コラム

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【原ゆみこのマドリッド】上位戦線に異変が起こるかも…

▽「最終節前の平日にいきなり差をつけられてもねえ」そんな風に私が憂いていたのは金曜日、前夜のヨーロッパリーグ32強戦2ndレグはTVでこそ見られなかったものの、当日の午前中はチーム全員でバチカンに赴き、フランシスコ教皇に拝謁。1stレグで4-0と大敗した後、恥ずかしくない試合ができることを祈願してもらったのが効いたか、ローマに0-1で勝って、心安らかに敗退したビジャレアルはともかく、同じ早い時間のうちにアスレティックまでアポエルにキプロス島で2-0と負け、衝撃の逆転敗退という大番狂わせを演じてくれることに。そのせいもあって、スペイン勢最後の砦となったセルタがウクライナでのシャフタール戦、後半ロスタイムにPKで1点を取って延長に持ち込み、最後はカブラルのゴールで総合スコア2-1と逆転突破するのをドキドキしながら、スポーツ紙のテキスト中継で見守っていたんですけどね。 ▽おかげでEL16強戦でロシアのクラスノダールと当たることが決まり、それだったら、準々決勝進出も夢ではないと思わせてくれたセルタでしたが、問題は彼らには暴風雨でバライドス(セルタのホーム)の屋根が壊れ、延期になったレアル・マドリーとのリーガ戦があること。セルタがELのこのラウンドで負けていれば、3月にマドリーのCL16強戦2ndレグのない週の平日に設定できたんですが、まずこの可能性が消滅して、実はお隣さんも先週はCL16強戦1sレグでナポリに3-1と勝利と、準々決勝進出にかなり近づいているんですよ。となれば、最短で双方がベスト8で負けた場合には4月、片方でもそれ以上進んだら、やっぱり対戦すうのは5月17日頃となってしまう?現在のように2位との勝ち点差が1、未消化分を含んでも4しかないとなると、あまりリーガ終了が押し迫っての開催は、マドリーにとってもプレッシャーがかかるような気がするんですが…。 ▽まあ、余裕の首位だった彼らが何で急にそんなことまで心配しなければならなくなったのかはまた後でお話しすることにして、今週CL16強戦に挑んだアトレティコはどうだったかというと。これがまた、相手のレバークーゼンは2年前の同じステージで当たり、その時は互いにホームで1-0勝利の末のPK戦決着だったため、あまり得点が期待できない試合なるかと思いきや、まったく真逆なゴール祭り的展開に。ええ、前回のバイアレナ訪問時は相手選手との接触プレーで腎臓を痛めて途中交代。ロッカールームに着くまでに何度も吐いて、病院に緊急搬送となった上、4日間も入院しなければならなかったサウルが今度は絶対、いい思い出を作ってやると決心していたんでしょうかね。 ▽前半16分には1人、スルスルと右サイドを上がり、エリア内に入ってから、狙い澄ましたvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKレノを破っているんですから、こちらもビックリしたの何のって。おまけにそれから10分もしないうちにドラゴビッチが失ったボールを拾ってガメイロが敵陣をドリブル。最後はタイミングを見計らってグリースマンにパスを出すと、そのシュートが決まり、前半から2点もリードしているって、あまりに簡単じゃありません? ▽でも、そこはしなくてもいい苦労をするのが大好きなアトレティコ。後半開始早々、ベララビに1点を返されてしまったのは守備陣のちょっとした油断からだったんでしょうけどね。13分にはその日、大殺界だったようなドラゴビッチがガメイロをエリア内で倒し、アトレティコがPKを獲得。その際には同時進行のマンチェスター・シティ戦で、かつてのエース、今はモナコにいるファルカオがPKをGKカバジェーロに弾かれたという報も入っていたため、喜ぶよりもこのチームに奥深く根付いたPK失敗率の高さにむしろ頭が痛くなったものの、ようやく練習の成果が実ったようです。ガメイロが落ち着いて決めて、再び2点差となったんですが、まさか22分、フォラントのシュートをGKモヤが弾いたところ、サビッチに当たってオウンゴールになってしまうなんて、やっぱりアトレティコの不幸体質はまだ改善されていない? ▽おかげでそれまではサッカー的には上回るとこがなかったレバークーゼンがスタンドの後押しもあって勢いづき、私も気が気ではなかったんですけどね。2-3になって幾らもしないうちに、シメオネ監督は「mi intención era poner gente fresca/ミ・インテンシオン・エラ・ポネール・ヘンテ・フレスカ(自分の意図はフレッシュな選手をいれることだった)」と交代策を発動。フランス人の同僚の背番号が第4審判の掲げる電光ボードに現れたのを見た途端、グリースマンが「No, no! ¡Es el mejor, es el mejor!/!エス・エル・メホール(ダメ、ダメだよ。彼が一番いいんだから)」と抗議するのも無視して、ガメイロをトマスに代えると、その6分後には当人もカラスコと共にベンチへの道を辿ることになります。 ▽え、ガメイロも交代時には怒っていたようだったけど、結果的にはフェルナンド・トーレスとコレアが入って吉と出たんだろうって?そうですね、後でグリースマンも「彼は斜めに切り込んで、ボクらを凄く助けていてくれていたけど、el míster tuvo razón porque marcamos el cuarto/エル・ミステル・トゥボ・ラソン・ポルケ・マルカモス・エル・クアルト(ウチは4点目を取ったんだから、監督の考えが正しかった)」と認めていたように41分、トーレスがベルサリコのクロスを頭でゴールに流し込んでくれたんです!最後は2-4のスコアで終わり、つまりこれはレバークーゼンがビセンテ・カルデロンでの2ndレグを0-3で勝たないと逆転突破できないってことですからね。 ▽そんな余裕もあってか、その後はガビとフィリペ・ルイスがイエローカードをゲットし、累積警告で次戦出場停止となるローテーション計画も実行できたとなれば、試合後のシメオネ監督が「Fue tácticamente perfecto/フエ・タクティカメンテ・ペルフェクト(戦術的に完璧だった)」とほくそ笑んでいたのも当然だったかと。まあ、このところはグリースマン、ガメイロ、トーレスと、FWたちにゴールが戻っても来ましたしね。彼らにはその夜、軍配は5-3でシティに挙がったものの、それぞれ別のサイドで2ゴールを決めて大活躍。超一流のストライカーを持つという、アトレティコのいい方の伝統を作ってくれたアグエロやファルカオに負けない働きをこのシーズン残りに期待しています。 ▽そして翌日、CL戦でセビージャがラモン・サンチェス・ピスファンでレスター・シティを2-1と下す前、これもクラブW杯参加のため、延期されていたバレンシア戦にメスタジャで挑んだマドリーなんですが、まさかの伏兵に足元をすくわれることに。だってえ、本来の日程だった12月に試合をしていれば、開始早々、4分にムニルのクロスを胸で受け、エリア内で体を捻って先制弾を決めたザザ(ユーベからレンタル移籍、シーズン前半はウェストハムでプレー)も、その4分後、ザザ、ナニと繋いだカウンダーから2点目を挙げたオレジャナ(セルタから移籍)だって、バレンシアにはいなかったんですよ。 ▽もちろん、「Esos 10 minutos nos ha faltado concentración sin balón/エソス・ディエス・ミヌートス・ノス・ア・ファルタードー・コンセントラシオン・シン・バロン(この10分間、ウチはボールを持っていない時の集中力が欠けていた)」(ジダン監督)というのは自業自得ではありますが、まあそれは、かつて「眠ったままピッチに出る」という悪癖を性懲りもなく繰り返していた、どこぞのチームの例もありますからね。そんな時があるのはわかるんですが、予想外だったのはそれから80分も時間があったにも関わらず、ゴールには不自由していないはずのマドリーが同点にもできなかったことでしょうか。 ▽いえ、ハーフタイムに入るちょっと前にはマルセロのクロスをクリスチアーノ・ロナウドが見事なヘッドで決めて、1点は返したんですけどね。バレンシアは前半にナニを負傷で、後半には早々にオレジャナを引っ込め、専守防衛になっていたものの、ハメス・ロドリゲスに代えてベイル、その日は間の悪さでドラゴビッチと双璧を成していたバランがケガでナチョに代わったのはともかく、最後はモドリッチを下げて、ルーカス・バスケスまで投入したのも実らず、結局、2-1で負けてしまうことに。要は「Jugamos ochenta minutos concentrados, pero diez no/フガモス・オチェンタ・ミヌートス・コンセントラードス、ペオ・ディエス・ノー(ボクらは80分間集中して戦ったけど、10分間は違った)」(カセミロ)ということで、まさに覆水盆に返らずの典型だった? ▽おかげでこの日曜、保険分だった勝ち点3を増やせず、2位と1差のままとなった彼らは首位防衛を懸けてリーガ戦に挑まないといけなくなってしまったんですが、相手はローマ戦で主力を10人温存、しかも霊験あらたかなビジャレアルですからね。ELを敗退したことで、優勝ご褒美のCL出場権獲得の夢も消えてしまった今、彼らとしても来季もヨーロッパの大会でプレーできる6位の座は死守したいところでしょうし、果たしてマドリーが名誉挽回のプレーを見せられるのかどうか。 ▽そんなビジャレアルvsマドリー戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。そろそろBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)のスタメン復活が期待されますが、モラタやイスコらもあまり出られないと不満が溜まりそうですし、その辺はジダン監督の心づもり次第。負傷欠場者は肉離れで全治3、4週間となってしまったバランぐらいになりそうです。 ▽え、それならマドリッドの両雄として、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、2位のバルサをビセンテ・カルデロンに向かい撃つアトレティコが一肌脱いでやるべきだろうって?いやあ、ライバル意識とは恐ろしいもので、こういう機会ではお隣さんを首位から引きずり下ろすために負けた方がいいなんて声がファンから聞こえてくるのも珍しくないんですが、今回は状況が状況ですからね。というのも、ここでアトレティコが勝って、マドリーが負ければ、両者の勝ち点差は7から4に縮小。2位との差も3になって、CLグループステージ出場権のある3位以内フィニッシュが近付くだけでなく、一旦は諦めた優勝戦線に復帰するのも夢じゃなくなるってことなんですよ。 ▽その上、バルサ相手には2月上旬のコパ・デル・レイ準決勝であと一歩のところまで相手を追い詰めながら、逆転勝ち抜けを逃したという苦い記憶がまだ新しいですからね。向こうがCL16強戦1stレグでPSGに4-0の大敗を喰らったため、この先、今季は対戦の機会がないかもしれないとすれば、もうここでリベンジしておくしかない?うーん、シメオネ監督がこれまでバルサ戦で2勝しかしていないというのは気になりますけどね。そろそろゴディンもケガが治って戻って来られそうなため、今度こそはウルグアイ代表の同僚、ルイス・スアレスを抑えてくれることを期待。マドリッドで彼女との相互DV裁判で証言した後、レバークーゼンにプライベートジェットで当日移動してベンチ観戦していたルカスも体調は万全ですし、この試合ではいよいよGKがモヤからオブラクになるかもしれませんね。 ▽そして前節はそのバルサにカンプ・ノウで引き分け寸前まで行きながら、終了間間際のPKで2-1と涙を呑んだマドリッドの新弟分、レガネスは土曜にデポルティボ戦なんですが、今週末は兄貴分たちも上位チーム対戦なので、助けてあげられませんからね。勝ち点2まで迫ってしまった降格圏に落ちしないためには、何とか自力で勝つしかないかと。まあ、1つ上にいるデポルティボも今年になって白星がないという点ではレガネスと同じですし、ここで勝てば16位になれるというのもいいモチベーションになると思うので、選手たちが頑張ってくれることを私も祈っています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.25 08:50 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】今シーズンの判定基準で難しいのはホールディングの判断

▽日本サッカー協会(JFA)は、毎年恒例となっているレフェリング・カンファレンスを2月22日にJFAハウスで開催した。これは、新シーズンのレフェリング基準をJ1からJ3までの54クラブとJFL16クラブに伝えた後にメディアへも公開してきた。 ▽昨シーズンの傾向として、ラフプレーによるイエローカードが増えたこと、昨年夏に導入されたPKの際に、守備側がボールへのアタックから反則を犯した場合は、これまではレッドカードだったのがイエローカードに変更されたものの、GKは認識していたがフィールドプレーヤーは認識が不十分な選手がいたこと、ヘディングの際に手を使う選手が増えたので今シーズンは注意した、とのことだった。ヘディングの際は両手を上げてジャンプしがちだが、フリーの時は手を上げてもいいが、競り合いなどで手を上げて相手の顔と接触した場合は反則を取るということだった。 ▽ジャッジで難しいのが、CKやFK時のホールディングだ。守備側がホールディングで攻撃側の選手を倒せばPKで、ボールのないところでのプレーならカードは出さず、ボールのあるところでの反則にはイエローカードというのがこれまでの解釈だった。ところが昨シーズンは、反則を受けた攻撃側の選手が、守備側の選手のホールディングを利用して、相手の手をつかんだまま倒れてPKをもらうといったプレーが増えたこと。上川副委員長は「大事なのはどちらが先にホールドしたか」と判定基準を話していたが、密集地帯での瞬時の判断はかなり難しいだろう。 ▽そして新シーズンの新たな取り組みとして、試合後にクラブ関係者(実行委員か強化担当者)と審判アセッサー(審判のレフェリングを評価する人)で意見交換をする。クラブによるレフェリングに関するフィードバック・レポート(クラブから見た評価)の提出。メディア関係者へのレフェリング説明会の頻度を上げ、定期的に開催しオープンに伝えて相互理解を図る、ことなどを実施することになった。 ▽クラブ関係者と審判アセッサーではなく、主審と両チームの監督が直接話し合った方が、より具体的な話ができるのではと上川副委員長に質問したところ、「それでは生々しすぎて話し合いにはならないかも」と危惧していた。残念ながらこの話し合いはメディアには公表しないとのこと。 ▽カンファレンスでは昨シーズンの試合中のプレーをピックアップし、イエローカードかレッドカードかの判断基準なども解説していた。こちらは「激しいプレーを続けて行こう。Jリーグを変えて行こう。メディア、サポーターも含めて変えて行こう。基準を共有したい(原Jリーグ副チェアマン)」ということで、JリーグのHPでも『2017シーズン競技規則スタンダード映像』として公開されている。興味のある方はHPでチェックして下さい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.02.24 11:00 Fri
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【倉井史也のJリーグ】ここまで当たりそうな予想原稿をアナタは見たことがないはず?! の巻

▽はい! 行ってきました! メディアのためのレフェリングの説明会。これがあるといよいよシーズン到来って感じがしますな。まぁ、去年大きく変わったので今年はあんまり変化がなくて、去年の説明をもう一回おさらいって感じだったんですけど。 ▽それで去年の実例をいろいろ見ていったら、フィジカルコンタクトが激しすぎてファウルになっている例が増えてるんですって。これって、もしかして「デュエル」大好きな某代表監督のせい? とか思って審判の偉い人に聞いてみたんですけど、現代表監督の前からの傾向なんだそうで。あーぁ、一本原稿書けると思ったのに。 ▽そんなときは昔のネタをこっそりもう一回使って……なんて探してたら、なんと前回の前振りがあるじゃないですか。スタートダッシュで勝点をがばがば稼いで、途中でアクセル吹かしそうなチームがあるって。えーっと、どこでしたっけ? ▽まぁ普通に考えると、指揮官しっかりしてて、バンバン補強して、夏には大物がやって来そうなのって、神戸? いや、もしかして香川真司が夏の放出が噂されてるのを受けてC大阪? あ、清武弘嗣のコンディションが悪いってことだから回復までスタートダッシュは厳しいかも。 ▽もしかして、今や金満クラブになった鳥栖がいきなりやってくれるのかも。苦しくなったら豊富な資金力で海外のビッグネーム取ったりしちゃいそうな勢いだし。 ▽それか、補強と言えば大久保嘉人、永井謙佑、林彰洋、高萩洋次郎、太田宏介ってな実績のある選手をガパガバ加入させて、まるで今年やるっきゃないってくらい気合いを見せているFC東京? 外国籍選手取ってないのは枠を空けてるから? ▽とかいいながら、その実、堅実な移籍でやりくりしてる広島がまた来たりして。なんて見せかけて大量13人の新戦力に6人の復帰組を確保した新潟だって当たれば来そうだし。当たればね。てか、補強の少ない清水と合わせてオレンジの中で安泰そうなのは大宮だけじゃね? と予想してみたりする。 ▽来たらおもしろそうなのは、札幌だったりして。どちらかというとノーマークだし、札幌とか仙台とか甲府が優勝したら、そりゃもう大騒ぎになるでしょ? ▽えーっと、ここまで書くと、柏と川崎と横浜FMと磐田とG大阪って名前を挙げてないのが申し訳ない。だけどみんな過去に優勝経験もあるし、今年はレギュレーションも放送権料も代わったから、ここは一発去年のレスターみたいな存在のチームが活躍してもおもしろいんじゃないかと。あ、そういえばレスター苦しんでるから、岡崎慎司が帰ってきてくれると、ますます盛り上がるんだけどね。今年の混沌としたJリーグ。 ▽さぁ、ここまで書けばどこかが当たる! シーズン終了時には、「やっぱオレの言ったとおり」って書きますので、よろしくオナイシャース。 【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.02.23 21:30 Thu
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【東本貢司のFCUK!】FCUKの夢、全開 ?!

▽苦境にあってもクラウディオ・ラニエリの頭は澄んでいる。むしろ、こうなることを予期して、あえて泥をかぶる心意気が透けて見える。セヴィージャの地に旅立つ直前、“ティンカーマン”はずっと胸の奥底に秘めてきた本音を告白した。「昨シーズン終了をもって辞任する道もあった」。その、ミラクルな“名声”を人々の記憶に押し付ける身勝手を良しとせず、必ずやってくる茨の道を選んだ“男気”を。だからこそ、チャンピオン転じて降格の危機に直面している最中にあっても、レスターは迷うことなくラニエリ支持を公言し、プレーヤーたちも望外の夢を見させてくれた恩義に報いて愚痴の一つも漏らさなかった。ここには、昨今の“目先の損得勘定”でやっつけの措置に走る(もしくは、それが当然とばかりにうるさく暴言をまき散らすファンやメディアに惑わされる)愚挙など、一切跳ね返す、クラブの意地、いや、本来の姿、ステイタスがある。ヴェンゲルのクビをしどけなく叫ぶファンの皮をかぶった似非ファンには爪の垢を煎じて飲ませてやりたいものだ。 ▽その意気に(「この対セヴィージャ・ファーストレッグが我々のターニングポイントになるかもしれない」と述べたラニエリの決意とメッセージに)、プレーヤーたちは応えてみせた。スコアは2-1、ゲーム単体では敗れたが、貴重な、この上なく値千金のアウェイゴールをもぎとってみせた。それも、今シーズンここまですっかり冴えを失っていたドリンクウォーターのスルーパスから、シンボルエースのヴァーディーが蘇ったようにシャープな身のこなしから決めた。あとは、どこぞの国で“ホワイトデイ”とか称する奇妙な習慣が男たちを戸惑わせる「3月14日」(のホーム、セカンドレッグ)まで、“彼ら”が何をどうして“身を証明する”かにかかっている。それで、レスターの明日も見えてくる。ひとまず、ラニエリの言う「ターニングポイント」は良き方向へと舵を切った。そもそも、はらはらドキドキ胸を騒がせるのが“ミラクル・レスター”の魅力、真骨頂ならば、これはもう筋書通り。大敵セヴィージャを少しなりともがっかりさせた意義は相当にデカい。 ▽その前日、苦闘の末にホーム・ファーストレッグを勝ちで収めたマンチェスター・シティーの方はどうか。反発しての5得点は褒めてしかるべき。だが、3失点のツケは小さくない。グアルディオラの表情も「次にこちらが得点できなければ、多分終わる」と冴えない、心細い。数字以上に、レスターのアウェイゴール1は、モナコのアウェイゴール3は、天と地の差ほどに見える。なかでも、蘇ったファルカオの2ゴール以上に、ムバッペの(その時点での)勝ち越しゴールは鮮烈なメッセージだった。キリアン・ムバッペ、18歳。そう、アーセン・ヴェンゲルが「ティエリー・アンリに似たところがある」と言い切った新星。モナコがヴェンゲルの“縄張り”だったからには、その将来性に注目しないではいられない。すなわち、ムバッペの将来は、アーセナルの今後の巻き返し(プレミアおよびチャンピオンズ)にも大きく左右されるはず。アンリを大成させたヴェンゲルか、それとも、パリSG、シティー、チェルシーの“カネ”か。ムバッペという青年の気質はいかほどなのだろうか。“それでも”ユナイテッドにこだわるマーシァルほどの気骨の持ち主なのか。 ▽そのマン・ユナイテッドはめっきり安定感を増してきた。負けない手応えは現状、おそらくチェルシーをも上回る。サンテティエンヌだろうと何だろうと、隙も抜け目もなく、さも当たり前のように退ける。ひとえに勝利の質と中身にこだわるモウリーニョに、悠々落ち着いたポストマッチコメントをものさせる。おまけに、このサンテティエンヌ撃退では、ファンにとってちょっとした希望をももたらす“瑕疵”をも引き連れてきた。ミヒタリアン(とキャリック)の故障だ。目前に控えたえEFLカップ決勝(対サウサンプトン)に、ルーニー起用の目が現実的になったこと。どこかひねくれたところのあるジョゼ君のことだ、先発で使うかどうかは少々怪しまねばならないが、ちょうど中国のCSL行きが取りざたされていた最中で、ルーニーを“引き留める”(といっても本人にその気はさらさらないが)恰好の口実にはなる。レスター同様、ルーニーにとっても、これは何かが変わるきっかけになりそうだ。チャンスは誰も文句がつけようのない形で生かさねばなるまい。スタンドで観戦していたサー・アレックスもひそかに「その証明」を望んでいるだろう。 ▽ここまでをまとめてみるならば、レスターは俄然昨シーズンの光を再び取り戻して残留を確保し、少なくともセヴィージャを撃退してみせる。ルーニーはウェンブリー(のEFL決勝)で、モウリーニョの信頼を取り戻し、ユナイテッドのキャプテンたる真のステイタス奪回に力強く再生する。“アンリの再来”ムバッペはアーセナル入団の夢を語り、いずれガナーズの一人としてプレミアにお目見えする。そういえば、FAカップ準々決勝でチェルシー-ユナイテッドの大一番があるんだっけ。これは大変な(いずれの優勝云々は関係なく)ゲームになる。願わくば、それまでに(時間はあまりないが)ルーニーが掛け替えのない存在として復活していますように。“何か”をさらに実り多きものにするためにも。いやはや、希望的観測ばかりで恐縮ながら、FCUKはすべてが“叶う”ことを祈らずにはいられない。あともう一つ、アーセナルの怒涛の追い込みとヴェンゲルの契約更新。まさかと苦笑する向きもあろうが、ここからあっと驚く(?)チャンピオンズ決勝へとひた走るガナーズの“快挙”にも夢を馳せたい。いや、できないはずはないと思うのだが?【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.02.23 12:54 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールを決めれば問題ない…

