「内容は二の次」前日に全員集合の中で開催国フランスとドロー、大岩剛監督は1週間後に開幕するパリ五輪へ意気込み「階段を1つずつ登っていきたい」

2024.07.18 06:45 Thu
開催国フランスと引き分けた大岩剛監督
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開催国フランスと引き分けた大岩剛監督
U-23日本代表大岩剛監督が、U-23フランス代表との国際親善試合を振り返った。17日、パリ・オリンピックを前にした最後の調整試合として、U-23日本代表は開催国であるU-23フランス代表と対戦した。
選手の合流がバラバラとなった日本は、16日に全選手が揃い、コンディション面が整わない中でのテストマッチとなった。

開催国で金メダル候補のフランスとの一戦。立ち上がりは押し込まれて何度もチャンスを作られたが、徐々に対応。すると25分に藤尾翔太のプレスバックから三戸舜介がこぼれ球を拾ってヒールで繋ぐと、最後は藤田譲瑠チマが落ち着いて流し込んだ。

少ないチャンスをモノにした日本。フランスは圧力をかけつつも、日本がしっかりと守っていく。1点リードで折り返したなか、ハーフタイムで選手を入れ替えると、47分に一瞬の隙を突かれて失点。その後もフランスの攻撃を守る戦いとなるが、1-1の引き分けで終えた。
初戦まで1週間という中で、レベルの高い相手との最後のテストマッチを行った日本。大岩監督はフラッシュインタビューに応じ、「内容は二の次で、選手たちは昨日こちらに着いたので、コンディションを整えることが第一目標でした」と語り、コンディションが揃っていない中で、試合勘とコンディションを整えることが大事だったとした。

その中でもプレスからの先制ゴールについては「我々の強みのミドルゾーンの守備からのショートカウンターが良くできたと思います」とコメント。フランスと対戦できたことについては「フランスの地でゲームができたこと。ピッチ状態、環境に慣れること、コンディションを整えて初戦を迎えたいです」と、環境に慣れていく必要があるとした。

残り1週間で開幕。「コンディション面、我々のやるべきことを明確にして振り返って、1試合目を迎えたい」と語る大岩監督は、改めてオリンピックへの意気込みを語った。

「目の前の試合をしっかり勝ち続けて、階段を1つずつ登っていきたいと思います」



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男女とも日本は準々で敗退もなでしこジャパンには同情の余地あり/六川亨の日本サッカーの歩み

