世界へ羽ばたこうとするガルーダたち 映画『ガルーダ19』

2015.02.12 17:00 Thu
▽2015年2月14日(土)、15日(日)に横浜・ブリリア ショートショート シアターでヨコハマフットボール映画祭が開催される。映画『ガルーダ19』はヨコハマフットボール映画祭のほか、22日(日)に開催される大阪フットボール映画祭でも上映予定だ。

◆アンダー世代の“キセキ”
▽「日本は恵まれている」──そう感じさせられる映画が『ガルーダ19』と題されたこの作品。「ガルーダ」とはインド神話に登場する神鳥で、インドネシアの国章にも使用されている。「19」は文字通りアンダー19、つまり19歳以下の代表を表しており、この作品はU-19インドネシア代表を題材としている。

◆東南アジア諸国が抱える問題も
▽本編の冒頭はPK戦から始まる。PK戦特有の緊迫した状況、キッカー、キーパー、監督、観客…多くの人が固唾を呑んで見守るこのPKは見事に成功。この結果、U-19インドネシア代表は東南アジアチャンピオンに輝いた。今作品の主役である「ガルーダ19」が大きな羽を広げ、羽ばたこうとする瞬間だ。
▽東西に伸びた列島で国土が構成されるインドネシアは、首都・ジャカルタがあるジャワ島や、マレー半島の南に位置するスマトラ島の他、1万を超える島を保有する国家だ。本編でも監督以下、コーチ陣が各地を実際に巡って選手を探しているものの、すべての島を巡ることは困難を極め、地方には掘り起こされないダイアモンドの原石も多く居るとのこと。

▽それでも、インドネシア行脚の成果として「鋭い読みを持つDF」「スピードと抜群のドリブルスキルを持ったFW」という2つの原石を見つけることができたU-19インドネシア代表は、“ワールドカップ出場”という大志を抱き練習に励んでいく。
◆絶望の裏にある希望
▽将来のワールドカップ出場を目指し、U-19インドネシア代表として活動する「ガルーダ」たち。しかし、A代表とは異なり冷遇されているユース世代の代表は、協会の“嫌がらせ”もあり安宿を転々とし、最終的には食事が出ない事態に──。

▽それでも、監督の「育成が未来を変える」という強い信念の下、コーチ、選手らが一丸となって成長し、U-19アジア選手権出場を目指すサクセスストーリー。

◆ハングリー精神を呼び起こす一本
▽1993年のJリーグ開幕、さらには1998年のフランス・ワールドカップ出場、そして2002年のワールドカップ開催──着実に成長を遂げ、アジアのトップに君臨することがスタンダードになってきた日本だったが、近年はユース世代がアジアを勝ち抜くことができず、今年行われたアジアカップではA代表もベスト8で姿を消すなど、アジアの勢力図は徐々に変わっているのかもしれない。

▽さらに、湾岸地域や東アジア、オーストラリが力を付けている今、新興勢力として東南アジア諸国も頭角を現しつつある。かつてはアジアのサッカー界でも遅れをとっていた日本。この映画を見れば、その原点に帰ることができるかもしれない。

★ジャパンツアー日程
2月14・15日(土・日) ヨコハマ・フットボール映画祭
2月22日(日) 大阪フットボール映画祭
2月28日(土) 福岡フットボール映画祭
3月14日(土) サッポロ・フットボール映画祭

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