コラム

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【倉井史也のJリーグ】西野朗新監督になったから見ておくべきJリーグチームは!? の巻

▽さーて、今週まずはこんなデータからご覧ください。前回のワールドカップメンバーたちの当時と今の所属チームです。 1. 川島永嗣 スタンダール(ベルギー)⇒メス(フランス) 2. 内田篤人 シャルケ(ドイツ)⇒鹿島 3. 酒井高徳 シュツットガルト(ドイツ)⇒ハンブルガーSV(ドイツ) 4. 本田圭佑 ACミラン(イタリア)⇒パチューカ(メキシコ) 5. 長友佑都 インテル(イタリア)⇒ガラタサライ(トルコ) 6. 森重真人 FC東京⇒同 7. 遠藤保仁 G大阪⇒同 8. 清武弘嗣 ニュルンベルク(ドイツ)⇒C大阪 9. 岡崎慎司 マインツ(ドイツ)⇒レスター・シティ(イングランド) 10. 香川真司 マンチェスター・U(イングランド)⇒ドルトムント(ドイツ) 11. 柿谷曜一朗 C大阪⇒同 12. 西川周作 浦和⇒同 13. 大久保嘉人 川崎F⇒同 14. 青山敏弘 広島⇒同 15. 今野泰幸 G大阪⇒同 16. 山口蛍 C大阪⇒同 17. 長谷部誠 ニュルンベルク(ドイツ)⇒フランクフルト(ドイツ) 18. 大迫勇也 1860ミュンヘン(ドイツ)⇒ケルン(ドイツ) 19. 伊野波雅彦 磐田(J2)⇒神戸 20. 齋藤学 横浜FM⇒川崎F 21. 酒井宏樹 ハノーファー(ドイツ)⇒マルセイユ(フランス) 22. 吉田麻也 サウサンプトン(イングランド)⇒同 23. 権田修一 FC東京⇒鳥栖 ▽あー、すっきりした。このメンバーの中で、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督時代にポジション失った感じになったのは、内田、遠藤、柿谷、大久保、青山、齋藤、権田、的な? で、この選手たちってみんなJリーガーじゃないですか。今。 ▽だけど西野朗新監督が就任して状況って変わると思うんです。だって西野監督って2014年、2015年は名古屋を率いてたから、相手チームの選手としてみんなわかってると思うし。で、その中でもしかして浮上すんじゃないですか、サプライズですか、いや驚きって感じでもないんじゃないの? って見ておいたほうがいいと思うのが……ドラムロール……青山なのでした。だって広島、ブッチで首位じゃん。去年ギリギリ残留したのにジャンプアップじゃん。 ▽青山は18日のルヴァンカップに出ないでしっかり調整。21日の鳥栖戦にはしっかり出てくるはず! でまた大活躍しちゃったら……。だってまだ32歳ですもん。十分ワールドカップでプレーできるでしょ。 ▽ってまた今回も大胆不敵な予想をしたのでした。でもこれって、対戦相手の鳥栖の権田が目立って……うーん、ありそう!! お、となると注目チームって鳥栖ですか!!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.04.19 17:00 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】強化委員に復帰した原氏の理由と会長選

▽J1リーグは3月31日の第5節から、ルヴァン杯も含め週2試合の過密日程が5月20日まで続く。いわゆる魔の“15連戦”だ。それというのも6月6日の天皇杯2回戦はイレギュラーとして、リーグ戦は7月中旬まで中断期間に入る。なぜならロシアW杯が開催されるからだ。 ▽といったところで、昨日のルヴァン杯第4節は各グループで意外な結果となった。Aグループでは最下位の新潟が2位の仙台に3-1と快勝。Bグループでも最下位の札幌が初勝利をあげれば、Cグループでは今シーズンの公式戦で無敗を誇る広島を名古屋が下し、ルヴァン杯初勝利を奪った。 ▽すべての試合をチェックしたわけではないが、取材したFC東京対横浜M戦では、長谷川監督は4日前のJ1リーグからスタメンを10人入れ替えてきた。対するポステコグルー監督もリーグ戦から9人を入れ替えるターンオーバー制を採用。どの監督も過密日程に頭を悩ませながら選手のやり繰りをしているのかもしれない。 ▽こうした過密日程を受け入れたのは、すべてロシアW杯で日本代表が好結果を残して欲しいからに他ならないだろう。そのW杯を2ヶ月前に控えて監督が代わったことは周知の事実。西野監督が誕生し、新たに元五輪監督の関塚氏が技術委員長に就任した。そして前技術委員長だった原氏がJFA技術委員会の下部組織である強化委員に就任した。 ▽個人的には、原氏も関塚氏も早稲田大学サッカー部で西野氏の後輩だけに、2人して先輩をバックアップするものだと思った。そしてロシアで結果が出なければ、3人揃って責任を問われてJFAを去らねばならないかと危惧したものだ。早稲田閥の一掃である。 ▽ところがそれは、原氏に関しては杞憂にすぎないことがわかった。というのも、FC東京対横浜M戦を視察に訪れた原氏に確認したからである。今回、原氏がJFAの強化委員になったのは、「Jリーグと協会の日程調整のため」だそうだ。確かに原氏はJリーグの技術委員長時代、リーグとカップ戦、そして天皇杯がそれぞれバラバラに日程を組んでいたため、その調整役に乗り出したことがある。 ▽今回で言えば、鹿島GMの鈴木氏、元東京Vなどで監督を務めた松永氏がJリーグからJFAの技術委員に名を連ねている。しかし鈴木氏は鹿島の代表であり、松永氏は育成部門の担当者のため、Jリーグを代表してJFAと日程の調整役を果たす人材はいなかった。遅きに失した感はあるものの、ロシアW杯後になる9月のアジア大会(森保ジャパン)など東京五輪も含めて、JリーグとJFAの日程調整で原氏が強化委員に入ったことは一歩前進と言えるだろう。 ▽そんな原氏に、「FIFAは会長選挙の実施を義務づけているが、今回、田嶋会長は対立候補がいないため無風で続投が決まったのはおかしいのでは」と質問した。すると原氏は「僕は前回、せっかく選挙があるのだから立候補したけど、会長になりたかったわけではないです。でも、今回も立候補したら、『やっぱり原は会長になりたいんだな』と見られてしまう。それは本意ではなかったので」と立候補しなかった理由を教えてくれた。 ▽権力闘争や出世には無頓着な原氏。だからこそ、JFAの会長にふさわしいと思うのは私だけだろうか。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.04.19 16:00 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】西野監督の性格

▽4月15日のスポーツ紙の写真を見て驚いた。日本代表の監督に就任した西野朗氏が、長居でのC大阪対FC東京戦を視察した。スタジアムに入る際だったのだろうが、背景に愛車のベンツ・ゲレンデバーゲンが映っていたからだ。 ▽話は2011年に遡る。G大阪の監督を辞めた西野さんに、当時創っていた柏レイソルのDVD付ムックの解説をお願いした。1999年にナビスコ杯で初優勝した試合を振り返りながら、当時の出来事を振り返ってもらった。 ▽取材後、収録スタジオの近くにあるコインパーキングまで西野さんを見送ると、そこには愛車のゲレンデバーゲンが止まっていた。その愛車を見ながら、西野さんはこんなエピソードを教えてくれた。 ▽「これは2001年7月に、娘の誕生日に納車されたんですよ。そして、これに乗って柏に言ったところ、久米(柏GM)から『西野、悪いが監督を辞めてくれ』と言われたんです」と当時の真相を教えてくれた。 ▽01年の第1ステージは6位と、それほど悪い成績ではなかっただけに、西野監督にとっても予想外の解任だったのだろう。その後はG大阪の監督として数々のタイトルを獲得したが、大阪でも愛車に乗り続けたそうだ。G大阪の監督を辞めて自宅のある埼玉に戻った際は、奥さんから「大きいし古いから、もう廃車にしたら」と言われたそうだ。 ▽それでも現在も乗り続けているあたり、よほど愛着があるのだろう。柏で解任された悔しさと、G大阪での成功など、様々な思い出が詰まっているだけに、手放せないのかもしれない。 ▽ちょっと前置きが長くなってしまったが、果たして西野監督はロシアW杯でどのように戦うのか予想してみたい。まず、準備時間はほとんどないに等しい。監督に就任したものの、5月のキャンプまでJリーグは連戦のため、海外組を含めて視察によりコンディションをチェックするだけだ。ただ、就任会見で招集選手のラージグループはハリルホジッチ元監督と変わらないと言ったように、メンバーに大きなサプライズはないと予想される。 ▽西野監督は、一言で表現するなら「勝負師」だ。96年のアトランタ五輪第2戦のナイジェリア戦で、守備的なスタイルを批判し攻撃的に行きたいと訴えた中田英寿を、第3戦のハンガリー戦でスタメンから外した決断は有名だ。 ▽ハリルホジッチ元監督の縦に速いサッカーが機能しないため、3月のベルギー遠征では選手から監督に対し不満が漏れた。それが解任につながったものの、ハリルホジッチ元監督と西野監督には共通する部分も多い。自身の信念に揺るぎがないだけに、異を唱える選手はためらわずに外すだろう。 ▽一見するとダンディーで柔和な印象を受けるが、それは表面だけで、かなり頑固でもある。そんな西野監督だが、W杯までは時間がない。となると、できることは限られる。ザック・ジャパンのメンバーを軸にすればボールポゼッションはできる。川島、吉田、長谷部、本田、長友、岡崎を軸にしたメンバーだ(ケガが治れば香川と清武も入るだろう)。 ▽そして戦術だが、これもハリルホジッチ元監督と共通する部分は多い。「自分たちのサッカー」ではなく、対戦相手を分析して「負けない試合」をするからだ。柏時代は3-5-2と当時流行のシステムを採用し、ホン・ミョンボやユ・サンチョルら韓国代表を起用し、G大阪時代は遠藤保仁を軸にマグノ・アウベスやルーカスというストライカーを擁して攻撃的なサッカーを展開した。 ▽しかし、そうしたサッカーをする上で欠かせない選手が明神智和であり今野泰幸といった守備のオールラウンダーだった。現在の代表チームなら、長谷部は欠かせないピースであり、ケガが治れば今野の復帰も十分にありえる。さらに監督就任後、C大阪対FC東京戦を視察したのは山口蛍と橋本拳人をチェックしたのかもしれない。 ▽指揮官としてW杯の3試合を分析し、どのような選手を選択するのか。ラージグループは決まっているだけに、あとは各試合に応じたチョイスになる。ただ、いずれにせよ西野監督の性格からすれば、(繊細な)テクニシャンではなく戦闘能力の高い選手を優先的に選ぶだろう。 ▽柏の監督時代、西野監督と同じタイプの天才的MF大野敏隆や、期待のFW北嶋秀朗をサブチームに降格したこともある。人気のあるルーキーといえども特別待遇はしなかった。結果を出さなければ情け容赦しない。それだけドライに勝負にこだわることを、代表候補の選手たちは肝に銘じた方がいい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.04.18 12:30 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】4チーム共、勝ってくれたけど…

▽「お預け喰わされている気がするわよね」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、今週の予定と見たところ、ヨーロッパの大会がなく、ミッドウィークにリーガ戦が入っているのに気がついた時のことでした。いやあ、これがシーズン半ばであれば、先週末の節も含めて勝ち点9が動くとあって、オチオチしていられなかったんですけどね。優勝争いといった言葉が世間から、聞こえなくなったのはもう随分と前。首位バルサと2位アトレティコの差が勝ち点11、3位のレアル・マドリーは15ともあって、残りは6試合、いつ戴冠が決まるのかの方にもう焦点が移っているのは当然のことだったかと。 ▽実際、5位のベティスとアトレティコとの差も先週末で19ポイントとなり、数字的に来季のCL出場権ゲットが確定。マドリーも15差ありますし、今回から4位だとプレーオフを戦わないとグループリーグに出られないという制約もなくなったため、それこそ2位も4位も変わりないですしね。加えてマドリッドの弟分チームたちも残留をほぼ達成、かといって、10位のヘタフェは7位のセビージャまで5ポイントと、ヨーロッパリーグ出場圏入りまで望むのは少々、難しいとなれば、こちらも消化試合に付き合わされているような倦怠感に陥っても仕方なかった? ▽それだけに早く見たいのはCL、ELの準決勝で、何せマドリーはバイエルン、アトレティコはアーセナルとどちらも決勝と言ってもおかしくないような好カードになっていますからね。その前に毒にも薬にもならないような試合をして、自在にローテーションをかけられるお隣さんはともかく、超少数精鋭主義のシメオネ監督のチームから、更にケガ人発生といった事態になるのは困るんですが…いえ、先のことを慮っていても始まりせん。とりあえず、マドリッド勢の前節リーガ戦がどうだったか、お伝えしていくことにすると。 ▽4チームに先立って土曜試合となったのはレガネスで、このところバレンシア、バルサと強敵に連敗していた上、アムラバットやガブリエル・ピレス、ボービューらが出られないと聞いていたため、このセルタ戦はちょっと心配していたんですけどね。それでもチームへの全幅の信頼を失わず、ブタルケのスタンドを埋め尽くしたファンに力づけられ、レガネスは前半からゲレロのシュートやシオバスのヘッドでゴールを積極的に狙っていきます。その努力が実ったのは後半になってからで17分、エル・ザールが入れたラストパスをゲレロが押し込み、とうとう先制してくれたから、ホッとしたの何のって。 ▽スタンドの一角にはセルタの応援団も駆けつけていたんですが、この日はイアゴ・アスパスにチャンスが回らなかったせいでしょうか。相手はこの1点が返せず、そのまま1-0でレガネスが勝利を手に入れることに。これで勝ち点39、降格圏と13差となったため、ガリターノ監督も「A seis jornadas la salvación está prácticamente hecha/ア・セイス・ホルナーダス・ラ・サルバシオン・エスタ・プラクティカメンテ・エッチャ(6節残して実質上、1部残留は達成できた)」と試合後、満足そうだったんですけどね。週が明けて月曜日、次節のビジャレアル戦を控えての会見では、「matematiamente(マテマティカメンテ/数字的に)残留を確定するまで戦わないといけない」と新たな目標ができていたんですよ。まあ、今週は金曜にデポルティボ戦も入っていますし、4月からチーム全体にバケーション気分が広まっても困りますからね。それでもセルタ戦で決勝点を挙げたゲレロを始め、6月で契約の終わる選手が大半とあって、そろそろクラブも来季を見据えて動き始めるんじゃないでしょうか。 ▽そして翌日曜、まだ日の高い午後4時頃、ちょうど毎年恒例のel Dia del Nino(エル・ディア・デル・ニーニョ/子供の日)のイベントに当たったため、スタジアム周辺に設けられたトランポリンやミニサッカー場、フットボリン(サッカーゲーム)などのアトラクションを楽しむ家族連れで賑わうワンダ・メトロポリターノに着いた私でしたが、この日は場内の演出もバッチリ。キックオフ前には大弾幕がバックスタンドに広がり、他は一面、rojiblanco(ロヒブランコ/赤と白)の旗でさざ波かえる美しい光景を楽しめることに。ええ、これにはジエゴ・コスタが負傷中なのに加え、金曜早朝にリスボンから戻って来たばかり、土曜など45分ぐらいしか練習をしなかったというアトレティコの選手たちも大いに勇気づけられたのでは? ▽実際、相手はパコ・ロペス新監督になってから、勝ち点12中10を獲得しているレバンテとあって、その辺もあの、大雨のジョゼ・アルバラーデでパスが3回とが続かない、恐ろしいEL準々決勝2ndレグを見た後だけに、私も不安だったんですが、応援の効果やてきめん。意外と大丈夫だったんですよ。そう、ここ3試合連続の先発出場を仰せつかい、ようやくスペイン代表でも常連だったセビージャ時代の自分のサッカーを思い出したか、この日はビトロがキープレーヤーに。前半32分には敵DF数人をかわしてエリア内でバトンタッチ、ここ数試合の悪いパフォーマンスを反省していたコレアがシュートを決め、アトレティコが先制点を挙げてくれたから、ファンも喜んだの何のって。 ▽更に40分にはリュカのスルーパスにグリーズマンが抜け出したんですが、GKオイエルに倒されてシュートできず。ペナルティをもらうどころか、逆にpiscinazo(ピシナソ/ダイブ)とされて警告を受けてしまったため、後でゴディンなど、「時々、プレーのスピードのせいで、相手に触らなくても向こうが切り返そうとしたりして、バランスを崩すことがある。Por eso la amarilla me parece excesiva/ポル・エソ・ラ・アマリージャ・メ・パレセ・エクセシーバ(だからイエローカードは過剰に思えるよ)」と意見していたんですけどね。後半3分にはコケのサイドチェンジからベルサイコがクロス。エリア内からvolea(ボレア/ボレーシュート)でグリーズマンが撃ち込み、無事に2点目を取ってくれたため、「por suerte no lo hemos tenido que necesitar por los tres puntos/ポル・スエルテ・ノー・ノ・エモス・テニードー・ケ・ネセシタール・ポル・ロス・トレス・プントス(幸いウチは勝ち点3のためにPKを必要としなかった)」(フェルナンド・トーレス)のは良かったですよね。 ▽え、この日、スタジアムが最高に盛り上がったのは後半13分、グリーズマンに代わって、トーレスがピッチに入った瞬間だったんじゃないかって?そうですね、折しも彼は先週、今季限りでのアトレティコ退団を表明。ファンも事情を汲んでか、お馴染みの「Torres quedate/トーレス・ケダテ(トーレス、残って)」というカンティコ(節のついたシュウレヒコール)こそ、聞こえなかったものの、スタンドは「Fernando Torres lo lo lo lo/フェルナンド・トーレス、ロロロロー」の大合唱となります。そこへ32分にはコレアからのパスをネットに沈めて、El Nino(エル・ニーニョ/子供、トーレスの愛称)がチームの3点目を取ってくれるのですから、まさに最高の“子供の日”だったかと。 ▽いえ、シメオネ監督は「Fernando es un icono haciendo goles o no, ganando titulos o no/フェルナンド・エス・ウン・イコノン・アシエンドー・ゴーレス・オ・ノー、ガナンドー・ティトゥロス・オ・ノー(フェルナンドはゴールを決めても決めなくても、タイトルを獲っても獲らなくても偶像だ)」と言っていましたけどね。できれば、「Para mi, cada partido hasta el final va a ser una fiesta/パラ・ミー、カーダ・パルティードー・アスタ・エル・フィナル・バ・ア・セル・ウナ・フィエスタ(自分にとって、最終戦まで全ての試合がフィエスタになるだろう)」という当人には、この日達成したアトレティコでのリーガ1部100得点を少しでも上積みして、有終の美を飾ってほしいですよね。 ▽おかげで、いつもながらGKオブラクが完璧なセーブを見せたこともあり、3-0で快勝したアトレティコでしたが、バルサも前日、バレンシアに2-1と勝利していたため、差が縮まることはなし。次は木曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からアノエタでのレアル・ソシエダ戦で、トマスに代わって、今度はリュカが累積警告となるため、トップチームの頭数に変わりはありません。その後、ホームで彼らを再び見られるのは日曜のベティス戦になるんですが、実はこの週末にワンダで開かれるのはこの試合だけではないんです! ▽そう、土曜にはコパ・デル・レイ決勝のセビージャvsバルサ戦が開催されますからねえ。実はこの日付が決まった折、セレソ会長を始め、2日連続で試合があっても対応可能なクラブの運営力を自慢したかったか、アトレティコはベティス戦を先送りにするのを望まず。とはいえ、3月の各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間)以来、毎週木日と試合が続いているだけに選手たちも若干、お疲れ気味ですし、セビージャ戦が延期となったお隣さんのように、EL準決勝の前にお休みがあった方が、今となっては良かったかもしれませんね。 ▽そしてこの日は続いてヘタフェがコリセウム・アルフォンソ・ペレスでエスパニョール戦をキックオフ。いやあ、今季は梯子観戦もよくした私なんですが、さすがに直後の時間帯となると、公共交通機関を使っての移動はムリで、何せメトロ(地下鉄)のエスタディオ・メトロポリターノ駅から、イロイロ乗り継いで、ヘタフェまで行くのは1時間以上かかりますからね。よって、後でサマリーを見るだけになりましたが、いい結果が出てくれました。ええ、後半8分にFKをショートでもらったダミアンが撃ち込んだgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で先制した彼らは、その10分後にはフラミニが2枚目のイエローカードをもらって退場となったものの、最後まで耐え抜いて1-0で勝利。こちらもレガネス同様、2連敗の不調を乗り越えることができたんですが、残念ながら、柴崎岳選手の出場機会はありませんでしたっけ。 ▽そんなヘタフェは水曜午後7時30分からアウェイでのバレンシア戦、週末もコリセウムには戻って来ず、土曜午後1時(日本時間午後8時)から、乾貴士選手のいるエイバルのホームで試合となります。この先、彼らのコリセウム開催ゲームもあと4月29日のジローナ戦、5月2週目の週末の兄貴分、アトレティコとのミニダービーだけなので、今季中にマドリッドで柴崎選手のプレーを見たいファンは要注意。日付が合わなければ、ヘタフェのオフィシャルページの予定表(http://getafecf.com/PrimerEquipo/Entrenamientos.aspx、スペイン語のみでもgoogle翻訳などで大体わかる)をチェックして、スタジアムの右奥にある練習場に行ってみるのもいいかもしれません。 ▽え、それで日曜最後のカードでラ・ロサレダでマラガと対戦したマドリーはどうだったのかって?いやあ、当日移動したジダン監督のチームだったんですが、予想通り、クリスチアーノ・ロナウドは機上の人とはならず。更にモドリッチとベイルが休養ローテーションに入っただけでなく、クロースやマルセロまでベンチ見学とは、選手が多いチームはまったく羨ましい。ただ、今季はCFのベンゼマが極端なゴール日照りに見舞われているため、無得点のまま、前半も30分近くになると、本当にゴールが入るのか、いささか懸念が出て来たものの、そこに救世主として現れたのはご当地選手のイスコ。 ▽エリア近くでゲットしたFKに古巣の選手たちから、苦労してボールを返してもらった後、キャプテン権限でキッカーをやろうかと申し出たセルヒオ・ラモスも断ると、彼の蹴ったボールが弧を描いてスッポリ、ゴールに収まったから、驚いたの何のって。後でマラガがFKを得た際にもスタンドから、「Isco tiralo/イスコ・ティラロ(イスコが蹴って)」というカンティコが湧いていたぐらいだったんですが、実はイスコがマドリーで直接FKからゴールを決めたのはこれが初めて。いえ、もちろんロナウドやベイルがいたら、キッカーをやらせてもらえないせいもあるでしょうけどね。 ▽むしろこの才能は夏のW杯スペイン代表で役立ててもらいたいものですが、後半にもマドリーはイスコのアシストでカセミロが追加点を挙げ、リードが2点に。その後はセバージョスやマジョラルら、これまでほとんど出番がなかった若手をピッチに送り、アセンシオとイスコを休ませたジダン監督でしたが、何せ相手はもう、残り全勝したとて、降格が避けられそうもない最下位のマラガですからね。ロスタイムにバジェホがクリアできなかったボールをロランが決めて1点は返したものの、そこでゲームセット。ええ、ホセ・ゴンサレス監督も「Nadie tiene dudas de que el Malaga volvera a Primera/ナディエ・ティエネ・ドゥーダス・デ・ケ・エル・マラガ・ボルベラ・ア・プリメーラ(マラガが1部に戻って来ることに疑いを持つ者はいない)」と2部落ち前提で話していましたし、この1-2の敗戦も淡々と受け止めているようでしたっけ。 ▽おかげでバレンシアを追い越し、3位に復帰してマドリーは帰京したんですが、今週の予定は水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)から、サンティアゴ・ベルナベウでのアスレティック戦。当面、ケガ人はナチョしかおらず、ジダン監督もCL準決勝バイエルン戦1stレグまで週末を挟んで丸々1週間空くため、「ローテーションをして、休めるようにしたい。でもno pueden descansar todos/ノー・プエデン・デスカンサール・トードス(全員は休めないだよね)」とどこか余裕でしたが、まあ、相手もすでにブンデスリーガ優勝済みとあって、直前のリーグ戦に主力は使わないでしょうしね。やっぱり私がドキドキするのは25日(水)まで、とっておくことになりそうです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.17 08:35 Tue
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【六川亨の日本サッカーの歩み】浦和と清水の若手選手に期待

▽昨日の15日はJ1の浦和対清水の試合を取材した。サッカー王国を自負し、かつてはリーグの覇を競ったこともある両チームだが、清水は4試合未勝利、浦和はやっと連勝で立て直してきたが、昨シーズンのACL王者の面影はない。 ▽試合は興梠の技ありのヘッド2発で浦和が逃げ切った。ただ、後半になって清水に1点を返されると、大槻監督は3-5-2から5-4-1の超守備的な布陣にシステムを変更。このため後半は清水のボールポゼッション率が高まったものの、攻撃は意思の疎通を欠いてチャンスらしいチャンスを作れず1-2で敗れた。 ▽興梠の2点目は右サイドのMF橋岡からのクロスに対し、最初はファーに流れるように動いてマーカーの意識を後ろに向けさせ、一瞬の動きでマーカーの前に走り込みヘッドで決めたもの。ストライカーらしい動きであり、基本的なプレーでもある。 ▽試合としては、浦和の超守備的なスタイルに彼らの苦しみを見た思いだった。昨シーズンはもちろん、開幕直後も結果こそ出なかったものの、ボールポジションで相手を圧倒するのが浦和スタイル。しかし、この日は宇賀神や平川を欠いていたこともあるが、かつての面影はまるでない。 ▽一方の清水もヤン・ヨンソン監督を招いて守備を再構築しているようだが、J2に降格したシーズンもショートパスを小気味よくつなぐパスサッカーだったのが、こちらも長身FWクリスランにロングボールを当てる攻撃で、かつてのスタイルは見る影もない。そんな試合で楽しめたのが、両チームの若手選手の存在だった。 ▽浦和の2点目をアシストした橋岡は浦和ユース出身の18歳で、本職は182センチの長身を生かしたCB(センターバック)である。この日は右アウトサイドMFに起用され、俊足を飛ばしてマーカーを寄せ付けず、興梠の2点目をアシストした。 ▽大槻監督いわく、「橋岡は走ります。前回の試合は30回スプリント。しかしポジションが悪いので10回は無駄なスプリントと本人に言った。クロスのアシストはトレーニングの成果が出たと思う」と期待の高さを伺わせた。CBもSB(サイドバック)にもできるのは大きな武器だけに、東京五輪の中心選手(現U-18日本代表)に成長することを期待したい。 ▽一方の清水では4-4-2の右SBに起用された立田に注目した。DFとして189センチの長身選手で、こちらもユース出身の本職はCBだ。現在U―21日本代表の19歳で、橋岡同様、東京五輪世代である。 ▽Jリーグは20歳前後の選手の成長を促すため、ルヴァン杯では1名の出場を義務づけている。とはいえ、なかなか世代交代が進まないのが現状でもある。そうした中で、橋岡や立田のような新たな発見はうれしい限りだし、東京五輪までケガなく成長して欲しいと思う。 ▽さらに清水には、この日ゴールを決めた金子という163センチと小柄なMFがいた。彼はJFAアカデミー福島出身のテクニシャンで、まだ22歳と若いだけに、さらなる成長を期待したい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.04.16 21:30 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢だけが生き残った…

