【原ゆみこのマドリッド】希望を持ってもいいのだろうか…2017.02.04 10:00 Sat

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▽「この大事な時に何やってんだか」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、いつものように朝、新聞を買うため、家の前の売店に寄ったところ、アトレティコファンの店主のお兄さんから「ルカスがDVで逮捕された」と聞いた時のことでした。いやあ、ネットで詳しく調べてみると、木曜深夜、チームメートとの食事から、酔って帰宅した20歳のDFは彼女と議論になった挙句にケガをさせ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の警察署で一晩過ごしたそうなんですけどね。後で病院に行ったものの、彼女の方も同時に暴力行為で逮捕されていたとかって、要はこれって痴話喧嘩では?

▽うーん、1度こんな話が出ると、後追いのように、実はルカスは1年前にもカラオケ店でお酒を飲んで煙草を吸っていたところを他の客に注意され、相手を殴って現在、訴訟中だなんて記事も出てきたりもするんですけどね。今回の件で何とも情けなかったのは折しも丁度、その木曜の夜はアトレティコからレンタルでアラベスに修行に出ているテオがバライドスでドシャ降りの雨の中、セルタとのコパ準決勝1stレグで奮闘。まさか、その兄ルカスが1歳年下の弟がアウェイで0-0と引き分けたことを祝って遊びに出た訳もないと思いますが、何よりこの1週間、自分のチームは水曜の結果を引っくり返すべく、死に物狂いで努力しなければならない苦境にありますからね。

▽それもせっかく、お隣さんの専売特許のような奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を少しは信じられそうな雰囲気になってきたところで、こういう事件が起きると、ファンの気分が削がれてしまうかもしれないのが怖いんですが、さて。あ、金曜午後3時頃に保釈されたルカスは月曜に裁判所に出頭予定、彼女とは500メートル以内の接近禁止令が出ているそうですが、とりあえず、当人はベンチで応援していたバルサとのコパ準決勝1stレグがどうだったかをお伝えしていくことにすると…。

▽それがリーガ前節のアラベス戦で見せた目を覆うような惨状からすれば、序盤はまともに見えたアトレティコだったんですが、化けの皮が剥がれるのも早かったんですよ。そう、前半6分にはグリースマンが自陣でマスチェラーノにボールを奪われたのをキッカケにルイス・スアレスがゴール目指して猛ダッシュ。サビッチもゴディンも簡単にかわして、GKモヤを破った時には前夜、合宿先のモンテ・レアル・ホテルに到着したチームを昨季のCL準決勝バイエルン戦以来でしょうかね。盛大にbengala(ベンガラ/発煙筒)を炊いて迎えた300人余りの疑うことを知らない熱烈なファンも、試合前、「この5年間で6回目の準決勝を戦うウチの選手たちを心から誇りに思う」と話していたシメオネ監督もただただ、呆れるしかなかったかと。

▽1点リードを許した後のアトレティコはここ数試合のダメダメ気質が前面に出てしまい、いえ、バルサがある程度、引いてくれたため、追加点は32分まで取られなかったんですけどね。今度はメッシにエリア前から弾丸シュートでgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまうとは、ちょっとお。もしやアトレティコの選手たち、ここ9試合で計12得点されているMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)の恐怖を忘れてしまった?ええ、こうなったら次はネイマールだろうと私が覚悟したのと同様、その時点ではオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナたちも「こりゃ0-5ぐらいになると思った」、「fin de ciclo/フィン・デ・シクロ(サイクルの終わり)という言葉が頭に浮かんだよ」と、試合後のミックスゾーンで話していましたっけ。

▽でもそうじゃなかったんですよ!後半頭からベルサリコ下げ、フェルナンド・トーレスを入れたアトレティコはまったく違うチームになっていたんです。再開早々、ガビがワンツーでGKシレッセンの前に躍り出たチャンスはジョルディ・アルバにシュート直前でボールをカットされて実らなかったものの、どうやらそれが反撃の狼煙だったようで、急に攻め始めたものだから、こちらもビックリしたの何のって。前半のひどい出来に意気消沈していたスタンドもしばらくは息を潜めて見守っていましたが、とうとう13分、ガビの出したFKをゴディンが頭で流し、ゴール左前にいたグリースマンがマークについたマスチェラーノを高々と上回ってヘッドをお見舞い。1点を返すことに成功したため、一気にスタジアムを満員にしたファンが盛り上がることに。

▽え、でもその時、ゴディンをフリーにするのにコケがルイス・スアレスを引き留め、倒してしまったのは明らかにファールで、本来なら、このゴールはスコアボードに上がらないものじゃなかったのかって?まあ、そうなんが、幸い審判もお目こぼししてくれましたし、元々、そういう形のセットプレーだったようですからね。それより感心したのはシメオネ監督の先見の明で、ファンフランによると、「Al descanso nos dijo que si metiamos el primer gol se crearia en el Calderon un aura especial/アル・デスカンソ・ノス・ディホ・ケ・シー・メティアモス・エル・プリメール・ゴル・セ・クレアリア・エン・エル・カルデロン・ウン・アウラ・エスペシアル(ハーフタイムに、もし最初のゴールを入れれば、カルデロンに特別な雰囲気が生まれると言われた)」のだとか。

▽実際、お隣さんのジダン監督同様、やはり現役時代から知っているクラブで監督をしているだけあって、ファンの気質をよくわかっているのはありがたいことで、以降は「Tiene una aficion increible, que le anima aunque vayan perdiendo/ティエネ・ウナ・アフィシオン・インクレイブレ、ケ・ラ・アニマ・アウンケ・バジャン・ペルディエンドー(信じられないようなファンを持っている。負けているにも関わらず、応援するんだから)」と後でジョルディ・アルバも羨んでいた場内の声援を受けて、アトレティコは更なる攻勢に。ええ、バルサの方は30分にメッシのFKをモヤが弾いたボールが枠に当たったぐらいだったのに対し、シメオネ監督のも後で「en el segundo tiempo nos acercamos al equipo que siempre hemos sido/エン・エル・セグンド・ティエンポー・ノス・アセウカモス・アル・エキポ・ケ・シエンプレ・エモス・シードー(後半はウチが常にそうだったチームに近づいた)」と認めていたように、グリースマン、トーレス、そしてカラスコから代わったガメイロと何度も危険なシュートを撃ったんですが…。

▽残念ながら、同点には至りませんでした。ただ、1-2で負けてしまったアトレティコとはいえ、やはり優勢で試合を終えたのは自信回復につながったようで、「No tengan ninguna duda de que estamos vivos/ノー・テンガン・ニングーナ・ドゥーダ・デ・ケ・エスタモス・ビボス(ウチがまだ生きていることに少しでも疑いを持たないでくれ)」というシメオネ監督を始め、選手たちも「La eliminatoria esta abierta y vamos a ir a morir a Barcelona/ラ・エリミナトリア・エスタ・アビエルタ・イ・バオス・ア・イル・ア・モリール・ア・バルセロナ(対戦は終わっていないし、ウチは死ぬ気でバルセロナに行く)」(ファンフラン)と来週火曜の2ndレグに向けて気合満々。

▽いやあ、だったら前半あんなにオタオタしないで、最初からやる気を見せていれば良かったんじゃないかと言うのは正論ですが、バルサの選手たちと彼らには明らかに天賦の才に差がありますからね。「En el descanso hemos recordado quienes somos/エン・エル・デスカンソ・エモス・レコルダードー・キエネス・ソモス(ハーフタイムにボクらは自分たちが何者かを思い出した)」とトーレスも言っていましたが、諦める前に才能では劣っていても、意志と体力を総動員した密度の高いプレーをすれば、バルサやレアル・マドリーとも互角にやり合えることを思い出してくれただけでもありがたいじゃないですか。

▽え、でもそのせいで、トーレスと共に後半、生え抜きのアトレティコ魂を見せてくれたガビがイエローカードをもらい、累積警告で2ndレグに出られなくなってしまったじゃないかって?うーん、バルサもネイマールが同じ憂き目にあっていますが、片や「Si hay un equipo en el mundo que no debe lamentarse de las ausencias es el Barcelona/シー・アイ・ウン・エキポ・エン・エル・ムンド・ケ・ノー・デベ・ラメンタールセ・デ・ラス・アウセンシアス・エス・エル・バルセロナ(世界に選手の不在を嘆くべきでないチームがあるとしたら、それはバルセロナ)」(ルイス・エンリケ監督)と自負している相手ですからね。もちろん個人的には、「Me pierdo el partido de vuelta, pero asi estoy en la final/メ・ピエルド・エル・パルティードー・デ・ブエルタ、ペロ・アシー・エストイ・エン・ラ・フィナル(自分は2ndレグを逃すけど、おかげで決勝には出られる)」というキャプテンの台詞を信じたい気持ちもありますが、こればっかりはねえ。

▽おまけに向こうはビセンテ・カルデロンでの試合には間に合わなかったイニエスタが復帰しそうだとか、これまでアトレティコはホームでの初戦を1-2で負けて、逆転突破したのは4回中1回しかないとか、逆にバルサは14回全部勝ち抜けているとか、更にはこの結果は先日、準々決勝で敗退したマドリーがセルタ戦1stレグで喫したのと同じだなんて、ネガティブな面を考え始めると決して楽観はできないんですけどね。とはいえ、リーガと違って、確かに「Siempre digo que la Copa es rara/シエンプレ・ディゴ・ケ・ラ・コパ・エス・ラーラ(コパは奇妙だと私はいつも言っている)」(シメオネ監督)という意見も一理ありますから、今はあまり悩まない方がいい?

