【原ゆみこのマドリッド】後ろは振り返っちゃいられない…2017.03.14 13:40 Tue

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▽「ちゃんとカメラは戻ったのね」そんな風に私が驚いていたのは月曜。ベティス戦後のミックスゾーンでセルヒオ・ラモスが喋っている映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、前日の夜は私もサンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンにいたんですけどね。マルセロに続いてモドリッチが登場したため、いつも2人しか選手を出さないレアル・マドリーですし、すでに時計の針も12時過ぎ。TV各局のクルーも撤退していたとなれば、久々にちがう選手の話を聞けたと満足していた私がスタジアムを後にしてしまったとしても無理はなかった?

▽それが驚いたことに、メトロ(地下鉄)の駅に向かう途中もラジオ・マルカ(スポーツ専門放送局)をつけっぱなしにしていたところ、いきなりラモスの囲み会見が始まるんですから、やられた感の半端ないことといったら! うーん、同郷のモドリッチのコメントが取れて、嬉しそうにしていた顔馴染みのクロアチア人記者から、帰りがけに「ラモスは待たないの?」と冗談交じりに訊かれてはいたんですけどね。このところ、マドリーの成績が安定せず、敗戦や引き分けのたびに言い訳会見をしていたキャプテンですし、試合直後のピッチインタビューも受けていたため、「いくら何だって、6試合連続でミックスゾーンに出て来る訳ないじゃないの」と勝手に判断してしまった自分が悪いんですが…いや、その日の試合同様、ラモスのやることは常識で判断しちゃいけないって、本当に勉強になりましたよ。

▽まあ、その辺はまた後からお話しますが、先週末のリーガはマドリッド勢、皆がハッピーになれる結果に。始まりは土曜、サンチェス・ピスファンでセビージャに挑んだ新弟分。相手は今週火曜にクラブ史上初のCL準々決勝進出が懸かった16強対決レスター戦2ndレグ(1stレグは2-1で勝利)が控えているため、気が散っていたんですかね。開始2分にエル・ザールのラストパスから、ガブリエウ・ピレスが器用なバックヒールでゴールを挙げ、レガネスが見事に先制。前半終了までもう少しという42分にはヨベティッチに同点弾を決められてしまったものの、後半何とか持ちこたえて、1-1の引き分けをもぎ取っているんですから、頑張ってくれたじゃないですか。

▽そして夜は先輩格のアトレティコがセビージャ(スペイン南部、アンダルシア地方の首都)からそれ程、遠くないグラナダ(アルハンブラ宮殿で有名な町)でキックオフとなったんですが、CL戦を控えているのは同じとはいえ、こちらはフェルナンド・トーレスやガメイロ、ガビら、欠場者が多かったのが響いたんですかね。前半はカラスコやグリーズマンのゴールがfuera de jugo/フエラ・デ・フエゴ(オフサイド)で取り消されたぐらいで、どちらも得点することなしに終了。このままではスコアレスドローになりかねないと心配したか、シメオネ監督は後半頭からトーマスの代わりにコレアを入れたんですが、あまり代わり映えはしませんでしたねえ。

▽それどころか、グラナダに決定力のあるストライカーがいないため、ゴールにこそなりませんでしたが、シュートをどんどん撃ち始めたため、ガイタンをCBヒメネスに代え、彼にボランチをやらせて敵の攻勢を止めるなんて苦労もしていましたが…。またもや私が諦めかけたころ、ようやく才能を発揮してくれた選手がいたんですよ! 38分、コケが短いCKから繋いで、再びエリア前すぐ右からクロスを上げたところ、ワンクッション置いたせいでマークが外れたのか、グリーズマンがヘッドでネットに収めてくれたから、どんなに助かったの何のって。

▽まあ、シメオネ監督によると、「El cabezazo es por la tecnica mas que por la altura/エル・カベサソ・エス・ポル・ラ・テクニカ・マス・ケ・ポル・ラ・アルトゥーラ(ヘッディングが決まるのは身長より、テクニックのおかげ)」なんだそうですが、決して長身FWとは言えないグリーズマンが邪魔をされずにボールをミートするにはチームメートの協力が不可欠。地道なセットプレーの練習が実ったおかげで、何とか0-1で勝利をゲットと、レガネスのためにもなってあげられましたが、実際、降格圏にいる相手にここまで苦労しているのでは先が思いやられるかも。となると、シメオネ監督が「セビージャを見るのは良くない。Cinco puntos son muchos/シンコ・プントス・ソン・ムーチョス(勝ち点5差というのは大きいからね)。レアル・ソシエダもビジャレアルも強いから、4位の座を確定させるべきだ」と話していたのはもっともだった?

▽いえ、終了直後にマイクを向けられたコケなどは、まだ監督記者会見前だったせいか、「estamos felices por estar mas cerca del objetivo, que es ser terceros/エスタモス・フェリセス・ポル・エスタル・マス・セルカ・デウ・オブヘティーボ、ケ・エス・セル・テルセーロス(3位になるという目標に近づけて嬉しいよ)」と、素直に喜んでいましたけどね。実際、本当にアトレティコにここ数年、定位置の3位奪回の可能性が出て来るのは今度の日曜。直接対決でセビージャとの差を勝ち点差2まで近づけてから。その前、1stレグでは2-4でアウェイゴールをいっぱい持っているとはいえ、先週バルサがPSG相手に4-0を6-1で引っくり返したなんて例もあったことですし、0-3なら逆転敗退してしまう水曜のレバークーゼン戦2ndレグも気になりますしね。

▽こうなるとそれこそ、「Nosotros tenemos que tratar de ganar todas las finales que nos quedan de aqui al final/ノソトロロス・テネモス・ケ・トラタル・デ。ガナーウ・トーダス・ラス・フィナレス・ケ・ノス・ケダン・デ・アキー・アル・フィナル(ウチはこれから最後まで残っている全ての決勝に勝っていかないといけない)」(ヒメネス)という姿勢でいってもらいたいものですが、さて。そんな目が離せないアトレティコvsレバークーゼン戦は水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。ロジャー・シュミット監督からタイフン監督に代わった相手にはCBトプラクが負傷、GKレノやベンダーら主力の出場が微妙と戦力的に不安がありますが、アトレティコもトーレスは月曜から全体練習に復帰したものの、ガメイロはまだ個別メニューですしね。グラナダ戦で終盤に鼻を強打、オブラクがタオルを貸してあげたり、コケが顔に水をかけて鼻血をゴマかそうとしたにも関わらず、結局骨折が判明したサビッチはマスクをすればプレー可能なようです。

▽そして翌日曜、夕方の試合でバルサがデポルティボに2-1で敗戦するという不覚を取るという朗報(17位に落ちてしまったレガネスには凶報)を手にベティス戦を迎えたマドリーでしたが、また性懲りもなく、敵に先制されてしまったんですよ。いえ、前半20分に1人、ゴールに向かって来たダルコをエリア外に飛び出て迎え撃ったGKケイロル・ナバスは、相手にぶつかって倒してしまったものの、マテオ・ラオス主審が「Él sabe que hay contacto, me lo reconoce, pero no le da lo suficiente para pitarlo/エル・サベ・ケ・アイ・コンタクトー、メロ・レコノセ、ペロ・ノ・レ・ダ・ロ・スフィシエンテ・パラ・ピタールロ(接触があったのはわかっていて、それは認めていた。でもファールを吹くには十分じゃなかったって)」(セバージョス)とのことで、スルーしてくれたため、レッドカードは出されずに済んだんですけどね。

▽それで心が乱れたかどうかは知りませんが、その4分後、せっかくサナブリアのシュートを止めながら、「Toco con la mano derecha y es mala suerte/トコ・コン・ラ・マノ・デレッチャ・イ・エス・マラ・スエルテ(右手に当たって、運が悪かった)」(ナバス)と、逃げたボールがラインを割ってしまったから、さあ大変! うーん、最近はベルナベウのサポーターの目がとりわけナバスに対して厳しくて、ポルトに移籍する前のシーズンのカシージャスのように、何かというとすぐにpito(ピト/ブーイング)が飛んできますからね。これでは落ち着いてプレーもできないんじゃないかと心配になりましたが、幸い40分にはマルセロのクロスをクリスチアーノ・ロナウドがヘッドでゴールして、同点でハーフタイムに入れることに。

▽後半も後半でなかなか点が奪えなかったんですが、ハメス・ロドリゲスをルーカス・バスケスに、モラタをベンゼマにと、ジダン監督も前線を変えて四苦八苦していた75分過ぎ、私もこのまま引き分けたら、バルサと同じ勝ち点になって、またリーガが面白くなるかなと思っていた頃…。ベティスのピッチーニが2枚目のイエローカードをもらって、10人になってしまったの。ただそれが彼らの命取りになってしまったのは、その直後にCKを与えてしまったからで、ええ、ビクトル・サンチェス監督も「それまでウチはマドリーのセットプレーを上手くコントロールしていたが、退場のすぐ後でマークの調整ができなかった」と言っていましたけどね。

