「経験がものを言った」なでしこのパリ五輪決定に佐々木則夫女子委員長、ブラジル遠征が糧に 移動の経緯は過去の事例踏まえ「強行時は体調を崩す選手も」

2024.02.29 21:50 Thu
【写真】パリ行きのチケットを手に選手全員で記念撮影



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現役引退の元なでしこDF鮫島彩、古巣INAC神戸とのラストマッチで感動スピーチ「自分の理想とする引退の形」…今後は「ビール片手にスタンドで」

大宮アルディージャVENTUSの元なでしこジャパンDF鮫島彩が現役を引退。ラストマッチ後に、感謝のメッセージを送った。 25日、2023-24シーズンのWEリーグ最終節が行われ、大宮VはINAC神戸レオネッサをホームに迎えた。 鮫島にとっては古巣でもあるI神戸との対戦。先発フル出場を果たしたが、試合は0-2で敗戦。試合後には、かつてのチームメイトたちとも抱擁し、最後の試合を終えた。 試合後、ピッチ上で鮫島の引退セレモニーが実施。ファン・サポーターへの感謝の気持ちから、これまでのサッカーを続けてきたことで得たものを回想。また、突然の引退発表でも多くの仲間や関係者が駆けつけてくれるなど、鮫島の人間性も良く出たスピーチとなった。 「まずは、今日スタジアムに足を運んでくださったファン・サポーターの皆様ありがとうございます。また、今季VENTUSの活動をサポートしてくださった、パートナー企業の皆様、後援会の皆様、サポートスタッフの皆様、1シーズンありがとうございました」 「ここ数年は1シーズン1シーズン、今年をやりきろうと思って戦ってきました。なので、巷では辞める辞める詐欺とも言われてきましたが、今年は自分の中でしっかりとやりきったと思えたので、今日この場に立たせてもらっています」 「小さい頃にチームのために戦うことの大切さを教えてくれる恩師に出会いました。ノリさん(佐々木則夫)率いるなでしこジャパンでは、自分以外の誰かのために戦うことが、何よりも楽しいことを、また充実した気持ちになれることを教えてくれる仲間にも出会いました」 「プロになってからはもちろん自分自身で、結果や数字を求め続けることを最も重要視してきましたが、やっぱり根源には、何よりも誰と一緒に戦うかが大切で、今後ろに並んでいるこのチームメイトたちに囲まれて、現役最後の時を迎えられることを本当に幸せに思っています」 「泣き虫もいるし、怒りん坊もいるし、いつも冗談ばかり言ってふざけているメンバーもいるし、凄く濃いメンバーなんですが、人の思いを大切にできる凄く大好きなメンバーです」 「しかも最終戦、6年間お世話になったINACとの対戦で、元チームメイト、そしてサポーターのライオンの皆さん、そして私が大好きな大宮のサポーターの皆さんに囲まれて、最後の試合ができたのは本当に幸せ者だなと思います」 「今サッカーをやっている小さいお子さんたち。ファン・サポーターの皆さんにこうして囲まれて、自分の大好きな人たちに応援に来てもらって、このピッチで試合をするのは本当に最高です」 「サッカーは11人でするスポーツで、11人同じタイプがいても成り立たない。11人違うタイプの選手がいるから成り立つスポーツだと思っています。なので、自分の得意なプレーだったり、好きなプレーをどんどん練習して、そこを思い切り伸ばしていってほしいなと思います。チームメイトの良いところも見つけて、認めて、仲間と一緒に楽しくサッカーをやっていってほしいなと思います」 「唐突な引退宣言だったんですが、今日急遽地元の恩師や後輩、常盤木の先生方、マリーゼのチームメイト、ボストンのホストファミリー、リハビリ期に出会った他競技のアスリートたち、まさか来ているとは思っていなかった仲間も。そして長年サポートしてくれた家族のみんなが駆けつけてくれました。本当に自分の理想とする引退の形を実現できて、感謝の気持ちで一杯です」 「ファン・サポーターの皆さん、私にとって、本当にかけがいのない存在でした。皆さんと練習後や試合後に長話することが好きでした。私の原動力になってくださり、本当にありがとうございました」 「現役は引退するんですけど、これからはビール片手にスタンドで一緒にWEリーグを観戦しているかもしれないので、していると思うので、これからも一緒にWEリーグを盛り上げていきましょう。本当にありがとうございました」 鮫島は栃木県出身で、女子サッカーの名門である常盤木学園高校で活躍。東京電力女子サッカー部マリーゼでキャリアをスタートさせる。2011年3月11日、東日本大震災によりチームが活動自粛。そのタイミングでアメリカのボストン・ブレイカーズに移籍。その後、モンペリエでもプレーし、2012年7月にベガルタ仙台レディースへ移籍し日本に戻った。 2015年から2020年まではINAC神戸でプレー。皇后杯で2度の優勝を経験すると、WEリーグ開幕に合わせて大宮Vに完全移籍。3シーズンを戦い36歳で現役引退を決断した。 また、なでしこジャパンでは2011年のドイツ女子ワールドカップの優勝メンバーになると、2018年の女子アジアカップでも優勝を経験していた。 <span class="paragraph-title">【動画】現役ラストマッチを終えた鮫島彩がファン・サポーターと交流</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/reel/C7Y5qADPRaj/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; 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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/reel/C7Y5qADPRaj/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">WEリーグ(日本女子プロサッカーリーグ)(@we_league)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2024.05.25 22:15 Sat