▽「まだPK戦がないだけいいわね」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、夜のニュースでバイアレナで練習するアトレティコの選手たちを見た時のことでした。いやあ、もちろん1stレグとはいえ、プレー中にPKが発生する可能性はあるんですけどね。データを見たところ、今季9本中6本を失敗しているアトレティコに負けず劣らず、このCLベスト16で当たるレバークーゼンもPKが苦手。ここまで6本中成功したのがたったの1本しかなく、その時のキッカーだったチャノハノールはFIFA処分で4カ月の出場停止中と聞きますし、2年前のCL準々決勝の時にはレアル・マドリーにいて、2ndレグでアトレティコの敗退を決める2試合中唯一のゴールを挙げたチチャリートもすでに2度失敗しているとか。 ▽更に振り返ってみれば、そのシーズンもアトレティコは同じラウンドでレバークーゼンと対戦。それぞれホームで1-0と勝った後、もつれ込んだPK戦を制して、かろうじて勝ち抜けたんですが、そのスコアが3-2って、どちらのチームもかなり低水準じゃない?いえ、昨季のアトレティコはPSVとのベスト16でまたしてもPK戦に突入し、その時はサドンデスまで行ったものの、8人全員が成功したという実績は作りましたけどね。結局、決勝では5人目のファンフランがシュートをポストに当て、再びお隣さんの前に涙を呑んでいることを考えれば、火曜は肩の脱臼がようやく治ったオブラクになるか、継続路線でモヤとなるか、先発GKはまだわからないものの、やっぱりPK絡みで勝つのは計算に入れない方がいいかと。 ▽え、先週末の彼らの試合を見る限り、1stレグからPK戦突入を心配するような景気の悪い展開にはならないんじゃないかって?うーん、それはちょっと微妙なところで、土曜のスポルティング戦は最終スコアこそ、1-4と大勝ですが、正直、前半など、何もなかったんですよ。それどころか、ハーフタイム直前にはこの冬の移籍市場で加わった、2メートル3センチの長身FWラシナ・トラオレの一撃がゴールポストに当たったりと、さすが2000年代に入ってからの7試合でアトレティコが1勝しかしていないのは理由があるのかと納得させられたんですが、この日はロッカールームで”モノ”・ブルゴス第2監督がjugada de estrategia/フガダ・デ・エストラテヒア(戦術プレー)の復習をしてくれたんでしょうかね。 ▽それは後半開始直後のことでした。グリースマンが1人キックオフで自陣に蹴ったボールをガビが狙いを定めてロングパス。フェルナンド・トーレスの頭を経由してボールが落ち、カラスコが敵エリア内に持ち込んでシュートしたところ、GKクエジェルも一応、止めようとはしたんですけどね。手に当たったボールが彼の背後に転がって、それをすかさず回り込んだカラスコがダメ押ししてゴールラインを割ってくれたから、ビックリしたの何のって!うーん、最近はリーガ優勝した2年前など、面白いように入ったCKからのセットプレーもあまり成功していませんでしたからね。折しもヘッドに強いゴディンが負傷で休場中ということあり、レパートリーを少し広げてみたのが成功した? ▽でも、その後がダメだったんです。というのも3分には守備陣の隙を突かれ、ブルギのクロスをセルヒオ・アルバレスにフリーでエリア内から決められ、あっという間にスコアは同点に。これでまたしても停滞状態に陥ってしまったため、シメオネ監督も考えたんでしょうね。15分にはトーレスとコレアをガメイロとサウルに、続いてカラスコをトマスに代えて、「podiamos lastimar con menos gente arriba y ganando el medio/ポディアモス・ラスティマール・コン・メノス・ヘンテ・アリバ・イ・ガナンドー・エル・メディオ(前線の人数を減らして、中盤を支配することで打撃を与えられる)」(シメオネ監督)体制にシフトしたところ…。 ▽「Los espacios iban a estar/ロス・エスパシオス・イバン・ア・エスタル(スペースは生まれるはずだった)。スポルティングは勝つために上がる必要があったからね」という監督の読みが当たり、ガメイロの1人舞台が始まったのは、もう私など、「またムダなところで勝ち点落として、本当にワンダ・メトロポリターノでヨーロッパリーグをプレーすることになっても知らないから」とプンプンしていた34分のことでした。そう、まずはグリースマンがエリア前から繋いだスルーパスから、GKをかわして勝ち越し点を決めると、その1分後にはCBメレが自陣エリア近くにいたトマスに誤ってぶつけてしまったボールを拾って再びゴール。更に39分にも今度はセンターライン前からグリースマンが放ったロングパスを追って抜群の決定力を披露と、おやおや、この人、5分もしないうちにハットトリックじゃないですか! ▽いやあ、リーガ2番目に短い時間での3得点のおかげで、無事に勝ち点3を獲得した後、「Estos goles son para mi abuela, que ha fallecido esta semana/エストス・ゴーレス・ソン・パラ・ミ・アブエラ、ケ・ア・ファジェシードー・エスタ・セマーナ(このゴールは今週、帰らぬ人となったボクの祖母に捧げる)」とガメイロが言っていたため、翌朝、私がいつも新聞を買う売店のアトレティコファンのお兄さんが、「それなら毎週、誰か親戚に死んでもらわないと」と言っていたのは、あくまでブラックジョークのつもりだったと思いますけどね。先日のコパ・デル・レイ準決勝バルサ戦2ndレグでは痛恨のPK失敗、その後ゴールを入れたものの、アトレティコが逆転突破できなかったため、翌日は1人、PK練習に励むぐらい、ガメイロも頑張っていますからね。 ▽丁度CL決勝トーナメントという、今季まだ優勝の可能性がある大事な試合も始まりますし、このハットトリックが、2014年夏にレアル・ソシエダから加入して、12月までは泣かず飛ばずだったグリースマンがアスレティック戦で決めた3ゴールをキッカケに、チームの中心アタッカーに成長したような効果をガメイロにもたらしてくれることを今は祈るばかり。ちなみに火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレバークーゼン戦でシメオネ監督は先発CFをトーレスにするか、ガメイロにするか明言せず。あとは当日、午前11時に彼女との相互DV訴訟で出廷するCBルカスがプライベートジェットを使い、恙なくキックオフ前にバイアレナに着いてくれるといいんですが、さて。 ▽何にしろ、前日記者会見でシメオネ監督も「Muchas veces el talento es importante, pero el corazón y la ilusión a veces tienen más lugar en el fútbol/ムーチャス・ベセス・エル・タレントー・エス・インポルタンテ、ペロ・エル・コラソン・イ・ラ・イルシオン・ア・エセス・ティエネン・マス・ルガール・エン・エル・フトボル(サッカーでは多くの機会で才能が重要だか、時にハートと夢見る気持ちがより大きく影響することがある)」と言っていましたしね。2年前のリベンジに燃えている相手に憶することなく立ち向かい、とにかくアウェイゴールを決められるといいですね。 ▽そしてまたリーガに戻ると、土曜はアトレティコ戦の後、サンティアゴ・ベルナベウへ向かった私でしたが、マドリーvsエスパニョール戦の見せ場も後半まで待たされることに。いえ、先週ミッドウィークのCLナポリ戦から先発を6人変更したジダン監督だったものの、ベンゼマの代わりにCFとして先発したモラタが気を吐いて、前半33分にはイスコのクロスからヘッドで先制点を挙げていたんですけどね。リードされてもエスパニョールがgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)さえ、避けられれば御の字という戦術を貫いていたため、どうにも盛り上がりに欠けてしまった感は否めません。 ▽そんな中、何がクライマックスになったかというと、昨年11月のCLスポルティングCP戦で足首を痛め、戦列を離れていたベイルが88日ぶりに復帰。しかも後半25分にピッチに入ったと思いきや、38分にはカウンターからイスコのスルーパス目掛けて全力疾走、あれよあれよという間にGKディエゴ・ロペスに迫り、ゴールを決めているのですから、ジダン監督が「No hay otro como Bale, es especial/ノー・アイ・オトロ・コモ・ベイル、エス・エスペシアル(ベイルのような選手は他にいない。特別だ)」と褒めていたのも当然だった? ▽それでも本人よると、「100%に回復するにはあと2、3週間必要」らしいんですけどね。近頃ではクリスチアーノ・ロナウドがアシスト役に目覚めたせいか、数年前のような驚くばかりのスピードを見せてくれる機会も減ってきていますしね。脚力自慢のベイルが戻ってきてくれたことで、マドリーのプレーが速くなるのは私も大歓迎。ただ、一方のエスパニョールも本来なら、決してカウンターで負けているチームじゃなかったんですが、まだ1点差だった時、交代となったアトレティコ時代からキケ・サンチェス・フローレス監督の下にいたフラードーなど、テレテレ歩いてピッチを出て行ったりと、不可思議な行動が散見。よって、最後は2-0でマドリーの勝利と、「El equipo fue conformista y el resultado es logico/エル・エキポ・フエ・コンフォルミスタ・イ・エル・エル・レスルタードー・エス・ロヒコ(チームは現状に安穏としてしまったのだから、この結果は論理的)」(ディエゴ・ロペス)というのも仕方なかったでしょうね。 ▽そんなマドリーはこの試合で珍しく途中交代したナチョもただ、横っ腹が痛くなっただけとわかり、月曜にはナポリ戦での打撲でお休みしていたセルヒオ・ラモスも全体練習に戻ったため、ジダン監督はチーム24人全員をこの水曜のバレンシア戦で使えることに。ええ、これは昨年12月、彼らがクラブW杯参加のため延期されていた分の試合なんですけどね。CL開催週に割り込ませたため、セビージャがレスターシテイを迎える午後8時45分前に終わるよう、平日にも関わらず、午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)という早い時間にキックオフというのは、メスタジャ(バレンシアのホーム)の客の入りに関係するかも。 ▽加えてバレンシアは今週末、木曜に迫るアポエルとのEL32強戦2ndレグに備え、36歳のエース、アドゥリスを先発に使わず、途中出場してもらった途端、ケガで退場となったアスレティックに2-0と勝利して、自信を高めていますしね。ただ本職、チーム付き役員のボロ氏が正式に監督になってからも成績は安定していないチームのため、マドリー優位は揺るがないかと思いますが、この冬、セルタから加入したオレジャナには要注意。早くも頼りになる戦力になっているため、折り合いが悪くて放出を決めたベリッソ監督も、0-1でシャフタールに負けた1stレグを逆転しないといけない木曜のウクライナ遠征を前にちょっと後悔しているかも。 ▽そしてマドリッド勢のリーガ戦、最後は日曜に新弟分のレガネスがカンプ・ノウでバルサに挑んだんですが、ええ、一応私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に行って観戦していたんですよ。それでも前半3分にはルイス・スアレスのラストパスからメッシに先制点を決められて、早くも家に帰りたくなったのも事実ですけどね。その先はミッドウィークの試合がないにも関わらず、もしやこの日曜にリーガでアトレティコと当たるのを警戒したんでしょうか。ルイス・エンリケ監督が先週、ベストメンバーで挑んで4-0で大敗したCL、PSG戦から4人スタメンを変えたところ、どうやらマドリーの控え選手とバルサのそれは少々レベルが違うよう。 ▽実際、序盤は大舞台に足がすくんだか、目も当てられなかったレガネスですが、時間が経つにつれ、MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)の消極性も手伝ってか、むしろより多く攻撃している側に。それでも前半、新戦力のエル・ザール(この冬、ラス・パルマスから移籍)が2回連続で放ったシュートがGKテア・シュテーゲンにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまうなど、なかなか得点はできなかったものの、とうとう後半25分には敵陣エリア付近でセルジ・ロベルトからボールを奪い、マチスのアシストでウナイ・ロペスが同点ゴールをゲット!その瞬間、お店にいたお客さんたちから歓声が沸き上がったため、1部の新参者でもやっぱりマドリッド市民はレガネスを応援しているんだと、私も嬉しくなったんですが…。 ▽44分、マントバーニがエリア内でネイマールを倒し、PK献上はないですよね。いえ、当人は後で「No veo lo que hace el/ノー・ベオ・ロ・ケ・アセン・エル(彼が何をしたのか、自分は見てない)けど、チームメートはまるで殺されでもしたかのように宙を舞ったと言っていた」と、相手のオーバーリアクションを非難していましたけどね。そのキャプテン自身、AS(スポーツ紙)などには「イエローカード2枚で退場になる危険があった。もし退場になっていれば、ペナルティは犯さなかっただろうに」なんて翌日、評価されていたため、こればっかりはねえ。おまけにこの日はメッシがPKをしっかり決めてしまい、あと数分だったレガネスの勝ち点1は雲散霧消してしまいましたっけ(最終スコア2-1)。 ▽でもまだ大丈夫。兄貴分がスポルティングに勝ってくれたおかげで、今週も彼らは降格圏から勝ち点2上の17位をキープしています。ただし、だんだん残り試合は減ってきていますけどね。PSG戦以来、イタリアの元名監督で一時、マドリーのスポーツディレクターも務めたサッキ氏などにも「王は死んだ。バルサはしばらく前から、昔の彼らではなくなっている」と言われ、低空飛行状態にあるとはいえ、強豪相手にあれだけ善戦したんですから、とりあえず土曜のデポルティボ戦で心機一転、残留確定への戦いを再開できるといいんですが。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.21 21:08 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】決勝トーナメントは厳しい…

▽「こっちは諦めちゃったみたいね」そんな風に私が頷いていたのは金曜。ヨーロッパリーグ32強1stレグでローマに0-4と叩きのめされたビジャレルのエスクリバ監督のコメントを読んだ時のことでした。ヨーロッパの大会が再開した今週、一足先の火曜には同じスコアで大敗したスペイン勢もいるんですけどね。それでもバルサからは、「Creer y creer, siempre/クレエル・イ・クレエル、シエンプレ(常に信じて信じまくる)」なんて、CL16強2ndレグで奇跡のremontada(レモンターダ/逆転突破)を目指す言葉が、イニエスタのツイッターから聞こえてきたりしたものの、エスクリバ監督はもう週末のレアル・ソシエダ戦で立ち直るとしか言っていなかったから。 ▽まあ、ELは来週木曜に早くも2ndレグがあるため、ちょっと事情が違いますけどね。PSGとの再戦が3月8日と、バルサには作戦を練る時間がたっぷりあるとはいえ、彼らの特技が永遠のライバル、レアル・マドリーと同じだという話はあまり聞かず。実際、お隣さんと違って、DNAにレモンターダ精神が刷り込まれていないアトレティコなど、バルサとのコパ・アメリア準決勝で1-2の負けを引っくり返そうとして、やっぱり叶わなかったことを鑑みれば、点差も遥かにあるため、難しいんじゃないかと思いますが、どうなることやら。 ▽ただ、そのおかげでここしばらく、彼らがPSGのことばかりを考えてくれれば、この週末の日曜、リーガでカンプ・ノウに乗り込むマドリッドの新弟分のレガネスや、その次週、ビセンテ・カルデロンにバルサを迎えるアトレティコが助かるんじゃないかと…。その辺は私も都合良く、考えてしまうのも否めず。レアル・マドリーのセルヒオ・ラモスだって、「No me gusta ver sufrir a amigos, pero obviamente no me gusta que gane el Barca/ノー・メ・グスタ・ベル・スフリル・ア・アミーゴス、ペロ・オビアメンテ・ノー・メ・グスタ・ケ・ガネ・エル・バルサ(友達が苦しむのを見るのはイヤだけど、バルサが勝つのがイヤなのも当り前さ)」と言っていましたしね。バルサがCL早期敗退してくれることで助かるのはマドリッドの両雄、どちらも同じってことでしょうか。 ▽それより今週はマドリーもCLナポリ戦に挑んだんだろうって? その通りで、水曜のサンティアゴ・ベルナベウでは試合前、スコアボードに前日のPSGvsバルサのハイライトを流して、アップする選手たちを景気づけをしていましたが、「マラドーナがロッカールームで30秒話してくれた」(サッリ監督)というようにどうやらチームのレジェンドが訪問したナポリの方が序盤の士気は高かったよう。だって、フォンド・スール(南側ゴール裏席)には巨大なモザイクも出現して、前人未到のCL2連覇への後押しをファンがしてくれたにも関わらず、開始7分にはインシーニェが放ったミドルシュートがあっさり決まってしまったんですよ。さすがにこれには先が思いやられてしまったものの…。 ▽全然、大丈夫です! その10分後にはカルバハルのクロスをベンゼマがヘッドでゴールにして、マドリーはあっさり同点に追いつくことに。それから余裕を持って攻めることのできた彼らは前半こそ、その1点に留まりましたが、後半は49分にクリスチアーノ・ロナウドがエリア内右奥から入れたパスをクロースが決めて2点目をゲット。更に54分には、カゼミロが「Es una cosa que vengo entrenando mucho/エス・ウナ・コーサ・ケ・ベンゴ・エントレナンドー・ムーチョ(自分が沢山、練習してきていること)」を披露。ええ、ナポリの守備陣がエリア内からクリアしたボールを拾った彼が弾丸volea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込み、とうとう3点目を挙げてくれたのですから、もう安心ですって。 ▽いえ、パルコ(貴賓席)でマラドーナが26歳の彼女と応援する中、ナポリも2ndレグに繋がる2点目のアウェイゴールを奪おうと懸命に戦ったんですけどね。Falso nueve(ファルソ・ヌエベ/仮のCF)を務めるメルテンスが絶好のシュート機会で外してしまい、里帰りとなったカジェホンも久々のベウナベウで勝手が違ったんでしょうかね。サッリ監督も最後は、今季からユベントスに行ってしまったイグアインの代わりに獲得しながら、負傷で長期離脱。この試合で復帰したミリクまで投入と、手は尽くしてみたんですが、「マドリーはここ3カ月で最高の試合をして、ウチは最低の試合をした」(サッリ監督)のが響いたか、追加点が入ることはありませんでしたっけ。 ▽ただ、ジダン監督も「El 3-1 es un buen resultado pero no definitivo/エル・トレス・ウノ・エス・ウン・ブエン・レスルタードー・ペロ・ノー・デフェニテティボ(3-1というのはいい結果だが、決定的ではない)。勝負はまだ五分五分」と言っていたように、これでマドリーが準々決勝への切符を手に入れたと喜ぶのは時期尚早。何せ、3月7日の2ndレグでは「サン・パオロ(ナポリのホーム)は地獄と化すだろう」とサッリ監督も予告していましたしね。今回、半数以上はチケットを持っていないながら、計1万人がマドリッドに駆け付けたナポリファンの情熱を目の当たりにすると、きっとそうなんだろうと推測するのは難しくなし。 ▽それだけにマドリーもしっかり準備しないといけませんが、そうそう、人口に比例してか、EL32強のアポエルを応援しに、キプロスからビルバオ(スペイン北部、アスレティックのホームタウン)にやって来た300人程の過激グループが、チームが3-2で負ける前に警官隊と衝突していたのとは違い、イタリア人サポーターが騒ぎを起こすことはなかったんですが、ダフ屋に偽造チケットをつかまされ、ゲートでのチェックで入れなかったファンが結構いたとか。 ▽うーん、クラブが発売したナポリ戦のチケットはもうかなり前に売り切れていたんですけどね。せっかく来たのに見られないのは悔しく思ったイタリア人以外の観光客も騙されていたようで、どうすれば引っかからずに済むのか、私もアドバイスはできないんですが、被害者の証言によると、偽造チケットは70~100ユーロ(約8400~1万2000円)と相場より安め。あ、でも東洋人には160ユーロ(約2万円)で売り付けられていたので、あまり参考になりませんかね。 ▽そしてもう土曜には次のエスパニョール戦が迫っているですが、マドリーにはとっておきの朗報があって、今週からずっと全体練習に参加していたベイルがとうとう招集リストに復帰したんですよ! ただ彼らには来週、水曜にクラブW杯参加のため、延期していたバレンシア戦も控えているため、ジダン監督はゼンゼマ、モドリッチ、そしてGKケイロル・ナバスを温存しますけどね。そのため、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)勢揃いとはならないんですが、木曜に屋根の修理もすっかり終わったバライドスでセルタがシャフタールに0-1で敗戦。EL32強で敗退する可能性も出てきただけに下手したら、2月初旬に延期された試合もミッドウィークに入る可能性もあり、そうなると3月の代表戦週間までマドリーはハードシュケジュールが続くかもしれませんからね。 ▽おかげで、ナポリ戦で途中交代したラモスも腰の打撲だけで重症ではないものの、用心のため、お休みすることになり、代わりにアセンシオやマリアーノがベンチ入りすることに。加えて、ジダン監督は「Contra el Espanyol él va a jugar de inicio/コントラ・エスパニョール・エル・ヴァ・ア・フダール・デ・イニシオ(エスパニョール戦では彼が先発する)」と、このところ出番が減っていたモラタの起用を宣言。うーん、ベンゼマは得意のCL戦で面目躍如を果たしたものの、モラタもこのままベンチ生活が続くと、また別のチームに行ってしまうかもしれませんしね。とりあえず、2位のバルサとは勝ち点1差とはいえ、消化試合が2つ少ない状態で首位を維持している今は比較的、余裕があるため、ローテーションにはいいタイミングじゃないでしょうか。 ▽一方、キケ・サンチェス・フローレス監督率いるエスパニョールでは、2週間前のマラガ戦で頭蓋骨にヒビが入り、休養していたピアッティがアーセナルのチェフのようなヘッドギアをつけて復活。同チームではエルナン・ペレスも鼻骨骨折でマスクをつけてプレーしているんですが、この2人が揃うと結構、怖いかも。あとはカシージャ、ディエゴ・ロペスの両GKが、それぞれ河岸を変えて対戦するのが楽しみだったりしますが、そんなマドリーvsエスパニョールは土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)キックオフ。今度はナポリ戦ではアシスト役に徹していたロナウドのゴールも見られるといいですね。 ▽それで、今年になって初めて試合のない1週間を過ごしたアトレティコは何をしていたんだって? 木曜の夜などには選手たちが集まって、前節のセルタ戦での逆転勝利から、盛り上がったムードを維持しようとしてか、決起ディナーなどを開いていたようですけどね。今週にはマハダオンダ(マドリッド近郊)での全体練習に戻ったGKオブラクやチアゴもまだ、ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート都市)遠征のメンバーには入っていません。 ▽同様に負傷中のゴディンやファンフアン、ガイタンも来週火曜のCLレバークーゼン戦を目指して、リハビリを続けていますが、困ったのはその大事な日に彼女との相互DV訴訟で出廷しなければならないリュカが日程変更を認めてもらえず、午前11時に裁判、午後3時過ぎの飛行機でドイツまで移動して、8時45分のキックオフに間に合わさないといけないこと。まあ、何事もなければ、この土曜午後1時(日本時間午後9時)からのスポルティング戦でプレーして、レバークーゼンではサビッチとヒメネスのコンビでCBを賄えば済みますけどね。これ以上、DFにケガ人が出るとシメオネ監督が困ることになるため、今週末は何事もなく終わってくれるのを祈るばかりかと。 ▽そんな中、やっぱり時間がたっぷり取れるというのは良かったようで、彼らもとうとう金曜にはPK練習を実施。いえ、その日はたまたま、マドリッドは祝日で学校がお休みだったため、見学の子供たちでギャラリーが多かったというのを利用したみたいですけどね。今季はもらったPK9本中6本を失敗、クラブ通算でも445本中30%近い129本もゴールにできず、リーガ1の失敗率という、呪いのようなデータを聞けば、さすがのシメオネ監督だって、ちょっとは練習させなきゃと思っても不思議はない? ▽ちなみにその練習はPK戦形式でグリーズマン、フェルナンド・トーレス、ガメイロ、コケ、サウルが蹴り、今回は枠に当ててしまったのがガメイロだけ。あとは成功したそうですが、もしスポルティング戦でPKがあっても「Seguro que saldrá de los que ya patearon/セグロ・ケ・サルドラ・デ・ロス・ケ・ジャー・パテアロン(きっと今までに蹴った選手が蹴るだろう)」(シメオネ監督)とのことなので、あまり不安は晴れませんけどね。 ▽個人的には丁度、今週は昨季のCL決勝でお隣さんに再び負けた後、後半にPKを失敗していたグリーズマンが「試合が終わって、負けたのは自分のせいだと思っていたら、シメオネ監督が来て、まったく反対だと言ってくれた。ボクはチームにとって重要な選手だから、心配しないで、また決勝に行けるように努力すべき時だってね」と話しているインタビューを読んだばかりだったので、そろそろ彼にリベンジを果たしてもらいたいと思いますが、さて。 ▽加えて、アトレティコには先週、スポルティングに負けてしまった弟分の敵をとるという使命もありますしね。とりわけ今節、レガネスはバルサと分が悪いだけでなく、18位のスポルティングだけでなく、金曜には19位のグラナダもベティスに勝ってしまったため、降格圏にいる両チームとの差がたったの勝ち点2と厳しい状況になってしまったため、とにかくここは先輩が勝ってあげないと。ええ、それでなくても今は勝ち点4ある3位セビージャとの差も縮めないといけないアトレティコなので、私もいい結果を出せるように願うばかりです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.18 16:20 Sat
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【倉井史也のJリーグ】すでに悲劇が見えてるチームがあるってみんな言ってるよ?! の巻

▽はい! 行ってきました! Jリーグキックオフカンファレンス。例年よりも狭い会場で、すっごい混んでました。狭いモンだからJ3のクラブがロビーに追い出されちゃって、ちょっと寂しそう。そんなとこに元日本代表の監督や選手がいるんですから、なんか申し訳ないッスって、Jリーグ関係者でもないのに思っちゃいましたよ。それでも、去年と違って今年はちゃんと監督も目玉選手も来てるし、DAZNのお披露目的もよかったんじゃないスカね。 ▽で、いよいよ今週末のゼロックススーパーカップからJリーグがスタートするわけです。いろいろ練習取材に行ってみると、クラブ関係者たちから異口同音に聞こえてきた話が。 ▽あるクラブが同情を集めてるんですよ、すでに。それは胸スポンサーが「ちょっと大丈夫?」的なあのクラブでもなければ、アガサ・クリスティもビックリの誰もいなくなりそうなそのクラブでもなく――浦和なのでした。 ▽浦和にとってみると、今年の最初の公式戦は18日、日産スタジアムでもスーパーカップ。その後すぐオーストラリアに飛んでシドニー・ワンダラーズとのACLが21日。日本に戻ってきたら、次は25日にまたも日産スタジアムで横浜FM戦。やっとホームで試合ができるのは28日だけど、ACLで相手は強いFCソウル。3月4日にやっとJリーグのホーム開幕がC大阪を迎えて行えるわけです。 ▽一方の鹿島はどうか。18日の日産スタジアム、スーパーカップは同じでも、21日の蔚山現代戦、25日のFC東京戦はホームゲーム。28日はタイでムアントン・ユナイテッド戦と、うーん、こういう部分も鹿島、持ってるじゃん、みたいな。 ▽だいたいね、鹿島は出足が悪くて尻上がりに調子を上げてくチーム。浦和は最後が一番ヤバイチーム。その浦和にスタートダッシュさせないような日程じゃないですか。去年、年間勝点を最も稼いでいながら王者になれず、今年こそって思ってるチームにこの仕打ち。もしかして昔、横断幕たくさん出した恨みか!! と言いたくなるスケジュールなんですけど。 ▽でも、この2チームが最初っから大変な状態なのは間違いなくて、ってことはスタートダッシュで勝ち点をがばがば稼いで途中でアクセル吹かしそうなあのチームが、今年いいんじゃないですか? そのチームとは――あ、もう字数が足りない! この続きはまた来週! 憶えてたら!! 【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.02.16 22:00 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】久保の過保護にひと言!

