【原ゆみこのマドリッド】わざわざ暴れに来ないでほしい…2018.02.24 11:30 Sat

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▽「もう人事じゃないわね」そんな風に私がおののいていたのは金曜日、UEFAの抽選会でアトレティコがヨーロッパリーグ16強対決で顔を合わすのがロコモティブ・モスクワに決まった時のことでした。いやあ、前日の32強対決2ndレグではビジャレアルとレアル・ソシエダが敗退。無事に次のラウンドに進めたのはアトレィコとアスレティックだけと、一挙に参加チームが半分になってしまったスペイン勢でしたけどね。翌日のEL関連報道は勝敗より、ビルバオに襲来したスパルタク・モスクワの準軍事的組織とまで言われるウルトラ(過激なファン)800人とアスレティックのウルトラ、そして警官隊800人の衝突についてばかりだったから。

▽実際、その日は試合の結果に関わらず、騒ぎが起こることを心配して、サン・マメス(アスレティックのホーム)側の小学校は休校。近隣のバル(スペインの喫茶店兼バー)も武器として利用されないよう、テラス席を撤去するなど、用心はしていたようですが、恐れていた通り、キックオフ前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)やビール瓶が飛び交い、三方入り乱れて殴るわ蹴るわの乱闘状態に。途中、機動隊員の1人が心臓発作で命を落としたこともあり、懸念はロシアで開催される6月のW杯にまで広がっていましたが、名前こそ違えど、3月6日にワンダ・メトロポリターノを訪れるのも危険なフーリガンがいるモスクワのチーム。こちらは立地的にスタジアム周辺300メートル程が更地と、住宅や商業地区とは隔たりがあるものの、フレンテ・アトレティコも好戦的ですからねえ。今はただ、一般のファンが騒ぎに巻き込まれないことを祈るしかないんですが、果たしてどうなるんでしょうか。

▽まあ、その辺はまた試合が近づいたら話すことにして、今週のマドリッドでは月曜にヘタフェがセルタに3-0で快勝した試合に続き、水曜には昨年12月のクラブワールドカップで延期されていたレガネスとレアル・マドリーのミニダービーも開催。丁度、その日はCL16強対決1stレグ最後の2試合もあったため、時間をずらして午後6時45分からという、平日にしては早い始まりとなったんですが、1部2年目の弟分チームにとっては、兄貴分をブタルケに迎える試合は一大イベントですからね。正面ゲート前に止まったマドリーのチームバスとセルフィーを撮っているファンなども多く、当然ながらチケット完売でキックオフとなりましたっけ。

▽ちなみに試合の方は、ジダン監督にお休みをもらったクリスチアーノ・ロナウドが自身のインスタグラムに彼女のジョルジーナさんとプライベートジェットでお出かけの写真(https://www.instagram.com/p/Bfa_LA0FgJS/?hl=ja&taken-by=cristiano)を投稿。加えてベイルはベンチスタート、クロース、モドリッチ、マルセロも負傷中とあって、メンバー的には1月のコパ・デル・レイ準々決勝のような感じだったマドリーに対し、レガネスが前半6分、CKからの混戦で最後は倒れこんだブスティンサが地上スレスレでヘッドを押し込んで先制しているから、ビックリしたの何のって。ええ、コパではサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転でマドリーから準決勝を奪い取った記憶もまだ新しいですからね。この先制点には寒風吹きすさぶ中、応援に駆けつけたファンも大いに期待を膨らませたんですが…。

▽当時とはマドリーBチーム、とりわけルーカス・バスケスとアセンシオの調子が段違いなのが致命的だったんですよ。そう、早くも11分にはカセミロのパスをルーカス・バスケスが決めて同点に持ち込んだ彼らは、29分には役割を逆転してカセミロが勝ち越しゴール。ただこれには、後でガリターノ監督も「No ayuda tener tantos partidos y tan pocos entrenamientos/ノー・テネール・アジュダ・テネール・タントス・パルティードス・イ・タン・ポコス・エントレナミエントス(これ程試合が多くて、練習回数が少ないのは助けにならない)」と言っていたように元々、週1ペースを想定して組まれたチームが年明けからの負荷に耐えられず、息切れしてしまったせいもあるんですけどね。

▽え、でも後半にはボービューが至近距離からのシュートをGKカシージャに弾かれてしまうなど、レガネスにも追いつくチャンスがあったんじゃないかって?まあ、そうだったんですが、当人も「ああいうのは運次第で、できるところに撃つだけだからね」と語っていたように、彼らには兄貴分のような決定力の高いFWがいないのが悲しいところ。この1年半、降格圏に落ちることなくやってこられたのはひたすら、「Hay que ser intensos, para defender major/アイ・ケ・セル・インエンソス、パラ・デフェンデール・メホール(より良く守るために激しくプレーしないといけない)」というガリターノ監督の信条を忠実に守ってきたおかげだったかと。

▽それももちろん、体力あっての話ですから、終盤にはディエゴ・リコがコバチッチをエリア内で倒してPKを献上。その頃にはベイルもピッチに入っていたんですが、「Siempre que no esta Cris, si no es Gareth soy yo, nos alternamos/シエンプレ・ケ・ノー・エスタ・クリス、シー・ノー・エス・ガレス・ソイ・ジョ、ノス・アルテルナモス(ロナウドがいなくてベイルじゃなかったら、ボクが担当。交代でやっている)」というセルヒオ・ラモスがキッカーに立ち、自身のマドリー公式戦550試合出場を祝うチーム3点目を決められてはもう、どうしようもありませんって(最終結果1-3)。

▽これで3試合連続の逆転勝利とあって、ジダン監督も「序盤の失点が集中力の欠如からなのは明白だが、firmaria que el rival marque uno y nosotros cuatro o cinco/フィルマリア・ケ・エル・リバル・マルケ・ウノ・イ・ノソトロス・クアトロ・オ・シンンコ(敵が1点を取って、ウチが4、5点取るならいい)」と言っていたように、おかげでバレンシアを追い越し、マドリーは3位に上昇。ただ、どうにも後味良く終われなかった選手が約2人いて、いや、それは試合後ブタルケのロッカールームでラモスが撮った記念写真(https://twitter.com/SergioRamos/status/966411958584053760)に当人たちだけが写ってなかったせいではありませんよ。

▽それは先日の大一番、CL16強対決PSG戦1stレグでも先発を外れ、早くもこの夏の放出まで噂され始めたベイルとラモスのPKが決まった後、ピッチに入ったもののプレー時間がたった26秒しかなかったセバージョス。いやあ、後者は前節のベティス戦で古巣のベニト・ビジャマリンを訪れた際にもファンから、「Comepipas/コメピパス(ひまわりの種を喰っている奴)」とか、「Chupabanquillo/チュパバンキージョ(ベンチ要員)」といった酷い野次を受けて心痛めていたこともあり、ジダン監督もこの試合ではとにかく、出してやらなければという思いが強すぎたんですかね。

▽おかげで時計を見るのを忘れたようで、金曜の記者会見では「Me senti muy mal y lo siento mucho/メ・センティ・ムイ・マル・イ・ロ・シエントー・ムーチョ(とても悪かったと思う。本当にすまない)」と選手に謝罪していたんですが、肝心のベイルの方は「大事な選手、100%でいてもらいたいだけ」と相変わらず、曖昧の域を出ず。要は3月6日のPSG戦2ndレグ前にケガをしてほしくないということのようですが、今季は永遠のライバルのMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)時代が終わったのに続き、マドリーもBBC(同ベイル、ベンゼマ、ロナウド)時代が終焉を迎えつつあるんでしょうか。

▽まあ、それはまだ先の話とはいえ、リーガに関しては今でも2位のお隣さんとは勝ち点差7、首位バルサとは14もありますからね。いくらラモスが「Vamos a seguir luchando y metiendo presion en la Liga/バモス・ア・セギール・ルチャンドー・イ・メティエンドー・プレシオン・エン・ラ・リーガ(ウチは戦い続けてリーガ優勝戦線にプレッシャーをかけていく)」と張り切ろうとあまり現実味はないですし、それは土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのアラベス戦でも同じ。

▽むしろ今季、4人目の指揮官となったアベラルド監督が大当たりして、現在、降格圏から勝ち点10離れた堂々15位を張っている相手に冷や汗をかかされることにならないようにと思うんですが、向こうは最近好調なFWムニルが出場停止に。マドリーでは木曜に親知らずを抜いたアセンシオの出場が危ぶまれていますが、ここ6試合で10得点挙げているロナウドが戻ってくるのは頼りになりますね。

▽一方、順位は13位と変わらないもの、これでリーガ3連敗となったレガネスは土曜に「Es una final para ellos y para nosotros/エス・ウナ・フィナル・パラ・ジョス・イ・パラ・ノソトロス(これは相手にとってもウチにとっても決勝のようなもの)」(ガリターノ監督)というラス・パルマス戦にブタルケで挑むんですが、向こうには先日、降格圏で苦しんでいるチームを残し、司令塔のジョナタン・ビエラが北京国安に移籍してしまうというショッキングな出来事も。でもねえ、実は2月28日まで開いている中国スーパーリーグの脅威はマドリッドのチームにも及んでいたんですよ。

▽というのも木曜にはもう1つの弟分、ヘタフェのカラが河南建業に引き抜かれたというニュースが入ったからで、ボルダラス監督によると、「Si por mi hubiera sido no habria salido/シー・ポル・ミー・ウビエラ・シードー・ノー・アブリア・サリードー(自分の判断だったら、決して出しはしなかったろう)。急なことで本人とも話してなくて、メッセージをもらっただけ」という電撃移籍だったようなんですけどね。大体がして、補強もできないこの時期、今季ほとんどの試合で先発を務めていた選手を放出して、残り3カ月以上をCB3人で賄うなんて、とても正気の沙汰とは思えませんでしたが、ヘタフェは選手のお給料も控えめですからね。今季で契約が終わる当人、緊縮予算でやりくりしているクラブ、それぞれ事情があったんでしょうが、それがまさかアトレティコにまで飛び火するとは!