なでしこ熊谷紗希が代表通算150試合、南萌華も通算50試合出場達成

アメリカ遠征のSheBelieves Cup2024を経て、なでしこジャパンのDF熊谷紗希が6日のアメリカ女子代表戦で代表通算150試合出場、南萌華が9日のブラジル女子代表戦で同50試合出場を達成した。 熊谷は2008年3月7日のキプロスカップ、カナダ女子代表戦に途中出場し、佐々木則夫監督(現:女子委員長)の元で高校2年生時になでしこジャパンデビュー。2011年ドイツ女子ワールドカップ(W杯)や2012年ロンドン・オリンピックでは、主軸として優勝、銀メダル獲得に大きく貢献。2015年カナダ女子W杯でも準優勝を経験した。 2017年、高倉麻子前監督にキャプテンに任命され、2019年フランス女子W杯や東京オリンピック2020に出場。池田太監督からも引き続いて主将に任命され、2023年オーストラリア&ニュージーランド女子W杯ではベスト8入り。パリ・オリンピック出場権の獲得にも貢献した。 ブラジル戦では控えに回ったが、これまでなでしこジャパン通算150試合に出場し、2得点をマークしている。 南はU-17、U-20と育成年代の女子W杯2代制覇を経験し、2019年3月2日のSheBelieves Cupブラジル戦にてなでしこジャパンデビュー。早々に代表へ定着し、フランス女子W杯メンバーにも選出され、初戦のアルゼンチン女子代表戦でW杯出場も果たした。 東京オリンピックにも出場し、2023年の女子W杯では完全な主軸に。なでしこジャパンでは通算50試合に出場し、4ゴールをマーク。なでしこデビューとなったSheBelieves Cupのブラジル戦という、同じシチュエーションで節目を飾ることとなった。 2024.04.10 20:05 Wed

宮本新会長誕生で『会長の決断』とは/六川亨の日本サッカー見聞録

JFA(日本サッカー協会)は3月23日、新会長に「内定」していた宮本恒靖氏を新たな理事による第5回理事会で、互選を経て第15代の会長に正式に就任したことを発表した。 この会見には22日に亀岡でのU-23日本対U-23マリを取材し、その足で24日のJ2リーグ山口対愛媛、25日に小倉でU-23日本対U-23ウクライナの取材を予定していて移動中だったため参加することができなかった。 ところが仕事仲間が当日、宮本会長の会見を取材した折り、机の上に昨年の会長選の際に作成した“マニュフェスト”があったため、余分に確保して親切にも郵送してくれた。 初めて目にしたマニュフェストの冒頭には「会長選の流れを決定づけた」と言われた岡田武史JFA副会長との対談が6ページにわたってあった。 対談の冒頭、岡田副会長は「代表監督選びについては技術委員会で候補者を選出して、最終的には会長と技術委員長を含めた数名で決めるんだけど、俺は最終的には会長がリーダーシップを発揮して決めなくてはいけないと考えている」と断言した。 その理由として「俺も代表監督時代から言ってはきたけど、技術委員長ではなくてやっぱり会長がやるべきことなんだよね」 「自分のサッカー観を持ったうえで決断するわけだから、(会長は)サッカーをしっかりと知っている人のほうが望ましいし、ツネなら言うまでもない」 元日本代表監督で現職の副会長にここまで言われては、会長選に立候補した鈴木徳昭氏の出番はないだろうと思った。鈴木氏は日本代表でもなければ、日産自動車に所属していた時でもJSLでのプレー経験はない。JFAとJリーグ、さらにW杯招致委員会、AFC、東京五輪招致委員会などで実務を担当してきた“裏方”だったからだ。 そして岡田副会長の「代表監督人事は会長」にも納得してしまった。 岡田監督は加茂周前監督からバトンタッチされ、“ジョホールバルの歓喜”で日本を初のW杯へ導いた。しかしフランスでは3連敗を喫したため、岡田監督の続投を求める声は皆無だった。99年にJ2札幌の監督に就任すると、2000年にはJ2優勝とJ1復帰を果たす。さらに03年からは横浜F・マリノスを率いてJ1リーグ連覇を達成するなど黄金時代を築いた。 そんな同氏が再び代表監督に就任したのが07年12月、イビチャ・オシム監督が脳梗塞で倒れたからだった。小野剛JFA技術委員長からの打診だったが、小野はフランスW杯でコーチに抜擢した旧知の仲だけに断ることはできなかっただろう。 こうして臨んだ南アW杯だったが、大会前にちょっとした“事件”があった。JFA会長に犬飼基昭が就任すると、技術委員長の強化担当に原博実を招聘。小野は「育成」の技術委員長と役職が変更になった。それでも小野は南アW杯前のスイス・オーストリアキャンプから岡田ジャパンを陰ながらサポートした。 南アW杯で岡田は日本人監督として初めてグループリーグを突破した。しかしラウンド16でパラグアイにPK戦の末に敗れた。中村俊輔の負傷が長引き、本田圭佑の0トップという大胆な発想も、岡田監督の評価にはつながらなかった。当時のサッカー界に、「監督は4年で代わるもの」という固定観念も少なくなかった。 岡田監督にしてみれば、早稲田大学の後輩であり、Jリーグでは監督としてこれといった実績のない原技術委員長に出処進退を決められるのは納得のできないことだったのではないだろうか。だから監督人事は「技術委員長ではなくてやっぱり会長がやるべきこと」と断言したと思えてならない。 この「会長が決断する」流れは田嶋幸三・前会長に受け継がれた。 JSLでのプレー経験こそあれ、Jリーグと代表での経験はないもののその実務手腕を見込んで原技術委員長が招いた霜田正浩(現松本監督)は、原がJFA専務理事に転出すると技術委員長に就任。しかし初めての会長選で原を破って会長に就任した田嶋は、原を2階級降格の理事にすることでJFAでの立場を失脚させる。 田嶋会長はロシアW杯を前に技術委員会を再編し、西野朗を技術委員長に招聘し、霜田をNTD(ナショナル・チーム・ダイレクター)に降格。霜田も自ら身を引くことになった。そしてW杯直前にはヴァイッド・ハリルホジッチ監督を解任し、西野を代表監督に据える人事を強行した。 22年カタールW杯で森保ジャパンはグループリーグでドイツとスペインを倒すジャイアントキリングを演じながらもベスト16でPK戦により散った。反町技術委員長は、一説には元チリ代表のビエルサ監督の招聘に乗り気だったという。しかし田嶋会長は大会直後にも森保続投を支持。森保監督と反町技術委員長との関係に配慮して、山本昌邦NTDを招聘したとの噂もある。そして反町技術委員長は3月を持って退任する予定だ。 代表監督人事は、最終的な決断は会長が下すのはどこの国も同じだろう。では技術委員会の役割は何なのか。これはこれで、はっきりさせておく必要がある。会長が「こう言ったから右に倣え」では、“忖度”であり技術委員会の存在意義そのものが問われかねない。 影山雅永技術委員長(男子)や佐々木則夫技術委員長(女子)などを理事職から外し、理事会のスリム化と女性理事の登用に積極的な宮本新会長。男女の代表戦の放映権の高騰により地上波で試合が見られないなど厳しい船出が待ち受けているかも知れないが、まずはパリ五輪男子の出場権獲得に万全の態勢で臨んで欲しい。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2024.03.30 11:00 Sat

