【日本代表プレビュー】歴史を変える1勝を…11人のサムライが挑む大一番
2017.08.31 10:50 Thu
▽日本代表は31日、ロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でオーストラリア代表と対戦する。勝利すれば、6大会連続6度目のW杯出場が決まる大一番。決戦の地は埼玉スタジアム2002だ。
◆アウェイゲームでは優勢に進めるもドロー
▽立ち上がり5分で見事に先制した日本は、オーストラリアの攻勢を凌いで時計の針を進めていた。しかし、その後に訪れたチャンスを生かせないでいると、PKで追いつかれる展開に。アウェイ戦ということも考えれば、まずまずの結果だったと言えるだろう。
◆最終予選で未勝利
▽オーストラリア戦に勝利すれば、6大会連続6度目のW杯出場権を獲得できる日本。しかし、既報通り、オーストラリアを相手にW杯最終予選で勝利したことはない。オーストラリアとはここまで通算24試合を戦い、8勝9分け7敗。直近の5試合では2勝3分けと負けてもいない状況だ。
▽最終予選で勝てていない過去の結果どおり、引き分けで終わってしまえば、最終戦のアウェイ・サウジアラビア代表戦にまでW杯出場の行方が持ち越されることになる。それでもGK川島永嗣が「過去の結果関係なく臨んでいけるかが重要」と語ったとおり、あくまでも過去の話。この試合で歴史を変えて、W杯出場権をしっかりと手にしたいところだ。
▽また、フィジカル重視のロングボールというイメージから一変、パスをつなぎ、地上戦をベースとした戦いに様変わり。当然フィジカルの強さに変わりはないが、従来のオーストラリアをイメージしていては、肩すかしを喰らったような感覚になるかもしれない。能力の高い選手が揃っていることも事実で、隙を見せればやられてしまうだろう。
▽新布陣では、ウイングバックがカギとなり、特に原口とヘルタ・ベルリンで同僚のFWマシュー・レッキーがカギを握るだろう。惜しみない上下動に加え、攻撃のセンス、ドリブルのスキル、そして抜群のスピードを持ち合わせている。右サイドを起点とされると、日本としては後手を踏んでしまう可能性も考えられるだろう。左サイドバックに入るだろうDF長友佑都(インテル)は、対応力が求められる。さらに、日本キラーでもお馴染みのFWティム・ケイヒルも健在。終盤に投入してくる可能性が高い。
▽コンフェデレーションズカップでは、ドイツ代表やチリ代表を相手にも健闘。試運転の状態であったが、強固な守備をベースにした戦い方で応戦し、一定の手応えを得たはずだ。オーストラリアは最終節の相手がタイ代表ということを考えると、日本戦で無理に勝ちに行く必要はないとも言える。勝ち点1を積み上げ、タイにしっかり勝利することを考え出す時間が訪れないとも言えない。その際に堅い守備を構築されてしまっては、日本としては難しい状況になるだろう。早い時間で先行することが求められる。
◆サウジアラビアの結果は関係なし
▽しかし、オーストラリアに引き分け、サウジアラビアに負けた場合は敗退となる可能性が残される。つまり、サウジアラビアを相手にしか通用しない条件のため、当初の予定通り2試合で1勝。オーストラリア相手に引き分け以下に終わった場合には、勝利を目指すことが求められる。追い風ムードが漂っているが、油断は禁物だ。
◆最高の11人を送り出せるか
▽戦い方を変えているとはいえ、オーストラリアの選手のフィジカルの強さ、空中戦の強さは健在だ。日本は相手のウィークポイントをしっかりと突き、ハリルホジッチ監督のプランを遂行できるメンバーが求められるだろう。
★予想フォーメーション[4-3-3]
DF:酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都
MF:柴崎岳、長谷部誠、山口蛍
FW:本田圭佑、岡崎慎司、乾貴士
