アーセナルがエンケティアの劇的弾でユナイテッドに痛快リベンジ! 公式戦11戦ぶりの黒星与え、大きな勝ち点3奪取《プレミアリーグ》

2023.01.23 03:40 Mon
Getty Images
プレミアリーグ第21節、アーセナルvsマンチェスター・ユナイテッドが22日にエミレーツ・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが3-2で勝利した。なお、アーセナルのDF冨安健洋は後半から途中出場した。
PR
首位のアーセナル(勝ち点47)は前節、敵地で行われたトッテナムとのノースロンドン・ダービーに2-0の完勝。2013-14シーズン以来のシーズンダブルを達成し、また一歩19年ぶりのリーグトロフィーに近づいた。今季のリーグ戦で唯一黒星を喫した赤い悪魔にホームでリベンジを狙うアルテタのチームは、ダービーと全く同じスタメンを採用。ブライトンからの新戦力トロサールはベンチスタートとなった。
一方、3位のユナイテッド(勝ち点39)は、前々節に行われたマンチェスター・ダービーでシティに2-1の逆転勝利を収めた。しかし、ミッドウィークに行われた第7節延期分のクリスタル・パレス戦では後半最終盤の失点によって痛恨の1-1のドロー。リーグ連勝が「5」で、公式戦連勝が「9」でストップした。首位チーム相手のシーズンダブルで仕切り直しの白星を狙ったテン・ハグのチームは、パレス戦から先発1人を変更。累積警告で出場停止のカゼミロの代役にマクトミネイを起用した以外、同じメンバーを継続した。

互いに予想通りの布陣、選手の配置など小細工なしで試合に入ると、ホームサポーターの後押しを受けたアーセナルが押し込む形に。開始直後にはボックス内でウーデゴール、トーマスと続けてシュートシーンに持ち込むが、いずれもファインフィニッシュとはならず。

立ち上がり以降も基本的にアーセナルがボールを保持するが、アタッキングサードではユナイテッドの集中した守備に苦戦。ブロックの手前でボールを動かす状況が続く中、仕掛けのパスや単純な横パスを引っかけられる場面が散見。立ち上がり以降はリズムを掴み切れない。
一方、守勢のユナイテッドは狙いとする縦に速い仕掛けを封じられるが、一度プレッシャーを外せば、相手陣内でボールを握って落ち着かせる時間を作れるようになる。なかなかフィニッシュまで持ち込めない焦れる展開が続いたが、絶好調のエースがファーストシュートを見事に先制点に繋げた。

17分、相手陣内中央でトーマスの縦パスをラッシュフォードが引っかけてカウンターを発動。ブルーノ・フェルナンデスからのリターンパスをバイタルエリア左で受け直すと、対面のトーマスを交わしてボックス手前から右足を強振。低弾道の鋭いシュートがゴール左下隅を射抜いた。

ミス絡みの失点によって早くも追う展開となったホームチームはすぐさま反撃を開始。素早いリアクションで押し込む展開に持ち込むと、その流れから同点に追いつく。24分、セットプレーの二次攻撃から左サイドで細かく繋いでスペースに抜け出したジャカが正確なクロスを供給。これに大外からタイミング良くフリーで飛び込んできたエンケティアが完璧なヘディングシュートを叩き込んだ。

1-1のイーブンに戻った試合は28分にマクトミネイが強烈なミドルシュートでGKラムズデールを脅かしたものの、以降は追いついた勢いに乗るアーセナルが押し込む時間帯が続く。ホームチームは安定したビルドアップに加え、守備の局面ではよりメリハリの利いた対応で相手のビルドアップにアジャスト。うまく制限をかけながら苦し紛れの縦パスを回収し、相手に攻撃機会を与えない。

前半終盤にかけては割り切ってこのままのスコアでハーフタイムに向かおうとするアウェイチームに対して、ホームチームがよりリスクを負って勝ち越しゴールを狙っていく。アディショナルタイムにはボックス右で仕掛けたサカに連続でシュートチャンスが訪れるが、DFショーの身体を張った対応に阻まれた。

結局、1-1で試合を折り返したアーセナルは、前半に1枚カードをもらっていたホワイトを下げて冨安を同じ右サイドバックに投入。後半も引き続き試合の主導権を握って優勢に運んでいく。すると、今度はホームチームのイングランド代表アタッカーが鮮烈な一撃でゴールをこじ開ける。