▽いやあ、カラスコの大連一方への移籍交渉が進んでいるのは同クラブを買収したワンダグループとの絡みもあるものの、シメオネ監督の元、なかなか実力を開花できない当人が中国で一稼ぎした後、第2のパウリーニョ(バルサ)を狙っているとも考えられますけどね。ついでに冬の市場で移籍先が決まらなかったガイタンもどうかとクラブが勧めたところ、向こうはフェルナンド・トーレスを狙っているって、ちょっとお。いくら水曜の記者会見でシメオネ監督が「グリーズマンの残留を実現するためと同じだけの努力をトーレスについてもするつもりか」と尋ねられ、「No」と答えたからって、あまりに話が飛躍しすぎじゃない?

▽うーん、翌日のELコペンハーゲン2ndレグの後、新規オープンしたワンダの映画館のようなプレスコンファレンスルームでは、「El y yo desde nuestro lugar queremos lo mejor para el club/エル・イ・ジョ・デスデ・ヌエストロ・ルガール・ケレモス・ロ・メホール・パラ・エル・クルブ(彼も私もそれぞれの立場から、クラブにとって一番良いことを望んでいる)」(シメオネ監督)というフォローは一応、あったんですけどね。大方のマスコミはたとえ、この6月で終わるトーレスの契約を延長しないことに監督が決めていたとしても今、そんな発言をするのは大きな間違いだったんじゃないかという意見なんですが、まあそれはともかく。前夜のレガネスでの失敗に懲り、再び厳寒冬装備で私も向かったその試合ではつつがなくトーレスが先発。

▽何せこの対戦、1stレグでは1-4でアトレティコの圧勝。その割にはファンも結構、見に来てくれていたんですが、開始7分には、かつてセビージャで前人未踏のEL3連覇を達成したガメイロが威厳を見せて、エリア外からシュート。ここ3試合連続となるゴールを奪って呆気なく勝負がついてしまったため、後はラジオ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継も延々とトーレスやカラスコの話ばかりしているというオチだったんですけどね。スタンドからは「Ole, ole, ole, Cholo Simeone/オレ、チョロ・シメオネ」と「フェルナンド・トーレス、ロロロ」のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)が同じぐらいの頻度で聞こえていましたっけ。

▽そのため、サポーターを分断する騒ぎになっていないことがわかり、私もホッとできたんですが、この日は1500人来ていたコペンハーゲンのファンも唯一、覚えてきたらしいスペイン語で「Puta Atletico!/プータ・アトレティコ」と試合中、繰り返すぐらいで、実に穏やかなもの。結局、チェルシー時代にはEL優勝経験もあるトーレスがゴールでアピールする機会もなく、1-0のまま試合は終わり、総合スコア5-1で勝ち抜けたアトレティコはELグループリーグでコペンハーゲンを抑え、首位突破。このラウンドではニースを破ったロコモティブと当たることになったんですが…言うまでもなく、心配は相手チームの実力ではなく、ロシア人ウルトラたちの振る舞いですよね。

▽そして今週末のアトレティコは日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイでセビージャ戦なんですが、何せ向こうはこの水曜、マンチェスター・ユナイテッドとの激戦をスコアレスドローで乗り切ったばかりですからね。その前日はチェルシーがスタンフォード・ブリッジでバルサと1-1で分け、両CL戦で元アトレティコのGK、デ・ヘアとクルトワが活躍していたのはともかく、現職のオブラクも3回目のサモラ(リーガで失点が最も少ないGKに与えられる賞)に向かってなく驀進中。ELではジエゴ・コスタやグリーズマンを温存と、楽することができた彼らがコパ準々決勝の敵を討つのに願ってもないチャンスかと。

▽ちなみに同じ日曜は正午(日本時間午後8時)からヘタフェもビジャレアル戦で、逆にこちらはオリンピック・リヨンに総合スコア1-4でEL敗退というショックを利用できそうですが、まあ勝負は時の運ですからね。前節セルタ戦でのホルヘ・モリーナ、アンヘルのFWコンビの活躍ぶりを見ると、柴崎岳選手の先発復帰があるかどうかも微妙ですが、今季の残り試合もだんだん少なくなってきましたし、途中出場でもいいので、何とかチームの勝利に貢献する働きを見せてもらいたいところです。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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波乱はなかった…/原ゆみこのマドリッド