▽「もしやこの週ってゴールデンウィーク?」そんな風に私が日本のカレンダーを確認していたのは金曜日、UEFA本部でのCL準決勝抽選が終わり、試合日程が決まった時のことでした。いえ、すでに1時間前に先行していたEL準決勝抽選ではアトレティコとアーセナルと対戦することが決定。こちらの大会は2カードとも木曜開催となるため、3日の2ndレグではワンダ・メトロポリターノでプレミアリーグの老舗を見られるのがすぐわかったんですけどね。奇しくもバイエルンを引いたレアル・マドリーも2ndレグが1日にサンティアゴ・ベルナベウって、要は5月の第1週にマドリッド滞在を予定している観光客には、ヨーロッパの2大クラブ大会のファイナリストが決まる大一番をまとめて観戦する機会があるってことじゃないですか。 ▽え、でもどちらもチケットをゲットするのは難しいんだろうって?まあ通常、大会のこの辺りになると、相手に関わらず、即日完売することも多いんですが、意外にもこの水曜のCL準々決勝2sdレグ。先週の1stレグが0-3と大勝だったせいか、ユベントスというネームバリューでは決して引けを取らない相手だったにも関わらず、80~300ユーロ(約1万1000~4万円)ぐらいで、当日売りのチケットが出ていましたからね。いよいよ、コペンハーゲン、ロコモティブ・モスクワ、スポルティングCPとは一線を画す強敵、アーセナルを迎えるワンダもここまでのEL戦が満員御礼にならなかったという先例があるとなれば、結構、スタジアム窓口で買えてしまったりするかも。 ▽その辺はまだ3週間も先の話なので、情報が入り次第、お伝えしていくことにしますが、まずは今週の準々決勝2ndレグがどう決着したかを語っておかないと。いやあ、火曜は1stレグに4-1と快勝していたバルサが一体、何がどうしたんでしょうかね。スタディオ・オリンピコでは序盤にジェコに決められると、後半にはデ・ロッシがPKで、残り8分にはマノラスがセットプレーからヘッドで、両者共にカンウ・ノウで献上したオウンゴールの無念を晴らされて、総合スコアが4-4に。まさに先週末のリーガ、レガネス戦でハットトリックを挙げたメッシが1本でもこのローマ戦にゴールを取っておけばと思わせる展開で、結局、無得点に終わったバルサはアウェイゴール差による大逆転負けって、こんな奇跡があっていい? ▽おかげで翌水曜のお昼のニュースでは、宿敵のCL敗退に溜飲を下げているマドリー・サポーターの姿を何度も見たものですが、彼らもこの先、何が待っているのか知っていたら、きっとあんなに有頂天にはならなかったかと。というのもその夜、いえ、私も前日にドシャ降りの中、見学に行ったバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でのジダン監督とバランの会見や夕方、ベルナベウであったアッレグリ監督とブッフォンの会見でもほとんど、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)の可能性は話されていなかったため、むしろ恐れていたのは再び、ぶり返してきた寒さの方だったんですけどね。それが何と、同じイタリア勢でも4位のローマとは勝ち点差21をつけて、優勝が間近に迫っているユベントスだからでしょうか。前日の先制点より、全然早い開始1分18秒にはケディラのクロスから、カルバハルを軽々超えて、長身のマンジュキッチがヘッドで決めてしまったから、意表を突かれたの何のって。 ▽ただ、それでもまだ2点差ありましたし、13分にはイスコのゴールが怪しいオフサイドで認められないなんてこともあったため、じきに相手の攻勢も収まるだろうと私など、楽観視していたんですが、いえいえ、とんでもない。37分には再び、マルセロの守る左サイドからクロスを上げられ、またしてもマンジュキッチに頭で得点されてしまっては心落ち着かず、ハーフタイムに定番のボカディージョ(スペイン風バゲットサンド)を食べることもできないファンがいても仕方なかったかと。さすがこれにはジダン監督も「Hay que cambiar algo/アイ・ケ・カンビアール・アルゴ(何かを変えないといけない)」と思ったそうで、マドリーは後半頭から、ベイルとカセミロを下げ、ルーカス・バスケスとアセンシオを投入したものの…。 ▽悪夢が現実になったのは後半15分、この日、ユベントスの攻撃を牽引していたドグラス・コスタが入れたクロスをGKケイロル・ナバスがしっかり掴めず、詰めていたマトゥイディに押し込まれてしまったんですよ。いえ、バルサとは違い、これで総合スコアは互いにアウェィゴールでの3-3ですから、あくまでユベントスはprorroga(プロロガ/延長戦)に持ち込める権利を得たに過ぎないんですけどね。おそらく、それで安心してしまったのでしょうか。その後の彼らは4点目を奪いに行くことより、失点を避けることを優先したのを大いに悔やむことに。 ▽ええ、いよいよ試合も後半ロスタイムに入り、その頃には出場停止でこの試合に出られず、ソンブレロ(帽子)を被ってパルコ(貴賓席)で優雅に観戦していたセルヒオ・ラモスも危ないと思ったか、ベンチ脇にあるトンネルから檄を飛ばしていたんですけどね。私も厚めのヒートテックを着てきた先見の明に感謝しながら、更なる30分の長丁場に耐える覚悟を決めていたところ、何と48分、クリスチアーノ・ロナウドが頭で落としたボールをゴール前に受けに行った身長172センチ、体重70キロのルーカス・バスケスが190センチ、92キロのベナティアに後ろから足を回されて転倒。ペナルティの笛が吹かれるって、こんなラッキーな出来事があっていい? ▽というのもこのプレー、専門家でも意見が分かれる程、判断が微妙で、アッレグリ監督などはCLにVAR(ビデオ審判)がないのを嘆いていましたけどね。もちろんルーカス・バスケスは「Es penalti claro/エス・ペナルティ・クラーロ(明らかにペナルティだ)。ボールをコントロールしようとした時、敵CBに倒されたんだからね」と正当性を主張、対するベナティアは「自分の太ももが触れたけど、接触は最小限で、これはサッカーの一部」と互いの言い分が相反するのは当然で、ユベントスの選手たちも主審を取り巻いて猛抗議をしたところ、何とGKブッフォンがレッドカードで退場させられてしまったから、逆転突破の夢もここでジ・エンドに。 ▽だってえ、どの選手が蹴ってもPKが入らない弟分のヘタフェじゃあるまいし、キッカーはあのロナウドですよ。代わりのGK、シュチェスニーが用意する時間も含め、4分程、間があったため、当人も「Los minutos antes de tirar el penalti se hicieron eternos・ロス・ミヌートス・アンテスデ・ティラール・エル・ペナルティ・セ・イシエロン・エテルノス(PKを蹴るまでが永遠に感じられた)」と言っていたものの、大丈夫。ドサクサに紛れ、ユベントスの選手たちが入れ替わり立ち替わり、PKマーク付近をスパイクで荒らしていたのもモノともせず、しっかり総合スコア4-3で準決勝進出を決めるゴールを挙げているのですから、歓喜の余り、またユニフォームを脱いで、自身の筋肉を見せつけていたって、ここはもう褒めるしかないかと。 ▽え、ロナウドは昨夏、スペイン・スーパーカップ1stレグでもユニを脱いで、それが2枚目のイエローカードだったために退場。更に5試合の出場停止処分を受けていなかったかって?いやあ、そこは少し学んだようで、この日はまだカードをもらっていませんでしたし、大会通算でも2枚目。累積枚数にはならない上、準決勝では全員ゼロからスタートになるって知っていたんでしょうね。おかげで心いくまでゴールを祝うことができたんですが、ラモスの方もスタッフが必死に止めて、ピッチレベルまで上がらなかったため、UEFAのお咎めがなかったのは幸い。何せ、バランとバジェホのCBコンビではその日のように、大物相手では頼りないのが発覚してしまいましたからね。準々決勝こそ、2ndレグは0-0で、セビージャのオウンゴール2本で勝った1stレグのおかげで突破したバイエルンとはいえ、レバンドフスキを前にラモス抜きで戦うなんて、想像したくもありませんって。 ▽そして試合後は、「Si hay penalti, lo hay. Pasamos y estamos contentos/シー・アイ・ペナルティ、ロ・アイ。パサモス・イ・エスタモス・コンテントス(ペナルティがあると言われればある。ウチは突破して満足だ)」(ジダン監督)というマドリーだったんですが、マルセロなどからは「no nos iba a pasar como al Barcelona porque somos el Real Madrid/ノー・ノス・イバ・ア・パサール・コモ・アル・バルセロナ・ポルケ・ソモス・エル・レアル・マドリッド(バルサみたいにはならないよ。ウチはレアル・マドリーだからね)」なんて、ちょっと調子に乗ったコメントも聞かれたんですが、ミックスゾーンで誰より吠えていたのはブッフォンだったかと。 ▽ええ、最初は放映権のあるTVカメラ、次になしのTV、イタリアのラジオ、最後は新聞記者たちの前で、「93分にあんなペナルティを取るなんて、人間のやることじゃない。彼はキラー、アニマルだ。ハートの代わりにゴミバケツを持っている」と各所で主審批判をリピート。うーん、世間から、CLの試合はこのマドリー戦が最後となるだろうと言われていた彼ですから、有終の美を飾れなかったのが悔しいのはわかりますけどね。あの手のジャッジは時の運ですし、昨季もバイエルン相手の準々決勝2ndレグ、延長戦にもつれ込みながらも勝ち抜けを決めたマドリーですから、やっぱり残り30分に畳かけず、120分勝負に懸けたユベントスの戦略にこそ、敗因があったんじゃないかと私など、思ってしまうんですが…。 ▽え、それで木曜にスポルティングとの2ndレグを戦ったアトレティコはどうしたんだって?うーん、リスボンは大雨だったからですかねえ。1週間前のワンダとは違い、相手にガンガン攻めてこられた上、パスが3回と繋がらない惨状にとうとう、普段は見て見ぬ振りをしている番記者たちも試合後は「就任して以来、最低の試合だったのでは?」と記者会見で尋ねざるを得ない始末。それには「この6年間、もっとひどい試合はあったが、comparto que estuvimos tremendamente imprecisos en el primer tiempo/コンパルトーケ・エストゥビモス・トレメンダメンテ・インプレシソス・エン・エル・プリメール・ティエンポー(ウチが前半、恐ろしく正確さを欠いていたという意見には同意する)」と答えていたシメオネ監督ですけどね。 ▽もうホント、私だって、視界が悪くてスポルティングの緑のユニと芝生の区別がつきにくいのだろうとか、濡れた髪でヘディングすると滑って狙いが狂うんだろうとか、TVを見ながら、自分で自分に言い訳するのがどんなに苦しかったことか。どうやらコケなどに言わせると、「相手もプレーしているんだから、hay veces que no es culpa tuya/アイ・ベセス・ケ・ノー・エス・クルパ・トゥジャ(自分たちのせいじゃない時もある)」そうですが、何せ、1stレグでは2-0で勝利しているとはいえ、バルサやマドリーの先例がありましたからねえ。GKオブラクの奮闘も空しく、とうとう前半27分、彼が弾いたクロスをノーマークだったモンテロに決められてしまった時にはどんなに背筋が凍ったことか。 ▽おまけにリュカは前半の接触プレーで顔を強打され、後半からはベルサイコが出場していたのに加え、5分にはダッシュをかけた際にジエゴ・コスタが左太ももを痛め、交代要請って一体、どこまでアトレティコは祟られている?それでも幸い、この時は先日、今季限りのアトレティコ退団宣言をしたフェルナンド・トーレスがアップなしで入り、更にスポルティングも「70分までウチは素晴らしい試合をしていたが、リスクを犯して点を取りにいかないといけない時間帯になり、アトレティコがスペースを得てチャンスを作った」(ジェズス監督)という状態になったため、そのまま試合は1-0で終了。総合スコア2-1で逃げ切りましたが、30分過ぎにグリーズマンが迎えたGKルイ・パトリシオとの1対1の好機にシュートを決めていてくれれば、あそこまでファンをヒヤヒヤさせることもなかったはずでよ。 ▽まあ、内容はともかく、今はアトレティコがリヨンへの道から外れなかったことを喜んでいればいいんですが、気になるのはコスタのケガがいつ治るのか。一応、全治2週間という報が金曜の検査の後、出ていましたが、4年前は負傷から復帰の後、リーガ優勝が決まった最終戦でもCL決勝でもすぐ再発させて、序盤で交代という黒歴史の持ち主ですからね。今週末、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、ワンダ初のDia del Nino/ディア・デル・ニーニョ(子供の日)が祝われるレバンテ戦はもちろん、アーセナルとの2試合もあまり期待しない方がいいかも。ちなみにもう1つのEL準決勝はオリンピック・マルセイユvsザルツブルクで、前者にはライプツィヒとの準々決勝2ndレグでチームの5点目を挙げた酒井宏樹選手、ラツィオを大逆転で退けた後者には南野拓実選手がいるため、どちらが勝っても決勝に必ず日本人選手が参加するっていうのは楽しみですね。 ▽そして他のマドリッド勢の週末の日程は土曜にレガネスがセルタとブタルケで対戦。日曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにエスパニョールを迎えるヘタフェ同様、残留をほぼ達成してしまったため、このところ2連敗とモチベーションを奮い立たすのが難しいようですが、せめてホームゲームではいいプレーをして、サポーターを喜ばせてあげてほしいかと。兄貴分のマドリーは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、降格決定が秒読みに入っている最下位マラガとのアウェイ戦ですが、ユベントス戦で負傷したモドリッチ共々、金曜のセッションでグラウンドに姿を見せなかったカルバハル辺りはお休みしそうです。 ▽実際、バルサとは勝ち点差15とすでにリーガ優勝の望みは失くしている彼らですが、一応、前節にバレンシに奪われてしまった3位の座は取り戻したいですからねえ。来週はミッドウィークの水曜にアスレティック戦をこなした後、週末21日にコパ・デル・レイ決勝が開催。そのファイナリストであるセビージャとの対戦が先送りにされているため、バイエルン戦1stレグまでの丸々1週間、調整に使えるのは羨ましい限りですが、ジダン監督がどんな風にロナウドやクロース、カセミロらをローテーションしてくるのか、ちょっと興味が湧くところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.14 21:45 Sat
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【倉井史也のJリーグ】あーこんなことあった、あんなことあったなぁ(遠い目)!? の巻

▽日曜の夜からバタバタですよ。そりゃもう大騒ぎ。いや、記者さん、僕のところに聞いても、何もわかんないですから!! てな連絡が相次いで。もちろん何も知らないです。本当は某国諜報機関が自分たちの不祥事を隠すために解任劇を勃発させて国民の目を「忖度」事件から逸らそうとしてるなんて、口が裂けても言えないですから! ▽まぁ、実際はE-1選手権の韓国戦に負けた後ぐらいから、「3月、あるんじゃない?」という不穏なうわさが記者の間で飛び交っていたのは事実。西野朗新監督が大本命だったのもそのころから囁かれていたこと。ハリルホジッチ監督はいろいろ息巻いてるってコトなんですけど、話しちゃうと守秘義務違反って今度は日本側から突きつけられることになっちゃうでしょうから、それでもやるのか! やるのか、ハリル! ってドキドキしちゃいますよね。 ▽ただ皮肉なことにバタバタしたおかげで、一気に日本代表に注目が集まってるかも。今年はワールドカップイヤーなのにえらく静かだなぁって感じだったのに。「悪評もまた評なり」という言葉もありますから、注目を集めて、そこで人を感動させてくれれば、結果オーライ!! ってなるのが勝負の世界ですから。あ、でも今年、サッカー協会の役職者が「サッカーの人気が落ちているのは、メディアが悪いことを書くからだ」などと真剣に語っているのを目撃しちゃって、ビックリですよ。人のせいにしてるうちは、日本サッカーはまだまだですな。 ▽つーことで、今週はヴァイッド・ハリルホジッチ監督の日本代表全成績を掲載! ああ、あのとき決断しようと思ったら、あれがあったんだよなぁと、しみじみと振り返ってみてください!! 2015/03/27 キリンチャレンジカップ ○2-0 チュニジア 大分スポーツ公園総合競技場 2015/03/31 JALチャレンジカップ ○5-1 ウズベキスタン 東京スタジアム 2015/06/11 キリンチャレンジカップ ○4-0 イラク 日産スタジアム 2015/06/16 W杯2次予選 △0-0 シンガポール 埼玉スタジアム2002 2015/08/02 EAFF東アジアカップ ●1-2 朝鮮民主主義人民共和国 Wuhan Sports Center Stadium 2015/08/05 EAFF東アジアカップ △1-1 韓国 Wuhan Sports Center Stadium 2015/08/09 EAFF東アジアカップ △1-1 中国 Wuhan Sports Center Stadium 2015/09/03 W杯2次予選 ○3-0 カンボジア 埼玉スタジアム2002 2015/09/08 W杯2次予選 ○6-0 アフガニスタン Azadi stadium 2015/10/08 W杯2次予選 ○3-0 シリア Seeb Stadium 2015/10/13 国際親善試合 △1-1 イラン Azadi stadium 2015/11/12 W杯2次予選 ○3-0 シンガポール National Stadium 2015/11/17 W杯2次予選 ○2-0 カンボジア National Olympic Stadium 2016/03/24 W杯2次予選 ○5-0 アフガニスタン 埼玉スタジアム2002 2016/03/29 W杯2次予選 ○5-0 シリア 埼玉スタジアム2002 2016/06/03 キリンカップサッカー ○7-2 ブルガリア 豊田スタジアム 2016/06/07 キリンカップサッカー ●1-2 ボスニア・ヘルツェゴビナ 市立吹田サッカースタジアム 2016/09/01 W杯最終予選 ●1-2 アラブ首長国連邦(UAE) 埼玉スタジアム2002 2016/09/06 W杯最終予選 ○2-0 タイ Rajamangala Stadium 2016/10/06 W杯最終予選 ○2-1 イラク 埼玉スタジアム2002 2016/10/11 W杯最終予選 △1-1 オーストラリア Dog Runs Stadium 2016/11/11 キリンチャレンジカップ ○4-0 オマーン カシマサッカースタジアム 2016/11/15 W杯最終予選 ○2-1 サウジアラビア 埼玉スタジアム2002 2017/03/23 W杯最終予選 ○2-0 アラブ首長国連邦(UAE) Hazza Bin Zayed Stadium 2017/03/28 W杯最終予選 ○4-0 タイ 埼玉スタジアム2002 2017/06/07 キリンチャレンジカップ △1-1 シリア 東京スタジアム 2017/06/13 W杯最終予選 △1-1 イラク PAS Stadium 2017/08/31 W杯最終予選 ○2-0 オーストラリア 埼玉スタジアム2002 2017/09/05 W杯最終予選 ●0-1 サウジアラビア King Abdula Sports City 2017/10/06 キリンチャレンジカップ ○2-1 ニュージーランド 豊田スタジアム 2017/10/10 キリンチャレンジカップ △3-3 ハイチ 日産スタジアム 2017/11/10 国際親善試合 ●1-3 ブラジル Stade Pierre-Mauroy 2017/11/14 国際親善試合 ●0-1 ベルギー Jan Breydelstadion 2017/12/09 E-1 サッカー選手権 ○1-0 朝鮮民主主義人民共和国 味の素スタジアム 2017/12/12 E-1 サッカー選手権 ○2-1 中国 味の素スタジアム 2017/12/16 E-1 サッカー選手権 ●1-4 韓国 味の素スタジアム 2018/03/23 国際親善試合 △1-1 マリ Stade Maurice Dufrasne 2018/03/27 キリンチャレンジカップ ●1-2 ウクライナ Stade Maurice Dufrasne【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.04.13 22:30 Fri
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【編集部コラム】サムライブルーの命運を託された男…G大阪時代から紐解く西野流

▽ロシア・ワールドカップ(W杯)開幕が2カ月後に迫る中、日本サッカー界に激震が走った。日本サッカー協会(JFA)は9日、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督を解任。JFA技術委員長としてチームをサポートしていくはずだった西野朗氏にロシアW杯での日本代表の命運を託した。 ▽「本来であれば、日本代表の監督をはじめ、スタッフをサポートしていく立場」と、西野氏が12日の監督就任会見で胸中を明かしたとおり、まさに“青天の霹靂”。2016年3月のJFA技術委員長就任当時から抱く覚悟、あるいは未来図をも崩壊させる予想外の展開だったに違いない。 ◆ハイライトはG大阪時代Getty Images▽では、“西野朗という男”とは何者か。その西野氏の日本代表監督電撃就任を一斉に取り上げた各メディアの人物紹介は、1996年にアトランタ・オリンピックの世代別日本代表監督として、ブラジル代表を下した“マイアミの奇跡”が主。だが、西野氏の指導者としての歩みを語るのであれば、ガンバ大阪時代は欠かせない。 ◆西野流のチーム作りGetty Images▽現役時代を過ごした日立製作所の前身である柏レイソルで指導者キャリアをスタートさせた西野氏は、2002年からG大阪を指揮。G大阪に“打ち合いの精神”を宿した先駆者として知られ、「2点取られたら3点、3点取られたら4点取れば良い」の口癖的な誓いは、G大阪サポーターにとって今もなお語り草だ。 ▽バルセロナのレジェンドである元オランダ代表のヨハン・クライフ氏の崇拝者としても知られる西野氏の根底は、もちろん超攻撃的なサッカーだ。だが、殴り合い上等のロマンチストな指揮官との先行しがちなイメージに加えて、現有戦力、あるいは選手個々の特性を生かしたリアリストな起用法も西野流。それこそがチーム作りの基盤となる。 ◆柔軟性が導き出したスタイルGetty Images▽当時のG大阪は、才能に溢れた若い原石の巣窟。MF遠藤保仁やDF山口智の移籍組やDFシジクレイやMFフェルナンジーニョ、FWアラウージョ、FWマグノ・アウベスといった有力助っ人を軸に、DF宮本恒靖やMF橋本英郎、MF二川孝広、FW大黒将志といった生え抜きの有望株を多用しつつ、当時の戦力に最適な戦い方を探った。 ▽結果、行き着いた先がポゼッションとパス&ムーブを織り交ぜた攻撃サッカーだ。ただ、西野氏はそういった類の戦い方に固執した指導者では決してない。2002年にFWマグロンを軸にリアクションサッカーを展開した事実が示すように、現有戦力の個性を見極めた上で、最も適した戦い方を用いる柔軟性も併せ持つ指導者だ。 ◆G大阪に黄金期をもたらすGetty Images▽G大阪時代の功績に目を向ければ、創世記からタイトルと無縁だったチームに数々の栄冠をもたらせた。J1リーグ初制覇時の2005年は、西野サッカーが数字として表れたシーズンだった。リーグワースト3位の58失点を喫した守備面に対して、攻撃面はリーグトップの82得点。Jリーグに新たな風を吹き込んだという意味でもセンセーショナルだった。 ▽2005年を境に、西野ガンバは黄金期に突入した。柏時代の教え子であるMF明神智和、DF加地亮といった一線級の主力を加えた一方で、大黒とアラウージョを失った2006年以降は、3バックから4バックにシフトするなど、攻撃に振り切った針をやや守備寄りに。すると、2007年にJリーグカップ初制覇、2008年から天皇杯連覇を成し遂げた。 ◆ユナイテッド戦で体現した西野流の真髄Getty Images▽そして2008年、西野ガンバはAFCチャンピオンズリーグをクラブ史上初制覇。同年末に自国で行われるクラブ・ワールドカップの出場権を手にした。その準決勝で対戦したのが、アレックス・ファーガソン元監督が率い、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現レアル・マドリー)ら名前を挙げればきりがないほどスター選手を擁するマンチェスター・ユナイテッドだった。 ▽当時、欧州最強のアタッカー陣を擁したユナイテッドとの一戦。結果として真っ向勝負を挑み、3-5で打ち負けたが、西野氏はチームとして結果を求め過ぎるが故に選手個々の能力を抑え込むことを嫌う。先の就任会見で「個人のプレーに制限をかけたくない」と語った言葉が“選手ファースト”という西野流の真髄を示しているように思えてならない。 ◆Jリーグ最多勝利監督の手腕はいかにGetty Images▽その西野氏は、会見で「攻撃的な思考を求めたゲーム展開に当然したい」とも語った。さらに、「最高の化学反応をもたらせる選手選考」のフレーズも飛ばしている。だが、初タイトルまで4年間を要したG大阪時代ほど猶予はない。“化学反応”のワードを何度か口にした西野氏だが、わずか2カ月の準備期間で2年ほど離れた指導者としての勘をどう取り戻し、どう代表を立て直していくのか。重責を承った今、Jリーグ最多勝利監督の手腕を信じたい。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2018.04.13 19:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】西野会見に思うこと

▽契約解除となったハリルホジッチ前監督に代わりSAMURAI BLUE(サムライ・ブルー)の新監督に就任した西野朗氏の会見が4月12日に都内のJFAハウスで17時から行われた。 ▽西野監督とは、彼が浦和西高校3年で高校選手権に出てプレーしていた当時から注目していた(当時の小生はまだ2歳年下の高校1年生だった)。高校選手のアイドル第1号であり、早稲田大学に進学しても試合会場の西が丘には大勢の女性ファンが詰めかけ、黄色い声援を送っていた。 ▽当時のサッカーマガジンは、海外のスター選手が表紙を飾っていたが、ある号で早稲田大学の大隈講堂をバックにした西野氏が表紙に起用されたのには正直驚いたものだ。「プリンス」とか「貴公子」と言われ、その端正なマスクで多くの女性ファンを魅了。その後は日立サッカー部で攻撃的なMFとして活躍した。 ▽その頃から選手と記者という関係になり、JSL(日本サッカーリーグ)の試合会場はもちろんのこと、確か当時は東京都西部にあった練習グラウンドで取材した記憶がある。練習グラウンドが現在の柏に移ったのはJリーグ創設の機運があり、西野氏が現役を引退して日立のコーチになった80年代末だった。 ▽その後はU-20日本代表の監督やアトランタ五輪の監督を歴任し、1997年に柏レイソルのコーチに復帰。当時はニカノール監督の下で1年間修行し、1998年から監督を務めたが、専門誌時代は柏担当だったこともあり、必然的に西野監督を取材する機会は増えた。 ▽当時から西野監督は饒舌なタイプではなかった。どの記者の質問にもストレートに答えを返す。質問をはぐらかそうとか、記者におもねるようなことは一切しない。ちょっと的外れな質問には不機嫌な顔をのぞかせるのも腹芸のできない証拠。それでも言葉少なに答えるのは彼の誠実さの裏返しといってもいいかもしれない。 ▽といったところで昔話が長くなってしまったが、12日の会見も西野監督らしいストレートな会見だった。ハリルホジッチ監督の解任理由として田嶋幸三・JFA会長は「コミュニケーション不足」を挙げていたが、そのことについては「ハリルホジッチ監督は高い基準で求めていた。やらなければいけないプレーがあり、やりたいプレーでギャップもあった。それはチームの中でやっていくことだが、成果が出ないことでギャップを埋められなかった。選手が要求に応えられていないと感じた」と3月のベルギー遠征での溝の存在を認めた。 ▽まあ、あのメンバーで、あの選手起用では仕方ないのではないか。その点で、ハリルホジッチ監督を責めることはできないと思う。ただ、契約解除は決まり、西野監督がロシアに向けてチームを率いることになった。その経緯について聞かれても正直に語ったことに注目したい。西野さんらしい木訥(ぼくとつ)さを感じたからだ。 ▽「先月の末に会長から(監督就任を)打診されました。正直、ハリルホジッチ監督を支えたい、サポートしたい気持ちでいっぱいでしたが、チーム状況のギャップの中で、自分の中ではこれから2ヶ月でどう劇的に変えていくか考えていた。(打診に)戸惑いはもちろんあった。技術委員長として精一杯やっていたし、(サポートが)足りないとも思ったし、監督と一緒(に辞任)と思ったので、(監督)要請には戸惑いを持った。最後はやるしかないと引き受けました」と胸中を語った。 ▽西野さんの強みの1つとして、「鈍感力」が挙げられると思う。普通ならこの状況でかなりのプレッシャーを感じてもいいとはずだ。しかし西野さんには、そうした常人の常識が当てはまらない。それは、「後先の結果を考慮するよりも現在できることをやるだけ」という開き直りではないかとも思ってしまう。 ▽それが吉と出るかどうかはわからないが、来週の月曜コラムではどんな戦略でロシアW杯に臨むかを展望したい。 2018.04.12 23:15 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】2位争いは盛り上がらない…

