネスは、いえ、ブタルケは夏の間に改装され、プレスコンフェレンスルームやミックスゾーンなど、かなりキレいになっていたんですけどね。スタンドを満員にしたファンもいつものように一生懸命、応援していたんですが、どうやら選手が16人も入れ替わった新生レガネスもゴールがなかなか決まらないという悩みを克服できていなかったよう。ええ、前節のマドリー戦では成功したものの、後半3分にカリージョがPKまで外していては、20分に途中出場のバッカにFKから決められたヘッドの1点を返せず、とうとうラージョと入れ替わりで最下位になってしまっても仕方なかったかと(最終結果0-1)。 ▽未だに勝ち点がたったの1だけとあって、4節終了時に早くも「Afrontamos los proximos partidos como finales/アフロンタモス・ロス・プロキシモス・パルティードス・コモ・フィナレス(これから数試合は決勝だと思って戦う)」(ルーベン・ペレス)という状態になってしまったのはどうにも心配なんですが、彼らの次戦は土曜、イプルアでのエイバル戦。ミッドウィーク開催の来週水曜はバルサとのホームゲームだけに、何とか勝利を手に入れておきたいところですが、こればっかりはねえ。なまじっか、前任者のガリターノ監督(レアル・ソシエダ)が2年連続、1度も降格圏に落ちずに1部残留を達成しているため、ペジェグリーノ新監督も大変ですよね。 ▽そして日曜最後に待っていたサプライズはヘタフェで何と、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦で0-2の勝利を挙げたから、感心したのなんのって。ええ、速攻で開始3分、ホルヘ・モリーナのスルーパスからアンヘルが先制ゴールを挙げると、38分にも敵がエリア内でクリアミスに失敗したボールを拾い、オフサイドにならずに2点目を奪ってくれます。逆にセビージャはVAR(ビデオ審判)でベン・イェデルのゴールが認められず、この辺はツキもあったような気もしましたが、ようやく柴崎岳選手も後半途中、アンヘルに代わって、3試合ぶりにピッチに立てましたしね。とりわけ今週土曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのミニダービーに兄貴分のアトレティコより上の5位という高みから挑めるのは選手たちも気分がいいかと。 ▽まあ、そんな感じの週末だったんですが、この先、10月のインターナショナル・マッチウィークのparon(パロン/リーガの停止期間)まで、CLやELがあるチームは18日間で6試合という過密日程に突入。頭数の少ないアトレティコなど、疲労が心配なんですが、逆にトップクラスの選手を大量に抱えているマドリーの方はいつもと違う顔を見られるいい機会になるかも。翻って、ヨーロッパの試合のない弟分たちにとっては地道に勝ち点を積み上げていく時期になりましたが、まだまだリーガは始まったばかり。これからマドリッド第3のチーム争いがどう発展していくのかも気になりますね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.18 17:01 Tue
twitterfacebook
thumb

安室さんの引退で思い出す98フランスW杯【六川亨の日本サッカーの歩み】

▽安室奈美恵さんが9月16日のコンサートを最後に歌手活動から引退した。彼女の引退に、感慨深い思いを抱いているサッカーファンもいるのではないだろうか。 ▽遡ること20年前、98年のフランス大会で日本は初めてワールドカップの出場を果たした。当時は多くの旅行代理店がフランスW杯のツアーを企画。身近なところでは親族が新婚旅行にとツアーに申し込んだ。 ▽しかし日本戦のチケットは入手が困難で、親族の申し込んだツアーは中止になり、新婚旅行も取りやめに。あるツアーでは、現地入りしたものの全員分のチケットを確保できず、仕方なくじゃんけんでチケットを争うという、笑うに笑えない話もあった。 ▽こうして迎えた6月14日、トゥールーズでの初戦、日本対アルゼンチン戦でのことだった。試合前、大会公式ソングの「カップ・オブ・ライフ」がスペイン語でスタジアムに流れた。リッキーマーティンの公式ソングは英語で歌われたが、元々はスペイン語版を英訳したもの。