【原ゆみこのマドリッド】もう準決勝のことを考えてもいい?2018.04.07 13:30 Sat

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▽「痛いところを突かれてしまった」そんな風に私が反省していたのは木曜深夜、すでに日付の変わったワンダ・メトロポリターノのミックスゾーンでのことでした。いえ、今回の相手は冬休みを終えたばかりの北国のチームではなく、よく見れば2016年ユーロで優勝したGKルイ・パトリシオまでいるポルトガルの名門。試合前にはクリスチアーノ・ロナウドが宿泊先のユーロスターホテルを訪れ、レアル・マドリー時代から仲の良いコエントランのいる古巣を鼓舞したなんて話も伝わっていただけに、不安も少しだけあったんですけどね。

▽それも幸い杞憂となり、アトレティコはスポルティング戦を無事に切り抜けたため、私もホッとして、ジエゴ・コスタやグリーズマンが母国語で話しかけてきた新聞記者たちに答えていたのに合わせ、各局のTVカメラもそちらに移動。間が悪くも時同じくして、映像メディア用のお立ち台に現れたコケの前は閑散としていたなんて出来事もあった後、ようやく登場したのは、帰り支度の遅さではマドリーのセルヒオ・ラモスといい勝負のフアンフランだったんですが、やはり外せない質問はこの日曜のマドリーダービーについて。

▽現在、アトレティコはマドリーに勝ち点差4をつけているものの、「No podemos salir al Bernabeu pensando que si perdemos seguimos segundos/ノー・ポデモス・サリール・アル・ベルナベウ・ペンサンドー・ケ・シー・ペルディモス・セギモス・セグンドス(負けても2位のままだなんて考えて、ベルナベウのピッチに出ることはできない)」とは随分、頼もしいじゃないですか。ええ、リーガは2位でも3位でも、それこそ今季からは4位でもCLグループリーグ直接出場権をもらえるため、実利的な面ではどうでもいいんですが、そこはお隣さんの上で終わりたいというライバル意識からでしょうか。私など、結果に関わらず、順位は変わらないというのを負けた時の慰めに取っておいたぐらいだったんですが、そうですよ。やっぱりダービーとなれば、絶対、勝つ気で挑まないと。

▽まあ、その辺はまた後でお話ししますが、今週はいよいよヨーロッパの大会も佳境に入り、準々決勝1stレグが行われたミッドウィークはまず、火曜にマドリーがアウェイでユベントスと対戦。折しも昨季のCL決勝で1-4と下して2連覇を遂げた相手だったせいか、ジダン監督もゲンを担いだんでしょうかね。そのカーディフでの一戦と同じメンバーをリピートしたんですが、これがまさに大当たりすることに。ええ、開始3分にはイスコのラストパスをロナウドが押し込み、早々にGKブッフォンを破ってしまったから、驚いたの何のって。

▽とはいえ、ユーベもそこで気落ちすることなく、前半残りは追加点を奪われこそしなかったものの、後半19分にはクライマックスが訪れます。起点はロナウドで、ルーカス・バスケスが撃ったシュートはGKブッフォンに弾かれてしまったんですが、カルバハルがクロスを上げて、ボールがエリア内に戻ったところ、ゴールに背を向けていたロナウドが飛翔。打点2メートル21センチという高みから、chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)を見事に決めた日には、敵側のファンまでが拍手を送ってしまったのはムリもない?ええ、これには念願のオーバーヘッドでのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)をゲットした当人も、「ユベントスのファンにお礼を言わないと。自分のキャリアの中でこんな素晴らしいことがあったのは初めてだ」といたく感動していたようですけどね。

▽ユーベにとって、泣きっ面に蜂だったのはその2分後、ディバラが2枚目のイエローカードをもらって退場してしまったことで、うーん、せめて1点でも返して、1-2で2ndレグを迎えるのだったら、まだremontada(レモンターダ/逆転)の目もありながら、この時点で2ndレグでも貴重なアタッカーを失ったのは大打撃だったかと。そこへ、27分にはロナウドのアシストでマルセロがGKの上を越えるチップキックで3点目を入れてしまったとなれば、40歳のブッフォンが「CL優勝というボクの夢を果たすのは不可能だ。世界一の選手が邪魔するのだから」と嘆いていたのも当然だった?「ウチには必要なツキがなかった」というアッレグリ監督の意見もありますが、やはり今季、唯一、残ったタイトル獲得のある大会でのマドリーは別格。リーガと違い、惜しむところなく、実力全開でプレーするのが強さの秘訣でしょうか。

▽え、ツキなさといえば、同日、サンチェス・ピスファンにバイエルンを迎えたセビージャに並ぶものはないんじゃないかって?そうですね、0-3という余裕のあるスコアで先勝したため、来週水曜の2ndレグではラモスが累積警告で出場停止になってしまったのもあまり痛くはないマドリーに比べると、せっかくサラビアのゴールで先制しながら、ヘスス・ナバス、エスクデーロのオウンゴールで1-2と逆転負けてしまったモンテッラ監督のチームは気の毒な面がなきにしもあらず。ただ、同様のことは翌水曜にも起きて、カンプ・ノウでローマもデ・ロッシとマノラスが味方のGKアリソンを破って、バルサに2点を献上、最後は4-1で負けてしまうことに。その日はリバプールもマンチェスター・シティに3-0と予想外の快勝をしたため、セビージャにはアリアンツ・アレナでの奇跡を祈るものの、どうやらCL準決勝はマドリー、バイエルン、バルサ、リバプールという面々になりそうな気配が濃厚かと。

▽こうなると遅かれ早かれ、CLクラシコ(伝統の一戦)が実現しそうですが、もしCL準決勝で対戦となると1stレグが4月24、25日、2ndレグが5月1、2日。丁度、その直後の週末がリーガのバルサvsマドリー戦となるため、クラシコ祭りを避けるには5月26日のキエフで顔を合わせるというのが、シナリオ的にベストかもしれませんが、さて。2014年、2016年とダービー決勝ではお隣さんに連勝したマドリーとはいえ、クラシコ決勝は私もまだ見たことがないですしね。アッレグリ監督が「今、最強のチームはマドリーとバルサ。ロナウドとメッシがいるからで、それは大きなアドバンテージだ」と称えていた両選手だって、もうどちらも30歳越えしているため、今季はCLで雌雄を決する最後のチャンスになるかもしれませんよ。

▽そして翌木曜はワンダでアトレティコのEL準々決勝1stレグを見た私ですが、少し早めに行ったところ、ようやくスタジアム周りの下段、オフィシャルストア並びにレストランがオープンしたのを発見。これまで試合前に飲食をするにはメトロ(地下鉄)7号線の最寄り駅、エスタディオ・メトロポリターノ駅の1つ手前、ラス・ムサス駅からスタジアムに向かう道の途中にあるバル(スペインの喫茶店兼バー)に寄るか、マッチデーだけオープンするフードトラックを利用するしかなかったんですが、このGradona(グラドナ)というお店は年中無休だそうで、スタジアムツアーに来た際などに喉を潤すのに便利かと。

▽一方、ポルトガルからスポルティングファンが3600人程駆けつけ、ELには冷たかったホームのサポーターもかなり増えた試合では、もしや火曜のお隣さんの速攻に刺激されたんですかね。こちらは何と、キックオフからたった24秒、CBコアテスのエリア前での横パスをコスタが奪い、そこからスペースに走り込んだコケがゴールを挙げて、アトレティコがあっという間に先制したから、呆気に取られたの何のって。どうやら、「una buena predisposicion para presionar en campo rival, algo que teniamos preparados/ウナ・ブエナ・プレディスポシシオン・パラ・プレシオナール・エン・カンポ・リバル、アルゴ・ケ・テニアモス・プレパラードス(敵陣でプレスをかけようと、ウチは準備していた)」というシメオネ監督の作戦が上手くはまったおかげだったようですが、でもねえ。

▽39分に追加点が入った時もキッカケはもう1人のCB、マチューがサウールのパスをカットミス。今度はグリーズマンがボールを拾い、「Nosotros disfrutamos con los errores del rival/ノソトロス・ディスフルタモス・コン・ロス・エローレス・デル・リバル(ボクらは敵のミスを満喫している)」と2点目を入れてくれたのはいいんですが、こう太っ腹な相手にはなかなか出会えませんからね。むしろ、後半序盤、ルイ・パトリシオと1対1になったコスタが判断を誤り、3点目を奪えなかった方が問題かと思いますが、それにつけても有り難いのはGKオブラクの存在。ええ、前半もジェルソンのエリア内からのシュートを弾いて、同点のピンチを防いでくれましたし、後半ロスタイムにも同選手の強烈な一撃をparadon(パラドン/スーパーセーブ)って、救いの神とはまさにこのこと?こぼれ球はモンテーロが天に撃ち上げてくれたため、敵にアウェイゴールを与えず、アトレティコは2-0で試合を終えることができましたっけ。

▽ただ、マドリーの3-0と比べると、ちょっと心もとない感じもあって、何せ来週木曜の2ndレグはリスボンのジョゼ・アルベラーデでの開催ですしね。シメオネ監督も「El 2-0 es importante/エル・ドス・ア・セロ・エス・インポルタンテ(2-0の結果は大きい)。今日と同じ態度であちらでもプレーするならね」と言っていた通り、スポルティングはエースのドン・バストとコエントランが出場停止になるとはいえ、まだまだ油断は禁物かと。おまけに勝負を決める3点目が取れなかったため、コスタもグリーズマンも残り数分までピッチにいたんですが、この日も終盤、選手たちの疲れが目立っていたように、今やフィールドプレーヤーはたったの17人。今季絶望のフィリペ・ルイス、代表戦での負傷がまだ治らないヒメネス、ベルサイコを除き、更に14人の超少数精鋭になっているアトレティコにはローテーションという単語はありませんからね。

▽当然、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのダービーでも同じ選手がプレーする他なく、逆にジダン監督のチームは休養日も2日多い上、ユベントス戦でベンチだったベイルや先発しなかったアセンシオ、ルーカス・バスケスら、体力満々のメンバーを使えるのはかなり不利かと。ケガ人もあちらはナチョしかいませんしね。余裕でマルセロやカルバハルが温存され、テオとリュカの兄弟対決が実現したりするのも微妙に悔しい感じがしますが、ダービーで消耗した選手たちが再び、EL準々決勝2ndレグでリピートするのはもっと怖い?

