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【原ゆみこのマドリッド】後ろは振り返っちゃいられない…2017.03.14 13:40 Tue

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▽「ちゃんとカメラは戻ったのね」そんな風に私が驚いていたのは月曜。ベティス戦後のミックスゾーンでセルヒオ・ラモスが喋っている映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、前日の夜は私もサンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンにいたんですけどね。マルセロに続いてモドリッチが登場したため、いつも2人しか選手を出さないレアル・マドリーですし、すでに時計の針も12時過ぎ。TV各局のクルーも撤退していたとなれば、久々にちがう選手の話を聞けたと満足していた私がスタジアムを後にしてしまったとしても無理はなかった?

▽それが驚いたことに、メトロ(地下鉄)の駅に向かう途中もラジオ・マルカ(スポーツ専門放送局)をつけっぱなしにしていたところ、いきなりラモスの囲み会見が始まるんですから、やられた感の半端ないことといったら! うーん、同郷のモドリッチのコメントが取れて、嬉しそうにしていた顔馴染みのクロアチア人記者から、帰りがけに「ラモスは待たないの?」と冗談交じりに訊かれてはいたんですけどね。このところ、マドリーの成績が安定せず、敗戦や引き分けのたびに言い訳会見をしていたキャプテンですし、試合直後のピッチインタビューも受けていたため、「いくら何だって、6試合連続でミックスゾーンに出て来る訳ないじゃないの」と勝手に判断してしまった自分が悪いんですが…いや、その日の試合同様、ラモスのやることは常識で判断しちゃいけないって、本当に勉強になりましたよ。

▽まあ、その辺はまた後からお話しますが、先週末のリーガはマドリッド勢、皆がハッピーになれる結果に。始まりは土曜、サンチェス・ピスファンでセビージャに挑んだ新弟分。相手は今週火曜にクラブ史上初のCL準々決勝進出が懸かった16強対決レスター戦2ndレグ(1stレグは2-1で勝利)が控えているため、気が散っていたんですかね。開始2分にエル・ザールのラストパスから、ガブリエウ・ピレスが器用なバックヒールでゴールを挙げ、レガネスが見事に先制。前半終了までもう少しという42分にはヨベティッチに同点弾を決められてしまったものの、後半何とか持ちこたえて、1-1の引き分けをもぎ取っているんですから、頑張ってくれたじゃないですか。

▽そして夜は先輩格のアトレティコがセビージャ(スペイン南部、アンダルシア地方の首都)からそれ程、遠くないグラナダ(アルハンブラ宮殿で有名な町)でキックオフとなったんですが、CL戦を控えているのは同じとはいえ、こちらはフェルナンド・トーレスやガメイロ、ガビら、欠場者が多かったのが響いたんですかね。前半はカラスコやグリーズマンのゴールがfuera de jugo/フエラ・デ・フエゴ(オフサイド)で取り消されたぐらいで、どちらも得点することなしに終了。このままではスコアレスドローになりかねないと心配したか、シメオネ監督は後半頭からトーマスの代わりにコレアを入れたんですが、あまり代わり映えはしませんでしたねえ。

▽それどころか、グラナダに決定力のあるストライカーがいないため、ゴールにこそなりませんでしたが、シュートをどんどん撃ち始めたため、ガイタンをCBヒメネスに代え、彼にボランチをやらせて敵の攻勢を止めるなんて苦労もしていましたが…。またもや私が諦めかけたころ、ようやく才能を発揮してくれた選手がいたんですよ! 38分、コケが短いCKから繋いで、再びエリア前すぐ右からクロスを上げたところ、ワンクッション置いたせいでマークが外れたのか、グリーズマンがヘッドでネットに収めてくれたから、どんなに助かったの何のって。

▽まあ、シメオネ監督によると、「El cabezazo es por la tecnica mas que por la altura/エル・カベサソ・エス・ポル・ラ・テクニカ・マス・ケ・ポル・ラ・アルトゥーラ(ヘッディングが決まるのは身長より、テクニックのおかげ)」なんだそうですが、決して長身FWとは言えないグリーズマンが邪魔をされずにボールをミートするにはチームメートの協力が不可欠。地道なセットプレーの練習が実ったおかげで、何とか0-1で勝利をゲットと、レガネスのためにもなってあげられましたが、実際、降格圏にいる相手にここまで苦労しているのでは先が思いやられるかも。となると、シメオネ監督が「セビージャを見るのは良くない。Cinco puntos son muchos/シンコ・プントス・ソン・ムーチョス(勝ち点5差というのは大きいからね)。レアル・ソシエダもビジャレアルも強いから、4位の座を確定させるべきだ」と話していたのはもっともだった?

▽いえ、終了直後にマイクを向けられたコケなどは、まだ監督記者会見前だったせいか、「estamos felices por estar mas cerca del objetivo, que es ser terceros/エスタモス・フェリセス・ポル・エスタル・マス・セルカ・デウ・オブヘティーボ、ケ・エス・セル・テルセーロス(3位になるという目標に近づけて嬉しいよ)」と、素直に喜んでいましたけどね。実際、本当にアトレティコにここ数年、定位置の3位奪回の可能性が出て来るのは今度の日曜。直接対決でセビージャとの差を勝ち点差2まで近づけてから。その前、1stレグでは2-4でアウェイゴールをいっぱい持っているとはいえ、先週バルサがPSG相手に4-0を6-1で引っくり返したなんて例もあったことですし、0-3なら逆転敗退してしまう水曜のレバークーゼン戦2ndレグも気になりますしね。

▽こうなるとそれこそ、「Nosotros tenemos que tratar de ganar todas las finales que nos quedan de aqui al final/ノソトロロス・テネモス・ケ・トラタル・デ。ガナーウ・トーダス・ラス・フィナレス・ケ・ノス・ケダン・デ・アキー・アル・フィナル(ウチはこれから最後まで残っている全ての決勝に勝っていかないといけない)」(ヒメネス)という姿勢でいってもらいたいものですが、さて。そんな目が離せないアトレティコvsレバークーゼン戦は水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。ロジャー・シュミット監督からタイフン監督に代わった相手にはCBトプラクが負傷、GKレノやベンダーら主力の出場が微妙と戦力的に不安がありますが、アトレティコもトーレスは月曜から全体練習に復帰したものの、ガメイロはまだ個別メニューですしね。グラナダ戦で終盤に鼻を強打、オブラクがタオルを貸してあげたり、コケが顔に水をかけて鼻血をゴマかそうとしたにも関わらず、結局骨折が判明したサビッチはマスクをすればプレー可能なようです。

▽そして翌日曜、夕方の試合でバルサがデポルティボに2-1で敗戦するという不覚を取るという朗報(17位に落ちてしまったレガネスには凶報)を手にベティス戦を迎えたマドリーでしたが、また性懲りもなく、敵に先制されてしまったんですよ。いえ、前半20分に1人、ゴールに向かって来たダルコをエリア外に飛び出て迎え撃ったGKケイロル・ナバスは、相手にぶつかって倒してしまったものの、マテオ・ラオス主審が「Él sabe que hay contacto, me lo reconoce, pero no le da lo suficiente para pitarlo/エル・サベ・ケ・アイ・コンタクトー、メロ・レコノセ、ペロ・ノ・レ・ダ・ロ・スフィシエンテ・パラ・ピタールロ(接触があったのはわかっていて、それは認めていた。でもファールを吹くには十分じゃなかったって)」(セバージョス)とのことで、スルーしてくれたため、レッドカードは出されずに済んだんですけどね。

▽それで心が乱れたかどうかは知りませんが、その4分後、せっかくサナブリアのシュートを止めながら、「Toco con la mano derecha y es mala suerte/トコ・コン・ラ・マノ・デレッチャ・イ・エス・マラ・スエルテ(右手に当たって、運が悪かった)」(ナバス)と、逃げたボールがラインを割ってしまったから、さあ大変! うーん、最近はベルナベウのサポーターの目がとりわけナバスに対して厳しくて、ポルトに移籍する前のシーズンのカシージャスのように、何かというとすぐにpito(ピト/ブーイング)が飛んできますからね。これでは落ち着いてプレーもできないんじゃないかと心配になりましたが、幸い40分にはマルセロのクロスをクリスチアーノ・ロナウドがヘッドでゴールして、同点でハーフタイムに入れることに。

▽後半も後半でなかなか点が奪えなかったんですが、ハメス・ロドリゲスをルーカス・バスケスに、モラタをベンゼマにと、ジダン監督も前線を変えて四苦八苦していた75分過ぎ、私もこのまま引き分けたら、バルサと同じ勝ち点になって、またリーガが面白くなるかなと思っていた頃…。ベティスのピッチーニが2枚目のイエローカードをもらって、10人になってしまったの。ただそれが彼らの命取りになってしまったのは、その直後にCKを与えてしまったからで、ええ、ビクトル・サンチェス監督も「それまでウチはマドリーのセットプレーを上手くコントロールしていたが、退場のすぐ後でマークの調整ができなかった」と言っていましたけどね。

▽クロースがCKを蹴る間、身長168センチの左SBドゥルミシが懸命にラモスを牽制していたものの、何せ相手はヘッドのスペシャリスト。デポルティボ戦では同様に小柄なジョルディ・アルバがベルガンティーニョを抑えられず、決勝点を奪われていましたが、ボールが落ちて来る一番肝心な瞬間に逃がしてしまってはいけません。これでリーガ7点目、CLでも先週のナポリ戦での2発を含めて3点と、今季のゴールを10本にしたラモスはまた、息子さんに電話を掛けるポーズやら何やら、イロイロなパフォーマンスをしていましたが、その一部は「Se lo dedico a mi mujer/セ・オ・デディコ・ア・ミ・ムヘル(自分の妻に捧げる)」(ラモス)ものだったよう。これまで1度も捧げてくれないのを芸能人の奥さん、ピラル・ルビオさんに文句を言われたからだそうですが、なかなか家庭を平和に保つのも大変ですね。

