【質疑応答4】西野朗監督のロシアW杯の目標と現時点の勝率は?…ハリル解任の理由の一つ「信頼関係」を構築する上で大事なことは?
2018.04.12 22:04 Thu
▽日本サッカー協会(JFA)は12日、日本代表の西野朗新監督の就任会見を行った。
▽会見の冒頭で意気込みを語った西野新監督はメディア陣による質疑応答に応対。西野朗監督が現時点でのW杯の勝率、目標について言及し、前任のヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任理由の一つして挙げられた「信頼関係」を構築していく上で大事なことを明かした。
◆西野朗監督(日本代表)
──ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はラージリストを作り、これから絞る作業に入っていたと思うが、技術委員長としても関わられていたと思われる中、今まで絞ってきたラージリストがベースになるのか
「できればフラットな状態で考えたいとは思っていますけど、実際にハリルホジッチ監督の下でリストを作成してきた中で、ベースは変わらないと思います。それがベストだと考えていますし、グループやユニットという力が必要なので、そういう中で新しい選手というのももちろん考えたいところではありますけど、チームを作っていく上では今までのラージのメンバーをベースにした上で考えていきたいt思っています」
──先日の会見では今回の監督交代を「W杯で勝つ可能性を1%、2%上げるための決断」と言っていたが、西野監督は現時点でW杯で勝つ可能性を何%と捉えているか
「先ほども言いましたが、勝てる確率を高めていくには選手たちのプレーがしっかり出させた上で、そういう結果が間違いなくついてくると思います。そこは追求していきたいですし、選手たちにも強調したいと思います」
「成果が一人歩きするということではなく、パフォーマンスをしっかりと代表チームの中でも出していけるという状況を求めていきたいです。間違いなく、こういう事態になって選手たちはいろいろな気持ちを持っていると思います。これは1%、2%どころではない、選手たちがこの状況に対する危機感や日本サッカーに対する強い気持ちをさらに持ってくれたと思っています。いろいろな意味で勝てる確率はかなり高まっていると思います。その勝負に対しての確率も間違いなく上がっていくはずだと思います」
「かつてオリンピックでは2勝してもグループリーグを突破することができなかったということを経験しています。それはオリンピックでもなかったことですし、ワールドカップでも起こるかもしれません。そういう予選ですけど、1試合1試合の戦いをベストを尽くしてチャレンジしていくという姿勢を見せていきたいです。濁すようですけど、予選(グループリーグ)は突破したいと思います。そういう力を信じて作っていくのが、この2カ月だと思っています」
「選手たちには数字的な目標を大きく与えるつもりはないです。とにかく現状で選手たちは良いプレー・良いパフォーマンスを出してくれる。そういう中でコロンビアに対しても挑んでいきたいです。十分にチャレンジできる状況になると思います」
──今回のスケジュールでどう考えても足りないのが試合経験だが、例えば今回予定されている3試合以外で非公式の試合を行うことも一つだと思うがどう考えているか
「当初の監督の予定では、5月19日、20日が国内組最後のリーグ戦。それが終わった後にあまり休暇がなく招集されて、キャンプそしてガーナ戦に向かっていくということですけど、現実ここ4月、5月の国内組のマッチスケジュールを見ると、ACL、ルヴァンカップを敗退するチームもありますけど、試合数は相当数があります」
「私としてはそこでいかにリフレッシュして、わずかではありますけどそういう時間を持ってキャンプに入って欲しいと思います。海外組も5月2週くらいで終わってしまうスケジュールで、中南米のメキシコも4月で終わってしまう状況の中で、リカバー的な日数もバラバラでガーナ戦に入るので、そこの部分が大事になります。トレーニングマッチ的なところは状況にもよりますけど、考える必要もあるのかなと思っています」
「まず本大会は、40日以上の拘束になるので、それまでに国内のスケジュールがタイトという中で選手たちのメンタリティをどうキープするかが重要になるので、ストレスになるような状況であれば考えていきたいです」
──信頼関係を構築する上でご自身が考える大事なことは
「指導者によって信頼関係を構築していくことは、数字で図ることもできませんし、雰囲気で感じることなのかなと思います。私もスタートで使っている選手たち以外は、どうなのかなとふと感じていました。選手の方向性やベクトルが合っている中で、逸脱する選手はたくさんいます」