▽「ここまで冷遇されるなんて」そんな風に私が呆気に取られていたのは月曜日、マドリーダービーで見逃したシーンでもないかと、楽しみお昼のニュースをつけたところ、最初に始まったのはMotoGP、アルゼンチンGPで走行中、ヴァレンティーノ・ロッシにぶつかって転倒させたマルク・マルケスとの度重なる諍いの件。続いてはバレンシアの闘牛場で開催されたデビスカップ準々決勝第2戦でフェレールが熱闘の末、コールシュライバーに勝利、スペインがドイツを破って準決勝進出を遂げた件で、いえ、このテニスの国別対抗戦には金曜にバルサのピケが見学に来ていたなんて話もあったんですけどね。 ▽いよいよ次こそは身構えていたところ、マスターズで4位になったスペイン人ゴルファーのジョン・ラームの映像が流れた日には、どうしたらいいものか。だってえ、サッカー至上主義のこの国で番組開始から15分以上、ほっておかれるなんて、バルサとエスパニョールのカタルーニャダービー、アスレティックとレアル・ソシエダのバスクダービー、セビージャとベティスのアンダルシアダービーと、スペインにはライバル意識の強いお隣さん同士の対決はいくつかあるものの、天下のマドリーダービーなんですよ。それがこの扱いって、どこまでレアル・マドリーもアトレティコもリーガで影が薄くなってしまったんだと、私も嘆くしかなかったんですが…。 ▽まあ、そこは気を取り直して、先週末のマドリッド勢を振り返っていくことにすると。トップバッターは土曜の午後1時という早い時間から、メンディソローサでアラベスと対戦したヘタフェだったんですが、やっぱり残留ほぼ確定という立場になってしまうと、今季は再昇格1年目のチームというのもあって、それ以上の野心を持つのが難しいんでしょうか。前半は両者無得点だったものの、後半3分にはラグアルディア、30分にもムニルと、2本のヘッドで点を奪われた彼らはそのまま2-0で敗戦。終盤にもらったPKもアントゥネスが外してしまい、とうとう今季9本中5本目のPK失敗って、ちょっと情けない感じがしますが、数年前には兄貴分のアトレティコも延々と入らない時期があったりしましたからねえ。 ▽こればっかりは練習不足を責めても仕方ないんですが、この日は前節のベティス戦でPKを弾かれてしまったポルティージョが累積警告で出場停止だったため、先発に抜擢された柴崎岳選手も後半17分で交代。あまり見せ場がなかったのも残念ですが、ボルダラス監督も「せっかくここまで素晴らしいシーズンを送ってきたのに、終盤で失速するのは痛ましい」と言っていたように、今週末日曜のエスパニョール戦を含めて、あと7試合、せめて半分ぐらいは勝てると、ファンもいい気分で夏を迎えられるんじゃないでしょうか。 ▽そして同じ土曜、夜の試合でカンプ・ノウのピッチに立ったのはレガネスだったんですが、いえ、普段はスルーしているバルサ戦を見に近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に入ったところ、顔馴染みのcamarero(カマレーロ/ウェイター)に「何しに来たの?」と驚かれてしまったなんてこともあったんですけどね。やはりアトレティコにもムリだったことを弟分に期待した自分が愚かだと前半から、思い知らされることに。ええ、相手もCL準々決勝ローマ戦の谷間ということで、イニエスタやジョルディ・アルバがベンチ待機だったですが、あの選手さえ、いればいいんですよ。まずは前半27分、CBシオバスが絶対、やってはいけないエリア前右側でファールを犯し、そのFKをメッシが直接決めてバルサが先制。丁度、1カ月前、首位との直接対決に張り切って乗り込んだアトレティコもこれでやられたっけと、悔しさを反芻していたところ…。 ▽ええ、後でガリターノ監督も「Nuestro error ha sido no saber dar dos pases seguidos/ヌエストロ・エロール・ア・シードー・ノー・サベール・ダール・ドス・パセス・セギードス(ウチのミスはパスが2本と続かなかったこと)」と反省していたんですけどね。レガネスは32分にもコウチーニョからパスをもらったメッシに再びゴールを奪われてしまったんですよ。それでも後半、リードして相手の気が緩んだのか、少しは攻められるようになってきたため、しばらく様子を伺っていると、何と23分にはエル・ザールがGKテア・シュテーゲンを破ってくれたから、期待度が再び上昇。でもねえ、最後はやっぱりメッシでした。残り3分、GKクエジェルの体をヒョイと超えるチップキックで3点目を取られてはどうしようもありませんって。 ▽結局、3-1と負けてしまい、ハットトリックを挙げた好調メッシの引き立て役で終わってしまったレガネスでしたが、まあこちらも降格圏とは勝ち点13と残留はほぼ確定していますからね。ヘタフェ同様、この土曜のセルタ戦からまた気を取り直して、いい試合を見せてくれればいいんですが、ボルダラス監督共々、ガリターノ監督も今週は契約更新の交渉が進展しそうな雰囲気です。 ▽そして翌日曜はお昼を食べてから、サンティアゴ・ベルナベウへ向かった私でしたが、確かにスタジアム周辺にもいつもの宿敵対決の盛り上がりは見られず。もちろんアトレティコファンも一定数、応援に駆けつけていたものの、fondo norte/フォンド・ノルテ(北側ゴール裏)3、4階のスタンドが赤白で埋め尽くされることはなく、マドリーが用意したモザイクもfondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏)限定だったため、初めてマドリーダービーを見た人はちょっと肩透かしを感じたかも。加えて、フィールドプレーヤーが15人しかおらず、ローテーションする余裕のないアトレティコはともかく、ジダン監督など、水曜のCL準々決勝ユベントス戦2ndレグを見据えて、ベンゼマ、イスコ、モドリッチ、カセミロを先発させませんでしたしね。 ▽とはいえ、そこはシメオネ監督も「Creo que el Madrid tiene la mejor plantilla del mundo/クレオ・ケ・エル・マドリッド・ティエネ・ラ・メホール・プランティージャ・デル・ムンド(マドリーは世界一の選手層を持っていると思う)。PSGより、マンチェスター・シティより、バルサよりもいい」と認めていたマドリー。おかげで前半から、GKオブラクはクリスチアーノ・ロナウドの2本やカルバハルのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)しなければならなかった上、アセンシオやマルセロらの試みはゴール枠に助けてもらう羽目に。対照的にアトレティコ唯一のチャンスはジエゴ・コスタが作ったんですが、こちらもGKケイロル・ナバスが見事なセーブを披露。惜しむらくは41分、トマスのパスから、ビトロが1人で抜け出し、シメオネ監督も思わずテクニカルエリアを一緒に走り出す程、最高のカウンターが発動しながら、自陣からスタートしたのを気づいてもらえず。オフサイドの笛を吹かれてしまったため、敵エリアまで行きつけなかったことでしょうか。 ▽そんな調子で0-0のまま始まった後半は、うーん、ジダン監督と約束した60分が迫ってきたからですかね。8分にはベイルが左サイドから上げたクロスをリュカがクリアできず、そのボールをロナウドがしっかりvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めてしまったから、場内のマドリーファンは大喜びすることに。するとその途端、アトレティコが豹変したんです。ええ、「Tras su gol tuvimos que subir nivel y el ritmo/トラス・ス・ゴル・トゥビモス・ケ・スビール・ニベル・イ・エル・リトモ(彼らのゴールの後、ウチはレベルとリズムを上げた)」(グリーズマン)そうで、4分後には敵エリアに迫ると、ビトロのシュートは弾かれたものの、そのこぼれ球をグリーズマンがシュートして同点に。得意満面で娘のミアちゃん、2歳のバースデーを祝うダンスを踊っていたから、私もホッとしたの何のって。 ▽え、だったら最初から積極的にやっていれば、点だってもっと早く取れていたんじゃないかって?うーん、そうなんですが彼らにも事情というものがあって、火曜にCL戦を済ませたマドリーと違い、木曜にEL準々決勝1stレグがあったアトレティコは翌日など、自転車漕ぎぐらいで、前日土曜も練習はたった30分。いつもはファンのため、必ず車を止めてくれるコケですら、直帰してしまう程、体力に余裕がありませんでしたからねえ。その彼のエリア内から撃った渾身のシュートもナバスに阻止されて間もなく、一気呵成の攻撃も終了。シメオネ監督は満足していませんでしたが、ロナウドがベンゼマに交代したものの、モドリッチやイスコを投入してきたマドリーに2点目を許さず、ロスタイムのセルヒオ・ラモスのFKも「es un cancerbero que da puntos/エス・ウン・カンセルベーロ・ケ・ダ・プントス(勝ち点を稼いでくれるGK)」(サウール)であるオブラクがはじき出し、引き分けただけでも褒めてあげないといけないかと。 ▽その一方でアトレティコもコスタを早々に引っ込め、ガビを入れて守備態勢に移行していたため、こちらも木曜のスポルティング戦2ndレグを優先したと言えなくはないんですが、どちらにしろ、この結果でリーガ首位との差は11にまた拡大。ええ、およそ4試合分で、サルールも「今季は1度も負けていないバルサがこれだけの試合を落とすのは変だろう」と言っていたように、逆転優勝を考えるのは完全な夢物語になってしまいましたが、少なくともお隣さんとの4ポイント差を維持できたのは良かったかと。ただし、今度はマドリーに代わってバレンシアが3位に浮上、3ポイント差と近づいていますからね。あと7試合、2位をキープするのも結構、大変かもしれません。 ▽そして今週はマドリーが過密日程に苦労する番で、水曜のユベントス戦まではたったの中2日。幸い、ダービーで足首を捻ったルーカス・バスケスは軽傷のようですが、土曜の練習で筋肉痛を起こし、せっかくの先発出場の機会をフイにしたバジェホの容体が気遣われています。何せ、今回はラモスが出場停止、ナチョは全治1カ月のケガとあって、使えるCBが減っていますからね。実を言うと、あまりバランの連投もお勧めじゃないんですが、バジェホが出られない場合、カセミロが代役という緊急事態も想定されるかと。 ▽とはいえ、1stレグはアウェイで0-3と快勝、シメオネ監督も「cuando se le prende la luz de la Champions tienen una fuerza diferente/クアンドー・セ・レ・プレンデ・ラ・ルス・デ・ラ・チャンピオンズ・ティエネン・ウナ・フエルサ・ディフェレンテ(CLのライトがつくと違う力を発揮する)」と太鼓判を押していたマドリーですからね。相手はセリアA前節のベネベント戦でハットトリックを挙げ、2-4の勝利に貢献したディバラも出場停止となれば、ジダン監督は「Vamos a sufrir mucho, nos jugamos la temporada/バモス・ア・スフリール・ムーチョ、ノス・フガモス・ラ・テンポラーダ(苦労するだろう。ウチはシーズンを懸けているのだから)」とあくまで慎重だったものの、水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのサンティアゴ・ベルナベウではあまり心配しなくてもいいかも。 ▽アトレティコの方は木曜午後9時5分(日本時間翌午前4時5分)から、リスボンでスポルティング戦2ndレグとなるんですが、メンバー的にはもういつも同じとしか言えなくて、唯一、回復を待たれているのはヒメネス。ベルサイコはすでにマドリー戦でベンチに戻っています。一応、1stレグでは2-0で勝っていますし、向こうはその試合の後、会長がやる気のないことを理由に19人の選手を業務停止処分にしたり、それが日曜のパソス・デ・フェレイラ戦では解除されて、2-0で勝ったものの、何だかゴタゴタしているみたいですしね。その試合でゴールを決めたエースのドン・バストも出場停止ですし、真面目に守って0-0でもいいアトレティコには有利なはずではあるんですが…。 ▽それをいい機会と思ったか、月曜になって、いきなり出たんです。LG(韓国の携帯メーカー)のコマーシャルイベントに出席したフェルナンド・トーレスから、「今季限りで退団」のコメントが。そう、極限人数になっているアトレティコですが、FWだけは多いため、ダービーでもプレーする機会がなく、最近は出番がめっきり減っていたというせいもありますが、シーズンが終わるのを待たずに当人が意志を表明したのは、「Me sentía en la obligación de decírselo a la afición/メ・センティア・エン・ラ・オブリガシオン・デ・デシールセロ・ア・ラ・アフィシオン(ファンに言う義務を感じたから)」だからだとか。まだ来季の行き先は決まっていないそうですが、2007年にリバプールに移籍する前も2016年にミランからレンタルで戻って来てからも、アトレティコでは1つもタイトルを獲得できていない彼ですからね。 ▽寝耳に水だったクラブもこの報を聞いて即、5月20日の週末にあるリーガ最終節のエイバル戦をトーレスのお別れ記念試合にすることを発表したんですが、折しもその直前の16日にあるのはリヨンでのEL決勝。2年前のCL決勝では涙を呑んだものの、せめてここで優勝杯を掲げ、それを置き土産に愛するチームを去ることができれば、最高だと思いますが、さて。ええ、トーレスはCLもELもチェルシー時代にゲット、スペイン代表でも2008年から2012年までのユーロ、W杯、ユーロ3連覇メンバーでしたからね。最後のお勤めとして、きっとこの先、佳境に入ったELではその経験を生かしてくれると私も信じています。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.10 19:15 Tue
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【日本代表コラム】“勝利”を求め、誰よりも勝利を求めたハリルホジッチ監督解任に思うこと

▽「1%でも2%でもW杯で勝つ可能性を追い求めていきたいと考えています」──9日、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任されたことが日本サッカー協会(JFA)から発表された。このコメントは、田嶋幸三会長が会見で話したもの。今回の決断が正しかったのかどうかは、2カ月後にしか分からないが、このコメントはどうにも納得がいかないもの。その他にも、納得のいく理由は出てこなかった。 ▽2014年のブラジル・ワールドカップではアルジェリア代表を率いていたハリルホジッチ監督。対戦相手のことを綿密に分析した結果、グループステージの3試合で戦い方を相手に合わせて変え2位通過。ラウンド16では同大会で優勝したドイツ代表を相手に90分間をゴールレスドロー。延長戦で得点を許し、2-1で敗れた。しかし、このドイツ戦の90分間も相手との力の差を考えつつ、アルジェリアの良さを引き出し善戦。その手腕を買われ、2015年3月に日本代表監督に就任した。 ▽就任時のJFA会長は大仁邦彌氏であり、技術委員長は霜田正浩氏(現レノファ山口FC監督)であった。協会内部の顔ぶれは当時とは異なるが、ハリルホジッチ監督就任時に霜田氏は「彼は勝利への執着心を要求しますので、そういった部分を日本にもたらしてくれればと思っています」とコメント。勝利にこだわる姿勢は、その後の3年間の振る舞いを見ていればわかるものだった。 ▽ハリルホジッチ監督は、ロシア・ワールドカップ アジア最終予選の初戦であるUAE代表戦で逆転負け。最悪の予選スタートとなったが、その後は結果を残しグループ首位で6大会連続6度目のワールドカップ出場を決めた。 ▽予選中は様々な負傷者、主力選手の不調とエクスキューズがあった中、自身初となるアジア諸国との戦いにアジャストさせていくことも難しかっただろう。そんな中でも新たな選手を代表に招集するなど、しっかりと結果を残しながら、選手たちに経験値を積ませていった。 ▽何度も行われた代表合宿でも同じだった。初めて招集した選手が試合で使われないことも多かった。そのことに不満を持たれた方も多いだろう。しかし、トレーニングでは各選手に細かく動きを指導。戦術の部分はもちろんのこと、体の向きや距離感など、世界レベルで戦うために必要なことを事細かく選手に植え付けていた。各選手がチームに戻ってパフォーマンスが上がることを目にした方も多いのではないだろうか。少なくとも、ハリルホジッチ監督は日本代表を強くするために全力を注いでおり、それに応えるように成長する選手も多かった。 ▽ワールドカップ出場を決めてからの戦いを見ると、確かに結果が残せているとは言えないかもしれない。しかし、予選を戦った主力選手を外し、新たな選手を試していた。選手の調子を見極め、新たな戦い方も求めた。ワールドカップでの対戦国が決定してからはよりその動きが見られた。 ▽3月のマリ代表戦、ウクライナ代表戦は1分け1敗だったが、本番を想定してのテストマッチ。確認することが第一の目標だっただけに、結果よりも課題がハッキリすることの方が重要だったように思う。「臭いものに蓋をしない」スタイルのハリルホジッチ監督は、日本サッカーを発展させるには必要だった存在だと思う。 ▽勝利を求めた結果、勝利を誰よりも求めていたハリルホジッチ監督を解任させた日本サッカー協会。ワールドカップで結果を残すためにハリルホジッチ監督を解任したことよりも、この3年間積み上げてきたことの確認を放棄したことが、一番残念な決断だった。4年前も本番で真価を発揮してきたハリルホジッチ監督。日本サッカーを誰よりも知ろうとし、多くの選手をしっかりとチェックし続けた指揮官の退任は残念以外の何物でもない。3カ国に対するスカウティングの結果も見れないことは残念だ。 ▽西野朗新監督が率いるこの2カ月で、日本代表が何かが大きく変化することはないだろう。次の活動は5月の合宿。実戦は5月30日のガーナ代表戦までない。その後も、スイス代表戦、パラグアイ代表戦の2試合で本番に臨むことになる。勝つ確率が上がるかは不明であり、今回の決断には疑問しか残らない。しかし、監督交代を決断したからには勝算があると願いたい。 ▽最後に。この3年間、ハリルホジッチ監督が率いてきた日本代表を見続けてきた者として、ハリルホジッチ監督には心より感謝したい。ロシアの地で、ハリルホジッチ監督が指揮を執る日本代表を見たかったのが正直なところ。そして、ゴール、勝利を誰よりも喜ぶハリルホジッチ監督の姿を見たかった。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.04.09 23:45 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】もう準決勝のことを考えてもいい?

▽「痛いところを突かれてしまった」そんな風に私が反省していたのは木曜深夜、すでに日付の変わったワンダ・メトロポリターノのミックスゾーンでのことでした。いえ、今回の相手は冬休みを終えたばかりの北国のチームではなく、よく見れば2016年ユーロで優勝したGKルイ・パトリシオまでいるポルトガルの名門。試合前にはクリスチアーノ・ロナウドが宿泊先のユーロスターホテルを訪れ、レアル・マドリー時代から仲の良いコエントランのいる古巣を鼓舞したなんて話も伝わっていただけに、不安も少しだけあったんですけどね。 ▽それも幸い杞憂となり、アトレティコはスポルティング戦を無事に切り抜けたため、私もホッとして、ジエゴ・コスタやグリーズマンが母国語で話しかけてきた新聞記者たちに答えていたのに合わせ、各局のTVカメラもそちらに移動。間が悪くも時同じくして、映像メディア用のお立ち台に現れたコケの前は閑散としていたなんて出来事もあった後、ようやく登場したのは、帰り支度の遅さではマドリーのセルヒオ・ラモスといい勝負のフアンフランだったんですが、やはり外せない質問はこの日曜のマドリーダービーについて。 ▽現在、アトレティコはマドリーに勝ち点差4をつけているものの、「No podemos salir al Bernabeu pensando que si perdemos seguimos segundos/ノー・ポデモス・サリール・アル・ベルナベウ・ペンサンドー・ケ・シー・ペルディモス・セギモス・セグンドス(負けても2位のままだなんて考えて、ベルナベウのピッチに出ることはできない)」とは随分、頼もしいじゃないですか。ええ、リーガは2位でも3位でも、それこそ今季からは4位でもCLグループリーグ直接出場権をもらえるため、実利的な面ではどうでもいいんですが、そこはお隣さんの上で終わりたいというライバル意識からでしょうか。私など、結果に関わらず、順位は変わらないというのを負けた時の慰めに取っておいたぐらいだったんですが、そうですよ。やっぱりダービーとなれば、絶対、勝つ気で挑まないと。 ▽まあ、その辺はまた後でお話ししますが、今週はいよいよヨーロッパの大会も佳境に入り、準々決勝1stレグが行われたミッドウィークはまず、火曜にマドリーがアウェイでユベントスと対戦。折しも昨季のCL決勝で1-4と下して2連覇を遂げた相手だったせいか、ジダン監督もゲンを担いだんでしょうかね。そのカーディフでの一戦と同じメンバーをリピートしたんですが、これがまさに大当たりすることに。ええ、開始3分にはイスコのラストパスをロナウドが押し込み、早々にGKブッフォンを破ってしまったから、驚いたの何のって。 ▽とはいえ、ユーベもそこで気落ちすることなく、前半残りは追加点を奪われこそしなかったものの、後半19分にはクライマックスが訪れます。起点はロナウドで、ルーカス・バスケスが撃ったシュートはGKブッフォンに弾かれてしまったんですが、カルバハルがクロスを上げて、ボールがエリア内に戻ったところ、ゴールに背を向けていたロナウドが飛翔。打点2メートル21センチという高みから、chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)を見事に決めた日には、敵側のファンまでが拍手を送ってしまったのはムリもない?ええ、これには念願のオーバーヘッドでのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)をゲットした当人も、「ユベントスのファンにお礼を言わないと。自分のキャリアの中でこんな素晴らしいことがあったのは初めてだ」といたく感動していたようですけどね。 ▽ユーベにとって、泣きっ面に蜂だったのはその2分後、ディバラが2枚目のイエローカードをもらって退場してしまったことで、うーん、せめて1点でも返して、1-2で2ndレグを迎えるのだったら、まだremontada(レモンターダ/逆転)の目もありながら、この時点で2ndレグでも貴重なアタッカーを失ったのは大打撃だったかと。そこへ、27分にはロナウドのアシストでマルセロがGKの上を越えるチップキックで3点目を入れてしまったとなれば、40歳のブッフォンが「CL優勝というボクの夢を果たすのは不可能だ。世界一の選手が邪魔するのだから」と嘆いていたのも当然だった?「ウチには必要なツキがなかった」というアッレグリ監督の意見もありますが、やはり今季、唯一、残ったタイトル獲得のある大会でのマドリーは別格。リーガと違い、惜しむところなく、実力全開でプレーするのが強さの秘訣でしょうか。 ▽え、ツキなさといえば、同日、サンチェス・ピスファンにバイエルンを迎えたセビージャに並ぶものはないんじゃないかって?そうですね、0-3という余裕のあるスコアで先勝したため、来週水曜の2ndレグではラモスが累積警告で出場停止になってしまったのもあまり痛くはないマドリーに比べると、せっかくサラビアのゴールで先制しながら、ヘスス・ナバス、エスクデーロのオウンゴールで1-2と逆転負けてしまったモンテッラ監督のチームは気の毒な面がなきにしもあらず。ただ、同様のことは翌水曜にも起きて、カンプ・ノウでローマもデ・ロッシとマノラスが味方のGKアリソンを破って、バルサに2点を献上、最後は4-1で負けてしまうことに。その日はリバプールもマンチェスター・シティに3-0と予想外の快勝をしたため、セビージャにはアリアンツ・アレナでの奇跡を祈るものの、どうやらCL準決勝はマドリー、バイエルン、バルサ、リバプールという面々になりそうな気配が濃厚かと。 ▽こうなると遅かれ早かれ、CLクラシコ(伝統の一戦)が実現しそうですが、もしCL準決勝で対戦となると1stレグが4月24、25日、2ndレグが5月1、2日。丁度、その直後の週末がリーガのバルサvsマドリー戦となるため、クラシコ祭りを避けるには5月26日のキエフで顔を合わせるというのが、シナリオ的にベストかもしれませんが、さて。2014年、2016年とダービー決勝ではお隣さんに連勝したマドリーとはいえ、クラシコ決勝は私もまだ見たことがないですしね。アッレグリ監督が「今、最強のチームはマドリーとバルサ。ロナウドとメッシがいるからで、それは大きなアドバンテージだ」と称えていた両選手だって、もうどちらも30歳越えしているため、今季はCLで雌雄を決する最後のチャンスになるかもしれませんよ。 ▽そして翌木曜はワンダでアトレティコのEL準々決勝1stレグを見た私ですが、少し早めに行ったところ、ようやくスタジアム周りの下段、オフィシャルストア並びにレストランがオープンしたのを発見。これまで試合前に飲食をするにはメトロ(地下鉄)7号線の最寄り駅、エスタディオ・メトロポリターノ駅の1つ手前、ラス・ムサス駅からスタジアムに向かう道の途中にあるバル(スペインの喫茶店兼バー)に寄るか、マッチデーだけオープンするフードトラックを利用するしかなかったんですが、このGradona(グラドナ)というお店は年中無休だそうで、スタジアムツアーに来た際などに喉を潤すのに便利かと。 ▽一方、ポルトガルからスポルティングファンが3600人程駆けつけ、ELには冷たかったホームのサポーターもかなり増えた試合では、もしや火曜のお隣さんの速攻に刺激されたんですかね。こちらは何と、キックオフからたった24秒、CBコアテスのエリア前での横パスをコスタが奪い、そこからスペースに走り込んだコケがゴールを挙げて、アトレティコがあっという間に先制したから、呆気に取られたの何のって。どうやら、「una buena predisposicion para presionar en campo rival, algo que teniamos preparados/ウナ・ブエナ・プレディスポシシオン・パラ・プレシオナール・エン・カンポ・リバル、アルゴ・ケ・テニアモス・プレパラードス(敵陣でプレスをかけようと、ウチは準備していた)」というシメオネ監督の作戦が上手くはまったおかげだったようですが、でもねえ。 ▽39分に追加点が入った時もキッカケはもう1人のCB、マチューがサウールのパスをカットミス。今度はグリーズマンがボールを拾い、「Nosotros disfrutamos con los errores del rival/ノソトロス・ディスフルタモス・コン・ロス・エローレス・デル・リバル(ボクらは敵のミスを満喫している)」と2点目を入れてくれたのはいいんですが、こう太っ腹な相手にはなかなか出会えませんからね。むしろ、後半序盤、ルイ・パトリシオと1対1になったコスタが判断を誤り、3点目を奪えなかった方が問題かと思いますが、それにつけても有り難いのはGKオブラクの存在。ええ、前半もジェルソンのエリア内からのシュートを弾いて、同点のピンチを防いでくれましたし、後半ロスタイムにも同選手の強烈な一撃をparadon(パラドン/スーパーセーブ)って、救いの神とはまさにこのこと?こぼれ球はモンテーロが天に撃ち上げてくれたため、敵にアウェイゴールを与えず、アトレティコは2-0で試合を終えることができましたっけ。 ▽ただ、マドリーの3-0と比べると、ちょっと心もとない感じもあって、何せ来週木曜の2ndレグはリスボンのジョゼ・アルベラーデでの開催ですしね。シメオネ監督も「El 2-0 es importante/エル・ドス・ア・セロ・エス・インポルタンテ(2-0の結果は大きい)。今日と同じ態度であちらでもプレーするならね」と言っていた通り、スポルティングはエースのドン・バストとコエントランが出場停止になるとはいえ、まだまだ油断は禁物かと。おまけに勝負を決める3点目が取れなかったため、コスタもグリーズマンも残り数分までピッチにいたんですが、この日も終盤、選手たちの疲れが目立っていたように、今やフィールドプレーヤーはたったの17人。今季絶望のフィリペ・ルイス、代表戦での負傷がまだ治らないヒメネス、ベルサイコを除き、更に14人の超少数精鋭になっているアトレティコにはローテーションという単語はありませんからね。 ▽当然、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのダービーでも同じ選手がプレーする他なく、逆にジダン監督のチームは休養日も2日多い上、ユベントス戦でベンチだったベイルや先発しなかったアセンシオ、ルーカス・バスケスら、体力満々のメンバーを使えるのはかなり不利かと。ケガ人もあちらはナチョしかいませんしね。余裕でマルセロやカルバハルが温存され、テオとリュカの兄弟対決が実現したりするのも微妙に悔しい感じがしますが、ダービーで消耗した選手たちが再び、EL準々決勝2ndレグでリピートするのはもっと怖い? ▽だってえ、コケなど「Es normal que nos den por favoritos por todo lo que hemos hecho en Europa estos anos/エス・ノルマル・ケ・ノス・デン・ポル・ファボリートス・ポル・トードーロ・ケ・エモス・エッチョー・エン・エウロッパ・エストス・アーニョス(ここ数年、ヨーロッパの大会でやってきたことから、ウチが優勝候補と見られるのは当たり前)」なんて、ひょうひょうとした顔で言っていましたが、同日はアーセナルがCSKAモスクワに4-1、ラツィオはザルツブルクに4-2で勝利と、得点力の高いチームはまだ残っているんですよ。32強対決はコペンハーゲン、16強対決はロコモティブ・モスクワに大勝したアトレティコでしたが、この先、厳しい試合が待っているとなると、彼らのスタミナがいつまでもつのか、憂鬱になってしまうんですが…。 ▽まあ、それはそれとして、この土曜にはマドリッドの弟分、レガネスがバルサに挑みますからね。実は今回、痛み止めを注射してローマ戦に出たブスケツが招集外、メッシもアルゼンチン代表合宿からの筋肉痛を引きずっていて本調子でなく、ベンチ待機となるかもしれないと聞いているため、こっそり首位との差が勝ち点9から縮まることを期待しているのは私だけ?お隣さんのヘタフェが今年、同じカンプ・ノウでの試合でスコアレスドローを勝ち取っているだけに現在、降格圏と15差と、まだ勝ち点は36ながら、ほぼ残留を達成しているレガネスだって、負けていられないっていうのは好材料になるかもしれません。 ▽そしてヘタフェの方は同じ土曜、午後1時(日本時間午後8時)から、ビトリア(スペイン北部の町)でアラベスと対戦なんですが、こちらも降格圏とは18差の11位と最低限の目標には達しているんですが、あと8試合あるとなれば、来季のEL出場権を得られる7位までの7差を詰める時間はまだあるかと。彼らの場合、アンヘルが当たってくれないと、なかなか勝利に結びつかないという傾向があるものの、ようやくボランチのベルガラも復帰。前節ベティス戦でとった不覚を挽回すべく、そろそろ柴崎岳選手の活躍も見たいところです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.07 13:30 Sat
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【倉井史也のJリーグ】ちょっと考えりゃすぐわかる?! JリーグとACLの怖ろしい関係!? の巻