▽というのも彼らにはもう、レガネスとのミニダービーが迫っているせいで、始めに書いた事情でルカスは招集されず。前節に肉離れを起こしたヒメネスもいないため、ますますDF陣が手薄になってしまったアトレティコはとうとうトップチームのフィールドプレーヤー自体、15人しかいないという事態に。対照的に1月31日の駆け込み補強も含め、この冬の市場で7人を獲得したマドリッドの新弟分はブエノやティト(どちらもグラナダから移籍)といったラージョ(今季は2部)でお馴染みだった選手やエル・ザール(ラス・パルマス)なども加わって少々、得点力が増した感が。

▽いえ、もちろん現在、17位と降格圏ギリギリにいる彼らにも頑張ってはもらいたいんですけどね。一応、すぐ下のスポルティングとは勝ち点差5ありますし、ここでまた、シーズン前半戦のように引き分けるようなことになると、アトレティコはミニマムマストのCL出場権獲得順位すら危うくなってきますから、やはり背に腹は変えられないかと。そんなアトレティコvsレガネス戦は土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)キックオフ。アフリカ・ネーションズカップ参加中のトマスがいるガーナも準決勝で敗退したそうですが、帰って来るにはまだ日数がいりそうですしね。中盤はチアゴやアウグストがリハビリ中とあって、シメオネ監督がコパに備えてローテーションできるのはせいぜい、前線ぐらいでしょうか(ただしグリースマンを除く)。

▽一方、今週からコパがないマドリーはずっとバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニング三昧の日々だったんですが、どうやらこの節は首位固めに最高の環境が揃っている気配が。だってえ、木曜にアラベスと準決勝1stレグでアドバンテージを取れなかったセルタのベリッソ監督がまた、「Para nosotros es prioritario el partido del próximo miércoles. El domingo, rotaciones/パラ・ノソトロス・エス・プリオリタリオ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス。エル・ドミンゴ、ロタシオネス(ウチにとって、優先されるのは次の水曜の試合。日曜はローテーションする)」と宣言しているんですよ。つまり、イアゴ・アスパスやバス、ボンゴンダといった、マドリーをコパから追い落としたメンバーが出て来ないってことじゃないですか。

▽となると、ジダン監督が狙うは、16強対決でのセビージャのようにコパでは苦杯をなめながら、続くリーガ戦で勝利して鬱憤を晴らすという道ですが、唯一の難点は今回、クロースが出場停止ということ。ただ、それ以外は朗報が多くて、負傷者が続々と戦列復帰に近づいているのは心強いかと。ええ、左右順番にふくらはぎを痛めていたハメス・ロドリゲスはこのセルタ戦で戻れそうですし、もう全体練習に参加しているマルセロも秒読み段階。モドリッチも次のオサスナ戦には準備ができる見込みな上、何とカルバハルや足首の手術をしたベイルまで予定を繰り上げて、15日のCLベスト16、ナポリ戦1stレグに出場できそうだとなれば、もう怖い物などない?

▽ちなみにそのサンティアゴ・ベルナベウで行われるそのナポリ戦はもうチケット完売だそうですが、まだ先のことなのでともかく、今週末は土曜に2位バルサがアスレティックと、日曜には3位セビージャがビジャレアルといった難敵と顔を合わせるだけに、取りこぼしも十分見込めますからね。その上、22日にはクラブW杯参加のため、延期されていたバレンシア戦もあるとなれば、この1カ月で現在、勝ち点4の差がもっともっと開く可能性も。まずはその第一歩となるセルタvsマドリー戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からですが、それまでにライバルたちの試合が終わっているのも選手たちの励みになるかもしれませんね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】いい試合ができるようになってきた…