▽クロースがCKを蹴る間、身長168センチの左SBドゥルミシが懸命にラモスを牽制していたものの、何せ相手はヘッドのスペシャリスト。デポルティボ戦では同様に小柄なジョルディ・アルバがベルガンティーニョを抑えられず、決勝点を奪われていましたが、ボールが落ちて来る一番肝心な瞬間に逃がしてしまってはいけません。これでリーガ7点目、CLでも先週のナポリ戦での2発を含めて3点と、今季のゴールを10本にしたラモスはまた、息子さんに電話を掛けるポーズやら何やら、イロイロなパフォーマンスをしていましたが、その一部は「Se lo dedico a mi mujer/セ・オ・デディコ・ア・ミ・ムヘル(自分の妻に捧げる)」(ラモス)ものだったよう。これまで1度も捧げてくれないのを芸能人の奥さん、ピラル・ルビオさんに文句を言われたからだそうですが、なかなか家庭を平和に保つのも大変ですね。

▽え、それでもロスタイムにナバスのparadon(パラドン/スーパーセーブ)がなかったら、マドリーは追いつかれていたんだろうって? そうですね、ジダン監督が「Keylor tiene carácter aunque cometa un error/ケイロル・ティエネ・カラクテル、アウンケ・コメタ・ウン・エロール(ナバスはミスをしても強い気概がある)」と太鼓判を押していた通り、当人が「Tenía que seguir adelante/テニア・ケ・セギール・アデランテ(前に進まななければならなかった)と、サナブリアの至近距離ヘッドを鬼のような反射神経で弾いてくれたおかげというのは本当だったかと。

▽うーん、こういうシーンを見ると、どんなにひどいミスをしてもすぐに忘れてしまえる選手が活躍するのがサッカーなんだという気がしてきますが…。まあそんなことはお隣さんを見ていれば、とっくの昔に明らかなこと。もちろんビクトル・サンチェス監督も「前半のナバスのプレーが試合のカギだった。Era de expulsión muy clara/エラ・デ・エクスプルシオン・ムイ・クラーラ(あれは明白な退場行為だったからね)。実際、ウチはピッチーニの退場をすぐに利用された」と嘆いていたように、運にも大きく左右されますけどね。おかげで2-1の勝利を掴んだマドリーはバルサに勝ち点差2をつけて、堂々首位に復帰。ええ、堂々ですよ。だって、まだ未消化のセルタ戦だって残ってるんですから。

▽そんな彼らは今週のミッドウィークに試合がなく、火曜夕方まで休みで、その後は土曜までみっちり練習ができるんですが、それだけに余裕があるということでしょうかね。いえ、大して時間のないアトレティコでも、日曜のお休みにグリーズマンがパリまで大好きなラッパーのドレイクのコンサートに駆けつけていたぐらいですから、一概には言えないものの、月曜のお昼にはロナウドが市内のシュダッド・リネアルにできた、自身が経営するジム、CR7クランチ・フィットネスの2号店の入会金無料、会員募集プロモーションに出現。

▽彼女のジョルジーナ・ロドリゲスさんが見守る中、選ばれた一般客と一緒にトレーニングを楽しんでいましたが、面白かったのは今では都市伝説と化していた当人が毎日、腹筋を3000回やるという噂をマジメに否定していたことでしょうか。ええ、「Los suelo entrenar tres o cuatro veces por semana. No sé si llegaré a los mil por semana/ロス・スエロ・エントレンーアル・トレス・オ・クアトロ・ベセス・ポル・セマーナ。ノー・セ・シー・ジェガレ・ア・ロス・ミル・ポル・セマーナ(週3、4回やるけど、1週間で1000回になるかはわからないよ)」とのことですが、それでも十分に勤勉で羨ましい。最近はほとんどミックスゾーンでもお目にかかれないロナウドですが、ベティス戦でトップのメッシまで4点差まで迫ったpichichi(ピチチ/得点王)レースにもそろそろ本腰を入れないといけませんしね。ラモスにも存在感で負けないよう、また次のアスレティック戦ではガンガン、ゴールを決められるといいのですが。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】マドリッドに来る楽しみが増えた…