元なでしこMF、新潟Lの川澄奈穂美がJFAの理事就任へ…技術委員長にはユース育成ダイレクターの影山雅永氏に

日本サッカー協会(JFA)は7日、2024年度の第3回理事会を開催。理事15名および監事1名の予定者を発表した。 JFAは、3月末に会長が交代予定。元日本代表DFでJFAの専務理事を務めている宮本恒靖氏が就任予定となっている。 そんな中、理事予定者の15名が発表。現役選手としてWEリーグのアルビレックス新潟レディースの元なでしこジャパンMFの川澄奈穂美(38)がリスト入りした。 現役選手のJFA理事は初のこと。INAC神戸レオネッサのほか、アメリカのシアトル・レイン、NJ/NY ゴッサムFCでプレーし、2023年7月に新潟Lに加入。今シーズンはキャプテンを務めている。 その他、会長予定者の宮本氏や、現副会長の岡田武史氏、野々村芳和氏、次期副会長予定者の西原一将氏(株式会社西原商会代表取締役社長、鹿児島県サッカー協会会長)、専務理事予定者の湯川和之氏(JFA事務総長)、常務理事予定者の髙田春奈氏(WEリーグチェア、JFA副会長)などが名を連ねている。 なお、2名は現在調整中となり、公表されていない。 また、現在技術委員長を務めている反町康治氏が退任の予定となっており、後任として影山雅永氏が就任予定。マカオ代表、U-16シンガポール代表、ファジアーノ岡山、U-20日本代表で監督を務め、現在はJFAユース育成ダイレクターを務めている。 なお、女子委員長は佐々木則夫氏、審判委員長は扇谷健司氏と現職の2人が継続して就任する予定となっている。 2024.03.07 20:35 Thu

北朝鮮開催は未定? なでしこジャパンのパリ五輪予選で中立地開催の可能性…AFCから北朝鮮へ強く提案

なでしこジャパンのパリ・オリンピックへ向けたアジア最終予選の会場が変更となる可能性が出てきた。 日本サッカー協会(JFA)は8日、パリ・オリンピックアジア最終予選の北朝鮮女子代表戦へ向けたなでしこジャパンのメンバー発表会見を実施した。 その際、佐々木則夫女子委員長が、24日に予定されているアウェイゲームについて言及。アジアサッカー連盟(AFC)から朝鮮民主主義人民共和国サッカー協会(DPRKFA)に対し、中立地での開催を“強く”提案していることを明らかにした。 当初は、平壌のキム・イルソンスタジアムでの開催が予定されていたが、「理由としてはDPRKFAとJFAの各種調整状況をAFCがモニタリングした結果、『両国の定期フライトがないこと』、『試合開催に向けての路地周りのオペレーションなど、競技運営の管理の観点からも不透明な点が多いこと』などを理由に、中立地域会場を提案する通達が、AFCからDPRKFAへ行われていた」と語った。 この旨が、AFCからJFAへ伝えられたのは2月の上旬で、具体的な代替地については、「AFCとDPRKFAの間で調整中のため、JFA側も決定を待っている」という。ただし、平壌の可能性も残っており、決定事項に関してはAFCからの連絡待ち。「情報の更新があり次第、追って報告をする」と述べた。 なお、ホームゲームについては予定通り、28日に国立競技場で開催される。最終予選の結果は、ホーム&アウェイの2戦合計スコアで決定し、アウェイゴールは適用されない。2戦合計がタイスコアだった場合は、第2戦の会場で15分ハーフの延長戦が行われ、それでも決着がつかない場合は、PK戦で勝敗を決定する。 2024.02.08 16:15 Thu

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後半AT弾で北朝鮮がシリアに勝利、最終節で奇跡の突破に望み繋ぐ! シリアは日本戦で敗れれば敗退の可能性も…【2026W杯アジア2次予選】

6日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の第5節が行われ、日本代表と同じグループBでは2位のシリア代表と3位の北朝鮮代表が対戦した。 勝ち点7のシリアと勝ち点3の北朝鮮の戦い。シリアは引き分け以上で2次予選突破が決まる戦いに。北朝鮮は日本とのホームゲームが没収試合になったことが大きく響いていた。 北朝鮮のホームゲームながら、ニュー・ラオス・ナショナルスタジアムで行われた一戦は、拮抗した展開に。互いにペースを掴めずに時間ばかりが経過。ただ、勝たなければ敗退が決定する北朝鮮が積極的にプレーした。 それでもゴールレスのまま試合終了かと思われた中、92分にジョン・イルグァンが値千金のゴール。北朝鮮が1-0で勝利し、勝ち点を6に伸ばすことに成功。2次予選突破に望みを繋いだ。 なお、ミャンマー代表を相手に0-5で勝利した日本代表が首位決定。一方で、ミャンマーの最下位も確定した。 11日に行われる最終節では、日本がホームでシリアと、北朝鮮は同じニュー・ラオス・ナショナルスタジアムでミャンマーと対戦。北朝鮮は2次予選通過に一縷の望みを繋いだ。 北朝鮮代表 1-0 シリア代表 【北朝鮮】 ジョン・イルグァン(後45+2) 2024.06.07 11:01 Fri