▽いよいよ今週土曜の18日に、鹿島対浦和のゼロックス・スーパーカップで2017シーズンが開幕する。その前座試合として10時30分から高校選抜対U-18Jリーグ選抜の試合があるが、おかしなメールがJリーグから届いた。 ▽「また、1点ご連絡です。NEXTGENERATION MATCH U―18Jリーグ選抜のメンバーである久久保建英選手(FC東京U-18)への取材に関しまして、Jリーグとクラブで協議した結果、チームに合流する試合前々日から試合当日(ミックスゾーン含む)まで一切の取材をお受けいたしかねますので、予めご了承頂きますようお願い申し上げます」 ▽久保といえば、U-17日本代表の主軸であるだけでなく、昨年末はU-20日本代表のアルゼンチン遠征にも招集され、U-20日本代表の内山監督も今年5月から6月にかけて韓国で開催されるU-20W杯への参加を希望する日本サッカー界の期待の星だ。将来を嘱望される逸材だけに、大切に育てたいという気持ちは分かる。 ▽しかし、それだからこそ久保はこれまで“飛び級”で、レベルの高いステージで戦ってきた。昨年11月5日には15歳5カ月でFC東京U-23の一員として、長野戦でJ3リーグのデビューを果たし、J3最年少出場記録を飾った。試合後は異例とも言える多くの報道陣に囲まれながらも、「緊張したけど身体はいつも通りに動きました。でも、何もできずに時間ばかり過ぎたけど、途中からは試合に入っていけました」と語り、デビュー戦と自身の出来については「順調と言えば順調ですけど、自分的には早かったかな。記録とかは意識していません。あまりゴールに絡めずミスも多かったので、10点か15点。今後は1人で局面を打開できるプレーヤーになりたい」と抱負を述べていた。 ▽中学3年生にもかかわらず、多くの報道陣、彼にしてみれば見ず知らずのオジサンたちに囲まれながら、言いよどむことなくはっきりと受け答えするのを見て、正直驚かされた。自分が中学3年生だったとしても、これほど理路整然と答えることはできなかっただろう。バルセロナに留学していただけに、精神的な自立も早いのではと感心したものだ。 ▽能力の高い選手は、より高いレベルでプレーさせた方がいいというのは常識だろう。久保に関して、「身体のできていない中学生を、高校年代や大学年代と試合をさせて、ケガをしたら取り返しのつかないことになる」とい危惧する声も聞こえた。しかし久保は、上の年代とのフィジカルコンタクトも苦にすることなく、巧みなドリブルとステップでかわしていった。危惧する声は、いまのところ杞憂に終わっている。 ▽だからこそ、プレー同様に若いころからメディアとも接して、社会性を身につけさせるべきだと思う。ピッチでは成長を促しながら、ピッチ外では周囲の大人が過保護になっていると感じられてならない。久保の、選手としての成長を見守るなら、“普通”に接するのが一番だとも思う。もしも久保が韓国でのU-20W杯で活躍したら、「試合当日(ミックスゾーン含む)まで一切の取材をお受けいたしかねます」という言葉が通用するとは思えない。国際的なスタンダードを身につけさせるためにも、関係者には再考を求めたい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.02.16 15:05 Thu
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【東本貢司のFCUK!】エンリケとヴェンゲルの差

▽これはちと、ひどい。いくらなんでもリターンマッチで4点差を跳ね返すのは骨が折れるどころではない。チャンピオンズ・ラスト16。バルセロナとアーセナルのことだ。ただし、両者の問題と修復への課題には、天と地の差ほどの、つまり、まるで正反対の要因があることを見逃してはいけない。あえてこのコラムでスペインの雄を引き合いに出す意味もそこにある。バルサの蹉跌、その理由は(たぶん)誰の目にも明らかだろう。十八番の、トレードマークのポゼッションプレスよ、今いずこ。いや、それ自体は必ずしも失敗だとは言えない。方向転換(の必要性)はどんなチームにも、いつかめぐってくる。しかし、それを承知の上だとして、ルイス・エンリケが見誤ってしまった最大の失敗とは・・・・メッシ、スアレス、ネイマールの“ワンダー3”にあまりにも頼りすぎた戦術・・・・いや、それはもう戦術でさえない。いったい「個の能力任せ」のどこに戦術があろうか。筆者はいまだに首を傾げている。就任1年で「ルイス・エンリケの戦術論」本が世に出た“謎”について。 ▽パリSGの前に無残の散った試合後、セルヒオ・ブスケッツは「我々は戦術的に敗れた」と述べたそうだ。それを会見の場で伝え聞いたルイス・エンリケは「何のことか(ブスケットが何を指してそんなことを言ったのか)さっぱりわからず」、当の記者に逆切れして?みついたという。そして、その一件を伝え聞いた某評論家は「これで終わりだな」と思ったとか。ルイス・エンリケ体制の終わり。すでに後任候補の名はいくつか上がっている。最有力はセヴィージャの将、ホルヘ・サンパオーリ。バルサ上層部はスパーズのポチェッティーノやエヴァートンのクーマンも「お気に入りリスト」にアップしているといわれているそうだ。もっとも、リーガとコパ・デル・レイの優勝の目はまだ残っている。タイトルを一つは確保できればお目こぼしはあるのかも・・・・いや、その可能性は低いと、前出の評論家は断言する。ブスケッツの指摘にルイス・エンリケがカチンときたということは、プレーヤーたちに不信の輪が広がり、エンリケ自身にもきっと思い当たる節があるからだ。 ▽では、アーセナルは? エミレイツに戻ってこの、緩急自在の剛腕をまざまざと見せつけたバイエルンをひっくり返すのは至難の業。つまり、チャンピオンズはほぼ絶望、残る現実的なタイトルの目はFAカップだけだ。この数年、定番のようになった(今やイングランドでも哀しいかな価値が薄れゆく一方の)トロフィーを仮に獲ったところで、アーセン・ヴェンゲルの地位は保たれるのか? 確率でいえば「保たれる」方に、筆者なら賭ける。なんとなれば、こちらは戦術で負けたわけではないからだ。明白な力負け。つまり、敗戦の責任は一にも二にもプレーヤーたちの側にある。具体的には、ガナーズの生命線というべきペース(スピード)の点で、バイエルンにほぼ完全に競り負けた。その上、バイエルンが絶妙な間合いで差しはさむ「緩」に翻弄されてはおよそ太刀打ちできるはずがなかった。なにゆえに? 思うに、あのワトフォード戦敗退の屈辱がまだ尾を引いている。精神的に立ち直れていない。だからペースで敵を上回るヴァイタリティーを絞り出せなかった。 ▽最近、何かというと、かつての“レジェンドたち”のコメントが引き合いに出される。本人たちが何を言ったかということより、そこには、あの「インヴィンシブル」シーズンのチーム(2003-04)と比較したがっている(ゲスな)“下心”が透けて見える。無論、そんな“揶揄めいた”ことに何の意味もない。比べる基準などどこにもないからだ。ならば、さすがに無敗とはいかずとも、アーセナルが今も優勝争いの輪に踏みとどまっているのはなぜだ? 当時とまったくわけが違うのは、あの翌シーズンからチェルシーの“爆買い”が始まり、しばらくしてマン・シティーも追随したという、いわば「世界が変わってしまった」ことである。同じ尺度で測れるはずがない。そんなことよりも、今季のアーセナルはここまでを通してほぼベストメンバーを組めないで、何とかやりくりしてきた点を思い出すべきではないか。無論、今後、思い切った補強に向かうのは当然だとして、そこで立ち止まって考えてみなければならない。ヴェンゲルが去ったアーセナルにはたして、誰が、どんな大物即戦力がはせ参じるだろうか。上辺しか見ない輩にはそこがわかっていない。 ▽ルイス・エンリケには悪いが、そこに天と地ほどの差があるのは明白だろう。そう、このバイエルン戦を控えた時点でも「後継者」候補が取りざたされていた。だが、そのどれをとっても(エンリケじゃないが)さっぱり理解に苦しむ話にしか聞こえない。果ては、現在イングランド2部のニューカッスルを率いるベニテスの名前が飛び出す始末。笑ってしまうしかないが、筆者は思ったものである。どうせ“冗談の一環”なら、サー・アレックス・ファーガソンの名前くらい出してみろ、と。さもなくば、ヴェンゲルの前の前のジョージ・グレアムとか。“物理的”に現実味のある名前を出すことに、むしろ真実味が薄れるのに、誰も気づかないとは。かつてのガナーの一人、マーティン・キーオンは「まだアーセナルはヴェンゲル更迭の準備ができていない」と述べ、イェンス・レーマンは「チャンピオンズを獲ってこそ、アーセナルもヴェンゲル自身も“変化”を真剣に考えるだろう」と予言している。そう、まだ早いのだ。それに何よりも、ヴェンゲルが去って誰が来たところで、その節は多分、いやきっと、サンチェスとエジル辺りは新天地を望むだろう。そうなってからでは遅い、いや、それこそ壮大な一からの出直しになってしまうだろうから。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.02.16 13:25 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】珍しいものを見た…

▽「別にいいけど、ちょっと微妙」そんな風に私が感じていたのは月曜日、スペイン・サッカー協会理事会で5月27日のコパ・デル・レイ決勝会場がビセンテ・カルデロンに決まったという報を知った時のことでした。いやあ、先週末のリーガであった予行演習、アラベスvsバルサ戦は0-6という後者の圧勝で終わったんですけどね。昇格組にも関わらず、ミッドウィークにも試合がある年明けからのハードスケジュールを乗り切ったペレグリーノ監督のチームはもう精根尽き果てていたはずで、それでも一応、リーガでは降格圏まで勝ち点10以上の余裕を持っての12位。となれば、その日、2得点挙げたルイス・スアレスもコパ決勝では出場停止ですし、ここはバルサに手の内を明かさず、「チョロい相手と」と過信させて、メンディソローサから気分良く帰ってもらうのも決して悪くはなかったかと。 ▽ただ、予想外だったのはアトレティコからレンタル移籍で修業に出ているテオが、もしかしたら決勝の当日はU20ワールドカップ参加のフランス代表に招集されており、自分が年子の兄、ルカスの敵をとってあげられないかもしれないのが悔しかったのかもしれませんね。ボールを奪おうと激しくいったアレイス・ビダルの当たり所が悪く、足首の脱臼で今季絶望にしてしまったのはあと味が悪かったかも。うーん、実はお兄さんの方も来週のCLレバークーゼン戦の日に、先日起きた彼女との相互DV訴訟で出廷を命じられていて、今クラブと代理人が日付を変えるよう、裁判所と交渉している最中なんですけどね。兄弟揃って乱暴事がこうも続くと、ご両親も辛いかと思いますが、それより何より、前節は仮想コパ3位決定戦の方が見応え満載。それもあって、返す返すもアトレティコが今季限りのホーム、ビセンテ・カルデロンで最後の試合となる決勝に進出できなかった間の悪さを嘆くことになったんですが…。 ▽まあ、そのことは後で詳しく話すとして、先にお隣さんのオサスナ戦がどうだったか伝えておかないと。土曜にバルサが勝利した後、消化試合は2つ少ないものの、順位表の上では勝ち点2下の2位でエル・サダル(オサスナのホーム)のピッチに立ったレアル・マドリーでしたが、結構、首位に返り咲くのには苦労したんですよ。いえ、序盤にイスコとの接触プレーでオサスナの選手が足を骨折、「Tano gritaba 'tibia y perone'. No quise ni mirar/タノ・グリタバ・ティビア・イ・ペロネ。オー・キセ・ニ・ミラール(タノは脛骨と腓骨だと叫んでいた。ボクは見たくもなかったよ)」というショックを選手たちは乗り越え、前半23分にはベンゼマのスルーパスからクリスチアーノ・ロナウドが先制点を決めてリードと、順調に見えたんですけどね。 ▽ジダン監督が採用した3CB制は、私もほとんどマドリーで見たことがないだけに、やっぱりチームカラーに合わないんでしょうか。バラン、この日がマドリー公式戦500試合出場の節目となったセルヒオ・ラモスと共に先発した、まだ100試合のナチョなど、「tenemos un gran equipo y mucha variedad de jugadores/テネモス・ウン・グラン・エキポ・イ・ムーチャ・バリエダッド・デ・フガドーレス(ウチには偉大なチームがあって、イロイロな種類の選手がいる)から、どんなシステムでも快適だよ」と言っていたものの、中盤まで上がった2人のSB、ダニーロとマルセロはそうでもなかったよう。ええ、この形でスタートした1月のリーガのセビージャ戦(2-1で負け)もコパ準決勝セルタ戦2ndレグ(2-2で敗退)でもいい結果は出ませんでしたしね。この日も32分にはセンターから敵にロングパスを出され、セルヒオ・レオンの見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)でオサスナが追いついて、1-1でハーフタイムを迎えることに。 ▽ただ後半早々、マドリーはダニーロが足に打撲を負って担架で退場。幸か不幸か、これがキッカケでハメス・ロドリゲスがピッチに入り、「Hemos tenido mas equilibrio con cuatro, cerrando por dentro/エモス・テニードー・マス・エキリブリオ・コン・クアトロ、セランドー・ポル・デントロ(ウチは4人のDFラインでよりバランスが取れた。内側を締めてね)」(ジダン監督)という効用をもたらします。おかげで中盤で動きやすくなったイスコが16分、ベンゼマがエリア内でシュートできなかったボールに突っ込んで勝ち越し点をゲット。その頃にはだんだん、オサスナも「notamos la exigencia fisica/ノタモス・ラ・エクシヘンシア・フィシカ(体力的な消耗を覚えた)」(バシリエビッチ監督)という状態になってきたため、ロスタイムにはルーカス・バスケスもゴールを奪い、最後は1-3で勝利することができましたっけ。 ▽え、前々節のセルタ戦が中止になって、間が12日も空いたため、この試合ではイロイロ考えてしまったジダン監督だけど、もうここからはシーズンも正念場。水曜のCL16強対決ナポリ戦1stレグで実験的な布陣を組んだりはしないだろうって?そうですね、相手は昨年グループリーグが終わって以来、11試合無敗ですし、ドリース・メルテンスを始め、カジェホン、ハムシークと強力な攻撃陣を擁している上、カジェホンと共に里帰りとなるCBアルビオルや34歳ながら、GKレイナも絶好調のようですしね。昨年11月のCLスポルティングCP戦で負傷した足首を手術したベイルも日曜から全体練習に戻り、復帰は近いと言われていますが、まだ実戦には早いと思うので、とりあえずこの試合ではルーカス・バスケス辺りを前線に入れた4-3-3に戻るのでは? ▽そんな注目のマドリーvsナポリ戦はバルサが火曜にパリでPSGと戦った後、水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。ちなみにマドリーを率いて、2007年には奇跡のremontada(レモンターダ/逆転)優勝を遂げたカペッロ元監督など、イタリアのメディアを通じて、ナポリのサッリ監督に「マドリッドでは試合は決して最後まで終わらないから気をつけるように」と警告。スペイン代表でマドリーの選手たちのことをよく知るレイナも「Lo de Ramos y el minuto 93 no es casualidad/ロ・デ・ラモス・イ・エル・ミヌート・ノベンタイトレス・ノー・エス・カスアリダッド(ラモスとあの93分のことは決して偶然じゃない)」と、後半ロスタイムにミラクルゴールを挙げる相手の特殊体質を挙げて、用心していましたけどね。実は先週末、彼らの十八番を奪ったチームが出現。ええ、それがお隣さんだったんですよ。 ▽翌日曜のことです。マドリッドの新弟分、レガネスが夕方の試合で奮闘空しく、降格圏のスポルティングに0-2と負け、猶予が勝ち点2となってしまった上、金曜からずっと雨混じりのうっとおしい天気に強風が加わったため、私も夜のビセンテ・カルデロンに行くのはちょっと憂鬱だったんですけどね。そこへ直前には3位セビージャがラス・パルマスに終盤の1点で勝利という報が加わり、ただでさえ、金曜にレアル・ソシエダがエスパニョールに勝ったため、CL出場圏外の5位落ちというプレッシャーを受けていたアトレティコがセルタ戦でどんなプレーをするか心配だったんですが、ええ、見事にやってくれましたよ。 ▽開始5分、いえ、まさか雨が降っているから、ボールが滑っていつも以上にパスが下手になるんじゃないかと、私が疑っていたのはともかく、GKモヤもうっかり取り損ねたらマズいと思ったんでしょうかね。敵のCKをカブラルの前にパンチングして、有難くヘッドでゴールを決められているなんこと、あっていい?これではようやく肩の脱臼手術から全快通知をもらったオブラクと早速、来週のCLレバークーゼン戦で正GK交代もやむなしかと、こっちも呆れるしかありませんでしたけどね。そういえば2年前もモヤは同じカードでケガをして、そこからオブラクの時代がやって来たんですが、これも何かの因縁かもしれません。 ▽でも、大丈夫。その日のアトレティコは迅速に反応して、10分にはカラスコのスルーパスをエリア内でゴールに背を向けて受けたフェルナンド・トーレスが天才的な技を披露。ええ、一旦トラップして浮かしたボールを後ろに向けて蹴り上げて、それがゴールにスッポリ入ってしまったのにはスタンド中がビックリしたの何のって。それこそgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)でしたが、その当人がPKという、見た目には絶対、蹴る方が有利そうなシュートを枠に当ててしまうとは、これもサッカーの7不思議の1つ。 ▽うーん、28分にロンカリアのファールを受けて、PKをゲットしたのはカラスコだったんですけどね。最初は彼が「Me encontraba con confianza para tirar el penalty/メ・エンコントラバ・コン・コンフィアンサ・パラ・ティラーウ・エル・ペナナルティ(PKを蹴るのに自信があった)」とボールを掴んでいたんですが、19分には同じ選手にエリア内で倒されながら、PKをもらえなかった年長者を敬って、トーレスにキッカーを譲ってしまったのが裏目に出た? ▽まあ、先週のコパ準決勝2ndレグでガメイロが決められなかったこともあり、シメオネ監督が今度の担当者はスポーツ紙のファンが選ぶキッカー候補ナンバーワンだったトーレスにしてみようと思ったとしても責められませんけどね。ただ先日、私がトーレスもよく外していたと言っていたのは何となくの記憶からだったんですが、実はデータ的にもそれは正しかったようで、これまで彼はリーガで28回PKを蹴って、うち9本を失敗。ロナウドも9回、メッシも8回ゴールにできていませんが、彼らはそれぞれ65、50と蹴った回数自体が多いため、やはりトーレスがPKに強くないという印象は本当だったかと。 ▽おかげで1-1のまま、後半を迎えたアトレティコでしたが、しばらくはどうにもいけてない状態が続きます。そう、コパのバルサ戦以外の最近の試合の傾向で、1点取ればもう十分病がまた発症してしまったのかと、私も雨を防げるスタンドの奥の方に引っ込んで見守っていたファンたちも時間が経つにつれ、イライラが募っていったんですが、それに合わせるようにセルタはバスやボンゴンダら、アラベスとのコパ準決勝2ndレグからローテーションした主力を投入。それが30分過ぎ、電光石火のカウンターに繋がり、最初はシュートを撃ち上げてしまったグイデッティだって、2度目となれば、しっかりゴールを決めてきますって。残り10分ちょっとでスコアは1-2。アトレティコにとって、これって完全に負けパターンですよね。 ▽ところがその日は奇跡が起きたんです!もうあまりパスも繋がらないし、頼りのトーレスもガメイロに代わってしまっていたため、場内を静けさが包んでいた40分、ガビが右サイドから入れたクロスもルカスが味方に渡せず、ロンカリアがクリア。エリア前に上がったボールをタイミングバッチリでvolea(ボレア/ボレーシュート)して、ネットに叩き込んでくれたのはカラスコでした。いやあ、彼は前半、GKセルヒオとの1対1を決められず、それ以降、ファンからブーイングを受けていたんですけどね。シメオネ監督も後半26分にはコレアと交代させるつもりだったんですが、まさにその瞬間、「下がるのはボクだったけど、Saúl fue honesto y pidió el cambio porque estaba tocado/サウル・フエ・オネストー・イ・ピディオ・エル・カンビオ・ポルケ・エスタバ・トカードー(サウルが正直に痛みがあるからと交代を頼んだ)」(カラスコ)おかげで、プレーを続行できることに。 ▽そこへ「En el campo no se oyen los pitos/エン・エル・カンポ・ノー・セ・オジェンロス・ピトス(ピッチではブーイングは聞こえない)」という、当人の持って生まれたスルー力の賜物か、心を乱さず撃てたのが幸いしたんでしょうね。「自分のいた位置だとボールをキープすることができなくて、ファーストかセカンドタッチで捌かないと敵のカウンターに繋がるから、蹴らなきゃいけなかった。Esta salió perfecta, pero otras puede irse por encima del estadio/エスタ・サリオ・ペルフェクタ、ペロ・オトラス・プエデ・イルセ・ポル・エンシーマ・デル・エスタディオ(今回は完璧にいったけど、別の時はスタジアムから飛び出しちゃうかも)」(カラスコ)という一撃だったようですが、このゴールでどんなにスタンドが盛り上がったことか。 ▽そう、現金なもので同点になった途端、嵐のような応援が巻き起こった場内でしたが、その2分後、今度はコレアのクロスをガメイロが頭で落とし、そこへ突撃してきたグリースマンが勝ち越しゴールを挙げた瞬間、我が目を疑ってしまったのはきっと私だけではなかった?だってえ、トーレスは後で「Al final se ha visto una victoria de casta/アル・フィナル・セ・ア・ビストー・ウナ・ビクトリア・デ・カスタ(最後は血統による勝利を見ることができた)」と言っていましたが、奇跡のレモンターダなんて、彼らの辞書にはないんですよ。私もとんと記憶になかっただけでなく、これにもデータの裏付けがあって、アトレティコが後半41分以降に逆転勝利をしたのはクラブ史上、1997年のラージョ戦の1度限り。 ▽となれば、稀に見る僥倖を目撃したシメオネ監督が喜びの余り、ピッチサイドを走って、グリースマンのゴールを祝う選手の輪に加わってしまったのも理解できますが、いやあ、これがコパ準決勝でできていればねえ。5月には大舞台で胸を張って、ファン共々、ビセンテ・カルデロンにお別れを告げることができたはずでしたが、まあそれはそれ。今は3-2でセルタに勝った彼らがリーガ4位を取り戻し、お隣さんの専売特許を真似することも可能だとわかっただけでいいかと。ええ、きっとパルコ(貴賓席)に偵察に来ていたレバークーゼンのシュミット監督も感心してくれたかと思いますが、もしや16強対決でアトレティコに勝つにはやっぱりPK戦しかないと意を決していたら、どうしましょう。 ▽そんなアトレティコは今週、土曜のスポルティング戦まで試合がなく、ようやくミッドウィークがヒマになったんですが、シメオネ監督は「Digo lo bueno que seríamos si los marcáramos/ディゴ・ロ・ブエノ・ケ・セリアモス・シー・ロス・マルカラモス(PKも入れていれば、ウチはもっと良くなるだろう)。だが、3万、4万の人が見に来てくれない限り、練習の仕様がないんだよ。同じ状況じゃないからね」と、相変わらずPK特訓には消極的。だったら、試合前のアップの時間を使って蹴ってみたらいいんじゃないかというのが、私の素人考えですが、何せこの先は落とせない試合が続きますからね。要はファンにまで頭を絞らせてしまうぐらい、このPK問題は深刻ってことですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.14 12:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】奮闘空しく…

▽「じゃあ、こっちは3位決定戦?」そんな風に私が皮肉に思っていたのは金曜。この週末のリーガの予定を見直していた時のことでした。いやあ、昨季はアトレティコを破りながらも準決勝でセビージャに負け。今季もレアル・マドリーを退けるもアラベスに敗れて2年連続で決勝進出の夢が消えたセルタの選手も、似たようなことを考えながらマドリッドに来るんでしょうけどね。その対戦相手であるアトレティコの予定が狂ったのは、来季からワンダ・メトロポリターノにホームを移すため、最後のお勤めをコパ・デル・レイ決勝の舞台で飾りたいと、昨年中からビセンテ・カルデロンが会場候補に名乗りを上げていながら、どちらのファイナリストも違うスタジアムを希望しているから。 ▽そう、毎年のことながら、スペインのカップ戦は日付こそ5月27日とシーズン当初に決まっていながら、どこでやるかは未定。理想は対戦するクラブから等距離にある中立地ですが、なかなかすんなりとは決まらず、今回もバスク(スペイン北東部)地方のアラベスとカタルーニャ(西部)のバルサということで、もちろん3年連続決勝に進出している後者は毎度の嫌がらせで、最初はサンティアゴ・ベルナベウを口にしていたんですけどね。そこは先手を取って、レアル・マドリーのペレス会長はスタジアム改装工事がリーガ終了直後からあると、最大のライバルが自分たちのホームでトロフィーを掲げる可能性を却下。 ▽一方、初のコパ決勝進出とあって、メンディソローサでセルタ戦2ndレグ終了の笛が鳴った直後には花火まで上がり、選手たちはファンの声援に応えて場内一周。まるで優勝したかのような祝賀ムードになっていたアラベスなど、スタンドでもロッカールームでも皆、「Si, si, si, nos vamos a Madrid!/シー、ノス・バモス・ア・マドリー(オレたちはマドリッドへいくぞ!)」と唱和していたため、てっきりビセンテ・カルデロンで異論はないと思ったんですけどね。どういう訳か、先週末も選手たちは予定通りプレーしたいと言っていたにも関わらず、サン・マメスでの決勝開催をリクエストしているんですよ。 ▽うーん、確かに同じバスク地方のビルバオにあるアスレティックのホームスタジアムなら、新しいし、収容人数もビセンテ・カルデロンと大して変わらず。さらに毎年のように決勝に出るバルサより、一生に一度あるかないかのアラベスファンが応援に行きやすい近場にしてほしいという気持ちは何となくわかりますけどね。それがどうにも通らなさそうなのは折しも、サン・マメスでは決勝から3日後にガンズ・アンド・ローゼスのコンサートが開催。それもスペインだからなのかは知りませんが、ステージやら音響設備やら、会場の整備に1週間は必要とのことで、日程的に無理なのだとか。 ▽え、アトレティコファンだって、自分の応援するチームが出ない試合でビセンテ・カルデロンに別れを告げたいとは思わないだろうって? そうですね、どちらかというと、セレソ会長を始め、クラブ経営陣が予定通りに決勝をやりたいという感じですが、その一方でベルナベウが使用できないことを知ったバルサは、今度は自身のスタジアム、カンプ・ノウでの開催を主張。これも2年前のアスレティックとの決勝の例があるため、ないとは言えませんが、当時、負けたチームのメンバーだったトケロなど、それだけは絶対に避けたいのだそう。となると、マドリッドはビトリア(アラベスのホームタウン)からも、バルセロナからも行きやすいため、やはり最後はビセンテ・カルデロンで落ち着きそうですが…はい、一番悪いのは準決勝で負けたアトレティコだというのは、私もわかっていますって。 ▽ただ、火曜のカンプ・ノウでの2ndレグは序盤から、冗談のように彼らが優勢で、いえ、もちろん前半、カラスコのGKシレッセンと1対1のシュートや、サビッチやゴディンのヘッドがゴールにならなかったんですから、試合を見てない人にはあまりわからないかもしれないんですけどね。おまけに42分にはメッシのシュートはGKモヤが弾いたものの、こぼれたボールをルイス・スアレスに押し込まれ、総合スコアをバルサに3-1と広げられているのでは、いくら「前半のボクらはいい感じがしなかった。Ellos han tenido protagonismo con el balon/エジョス・アン・テニードー・プロタゴニスモ・コン・エル・バロン(相手はボールを持って主導権を握っていたね)」とベンチにいたイニエスタに言ってもらえたとて、結果にはまったく反映されません。 ▽それでも「Sabiamos que si nos marcaban daba igual, teniamos que hacer dos goles de todas formas/サビアモス・ケ・シー・ノス・マルカバン・ダバ・イグアル、テニアモス・ケ・アセル・ドス・ゴーレス・デ・トーダス・フォルマス(得点されても、とにかくウチが2ゴールを入れないといけないのが変わらないのはわかっていた)」(コケ)ため、ハーフタイム後にも気落ちせずにピッチに出て来たアトレティコでしたが、またいきなり不運に襲われるんです。そう、再開2分でガイタンが打撲のため、コレアに代わったかと思えば、その1分後には守備の要、ゴディンまで太ももを痛めて交代になってしまった日にはもう私など、目の前が真っ暗に。 ▽でも、大丈夫。ここは先日の彼女に対するDV容疑でバルサファンに激しいpito(ピト/ブーイング)を浴びながらもリュカが奮闘。更に56分には丁度、ルイス・エンリケ監督が「lo iba a cambiar por la tarjeta que tenia/ロ・イバ・ア・カンビアル・ポル・ラ・タルヘタ・ケ・テニア(イエローカードをもらっていたから、代えるつもりだった)」というセルジ・ロベルトが、フィリペ・ルイスへ激しいタックル。2枚目をもらい、退場となってくれたって、もしや前半に当人がエリア内でフェルナンド・トーレスを倒したのをペナルティに取らなかったことを内心、主審も後悔していた? ▽でもやっぱりアトレティコは不幸体質の方が強いようで、その2分後にグリーズマンが決めたゴールは脚の分、ピケが前にいたんですけどね。オフサイドで認められず。その上、68分にはカラスコが出場停止のネイマールの代理を務めていたアルダ・トゥランを吹っ飛ばし、こちらも2枚目のイエローカードをもらっているんですから、困ったもんじゃないですか。ええ、本人が抗議していたように、直前で滑って止まれなかったのはリプレーを見れば明らかですが、大体がして、その日のアルダはアトレティコ時代とは違って、全然、存在感を示せず。なので、そんなところで突っ込まなくても良かったのに、これでせっかくの数的優位もオジャンとはいかにもアトレティコ的展開です。 ▽そしていよいよ、悲劇のクライマックがやってきます。そう、77分にはメッシのFKが枠に弾かれ、命拾いしたすぐ後、フェルナンド・トーレスから代わっていたガメイロがピケにエリア内でファールを受け、今度はPKが与えられたんですけどね。何とこれを最近、PK7回中5回失敗していたグリーズマンに代わって、キッカーを引き受けた当人がゴールバーに当ててしまうって、ああ、このチームって一体、どこまでファンを失望させたら気が済むんでしょう。 ▽うーん、マドリッドに戻った翌日、マハダオンダ(マドリッド近郊)での練習では、ガメイロもよっぽど悔しかったのか、居残りでPKを蹴っていたそうなんですけどね。その時も3本中1本をポストに当てていたとかで、これってシメオネ監督になってから、チームがもらったPK46本中失敗14本、30%はゴールにできていない彼らの実態をまさに証明していない? ただそれはもう、キッカーが誰とかという問題ではなく、アトレティコは元々、PKが苦手なようで、クラブ通算でも432本中119本(28%)は失敗しているのだとか。 ▽おかげで昨季のCL決勝など、PK戦で決められなかったファンフランはともかく、90分内でもグリーズマンがGKケイロル・ナバスに止められていて、後悔してもしきれない程の損をしているため、言わせてもらえれば、全員に週1ぐらいでPKだけのセッションを課していいぐらいですが、こればっかりはねえ。ちなみにマルカ(スポーツ紙)の行ったウェブアンケートでファンの選んだキッカー、一押しはトーレスなんですが、ピッチにいないこともありますし、以前の在籍時代から、彼も結構、外したりしているため、シメオネ監督も決めかねるところでしょうか。 ▽え、それでもPK失敗後、2分もしないうちにガメイロはグリーズマンからパスをもらって、同点ゴールを決めているじゃないかって? 加えて、45分にはルイス・スアレスが「No me doy cuenta de que el jugador del Atleico esta ahi/ノー・メ・ドイ・クエンタ・デ・ケ・エル・フガドール・デル・アトレティコ・エスタ・アイー(アトレティコの選手がそこにいたなんて、気がづかなかった)」と、コケの顔に肘が当たった接触プレーで、3分前に続いて2枚目のイエローカードをゲット。とうとう9人になったバルサ相手に、お隣さんのremontada(レモンターダ/逆転)精神を見習えとばかりに、最後はセットプレーにモヤまで上がっての全員攻撃でロスタイムの5分を戦ったアトレティコでしたが…。 ▽1-1のまま、延長に持ち込むゴールは奪えずタイムアップです。いやあ、試合後はシメオネ監督も「Si fuera hincha del Atletico estaria muy orgulloso/シー・フエラ・インチャ・デル・アトレティコ・エスタリア・ムイ・オルグジョーソ(アトレティコのファンなら、とても誇りに思っているはずだ)」と言っていましたし、ここまで彼らがバルサを圧倒するところは見たことがなかったため、それはその通りなんですけどね。とはいえ、問題は「ボクらは全力を尽くした。El partido de ida sobre todo el segundo tiempo y el partido de hoy/エル・パルティードー・デ・イダ・ソブレ・トードー・エル・セグンド・ティエンポー・イ・エル・パルティードー・デ・オイ(1stレグのとりわけ後半と今日の試合でね)」(コケ)だったとしても、1stレグ前半にまったく精彩がなく、ルイス・スアレスとメッシにゴールを許してしまったのが、そもそもの敗因だったかと。 ▽それ故、「En los 90 minutos no hemos merecido este resultado/エン・ロス・ノベンタ・ミヌートス・ノー・エモス・メレシードー・エステ・レスルタードー(90分間、ウチはこの結果に値することをしていない)。しかしこの大会でやってきたことから、決勝でプレーするのにふさわしい」(ルイス・エンリケ監督)ということになってしまうのでは? うーん、もちろんこの2ndレグではその日、コケとのダブルボランチで出場停止のキャプテン、ガビの役割をしっかり補ったサウールなども「Hemos hecho todo lo que estaba en nuestras manos/エモス・エチョー・トードー・ロ・ケ・エスタバ・エン・ヌエストラス・マノス(自分たちにできることは全部やった)」と残念がっていたように、グリーズマンのゴールがオフサイドにされていなければといったタラレバはありますけどね。 ▽かといって、シメオネ監督がスペイン人の審判への皮肉を込めて、「Tengo claro por que en Champions tenemos mas opciones que en Liga o en Copa/テンゴ・クラーロ・ポル・ケ・エン・チャンピオンズ・テネオス・マス・オプシオネス・ケ・エン・リーガ・オ・エン・コパ(ウチにはリーガやコパ・デル・レイより、CLでの方が、オプションがある理由ははっきりわかっている)」と言うのは正しいかどうか。とりあえず、彼らのCL16強対決レバークーゼン戦は21日の火曜。どうやら木曜にはゴディンも全治10日程と診断され、戻って来られるようですから、2年前の同じラウンドではPK戦で何とか下した相手ということを忘れず、今は地道にPK練習に励んでほしいかと。 ▽その傍らで、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からは、コパに全身全霊を注いでいただけにショックも大きく、そのせいか、やはりローテーションをしてくるというセルタとの試合に勝って、リーガでもCLグループリーグ出場権が獲得できる3位争いに後れを取らないようにするのが肝要。バルサ戦で見せた、どこまで不幸が降りかかってもメゲずに立ち向かう姿勢を維持できれば、大丈夫かとは思いますが、予想はあまりアテにならないのがアトレティコですから、やっぱり心配ですよね。 ▽そしてそのセルタ戦が順延したため、この土曜が12日ぶりの試合となるマドリーはどうしていたかというと。うーん、水曜には25歳のバースデーパーティ第2弾をチームメート全員招いて開いたネイマールと違い、32歳になったクリスチアーノ・ロナウドには表立ったお祝いの席がなかったため、今週はマスコミ露出がかなり低下していた選手たちですが、いつの間にか、バルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションが賑やかになっていたのには私もちょっとビックリ。というのもセルタ戦で復帰予定だったマルセロやペペに加え、ハメス・ロドリゲス、カルバハルやモドリッチまで全体練習でアクセル全開だったから。 ▽実際、金曜のジダン監督の会見によると、足首の手術をしたベイルだけ、復帰がCL16強対決ナポリ戦2ndレグになる予定ではあるものの、他は全員、完全に回復したよう。土曜午後8時45分からのオサスナ戦に出られないのは累積警告のクロースだけだとか。この予期せぬparon(パロン/休止期間)で体力満々な上、何より相手は最下位ですしね。同日、近隣でアラベスとコパ決勝の予行演習をする2位バルサとの差が現在、勝ち点1しかなく、試合までは抜かれてしまう可能性があるとはしても、エル・サダル(オサスナのホーム)で日が変る前に順位は元に戻っているのでは? ▽一方、マドリッドの新弟分、レガネスは翌日曜にブタルケに残留の直接ライバル、スポルティングを迎えるんですが、いよいよ本腰を入れて勝ち始めないといけないということで、サポーターはhimno(イムノ/クラブ歌)をアカペラで歌ってチームを迎え、選手たちを励ますよう。まあ一応、降格圏にいる相手とは勝ち点差5あるとはいえ、まだ18ポイントしか貯めていないのでは心もとないですからね。冬の移籍市場で獲った新戦力7人もそろそろ馴染んだ頃でしょうし、早くファンを安心させてあげられるといいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.11 13:11 Sat
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【倉井史也のJリーグ】今こそこっちにスポット当てたほうがいいんでねぇの?!の巻

