【原ゆみこのマドリッド】いきなりクライシス流行りになった…2017.11.04 12:00 Sat

twitterfacebookhatenalinegplus
photo
「ホントに観光名所よねえ」。そんな風に私が感心していたのは木曜日、用事ついでにサンティアゴ・ベルナベウの近くを通ったところ、ツアー入り口のあるPaseo de Castellana(パセオ・デ・カステジャーナ)側の駐車場に大型観光バスが7、8台横付けされているのを見た時のことでした。いやあ、世界で唯一、11個もの神々しいCLトロフィーがズラリと並んでいるのを目にできるこのスタジアムツアー、レアル・マドリーがホームゲームをやる日はキックオフの何時間か前で入れなくなったり、巡回コースが制限されたりするため、あまりお勧めしないんですけどね。
▽それでちょっと思いついたのが、マドリーがアウェイゲームの日の方が楽しめるんじゃないかということで、例えば、先日のCLトッテナム戦のように夜に試合がある場合。ツアーは平日午後7時、日祝は午後6時半までなので、閉館ギリギリまで楽しんで、あとは最終出口にもなっているスアジタム併設オフシャルメガストアで買い物三昧、お店も平日午後9時、日祝午後7時半とクローズが遅いですし、午後8時45分のキックオフが迫ってきたら、近場のレストラン・バルに入って夕食をとりつつ、試合観戦するのもいいかと。

▽ちなみに周辺にTVのあるバルはいくつかあるんですが、お勧めはオフィシャルショップを出て、右へ歩いてすぐのショッピングセンター、La Esquina de Bernabeu(ラ・エスキーナ・デ・ベルナベウ)内にあるFriday(フライデー)。ちょっとファミレスっぽいチェーン店ですが、席数も多く、TVがいくつもあるため、見やすい位置を確保しやすのがウリです。北側カステジャーナ大通り近くにあるVolapie(ボラピエ)はワンダ・メトロポリターノの近くにもあるバルで気軽に入れる雰囲気ですし、スタジアムを回ってメトロ(地下鉄)の駅に向かう道、Avenida de Concha Espina(アベニダ・デ・コンチャ・エスピーナ)には信号を渡ってすぐのところに並んだ2軒、El Almacen Argentina(エル・アルマセン・アルヘンティーナ)とCafe & Tapas(カフェ・アンド・タパス)は壁掛け大型スクリーンを設置、迫力あるプレーが楽しめるところがいいですね。

▽ただ、これらのお店、マドリーのアウェイゲーム時にはゆっくり座って食事もできるんですが、ホーム戦の前後はファンで大混雑なんですよ。私もすぐ続いてお隣さんの試合がある時など、利用させてもらっていますが、それがバルサvsアトレティコ戦のようなビッグカードだったりすると超満員。空席待ちするぐらいなら、いっそ自宅近くまで帰った方が、後半だけでも落ち着いて見られていいという気分になったこともあったため、立ち寄るかどうかはケースバイケースかと。日本から来るファンの方々も自分の予定に合わせて、上手くこういったバルを使えるといいのですが…。

▽え、昨今、マドリッドでは“crisis/クリシス(危機)”という言葉が飛び交っているのに、そんな呑気な話をしている場合かって? そうですね、実はこのミッドウィークは惨々で、いやあ、もう私なんて、火曜のCLカラバフ戦が引き分けに終わった時点でボロボロで、その翌日にはマドリーまでがウェンブリーであんな目に遭うとは予想もせず。とりあえず、順番に話すことにすると、CLでの生き残りを懸けてワンダ・メトロポリターノにアゼルバイジャンのチームを迎えたアトレティコはまた、サッカーをすることを忘れてしまったんですよ。

▽ええ、序盤こそ攻めて行ったんですが、15分もしないうちに軽快にパスを回すのは敵の方になり、何と前半39分にはCKからスペイン人選手のミチェルにヘッドを決められて、先制を許すとは一体、どうなっている? 冗談ではなく、今季はサイドからのクロスで失点するのが定番になってしまった彼らですが、それでも後半10分にはトマスが名誉挽回の一撃をネットに突き刺してくれたから、ひとまずホッとできることに。そう、何度も恐ろしいパスミスを繰り返しながら、決して下を向かないアトレティコのカンテラーノ(下部組織出身の選手)の芯の強さをエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で示してくれたんですが、どうやら今の彼らは1点を取るのが精いっぱいのよう。

▽ええ、トマスの同点弾の前にもガメイロが空のゴールを前に外していましたし、フィリペ・ルイスが撃ったシュートも枠を捉えられず。相手が13分に退場者を出した後、終盤などはガビやフアンフラン、ゴディンら、ベテランがチームを引っ張って、総攻撃体制に入っていたんですが…ロスタイム、最後にガイタンが至近距離から放ったシュートも敵GKに弾かれ、ここ数年、すっかり姿を消していたホームチームへのpito(ピト/ブーイング)がワンダ・メトロポリターノのスタンドから初めて聞こえたとあっては、かつてあの「Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(信じて努力すれば、可能になる) 」という名言を残したシメオネ監督まで、「En el segundo tiempo hicimos meritos, el destino no quiere.../エン・エル・セグンド・ティエンポー・イシモス・メリトス、エル・デスティーノ・ノー・キレ(後半のウチはよくやったが、運命が欲してくれないのでは…)」と嘆いていたのも仕方なかった?

▽結局、試合は1-1で終わり、同グループのローマがチェルシーに3-0と勝ったため、この4試合で勝ち点3しか溜まらなかったアトレティコはほぼ敗退が決定。ほぼというのは残り2試合、彼らが連勝して、カラバフが勝ち点1でも取ってくれれば、2位通過できるからですが、何せアトレティコが次のローマ戦に勝つ姿も、チェルシーがスタンフォード・ブリッジでポイントを落とす姿も同じぐらい想像できませんからね。そのせいもあってか、これまで運の悪さを努力で変えてきたという自負のあるキャプテンのガビなど、試合後、「A dia de hoy, la Liga Europa es una mierda/ア・ディア・デ・オイ、ラ・リーガ・エウロッパ・エス・ウナ・ミエルダ(今日の時点ではヨーロッパリーグなんてクソみたいなもの)」とか、「1月までこの調子が続いたら、ジエゴ・コスタが来ても何の役にも立たない」なんて極論に走っていたんですが、まあ理解はできますって。

▽そんな彼らはもうこの土曜、午後4時15分(日本時間翌午前零時15分)から、リーガのデポルティボ戦に挑むんですが、とにかくあまり朗報がなくってねえ。ここ数試合休場中のコケとカラスコもまだ回復せず、加えてフィリペ・ルイスが太もものケガで出られない上、「No tenemos un jugador que el solo gane un partido/ノー・テネモス・ウン・フガドール・ケ・エル・ソロ・ガネ・ウン・パルティドー(ウチには1人で試合を決められる選手はいない)」というシメオネ監督の言葉から察するに、とうとうグリーズマンもtitular indiscutible/ティトゥラル・インディスクティブレ(不動のレギュラー)ではなくなってしまったようなんですが、だからって代わりがいる訳でもなし。

▽よって、メンツは同じまま、2節前にペペ・メル監督を解任、現在はBチームを率いていたクリストバル監督が昇格したデポルティボにうっかり頭でのゴールを入れられないように用心、あとは何かの間違えでもいいから、1点を取れることを祈るしかありません。うーん、木曜夜にはガビ、ゴディン、コケ、モヤら、チームの重鎮が集まって決起ディナーを開いたというアトレティコですが、どうせなら来週の国際代表戦週間を利用して、paron(パロン/リーガの停止期間)明けのマドリーダービーに勝てるよう、チーム全員でお祓いにでも行く方がいいんじゃないかと思ってしまうのはきっと、私だけではないはずです。

▽え、いくらトッテナムには負けたとはいえ、水曜にはドルトムントがアポエル2試合目でも引き分けたため、グループ2位で突破は順調に決まりそうなお隣さんなのに、クライシスという声がアトレティコどころではなく高まっているのはどうしてなのかって? いやあ、それは世間の反響の大きさが違うせいもありますが、彼らの場合は先週末のリーガ、ジローナ戦に続いての黒星。しかもCLグループリーグで負けるのは5年ぶりともなれば、騒がれるのも当然なんですけどね。

▽ただ実際、その試合のマドリーはまるでアトレティコが憑依したかのような状態で、ジローナ戦同様、マルセロ、クロース、モドリッチ、カセミロが次から次へとパスをミス。それが前半27分に敵のカウンターを招き、ウィンクスのロングパスを受けたトリッピアーはオフサイドだったんですが、見咎められずにデル・アリがフィニッシュして、トッテナムに先制されてしまったから、さあ大変! 再び、カセミロを下げての3CB制に入った後半も11分にはデレ・アリのシュートがセルヒオ・ラモスに当たって2点目を奪われると、20分にはエリクセンにも決められて、とうとう3点差って、我が目を疑うとはまさにこのことだったかと。

▽うーん、どういう訳か、最後にエリクセンを追う役目になっていたモドリックなど、後で「Tenemos que hacer todo para recuperar nuestro juego/テネモス・ケ・アセール・トードー・パラ・レクペラル・ヌエストロ・フエゴ(ウチは何としても自分たちのプレーを取り戻さないといけない)。フィジカルやメンタル的に問題はないんだから」と言っていましたけどね。今季はお隣さん程ではないものの、効率的に得点するのにも苦しんでいるマドリーは結局、35分にはエリア内の混戦からクリスティアーノ・ロナウドが決めて1点を返したんですが、3-1なんて、トッテナムのポチェッティーノ監督も「Me esperaba la mejor version del Madrid/メ・エスペラバ・ラ・メホール・ベルシオン・デル・マドリッド(最高のバージョンのマドリーを期待していた)」と拍子抜けしていたように、まったく2年連続CLチャンピオンにあるまじき惨状と言っていいでしょう。

▽ただ、マドリーのゴールが減ったのには、ロナウドによると、どうやら選手の控え層の変化も影響していたようで、「ペペ(現ベシクタシュ)、モラタ(チェルシー)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)はチームを強化してくれたけど、los de ahora son mas jovenes/ロス・デ・アオラ・ソン・マス・ホベネス(今の選手たちはもっと若い)。その分、経験が少なくて、それは大事なことだからね」とのこと。まあ、確かにアセンシオ、セバジョス、マジョラル、テオ、バジェホと控えはほとんど皆、20代前半ですからね。このところ、カルバハルの代理で右SBを務めているアクラフに至っては18歳となれば、比べるのも気の毒なんですが、え、その前にロナウドは今季、CLでこそ6得点とランキング首位とはいえ、リーガでまだ1ゴールしか挙げられていない我が身を振り返った方がいいんじゃないかって?