▽だってえ、コケなど「Es normal que nos den por favoritos por todo lo que hemos hecho en Europa estos anos/エス・ノルマル・ケ・ノス・デン・ポル・ファボリートス・ポル・トードーロ・ケ・エモス・エッチョー・エン・エウロッパ・エストス・アーニョス(ここ数年、ヨーロッパの大会でやってきたことから、ウチが優勝候補と見られるのは当たり前)」なんて、ひょうひょうとした顔で言っていましたが、同日はアーセナルがCSKAモスクワに4-1、ラツィオはザルツブルクに4-2で勝利と、得点力の高いチームはまだ残っているんですよ。32強対決はコペンハーゲン、16強対決はロコモティブ・モスクワに大勝したアトレティコでしたが、この先、厳しい試合が待っているとなると、彼らのスタミナがいつまでもつのか、憂鬱になってしまうんですが…。

▽まあ、それはそれとして、この土曜にはマドリッドの弟分、レガネスがバルサに挑みますからね。実は今回、痛み止めを注射してローマ戦に出たブスケツが招集外、メッシもアルゼンチン代表合宿からの筋肉痛を引きずっていて本調子でなく、ベンチ待機となるかもしれないと聞いているため、こっそり首位との差が勝ち点9から縮まることを期待しているのは私だけ?お隣さんのヘタフェが今年、同じカンプ・ノウでの試合でスコアレスドローを勝ち取っているだけに現在、降格圏と15差と、まだ勝ち点は36ながら、ほぼ残留を達成しているレガネスだって、負けていられないっていうのは好材料になるかもしれません。

▽そしてヘタフェの方は同じ土曜、午後1時(日本時間午後8時)から、ビトリア(スペイン北部の町)でアラベスと対戦なんですが、こちらも降格圏とは18差の11位と最低限の目標には達しているんですが、あと8試合あるとなれば、来季のEL出場権を得られる7位までの7差を詰める時間はまだあるかと。彼らの場合、アンヘルが当たってくれないと、なかなか勝利に結びつかないという傾向があるものの、ようやくボランチのベルガラも復帰。前節ベティス戦でとった不覚を挽回すべく、そろそろ柴崎岳選手の活躍も見たいところです。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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余計なことは言ってはいけない…/原ゆみこのマドリッド

「あまり気に病んでいる訳ではないみたい」そんな風な印象を私が受けたのは金曜日、先日のCL16強対決1stレグで次戦出場停止となるため、わざとイエローカードをもらったのではないかという容疑でUEFAがセルヒオ・ラモスの調査を開始。もしクロとされれば、最近は1試合余分に処分を課されるのが慣例になっているため、2ndレグのみならず、下手したら、バルサと当たることもある準々決勝1stレグにも出られなくなるとあって、当人も自分の口の軽さを大いに反省していると思っていたんですけどね。翌日には新しいタトゥーを入れてもらっているご機嫌な姿をインスタグラムで公開って(https://www.instagram.com/p/Bt4GM4YFHnI/)、もしやこれって、一種の現実逃避? いやあ、2011年にモウリーニョ監督の指示を受け、やはり同じアヤックス戦でシャビ・アロンソと共に彼もあからさまなファールで累積警告となるイエローカードを誘発し、突破決定済みのグループリーグ最終節で出場停止処分、懸念を残さず決勝トーナメントに挑もうと画策した際には監督に2試合のベンチ入り禁止処分、2選手は罰金2000ユーロ(約25万円)だけで済んだものでしたけどね。今回は敵の危険なカウンター攻撃を断ち切るためのファールとあって、黙っていれば、UEFAもスルーしたはずだったんですが、予想外のことが起こったのはヨハン・クライフ・スタジアムのミックスゾーン。 ええ、TVのマイクの前でラモスが「viendo el resultado mentiria si dijera que no la he forzado/ビエンドー・エル・レスルタードー・メンティリア・シー・ディヘラ・ケ・ノー・ラ・エ・フォルサードー(結果を見ながら、わざとやらなかったと言ったらウソになるだろう)」なんて言うとは、レアル・マドリー600試合出場達成のベテランにあるまじき不手際だったかと。その後すぐクラブの人に注意されたか、ツイッターで「Quiero dejar claro que me duele mas que a nadie, que no he forzado la tarjeta/キエロ・デハール・クラーロ・ケ・メ・ドゥエレ・マス・ケ・ア・ナディエ、ケ・ノー・エ・フォルサードー・ラ・タルヘタ(誰よりも辛いのはボクだよ。イエローカードをわざともらったりはしていない)」と否定。更に後日、「わざとやったというのはファールのことで、出場停止処分になろうとした訳じゃない」とマルカ(スポーツ紙)のインタビューで説明していましたが、いやいや。 彼がベンチに向かって、イエローカードをもらった方がいいかどうか訊いている映像も出回っていますしね。実際、本当のところはわかりませんが、UEFAの処分が出るのは2月末。それまでヤキモキしていないといけないのも何ですし、本当に2試合の処分になった場合、3月5日、サンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグが無事終わっても落ち着いて準々決勝の抽選会を待てないというのはどうしたものかと思いますが…まずは水曜のアヤックス戦1stレグの様子をお伝えしていくことにすると。 いやあ、バランが風邪でお休みだったのはあまり関係ないかと思いますが、実は序盤からアヤックスの猛攻に遭い、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた私もただただ、呆気に取られるばかり。相手の強いプレスにボールが持てず、自陣に閉じ込められている姿は全然、マドリーらしくなかったんですが、なかなかラストパスが通らないことに助けられます。それでも前半36分にはCKから、デ・リフトがシュートしたボールをGKクルトワがうっかり弾き、タグリフィコのヘッドでゴールを入れられてしまったんですが、この決勝トーナメントから導入されたVAR(ビデオ審判)が味方。ええ、マドリーの選手たちは抗議していなかったものの、イヤホンで連絡を受けたスコミナ主審がピッチ脇のモニターで確認し、テディッチがオフサイド、更にクルトワの邪魔をしていたと見なされ、このゴールは認められないことに。 おかげで前半を0-0で終えることができたんですが、やはりこのままではマズいとソラリ監督も悟ったんでしょうかね。マルカの暴露記事によると、ロッカールームで選手たちに「Estamos dejando que nos caguen y eso no lo podemos consentir/エスタモス・デハンドー・ケ・ノス・カゲン・イ・エソー・ノー・ロ・ポデモス・コンセンティル(ウチは脅かされるままになっていて、そんなのには同意できない)」と活を入れたのだとか。「2つ3つだけの感覚でプレーすることはできない。五感、そして自分の中の第六感を探すんだ。中盤のラインを上げて、各自があと一歩、前に出る。やられたらやり返せ。短いパスを繋いでサイドへ開く。根性を見せずにここから帰ることはできない」とまあ、こんな調子でハッパをかけたようですが、後半14分にはその効果が表れたんですよ。 ええ、またビニシウスがやってくれました!左サイドから切り込むと敵DF3人をかわし、ベンゼマにパス。そのシュートが決まってマドリーが貴重なアウェイゴールをゲットしたから、助かったの何のって。その後は試合の序盤に腰を打撲していたベンゼマがアセンシオに、ベイルがルーカス・バスケスに代わったんですが、29分にはアヤックスも意地を見せます。ネレスのクロスをツィエクがエリア内から撃ち込んで同点に持ち込まれたものの、大丈夫。41分、11才の時、亡くなったオランダ人の母方の親族がスタンドに駆けつけ、応援してくれていたアセンシオがカルバハルの入れたボールを押し込み、1-2となったとなれば、早速、ラモスがイエローカード獲得作戦を始めたのも無理はなかった? 結局は相手に押されながらもしっかり先勝した彼らでしたが、まあアヤックスのテン・ハグ監督も「ウチは正確さに欠けていた。