コラム

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【編集部コラム】今大会顕著に見られる相手国対策、日本はできているのか

▽4年に1度のサッカーの祭典が開幕し、4日が経過した。ここまでグループAのロシア代表vsサウジアラビア代表からスタートし、11試合が消化。第1節も残すところ5試合となった。 ▽我らが日本代表は19日の21時に初戦を迎える。相手はコロンビア代表。4年前のブラジル・ワールドカップでも同じグループに属し、第3戦目で4-1と大敗を喫したチームだ。 ▽戦前の予想では、コロンビアの勝利が優勢。日本が勝利すること、そして勝ち点を得ることは、厳しいミッションだと言えるだろう。 ◆番狂わせは不可能ではないGetty Images▽しかし、今大会の4日目までの11試合を振り返ると、必ずしも本命が結果を残せているというわけではない。むしろ、今大会は番狂わせと言える結果がここまでも多い。 ▽例えば、大会2日目、グループBのモロッコ代表vsイラン代表のイラン、大会3日目、グループDのアルゼンチン代表vsアイスランド代表のアイスランド、大会4日目、ドイツ代表vsメキシコ代表のメキシコ、ブラジル代表vsスイス代表のスイスが挙げられる。 ▽メキシコやスイスはワールドカップでも実績があり、番狂わせとは言いにくいかもしれないが、前回王者のドイツ代表に勝利したこと、ブラジル代表に引き分けたことは、驚きと言っても良いだろう。 ◆共通項は守備時の“オーガナイズ”Getty Images▽それ以上に驚きを与えたのは、イランとアイスランドだ。イランは直近では1998年、2006年、2014年とワールドカップに出場したが、勝利は1998年以来20年ぶりの快挙となった。 ▽一方、アイスランドは人口がワールドカップ史上最少の国であり、2年前のユーロで大舞台に初めて立ったチーム。アルゼンチン戦は、ワールドカップ初戦だった。 ▽この2カ国に共通していたのは、守備時の“オーガナイズ”だ。互いに監督が用意したプランをチームとして完遂することを90分間続けた結果が、試合結果にも表れた。 Getty Images▽また、これはドイツに勝利したメキシコにも言える。フアン・カルロス・オソリオ監督が「我々は6カ月前からプランを準備してきた」と語った通り、ドイツの良さを消しに行くプランを遂行。アンカーの位置に入ったMFトニ・クロースにマンマークを付けることで、嫌がるクロースを中央から追い出す作戦に成功。その後は、ボール奪取から2人のセンターバックで守るが故に空いたスペースを使ったカウンターを仕掛け何度もドイツゴールを脅かし、前半のうちに先制。ドイツは後半対応したものの、今度は[5-4-1]で跳ね返し続け、メキシコはそのまま逃げ切った。 ▽イランにしても、モロッコを相手にハードワークを90分間通して行い、低いディフェンスラインから、切れ味鋭いカウンターで応戦。2列目がしっかりとボールを奪えたからこそ、カウンターが生き、終盤にFKを得ると、そこからオウンゴールで勝利した。 Getty Images▽アイスランドも顕著だった。FWリオネル・メッシに対しての人数の掛け方、2トップを含めてのラインの距離、そしてむやみに奪いに行かず、距離を保ちながらタイミングを見てのボール奪取。キャプテンでもあるMFアーロン・グンナルソンのコーチングも光っていた。ユーロ2016でもチームとしての戦い方に完成度の高さを見せたアイスランドだったが、ワールドカップの舞台でもそれ以上のパフォーマンスを見せたと言えるだろう。 ▽それぞれの国が、強者に対しての戦い方として、しっかりと準備してきたものを選手たちがピッチ上で体現できたことで、予想を覆す結果を残した。決して、相手が舐めていたというわけではないだろう。 ◆日本はどう出るかGetty Images▽初戦を19日に控える日本。相手は前述の通り、4年前に悔しい思いをさせられたコロンビアだ。力関係としては、前述のカード以上かも知れない。 ▽しかし、ここまでの今大会を見れば、いかにチームとして準備を行い、相手の研究を徹底して、ウィークポイントを抑えること。さらに、そこから反撃に出るプランをどう立てているかだ。 ▽西野朗監督の強化試合3試合を観る限り、ハッキリと決められていたものはないように思える。スイス代表戦、パラグアイ代表戦と結果は1勝1敗だが、チームとしての完成度は低い。西野監督も、これまでのチーム作りを見れば相手を研究して…というタイプではないだろう。 ▽一方で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は昨年12月1日の抽選会後、対戦相手3カ国の研究、分析に入っていた。そのデータがどこまで引き継がれているのかはわからないが、今の日本が相手のことをどこまで丸裸にできているのかは不明だ。大会後にでもハリルホジッチ監督のレビューを聞いてみたいものだが…。 ▽理想を求めることも大事であり、可能性を求めて戦うことも重要だ。しかし、現実を見ることは何よりも重要。相手に対してどれだけ準備をし、ピッチ上で11人が体現してこそ、自分たちのサッカーが生まれるはずだ。日本の初戦は、他国の戦いと比較するという点でも注目だ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.06.18 23:30 Mon
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【CL決勝特集②・キーマッチアップ】最注目はマルセロvsサラー!

▽チャンピオンズリーグ(CL)決勝、レアル・マドリーvsリバプールが、日本時間26日27:45にキエフ(ウクライナ)のオリンピスキ・スタジアムでキックオフされる。前人未到の3連覇に意気込む王者マドリーと、13年ぶり6度目の優勝を目指す躍進のリバプールによる今シーズン最後のビッグマッチだ。 ▽ここでは運命のファイナルの戦局を左右する3つのマッチアップに焦点を当てて、両チームのキープレーヤーを紹介していく。 ◆神出鬼没のフィルミノを止められるかGetty Images▽今回のファイナルではマルセロvsサラー、C・ロナウドvsファン・ダイクという両エースと守備陣のマッチアップに最も注目が集まっているが、試合の流れに大きな影響を与えそうなのが、マドリーの主力CBとリバプールの陰のエースFWのマッチアップだ。 ◆DFラファエル・ヴァラン(25歳/レアル・マドリー) CL出場試合:10試合(先発10)、出場時間:848分 得点数:0、アシスト数:1 ▽マドリーが誇る世界屈指の万能型センターバック。高さ、強さ、速さの全てを兼ね備えた圧倒的な対人守備と幅広いエリアをカバーできるフランス代表DFは攻撃的なチームを後方から支える頼れるディフェンスリーダーの1人だ。その一方で、守備範囲の広さが仇となり、不必要にサイドや前に釣り出されて最も危険なエリアを度々空けてしまう悪癖もある。今回の対戦相手のフィルミノはトップ下が本職でサイドや中盤に流れて起点作りやスペースメイクを得意としており、最も苦手なタイプと言える。通常であれば、相棒セルヒオ・ラモスやMFカゼミロが自身の空けたスペースをケアしてくれるが、今回はサラーと対峙するマルセロのカバーに終われる可能性が高く、ヴァランの的確なポジショニングや判断が重要となる。 ◆FWロベルト・フィルミノ(26歳/リバプール) CL出場試合:12試合(先発12)、出場時間:966分 得点数:10、アシスト数:8 ▽今季最も過小評価される万能型ストライカー。サラーとマネという世界最速クラスの強力ウイングを支えるブラジル代表FWだが、サラーと並ぶチームトップの得点数とミルナーに次ぐ8アシストでチームの総得点(40点)のほぼ半数に絡む圧巻の存在感を放っている。決定力、ラストパスの精度に加えてボールを引き出す動きや味方の動き出しを見逃さない視野の広さが光り、現スカッドで最も替えが利かないプレーヤーの1人だ。今回の一戦に向けては相手の出方次第という部分はあるものの、守備の局面ではハイプレスの一の矢として相手センターバックにプレッシャーをかけると共に、同胞MFカゼミロの脇のスペースや局面に応じてサイドで味方ウイングと数的優位を作って起点となり、インサイドハーフの攻撃参加を促して攻撃のアクセントとなりたい。 ◆リーダー同士による中盤のマッチアップGetty Images ▽互いにリスクを冒して中盤を飛ばす戦い方を選ぶ可能性もあるが、スペースも時間も限られる最激戦区の中盤の攻防でカギを握るのが、攻守両面で幅広いタスクを担う32歳の同級生同士のマッチアップだ。 ◆MFルカ・モドリッチ(32歳/レアル・マドリー) CL出場試合:10試合(先発10)、出場時間:868分 得点数:1、アシスト数:1 ▽エル・ブランコのCL連覇をけん引してきた絶対的司令塔。今季はややコンディションを維持するのに苦戦を強いられているものの、傑出した戦術眼とテクニック、勝負強さによってビッグマッチで存在感を示し続けているクロアチア代表MF。豊富な運動量と球際の強さを最大のストロングポイントとするリバプール相手の試合では、そのプレスを掻い潜るボール捌きに加えて、セカンドボールを奪い切る強さが求められる。インサイドハーフかセントラルMF、右サイドハーフのいずれでプレーするかは不明だが、マッチアップの相手は同級生であるダイナモとなる可能性が高い。トッテナム時代にも対峙した難敵相手に後れを取ることは許されない。 ◆MFジェームズ・ミルナー(32歳/リバプール) CL出場試合:10試合(先発8)、出場時間:791分 得点数:0、アシスト数:9 ▽クロップスタイルを体現するダイナモ。DFロバートソンの台頭によって今季は本職のインサイドハーフに固定されている元イングランド代表は武骨なプレーでリバプールの中盤を攻守に支えている。さらに、ここまでCL史上最多となる9アシストを記録するなど、チャンスメーカーとしての才能まで開花させた。格上マドリーとの対戦でまず求められるのはモドリッチやMFクロースと相手のパスの供給源を断つことだが、持ち味のボール奪取能力と正確な右足のキックを武器に今季CL2桁アシストも狙いたい。 ◆ローマ時代から凄みを増したサラーを止められるかGetty Images▽今回の決勝で最も注目を集めるのが、バロンドール候補にも挙がるリバプールの絶対的エース、サラーのパフォーマンス。そして、そのサラーと対峙するのがエル・ブランコの重鎮マルセロだ。奇しくもサラーの名前が広く知られることになったのは、ローマ時代の2015-16シーズンCLラウンド16でマルセロ相手に見せた圧巻のプレーだった。当時は決定力を欠き、チームを勝利に導くことはできなかったが今回はいかに。 ◆DFマルセロ(30歳/レアル・マドリー) CL出場試合:1試合(先発10)、出場時間:868分 得点数:3、アシスト数:2 ▽エル・ブランコが誇る世界最高の左サイドバック。攻守両面で圧巻のパフォーマンスを披露した昨シーズンに比べてパフォーマンスを落とす今季のブラジル代表DFだが、シーズンが進むにつれてパフォーマンスを上げてきた。とりわけ、ビルドアップの局面や攻撃参加の質が高く、バイエルンとの準決勝2試合では1ゴール1アシストを記録し、チームの決勝進出に大きく貢献した。その一方で、守備の局面では軽さや緩さが目立ち、チームの大半の失点は自身のサイドを破られてのものだ。さらに、ローマ時代に対峙したサラーには2戦を通じてコテンパンにやられており、当時の圧倒的な突破力に強さと決定力まで身に着けた怪物相手に劣勢が予想される。そのため、セルヒオ・ラモスや味方とうまく連係を取りつつまずは守備の仕事を優先したい。また、攻撃面では持ち味のキック精度を武器に守備から攻撃に入れ替わる際のファーストパスで存在感を示したいところだ。 ◆FWモハメド・サラー(25歳/リバプール) CL出場試合:12試合(先発11)、出場時間:899分 得点数:10、アシスト数:4 ▽メッシとC・ロナウドの聖域に割って入る怪物アタッカー。今季の公式戦51試合で44ゴールと圧倒的なスタッツを残し、プレミアリーグの賞レースを席巻したエジプト代表FW。ローマ時代の圧倒的な突破力、チャンスメーク能力に加え、憎らしいほどの決定力まで手にし、完全無欠のアタッカーに成長しつつある。ただ、前述のようにメッシとC・ロナウドの独占状態だったバロンドールレースにパフォーマンス面で完全に割って入ったサラーだが、継続性と共に劣るのはチームにタイトルをもたらす勝負強さだ。今回の一戦ではマルセロという大きな壁を相手にゴールやアシストに直結する仕事をみせたい。 2018.05.26 13:45 Sat
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【CL決勝特集①・戦術分析】不動のリバプールに対して“勝負師”ジダンの策は?

▽チャンピオンズリーグ(CL)決勝、レアル・マドリーvsリバプールが、日本時間26日27:45にキエフ(ウクライナ)のオリンピスキ・スタジアムでキックオフされる。前人未到の3連覇に意気込む王者マドリーと、13年ぶり6度目の優勝を目指す躍進のリバプールによる今シーズン最後のビッグマッチだ。ここでは注目の一戦のタクティカルプレビューを紹介する。 ◆注目の主導権争い ▽共に世界屈指の破壊力を持つ前線の個の力を生かしたカウンターを武器とするチーム同士だ。その一方でMFクロース、MFモドリッチ、MFイスコという世界屈指のボールプレーヤーを擁するマドリーがポゼッションスタイルでも問題なく戦えるのに対して、MFヘンダーソン、MFワイナルドゥム(ジャン)、MFミルナーと運動量とハイインテンシティを売りとするリバプールはポゼッションを得意としておらず、通常であればマドリーがボールを保持してゲームをコントロールするはずだ。 ▽ただ、ボールを保持すれば、マンチェスター・シティをも凌駕するプレッシングの威力を持つリバプールのフィールドでの戦いを強いられるため、ジダン監督は敢えて相手にボールを持たせて自陣深くで攻撃を撥ね返してのカウンターという策を採る可能性も十分にあるはずだ。 ◆注目はジダンの選ぶ11人Getty Images▽前述の主導権争いと絡む話となるが、不動のリバプールに対してジダン監督の採用するゲームプランが試合の流れを作ることになるはずだ。 ▽前線に多士済々のタレントを抱えるマドリーは今季の戦いで[4-3-1-2]、[4-4-2]、[4-3-3]の3つのシステムを併用しており、とりわけここ最近はイスコを起用する際に[4-3-1-2]、[4-3-3]を、FWアセンシオとMFルーカス・バスケス起用時に[4-4-2]を採用する頻度が高い。そして、イスコ起用時はプレッシングの強度が高い相手に対して、完全なボールプレーヤーである同選手のキープ力、パスセンスを生かして中盤での数的優位、サイドでの局地的な数的優位を生かしてプレスの網を掻い潜る、よりゲーム試合を意識した戦いを見せている。 ▽逆に、サイドバックでも起用可能な運動量と守備力を持つバスケスと、一定の守備力とイスコに比べて推進力のあるアセンシオを起用する際には、より組織だった守備やプレッシングの強度を生かしてカウンター志向を強めている。さらに、サイドハーフのサポートを得たサイドバックの攻撃参加の頻度も高くなる特徴がある。 ▽ジダン監督が相手のプレスに対して真っ向から打ち合う場合にはイスコの起用と共に前述の[4-3-1-2]、[4-3-3]を、リバプールの遅攻の精度をウィークと考えて自陣に引き入れての戦いを想定した場合はカウンター向きの[4-4-2]を採用するはずだ。 ◆マドリーは後半勝負でリバプールは逃げ切りか?Getty Images▽一発勝負のファイナルで重要となるのが、試合途中に戦局を変えるゲームチェンジャーの存在だ。これ関してはこれまで神がかり的な采配を見せてきたジダン監督の勝負師としての才覚、選手層の厚さという意味でも明らかにマドリーに分がある。 ▽負傷離脱中のMFチェンバレンやMFララナ、MFジャンのコンディション不良によって主力と控えの実力に乖離があるリバプールは、DFクラバンやDFクラインといった守備固め要員以外に効果的な交代カードが存在せず、スタメン11人のパフォーマンスがより重要となるところだ。仮に、リードを許して試合終盤に投入できるカードは経験不足のFWソランケ、パンチ力不足のFWイングスしかおらず、リバプールが勝利するためには先行逃げ切りの形に持ち込むしかないと思われる。 ▽これに対して、一部ポジションを除き先発予想が難しいほど主力と控えの実力が拮抗しているマドリーは、3枚の交代枠を含めた“14人”での戦いが可能だ。とりわけ、先発に推す声もある絶好調のMFベイルはリバプールの運動量が落ち始めた後半に投入されれば、驚異的なスピードにシュートレンジの広さ、空中戦の強さと、相手守備陣に最も脅威を与える存在になりそうだ。さらに、中盤に活力を与えるMFコバチッチやDFナチョと緊急時にも自信を持ってピッチに送り出せる人材も揃っている。 2018.05.26 13:45 Sat
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【2017-18リーガエスパニョーラベストイレブン】バルセロナから最多4選手を選出

▽2017-18シーズンのリーガエスパニョーラが終了しました。そこで本稿では今季のリーガエスパニョーラベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆リーガエスパニョーラベストイレブン GK:オブラク DF:ジェネ、ゴディン、ユムティティ MF:ゴンサロ・ゲデス、ファビアン・ルイス、パレホ、イニエスタ、ジョルディ・アルバ FW:メッシ、ストゥアーニ GK ヤン・オブラク(25歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:37(先発:37)/出場時間:3330分 失点数:22Getty Images▽今季も抜群の安定感を示して3年連続のサモラ賞(最優秀GK)を獲得した。今季チームは昨季から11点も少ない58得点と深刻な得点力不足に悩まされた。その中で2位フィニッシュできた最大の要因こそ昨季の26失点を上回る堅守を築いた守備陣。とりわけ、相手の決定的な枠内シュートを驚異的な反応で防ぎ続けたスロベニア人守護神の躍動ぶりは見事だった。前半戦のインパクトではバルセロナGKテア・シュテーゲンに劣るも文句なしの今季最優秀GKだ。 DF ジェネ・ダコナム(26歳/ヘタフェ) 出場試合数:36(先発:36)/出場時間:3240分 得点数:1Getty Images▽リーグ3位の堅守を支えた遅咲きの万能型DF。今季、ベルギーのシント=トロイデンから加入した26歳のトーゴ代表DFはセグンダのアルコルコンでのプレー経験はあったもののプリメーラは初挑戦だった。しかし、180cmに満たないサイズながらも圧倒的な身体能力やスピードを武器に世界屈指のアタッカー陣との一対一をことごとく制すなど対人守備は無敵。さらに、フィジカル能力に長けた選手にありがちな集中力や無謀なプレーも少なく、チームの組織的な守備にも順応していた。今夏の移籍市場では間違いなくビッグクラブが触手を伸ばすはずだ。 DF ディエゴ・ゴディン(32歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:30(先発:28)/出場時間:2553分 得点数:0Getty Images▽堅守アトレティコの頼れるディフェンスリーダーは今季も健在。対戦相手による徹底対策の影響か、チーム全体でセットプレーが機能せず珍しく無得点でシーズンを終えた。ただ、本職の守備ではリュカ、サビッチ、ホセ・ヒメネスと相棒が入れ替わる中で見事な統率力を発揮して昨季以上の堅守構築に大きく貢献した。 DF サミュエル・ユムティティ(24歳/バルセロナ) 出場試合数:25(先発:24)/出場時間:2189分 得点数:1Getty Images▽前半戦の堅守を支えた若きディフェンスリーダー。加入2年目で凄みを増した今季は組織的な守備の構築に長けた新指揮官の下で守護神テア・シュテーゲンと共に躍動。卓越した身体能力とプレーリードを武器に相手のエースストライカーをことごとく封殺。また、ビルドアップの局面では昨季以上に安定したパス捌きを見せていた。 MF ゴンサロ・ゲデス(21歳/バレンシア) 出場試合数:33(先発:27)/出場時間:2437分 得点数:5Getty Images▽クリスティアーノ・ロナウド2世が完全ブレイク。昨季、途中加入したパリ・サンジェルマンでは思うように出場機会を得られず、昨夏にレンタル移籍でバレンシアに加入すると、下馬評が低かったチームと同様に序盤から快進撃を見せた。若かりし頃のC・ロナウドを彷彿とさせる驚異的な加速力と足元のテクニックを武器に左サイドを蹂躙し高速カウンターの担い手になると共に、ハイスピードでも落ちないプレー精度と判断力で5ゴール11アシストとフィニッシュの場面の存在感も抜群。両足から繰り出されるパンチのあるシュートに磨きがかかれば、さらなる飛躍も期待できる。 MF ファビアン・ルイス(22歳/ベティス) 出場試合数:34(先発:30)/出場時間:2642分 得点数:3Getty Images▽今季のリーガ最大のサプライズ。直近の2シーズンはリーグ戦16試合の出場にとどまり、同い年で同じレフティのダニ・セバージョス(現レアル・マドリー)の陰に隠れていた。しかし、セティエン新監督の下ポゼッションスタイルに変貌を遂げたチームでポジションを勝ち取ると、優れたパスセンスと球際の強さ、運動量を生かして瞬く間に若きリーダーに成長した。アトレティコMFサウールを彷彿とさせる189cmの大型MFはすでに国内外のビッグクラブの関心を集めるも、移籍のタイミングを見誤った親友セバージョスを教訓に残留が濃厚だ。来季はEL出場権を手にしたベティスで更なる飛躍が期待される。 MF ダニエル・パレホ(29歳/バレンシア) 出場試合数:34(先発:34)/出場時間:3005分 得点数:7(PK6)Getty Images▽バレンシア復活の立役者。近年、迷走を続けていたクラブと共に自身もナイトクラブでのチーム批判や移籍騒動など、ピッチ内外で問題を抱えていた悩めるカピタン。だが、今季はマルセリーノ新監督の下で堅守速攻にスタイル変更したチームの絶対的司令塔として、かつて天才MFと評された頃のパフォーマンスを取り戻した。卓越した戦術眼とパスセンスを生かして縦への意識が強いチームの攻撃に抜群の間を与えると共に、課題の守備でも大きな改善を見せて攻守に戦えるピボーテという新境地を開いた。惜しくもロシアW杯行きを逃すも今年3月には28歳でスペイン代表デビューを飾るなど、充実のシーズンを過ごした。 MF アンドレス・イニエスタ(34歳/バルセロナ) 出場試合数:30(先発:25)/出場時間:1842分 得点数:1Getty Images▽22年を過ごしたブラウ・グラナを去る偉大なるMF。加齢によるパフォーマンス低下もあってルイス・エンリケ前体制下では存在感を失いつつあったイニエスタだが、今季は[4-4-2]と[4-3-3]を併用したバルベルデ率いるチームで左サイドハーフとインテリオールで持ち味の超絶技巧を遺憾なく発揮。とりわけ、同サイドのジョルディ・アルバと盟友メッシとのコンビネーションは圧巻の一言。Jリーグのヴィッセル神戸移籍が決定し、日本のフットボールファンにとってはそのプレーをスタジアムで拝める特権を味わえることになる。 MF ジョルディ・アルバ(29歳/バルセロナ) 出場試合数:33(先発:30)/出場時間:2744分 得点数:2Getty Images▽ネイマール移籍の恩恵を最も享受した男。ここ数年は一列前のネイマールを後方から支援する黒子の役割を求め続けられたアルバだが、今季は左ウイングとしてバルセロナの攻撃をけん引した。爆発的なスピードと職人芸の飛び出しを武器に、メッシからの対角線のスルーパス、イニエスタの抜群のタメからの短いスルーパスに抜け出しては正確なマイナスのクロスやシュートでフィニッシュに絡み、2ゴール9アシストを記録。また、守備の局面でもネイマールが居なくなったことで前線からのサポートも強まり、余裕を持った対応が目立った。 FW リオネル・メッシ(30歳/バルセロナ) 出場試合数:36(先発:32)/出場時間:2996分 得点数:34(PK2)Getty Images▽今季のリーガ最優秀プレーヤー。30歳になって初めてのシーズンに臨んだアルゼンチン代表FWは、今季更なる進化を見せた。バルベルデ新監督の下でトップ下や2トップの一角という新たな役割を与えられた中、34ゴール12アシストとフィニッシャーとチャンスメーカーの2つの役割を異次元のレベルでこなした。 FW クリスティアン・ストゥアーニ(31歳/ジローナ) 出場試合数:33(先発:32)/出場時間:2724分 得点数:21(PK5)Getty Images▽3年ぶり復帰のリーガでキャリアハイの21ゴール。ミドルズブラでの2シーズンを経て2015年のエスパニョール時代以来のリーガ復帰を果たした31歳のウルグアイ代表FW。マチン監督の下で昨季セグンダ2位のジローナのエースストライカーに収まると、攻守にインテンシティの高いチームをけん引した。屈強なフィジカルを生かしたポストワーク、ベテランストライカーらしいペナルティエリア内の嗅覚、決定力を武器に小兵ポルトゥとの名コンビでゴールを量産。とりわけ、プレースキックの場面では正確なキックを誇るグラネルとのホットラインがチームの強力なストロングポイントとなっていた。 2018.05.25 19:31 Fri
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【リーガエスパニョーラ・シーズン総括】最優秀選手はメッシ!