▽そうですね、CLは次のアポエル戦で勝てば、決勝トーナメント進出が決まるため、別にいいんですが、先日、ジローナ戦で1-2と負けた後、ラモスも「No es la primera Liga en la que se remontan ocho puntos/ノー・エス・ラ・プリメーラ・リーガ・エン・ラ・ケ・セ・レモンタン・オチョ・プントス(勝ち点差8を覆したリーガは初めてじゃない)。ボクは勝ち点8以上を逆転して優勝したことがあるよ」とラジオのインタビューで言っていたように、ちょっと誤解があるんですよ。というのも過去、リーガで8差以上から追い上げて優勝したチームはバルサ、バレンシアだけで、マドリーの最大記録は7差。ジダン監督初年度の2015-16シーズンこそ、バルサに4試合で11ポイント詰めたりしたんですが、結局、1差で優勝はできていないから。

▽そう考えると、ジダン監督も「No estamos en crisis/ノー・エスタモス・エン・クリシス(ウチはクライシスにある訳じゃない)」なんて悠長に構えている場合ではないはずですが、この日曜のラス・パルマス戦、それぞれウェールズ代表、フランス代表に招集されたものの、トッテナム戦は負傷欠場しているベイルとバランが復帰できるのかどうかはまだ不明。カルバハルも一緒でもう、今はバルデベバス(バラハス空港の近く)での全体練習に参加しているんですけどね。気がせいてまたケガされても困りましますし、いくら昨季は2引き分けを演じた相手とはいえ、ここは慎重になった方がいい?

▽そんなラス・パルマス戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)にサンティアゴ・ベルナベウでキックオフ。火曜にオリンピアコスとスコアレスドローながら、相変わらずCLグループ首位のバルサはスパルタク・モスクワに2-1と勝ったセビージャを土曜にカンプ・ノウに迎えるため、下手したら、試合前に勝ち点11差になっていることもありえますが、12月23日午後1時と決まったホームでのクラシコ(伝統の一戦)までは、少なくとも現状を維持してほしいですね

▽おっと、マドリーの両雄の話をしているうちに金曜試合だったヘタフェのベティス戦が終了。いやあ、せっかく前半にベルガラとポルティージョのゴールで2点リードしながら、後半23分にはサナブリアに決められ、更に残り3分にブアデスに同点弾を許す辺り、やっぱり終盤に弱いという弟分の今季の宿命、前節のレアル・ソシエダ戦で逆転勝利したぐらいでは変わっていなかったのは残念だったかと。まあ、それでも2-2でアウェイのベニト・ビジャマリンで勝ち点1をゲットとしたとなれば、健闘したと褒めるべきなんでしょうが、こういう勝ち切れない試合を後で悔やむことがないよう、この代表戦週間はみっちり練習に集中してもらいたいところです。

▽そしてもう1つのマドリッドの弟分は土曜にメスタジャでバレンシア戦ですが、何せ現在、2位のこの相手は唯一、勝ち点差4でバルサを追っているチームですからね。とりわけ、今季はヨーロッパの試合がないだけに、もしかしたらこのままかなり長い間、高みを維持しかなないとなれば、ここは無理は承知でレガネスに一肌脱いでもらうしかない? 前節はセビージャに負けて7位に後退してしまった彼らとはいえ、勝ち点は6位のビジャレアルと同じ17とあって、きっと選手たちもEL出場圏内復帰を目指して張り切っているはずですが…そうそう兄貴分たちにいいようには転がらないような気がします。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