マドリーは1つチャンスがあれば、逃さないんだから」と言っていたように、いくら優勢に攻めていてもサッカーはゴールが入らないとどうしようもありませんからね。もちろん2ndレグでは昨季も0-3で負けていたユベントスがサンティアゴ・ベルナベウで1-3と逆転突破に迫ったり、過去にはドルトムントやシャルケに危ういところまで追い詰められた記憶はあるものの、このスコアなら、準々決勝進出はほぼ安泰と思っていいんじゃないでしょうか。 そんなマドリーはコパ・レル・レイ準決勝1stレグのクラシコ、先週末のマドリーダービー、そしてCLアヤックス戦のハードなアウェイ連戦を満足いく結果で終え、今週末は日曜正午(日本時間午後8時)から、ホームにジローナを迎えるんですが、何せ相手は先日もコパ準々決勝で総合スコア7-3と圧勝し、リーガでもここ9試合、白星から見放されているチームですからね。まだイスコは個人メニューで背筋痛からのリハビリをしているものの、他にはケガ人のいないソラリ監督が先発ローテーションを実施するには願ってもないチャンスかと。ええ、ここずっと出ずっぱりのベンゼマやビニシウスなど、再来週にやって来るコパ準々決勝2ndレグ、リーガと続くクラシコ祭りに備え、ちょっと休養した方がいいかもしれませんし、調子を上げてきたアセンシオや復調が望まれるマルセロといった辺りにはチャンスをあげたいところですが、何とも先が読めないのはベイル。 というのも先日のマドリーダービーでチームの3点目を入れた際、一瞬ですが、corte de mangas/コルテ・デ・マンガス(前腕を直角に立て、二の腕をもう1つの手で叩くという挑戦ポーズ)をしている映像が見咎められ、リーガ協会がアンチ暴力委員会に訴えたため、複数試合の出場停止処分が下る可能性があるから。まあ、審判は試合公式記録に書いていませんし、そんな大ごとにはならないような気はしますけどね。いよいよリーガでもお隣さんを抜き、首位のバルサまで勝ち点6の2位となったマドリーだけに油断はせずにまた、勝利を重ねていけるといいんですが。 そして木曜はヨーロッパリーグでベティス(レンヌと3-3)、セビージャ(ラツィオに0-1で勝利)、バレンシア(セルティックに0-2で勝利)、ビジャレアル(スポルティングCPに0-1で勝利)が32強対決1stレグをアウェイで戦い、揃っていい結果を持ち帰って来たんですが、今年はCL決勝トーナメントに進出している昨季のEL王者は今週、どうしていたかというと。いやあ、フランスではベティスのウルトラ(過激なファン)同士での殴り合いがあったり、ローマではセビージャのウルトラ4人がラツィオのウルトラに刺されたりとELの試合が開催された各地では暴力沙汰が相次いだため、2ndレグが全てスペイン国内に集中する来週木曜(セビージャだけ水曜)はちょっと恐怖。そういう意味ではアトレティコがCLにいてくれるのは嬉しいんですけどね。 それでも来週水曜のユベントスとの1stレグで立ち直れない結果が出たら、ヨーロッパの試合はここで詰みですし、折しもダービーでお隣さんに負け、リーガ優勝の目も遠ざかってしまったばかりですからね。いきなり今季が終わってしまい、逆風が吹くかもしれないのを心配したか、クラブは先手を打って、この木曜にはシメオネ監督の契約を2020年から2022年へと延長したことを発表。年棒も1500万ユーロ(約19億円)から、チェルシー時代のモウリーニョ監督、マンチェスター・シティのグアルディオラ監督を超える2000万ユーロ(約25億円)にアップし、世界で最も稼いでいる監督となったんですが、その価値があるかどうか、まずはこの土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)、エスタディオ・バジェカスで行われる弟分ラージョとのミニダービーで試されることに。 一応、チームには朗報もあって、シメオネ監督も「Está bárbaro, está que se sale, con ambición y como es él, es un guerrero/エスタ・バルバロ、エスタ・ケ・セ・サレ、コン・アンビシオン・イ・コモ・エス・エル、エス・ウン・ゲレロ(凄いよ、際立っている。野心があって、根っからの戦士だ)」とその状態を褒めていたようにとうとう、12月に左足の第5中足骨に入れていたボルトを変える手術をしたジエゴ・コスタが招集リストに復帰。先発するかどうかはわかりませんが、ユベントス戦への足慣らしとなってくれれば、ファンも少しは心強いかと。DF陣ではリュカがまたヒザを痛めてしまったものの、1月中旬に太ももをケガしたサビッチが戻って来ましたしね。中盤はトマスが出場停止ですが、ヒザの痛みでダービーに先発できなかったロドリゴは回復、あとはコケだけで、こちらは来週のCL戦で復帰する予定だとか。 一方、アトレティコ同様にここ2連敗で、また降格圏に戻ってしまったラージョではベラスケスが累積警告で出場停止。ボランチのインブラもケガで出られないようですが、何せ17位のジローナとは勝ち点差1ですし、向こうはマドリー戦。ちょっと頑張れば、順位を上げられる可能性が高いとなれば、選手たちもかなり気合が入るはずかと。うーん、3位になってしまったとはいえ、アトレティコもお隣さんとは勝ち点差1ですから、今回はあまりミチェル監督のチームにハッスルされても困ってしまうんですけどね。マドリッドに5チームあると、しばしばこういう葛藤が起きるのは避けられないんですよね。 そして同じ土曜、続く時間帯にレアル・ソシエダとのアウェイ戦に挑むのがレガネスなんですが、この試合は彼らにとって、リーガ1部100試合目ということで、アノエタでは青白ストライプの第1ユニフォームでプレーさせてもらえるそう。これは昨季、ソシエダがブタルケを訪れた際、スポンサーとの関係で第1ユニを着用、ホームチームが第2ユニでプレーしてあげたんですが、シーズン後半の対戦で逆にすることを約束しながら、丁度それがクラブの顔だったシャビ・プリエトとカルロス・マルティネスのお別れ試合に当たったため、こちらでもレガネスは第2ユニを使用。そのお返しということで、ちょっと珍しいケースかも。11位のレガネスも9位のソシエダとは勝ち点差がたった2しかありませんしね。前節はエン・ネシリのハットトリックでベティスを見事、3-0と粉砕してしますし、最近のレガネスはただ守るだけでなく、いいプレーも時折見られるようになってきたため、更なる順位上昇を期待していてもいいかと。 え、それでボルダラス監督は「No pensamos en la posibilidad de dormir en Champions/ノー・ペンサモス・エン・ラ・ポシビリダッド・デ・ドルミル・エン・チャンピオンズ(CL出場圏に入って眠ることは考えていない)」とは言っていたものの、金曜に24節の先陣を切ってエイバル戦に挑んだヘタフェはどうしたのかって?いやあ、前半にはマタ、後半7分にもフルキエルがゴールを挙げ、一時は勝ち点差2で4位にいるセビージャを抜いたんですけどね。その後、柴崎岳選手は遠征に参加していなかったものの、この冬、ベティスからエイバルに近いビトリア(スペイン北部)のアラベスにレンタル移籍、月曜にはデビューも飾って余裕ができたか、古巣の試合を観戦に来ていた乾貴士選手が見守る中、ジェネのハンドからチャルレスにPKを決められ、残り10分にはカブレラのクリアミスから再びチャルレスにゴールを許し、最後は2-2で引き分けてしまうことに。 おかげで差は1ポイントに縮まったものの、4位の座を奪い取ることはできずに終わってしまいましたが、まだ試合は沢山ありますからね。来週末、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにラージョを迎えての弟分ダービーでの楽しみが増えたと思えば、ファンもそんなにガッカリすることはない?とりわけここ1カ月はEL出場組がミッドウィークの試合で忙しいため、週1ペースのヘタフェにとっては差をつけるいいチャンスになると思いますよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.16 09:00 Sat
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全て自業自得ではあるけど…/原ゆみこのマドリッド