▽先日、知り合いの知り合いの知り合いから連絡があったんです。Jリーグのことでお願いがありますって。なんかすごい深刻そうだったから話を聞いてみたら、ガックリきちゃいましたよ。だって、「マスコット総選挙」投票してくれって話だったんだから。 ▽13日(月)23:59までやってるんですってよ。で、これの中で何が問題になってるかって、下克上! ディビジョンが上のチームが下のカテゴリーのチームに負けてるって、結構ヤバいことらしくて。だって、あんまり注目されてないぞってことになっちゃうでしょ? そうすると商品展開なんかにも影響しちゃうんじゃないかって心配してるらしいんです。 ▽調べてみると、J3のクラブよりも得票数が少ないJ2のクラブがあり、J1なのにJ2よりも人気がないマスコットがいる! というか、長野のライオー、強い! 大分のニータン、長崎のヴィヴィ、松本のガンズ、すごすぎ。名古屋のグランパス、J1だったとしても上位です。そして札幌のドーレ、魔王的な強さ誇ってます。 ▽だけど確かにこの投票数じゃ、J1のクラブのマスコット商品は、ほとんど開発できないじゃないか! みたいな。子供向けかもしれないけど、Jリーグが解決しなきゃいけない問題に、新規観戦者層の開拓と、若年ファンの獲得があるんだから、この投票って大事かもしんないです。え? 僕ですか? そりゃもちろん、9日正午現在J1でぶっちぎり最下位の浦和、レディアに入れましたとも。 ▽まぁこれで人気があったとしても、クラブと安定度とは何の関係もないわけですが。てなことで、一番心配なのはヴィヴィを擁する長崎なワケですよ。サポーターミーティングでいきなり社長、専務、GMの3人が辞任したことが明らかに! って、開幕もうすぐなんですけど!! 13日には「キックオフカンファレンス」開催されるんですけど!! つーか、期限付移籍満了を合わせて16人が出て行って、17人が入ってきて選手全員で29人。マスコットよりもこの選手たちにスポット当ててあげた方が良い気がするんですけどね……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.02.09 18:00 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】Jリーグの「強化分配金」の金額が決定。リーグ連覇すれば2年で30億円の強化費

▽Jリーグは2月9日、優勝賞金の変更と同時に「強化分配金」を新設し、その金額を明らかにした。今シーズンからイギリスの大手動画配信会社のパフォーム社(映像配信はダ・ゾーン)と、10年で約2100億円の大型契約を結んだが、これらの原資が「強化分配金」に充てられる。 ▽まず優勝賞金は、年間1位が1億円から3億円に、以下2位は2000万円から1億2千万円に、3位は2000万円から6000万円に引き上げられた。そして「強化分配金」は、1位が翌年に10億円、2年目は4億円、3年目は1億5000万円と分割して計15・5億円が支払われる。2位は翌年が4億円、2年目が2億円、3年目が1億円の計7億円。3位は翌年が2億円、2年目は1億5000万円、3年目はなし。4位が翌年は1億8000万円で、2年目と3年目はなしとなっている。 ▽単純計算で今シーズンの優勝チームは来シーズンに13億円を手にすることができる。そしてリーグ連覇を達成すれば、翌年には優勝賞金3億円に加え2年目の4億円と1位の10億円の計17億円、2年間合計で30億円もの巨費を獲得できるのだ。ただし、「強化分配金」を受け取るには、①Jリーグの理念・活動方針に沿った目的に拠出しているか、②クラブライセンスにおいて当該年度のJ1ライセンスを保有しており、かつ当年度のリーグ戦に参戦していること、③当年度の配分金予算執行に関して理事会において決議されており、かつJリーグ内で支払い決議が下りていること、が配分条件とされている。 ▽要は、「強化分配金」がクラブ運営の補填費用などではなく、クラブの「強化」に使われる予定かどうか。それをクラブ側も明確にしなければならないということだ。金額を明かす必要はないが、どのような「強化」に使うのか、クラブは使途をファン・サポーターに説明して欲しい。 ▽今シーズンは優勝した鹿島がGKクォン・スンテ、MFレオ・シルバ、FWペドロ・ジュニオール、MFレアンドロを始めとした大型補強を敢行。FC東京はGK林彰洋、DF太田宏介、MF高萩洋次郎、FW永井謙佑、FW大久保嘉人とこちらも即戦力を獲得した。その他にもMF中村俊輔とMF家長昭博はそれぞれ磐田と川崎Fに新天地を求めるなど、これまでチームの“顔"だった大物選手が移籍市場を賑わせ、近年になり活況を呈した。 ▽巨額の「強化分配金」を想定しての移籍ではなく、たまたま契約が切れるなどのタイミングが重なったり、家庭の事情等もあったりしたのだろう。それでも当該チームのファン・サポーターにしてみれば、2月25日の開幕戦を楽しみにしていると思う。“新鮮力"がなければチームはマンネリ化するだけに、こうした活発な移籍は歓迎したいし、中国のCリーグに及ばないまでも、「強化分配金」を有効活用してヨーロッパで活躍するスター性のある選手を獲得して欲しい。 ▽2月25日は大型補強同士の鹿島とFC東京が激突するし、家長の抜けた大宮が、家長を獲得した川崎Fと対戦する因縁のカードも組まれている。個人的に残念なのは、試合をライブ配信するダゾーンは録画できないということ。現状では「見逃し配信」に頼るしかなさそうだ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.02.09 10:00 Thu
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【東本貢司のFCUK!】歴史が培ってきたクラブカラー

▽ふ~ん・・・・「ヴェンゲル解任を求めるプラカードにツイート」? アレックス・オクス=チェンバレンが“誤って”「いいね」を押したとかどうしたって? ま、メディアが「事実」を報道するのは致し方ないとしても、こんなこと日常茶飯事なんですよ、皆さん。ファンたるもの、熱ければ熱いほど、何かしなきゃという強迫観念にとらわれて、一時の激情、それも最も“過激でわかりやすい”文言を吐き散らしたくなるのが世の習い。要するに欲求不満のはけ口、その発露なのであって、それ以上でもそれ以下でもない。昨年末辺りじゃ「今シーズンこそ(優勝まで)行けるぞ」と、期待に胸を膨らませていたはずだろうから、悔しさ、やり切れなさのほどはよ~くわかる。しかし、そんな彼ら自身とて、今この現状を確実に好転させる監督交代などあり得ないことも、よ~くわかっている。仮にもしそうなってしまったら、今度は「アーセナル理事会解散」を叫び出すに違いない?! ▽「ミラクル」から一転、残留争いのアリジゴク(の穴)でもがいているレスターの上層部はこのほど、クラウディオ・ラニエリに引き続き全幅の信頼を置く、と明言した。そもそも昨シーズンが出来過ぎだったこともあるだろうが、ならばなおのこと、解任させる根拠がないからだ。初年度で望外の結果を出して次年度に揺り戻しが来たという、まともな神経の持ち主なら当然、「想定内」と受け取ってしかるべきであり、つまり、ラニエリを評価する材料など、まだ何ひとつと言っていいほど見当たらない。もし仮に、プレーヤーサイドからの“要請”なりがあれば、レスターの理事会も「動く動かない」の議論を持つだろうが、それも一切聞こえてこない。さもありなん、非のほとんどはプレーヤーたちの方にこそある。動きが緩慢、パスミス続出、何をやっても思い切りが悪い・・・・二つ三つゲームを眺めていればすぐ、それがわかる。どこぞの訳知り顔(大抵は戦術論を振りかざす輩)が「カンテがいなくなったのがね・・・・」? 失礼にもほどがある。5人6人が抜けたのならいざ知らず、たった一人のせいでプレミアを制したチームがガタつくなんてあるものか。 ▽それでも、彼らはまだチャンピオンズで生き残っている。大したものではないか。何年か前のエヴァートンに比べれば、超のつく快挙と言ってもはばからない。クラブ史上初、本人たちも夢か幻か、てな心境だったに違いないのだから。(グループリーグの)相手に恵まれた? またしても失礼千万。こういう、一握りの“常連強豪”ばかりをもてはやす通気取り(実際、こういう手合いは“それら以外”のチームについてロクに知っている節もなければ、勉強した跡すらない!)が、年々フットボール観戦の面白さを台無しにし、純粋なファンの楽しみを矮小化している・・・・違うと言い切れますか? ごくごく要約して言うなら、やることなすこと上手くいってプレミアの王者になってしまった、実にむずがゆくてどうやってもどんと構えてなどいられない重圧と、ここだけは失うもののない格下チャレンジャーとしてぶつかっていける解放感の対比が、今季のレスターなのである。だからこそ、レスターは今後もラニエリを全力でバックアップする意志をあっさり更新した。 ▽さて、ここで考えていただきたい。では、アーセナルの経営陣、理事会は、ヴェンゲル支持を改めて確認する何らかの言動をものしたか。していない。多分、今後もする“予定”はない。なぜなら、彼らはヴェンゲルの方から辞任の意思を伝えてこない限り、何もするつもりはないからだ。いや、ヴェンゲルが辞めたいと言ったとしても、全力で翻意を促すだろう。この世界には、成績が悪くなると監督のクビをすげ替えるのを当たり前と考える人々がうようよしている。クラブ経営陣のお歴々も、専任ジャーナリストも、元プレーヤーの評論家も、元プレーヤーで評論家経験も持つ監督経験者も、例外ではない。率直に言おう。そういう方々、手合いからは、歴史についてロクに(本心は「これっぽちの」と言いたいところだが)知識も、理解も、リスペクトも感じられない。ざっと10年ほど前、ある高名なコーチ経験者の評論家が、筆者に向かって「ファーガソン、まだ辞めないんですか?」と呆れ顔で問いかけたときは、正直唖然とし、内心ひどくがっかりしたものである。 ▽そして、本来なら「わかっているはずの」オーナーサイドですら、最近はしびれを切らすのが早くなったきらいがある。無論、そのほとんどが異邦の投資家グループだという事実と密接にリンクしている。つまり、クラブの歴史、言い換えれば、当クラブならではの伝統に基づくスピリット、優に百年以上をかけて培ってきた“カラー”に対する敬意など、多分、彼らはもはや何の役にも立たないと見切っている節がある。が、現実は正直だ。ファーガソン勇退後のユナイテッドがどんな行く末をたどってきたかを振り返れば、言葉を尽くす必要もないだろう。そして、アーセナルもアーセン・ヴェンゲルあっての“今そこにある”アーセナルなのである。もし、ヴェンゲルが去った日には、アーセナルもそっくり別物になり果ててしまうだろう。このざっと20年間、見続け、それなりに理解してきたアーセナルではなくなってしまうだろう。それでも「結果オーライ」なら良しとするかどうかは“彼ら”の問題だ。いや、いずれはそんな日も必ず訪れる。そして「ヴェンゲル解任」を叫んだあの熱血ファンが、いざその日が来て失望に暮れ、あのときの“暴言”を後悔するのも目に見えている。ひょっとしたら、それを“予見”してしまったからこそ、その“恐怖”に怯えたからこそ、彼は思わず“逆噴射”してしまったのだろうか・・・・。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.02.08 13:25 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】もっと前に直しておけばいいのに…

▽「まったく取り越し苦労もいいところというか」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。延期になったセルタvsレアル・マドリーが下手したら、最終節直前のミッドウィーク開催になるかもとマスコミが騒いでいるのを見た時のことでした。いやあ、先週末はガリシア地方(スペイン北西部)を暴風雨が襲ったため、リアソルの屋根が破損。それでまず、金曜のデポルティボvsベティスが延期になったんですけどね。当然のことながら、そのデポルティボのあるコルーニャから電車で1時間ぐらいのビゴも同様の悪天候、バライドスの劣化度も同じぐらいだったらしく、こちらも屋根がはがれて観客、選手に危険が及ぶ恐れがあるということで、セルタ戦は日曜夜の予定だったんですが、土曜にはもう延期の決定がなされることに。 ▽そこに至るまでもビゴ市長の中止勧告に始まって、LEP(スペイン・リーガ協会)が延期を正式に決定するまでに7時間もかかり、その間、アウェイに移動する側が振り回されたとか…。今週水曜にコパ・デル・レイ準決勝アラベス戦2ndレグを控えているセルタがせっかく控え選手で迎えてくれるんだから、試合をしないのは損とばかりにマドリーが開催を迫り、屋根の落ちそうな場所には観客を座らせなければいいとか…。同じガリシア地方の違うスタジアム、でなければ同じスペイン北部のエル・モリロン(スポルティングのホーム)や隣接するポルトガルでやったらどうだなんて代案を出してきたとか…。イロイロ悶着はあったようですけどね。 ▽結局、一番の問題は延期した試合を過密日程のどこに組み込むのかで、週明けに屋根の修理がすぐできたとしても今週のミッドウィークはセルタのコパでダメ、来週はヨーロッパの大会でセルタもマドリーも試合があり、その次はマドリーがクラブW杯のため、延期していたバレンシア戦があるといった具合で2月中は不可能。では3月はと見れば、セルタがヨーロッパリーグの32強対決でシャフタール・ドネツクに負ければ、チャンピオンズリーグの16強対決でナポリとの2ndレグの後はマドリーにも空き週があるため、15日頃にできないこともないんですが…。万が一、そこを越えて、どちらかが準々決勝、準決勝と進んでしまったら、最悪5月17日まで引きずることになるのだとか。 ▽逆に両者が早い段階でヨーロッパの大会から脱落すれば、4月や5月にやることができるんですけどね。セルタがELでどこまで進むかは未知数とはいえ、マドリーのCLがいつも3月で終わっていたのはすでに遠い過去の話。2010-11シーズン以来、最低でもずっと準決勝まで進んでいるとなれば、もしかしてリーガ優勝が決定した後にセルタ戦をプレーするなんてケースだってありうる? それとは対照的にデポルティボvsベティスの方はどちらも余計な試合がないため、あまり問題なく適当なミッドウィークに設定できそうですが、首位を狙っているバルサやセビージャなんかにとっては、時に順位表で上に行っても、相手に勝ち点6も上積みのチャンスがあるというのは厳しいところですよね。 ▽え、それでも先週末はリーガ優勝をすっぱり諦めたアトレティコの試合はあったんだろうって? その通りで土曜にはマドリッドの新弟分、レガネスをビセンテ・カルデロンに迎えてのミニダービーだったんですが、スコアレスドローだったシーズン前半戦での対決と違って今回は先輩としての貫禄を示すことができました。ただ、後でシメオネ監督も「Vi ráfagas buenas en el primero y en el segundo tiempo/ビ・ラファガス・ブエナス・エン・エル・プリメーロ・イ・エン・エル・セグンド・ティンポ(前半と後半に閃光のようないいプレーを見た)」と言っていましたが、決して最初から最後まで相手を圧倒していた訳ではありません。 ▽それでもこのところの途中出場での発奮ぶりを買われ、先発したフェルナンド・トーレスがこの日はチームを牽引。開始1分、エリア内からのフリーのシュートを思いっきり外した時はどうしようかと私も頭を抱えたもんでしたけどね。14分には、そのトーレスがレガネスの新加入CBシオバス(オリンピアコスから移籍)に倒されてPKを獲得。キッカーはグリーズマンだったんですが、やはりここ6回のPK中、4回を失敗しているのを彼は覚えていたんでしょうね。GKエレリンが弾くのを予測していたか、脱兎のごとく飛び出すと、そのままボールを押し込んで、アトレティコが先制することに。 ▽前半はそれ以外、ほとんどチャンスらしいものがなかったため、ハーフタイムにシメオネ監督は「Me pareció que no estaba haciendo un buen partido/メ・パレシオ・ケ・ノー・エスタバ・アシエンドー・ウン・ブエン・パルティードー(いい試合をしているように見えなかった)」というサウールを下げてコレアを投入。するとこの交代がバッチリ当たって、後半早々、50分にはそのコレアのスルーパスがトーレスへ。シュートを防ごうと出て来たエレリンのすぐ前で、まるで2008年ユーロ決勝ドイツ戦で見せたようなvaselina(バセリーナ/ループシュート)を放って2点目を決めてくれたから、驚かされたの何のって! ▽もうそれ以降はスタンドのファンも安心して、「Echare huevo!/エチャレ・ウエボス(根性見せろ)」と火曜のコパ準決勝2ndレグでremontada(レモンターダ/逆転突破)を目指すチームへの応援をスタート。確かにレガネスもシーズン前半戦の時のように、「en Butarque no nos dejó ni tirar/エン・ブタルケ・ノーノス・エホ・ニ・ティラール(ブタルケでウチはシュートさえ撃たしてもらえなかった)」(アシエル・ガリターノ監督)という程。守ってばかりではなかったんですが、やはり頼りが冬の移籍市場最終日に加わったブエノ(グラナダから移籍)やサム(同ルビン・カザン)では難しかったかと。残り時間のアトレティコもパッとしなかったものの、これは「ウチは3日前に試合をして、また3日後にプレーする。No es excusa, es realidad/ノー・エス・エスクーサ、エス・レアリダッド(これは言い訳ではなく現実だ)」(シメオネ監督)という事情があるため、仕方なかったかもしれません。 ▽結局、そのまま2-0で4試合ぶりの勝利を挙げたアトレティコでしたが、ゴディンなど「2点差になって、監督も火曜の試合に備えて交代を考えることができた」と言っていたものの、不満が残るとすればその交代に意外と手間取ったこと。その前の時間帯でアスレティックを3-0で下したコパ準決勝の相手であるバルサがルイス・スアレスを丸々温存。メッシも64分にはベンチに下がったのに対し、シメオネ監督がグリーズマンを交代させたのは71分でしたからね。バルサ戦に強いと見られているトーレスなど、2015年1月にアトレティコに戻って来てから、3度目の1試合2得点を達成したせいか、カンプ・ノウでの先発も視野に入ってきましたが、最後までピッチにいたのはちょっと配慮に欠けるかと。 ▽それだけに中2日の試合でどこまで体力が回復するか心配されますが、アトレティコの場合、もちろんケガ人が多いという事情もあるものの、相手がコパ初戦のギフエロ(2部B)のように、よっぽど格下でないとローテーションできないため、仕方ないところも。となれば、ここはトーレスが今季末で切れる契約を延長すべきとクラブに納得させて、新スタジアムのワンダ・メトロポリターノでプレーできるよう、「Afronto cada partido como si fuera el ultimo/アフロントー・カーダ・パルティードー・コモ・シー・フエラ・エル・ウルティモ(毎試合、それが最後であるかのように立ち向かう)」という姿勢でバルサ戦に立ち向かってもらうしかありません。 ▽そんな彼らは月曜夕方にはもう、出場停止のガビ、負傷中のチアゴ、冬の市場で行き先が見つからず、残留したものの員数外とされているチェルチも伴ってバルセロナ入りしているんですが、朗報はアフリカ・ネーションズカップのガーナ代表で準決勝まで進出。その日の朝に帰国したトーマスと、やはり月曜午前中に裁判所に出頭し、DV容疑で7カ月の実刑を求刑されたリュカも招集リストに入ったこと。いやあ、金曜に逮捕されたリュカの事件はどうやら、やっぱり痴話喧嘩だったか…。9歳年上の彼女の方もDVで4カ月の求刑をされているようで、2週間以内にまた裁判があるんですけどね。土曜のレガネス戦こそ、カルデロンには応援に来ず、自宅にこもっていた当人ですが、日曜月曜と練習はしていたのでプレーするのに問題はないとか。 ▽一方、1stレグで1-2の勝利を得ているバルサでは、アスレティック戦で筋肉痛を訴えてピケがハーフで代わったと聞いた時にはラッキーと思ったんですけどね。どうやら軽症で先発出場に支障はないような。ケガからの復帰が見込まれているイニエスタとブスケッツはスタメンに入るか定かでありませんが、試合中にGKテア・シュテーゲンの拳が顔に当たり、12針縫ったラフィーニャは欠場。ルイス・エンリケ監督は「Creo que va a ser un partido muy atractivo/クレオ・ケ・バ・ア・セル・ウン・パルティードー・ムイ・アトラクティボ(とても魅力的な試合になると思う)。アトレティコが2点を取らないといけないという、慣れていない状態でプレーするのだからね」なんて言っていましたが、いやいや。火曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのこの一戦は私も本当に気が重いですよ。 ▽え、それでセルタ戦がなくなって、週末が暇になったマドリーはどうしたんだって? もちろん仕方ないのでバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を続けていましたが、おかげでマルセロやペペ、ハメス・ロドリゲス、モドリッチら、負傷から回復しつつある選手たちにはもっと体調を完璧にする、いい時間稼ぎになったよう。累積警告でセルタ戦出場停止だったクロースは次のオサスナ戦で出られなくなってしまいましたけどね。エル・サダルでの試合とはいえ、相手は降格圏にいますし、最近はコバチッチも成長著しいため、それ程、心配することはないかと。 ▽ただこの日曜がバースデーだったクリスチアーノ・ロナウドなど、セルタ戦が元々、アウェイの夜遅い試合で手配ができなかったか、さすがに男性でも32歳になるというのはイヤなんでしょうか。自宅で家族と祝っただけに留まったようですが、実は当人、試合でハットトリックでも決めて自分へのプレゼントを贈るつもりだった? 一方、同日に25歳になったネイマールは、コパは出場停止のため、チームメートや母国から彼女や友人を招いて、バルセロナの流行りのお店でパーティを開いてしまうのもわかる? ▽ただ、コパも準々決勝で敗退しているため、ここ2週間はマドリーがプレーする姿をサンティアゴ・ベルナベウでもTVでもまったく見ないというのはかなり違和感が…。その分、来週は待ちかねていたCL決勝トーナメントも始まって、ファンも早起きする日が増えると思いますが、さて。すでにチケット完売のナポリ戦にはイタリア人サポーターが大挙してマドリッドに駆けつけるようですし、向こうもセリエAで2位と好調ですから、きっと盛り上がりますって。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.07 12:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】希望を持ってもいいのだろうか…