パリ五輪サッカーのU-23日本となでしこジャパンは、そろって準々決勝で敗退して悲願のメダルには届かなかった。 なでしこジャパンは過去4度優勝のアメリカと延長戦にもつれ込む善戦を演じたものの、延長前半17分に決勝点を奪われて0-1で敗れた。大岩ジャパンも92年バルセロナ五輪以来2度目の優勝を狙うスペインに0-3と完敗した。 しかし、アメリカは過去1勝しかしていない日本の“天敵”だったが、これだけ接戦を演じたのは11年のドイツW杯や12年のロンドン五輪の決勝以来という印象が強い。その理由はアメリカがロングキックによるスピードとフィジカルを生かした攻撃ではなく、DF陣からパスをつないでビルドアップしようとしたからだ。 確かにアメリカはパスをつないだ。しかしスペインのような“守備を剥がす”パスワークではなく、単につないでいるだけ。このためなでしこジャパンはリトリートしてブロックを作り、簡単にゴール前への侵入を許さなかった。前線からプレスに行っては体力を消耗する。ここらあたり、年齢制限のないチームの経験値の高さと言えるだろう。 ただ、最後はフィジカル勝負に負けた。元NBAのデニス・ロッドマンのDNAを引き継ぐFWトリニティ・ロッドマンが右サイドからドリブル突破を仕掛けて北川ひかるをかわし、CB南萌華が寄せる前に左足強シュートをゴール左上に突き刺した。 北川は右膝を負傷していたらしいが、ロッドマンは一度ドリブルを止めてから抜群の瞬発力で北川を一瞬で抜き去った。日本選手が最も苦手とするプレーである。 なでしこジャパンは善戦した。しかし勝つチャンスがあったかというと、決定機はゼロ。相手GKを脅かしたシュートも皆無で、勝機はPK戦しかなかったのではないだろうか。 北川だけでなく、右SB清水梨紗も初戦の負傷で離脱。ブラジル戦でロングシュートを決めたMF谷川萌々子は体調不良でベンチ外。そしてMF藤野あおばも右足親指を痛めていて、アメリカ戦は痛み止めの注射を打っての強行出場だったようなので、同情すべき材料には事欠かない。 幸い、なでしこジャパンは20歳の藤野や19歳の谷川ら“ヤングなでしこ”が育ってきていて経験も積んだ。世代交代は順調に進んでいると見ていいだろう(気になるのは清水の後継者)。このため27年のブラジルW杯や28年のロス五輪にも期待が持てる。その舞台でアメリカやヨーロッパの強豪と互角に渡り合うためにも、そろそろ技術委員会はなでしこジャパンにも両親のいずれかが海外にルーツを持つ選手の発掘に真剣に取り組むべきではないだろうか。フィジカルの差は、もう技術だけでは埋められないと思うからだ。 一方、スペインに0-3と敗れた大岩ジャパンだったが、なでしこジャパンよりは勝つ可能性があったのではないだろうか。オフサイドで取り消された細谷真大のゴールに加え、細谷はポスト直撃のヘディングシュートとGKと1対1の決定機を演出した。CB高井幸大もクロスバー直撃のへシュートを放っている。 やはりオフサイドで取り消されたゴールが後々響いたようだが、元々オフサイドは「待ち伏せるのはアンフェア」という発想で生まれたルールである。細谷の身体が前向きで、CBパウ・クバルシより前に出ていたのならオフサイドを取られても仕方がないだろう。しかし後ろ向きで踵がほんの少し出ていただけでオフサイドというのは、ルールの適用に厳密かもしれないが、「重箱の隅をつつく」ようなジャッジと言わざるを得ない。 「VARで見ているのだから、こんな些細なことでも見逃さないのは凄いでしょ」と自己アピールしたいだけと感じたのは私だけだろうか。そうそう、ベテラン記者の大住さんが、細谷が白いスパイクではなく色付きのスパイクだったら見分けがつかなかったかもしれないとユニークな意見を述べていた。今後はグリーンを基調にした迷彩カラーのスパイクが登場するかもしれない。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2024.08.06 23:15 Tue
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「大きな野心がまだある」パリ五輪では2ゴール、山本理仁が改めてパリ五輪を振り返る…スペイン戦は「あれがなければ全く違う試合になっていた」

パリ・オリンピックでも活躍を見せたシント=トロイデンのMF山本理仁が、改めてパリ五輪を振り返った。ベルギー『Het Belang van Limburg(HBvL)』が伝えた。 U-23日本代表の一員としてパリ五輪に参加した山本。チームの中心選手としてこの世代を引っ張ってきた山本は、4試合全てに先発出場。グループステージでは2ゴールを記録する活躍を見せた。 山本は『HBvL』のインタビューに応じ、改めてパリ五輪を振り返った。 「サッカー選手として1度しか経験できないユニークな経験でした。だからこそ、準々決勝以上に進めなかったことがさらに悔しかったです。結局のところ、僕たちは1つの明確な目標を持ってパリに行きました。それは金メダルを獲得することでした」 金メダルを目指して大会に臨んだU-23日本代表だったが、準々決勝でU-23スペイン代表を相手に0-3で敗れてベスト8で敗退。スコアは大きく離れたが、細谷真大(柏レイソル)のゴールがわずかなオフサイドで認められなかったこともあった。山本はあのシーンが流れを左右したと語った。 「スペインはとても強かったですが、それ以上のものがあったかもしれません。でも、試合内容は僕たちには影響しませんでした。前半に0-1のところで同点ゴールを決めましたが、とても長いVARチェックの結果、数インチのオフサイドでゴールは認められませんでした、あれが起きなければ、全く違う試合になっていたと思います」 一方で、グループステージでは2ゴールを記録し、チームの勝ち上がりに貢献した山本。ゴール後には多くの反響があったという。 「このような状況で、日本のためにゴールを決めることができて信じられないような気持ちでした。家族や友人からは数えきれないほどのメッセージを受け取りました。これは、オリンピックのイベントとしての大きさを改めて示していると思います」 それでも、日本は敗退しメダルに届かず。その間にジュピラー・プロ・リーグは開幕し、2試合を欠場。チームは連敗スタートとなり、山本のほか、藤田譲瑠チマ、小久保玲央ブライアンとパリ五輪組に立て直しの期待がかけられている。 プレッシャーになるかを問われた山本は「それはありません」と回答。「ただ、モチベーションが上がっただけです。僕は自分の走り、ゴール、アシストでチムを助けたいと決意しています」と語り、チームの力になりたいとした。 そして、今シーズンは同じ東京ヴェルディユース出身で、パリ五輪でも中盤で共にプレーしてきた藤田とボランチでコンビを組むことに。昨シーズンはサイドでのプレーが増えていたが、ここでコンビを組めることは嬉しいとした。 「ジョエルとは、12歳の頃からの知り合いで、当時は東京ヴェルディのユースチームで一緒にプレーしていました。その後、僕たちは別々の道を歩みました。彼は横浜F・マリノスへ、僕はガンバ大阪へ。ついに、シント=トロイデンでジョエルとコンビを組むことができるのを楽しみにしています」 その藤田とのコンビはインタビュー後の第3節で実現。ロイヤル・アントワープ戦に山本と藤田はフル出場したが、チームは6-1の惨敗。開幕3連敗と最悪のスタートとなってしまった。 金メダルを目指した山本の戦いはこれで終了。しかし、この先には大きな夢があると語った。 「僕には日本代表に対する大きな野心がまだあります。A代表に入ることが次の目標です。そしてプレミアリーグに行くのと同じように。それが僕の2つの大きな夢です」 早くから海外でプレーする選手が多かったU-23日本代表。山本のみならず、この先の日本代表に多くの選手が絡んでくることが期待される。 <span class="paragraph-title">【動画】パリ五輪で山本理仁が決めたゴール! </span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="wxut-laq5kk";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.08.12 13:05 Mon
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日本代表の新ユニフォームは「ヨウジヤマモト」と史上初のコラボ! テーマは「FIRE(炎)」、アウェイは赤い炎に注目