「見込み違いもいいところだわ」そんな風に私が怒っていたのは月曜日、前夜はバルサがアスレティックに勝てず、2試合連続引き分けとなり、アトレティコとの勝ち点差が7に。いやあ、1週間前にベティスに負け、バレンシアとドローだったバルサとの差を縮められず、逆に1ポイント開いたことに対し、「まだ向こうが引き分けで良かった」と言ったシメオネ監督なら、勝ち点差が9にならなかったことを喜んでいるんじゃないかと思ったんですけどね。よくよく考えると、アトレティコが2連勝していれば、今頃は同じ勝ち点で首位に並んでいたのに気がついた時のことでした。 それが何としたことか、26カ月ぶりのリーガ2連敗を喫した彼らは2位の座をお隣さんに奪われ、3位に転落。幸い、4位のセビージャとは勝ち点7と余裕があるんですが、それこそ首位バルサだって、そう感じているに違いない? 2位に浮上したとはいえ、レアル・マドリーとも勝ち点6差ありますしねえ。となれば、もしや今現在、もっとも手応えを感じているのはあと勝ち点2でCL出場圏入りできる5位のヘタフェや11位の高みに上がり、降格圏と勝ち点差6がついたレガネスら、マドリッドの弟分たちの方かも。 とりあえず、とうしてそうなったのか、先週末のリーガの結果をお伝えしていくことにすると、土曜は時間的に苦しかったため、コリセウム・アルフォンソ・ペレスには行かなかった私ですが、ヘタフェは開始早々、2分にアラウホのヘッドで1点を先行されてしまうことに。それがラッキーにも39分にはウーゴ・マジョがエリア内でアランバリを倒し、PKをもらえたばかりでなく、審判に猛抗議したマキシ・ゴメスがイエローカードを続けざまに2枚出され、退場してしまったとなれば、マタが決めて1-1とした彼らが後半、俄然優位に立ったのも当然だった? 実際、17分にはダミアンのクロスをマタが頭で落とし、ゴール前からホルヘ・モリーナが蹴り込んで逆転したヘタフェは、36分にもマタがセルタのGKルベンのゴールキックをエリア内で奪うという滅多にない幸運に遭遇。そこから3点目のゴールが入り、3-1で試合は決着したんですが、いえ、ウーゴ・マジョのゴールがVAR(ビデオ審判)でオフサイドになったのにも助けられたんですけどね。1週間前にはコパ・デル・レイ準々決勝2ndレグでバレンシアに痛恨の後半ロスタイム逆転敗退を喰らい、CBに3人も出場停止者がいた中、レバンテとスコアレスドローで凌いだヘタフェだったんですが、これで多分、大丈夫。 この先、金曜のエイバル戦を含め、あと2勝もすれば、1部残留も確定しますしね。CLは敷居が高くても、8年ぶりのEL出場権獲得に向け、その日はベンチからの見学に留まった柴崎岳選手も「スペイン・リーガはどこより要求が高いのだから、頑張るように言った。El lo ha entendido y seguro que dara un paso al frente/エル・ロ・ア・エンテンディードー・イ・セグロ・ケ・ダラ・ウン・パソ・アル・フレンテ(彼はそれを理解してくれたし、きっとあと一歩を踏み出してくれるはず)」と記者会見でボルダラス監督が語っていたように近々、チームに貢献できる日が来るんじゃないでしょうか。 そしてワンダ・メトロポリターノに開場以来、最多となる6万7752人のファンを集めマドリーダービーが始まったんですが、いやあ、キックオフ前の場内の雰囲気は最高だったんですけどね。スタジアム前の100試合以上出場選手の記念プレートをまた汚されていたクルトワに幾つか、ネズミのぬいぐるみが飛んではいたものの、心配する程のこともなく、スタンドが赤と白の旗で染められ、「Madrid, castiza y rohiblanca/マドリッド、カスティサ・イ・ロヒブランカ(生粋、そして赤白のマドリッド)」という大きな横断幕にも後押しされたか、序盤のアトレティコは果敢に攻め込んで行ったんですが、前半16分には最初の災難に襲われることに。 というのもマドリーのCKをクロースが蹴ったところ、おそらく、2014年CL決勝奇跡の93分弾を筆頭に、これまで何度も痛い目に遭っていたせいなんでしょうかね。アトレティコはセルヒオ・ラモスを選手4人、ヒメネス、リュカ、トマス、モラタがマーク。それだけでも呆気に取られたのに、ご丁寧に空中戦でも負け、頭でボールを落とされて、フリーのカゼミロにtijera(ティヘラ/シザーズヘッドシュート)を決められてしまうって、もしや反対サイドで見ていた、リスボンでは悲劇の側にいたGKクルトワなんて笑いが止まらなかった? でもこの1点は25分、コレアが自陣でヴィニシウスからボールを奪い、グリーズマンにスルーパス。敵ゴールに1人向かった彼がクルトワの股間を抜くシュートを決め、同点になってくれたから、まだ良かったんですよ。ええ、線審が挙げたオフサイドの旗もVAR判定により、撤回されましたしね。コレアがヴィニシウスを倒したファールも見咎められなかったため、この日のアトレティコはツイているんじゃないかと信じかけたところ…。 私が甘かったです。43分にはエリア内に駆け込もうとするヴィニシウスをヒメネスが倒してしまい、いえ、当人は「あれはファールだけど、踵の後ろに足で触れたのはエリアの外。その後、彼が倒れた時、自分の内モモに当たって、VARはそれを見た」と言っていましたけどね。大体がして、そんな微妙な場所でファールで相手を止めようという選択が悪かったのでは? 結果、ペナルティを取られ、ラモスが今季8本目のPKを成功させたため、マドリーが1点リードしてハーフタイムに入ります。 後半もアトレティコのツキは好転せず、8分にはヒメネスのロングボールに抜け出したモラタがクルトワの手前から、見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めたにも関わらず、VARでオフサイドの判定が。ほんの数センチのことで、しかもラモスの方が前に出ているラインを引いた写真もあったため、正しかったのかどうか、真相は不明ですが、それに追い打ちをかけたのが22分、ゴール前でモラタがカゼミロに倒されたプレー。いやあ、カゼミロは「Claro que hay contacto, pero para mi no es penalti/クラーロ・ケ・アイ・コンタクトー、ペロ・パラ・ミー・ノー・エス・ペナルティ(もちろん接触はあったけど、ボクにしてみればあれはペナルティじゃない)」と言っていましたけどね。実はこのモラタ、前節のベティス戦でもかなりはっきりしたペナルティをスルーされていて、もしやこの冬期待のニューフェイスはアトレティコのカンテラ(ユース組織)育ちだけに、不幸体質を受け継いでいたりする? そうこうするうち、29分にはこの日、16回のコレアと双璧をなす計18回、ボールロストしたトーマスが自陣でパスミスを犯し、そこからマドリーのお家芸、速攻カウンターがスタート。