コラム

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高校サッカー選手権が開幕! 今大会出場のJリーグ内定選手をピックアップ《第95回全国高校サッカー選手権》

▽30日、第95回全国高等学校サッカー選手権大会が開幕する。全国48校が出場する今大会。開幕カードは東京B代表の関東第一と滋賀県代表の野洲が対戦する。 ▽1回戦は開幕戦以外のカードが31日に行われ、2回戦は1月2日、3回戦は1月3日、準々決勝は1月5日、準決勝は1月7日、決勝は1月9日に行われる。前回大会王者である福岡県代表の東福岡は2回戦で愛知代表の東邦と対戦。インターハイ王者の千葉県代表・市立船橋は1回戦で京都府代表・京都橘と対戦する。 ▽今大会の開幕を前に、Jリーグ内定選手をピックアップして紹介する。(写真はU-19日本代表FW岩崎悠人/京都橘) ◆MF藤川虎太朗(東福岡/ジュビロ磐田内定) ▽サガン鳥栖U-15で育った藤川は東福岡に進学。U-15、U-16の日本代表を経験し、2015年には高校総体で得点王に、昨年の高校サッカー選手権でもチームを優勝に導き優秀選手賞を獲得した。ボールスキルに長け、チャンスメイクが出来、左右で遜色ないシュートが打てる選手。中盤では様々なポジションでプレーし、ドリブル突破や豊富な運動量でもチームに貢献できる選手。今大会屈指の注目選手だ。 ◆DF小田逸稀(東福岡/鹿島アントラーズ内定) ▽藤川と同じとサガン鳥栖の下部組織出身。鳥栖U-15唐津から東福岡へと進学した。身体能力に長け、対人守備の強さを兼ね備えており、空中戦も得意とする左サイドバック。OBである長友佑都を彷彿とさせるプレーも見せる。 ◆MF高江麗央(東福岡/ガンバ大阪内定) ▽ロアッソ熊本ジュニアユース出身の高江は東福岡に進学。技巧派のドリブラーで、積極的に仕掛けるスタイルが特徴。昨年の高校サッカー選手権ではサイドでのプレーが多かったが、現在はトップ下でもプレー。藤川との中盤のコンビには注目だ。 ◆FW岩崎悠人(京都橘/京都サンガF.C.内定) ▽U-19日本代表でもプレーする岩崎はJFAアカデミー福島出身。運動量が豊富で、身体の強さを生かしたプレーが特徴のストライカー。Jリーグの複数クラブが獲得に興味を抱いていた。今大会初戦ではインターハイ王者の市立船橋と対戦。どんなゴールを見せてくれるのかに注目が集まる。 ◆MF高橋壱晟(青森山田/ジェフユナイテッド千葉内定) ▽名門の10番を背負う高橋は、ジェフへの入団が内定。今年はプレミアリーグEASTを制すと、チャンピオンシップも制し、ユース年代の王者に輝いた。抜群のボールキープ力を見せ、プレーメーカーとしてチームを牽引。青森山田の軸として選手権初優勝を目指す。 ◆GK廣末陸(青森山田/FC東京内定) ▽FC東京U-15深川で育った廣末は、青森山田に進学。来季からは古巣への加入が内定している。U-18、U-19と日本代表に選出され、高い反射神経と、シュートストップに定評がある。また、キックの精度も高く攻撃の起点にもなれる存在だ。 ◆DF原輝綺(市立船橋/アルビレックス新潟内定) ▽インターハイ王者の市立船橋の守備を支える原。U-19日本代表でもプレーし、U-20ワールドカップ出場権獲得に貢献した。状況判断の良さと危機察知能力に長けており、カバーリング能力も優れているストッパーだ。 ◆DF杉岡大暉(市立船橋/湘南ベルマーレ内定) ▽原と同じ市立船橋の“守備の要”である杉岡はキャプテンも務める。左利きのセンターバックで、対人守備、空中戦に優れており、左サイドバックでもプレーが可能。フィードや前線への飛び出し、ボール奪取と高水準の守備能力を備えている。 ◆MF高宇洋(市立船橋/ガンバ大阪内定) ▽元中国代表の高升(ガオ・シェン)を父に持つ高は、川崎フロンターレの下部組織出身。戦術理解度が高く、攻守にわたって試合をコントロールする司令塔タイプ。今年はトップ下から1列下がり、その能力を存分に発揮。今年のインターハイではチームを優勝に導いた。献身的な守備、機を見た攻撃参加にも注目。 ◆DFタビナス・ジェファーソン(桐光学園/川崎フロンターレ内定) ▽ガーナ人の父とフィリピン人の母から誕生したタビナスは大型サイドバック。前回大会ではチームのベスト16入りに貢献し、優秀選手にも選出された。キャプテンとして臨む今大会では、持ち味である驚異的なスピードとストライドの長さで攻守に違いを見せたい。 ◆GK茂木秀(桐光学園/セレッソ大阪内定) ▽195cmと高校サッカー屈指の長身GK。恵まれた体格を生かしたハイボール処理や、精度の高い左足のフィード、状況判断にも優れている。完成されたGKではないが、スケールの大きさは注目。ビッグセーブ連発でチームを勝利に導けるか。 2016.12.30 13:50 Fri
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【コラム】浦和を相手に鹿島が鹿島たる所以を示した伝統の勝負強さ

▽3日、明治安田生命2016 Jリーグチャンピオンシップ決勝戦第2戦の浦和レッズvs鹿島アントラーズが埼玉スタジアム2002で開催。第1戦を0-1で落としていた鹿島が敵地での第2戦で2-1の逆転勝利を収め、年間勝ち点3位からの下剋上で7年ぶり8度目のJリーグ王者に輝いた。 ◆やや不公平なCSレギュレーション ▽第2戦を迎えるにあたり、鹿島の逆転優勝には2得点以上を奪っての勝利が最低条件だった。さらに、大勢の浦和サポーターが集った埼玉スタジアム2002での戦いであったことを考えると、鹿島にとって様々な形からディスアドバンテージを背負って臨んだ一戦だった。 ▽しかし、ここで少し年間1位の浦和側の弁も汲んでおきたい。チャンピオンシップ決勝は2戦合計スコアで同点だった場合、総勝ち点、アウェイゴール数、年間順位というレギュレーションで雌雄を決する。つまり、年間1位という証は最後の最後で効力を発揮するだけであり、浦和の優位性は第2戦をホームで迎えられるということのみだった。 ◆レギュレーションを理解していた鹿島(c)J.LEAGUE PHOTOS▽両者の戦いに話を戻すと、鹿島の入りは最悪だった。7分に古巣との一戦に燃えるFW興梠慎三の右足ボレーから浦和に先制点を献上。開始早々にプランが崩壊したかに思われたが、Jリーグ最多17個のタイトルホルダーは怖気づくことなかった。逆に、クラブ伝統の勝負強さで試合を彩り、年間勝ち点で15ポイントも上の浦和を凌駕した。 ▽鹿島の主将であるMF小笠原満男は試合後、ミックスゾーンで試合の様子を「(1点取られても)状況的には変わらない。むしろ、レッズの方が試合運びを難しくしてしまったのではないかと。僕らは冷静だったし、チャンピオンシップというちょっと特質なレギュレーションもしっかりと頭に入っていた」と振り返った。 ▽冷静に考えてみれば、第1戦で浦和に許したアウェイゴール数は1点。第2戦で先に失点したものの、2点目さえ取られなければ第1戦終了時と同様のプランで試合を進めることができるシチュエーションだったのだ。 ◆鹿島のしたたかさが浦和の焦りを誘発(c)J.LEAGUE PHOTOS▽すなわち、鹿島側に焦りは全くなかったということ。逆に、アウェイゴールを1つしか持ち帰れなかった浦和には、余裕どころか大きなアドバンテージはなかったということだ。結果、2戦合計0-2にされた後も、鹿島は浦和に敢えて攻めの主導権を握らせる中で守備からリズムを再構築。徐々に試合の主導権を握っていった。 ▽そんな中、40分には「主審によってはファウル」と試合後のミックスゾーンでうなだれたように、自分の中でジャッジを決めつけてしまったMF宇賀神友弥の判断ミスを突き、MF遠藤康のクロスからFW金崎夢生がダイビングヘッドで同点弾。鹿島のしたたかな戦いが2戦合計で依然とリードする浦和の焦りを誘い始めた。 ◆クラブの伝統的な勝負強さ(c)J.LEAGUE PHOTOS▽前半のうちに1点を返した鹿島は後半、石井正忠監督の采配が浦和にダメを押す。「レッズの左サイドが少しバテていたので、そこを徹底的に突く形に変えた」と試合後会見で語った石井監督は、58分に遠藤に代えてFW鈴木優磨を右サイドハーフに起用。やや息切れ気味の宇賀神に鈴木を対面させることでプレッシャーをかけた。 ▽すると78分、右サイドからのダイアゴナルランでバックラインの背後に抜け出した鈴木がドリブルで持ち上がり、ボックス内でDF槙野智章のファウルを誘発してPKを獲得。PKキッカーを巡り、鈴木をなだめた金崎がGK西川周作の動きを読み切ったシュートを沈めた。これで、鹿島がついに2戦合計で形勢逆転。鹿島の試合巧者ぶりが浦和を飲み込んだ。 ◆鹿島が鹿島たる所以(c)J.LEAGUE PHOTOS▽結局、クラブの伝統的な勝負強さを見せつけた鹿島は第2戦を2-1で勝利し、2戦合計2-2のアウェイゴール差で浦和を撃破。18個目のタイトルを手中に収めた。レギュラーシーズンで大差をつけていた浦和としては納得のいかない結果だが、この1試合だけをみれば、戦力値以外の部分で鹿島に分があった。 ▽個人としてクラブの18個中15個のタイトル獲得数を誇る小笠原は、「ルールの中でやり方を変えられる、冷静に何をすべきかを理解する、そういうものがこのチームの伝統にある。それがチームの力」と鹿島に根付く勝負強さを力説した。この第2戦は、まさにその鹿島の勝負強さが如実に表れた、鹿島が鹿島たる所以を示した一戦だった。 ◆勝負強さを世界で試すとき(C)CWS Brains,LTD.▽そして、鹿島は晴れてJリーグ王者の称号を手にすると同時に、世界への挑戦権である日本で8日開幕のクラブ・ワールドカップ(W杯)2016出場権を獲得した。鹿島として初めてのクラブW杯で、伝統の勝負強さが各大陸王者を相手にどこまで通用するのか。Jリーグ最多タイトルホルダーの躍進に期待したい。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2016.12.06 13:30 Tue
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【コラム】「ガンバのプライド」と「清々しい負け」に見えた今足りなかったもの

▽ガンバ大阪は、15日に埼玉スタジアム2002で行われた2016Jリーグ YBCルヴァンカップ決勝の浦和レッズ戦に臨み、120分の激闘を経て、PK戦の末に力尽きた。しかし、G大阪側の試合後会見では、予想外のコメントを耳にした。「清々しい負けは初めて」――。G大阪を率いる長谷川健太監督は、クラブ史上10冠目を逃した直後の会見でそう語り、悔しさではなく達成感を口にした。 ▽正直、その言葉を耳にした当初は、違和感を覚えた。ただ、PK戦を含めた120分間の激闘を振り返ってみると、長谷川監督の言葉に自然と理解を示すことができた。まず、G大阪としては良い状況下で浦和との決勝戦を迎えたわけではなかった。1日のリーグ戦で浦和に0-4と叩きのめされてから、わずか2週間後に巡ってきた再戦だっただけに、チーム、選手にとって、小さくない不安を抱いて臨まざるを得ない状況だった。 ◆準決勝第2戦から1名のみ先発変更 (C)CWS Brains,LTD.▽ただ、長谷川監督はまず先発メンバーのテコ入れで、さすがの修正力を発揮した。1トップのFWアデミウソンを後方からフォローすべくMF遠藤保仁をトップ下に起用し、中盤4枚に右からMF倉田秋、MF井手口陽介、MF今野泰幸、MF大森晃太郎を配置。そして、ベンチにはFW長沢駿、FW呉屋大翔、MF藤本淳吾といった多彩な攻撃陣の他、DF岩下敬輔、DFオ・ジェソクの守備陣を温存した。 ▽その先発は、先の横浜F・マリノスとの準決勝第2戦から藤本に代えて大森を起用したのみ。長谷川監督は、3大会連続の決勝を見据えつつ、衝撃的な敗戦を喫した先の浦和戦で狂った歯車に微調整を施していたのだ。そして、2週間後に到来した再戦では現状のベストメンバーで臨み、一角を除いて真っ赤に染まった完全アウェイの雰囲気の中、大敗した前回の戦いぶりを忘れさせるほど大きく改善されたパフォーマンスを披露した。 ◆[4-3-1-2]の守備ブロック (C)CWS Brains,LTD.▽試合の流れは、G大阪のペース。それを一番感じさせたのは、立ち上がりから個々が見せた球際への鋭い寄せと速攻だ。まず特筆すべきは、守備時の陣形。前回対戦を含めて基本的に守備時は、1トップを最前線に残した[4-4-1-1]のブロックで相手の攻撃に備えていたが、今回は井手口、今野が横に並ぶだけでなく、ときおりいずれかが並列するアデミウソンと遠藤の後方にポジションを取り、[4-3-1-2]の布陣で対応した。 ◆G大阪の攻めが機能していた証 ▽その策は、ボールの散らし役を担うMF阿部勇樹やMF柏木陽介の中盤と、FW興梠慎三、MF高木俊幸、MF武藤雄樹の1トップ+2シャドーの孤立化を誘発。そして、「ハメる守備」の機能が、勢いと活力をもった速攻をチームの攻め手として導き出したことで、17分に記録したアデミウソンによる約50m独走の先制弾に繫がった。結果的に、前半のシュート本数はG大阪が4本、浦和が3本。G大阪の攻めが機能していた証だろう。 ◆井手口と今野が守備の体現者 ▽また、アグレッシブな守備の体現者として中盤で存在感を示していた井手口と、今野は1点リードで迎えた後半も突出したボールハンターぶりを発揮。ビハインドの浦和が立ち上がりから攻撃のギアを上げたことでピンチのシーンが増えたが、試合当初から描いていたプラン通りの戦いを続けた。しかし、66分に長谷川監督が講じたアデミウソンから長沢にスイッチした交代策が結果的にハマらなかった。 ◆アデの途中交代は浦和の好都合 ▽長谷川監督には、ターゲットマンの長沢を投入することで、ロングボール主体の攻撃でチーム全体の押し上げを図ろうとの考えがあったのだろう。正直、それはこれまでも見受けられてきた鉄板の交代策だ。しかし、浦和のディフェンス陣にとっては、最も脅威となっていたアデミウソンがベンチに下がったことは好都合。期待された長沢のポストワークも不十分で、その後に投入された藤本も攻め手になり切れない展開が続いた。 ◆G大阪の勝ちパターン崩壊 ▽攻守に迫力を失い始めたG大阪は76分、柏木の右CKから75分に投入されたFW李忠成に被弾。これまでもチャンピオンシップ準決勝や、昨年の天皇杯決勝などで描き続けてきた「先制→浦和が攻め急ぐ→2点目→試合終了」というこれまでの対浦和戦におけるG大阪の勝ちパターンが崩壊した。その長く続いた悪しき流れを断ち切った浦和からしてみれば、勢い付かない理由はない。 ◆“策を尽くした”状態に (c)J.LEAGUE PHOTOS▽追いつかれた長谷川監督は、88分に最後のカードとして倉田を下げて大卒ルーキーの呉屋を投入。しかし、この交代策は、試合後会見で残した長谷川監督の「もう一歩、突き放せる駒や力がチームに欠けていた」との言葉から推測するに、MF阿部浩之、FWパトリックの負傷組を起用できない状況を受けての静かなるエクスキューズだったように思えてならない。そうであれば、この時点で“策を尽くした”状態だったということだ。 ▽それでも、呉屋は後半アディショナルタイムにDF森脇良太の好カバーがなければどうかという右ポスト直撃のシュートで見せ場を作るなど、できる限りのパフォーマンスを披露したが、PK戦でチーム唯一のミスキック。チームがタイトルを落とした要因になったことは間違いない。ただ、大卒ルーキーに全てを託さざるを得なかったチームに、今の浦和に対抗できるだけの戦力が整っていなかったことが主因だろう。 ▽PK失敗で敗戦の責任を負うこととなった呉屋のメンタル面が気がかりだったが、試合後のインタビューで、「泣きたくはなかった。僕よりも悔しい思いをしている人がいるから。それよりあの悔しさを噛み締めて次に繋げたかった」とルーキーとは思えないコメントを残し、大器を片りんさえうかがわせるほど堂々たる姿でメディアの対応に応じていた。 ◆井手口や呉屋の存在がチームの未来 ▽前日会見で長谷川監督が述べた言葉――。「ガンバのプライド」に関して、チームは見事に有言実行してみせた。ただ、結果は2大会連続の準優勝。常勝軍団としてはいただけない結末だ。とはいえ、このタイトルマッチで輝きを放ったユース出身の井手口や、呉屋のような生え抜きの姿を見る限り、チームの未来は明るい。彼らがより絶対的な選手として台頭し、タイトルをもたらす存在になることに期待したい。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2016.10.16 23:00 Sun
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【コラム】勝負強さを見せつけた大宮を高みへ導く“プラチナ世代”のストライカー

