“三笘の1ミリ”から1年、スペイン戦で決勝点決めた田中碧が高い目標と共に2026年W杯へ「次の大会で優勝も目指せるレベルに」
2023.12.02 22:14 Sat
デュッセルドルフの日本代表MF田中碧が2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)を振り返った。
2019年12月に行われたEAFF E-1サッカー選手権2019で代表デビューを飾ったもののしばらく招集されず。およそ2年が経過した中、カタールW杯アジア最終予選でつまづいた日本代表を救うべく招集を受けると、いきなりゴールを決めるなど中盤を支え出場権獲得に貢献。カタールW杯でも3試合に出場し、ドイツ代表やスペイン代表を破ってのグループステージ突破という快挙に貢献した。
あれから1年が経ち、国際サッカー連盟(FIFA)のインタビューに応じた田中は、ラウンド16でのクロアチア代表戦に触れつつ、得るものがたくさんある大会だったと述べた。
「想像していた以上に素晴らしい大会でした。クロアチアに負けた悔しさはいつまでも残りますが、なぜ世界中で何十億人もの人々がワールドカップを見るのか、その理由がよくわかりました」
「僕自身の大会での収穫は、まだまだ多くを学ばなければならないと認識したことです。決勝戦(フランス代表vsアルゼンチン代表)を見た時にも何度も感じたテーマでした。僕個人だけでなく、サッカーに携わる全ての人に刺激を与えた試合でした」
「チーム全体で後方から組み立てた、総合力によって生まれたものでした。最後にあんな形になるとは予想していませんでしたが、幸運にもボールがうまく自分の前に来て、ゴールに流し込むことができました」
「それと正直なところ、ゴールの判定を待っている間、僕らはあれこれ考えていませんでした。たとえ主審がゴールを認めなかったとしても、僕らにはまたチャンスが来るとわかっていました。もしゴールでなかったとしても、不満をあらわにしたり、落ち込んだりすることは決してなかったと思います」
また、カタールW杯を終えてからの日本代表の変化についてもコメント。直近のW杯予選も含め6月のエルサルバドル代表戦から歴代最多タイの8連勝を飾るなど好調の日本だが、上を目指す姿勢がその要因の1つだと田中は推測している。
「ワールドカップでドイツとスペインを破ったことで、僕らの気分は最高潮に達しました。そこで得た自信は選手だけでなく国全体の糧になったと思います」
「もっと広い視野で見ると、ドイツやスペインといったチームに勝てるレベルまでハードルが上がったことになります。なので、代表に招集された選手たちは、その基準を上回るために一生懸命取り組んでいます」
「アジア予選の結果にも表れていますが、高い目標を掲げていることが好調の理由の1つだと思っています。今の僕らは良い状態にあると思います」
「予選に限らず、このレベルで勝つのは難しいものです。サッカーでは何が起こるかわかりません。ワールドカップで優勝するという最終的な目標を達成するには、それほど重要ではない試合でも、目標に向かっていかに自分たちの存在感を示せるかが鍵になると思います」
最後に、2026年開催の北中米W杯に向けた自身の目標も語っている。
「個人的には、次の大会で優勝も目指せるレベルになりたいと思っています。たとえ自分にそうなれる可能性があるとしても、現時点では選手としてまだまだこれからだと思っています」
「なので、今後3年間は自分のプレーを満足のいくレベルまで上げることが最優先になります。ワールドカップでの優勝が夢物語ではなく、現実可能な目標なんだというマインドを持ちながら、代表のメンバーシートに自分の名前が真っ先に載るよう、自分の才能を伸ばすために時間を使っていきます」
2019年12月に行われたEAFF E-1サッカー選手権2019で代表デビューを飾ったもののしばらく招集されず。およそ2年が経過した中、カタールW杯アジア最終予選でつまづいた日本代表を救うべく招集を受けると、いきなりゴールを決めるなど中盤を支え出場権獲得に貢献。カタールW杯でも3試合に出場し、ドイツ代表やスペイン代表を破ってのグループステージ突破という快挙に貢献した。
「想像していた以上に素晴らしい大会でした。クロアチアに負けた悔しさはいつまでも残りますが、なぜ世界中で何十億人もの人々がワールドカップを見るのか、その理由がよくわかりました」
「僕自身の大会での収穫は、まだまだ多くを学ばなければならないと認識したことです。決勝戦(フランス代表vsアルゼンチン代表)を見た時にも何度も感じたテーマでした。僕個人だけでなく、サッカーに携わる全ての人に刺激を与えた試合でした」
2-1で勝利し、決勝トーナメント進出を決めたグループステージ第3戦のスペイン代表戦にも言及。FW三笘薫のアシストが“三笘のミリ”として話題になった、自身の決勝ゴールについて語った。
「チーム全体で後方から組み立てた、総合力によって生まれたものでした。最後にあんな形になるとは予想していませんでしたが、幸運にもボールがうまく自分の前に来て、ゴールに流し込むことができました」
「それと正直なところ、ゴールの判定を待っている間、僕らはあれこれ考えていませんでした。たとえ主審がゴールを認めなかったとしても、僕らにはまたチャンスが来るとわかっていました。もしゴールでなかったとしても、不満をあらわにしたり、落ち込んだりすることは決してなかったと思います」
また、カタールW杯を終えてからの日本代表の変化についてもコメント。直近のW杯予選も含め6月のエルサルバドル代表戦から歴代最多タイの8連勝を飾るなど好調の日本だが、上を目指す姿勢がその要因の1つだと田中は推測している。
「ワールドカップでドイツとスペインを破ったことで、僕らの気分は最高潮に達しました。そこで得た自信は選手だけでなく国全体の糧になったと思います」
「もっと広い視野で見ると、ドイツやスペインといったチームに勝てるレベルまでハードルが上がったことになります。なので、代表に招集された選手たちは、その基準を上回るために一生懸命取り組んでいます」
「アジア予選の結果にも表れていますが、高い目標を掲げていることが好調の理由の1つだと思っています。今の僕らは良い状態にあると思います」
「予選に限らず、このレベルで勝つのは難しいものです。サッカーでは何が起こるかわかりません。ワールドカップで優勝するという最終的な目標を達成するには、それほど重要ではない試合でも、目標に向かっていかに自分たちの存在感を示せるかが鍵になると思います」