ヴィニシウスに代わって入っていたベイルがモドリッチからパスを受けると、エリア内からのシュートでGKオブラクを破り、差が2点に開いてしまったから、さあ大変! おまけにその4分後、トーマスが2枚目のイエローカードをもらって退場とは泣きっ面に蜂とはまさにことのこと? いくらこの日はコケの回復が間に合わず、最近、中盤の要となっているロドリゴもベティス戦で痛めた太ももの痛みを木曜から再発、先発できなかったことでかなり烏合の衆化していたアトレティコとはいえ、こうもサッカー力の差を見せらつけられてしまうと、私もちょっと落ち込んでしまうんですが…。 え、それでも彼らが1-3で負けたのにVARの影響が大きかったのは否定できないんじゃないかって? うーん、シメオネ監督は「El rival ha sido mejor que nosotros, no hemos perdido por el VAR/エル・リバル・ア・シードー・メホール・ケ・ノソトロス、ノー・エモス・ペルディードー・ポル・エル(ライバルがウチより良かった。負けたのはVARのせいじゃない)」と言っていましたけどね。このダービーに至るまで、マドリーは先週水曜の準決勝1stレグのクラシコ(伝統の一戦)も含め、コパ・デル・レイでずっと連戦が続いているにも関わらず、16強対決で敗退して以来、週1試合が続いているアトレティコは前節もコパ生き残り組のベティスに敗戦。 こうなると、「Tenemos una semana larga para trabajar y hacer autocritica/テネモス・ウナ・セマーナ・ラルガ・パラ・トラバハール・イ・アセール・アウトクリティカ(ボクらには練習して自己批判をする長い1週間がある)」(サウール)方が却って、選手たちのリズムを崩しているんじゃないかと疑いたくもなりますが、さて。何せ、アトレティコにはこの後、次の時間帯でエスパニョールに後半ロスタイムに決勝点を取られ、2-1で負け、降格圏の18位に留まることになったラージョとのミニダービーが土曜にあるのはともかく、来週水曜にはいよいよCL16強対決でユベントスがワンダにやって来ますからね。リーガ首位が遠ざかった今、ここでまた躓いたら、ファンは一体、何を励みに6月まで過ごしたらいいんでしょう。 一方、ロペテギ監督から9位にいたチームを引き継いで2位まで躍進。とうとうカペッロ監督の下、根性のremontada(レモンターダ/逆転優勝)を達成した2006-07シーズンも首位バルサとこの時期、同じ勝ち点差だったなんて話まで引き合いに出されるようになったソラーリ監督は、「La clave son los jugadores/ラ・クラベ・ソン・ロス・フガドーレス(カギになったのは選手たちだ)。練習して、ピッチで体を張り、ハートでプレーするのは彼らだからね」と、最近の好調ぶりの原因が部下たちにあることを強調していましたが、ブラジルから来たばかりの18才、ヴィニシウスやRMカスティージャから昇格したレギロンをベイルやマルセロを差し置いて、先発に抜擢した当人の手腕も評価すべきかと。 最近はベンゼマやモドリッチらが牽引してくれるおかげで、金曜の練習で背中を痛め、イスコがしばらくお休みすることになったことなど、まったく影響なさそうですしね。今週水曜午後9時(日本時間翌午前5時)にはアトレティコより1週早く、CLアヤックス戦1stレグが到来するんですが、まあ、相手は先週末もヘラクレス戦を落とし、オランダ・リーグで首位PSVと勝ち点6差。来季からバルサでプレーすることが決まったデ・ヨングもその試合で負傷し、出場が微妙とあって、ちょっと見どころに欠けるものの、何はともあれ、CL決勝トーナメントが始まるのは気分が上がりますよね。 そして翌日曜はレガネスがブタルケにベティスを迎えたんですが、こちらは前節の兄貴分の失敗が大いに糧になったよう。ええ、相手のコパ疲れを見逃さず、開始から猛攻をかけると、2分までに新鋭、21才のモロッコ人FWエン・ネシリが2本もシュートを撃っているんですから、ベニト・ビジャマリンでとろとろパスを回していたアトレティコに爪の垢を煎じて飲ましてやりたいと思ったのはきっと、私だけではなかったかと。それでもしばらくはベティスがこの日も敵にボールをもたす作戦なのかという疑いが晴れなかったものの、いえいえ。だったら、22分にオスカルのクロスからエン・ネシリがのシュートがバラガンに当たってゴールに入り、レガネスが先制点をゲット。35分にも再び、エン・ネシリが押し込んで2点差になっても様子が変わらないなんてこと、ありませんって。 結局、カナレルもホアキンも今週も木曜にはEL32強対決レンヌ戦1stレグがあることを考えてか出場せず、後半も21分にブライトバイテのスルーパスに抜け出したエン・ネシリがハットトリックを達成したレガネスが3-0で勝利したんですが、閉口したのは試合後、ベティスのセティエン監督の口が減らなかったこと。いやあ、シーズン前半の対戦の後も守備的なレガネスのサッカースタイルを批判していたんですが、「No le importa tener que jugar bien, hace cuatro cosas que estan muy bien/ノー・レ・インポルタ・テネール・ケ・フガール・ビエン、アセ・クアトロ・コーサス・ケ・エスタン・ムイ・ビエン(いいプレーをすることはどうでもよくて、非常に上手くできることが4つある)。時には成功するし、しない時もあって、だから彼らは下位にいる」って、いや、たった勝ち点3しか違わない相手にそんなこと言える? それには「Estamos muy orgullosos de ser el Leganes y de lo que tenemos/エスタモス・ムイ・オルグジョーソス・デ・セル・エル・レガネス・イ・デ・ロ・ケ・テネモス(我々はレガネスであることに誇りがある。ウチが持っているものにね)」とペジェグリーニ監督は答えていましたが、そりゃそうですよ。こちとら毎年、半分以上選手が変わり、一からチームを作っていますからね。頭角を現したばかりのエン・ネシリだって、この夏、どこかに引き抜かれてしまうのは確実だと思いますが、今はこの土曜のレアル・ソシエダ戦に勝利、月曜には乾貴士選手がデビューしたアラベスがレバンテに勝ったため、EL出場圏外の7位に落ちたベティスと勝ち点で並び、セティエン監督の鼻を明かしてやれるかもっていうのはチームのいい励みになるかと。 そうそう、その試合を観戦に行ったついでにレガネスの広報の人に土曜に突如、話題になっていたアメリカ生まれの日本人、ドイツのアーヘム(4部)U23チームから移籍した井出ウィリアム航輔選手のことを訊いてみたんですが、どうやら契約はマドリッド州リーグでプレーするCチームとしたよう。リーガ3部でプレーするBチームの練習に呼ばれることはあるかもしれないものの、トップチームの試合に今季出ることはないだろうという話でしたが、うーん、これは来シーズン以降を楽しみにしたらいいんですかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.12 11:40 Tue
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気の抜けない試合が続いている…/原ゆみこのマドリッド