「そういう選手たちも一つの目標に向かっている中でのことであれば、全く問題はないと思っています。信頼関係はそのチームを良くしたい、勝ちたい、タイトル獲りたい、出場権を獲りたいというような目標に向かっていける状況を感じることだと思うところです。選手たちはそういう中で、出場できたりできなかったりということはたくさんあります。最後は指導者の方向性や情熱、選手に対する気持ちをストレートにぶつけているかだと感じています」
「決してそれが薄れてきたという訳ではないですけど、チームの中でいろいろなコミュニケーションをとった中で構築していきたいと思っています。代表チームは特に、スポットで集まって、ストレスを抱えたまま戻してしまう選手もいたので、そういうケアを密にとっていきたいです」
▽会見の冒頭で意気込みを語った西野新監督はメディア陣による質疑応答に応対。西野朗監督が現時点でのW杯の勝率、目標について言及し、前任のヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任理由の一つして挙げられた「信頼関係」を構築していく上で大事なことを明かした。
◆西野朗監督(日本代表)
──ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はラージリストを作り、これから絞る作業に入っていたと思うが、技術委員長としても関わられていたと思われる中、今まで絞ってきたラージリストがベースになるのか
「できればフラットな状態で考えたいとは思っていますけど、実際にハリルホジッチ監督の下でリストを作成してきた中で、ベースは変わらないと思います。それがベストだと考えていますし、グループやユニットという力が必要なので、そういう中で新しい選手というのももちろん考えたいところではありますけど、チームを作っていく上では今までのラージのメンバーをベースにした上で考えていきたいt思っています」
「先ほども言いましたが、勝てる確率を高めていくには選手たちのプレーがしっかり出させた上で、そういう結果が間違いなくついてくると思います。そこは追求していきたいですし、選手たちにも強調したいと思います」
「成果が一人歩きするということではなく、パフォーマンスをしっかりと代表チームの中でも出していけるという状況を求めていきたいです。間違いなく、こういう事態になって選手たちはいろいろな気持ちを持っていると思います。これは1%、2%どころではない、選手たちがこの状況に対する危機感や日本サッカーに対する強い気持ちをさらに持ってくれたと思っています。いろいろな意味で勝てる確率はかなり高まっていると思います。その勝負に対しての確率も間違いなく上がっていくはずだと思います」
──西野監督の目標は? また、目標が達成された場合、続投という声も上がる可能性があると思うがモチベーションになっているか
「かつてオリンピックでは2勝してもグループリーグを突破することができなかったということを経験しています。それはオリンピックでもなかったことですし、ワールドカップでも起こるかもしれません。そういう予選ですけど、1試合1試合の戦いをベストを尽くしてチャレンジしていくという姿勢を見せていきたいです。濁すようですけど、予選(グループリーグ)は突破したいと思います。そういう力を信じて作っていくのが、この2カ月だと思っています」
「選手たちには数字的な目標を大きく与えるつもりはないです。とにかく現状で選手たちは良いプレー・良いパフォーマンスを出してくれる。そういう中でコロンビアに対しても挑んでいきたいです。十分にチャレンジできる状況になると思います」
──今回のスケジュールでどう考えても足りないのが試合経験だが、例えば今回予定されている3試合以外で非公式の試合を行うことも一つだと思うがどう考えているか
「当初の監督の予定では、5月19日、20日が国内組最後のリーグ戦。それが終わった後にあまり休暇がなく招集されて、キャンプそしてガーナ戦に向かっていくということですけど、現実ここ4月、5月の国内組のマッチスケジュールを見ると、ACL、ルヴァンカップを敗退するチームもありますけど、試合数は相当数があります」
「私としてはそこでいかにリフレッシュして、わずかではありますけどそういう時間を持ってキャンプに入って欲しいと思います。海外組も5月2週くらいで終わってしまうスケジュールで、中南米のメキシコも4月で終わってしまう状況の中で、リカバー的な日数もバラバラでガーナ戦に入るので、そこの部分が大事になります。トレーニングマッチ的なところは状況にもよりますけど、考える必要もあるのかなと思っています」