▽オーストラリアとの大一番では、アンカーとインサイドハーフを起用する[4-3-3]で臨むことになるだろう。GKは好パフォーマンスを維持している川島永嗣(メス/フランス)が入ることは間違いない。百戦錬磨、オーストラリアとも何度も対戦しているベテラン守護神に、大事な試合は任せるはずだ。
▽また、ディフェンスラインもイラク戦と変更はないだろう。右からDF酒井宏樹(マルセイユ)、DF吉田麻也(サウサンプトン)、DF昌子源(鹿島アントラーズ)、そしてDF長友佑都(インテル)だ。2度吉田とコンビを組んでいる昌子は、より安定感を増したプレーを見せてくれるだろう。冷静な判断で、吉田とともにオーストラリア攻撃陣に蓋をできるのかに注目だ。
▽中盤の構成は大きく変わると予想する。まずは、ケガからの復帰を果たし、キャプテンとして精神的支柱でもあったMF長谷部誠(フランクフルト)がアンカーに入るだろう。コンディション不良の場合は、MF井手口陽介(ガンバ大阪)が入るとみる。インサイドハーフには、MF山口蛍(セレッソ大阪)が入るだろう。ボール奪取力を発揮し、アグレッシブな守備でオーストラリアを封じたい。そして、約2年ぶりの日本代表復帰となったMF柴崎岳(ヘタフェ)が入ると予想。今シーズンのパフォーマンスを見ても、MF香川真司(ドルトムント)ではなく、柴崎を起用した方が良いと考える。
▽前線の3人にも変化があると予想する。右はFW本田圭佑(パチューカ)を起用した方が良いだろう。最近の予選ではFW久保裕也(ヘント)を先発で起用していたものの、今シーズンは昨シーズンほどのインパクトを残せていない。一方、本田もコンディションには不安を抱えているが、経験やゲームを読む力は長けている。サイドでの起点、ボールキープという点でも、本田を起用した方が効果的ではないかと考える。左利きであれば、逆サイドへの展開も考えられるだろう。
▽また、左も悩ましいところだ。これまでは原口が不動のポジションとなっていたが、今シーズンはチームとの問題もあり出場機会が激減。一方で、前回招集されるも負傷の影響で出場が叶わなかったFW乾貴士(エイバル)は好調を維持している。オーストラリアの守備が3バックということを考えても、よりサイドのスペースを使える乾を起用するのではないかと予想する。
▽さらに、1トップも悩ましいところ。FW大迫勇也(ケルン)のコンディションも気になるところであり、FW岡崎慎司(レスター・シティ)の好調ぶりも気になる。個人的には、オーストラリアの守備を考えると、スピードがあり裏への飛び出しも得意とする岡崎を推したい。
◆ホームの大声援を受け歴史を変えろ
▽新システムのオーストラリアと初めて対戦する日本。3バックのチームと対戦すること自体がアジアでは珍しく、採用している国は少ない。ウイングバックの上下動に惑わされず、3バックの弱点をしっかりと突くことができるかが勝敗を分けるだろう。3バックの脇、ウイングバックの裏の使い方に失敗しないことが重要だ。
▽泣いても笑ってもあと2試合。死に物狂いで挑んでくるであろうアウェイのサウジアラビア戦ではなく、ホームで多くの日本人サポーターの前で歴史を変える1勝を挙げられるか。運命の大一番、オーストラリア戦は31日(木)の19時35分にキックオフを迎える。
◆アウェイゲームでは優勢に進めるもドロー
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▽現在グループBで日本と勝ち点差1の2位につけるオーストラリア。2016年10月にアウェイで行われた試合は、FW原口元気のゴールで日本が先制するも、後半にその原口がPKを献上。ミル・ジェディナクが沈め、1-1のドローに終わった。◆最終予選で未勝利
▽オーストラリア戦に勝利すれば、6大会連続6度目のW杯出場権を獲得できる日本。しかし、既報通り、オーストラリアを相手にW杯最終予選で勝利したことはない。オーストラリアとはここまで通算24試合を戦い、8勝9分け7敗。直近の5試合では2勝3分けと負けてもいない状況だ。