▽クラブ史上最高成績を残すべく、復帰1年目のJ1を戦っている大宮アルディージャ。その中でも存在感を見せはじめているのが、加入1年目のMF江坂任だ。 ▽自身初のJ1リーグ挑戦でありながら、ここまで7得点を記録(9/17時点)している江坂は、明治安田生命J1リーグ・2ndステージ第12節の首位を走る川崎フロンターレとの一戦で、値千金の決勝点をマークした。 ◆プロ1年目で見せた得点力 ▽昨シーズン、流通経済大学からザスパクサツ群馬に加入した江坂は、明治安田生命J2リーグで42試合に出場し13得点を記録。その活躍にJ1の複数クラブが目をつける中、大宮が獲得に成功した。 ◆苦しみも多かった初めてのJ1 ▽プレシーズンでの負傷の影響で開幕から2試合を欠場したものの、1stステージ第3節でJ1デビュー。その後はコンスタントに出場機会をふやし、2ndステージ第3節以外の全試合に出場した。チーム内でもDF河本裕之(28試合)、MF横谷繁(27試合)に次ぐ26試合に出場している。 ▽ヤマザキナビスコカップ(現YBCルヴァンカップ)では、加入後初得点を記録していたが、J1初ゴールは1stステージ第13節のサガン鳥栖戦。途中出場した江坂は74分にFWドラガン・ムルジャからのクロスをヘッド。これが決まり、チームを0-1の勝利に導いていた。 ▽J1初ゴールまで時間を要した江坂は、1stステージは2ゴールと思うような結果を残せていなかった。ポジションも2トップの一角や1トップ、右サイド、左サイドと多岐にわたり、自身の特徴をうまく出せずにいた。 ◆取り戻した得点感覚 ▽しかし、2ndステージに入っても出場機会をもらい続けるとゴールを量産。第4節の浦和レッズ戦(2-2のドロー)、第5節のアルビレックス新潟戦(1-2で敗戦)と連続ゴールを記録するも、チームを勝利に導くことはできなかった。 ▽MF家長昭博に次ぐチーム2位となるゴールを挙げながら、勝利に繋がったゴールは1点のみ。結果が伴わなかった江坂だが、シーズン終盤に来て主役の座を奪う活躍を見せている。 ◆結果につながるゴールを連発 ▽第9節のベガルタ仙台戦は家長が退場するアクシデントもありながら、89分にFW清水慎太郎のアーリークロスをダイレクトで合わせて決勝点を記録。続く第10節のヴァンフォーレ甲府戦は不発に終わるも、第11節のサンフレッチェ広島戦では、8試合ぶりに先発から外れたものの、69分にCKからヘディングで一撃。0-1での勝利に貢献した。 ▽そして迎えた首位の川崎F戦。再び先発に名を連ねた江坂は2-2の同点で迎えた87分、MF泉澤仁のスルーパスに反応。GKチョン・ソンリョンと一対一となり1度はシュートを阻まれるも、こぼれ球に反応。浮き球を角度のない位置からジャンピングボレーで沈めた。 (C)J.LEAGUE PHOTOS▽しかし、このゴールはファウルが直前にあったとしてノーゴールに。逆転ゴールを取り消されるという嫌なムードが漂った中89分にその時は訪れた。カウンターから横谷のパスを受けた江坂が、ボックス内右で切り返してMF大島僚太をかわすと、最後は左足でニアサイドを打ち抜き、正真正銘の決勝点を決めた。 ◆見せつけた勝負強さ、身につけた自信 ▽第9節の仙台戦、第11節の広島戦、第12節の川崎F戦と、自身のゴールでチームに白星をもたらすゴールを決めている江坂。川崎F戦後のヒーローインタビューでは「チーム全体としてまとまりがあるのが上手くいっている要因だと思う」とコメントした通り、周囲とのイメージの共有ができ、自身の動きがアジャストし始めた結果が、ゴール、そしてチームの勝利につながっていることだろう。 ▽そして、この3つの決勝ゴールは自信の表れとも言えるだろう。同学年の清水と呼吸を合わせた仙台戦のダイレクトボレー、広島戦で見せた得意のヘディング、そして決め直すことができた川崎F戦の決勝点──。ゴールへと挑み続ける江坂のプレーが、大宮をより高みへと導くだろう。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2016.09.20 21:10 Tue
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【コラム】G大阪の怪物が怪物と呼ばれる所以を形で示した日

▽怪物が怪物と呼ばれる所以を形で示した。ガンバ大阪に所属するMF井手口陽介は、18日に行われた明治安田生命J1リーグ・2ndステージ第12節の名古屋グランパス戦で1ゴール1アシストと活躍。2ndステージ優勝争いの真っ只中にいるチームを今シーズン2度目の3連勝に導いた。 ◆「至宝」から評される「怪物」 ▽福岡県出身の井手口は、G大阪ユース出身の生え抜き選手。当時高校2年生だった2013年に2種登録選手としてトップチーム登録されると、翌年に現アウグスブルクのFW宇佐美貴史以来、クラブ史上5人目の飛び級昇格を果たした逸材だ。さらに、「至宝」と呼ばれてきた宇佐美をして「怪物」と言わしめるなど、才能を高く評価する者も少なくない。Getty Images◆監督の心を着実に引き寄せる ▽その井手口が長谷川健太監督に戦力としての手応えを感じさせ始めたのは、2015シーズン。サンフレッチェ広島と対峙したチャンピオンシップの2試合や、浦和レッズとの天皇杯決勝といった、タイトルが懸かった大一番でも起用されるなど、当時19歳ながらも指揮官の心を徐々に引き寄せ始めていた。 ▽来る今シーズン、井手口はここまで公式戦24試合に出場。長谷川監督の口から「ボランチの選択肢が増えた」との言葉が出るなど、MF遠藤保仁、MF今野泰幸に続く3番手のセントラルMFとしての地位を完全に確立。それは、長谷川監督がケガから復帰した今野をすぐに先発復帰させず、遠藤の相方として、井手口を起用し続けたことからもうかがえる。Getty Images◆突然訪れたテストの場 ▽そんな中、井手口にこれまでの成長か試される場が突然訪れる。それが、18日の名古屋戦だ。この試合に遠藤とともにボランチの一角で先発した井手口は、持ち前のボール奪取能力と、豊富な運動量で広範囲を監視。ときおり、売りとする激しさが仇となり、相手にFKのチャンスを与える場面もあったが、随所で持ち味を発揮していた。 ▽しかし42分、遠藤が右足太ももを打撲してプレー続行が不可能となり、ベンチに控えていた今野と途中交代。絶対的な組み立て役を担う遠藤がベンチに下がったことにより、中盤には井手口、今野という守備的MFが並ぶことになった。しかし、この逆境下で、井手口がこれまでアピールしきれずにいた課題の攻撃面で才能の片りんを見せつけた。Getty Images◆遠藤不在下で残した1G1Aという数字 ▽1-1で迎えた65分、敵陣でボールを刈り取った井手口が自ら左サイドにボールを持ち込むと、ファーサイドに走り込んだMFアデミウソンの侵攻スピードに合わせて、利き足ではない左足でクロス。これがアデミウソンのヘディングシュートへのアシストとなり、G大阪が勝ち越しに成功した。 ▽さらに、後半アディショナルタイム1分には、敵陣のやや左サイド寄りでボールを受けた井手口がFW川又堅碁のチャージを背中に受けても重心がぶれることなくバイタルエリアのスペースに侵攻。鋭く右足を振り抜くと、GK楢崎正剛もノーチャンスのゴール右上にドライブシュートを突き刺した。 ◆大きな意味と価値を持つ初ゴール ▽これは井手口にとって、記念すべきトップチーム初ゴール。さらに、遠藤という攻撃の軸を失った中で残した結果であることを踏まえると、このゴールが持つ意味、価値はより高まる。しかし、「優勝争いの中に、自分がもっともっと中心となってやっていけるようになりたい」と語る本人に慢心はない。怪物が怪物と呼ばれる所以を形で示した日――。今後の長いキャリアを考えても、大きな分岐点となる1試合だったに違いない。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2016.09.20 12:00 Tue
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【ELグループステージ展望】日本人選手7人が参戦! ユナイテッドやローマら強豪も登場

▽2016-17シーズンのヨーロッパリーグ(EL)・グループステージが15日に開幕する。昨シーズンと同様、優勝チームに翌シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権が与えられるELに、今シーズンは7人の日本人選手がグループステージから参加。また、マンチェスター・ユナイテッドやローマ、インテル、ビジャレアルなどの優勝候補も参戦する。 ▽ここでは、日本人選手の所属するチームや注目クラブを中心にグループステージを展望していきたい。 ◆グループKで長友vs吉田、グループIで内田vs南野 Getty Images▽今シーズンのELグループステージでは、7人の日本人選手がプレーすることになる。また、グループKでは日本代表の最終ラインを支えるインテルDF長友佑都と、サウサンプトンDF吉田麻也の2人が対峙することになる。共に国内リーグではポジション争いで苦戦を強いられているが、ターンオーバーが採用されるELの舞台では出場機会が与えられる見込みだ。 ▽さらに、グループIではシャルケDF内田篤人と、ザルツブルクMF南野拓実の日本人対決が実現。内田はヒザの負傷で長期離脱が続いており、グループステージ期間中に復帰できるかは微妙なところだ。しかし、復帰した場合、左ウイングを主戦場とする南野とマッチアップする可能性が高く、両者の日本人対決実現を期待したい。 ▽EL初参戦となるマインツFW武藤嘉紀は、アンデルレヒトとサンテチェンヌ、カバラと同居したグループCに入った。CLにも出場経験のあるアンデルレヒト以外に強豪はおらず、決勝トーナメント進出の可能性は十分にある。注目はリーグ・アン屈指の堅守を誇るサンテチェンヌとの対戦だ。元フランス代表DFペランやマンチェスター・ユナイテッドMFポール・ポグバの実兄であるDFフロランタンらを相手にゴールをこじ開けられるか。 ▽CLプレーオフ敗退組のヤング・ボーイズFW久保裕也は、いずれもCL出場経験のあるオリンピアコス、アポエル、アスタナと同じグループBに入った。堅守速攻を軸とするチームが多いだけに、引いた相手に対して主砲のFWオアロとのコンビでゴールを狙いたい。以前からヤング・ボーイズからのステップアップを目指す発言をしている久保としては、ELでの活躍を通じてブンデスリーガなどのクラブに向けてアピールしたいところだ。また、強豪ウェストハムを撃破し、再びELの舞台に戻ってきたアストラMF瀬戸貴幸は、グループEでセリエAの強豪ローマと対峙することになった。FWトッティを筆頭に世界屈指のタレントを誇るビッグクラブとの対戦は、自身の現在地を図るうえで格好のものさしとなるはずだ。 ◆優勝候補筆頭のユナイテッドはファン・ペルシ在籍のフェネルバフチェと同居 Getty Images▽今シーズンのEL優勝候補筆頭のマンチェスター・ユナイテッドは、フェネルバフチェとフェイエノールト、ゾリャと同じグループAに入った。今夏にMFポグバ、FWイブラヒモビッチ、MFムヒタリャンなど大型補強を敢行したユナイテッドだが、モウリーニョ監督はプレミアリーグの戦いを重要視しており、ELでは決勝トーナメントの佳境を迎えるまで控え中心のメンバー構成で戦うことになる。 ▽それでも、18歳の新星FWラッシュフォードを始め、FWデパイやDFフォス=メンサーなど活きのいい若手に加え、ポジション奪取を目指すMFシュナイデルランやMFエレーラらの中堅が積極的にアピールを狙って行くだけに、プレミアリーグとは一味違うユナイテッドの姿が見られるはずだ。 ▽そのユナイテッドと対峙するのは、かつてユナイテッドのエースストライカーとして活躍したFWファン・ペルシが在籍するフェネルバフチェ。今夏の移籍市場ではDFシュクルテル、DFファン・デル・ヴィール、MFノイシュテッター、FWレンスなど積極的な補強を敢行し、侮れない存在だ。 ▽また、ファン・ブロンクホルスト監督率いるフェイエノールトでは、かつてリバプールに在籍し、ユナイテッドと鎬を削ったFWカイトが在籍。また、GKフェルメールやDFコンゴロ、MFベルフハイスなどオランダ代表経験のある選手も在籍しており、控え主体のユナイテッド相手に好勝負が期待される。 ◆実力クラブの動向は Getty Images▽その他の強豪クラブでは、ローマやゼニト、フィオレンティーナ、シャフタール、ビジャレアル、ビルバオなどが参戦する。 ▽ユナイテッドと共に優勝候補に挙げられるローマとビジャレアルは、CLプレーオフ敗退のショックからの切り替えが求められる。幸い、両クラブ共に比較的楽なグループに入っており、ある程度メンバーを落としても十分に決勝トーナメント進出は可能だ。また、今季限りでの現役引退を表明しているトッティのヨーロッパの舞台でのラストダンスにも注目したい。 ▽その他では今夏に元ボルシアMGの指揮官、ファブレ新監督を招へいし、FWバロテッリ、DFダンテ、MFベルアンダなどビッグネームを獲得したニースにも注目。グループステージでは、シャルケとザルツブルクと同じグループIに入っているが、国内リーグのデビュー戦でいきなり2ゴールを記録したバロテッリの活躍を期待したい。 【ELグループステージ出場チーム】 ◆グループA マンチェスター・ユナイテッド(イングランド) フェネルバフチェ(トルコ) フェイエノールト(オランダ) ゾリャ(ウクライナ) ◆グループB オリンピアコス(ギリシャ) アポエル(キプロス) ヤング・ボーイズ(スイス) アスタナ(カザフスタン) ◆グループC アンデルレヒト(ベルギー) サンテチェンヌ(フランス) マインツ(ドイツ) カバラ(アゼルバイジャン) ◆グループD ゼニト(ロシア) AZ(オランダ) マッカビ・テルアビブ(イスラエル) ダンドーク(アイルランド) ◆グループE ビクトリア・プルゼニ(チェコ) ローマ(イタリア) オーストリア・ウィーン(オーストリア) アストラ(ルーマニア) ◆グループF ビルバオ(スペイン) ヘンク(ベルギー) ラピド・ウィーン(オーストリア) サッスオーロ(イタリア) ◆グループG アヤックス(オランダ) スタンダール・リエージュ(ベルギー) セルタ(スペイン) パナシナイコス(ギリシャ) ◆グループH シャフタール(ウクライナ) ブラガ(ポルトガル) ヘント(ベルギー) コンヤスポル(トルコ) ◆グループI シャルケ(ドイツ) ザルツブルク(オーストリア) FCクラスノダール(ロシア) ニース(フランス) ◆グループJ フィオレンティーナ(イタリア) PAOK(ギリシャ) スロバン・リベレツ(チェコ) カラバフ(アゼルバイジャン) ◆グループK インテル(イタリア) スパルタ・プラハ(チェコ) サウサンプトン(イングランド) ハポエル・ベエルシェバ(イスラエル) ◆グループL ビジャレアル(スペイン) ステアウア・ブカレスト(ルーマニア) チューリッヒ(スイス) オスマンルスポル(トルコ) 2016.09.15 12:00 Thu
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【CLグループH展望】昨季同居のユーベとセビージャが本命

▽昨季GSで同居したユベントス、セビージャに3番手のリヨンが割って入れるか。ディナモ・ザグレブは戦力的に厳しい戦いを強いられそうだ。 (C)CWS Brains,LTD.◆編集部予想 ◎本命:ユベントス ○対抗:セビージャ △連下:リヨン ☆大穴:ディナモ・ザグレブ◆ポグバ移籍も盤石補強で首位通過へ~ユベントス~Getty Images▽昨季はバイエルンの前に惜敗してベスト16での早期敗退となったセリエA5連覇中のイタリア王者。そのユベントスはポグバが移籍してしまったものの、イグアインやピャニッチ、ダニエウ・アウベスにベナティアをチームに加え、盤石補強を敢行して21年ぶりの欧州王者を本気で目指すスカッドを完成させた。昨季はGS2位通過がたたってベスト16での早期敗退に追い込まれただけに、首位通過が至上命題だ。まずは昨季もGSで同居したセビージャとの初戦を制し、好スタートを切りたい。 ◆EL4連覇よりもGS突破~セビージャ~Getty Images▽EL3連覇中の王者セビージャがユベントスに次ぐ突破候補だ。EL連覇の立役者だったエメリ監督がパリ・サンジェルマンへ去った中、チリ代表をコパ・アメリカ初制覇に導いたサンパオリ監督を招へいしたセビージャ。ガメイロ、バネガ、クリホヴィアクが去ったものの、ナスリ、フランコ・バスケス、清武、サラビア、コレア、ガンソと2列目の選手たちを大量に迎え入れ、テクニックと運動量を求めるサンパオリ監督好みのチームへ刷新されていくことが予想される。昨季は死のグループに組み込まれて3位となりELへ回ったが、今季はEL4連覇よりもGS突破を確実に果たしたい。 ◆グループを掻き回せるか~リヨン~Getty Images▽リーグ・アン2位のリヨンはラカゼットが残留したものの、守備の柱だったユムティティが去った。代役にはヌクルを獲得したが戦力ダウンは否めず、ユベントス、セビージャの牙城を崩すには得点源のラカゼットの活躍が必須だ。昨季ゼニト、ヘント、バレンシアが同居した実力拮抗のグループで最下位に終わった雪辱を晴らせるか。 ◆期待の若手流出で苦戦必至~ディナモ・ザグレブ~Getty Images▽クロアチア王者ディナモ・ザグレブは予選2回戦から勝ち上がり、プレーオフではオーストリア王者ザルツブルクに競り勝って、昨季に続き本選出場を果たした。ただ、ピアツァとログのクロアチア代表の次代を担う2選手と正GKの元ポルトガル代表エドゥアルドがチームを去った。戦力ダウンが否めない中、アルジェリア代表MFスダニと新星チョリッチの活躍に期待が懸かる。 2016.09.14 12:03 Wed
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【CLグループG展望】経験で上回るポルト本命、組み分けに恵まれたレスターも突破濃厚

▽CLの経験値で他に勝るポルトが本命。プレミアリーグ初優勝を成し遂げてCL初参戦となるレスターはリーグ戦との二足の草鞋に苦戦しそうだが組み合わせに恵まれており、コペンハーゲンとクラブ・ブルージュに上を行かれることはないだろう。 (C)CWS Brains,LTD.◆編集部予想 ◎本命:ポルト ○対抗:レスター・シティ △連下:コペンハーゲン ☆大穴:クラブ・ブルージュ◆経験値で上回る~ポルト~Getty Images▽ポルトガルリーグ3位のポルトがローマとのプレーオフを勝ち上がって5シーズン連続の本選出場を果たした。CL 常連のポルトガルの盟主はバレンシアを率いていたヌノ監督を招へい。昨季13ゴールの得点源アブバカルと、バックラインの柱の一人であったマルティンス・インディがクラブを離れた中、代役には昨季CL初出場ながら決勝トーナメント進出を果たしたヘントの得点源ドゥポワトルと、ユース出身で20歳のポルトガル代表FWアンドレ・シウバがおり、攻撃力の低下は避けられそうだ。守備面に関してはフェリペやボリーといった新戦力がフィットするかが鍵となるだろう。 ◆CL初参戦のプレミア王者~レスター・シティ~Getty Images▽プレミアリーグ初優勝を果たしてCL初参戦となるレスター。無尽蔵のスタミナを誇るカンテの移籍は痛いが、主力の流出が懸念された中、ヴァーディやマフレズ、ドリンクウォーターといった主力が軒並み残留したのはプラス材料だ。リーグ戦との二足の草鞋という未知の領域を戦う中、クラブはスリマニやムサといった即戦力のアタッカーを補強。岡崎にとっては強烈なライバルとなるが、切磋琢磨することでチーム力アップにつなげたい。モーガンとフートの両ベテランが支えるバックラインが過密日程を耐えきれるかがポイントとなりそうだ。 ◆経験値でレスターを上回る北欧の雄~コペンハーゲン~Getty Images▽3年ぶりにデンマーク王者に返り咲いたコペンハーゲン~が、予選2回戦から勝ち上がって2シーズンぶりに本選出場を果たした。過去6年で2度CLに、ELに3度出場し、欧州での経験値ではレスターを大きく上回る。2010-11シーズンには現指揮官のソルバッケン監督の下でCLベスト16進出も果たしており、レスターを食う可能性は十分。主力はデンマーク代表勢のFWコルネリウス、MFデラネイ、MFクヴィスト、MFファルク、DFアンカーセンにDFオコレ、スウェーデン代表勢のGKオルセン、DFアウグスティンション、DFヨハンソンと各ポジションに揃えており、バランスが取れている。 ◆11年ぶり出場も最下位濃厚~クラブ・ブルージュ~Getty Images▽ベルギーリーグ2連覇のクラブ・ブルージュが11年ぶりの本選出場を果たした。近年、ELには毎年のように出場してきたベルギー王者だが、ベスト32が最高成績と結果は凡庸だ。主力は元ベルギー代表MFシモンやブラジル人MFクラウデミール。さらに新戦力にビジャレアルからMFピナと、アヤックスからDFファン・ラインを獲得。堅実な補強を施したが、サプライズを起こせる戦力は有していない。 2016.09.14 12:02 Wed
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【CLグループF展望】レアル・マドリーとドルトムントが本命