▽「せっかく盛り上げてくれているのに」そんな風に私が肩透かしを喰らったのは火曜日、クラブワールドカップで延期されていたリーガ16節のレガネス戦を翌日に控え、どうやら今回もクリスチアーノ・ロナウドはお休みとなりそうなことがわかった時のことでした。そう、日程の妙で今季、レアル・マドリーがこのマドリッドの弟分チームと試合をするのはコパ・デル・レイ準々決勝に続いて3回目。その際はジダン監督のローテーション政策により、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)がベンチ入りすらせず、ブタルケでの1stレグにはアセンシオのゴールで0-1と先勝したものの、サンティアゴ・ベルナベウで1-2と逆転突破され、赤っ恥をかくことに。 ▽その経験に懲りていないばかりか、いつも捻ったジョークで笑わせてくれるレガネスのオンライン対戦ポスター(https://twitter.com/CDLeganes?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.deportivoleganes.com%2F )では、折しもCL16強対決1stレグ最後の2試合と同じ日付となっていることと、マドリーが同2ndレグでPSGのホーム、Parc de Princes(パルク・デ・プランス、直訳すると王子たちの公園でスペイン語はParque de los Principes)を訪れることをかけて、「Jornada de Champions en el 'Butarque de los Príncipes’/ホルナーダ・デ・チャンピオンズ・エン・エル・’ブタルケ・デ・ロス・プリンシペス’(CLの節、王子たちのブタルケ)」と銘打ってくれたにも関わらず、ジダン監督は「llega un momento que es necesario de vez en cuando no jugar/ジェガ・ウン・モメントー・ケ・エス・ネセサリオ・デ・ベス・エン・クアドー・ノー・フガール(時々はプレーしないことが必要な時期が来ている)」とロナウドの出場に否定的だったから。 ▽昨季のリーガ戦でも地元のスタジアムで生ロナウドを見ることができなかったレガネスサポーターをガッカリさせてくれましたが、それもねえ。確かにマドリーはこの先、土曜にアラベス戦、来週火曜にはミッドウィーク開催リーガのエスパニョール戦、更に3月3日の土曜にはベルナベウでもう1つの弟分、ヘタフェにいる柴崎岳選手も楽しみにしているはずのミニダービーと試合が途切れず。切り札にはできるだけ、体力を温存させたいのはわかりますけどね。ただコパ準決勝でセビージャに敗退したショックから立ち直れず、2連敗中のレガネスとはいえ、この水曜午後6時45分(日本時間翌午前2時45分)からの一戦ではシオバス、ティト、ガブリエル・ピレス、オマール・ラモス、マウロ・ドス・サントスら、出場停止やケガでジローナに3-0と完敗とした金曜の前節に出られなかった選手たちが復帰。うっかりコパの時のようにBチームを当てると、痛い目に遭う可能性もなきにしろあらずなんですが、その辺はあまり考えないんでしょうか。 ▽まあ、それはともかく、レガネス以外のマドリッド勢の前節の様子もお伝えしておかないと。久々にまだお日様の出ている時間にワンダ・メトロポリターノに私が向かったのは日曜日。先週のアトレティコはコペンハーゲンで、アスレティックはモスクワで雪の降りしきる中、ヨーロッパリーグ32強対決1stレグを戦い、どちらもそれぞれ1-4、1-3で余裕のある先勝と、互角のコンディションだったんですが、その日の大きな違いはコペンハーゲン戦には筋肉痛で参加しなかったジエゴ・コスタが先発に戻った前者に比べ、後者はエースのアドゥリスとラウール・ガルシアを出場停止で欠いていたこと。そのせいか、風邪が治ったGKオブラクの手をほとんど煩わすこともなく、前半を今季のリーガ24試合中13回目の0-0で終えたアトレティコでしたが、コスタがエリア内でムニョスに倒され、明らかにペナルティのように見えながら、PKをもらえないところも今季恒例と言ってよかったかと。 ▽だってえ、もう2月にもなるというのに彼らには1本もPKがないんですよ。シメオネ監督など、もう「このテーマはあまり触れない方がいい。審判も記事を読んで考えるから、cuanto mas hablemos, menos penaltis nos van a dar/クアントー・マス・アブレモス・メノス・ペナルティス・ノス・バン・ア・ダール(話せば話す程、ウチにPKをくれないだろう)」と半ば、諦め気味でしたけどね。このままではいざその時が来ても一体、誰がキッカーだったのか、選手たちも忘れてしまわない? ▽でも大丈夫、相手の攻撃力は恐れるに足らずと気づいたか、後半の彼らは一歩、前に出ることに。いえ、リュカがゴディンに代わっていたのはウィリアムスに足をぶつけ、打撲を負ってしまったせいで、まだバレンシア戦で折れた3本の前歯治療のため、口内にプロテクターをつけているCBの頭を当てにした訳ではなかったんですけどね。試合前、アスレティックのジガンダ監督が「El Atleti tiene ocho o nueve delanteros de primer nivel/エル・アトレティコ・ティエネ・オチョー・オ・ヌエベ・デランテーロス・デ・プリメール・ニベル(アトレティコは8、9人、一流のFWを持っている)」というのはちょっとサバの読みすぎなんですが、13分にはコケをガメイロに代え、元からピッチにいたコスタ、グリーズマン、コレアと合わせてFW4人体制で畳みかけるんですから、感心したの何のって。 ▽それが実ったのは22分、グリーズマンのパスをガメイロが撃ったところ、敵守備陣の隙間を縫って先制点が入ります。その直後にはコレアからガビにしている辺り、1-0なら逃げ切れるというシメオネ監督の信条なんでしょうが、その日は34分に追加点という嬉しいおまけも。この時は最近、先日のコペンハーゲン戦でもパス成功率91%を記録するなど、成長著しいトマスが中盤でボールを奪い、ガメイロに繋ぐとそこからコスタへ絶妙なスルーパス。いえ、GKとの1対1を毎試合数回は失敗というのも彼らの十八番だったりするんですけどね。コスタは見事にケパの脇を抜き、とうとう2-0となったとなれば、もう安心です。おかげで前日、エイバルに0-2で勝利した首位バルサが勝ち点10に広げていた差を7に戻すことができましたっけ。 ▽まあ、「Tenemos que atacar tan bien como defendemos/テネモス・ケ・アタカール・タン・ビエン・コモ・デフェンデモス(ウチは守備同様、上手く攻撃しないといけない)」とフィリペ・ルイスも言っていたように、攻守に渡って相手を上回ったアトレティコが快勝したため、これなら木曜午後7時(日本時間午前3時)からのELコペンハーゲン戦2ndレグも観客の入りはともかく、心配することはないだろうと、私も気分良く家路を辿ったんですが、お隣さんの試合を見るため、その夜は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に出向くことに。ええ、マドリーがベティスとのアウェイ戦に挑んだんですが、先週水曜のPSG戦でのベイルに続き、この日はベンゼマがベンチスタート。代わって、CL16強対決1tstレグで終盤2点を挙げての3-1逆転勝利に大きく貢献したアセンシオとルーカス・バスケスが先発しているとは、何ともわかりやすい。 ▽ただ実際、前半11分にはロナウドのシュートをGKアダンが弾いたところ、アセンシオが抜け目なくヘッドでゴールを決め、先制点を奪った彼らだったんですが、そのせいで「Nos echamos atras y les dejamos jugar demasiado/ノス・エチャモス・アトラス・イ・レス・デハモス・フガール・デマシアドー(ウチは後ろへ引いてしまい、敵にプレーさせすぎた)」(ルーカス・バスケス)だなんて、これって今季はアトレティコだけの悪癖じゃなかったんですね。29分にはマルセロが負傷、テオに代わったのも響いたのか、33分にはホアキンのクロスをマンディに頭で押し込まれて同点にされたかと思えば、その10分後には再び36歳のキャプテンが今度はジュニオールにラストパス。彼のシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、運悪く目の前にいたナチョに当たってしまい、オウンゴールで逆転されているですから、困ったもんじゃないですか。 ▽え、それでも後でアセンシオも「El plan que hablams en el desanso salio bien/エル・プラン・ケ・アブラモス・エン・エル・デスカンソ・サリオ・ビエン(ハーフタイムに話し合ったプランが上手くいった)」と言っていたように、最近のマドリーにはremontada(レモンターダ/逆転)体質が戻って来つつあるんじゃないかって?そうですね、気合を入れ直した彼らは後半5分に早速、CKからセルヒオ・ラモスが自慢のヘッドを決めて同点にすると、13分にはカルバハルのパスをアセンシオがワンタッチでシュートして勝ち越し点をゲット。更に20分にはロナウドも続くと、いえ、40分には途中出場のセルジ・レオンに1点を返され、ちょっとベティスが盛り返したんですけどね。最後はロスタイムにベンゼマが仕上げの5点目を挙げ、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)の完成です(最終結果3-5)。 ▽いやあ、今季のベティスはセティエン監督のポゼッションサッカーが浸透してよく点を取るんですが、5点以上失点をしている試合もこの日で5回目。しかも「今週、ずっと改善しようと練習してきて、試合前にも注意した場所でボールを失った」(セティエン監督)のではどうしたものやらですが、本音を言えば、マドリーが3失点もしたのは決して褒められたもんではないかと。それこそパリでの決戦でこうも守備ミスが出ては、余裕の準々決勝進出が悪夢に変わってしまう恐れもあるんですが、こればっかりは。今はロナウドを始め、チームとして打ち負けなくなったことを喜ぶべきかと。 ▽ただ懸念は他にもあって、まだ時間はありますが、先週のPSG戦でヒザを痛めたクロース、この試合で太ももを負傷したマルセロに加えて、月曜にはモドリッチも太もものケガを再発。このAチームメンバー3人が3月6日までに回復するかどうか、ギリギリのところと言われている点で、何せマドリーはその前にリーガ戦4試合をこなさないといけないですからね。大事な選手をプレーさせればケガするかもしれない、かといって、ずっとお休みにしても実戦の勘が鈍るとあって、この2週間はジダン監督も頭が痛いですよね。 ▽そして土曜に3位のバレンシアもマラガに勝っていたため、マドリーの順位は勝ち点差1の4位のままだったんですが、翌月曜には前節最後の試合がコリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催。ええ、ヘタフェがセルタを迎えたんですが、平日の夜ながら、スタンドがかなりの盛況だったのは2年前、2部降格するまでの数年間、閑古鳥が鳴きまくりだったのを知っている私などには嬉しい限りだったかと。そんなファンたちの応援のおかげもあってか、いえ、残念ながら、先週カンプ・ノウでスコアレスドローを勝ち取ったバルサ戦で先発した柴崎選手は控えだったんですけどね。 ▽あまり覇気のなかったセルタを前にこの日はアンヘルが爆発。前半37分、自身の1対1では天高く撃ち上げてしまったアマトからもらったパスをエリア外からシュートして、ヘタフェに先制点をもたらしてくれます。続いて後半7分にも彼はホルヘ・モリーナにラストパスを送り、チームの2点目に貢献すると、クライマックスは40分。早帰りの習慣ある観客が引き揚げていく中、ブルーノが押し戻したボールが落ちてきたところを完璧なタイミングでvolea(ボレア/ボレーシュート)、3-0で勝利って、ここ4試合引き分けの停滞状態から脱出するのに最高の形じゃないですか。 ▽え、これで勝ち点33となったからって、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のアナのように「昨季18位で降格したスポルティングは31ポイントだったから、もうヘタフェはこの先、全部負けても残留できるかも」なんて安易な考え方はしてほしくないって?そうですね、今季も現在、降格圏にいるマラガ、デポルティボ、ラス・パルマスはまだ20ポイントにも届いておらず、ボーダーラインは低くなりそうなんですが、殊勲のアンヘルも「今はウチの目標を達成するのにいい時期。勝ち点40を貯めるというね」と言っていましたし、最低、そのくらいは軽く超えてほしいかと。 ▽それよりボルダラス監督に見てもらいたいのはもっと上の順位で、コパ・デル・レイ決勝がバルサvsセビージャになったため、今季もご褒美のコパチャンピオンのEL出場権がリーガ7位に回ってくる可能性が高いですしね。現在9位ながら、7位のエイバルとは勝ち点2差となれば、ヘタフェにもまだ十分チャンスがあるかと思いますが、さて。ちなみにこの日は冬の移籍市場で加入したレミ(ラス・パルマスからレンタル)、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のメルヴェイユ、セルヒオ・モラが交代出場、柴崎選手にはピッチに立つチャンスがなかったんですが、日曜にはアウェイでビジャレアル戦がありますからね。来週は水曜にデポルティボ戦も控えているため、必ずチャンスは巡ってくるはずですが…最近はチーム内のポジション争いが激化しているため、ここは気合を入れないといけません。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.21 09:30 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】勝てば何でも微笑ましく見える…

