脇坂の低弾道FKが決勝ゴールに、川崎Fが鹿島との上位対決制し首位に2ポイント差まで迫る【明治安田J1第27節】

2022.08.27 22:20 Sat
©︎J.LEAGUE
明治安田生命J1リーグ第27節、川崎フロンターレvs鹿島アントラーズが27日に等々力陸上競技場で行われ、2-1で川崎が勝利した。

4位川崎フロンターレと3位鹿島アントラーズとの重要な上位対決。前節はアビスパ福岡に4-1で快勝した川崎。ハットトリックを達成したマルシーニョは今節も左ウイングの位置で先発となった。

対する鹿島は湘南ベルマーレを相手に1-1のドローで終わり、タイトル争いから少しばかり後退。今節は出場停止となっていたディエゴ・ピトゥカが復帰し、万全の状態で王者とのアウェイ戦に臨む。
立ち上がりから両チームがアグレッシブ展開を見せる中、ホームの川崎に先制のチャンスが訪れる。8分、敵陣右サイドでの見事なパスワークから、家長がボックス右でボールを受けて縦に突破。ここでディエゴ・ピトゥカに腕をかけられ転倒しPKを獲得。これを自ら左隅に蹴り込み、今季8ゴール目とした。

幸先よく先制に成功した川崎は相手にボールを持たせながらも、仕掛けどころを待つ。すると、13分にボックス手前左でFKを獲得。キッカーの脇坂がシュート性の低い弾道のボールを蹴ると、ゴール前を抜けてファーサイドのネットに吸い込まれた。
2点をリードした川崎はセットプレーからさらなる決定機。キッカーの脇坂が蹴ったふわりとしたボールから中央のシミッチが強烈なヘディングシュートを放つが、相手GKのスーパーセーブに阻まれる。

序盤に2点を奪われたアウェイの鹿島だが、前半半ばからはペースを握る。セットプレーから波状攻撃を仕掛ける中で、44分には左CKからチャンス。キッカーの樋口が正確なボールを放り込むと、合わせたのはニアサイドの関川。しかし、枠の右に外れた。

ビハインドを縮められずに前半を終えた鹿島だが、試合折り返しの51分、敵陣左サイドでパスを回して相手DFラインに綻びが出るのを待ち、ボックス左手前から樋口が鋭いクロスを供給。これにボックス内の仲間がバックヘッドで合わせ、ゴール右に決めた。

1点を返したアウェイチームは56分、敵陣中央で空中戦のこぼれ球に反応した樋口がボックス手前中央まで持ち込んで左足のミドルシュート。しかし、強烈なシュートは相手GKに弾かれてしまう。

もう1点を奪いたい鹿島は73分、攻撃陣の活性化を狙ってエレケを投入。カメルーン人ストライカーはこれが前節に続いて2試合目の出場となる。

しかし、その後は川崎が試合をコントロール。相手にボールを握らせながらも、バイタルエリアを締めるように守備を敷く。結局、2-1のままタイムアップを迎え、川崎が上位対決に勝利。3位に浮上し、首位横浜F・マリノスとの勝ち点差を「2」まで縮めた。

川崎F 2-1 鹿島
【川崎F】
家長昭博(前8)
脇坂泰斗(前14)
【鹿島】
仲間隼斗(後7)

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中村憲剛の引退試合は「今までにないものに」、「前夜祭」や「けんござんまい」などイベント盛り沢山、ユニフォームは『キングダム』の原泰久先生書き下ろしイラスト

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