▽昨季王者レアル・マドリーとドルトムントが揺るぎない本命。主力が流出したスポルティングが2強に食い込めるかだが、レギア・ワルシャワは蚊帳の外だ。 (C)CWS Brains,LTD.◆編集部予想 ◎本命:レアル・マドリー ○対抗:ドルトムント △連下:スポルティング・リスボン ☆大穴:レギア・ワルシャワ◆現状維持も昨季王者が本命~レアル・マドリー~Getty Images▽昨季2大会ぶりにCL王者に返り咲いたレアル・マドリーがこのグループの本命だ。ジダン監督就任で最悪のシーズンになりかけていた昨季を挽回し、11度目のCL優勝を果たした白い巨人は新シーズンに向けて大きな動きを見せなかった。補強はモラタを買い戻したのみで、放出も若手を除いてなく継続路線を採っている。ただ、カンテラ出身のアセンシオがブレイクの兆しを見せており、ジダン体制2季目の今季も十分に期待が持てそうだ。連覇を目指すレアル・マドリーにとってGS突破は単なる通過点に過ぎない。 ◆2年ぶりCLで旋風巻き起こす~ドルトムント~Getty Images▽トゥヘル体制となって復活し、ブンデス2位となったドルトムント。2年ぶりのCL出場となった中、フンメルス、ムヒタリャン、ギュンドアンの主軸3選手がクラブを離れたが、フロントは十分な補強を施した。ゲッツェを買い戻し、フランスの新星デンベレ、トルコの新星エムレ・モル、恩師の下で復活を目指すシュールレ、ハードワーカーのローデ、ビルドアップ能力に優れるバルトラにユーロ王者ポルトガルの左SBラファエウ・ゲレイロと好補強が敢行された。毎試合メンバーを変える豊富な戦術を持つトゥヘル監督の下、まずはGSで大暴れといきたい。2列目にはライバルが非常に多いが、香川の欧州での活躍にも期待だ。 ◆スリマニ&ジョアン・マリオ放出を跳ね除けられるか~スポルティング・リスボン~Getty Images▽ポルトガルリーグで2位となったスポルティングが、2大会ぶりにCLへ戻ってきた。ただ、昨季ポルトガルリーグで27ゴールのスリマニと、ユーロ王者となったポルトガルの推進力として活躍したJ・マリオの両主軸が莫大な移籍金を残してクラブを離れた。代役にはドストやジョエル・キャンベル、マルコビッチといったアタッカーを補強。2季目を迎えるジョルジュ・ジェズス監督の下、攻撃陣を再構築できれば2強に風穴を開けられるかもしれない。 ◆21年ぶり本選出場も…~レギア・ワルシャワ~Getty Images▽予選2回戦から勝ち上がり、1995-96シーズンにベスト8進出を果たして以来、21年ぶりにCL出場を果たしたポーランド王者。過去5年で2度ELに出場し、欧州での経験値を積み上げてきた。そのレギア・ワルシャワの中心選手はキャプテンのポーランド代表DFパズダン、同国代表MFヨドロヴィエツの2選手。ただ2強はおろか、スポルティングを上回ることも難しい戦力だ。 2016.09.14 12:01 Wed
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【CLグループE展望】本命不在もハイインテンシティの2チーム有利か

▽CLの常連レバークーゼンとCSKAモスクワ、ELの常連トッテナムとモナコの4チームが揃ったグループEは、本命不在の拮抗した組み合わせとなった。だが、共に4大リーグに所属し、ハイインテンシティに定評のあるトッテナムとレバークーゼンが、決勝トーナメント進出の有力候補だ。 (C)CWS Brains,LTD.◆編集部予想 ◎本命:トッテナム ○対抗:レバークーゼン △連下:モナコ ▲注意:CSKAモスクワ◆久々のCL参戦も期待大! カギは苦手のターンオーバー~トッテナム~ Getty Images▽ベスト8進出を果たした2010-11シーズン以来、6年ぶりのCL参戦となるトッテナムだが、ポチェッティーノ監督の下、非常に若いスカッドが展開するハイライン&ハイプレスのアグレッシブなフットボールへの評価は高い。ポッド3に入り、強豪との対戦も予想された中、メガクラブのいないグループを引き当てたこともあり、首位通過が期待されるところだ。 ▽現在のチームにおいてCL経験者は、アヤックスに在籍していたDFアルデルヴァイレルトとDFヴェルトンゲンのセンターバックコンビやMFエリクセン、元リヨンのGKロリスぐらいしかいないが、その他の選手も代表戦やELで大舞台を経験しており、経験不足はそれほど気にならない。逆に、気がかりなのはターンオーバーを不得手とするポチェッティーノ監督の用兵だ。今夏にはFWケインやMFエリック・ダイアー、MFエリクセンらの負担軽減のため、FWヤンセンやMFワニアマ、MFムサ・シッソコを獲得しており、選手の最適な組み合わせを早い段階で見極めたい。 ◆課題の守備とゲームコントロール改善で首位通過も~レバークーゼン~ Getty Images▽ラングニック門下生のシュミット監督の下、ゲーゲンプレッシングを軸にハイインテンシティのフットボールを展開するレバークーゼンの爆発力は、今大会出場チームの中でも屈指。その一方で、90分を通してのゲーム運び、リスクマネジメントの部分に難があり、チームとしての安定感に欠ける。グループステージ敗退となった昨シーズンもその悪癖が出ていただけに、今大会での成功のカギはその課題克服となる。 ▽今夏の移籍市場では主力の残留に成功したうえ、センターラインにDFドラゴビッチ、MFバウムガルトリンガー、FWフォラントと3人の実力者の獲得に成功。また、武者修行帰りのフィンランドの神童、FWポヒャンパロが、いずれも途中出場ながらリーグ戦2試合で4ゴールを奪う圧巻のブレークを見せており、選手層は確実に厚みを増している。そのため、前述した課題さえ克服できれば、グループステージ突破だけでなく今大会の台風の目となる可能性も十分にあるはずだ。 ◆開幕からの好調を継続できるか~モナコ~ Getty Images▽今グループでは3番手という位置付けだが、ビジャレアル相手にCLプレーオフを連勝で飾り、国内リーグではパリ・サンジェルマンに快勝と、開幕から公式戦4勝1分けと最も調子の良いチームだ。クラブの補強方針の影響で今夏も多くの選手が入れ替わったものの、卓越したバランス感覚を誇るジャルディム監督が早い段階でチームを掌握した印象だ。 ▽絶対的なタレントはいないものの、[4-4-2]と[4-2-3-1]の2つのシステム、多彩な選手起用でうまく個々のタレントの力を引き出しており、レンタルバック組のFWファルカオ、FWジェルマン、今夏獲得したDFシディベとDFメンディのサイドバックコンビもチームに馴染んでいる。加えて、サイドバックコンビの加入でセントラルMFに本格コンバートしたDFファビーニョの攻守両面での存在感も際立っており、侮れないスカッドに仕上がっている。 ◆ロングボールでペースを引き寄せられるか~CSKAモスクワ~ Getty Images▽レバークーゼンと同様に昨シーズンのCL出場チームであり、ロシア王者としてポッド1に入ったCSKAモスクワだが、評価は4番手だ。今夏の移籍市場では攻撃の核を担うFWムサがレスター・シティに旅立ち、その後釜にモナコから2メートルを超える長身FWラシナ・トラオレを獲得したものの、戦力ダウンは否めない。今グループではトッテナムとレバークーゼンというハイライン&ハイプレスのチームとの対戦となるため、足下とスピードに難のあるDFイグナシェビッチとDFヴァシリ・ベレズツキのベテランセンターバックコンビ、GKアキンフェエフが狙われる可能性が高い。そこでプレス回避のロングボールやシンプルなクリアを最前線のトラオレがいかに競り勝てるか、また2列目の選手がセカンドボールをきっちり回収できるかがカギとなる。 2016.09.14 12:00 Wed
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【CLグループD展望】バイエルンとアトレティコの2強に昨季ベスト16のPSVが挑む

▽近年、CLベスト4の常連となっているバイエルンとアトレティコの優位は揺るがない。そこに昨季CLベスト16のPSVが割って入れるか。CL初参戦のロストフは厳しい戦いが待ち受ける。 (C)CWS Brains,LTD.◆編集部予想 ◎本命:バイエルン ○対抗:アトレティコ・マドリー △連下:PSV ☆大穴:ロストフ◆4年ぶりCL優勝へ死角なし~バイエルン~ Getty Images▽ブンデス4連覇中のドイツ王者バイエルン。昨季はCLベスト4でアトレティコの前に惜敗し、グアルディオラ体制下ではCL優勝を果たせなかった。4年ぶりの欧州制覇を目指すドイツの盟主はレアル・マドリーとミランをCL王者に導いたアンチェロッティ監督を招へい。確実に結果を残す名将の下、フンメルスとレナト・サンチェスのピンポイント補強を敢行した中、GSで躓くことはまず考えられない。 ◆後一歩のCL初制覇へまずはGS突破~アトレティコ・マドリー~ Getty Images▽昨季も決勝でレアル・マドリーの前に涙を呑んで初の欧州王者に手が届かなったアトレティコ。CLベスト4の常連となっているアトレティコにとってはGS突破は通過点に過ぎない。そのアトレティコは主力に放出がない中、ガメイロ、ガイタンと攻撃の駒を増やした。6季目を迎えたシメオネ監督の下、決勝トーナメント進出は手堅そうだ。 ◆2強の牙城を崩せるか~PSV~ Getty Images▽昨季9年ぶりにCLベスト16進出を果たしたエールディビジ2連覇中のオランダ王者。アトレティコと激戦を繰り広げた末にPK戦でベスト16敗退となったが、近年低迷するオランダ希望の星となった。コクー体制4季目の新シーズンに向けては守備の軸だったブルマが去ったが、エースのルーク・デ・ヨングの実兄であるシームと、ウクライナの新星ジンチェンコをシティからレンタルで獲得し、攻撃の枚数を増やした。昨季のようなしぶとい戦いを見せられれば、2強の牙城を崩せる可能性も見えてくるだろう。 ◆ロシアの新興勢力、爪跡残せるか~ロストフ~ Getty Images▽ロシア・リーグで2位と躍進し、初のCL出場を果たしたロストフ。2014年にロシアカップを優勝してクラブ史上初のタイトルを獲得した新興勢力だが、率いるのはルビン・カザンをリーグ優勝に導き、欧州カップ戦出場に導いた名将ベルディエフ監督。守備の要バストスがラツィオへ去り、名のある選手はエクアドル代表MFノボアとイラン代表FWアズムンくらいだが、知将の下で爪跡を残せるか。 2016.09.13 12:20 Tue
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【CLグループC展望】死の組、バルサとペップ・シティが対戦

▽今季のグループステージにおける死のグループ。優勝できる戦力を持つバルセロナとマンチェスター・シティが突破候補ではあるものの、ボルシアMGとセルティックは一筋縄ではいかいないクラブであり、2強にとっては隙を見せられないグループだ。 (C)CWS Brains,LTD.◆編集部予想 ◎本命:バルセロナ ○対抗:マンチェスター・シティ △連下:ボルシアMG ☆大穴:セルティック◆選手層に厚み増し盤石の陣容~バルセロナ~ Getty Images▽その死のグループにおいて、2年前のCL王者でありリーガエスパニョーラ2連覇中のバルセロナが本命だ。メッシ、スアレス、ネイマールの通称“MSN”の破壊力は言わずもがな世界最高。バックアッパーにも今季チームにフィットしつつあるアルダや新戦力のアルカセルが控え、万全の陣容となっている。中盤もデニス・スアレスを買い戻し、将来有望なアンドレ・ゴメスを獲得と、ケガがちなイニエスタをカバーできる人材を揃えた。バックラインでは不動の右サイドバックだったダニエウ・アウベスが去ったが、中盤からコンバートされた成長著しいセルジ・ロベルトで十分に埋まるはず。左サイドバックにディーニュ、センターバックにユムティティの両フランス代表を獲得し、昨季露呈した選手層の薄さをカバーできるスカッドとなっている。GKに関してもブラーボがシティへ移籍したが、ここ2年はテア・シュテーゲンがCL専用GKとして戦ってきたため不安はない。仮に第2GKのシレッセンが起用されることになっても、オランダ代表とアヤックスで実績を積み上げてきており、安定感が失われることはないはずだ。 ◆ペップ就任で様変わりもチーム力アップ~マンチェスター・シティ~ Getty Images▽バルセロナに続くのは昨季クラブ史上初のCLベスト4進出を果たしたシティだ。バルセロナで14個、バイエルンで7個のタイトルを獲得したグアルディオラ監督を招へいしたシティは、新シーズンに向けて様変わりしている。守護神のハート、マンガラ、ナスリ、ボニーを構想外とし、ブラーボ、ストーンズ、ノリート、ギュンドアン、ザネらを次々に補強。自身のポゼッションスタイルにフィットする人材を迎え入れ、チームを大胆に様変わりさせた。そして、その効果はCLプレーオフやプレミアリーグで既に表れており、名将の下でチーム力が上がっていくことが大いに期待される。第3節、第4節で対戦する古巣バルセロナとの試合は要注目だ。 ◆昨季に続き死のグループ~ボルシアMG~ Getty Images▽ポッド3においてトッテナムに次ぐ実力を持つと見られていたボルシアMGが、昨季に続いて死のグループに組み込まれた。ブンデス4位チームのボルシアMGは昨季初参戦となったCLでシティ、ユベントス、セビージャと同居し、いずれのクラブとも互角以上の戦いを見せたが、最下位に終わった。今季もシティ、そしてバルセロナとメガクラブとの対戦となったものの、柔軟な戦術を持ち縦に早いサッカーを志向するシューベルト監督の下、一泡吹かせることを狙っているはず。主力ではゲームメーカーのジャカが去ったが、より運動量に優れるクラマーを買い戻しており、チーム力の大幅な低下は避けられた。メガクラブ相手にも自陣に閉じこもらない果敢なサッカーを期待したい。 ◆またもバルセロナと…~セルティック~ Getty Images▽3シーズンぶりのCL出場を果たしたスコットランド王者セルティックは、2012-13、2013-14シーズン同様にバルセロナと同居と、非情に厳しい組み分けとなった。前リバプール監督のロジャーズ監督を迎えたセルティックは予選2回戦から勝ち上がり、本選出場の切符を手に入れた。新戦力ではチャンピオンシップ(イングランド2部)のフルアムで15ゴールを決めて名を上げたムサ・デンベレと、リバプールを退団したベテランDFコロ・トゥーレを迎え入れた。これまでバルセロナを含めて多くのメガクラブが苦戦してきた6万人収容のセルティック・パークで存在感を示したい。 2016.09.13 12:15 Tue
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【CLグループB展望】4チーム共に主力流出…突破のカギは新戦力

▽CL常連の4チームが揃ったものの、優勝を争うメガクラブが1つもおらず、今グループステージで最も実力が拮抗しているグループB。4チーム全てに勝ち抜けの可能性があるものの、実績や選手層で上回るベンフィカとナポリが突破の本命だ。 (C)CWS Brains,LTD.◆編集部予想 ◎本命:ベンフィカ ○対抗: ナポリ △連下:ベシクタシュ △連下:ディナモ・キエフ◆実績で筆頭も主力流出の影響は~ベンフィカ~ Getty Images▽グループBで最も実績豊富なベンフィカが、グループB首位通過の本命だ。DFルイゾンやGKジュリオ・セーザル、FWジョナスらベテランに加え、FWミトログル、MFサルビオらの中堅、MFゴンサロ・グエデスらの若手とスカッドのバランスが良く、チーム全体でヨーロッパの戦い方を熟知している点も本命に推す理由の1つだ。その一方で今夏の移籍市場では、MFガイタン、MFレナト・サンチェス、MFタリスカなど主力が流出しており、その点が気がかり。彼らの穴埋めに獲得した選手は、MFジブコビッチやMFラファ・シウバ、MFオルタ、DFカライカなど10代後半から20代前半の若手であるため、その若武者が早いうちから才能を開花できなければ、難しい戦いを強いられるかもしれない。 ◆完成度で勝るが決定力に不安~ナポリ~ Getty Images▽サッリ体制で初のCL参戦となるナポリは、タレントの質やチームとしての組織力という部分で大きなアドバンテージを持つ。ただ、絶対的なエースだったFWイグアインの流出の影響は計り知れない。同選手の売却資金を使ってFWミリクを始め、MFジャッケリーニ、MFログ、MFジエリンスキ、DFマクシモビッチなどを獲得し、選手層に厚みを加えたものの、チーム総得点の大半に絡んだ得点源の穴埋めは困難だ。リーグ戦と並行して新たな得点パターンの構築がグループステージ突破のカギを握る。ただ、新戦力の加入によって持ち味の堅守はさらに強固となるだけに、大崩れはしないはずだ。 ◆智将ギュネシュの手腕に注目~ベシクタシュ~ Getty Images▽フェネルバフチェ、ガラタサライの2大ライバルを破ってトルコ王者に輝いたベシクタシュは、智将ギュネシュの采配に注目だ。タレントの長所を生かしつつ、組織的な守備やパスワークを巧みに落とし込むトルコ人指揮官が、今夏獲得したDFアドリアーノやMFインレル、MFタリスカ、FWアブバカルをうまく機能させることができれば、突破の可能性は十分にあるはずだ。トルコのクラブは得てして内弁慶な傾向があるだけに、アウェイゲームの戦い方も重要となる。 ◆粘り強い戦いで勝ち点を拾えるか~ディナモ・キエフ~ Getty Images▽昨シーズンのCLベスト16チームのディナモ・キエフだが、今回のグループステージでは苦戦が予想される。今夏の移籍市場ではDFドラゴビッチの流出こそあったものの、それ以外は獲得選手を含めて、ほとんど動きがなかった。これをプラスに取る向きもあるが、ユーロ2016で苦戦を強いられたウクライナ代表の主力を揃えるチームには、やや停滞感が漂う。エースのFWヤルモレンコがFWデルリス・ゴンサレスらと共にチームのストロングであるサイドアタックをけん引できるかが、突破のカギとなる。 2016.09.13 12:10 Tue
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【CLグループA展望】PSGとアーセナルの突破確実! 焦点は首位通過

