【質疑応答】怒涛の90分…真実探しのハリル「協会はかなり大きなリスクを背負った」
2018.04.27 19:50 Fri
▽日本代表監督を電撃解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ氏が日本記者クラブで会見を行った。
▽会見総時間は、4時スタートから大幅オーバーの1時間半。突然の解任劇への不満やサポーターへの感謝も述べ続け、ロシア・ワールドカップ直前の解任劇に「協会はかなり大きなリスクを背負った」と日本サッカー協会の決断を酷評した。
◆ヴァイッド・ハリルホジッチ(元日本代表監督)
──具体的にどのような思惑で協会が解任に動いたとお考えか
「会長から言われたことは『選手やコーチたちとのコミュニケーションと信頼低下』。なぜか最後の遠征で弱まったみたいです。3年間、何の問題もなかったと認識している。疑問なのは、誰とのコミュニケーションが問題だったのか。選手から沢山の励ましのメッセージをもらった。槙野智章もそうだ」
「『JFAの結果について非常に落胆している。ヴァイッド監督とのコミュニケーションに何の問題もなかったと思っている。いち選手として、僕らのコミュニケーション改善が必要なのかもしれないが、正直に言うと、僕の中でそういった問題はなかった。個人的に、監督のおかげで進歩できた。すごく厳しい監督だったし、厳しい指摘も受けた。そのおかげで今の自分がいる。感謝している。苦しい時期もあれば、嬉しい時期もあった。ハリルホジッチ監督のW杯が是非とも見たかった』。時間があまりないので、全てを読み上げることはできなかったが、ベテランから若手まで多くのメッセージをいただきました。トレーナーやメディカルのメッセージもある。『ヴァイッド監督、本当に厳しかったですね。3年間、共に戦い、成長することができた。我々の父のようだった。この3年間、心から感謝している。監督のおかげで、ひとりの男になることができた。心より友情を』」
「テクニカルコーチからもメッセージをいただいた。『いったいどうしたんだ。どうなったか私にもわからないし、信じられないし、残念に思う』。もう1つお見せしたいものがあります。Bチームで1度だけ起用したことがある選手。サンフレッチェ広島の丹羽大輝だ。広島からわざわざ飛行機に乗って私を訪ねてくれた。私が申し上げてきたことと現実がどうなっているのかわからない。もうひと言。我々は家族的なスピリットで活動してきた。全員でご飯を食べるようにしていた。みんな、一人ひとりにプレゼントをしました。ヴァイッドは見た目ほど憎たらしい奴じゃないと思っていただいたのではないでしょうか。私は常に厳しいわけではない」
「アリガトウゴザイマス。私のようにサポーターにも傷ついている人が沢山いる。このようにサポートのメッセージをいただいたことはない。本当に、これまでなかったことで、本当に傷ついた。是非、東京の街を一緒に練り歩いてください。道端でも声援をいただく。でも、何が起きたのか質問をしてくる。私の方から会長に質問したい。私の得意分野でも最後の詰めという仕事をさせてもらえなかった。過去のW杯でも良い監督だったと思っている」
「出場権を得た日本でも良い仕事をしたと思っている。この続きができない。ここからなのに、仕事ができなくなった。傷ついた。サポーターの皆さんと同じように深く傷ついた。答えはないが、心から感謝する。こんなに大勢サポートしてくれる人がいたなんて、今までわからなかった。全部を語りきれていないが、1番素晴らしい試合、それはサポーターとの試合かもしれない。サポーターの心を収めることができたのであれば、嬉しい限りです」
──真実は見つかったか。そして、W杯で日本を応援するか
「真実を探しに来たと言ったものの、まだ見つかっていない。何人かの選手が不満を漏らしていることを耳にした。会長とやり取りをされているようだ。テクニカルスタッフの何人かとも連絡を取っていたみたいだ。西野技術委員長がその中でどういった役割を果たしたかはわからない。だが、以前に何人かが不満を漏らしていると言いかけていたので、会長から『どうする、ハリル』と言ってくれれば良かった。西野さんもそう。会長は一部スタッフと話をしたのに、なぜそのほかのスタッフと話をしなかったのか。不満を漏らしている選手は2名いるのでしょうか。ここに15人くらいの選手がメッセージをくれている」
「会長から前もって問題を指摘してもらいたかった。解雇権を持っているので問題ないかもしれないが、会長から直接話をしに来てもらいたかった。私がショックだったのは、誰も指摘してくれなかったこと。突然だ。コミュニケーションと信頼低下の理由がわからない。沢山の仕事を全員でこなしてきた。本当に答えが知りたい。2番目の質問について、私は日本の永遠のサポーター。私は真っ直ぐな性格。ここで関わってきたみんなと心がまだ通っていると信じている。どのような事態なのか、みんな把握できていない。日本、ガンバッテクダサイ。リップサービスじゃない。私のことについて色々言ってもらっても構わない。だが、私の忠誠心は揺るぎないもの。この事態をなんと言えば良いのかわからない」