コメント

関連ニュース

thumb

急に心配になってきた…【原ゆみこのマドリッド】

▽「昨季と同じ手は使えないわよね」そんな風に私が頭を悩ましていたのは月曜日、CLグループリーグ1節に備え、アトレティコがモナコに着いた映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、スタッド・ルイ2世スタジアムで記者会見に現れたコケも「昨季のウチは最弱の相手との2試合で悪い結果を出して、グループ敗退した」と言っていたんですが、実際、一番痛かったのは初戦で、攻めても攻めても点が取れず、ローマとスコアレスドローに終わってしまったこと。もちろんホームでの2節、チェルシー戦で逆転負けを喰らったのも褒められたものではないんですが、おかげでアゼルバイジャンのカラバフとの連続引き分けが止めとなり、最後は3位でヨーロッパリーグへ回ることに。 ▽その結果、強敵があまりいない大会で快進撃を続け、リヨンの決勝で久々のタイトルを獲得できたのは有り難かったんですが、今季のCL決勝は来年6月1日にワンダ・メトロポリターノで開催。となれば、奇しくもアゼルバイジャンの首都バクーで行われる、5月29日のEL決勝で連覇したとしてもファンはあまり喜べないでしょうし、それこそCL決勝と日付が近すぎて、スタジアムでのパブリックビューイングどころか、祝勝行事すらできないかもしれない? ▽それもこれもこの夏はUEFAスーパーカップでお隣さんを堂々たる2-4で破り、クラブ史上最強メンバーを揃えたチームになったと期待されながら、リーガが始まるやいなや、まさしく、1年前と同じゴール日照りに陥ってしまったせいですが、今年もまた、スペインでのCL放送局が変更。近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)がちゃんと初戦からチャンネルを探し出せるかなんて、些末なことばかり気になってしまうのは、私が本質から目を背けたいからなんでしょうかね。 ▽まあ、CLについてはまた後では話すことにして、各国代表戦が終わって再開した先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったかもお伝えしていかないと。金曜にはエスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖で3節を延期していた弟分のラージョが1部昇格により、リニューアルオープンしたアルコラスでウエスカと対戦。前半29分、ストークシティからのレンタルで今季加入したインビュラが圧巻のロングシュートを決め、0-1の勝利で最下位を脱したという朗報があったんですけどね。実は私が確認を待っているのは土曜のアラベス戦がホームで開催できるのかどうかで、一応、市の安全検査に合格したものの、まだわからないってまったく、呑気な話じゃないですか。 ▽一方、来週CLがある兄貴分たちは揃って土曜試合となったものの、いやあ、午後1時のワンダのピッチは日差しが強く、暑かったのはわかりますけどね。それを考えれば、枠内シュートが1本もなかった前節のセルタ戦に比べ、何度もアトレティコがチャンスを作っていたのは進歩でしたが、前半13分にグリーズマンの1対1から始まって、CKからサルールのヘッドもゴディンのシュートもGKドミトロビッチに弾かれてしまっては何にもなりませんって。両チームとも無得点のまま始まった後半もゴール前でコケがグリーズマンのキラーパスをすかすという、目を覆いたくようなロストチャンスがあったため、シメオネ監督は早々にレマルをコレアに交代。更に25分にはこの日、中盤でしっかりエイバルの攻撃を抑えていたロドリを下げ、FWを入れたんですが…。 ▽この起用策がスタンドからpito(ピト/ブーイング)を受けてしまったんですよ。うーん、後でシメオネ監督は、「コケかサウールという選択もあったが、entendi que ellos podian crear mejor transicion en ataque/エンテンディ・ケ・エジョス・ポディアン・クレアル・メホール・トランシシオン・エン・アタケ(彼らの方が攻撃でより良い形を作りだせると思った)」とロドリを下げた理由を説明していましたけどね。そのFWが現在、カリニッチが負傷中のため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)の19歳、リーガ初出場のボルハ・ガルセスだったのも元々、少数精鋭のチームであるからして仕方なかったんですが、事態が急転直下したのは41分。ゴディンのミスから、エンリッチに先制点を決められてしまうなんて、絶体絶命とはまさにこのこと? ▽え、本来だったらその日、ウルグアイ代表でアメリカまでの長旅をしてきた32歳のキャプテンは火曜にCLモナコ戦があることも鑑みて、温存されるはずじゃなかったのかって?そうなんですが、先発予定だったリュカが前夜、食あたりを起こしてしまったため、急遽、出場することに。でもねえ、デ・ブライシのクロスをエンリッチのいる方に弾いてしまい、ゴール前から蹴り込まれたのではGKオブラクだって、何もできませんって。残り3分、しかもお隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質でない彼らにはもう期待できないと思ったか、この時点で席を立つファンも結構、いたんですが…何と、その奇跡が起こったんですよ! ▽それはロスタイム最後の1分、コレアがエリア内右奥から入れたパスをグリーズマンは空振りしてしまったんですけどね。中央で待ち受けていたボルハが、バロンドール受賞を目指す、W杯優勝フランス人ストライカーの信じられないミスにも動じず、右足を一閃。これがとうとうドミトリビッチを破り、土壇場で同点ゴールとなったから、驚いたの何のって。ここで時間切れになったため、試合は1-1で終わり、殊勲の当人も「Es debut amargo porque me hubiera gustado ganar/エス・デビュー・アマルゴ・ポルケ・メ・ウビエラ・グスタードー・ガナール(勝ちたかったから、苦いデビューだね)」とどこか、不満げでしたが、もしや彼、第2のel Nino(エル・ニーニョ/子供)になれるかも。 ▽ええ、奇しくも昨季、アトレティコを退団したフェルナンド・トーレスのお別れ試合だったのもエイバル戦でしたし、今はサガン鳥栖でプレーする当人もマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習や5月のナイジェリア代表との親善試合で一緒だった後輩のお手柄にお祝いのメッセージを送っていますしね(https://twitter.com/Torres/status/1041126769657565184 )。ジエゴ・コスタ不発のせいもあり、リーガ4試合で早くも勝ち点7も落としてしまい、すでに優勝争いのライバル、バルサとレアル・マドリーと距離ができてしまったチームのため、「Es un momento para aguantar y estar fuerte/エス・モメントー・パラ・アグアンタール・イ・エスタル・フエルテス(今は耐えながら、気持ちを強く持つ時)」(シメオネ監督)の助けに少しでもなってくれたらと。 ▽そして月曜にはモナコに旅立ったアトレティコですが、負傷によるお留守番は変わらず、カリニッチ、ビトロ、サビッチ、アリアス。代わりに4人、ボルハも含めたカンテラーノが招集されているんですが、リュカが回復したのは不幸中の幸いだったかと。相手のモナコも週末のリーグ1のトゥールーズ戦を急性胃腸炎で欠場した、アトレティコファンには決して忘れられないゴールゲッター、ファルカオが出られるようなため、火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの一戦は絶対、見逃せませんよね。 ▽え、その土曜にはバルサはレアル・ソシエダに1-2で逆転勝利、開幕4連勝を飾ったものの、マドリーはそれに続けなかったんだろうって?その通りで夜には近所のバルに向かった私でしたが、うーん、ラージョとの3節が延期になったため、ベリッソ監督に3週間も作戦を考える時間ができたのがマズかったですかね。サン・マメスでのマドリーはアスレティックの強烈なプレスとマンマークに苦しんだだけでなく、前半32分にはマルセロの守る左サイドから攻め込まれ、先制されてしまうことに。ゴール前にデ・マルコスが送ったパスをウイリアムスは撃てなかったものの、こぼれ球をムニアインが押し込んで、スペインU21代表で何年もお世話になったロペテギ監督に恩返しされているんですから、困ったもんじゃないですか。 ▽後半は中盤の底としてほとんど機能していなかったクロースをその役割から解放するため、セバージョスに代わってカセミロが入ったマドリーでしたが、ようやく同点ゴールを奪えたのはイスコが出てきてから。ええ、後で当人も「ボクより上手いチームメートがいるのかもしれないし。Lo de que con Lopetegui iba a ser Isco y diez mas lo deciais vosotros/ロ・デ・ケ・コン・ロペテギ・イバ・ア・セル・イスコ・イ・ディエス・マス・ロ・デシアイス・ボソトロス(ロペテギ監督なら、スタメンはイスコと10人云々は君ら(マスコミ)が言っていたことだから)」と、スペイン代表時代から重用してくれた監督だったにも関わらず、前節のレガネス戦同様、彼はモドリッチと交代でピッチに登場。それから3分もしないうちに、ベイルのクロスをヘッドで決めてくれたんですよ。 ▽うーん、こちらもアトレティコと一緒で敵GKのウナイ・シモンが大活躍しましたからね。この夏、ケパがチェルシーに行ってしまったアスレティックはエレリンが負傷、もう1人のGK、ラミスが契約延長を拒み、ずっと招集されない状態が続いているため、エルチェにレンタルに出したばかりだった21歳のシモンを急遽、呼び戻したという事情があるんですが、どうやらこの選手は大当たりだったよう。セルヒオ・ラモスのロングパスに追いついたアセンシオが放ったシュートも弾かれて結局、マドリーはサン・ホセとミケル・リコで守りを固めた相手に最後まで勝ち越し点を奪えません。終盤、ベイルの代わりにルーカス・バスケスを入れ、FWマリアーノを使わなかったことを批判もされたロペテギ監督でしたが、とりあえず、この日は鬼のような気迫でプレスをかけていたアスレティックが頑張ったということにしておきましょうか(最終結果1-1)。 ▽そしてマドリーも水曜にはローマ戦で控えているんですが、注目はここ2試合、リーガ戦で先発したGKクルトワがCLでもリピートするのか。実際、この2週間、コスタリカ代表に行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でずっとトレーニングをしていたケイロル・ナバスにはアスレティック戦でプレーしない理由がまったくなかったんですが、これをCL前の温存と考えるか、正GKはクルトワになったと考えるべきか、迷うところ。相手ローマのアタッカーは昨季、アトレティコがグループリーグで対戦した時とあまり変わらず、ジェコやシャーラウィ、ペロッティらになりますが、開幕からの2つのミニダービーでは入りが悪かったサンティアゴ・ベルナベウが水曜午後9時、CL戦では満員になるのかも気になりますね。 ▽一方、残りの弟分チームは日曜試合となったんですが、正午からビジャレアル戦がキックオフとなったレガネスは、いえ、ブタルケは夏の間に改装され、プレスコンフェレンスルームやミックスゾーンなど、かなりキレいになっていたんですけどね。スタンドを満員にしたファンもいつものように一生懸命、応援していたんですが、どうやら選手が16人も入れ替わった新生レガネスもゴールがなかなか決まらないという悩みを克服できていなかったよう。ええ、前節のマドリー戦では成功したものの、後半3分にカリージョがPKまで外していては、20分に途中出場のバッカにFKから決められたヘッドの1点を返せず、とうとうラージョと入れ替わりで最下位になってしまっても仕方なかったかと(最終結果0-1)。 ▽未だに勝ち点がたったの1だけとあって、4節終了時に早くも「Afrontamos los proximos partidos como finales/アフロンタモス・ロス・プロキシモス・パルティードス・コモ・フィナレス(これから数試合は決勝だと思って戦う)」(ルーベン・ペレス)という状態になってしまったのはどうにも心配なんですが、彼らの次戦は土曜、イプルアでのエイバル戦。ミッドウィーク開催の来週水曜はバルサとのホームゲームだけに、何とか勝利を手に入れておきたいところですが、こればっかりはねえ。なまじっか、前任者のガリターノ監督(レアル・ソシエダ)が2年連続、1度も降格圏に落ちずに1部残留を達成しているため、ペジェグリーノ新監督も大変ですよね。 ▽そして日曜最後に待っていたサプライズはヘタフェで何と、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦で0-2の勝利を挙げたから、感心したのなんのって。ええ、速攻で開始3分、ホルヘ・モリーナのスルーパスからアンヘルが先制ゴールを挙げると、38分にも敵がエリア内でクリアミスに失敗したボールを拾い、オフサイドにならずに2点目を奪ってくれます。逆にセビージャはVAR(ビデオ審判)でベン・イェデルのゴールが認められず、この辺はツキもあったような気もしましたが、ようやく柴崎岳選手も後半途中、アンヘルに代わって、3試合ぶりにピッチに立てましたしね。とりわけ今週土曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのミニダービーに兄貴分のアトレティコより上の5位という高みから挑めるのは選手たちも気分がいいかと。 ▽まあ、そんな感じの週末だったんですが、この先、10月のインターナショナル・マッチウィークのparon(パロン/リーガの停止期間)まで、CLやELがあるチームは18日間で6試合という過密日程に突入。頭数の少ないアトレティコなど、疲労が心配なんですが、逆にトップクラスの選手を大量に抱えているマドリーの方はいつもと違う顔を見られるいい機会になるかも。翻って、ヨーロッパの試合のない弟分たちにとっては地道に勝ち点を積み上げていく時期になりましたが、まだまだリーガは始まったばかり。これからマドリッド第3のチーム争いがどう発展していくのかも気になりますね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.18 17:01 Tue
twitterfacebook
thumb

