昨季3位の広島は札幌相手にドロー発進…幻のゴールも【明治安田J1開幕節】

明治安田生命J1リーグ開幕節、サンフレッチェ広島vs北海道コンサドーレ札幌が18日にエディオンスタジアムで行われ、0-0の引き分けに終わった。

昨季の王者・横浜FMと2位の川崎Fによる一戦で火ぶたが落とされた2023年のJ1。彼らに次ぐ3位の好成績を収めた広島は、プレシーズンの動きは戦力維持に努め、目立った新戦力は福岡から獲得した志知孝明と、金沢帰りの松本大弥ぐらい。だが、注目の開幕線スタメンには、桐蔭横浜大から加入した中野就斗を右ウイングバックに抜擢。布陣は昨季と変わらず[3-4-2-1]となっている。
一方、昨季10位の札幌は、ガブリエル・シャビエルや高嶺朋樹など主力選手が一部抜けたが、代わりに小林祐希、馬場晴也、浅野雄也と実力者を補強。特に浅野は広島からの加入で、いきなりの古巣戦に。[3-4-2-1]のシャドーの位置に据えられている。

立ち上がりは互いにロングボールを多用し、セカンドボールを回収しながら攻撃の機を窺う戦い方に。その中でポジショニングで勝る広島に徐々にボールが落ち着き始めると14分、右サイドの深い位置に流れた満田のグラウンダーのクロスから、ボックス中央のベン・カリファがワンタッチで繋いで最後は東。逆サイドから走り込みフィニッシャーを担ったが、シュートは相手のブロックに阻まれた。

その直後にも満田の右CKから荒木の打点の高いヘディングシュートが左ポストに直撃した広島。雨で濡れたピッチにも慣れてきたか、少しずつボールも回り始める。26分には、味方とのワンツーで攻め上がった塩谷から川村へ絶妙なスルーパスが通り、こちらも見事なトラップから左足を一閃。チャンスシーンだったが枠に飛ばすことができなかった。対する札幌のシュートは、27分に青木が放ったミドルシュートのみ。ホームチームの鋭いプレスと固い守備に阻まれ、なかなか前にボールを運べない内容が続いた前半だった。

そんな札幌は後半から浅野を下げてもう一人の新戦力の小林を投入。だが、後半も主導権を握るのは広島。度々セットプレーからゴールに迫っていく。

60分を過ぎたあたりから広島がビッグチャンスを立て続けに作っていく。まずは満田を起点に左サイドを崩し、川村が深い位置からマイナス方向へ折り返し。ボックス中央でベン・カリファがフリーで待っていたが、ダイレクトで叩いたシュートはクロスバーの上を越えた。

その直後には、野津田のスルーパスでボックス左に抜け出した川村が左足のシュートを放つが、札幌の守護神・菅野が好セーブ。そのCKの流れでも野津田のクロスを川村が頭で合わせるも、ここも菅野に弾かれた。

すると74分、ここで物議を醸す判断が下る。左CKのシーンで野津田のクロスを佐々木が頭でそらし、ファーサイドの川村がヘディングシュート。ここでも菅野が左足で防ぐファインセーブを見せたが、リプレイで見るとボールは完全にラインの内側。しかし、主審はVARとの通信の結果、ノーゴールと判定した。

救われる格好となった札幌は90分、敵陣中央で小林、青木と繫いで左サイドを走る菅に展開。ボックス左に侵入した菅が左足を振り抜いたシュートは惜しくも右ポストを直撃。土壇場での勝ち越しとはならなかった。

結局、試合は0-0のまま終了。勝ち点1を分け合った。