★無敗逃すも新生バルサが圧倒的強さで覇権奪還 ▽昨シーズン、チャンピオンズリーグ(CL)連覇と共に5年ぶりのリーガ制覇を成し遂げたレアル・マドリーに対して、バルセロナがFWネイマールの退団、アトレティコ・マドリーがFIFAからの補強禁止処分という不安材料を抱えたことで、昨季王者優勢と思われた今季のリーガ。しかし、最終的には開幕から36試合無敗を継続したバルセロナが2位以下に14ポイント差を付ける圧勝劇で2年ぶりの優勝を果たした。 ▽昨夏、ネイマールのパリ・サンジェルマン電撃移籍、スーペル・コパでのレアル・マドリー相手の屈辱的な連敗で厳しいシーズンのスタートを切ったバルセロナだが、バルベルデ監督仕込みの組織的な守備と“戦術メッシ”で序盤戦を乗り切ると、そこからは攻守に安定したパフォーマンスをみせ、12月に行われた敵地でのエル・クラシコに圧勝するなど、圧倒的な強さで前半戦を首位で終えた。後半戦に入ると苦手の1月と2月に取りこぼしが目立ったものの、幾度となく訪れた敗戦のピンチを凌ぐと、勝ち点5差に迫られた2位アトレティコとの直接対決をメッシの直接FK弾で勝ち切って優勝に大きく前進。そして、第35節のデポルティボ戦をきっちり勝ち切って2年ぶりのリーガ制覇を成し遂げた。 ▽そのバルセロナに14ポイント差を付けられるも、宿敵レアル・マドリーより上の2位フィニッシュを決めたアトレティコは、3度目のヨーロッパリーグ(EL)制覇まで成し遂げワンダ・メトロポリターノでの最初のシーズンを終えた。前述の補強禁止処分や主力の負傷離脱に悩まされた前半戦はエースFWグリーズマンのスランプもあり、厳しい戦いを強いられた。それでも、GKオブラクやDFゴディンを中心とした堅守で勝ち点を積み重ねると、FWジエゴ・コスタとMFビトロの登録が可能となった今年1月以降は攻守に安定感を取り戻してバルセロナを猛追。直接対決での敗戦が響いて逆転優勝はならなかったものの様々な逆風を考えれば、まずまずのシーズンだったと言える。 ▽一方、シーズンを通して大苦戦を強いられた昨季王者レアル・マドリーは、エースFWクリスティアーノ・ロナウドら主力の不振が響いた序盤戦の戦いが痛恨となり、前半戦終了を待たずして優勝争いから脱落。そのため、後半戦はCL3連覇に向けた調整の場としての意味合いが強まった。バレンシアの失速もあり、最低限の3位でシーズンを終えることに成功したが、今月26日に行われるCL決勝でリバプールに敗れることになれば、ジダン監督の更迭や大幅な選手の入れ替えなど、変革の夏を過ごすことになるかもしれない。 ▽CL出場権争いとEL出場権争いではマルセリーノ新監督の下で復活を印象付けた4位バレンシア、シーズン序盤のカジェハ新体制移行が実った5位ビジャレアルのバレンシア勢、セティエン新監督の下で結果と内容が伴った6位ベティス、2度の監督交代に踏み切りながらも粘った7位セビージャのアンダルシア勢が来季ヨーロッパへの切符を手にした。とりわけ、粘り強い守備と縦への攻撃意識が顕著だったバレンシア、質の高いポゼッションスタイルを見せたベティスの2チームは今季リーグ戦を大いに盛り上げた好チームだった。 ▽一方、例年熾烈を極める残留争いに関しては序盤戦から低迷した最下位マラガ、19位ラス・パルマスが早々に降格を強いられると、セードルフ新監督の下で巻き返しを図った18位デポルティボも第35節で優勝を決めたバルセロナを前に敗れ、3節を残して前述の2チームに続きセグンダ行きが決定した。 ▽最後にエイバルのMF乾貴士、ヘタフェのMF柴崎岳という2人の日本人選手では、エイバル3年目で完全にリーガの水に馴染んた乾が34試合出場で5ゴール2アシストときっちり結果を残した。一方、シーズン序盤のバルセロナ戦で鮮烈なリーガ初ゴールを記録した柴崎だが、負傷による長期離脱以降は守備的なチームスタイルに順応できず、リーグ戦22試合(先発12試合)で1ゴール0アシストと控えに甘んじる厳しい1年となった。なお、乾は今季限りでエイバルを去り、来季はベティス行きの可能性が伝えられている。また、柴崎も今季限りでクラブを去る可能性が伝えられている。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆FWリオネル・メッシ(バルセロナ)Getty Images▽成長し続けるフットボール界最高のメガクラックが文句なしで今季のリーガMVPだ。今季はトップ下と2トップの一角として新境地を開くと、圧巻の仕掛けと決定力でフィニッシャーとして機能したうえ、MFパウリーニョやDFジョルディ・アルバを巧みに生かす司令塔の二役を担い、34ゴール12アシストという圧倒的な数字で2年連続のゴールデンシュー&ピチーチ賞にリーガアシスト王を獲得。また、覇権を争うマドリードの2強との直接対決では4試合で3ゴールを挙げる勝負強さも発揮し、チームを2シーズンぶりの国内2冠に導いた。さらに、今季は直接FKからキャリアハイの6本のゴールを記録しており、世界最高のフットボーラーの進化は続く。 ★最優秀監督 ◆エルネスト・バルベルデ(バルセロナ)Getty Images▽自身初のビッグクラブ挑戦でシーズン2冠に導いた智将が文句なしの最優秀監督だ。第37節のレバンテ戦でのよもやの敗戦によって38試合制で初となる無敗優勝を逃したものの、28勝9分け1敗、99得点29失点という圧倒的なスタッツで2位以下に14ポイント差を付けての優勝は見事の一言だ。ネイマールの電撃移籍に昨夏の補強失敗とクラブから十分なサポートを得られなかった中、多くの中小クラブを率いた経験を武器に現有戦力を巧みに生かし切った。とりわけ、ネイマール移籍を逆手に取った[4-3-1-2]、[4-4-2]へのシステム変更によって守備の安定を図ると共に、メッシを再びゴールに近い位置に配置したことでゾーン3の攻略に専念させることに成功した。また、ルイス・エンリケ体制での課題だったメッシやFWルイス・スアレス、MFブスケッツといった主力のコンディション調整に関しても積極的なターンオーバーを採用することで、一部の時期を除いて良好なコンディションをキープさせた。よりサポートが見込める来季に向けてはスペクタクルなスタイルへの変貌も期待されるところだ。 【期待以上】 ★チーム ◆ベティスGetty Images▽昨季の15位から6位に大きく躍進を遂げて悲願のEL出場権を獲得した。ラス・パルマスで魅力的なアタッキングフットボールを展開したキケ・セティエン新監督を招へいしたベティスはシーズン序盤こそ後方から丁寧にショートパスを繋ぐ新スタイルへの適応に苦戦し大量得点、大量失点という出入りの激しい大味な試合が目立った。それでも、敵地でレアル・マドリーを撃破するなど、時にビッグクラブを凌駕する痛快な戦いも見せていた。その後、今年3月に入って[4-3-3]から[3-5-2]へとシステムを変更すると、6戦連続クリーンシートを含む7勝1分けの8戦無敗と圧巻のパフォーマンスを見せ、宿敵セビージャより上の6位でフィニッシュした。最優秀監督との声も挙がるセティエン監督の見事な手腕に加え、MFブデブス、DFバルトラといった新戦力の活躍、MFファビアン・ルイスやFWロレンら若手のブレイクとクラブ全体の機能性も素晴らしかった。 ★選手 ◆MFホアキン・サンチェス(ベティス)Getty Images▽完全復活のベティスをけん引した百戦錬磨のベテランMF。2015年にキャリアの終焉の地として古巣に復帰したホアキンだが、今年7月に37歳となるベテランMFは今季も健在ぶりを見せた。自身の代名詞である右サイドでの痛快なドリブル突破を見せる機会は稀になったものの、豊富なキャリアの中で獲得した戦術眼とテクニックを生かしリーグ戦35試合で4ゴール8アシストという素晴らしい数字を残した。とりわけ、シーズン後半戦に入ってからは[3-5-2]のインサイドハーフや2シャドーの一角としてプレーし、前線と中盤のリンクマンとして圧巻の存在感を放った。 【期待外れ】 ★チーム ◆セビージャGetty Images▽CLで初のベスト8進出にコパ・デル・レイ決勝進出、来季EL予備予選出場の7位フィニッシュと結果だけを見れば、悪いシーズンと断定できないが、1年を通して迷走ぶりが目立った。サンパオリ前監督、伝説的なSDモンチ氏の退団によってベリッソ監督、アリアスSDの下で新たなシーズンをスタートしたセビージャはクラブ最高額で獲得したFWムリエルやFWノリート、MFバネガ、DFケアー、MFヘスス・ナバスなど積極的な補強を敢行。シーズン序盤こそまずまずの滑り出しを見せたものの、消耗が激しいベリッソ監督の戦術に選手たちが耐え切れず調子が下降すると、健康問題とMFエンゾンジら主力との確執が伝えられたアルゼンチン人指揮官が昨年末に電撃解任。その後任にモンテッラ監督を招へいも就任後16試合で5勝7敗4分けと更なる低迷を招き、アリアスSDと共にシーズン終盤に更迭が決定。その後、ホアキン・カパロス暫定監督の下で何とか7位フィニッシュを果たしたものの、クラブの将来に不安を残す1年となった。 ★選手 ◆FWカリム・ベンゼマ(レアル・マドリー)Getty Images▽深刻な得点力不足に陥り、マドリディスタの怒りを買う。今シーズン、リーグ戦32試合出場と定期的に出場機会を与えられたベンゼマだが、マドリー加入後最低の5ゴール(PK2)に終わった。もちろん、2桁アシストを記録するなど利他的なプレーでチャンスメークに奮闘していた点は評価に値するが、世界屈指の名門のセンターフォワードとしては完全に期待外れだ。チャンスの数自体が少なければまだ弁解の余地はあるが、再三のカウンターチャンスやゴール前の決定機で目を覆いたくなるばかりのシュートミスが目立った。シーズンを通してサンティアゴ・ベルナベウでブーイングに晒されており、今季限りでの退団が濃厚か…。 2018.05.25 19:30 Fri
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【2017-18セリエAベストイレブン】ユーベとラツィオから3選手を選出

▽2017-18シーズンのセリエAが終了しました。そこで本稿では今季のセリエAベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆セリエAベストイレブン GK:アリソン DF:シュクリニアル、ベナティア、クリバリ MF:ディバラ、ルーカス・レイバ、ミリンコビッチ=サビッチ、ドグラス・コスタ FW:インモービレ、イカルディ、インシーニェ GKアリソン・ベッカー(25歳/ローマ)Getty Images出場試合数:37(先発回数:37)/失点数:28/出場時間:3330分 ▽消化試合の最終節を除いてフルタイム出場を果たした。今季より正GKを任されたセレソンの守護神は、ユベントスに次ぐリーグ2位の28失点に抑えた。卓越したセービング能力でピンチを切り抜け、得点力にやや欠けた今季のローマを最後方から支え、勝利に導いた。 DFミラン・シュクリニアル(23歳/インテル)Getty Images出場試合数:38(先発回数:38)/得点数:4/出場時間:3420分 ▽フルタイム出場。スパレッティ監督の信頼を即座に勝ち取ったスロバキア代表DFは自身の能力をビッグクラブのインテルでも臆することなく発揮。今やセリエA屈指のセンターバックと評してもいいレベルの選手に進化を遂げた。 DFメディ・ベナティア(31歳/ユベントス)Getty Images出場試合数: 20(先発回数: 19)/得点数:2/出場時間:1754分 ▽ボヌッチの穴を見事に埋める活躍を見せた。昨季はケガで思うようにプレーできなかったベナティアだったが、移籍2年目の今季は真価を発揮。抜群の戦術眼と対人の強さで相手のエースFWをことごとく潰して見せた。安定感に関しても群を抜いており、ユベントスの堅守が復活したのは彼の能力に拠るところが大きかった。 DFカリドゥ・クリバリ(26歳/ナポリ)Getty Images出場試合数:35(先発回数:35)/得点数:5/出場時間:3066分 ▽今季も怪物級と称されるフィジカルを武器に抜群の存在感を放った。また、足下の技術も非凡で後方から繋ぐサッカーを展開していたサッリ監督の戦術にマッチするセンターバックだった。攻撃時のセットプレーでも脅威となり、キャリアハイの5ゴールをマーク。メガクラブがこぞって欲しがる世界屈指のセンターバックだ。 FWパウロ・ディバラ(24歳/ユベントス)Getty Images出場試合数:33(先発回数:26)/得点数:22/出場時間:2356分 ▽開幕から6試合で9ゴールとチームをロケットスタートに導いた。その後失速してスタメンを外れるなど波のあるシーズンを送ったが、最終的にキャリアハイの22ゴールに到達。ユベントスの7連覇に大きく貢献した存在に変わりはない。この活躍が認められ、激戦のアルゼンチン代表入りも果たし、初のワールドカップ行きが確定した。 MFルーカス・レイバ(31歳/ラツィオ)Getty Images出場試合数:36(先発回数:35)/得点数:2/出場時間:2893分 ▽リバプールで出番を失っていたベテランの元ブラジル代表MFだったが、その実力は確かだった。ビリアを失ってチームの心臓を欠いた今季のラツィオだったが、その穴をルーカス・レイバが見事に埋めた。攻守正面で前任者に匹敵する質の高いプレーを見せ、リーグ最高の得点力を誇ったチームを中盤から支えた。 MFミリンコビッチ=サビッチ(23歳/ラツィオ)Getty Images出場試合数:35(先発回数:33)/得点数:12/出場時間:2850分 ▽彼にとって飛躍のシーズンとなった。昨季まではゴールに絡むプレーができずにいたが、今季は12ゴールを記録。タイミング良くゴール前に顔を出して得点する形ができ上がり、得点力が開花した。191cmの長身ながら足元は柔らかく、ゴール前で危険な存在となった。この活躍を受けてマンチェスター・ユナイテッドが獲得に興味を持つまでに至った。 FWドグラス・コスタ(27歳/ユベントス)Getty Images出場試合数:31(先発回数:18)/得点数:4/出場時間:1790分 ▽シーズン前半はチームとリーグに馴染む時間が与えられ、本領を発揮するには至っていなかったが、シーズン半ば以降に持ち前の爆発的なスピードを駆使した圧巻の突破力で多くの好機を生み出した。高速ドリブルからの高速クロスやパワーシュートで4ゴール13アシストを記録。試合の勝敗を左右するようなゴールに直結するプレーを幾度も見せ、違いを生んだ。 FWチーロ・インモービレ(28歳/ラツィオ)Getty Images出場試合数:33(先発回数:33)/得点数:29/出場時間:2696分 ▽29ゴール10アシストと圧巻の結果を残し、ラツィオの攻撃を牽引した。今季はL・アルベルトと2トップでコンビを組み、絶妙な関係性を構築。ラストパスを出せるL・アルベルトとホットラインを築き、多くのゴールを生み出した。 FWマウロ・イカルディ(25歳/インテル)Getty Images出場試合数:34(先発回数:34)/得点数:29/出場時間:2970分 ▽インモービレと共に得点王を獲得。質の高い両ウインガーから送られてくるクロスボールをゴールに押し込む最後の仕上げを確実にこなした。フィニッシャーとしての役割を遂行し、インテルにCL出場権をもたらした。 FWロレンツォ・インシーニェ(26歳/ナポリ)Getty Images出場試合数:37(先発回数:36)/得点数:8/出場時間:3102分 ▽8ゴール11アシストを記録し、ゴールに直結するプレーを続けた。多彩な攻撃を誇るナポリだが、その大半は彼のいる左サイドから生まれる。左斜め45度の位置はインシーニェ・ゾーンと命名しても良いくらいの高いシュート決定率を誇った。 2018.05.25 18:01 Fri
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【セリエAシーズン総括】最優秀選手はブッフォン!

★ナポリとのスクデット争いを制したユーベが7連覇 ▽ナポリとのハイレベルなスクデット争いを制した絶対王者ユベントスが7連覇を達成した。守備の要ボヌッチがミランに電撃移籍した中、知将アッレグリ監督が見事な手綱捌きを見せた。シーズンが深まるにつれてチームの骨格が定まっていくと、ボヌッチの穴はDFベナティアが埋め、新戦力のFWドグラス・コスタとMFマテュイディがみるみるチームにフィットし、チーム力を押し上げた。シーズン終盤、ナポリとの直接対決に敗れ、1ポイント差まで詰め寄られたが、王者の底力を発揮して最終節を前に優勝を決めた。 ▽28年ぶりのスクデット獲得が現実味を増しながらもあと一歩届かなかったナポリだが、例年であれば十分スクデットに手が届く好成績を収めた。サッリ体制3季目のチームは欧州でも屈指のパスワークを駆使し、観るものを魅了するサッカーで勝利を積み重ねた。惜しむらくはサッリ監督の選手固定によりシーズン終盤、主力選手に勤続疲労が溜まってしまったことか。サッリ体制からアンチェロッティ体制に刷新される新シーズンはバックアッパーの底上げが課題となる。 ▽ディ・フランチェスコ体制1季目のローマは、優勝争いこそ絡めなかったもののチャンピオンズリーグ(CL)でベスト4に進出するなど、充実のシーズンを過ごした。とりわけバルセロナ戦はクラブ史に残る奇跡の大逆転劇を演じ、世界に衝撃を与えた。立役者のディ・フランチェスコ監督はサッスオーロで披露していた攻撃サッカーではなく堅実なサッカーで勝ち点を積み上げ、ノルマのCL出場権獲得を果たした。 ▽4位に滑り込んだのは最終節でラツィオとの直接対決を劇的に制したインテルとなった。シーズン前半、スパレッティ監督の手腕によって順調に勝利を積み重ねたが、牽引者のペリシッチとカンドレーバの両翼が疲労によりパフォーマンスを落としたシーズン半ば以降は8試合勝利から見放されるなど大いに苦しんだ。それでもラツィオの自滅に近い形で最後にCL出場権を7年ぶりに手にし、有終の美を飾った。 ▽惜しくもCL出場権を手にできなかったものの、ラツィオは大健闘のシーズンを送った。シーズン前にMFビリアとFWケイタの両主力が抜けたものの、MFルーカス・レイバとFWルイス・アルベルトが見事に穴を埋める活躍を見せ、S・インザーギ監督の手腕で意外な攻撃力を爆発させたチームは、リーグ最多の89ゴールをマーク。CL出場権争いを大いにかき回す存在となった。 ▽一方で期待に応えられなかったのがミラン。大型補強を敢行しながらもFWカリニッチとFWアンドレ・シウバが全く機能せず、モンテッラ監督が11月に首を切られた。後任のガットゥーゾ監督によってディフェンスが整備されたことで復調したものの、根本の得点力不足に大幅な改善は見られず、ヨーロッパリーグ出場権獲得がやっとの状況だった。 ▽残留争いではセリエAに定着しているウディネーゼとキエーボが最終節まで降格の危機に瀕したが、終わってみればベネヴェントとヴェローナが1年で、クロトーネが2年での降格と順当な結果に落ち着いている。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆GKジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)Getty Images▽ディバラやベナティア、ドグラス・コスタらも最優秀選手に匹敵する活躍を見せたが、いずれの選手もシーズンを通した活躍ができていたとは言えず、17年在籍したユベントスを今季限りで退団することになった守護神のブッフォンを特別に選出した。40歳となった今なお衰えない身体能力と豊富な経験を武器に安定感あるゴールキーピングを今季も披露し、ユベントスの7連覇に大きく貢献した。 ★最優秀監督 ◆マッシミリアーノ・アッレグリ(ユベントス)Getty Images▽ボヌッチと袖を分かった中、自身の哲学が間違っていなかったことを示した。主力であっても容赦のない采配で選手と衝突することも度々あるアッレグリ監督だが、すべてはチームの勝利のためであり、シーズンが終わってみれば監督が正しかったことが頷ける結果となっている。これでユベントスはアッレグリ監督就任後、セリエAとコッパ・イタリアでいずれも4連覇を達成。ユベントスのクラブ史に残る名将として名を刻んでいる。 【期待以上】 ★チーム ◆アタランタGetty Images▽MFケシエとDFコンティの両主力を失った中、フロントの的確な補強によって選手層の厚みを増し、ELを戦いながら7位で終えたのは、このクラスのチーム力を考えれば大成功のシーズンだったと言える。知将ガスペリーニ監督に率いられたチームは、無名に近い選手たちをセリエAで戦えるレベルにまで引き上げ、ELを戦うことによって過密となったシーズンをうまく乗り切ることに成功した。ELでは惜しくもドルトムントに敗れたが、セリエAではミランと競り合っての7位と十分な結果を残し、2年連続でのEL出場権を手にした。 ★選手 ◆DFアレクサンドル・コラロフGetty Images▽マンチェスター・シティの余剰人員的な立場でローマにやってきたセルビア代表左サイドバックだったが、依然として世界最高レベルの左足を持っていることを見せ付けた。元々ラツィオで台頭したコラロフにとっては、ライバルクラブの加入ということもあってロマニスタからは厳しい目で見られていたが、プレッシャーに感じることなくひょうひょうとプレー。課題の守備もそつなくこなし、攻守に質の高いプレーを披露し続けた。 【期待外れ】 ★チーム ◆ミランGetty Images▽昨夏、総額2億ユーロ(約265億円)以上をつぎ込んで好選手を多数補強したものの、多くの選手がフィットしないままシーズンを終えた。11月終盤、モンテッラ監督を解任したチームは、クラブのレジェンドでもあるガットゥーゾ監督の手腕によって最低限のEL出場を決めたが、到底満足できるようなシーズンではなかった。 ★選手 ◆FWニコラ・カリニッチ(ミラン)Getty Images▽エースストライカーとしての役割が期待されながらもセリエAで6ゴールに終わったクロアチア代表FWを選出。2ゴールに終わったFWアンドレ・シウバも大きく期待を裏切ったが、フィオレンティーナでエースとして活躍していたカリニッチの低調なプレーも誤算だった。ビッグクラブの重圧に押し潰されたのか、決定力をことごとく欠いた。 2018.05.25 18:00 Fri
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【2017-18プレミアリーグベストイレブン】王者シティから大半を占める6選手が選出