「まず本大会は、40日以上の拘束になるので、それまでに国内のスケジュールがタイトという中で選手たちのメンタリティをどうキープするかが重要になるので、ストレスになるような状況であれば考えていきたいです」
──信頼関係を構築する上でご自身が考える大事なことは
「指導者によって信頼関係を構築していくことは、数字で図ることもできませんし、雰囲気で感じることなのかなと思います。私もスタートで使っている選手たち以外は、どうなのかなとふと感じていました。選手の方向性やベクトルが合っている中で、逸脱する選手はたくさんいます」
「そういう選手たちも一つの目標に向かっている中でのことであれば、全く問題はないと思っています。信頼関係はそのチームを良くしたい、勝ちたい、タイトル獲りたい、出場権を獲りたいというような目標に向かっていける状況を感じることだと思うところです。選手たちはそういう中で、出場できたりできなかったりということはたくさんあります。最後は指導者の方向性や情熱、選手に対する気持ちをストレートにぶつけているかだと感じています」
「決してそれが薄れてきたという訳ではないですけど、チームの中でいろいろなコミュニケーションをとった中で構築していきたいと思っています。代表チームは特に、スポットで集まって、ストレスを抱えたまま戻してしまう選手もいたので、そういうケアを密にとっていきたいです」
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日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)が、やはり笑顔だ。 3月の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮代表との連戦に臨む予定だった日本。だが、アウェイの平壌で開催予定だった試合が中止となったことで、ホームでの1試合のみで活動を終えた。 週末の試合に向けて選手たちが各自のクラブへと戻っている中、21日に行われたホームゲームで先発していた上田も28日にインスタグラムを更新。「応援ありがとうございました!」とファンやサポーターへの感謝の思いを綴っていた。 そんな中、その上田の投稿に添えられていた1枚の写真が話題だ。 上田は、キックオフ前にスターティングメンバー11人が並んで撮影される集合写真もアップ。他の10人がいかにも試合前というようなきりっとした表情を見せる中、上田だけは満面の笑顔だった。 上田が集合写真の撮影時に笑顔を見せるのは恒例のこと。アジアカップ2023の時も度々話題となっていたが、今回はそのアジアカップ以来の代表戦ということもあり、ファンからは「綺世いつも笑ってて可愛い!!!」、「いつも笑顔が素敵」、「今回もニッコニコ」、「スマイル待ってました!」、「とびきりの笑顔で可愛い」とまたも反響が集まっている。 今回はアウェイでの試合が中止となったこともあり、上田の笑顔も並んだ集合写真はこの時だけ。6月の2次予選でも、またこのとびきりの笑顔が見られるだろうか。 <span class="paragraph-title">【写真】1人だけ爽やかな笑顔!日本代表の集合写真(2枚目)</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/C5BhsnPtqYw/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); width:calc(100% - 2px);"><div style="padding:16px;"> <a href="https://www.instagram.com/p/C5BhsnPtqYw/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" style=" background:#FFFFFF; line-height:0; padding:0 0; text-align:center; text-decoration:none; width:100%;" target="_blank"> <div style=" display: flex; flex-direction: row; align-items: center;"> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 100px;"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 