▽「この大事な時に何やってんだか」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、いつものように朝、新聞を買うため、家の前の売店に寄ったところ、アトレティコファンの店主のお兄さんから「ルカスがDVで逮捕された」と聞いた時のことでした。いやあ、ネットで詳しく調べてみると、木曜深夜、チームメートとの食事から、酔って帰宅した20歳のDFは彼女と議論になった挙句にケガをさせ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の警察署で一晩過ごしたそうなんですけどね。後で病院に行ったものの、彼女の方も同時に暴力行為で逮捕されていたとかって、要はこれって痴話喧嘩では? ▽うーん、1度こんな話が出ると、後追いのように、実はルカスは1年前にもカラオケ店でお酒を飲んで煙草を吸っていたところを他の客に注意され、相手を殴って現在、訴訟中だなんて記事も出てきたりもするんですけどね。今回の件で何とも情けなかったのは折しも丁度、その木曜の夜はアトレティコからレンタルでアラベスに修行に出ているテオがバライドスでドシャ降りの雨の中、セルタとのコパ準決勝1stレグで奮闘。まさか、その兄ルカスが1歳年下の弟がアウェイで0-0と引き分けたことを祝って遊びに出た訳もないと思いますが、何よりこの1週間、自分のチームは水曜の結果を引っくり返すべく、死に物狂いで努力しなければならない苦境にありますからね。 ▽それもせっかく、お隣さんの専売特許のような奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を少しは信じられそうな雰囲気になってきたところで、こういう事件が起きると、ファンの気分が削がれてしまうかもしれないのが怖いんですが、さて。あ、金曜午後3時頃に保釈されたルカスは月曜に裁判所に出頭予定、彼女とは500メートル以内の接近禁止令が出ているそうですが、とりあえず、当人はベンチで応援していたバルサとのコパ準決勝1stレグがどうだったかをお伝えしていくことにすると…。 ▽それがリーガ前節のアラベス戦で見せた目を覆うような惨状からすれば、序盤はまともに見えたアトレティコだったんですが、化けの皮が剥がれるのも早かったんですよ。そう、前半6分にはグリースマンが自陣でマスチェラーノにボールを奪われたのをキッカケにルイス・スアレスがゴール目指して猛ダッシュ。サビッチもゴディンも簡単にかわして、GKモヤを破った時には前夜、合宿先のモンテ・レアル・ホテルに到着したチームを昨季のCL準決勝バイエルン戦以来でしょうかね。盛大にbengala(ベンガラ/発煙筒)を炊いて迎えた300人余りの疑うことを知らない熱烈なファンも、試合前、「この5年間で6回目の準決勝を戦うウチの選手たちを心から誇りに思う」と話していたシメオネ監督もただただ、呆れるしかなかったかと。 ▽1点リードを許した後のアトレティコはここ数試合のダメダメ気質が前面に出てしまい、いえ、バルサがある程度、引いてくれたため、追加点は32分まで取られなかったんですけどね。今度はメッシにエリア前から弾丸シュートでgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまうとは、ちょっとお。もしやアトレティコの選手たち、ここ9試合で計12得点されているMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)の恐怖を忘れてしまった?ええ、こうなったら次はネイマールだろうと私が覚悟したのと同様、その時点ではオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナたちも「こりゃ0-5ぐらいになると思った」、「fin de ciclo/フィン・デ・シクロ(サイクルの終わり)という言葉が頭に浮かんだよ」と、試合後のミックスゾーンで話していましたっけ。 ▽でもそうじゃなかったんですよ!後半頭からベルサリコ下げ、フェルナンド・トーレスを入れたアトレティコはまったく違うチームになっていたんです。再開早々、ガビがワンツーでGKシレッセンの前に躍り出たチャンスはジョルディ・アルバにシュート直前でボールをカットされて実らなかったものの、どうやらそれが反撃の狼煙だったようで、急に攻め始めたものだから、こちらもビックリしたの何のって。前半のひどい出来に意気消沈していたスタンドもしばらくは息を潜めて見守っていましたが、とうとう13分、ガビの出したFKをゴディンが頭で流し、ゴール左前にいたグリースマンがマークについたマスチェラーノを高々と上回ってヘッドをお見舞い。1点を返すことに成功したため、一気にスタジアムを満員にしたファンが盛り上がることに。 ▽え、でもその時、ゴディンをフリーにするのにコケがルイス・スアレスを引き留め、倒してしまったのは明らかにファールで、本来なら、このゴールはスコアボードに上がらないものじゃなかったのかって?まあ、そうなんが、幸い審判もお目こぼししてくれましたし、元々、そういう形のセットプレーだったようですからね。それより感心したのはシメオネ監督の先見の明で、ファンフランによると、「Al descanso nos dijo que si metiamos el primer gol se crearia en el Calderon un aura especial/アル・デスカンソ・ノス・ディホ・ケ・シー・メティアモス・エル・プリメール・ゴル・セ・クレアリア・エン・エル・カルデロン・ウン・アウラ・エスペシアル(ハーフタイムに、もし最初のゴールを入れれば、カルデロンに特別な雰囲気が生まれると言われた)」のだとか。 ▽実際、お隣さんのジダン監督同様、やはり現役時代から知っているクラブで監督をしているだけあって、ファンの気質をよくわかっているのはありがたいことで、以降は「Tiene una aficion increible, que le anima aunque vayan perdiendo/ティエネ・ウナ・アフィシオン・インクレイブレ、ケ・ラ・アニマ・アウンケ・バジャン・ペルディエンドー(信じられないようなファンを持っている。負けているにも関わらず、応援するんだから)」と後でジョルディ・アルバも羨んでいた場内の声援を受けて、アトレティコは更なる攻勢に。ええ、バルサの方は30分にメッシのFKをモヤが弾いたボールが枠に当たったぐらいだったのに対し、シメオネ監督のも後で「en el segundo tiempo nos acercamos al equipo que siempre hemos sido/エン・エル・セグンド・ティエンポー・ノス・アセウカモス・アル・エキポ・ケ・シエンプレ・エモス・シードー(後半はウチが常にそうだったチームに近づいた)」と認めていたように、グリースマン、トーレス、そしてカラスコから代わったガメイロと何度も危険なシュートを撃ったんですが…。 ▽残念ながら、同点には至りませんでした。ただ、1-2で負けてしまったアトレティコとはいえ、やはり優勢で試合を終えたのは自信回復につながったようで、「No tengan ninguna duda de que estamos vivos/ノー・テンガン・ニングーナ・ドゥーダ・デ・ケ・エスタモス・ビボス(ウチがまだ生きていることに少しでも疑いを持たないでくれ)」というシメオネ監督を始め、選手たちも「La eliminatoria esta abierta y vamos a ir a morir a Barcelona/ラ・エリミナトリア・エスタ・アビエルタ・イ・バオス・ア・イル・ア・モリール・ア・バルセロナ(対戦は終わっていないし、ウチは死ぬ気でバルセロナに行く)」(ファンフラン)と来週火曜の2ndレグに向けて気合満々。 ▽いやあ、だったら前半あんなにオタオタしないで、最初からやる気を見せていれば良かったんじゃないかと言うのは正論ですが、バルサの選手たちと彼らには明らかに天賦の才に差がありますからね。「En el descanso hemos recordado quienes somos/エン・エル・デスカンソ・エモス・レコルダードー・キエネス・ソモス(ハーフタイムにボクらは自分たちが何者かを思い出した)」とトーレスも言っていましたが、諦める前に才能では劣っていても、意志と体力を総動員した密度の高いプレーをすれば、バルサやレアル・マドリーとも互角にやり合えることを思い出してくれただけでもありがたいじゃないですか。 ▽え、でもそのせいで、トーレスと共に後半、生え抜きのアトレティコ魂を見せてくれたガビがイエローカードをもらい、累積警告で2ndレグに出られなくなってしまったじゃないかって?うーん、バルサもネイマールが同じ憂き目にあっていますが、片や「Si hay un equipo en el mundo que no debe lamentarse de las ausencias es el Barcelona/シー・アイ・ウン・エキポ・エン・エル・ムンド・ケ・ノー・デベ・ラメンタールセ・デ・ラス・アウセンシアス・エス・エル・バルセロナ(世界に選手の不在を嘆くべきでないチームがあるとしたら、それはバルセロナ)」(ルイス・エンリケ監督)と自負している相手ですからね。もちろん個人的には、「Me pierdo el partido de vuelta, pero asi estoy en la final/メ・ピエルド・エル・パルティードー・デ・ブエルタ、ペロ・アシー・エストイ・エン・ラ・フィナル(自分は2ndレグを逃すけど、おかげで決勝には出られる)」というキャプテンの台詞を信じたい気持ちもありますが、こればっかりはねえ。 ▽おまけに向こうはビセンテ・カルデロンでの試合には間に合わなかったイニエスタが復帰しそうだとか、これまでアトレティコはホームでの初戦を1-2で負けて、逆転突破したのは4回中1回しかないとか、逆にバルサは14回全部勝ち抜けているとか、更にはこの結果は先日、準々決勝で敗退したマドリーがセルタ戦1stレグで喫したのと同じだなんて、ネガティブな面を考え始めると決して楽観はできないんですけどね。とはいえ、リーガと違って、確かに「Siempre digo que la Copa es rara/シエンプレ・ディゴ・ケ・ラ・コパ・エス・ラーラ(コパは奇妙だと私はいつも言っている)」(シメオネ監督)という意見も一理ありますから、今はあまり悩まない方がいい? ▽というのも彼らにはもう、レガネスとのミニダービーが迫っているせいで、始めに書いた事情でルカスは招集されず。前節に肉離れを起こしたヒメネスもいないため、ますますDF陣が手薄になってしまったアトレティコはとうとうトップチームのフィールドプレーヤー自体、15人しかいないという事態に。対照的に1月31日の駆け込み補強も含め、この冬の市場で7人を獲得したマドリッドの新弟分はブエノやティト(どちらもグラナダから移籍)といったラージョ(今季は2部)でお馴染みだった選手やエル・ザール(ラス・パルマス)なども加わって少々、得点力が増した感が。 ▽いえ、もちろん現在、17位と降格圏ギリギリにいる彼らにも頑張ってはもらいたいんですけどね。一応、すぐ下のスポルティングとは勝ち点差5ありますし、ここでまた、シーズン前半戦のように引き分けるようなことになると、アトレティコはミニマムマストのCL出場権獲得順位すら危うくなってきますから、やはり背に腹は変えられないかと。そんなアトレティコvsレガネス戦は土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)キックオフ。アフリカ・ネーションズカップ参加中のトマスがいるガーナも準決勝で敗退したそうですが、帰って来るにはまだ日数がいりそうですしね。中盤はチアゴやアウグストがリハビリ中とあって、シメオネ監督がコパに備えてローテーションできるのはせいぜい、前線ぐらいでしょうか(ただしグリースマンを除く)。 ▽一方、今週からコパがないマドリーはずっとバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニング三昧の日々だったんですが、どうやらこの節は首位固めに最高の環境が揃っている気配が。だってえ、木曜にアラベスと準決勝1stレグでアドバンテージを取れなかったセルタのベリッソ監督がまた、「Para nosotros es prioritario el partido del próximo miércoles. El domingo, rotaciones/パラ・ノソトロス・エス・プリオリタリオ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス。エル・ドミンゴ、ロタシオネス(ウチにとって、優先されるのは次の水曜の試合。日曜はローテーションする)」と宣言しているんですよ。つまり、イアゴ・アスパスやバス、ボンゴンダといった、マドリーをコパから追い落としたメンバーが出て来ないってことじゃないですか。 ▽となると、ジダン監督が狙うは、16強対決でのセビージャのようにコパでは苦杯をなめながら、続くリーガ戦で勝利して鬱憤を晴らすという道ですが、唯一の難点は今回、クロースが出場停止ということ。ただ、それ以外は朗報が多くて、負傷者が続々と戦列復帰に近づいているのは心強いかと。ええ、左右順番にふくらはぎを痛めていたハメス・ロドリゲスはこのセルタ戦で戻れそうですし、もう全体練習に参加しているマルセロも秒読み段階。モドリッチも次のオサスナ戦には準備ができる見込みな上、何とカルバハルや足首の手術をしたベイルまで予定を繰り上げて、15日のCLベスト16、ナポリ戦1stレグに出場できそうだとなれば、もう怖い物などない? ▽ちなみにそのサンティアゴ・ベルナベウで行われるそのナポリ戦はもうチケット完売だそうですが、まだ先のことなのでともかく、今週末は土曜に2位バルサがアスレティックと、日曜には3位セビージャがビジャレアルといった難敵と顔を合わせるだけに、取りこぼしも十分見込めますからね。その上、22日にはクラブW杯参加のため、延期されていたバレンシア戦もあるとなれば、この1カ月で現在、勝ち点4の差がもっともっと開く可能性も。まずはその第一歩となるセルタvsマドリー戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からですが、それまでにライバルたちの試合が終わっているのも選手たちの励みになるかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.04 10:00 Sat
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【倉井史也のJリーグ】今年こそはと思ってるけど、そんなレベルじゃないんじゃね?!の巻

▽毎年、毎年、期待しては裏切られてることがあるんです。「今年こそは」って密かに思っているのに、全然達成できないこと——。禁酒じゃありません。宿命的独身主義者同盟からの脱退でもありません。したいけど。 ▽それは、J2から3チームが昇格するようになり、J2で一番下の成績だったチームが翌年J1に残留すること。2010年湘南、2011年福岡、2012年札幌、2013年大分、2014年徳島、2015年山形、2016年福岡と、すべて1年でJ2に逆戻りしてるんです。 ▽でもね、今年もしかしたら奇跡が起きるかもしれません。だって去年J2の4位ながらプレーオフを制して昇格してきたのはC大阪。現代表選手の山口蛍、ケガから戻った柿谷曜一朗に加えて、清武弘嗣まで帰ってきたじゃありませんか。なにこれ、この大変な布陣。11月の日本代表で、同じクラブに代表選手が2人いるチームって、浦和(西川周作、槙野智章)、FC東京(森重真人、丸山祐市)、G大阪(東口順昭、井手口陽介)だけなんですけど。もしかしてこれで柿谷が代表に復帰したら、代表チームの中の一大勢力に躍り出るんですけど。 ▽いやいや、それでも今までのジンクスがあるから、というアナタ! 言いたいことはわかります。C大阪って昔から攻めるのはいいけど、守りがちょっとね、なんて声がありますから。 ▽だけど、今年厳しく指導してるのは尹晶煥監督ですよ。鳥栖を率いていたとき、リードした途端、5バックにして30分以上守り一辺倒を続け、それでも勝っちゃったという、守らせたらもう大変な人物。勝つためのなりふり構わなさはJリーグの中でもピカイチ。ってことは、圧倒的な攻撃力に加えて、やたらめったら固い守備が身につくんじゃないでしょうか。ってことは、降格候補というより、優勝候補的な? いやむしろ優勝しなければおかしいみたいな? ▽ええ、もちろんリスクはあるでしょう。尹晶煥監督の言うことに選手が素直についてくるか。あるいは代表選手たちは今年の予選で消耗しちゃうんじゃないかとか。 ▽でもね、それでも望みがあるんです。いざとなったら夏の補強でもう1人呼び戻しちゃって……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.02.03 12:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】Jリーグに戻った高萩への期待

▽Jリーグは各チームとも沖縄や九州でのキャンプでテストマッチを重ねている。といったところで、今シーズンは大型補強を敢行したFC東京の練習を小平グラウンドで取材した。お目当ての選手は、1月中旬に急きょ加入したMFの高萩洋次郎だ。広島時代はクラブ史上初のプロの高校生Jリーガーとしてデビュー。2012年は広島の初優勝に貢献すると、活躍を海外に移しAリーグ(オーストラリアリーグ)のウェスタン・シドニーやKリーグ(韓国)のFCソウルで活躍。トップ下のファンタジスタとしてKリーグ優勝にも貢献した。 ▽FC東京にしてみれば、昨シーズンはボランチの米本と橋本が相次いで負傷。シーズン終盤は負傷を抱える梶山と、田辺をコンバートしてなんとかしのいだ。しかし橋本は1月31日にやっと全体練習に合流したものの、米本の復帰にはまだ時間がかかる。そこで、FCソウルではトップ下でプレーしていた高萩をボランチ候補として獲得したという訳だ。 ▽183センチの長身にもかかわらず、しなやかなプレースタイルから長短のパスで攻撃を組み立てる高萩は、個人的には現代サッカーでは希少種と言ってもいいクラシカルなファンタジスタだと思うし、正直好みのタイプだ。ただし、攻守に運動量が求められる現代サッカーで生き残る場所があるのかどうか。それは指揮官が求める、あるいは“許す”役割によって替わってくるだろう。高萩と同じことは磐田に移籍した中村俊や、スペインリーグ2部のテネリフェへ移籍した柴崎にも当てはまる。R・バッジョを外した歴代監督が示すように、ファンタジスタが生息できる場所は年々減少している。 ▽そんな状況にもかかわらず、高萩は「日本のJリーグとは違うプレースタイルや激しさを肌で感じてきた」とAリーグやKリーグでの体験を元に、「このチーム(FC東京)でも引き続き厳しさを持って、チームにいい影響を与えたい。攻撃の起点になるパスや、1本でゴールにつながるパスをゲームで出して行きたい」とファンタジスタ宣言をした。 ▽歌舞伎役者の中村獅童に似た風貌(と個人的に思っている)の高萩が、3シーズン振りのJリーグでどんな活躍をするのか。そしてFC東京に復帰した太田やC大阪への移籍が決まった清武など、今シーズンは海外から逆流入した選手に注目したいと思う。彼らが海外でどれだけの経験値を重ねたのか。それがJリーグに活性化につながれば言うことはない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.02.02 17:15 Thu
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【東本貢司のFCUK!】迫りくる「最後のチャンス ?!」

▽これは痛い! ホームでのまさかの敗戦。ワトフォードがトップフライト(1部)でアーセナルに勝ったのは1988年以来のことになるが、そんなことはこの際どうでもいい。アーセン・ヴェンゲルは敗因についてこう述べている。「前半、ことごとく一対一で敗れ、動きも総体的に緩慢だった。我々は精神的にゲームへの気構えを欠いていた」。つまり、事実上の完敗。さては3日前のFAカップ戦(対サウサンプトン)大勝のマイナス反動? だとしても、対エヴァートン、マン・シティーの連敗からすっかり立ち直ったに見えて、このセットバックには危機感に苛まれてしかるべし。よくよく振り返れば、その後の(このワトフォード戦直前まで)7戦は、どれをとってもほぼ実力的に“組しやすい"相手ばかりだった。とはいえ、この1月だけで7試合の超強行軍。12月も6試合。これで疲労のせいにはできないなどとはとても言い難い。とはいえ、それはどこも同じなのだが・・・・。 ▽某ガナーズファンは、同日後刻、首位チェルシーがリヴァプールと引き分けて「助かった」と宣った。が、本当にそうか? 確かに、チェルシーは「勝てるゲームを引き分けた」点も指摘されるかもしれない。すなわち、ディエゴ・コスタのPK失敗・・・・。ここで、リヴァプールの将、ユルゲン・クロップは、いかにもといったトーンでコスタを激賞するコメントを出して“混ぜっ返して"いる。クロップ一流の“マインドゲーム"・・・・? とか何とかはさておいて、一つ視点を変えてみれば、「助かった」のではなく「せっかくのチャンスをふいにした」とは考えられないか? 一つは、ライバルが軒並み“複数ポイント"を逸してくれた恩恵を生かせなかったこと。もう一つは、もし勝てる試合を勝てなかったのだとしたら、チェルシーは次なるゲームにまなじりを決して臨んでくるに違いないだろうこと(コンテはいつになくえらく悔しがっていた。なんとなれば、その次戦、今週土曜日の相手こそまさにアーセナルなのだ。これはとんでもない一大決戦になりそうな・・・・。 ▽そのココロとは・・・・このざっと10年前後の経緯を振り返っても、ヴェンゲル・アーセナルの十八番の一つともいえるのが「危機感に苛まれたときほど一丸となって結果を出す」ことであり、おかげで幾度となく「大逆転」あるいは悪くとも「最低限」の成果を収めてきたことだけは思い出しておきたい(是非、過去をひもといていただきたい)。つまり、だからこそ、今週末の直接対決はおそらく、後々語り種になってしかるべき今シーズン最大のイベントになること必至なのである。すなわち、コンテ・チェルシーが(幸便にもホームで)勝てば、さしもの筆者も「優勝は九分通り・・・・」と推定せざるを得なくなる。ああ、もちろん、試合はまだそこそこ残っているのだから、この“業界"の決まり文句通り「何が起きるかわからない」。だが、このめぐり合わせなのだ、ここでアーセナルの反発が実らない事態になれば、以後残りの日程で終始、ガナーズの面々の心理には拭い去りようのない“負い目"が染みついてしまう。反骨の志がどうやっても萎んでしまいかねない・・・・。 ▽とはいえ逆に(週末のチェルシー戦に)勝てば、勝ち点差6がひどく“軽く"見えてくるはずのアーセナルに比べれば、同じホームで同率最下位だったハルと引き分けたマン・ユナイテッドの“絶望感"たるや、ほぼヤケッパチになっても仕方のないレベルだろう。ジョゼ・モウリーニョが、ポストマッチ・インタヴューを途中でうっちゃってさっさと引き上げてしまったほどに。さもありなん、ユナイテッドにとってはそれこぞ「最後のかすかなチャンス」だったのだから。残り15試合で首位チェルシーとの差15は、さすがにほぼ白旗宣言。しかも、お隣のシティーが“ネイマール二世"ガブリエル・ジェススのデビューゴールで圧勝したとあっては、ここでも心理的に凹む。寝覚めが悪い。もっとも、インタヴュアーが「レフェリーの判定云々」を切り出したものだから、それがモウリーニョの癇にさわったために、ぷいっと“ウォークアウト"したのは否めなかったのだが・・・・。どうやら今後のプレミア覇権争い、各指揮官のアタマがどれだけクールダウンして“再起"にもっていけるかにかかっているような気がしなくもない・・・・。 ▽おや、ペップ殿だけは「相変わらず」他人事のような冷静さ。「トップの3人の平均年齢20歳」を自慢げに語って、どこ吹く風の「未来志向」とはまた剛毅な。よくぞ言ったものである。「ウェスト・ハムはマンチェスター・シティーにとってパーフェクトなチーム。なぜなら(いまどき?)4-4-2でやってきてくれたから、中盤で(相手を)ぶっ壊すのは楽だったよ」? ふーん、これはどうも、悪い“憑き物"でも落ちたのかな?【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.02.02 13:58 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】あれはサッカーじゃなかったかも…