▽2017-18シーズンのプレミアリーグが終了しました。そこで本稿では今季のプレミアリーグベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆プレミアリーグベストイレブン GK:デ・ヘア DF:ウォーカー、オタメンディ、ヴェルトンゲン、マルコス・アロンソ MF:デ・ブライネ、フェルナンジーニョ、シルバ FW:サラー、ケイン、スターリング GK ダビド・デ・ヘア(27歳/マンチェスター・ユナイテッド) 出場試合数:37(先発:37)/出場時間:3330分 失点数:28Getty Images▽ユナイテッドのリーグ2位の失点数を支えたのはこの男。驚異的な反射神経と身体能力でビッグセーブを連発し何度もピンチを救った。18度のクリーンシートはリーグ最多の数字だ。 DF カイル・ウォーカー(27歳/マンチェスター・シティ) 出場試合数:32 (先発:32)/出場時間:2787分 得点数:0Getty Images ▽移籍金5000万ポンドでトッテナムから加入したウォーカーはすぐさまグアルディオラ監督のスタイルに順応。効果的な上下運動を繰り返し驚異的な支配率を誇るシティのフットボールを支えた。 DF ニコラス・オタメンディ(30歳/マンチェスター・シティ) 出場試合数:34試合(先発:33)/出場時間:2968分 得点数:4 Getty Images ▽ペップの下で足元の技術が洗練されたオタメンディは元々の守備力に加えビルドアップ能力も身に着けた。183cmという比較的低身長にもかかわらず空中戦でも強さを見せ、セットプレー時では相手の脅威となった。 DF ヤン・ヴェルトンゲン(31歳/トッテナム) 出場試合数:37(先発:37)/出場時間:3296分 得点数:0Getty Images▽1試合あたりの失点数を「1」以下に抑えたこの男の貢献度は計り知れない。シーズン途中に長期離脱を強いられたアルデルヴァイレルトに代わって抜擢されたダビンソン・サンチェスと鉄壁の“元アヤックスコンビ"を築き、持ち前のキック精度の高さで攻撃陣を後方から支援する姿も見受けられた。 DF マルコス・アロンソ(チェルシー) 出場試合数:33(先発:33)/出場時間:2860分 得点数:7Getty Images ▽昨季王者から唯一の選出。昨シーズン、ヴィオラ時代にもプレーしたウイングバックに主戦場を見出したマルコス・アロンソは今季もその攻撃力を遺憾なく発揮。第2節のトッテナム戦での2ゴールや第18節のセインツ戦での決勝点など大事な場面での得点が光った。卓越した左足のプレースキックを武器に低空飛行を続けたチェルシーで一定のパフォーマンスを披露し、今季はスペイン代表デビューも飾った。 MF フェルナンジーニョ(33歳/マンチェスター・シティ) 出場試合数:34(先発:33)/出場時間:2885分 得点数:5Getty Images ▽今季で5シーズン目を迎えた33歳のベテランはこのチームのキーマンとなった。守備からボールを繋ぐ前線への橋渡し役としての重要な役割を完遂。抜群のボール回収能力でシティの怒涛の攻撃を陰からアシストした。 MF ケビン・デ・ブライネ(26歳/マンチェスター・シティ) 出場試合数:37(先発:37)/出場時間:3085分 得点数:8 Getty Images▽新設された“アシスト王"の初代受賞者が文句なしの選出。今季のシティはデ・ブライネなしでは語れない。指揮官も「プレミアに彼以上の選手はいない」と舌を巻くほど、今シーズンのデ・ブライネはシュート、パス、ドリブル、いずれをとってもパーフェクトだった。 MF ダビド・シルバ(32歳/マンチェスター・シティ) 出場試合数:29(先発:28)/出場時間:2437分 得点数:9Getty Images ▽目まぐるしく入れ替わるチームの中で、今季で8シーズン目を迎えたシルバはシーズンを通してハイパフォーマンスを披露。ザネやジェズス、スターリングら若手をまとめ上げた司令塔には同胞の指揮官グアルディオラからの信頼も絶大だった。 FW モハメド・サラー(25歳/リバプール) 出場試合数:36(先発:34)/出場時間:2920分 得点数:32(PK1) Getty Images ▽序盤から驚異的なペースで得点を重ね、得点王と共に、今季のプレミア最優秀選手賞を獲得したサラー。抜群のスピードと得点感覚で簡単に得点を奪ってしまう姿は “ファラオ(王)”と呼ぶにふさわしかった。ゴール数だけでなくアシスト数も「11」と、合わせて43ゴールを創出。守備でも献身的に走り、今季のサラーは欠点が見当たらなかった。 FW ハリー・ケイン(24歳/トッテナム) 出場試合数:37(先発:34)/出場時間:3083分 得点数:30(PK2) Getty Images▽2017年はケインの年になった。プレミア年間36得点&2017年56得点でメッシや、イングランドのレジェンド、シアラーを凌駕。3年連続プレミア得点王とはならなかったものの、キャリアハイの30得点の大台に乗せてきたところはさすがの一言。キャプテンにも任命されたワールドカップでも活躍が期待される。 FW ラヒーム・スターリング(23歳/マンチェスター・シティ) 出場試合数:33(先発:30)/出場時間:2593分 得点数:18(PK1)Getty Images▽1シーズン18ゴール11アシストは当然のようにキャリアハイの数字で、ゴールに直接絡んだ回数では、チーム内得点王のアグエロを上回る。とりわけ、第3節のボーンマス戦や、第14節のセインツ戦の後半アディショナルタイムでの劇的決勝弾は特筆もの。この勝利がシティの快進撃を支えたのは言うまでもない。 2018.05.25 01:01 Fri
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【プレミアリーグ・シーズン総括】最優秀選手はサラー!

★ペップ・シティが完全優勝 ▽今季はマンチェスター・シティの完全優勝と言っていいだろう。第5節で今季初めて首位に立つと、第3節からリーグ記録の18連勝を収め、他の追随を許さずトップを独走。その後も調子を落とすことなく首位を保ち、4月15日、第34節を終えた時点で4シーズンぶり5度目のプレミア優勝が決定した。稀に見る強さを見せた最大の要因はグアルディオラ体制2年目を迎えたチームの成熟度と、昨夏に2億ポンドをかけて行った守備陣の補強が成功したこと。名将の下、若手とベテランが融合しより洗練されたチームは、失点「27」、得点は「106」というリーグ記録を叩き出し、最終的に獲得した勝ち点は前人未到の大台「100」に到達。得失点差「79」、2位との勝ち点差「19」など数々のリーグ新記録も打ち立てた正真正銘の“完全制覇”となった。 ▽2位のマンチェスター・ユナイテッドも近年の結果を鑑みると一定の満足感を得られるシーズンとなったのではないだろうか。FWルカクやMFマティッチら即戦力の補強を成功させた赤い悪魔はスタートダッシュに成功し、同じ街のライバルチームに食らいついた。チャンピオンズリーグ(CL)などのカップ戦による疲労が中盤戦以降響いたものの、勝ち点「81」は立派な数字だ。 ▽混戦を制して3位に入ったのはトッテナムだ。一昨年は3位、昨年は2位と好成績を残し、今季も14戦無敗というクラブ記録を達成した。シーズン半ばに守備の要アルデルヴァイレルトが長期離脱を強いられるアクシデントがあったものの、新加入のD・サンチェスが台頭し、クラブ史上最高額の移籍金に見合う活躍を披露。シーズン終盤に激戦となったトップ4争いを制し堂々の3位フィニッシュとなった。 ▽トッテナムと最後まで争ったリバプールは4位でシーズンを終えた。クロップ体制として3シーズン目を迎えた今季は、FWサラーやDFロバートソンを補強。ロバートソンは左サイドバックでリーグ戦22試合に出場し、サラーは言わずもがなの活躍を披露した。第23節では今シーズン初めてシティに土をつけ、CLでも決勝に進むなど、シーズンが進んでいくと共にチームの完成度を高めていった。クロップ監督4年目となる来季、王者シティを止めるのはリバプールかもしれない。 ▽昨季の王者チェルシーは苦いシーズンとなった。初戦で黒星スタートを切った今季は、格下相手の取りこぼしが目立ち、トップ6との対戦でも勝ったのは3試合のみ。最終的に5位で終え、来季はヨーロッパリーグ(EL)に参加することになった。それでも、2年連続決勝進出となったFAカップでは、ユナイテッド相手に今季のチェルシーらしさをいい意味で存分に発揮し、1-0で完封勝利。不遇のシーズンを最終的にタイトルで締めくくった。 ▽6位に終わったアーセナルは、格下相手に取りこぼすことも多くシーズンを通して不安定な試合が続いた。そんな中、シーズン終盤に差し掛かった4月20日、指揮官アーセン・ヴェンゲルの突然の退任発表がイギリス国内に轟いた。1996年から続いた22年もの長い旅路にフランス人指揮官は終止符を打つことを決意。最終的にリーグ6位、ヨーロッパリーグでも準決勝敗退と有終の美を飾ることは叶わなかったが、その雄姿は誰しもの目に焼き付いている。そして来シーズン、ガナーズがその未来を託したのは前パリ・サンジェルマンのウナイ・エメリ監督だ。 ▽一方、残留争いではニューカッスル、ブライトン、ハダースフィールドと昇格組が久々に全チーム残留を果たし、スウォンジー、ストーク、WBAが降格。2度の監督交代を行ったWBAだったが、結局チームを浮上させることはできなかった。 ▽また、レスター・シティFW岡崎慎司とサウサンプトンDF吉田麻也の2人の日本人選手では、岡崎が27試合出場で6ゴール3アシストを記録も、シーズン序盤以降は思うように出場機会を得られず、尻すぼみのシーズンとなった。一方、シーズンを通してチームが残留争いを強いられた吉田は今年1月から3月にかけて厳しい時期を過ごしたものの、最終的にポジションを奪い返して24試合出場で2ゴール1アシストという記録を残している。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆FWモハメド・サラー(リバプール) Getty Images ▽リーグ最多得点記録(38試合制)を更新したサラーが最優秀選手に。デ・ブライネと最後まで争ったが、加入1年目、アシスト数も「11」であることを加味しての結果となった。昨夏にローマから加入し、チェルシーでプレーした2015年以来のプレミア復帰を果たしたエジプト代表アタッカーは、シーズン序盤からゴールを量産。5試合連続ゴールに加え、第31節のワトフォード戦では圧巻の4ゴールを記録。新記録の「32」得点をマークし、文句なしの最優秀選手となった。 ★最優秀監督 ◆ジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ) Getty Images ▽就任2年目となった今シーズン、グアルディオラスタイルが浸透したシチズンズはまさに最強だった。開幕前に昨季の課題だった守備面の補強を成功させ、攻守とも万全の状態で臨んだ今シーズン、ガブリエウ・ジェズス、レロイ・ザネ、スターリングのような若手を育成しつつ、フェルナンジーニョやオタメンディといったベテランたちにも真価を見出した。自身のスタイルをイングランドの地でも通用させた手腕はさすがの一言に尽きる。 【期待以上】 ★チーム ◆バーンリーGetty Images ▽昨季命からがら残留を果たしたチームとは思えないほどの躍進を果たした。今季で6シーズン目を迎えたショーン・ダイチェ監督の下、開幕戦で王者チェルシーに打ち勝ったバーンリーは、シーズンを通して下位相手からしっかり勝ち点を奪った。特筆すべきは失点の少なさ。上位チームに次いで少ない失点数「39」は統率の取れた守備があってこそ。GKニック・ポープは、ワールドカップのイングランド代表メンバーにも選ばれている。 ★選手 ◆MFトレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール) Getty Images ▽まだ20歳にも満たないこの青年の躍進を誰が想像しただろうか。昨シーズン、下部組織からトップチームに昇格した19歳の逸材は、今季はリーグ戦19試合に出場。本職はセントラルMFながらも高精度のキックやスピードを武器に、DFクラインの長期離脱によって主力不在の右サイドバックで存在感を発揮し、最終節ではトップ4入りを手繰り寄せる1点目をアシストした。そして今回、ワールドカップに臨むイングランド代表に大抜擢。初招集にして初のワールドカップ、このティーンエイジャーがどんな輝きを見せてくれるのか注目したい。 【期待外れ】 ★チーム ◆チェルシーGetty Images ▽昨季王者とは思えない体たらくぶりが目立った。開幕で格下と思われていたバーンリーに敗れたチェルシーは上位陣に勝てないどころか、下位相手にも勝ち点を取りこぼす始末。今年に入ってからは格下相手の連敗、マンチェスター勢との連敗が重なり一気にトーンダウン。チームには覇気が感じられず、結局、トップ4入りも逃す結果となってしまった。 ★選手 ◆FWアルバロ・モラタ(チェルシー) Getty Images ▽チェルシーの不調はモラタが調子を上げられなかったことに起因すると言っても過言ではない。クラブ史上最高額の7000万ポンド(約101億円)の移籍金で加入したスペイン人ストライカーは、最終的に11ゴールをマーク。昨季20ゴールを奪ったジエゴ・コスタの代役としての期待値を遙かに下回る結果だった。シーズン半ばからは自身も語る「謎のケガ」によって序盤の調子を落とし、後半戦はたったの2ゴールだった。 2018.05.25 01:00 Fri
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【2017-18リーグ・アンベストイレブン】PSGから最多4選手を選出

▽2017-18シーズンのリーグ・アンが終了しました。そこで本稿では今季のリーグ・アンベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆リーグ・アンベストイレブン GK:ルコント DF:チアゴ・シウバ、グスタボ、F・メンディ MF:デュボワ、ラビオ、フェキル、デパイ FW:トヴァン、カバーニ、ネイマール GK バンジャマン・ルコント(27歳/モンペリエ) 出場試合数:38(先発:38)/出場時間:3420分 失点数:33Getty Images▽リーグ3位の堅守を支えた驚異のショットストッパー。今季ディジョンから加入すると、卓越したショットストップ、的確なポジショニング、コーチングで守備陣を見事に統率した。デル=ザカリアン新監督の下、守備的な[5-3-2]の機能性も高かったが、昨季66失点のチームが失点数を半減させた最大の要因は間違いなくルコントの存在だった。 DF チアゴ・シウバ(33歳/パリ・サンジェルマン) 出場試合数:25(先発:24)/出場時間:2115分 得点数:1Getty Images▽抜群の安定感で覇権奪還の立役者に。今季、ネイマールとムバッペの加入で破壊力を増した攻撃陣の躍動ぶりが印象的だったPSGだが、唯一の20失点代をキープした守備陣の奮闘も見逃せない。とりわけ、安定感を欠く守護神、両サイドバックまで攻撃的なアンバランスな布陣の中でセンターバックにかかる負担は大きく、マルキーニョス、キンペンベとの3人体制の中で見事に守備を統率し続けたキャプテンの働きぶりは称賛に値する。 DF ルイス・グスタボ(30歳/マルセイユ) 出場試合数:34(先発:34)/出場時間:3018分 得点数:5Getty Images▽マルセイユ陰のMVP。今季ヴォルフスブルクから加入したブラジル人MFはシーズン序盤に守備的MF、後半戦はセンターバックの負傷者続出に伴い、センターバックの主軸として獅子奮迅の活躍を見せた。強靭なフィジカルに加え、豊富な経験に裏打ちされた巧みな守備で再三のピンチを凌げば、攻撃では左足の正確なパスや局面を変える持ち出し、強烈なミドルシュートで存在感を放った。 DF フェルラン・メンディ(22歳/リヨン) 出場試合数:27(先発:24)/出場時間:2121分 得点数:0Getty Images▽リヨンのアタッキングフットボールをけん引した攻撃的左サイドバック。昨季、リーグ・ドゥのル・アーヴルでの活躍をキッカケに名門リヨンに加入したメンディはリーグ・アン初挑戦とは思えない活躍を披露。守備面では時折集中を欠くなど課題は少なくないが、圧巻のスピードとドリブルテクニックを生かした突破力と5アシストを記録した攻撃性能はその欠点を補って余りあるものだった。稀少価値の高い左利きのサイドバックだけに今後のフランス代表入りと、ビッグクラブ移籍が予想される。 MF レオ・デュボワ(23歳/ナント) 出場試合数:34(先発:34)/出場時間:3020分 得点数:3 ▽新進気鋭の右サイドバックの大器。現在、ナント生え抜きの23歳はトップデビュー2年目からポジションを獲得すると、今季は智将ラニエリ監督の下でキャプテンとしてチームをけん引した。堅実な守備と豊富な運動量に加え、果敢なオーバーラップと正確なクロスと総合力の高い右サイドバックは今季3ゴール4アシストを記録。すでに来シーズンのリヨン加入が決定しており、モナコDFシディベ以外に有力な選手のいないフランス代表の右サイドバックのポジション争いにも割って入るはずだ。 MF アドリアン・ラビオ(23歳/パリ・サンジェルマン) 出場試合数:33(先発:27)/出場時間:2364分 得点数:1Getty Images▽優勝チームの中盤を支えた若き司令塔。今季はヴェッラッティとモッタという2人の相棒たちがやや調子を落とした中、シーズンを通して波が少ない安定したプレーで中盤の主軸を担い続けた。球際や前線への飛び出しといった持ち味に加え、球離れの良いシンプルなパスワークで強力な攻撃陣を見事に操った。 MF ナビル・フェキル(24歳/リヨン) 出場試合数:30(先発:28)/出場時間:2477分 得点数:18(PK3)Getty Images▽CL出場権を置き土産に更なるステップアップへ。ラカゼット(現アーセナル)、トリッソ(現バイエルン)と下部組織で共に育った主力がクラブを去った今季は両選手に代わる新たなリーダーとしてチームをけん引。2列目を主戦場に魔法の左足を駆使したチャンスメークで個性派の助っ人アタッカー3人を見事に生かし、自身もキャリアハイの18ゴールとエースに相応しい活躍を見せた。なお、今季限りでの退団が決定的となっており、来季は前述の2選手に倣うように国外のビッグクラブ入りが濃厚だ。 MF メンフィス・デパイ(24歳/リヨン) 出場試合数:36(先発:28)/出場時間:2555分 得点数:19(PK2)Getty Images▽不遇をかこったマンチェスター・ユナイテッド時代を払拭する完全復活のシーズンに。ユナイテッドで失格の烙印を押されて昨冬失意の中でリヨンに加入した24歳のオランダ代表FWだが、半年間の順応期間を経た今季は序盤から爆発。マリアーノ、トラオレ、フェキルという同世代の新進気鋭のアタッカーと共に欧州屈指のアタッキングユニットを結成。左ウイングと2トップの一角で持ち味の鋭い仕掛けやパワフルなミドルシュート、正確なプレースキックで抜群の存在感を発揮し、19ゴール9アシストを記録。さらに、マルセイユとの直接対決での劇的決勝点や最終節でのハットトリックとチームのCL出場権獲得に貢献した勝負強さも見事だった。 FW フロリアン・トヴァン(25歳/マルセイユ) 出場試合数:35(先発:35)/出場時間:2949分 得点数:22(PK3)Getty Images▽完全覚醒したマルセイユの絶対的エース。今季22ゴール11アシストと圧巻のスタッツを叩き出した25歳のフランス代表FWは押しも押されもしないベロドロームのアイドルだ。傑出した左足の技術と相手の逆を突く巧みな仕掛けを武器に右サイドから相手の守備を切り裂けば、オフ・ザ・ボールの局面でも質の高い動き出しをみせゴール前に飛び出してのワンタッチシュートなど、掴みどころのない万能アタッカーに成長した。上位陣相手のパフォーマンスに課題を残すものの、間違いなくワールドクラスに手が届く位置にいるはずだ。 FW エディンソン・カバーニ(31歳/パリ・サンジェルマン) 出場試合数:32(先発:30)/出場時間:2581分 得点数:28(PK3)Getty Images▽今季リーグ・アンの最優秀選手。ムバッペ、ネイマールと共に超強力トリデンテの“MCN"を形成し、2年連続得点王を獲得した。今季も豊富な運動量や質の高いオフ・ザ・ボールの動き、決定力を武器にゴールを量産。後半戦はネイマール不在の中でマークが厳しくなるも、要所できっちり仕事を果たした。 FW ネイマール(26歳/パリ・サンジェルマン) 出場試合数:20(先発:20)/出場時間:1796分 得点数:19(PK4)Getty Images▽後半戦欠場も新天地フランスで格の違いを見せつけた。今夏、バルセロナから移籍市場最高額で電撃移籍を果たしたメガクラックは、序盤からゴールとアシストを量産し、その高額な移籍金に相応しい活躍を披露。2月末に負った負傷の影響で後半戦を棒に振ったものの、リーグ3位タイの19得点、リーグトップタイの13アシストの圧倒的な数字でフランス・プロサッカー選手協会(UNFP)の年間MVPを受賞した。ただ、今夏にはレアル・マドリー移籍の噂が盛んに伝えられており、来季の去就に注目が集まるところだ。 2018.05.24 21:31 Thu
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【リーグ・アン・シーズン総括】最優秀選手はカバーニ!