▽ACLの5節が始まる前に敗退が決まってしまった川崎Fのファンのみなさん、ワタクシも奇跡の大逆転を信じて、出張を遅らせてまで6節の川崎Fの試合に取材申請してるんですよ。泣。泣。泣。しかも取材申請取り消しても翌日の飛行機って動かせない安いヤツだから、もうどーしよーもないんですわ。涙。涙。涙。いや、一番泣きたいのはこれで賞金獲得がならなかった監督や選手やクラブだっちゅうことはよくわかってるんですけどね。 ▽でもね! そこで敢えて明るいデータを探さなきゃ!! ってことでACLとJリーグの関係について調べたわけですわ!! すると!! ▽過去日本がACLで優勝したのは、ACLって名前になった後に3回。2007年の浦和、2008年のG大阪、2017年の浦和です。ところが! 2007年と2008年のJリーグ王者って鹿島、2018年のJリーグ王者は川崎F。つまり、ACLで優勝しちゃったチームはJリーグのチャンピオンになれてないのです。 ▽さらに言えば、歴代の王者になったチームって、 2003年 鹿 島(グループリーグ敗退) 2004年 横浜FM(グループリーグ敗退) 2005年 G大阪(出場せず) 2006年 浦 和(出場せず) 2007年 鹿 島(出場せず) 2008年 鹿 島(ベスト8) 2009年 鹿 島(ベスト16) 2010年 名古屋(出場せず) 2011年 柏 (出場せず) 2012年 広 島(出場せず) 2013年 広 島(グループリーグ敗退) 2014年 G大阪(出場せず) 2015年 広 島(出場せず) 2016年 鹿 島(出場せず) 2017年 川崎F(ベスト8) と、どんなに頑張ってもベスト8で敗退しておかないといけなかったのです。 ▽まぁ確かにACLの決勝があるわ、代表戦があるわって日本のシーズン終盤はリーグ戦に集中できない要素がバンバン詰まってますからね。インターナショナルマッチデーは、しっかりヨーロッパのCLに配慮して設定されてるけど。 ▽ま、つーことで、今回敗退が決まったチームはこれでリーグ優勝の可能性が高まったと諦めるしかないんです。そう考えて涙を拭こう! 柏! 川崎F! そして今年のリーグは落とせないと思ってるC大阪と鹿島! 大丈夫か? 大丈夫なのか、踏ん張って。今週末のC大阪vs鳥栖という尹晶煥監督因縁対決や、湘南vs鹿島の永木亮太と三竿雄斗には帰ってきてほしい対決のほうが大切だと思うぞ〜。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.04.05 21:30 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】パススピードの違いと正確性の認識

▽先月の日本代表のベルギー遠征2試合、マリ戦とウクライナ戦はメディアでもう顧みられることもなく、過去に追いやられた格好だ。そんな中、毎日新聞は「ハリルジャパンの現在地」というコラムを3回に渡って連載した。その最終回で、浦和DF槙野智章の「未来の日本サッカーを考えた時、引いて守って我慢するサッカーは成長につながらない」というコメントを引用しながら、次のように結んでいた。 ▽「10年の時のように歴史の針を戻すようなサッカーをするのか。たとえ失敗に終わっても得点を狙うことに徹するのか。3年間かけて築いてきたハリルジャパンの現在地が世界と遠いからこそ、どちらの決断にも痛みは伴う」 ▽ここで記者が指摘した「3年間かけて築いてきたハリルジャパン」のサッカーとは、改めて指摘するまでもなく「ジャイアントキリング」を起こすサッカーである。ウクライナ戦後、ハリルホジッチ監督は日本人の特長を把握した上で、「ボールを持ったらスピード、瞬発力を生かした攻めが必要」と話し、「自分たちに何ができるのか、しっかり認識しないといけない。幻想を抱いては罠にはまってしまう」と警鐘を鳴らしていた。 ▽その点、4年前は「自分たちのサッカー」が通じず、「自分たちに何ができるのか、しっかり認識」した長友佑都や本田圭介らはハリルホジッチ監督の理解者と言えるだろう。一方で、ブラジルW杯を経験していない槙野はいまだに「幻想を抱いて」いるとしか言い様がない。こうしたチーム内の温度差がベルギー遠征では不協和音として表面化したのかもしれない。そして、これが本大会前に明らかになったことは不幸中の幸いと言える。 ▽さて、ウクライナ戦である。先週のコラムではヨーロッパ勢との対戦は日本にとってハマりやすいと書いたが、日本と決定的な違いも感じた。昨年のベルギー戦もそうだったが、パススピードに明らかな差があるのだ。そして「正確性」でも大きな差があった。 ▽日本のパスは一見すると味方につながっている。しかし、受け手が次のプレーに移りやすいパスかというと答えは「ノー」だ。30センチにも満たないかもしれないが、ちょっと前に出せばいいのに足下に出したり、プレスを受けているのでワンタッチで落とせるようなパスを出せばいいのに、受け手が苦しくなるようなパスを出したりしている。 ▽1つ1つのパスのズレは時間にすれば1〜2秒かもしれない。しかし、パスはつながるものの、タイムロスが積み重なると攻撃はどんどん遅くなる。その結果、一見するとパスはつながっているようで、相手に守る時間と次のプレーを読む余裕を与えてしまう。 ▽マイボールにして時間を稼ぎ、味方選手の体力温存のためのポゼッションなら問題はない。しかし点を取るためのポゼッションでのタイムロスは致命傷にもなりかねない。これを解消するにはワンタッチパスでの攻撃を増やしていくしかないが、パススピードの遅さを自覚し、正確なパスとは何かという認識を改める必要がある。戦術以前の問題であり、これはJリーグだけでなく、日本サッカーを根本から変えなければならない大作業と言ってもいい。 ▽これも高めなければならない「個の力」の1つかもしれない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.04.05 19:15 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】夢はヨーロッパの大会で果たす…

▽「きっと火曜はマドリーファンで商売大繁盛ね」そんな風に私が想像していたのは月曜日、レアル・マドリーのトリノ入りはこの日の午前中とあって、先乗りレポーターもまだネタがなかったんでしょうね。マルカでもAS(スポーツ紙)でも、更にはお昼のニュースでも市内にある「ジダン監督がユベントス時代に行きつけだったレストラン」、Da Angelino(ダンジェ゛リーノ)を紹介。コックに扮した姿や産後間もない長男のエンツォ君を抱いた、まだ黒髪だった当人の写真、ユニフォーム、グッズなどのコレクションが沢山、飾られた店内に加え、当時、彼がよく注文していたというトマトソースとバジルのパスタ、リガトーニ・ア・ラ・ジダンなんて見せられた日には、あらやだ、何だか私まで行きたくなってしまったじゃないですか。 ▽そう、要はチームもファンも心待ちにしていたCL準々決勝ユベントス戦1stレグがいよいよ、やって来たということなんですが、まあ、首位と先週末、ちょっとは縮まったとはいえ、勝ち点差13のリーガでこの先、何がある訳もなし。となればもう、マドリーはCLに、勝ち点差が9になったアトレティコだって、キャプテンのガビが逆転優勝への展望を聞かれて苦笑していましたしね。こちらもヨーロッパリーグに懸けるのは当然ですが、折しも来季のCLとELの出場権を分ける4位と5位の差も15ポイントまで拡大。降格圏も該当3チームと残留ラインであるレバンテの差が7、その上は11差のアラベスですらから、ほぼ決まったようなものとあって、残り8試合ではELの3席を争う7チームはともかく、他はかなり焦点のぼやけた戦いになりそうなんですが…ええ、予兆はもうこの30節でも十分、見ることができましたっけ。 ▽とりあえず、マドリッド勢の前節を順番にお伝えしていくと、せっかくのセマナ・サンタ(イースター週間)ということもあり、私もセントロ(市内中心部)にプロセシオン(キリストやマリアの像が乗せられたスペイン風お神輿)を眺めに行った帰り、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で向かった土曜はマドリーがトップバッターとしてラス・パルマスとグラン・カナリア島でアウェイ戦。先週半ばまで各国代表でお勤めしていた選手も多かったため、出場停止のカルバハルに加え、クリスチアーノ・ロナウド、セルヒオ・ラモス、イスコ、クロース、マルセロらはお留守番と、火曜のCLを見据えて、ジダン監督は大幅なローテーションを実施したんですが、今回はあまり影響なかったかと。 ▽いえ、相手もまだ残留を諦めていないため、開始からしばらくは拮抗していたんですけどね。前半26分、モドリッチのスルーパスを見事な走りで追ったベイルが先制点を挙げると、39分にはラス・パルマスのFWカレリがルーカス・バスケスをエリア内で倒し、PKを献上してしまうんですもの。このPKは、うーん、ロナウドがいない時の担当はラモスかベイル、更にラモスもいなければ、ベイルが蹴るのが常道だと思うんですが、マルセロもいなかったため、この試合のキャプテンを任されたベンゼマがキッカーを務めるって、やっぱりキャプテン権限は絶大? ▽おかげでマドリーが2点リードしてハーフタイムを迎えることになりましたが、彼らは再開後も7分にルーカス・バスケスがチモ・ナバロに引っ掛けられて2つ目のPKをゲット。今度はベイルが決めて、0-3になったところで、あとは省エネモードに入ってしまったものの、何せ相手は実力的に「Al menos hemos tirado más que otras veces, y eso también es una buena noticia/アル・メノス・エモス・ティラードー・マス・ケ・オトラス・ベセス、イ・エソ・タンビエン・エス・ウナ・ブエナ・ノティシア(少なくともウチは他の試合より枠内シュートを撃った。それもいいニュースではある)」(パコ・ヘメス監督)という程度で満足しないといけない、18位のチームですからね。 ▽むしろ2点はPKで、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らわなかったことが、次節レバンテとの直接対決に挑む自信になったようでしたが、実は思わぬアクシデントに見舞われたのはマドリーの方だったんですよ。そう、前半途中、これまでのプロ生活、1度もケガをしたことがなかったナチョが太ももを痛めて交代。「Ha salido del campo por precaución/ア・サリードー・デル・カンポ・ポル・プレカウシオン(用心のためピッチを出た)」とジダン監督は言っていたものの、マドリッドに戻って検査したところ、全治3、4週間の重傷であることが判明しから、さあ大変! ▽彼はCBですが、両サイドのSBとしても常にカウントされている控えですからね。Aチームではカルバハル、バラン、ラモス、マルセロら、一流DFたちによるラインを形成できるマドリーとはいえ、このCL準々決勝中、誰かに何かあったら、一気に不安の種が増しかねないかと。そんなマドリーはそのナチョも連れて、トップチームメンバー全員でトリノに乗り込んだんですが、火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのユベントス戦1stレグで唯一、スタメン予想が立てられないのは1人のみ。いえ、前日記者会見で喋ったモドリチなどは、「Si juega Gareth o Isco, para mí es lo mismo/シー・フエガ・ガレス・オ・イスコ、パラ・ミー・エス・ロ・ミスモ(ベイルがプレーしてもイスコがプレーしても、ボクにとっては同じだよ)。どちらもチームの大きな戦力だ」と言っていましたけどね。 ▽実際、「代表でプレーする時の彼はおそらく違うのだろう。あちらでは8試合、ウチでは60試合あって、3日おきにプレーしないといけないのだから」というジダン監督のコメントもありますが、同じユベントスと戦った昨季の決勝で先発、マドリーのCL2連覇達成に大きく貢献したイスコも捨てがたいですし、ベイルもラス・パルマス戦で2得点挙げたばかりですからね。他にもアセンシオ、ルーカス・バスケスと候補はいるんですが、監督が「ウチはいい試合をするつもりだが、no tiene nada que ver con lo que pasó hace diez meses/ノー・ティエネ・ケ・ベル・コン・ロ・ケ・パソ・アセ・ディエス・メセス(10カ月前に起きたこととはまったく関係ないよ)」とも言っていたのは何かのヒントになる? ▽ちなみにユベントスのアッレグリ監督の予想はベイルでしたが、あちらではこの試合、ベナティア、ピアニッチが出場停止。ベルナルデツキはヒザの負傷、マンジュキッチは回復したものの、ベンチ待機となり、イグアインやディバラ、ドグラス・コスタらが前線を担うよう。マドリーサイドとして心配なのは、これまで決勝では2度、倒してきた相手ですが、2試合制の決勝トーナメントとなると、勝ち抜けたことがないことで、更には昨季、バルサが準々決勝でユベントスに負けてしまったなんて前例もありますからね。決して油断せず、すでにチケット完売となっている来週水曜、サンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグでファンが奇跡のremontada(レモンターダ/大逆転)を願わなくてもいい結果を持って帰ってくれるといいのですが。 ▽そしてまた、話をリーガに戻すと、翌日曜は私も久々のダブルヘッダー。まずお昼を食べてすぐ向かったのはマドリッド近郊にあるブタルケで、その日は風も弱く、夏時間になったこともあって、午後4時頃はまだ陽光が燦々と降り注いでいたため、ようやく寒い思いをせずに済んだんですけどね。バレンシアとの一戦は後半17分、ロドリゴがエリア外から撃ち込んだシュートにより、レガネスが0-1で惜敗してしまうことに。 ▽いえ、ガリターノ監督も「アウェイで取られたカウンターでの2ゴールを避けたかった」という理由で、彼らにしては珍しい5人DF制を採用。これには相手のマルセリーノ監督も「ellos jugaron con 5-4-1 y nos impedia progresar/エジョス・フガロン・コン・シンコ・クアトロ・ウノ・イ・ノス・インペデイア・プログレサール(彼らは5-4-1のシステムでプレーして、ウチが前に行くのを妨げた)」と戸惑ったのを後で告白していたんですけどね。ただ、そんな逆境も先日、スペイン代表のドイツ親善試合でゴールを挙げ、脚光を浴びたばかりのロドリゴの才能溢れる一発で解決してしまうんですから、やはりそこはCL出場を目指して作られたチームと残留すればOKのチームの差? ▽おまけにどちらもすでに目標をほぼ果たしていたため、ゲームの展開もそこはかとなく、倦怠感が漂っていない気もしなくはなかったんですが、次節のレガネスは来週土曜にカンプ・ノウでのバルサ戦。折しも相手はCL準々決勝ローマ戦の谷間とあって、前日は残り30分で登場、2点差を追いついて、セビージャと2-2で引き分ける原動力となったメッシもお休みするかもしれませんしね。「No nos vamos a relajar, iremos a muerte en cada partido/ノー・ノス・バモス・ア・レラハール、イレモス・ア・ムエルテ・エン・カーダ・パルティードー(ボクらはリラックスしない。どの試合も全力で行くよ)」(ディエゴ・リコ)という言葉通り、レガネスが勝ち点1でも取ってくれれば、兄貴分たちから先々、感謝されることになるかも…いや、むしろクラシコ(伝統の一戦)でバルサ戴冠を見せられる方が迷惑とか、マドリーからは言われちゃいますでしょうか。 ▽そしてブタルケを後にした私はセルカニア(国鉄近郊路線)のサラケマダ駅からセントロに戻り、メトロ(地下鉄)を乗り着いで1時間10分程。ワンダ・メトロポリターノに無事到着したんですが、そういえば、先週はここで、アルゼンチンに6-1と大勝した夢のようなスペイン代表の親善試合を見たのよねと思い出す暇もあらばこそ。その時、先制点を挙げたジエゴ・コスタが大事をとって、デポルティボ戦では控えだったのもあるんですが、まさか19位のチームにアトレティコが攻め込まれる破目になろうとは。それでも幸い、ルーカス・ペレスのシュートは2本ともGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)。無失点のままでいたところ、どうやら最近は彼らのPK運も変わったんですかね。 ▽前半33分にはFKからのボールを争った時、サウールが「Primero me agarra el a mi/プリメーロ・メ・アガラ・エル・ア・ミー(最初、彼がボクを引っ張った)。それで自分も引っ張り返したんだけど」(モスケラ)という状態で倒れ、ペナルティを吹いてもらえたため、ガメイロがPKを決めて、先制点を奪っているんですから、驚いたの何のって。ただそれ以降、チャンスらしきものも、後半15分過ぎにフアンフアン、ベルサイコの右SB同時負傷のため、トップチームデビューしたカンテラーノ(アトレティコBの選手)のイサークがポジションをトマスに譲り、コスタと交代。その彼のシュートがゴールポストをかすめたぐらいしかなかったんですが、逆に心臓に悪いシーンはいくつもあったんです! ▽ええ、もうその頃にはボールを受けるたび、即効ロストするコレアに対するpito(ピト/ブーイング)もだんだんボリュームが上がっていたんですが、23分など、ボルハ・バジェがアトレティコ陣内を独走。オブラクと1対1となる寸前、爆走で追いついたリュカのタックルで間一髪、ピンチを脱した時なと、またドローになるのかと予感したファンはきっと、私だけではなかったはず。そこへトマスまでふくらはぎがつってしまい、コスタとフェルナンド・トーレス以外、Bチームの選手しかいなかったベンチから、20歳のモヤまで駆り出されたため、ロスタイムの3分など、永遠のように感じられたものでしたが…。 ▽大丈夫、最後は崖っぷちにいるデポルティボに余裕がないのが有利に働いたか、彼らの反撃は実を結ぶことなく、アトレティコはそのまま1-0で逃げ切りに成功。いやあ、試合後、シメオネ監督は「ボールロストは別として、誰よりリスクを取って、ドリブルとか仕掛けていた。Creemos mucho en el/クレエエモス・ムーチョ・エン・エル(彼のことは大いに信頼している)」とその日、散々だったコレアを庇っていたんですけどね。あんなではワンダでの開催にも関わらず、スペイン戦でアルゼンチン代表のサンパオリ監督が、ご当地選手の彼をベンチ見学に留めていたのも仕方なかったかと。 ▽そうは言っても、アトレティコもタイトル獲得の望みが唯一、残った木曜午後9時5分(日本時間翌午前4時5分)からのEL準々決勝スポルティング戦1stレグでは、デポルティボ戦で出場停止だったグリーズマンがプレーできますからね。おそらくファンフラン、ベルサイコのどちらかも出られるはずなので、リーガではもう、お隣さんの上で2位になるぐらいの野望しかない彼らもちょっとはマシなプレーを見せてくれるはずですが、はあ。試合をすればまた、ケガ人が出るかもしれませんし、正直、日曜のマドリーダービーが怖いですよ。 ▽え、前節は月曜夜の日程に当たったもう1つの弟分、ヘタフェはどうしたんだって?いやあ、こちらもレガネス同様、残念なことになってしまって、実はこのベティス戦、序盤にアンヘルが2度もチャンスを失敗したのを見た時から、イヤな予感はしたんですけどね。ハーフタイム前、セットプレーから入った当人のゴールもオフサイドで認めらえなかったものの、やはり明暗を分けたのは後半19分、エリア内でのアマトのハンドによりもらったPKをポルティージョがGKアダンに弾かれ、その跳ね返りを押し込もうとしたシュートも体で防がれてしまったプレーでしょうか。 ▽更にアントゥネスのFKがゴールポストに阻まれた後、43分にはおそらく、ポゼッション主体でスピードのない相手に油断してしまったんですかね。カウンターからバラガンにエリア奥まで持ち込まれ、折り返しのパスをセルヒオ・レオンに決められてしまうんですから、平日の遅い時間、しかも雨が降りだしたにも関わらず、応援を続けていたファンがどんなにショックを受けたことか。うーん、ロスタイムにはCKからカブレラのヘッドが炸裂し、アダンが掻き出したものの、実はゴールラインを越えていたという疑惑のプレーもあったんですけどね。 ▽審判が認めてくれず、リーガにはまだVAR(ビデオ審判)もホークアイもないため、スコアは0-1のまま、試合は終了。ええ、残り10分に「PK失敗を悔んで、no paraba de mirar al cielo/ノー・パラバ・デ・ミラール・アル・シエロ(天を見上げてばかりだった)」というポルティージョと交代で入った柴崎岳選手の見せ場もなく、これで7位と勝ち点差7となったヘタフェはEL出場権争いから一歩後退してしまうことに。どうやら残り8試合、ダレずに来季に繋がるような試合をするのがマドリッドの弟分たちの課題になりそうです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.03 13:00 Tue
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【六川亨の日本サッカーの歩み】繰り返されるW杯キックオフ時間の変更。しわ寄せはいつも選手に

▽3月のベルギー遠征ではマリに1-1、ウクライナに1-2と低調な試合内容だったハリルホジッチ・ジャパン。試合後はかなりの逆風が吹いたものの、西野朗・技術委員長がハリルホジッチ監督の続投を明言したせいか、同氏への批判はピタリとやんだ。それだけ現在の日本代表は、議論するに値するほど期待されていないことの表れかもしれない。 ▽ベルギーで取材していて気になったのが、長友佑都の発言である。長友は過去2大会について、「10年の時は全然ダメ。でも(グループリーグを)突破できた。14年の時はポジティブだったけど結果を残せなかった。いまは1人1人が危機感を持っているし、いい形で進める。(不安要素を)逆転する要素が揃っている」と振り返っていた。 ▽長友が言う通り、2010年の岡田ジャパンは2月の東アジア選手権で韓国に1-3と完敗するなど岡田武史監督が辞任を示唆することもあった。その後もセルビアに0-3、韓国に0-2、イングランドに1-2、コートジボワールに0-2など4連敗を喫した。 ▽当時の日本代表は、右サイドハーフに誰を起用するか。絶対的なエースの中村俊輔と、台頭著しい本田が激しいポジション争いをしていた。結果的に中村は足首の負傷が癒えず、さらにテストマッチで結果が出ないことで、岡田監督は本田を0トップ、阿部勇樹をアンカーに置く守備的な布陣を採用。結果的に日本はベスト16に進出した。 ▽対照的に2014年は、直前の米国タンパでのテストマッチでコスタリカに3-1、ザンビアに4-3と快勝したものの、グループリーグで1勝もできず敗退した。選手はポゼッションによる「自分たちのサッカー」に自信を持って臨んだものの、それは幻想に過ぎないことを痛切に思い知らされた。日本が3-1で勝ったコスタリカがベスト8に進出し、準々決勝でオランダとPK戦にもつれ込む接戦を演じたのは皮肉な結果と言えよう。 ▽現状は10年のパターンだけに、本大会では予想を裏切る結果を期待したいものだが、他にも不安要素はある。それは2006年大会の再現だ。 ▽今回のベルギー遠征で、マリ戦は13時20分、ウクライナ戦は14時20分のキックオフだった。現地では25日が冬時間から夏時間(サマータイム)への切り替わりだったため、試合開始時間が1時間ずれたものの、日本では21時20分と視聴しやすい時間帯のキックオフだった。 ▽これは2試合とも日本が主催した大会のため、試合の開始時間をテレビ局の都合に合わせることが可能だった。そしてロシアW杯である。日本は初戦でコロンビアと対戦するが、当初は18時キックオフだった。しかし、日本のテレビ放映の都合によりポーランド対セネガル戦とキックオフ時間が入れ替わり、15時(日本時間22時)に変更された。 ▽ロシアの6月の平均気温は20度ほどだが、日中は気温の上昇も予想される。そして思い出されるのが06年のドイツ大会だ。キャンプ中は例年になく気温が低く、冬物の上着を購入しようとボンの街中を探し回ったほど。しかし大会が始まると気温が急上昇。初戦の日本対オーストラリア戦(当時はオセアニア代表だった)は今回と同様に15時キックオフで、猛暑の中での試合となった。 ▽日本は中村俊輔のFKで先制したものの、後半はオーストラリアの執拗な空中戦に根負けして、交代出場のケーヒルに2ゴールを奪われるなど1-3の逆転負けを喫した。果たして6月19日のサランクスの気温は何度なのか。視聴者のためには歓迎すべきキックオフ時間の変更だが、そのしわ寄せはいつも選手に来る。視聴率の高いW杯で、日本代表の繰り返される歴史でもある。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.04.02 17:30 Mon
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【クラッキーの実況席の裏側】倉敷さんが考える放送界、サッカー協会の問題点は?