アディダスジャパンは21日、日本代表の新ユニフォームを発表した。 今夏行われる世界的なスポーツイベントを前に、日本代表の戦闘服が装いも新たに。アディダスは、「サッカー日本代表 2024 ユニフォーム」発表した。 新ユニフォームは、「ヨウジヤマモト」のデザイナーでもある日本が誇るファッションデザイナーの山本耀司氏がデザイン。アディダスとヨウジヤマモトのコラボレーションブランドである「Y-3」が日本代表と史上初のコラボレーションを果たした。 この新ユニフォームは、21日に行われたパリ・ファッションウィークにて発表。「ヨウジヤマモト」のコレクションの1つとして発表され、コレクションにはU-23日本代表のMF藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)、なでしこジャパンのMF長野風花(リバプール)がランウェイを歩く特別な演出でお披露目された。 今回のユニフォームのテーマは「FIRE(炎)」。「サッカー日本代表2024ユニフォーム」の全体を通して一貫したモチーフとして登場するヨウジヤマモトによるデザインの炎のグラフィックは、サッカー日本代表が持つ揺るぎない力強さ、そして日本という国が持つ神秘的な力を象徴している。 ホームユニフォームはこれまでよりも暗い青であるダークネイビーが基調に。温度の高い「青い炎」をモチーフに、完全燃焼をいとわないサッカー日本代表のプレースタイルからインスパイアされたデザインとなっている。 ユニフォーム全面にあしらわれた、うねりを上げる小さな炎がひとつの大きな火柱へと成長するグラフィックは、それぞれのプレーヤーがひとつになった瞬間、チームとして凄まじい力を発揮するサッカー日本代表の力強さを表現している。 一方でアウェイユニフォームは、ホワイトを基調としながら異なる「赤い炎」のグラフィックを採用。余白を残しながら精密に配置された炎は、若さ溢れるチームによるピッチ上での溌溂としたプレーと、ヨウジヤマモトを象徴する「アシンメトリー」なデザインを体現している。 また、ゴールキーパーユニフォームにはホームユニフォームと同じ炎のグラフィックをフィーチャー。体の動きに合わせたカッティングとシルエットを採用することで、キーパーによる素早いアクションとより長いリーチをサポートする。 「サッカー日本代表 ユニフォーム」は、アディダス オンラインショップおよび直営店、アディダスアプリ、Y-3.com、Y-3 ZOZOTOWN、Y-3国内直営店、一部のアディダスおよび お取り扱い店舗にて6月22日(土)より先行発売、7月1日(月)より一般発売開始となる。 <span class="paragraph-title">【写真】山本耀司氏がデザインした日本代表の新ユニフォーム、テーマは「FIRE(炎)」</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="j82B9AIMKvA";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/adidas20240621_tw11.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/adidas20240621_tw2.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/adidas20240621_tw3.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/adidas20240621_tw4.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/adidas20240621_tw15.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/adidas20240621_tw6.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> 写真:adidas is the official supplier of the Japan National Team 2024.06.22 05:00 Sat
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フランス相手に値千金の先制弾。ここ一番で頼りになるキャプテン・藤田譲瑠チマに託されるもの【新しい景色へ導く期待の選手/vol.45】