▽昨シーズン、共に決勝トーナメント進出を決めたパリ・サンジェルマン(PSG)とアーセナルが同居したグループA。残りの2チームがバーゼルとルドゴレツのアウトサイダーとなったため、前述した2強の突破が濃厚となっている。 (C)CWS Brains,LTD.◆編集部予想 ◎本命:パリ・サンジェルマン ○対抗:アーセナル ▲注意:バーゼル ☆大穴:ルドゴレツ◆地力で筆頭もエメリの新戦術浸透がカギ~パリ・サンジェルマン~ Getty Images▽例年、ベスト8の壁を破れないものの、各ポジションに一線級のタレントを擁するPSGが、首位通過の本命だ。ここまでの国内リーグ戦ではモナコに敗戦を喫し、サンテチェンヌ相手に引き分けるなど、苦戦が続くものの徐々にエメリ新監督の戦術が浸透し始めている。加えて、セビージャでヨーロッパリーグ3連覇を達成したスペイン人指揮官は、相手の分析に長けており、これまでPSGになかった相手のストロングを消すような試合巧者の戦いも期待できる。 ▽グループステージの戦いに向けては、グループステージ最大のライバルであるアーセナルとの初戦がカギとなる。ここまで調子が今一つの新エース、FWカバーニやMFディ・マリアらの奮起と共に負傷の影響で戦列を離れるDFチアゴ・シウバ不在の最終ラインでは、DFマルキーニョス、DFキンペンベの若手コンビの活躍を期待したいところだ。 ◆昨季反省を生かして格下相手の必勝が求められる~アーセナル~ Getty Images▽PSGと共にグループステージ突破の本命に挙げられるアーセナルだが、PSGに比べコンペティブな国内リーグを戦っていることに加え、例年グループステージで苦戦している事情を考慮し、次点とした。昨シーズンはディナモ・ザグレブとオリンピアコス相手に連敗する最悪なスタートを切っただけに、今年はバーゼルとルドゴレツとの格下相手の戦いが重要となる。 ▽例年、決勝トーナメント進出のノルマを達成しているものの、ベスト16の壁を破れないアーセナルとしては、強豪との対戦を避けるため首位通過が至上命題。格上のPSGとの直接対決に向けては、用兵を含めてやや柔軟性に欠けるヴェンゲル監督の采配が重要となる。 ◆弱者のカウンター貫けるか~バーゼル~ Getty Images▽2年ぶりのCL本選参戦となるバーゼルだが、今夏のFWエンボロのシャルケ移籍など、主力の流出が続いており、ELラウンド32に進出できるグループ3位死守が現実的な目標となる。国内リーグでは7連覇中の絶対的王者であるため、ボールを保持して主導権を握る展開が多いが、格上との対戦となるCLの舞台では、弱者のカウンターに徹する必要がある。幸い、今夏の移籍市場ではCLの舞台での経験も豊富且つ、カウンター向きのフィニッシャーであるFWドゥンビアが加入しており、コートジボワール代表FWを軸に、粘り強い守備からワンチャンスを狙っていきたい。 ◆堅守速攻あるのみ~ルドゴレツ~ Getty Images▽バーゼル同様に2年ぶりのCL参戦となるルドゴレツだが、グループ最弱という評価を下さざるを得ない。対戦する3チームはいずれも格上だけに、自陣深くで守備を固めながらできるだけ0-0の時間を継続していく戦い方が必要となる。それでも、2年前のCLで高評価を得たコレクティブなカウンターは健在。FWミシジャンやFWルコキなどスピードに長けたアタッカーの一発に懸けたい。 2016.09.13 12:00 Tue
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【レビューコラム】ペップとモウリーニョ、2大名将の新たなプロローグ

▽ダービーらしい激しさと戦術的に見応えがある一戦だった。マンチェスター・ユナイテッドとマンチェスター・シティ。両者共に新指揮官を招聘してチームを構築している初段階で迎えたマンチェスター・ダービーは、その指揮官の采配が目に見えて試合展開に影響した。 ◆モウリーニョのアプローチ ▽ユナイテッドは、直近リーグ2戦のメンバーから先発2選手を変更。モウリーニョは、マルシャルとマタの両ワイドの選手をベンチスタートとし、負傷明けのムヒタリャンとリンガードを起用した。マルシャルとマタに比べて、ムヒタリャンとリンガードは守備力に優れた選手。ビッグマッチを慎重に戦うモウリーニョらしい人選だ。 ▽しかし、この策はまったく効果を示さなかった。負傷明けの両者は精彩を欠く。リンガードは集中の欠いたプレーで平凡なミスが目立ち、ムヒタリャンも持ち前のキープ力と推進力を発揮できず、安易なボールロストを繰り返した。Getty Images▽現段階におけるペップ・シティのサイドバックは、縦への攻撃参加よりも、ビルドアップの面で攻撃をスムーズにする役割を重視されている。ムヒタリャンとリンガードのパフォーマンスが低調だったことは明らかだが、まず失敗したのはモウリーニョの守備へのアプローチだ。ウイングプレーヤーは受動的ではなく攻撃的に振る舞わせ、相手サイドバックの抑止力として考えるべきだった。その点を踏まえれば、人選に関してもマルシャルやラッシュフォードの先発起用がベターだった。 ▽さらに踏み込めば、モウリーニョが守備面ですべき対策は、シルバとデ・ブライネの自由をいかに封じるかだった。フェライーニは奮闘していたが、単純な守備能力が高いとはいえないポグバは両者の対応に追われ、高い位置で仕事をすることができなかった。仮に今回のアプローチならば、サイドの守備を強化するのではなく、3センターを採用するなど中央を固める手の方がより効果的なシティ対策になり得た。 ◆ペップはブラーボのデビュー戦を誤るGetty Images▽攻守の切り替えの速さでユナイテッドを圧倒したシティは、2点のリードを手にした後も相手にペースを握らせなかった。しかし、プレミアデビュー戦となったGKブラーボがストーンズとの連携不足もあってハイボールをファンブル。これでユナイテッドが息を吹き返した。 ▽合流して間もなく直近は2度しか練習を消化できていなかったブラーボを今回のダービーでデビューさせたのは、間違いなくグアルディオラのミスだ。元々、ブラーボは空中戦やクロス対応に強いタイプではない。GKデ・ヘアがユナイテッド1年目でプレミアリーグのフィジカルに苦しんだように、ブラーボもイングランドで適応に苦しむ可能性は十分にある。デビュー戦でプレミアの他クラブにそれを気づかせてしまった点はもったいない。今後、ブラーボにかかるプレッシャーは増すことになる。 ◆修正に成功するモウリーニョ ▽一方のモウリーニョは、ハーフタイムに修正に動いた。ムヒタリャンとリンガードを下げて、エレーラとラッシュフォードを投入。アジリティとインテンシティの高いエレーラの起用でシルバとデ・ブライネへの対応を強化し、ポグバの守備への負担を軽減させた。さらに、右サイドに出したルーニーに早めにクロスを入れさせることで高さ勝負を明確に打ち出し、シティへの圧力を強めた。前半のように自陣にセットする守備ではなく、前線から積極的にプレスを仕掛け、後半開始から主導権を掌握した。Getty Images◆ペップの判断力の速さ ▽だが、グアルディオラもさすがに動きが早い。モウリーニョの意図をすぐさま把握し、53分にイヘアナチョを下げてフェルナンドを投入。中盤に厚みを出してポゼッションすることで、相手の勢いを封殺した。56分にはブラーボがルーニーに足裏でタックルしにかかるも、主審のクラッテンバーグはファウルの判定を下さず。危険なタックルで、PK&レッドカードでも不思議ではなかった。この場面ではシティが判定に救われた。Getty Images▽グアルディオラの素早い対応もあって、その後はデ・ブライネがポスト直撃の決定機を演出するなど、再び好勝負に。終盤は3バックとしたユナイテッドがパワープレーに出たが、空中戦の強いオタメンディを筆頭にシティがよく踏ん張った。南米予選から戻ってきたばかりのオタメンディ起用はリスクだったはずだが、クリシよりも高さのあるコラロフの左サイドバック起用も含めて、この点はグアルディオラの判断が奏功した。 ◆新たな章のプロローグGetty Images▽モウリーニョとグアルディオラ。どちらもミスを犯したと同時に、光る采配も見せた。おそらく、今回のダービーは、両者の新たな章のプロローグとなる。リターンマッチは、2月最終週に行われるプレミアリーグ第26節。両チームがどのような順位でエティハドでのダービーを迎えるかは分からない。だが、プレミアリーグの優勝争いにおいて意味のある試合になるであろうことを予感させた今回のダービーマッチだった。 《超ワールドサッカー編集部・音堂泰博》 2016.09.11 15:00 Sun
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ニューヒーローは誰だ!? ルヴァンカップ注目の“ヤング・ガンズ” 《YBCルヴァンカップ》

▽31日に準々決勝が行われるJリーグYBCルヴァンカップ。ノックアウトステージが開幕する前に、注目の“ヤング・ガンズ”を準々決勝に進出した各チーム1名ピックアップした。 ▽YBCルヴァンカップ(前ナビスコカップ)は若手の登竜門とも言える大会で、大会で最も活躍した23歳以下の選手に与えられる『ニューヒーロー賞』は、過去にFW宇佐美貴史(当時ガンバ大阪/2014年)、FW原口元気(当時浦和レッズ/2011年)、MF長谷部誠(当時浦和レッズ/2004)など、現在の日本代表選手が受賞している。 ▽今回紹介する“ヤング・ガンズ”は、ニューヒーロー賞の対象である23歳以下(大会が開幕した2016年3月23日時点)の選手をピックアップ。出場歴やプレーの特徴などを紹介させていただく。 ◆大宮アルディージャ(C)J.LEAGUE PHOTOSMF江坂任(24) 明治安田生命J1リーグ:24試合 / 5得点 2016JリーグYBCルヴァンカップ:6試合 / 2得点 ▽昨シーズン、ザスパクサツ群馬でプロ入りし1年目ながらJ2で42試合13得点を記録。同じJ2を戦った大宮アルディージャが引き抜いた。シーズン序盤こそ途中出場などが多かったが、1stステージ終盤からスターティングメンバーに名を連ね、2ndステージは7試合連続先発出場。ここまでMF家長昭博に次ぐチーム2位の5得点を記録している。175cmと上背はないものの空中戦を得意とし、ボールスキルも優れたものがある。また、サイドでプレーもできるため、試合中にポジションを移動し、相手のマークをかいくぐる動きが生命線となる。 ◆横浜F・マリノス(C)J.LEAGUE PHOTOSFW富樫敬真(23) 明治安田生命J1リーグ:14試合 / 3得点 2016JリーグYBCルヴァンカップ:1試合 / 1得点 ▽U-23日本代表候補にも選ばれていたものの、リオ・デジャネイロ オリンピック出場は叶わなかった富樫。FW伊藤翔、FWカイケとの激しいポジション争いに敗れる形となり、徐々に出場機会が減少している。それでも持ち前の勝負強さと、ゴールへ向かう姿勢は2人に引けを取らない。日本代表を担う若手が活躍してきたルヴァンカップで結果を残し、横浜FMのタイトル獲得、そして将来のA代表入りを目指す。 ◆サンフレッチェ広島(C)J.LEAGUE PHOTOSMF宮原和也(20) 明治安田生命J1リーグ:13試合 / 0得点 2016JリーグYBCルヴァンカップ:- / - ▽広島の下部組織で育ち、これまでは3バックの一角を務めていたが、今シーズンはボランチのポジションで出場機会を増やしている宮原。これまではMF青山敏弘、MF森崎和幸の鉄板コンビの影に潜んでいたが、頭脳的なプレーでチームを中盤の底で支えている。ゴールやドリブルなど目立つプレーをするタイプではないが、堅実なプレーと、高いビルドアップ能力を持ち合わせており、目立たなくても“光る”宮原のプレーは広島のタイトル獲得には大きな影響を与えるだろう。 ◆ガンバ大阪(C)J.LEAGUE PHOTOSMF井手口陽介(20) 明治安田生命J1リーグ:15試合 / 0得点 2016JリーグYBCルヴァンカップ:- / - ▽MF家長昭博(現・大宮アルディージャ)、FW宇佐美貴史(現・アウグスブルク)らに続くガンバ大阪ユース出身の新たな才能は、着実にその片鱗を見せつつある。今シーズンは、ここまでMF遠藤保仁、MF今野泰幸の日本代表経験者に次ぐ3番手のセントラルMFとして地位を確立。高いボール奪取能力を生命線とするプレーヤーだ。しかし、攻撃面の貢献度においては、「至宝」と呼ばれてきた宇佐美をして「怪物」と言わしめるその才能を発揮しきれているとは言い難い。歴代の日本を代表する選手が勝ち得てきたニューヒーロー賞を掴み取ることで、さらに1ランク上の選手へと成長を遂げたいところだ。 ◆ヴィッセル神戸(C)J.LEAGUE PHOTOSMF中坂勇哉(19) 明治安田生命J1リーグ:6試合 / 0得点 2016JリーグYBCルヴァンカップ:3試合 / 2得点 ▽神戸ユース出身の期待の新星。U-15から神戸に所属し、U-18では攻撃的なポジションで活躍してきた。ドリブル突破を得意とし、ゴールへ繋がるプレーが持ち味の中坂は、リーグ戦初先発となった明治安田生命J1リーグ・2ndステージ第9節のガンバ大阪戦でも積極的な仕掛けが、最後はFWペドロ・ジュニオールの決勝点につながった。ナビスコカップでは2戦連発となるゴールを決めるなど、決定力もあり、将来の神戸の“舵取り役”を期待される中坂がいかに得点に絡むかに注目だ。 ◆浦和レッズ(C)J.LEAGUE PHOTOSMF関根貴大(21) 明治安田生命J1リーグ:26試合 / 2得点 2016JリーグYBCルヴァンカップ:- / - ▽生え抜きの少なくなった現チームにおいて、MF宇賀神友弥と共に浦和ユース出身のレギュラーとしてプレーする。ルーキーイヤーよりトップチームでの出場機会を得て順調に成長したサイドアタッカーは、スピードに乗ったドリブルが最大の持ち味だ。本人は中へ切れ込んでシュートに持ち込める左サイドの方がプレーし易いとのことだが、レギュラーポジションを掴んでいる右サイドでも縦へ仕掛けてクロスを送ることで味方の得点チャンスを多く創出している。 ◆FC東京(C)J.LEAGUE PHOTOSFW中島翔哉(22) 明治安田生命J1リーグ:5試合 / 1得点 2016JリーグYBCルヴァンカップ:- / - ▽U-23日本代表立ち上げの2014年当初より、手倉森誠監督からほとんどの試合でエースナンバー10番を託され続けたFC東京のホープ。身長164cm、体重64kgと体格だけを見れば不利な面が目立つが、その重心の低さを生かしたドリブルスキルと、巧みなステップワークからゴールに迫る能力は群を抜く。しかし、FC東京での出場機会は限られており、U-23日本の活動を通じて確保してきたプレーの場はもうない。若手の“登竜門”であるこのルヴァンカップで真価を証明することで、自身の成長とチームから信頼を勝ち取るキッカケにしたいところだ。 ◆アビスパ福岡(C)J.LEAGUE PHOTOSFW金森健志(22) 明治安田生命J1リーグ:29試合 / 5得点 2016JリーグYBCルヴァンカップ:3試合 / 2得点 ▽2013年に筑陽学園から加入した期待の生え抜き。キレとスピードで勝負するドリブルに加え、両足でそん色なくゴールを狙えるなどそのプレースタイルから“博多のネイマール”としてサポーターに愛される存在だ。U-23日本代表候補だったが、惜しくもリオ・デジャネイロ オリンピックに臨むメンバーからは外れた。ナビスコカップのグループステージ最終節では、得意とする裏への飛び出しで同点ゴールをマーク。さらに決勝ゴールを奪う勝負強さを見せて、チームの決勝トーナメント進出に大きく貢献した。本家・ネイマールと同様にチームを頂点に導くことができるかに注目が集まる。 2016.08.31 13:25 Wed
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【コラム】ユナイテッド復権への確かな兆し

▽マンチェスター・ユナイテッド復権への確かな兆しだ。レスター・シティとのコミュニティシールドを皮切りに、プレミアリーグ開幕節のボーンマス戦、そしてサウサンプトン戦と公式戦3連勝。MFポール・ポグバがデビューしたサウサンプトン戦では役者が揃い、FWズラタン・イブラヒモビッチの2ゴールで完勝した。 ◆早くも見えるモウリーニョ色 Getty Images▽プレシーズン中は、守備的なポゼッションを重視する前任者ルイス・ファン・ハールの“哲学”が抜けきらず、チグハグな状態だった。しかし、ホーム開幕となったサウサンプトン戦でのポゼッション率は43%。ボールタッチ数、パス本数ともにサウサンプトンを下回ったが、試合を支配されたという印象をまったく与えなかった。事実、ユナイテッドはサウサンプトンの枠内シュート数を1本にとどめている。まさに、“モウリーニョのチームらしい”スタッツだ。 ▽具体的な変化も明らかだ。ファン・ハール時代の守備は要所でのハイプレッシング、そしてボールホルダーと人へのアプローチを重視した。一方、モウリーニョ体制になってからはハイプレスの回数を減らし、自陣でブロックをセットしつつ、スペースケアの意識を高めた。そこからのカウンターのスピードを上げようとする意識も見て取れる。よりアレックス・ファーガソン時代に近い戦術だ。 ◆プレミア屈指のフィジカル集団に Getty Images▽そして、モウリーニョらしさが色濃く出ているのが、フィジカルを重要視しているところだ。新加入のイブラヒモビッチとポグバ、そして身体能力に優れるDFエリック・バイリーの加入により、空中戦とインテンシティは大きく強化された。イブラヒモビッチ、ポグバ、バイリー、そしてMFマルアン・フェライーニ、DFクリス・スモーリングを擁するユナイテッドのセットプレーは、相手にとって相当な脅威となる。 ▽フェライーニは、サポーターの期待を良い意味で裏切っている。セントラルMFとしてモウリーニョの信頼を勝ち取っているベルギー代表MFは、より守備的な明確な役割を与えられたことで、非常に効果的な働きを見せている。サウサンプトン戦でプレス回避や繋ぎの部分でさすがのプレーを見せたポグバとのコンビが安定すれば、フィジカルで中盤を制圧することが容易となる。 ◆バイリーのポテンシャルと両SBのコンディション Getty Images▽最大の懸念だったセンターバックに関しても、この3戦でバイリーが見せたパフォーマンスを見れば楽観的になれそうだ。このコートジボワール代表CBは、強さと速さを兼ね備えており、ビルドアップ能力も水準以上。フィジカルに頼りすぎるあまり、ハイリスクのチャレンジに出てしまうこともあるが、モウリーニョの下で順調に成長できれば、リーグ屈指のセンターバックになれるポテンシャルを有している。噂されるDFジョゼ・フォンテを獲得できれば経験値の面で大きいが、昨シーズンに完全に一皮むけたDFクリス・スモーリング、高いビルドアップ能力で攻撃の起点をつくれるDFダレイ・ブリントが計算通りに働けば、このポジションも大きな問題にはならないはずだ。 ▽最終ラインでは、DFアントニオ・バレンシアが開幕からコンディションを整えてきた。MFフアン・マタとの縦ラインの連係は成熟しており、ウィークポイントと言われてきたクロスの質も、イブラヒモビッチという明確なターゲットが中央に陣取っていることで、本人もやりやすそうだ。『右サイドのマタが揺さぶり、バレンシアの縦突破からイブラヒモビッチ』という形を確立させつつある。MFヘンリク・ムヒタリャンが馴染めば、攻撃はより多彩となる。 ▽さらに、大怪我を乗り越えて戻ってきたDFルーク・ショーも試合を重ねるたびにコンディションを上げており、「モウリーニョは攻撃に関する自由をサイドバックに与えてくれる」と語るなど、持ち前の攻撃性能発揮へ意気揚々だ。 ◆チームはどこまで伸びるか ▽ポグバはもちろん、FWウェイン・ルーニーやFWアントニー・マルシャルらコンディションがまだまだ上がっていない選手がいる中でも、ユナイテッドはタレント力をまざまざと見せつけた。盤石なスカッドに加え、近年悩まされた負傷に関しても現時点でケガ人がおらず、宿敵のアーセナルとは対照的に見通しは明るい。このタレント軍団にモウリーニョ戦術が浸透したとき、どれほどのチームになるのか。復権を期するレッド・デビルズから目が離せない。 《超ワールドサッカー編集部・音堂泰博》 2016.08.20 15:30 Sat
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【セリエA・シーズンプレビュー】絶対王者ユーベ、前人未到の6連覇濃厚