▽インターネットでのスポーツ中継が広まり、スマートフォンでのサッカー観戦が可能となるなど、いつでもどこでもサッカーに触れられる時代となった。そんなサッカー中継で欠かせないものの1つが実況だ。白熱した試合を言葉巧みに視聴者に伝え、その場にいるような雰囲気にしてくれる。そんな実況者たちはどんな思いを持って、それを伝えているのだろうか。 ▽20年以上もアナウンサーとして活躍している“クラッキー”こと倉敷保雄さんのインタビュー連載最終回は、倉敷さん自身の今後の目標や、放送界、サッカー協会への問題提起を語ってもらった。 ◆サッカーへの恩返しは色々なスタイルがあって良い!! ――長く実況を続けてこられましたが、今後の目標はあるのでしょうか 「いずれ世界のスタンダードと肩を並べられるレベルになれるように努力を続けることです。力は競技の理解度と比例すると思いますが、それこそキックオフからの数分を見ただけで、その時点での問題点をズバリ指摘できる指導者のレベルにまで到達できたら嬉しいですね。解説者に対しての質問のレベルもグッと変わってきます。実況者の質問のレベルが高ければ中継のレベルも上がるので、もっともっとサッカーを理解したいと思っています」 「サッカー文化を育てる現場にはそれぞれのポジションと役割があり、今はどういうレベルで何が求められているのかを気にしなくてはいけません。僕の周りで考えれば放送局周辺ということになるわけですが、これがどうも落ち着かない。ほんの数年前までは変化もなく住み分けができていたサッカーコンテンツの放映権がここにきて大移動の時期を迎えてしまいました。もちろん僕のような小さな力ではどうすることもできないので、製作サイドのひとりとして、変化していく放送形態の中でどう作り分けをするかということを考えています。」 「例えば、テレビの大画面で観るサッカー中継とスマホで観る中継とは音声に関しては作り分けをしてもいいのでは?と考えます。スマホで見るなら聞いて楽しいラジオ中継的なアプローチをする、大画面ならスパイクのこの面のフェイスを使った技術が光ったね、といった視覚重視のプレー解説、技術解説を中心にするのはどうか?と提案したいですね。」 「後進のためのアンテナショップになるのも良いかな、と思うんです。海外には詩人のように詠うタイプなど様々な実況スタイルがあります。日本ももっとしなやかでいい。中堅どころの実況者はもうスタイルを固めてしまった印象なので、まだ見ぬ未来の実況者への傾いた道標といった程度でしょうけど、サッカーに対する恩返しとして色々なスタイルを見せてあげるのもアリかな、と思っています。ただ、あの人はまた変なことやってるって感想で終わっちゃったら困るんですけどね(笑)。もっと極端にやってみたら?やればいいじゃん、誰が怒るの? って若者を唆したいですね。まあ、トライ&エラーですから失敗は必ずあるでしょうけど。それでも冒険をお勧めしたいです。」 ◆なくならない用語の誤用 ――確かに実況を聞いていても同じような方が多いような気がしますね 「歌手の方や落語家の方は同じ楽曲、同じ噺を披露しても個性的ですよね。でないと商売にならない。実況って恐らく“アナウンサー”という言葉に縛られているんです。それもNHKのアナウンサーという品行方正なイメージですね。今やNHKだって個性を表に出している時代ですけど、ただ試合を追えばいいと考える実況者が多い。特にサッカーでは大多数に思えてしまう。不思議ですね。僕が憧れたスポーツの実況者はずっと昔から個性で勝負してきたのに。」 「個性的な表現もどんどん増えたらいいのにと思います。現在使われているサッカー用語を減らしたくはないのですが、実は違和感を覚える言葉もあって悩ましい。例えばPKは獲得するものなのか?“ペナルティ”は罰則です。だから相手の罰則を獲得するという表現はいかがなものか?P Kを与えられました、が正しいのではないかな、といつも疑問に思います。あとはPKを沈めた、も気になるんです。どこに沈むのか?これはカップにボールを沈めたというゴルフ用語から来た誤用でしょうね。同様の誤用は他の競技にもありますよ。プロレスラーはリングに上がる。フィギュアスケートの選手はリンクには上がりません。正しくはリンクに降り立つです。言葉狩りをするつもりはなく他の表現を増やしたいだけなんですが、難しいですね。」 ――そういった誤用は確かに見受けられますね 「雑誌やWEB媒体も気をつけてください。ゴールマウスというのはあの四角い枠の中ではなく、シュートが打てる守り手にとって危険な区域のことを言います。キーパーが守っているあのゴールの枠は“マウス=口”に見えますが、違いますからね。ただ言葉は時代と共に変化していくので、時代が受け止めれば誤用も誤用ではなくなるでしょう。本当に“口”と考えれば面白い表現も生まれてくるはずなんですけどね。」 「あと多くの解説者が異なるニュアンスを共有しているのではないかと思われる言葉のひとつに“マリーシア”があります。ブラジルでも南部でしか使わない言葉を、そこの出身であるドゥンガが使ったことで広まりました。“マリーシアがない”という本来の意味は“女性の口説き方も知らないウブな奴”というニュアンスで、“騙す”という意味とは遠いんです。相手の気を引いたり、恋の近道をすることを言うわけで、おそらくドゥンガも“まだまだ青いな”という意味で使いたかったのではないでしょうか。もっと駆け引きをしろってね。」 「世界の言葉を上手に集めて、正しいニュンスで翻訳して、まだ日本にはない考え方を理解していけたらいいですね。そのために実況もたくさん勉強しないといけません。特にこれからのサッカー文化を語り継いでいく新しい実況者はかなり戦術的なことに言及できなくてはならないと思います。そういう部分をこれからサッカーを観始める人に上手に伝えてファンを獲得していく。日本のサッカーは個で足りない部分を組織で補うスタイルなのだから、組織としてのサッカーを語れないとだめですね。」 「現在の日本代表を率いるハリルホジッチ監督についても、どんなサッカーをしているのかわからないから教えてくれ、ではなく自分の意見をまとめた上で、高いレベルの質問をして欲しいとメディアには思います。一番影響力の大きいところ、テレビやスポーツ紙などがわかっていないとたくさんの人には伝わらないんです。彼のサッカーは魅力的ではないけれども、今の批評のされ方はおかしいと思います。もちろん監督も相手を説得する努力が欠けていると思いますけど。」 ◆日本サッカー協会に物申す!! (C)CWS Brains,LTD.――話にも出ましたが、今の日本代表をどうご覧になられていますか 「ワールドカップイヤーだというのに、残念ながら街の話題になっていません。流行語大賞にサッカーの何かがノミネートされてほしいのに、不満です。ピッチ外の話題で恐縮ですが、今、大切なのはワールドカップのプロモーションです。年頭に大きく発信して欲しかったですね。とにかく今は流通イメージがぼんやりしている。日本サッカー協会と広告代理店も既に手を打っているのかも知れませんが、少なくとも僕の近所の一般庶民にはまだ届いていない。近年の歴代監督って、岡ちゃん、ジーコさん、ザックさんって、親しみやすいイメージが流通してサッカーファン以外にも好意的に受け入れられていました。でもハリルホジッチ監督はそうではない。怒っているイメージ?記者会見でも自分の意見を一方的に述べるだけで、記者とのコミュニケーションがとれていない。心の交流が足りないと好意的な記事もなかなか出てこないですよね。ここをサッカー協会や広報はもっと気にするべきでは?と思います。質実剛健でも硬派でもいい。とにかくなにかキャッチーなイメージが欲しい。このままではこの夏一緒に戦い辛いです」 「端から見ていると、監督と協会との距離が気になります。E-1(EAFF E-1サッカー選手権)で惨敗した韓国戦の内容も、そのあとのコメントも、韓国と日本の強いライバル関係を協会はしっかりと監督に説明していたのかな、と感じてしまいました。ただ、今はまだあまり良いイメージはないですが、ロシア大会で決勝トーナメントにまで進出できたらOKなんです。それは、ジーコさんもザックさんもできなかったこと。ワールドカップで勝つための監督、このコピーで丸く収まるかは結果次第なので、なんとか実績をと思いますが、それが叶いそうもないのなら、せめて流通イメージを上げてほしいです。多くのファンに愛された方が良くないですかって、余計な心配をしています。」 「先ほどのE-1にしても、日本開催だったのですから、早くからもっとタダ券をバラ撒けなかったのでしょうか? 事情があっても満席にすることによって、スポンサーも納得させられるし、アジアに向けての画作りという点でも価値があった。監督やチームのモチベーションだって違ったと思います」 「同じE-1を戦ったなでしこジャパンのあのガラガラぶりは可哀想です。特に初日は雨で3000人しか入らなかった。訪れたファンは本物のサポーターばかりでしょう。しかし、試合に関して協会側から発信されたのは、なでしこの試合は内容が良くなかったとか責任もとらせるとかだった。では協会はどれだけの環境を整えてあげたのか。やっているなら僕らももっと報道すべきだし、そこはやっぱりメディアとして是々非々で批判しませんか? もっと一緒に(笑)」 ――E-1の女子の取材に行きましたが、本当に日本のサポーターは少なく、決勝では逆に北朝鮮はおそらく朝鮮学校の生徒たちが応援に駆けつけて大声援を送っていたのが印象的でしたね 「どちらがホームなんでしょうね。北朝鮮の子供達はどうしても日本の中では嫌な思いをすることがあるはずですが、それでも学校やグラウンドでは礼儀正しい子ばかり。取材に行った誰からも評判がいい。まとまっていますよね」 「メディアは発信の方法や仕方がどんどん変わっている。テレビが地上波放送してくれたら人気が上がるという時代ではもうありません。近しいメディアから個人のファンを取り込んでいく時代なんです。なでしこの戦いを誰かがレビューやプレビューしたものを協会は公式ページでフォローしたらいいのになと思います。選手のコメントだけがオフィシャルのページにあって、悔しいとか、次につなげられるように頑張るとか、負けたら選手は悔しいし、すまないと言う気持ちはみんな持っているものでしょう。そんなコメントばかりでは建設的な未来には繋がらないですよね」 「サッカーを取り巻くメディアのあり方ってこれじゃいけないと思っているんです。色々な話を聞くことが多いので耳年増になったのか、去年は一生懸命に老害よろしく意見させてもらったんですけど、今年はただプレイヤーとして頑張ろうと思ってます。一兵卒として何か違ったことをしようかなと。変わり者で良い。欅坂46もそう言っていますもんね(笑)」 ◆倉敷さんは野球も好き!? ――サッカー以外の実況もやられたと思いますが、その中で改めてやってみたい競技などありますか 「昔、ストックカーレースの中継を担当したんです。面白かった。モーターレースってあらゆるスピードでの優劣なんですよね。3年くらい前にもやはりNHK BSでヨットレースの中継を手伝わせていただいて、こちらはスケールの大きさ、自然と真剣に向き合うことの恐ろしさが印象的でしたね。たくさんの競技を中継して来ましたが、もう一度きちんと一から勉強してみたいのは野球かな。原点回帰ですね。MLBって独特な用語がいっぱいあって面白いんですよ。」 「イチローの守備を”エリア51”と名付けたセンスが好きですね、超常現象が目撃されるラスベガスの上空を”エリア51”と呼びますが、ヒット性のあたりも掴み取ったり、長打を狙えるヒットをアウトにさしてしまうイチローの守備能力と背番号をかけた格好いい言葉です。日本でもかつては”王シフト”とか”高田ファウル”とかありましたよね。言い換えが楽しいんです。サッカーのPK戦でも最初のキッカーをトップバッターという人もいます。野球用語って溶け込んでいるんですよ。ある有名なサッカージャーナリストの方も続投に代わる言葉が見つからないとおっしゃっていました。ちなみにトップバッターはMLBではリードオフマンですね」 ――リードオフマンくらいならば日本でも耳にすることは増えてきましたね 「豊かな表現ができると良いですね。野球なら多くの変化球を見分けられるファンがグンと増えたらリテラシーのレベルがひとつ上がったという証明だと思います。最近は球種が多いから、フォーシーム、ツーシームなど僕はそこから勉強し直さないとダメですね。」 ◆「まず面白い人間でいたい」 ――以前からラジオに戻りたいとおっしゃっていましたが、その気持ちは今も変わらないんですか 「熱に浮かされたように時々思うんです。わあ、もっと勉強しないと!なんて急にどっさり本を買い込んだりしてね。先日もそう思っていたところでした(笑)。自分が満タンでないと自信が持てないんです。語りたいくらいに充実していないとラジオってできない仕事だと思うので、まず勉強してからですね。」 「他人から見て、面白いと言ってもらえる人間でいられたらいいですね。今年はもっとインプットを増やしたい。自分がもし面白い人間でいられたら別な仕事の機会があるかもしれないと思っています。サッカーと一緒ですね。良いプレーをしていれば、他からオファーが来る。引き出しは多い方がいい、でもストロングポイントははっきりさせないといけないでしょうね。」 「93年にJリーグが生まれた頃からサッカーの実況をしています。当時は一番若手だったのに今では自分よりベテランの方にはなかなかお会いしなくなりました。様々なサッカー界の変化も目の当たりにし、まだ大きく変化しています。実況者はやがてスカイプなどのツールで、解説者とは違う場所で中継を行う時代もやってくるでしょうね。まだ引退はしませんけど、新しいステップを踏むであろう後進にエールを送ります。スポーツ実況界にも新しいスターが欲しいですね。前衛か土着か。進化が一番ゆっくりしているのはNHKかな。現在のNHKのサッカー中継スタイルは多分野地(俊二)さんのスタイルですから、もう長く続いてます。起伏の付け方など、どなたもそっくりです。同業者の仕事って気になるものなんですよ」 ――この5回のインタビューで本当に勉強になるようなことをお話しいただきました。倉敷さんのように強く自分を持っていらっしゃるのであれば、実況だけでなくメディアとして発信することは考えていないのですか 「編集担当の方がゆっくり育てて下さっているのに甘えてばかりいたものが、もうすぐ発表できるはずです。書下ろしです。表紙だけは最高の出来だと思いますので、その節はよろしくお願いします(笑) 」 ▽全5回のインタビューを終え、改めて倉敷さんの魅力を大いに感じた。画一的な中継では面白みに欠けるからこそ、オリジナリティを追い求める。そういった中で、中継では視聴者のリテラシー向上を考え、さら少しでも現地の“空気”に近いものを感じてもらおうとその国の言葉をチョイスして視聴者を楽しませてくれる。 ▽そのようなこだわりを持って長年サッカー中継の実況者を務めているのは、サッカーが『好き』だからだろう。サッカーが『好き』だからこそ学び、『好き』だからこそもっと良くしたいと思う。そのような情熱を持ちながら、少しずつ変化を加え、これからも実況席から試合を届けてくれるに違いない。実況者である倉敷さんの思いを感じながら試合を観戦すれば、今まで気づけなかった新たなものが発見できるだろう。 2018.03.31 12:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】でも過信は禁物…

▽「具合が悪いんじゃ仕方ないけどね」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、paron(パロン/リーガの停止期間)明けのラス・パルマス戦を控え、久々にレアル・マドリーのジダン監督の会見を聞いた時のことでした。いやあ、先日のスペイン戦の前にはアルゼンチンのサンパオリ監督が、これでもかというようにメッシについて質問されていたんですけどね。今度はその親善試合のヒーローにお鉢が回り、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場プレスルームではやたら、イスコの名前ばかりが聞こえてくることに。 ▽そして、その当人はというと、まあ、もちろん最近はクラブの方で2試合連続先発など、ずっとなかったことなので、ドイツ戦、アルゼンチン戦に続けて出たのが堪えたのか、水曜からジムごもり。ジダン監督よると、180分間フル出場し、丁度、この30日に32歳のバースデーを迎えたセルヒ・ラモス同様、体に痛みがあるため、土曜のグラン・カナリア(ラス・パルマスのホームがあるカナリア諸島)遠征には同行しないそうなんですけどね。スペイン代表に比べ、マドリーでのプレゼンスが低いのは、「No es un problema de Isco/ノー・エス・ウン・プロブレマ・デ・イスコ(イスコの問題ではない)。問題はウチには25人の選手がいて、プレーできるのは11人だけということ」(ジダン監督)とはいえ、折しもポルトガル代表のお勤めを果たしてきたクリスチアーノ・ロナウドはミッドウィークのCLユベントス戦を見据えてお休み予定。こんなチャンスを利用できないのはやっぱり、自己責任と言えなくもない? ▽まあ、週末のリーガについてはまた後でお話しすることにして、そのイスコが大活躍したワンダ・メトロポリターノでのアルゼンチン戦がどうだったかというと。実はスペインが薄い水色のモザイク模様が入っているため、パンツの白と微妙にトーンが違うW杯用の第2ユニを披露したこの試合、お昼のニュースではその前2日間、マドリーの練習場を借りてのセッションに参加。サンパオリ監督もアテにできると確信していたメッシの状態が急変し、結局、最初の親善試合、イタリア戦に続いて、休場することになったのが報道され、応援に駆けつけた1万人のアルゼンチン・サポーターもいきなり、鼻先に水をかけられたような状態でキックオフを迎えたんですけどね。 ▽それに輪をかけたのがCFの決定力の差で実際、先にGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を破るチャンスを得たイグアイン(ユベントス)が見事に撃ち損ねてしまったのと対照的に前半12分、アセンシオ(マドリー)からスルーパスをもらったジエゴ・コスタ(アトレティコ)は先日のドイツ戦でこそ、ロドリゴ(バレンシア)にスタメンを譲ったものの、ロペテギ監督がホームスタジアムで花を持たせてくれたのも嬉しかったんでしょうか。ブストス(インディペンディエンテ)のタックルも、目の前に迫るGKロメロ(マンチェスター・ユナイテッド)もものともせず、先制ゴールをねじ込んでしまうって、いかにも彼らしいじゃないですか! ▽いえ、正直に言えば、その時、ロメロにぶつかってヒザを痛めた当人を見て、「また戦力が減るかも」と心配になったのは私だけでなく、パルコ(貴賓席)で観戦していたシメオネ監督も同じだったんじゃないかと思うんですけどね。結局、この衝突で大きなダメージを受けたのは相手の方で、22分には控えのカバジェーロ(チェルシー)と交代。コスタはピッチに戻り、26分には再びアセンシオがイスコをアシスト、39分にはバネガ(セビージャ)のCKからオタメンディ(マンチェスター・シティ)がヘッドで1点を返すのを見て、ハーフタイムでようやく退くことに。 ▽うーん、ここまでは2-1とまだ逆転の可能性もあったアルゼンチンだったんですけどね。代わって入ったイアゴ・アスパス(セルタ)がこれまた、敵DF陣にとって悪鬼のような存在だったようで、後半は「Espana nos golpeo por todos los lados/エスパーニャノス・ゴルペオ・ポルトードス・ロス・ラドース(スペインはウチをそこら中から打ちのめした)」(サンパオリ監督)という状態になったんですよ。もちろん、それには本来であれば、前も後ろも全員でメッシを止めることに集中しているはずの選手たちが、当人はパルコで見学、おまけにアグエロ(マンチェスター・シティ)やディ・マリア(PSG)まで、負傷で離脱していたため、攻撃に専念できたおかげもあると思うんですが、早くも7分にはgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まったから、さあ大変! ▽ええ、まずはエリア内からアスパスにパスをもらったイスコがこの試合2本目のゴールを決めると、その3分後には当人がアスパスにラストパスをお返し。その場は上手くホールドできなかったアスパスがチアゴ・アルカタラ(バイエルン)に繋ぎ、スペインの4点目が入ったなれば、満員のスタンドがどれ程、歓喜したことか。おかげで試合開始からpito(ピト/ブーイング)を受けていたピケ(バルサ)ですら、jugadon(フガドン/ナイスプレー)を称えられ、拍手でアスピリクエタ(チェルシー)に交代することができましたが、28分にはパスサッカーが基調の彼らには珍しい光景も発現。モウリーニョ監督の下でロングフィードを磨いてきたデ・ヘアがゴールキックを蹴ったところ、アスパスが素早くこれに追いついて、今度は自分でゴールを決めてしまったから、こちらもただただ、驚くしかなかったかと。 ▽そして最後はまたしてもアスパスがイスコにアシストして6点目が入ったんですが、いやあ、やっぱりアトレティコではハットトリックを目撃することが滅多にないせいか、それともお隣さんの選手だからですかね。サンティアゴ・ベルナベウでお馴染みの「Hattrick de Ronaldo!/ハットトリック・デ・ロナウド」のイスコバージョンをスピーカーに期待したんですが、ただの「Gol de Isco/ゴール・デ・イスコ」だったのはちょっと拍子抜けだったかも。これでスコアが6-1となったため、ロペテギ監督も余裕を持って、マルコス・アロンソ(チェルシー)やパレホ(バレンシア)を代表デビューさせたりできたんですが、終盤のアルゼンチンはちょっと頂けませんでしたね。カルバハル(マドリー)やコケ(アトレティコ)が荒いタックルを受け、時折、tangana(タンガナ/小競り合い)になっていましたが、幸いながらケガ人は出ていません。 ▽え、W杯まではまだ3カ月もあるのにいきなりこんな大勝ちして、スペインの選手たちが調子に乗ったら困るんじゃないかって? まあ、その辺は「Argentina sin Messi es otra cosa/アルヘンティーナ・シン・メッシ・エス・オトラ・コーサ(メッシ抜きのアルゼンチンは別物)」とコスタも言っていた通り、彼らもわかっているようですしね。むしろ、6点目を取られてすぐ退席、ロッカールームで「Levanten la cabeza. Esto lo vamos a sacar adelante juntos/レバンタン・ラ・カベッサ。エストー・ロバモス・ア・サカール・アデランテ・フントス(頭を上げて、この事態を皆で乗り切ろう)」と、チームメートにメッシがキャプテンとして檄を飛ばしたというアルゼンチンより、ずっとムードがいいのは確かかと。 ▽実際、この2試合ではデ・ヘア、カルバハル、ラモス、ピケ、ジョルディ・アルバ(バルサ)、イニエスタ(同)、チアゴ、コケ、イスコら、9人がリピートと、本大会の先発メンバーもかなり固まったとはいえ、とりわけFW陣など、モラタ(チェルシー)やロドリゴら、リスト入り当確線上にいる選手もいますしね。ロペテギ監督のポゼッションだけには頼らない戦法もいい感じになってきたようですし、今のところは程ほどの期待を懸けておくぐらいが丁度いい? 彼らが6月、W杯直前に挑むテストマッチはスイス戦とチェニジア戦ですが、それまでのシーズン残りに負傷者が出ないかだけが懸念の種になるでしょうか。 ▽え、それにしても国際メジャートーナメントでの復権を狙うスペイン代表で、これだけお役立ちのイスコがマドリーでは控え扱いなのは、このままだと当人だって調子の維持が難しいだろうし、納得いかないって? そうですねえ、彼自身は殊勝気に「Julen me demuestra la confianza con minutos/ユーレン・メ・デムエストラ・ラ・コンフィアンサ・コン・ミヌートス(ロペテギ監督はボクへの信頼をプレー時間の形で示してくれる)。マドリーではサッカー選手に必要な信頼がなくて、悪いのはそれを勝ち取れていない自分だろう」とピッチインタビューで言っていましたが、何せ、あのチームはスペシャルなタレントの持ち主ばかりですからね。 ▽イスコのサッカーのテンポがマドリーには合わないとかいう意見はともかく、そういう場合は「La confianza no se la da el entrenador, sino el jugador al entrenador/ラ・コンフィアンサ・ノー・セ・ラ・ダ・エル・エントレナドール、シノ・エル・ウガドール・アル・エントレナドール(信頼は監督が選手に与えるものではなく、選手が監督に与えるもの)」(ロペテギ監督)を実践するのも難しいかと。逆にとりわけこの冬、選手を4人も放出してフィールドプレーヤーがたった17人に、フィリペ・ルイスの腓骨骨折で今は16人と極めて少人数でスタメン争いをしているコケなどにしてみれば、「イスコは最高だよ。あっちでレギュラーになれなくても、アトレティコならなれるかも」という次元のようですが、まあ実際、世の中、そんなものかもしれません。 ▽そして19人の各国代表参加メンバーもイスコとラモス以外、特に問題もなく戻ったマドリーは水曜から3日間、バルデベバスで練習。金曜夕方には飛行機で移動となりましたが、いやあ、ジダン監督も思いきりましたねえ。リーガは首位と勝ち点差15と、もう今季のタイトル獲得可能性はCLしかないため、来週火曜の準々決勝ユベントス戦1stレグを睨み、ローテーションがあるのは予想できましたが、最初に言ったロナウド以外にもクロース、マルセロをお留守番に。そこへカルバハルの出場停止まで重なるとなると、もしや現在18位、何とか17位のレバンテとの勝ち点差6を縮めようと必死なパコ・ヘメス監督のラス・パルマスにもチャンスがある? ▽とは言っても、ベイルはウェールズ代表の中国戦でハットトリック、マジョラルもU21スペイン代表のユーロ予選2試合で計5得点と当たっていますし、フランス代表と縁が切れてしまったベンゼマも休養十分ですからね。ジダン監督も「Para preparar el martes hay que estar bien mañana/パラ・プレパラール・エル・マルテス・アイ・ケ・エスタ^ル・ビエン・マニャーナ(火曜の準備をするには明日の試合でいい状態でないと)」と自信を見せていたように、やはり土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からの一戦はマドリーの勝利に賭ける人が多いでしょうね。 ▽一方、GKオブラク(スロベニア)が臀部の痛みで2試合目を免除されて戻ったり、ヒメネス(ウルグアイ)がチャイナカップ決勝で足を打撲。ブルサイコ(クロアチア)もメキシコ戦の序盤で交代、加えてコスタの件があったアトレティコは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、ワンダ・メトロポリターノにデポルティボを迎えるんですが、こちらも相手は降格圏の19位だけに実力的には勝っているものの、何せ人出不足が心配でねえ。私も水曜の午後セッションにはポカポカ陽気にも誘われて、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に偵察に行ってしまいましたが、思った通り、代表帰りの選手たちの大半は、スペイン戦では馴染みのベンチをアルゼンチン代表のユニで温めることになったコレアや途中出場だったサウール以外、グラウンドに現れず。 ▽だからかどうかは知りませんが、シメオネ監督など、バーベル上げなど、フィジカルトレに励む選手たちをよそにカンテラーノ(アトレティコBの選手)たちにポジショニングの指導をしているって、もしやそれって、緊急事態を想定してのもの?その一方でフランスの2試合目、ロシア戦では30分程の出場にとどまったグリーズマンの元気な姿も見られたものの、彼はビトロと一緒に今週末は出場停止ですからね。いくら、フェルナンド・トーレスやガメイロと並んでシュート練習、おまけに柵の外から覗くギャラリーを意識してか、ゴールが決まった後のパフォーマンス練習までしてくれてもまったく、助けにならないんですが、幸い翌日の練習ではヒメネスを除いて皆、普通にセッションに参加できたとか。ただシメオネ監督は2トップをガメイロとコレアでリハーサルと、コスタを外していたため、こちらも来週木曜のヨーロッパリーグ準々決勝スポルティング戦1stレグを視野に入れているのかもしれません。 ▽そしてようやく春が来たのが嬉しくて、翌日の午前中にはヘタフェの様子を探りに行った私だったんですが…いやあ、周辺が荒野のため、風吹きすさぶシュダッド・デポルティバ(練習場)の寒かったの何のって。おまけにその日から、セマナ・サンタ(イースター週間)の祝日に入ったせいか、同じ敷地内で普段は週末にあるユースチームのリーガ戦が開催。ゲートで入場料10ユーロ(約1300円)と言われてしまったせいで、裏からグラウンドの反対側に回ってみたところ、辺りは一面、菜の花満開ながら、ええ、ボルダラス監督の練習は2、3時間と他より長いこともありますよ。ヒートテックを着て来なかったことを激しく後悔する破目に。 ▽そのセッションにはベルギーでの日本代表親善試合に参加、2試合目のウクライナ戦で先発した柴崎岳選手も普通に混じっていたんですが、実はこの代表戦期間中、ヘタフェには今季、3番目の中足骨骨折患者が発生。それはボランチのアランバリで、最初は柴崎選手、次はベルガラとどちらも回復に2、3月かかっていますからね。今季は絶望ということで、入れ替わりでそのベルガラが戻って来るんですが、当人は先週、鼻中骨骨折をしてマスクをつけてプレーって、何ともツイていない。ただ月曜午後9時(日本時間翌午前4時)にコリセウム・アルフォンソ・ペレスにベティスを迎える彼らは1部残留をほぼ達成。あとは勝ち点差4を覆して、来季のEL出場権をもらえる7位に喰いこめるかどうかぐらいが焦点になるため、ムリをしないでいいのは助かります。その辺は土曜にバレンシアをブタルケに迎えるもう1つの弟分、12位のレガネスも同じと言ったところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.31 12:00 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】ベルギーでの2試合で見えたこと part.1