「もう1つ、お願いがある。熊本県にも感謝したい。本当に特別なメッセージをいただいた。状況が変わってしまったが、W杯前に足を運ぶと約束していたので行きたい。そして、試合ごとにバッチを付けることも約束した。次回は観光客として足を運ぶことでしょう。今までやってきたことを誇りに思っている。家族も日本が大好き。北日本に足を運べていないが、まだ私は生きている。またお目にかかりましょう」
──過去同じような解任例は
「初めてだ。今まで聞いたこともない。コミュニケーションという意味はあまりにも広い。具体的に誰とのことなのか。この滞在期間中に多くの方とお話をした。私の知らないところで何かが行われているような気がします。監督および選手にとって、W杯出場の意味合いとは? 負けたとしても、W杯出場は名誉なことではないだろうか。本当に傷ついている理由は、W杯に向けて全てが整い始めたタイミングだったということ。全ての準備を事務局側と詳細を詰めていくところだった。ここ2カ月、10回ほど過去の日本vsコロンビアをチェックした」
「言い忘れていた。2月のことだが、長谷部、川島、長友ら海外組のベテラン勢とコミュニケーションを図った。そのとき、何の問題はなかった。だが、その1カ月後、コミュニケーションが薄らいだ。会長が来て『では、さよなら』だけを言ってきた。突然の出来事。何でだ。逆に、みなさんにお聞きしたい。歴代監督にも伺ったが、わからないとのことだった。この時期にどうして…。こういった時期にこういった結果で良いのか。準備はしたと言ってもW杯が舞台だ。私の心のうちがわかっていただいたでしょうか。街で出会うサポーターがどのような声をかけてくれているのかを見ればわかっていただけるのでしょう」
「協会はかなり大きなリスクを背負ってしまった。日本という国は尊重し合う国だと聞いていた。代表監督に対するこのような扱いはどうなんでしょうか。ウクライナに負けたなど結果を突きつけられれば、(解任も)理解できる。ベルギーに呼んでも会長は別件で来てくれなかった。会長の記者会見でテクニカル・コミュティがコミュニケーションの部分の修復を試みたと話していたが、私はその存在も知らなければ、どなたもお話に来なかった。私のオフィスに来たとき、握手ぐらいしたかもしれないが…」
「今思えば、初めて技術委員長を務める西野氏とも確かにコミュニケーションが足りていなかったかもしれない。全てのトレーニングや会議で常に一緒にいた。選手リストを提案したとき、あまり多くを語らない人だった。試合中に選手のチェックをお願いしたが、ハーフタイムで聞いたら、いつも『良かった』のひと言だった。一度だけ、フランスでの技術委員長という役割について聞かれた。私の知らないところでどういったやり取りをしていたのかわからないし、あえて聞いてもいない。会長は私の希望次第で会ってくれるそうだ。技術委員長から1名の選手が不平不満を言っていると言っていたので、友好的な話をした。問題がどこにあったのか。みなさんから是非聞いてもらいたいです」
▽会見総時間は、4時スタートから大幅オーバーの1時間半。突然の解任劇への不満やサポーターへの感謝も述べ続け、ロシア・ワールドカップ直前の解任劇に「協会はかなり大きなリスクを背負った」と日本サッカー協会の決断を酷評した。
◆ヴァイッド・ハリルホジッチ(元日本代表監督)
──具体的にどのような思惑で協会が解任に動いたとお考えか
「会長から言われたことは『選手やコーチたちとのコミュニケーションと信頼低下』。なぜか最後の遠征で弱まったみたいです。3年間、何の問題もなかったと認識している。疑問なのは、誰とのコミュニケーションが問題だったのか。選手から沢山の励ましのメッセージをもらった。槙野智章もそうだ」
「テクニカルコーチからもメッセージをいただいた。『いったいどうしたんだ。どうなったか私にもわからないし、信じられないし、残念に思う』。もう1つお見せしたいものがあります。Bチームで1度だけ起用したことがある選手。サンフレッチェ広島の丹羽大輝だ。広島からわざわざ飛行機に乗って私を訪ねてくれた。私が申し上げてきたことと現実がどうなっているのかわからない。もうひと言。我々は家族的なスピリットで活動してきた。全員でご飯を食べるようにしていた。みんな、一人ひとりにプレゼントをしました。ヴァイッドは見た目ほど憎たらしい奴じゃないと思っていただいたのではないでしょうか。私は常に厳しいわけではない」
──最後に共に戦ってきたサポーターにメッセージを
「アリガトウゴザイマス。私のようにサポーターにも傷ついている人が沢山いる。このようにサポートのメッセージをいただいたことはない。本当に、これまでなかったことで、本当に傷ついた。是非、東京の街を一緒に練り歩いてください。道端でも声援をいただく。でも、何が起きたのか質問をしてくる。私の方から会長に質問したい。私の得意分野でも最後の詰めという仕事をさせてもらえなかった。過去のW杯でも良い監督だったと思っている」