▽「勝ち抜けたのは嬉しいけど、4カードもあったらまた大変!」そんな風に私が早くも来年正月明けの予定を憂いていたのは木曜日、ここ3日間続いたコパ・デル・レイ32強対決2ndレグでマドリッド勢5チーム中、ラージョ以外の16強対決進出が決まった時のことでした。いやあ、1部チームが参加する初戦から、レガネスとラージョがマドリー・ミニダービーのカードとなってしまったため、どちらかが敗退するのは避けられなかったんですけどね。残り3チームは皆、下位カテゴリーのチームが相手だったため、しっかり次ラウンドに駒を進めることに。来週木曜の抽選会でまたダービーカードが生まれない限り、1月8~10日と15~17日は再び、連日スタジアム通いという羽目に陥りかねないと思ったから。 ▽そう、私のコパ行脚が始まったのは今週の火曜からで、まずはヘタフェがコルドバを迎える2ndレグをコリセウム・アルフォンソ・ペレスへ見に行ったんですが、平日ですし、やはりスタンドはあまり埋まりませんでしたね。加えて1stレグで1-2と勝っていたこともあり、ヘタフェはリーガで先発した選手たちを休ませていたんですが、2部の降格圏にいるコルドバまでそれに倣っていてはねえ。両チームの選手たちの実力差は明らかで前半18分、GKマルコスが弾いて落としたボールをポルティージョが押し込んで先制したヘタフェは、41分にもアンヘルがペナルティをゲット。PKも自身で決め、追い風に乗ると、ここしばらくゴールから遠ざかっていた鬱憤を晴らすかのように後半にもう2発追加、ハットトリックを達成してくれたとなれば、ボルダラス監督も心強かったかと。 ▽え、その試合、柴崎岳選手も久々に先発に抜擢されたんだろうって?その通りでクリストフォロとのダブルボランチでスタートした彼だったんですが、余裕の2点リードで迎えた後半から、「Habiamos cambiado el dibujo en el ecuador/アビアモス・カンビアドー・エル・ディブージョ・エン・エル・エクアドル(ハーフタイムにシステムを変えた)。そんなに急いでパスを出さず、ドリブルしてみたらいいと言った」(ボルダラス監督)という指示により、3分には早速、中盤からスタート。アンヘルに繋いだ後、エリア内にリターンしてくれたボールは行き過ぎて取れなかったんですが、左側にいたロベル・イバニェスがシュートして、ヘタフェの3点目を入れてくれます。 ▽後半にはコルドバもCKからアイタミがヘッドを決めて1点を返したため、最後は5-1で試合は終わったんですけどね(総合スコア7-2)。おかげで1月前半もコパの2試合が保証され、柴崎選手がアピールする機会が増えたとなれば喜ばしい限りかと。実際、まだこの段階ではリーガよりコパの方がチケットも安くて手に入れやすいため、その頃、マドリッド訪問を計画しているファンは来週、対戦相手と時間割が出るのをしっかりチェックして、コリセウムでの試合観戦をスケジュールに入れてみるのも一興かと思いますよ。 ▽そして同じ火曜、ヘタフェより1時間遅れで始まったエスタディオ・バジェカスでのコパ・ダービーではレガネスが前半17分、エル・ザールのシュートをエミリアーノ・バスケスがクリアミスして入ったオウンゴールで先制。その後のラージョは70%以上という凄いポゼッションで反撃したようですが、兄貴分のレアル・マドリーからレンタルで修行に来ている19才のGKルニンがベベのPKまで弾く大活躍をしたんですよ。そのせいもあって、結局、0-1で負けたため、2-2の引き分けた1stレグのアウェイゴールによるアドバンテージを生かせず、早くもラージョはコパから姿を消すことに。 ▽とはいえ、「ゴールチャンスが15回、ボールロスト後のプレスも見事でカウンターも受けなかった。Para mi el resultado es muy injusto/パラ・ミー・レスルタードー・エス・ムイ・インフストー(自分にとって、この結果は全然、正当なものではない)」とミチェル監督が悔しがろうと、彼らの最優先課題は一刻も早くリーガ降格圏を抜け出すことですからね。この金曜午後9時(日本時間翌午前3時)にレガネスがブタルケにヘタフェを迎え、お隣さん同士で星を潰しあっている間、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)のベティス戦でこそ、前節エイバル戦に続く2連勝を狙ってほしいところかと。ちなみに2節前に降格圏を抜け出したレガネスは3連勝中で残留ラインと勝ち点差5の現在16位、2連勝中のヘタフェは9位ですがヨーロッパリーグ出場圏の6位まで勝ち点1と、こちらのリーガ・ミニダービーも見応えありそうですよ。 ▽そして翌水曜にはワンダ・メトロポリターノにアトレティコのサン・アンドレウ戦を見に行った私でしたが、さすがトップチーム20人という少数精鋭の上、月曜には左足中足骨に入れたボルトの手術をするため、母国ブラジルに帰ってしまったジエゴ・コスタを始め、ゴディン、ヒメネス、ファンフラン、フィリペ・ルイスの5人を負傷で欠いて、とうとう15人になってしまったチーム。そこへ1stレグでは0-1でしか勝てなかったとあって、ベンチを外れてお休みをもらったのはグリーズマンだけというのは大体、アトレティコの選手数がここまで少ないのはその彼を引き留めるため、リーガでメッシに次ぐ高額年棒を払うことになったからだなんて聞くと、ちょっと不公平な気もしますけどね。まあ当人も今週は失意の中、パリでのバロンドール授賞式出席、モドリッチに拍手を贈らないといけなかったため、その辺の心労をシメオネ監督も慮ってあげた? ▽実際、来年2月半ばまで復帰できないコスタの代わりとなる前線候補を試す必要性もあり、CBにカンテラーノ(アトレティコBの選手)のカルロス・モヤを入れただけで、後はトップチームの選手で挑んだアトレティコなんですが、いやあ、前半の恐ろしかったことといったらもう!だってえ、相手は3部というのに何回も危ないシーンがあったんですよ。幸いGKアダンが防いで事なきを得たものの、この日もベンチ入り禁止処分が続き、パルコ(貴賓席)で観戦していたシメオネ監督だって、あの惨状にはきっと呆れていたに違いありませんって。 ▽それでもハーフタイムに「問題はもっと組織だって、コンパクトなチームでいることだったから、hemos hablado entre todos/エモス・ハブラードー・エントレ・トードス(皆で話し合った)」(アダン)のが功を奏したか、いえ、一番はジェルソンをレマルに代えたことだったんですけどね。後半開始早々、そのレマルがエリア前からのシュートを枠に当てて決め、とりあえず2試合でのリードを2点にしてくれたから、不安を覚え始めていたスタンドのファンたちもどんなに安心できたことか。どうやら選手たちも同じ気分だったようで、9分にはアリアスのクロスをカリニッチがヘッドで叩き込み、移籍後初ゴールを挙げると、その1分後にはレマルがエリア内に入れたクロスをコレアが右足外側でネットに収め、あっという間に3点目が決まったとなれば、もう心配することは何もありませんって。 ▽そして最後にはリュカがCBに移動して、再び左SB修行をしていたサウールが36分、ゴール前に送ったラストパスをビトロが押し込んで4点目を奪い、彼らは4-0で勝利(総合スコア5-0)。サン・アンドレウ戦の選手たちがワンダのジャグジーを堪能している間、記者会見に現れたアスパレン監督も「今日の失点をウチが集中力を欠いたせいと言うのは傲慢だと思う」と言っていましたが、そうですよね。いくら「Jugamos muchos futbolistas que teniamos pocos minutos/フガモス・ムーチョス・フトボーリスタス・ケ・テニアモス・ポコス・ミヌートス(あまりプレー時間がなかった選手が大勢いたし)、相手には失うものは何もなかった」(ビトロ)とはいえ、アトレティコは全ての大会で優勝を目指すチームなんですから、これぐらいの力の差は見せてくれないと。 ▽そんな彼らはあまり休む間もなく、次は土曜午後1時(日本時間午後9時)から、再びワンダでアラベス戦となるんですが、相手はすぐ下の4位ながら、ジローナを前にコパ敗退をしてしまいましたし、リーガもここ2試合連続白星なしと少々調子が下降気味。とにかく今季はアウェイで1勝だけと、内弁慶が続いているアトレティコだけにホームゲームでは確実に勝ち点3をゲットしてもらいたいものですが、さて。何せ、負傷者はまだ誰も戻って来ませんからね。とりあえず今はカリニッチやビトロがゴールで自信をつけて、チームに貢献してくれることを祈るばかりです。 ▽え、それで1stレグで0-4と大勝し、モドリッチ、セルヒオ・ラモス、ベイル、ベンゼマ、クルトワを招集外にしてメリージャを木曜にサンティアゴ・ベルナベウに迎えたマドリーはどうだったのかって?いやあ、やはりアフリカ大陸にあるスペインの飛び地領から、フェリーでマラガまで6時間、そこからは飛行機でしたが、計12時間も移動にかかっていてはねえ。そんなお疲れ気味だった2部Bチームの選手たちが意地を見せられたのは前半32分までのことでした。ええ、それまではGKケイロル・ナバスのゴールキックミスなどを利用して、シュートを撃ったりもしていたんですが、ドリブルでエリア内に入り込んだアセンシオに先制点を決められたかと思えば、その2分後にはビニシウスのアシスストで再びアセンシオがゴール。 ▽38分にはその彼の出した弓なりのパスをRMカスティージャ(マドリーのBチーム)のCB、ハビ・サンチェスがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて、あっという間に3点差になったとなれば、一矢報いてやろうと張り切っていたメリージャ勢だって、もうお楽しみはベルナベウのジャクジーしか残っていない?実際、後半もソラリ監督にこの日、初めて先発を任されたイスコが3分にエリア外からのシュートを突き刺すと、30分にはとうとう、フィニッシュに失敗してばかりだったビニシウスまで、一旦はGKに弾かれたシュートを2度目のトライでゴールにすることに成功。ええ、ほとんどバジャドリーのオウンゴールまがいだったマドリー初得点と違い、こちらは正真正銘、自分が決めたものとなれば、まだ18才ですしね。陽気なブラジル人選手の常として、ついピッチで踊ってしまったとしても仕方なかったかも。 ▽いい加減、この辺りになると総合スコア9-0の大敗に審判も相手が気の毒になったか、36分にはエリア内でハビ・サンチェスがジャシネを倒したプレーをペナルティと判定。おかげでメリージャも記念の1点を挙げ、気分を直したはずだったんですが、まさかその1分後、イスコがまたしてもゴールを決めるってやっぱり、彼って空気が読めない選手?結局、試合は6-1で終わり、マドリーはあっさり16強進出を決定。ビジャレアルに2ndレグだけで8-0の大敗を喫したアルメリア(2部B)よりはマシですが、メリージャの選手たちにとって翌日、直行便で帰還できるのは不幸中の幸いだったんじゃないでしょうか。 ▽そして今週末は日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、アウェイで最下位のウエスカと対戦するソラリ監督のチームなんですが、実はその日のマドリッドは厳戒態勢に。というのもブエノスアイレスで開催できなかったコパ・リベルタドーレス決勝2ndレグが午後8時30分(日本時間翌午前4時30分)からサンティアゴ・ベルナベウで行われるためですが、すでにボカ・ジュニアーズ、リーベル・プレートの両チームは到着しており、木曜にはそれぞれラス・ロサス(マドリッド近郊)のスペイン・サッカー協会の施設、バルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場で大勢のマスコミの見守る中、セッションに励んでいます。 ▽うーん、1stレグが2-2で終わり、アウェイゴール・ルールがないため、ほぼ一発勝負状態になっているこのアルゼンチンの両雄の対決、いえ、ヘタフェのコパ担当GKチチソラなど、「もちろん見に行くよ。友達もいっぱいいるしね」とリーベル育ちの縁でチケットを融通してもらえるのか、楽しみにしていましたけどね。スペインに25万人いると言われるアルゼンチン人移民を除いて、一般的なマドリッド市民の感覚はとにかく、両チームのファンと警官隊が対決するような騒ぎが起きないでほしいといった風で、試合の結果については、勝者がクラブW杯でマドリーの一番のライバルになるぐらいの認識でしょうか。 ▽どうやらバラス・ブラバス(アルゼンチンのウルトラグループ)の幹部は入国拒否されたようですし、航空券が1500ユーロ(約20万円)程と高額なため、海を渡って来るアルゼンチン人のファンの数は限られており、多分、騒ぎは起きないはずですけどね。一応、この日曜、マドリッド観光をしている日本人ファンに注意点をお伝えしておくと、キックオフ数時間前から、サンティアゴ・ベルナベウ周辺は3重のチェックポイントが設けられ、チケットがないと通れなくなることと、スタジアム北側、メトロのクスコ駅近くのプラサ・デ・クスコはリーベルのファンゾーンに、南側のヌエボ・ミニステリオス駅方面にあるラミムンド・フェルナンデス・ビジャベルデ通りはボカのファンゾーンとなるため、人込みが苦手な方は避けた方が無難といったところですかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.12.07 12:00 Fri
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景気のいい話ばかりではない…/原ゆみこのマドリッド