★名門3チーム奮闘もスーパースター軍団PSGが2年ぶりの戴冠 ▽近年、混戦模様となることが多いリーグ・アンだが、今季はFWネイマールやFWムバッペの加入で大きな話題を集めたスーパースター軍団のパリ・サンジェルマン(PSG)が、2シーズンぶりの覇権奪還を果たした。 ▽昨シーズン、モナコに5連覇を阻まれたPSGは、今夏の移籍市場でネイマール、ムバッペ、DFダニエウ・アウベスら世界屈指の名手を札束攻勢で獲得し、勝負のシーズンに臨んだ。すると、ムバッペ、FWカバーニ、ネイマールの超強力トリデンテ“MCN”が早々に機能すると、圧倒的な攻撃力を武器に開幕6連勝。その後、チャンピオンズリーグ(CL)との並行から格下相手に勝ち点を取りこぼすも前半戦を余裕の戦いぶりで首位フィニッシュ。後半戦はネイマールの負傷離脱など幾つかのアクシデントに見舞われたものの、ライバルたちの取りこぼしを生かして首位を独走。そして、第33節のモナコ戦では昨季王者相手に衝撃的な7-1の圧勝劇をみせ、5節を残して2年ぶりの覇権奪還を果たした。なお、今季国内3冠を成し遂げたPSGだが、今季限りでエメリ監督の退任が決定し来季は智将トゥヘル監督の下で新たな黄金時代構築を目指す。 ▽圧倒的な戦力を持つPSGの一人旅を許したものの、シーズンを通じて奮闘が目立ったモナコ、リヨン、マルセイユの名門3チームは最終節までもつれ込む来季CL出場を懸けたトップ3争いを展開。その三つ巴の争いを制したのは昨季王者モナコとリヨンの2チームだった。前述のムバッペを筆頭に優勝に貢献した主力を引き抜かれたモナコは若手主体の新戦力補強が機能せず、序盤戦は苦しい戦いを強いられた。それでも、CLグループステージ4位敗退に伴い、国内の戦いに集中できたことで徐々にチームの熟成も進み、主砲ファルカオやMFロニー・ロペスらを軸とする強力な攻撃陣を生かして最終的に2位フィニッシュを決めた。 ▽一方、FWラカゼットやMFトリッソなど例年通り、主力を引き抜かれたリヨンだが、育成能力に長けたジェネシオ監督の下で世界屈指の育成組織から昇格してきた逸材たちが躍動。さらに、昨冬加入のFWデパイを含めFWトラオレ、FWマリアーノが新エースFWフェキルと2桁ゴールカルテットを形成し、リーグ屈指の破壊力で最終的に3位の座を死守した。 ▽その2強との争いに敗れて来季のCL出場権を逃したマルセイユだが、就任2年目を迎えたガルシア監督の下でエースFWトヴァンやMFアンギッサ、MFマキシム・ロペス、DFブバカル・カマラなど期待の若手が急成長。さらにアメリカ人オーナーの下で獲得したMFグスタボやDFラミといったベテランが若いチームをしっかりとリードし、ヨーロッパリーグ(EL)準優勝など今後の飛躍を予感させるシーズンに。また、日本代表DF酒井宏樹も本職の右サイドバックに加え、左サイドバック、3バックの右ストッパーと新境地を開き絶対的な主力としてチームを支えた。 ▽PSGの国内カップ2冠によって6位まで広がったEL出場権争いでは前述のマルセイユに加えて、レンヌとボルドーが熾烈な争いを制した。レンヌはクリスティアン・グルキュフからサブリ・ラムシ監督、ボルドーはジョスリン・グーヴェネックからグスタボ・ポジェ監督と共にシーズン途中の監督交代に踏み切るも、この選択が奏功して後半戦に勝ち点を積み重ねて逆転でのEL出場を手にした。さらに、レンヌではMFブリゴーとFWサール、ボルドーではFWマウコムと若手逸材の活躍も光った。 ▽例年、熾烈を極める残留争いではアミアン、ストラスブールという昇格組がいずれも残留を果たすも、昇格・降格プレーオフを制して昇格したトロワが19位で1年での2部降格に。また、日本代表GK川島永嗣が正GKを務めたメスも最下位に終わり、2年での2部降格となった。なお、今季18位のトゥールーズはACアジャクシオとの昇格・降格プレーオフ初戦を3-0で快勝しており、残留が濃厚な状況だ。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆FWエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)Getty Images▽前半戦で主役を担ったネイマールの活躍も見事だったが、シーズンを通した貢献度で勝ったカバーニがMVPに相応しい。昨シーズン、イブラヒモビッチが去ったチームでようやく主役の座についたものの、今季は新たにネイマールというスーパースターが加入したことで、再び脇役に回ることに。シーズン序盤にはPKキッカーを巡って衝突するなど精神的に難しい時期も過ごした。それでも、自身のエゴを封じて再びチームプレーヤーに戻ったカバーニはネイマールの負傷離脱で迫力不足となった後半戦の攻撃陣を見事にけん引し、28ゴールで2年連続の得点王に輝いた。 ★最優秀監督 ◆ブルーノ・ジェネシオ(リヨン)Getty Images▽卓越した育成力と調整力で主力が大きく入れ替わったリヨンを見事にまとめ上げた。昨夏、主砲ラカゼット、中盤の要トリッソなど多くの主力選手が引き抜かれたリヨンは厳しいシーズンが予想された。しかし、若手育成に定評があるフランス人指揮官はMFアワールやMFエンドンベレ、MFトゥザールといった若手逸材を一人前に育て上げると、移籍市場で獲得したFWトラオレやFWマリアーノ、DFメンディら粗削りな逸材たちを見事に組織に組み込み、PSGやマルセイユ、モナコに勝るとも劣らない好チームに仕上げ、最終的にCL出場圏内の3位フィニッシュに成功した。今夏もフェキルを中心に主力の引き抜きが予想されるが、ヨーロッパ屈指の育成組織とジェネシオ監督の手腕を持ってすれば問題なく乗り切れるはずだ。 【期待以上】 ★チーム ◆モンペリエGetty Images▽リーグ屈指の堅守を武器に最後までEL出場権を争う躍進のシーズンに。昨季、降格圏内とわずかのポイント差の15位と低迷を強いられたモンペリエだが、今季は堅実なチーム作りに定評があるデル=ザカリアン新監督の下で飛躍の1年となった。昨季チーム得点王のFWムニエ(現ハダースフィールド)とリーグ屈指の司令塔MFブデブス(現ベティス)の2大エースの流出によって降格候補の一角にも予想されたが、[5-3-2]の守備的な布陣を武器に序盤戦は勝ち切れなかったものの負けないチームに変貌。GKルコント、DFペドロ・メンデス、DFアギラールといった無名ながらも質の高い新加入選手に加え、来年41歳を迎えるレジェンドDFイウトン、今夏のビッグクラブ行き濃厚な若手DFムキエレ、DFルシヨンといった現有戦力がソリッドな守備を形成。さらに、後半戦に入ると、FWムベンザやFWジョバンニ・シオ、FWイコネといった攻撃陣の成長によりカウンターの精度も高まり、得点力に課題こそあるものの好チームに仕上がった。ラスト2試合の取りこぼしでEL出場圏内とは勝ち点4差の10位フィニッシュも、トップ4相手に1敗7分け、昨季66失点から33失点に半減させた、その変貌ぶりは今季のトピックの1つだった。 ★選手 ◆MFロニー・ロペス(モナコ)Getty Images▽今季モナコの2位フィニッシュに貢献した成長株。FWムバッペ(現PSG)やMFベルナルド・シウバ(現マンチェスター・シティ)、FWジェルマン(現マルセイユ)と昨季優勝に貢献したアタッカー陣が相次いで流出したモナコはFWケイタ・バルデ、FWヨベティッチ、MFゲザルといった新戦力を補強したが、いずれの選手もケガの影響やチーム戦術への適応に苦戦し思うような活躍ができなかった。その中で主砲FWファルカオと共にチームを救ったのが、リールからレンタルバックした22歳のポルトガル代表MF。ベンフィカ、マンチェスター・シティの下部組織育ちの俊英はプレシーズンからアピールに成功すると、最終的にリーグ戦全試合に出場し15ゴール5アシストを記録。同胞で同じレフティのベルナルド・シウバの後釜として右サイドを主戦場に攻撃の起点となり、より優れた得点能力を生かしてチーム2位のゴール数も記録した。 【期待外れ】 ★チーム ◆リールGetty Images▽ルクセンブルク人実業家のジェラール・ロペス新オーナーの下で鬼才ビエルサを招へいしモナコのような育成型クラブを目指したリールだが、昨季に続き残留争いに巻き込まれる厳しい1年となった。今夏の移籍市場でMFチアゴ・マイアやFWポンセ、FWニコラス・ペペなど国内外の若手逸材をかき集めたリール。しかし、指揮官の難解すぎる戦術に若手選手が順応できなかったうえ、リーグ・アン初挑戦となった多くの選手がフィジカル的なスタイルに苦戦し、惨敗を重ねた。そして、昨年11月末には予てよりフロントとの確執が噂された指揮官が、ある意味予想通りに退任。その後、前サンテチェンヌ指揮官ガルティエ監督の下で再スタートを切ることになったが、後半戦に入ってもチームは安定することなく昇格・降格プレーオフ圏内の18位トゥールーズを勝ち点1差で振り切っての17位フィニッシュとなった。 ★選手 ◆FWコンスタンティノス・ミトログル(マルセイユ)Getty Images▽新エースストライカー候補として加入もトップ3を逃す戦犯に。昨夏、ガラタサライに旅立ったFWゴミスの後釜としてFWジルーらの獲得を逃したクラブが最後に白羽の矢を立てて獲得したミトログルだが、19試合出場で9ゴールと期待外れの1年目となった。加入当初からコンディションに問題を抱えて出遅れると、ギアが上がり切らないままシーズンを終えることになった。最後までCL出場権を争ったモナコとリヨンとの間に大きな差はなかったものの、両チームがFWファルカオ、FWマリアーノとエースストライカーが決定的な仕事を果たした一方、マルセイユではミトログルとジェルマンが期待外れに終わり、それが最終的な順位に影響した印象だ。来季はコンディションを整えて捲土重来のシーズンとしたい。 2018.05.24 21:30 Thu
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【2017-18ブンデスリーガ・ベストイレブン】6連覇のバイエルンから6選手を選出

▽2017-18シーズンのブンデスリーガが終了しました。そこで本稿では今季のブンデスリーガのベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆ブンデスリーガベストイレブン GK:ウルライヒ DF:パパスタソプーロス、ナウド、フンメルス MF:キミッヒ、ミュラー、フォクト、ハメス・ロドリゲス FW:ウート、レヴァンドフスキ、ベイリー GKスベン・ウルライヒ(29歳/バイエルン)Getty Images出場試合数:29(先発回数:29)/失点数:26 /出場時間:2610分 ▽CLレアル・マドリー戦では敗退につながる凡ミスを犯して悪い印象を残してしまったが、リーグ戦では守護神ノイアーの代役を見事に全うしていた。決して少なくないピンチをウルライヒのセーブで救われたシーンは幾度もあった。バイエルンの優勝に間違いなく貢献した一人だった。 DFソクラティス・パパスタソプーロス(29歳/ドルトムント)Getty Images出場試合数:30(先発回数:28)/得点数:2/出場時間:2374分 ▽ドルトムントから唯一の選出とした。大半の選手が水準以下のパフォーマンスに終わっていた中、ディフェンスリーダーであるパパスタソプーロスは、経験値の乏しいDFアカンジやDFザガドゥらを携えて奮闘していた印象だ。ただ、そのパパスタソプーロスも契約延長を固辞してアーセナル行きが濃厚と見られており、ドルトムントとしては頭の痛い問題が続く。 DFナウド(35歳/シャルケ)Getty Images出場試合数:34(先発回数:34)/得点数:7/出場時間:3060分 ▽大ベテランの域に達したが、フルタイム出場で大車輪の活躍を見せた。テデスコ監督の下、3バックの中央を任されたナウドは、本職でないスタンブリらをうまく統率するとともに攻撃時のセットプレーで存在感を発揮。7ゴールを挙げ、チームを攻守両面で支えた。 DFマッツ・フンメルス(29歳/バイエルン)Getty Images出場試合数:26(先発回数:25)/得点数:1/出場時間:2213分 ▽バイエルンの守備の要として十分なパフォーマンスを発揮。例年泣かされる負傷もなくコンスタントにプレーし、チームを後方から支えた。相棒では新たにジューレと組む機会が増えたが、問題なくディフェンスラインを統率した。 MFヨシュア・キミッヒ(23歳/バイエルン)Getty Images出場試合数:29(先発回数:26)/得点数:1/出場時間:2331分 ▽重鎮ラームが引退した中、右サイドバックの穴を埋める以上の活躍を見せた。本職でないながら持ち前の器用さを活かして攻守にそつなくこなし、1ゴール12アシストと攻撃の起点としても十二分に機能した。 MFケビン・フォクト(26歳/ホッフェンハイム)Getty Images出場試合数:31(先発回数:31)/得点数:1/出場時間:2790分 ▽ホッフェンハイムの守備の要。もともとはボランチが本職だが、3バックの中央を任され、期待に応えている。194cmの長身で空中戦に強いうえ、フィードも正確でナーゲルスマン監督の戦術を忠実に体現している存在だ。 MFハメス・ロドリゲス(26歳/バイエルン)Getty Images出場試合数:23(先発回数:19)/得点数:7/出場時間:1623分 ▽レアル・マドリーからレンタルで加入したコロンビア代表MFは、7ゴール11アシストと多くのゴールシーンに絡んだ。その創造性は王者バイエルンにおいても群を抜いており、違いを生み出せる存在だ。日本と対戦するワールドカップを前に非常に厄介な存在となっている。 MFトーマス・ミュラー(28歳/バイエルン)Getty Images出場試合数:29(先発回数:22)/得点数:8/出場時間:1962分 ▽アンチェロッティ体制下とは別人ではないかと思われるパフォーマンスを見せ付けた。ハインケス監督就任によって本来のゴールへの嗅覚を取り戻したミュラーは、8ゴール16アシストと大暴れ。昨季から続いていた不振が嘘のような活躍を見せた。 FWマルク・ウート(26歳/ホッフェンハイム)Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:31(先発回数:24)/得点数:14/出場時間:2176 ▽ホッフェンハイムのダイナミックな攻撃を支えた立役者。推進力が売りのアタッカーはブンデスでキャリアハイとなる14ゴールをマーク。アシストも8つ決め、飛躍のシーズンとなった。ホッフェンハイムにCL出場権をもたらし、来季はシャルケでプレーする。 FWロベルト・レヴァンドフスキ(29歳/バイエルン)Getty Images出場試合数:30(先発回数:24)/得点数:29/出場時間:2169分 ▽好不調の波が非常に少ないゴールゲッター。コンスタントにゴールを積み重ね、バイエルンを6連覇に導いた。ハメス・ロドリゲス同様、ワールドカップでは日本の前に立ちはだかる。 MFレオン・ベイリー(20歳/レバークーゼン)Getty Images出場試合数:30(先発回数:25)/得点数:9/出場時間:2219分 ▽本来はFWだが、ヘルリッヒ監督の下で左ウイングバックを任された。ゴールから遠ざかったはずだが、持ち前の爆発的なスピードを生かしたドリブルを駆使し、9ゴール6アシストと目に見える結果を残した。 2018.05.24 21:01 Thu
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【ブンデスリーガ・シーズン総括】最優秀選手はレヴァンドフスキ!

★ハインケス緊急登板でV時回復のバイエルンが敵なしの6連覇 ▽圧倒的な戦力を誇るバイエルンが順当に6連覇を成し遂げた。2季目を迎えたアンチェロッティ体制下で出だしに躓いたバイエルンだったが、9月に見切りを付け、2012-13シーズンに3冠に導いた老将ハインケス監督を招へい。ここからV時回復した王者はリーグを無双し、第10節で首位に立って以降、1度も首位の座を明け渡すことなく5試合を残して6連覇を成し遂げた。 ▽バイエルンの対抗馬が今季も現れなかった中、混戦のチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いを制したのはシャルケ、ホッフェンハイム、ドルトムントとなった。シャルケは32歳のテデスコ新監督が手腕を発揮。1部初挑戦だった上、多くの主力を入れ替えた中、DFナウドを軸としたチーム編成が見事にハマり、4シーズンぶりのCL出場権を手にした。 ▽3位に滑り込んだのも若手指揮官率いるホッフェンハイムとなった。2年半前に監督に就任した現在30歳のナーゲルスマン監督率いるホッフェンハイムはヨーロッパリーグ(EL)を戦いつつの難しいシーズン前半を送ったが、シーズン後半に怒涛の追い上げを見せ、昨季の4位を上回る3位でフィニッシュ。昨季は予備予選で涙を呑んだクラブ史上初のCL出場を決めている。 ▽最終節で辛くも4位に踏み留まったのはドルトムント。ボス新監督の下、スタートダッシュに成功したものの10月に入って急失速。守備の脆さを突かれ、失点がかさんだ。その後、12月にケルンを解任されていたシュティーガー監督によって守備が幾分か改善され、のらりくらりの戦いぶりだったが、最低限の4位フィニッシュでCL出場権を手にすることに成功した。 ▽逆にあと一歩でCL出場に手が届かなったのがレバークーゼン。クラブOBのヘルリッヒ新監督の下で攻撃サッカーを標榜したが取りこぼしが多く、リーグ戦一本に集中できるアドバンテージを生かしきれなかった。レバークーゼン同様、ELに回ることになったライプツィヒはCLとの兼ね合いに苦しんだシーズンとなった。 ▽残留争いではDF酒井高徳とFW伊藤達哉のハンブルガーSVがついにクラブ史上初の降格を喫し、FW大迫勇也のケルンが5シーズンぶりの降格となった。一方でFW武藤嘉紀のマインツは武藤のシーズン終盤の活躍もあって残留を勝ち取っている。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆FWロベルト・レヴァンドフスキ(バイエルン)Getty Images▽3年連続30ゴールには惜しくも届かなかったものの、29ゴールを奪って3度目のブンデス得点王に輝いた。ライバルのオーバメヤンが移籍したことで張り合いのない得点王争いとなったが、さすがの決定力で他の追随を許さなかった。シーズン後半戦はワグナーの加入もあって良好なコンディションを保ってプレーできたことも大きかった。 ★最優秀監督 ◆ユップ・ハインケス(バイエルン)Getty Images▽アンチェロッティ監督の解任を受けて急遽バイエルンの監督に就任した73歳の名将を選出。4年前にバイエルンを3冠に導いた後に監督業を引退していたハインケス監督だが、そのブランクを感じさせず、不協和音が生じていたチームを見事に立て直して見せた。ハインケス監督就任後、ミュラーとハメス・ロドリゲスが見違えるようなパフォーマンスを発揮したこともバイエルンの独走に拍車がかかった。 【期待以上】 ★チーム ◆シャルケGetty Images▽昨季は不振に陥り、6シーズンぶりに欧州カップ戦出場を逃したシャルケだったが、新進気鋭の指揮官であるテデスコ監督を招へいしたことが吉と出た。3バック採用やMFマックス・マイヤーの中盤アンカー起用など、柔軟な采配でチーム力を上げたチームは、混戦のCL出場権争いを制すに至った。 ★選手 ◆FWミッチー・バチュアイ(ドルトムント)Getty Images▽冬にチェルシーからレンタルで加入したストライカーは、イングランドでくすぶっていた才能を見事に発揮した。リーグ戦10試合で7ゴールを奪い、ドルトムントの復調を後押しする存在となった。シーズン終盤、負傷で戦列を離れたが、自身の価値を取り戻す移籍となった。 【期待外れ】 ★チーム ◆ケルン&ハンブルガーSVGetty Images▽昨季5位と躍進し、25年ぶりに欧州カップ戦出場を果たしたケルンが5季ぶりに降格となった。昨季チーム内得点王のモデストが移籍したチームは深刻な得点力不足に陥り、未勝利が続いた。シュティーガー監督解任後、ようやく前半戦最終戦で勝利を手にしたが、後半戦に入ってもエンジンがかからなかった。また、近年残留争いを常に強いられていた名門のHSVもついにクラブ史上初の降格となった。3度の監督交代も実らず、キャプテンを務めた酒井高は、不名誉なクラブの歴史に名を刻んでしまった。 ★選手 ◆MFマハムド・ダフード(ドルトムント)Getty Images▽ボルシアMGで台頭した22歳のMFは、最後までドルトムントに馴染むことができなかった。ギュンドアンを彷彿とさせるプレースタイルで攻撃面でアクセントを付けられるタイプのプレーメーカーだが、その持ち味を発揮することはできなかった。ブンデスリーガでの先発は11試合に留まった。 2018.05.24 21:00 Thu
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【欧州4大リーグ日本人選手総括&評価】乾、長谷部、伊藤が奮闘も軒並み厳しいシーズンに

▽欧州4大リーグの2017-18シーズンが終了しました。そこで本稿では4大リーグに所属する日本人12選手のパフォーマンスを5段階で独自に評価してみました。総括とともにご覧ください。 ※★★★★★が最高、☆が最低 ★岡崎慎司[レスター・シティ]Getty Imagesプレミアリーグ出場試合数:27(先発:17)ゴール数:6 FAカップ出場試合数:3(先発:0)ゴール数:0 EFLカップ出場試合数:2(先発:1)ゴール数:1 評価: ★★☆☆☆ ◆前半戦でキャリアハイも後半戦ノーゴール ▽レスターでの3シーズン目を終えた岡崎。前半戦では監督交代があった中、キャリアハイとなる6ゴールをマークした。2桁ゴールを目指せるペースだったが、後半戦はピュエル監督の信頼を掴めず徐々に出場機会を減らし、まさかのノーゴールに終わってしまった。4月には足首を負傷し、そのまま復帰できずにシーズンが終了。チームは残留争いに巻き込まれることはなかったが、岡崎にとっては尻すぼみの消化不良なシーズンとなってしまった。なお、今季限りでのレスター退団が濃厚との報道で活躍の場をスペインに移す模様だ。 ★吉田麻也[サウサンプトン]Getty Imagesプレミアリーグ出場試合数:24(先発:23)ゴール数:2 FAカップ出場試合数:3(先発:2)ゴール数:0 EFLカップ出場試合数:1(先発:1)ゴール数:0 評価: ★★☆☆☆ ◆ディフェンスリーダー移籍で初の残留争い ▽サウサンプトンでの6シーズン目はチーム共々苦しいシーズンとなった。ディフェンスリーダーのファン・ダイクを欠いたチームは低空飛行を続け、吉田加入後では初となる残留争いに巻き込まれた。3月には監督交代もあった中、シーズン終盤にレギュラーの座を取り戻した吉田だが、残り3試合となったエバートン戦で退場するなどチームの力になりきることはできなかった。 ★乾貴士[エイバル]Getty Imagesリーガエスパニョーラ出場試合数:34(先発:31)ゴール数:5 コパ・デル・レイ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0 評価: ★★★☆☆ ◆絶対的レギュラーの座を確立 ▽エイバルでの3シーズン目を迎えた乾は、絶対的レギュラーの座を確立した。不動の左サイドとして君臨した乾は、守備のタスクをこなしつつ、ゴールに絡むプレーを続けた。乾の活躍もあってエイバルはシーズン序盤の躓きをものともせず、楽々と残留。目標を果たした乾は来季、ヨーロッパリーグに出場するベティスへの移籍が濃厚となっている。 ★柴崎岳[ヘタフェ]Getty Imagesリーガエスパニョーラ出場試合数:22(先発:12)ゴール数:1 コパ・デル・レイ出場試合数:0 評価: ★☆☆☆☆ ◆バルサ戦でゴラッソも悔しい長期離脱 ▽昇格プレーオフを戦った相手のヘタフェに加入してプリメーラ初挑戦となった柴崎は、トップ下の位置で開幕スタメンの座をつかむと、第4節バルセロナ戦で強烈な左足ボレーによるゴラッソを叩き込んだ。華々しいスタートを切った柴崎だったが、そのバルセロナ戦で左足中足骨を骨折し、約2カ月半戦列を離れることになってしまった。この負傷が響き、シーズンを通してコンスタントに出場機会を得ることができなかった。チームはヨーロッパリーグ出場権争いに絡む良いシーズンを過ごしたが、柴崎にとっては悔しいシーズンとなった。 ★香川真司[ドルトムント]Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:19(先発:12)ゴール数:5 チャンピオンズリーグ出場試合数:5(先発:5)ゴール数:0 DFBポカール出場試合数:3(先発:2)ゴール数:1 評価: ★★☆☆☆ ◆負傷でシーズン終盤を棒に ▽12月に就任したシュティーガー監督によってゴールにつながるプレーが増え、復調した感のあった香川。だが、2月に左足首を負傷すると、そこから復帰までにかなりの時間を要してしまった。結局、復帰できたのが最終節と、チャンピオンズリーグ出場権争いをしていたチームを助ける働きはできなかった。ワールドカップに向けて大きな不安の残るシーズンとなっている。 ★大迫勇也[ケルン]Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:25(先発:23)ゴール数:4 ヨーロッパリーグ出場試合数:6(先発:3)ゴール数:2 DFBポカール出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0 評価: ★☆☆☆☆ ◆ストライカーの役割果たせず ▽ケルンでの4シーズン目を終えた大迫は、チームを降格の危機から救うことができなかった。昨季までの点取り屋であったモデストを失ったチームの中で大迫がエースストライカーとしての役割を果たして欲しかったところだが、わずか4ゴールと失望の結果に終わってしまった。シーズン終了後、ブレーメンへの移籍が発表された。 ★長谷部誠[フランクフルト]Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:24(先発:23)ゴール数:0 DFBポカール出場試合数:5(先発:5)ゴール数:0 評価: ★★★☆☆ ◆DFBポカール優勝 ▽フランクフルトでの4シーズン目となった今季も、昨季同様にリベロでハイレベルなプレーを見せた。長谷部の安定感あるプレーによって押し上げられたチームはシーズン終盤までCL出場権争いを繰り広げ、DFBポカールでは30年ぶりの優勝を果たした。34歳と円熟味を増した長谷部に対して、クラブが1年の契約延長オファーを打診したことが、長谷部の価値を物語っている。 ★鎌田大地[フランクフルト]Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:3(先発:2)ゴール数:0 DFBポカール出場試合数:1(先発:1)ゴール数:0 評価:☆☆☆☆☆ ◆何もできず ▽ここまで出場機会を得られないとは予想していなかった。鎌田の攻撃センスを持ってすればブンデスで十分に通用するかと思われたが、壁は高かったようだ。シーズン序盤にチャンスをもらったのみで、その後は見切られてしまった。来季、新監督のもとで挽回のチャンスを得られるか。 ★武藤嘉紀[マインツ]Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:27(先発:20)ゴール数:8 DFBポカール出場試合数:3(先発:1)ゴール数:2 評価: ★★★☆☆ ◆キャリアハイの8ゴールで残留に導く ▽マインツでの3シーズン目を迎えた今季、武藤はエースストライカーの役割を果たしたと言えるだろう。ブンデス初挑戦のシーズンに記録した7ゴールを越える8ゴールを記録した武藤は、シーズン終盤の痺れる残留争いの試合でゴールに直結するプレーを連発し、チームを残留に導いた。この活躍が認められ、ワールドカップの候補メンバーにも滑り込んでいる。 ★酒井高徳[ハンブルガーSV]Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:28(先発:26)ゴール数:0 DFBポカール出場試合数:1(先発:1)ゴール数:0 評価: ★★☆☆☆ ◆2年連続キャプテンもチームは史上初の降格 ▽ハンブルガーSVでの3シーズン目を迎えた酒井高は、今季もキャプテンの重責を任された。しかし、チームは低空飛行を続け、泥沼の状態が続いた。今季3人目の指揮官となったティッツ監督によって最終節まで残留の可能性を残したが、55年守った1部の舞台からついに姿を消した。そのチームのキャプテンという不名誉な称号を負った酒井高だが、降格直後に残留宣言をし、クラブへの忠誠を誓っている。 ★伊藤達哉[ハンブルガーSV]Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:20(先発:12)ゴール数:0 評価: ★★★☆☆ ◆降格チームの希望に ▽2015年夏に柏レイソルのユースからハンブルガーSVのユースに加入した伊藤は、ギズドル監督の下、第6節レバークーゼン戦でトップチームデビュー。2人目のホラーバッハ監督には評価されなかった伊藤だが、U-21チームで指導を受けていたティッツ監督の就任によって風向きが変わる。シーズン終盤、ティッツ監督の存在によってスタメンのチャンスを得た伊藤はゴールに直結するアシストを記録し、期待に応えていった。伊藤の活躍がなければもっと早く降格が決まっていたことだろう。 ★浅野拓磨[シュツットガルト]Getty Imagesブンデスリーガ出場試合数:15(先発:7)ゴール数:1 DFBポカール出場試合数:3(先発:2)ゴール数:0 評価: ★☆☆☆☆ ◆シーズン後半は戦力外に ▽アーセナルからのレンタル期間が延長となって1部に復帰したシュツットガルトに残留した浅野。シーズン前半戦は出場機会をコンスタントにもらい、ブンデス1部初ゴールも記録したが、FWゴメスが加わった後半戦は全く出場機会を得られなかった。実質戦力外の扱いを受けた浅野はハノーファーへの加入を決断した。 2018.05.24 19:00 Thu
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【編集部コラム】サムライブルーの命運を託された男…G大阪時代から紐解く西野流