53分、相手陣内右サイドでタッチライン際に張った冨安とパス交換したサカが一気にギアを上げて対面のエリクセンをカットインで振り切って左足を一閃。ゴール前の密集をすり抜けた低弾道のシュートがゴール左下隅に突き刺さった。

ラッシュフォードの先制点に勝るとも劣らないサカのスーパーミドルによってアーセナルが逆転に成功したが、好調を維持するユナイテッドも底力を見せる。失点直後に冨安らを個人技で交わしたラッシュフォードがボックス左に持ち込んで決定的なシュートを放つと、59分に同点に追いつく。

エリクセンが右足アウトスウィングで入れた左CKに対して、冨安と交錯したGKラムズデールのパンチングが短くなると、ゴール前で反応したマルティネスが体勢を崩しながらもヘディングで合わせる。ゴールライン上でDFガブリエウがクリアを試みるが、かき出せずにゴールネットへ吸い込まれた。

伏兵マルティネスの加入後初ゴールによって2-2のイーブンに戻ったものの、試合の流れは大きく変わらず。慌てることなくボールを握ってユナイテッドの守備に揺さぶりをかけていくと、ウーデゴールとサカという質の高いボールプレーヤーが存在感を示す。70分には2点目と同じようなシチュエーションからサカが左足を振っていくが、今度はエリクセンが何とか足に当てたことでボールは左ポストを叩いた。

流れを変えたいユナイテッドは71分にアントニーを諦めてフレッジを投入。中盤の守備強度を上げて3失点目を何とか回避しようと腐心。一方、ゴールまであと一歩という状況が続くアーセナルは80分過ぎにマルティネッリを下げて、これがデビュー戦となるトロサールをピッチに送り出す。

試合終盤にかけてはアーセナルが相手陣内でハーフコートゲームを展開。84分にはセットプレーの流れから冨安が競ったこぼれ球に反応したゴール前のエンケティアにビッグチャンスも、ゴール至近距離からのシュートはGKデ・ヘアの驚異的な反射神経にはじき出される。

ユナイテッドの守備陣の粘りによって刻々とタイムアップが近づく中、首位チームが土壇場で勝負強さを見せつけた。90分、右サイドからトーマスを経由したボールがトロサールに繋がると、デビュー戦のベルギー代表FWは冷静にDFを引き付けてオーバーラップするジンチェンコへ繋ぐ。ジンチェンコのグラウンダーのクロスをボックス中央のウーデゴールが何とか合わせると、ゴール方向へ向かったボールをエンケティアが右足アウトでうまくコースを変えてゴールネットへ流し込んだ。

そして、エンケティアのこの試合2点目で劇的な勝ち越しゴールを奪い切ったアーセナルは、このまま冷静に試合をクローズ。白熱のシーソーゲームを制して好調ユナイテッドに公式戦11試合ぶりの黒星を与えたアルテタのチームは、前回対戦のリベンジを果たすと共に大きな勝ち点3を手にした。



PR
1 2
関連ニュース

「厳しい言葉が必要」大敗も選手への言及避けるポチェッティーノ監督に疑問の声「メッセージが届いていない」

大敗したチェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督に対しては、そのマネジメントに疑問の声もあるようだ。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 ここまで思うようなシーズンを送れず、先週末のFAカップも敗退したことで無冠が確定したチェルシー。23日に行われたプレミアリーグ第29節の延期分では、優勝争い中のアーセナルにプライドを示したいところだったが、後半に守備が崩壊し0-5の大敗を喫した。 試合後にはポチェッティーノ監督も「チームは諦めてしまっていた」と落胆の姿勢を示しつつ、「選手たちを責めることはできないし、そのつもりもない」と選手を擁護する姿勢は崩さず。若いチームは成長段階であることを強調していた。 しかし、これについては異議を唱える声もあるようだ。『TNTスポーツ』に出演したアーセナルOBの元イングランド代表DFマーティン・キーオン氏は、こうした指揮官の姿勢がチームの弱体化につながっているとの見方を示している。 「チェルシーの強化策はバランスがおかしく、チームに対して10億ポンドもの大金を費やした。だからこそ、今の彼らの姿は信じられないものだ。これは厳しい言葉が必要であり、それは監督からもたらされるべきだろう」 「監督は選手たちに口を出さないようにしているが、それによって自分自身が追い詰められている。彼が気を使っているのはわかるが、両ハーフとも試合の立ち上がりが悪かったのを見ると、選手たちにメッセージが届いていないのだろう」 2024.04.24 16:40 Wed