▽「同じ旅立ちでも天と地の差だわ」そんな風に私が首を振っていたのは月曜日、夜のスポーツニュースでバロンドール表彰式に向かうレアル・マドリーのモドリッチの映像の後、足を手術するため、バラハス空港からブラジルに発つアトレティコのジエゴ・コスタが映った時のことでした。いやあ、実際、昨年はクリスチアーノ・ロナウドが仁王立ちしていたエッフェル塔から舞台を変え、ファッションショーのパリ・コレなどで使われるグラン・パレで優雅に行われたセレモニーでは予想通り、モドリッチが10年に渡るロナウド、メッシの独占時代に終止符を打ち、UEFA最優秀選手、FIFAベストに続いて、バロンドールも受賞したんですけどね。 ▽その場では、自分に賞が確定している時以外、顔を出さないサッカー界の超巨匠たちとは違い、同僚のリュカやレマルに伴われて出席していたグリーズマンも「フランス人が受賞しないのは残念。もしかしてCLの方がW杯より重要なのかな」と愚痴ったぐらいでそれ程、落ち込んでいる風ではなかったのは有り難いんですが、ファンにとって大事なのは今シーズン。クリスマス休暇を挟んで、2月のCL決勝トーナメント開始までには戻って来るとはいえ、アトレティコの前線のパートナー、コスタが治療のため、この先2カ月間欠場というのは、彼にとっても試練の時期にならない? ▽だってえ、まるでその悪夢の先ぶれのように先週末のリーガでは1チームを除いて、マドリッド勢は皆良かったんですよ。まずは金曜、エスタディオ・バジェカスでとうとう待望の1部復帰ホーム初勝利をラージョがゲット。迎えた相手は前節、イプルアで兄貴分のレアル・マドリーに3-0の大金星を挙げたばかりのエイバルだったんですが、それが却って幸いしましたかね。ここずっと降格圏にいて、最速2部Uターンの恐れが刻々と高まっていたマドリッドの弟分チームは前半、ほとんど攻撃に出ず、どこか「Hemos estado atenazados/エモス・エスタードー・アテナサードス(ウチは怯えていた)」(ミチェル監督)感じだったんですが、それで相手を見くびってしまったのが運の尽き。 ▽「勝つつもりで試合を支配していたが、no se si lo hemos visto sencillo o que, que nos hemos ido relajando/ノー・セ・シー・ロ・エモス・ビストー・センシージョ・オ・ケ、ケノス・エモス・イドー・レラハンドー(簡単にできると思ったのかどうかはわからない。ウチはリラックスしてしまった)」とメンディリバル監督も後で言っていた通り、0-0のまま迎えた後半8分、アレックス・モレノがエリア内奥からゴール前に出したラストパスの軌道をエンバルバが変え、先制点が入ったから、平日にも関わらず、スタンドを埋めたファンがどんなに湧いたことか。 ▽いやあ、このエンバルバ、5年前、アトレティコのサウールがレンタル移籍で修行に来ていた頃からいるカンテラーノ(ユースチーム出身の選手)なんですが、厳しい2部時代の2年間も耐え、堂々26才となった今はキャプテンマークを任される存在に。この日でラージョでの公式戦出場150試合達成などと聞くと、ホントに時の経つのは早いんですが、カンテラーノの大先輩であるミチェル監督も先日、同じブラウグラナ(青と紫のストライプ)をまとったバルサ相手に1点リードしながら、残り4分から同点、逆転とされた痛い教訓に学んだんでしょう。最後はFWラウール・デ・トマスを下げ、ティトを入れて、5人DF体制でこの1点を死守。1-0で今季2勝目を挙げることができましたっけ。 ▽まあ、それでも18位と彼らの順位が変わらず、残留ラインまで勝ち点差4あるのは何ですけどね。実はそのラージョと今週火曜、コパ・デル・レイ32強対決ミニダービーで2ndレグを戦う、もう1つの弟分レガネスも翌土曜、バジャドリー戦でいい結果を残していて、アウェイでの白星自体、2017年10月のマラガ戦以来だったとか。おまけにホセ・ソリージャでは前半にCKから、シオバスとオスカル・ロドリゲスのゴールで2点をリード。後半はトニ・ビジャに1点差にされたんですが、21分にはカリージョがGKマシップのミスから3点目を挙げ、更に30分にはdoblete(ドブレテ/1試合2ゴールのこと)となれば、ロスタイムにウナルに1点を返されても痛くも痒くもありませんって(最終結果2-4)。 ▽実際、4得点というのは1部3年目のレガネスにとって、アウェイでは初めてのことで、これにはペレグリーノ監督も「Ha habido mas efectividad sobre el terreno de juego/ア・アビードー・マス・エフェクティビダッド・ソブレ・エル・テレーノ・デ・フエゴ(ピッチでずっと効率的だった)」と満足顔。順位も16位と1つ上がって、降格圏から勝ち点5差となったとなれば、1stレグをホームで2-2と引き分けたため、ゴールを挙げないと勝ち抜けない火曜午後8時30分からのラージョ戦にも力を避けるというものでしょう。 ▽その後も今週は金曜午後9時から、また弟分ダービーとなるリーガのヘタフェ戦をブタルケで迎えるレガネスなんですが、そのお隣さんも土曜の次の時間帯であったエスパニョール戦では決して撃ち負けてはいないことを証明。いやあ、コリセウム・アルフォンソ・ペレスのファンが前節アスレティック戦で終了間際にマタがゴール前で倒されたペナルティ相当のプレーを主審にもVAR(ビデオ審判)にもスルーされ、引き分けで終わった件を抗議、スタンドから一斉pitada(ピタダ/ブーイング)があった前半は無得点で終わったんですが、後半一時、照明塔の1機が消えるアクシデントがあった後、9分にはホルヘ・モリーナがエリア内での個人技から先制ゴールをゲットしてくれるとは、やはり頼りになる36才のエースです。 ▽更に20分にはマタも続き、35分にはアントゥネスがミドルシュートを決めて、ヘタフェは3-0という立派なスコアで完勝。8位ながら、ヨーロッパリーグ出場圏まで勝ち点1と迫ったんですが、残念だったのは「Es decision tecnica/エス・デシシオン・テクニカ(戦術的な理由だ)」(ボルダラス監督)ということで、この日も柴崎岳選手がベンチに入っていなかったことと、続く時間帯でマドリー戦がサンティアゴ・ベルナベウであったため、私が彼らの勝利に立ち会えなかったこと。 ▽うーん、今週はコパ32強対決2ndレグで火曜午後7時30分から、2部のコルドバをホームに迎えるヘタフェなんですけどね。現在、2部で降格圏の21位に沈む相手は1カ月前の1stレグの後、サンドバル監督を解任し、今はクリストバル・トーレス監督が率いているんですが、先勝しているとはいえ、スコアは1-2の僅差。前日記者会見でボルダラス監督は「Están convocados y es posible que estén en el once/エスタン・コンボカードス・イ・エス・ポシブレ・ケ・エステン・エン・エル・オンセ(招集されていて、スタメンに入ることもありうる)」と柴崎選手やアレホについて話していたんですが、果たしてアピールのチャンスはもらえるんでしょうかね。 ▽え、それで土曜最後の試合、バレンシア戦ではマドリーも兄貴分の貫録を見せたのかって?そうですね、先週はCLでローマを0-2で破り、グループリーグ首位通過も決めていた彼らだったため、当日にクロースとマルセロがケガで抜けるというアクシデントはあったものの、それ程、心配はしていなかったんですけどね。まさか前半7分、カルバハルがゴール前に上げたクロスをヴァスが完璧にヘッド、オウンゴールをプレゼントしてくれるなんて!