▽ロシア・ワールドカップ(W杯)開幕が2カ月後に迫る中、日本サッカー界に激震が走った。日本サッカー協会(JFA)は9日、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督を解任。JFA技術委員長としてチームをサポートしていくはずだった西野朗氏にロシアW杯での日本代表の命運を託した。 ▽「本来であれば、日本代表の監督をはじめ、スタッフをサポートしていく立場」と、西野氏が12日の監督就任会見で胸中を明かしたとおり、まさに“青天の霹靂”。2016年3月のJFA技術委員長就任当時から抱く覚悟、あるいは未来図をも崩壊させる予想外の展開だったに違いない。 ◆ハイライトはG大阪時代Getty Images▽では、“西野朗という男”とは何者か。その西野氏の日本代表監督電撃就任を一斉に取り上げた各メディアの人物紹介は、1996年にアトランタ・オリンピックの世代別日本代表監督として、ブラジル代表を下した“マイアミの奇跡”が主。だが、西野氏の指導者としての歩みを語るのであれば、ガンバ大阪時代は欠かせない。 ◆西野流のチーム作りGetty Images▽現役時代を過ごした日立製作所の前身である柏レイソルで指導者キャリアをスタートさせた西野氏は、2002年からG大阪を指揮。G大阪に“打ち合いの精神”を宿した先駆者として知られ、「2点取られたら3点、3点取られたら4点取れば良い」の口癖的な誓いは、G大阪サポーターにとって今もなお語り草だ。 ▽バルセロナのレジェンドである元オランダ代表のヨハン・クライフ氏の崇拝者としても知られる西野氏の根底は、もちろん超攻撃的なサッカーだ。だが、殴り合い上等のロマンチストな指揮官との先行しがちなイメージに加えて、現有戦力、あるいは選手個々の特性を生かしたリアリストな起用法も西野流。それこそがチーム作りの基盤となる。 ◆柔軟性が導き出したスタイルGetty Images▽当時のG大阪は、才能に溢れた若い原石の巣窟。MF遠藤保仁やDF山口智の移籍組やDFシジクレイやMFフェルナンジーニョ、FWアラウージョ、FWマグノ・アウベスといった有力助っ人を軸に、DF宮本恒靖やMF橋本英郎、MF二川孝広、FW大黒将志といった生え抜きの有望株を多用しつつ、当時の戦力に最適な戦い方を探った。 ▽結果、行き着いた先がポゼッションとパス&ムーブを織り交ぜた攻撃サッカーだ。ただ、西野氏はそういった類の戦い方に固執した指導者では決してない。2002年にFWマグロンを軸にリアクションサッカーを展開した事実が示すように、現有戦力の個性を見極めた上で、最も適した戦い方を用いる柔軟性も併せ持つ指導者だ。 ◆G大阪に黄金期をもたらすGetty Images▽G大阪時代の功績に目を向ければ、創世記からタイトルと無縁だったチームに数々の栄冠をもたらせた。J1リーグ初制覇時の2005年は、西野サッカーが数字として表れたシーズンだった。リーグワースト3位の58失点を喫した守備面に対して、攻撃面はリーグトップの82得点。Jリーグに新たな風を吹き込んだという意味でもセンセーショナルだった。 ▽2005年を境に、西野ガンバは黄金期に突入した。柏時代の教え子であるMF明神智和、DF加地亮といった一線級の主力を加えた一方で、大黒とアラウージョを失った2006年以降は、3バックから4バックにシフトするなど、攻撃に振り切った針をやや守備寄りに。すると、2007年にJリーグカップ初制覇、2008年から天皇杯連覇を成し遂げた。 ◆ユナイテッド戦で体現した西野流の真髄Getty Images▽そして2008年、西野ガンバはAFCチャンピオンズリーグをクラブ史上初制覇。同年末に自国で行われるクラブ・ワールドカップの出場権を手にした。その準決勝で対戦したのが、アレックス・ファーガソン元監督が率い、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現レアル・マドリー)ら名前を挙げればきりがないほどスター選手を擁するマンチェスター・ユナイテッドだった。 ▽当時、欧州最強のアタッカー陣を擁したユナイテッドとの一戦。結果として真っ向勝負を挑み、3-5で打ち負けたが、西野氏はチームとして結果を求め過ぎるが故に選手個々の能力を抑え込むことを嫌う。先の就任会見で「個人のプレーに制限をかけたくない」と語った言葉が“選手ファースト”という西野流の真髄を示しているように思えてならない。 ◆Jリーグ最多勝利監督の手腕はいかにGetty Images▽その西野氏は、会見で「攻撃的な思考を求めたゲーム展開に当然したい」とも語った。さらに、「最高の化学反応をもたらせる選手選考」のフレーズも飛ばしている。だが、初タイトルまで4年間を要したG大阪時代ほど猶予はない。“化学反応”のワードを何度か口にした西野氏だが、わずか2カ月の準備期間で2年ほど離れた指導者としての勘をどう取り戻し、どう代表を立て直していくのか。重責を承った今、Jリーグ最多勝利監督の手腕を信じたい。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2018.04.13 19:00 Fri
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【2018 J1順位予想②】最終節でタイトルを逃した常勝軍団・鹿島のリベンジを予想

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンにおけるJ1の順位を予想した。 1位:鹿島アントラーズ 2位:浦和レッズ 3位:セレッソ大阪 4位:ジュビロ磐田 ▽優勝候補筆頭は、昨シーズンの最終節で川崎フロンターレに逆転を許し、連覇を逃した鹿島アントラーズを挙げたい。昨シーズンの主力を引き止めた上に、DF内田篤人が復帰。さらに、DF犬飼智也、DF安西幸輝とバックラインを補強。アジアの戦いとのバランスを考えて、しっかりと穴を埋める補強ができた。成長著しいMF三竿健斗を中心に、MFレオ・シルバ、MF小笠原満男、MF永木亮太をどう起用するか。昨シーズン終盤に大岩剛監督が判断を誤ったとも言える中盤の組み合わせの反省を生かせれば、タイトル奪還に近づくだろう。 ▽対抗馬の筆頭は、今シーズンは国内タイトルだけに集中できる昨シーズンのアジア王者である浦和レッズだ。AFCチャンピオンズリーグ(ACL)覇者でありながら、今シーズンは出場権がなく、J1、YBCルヴァンカップ、天皇杯に集中できる。FWラファエル・シルバが退団したことは大きいが、横浜F・マリノスで実績のあるMFマルティノス、湘南ベルマーレで復活を遂げたMF山田直輝、柏レイソルで攻撃のキーマンにもなっていたMF武富孝介を補強。盤石の戦力で、国内タイトルに集中できることは大きい。また、昨シーズンのルヴァンカップ王者であり、天皇杯王者でもあるセレッソ大阪も手強い相手。チームとしては昨シーズンから更なる成長が見え、懸念点はACLとの過密日程だけと言える。尹晶煥監督がしっかりとコントロールし切ることができれば、初のリーグタイトルも大きな可能性をがあるだろう。 ▽また、4位と予想したジュビロ磐田は、昨シーズンからの上積みが期待される。名波浩監督が構築した守備戦術は、昨シーズンのJ1リーグで結果を残した。今シーズンも陣容に大きな変化はなく、残された課題は攻撃面。いかに効率よく得点を奪い、勝ち点3を積み上げられるかで3位以内も見えてくるだろう。 5位:柏レイソル 6位:ガンバ大阪 7位:サガン鳥栖 8位:川崎フロンターレ ▽上位陣をかき乱してくれそうなのが、柏レイソル、ガンバ大阪、サガン鳥栖、川崎フロンターレの4クラブ。とりわけ、柏、鳥栖、川崎Fの3クラブは昨シーズンからの上積みが見込まれており、指揮官の交代もないためにチームの成熟度は問題ない。鳥栖に関しては、得点力がどこまで伸びるか。しっかりとした戦術と守備が構築されていることを考えれば、得点源が確保できるだけで優勝争いも見えてくる。 ▽柏と川崎Fの懸念点は、ACLとの二足の草鞋を履けるかどうか。アジアタイトルを目指す両チームにとっては、ワールドカップで中断するまでの過密日程が大きく影響すると見る。柏は降格した大宮アルディージャからMF江坂任、MF瀬川祐輔、同じく降格したアルビレックス新潟からMF小泉慶、FW山崎亮平と主力級を獲得。さらに、ペルーからMF澤昌克が復帰するなど、戦力は整えた。しかし、チームにフィットするまでにどれだけ時間が掛かるかで、大きく結果が変わるだろう。また、川崎FもFW大久保嘉人が復帰し、横浜FMからFW齋藤学を獲得するなど戦力補強に動いた。しかし、彼らがどのタイミングでフィットするかは未知数。特殊なサッカーをする両チームだけに、新戦力がサッカーを理解できるかが浮沈のカギを握るだろう。 ▽6位と予想したG大阪は、レヴィー・クルピ監督が標榜するサッカーをどこまで早く体現できるかが懸念だ。浦和同様に国内タイトルに集中できる環境だけに、しっかりとチームへ戦い方が落とし込まれれば、トップ3も狙えるだろう。攻撃サッカーの復活にも期待が懸かる。 9位:横浜F・マリノス 10位:名古屋グランパス 11位:ヴィッセル神戸 12位:ベガルタ仙台 13位:北海道コンサドーレ札幌 ▽横浜F・マリノス、名古屋グランパス、ヴィッセル神戸、ベガルタ仙台、北海道コンサドーレ札幌が中位を争うと予想。しかし、博打的な要素がハマれば、いずれのチームも上位進出の可能性を秘めている。9位と予想した横浜FMは、オーストラリア代表をロシア・ワールドカップに導いたアンジェ・ポステコグルー監督が就任。今までとは違い、守備ラインを高く設定し、5レーンを使ったサイド攻撃の活性化を推し進めている。ポゼッションを高めるサッカーに慣れていない選手たちが、どのタイミングで理解し結果に繋げられるかがポイントとなるだろう。 ▽10位と予想した名古屋グランパスは、元ブラジル代表FWジョー、オーストラリア代表GKランゲラックを補強。J1復帰シーズンに懸ける強い思いが、オフシーズンの動きからも見て取れる。しかし、風間八宏監督のサッカーを体現するのはそう簡単ではない。新戦力がハマるのか、また1年間J1から離れていたことがどう左右するのか。昨シーズンのC大阪のように飛躍する可能性は十分に秘めている。 ▽また、11位予想の神戸はFWルーカス・ポドルスキがフルシーズン稼働する。片鱗を見せつけたワールドクラスのプレーをどこまで表現できるかがカギ。また、タイ代表DFティーラトン・ブンマタンのフィットもカギとなるだろう。12位予想のベガルタ仙台は、昨シーズン見せた渡邉晋監督のサッカーの継続が結果に繋がるかが大きなポイントとなるだろう。内容では相手を上回りながらも結果を残せなかった昨シーズンの課題は得点力。今シーズンもFW石原直樹に頼りきりになるようでは、上位進出は難しい。しかし、その課題さえクリアすれば、一桁順位は見えてくるだろう。13位予想の北海道コンサドーレ札幌もミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招へい。チームのレベルアップを目指した監督交代となった。得点源のFWジェイがフル稼働し、攻撃的に戦うスタイルが早く浸透すれば、一桁順位は見えてくるだろう。 14位:FC東京 15位:サンフレッチェ広島 16位:湘南ベルマーレ 17位:清水エスパルス 18位:V・ファーレン長崎 ▽残留争い、降格チームに予想したのは、FC東京、サンフレッチェ広島、湘南ベルマーレ、V・ファーレン長崎、清水エスパルスの5チーム。FC東京は、長谷川健太監督を招へいし、FWディエゴ・オリヴェイラ、FW富樫敬真、MF大森晃太郎と攻撃陣を補強。しかし、チームとしての形が見えて来ず、先制点を奪えない試合では苦しい戦いが強いられると見る。確実に勝ち点を積み重ねていく長谷川監督のサッカーが結果に繋がれば良いが、思うほどに勝ち点が積み上がらない場合は下位に沈むだろう。 ▽15位予想のサンフレッチェ広島も同様だ。城福浩監督が新たに指揮を執ることになり、磐田で経験を積んだMF川辺駿、前線にはタイ代表FWティーラシン・デーンダーを補強した。しかし、大きな変化がチームにもたらされることはなく、昨シーズンの低迷を払拭できるかは疑問符がつく。城福監督の下で、しっかりと攻撃でイニシアチブを握るサッカーができるかが順位を左右するだろう。 ▽入れ替え戦予想は、J2王者の湘南ベルマーレだ。今オフはMF山田直輝が古巣の浦和に復帰し、攻撃の核を失ってしまった。しかし、MF小林祐介、MF梅崎司、MFミキッチ、FWイ・ジョンヒョプと実力者を補強。大幅な戦力ダウンとはならないものの、湘南スタイルをどこまで体現できるかがカギを握る。課題の得点力が解決できれば、残留争いは免れるだろう。 ▽自動降格圏の2チーム。17位の清水は、ヤン・ヨンソン監督を招へいしたものの、昨シーズンぎりぎりで残留したチームとしては物足りない補強となった。戦力の上積みがあまりない状況で、戦い方の変更で上位に行ける可能性は少ないと見る。FW鄭大世、FWクリスランの併用や、ボランチの組み合わせ、右サイドの人材不足と課題が残っており、今シーズンも厳しい戦いになりそうだ。 ▽そして、最下位予想は初のJ1に挑戦する長崎だ。DF徳永悠平やMF中村北斗など地元出身のベテラン選手を補強したものの、J1での経験値が低い選手が多い。高木琢也監督のサッカーがJ1のシーズンを通して通用するために、選手の経験値が不可欠。個の勝負での脆さをチーム戦術で乗り越えられなければ、降格は免れないだろう。 2018.02.23 17:46 Fri
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【2018 J1順位予想①】優勝筆頭に監督力抜群のユン・セレッソ!