▽「何だかいい迷惑よね」そんな風に私が怒っていたのは火曜。お昼のスポーツニュースがほとんどスペインサッカー協会のビジャル会長他複数幹部の逮捕の話題で終わってしまった時のことでした。いやあ、先週はレアル・マドリーもアトレティコもそれぞれのキャンプ地に到着。前者はアメリカのロサンジェルス、後者はセゴビアのロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)でプレシーズンのトレーニング中なのをいいことに、私もバケーション旅行を満喫しています。サッカーとはまったく関係のない1週間を過ごしていたため、まさかマドリッドに戻る早々、それもバラハス空港でスーツケースが出て来るのを待っていた午後11時過ぎに柴崎岳選手がヘタフェ加入決定のニュースを知って驚いたものでしたけどね。 ▽だったら当然、翌日のTVで取り上げられるはずと期待していたんですが、いやいや、何とも間が悪い。汚職横領文書偽造、その他もろもろの容疑で朝から治安警察中央部隊がここ27年間、スペインサッカーのトップに立っているビジャル会長の自宅やその息子でスポーツ専門弁護士、CONMEBL(中南米サッカー連盟)のディレクターも務めるゴルカ氏の事務所に急行。お昼過ぎにはラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会本部にビジャル会長が連行され、立ち合い捜査となったため、いえ、マドリーやバルサの最低限の映像はあったんですけどね。時期も時期、木曜の2017-18シーズン・リーガ対戦日程抽選会は開催延期となったものの、現在ではどのクラブも戦力補強の動きが加速。こうも連日、何件も移籍があるのでは、いくら日本のファンたちが心待ちにしていた柴崎選手の4年契約が決まったとて、スペインマスコミで大きな話題にならないのは仕方ない? ▽実際、6月24日まであった昇格プレーオフ決勝で柴崎選手のいたテネリフェを破り、たった1年で辛い2部生活に別れを告げたマドリッドの弟分チームにしても今週は新入団選手のプレゼンラッシュですかね。ただ月曜のFWアンヘル・ロドリゲス(2部サラゴサから移籍)、DFブエノ・ゴンサレス(ベティス)らは本当に初めてのヘタフェなんですが、火曜に登場したアルバロ・ヒメネス(RMカスティージャ)、ダニ・パチェコ(ベティス)は昨季もレンタルでプレー。後者などテネリフェとの2試合で3得点と、まさにプレーオフ優勝のヒーローでしたっけ。そしてこの日の新顔は、マルケル・ベルガラ(ラス・ソシエダからレンタル移籍)だけで、1部チームで最後のプレシーズンスタートとなる水曜も完全移籍が決まったチュリ(アルメリア)とポルティージョ(ベティス)のプレゼンなんですよ。 ▽そして金曜、いよいよ待望の柴崎選手のプレゼンが開かれるんですが…。うーん、水曜夕方の練習後、チームはセゴビアに移動しちゃいますからね。そちらは土曜までの短い滞在で、月曜からはバレンシア州のオリバ(スペイン南東部のビーチリゾート)でキャンプと日程はわかるんですが、ヘタフェの広報部長に訊いても「全然、話の出てなかった移籍で私たちも突然聞いたの。まだ柴崎がいつ練習に合流するかもわからないわ」とのこと。それでもスタジアムが改装中のため、恒例のピッチでのユニフォーム姿披露がなく、正面ゲートに何となく誘導されてきたパチェコやアルバロにサインをねだっていた若いヘタフェファンたちが柴崎選手入団のことをもう知っていて、「プレーオフで見たよ。上手いし、絶対、1部でエギュラーを取れる選手だ」と太鼓判を押してくれたのは私も嬉しかったかと。 ▽ちなみに29日にその第2次キャンプも終わった後、次の週辺りからはスタジアムから5分程、下ったところにある練習場でセッションをやるんじゃないかと思いますが、さて。まだ新シーズン用になっていませんが、ヘタフェの練習予定はオフィシャルサイトに出るはずなので、夏休みでマドリッド観光に来る機会があれば、タイミングを合わせて、柴崎選手を見に行っても楽しいかも。8月の第3週週末近辺には兄貴分のアトレティコや今季、マドリッド第3のチームの座を争うことが宿命づけられているレガネスとの親善試合も予定されているようなので、それについてはまた日付が正式に決まったら、お知らせしますね。 ▽え、1部に復帰したばかりのヘタフェでも外にキャンプに出るのに、1部2年目となるレガネスが猛暑のマドリッドを1度も離れないのは変わっていないかって? そうですね、お金がないからなのか、アシエル・ガリターノ監督の方針なのかは知りませんが、確かに彼らは昨年の夏もどこにも行かず。ブタルケ(レガネスのホーム)からちょっと、歩いたところにあるらしい練習場で頑張っているんですが、私が見学に行くのにネックとなっているのはスタートが午前9時と早いこと。 ▽何せ、こちらもセルカニアス(スペイン国鉄近郊路線)C-5線のZaraquemada(サラケマダ)駅から徒歩15分と、セントロ(マドリッド中心部)から時間がかかりますからね。夕方セッションのある日に行ってみたいものですが、そんな彼らも今週は水曜、木曜、金曜と連続プレゼン。左SBラウール・ガルシア(アラベスから移籍、元アトレティコでアスレティックの選手と同姓同名だが別人)、右SBザルドゥア(レアル・ソシエダからレンタル移籍)、GKクエジェル(スポルティングから移籍)の順番になりますが、もう22日からは親善試合もスタートするとか。対戦相手はRMカスティージャ(2部B)だったり、バジャドリッド(2部)だったり、今季も1部復帰を目指すラージョだったりと地味なものの、1部2期目となれば他のチームの見る目も違ってきますからね。今季はもう少し早めの残留確定ができるよう、しっかり準備してくれたらと思います。 ▽一方、FIFA処分のせいで新入団選手プレゼンとは縁のないアトレティコはこのところ、一体何をしているのかというと…。いやあ、先週、ビトロはセビージャと契約延長する直前に翻意。2022年までの契約を結んでくれたんですが、選手登録のできる来年1月になるまではラス・パルマスにレンタル移籍ですからね。今はカナリア諸島(大西洋にあるリゾート諸島)で練習していますし、ジエゴ・コスタもチェルシーのプレシーズンにはあれこれ理由をつけて参加せず、移籍成立を母国ブラジルで待ってはいるんですが、最近のアトレティコはCL報酬などで羽振りはいいものの、身に着いた貧乏性のせいでしょうかね。コンテ監督が構想外にしているコスタの値下げを待っているのか、まだしばらく時間がかかるよう。 ▽うーん、彼の場合、リーガ前半戦はプレーできずとも、チームで練習だけ参加という方向になりそうですが、9月初旬にはイタリア、リヒテンシュタインと対戦するスペイン代表のW杯予選も控えていますからね。あまり長くバケーションを取るのは当人にとって、良くないんじゃないかと思いますが、こればっかりはねえ。あ、ここずっと、ロス・アンヘレスで1日2セッション、多い日は午前7時45分からの早朝練習を含めて3セッションで汗まみれになっているチームメートを横に、未だにサウールがバケーション三昧なのはU21ユーロに参加していたせいなので、怒っちゃいけませんよ。 ▽そんなサウールは31日に合流。メキシコ遠征やアウディ・カップには参加せず、特別メニューでシーズン開幕に備えるそうですが、今週は6月に恥骨炎の手術をしたガメイロが合宿に参加。もちろんまだ皆と一緒に練習はできないものの、リハビリは順調に進んでいるようです。その他、昨季限りで引退したチアゴがアシスタントコーチとして加わり、ハードなメニューのせいでガイタン、ブルサリコなど、各部の痛みが出て皆勤できてない選手もいるようですが、まあこの時期にはよくあること。とりあえず、22日に予定していたヌマンシア(2部)とのメモリアル・ヘスス・ヒル杯はなくなったため、どの選手もこの夏、最初の親善試合となる25日のトルーカ戦までに体調を整えてくれればいいんじゃないでしょうか。 ▽そして最後に現在、UCLAのグラウンドでプレシーズンのトレーニングを続けているお隣りさんについてなんですが、昨季がリーガ優勝、しかもCLは2連覇なんて、凄い成績だったせいですからですかね。クリスチアーノ・ロナウドのマドリーに戻らない発言騒ぎも当人がまだバケーション中でコメントもないため、どこかうやむやになってしまった感もありますし、ハメス・ロドリゲスのバイエルン移籍もキャンプ出発前に決定。特別休暇延長のあったキャプテンのセルヒオ・ラモスも今週頭から合流していますし、あとはマンチェスター・ユナイテッド行きの夢が消えてしまったモラタがミランに行くのか、チェルシーに行くのか、ダニーロにオファーがあるだかないだかぐらいで、ジダン監督のチームは平穏に過ごしているよう。 ▽この先、マドリッドで控えているイベントも金曜のセバージョス(ベティスから移籍)の入団プレゼンぐらいなため、私も遠目から気長に様子を伺っている感じです。ええ、サウール同様、U21ユーロで活躍したセバージョスもそれが終わると、すぐアメリカに飛んで、この土曜に最初のプレシーズンマッチ、それこそ8月8日のUEFAスーパーカップの予行演習となるマンチェスター・ユナイテッド戦に挑むチーム本隊に合流。その先も26日にはマンチェスター・シティ戦、29日にはアメリカ版クラシコ(伝統の一戦)のバルサ戦、8月2日のMSL選抜チーム戦と、巡業があるマドリーは大西洋の向こうの地から帰って来ませんからね。コンフェデレーションズカップに出場したため、戻りが月末になるロナウドを含め、選手たちの姿をバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で見かけることができるのはおそらく、来月の4日以降になるんじゃないかと。 ▽ただ夏休みにマドリッドを訪れる人にとっては、公式戦を楽しめるチャンスもあって、いえ、リーガは8月3週目の週末からなんですけどね。マケドニアのスコピエで開催されるUEFAスーパーカップを現地観戦するのはハードルが高いものの、コパ・デル・レイのチャンピオン、バルサとリーガのチャンピオンのマドリーが激突する今季、公式戦初クラシコ、スペイン・スーパーカップの方は13日にカンプ・ノウで1stレグがあった後、16日にサンティアゴ・ベルナベウで2ndレグが開催。毎年、この日付けはバケーションに出ている両チームのアボナドー(年間シート保持者)も多いため、リーガなどと違い、比較的チケットが手に入れやすいのも嬉しいところでしょうか。 ▽まあ、マドリッドのチームの近況はこんなところなんですが、1週間ぶりにマルカやAS(スペインのスポーツ紙)をじっくり読んでみれば、今月27日にはディナモ・ブカレス相手にヨーロッパリーグ予選3回戦1stレグを迎えるアスレティックを筆頭に、もう10チームもプレシーズンマッチを戦っていることが判明。セビージャが来日してセレッソ大阪に1-3で勝利なんていうのはともかく、乾貴士選手のいるエイバルも月曜にはレアル・ウニオン(2部B)に3-1で勝ち、おやおや、これじゃもう目が離せない? 難点なのはリーガ3強以外、親善試合のTV中継がないことですけどね。私もまた、サッカー漬けになる日々が始まる時期になりました。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.19 13:23 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】まだまだ試合はないけれど…