「可愛いと言えばそうかもしれないけど」そんな風に私が首を傾げていたのは金曜日、チャイニーズ・ニューイヤーを祝うアトレティコのビデオを見た時のことでした。いやあ、昨今はどこのクラブも中国人ファンを増やそうと熱心で、この時期は選手たちが中国語で新年おめでとうと言っている映像が沢山出るんですけどね。今回のアトレティコ版は、いえ、先日、大連万達(ワンダ)グループがスタジアムのスポンサー契約は続けるものの、持ち株をイスラエルの企業に売却。そのせいで制作費が減ったなんてことはないと思いますが、戌年にちなんだ企画として、サウール、カラスコ、ヒメネスがペットのワンちゃんたちを紹介って、あまりに安易すぎる企画な気がしたから。 ▽え、今週はヨーロッパの大会が再開したせいで、選手たちに中国語を覚えてもらう時間がなかったんじゃないかって?そうですね、お隣さんなども現在、解説者をしているロベルト・カルロスが主役。さり気にCLトロフィーが神々しく12個並んだクラブ博物館内の風景も入れ、こういうのを見て駆けつけたファンがまた、サンティアゴ・ベルナベウ前のツアーチケット売り場の行列を長くするんだなと思いましたが、まあそれはそれ。まずはレアル・マドリーの今季全てが懸かった水曜のCL16強対決PSG戦1stレグがどうだったか、お伝えすると。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180217_14_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽セルヒオ・ラモスの呼びかけにファンが応え、その日はチームバスがスタジアム入りする午後7時15分頃には周辺の道路が人で溢れんばかりに。予想通り、bengala(ベンガラ/発煙筒)が何本も赤々と燃え上がっている光景を近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で眺めてから、観戦に向かった私でしたが、何せフランスからPSGの応援に来るサポーター4000人中、1割ぐらいウルトラ(過激なファン)が混じっていると聞いていましたからね。ビジターファン区画に繋がるTorre D(タワーD)の入り口もボディチェックが厳しいせいか、物凄い渋滞ぶりでしたが、幸い大きな騒ぎはなかったよう。私も無事にスタンドの席に着くことができたんですが…。 ▽fondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側席)に巨大垂れ幕がかかり、ビッグマッチ特有の華々しさで幕を開けた試合の方は、いえ、ジダン監督の「Jugamos cuatro en el medio contra tres de ellos/フガモス・クアトロ・エン・エル・メディオ・コントラ・トレス・デ・エジョス(相手の3人に対し、ウチは4人を中盤に入れてプレーした)」という作戦でイスコがトップ下を務めたため、BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)対MCN(ムバッペ、カバーニ、ネイマール)のガチンコ対決にならなかったせいではないんでしょうけどね。最初のゴールが決まったのは前半33分と遅めで、しかも今季のベルナベウでは珍しいことではないんですが、ムバッペのクロスをネイマールが戻し、フリーだったラビオが撃ち込んで先制されてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫。ハーフタイムに入る前にクロースがロ・セルソにエリア内で倒されてPKをゲットすると、ロナウドがしっかり決めて、1-1の同点で折り返したんですが、後半、両チームの明暗を分けたのはそれぞれの交代策でした。そう、アウェイゴール付きの引き分けを良しとしたか、PSGのエメリ監督が20分にはカバーニをムニエに代え、ダニエウ・アウベルとの右サイドダブルSB制を敷いたのとは違い、ジダン監督はまずはベンゼマをベイルに。とはいえ、最後の最後にモノを言ったのは30分過ぎ、カセミロとイスコを引き上げ、ルーカス・バスケスとアセンシオをサイドに投入したことで38分、後者のラストパスをGKアレオラが弾いたところ、詰めていたロナウドのヒザに当たり、勝ち越しゴールが入るとは何てラッキーなんでしょう。 ▽つまりこういうことがあるから、「Esto es la Champions y el Madrid tiene experiencia/エストー・エス・ラ・チャンポンズ・イ・エル・マドリッド・ティエネ・エクスペリエンシア(これはCLでマドリーには経験がある)」(ロナウド)と威張れるんだと思いますが、これで当人はマドリーに来てからのCL得点記録を101ゴールに更新。その3分後にも再びアセンシオが違いを見せつけ、今度はマルセロにアシストすると、とうとう3-1という、かなり安全なスコアで勝利したとなれば、私も含め、もしやこの日で今季のCLナイトは終わりかもしれないと恐れていたマドリーファンたちがどんなに喜んだことか。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180217_14_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽いえ、後で帽子をかぶった粋な姿でミックスゾーンに現れたラモスは、「Al Real Madrid no se le puede dar por muerto/アル・レアル・マドリッド・ノー・セ・レ・プエデ・ダール・ポル・ムエルトー(レアル・マドリーは死んだものと見なすことはできない)」と言ってはいたものの、この手の終盤のremontada(レモンターダ/逆手劇)は今季、珍しいんですけどね。やはり「Este club tiene 12 Champions por algo/エステクルブ・ティエネ・ドセ・チャンピオンズ・ポル・アルゴ(このクラブがCLに12回優勝しているには理由がある)」(ジダン監督)ということなのか、前評判は高かったPSGですが、ここぞという時のマドリーの強さには私も感心するばかりだったかと。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180217_14_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽ただ、エメリ監督を始め、相手側からはクロースへのペナルティや、逆にエリア内でラモスの腕にボールが当たったプレーでPKをもらえなかったことなど、ジャッジに対する文句が山積みで、いえ、結局、せっかくこの冬獲ったラス・ディアラではなく、若いロ・セルソを先発させたり、今年になって絶好調のディ・マリアを最後まで投入せず、交代枠を余らせたりした采配が災いした面もあると思うんですけどね。時折、個人技で光っただけのネイマールなど、3月6日の2ndレグで逆転突破を期して、「El ano pasado tuvimos una situacion mas dificil para poder pasar/エル・アーニョ・パサードー・トゥビモス・ウナ・シトゥアシオン・マス・デフィシル・パラ・ポデール・パサール(昨季は突破にもっと難しい状況だった)」と強気でしたが、いや、それ、バルサがパリで4-0と大敗して、カンプ・ノウで6-1と逆転した16強対決のことですか? ▽うーん、その時は2得点した当人が大逆転の立役者になっていましたが、今回は横にメッシもルイス・スアレスもイニエスタもいないとなると、さてどうなることやら。一方、マドリーも嬉しいことばかりではなく、金曜にはクロースが試合中にムバッペとぶつかった際、左ヒザを痛め、その日は走行距離13キロとチーム一の健脚ぶり、ミックスゾーンでもドイツ人記者にたちと楽しそうに話していたものの、2ndレグまでに回復できるか、ギリギリのところだとか。いえ、それまでのリーガ戦5試合はこの日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのベティス戦を含め、首位のバルサとの差も縮まったとはいえ、勝ち点17と凄まじいものがあるため、生ぬるく来季CL出場圏内の4位維持に努めてくれればいいんですけどね。セバージョスのケガも治り、コバチッチやマルコス・ジョレンテら、出場したい中盤の選手には事欠かないとはいえ、クロースのプレーが見られないのは残念なファンも多いかと。 ▽そして翌木曜には、キラキラしたCLの舞台と昨季中に縁を切ったアトレティコがヨーロッパリーグ32強対決1stレグでコペンハーゲンと顔合わせ。それでもパルケン・スタディオンのサポーターがキックオフ前、大弾幕やスモークで場を盛り上げてくれたおかげもあったんですかね。あれだけ前夜、マドリーが注目された後、ワンランク下の大会で戦う肩身の狭い思いを忘れられたか、序盤からグリーズマンやサウールがチャンスを迎えていた彼らだったんですが、前半14分、エリア内でアンケルセンのシュートをフィッシャーがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で軌道を変え、当日、オブラクの風邪で先発を任されたGKモヤを破ってしまったから、驚いたの何のって。 ▽いやあ、この遠征にはふくらはぎの筋肉痛でジエゴ・コスタも参加しておらず、CLグループリーグではアゼルバイジャンのカラバフに1度も勝てなかったアトレティコですからね。もうこの時点で、1-1で帰って来てくれたら御の字と気弱になった私だったんですが、どうやら彼らを見損なっていたよう。ええ、早くも21分にはグリーズマンのクロスをサウールがヘッドで叩き込み、スコアが同点に。37分にはグリーズマン、リュカが連携し、最後はゴール前からガメイロが決めて見事に逆転って、もしやコペンハーゲンは本当に格下だった? ▽おまけにピッチに激しい雪が降り注ぐ中、後でトマスも「Hacia frio, pero corriendo no hace tanto/アシア・フリオ、ペロ・コリンドー・ノー・アセ・タントー(寒かったけど、走っているとそうでもなかった)」と言っていたように前線から、勤勉に全員がプレスをかける作戦が成功したんでしょうかね。後半にもアトレティコは得点してくれたんです。ええ、26分にはコレアから代わったカラスコからスルーパスを受けたグリーズマンが3点目を挙げ、32分にはガメイロ同様、セビージャで前人未踏の3連覇を達成と、この大会のスペシャリストと言っていいビトロが相手にとって、ほぼ死刑宣告に等しい4点目をゲット。最後は1-4の勝利で終わり、いえ、相手のソルバッケン監督が「アトレティコはウチが当たった最高のチームの1つ。誰も休まず、ずっと働き続けているし、マドリッドの隣人に勝ち点差10つけているのもわかる」と褒めていたのは、多分にお世辞も混じっていたんでしょうけどね。 「マドリッドでは違うメンバーが出るかもしれない」ともう逆転を諦め、ローテーションに出ることも仄めかしていたため、来週木曜午後7時からのワンダ・メトロポリターノでの2ndレグは大船に乗ったつもりでいいかも。ただちょっと気になるのはアトレティコファンの反応で、AS(スポーツ紙)ではすでに1万2000枚売れて、残りのチケットは4000枚程と、満員近くなるような記事が出ていましたけどね。私の経験から言うと、最後に戦った2013年EL決勝トーナメントなどもそうでしたが、32強対決辺りではスタンドはガラガラ。1月のコパ・デル・レイでのエルチェ(2部B)戦やジェイダ(同)戦のように当日券も出るんじゃないかと思いますが、さて。来週は水曜にブタルケで延期されていたリーガのレガネスvsマドリー戦もあるものの、そちらはチケット完売が見込まれているため、ミッドウィークにマドリッドを訪れるファンにはいいサッカー観戦の機会になるんじゃないですかね。 ▽ちなみに今週末のアトレティコは日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、アスレティックをホームに迎えるんですが、実は相手も同じ木曜、雪の降るロシアでスパルタク・モスクワとのEL32強1stレグを戦ったばかり。リヨンに3-1で負けたビジャレアル、アノエタで後半ロスタイムに南野拓実選手にゴールを決められ、ザルツブルクと土壇場で2-2と引き分けたレアル・ソシエダなどとは違い、この11日に37歳となったアドゥリスの2得点などで1-3と快勝してきたものの、この試合では彼と共にラウール・ガルシアも出場停止になるのはラッキーだったかと。金曜にはジエゴ・コスタも練習に合流し、土曜のエイバル戦の結果次第ではバルサとの差を勝ち点7から更に縮めるチャンスと、アトレティコファンも意気込んでいるんですが…うーん、そう上手く事が運ぶのかどうか。 ▽そしてマドリッドの弟分チームは金曜と月曜の平日開催という気の毒な扱いを受けている今節のリーガなんですが、まだコパ酔いが抜けていなかったか、レガネスはジローナに3-0で先程完敗したばかり。何せ、年明けから準決勝まで、ずっと週2試合のハードスケジュールをこなしたせいで負傷者が続発していますし、まだ降格圏までは勝ち点差10以上とちょっと余裕があるのも油断に繋がった可能性はありますけどね。来週はミッドウィークのマドリー戦、そして土曜にはラス・パルマス戦と続くため、後悔する前に早く調子を取り戻せるといいのですが。 ▽一方、月曜午後9時(日本時間翌午前5時)からセルタをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えるヘタフェも前節、カンプ・ノウでバルサからスコアレスドローをもぎ取った直後なだけに別な意味での二日酔いが心配なんですが、そこはよく考えて。何せ、首位相手から勝ち点1ゲットはお手柄ですが、その前から彼らは引き分けが続き、ここまで4連続ドローですからね。そろそろ毎試合きっちり勝ち点3を溜めて、速やかに1部残留ライン突破に漕ぎつけてもらいたいかと。前節では先発に返り咲いた柴崎岳選手が再び、スタメンに入れるのかもファンには気になるところでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.17 14:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】戻って来たのはCLだけじゃない…