加えて相手方はユベントスに負け、CL敗退となったショックもあったか、「Hemos hecho una primera parte muy cutre/エモス・エッチョー・ウナ・プリメーラ・パルテ・ムイ・クトレ(ウチは前半、とてもしみったれた試合をしてしまった)」(サンティ・ミナ)こともあり、マドリーは1-0でリードしてハープタイムに入ります。 ▽ただ追加点がなかったため、ロッカールームで心を入れ替えたバレンシアは後半早い時間、サンティ・ミナが2度程、GKクルトワに迫ったんですが、フリーのシュートを撃ち上げるわ、次は蹴る前にボールを取られてしまうわとチャンスをモノにできず。おまけにクルトワは交代で入ったバチュアイの1対1のシュートまでcaradon(カラドン/顔面スーパーセーブ)で弾いてしまったとなれば、今季のバレンシアがゴール不足で下位にいるのも納得できるかと。一方、太ももを痛めたベイルがアセンシオに交代、モドリッチもバルベルデに代わり、最後の枠でイスコが入ったマドリーは38分になって、とうとう本領を発揮することに。 ▽ええ、カルバハルがカウンターで駆け上がると、ソラリ監督に「Que fuera determinante cuando tuvieramos una transicion/ケ・フエラ・デテルミナンテ・クアンドー・トビエラモス・ウナ・トランシシオン(ウチに攻守交代のチャンスがあった時、決定的な役割をするように)」と言い含められたイスコとパス交換をした後、ゴール前にクロス。ボールはアセンシオの体に当たって、エリア内にこぼれたものの、ルーカス・バスケスがベンゼマのアシストで2点目を決めてくれたとなれば、もう安心ですって。そのまま2-0で勝利となり、前節のエイバル戦の大敗でミソをつけたソラリ監督も早々に汚名挽回することができましたっけ。 ▽それにしたって、マルコス・ジョレンテやレギロン、ベルベルデら、ソラリ監督がRMカスティージャを率いていた時代から熟知しているカンテラーノを活用しているのとは対照的に、アセンシオやイスコがあまり出してもらえなくなったのは心配じゃないかって?まあ、指揮官の好みもあるでしょうけど、とりわけ気の毒なのは後者でバレンシア戦の後など、ピッチに入る前の着替えの時、アンダーシャツになった姿をTVが後ろから捉えた映像がネタに。深夜のサッカー番組で腰に贅肉がついている、ついていないと延々議論していたのには私もただただ、呆れるばかり。そこへ、これには当人も頭にきたか、インスタグラムに自身の上半身裸体の写真を上げ、「Estoy gordo?/エストイ・ゴルドー(ボクは太っている?)」というアンケートを実施していた日にはもうどっちもどっちかと(https://www.marca.com/futbol/real-madrid/2018/12/02/5c03e6efca47410c1d8b458b.html)。 ▽結果、太ってはいないというファンからの答えがわずかに過半数を超える程度だったのはご愛敬として、こんな技術の進歩した時代ですからね。昔の写真を上げたんじゃないかとか、加工しているんじゃないかとか、散々、茶々を入れられていたのは仕方ない?ちなみにマドリーは今週、憲法記念日の祝日である木曜、午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、コパ32強対決メリージャ(2部B)戦2ndレグをサンティアゴ・ベルナベウで開催。1stレグが0-4の大勝だったこともあり、慣例的にこのラウンドでは控え選手がスタメンとなることを踏まえ、「次の試合、イスコはtitulalismo(ティトゥラリシモ/不動のレギュラー)」なんてラジオに揶揄されていたのも気の毒だったかと。 ▽そしてその日曜にはマドリッド勢のトリとして、アトレティコがジローナ戦に挑んだんですが、実は彼らは昨季、1部に上がったばかりの相手にホーム、アウェイ共、引き分けるという失態を犯していたんですよね。おまけにゴディン、ヒメネス、ファンフランに加え、先日のCLモナコ戦後にはフィリペ・ルイスまで負傷してしまったDF 陣は最小人員でのオペレーションを余儀なくされ、この日はとうとう、マルチ選手のサウールが左SBとしてプレーすることに。まあ、それでも前半には彼のシュートがゴールバーに弾かれたり、後半もGKボノがケガでイライソスに代わった後、絶好機にparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまったりと、アタッカーとして存在感を示してはくれたものの…。 ▽もう敵がアトレティコの苦手な3CB制を敷いているせいなのか、バルサ戦、CLモナコ戦と緊張する試合が続いて選手たちが疲れているのか、それとも7000万ユーロ(約91億円)でこの夏、加入したレマルが値段にふさわしい働きをしてくれないせいなのか、私にも理由はわからないんですけどね。メッシに次ぐリーガ2番目の高給取りであるグリーズマンも先週頃から、最後の希望だったバロンドールも逃したという情報が優勢になっていたせいでふて腐れてしまったか、左足小指の中足骨に12年前、埋め込んだボルトの不具合でずっと、痛みに悩まされていたジエゴ・コスタもムリして先発してくれていたんですが、いつになっても点が取れず。 ▽挙句の果てに前半終了間際、ロドリが自陣でパスミス、ロバーツからパスを受け、今季すでに10ゴール挙げてピチチ(得点王)だったストゥアーニがエリアに突っ込んで来るのを見て、さすがのGKオブラクも慌ててしまったんでしょうかね。ボールを奪おうとして相手を倒してしまったから、さあ大変!しかも最初は審判がファールはエリア外として、FKを指示していながら、まさかVAR判定でペナルティにされてしまうとはツイていないにも程がある?ええ、ストァーニがPKを決め、アトレティコは1-0とリードされてしまったんですよ。 ▽え、それでも後半の彼らは途中出場したコレアが自陣から放ったロングパスをコスタが見事にトラップ。シュート寸前に先に足を出したラマーニョがオウンゴールにして同点に持ち込んだんだろうって?そうなんですが、その後のジェルソンの一撃はイライソスに弾かれてしまい、そのまま1-1で終わった彼らはこれで今季アウェイ戦7試合中、5回目の引き分け。実際、ここまでワンダ・メトロポリターノの外ではヘタフェに勝っただけですからね。もうこうなると、夜の試合ではバルサがビジャレアルに勝って首位奪還、セビージャがアラベスと引き分けくれたため、3位は変わらず、1位との差もたった勝ち点3だけといったって全然、慰めになりませんよ。 ▽そしてこの試合、「Está haciendo un esfuerzo. Dejó el alma en cada jugada/エスタ・アシエンドー・ウンエスフエルソ。デホ・エル・アルマ・エン・カーダ・フガダ(大いなる努力をしている。1つ1つのプレーに全霊を懸けてくれた)」(シメオネ監督)コスタがとうとう、このまま足の痛みを我慢するのは不可能と悟ったため、この水曜に母国で手術を受けることになったんですが、いやはや。アトレティコの次の試合は水曜午後7時30分(日本時間翌午前3時30分)から、ワンダでのコパ32強対決サン・アンドレウ戦2ndレグ。相手は3部のチームなんですが、1stレグでは0-1と辛勝でしたからね。抜擢されるであろうアトレティコB(2部B)の精鋭たちに頑張ってもらいたいところですが、この場合、やっぱり念のため、グリーズマンがベンチに入るんですかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.12.04 12:00 Tue
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CL16強入りが決まった…/原ゆみこのマドリッド