スペインがまた強くなったのは嬉しいけど…【原ゆみこのマドリッド】

▽「瞬間移動でもできなきゃ、両方見張るのはムリよね」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、サンティアゴ・ベルナベウから今季、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場施設内に移ったレアル・マドリーのオフィスを所用で訪ねた後、もう各国代表に行っていた選手もほとんど戻っているはずだし、練習も終わって時間的にそろそろかと、関係者用出入り口に回った時のことでした。いやあ、いつものように選手の車の出待ちをするファンは20人程、もう、そう暑くはないものの、強烈な紫外線の降り注ぐ中、辛抱強く待っていたんですけどね。丁度、取材に来ていたTVのカメラマンに誰か通ったかと訊いたところ、「今日はほとんど、もう1つの出口から帰っているらしい」との答えが。 ▽そう、昨今ではバラハス空港ターミナル4まで行くセルカニアス(国鉄近郊路線)のValdebebas駅から、ほんの徒歩1分でこちらの出入り口に着けるため、車を持たないファンでもアクセスは容易になったと言えるんですけどね。だからって、必ずしもお目当ての選手に出会えるかといえば、そうは問屋が卸さず。ええ、選手用出口が他にもあるせいで、そちらまで広大な敷地に沿って歩いて20分ぐらいとなれば、いえ、マハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場も出口は2つあるんですけどね。あまり離れていないため、敷地の角に立って待機、車が出て来るのを見て駆けつけるなんて技が使えたりするんですが、ベルデベバスでは望むべくもないかと。 ▽そうこうするうち、ファンが「バラン!」と呼ぶ声が聞こえたため、振り返ると、1台のアウディが颯爽と高速道路に向かっていましたが、最近はマドリー選手の車もなかなか止まってくれなくてねえ。試合前の合宿も練習場敷地内のホテルとあって、姿を見ることも叶いませんし、そう思うと、選手たちが一般道を歩いてスタジアムにあるロッカールームに戻るヘタフェなど、ファンとの距離が近くていいと思うんですが…難点は彼らを含むレガネス、ラージョら弟分チームは毎年、メンバーが大量に入れ変わるため、私ですら、シーズン序盤は名前と顔が一致しない選手が多いことでしょうか。 ▽まあ、リーガ再開はこの金曜からなので、先にスペインのネーションズリーグ2節がどうだったか、お話していくことにすると。いやあ、これが予想に反して、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)になってしまったんですよ。先週、1-2で勝利したイングランド戦から、マルティネス・バレロ(エルチェのホーム)ではスタメンを3人変更、左SBをマルコス・アロンソ(チェルシー)からガヤ(バレンシア)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)をセバージョス(レアル・マドリー)、イアゴ・アスパス(セルタ)をアセンシオ(マドリー)にして、W杯準優勝のクロアチアに挑んだルイス・エンリケ監督でしたが、いえ、前半20分に右SBのベルサイコ(インテル)が負傷。ログ(ナポリ)に代わり、アトレティコ時代にもよくケガしていたし、やっぱり放出したのは正解だったのかと思わせるまでは相手も危ないシュートを放ったりして、試合は拮抗していたんですけどね。 ▽口火を切ったのはご当地出身のサウール(アトレティコ)で20分、セルヒオ・ラモス(マドリー)のロングパスをカルバハル(同)がエリア内に上げたボールに頭を合わせ、イングランド戦に続いての連続ゴールを決めているとなれば、その夜、ラジオ番組に出演して「Lo necesitamos en esa linea con nosotros/ロ・ネセシタモス・エン・エサ・リネア・コン・ノソトロス(ウチもああいう形で彼を必要としている)」と言っていたシメオネ監督じゃありませんが、アトレティコの試合で決めるゴールも取っておいてほしいと私が思ってしまったのは仕方なかった? ▽いえ、その夜は現役時代、エルチェでプレーした父親を始め、昨季からエルチェの選手となった長兄ジョナタンら家族や親族、大勢の友人が観戦。自身も腕にダマ・デ・エルチェ(エルチェで発見された紀元前4世紀の貴婦人像)、太ももにアトレティコとエルチェの紋章を半分ずつタトゥーしている程、故郷を誇りに思っている当人にとっては、「Ha sido incluso una liberacion el gol, estaba nervioso/ア・シードー・インクルソ・ウナ・リベラシオン・エル・ゴル、エスタバ・ネルビオーソ(ゴールを挙げて解放されたよ。神経質になっていたからね)」と、おかげで肩の力が抜けて良かったようですけどね。 ▽それだけでなく、この先制ゴールに大いに発奮した選手が約1名。それはアセンシオで何せ、昨年の夏、2人はU21ユーロで準優勝したスペインでハットトリックを挙げていますからね。その時はサウールが5得点で大会ゴールデンシューに輝いたんですが、32分、エリア外で敵がパスミスしたボールを拾い、そこからgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)にしてしまうって、いや、もうこれは才能のほとばしりとしか言いようがないかと。続いて彼は3分後にもシュートを撃ち、今度は枠に当たってから、GKカリニッチ(ヘント)の背中でオウンゴールに。うーん、前半だけでもう3点、これって本当にW杯でラウンド16敗退したスペインですか? ▽いえ、実は微妙に違うんですけどね。後半も開始早々の3分にアセンシオのスルーパスをロドリゴ(バレンシア)が決めて4点目、12分にはアセンシオのCKをセルヒオ・ラモス(マドリー)がヘッドで5点目、そして25分にはアセンシオからボールをもらったイスコ(マドリー)が6点目とスコアを倍にしたスペインだったんですが、もうお気づきになりました?この試合、ナチョも出ていて、スタメンにマドリー勢が6人もいたんですよ。これは2002年10月の北アイルランド戦以来のことだそうで、その時のメンツはカシージャス、エルゲラ、サルガド、ラウール・ブラボ、グティ、ラウール…何だか、懐かしいですねえ。 ▽ただ、後でそのことを訊かれたルイス・エンリケ監督は、「知らなかったし、興味もない。皆、スペイン代表の選手だ。La base es el Real Madrid y me parece bien/ラ・バセ・エス・エル・レアル・マドリッド・イ・メ・パレセ・ビエン(ベースはレアル・マドリーで、いいと思う)」と言っていましたが、攻撃面でダントツに目立っていたのはアセンシオで間違いないとしても、守備で大貢献していたのがセバージョス。ええ、「Ha tapado a Modric... lo que hace habitualmente en el Real Madrid/ア・タパードー・ア・モドリッチ…ロ・ケ・アセ・アビトゥアルメンテ・エン・エル・レアル・マドリッド(モドリッチを抑え込んだ…いつもレアル・マドリーでやっていることだ)」とルイス・エンリケ監督も狙いが当たって嬉しそうでしたが、W杯MVPに昨年のU21ユーロMVPで対抗するとは勇気ある選択じゃありませんか。 ▽え、翻ってブスケツが後半14分にロドリ(アトレティコ)に代わった後、ピッチにはバルサ勢が1人もいなくなってしまったけど、ラキティッチはそれ程、重要視されていなかったのかって?うーん、そんなこともないんでしょうが、イニエスタ(ヴィッセル神戸)やピケが代表引退、ジョルディ・アルバが今回落選したため、元々、バルサからはブスケツ以外、セルジ・ロベルトしか呼ばれていませんでしたからね。クロアチアもマンジュキッチ(ユベントス)やGKスバシッチ(モナコ)、チョルルカ(ロコモティブ・モスクワ)ら、ベテランが引退した影響もあったようですが、この6-0の勝利でスペインはネーションズリーグ2連勝に。 ▽国際メジャートーナメントでここ3大会、早期敗退しているとはいえ、予選レベルでは負け知らずの彼らですし、今年の3月にはワンダ・メトロポリターノでの親善試合でアルゼンチンに6-1と大勝しているため、この2試合だけで強いスペインが戻って来たと言い切る訳にはいかないんですが、若い世代の活躍で希望が湧いてきたのは確かだったかと。ええ、この後、まだ10月にベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)でのイングランド戦、11月にアウェイのクロアチア戦が残っていますが、少なくともグループ最下位となってリーグBに降格という赤っ恥だけは免れそうなのは有り難いことですよね。 ▽そしていよいよ、金曜からリーガ4節が始まるんですが、トップバッターとなるのはラージョ。未だに改修中のエスタディオ・バジェカスの使用許可は出ていないものの、今回はアウェイ戦。一緒に今季から1部に上がり、工事期間を見越して3節までホーム戦をしていなかったウエスカとアルコラスで顔を合わすことに。前節のアスレティック戦が延期となり、2試合でまだ勝ち点1も溜めていないラージョだけにここは3週間、練習だけに専念。新戦力もチームに馴染んだ利点を生かして、昇格後初白星を掴んでもらいたいところですが、バルサには8-2で大敗したとはいえ、レオ・フランコ監督率いるウエスカは開幕2試合で勝ち点4としぶとそうですからね。いいプレーを見せて、ホームで応援できないせいでフラストレーションを溜めているラージョ・ファンを笑顔にしてあげられるといいのですが。 ▽一方、来週からCLグループリーグが始まるため、土曜試合となったマドリッドの兄貴分たちはというと。どちらも13人程、各国代表に出向いていたんですが、貧乏クジを引いてしまったのはアトレティコ。ええ、午後1時から、開場1周年を迎えるワンダ・メトロポリターノでのエイバル戦は出場停止のため、まだマシだったんですが、サビッチがモンテネグロ代表で脚に打撲を受けて帰還。コレアもアメリカまで行きながら、ヒザが痛んでアルゼンチンの試合にまったく出られないわ、マハダオンダで練習していたカリニッチまで足首を捻挫するわともう惨々なんですよ。 ▽先週中はコケとジエゴ・コスタの指導に専念していたシメオネ監督もようやく、水曜からはトップチームのメンバーが揃い、リーガ戦の準備を始めることができたんですけどね。いいニュースと言えば、腕の負傷でスロベニア代表招集を免除されていたオブラクがようやく、グラウンドに姿を見せたことぐらいだったかと。ええ、FIFPro(国際プロサッカー選手会)の最優秀イレブンの候補に不可思議にも入っていなかった彼ですが、シメオネ監督も「Courtois no seria titular en el Atletico. Oblak es major/クルトワ・ノー・セリア・ティトゥラル・エン・エル・アトレティコ。オブラク・エス・メホール(クルトワはアトレティコではレギュラーにならないだろう。オブラクの方が優秀だ)」と言っていたように、このリーガ3試合で2得点しかしていない彼らにとって、失点ゼロは譲れないところですからね。 ▽エイバルも乾貴士選手がベティスに行ってしまったこともあり、ペドロ・レオン、オレジャナ、ビガスら、負傷者も多く、決して調子がいい訳ではありませんが、現在、アトレティコは開幕3連勝のお隣さん、バルサと勝ち点差がすでに5。リーガ優勝は狙えるのかと訊かれ、「Claro que si, si fallan Madrid y Barca/クラーロ・ケ・シー、シー・ファジャン・マドリッド・イ・バルサ(もちろんだ。マドリーとバルサが躓けばね)」とシメオネ監督が言っていた状況を作り出すためにも、早々に詰めておきたいんですが、どうなることやら。 ▽一方、どの選手も元気で帰って来たマドリーは土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、サン・マメスでスレテッィク戦なんですが、こちらはロペテギ監督が何とも贅沢な悩みを抱えているよう。まずGKからして、双方ともFIFProベストイレブン候補となったクルトワとケイロル・ナバスがいますし、DFの4人、カルバハル、バラン、ラモス、マルセロから、中盤のカセミロ、モドリッチ、クロース、イスコ、前線のベンゼマと同賞の候補がズラリ。リストに入らなかったとはいえ、ベイルやアセンシオもいて、このうち誰かを常に控えにしないといけないって、まったく羨ましいにも程があるってもんじゃないですか。 ▽おまけにスペイン代表戦でアピールしたセバージョス、古巣復帰で早くゴールを入れたくてウズウズしているマリアーノもいるとなれば、しばらくマドリーの快進撃は止まらない?相手のアスレティックは37歳のエース、アドゥリスが負傷から復帰。ベリッソ監督がロンドンまで遠征し、パルコ(貴賓席)で見守っていたウェンブリーでのイングランド戦終盤に出場し、エルチェでの前日練習はケガの痛みが再発して参加できなかったイニゴ・マルティネスもほぼOKのようですが、果たしてここ2試合、4得点が続いているマドリーの破壊力を止めることができますかね。 ▽そして弟分の残り2チーム、昨季から引きずるケガのリハビリ中だったキャプテンのシマノフスキが再手術というショックなニュースが入ってきたレガネスは日曜正午にビジャレアルをブタルケに迎え、ここ2試合、柴崎岳選手の出場がなかったヘタフェは午後8時45分からサンチェス・ピスファンでセビージャ戦というのがマドリッド勢の今節の予定。どちらも上位狙いのチームが相手なだけに苦労しそうではありますが…週明けにはいい結果を報告できることを祈っています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.14 12:45 Fri
twitterfacebook
thumb

まだ手放しでは喜べない…【原ゆみこのマドリッド】

▽「これってもう、戻って来るってことよね」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、スタッド・ド・フランスでW杯トロフィーを囲んでの盛大な祝勝イベントが開催。楽しそうに踊っているグリーズマンやリュカの姿をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、ムバッペとジルーのゴールでフランスがオランダに2-1で勝利したネイションズリーグの一戦は日曜夜に生中継があったため、何となく見てはいたんですけどね。さすがに試合後のお祝いまでは映してくれず、レマルを除く、2人のアトレティコ勢やヴァラン(レアル・マドリー)のプレーを楽しむに留まったんですが、要はこれで彼らの代表でのお勤めは終了。 ▽パリなんて飛行機で2時間弱なんですから、マドリッドの兄貴分チームが月曜午後7時から、それぞれマハダオンダ(マドリッド近郊)、バルデベバス(バラハス空港の近く)で行う週明けセッションに参加するのにまったく問題はないかと。それだけでなく、シメオネ監督のところには土曜のエイバル戦に向けて、早くもレギュラーが3人が復帰するのに比べ、同日アスレティック戦に挑むレアル・マドリーはまだ1人とほくそ笑んでいたところ、いえいえ、世の中、そうそう都合良くはできていませんって。 ▽ええ、しっかりスポーツ紙のインターナショナルページを見てみれば、木曜のネイションズリーグ初戦で自身もゴールを挙げ、アイルランドに4-1と快勝したベイルのウェールズも日曜日、代表選手のストが解けたデンマークに2-0と負けて日程が終わっており、1戦目をフランスと引き分けたクロースのドイツも親善試合でラージョのアドビンクラに先制点を奪われながら、ペルーに2-1の逆転勝ち。両人共、すでにお役御免になったため、結局、お隣さんも3人が早帰りできることに。 ▽となると、火曜のスペインvsクロアチア戦の後、水曜合流予定組がセルヒオ・ラモス、カルバハル、ナチョ、イスコ、アセンシオ、セバージョス、そしてモドリッチと大量にいるマドリーより、ベルサイコもこの夏、インテルに移籍。サウール、ロドリの2人だけというのが、アトレティコの強みになるかと思いますが、うーん、大西洋の向こうでプレーしてくる南米組もいますからね。マドリーはマルセロとケイロル・ナバスが招集免除されたため、カゼミロ(ブラジル)だけなのに対し、ゴディン、ヒメネス(ウルグアイ)こそ月曜には戻っていたものの、コレア(アルゼンチン)、フィリペ・ルイス(ブラジル)にはまだ試合があり、おまけに早帰りが決まったアリアス(コロンビア)なんて、ベネズエラ戦で担架退場、肋骨を骨折しての帰還だとか。 ▽こんな按配では先週の練習中に足首を捻挫したカリニッチと相まって、ますますアトレティコが少数精鋭になってしまいそうなのが怖いんですが、こればっかりはねえ。せめての慰めは、奥さんの第2子出産を理由にスペイン代表招集を辞退したジエゴ・コスタのところにようやく日曜、次女が誕生。当人もエイバル戦でお祝いのゴールを挙げたいと意気込んでいることぐらいでしょうが、開幕3連勝でスタートを切ったお隣さん、そしてそれに肩を並べるバルサともすでに勝ち点3差がついているアトレティコだけに何とも、心配の種が尽きないのは困りものですよね。 ▽え、それより土曜にルイス・エンリケ監督のスペイン代表デビューとなったイングランド戦がどうなったかの方が気になるって? そうですね、先週月曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でのセッションは初日以外、全て非公開。ウェンブリーでの前日練習でもあまり情報がなかったため、先発予想もままならなかったんですが、蓋を開けてのサプライズはジエゴ・コスタの辞退により、直前のアトレティコ戦でセルタの2点目のゴールを挙げたのが決め手になったんでしょうかね。追加招集されたイアゴ・アスパスがスタメンに入っていたことですが、ロペテギ代表監督時代や今季のマドリーとは違い、イスコが[4-3-3]の最前列でずっと左サイドに引っ付いていたのはちょっと意外。 ▽おまけに開始11分にはチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)のボールロストから、イングランドに速攻カウンターを喰らい、キックオフ前にW杯ゴールデンシューのトロフィーを披露していたハリー・ケイン(トッテナム)、ショー(マンチェスター・ユナイテッド)と繋がれると、最後はナチョがラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)に先を越されてしまったから、さあ大変! 楽々、チームメートのGKデ・ヘアを破っているって、もしやロシアでのW杯で惨々だった彼をケパ(チェルシー)に代えなかったのは、ルイス・エンリケ監督のミスだったかもと思ってしまったのは私だけではなかった? ▽でも大丈夫。その日のスペインには逆境に立ち向かう根性があったんですよ! それからわずか2分、カルバハルが右側からエリア内のロドリゴ(バレンシア)にパスを送ると、中盤から上がって来たサウールがその折り返しをシュート。同点にしてくれたとなれば、あのW杯での4試合、1度もピッチに立たしてあげなかったイエロ暫定監督の見識が疑われても仕方なかったかと。うーん、確かに彼はアトレティコの選手だけあって、この夏、代表を引退したイニエスタ(ヴィッセル神戸)やシルバ(マンチェスター・シティ)のようにパスはそれ程、上手くないんですけどね。 ▽それには目をつむって、ルイス・エンリケ監督も「Tiene calidad, fisico descomunal y mentalidad brutal. Bueno tacticamente, tiene gol/ティエネ・カリッド、フィシコ・デスコムナル・イ・メンタリダッド・ブルタル。ブエノ・タクティカメンテ、ティエネ・ゴル(質が高くて、ズバ抜けたフィジカル、凄いメンタル力がある。戦術的にも良くて、ゴールも入れられる)」と言っていたように、ただパスを回しているだけでなく、ダイナミックなサッカーをやりたい指揮官には丁度いい選手だったかも。その点に関してはモラタ(チェルシー)でなく、マークを外して動き回るのが得意なアスパスとロドリゴを前線に入れたのも効いていましたが、スペインの追加点は意外にも32分、セットプレーから生まれることに。 ▽ええ、これはブラジル人の父親同士がサッカー選手で仲良かったせいで幼少から、いとこのような付き合いがあったチアゴとロドリゴのおかげで、いえ、サウールも前者の放ったFKにニアポストで合わせようと飛び込んで、敵の目を引き付ける役目を担ったんですけどね。届かなかったボールをロドリゴがゴールに押し込み、逆転してくれたから、これで一安心。後半は開始早々、カルバハルとの接触プレーでショーが担架退場となり、ゲームが7、8分中断するアクシデントがあったんですが、おかげでせっかく前半のいい攻撃のリズムが削がれたんでしょうか。 ▽アスパスをアセンシオに、チアゴをセルジ・ロベルトにというルイス・エンリケ監督の交代策もあまり当たっていたとは思えませんが、「En la segunda parte nos falto buscar la porteria y poco a poco nos metimos atrás/エン・ラ・セグンダ・パルテ・ノス・ガルトー・ブスカル・ラ・ポルテリア・イ・ポコ・ア・ポコ・メティモス・アトラス(後半のウチはゴールを探すことができなくて、少しずつ後ろに引いてしまった)」(ロドリゴ)チームを救ってくれたのはデ・ヘア。ええ、同僚ラッシュフォードの至近距離シュートを2度もparadon(パラドン/スーパーセーブ)で弾き、「Por numeros y rendimiento es un numero 1 mundial/ポル・ヌメロ・イ・レンディミエントー・エス・ウン・ヌメロ・ウノ・ムンディアル(記録とパフォーマンスでは世界一)」というルイス・エンリケ監督の期待に応えたんですが、まあ、ウェンブリーのパルコ(貴賓席)ではマドリー時代にアシスタントを務めていたカランカ監督(現ノッティンガム・フォレスト)と並んで、上司のモウリーニョ監督も見ていましたからね。 ▽当人も気合が入って良かったのかもしれませんが、残り3分、左SBのマルコス・アロンソ(チェルシー)をこの夏の負傷から回復後、初めてプレーする本職CBのイニゴ・マルティネス(アスレティック)にという一番不思議な交代の後、第4審判の掲示したロスタイムは何と9分。いえ、途中からセンターにも出て行って、ボールを持つようになったイスコのおかげで時間稼ぎはある程度、できたんですけどね。最後の最後にハイボールをキャッチしたデ・ヘアがウェルベック(アーセナル)にぶつかられて落球。それをゴールに蹴り込まれてしまったんですが、イングランドのサウスゲート監督などは文句を言っていたものの、審判がファールを取ってくれたのは有り難かったですね(最終結果1-2)。 ▽そんな調子で無事、ネイションズリーグ初戦を勝利で飾れたスペインはその夜のうちにロンドンからアリカンテ(スペイン南東部のビーチリゾート)に移動。日曜から、クロアチア戦の準備に入っているんですが、やっぱり一番気になるのは試合の行われるエルチェ(アリカンテから30分程内陸に入った町)出身のサウールがこの試合でも先発するのかどうかということでしょうか。いえ、当人は「Me han pedido muchas entradas, intentare conseguirlas/メ・アン・ペディードー・ムーチャス・エントラーダス、インテンタレ・コンセギールラス(沢山、チケットを頼まれたんだ。手に入れるように努力しないとね)」と、家族や友人たちの前でプレーするのを楽しみにしているんですけどね。あまり張り切りすぎて、リーガ戦に疲れが残るのも如何なものかと。 ▽どちらにしろ、月曜にリコ・ペレス(エルチェのホーム)で前日記者会見をしたルイス・エンリケ監督は、「No voy a dar pistas/ノー・ボイ・ア・ダール・ピスタス(手掛かりを与えるつもりはない)」とスタメンに関して、ポーカーフェイスを貫いていたため、私もはっきりしたことはわからないんですが、DF5人制を敷いていたイングランドと違って、クロアチアはもっとポゼッションを争ってきそうですからね。モドリッチとラキティッチ(バルサ)を中心に攻めてくるのは間違いないため、同じクラブで良く知っているセバージョスやアセンシオ、セルジ・ロベルトらを入れてみるというのもいいかもしれない? ▽そんなスペインのネイションズリーグ第2節は火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。ちなみにクロアチアの直近の試合は親善で、木曜にクリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)不在のポルトガルと1-1の引き分けているんですが、W杯で準優勝したチームから、FWマンジュキッチ(ユベントス)、GKスバシッチ(モナコ)という攻撃と守備、両方の要が引退しています。うーん、モドリッチもこの日曜にはアリカンテのホテルで33歳のバースデーを祝ってもらっていましたしね(https://twitter.com/lukamodric10/status/1038894605557792770)。どこの代表も世代交代の時期に入っているようですが、とりあえずこのネイションズリーグでは試運転、来年3月から始まる2020年ユーロの予選で方向が見えてくるっていう感じでしょうかね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.11 11:30 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】新しい大会が始まった…