▽2016-17シーズンのセリエAが8月20日(土)に開幕する。昨季はインテル、ナポリが前半戦をリードしながらも、主力3人の抜けた新生ユベントスが後半戦にチーム力を押し上げて巻き返し、終わってみれば王者が危なげなく5連覇を成し遂げる結果となった。新シーズンはユベントスの一強状態が更に強まるシーズンが予想される。 (c) CWS Brains, LTD.◆編集部予想 ◎本命:ユベントス ○対抗:ローマ ▲3番手:ナポリ ☆注目:インテル △連下:フィオレンティーナ、ミラン◆ポグバ移籍も盤石補強で6連覇へ死角なし~ユベントス~Getty Images▽昨季怒涛の追い上げで5連覇を果たしたユベントスが今季も優勝の大本命だ。MFポグバが1億500万ユーロの史上最高額でマンチェスター・ユナイテッドへの復帰が決まってしまったが、それを見越して優勝を争うライバルのローマからMFピャニッチを3200万ユーロで、さらに昨季優勝を争ったナポリからセリエAのシーズン最多ゴール記録を樹立したFWイグアインを9000万ユーロでそれぞれ引き抜く荒業を敢行しており、リーグ一強の感が例年以上に色濃くなっている。 ▽さらに高齢化が進むバックラインには経験豊富なDFベナティアを加え、右サイドには3バックと4バックの両システムで機能可能なバルセロナ不動の右サイドバックだったDFダニエウ・アウベスを迎え、チーム力を上げている。さらに、ディナモ・ザグレブからドリブラーの新星FWピアツァという攻撃のオプションも加えており、アッレグリ監督が選択できる戦術の幅は昨季以上に広がった。彼ら新戦力に加え、昨季優勝の立役者となったFWディバラのさらなる成長が見込める中、ユーロ2016で奮闘した磐石の守備陣が今季も踏ん張ることができれば前人未到のセリエA6連覇は当然ながら、チャンピオンズリーグ制覇も現実味を増す陣容となった。 ◆トッティに華を持たせられるか~ローマ~Getty Images▽ユベントスの対抗馬は昨季3位の座を死守したローマだ。スパレッティ監督就任によって持ち直したローマは、貴重なプレースキッカーだったMFピャニッチをユベントスに引き抜かれる痛手を負った。ただ、移籍の噂されたMFナインゴランが残留し、ケガからの完全復活が見込めるMFストロートマンもおり、埋めきれない穴ではないと言えそうだ。 ▽そして、マノラス以外に不安のあったバックラインにはセンターバックと左サイドバックをこなせるDFヴェルメーレン、DFファン・ジェズスの両選手を加え、選手層を増している。一方でDFディーニュに代わる左サイドバックとして期待されたDFマリオ・ルイのケガによる長期離脱は痛いが、前述の両者でカバー可能なはずだ。攻撃陣に関しては昨季躍動したFWサラー、FWペロッティ、FWエル・シャーラウィの3人を軸に、復活を目指すゼコが本来の得点源となる働きを見せられれば、現役ラストシーズンのトッティに華を持たせる結果を得られることだろう。 ◆イグアイン引き抜きでスクデット遠のく~ナポリ~Getty Images▽昨季ユベントスと優勝争いを繰り広げたナポリだったが、36ゴールのセリエA記録を樹立したイグアインの穴を埋めるのは不可能に近い。アヤックスからエールディビジ21ゴールのFWミリクを獲得したものの、守備の国イタリアで同等の数字を残せるとは考えにくい。MFジエリンスキやMFジャッケリーニといった機動力のあるアタッカーを新たに加えた中、名将の仲間入りを果たしたサッリ監督の手腕がナポリの命運を握っている。とはいえ、スクデット獲得の夢は昨季以上に遠い夢に終わりそうだ。 ◆マンチーニ解任でF・デブール就任の混沌状態~インテル~Getty Images▽昨季前半戦を堅守で凌ぎ、首位に立っていたインテル。ただ、攻撃面でのクオリティ不足が顕著で終わってみれば4位でのフィニッシュに終わった。新シーズンに向けては優れたパサーであるMFバネガと、突破力のあるMFカンドレーバを加え、昨季のチームにテコ入れを図った。ところが、開幕2週間を切ったところでクラブはプレシーズンマッチの結果が芳しくないことを受けてマンチーニ監督を突如解任。混沌の中、新指揮官にはアヤックスで若手育成に尽力していたF・デブール監督を迎えたが、新指揮官が完成途上の選手の多いインテルをうまくまとめ上げることができるかが上位に留まるための鍵となる。昨季も終わってみればレギュラーを奪取したDF長友佑都のプレーにも注目だ。 ◆マンネリ化が課題~フィオレンティーナ~Getty Images▽モンテッラ前監督のチームをうまく引き継ぎ、シーズンを通して安定した戦いを見せたパウロ・ソウザ監督率いるフィオレンティーナ。優勝争いに絡むことは厳しいだろうが、CL出場権争いには絡める陣容だ。即戦力を獲得していないものの、主力も全く移籍していない。懸念としてはマンネリ化だが、その点をソウザ監督がうまくマネジメントできれば上位を維持できるはずだ。 ◆モンテッラで復活なるか~ミラン~Getty Images▽近年、ファンの期待を裏切り続けている名門ミラン。監督をすげ替え続け、チーム力が安定していない中、新シーズンに向けてもモンテッラ監督を招へいした。ただ、フィオレンティーナで実績を残し、ポゼッションサッカーを標榜する指揮官の就任は歓迎できそうだ。MF本田圭佑にとってもこれまでの指揮官の中で最も相性の良い監督のはずだ。また、チーム不振の根源となっていたベルルスコーニ会長が中国企業にクラブを買収する決断を下したこともプラスに働きそうだ。即戦力の新戦力を加えていないことは気がかりだが、現有戦力でまずは上位争いに絡むシーズンとしたい。 ◆残留目指す昇格組 ▽今季の昇格組はカリアリ、クロトーネ、ペスカーラの3クラブ。セリエBを初優勝して1年での昇格となったカリアリは、ポルトガル代表DFブルーノ・アウベスやユベントスで貴重なバックアッパーとして活躍したMFパドインらを補強し、残留するための戦力を整えた。 ▽そのカリアリに次ぐ2位でクラブ史上初のセリエA昇格となったのがクロトーネ。レンタル選手をうまく活用して資金不足をカバーした人口6万人の都市を本拠地とする小クラブは、その立役者となったユリッチ監督が古巣ジェノアの監督に就任してしまった。戦力的に乏しい上、監督交代のあったクロトーネのセリエA初挑戦は厳しい歩みとなりそうだ。 ▽セリエBで4位となり、プレーオフの末に4季ぶりの昇格を果たしたペスカーラ。現役時代に名ライトバックとして鳴らしたオッド監督に率いられたチームは、FWラパドゥーラが26ゴールを挙げて得点王に輝き、FWカプラーリが13ゴール13アシストの活躍を見せ、昇格にこぎ着けた。ただ、ラパドゥーラがミランへ移籍してしまったのが痛手で穴を埋めるのは容易ではない。一方でカプラーリもインテルへの移籍が決まったが、今季はレンタルで残留することが決まったのは朗報。残留するには、元ミランのMFクリスタンテやインテルFWマナイといった若手有望株のレンタル選手たちの活躍が必須となる。 2016.08.20 12:00 Sat
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【リーガエスパニョーラ・シーズンプレビュー】新シーズンも3強の争いに変化なし

▽2016-17シーズンのリーガエスパニョーラが8月19日(金)に開幕を迎える。昨シーズンは、シーズン終盤までもつれ込んだレアル・マドリーとアトレティコ・マドリーのマドリッド勢との熾烈な争いを制したバルセロナが、最終節で2連覇を決めた。 ▽今夏にはコパ・アメリカ・センテナリオ、ユーロ2016の2大ビッグイベントが開催された影響で多くの代表選手を抱えるビッグクラブにとっては、主力のコンディションの維持が重要となる。それでも、新シーズンのリーガのタイトル争いをリードしていくのは、永遠のライバルであるバルセロナとレアル・マドリー、ここ数年闘将シメオネ監督の下で力を付けるアトレティコ・マドリーの3強となるはずだ。また、その3強を除くオトラリーガでは、日本代表MF清武弘嗣の加入したセビージャや昨季4位のビジャレアル、捲土重来を図るバレンシアなどが覇権を争うことになる。(c) CWS Brains, LTD.◆編集部予想 ◎本命:バルセロナ ○対抗:レアル・マドリー ▲3番手:アトレティコ・マドリー ☆注目:セビージャ △連下:ビジャレアル、エスパニョール◆3連覇のカギは“MSN”依存からの脱却~バルセロナ~Getty Images ▽優勝の本命は、2連覇中の王者バルセロナだ。“MSN”の愛称で知られるFWメッシとFWルイス・スアレス、FWネイマールという世界最高のクラックが並ぶトリデンテの破壊力を武器に、圧倒的な攻撃力でここ2年の間、リーガのトップに君臨しているバルセロナ。だが、その“MSN”の疲労がピークに達した昨シーズンの終盤には公式戦で連敗を喫するなど、改めて“MSN”への極度の依存を露呈する結果となった。 ▽したがって、3連覇を目指す新シーズンに向けての最重要課題は、“MSN”依存からの脱却だ。だが、今夏の移籍市場では彼ら3人のバックアップを担う“第4のFW”探しに着手も、有力候補に挙がっていたFWガメイロやFWビエットの獲得に失敗。開幕時点で補強は進まず、このままマーケットが終了すれば、若手FWムニルやMFアルダといった現有戦力での穴埋めを余儀なくされるはずだ。 ▽“第4のFW”探しに苦戦する一方で、“MSN”依存脱却へのもう1つの策であるバルセロナ伝統の中盤主導のフットボールへの回帰に向けては、今夏にMFデニス・スアレス、MFアンドレ・ゴメスらを加え、中盤の選手層に厚みが増した。ここに休暇を早めに切り上げて、プレシーズンに積極アピールを続けるアルダらが、MFイニエスタとMFラキティッチのレギュラーコンビに良い形で絡めれば、“MSN”の負担軽減にも繫がるはずだ。 ▽守備面に関しては、正GKブラーボの去就やDFダニエウ・アウベスの後継者問題という不安はあるものの、DFディーニュとDFユムティティの新加入フランス代表コンビの加入や、右サイドバックへの本格コンバートとなるMFセルジ・ロベルトが早い段階でフィットすれば、大きな問題とはならないだろう。 ◆継続路線は吉と出るか、凶と出るか? 試されるジダン体制2年目~レアル・マドリー~Getty Images ▽シーズン途中に就任したジダン監督の下でチャンピオンズリーグ制覇に成功したレアル・マドリーだが、国内では2011-12シーズンの優勝を最後にバルセロナとアトレティコの後塵を拝し続けている。5年ぶりのリーグ制覇を目指すジダン体制2年目のレアル・マドリーだが、毎年主役の座を担ってきた移籍市場では、ユベントスからFWモラタを買い戻した以外に新星MFアセンシオをエスパニョールから復帰させただけで、獲得の噂されたFWレヴァンドフスキ、MFポグバら大物の獲得を見送るなど、静かな夏を過ごしている。 ▽FWベイル、FWベンゼマ、FWクリスティアーノ・ロナウドの“BBC”を筆頭に、MFモドリッチやMFクロース、DFセルヒオ・ラモスなど各ポジションに世界最高峰のタレントを抱えているだけに、補強の必要性はないという意見もあるが、新戦力の補強によるポジション争いなどの刺激がなければ、選手たちのモチベーションに悪影響を及ぼす可能性もあるだけに、今夏の動きはある意味、ギャンブルともいえるだろう。この継続路線が吉と出るか、凶と出るかはシーズン終了後にわかることだが、ジダン監督により大きなプレッシャーがかかることは間違いない。 ◆主力残留に好補強で3年ぶりの戴冠の可能性も~アトレティコ・マドリー~Getty Images ▽奇跡の優勝を果たした2013-14シーズンから3年連続で優勝争いに絡むなど、バルセロナとレアル・マドリーに肩を並べる存在となったアトレティコは、3年ぶりの覇権奪還に向けて好位置に付けている。 ▽昨シーズンのCL決勝敗退後、辞任の可能性を示唆したシメオネ監督を始め、多くのビッグクラブから関心を集めるFWグリーズマンなど主力の慰留に成功したクラブは、逆に両サイドバックのバックアッパーを担うDFヴルサリコ、新たな崩しの切り札、MFガイタンの獲得に成功。また、グリーズマンへの依存が顕著だった前線では、FWジエゴ・コスタの買い戻しに失敗したものの、バルセロナの獲得候補にも挙がっていたFWガメイロを引き抜くなど、好補強が目立った。 ▽スーパースター揃いの2強に比べ、タレントの質は決して高くないが、戦術面や人心掌握面で2強の指揮官を上回る闘将シメオネ監督が、例年通りうまくチームをまとめられれば、3年ぶりの戴冠の可能性は十分にあるはずだ。 ◆オトラリーガを制し、CL出場権を手にするのは~セビージャ、ビジャレアル、バレンシア~Getty Images ▽異次元の強さを誇る3強の優勝争いと共に注目を集めるのが、3強以外での覇権(CL出場権)を争うオトラリーガ。昨シーズンは、攻守に完成度の高いフットボールを展開したビジャレアルが、オトラリーガの覇者となったが、新シーズンも白熱の争いが期待される。 ▽オトラリーガ優勝の本命は、移籍市場の主役となった新生セビージャ。例年、多くの選手が入れ替わるセビージャだが、今夏の移籍市場ではパリ・サンジェルマンに旅立ったエメリ前監督に代わって、サンパオリ新監督が就任。また、ヨーロッパリーグ3連覇に貢献したMFバネガ、MFクリホヴィアク、FWガメイロ、闘将DFコケら主力が退団。その後釜に清武やMFフランコ・バスケス、MFガンソ、FWビエット、FWイェデルら複数の攻撃的なタレントが加入しており、ここ数年で最も大きな変化を迎えている。直近のスーペル・コパでは、サンパオリ新監督の戦術の浸透が遅れていることを露呈する戦いぶりとなったが、ポテンシャルは高いだけにチーム作りを急ぎたいところだ。 ▽昨季のオトラリーガ覇者のビジャレアルは、シーズン開幕前に選手との軋轢が噂されたマルセリーノ前監督が電撃解任され、後任にエスクリバ監督が招へいされるなど、クラブ内のごたごたの影響が気がかりだ。補強に関してはDFバイリー、GKアレオラ、デニス・スアレスが抜けたものの、FWパトやMFロベルト・ソリアーノ、MFチェリシェフなど実力者を迎えており、前線に関しては戦力値を上げている。ただ、長期離脱のFWソルダードとコンディション不良のFWバカンブ不在のシーズン序盤の戦いが、鍵となっていくはずだ。 ▽これまでの実績を考えれば、バレンシアも有力候補の1つだが、昨シーズンにCL出場権を逃した影響でサラリーキャップを制限する必要があり、今夏の移籍市場ではMFアンドレ・ゴメスをすでに放出し、FWアルカセルやDFムスタフィ、GKジエゴ・アウベスにも放出の可能性が出てきている。今夏の補強ではFWナニ、MFメドラン、DFモントーヤを獲得したものの、他クラブに比べて選手層に不安を抱えている。 ◆多士済々の新指揮官たちに注目~エスパニョール、グラナダ、マラガ~Getty Images ▽今夏の移籍市場では選手と同様、指揮官の移動も目立った。前述したセビージャのサンパオリ、ビジャレアルのエスクリバを始め、エスパニョールには前ワトフォードの指揮官、キケ・フローレス、グラナダには前ラージョのパコ・ヘメス、マラガには名将ファンデ・ラモスが新指揮官に就任。また、デポルティボも前エイバルのガリターノを招へいしている。 ▽その中で最注目は、アトレティコやバレンシアでも優れた手腕を発揮していたキケ・フローレス率いるエスパニョール。中国系企業に買収されたエスパニョールは、今夏にMFレジェス、MFフラード、MFピアッティ、FWレオ、DFデミチェリス、MFハビ・フエゴを獲得するなど、近年稀にみる積極補強を敢行。この補強に加え、リーガを知り抜くキケ・フローレスの就任でCL出場権争いに絡む可能性が出てきている。 2016.08.19 12:30 Fri
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【プレミア・シーズンプレビュー】本命ユナイテッド、対抗チェルシー