60px;"></div></div></div><div style="padding: 19% 0;"></div> <div style="display:block; height:50px; margin:0 auto 12px; width:50px;"><svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg></div><div style="padding-top: 8px;"> <div style=" color:#3897f0; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:550; line-height:18px;">この投稿をInstagramで見る</div></div><div style="padding: 12.5% 0;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: row; margin-bottom: 14px; align-items: center;"><div> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(0px) translateY(7px);"></div> <div style="background-color: #F4F4F4; height: 12.5px; transform: rotate(-45deg) translateX(3px) translateY(1px); width: 12.5px; flex-grow: 0; margin-right: 14px; margin-left: 2px;"></div> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(9px) translateY(-18px);"></div></div><div style="margin-left: 8px;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 20px; width: 20px;"></div> <div style=" width: 0; height: 0; border-top: 2px solid transparent; border-left: 6px solid #f4f4f4; border-bottom: 2px solid transparent; 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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/C5BhsnPtqYw/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">上田綺世/Ayase Ueda(@bee18_official)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2024.03.28 11:25 Thu3
【2022年カタールへ期待の選手㊲】夢に見続けてきた頂点に立ったスピードスター/松村優太(静岡学園→鹿島アントラーズ/MF)
5万6000人という高校サッカー選手権決勝史上最高観客が押し寄せた埼玉スタジアムで行われた13日のファイナル。静岡学園は高円宮杯プレミアリーグ王者・青森山田に挑み、0-2の劣勢を跳ね返して初の単独優勝を果たした。エースナンバー10・松村優太は大会を通して重圧を感じながら戦い、得点も準決勝・矢板中央戦の1ゴールにとどまったものの、夢に見続けてきた頂点に立ったことで、心からの安堵感をのぞかせた。 「前半初めにセットプレーで点を取られて、ちょっと飲まれてしまった。でも自分たちで盛り返してできたことが勝利の要因かなと思います。2点取られても攻撃的に行くスタイルを貫いた勝利が一番いい。僕はこれから鹿島アントラーズに行きますけど、これをいい弾みにして、開幕から試合に出られるように頑張っていきたいと思います」と18歳のスピードスターは目を輝かせた。 奇しくも埼玉スタジアムが完成した2001年に大阪で生まれた松村は東淀川FCに所属していた中学は無名の存在だった。「当時はスピードに頼っていた」と本人も述懐する。その彼が静学を選んだのは、同じクラブの5つ上の先輩・名古新太郎(鹿島アントラーズ)も赴いた静学。「名古さんが行った縁があって、監督から勧められました。