▽え、それでもロスタイムにナバスのparadon(パラドン/スーパーセーブ)がなかったら、マドリーは追いつかれていたんだろうって? そうですね、ジダン監督が「Keylor tiene carácter aunque cometa un error/ケイロル・ティエネ・カラクテル、アウンケ・コメタ・ウン・エロール(ナバスはミスをしても強い気概がある)」と太鼓判を押していた通り、当人が「Tenía que seguir adelante/テニア・ケ・セギール・アデランテ(前に進まななければならなかった)と、サナブリアの至近距離ヘッドを鬼のような反射神経で弾いてくれたおかげというのは本当だったかと。

▽うーん、こういうシーンを見ると、どんなにひどいミスをしてもすぐに忘れてしまえる選手が活躍するのがサッカーなんだという気がしてきますが…。まあそんなことはお隣さんを見ていれば、とっくの昔に明らかなこと。もちろんビクトル・サンチェス監督も「前半のナバスのプレーが試合のカギだった。Era de expulsión muy clara/エラ・デ・エクスプルシオン・ムイ・クラーラ(あれは明白な退場行為だったからね)。実際、ウチはピッチーニの退場をすぐに利用された」と嘆いていたように、運にも大きく左右されますけどね。おかげで2-1の勝利を掴んだマドリーはバルサに勝ち点差2をつけて、堂々首位に復帰。ええ、堂々ですよ。だって、まだ未消化のセルタ戦だって残ってるんですから。

▽そんな彼らは今週のミッドウィークに試合がなく、火曜夕方まで休みで、その後は土曜までみっちり練習ができるんですが、それだけに余裕があるということでしょうかね。いえ、大して時間のないアトレティコでも、日曜のお休みにグリーズマンがパリまで大好きなラッパーのドレイクのコンサートに駆けつけていたぐらいですから、一概には言えないものの、月曜のお昼にはロナウドが市内のシュダッド・リネアルにできた、自身が経営するジム、CR7クランチ・フィットネスの2号店の入会金無料、会員募集プロモーションに出現。

▽彼女のジョルジーナ・ロドリゲスさんが見守る中、選ばれた一般客と一緒にトレーニングを楽しんでいましたが、面白かったのは今では都市伝説と化していた当人が毎日、腹筋を3000回やるという噂をマジメに否定していたことでしょうか。ええ、「Los suelo entrenar tres o cuatro veces por semana. No sé si llegaré a los mil por semana/ロス・スエロ・エントレンーアル・トレス・オ・クアトロ・ベセス・ポル・セマーナ。ノー・セ・シー・ジェガレ・ア・ロス・ミル・ポル・セマーナ(週3、4回やるけど、1週間で1000回になるかはわからないよ)」とのことですが、それでも十分に勤勉で羨ましい。最近はほとんどミックスゾーンでもお目にかかれないロナウドですが、ベティス戦でトップのメッシまで4点差まで迫ったpichichi(ピチチ/得点王)レースにもそろそろ本腰を入れないといけませんしね。ラモスにも存在感で負けないよう、また次のアスレティック戦ではガンガン、ゴールを決められるといいのですが。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】これで本当にもう最後…