「間違いなく努力している」屈辱的大敗のチェルシー…ファンからの批判にギャラガーは「次につなげなければ…」

チェルシーのイングランド代表MFコナー・ギャラガーは、屈辱的な大敗にも自分たちは成長中のチームであることを強調した。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 チェルシーは23日に行われたプレミアリーグ第29節の延期分でアーセナルと対戦。先週末にはFAカップ準決勝で敗退したこともあり、ロンドンのライバルクラブ相手に意地を見せたいところだったが、優勝争い中のチーム相手に歯が立たず、終わってみれば0-5の大敗となった。 試合中には、チェルシーファンの子供が「ユニフォームは欲しくない。ファンのため戦いたいと思ってほしい。UTC(アップ・ザ・チェルシー)」と書かれたプラカードを掲げる姿も話題に。チームに対するファンからの不満の高まりを象徴するような場面となった。 この試合に先発フル出場したギャラガーは試合後、こうした批判に対してチームは努力していると主張。経験の少ない若いチームであることを訴え、成長に向けて全力で取り組んでいると語った。 「(ファンの掲げたプラカードについて問われ)そうだね…僕たちは間違いなく努力していると思う。これが選手全員にとって、どれだけの意味があるかは理解しているよ。ただ、何度も言われてきたことではあるけど、このチームは非常に若いチームなんだ。プレミアリーグでのチームとしての経験はあまりない」 「僕たちはここまで、多くの浮き沈みを経験してきたと思う。チームはまだ改善の最中なんだ。次のレベルに到達するため、みんなで協力しているよ」 「ただ、今日はそれとは程遠い日の一つになってしまった。僕たちは自分を奮い立たせ、パフォーマンスと改善点、そしてすべてのミスを見つめ直し、次につなげなければならない」 2024.04.24 15:45 Wed

「酷いチャレンジ」「なぜまだピッチに?」 冨安健洋への悪質なチャージ、足首踏みつけもお咎めなしのチェルシーFWにレジェンドたちも疑問「信じられない」「レッドカードだ」

アーセナルのファンは日本代表DF冨安健洋へのファウルに怒り心頭だ。 23日、プレミアリーグ第29節延期分のアーセナルvsチェルシーが行われ、優勝を争うアーセナルが5-0で圧勝。チェルシーとの“ビッグロンドン・ダービー”を制していた。 冨安はこの試合に先発出場。先週末のウォルバーハンプトン戦を欠場しただけに心配されたが、大一番で攻守にわたって活躍を見せた。 しかし、試合の序盤に心配なシーンが。8分、冨安がデクラン・ライスからのパスを受けると、ややトラップが大きくなりルーズボールに。これを冨安が拾いに行った中、チェルシーのFWニコラス・ジャクソンも奪いにくる。 ボールにいち早く触った冨安に対し、ジャクソンは思い切り足首を踏みつける形に。スロー映像では、完全に足首を踏み、冨安は捻っているようにも見える。 しかし、このシーンに対してVARチェックが入ったにも関わらず、ジャクソンには何もなし。レッドカードはおろか、イエローカードすら出ないこととなった。 危険な行為は、故意かどうかに関係なく厳しく取り締られている中で、ただのファウルで終わることに。これにはイギリス『talkSPORT』の解説を務めた元イングランド代表DFダニー・ミルズ氏は「あれはレッドカードだ。ぜひVARを見てみたい」とコメントしていた。 また、『TNTスポーツ』で解説した元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏も「あのチャレンジがVARさえ考慮されないことは信じられない」とコメント。アーセナルOBの元イングランド代表DFマーティン・キーオン氏も「驚くべきこと」と同意していた。 当然この判定にはアーセナルのファンが怒り浸透。X(旧ツイッター)では「ジャクソンの酷いタックル。辞めるべきだ」、「ニコラス・ジャクソンはレッドカードだろう。冨安健洋への酷いチャレンジだ」、「ニコラス・ジャクソンがどうしてまだピッチに立っているのかわからない」、「見れば見るほどレッドカード。衝撃的」というコメントが集まっている。 冨安は72分で途中交代。その後問題なくプレーしていたため、大きなケガにはなっていないと思われるが、最悪の結末が待っていた可能性もあっただけに、今後判定について何かが起こるのか注目が集まる。 <span class="paragraph-title">【動画】一歩間違えれば重傷の危機…冨安健洋が足首を踏みつけられる</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="u4Nzm2_34WM";var video_start = 65;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 14:52 Wed