それをあえてスペイン語版で流したのは、アルゼンチンのサポーターに向けてのメッセージだったのだろう。 ▽そして次に流れたのは、安室奈美恵さんの「CAN YOU CELEBRATE?」だった。前年の97年のヒットソングだが、意表を突かれた選曲だった。この曲をスタジアムで聴き、涙したのはファン・サポーターだけではなかった。取材した記者、カメラマンも97年のW杯最終予選の苦しさを思い出しつつ、あたかも彼女が日本のW杯初出場を祝福してくれているようで、大いに涙腺が緩んだものだ。 ▽大会組織委員会の粋な計らいでもある。試合はバティストゥータの決勝点で0-1と敗れるなど、初めてのW杯は3戦全敗に終わった。あれから20年、フランスが再びW杯を制し、安室奈美恵さんは歌手活動から引退した。 ▽彼女の名曲を耳にするたびに、チケット騒動も含めて熱狂的だったフランスW杯を思い出す人も多いのではないだろうか。 ▽余談だが、16年リオ五輪のグループリーグ最終戦、日本対スウェーデン戦の前にはABBAの「ダンシング・クイーン」がスタジアムに流れた。ABBAはスウェーデンを代表する名バンドだ。そこで次は日本のどのミュージシャンの、どんな曲がかかるのか期待したが、試合前の音楽はABBAの1曲だけ。肩すかしを食らいがっかりしたのを覚えている。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.09.18 17:00 Tue
twitterfacebook
thumb

そして、アンドレス・イニエスタは日本へ【編集部コラム】

「ありがとう、イニエスタ。何よりも友人でいてくれて」 Getty Images▽2018年4月28日、リーガエスパニョーラ第35節でラス・パルマスをホームに迎えたエスパニョールの本拠地コルネジャに、MFアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)への感謝を告げるバナーが掲げられた。前日に退団を発表していたバルセロナの主将に対する、敵対関係にあるはずのクラブからの異例の惜別だ。 ▽このエピソードが象徴するように、ライバルチームのファンからも敬意を集めるイニエスタ。本稿では、その人物像に迫っていく。 ◆ラ・マシアの傑作Getty Images「みんな、覚えておけよ! 今日、アンドレス・イニエスタと練習したことを」――ジョゼップ・グアルディオラ ▽バルセロナの下部組織に所属していたイニエスタが、16歳にして初めてトップチームの練習に参加した日のこと。現役時代のMFグアルディオラは、一目でイニエスタの才能に惚れ込んだという。上記の発言は、トップチームのロッカールームで発せられたものだ。 ▽そして、2008年に指揮官としてバルセロナに帰還したグアルディオラ監督は、2012年の退任までにチャンピオンズリーグ(CL)2度、リーガエスパニョーラ3度を含む計14度の戴冠をイニエスタと共に果たした。 Getty Images▽その中でも、2008-09シーズンのCL準決勝は印象的だ。ホームでの1stレグを0-0で終え、2ndレグでチェルシーとのアウェイ戦に臨んだバルセロナは、0-1のビハインドで試合終盤を迎えた。絶体絶命の状況だったが、アディショナルタイムにメッシからのボールを受けたイニエスタが、GKペトル・チェフの牙城を崩す同点弾を奪取。クラブをファイナルに導いている。なお、その一振りがこの試合唯一のバルセロナの枠内シュートとなった。 ▽その後、決勝のマンチェスター・ユナイテッド戦でもイニエスタは先制アシストを記録。12歳の頃にラ・マシア(バルセロナの下部組織寮)に入寮し、家族と離れ離れになったことを嘆いていたアンドレス少年は、トップチームで眩い輝きを放ち最大のタイトルをもたらした。今では、「覚えておけよ! 」と言われるまでもなく、サッカーファンにとってかけがえのない存在となっている。 ◆故郷への思いGetty Images▽イニエスタのキャリアは、生まれ育ったアルバセテのクラブからスタートした。8歳の頃に、アルバセテ・パロンピエの下部組織に入団。卓越した戦術眼とドリブル能力ですぐさま特別な才能を示すと、12歳で参加した全国大会で様々なクラブからの注目を集め、バルセロナを選択することとなった。 ▽その後、バルセロナで暮らすことになったイニエスタだが、スターになってからも故郷を忘れていない。2012-13シーズン、アルバセテ・パロンピエはセグンダB(スペイン3部)を3位で終えたものの、選手の給料24万ユーロ(現在のレートで約3100万円)を払えず。4部降格の処分を受ける寸前だった。 ▽以前から同クラブの財政難について、「僕が育ったチームであり、夢が生まれた場所です。資金拡大の一歩をお願いします」と救済を呼び掛けていたイニエスタは、降格処分寸前で未払い給与を肩代わり。幼少の頃の恩を数倍にして返してみせた。 ◆バロンドールに値した男Getty Images▽あらゆるサッカー関係者から称賛を受けるイニエスタ。しかし、その実、サッカー界最高の個人賞であるバロンドールを獲得したことはない。ここ10年は、同時期に圧倒的な結果を残しているFWクリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシが独占している状態だ。もちろん、両者の実力や栄光に疑いの余地はなく、受賞も概ね妥当なものだろう。しかし、2010年の選出には多くの異論が寄せられている。 ▽2010年のバロンドールは、メッシが受賞。イニエスタは南アフリカ・ワールドカップでスペイン代表優勝の立役者となっていたにも拘らず、2位に留まった。後に、ジダン氏やDFセルヒオ・ラモスなど多くの関係者が、「あの年はイニエスタが値していた」という見解を述べている。 ▽これに関して、イニエスタのバルセロナ退団が濃厚となったタイミングで、バロンドールを主催する『フランス・フットボール』の編集者、パスカル・フェレ氏が謝罪。「彼の利他主義によって、確かにその才能の認知が難しくなった」、「バロンドールの受賞を逃してきた選手の中で、彼の不在は特に痛い」と、メッセージを掲載した。 ▽しかし、イニエスタには更に大切なものがあったようだ。フェレ氏の謝罪について問われると、以下のように返答した。 「何の未練も抱いていない。自分にとって、より価値があるのは全ての人々からの愛情だ」 ◆歓喜は友人と共にGetty Images▽バロンドールが賛否を巻き起こす前年、スペインは悲しみに包まれた。当時エスパニョールで急成長を遂げ、A代表入り目前と噂されていたダニ・ハルケが、急逝していたためだ。そのハルケとユース年代の代表で顔を合わせ、家族ぐるみの付き合いをしていたイニエスタが、特に大きなショックに見舞われたことは想像に難くない。 ▽そして、2010年南アフリカW杯、オランダ代表との決勝で延長戦後半11分に決勝ゴールを決めたイニエスタは、シャツをまくり上げてアンダーウェアに書かれたメッセージを捧げた。 「ダニ・ハルケ、いつも僕らと共に」 ▽もちろん、この行為は規定に違反するため、イエローカードを提示されている。しかし、これほど美しい反則があるのだろうか。 ▽このエピソードにより、イニエスタは冒頭で触れたようにライバルクラブから称賛を集めるに至った。なお、エスパニョールサポーターの「ありがとう、イニエスタ。何よりも友人でいてくれて」というバナーには、ハルケが着用していた背番号である「21」が添えられていたようだ。 《超ワールドサッカー編集部・上村迪助》Jリーグを観るならDAZN!1カ月のお試し無料視聴はコチラから! 2018.09.16 16:00 Sun
twitterfacebook
thumb

スペインがまた強くなったのは嬉しいけど…【原ゆみこのマドリッド】

▽「瞬間移動でもできなきゃ、両方見張るのはムリよね」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、サンティアゴ・ベルナベウから今季、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場施設内に移ったレアル・マドリーのオフィスを所用で訪ねた後、もう各国代表に行っていた選手もほとんど戻っているはずだし、練習も終わって時間的にそろそろかと、関係者用出入り口に回った時のことでした。いやあ、いつものように選手の車の出待ちをするファンは20人程、もう、そう暑くはないものの、強烈な紫外線の降り注ぐ中、辛抱強く待っていたんですけどね。丁度、取材に来ていたTVのカメラマンに誰か通ったかと訊いたところ、「今日はほとんど、もう1つの出口から帰っているらしい」との答えが。 ▽そう、昨今ではバラハス空港ターミナル4まで行くセルカニアス(国鉄近郊路線)のValdebebas駅から、ほんの徒歩1分でこちらの出入り口に着けるため、車を持たないファンでもアクセスは容易になったと言えるんですけどね。だからって、必ずしもお目当ての選手に出会えるかといえば、そうは問屋が卸さず。ええ、選手用出口が他にもあるせいで、そちらまで広大な敷地に沿って歩いて20分ぐらいとなれば、いえ、マハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場も出口は2つあるんですけどね。あまり離れていないため、敷地の角に立って待機、車が出て来るのを見て駆けつけるなんて技が使えたりするんですが、ベルデベバスでは望むべくもないかと。 ▽そうこうするうち、ファンが「バラン!」と呼ぶ声が聞こえたため、振り返ると、1台のアウディが颯爽と高速道路に向かっていましたが、最近はマドリー選手の車もなかなか止まってくれなくてねえ。試合前の合宿も練習場敷地内のホテルとあって、姿を見ることも叶いませんし、そう思うと、選手たちが一般道を歩いてスタジアムにあるロッカールームに戻るヘタフェなど、ファンとの距離が近くていいと思うんですが…難点は彼らを含むレガネス、ラージョら弟分チームは毎年、メンバーが大量に入れ変わるため、私ですら、シーズン序盤は名前と顔が一致しない選手が多いことでしょうか。 ▽まあ、リーガ再開はこの金曜からなので、先にスペインのネーションズリーグ2節がどうだったか、お話していくことにすると。いやあ、これが予想に反して、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)になってしまったんですよ。先週、1-2で勝利したイングランド戦から、マルティネス・バレロ(エルチェのホーム)ではスタメンを3人変更、左SBをマルコス・アロンソ(チェルシー)からガヤ(バレンシア)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)をセバージョス(レアル・マドリー)、イアゴ・アスパス(セルタ)をアセンシオ(マドリー)にして、W杯準優勝のクロアチアに挑んだルイス・エンリケ監督でしたが、いえ、前半20分に右SBのベルサイコ(インテル)が負傷。ログ(ナポリ)に代わり、アトレティコ時代にもよくケガしていたし、やっぱり放出したのは正解だったのかと思わせるまでは相手も危ないシュートを放ったりして、試合は拮抗していたんですけどね。 ▽口火を切ったのはご当地出身のサウール(アトレティコ)で20分、セルヒオ・ラモス(マドリー)のロングパスをカルバハル(同)がエリア内に上げたボールに頭を合わせ、イングランド戦に続いての連続ゴールを決めているとなれば、その夜、ラジオ番組に出演して「Lo necesitamos en esa linea con nosotros/ロ・ネセシタモス・エン・エサ・リネア・コン・ノソトロス(ウチもああいう形で彼を必要としている)」と言っていたシメオネ監督じゃありませんが、アトレティコの試合で決めるゴールも取っておいてほしいと私が思ってしまったのは仕方なかった? ▽いえ、その夜は現役時代、エルチェでプレーした父親を始め、昨季からエルチェの選手となった長兄ジョナタンら家族や親族、大勢の友人が観戦。自身も腕にダマ・デ・エルチェ(エルチェで発見された紀元前4世紀の貴婦人像)、太ももにアトレティコとエルチェの紋章を半分ずつタトゥーしている程、故郷を誇りに思っている当人にとっては、「Ha sido incluso una liberacion el gol, estaba nervioso/ア・シードー・インクルソ・ウナ・リベラシオン・エル・ゴル、エスタバ・ネルビオーソ(ゴールを挙げて解放されたよ。神経質になっていたからね)」と、おかげで肩の力が抜けて良かったようですけどね。 ▽それだけでなく、この先制ゴールに大いに発奮した選手が約1名。それはアセンシオで何せ、昨年の夏、2人はU21ユーロで準優勝したスペインでハットトリックを挙げていますからね。その時はサウールが5得点で大会ゴールデンシューに輝いたんですが、32分、エリア外で敵がパスミスしたボールを拾い、そこからgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)にしてしまうって、いや、もうこれは才能のほとばしりとしか言いようがないかと。