連覇目指したU-17日本女子代表、北朝鮮に屈して準優勝…2大会ぶり4度目【U-17女子アジアカップ】

19日、AFC U17女子アジアカップ決勝が行われ、U-17北朝鮮女子代表vsU-17日本女子代表の試合は、1-0で北朝鮮が勝利。2大会ぶり4度目の優勝を果たした。 グループAを首位で勝ち上がった北朝鮮と、グループBを首位で勝ち上がった日本の対戦。アジアではこの世代をリードする両国の決勝となった。 日本はこの試合も[4-2-3-1]のシステムを採用。GKに坂田湖琳、4バックは右から福島望愛、太田美月、牧口優花、鈴木温子と並び、ボランチに眞城美春と榊愛花、2列目はトップ下に平川陽菜、右に木下日菜子、左に古田麻子が入り、1トップに佐藤ももサロワンウエキが入った。 両者は2019年の前回大会でも決勝で対戦し、日本が2-1で勝利していた。 序盤から互いにペースを握っていきたい中、日本はポゼッションをして行こうとパスを繋ぎ、北朝鮮は素早く前にボールを送って機転を前に作っていく。 ディエルの激しさでは北朝鮮が一歩リード。セカンドボールの回収や前線からのプレスで日本を牽制。繋ぎたい日本は、プレスに屈してパスミスが多く目立ち、すぐにボールを相手に渡してしまう。 9分には北朝鮮がチャンス。ソ・リュギョンが左足でボックス外からミドルシュート。これが牧口の頭に当たってゴールへ飛ぶが、GK坂田がセーブする。 北朝鮮は前からぷれすをかけてハメに行く形を取り続けると、12分にはビッグチャンス。長い縦パスを入れると、ホ・ギョンがボックス内で受けて反転しシュートもGK坂田がセーブする。 日本は13分に眞城がファーストシュートを放つも、これは力なくGKがキャッチ。その逆襲で、北朝鮮はGKからのキック1本でゴールに迫るが、ボックス外に飛び出たGk坂田がクリアする。 北朝鮮がペースを握り続けた前半だったが、日本はGK坂田の好判断が続いてゴールを許さず。ただ、セカンドボールへの反応含め、北朝鮮が大きく上回っていく。 日本は徐々にリズムを掴むと、31分にビッグチャンス。右サイドでパスを持った福島のまた抜きパスをインナーラップした榊が受けてクロス。ボックス中央で平川がボールを収めるが、シュートはミートし切らずに決定機を逸してしまう。 ゴールレスで試合を折り返すと、日本は平川を下げて菊地花奈を投入。攻撃の流れを掴みに行くが、迎えた後半早々のプレーでスコアが動く。 46分、北朝鮮は日本のビルドアップを封じると、自陣から背後へロングボールを蹴り出す。これに対して、太田、牧口がお見合いのような形となり、GK坂田が前に出るのが遅れてしまうと、チェ・イルサンがボールを奪いにいきパス。これをジョン・イルチョンが無人のゴールに流し込み先制。今大会6ゴール目となった。 ペースを掴まれた中で先に失点してしまった日本。勢いに乗る北朝鮮は、後半も押し込み続けていき、何度も日本にシュートを浴びせていく。 日本は選手を入れ替えてなんとか追いつきにいくが、それでも北朝鮮の勢いは止められず。結局最後まで北朝鮮のゴールを打ち破れずにタイムアップ。北朝鮮が2大会ぶり4度目の優勝を無失点で達成した。 日本は悔しい敗戦で準優勝に終わった。なお、3位決定戦ではU-17中国代表とU-17韓国代表が対戦し、1-2で韓国が勝利。U-17女子ワールドカップの切符を掴んだ。 U-17北朝鮮女子代表 1-0 U-17日本女子代表 【得点者】 0-1:46分 ジョン・イルチョン(北朝鮮) 【出場メンバー】 GK 18.坂田湖琳(開志学園JAPANサッカーカレッジ高校) DF 3.牧口優花(セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18) 4.太田美月(大商学園高校) →86分 17.朝生珠実(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) 6.鈴木温子(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) 16.福島望愛(JFAアカデミー福島) MF 5.榊愛花(JFAアカデミー福島) 8.木下日菜子(セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18) 10.古田麻子(セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18) →86分 11.根津里莉日(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18) 14.眞城美春(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) 22.平川陽菜(三菱重工浦和レッズレディースユース) →46分 7.菊地花奈(マイナビ仙台レディースユース) FW 9.佐藤ももサロワンウエキ(大商学園高校) →58分 12.津田愛乃音(マイナビ仙台レディースユース) 2024.05.19 22:35 Sun

FIFAが日本戦を中止にした北朝鮮に罰金処分…試合は3-0で日本の不戦勝

国際サッカー連盟(FIFA)は2日、日本代表戦を突如中止とした朝鮮民主主義人民共和国サッカー協会に対しての罰金処分を発表した。 2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選を戦っていた日本。3月21日に国立競技場で北朝鮮代表と対戦し、1-0で勝利を収めていた。 26日にはアウェイの平壌での試合が予定されており、13年ぶりの開催として大きな注目を集めていたが、21日に突如として北朝鮮側が試合の中止を要請し混乱を招くこととなった。 その後、アジアサッカー連盟(AFC)、FIFA共に試合の中止を正式決定。3月30日には没収試合になることが決定し、日本が3-0で不戦勝になることが決定していた。 そんな中2日、FIFAの規律委員会が裁定を発表。日本の3-0勝利とすると共に、1万スイスフラン(約167万円)の罰金処分を下すことを発表した。 中止を要請した理由については明らかにはされていないものの、試合直前の一方的で身勝手な決断への処分が決定することとなった。 2024.04.02 19:17 Tue

中止の北朝鮮戦が没収試合に、日本代表は3-0勝利で4連勝となり2次予選突破…森保一監督「大切な出場機会が失われたことに変わりありません」

日本サッカー協会(JFA)は30日、2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選第4節の北朝鮮代表戦について、没収試合になったことを発表した。 これにより、日本は3-0での勝利となり、2次予選4連勝となり、最終予選に進出することが決定した。 日本は2連勝で迎えた21日のホームでの北朝鮮戦で、田中碧(デュッセルドルフ)のゴールで1-0と勝利し、3連勝。26日には13年ぶりに平壌での試合が予定されていた。 しかし、21日に突如として北朝鮮側が日本戦開催のは中止を要請。アジアサッカー連盟(AFC)は中立地での開催を求めたものの、北朝鮮側が用意できず。また、試合中にはJFAに対して日本での開催が打診されたが、滞在期限や手続きの問題から日本側が拒否。その後に国際サッカー連盟(FIFA)が正式に中止が発表されており、試合の取り扱いはFIFA規律委員会に委ねられていた。 宮本恒靖会長と森保一監督はJFAを通じて今回の決定についてコメントしている。 ◆宮本恒靖 JFA会長 「3月26日に平壤で試合が行われなかったことについて、日本時間の本日未明にFIFA規律委員会の決定内容を受け取りました。この試合の取り扱いに関するステイタスが更新されたことは良かったと思います」 「ワールドカップ予選突破に向けて、森保監督やスタッフ、選手たちには引き続き良い準備をして試合に臨んで欲しいですし、JFAとしてもしっかりとサポートをしていきます」 ◆森保一監督 「没収試合で日本の勝利という結果の通知を聞きました。選手たちの大切な出場機会が失われたことに変わりありませんが、一つ前に進んだとポジティブに捉えています」 「当然この結果に満足することなく、6月の代表活動、最終予選、ワールドカップ本番へと力を積み上げていきたいと思います」 2024.03.30 16:15 Sat