「まさか同調する人なんていないと思うけど」そんな風に私が肝を冷やしていたのは金曜日、マドリーダービーの日にネズミのぬいぐるみをクルトワに皆で投げてやろうという呼びかけがツィッターで出回っているという話をお昼のニュースで知った時のことでした。いやあ、先日は母国のメディアに「アトレティコ戦で物が飛んでくると思うか」と尋ねられて肯定。「それもモチベーションになる」と答えていたのを「翻訳の間違え」とレアル・マドリーがアラベスに勝った試合の後、懸命に言い訳していたクルトワだったんですけどね。 やはりアトレティコファンの中には面白くなく感じた向きもあったか、さりとてライターやペットボトルを投げては危ないですし、クラブが罰金を喰らってしまいますからね。昨年夏、クルトワのチェルシーからマドリーへの移籍が決まった際、ワンダ・メトロポリターノ正面の石畳にはめ込まれている100試合以上出場した選手の記念プレートにRATA(ラタ/ネズミ)と落書きされていたせいか、「イケアで1ユーロ(約125円)で買えるよ。ワンダに来る日に5万のぬいぐるみを投げなきゃ、俺たちは最低のファン」(https://bit.ly/2GwUt0U)とたきつけるとは、いやいや、フィギアスケートの羽生結弦選手の演技後にくまのプーさん人形で埋まるリンクじゃあるまいし、そんなことしたら、アトレティコの選手たちだって迷惑ですって。 え、大体がして直近の2シーズン、ホームのマドリーダービーで無得点(2016-17シーズンは0-3負け、17-18シーズンは0-0)のアトレティコなんだから、まずはクルトワの手を煩わせることができるかどうかの方が肝要だろうって?まあ、その通りで先週末のベティス戦でもゴールが決まらず、0-1で負けていたため、私も心配になり、金曜午前中にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場へ偵察に行ったんですけどね。モラタがチェルシーからレンタル移籍したとはいえ、ジェルソンがモナコに行ったため、トップチーム20人という少数精鋭体制は変わらず、ゴディンとサウールはケガが治って合流していたものの、ジエゴ・コスタ、サビッチ、そして400試合出場を達成したウエスカ戦で負傷して、リハビリが遅れているコケも不在とあって、グラウンドにいたプロの選手は17人だけ。 その人出不足を補うヘルプのカンテラーノ(アトレティコBの選手)が10人程いて、何せこのクラブ、マスコミが見学できるのは常に15分だけですからね。準備運動が終わるか終わらない頃には追い出され、私もコパ・デル・レイ16強対決敗退でミッドウィークに試合がなくなったのをいいことに、リーガ2部Bのスピードに合わせてノホホンと練習していないかどうか、確かめたかったため、顔なじみの記者たちと、去年の秋ぐらいから、敷地を囲む金網にビッチリ張られた目隠しカバーに隙間がないかと、外縁を一周してみたんですが…。 なかったです。”モノ”・ブルゴス第2監督が「Niko, bien, muy bien!/ニコ、ビエン、ムイ・ビエン(ニコ、とてもいいよ)」と褒めていたのはおそらく、カリニッチがシュートに成功したんじゃないかと推測するぐらいしかできず、もうこうなったら,シメオネ監督が記者会見で「Nos faltó profundidad y verticalidad ante el Betis/ノス・ファルトー・プロフンディダッド・イ・ベルティカリダッド・アンテ・エル・ベティス(ベティス戦では奥行きと縦の動きがかけていた)。明日はそれができるように期待している」と言っていたのに望みを懸けるしかない? そんなアトレティコと真逆で今週の水曜、最高に難易度が高い試合、コパ準決勝1stレグのクラシコ(伝統の一戦)に挑んだお隣さんはというと。いやあ、先今季のリーガでは10月にカンプ・ノウで5-1と惨敗していたため、どうなることやらと気を揉んでいたマドリーファンも多かったと思うんですが、週末のリーガでルーカス・バスケスを温存したソラリ監督の采配がバッチリ当たったんですよ。そう、開始6分にはビニシウスのパスから、絶好調のベンゼマがジョルディ・アルバを抑えてゴール前にボールを送ると、レングレに邪魔されながらもルーカス・バスケスが蹴り込んで先制点を挙げてくれたから、私も驚いたの何のって。 その後もベイルとは違い、「ルーカスはスペイン人選手の特徴として自分が一番評価する美徳を持っている。Es solidario y valiente/エス・ソリダリオ・イ・バリエンテ(連帯感があって勇敢だ)」とソラリ監督も言っていたように、守備にも精力的に動く彼のおかげでリーガ・クラシコではガンガン、上がっていたジョルディ・アルバに見せ場を作らせず。VAR(ビデオ審判)が入ったら危うかったオフサイドから、1対1でマルコムが撃ったシュートもGKケイロル・ナバスが弾き、ラキティッチのヘッドも枠に助けられ、0-1のまま、試合はハーフタイムに入ります。 でもねえ、後半12分にはローテーションの外れの方が出てしまって、いえ、もちろん近年の実績からすれば、マルセロが先発で今季、トップチームに上がったレギロンがマリアーノと共にスタンド観戦になってしまったのは仕方ないんですけどね。この日もブラジル人左SBの戻りが遅れ、ルイス・スアレスが撃ったボールはゴールポストに当たったものの、反対サイドにいた伏兵マルコムがノーマーク。そのシュートをゴール前にいたセルヒオ・ラモスも逸れると思ったか、体を張って止めに行かなかったため、1点返されてしまうとは、まったくもって悔しいじゃないですか。 え、それでも17分には前節のバレンシア戦で太ももを打撲、「状態は良かったが、チームの今後の予定を考えて危険を冒さないことにした」(バルベルデ監督)という理由でそれまでベンチにいたメッシが出場。同じぐらいの時間に投入して、1-1だったレガネスに3-1で勝った3節前の試合の二匹目のドジョウを狙ったバルサにマドリーは最後まで追加点を許さず、そのまま引き分けられたのはラッキーだったんじゃないかって?そうですね、偶然にもマルコス・ジョレンテの負傷交代も重なっていますし、ビニシウスの代わりに入ったベイルも残念ながら、違いを見せることができませんでしたからね。 幸い、クラシコ前の月曜には芸能人の彼女,ピラル・ルビオさんが出演するオルミゲーロ(バラエティ番組)にゲストとして呼ばれ、ギター演奏を披露するわ、踊るわ、6月15日に挙式することを発表するわとお楽しみだったセルヒオ・ラモスも2枚目のイエローカードをもらって退場、2ndレグ出場停止を免れましたしね。「Estuvimos mejor, tuvimos mas ocasiones que ellos, el empate no es justo/エストゥビモス・メホール、トゥビモス・マス・オカシオネス・ケ・エジョス、エル・エンパテ・ノー・エス・フストー(ウチの方が良かった。彼らよりチャンスがあったし,引き分けは妥当な結果じゃない)」(ルーカス・バスケス)という意見はあるもの、翻って「Fuimos superiores tras haber encajado el 0-1/フイモス・スペリオーレス・トラス・アベール・エンカハードー・エル・セロ・ウノ(0-1にされた後はウチが上だった)」(ブスケツ)という見方もできなくはなし。 一応、27日の2ndレグではサンティアゴ・ベルナベウで戦えて、0-0で勝ち抜けられるマドリーが若干有利ということになるかと思いますが、用心したいのは、「リーガとCLがより重要だけど、por mucho que queramos a veces tirar competiciones, nuestro ADN no nos lo permite/ポル・ムーチョ・ケ・ケラモス・ア・ベセス・ティラール・コンペティシオネス、ヌエストロ・アーデーエネ・ノー・ノス・ロ・ペルミテ(どんなに望んでも大会を捨てるのはボクらのDNAが許してくれない)」とピケも言っていたバルサのコパにおける優位性。ええ、これまでマドリーが19回優勝しているところ、向こうは30回、しかもここ4年連続王座についているとなれば、全然安心はできませんよね。 そして続く2日間、ダービーに向けてトレーニングしていたマドリーなんですが、実は木曜には10年前に健康問題で23歳の若さで現役引退、最近はマドリッド郊外にできた広州恒大のサッカースクールで中国人ユース選手のコーチをしているOBのデ・ラ・レッドとクラシコでも出番がなかったイスコの間で論争が勃発。というか、恒例のダービー前のイベントに出席した前者が、「El Real Madrid no espera a nadie/エル・レアル・マドリッド・ノー・エスペラ・ア・ナディエ(マドリーは誰も待たない)。全員が優秀だから、そのレベルに達しない者は他の選手に追い抜かれる」と言ったところ、後者がお得意のツィートで反論しちゃったんですよ。 曰く、「デ・ラ・レッドには同意するけど、他のチームメートと同じチャンスがないと状況は変わってくるんだよ」(https://bit.ly/2GkUJke)だそうですが、何せ当人が金曜のセッションで背中を痛め、早退してしまってはねえ。例のごとく、記者会見でイスコ関連の質問を複数受けたソラリ監督も「El trabajo del futbolista profesional es entrenarse al 100%/エル・トラバッホ・デル・フトボリスタ・プロフェシオナル・エス・エントレナールセ・アル・シエン・ポル・シエントー(プロサッカー選手の仕事は練習で100%出すこと)」と言っていましたし、まだ当分、彼の復権は難しいかも。ええ、ダービーが土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)と早い時間のため、金曜夜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の複合練習施設で合宿に入ったメンバーの中にも太もものケガで全治4~6週間となったジョレンテ、バジェホと共にイスコの名前はありませんでしたっけ。 そしてこの週末、マドリッドの弟分チームたちの予定もお伝えしておくと、まずはダービー前、土曜午後1時から、ヘタフェがコリセウム・アルフォンソ・ペレスにセルタを迎えることに。いやあ、先週はコパ準々決勝2ndレグのバレンシア戦、リーガのレバンテ戦と2度もバレンシア(スペイン南西部)に足を運んだ彼らですが、今週は月火と休養した後、平常運転に戻り、丁度、水曜にはこの冬の市場で加入したフラミニ(フリー)、サム・サイス(リーズからレンタル)、マティアス・オリベイラ(アルバセテへのレンタルから復帰)の合同入団プレゼンがあったため、アジアカップ参加の日本代表から戻って来た柴崎岳選手の様子も確かめようと私も行ってみたんですけどね。 クラブのオフィシャルウェブの予定表(https://bit.ly/2UNBJxR)でセッションはCiudad Deportiva(シウダッド・デポルティーバ/練習場)となっていたにも関わらず、スタジアムの前を通ると元気のいい声が外にまで響いていたため、訊いてみたところ、中で非公開練習って、もうどうなっているのやら。おまけに特にpuerta cerrada/プエルタ・セラーダ(非公開)との記載がなくても今はアボナードー(年間指定席購入者)しか、練習場に入れないというのがデフォルトになってしまったようで、要は柴崎選手を見たくてヘタフェまで行っても機会は練習後、スタジアム併設の駐車場から出て来るのを待つか、試合でプレーする時しかないとは何とも世知辛い。 うーん、金曜の記者会見でボルダラス監督は「Tiene condiciones para poder dárselas al equipo/ティエネ・コンディシオネス・パラ・ポデール・ダールセラス・アル・エキポ(チームに貢献するコンディションは整っている)」と言っていましたが、今回は出場停止者もブルーノ以外、戻って来ますし、新加入選手のおかげでますますベンチ入りの18人に入るのが難しくなっていますからね。ヘタフェの招集リストは当日まで出ないんですが、できればまだ、アジアカップフル出場で試合のリズムが残っているうち、柴崎選手を使ってくれれば嬉しいかと。現在、ヨーロッパリーグ出場圏5位の彼らですが、6位のベティス、7位のアラベスとは同じ勝ち点。16位と降格圏に近いセルタもいよいよ、イアゴ・アスパスの負傷が完治したため、油断をせずに今の高みを維持してほしいものです。 そしてダービーの後の時間帯ではラージョがエスパニョールとアウェイ戦。前節はレガネスとの弟分ダービーで1-2と惜敗し、また降格圏の18位に戻ってしまったんですが、セーフゾーンとの差は勝ち点1しかありませんからね。向こうもたった2ポイント差の15位ですし、調子も今イチなため、先週の勝利で17位から13位にジャンプアップしたレガネスの後を追うにはいい機会かも。冬の市場で加入したマリオ・スアレス(貴州智誠から移籍)とアグボ(同スタンダール・リエージュ)のデビューがあるかもちょっと気になります。 そして日曜正午にはレガネスがベティスを迎えるんですが、相手はマドリーの翌日、木曜にコパ準決勝1stレグを決勝会場に選ばれたベニト・ビジャマリンで戦い、ホアキンのゴール・オリンピコ(CKから直接入ったゴール)などもあって2点を先行したものの、ロスタイム弾2発でヘタフェとの準々決勝を逆転突破したバレンシアが再び粘りを見せ、チェリシェフ、ガメイロのゴールで2-2と引き分けたばかり。前節は兄貴分のアトレティコが失敗しているだけに、連戦疲れに付け込めるかといったら、ちょっと疑問なんですが、とりあえず、好調なFWコンビ、ブライトワイテとエン・ネシリに加え、ようやくカリージョも復帰したため、あとはブタルケの熱い応援で白星を掴めるといいんですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.09 19:55 Sat
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間隔が空けばいいってものではない…/原ゆみこのマドリッド

