【プレビュー】上昇気流のミランと下降線辿るインテルによるダービー《ミランvsインテル》

2018.03.04 12:00 Sun
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▽セリエA第27節、ミランvsインテルのミラノ・ダービーが日本時間4日28:45にキックオフされる。ガットゥーゾ体制で調子を上げている6位ミラン(勝ち点44)と後半戦に入って失速している4位インテル(勝ち点51)によるダービーマッチだ。
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▽昨年11月30日にプリマヴェーラの監督から昇格する形で就任したクラブの“レジェンド”ガットゥーゾ監督によってミランはチーム状態を上げている。年明け以降のリーグ戦7試合で6勝1分けと勝利を積み重ね、一時は絶望と思われたチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得も現実味を帯びている。試合内容も格段に改善されてきており、攻守に質を上げている。攻撃陣ではスソと20歳のストライカーであるクトローネが牽引し、守備陣ではボヌッチが本来のパフォーマンスを発揮し出し、チームに安定感をもたらしている。前節は敵地でローマを下し、チーム力が本物であることを示した。CL圏内のインテルとは7ポイント差としており、ダービーを制すことができればインテルを射程圏内に捉えることができる。
▽一方、名将スパレッティ監督を招へいして順調な前半戦を過ごし、優勝争いに参戦するかに思われたインテルだったが、選手層の薄さを露呈し、ここ10試合で2勝と失速している。得点源のイカルディの負傷や前半戦の好調を牽引していたペリシッチとカンドレーバの両ウインガーが蓄積疲労によりパフォーマンスを落とし、攻撃力が一気に減退。優勝争いから完全に脱落したクラブは、CL出場権獲得に目標を下方修正せざるを得なくなった。前節は最下位ベネヴェントを攻めあぐねた中、センターバック2人のゴールで勝利をもぎ取ったが、ダービーを落とすようなことがあればCL出場権獲得が危うくなってくる可能性が高まるだけに負けられない一戦となる。

▽今季は2度対戦しており、セリエAの1stマッチではイカルディのハットトリックでインテルが3-2と勝利。コッパ・イタリア準々決勝では延長戦の末ミランが1-0で勝利し、1勝1敗の戦績となっている。

◆ミラン◆
【4-3-3】
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▽ミラン予想スタメン
GK:ドンナルンマ
DF:カラブリア、ボヌッチ、ロマニョーリ、R・ロドリゲス
MF:ケシエ、ビリア、ボナヴェントゥーラ
FW:スソ、クトローネ、チャルハノール
負傷者:DFコンティ
出場停止者:なし
▽前節ローマ戦、直近のコッパ・イタリア準決勝2ndレグ・ラツィオ戦のスタメンから変更はないものと思われる。

◆インテル◆
【4-2-3-1】
(C)CWS Brains,LTD.
▽インテル予想スタメン
GK:ハンダノビッチ
DF:カンセロ、シュクリニアル、ミランダ、ダンブロージオ
MF:ガリアルディーニ、ヴェシーノ
MF:カンドレーバ、ラフィーニャ、ペリシッチ
FW:イカルディ
負傷者:なし
出場停止者:なし

▽負傷が癒え、前節ベンチ入りしたイカルディとミランダが先発復帰予想となっている。ラフィーニャではなくカラモーが先発する可能性がある。

★注目選手
◆ミラン:DFレオナルド・ボヌッチ
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▽ミランのエースストライカー候補に躍り出ているクトローネも注目だが、ガットゥーゾ体制となって本来のパフォーマンスを取り戻しているディフェンスリーダーのボヌッチに注目したい。モンテッラ体制下では「責任を負い過ぎていた」ために空回りしていたことを認めたボヌッチは、闘将の就任によってメンタル面で変化を与えられ自信を取り戻している。ミランの主将としてチームへの帰属意識を高く持つこととなったボヌッチは、今季の1stマッチでハットトリックを許したイカルディの封殺を狙う。

◆インテル:FWマウロ・イカルディ
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▽一方のインテルはエースストライカーのイカルディに注目だ。前節ベンチ入りを果たしたものの、ここ4試合ケガにより欠場していたイカルディは、コンディション万全の状態でダービーに臨めるはずだ。代役のエデルもまずまずの働きを見せたものの、やはりエース帰還によってチームにもたらされる勢いは計り知れない。組織力を増しているミラン守備陣からゴールを奪うにはイカルディの決定力が欠かせない。

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