「自分たちの立場を伝えたい」宮本恒靖JFA会長が北朝鮮戦の中止に言及、U-23日本代表には「重圧を乗り越えてこそ」とエール

日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長がU-23日本代表vsU-23ウクライナ代表を視察。試合後にメディア取材に応じ、北朝鮮代表戦が中止になったことについて言及した。 25日、北九州スタジアムでパリ・オリンピック世代の日本vsウクライナが開催。日本は、佐藤恵允、田中聡のゴールで2-0と勝利を収めた。 U-23日本代表はアジア最終予選を4月に控えている中、2026年の北中米ワールドカップに向けたアジア2次予選を戦っている日本代表は26日の北朝鮮代表戦が突如中止に。大きく振り回されることとなった。 新たに就任した宮本会長は「大事な試合の機会がなくなったということは、チームにとっても選手にとっても残念です」とコメント。「でもプラスに捉えて、次の準備をしていくことにつなげていきます」と、前を向いていくとした。 日本の不戦勝となれば2次予選4連勝で最終予選進出が決まる。6月の活動にも影響が出ることになるが「AFCを通してFIFAに伝えるべきところもあると思いますし、早ければ早い方が良いかなと思います」とコメント。「DPRコリア(北朝鮮)に言うというよりも、AFCなりに伝えることかなと思います」と、ドタバタ劇となった今回の件についてはJFAとして話をしていくとした。 ただ「今回は手続きに関しても、選手たちは影響を受けてチームも大変だったので、その中でも結果を出してくれたことは良かったです」と、ホームでの試合に勝利できたことは良かったとコメント。「予想だにしていない理由もありますけど、自分たちの立場を伝えたいと思います」と、不可解な中止の要請で影響を受けたJFAとして、意見はしていくとした。 宮本会長として初仕事となったウクライナ戦の視察。「試合の前半と後半を見比べて、後半はチームの調子も良くなっていって、予選の前に勝てたことは良かったです」と試合の感想を語る中、会長としては「あまり実感はないです。これから出てくるのかなと思います」と、まだまだその感覚はないという。 日本代表のキャプテンとして、そしてオリンピックの予選も含めて多くの経験がある宮本会長。最終予選に向けて大事なことについては「やっぱり勝つこと。どんな内容でも勝つことがチームにとっても、自分たちにとっても説得力を持つことになる」と語り、「佐藤選手は押し込んだだけとは言ってましたけど、そういうことがあって流れも良くなったので、キッカケは大事だと思います」と、どんなプレーも意味があるとした。 U-23日本代表に必要なポイントについては「最後の方にチーム内での要求が聞こえてきて、苦しいところでも勝ち切るためにはそういうことが必要だと思うので、出してもらいたいです」と語り、「やるべきことをしっかり伝えるとか、誰かがやるのではなく、それぞれが発信することが大事だと思います」と、キャプテンとしてチームを牽引した宮本会長らしい見解を示した。 今回の予選を突破すれば8大会連続のオリンピック出場になる日本。「重圧はあると思いますけど、それを乗り越えてこそ、次のフェーズに選手たちはいけると思うので、そういう意識でやっていると思います」と語り、「サッカーの強国になっていくためには、そういう道を歩まなければいけないかなと思います」と、日本サッカーの発展にも重要な予選になるとした。 2024.03.25 23:57 Mon

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パリ五輪に向けたU-23アルゼンチン代表候補が発表…バレラやアルマダ、G・シメオネらが招集

アルゼンチンサッカー協会(AFA)は3日、パリ・オリンピックに向けたU-23アルゼンチン代表候補メンバー23名を発表した。 ハビエル・マスチェラーノ監督の下、2008年北京オリンピック以来、通算3度目の金メダル獲得を目指すアルゼンチン。今回はU-23パラグアイ代表との親善試合を含め本大会に向けた候補メンバーが発表された。 同世代の目玉選手であるMFエンソ・フェルナンデス(チェルシー)と、FWアレハンドロ・ガルナチョ(マンチェスター・ユナイテッド)はコパ・アメリカ参戦もあり、今回のタイミングではメンバーに名を連ねず。 また、最大3名のオーバーエイジではGKエミリアーノ・マルティネス(アストン・ビラ)、DFニコラス・オタメンディ(ベンフィカ)、FWフリアン・アルバレス(マンチェスター・シティ)が有力視されているが、今回は招集されていない。 そういった中、今回のメンバーではアラン・バレラ、ティアゴ・アルマダ、クラウディオ・エチェベリ、ルーカス・ベルトラン、ジュリアーノ・シメオネらが中心を担うことになる。 なお、パリ五輪でグループBに入ったアルゼンチンはモロッコ、ウクライナ、イラクと対戦する。 ◆U-23アルゼンチン代表候補メンバー GK レアンドロ・ブレイ(ボカ・ジュニアーズ) ファブリシオ・イアコビッチ(エストゥディアンテス) DF マルコ・ディ・チェーザレ(ラシン) ブルーノ・アミオネ(サントス・ラグナ/メキシコ) ルーカス・エスキベル(アトレチコ・パラナエンセ/ブラジル) ゴンサロ・ルハン(サン・ロレンソ) ケビン・ロモナコ(ティグレ/メキシコ) ホアキン・ガルシア(ベレス・サルスフィエルド) ティアゴ・フェルナンデス(ベレス・サルスフィエルド) ダミアン・フェルナンデス(ベレス・サルスフィエルド) MF ケビン・セノン(ボカ・ジュニアーズ) エセキエル・フェルナンデス(ボカ・ジュニアーズ) クリスティアン・メディーナ(ボカ・ジュニアーズ) フアン・ナルドーニ(ラシン) アラン・バレラ(ポルト/ポルトガル) サンティアゴ・エッセ(オリンピアコス/ギリシャ) ティアゴ・アルマダ(アトランタ・ユナイテッド/アメリカ) FW パブロ・ソラーリ(リーベル・プレート) クラウディオ・エチェベリ(リーベル・プレート) ルチアーノ・ゴンドウ(アルヘンティノス・ジュニアーズ) ルーカス・ベルトラン(フィオレンティーナ/イタリア) サンティアゴ・カストロ(ボローニャ/イタリア) ジュリアーノ・シメオネ(アラベス/スペイン) 2024.06.04 14:05 Tue