▽最終予選で勝てていない過去の結果どおり、引き分けで終わってしまえば、最終戦のアウェイ・サウジアラビア代表戦にまでW杯出場の行方が持ち越されることになる。それでもGK川島永嗣が「過去の結果関係なく臨んでいけるかが重要」と語ったとおり、あくまでも過去の話。この試合で歴史を変えて、W杯出場権をしっかりと手にしたいところだ。
◆3バックに生まれ変わったオーストラリア
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▽オーストラリアは、今年6月に行われたコンフェデレーションズカップを前に、[3-4-2-1]の布陣に変更。これまでの4バックをやめ、ウイングバックを配置し、よりアグレッシブでオフェンシブなスタイルに変貌を遂げている。▽また、フィジカル重視のロングボールというイメージから一変、パスをつなぎ、地上戦をベースとした戦いに様変わり。当然フィジカルの強さに変わりはないが、従来のオーストラリアをイメージしていては、肩すかしを喰らったような感覚になるかもしれない。能力の高い選手が揃っていることも事実で、隙を見せればやられてしまうだろう。
▽新布陣では、ウイングバックがカギとなり、特に原口とヘルタ・ベルリンで同僚のFWマシュー・レッキーがカギを握るだろう。惜しみない上下動に加え、攻撃のセンス、ドリブルのスキル、そして抜群のスピードを持ち合わせている。右サイドを起点とされると、日本としては後手を踏んでしまう可能性も考えられるだろう。左サイドバックに入るだろうDF長友佑都(インテル)は、対応力が求められる。さらに、日本キラーでもお馴染みのFWティム・ケイヒルも健在。終盤に投入してくる可能性が高い。
▽コンフェデレーションズカップでは、ドイツ代表やチリ代表を相手にも健闘。試運転の状態であったが、強固な守備をベースにした戦い方で応戦し、一定の手応えを得たはずだ。オーストラリアは最終節の相手がタイ代表ということを考えると、日本戦で無理に勝ちに行く必要はないとも言える。勝ち点1を積み上げ、タイにしっかり勝利することを考え出す時間が訪れないとも言えない。その際に堅い守備を構築されてしまっては、日本としては難しい状況になるだろう。早い時間で先行することが求められる。
◆サウジアラビアの結果は関係なし
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▽先立って行われたUAEvsサウジアラビアでは、サウジアラビアがUAEに2-1と逆転負け。勝ち点を積み上げることなく、最終戦の日本戦を迎えることとなった。日本は2試合のうち1勝すればW杯に出場できる条件だったが、この結果、オーストラリア戦の結果に関わらず、サウジアラビア戦で引き分け以上の結果でW杯出場が決まることとなった。▽しかし、オーストラリアに引き分け、サウジアラビアに負けた場合は敗退となる可能性が残される。つまり、サウジアラビアを相手にしか通用しない条件のため、当初の予定通り2試合で1勝。オーストラリア相手に引き分け以下に終わった場合には、勝利を目指すことが求められる。追い風ムードが漂っているが、油断は禁物だ。
◆最高の11人を送り出せるか
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▽27名を招集していたヴァイッド・ハリルホジッチ監督だが、AFCの発表によるとDF植田直通(鹿島アントラーズ)、DF三浦弦太(ガンバ大阪)、MF小林祐希(ヘーレンフェーン)、FW武藤嘉紀(マインツ)がメンバー外となるようだ。コンディションはもちろんのこと、勝たなくてはいけない試合に臨むに値する11名が必要となる。▽戦い方を変えているとはいえ、オーストラリアの選手のフィジカルの強さ、空中戦の強さは健在だ。日本は相手のウィークポイントをしっかりと突き、ハリルホジッチ監督のプランを遂行できるメンバーが求められるだろう。