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンにおけるJ1の順位を予想した。 1位:セレッソ大阪 2位:浦和レッズ 3位:川崎フロンターレ 4位:鹿島アントラーズ ▽優勝候補筆頭は昨シーズン、クラブ史上初タイトルのルヴァンカップと天皇杯の2冠に輝いたセレッソ大阪。長丁場のリーグ戦において重要な要素である継続性と安定性、そして、尹晶煥監督の監督力でC大阪を優勝候補に挙げる。 ▽優勝争いを盛り上げてくれそうなのが、浦和レッズ、川崎フロンターレ、鹿島アントラーズ。公式戦3連敗の成績を見ると気がかりな川崎Fだが、浦和と鹿島を含めて潜在能力を考えれば、C大阪の対抗馬予想は固い。 ▽中でも、注目は浦和だ。今シーズンにおいて過密日程を強いられるACLがない上に、チームとしての自力も申し分ない。FWラファエル・シルバの穴埋めがしっかりとなされれば、優勝争いも十分に期待できる。 5位:柏レイソル 6位:ジュビロ磐田 7位:FC東京 8位:ガンバ大阪 ▽上位をかき乱してくれそうなのが、柏レイソル、ジュビロ磐田、FC東京、ガンバ大阪。中でも、今オフに充実の補強を行った柏は、3年ぶりに参戦のACLとの日程を乗り越えられれば、優勝争いを面白くしてくれそうな存在だ。 ▽次点に注目するのが磐田。サンフレッチェ広島に復帰したMF川辺駿の抜けた穴をMF田口泰士がどうカバーするか。また、昨年途中に復帰したMF山田大記がどう順応するか。両選手の活躍が昨年を上回る躍進の鍵になりそうだ。 ▽そして、長谷川健太監督就任のFC東京と、レヴィー・クルピ新監督のG大阪は中位を予想するが、飛躍の可能性も。現時点で未知数な要素をどう改善させられるかで、優勝争いに食い込むだけのポテンシャルが十分ある。 9位:サガン鳥栖 10位:名古屋グランパス 11位:サンフレッチェ広島 12位:ヴィッセル神戸 13位:横浜F・マリノス ▽サガン鳥栖、名古屋グランパス、広島、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノスも上位の可能性があるが、“ハマれば感”が強く、中位を予想。タレント力で申し分ない陣容だけに、キッカケさえ掴めれば、上位進出も夢ではない。 14位:北海道コンサドーレ札幌 15位:ベガルタ仙台 16位:湘南ベルマーレ 17位:清水エスパルス 18位:V・ファーレン長崎 ▽下位は北海道コンサドーレ札幌、ベガルタ仙台、湘南ベルマーレ、V・ファーレン長崎、清水エスパルスを予想。“困ったときの武器”が少なく、勝ち点の積み上げに苦しみそう…。中でも、戦力面で、長崎と清水は気がかりだ。 2018.02.23 17:45 Fri
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【J1開幕直前クラブガイド】まだ見ぬJ1の大海原へ…初航海を一団となりを乗り越えられるか《V・ファーレン長崎》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第18弾はV・ファーレン長崎を紹介する。 ◆クラブ史上初のトップリーグ挑戦【ノルマ:残留】(C)CWS Brains,LTD.▽2018シーズンの最も大きなトピックでもある長崎のJ1初挑戦。ノルマは、“残留”となるだろう。 ▽昨シーズンは長いJ2のシーズンを通して連敗は2度。第30節からは13戦無敗、ラスト4試合は4連勝と勢いに乗ってJ1昇格を決めている。 ▽高木琢也監督の下6シーズン目を迎える長崎は、J2との差を痛感する試合も少なくないだろう。選手にもJ1経験者が多いとは言えず、序盤の約3カ月で15試合のリーグ戦をこなすことを考えても、良いスタートを切れるかが残留に向けたカギとなるはずだ。したたかなゲーム運びに加え、着実に勝ち点を積み重ねることが重要となる。 ◆地元出身者のベテランと共に【補強達成度:C】Getty Images▽初のJ1挑戦に向け、14名の選手を迎え入れた長崎。中でも注目は、地元長崎県出身で経験も豊富なDF徳永悠平とDF中村北斗の補強だろう。 ▽世代別の日本代表やA代表も経験している両選手が、地元へ帰還。長崎県民にとっても、国見高校OBの2人が揃う光景は待ち望んだものと言えるだろう。 ▽その他にも、鹿児島県出身で国見高校出身のGK徳重健太をヴィッセル神戸から獲得。さらに、アルビレックス新潟からFW鈴木武蔵、ハイデンハイム(ドイツ)からMFベン・ハロランも獲得し、攻撃陣にも手を加えた。 ▽また、大卒選手を3名獲得しており、J1に残留した先を見据えた補強も行っているものの、J1を戦い抜ける攻撃陣を揃えられたとは言い難い状況だ。 【IN】 GK増田卓也(28)←サンフレッチェ広島/期限付き延長 GK徳重健太(33)←ヴィッセル神戸/完全 DF徳永悠平(34)←FC東京/完全 DF本多琢人(22)←東海学園大学/新加入 DFチェ・キュベッック(24)←蔚山現代(韓国)/完全 MF新里涼(22)←順天堂大学/新加入 MF米田隼也(22)←順天堂大学/新加入 MF黒木聖仁(28)←ヴァンフォーレ甲府/完全 MF中村北斗(32)←アビスパ福岡/完全 MF中原彰吾(23)←北海道コンサドーレ札幌/期限付き MF名倉巧(19)←FC琉球/完全 FW鈴木武蔵(24)←アルビレックス新潟/完全 FW平松宗(25)←アルビレックス新潟/期限付き延長 FWベン・ハロラン(25)←ハイデンハイム(ドイツ)/完全 【OUT】 GK三浦雄也(28)→引退 GKソン・ヨンミン(22)→カマタマーレ讃岐/完全 DF村上佑介(33)→引退 MF丸岡満(22)→セレッソ大阪/期限付き終了 MFミゲル・パジャルド(31)→退団 MF林田隆介(18)→ヴェルスパ大分/期限付き MF養父雄仁(33)→藤枝MYFC/完全 MF宮本航汰(21)→清水エスパルス/期限付き満了 MF古部健太(32)→モンテディオ山形/完全 MF田中輝希(25)→アミティエSC京都/完全 MF小野寺達也(30)→ギラヴァンツ北九州/期限付き→完全 FW畑潤基(23)→アスルクラロ沼津/期限付き延長◆超WS編集部イチオシ選手 Getty ImagesDF徳永悠平(34) 2017シーズン(J1) 24試合出場▽初のJ1昇格となる長崎のカギを握るのは、地元帰還となった徳永だろう。国見高校、早稲田大学と進学し、2004年に行われたアテネオリンピックを経験。その後FC東京でプロキャリアをスタートさせると、2009年にはA代表にも招集。長崎において、最も経験値のある選手だ。 ▽3バックの一角に入ることが予想されるが、その経験から守備陣のコントロールを任させることになるはずだ。身体能力の高さに加え、経験からくる読みの鋭さ、頭を使ったプレーで高木監督のタッカーを体現し、目標であるJ1残留への旗手となることが期待される。 ◆2018シーズンの予想布陣[3-4-2-1] (C)CWS Brains,LTD.GK:増田卓也 DF:乾大知、髙杉亮太、徳永悠平 MF:飯尾竜太朗、黒木聖仁、島田譲、翁長聖 MF:澤田崇、ベン・ハロラン FW:ファンマ▽昨シーズンも採用していた[3-4-2-1]を継続すると見られる。髙杉は「4バックにチャレンジできるぐらいベースが浸透している」と語る通り、高木監督の下でプレーを続けている選手も多く、大きな問題は起こらないだろう。 ▽守護神は昨シーズンもゴールを守ったGK増田卓也、3バックは昨シーズン同様にDF乾大知、DF髙杉亮太が務め、左に新加入の徳永が入ると予想する。 ▽中盤も右のウイングバックにMF飯尾竜太朗、左のウイングバックにMF翁長聖と主力を並べ、ボランチの一角にもMF島田譲が入ると予想する。相方は、甲府から加入したMF黒木聖仁が入ると見る。 ▽セカンドトップには、昨シーズン40試合に出場したMF澤田崇とオーストラリア人MFベン・ハロランが入ると予想。1トップは昨シーズンのチーム得点王であるFWファンマが入ると見る。 ▽新加入のFW鈴木武蔵やMF名倉巧、MF中村北斗、DFチェ・キュベックなど新戦力のバックアップメンバーも揃っており、MF前田悠佑、MF幸野志有人、DF田代真一、DF田上大地と昨シーズンの主力も居るだけに、高木監督がどの様なメンバーを相手に合わせて起用するか、その手腕にも期待だ。 2018.02.22 22:00 Thu
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【J1開幕直前クラブガイド】戦術浸透に重きを置くフィッカデンティの判断は吉か凶か《サガン鳥栖》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第17弾はサガン鳥栖を紹介する。 ◆戦術浸透で上位進出へ【ノルマ:ひと桁順位】(C)CWS Brains,LTD.▽鳥栖に堅守速攻スタイルを浸透させたマッシモ・フィッカデンティ監督が3シーズン目の戦いを迎える。就任初年度は11位と下位に低迷するも、昨シーズンは8位と順位を上げており、新シーズンに懸かる期待は大きい。 ▽戦術家のイタリア人指揮官は「昨シーズンよりも良い状況にするというのはノルマ」と、上位進出を見据える。しかし、ストーブリーグでの補強はわずか4人と大きな戦力補強は行わず。さらなる躍進を遂げるためには「戦術的な部分で色々なバリエーションを増やしたい」との言葉通り、これまでの2シーズンで積み上げた戦術に、どの様な手を加えるのか、指揮官の手腕にかかっている。 ▽大きな変化を行わず、戦術の浸透に重きを置いたフィッカデンティ監督の判断は吉と出るか凶と出るか――。 ◆問題点は解消されず…中盤トライアングルがフルシーズン戦えるか【 補強達成度:C 】Getty Images▽昨シーズンの鳥栖は中盤のトライアングルに支えられていたと言っても過言ではない。インサイドハーフに入るMF原川力が33試合、MF福田晃斗が29試合に出場し、アンカーの高橋義希が34試合に出場した。 ▽ストーブリーグでは彼らに代わる選手を補強して中盤に厚みをもたらせたいところだったが、アンカーにMF高橋秀人を獲得したのみ。新シーズンも、昨シーズンの主力3人にかかる負担が大きくなるだろう。 ▽また右サイドバックにDF安在和樹を獲得。昨シーズンはDF藤田優人が23試合、DF小林祐三が19試合と指揮官は一番手を決めかねていたポジションだけに、誰が務めるのかは1つの鍵となるだろう。また、逆輸入として注目を集めるMF伊藤遼哉にも期待だ。ヨーロッパでサッカーを学んだこともあり、個の能力としても戦術の理解度としても、期待を寄せられる選手。どのタイミングで戦力として計算できるのかも注目だ。【IN】 DF高橋祐治(24)←京都サンガF.C/完全 DF安在和樹(23)←東京ヴェルディ/完全 MF伊藤遼哉(19)←デュッセルドルフU19(ドイツ)/完全 MF原川力(24)←川崎フロンターレ/期限付き→完全 MF高橋秀人(30)←ヴィッセル神戸/完全 【OUT】 DF坂井達弥(27)→モンテディオ山形/完全 DF青木剛(35)→ロアッソ熊本/完全 DF菊地直哉(33)→北海道コンサドーレ札幌/完全 MF小川佳純(33)→アルビレックス新潟/完全 MF太田徹郎(28)→ラインメール青森/完全 MF中美慶哉(26)→松本山雅FC/完全 FW豊田陽平(32)→蔚山現代(韓国)/期限付き FW富山貴光(27)→大宮アルディージャ/完全◆超WS編集部イチオシ選手 Getty ImagesMF原川力(24) 2017シーズン(J1) 33試合出場7得点▽京都サンガF.C.での活躍により川崎フロンターレへ移籍するも、厚い中盤の選手層に阻まれ、昨シーズンは鳥栖でプレー。川崎Fでの挫折を味わいながらも、新天地の鳥栖で輝きを取り戻した。原川にとって、昨シーズンの活躍がフロックでないことを証明しなければいけないシーズンとなる。 ▽視野の広さを活かし、一気にチャンスを作り出すスルーパスに定評があった中、昨シーズンは精度の高いFKでも結果を残した。中盤の選手ながら7ゴールを奪ってチームの得点王に輝いたのは、サプライズとも言える。 ▽それだけに、新シーズンは原川に対する相手チームのマークが厳しくなるのは想像に難しくない。さらに、前述の通りチームがインサイドハーフの補強を行わなかったことは負担が大きさにも繋がるだろうが、裏を返せば指揮官からの期待の大きさともいえる。チーム同様に「昨シーズンを超えること」がノルマとなるだろう。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-3-1-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:権田修一 DF:藤田優人、キム・ミンヒョク、チョン・スンヒョン、吉田豊 MF:福田晃斗、高橋義希、原川力 MF:河野広貴 FW:ビクトル・イバルボ、小野裕二▽昨シーズンの主力が残留しており、新加入選手も4選手と最低限のためスタメンが大きく変わるとは予想しにくい。そのため、新シーズンも引き続き[4-3-1-2]のフォーメーションを採用するだろう。 ▽ポジションごとに見ると守護神は権田修一で間違いない。バックラインは前述のとおり右サイドバックでメンバーの入れ替わりがある可能性がある。その他はDFキム・ミンヒョクとDFチョン・スンヒョンのセンターバックコンビにDF吉田豊が左サイドバックを務める。 ▽アンカーとインサイドハーフは不動の3選手が務め、MF河野広貴がトップ下に入って攻撃のタクトを振るう。また、新加入のMF伊藤遼哉もトップ下での起用が見込まれる。FW豊田陽平が抜けた最前線は、FWビクトル・イバルボを軸にFW小野裕二、FW田川亨介、FW池田圭が残る1枠を争うことになるだろう。いずれにしても、フィッカデンティ監督の戦術を理解している選手が多く、昨シーズンを上回る結果を残す可能性は大いにある。 2018.02.22 21:55 Thu
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【J1開幕直前クラブガイド】充実の火力! “ムービング・フットボール”で上位を狙う《サンフレッチェ広島》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初の金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来を先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第16弾はサンフレッチェ広島を紹介する。 ◆城福監督の手腕はいかに?! 高火力を操り上位進出へ!【ひと桁順位】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは悪夢の連続ではあったが、ヤン・ヨンソン監督に率いられたチームは、終盤の2度の連勝などで15位に浮上し薄氷の残留を手にした。城福浩新監督を迎え、再起を図らんとする新シーズンは、去年までの主力をキープしつつ、新たに即戦力となり得る実力者を獲得している。 ▽気になるのは城福監督の手腕だが、これまでアンダー世代の日本代表やヴァンフォーレ甲府、FC東京の監督を歴任しており、甲府では就任1年目でJ2優勝に導いた実績を持つ。ボールも選手も連動して動かしていく “ムービング・フットボール”を基本戦術とし、プレシーズンマッチでも勝利を重ねており、新戦力も好調を維持。城福監督は、選手起用に頭を悩ますことになりそうだ。 ◆攻撃陣に充実の戦力補強 【補強達成度:B】(C)CWS Brains,LTD.▽今回の補強はディフェンスからオフェンスまで満遍なく行った。昨シーズン、得点不足に陥った最前線には、徳島ヴォルティスで23得点を挙げ、昨季のJ2で日本人得点王になったFW渡大生と“タイの英雄”FWティーラシンを獲得。また、“ムービング・フットボール”を掲げる城福監督のサッカーにおいて肝となりそうなインサイドハーフには、3年間の期限付き移籍を経てジュビロ磐田からMF川辺駿を呼び戻した。 ▽主力メンバーの放出は避けられ、大きく戦力ダウンしたポジションは見当たらない。だが、長年広島のディフェンスラインを支え続けるDF水本裕貴とDF千葉和彦の代わりとなれる選手の確保ができていないことも事実。両選手とも今年で33歳を迎えるため、早いところ後釜候補を見つけたいところだが…。【IN】 DF和田拓也(27)←大宮アルディージャ/完全 DF馬渡和彰(26)←徳島ヴォルティス/完全 MF吉野恭平(23)←京都サンガF.C./期限付き復帰 MF川辺駿(22)←ジュビロ磐田/期限付き復帰 MF川井歩(18)←サンフレッチェ広島ユース/昇格 MF川村拓夢(18)←サンフレッチェ広島ユース/昇格 FWティーラシン(29)←ムアントン・ユナイテッド(タイ)/期限付き FW渡大生(24)←徳島ヴォルティス/完全 【OUT】 DFイヨハ理ヘンリー(19)→FC岐阜/期限付き DF椋原健太(28)→セレッソ大阪/期限付き移籍期間満了 DF川崎裕大(25)→横浜FC/完全 DF大谷尚輝(22)→FC町田ゼルビア/完全 MF長沼洋一(20)→FC岐阜/期限付き MFミキッチ(37)→湘南ベルマーレ/完全 MF茶島雄介(26)→ジェフユナイテッド千葉/期限付き MF丸谷拓也(28)→大分トリニータ/完全 FWネイサン・バーンズ(29)→ウェリントン・フェニックス(オーストリア)/完全 FWアンデルソン・ロペス(24)→FCソウル(韓国)/期限付き移籍期間満了 FW宮吉拓実(25)→北海道コンサドーレ札幌/完全 FW皆川佑介(26)→ロアッソ熊本/期限付き FWピーター・ウタカ(33)→未定/契約満了◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.MF川辺駿(22) 2017シーズン(J1) 32試合出場5得点▽新シーズン注目となるのは4年ぶりに古巣復帰となったMF川辺駿だ。3年間ジュビロ磐田で武者修行を積んだ広島出身MFは、昨季はJ1で32試合に出場し5得点4アシストをマーク。磐田の堅守速攻に欠かせない中心選手であった。 ▽豊富な運動量とパスセンスが光る若き逸材は、ボランチでもトップ下でもプレー可能で、城福監督に選択の幅をもたらせることは間違いない。また、世代交代を見据える広島にとって22歳という年齢も期待せざるを得ない理由1つ。磐田で得た経験をどこまで広島に還元できるか期待したい。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-3-3](C)CWS Brains,LTD.GK:林卓人 DF:和田拓也、千葉和彦、水本裕貴、佐々木翔 MF:川辺駿、青山敏弘、柴崎晃誠 FW:フェリペ・シウバ、パトリック、柏好文▽予想フォーメーションはアンカーを置く[4-3-3]を予想する。GKは昨シーズン終盤にケガから復帰した林卓人。センターバックにはお馴染みのDF千葉和彦とDF水本裕貴が有力だ。昨季後半戦でDF丹羽大輝が務めた右サイドバックには新加入のDF和田拓也を、左サイドバックにはケガからの復活を期すDF佐々木翔を選出した。 ▽中盤はMF青山敏弘をアンカーに、MF川辺駿とMF柴崎晃誠がインサイドハーフとしてコンビを組み、3トップは右にMFフェリペ・シウバ、左にMf柏好文、センターにFWパトリックというのが妥当だろう。 ▽プレシーズンマッチ最後となったレノファ山口FCとの試合では、[4-4-2]のフォーメーションを採用した広島。FWパトリックとFWティーラシンを2トップに据え、右サイドに川辺駿、左サイドに柏、MF稲垣祥とMF青山敏弘がダブルボランチを組んだ。より攻撃的なこの布陣では、FW工藤壮人、FW渡大生も控える個性豊かなアタッカー陣をより生かすことができそうだ。 2018.02.22 21:45 Thu
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【J1開幕直前クラブガイド】新スタイルへの飛躍元年《ヴィッセル神戸》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第15弾はヴィッセル神戸を紹介する。 ◆“アジアナンバーワン”への転換期に【ノルマ:上位争い】(C)CWS Brains,LTD.▽ネルシーニョ監督体制3年目として飛躍を誓いスタートさせた昨シーズン。FW田中順也やDF渡部博文など実力の確かな選手を迎え入れて臨んだが、チームの得点源であったFWレアンドロの負傷により落ちた攻撃力を取り戻せないまま、ネルシーニョ監督は解任となり、夏に入団したFWルーカス・ポドルスキ、FWハーフナー・マイクも大爆発とは言い難いパフォーマンスに終わった。 ▽リベンジを図る今シーズンは、昨シーズン途中から指揮を執る吉田孝行監督の続投が決定。新体制発表会では、立花陽三社長から「アジア・ナンバーワンを狙う」、「バルセロナを目指す」という大きな野望まで飛び出した。新設のスポーツディレクターに就任した三浦淳寛氏も「ゲームを支配し、相手を動かすスタイルに」と語るなど、“堅守速攻”の印象が強い神戸は転換期を迎えようとしている。これは、一朝一夕に成し遂げられることではないだろう。 ▽なればこそ、着実に眼を向けるべきは継続性であり、結果に捉われすぎないスタイルの確立は必須。“新生ヴィッセル神戸”のお披露目となる今シーズン、世界を驚かせるための旋風は、ここが始まりとなる。 ◆実力者を続々確保【補強達成度:B】(C)CWS Brains,LTD.▽最終ラインに関しては、主力DF岩波拓也を放出したがより経験のあるDF那須大亮を補強。また、未知数ではあるものの“悪魔の左足”とも称されるタイ代表DFティーラトン・ブンマタンも獲得した。中盤には、実力者であるMFチョン・ウヨンとMF三田啓貴を迎え入れ、“繋ぎ役”を確保。また、青森山田高校で10番を背負っていたMF郷家友太は高校No.1との呼び声も高く、184cmと恵まれた体格ながら足下の技術にも優れた期待の万能アタッカーだ。さらに、既に豪華な陣容の前線には明治安田生命J2リーグ通算92試合46ゴールの実績を持つFWウェリントンが加入となり、J屈指の層の厚さとなっている。【IN】 GK荻晃太(34)←名古屋グランパス/完全 DFティーラトン・ブンマタン(28)←ムアントン・ユナイテッド(タイ)/期限付き DF那須大亮(36)←浦和レッズ/完全 DF宮大樹(21)←びわこ成蹊スポーツ大/新加入 MFチョン・ウヨン(28)←重慶力帆FC(中国)/完全 MF三田啓貴(27)←ベガルタ仙台/完全 MF郷家友太(18)←青森山田高/新加入 FWウェリントン(30)←アビスパ福岡/完全 FW佐々木大樹(26)←ヴィッセル神戸U-18/昇格 【OUT】 GK徳重健太(33)→V・ファーレン長崎/完全 DF山口真司(21)→大分トリニータ/期限付き DF東隼也(20)→福島ユナイテッドFC/期限付き DF岩波拓也(23)→浦和レッズ/完全 MF田中英雄(34)→テゲバジャーロ宮崎/完全 MF高橋秀人(30)→サガン鳥栖/完全 MFウエスクレイ(26)→セアラ(ブラジル)/期限付き MF小林成豪(24)→モンテディオ山形/期限付き MF松村亮(23)→AC長野パルセイロ/完全 MF大森晃太郎(25)→FC東京/完全 MFニウトン(30)→ECバイーア(ブラジル)/完全 FW向井章人(19)→MIOびわこ滋賀/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手 Getty ImagesMF三田啓貴(27) 2017シーズン(J1) 33試合出場5得点▽キープレーヤーは、アクションサッカーを標榜したベガルタ仙台の中心となった、MF三田啓貴だ。三田は、長短のパスを組み合わせてのゲームの組み立てができる選手であり、プレースキックを担当することも。神戸がバルセロナスタイルを目指すのであれば、彼が輝きを放つことは必須。また、仙台時代にチームスタイルの過渡期を過ごした経験も、神戸にとって大きな助けとなる。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:キム・スンギュ DF:高橋峻希、那須大亮、渡部博文、橋本和 MF:小川慶治朗、藤田直之、三田啓貴、渡邉千真 FW:ポドルスキ、ウェリントン▽フォーメーションは[4-3-3]も考えられるが、昨シーズンも機軸としていた[4-4-2]を継続する可能性は高い。最前線にはフィジカル能力に優れるFWウェリントン、新キャプテンとなった大物FWポドルスキがコンビを組むだろう。FW田中順也やFWハーフナー・マイクは状況に応じた起用となる。 ▽中盤には、得点能力に優れるFW渡邉千真が左サイドを務め、右サイドには精力的なアップダウンから裏を取る動きが魅力のFW小川慶治朗の存在が欠かせない。また、中盤ではMFチョン・ウヨン、MF三原雅俊など実力者がひしめく中、よりチャンスに与するMF藤田直之とMF三田啓貴を配して監督の標榜する“攻撃的なサッカー”を形作っていくだろう。 ▽また、最終ラインについては昨シーズンの堅い守備を基盤とするならば大きな変更を加えることは考え難い。DF岩波拓也の抜けた穴に、そのままDF那須大亮をはめ込む形が確定的だろう。DFティーラトンについては、パフォーマンスやリーグへの適応具合を考慮しつつ、DF橋本和との競争となる。 2018.02.21 18:10 Wed