▽「いや、絶対怖いって」そんな風に私が度肝を抜かれていたのは木曜日、一体どういう巡り合わせなのか、延期されていたコパ・リベルタドーレス決勝2ndレグが12月9日午後8時30分から、サンティアゴ・ベルナベウで開催されるというニュースをスポーツ紙のサイトで見つけた時のことでした。いやあ、元々、ラ・ボンボネーラで行われた1stレグを2-2の引き分けで終えた後、モニュメンタルでの2ndレグは先週土曜、私がワンダ・メトロポリターノでアトレティコとバルサの息詰まるリーガ首位決戦を見ている間にやっているはずだったんですけどね。ボカ・ジュニアーズのチームバスがスタジアム入りの道中、リーベル・プレートのファンによる投石に遭って選手が負傷、警官隊が使用した催涙ガスによる被害も加わり、試合は翌日曜に延期されることに。 ▽といったって、ボカの選手たちがの傷が一晩で治る訳もなく、心理的なショックだってありますしね。結局、日曜にも2ndレグは行われず、週明けから、COMMEBOL(南米サッカー連盟)でアルゼンチン国外での開催が協議されていたんですが、最初は1400万ユーロ(約18億円)の報奨金に加え、両チームの移動や滞在費も持つという破格の条件で誘致していたカタールのドバイが、12月18日にリベルタドーレス優勝チームが準決勝をプレーするクラブW杯開催の地、アラブ首長国連邦のアブダビにも近いということで有力視されていたんですよ。 ▽その間、スペインのマスコミは2014年と2016年にCL決勝がマドリーダービーとなった際、リスボンでもミラノでもレアル・マドリーとアトレティコのファンたちが暴力騒ぎを起こしたことはなかったなんて、ちょっと上から目線で語っていたものですけどね。それがいきなり、スペインには大勢のアルゼンチン人が住んでいるし、マドリッドの治安当局が安全にお墨付きを与えたとかで、レアル・マドリーがアウェイ戦でいない週末、クラブがリベルタドーレス決勝会場を提供することにCOMMEBOLもFIFAもボカもリーベル・プレートも合意って、晴天の霹靂ってまさにこのことかと。 ▽だってえ、確かに10年ぐらい前まではダービー前、サンティアゴ・ベルナベウやビセンテ・カルデロン周辺でウルトラ(過激なファン)たちが爆竹やビール瓶を投げ合っている姿があったものの、そんな危険な光景に私が出くわしたのはかなりの昔。今はないということは警察がそういうグループの動向を掌握して、厳しく取り締まっているからだと思うんですが、アルゼンチンから海を渡ってくるファンの中にバラス・ブラバス(アルゼンチンのウルトラグループ)のメンバーがいるのか、判別できる?おまけにブエノスアイレスからの映像を見る限り、とてもそれだけとは言えない規模の人数が騒ぎに加わっていたような印象がありますしね。普通のアルゼンチン人ファンでもスーペルクラシコ(ボカvsリーベル戦のこと)では熱狂の度が超えてしまうのではないかという疑念を私が抱いてしまうのはまあ、偏見と言ってしまえばそれまでなんですが…。 ▽そんなことはともかく、今週のマドリッド勢のCLがどうだったか、お伝えしないと。まずはマドリーでこちらは火曜、イタリアでローマと対戦したんですが、「どちらのチームも病気を患っている状態」とデ・フランチェスコ監督が評した一戦で矜持を示したのは、ここ3大会連覇をしているCL王者の方でした。いえ、エースのジェコも回復が間に合わず、他にもペロッティ、デ・ロッシ、ペレグリーニ、パストーレら、主力を欠いていたローマには前半22分にも更なる災いが到来。シャーラウィが負傷し、かつてバルサでプレーしたFWパトリック・クライファールトの19才の息子、ジャスティンが急遽、入らないといけないというアクシデントがあったにも関わらず、ハーフタイム間際にはやはり19才のサニオロのクロスをウンデルがゴール前で受けるというビッグチャンスがあったんですけどね。 ▽ところが、このトルコ人FWも21才と若かったためか、ボールを天高く撃ち上げてしまう大失態。おかげで0-0のまま、後半を迎えることができたマドリーは再開早々の2分、ローマのベテランたちのミスを利用します。ええ、GKオルセンの危なかっしいゴールキックを受けたファシオがヘッドで戻したところ、そのボールを奪ったベイルが決めて先制。続いて14分にもベイルのクロスをベンゼマが頭で落とし、ゴール前からルーカス・バスケスが押し込んでくれたとなれば、一安心じゃないですか。ジェコの代理、22才のチェコ人FWシックもほとんどシュートを撃てなかったローマはそのまま1点も返せず、マドリーが0-2で勝利しましたが、実は早い時間の試合ではCSKAモスクワがビクトリア・プルゼニに1-2と逆転負けを喰らって敗退が決定。 ▽そのため、キックオフ前からマドリーとローマのグループ突破は決まっており、この結果は前者が首位通過を確定しただけにすぎませんが、実はオリンピコでは今後のソラリ監督のチームを方向づけそうな出来事が2つあって、まずは昨季から、これまでほとんど出番のなかったマルコス・ジョレンテの抜擢。ええ、彼は現在、負傷中のカセミロと唯一、同じポジションの選手なんですが、先週末のエイバル戦でもベンチ外となり、セバージョスを使ったマドリーは3-0の大敗を喫することに。「a veces acertamos y a veces nos equivocamos/ア・ベセスアセルタモス・イ・ア・ベセス・ノス・エキボカモス(時には当たるし、時には間違える)」とソラリ監督も認めていましたが、この日の働きでストッパー役としてはセバージョスやクロースよりずっと、信頼できることを証明してくれましたっけ。 ▽ただ今季、ロペテギ監督時代もプレーしたのはたったの11分だけ、ソラリ監督になってもやはりコパ・デル・レイぐらいでしか出番がなかった当人はもう、クラブW杯前にはカセミロが復帰することを計算しているんでしょうね。「Mi sueño es triunfar en el Madrid/ミ・スエニョ・エス・トリウンファル・エン・エル・マドリッド(ボクの夢はマドリーで勝利すること)だけど、冬の移籍市場が開いたら、クラブや家族と話し合って、自分にとって何が最善か決める」そうで、すでに2シーズン前、レンタル移籍でレギュラーを取ったアラベスに戻る交渉が着々と進んでいるのだとか。 ▽そしてもう1つは試合当日、イスコがスタンド見学となってしまったことで、うーん、スペイン代表時代から、彼が一番のお気に入りだったロペテギ監督には重用されていたんですが、ソラリ監督になってプレー時間が激減。それまでの5試合で先発が1度もなかったばかりか、トータルでも76分しか出ておらず、何かあるとちょっと前から噂されていたとはいえ、これにはビックリしたファンも多かったかと。 ▽もちろんソラリ監督は記者会見で「Son decisiones puntuales para momentos puntuales/ソン・デシシオンネス・プントゥアレス・パラ・モメントス・プントゥアレス(その時々の判断だ)」としか言っていないんですけどね。その理由に関しては諸説あって、「遠征を免除されたコパ32強対決メリージャ戦1stレグの夜、彼女と一緒にハロウィンの仮装をした写真をインスタグラムに上げた」(TV)、「練習中に監督がパスの回数を声に出して数えるように指示したところ、イスコがプレーするだけで忙しいと口答えした」(マルカ紙)、「途中出場だったエイバル戦の後、ソラリ監督に失礼な態度をとった」(カデナ・コペ/ラジオ)といった辺りはまあ、理解できるんですが、「イスコは控えにされると必ず、自分のテクニックを見せつけようとフリースタイルのような技を戦術練習でも披露して、コーチ陣に迷惑がられていた」(エル・パイス紙)とまでなると、それって、もしかして要は空気が読めない選手ってこと? ▽どちらにしろ、同僚のマルセロも「No digo que no trabaje pero el fútbol es así/ノー・ディゴ・ケ・ノー・トラバッヘ・ペロ・エル・フトボル・エス・アシー(彼が練習していないって言う訳じゃないけど、サッカーって、そういうものだから)。何を失敗しているかわかって、改善しないと」と言っていたように、イスコがまた頻繁にプレーするためには当人が努力する以外、方法はなし。今週末は土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)から、久々のサンティアゴ・ベルナベウでバレンシア戦となるマドリーですが、果たして彼が招集リストに入ることができるのかどうか、興味が持たれます。 ▽ちなみにマルセリーノ監督率いる相手は同じ火曜、ユベントスに後半14分、クリスチアーノ・ロナウドのラストパスをマンジュキッチに決められて1-0で敗戦。それでも同グループのマンチェスター・ユナイテッドが後半ロスタイムまでヤング・ボーイズと0-0で引き分けていたため、最終節の直接対決に望みがあったんですが、フェライニが手を使ってボールをコントロールしながら、ハンドを咎められずにそのゴールが決勝点に。おかげで一気にCLグループ敗退が決まってしまい、来年はヨーロッパリーグに回ることになったんですが、大丈夫。昨季のような例もありますから、今は辛くても逆に強敵の少ない大会でタイトル獲得のチャンスに恵まれたと、バレンシアの選手たちも早めに気分を切り替えられるといいですよね。 ▽え、私がそんな余裕のある態度でいられるのは水曜にアトレティコのCLグループ突破が決まったからなんだろうって?いやあ、その通りで、アゼルバイジャンのカラバフと2引き分けで惨々な目に遭った去年の記憶がまだ消えていないため、ちょっと気分が上がっているんですが、でもねえ。ワンダ・メトロポリターノを訪れたモナコはローマ以上に負傷禍に見舞われていて、その数、13人とも20人とも。すでにCL敗退は決まっていた上、そのせいでリーグ1降格の危機にもあるとあって、キックオフ前、2011年から2013年、2シーズンの在籍で91試合出場70得点という偉業を表彰されたファルカオまで、「ケガから復帰したばかりで、週末のカーン戦でプレーした。この土曜には非常に重要なモンペリエ戦が控えている」(アンリ監督)という理由でベンチ温存されてしまったとなれば、アトレティコが勝てない要素がどこにある? ▽いえ、開始1分28秒でコケのシュートが17才のCBバティアシルに当たり、GKベナリオの意表を突いて先制点になったのは何せ、試合前のアップ最後の練習で1本もゴールに入らなかった彼ですからね。単なるラッキーとしか思えなかったんですが、23分にもコレアがエリア内奥から折り返したパスをグリーズマンが決め、早々に彼らは2点をリードすることに。こうなると、先発に前節までユースリーグでプレーしていた10代の選手を3人も投入、おかげで午後にマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にあるミニスタジアムで行われた試合では3-0とアトレティコのカンテラーノ(ユースチームの選手)たちが快勝したのはともかく、人出不足のモナコにはどうすることもできませんって。 ▽ただ後半頭からコケをビトロに、順次、レマル、コレアをカリニッチ、サウールと早めにローテーションをかけたアトレティコだったんですが、やっぱり油断してはいけませんよね。「Nos hemos relajado y cuando pasa eso cualquiera nos puede hacer daño/ノス・エモス・レラハードー・イ・クアンドー・パサ・エン・クアルキエラ・ノス・プエデ・アセール・ダーニョ(ボクらはリラックスしてしまって、そういう時はどんな相手でもダメージを与えられる)」とグリーズマンも後で反省していたんですが、ファルカオが大きな拍手に迎えられてピッチに入った頃から、GKオブラクの仕事が増えることに。 ▽それに輪をかけてくれたのはサビッチで何と36分、ティールマンのシュートをエリア内で腕に当て、まさかのイエローカード2枚目をもらって退場って、こちらも負傷で控えDFが1人もいない中、予めCBとしてもプレーできるサウールを投入していたシメオネ監督には予知能力がある?いえ、実際そのプレーでモナコに与えられたPKはファルカオが温かく迎えてくれたアトレティコファンへの感謝にtigre(ティグレ/虎、ファルカオの愛称)の野生の勘が狂ったか、ゴール枠を外してしまい、点差は縮まらなかったんですけどね。 ▽シメオネ監督も「70分までは良かった。Después nos quedamos sin energía, le pudo el esfuerzo del sábado/デスプエス・ノス・ケダモス・シン・エネルヒア、レ・プド・エル・エスフエルソ・デル・サバドー(その後、ウチは土曜の努力が祟って、エネルギーがなくなってしまった)」と後半になって、敵に反撃を許したのをバルサ戦での疲れのせいにしていましたが、いやいや。中にはモナコの半数が10代になってしまった後もグリーズマンのように最後の最後まで、全力で守りに戻る選手もいるんですから、皆がその精神を見習わないと。 ▽ただ、残念なことにそんな彼はどうやら、今年最後の最優秀選手賞であるバロンドールにもモドリッチに負けてしまったようだという報道がここ数日、マドリッドでは流れているんですが、この日のアトレティコにとってのご褒美は午後9時からの試合でドルトムントがホームでクラブ・ブルージュとスコアレスドローに終わったこと。ええ、おかげでグループ通過はモナコ戦勝利で決まっても、直接対決でドルトムントに4-0と大量得点差負けを喰らい、ホームでは2-0でしか勝てなかったため、諦めていた首位突破が最終節、アウェイでクラブ・ブルージュに勝てば叶うことになったんですが、まあそれが幸運を招くかどうかは、他グループの1位2位が決まらないことには何とも。 ▽それよりまず彼らには日曜のリーガ、午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのジローナ戦で頑張ってもらいたいところですが、さて。ちなみに12年前、足の小指の中足骨に入れたボルトのせいで、ずっと痛みに悩まされ、手術も噂されていたジエゴ・コスタは木曜の練習に普通に参加。その傍らでフィリペ・ルイスがふくらはぎのケガで全治2週間となってしまったため、ゴディン、ヒメネス、ファンフランに加え、どうやらアトレティコのDF人員不足はまだ当分、続くようです。 ▽そして金曜には少しでも残留ラインに近づきたいラージョがエスタディオ・バジェカスにエイバルを迎え、土曜にはようやく前節、降格圏を脱した17位のレガネスがアウェイでバジャドリー戦。ヘタフェは同日、午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでエスパニョール戦というのが今週末のマドリッド勢の予定ですが、来週はどのチームもコパ32強対決2ndレグがミッドウィークに控えていますからね。そろそろローテーションもありそうですが、ボルダラス監督が果たして柴崎岳選手を招集してくれるか、ちょっと気になりますね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.11.30 22:00 Fri
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どちらも首位にはなれなかった…/原ゆみこのマドリッド