アンリ監督が今季好調33歳FWラカゼットを招集!パリ五輪に向けたU-23フランス代表候補メンバー発表…大会前には日本も対戦

パリ・オリンピックを開催するフランス。自国開催となるU-23フランス代表メンバーをティエリ・アンリ監督が発表。25名を招集した中、ここから選定していく作業に入る。 フランスサッカー連盟(FFF)は3日、パリ・オリンピックに向けた候補メンバ-25名を発表。16日にクレールフォンテーヌに集合し、キャンプを行う事となる。 フランス代表のレジェンドでもあるアンリ氏が率いるチーム。大会前の7月にはパラグアイ、ドミニカ、そして日本と親善試合を行い、本大会へと入っていく。 発表されたメンバーにはオーバーエイジの選手も含まれ、元フランス代表FWのアレクサンドル・ラカゼット(33/リヨン)の名前もあり驚きを与えた。 ラカゼットは、リヨンで育ち、そのリヨンで名を上げてアーセナルへと移籍。アーセナルでもエースとして活躍すると、2022年7月にリヨンに復帰。2023-24シーズンは、リーグ・アンで29試合に出場し19ゴール3アシストを記録。リーグ・アンの年間ベストイレブンにも名を連ねるなど、好調を維持していた。 当初はレアル・マドリーへと移籍したFWキリアン・ムバッペの招集も噂されたが、ユーロ2024を戦う事と新天地に挑戦することもあり見送られた。 もう1人のオーバーエイジはFWジャン=フィリップ・マテタ(クリスタル・パレス)も招集。マテタは、2023-24シーズンのプレミアリーグで35試合16ゴールを記録するなど、こちらも結果を残していた。 その他、MFウォーレン・ザイール=エメリ(パリ・サンジェルマン)やDFレニー・ヨロ(リール)、FWブラッドリー・バルコラ(パリ・サンジェルマン)、MFケフラン・テュラム(ニース)、FWマイケル・オリーズ(クリスタル・パレス)、FWマティス・ティル(バイエルン)、MFクアディオ・マヌ・コネ(ボルシアMG)などが招集されている。 <span class="paragraph-subtitle">◆U-23フランス代表 パリ五輪候補メンバー25名</span> GK リュカ・シュヴァリエ(リール) オベド・エンカンバディオ(パリFC) ギヨーム・レスト(トゥールーズ) ロビン・リセール(ディジョン) DF バフォデ・ディアキテ(リール) マキシム・エステヴェ(バーンリー/イングランド) ブラッドリー・ロコ(ブレスト) カステロ・ルケバ(RBライプツィヒ/ドイツ) キリアン・シディリア(フライブルク/ドイツ) アドリエン・トリュフォー(スタッド・レンヌ) レニー・ヨロ(リール) MF マゲネス・アクリウシェ(モナコ) ジョリス・ショタール(モンペリエ) デジレ・ドゥエ(スタッド・レンヌ) クアディオ・マヌ・コネ(ボルシアMG) エンツォ・ミロ(シュツットガルト/ドイツ) ケフラン・テュラム(ニース) レスリー・ウゴチュク(チェルシー/イングランド) ウォーレン・ザイール=エメリ(パリ・サンジェルマン) FW ブラッドリー・バルコラ(パリ・サンジェルマン) アルノー・カリムエンド(スタッド・レンヌ) アレクサンドル・ラカゼット(リヨン)※ ジャン=フィリップ・マテタ(クリスタル・パレス)※ マイケル・オリーズ(クリスタル・パレス) マティス・ティル(バイエルン) 2024.06.04 12:25 Tue

今季オランダ1部で斉藤光毅・三戸を上回るゴールを記録。20歳・佐野航大の大いなる可能性/佐野航大(NECナイメヘン)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.42】