「まず試合内容で言えば、もっとゲームをコントロールしたかったです。勇気を持ってボールを持つところ、もっと激しくいくところは、本大会を戦ううえでもっとやる必要があると思います。ただ、結果的には、押し込まれた時間が長い中で負けなかったのは、プラスに考えてもいいのかなと思います」 U-23日本代表キャプテン・藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)がやや苦い表情を浮かべた通り、2024年パリ五輪本番前最後のテストマッチとなった17日夜(日本時間18日未明)のフランス戦で、日本は1-1の引き分けに持ち込むのが精一杯だった。 90分のスタッツを見ても、ボール支配率は57%対43%、シュート数は18本と3本(うち枠内は4本と1本1)と、相手に圧倒されたのは間違いない。開催国・フランスはオーバーエージ(OA)枠のアレクサンドル・ラカゼット(リヨン)やジャン=フィリップ・マテタ(クリスタル・パレス)らを擁する豪華陣容ということで、ある程度の実力差があるのは分かっていただろうが、日本はチャンスらしいチャンスをほとんど作れなかった。 そんな苦境下でも、前半25分に藤尾翔太(FC町田ゼルビア)のインターセプトから三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)を経由して、最終的にフィニッシュを決めきった藤田の大仕事は目を見張るものがあった。 「少ないチャンスの中で決めきれたのはよかったです」と本人も安堵感を垣間見せた。その反面で、「中盤の選手として、チャンスメークを増やす部分はもっとやっていきたいです」と足りない部分に言及。「もっともっとやらないとメダル獲得は難しい」という危機感をにじませたのだ。 悔しい経験をどう本番に生かすのか—。それが藤田率いるU-23日本代表に課された大命題だ。フランスは優勝候補筆頭と言えるが、グループリーグで対峙するパラグアイ、マリ、イスラエルも決して弱い相手ではない。警戒心を募らせていくべきだ。 特に最も重要な24日の初戦・パラグアイ戦(ボルドー)は、一方的に攻め込まれたフランス戦とは異なる展開になる可能性が高い。むしろ日本がボールを握りながらも、相手の堅守をこじ開けるのに苦しむといった形にならないとも限らないのだ。 そこで重要になってくるのは、藤田が言う「ゲームコントロール」だ。相手を引き出すようなパス回しや連携・連動を見せ、一瞬のスキを突いて刺しきるようなゴール前の鋭さが必要になる。 フランス戦では斉藤光毅(ロンメル)、平河悠(ブリストル・シティ)らスピードと打開力のあるアタッカーのよさが出なかったが、サイドの推進力が発揮できなければ、ゴール前をガッチリ守ってくる相手から得点は奪えない。そこは肝に銘じた方がいい。 そういった攻守両面のタクトを振るうのは、紛れもなくこの男だ。フランスから1点をもぎ取ったことを自信にして、力強くチームを引っ張らなければならないだろう。 「自分の仕事はチームのバランスを見ながら相手の危ないところの芽を摘むこと。攻撃のところではテンポが上がるパスを出す中継役として滑らかな攻撃ができるようにしたいと思っています。キャプテンマークを託されていますけど、まずは自分ができることに集中したい。1選手として、みんなをいい方向に導けるようにプレー中に率先して声を出したり、いい雰囲気を作ることが大事。みんなで戦えるように仕向けていきたいですね」 7月8日のクラブ主催のパリ五輪メンバー選出会見でこう語ったように、藤田のモットーは「フォア・ザ・チーム精神を貫くこと」。そのスタンスはフランス戦でも色濃く感じられたが、1週間後に開幕する大舞台では意識もアクションもより強めていくべきだ。 「譲瑠は僕にはできない盛り上げ方をする。自分の声はノイズキャンセリングされてますけど、こいつの全員に聞こえる大きな声。みんながボケっとしている時に響くし、引き締められる」と東京ヴェルディ・ジュニア時代からの盟友・山本理仁(シント=トロイデン)も太鼓判を押していたが、ここ一番で頼れる男にはあらゆる局面で存在感を示してもらうしかない。 本人は「25歳でプレミアリーグに参戦していたい」という夢を描いているが、パリ五輪で圧倒的なインパクトを残せば、一気に階段を駆け上がるチャンスが訪れないとも限らない。目下、就活中の斉藤光毅も「五輪は多くの人たちの見る目が変わる大会」と野心を前面に押し出している。藤田にとっては人生が激変するかもしれないだけに、千載一遇の好機を生かさない手はないのだ。 まずは24日のパラグアイ戦の背番号8の一挙手一投足を冷静に見守りたいものである。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 <span class="paragraph-title">【動画】U-23日本代表、開催国のフランス相手に1-1のドロー</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="mnDDzp1q-mc";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.07.18 12:05 Thu
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「悔しさしかない」3試合に出場したDF大畑歩夢、スペインとの差を感じた中で新たな意欲も「Jリーグで味わえない強度はあった」と世界に意欲