▽「一応、ボールはあるみたいだけど」、バカバカしいとは思いつつも目を皿のようにして、アトレティコのビデオを見入っていたのは月曜日。彼らが練習を再開した日の午後のことでした。いやあ、トレーニングセッションにボールが登場しないプロのサッカークラブなんて、体力作りメインのプレシーズンでさえ、ほとんどないとは思うんですけどね。ただシメオネ監督になってからのアトレティコは基本、マスコミに公開されるのは練習開始からたったの15分のみに限定。よって、スポーツ紙のサイトやTVニュースで見られるのはほぼ、ロンド程度で終わるアップの部分だけとなれば、もしやその後、ちゃんとボールを使ってパスや連係の練習をしているのかどうか、知る術はないってことにならない? ▽ちなみに何故、私がこうも懐疑的になってしまったのかというと、それはもちろん先週末の試合のせいで…。いえ、いろいろと幸運が続いて、シーズン開幕戦同様、アラベスに勝てなかったにも関わらず、アトレティコの順位は4位のままで変わらなかったんですけどね。その日は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)では子供連れ家族数組が集まって、お誕生日会が開催中。余った隅のスペースでその団体越しに観戦していた私ですが、彼らがまったくTV画面に興味を示していなかったのがどんなにありがたかったことか。 ▽その理由は土曜日の午後だというのに、よりによってアトレティコの試合なんか見ている自分が何年かぶりに恥ずかしくなったせいだったんですが…。だって、序盤から、「Alavés fue superior, sobre todo, en intensidad/アラベス・フエ・スペリオール、ソブレ・トードー、エン・インエンシダッド(アラベスの方が上だった。とりわけプレーの激しさで)」(シメオネ監督)だったんですよ。それだけでなく、その日、キャプテンのガビが累積警告で出場停止だったという事情はあるものの、代わって中盤を担ったコケ、サウールら、カンテラーノ(アトレティコB出身選手)の後輩を始め、カラスコ、ガイタン、ガメイロ、グリーズマン、さらにDFラインまでパスミスのオンパレード。選手によっては満足にトラップもできない状態となれば、前半終了間際、とうとうオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナまで、「アトレティコはサッカーの練習をしてないんでしょうか」と言い出したとしてもまったく不思議はない? ▽いやまあ、その点に関してはここ数試合、私もこっそり疑っていたんですけどね。当然、何かの偶然でボールを取り戻しても、次のパスが敵目掛けて真っ直ぐ出ていくため、30%という惨めなポゼッションで前半を終えた彼らでしたが、幸い序盤に至近距離からシュートを放ったイバイ・ゴメスがGKモヤのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に防がれたのを始め、総じてアラベスの選手たちに決定力がなかったのはラッキーだったかと。おかげでスコアは0-0のまま、ハーフタイムに入ることができます。 ▽後半も変らず、ダメダメなプレーを続けていたアトレティコですが、得点チャンスが1度もなかった訳ではなく、71分にはガイタンがサビッチのロングパスに抜け出して、敵エリアまで独走するシーンも。でもねえ、いくらサッカーの神様は不公平だとしても、ここで点が決まって、どこを取っても最低だった彼らが勝ってしまうのはあんまりだと思ったんでしょうかね。実際、シュートを撃つ直前、ガイタンはGKパチェコにボールを取られてしまい、ゴールを決めることはできませんでしたっけ。 ▽結局、交代で入ったフェルナンド・トーレスやコレアも状況を改善することはできず、あとはモヤがエドガルや、テオのシュートも弾き、試合はスコアレスドローで終了。いえ、ペレグリーニ監督など、「Merecimos ganar, ha sido uno de los mejores partidos de la temporada/メレシモス・ガナール、ア・シドー・ウノ・デ・ロス・メホーレス・パルティードス・デ・ラ・テンポラーダ(ウチは勝利に値した。今季最高の試合の1つだった)」と残念がっていましたけどね。 ▽誰より目立ちながら、ゴールは奪えなかったカマラサを筆頭に、何度も何度もシュートを外し、フラストレーションが溜まったんでしょうか。あろうことか、ゴディンにツバを吐きかけ、自身も同じ方法でリベンジされていたデイベルソンなど、アトレティコの守備陣にほとんど邪魔されなかったにも関わらず、ああも点が取れないのではねえ。自業自得なところもありますが、一方のシメオネ監督はもう、あまりに反省するべき点が多すぎたか、「Fue un partido malo en general/フエ・ウン・パルティードー・マロ・エン・ヘネラル(全判的に悪い試合だった)」と簡潔な評価をしたのみ。 ▽うーん、こんな悲惨なプレーを続けていたら、コパ準決勝1stレグでバルサの選手たちに笑われてしまうんじゃないかと、私なんかは心配でたまらないんですけどね。まあ、今になって、いい年をした部下たちに「パスは味方に向かって出すように」なんて言えるはずもなし。それに加えて、彼らには人員的に深刻な問題も発生して、このアラベス戦では後半序盤にヒメネスが右太ももの肉離れで交代。ピッチに座り込んだ当人が泣いていたことから、重傷なことは察せられたんですが、マドリッドに戻ってからの検査では全治に4週間程かかるのだとか。 ▽結果、チアゴ、アウグストが負傷中、ガーナがコパ・アメリア準決勝に進出したため、まだ戻って来られないトーマス、そしてチェルチは員数外なため、しばらくフィールドプレーヤーが15人しかいなくなってしまったアトレティコですが、さて。翌日曜日の正午試合でバルサが幻のゴールのせいもあって、ベティスと1-1でドロー。イニエスタ、ブスケッツがケガでいない中盤はかなり残念だったなんて記事を読むと、ちょっとは慰めになるんですが、先週ミッドウィークのコパ準々決勝レアル・ソシエダ戦では5-2と余裕で勝っている相手ですからね。水曜日午後9時(日本時間翌午前5時)から、おそらくまた極寒であろうビセンテ・カルデロンのスタンドで見る一戦が、心まで凍り付かせるようなものにならないことを今は祈るしかありません。 ▽え、そのバルサ引き分けに加え、午後にはセビージャがエスパニョールに3-1で負けたという報もあった後、お隣さんは日曜日最後の試合に挑んだんだろうって? その通りで、雨混じりの夜だったため、私がサンティアゴ・ベルナベウへ向かう足取りは重かったんですけどね。ジダン監督など、「ライバルが勝ち点を失うのを見ると、上手くやろうという意志がより強くなる。Lo comentamos en Valdebebas y vimos todos los partidos/ロ・コメンタモス・エン・バルデベバス・イ・ビモス・トードス・ロス・パルティードス(そのことはバルデベバスの合宿所で話して、試合も全部見たよ)」と後で打ち明けていましたから、「Me gusta tener una siesta larga/メ・グスタ・テネール・ウナ・シエスタ・ラルガ(自分は長い昼寝をするのが好き)だから、見る機会がなかった」なんていう、ケイロル・ナバスのような例外はあるものの、レアル・マドリーの選手たちも同じ思いだったかと。 ▽ただ先週、セルタにコパ準々決勝敗退に追いやられてから、最初のホームゲームを迎える彼らのレアル・ソシエダ戦前の優先事項は“antisilbato(アンティシルバートー/反ブーイング)"で、キャプテンのセルヒオ・ラモスを始め、ルーカス・バスケス、ナチョ、クリスチアーノ・ロナウドらがベルナベウのサポーターにpito(ピト/ブーイング)でなく、応援をお願いするキャンペーンを張っていたんですけどね。ジダン監督は「Él no se borra, tiene personalidad/エル・ノー・セ・ボラ、ティエネ・ペルソナリダッド(彼はバックレたりしない。強い性格をしている)」と言っていたものの、負傷者多発の関係で先発せざるを得なかったダニーロなどが温かく迎えられたかどうかはまた別の話。 ▽ええ、実際、同様にファンの批判の的になっているベンゼマも試合の前半はあまりいいリアクションはもらっていなかったんですが、何せ私など、昨日の今日で見るソシエダが、アトレティコと同じ勝ち点で5位と、ヨーロッパの大会出場圏内にいるチームであれば、当然のことなんですけどね。あまりに普通にパスを繋いでいるのに感嘆していたため、ブーイングの方はそれ程、気にならなかったんですが、それでもサッカーとは何とも奥深い。ええ、「Jugar bien no es sólo tener el balón y controlar el partido, sino generar problemas al rival/フガール・ビエン・ノー・エス・ソロ・テネール・エル・バロン・イ・コントロラール・エル・パルティードー、シノ・ヘネラル・プロブレマス・アル・リバル(いいプレーをするというのはボールを持って、ゲームをコントロールすることではない。敵に問題を起こすこと)」とエウセビオ監督も後で反省していましたが、敵陣でボールを奪って先制したのはマドリーの方だったんですよ。 ▽それは37分のことで、少し前にボールを失ってブーイングを受けていたロナウドが敵DF間を通す絶妙なスルーパス。これに反応したコバチッチが高いドリブル力を見せつけ、GKルリを破ってくれたから、スタンドの重苦しくなりかけていた雰囲気を一掃するのにどんなに役立ったことか。前半はこの1点だけだったマドリーですが、50分にはこの2人が役目を取り替えて2点目をゲット。ええ、コバチッチのパスから、ロナウドがvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めてくれます。うーん、今季はゴール量産ペースが落ちて、昨今では度々、スタンドからピーピーされるようになっていたせいで、その日もピッチでは悪態をついていた当人ですけどね。これでちょっとは機嫌を直して、再びgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を見せてくれるといいのですが。 ▽そして73分にはソシエダのイニゴ・マルティネスが2枚目のイエローカードで退場となったおかげもあり、ベンゼマに代わって途中出場したモラタが82分、GKナバスから始まり、ロナウド、ダニーロ、ルーカス・バスケスを経て14秒でピッチを縦断した速攻で3点目を奪ったマドリーは3-0で快勝。アトレティコなどに比べると、計ったようなパスの繋がりぶりは雲泥の差ですが、まあそれは以前からわかっていたことですからね。才能の明らかな差に、より私が落ち込むということもなかったんですが、この勝利でマドリーはお隣さんが5位に落ちることを助けてくれた代わりに、とうとう両者の差は勝ち点10に。 ▽同様に2位3位に勝ち点で並ぶバルサとセビージャとも4ポイント離れ、更にクラブW杯参加のため、延期しているバレンシア戦の分、消化試合が1つ少ないとなれば、もしやここからのリーガはマドリーの独走状態に入る? 何せ、今の彼らはスケジュール的にも恵まれていて、コパがなくなったおかげで今週は試合がありませんしね。次節は木曜日にアラベスとの準決勝1stレグを戦うセルタと日曜日に対戦。そのベリッソ監督の率いるチームは土曜の夜にレガネスを0-2で破り、「Los menos habituales han demostrado ser importantes/ロス・メノス・アビトゥアレス・アン・デモストラードー・セル・インポルタンテス(控え選手たちが重要になれると示した)」という指揮官の言葉通り、コパの合間となるマドリー戦でもレギュラーは温存されるはずですからね。 ▽さらにミッドウィークの空いた次の試合も19位のオサスナと、組みし易い相手となれば、丁度、モドリッチやハメス・ロドリゲスが戻って来るのも重なって当分、マドリーの天下は脅かされることがないかも。いえ、先のことはわからないのがサッカーですけどね。ちなみに前節、降格圏ギリギリの17位に落ちてしまった弟分のレガネスですが、18位スポルティングとの差は勝ち点5のままキープ。もうシーズン後半戦が始まっているだけに早くまた、勝てるようになってほしいんですが…この土曜日はビセンテ・カルデロンでのミニダービーなんですよ。とりあえず、負けてもまだレッドゾーンには入りませんから、まあその次からということでどうでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.01.31 13:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】コパとリーガが交錯して…

▽「またこの時期が来たのね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、翌日に迫ったチャイニーズ・ニューイヤーを祝うマドリッドの両雄のビデオをニュースで見た時のことでした。そう、ここ数年はバルサなども含めて、リーガのチームで流行っているようなんですけどね。片や、中国人家族との食事という設定でクリスチアーノ・ロナウド、セルヒオ・ラモス、マルセロ、ペペの4人がワンフレーズずつ中国語を話していたレアル・マドリーに対して、アトレティコは資本参加しているワンダ・グループからサッカー研修で受け入れている中国人の子供たちを総動員。 ▽マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場を舞台に、いえ、まさかこのビデオを撮影するため、コパ・デル・レイ準々決勝2ndレグ参加を免除されたとは思いませんでしたけどね。1人、主役を張ったグリースマンがお馴染みのゴールパフォーマンスを子供たちに指導って、いえ、最後は彼も中国語でちゃんと挨拶していましたが、もしやこれって、複数の選手に台詞を覚えてもらうのは大変だから?ちなみにそのワンダ・プロジェクトで来ている中国人少年たちはアトレティコの試合の日、よくビセンテ・カルデロンのスタンド最前列で揃いのジャージを着て見学しているんですが、そういう提携が日本企業との間にもあれば、もっと日本のアトレティコファンも増えてくれるかもしれませんね。 ▽え、その前に彼らはサッカーでファンを魅了しないといけないんじゃないかって?そうですね、今週はコパ準決勝進出が決まったアトレティコですが、エイバル戦2ndレグでもどこかフラストレーションが溜まるプレーぶりは変わらず。近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた前半が0-0で終わった時には、「1stレグが3-0で大勝だったし」、「フェルナンド・トーレスとガメイロのツートップは初めてだって言うし」と、私も自分で自分を慰めるしかなかったんですが、それでも後半開始すぐの3分にはガイタンのCKからヒメネスのヘッドが決まり、先制点が入ってくれたから、ホッとしたの何のって。 ▽でもねえ、この日も最近の悪癖は直らなかったんですよ。後でファンフランも「Nos relajamos un poco despues de marcar el 0-1/ノス・レラハモス・ウン・ポコ・デスプエス・デ・マルカル・エル・セロ・ウノ(ボクらは0-1にした後、少しリラックスしてしまった)」と言っていたんですが、追加点も狙わず、うだうだやっていれば、いくら「ウチのコパでの目的はリーガでプレーしていない選手たちをプレーさせること」というメンディリバル監督だって色気を出しますって。ええ、残り15分程になったところで、主力アタッカーのエンリッチとペドロ・レオンを投入。そこから1分もしないうちに後者のシュートがGKモヤを強襲し、弾かれたボールを前者が器用なvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んで、エイバルに同点にされているのですから、困ったもんじゃないですか。 ▽その後も敵の攻勢が続き、35分にはルベン・ペニャのクロスを今度はペドロ・レオンがすくってネットに収め、リードまでされてしまったアトレティコでしたが、まあこの日はツイていましたね。39分には途中、ベルサリコが入ったため、中盤にポジションを上げていたファンフランがガビのロングボールに合わせて見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)!これがゴールとなってくれたため、スコアは2-2となり、そのまま試合は引き分けで終わることに。総合スコアも4-2ですから、2ndレグで終盤に2-3とされ、総合スコア4-3でかろうじて逃げ切った16強対決ラス・パルマス戦よりはマシだったんですが…もうちょっと教訓を生かせないもんでしょうかね。 ▽そして続いてのマドリーの2ndレグは急いで家に帰り、オープン放送のGolTVで見た私だったんですが、こちらはまだ獲得したことのないコパのタイトルが近付いているとあって、セルタのサポーターの気合の入れようが違ったの何のって。ええ、半分ぐらい空席だったイプルア(エイバル)と対照的にバライドスのスタンドは満員、聞けばキックオフ1時間半前には“Gran Quedada/グラン・ケダダ(大結集)”と銘打って、ファンがスタジアム入りするチームバスをお出迎えしたのだとか。そのbengala(ベンガラ/発煙筒)が盛大に燃えまくっている様子は、マドリーがremontada(レモンターダ/逆転劇)を必要とする際、サンティアゴ・ベルナベウ近辺で見られる風景とかぶりましたが、いやいや、お間違えなく。1stレグで1-2と勝っていたのはセルタの方です。 ▽実際、試合も逆転が必要だったマドリーが勢いよくスタートしたんですが、「El Madrid es favorito en cualquier partido contra cualquier rival del mundo/エル・マドリッド・エス・ファボリートー・エン・クアルキエル・パルティードー・コントラ・クアルキエル・リバル・デル・ムンド(マドリーはどんな試合でも、相手が世界のどこのチームであっても本命)」と、1stレグに続いて、ベリッソ監督の慎重姿勢は変わらぬまま。トレードマークの攻勢には出ず、「La defensa de tres nos obligo a cambiar de tactica/ラ・デフェンサ・デ・トレス・ノス・オブリゴ・ア・カンビアール・デ・タクティカ(DF3人体制には戦術変更を余儀なくされた)」(ベリッソ監督)という割にはよく守っていましたが、だからって前半25分、イスコのクロスをロンカリアと一緒にロナウドがヘッドしたボールがゴールバーを叩いてしまったのはともかく、当人が跳ね返りをただ押し込むだけのシュートをポストに当ててしまったのは、決して相手のせいにはできなかったかと。 ▽え、でもマドリーにはそれ以上に間の悪い選手がいなかったかって?その通りで、いえ、試合前日にいきなりバランの負傷欠場が決まったため、急遽、ラモスとナチョと共にCBをやることになったカセミロがクリアボールをエリア内のイアゴ・アスパスに送ってしまったりとか、その前にもピンチはあったんですが、ダニーロはちょっとお祓いにでも行った方がいいかも。だってえ、どちらも無得点のままだった前半43分、あと少しでハーフタイムというところでセルタのカウンターがはまり、グィデッティがフリーで撃ったシュートはGKカシージャがparadon(パラドン/スーパーセーブ)。そこへ彼がタイミングバッチリで突っ込んで、オウンゴールにしてしまったんですよ。 ▽それもリーガ前節のセビージャ戦でオウンゴールをしながら、次のマラガ戦では2得点してヒーローになったラモスとは真逆で、ダニーロの場合は16強対決セビージャ戦2ndレグに続いての先制点献上。うーん、サンティアゴ・ベルナベウではpito(ピト/ブーイング)の標的になってしまったため出せず、だからといってアウェイではオウンゴールではジダン監督も彼のこれからの処遇に困ってしまうかと思いますが、もちろんこの程度の逆境でギブアップするマドリーではありません。ええ、後半16分にはロナウドが直接FKを決めて、逆転まであと2点に再び戻したんですが…。 ▽まさか39分になって、昨季ラージョ(今季は2部)で活躍し、夏にフラムに移籍。イギリスでは日の目を見ず、この冬からセルタに加わったホサベドが戻したボールをバスにエリア外から決められてしまうとは!この辺も彼を始め、多くの主力選手を先週末のリーガ戦で温存したベリッソ監督の思惑が当たったことになりますが、44分を過ぎてから、ルーカス・バスケスのヘッドで同点にされた時は相当、ヒヤリとしたことかと。何せ、相手には後半ロスタイムに奇跡を起こす選手がいましたからね。とはいえ、いつも起きる訳ではないから奇跡と呼ばれるのは当然のことで…。 ▽その日、セットプレーから2度のヘッドを失敗したラモスも「Hoy la he tenido mas facil que nunca y la he echado fuera/オイ・ラ・エ・テニードー・マス・ファシル・ケ・ヌンカ・イ・ラ・エ・エチャードー・フエラ(今日は今までにない程、簡単だったのに外してしまった)」と嘆いていましたが、結局、アウィエゴールでの勝利が叶うあと1点は取れず、マドリーは総合スコア4-3で準々決勝敗退に。うーん、それでもジダン監督は「感触的にはポジティブ。ウチがいい試合をしたという意味ではね。Hay que pelear Liga y Champions/アイ・ケ・ペレアル・リーガ・イ・チャンピオンズ(リーガとCLを争わないといけない)」と、スペイン新記録の公式戦40試合無敗を続けていた頃には公然を言われていた、クラブ史上初の“toriplete(トリプレテ/3冠優勝)”の夢が早くも消えてしまったのにはそれ程、落胆している風には見えませんでしたけどね。 ▽ただ、いきなり負傷禍に襲われたという不運はありますが、先日負けたリーガのセビージャ戦に続いて、この試合では影の薄かったベンゼマを最後まで代えなかったり、ルーカス・バスケスやモラタを入れるのが遅かったり、終盤はマリアーノも入れてFW4人状態だったにも関わらず、成果が出なかったりと、イロイロその采配に批判はなきにしろあらず。逆に敗退の利点はこの先、2週間ミッドウイークが空いて、2月中旬のCLベスト16、ナポリ戦1stレグに余裕を持って備えられることですが、でもねえ。リーガの方もこの週末のレアル・ソシエダ戦が分岐点になりかねない危険性が。 ▽まあ、今は2位セビージャとの勝ち点差が1しかないマドリーとはいえ、クラブW杯参加で延期したバレンシア戦が残っていますから、そこまで身構えなくてもいいんですけどね。とはいえ、長期離脱中のベイルはもちろん、バランやモドリッチもまだ間に合わず、マルセロ、カルバハルは復帰目標がCL戦、12月初旬以来、欠場が続くペペ、筋肉痛が左ふとももから右に移ったというハメス・ロドリゲス、ビゴ(スペイン北西部の海辺の街、セルタのホームタウン)遠征には同行したものの、出場できる状態なのかどうか定かでないコエントランと内実は複雑なようですが、当面、人手不足が続くのは辛いかと。 ▽そこへブーイングを恐れてダニーロやベンゼマの起用も考えなければならないといった条件が加われば、いくら相手が木曜にカンプ・ノウでバルサに5-2と叩きのめされ、総合スコア6-2でコパを敗退したショックと疲労が残るソシエダだとしても、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)の一戦はかなりハードになりそうな。ええ、ここ5試合で1勝しかできていないジダン監督も今が踏ん張りどころかもしれません。 ▽一方、アトレティコはこの週末、リーガでバスク地方3連戦最後のアラベス戦なんですが、いやあ、できればこれが4連戦になってくれればいいと願っていたファンがどんなに多かったことか。というのも金曜にはコパ準決勝組み合わせ抽選があったんですが、実はアラベスは火曜にマドリッド2部の弟分、アルコルコンとの準々決勝2ndレグを0-0で終え、総合スコア2-0で先陣を切って突破を決定。その瞬間から、敵を討つのはアトレティコと、私なんか勝手に決めていたんですが、そうは問屋が卸しませんでした。そう、当たっちゃったんですよ、バルセロナが。 ▽え、でも昨季のアトレティコはCL準々決勝で彼らを破っているじゃないかって?そうなんですが、2年前はコパ準々決勝で負けていますし、シメオネ監督は「優勝するには常にマドリーかバルサを倒さないといけないことにウチは慣れている。Nos lo tomamos como algo normal/ノス・ロ・トマモス・コモ・アルゴ・ノルマル(普通のこととして受け止めているよ)」と言っていたものの、このところのプレーぶりではとても太刀打ちできるようには思えず。MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)が本調子になっているのも憂鬱ですし、それより何よりアトレティコの選手たちの頭がアラベス戦を通り越して、来週水曜にバルサをビセンテ・カルデロンに迎えることでいっぱいになってしまったら、どうしましょう! ▽うーん、それは準決勝をセルタと戦うことになったアラベスも同じ、ひいてはコパのために再び主力温存する予定のセルタと土曜にリーガで当たるレガネスにとってもラッキーなんですが、よくわからないのはアラベスのペジェグリーノ監督がここまでのローテーション策を変えてくるかどうかということ。ええ、彼らはエイバル型で、今季アトレティコからレンタルで修業に出ているルーカスの年子の弟、左SBのテオなど、リーガではレギュラーなんですが、コパにはほとんど出ていなかったりと、かなり両大会でのメンバーが違うよう。ただし、セルタ同様、アラベスも準決勝出場経験はあってもまだ優勝はしたことはありません。 ▽しかも両チームとも今季のリーガ前半戦でバルサに勝っているとなれば、ますますコパ決勝進出に全精力を懸けたくなると思いますが、こればっかりはねえ。とりあえず、土曜のアラベスvsアトレティコ戦は午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からキックオフ。アトレティコの方は現在、3位と勝ち点差6の4位とまったく余裕がありませんし、相手は第1節にホームで1-1と不覚を取り、イレギュラーなシーズンを過ごすキッカケになったチームですからね。加えて、今も12位と調子を維持しているため、エイバル戦で休んだグリースマン、ゴディンら、ベストメンバーを揃えて挑むのは当然ですが、先もあることですから、とにかくケガ人だけは出さないでくださいね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.01.28 09:45 Sat
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【倉井史也のJリーグ】やっと移籍が決まったあの選手について今週は語らせてもらおうかの?!の巻

▽ま、今週は前半の日程が発表されたからそのことにも触れたかったけど、ちょっといつもとは趣を変えてやってみようかと思ってるわけです。 ▽このコラムで個人のことを取り上げるのは滅多にないんですけど、実は気にしてる選手や監督が結構いて、そんな人たちが一向に名前出てこないと焦ったりしてるわけですよ。どうするんだろうって。そんな勝手に心配してる1人が今週契約したわけです。 ▽もうチームは始動してるし、ちょっと遅れたけど、そこはこっからの根性で取り戻すしかないっしょ。いつものコラムならここで名前を焦らすけど、今週はあっさり言っちゃいます。鳥栖に行くことになった水野晃樹! よかった、よかった。 ▽いや、そんなに仲がいいってワケでもないんですよ。そりゃ何度か話はしたけど、まぁ距離はあるというか。それでも、いつも気になっちゃったのです。だって、オシムジャパンの最初のころの扱いから考えると、今の感じはないんじゃ無いのって? ▽2006年ドイツワールドカップで日本が惨敗して、イビチャ・オシム監督が就任したとき、みんないろんな変革を期待したわけですよ。オシム監督はメンバー発表で思いっきり少ない人数しか明らかにしなかったり、千葉勢を多用して驚かせたり。その中で水野も代表に入ってきたんですな。しかもものすごく期待されて。 ▽だけど、オシム監督は「ボールと遊ぶ」と結構厳しい評価をしたりして、巻誠一郎、阿部勇樹や羽生直剛、山口智なんかに比べると「見習い」的なことを言ってたりしたんです。それでも才能は認められてたから、中村俊輔と同じセルティックに移籍して、2009年はハーフライン付近からの独走シュートなんか決めちゃったりして。 ▽ところがなかなか出場機会がなくて、日本に帰ってきたけど柏じゃ前十字靱帯ケガして、その後甲府、千葉、仙台とやっぱりケガなんかで大変な選手生活送ってるんです。 ▽で、鳥栖ってとこがいいじゃないですか。かつて鳥栖から神戸に移籍した藤田直之は「神戸より鳥栖のほうが練習は厳しかった」と語っていたし、今年札幌に移籍した早坂良太も「鳥栖出身だから走れます」と言ってたし。鎌田大地が「フィジカルが弱いと言われてたから鳥栖を選んだ」と言ってたのと同じで、水野が鳥栖に入ったらバリバリ走れるようになるのは間違いなし! もしかして、ムキムキになってヘディングも強くなるかも!! ▽と、すごく心配してたし気にしてるので、ハードトレーニングでのケガだけは止めてくださいね……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.01.27 00:21 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】J1移籍&戦力展望②

▽先週のコラムではJ1リーグの簡単な展望を紹介した。神戸に加入の噂があるルーカス・ポドルスキについては進展がなく、2月25日の開幕戦に間に合わないという報道も出てきた。移籍話が表面化したことで、ドイツメディア『エクスプレス』によると、神戸は移籍金300万ユーロ(約3億6000万円)を提示したものの、ガラタサライは400~500万ユーロ(約4億8000万~6億円)もの上乗せを求めているという。ここらあたりが移籍交渉の難しいところでだろう。 ▽逆にFC東京は、FCソウルから元日本代表MFの高萩洋次郎を完全移籍で獲得した。石井強化部長は「攻守のバランスを考えるとMFの補強を、より高いレベルの選手を考えている」と話していた通り、これで大型補強は完了したようだ。ただ、高萩はFCソウルではトップ下でプレーしていた。FC東京にはMF東慶悟という昨シーズンはトップ下にコンバートされたことで復活した選手がいる。高萩と東を併用するのか。それともケガを抱えながらプレーしているボランチ梶山陽平のバックアッパーとなるのか。改めて篠田監督の手腕が注目される。 ▽といったところで、J1リーグの開幕カードが決定した。注目カードは、昨シーズンは年間5位と躍進しながら、主力のMF家長昭博と泉澤仁の抜けた大宮が、同じく得点源のFM大久保嘉人を失った川崎Fとの一戦だ。家長の移籍先が川崎Fということもあって注目を集める開幕戦だが、家長は大久保のような純粋なストライカーではない。このためFW小林悠にかかる負担は増すだけに、今後はFW齋藤学(横浜FM)を獲得できるかどうかも焦点になる。 ▽対する大宮は清水からFW大前元紀を、湘南からMF長谷川アーリアジャスール、柏からMF茨田陽生を補強したものの、家長のキープ力と泉澤の突破力を補えたかといえば疑問が残る。FWドラガン・ムルジャの残留は好材料とはいえ、彼が生きたのも家長がいたからこそ。大宮は川崎Fに続き、大型補強を敢行したFC東京、MF中村俊輔とFW川又堅碁を獲得した磐田と対戦する。この3連戦をいかに乗り切るかで今シーズンの行方を占うことができるだろう。 ▽次に注目したいのが、MF中村俊輔やDFファビオとDF小林祐三を失った横浜FMだ。DF陣には新潟から松原健、柏から山中亮輔を補強し、前線にはレッドスターからFWウーゴ・ヴィエイラを獲得した。しかしながら、これで中村の穴が埋まったとは思えない。モンバエルツ監督が選手任せのサッカーから進化しなければ、J1残留争いに巻き込まれる可能性もある。 ▽開幕まではまだ1カ月近くあるため、今後もアッと驚く移籍があるかもしれない。キャンプ地でのテストマッチも含め、面白い話題があったら紹介したいと思う。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.01.26 10:00 Thu
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【東本貢司のFCUK!】モード、セリフ、ムード