▽「男子ならではできる技ね」そんな風に私が頷いていたのは土曜日、アスレティックの選手全員が高校球児のように頭を丸め、リハビリトレーニングに来たジェライを迎える映像を見た時のことでした(https://www.youtube.com/watch?v=4sgRFoFBa5E)。いやあ、彼は6月のU21ユーロのスペイン代表に選ばれながら、ポーランドに経つ直前、2月に完治していた精巣ガンの再発が発覚し、無念のリタイアをすることに。その後は抗がん剤や放射線療法を受けていたため、坊主頭になっていたんですが、リーガ1部20チーム一番乗りの早さで先週からプレシーズンを開始していたチームメーートたちが当人を励ますため、ロッカールームで互いにバリカンで刈り合って、連帯感を示すことにしたのだとか。 ▽これには1人として例外はなく、U21ユーロに参加していたため、まだ休暇中のウィリアムスとケパ・アリサバラガも日付を合わせてスキンヘッドにしていましたけどね。ああも皆さん、同じ容貌になってしまうと試合の時、ファンには誰が誰なのか、なかなか区別がつかないかも。ジガンダ新監督の下で臨むアスレティックの新シーズン、最初の公式戦は7月27日のヨーロッパリーグ予選3回戦1stレグ。どこのスペインのクラブより早いんですが、その頃にはそれぞれ、特徴のある髪型ができるぐらいまで毛が伸びていてくれる?とりあえず、8月末に復帰するジェライのため、少なくともELプレーオフまでは勝ち抜いて、グループリーグ出場権をプレゼントできるといいですよね。 ▽まあ、そんなことはともかく、このところ何かと話題が多いのはそのU21ユーロに出場していた選手たちで、いえ、スペインは決勝でドイツに1-0で負け、惜しくも準優勝に終わったんですけどね。それにも関わらず、大会MVPに選ばれたベティスのセバジョスをレアル・マドリーとバルサが獲り合っているというニュースが日々、マスコミを賑わせていたんですが、とうとうこの土曜には当人が前者のオファーを受けることを決断したという報が。契約破棄金額1500万ユーロ(約19億円)を超える1800万ユーロ(約23億円)の移籍金で、6年契約を月曜に結ぶ予定だそうですが、あれ、その日は先週水曜にマドリー移籍が公式に発表されたテオのプレゼンが組まれてなかった? ▽うーん、アトレティコのカンテラーノ(Bチーム出身の選手)で、昨季はアラベスにレンタル移籍して活躍した19歳の彼は休暇でアメリカに滞在中、先日、契約延長をしたばかりの年子の兄、ルカスの立場も思いやらずに「マドリーでプレーすることが子供の頃からの夢だった」とTVカメラの前で告白。クラブ関係者がこれに気分を害したせいもあってか、オフィシャルウェブでの移籍決定のお知らせ(http://www.atleticodemadrid.com/noticias/theo-hernandez-traspasado-al-real-madrid)でも、当人は「nunca llego a debutar en partido oficial con el primer equipo/ヌンカ・ジェゴ・ア・デブタル・エン・パルティードー・オフィシアル・コン・エル・プリメール・エキポ(トップチームの公式戦でデビューするには至らなかった)」と嫌味に強調されたりしていたんですけどね。 ▽ええ、U21ユーロ後はお兄さんのジョナタン(2部Bのアルコジャノ)やアーロン(2部テネリフェから同オビエドに移籍)らと共にニゲス・カンプス(少年少女向け夏のサッカースクール)で指導に当たり、金曜に上京。この夏はFIFA処分で新規選手登録ができず、当然、華々しい入団プレゼンもできないせいか、6月のコケに続いて契約延長プレゼンをビセンテ・カルデロンのVIPルームで開いてもらったカンテラの先輩、サウルも「ウチのユース出身なのに育ててもらったクラブにリスペクトの気持ちを示せないなんて。El que no quiera estar con nosotros no nos importa/エル・ケ・オー・キエラ・エスタル・コン・ノソトロス・ノー・ノス・インポルタ(ボクらといたくない選手のことなんか、どうでもいいよ)」と、テオにはかなり冷たかったですからね。 ▽その上、これからプレーするクラブでもお披露目の日を、モドリッチの後継者と目されているセバジョスの移籍契約のタイミングにぶつけられてしまうとなれば、マルセロと競う左SBのポジション争いもこの先、思いやられてしまいますが、まあそれも自身が選んだ道。残念ながら、サンティアゴ・ベルナベウの特設ステージでのプレゼン時、兄のルカスはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプに参加しているため、立ち会うことはできないでしょうが、もう翌日には当人もチームと一緒に本場のロサンジェルスへ出発ですからね。意外とこういうちょっとした(?)差に憧れて、リッチなマドリーに行ってしまう選手もいるのかもしれませんよ。 ▽え、金曜にサウルを私が見に行ったということは、U21代表の同僚であるバジェホの方はすっぽかしたのかって?その通りで、最初は私もマドリーのこのプレシーズン、初の入団プレゼンを楽しみにしていたんですけどね。これもまた、テオのことだけでなく、FIFA処分もお隣さんのようにCAS(スポーツ仲裁裁判所)に移籍市場1回分に減刑してもらえなかったアトレティコがまさか、計算してぶつけたんでしょうか。 ▽どちらも午後1時スタートのイベントだったとなれば、いえ、夏ごとにどこかの路線が整備で運休となるマドリッドのメトロ(地下鉄)が今年は5号線を選択。おかげでせっかくピッチに芝も戻り、7、8月はまだスタジアムツアーもできるビセンテ・カルデロンへは、セルカニアス(国鉄近郊路線)を使わないとたどり着けないというのはわかっていましたけどね。何せ、バジェホの移籍が決まったのは2年前。ここ2シーズンは古巣のサラゴサ(2部)、アイントラハト・フランクフルトにレンタル中だったいうこともありますし、大体、彼はまだ20歳なんですよ。 昨季で契約が切れ、先日にはベシクタシュ加入が決まったCBペペの後釜として、すぐにジダン監督に使ってもらえるのか疑問がありますし、となれば、やっぱり私がユーロ大会でお隣さんのアセンシオを上回るゴールを挙げ、ボタ・デ・オロ(得点王)に輝いたサウルを選んでしまったとしても仕方なかったかと。ちなみにそのプレゼンでは先輩のコケ程の大泣きではありませんが、アトレティコの少年チームでプレーしていた時代の思い出写真や2012年に17歳でトップチームデビューをした試合のビデオを見せられた当人が壇上で涙ぐむシーンも。 ▽2026年までという、超長期契約になったのには「ミゲール・アンヘル(筆頭株主)が契約延長の話を持ってきた時、向こうの好きなだけの期間、サインすると言ったよ。Yo quiero mejorar, crecer y hacerlo con el Atletico de Madrid/ジョ・キエロ・メホラル、ウレセル・イ・アセールロ・コン・エル・アトレティコ・デ・マドリッド(ボクは上手くなって成長したい。それをアトレティコでやりたいんだ)」と言っていましたが、そうですね。当面はユーロ決勝のようにプレーのレベルが落ちる試合を減らすことを課題にしてくれることを望みます。 ▽そんなサウルはプレゼン後、再びバケーションに戻り、今月末までチームに合流はしないんですが、実はアトレティコのプレシーズン練習はこの木曜にスタート済み。ええ、前日にフェルナンド・トーレスの契約1年延長も正式に決まったため、初日は私も頑張ってマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場まで見学に行ったんですが、いやあ、こんなこともあるんですねえ。例年なら、猛暑の中のセッションとなるはずが、たまたまその日から、スペイン中で気温が急激に下がったから、私もビックリしたの何のって。おかげで過去にはビエット(昨季はセビージャにレンタル)やメンサー(同ビトリア)らがオルテガ・フィジカルコーチの厳しいメニューについていけず、途中で吐いたりしていたものですが、やはり20度ぐらいしかなく、練習の後半は雨混じりともなると、選手たちもバテなくて済む? ▽ただ翌日からは、別にまた暑くなった訳ではないものの、セッションが午前8時開始と非常に早い時間に設定。さすがに私も金曜、土曜は付き合うことはできなかったんですが、まだこの段階では昨季リーガ終了後に各国代表戦に参加していたメンバーが欠けていますからね。その間、ビエットがpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)中にchilena(チレア/オーバーヘッドシュート)を試み、ヘルプ要員で参加しているカンテラーノの額を蹴って、流血騒ぎなっていたなんてこともあったんですが、大丈夫。大きなケガではなかったようで、その彼も日曜夕方に揃って移動するキャンプには同行できるようです。 ▽そして週明けからはゴディンやヒメネス、フィリペ・ルイスら中南米組、オブラク、サビッチ、カラスコらが加わり、水曜にはコケとグリースマンも合流。21日まで1日2セッション、3セッションとある猛練習をこなした後、親善試合も始まります。そうそう、来年1月加入予定の選手候補だったビトロは契約破棄金額の4000万ユーロ(約52億円)をセビージャに払い、シーズン前半は古巣のラス・パルマスでプレーする方向でほぼ固まったようですが、試合に出ずにアトレティコで練習していてもらうと言われているジエゴ・コスタについてはまだ、チェルシーとの交渉も始まっていないとか。うーん、そろそろコンテ監督のチームもプレシーズンが始まりますしね。その空きを待っている選手もいるため、早いところ話を進めてもらいたいものですが、というのも…。 ▽そう、モラタの移籍先としてほぼ確定とされていたマンチェスター・ユナイテッドが土曜にはルカクをエバートンから1億ユーロ(約130億円)で獲得したことを発表。ポジションもかぶりますし、更にマドリーに移籍金8000万ユーロ(約104億円)を払うことはないだろうという話になっているんですが、これには6月にベネチアでイタリア人モデルのアリス・カンペッロさんと結婚式を挙げてから、熱々のハネムーン写真を披露(https://www.instagram.com/alvaromorata/?hl=ja)してばかりだった当人も一気に現実に引き戻された? ▽何せ、マドリーも来週の月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)に集合して、翌日にはアメリカへ出発ですからね。モラタもそのメンバーに入っているんですが、モウリーニョ監督もUCLAの施設がお気に入り。あちらでは一足先に200メートル離れたグラウンドでマンチェスター・ユナイテッドが練習を始めているため、移籍が決まればすぐさま歩いて新天地となるチームに合流できると思っていたかもしれませんが、そうは問屋が卸さないことに。ちなみにジダン監督はモラタの残留を望んでいますが、そうなるとモナコからエムバペが来られなくなってしまうかもしれませんしね。 ▽ここまでのところ、セバジョスは全然、高額ではありませんし、その他、この夏のプレゼンが移籍金2600万ユーロ(約34億円)のテオ、無料のバジェホに、同じくRMカスティージャ出身で昨季はアラベスにレンタルに出ていたスペインU21代表の同僚、マルコス・ジョレンテだけなると、選手獲得に大枚をはたくのが好きなペレス会長がちょっと欲求不満になってしまう可能性もなきにしろあらず。 ▽もちろん同じく来週月曜に始動するマドリッドの弟分チーム、今のところ、降格したスポルティングからGKクェジェルの入団が決まったぐらいのレガネスや昇格プレーオフの死闘を戦い抜いた後、まだ昨季のレンタル移籍選手の買い取りオプションを行使した程度。練習開始も17日からと遅いヘタフェなどから見たら、本当に羨ましい話なんですけどね。 ▽ただ、土曜のマルカ(スポーツ紙)にインタビューが掲載されたモドリッチなども「Yo solo ficharia si alguien te puede mejorar bastante lo que hay/ジョ・フィチャリア・シー・アルギエ・テ・プエデ・メホラル・バスタンテ・ロ・ケ・ハイ(自分なら、今のチームを相当、良くすることができる選手だけを獲得するだろう)」と言っていましたが、確かに2年連続CL優勝を果たし、昨季はリーガも制覇したチームをもっと強くできる選手を見つけるのは難題中の難題。そういう意味ではマドリーにも苦労はあるんですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.09 11:00 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】もう練習している…