▽2016-17シーズンのプレミアリーグが8月13日(土)に開幕を迎える。昨シーズンは、開幕前オッズが5001倍だったレスター・シティが奇跡的な初優勝の偉業を達成。今シーズンは、マンチェスター・ユナイテッドがモウリーニョ、マンチェスター・シティがグアルディオラ、チェルシーがコンテとそれぞれ名将を招へいしており、予想困難な白熱のリーグとなりそうだ。 (c) CWS Brains, LTD. ◎本命:マンチェスター・ユナイテッド ○対抗:チェルシー ▲3番手:スパーズ ☆注目:マンチェスター・シティ △連下:アーセナル、リバプール ◆豪華補強とモウリーニョで復権へ~ユナイテッド~ Getty Images▽本命は昨季5位のユナイテッドとした。ファン・ハールを解任したクラブは、新指揮官にモウリーニョを招へい。さらに、身体能力抜群でポテンシャル高いDFバイリー、昨季ドルトムントで23ゴール32アシストを記録したMFムヒタリャン、過去10シーズンで9度のリーグ優勝を誇るFWイブラヒモビッチに加え、史上最高額でのMFポグバの復帰を実現するなど、豪華補強を見せている。 ▽課題は昨季トップ8で最少だった得点力の改善だが、決定力の高いイブラヒモビッチと優れた攻撃性能を誇るポグバの加入で向上は確実。その中でいかに守備の安定感を保つかというところだが、もともと守備組織構築に定評のあるモウリーニョならば問題ないだろう。指揮官の過去の発言からもヨーロッパリーグはメンバーを落とし、リーグに力を入れるとみられる。順当なら優勝争いは堅い。 ◆闘将&リーグ集中で巻き返し必至~チェルシー~ Getty Images▽対抗はチェルシーとみる。昨季はカルネイロ医師との問題を抱えたモウリーニョの求心力が低下し、序盤から低迷。ヒディンク暫定監督でも巻き返しきれず、10位に終わった。今季は、ユベントスで実績を積んだ前イタリア代表指揮官の闘将であるコンテを招へい。補強の進行具合は良いとは言えないものの、伸びしろの大きいFWバチュアイ、そして圧倒的な守備力を誇るMFカンテを王者レスターから獲得できた点は非常に大きい。 ▽そして、チェルシーを対抗に推す大きな要因は、ヨーロッパでの戦いがなくリーグに集中できる点だ。キープレイヤーは、一昨シーズン優勝の立役者である主将のDFテリー。カンテの存在により負担が減り、ベテランの扱いに長けているコンテの下でテリーがトップパフォーマンスを維持できれば、昨季のように崩れることは考えにくい。 ◆完成度と充実補強で優勝圏~トッテナム~ Getty Images▽トッテナムも大きな可能性を秘める。昨シーズンは最終節でアーセナルに逆転されて順位を落としたが、3位という好位置でフィニッシュ。最終節でニューカッスルに1-5と敗れながらも、シーズンを通しての得失点差はレスターを上回る+34を記録した。総じてみれば、最も安定感あるフットボールを見せたチームだったと言えるだろう。 ▽今シーズンはチャンピオンズリーグとの並行がカギになるが、もともと選手層は比較的厚く、オフシーズンにはポチェッティーノ・スタイルに適合する重厚な守備者・ワニヤマと、ケインの負担を軽減させることが期待されるエージルディビジ得点王のFWヤンセンを獲得できた。完成度は高く、新指揮官クラブが苦戦するようなら戴冠も。 ◆名将ペップに期待も守備タレント不足か~シティ~ Getty Images▽もちろんマンチェスター・シティも圏内だ。バルセロナとバイエルンでタイトルを獲り続けたグアルディオラは、足元の技術に長けるDFストーンズ、突破力に秀でるMFザネとMFノリート、そして組み立てで力を発揮できるMFギュンドアンなど自身のスタイルに合致できる選手を補強。それでも、バルセロナやバイエルン時代に比べれば、守備陣のタレント不足の感は否めない。プレミアリーグ初挑戦ということもあり、取りこぼしは多くなるのではないか。 ◆13年ぶり優勝視野も守備陣不安~アーセナル~ Getty Images▽昨シーズンはGKチェフの加入により2003-04シーズン以来の優勝が期待されたアーセナルだが、一歩届かず2位でフィニッシュ。新たにMFグラニト・ジャカを獲得して戦力を上げたチームだが、DFコシエルニーに頼りきりのセンターバック陣が不安だ。獲得が噂されるバレンシアDFムスタフィやバルセロナDFマテューの獲得に成功すれば、優勝に向けてポジティブな材料となる。あとは、FWヴァーディやFWイグアインなど、今夏に狙った一流ストライカーの獲得に失敗した点がどうか。FWジルーがシーズンを通して好調を維持すれば優勝候補筆頭クラスだが…。 ◆知将2年目で躍進の可能性十分~リバプール~ Getty Images▽リバプールも侮れない。昨シーズン途中から指揮を執っているクロップ監督の2年目で、戦術の浸透度も増すはず。補強ではFWサディオ・マネやMFワイナルドゥム、DFクラバン、MFマティプとマンチェスター勢に比べれば地味ながらも、実力者を引き入れた。S・マネやコウチーニョ、ララナなど小回りの利くアタッカー陣がハマった時の爆発力は脅威。クラバンとマティプが難なくプレミアリーグに馴染むことができれば、プレミアを引っ張る存在となってもおかしくない。 ◆昨季優勝もCL並行で苦戦濃厚~レスター~ Getty Images▽奇跡的優勝の立役者であるFWヴァーディ、MFマフレズ、MFカンテのうち、流出を強いられたのは開幕時点でカンテのみ。それでも、中盤の防波堤となっていたカンテが抜けた点は、大きな戦力ダウンだ。代役となるMFキングや新戦力のMFナンパリス・メンディがどこまでやれるかがカギ。さらに、チャンピオンズリーグに参戦する中で、それほど選手層を厚くできていない点が気がかりで、リーグ戦で崩れる可能性をはらんでいる。 ▽注目選手は、プレシーズン中に好仕上がりをアピールしている新加入のFWムサ。スピードとダイナミックな仕掛けが売りの同選手は、FW岡崎とは違うタイプ。岡崎にとって強力なライバルになるが、チームとしてはヴァーディを中心に両者をうまく使い分けたい。あとは、マフレズの慰留に成功できるかが重要。 ◆ハマーズ、セインツも欧州を狙う~そのほかクラブ~ Getty Images▽そのほかでは、昨シーズンの6位サウサンプトンと7位ウェストハムも引き続き注目だ。モナコやリヨンなどを率いた知将ピュエルをニースから引き入れたサウサンプトンは、万能型MFホイベーアと仕掛け鋭いMFレドモンドを補強し、マネとワニアマの穴を埋めた。 ▽ウェストハムはMFパイエの慰留に成功した中で、FWアンドレ・アイェウを補強。DFクレスウェルが長期離脱の最終ラインはやや不安も、FWキャロル、MFランシーニ、MFクヤテーらタレントが豊富で、爆発力がある。 ▽昇格組はバーンリー、ミドルズブラ、ハル・シティの3チーム。この中では、モウリーニョの下でアシスタントとして学んだ経験がある元レアル・マドリーDFカランカ率いるミドルズブラに注目したい。GKバルデス、DFバラガン、FWネグレドなどを獲得したチームは、組織的な守備を武器に勝ち点積み重ねを目指す。そのほかでは、クーマンの下で上位進出を狙うエバートンにも期待したい。 2016.08.13 18:00 Sat
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【編集部コラム】英国のEU離脱が生み出すプレミアリーグへの影響は?

▽23日、英国で行われた国民投票の結果、EU(欧州連合)からの離脱派が残留派を上回る結果となった。今後、英国はEU離脱への動きを見せることになる。欧州のみならず世界経済に大きな影響を及ぼす大きな決定となった今回の英国国民投票の結果だが、EU離脱となればサッカー界にとっても他人事ではなく、大きな影響を受けることになるだろう。 ◆世界最大のマーケットとなっているプレミアリーグ Getty Images▽御存知の通り、英国はイングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズで成り立っている。イングランド、ウェールズのクラブで構成されているプレミアリーグは、欧州各国リーグの中でも、大きなマーケットとなっている。 ▽選手の移籍金の高騰、放映権の高騰は近年の動きを見ても明らかであり、リーグ全体として見れば、リーガエスパニョーラ(スペイン)、ブンデスリーガ(ドイツ)、セリエA(イタリア)などとも、ビジネス面では一線を画している。さらに、アジアやアメリカの投資家がクラブのオーナーになったり、または買収に動いていることからも、経済的な側面で大きな注目を集めている。 ◆厳しいビザの条件がネックに? Getty Images▽EU離脱となった場合、最も影響を受けるのは選手となるだろう。プレミアリーグでは、EU加盟国の選手は外国人選手とみなしていない。一方で、レスター・シティの日本代表FW岡崎慎司やサウサンプトンのDF吉田麻也などのアジア人やEUのパスポートを持たないアフリカ人など、EU圏外の選手がプレーするには大きな障壁がある。 ▽外国人選手は労働ビザが求められ、その条件として「直近2年間の国際Aマッチに75%以上出場」というものがある。さらに、自国がFIFAランキング70位以内の国でなければならないという条件がついている。 ◆外国人だらけのプレミアリーグ Getty Images▽また、現在のプレミアリーグは外国人選手で溢れている。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドと英国の選手を除いた場合、2015-16シーズンのプレミアリーグには595人の選手が登録されていたが、そのうちの384名が英国以外の選手となっている。実に65.2%を占めることとなる。 ▽今回のEU離脱により、これらの選手が全て外国人選手となるのであれば、現状の規則では上記のビザの条件をクリアしなければならなくなる。各国の代表選手として活躍している選手であれば問題ないが、代表招集経験がない若手の有望株や、代表歴が浅い外国人選手は、プレミアリーグでのプレーが難しくなる。 ◆移籍市場でも苦しむ可能性が Getty Images▽もう1つの懸念は、移籍市場でのお金の動きだ。EUに加盟していながら、英国ではポンド通貨を使用し、その他のEU加盟国はユーロ通貨を使用している。6月26日時点で、1ユーロをポンドに換算すると0.81ポンドとなる。ちなみに、1年前であれば1ユーロは0.71ポンドであったため、0.1ポンドあがったことになる。 ▽つまり、1000万ユーロの移籍金が必要な選手を獲得する場合、昨夏の移籍市場であれば、710万ポンドの支払いだったが、現時点では810万ポンドが必要となり、100万ポンドの差が生まれている。EU離脱となれば、今後はこの動きが加速する可能性があるため、選手獲得の動きが鈍る可能性も出てくるだろう。また、これまでは少なかった英国人の海外流出も増えるかもしれない。 ◆デメリットだけではない? Getty Images▽ここまでは、EU離脱に対するデメリットを挙げてきた。サッカー界に限らず、今回の意思決定は大きなデメリットを生むことは間違いないだろう。ただし、考え方を変えれば、プラスに転じる可能性もある。 ▽例えば、ビザの条件が厳しいということは、獲得する選手は各国の代表チームでの主力選手となる。現在のプレミアリーグに外国人枠は存在していないため、この先はより実力のある選手だけが集まるリーグになる可能性がある。 ▽また、英国選手の底上げも期待できるだろう。有望な若手選手が、英国以外の選手にポジションを奪われ、出場機会が減っている現状を嘆く声は数年前から聞こえている。しかし、英国以外の選手が淘汰されていけば、若手にもチャンスが生まれ、ホームグロウン制度を満たすための飼い殺し状態も減るだろう。 ▽今回のユーロでも出場した英国の3チームが全てベスト16に進出している。出場枠が拡大された影響もあるが、それでもオランダは出場していない。つまり、英国人のレベルが上がりつつある傾向と捉えても良いだろう。彼らが今以上にプレミアリーグで活躍する可能性も考えられる。 ◆協会やリーグの対応が待たれる ▽今回の国民投票の結果を受け、プレミアリーグやサッカー協会は特別な動きを見せていない。しかし、数年後にEU離脱が実現するとなれば、現行のレギュレーションが変更される可能性は高い。 ▽国民が選択した結果に対し、時間が経つにつれて新たな考えが生まれ、他国にも影響がではじめようとしている。いみじくも、EU離脱派が多かったウェールズと、残留派が多かった北アイルランドがユーロ2016の決勝トーナメント1回戦で相見え、国民投票と同様に離脱派のウェールズが1-0で北アイルランドを下した。今後のリーグや協会、さらにはUEFA(欧州サッカー連盟)がどのような動きを見せるのか、見守る必要がありそうだ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2016.06.26 20:30 Sun
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【編集部コラム】成功へのラストチャンスか…“24歳”での欧州挑戦

▽今シーズンの明治安田生命J1リーグも1stステージが終わりを告げようとしている中、2人の日本代表Jリーガーに欧州移籍の話が浮上した。ガンバ大阪のFW宇佐美貴史、そしてジュビロ磐田のMF小林祐希。“プラチナ世代”と呼ばれる両選手が注目を集めている。 ▽宇佐美にはブンデスリーガのアウグスブルクが獲得に興味を示しており、小林にはオランダのヘーレンフェーンが獲得のオファーを出していると報じられている。宇佐美はバイエルン、ホッフェンハイムとすでにドイツの2クラブでのプレー経験があるが、小林は移籍が決まれば初の海外挑戦となる。 ▽両選手ともクラブで中心的な役割を担い、6月に行われたキリンカップサッカー2016の日本代表にも招集されている。“若手”と表現されることが多い2選手だが、欧州への挑戦を選択するのであれば、このタイミングを逃す訳にはいかないだろう。 ◆“24歳”という年齢はギリギリのタイミング ▽宇佐美、小林ともに現在24歳。この24歳という年齢は、欧州で活躍する上では決して早くないことが分かる。 Getty Images▽日本代表のエースであり、ミランの10番を背負うFW本田圭佑。星稜高校卒業後、名古屋グランパスに加入した本田は、21歳の時にVVVフェンロへと移籍。2010年1月にCSKAモスクワへと完全移籍した。当時は23歳だったが、24歳になる年にステップアップを果たし、現在の地位に登りつめた。 Getty Images▽日本代表で10番を背負うドルトムントのMF香川真司も同様だ。2006年にセレッソ大阪でプロデビューを果たした香川は、21歳でドルトムントへと移籍。ユルゲン・クロップ監督(現・リバプール監督)の下で結果を残すと、23歳でマンチェスター・ユナイテッドへと移籍を果たした。 Getty Images▽最近“アモーレ”で話題をさらったインテルの日本代表DF長友佑都は、24歳で転機を迎えた。苦労人のエピソードで知られる長友は、明治大学在学中にFC東京へと入団。23歳でセリエAのチェゼーナへと移籍すると、24歳でインテルに加入した。その後の活躍は言うまでもない。 Getty Images▽レスター・シティに所属し、奇跡のプレミア制覇に貢献した日本代表FW岡崎慎司も24歳で清水エスパルスからシュツットガルトへ移籍。サウサンプトンでプレーする日本代表DF吉田麻也も21歳でVVVフェンロへと移籍し、24歳でサウサンプトンへと加入している。 ◆かつての海外組も“24歳”が転機に Getty Images▽過去を振り返っても24歳という年齢は重要な年となっている。2006年のドイツ・ワールドカップを最後に現役を引退した中田英寿氏は、21歳でベルマーレ平塚(現・湘南ベルマーレ)からセリエAのペルージャへと移籍。その後、ローマへと移籍するが、ローマの王子様こと元イタリア代表FWフランチェスコ・トッティの牙城を崩せず、パルマへと移籍した。中田の評価をさらに上げたパルマへの移籍が、24歳だった。 Getty Images▽現在も精度の高いキックで見るものを魅了する横浜F・マリノスのMF中村俊輔も同様だ。中村は24歳の時にセリエAのレッジーナへと移籍。その後に加入したセルティックでは、今もなおレジェンドとして扱われるほどの活躍を見せた。 ◆若手とは認識されない“24歳” ▽24歳という年齢を聞いた時、日本では“若手”というイメージが浮かぶだろう。学年で言えば、大卒2年目。社会人2年目と考えれば、“若手”と言ってしまうのも無理は無い。しかし、サッカーの世界では決して“若手”とは言えない。現在フランスで行われているユーロ2016を見ても、高校生のイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードが出場するほどだ。日本人選手でも、ザルツブルクでプレーするFW南野拓実、ヤング・ボーイズでプレーするFW久保裕也、ザンクト・パウリでプレーするFW宮市亮は10代で欧州へと渡っている。 ▽宇佐美と小林に限らず、その他にも欧州移籍の噂が挙がっている選手は少なくない。しかし、過去を振り返れば、日本のサッカー界を背負うべき選手たちは24歳で大きな転機を迎えていた。宇佐美と小林にとってシーズン中の難しい時期ではあるが、今後のキャリアを考えた場合には、今が決断を下すときなのかもしれない。そして、“24歳”が近づいているリオ五輪に臨む選手たちにも、そのキッカケを掴む活躍を見せてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2016.06.20 13:25 Mon
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【編集部コラム】最強の“矛”を手にしたペスカドーラ町田が絶対王者・名古屋オーシャンズの10連覇を阻むか

▽SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017が、6月11日(土)に東京の国立代々木競技場第一体育館で開幕する。記念すべき10年目の今シーズンは、リーグの勢力図が変わる可能性を秘めている。 ◆リーグ開幕から王座を守り続ける名古屋に異変… ▽これまでFリーグは開幕した初年度から名古屋オーシャンズが9連覇。一度たりとも名古屋からリーグタイトルを奪ったチームはいない。“絶対王者”の異名をもつ名古屋は、これまでに多くの日本代表選手や世界最高と称されるフットサル・ポルトガル代表FPリカルジーニョなど有力な外国人選手を擁して、王座を守り続けてきた。 ▽しかし、今シーズンはこれまでにFリーグMVPを4度、ベストファイブを5度、得点王を4度獲得してきたエースの日本代表FP森岡薫が退団。さらに、森岡と共にチーム創世期から支えてきた元日本代表FP北原亘、そしてフットサルの教科書とまで言われたポルトガル代表FPペドロコスタが現役を退いた。 ▽そのペドロコスタを新監督に据えて迎える10連覇がかかったシーズンだが、エースの代役として獲得したブラジル代表FPシノエが“一身上の都合”で開幕前に退団した。チームの根幹をなしてきたベテランたちがチームを去り、一気に推し進めた世代交代は絶対王者といえども危険を孕んでいる。 ◆リーグタイトル奪取に燃える町田が本気の動き ▽その一方で、名古屋の牙城を崩そうと虎視眈々と準備を進めているのがペスカドーラ町田だ。Fリーグ最強守護神と言われる日本代表GKピレス・イゴールを擁する堅い守備と、FPが連動して攻め込む魅力的な戦いを見せる町田。昨シーズンは名古屋に次ぐ2位でクラブ史上初となるプレーオフに進出した。しかし経験不足からか、プレーオフでは本来の力を発揮できずに、プレーオフファイナルに進出できず、名古屋への挑戦権を失った。 ▽失意に終わったシーズンを乗り越えて、今シーズンの町田は本気度が窺える。その筆頭が森岡の獲得だろう。イゴールの加入で守備に安定感が出た町田だったが、得点力不足は長年の課題。昨シーズンは、かつて得点王に輝いたFPボラを獲得するも、18ゴールに終わるなどかつての輝きを見せることはできず。そんな町田が、名古屋を退団して海外リーグへ挑戦するとの噂もあった森岡の獲得に成功したのだ。 ◆レジェンドに最高の花道を ▽最強の“盾”に加え、“矛”まで手にした町田には負けられない理由がもう一つある。それは、チームの創設期から携わってきたFP甲斐修侍が今シーズン限りで現役を引退するからだ。長らく日本のフットサル界を牽引してきた“レジェンド”は、Fリーグ参入前のカスカヴェウ時代に全日本選手権での優勝(2000年)や、2001年のスーパーリーグ制覇、2005年には関東リーグ優勝など輝かしい功績を残してきた。 ▽Fリーグ開幕後のペスカドーラ町田では、名古屋に苦杯を舐めさせられ続けたが、昨シーズンの全日本選手権優勝でペスカドーラ町田として初めてのタイトルを手にした。それだけに、現役最後のシーズンとなる今シーズンのリーグ制覇は甲斐だけでなく、全員が強く望んでいることだろう。シーズン開幕直前の発表が、それを物語っている。 ▽悲願のリーグ制覇に向けて舞台は整った。10年目の節目のシーズンで絶対王者の牙城を崩せるのか、今シーズンのペスカドーラ町田からは目が離せない。 《超ワールドサッカー編集部・川嶋正隆》 2016.06.10 21:00 Fri
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【コラム】史上最大のアップセットを成し遂げたレスター・シティ