★予想フォーメーション[4-3-3]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:川島永嗣DF:酒井宏樹、吉田麻也、昌子源、長友佑都
MF:柴崎岳、長谷部誠、山口蛍
FW:本田圭佑、岡崎慎司、乾貴士
▽オーストラリアとの大一番では、アンカーとインサイドハーフを起用する[4-3-3]で臨むことになるだろう。GKは好パフォーマンスを維持している川島永嗣(メス/フランス)が入ることは間違いない。百戦錬磨、オーストラリアとも何度も対戦しているベテラン守護神に、大事な試合は任せるはずだ。
▽また、ディフェンスラインもイラク戦と変更はないだろう。右からDF酒井宏樹(マルセイユ)、DF吉田麻也(サウサンプトン)、DF昌子源(鹿島アントラーズ)、そしてDF長友佑都(インテル)だ。2度吉田とコンビを組んでいる昌子は、より安定感を増したプレーを見せてくれるだろう。冷静な判断で、吉田とともにオーストラリア攻撃陣に蓋をできるのかに注目だ。
▽中盤の構成は大きく変わると予想する。まずは、ケガからの復帰を果たし、キャプテンとして精神的支柱でもあったMF長谷部誠(フランクフルト)がアンカーに入るだろう。コンディション不良の場合は、MF井手口陽介(ガンバ大阪)が入るとみる。インサイドハーフには、MF山口蛍(セレッソ大阪)が入るだろう。ボール奪取力を発揮し、アグレッシブな守備でオーストラリアを封じたい。そして、約2年ぶりの日本代表復帰となったMF柴崎岳(ヘタフェ)が入ると予想。今シーズンのパフォーマンスを見ても、MF香川真司(ドルトムント)ではなく、柴崎を起用した方が良いと考える。
▽前線の3人にも変化があると予想する。右はFW本田圭佑(パチューカ)を起用した方が良いだろう。最近の予選ではFW久保裕也(ヘント)を先発で起用していたものの、今シーズンは昨シーズンほどのインパクトを残せていない。一方、本田もコンディションには不安を抱えているが、経験やゲームを読む力は長けている。サイドでの起点、ボールキープという点でも、本田を起用した方が効果的ではないかと考える。左利きであれば、逆サイドへの展開も考えられるだろう。
▽また、左も悩ましいところだ。これまでは原口が不動のポジションとなっていたが、今シーズンはチームとの問題もあり出場機会が激減。一方で、前回招集されるも負傷の影響で出場が叶わなかったFW乾貴士(エイバル)は好調を維持している。オーストラリアの守備が3バックということを考えても、よりサイドのスペースを使える乾を起用するのではないかと予想する。
▽さらに、1トップも悩ましいところ。FW大迫勇也(ケルン)のコンディションも気になるところであり、FW岡崎慎司(レスター・シティ)の好調ぶりも気になる。個人的には、オーストラリアの守備を考えると、スピードがあり裏への飛び出しも得意とする岡崎を推したい。
◆ホームの大声援を受け歴史を変えろ
Getty Images
▽長い予選も残り2試合。来月5日には、日本の運命が決定する。前述の通り、サウジアラビアがつまづいているが、その結果はほとんど関係ない。日本としては、ホーム最終戦ともなるオーストラリア戦で勝利し、大観衆の前でW杯行きを決定したいところだ。▽新システムのオーストラリアと初めて対戦する日本。3バックのチームと対戦すること自体がアジアでは珍しく、採用している国は少ない。ウイングバックの上下動に惑わされず、3バックの弱点をしっかりと突くことができるかが勝敗を分けるだろう。3バックの脇、ウイングバックの裏の使い方に失敗しないことが重要だ。
▽泣いても笑ってもあと2試合。死に物狂いで挑んでくるであろうアウェイのサウジアラビア戦ではなく、ホームで多くの日本人サポーターの前で歴史を変える1勝を挙げられるか。運命の大一番、オーストラリア戦は31日(木)の19時35分にキックオフを迎える。
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