▽「ちょっと早すぎじゃないかしら」そんな風に私が驚いていたのは月曜。前日にメディカルチェックの様子がTVに流れていたアスレティックに続き、ここ数日は猛暑も影を潜めてはいるんですけど、夏の殺人的な暑さには定評のある地元でセビージャがベリッソ新監督に率いられ、朝8時半からプレシーズンのトレーニングを開始したというニュースを見た時のことでした。いやあ、確かに昨季のリーガは5月21日に終わり、その前は3期連続してあった恒例のヨーロッパリーグ決勝もなかったため、選手たちもそろそろ体を動かしたい気分になっていたかもしれませんけどね。 ▽7位で終わったアスレティックの場合、今月27日にEL予選3回戦1stレグが待ち受けていますし、バルサに行ってしまったバルデベルデ監督の後を継いだジガンダ新監督が張り切っているため、納得もできるんですが…。セビージャはCLで決勝トーナメントに進出してしまい、EL4連覇とはいかず、この夏のUEFAスーパーカップはありません。さらに、彼らの今季最初の公式戦は8月15、16日のCLプレーオフ1stレグなんですよ。また、UEFAスーパーカップに2連連続のCL王者として、EL王者のマンチェスター・ユナイテッドと対戦するレアル・マドリーでさえ、プレシーズン開始は11日だというのに…。セビージャは異例の早期始動。もしやこれって、今季こそアトレティコの定位置であるCLグループリーグ出場権のある3位奪取を果たしてやるという、セビージャの意気込みの表れだった? ▽いえ、そういうアトレティコもこの木曜には炎天下のマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で選手たちの体力テストがスタート。9日の夕方にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)に移動して、月曜から地獄のキャンプとなりますから、別にそれ程、後れを取っている訳ではないんですけどね。22日の土曜には毎年恒例のメモリアル・ヘスス・ヒル杯でヌマンシア(2部)と対戦して、翌日にはメキシコへ行き。25日にトルーカとの親善試合をこなしてすぐ帰国すると、8月1、2日はミュンヘンでアウディ・カップに臨み、初日のナポリ戦の後、バイエルンかリバプールと決勝or3位決定戦をプレーすることに。さらに6日にもイギリスに飛んで、今季からプレミアリーグで戦うブライトンと親善試合となかなか密な予定が組まれていますが、公式戦が8月19、20日のリーガ1節までないというのは結構、有難いことかも。 ▽というのも昨季など、お隣さんはジダン監督のローテーション政策が効を奏して肝心な試合で息切れすることはなし。未成年選手獲得における規則違反で受けたFIFA処分もCAS(スポーツ仲裁裁判所)のおかげで、新規選手登録できないのは今年の1月の1回だけに減ったため、放出予定の左SBコエントランの代わりに早速、テオ(昨季はアトレティコからのレンタルで、アラベスでプレー)を獲るなど、穴埋めも滞りなく行えるのとは違い、この夏もシメオネ監督は新戦力をアテにできませんからね。 ▽ジエゴ・コスタ(チェルシー)だ、ビトロ(セビージャ)だと騒いでいるのはあくまで来年1月に向けてで、それまでは一応、負傷離脱が長期に渡ったアウグストやヴァルサリコらは帰って来るとはいえ、リーガ前半戦とCLグループリーグは昨季とほぼ同じAチームメンバーで賄わざるをえず。となれば、出ずっぱりとなる選手たちには極めて高い体力をつけてもらう必要があるから。とりわけ先週の金曜まで、誰よりも長いシーズンを過ごしたサウールなど、恥骨炎の症状も出ていることから、この月末に遅れてプレシーズンに参加したあと、まだ開幕まで間があるのは大いに助かるかと。 ▽え、それでそのサウールの今季最終戦となったU21ユーロの決勝はどうだったのかって? いやあ、私もまた彼の活躍をお伝えしたいと腕まくりをしていたんですが、もしかしてアトレティコ勢は決勝に勝てないというジンクスでもあるんですかね…。去年の夏もCL決勝でマドリーに負けた悔しさをバネにグリーズマンがフランスをユーロ決勝まで牽引していったんですが、最後はクリスチアーノ・ロナウドのポルトガルに敗北。同じシーズンに2つの国際ビッグトーナメントの決勝で負けるという不名誉な記憶を作っていたように、サウールもあと一歩が及ばなかったんですよ。もちろん彼だけの責任ではないのは確かですが、スペインU21代表の同僚、アセンシオ(マドリー)など、6月にカーディフでCLトロフィーを掲げていますからね。ダメージも少なくて済んだのでは? ▽ちなみにドイツとの試合の方は、「En la primera parte no hemos sido nosotros/エン・ラ・プリメーラ・パルテ・ノー・エモス・シードー・ノソトロス(前半のウチは自分たちでなかった)」とセラデス監督も後で言っていたように、チームにいつもの活発な攻める姿勢が見えず。そうこうするうち、40分にはジョニー(スポルティング)が自陣エリア近くで失ったボールが起点となり、トルヤン(ホッフェンハイム)のクロスをバイザー(ヘルタ)にヘッドで決められて、先制点を奪われてしまったから、驚いたの何のって。それでも準決勝のイタリア戦だって、前半は決して優勢だった訳じゃないのだからと、後半に私も期待を懸けていたところ…。 ▽その日はダメでしたね。8人もU21常連メンバーをコンフェデレーションズカップのレーブ監督率いるドイツBチームに引き抜かれ、決して知名度は高いと言えない選手たちで構成されたCチームの団結した守りにスペインは突破口が開けず。うーん、サウールやセバージョス(ベティス)もシュートは試みたんですが、とりわけ前者はイタリア戦のハットトリックで運を使い果たしましたかね。GKポラースベック(2部のカイザースラウルテンからハンブルクに移籍)を破ることはできず、サンドロ(マラガ)からウィリアムス(アスレティック)に、ボランチのマルコス・ジョレンテ(昨季はマドリーからレンタルで、アラベスでプレー)からFWのボルハ・マジョラル(同ボルフスブルク)とアタッカーを増やしても全然、得点できないんだから困ったもんじゃないですか。 ▽結局、そのまま試合は1-0で終わり、U21ユーロはドイツの優勝で幕を閉じたとなれば、実際、大会MVPに選ばれ、トロフィーとポーズさせられたセバージョスも少しも嬉しそうじゃありませんでしたしね。計5得点で大会得点王となったサウールなど、ゴールデンブーツを受け取るのを忘れてしまい、チームバスに乗っているところをわざわざ、中まで取りに行かされたなんて逸話も。これにはさすがにアトレティコも可哀想に思ったから、クラクフからバラハス空港に到着した翌朝、サウールの2026年までの契約延長を発表する気の遣いようでしたが、同時に契約破棄金額も8000万ユーロ(約103億円)から1億5000万ユーロ(193億円)とアップ。 ▽先日、一足早く延長のサインしたコケと同額になった当人は、クラブのオフィシャルサイトに上がったビデオで「Estoy muy contento porque en el Atleti somos una familia y no hay un sitio mejor en el que pueda estar/エストイ・ムイ・コンテントー・ポルケ・エン・エル・アトレティ・ソモス・ウナ・ファミリア・イ・ノー・アイ・ウン・シティオ・メホール・エン・エル・ケ・プエダ・エスタル(アトレティコは家族だし、自分がいられるこれ以上の場所はないから満足だよ)」と言っていましたが、2013年のU21ユーロ優勝チームの一員だったカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の先輩とタイトルでも肩を並べられなかったのは、ちょっと後悔が残るところかと。 ▽まあ、サウールの場合はこの大会を最後にU21から卒業する11人の1人で、GKケパ(アスレティック)、アセンシオ、ベジェリン(アーセナル)、デウロフェウ(決勝当日にバルサがエバートンから買戻しオプションを行使)らと共にA代表でもロペテギ監督のお覚えめでたいメンバーでもあることから、このリベンジは来年のW杯で果たせるかもしれませんけどね。できれば、その前にアトレティコで何かタイトルを獲れるよう、丁度、1日からはオフィシャルショップの看板も新しい紋章に衣替え。すでに物議を醸している新ユニフォームはまだ発売されていませんが、ワンダ・メトロポリターノにホームが移転する今季はツキが変わってくれるといいんですが。 ▽おかげで翌土曜は私もお祝いすることがなくなったため、丁度始まったrebaja(レバッハ/セール)巡りを兼ねて、ワールド・プライド2017(LGBTの権利を主張するフェスティバル)の最終日で賑うセントロ(市内中央部)を散策。主義主張を表明したい人々もきっといるんでしょうが、観光客も含め、コスプレやボテジョン(広場など屋外でやる酒盛り)のいい口実になっていたような。何せ、あのロエベのショーウィンドウまでがレインボーカラー(多様性を示すゲイ・プライド運動の象徴)でデコレーションされていましたからね。フィエスタの中心となるチュエカ地区に入る道では必ず警官が荷物チェック、グラン・ビア(市内中心の大通り)も全面通行止めにして、中央には鉄柵を並べている辺り、テロ対策も近頃は大規模にやっているんだなという感じでしたが、まあご時世柄、それも仕方ないのかも。 ▽そんなことはともかく、サッカーの話を続けると、日曜にあったコンフェデ3位決定戦ではポルトガルが後半アディショナルタイム、マドリーとの契約が終わっても、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)魂は持っていくつもりのペペのゴールでメキシコと同点に。延長戦では前半、アドリエン・シウバ(スポルティングCP)がリベンジPKに成功し、2-1で勝利。双子が生まれたばかりというのを理由に、クリスチアーノ・ロナウドのチーム離脱を認めたフェルナンド・サントス監督を安心させることになりましたが、マドリッドに一旦、戻ったはずの当人からは今もSNSでの写真以外、何の音沙汰もないため、移籍したいのか、チームに残留するのかの結論はまだ出ていません。 ▽うーん、この調子だと、31日にロナウドが脱税容疑でマドリッドの裁判所に出廷した後、ロスアンジェルでキャンプ中のチームに合流するまで、白黒つかない気もしますが、それに応じて、早々にリヨン行きが決まったマリアーノはともかく、モラタやハメス・ロドリゲスの移籍を許可するかどうか、ムバッペ(モナコ)やセバージョスを獲得すべきなのかどうか、クラブの方針も変ってきますからねえ。できれば、早めに答えを出してもらいたいところですが、さて。そうそう、ジダン監督の長男で昨季はたまにベンチに入っていたエンソはアラベスへのレンタル移籍が決定。U21ユーロで実力を示したマルコス・ジョレンテやバジェホのように外のクラブで修業して、トップチーム入りを勝ち取れということのようです。 ▽そしてコンフェデ決勝はドイツがマルセロ・ディアス(セルタ)のミスを利用、バーナーが奪ったボールをシュティンドルが決めて奪った1点で、アレクシス・サンチェス(アーセナル)やアルトゥロ・ビダル(バイエルン)のいるチリに0-1と勝利して優勝。もうBチームとCチームでdoblete(ドブレテ/ダブル優勝のこと)なんてこと、あっていい? どうもこのまま行くと、来年のW杯でスペインが復権するのは難しいように思えてしまうんですが、まあ、それはかなり先の話。来週の月曜にはマドリッドの弟分、レガネスも始動しますし、昇格プレーオフで国内では誰より、長く戦った末、1部Uターンを果たしたヘタフェも17日には練習を始めるため、私もそれまでに英気を養っておかないといけませんね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.04 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】成長が著しすぎて…