▽ユルゲン・クロップの顔から笑顔が消えた。気が付けばセットバックモードに入っている。その序曲は、マン・シティーを葬った直後、中二日のサンダランド戦ドローだった。つまり「2017年」というキーワード。以後5試合、勝ったのはFAカップ3回戦(対プリマス)のみ。その、弱小相手ですら、ホームで無得点ドロー、敵地でやっと1-0の辛勝だ。とどめが、悪夢のようなスウォンジー戦の競り負け。苦悩の訳は歴然としている。サンダランド、プリマス、スウォンジー…一体、どこの誰が、この“3弱”に、チェルシー追撃の一番手を走っていたレッド・マージーサイダーズが手こずるなどと思ったろうか。そんな最中のレジェンド帰還。スティーヴン・ジェラードのお出まし、コーチ就任発表。大歓迎? それはそうだろう…いや、そうなのか? ジェラードは早速チクっと(クロップの戦術に)やったではないか。おまけに補強の目論見も思うように運んでいない。だめだクロップ、ここで弱音を吐いていては。少なくとも余裕の笑顔はキープしなきゃ。 ▽残り16試合。ディエゴ・コスタ問題がクリアになった(らしい)チェルシーのこれからをざっと俯瞰してみよう。今月末、そのリヴァプール戦がある。アウェイだ。ここで弱り目のクロップにさらに塩をなすりつけようものなら、ライバルを一つ(形而上)蹴落とせる。続いて、中三日でガナーズとの天王山。ここでも、今度はホームの地の利で乗り切れば、優勝マジック(そんなものはないが、いわば心理的な意味で)が見えてくる。3月末のストーク戦(アウェイ)は注意を要するとしても、残る目立った障壁は、4月初旬のシティー戦(ホーム)と、同中旬のユナイテッド戦(アウェイ)くらいだ。ただし、たぶんFAカップも絡んでくるだろうから、一番の敵は過密日程。ただでさえ、4月はリーグ戦だけで6試合も詰め込まれている。その締めにやってくるのが、やはりただでは済まないアウェイのエヴァートン戦。その時点でいくつかポイントを落としていた日には、プレッシャーが心身に“圧って”くる。グディソンのエヴァートンは、チェルシー最大の鬼門なのだ。 ▽そこでふと、奇妙なひらめきが頭をよぎる。もしも、コンテ・チェルシーに引導を渡す主役の座に躍り出るかもしれない、最大の敵となり得るのは、一応曲がりなりにも、いや、ぎりぎりタイトルレースにひっかかっていて、「6強」のうち最も遠いところにいるユナイテッドではなかろうか、と。一種の“魔法的”インスピレーションが、突然降って湧いたからだ。今シーズンに入ってまったくと言っていいほど沈黙を守り続けてきたサー・アレックスが、ジョゼ・モウリーニョの古巣チェルシーにはまったく縁起でもないセリフを公にしたのである。「モウリーニョはやっと“解答”を見つけたようだ」。おそらくは、ウェイン・ルーニーのクラブレコード更新について、メディアから意見を求められたついで辺りだったのだろうが、仮にお世辞めいたニュアンスが少しは含まれていたとしても、ジェラードよりどんと“格上”のレジェンドが、軽くない口調で言い切った事実は、モウリーニョの因縁渦巻くスタンフォード・ブリッジに、鬱陶しくもこだましたはずである。 ▽賢明なる読者諸兄なら、きっとひらめいたのではあるまいか。そう、これはまさに、サー・アレックス・ファーガソンの十八番の一つ、あの「マインドゲーム」(の引退後版)に違いない? いや、さしもの彼も、まさか奇跡的逆転優勝があるとは思ってもいまい。ここまでユナイテッドが何度も“喫してきた”1-1のドローゲームを「悔やんで」、「それらさえ勝ち切っていたら」などと、当たり前の算盤勘定を開陳しているくらいだから。しかし、蜂の一刺しくらいならあるぞ、と“冷やかして”いるのだ。ユナイテッドを勝ち運に乗せた最大の要因は、センターバックコンビの固定・安定。復活したフィル・ジョーンズとサイドから中に入ったロホが、思わぬ相性の良さで堅守を象徴している。ファーギーはそのことをあえて口にしてはいないが、“現役”時代の彼を振り返れば、きっとこの点に「モウリーニョが見つけた解答のキモ」を見出しているはずである。唯一の不安、ポグバのセレブ気取りさえ抑制が利いていけば、現在のユナイテッドには穴らしいものがない。心機一転のルーニーを思い切って先発から使える“本チャン・モード”もプラス要素だし。 ▽とか何とかの一方で、一番“カヤの外”ムードに落ち込みつつあるのが、開幕10連勝だったシティーとは、皮肉なものである。先日の「白旗宣言」もそうだが、ペップ・グアルディオラがめっきり(クロップよりもはるかに)弱気モードで、ほとんど目も当てられない。「自分は(シティーに、プレミアに)合っていないのかもしれない」?「自分は言うほど(監督として)良くないのかも」? この期に及んでそれを言っちゃぁおしまいだろう。それを「合わせる」のが「名将」の矜持、仕事じゃないんですか? 百歩譲って、絶対に口にしてはいけない、指揮官にあるまじきセリフ。はっきり言って、これでプレーヤーたちがシラけモードに入らないと考えるほうが不思議だ。あえて意地の悪い表現を取るならば、独りよがりの言い訳、自分ファーストの身勝手さ暴露、ではないか。案の定、ホーム・スパーズ戦の快勝ムードを台無しにする、負けに等しいドロー。これは、その前の対エヴァートン惨敗よりもタチが悪い。さあどうするペップ、このまま負け犬で去るわけじゃ?【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.01.25 10:30 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】どのチームも悩みはある…

▽「困っていても補強はできないのよね」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、リーガのシーズン前半戦が終わったマドリッドの2強に多々、問題が発覚しているのがわかったときのことでした。いえ、クラブW杯のため、2月に延期されたバレンシア戦を済ますまでもなく、“Campeon de Invierno/カンペオン・デ・インビエルノ(冬のチャンピオン)”となったレアル・マドリーは、成績的には文句のつけようがないんですけどね。最悪なのは人手不足で、元々、ベイル、ペペ、カルバハルを負傷で欠き、コエントラン、ハメス・ロドリゲスも容体が定かではないものの、体調不良でしばらくベンチ外が続いている上、前節の試合でマルセロとモドリッチもケガしてしまうことに。 ▽後者は筋肉痛ということで、1週間程で治りそうなんですが、とりわけ左太ももの肉離れを起こしたマルセロに至っては全治1カ月。しかもマラガ戦ではベンチにいたものの、ダニーロもヒザを痛めているとなれば、いえ、チームには「もうずっとポジションを変えてプレーしている。同じ試合の中でもね。Es importante jugar y hacerlo bien/エス・インポルタンテ・フガール・イ・アセールロ・ビエン(プレーして、そして上手くやるのが大事なのさ)」というスーパーマルチDF、ナチョがいますけどね。とはいえ、SBは左右2人必要なため、彼が両方やる訳にはいきませんし、となると当分、右SBはルーカス・バスケスにお願いするしかない? ▽うーん、本人は「Es fácil jugar en cualquier posición en este equipo/エス・ファシル・フガール・エン・クアルキエル・ポシシオン・エン・エステ・エキポ(このチームなら、どこのポジションでプレーするのも易しい)。チームメートが凄いから、どこでも快適だよ」と言っていましたけどね。ベイルが足首の手術のリハビリ中でいない今、右の前線でも頼りにされていた彼だって、同時に上と下にいる訳にもいかないのでは?だったら、こういう時こそ、お金持ちクラブの強みを生かして緊急補強すればいいのにと思いますが、あいにくこの冬のマドリーは未成年選手獲得に対するFIFAの処分で選手の新規登録ができず。 ▽これはお隣さんも同じなんですが、アトレティコの場合はとにかくこのままだと、またB級チームに戻ってしまいそうだから。だって、シーズン前半戦の獲得勝ち点が今季はシメオネ監督の5年間で最少、たったの35ポイント(19試合全勝だと57)しかないんですよ。昨季より9、優勝した2013-14シーズンより何と15も少ないそうですし、得点数は34と昨季と変わらないものの、失点数が16と2倍に。現在、負傷者はGKオブラクとチアゴ、ヒザの靭帯断裂で長期離脱のアウグストだけですが、これって要はゴール数をガンガン増やしてくれるアタッカーか、守備力を上げるDFが必要ってことじゃない? ▽何せ、先週末の結果では上位3チームが勝利して、アトレティコは引き分け。4位のままではあったものの、勝ち点差がそれぞれ8、7、6と大きく開き、更にはレアル・ソシエダにも同勝ち点で並ばれてしまいましたからね。もうこうなると、ビセンテ・カルデロンでの最後の試合がCLプレーオフになるかもというのはまだしも、下手したら、9月にオープンする新しいホーム、ワンダ・メトロポリターノでの最初のシーズンは収容人数が大きく増えたのが逆に仇になり、スタンドすかすかのヨーロッパリーグを見ることになるかもしれないという、私の冗談が本当になってしまう恐れもなきにしろあらず。 ▽いえ、コケなど「queda una segunda vuelta ilusionante/ケダ・ウナ・セグンダ・ブエルタ・イルシオナンテ(期待の持てる後半戦が残っている)」と言っていましたし、組み合わせの妙で、今季ここまで7位以上の6チームの対戦で勝ち点2しか取れていない彼らですが、後半戦はマドリー以外、セビージャ、バルサ、ソシエダ、ビジャレアル、アレティック全てをビセンテ・カルデロンで迎え撃つという地の利はありますけどね。もっと非現実的な夢を言えば、CLに優勝すれば、来季のグループリーグ出場は保証されるんですが、はあ。取らぬ狸の皮勘定をしていても仕方ないので、とりあえず、先週末の試合の様子をお伝えすることにすると…。 ▽寒波の名残りはあったものの、まだ明るい午後4時過ぎのキックオフだったのに助けられ、サンティアゴ・ベルナベウの暖房の下で比較的快適に私も観戦できた土曜のマドリーvsマラガ戦では、先制点が入る前にアクシデントが発生。そう、開始25分にマルセロがケガしてしまったんですが、ダニーロでなく、イスコが代わりに入ったため、ここから右SBだったナチョが左に移り、ルーカス・バスケスが右SBを務めるように。ただ、それはあまり勝敗に関係なかったんですよね。というのも、クリスチアーノ・ロナウドもベンゼマも不調の今日この頃、キャプテンのセルヒオ・ラモスがチームをしょって立ってくれたから。まず35分にはクロースのCKをヘッドで叩き込み、先日のセビージャ連戦で散々、サンチェス・ピスファンのサポーターから貶められた自分の母親に捧げると、42分にも再びクロースの放ったFKを流し込んで1人で2ゴールをゲット。 ▽この2点目は、後半18分にはファンカルのシュートをGKケイロル・ナバスが弾いたボールを落ち着いてシュート、マラガに期待を持たせる1点を決めたファンピも、後で「ここで勝ち点を稼ぐ可能性は最小というのはわかっていたけど、un gol en fuera de juego fastidia/ウン・ゴル・デ・フエラ・デ・フエゴ・ファスティディア(オフサイドのゴールはムカつく)」と言っていた通り、スコアに上がったのは審判のミスだったんですけどね。実際、マラガの選手たちも十分、用心しながら、「A veces Ramos es imposible de frenar/ア・ベセス・ラモス・エス・インポシーブレ・デ・フレナル(時々、ラモスは阻止不可能)」(“ガトー”・ロメロ監督)であるこのセットプレー力は恐るべし。ええ、これで今季リーガ通算6得点としたラモスは、ベンゼマやモラタの5本を抜いて、12本のロナウドに次ぐチーム2番目のストライカーになってしまいましたよ。 ▽結局、ファンピに続くチョリのシュートがナバスに弾かれてしまったため、そのまま2-1で勝利。先週末のセビージャ戦、ミッドウィークのコパ・デル・レイ準々決勝セルタ戦1stレグと続いた黒星を2で止めることができたマドリーですが、実はスタジアムの雰囲気はあまり良くなくて、何度かチャンスに失敗したロナウドやベンゼマにはpito(ピト/ブーイング)も飛ぶ始末だったんですけどね。それには試合終了から約1時間半後、ロッカールームのジャグジーで長湯をしているから、いつも出て来るのが遅いんだろうという私の想像とは逆に、冷水浴で筋肉の疲れを癒してからミックスゾーンに登場したラモスも「En los momentos difíciles uno necesita cariño no más palos/エン・ロス・モメントス・ディフィシレス・ウノ・ネセシータ・カリーニョ・ノー・マス・パロス(困難な時には棒で叩かれるのではなく、愛情が必要)」と苦言を呈していましたが、これはいわば、サンティアゴ・ベルナベウの伝統のようなものですからね。 ▽またgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まれば、ファンの不満も静まると思いますが、さて。何せ、彼らは今週、1-2で負けたコパ1stレグの結果をバライドスでremontada(レモンターダ/逆転)しないといけませんからね。それもマラガ戦の後半、交代となったモドリッチは抜きで、月曜にはまだ足の甲を痛めたロナウドも、軽傷と言われているダニーロもハメス・ロドリゲスも全体練習に加わっておらず、試合に間に合うかわからない状態で果たさないといけないのは辛いところかと。 ▽おまけに相手のセルタはコパを至上優先課題にし、日曜のソシエダ戦ではワス、マルセロ・ディアス、ジョニーをベンチに入れず、エースのイアゴ・アスパスもプレーは数分間だけと、思いっきり主力メンバーを温存。同じ1stレグでバルサに0-1で負けただけ、まだ理論的には突破の可能性もあるソシエダがリーガの方に全力を注ぎ、勝利をもぎ取ったのとは対照的でしたが、奇しくもマドリーの次節の相手はそのソシエダなんですよ。しかもまたホームゲームなので、うっかり水曜午後9時15分(日本時間翌午前5時15分)からのセルタ戦でコパ敗退が決まったりすると、日曜の試合でもファンの愛情は感じづらくなるかもしれませんね。 ▽そして土曜の次の時間帯ではレガネスがアラベスとメンディソローサで対戦。2度リードを奪われたものの、その度にゲレロ、インスアのゴールで追いつき、最後は2-2で分けるという熱戦を演じてくれたため、火曜にコパ1stレgでの0-2の負けを引っくり返すべく、同スタジアムに乗り込むマドリッド2部の弟分、アルコルコンに少しは協力してあげられた?いえ、実際はアラベスもコパとリーガでローテーションをしているため、むしろこの日プレーした選手たちは土曜の兄貴分との一戦でリピート、アトレティコの面々が顔を合わすことになるんでしょうけどね。ヨーロッパの大会でミッドウィークにプレーするのに慣れているビッグチームと違い、相手は昇格組だけにそろそろ、息切れもあるかと。レガネスも今週末はセルタ戦なので、体力的には有利になりそうです。 ▽え、それでアトレティコはここ4年間、連勝していた新しいサン・マメスでどうして勝ち点を落とすようなことになったのかって?うーん、開始2分には「Yo he centrado y parece que él le había dado/ジョ・エ・セントラードー・イ・パレセ・ケ・エル・レ・アビア・ダードー(ボクはクロスを出して、彼が蹴ったように見えた)」というコケのボールが、前をグリースマンが通ったせいで、GKイライソスを幻惑。そのままネットに入って先制点となった時には、今季も行けると私も思ったんですけどね。でもまさか、それだけで選手たちが満足してしまうとは、これ如何に! ▽ええ、後でサウルも「Creo que cometimos el error de irnos atrás con el 0-1, teníamos que haber ido a por el segundo/クレオ・ケ・コメティモス・エル・エロール・デ・イルノス・アトラス・コン・エル・セオ・ウノ、テニアモス・ケ・アベール・イドー・ア・ポル・エル・セグンド(ウチは0-1で引いてしまうというミスを犯したと思う。2点目を取りに行かなきゃいけなかった)」と反省していたんですが、ボールを敵に渡してカウンター狙いも作戦のうちとはいえ、せっかくグリースマンがロングパスで作ったチャンスもカラスコが枠を外しては。そうこうするうち、勢いがついてきたアスレティックに41分、レクエのエリア外からのシュートで同点にされているんですから、本当に学ばない人たちじゃないですか。 ▽それどころか、後半10分にはラウール・ガルシアに古巣へ恩返しクロスを上げられて、エリア内には5人もアトレティコの選手がいながら、デ・マルコスに悠々、ヘッドで2点目を決められる始末。これにはシメオネ監督も焦ったか、フェルナンド・トーレス、コレア、ガイタンと次々アタッカーを投入したんですが、事態を打開してくれたのはソシエダからアトレティコに移籍してきたシーズン、前年までのライバルのホームでハットトリックを挙げて以来、調子に乗っているグリースマンでした。ええ、敗色濃厚となっていた35分、地を這うミドルシュートをゴール左端ギリギリに撃ち込んで、「Una genialidad de Antoine nos ha dado el empate/ウナ・ヘニアリダッド・デ・アントワーヌ・ノス・ア・ダードー・エル・エンパテ(グリースマンの天才的才能がボクらに引き分けを与えてくれた)」(コケ)のですから、どんなにありがたかったことか。 ▽これには当人も「C'est ma maison ici!(ここはボクの家だ)」と叫びながら、大喜びしていましたが、うーん、それにつけても悲しいのはアトレティコにもっと沢山、天才的な選手がいないこと。やはりグリースマンだけでは逆転までには及ばず、そのまま2-2で引き分けてしまいましたが…シメオネ監督は「Me voy satisfecho porque vamos creciendo/メ・ボイ・サティスフェッチョー・ポルケ・バモス・クレシエンドー(ウチは成長し続けているから、私は満足して帰れる)」と言っていたものの、この結果じゃねえ。上位に離されるばかりなんですから、きっとまだまだ成長が足りないんでしょう。 ▽そんなアトレティコはこの水曜午後7時15分(日本時間翌午前3時15分)から、エイバルとのコパ2ndレグに挑むんですが、リーガがこの調子ですからね。同日、相手がバルサに0-4の大敗を喫したのは何の参考にもならないんですが、先週の1stレグに3-0で勝っているのは心の支えになるかと。ええ、クラブ史上初の準々決勝進出だったにも関わらず、控えメンバーを並べてきたエイバルのメンディリバル監督となれば、これだけ差がついている2ndレグに主力メンバーを投入するとは考えにくいですしね。だったら、グリースマンを温存しても準決勝の切符は何とか手に入れられるのでは?うーん、ここまで来れば、もうコパ獲得は現実的な目標ですが、これに優勝してもヨーロッパリーグ出場権しか手に入らないというのは冷たいけど、厳しい現実です。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.24 09:45 Tue
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【東本貢司のFCUK!】土壌の差、性格の差

▽果たして「名将」とは何か、その条件とは? 俗に「名プレーヤー、名将ならず」という言葉がある。例えば、フィールドの“鬼将軍”ドゥンガとロイ・キーンは名将たり得なかった。現役時代、ピッチ上であれほどチームメイトが委縮してしまわないかと心配になるほど吼え、怒鳴りつけては叱咤激励し、傍目にはそれが勝利のメンタリティーを増幅したように見えたとしても、おそらくそれは、怒鳴りつけられた相手に才と力があってこそだった。我々は、ヨハン・クライフがバルセロナで何を成したのかは知っていても、勝てないチームを勝てるようにしたのか、そのために彼が何を“変えた”のかと振り返ると、はたと答えに窮してしまうだろう。ごく普通の(知識先行の)ファン(および一部評論家すら)、「名将」といわれてすぐに指を数える名前を冷静に分析してみれば、ほぼ100%、そのチームには、優勝して何ら不思議ではないスターが揃っていたことに気が付くはずだ。 ▽だとしても、あえて「考え得る名将の条件」を思いつくままランダムに数え上げてみようか。まず「実績」は不可欠だ。それも「ありそうにない“土壌”から引き出して見せた実績」が。アレックス・ファーガソンは、辺境の弱小アバディーンを率いてグラスゴウ二大巨象の天下を打ち破って名を上げた。ジョゼ・モウリーニョの場合、多分誰でも「ポルトにトレブル制覇をもたらして・・・・」と話し出すだろうが、彼の「ありそうにない土壌」は、プレーヤーとしても指導者としてもほぼ無に等しいバックグラウンドを有していたことに尽きる。「どこの誰なんだ、この聞いたこともないポルトガル人の若僧は?」。そう、アーセン・ヴェンゲルだってそうだった。彼がアーセナルに舞い降りたそのとき、プロもアマチュアも、老いも若きも、コアなファンも一般人すらも、こぞって鼻で笑いながら首を傾げた。「アーセン・・・・誰?」。少なくとも当時の(いや多分、今も)極東の小さな、プロ化なって間もない国の「天皇杯」とかの価値どころか、名称すら覚束なかった時代なら。 ▽その辺りから引き出してみるとすると、第二の条件は「器」ということになろうか。ファーガソン、モウリーニョ、ヴェンゲル、そして多分クライフには、「名将足り得る器」があった。そこには、その器を“事前に”見抜いて登用、抜擢する誰かがいなければならなかった。ファーガソンにはボビー・チャールトン、ヴェンゲルには当時アーセナルの服チェアマン、ディヴィッド・ディーンがいた。チャールトンには、アフリカを中心に比較的後進のフットボール世界での豊富な見聞の蓄積があり、ディーンにはマニアックで近未来的フットボール観を発散する無名のフランス人に感銘するすばらしき直感が、あった。モウリーニョの場合はいささか逆説的だが、通訳身分でボビー・ロブソンのそばを片時も離れず、その、悪童ガスコインでさえ首を垂れるほどの計り知れない包容力とカリズマに打たれ、学び取ったものを自己流に法則化した。以上の分析はあくまでも筆者の“穿った要旨”だが、当たらずとも遠からずと少しは胸を張りたい。ストーリーは必ず存在するのだ。 ▽つい先日、もはやプレミア降格争いが定着したサンダランドのデイヴィッド・モイーズは「この(1月の)移籍ウィンドウでどれだけ補強できたところで、事態が劇的に好転するとはとても思えない。そもそも、それだけの資金もない」と厭世的弱音を吐いた。その通りだろう。ただし、一年前もほぼ同じ苦境に立っていたサンダランドが、2月以降、怒涛の反攻で残留を果たしたとき、助っ人マネージャーとして到来したサム・アラダイスが何をしたのかも忘れるわけにはいかない。アラダイスは悠々と、その反攻の直接の原資となった、しかも無名に等しい異邦の助っ人(ヤン・キルチョフ、ラミーン・コネ、ワハビ・ハズリ)を発掘補強し、最低限の仕事を成功させた。そう、何も名の知れた出来合いの大物を連れてくるだけが能ではない。おそらくは「見聞」と「直感」、そしてビッグ・サムならではの「思い切り」も作用したのではなかったか。せっかくのイングランド代表監督職を棒に振るほどの「おおらかな脇の甘さ」の所以・・・・それもまた、一つの「器」である。 ▽アラダイスもモイーズも、少なくともトップフライトでの優勝経験はない。だとすれば両名の差は、やはり性格の差。あえて言うならば、後者のユナイテッドとスペインで失敗を続けた負い目からくる生真面目な重さと、前者の「ま、しゃあないわな」と笑い飛ばしてしまえるほどの腰の軽さ。お忘れなきよう。ビッグ・サムはああ見えても戦術志向にけっこう辛く、グアルディオラ並とはいかずともプレーヤー管理の手綱さばきも辛いことで、知る人ぞ知る存在なのだ。どこか中途半端な印象を与えるモイーズの“正統志向”では、どこまで行っても付け焼き刃的梃入れしか望めそうにない。多分、彼自身、それに気づいている。だから、哀しきかな「少々補強できたとしても大きな違いは生まれそうにない」のだろう。もっとも、今回、アラダイスがクリスタル・パレスで同等の魔法を行使できるかどうかは神のみぞ知る。それは、モイーズほどくよくよ考え込まないタチで、アラダイスほどは呑気を気取れるとは思えない、クラウディオ・ラニエリにも同じ事が言えそうだ。 ▽ただ、レスターにはチャンピオンズ参入のおかげで少しは(少しどころじゃない?)カネがあるし、わずかながらサンダランドやパレスよりは立場に余裕がある。おそらくラニエリはすでに来シーズンを見越しているはず。それに、少なくともリーガで今、のし始めているセヴィージャと2試合できる余禄もある。ひょっとしたら“次”もあるかもしれない。失いそうなものよりも得るもの、いや、楽しめるものの方がはるかに多い。痩せても枯れてもプレミアのディフェンディングチャンピオン、腐っても鯛のオーラはさすがに捨てたものじゃない、というべきか。ところで、チャンピオンシップ(イングランド2部)では早、ニューカッスルとブライトンの一騎打ち模様。よほどのアクシデントでもない限り、いいや、3位以下の一進一退状況とを見れば、この2チームが来季のプレミアに上がってくる確率はかなり高いだろう。おや、その3位にリーズがいる。こちらこそまだまだ予断は許さないとはいえ、プレーオフ経由でやっとこさヨークシャーきっての名門の復活があるかもしれない。プレミア優勝争いよりもこちらの方が、より手に汗握ってしまいそう?【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.01.21 13:49 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】この気候は辛い…