続いて彼は3分後にもシュートを撃ち、今度は枠に当たってから、GKカリニッチ(ヘント)の背中でオウンゴールに。うーん、前半だけでもう3点、これって本当にW杯でラウンド16敗退したスペインですか? ▽いえ、実は微妙に違うんですけどね。後半も開始早々の3分にアセンシオのスルーパスをロドリゴ(バレンシア)が決めて4点目、12分にはアセンシオのCKをセルヒオ・ラモス(マドリー)がヘッドで5点目、そして25分にはアセンシオからボールをもらったイスコ(マドリー)が6点目とスコアを倍にしたスペインだったんですが、もうお気づきになりました?この試合、ナチョも出ていて、スタメンにマドリー勢が6人もいたんですよ。これは2002年10月の北アイルランド戦以来のことだそうで、その時のメンツはカシージャス、エルゲラ、サルガド、ラウール・ブラボ、グティ、ラウール…何だか、懐かしいですねえ。 ▽ただ、後でそのことを訊かれたルイス・エンリケ監督は、「知らなかったし、興味もない。皆、スペイン代表の選手だ。La base es el Real Madrid y me parece bien/ラ・バセ・エス・エル・レアル・マドリッド・イ・メ・パレセ・ビエン(ベースはレアル・マドリーで、いいと思う)」と言っていましたが、攻撃面でダントツに目立っていたのはアセンシオで間違いないとしても、守備で大貢献していたのがセバージョス。ええ、「Ha tapado a Modric... lo que hace habitualmente en el Real Madrid/ア・タパードー・ア・モドリッチ…ロ・ケ・アセ・アビトゥアルメンテ・エン・エル・レアル・マドリッド(モドリッチを抑え込んだ…いつもレアル・マドリーでやっていることだ)」とルイス・エンリケ監督も狙いが当たって嬉しそうでしたが、W杯MVPに昨年のU21ユーロMVPで対抗するとは勇気ある選択じゃありませんか。 ▽え、翻ってブスケツが後半14分にロドリ(アトレティコ)に代わった後、ピッチにはバルサ勢が1人もいなくなってしまったけど、ラキティッチはそれ程、重要視されていなかったのかって?うーん、そんなこともないんでしょうが、イニエスタ(ヴィッセル神戸)やピケが代表引退、ジョルディ・アルバが今回落選したため、元々、バルサからはブスケツ以外、セルジ・ロベルトしか呼ばれていませんでしたからね。クロアチアもマンジュキッチ(ユベントス)やGKスバシッチ(モナコ)、チョルルカ(ロコモティブ・モスクワ)ら、ベテランが引退した影響もあったようですが、この6-0の勝利でスペインはネーションズリーグ2連勝に。 ▽国際メジャートーナメントでここ3大会、早期敗退しているとはいえ、予選レベルでは負け知らずの彼らですし、今年の3月にはワンダ・メトロポリターノでの親善試合でアルゼンチンに6-1と大勝しているため、この2試合だけで強いスペインが戻って来たと言い切る訳にはいかないんですが、若い世代の活躍で希望が湧いてきたのは確かだったかと。ええ、この後、まだ10月にベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)でのイングランド戦、11月にアウェイのクロアチア戦が残っていますが、少なくともグループ最下位となってリーグBに降格という赤っ恥だけは免れそうなのは有り難いことですよね。 ▽そしていよいよ、金曜からリーガ4節が始まるんですが、トップバッターとなるのはラージョ。未だに改修中のエスタディオ・バジェカスの使用許可は出ていないものの、今回はアウェイ戦。一緒に今季から1部に上がり、工事期間を見越して3節までホーム戦をしていなかったウエスカとアルコラスで顔を合わすことに。前節のアスレティック戦が延期となり、2試合でまだ勝ち点1も溜めていないラージョだけにここは3週間、練習だけに専念。新戦力もチームに馴染んだ利点を生かして、昇格後初白星を掴んでもらいたいところですが、バルサには8-2で大敗したとはいえ、レオ・フランコ監督率いるウエスカは開幕2試合で勝ち点4としぶとそうですからね。いいプレーを見せて、ホームで応援できないせいでフラストレーションを溜めているラージョ・ファンを笑顔にしてあげられるといいのですが。 ▽一方、来週からCLグループリーグが始まるため、土曜試合となったマドリッドの兄貴分たちはというと。どちらも13人程、各国代表に出向いていたんですが、貧乏クジを引いてしまったのはアトレティコ。ええ、午後1時から、開場1周年を迎えるワンダ・メトロポリターノでのエイバル戦は出場停止のため、まだマシだったんですが、サビッチがモンテネグロ代表で脚に打撲を受けて帰還。コレアもアメリカまで行きながら、ヒザが痛んでアルゼンチンの試合にまったく出られないわ、マハダオンダで練習していたカリニッチまで足首を捻挫するわともう惨々なんですよ。 ▽先週中はコケとジエゴ・コスタの指導に専念していたシメオネ監督もようやく、水曜からはトップチームのメンバーが揃い、リーガ戦の準備を始めることができたんですけどね。いいニュースと言えば、腕の負傷でスロベニア代表招集を免除されていたオブラクがようやく、グラウンドに姿を見せたことぐらいだったかと。ええ、FIFPro(国際プロサッカー選手会)の最優秀イレブンの候補に不可思議にも入っていなかった彼ですが、シメオネ監督も「Courtois no seria titular en el Atletico. Oblak es major/クルトワ・ノー・セリア・ティトゥラル・エン・エル・アトレティコ。オブラク・エス・メホール(クルトワはアトレティコではレギュラーにならないだろう。オブラクの方が優秀だ)」と言っていたように、このリーガ3試合で2得点しかしていない彼らにとって、失点ゼロは譲れないところですからね。 ▽エイバルも乾貴士選手がベティスに行ってしまったこともあり、ペドロ・レオン、オレジャナ、ビガスら、負傷者も多く、決して調子がいい訳ではありませんが、現在、アトレティコは開幕3連勝のお隣さん、バルサと勝ち点差がすでに5。リーガ優勝は狙えるのかと訊かれ、「Claro que si, si fallan Madrid y Barca/クラーロ・ケ・シー、シー・ファジャン・マドリッド・イ・バルサ(もちろんだ。マドリーとバルサが躓けばね)」とシメオネ監督が言っていた状況を作り出すためにも、早々に詰めておきたいんですが、どうなることやら。 ▽一方、どの選手も元気で帰って来たマドリーは土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、サン・マメスでスレテッィク戦なんですが、こちらはロペテギ監督が何とも贅沢な悩みを抱えているよう。まずGKからして、双方ともFIFProベストイレブン候補となったクルトワとケイロル・ナバスがいますし、DFの4人、カルバハル、バラン、ラモス、マルセロから、中盤のカセミロ、モドリッチ、クロース、イスコ、前線のベンゼマと同賞の候補がズラリ。リストに入らなかったとはいえ、ベイルやアセンシオもいて、このうち誰かを常に控えにしないといけないって、まったく羨ましいにも程があるってもんじゃないですか。 ▽おまけにスペイン代表戦でアピールしたセバージョス、古巣復帰で早くゴールを入れたくてウズウズしているマリアーノもいるとなれば、しばらくマドリーの快進撃は止まらない?相手のアスレティックは37歳のエース、アドゥリスが負傷から復帰。ベリッソ監督がロンドンまで遠征し、パルコ(貴賓席)で見守っていたウェンブリーでのイングランド戦終盤に出場し、エルチェでの前日練習はケガの痛みが再発して参加できなかったイニゴ・マルティネスもほぼOKのようですが、果たしてここ2試合、4得点が続いているマドリーの破壊力を止めることができますかね。 ▽そして弟分の残り2チーム、昨季から引きずるケガのリハビリ中だったキャプテンのシマノフスキが再手術というショックなニュースが入ってきたレガネスは日曜正午にビジャレアルをブタルケに迎え、ここ2試合、柴崎岳選手の出場がなかったヘタフェは午後8時45分からサンチェス・ピスファンでセビージャ戦というのがマドリッド勢の今節の予定。どちらも上位狙いのチームが相手なだけに苦労しそうではありますが…週明けにはいい結果を報告できることを祈っています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.14 12:45 Fri
twitterfacebook


ACL

欧州移籍情報
hikari

アクセスランキング

@ultrasoccerjp