「相変わらず堅実」「ベストの左SB」先発復帰の冨安健洋、攻守の好パフォーマンスは現地でも高評価「この試合の先発に相応しい」

アーセナルの日本代表DF冨安健洋は高い評価を受けている。 23日、プレミアリーグ第29節の延期分でアーセナルはチェルシーをホームに迎えた。 “ビッグロンドン・ダービー”となった一戦。冨安は前節のウォルバーハンプトン戦を欠場。2試合ぶりの出場となった。 チャンピオンズリーグ(CL)のバイエルン戦では先発出場していた冨安。再びビッグマッチで先発起用されると、攻守にわたって存在感を示し、守備ではノニ・マドゥエケとの一対一を封じると、攻撃では何度となくチャンスメイクを見せ、惜しいシュートも放っていた。 チームは5-0で圧勝した中、富安も高評価。イギリス『フットボール・ロンドン』は8点(10点満点)をつけた。 「ウルブス戦を欠場した後、この試合の先発に相応しかった。とても良く見えた」 「ボールの扱いが印象的で、1vs1の守備は相変わらず堅実だった」 イギリス『ロンドン・イブニング・スタンダード』は7点(10点満点)をつけている。 「打撲から回復した後、サイドに戻ってきた。堅実なパフォーマンスを見せており、現時点のアーセナルでベストの左サイドバックに見える」 また、イギリス『デイリー・メール』は7点(10点満点)をつけた。 「9分にニコラス・ジャクソンと衝突。相手にはレッドカードが与えられるはずだった。それでもピッチに留まり続けられて良かった」 冨安は9分ごろ、ニコラス・ジャクソンに足首を踏まれて捻る場面もあったが、72分までプレーを続けている。 <span class="paragraph-title">【動画】攻守に躍動!冨安健洋のチェルシー戦パフォーマンス集</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="u4Nzm2_34WM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 10:40 Wed

「チームは諦めてしまった」アーセナルに大敗のチェルシー、ポチェッティーノ監督は嘆く「最も受け入れ難いのはスタート」

チェルシーのマウリシオ・ポチェッティーノ監督が、大敗を喫したアーセナル戦を振り返った。クラブ公式サイトが伝えた。 23日、プレミアリーグ第29節の延期分でチェルシーはアーセナルとアウェイで対戦した。 今シーズンはなかなか成績が上がってこないチェルシー。3日前にはFAカップ準決勝でマンチェスター・シティに0-1で敗れて敗退していた。 このところ復調も見せていた一方で、その原動力となっていたコール・パーマーが不在。チームに違いをもたらせていた男を欠いた中、試合早々に失点。その後盛り返しを見せるもフィニッシュの精度がなく、後半にはいり連続失点。終わってみれば5-0で惨敗となった。 今シーズン最大の敗北となった一戦。ポチェッティーノ監督は大敗に失望し、チームのパフォーマンスの低さを嘆いた。 「残念だ。本当に残念だ。パフォーマンスは良くなかったし、本来の形で試合をスタートできなかった」 「あまりにも簡単にゴールを許し、アーセナルにとって簡単にさせてしまった。試合はビハインドでスタートしたが、その後は本当に大変だった。失点してから10分か15分くらい経った頃から、試合をやり直したかのように少しずつプレーをし、チャンスを作り始めた」 「『このレベルであのように試合を始めるのは無理だ』とハーフタイムに話していたが、後半はまた悪い立ち上がりで2失点してしまった。その後、チームは諦めてしまい、我々は試合に参加できなかった」 「最も受け入れ難いのは、我々のスタートだ。前半の残り30分間、よく競い合い、試合は互角だったので、チャンスを作るために幾つかのミスを起こさせていた」 「そして後半、3-0になった時のスタート。この瞬間、チームはとても苦しみ始め、ゲームをコントロールするのに苦労し始めたと思う」 <span class="paragraph-title">【動画】チェルシーがまさかの大敗…アーセナル相手に5失点</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="khB_jdUoMNc";var video_start = 5;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.24 09:38 Wed
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly