【日本代表コラム】指揮官の狙いが的中、世代の“融合”で歴史を塗り替える2017.09.01 09:30 Fri

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▽想像を超えてきたというのが正直な感想だ。勝てば6大会連続のワールドカップ(W杯)出場権を獲得できる一戦。相手は最終予選でこれまで勝ったことがないオーストラリア代表だった。結果は2-0で勝利。歴史を変える勝利を挙げ、見事にホームの大観衆の前で結果を残した。

▽運命を握る大一番、スターティングメンバーとしてピッチに立つメンバーを見たときに関心させられた。中盤の一角にMF井手口陽介(ガンバ大阪)、右ウイングにFW浅野拓磨(シュツットガルト)を起用。メンバー発表会見で語った「その時点でベストだと思える選手を使うのが、私のサッカーの見方」の言葉通り、経験よりも調子の良さ、勝つためのポイントを重視したメンバー構成となった。

▽井手口は6月に行われたアウェイのイラク代表戦で先発出場を果たしており、この試合が最終予選で2度目の先発出場。リオ・デ・ジャネイロ五輪を経験しているとはいえ、大一番で起用するにはリスクを考えることもあったはずだ。しかし、所属のG大阪での調子の良さ、そして攻守にわたって広くプレーできる井手口のポテンシャルを考えた結果の決断と言えるだろう。また、それはオーストラリアの戦い方にも影響したようにも思う。

▽浅野は2016年9月に行われたタイ代表とのW杯最終予選以来の先発出場。FW本田圭佑(パチューカ)やFW久保裕也(ヘント)がいる中で、W杯最終予選ではここ4試合出番なし。しかし、大事な一戦で実に1年ぶりにスターティングメンバーとしてピッチに立った。

◆オーストラリア対策を考えての起用
▽井手口、浅野の先発起用に関しては、両選手のパフォーマンスだけでなく、オーストラリアの戦い方も影響したように思う。「フィジカルの強さ、空中戦の強さ」がイメージとして先行しがちなオーストラリアだが、現在はシステムを3バックに変更。さらに、パスをつなぐ地上戦での戦いを試している状況だ。

▽コンフェデレーションズカップでは、ドイツ代表やチリ代表を相手にもゲームコントロールを重視した戦いをみせ、自分たちで試合を作る方向にシフトしていたが、オーストラリアにとっても大一番である日本戦でもその姿勢は崩さなかった。

▽この戦い方を考えれば、中盤でのボール奪取能力が高く、攻撃面でも大きく貢献できる井手口の起用は納得だ。MF長谷部誠(フランクフルト)、MF山口蛍(セレッソ大阪)と守備に重きを置ける2人と中盤を構成することで、井手口の特徴でもある攻撃面が出せる状況に。攻守にわたってキーマンになれる可能性が高かった。また、浅野に関しても同様だ。3バックの脇、ウイングバックの裏を突くという点では、抜群のスピードを誇る浅野の起用は納得。日本はウィークポイントを、チームとして、そして個人としてストロングポイントで上回ろうと考えたのだろう。その采配は見事に的中した。

◆普段通りの力を出した井手口陽介
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▽まずは、この試合のMVPとも言える活躍を見せた井手口だ。G大阪でも見せる、攻守に絡むプレーをこの試合でも発揮。前半から精力的に動き回ると、地上戦を挑んできたオーストラリアのパスを何度もカット。ショートカウンターの形を何度も作り出していた。そして、守備だけでなく攻撃力も発揮。ゴール、ボールに絡みに行く姿勢は、Jリーグで見せるものと同じだった。

▽日本代表として3試合目の出場。2度目の先発と確かに経験値は低いと言えるかもしれないが、物怖じしない性格と、G大阪やU-23日本代表として戦ってきた経験が大一番で発揮された。そして、日本としてこれまで足りなかった追加点を奪う活躍。そのほかにも随所に良さを見せ、代表初ゴールのオマケ付きで日本をW杯に導いた。

◆特徴を発揮した浅野拓磨
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▽先制ゴールを記録した浅野も、久々に自身の特徴を生かせたと言っていいだろう。3バックの脇、ウイングバックの裏でボールを受ける回数が多く、ボールが回ってくれば積極的に仕掛ける姿勢も多く見られた。自身に課せられたタスクをしっかりとこなす中で、特徴でもあるスピードを発揮。オーストラリアの最終ラインにとって脅威となり続けた。

▽得点シーンも浅野らしさが発揮された。左サイドからDF長友佑都(インテル)が上げたクロスに対し、抜群のタイミングでの飛び出し。サンフレッチェ広島で共にプレーしてきたFW佐藤寿人を彷彿とさせ、自身も得意とする形でのゴール。らしさを見せることで、しっかりと結果を残すことに成功した。

◆忘れてはいけない経験者の支え
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▽ゴールを奪った2人の若手にフォーカスが集まっているが、その裏にある経験者のパフォーマンスの高さについても触れないわけにはいけない。GK川島永嗣(メス)はピンチこそ少なかったものの、冷静な判断と安定したセービングでクリーンシートを達成。長谷部は前半こそ浮き足立ったプレーが散見され、バックパスをカットされたりボールロストする場面が見られたが、後半は安定感を取り戻した。

▽1アシストを記録した長友も、オーストラリアのカギを握ると見られたマシュー・レッキーを封じた。DF酒井宏樹(マルセイユ)もクラブでのパフォーマスの良さを継続。守備面での貢献は特に高く、相手の決定機でもしっかりと体を寄せて無失点に貢献した。

▽FW大迫勇也(ケルン)は前線で体を張り、FW乾貴士(エイバル)は緩急をつけた攻撃、粘り強い守備で貢献。途中出場のFW原口元気(ヘルタ・ベルリン)も、ディエルで強さを見せて井手口のゴールに繋げた。攻守にわたり、ピッチに送り出された“サムライ”たちが、しっかりと自分のタスクをこなし、歴史を変える結果を掴んだ。

◆ここからは強化スタートも…
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▽無事に6大会連続6度目のW杯出場を決めたことで、この先はチームの強化、ベースアップに力を入れることができる。オーストラリア戦では、これまで代表を牽引してきたMF香川真司(ドルトムント)、本田をベンチに置いての勝利。“世代交代”ではなく、“融合”に向けての一歩を踏み出すことができたと言える。

▽しかし、試合後に予期せぬ知らせが。ハリルホジッチ監督が「実は私はプライベートの方で大きな問題を抱えている。この試合前に帰ろうかと思うほどの大きな問題だった」と明かした。詳細は明かされていないが、大きな決断を下さなければいけない事態であることは間違いない。サウジアラビア戦では指揮を執る予定だが、10月のキリンチャレンジカップ2017やその先については不透明な状況だ。

▽最終予選を戦いながらも新戦力をチームに取り込み、国内、海外とプレーする場に関係なく選手たちをチェックしているハリルホジッチ監督。オーストラリア相手に最終予選で初勝利を収めただけでなく、最終予選の初戦で敗れたらW杯に出られないという負のジンクスさえも塗り替えることができた。日本代表がW杯で残しているベスト16という過去の結果を塗り替えるためには、勝利にこだわりながらもチームを育めるハリルホジッチ監督の力が必要となる。

▽去就に関しては協会や指揮官の決断を待つことしかできないが、ここまで日本代表が見せた変化を考えれば、ハリルホジッチ監督が率いるチームをW杯で観たいというのが率直な気持ちだ。このチームがこの先どのような変化を遂げていくのか。そして、その先の本大会で日本がどのような結果を出すのか。残り9カ月を見守っていきたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》

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【日本代表コラム】順調な船出、過酷なサバイバルレースが始まる

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【特集】東京五輪経由カタール行きへ…編集部厳選のアジア競技大会注目選手!

▽10日から、第18回アジア競技大会の男子サッカーが開幕。日本代表は14日の21時に初戦を迎える。 ▽U-23の世代別代表で参加が可能な今大会だが、日本は森保一監督が率いる東京オリンピック代表に当たる、U-21日本代表で参加。まずは、2年後に迫った東京オリンピックに向けた強化の一貫として位置づけているようだ。 ▽「1試合でも多く経験したい」とメンバー発表会見で森保監督は語ったが、既にメンバー選考はスタート。今大会は、Jリーグの関係や欧州リーグの開幕時期も重なり、現状招集できるベストメンバーを呼んだと明かしている。 ▽4年後のカタール・ワールドカップを目指す日本代表指揮官も兼任する森保監督だけに、今大会での活躍がA代表への近道にもなるはずだ。そこで、今大会に招集されたメンバーから注目すべき選手をピックアップしたい。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180814_13_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>◆DF立田悠悟(20) 所属:清水エスパルス<hr>▽清水の下部組織出身の立田は、190cm近い長身が武器。本職はセンターバックでありながら、プロ2年目の今シーズンは右サイドバックとして開幕戦で先発出場。すると、第2節のヴィッセル神戸戦では初ゴールを記録。さらに、第9節まで先発出場。その後試合に絡まない時期があったが、第16節からは再びスタメンの座を勝ち取っている。 ▽線の細かった立田だが、ウェイト強化にも力を入れ、ヤン・ヨンソン監督(清水)の下ではサイドバックとしてのプレーも習得。サイドバックとしての伸び代はまだまだあるものの、今後センターバックに戻った時には何段階もレベルアップしたプレーが見られるはずだ。高さに加え、ビルドアップ能力もつけており、3バック、4バック、サイドバック、センターバックと最終ラインのキーマンになり得る存在の立田に注目だ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180814_13_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)J.LEAGUE PHOTOS<hr></div>◆DF杉岡大暉(19) 所属:湘南ベルマーレ<hr>▽FC東京の下部組織で育ち、市立船橋高校ではインターハイで全国制覇を成し遂げた杉岡。2017年に湘南に入団すると、1年目の開幕戦でいきなり先発デビュー。第2節で初ゴールを記録し、明治安田生命J2リーグで37試合に出場し3得点を記録。チームのJ2優勝、J1昇格に大きく貢献した。 ▽今シーズンはJ1で経験を積み、ここまでの全20試合(先発19試合)に出場。左ウイングバック、3バックの左と、守備だけでなく攻撃面でも成長を見せ、2年目の今シーズンも大きく成長を見せている。 ▽2017年に行われたU-20ワールドカップにも出場し、全4試合を経験。元センターバックであることから、対人守備の強さを発揮し、攻撃参加も湘南で成長した走力を活かして左サイドを活性化させた。日本代表としても選手層が薄い左サイドバックだけに、杉岡の飛躍が期待される。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180814_13_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>◆MF神谷優太(21) 所属:愛媛FC<hr>▽東京ヴェルディの下部組織出身ながら、ユース昇格後に青森山田高校に編入。2016年に湘南ベルマーレに入団した。1年目からデビューを果たすと、明治安田生命J1リーグで14試合に出場。YBCルヴァンカップにも4試合出場するなど経験を積んだ。しかし、2017年はケガの影響でJ2の出場が7試合に。U-20ワールドカップのメンバーからも漏れていた。 ▽今シーズンは、J2の愛媛FCへとレンタル移籍を決断。自身の成長のために武者修行に出ると、背番号「10」を背負い、ここまで20試合に出場。チーム最多の5得点を記録し、苦しむチームをけん引している。 ▽キック精度、高い技術、そしてハードワークできる走力。さらには、負けん気の強さと高い目標に向かって進める精神力を持ち合わせている。将来的に日本の中盤を支える可能性も持つ神谷。まずは、U-21日本代表としてアジアの地で武者修行の成果を見せてもらいたい。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180814_13_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>◆MF三笘薫(21) 所属:筑波大学(川崎フロンターレ内定)<hr>▽川崎フロンターレの下部組織出身。U-18まで所属すると、トップチームに昇格せずに筑波大学への進学を選んだ。2017年の関東大学サッカーリーグで優勝に貢献。さらに、2年生ながら天皇杯に出場し、ベガルタ仙台戦で2ゴールの活躍を見せる。 ▽ユニバーシアード代表のほか、U-20日本代表にも選出。U-21日本代表としては、トゥーロン国際大会にも出場し、ゴールも記録。2年連続で川崎Fの特別指定選手となり、2020シーズンからの加入内定も発表された。 ▽特徴はドリブル能力の高さ。ボールスキルが高く、テクニカルなドリブルで相手をかわしていくプレーが特徴。レフティーでもあり、対峙したDFにとってはやりづらいはずだ。そして、前線への飛び出しからゴールを奪う力もあり、アタッカーとして今大会でも違いを作れるかに期待だ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180814_13_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>◆MF渡辺皓太(19) 所属:東京ヴェルディ<hr>▽東京ヴェルディの下部組織出身で、2016年に2種登録でJ2デビュー。2017年からトップチームに昇格した。166cmと上背はないものの、豊富な運動量とポジショニングの良さ、判断の良さに秀でている中盤の選手だ。 ▽守備力が特徴の選手だが、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の下で大きく成長。攻撃面でも違いを生み出せることができ、攻守にわたってチームを支えることが可能な選手だ。元々はトップ下の選手であっただけに、ボランチ、シャドーのどちらでもプレー可能。現在はインサイドハーフとしてプレーしており、さらに戦術面の向上も見られる。 ▽中盤の全ての役割を担うことが可能な渡辺。ピッチを駆け回る渡辺の特徴を生かせれば、チームとしては大きな力となることは間違いない。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180814_13_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)J.LEAGUE PHOTOS<hr></div>◆FW前田大然(20) 所属:松本山雅FC<hr>▽2017シーズンに期限付き移籍した水戸ホーリーホックで大ブレイクを果たした前田。爆発的なスピードを武器に、明治安田生命J2リーグで36試合に出場し13得点を記録した。 ▽今シーズンからは古巣の松本山雅FCに復帰。ここまでリーグ戦24試合に出場し6得点を記録し、J2首位を走るチームをけん引している。 ▽前述の通り、前田の最大の特長は爆発的なスプリント力だ。一瞬で相手選手を剥がすスピードは圧巻で、加速力はJリーグ屈指。さらに、シュート能力も持ち合わせており、ただ早い選手という訳ではない。代表経験が少ない前田だけに、今大会で結果を残し、まずは東京オリンピックを目指したい。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180814_13_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>◆FW旗手怜央(20) 所属:順天堂大学(川崎フロンターレ加入内定)<hr>▽3年生ながら現在の大学サッカー界をけん引するストライカー。MF三笘薫(筑波大学)とともに、2020年からの川崎フロンターレ加入が内定している。静岡学園高校出身の選手であり、テクニックもあるストライカー。さらに、身体の強さもあり、前線では様々なプレーを見せる。 ▽今年1月のAFC U-23選手権にも出場。Jリーグでプレーする選手たちの中にあって、その存在感を示し、今大会のメンバーにも選ばれた。上背はないものの、体幹の強さを武器とし、さらにはスピードもある。その上、足元の技術に優れ、トラップの技術が高く、相手DFの逆を取り、シュートチャンスを作る動きが特徴的だ。 ▽今大会に招集されたFWは前田大然(松本山雅FC)と上田綺世(法政大学)を含めた3名。自身が出場しなかったトゥーロン国際大会では上田がスーパーサブとして結果を残す活躍。今大会でチャンスを掴み、結果を残したいところだ。 2018.08.14 15:30 Tue
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【日本代表コラム】個を活かした戦いで世界を驚かせるも、超えられなかった高い壁

▽CKのチャンスからGKがキャッチ、丁寧なスロー、ドリブルで中央を持ち上がり、右サイドへ展開。走り込んだ選手がダイレクトで折り返すと、中央でスルーされ、フリーで走り込んで蹴り込まれる──。一連の流れは、多くの日本人にとって鮮明に記憶に残るのだろう。これまでも劇的なシーンは何度も目にしてきたが、これほどまでに悔しい思いをした場面はそうないだろう。 ▽下馬評を大きく覆し、初戦のコロンビア代表戦に勝利した日本代表。2戦目のセネガル代表戦で引き分けると、3戦目のポーランド代表戦はリードを許しながらも、最後の10分間は自陣でボールを回し時間を消費──賛否両論ある中で、3度目のベスト16進出を果たした。 ▽期待を寄せられていなかった日本代表が、想像を超える結果を残し、世界屈指の攻撃力を持つベルギー代表に挑んだラウンド16。思い描いていたよりも、日本代表は冷静に試合に入り、ベルギーを上回るほどの落ち着いたプレーを続けていた。 <span style="font-weight:700;">◆ポーランド戦を力に変えて</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180703_49_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽賛否両論があったポーランド戦の戦い方。先発を6名変更し、最後はビハインドながら時計の針をただただ進めるパス回しを行った。結果として、ラウンド16に進めたことで、この判断は正しかったと結論付けられがちだが、本来の意味ではこのラウンド16のベルギー戦でどの様な試合を見せるかが重要だった。 ▽初戦、2戦目と同じ11名をピッチに送り出した西野朗監督。立ち上がりは前線からボールホルダーにプレスをかけ、流動的に動き、ペースを掴んでいった。今大会既に4ゴールを記録していたFWロメル・ルカク(マンチェスター・ユナイテッド)には、鹿島アントラーズでプレーするDF昌子源がマークに。一瞬のスピードで振り切られるシーンもあったが、ルカクのプレーに徐々にアジャストしていった昌子は、試合を通して決定的なピンチを作ることはなかった。 ▽センターバックでコンビを組んだDF吉田麻也(サウサンプトン)も同様だ。プレミアリーグでも対峙しているルカク、MFエデン・アザール(チェルシー)を冷静に対処。粘り強い守備を見せ、決定機も身体を張って凌いだ。 ▽前線も同様だ。トップに入ったFW大迫勇也(ブレーメン)は、持ち前のポストプレーと献身的な守備、ポジションを移動して起点となるシーンが多かった。DFヴァンサン・コンパニ(マンチェスター・シティ)を相手にも、自身の持ち味を出していた。MF乾貴士(ベティス)は、左サイドでDF長友佑都(ガラタサライ)とともに攻勢をかけ、MF香川真司(ドルトムント)はバイタルエリアに陣取りつつ、左サイドの攻勢に絡んだ。 ▽中盤でタクトを振るMF柴崎岳(ヘタフェ)は、攻守にわたってこの試合でも冴え渡り、縦へのパス、読みからのパスカットなど、日本の中盤を支えた。MF長谷部誠(フランクフルト)はバランスを見たプレーをし、MF原口元気(ハノーファー)は右サイドで持ち前の運動量と上下動で守備に貢献。DF酒井宏樹(マルセイユ)はMFヤニク・フェレイラ=カラスコ(大連一方)との一対一に対応した。 <span style="font-weight:700;">◆個人の特長を最大限に活かすサッカー</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180703_49_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽これまでに見たことのないような落ち着いたプレーを見せていた日本。その大きな理由は、個人個人の特長を生かし、連携し合ったプレーを見せていたからだろう。距離感、立ち位置、ボールを運ぶ流れ。遅攻に移った際の切り替え、攻守の切り替えと冴えを見せた。 ▽いつになく、各選手が自身の役割を理解し、チームメイトもその役割を理解し、本来の意味でのチームになっていたようにも感じた。 ▽その動きは、後半に入って大きく変化する。立ち上がり、ベルギーに攻め込まれる中、自陣で乾がこぼれ球をトラップ。反転して相手と入れ替わると、近くの柴崎へとパスを出した。その瞬間、右サイドで大人しくしていた原口が猛然と奪取。それを見逃さない柴崎が絶妙なスルーパスを出すと、ヴェルトンゲンの足をかすめてスペースへ。原口はしっかりとボールを受けると、ボックス内でシュート。日本が先制に成功した。 ▽このゴールには、乾、柴崎、そして原口の特長が詰まっている。まずは、試合を通して狂いのないボールタッチを見せた乾のトラップ。そして、相手DFをいなすターン。柴崎は、原口のスピードに合わせた絶妙な強さで、ギリギリのラインにパスを通した。そして原口。長い距離のスプリントは原口の特長であり、アジア予選のチーム得点王である所以を見せつけた。このゴールで、日本は大きく優位に立った。 <span style="font-weight:700;">◆微妙にズレた采配</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180703_49_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽その後、ベルギーの猛攻を凌ぐと、乾のスーパーゴールで日本がベルギーを突き放す。さすがのシュートに、ロベルト・マルティネス監督も唖然。日本の底力を目の当たりにしたが、これがベルギーの選手たちに火をつけた。 ▽ベルギーは、前半から長友とDFトーマス・ムニエ(パリ・サンジェルマン)の高さのミスマッチを利用。何度となく、左サイドから崩し、ファーサイドを使っていた。そして、その狙いが顕著になる選手交代を行う。MFマルアン・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)を投入。前線のルカクとともに並べることにした。 ▽フェライニは昌子と長友の間に陣取り、ルカクは昌子とのマッチアップをチョイス。時間の経過とともに、アザールとMFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)が連動して日本の右サイドを侵略。吉田と酒井宏が対応に当たることとなった。 ▽日本のウィークポイントを突いてきたベルギーは、徐々にペースを握ると、高さを生かして2点ビハインドを跳ね返す。日本はミスマッチが起こっていながら、手を打たず。ウィークポイントの穴埋めにカードを切らない西野監督らしさを見せたが、個人的には対人守備に強いDF植田直通(鹿島アントラーズ)を入れるもの有りだったのではないかと思っている。 ▽そして、2点差を追いつかれて投入されたのは、MF山口蛍(セレッソ大阪)とMF本田圭佑(パチューカ)だ。本田は右サイドの原口に代わり、タメを作って攻撃のバリエーションを増やした。香川とのコンビネーションからシュートチャンスや、FKからブレ球で直接狙うなど積極的な姿勢を見せた。 ▽一方の山口は、攻守のカギを握っていた柴崎と交代。しかし、残り10分程度の難しい時間帯に入ったこともあり、試合に入れていなかった。西野監督は今大会、采配で局面を動かしてきていた。初戦、2戦目と途中投入した本田が得点に絡み、勝ち点を獲得。3戦目は、長谷部を入れて場を整えた。 ▽しかし、ベルギー戦は後手に回りすぎ、良いペースを手放す格好となってしまった。もちろん、ベルギーとの実力差も大いにあり、個々の能力差もあった上だが、2-0のリードを活かす方法論はあったはずだろう。 <span style="font-weight:700;">◆ベスト8の壁を超えるため</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180703_49_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽ベルギー相手に、世界が驚くほどの好ゲームを見せた日本。その点に関しては、自信を持って良い部分もあり、世界と戦える力を付けることが可能であることも証明した。 ▽一方で、それでも勝てないという現実も突き付けられている。90分が過ぎようとしている時間帯に、あれだけの選手が相手ゴールへと駆け上がり、最後は勝ち点3を持っていく。世界屈指の攻撃力を誇るベルギーを相手に、そんなサッカーを身を持って体験したからこそ、未来の日本のために繋げられるはずだ。 ▽直前の監督交代に始まり、ベスト16進出、手がかかったベスト8を逃す結末…大いに検証し、分析し、次に繋がる課題を見つけてもらいたい。 ▽次の戦いは4年後。何人の選手が再びワールドカップに出場するかは分からない。もしかしたら、出場権を獲得できないかもしれない。それでも、日本サッカーは終わらない。世界を驚かせたルーザーは、ウィナーになるべくして次のステップに進んでもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.07.03 19:30 Tue
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【日本代表コラム】現時点では「結果オーライ」、西野監督はどう挽回するのか

▽28日、ロシア・ワールドカップのグループステージ全日程が終了した。日本代表は、ポーランド代表と対戦し、0-1で敗戦。しかし、同グループのもう1つのカードであるセネガル代表vsコロンビア代表が0-1で終了。この結果、グループ2位で決勝トーナメント進出が決まった。 <span style="font-weight:700;">◆喜ぶべきベスト16進出</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180629_49_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽大会前の評価を考えると、ラウンド16に日本が進出する可能性は限りなく低く見積もられ、1弱3強との見方をされていたことも少なくなかった。 ▽開幕2カ月前に監督を交代し、西野朗監督が率いてからは国際親善試合で連敗。本番前ラストマッチのパラグアイ代表戦こそ勝利したものの、ポジティブな要素を感じられないまま本大会に突入したため、期待感は薄く、日本国内での盛り上がりにも欠けていた。 ▽しかし、フタを開ければ初戦のコロンビア代表戦で勝利。続くセネガル代表戦を引き分け、自力で決勝トーナメント進出を掴めるポジションとなった。 ▽当初の評価、期待値からすれば、日本代表がグループステージを突破し、過去最高に並ぶベスト16に進出したことは素直に評価すべきことだ。しかし、そこにケチを付けかねない残念な事態が起こったのも事実だ。 <span style="font-weight:700;">◆ポーランド戦で起こった魔の10分間</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180629_49_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽日本は自力で突破が決められる状況で迎えたグループ最終節。相手は既に敗退が決定していたポーランドだ。実力差を見れば、ポーランドが優勢なのは明らか。ここまでの2試合の結果など関係なく、1試合にこだわれば日本は躓く可能性が高かった。 ▽そんな試合だが、2試合続けて同じ11人をピッチに送り出していた西野朗監督は6名と過半数を変更。システムも、[4-2-3-1]から[4-4-2]へと変更し、大事な一戦に臨んだ。 ▽不安だった大会前から一転、日本の力強さを2試合で感じていた人が多かっただけに、この6名変更は大きな疑問符が付くこととなった。そして、その影響は試合にも表れてしまう。 ▽前半は、連携ミスなどもありながら、ポーランドゴールに迫るシーンが見られた。しかし、ちょっとした感覚や、タイミングのズレが影響し、相手守護神をヒヤリとさせるシーンはなかった。さらに、6名変更の影響は続く。 ▽0-0で前半を終えた日本だったが、FW岡崎慎司が早々に倒れ込み、FW大迫勇也と交代した。前半から怪しい雰囲気を出していた岡崎だったが、後半開始直後に交代。カードを1枚切らざるを得なくなった。負傷に関しては懸念材料を抱えていた岡崎だけに、勿体無いカードを切ることは残念だった。 ▽そして、その後にポーランドが先制。セネガルvsコロンビアがゴールレスドローで推移していたため、日本は敗退が濃厚に。攻勢をかけるべく試合に入ろうとし、MF宇佐美貴史に代えてMF乾貴士を投入。しかし、流れが変わることなく、ポーランドが勢いづく展開となった。 ▽すると、西野監督が大胆な采配をふるう。FW武藤嘉紀に代えて、MF長谷部誠を投入。すると、1点ビハインドの日本が自陣最終ラインでパス交換。一向に攻める様子を見せず、ポーランドもボールを奪いに来ることなく終了。1-0で敗戦となった。 ▽日本がポーランドに負けた場合は、他会場の結果に全てが委ねられることに。しかし、その状況でも、西野監督は「失点をしないこと」「カードをもらわないこと」をプランとして長谷部に伝えていたと、試合後に明かした。 <span style="font-weight:700;">◆ハイリスク・ハイリターンの賭け</span> ▽西野監督は、「万が一が起こらないこと」を主軸に考え、1点ビハインドながら長谷部を起用した。日本とセネガルは条件が同じであり、順位決定は今大会から導入された「フェアプレーポイント」というものだった。 ▽「フェアプレーポイント」とは、警告や退場によって与えられる反則ポイント。日本はセネガルよりもイエローカードで2枚分下回っており、セネガルより優位に立っていたのだ。 ▽しかし、0-1となったセネガルvsコロンビアが1-1となれば、「フェアプレーポイント」は関係なくなる。そんな状況の中、西野監督は試合のラスト10分間は自陣でただボールを回すだけで、時計を進めることを決断。全てをコロンビアに懸けたのだ。 <span style="font-weight:700;">◆究極のリアリストとも言えるギャンブラー</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180629_49_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽対峙している相手ではなく、全く関係ないところの試合に命運を託した西野監督。結果として、日本は2大会ぶりのベスト16進出を掴み、事なきを得た。スタンドからは大ブーイングが鳴り響き、日本人意外で日本代表を応援していた人々にもそっぽを向かれてしまった。 ▽セネガルがコロンビアを相手に10分強で1点を取る確率が高いのか、日本がポーランド相手に引き分けを目指し、逆襲されて2点差を付けられてしまう確率が高いのか。同点を目指しながらも上手く流れが変わらないことに勘付いた西野監督は、コロンビアに命運を託すことが最善と判断したのだろう。交代時に何かを変えた様子も伺えた。 ▽何が起こるか分からない中、自分たちでコントロールすることも放棄した。しかし、結果としてはベスト16に進出。見るものとしては、どこか腑に落ちず、不満が残り、フラストレーションが溜まったはずだ。そして、チームとしてもこれまでの流れを全て断ち切ることとなってしまったかもしれない。それでも、自身が閃いた確率の高い方へ賭ける勝負師の一面を西野監督は見せた。 <span style="font-weight:700;">◆「結果オーライ」をどう挽回するか</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180629_49_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽目標であったグループステージ突破を果たしたことに対し、文句を言う必要はない。どんな形であれ、勝負の世界であれば結果が全て。上を目指すためには必要な決断だった。そして、日本は目的を達成した。 ▽しかし、そうであっても、今回の事象は全て「結果論」。結果が重要であり、最優先されることではあるが、結果が違えば、日本代表、そして西野監督の立場がどうなっていたかは容易に想像できる。 ▽開幕2カ月前の電撃的な監督交代、結果を残せなかった国際親善試合、若手を外したメンバー発表──日本国民にとって、マイナス要素ばかりに目が行く流れの中、初戦でコロンビア相手に大金星。一気に日本代表への後押しが強まると、セネガル相手に引き分け、全てが前向きになった。しかし、今回の一件で意見は大きく分かれ、いつになく日本代表が話題の中心となっている。そして、積み上げてきた信頼を全て失ったとも言っても過言ではないかもしれない。 ▽しかし、選手が口を揃えて言うように、目標はベスト16ではなく、最低でもベスト8。過去最高の成績を残し、歴史を塗り替えることだった。そういった意味では、2試合を主力としてた戦った選手を大幅に休ませられたこと、そして他力に頼るという大胆な選択をしながらも、賭けに勝ったことをプラスに捉えられる。そして次に待つのは、ベルギー代表とのラウンド16でどの様なサッカーを見せるかだ。 ▽現時点での印象は、「結果オーライ」。これでは、未来へと繋がるものは残せていない。しかし、その印象を塗り替え、未来に繋げるためには、ベルギー相手にしっかりと戦い、自分たちの力で歴史を塗り替えることが最も重要だ。 ▽リアリストであり、ギャンブラーでもある西野監督が持つ引きの強さを、ベルギー戦でも期待しない訳にはいかない。実力はもちろんのこと、運を味方にするという意味では、日本は一段階上に上がったのだろう。あとは、休んだ主力選手も含め、ベルギー戦のピッチの上で見るものを沸き立たせてくれることを願うだけだ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.06.29 22:45 Fri
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【日本代表コラム】自信を覗かせるチーム力で勝ち点を積み上げた日本