▽「これはもしや渡りに舟?」そんな風に私がポジティブに考えようとしていたのは木。ガメイロが恥骨炎の手術を受け、全治2カ月。その間、前線でグリーズマンとペアを組める選手がフェルナンド・トーレスとコレアしかいないという状態で、アトレティコはリーガ開幕を迎えるという記事を読んだ時のことでした。いえ、FIFAからの処分で新規加入選手は望めないものの、7月6日に始まるプレシーズンにはビエット(昨季はセビージャにレンタル)が戻って来ますけどね。 ▽他にも昨季のレンタル先であるポルトで活躍していたらしいジオゴ・ジョタ、さらにテネリフェで1部昇格プレーオフ決勝まで頑張ったカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)のアマトら、幾人かFWのアテがない訳ではないんですよ。 ▽ただ、、ズラタン・イブラヒモビッチ(マンチェスター・ユナイテッドを退団)はまあないかと思いますし…。ジエゴ・コスタ(チェルシー)やビトロ(セビージャ)がやって来られる1月まで、シメオネ監督も腹をくくるしかないかと。その期間は、U21ユーロのスペイン代表を率いるセラデス監督同様に、サウールをもっと上の位置で使って、チームの得点力アップに役立てようと思ってくれるかもしれませんね。 ▽ちなみにどうしてそういうことになったのか、お話ししていくことにすると…。先週、3連勝でグループリーグを突破したスペインはこの火曜、準決勝で強豪イタリアと対決。といっても相手には大人の代表程、有名な選手はいなかったんですが、前半は拮抗した展開が続きます。それどころか、GKケパ(アスレティック)がペッレグリーニ(サッスオーロ)のシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)して救われるという危ない場面もあったんですが、大丈夫。このRojita(ロヒータ/U21スペインの愛称)には優れた人材が溢れているんです。 ▽その中でも、「Llevaba bastante tiempo esperando este momento/ジェババ・バスタンテ・ティンポー・エスペランドー・エステ・モメントー(この瞬間をずっと待っていた)。自分の人生にとって最も大事な試合の1つで、それを利用することを知っていた」と意気込むセバジョスが52分にも敵エリア前で何人ものDFをかわしてサウールにラストパス。すると、初戦のマケドニア戦、2戦目のポルトガル戦でも先制点を決めていたアトレティコのカンテラーノはこの日も的を外さなかったんです! ▽おまけにその5分後にはガリアルディーニ(インテル)が一発レッドで退場し、これでスペインは決勝に向かってそのまま突っ走るかに思われたんですが、もちろん世の中、そんなに簡単には行きません。ええ、イタリアでは1人、図抜けて存在感があったベルナルデスキ(フィオレンティーナ)が守備陣の乱れを突くと、62分にエリア前からシュート。このボールがバジェホ(昨季はアイントラハトにレンタル、マドリーに復帰予定)に当たり、同点ゴールになってしまうとは、まったく油断ならないじゃないですか。 ▽そこですぐさま流れをスペインに引き戻したのがサウールで、その3分後に今度はエリア外からGKドンナルンマ(ミラン)を破ってしまったから、私も呆気に取られたの何のって。いえ、それどころか、74分にもアセンシオが折り返したボールをネットに収め、とうとうハットトリック達成って、ちょっと!! そんなクリスチアーノ・ロナウドやメッシ、アトレティコならファルカオ(現モナコ)やグリーズマンら、スーパーFWだけの専売特許技ができるなら、何でMFなんて名乗っている? ▽いえ、グループ1節のマケドニア戦で3ゴールを挙げたアセンシオもMFですけどね。彼はジダン監督のBチームメンバーでプレー時間もそれなり。となると、恐るべきは「El hambre que tiene cada vez que viene con nosotros es tremenda/エル・アンブレ・ケ・ティエネ・カーダ・ベス・ケ・ビエネ・コン・ノソトロス・エス・トレメンダ(ウチに来る時、毎回の彼のハングリー精神は凄まじい)」(セラデス監督)のもありますが、あれだけシーズン中、人手不足のアトレティコで出ずっぱりだったにも関わらず、この時期になっても衰えないサウールの体力だったかも。ええ、これには先週末の1部昇格プレーオフ2ndレグに柴崎岳選手との交代で出場。最後はヘタフェに及ばなかったものの、そのテネリフェで2部の超ロングシーズンを過ごしたお兄さんのアーロンもビックリしていたんじゃないでしょうか。 ▽そのままスペインが3-1で勝利、決勝進出を果たした後には、「Es el primero que consigo y lo voy a cuidar muy bien/エス・エル・プリメーロ・ケ・コンシーゴ・イ・ロ・ボイ・ア・クイダル・ムイ・ビエン(初めてのハットトリックだから、よーく面倒看るよ)」と、いそいそと試合球をお持ち帰り。そんな素晴らしい活躍を見せているサウールについて、アトレティコのセレソ会長は「サウールはアトレティコと長期契約をしているから、no se va a ir a ningun sitio/ノー・セ・バ・イル・ア・ニングン・シティオ(どこにも行かない)」と断言してくれましたし、契約破棄金額も今の8000万ユーロ(約103億円)から、グリーズマンやオブラク並の1億ユーロ(約128億円)に上げるようですしね。できれば、新スタジアムのミックスゾーンで私も来季、お目にかかりたいかと。 ▽え、これでドイツと王座を懸けて戦うことになったスペインだけど、他の選手たちが目標だった決勝進出を叶えて喜ぶのに留めているのと対照的に、サウールだけが「Este equipo se merece ser campeon/エステ・エキポ・セ・メレセ・セル・カンペオン(このチームはチャンピオンになるに値する)」と強気だったのは印象に残らなかったかって? まあ、アトレティコではあと一歩というところで、なかなかタイトルが獲れませんからね。その分、彼も周りに上手な選手の多い代表では貪欲になってしまうんだと思いますが、今回、スペインがツイているのは、相手のドイツは現在、コンフェデレーションズカップにも出場中。 ▽そちらにはクロース(マドリー)やエジル(アーセナル)、ケディラ(ユベントス)、ミュラー、ノイアー(バイエルン)といった、来年開催のW杯予選を戦っている主力メンバーを呼ばず、大会最少の平均年齢23.8歳という若手チームで挑んでいるため、U21に出ている選手たちなど、輪をかけて、馴染みのないメンバーになっていることですが、まあ決勝は決勝で結果の読めない試合ですからね。木曜にコンフェデ準決勝でメキシコを4-1と圧倒したドイツBチームも相当、強かったですし、今回のCチーム、U21ドイツの選手たちも「スペイン相手には汚いプレーをしないといけない。小さなファールから始めて、楽しくサッカーする気分を失わせないと」(メイヤー、シャルケ)とか、「ちょっとホットな戦いをしてやれば、彼らは嫌がるだろう」(ポーラースベック、2部のカイザースラウルテンからハンブルクに移籍)なんて、物騒なことを言っているため、用心は必要かと。 ▽一方、予定が大きく変わってしまったのはその前日、水曜のコンフェデレーションズカップ2017準決勝でプレーしていたロナウド。いやあ、チリと0-0で延長戦に突入したまでは良かったものの、まさか続くPK戦でクアレスマ(フェネルバフチェ)、モウチーニョ(モナコ)、ナニ(バレンシア)がGKクラウディオ・ブラボ(マンチェスター・シティ)を前に次々と失敗。相手はアルトゥーロ・ビダル(バイエルン)、アランギス(レバークーゼン)、アレクシス・サンチェス(アーセナル)が3人とも成功したため、当人まで順番が回らず、0-3で負けるって、ほとんどありえないシナリオじゃない? うーん、確かに彼には2012年ユーロ準決勝のスペイン戦でも最後のキッカーを買って出て、結局、蹴る前に負けが決まった経験がありますけどね。 ▽昨年のCL決勝ではそれこそ、ファンフランがポストに当てた後、マドリーの5本目を決め、ウンデシマ(11回目のCL優勝のこと)を引き寄せた記憶の方が、2012年のCL準決勝バイエルン戦で第1キッカーを務め、見事にノイアーに弾かれたことより新しい出来事となれば、この順番を選んだのも決して責められないかと。まあ、日曜にはコンフェデ決勝観戦を楽しむつもりだった私もマドリッド勢のいないチリvsドイツになってしまった不運を嘆くしかありませんが…。また、開催時間も午後2時(日本時間午後9時)と丁度いいし、3位決定戦でのリベンジを期待していたロナウドファンには残念なお知らせが。 ▽というのもこの試合の直後、ポルトガルサッカー協会は彼の代表離脱を許可。子供が生まれたばかりなのに参加していたからだそうですが、え、そうだったんですか? 丁度、当人もこれがいい機会だと思ったのか、自身のフェイスブックで「ようやく息子たちと初めて一緒にいられることになって嬉しい」と公表していましたが、でもまた代理母出産なんですよね。 ▽実はすでにその噂は3月頃からあって、サン(イギリスのタブロイド紙)などでは双子の男女でマテオ君、エバちゃんと名前まで出ていたんですが、どうやら6月8日には無事出産が済んでいたよう。7歳になる長男のクリスチアーノ・ジュニア君同様、ロナウドの母、マリア・ドロレスさんがアメリカまで迎えに行ったとかで、うーん、これって、かつての彼女、ロシア人モデルのイリーナさんもそうでしたが、現カノのジョルジーナさんもまったく立つ瀬がないんじゃないかと思ってしまう女性はきっと、私以外にもいるかと。 ▽まあ、それはともかく、木曜の夕方には2人の赤ちゃんを抱いているロナウドの写真も投稿されている状況なので、マドリッドで待っているペレス会長がロナウド慰留のため、話す機会を設けるのもまた、ちょっと先になってしまうかもしれませんが…。幸い、水曜夜にラジオ出演した会長は「Estoy convencido de que va a seguir/エストイ・コンベンシードー・デ・ケ・バ・ア・セギール(彼が残留することを確信している)」と楽観的。何せ、ロナウドが動けば、「Si traemos a Mbappe, quien sale?/シー・トラエモス・ア・ムバッペ、キエン・サレ(もしムバッペ獲ったら、誰が出て行く?)」と彼が言っていた、モナコの18歳を1億3000万ユーロ(約167億円)出して、本当に獲っちゃうかもしれませんし、そしたらイロイロ玉突きで強豪チームのFW大移動が始まる可能性も…。 ▽その一方で、7月11日になれば、ジダン監督もチームを率いて、こちらは本家、アメリカのロサンジェルスキャンプに出発しないといけませんし、23日のユナイテッド戦を皮切りにプレシーズンマッチではバルサ戦、カカやビジャ、シュバインシュタイガーといった大物も出場するかもしれないMSL選抜戦と、面白そうなカードが幾つもあるとなれば、できれば7月上旬ぐらいは静かであってほしいと願ってしまうんですが、さて。とりあえず一時の猛暑は収まり、ここ数日は涼しすぎるぐらいになってしまったマドリッドなだけに、私もバケーションの計画を練るのに最適な環境をゲット。その間には大きな移籍騒ぎは起きないでほしいものです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.30 11:50 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】終わり良ければすべて良し…