▽「確かに親善試合よりはマシなのかもしれないけど」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、スペインのネーションズリーグ初戦を翌日に控えながら、あまりワクワクしていない自分に気づいた時のことでした。いやあ、この夏のW杯では開幕直前にロペテギ監督が解任されるという信じられない事態が発生。イエロ暫定監督の下で戦ったチームはグループリーグこそ勝ち抜いたものの、16強対決でロシアにPK戦で負けて敗退と、2014年W杯、2016年ユーロに続く失望を味合わせてくれたせいもあったんですけどね。 ▽7月にはルイス・エンリケ監督が新しい指揮官として就任し、2020年ユーロまでのサイクルを担当することになったんですが、困ったことに9月から始まったこの新しいUEFAの大会、何だか妙なんですよ。ええ、FIFAランキングに従って、チームを4つのリーグに割け、更にその中で4つのグループを形成。その結果、最高レベルのAリーグに入ったスペインはイングランドとクロアチアと同じ組になったんですが、グループリーグの4試合は11月に終わり、1位になれば、来年6月に残り3グループの首位チームと準決勝、決勝を戦って優勝を決めるそうですが、不可解なのは3月からは2020年ユーロの予選も始まるということ。 ▽うーん、ネーションズリーグのグループ首位チームになれば、ユーロ予選プレーオフへの出場権ももらえるんですが、大体、今回はその予選もグループ2位まで本大会に行けるという、かなり楽なモノですしね。となると、この大会を万が一の保険として考えればいいのか、うっかり最下位になって、下のリーグに降格するのは恥ずかしいからぐらいの感覚でいいのか、もしや、もやもやしているのは私だけでなく、選手たちも同じかもしれない? ▽ただそうは言ってもこの月曜、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で行われた公開練習は盛況で、いえ、セッションの方は前日、所属クラブのリーグ戦でプレーした選手もいたため、ブスケツ、セルジ・ロベルト(バルサ)、ロドリゴ、ガヤ(バレンシア)、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、パウ・ロペス(ベティス)らはロンド(輪の中に選手が入ってボールを奪うゲーム)の後、分かれてランニング、ストレッチだけで上がってしまったんですけどね。残った選手たちもイニエスタ(ヴィッセル神戸)、ピケ(バルサ)、シルバ(マンチェスター・シティ)らが代表から引退、コケ(アトレティコ)、ジョルディ・アルバ(バルサ)ら、ルイス・エンリケ監督の初招集リストから漏れた常連もいなかったため、私も見知った顔が減ってちょっと、寂しかったんですが、大丈夫。 ▽500人程、見学に駆けつけたファンはイスコやアセンシオ、セルヒオ・ラモスといったレアル・マドリー勢を熱心に応援していましたが、どちらにしろ、初日はほんの小手調べですからね。新監督の構想がわかってくるのは翌日からの練習だったんですが…何と、今回から、マドリーやアトレティコのセッションでもお馴染みの開始から15分だけマスコミに公開する習慣がなくなってしまったんですよ!おまけに以前は非公開セッションでもTVカメラが谷を隔てた公道からグラウンドを撮影していたのを懸念して、敷地を囲むネットをシートで覆って目隠しって、もしや秘密主義に磨きがかかっていない? ▽要は代表の日々の様子を知りたければ、オフィシャルサイト(http://www.sefutbol.com/)に上がる動画を見るしかなくなってしまったんですが、それだけでなく、ルイス・エンリケ監督が代表合宿中のオフ日をなくし、チームは金曜にイングランド戦の行われるロンドンに移動した後、もうラル・ロサスには戻らず。直接、来週火曜のクロアチア戦の舞台となるエルチェ(スペイン南東部)に飛んでしまうって、いえ、ご当地出身のサウール(アトレティコ)は嬉しいでしょうけどね。試合前日のスタジアム練習は一般公開されるようですが、せっかくマドリッド訪問が代表戦期間中に当たりながら、チームを見る機会がほとんどなさそうなのは残念ですよね。 ▽え、それでも木曜午後には選手たちがサント・ドミンゴ(マドリッド市内)に出現して、居合わせた観光客らを驚かせていなかったかって?ああ、それは月曜から、朝食は午前9時、夕食は午後8時30分の時間厳守で遅刻は罰金、食堂にスマホ持ち込みを禁止し、夜の自由時間のカードゲームやプレステもW杯中のように夜通しやるのはダメと、節度ある合宿生活を求められ、練習中もグラウンドの脇に新たに組み立てた足場の上からルイス・エンリケ監督に見張られて、ラス・ロサスに缶詰めになっている彼らを気遣ってのレクリーションタイムで、いえ、私もエスケープルームなるものを初めて知ったんですけどね。銀行の金庫室や刑務所など、仮想空間からグループで知恵を絞って脱出するゲームをやりに行ったそうですが、まあ、よくクラブで見かけるカートレースやペイントボールより、ケガの危険が少なそうなのはいいかと(https://twitter.com/saulniguez)。 ▽そんなことはともかく、土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのイングランド戦については何せ、練習の内容が伝わってこないため、GKがW杯で株を下げたデ・ヘアのままか、ケパ(チェルシー)抜擢なのかを始め、先発がどうなるのか、予想つかないんですが、ロペテギ監督時代同様、初日の練習からルイス・エンリケ監督がよく目をかけていたイスコがどうやらチームの軸になるよう。 ▽うーん、水曜のラス・ロサスで記者会見に出た当人はW杯中に批判的な記事を書いたエル・パイス(スペインの一般紙)が気に入らなかったか、「敵が自陣に籠ってしまった時、ラインの間でボールを受けるのと中盤に下りるのとどちらがダメージを与えられると思う?」と質問され、「Yo a ti no te voy a contester/ジョ・ア・ティー・ノー・テ・ボイ・ア・コンテスタール(ボクは君には答えない)」と返答を拒否。物議を醸していたりしたんですけどね。 ▽理由は「何を言ったって、好きなことを書くんだから」とのことでしたが、まあ気持ちはわかるものの、それってちょっと大人げなくない?実際、イスコのプレースタイルには賛否両論なんですが、ウェンブリーでの前日記者会見で「Vamos a jugar al ataque, a tener el balón, a generar, más ocasiones de gol, a presionar arriba, ser agresivos/バモス・ア・フガ-アル・アル・アタケ、ア・テネール・エル・バロン、ア・ヘネラル・マス・オカシオネス・デ・ゴル、ア・プレシオナル・アリバ、セル・アグレシーボス(ウチは攻撃的にプレーする。ボールを持って、チャンスをより多く作って、敵前線にプレスをかけて、アグレッシブに行く)」と言っていたルイス・エンリケ監督の期待に応えられるといいのですが、さて。この9月の2試合が、どちらも夏のW杯で上に行かれてしまったイングランド(4位)とクロアチア(2位)相手というのはきっと、新チームのいい腕試しになってくれるはずです。 ▽え、そんな調子で代表が非公開練習ばかりだった今週、私は何をしていたのかって?いやあ、火曜には久々に弟分、ヘタフェを覗いてきたんですが、相変わらず、あそこは練習が長いですね。10時から始まって、終わったのが12時半だったため、屋根付きスタンドのあるグラウンドで座って見られてどんなに助かったことか。丁度、その日は駆け込みで移籍のきまったクリストフォロ(フィオレンティーナからレンタル)の入団プレゼンもコリセウム・アルフォンソ・ペレスであったんですが、夏の間は芝の張替えでできなかったピッチでのユニフォーム姿お披露目を見に来たファンが20人ぐらいしかいなかったのはご愛敬。バケーション明けの平日ですし、ヘタフェは兄貴分チームたちのように気前よく、スタンドにボールを蹴り込んでプレゼントしてくれたりはしないため、かなりアットホームなプレゼンになっていましたっけ。 ▽そして翌日、ヘタフェはマドリッドの2部チームの弟分、アルコルコンとプチェロ杯(夏の親善試合)を行ったため、私もメトロ10号線とセルカニアス(国鉄近郊路線)を乗り継いで、サント・ドミンゴ(アルコルコンのホーム)に足を運ぶことに。何せ、リーガ開幕戦のマドリー戦では先発フル出場しながら、続くエイバル戦、バジャドリー戦に柴崎岳選手の出番がありませんでしたからね。練習では元気そうだったため、絶対、出てくれるはずという読みが見事的中。前半半ばまでは2列目に入っていた彼でしたが、すぐ目の前のベンチからやたら、「Gaku, Gaku!」と大声を飛ばすボルダラス監督の指示に従って、途中からは新加入のクリストフォロとボランチでコンビを組むように。 試合の方は前半22分、柴崎選手がエリア内奥から折り返したラストパスをポルティージョは決められなかったものの、36分にはロベルト・イバニェスのパスから、こちらも新加入のフルキエ(ワトフォードからレンタル)が撃ち込んでヘタフェが先制。前半終了近くにも柴崎選手は敵DFを2人かわしながら、エリア前からいいパスを出したんですが、ロベルト・イバニェスがフィニッシュに失敗してしまいます。そのまま0-1で折り返した後、アルコルコンがレギュラーメンバーに代わった後半はどちらも点を挙げられず、そのままヘタフェが勝って終わったんですが、途中出場したアンヘルに2度、惜しいシュートがあったりと、やっぱりカテゴリーの差はありましたかねえ。 ▽まあ、この試合のプレーぶりが認められ、柴崎選手がparon(パロン/リーガの停止期間)明け、16日のセビージャ戦で先発に戻れるかどうか、まだ1週間もあるため、定かじゃないんですが、実は同日には弟分仲間のレガネスとラージョも非公開で練習試合をやっていたとか。どうやら、エスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖により、10月半ばまでホームゲームが延期されているだけでなく、先週からはマドリッド南部にある練習場も整備で使用中止に。おかげでバルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場を借りたり、今週前半はロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で合宿していたラージョにレガネスが手を差し伸べて、最近はシュダッド・デポルティバ・レガネスを貸してあげていたよう。お互い、移籍市場ギリギリの新戦力が多く、おまけに各国代表に行っている選手が少ないという点でも手合わせするのに都合が良かった? ▽結果は2-1でレガネスの勝利だったそうですが、14日にはラージョも3週間ぶりとなるウエスカ戦が待っていますし、初の降格圏入りをしてしまったレガネスも16日にはブタルケでビジャレアル戦。どちらもこの期間にしっかり練習して、ファンをガッカリさせないようなプレーを披露してくれるといいのですが。 ▽そして各国代表にそれぞれ、13人もの選手を出向させている兄貴分チームたちはというと。いえ、ロペテギ監督もシメオネ監督も火曜はUEFAのエリート監督会議でニヨンに行って不在だったんですけどね。あとは毎日、来週末の試合に備えて練習です。ただそれでも、マドリーには今回の招集を辞退したケイロル・ナバスやマルセロが残っており、ビニシウス(フラメンゴから移籍)やマリアノ(同オリンピック・リヨン)、そしてベンゼマが毎日、golazo(ゴラソ/スーパーゴールを連発しているなんていいニュースが聞こえてくることに。 ▽翻って、トップチームの選手が11人いる彼らに比べ、少数精鋭主義のアトレティコはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にたったの7人。しかもファンフラン、ビトロはまだ負傷のリハビリ中で、スロベニア代表を免除してもらったGKオブラクもプレシーズンから引きずっている腕の痛みでジムごもりとあって、グラウンドには4人だけって、何か物凄いものがない?おまけに第2子の出産が近い奥さんの状態が良くなくて、ルイス・エンリケ監督と話して代表を辞退したジエゴ・コスタが木曜に足を打撲しただの、金曜はセルタ戦でデビューしたばかりのカリニッチ(インテルから移籍)が足首を捻挫したのって、どうしてこう、悪いことばかりが続くのでしょう! ▽そんな中、シメオネ監督がつきっきりで集中特訓している選手が1人いて、それはコケ。いやあ、カテラーノ(下部組織出身の選手)の後輩で今季、ビジャレアルから出戻り移籍したロドリなど、「Me sorprendió que no estuviese Koke/メ・ソルプレンディオ・ケ・ノ^・エストゥビエセ・コケ(コケがいないのには驚いたよ)。でも監督の意見は尊重しないといけないし、コケには代表の門は誰にでも開いているんだから、努力を続けるように言いたいね」と何だか、ちょっと上から目線のアドバイスをラス・ロサスから送っていたんですが、まあ2013年にコケがA代表に呼ばれるようになって以来、初めての落選だったようですしね。 ▽実際、UEFAスーパーカップではチームの4点目を決めたものの、リーガでは開幕戦からまったくパッとしていないため、今回の居残り練習は本人のためにもなるかと。その辺は木曜にネーションズリーグのドイツvsフランス戦(0-0)でプレーしたグリーズマンも同じなんですが、今週発表されたFIFAベストの3候補からはUEFA最優秀選手賞同様、クリスチアーノ・ロナウド、モドリッチ、サラに先を越されてしまった彼とはいえ、クラブも「Sin palabras/シン・パラブラス(言葉もない)」とツイッターで選考基準に異議を唱えていた通り(https://twitter.com/Atleti/status/1036649508187385856)、3つのタイトルの立役者ですからね。フランス代表のデシャン監督も少しでもチャンスを与えて、当人も「2年前は2つの決勝(CLとユーロ)で負けたから、3位だったけど、今回バロンドールを獲れなかったら、これ以上、何をしたらいいと訊きたいよ」と言っていた賞獲りを少しでも手助けしてあげたかったのかも。 ▽そんな感じの1週間でしたが、リーガも始まったばかりで途切れてしまう9月のインターナショナルマッチウィークはやっぱりどこか中途半端。とりあえず、幾つかネーションズリーグの試合の放送はあるため、週末も私は退屈はしないで済むんですが…とりあえず、マドリッド勢の選手たちがケガなく帰って来てくれるのを今は願うしかありませんね。<hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.08 15:00 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】5チームあっても強いのは1つだけ…