▽ヨーロッパ初となるキリンチャレンジ杯2018がベルギーのリエージュで開催され、日本は23日にマリと、27日にウクライナと対戦して1分け1敗の成績に終わった。ハリルホジッチ監督があらかじめ「多くの選手を見たい」と宣言していたように、2試合で22名の選手を起用。出場機会のなかったのはGK東口順昭とケガ明けの森重真人、負傷中の遠藤航、そして車屋紳太郎の4人だけだった。 ▽指揮官が代表23名の選定に着手するのは5月のキャンプからと明言していたので、現時点で誰が当確とか、当落線上と推測するのはあまり意味を持たないだろう。ただ、試合を見れば川島永嗣、槙野智章、長友佑都、長谷部誠、本田圭介、原口元気、大迫勇也といった実績のある選手は、ケガでもしない限り招集は確実だろう。 ▽この話題は別の機会に譲るとして、2試合を取材して改めて感じたことがある。まず日本は、やはり「ヨーロッパ勢との試合は相性がいい」ということだ。というのもセオリー通りに攻撃を組み立ててくるからだ。ウクライナは長身FWベセディンのポストプレーから左サイドに展開し、ドリブラーのコノプリャンカが仕掛けたり、素早いサイドチェンジから右サイドのMFマリノフスキーやDFブトコが攻撃参加したりしてワイドな攻めを展開した。 ▽試合を見ていて思ったのは、「バイタルエリアからドリブルで仕掛けられたら嫌だな」ということだった。というのも前半なかば、ベセディンが前を向き、槙野智章と1対1になりながら、彼はバックパスでサイドへ展開する攻撃を選択した。 ▽これが南米やアフリカのチームなら、間違いなくドリブルで勝負してくる。実際、マリ戦ではFWムッサ・ジェポネが槙野と長友の間をドリブルで割って入ろうとした。ペナルティーエリア内に侵入を許せばPKを与える危険もある。「組織」で攻撃してくるヨーロッパ勢に対し、「個」で勝負してくる南米やアフリカ勢。どちらが日本にとって厄介か、いまさら説明する必要もないだろう。 ▽実際、過去のW杯で日本がヨーロッパ勢に負けたのは10年南ア大会のオランダしかない。98年のクロアチアと02年のロシア、06年のクロアチア、14年のギリシャはいずれもドローで、02年のベルギーと10年のデンマークには勝っている。このためロシアでは、第3戦のポーランド戦に、グループリーグ突破の可能性を残して臨みたいものだ。 ▽W杯本大会に向け、いかにしてコロンビアとセネガル対策を講じるか。ハリルホジッチ監督の手腕が見物でもある。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.03.28 18:30 Wed
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【日本代表コラム】「罠」に陥らず、足りないものをしっかりと認識できたのか

▽「完全に満足することはできないが、ポジティブなものも見られた試合」と試合後の会見で語ったヴァイッド・ハリルホジッチ監督。ベルギー遠征でのテストマッチ2試合は1分け1敗。本大会まで3カ月を切ったタイミングでのこの結果には、不安を抱く方が多いのは致し方ないことだろう。 ▽冒頭のコメントに関しても、「この時期にそれでいいのか」と思われている方も居るに違いない。確かに、その気持ちは理解できないこともない。ただ、それではこれまでと何も変わらないのではないか。個人的にはそう感じてしまう。 ◆「幻想」→「罠」Getty Images▽危機感がないわけでもなく、現状を楽観視している訳でもない。「幻想を抱いては罠に陥るだけだ」。ハリルホジッチ監督はウクライナ戦後に「罠」という言葉を使った。日本人が陥りやすい「罠」は、逆の意味もあると思う。 ▽マリ代表戦、ウクライナ代表戦と、ワールドカップ本大会を想定し、2戦目のセネガル代表、3戦目のポーランド代表を“仮想”して戦った。試合日程も中3日。結果は1分け1敗。この結果が本大会であれば、グループステージ敗退は確定に近い。 ▽ポジティブに捉えるならば、「本大会じゃなくて良かった」といったところだろう。あくまでもテストマッチ。結果が重要ではないとは言わないが、2カ月半後にピークを持って行くには、必要だったプロセスにも成り得るはずだ。もちろん、この先の改善が重要となる。 ▽しかし、日本サッカーを応援する人の大半の意見は冒頭でも触れた通り「不安」で一杯であり、「不満」も溢れてくるだろう。結果が出ていない以上、当然とも言える。ただ、それが「罠」でもあると考えられる。 ▽「面白いサッカー」、「試合を支配して華麗に勝ち切る」というような“幻想”を抱き、「結果が残らない」という“罠”に陥ることは容易に想像できる。一方で、ワールドカップで結果を残すということをリアルに考えた時、「本大会に影響しない勝ち点」を求めることが最重要なのかと問われれば、それは「イエス」と言い切れない。あくまでも、6月の3試合がメイン。そこで勝ち点を稼ぐための「準備」が今は求められるはずだ。 ◆必要なことは“継続”Getty Images▽マリ戦と比較すれば、ウクライナ戦はポジティブな部分が多かったと言える。2失点は喫したものの、“仮想”であるポーランド代表の特徴でもあるサイド攻撃は、決定機を作らせることは少なかった。もちろん、その数を減らすことは求められるが、サイドバック、ウイングの縦関係で一定の守備を行えていたことはプラスだ。 ▽トップ下で先発出場したMF柴崎岳(ヘタフェ)は、中央だけでなく、サイドにも顔を出すなど、精力的に動いていた。冷静なプレーも多く、柴崎の良さを出すことはできただろう。DF槙野智章(浦和レッズ)のゴールをアシストしたFKからのクロスも、精度は高かった。 ▽さらに、1-1で迎えた後半の立ち上がり、日本はプレス強度を高め、左サイドでトライアングルを形成してゴールに迫っていた。前半に比べ、左サイドバックのDF長友佑都(インテル)の攻撃参加も増え、良い入りを見せていた。しかし、時間の経過とともにウクライナが盛り返し、日本は単調な攻撃に逆戻りした。 ▽90分間常に100%のパフォーマンスを出すことは当然難しい。ただ、相手が嫌がるプレー、相手を上回るという部分は試合のポイントとなる時間帯では必要だ。この2戦を見ていても、どこかギアを変えるタイミングがなく、単調な攻撃で決定機を作れないまま90分が過ぎていった印象だ。トライしようとしていることが失敗に終わったからといってやめるのではなく、どこまで継続していけるのか。結果を出すための“継続”は必要だろう。 ◆攻守でハッキリと出た課題Getty Images▽昨年11月のベルギー遠征でのブラジル代表、ベルギー代表との2試合、そして今回のマリ、ウクライナとの2試合では、攻守でハッキリと課題が出た。ブラジル、ベルギー、マリ、ウクライナとワールドカップの出場に関係なく、アジアとは違うレベルでサッカーをするチームとの対戦では、通用しない部分が多かった。本大会に向けて危機感を抱くのもそれが理由だろう。 ▽攻撃面では、圧倒的にシュートが少ない。マリ、ウクライナを相手にしても、決定機と呼べるシーンはわずか。ただ、決定機を多く作ることが目的ではなく、ゴールを奪う事が目的にならなければいけない。ハリルホジッチ監督は「これでも多い」と語ったが、ワールドカップで対戦するコロンビア代表、セネガル代表、ポーランド代表を相手では、決定機を迎える回数は試合中に数えるほどだろう。そこでいかに効率よくゴールを奪うか。何度もハリルホジッチ監督が言う「直接FKからのゴール」もその1つと言える。 ▽シュートチャンスの形をイメージし、どの様に崩すかを考えることは多いだろう。ただ、それではゴールは決まらない。ゴールをどうやって奪うかまで考えた崩しでなければ、ワールドカップで結果を残すのは難しい。相手の守備を崩すことではなく、ゴールをどう奪うかまで見た攻撃を見たいものだ。 ▽そして守備面でもハッキリした課題があった。それは、『デュエル』だ。『デュエル』は一対一の局面に限らず、ピッチ上の様々な部分で起きている。マリ、ウクライナとの対戦では、人数をかけて奪いに行った局面でも、いなされてボールを繋がれていた。相手としては数的優位を作れる状況なだけに、いかにそういったシーンを減らすかが重要となる。 ◆良いイメージとメンタルコントロールGetty Images▽残り3カ月を切った時点で、フィジカル的に優位に立てる選手を探すことはまずムリだろう。ハリルホジッチ監督が口にしたように「ゴールのところで我々の瞬発力、スピード、リズムの変化、早いボール回し、前に向かう動き」が必要だ。 ▽しかし、これらのプレーがこの2試合にあったかといえば、ほとんど見ることができなかったはず。高いレベルの相手にどこまで、「ストロングポイント」を出せるかが、ワールドカップで結果を残せるかに繋がるはずだ。 ▽各選手のコメントなどを見ていると、選手間でのメンタル面での差が多く出ているように感じる。世界を相手にどの様に戦うのか。恐れてリスクを負わなければ、光が指すことはないだろう。監督と選手の信頼関係が重要にはなるが、まずは選手たちが「ストロングポイント」だと認識しなければ、良い結果は生まれないかもしれない。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.03.28 15:00 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】W杯はまだ遠い…

▽「別に隠す程のこともないのにね」そんな風に私が文句を言っていたのは月曜日、アルゼンチン代表のサンパオリ監督がワンダ・メトロポリターノで会見すると聞いたため、スペイン代表の公開練習より早めに行ってみたところ、いえ、当人は30分以上、母国やカタルーニャ(バルセロナのある州)のメディアから、次から次へと飛び交う質問に淡々と応答。その半分以上が先週金曜、エティハド・スタジアムのパルコ(貴賓席)でアグエロ(マンチェスター・シティ)と一緒にイタリアに2-0と勝った試合を眺めていたメッシが、「火曜の親善試合でプレーできるのかどうか」だったのはともかく、肝心のチームの方はこの日もバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるレアル・マドリーの練習場で非公開セッションだった上、記者会見で話す選手を1人も連れて来ていなかったから。 ▽おかげでこちらも当てが外れてしまったんですが、とりあえず、スペイン代表の試合は11月の親善以来、久しぶりということで、先週のドイツ戦の様子から話すことにすると。この日のロペテギ監督は大方の先発予想を大きく外してくれて、ええ、アトレティコのFIFA処分が明けて、この1月からプレーを再開。おかげで代表招集は9カ月ぶりながら、今回はモラタ(チェルシー)が呼ばれず、当人は双子を妊娠中のイタリア人モデルの彼女、アリス・カンペッロさんと一緒にバケーションに行ってしまったこともあり(https://www.instagram.com/p/BgvW-lFHTYP/?hl=ja&taken-by=alvaromorata)、ジエゴ・コスタのスタメンCF起用という説が多かったんですけどね。ドュッセルドルフのエスプリット・アレナのピッチでイニエスタ(バルサ)、イスコ(レアル・マドリー)、シルバ(マンチェスター・シティ)らと並び、himno(イムノー/国歌)を聞いたのはロドリゴ(バレンシア)。 ▽でもこれがバッチリ当たったんです!そう開始5分、スローインからボールを持ったイニエスタがエリア内のロドリゴにスルーパス。そのまま、フンメルス、ボアテングのバイエルンCBコンビの裏を取った彼がシュートを決め、あっさり先制点をゲットしているんですから、ビックリしたの何のって。ただねえ、その後も軽快にパスを繋いでいたスペインでしたが、チャンスはほとんど生まれず、前半34分にはトマス・ミュラー(バイエルン)にエリア前から、いえ、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)がまだW杯用のマッチボール、テルスター18に慣れていなかったせいもありますよ。あの長い腕でも届かないgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められて、同点に追いつかれてしまうことに。 ▽1-1のまま始まった後半、スペインはバルベルデ監督の下でも今季は時間限定で妙技を見せてくれるイニエスタに代え、サウール(アトレティコ)を投入。チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)から、現在、負傷中で参加していないブスケツ(バルサ)の役割を引き継ぐことになったんですが、同じボランチでもシメオネ監督のチームとスペイン代表では勝手が違ったよう。具合の悪くなったピケ(バルサ)がナチョ(マドリー)に代わったことも重なって、幾度かDFラインに混乱を巻き起こした後、ケガをしたケディラ(ユベントス)がギュンドガン(マンチェスター・シティ)と交代する間にロペテギ監督から注意を受けていましたが、とにかく相手は強豪ドイツですからね。 ▽この日、代表150試合出場の節目に達した百戦錬磨のキャプテン、セルヒオ・ラモス(マドリー)も「Alemania es la actual campeona del mundo y se palpa en cada acción/アレマニア・エス・ラ・アクトゥアル・カンペオナ・デル・ムンドー・イ・セ・パルパ・エン・カーダ・アクシオン(ドイツは現W杯チャンピオン、1つ1つのプレーにそれを感じる)」と言っていたぐらい高レベルのチームとなれば、サウールでは時に対応できないのも仕方なかったかと。ええ、残り10分にはビジャレアルで同職を務めるロドリが代表デビュー、一番無難にこなしたと言われているものの、本大会のここ一番でブスケツの代わりとなるボランチはいないというのは、この日の試合でもわかりましたっけ。 ▽まあ、それはさておき、この後半には両チームのGKが活躍。片や10分にはゴール前からのイスコのシュートをテア・シュテーゲン(バルサ)がparadon(パラドン/スーパーセーブ)したかと思えば、その1分後にはデ・ヘアがギュンドガンの一撃をそらし、更にフンメルスのヘッドもセーブ。それこそ後でロペテギ監督が、「El partido ha sido bonito para el espectador, de juego abierto y con oportunidades/エル・パルティーオー・ア・シードー・ボニートー・パラ・エル・エスペクタドール、デ・フエゴ・アビエルトー・イ・コン・オポルトゥニダーデス(観客にとって楽しい試合だった。オープンなプレーとチャンスがあって)」と言っていた通りだったんですが、残念だったのはせっかく20分にはロドリゴと交代でピッチに入りながら、コスタが降って湧いた絶好機をモノにできず。シュートをフンメルスに当ててしまい、勝ち越し点を取れなかったことかと。 ▽うーん、ここ2試合程、彼はアトレティコでも目立つ働きをしていませんしね。丁度、そういう調子の波に当たったのがアンラッキーでしたが、このところ、マドリーのプランBからAに昇格したアセンシオ&ルーカス・バスケスの両翼を終盤には採用しながらも、スペインに成す術はなし。結局、そのまま1-1の引き分けで終了したのには、レーブ監督もロペテギ監督もいいゲームだったと互いに満足感を表明し、ラモスも「Hoy hemos hecho cosas al alcance de muy pocas selecciones/オイ・エッモス・エッチョー・コーサス・アル・アルカンセ・デ・ムイ・ポカス・セレクシオネス(今日のウチは僅かな代表にしかできないことをやった)」と胸を張っていましたが、でもお。ロシアでのW杯を勝ち抜いていくと、ドイツとは準決勝で当たる可能性が大。その折には引き分けだと延長戦、PK戦で勝負になりますからね。 ▽できれば、本番ではもうちょっと攻守にレベルアップして、90分で勝てるようになっていることを祈っていますが、さて。前回のブラジル大会はグループリーグ敗退、2016年のユーロもベスト16で敗退したスペインとなれば、今から「Vamos al Mundial para ganarlo/バモス・アル・ムンディアル・パラ・ガナールロ(W杯には優勝するために行くつもり)」なんて、コケ(トレティコ)のようにあまり大風呂敷は広げない方がいいかも。まずはポルトガル、イラン、モロッコと当たるグループリーグを突破することに専念しないといけませんよ。 ▽そしてその夜のうちにマドリッドに戻ったチームは翌土曜、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設のグラウンドで今合宿、初めての公開セッションを実施したんですが、晴れてこそいたものの、この日は歩いていて飛ばされそうになる程の強風が吹いていたのが災いしたんでしょうかね。意外とスタンドに詰めかけたファンも少なめだったんですが、前日先発組のイニエスタやピケ、ラモス、ジョルディ・アルバ(バルサ)らはグラウンドに姿も見せず、シルバなんて、最近、低体重で生まれたお子さんの様子を見るため、すでに代表を離脱していたことが発覚。 ▽おまけにコケやサウール、イスコ、ロドリゴらもピッチの横幅を一往復しただけですぐにジムに直行してしまい、コスタ、アセンシオ、ルーカス・バスケス、加えて現在、リーガでスペイン人中、最多得点となる16ゴールを挙げているイアゴ・アスパス(セルタ)などが1/4ピッチのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)でビシバシ、ネットを揺らしているのは見られたものの、ちょっとメンバー的に寂しかったのは否めないかと。そのセッション終了後には24時間のデイオフをもらい、選手たちは三々五々、休日を楽しんだんですが、日曜の午後1時半には再び協会施設内のホテルに集合。例外はラモスで、芸能人の彼女、ピラル・ルビオさんもセルヒオ・ジュニア君、マテオ君に続いて3人目ともなると、上手くタイミングを合わせることができるんですかね。 ▽その日曜の午後に3男のアレハンドロ君を出産するのに立ち会ったため(https://www.instagram.com/p/BgwiCa_nfTX/?hl=es&taken-by=sergioramos)、彼だけは午後7時頃の遅い合宿帰還となったとか。まあ、今回は親善試合オンリーですし、チームメートも翌月曜、午後7時半からのアルゼンチン戦に向けて、スタジアム練習をするまで、W杯期間に流すCM撮りなどで明け暮れていたため、別に不都合はなかったんでしょうが、私が驚かされたのはその公開セッション見学の整理券を協会が当日、朝から配布したところ、スタジアムの窓口に長蛇の列ができていたこと。いやあ、試合のチケットの方も金曜に窓口販売が始まった途端、売り切れてしまったそうですしね。どうやら強敵イタリアを退けて、予選グループ首位でW杯出場を勝ち取ったのが良かったのか、再び国内での代表人気が回復しつつあるのは喜ばしい限りかと。 ▽そしてサンパオリ監督が「Hoy entreno normal, con el grupo. Esta bien para jugar/オイ・エントレノ・ノルマル、コン・エル・グルッポ。エスタ・ビエン・パラ・フガール(今日は普通にグループに入って練習した。プレーできる状態にある)」と、筋肉痛が心配されていたメッシが出場できることを明言。続けて、「スペインは2014年のW杯で自分が率いたチリに負けた頃より、均質的なチームになっている。今は他のところよりずっと上だ。Demasiada superioridad al resto de selecciones/デマシアダスペリオリダッド・アル・レスト・デ・セレクシオネス(その他の代表に比べて優位すぎるぐらい)」と火曜の対戦相手に賛辞を贈るのを聞いた後、ワンダのプレスルームではロペテギ監督やデ・ヘア、チアゴ・アルカンタラらが会見することに。 ▽元アトレティコのGKなど、一応、古巣の新しいホームで初めてプレーすることになるためか、「Como portero enfrentarme a Messi es un reto/コモ・ポルテーロ・エンフレンタールメ・ア・メッシ・エス・ウン・レトー(GKとして、メッシと対戦するのはチャレンジ)」と勇敢なところを見せていましたが、果たしてどうなることやら。およそ2万人のファンの前で行われた公開セッションでのミニゲームは先発組と控え組を混ぜたチーム編成だったため、あまりスタメン予想には自信がないんですが、顔馴染みの代表番ラジオ記者によると、ロペテギ監督はあまりドイツ戦からメンバーをいじらないだろうとのこと。シルバが抜けた穴はアセンシオで埋め、CFをロドリゴからコスタに代える程度じゃないかと言っていましたが、ピケには練習中からpito(ピト/ブーイング)が飛んでいたため、CBはナチョ先発の方が好ましいかも。 ▽一方のアルゼンチンはすでにアグエロとディ・マリア(PSG)が負傷でチームを離れており、いえ、土曜の会見でサウールなどは、「Si no esta Messi estara Correrita/シー・ノー・エスタ・メッシ・エスタラ・コレリータ(メッシがいなくてもコレアがいる)」と、クラブの同僚を立てていたんですけどね。コレアのことはサンパオリ監督も交代要員のオプションと考えているようなので、やはりメッシとイグアイン(ユベントス)頼みになる?何にせよ、まだW杯までは3カ月ありますしね。火曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分、スペインは今週から夏時間)からの試合では勝敗より、来週にはCLやヨーロッパリーグの準々決勝1stレグを控えているチームも多いため、選手たちがケガなくプレーしてくれることが一番ですよね。 ▽え、それってやっぱり、月曜のチャイナカップ決勝で、先週は中国戦でハットトリックを挙げたベイル(マドリー)のいるウェールズにカバーニ(PSG)のゴールでウルグアイが勝ったものの、アトレティコのヒメネスが左足を打撲してしまったから言っているんじゃないのかって?まあ、そうなんですが、実は彼、準決勝のチェコ戦でも傷を負ってしまい、根性ですぐ復帰しているため、週末のデポルティボ戦に影響するかはまだわからないんですけどね。代表によっては、スロベニアのように最近、臀部の痛みに悩まされているGKオブラクを2戦目免除で返してくれたところもあるため、アメリカで親善試合中のクロアチアがモドリッチだけを解放。マドリーの後輩、コバチッチはいいとしても、「少人数精鋭チーム」のアトレティコの貴重な右SB、ベルサイコが水曜の2試合目、メキシコ戦にも付き合わないといけないというのはちょっと、不安な気がしないでもないかと。 ▽更にマドリーにとって朗報なのは、クリスチアーノ・ロナウドが月曜に一足先に2つ目の親善試合を終え、帰って来られることなんですが、最初のエジプト戦こそ、ロスタイムに2ゴール挙げて、ポルトガルの逆転勝利に花丸貢献したものの、オランダ戦ではノーゴールでチームも3-0と完敗。あまり当人の機嫌は良くないかもしれませんが、バルデベバスでのメッシとのニアミスも避けられましたしね。火曜からは1週間、寂しかったジダン監督のセッションを賑わせてくれることかと。ただし、お隣さんのマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場も同様ですが、各国代表に招集されている選手の大多数が戻って来るのは水曜となるため、現地に行ってサインや写真ゲットを狙うファンは気をつけた方がいいですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.27 16:45 Tue
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【六川亨の日本サッカーの歩み】ハリルの苦悩と懸念材料

▽ベルギーに遠征中の日本代表は、明日27日にウクライナと対戦する。といったところで、マリ戦は低調な内容だったため、スポーツ紙はかなり手厳しく批判したようだ。それも仕方のないことだろう。代表初招集の宇賀神友弥がスタメンで起用されただけでなく、大島僚太と宇佐美貴史も久しぶりのスタメンだ。 ▽これまでの実績と、昨年の選手起用からレギュラー当確と言えるのは長友佑都、槙野智章、長谷部誠、久保裕也、大迫勇也の5人しかいない。チームの半数以上が入れ替わっているのだから、若いマリ代表に苦戦したとしても不思議ではない。 ▽そうした試合で、前半9分のGKと1対1のピンチにアダマ・トラオレのシュートをブロックしたGK中村航輔、そして後半アディショナルに同点弾を決めた中島翔也と、リオ五輪世代が活躍したことは明るい材料と言っていい。今回の遠征には2人の他に、大島、久保(予選に出場も本大会の参加はクラブが拒否)、植田直通、遠藤航と6人のリオ五輪世代が招集された(予備登録メンバーを含めれば三竿健斗の7人)。やっと下からの突き上げがあったことは歓迎したい。 ▽その一方で、主力選手からはハリルホジッチ監督がロングボールを多用するよう指示したことで、戸惑いの声も漏れてきた。これにはちょっと意外な気もした。そもそもハリルホジッチ監督は、前技術委員長だった霜田正浩氏が、「ジャイアントキリング(番狂わせ)を起こせる監督」として招聘したからだ。 ▽ザッケローニ監督が構築した、プレーしている選手はもちろん、見ていても楽しいポゼッションのサッカーは、アジアでは頂点に立ったものの、W杯ではまるで通用しなかった。日本はポゼッションのサッカーを確立したとして、次のステップとしてアギーレ監督やハリルホジッチ監督を招聘したはずである。 ▽ハリルホジッチ監督は就任直後から「デュエル」や「タテに速い攻撃」、「ショートカウンター」などを強調してきた。それはW杯イヤーになっても変わらないはずだし、ベテランや若手に関係なく求め続けているだろう。 ▽そこで25日の練習後、本田が興味深い発言をしていた。 ▽「日本の一つの弱点は、歴史が浅いせいで“日本とはこれ"というサッカーがないこと。4年ごとに違うスタイルを模索しながらここまで来ている」とこれまでの経緯を振り返りつつ、「困ったとき、集団には原点回帰するものがあるけど、それが今の日本サッカーにはない。普通は簡単に立ち返る場所があるけど、そういう楽な道がない。どの国もそういうことをやってきて、歴史は築かれている」と日本代表の弱点を指摘した。 ▽まさに正鵠を射ている。そして、4年ごとに変わる代表のスタイルを、A代表からアンダーカテゴリーの代表まで同じコンセプトのスタイルで統一するため「強化指針」を作成したのが霜田氏であり、右腕の木村幸吉氏だった。しかし霜田氏はJ2山口の監督に就任し、木村氏は技術委員の任を解かれた。 ▽このため、選手とハリルホジッチ監督との間に齟齬があった場合、両者の橋渡しとなる人材がいないことも、意思の疎通を欠く原因になっているのではないだろうか。本来なら西野朗技術委員長の役割だが、ハリルホジッチ監督を招聘した経緯をどこまで理解しているのか心許ない。同じことは手倉森誠コーチにも当てはまるだろう。 ▽ハリルホジッチ監督が苦境に陥っても、サポートできるキーマンがいない。これば現在の日本代表が抱える一番の問題点ではないだろうか。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.03.26 19:30 Mon
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【日本代表コラム】仮想セネガルの“テストマッチ”で見えたもの