▽「これは気が抜けないわね」そんな風に私が呟いていたのは月曜。スペイン代表のロペテギ監督がポーランドで開催中のU21ユーロに準決勝から、弟分チームの応援兼視察で駆けつけるという記事を見つけた時のことでした。いやあ、大多数のリーガの選手たちは現在、バケーションの真っ只中。ふと気づくと、セルヒオ・ラモスが水色の海にダイブするビデオなどを見たり、スポーツ紙に載るインタビューがイビサ(地中海のリゾートアイランド、夏はサッカー選手のメッカになる)発ばかりだったりに気がつくと、自分も暑いだけのマドリッドでゆだってないで、ビーチでノンビリしたいと夢想する毎日なんですけどね。 ▽それでもまだお仕事中の選手たちもいない訳ではなく、その1つがスペインU21代表で、1戦目はアセンシオ(レアル・マドリー)のハットトリックなどでマケドニアに5-0、2戦目はポルトガルに3-1で勝利。この2試合でサウール(アトレティコ)が連続ゴールを挙げたおかげもあって、グループリーグ突破を2節目で早々に決定しました。そのため、先週の金曜に行われる最終節、セルビア戦ではスタメン総入れ替えとなったんですが、やはりここは、リーガ3強の残り1チームの選手も存在感を示しておかねばと思ったんですかね。38分にオドリオソラ(レアル・ソシエダ)のラストパスをデニス・スアレス(バルサ)が決めて、1-0と勝利することができましたっけ。 ▽ただ、MVPとなった彼などは「Hemos ganado y hemos mantenido la puerta a cero/エモス・ガナードー・イ・エモス・マンテニードー・ラ・プエルタ・ア・セロ(ボクらは勝って、失点ゼロに抑えた)」と胸を張っていたんですが、その当人を始め、ボルハ・マジョラル(ボルフスブルク)やソレル(バレンシア)らが他にもあったゴールチャンスに次々失敗。セルビアは41分にレッドカードでジョルジュビッチ(パルチザン)を失い、その後ずっと10人で戦っていたことも考えると、なかなか「Hemos tenido oportunidad los que veniamos jugando menos para demostrar que todos podemos cumplir/エモス・テニードー・オポルトゥニダッド・ロス・ケ・ベニアモス・フガンドー・メノス・パラ・デモストラル・ケ・トードス・ポデモス・クンプリール(あまり出ていない選手でも、全員がやり遂げられることを示すチャンスだった)」というミケル・メリノ(ドルトムント)のように大きなことは言えないと思いますが、まあ、グループ3連勝だったのはスペインだけですしね。 ▽その辺は自信を持っていいところかもしれません。ただ、これは本当に短い大会で、土曜にはポーランド北部のグィドゴシュチェから、7時間かけて南部のクラクフに電車で移動。彼らが次に挑むのは火曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、イタリアとの準決勝です。大人のチーム同士の対戦ともなると、予断を許さないカードなんですが、U21のイタリアは最終節にドイツに1-0と競り勝って、何とか4強入りを果たした状態ですし、アセンシオやサウール、デウロフェウ(昨季はミランでプレー)、ベジェリン(アーセナル)ら、頼りになるA代表経験者も多いスペインに比べると、注目されている選手もGKドンナルンマ(ミラン)ぐらいしかいませんからね。大いに勝算はあるかと。 ▽そして勝ち上がれば、金曜にイングランドvsドイツの勝者と対決して優勝できるというのが最高のシナリオですが、この2試合でいい働きをすれば、9月からのW杯予選招集、引いては来年の夏にロシアへ行ける芽も大きくなると思えば、5月下旬からずっと合宿している選手たちも最後の力を振り絞ってくれるはず。まだ皆、若いため、バケーションだってそんなに長くはいらないでしょうしね。2013年、それこそロペテギ監督の下で最後にユーロ優勝を果たしたU21チームから、今ではイスコ、モラタ、カルバハル(マドリー)、コケ(アトレティコ)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)らが、A代表常連になっているのもいい励みになると思います。 ▽え、それより土曜にはマドリッドのチームにとって大事な試合があったんだろうって? その通りで、私が家を出る前に見たコンフェデレーションズカップのグループA最終戦は33分にクリスチアーノ・ロナウドがPKで先制点を挙げると、その後、ベルナルド・シウバ(モナコからマンチェスター・シティに移籍)、アンドレ・シウバ(ポルトからミランに移籍)、ナニ(バレンシア)が続き、予想通り、ポルトガルが4-0の圧勝でニュージーランドを下して首位通過を決定。この試合では後半途中に退き、昨季のマドリー同様、フェルナンド・サントス監督にお休みをもらいながら、3試合連続MVPをゲットしたため、ロナウドも幾分、機嫌を直したかと…思いきや。やはり脱税容疑で訴えられたことに関してはまだ怒りが静まっていなかったよう。翌日には当人のスポーツ・ディレクターから、「クリスチアーノはよく考える時間が必要と言っていた」とのコメントが。 ▽マドリーのペレス会長も、別に慌ててはいないでしょうけどね。まあこのところ、とにかく訳わからない移籍関連記事が溢れている状態なため、とりあえずコンフェデレーションズカップが終わって、ロナウドと話す機会を持つのを待っているようです。まず水曜の準決勝でポルトガルはチリと対戦。その結果がどう出ても、ベスト4入りしたチームは日曜の3位決定戦、決勝のどちらかを戦わないといけないため、彼が本当にスペインに戻りたくないのか、来季もジダン監督の下に留まるのか、白黒はっきりするのは当分、先になりそうですね。 ▽よってそちらは気長に構えるしかありませんが、その土曜にはようやくヘタフェが今季の戦いに決着をつけたんですよ。いやあ、先週の昇格プレーオフ準決勝ウエスカ戦2ndレグにも増して超満員となったコリセウム・アルフォンソ・ペレスにテネリフェを迎えた彼らだったんですが、何せ水曜の決勝1stレグでは0-1で敗戦。remontada(レモンターダ/逆転劇)が必要だったため、私も結構、緊張して試合が始まるのを待っていたところ、キックオフ前には2003年に初の1部昇格を達成した時のメンバー、パチョンやジカ・クライオベアヌ、ナノ、ドラドらがピッチに上がり、その場をますます盛り上げてくれることに。