▽「真夏のクラシコ祭りなんて暑そう」そんな風に私がうんざりしていたのは月曜日、早くもレアル・マドリーの7、8月の予定表がAS(スペインのスポーツ紙)に掲載されているのを見た時のことでした。いやあ、恒例のロサンジェルス・キャンプの後、今年も彼らがアメリカでチャンピオンズカップ(夏季に行われる親善大会)に参加、7月29日にはバルサとマイアミで対戦する目玉試合が組まれたのは結構、前から話題になっていましたけどね。マドリーのリーガ優勝に続き、先週末にはバルサのコパ・デル・レイ優勝も決まったため、8月の第2、3週に行われるスペイン・スーパーカップでも両者が激突することに。丁度、バケーションシーズン中とあって、おそらくリーガやCLのクラシコ(伝統の一戦)より、観光客でもチケットが取りやすいんじゃないかと思いますが、要はこちらも早めに休暇を切り上げないといけないってこと? ▽おまけに今週土曜のCL決勝でユベントスを破れば、8月8日にあるUEFAスーパーカップにもマドリーが出場。こちらも因縁ありあり、モウリーニョ監督率いるヨーロッパリーグを制したばかりのマンチェスター・ユナイテッドと激突することになるため、そうなるとますます、ノンビリはしていられないんですけどね。いよいよマドリッドも気候が夏モードに突入、これからバカンスの計画を立てるところだったのに、その前にハードな試合ばかり、仕事始めには待っているとわかるのは気が重いものかと。そこへ、先週末はジダン監督からもらった3日間の練習休みを目一杯楽しんでいたマドリーの選手たちの写真(http://www.marca.com/futbol/real-madrid/album/2017/05/29/592be2e5468aeb70798b4631.html)を見たりすると、尚更羨ましくなってしまいますが、まあそれはそれ。とりあえず、まずはビセンテ・カルデロンでのお別れ試合の様子をお伝えしておかないと。 ▽え、それって、21日のリーガ最終戦だったんじゃないのかって?いやあ、実は今回、お別れ試合が複数あって、そちらは心ならずもアトレティコの公式戦最後となってしまった試合で、この土曜にはカルデロンで開かれる最後の公式戦、コパ・デル・レイ決勝が開催。もちろん出場したのがバルサとアラベスだったため、スタンドをキレイに二分したどちらのファンも今季でお役御免となるスタジアムに思い入れがあった訳ではありませんが、大事な一戦なのには違いありませんからね。私も足を運んだものの、やはり案の定、結果は「Carecimos de talento que si tuvo el Barca/カレシモス・デ・タレントー・ケ・シー・トゥボ・エル・バルサ(ウチはバルサの持っていたタレントが欠けていた)」(ペレグリーニ監督)というものに。 ▽何せ、今季昇格組の中では大健闘、数節残して2部へのUターンが決まったオサスナはもとより、17位でギリギリ残留を決めたマドリッドの新弟分、レガネスなど及びもつかない9位(勝ち点の差は20)という高みでリーガを終えたアラベスとはいえ、相手はあのバルサですからね。序盤はコパ決勝初体験チームがガツガツくるのを余裕で見守っていただけでしたが、30分にはエリア前からメッシがヒョイとすくい上げるように蹴ったシュートがゴールになってしまったから、驚いたの何のって。 ▽ただ、その時は3分後、その日もパルコ(貴賓席)に応援に駆けつけていたアトレティコのルカスの弟、アラベスにレンタル移籍中のテオが27メートル離れたところからのFKを見事にネットに収めて同点に。それこそ、そんな武器があるのなら、キッカーがクリスチアーノ・ロナウドやベイルの専売特許となっているお隣さんなんかに移籍しなければいいのにと思わせたものですけどね。 ▽やっぱりバルサはバルサでアラベスはアラベスなんですよ。いよいよハーフタイムも間近という45分、早い時間にマルコス・ジョレンテと空中戦で頭をぶつけ、ヒザも痛めて交代したマスチェラーノの代わりに右SBに入ったアンドレ・ゴメスのラストパスをネイマールが押し込み、再び前者がリードを奪うと、ロスタイムにも今度はメッシのアシストでパコ・アルカサルが3点目をゲット。うーん、自慢のMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)ではルイス・スアレスが出場停止で、スタンド見学していたんですけどね。何より気を引き締めなければならない時間帯に代理の選手に易々と得点を許してしまう辺り、もろに決勝という場に慣れていないチームの欠点が出てしまったという感じでしょうか。 ▽それでも後半、気落ちせず、「Jugamos al limite de nuestras posibilidades/フガモス・アル・リミテ・デ・ヌエストラス・ポシビリダーデス(自分たちの可能性の限界までプレーした)」(ペレグリーニ監督)アラベスでしたが、最後まで追加点を挙げることはできず。そのままバルサが3-1で勝利して、ルイス・エンリケ監督退任の花道を無事に飾ることができたんですが…トロフィー授与式が終わっても席を立たず、ずっと応援を続けていたアラベスのファンたちには私も感動させられるばかり。 ▽うーん、そんなシーンは先日、アトレティコがマドリーに逆転勝利しての突破が叶わなかったCL準決勝2ndレグでも目撃したんですけどね。アラベスのキャプテン、マヌ・ガルシアも「me siento ganador y nuestra la gente se siente ganadora/メ・シエントー・ガナドール・イ・ヌエストラ・ラ・ヘンテ・セ・シエンテ・ガナドーラ(自分は勝者だと感じるし、ボクらのファンも勝者だと感じている)」と言っていたように、とりわけ決勝で勝つのが当たり前ではないチームのファンって、全力を尽くした選手たちに優しくできるのかも。 ▽逆に優勝慣れの弊害が垣間見られたのはバルサで、いえ、ピケがゴールネット切り取って持ち帰っていくのはもう恒例として、翌日にも試合があったカルデロンのスタッフも予備を用意していたと思いますけどね。丁度、そのシーンで当人がウムティティに「ネットで抽選して、アトレティコファンに贈る」って言っていたのは本気だったのかどうか。それ以上に引いたのは、もちろんスタジアムに来ていたバルサファンは喜んでいたものの、深夜にエル・プラット空港に着いたチームを迎えたファンはほとんどおらず。カナレタス(バルセロナ市内にある、バルサファンが優勝祝いをする広場)にも200人程が集まったぐらいで、クラブ主導の祝勝イベントすらないって、どれだけコパを軽視している? ▽まあ、ルイス・エンリケ監督の就任1年目には3冠(CL、リーガ、コパ)、2年目には2冠(リーガ、コパ)ときて、今季はコパだけとなると、お祝いに力が入らない気分もわかりますが、あのマドリーだって、コパ優勝の際にはシベレス広場に繰り出していましたからね。せっかくの3連覇なんですし、この3年間で9つもタイトルを獲得した功労者を称えるためにも、何かセレモニーがあっても良かったんじゃないでしょうか。 ▽そしてバルサはリーガ2位でCL出場権を得ているため、コパ優勝副賞のEL出場権は使用されず、リーガ7位チームが獲得することに。ルイス・エンリケ監督の後任として発表されたバルベルデ新監督をホッとさせることになったんですが、それはアラベスのペレグリーニ監督が辞任を表明したのと同様、月曜になってからのこと。その前の日曜には再び、私もカルデロンに向かうことになり、はい、これがお別れ試合第3弾です。ちなみにこちらはチャリティマッチで“Final de Leyenda(フィナル・デ・レジェンダ/伝説のフィナル)”と名付けられたその試合では、アトレティコOB、現役混合チームとロナウジーニョ率いるレジェンダチームが対戦。 ▽ただねえ、コパ決勝とは違い、周りが見慣れた色のユニフォームを着たファンばかりなのは私も嬉しかったんですが、何とアトレティコ側の選手が60人近くいたんですよ。キックオフ前、スピーカーに呼ばれて、1人1人出て来るだけでも20分以上もかかったため、フェルナンド・トーレスやガビ、今は違うチームでプレーしながら友情出場したアドリアン(ビジャレアル)や2010年のEL初優勝の時、アグエロ(マンチェスター・シティ)と一緒にチームのアイドルだったフォルラン、他アントニオ・ロペス、GKレオ・フランコら、先発メンバーの時には前半30分にトーレスのvaselina(バセリーナ/ループシュート)で先制するなど、まだ形になっていたんですが、次々と交代が始まってからは選手の年齢層が急上昇。いまだに眩いばかりのテクニックを駆使するロナウジーニョに翻弄されるばかりに。 ▽まずは相手GKイグイータにPKで同点にされると、ハーフタイム間際にもカニーヒアに決められてリードされてしまう始末。後半にはコケやサウール、カンテラーノ(アトレティコB出身の選手)仲間のオリベル・トーレス(ポルト)が入り、惨劇を喰いとめようとしたものの、レジェンダチームのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は続き、とうとう1-5って、ちょっとお。これは一体、誰のための試合なの?とはいえ、その辺はイベント慣れしたロナウジーニョなどにはわかっていたんでしょうね。スタンドから、まさかの「Si se puede!/シー・セ・プエデ(イエス、ウィ・キャン)」の掛け声が響く中、当人がPKを失敗してくれたり、敵DFが動かないでいてくれる前で温情ゴールが決まったりと、残り10分で3点を取ったため、最後は4-5というまともなスコアで終わることができましたっけ。 ▽え、もうこの試合はファンもカルデロンに別れを告げ、最後にイムノ(クラブ歌)を合唱するために来ただけなんだから、結果なんてどうでもいいんだろうって?まあ、そうなんですが、私はマドリーのチャリティマッチも見ていますからね。同じような中高年のOBが出ていても、やっぱりお隣さんの方が根本的に質が高いと感じてしまったのはいた仕方なかったかと。実際、訳わからないペナルティを犯したり、もらえたPKを失敗する辺り、1対1はGK目掛けて蹴っているなんてところなんて、今のチームにも連綿と受け継がれている悪しき伝統ですしね。試合後、全員がピッチに登場して記念写真を撮影、そこで締めのスピーチをしたトーレスは「Vamos a llenar de carino el Metropolitan/バモス・ア・ジェナール・デ・カリーニョ・エル・メトロポリターノ(メトロポリターノも愛情で満たそう)」と言っていたものの、できれば、これまでファンに悲しい思いをさせていた種々の欠点は置いていってほしいところです。 ▽そして名残りは尽きないものの、これでカルデロンはサッカー場としての役目を終え、後は夏の間、コンサートやイベント会場として機能。ゆくゆくは取り壊されることに。いや、だからといって、またしてもスタンドの座席を引っぺがして持っていくファンがいたのは決して褒められたことじゃないんですけどね。クラブは全予定が済んだ後、abnado(アボナードー/年間指定席購入者)には無償で提供、その他のシートは購入できると告知していたにも関わらず、狼藉を働いている親子連れのファンなど見るにつけ、この国ももう少し、公共心を育てる教育をしてくれたらなあと思ってしまうのですが…。 ▽そんな感じでスペインで見られる今季の試合は、まあ、あと2節あって、更には同じマドリッドのヘタフェが喰い込めそうな昇格プレーオフもある2部は別ですが、全て終了。後は土曜のCL決勝でマドリーがクラブ史上、2度目のdoblete(ドブレテ/2冠優勝)を達成できるかどうかを見守るだけになりました。ちなみに週末休みを挟んで、再び彼らが稼働するのは火曜からで、うーん、相手のユーベは土曜にセリエA最終戦だったにも関わらず、月曜からもう練習していましたけどね。丁度、あちらはメディアデーだったため、古巣対決となるイグアインの「Esperemos que Sergio no nos marque en el minuto 90/エスペレモス・ケ・セルヒオ・ノー・ノス・マルケ・エン・エル・ミヌート・ノベンタ(ラモスが90分に得点しないように期待している)」なんてコメントも伝わってきましたが、いえいえ、まだまだそれじゃ甘いですよ、ピピータ(イグアインの愛称)。 ▽昨季のミラノでは前半15分、(オフサイドだったけど)アトレティコがラモスに先制点を奪われていたのをお忘れなく。ベテランCBのキエッリーニなども「自分たちが優勢のように見えてもマドリーはいきなり、その質の高さで勝つ」と言っていましたしね。何せ、相手はジダン監督のチームが今季シーズン後半、リーガ・クラシコで2-3と負けたバルサに準決勝総合スコア3-0で完勝。つまりマドリー<バルサ<ユーベということになりますが、そう単純ではないのがサッカーの面白いところかと。幸いアッレグリ監督のチームにはBBC(ボヌッチ、バルザーリ、キエッリーニの頭文字)はいても、メッシはいませんしね。ええ、マドリーがアトレティコ以外のチームとCL決勝を戦うのを体験するのは私も初めてなので、どんな結果になるのか、ここはお手並み拝見といきましょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.30 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】オフシーズンが早いと…