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【J1開幕直前クラブガイド】“ジンクス“連破”で桜軍団黄金期構築へ《セレッソ大阪》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第14弾はセレッソ大阪を紹介する。 ◆継続&発展で真価証明を【ノルマ:優勝争い】(C)CWS Brains,LTD.▽J1復帰初年度の昨シーズンは明治安田生命J1リーグで3位と躍進。さらに、YBCルヴァンカップと天皇杯を制覇してクラブ初タイトル獲得と共に、2冠を達成した充実したシーズンを送った。規律とハードワークを重んじる尹晶煥監督の下、魅せるサッカーから勝つサッカーへ変貌を遂げて、J1昇格プレーオフ覇者の1年での降格というジンクスも破った。 ▽最高の1年を過ごして迎える新シーズンのテーマは「継続」と「発展」。その一つとして尹晶煥監督は「ポゼッションの向上」を掲げており、先日行われたFUJI XEROX SUPERCUPの川崎フロンターレ戦(3-2)、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)開幕戦となった済州ユナイテッドFC戦(1-0)では早くもその兆候が見られ、その仕上がり具合に期待は高まるばかりだ。 ▽しかし、C大阪にはもう一つ破らなくてはいけないジンクスがある。それは「優勝争いした翌年の低迷」だ。4年ぶりに参戦するACLを含め、昨シーズンよりも試合数が増加。さらに、ワールドカップイヤーということもあり、序盤戦は過密日程が組まれている。C大阪としては真価が問われるシーズンとなるが、築き上げた堅守速攻を発展させ、タイトル獲得によって得た勝負強さを発揮することができれば、2つ目のジンクス破りももちろん、さらなるタイトル獲得で黄金期の到来も期待できる。 ◆充実した補強で選手層拡充【補強達成度:A】Getty Images▽海外移籍が噂されたエースFW杉本健勇の残留に加え、右サイドを活性化させ続けたMF水沼宏太を完全移籍で確保し、昨季の主力全員の慰留に成功。さらにACLを並行する戦いに向けて、DF片山瑛一、MF田中亜土夢、FW高木俊幸、そして尹晶煥監督の教え子でもあるFWヤン・ドンヒョンといった上積みを期待できる実力者を獲得して厳しい戦いを乗り切るための陣容を整えた。 ▽若手ではU-23タイ代表のチャウワット・ヴィラチャードの他に、大卒のGK永石拓海、ユース出身のFW中島元彦やFW山田寛人、高卒の高校No.1FW安藤瑞季といった年代別日本代表の逸材も獲得。当面はU-23チームでのプレーがメインとなりそうだが、将来を見据えた充実したメンバーを揃えている。【IN】 GK永石拓海(21)←福岡大学/新加入 DF片山瑛一(26)←ファジアーノ岡山/完全 MF田中亜土夢(30)←HJKヘルシンキ(フィンランド)/完全 MFチャウワット・ヴィラチャード(21)←バンコク・グラス(タイ)/期限付き MF水沼宏太(27)←FC東京/期限付き→完全 MF魚里直哉(22)←関西国際大学/新加入 FW中島元彦(18)←セレッソ大阪ユース/昇格 FW山田寛人(17)←セレッソ大阪ユース/昇格 FW安藤瑞季(18)←長崎総合科学大附属高校/新加入 FW高木俊幸(26)←浦和レッズ/完全 FWヤン・ドンヒョン(31)←浦項スティーラース(韓国)/完全 【OUT】 GKアン・ジュンス(20)→鹿児島ユナイテッドFC/期限付き GK圍謙太朗(26)→アビスパ福岡/期限付き GK武田博行(34)→東京ヴェルディ/完全移籍 DF温井駿斗(21)→栃木SC/完全 DF庄司朋乃也(20)→ツエーゲン金沢/期限付き延長 DF池田樹雷人(21)→愛媛FC/完全 DF椋原健太(28)→ファジアーノ岡山/完全 MF関口訓充(32)→契約満了 MF阪本将基(21)→鹿児島ユナイテッドFC/完全 MF前川大河(21)→徳島ヴォルティス/期限付き延長 MF丸岡満(22)→レノファ山口FC/期限付き MF清原翔平(30)→ツエーゲン金沢/完全 FW岸本武流(20)→水戸ホーリーホック/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手 (C)CWS Brains,LTD.MF山口蛍(27) 2017シーズン(J1) 32試合出場2得点▽昨季に続くタイトル獲得のキーマンになるのは日本代表MF山口蛍だ。昨季は明治安田生命J1リーグ32試合に出場して2ゴールを記録。リーグ最多となるインターセプト数を誇り、幾度となく攻撃を加速させた。また、日本代表としてはアジア最終予選8試合に出場してロシア・ワールドカップ出場に貢献。厳しいアジアの戦いを潜り抜けてきただけに、ACLでの活躍にも期待がかかる。 ▽そして今季は3年ぶりにキャプテン就任。「去年と一昨年に(柿谷)曜一朗くんがやって結果が出ているのでプレッシャーはある」と語るように、一昨年のJ1昇格、そして昨季の2冠を達成して大躍進を見せたチームを引っ張るのはかなりの重責だ。それでも4年前にキャプテンを務めながら負傷でシーズン後半を棒に振り、チームもJ2降格となった苦い思い出があるだけに、主将を託された今季に懸ける思いは強いはずだ。 ▽10日に行われたFUJI XEROX SUPERCUPの川崎F戦では精力的なプレーで存在感を発揮し、先制点を記録するなど個人としても好スタートを切った今季の活躍は、期待せずにはいられない。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:キム・ジンヒョン DF:松田陸、マテイ・ヨニッチ、木本恭生、丸橋祐介 MF:水沼宏太、山口蛍、ソウザ、清武弘嗣 FW:杉本健勇、柿谷曜一朗▽ここまでの公式戦2試合から今年も[4-4-2]がベースとなり、スターティングメンバーも変化がないことを予想する。最終ラインではDFマテイ・ヨニッチがセンターバックの一角に当確で、相棒はベテランDF山下達也と昨季台頭したDF木本泰生が争うことになりそうだ。前線では川崎F戦で得点を奪った高木俊幸とアシストを記録したヤン・ドンヒョンが済州戦にも出場。すでにレギュラー争いに参戦している。19日にMF清武弘嗣が全治6週間のケガを負ったことからも、開幕序盤の左MFは高木が務めることとなりそうだ。 ▽昨季の尹晶煥監督は、「リーグ戦組」と「ルヴァン組」にチームを二分した戦略でシーズンを戦った。今季の戦い方にも注目が集まるが、新加入を含めて多種多様な選手が存在しており、対戦相手や試合状況、コンディションに応じて様々な入れ替えが行われそうだ。 2018.02.21 18:05 Wed
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【J1開幕直前クラブガイド】テーマは攻撃のガンバ復活…名伯楽レヴィー・クルピの下、奪還を《ガンバ大阪》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第13弾はガンバ大阪を紹介する。 ◆新章へ【ノルマ:ACL出場権争い】(C)CWS Brains,LTD.▽2017シーズン、常勝を至上命題とするチームとして許されない失態を晒したG大阪。昨年限りで5年間の長谷川健太政権に終止符を打ち、今シーズンからかつてセレッソ大阪を率い、「若手育成」と「攻撃的スタイル」に定評のあるレヴィー・クルピ監督に命運を託す。チームとして再建段階だが、目標は『奪還』というチームスローガンのとおり、タイトルの獲得。とはいえ、確信を持てる要素が少ない現状だけに、AFCチャンピオンズリーグ出場圏内が当面の目標になりそうだ。また、「優勝するチームは最後まで攻撃の姿勢を貫く」と新体制発表会見で語ったブラジル人名伯楽が、前任の色に染まった守備偏重のチームに攻撃的な自身の色をどう落とし込んでいくかも見どころの1つ。プレシーズン期間の対外試合で3分け1敗という成績からもわかるとおり、手探り状態でのシーズンインだが、レヴィー・クルピ新監督と共に新章を始めることになる。 ◆不安多き補強動向【補強達成度:D】(C)CWS Brains,LTD.▽レヴィー・クルピ監督の招へいを早々にまとめ、MF矢島慎也やDF菅沼駿哉といった実力者を獲得するまで順調だったが、それ以降で即戦力級の加入者はなし。将来を見据えた補強だけを考えれば、複数クラブの関心を集めたFW中村敬斗の争奪戦を制するなど上々の出来だが、トップチームにおいて心許ないのが実情だ。中でも、昨年も改めて課題を露呈した絶対的な点取り屋の確保に未だ至っていない点はイメージが悪く、海外に旅立ったMF井手口陽介に代わる守備的MFの補強もなければ、センターバックの控えも一抹の不安を抱える。ただ、チームは指揮官が選手の見極めに充てるとしたキャンプ始動後、DFペ・スヨンを期限付きで放出して外国人枠を確保。今後、どのタイミングで、どのようなアクションを起こすのか注目が集まる。【IN】 GK谷晃生(17)←ガンバ大阪ユース/昇格 DF山口竜弥(18)←東海大相模高校/新加入 DF松田陸(18)←前橋育英高校/新加入 DF菅沼駿哉(27)←モンテディオ山形/完全 MF福田湧矢(18)←東福岡高校/新加入 MF芝本蓮(18)←ガンバ大阪ユース/昇格 MF矢島慎也(24)←浦和レッズ/完全 FW白井陽斗(18)←ガンバ大阪ユース/昇格 FW中村敬斗(17)←三菱養和SCユース/新加入 【OUT】 GK藤ヶ谷陽介(36)→引退 GK田尻健(24)→ツエーゲン金沢/期限付き延長 DF金正也(29)→ベガルタ仙台/完全 DFペ・スヨン(19)→ギラヴァンツ北九州/期限付き MF嫁阪翔太(21)→グルージャ盛岡/完全 MF井手口陽介(21)→リーズ・ユナイテッド(イングランド)/完全 MF中原彰吾(23)→北海道コンサドーレ札幌/期限付き満了 MF内田達也(26)→東京ヴェルディ/完全 MF二川孝広(37)→東京ヴェルディ/期限付き延長 FW郡大夢(20)→東京ヴェルディ/期限付き満了 FW赤崎秀平(26)→鹿島アントラーズ/期限付き満了 FW呉屋大翔(24)→徳島ヴォルティス/期限付き FW平尾壮(21)→アビスパ福岡/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手Getty ImagesDF初瀬亮(20) 2017シーズン(J1) 19試合出場0得点▽キープレーヤーは、キャンプから好アピールが続くDF初瀬亮だ。G大阪ユース出身の初瀬は、両足から遜色なく繰り出されるキック精度が魅力のサイドバック。だが、キャンプ中における練習試合でのプレーエリアを見る限り、レヴィー・クルピ監督の下、サイドバックに加えて、インサイドハーフでの出場も増加しそうだ。ブラジル人名伯楽は、既に「重要な選手になってくる」と初瀬をキーマンに指名済み。かつてC大阪でMF香川真司らの才能を見いだしたレヴィー・クルピ監督の下、どう“クルピ・チルドレン”の仲間入りを果たしていくか刮目しておきたい存在だ。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-2-3-1](C)CWS Brains,LTD.GK:東口順昭 DF:オ・ジェソク、三浦弦太、ファビオ、藤春廣輝 MF:矢島慎也、今野泰幸、ファン・ウィジョ、遠藤保仁、倉田秋 FW:長沢駿▽今シーズンからの新任ということで選手の起用法を含めて読めない部分が多く、フォーメーションにおいても[4-3-2-1]、[4-2-3-1]を基本線に試行錯誤の段階だ。中でも、激選区はストライカーの位置。グロインペイン症候群で出遅れるFWアデミウソンの状況もあり、争いは混沌と化している。また、井手口の退団に伴い、手薄な守備的MFの位置においても、年齢的にフル稼動の厳しいMF今野泰幸に続く選手を擁立できていない。さらに、MF遠藤保仁の起用法においても気になるところ。一方で、今シーズンからU-23との線引きがなく、キャンプで好アピールが続いた17歳の中村や、MF市丸瑞希ら有望株の起用法もポイントに。即戦力級の加入者が少ない状況だけに、チームの今シーズンを占う上で、若手の台頭は必須事項になるに違いない。 2018.02.21 18:00 Wed
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【J1開幕直前クラブガイド】“18番目のチーム”とは思えない豪華陣容! 風間体制2年目でJ1に旋風巻き起こすか《名古屋グランパス》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初の金曜開催となる23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第12弾は名古屋グランパスを紹介する。 ◆目指すは昨季のセレッソ大阪【ノルマ:上位争い】(C)CWS Brains,LTD.▽風間八宏新監督の下、昨季J2を3位で終えたチームはJ1昇格プレーオフを制して最低限のノルマであった1年でのJ1復帰というミッションをコンプリートした。風間体制2年目で戦う今季に向けてはFWジョー、GKランゲラックと大物助っ人を確保したうえ、現有戦力の残留にも成功しており、クラブの定める目標はひと桁順位でのフィニッシュおよびACL出場権獲得となる。 ▽その目標を達成するうえで良き手本となるのが、一昨季のJ1昇格プレーオフ覇者であり、いわゆるJ1“18番目のチーム”としてシーズンに臨みながらも、リーグ戦3位にルヴァンカップ、天皇杯の二冠という偉業を成し遂げた昨季のセレッソ大阪だ。尹晶煥新監督を迎えて新たなスタートを切ったC大阪と、風間監督の下で継続路線を図る両者のアプローチは異なるものの、豊富な資金やブレないチーム作りという点で共通点は少なくない。 ▽昨季、J2を席巻した魅力的な攻撃スタイルが今季もチームのストロングポイントではあるが、プレシーズンマッチのFC東京戦では中央のスペースを徹底的に消す相手守備の攻略、ロングボールを使った相手のカウンターアタックに対してハイプレスが空転するなど昨季から継続する課題を克服できていない。そのため、要改善の守備面と共に戦術面でのアップデートが求められるところだ。 ◆昨季ブラジル得点王の大物ジョーが電撃加入【補強達成度:A】Getty Images▽豊富な資金力を武器に1年での復帰を果たしたJ1で戦うための戦力をきっちり整えてきた。昨季、自動昇格を逃す最大の要因となった脆弱な守備面に関しては、ドルトムントやシュツットガルトでもプレー経験があるオーストラリア代表GKランゲラックをレバンテから獲得できたことが最大の補強だ。 ▽加えて、開幕直前に新レギュラー候補のDFウィリアン・ホーシャをグアラニから、バックアッパー候補のDF畑尾大翔をヴァンフォーレ甲府から補強。また、昨季特別指定選手としてデビュー済みのMF秋山陽介にも左サイドバックの即戦力として期待が懸かる。さらに、昨季の主軸を担ったDF櫛引一紀、DF宮原和也を完全移籍やレンタル期間延長で残留させられた点も大きい。 ▽中盤では昨季からの“風間スタイル”の体現者として中央に君臨したMF田口泰士のジュビロ磐田への流出が痛恨となったが、その後釜にはタイプは異なるものの、Jリーグ屈指のユーティリティープレーヤーのMF長谷川アーリアジャスールを大宮アルディージャから獲得している。ただ、長谷川以外に目立った補強はなく、風間監督得意のコンバートや現有戦力で賄う構えだ。 ▽前線は元ブラジル代表FWにして、昨季ブラジル全国選手権で得点王と最優秀選手賞のダブル獲りを果たした大物FWジョーの獲得に成功し、今冬の移籍市場最大のサプライズとなった。また、昨季すでに特別指定選手としてベンチ入りも果たしている逸材FW大垣勇樹(興國高等学校)の加入も好補強となっている。【IN】 GKランゲラック(29)←レバンテ(スペイン)/完全 DF櫛引一紀(25)←北海道コンサドーレ札幌/レンタル→完全 DF新井一耀(24)←横浜F・マリノス/レンタル→完全 DF宮原和也(21)←サンフレッチェ広島/レンタル延長 DF畑尾大翔(27)←ヴァンフォーレ甲府/完全 DFウィリアン・ホーシャ(28)←グアラニ(ブラジル)/レンタル DF秋山陽介(22)←早稲田大学 MFガブリエル・シャビエル(24)←ヴィトーリア(ブラジル)/レンタル延長 MF長谷川アーリアジャスール(29)←大宮アルディージャ/完全 FWジョー(30)←コリンチャンス(ブラジル)/完全 FW大垣勇樹(17)←興國高等学校 【OUT】 GK荻晃太(34)→ヴィッセル神戸/完全 DFイム・スンギョム(22)→大分トリニータ/レンタル DF酒井隆介(29)→FC町田ゼルビア/期限付き MF田口泰士(26)→ジュビロ磐田/完全 FWフェリペ・ガルシア(27)→ゴイアス(ブラジル)/レンタル FW杉森考起(20)→FC町田ゼルビア/レンタル FW永井龍(26)→松本山雅FC/完全 FWロビン・シモヴィッチ(26)→大宮アルディージャ/完全◆超WS編集部イチオシ選手Getty ImagesMF青木亮太(21) 2017シーズン(J2) 26試合出場11得点▽昨季ブラジル全国選手権得点王のFWジョー、ドルトムントなどヨーロッパトップレベルを経験したGKランゲラックと2人の大物助っ人に注目が集まる中、昨季J2を席巻した万能型アタッカー、MF青木亮太を推したい。 ▽2014年に加入した名古屋では大ケガの影響もあり加入3年間はほぼ出場機会がなかった。しかし、ケガから完全復活を遂げた昨季は智将・風間監督の下でそのあり余る才能が完全開花。両サイドを主戦場に姿勢の良さが際立つ推進力ある縦への突破、トリッキー且つ相手の逆を取る変幻自在のドリブルで昨季J2を席巻した。 ▽加えて、冷静に味方を使うチャンスメークにオフ・ザ・ボールの動き出しやシュート精度にも優れており、近い将来のサムライブルー入りも期待される万能型のアタッカーだ。昨季阿吽の呼吸を見せたMFガブリエル・シャビエルに加え、今季新加入のFWジョーとの連係が深まれば、二桁ゴールも十分に狙えるはずだ。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-3-3] (C)CWS Brains,LTD.GK:ランゲラック DF:宮原和也、櫛引一紀、ワシントン、秋山陽介 MF:長谷川アーリアジャスール、小林裕紀、和泉竜司 FW:青木亮太、ジョー、ガブリエル・シャビエル▽昨季は中盤フラットの[4-4-2]をメインに、[4-2-3-1]や[3-4-2-1]の複数システムを使い分けてきたが、ここまでのプレシーズンマッチでは[4-3-3]をメインシステムとして採用しており、一先ず[4-3-3]でシーズンをスタートする見込みだ。昨季は主軸を担ったバンディエラ、GK楢崎正剛を中心にGK武田洋平、GK渋谷飛翔の3選手が併用されたGKは新加入のランゲラックと武田がポジションを争う構図となる。 ▽最終ラインでは昨季フィールドプレーヤーとして最長の出場時間を誇ったDF宮原和也と、DF櫛引一紀が現時点でレギュラーポジション当確だ。櫛引の相棒に関してはボランチが本職ながら昨季センターバックでも多くの出場機会を得ていたMFワシントン、開幕直前に加入したDFウィリアン・ホーシャのブラジル人2選手の争いとなる。左サイドバックは大卒ルーキー、MF秋山陽介の起用が濃厚だ。 ▽中盤ではアンカーにMF小林裕紀、インサイドハーフにいずれも超ユーティリティープレーヤーとして知られるMF和泉竜司、新加入のMF長谷川アーリアジャスールがレギュラー候補として君臨。バックアッパーにMF八反田康平やFW押谷祐樹、FW玉田圭司らが控える。 ▽前線はセンターフォワードにFWジョー、左右のウイングにMFガブリエル・シャビエル、MF青木亮太の3人が鉄板だ。そして、FW佐藤寿人や玉田、押谷がセンターフォワード、FW杉本竜士、FW大垣勇樹らがウイングのバックアップを担う。ただ、前線で高さと強さという特長を持つ唯一の存在であるジョー不在時には[4-2-3-1]や2トップのオプションも考慮すべきところだ。 2018.02.20 13:10 Tue
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【J1開幕直前クラブガイド】大躍進の昨季超えで強豪復活へ《ジュビロ磐田》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第11弾はジュビロ磐田を紹介する。 ◆更なる競争と育成でトップ5入りへ【ノルマ:上位争い】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは安定した守備組織を構築し、リーグ最少失点の堅守を築いた磐田。順位もJ1復帰初年度となった2016シーズンの13位(年間順位)から6位と大きく躍進し、ベテランMF中村俊輔の加入によるチーム内意識の向上や、豊富な経験の還元で日本トップリーグでも戦える自信を掴んだ。 ▽名波浩監督就任5年目を迎える今シーズンの目標は「トップ5」。そこに向けた補強では、引き続きテーマとして掲げる「競争」、「育成」を見据えた新戦力を6名獲得している。昨シーズン作り上げた守備組織をベースに、強豪復活へ足元を固めていきたいところ。更なる強化と選手層に厚みを加えることができれば、AFCチャンピオンズリーグ出場圏内も十分見えてくるはずだ。 ◆現実と将来を見据えた好バランス補強【補強達成度:A】Getty Images▽異例とも言える3年間の期限付き移籍を終えた堅守速攻の旗手MF川辺駿の退団は致し方なし。これに対して、前任者を経験で上回る元日本代表MF田口泰士を名古屋グランパスから獲得。また、力強さに欠けたSB・WBには個人技と高い戦術理解度を兼ね備えたブラジル人DFギレルメ、高齢化が進むCB陣には、J2降格となったヴァンフォーレ甲府で堅守の一翼を担ったDF新里亮を加え、課題解消への補強を敢行した。 ▽一方で、未来への投資も順調。年代別日本代表では常に飛び級で選ばれてきた下部組織出身のMF伊藤洋輝が満を持してトップチーム昇格。天皇杯での活躍が記憶に新しい大学No.1FW中野誠也(筑波大学)、未知数だが名波監督の琴線に触れたFWモルベッキ(ロアッソ熊本)と心躍らせる人材ばかりだ。昨季の中村のようなビッグネーム獲得はなかったものの、実力者やポテンシャルを秘めた選手の加入で昨季以上の競争・育成を狙う。【IN】 DF新里亮(27)←ヴァンフォーレ甲府/完全 DFギレルメ(30)←トンベンセ/期限付き MF伊藤洋輝(18)←ジュビロ磐田U-18/昇格 MF田口泰士(26)←名古屋グランパス/完全 FW中野誠也(22)←筑波大学/新加入 FWモルベッキ(20)←ロアッソ熊本/完全移籍 【OUT】 GK牲川歩見(23)→アスルクラロ沼津/期限付き DF中村太亮(28)→大宮アルディージャ/完全 DF石田崚真(21)→ツエーゲン金沢/期限付き延長 MF川辺駿(22)→サンフレッチェ広島/期限付き満了 MF上田康太(31)→ファジアーノ岡山/完全 MF田中裕人(27)→愛媛FC/完全 MF清水貴文(25)→退団 FW齊藤和樹(29)→ファジアーノ岡山/完全 FW岩元颯オリビエ(21)→引退◆超WS編集部イチオシ選手Getty ImagesMF田口泰士(26) 2017シーズン(J2) 34試合出場9得点▽注目選手は、高卒で入団して以来9年間過ごした名古屋に別れを告げて加入した田口だ。J2に降格した2016シーズン終了後には複数のJ1クラブからの関心が囁かれた中で残留を決断。昨季は明治安田生命J2リーグで34試合9得点を記録し、1年でのJ1復帰に貢献した。 ▽これまでの経験値や実績を考えれば、チームの欠かせない存在になりつつあった川辺以上の貢献が求められるだろう。正確なパスからの組み立てや得点力が発揮できればチームに新たなバリエーションも増加させることができるはず。名波監督自らが直接口説き、自身が現役時代に着用していた背番号「7」を与えたことからも大きな期待が窺える。 ▽天才レフティーの中村や名古屋時代の元同僚FW川又堅碁とどんなコンビネーションを見せるのか。この男の活躍が、サックスブルーが強豪に復活するためのカギを握っていると言っても過言ではない。 ◆2018シーズンの予想布陣[3-4-2-1] (C)CWS Brains,LTD.GK:カミンスキー DF:高橋祥平、大井健太郎、森下俊 MF:櫻内渚、田口泰士、ムサエフ、ギレルメ MF:中村俊輔、アダイウトン FW:川又堅碁▽今オフは名波監督が新システムの採用を示唆したり、2トップを試したりもしてきたが、当面は昨シーズンの「3-4-2-1」がベースになると予想。新加入選手では田口がムサエフの相棒を務め、攻撃面で厚みを加えることが期待されるギレルメが左WBに入りそうだ。 ▽前線では昨季チーム内得点王の川又が1トップに当確で、全治8カ月の重傷から復帰を目指す東京五輪のエース候補FW小川航基、中野、モルベッキがバックアッパーもしくは2トップの1角を争う形となる。 ▽しかし、キャンプで名波監督は複数ポジションへの対応も要求しており、示唆している新システムや昨季併用した4バックシステムの使い分けによって多くの選手達にチャンスがある状況だ。 2018.02.20 13:05 Tue