ええ、今の選手たちもそれにしっかり応えてくれて、早くも9分にはダミアンのCKからのボールをファウウリンが蹴り込んで、総合スコアでタイに戻してくれたから、どんなにホッとできたことか。 ▽これで調子に乗ったヘタフェは13分にもチュリが折り返したパスをパチェコが正確に決め、一気に逆転に成功。それから4分後、今度は柴崎岳選手のラストパスをロサナがゴール前で押し込み、テネリフェに1点を返されてしまったから、さあ大変! そう、これはアウェイゴールになるため、このまま2-2で終わった場合、ヘタフェが負けてしまうんですよ。 ▽でも大丈夫。1年ぶりに会った顔馴染みのヘタフェ番の女性記者がチャンスの度に声を枯らして応援している横でじっと待つこと20分。ウエスカ戦同様、2部では十分、得点力を持っていることを彼らは証明してくれました。今度はホルヘ・モリーナのシュートが敵GKに弾かれたところにパチェコが再び登場、確かにこれも周りには誰もいない状態でしたが、さすがにここ2シーズン、ベティスとアラベスで連続して昇格している経験者だけありますね。来季こそ、1部でのプレーを楽しむんだという決意でボールをネットに収め、チームを3-1のリードに導いてくれたんですから、本当に有難いじゃありませんか。 ▽結局、51分には柴崎選手に代えてサウールのお兄さんであるアーロンを送り出して反撃を試みたテネリフェでしたが、何度か観客席に恐怖のどよめきが走ることはあったものの、勝利に必要だったあと1点は最後まで取れず。うーん、アトレティコからレンタルで修業に出ている20歳のアマトなどには惜しいチャンスもあったんですけどね。あの決定力のなさでは、やはりまだ、この夏もFIFA処分のせいで補強のできないシメオネ監督の前線に加わるには力不足であることが露呈してしまったかも。「後半、そういう予定ではなかったが、instintivamente el equipo se metio atras/インスティンティバメンテ・エル・エキポ・セ・メティオ・アトラス(チームは本能的に引いてしまった)」(ボルダラス監督)というヘタフェもそれ以上、追加点を挙げることはなかったため、試合は3-1のまま終了。総合スコア3-2で1年ぶりの1部復帰が決まりました! ▽いやあ、それにしても準備万端とはまさにこのことで、まあ終了直後はピッチにファンが押し寄せ、しばらく混乱していたんですけどね。実は私など、帰りのメトロ(地下鉄)の駅でスタジアムのシートを持っている人を見て、兄貴分のファンが最終戦でビセンテ・カルデロンの座席を引き剥がしていたのを真似しているのかと思ったものですが、この時にはどこのチームより長いシーズンを戦いながら、報われなかったのに逆上したテネリフェのファンがピッチ内のヘタフェサポーター目掛け、シートを投げつける騒ぎがあったのだとか。まあ、ヘタフェサイドにも「Africano que no vote/アフリカーノ・ケ・ノー・ボテ(跳ねないのはアフリカ人)」と、テネリフェのあるカナリア諸島の位置にかこつけて、挑発するようなカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を歌っていた品のないファンたちもいたようですしね。 ▽それでも騒ぎがその程度で済み、群衆はすみやかにピッチから退去、クラブが用意した昇格セレモニーを恙なく行えたのは良かったかと。ええ、先月は残留を達成してブタルケでお祝いするレガネスを見ていた私ですが、やはり1部では先輩のヘタフェ。もちろん兄貴分のマドリーがサンティアゴ・ベルナベウでドゥオデシマ(12回目のCL優勝のこと)の後、開催したメガフィエスタには敵いませんが、選手が呼ばれて登場する時に吹き上がる炎の演出も檀上に全員揃った後の紙吹雪、豪快な打ち上げ花火もお隣さんよりずっと豪華だったのは否定できなかったかと。 ▽そして時刻はもう午前零時、それからチームはオープンデッキバスに乗って、シベリーナ(ヘタフェがファンとお祝いする広場)に向かい、翌日の午前中には市庁舎表敬訪問と、凄い勢いで祝賀行事を済ませたヘタフェでしたが、もしや関係者一堂、少しでも早くバケーションに入りたかった? まあ、休めてせいぜい1カ月ですが、ちなみに来季は、「Tiene contrato, si quiere entrenar en Primera yo le voy a dar la oportunidad/ティエネ・コントラトー、シー・キエレ・エントレナール・エン・プリメーラ・ジョ・レ・ボイ・ア・ダール・ラ・オポルトゥニダッド(契約があるから、もし1部で指揮したいならチャンスを与える)」とアンヘル・トーレス会長がお祝いの最中に確約していたため、昨季はアラベスを昇格させながらペジェグリーノ監督と交代。今季の8節に21位にいたチームをエスナイデル監督から引き継いで見事、目標を達成したボルダラス監督が続投する模様。 ▽ただ選手たちについてはレンタルで来ている人も多いため、まだどうなるかよくわからないんですが、ちょっと心配なのは以前、1部にいた頃はボール扱いの上手いチームを目指していた彼らだったというのに、今季は2部で一番ファール数が多い、荒っぽいプレーをするようになっていたこと。いやあ、プレーオフなんてそれこそ、そのぐらいの気合がないと勝ち抜けないんだと思いますが、ウエスカ戦でもテネリフェ戦でも両チームの選手がすれ違う度、必ずどちらが地面に転がっているというのはねえ。 ▽1部の審判はその辺、厳しいため、来季はイエロカード禍に襲われないよう、プレシーズンの間に調整していってほしいものかと。でもでも、これでまたマドリッドには1部4チーム体制が復活。ヘタフェファンには、これまで前例のないレガネスとの1部ダービーを楽しみにする向きも多いようですが、またマドリーやアトレティコら、兄貴分を迎えて賑わうコリセウム・アルフォンソ・ペレスを見られるのは私もとっても嬉しいですよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.27 11:40 Tue
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