▽「せめてこれでも獲れていたら良かったのかも」そんな風に私が、アトーチャ(マドリッドの主要ターミナル駅)に展示されているコパ・デル・レイ優勝杯の写真を眺めていたのは、いよいよバルサvsアラベスの決勝が翌日に迫った金曜のことでした。いやあ、2011年にはレアル・マドリーのセルヒオ・ラモスが祝賀イベントにシベレス広場に向かう途中、オープンデッキバスから落として潰されましたっけ。さらにバルサが3年連続の決勝とあって、チケットの売れ行きが芳しくなく、バルサファンはあまり盛り上がってないなど、他の大会に比べると、どこかマイナーな扱いをされがちなコパなんですけどね。 ▽オレホナ(大耳という意味のCLトロフィーの愛称)や15キロもあるヨーロッパリーグ優勝杯の重みはないですが…。また、来季にならないと授与されないリーガ優勝杯とも違い、勝ったその場でもらえるため達成感がありますしね。そのせいもあってか、アトレティコもビセンテ・カルデロン最後の試合でシメオネ監督のチームが有終の美を飾れるよう、サッカー協会に決勝会場にしてもらうという用意周到ぶりだったんですけどね。 ▽準決勝でバルサに負けず、せめてその夢ぐらい叶っていれば…。日曜のリーガ最終戦後に行われたお別れセレモニーで登場した51年間のスタジアム史でトロフィー19個というのは少ないかも。しかも2014年が最後というのは私もちょっとショックでしたけどね。そんな非情な現実を悟ってしまったグリーズマンだって、コパ決勝でもあれば、まだ忙しかったでしょうに、「いいプレーをしてゴールを入れるだけでは十分じゃない。自分はタイトルを獲りたい。この夏、将来を決める時にはそれを探すよ」なんて、バケーション入り早々、フランスのメディアに向かって宣言するなんてことはなかったのではないかと思えてしまったから。 ▽え、でも「CL決勝と準決勝と近くまで行ったけど、アトレティコには何かが欠けていた」という彼の台詞を聞くと、去年のサン・シーロでお隣さん相手に同点となるPKを失敗したり、この5月の対戦で逆に2試合でPKからの1ゴールしか挙げられなかったりしたのは一体、誰だったのかという疑問が湧いてこないかって? まあ、そうなんですが…。そこは「自分に代われるPKキッカーがいてくれたら」とか、「自分が繋ぎ役に徹している時にも点を取ってくれるFWがいたら」とか、深読みしてあげるとしても、「クラブは何をすべきか考えるだろう。補強次第だね。でも現時点でボクは移籍する準備ができている」って、何でそこまであからさまに言う必要があるんでしょう。 ▽おかげで今年はアヤックスvsマンチェスター・ユナイテッドという、スペイン勢のいないカードだったため、あまり興味のなかった水曜のEL決勝を見る破目に。ええ、グリーズマンが「ユナイテッドに行く可能性は10のうち6」と、やはりフランスのTV番組で言っていたからですが、アヤックスが勝てば何の問題も起きなかったにも関わらず、ストックホルムでは、ポグバとムヒタリャンのゴールで2-0としたモウリーニョ監督のチームがあっさりと優勝。ちなみにこのタイトル、その日、ベンチからセルヒオ・ロメロを見守っていたGKデ・ヘアはアトレティコ時代の2010年に続いて2回目の経験で、マタもフェルナンド・トーレスと一緒にチェルシーでプレーしていた2013年に獲得済み。逆に2012年決勝でアトレティコに負けたアスレティックにいたアンデル・エレーラは嬉しい初優勝となり、実際、ユナイテッドにとってもUEFAカップ/ELを制したのはクラブ史初めてというので、メデタイことには違いませんけどね。ここで一番大事なのは今季、プレミアリーグを6位で終わった彼らがとうとう来季のCLグループリーグ出場権を手に入れてしまったということ。 ▽要はグリーズマンもCLに出られないというフラストレーションを味わうことなく、弟さんの応援しているチームに大手を振って移れるようになってしまった訳ですよ。ところが、その翌日にはアトレティコの今季最優秀選手に選ばれた際に受けたインタビューで、「Ojala pueda mejorar cada ano y lograr trofeos con este equipo, hare todo lo posible/オハラ・プエダ・メホラル・カーダ・アーニョ・イ・ログラル・トロフェオス・コン・エステ・エキポ、アレ・トードー・ロ・ポシーブレ(毎年、もっと良くなって、このチームでトロフィーを獲得したい。そのために自分はできる限りのことをする)」と言っている映像が公表されたから、もう世間は困惑したの何のって。うーん、そのビデオはリーガ最終戦の前に収録されたようですが、ほんの週末を股いだだけでのこの豹変ぶり。 ▽まったくもって理解不能で、アトレティコのフロントなどは「creo que nadie vaya a pagar la cláusula de Griezmann/クレオ・ケ・ナディエ・バジャ・ア・パガール・ラ・クラウスラ・デ・グリーズマン(グリーズマンの契約破棄金額を払うところがあるとは思わない)」(セレソ会長)と、おそらくこの夏に予定されている契約延長交渉で年棒額の釣り上げが狙いではないかという解釈のようですが、え、でもその1億ユーロ(約125億円)が手に入ったら、アトレティコはジエゴ・コスタ(チェルシー)でもカバーニ(PSG)でも獲れてしまうのでは? いやあ、この契約破棄金額については丁度、水曜に2024年まで契約を延長。ビセンテ・カルデロンのVIPルームで行われたプレゼンでは、家族からのお祝いのビデオ上映中に涙が止まらず。司会者から、マスコミへの質疑応答は止めようかとまで言われていたコケなど、何と1億5000万ユーロ(約188億円)になったそうですからね。 ▽それでも本人は身内やクラブ関係者へのお礼と、「mi sueno es acabar en el Atletico, ojala el dia de manana pueda ser el primer capitan/ミ・スエニョ・エス・アカバル・エン・エル・アトレティコ、オハラ・エル・ディア・デ・マニャーナ・プエダ・セル・エル・プリメール・カピタン(ボクの夢はアトレティコで引退すること。明日にでも第1キャプテンになれますように)」という野望だけは言いたかったんでしょうね。何とか、持ち直して、マイクを握っていましたが、確かに「このクラブはここ数年で凄く成長したし、全てのタイトルを争っている。Hay muy pocos equipos mejores que el Atletico de Madrid/アイ・ムイ・ポコス・エキポス・メホーレス・ケ・エル・アトレティコ・デ・マドリッド(アトレティコよりいいチームはほとんどない)」(コケ)というのはあながち、間違いではないかと。 ▽それこそ昨今の状況を見る限り、アトレティコ以上にタイトル獲得の可能性を求めるなら、国外ならリーグ優勝はお約束事のバイエルンかユベントス、CLを視野に入れるなら、マドリーかバルサに移籍する以外ないと思うんですけどね。まあ、火曜に新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノに導入されるスコアボードやビデオスクリーンの企業プレゼンに出席したトーレスも「Tenemos que intentar que los jugadores quieran seguir aqui/テネモス・ケ・インテンタール・ケ・ロス・フガドーレス・キエラン・セギール・アキー(ボクらは選手たちがここに居続けたがるようにしないといけない)」と言っていましたし、グリーズマンにもタイトル云々以外の理由があるのかも。 ▽ちなみに現在、当人はアメリカに渡って、大好きなNBAのチーム巡り三昧。残留のカギを握るであろうシメオネ監督もさっさとアルゼンチンに帰ってしまいましたし、この夏、新規選手登録ができるかどうかが判明するCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定もまだ出ていないため、しばらくこの問題はペンディングのままになりますね。 ▽そしてここ数日、実はシーズンは終わっても負傷が治っていないファンフラン、ブルサリコ、アウグスト、6月にスペイン代表戦があるコケ、日曜の本当にこれがカルデロンで最後、クラブOBを招いてのチャリティマッチに出場するガビなどはまだ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でトレーニングを続けているというのが、アトレティコの近況なんですが、その間、お隣さんはどうしていたかというと。今週は6月3日にCL決勝が控えているマドリーも月曜にリーガ優勝祝いでマドリッド州庁舎、市庁舎巡りを済ませた後、木曜からセッションを再開。まだユベントスとの決戦には日数がありますから、話題もリーガ終盤にケガで離脱していたカルバハルやベイルがようやく全体練習に戻ったことぐらいで、かなり静かだったかと。 ▽そうそう、そのカルバハルがシベレス広場での祝賀イベントで「Pique carbon! Saluda al campeon!/ピケ・カブロン。サルダ・アル・カンペオン(ピケ、バカ野郎。チャンピオンに挨拶しろ)」という悪口のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を叫んでいたことについては、標的にされた当人から返答が。曰く「No lo considero insulto, es en un momento de euforia, de celebracion/ノー・ロ・コンシデロ・インスルトー、エス・エン・ウン・モメントー・デ・エウフォリア、デ・セレブラシオン(侮辱だとは思わない。お祝いの席で舞い上がっている時だからね)」(ピケ)と、自分も前科があるだけに理解があるようなのは良かったかと。 ▽「カルバハルは自分にメッセージを送ってきたけど、謝る必要はないと言っておいた」そうですが、でもねえ。ついでにカーディフでのCL決勝を見るかどうか訊かれ、「No se si podre verla. Estare en un curso en Harvard/ノー・セ・シーポドレ・ベルラ。エスタレ・エンウン・クルソ・エン・ハーバード(見られるかどうかわからないな。自分はハーバード大学のコースを取っているから)」という答えに何となく、イラッとしたのは私の心が狭いせい? ▽いえ、自身でもゲーム企業を経営しているピケですから、バケーション期間を利用して、メディア・エンターテイメントビジネスの勉強をするのは全然、構わないんですけどね。そこでわざわざ大学名まで出す辺り、やっぱり注目を集めるのが好きな性質なんでしょうか。まあ、そんなことはともかく、今はCL決勝についてはせいぜい、マドリーが紫のユニでプレーするとか、先日のマンチェスターでのテロ事件のせいで会場のミレニアム・スタジアムでは屋根を閉じての開催を検討中とか、そんな情報しかありませんからね。今はマドリッド勢には関係なくても、コパ決勝に注目せざるを得ない状況かと。 ▽そのバルサとクラブ史上決勝進出が初めてのアラベスが激突する試合は土曜の午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)キックオフ。先日、マドリー移籍が決まったと報道された19歳のテオなど、年子の兄のリュカも使っていたアトレティコのロッカールームをアラベスが使えることになって嬉しいかと思いますが、彼らはリーガ戦でカンプ・ノウでは1-2と殊勲の白星を挙げたものの、後半戦では0-6と大敗していましたからね。今回、どっちに転ぶのか、まったく予想もつきませんが、金曜からはもう続々とビトリア(スペイン北部、アラベスのホームタウン)からファンが上京。ただここ2年、アスレティック、セビージャとファンの熱狂度では大きく上回りながら、どちらもバルサの前に屈してしますからね。 ▽また同じ結末になる可能性も高いですが、一方、ルイス・エンリケ監督が指揮を執る最後の試合となるバルサではルイス・スアレスとセルジ・ロベルトが出場停止。前線はネイマールとメッシがいるため、それ程、気にならなくても、アレイシ・ビダルは足首骨折から治ってきたばかりで、マスチェラーノもケガ上がりのため、左SBを誰にするかが大問題になっているようです。うーん2シーズン前、就任1年目で栄えあるトリプレテ(CL、リーガ、コパの3冠)を達成したルイス・エンリケ監督も昨季はドブレテ(リーガ、コパの2冠)となり、いよいよ今季は獲れるタイトルがこれだけになってしまいましたからね。それだけに選手たちも序盤から飛ばしてきそうですが、あくまで勝負は水もの。何はともあれ、最後の最後までファンが楽しめる試合になってくれるといいのですが…。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.27 13:14 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】どこもかしこも祝っている…