「もちろん出てくれないにこしたことはないけど」そんな風に私が首を振っていたのは火曜日、いよいよ始まるクラシコ(伝統の一戦)祭りの皮切りとなるコパ・デル・レイ準決勝1stレグ前、バルサのバルベルデ監督が記者会見でメッシの起用は最後の練習を見てから決めると言っているのを聞いた時のことでした。いやあ、彼は先週末のリーガ戦で太ももに打撲を受け、ピッチ外に出て治療を受けている間、カンプ・ノウが静まりかえっていたなんて話もあったんですけどね。ちょっと思い出してみると、今季前半戦のリーガ・クラシコでも負傷でいなかったにも関わらず、レアル・マドリーはルイス・スアレスのハットトリックなどで5-1の大敗。ロペテギ前監督の解任に繋がったとなれば、メッシばかりを気にしていても仕方ない? それ以上に議論を巻き起こしていたのはこの水曜の対戦前、バルサは土曜、マドリーは日曜にリーガを戦っており、前者は中3日、後者は中2日となって休む時間が短いこと。これが27日の2ndレグでも同じパターンだったため、すわ「リーガ協会の陰謀か」と不公平を唱える声が上がっていたんですが、うーん、あんまり関係ないんじゃないですか。だってえ、毎シーズンCL優勝が目標にあるようなエリートチームの選手たちにとって、週2回試合はデフォルト。2日でも3日でもそのサイクルで調整できるから、高給をもらっている訳で、逆に間が空きすぎとリズムが狂ってしまわない? 何で私がそう思ったのかというと、先週末のマドリッド勢の結果のせいで、いえ、土曜にレバンテとスコアレスドローで終わった弟分のヘタフェは1月中、リーガとコパで慣れない週2の勤務体制。先週火曜には準々決勝バレンシア戦の2ndレグで後半ロスタイムに2点を取られ、滅多にない程、悲劇的な逆転敗退を喰らったショックが冷めやらないばかりでなく、その試合でのtangana(タンガナ/小競り合い)と前節のアトレティコ戦での退場による出場停止選手がブルーノ、ジェネ、カブレラとCBばかり、3人もいましたからね。 頼みのホルヘ・モリーナ、アンヘル、マタのFWトリオも皆、30代とあって、疲れも溜まっていたでしょうし、相手のパコ・ロペス監督も「No es facil combinar y elaborar con el viento/ノー・エス・ファシル・コンビナール・イ・エラボラール・コン・エル・ビエントー(風のせいで連携したり、プレーを練り上げるのが簡単ではなかった)」と言っていたシュタット・デ・バレンシア(レバンテのホーム)で勝ち点1をもぎ取っただけでも褒めてあげるべきでは? おかげで順位も5位と1つ上がり、アジアカップの日本代表参加を終えた柴崎岳選手も月曜にはマドリッドに戻ったため、これからは2010-11シーズン以来のヨーロッパリーグ出場を目指して、この土曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスにセルタを迎える試合から、頑張ってくれればいいかと。 実を言うと、情けなかったのは兄貴分のアトレティコで、彼らは日曜にベニト・ビジャマリンでベティス戦だったんですけどね。相手は先週木曜にコパ準々決勝2ndレグでエスパニョールと延長戦までもつれ込み、ようやく準決勝進出を決めて消耗していたはずなんですが、開始早々にはCKからフェデルが至近距離で放ったヘッドをGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)というピンチに襲われることに。攻撃面も不活発で期待の新戦力、モラタ(チェルシーからレンタル移籍)が独走で駆け上がって放ったシュートもGKパウの正面だし、大体、コパ16強対決敗退以来、これが2週間目のフルウィーク練習だったチームがどうしてあんなにノロノロとしか、プレーできない? それこそ、マハダオンダ(マドリッド近郊)で身内セッションばかり、まだゴディン、コケ、サウールが負傷中で、ビトロやフィリペ・ルイスもグループに戻ったばかりとあって、シメオネ監督がヘルプで呼ぶカンテラーノ(アトレティコBの選手)軍団のリズムに合わせた練習でもしていたんじゃないのかと疑ってしまったぐらいだったんですが、そんな中、後半はツキにも見放されてしまったから、さあ大変! ええ、10分には再び敵エリア内に切り込んだモラタがフェデルに倒され、どう見てもペナルティだったんですが、主審もVAR(ビデオ審判)もこれをスルー。その10分後には前半にイエローカードをもらったアリアスの代わりに久々に復帰したフィリペ・ルイスが落ちてくるCKを手に当て、しっかり目撃されているんですから、困ったもんじゃないですか。 カナレスが蹴ったそのPKはオブラクでも止められず、これで1点をリードされてしまったアトレティコは直後にグリーズマンが撃ったシュートがゴール枠に嫌われてしまうという不運も。最後はカリニッチまで入れ、2人CF体制で攻めたんですが、ダメでしたねえ。そのまま1-0で終わり、3節のセルタ戦以来の黒星を喫したばかりでなく、前日バルサがバレンシアと引き分けていたせいで、首位との勝ち点差が2に縮まるのをウキウキして待っていたアトレティコファンを大いに失望させることに。うーん、シメオネ監督は「Soy optimista y menos mal que el Barcelona empato/ソイ・オプティミスタ・イ・メノス・マル・ケ・エル・バルセロナ・エンパト(自分は楽観的、バルサが引き分けていてまだ良かった)」と言っていましたけどね。 早々巡ってこないチャンスに逆に勝ち点差を6に広げるとは、いかにも間の悪いアトレティコ。これで今週もまたミッドウィークの試合がないまま、ノホホンと練習をして、勝ち点差が2となった3位のマドリーと週末のダービーを戦うのかと思うと、私も頭が痛いんですけどね。一応、コケとサウールはリハビリが順調に進んでいて、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)のワンダ・メトロポリターノのピッチに立てるようですが、さて。ちなみにチケットの方はまだ少し、その日は行けないアボナードー(年間指定席保持者)がクラブに返した分がチラチラ出てきているため、マドリッド訪問予定のある方は購入をトライしてみるのもいいかもしれませんよ。 そんなこんなで日曜はかなり力の抜けた状態でサンティアゴ・ベルナベウに向かった私でしたが、先週木曜にコパのジローナ戦をこなしたマドリーにはまったく疲れが見えず。ええ、ずっと出ずっぱりの選手もいるですが、前半30分にはヴィニシウスがビガライの足の間を通したパスをレギロンがエリア内奥まで持ち込み、ゴール前のベンゼマにキラーパス。クリスチアーノ・ロナウドがユベントスに移籍した今季、最近はゴールゲッターとしての才能も開花してきた彼がしっかり決め、ここ3試合連続の先制点を奪ってくれます。 それでも後半34分までアラベスの守りは崩れず、カウンターからアセンシオがヴィニシウスに送り、それまでも何度か試みていたにも関わらず、シュート精度に難のある当人がフリーで撃てるまで、マドリーの2点目は入らなかったんですけどね。何せ2週間前、コリセウムを訪れ、ヘタフェに4-0で敗戦。前節はラージョに0-1で負けるといったように、前半戦で貯めた勝ち点でもう1部残留は堅いと見たフロントがイバイ・ゴメスをアスレティックへ、ソブリーノをバレンシアへと、躍進の原動力となっていたアタッカーをこの冬の市場で売却したのが痛かったか、アラベスにはまったく点が取れる気配がなかったのも事実。 次節からは月曜にビトリア(スペイン北部、アラベスのホームタウン)にアブダビから到着、つつがなくメディカルチェックを通過し(https://twitter.com/Alaves/status/1092377369451614215)、木曜にはプレゼンが予定されているベティスからレンタル移籍の乾貴士選手などが、アラベス番記者も絶対レギュラーになれると太鼓判を押してくれていましたしね。チームの攻撃力不足を補ってくれるものと思いますが、それはまた先の話。この日はロスタイムにベンゼマと交代で入ったマリアーノもアセンシオのクロスをダイビングヘッドで押し込み、自身の快気祝いゴールを挙げたマドリーが3-0で快勝することに。 ただ、ちょっと気になるのは負傷が治って、3試合目で先発出場、後半には得意の左サイドに移っても精彩がなかったベイルですが、試合後にはソラーリ監督もクラシコに向けて、「El Madrid es favorito siempre/エル・マドリッド・エス・ファボリート・シエンプレ(マドリーは常に本命)」と自信を見せていましたしね。ちなみに出場停止だったカルバハルとヴァランは別として、アラベス戦のベンチにはルーカス・バスケスが入らず、これはカンプ・ノウでの大一番に向けての温存だったよう。ベイルとヴィニシウスが前線の残り1席を争うことになりますが、スタメンであと確定していないのは左SBがマルセロかレギロンかぐらいでしょうか。 え、その日はあまり仕事もなく、マドローのコパ担当GKはケイロル・ナバスなのに、試合後、クルトワがユニフォームに上着を羽織っただけの寒そうな短パン姿でミックゾーンに現れ、延々とマイクに答えていたのはどうしてなのかって? いやあ、先日、母国のメディアに載ったインタビューで「ダービーでスタンドから物が飛んでくるかと思うかって? 試合中、ずっとだろう。ベルギーでもアンデルレヒト戦ではライター、エウペン戦ではビールジョッキを投げられた経験があるよ。でもボクのプレーには影響しない。尚更モチベーションになるね」と語り、だからって、土曜のワンダで本当に手あたり次第、雨あられと投げ込まれてはたまったもんじゃないということに思い至ったんでしょうね。 「Esta un poco mal la traduccion del holandes/エスタ・ウン・ポコ・マル・ラ・トラドゥクシオン・デル・オランデス(あれはちょっと、オランダ語の翻訳が悪かったんだよ)。19歳で入ったチーム相手だから、特別な試合になる」と一生懸命、言い訳していましたが、まあねえ。以前、アトレティコいた時代にもオランダ人記者と話すと(クルトワの出身地はベルギーのオランダ語圏)、調子に乗って、際どいことを言っていたのは知っていましたが、彼も今や2人のお子さんのいる26才。もう少し、考えて発言しないといけないですよね。 そして厳しい寒さが続く中、翌日にはエスタディオ・バジェカスに弟分ダービーを見に行った私でしたが、開始10分にはレガネス(マドリッド近郊)から応援に来たサポーターも一緒に観客がピッチに向かって一斉に背を向けて、リーガ戦の月曜開催に抗議。いやあ、マドリッドに来たついでにできるだけ沢山、スタジアム観戦をしたい日本人ファンなどにとっては金曜や月曜の試合はありがたいんですけどね。その日もラージョのファンでスタンドはほぼ満員状態だったものの、やはり仕事のある現地の人々にしてみれば、月曜午後9時キックオフ、終了は11時近くというのには辛いものがある? しかもこの日は直近5試合負けなしで4勝というホームチームがちょっと慢心してしまいましたかね。序盤から勢いよく攻め込まれ、前半35分にはとうとう、ジョナタン・シウバのFKを冬の市場で加入した新進気鋭のデンマーク人FW、ブライトワイテ(ミドルスブラから移籍)に頭で決められ、先制点を許しまったんですよ。それでも後半13分にはニヨムがエンバルバに乱暴なタックルを見舞い、レッドカードで一発退場。おかげで反撃の機運も高まり、いよいよ38分にはポソのシュートをGKクェジェルが弾いたところ、アルバロ・ガルシアが撃ち込んで同点に持ち込んだんですが…。 リスタートから1分もかかりませんでした。CKのチャンスを掴んだ相手が今度は成長著しい21才のモロッコ人FW、エン・ネシリのヘッドで決勝点を奪ったのは。これで1-2の勝利を掴んだレガネスは17位から一気に13位に上昇、ラージョは再び降格圏の18位に戻ってしまったんですが、大丈夫。すぐ上にいるジローナとセルタとは勝ち点1差しかない上、レガネスを含めて7チームが3差以内という、凄い団子状態になっていますからね。土曜のエスパニョール戦で勝利すれば、ラージョもジャンプアップが可能となれば、落ち込んでいる時間はない? 一方、レガネスの次戦は相手のベティスが木曜にコパ準決勝バレンシア戦1stレグとなったため、土曜から日曜正午開催に変更。当初は果たしてコリセウム→ワンダ→ブタルケのトリプルヘッダーが可能かどうか、悩んでいた私ですが、1つだけでも解決したのはありがたかったかと。 そうそう、最後に火曜夕方のバルサの練習が終わった時点で発表された招集リストにメッシが入ったことをお伝えしておかないと。そのメンバーは19人。やはり回復具合が懸念されていたデンベレはおらず、当日にも1人、落ちることになりますが、どうやらこれまで出場したクラシコ39試合で28ゴールを挙げているマドリーの天敵は出場可能というのが、大方のマスコミの見解のようです。当日移動するソラーリ監督のチームはリストも水曜朝に出るんですが、ケガ人がいなくなった今、注目はアラベス戦でも3分しか出場しなかったイスコが遠征に連れていってもらえるのかどうか。何はともあれ、このところ調子の上がっているマドリーだけにいい試合をしてくれることを期待しています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.06 11:10 Wed
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大一番が次々やって来る…/原ゆみこのマドリッド