▽「あれって縁起が悪かったのかしら」そんな風に私が溜息をついていたのは日曜日、リーガ3節はマドリッド勢の試合がもう終わっていたため、ゆっくり新聞を読みながら、前日の結果を反芻していた時のことでした。いやあ、この夏はUEFAスーパーカップでお隣さんを倒し、FIFA処分で補強ができなかった昨夏の反動か、新戦力が6人も加わって、クラブ史上最強のチームとまで評されていたアトレティコだったんですけどね。それが3試合終わってみれば、シメオネ監督時代、最も悪い1勝1分1敗。 ▽逆にクリスチアーノ・ロナウドのユベントス移籍で年間およそ50ゴールを失ったと言われていたレアル・マドリーは、いえ、ホームの2試合がまだ新チームが出来上がっていない弟分相手だったというツキはあったんですけどね。3試合で計10得点を挙げて破竹の3連勝となれば、ちょっと思い出してしまうのが昨季のバルサ。ええ、ネイマールのPSG移籍直後に迎えたスペイン・スーパーカップでは2試合合計5-1でマドリーに敗れ、先行きが心配されたものの、リーガが開幕すると大変身したんですよ。 ▽8節でアトレティコと引き分けるまで勝ち点をまったく落とさなかった一方、ロナウドがカンプ・ノウのスーパーカップ初戦で退場。リーガ最初の4試合に出られなかったせいもあり、マドリーはシーズン序盤からホームゲームでの躓きが目立つことに。CLこそ3連覇を遂げたものの、最後はバルサに17差をつけられ、リーガ優勝を逃しているんですが、やっぱり最初の試合で宿敵に勝つと油断が生じてしまう? ▽まあ、バルサなど、今年のスペイン・スーパーカップで優勝したものの、相手がセビージャだったからか、選手たちが過信することもなく、日曜のウエスカ戦でも8-2と異常な程のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を披露。こちらも3連勝とマイペースを保っていますけどね。その辺の心理はともかく、マドリッド勢の様子をお伝えしていくことにすると、金曜の夜は私も12号線の工事により、代替バスに乗ることになるメトロを避け、セルカニアス(国鉄近郊路線)でヘタフェの試合を見に行くことに。 ▽いやあ、それが最近のマドリッドは残暑が厳しいのに、Sol(ソル)駅には冷房の入っておらず。Las Margalitas Universidad(ラス・マルガリータス・ウニベルシダッド)駅に行くC4線は14分も待たないといけないとわかった時には頭がクラクラしましたが、大丈夫。同じホームにすぐ来たC3線を捕まえて、El Casar(エル・カサル)駅で降りれば、こちらからも徒歩15分程でコリセウム・アルフォンソ・ペレスに着けるのを思い出したのはラッキーでしたっけ。 ▽ただ先日、ポルトゥをセビージャに獲られてしまうかもしれないジローナへ玉突き移籍の懸念が発覚し、「Angel quedate!/アンヘル・ケダテ(アンヘル、行かないで)」というカンティコ(メロディのあるシュプレヒコール)で始まった試合の方は少々、残念な内容だったかと。昨季、バジャドリーで35得点を挙げ、チームの1部昇格に貢献。ヘタフェへ移籍するキャリアアップを遂げたマタも古巣に遠慮があったんでしょうかね。セルヒオ監督の指導の下、しっかり守る相手にゴールを奪うことができず、チャンスも後半、マキシモビッチのシュートがゴールポストを直撃したぐらいに留まったヘタフェはスコアレスドローで終わってしまうことに。 ▽え、それよりアンヘル共々、金曜午後12時を恙なく迎え、少なくとも今季前半、マドリッド在住が決まった柴崎岳選手が先週のエイバル戦に続き、この日も出場機会がなかったのは心配じゃないかって?そうですね、試合後、ボルダラス監督は「ガクはイロイロなポジションでプレーできるが、一番やり易いのは4-3-3か4-1-4-1だろう。Ahora no jugamos de esa manera, de momento/アオラ・ノー・フガモス・デ・エサ・マネラ、デ・モメントー(今のところ、ウチはそれでプレーしていないから)」と言っていたんですが、確かに開幕戦でマドリーに0-2で負けた後、ヘタフェはFWを2人入れる4-4-2を採用していますからね。 ▽柴崎選手にとってもなかなか、辛いところですが、ここは辛抱が肝心。今回のインターナショナルマッチウィークは日本代表に招集されていないため、リーガがparon(パロン/停止期間)に入るこの2週間、じっくり練習に専念して、16日のセビージャ戦でチャンスがもらえるように頑張るしかありません。まだ今週の日程は出ていませんが(http://www.getafecf.com/PrimerEquipo/Entrenamientos.aspx)、大体、朝は午前10時から、スタジアムの右側の道を下りて行くとあるグラウンドでヘタフェはセンションを行うため、マドリッドを訪れる予定のあるファンはセルカニアスに乗って、見学に行くのも一興かもしれませんよ。 ▽そして土曜、先に試合をしたのはアトレティコだったんですが、冷房の効いたバル(スペインの喫茶店兼バー)から見ているだけでも、陽光照りつけるガリシア地方(スペイン北西部)のビーゴ(セルタのホームタウン)が何とも暑そうだったことか。ただ、それ以上に暑苦しかったのは彼らのプレーで前半こそ、イアゴ・アスパスがラストパスに届かなかったり、シュートをネット脇に当ててくれたりしたため、無失点で済んだんですが、まったく攻撃陣が機能していないって一体、どうなっている? ▽おまけに前節、「Contra el Rayo ya habiamos tenido diez minutos no buenos en el final/コントラ・エル・ラージョ・ジャー・アビアモス・テニードー・ディエス・ミヌートス・ノー・ブエノス・エン・エル・フィナル(ラージョ戦終盤の10分間、ウチは良くなかった)」という経験をしながら、「Hoy nos paso en el arranque del segundo tiempo/オイ・パソ・エン・エル・アランケ・デル・セグンド・ティエンポ(今日はそれが後半序盤に起こった)」(シメオネ監督)って、え、これって反省をまったくしないという、大昔のアトレティコの悪癖そのものじゃないですか。 ▽実際、ダメダメ時代を彷彿させる大ポカが起きたのは後半開始直後のことで、PSG移籍が流れ、その日は先発に抜擢されたフィリペ・ルイスが何気にバックパスを送ったところ、受け手のゴディンが転んでしまったから、さあ大変!すかさず「Me aproveche del resbalon de Diego para irme/メ・アプロベチェ・デル・レスバロン・デ・ディエゴ・パラ・イルメ(ゴディンのミスを抜け出すために利用した)」と、ウルグアイ代表の大先輩に先んじてボールに駆け寄ったマキシ・ゴメスのシュートをGKオブラクも止められず、先制点を奪われてしまいます。更にその7分後、今度はマキシ・ゴメスのクロスを反対側から、こっそりエリアに入って来たアスパスにヘッドされ、2点差になってしまった日には呆れて物も言えないとはまさにこのこと? ▽そこでようやくシメオネ監督はその日、全員ベンチに置いていた新戦力を投入。コレアとトマスをレマルとカリニッチにしたんですが、何でしょうかね。私もサンティアゴ・ベルナベウに向かうため、その辺りでバルを出たところ、メトロから出た時には負傷中のファンフランの代役をしていたサビッチが2枚目のイエローカードで退場済みに。その直前にはヒメネスが新加入の右SBと交代していたなんて、チグハグなこともあったようですが、どちらにしろ、前日には昨季のヨーロッパリーグ最優秀選手に選ばれたグリーズマンを含め、90分間枠内シュートが1つもないというのであれば、終盤、カブレラのゴールがVAR(ビデオ審判)でオフサイドとなり、セルタに3点目は取られなかったなんて、どうでもいいことですよね(最終結果2-0)。 ▽うーん、7歳の頃から一緒にサッカーをプレーした仲のモハメド監督に初めて、指揮官として1本取られたシメオネ監督は、「Este partido es una buena llamada de atencion, primero para mi/エスタ・パルティードー・エス・ウナ・ブエナ・ジャマダ・デ・アテンシオン、プリメーロ・パラ・ミー(この試合はいい注意喚起になる。まず私のね)」と特に怒った様子も見られなかったんですけどね。サウールなども「El paron nos tiene que venir bien para pensar y corregir los errores/エル・パロン・ノス・ティエネ・ケ・ベニール・ビエン・パラ・ペンサル・イ・コレヒル・ロス・エローレス(リーガの停止期間がミスを考えて正すいい機会になる)」と前向きだったんですが、え、本気で言っています? ▽だってえ、金曜にルイス・エンリケ監督が発表したスペイン代表招集リストから漏れ、悔しさをゴールという形で表したアスパスと対照的にこの日も言及に値する働きが見られなかったコケこそ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で特訓に励めますけどね。月曜からラス・ロサス(同)のサッカー協会施設で合宿入りするサウールとジエゴ・コスタ、ロドリゴを始め、アトレティコの選手で今回、各国代表に呼ばれていないのはW杯開始早々、時間稼ぎの交代出場を断り、ダリッチ監督の不況を買ってクロアチア代表を追放されたカリニッチ、体調不調で招集を免除されたオブラク、そして控えGKアダンだけなんですよお。ファンフランとビトロも負傷のリハビリ中となれば、15日のエイバル戦の準備すら、来週木曜以降にならないとできないのはわかりきっているじゃないですか。 ▽そこへ追い打ちをかけたのがマドリーの好調ぶりで、いえ、弟分のレガネスも前半19分にセルヒオ・ラモスのクロスをカルバハルが頭でゴール前に送り、ベイルに強烈なvolea(ボレア/ボレーシュート)で先制されたのにもめげず、5分後にはカセミロにエラソがエリア内で倒されてPKをゲット。キックオフ前にはモドリッチ、ラモスと共にUEFA表彰のトロフィーをファンに披露したケイロル・ナバスをベンチ待機にして、初先発を果たしたGKクルトワの裏をかいたカリージョが同点ゴールを挙げたんですけどね。1-1で始まった後半、早くも3分にアセンシオのクロスから、ベンゼマにヘッドで勝ち越し弾を決められたのが分岐点となることに。 ▽いえ、最初は線審にファールを取られ、ゴールが認められなかったにも関わらず、VAR判定で得点となったせいじゃないですよ。後でペレグリーニ監督も「luego nos vinimos abajo y ellos cogieron confianza/ルエド・ノス・ビモス・アバホ・イ・エジョス・コヒエロン・コンフィアンサ(あの後、ウチは落胆し、相手は自信をつけた)」と言っていたように以降、ボールポゼッションの長い、流れるようなマドリーのプレーが続いたからで、16分にはマルセロからボールをもらったベンゼマがモドリッチとのワンツーを経て、最後は斜めにエリアを横切るシュートで3点目。その5分後、今度はブスティンサが走り込んで来たアセンシオを倒してしまい、ラモスのPKで4点目が入ってはゴール貧者のレガネスに勝ち目はありませんって。 ▽え、これでラモスは今季PKでもう3得点目となると、ロナウドがこれまで挙げてきたゴールのPK分、年間7、8本は補えるんじゃないかって?そうですね、ここはその全てのペナルティを引き起こし、試合後、「La Juve sera una gran familia pero el Madrid tambien/ラ・ユーベ・セラ・ウナ・グラン・ファミリア・ペロ・エル・マドリッド・タンビエン(ユーベは偉大な家族かもしれないけど、マドリーもそうだよ)。クリスチアーノがいない方がよりチームらしいかっていうのはわからない」と若輩ながら、移籍したクラックの当てつけみたいなコメントにしっかり反論したアセンシオも褒めてあげたいんですが、この3試合でベンゼマは4ゴール、ベイルも3ゴールと量産体勢に入った気配がしますからね。 ▽とりわけ、シュートよりロナウドにパスを回すことを優先する義務から解放されたベンゼマなど、代表招集がないため、今季はかなりの数を期待してもいいかと。そうそう、この日は代表監督となって、初めてのリストでマドリー勢を6人招集したルイス・エンリケ監督もパルコ(貴賓席)で観戦していましたが、月曜夕方には公開練習で盛況となりそうなラス・ロサスのグラウンドとは対照的に、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場も今週はかなりスカスカな状態に。いえ、ナバスはコスタリカ代表を免除され、15日のアスレティック戦ではクルトワからスタメンを奪回すべく、調整に励むんですけどね。あとはジョレンテ、オドリオソラ、ルーカス・バスケス、金曜に入団プレゼンがあったマリアーノ、GKカシージャぐらいとなれば、日曜にはロペテギ監督が練習ヘルプ要員の観察にマハダオンダまで、アトレティコBとRMカスティージャのダービーを見学に行ったのも当然だった? ▽いやまあ、これにはフラメンゴに4500万ユーロ(約59億円)の移籍金を払い、ベルナベウで入団プレゼンも行ったものの、まだ18歳ということでRMカスティージャに籍を置いて、出場機会を増やすことにしたビニシウスの成長ぶりを見守るという意味もあったんですけどね。その目の前でゴールを2本も挙げた当人も偉かったんですが、まさか、アトレティコのカンテラーノが交錯プレーの後、相手の頭に噛みついてしまう程のパニックを巻き起こしたという話にはビックリhttp://videos.marca.com/v/0_ng72538x-el-mordisco-que-indigno-a-vinicius-y-acabo-en-tangana-le-dan-un-bocado-en-la-cabeza?uetv_pl=futbol&count=0)。結果が2-2の引き分けだったのはともかく、マリアーノに加え、こんなFWまでいるとなれば、移籍市場最終日にマジョラルがレバンテにレンタルで行ってしまったのも仕方ないかと。 ▽一方、金曜に駆け込みでFWサビン・メリーノ(アスレティックからレンタル)、MFレシオ(マラガから移籍金200万ユーロ/約2億6000万円で買い取り)を補強したレガネスは、キャプテンのブスティンサも「ボクらにとって練習する大事な1週間」と言っていたように16日のビジャレアル戦に向けて、17人にも及ぶ新戦力がチームに融合する貴重な時間ができるんですが、気になるのはそれまで、この2年間、ガリターノ前監督の下では1度もなかった降格圏19位が続くこと。いや、ホームのエスタディオ・バジェカスの改修工事のせいでスタンドが閉鎖され、3節のアスレティック戦が延期になってしまったラージョなど、14日のウエスカ戦まで最下位で過ごすんですけどね。まだ順位表はあまり意味のない時期とはいえ、どちらも9月後半にはもっと居心地のいい位置まで上がってくれるといいのですが。<hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.03 11:00 Mon
twitterfacebook


ACL

欧州移籍情報
hikari

アクセスランキング

@ultrasoccerjp

新着ニュース