▽「最高のフィエスタだったはずなのに」そんな風に私がモヤモヤしていたのは月曜日、前夜は眠りかけでTVを見ていたため、詳細までは把握していなかったレアル・マドリー、リーガV祝勝イベントの風景がお昼のニュースで流れた時のことでした。いやあ、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にたどり着くと、すでにマラガ戦は後半が始まるところ。さすが、優勝決定戦とあって、いつもよりファンの数も多く、そんな時間からでは椅子もなくて、45分間、立ち見をした後にだけだったため、シベレス広場へ駆けつけるなんて選択肢は最初から、私にはなかったんですけどね。 ▽どうやら噴水を囲むキャットウォークでマイクを握って騒いでいたマドリーの選手から、「Pique, cabron. saluda al campeon!/ピケ・カブロン、サルーダ・アル・カンペオン(ピケ、クソ野郎、チャンピンに挨拶しろ)」なんていうのは、6月のスペイン代表戦で他にもイニエスタ、ブスケツ、ジョルディ・アルバと仲間の多い当人と顔を合わすことになるカルバハルが、ラス・ロサス(マドリッド近郊)での合宿で居心地悪くなってもそれは自業自得。実際、件のバルサのCBは以前から、マドリーに対してあれこれ言っていたため、広場を埋め尽くしたファンも喜んで唱和していた気持ちもわかりますけどね。 ▽最悪だったのは、「Indios, decidme que se siente.../インディオス、デシッドメ・ケ・セ・シエンテス(アトレティコ共、何を感じるか言ってみろ)」と、この後、2度も決勝に負けて云々と続く、今季のCL準決勝1stレグでサンティアゴ・ベルナベウに広げられた横断幕の元になったカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を歌い出したのには目が点に。うーん、これはイスコだったんですが、人間、ハイになると、ここまでひどいことを言えるもの?何せ、ラ・ロサレダ(マラガのホーム)のピッチでのお祝いではよちよち歩きの息子さんを連れ、思いっきりイクメンぶりを発揮していた彼ですからね。そんなシーンを見ると、ちょっと残念なパパでお子さんも可哀想にと思ってしまうんですが…。 ▽いやまあ、それについてはアトレティコのセレソ会長など、「No molesta, a ver quien gana el proximo ano.../ノー・メ・モレスタ、ア・ベル・キエン・ガナ・エル・プロキシモ・アーニョ(迷惑ではない。来季はどこが優勝するか見てみよう)」と余裕たっぷりで答えていましたしね。今回もサウルはU21だけで、A代表1人参加となったコケがセルヒオ・ラモスを始め、ナチョ、アセンシオ、モラタ、そしてカルバルとイスコという、最大集団のマドリー勢に抗議するなんて所詮、不可能ですので、別にいいんですが、実は私も先週末はフィエスタづくしの2日間に。そう、土曜はマハダオンダ(マドリッドの近郊)のアトレティコ練習場に女子チームの応援に行ったところ、これがまた、いつもは男子チームがセッションに使っているミニスタジアムが満員の盛況。 ▽女子選手たちもレアル・ソシエダ相手に前半12分までに2点を決める速攻を見せ、いえ、15分に見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)で1点を返された時にはヒヤリとさせられたんですけどね。後半も9番をつけたエステルが何度も敵GKとの1対1に失敗していたため、そんなところは男子チームといい勝負とも思ったものの、大丈夫。ビセンテ・カルデロンでの練習を終え、息子のラウタロウ君を連れて駆けつけたヒメネスも見守る前でアトレティコ女子は2-1で勝利。同じ勝ち点だったバルサがレバンテに同スコアで負けたのもあって、堂々、今季無敗という立派な成績でリーガ初優勝を飾ることに。 ▽試合後にはスピーカーに呼ばれて選手1人1人がピッチに登場するお祝いセレモニーもあって、もちろん男子チームみたいに華々しくはないんですけどね。これで来季の女子CL出場権を勝ち取っただけでなく、この先にはコパ・デ・レイナ(女王杯)も控えているため、もしかして男子も1996年に1度しか達成したことのないdoblete(ドブレテ/2冠)も夢じゃない?それどころか、奇しくもお隣さんには女子チームがないため、悲願のCL優勝まで先を越されてしまうことになったりしたら…。 ▽まあ、その辺は置いておいて、夕方にはブタルケへ向かった私はマドリッドの新弟分、レガネスの1部残留祝いを体験できることに。ええ、すでに目標は前節にアスレティックと引き分けて達成していたため、その日のアラベス戦はセレモニーの前座みたいでしたけどね。後半クルスティチッチのヘッドで先制されながら、残り3分にティモルの驚愕25メートル弾が生まれ、試合も1-1で引き分けています。満員のスタンドに見守られてのお祝いでは、センターサークルを取り巻く青と白の風船や紙吹雪のジェット噴射などもあって、やはり20クラブ中、最低予算であってもそこは1部の男子クラブ。そういえば、今は昇格プレーオフの座を目指している2部のヘタフェも最初のシーズンはこんな風に残留を祝ったものだったと、私も懐かしく思い出してしまいましたっけ。 ▽ただ、レガネスの本当の戦いは来季からで、何せ今季は残留ラインとなったスポルティングが勝ち点31。その1つ上の17位で終わった彼らも35留まりでしたからね。しかもその日、胴上げされていたビクトル・ディアス、アルベルト・マルティンら、3年前、2部B時代から貢献してきたベテランが退団。その他、レンタル選手も多いため、計12人もの入れ替えになるかもしれず、またしてもアシエル・ガリターノ監督がチームを最初から作らないといけないのは辛いところかと。それにまだ1部2年目ですから、あまり心配しなくてもいいものの、今季のようにホームでたった5勝しかできなかったりすると、いずれはヘタフェみたいにサポーターの足が遠のく可能性もありますからね。この夏はできるだけ使える選手を集めて、チームとしても何か特徴を出せるようになるといいのですが。 ▽そして翌日曜はキックオフ前、4万枚のモザイクでスタンドが覆われたビセンテ・カルデロンに私はいたんですが、アトレティコもすでに3位決定済みの消化試合。相手はヨーロッパリーグ出場圏順位の懸かっているアスレティックとあって、お祝い事があるたび、ズッコケてきた彼らの暗い過去をちょっと懸念していたんですが、それは杞憂に終わります。ええ、その日は今のアトレティコのメンバーの中でもひと際、このスタジアムに愛着を持つフェルナンド・トーレスが序盤から発奮。7分には、個人としてもお別れ試合となり、ガビの代わりにキャプテンマークを着けたチアゴのロングパスをグリースマンがエリア内で落としたボールを決め、先制点をゲットしてくれたから、どんなにファンたちも喜んだことか。 ▽おまけにその2分後、今度はグリースマン、コケとエリア内でのプレーが繋がって、最後はトーレスが半chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で2点目となれば、いやあ、こんな活躍ぶり、マドリーとのCL準決勝で見たかったと思ってしまうのは私の性格が悪いせい?その後はフィリペ・ルイスとヒメネスの累積警告、ゴディンの3試合出場停止、ファンフラン、ベルサリコの負傷でDF飢饉に陥りながら、急造SBのトマスとサウルも頑張り、アスレティックを零点に抑えていたため、スタンドも歴代選手の応援歌を次々披露したり、Ola(オラ/ウェーブ)をして楽しんでいたんですが、後半11分、せっかくトーレスがGKケパをかわし、撃ったシュートはライン上でラポルテに当たってすぐにはゴールに入らず。それを見て、グリースマンがカッコをつけたtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で押し込んだところ、オフサイドとなってしまったのは残念だったかと。 ▽トーレスもこれまで達成したことのなかったカルデロンでのハットトリックを逃したことになりますが、ツイてないことは続いて、25分にはウィリアムスのシュートがサビッチに当たってゴールを割り、1点を返されてしまうことに。それでも終盤に大きな拍手を受けて交代となったチアゴの後を引き継いだコレアが42分、グリースマンの弾かれたシュートを決めて、アトレティコは3-1で勝利することができました。うーん、同時進行の試合では終了間際にソシエダがセルタ相手に2-2の引き分けに持ち込み、その勝ち点1のせいで、アスレティックは今週土曜のコパ・デル・レイ決勝でアラベスがバルサに負けない限り、来季のELには行けない7位になってしまったんですけどね。まあこの日はカルデロン最後の公式戦、「ファンに今季のお礼を言いたかった。Ha sido increible, sobre todo en la derrota/ア・シードー・インクレイブレ、ソブレ・トードー・エン・ラ・デロータ(信じられない程だったよ。特に負けた時)」(トーレス)というアトレティコの選手たちの感謝の気持ちの方が強かったようです。 ▽そして前日、リーガ優勝を決めた女子チームを男子チームが花道を作って迎え、彼女たちがピッチを一周している間に舞台が整えられると、いよいよセレモニーが始まります。まずはこのカルデロンでの51年間にアトレティコが獲得したトロフィーを当時の選手たちが中央に運んで来るんですが、1つ気づいたのは1996年の2冠の後は時代がいきなり飛んで、次は2010年のELだったこと。ええ、それまでは監督として知っている中高年ばかりが出てきていたのも、そこからはペレア、アスンソン、アントニオ・ロペス、シモン、ドミンゲスといった比較的近くに引退した元選手となり、その後はフィリペ・ルイスやゴディン、コケ、ガビといった今のメンバーも加わって、最後は2014年のリーガとスペイン・スーパーカップで終わります。 ▽うーん、この14年間の空白期間も気になりますが、そこにorejona(オレホナ/大きな耳というCLトロフィーの愛称)が1つもないのは寂しい限り。いえ、お隣さんのようにリーガだけで33回も優勝していたら、一晩かかっても運びきれなくて困りますけどね。その日、展示されたのはリーガ、コパ、旧CLで優勝したバイエルンが辞退したため、準優勝のアトレティコが参加して勝ったインテルコンティネンタル(トヨタカップ)、EL、スーパーのつく大会合わせて19個。マイクを握ったシメオネ監督も「記者たちはずっと続投するのかと尋ねていたが、Si, me voy a quedar/シー、メ・ボイ・ア・ケダール(私は残る)。このクラブには未来があり、それは私たち全員だからだ」と、ファンの前で宣言してくれていましたし、このトロフィーの数、来季からプレーするワンダ・メトロポリターノでどんどん増やしていってくれませんかね。 ▽え、最後に残りの現チームメンバーが出て来た時、ファンの「madridista el que no bote/マドリディスタ・エル・ケ・ノー・ボテ(跳ねないのはマドリディスタ)」というカンティコに乗って、やたらピョンピョンしていたグリースマンはちょっと異様じゃなかったかって?そうですね、私も目を丸くして眺めていた口ですが、月曜には当人がフランスのTV番組に出て、「来季マンチェスター・ユナイテッドに行く確率は10のうち6」なんて答えていたりもして、何を考えているかはさっぱりわからず。ええ、6月に出るCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定でFIFAの選手の新規登録禁止処分が解けるか解けないかに関わらず、彼の残留はクラブの最優先目標になっているはずなんですけどね。試合後にもあんなに元気だったにも関わらず、もしやグリースマンもアルダ・トゥラン(現バルサ)のように走りすぎてイヤになったとか? ▽トーレスに関してはシメオネ監督直々、「Fernando, cuento contigo/フェルナンドー、クエントー・コンティーゴ(フェルナンド、君をアテにしている)」と本人にお達しがあり、夏の補強が可能になれば、新規FWを2人獲りたいという意向があるため、中心的役割を与えられるかはともかく、来季もアトレティコでプレーできるようですけどね。その辺はまた、お伝えてしていくことにして、今はマドリーの優勝決定試合に話を進めないと。いえ、試合後しばらくカルデロンに残っていた私はミックスゾーンで、マラガ戦開始2分、これまた最近、ローテーションのおかげで若返り著しいクリスチアーノ・ロナウドがイスコからスルーパスを受け、先制点を決めたことを知ったんですけどね。 ▽並行して進むカンプ・ノウではエイバルの乾貴士選手が前半に2ゴールを挙げ、バルサから2得点した初めての日本人選手になったこともラジオで聞いていたんですが、ようやくバルで見られた後半10分にはCKからラモスのシュートは弾かれながら、最後はベンゼマが決めて、マドリーはリードを2点に拡大。それからバルサのremontada(レモンターダ/逆転劇)もあって、2位のライバルも4-2で勝利したものの、元々、勝ち点1さえあれば良かった彼らですからね。0-2で終わって、あっさりリーガ優勝が決まりましたっけ。 ▽そして家でTVを見ながら待つこと数時間、メデタイ優勝インタビューなのにロナウドが前節のセルタ戦で、相手の選手たちに「Maltin, maletin!/マレティン(勝利によってもらえる第3者からのボーナスの隠語)」と毒づいていたことを尋ねられ、「La gente no sabe la realidad de las cosas y hablan de mi como si fuera un delincuente/ラ・ヘンテ・ノー・サベ・ラ・レアリダッド・デ・ラス・コーサス・イ・アブラン・デ・ミー・コモ・シー・フエラ・ウン・デリクエンテ(人々は物事の真実を知らないのにまるで自分を犯罪者のように話す)」と怒りをぶちまけているシーンなども眺めていたんですが、その頃からでしょうか。地鳴りのように響く音楽が私の住んでいるピソ(マンション)に届き出したのは! ▽何と結構、距離はあるはずなのに、それってシベレス広場で始まった祝勝イベントの音楽だったんですよ!うーん、ラ・ロサレダのロッカールームでのお祝い終え、飛行機に乗ったチームがマドリッドに到着したのは午前2時頃。サンティアゴ・ベルナベウでオープンデッキバスに乗り換え、数万人のファンの待つ会場に着いたのはそれから30分程してからで、最後にキャプテンのラモスとマルセロが女神像にマドリーの旗とマフラーを巻き付け、バスで去っていったのは午前3時…いえ、マドリーがバルサを抑えて5年ぶりのリーガ優勝を遂げたのは嬉しいんですけどね。結局、翌日は働かないといけない月曜なのに私がずっとTVを見ていたのは、コンサートのような騒音で眠れなかったからというオチでした。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.23 11:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】多分、優勝できると思うけど…