▽「CLの方がずっと気楽だわ」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、ミッドウィークのグループリーグ5節前にマドリッドの両雄の状況を確認していた時のことでした。いやあ、前節に決勝トーナメント進出を決めたバルサ程、余裕な訳ではないですが、どちらも3位とは勝ち点5差がありますからね。レアル・マドリーなど、ローマに勝てば首位突破が決まりますし、アトレティコも1位なれるかどうかはともかく、モナコに勝てば16強入りは確定。引き分けでも最終節で何とかなるとなれば、あまり肩に力を入れることもないんですが、まあそれは置いておいて。とにかく頭が痛かったのは先週末のリーガだったんですよ。 ▽え、先陣を切った弟分のレガネスは金曜の夜、冷たい風が吹きつけるブタルケで見事に白星を掴んだんだろうって? その通りでゴールは前半42分、ニヨムのクロスをジョナタン・シウバが折り返し、エン・ネシリが決めたものだけだったんですが、ペレグリーノ監督は5人DF制を敷いて、2位グループに入っていたアラベスの反撃をシャットアウト。1-0という渋い勝利でしたが、おかげで2カ月間程、浸っていた降格圏をとうとう脱出することに。おまけに日曜にはお隣さんのヘタフェがサン・マメスで引き分けくれたため、アスレティックと勝ち点2差の17位で土曜のバジャドリー戦まで過ごせるとなれば、きっと選手たちもホッとしているに違いません。 ▽ただ、そのヘタフェの試合の結末は不満の残るもので、いえ、先制したのは後半22分にノラスコアインがヘッドを決めたアスレティックだったんですけどね。32分にアマトの撃ち損じたシュートをマタが同点ゴールに変えた後、彼らにはロスタイム終了直前にCKのチャンスが到来。この時、イニゴ・マルティネスがマタに絡みついて倒したプレーはどう見てもペナルティだったんですが、主審がそこでタイムアップを宣告し、VAR(ビデオ審判)による判定もないってあんまりじゃない? シュートを邪魔されたマタなど、猛抗議してイエローカードをもらっていましたが、これでヘタフェは3試合白星なし。次戦、土曜のエスパニョール戦ではコリセウム・アルフォンソ・ペレスでファンと勝利を喜べるといいのですが。 ▽そして最後の弟分、ラージョは土曜のバレンシア戦で3-0と完敗。サンティ・ミナの2発とガメイロのゴールで沈み、この火曜にはCLグループ生き残りを懸け、レアル・マドリー時代の得点ペースが戻って来たクリスチアーノ・ロナウドのいるユベントスにアウェイで挑む相手に今季リーガ戦ホーム初勝利で自信をつけてあげているんですから、太っ腹なのも程々にしないと。おまけにこれで残留圏まで勝ち点6に差が開いてしまった彼らはこの金曜も苦労することが確実。というのも、大金星で意気上がるエイバルをエスタディオ・バジェカスに迎えるからなんですが…はい、その責任は兄貴分にあります。 ▽そう、何とイプルアでソラリ新監督効果がいきなり雲散霧消してしまったんですよ。いえ、前半15分、CKからセバージョスのシュートが弾かれて始まったエイバルのカウンターアタックがはまり、ククレラが敵陣前まで走り上がるとキケ・ガルシアにラストパス。このシュートはGKクルトワが弾いたものの、セバージョスがクリアできず、エスカランテに先制点を奪われてしまった時は代表戦週間前、4連勝していたマドリーだけにまだ、私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)のTVの前でゆっくり構えていたんですけどね。ベイルやベンゼマ、そしてアセンシオもいながら、まったく攻撃が振るわず、後半6分にはオドリオソラが自陣エリア近くでボールをククレラに取られてしまうという最悪のミスが発生。そこからエンリッチの2点目に繋がり、当のオドリオソラもケガをしてカルバハルに交代って、どうにも嫌な流れじゃないですか。 ▽実際、更に守備の崩壊は続いてその5分後、またしてもククレラからエンリッチは撃てなかったものの、キケ・ガルシアが押し込んで3-0にされたとなれば、もうどうしていいのやら。うーん、その後はクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)、ベルギー代表のスイス戦に続き、1カ月で3度もmanita(マニータ/5失点のこと)を喰らってなるものかという気迫をクルトワが見せ、オレジャナやチャルレスのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたため、それ以上のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は避けられましたけどね。戦況を変えるため、途中出場したイスコやビニシウスも焼け石に水、そのままマドリーは1点も返せず、負けてしまうことに。 ▽え、その日は全てのゴールに絡む大活躍、エイバルにマドリー戦11試合目で初勝利をもたらした左ウイング、ククレラって、何者なんだって?いやあ、私も知らなかったんですが、彼はバルサのカンテラ(バルサB)出身で今季はバルベルデ監督の構想に入らなかったため、レンタルで修行に出た本職は左SBの選手。大先輩のプジョールやダビド・ルイス(チェルシー)に憧れて、あのようなアフロヘアをしているようですが、そこはまだ20才ですからね。「Es un chaval que ni es rapido, que ni es fuerte/エス・ウン・チャバル・ケ・ニー・エス・ラピドー、ケ・ニー・エス・フエルテ(素早い訳でも強靭な訳でもない子)だが、彼はそれ以上。賢いし、偉大なサッカー選手だ」とメンディリバル監督も褒めていましたが、この先、どこまで成長してくれるのか、ちょっと気になりますね。 ▽一方、マドリー側はこの敗戦の原因について割れていて、先日、デア・シュピーゲル誌にドーピング検査で違反物質が発見された件や検査前に禁止されているシャワーを浴びてしまった件が掲載。それに対して、非合法なことは何もしていないとコメントする必要もあって、ミックスゾーンで喋ったセルヒオ・ラモスは「Cuando no tienes actitud todo es mas dificil/クアンドー・ノー・ティエネ・アクティトゥッド・トードー・エス・マス・ディフィシル(真摯な姿勢で挑まない時はずっと難しい)。意志やプレーの激しさ、リズムで相手と拮抗しないとこういったことが起きる」と、ボール争いのバトルでまったくエイバルの選手たちに勝てなかった自らの不甲斐なさを反省。 ▽それに対して初黒星を喫したソラリ監督は、「No ha habido falta de actitud, los futbolistas trabajaron todos/ノー・ア・アビードー・ファルタ・デ・アクティトゥッド、ロス・フトボリスタス・トラバハロン・トードス(挑む姿勢が足りなかったということはない。選手たちは皆、働いていた)」と庇っていたんですが、何せバランなど、試合終了直後のピッチインタビューで、「Hay un problema colectivo/アイ・ウン・プロブレマ・コレクティーボ(チームとして問題がある)」と全体的な機能不全を訴えていましたからね。実際、不振が続いて解任されたロペテギ監督とソラリ監督、それ程、戦術的に違いがある訳ではなく、プレーする選手たちは同じですからね。監督交代のリフレッシュ感がなくなった後、元の状態に戻ってしまうのは仕方ない? ▽そうは言ってもまだシーズンは長いんですし、3連覇している得意の大会、CLを迎えるんですから、ここは選手たちも気合を入れ直してほしいところかと。月曜にはナチョ、カセミロ、そしてヒザの治療をしているGKケイロル・ナバスにオドリオソラも加わった負傷者陣をマドリッドに残し、イタリアに発ったマドリーですが、ローマ戦のキックオフは火曜午後9時(日本時間翌午前5時)。この相手にはグループリーグ1節で3-0と快勝している上、向こうはエースのジェコの出場が微妙だそうですから、ここまでリーガ13試合で19失点というザル守備を改善するためにも、まずは無失点勝利を目指すといいかもしれませんね。 ▽そして土曜の夜はワンダ・メトロポリターノにバルサ戦を見に行った私だったんですが、何だか全然、パッとしない試合だったんですよ。いえ、ファンはこの新スタジアム初のスタンド全面モザイクを用意し、「Eres de Espana aureola y del futbol el coloso/エレス・デ・エスパーニャ・アウレオラ・イ・デル・フトボル・エル・コロソ(君たちは後光差すスペイン、サッカーの巨人だ)」という大横断幕も首位決戦前の雰囲気をこれ以上はないぐらいに盛り上げてくれたんですけどね。いざ、ボールが走りだしてみると、アトレティコはもちろんのこと、相手までが4-4-2の陣形を使い、セルジ・ロベルト、ブスケツ、アルトゥール、アルトゥーロ・ビダルの4MFで中盤を固めているって、そりゃあ、コケも後で「Era un partido de 0-0, no pasaba nada/エラ・ウン・パルティードー・デ・セロ・セロ、ノー・パサバ・ナーダ(0-0の試合だった。何も起きなかったよ)」と言っていたように、チャンスなんて滅多に生まれませんって。 ▽といってもアトレティコファンは前半スコアレスドローには慣れっこなので、ハーフタイム入り前にセルジ・ロベルトが左太ももを負傷。全治3週間となって、後半からラフィーニャが出て来るのを静かに見守っていたんですけどね。ボールポゼッションも少なく、唯一、カウンターからグリーズマンが抜け出るのに成功した15分、ゴール前へのキラーパスをピケに阻まれ、ジエゴ・コスタが撃てなかった時には、それこそ失望感がスタンドに広がったものでしたが、いえいえ、待てば海路の日和ありです。35分に初めてアトレティコがCKをゲットしたところ、そのちょっと前から交代を頼んでいたコスタがラフィーニャより頭一つ高く跳んでヘッド。これが決まったから、どんなにファンたちが歓喜したことか! ▽でもねえ、今季の彼らはあまり1-0で逃げ切ることができないんですよ。リードしてすぐ、今季ようやくリーガ初ゴールを挙げたコスタがコレアに代わる傍ら、バルベルデ監督はデンベレを投入。敵がパススピードをアップして猛攻体勢に入る中、どうやらこの選手、代表戦週間前も徹夜でゲームをしていて練習に来られなかったり、それで招集されなかったベティス戦でもカンプ・ノウにキックオフ後に着いたりとピッチ外のトラブルばかりが注目されるため、ついつい試合では敵方も無警戒になってしまうんでしょうかね。先日のラージョ戦でも終了間際、気がつくとフリーでエリア内左に出現、バルサの逆転勝利に繋がる同点ゴールを決めていましたが、この日も後半45分、メッシのスルーパスを受け、誰にも邪魔されずにGKオブラクとリュカの股間を破るシュートを放たれてしまってはねえ。 ▽結局、そのまま1-1で引き分けたアトレティコでしたが、これでシメオネ監督は8年連続、リーガのバルサ戦で勝利できてないことに。当人はまるで引き分け狙いのような戦術を問われ、「Competimos de la misma manera desde hace siete anos y es dificil que nos cambien/コンペティモス・デ・ラ・ミスマ・マネラ・デスデ・アセ・シエテ・アーニョス・イ・エス・デフィシル・ケ・ノー・ノス・カンビエン(7年前から同じ方法で競っていうから、変えるのは難しい)」と言っていましたけどね。その辺は本当に、「アトレティコはもっと攻撃に出られるだけの選手がいるけど、シメオネ監督流で成功してきたんだから、変えないよね」というジョルディ・アルバの言葉通りかと。 ▽それでも試合後、ブスケツに「El Atletico plantea los partidos asi/エル・アトレティコ・プランテア・ロス・パルティードス・アシー(アトレティコはああいう風に試合をプランニングする)。あまり楽しめないけど、そういう考えなんだから、リスペクトしないと」と皮肉られたのに、「Siempre que juego al futbol me divierto/シエンプレ・ケ・フガール・アル・フトボル・メ・ディビエルト(サッカーをプレーする時、ボクはいつも楽しいよ)」というコケの屈託のない発言を聞くと、そうか、あんな展開でも楽しいとは幸せで羨ましいなんてつい、私も思ってしまいますけどね。 ▽確かに今季は失点が多いバルサもこの日は手堅く守っていたため、試合を通じて両チームのシュートは3回だけ、アトレティコはゴールになった1回だけとなれば、どっちもどっちだったんですが、負傷者に関しては向こうの方がババを引いたかと。ええ、試合前から足が痛かったコスタが交代しただけのアトレティコに比べ、バルサは途中出場で最後までプレーしたラフィーニャが試合後、ヒザの靭帯を断裂していたことが発覚。更に月曜にはルイス・スアレスもヒザの痛みで全治2週間、アルトゥールも左太ももの筋肉痛で水曜のCL5節、PSV戦に出られないんですから、まったくツイていません。 ▽いえ、水曜午後6時55分(日本時間翌午前2時55分)から、再びワンダにモナコを迎える彼らもコスタの回復は微妙、ゴディンとヒメネス、そしてファンフランは間に合わないというハンデはあるんですけどね。それでも相手は先週末、カーンにファルカオのFKゴールで0-1と、アンリ監督になって初の勝利を掴んだというのはあるんですが、CLではすでにグループリーグ敗退が決定。それだけに必死感は薄れているため、もしかしたら前節、2-0で勝ったドルトムント戦のような、勇敢なアトレティコが見られる可能性もある?リーガではバルサとの差は勝ち点1で変わらず、漁夫の利で首位をバジャドリーに勝ったセビージャに持っていかれたとしても2差で3位のままの彼らですから、今週はとにかく、CLグループ突破をしっかり決められるといいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.11.27 12:00 Tue
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揃って勝てば問題ない…/原ゆみこのマドリッド