▽「今度こそホントよね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、スペイン・サッカー協会理事会の会合でようやく、4月21日に開催されるコパ・デル・レイ決勝の会場がワンダ・メトロポリターノに決定したという記事をスポーツ紙のネット版で見つけた時のことでした。いやあ、FAカップはウェンブリー、クープ・ド・フランスはスタッド・ド・フランス、DFBポーカルはオリンピアシュタディオンといったように、ヨーロッパの主要リーグでは決勝のスタジアムが固定されているのとは違って、スペインは毎シーズンどこになるかわからず。それでも丁度、今季はアトレティコの新しいホームが華々しくオープンしたとあって、誰もがその任を授かるとつい最近までは疑っていなかったんですけどね。 ▽それが、いえ、別にアトティコが準々決勝であっさり敗退してしまったせいではありませんよ。ファイナリスタがセビージャとバルサに決まった後、前者のホセ・カストロ会長が決勝は地元のサンチェス・ピスファンかエスタディオ・オリンピコがいいと主張。後者は後者でコパ5連覇を永遠のライバルのお膝元で果たしたいという、嫌味な願いもあって、サンティアゴ・ベルナベウを希望する声もあったものの、その週末に重なるリーガ34節のベティス戦をコパ決勝翌日の日曜にプレーすることになっても準備は滞りなくできると、クラブが請け合ったのが効いたんでしょうか。結局、アトレティコの望み通り、会場はワンダと決まったんですが、そのベティス戦の方も同じ節のセビージャvsレアル・マドリー戦、バルサvsビジャレアル戦と一緒に5月9日に延期されることに。 ▽実際、これはまだ取らぬ狸の皮勘定ですが、ありがたいことにパルケン・スタディオンはすでにチケット完売。スペインからも勇気あるアトレティコファン400人が応援に駆けつけると言われている、この木曜午後9時5分(日本時間翌午前5時5分)からの32強対決コペンハーゲン戦1stレグから始まるヨーロッパリーグ決勝トーナメントを順調に勝ち上がっていったとしたら、その頃は準決勝間近と佳境に入っているはずですからね。もちろんコパ決勝でトロフィーを掲げ、初年度からワンダに歴史を刻む夢が無残に砕けた後ですし、参加チームにドルトムントやアーセナル、ナポリ、ミランといった老舗もある中、5月16日のリヨンでのEL決勝に出ようなんて、昨今のプレーぶりからすれば、高望みもいいところなのかもしれないんですが…どういう訳か、最近アトレティコにリーガ優勝争いの目が戻って来たみたいなんですよ。 ▽え、先週末はマドリッド勢のトップバッターとしてマラガ戦に挑んだ彼らだったけど、開始41秒、ベルサイコのスローインを敵がクリアしたところ、サウールがエリア前からシュート。ケコに当たってエリア内にこぼれたボールをグリーズマンが素早く拾って先制点を挙げてから、後は何もなかったじゃないかって? まあ、そのゴールの後、当人が用具係の渡してくれたユニフォームをかざし、先日、サッカーをプレー中に急死した15歳のアトレティコファン、ナチョ・バルベラ君に哀悼の意を捧げていたのは感動的だったんですけどね。その日もパスが3回と続かないせいで、ジエゴ・コスタにボールが届かなかったのもありますが、せっかくリーガ初先発を飾ったビトロも実力を示すことができず。 ▽結局、その後、枠内シュートが1本もなかったチームで目立ったのは、「lo de hoy fue extraordinario, estando en todos los sitos, arriba, abajo, cortando centros/ロ・デ・オイ・フエ・エクスラオルディナリオ、エスタンドー・エン・トードス・ロス・シティオス、アリバ、アバッホ、コルタンドー・セントロス(今日は格別に素晴らしかった。クロスをカットしたり、前線でも後方でも全ての場所にいた)」とシメオネ監督も褒めていたグリーズマンの攻守に渡る獅子奮迅ぶりと、いつもながらのGKオブラクの安定感。後半43分にはコスタと代わったフェルナンド・トーレスにラセン(冬の市場でヘタフェとの契約を解除してマラガに移籍)が頭をぶつけ、担架退場となったこともあり、最後は10人で戦った相手にそのまま0-1で勝利したんですが、いやはや。 ▽いえ、シメオネ監督自身も「Tenemos que mejorar, pero ganando es mas facil hacerlo/テネモス・ケ・メホラール、ペロ・ガナンドー・エス・マス・ファシル・アセールロ(ウチは向上しないといけないが、勝ちながらの方がやりやすい)」と言っていたものの、ここ2週間、コパ敗退のおかげで週1試合ペースになったにも関わらず、最下位のマラガにも最少得点差勝利しかできない有様ですからね。いくらゴディンとサビッチの負傷のおかげで先発が回ってきたヒメネスが、「Lo importante es ganar, nadie se va a acordar de como jugaste contra el Malaga/ロ・インポルタンテ・エス・ガナール、ナディエ・セ・バ・ア・アコルダール・デ・コモ・フガステ・コントラ・エル・マラガ(大事なのは勝つこと。マラガにどんな風に勝ったかなんて誰も思い出しはしない)」と開き直っていたとて、90分間、いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)でイライラしながら、じっと見ているこちらの身にもなってくださいって。 ▽ただそんな勝利でも実になったのは多分に翌日曜、弟分のヘタフェがカンプ・ノウで頑張ってくれたおかげで、まず驚かされたのはキックオフ前、顔なじみのオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の記者が、まあ私にしてくれたバルサ戦の先発予想が外れたせいもあったんでしょうかね。柴崎岳選手のスタメン出場を伝えてきてくれたことなんですが、いやいや。まさかボルダラス監督がエースのホルヘ・モリーナを外してくるなんて、誰も予想できませんって。その日の前線を担ったアンヘルや柴崎選手もシュートを撃って得点を狙ったんですが、まあそれはともかく、何より助けになったのは先週木曜にバレンシアとコパ準決勝2ndを戦っていたバルサには、「Nos falto chispa para hacer algo mas/ノス・ファルト・チスパ・パラ・アセール・アルゴ・マス(ウチはもっと何かをするための火花が欠けていた)」(バルベルデ監督)ということ。 ▽幸い前半終了間際のルイス・スアレスのゴールもオフサイドを取ってもらえましたしね。そこへ「Hemos hecho un gran partido a nivel defensivo, alternando marcas a Messi/エモス・エッチョー・ウン・グラン・パルティードー・ア・ニベル・デフェンシボ、アルテルナンドー・マルカス・ア・メッシ(ウチは守備のレベル的に素晴らしい試合をした。交代でメッシをマークしながらね)」(ボルダラス監督)というヘタフェの堅守が功を奏し、GKグアイタのparadon(パラドン/スーパーセーブ)にも助けられた彼らは終了の笛が鳴るまで、相手を無得点に抑えることに成功。スコアレスドローで勝ち点1をマドリッドに持ち帰って来るんですから、何て頼りになる弟分なんでしょう! ▽おかげでここ2節連続の引き分けとなったため、バルサと2位のアトレティコとの差が勝ち点11から7に縮小。いえ、まだ世間は本気にしていないからか、お隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転優勝)体質がアトレティコに備わっていないせいか、リーガ23節から、この差をひっくり返した前例があるのかといった情報はまだ出ていないんですけどね。楽観的なファンからは「直接対決とクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点1差になる」なんて意見も聞かれたんですが、いや、アトレティコもマドリーもカンプ・ノウで勝てるんですか? ▽まあその辺は何ですが、とりあえずリーガ次節はアトレティコが日曜にワンダでアスレティック戦、バルサは土曜にアウェイのエイバル戦ですから、今度は乾貴士選手の力を借りることができるかも。一方、ヘタフェもホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでセルタ戦なんですが、こちらは月曜午後9時からの設定。終わる時間が遅いのは気になりますが、徒歩1分のLos Espartales(ラス・パスパルタレス)駅から、メトロスールと10号線でセントロ(マドリッド市内中心部)に戻れる地下鉄は午前1時過ぎまでありますし、15分歩いてLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)を捕まえるにしても、終電の午後11時40分には間に合うと思うので、チケットの取りやすそうな試合としてお勧めはできます。 ▽え、コパ疲れが出たのは準決勝でセビージャに敗退したレガネスも同じじゃないかって?そうですね、先週末はアトレティコの次の時間帯にブタルケにエイバルを迎えた弟分の片割れだったんですが、こちらは最後の最後までゴールが生まれず。それでもミッドウィークに試合がなく、体力満々で攻めてくる相手の攻撃を凌いでいたものの、後半ロスタイム4分、CKからラミスがヘッドを叩き込み、土壇場で勝ち点3を持っていかれることに。とはいえ、それでも彼らは12位ですし、消化試合が1つ少ないという状態ですから、別に悲観することはないんですけどね。今週は金曜にジローナ戦をプレーした後、いよいよ来週水曜にはその延期されていたマドリー戦が到来。その後は日程も楽になるため、少しずつコパ酔いを解消して、1部残留ライン確定に早く近づけたらと思います。 ▽そして土曜の夜、サンティアゴ・ベルナベウに足を運んで私が見た、マドリーの今季が懸かったCL16強対決PSG戦のensayo general/エンサージョ・ヘネラル(総合リハーサル)、レアル・ソシエダ戦はどうだったのかというと。いやあ、それが前半は完璧な出来で、お隣さんに対抗するかのように開始50秒、クリスチアーノ・ロナウドのクロスをルーカス・バスケスがヘッドして、先制点が決まっているんですから、驚いたの何のって。逆にまたその後、何も起きないのだろうかと私も先行き不安に駆られたものでしたが、いえいえ、とんでもない。29分にはマルセロの折り返しをゴール前でロナウドがコースを変えて2点目、33分にもクロースがエリア前から決めると、その3分後にはロナウドがCKを頭で叩き込み、前半だけで4点差をつけているんですから、心強いじゃないですか。 ▽うーん、この日のジダン監督はベイル、カセミロ、ナチョを温存していたんですけどね。ルーカス・バスケスとアセンシオを入れた4-4-2のシステムが良かったのか、「Claro que estaba presente el partido del miercoles en la segunda parte.../クラーロ・ケ・エスタバ・プレセンテ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス・エン・ラ・セグンダ・パルテ(後半、水曜の試合が頭にあったのは当然)」(セルヒオ・ラモス)というハーフタイム後は、ブスティンサとイジャラメンディに守備のミスからGKケイロル・ナバスが破られ、2点を返されていただけに、PSG戦ではBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)の揃い踏みにあまり、固執しない方がいいんじゃないかとも思ったんですが…。 ▽いえ、CL再開が目の前に迫ってきたためか、その日は傍目でも明らかな程、ハングリー精神に満ち溢れていたロナウドが35分、3本目のゴールを挙げ、今季初のハットトリックを達成できたのは途中出場のベイルのシュートをGKルリがこぼしてしまったせいというのは否定できませんけどね。どうにも間が悪かったのはベンゼマでまさか、最後のプレーでベイルのゴール前へのラストパスを天高く撃ち上げてしまい、場内から大きなpito(ピト/ブーイング)を浴びて試合を終えることになるとは。結局、この日は5-2の大勝、ジダン監督も「Tengo claro quien va a jugar el miercoles/テンゴ・クラーロ・キエン・バ・ア・フガール・エル・ミエルコレス(水曜にプレーするメンバーは決めている)」と屈託なく言っていたものの、ちょっとこのベンゼマの状態は、「es importante que equipo y aficion esten unidos/エス・インポルタンテ・ケ・エキポ・イ・アフィシオン・エステン・ウニドス(チームとファンが一体になることが大事)」(ルーカス・バスケス)なビッグマッチを前に気になるかと。 ▽そこへ加わるのがマドリーには昨年12月のセビージャ戦以来、リーガで無失点に終わった試合がないということで、このPSG戦には3月6日に2ndレグもあるんですよ。昨季は同じラウンドでバルサに4-0とホームで先勝しながら、2ndレグで6-1と大逆転負けを喰らった相手ですが、今年はネイマールやエムバペでかなりパワーアップしているとなれば、たとえ大勝してもアウェイゴールを奪われるのは怖いような。ええ、グループリーグ5節のドルトムント戦でわざとイエローカードをもらい、最終節のアポエル戦で累積警告を済ませようとしたとして、これが2試合目の出場停止となっているカルバハルなども、「右SBをやるナチョもアクラフもわかっているだろうけど、向こうが絶好調でなくて、自分が最高の状態の日でないと、ネイマールと対峙するのは難しい」と認めていましたっけ。 ▽そんなPSG戦1stレグは水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。もうとうにチケットは売り切れで、ネットやスタジアム周辺に出没するダフ屋からは1万ユーロ(約140万円)越えなんて法外な値段が聞こえてくるんですが、丁度、マドリッドに旅行に来ているファンでしたら、ラモスがソシエダ戦直後、自身のツイッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/962462712788930561)で呼びかけたように、サンティアゴ・ベルナベウの角にあるlos Sagrados Corazones(ロス・サグラードス・コラソネス)広場で午後6時30分にチームバスのお出迎えをしてもいいかも。 ▽いえ、人が多すぎてバスが見えないかもしれませんし、側でbengala(ベンガラ/発煙筒)とか炊かれたら怖いですし、実際、まだ16強対決、しかも1stレグの時点でやることじゃないんですけどね。とはいえ、ここで躓いてしまってはかつて6シーズン程、続いた3月でマドリーのCLが終わるという10年以上前の悪夢が蘇ってしまいますからね。アトレティコもいない折、私もまだしばらくはヨーロッパ最高のクラブが見られる大会がマドリッドで続いてほしいんですが…。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.13 11:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】ようやくコパが終わって…