▽「リーガが終わってからが長いわね」カレンダーを見ながら私が溜息をついていたのは金曜日、レアル・マドリーではCL決勝チケットのソシオ(協賛会員)割り当て抽選があったりしたものの、試合まであと2週間も待たないといけないと気づいた時のことでした。いえ、この水曜にラツィオを下し、コッパ・イタリア優勝を果たした相手のユベントスの選手たちなどはロッカールーム内でのお祝いで、「Que vamos a Cardiff/ケ・バモス・ア・カーディフ(カーディフに行くぞ)」と早くも歌っていたようなんですけどね。それがスペイン語だったのはイグアインやディバラらアルゼンチン出身の選手や、リーガ歴の長いダニエウ・アウベスのせいということで納得ですが、実は彼らはまだ、セリエA優勝が決まっておらず。 ▽もちろん前節、2位のローマに返り討ちに遭い、せっかくのチャンスを逃したとはいえ、勝ち点差は4もありますから、断然有利なのは間違いないですが、この日曜のクロトーネ戦でも決まらなかった時は要注意。何せ3年前、最終節でバルサと引き分け、ようやくの思いでリーガ優勝を決めたアトレティコなど、その後のお祝い行事疲れも相まって、1週間後のCL決勝はロスタイムにセルヒオ・ラモスに奇跡の同点弾を喰らい、延長戦で3点も取られちゃいましたからね。ユーベも来週末のボローニャ戦まで優勝を持ち越すことになると、カーディフでの決勝が大変なことになりかねませんが、ファン的にはその方が緊張感も持続して楽しかったりする? ▽まあ、その辺は今回、優勝すればリーグ6連勝という恐ろしい記録になるイタリアのチームですから、余裕を持って受け止めているとは思いますが、意外なことにリーガのタイトルからはもう、5年も遠ざかっていたというマドリーの話を今はしないと。このミッドウィークは彼らだけ、2月に順延になったセルタ戦に挑んだんですが、やっぱりローテーションで選手が交代で出ているチームは元気があって本当に羨ましい。いえ、セルタも先週、ヨーロッパリーグ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに負けるまで、平日はベストメンバー、週末は控え中心という起用方針だったんですけどね。 ▽片や2月のコパ・デル・レイ準決勝に続き、クラブ史上初の決勝進出の夢破れたばかり、その間にリーガでも5連敗と失速しているチームと、宿命のライバル、バルサが時々、3冠(CL、リーガ、コパ・デル・レイ)を達成しているのと比べると気が引けますが、1958年以来の2冠(CL、リーガ)まであと一歩と迫り、ノリに乗っているチームではああいう結果になったのも当然だったかと。 ▽そう、最近では珍しくクリスチアーノ・ロナウドが2試合連続出場したマドリーは、イスコも「Cristiano ha llegado al final de temporada como un avion/クリスティアーノ・ア・ジェガードー・アル・フィナル・デ・テンポラーダ・コノ・ウン・アビオン(クリスチアーノはシーズン終盤にまるで飛行機のような勢いで着いた)。でも、彼だけじゃなく、ボクら皆、飛行機みたいだよ」と言っていた通り、開始9分には後者のパスから前者が左足で決めて早くも先制。前半はその1点止まりでしたが、ハーフタイムで休憩したすぐ後にもカウンターで抜け出したイスコが再びスルーパス。これもロナウドが決めて2点差になった上、後半16分にはセルタのエース、イアゴ・アスパスが2枚目のイエローカードをもらって退場になってしまったから、もう勝負は決まったと思ったところ…。 ▽え、前半のアスパスのイエローカードはバランの手にボールが当たったにも関わらず、審判がハンドを取らなかったことに抗議したせいで、2枚目もエリア内でラモスに倒されながら、piscinazo(ピシナソ/ダイブ)と判断されて出されたものって、ちょっとひどくないかって?うーん、確かにその1分後にはロナウドが同じようなプレーでペナルティはもらえず、かといって、当人にカードも出されなかったため、その日、ベリッソ監督が処分でベンチに入れず、セルタの指揮を執っていたマルクッチ第2監督も猛抗議。おかげで彼まで退場になってしまいましたが、何せロナウドが警告を受けていたら、累積で最終節に出られなくなってしまいますからね。 ▽そういう意味ではマドリーもラッキーだったんですが、まさか23分にはグィディッティのシュートがラモスに当たってゴールに入り、1点差に迫られてしまうとは!でも大丈夫ですよ。というのも、その1分後にはマルセロのパスをベンゼマがゴール前から押し込んで、スコアが1-3になったからで、終盤にはファールを受けたラモスがパブロ・エルナンデスと揉めていたりもしたんですけどね。後でジダン監督も「un poco cansado porque aunque no juego tengo tension como todos/ウン・ポコ・カンサードー・ポルケ・アウンケ・ノー・フエゴ・テンゴ・テンシオン・コモ・トードス(プレーはしなくても自分も皆同様、緊張していたから、ちょっと疲れた)」と言っていましたが、42分にもクロースが決め、最後は1-4という余裕のあるスコアで勝つことができましたっけ。 ▽この結果、いよいよマドリーは順位表でバルサの下に居ることを止め、勝ち点3差をつけて堂々首位に復帰。つまり、日曜午後8時(日本時間翌午前3時)に揃ってキックオフする最終節で、バルサがエイバルに勝ち、マドリーがマラガに負けた場合のみ、シベレス広場でのお祝いが見られないことになります。そんな状況だからでしょうか、ルイス・エンリケ監督は月火水と3日も練習をお休みにして、MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)もバルセロナ市内にオープンした高級ブランドシューズショップのイベントに夫人同伴で駆けつけていた姿の方が今週は印象に残っているんですが、マラガにもバルサ育ちで「Si marco y le doy la Liga... ojala se de/シー・マルコ・イ・レ・ドイ・ラ・リーガ…オハラ・セ・デ(もし自分がゴールを決めて、リーガ優勝を贈ってあげられたら…そうなってくれますように)」なんて言っているサンドロのような選手もいますからね。マドリーも油断は大敵かと。 ▽ただその一方で、ここ4勝1分けとマラガのシーズン終盤の快進撃を演出したものの、ミチェル監督はマドリーのカンテラ(ユース組織)育ち、1980~90年代に活躍した古巣だけに手心を加えるんじゃないかなんて言う、口の悪い人もいますが、こういうのはプロとしてのプライドの問題ですからね。クラブも11位で終わるのと、今同じ勝ち点のバレンシアに抜かれて12位になるのでは、TV放映権収入が100万ユーロ(約1憶3000万円)も違うそうですし、同時にマドリーが優勝すると3シーズン前に売却したイスコのオプションボーナスでやはり100万ユーロがもらえることに。となれば、結論としては来季、マラガに移籍すると言われているミチェル監督の息子さん、エイバルのアドリアンや乾貴士選手のカンプ・ノウでの好パフォーマンスを期待しつつ、ここ立て続けに引退を表明したデミチェリス、ウェエリグトン、ドゥーダらを勝利で見送れるよう、ミチェル監督も頑張ってくれるんじゃないですか。 ▽え、今週前半3日間、練習しなかったのはアトレティコも同じじゃないかって? いやあ、彼らの場合、もう目標である来季CLグループリーグに出られる3位が前節に確定していますからね。ようやくマハダオンダ(マドリッド近郊)の施設に出て来たと思った木曜もセッション後、チーム全員揃って、完成間近のワンダ・メトロポリターノを見学に行く始末。それから経営陣も加わって、シーズン終了ご苦労さんランチ会って、いや、まだ日曜午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からビセンテ・カルデロンと今生の別れをする大事な試合が残っているんですけどね。おまけにそのアスレティック戦ではゴディン、ヒメネス、フェリペ・ルイスが出場停止、更にファンフランやベルサリコら負傷したままシーズンを終える選手もいるため、フィールドプレーヤーが14人しかいないって、まったく最後まで苦労の尽きないチームです。 ▽そのせいもあってなんですが、今週出て来た彼らの話題はもう来季を見据えてのものが多くて、ラジオのインタビューを受けていたグリースマンからは、「Me encanta Cavani, seria un fichaje top/メ・エンカンタ・カバーニ、セリア・ウン・フィチャヘ・トップ(自分はカバーニが大好き、最高の補強になるね)。ウルグアイ人だから、どんなボールでも全力で行くよ」と、マテ茶を一緒に楽しめる未来の前線のパートナーに夢を馳せるコメントも。とはいえ、現段階ではPSGのエースよりも、オリンピック・リヨンのフランス人FW、ラガゼットの方が確立的に高そうなマスコミの論調もチラホラ見かけます。 ▽逆にまだ契約延長が決まっていないフェルナンド・トーレスなどは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の友人を応援する本の発売プレゼンに出席した機会を利用して、「Todo el mundo sabe cual es mi deseo/トードー・エル・ムンド・サベ・クアル・エス・ミ・デセオ(誰もがボクの望みが何か知っている)。あと何年もこのユニフォームを着続けられたらいいね」と残留の意志をアピールしていましたが、これもどうなることやら。とにかく、万年3位止まりに満足せず、優勝を目指すチームになるためには得点力の高いFWの獲得が絶対必要なため、ガメイロやコレアを含め、この夏にはイロイロ、動きがあるかもしれませんね。 ▽そんな調子だったので、今週のアトレティコはスポーツ紙面でも主役をもっぱら女子チームに奪われがちで、いやあ、実は彼女たちの立場はお隣さんと近くて、男性陣の不甲斐なさをせせら笑うかのごとく、土曜のリーガ最終戦で2位のバルサと同じ結果を出せば優勝できる首位だったんですよ。その大一番、レアル・ソシエダ戦でビセンテ・カルデロンが使えず、マハダオンダのミニスタジアムになってしまったのは気の毒でしたけどね。タイトルを獲得できれば、日曜には男子チームの試合前にPasillo de Campeones/パシージョ・デ・カンペオーネス(チャンピオンの花道)で迎えてもらえるとなれば、一層やる気に拍車がかかるというものかと。 ▽そして前節、アスレティックと引き分け、見事に昇格1年目での1部残留を決定。おかげで相手がEL出場権をよりいい順位で確保するため、兄貴分との試合に真剣に挑まないといけない理由を作ってしまったレガネスは土曜にアラベスと最終節となるんですが、こちらはブタルケのサポーターのお祭りになるのは確かかと。昨季までの3シーズンで彼らを2部Bからステップアップ、1部でやっていけるまでに導いたアシエル・ガリターノ監督は、「La gente nos decia que ahora tocaba disfrutar, pero yo disfrute poco/ラ・ヘンテ・ノス・デシア・ケ・アオラ・トカバ・ディスフルタール、ペロ・ジョ・ディスフルテ・ポコ(人々は今度は自分たちが楽しむ番と言っていたが、私はほとんど楽しめなかった)」と今季の苦労を語っていたものの、この試合だけは心おきなく満喫できるのでは? ▽いえ、現在9位で8位のエイバルと同じ勝ち点のアラベスにはマラガ同様、バルサと戦う同じバスク地方のチーム仲間の最終節を利用して、1つでも順位を上げたいという思惑もあるようですけどね。向こうには来週土曜にコパ・デル・レイ決勝が控えているため、主力は温存するのではないかという読みもなきにしろあらず。マドリッドの3チームはそんな感じで、いよいよ今季が終わるリーガですが、去年のヘタフェやラージョのように最後の最後に降格なんて大ショックが待ち受けているのではなく、マドリーの優勝祝いが見られるかもしれないっていうのは、私も気が楽でいいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.20 08:48 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】優勝だけがまだ決まらない…