▽「現実を直視してトレーニングを続けなければならない」と試合後会見の冒頭で口にしたヴァイッド・ハリルホジッチ監督。仮想セネガルとして挑んだ試合だったが、課題が散見される結果となった。しかし、テストマッチであることを考えれば、発見できたことはプラスに捉えられるだろう。 ◆目を見張る大島の成長も無念の負傷交代Getty Images▽試合前日会見でMF大島僚太(川崎フロンターレ)について「就任した当初から追い掛けているが、当時からはるかに成長している」と語っていたハリルホジッチ監督。昨シーズンは川崎フロンターレの初優勝にも貢献したが、本来の力を発揮したと言える。 ▽ハリルホジッチ監督の下で日本代表デビューを果たした大島の初戦は2016年9月のロシア・ワールドカップ アジア最終予選の初戦、UAE代表戦。その後、日本代表から遠ざかり復帰した、2017年12月のEAFF E-1サッカー選手権では試合中の負傷で大会を後にした。 ▽最後のテストの場である今回のベルギー遠征に大島を招集したハリルホジッチ監督の期待は高く、スターティングメンバーとしてピッチに立った大島は、ダブルボランチの一角としてピッチに立つと、MF長谷部誠ともポジショニングの指示を出し合うなど良い連携を見せた。また、持ち前のテクニックと縦パスでギャップを作り出し、攻撃面でも1つ上のプレーを見せていた。 ▽しかし、今回も試合中に負傷。MF山口蛍と交代を余儀なくされたが、その後の攻撃面の変化を見ると、大島がマリ戦の序盤で見せたパフォーマンスが際立っていたように思う。 ▽Jリーグで結果を残し、大事な最後のテストの場に呼ばれた大島。またしても…と言われてしまうかもしれないが、ケガをしてしまったことは残念でならない。ロシアの地で日本に違いをもたらせることができる可能性を見せただけに、代表発表までの残り約2カ月は好パフォーマンスを維持してもらいたい。 ◆ビルドアップの問題をどう解決するかGetty Images▽今回は負傷のためにメンバー外となったDF吉田麻也(サウサンプトン)に代わり、DF昌子源(鹿島アントラーズ)、DF槙野智章(浦和レッズ)がセンターバックコンビを組んだ。 ▽吉田の相棒の座を争う国内組のセンターバックがアフリカ勢相手にどれほどの守備を見せられるかという点は注目だったが、大きなミスはなく、フィニッシュの部分でも体を寄せるなど、一定のパフォーマンスを見せていた。ただ、アフリカ勢特有の間合い、懐の深さやしなやかな身のこなしには苦労した部分も見えた。 ▽加えて、ビルドアップの面では課題を感じざるを得なかった。前線の選手の動き出し、中盤の選手のポジショニングも関わる部分ではあるが、コレクティブな守備を見せていたマリの前に、判断の遅さ、リスクを嫌う部分が散見され、後半の停滞につながった。 ▽特にボランチにつけるパス、横へのパスが目立ち、しっかりとブロックを作り、立ち位置がはっきりしていたマリの守備を崩すことに苦慮した。ワールドカップではよりレベルが上がることを考えると、ビルドアップの精度は上げる必要があるだろう。 ◆前線の核は大迫。宇佐美、本田、中島は持ち味出すGetty Images▽1トップとして先発したやFW大迫勇也(ケルン)は、前線のターゲットマンとして機能。また、サイドに開いたプレーも、自身のパフォーマンスを見せていた。このままいけば、セネガル戦も大迫が軸となるだろう。 ▽また、途中出場で日本代表デビューを飾ったFW中島翔哉(ポルティモネンセ)は投入当初こそ遠慮する部分も見えたが、最後の同点ゴールまでの流れはさすがだった。ハーフウェイライン付近でパスを受けると、3人に囲まれながらも得意のターンで振り切りフリーに。ドリブルで持ち上がり左サイドへ展開すると、最後は三竿のクロスに合わせて代表デビューゴールを奪った。 ▽仕掛けが特徴でもある中島の色が出たプレー。ポルトガルで身につけた自信を、結果としてピッチで残せたことは大きいだろう。ワールドカップで勝ち上がるチーム特有の“ワンダーボーイ”的な役割を担う可能性もある。 ▽そして、久々の代表復帰となったFW本田圭佑(パチューカ)もパフォーマンスは悪くなかったように思う。ドリブルでの仕掛けなどで相手に防がれてしまう部分はあったが、ボールが収まること、周りを使うプレーに関しては問題なかった。先発という立ち位置を約束されない可能性は高いが、劣勢である試合をコントロールするという点では、経験値を含めて重要な役割を担うだろう。 ▽さらに、先発出場を果たしたFW宇佐美貴史(デュッセルドルフ)も久々の代表戦ながら調子の良さを見せていた。左サイドでコンビを組んだDF長友佑都(ガラタサライ)とのコンビは良好。独特の間合いを持つ宇佐美は、一対一の局面でもアフリカ勢の間合いに負けることはなかった。ゴールという結果は出なかったが周りを使うプレーに磨きがかかった印象。コンビネーションを生かしたプレーこそ宇佐美の真骨頂であり、激戦区である左ウイングのポジションでも新たな可能性を示したと言えるだろう。 ◆悲観しすぎることはないGetty Images▽当然のことながら、テストマッチとは言えど勝利することに越したことはない。結果を出すことは1つのプラス材料だが、勝利したことに満足感を得ることもまた危険だ。 ▽不用意なPKで失点することは、ワールドカップでは当然起こりうる。ビハインドの状況で戦う機会も、グループステージの相手を見れば3試合ともあり得る話だ。その中で、どうやって盛り返すかも重要になる。 ▽マリは4年後のワールドカップ出場を目指すこともあり、前半からしっかりと試合に入っていた。若い選手が多かったものの、想定以上に組織立っていた守備を見せ、日本が各局面で苦労したのも事実。アフリカ勢特有のプレー範囲など、多くを体験できたことも大きいだろう。ハリルホジッチ監督としても、セネガル相手にどのような戦いが必要か、どの選手が通用するかもある程度見えたように思う。「今日は深い分析をしたくない」と語ったものの、ヒントは得ているはずだ。 ▽本番は6月の本大会。事前のテストマッチで結果を残した時ほど、日本のワールドカップ本大会での結果は芳しくない。課題をしっかりと把握し、どこまで改善させられるか。ウクライナ戦もポーランドを想定した試合になるが、どこまでのテストができるかに注目だ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.03.24 15:00 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】会見で見せたハリルの余裕の理由とは

▽ブリュッセル国際空港からIC(特急電車)を乗り継ぐこと3回。約1時間30分で試合会場のリエージュ・パレス駅に着いたのが21日午後4時30分のこと。駅から徒歩で予約したアパート探しに30分ほど費やしたが(グーグルマップに住所を入れても検索不可のため、番地を頼りに通りを1軒1軒探索)、無事にアパートにたどり着くことができた。 ▽22日は試合会場であるスタッド・モーリス・デュフランで13時よりハリルホジッチ監督が公式会見を開いた。マリ代表のマガッスバ監督が「主力8人がケガをしている」と話したのに対し、ハリルホジッチ監督も「4~5人ほどケガで来られなかった。今いる選手で戦うしかないので、チャンスをつかんで欲しい」と期待しつつ、マリ戦については「これまで出ていない選手にトライしたい。特に後半はそうなるだろう」と多くの選手を起用することを示唆した。 ▽今回の会見を取材していて、特に印象に残ったが、ハリルホジッチ監督に余裕を感じたことだった。ケガ人が多く、特に右SBは「航(遠藤)に宏樹(酒井)がケガで、高徳(酒井)も問題を抱えている(遠藤は別メニュー)。そういうこともあって何人かにトライしないといけない。ベストメンバーが揃っていない」と話しながらも、その口ぶりからはさほど深刻な問題ではないという印象を受けた。 ▽これまでの指揮官は、ケガで望んだ選手を呼べない際の会見では、どちらかというと試合結果について事前に“エクスキューズ”している印象を与えがちだった。それがスポーツ紙の反感を招き、ハリルホジッチ監督は批判されることで両者の関係は険悪なものになった。ところが今回は、スポーツ紙の記者から会見後に批判的な私語を聞くことはなかった。 ▽こうした両者の関係の変化は、おそらく3月の2試合で連敗しても、ハリルホジッチ監督はロシアW杯までの続投が決まったからではないだろうか。そのため指揮官には余裕ができ、スポーツ紙も批判しても意味がないためスタンスを変えたと推測できる。 ▽監督である以上、結果について責任を負う必要がある。しかし、いつまでも目の前の試合結果に進退を問われてはチーム作りに支障があるのも確かだろう。どの時点で監督の進退を見極めるのか。アジア杯はW杯の翌年開催に変更されたため早すぎる。個人的にはロシアW杯の出場権を獲得した時点で、ハリルホジッチ監督の続投を90パーセントくらい決めてもよかったのではないかと思っている。 ▽続投が決まったせいなのか、ハリルホジッチ監督は「5月(30日のガーナ戦)までに、いろいろな情報を持っておきたい」と、3月の2試合でW杯メンバーを絞り込まない方針も明らかにした。 ▽1998年のフランス大会と2002年の日韓大会では最終メンバー発表の際に2名のサッカープラズがあった(98年は三浦カズと北澤、02年は中山と秋田)。しかし、それ以後はほぼW杯メンバーは予測できた(例外は前回ブラジル大会の大久保くらい)。5月までメンバーを絞らないハリル流が、選手のモチベーションにどのような影響を及ぼすのか。 ▽ちなみに22日のミックスゾーンでキャプテンの長谷部は、ハリル流のメンバー選考について、「今まで(のW杯)はチーム作りが見えていたけど、今はまだまだ。本大会のメンバー(選考)は5月のキャンプに入ってからだと思う」と予測しつつ、「実際にやったことはないけど、ヨーロッパのクラブでは30人くらい呼んでいるので、『まだわからない』という選手もいる。ヨーロッパではよくあることなので、それぞれ監督のやり方だと思うし、メンバー発表からチームは固まっていくと思う」と感想を述べていた。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.03.23 13:30 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】親善試合は気楽だけど…

▽「食べ歩きに来たんだろうか」そんな風に私が笑っていたのは代表戦週間の真っただ中、アルゼンチン代表に呼ばれなかったユベントスのディバラが月曜にはマドリッドのレストラン、Los Arroces de Segis(ロス・アロセス・デ・セヒス/パエジャ専門店)で、火曜にはKabuki(カブキ/創作日本料理店)で目撃されたというニュースを読んだ時のことでした。いやあ、ネットで調べたところ、前者はメニュー(定食)35ユーロ(約5000円)と、高給取りのサッカー選手にしてはリーズナブルなお店だったのはともかく、後者の方ではアトレティコのシメオネ監督と一緒だったそうで、この夏の入団を勧誘しているのではなんて憶測も飛んだものでしたけどね。もしや、4月11日のCL準々決勝2ndレグでチームと一緒に来る前にマドリッドを偵察しておきたかった? ▽まあ、そんなことはともかく、シメオネ監督も翌日にはマハダオンダ(マドリッド近郊)で負傷中のフィリペ・ルイス、フアンフランを除き、各国代表に招集されなかった6人(ガビ、トマス、フェルナンド・トーレス、ビトロ、ガメイロ、GKベルネル)だけが細々と練習を続けているチームを”モノ”・ブルゴス第2監督に任せ、ブエノスアイレスに帰郷。paron(パロン/リーガの停止期間)明け、4月1日(日)のデポルティボ戦の準備を本格的に始めるのは来週、大半の親善試合が火曜に終わった後、選手たちが戻って来る水曜からということになりますが、いえ、南寧市で開催されているチャイナカップに参加しているウルグアイの2戦目は月曜なので、ゴディンとヒメネスは余裕で着くんですけどね。 ▽折しもクラブの筆頭株主であるヒル・マリン氏が同市を訪問、中国にサッカースクールとオフィスを開く提携をワンダ(大連万達グループ)と結んだ調印式に両選手も呼んで花を添えているぐらい、自由のきく親善試合のようですが、唯一、心配なのはクロアチア代表でアメリカまで行っているベルサイコ。ええ、ダラスでのメキシコ戦が水曜とあって、マドリッド到着は金曜になる上、右SBはフアンフランの回復予定もギリギリですからね。この冬にアウグスト、ガイタン、カラスコ、モヤが移籍して以来、頭数が少ないだけでなく、前節のビジャレアル戦で退場したビトロが出場停止。「何日も圧力をかけた」と、リュカのスペイン代表入り希望を翻して、フランス代表に連れて行ってしまったグリーズマンも累積警告で出られずと、逆境も重なっているアトレティコのため、とにかく今は誰もケガをしないで戻って来るのを祈るばかりなんですが…。 ▽え、マドリッド留守番組放置状態はお隣さんも同じじゃないかって?そうですね、アトレティコに輪をかけて、24人のトップチームメンバー中、大量20人が各国代表に出向いているレアル・マドリーもやはり、4人(GKカシージャ、マルコス・ジョレンテ、テオ、ベンゼマ)だけでは練習にならないとあって、ジダン監督は水曜から再開する今週のセッションをグティ監督率いるフベニルAと合同で行うことにしたとか。ええ、当人もリモージュへ出かけて、1998年W杯優勝のフランス代表メンバーを集めたチャリティマッチに参加したりしていましたが、木曜にはウェールズ代表でチャイナカップの中国戦に出場したベイルがハットトリックを挙げたなんて嬉しいニュースも。 ▽何せ、最近ではBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)ともてはやされていたのもいつのことやら、CL16強対決の大一番、PSG戦でもスタメン落ちと、全盛時代からは隔世の感もあるベイルは木曜のマルカ(スポーツ紙)でも、「チームに溶け込んでおらず、ロッカールームではスマホが友達。身の振り方を考えられるシーズン終了を心待ちしている」なんて、ひどいことを言われていた程でしたしね。それでも今季の残り、とりわけマドリーがタイトル獲得に懸けているCLもまだ、準々決勝ユベントス戦を始め、準決勝、キエフでの決勝と彼の活躍が望まれるシーンもあるでしょうし、チーメートが頼りにしてくれるウェールズ代表での活躍で気分が上を向いてくれれば、ジダン監督にとっても喜ばしいかと。 ▽ちなみにマドリーも最後に戻って来るのはモドリッチとコバチッチのクロアチア組で、他は月曜のオランダ戦が2試合目になるポルトガル代表のロナウドを始め、マルセロ、カセミロ(ブラジル)、ケイロル・ナバス(コスタリカ)らも皆、ヨーロッパ内の親善試合。火曜までにはお勤めが終わるため、31日(土)のラス・パルマス戦に向けての準備には問題がなさそう。いえ、彼らにとっては首位バルサと勝ち点差15のリーガより、4月3日(火)のユベントス戦1stレグが赤丸付きの試合なんですけどね。現在、負傷している選手がいないとはいえ、FIFAウィルスの被害はもっとも受けたくない時期ではありますよね。 ▽そして弟分チームたち、ヘタフェとレガネスは各国代表に招集されている選手はそれぞれ、数人しかいないんですが、丁度、1部残留がほぼ確定したこともあり、今週は一息つけるいい機会。ええ、実際、シマノフスキが恥骨炎の手術で今季残りを欠場することが決まったレガネスなどは金土日が3連休だったり、負傷明けのベルガラが全体練習に戻ったヘタフェもミッドウィークに試合がない週は恒例だったダブルセッションなしで週末を休みに。前者は4月1日のバレンシア戦、後者は2日(月)のベティス戦でリーガ再開と、シーズン終盤に向けて英気を養う時間がたっぷりあるのはいいことです。 ▽え、クラブサッカーがない今週、そろそろ6月のW杯メンバーも見えてきたスペイン代表はどんな様子なのかって?そうですね、私がモンクロア(マドリッド市内のバスターミナル駅)から628/629番のバスに乗って、ラス・ロサスにあるサッカー協会施設のグラウンドに寒風吹きすさぶ中、見学に行ったのは練習初日の火曜だったんですが、スタンドにいられたのはたったの15分だけでしたからね。アップだけでは何とも言えなくて申し訳ないんですが、この日は代表初招集となったマルコス・アロンソ(チェルシー)とロドリ(ビジャレアル)が記者会見に登場。とりわけ後者はすでに来季のアトレティコ入団が決まって言われているため、ちょっと気になったんですが、どうやら今回はブスケツ(バルサ)が負傷中により、U21代表から昇格したよう。 ▽よって、本大会に行けるかどうかも微妙なんですが、木曜にドュッセルドルフ入りしての前日練習によると、ドイツとの親善試合でボランチの代理を務めるのはどうやら、いえ、ラス・ロサスでの午後からのラジオインタビュータイムで「イスコ(マドリー)は凄いタレントがあって、アセンシオ(同)も何でも上手くやっているけど、サウールには大きな潜在能力がある。De los tres, me quedo con Saúl/3人のうちだったら、ボクはサウールを選ぶよ」とコケが褒めていたのは、多分に身内びいきも混ざっていたと思うんですけどね。ロペテギ監督に抜擢されたのはそのアトレティコの後輩のようでしたが、まあそれも試合が親善のため、詳細な情報がなく、確かとは言えず。 ▽ラス・ロサスでは火曜も水曜も筋肉痛と風邪のための発熱でグラウンドに姿を現さなかったピケ(バルサ)も復活していたのはいいニュースでしたが、CBはこれが代表150試合目の節目となり、「Mi objetivo es ser el que mas veces vista la camiseta de Espana/ミ・オブヘティーゴ・エス・セル・エル・ケ・マス・ベセス・ビスタ・ラ・カミセタ・デ・エスパーニャ(ボクの目標はスペイン代表最多出場選手になること)」と現在、167試合でトップにいる大先輩、カシージャス(ポルト)を超えるのを狙っているセルヒオ・ラモスとナチョのマドリーコンビになる可能性が高いかと。 ▽ちなみに今回の代表にはマドリーの選手が6人おり、クラブ別としては最大勢力。おまけにブスケツはともかく、水曜にはやはりラジオ出演したイニエスタが「Por momento y por naturaleza posiblemente sea mi ultima aparicion con la Seleccion/ポル・モメントー・イ・ポル・ナトゥラレサ・ポシブレメンテ・セア・ミ・ウルティマ・アパリシオン・コン・ラ・セレクシオン(時期的にも体力的にもおそらく代表でのプレーは最後)」と、この夏のW杯を区切りにすることを告げたため、結構、前から代表引退を表明していたピケも含め、来季からはバルサ勢が少数派に転じる恐れも。いえ、ラモスに言わせると、「以前はバルサ流サッカー哲学が代表で強調されていたけど、ahora esta mas equilibrada/アオラ・エスタ・マス・エキリブラードー(今はもっとバランスが取れている)。色々なチームの選手がいるのはスペイン・サッカーにとっていいこと」だそうですけどね。 ▽金曜には敵として対戦するクロースなど、その先を行って、「マドリーには質の高い選手がいるから、スペイン代表に6人もいる。バルサやアトレティコの選手もいるけど、ベースはマドリーだよ」と言っていましたが、いやいや。人数的にはともかく、マドリーって、特に哲学的なものはないものの、ロナウドやベンゼマ、モドリッチ、カセミロ、それこそクロースら外国人選手が中心で機能して、見栄えのいいサッカーを構築しているのかと思っていましたが、私、ひょっとして思い違いをしていた?まあ、レーブ監督は「アトレティコはフィジカル的に凄い展開をするし、マドリーにはダイナミックさがあり、バルサには高いポゼッションと、それらのミックスがスペイン代表だ」と言っていましたけどね。 ▽そこまで行くと、逆にスペイン代表のサッカーって一体、何なのかという疑問が湧いてきますが、前回のW杯勝者に挑むこの金曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのドイツ戦では、9カ月ぶりにジエゴ・コスタ(アトレティコ)も先発予定。ブラジルではオランダ、チリに連敗してグループリーグ敗退、2016年のユーロでは16強対決でイタリアに敗退と、2008年から2012年の黄金期を体験できず、「Espero que hagamos un gran Mundial y, por que no, ganarlo/エスペロ・ケ・アガモス・ウン・グランムンディアウ・イ、ポル・ケ・ノー、ガナールロ(W杯で凄いことができるのを期待している。優勝することだってね)。ボクなんか、1回しか出たことなくて、それもすぐ帰って来たんだから」と、今度こそはと期待に胸を膨らませているコケなども少しは貢献できるといいのですが、さて。 ▽そして試合後のスペイン代表の予定も話しておくと、チームはその夜のうちにマドリッドに戻り、翌土曜にはラス・ロサスで12時30分から一般公開練習を実施。慣例からいくと、次のアルゼンチン戦の前日、月曜も会場のワンダ・メトロポリターノでオープンのセッションとなると思うんですが、まだ時間などはわかっていません。丁度、金曜からはスタジアムの窓口で入場券販売も始まるため、メッシ(バルサ)やイグアイン(ユベントス)、アグエロ(マンチェスター・シティ)ら、豪華絢爛なFW陣を揃えた前回W杯準優勝チームとスペインの親善試合を見てみたいというファンは早めにチケットを手に入れておく方が安心かも。そうそう、金曜にはマンチェスター・シティのホーム、エティハド・スタジアムでイタリアとの親善試合をするアルゼンチンは土曜から、バルデベバスで練習予定。ただ、マドリッドでの滞在ホテル、ユーロスターズ・マドリッド・タワーとの往復はチームバスとなるため、練習場入口で待っていても選手を見るのは難しいと思いますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.23 13:20 Fri
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【倉井史也のJリーグ】科学的データ分析に基づいて今年のJ2の行方を占うと!?の巻

▽だいたいね、サッカーで書き物をしている人たちの間では言われてるんですよ。「J2の順位予想だけは止めておこうね」って。 ▽昇格できるチーム数プラス1チームぐらいがデッドヒートを繰り広げてて、新しく入ってきたチームは最初のうちに突っ走って驚かせるけど、だんだん選手層の薄さがバレちゃって沈んでいって、下のほうには3チームぐらいが独立リーグ的な争いを続けてるっていう、わかりやすいJ2の時代はとっくに終わり、今は群雄割拠というか戦国時代というか、ちみもう、いやいや。 ▽もちろん、まだまだ始まったばかりだからこれからどうなるかわかりません。だって去年の例を見てみると、5節を終了した時点でこうなのです(カッコの中は最終順位)。 1位 湘南(1位 ±0) 2位 東京V(5位 -3) 3位 徳島(7位 -4) 4位 長崎(2位 +2) 5位 名古屋(3位 +2) 5位 福岡(4位 +1) 7位 横浜FC(10位 -3) 8位 大分(9位 -1) 9位 岡山(13位 -4) 10位 松本(8位 +2) 11位 山形(11位 ±0) 12位 千葉(6位 +6) ▽どうですか、この変動ぶり……って、あんまり変動してないか。5節から6つ順位を上げた千葉だけが大きく変動したチームで、だいたいのチームはちょっとだけ順位を上げるか、最大で4つ順位を落としてるじゃないですか。ってことはですよ!! ▽現在の順位に去年の例を当てはめると、1位岡山、2位町田ってのは最低でもプレーオフ圏内にいそうで、3位水戸、4位山口は自動昇格圏も視野にあって、5位横浜FC、6位徳島、7位東京V、8位熊本、9位大分、10位新潟、11位福岡、12位甲府あたりが踏ん張りどころって感じですか。 ▽で、この中にJ1経験チームは、横浜FC、徳島、東京V、大分、新潟、福岡、甲府の7チーム。残り5チームは新顔なんです。 ▽ああ、ところがJ1ライセンスを持っていない水戸、町田ってどうなるんでしょ? 自治体は焦ってくれるかしらってところも問題で。 ▽ついでに言うと、Jリーグクラブライセンス制度にもいろいろ問題点はあるんだけど、こういうときに一気に解決してくれないといけないですよっと。 ▽ま、かわいそうなのはルヴァンカップにも参加してる新潟と甲府って感じなんですけどね。つーか、降格組がこんなに沈んでたらもうそれこそ何を信じていいのやら。つーことで、今週の結論は「J2の順位予想は止めよう」でした!!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.03.22 19:00 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】1つだけ足並みを乱したチームがある…

