子供にゴールを決めさせるセレモニーのはずがGKがセーブして大ブーイング…海外サッカーで起きた悲劇の理由とは?

2023.03.16 21:15 Thu
Getty Images
ハンガリー2部の試合で悲しい出来事が起きた。13日、MTKブダペストはディオーシュジュールと対戦。2-0とMTKが2点をリードして迎えた後半のキックオフ前に事件は起きた。
MTKのサポーターのエノク・ヴァルガくんがピッチに立つことを許されると、笛と同時に相手ゴールへドリブル。子供に大きなスタジアムでゴールを決める経験を与える、というサッカー界ではたまにあるキックオフセレモニーが行われたのだ。

だが、あろうことかディオーシュジュールのGKジョンボル・センコはヴァルガくんのシュートを二度ストップ。一度目は偶然かと思われたが、二度目のシュートをキャッチするとボールを蹴り返し、スタジアムはブーイングの嵐となった。

傷心したヴァルガくんは、兄に抱きかかえられながら退場。その表情は今にも泣きそうだった。
衝撃的な出来事だったが、GKの行動にはある理由があったようだ。ハンガリー『M4 SPORT』によると、ディオーシュジュールのセルゲイ・クズネツォフ監督は、少年のシュートを止めたのは「自分の指示」だったと説明。その理由は「セレモニーについて事前に知らされておらず、(負けているアウェイのチームの)選手やスタッフ、ファンにとっては不快に感じられてしまうから」だと話した。

ヴァルガくんの父親もこのセレモニーは「計画されたものではない」とし、「怒っていない」とディオーシュジュール側の対応を擁護。さらに、今回の出来事について「不幸な事故だった」と語った。

だが、この話はまだ終わらない。ディオーシュジュールは、この件を受けてヴァルガくんと家族を次の試合に招待。ヴァルガくんの家族もこれを受け入れたという。

さらに、シュートを止めたGKセンコも「この出来事については申し訳ないとも思うが、僕はエノクに正しい方法で償うためにあらゆることを行う」と語り、招待した時に個人的にプレゼントまで贈るとのことだ。

罪なきヴァルガくんが傷ついてしまったのは悲しいことだが、その後の対応は皆素晴らしいものだった。

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