2024年パリ五輪前最後の強化の場となる6月のアメリカ遠征。U-23日本代表の大岩剛監督が招集した25人の中で、ひと際、注目度が高まっているのが、20歳の佐野航大(NECナイメンヘン)だ。 2023年U-20W杯(アルゼンチン)で異彩を放った若武者がオランダに赴いたのは昨年夏。新天地合流当初はなかなか出番を得られなかったが、徐々に存在感を高め、1月以降は18試合連続先発。最終盤のフェイエノールト、アルメレ・シティ、ゴー・アヘッド・イーグルスの3連戦では立て続けにゴールをゲット。ルーキーイヤーにシーズン通算5得点というインパクトを残したのである。 この数字は同じリーグでプレーするパリ世代の斉藤光毅(スパルタ・ロッテルダム)の3点、三戸舜介(同)の2点を上回っている。しかも、NECの6位という順位は、8位フィニッシュのスパルタより上。大岩監督がここまで一度も呼んでいなかった彼に目をつけるのも当然と言えば当然なのだ。 「(斉藤選手と三戸選手)は注目して見ていましたけど、同じリーグでやっているからこそ、凄さが分かります。2人は『個として絶対的な自信があるもの』を持っている。自分はまだまだ追いつけてないなと思います」と本人は謙虚な口ぶりを見せていた。が、オランダ1部で残した数字に加え、ボランチ・インサイドハーフ(IH)・両ウイングやサイドハーフでもプレーできるのだから、万能性は登録枠の少ない五輪では重宝されるはずだ。 「それ(ユーティリティ性)は武器ですけど、かといってドリブルができないかというとそうでもない。仕掛けのところもどんどんチャレンジしたいですし、彼らとは違うタイプというところでも勝負したい」と佐野は目を輝かせた。 短期間で彼が急成長した要因を考えてみると、1つはチームメイト・小川航基の存在が大きいだろう。20歳そこそこの若手が初の海外移籍に踏み切るとなれば、言語や文化、意思疎通、サッカー観の違いなど数々の困難が付きまとう。そういう環境に一足先に新チームに加入した日本人FWがいてくれたのは、佐野にとって心強かったに違いない。 「いろんなサポートをしてもらいましたけど、言語のところは一緒に身に着けていった感じです。プレーについてもJ2にいた時から航基君の凄さを分かっていたし、一緒に試合に出ても彼がいるかいないかで全然、気持ち的なところが違いました」 「試合の映像を見返しても、本当にストライカーっていう動きをしていた。今季は航基君にアシストをつけられなかったですけど、前にいてくれることでストレスなく楽しくやれたのは確かです」と本人も心から有難く感じていた様子だ。 小川とともにピッチに立ち、オランダ独特のフィジカルの強さと激しさに適応していったことで、佐野はより異彩を放つようになった。筋力アップに勤しんだ結果体重も3〜4キロは増え、より考えながらサッカーをするようにもなったという。 「オランダは激しい分、考えてやらないとケガをするし、置いていかれるようなスピード感なので、ホントに考えるところは意識してやりました。メンタル面やサッカーに対する向き合い方も変わった。そこは大きかったと思います」と自分でも大きな変化を実感しているという。もともとポジショニングや駆け引きなどを含めて賢いタイプの選手だったが、そのストロングに磨きがかかったのは朗報だ。見る側も大きな期待を抱かざるを得ない。 もう1つは実兄・佐野海舟(鹿島アントラーズ)の存在だろう。佐野がオランダへ渡って3カ月後の昨年11月、佐野海舟は森保一監督率いる日本代表に初招集され、今年1月のアジアカップ(カタール)にも参戦した。出番は少なかったものの、遠藤航(リバプール)や守田英正(スポルティングCP)ら最高峰レベルの選手たちと共闘。ボール奪取能力のみならず、攻撃チャンスを作り出すタテパスへの意識がガラリと変わった。 「いつか兄と一緒にA代表でボランチを組みたい」という夢を描く佐野にしてみれば、身近なお手本から刺激を受けないはずがない。 「自分が今回、U-23日本代表に選ばれたことも伝えましたし、兄がA代表に選ばれたことも嬉しかった。切磋琢磨できるいい関係だと思います」と嬉しそうに語っていた。 残念ながら兄・海舟は6月の2026年北中米W杯アジア2次予選2連戦からは落選してしまったが、ラージグループに入っているのは間違いない。佐野海舟がここからのJリーグで飛躍し、弟・航大もパリ五輪を経由してA代表に入ってくれば、“兄弟日の丸”も夢ではないだろう。 同じ2003年組の松木玖生(FC東京)、高井幸大(川崎フロンターレ)以上にポテンシャルが大とも言われる佐野航大。場合によってはこの夏、欧州5大リーグへのステップアップもあり得るかもしれない。そういった近未来の飛躍を楽しみに待ちつつ、まずは大岩ジャパンでの地位確立、パリ五輪滑り込みに期待したいものである。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 2024.06.02 19:00 Sun

「ずっと目指していた」U-23日本代表に選ばれた佐野航大が心に秘めたパリ五輪への熱い想い「人生で1回あるかないか」、その先の夢は兄との日本代表

U-23日本代表にも初招集を受けたNECナイメヘンのMF佐野航大が帰国。オンライン会見を実施した。 ファジアーノ岡山でプレーしていた佐野は、2023年8月にエールディビジのNECナイメヘンへ完全移籍を果たした。 序盤はなかなか出番も限られ苦しんだが、2024年に入ってからはポジションを掴むことに。左ウイングをメインにインサイドハーフ、ボランチなど複数のポジションを務め、リーグ戦で24試合4ゴール3アシストを記録。KNVBベーカーでは準決勝でチームを決勝に導くゴールを決めるなどしたが、フェイエノールトにタイトルを明け渡していた。 ヨーロッパでの1年目を終えた佐野は、クラブでの活躍が認められ、パリ・オリンピックへの準備を進めるU-23日本代表に最後のチャンスで初招集を受けた。 U-20ワールドカップにも出場した1つ世代が下の佐野。今回の招集を受け、改めて心境を語った。 「U-20のW杯が終わってから次に自分が目指すべきところはU-23だとずっと思ってやっていたので、そこで海外に出て、試合に出られない中でちょっと焦りもありましたが、そこの中でしっかり試合に出て活躍すると見られた方も変わってきますし、そこで選出されて嬉しい気持ちもあります」 「ただ、パリ行きが決まったわけではないので、しっかり頑張りたいです」 「U-23チームは日本での試合やアジアカップもずっとフルで見させてもらっていましたが、個人個人うまい選手がいる中で、チームとしてしっかりまとまって、徹底してやれている印象はあります」 「個人としても良い選手がいる中で、みんながやるべきこと統一してやれているので強いのかなと思っています」 U-20の活動を終えてから目指していた舞台はパリ・オリンピックだと語った佐野。しっかりと結果を出したことで、最後に大逆転のチャンスを手にした。 大岩剛監督はメンバー発表会見にて、「6番(ボランチ)か8番(インサイドハーフ)で考えている」と佐野の起用法について言及していたが、佐野も自信を持っているようだ。 「僕が一番好きなポジションはインサイドハーフだったりボランチのところなので、そこで考えてくださっているのは1つ嬉しいことです」 「所属チームでも左のウイングだったり、右サイドハーフだったり、色々なポジションをやっているので、そこが強みですし、機会があれば見せていきたいなと思っています」 自身が見せたいプレーについても「ここ3試合点が取れているので、数字というのは1つ大きなアピールになると思います」とコメント。「そこは常に目標としてやっていきたいですし、限られた時間なので、自分のやりたいことだったりというのをしっかり表現して、チームに馴染んでいければと思います」と、しっかりとチームに入っていきたいとした。 佐野のオリンピックへの想いは非常に強い。「パリというのはずっと目指していたので、日本でやっているより海外でやって活躍した方が選ばれる確率が上がるかなと思ってやっていました」と語り、岡山からNECへ移籍を決めた理由にもパリ五輪があったという。「正直、ビックリした気持ちが強いですが、やるべきことを日常でやれていて、試合に出たり結果に反映されたと思っています。パリにはギリギリですけど選ばれて良かったです」と語り、まずは候補として残れたことに安堵があったという。 その中で、AFC U23アジアカップも見守っていたという佐野。自身のことを考えていたわけではなく、とにかくオリンピックの出場権獲得を願っていたと明かした。 「自分がそこにいたらということはあまり思っていなかったです。パリに出たかったので、一番は応援していました。そこがなくなれば、パリという目標は無くなります」 「選出されるかどうかは監督だったりが決めることなので、試合を見ている時は勝って欲しいという気持ちが一番でしたし、出たいという気持ちもありました」 今回のアメリカ遠征が最初で最後のアピールの場。佐野は「チームに参加していないですし、1人1人のプレースタイル、特徴は把握しきれていないので何がとは言えないですが、チームとしては基礎的なことを徹底しつつ、ボールを繋いだり、フットボールをするイメージなので、自分がインサイドハーフでプレーしたらゴール前に入りつつ、守備では戻って強度を出すということをしたいです」と自身のプレーのイメージを語った。 そして、今回のチームにはU-20ワールドカップを共に戦った選手たちもいる。MF松木玖生(FC東京)、DF高井幸大(川崎フロンターレ)、DFチェイス・アンリ(シュツットガルト)だ。 「あの代だと玖生や高井はアジアカップでもチームの主軸としてやっていたので、本当に凄いなというがあります」 「U-20は不甲斐ない形で終わってしまって、すぐに解散してしまったので、玖生や高井、アンリとも一緒にやりたいですね」 しっかりとインパクトを残したい佐野。その先には兄である佐野海舟(鹿島アントラーズ)もプレーした日本代表がある。 兄との関係については「(今回の代表に)選ばれたことも伝えましたし、自分が海外でやっている時に兄がA代表に選ばれたことも自分のことのように嬉しかったです」とコメント。「距離は遠いですけど、切磋琢磨しているなという、刺激し合える関係だなと思っています」と、良い関係を築いているという。 そして夢は兄弟での代表選手になること。「それは小さい頃からの夢だったので、必ず達成したいです」と語り、「叶えるためには自分がA代表に入らなければいけないので、頑張らなければいけないです」と、しっかりと自身がステップアップして行くことが大事だとした。 改めてオリンピックというものについても佐野が言及。「オリンピックというのは人生で1回あるかないかだと思うので、そこの経験は今後に生きてくると思います」と語り、「だからこそ絶対に選ばれて結果を残して、多くの人に知ってもらえる機会になればと思います」とコメント。最後までメンバー入りを諦めない佐野のパフォーマンスに注目だ。 2024.05.31 22:25 Fri