▽レスター・シティが偉業を達成した。5月2日、2位のスパーズがチェルシーと引き分けことで、勝ち点差7ポイントを維持。2試合を残し、創設132年目で奇跡的なプレミアリーグ初優勝を決めた。 ◆降格候補が史上最大の番狂わせ ▽シーズン前は降格候補だった。それもそのはず、昨シーズンは4月の時点で最下位。最後の9試合で7勝を記録し、辛くも残留に成功したクラブだった。さらに、オフシーズンには、残留の立役者であるナイジェル・ピアソン監督を電撃解任するなど、ドタバタのシーズンスタートとなった。 ▽開幕時点で大手ブックメーカー『ウィリアム・ヒル』が「レスターのプレミアリーグ優勝」に設定した倍率は5001倍。『ESPN』によれば、同倍率だったのは、「エルヴィス・プレスリーは生きていた」、「イエティかネッシーの存在が証明される」、「イングランドでクリスマスに1年で最も暖かい気温を記録」、「バラク・オバマが大統領を引退した後にイングランドでクリケット選手になる」といったもの。つまり、『あり得ないジョーク』級の賭け対象だった。 ▽『ウィリアム・ヒル』のスポークスマンであるジョー・クライリー氏は、「スポーツの賭け事の歴史上で、5001倍を的中させれば単一の対象における最高倍率となる」と話しており、レスターのプレミアリーグ優勝は“史上最大の番狂わせ”として、歴史に刻まれた。(ちなみに、2位の記録はウェールズ代表MFハリー・ウィルソンの祖父が、ウィルソンが生後18カ月の時、「孫が将来ウェールズ代表でプレーする」と賭けて的中させた2501倍だ。) ◆レギュラー固定とMVP級の3選手 ▽しかし、フタを開けてみればクラウディオ・ラニエリ率いるチームがプレミアリーグを席巻した。昨年10月以降は常に3位以上のポジションをキープ。1月以降は首位を譲ることなく逃げ切った。よく例えられる競馬で言えば、4角先頭からの押し切り。まさに、“強い勝ち方”だった。 ▽今季のレスターは、近年の優勝クラブには珍しく“絶対的レギュラー”が多数存在するチームだった。GKのシュマイケル以下、シンプソン、モーガン、フート、フックス、カンテ、ドリンクウォーター、オルブライトン、マフレズ、岡崎、ヴァーディの11人は、ここまでのリーグ戦で25試合以上に先発している。25試合以上に先発した選手の数は、もちろんプレミアリーグで最多だ。Getty Images ▽欧州大会に参加していなかったとはいえ、フィジカル面でタフなプレミアリーグにおいて、これだけレギュラー選手のコンディションを維持できたのも奇跡的。メディカルスタッフが優秀であることの証左であり、彼らのたゆまぬ努力がレスターの躍進を支えた。 ▽選手に話を戻せば、11人の中でも群を抜く運動量と圧倒的なボール奪取能力で最終ライン前の防波堤となったMFエンゴロ・カンテ、第36節終了時点で17得点11アシストを記録してPFA年間最優秀選手に輝いたMFリヤド・マフレズ、同じく22得点を記録しただけでなく前線からの連続プレスで守備にも貢献したFWジェイミー・ヴァーディの3選手は、リーグのシーズンMVPに相応しい活躍だった。 ▽そして、その3選手をレスターに引き入れたリクルート部門のトップで、2011年からレスターのアシスタントコーチを務めるスティーブ・ウォルシュの功績は見逃せない。チェルシーのアナライザーを務めていた時代には、ジャンフランコ・ゾラやディディエ・ドログバ、マイケル・エッシェンらの獲得に携わったといわれる彼の慧眼なくして、レスターの偉業はあり得なかっただろう。Getty Images ◆戦術を変えたラニエリの手腕 ▽もちろん、ラニエリの手腕も素晴らしかった。前半戦はハイプレスのアタッキングフットボールで打ち合い勝負に持ち込み、勝ち点を積み重ねた。しかし、多くの運動量が求められるこのようなスタイルでは後半戦で息切れすることを見据え、中盤戦以降は最終ラインの設定を低くし、よりカウンター色を濃くした。 ▽前半戦は19試合で25失点・クリーンシート4回だったのに対し、後半戦のここまで16試合は9失点・クリーンシート11回。この数字からも、ラニエリの仕事ぶりが分かるだろう。前後半で戦い方を大きく変化させたのは見事だった。 ▽今季からレスターを指揮し始めたラニエリだが、プレミアリーグは初挑戦ではなく、2000年から2004年まではチェルシーを率いていた。ブルーズでの経験が今季のマネジメントに大きく生きたことは間違いない。 ◆歴史的チームのレギュラーとして名を残した岡崎 ▽そして、この歴史的なチームに岡崎慎司が在籍していたことも日本人にとって嬉しいことだ。しかも、第21節以降は全試合で先発するなど、レギュラーとして優勝に大きく貢献したことは非常に誇らしい。Getty Images ▽5得点0アシストと数字上では平凡にみられるかもしれないが、岡崎の働きは大きかった。豊富な運動量を生かしたファーストディフェンダーとしてのプレスや、相手守備陣を釣るインテリジェンスなランニングは、ヴァーディの得点量産やチームの堅守を助けた。守備と戦術の国であるイタリア人のラニエリが絶賛するのも頷けるプレーぶりだった。 ◆来季の目標は… ▽かくして、レスターはプレミアリーグ、いやスポーツの歴史に名を残す奇跡的な偉業を達成した。来季は、クラブ史上初となるチャンピオンズリーグ挑戦が待っている。 ▽しかし、チャンピオンズリーグを戦いながらプレミアリーグでも再び上位に進出するのは、困難なはずだ。“絶対的レギュラー”のチームでチャンピオンズリーグと並行することは自殺行為であり、より選手層を厚くする必要がある。メガクラブから標的にされているカンテ、マフレズ、ヴァーディの3人のうち1人ないし2人は流出せざるを得ない状況になることを覚悟して、夏の補強計画を進める必要がある。 ▽レスターが王者の座を防衛することは極めて難しく、来季のプレミアでの現実的な目標はヨーロッパ圏内となるだろう。クラブの次のステップは、リーグの上位を維持し続けること。クラブの発展には、継続性が不可欠だ。今回の偉業を10年後、20年後と年月を重ねるごとに輝かさせてはならない。例年以上に忙しくなる今オフシーズン、来季以降のチームの浮沈を左右するフロントの仕事ぶりに引き続き期待がかかる。 《超ワールドサッカー編集部・音堂泰博》 2016.05.03 22:30 Tue
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【今冬のデッドライン・デイ特集】超WS選定! 移籍しそうな!?選手一覧

▽欧州の今冬における移籍市場は、時差の関係で多少のズレはあるものの、現地時間1日をもって閉幕する。そこで、本稿では超WS編集部の独断と偏見により、今冬の移籍が噂される注目の選手をピックアップ!!(※ネタもあり) 移籍の可能性を★5つで評価しているので、1つの“ツール”として、下記の選手リストに目を通し、今冬の移籍マーケットの動向を楽しんでもらいたい。 FWロイク・レミ(29歳)[フランス/チェルシー] 移籍先候補:レスター・シティ ★★★★★ ▽どうやらレスター・シティが移籍金1000万ポンド(17億3000万円)のオファーで獲得に乗り出しているようだ。チェルシーが今冬にFWアレシャンドレ・パトを獲得したことを考えれば、フランス人ストライカーの移籍を許可する可能性も十分に考えられる。 FWサイード・ベラヒノ(22歳)[イングランド/WBA] 移籍先候補:ニューカッスル、ストーク・シティ ★★★★★ ▽WBAのジェレミー・ピース会長が以前に今冬の売却を否定していたものの、ニューカッスルとストーク・シティはこの1月での獲得を諦めていない様子。イギリス『スカイ・スポーツ』によれば、ニューカッスルが移籍金2100万ポンド(約36億3200万円)のオファーを提示しているとも…。 MFアレックス・テイシェイラ(26)[ブラジル/シャフタール] 移籍先候補:リバプール ★★★★★ ▽選手本人は移籍を志願しているものの、シャフタール側が高額な移籍金を要求しているとみられることから、クラブ間での移籍交渉が難航中。現在はチェルシー行きから一転して、リバプールがリードしているとも伝えられている。しかし、リバプールに3度のオファーを出す予定はないとも… FWセイドゥ・ドゥンビア(28)[コートジボワール/CSKAモスクワ] 移籍先候補:ニューカッスル ★★★★★ ▽31日付けのイギリス『デイリー・メール』によれば、ニューカッスル加入が迫っているとのこと。加入形態はレンタル移籍で、契約には700万ポンド(約12億円)の買い取りオプションも含まれているという。 MFナイジェル・デ・ヨング(31歳)[オランダ/無所属] 移籍先候補:ロサンゼルス・ギャラクシー ★★★★★ ▽ミランは1日、契約解除を発表。イタリアメディアによれば、以前から移籍先として有力視されているメジャーリーグ・サッカーのロサンゼルス・ギャラクシー入りが迫っているようだ。 FWアーメド・ムサ(23)[ナイジェリア/CSKAモスクワ] 移籍先候補:レスター・シティ ★★★★★ ▽イギリス『デイリー・スター』の報道によると、レスター・シティはCSKAモスクワのスピードスター獲得を狙っているようだ。しかし、この争奪戦にはマンチェスター・ユナイテッドも参戦を表明したとも…。 DFダニー・ローズ(25)[イングランド/トッテナム] 移籍先候補:マンチェスター・ユナイテッド ★★★★★ ▽マンチェスター・ユナイテッドが、サイドバックでプレーできる選手の相次ぐ負傷離脱を受け、獲得を狙っている模様。ただ、この移籍は、トッテナムにとってチャンピオンズリーグの出場権を争っているライバルのプラスになるような取引だけに、噂止まりの可能性も高い。 MFエベル・バネガ(27)[アルゼンチン/セビージャ] 移籍先候補:インテル ★★★★★ ▽インテルが今夏の獲得で合意に達したとみられている。しかし、インテルは今冬の獲得を目指しており、移籍市場の最終日まで交渉を続けるとも伝えられている。 FW田中順也(28)[日本/スポルティング] 移籍先候補:ザンクト・パウリ、デュイスブルク、トゥベンテ、柏 ★★★★★ ▽スポルティングで出場機会に恵まれない日々を過ごしている元柏のレフティーには、ザンクトパウリとデュイスブルクのドイツ勢のほか、デ・フラーフスハプ、ローダJC、トゥベンテのオランダ勢も獲得に興味を示している模様。さらに、古巣の柏も移籍先として浮上している。 FWアンドリー・ヤルモレンコ(26)[ウクライナ/ディナモ・キエフ] 移籍先候補:アーセナル ★★★★★ ▽先日、ウクライナ『sport UA』やドイツ『ビルト』など複数メディアが伝えたところによれば、アーセナルが3000万ユーロ(約38億9000万円)の条件でディナモ・キエフとクラブ間合意に至ったとのこと。 DFマテュー・ドゥビュシー(30)[フランス/アーセナル] 移籍先候補:アストン・ビラ、サンダーランド、レバークーゼン ★★★★★ ▽アーセナルを指揮するアーセン・ヴェンゲル監督は、ドゥビュシーの移籍を明言済み。どうやらアストン・ビラ、サンダーランド、レバークーゼンのいずれかに加入する見込みのようだが、果たして… DF鈴木大輔(26)[日本/無所属] 移籍先候補:ラージョ ★★★★★ ▽今冬の海外移籍を目指して柏を退団。以前からラージョ入りが噂されているが、現時点で加入の噂が挙がってこない状況であり、一部ではJリーグの他クラブへの移籍も囁かれている。 FWフェルナンド・トーレス(31)[スペイン/アトレティコ・マドリー] 移籍先候補:中国のクラブ、Jリーグのクラブ ★★★★★ ▽アトレティコ・マドリー側にレンタル期間を延長する気もなければ、ミランも買い取るつもりがないとのこと。噂では中国、Jリーグのクラブを含む数クラブが関心とも伝えられている。 MFガビ(32)[スペイン/アトレティコ・マドリー] 移籍先候補:広州恒大 ★★★★★ ▽先月29日付けのスペイン『アス』によれば、広州恒大が年俸760万ユーロ(約10億5000万円)の3年契約という破格の条件を用意しているとも…。 FWフッキ(29)[ブラジル/ゼニト] 移籍先候補:広州恒大 ★★★★★ ▽どうやら、広州恒大が得点源だったブラジル人FWエウケソンに代わる、新たな得点源として獲得に興味を示しているとのこと。 FWラダメル・ファルカオ(29)[コロンビア/チェルシー] 移籍先候補:江蘇蘇寧 ★★★★★ ▽中国の江蘇蘇寧が1000万ドル(約12億円)にものぼる給与を準備とも… FWジエゴ・コスタ(27)[スペイン/チェルシー] 移籍先候補:アトレティコ・マドリー ★★★★★ ▽FWジャクソン・マルティネスの不振を受け、アトレティコ・マドリーがかつてのエース呼び戻しを画策か…!? スペインやイングランドの複数メディアが報じている。 2016.02.01 21:00 Mon
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【コラム】足りなかったもの《ACL》

▽G大阪は21日、ホームの万博記念競技場でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2015準決勝第2戦の広州恒大戦に臨み、ゴールレスドローで試合を終えた。この結果、2戦合計スコアは1-2となりG大阪の準決勝敗退が決定している。そして、Jリーグ勢で唯一生き残っていたG大阪の敗退により、7年ぶりとなるJクラブのアジア制覇という夢も潰えた。 ▽アウェイでの第1戦を1-2で落としていたG大阪にとって、今回の第2戦では1-0の勝利か、2点差以上での勝利が決勝進出への条件だった。要するに、ゴールを奪わなければ決勝への道が閉ざされる状況だったが、長谷川健太監督はエースのFW宇佐美貴史をベンチに置き、ベテランのMF二川孝広を2列目の左で先発起用。1トップの位置にFWパトリックを置き、ボランチの一角にMF遠藤保仁を配する[4-2-3-1]の布陣を採用した。 ▽予想外のスターティングメンバーに、不安と期待が入り混じる中でスタートした試合は、引き分けでも勝ち上がれる広州恒大がリスクを避けた戦いを選択してきたことにより、G大阪が素早い攻守の切り替えからペースを握った。二川を起用したことで、よりポゼッションで相手を圧倒できていた反面、ボックス近辺で“勝負できる”宇佐美をベンチスタートとしたことが良くも悪くも試合に影響を及ぼしたように思う。 ▽長谷川監督は試合後、宇佐美をベンチスタートとした理由について、「貴史の今の状態を見て、ベンチからという決断をした」と明かしている。疲労からくるものなのか定かではないが、直近の試合で本来のパフォーマンスから程遠い内容に終始した宇佐美の状態や1点勝負になる状況を考えると、チームにとっても、宇佐美を勝負どころでジョーカーとして投入することはベターな選択だったと言えるだろう。 ▽後半から途中出場した宇佐美は、得意のカットインからのシュートや、対角線への大きな展開で攻撃を活性化させていた。そして、チームの攻撃を勢いづけた。しかし、結果は0-0。ゴールを奪わなければならなかったG大阪は、最後までネットを揺らすことはできなかった。敗因について、遠藤は「経験が足りていなかった。それが力のなさかもしれないし、一概には言えないけれど、ひとつ言えることは、もっとレベルアップしないといけないということ」と分析している。 ▽その一方で、G大阪で数少ないACL優勝経験者の1人である遠藤は「2008年のときよりも安定して戦うことができるチームだった」とも語り、現在のチームへの手ごたえも口にしている。優勝した当時のG大阪は、西野朗前監督が志向する“1点を取られたら、2点取ればよい”という攻撃的なスタイルでJ屈指の得点力を売りとしていた反面で、守備面の脆さを課題としていた。そのため、大味になる試合も多く、勝ち点を取りこぼすことも多々あったが、“押し切る力”も持ち合わせていた。 ▽現在のG大阪は、長谷川監督の下で堅守速攻のスタイルを確立。J1昇格初年度の昨シーズンには、長谷川監督の志向する“組織的な守備”をチームに浸透させつつ、宇佐美とパトリックの強力2トップを中心としたカウンターを武器に、鹿島以来となる国内3冠(J1、天皇杯、ナビスコカップ)の偉業を成し遂げた。それだけに、遠藤が現在のチームへの満足感を口にするもの理解できる。 ▽しかし、決定機をほとんど作れなかった今回の広州恒大戦では、試合運びの部分で大きな差があり、“押し切る力”が足りないと感じた。その差を痛感させられたのは広州恒大が見せた攻撃面。単発ながらもシュートで終わる効率のよい攻撃を展開し続けた広州恒大の方が、押し込んでいたG大阪よりも得点の匂いを感じさせたし、それを継続することで試合をコントロールする術を心得ていた。 ▽スタッツを見ると、総シュート本数はG大阪の8本に対し、広州恒大が13本。約460億円ともいわれる年間予算の部分やMFパウリーニョ、FWリカルド・グラルなどの実力者を補強したことでフォーカスされがちな広州恒大だが、今回の対戦では金銭で買うことのできない“したたかさ”でG大阪を凌駕していた印象を受けた。その姿勢は、今のG大阪にはない。 ▽ただ、G大阪が組織力を武器に対等な戦いを見せていたことも事実。今回のアジアでの戦いで気づいた良い点と悪い点を精査しながら、今シーズンの残るコンペティションへ全力を注ぎたい。次に目を向けるべきは、いずれもタイトル獲得の可能性を残しているリーグ戦、ナビスコカップ、天皇杯。そこでは、タイトル獲得へまい進する選手たちとともに、チームにはアジアの強豪たちとの戦いで欠落を痛感した“したたかさ”と“押し切る力”という部分での成長に期待したい。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2015.10.26 12:00 Mon
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【MLS特集(2)】大物続々参戦で活況を増すも、ものを言うのは資金力?