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【J1開幕直前クラブガイド】新監督ヨンソンの手腕に期待も現実目標は残留か《清水エスパルス》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第10弾は清水エスパルスを紹介する。 ◆新指揮官ヨンソンに期待【チームのノルマ:残留】(C)CWS Brains,LTD.▽J2リーグ85得点という攻撃力を武器に1年でJ1リーグに返り咲いて臨んだ昨シーズンだったが、負傷者に悩まされたこともあって勝ち点を積み重ねることに苦労し、最終節の勝利で辛くも残留。シーズン後に小林伸二監督と袂を分かち、新シーズンは前サンフレッチェ広島指揮官のヤン・ヨンソン監督と共に再出発する。昨シーズン途中の7月から広島を率いて短い期間ながらもチームを立て直して残留させたスウェーデン人指揮官の手腕に期待だ。 ▽目標は高く設定したいところだが、オフシーズンの動きも考慮すると、チームのノルマは残留になるだろう。昨シーズンは得点数が「36」だった一方、失点数も「54」と攻守両面において満足いく数字を残せなかった。その大きな理由として、補強でのチーム強化失敗と新戦力が期待に応えることができなかった点が挙げられるだけに、今シーズンは新戦力のパフォーマンスが非常に重要になるだろう。 ◆レギュラークラスの補強少なく…【補強達成度:C】Getty Images▽前述したように補強が残留に向けて重要なファクターとなるが、達成度としてはもうひとつの印象だ。とりわけ、柱だったDF犬飼智也の鹿島アントラーズ移籍の影響は小さくない。DFファン・ソッコを引き入れることには成功したが、連係面と選手層という観点から昨シーズンに引き続き懸念材料となる。 ▽中盤ではMF石毛秀樹とMF兵働昭弘の復帰に加え、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズで海外修行を行ったMF楠神順平を引き入れたことで枚数としては充実しており、彼らがレギュラー組を脅かすパフォーマンスを見せることができれば戦力アップと言える。 ▽前線では、1月の下旬になって決定した万能型FWクリスランの期限付き移籍加入がチームの浮沈を左右する補強になり得る。ルーキーは、神村学園高のFW高橋大悟ら6選手と例年より多いが、即戦力とまではいかないだろう。【IN】 GK新井栄聡←流通経済大/新加入 DFファン・ソッコ←天津泰達(中国)/完全 DF伊藤研太←清水エスパルスユース/昇格 MF西村恭史←興國高/新加入 MF滝裕太←清水エスパルスユース/昇格 MF石毛秀樹←ファジアーノ岡山/期限付き移籍復帰 MF清水航平←サンフレッチェ広島/期限付き MF兵働昭弘←ヴァンフォーレ甲府/完全 MF楠神順平←ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ/完全 MF水谷拓磨←FC今治/期限付き移籍復帰 FW平墳迅←清水エスパルスユース/昇格 FW高橋大悟←神村学園高/新加入 FWクリスラン←ベガルタ仙台/期限付き 【OUT】 GK櫛引政敏→モンテディオ山形/完全 GK碓井健平→沖縄SV/完全 DF 村松大輔→退団 DF犬飼智也→鹿島アントラーズ/完全 DFキム・ボムヨン→水原FC(韓国)/完全 DFビョン・ジュンボン→ヴァンフォーレ甲府/完全 DF福村貴幸→FC岐阜/完全 DFカヌ→スパンブリーFC(タイ)/完全 MF杉山浩太→引退 MF枝村匠馬→アビスパ福岡/期限付き MF宮本航汰→FC岐阜/期限付き MF光崎伸→退団 FW瀬沼優司→モンテディオ山形/完全 FWチアゴ・アウベス→アル・ヒラル(UAE)/期限付き満了◆超WS編集部イチオシ選手 (c)J.LEAGUE PHOTOSFWクリスラン(25) 2017シーズン(J1) 29試合出場8得点▽ベガルタ仙台から期限付き移籍で加入した25歳のブラジル人FWに注目する。昨シーズンは明治安田生命J1リーグで29試合8得点、Jリーグカップで7試合5得点を記録した。リーグ戦での得点数はもうひとつだが、前線からのチェイシングやポストワークなどを献身的にこなすことができるチームプレーヤーで、既存の選手の中ではFW鄭大世に近いタイプの選手だ。とはいえ、お互い気が利くタイプでスピードも水準のため、共存は可能だろう。クリスランが早めにフィットすれば、清水の攻撃力は侮れないものになりそうだ。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:六反勇治 DF:飯田貴敬、ファン・ソッコ、フレイレ、松原后 MF:金子翔太、竹内涼、増田誓志、ミッチェル・デューク FW:北川航也、鄭大世 ▽新監督ということもあって、現時点でレギュラーポジション確約級の選手は少ない。当確に近い存在なのはGK六反勇治とDF松原后、DFファン・ソッコ、MF竹内涼か。最終ラインでは、8日に行われたFC岐阜との練習試合(45分×3本)で1本目(0-0)と2本目(4-0)にフル出場したDFフレイレ(CB)とDF飯田貴徳(右SB)がポジション争いで一歩リードしているとみていいだろう。 ▽中盤の底では、新キャプテンに就任した竹内と誰がコンビを組むか。開幕はMF増田誓志と予想するが、MF河井陽介やMF兵働昭弘という選択肢もある。右サイドのアタッカーは、FW金子翔太が軸となりそうだが、左サイドのポジション争いはMFミッチェル・デューク、MF白崎凌兵に加えて、ドリブラーのMF楠神順平が加入したことで熾烈となっている。 ▽前線は基本的に3選手で回すことになりそうだ。FWクリスランが加わったことにより、FW鄭大世のポジションも安泰ではない。ヨンソン監督が組み合わせのバランスを重視するならば、裏抜けとパス出しができるFW北川航也が軸になっていくだろう。 2018.02.20 13:00 Tue
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【J1開幕直前クラブガイド】実績ある“オールドルーキー”の補強でJ1定着のシーズンに《湘南ベルマーレ》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第9弾は湘南ベルマーレを紹介する。 ◆5度目のJ1挑戦、定着へ【ノルマ:残留】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンはクラブ史上2度目のJ2優勝を果たし、1年でのJ1復帰を果たした。就任7年目となる曺貴裁監督の下で3度目のJ1昇格を果たした湘南としては、J1定着への布石にしたい新シーズンとなる。毎シーズン、主力を引き抜かれて戦力ダウンを強いられる湘南だが、今シーズンは主力だったFWジネイ、MF山田直輝がクラブを離れたものの、MFミキッチ、MF梅崎司、DF大野和成とJ1で実績十分の選手を獲得。さらに韓国代表FWイ・ジョンヒョプ、元セルビア代表FWアレン・ステバノヴィッチを獲得し、チーム力をむしろ上げた印象だ。曺監督の戦術も十分に浸透しており、残留は現実的な目標となる。 ◆経験値が高い“オールドルーキー”を補強【補強達成度:B】(C)CWS Brains,LTD.▽今シーズンは期限付き移籍の期間延長を含め18名がチームに加わった。J2優勝の立役者であるジネイと山田がクラブを離れたのは痛いが、サンフレッチェ広島でJリーグ優勝を3度経験したミキッチや浦和レッズでリーグカップやACL優勝を経験したタイトル獲得経験者の梅崎らが加入したことは、若い選手が多い湘南にとってプラスに働きそうだ。 ▽新外国人選手であり、Jリーグ初挑戦となる長身の韓国代表FWイ・ジョンヒョプと、インテルにも在籍経験のある元セルビア代表FWアレン・ステバノヴィッチがチームにどれだけ早くフィットできるかがポイントとなりそうなところ。J1で戦う湘南の課題は得点力であり、この2人を含めた前線のメンバーがどれだけ得点に絡むかが、残留という目の前の目標達成には必要だ。【IN】 GK真田幸太(18)←湘南ベルマーレユース/昇格 GK富居大樹(28)←モンテディオ山形/完全 DF坂圭祐(22)←順天堂大学/新加入 DF高橋諒(24)←名古屋グランパス/期限付き→完全 DF大野和成(28)←アルビレックス新潟/完全 MF新井光(18)←長野高校/新加入 MF松田天馬(20)←鹿屋体育大学/新加入 MF小林祐介(23)←柏レイソル/期限付き MF梅崎司(30)←浦和レッズ/完全 MFミハエル・ミキッチ(38)←サンフレッチェ広島/完全 FW和田響稀(18)←湘南ベルマーレユース/昇格 FW山口和樹(22)←国士舘大学/新加入 FW鈴木国友(22)←桐蔭横浜大学/新加入 FWイ・ジョンヒョプ(26)←釜山アイパーク(韓国)/期限付き FWアレン・ステバノヴィッチ(27)←パルチザン・ベオグラード(セルビア)/完全 【OUT】 GK伊藤剛(23)→福島ユナイテッドFC/完全 GK梶川裕嗣(26)→徳島ヴォルティス/完全 GKタンドウ ベラピ(30)→ウェリントン・フェニックス(ニュージーランド)/契約満了 DFパク・テファン(20)→天安市庁(韓国)/期限付き DF広瀬健太(25)→アルビレックス新潟/完全 DF坪井慶介(38)→レノファ山口FC/完全 MF神谷優太(20)→愛媛FC/期限付き MF安東輝(22)→松本山雅FC/完全 MF田村翔太(23)→福島ユナイテッドFC/完全 MF下田北斗(26)→川崎フロンターレ/完全 MF山田直輝(27)→浦和レッズ/期限付き満了 MF武田英二郎(29)→横浜FC/完全 MF奈良輪雄太(30)→東京ヴェルディ/期限付き FWドラガン・ムルジャ(34)→NKオリンピア・リュブリャナ(スロベニア)/完全 FWジネイ(34)→ヴァンフォーレ甲府/完全 FW藤田祥史(34)→ブラウブリッツ秋田/完全◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.MF梅崎司(30) 2017シーズン(J1) 10試合出場▽右サイドで違いを生み出せるミキッチと共に注目したいのが梅崎だ。シャドーとウイングの両ポジションをこなせる梅崎は、曺監督にとって重宝する存在となるはずだ。[3-4-2-1]の特殊なシステムは、浦和時代にミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下で熟知しており、戦術的な違いはあれど大きな戸惑いはないはずだ。幾度も大ケガに打ち勝ってきた不屈の闘志で、湘南を高みに導きたい。 ◆2018シーズンの予想布陣(C)CWS Brains,LTD.GK::秋元陽太 DF:岡本拓也、アンドレ・バイア、大野和成 MF:ミキッチ、小林祐介、秋野央樹、高山薫 MF:菊地俊介、梅崎司 FW:イ・ジョンヒョプ▽システムは曺監督が重用している[3-4-2-1]で固定されている。ジネイの代わりにイ・ジョンヒョプが、山田の代わりに梅崎かステバノヴィッチがそれぞれ主力として活躍することが期待される。 ▽さらに柏レイソルから期限付きで加入したMF小林祐介が、MF秋野央樹とボランチでレイソルコンビを形成すると予想。3バックは、昨シーズンの主力である岡本拓也、アンドレ・バイア、そして5年ぶりに復帰した大野が務めるものと思われる。 2018.02.19 19:55 Mon
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【J1開幕直前クラブガイド】ポステコグルーの戦術をどこまで体現できるか、トリコロールが5年ぶりのACL出場権を狙う《横浜F・マリノス》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第8弾は横浜F・マリノスを紹介する。 ◆昨季の堅守にどこまでポステコグルー色を組み込めるか【ACL出場権争い】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは終盤に取りこぼしが目立ち、最終的に5位に終わった横浜FM。試行錯誤の末に見えた形は、確かな土壌となって新シーズンに光を照らした。しかし、その土壌を作り上げたエリク・モンバエルツ前監督が退任し、オーストラリア代表を史上初のアジアカップ制覇に導いた実績を持つアンジェ・ポステコグルー監督が就任した。 ▽戦力にも変化が起きている。攻撃の中心を担っていたMF齋藤学を放出した一方で、経験豊富なFW大津祐樹や、韓国代表FWユン・イルロクらを獲得した。「攻撃的なサッカーを目指す」と宣言したオーストラリア人指揮官が望む補強を着々と進めた。 ▽昨シーズン、前半戦でリーグ最少失点を誇った主力メンバーは軒並み契約延長。モンバエルツ前監督が培った土壌に、ポステコグルー色を出した攻撃の種を植え、上手く成長させることができれば、ACL出場権、はたまたタイトルという花を咲かせる可能性も見えてくる。 ◆攻撃陣は充実の補強も守備に不安残る【補強達成度:B】(C)CWS Brains,LTD.▽今回のストーブリーグでは、攻撃的サッカーを指向するポステコグルー監督の下、アタッカーの獲得に重きを置いた補強となった。大津やユン・イルロクといった実力者を新たに迎えたほか、アビスパ福岡からFW仲川輝人、レノファ山口からFW和田昌士をレンタルバック。獲得した9選手のうち、5人がFWという陣容となった。 ▽一方で、浦和レッズに完全移籍したMFマルティノスや柏レイソルに完全移籍したDFパク・ジョンスの後釜となり得る即戦力の獲得は達成できていない。「まだ外国人枠が1つ空いている。できれば、そこは埋めたい」とポステコグルー監督が語るように、残り1カ月半の移籍期間で、どこまで補強できるかが2018シーズンを戦う上でカギとなってくるに違いない。【IN】 DF西山大雅(18)←横浜F・マリノスユース/昇格 MF生駒仁(18)←鹿児島城西高校/新加入 MF堀研太(18)←横浜F・マリノスユース/昇格 MF山田康太(18)←横浜F・マリノスユース/昇格 FW町野修斗(18)←履正社高校/新加入 FWユン・イルロク(25)←FCソウル(韓国)/完全 FW大津祐樹(27)←柏レイソル/完全 FW仲川輝人(25)←アビスパ福岡/期限付き復帰 FW和田昌士(20)←レノファ山口FC/期限付き復帰 【OUT】 GK田口潤人(21)→アルビレックス新潟/完全 DFパク・ジョンス(23)→柏レイソル/完全 MF中島賢星(21)→FC岐阜/契約満了 MFマルティノス(26)→浦和レッズ/完全 FW齋藤学(27)→川崎フロンターレ/完全 FW富樫敬真(24)→FC東京/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.FWユン・イルロク(25) 2017シーズン(韓国1部) 30試合出場4得点▽新加入の韓国代表FWユン・イルロクは、齋藤に似たタイプのウインガーだ。左サイドからカットインし、得意の右足で攻撃の起点になれる点、味方とのコンビネーションでチャンスに繋げられる点は、ポステコグルー監督の言う「違いが生み出せる選手」として大いに期待できる。 ▽昨シーズンはFCソウルでリーグ戦30試合に出場し4得点11アシストを記録。チームが挙げた得点のおよそ4割に絡んでいるというデータもあり、新シーズンは韓国代表FWが攻撃のカギを握るかもしれない。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2](C)CWS Brains,LTD.GK:飯倉大樹 DF:松原健、中澤佑二、ミロシュ・デゲネク、山中亮輔 MF:ダビド・バブンスキー、喜田拓也、天野純 FW:イッペイ・シノヅカ、ウーゴ・ヴィエイラ、ユン・イルロク▽ポステコグルー監督が望む攻撃的サッカーから予想するに、キャンプで起用された[4-3-3]を基盤に考えていいだろう。バックラインは昨シーズンから固定。横浜FMで16年目を迎えるキャプテン・中澤佑二を筆頭にミロシュ・デゲネクや松原健、山中亮輔が、昨シーズン前半のような強固なディフェンスを築く。 ▽予想が難しいのは前線だが、ワントップは昨季10ゴールのウーゴ・ヴィエイラと予想。FW伊藤翔や大津も候補だが、伊藤は決定力で劣り、大津はプレシーズンでケガを負ってしまった。齋藤が抜けた左ウイングにはユン・イルロク、右ウイングにはキャンプで調子が良かったイッペイ・シノヅカが入る。監督の掲げるポゼッションサッカーにおいて、インサイドハーフは1つのカギとなるが、昨シーズン、トップ下へのポジションチェンジで真価を発揮した天野純とダビド・バブンスキーが最有力だ。 ▽17日に行われたFC東京とのプレシーズンマッチを見ても、ハイラインを敷き、両サイドを使った攻撃を仕掛け、ポゼッションでは上回っていた。オーストラリア代表がワールドカップ予選で見せていた形、また5レーンを形成してサイドに厚みを持たせ、インサイドハーフが高い位置で攻撃に関わることが完成形と予想される。昨シーズンからの戦術的な切り替えにどれだけ早く対応できるかに注目が集まる。 2018.02.19 19:40 Mon
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【J1開幕直前クラブガイド】4冠を狙う王者が常勝軍団の仲間入りへ《川崎フロンターレ》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第7弾は川崎フロンターレを紹介する。 ◆常勝軍団になれるか勝負のシーズン【ノルマ:優勝争い】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは最終節で首位に立っていた鹿島アントラーズを逆転し、悲願の初タイトルを獲得。リーグ王者として臨む新シーズンの目標は、リーグ連覇を含む国内3冠+AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の4冠となる。 ▽昨シーズンの主力を維持し、鬼木達監督2年目となるシーズン。シーズン中盤に見せた不安定さをなくすため、各ポジションに即戦力級の選手を補強。また、DF舞行龍ジェームズやDF武岡優斗らケガでシーズンを棒に振った選手も復帰が見込まれ、戦力としても整えられている。 ▽あとは、勝負強さを身に着けることができるかどうか。王者として初めて挑むシーズンながら、鬼木監督や小林悠が揃って口にする「チャレンジャー」精神が大事となる。川崎F包囲網を潜り抜けることができるかが、連覇、4冠へのカギとなるだろう。 ◆守備に不安を残す補強【補強達成度:B】 (C)CWS Brains,LTD. ▽4冠を目指す川崎Fは、ストーブリーグを賑わせた。2017シーズンにFC東京へと完全移籍した元日本代表FW大久保嘉人が1年で復帰。また、同じ神奈川県のライバルである横浜F・マリノスのエースである日本代表MF齋藤学、鹿島アントラーズのFW赤崎秀平を獲得。昨季リーグ最多得点を記録した攻撃陣のさらなる強化に成功した。 ▽一方、攻撃陣とは対照的に守備陣では、大型補強は敢行せず。前述の武岡や舞行龍ジェームズの復帰を補強と換算。中盤は、大学時代にも獲得に乗り出していた湘南ベルマーレのMF下田北斗、左サイドを主戦場とするモンテディオ山形のMF鈴木雄斗、さらに、MF守田英正(流通経済大学)、MF脇坂泰斗(阪南大学)とルーキーも名獲得した。【IN】 MF齋藤学(27)←横浜F・マリノス/完全 MF鈴木雄斗(24)←モンテディオ山形/完全 MF下田北斗(26)←湘南ベルマーレ/完全 MF守田英正(22)←流通経済大学/新加入 MF脇坂泰斗(22)←阪南大学/新加入 FW大久保嘉人(35)←FC東京/完全 FW赤崎秀平(26)←鹿島アントラーズ/完全 【OUT】 DF井川祐輔(35)→イースタンSC(香港)/完全 MF板倉滉(21)→ベガルタ仙台/期限付き MF三好康児(20)→北海道コンサドーレ札幌/期限付き MF可児壮隆(26)→ガイナーレ鳥取/完全 MF狩野健太(31)→未定 FWハイネル(27)→ポンチ・プレッタ(ブラジル)/期限付き満了 FW森本貴幸(29)→アビスパ福岡/完全 FW大塚翔平(27)→未定◆超WS編集部イチオシ選手 (C)CWS Brains,LTD.MF大島僚太(25) 2017シーズン(J1) 25試合出場1得点▽今シーズンのキープレーヤーは未来担うゲームメーカーの大島僚太だ。昨シーズンは細かなケガに悩まされながらも、リーグ戦25試合に出場し優勝に貢献すると、2年連続のJリーグ優秀選手賞を獲得。攻撃のスイッチを入れる縦パスだけでなく、鬼木監督就任後は守備面でも攻から守への切り替えの早さを徹底し、チームに欠かせない選手へ成長した。 ▽また、今年1月には昨年9月に結婚していたことを事後報告で発表。公私ともに充実する川崎Fの背番号10が、クラブをリーグ連覇に導くだろう。 ◆2018シーズンの予想布陣 (C)CWS Brains,LTD.GK:チョン・ソンリョン DF:エウシーニョ、奈良竜樹、谷口彰悟、車屋紳太郎 MF:大島僚太、エドゥアルド・ネット MF:家長昭博、中村憲剛、阿部浩之 FW:小林悠▽主力メンバーが全員残留していることを考えると、昨年同様の[4-2-3-1]が基本フォーメーションとなるだろう。そして、現状ではスターティングイレブンに立つメンバーも昨シーズンと変わらないだろう。古巣復帰となったFW大久保嘉人は、主に2列目のポジションを任されることとなり、1トップには昨季得点王でリーグMVPにも輝いたFW小林悠が起用されることになる。 ▽また、新戦力で確実にレギュラーに割って入ってきそうなのがMF齋藤学だ。しかし、昨年9月に負ったケガの影響で現在は長期離脱中。早くても春以降の復帰となる見込みで、その後のレギュラーポジション争いが待っている。独特な川崎Fのスタイルに慣れるのも、多少なりとも時間かかるだろうが、齋藤の本格的な復帰となる夏以降、川崎Fの2列目争いは激戦必至となる事は確かだ。 ▽その他の新戦力では、流通経済大から加入した守田英正が出場機会を増やすだろう。セレッソ大阪とのFUJI XEROX SUPERCUP、AFCチャンピオンズリーグと公式戦2戦連続で途中出場している。守備固めとしての起用となるが、シーズン終盤にはレギュラー争いをするかもしれない。 2018.02.19 19:35 Mon
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【J1開幕直前クラブガイド】長谷川体制始動、心機一転を図る新シーズン《FC東京》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初の金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来を先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第6弾はFC東京を紹介する。 ◆“3冠監督”の下でのリスタート【ノルマ:ACL出場権争い】(C)CWS Brains,LTD.▽2017シーズンはリーグ屈指の大型補強を行い優勝候補に名乗りを上げたが、最後までポテンシャルを発揮することなく、終わってみれば13位。仕切り直しを図る新シーズンに向けては、ガンバ大阪時代に2014シーズンの3冠を含む6度のタイトル獲得にチームを導いた長谷川健太監督を招へいし、新体制発表会でも優勝を掲げていた。とはいえ、昨シーズン終盤の状態を考えれば攻守ともに課題は多い。特にリーグ13位の37得点に留まった得点数について、長谷川監督は「50得点以上を目指す」、「そういった数字をクリアしなければタイトルには手が届かない」と口にしており、優勝を目指すには劇的な改善が求められる。FW大久保嘉人、FWピーター・ウタカと、昨シーズンそれぞれ8得点でチーム内得点王となった2選手が退団していることもあり、攻撃の構築には時間がかかるだろう。まずは長谷川監督が基軸とする守備組織を熟成させた上で、一歩ずつ着実に前進していくことが必要だ。 ◆長谷川体制構築に向けた補強【補強達成度:C】(C)CWS Brains,LTD.▽即戦力としての補強はMF大森晃太郎、FW富樫敬真、FWディエゴ・オリヴェイラに留まった。しかし、長谷川監督が「ポテンシャルの高い選手が多い」と口にしていた通り戦力的に十分と考えたために、昨シーズンのような派手な補強は控えたのだろう。逆に監督のスタイルに合致した、求める選手のみをピンポイントで補強したとも表現できる。とはいえ、FW大久保嘉人、FWピーター・ウタカといったスコアラーや、MF石川直宏、DF徳永悠平の両ベテランが抜けた精神的な穴は大きい。特にDF徳永悠平の放出に際して、右サイドバックのバックアッパーを獲得しなかったことは、不安要素となりそうだ。【IN】 MF大森晃太郎(25)←ヴィッセル神戸/完全 MF品田愛斗(18)←FC東京U-18/昇格 FW富樫敬真(24)←横浜F・マリノス/期限付き FWディエゴ・オリヴェイラ(27)←柏レイソル/期限付き FW原大智(18)←FC東京U-18/昇格 FW矢島輝一(22)←中央大学/新加入 【OUT】 DF徳永悠平(34)→V・ファーレン長崎/完全 MFユ・インス(23)→アビスパ福岡/期限付き MF野澤英之(23)→愛媛FC/期限付き MF佐々木渉(21)→カマタマーレ讃岐/完全 MF石川直宏(36)→引退 FW大久保嘉人(35)→川崎フロンターレ/完全 FWピーター・ウタカ(34)→サンフレッチェ広島/期限付き満了◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.MF大森晃太郎(25) 2017シーズン(J1) 26試合出場4得点▽キープレーヤーは、ガンバ大阪時代に長谷川監督の指導の下でタイトル獲得に貢献したMF大森晃太郎だ。中盤でのダイナミックな動き、攻撃に推進力を持たせられる点が魅力な選手であり、監督も「ああいうタイプの選手はいなかった」と述べている通り、FC東京に変化を持たせることができる。恩師が直々に補強を持ち掛けたことも伝えられており、飛躍を遂げるためにはこの選手の活躍が鍵となることは間違いない。 ◆2018シーズンの予想布陣(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズン用いていた[3-1-4-2]ではなく、[4-4-2]もしくは[4-4-1-1]を基軸とする可能性が高い。最前線には、自ら仕掛けてチャンスを作ることができるFWディエゴ・オリヴェイラがファーストチョイスとなり、相方にFW前田遼一、FW富樫敬真、FW永井謙佑の候補が挙がる。相性を考えれば、衛星のような動きができ経験にも秀でているFW前田遼一が有力だ。 ▽中盤に関しては、サイドハーフの一枚はMF大森晃太郎に。逆サイドにはMF東慶悟とFW永井謙佑が競合するが、プレシーズン中の試合ではより推進力のあるFW永井謙佑を右に置き、MF東慶悟はボランチで起用されていた。中盤中央の2枚には、ゲームをコントロールするためにもMF高萩洋次郎は欠かせない。ボール奪取から積極的に最前線に顔を出すMF橋本拳人がその相方となり、MF東慶悟は状況に応じた起用となるだろう。 ▽バックラインに関しては、両サイドバックのDF太田宏介、DF室屋成は固い。センターバックには負傷から回復したDF森重真人、その相方にはDF丸山祐市ではなく新キャプテンに任命されたDFチャン・ヒョンスが収まる可能性は高い。 2018.02.18 15:10 Sun
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