ソシエダ戦の不思議な体験と五輪OA枠/六川亨の日本サッカー見聞録

すでにネットでも取り上げられていたが、29日の東京V対レアル・ソシエダ戦では珍しい体験をした。4万人も詰めかけながら、東京Vのゴール裏にグリーンのユニホームを着たサポーターはパラパラと散らばっているだけ。このため応援のチャントもない。無言の国立競技場には東京Vの選手が主審にアピールする声が4階の記者席まで聞こえてきた。 普段のJリーグではありえない光景である。 そして試合が進むにつて、バックスタンドからはブラスバンドの演奏によるZARDの「負けないで」や平原綾香の「Jupiter」、「ルパン3世」のテーマ曲が聞こえてきた。高校選手権ならブラスバンドの演奏とチアガールの応援は見慣れた光景だが、Jクラブの試合でブラスバンドの演奏を聴いたのは初めてだ。しかも演奏はかなりレベルが高かった。 そして電光掲示板である。普通はホームチームが左、アウェーチームが右に表示される。このため東京Vが左、レアル・ソシエダが右だった。後半に入ると両チームとも積極的な選手交代を行ったため、誰が誰と代わったのか電光掲示板で確認しようとしたところ、背番号がまるで一致していないのだ。 リザーブの選手の背番号が変更になったのかと思ってよくよく見ると、後半はレアル・ソシエダが左、東京Vが右と入れ替わっていたことが判明。長いことサッカーの試合を取材してきたが、前半と後半で電光掲示板のチーム名が入れ替わったのは初めての経験だった。いったい誰が考え出したのか、不思議な体験だった。 さて昨日はアメリカ遠征に参加するU-23日本代表メンバー25名が発表された。気になるOA枠について山本昌邦NTDは「長い時間をかけて進めている。出場したい本人の意思と、所属クラブの了承を取り付けないといけない。移籍の可能性のある選手もいるので、移籍先の了承も取らないといけない。それぞれ極めて難しい状況にある。所属クラブの監督が決まっていないケースもある」と初めて具体的な交渉の難しさを語った。 山本NTDの話を聞く限り、OA枠の選手は海外組と想像がつく。Jリーグも7月8日から8月21日まで移籍ウィンドーは開いているが、シーズン中の現段階で夏の移籍を交渉している選手は皆無に近いだろう。そして海外組で来シーズンの移籍が噂されているのは板倉滉、町田浩樹、田中碧あたりか。そして「所属クラブの監督が決まっていないケース」ではリバプール=遠藤航、ということになる。 ただ、26日にスポニチが配信した記事によると、JFAが5月31日までにFIFAへ提出する予備登録メンバー50人に板倉、町田、田中の3人の名前はなく、谷口彰悟と遠藤が有力候補と報じていた。山本NTDは、7月下旬から8月にかけて所属チームを離れてパリ五輪に参加すると、ポジション争いで不利になることも懸念していたし、日本の目標はあくまでW杯で優勝することも強調していた。 リオ五輪では、直前まで交渉しながらFW久保裕也を招集できなかったし、OA枠もヴァイッド・ハリルホジッチ監督が9月1日からW杯アジア最終予選が始まるため主力選手の招集に難色を示したため、塩谷司、藤春廣輝、興梠慎三の3人になった。3人ともJリーグではチームの主力として活躍していたが、国際舞台の経験不足は否めなかった。 中途半端な形でOA枠を使うより、予選を突破したU-23のメンバーを中心に戦うのも一つの考え方である。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2024.05.31 22:00 Fri