▽2006年の元イングランド代表MFデイビッド・ベッカムのロサンゼルス・ギャラクシー加入以降、ヨーロッパや南米のビッグネームを獲得し続けているアメリカのメジャーリーグ・サッカー(MLS)。今夏の移籍市場では元イングランド代表MFスティーブン・ジェラード(ロサンゼルス・ギャラクシー)、元イングランド代表MFフランク・ランパード(ニューヨーク・シティ)に加え、イタリア代表MFアンドレア・ピルロ(ニューヨーク・シティ)という3人のスーパースターの加入が決定した。本稿は注目度うなぎのぼりなMLSの現状についてのレポート後編だ。 ◆それぞれの想いを胸に海を渡る大物プレーヤー ▽ユルゲン・クリンスマン監督率いるアメリカ代表の躍進や大物選手の加入などの好材料もあり、年々観客数が増加し、さらには放映権料が高騰。その結果、収益性も高めているMLS。スポーツビジネス大国アメリカの組織だけに、リーグ運営に滞りはなく、選手たちがプレーのみに集中する環境が整えられている。加えて、イタリアやスペイン、南米とは異なり、プロスポーツ選手への敬意を持つファンの存在も、長年プレッシャーに晒され続けてきたスター選手をこのリーグに惹きつける1つの要素となっている。 ▽ジェラードやランパード、ピルロ、元スペイン代表FWダビド・ビジャ(ニューヨーク・シティ)、元ブラジル代表MFカカ(オーランド・シティ)など、ヨーロッパの頂点を極めた超一流選手たちは、新たなモチベーションとキャリア終了後の生活を考慮してアメリカを新天地に選んだ。 Getty Images[MLSは一流選手の選択肢の1つに] ▽また、リーグ全体のレベル向上を受けて、MFマイケル・ブラッドリー(トロントFC)やFWクリント・デンプシー(シアトル・サウンダース)などのアメリカ代表選手の復帰。高額のサラリーを求めてロシアなどのクラブを渡り歩いてきた元ナイジェリア代表FWオバフェミ・マルティンス(シアトル・サウンダース)などアフリカ系の選手が流れてくるケース。イタリア代表FWセバスティアン・ジョビンコ(トロントFC)のようにキャリア全盛期の代表クラスが電撃移籍するケースも出てきている。 ▽さらに、アメリカ行きを決断する最大の理由が、治安と教育環境の優れた土地で家族との時間を過ごすというプライベートな理由だ。2015年1月にスタンダール・リエージュからモントリオール・インパクトに移籍したベルギー代表DFローラン・シマンは、自閉症を患う娘の治療環境を優先して移籍を決断。同選手は特別指定選手の枠外での加入となったため、スタンダール・リエージュ時代よりも低いサラリーでプレーしている。 ◆新制度導入で大物獲得が容易に ▽2006年にレアル・マドリーからロサンゼルス・ギャラクシーに加入したベッカムの移籍を受け、同シーズンから特別指定選手制度が採用された。この制度ではリーグの定めるサラリーキャップの範囲外で最大2選手を獲得することが可能となる。(年間15万ドルの対価でもう1枠だけ特別指定選手枠を追加できる。つまり実質、特別指定選手は最大3選手まで。なお、その15万ドルは、3枠目の特別指定選手枠を持たないすべてのクラブに分配される) ▽さらにMLSは、2015年7月8日に各クラブの補強をこれまで以上に促進するために、特殊分配金制度の導入を発表した。この特殊分配金制度は、2015年以降の5年間にリーグ機構から毎年10万ドル(約1240万円)の補強資金が分配されるというものだ。(一括で50万ドル[約6190万円]を受け取ることも可能) ▽ただし、通常の分配金が、選手獲得のための移籍金や既存選手の給与を賄うために使用できる一方、特殊分配金は年俸上限(2015シーズンは43万6250ドル)を超えるサラリーを受け取っている選手に対しての使用に限られる。したがって、この分配金の使い道はいくつかのパターンに限られる。 ▽一つは年俸上限を超える年俸の選手を獲得するため。もう一つは、現状抱えている選手と契約更新する際に、年俸上限を超えた年俸で契約を結ぶためだ。これにより、クラブは額面上は年俸上限以下で、より“価値”の高い選手を、これまで以上に抱えることができるようになった。一方で、この特殊分配金を、他のクラブとトレードし、相応の対価を得ることも可能だ。 ▽そして、さらにもう一つのケースは、この特殊分配金を特別指定選手の年俸額の一部にあてることで、年俸上限以下の額面に引き下げ、同選手を特別指定選手ではなくするというものだ。これこそMLSが今回の分配金制度を導入した最大の理由だ。(ただし、この用途は、すでに抱えている特別指定選手を、新たに獲得する特別指定選手で置き換える場合にのみ認められる) Getty Images[“特別指定選手”として加入するドス・サントス] ▽7月16日に、ビジャレアルからロサンゼルス・ギャラクシーに加入したメキシコ代表FWジョバニ・ドス・サントスの移籍は、この特殊分配金制度を利用した初めてのケースだ。ドス・サントス加入以前にアイルランド代表FWロビー・キーンとジェラード、アメリカ代表DFオマール・ゴンサレスを特別指定選手枠で登録していたロサンゼルス・ギャラクシーは、以前までであれば、ドス・サントスを獲得するために、同選手のサラリーを選手1人あたりの年俸上限である43万6250ドル(約5370万円)以内に抑えるか、前述した特別指定選手3名のうちの1人を放出する必要があった。 ▽だが、同クラブは前述した3選手の中で最も年俸の低いオマール・ゴンサレスのサラリー(120万ドル[約1億4800万円])に対して、特殊分配金(最大50万ドル+トレードで獲得した数十万ドル)を充てて、クラブが支払う同選手のサラリーを年俸上限以内に抑えることで、特別指定選手の登録枠から外した。これにより、年俸410万ドル(約5億860万円)のドス・サントスを新たな特別指定選手として獲得することが可能となったのだ。 ◆マーケットの拡大続くもビジネス化の流れが加速 ▽ジェラードやピルロ、ランパードらの加入と若年層のファン拡大で今後も隆盛が続くとみられるMLSだが、これからはクラブ間の資金力の差がリーグの競争力に大きな影響を及ぼしていきそうだ。 ▽リーグ全体の収益増加で今後は毎シーズンのようにサラリーキャップの上限が上がり、選手のサラリーはうなぎのぼりとなるだろう。加えて、前述した特殊分配金制度の導入でロサンゼルス・ギャラクシーやニューヨーク・シティなど、大都市圏の資金力のあるチームが、国内外からさらなる大物選手を獲得することも十分に予想される。 ▽アメリカ独自で発展するMLBやNFLなどでは、資金力のないクラブがドラフトによって有望なタレントを集めて競争力を保つことができるが、ワールドワイドなサッカーでは有望な若手が他国のリーグに引き抜かれるため、必ずしも同様の手法を採ることができるわけではない。 Getty Images[変容し続けるMLSの今後はいかに…?] ▽近い将来に向けては、特殊分配金制度のようなマーケティング上の効果を狙った、資金力のあるビッグクラブ有利の新制度の導入や、MLBが採用する“贅沢税(罰金を支払えば、サラリーキャップ超過が許される)”の導入が予想される。その中でこれまでのように、すべてのクラブに優勝の可能性がある競争力の高いリーグを維持できるかが、課題となっていくだろう。 《超ワールドサッカー編集部・岸上敏宏》 2015.07.24 18:31 Fri
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【MLS特集(1)】アメリカンスタンダードなガラパゴス・スタイル!?

▽2006年の元イングランド代表MFデイビッド・ベッカムのロサンゼルス・ギャラクシー加入以降、ヨーロッパや南米のビッグネームを獲得し続けているアメリカのメジャーリーグ・サッカー(MLS)。今夏の移籍市場では元イングランド代表MFスティーブン・ジェラード(ロサンゼルス・ギャラクシー)、元イングランド代表MFフランク・ランパード(ニューヨーク・シティ)に加え、イタリア代表MFアンドレア・ピルロ(ニューヨーク・シティ)という3人のスーパースターの加入が決定した。本稿では再び注目を集めるMLSの現状についてレポートしていきたい。 ◆サッカー界のガラパゴス ▽まずは前編として、MLSの現状にスポットを当てる前に、同リーグの基本的な情報について紹介していきたい。翌年に行われるワールドカップに先駆けて1993年に創立されたMLSは、1996年に10クラブでスタート。アメリカの四大スポーツ(MLB[野球]、NFL[アメリカン・フットボール]、NBA[バスケットボール]、NHL[アイスホッケー])と同様に人気スポーツコンテンツとなることを目指し、創立から20年弱でエクスパンション(新規クラブの参入)を繰り返すなど着実に発展を遂げ、2015シーズンからはイーストカンファレンス(10チーム)とウェストカンファレンス(10チーム)の2ディビジョンでの合計20チーム体制(所属チームは※1参照)となった。 Getty Images[着実に成長を遂げるMLS] ▽ヨーロッパの主要リーグとは趣きの異なるMLSは、リーグ運営の部分で独自の制度を採用している点が大きな特徴だ。日本と同様に春秋制(3月~12月)を採用しており、1シーズンはレギュラーシーズン(3月~10月)、MLSカップ・プレーオフ(11月)、MLSカップ(12月初旬)の3段階に分かれている。 ▽まず、レギュラーシーズンでは、イーストカンファレンスとウェストカンファレンスの2つのディビジョンに分かれて合計34試合を戦う(同じカンファレンス所属の9チームとホーム&アウェイ方式での18試合に加えて、ホーム戦3試合、アウェイ戦3試合の計6試合、さらに別カンファレンス所属の10チームとホーム戦5試合、アウェイ戦5試合の計10試合を戦う)。 ▽レギュラーシーズン終了後、各カンファレンスの上位6チーム、計12チームがMLSカップ・プレーオフに進出する。まず1回戦では、各カンファレンスごとに、3位と6位のチーム、4位と5位のチームがノックアウト方式で対戦。その勝者がそれぞれ、同一カンファレンスの1位、2位のチームとホーム&アウェイ方式の準決勝を行う。最後に、準決勝を勝ち抜いた2チームが、同じくホーム&アウェイ方式の決勝で対戦し、各カンファレンスの王者を決定するという仕組みだ。 ▽そして12月初旬に、2つのカンファレンスの王者が一発勝負のMLSカップで対戦し、勝利したチームが、そのシーズンのMLSの年間王者となる。年間王者には翌シーズンのCONCACAFチャンピオンズリーグ出場権が与えられる。 Getty Images[2014年のシーズン王者となったLAギャラクシー] ▽なお、レギュラーシーズンに最多の勝ち点を獲得したチームには、“サポーターズ・シールド”という賞が贈られ、さらに年間王者と同様に翌シーズンのCONCACAFチャンピオンズリーグ出場権が与えられる。また、ヨーロッパの主要リーグや南米リーグとは異なり、MLSでは下部カテゴリーへの降格などの入れ替えは行われない。 ▽さらに前述した四大スポーツに倣うようにサラリーキャップ制度(各クラブの所属選手の総年棒の制限。および、選手1人あたりの年俸上限の設定。詳しくは※2参照)とドラフト制度(新人選手の獲得)を導入している。また、大物選手の獲得に関しては、特別指定選手制度(Designated Player)と分配金制度(Allocation money)、特殊分配金制度(Targeted allocation money)といった独自の制度を設けている。 ▽別稿の後編では、アメリカに新天地を求めたスター選手たちの状況や、新制度導入の影響、さらには今後のMLSが抱えるであろう問題点について、具体的に論じていく。 ※1:MLS所属チーム 【ウェストカンファレンス】 コロラド・ラピッズ FCダラス ヒューストン・ダイナモ ロサンゼルス・ギャラクシー ポートランド・ティンバーズ レアル・ソルトレイク サンノゼ・アースクエイクス シアトル・サウンダース スポルティング・カンザスシティ バンクーバー・ホワイトキャップス 【イーストカンファレンス】 シカゴ・ファイアー コロンバス・クルー D.C.ユナイテッド モントリオール・インパクト ニューイングランド・レポリューション ニューヨーク・シティ ニューヨーク・レッドブルズ オーランド・シティ フィラデルフィア・ユニオン トロントFC ※2:2015シーズンのルールでは、1チームの登録人数が28人。そのうち、年俸額上位20選手の年俸総額の上限が349万ドル(約4億3000万円)に設定されている。また、1選手が最大で受け取れる年俸の上限額は43万6250ドルに決められている。 《超ワールドサッカー編集部・岸上敏宏》 2015.07.24 18:30 Fri
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【コラム】真価が問われる2ndステージが開幕

▽7月11日(土)、明治安田生命J1リーグの2ndステージが開幕する。1stステージはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で苦戦していた浦和が無敗優勝を達成。チャンピオンシップ出場権を確保した。チャンピオンシップ出場は最大5チーム(年間順位上位3チームと各ステージ王者)。浦和以外の17チームにも十分に可能性が残されているため、1stステージを下位で終えたチームも、気持ちを新たに2ndステージに臨むことができる。 ◆王者の無敗はどこまで… ▽まず、2ndステージ注目ポイントの1つは、浦和の強さがどこまで続くかだ。無敗で1stステージを優勝し、2ndステージにはJ1の無敗記録もかかってくる。「2ステージ制反対」の姿勢は1stステージ最終節でも見られたが、2ndステージも無敗優勝を成し遂げれば、大きなアピールとなるだろう。 ▽浦和は2ndステージ第5節の甲府戦まで無敗を続ければ、大宮が持つ21戦無敗記録を抜くことになる。2ndステージ開幕からの対戦カードは、松本(15位)、山形(16位)、広島(3位)、名古屋(9位)、甲府(12位)だ。松本、山形の両チームは1年での降格を避けるべく2ndステージに懸ける思いは強いだろう。広島は1stステージ3位ということもあり、2ndステージ優勝、及び年間優勝を目指しているはずだ。いずれにしても浦和包囲網は続くことが予想され、1stステージのリベンジを果たすべく17チームが挑んでくるはずだ。 ◆第2勢力は年間勝ち点を見据える ▽1stステージ2位のFC東京から、3位の広島、4位のG大阪、5位の川崎Fまでの4チームは、勝ち点差がわずかに5。どのチームも年間優勝を目指し、2ndステージでの巻き返しを図るはずだ。 ▽チャンピオンシップには両ステージの優勝チームに加え、年間勝ち点の上位3チームが進出できる。1stステージで下位に居たチームからしっかりと勝ち点を奪い、直接対決でいかに勝ち点を稼ぐかが鍵を握る。 ◆大逆転の可能性あり ▽上位が気になるのはもちろんだが、残留争いも気になる所。しかし、2ndステージは勝ち点がリセットされるため、年間順位を見落としがちになる。1stステージを終えて降格圏にいるチームは、山形、新潟、清水。しかし、残留ラインの松本と最下位・清水の勝ち点差は2であるため、2ndステージで何が起こってもおかしくはない。 ▽例えば2013年は、広島が前半戦の1位に輝いた(最終的に年間優勝)。しかし、後半戦は新潟が最も勝ち点を稼ぎ、今シーズンであれば2ndステージ1位ということになる。当時はこの制度が無かったが、今シーズンであればチャンピオンシップに出場することができるのだ。 ▽一般的に逆転できる目安とされている勝ち点差は「残り試合数」。あと17節残っていることを考えれば、最下位の清水との勝ち点差が13の6位・横浜FM(勝ち点26)以下は残留争いに巻き込まれる可能性も残されている。つまり、ほとんどのチームに何が起きてもおかしくない混戦状態。2ndステージが進むにつれて、年間順位もチェックしておきたい。 ◆新戦力は起爆剤となれるか!? ▽また、2ndステージを見据え、2週間の中断期間に戦力を入れ替えたチームもある。上位では、FC東京がマインツへと移籍したFW武藤嘉紀の代わりに、オーストラリア代表FWネイサン・バーンズとスペイン人FWサンダサを獲得。さらに、スペインのサバデルにレンタルしていたMF田邉草民を復帰させた。また、G大阪は清水からFW長沢駿を獲得し、川崎FはMF田坂祐介をドイツから復帰させた。どのチームも手薄なポジションを補っているため、どれだけ早くチームにフィットするかに注目だ。 ▽また、残留争いのチームでは松本がC大阪からDF安藤淳、広島からMF工藤浩平を獲得。1stステージで見えたウィークポイントを埋める補強を行った。また、清水はJリーグでも実績を残し、先のACLでも浦和や柏相手に存在感を示したFW鄭大世を水原三星から補強。最下位からの巻き返しを図る。 ▽Jリーグの移籍期間は、海外でプレーする選手が7月10日から8月7日まで、日本国内でプレーする選手は9月18日までと設定されている。2ndステージが開幕してからも選手の移籍は行われるため、各チームの結果と共に補強動向にも注目だ。 ◆真価が問われる2ndステージ ▽いずれにしても、2ステージ制復活1年目の重要なポイントとなる2ndステージが開幕する。1stステージと同じような結果になるのであれば、シーズン終了後に「2ステージ制」の意義が再度問われることになるだろう。ステージを分け、成績をリセットすることがどのように働くのか、しっかりと見届けたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2015.07.10 18:45 Fri
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【コラム】宇佐美&パトリック依存からの脱却

▽11年ぶりに2ステージ制が復活した2015年のJ1。慣れ親しんだ1シーズン制からの変更ということもあり、多くの注目を集めた1stステージは、開幕戦から17戦無敗を記録した浦和の優勝で幕を閉じた。その浦和と終盤まで優勝争いを演じていたG大阪は、1stステージを4位でフィニッシュ。さらに、2012年以来となるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)では準々決勝に駒を進めており、一時降格圏内にまで沈んでいた昨年に比べれば、今シーズンは上々の滑り出しを見せているといえる。 ▽ここまで“内容が悪いながらも勝ち切る”勝負強さで勝ち点を積み重ねているG大阪だが、攻守両面においてはACLとJリーグを兼ねた過密日程の影響もあり、いくつかの課題が浮き彫りとなっていることも確か。ACLで全く良いところなしに終わったものの、1stステージで他を寄せつけない強さを見せた浦和と比較しても、 G大阪は昨シーズンの国内3冠(J1、ナビスコカップ、天皇杯)王者らしい戦いを披露できていない印象。その主因は攻守のバランスにあるように思える。 ◆サイドハーフの攻撃面 ▽かねてより攻撃力を持ち味とするG大阪には、日本代表でも着実に定位置を確保しつつある宇佐美貴史、圧倒的な推進力で存在感が際立つパトリック、日本屈指のオーガナイザーである遠藤保仁、素早いボール奪取で攻撃のスイッチ役を担う今野泰幸といった、Jでも有数の個の力が揃う。しかし、宇佐美とパトリックに依存するあまり、そのほかの選手たちが個の力を得点へと結びつけられていないのが現状だ。 ▽その一つの原因が、サイドハーフの攻撃面における貢献度の低さといえるだろう。昨シーズンの3冠達成に攻守両面で貢献した阿部浩之、大森晃太郎、倉田秋のここまでのリーグ戦における得点数は、3人合わせてもわずか「1」。J1得点ランキングトップに立つ13ゴールの宇佐美と、4ゴールのパトリックの2人でチーム総得点(24得点)の半分以上を占めていることからも、G大阪の攻撃が強力2トップに大きく依存していることがわかる。 ▽もちろん、阿部や倉田、大森の高い守備意識がJ1最少失点数(13失点)を誇るチームの堅守に一役買っていることは確かだが、3人合わせて1得点という彼らの決定力不足がチームとしての攻撃のクオリティ低下に大きく影響しているのも事実。対戦相手からの宇佐美とパトリックに対するマークも強まっているだけに、「サイドハーフがもう少しゴールに絡んでくれれば」と長谷川監督が嘆くのも無理はない。 ◆ライン設定 ▽そして、もう一つ気になるのが守備ラインの低さだ。今シーズンは昨年よりもチームとしてライン設定が低く、受けに回り“過ぎる”あまり、相手に押し込まれる時間が長い。そのため、宇佐美とパトリックの2トップと、守備意識の高いサイドハーフを含む中盤に距離が生まれ、長谷川監督仕込みの堅守速攻にうまく繋げられない展開が多々見受けられる。その問題が浮き彫りとなったのが、今シーズンの5月2日に行われたアウェイの浦和戦だ。 ▽浦和とチームスタイルは相違するものの、G大阪も本来は遠藤を中心としたボールポゼッションに秀でたチーム。しかし、この試合ではあまりにも受けに回ったため、ボールを保持しながらペースを掴んだ浦和を勢いづかせてしまい、攻撃の形を作ることもままならず、ただただ守備に追われた(0-1で敗戦)。 ▽昨シーズンの中盤戦以降、今野や丹羽が語るように「守備から攻撃のリズムをつくる」ことが可能となったG大阪にとって、守備ラインをある程度高く設定することは、2人だけで相手の守備ブロックを崩し切ることができる宇佐美とパトリックを中心とした鋭いカウンターを機能させる生命線。状況にもよるが、ある程度は守備ラインを高く押し上げて“自分たちの時間”をつくり、後方から強力2トップを援護したい。 ◆まずは内容と結果の充実 ▽とはいえ、まだ前半戦が終わっただけであり、後半戦で巻き返すチャンスは十分にある。また、1stステージチャンピオンの座を浦和に奪われたとはいえ、J1年間チャンピオンの座は後半戦の結果次第だ。そして、ACL(優勝すればFIFAクラブ・ワールドカップに出場)、ナビスコカップ、天皇杯、スルガ銀行チャンピオンシップと、これだけのタイトル獲得の可能性があるのはG大阪だけ。多くのタイトルレースが控えるシーズン後半戦では、前半戦の課題を克服し、内容を充実させつつ結果も出す戦いぶりを、G大阪には期待したい。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2015.07.10 18:30 Fri
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