▽「これって最高の旅程よね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、週明けの降雪から始まって連日、朝晩の気温はマイナスに。そこへ北風まで吹いて全然、外出する気にならなかった今週のマドリッドだったんですが、その日は少し寒さが和らいだため、ヘタフェの練習場を訪ねてみたところ、日本から来たという女子2人に遭遇。フットテニスやロンド(輪になって中にいる選手がボールを奪うゲーム)などの軽い試合2日前のセッションを終え、グランドから上がって来る柴崎岳選手のサインやツーショットの写真をゲットした彼女たちは明日にはバルセロナに移動して観光、日曜にはカンプ・ノウでバルサvsヘタフェ戦を見ることになっていると聞いた時のことでした。 ▽いやあ、最近はリーガの時間割が出るのも結構、早まって、1カ月ぐらい前には予定が組めますからね。地中海沿いのバルセロナはマドリッド程、寒くはならないですし、今季はカンプ・ノウの観客が減っていて、チケットが手に入りやすいというのも旅行で来る日本人ファンには嬉しいニュースですが、ただ1つ難なのはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでボルダラス監督の記者会見を待つ間、顔なじみの記者たちに訊いたところ、前節のレガネスとの弟分ダービーで控えだった柴崎選手がバルサ戦で先発復帰する可能性はかなり薄いんじゃないかという意見が多かったこと。 ▽オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の番記者など、「ケガでブランクがあった後、ほとんど貢献していないし、彼は守れないから。そういった面では同じにゴールやアシストがなくても、チームのために汗をかくアマトとかの方が監督の評価は高い。ヘタフェはガクを守備のために獲ったんじゃないけどね」と言っていましたが、まあ確かに。おまけに今回の相手にはメッシやルイス・スアレスら、点を取ることに秀でた選手が多いため、ベルガラが負傷中、新加入のフラミニ(昨季クリスタル・パレスを退団後、フリーだった)はまだ調整に時間がかかるという事情もありながら、中盤で使えるMFを総動員。アランバリ、モラ、ファジルによるtrivote(トリボテ/3人ボランチ)起用の可能性まで、マルカ(スポーツ紙)で論じられていましたからね。 ▽それでもバルサにも木曜のコパ・デル・レイ準決勝2ndレグにヒザのケガを押して出たピケが休養見込み、ベルマーレンはまだリハビリ中、そしてウムティティは出場停止。CBが1月に入ったジェリー・ミナ(パルメイラから移籍)しかおらず、DFに駒が足りないという弱点が今回はありますから、何とか無失点を終盤まで保ち、今季シーズン前半の対戦でゴールを挙げている柴崎選手が途中出場から決勝点を奪うなんて展開になったら、練習場で遭った彼女たちには一生記憶に残るラッキーな旅行になるかと思いますが、さて。そんなバルサvsヘタフェ戦は日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からキックオフ。ちなみにこういう流れでスペイン観光定番のマドリッドとバルセロナを回る予定のあるファンにお勧めの次の日程は3月の第1週で、3日の土曜にサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリーvsヘタフェ戦、日曜はカンプ・ノウでバルサvsアトレティコ戦なんていうのはおいしいと思いますよ。 ▽え、いきなり週末の話になっているってことは、やっぱりレガネスはコパ決勝に行けなかったのかって?そうなんですよ、準々決勝では大先輩のマドリーにサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転突破を果たしていた彼らは今回、1stレグで1-1という拮抗した状態でセビージャに挑んだんですけどね。一応、ガリターノ監督も「Queríamos evitar el arranque fuerte que suele tener el Sevilla/ケリアモス・エビタルエルアランケ・フエルテ・ケ・スエレ・テネール・エル・セビージャ(セビージャがよくやる序盤の猛攻を避けたかった)」と言っていたように兄貴分の片割れ、アトレティコが準々決勝2ndレグ開始23秒で失点したような大ポカはしなかったんですが、何せ先週、ブタルケで私が観戦した時も両チームのレベルの差と言いますか、全般的に押され気味でしたからね。 ▽選手たちがキックオフ前の「Volver a ser campeon es lo que mas quiero/ボルベル・ア・セル・カンペオン・エス・ロ・ケ・マス・キエロ(自分が一番したいのは再びチャンピオンになること)」といった垂れ幕や、サンチェス・ピスファン恒例の暗くした場内に響き渡るhimno del centenario/イムノ・デル・センテナリオ(クラブ創設100周年歌)アカペラ合唱に気を飲まれることはなかったものの、前半15分にはエリア内右奥に入りこんだムリエルをシオバスが止められず、ゴール前にラストパスを出されてコレアに先制点を決められてしまうことに。それでも1点を取れば延長戦に入れることから、決して気落ちせず、アムラバットやガブリエル・ピレスを中心にゴールを挙げようと頑張ったんですが…終盤、最後の切り札として投入されたのがCBマントバーニだった辺りがやはり、チームとしての限界だったかと。 ▽うーん、後でガリターノ監督は「延長戦に入った場合、ゲレロを入れていたら、バランスが崩れていただろう」と言っていましたけどね。クロスを放り込んでキャプテンのヘッドで何とかしてもらうという算段もあったのかもしれませんが、とにかく負けているですから、ここは先を考えずにFWを入れた方が良かった?そうこうするうち、セビージャのカウンターがはまり、残り1分にフランコ・バスケスが2点目をゲット。これで総合スコア3-1と完全に息絶えてしまったレガネスでしたが、無料バス6台を連ねて応援に駆け付けたファン400人もスタンドでチームを称えていたように、このコパでビジャレアル、マドリーと強豪を倒してきた彼らの健闘は立派としか言いようがありませんって。 ▽年明けからずっと続いた週2試合ペースにも絶妙のローテーションで息切れしなかったですしね。選手たちにも自信がついたことでしょうし、木曜朝にセビージャ(スペイン南部)からAVE(スペインの新幹線)で帰京した彼らにはなるたけ早く、気持ちを切り替えて、チームの根本目標である1部残留を速やかに達成してほしいかと。ちなみに今週末、レガネスは土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、ホームに先日、近々契約延長が決まりそうだ報じられた乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎えるんですが、奇しくも前節、セビージャに5-0と大勝した相手とはいえ、幸いガリターノ監督のチームにはコパ準決勝による負傷者は発生しておらず。 ▽リーガでは現在、お隣さんのヘタフェと同じ勝ち点数29で、どちらも降格圏までは12、来季のヨーロッパリーグ出場権をもらえる6位まで4と、これだとどちらのチームも残留決定後、更に上を目指す余裕がありそうな。加えて、忘れてはいけないのはここ12年で17回目の決勝進出、コパでは8回の決勝で5回優勝しているセビージャですが、翌木曜にはサンチェス・ピスファン同様、大勢のファンがメスタジャ入りするチームバスをお出迎え。声を限りに応援したものの、バレンシアはコウチーニョとラキティッチにゴールを許し、総合スコア0-3で準決勝敗退に。 ▽おかげで誰もがワンダ・メトロポリターノで行われると思っていたにも関わらず、その週末がベティス戦と重なるため、新たにメスタジャやサンティアゴ・ベルナベウが開催スタジアムとして浮上してきた4月21日のコパ決勝では2年前にも負けているバルサと対戦するんですよね。となると、かなり分が悪そうですが、もしここでバルサがコパ4連覇を遂げると、うーん、リーガ独走は勝ち点差9で2位のアトレティコも何とか止めたいと努力はしているものの、彼らの来季CL出場権獲得はまず確実。その場合、コパ優勝チーム用のEL出場権がリーガ7位に回るとなれば、マドリッドの弟分チームが揃ってヨーロッパの大会に参加なんてこともありうるかもしれない? ▽おっと、そんな絵に描いた餅のような話は置いといて、試合のないミッドウィーク2週目を終えた兄貴分たちについても触れておかないと。月曜に練習場を覆った雪も火曜にはすっかりキレいになっていたため、どちらも4日間じっくりトレーニングに励めたんですが、やっぱり首位まで勝ち点19ともなると、マドリーファンも来週水曜のCL決勝トーナメント16強対決PSG戦1stレグの方が気になっているはずと各紙も判断したんでしょうね。ただ、ネイマールの連日バースデーパーティや雪の中でサンタ帽をかぶってパンツ一丁でポーズをとるツイート(https://twitter.com/neymarjr)などばかりではさすがにネタがもたないためか、木曜にはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)の復活により、控えに戻ってからの態度の悪さに失望して、ジダン監督はこの夏、イスコを放出する意向を固めたという噂なども現れることに。 ▽まあ、これは金曜の試合前日監督会見に出た当人が「自分はイスコが好きだ。マドリーにずっといてほしい。Todo lo dicho es mentira/トードー・ロ・ディッチョー・エス・メンティーラ(言われていることは全て嘘だよ)」と否定していましたので、そんなに気にしないでもいいかと思いますが、ちょっと心配なのはあまりにCLが近づきすぎて、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレアル・ソシエダ戦で選手たちが上の空にならないかということ。何せ、今回はウィリアム・ホセとジャヌザイがケガで出られないとはいえ、相手は前節デポルティボに5-0と大勝して、調子を取り戻しつつありますからね。今季のマドリーはサンティアゴ・ベルナベウでの試合でも勝ち点を落とすことが多いため、うっかり選手を温存もできないって、なんだか大変そうですが、とりあえず、現在5位のビジャレアルと勝ち点差2の4位の座だけは死守しないと面目が立たないかと。 ▽そして土曜の午後4時15分から、4試合ぶりのアウェイゲームで最下位のマラガに挑むのがアトレティコなんですが、こちらもバルサ程ではありませんが、前節のバレンシア戦でサビッチとゴディンが全治3週間見込みのケガを負ってしまったため、今週の練習ではシメオネ監督がCBコンビを務めるヒメネスとリュカに居残りまで命じて鍛えていたとか。いえ、ゴディンなど、金曜には失くした前歯3本の治療を終え、マハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドで元気な姿を見せていたんですけどね。やはり当分は頭を使うようなプレーは避けた方がいいようで、招集リストには入らず。相手のマラガはミチェル監督がヘタフェ戦の後に解任され、ホセ・ゴンサレス新監督となってから、2分け1敗とまだ白星がないんですが、窮鼠猫を噛むといったことわざもありますしね。アトレティコとしても油断は禁物ですが…こちらも来週木曜にはEL32強対決コペンハーゲン戦1stレグなのにまったく盛り上がってないのはやっぱり大会柄、仕方ないんでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.10 10:15 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】もうすぐヨーロッパの大会なのに…