他の高校とは違う魅力があり、独自のものを持っているんで、自分が一番伸びる高校かなと思って決めました」と本人は言う。 15歳の春、親元を離れて静岡に向かったが、200人を超える静学サッカー部の選手たちは足元の技術が抜群にうまかった。それも名将・井田勝通総監督が何度もブラジルに通って考案したボールテクニック練習を繰り返したから。「15歳までにボールに100万回触れ」「独創性をとことん追求しろ」「サッカーはつねに美しくあるべき」といった明言を残している名指導者がこだわり続けた個人技を誰もが身に着けようと朝練から躍起になっている。そういう環境に行ったことで、松村の心にスイッチが入った。 「静学に行った頃の自分はリフティングやフェイントとかもうまい方じゃなかった。それを毎日続けていくうちにだんだん自信がついてきた」と彼も話したが、その積み重ねが心身両面の大きな成長につながり、1年の終わり頃には川口修監督に才能を見出された。高2の段階でU-17日本代表に選ばれ、静学の10番を背負うまでになったのは、やはり競争の激しいチームで切磋琢磨し続けたから。15歳の選択は正しかったのだ。 実際、2〜3人の敵がいても抜群のスピードで抜き去る能力を持った彼のような選手はそうそういない。そのストロングポイントを見た鹿島のスカウトも一瞬にして松村に魅せられ、獲得を決めたという。今季の鹿島は同じドリブラータイプの中村充孝がモンテディオ山形へ移籍し、相馬勇紀も名古屋グランパスへのレンタルバックが決定。右サイドを長く担ってきた遠藤康もケガがちでコンスタントにピッチに立てていない。そういう意味でも松村は喉から出が出るほど欲しかったタレントなのだろう。 「スピードとドリブルは自分でも結構まずまずだとは思うんですけど、ラストのシュートの精度だったり、クロスの精度はもっともっと高めていかないといけない。それができればJリーグでも通用するかなと思うので、引き続き練習していきたいです。選手権で優勝したことでより注目されると思いますけど、これに満足することなく、結果を残せるように頑張りたいです」と本人も新たな決意を胸に秘め、常勝軍団の扉を叩いた。同郷の先輩・名古もいるだけに、メンタル的にも余裕を持ってのぞめるはず。鹿島というクラブで若手がいきなり出番を得るのは相当に難易度の高いことではあるが、ザーゴ新監督就任直後で序列も定まっていない今だけにチャンスは少なからずありそうだ。 仮に鹿島で結果を残せれば、夢である海外移籍も見えてくる。 「自分が憧れているのは(エデン・)アザール(レアル・マドリー)。背が高くなくてもプレミアリーグであれだけ活躍していましたし、そのレベルを目指してやっていきたいですね。僕と同い年には久保建英(マジョルカ)もいますし、すでにJリーグで実績を積み上げている斉藤光毅(横浜FC)や西川潤(セレッソ大阪)もいる。彼らはA代表とかU-20代表とか上のカテゴリーでやってますし、早くそこに追いつかなければいけない」 語気を強めた松村は貪欲に高みを追い求めようとしている。その向上心を失わず、順調に成長できれば、海外挑戦という夢にもいずれ手が届くだろう。 静学の川口監督は「ウチの今の目標はUEFAチャンピオンズリーグでプレーする選手を出すこと。『目指せ、カンプ・ノウ』ですよ」と笑ったが、松村にはそのくらいの領域を視野に入れ、とことんまで突き進んでほしいものだ。 2020.01.15 17:45 Wed4
【選手評】ハリルホジッチ監督、招集メンバー26名へ期待と要求…初招集FW中島翔哉は「日本になかなかいない選手」《キリンチャレンジカップ》
▽日本サッカー協会(JFA)は15日、国際親善試合及びキリンチャレンジカップ 2018 in EUROPEに臨む同国代表メンバー26名を発表した。 ▽メンバー発表会見に出席した日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、今回の選考基準を説明。代表復帰となったDF森重真人(FC東京)やFW本田圭佑(パチューカ/メキシコ)への期待や初選出となったFW中島翔哉(ポルティモネンセ/ポルトガル)の招集理由についても明かした。 GK 川島永嗣(メス/フランス) 中村航輔(柏レイソル) 東口順昭(ガンバ大阪) 「GKは3人。ただ、現段階のパフォーマンスに満足している訳ではない。もっともっと向上して欲しい。」 DF 酒井宏樹(マルセイユ/フランス) 遠藤航(浦和レッズ) 「酒井は日本人選手の中では、定期的に高いパフォーマンスを継続している。ここ最近調子も良い。遠藤は昨日のルヴァンカップで少し問題が出た。今検査をしている段階と聞いている。ただ、バックアップはすでに用意している。