「久々にクラシコ祭りね」そんな風に私が喜んでいたのは金曜日、コパ・デル・レイ準決勝の組み合わせが決まった時のことでした。いえ、1月には16強対決、準々決勝と4週連続してミッドウィークにラウンドが進んだ後、準決勝1stレグは来週、2ndレグは2月の最終週と間が空くんですけどね。とうとうマドリッド勢唯一の生き残りとなったレアル・マドリーが最後に優勝を果たした2014年の決勝以来、初めてコパでバルサと当たることになり、6日の水曜にまず、昨年10月末にロペテギ前監督の下、リーガ戦で5-1と屈辱の大敗を喰らったカンプ・ノウでリベンジを図ることに。 そして27日にはバルサのコパ5連覇の大望を砕くべく、サンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグで決着をつけるんですが、その週末にはリーガ後半の対戦が同じく、マドリーのホームで開催となれば、2011年、モウリーニョ監督時代に経験したリーガ、CL、コパ決勝で20日間に4度も顔を合わせたクラシコ祭りを思い出してしまったのはきっと、私だけではなかったかと。ただ、ちょっとソラリ監督のチームにとって、気の毒なのは最初のコパ・クラシコの後の週末がお隣さんとのマドリーダービー、翌週水曜にはアヤックスとのCL16強対決1stレグとアウェイ3連戦になっていることなんですが、逆に調子の上がっている今、難儀な試合をまとめて済ませられるのはラッキー? まあ、マドリーについてはまた後でお話しすることにして、今週のコパ準々決勝2ndレグの様子をお伝えしていくことにすると。いやあ、4試合の先陣を切って、火曜にメスタジャでバレンシアに挑んだ弟分のヘタフェだったんですが、これがまた、16強対決2ndレグでジローナに土壇場勝ち抜けを許した兄貴分とどっちが悔しいか、いい勝負。だってえ、開始30秒そこそこで、ホルヘ・モリーナが先制点を挙げた彼らは総合スコアを2-0として、絶対的優位に立っていたんですよお。後半7分にはサンティ・ミナのゴールもVAR(ビデオ審判)により、オフサイドで無効とされたため、15分にチェリシェフのアシストでロドリゴにその試合のスコアを1-1とするゴールを決められてもまだ余裕だったんですが、まさかリーガ前節のアトレティコ戦に続いて、28分にはジェネが退場してしまうとは! いやあ、その2枚目のイエローカードは実のところ、逆にミナのファールだった感もあるんですが、10人でもあとは守り抜けば良かったヘタフェに災厄が襲い掛かったのはいよいよ、後半ロスタイムに入ってから。VAR判定やケガ人の手当て、tangana(タンガナ/小競り合い)などがあったため、それが7分と長めだったとはいえ、早くも46分には韓国人のカンテラーノ(バレンシアBの選手)、カンインのクロスをミナがヘッドで送り、ゴール前からロドリゴが2点目をゲット。その直後にはモリーナのシュートがウーゴ・ドゥロの背中を直撃し、絶好機を無駄にしたかと思いきや、そこからのカウンターで最後はガメイロからロドリゴにボールが渡り、ハットトリックで逆転負けしてしまったから、驚いたの何のって。 え、それより度肝を抜かれたのは試合終了の笛が鳴った途端、始まった大乱闘の方じゃなかったかって?そうですね、最後のプレーで同僚のガライと頭をぶつけ合ったパウリスタが顔面に血をダラダラ流したまま、騒ぎに加わっていたりして、もう何が何だか、わからなかったんですが、そこまでバレンシアとヘタフェの仲が険悪になっていたのは、実は両チームの監督に責任がなきにしろあらず。 ええ、あまりにバカらしいので、私も詳細は告げずにきたんですが、発端は1stレグの前、マルセリーノ監督がヘタフェは「juega al borde del reglamento/フエガ・アル・ボルデ・デル・レグラメント(ルール違反ギリギリでプレーする)」とコメントしたことで、まあ、最近はあまり聞かれなくなっていたんですけどね。それに反発したか、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで1-0と勝った後、ボルダラス監督は2年前、マルセリーノ監督がビジャレアルを率いて、リバプールにEL準決勝で負けた際、派手なパフォーマンスでゴールを祝ったクロップ監督を批判、それについて「自分の人生、一瞬たりともマルセリーノ監督みたいにはならない」と返されたことを引き合いに出して、「彼は何人もの監督と問題を起こしている」と仄めかしたんですよ。 すると今度はこの2ndレグ前の記者会見でマルセリーノ監督が反撃。「ヘタフェの監督を評価するため、カタ・・ディアスの件を持ち出すことを想像してみてくれたまえ。Pero yo nunca lo hare/ペロ・ジョ・ヌンカ・ロ・アレ(だが、自分は決してそんなことをしないだろう)」って、いえ、やっていますよ。2年前、1部再昇格したばかりのヘタフェのプレシーズン練習に加わりながら、契約解消となり、2部Bのフエンラブラダに移った元キャプテンの奥さんがSNSでボルダラス監督のことを惨々にけなしていたことなんて、すぐにマスコミは掘り起こしてきますって。 そんなボス同士の諍いに加え、1stレグの後でヘタフェのスタッフがバレンシア勢に対して泣き真似をしてみせたり、それを逆転劇の立役者であるロドリゴがメスタジャでやり返すといったような、もう子供みたいな挑発が重なって、最後はあんな乱闘になってしまったようですが、結局、割を喰ったのはヘタフェの方。というのももちろん、8年ぶりのコパ準決勝進出という夢が叶わなかったばかりか、競技委員会から出た出場停止処分ではバレンシアが控えのディアカビに4試合だけだったのに比べ、こちらはレギュラーのCBブルーノが4試合。 しかも重大違反とされ、コパではなく、次のリーガ戦から消化しないといけない上、ダミアンは来季のコパで4試合、マタが2試合、そして退場したジェネが1試合なんですが、ジェネとカブレラはアトレティコ戦の退場で土曜のレバンテ戦にも出場停止となれば、いえ、DFは冬の移籍市場でアルバセテにレンタルで行っていた左SBのマティアス・オリベイラが戻って来ましたけどね。CBの頭数が足りないのは明らかで、何とか、他のポジションの選手かカンテラーノを使って凌いでくれるのを祈るばかり。ちなみに移籍の最終日にはアレホ(マラガ)とロベルト・イバニェス(オサスナ)の放出が決まったヘタフェですが、リーガでは6位とEL圏にいるだけに、金曜のアジアカップ決勝ではカタールの前に涙を飲んだ日本代表の柴崎岳選手も早く帰って来て、チームがコパ敗退のショックを忘れられるよう、手助けしてくれるといいのですが。 そして水曜のコパ準々決勝2ndレグのカードではエスパニョールが中国スーパーリーグの武漢に移籍するレオ・バプチスタンの置き土産ゴールで先制したものの、後半にはロ・チェルソに同点弾を決められ、最後は延長戦でベティスが3-1と勝って、総合スコア4-2で準決勝に進出。バレンシアを倒せば、先日、5月25日に行われる決勝の会場に選ばれたホームのベニト・ビジャマリンで14年ぶりのトロフィーを掲げられる可能性を残すことに。続いては、カンプ・ノウでバルサが1stレグで2-0と負けていたセビージャにレギュラー陣総出で6-1と大勝して、こちらも逆転突破したんですが、むしろこの日、私の興味を引いたのはコパ・デ・レイナ(女王杯)の準々決勝。 ええ、一発勝負だったこちらでは、サン・マメスで4万8000人と今季最高の大入りを記録した試合でアトレティコ・フェミナスが1人退場者を出しながら、アスレティックに0-2で快勝したとなれば、コパ16強対決で敗退した男子チームに爪のアカでも煎じて飲ませてやったらいいかと。彼女たちはリーガでもバルサを制して首位を走り、3連覇も夢じゃありませんからね。CLだけは今季も16強対決でヴォルフスブルクに再び、総合スコア10-0の大敗とちょっと弱いんですが、まあそこは徐々に慣れていけばいいかと。 おかげで今週も暇だったシメオネ監督のチームは、ワンダ・メトロポリターノで火曜にプレゼン。紹介ビデオではマドリー時代どころか、スペイン代表での雄姿もなく、アトレティコのカンテラにいた子供時代の写真ばかりを編集され、「No puedo esperar para entrenar. Para ver a Koke, que era mas alto que yo/ノー・プエド・エスペラール・パラ・エントレナール。パラ・ベル・ア・コケ、ケ・エラ・マス・アルト・ケ・ジョ(練習するのが待ちきれない。コケに会うためにもね。見てわかるように、彼はボクより大きかった)」と変なマウンティングをしていたモラタが今週末の日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)、ベニト・ビジャマリンでのベティス戦で先発できるだけのセッション数をこなせたんですけどね。 ちなみに人事関係の方では、チェルシーからモラタが18ヵ月のレンタル加入をするため、ジェルソンがモナコにレンタル移籍しただけでなく、昨夏、セルタから700万ユーロ(約9億円)で獲得し、ウォルバーハンプトンに修行に出していたジョニーが2000万ユーロ(約25億円)で買い取ってもらえたため、カリニッチは残留。加えて、今季は現在もゴディンとサビッチが負傷中、フィリペ・ルイスもようやく全体練習に戻ったばかり、この冬に移籍を強行すると、契約破棄金額の8000万ユーロ(約101億円)にIVA(付加価値税)が加わって、実質9600万ユーロ(約121億円)の出費になることにバイエルンが躊躇、6月まで移籍を待つことになったリュカも個別に調整と相変わらず、DF陣の健康に不安があったせいですかね。やはり昨夏にアルゼンチン・ジュニアースから獲得し、レンタルで留まっていた18歳のCBナウエンも南米ユース選手権が終わったら合流することに。 とりあえず、ベティス戦ではモラタのお手並み拝見といったところですが、相手がコパの延長戦で疲労しているのはアトレティコにとっては好材料。その次もゆっくり休んでから、クラシコで疲弊するはずのお隣さんとのダービーですしね。それまでにはコケやビトロ、ゴディンらも戻っているとなれば、心強くはあるんですが…いやあ、最近のマドリーは何だか、別人のように強いんですよ! そう、それは木曜のコパ準々決勝ジローナ戦2ndレグでも証明されて、まあ元々、1stレグで4-2と勝利していたため、気持ち的にも余裕はあったんですけどね。「Nuestro objetivo era disfrutar/ヌエストロ・オブヘティーボ・エラ・ディスフルタル(我々の目標は楽しむことだった)」(エウセビオ監督)という相手を軽くかわし、前半26分にはカルバハルとのワンツーから、ベンゼマが先制点をゲット。加えて、リーガ前節のエスパニョール戦でも2本と、ソラリ監督も「先週、ベンゼマを見出した人たちには申し訳ないが、まだ楽しむ時間はあるよ。Está en un gran momento, es verdad/エスタ・エン・ウン・グラン・モメントー、エス・ベルダッド(今、最高潮というのは本当だ)」と言っていたように最近、ゴールづいている彼は42分にもGKイライソスを破り、前半のうちに更に2点差をつけてくれたとなれば、それこそ大船に乗った気分と言っていい? 守備の方ではジローナとの1stレグはケガで欠場したものの、ソラリ監督に任されている唯一の大会までクルトワの一人舞台にしてなるものかと、リハビリを間に合わせたGKナバスも2度に渡って、アトレティコには命とりとなったウルグアイ人エース、ストゥアーニのチャンスを2度も防いでくれましたしね。後半25分にはパブロ・ポロに1点を返されてしまったものの、その3分後にはマルコス・ジョレンテがエリア外から強烈な一撃をたたき込み、呆気なく、勝負に決着をつけてくれましたっけ(最終結果1-3、総合スコア3-7)。 ちなみにこの試合では負傷上がりのベイルやアセンシオも調整出場できましたし、逆にモドリッチやカセミロはお休み。90分間、プレーしたカルバハルとバランも次のアラベス戦では出場停止とあって、折良く、コパ・クラシコ前に一息入れられるため、本当に今のマドリーは上手く回っているなという感じがしますが、こういう調子の波はいつ風向きが変わるかわかりませんからね。柴崎選手同様、アブダビから戻って来る、ベティスからアラベスにこの冬レンタル移籍をした乾貴士選手が間に合うかはわかりませんが、リーガでもマドリーがこの強さを持続できるのか、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのサンティアゴ・ベルナベウでの一戦も注意して見守っていかないと。 そして月曜には降格圏すぐ上、17位と16位に同じ勝ち点で並ぶラージョとレガネスのミニダービーがエスタディオ・バジェカスであるんですが、どちらも1部残留を確実に達成するべく、この冬の移籍市場ではそれぞれ4人の選手を獲得。いやあ、すでにレガネスのブライトバイテ(ミドルスブラから移籍)などはマドリーやバルサ相手にゴールを挙げ、新戦力として稼働しているんですけどね。最終日にはロランがアラベスに移るのと入れ替わりに以前、レアル・ソシエダやエスパニョールでプレーしたメキシコ人MFのディエゴ・レジェス(フェルネバフチェ)もペジェグリーニ監督の指揮下に入っています。一方、ラージョには懐かしい選手が加わって、それはアトレティコにいたマリオ・スアレス。中国の貴州智誠から帰国し、今度は弟分の力になってくれるようですが、まだこの試合に出られるのかはわかりません。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.02 15:00 Sat
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