▽「もうそこまで考えないといけないの?」そんな風に私が呆気に取られていたのは日曜日の夜、サンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンでラジオ・マルカ(スポーツ専門ラジオ局)のレポーターの質問を聞いた時のことでした。いやあ、「クラシコでバルサにpasillo(パシージョ/花道)ってどう思う?」とルーカス・バスケスに訊いていたんですが、今季のクラシコ(伝統の一戦)は遅めで、シーズン後半分は第36節。その日は第29節が終わったばかりだったので、6試合あと、日付にして5月最初の週末の話なんですけどね。そこで私が、これはアトレティコのせいだと肩身が狭く感じてしまったのは現在、首位と2位の差は勝ち点11。つまり今後、この差が変わらなければ、第35節にバルサのリーガ優勝が確定するため、次の試合で対戦するチームは入場時、花道を作ってチャンピオンをお迎えするという慣習があったから。 ▽え、8差のままだったら、カンプ・ノウでの試合で永遠のライバルの優勝決定シーンに自らが立ち会うこともありえたのだから、だったら花道の方がマシじゃないかって? まあ、そうなんですが、あまり先回りして物事を考えると、ならいっそ、4月8日のマドリーダービーでお隣さんを叩き、更に首位との差を広げてやれば、バルサはもっと前倒しで戴冠。心おきなく5月26日、キエフでのCL決勝の準備に専念できるなんて、レアル・マドリーの選手たちが思いついてしまうかもしれませんからね。あまり寝た子を起こすようなことには触れてほしくなかったんですが、ちょうど第35節前の2週間はCL準決勝。この日程がいきなりクラシコ祭りになったりしたら、面白いかもしれませんよね。 ▽まあ、4月5月のことはまだいいんですが、ここで先週末のリーガを振り返ってみることにすると、マドリッド勢で土曜にプレーしたのは1チームだけ。ええ、雨がザーザー降る中、弟分のヘタフェがアノエタでレアル・ソシエダと対戦したんですが、相手がこのところ不調だったのが幸いしましたかね。前半23分にはウィリアム・ホセにヘッドで先制されてしまったものの、ハーフタイムに入る直前にCKからジェネが撃ち込んで同点に。すると後半5分、アンヘルがエリア前からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてくれたから、驚いたの何のって。 ▽いやあ、前節のレバンテ戦では前半のチャンスに彼の照準が合わず、結局、0-1と惜敗してしまったヘタフェだったんですけどね。このクラスのチームには常勝義務はないですし、アンヘルは今季ここまでチーム内最多の12ゴール。全ての試合で得点していたら、それこそクリスチアーノ・ロナウドかメッシかという話になってしまうとなれば、決まった時には喜んでおかないと。後半33分には殊勲のアンヘルも柴崎岳選手と交代で退き、この1点を守って、1-2で逆転勝利したヘタフェでしたが、おかげで9位になった彼らは来季のヨーロッパリーグ出場権が得られる7位まで勝ち点4差に接近。4月2日の次節は1つ上のベティスとの直接対決ですから、月曜開催でもコリセウム・アルフォンソ・ペレスにファンが応援に駆けつけてくれるといいですね。 ▽まあ、余談として、翌日曜にはELも32強対決で敗退、現在15位の不成績のせいでソシエダのエウセビオ監督が解任。エスクリバ監督(ビジャレアル)、デ・ビアージ監督(アラベス)、ミチェル監督(マラガ)に続き、ヘタフェ戦の直後にクビとなった今季4人目の指揮官となったなんてこともあったんですが、これは単なる偶然かと。今週のヘタフェは水曜からセッションを再開しますが、柴崎選手はベルギーで合宿している日本代表へ行ってしまったので、来週火曜のウクライナとの親善試合が終わるまで、練習場で会えないのは残念です。 ▽そして日曜は正午からの試合を見にブタルケへ向かった私でしたが、いやあもう、久々にいい天気だったにも関わらず、スタジアムが周りに建物のない丘の上にあるせいか、強風が吹きつけて寒かったの何のって。それでも試合はレガネスが前半19分、CKからブスティンサのヘッドで先制すると、後半23分にもディエゴ・リコのパスをエラソが撃ち込んでリードが2点に拡大。相手のセビージャは、後でモンテッラ監督も「疲労が出たようだ。メンタル的にも身体的にも落ち込みが見られた」と言っていたように、火曜にオールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドを下したCL16強対決2ndレグの大一番が堪えていたみたいでしたっけ。 ▽実際、サラビアが2枚目のイエローカードをもらって退場した後、終了間際に1点を返したのもCLにメンバー登録されていないラユンでしたしね。それでもまだ、彼らには準々決勝バイエルン戦というお楽しみがあるんですから、ここは初めてのコパ・デル・レイ決勝進出という夢を砕かれたレガネスの面々が、同大会の準々決勝でやはりセビージャに敗れた兄貴分、アトレティコが第4節前に2-5と大勝したのに続き、2-1の勝利でリベンジできたのは良かったかと。おかげでしばし、停滞していた勝ち点も36に増え、キャプテンのガブリエル・ピレスなどは「No nos damos por salvados virtualmente/ノー・ノス・ダモス・ポル・サルバードス・ビルトゥアルメンテ(ボクらは残留を実質上、達成したとは思わない)。安心するのは数字的に決まってからさ」と言っていましたが、降格圏とは15ポイント離れていますからね。 ▽何はともあれ、これでレガネスも代表戦週間後にバレンシア、バルサと続く、強豪との試合をプレッシャーなしに迎えられると思いますが、私が信じられない経験をしたのはその日、一旦、家に戻って休んでから、もう1度、コートを着込んで出かけた夜の部のことでした。だってえ、サンティアゴ・ベルナベウへ行く前、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた間、前半19分にグリーズマンがゲットしたPKを当人が決めたアトレティコは0-1でずっと勝っていたんですよ。コケのシュートがゴールポストに阻まれ、追加点が取れなかったり、後半になって、ビジャレアルに押され気味になっていたのは気に入らなかったものの、試合の残りはたった15分。バルを出てメトロ(地下鉄)に乗り、地上に戻ってラジオをつけたら、2-1で負けていたって一体、何がどうなっている? ▽え、あと10分守り切ればというところでビジャレアルがセットプレーを利用。後半38分にはアルバロのクロスからウナルがヘッドで、46分にはゴディンのクリアしたボールを戻したボネラのパスからゴール前でウナルが再び決めて逆転されたんだろうって?まあ、そうなんですけど、後でサウールも「No tiene explicacion/ノー・ティエネ・エスプリカシオン(説明がつかない)。ウチはあの2度のセットプレーでもっと集中していないといけなかった」と言っていたんですが、やっぱりそれって、EL16強対決ロコモティブ・モスクワ戦2ndレグの後、金曜明け方にマドリッドについたせいで疲れていたから?ええ、私も土曜にマハダオンダ(マオリド近郊)に練習を見に行ったところ、たった40分でセッションが終わってしまったのにビックリしたんですが、加えて彼らは現在、フィールドプレーヤーがたったの17人。更にフィリペ・ルイスとファンフランのケガでマイナス2人ですからね。 ▽となれば、いくらシメオネ監督が「25人いたって、6人ケガをすることもある。Tengo un plantilla corta pero importante/テンゴ・ウナ・プランティージャ・コルタ・ペロ・インポルタンテ(ウチは少ないが強力な選手層だ)」と言い張ったって、ローテーションもままならないのは自明の理かと。イエローカードで次節の累積警告が決まったグリーズマンをガビに代えた途端、同点にされたり、ロスタイムにはビトロが退場になってしまったりと、試合終盤はツキもありませんでしたしね。「自分のせいで試合に負けたような気がする。選手たちは物凄い努力をしてくれたが、私の決断で助けてやることができなかった」(シメオネ監督)というのもあったんでしょうが、どうやらラ・セラミカ(ビジャレアルのホーム、エル・マドリガルから改称)はアトレティコにとって、とことん相性の悪いスタジアムのようです。 ▽そして私がまだ呆然としているうちにマドリーvsジローナ戦が始まったんですが、いやあ、ベイルやモドリッチ、カセミロをベンチに置き、ジダン監督はアセンシオ、ルーカス・バスケス、コバチッチらの第2陣を先発させたんですが、ロナウドがノッている時の彼らは簡単にgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)ができるんですよ。ええ、前半こそ、10分にクロースのパスからロナウドが決めたゴールを29分、FKからストゥアニのヘッドで帳消しにされてしまったものの、後半だけで5点を挙げているんですから、忙しいったらありゃしない。まずは2分、ベンゼマのアシスストでロナウドが勝ち越し点を入れると、14分にはベンゼマからのパスを彼がルーカス・バスケスに送って3点目。その4分後はベンゼマが1対1で狙ったんですが、GKボノに弾かれ、こぼれ球はまたしてもロナウドのゴールになります。 ▽更に40分には揃って途中出場したモドリッチがベイルにスルーパスを送って5点目が入ると、最後はロスタイム、またしてもクロース、ロナウドのコンビで決めて、とうとうpoker(ポケル/1試合4得点のこと)達成って、あらやだ。その日はメッシもアスレティック戦でゴールを挙げ、2-0でのバルサの勝利に貢献していたため、ランキングトップが25得点になっていたんですが、これでロナウドも22ゴールとして2位に浮上。たった3点差しかないとなれば、残り9試合でピチチ(得点王)ゲットも決して夢ではありませんって。うーん、今季は前半戦で4得点しかできなかった彼なんですけどね。後半戦9試合で18ゴールって、この驚異の追い上げはまさに、「Es lo que tiene este senor, es de otra galaxia, sin palabras/エス・ロ・ケ・ティエネ・エステ・セニョール、エス・デ・オトラ・ガラクシア、シン・パラブラス(これがこのセニョールが持っているもの、別の銀河のものだね。言葉もないよ)」(ジダン監督)という通りでしょうか。 ▽え、だから前半戦でのロナウドの不調がなければ、マドリーも今頃、首位と勝ち点15差で、2位との差が4に縮まったことなんか、ちまちま喜んでいることもなかったんだろうって?それは結果論で、覆水盆に返らずですからね。今は「ウチはシーズン前半に欠けていた、recuperamos algo de confianza/レクペラモス・アルゴ・デ・コンフィアンサ(何がしかの自信を取り戻した)」(ジダン監督)ことに感謝して、唯一、残ったタイトル、CL優勝に邁進するしかないと思いますが、でもご用心。というのもこの日はセルヒオ・ラモスがお休みをもらっていたせいもあるんですが、マドリーは後半にもセットプレーから、22分にはストゥアニに、43分にはフアンペに頭で決められて、最終スコアは6-3だったから。 ▽そう、準々決勝の相手はユベントスで、守備もジローナよりずっと堅いため、そういうミスは命取りになりかねませんからね。4月3日の1stレグまでにはジダン監督もセットプレー時のマーカー調整など、イロイロ練習しておきたいところですが…当面は望むべくもなし。ええ、月曜にはチームの19人が各国代表に向かったため、水曜から始まるバルデベバス(バラハス空港の近く)のセッションにはGKカシージャ、ベンゼマ、テオ、マルコス・ジョレンテの4人しか来ないんですよ。中でも中国でウェールズが国際親善カップを戦うベイル、新大陸でクロアチアがペルー、メキシコと親善試合というモドリッチ、コバチッチらは長距離移動になるため、代表戦明けの疲れが気になりますが…。 ▽まあ、それは同じクロアチアのベルサイコがいるアトレティコも出向組が総勢11人と、ただでさえ選手が少ないため、心配なのは同じですって。それと並行して、月曜夕方にはラモス、カルバハル、アセンシオ、イスコ、ナチョ、ルーカス・バスケスらのマドリー勢、そしてコケ、サウール、ジエゴ・コスタのアトレティコ勢もラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設で合宿入りしたスペイン代表の予定を伝えておくことにすると。木曜にドュッセルドルフに移動する前、火曜と水曜の午前11時からのセッションは15分のみマスコミに公開で、クロースがいるドイツとの親善試合は金曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。一応、一般のファンも練習見学できる公開セッションが帰国したその日、土曜の12時30分から予定されています。 ▽2試合目はワンダ・メトロポリターノで来週火曜、メッシはもちろんのこと、ファンへの配慮かもしれませんが、アトレティコのコレアも招集されたアルゼンチンとの親善試合で、こちらは金曜からスタジアムのチケット売り場(11時~19時)でも入場券購入ができるよう。ここ最近はあまり、スペイン国内での代表戦で満員御礼は聞きませんし、ワンダはキャパも大きいため、その頃、マドリッド訪問の予定がある方は立ち寄ってもいいかと。ちなみに今回、ロペテギ監督の招集したメンバーで変わったのはパレホ(バレンシア)、ロドリ(ビジャレアル)、マルコス・アロンソ(チェルシー)が初めて呼ばれたのと入れ違いで、モラタ(チェルシー)、ビトロ(アトレティコ)らが外れたこと。まあ、FWではコスタやルーカス・バスケスが戻りましたしね。W杯前最後のリストとなるため、ここで外れた選手は焦っているかもしれませんが、本番は6月。まだまだこの先、返り咲きのチャンスはあるんじゃないでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.20 13:01 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】同じ準々決勝でも何か違う…

▽「たった18人になるってこと?」そんな風にギョッとして、私がアトレティコのオフィシャルウェブで選手の数を確認していたのは金曜日、ヨーロッパリーグ16強対決ロコモティブ・モスクワ戦でエデルのシュートを止めようと足を出して負傷。零下3度のRZDスタジアムで半袖のユニの上に毛布もかけてもらえず、担架退場したフィリペ・ルイスの腓骨骨折がわかり、全治8週間と今季中の復帰がほぼ絶望なだけでなく、下手したら6月のW杯出場も危ういというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、1月にはアウグスト、2月にもカラスコとガイタンの中国行きが決まり、GKモヤにまでレアル・ソシエダへ移籍することを認めたクラブとシメオネ監督は、少数精鋭で残りのシーズンを乗り切れると踏んだんでしょうけどね。 ▽確かにリーガはあと10試合、ELもリヨンでの決勝含めて5試合しかありませんから、決して不可能とは言いませんが、フィールドプレーヤーが16人しかいないって、前代未聞の少なさかも。おまけにサウールが去年の夏に卒業して以来、カンテラーノ(アトレティコBの選手)にはまったくU21スペイン代表から声がかからずと、最近の後輩たちはあまり出来が良くないみたいですしね。3月半ばになっても荒れ模様が続き、気温が上がらないこの折、誰かが風邪でも引いたら一体、どうするっていうんでしょう。 ▽え、それでもロコモティブ戦2ndレグでのアトレティコは再び、格の違いを見せつけ、その強さには同日、ミランを総合スコア5-1で破って準々決勝に進出したアーセナルのベンゲル監督でさえ、「この大会で最強の優勝候補」と認めていたぐらいだったんだろうって?まあ、その通りで、スペインでは夕方の午後5時という早い時間に始まったモスクワでの試合にはジエゴ・コスタとガメイロがケガで遠征に参加しておらず、一応、同行したGKオブラクも臀部の筋肉痛を悪化させないため、スタンド観戦となったんですけどね。念のため、ベンチではグリーズマンが待機と、1stレグで3-0と快勝していたことを考えると、シメオネ監督も用心深いっちゃありません。 ▽だってえ、逆転が必要だったロコモティブは負傷明けのエース、ファルファンを先発させ、1週間前のワンダ・メトロポリターノよりは攻める気でいたんですが、前半16分にはコケとのワンツーでエリア内に入ったコレアのゴールであっさり先制しているんですよ。その3分後には続けざまのシュートを2発防ぎながら、最後はリブスのミドルシュートが人垣で見えず、これが2試合目のオブラクの代役となったベルネルが失点してしまったんですが、それでも4-1ですからね。この試合は省エネを優先して、1-1で終わってもいいんじゃないかと私など、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でカフェ・コン・レッチェ(カフェオレ)をすすりながら、お気楽に眺めていたんですが、とんでもない。後半開始すぐにはフィリペ・ルイスのアシストをコケがスルー、後ろにいたサウールがワンタッチで撃ち込んで、勝ち越しているんですから、見上げた心がけじゃないですか。 ▽ただ、その後に起こったのがフィリペ・ルイスの事故で、丁度、ファンフランもハムストリングを痛めてハーフタイムでベルサイコに代わっていましたしね。「Admiro a mis jugadores, juegan de la misma manera todos los partidos alla donde van/アドミオ・ア・ミス・フガドーレス、フエガン・デ・ラ・ミスマ・マネラ・トードス・ロス・パルティードス・アジャー・ドンデ・バン(どこに行っても全ての試合に同じ姿勢で立ち向かう選手たちを尊敬している)」というシメオネ監督ですが、いやいや。左SBとしてリュカが入るのと同時にグリーズマンもピッチに立ち、スルーパスを追ってエリア内に駆け込んだところ、GKコチェンコフにすっ飛ばされてしまうなんて、どれ程、私の心臓に悪かったことか。 ▽でも大丈夫、こちらは一回転しただけで無事だったようで、ゲットしたPKもフェルナンド・トーレスが危なげなく決めて更にリードは拡大。おまけにその4分後にはコレアのパスから再びトーレスがゴールを挙げると、39分にはこの日、一番のgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)がお目見えしたんですよ。そう、リーガの試合では敵DFに邪魔されてしまうことが多いコレアですが、リブスをsombrero(ソンブレロ/ボールを相手の頭上に上げて突破する技)でかわすとグリーズマンにパス。こちらもコチェンコフに届かないゴール右上隅に見事なvaselina(バセリーア/ループシュート)で決め、とうとう5点目を取ってしまったとなれば、ロコモティブのセミン監督が「アトレティコはELに優勝する。彼らの前に他のチームはチャンスがないだろう」と太鼓判を押していたのも当然だった? ▽最後は総合スコア8-1で圧勝、私なんかに言わせれば、次の機会に少しゴールを取っておけばいいのにと言いたくなるぐらいのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で準々決勝進出を果たしたアトレティコでしたが、金曜の対戦組み合わせ抽選の結果もラッキー。いえ、ここ数年、CL慣れしていたため、ベスト8に残ったチームはアーセナルを除けば、どこも大きな実力差はなさそうだったんですけどね。16強対決に残っていたもう1つのスペイン勢、サン・マメスにオリンピック・マルセイユを迎えたアスレティックは3-1の敗戦という1stレグの結果を逆転できず、2ndレグにも1-2で負けて、総合スコア2-5で敗退したのはともかく、32強対決のスパルタク・モスクワ戦に続き、相手チームのウルトラ(過激なファン)集団がビルバオ(スペイン北部の町)に襲来。今度は警官2人が刺されたそうで、スタンドも厳しい身体検査をすり抜けて持ち込まれたbengala(ベンガラ/発煙筒)で真っ赤に燃えていましたしね。 ▽マルセイユは数年前にビセンテ・カルデロンでも騒ぎを起こしてくれましたし、リヨンでもCSKAモスクワとのウルトラ対決があったそうなので、ポルトガルのスポルティングと当たったアトレティコは近くて、暖かくて運が良かったんじゃないかと思いますが、どちらにしろ、試合は代表戦週間が終わった後の4月5日と12日。準々決勝とはいえ、ワンダ・メトロポリターノは1stレグですし、カード的に満員になるとは思えないため、丁度、その頃、マドリッド来訪を予定しているファンは覗いてみてもいいかと。ちなみに32強対決ではカザフスタンのアスタナ、16強対決ではチェコのビクトリア・プルゼニを破ったスポルティングには元レアル・マドリーのコエントラン、元バルサのマチューなど、リーガで見知った顔もいるんですが、それより今、目前に迫っているのは日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのビジャレアル戦。 ▽ええ、金曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションではジエゴ・コスタが復帰、サビッチも回復しているようですが、何せ相手は前ラウンドでELを敗退していて、休養十分ですからね。首位とは勝ち点差8がついているリーガとはいえ、アトレティコにはバルサにこれ以上、離されないよう、尚且つ、負傷者を増やさない試合をしてほしいかと。実際、来週はスペイン代表でのプレーを一時、希望していながら、彼女へのDV騒動やその後の接近禁止令を破り、ラスベガスで挙式。新婚さんとして戻って来たところ、バラハス空港で逮捕されるといった前科から、スペイン国籍取得が遅れて今回、デシャン監督の招集が渡りに舟に。グリーズマンと共にフランス代表に行くことにしたリュカなど、各国代表に呼ばれている選手も多いのは心配ではありますよね。 ▽え、世間的に注目を浴びていた金曜のビッグイベントは正直、CLの準々決勝組み合わせ抽選会の方だったんじゃないかって?もちろんそうなんですが、こちらはELとは真逆で、どこと当たっても大変なのはお約束。その中でも比較的、楽な相手を引いたと言われているのはバルサで、ローマはベスト8の常連ではありませんからね。それこそ火曜にオールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドに1-2と勝利。元アトレティコのGKデ・ヘア相手に殊勲の2ゴールを挙げたベン・イェデルがやはり、フランス代表に初招集されたセビージャが当たっていれば、伝説のスポーツディレクター、モンチ氏(長くセビージャで務めた後、現在はローマ)も大喜びする好カードになったんじゃないかと思うんですが、こればっかりはねえ。 ▽結局、セビージャは今度はドイツの名門、バイエルンに挑むことになり、水曜のチェルシーとの16強対決2ndレグではメッシの2発とデンベレのゴールで、こちらもアトレティコOBのGKクルトワを破り、3-0とチェルシーに完勝したバルサが4月4日と10日にローマと対戦になります。そうそう、カンプ・ノウの試合で敗退したチームの選手では今回、ドイツ(ドュッセルドルフ)とアルゼンチン(ワンダ・メトロポリターノ)で親善試合をするスペイン代表招集にも吉凶があって、モラタがリスト落ちした傍らでマルコス・アロンソが初招集の栄誉に。まあ、モラタは今季、レアル・マドリーから移籍してまだtitular(ティトラル/レギュラー)にはなれてないようですしね。1月からアトレティコでプレーできるようになったジエゴ・コスタが好調なため、今回、代表復帰したというのもありますし、W杯行き最終リストに入るためにはこの先、かなり頑張らないといけないようですよ。 ▽そして一足先にPSGにパリでも1-2と勝利、総合スコア2-5でCL準々決勝進出を決めていたマドリーはユベントスと顔を合わせることになったんですが、実はこれが曲者。というのも、昨季のカーディフでのduodecima(ドュオデシマ/12回目のCL優勝)を含め、決勝では2度倒している相手ですが、2試合制の対戦では勝ったことがないのだとか。ええ、3年前の準決勝でもそれこそ、当時はユーベにいたモラタのゴールもあって敗退しているんですが、まあ、今度はイグアインが古巣への恩返しを狙っているとは言ってももうCLしか、タイトル獲得の可能性のない彼らですからね。4月3日、ユベントス・スタジアムでの1stレグ、11日、サンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグ、どちらもチケット早期完売が予見される中、きっと根性で勝ち抜いてくれるのでは? ▽うーん、残り1組のイングランド勢対決、リバプールvsマンチェスター・シティにしてもCLはどれもこれもゴージャスなカードばかりで、私も楽しみなんですが、それだけに週末のリーガ戦が色褪せて見えてしまうのは仕方ない?日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)にジローナをベルナベウに迎えるマドリーにしても首位とは勝ち点差15ですからね。そこへモドリッチはふくらはぎ痛、ベイルもウェールズ代表の中国遠征を控えてムリさせられないとなると、またジダン監督が大幅なローテーションをする可能性もありそうな。スペイン代表に再招集されたルーカス・バスケス辺りはW杯行の切符が懸かっているため、発奮してくれると思いますが、さて。相手のジローナもシーズン前半でマドリーに勝利したとはいえ、もう1部残留も確定。モチベーションを見つけにくいというのはお互い様かもしれません。 ▽一方、マドリッドの弟分チームたちは、あまり各国代表から招集される選手がいないとはいえ、ヘタフェなど、柴崎岳選手を始め、ファジル(モロッコ)、ジェネ(トーゴ)、マノイロビッチ(セルビア)、メルヴァイユ(コンゴ)と5人程、出向が決まっているんですけどね。土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのレアル・ソシエダ戦では、ここ2連敗という悪い流れを払拭して、2週間のparon(パロン/リーガの停止期間)に入りたいところ。現在、11位で降格の危険はほぼないヘタフェですが、ボルダラス監督も「どっちつかずの順位で終わるのはいいシーズンでなかったという印象を与える。No podemos caer en ese error, no lo voy a permitir/ノー・ポデモス・カエール・エン・エセ・エロール、ノー・ロ・ボイ・ア・ペルミティル(そういう過ちを犯す訳にはいかないし、許すつもりもない)」と言っていましたし、残り10試合、勝ち点7差のEL出場権をもらえる7位の座に少しでも近づけるよう、勝てるといいですよね。 ▽そしてレガネスは日曜正午、ブタルケにセビージャを迎えるんですが、相手がCL準々決勝進出を決めたばかりなのはいいのか悪いのか。モンテッラ監督もリーガでは4位バレンシアまで勝ち点差11と離れているため、来季CL出場圏の獲得は難しいと考えているはずですが、7位のジローナもたったの2差とEL出場圏死守はしたいはずですからね。ガリターノ監督も「Estamos bien pero creo que con treinta y tres puntos no te salvas/エスタモス・ビエン・ペロ・クレオ・ケ・コン・トレインタ・イ・トレス・プントス・ノー・テ・サルバス(ウチの状態はいいが、勝ち点33では残留できないと思う)」と言っていたレガネスが、あと少しの上積みを狙うにはちょっと、難しいライバルなのは確か。代表戦明けもバレンシア、バルサと上位チームとの対戦が続くため、今は辛抱の時期なのかもしれません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.17 14:30 Sat
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【倉井史也のJリーグ】おっとここに来てハリルホジッチ監督がJリーガーに熱い視線!?の巻

▽ヨーロッパ遠征の日本代表発表記者会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は士気盛んというか、意気軒昂というか、ちょっと大丈夫って感じもあり、つまりいつもどおりって感じでした。そんな中で今回は何人のJリーガーを選んだのか! ▽東口順昭、中村航輔、槙野智章、森重真人、宇賀神友弥、車屋紳太郎、昌子源、遠藤航、植田直通、山口蛍、大島僚太、三竿健斗、小林悠、杉本健勇の14人。26人中の14人ですからね。ハリルホジッチ監督、今回は結構選んだんじゃないですか。 ▽ただね、ちょっと気になる点があるんです。それは発表の順番。サッカー協会が配るリストにはポジション別、年齢別で選手が記載してあります。だけど監督が発表するときの順番は別。もしかすると、それって監督の優先順位が反映されてるんじゃないの? って感じなんです。 ▽GKでは上から川島永嗣、中村、東口。右SBは酒井宏樹、遠藤。左SBは長友佑都、車屋、宇賀神。CBは昌子、植田、槙野、森重。 ▽守備的なMFは長谷部誠、三竿、山口。攻撃的MFは大島、柴崎岳、森岡亮太。右FWは久保裕也、本田圭佑、左FWは原口元気、宇佐美貴史、中島翔哉、CFは小林悠、杉本健勇、大迫勇也。 ▽うーん、本当に監督の中ではこの序列なの? って言いたい部分もあるけれど、何もなくてこんな順番にはしないでしょ。となると、ここで注目なのはJリーガーながらリストのトップにいる昌子、大島、小林じゃないですか。確かにDFではハリルホジッチ監督が絶対的な信頼を置いていた吉田麻也がいないし、攻撃的MFのところで監督は香川真司と清武弘嗣の名前を挙げてたけど。 ▽でもそんなひねくれた見方じゃなくて、ここは素直にこの3人のプレーを見ておかねば! ってことで、鳥栖vs鹿島、名古屋vs川崎って楽しみじゃないですか。今週のJ1は日曜開催、前者は16時キックオフ、後者は19時キックオフ。 ▽で、データを調べると、おっとベアスタでのリーグ戦、鳥栖vs鹿島は鳥栖の3勝1分2敗。うーん、昌子にとっても試練ですな。名古屋vs川崎はデータよりも、今の川崎の基礎を作った名古屋の風間八宏監督が、大島も小林も特徴を知り尽くしてるだろうし……。 ▽しかも試合の翌日はすぐにヨーロッパ行きってコトで、選手は試合後のバタバタも心配なんじゃないですか。なんかリストの順番も入れ代わりそうな試合になっちゃうかも。ま、選手もワールドカップのメンバー入りをかけて士気盛んだとは思いますけどね。監督ぐらいには。たぶん。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2018.03.16 15:30 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】ベルギー遠征メンバーから見える興味深い5点

▽3月19日からベルギーへ遠征する日本代表26名が15日に発表された。ハリルホジッチ監督は現地でのケガ人を想定して23名ではなく26名を招集したが、興味深いのは次の5点だろう。 ▽まずDF陣はケガから復帰した森重(FC東京)が久々に呼ばれたものの、「すぐには使わない。どんな状況であるかや、励ますために呼んだ」と明言した。今回はケガで吉田(サウサンプトン)が招集外のため、CB候補は槙野(浦和)、昌子、植田(ともに鹿島)だが、昨年12月のE-1選手権を見る限り、鹿島の2人には不安が残る。 ▽そこで本大会を見据えて森重の状態をチェックしたいということだろう。逆に言うと、昌子や植田を超えるCBはいないということの裏返しでもある。それはそのまま、日本代表のウィークポイントにつながるだけに気になるところだ。 ▽次は左SBについて、長友(ガラタサライ)のバックアッパーとして車屋(川崎F)と宇賀神(浦和)の競争と話していた。いつもなら酒井高(ハンブルガー)の名前が挙がるところだが、今回は彼を外した理由について言及しなかった。これも裏読みすれば、左右の両SBができるだけに、コンディションさえ整えば23人のメンバー入りは確実と想定していいのかもしれない。 ▽そしてMFでは、ボランチの長谷部(フランクフルト)に「本大会までケガをしないで欲しい。代表では絶対的な中盤の選手で、グラウンド内外で絶対的な存在」と全幅に信頼を寄せつつ、「彼に代わる存在で今野(G大阪)を考えていたが、ケガをしてしまった」と自ら今野に言及したことだ。アウェーのUAE戦ではオマル・アブドゥルラフマンを封じたプレーが印象に残っているのかもしれない。彼もまた、コンディションさえ整えば23人のリストの有力候補と言っていいだろう。 ▽最後の2点は、半年ぶりに招集された本田(パチューカ)と初招集の中島(ポルティモネンセ)だ。今回の招集リストで国際Aマッチ2桁得点は36点の本田ただ1人。彼以外に2桁得点をあげているのは、ケガで招集を見送られた香川(ドルトムント)と、「リストには入っている」(ハリルホジッチ監督)という岡崎(レスター)の3人だけ。この3人で100ゴール以上決めてきただけに、ザック・ジャパンもハリル・ジャパンもいかに3人の得点力に依存してきたかが一目瞭然だ。 ▽だからこそ、ハリルホジッチ監督は彼らの後継者探しを急務と感じているのだろう。そこで今回初招集された中島だ。ハリルホジッチ監督も「ドリブラーで、俊敏で爆発的な力を持っている。1対1で抜ける日本人選手は数少ない」と高く評価した。左サイドからのカットインで、ニアを射貫く強シュートと、ファーの右上スミを狙ったコントロールシュートは何度も練習したため体に染みついている。2年前のリオ五輪でブラジルのファンを沸かせたドリブル突破は健在だ。 ▽その中島が招集されたことで今回メンバー外となったのが乾(エイバル)である。ハリル・ジャパンの左アウトサイドは最激戦区で、今回は宇佐美(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)も呼ばれている。所属クラブでは原口が左で、宇佐美が右でプレーしているものの、宇佐美が得意とするのは左サイドからのカットインである。 ▽原口は中央でも、ボランチでもプレーできるためロシア行きは当確として、それでも左MFの候補は乾、宇佐美、中島と競争は激しい(ケガが治れば齋藤/川崎Fも候補になるかもしれない)。まずはベルギーでの2試合で中島と宇佐美のどちらが結果を残すか。 ▽ハリルホジッチ監督に23人のW杯メンバー発表の日時について質問したところ、「5月30日のガーナ戦が終わった翌31日に23人名を発表する予定でいる」と答えてくれた。3月のベルギー遠征後、5月下旬にトレーニングキャンプを予定しており、30日のガーナ戦が最終選考の場となる。 ▽残された時間は少ないだけに、ベルギーでの練習でマリ戦とウクライナ戦に出場できることを指揮官に証明できるか。それがボーダーライン上の選手が代表に生き残るためのカギになる。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.03.15 20:59 Thu
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