▽「まさかバックれたのでは」そんな風に私が呆れていたのは日曜。いよいよ残り2節となり、キックオフがunificacion/ウニフィカシオン(統一)されたカードが一斉に終わった時のことでした。いやあ、とりあえず、順位以上の物が懸かっていたため、この時間帯にプレーしたマドリッドの3クラブは一応、それぞれの目標を達成。これまでなら、サンチャアゴ・ベルナベウのスタンドでオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の3元中継をドキドキして聴いたはずの私も今回はまだ、最終節という持ち札がありましたし、アトレティコもレガネスもあと勝ち点1で上がりとハードル的には低かったため、比較的、穏やかに過ごすことはできたんですけどね。 ▽それでも聞き捨てならなかったのは、ベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)で試合をしていたアトレティコがフェリペ・ルイスに続き、ヒメネスまでボールを手でシュートするという愚行を犯し、前半にイエローカードをゲット。これで切りよく両者共5枚目となり、今週末のリーガ最終戦、それも新スタジアムへ移転のため、51年の歴史にピリオドを打つビセンテ・カルデロン最後の公式戦で累積警告って、もう今季はリーガ終了後に何かの大会の決勝もありませんからね。一刻も早くバケーションに入りたい気持ちもわかりますが、折も折。ゴディンが3試合の出場停止で一足早くシーズンを終え、ファンフラン、ヴァルサリコもケガが治らないまま、トップチームのDFがサビッチとリュカだけって、まさか相手のアスレティックにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)されるという結果になっても、優しいファンは拍手でお別れしてくれると思っている? ▽まあ、その辺はシメオネ監督が何とか辻褄を合わせてくれることを祈るしかありませんが、まずはその37節の試合がどうだったか、お伝えすることにしましょうか。私が見に行ったレアル・マドリーは、アトレティコとCLグループリーグ出場権をもらえる3位を争っているセビージャとの対戦だったんですが、ジダン監督は今回、ABチーム混合のメンバーをピッチに送り出すことに。それでモラタやハメス・ロドリゲス、アセンシオ、コバチッチらがクリスチアーノ・ロナウドをサポートするような形で先発したんですが、9分、意外にも先制点を挙げたのはこの日、マルセロの代理で左SBに入ったマルチDFナチョでした。 ▽キッカケはアセンシオが敵エリア前でファールを受けたことだったんですが、そこで目を離してしまったのは、「Nosotros queríamos ponernos en la barrera y creo que pedimos barrera al arbitro./ノソトオス・ケリアモス・ポネールノス・エンラ・バレラ・イ・クレオ・ケ・ペディモス・バレラ・アル・アルビトロ(ボクらは壁を作りたくて、審判に頼んだと思う)」(ヨベティッチ)というセビージャの選手たちも私も同じ。そこへアセンシオが敵に助けられてようやく立ち上がっているのを横目に、「He visto que todo el mundo estaba descolocado y ante esa indecisión he estado el más listo/エ・ビストー・ケ・トードー・エル・ムンドー・エスタバ・デスコロカードー・イ・アンテ・エサ・インデシシオン・エ・エスタードー・エル・マス・リストー(皆、まだ位置取りをしていなくて、決めかねていた状況で自分が一番、利口だった)」とナチョがさっさとFKを蹴り、ネットに入ったボールがゴールとして認められてしまったから、ビックリしたの何のって。 ▽いえ、もちろん油断したセビージャも悪いですし、障害物がないのにそんな距離からのシュートを外す選手もいるため、正確に決めたナチョは偉いんですけどね。それでも若干、天下のマドリーにしてはせこい感じが…。絶好のFKゴールのチャンスをフイにされたロナウドが怒ってないか心配されたんですが、大丈夫。23分にはハメスの一撃がGKセルヒオ・リコに弾かれたところを押し込んで、当人が2点目を入れてくれます。 ▽これで助かったのは後半早々、ヨベティッチがゴールを挙げ、相手が2-1と差を詰めてきたせいで、うーん、前半の彼は2度もゴール枠に阻まれたり、GKケイロル・ナバスに弾かれたりと、すでに得点していない方がおかしいくらいのノリでしたからね。今季1月からセビージャに加入、ここまで6ゴール、うちマドリー戦3試合で3点となると、まさに天敵と言っていいかと思いますが、きっとジダン監督もそれには同感だったんでしょう。60分に差し掛かるころにはハメスとモラタに代え、カセミロとルーカス・バスケスを投入。さらにはモドリッチも入れ、中盤をAチーム体制にして逃げ切りを図ることに。 ▽というか、実際カセミロが入ったことにより、結果的にマドリーはより攻撃の形が作れるようになったんですけどね。ええ、77分には自由に上がれるようになったクロースがエリア内から折り返したラストパスをロナウドが決めて3点目を奪うと、84分にもまるでデ・ジャブのように今度はナチョの折り返しからクロースがゴール。結局、最後は4-1と快勝したため、並行してプレーしていたバルサがネイマールのハットトリックなどで、奇しくも同じ1-4でラス・パルマスに勝っていたのにも煩わされることはなかったかと。 ▽おまけに彼らの次の試合はいよいよ、順延されていたセルタ戦で、ここで勝ち点を奪えば、しばらく直接対決の結果でバルサの後塵を拝していた状態を脱し、堂々、首位に返り咲けますからね。とりわけ現在、先週木曜にはマンチェスター・ユナイテッドを前にヨーロッパリーグで準決勝敗退したばかり。2月のコパ・デル・レイでも準決勝でアラベスに負け、コパ優勝=来季EL出場権獲得の目が無くなっていた上、EL優勝=来季CL出場権獲得に目がくらみ、このところ週末の試合を疎かにしていたツケが回って、日曜のアラベス戦も含めて5連敗と、リーガ順位でのEL出場チャンスからもすっかり遠ざかるという、尾羽打ち枯らしているチームが相手となれば、ローテーション政策のおかげで体力も十分なマドリーがどうして負けるはずがありましょう。 ▽え、そういうセルタを見ていると、同じダブル準決勝敗退だったアトレティコも非常に哀れに思えてこないかって? いやあ、ベティス戦後にコケが「Sólo nos han eliminado el Madrid en Champions y el Barcelona en Copa del Rey/ソロ・ノス・アン・エリミナードー・エル・マドリッド・エン・チャンピオンズ・イ・エル・バルセロナ・エン・コパ・デル・レイ(CLではマドリー、コパではバルサだけがウチを破ることができた)」と威張っていたのは、一番大事な問題から目をそらしているような気がしないでもないんですけどね。あと2試合の時点でビクトル・サンチェス監督からアレクシス・トルヒージョ監督に交代、最後のホームゲームでファンに報いたいと熱望していた相手から、形はともかく、何とか勝ち点1をもぎ取ったのは賞賛に値するかと。 ▽そう、後でシメオネ監督も「Había un cansancio tremendo en los futbolistas/アビア・ウン・カンサンシオ・トレメンドー・エン・ロス・フットボリスタス(選手たちは途方もなく疲労していた)」と言っていましたが、水曜のCL準決勝2ndレグで慣れないremontada(レモンターダ/逆転劇)を試みて、やっぱり柄じゃないことは叶わず。精神的ショックが大きい上、お隣さんと違って、ほぼ同じメンバーで戦ってきたため、さすがに体力自慢のアトレティコとはいえ、ここにきて限界が。そのため、試合はほぼベティスに攻められっぱなしとなり、挙句の果てに57分、セバジョにgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまったんですが、この日はツキが味方してくれたんです! ▽66分、コケのFKを押し込んだサビッチはオフサイドの位置にいただけでなく、ボールが落ちる前、これもヒメネスに続いて意味がわかりませんが、ジャンプしたサウルが手で触っていたにも関わらず、1点としてスコアボードに挙がってくれたんですから、こんなにありがたいことがあっていい? その後、「sabíamos que el empate nos valía y hemos jugado con eso/サビアモス・ケ・エル・エンパテ・ノス・バリア・イ・エモス・フガードー・コン・エソ(引き分けでOKなのはわかっていたから、それ前提でプレーした)」(コケ)アトレティコはこの試合でサモラ(リーガで失点率が一番低いGKに与えられる賞)レースのトップに躍り出たオブラクの活躍もあり、そのまま1-1のドローをゲット。 ▽まあ、結局セビージャが負けたため、必要はなかった訳ですが、「今季は出足が悪く、10、11月には誰もがウチは順位争いから脱落したと思っていたのに、estamos llegando al final otra vez terceros/エスタモス・ジェガンドー・アル・フィナル・オトラ・ベス・テルセーロス(また最後に3位になった)」(シメオネ監督)のは素直に褒めてあげるべきかと。おかげで収容人数がアップしたワンダ・メトロポリターノで客入りの悪いELを戦うこともなく、華々しくお別れ試合をした後、恥を忍んで8月のCLプレーオフのためにビセンテ・カルデロンを使う必要もなく、ここ5年連続、ファンに9月からCLグループリーグを堪能してもらえますからね。 ▽となると、ここは私もすでにエアチケットも目を覆わんばかりに高騰、宿に至っては街が小さいため、カーディフ市内に取ることもできなくなっているというCL決勝に行くお金と手間を今年は節約できたといい方向に考えて、マドリッド南部から北東部にホームが移り、きっと風水的にも良くなっていると信じたい来季に期待するばかり。最後の気掛かりは日曜にはビジャレアル、レアル・ソシエダとEL圏内5~7位(ただし7位はコパでバルサが優勝した時のみ出場)の順位を争っているアスレティックと残念でない試合をしてくれるか、6月にFIFA処分がCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定で解け、この夏にマドリーやバルサに対抗できる才能のある選手を補強、ローテーション可能に持っていけるかどうかですが…いや、これはまだ取らぬ狸の皮算用です。 ▽そして先週末、どこより頑張ってくれたのはレガネスで、ええ、その来週マドリッドに来るアスレティックから、相手のホーム、サン・マメスで引き分けを勝ち取ってしまったんですから、この新弟分、意外と見上げた根性をしているじゃないですか。いえ、ベルナベウに私がいた前半、アドゥリスに先制ゴールを奪われ、降格を争っているスポルティングがエイバルにリードしているという報が入って来た時にはちょっと心配になったんですけどね。後半16分にはシマノフスキがヘッドで同点とし、最後は1-1と、こちらもマストだった勝ち点1と獲得できることに。 ▽うーん、後でアシエル・ガリターノ監督などは「No me gusta festejar las permanencias, porque creo que hace más pequeños a los equipos/ノー・メ・グスタ・フェステハール・ラス・ペルマネンシアス、ポルケ・クレオ・ケ・アセ・マス・ペケーニョス・ア・ロス・エキポス(私は残留を祝うのは好きではない。チームをちっぽけにするから)」と、ちょっと恰好つけていましたけどね。実際、その虎の子の1点を守ろうと、終盤の彼らは何人もの選手がこむら返りを起こす程、必死でプレーしなければならなかったとなれば、本当に紙一重で降格を回避できたのかも。 ▽何せ、その日はビジャレアルとスコアレスドローに持ち込んだデポルティボも17位で残留を決めましたが、勝ち点33というのはいまだかつてない低い数字だそうですからね。16位のレガネスもそれより1つ多いだけと、決して自慢はできませんが、その日は勝ったにも関わらず、降格となってしまったスポルティングを反面教師として、来季はもっと早い段階から勝利を積み上げていくようにしてほしいものです。 ▽そんなレガネスは土曜に最終戦、アラベスをブタルケに迎えて残留決定祝いとなりますが、まず今週は水曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのセルタvsマドリー戦に注目。故郷コロンビアのラジオではすでにマンチェスター・ユナイテッドと移籍で合意ができてきると報じられ、セビージャ戦でベルナベウのファンたちにお別れをしていたようだったハメスや、ジエゴ・コスタの後釜にとコンテ監督に乞われているというモラタなど、もうマドリーでは見納めになってしまう選手もいるかもしれませんし、幸い他の試合もないですしね。どう転んでも優勝は日曜のマラガ戦を待たないことには決まらないとはいえ、久々に私も心おきなくマドリーを応援できるのは嬉しいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.16 16:39 Tue
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