何が起きても問題はない」 DF 長友佑都(ガラタサライ/トルコ) 車屋紳太郎(川崎フロンターレ) 宇賀神友弥(浦和レッズ) 「次に左サイド。長友はクラブを変えたにも関わらず、定期的に試合に出場していて嬉しい。彼の存在は日本代表に必要不可欠だ。車屋と宇賀神の戦いは、これから始まる。合宿を多くこなしている訳ではないが、右サイドでもいけるのかというのも見極めなくてはいけない。どこまでついて行けるかをこれから見ていく」 DF 昌子源(鹿島アントラーズ) 植田直通(鹿島アントラーズ) 槙野智章(浦和レッズ) 森重真人(FC東京) 「それから真ん中。最初の3人(昌子、植田、槙野)はもっとできると思っている。そして、森重をなぜ呼んだか。まだ彼は準備できている段階ではない。すぐに使う訳でもない。ただ、彼がどのような状況になっているかを知りたい。励ますためにも呼んでいる。彼が以前のレベルに戻るかどうか。もちろん(吉田)麻也がいないということもある。彼の経験が我々にとってどこまで使えるかというのもある。ただ、まだまだトップパフォーマンスには程遠い。モチベーションを上げる努力をしていかなくてはいけない。早くレベルを戻してほしい」 MF 長谷部誠(フランクフルト/ドイツ) 三竿健斗(鹿島アントラーズ) 山口蛍(セレッソ大阪) 「長谷部は真ん中もできれば後ろもできる。本会までにケガなくいってほしい。三竿は、良いパフォーマンスを続けている。(山口)蛍は、常に呼んでいる選手だが、守備だけで終わるのではなく攻撃のところでもっと野心を持ってほしい。代表では良いパフォーマンスを見せている。イラク戦では我々を助けてくれた選手の1人だ」 MF 大島僚太(川崎フロンターレ) 柴崎岳(ヘタフェ/スペイン) 森岡亮太(アンデルレヒト/ベルギー) 「大島は国内でも優秀な選手の1人。彼もよくケガをするが、我々もしっかりとコンタクトをとって、そこを脱して良い状況が続いていると思う。(柴崎)岳と森岡は、(香川)真司と清武が居ないこともあり、10番や8番のタイプとして期待している。柴崎は、クラブで毎回先発という訳ではないが、レベルが上がってきていると思う。森岡はすでに2、3回観ているが、フィジカル的なところやデュエルの部分でまだ伸びると思う。ゴール数やアシスト数はリーグでも断トツ。ただ、ゲームのアクションの中でまだまだ伸びる部分はあると思う」 FW 久保裕也(ヘント/ベルギー) 本田圭佑(パチューカ/メキシコ) 「久保もまだまだ私の満足いくパフォーマンスではない。それから(本田)圭佑は、このチャンスを是非とも掴んでほしい」 FW 原口元気(デュッセルドルフ/ドイツ) 宇佐美貴史(デュッセルドルフ/ドイツ) 中島翔哉(ポルティモネンセ/ポルトガル) 「原口と宇佐美は、同じクラブでプレーしている。ここ直近の数試合で宇佐美は、しっかりと伸びている状況。ある時期はチームで干されるかもしれない状況だったが、今は出ている。原口も同じだ」 「それから長い間追跡している中島。本当にたくさん試合に出場していて、得点やアシストもしている。ドリブラーでここまで俊敏で爆発的なものを持っている選手は日本になかなかいない。前回のオリンピック代表の監督であったテグ(手倉森誠)さんともしっかりと話をして、オフェンス面で何かもたらせるのではないかという判断。ただ、守備面では代表で私が求めるレベルではない。様子を見たい」 FW 小林悠(川崎フロンターレ) 杉本健勇(セレッソ大阪) 大迫勇也(ケルン/ドイツ) 「最初の2人はここ最近で本当に伸びてきている。オフェンス面で日本で素晴らしい結果を出している。彼も自分たちのプレーの仕方を変えて伸びてきている。真ん中の選手として、アグレッシブに背後、そしてペナルティエリア内で存在感を出している。それから相手の最終ラインからの組み立てを最初に防ぐ仕事もしている。我々が観たここ数試合でも良いパフォーマンスだった。これを続けてくれと言いたい」 「大迫は、クラブで真ん中でなく、横や後ろでもプレーしているが、良くなってきている。代表ではクラブとは全く違うアクションをしてほしい。常に背負った状態でプレーするのではなく、ゴールに向いてプレーして欲しい。この3人は素晴らしいヘディングを持っている。W杯本大会でもこれが重要になってくる。もちろんFKを貰えればの話。守備でもしっかりと守らなくてはいけない。大事になってくる。W杯ではFKが決定的な状況を作ることもある」 ▽なお、日本代表は、3月のベルギー遠征で2試合の国際親善試合を予定。ロシアW杯に向けた選手見極めとチーム強化のため、マリ代表(23日/ベルギー)、ウクライナ代表(27日/同)と対戦する。 2018.03.15 19:50 Thu5