▽「嬉しいもんなのかしら」そんな風に私が首を傾げていたのは月曜日、前夜ワンダ・メトロポリターノから自宅に着いたのが午前1時過ぎだったため、遅めに新聞を買いに出たところ、外は激しく雪が舞い踊る状態。道にも積もり始めているのに閉口して、おっかなびっくり歩いていたんですが、途中でセルフィーを撮っているスペイン人を何人も見かけたから。いえ、幸いスタジアムに試合観戦に行かないといけなかった日曜はまだみぞれとかで、レバンテ戦を終えて帰京したイスコが、雪がちらつくマドリッド郊外にある家の庭で上半身裸になって犬と戯れるビデオ(http://espndeportes.espn.com/video/clip/_/id/3954321)などが話題にもなったんですけどね。 ▽それが月曜になると、ジエゴ・コスタはまだ服を着ていたからいいものの(https://twitter.com/diegocosta/media)、21歳のリュカなど、半裸で雪の上にダイブ(http://www.marca.com/futbol/atletico/2018/02/05/5a786f96468aebcf048b4617.html)なんて映像も出てきたため、思わず、「また当分、出づっぱりが続くんだから、風邪だけは引かないで」と祈ってしまったものの、幸いながらアトレティコは火曜午後5時まで練習がなし。ええ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場なんて凄い積雪になっていたと思うんですが、おかげで月曜午後からトレーニングを予定していたお隣さんなど、バルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドが雪まみれ(https://www.realmadrid.com/noticias/2018/02/la-nieve-cubre-la-ciudad-real-madrid-y-el-santiago-bernabeu)でセッション中止になったとか。 ▽まあ、それでもレアル・マドリーは今週土曜のリーガ、レアル・ソシエダ戦しかないからいいものの、気の毒だったのは、その大先輩をコパ・デル・レイ準々決勝で破り、水曜にはセビージャとの準決勝2ndレグを控えるレガネス。前日もみぞれの降りしきる中、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで行われたヘタフェとの弟分ダービーを戦ったんですが、いえ、私もその正午からの試合をスタンドで寒さに震えながら見ていたんですけどね。丁度、コパの谷間ということもあり、9人もローテーションしながら、後半序盤にはアントゥネスのFKがゴールポストに当たったり、ホルヘ・モリーナのシュートもGKクェジェルが弾いて何とかピンチを脱出。新加入のロイク・レミ(ラス・パルマスからレンタル)や柴崎岳選手が交代でピッチに入っても最後まで無失点をキープしているんですから、頑張るじゃないですか。 ▽ただ、自分たちのチャンスも終盤、キャプテンのマントバーニのヘッドが際どく枠をそれたぐらいしかなかったため、「El punto es muy bueno para nosotros/エル・プント・エス・ムイ・ブエノ・パラ・ノソトロス(この勝ち点1はウチにとって非常にいいもの)」(ガリターノ監督)というスコアレスドローを勝ち取るにとどまったんですが、次の試合まで中2日しかないとなれば、雪が降ろうが槍が降ろうが、トレーニングをしない選択はないですからね。それも1-1だった1stレグから勝ち抜けるには1点以上、サンチェス・ピスファンで挙げないといけないため、たとえ先週末はエイバルに5-1と大敗した相手とはいえ、月曜午前11時にはインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケでセッションを強行することに。クラブのツイッターの映像(https://twitter.com/CDLeganes/status/960472663369158656)によると、ホントにこれで練習になるのかという気はしますが、レガネスの選手たちにとってはコパ決勝に出られるチャンスなど、一生に一度あるかないか。 ▽もうそうなると、今回スペインのかなりの地方を襲った降雪も決戦の地、セビージャ(スペイン南部)には無縁、快適な気温でプレーできることを期待して、ここは歯を喰いしばって立ち向かうしかないと思いますが、さて。うーん、ヘタフェ戦の後、年明けからは週2試合でかなりのハードワークになっているエル・ザールなどは、「La carga de minutos la llevamos bien/ラ・カルガ・デ・ミヌートス・ラ・ジェバモス・ビエン(ボクらはプレー時間の多さを上手くこなしている)」と言っていましたけどね。ガリターノ監督に「Esta enfermo/エスタ・エンフェルモ(/病気中)」と言われ、日曜の試合に出なかったトップ下のガブリエル・ピレスが回復するのかも気にならなくはないとはいえ、今週の土曜午後6時30分、乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎える試合でコパ決勝進出祝いができたら、私も嬉しいんですけど。 ▽そしてヘタフェの方は次節、カンプ・ノウでバルサと日曜に対戦。セントロ(マドリッド中心部)でも夕方には雪が雨に変わったため、こちらは天候が落ち着いた頃を見計らって偵察に行ってくるつもりですが、その一方で先週末、マドリッドの兄貴分チームたちの出来はどうだったのかというと。いやあ、それが土曜に一足早く試合をしたのはマドリーだったんですが、このところ、リーガでデポルティボとバレンシアに連勝して、調子が戻ったのかと思っていたんですけどね。実際、前節に続いて同じバレンシア(スペイン西部にある地中海沿岸のリゾート都市)でのレバンテ戦でも前半11分にはクロースのCKをセルヒオ・ラモスがヘッドで決め、早い時間に先制。 ▽相手は昨年11月から勝ってないし、順位も降格圏ギリギリだったため、その日もgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を期待したファンも多かったかもしれませんが、気を抜くのが早すぎたんでしょうかね。ハーフタイムまであと3分というところでカウンターを喰らい、モラレスのシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、こぼれたボールをエリア前からボアテングに撃ち込まれ、1-1で前半を折り返すことに。おまけに後半は拮抗してしまったため、とうとうジダン監督はベイルを諦めて、20分にはイスコを投入。それが功を奏したのは36分、ベンゼマがエリア内右奥から送ったパスをその彼がシュートして、ようやく再びリードを奪ったんですが…。 ▽え、大体がしてその直後、ジダン監督が、当人は不満の表情を浮かべたにも関わらず、クリスチアーノ・ロナウドを下げてしまったのが一番いけないんじゃないかって?いやあ、「代えたのは中盤に選手を入れたかったから。Más fuerza en el centro del campo/マス・フエルサ・エン・エル・セントロ・デル・カンポ(ピッチのセンターをもっと強化できるようにね)」(ジダン監督)という考えは悪くはないんですが、アセンシオは半分FWみたいなもんですからね。この辺はアトレティコなどとは感覚が違っていて、おそらくシメオネ監督だったら、ナチョやテオでDFを厚くして、なりふり構わず1点差を守りにいったと思いますが、そこは天下のマドリー。 ▽それまで何度もモラレスの独走を招いていた守備が44分に再びほころびを見せ、ジェイソンのスルーパスから、移籍市場クローズの日にベローナから加入したばかりのパッツィーニに同点ゴールを決められ、痛恨の引き分けと終わった後、キャプテンのラモスも「あと5分という時に引き分けにされるなんて普通じゃない」と怒っていましたけどね。