最後に、2026年開催の北中米W杯に向けた自身の目標も語っている。
「個人的には、次の大会で優勝も目指せるレベルになりたいと思っています。たとえ自分にそうなれる可能性があるとしても、現時点では選手としてまだまだこれからだと思っています」
「なので、今後3年間は自分のプレーを満足のいくレベルまで上げることが最優先になります。ワールドカップでの優勝が夢物語ではなく、現実可能な目標なんだというマインドを持ちながら、代表のメンバーシートに自分の名前が真っ先に載るよう、自分の才能を伸ばすために時間を使っていきます」
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日本代表のDF長友佑都(FC東京)とMF久保建英(レアル・ソシエダ)のやり取りに注目が集まっている。 3月の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮代表との連戦に臨む予定だった日本。だが、アウェイの平壌で開催予定だった試合は中止となり、活動を終えた。 そうした中、25日に日本サッカー協会(JFA)の公式YouTubeチャンネルで、日本代表の裏側を伝える「Team Cam」が更新。今回の代表活動期間の様子が公開された。 その中で話題を呼んでいるのが、選手たちが日本代表のスポンサーである『KIRIN』が手掛ける"勝利のハチマキ"にメッセージを記す場面での、長友と久保のやり取りだった。 スタッフから「日本代表としての想い」を記してほしいという説明を受けると、後方の席にいた久保から長友に対し、「佑都さんブラボーでいいんじゃないですか?」という声が飛ぶことに。これに対し長友が「お前、シバくぞ」と反応していた。 このやり取りには周囲のチームメイトも大爆笑。久保も「ブラボーだけは厳しいんだよなぁ」と笑いながら話していた。 37歳の長友と22歳の久保の絶妙なやり取りにはファンからも「長友と久保の年の差ある2人の掛け合い好きすぎるw」、「面白すぎる」、「いい関係すぎる」、「ガチトーンなのが面白すぎる」と反響が寄せられていた。 今回の代表戦では出場機会のなかった長友だが、終始大きな存在感を放っていた。 <span class="paragraph-title">【動画】間と表情も完璧な長友佑都の「お前、シバくぞ」</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="lwOT6cTzyq0";var video_start = 380;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.03.26 12:10 Tue4
なでしこジャパンの宮本ともみコーチが女子AFC Coach of the Yearにノミネート!
アジアサッカー連盟(AFC)の年間男子最優秀監督ノミネート3名には、日本代表の森保一監督が最終候補に残ったほか、年間女子最優秀監督にもなでしこジャパンの宮本ともみコーチがノミネートされている。 4年ぶりの開催となるAFCアウォーズへ向けては、13日に各賞のノミネート選手や監督が発表。女子のAFC Coach of the Yearには宮本コーチのほか、中国女子代表のシュイ・チンシア監督、U-16韓国女子代表のキム・ウンジョンコーチがノミネートされた。 日本における監督はHead coach、ヘッドコーチにあたる英語がAssistant coachであるため、日本語でいう"コーチ"も同賞に該当する。 宮本コーチは現役時代の多くを、プリマハム時代を含めて伊賀FCくノ一(現:伊賀FCくノ一三重)で過ごし、日本女子代表としても中盤の軸に。出産後に現役復帰、女子ワールドカップ(W杯)メンバー入りも果たした女子サッカーの先駆者的存在だ。 指導者としては、池田太監督とともに年代別の日本女子代表を指導。2021年からなでしこジャパンのコーチに就任し、セットプレー時は前面に立って指示を送るなど、戦術家としての手腕を振るった。 池田監督の右腕としてオーストラリア&ニュージーランド女子W杯では、スペイン女子代表に快勝を収めるなど、グループステージを3戦全勝。準々決勝でスウェーデン女子代表に敗れはしたものの、育成時代から目をかけてきた長野風花や宮澤ひなたらが躍動し、その戦いは世界で大きな注目を浴びた。 また、シュイ・チンシア監督は、2022年のAFC女子アジアカップで中国を率いて日本や韓国を下し、9度目の大会制覇を達成。キム・ウンジョンコーチはU-16韓国女子代表を率い、AFC U-17女子アジアカップの1次予選、2次予選を通じて5試合51得点2失点の圧倒的強さで、チームを本戦出場へ導いていた。 <span class="paragraph-title">【写真】女子AFC Coach of the Yearにノミネートされた3名</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="en" dir="ltr"> <br><br> Shui Qingxia <br> Tomomi Miyamoto <br> Kim Eun-jung <br><br>Let us know which tactician made the biggest impact in spearheading the women’s game to greater heights in 2022! <a href="https://twitter.com/hashtag/AFCAwards2022?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#AFCAwards2022</a> <a href="https://t.co/v5GhB1hIdU">pic.twitter.com/v5GhB1hIdU</a></p>— AFC (@theafcdotcom) <a href="https://twitter.com/theafcdotcom/status/1716665850168823900?ref_src=twsrc%5Etfw">October 24, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2023.10.25 18:30 Wed5