▽「まずは出だしが肝心よね」そんな風に私が結論づけたのは木曜日、ようやく各国代表戦のparon(パロン/停止期間)が終わり、リーガ再開を前に順位表を見直していた時のことでした。というのもマドリッド勢を応援する自分にとって現在、悩みの種は首位と残留争いで、13節の口火を切る金曜のカードでは弟分のレガネスと2位グループにいるアラベスがブタルケで対決。ここでペレグリーノ監督が2シーズン前、コパ・デル・レイ決勝まで導いた古巣を破ってくれれば、その日だけでも降格圏の18位から16位までジャンプアップすることになるから。 ▽そうなれば、同時にアラベスの1日天下という、近年のリーガではあまり例を見ない奇特な状況を避けることができますし、兄貴分のアトレティコが順位を下げることもありませんしね。ただ心配なのはこのレガネス、先週は2部の弟分、お隣さんのアルコルコンを招いて親善試合をしたところ、1-3とあっさり敗戦。もちろん相手は今、空を飛ぶ鳥も落とす勢いの首位チームとあって、降格圏にいる彼らとは甲乙つけがたいまでに実力が伯仲してしまっているのもしれませんが…頼りのGKクエジェルも前節でのケガが治らず、レアル・マドリーからレンタル移籍している19歳のルニンが予告先発するのもちょっと怖いところです。 ▽そして土曜にはもう1つの弟分、19位のラージョがメスタジャでバレンシアに挑み、17位のアスレティックと同じ勝ち点に並ぶべく、勝利を目指すんですが、この残留ラインへの詰めが上手くいくかどうかの鍵はヘタフェが握っていると言っても過言ではないかと。というのも日曜正午(日本時間午後8時)から、サン・マメスでアスレティックと対戦するのが彼らだからですが、ヘタフェ自身も前節、そのバレンシアに悔しいPKでの0-1負けを喰らったという因縁が。 ▽となると、まずはここ3試合、ずっと2得点はしていて攻撃陣が上向いてきた感のあるラージョが、来週火曜にグループリーグ生き残りが懸かったCLユベントス戦を控え、選手の温存もありうるバレンシアを倒して代理リベンジ。その恩をボルダラス監督のチームが返すなんてことになれば理想的なんですが、まあ実際、勝てば11位のヘタフェもヨーロッパリーグ出場圏が近づきますからね。今週はまた非公開練習も増え、秘策を練っていたようですし、前節、アトレティコ戦で2ゴールを挙げたウィリアムスには用心して、勝ち点3の奪取を目指してほしいものです。 ▽え、それで兄貴分たちの今週末の予定はどうなっているのかって?はい、レアル・マドリーは土曜午後1時(日本時間午後9時)からのアジアンゴールデンタイムでエイバル戦なんですが、今回はFIFAウィルスにも罹らず、木曜には各国代表に行っていた総勢11人の選手たちが全員、バルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドで練習。ええ、筋肉痛で親善試合だったボスニア・ヘルツェゴビナ戦には参加せず、スペイン代表から早帰りしたセルヒオ・ラモス、前節セルタ戦で足首を腫らしながら、ネイションズリーグのデンマーク戦だけでなく、親善試合のアルバニア戦にも30分、ウェールズ代表としてプレーしたベイルにも支障はまったくないようでしたっけ。 ▽加えて、この2週間でカルバハル、マルセロの両SB、そしてマリアーノが完全復帰したという嬉しいニュースもあったんですが、レギロン、カセミロ、ナチョはまだリハビリ中。とはいえ、人手不足には程遠く、ロペテギ監督解任後の4連勝を評価され、クラブと2021年までの正式契約を締結。「それ程、サッカースタイルの違いはないと思う。No era normal que perdieran tantos partidos. Lo normal es lo de ahora/ノー・エラ・ノルマル・ケ・ペルディエラン・タントス・パルティードス。ロ・ノルマル・エス・ロ・デ・アオラ(あんなに試合に負けるのが普通じゃなかった。普通なのは今の状態)」という、エイバルのメンディリバル監督の意見もありますが、いよいよ真価を問われることになるソラリ監督にとってはむしろ、スタメン選びの方が大変かと。 ▽ええ、というのもGK、DF陣を除く6人でレギュラーと見なされるのはベンゼマ、ベイル、クロース、モドリッチですが、残り2枠をルーカス・バスケス、アセンシオ、イスコ、セバージョスで争うことになりますからね。とりわけ、スペイン代表合宿中に「Yo tampoco soy el que tiene que tirar del carro del club/ジョ・タンポコ・ソイ・エル・ケ・ティエネ・ケ・ティラール・デル・カロ・デル・クルブ(ボクもクラブを牽引する選手じゃない。もっと在籍年数が長くて、経験もあって、自分よりステータスが高い選手たちが牽引しないと」と発言。それを野心がないと世間から大きく批判されたアセンシオなど、水木両日に渡ってマルカ(スポーツ紙)に掲載されたロングインタビューで、「ボクだってもちろん、チームメートと一緒にチームを牽引したいよ。あれは全て誤解だった」と実際、そう言っているビデオも残っているのに打ち消すのに必死でしたからね。 ▽それだけにプレーする機会をもらえれば、汚名挽回してくれるんじゃないかと思いますが、さて。ちなみに彼によると、ロペテギ監督とソラリ監督の違いは「Ahora somos un equipo más vertical/アオラ・ソモス・ウン・エキポ・マス・ベルティカル(今はもっと縦に攻めるチーム)。守備ではよりコンパクトになって、プレーをシュートで終わらせるようにしている。効率的に点が取れるように」というところにあるそうですが、うーん、そうなるとやはりイスコの復権はちょっと難しいかも。ただマドリーも来週火曜にはCLローマ戦を控えているため、この代表戦週間、クロアチアのファイナルフォー進出を懸け、ネイションズリーグの公式戦2試合にフル出場してきたモドリッチ辺りには温存の可能性があるかも。 ▽相手のエイバルもアルビージャ、ディオップが出場停止、正GKドミトビッチも手術したばかりで出られずとハンデがあるため、メンディリバル監督も競争力のあるチームを組むのに苦労しているようですけどね。本当にマドリーが通常状態に戻ったか、ここはお手並み拝見というところでしょうか。ちなみにこの試合はイルプアで開催、ローマ戦もアウェイとここしばらく、ホームゲームがなかったマドリーはいよいよ、12月1日(土)のバレンシア戦でサンティアゴ・ベルナベウに帰還。それまでに首位バルサとの勝ち点差も4から、もっと縮めておきたいところですが…ええ、そのためには彼らもお隣さんの力を借りないといけないんです! ▽そう、折しもマドリーがエイバル(スペイン北部)から戻った頃、アトレティコが午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)にバルサをワンダ・メトロポリターノに迎えるから。いやあ、その辺の隣人愛があるかどうかは別として、一応、彼らも勝ち点差1で首位を追っていますからね。私も水曜夕方にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に見学に行ってみたところ、噂では知っていたんですが、これまで金網の向こうからファンが眺め放題だった下のグラウンドが見事に幕で覆われていたのは圧巻。 ▽きちんと角度も測って、覆いのない公道側からも見られないように隣のグラウンドとの境にも幕を張っていたため、私もたった15分程、選手たちがサイドからの攻撃プレーを練習しているところしか目撃していないんですが、うーん、マスコミが敷地から追い出された後、partidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)で、シメオネ監督が並べた仮想先発メンバーが大手スポーツ紙に載っていたってことは、もしかしてどこかに覗ける穴でも開いている? ▽実際、この状態だと、まったくファンに練習を見る機会がないマドリーと同じになってしまったとしか言えませんが、強いて挙げれば、広い敷地の奥まった場所にグラウンドがあるバルデベバスとは違って、セッション中のシメオネ監督や選手たちの声だけは外からでも聞こえることぐらいでしょうか。ここ数年は私もマハダオンダに行くと時々、出入り口に日本人観光客の姿があって、ちょっぴり嬉しくなったりしたんですけどね。昨今ではどのチームも選手たちを試合でしか見られないのは困った傾向です。 ▽まあ、そんなことはともかく、アトレティコの朗報はケガで全滅していたCBのうち、サビッチとリュカが治っていたこと。ヒメネスは隣のグラウンドでコーチと個人メニュー、ゴディンなど、前節セルタ戦での負傷で全治1カ月のため、当てにするべくもないんですけどね。彼もウルグアイの応援に駆けつけたフランス代表の親善試合から、戻って来たばかりのグリーズマンもその日はジムだけだったとはいえ、翌日、芝の全面張替えでキレいになったワンダでのセッションでは、最後にアルゼンチン代表から帰還したコレアと共に無事な姿を見せています。 ▽その他、フィリペ・ルイス(ブラジル)やトマス(ガーナ)らの代表組にも異常がなく、更に力強いのはコケやレマルに加え、アスレティック戦で足を痛めたジエゴ・コスタも復活していたことですが、ただねえ、彼は昨季の2月から、リーガ18試合でゴールから見放されているんですよ。実際、シメオネ監督自体、就任から1度もリーガのホームゲームでバルサに勝ったことがなく、最後の勝利が2010年2月、キケ・サンチェス・フローレス監督の時代にフォルランとシモンのゴールで2-1とした時だったとなると、木曜夜にはファンフランがふくらはぎを負傷なんてニュースも舞い込んできただけに、もしや引き分けでもファンは御の字と思うべき? ▽一方のバルサはスペインとのネイションズリーグの試合で負傷したラキティッチが丁度、出場停止処分というのがありますが、どうやらその穴はホンジュラスとの親善試合でチリの2点を挙げたアルトゥーロ・ビダルか、セルジ・ロベルトで補えるよう。この2週間で小さな肉離れを起こしていたコウチーニョも治ったようですしね。スタッド・ド・フランスでフル出場、終盤に交代となったグリーズマンとほぼ同じぐらいプレーしていたルイス・スアレスとは体力的に互角でも、あちらはメッシが今回もアルゼンチン代表に行かず、週末は家族でドバイに行って充電したりと、休養十分なのは怖いところ。 ▽とはいえ、そのメッシが出ていた代表戦週間前のベティス戦で3-4とバルサは負けていて、そのベティスにアトレティコはワンダで1-0と勝っていることを思い出すと、ちょっと自信が出てきたりもするんですが、こればっかりはねえ。いよいよマドリッドも夜はかなり気温が下がり、風通しのいいワンダでの観戦はしっかり防寒していかないと辛そうですが、今季になって初めてスタンドもモザイクを作って応援してくれると聞きますし、とにかくファンが胸を張れるような試合をしてくれるといいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.11.23 12:30 Fri
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