「経験を生かして、プレーを遅らせて時間を稼いだり…Pero el Madrid está obligado a jugar bien y queremos dar una buena imagen/ペロ・エル・マドリッド・エスタ・オブリガードー・ア・フガール・ビエン・イ・ケレモス・ダール・ウナ・ブエナ・イマヘン(でもマドリーはいいプレーをすることを義務付けられていて、ボクらもいいイメージを見せたいから)」とも言っていたように、きっとジダン監督の頭も追加点を取りに行く方に向いていたのかと。 ▽うーん、この結果、翌日にバルサがエスパニョールとのダービーに勝っていたら、勝ち点差が21ポイントに広がってしまうところだったんですけどね。それでもまだ、「Yo siempre voy a decir que la Liga no está sentenciada/ジョ・シエンプレ・ボイ・エ・デシール・ケ・ラ・リーガ・ノー・エスタ・センテンシアーダ(自分は常にまだリーガの行方は決まっていないと言うよ)」と主張するジダン監督はある意味、凄いんですが、心配なのは事あるごとにカウンターを受けて失点してしまうマドリーの守備の弱さ。昨季とかなら、自慢の点取り屋たちのおかげでそんなの何てことはなかったんですけどね。一応、バランなどは「No nos afecta, la Champions es diferente/ノー・ノス・アフェクタ、ラ・チャンポンズ・エス・ディフェレンテ(影響はないよ、CLはまた違うんだから)」と強気でしたが、レバンテに2点取られるなら、果たしてネイマール、カバーニ、エムバペを擁するPSGにはどれだけゴールを奪われることになるのやら。 ▽ええ、CL16強対決1stレグも来週水曜と迫ってきただけに不安も尽きないかと思いますが、折しもこの2月5日の月曜はロナウドが33歳、ネイマールが26歳の誕生日。さすがにこの年にもなると、日曜夜にはパリのディスコを借り切った後者のメガバースデーパーティがTV画面を賑わせても、自分も30歳になった時などやっているし、今は静かに家族とアットホームに祝うのがいいみたいな感じにロナウドもなってしまうんでしょうが(https://www.instagram.com/p/Be0ZuuuFs9Y/?hl=ja&taken-by=cristiano)、向こうはフランス・リーグ1でも18得点と、PSGの独走に大いに貢献していますからね。それでも今季、マドリー唯一の命綱となってしまったCLでは8得点のリーガと違い、6試合9得点で大会トップを走っている彼に期待を預けるしかないんですが…まずはこの土曜のリーガ、レアル・ソシエダ戦で上手く助走をつけられるといいですね。 ▽そして日曜、ヘタフェ(マドリッド近郊の衛星都市)で冷え切った体を一旦、家に帰って温め、今度は体感温度マイナス1度との予想にヒートテックを1枚余分に着込み、ホッカイロを大量持ちしてワンダ・メトロポリターノに向かった私でしたが、同じように覚悟してスタンドに足を運んだファンは約5万人。相手のバレンシアがバルサとのコパ準決勝1stレグの疲労or2ndレグに備えての体力温存もあったのか、前半、鬼のように守備を固めてきたため、せいぜいサウールのミドルシュートとCKからのジエゴ・コスタのヘッドぐらいしかチャンスを作れなかったアトレティコでしたが、どちらもGKネトのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に阻まれてしまっては。とはいえ、前半0-0で終わるのはよくあることだったため、むしろ28分にサンティ・ミナにタックルされたサビッチが左太もも裏を痛め、アップもせずにヒメネスがピッチに入ったことの方が私としては心配だったんですが、何と後半5分には先発CBの片割れ、ゴディンまでもケガで交代なんてことあっていい? ▽いえ、彼の場合、CKで攻撃参加した際、クリアにジャンプしたネトの腕で顔面を強打。あとから空中に白い物が飛んでいるショッキングな映像も出てきたように、前歯3本を折る大変な目に遭ったんですけどね。シメオネ監督も「si la de hoy de Godín no lo es... Nos van a matar uno para que se penalti/シー・ラ・デ・オイ・デ・ゴディン・ノー・ロ・エス…ノス・バン・ア・マタール・ウノ・パラ・ケ・セ・ペナルティ(今日のゴディンのがそうでないなら、ウチがペナルティを取ってもらうには誰かが殺されないと)」と言っていたようにこの災難も今季のリーガで初PKゲットには繋がらず。ここは急遽、右SBのフアンフランが入り、CBはヒメネスとリュカ、左SBにベルサイコを回して窮地を凌ぐことに。 ▽そんな不運続きでしたから、すでに守備固めに入るつもりでガビがライン際で交代を待っていた後半13分、コケのパスを受けたコレアがハーフタイムに「バレンシアはエリア外からなら撃たしてくれる」とロッカールームで話し合ったのを生かし、エリアの左前から斜めにシュート。それが決まった時にはビックリしたの何のって。1-0となって、カラスコに代わって入ったガビは反撃を始めたバレンシアに対し、しっかり中盤を支えてくれましたし、いやまあ、コスタとグリーズマンのFWコンビはアトレティコ最強ですからね。追加点を狙うなら、そのままの方がいいのもあったんでしょうが、残り15分には今季はビジャレアル、バルサ、ジローナなど、終盤の失点で引き分けられてしまったのを反省したんですかね。そうそうに逃げ切りの姿勢に入ります。 ▽その方法はそれまで40%を切っていたポゼッションを上げることで、危険なパスを避けて、後半30分以降は60%に、最後の5分など、70%以上になっていたそうですが、おかげでせっかくのカウンターのチャンスにグリーズマンがボールを戻してしまい、スタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛ぶ一幕も。怒った当人が指を唇の前に立てるポーズでファンを批判するのも大人気ないんですが、後でシメオネ監督も「no atacó innecesariamente cuando no había que atacar/ノー・アタコ・インネセサリアメンテ・クアンドー-・ノー・アビア・ケ・アタカール(攻撃すべきでない時、不必要に攻めていかなかった)」と褒めていましたしね。ファンにしてみれば、もっとガンガン行くチームを見たいのはわかりますが、そのまま1-0の勝利で勝ち点3が手に入ったとなれば、文句を言ってはバチが当たるかと。 ▽だってえ、丁度、その日はバルサがエスパニョールと1-1で引き分けていたため、これで首位との勝ち点差が9になったんですよ。ただ11差になったのは2節前、彼らがジローナに追いつかれ、引き分けてしまったせいなので、元に戻っただけなんですが、サルールなども「Tenemos que pensar en nosotros e ir partido a partido/テエモス・ケ・ペンサール・エン・ノソトロス・エ・イル・パルティードー・ア・パルティードー(ウチは自分たちのことだけを考えて、1試合1試合やっていかないと)」と言っていましたしね。月曜にはゴディンもサビッチも全治3週間と診断されてしまいましたし、もしやバルサは木曜のコパ準決勝、バレンシアとの2ndレグ(1stレグは1-0で先勝)で力を使い果たし、リーガの次戦では弟分のヘタフェが手助けしてくれるかもしれないなんて夢は見るだけ時間の無駄というもの。それより早く練習場のグラウンドをしっかり雪かきして、土曜のマラガ戦に備えるべきですが、何だか来週木曜のヨーロッパリーグ32強対決、アウェイのコペンハーゲン戦もデンマークだけに寒さとの戦いになりそうですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.06 12:00 Tue
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