パリ・オリンピックを戦ったU-23日本代表の国内組の選手たちが4日に帰国。左サイドバックを支えたDF大畑歩夢(浦和レッズ)が大会を振り返った。 2日に行われた準々決勝でU-23スペイン代表に敗れてベスト8で敗退となった日本。大畑はこの試合にもフル出場し、幻に終わったFW細谷真大(柏レイソル)のゴールシーンでは崩しの起点となった。 大会前、DF半田陸(ガンバ大阪)が負傷離脱することが決定。左サイドバックは半田が務める可能性が高かった中、主軸になった大畑。大会には3試合に出場し、攻守に渡って左サイドバックとして奮闘してきた。 オリンピックを振り返り「悔しいというか、あと2試合やりたかったです」と語った大畑。今年に入り、大きな成長も見られたが「スペインだったり、そういった相手に対してはできない部分もあったので、自信は特にないです」と、本人としては大きく通用したとは感じていないという。 できなかった部分については「相手の方がフィジカルやボールの扱う技術は全然上だったと思います」とコメント。「そういった選手たちと並べるぐらいのところには行きたいと思いました」と、更なるレベルアップをしたいと語る。 幻に終わった細谷のゴールについても「攻撃に人数をかけた部分で、ボランチのチマがああいった形で前に出て行くと人数が増えるので、厚みが出てそこが空いて上手く決まったと思います」と、理想とした崩しの形だったと振り返ったが、「気持ち的にも、あそこで決まった瞬間は行けるなというのもありましたが、取り消されて落ちたなというのもありました」と、メンタル的に少し落ちたことも認めた。 五輪前にはU-23フランス代表とも対戦した大畑。世界との差については「1人が来ても剥がせたりというのは後ろの選手もですし、できたスペースをすぐに使うスペインのサッカーはやられて嫌だったので、そういったサッカーをやりたいなと思います」とコメント。「全体で見たらそこまでは大きくないかもしれないですが、個人で見たら差はあるかなと思います」と、まだまだ大きな差を感じる部分があったという。 世代別の代表でも特に目立った経歴のない大畑。オリンピックの舞台に立ったことについては「浦和でACLをやってきて、その経験は大きかったと思いますが、フランス、スペインといった強豪に対してはできている印象がないです。トップトップの国と比べられたら、全然まだまだだなと思います」と、まだまだ世界と渡り合えるほどではないという謙虚な姿勢を見せた。 「全てです」と自身が成長しなければいけないポイントについても触れたが、まずは浦和でポジションを確保すること。この五輪期間中にDF長沼洋一がサガン鳥栖から加入し、ポジション争いからスタートする。 「気にせずにやりたい」と語る大畑。世界を知り、世界をより体感したいという思いも湧いたとのこと。「Jリーグで味わえない強度はあったので、それはやりたいというのはあります」と、意欲を見せた。 一方で、小学生の頃に同じチームでプレーしていたFW植中朝日(横浜F・マリノス)とスペイン戦では同じピッチに立った。「試合中に思ったことはないですけど、一緒に小さい頃からやってきて、最後に一緒に立てたというのは、小学校の時のスタッフからもメール来ていたので、そこは良かったと思います」と、地元にも還元できたことを喜んだ。 「ずっと目指してきた大会だったし、本当に優勝したいというのが一番にありました。悔しさしかないです」と振り返るパリ五輪。スペイン戦は今までに感じなかったプレッシャーも感じたとした。 「スペイン戦はプレッシャーというか、そこは今までやってきた中で一番あったかなと思います」 「試合前は気にせずにやれる感じでしたが、スペイン戦はプレッシャーというか、前日からずっと勝たないといけない、負けたらチームが終わりということを考えてやっていて、プレッシャーが物凄くありました」 大きな舞台を初めて経験し、世界の同世代の実力を知った大畑。まずは浦和で、ここからどういった成長を見せるのか。左サイドバックは手薄なポジションだけに、注目が集まる。 2024.08.04 23:40 Sun

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