▽初戦でコロンビア代表相手に予想を超える勝利を挙げた日本代表。勢いそのままにセネガル代表相手に勝利を目指したが、2-2の引き分けに終わった。 ▽2度のリードを許しながらも、しっかりと追いつき勝ち点1を獲得した日本。これまで見せてきた勝負弱さはそこにはなく、強者の風格すら感じさせる戦いぶりを見せていた。 <span style="font-weight:700;">◆落ち着いた試合の入り</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_36_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽コロンビア戦での勝利の影響か、日本は落ち着いて試合をスタートさせた。セネガルは、初戦のポーランド戦に比べて積極的に前からプレスを掛け、ボールを奪いにいくサッカーを展開。しかし、日本はその迫力に押し込まれることなく、ボールを回して行った。 ▽セネガルの出鼻を挫きたい日本だったが、ミスから先制を許す。11分、右サイドからのクロスを原口元気がクリア。しかし、これが相手の足元に収まると、ボックス内右からシュート。サバリのシュートはGK川島永嗣の正面に飛び、問題ないかと思われたが、川島がパンチングをミス。目の前にいたサディオ・マネの足に当たり、ボールはネットを揺らした。 ▽西野朗監督が率いてからというもの、川島の精彩を欠いたプレーは全ての試合で起こっている。しっかりとセネガルの攻撃を跳ね返していた矢先の失点だけに、メンタル面でのダメージが心配されたが、日本は落ち着いて対応した。 <span style="font-weight:700;">◆冷静な判断を見せた柴崎</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_36_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽セネガルの1点リードで迎えた34分、日本は一本のパスから決定機を迎える。長谷部誠が最終ラインに入り、3バックの形を作った日本。中盤で柴崎岳がボールを持つと、狙いすましたロングフィード。これを長友佑都がトラップすると、ボックス内で乾貴士とスイッチ。乾は、コースを狙い済ましてネットを揺らした。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_36_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>▽コロンビア戦では、乾は同様の形で2度シュートを外しており、悔しい思いをしていた。シュートを打った角度はこのゴールもほぼ同じ。3度目の正直といったところか、日本の貴重な同点ゴールを生んだ。 ▽乾の落ち着いたシュートも去ることながら、起点となった柴崎にも注目だ。自陣から、走り込んだ長友を狙ったロングフィード。正確無比なパスが通った柴崎は、この試合を通じて攻守に渡り圧巻のパフォーマンスを見せた。当然、これをチャンスにつなげた長友も素晴らしい。チームとして奪えた1点は、日本の成長ぶりを示した。 <span style="font-weight:700;">◆ペースを乱されない守備陣</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_36_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽また、守備陣もユニットでしっかりと守ることに成功。マネをはじめ、FWエンバイェ・ニアン、MFイスマイラ・サール、MFパパ・アリウヌ・エンディアイエとセネガルの攻撃陣を押さえ込んだ。 ▽特に、酒井宏樹は一対一で負けることはほとんどなく、ロングボールは吉田麻也がクリア。昌子源も対人の強さを見せながら、後半には自ら持ち出す攻撃参加まで見せた。チームとして、セネガルの攻撃陣を押さえ込めたことは大きいだろう。2失点を喫した部分は反省が必要だが、精度は上がっていると言える。 ▽失点シーンに関しては、日本の右サイドが突破されたもの。それ以前の攻撃でもクロスボールがファーサイドに流れた際、対応ができていなかった。最終的には、右サイドバックのDFムサ・ワゲに詰められてゴールを許したが、同じ形を何度か作られていただけに、しっかりと修正してもらいたい。 <span style="font-weight:700;">◆選手起用によるメッセージ</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_36_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽追加点を奪われた直後、西野朗監督は交代の準備をしていたFW岡崎慎司ではなく、MF本田圭佑を投入。その後、岡崎も投入すると、同点ゴールが生まれた。この試合、残りの1枚はFW宇佐美貴史を起用した西野監督。メッセージとしては、勝ち点3を目指すということが選手に伝わったはずだ。引き分け狙いではなく、勝ちに行くという姿勢を見せたことは、最終戦のポーランド戦に向けても大きいだろう。 ▽同点ゴールのシーンは、個々の特徴が全面に出たゴールだった。ボックス手前中央でパスを受けた大迫勇也は、自身のストロングポイントであるボールコントロールで収め、持ち出すことに成功。ボックス手前からの大迫のクロスに対しては、岡崎が身体を投げ出して飛び込むと、GKがパンチングをミスし、ボールが流れた。このボールに反応した乾は、ラインギリギリからダイレクトで折り返し、このボールに倒れていた岡崎はそのまま身体を投げ出した。結果的に、GKをブロックする様な形となり、最後は良いポジションをとっていた本田が蹴り込んだ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_36_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>▽途中出場の本田、岡崎が絡み、最終的には本田が3大会連続のゴールを記録。2試合続けて本田が決勝点に絡んだところを見ても、チームとしての流れが良い方向に向いているのがわかる。そして、各選手が自身の特長をしっかりと出すことで、チームに勝ち点をもたらせたことは大きい。 <span style="font-weight:700;">◆ノルマとなったベスト16</span> ▽大会前の期待値からは大きくかけ離れ、1勝1分けで2試合を終えた日本。この状況を踏まえれば、勝手な話ではあるがグループステージ敗退は許されない状況だ。国民の期待も大いに高まっており、ここまでの流れを不意にしてもらいたくはない。 ▽大方の予想が敗戦だったコロンビア戦で勝ち点3、厳しいと見られたセネガル戦も2度追いついての勝ち点1。自らチャンスを手繰り寄せているだけに、ポーランド戦で結果を残し、3度目のベスト16に進出するかどうかが、この先の日本サッカーの命運を左右すると言っても過言ではない。 ▽チーム力、団結力で結果を残せた2試合。勝負弱さを払拭するには、3戦目のポーランド戦の結果が最重要だ。奇しくもポーランドは既に敗退が決定。失うものは何もなく、開き直って本来のパフォーマンスを見せる可能性は高い。実力国を相手に、ワールドカップの舞台で結果を残せせるのか。次のラウンドに進めば、ベルギー代表かイングランド代表と対戦する。そのステージに立つため、残り僅かな時間でよりチーム力を高めてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.06.25 22:00 Mon
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