▽「来週はもうあんな思いしなくていいのね」そんな風に私がホッとしていたのは金曜日。コパ・デル・レイが行われる水曜日にはこの大寒波も和らぎ、気温が少しは上がっているのを週間天気予報で確認した時のことでした。マドリッドの両雄、ついでに言えば、火曜日に試合となる弟分のアルコルコンも揃って準々決勝2ndレグはアウェイ戦。自分は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でぬくぬくして見ていればいいんですけどね。3チームとも北方面に行くという懸念はあるものの、とりわけremontada(レモンターダ/逆転劇)が必要とされるアトレティコ以外の2チームは、少しでも暖かい方がプレーしやすいんじゃないかと思ったから。 ▽水曜日に行われた準々決勝1stレグでアルコルコンが0-2と負けてしまったのは悔しいものの、リーガ2部では18位と降格圏のすぐ上。もうコパなどで道草をしないで、早々に順位を上げることに専念するべきじゃないかって? まあ、その通りですが、奇しくも相手のアラベスはこの土曜日に、すでにミッドウィークはフリーとなっているレガネスと対戦。 ▽ここでコパをプレーしたツケが出て、マドリッドの兄弟分に7試合ぶりのリーガ勝利をプレゼント。さらにその疲れから、アルコルコンに逆転勝ち抜けを許してしまうなんていうのは、私が勝手に書いた都合のいいシナリオなんですが…。後者はともかく、なかなか16位から上昇できないレガネスにはようやくルビン・カザニから、以前はマラガで活躍していたFWサム・ガルシアも到着しましたしね。シーズン前半戦ラストとなるこの試合、何とか勝ち点3を獲得して、後半戦での残留確定に弾みをつけてほしいところです…。 ▽一方、気温零度近辺という極寒の中、私がこの水曜日、木曜日と、上下でヒートテックを重ね着してスタジアムに行ったレアル・マドリーとアトレティコのコパの試合はどうだったかというと。結果から言うと、両者の明暗は分かれてしまったんですが、天井に暖房があるため、幾分、寒さがマシだったサンティアゴ・ベルナベウにセルタを迎えたマドリーは、後でカゼミロも「La derrota de Sevilla nos ha hecho daño/ラ・デロータ・デ・セビージャ・ノス・ア・エッチョー・ダーニョ(セビージャでの敗北がボクらに打撃を与えた)」と言っていたように、日曜日のリーガ戦で40試合連続無敗が途切れたショックから抜け切れていなかった様子。 ▽ええ、キックオフからバライドスでの2ndレグを考えていたセルタはずっとスローなテンポでプレーしていたんですけどね。それに対してマドリーも「ウチは準備していたようにやらなかった。とりわけスタート時に激しいプレーをすることをね」とジダン監督も言っていましたが、相手に合わせてしまったのか、その日の彼らは目が回りそうになったセビージャ戦とはまるでスピードが別物。ベンゼマやモラタをベンチに置き、2015年1月にアトレティコに敗退して以来のコパ出場となったクリスチアーノ・ロナウドをCFにした布陣も当たらなかったか、前半は両チームとも無得点に終わることに。 ▽ゲームが動いたのは後半の半ばで、最初の45分は相手のボール回しに苦しんだというセルタが「en la segunda ajustamos el marcaje/エン・ラ・セグンダ・アフスタモス・エル・マルカヘ(後半はマークを調整した)」(ベリッソ監督)が良かったんでしょうかね。64分、左サイドを疾走したボンゴンダがクロスを入れたところ、マルセロが踵でクリアしたボールがPKマーク付近にいたイアゴ・アスパスの正面へ。ここ12試合で12得点を決めている絶好調のFWがそんなおいしいチャンスを失敗するはずもなく、そのシュートで易々セルタに先制されたとなれば、スタンドで寒さに耐えていた観客の体感温度が一気にマイナスまで下がったのは間違いない? ▽でもそんなのは序の口です。いえ、70分にはモドリッチのクロスがマジョに跳ね返されたのをマルセロがvolea(ボレア/ボレーシュート)。ボールがロンカリアの背中に当たり、汚名返上の同点ゴールとなったんですけどね。その直後、セルタのキックオフからほとんど間を置かず、ルーカス・バスケスがアスパスにボールを奪われてしまったから、さあ大変!「Era una contra, tenía que elegir entre seguir o dársela a Jonny, y vi que Ramos dudó/エラ・ウナ・コントラ、テニア・ケ・エレヒル・エントレ・セギール・オ・ダールセラ・ア・ジョニー、イ・ビ・ケ・ラモス・ドゥド(カウンターで、自分はそのまま行くか、ジョニーにパスするか選ばないといけなかったんだけど、ラモスが迷うのを見てね)」という当人は後者を選択。小柄な左SBの一撃が勝ち越しゴールとなってしまった日には、勇気を振り絞って、家から出て来たファンも後悔していたかも。 ▽いやあ、その後も同点ゴールを求めてジダン監督がダニーロをベンゼマと交代したところ、ブラジル人右SBの働きに不満だったスタンドからpito(ピト/ブーイング)は飛ぶわ、セビージャ戦で相手の決勝点のキッカケとなるボールロストをしたFWはゴール前からのシュートを天高く撃ち上げてしまうわ、もう散々だったんですけどね。結局、引き分けることもできずに1-2で負けて、マドリーが2連敗とはまったく珍しいこともあるじゃないですか。 ▽ただ問題は、セビージャに負けてもリーガ首位の座に影響はなかった彼らですが、コパの2試合制の対戦で1stレグにホームでこのスコアで負けた場合、これまで逆転勝ち抜けしたことがないということで、いえ、ベリッソ監督も「Tendremos que jugar en Vigo mejor que hoy/テンドレモス・ケ・フガール・エン・ビーゴ・メホール・ケ・オイ(ビーゴでは今日よりいいプレーをしないといけないだろう)。どんな大差の結果でもマドリー相手には落ち着いてはいられないのだから」と、あまり強気ではありませんでしたけどね。 ▽その上、昨季もセルタはアトレティコを準々決勝で破り、久々の快挙に沸いたものの、準決勝ではセビージャにあっさり負けてしまったなんてこともあったため、「Si eliminamos al Madrid, pensaremos en el título/シー・エリミナモス・アル・マドリッド、ペンサレモス・エン・エル・ティトゥロ(マドリーを敗退させたら、タイトルのことを考えるよ)」(ボンゴンダ)という訳にもいかないのは百も承知でしょうが、ここに来て、マドリーにはカルバハルが太ももの負傷で3、4週間の離脱という逆境も発覚。ジダン監督は「ベルナベウのファンは誰でもブーイングするが、マスコミの書いていることは公平じゃない。No estoy al 100%, sino al 1.000% con Danilo/ノー・エストイ・アル・シエン・ポル・シエントー、シノ・アル・ミル・ポル・シエントー・コン・ダニーロ(自分は100%でなく、1000%ダニーロの味方)」と言っていましたけど、現実的には辛い面もありそうな。 ▽とはいえ、すぐ次の試合はリーガのマラガ戦ですからね。昨年最後の日程が終わった後、ファンデ・ラモス監督を解任、“ガトー”・ロメロ監督が率いて2戦目となる彼らはデミチェリスが出戻りでエスパニョールから加入したものの、まだ調子が上向いてきた兆しは感じられず。順当ならば、土曜日午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのベルナベウでは、キックオフ時間がコパより早い恩恵もあって、ファンもずっと気分良く過ごせるのでは? 幸い、セルタ戦で右手をロンカリアに踏まれ、痛みで途中交代したアセンシオも骨折はなく、無事回復したようですし、ロナウドだってそうそう、不調が続く訳でもないでしょうから、水曜日のレモンターダに向けて、勢いがつくゲームができればいいですね。 ▽そして翌木曜日、ビセンテ・カルデロンに暖房がないことを鑑みて、裏起毛160デニールタイツをボトムに追加した私が観戦したエイバル戦は、プレー的には決してアトレティコが上手になったとは言えないんですけどね。凍えるピッチで足がかじかんでいたか、またしてもパスミスは多かったんですが、どうやら相性のいいチームだったのが良かったよう。そう、エイバルのメンディリバル監督も「アトレティコは敵のミスを誘い、それを利用する。En Liga pasó lo mismo/エン・リーガ・パソ・ロ・ミスモ(リーガでも同じことが起きた)」と言っていましたが、リーガ2節前の対戦同様、最後は快勝のスコアになってしまったから、何ともありがたいじゃないですか。 ▽いえ、私も19分まで、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)の応援団が来季からのクラブ紋章のデザイン変更に反対する抗議行動で、ただでさえ、観客の少なかったスタジアム中に静けさが漂っていた時はどうなることやらと気が気ではなかったですけどね。24分にコケのFKから入ったサビッチのゴールがオフサイドで取り消された3分後、今度は同様のFKからヒメネスがヘッド。これに飛び出したGKジョエルのミスを突いて、グリーズマンが頭でゴールをゲットしてくれます。後半は後半で、第2FWとして先発したカラスコが59分に疾走、ゴール左前まで来ていざシュートとなった時、ガルベスとピニャに軌道を塞がれて、2度も失敗していたのには呆れましたが、こぼれ球をコレアが素早く押し込んでくれたため、無事に2点目もゲットすることに。 ▽さらに67分にはまたしてもセットプレーが成功したんですが、この時はコケのCKをヒメネス、グリーズマンと頭で繋いで、最後はコレアから代わったガメイロがやはりヘッドでフィニッシュ。これでもう3-0ですからね。ヒメネスなどは「No está cerrado, cualquier equipo en LaLiga te puede hacer tres goles/ノー・エスタ・セラードー、クアルキエル・エキポ・エン・ラ・リーガ・テ・プエデ・アセール・トレス・ゴーレス(まだ勝負はついていない。リーガのどのチームでもウチから3点取れるんだから)」なんて、ちょっと情けないことを言っていましたが、シメオネ監督はもう十分と踏んだんでしょう。 ▽その後はカラスコやガイタンに代え、ガビやゴディンをピッチに入れて、通常以上に攻撃的だった布陣を引き締めていましたが、アウェイゴールを与えなかったのは大正解。おかげで乾貴士選手は出ていたものの、負傷者が多く、あまり反撃に人員をかけられなかったメンディリバル監督も「Es muy difícil hacerles un gol, más, tres/エス・ムイ・デフィシル・アセールレス・ウン・ゴル、マス、トレス(彼らから1点を取るのは大変、まして3点なら)」とどこか、諦めモードになってくれていましたし、彼らには週末にバルサ戦も控えていますからね。イプルア(エイバルのホーム)での2ndレグは、あまりアトレティコが体力を使う必要ない試合になってくれる? ▽だって、この日曜日にはサン・マメスでアスレティックに挑まないといけないシメオネ監督のチームなんですよ。しかもミッドウィーク中は努めて忘れるようにしてはいますが、現状は首位のお隣さんと、消化試合が1つ多い状態で勝ち点差6の4位。2位のバルサとも5差、3位のセビージャとも4差、その上、5位には2差でレアル・ソシエダ、6位には3差でビジャレアルが迫っているとなれば、決して落ち着いていられる事態ではないのは明白でしょう。うーん、木曜日にコパ1stレグでバルサに0-1で負けたソシエダはメッシに2枚目のイエローカードが出なかったことなどもあって、2ndレグでのリベンジに燃えているでしょうから、セルタと当たる今節は気にしなくてもいいかもしれませんけどね。 ▽プランデッリ監督が昨年末、いきなり辞めてしまった後、再び暫定監督を務めていた、本職、チーム付き役員のボロ氏が正式にシーズン末まで引き継ぐと決まったバレンシアと対戦するビジャレアルは勝つかもしれませんし、それより何より、アスレティックは今週、試合をしていませんからね。たとえ、エースのアドゥリスと司令塔のベニャトが出場停止でも、決して軽視していい相手ではないかと。そんなアスレティックvsアトレティコ戦は日曜日午後4時15分キックオフ。金曜日のレサマ(アスレティックの練習場)は雪に覆われて、チームも室内トレーニングしかしていませんでしたが、この週末もまだ寒波が続くスペイン。積雪で延期になる試合がないといいのですが。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.21 12:55 Sat
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【倉井史也のJリーグ】なんかすでに心配なチームあるんですけど大丈夫? あそこじゃないよ?! の巻

▽なんかさぁ、もう1月も3週間が過ぎようとしてるわけでしょ? だから各チームとも始動してて、入団選手も大体固まって、いよいよ新シーズンだなって感じじゃないですか。だけど、まだ開幕までは1カ月もあるんですよね。 ▽むちゃ活発な選手の移籍があったし、1シーズン制に戻るし、いろんな戦い方が変わるんだろうなぁなんて思いつつ、やっぱゲーム、しかも真剣勝負が見られないとつまらなぃよぉと思っているアナタ! 実はもう2週間ちょっとで見られるんですよ! ▽2月7日19時、吹田スタジアムでG大阪vsバンコク・ユナイテッドかジョホール・ダルル・タクジムという、ACL東地区プレーオフが開催されるんです。で、G大阪の急ピッチでの仕上げってちょっと心配じゃないですか? ▽え〜、プレーオフって普通に勝ちそうじゃん、と思っているアナタ! いやいやG大阪の現在進行形ドラマって、そらもう大変なことになってないスか。 ▽G大阪って去年はちょっと悲劇で、パトリックはケガするし、宇佐美貴史は移籍するしってFWの2枚看板が欠けながら、よくぞ年間4位まで持ってきた! でもって12月24日の天皇杯準々決勝まで勝ち残ってたんだから、あんまり休みもない! ▽だけど、今季もここまでド級ストライカーの加入はなし。つか、阿部浩之と大森晃太郎はいなくなっちゃったんですけど。それなのに長谷川健太監督は文句も言ってないし、やっぱり肝が据わってるというか。 ▽ま、そんな意味で今年のG大阪は要注目なのであります。だって、去年プレーオフに出たFC東京はシーズン途中で監督代わっちゃったし、2015年はシーズン後に吉田達磨監督辞めちゃったし、このままじゃ3年連続監督のせいにされて……。汗。 ▽ところで、1月15日にJリーグの父親の1人、木之本興三さんがお亡くなりになりました。この方の偉大な功績は申すまでもないところ。謹んでご冥福をお祈りいたします。どうや安らかにお休みください。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.01.19 17:01 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】2017J1リーグ展望①

▽昨シーズンのACL王者の全北現代(韓国)のスカウト担当者が、審判に賄賂を贈って八百長を工作したとして、AFC(アジアサッカー連盟)は今シーズンのACLの出場権を剥奪すると発表した。疑惑は今から4年間の2013年だったが、あれだけの強豪チームが八百長を仕掛けるとは何とも理解できない。チームはスポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服を申し立てるとしているが、果たして結果はどう出るのか注目されるところだ。 ▽さてJリーグは多くのチームが先週末に始動を迎え、早くもキャンプに突入している。今シーズンから優勝チームには多額のボーナスが出るものの、オフの移籍市場は穏やかで、これといった“目玉”はなかったのは残念だ。鳥栖がGKブッフォンの獲得を表明したものの実現せず、あとは神戸がオファーを出している元ドイツ代表FWのルーカス・ポドルスキが来るのかどうか。神戸は柏からFW田中順也、FC東京からMF高橋秀人、仙台からDF渡部博文と即戦力を補強。FWペドロ・ジュニオールを鹿島に引き抜かれたのは痛手だが、あとはレアンドロとコンビを組む新外国人を補強できれば面白い存在になりそうだ。 ▽その補強で相変わらずの“手堅さ”を感じたのがJリーグ王者の鹿島だ。FW金崎夢生というエースストライカーに加え、前線にはFW赤崎秀平、FW土居聖真やFW鈴木優磨とタレントはいるものの、神戸からペドロ・ジュニオールを引き抜いた。ACLとのターンオーバーを見据えつつ、金崎がシーズンを通じてフル稼働できない可能性もあるため、その保険も兼ねているのだろう。MF柴崎岳の海外移籍が噂されているが、ミスター新潟とも言えるレオ・シルバを獲得と抜かりはない。唯一の不安はCBファン・ソッコの抜けた穴だが、そこはDF植田直道の成長に期待したい。 ▽このJリーグ王者に挑むのが年間勝点1位の浦和ということになるのだろうが、即戦力候補は新潟から獲得したFWラファエル・シルバくらいだろう。千葉から獲得したFWオナイウ阿道やレンタルバックのMF長澤和輝、岡山からレンタルバックのMF矢島慎也らは将来的な若返りを見据えてのことだろう。それだけスタメンはほぼ決まっている。逆に不安材料を上げるとすれば、固定されたスタメンと6年目を迎えるペトロヴィッチ監督の“マンネリ感”ではないだろうか。2月25日、鹿島とのゼロックス杯は今シーズンの浦和を占う意味でも注目したい。 ▽移籍市場で大胆な動きを見せたのがFC東京だ。川崎FからベテランFWの大久保嘉人、J2に降格した名古屋からFW永井謙佑、フィテッセから左SB太田宏介、GKに鳥栖から林彰洋と代表クラスを獲得するなど、1月15日のチーム始動日には約2000人のファンが練習場に集まり、期待の高さをうかがわせた。さらにFCソウルのブラジル人MFの獲得を狙っているとの噂もある。問題は、新加入選手により出場機会を争うことになるFW前田遼一やMF河野広貴、阿部拓馬、DF徳永悠平といった“功労者”のメンタル・マネジメントだろう。昨シーズンと違いACLはないだけに、リーグ戦に集中できるとはいえ豊富な戦力をどうコントロールするのか。篠田善之監督の手腕が問われることになる。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.01.19 15:45 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】熱いプレーで勝つのが最高だけど…

▽「そうか、もうコパがないのは楽よね」そんな風に私が納得していたのは月曜日。週末のリーガが終わった後、世間がこぞって優勝候補に祭り上げていたセビージャの先の予定を見ていた時のことでした。いやあ、確かに順位表の上では首位と勝ち点1差になったとて、レアル・マドリーはクラブW杯参加で延期したバレンシア戦が未消化のため、実質4ポイントあるようなものなんですけどね。この2週間~4週間もリーガの上位4チーム中、セビージャだけがミッドウィークを休めることに。その上次は最下位のオサスナと対戦となれば、今週末の日曜日からの7日間で3度もバスク(スペイン北部)遠征に駆り出されるアトレティコなど、どんどん差をつけられてしまう危険すらある? ▽ファン心理では、ビルバオ近辺でミニキャンプでも張って、アウェイへの移動時間を節約し、最近のパッとしない試合内容を改善する練習をしてほしいのですが…。選手たちだって、1週間も家族の待つ自宅に帰れないのは辛いだろうと、シメオネ監督は2日おきに3往復、計2344キロメートルを走破することを決定。おまけに良いんだか、悪いんだか、このところ勝つだけは勝っているため、今以上の努力は必要ないと思ってしまうのも人情なんですが…。ただ、このままセビージャに突っ走られたら、目標の3位フィニッシュが危うくなってしまうかも。 ▽まあ、その辺はまだ心配するには早いので今は置いておいて。先週末のマドリッド勢がどうだったかをお伝えしないといけません。土曜日は午後1時からの早い時間帯でマドリッドの新弟分、レガネスがブタルケにアスレティックを迎えたんですが、ベネズエラ人MFのマチスが4回程、GKイライソスと1対1のチャンスを掴みながら、その全てに失敗。おかげで最後まで点を取ることはできなかったのですが、相手も水曜日のコパ16強2ndレグでバルサに逆転負けを喫したショックがあったかのか、そのまま最後はスコアレスドローで終わることに。 ▽いえ、それでもアスレティックのエース、アドゥリスと司令塔のベニャトにイエローカードを出させて、次のアトレティコ戦に累積警告で出場停止という貢献はしてくれたんですけどね。結局、これで昇格1年目の今季前半はレガネスのホームで1勝止まり。降格圏との差は勝ち点5差になったものの、すぐ下の17位につけているバレンシアとはたったの1差になっていまいましたっけ。 ▽そして同日の夕方にはビセンテ・カルデロンに向かった私でしたが、その間にバルサがラス・パルマスに5-0と大勝。それだけに、8分にこぼれ球を拾ったガイタンの足から先制点が生まれた時には場内のファンも大いに沸いたんですけどね。以降はただただ、気温の低下に合わせるように冷え込んでいくばかり。だって、アトレティコはほとんどチャンスを作れないどころか、時間が経つにつれてパスさえまっとうに繋がらなくなっていくんですよ。後半など、もうほとんど最初から1点差での逃げ切りを考えているように、プレーのリズムが落ちていく一方で、シュートなど、ガイタンと交代したカラスコがGKアダンの正面を突いた1本ぐらいだったかと。 ▽幸い相手のベティスに決定力がなく、数日前に髪をプラチナブロンドに染めたセバージョスは活発だったものの、ルーベン・カストロの数度に渡るシュートはGKモヤが処理して失点は免れていました。ただ、どんどん消極的になっていくホームチームには、とうとうpito(ピト/ブーイング)もスタンドからチラホラ聞こえるように。その件に関してシメオネ監督は、「とりわけ89分のコケのプレーだろう。敵エリア前でゴールに向かわず、クロスを上げないでボールをキープすることを選んだ。Me parecio fantastico/メ・パレシオ・ファンタスティコ(私には素晴らしく思えたね)」と言っていましたけどね。時間稼ぎのため、アディショナルタイムにグリーズマンをヒメネスに代えていた辺りからも、今のアトレティコは上位ではないチームが相手でさえ、なりふり構わずいかないと勝てないというのはちょっと悲しかったかと。 ▽そのおかげもあって1-0で試合は終了。リーガ3連勝とした彼らでしたが、どうやら開き直ってしまったようで、アトレティコの不遇時代にも詳しいキャプテンのガビなど、「A la gente le gusta que juguemos bien, pero sobre todo que ganemos/ア・ラ・ヘンテ・レ・グスタ・ケ・フゲモス・ビエン、ペロ・ソブレ・トードー・ケ・ガネモス(ファンはボクらがいいプレーをするのが好きだが、何より勝つのが好きなんだ)。2回続けてパスをミスると、イライラしたファンからブーイングも受けるけど、自分たちは慣れているよ」とコメント。 ▽いや、そこはパスミスに慣れたらダメでしょと、私も突っ込みたくなったんですけどね。「Lo más importante es ganar, el fútbol lindo ya llegará/ロ・マス・インポルタンテ・エス・ガナール、エル・フトボル・リンドー・ジャー・ジェガラ(一番大事なのは勝つこと。美しいサッカーもそのうちできるさ)」と言う、すでにアトレティコ2年目でスペイン語がペラペラになったモンテネグロ人のサビッチのように、楽観的に考えることも必要ですよね。 ▽そして翌日、シメオネ監督の「Alguna duda de que lo que importan son los resultados? Mira quién gana el Balón de Oro/アルグーナ・ドゥーダ・デ・ケ・ロ・ケ・インポルタン・ソン・ロス・レスルタードス?ミラ・キエン・ガナ・エル・バロン・デ・オロ(結果が大事だということに何か疑問があるかい? 誰がバロンドールを獲ったか、見てみればいい)」という言葉ももっともだなという思いに駆られました。というのも、この1月にコパ16強の2試合に続いての同カードとなったお隣さんのセビージャ戦を見たせいで…。最初は「Nos sorprendió la línea de tres de ellos/ノス・ソルプレンディオ・ラ・リネア・デ・トレス・デ・エジョス(相手の3人のラインにウチは驚かされた)」というサンパオリ監督同様、私もスタメンを知って、呆気に取られたんですけどね。 ▽そう、ジダン監督は「Había que cambiar después de jugar tres partidos en 10 días/アビア・ケ・カンビアール・デスプエス・デ・フガール・トレス・パルティードス・エン・ディエス・ディアス(10日間で3度目の対戦だから、変える必要があった)」と、今季はリーガでも多くのチームで見られるCB3人プラスSBのDF5人体制を採用。うーん、そこまで4人DFでコパ1stレグ3-0、2ndレグ3-3と負けていないのですから、素人目には別にヴァラン、セルヒオ・ラモス、ナチョを並べるまでもないかと思ったんですけどね。それにも関わらず、前半のマドリーの動きは美しかったことと言ったらもう。 ▽どの選手もワンタッチでスムースにボールを繋いでいくのに、私が前日の誰かさんのお寒いサッカーとは雲泥の差を感じてしまったのはともかく…。逆に「CBを1人減らし、ボランチを増やして、中盤の人数的優位を狙った」サンパオリ監督のセビージャも、「Increíble. En mitad de la cancha fue un pulpo tanto para recuperar como para jugar/インクレイブレ。エン・ミタッド・デ・ラ・カンチャ・フエ・ウンプウポ・タントー・パラ・レウペラール・コモ・パラ・フガール(信じられないほどだ。ピッチの真ん中ではボールを取り戻すのにもプレーを組み立てるにもタコのようだった)」とお褒めの言葉を賜ったエンゾンジを中心に、レベル的に負けていなかったのは凄いんですが。どちらも得点チャンスにはあまり結び付けられずにハーフタイムを迎えることに。そういう意味では、マドリーにはルーカス・バスケスが、セビージャにはCFがいないのが響いていたのかもしれません。 ▽後半もしばらくは同じ展開だったのですが、形勢がマドリーに傾いたのは65分のこと。エスクデーロのミスからボールを奪ったカルバハルがエリア内に突入したところ、GKセルヒオ・リコが彼を倒してPKを宣告されてしまったから、セビージャの選手はもとより、サンチェス・ピスファンのスタンドがどんなに抗議したことか…。そのPKをラモスではなく、その日はもちろんクリスチアーノ・ロナウドが蹴る前に、「ちょっとバランスを崩してやろうと思って」と、ビトロがPKマークの辺りの芝を足で荒らしていたため、怒ったロナウドがボールを相手の背中にぶつけるという珍しい光景もあったんですが、当人への心理的に影響はまったくなし。キックはしっかり決まって、マドリーが先制点を奪ったんです…。 ▽でも、本当にこの試合は“逆”という言葉が相応しい出来事が多かったんですよ。木曜日のコパでは3-1にされても諦めなかったのはマドリーでしたが、その日の彼らは「después del gol nos hemos relajado/デスプエス・デル・ゴル・ノス・エモス・レラハードー(ゴールの後、ウチは気を緩めてしまった)」(マルセロ)ようで。中には「no hemos sabido menejar los tiempos del partido/ノー・エモス・サビードー・マネハル・ロス・ティエンポス・デル・パルティードー(ボクらは試合の時間をコントロールすることを知らなかった)」(ラモス)という意見もありますけどね。そこは天下のマドリーですから、恥ずかし気もなく1点を守り倒すお隣さんとは心構えが違っていても仕方ない? ▽実際、それ以上に失点にも気落ちせず、ヨベティッチ、サラビアとアタッカーをつぎ込んだサンパオリ監督のチームの熱意が勝ったとも言えますが、85分には先日の試合で同じような時間帯に物議を醸すPKゴールを決めたラモスが再び得点。ただし、この日は方向が逆で、サラビアのFKを小柄なイェデルに先んじてヒットしようと、ヴァランを押しのけてジャンプした弾みにGKケイロル・ナバスを破ってしまったから、さあ大変! いやもう、キックオフ前から悪口のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)やブーイングを彼に浴びせるのに余念のなかったセビージャファンたちも、これには拍手喝采するしかなかったかと。 ▽そしてさらにマドリーの専売特許である奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)はアディショナルタイム2分のことですよ。今度はカルバハルからスローインを受け取ったベンゼマが、ビトロにボールを奪われそのパスがヨベティッチの下へ。するとエリア外から撃ったシュートがナバスの手を弾いてネットに突き刺さり、土壇場でセビージャに決勝点が入るなんて!! いや、マドリーがそれをやるのは私も見慣れているんですけどね。まさか、逆に敵にやられる日が来るなんて、思ってもみませんでしたっけ。 ▽うーん、確かに2-1で負けてしまえば、せっかくの無敗試合もスペイン新記録となった40となった途端に終わりですし、あれだけいいプレーをしたのも意味なく思えてしまえなくはないんですけどね。マドリーに「Le ha faltado cinco minutos/レ・エ・ファルタードー・シンコ・ミヌートス(足りなかったのは5分間)」というジダン監督は、「Sabíamos que iba a pasar un día de estos/サビアモス・ケ・イバ・ア・パサール・ウン・ディア・デ・エストス(こういう日の1つでは起こるだろうことはわかっていた)」と、記録が途絶えたことには達観していたものの、せっかくベンチにはルーカス・バスケス、モラタ、アセンシオ、マリアーノと強力なアタッカーが揃っていながら、クロースをコバチッチに代えただけで、交代枠を使い切らなかったのにはちょっと後悔が残るかと。 ▽まあ、彼らにはあまり悔やんでいる時間もないんですけどね。というのもこの水曜日午後9時15分(日本時間翌午前5時15分)にはコパ準々決勝1stレグのセルタ戦が控えているからで、相手もこの週末はアラベスを1-0で破り、コパ16強対決のバレンシア戦含め、今年になっての4試合全勝中と好調を維持。昨季など、うっかり者のマドリッドのライバルが同じ準々決勝で後れを取ったなんて前例もあるため、絶対的に彼らの方が格上だとしても油断は禁物です。ただ、月曜日のバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習では、前節のグラナダ戦で打撲を受けてこのセビージャ2連戦にはお休みしたイスコも合流していたようですし、ローテーション好きのジダン監督はまた前線のメンバーを変えてくるかもしれませんね。 ▽一方、木曜日午後7時15分(日本時間翌午前3時15分)から、同じコパでエイバルをカルデロンに迎えるアトレティコも日曜日を休養日にした後、月曜日の夕方から練習を再開。しかしセッション開始から20分でマハダオンダ(マドリッド近郊)の施設がapagon(アパゴン/停電)に見舞われるという逆境が…。その後、数分だけ復旧したようですが、またグラウンドの灯りが消え、ジムも同様だったため、選手たちは真っ暗なロッカールームで着替えて、家路をたどることになったとか。うーん、これでまた、火曜日と水曜日の練習だけでやはり、前節はスポルティングに2-3と勝利。セルタに続く9位と、そこそこのところに付けているチームを相手にするのは気が重いんですが、今は辛抱の時。いくら寒いスタンドで彼らのプレーを見るとますます寒くなっても、何とか勝ってくれれば、応援する甲斐はあるってもんですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.17 13:20 Tue
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