「出場権を得た日本でも良い仕事をしたと思っている。この続きができない。ここからなのに、仕事ができなくなった。傷ついた。サポーターの皆さんと同じように深く傷ついた。答えはないが、心から感謝する。こんなに大勢サポートしてくれる人がいたなんて、今までわからなかった。全部を語りきれていないが、1番素晴らしい試合、それはサポーターとの試合かもしれない。サポーターの心を収めることができたのであれば、嬉しい限りです」
──真実は見つかったか。そして、W杯で日本を応援するか
「真実を探しに来たと言ったものの、まだ見つかっていない。何人かの選手が不満を漏らしていることを耳にした。会長とやり取りをされているようだ。テクニカルスタッフの何人かとも連絡を取っていたみたいだ。西野技術委員長がその中でどういった役割を果たしたかはわからない。だが、以前に何人かが不満を漏らしていると言いかけていたので、会長から『どうする、ハリル』と言ってくれれば良かった。西野さんもそう。会長は一部スタッフと話をしたのに、なぜそのほかのスタッフと話をしなかったのか。不満を漏らしている選手は2名いるのでしょうか。ここに15人くらいの選手がメッセージをくれている」
「会長から前もって問題を指摘してもらいたかった。解雇権を持っているので問題ないかもしれないが、会長から直接話をしに来てもらいたかった。私がショックだったのは、誰も指摘してくれなかったこと。突然だ。コミュニケーションと信頼低下の理由がわからない。沢山の仕事を全員でこなしてきた。本当に答えが知りたい。2番目の質問について、私は日本の永遠のサポーター。私は真っ直ぐな性格。ここで関わってきたみんなと心がまだ通っていると信じている。どのような事態なのか、みんな把握できていない。日本、ガンバッテクダサイ。リップサービスじゃない。私のことについて色々言ってもらっても構わない。だが、私の忠誠心は揺るぎないもの。この事態をなんと言えば良いのかわからない」
「もう1つ、お願いがある。熊本県にも感謝したい。本当に特別なメッセージをいただいた。状況が変わってしまったが、W杯前に足を運ぶと約束していたので行きたい。そして、試合ごとにバッチを付けることも約束した。次回は観光客として足を運ぶことでしょう。今までやってきたことを誇りに思っている。家族も日本が大好き。北日本に足を運べていないが、まだ私は生きている。またお目にかかりましょう」
──過去同じような解任例は
「初めてだ。今まで聞いたこともない。コミュニケーションという意味はあまりにも広い。具体的に誰とのことなのか。この滞在期間中に多くの方とお話をした。私の知らないところで何かが行われているような気がします。監督および選手にとって、W杯出場の意味合いとは? 負けたとしても、W杯出場は名誉なことではないだろうか。本当に傷ついている理由は、W杯に向けて全てが整い始めたタイミングだったということ。全ての準備を事務局側と詳細を詰めていくところだった。ここ2カ月、10回ほど過去の日本vsコロンビアをチェックした」
「言い忘れていた。2月のことだが、長谷部、川島、長友ら海外組のベテラン勢とコミュニケーションを図った。そのとき、何の問題はなかった。だが、その1カ月後、コミュニケーションが薄らいだ。会長が来て『では、さよなら』だけを言ってきた。突然の出来事。何でだ。逆に、みなさんにお聞きしたい。歴代監督にも伺ったが、わからないとのことだった。この時期にどうして…。こういった時期にこういった結果で良いのか。準備はしたと言ってもW杯が舞台だ。私の心のうちがわかっていただいたでしょうか。街で出会うサポーターがどのような声をかけてくれているのかを見ればわかっていただけるのでしょう」
「協会はかなり大きなリスクを背負ってしまった。日本という国は尊重し合う国だと聞いていた。代表監督に対するこのような扱いはどうなんでしょうか。ウクライナに負けたなど結果を突きつけられれば、(解任も)理解できる。ベルギーに呼んでも会長は別件で来てくれなかった。会長の記者会見でテクニカル・コミュティがコミュニケーションの部分の修復を試みたと話していたが、私はその存在も知らなければ、どなたもお話に来なかった。私のオフィスに来たとき、握手ぐらいしたかもしれないが…」
「今思えば、初めて技術委員長を務める西野氏とも確かにコミュニケーションが足りていなかったかもしれない。全てのトレーニングや会議で常に一緒にいた。選手リストを提案したとき、あまり多くを語らない人だった。試合中に選手のチェックをお願いしたが、ハーフタイムで聞いたら、いつも『良かった』のひと言だった。一度だけ、フランスでの技術委員長という役割について聞かれた。私の知らないところでどういったやり取りをしていたのかわからないし、あえて聞いてもいない。会長は私の希望次第で会ってくれるそうだ。技術委員長から1名の選手が不平不満を言っていると言っていたので、友好的な話をした。問題がどこにあったのか。みなさんから是非聞いてもらいたいです」
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