コラム

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【J1開幕直前クラブガイド】新スタイルへの飛躍元年《ヴィッセル神戸》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第15弾はヴィッセル神戸を紹介する。 ◆“アジアナンバーワン”への転換期に【ノルマ:上位争い】(C)CWS Brains,LTD.▽ネルシーニョ監督体制3年目として飛躍を誓いスタートさせた昨シーズン。FW田中順也やDF渡部博文など実力の確かな選手を迎え入れて臨んだが、チームの得点源であったFWレアンドロの負傷により落ちた攻撃力を取り戻せないまま、ネルシーニョ監督は解任となり、夏に入団したFWルーカス・ポドルスキ、FWハーフナー・マイクも大爆発とは言い難いパフォーマンスに終わった。 ▽リベンジを図る今シーズンは、昨シーズン途中から指揮を執る吉田孝行監督の続投が決定。新体制発表会では、立花陽三社長から「アジア・ナンバーワンを狙う」、「バルセロナを目指す」という大きな野望まで飛び出した。新設のスポーツディレクターに就任した三浦淳寛氏も「ゲームを支配し、相手を動かすスタイルに」と語るなど、“堅守速攻”の印象が強い神戸は転換期を迎えようとしている。これは、一朝一夕に成し遂げられることではないだろう。 ▽なればこそ、着実に眼を向けるべきは継続性であり、結果に捉われすぎないスタイルの確立は必須。“新生ヴィッセル神戸”のお披露目となる今シーズン、世界を驚かせるための旋風は、ここが始まりとなる。 ◆実力者を続々確保【補強達成度:B】(C)CWS Brains,LTD.▽最終ラインに関しては、主力DF岩波拓也を放出したがより経験のあるDF那須大亮を補強。また、未知数ではあるものの“悪魔の左足”とも称されるタイ代表DFティーラトン・ブンマタンも獲得した。中盤には、実力者であるMFチョン・ウヨンとMF三田啓貴を迎え入れ、“繋ぎ役”を確保。また、青森山田高校で10番を背負っていたMF郷家友太は高校No.1との呼び声も高く、184cmと恵まれた体格ながら足下の技術にも優れた期待の万能アタッカーだ。さらに、既に豪華な陣容の前線には明治安田生命J2リーグ通算92試合46ゴールの実績を持つFWウェリントンが加入となり、J屈指の層の厚さとなっている。【IN】 GK荻晃太(34)←名古屋グランパス/完全 DFティーラトン・ブンマタン(28)←ムアントン・ユナイテッド(タイ)/期限付き DF那須大亮(36)←浦和レッズ/完全 DF宮大樹(21)←びわこ成蹊スポーツ大/新加入 MFチョン・ウヨン(28)←重慶力帆FC(中国)/完全 MF三田啓貴(27)←ベガルタ仙台/完全 MF郷家友太(18)←青森山田高/新加入 FWウェリントン(30)←アビスパ福岡/完全 FW佐々木大樹(26)←ヴィッセル神戸U-18/昇格 【OUT】 GK徳重健太(33)→V・ファーレン長崎/完全 DF山口真司(21)→大分トリニータ/期限付き DF東隼也(20)→福島ユナイテッドFC/期限付き DF岩波拓也(23)→浦和レッズ/完全 MF田中英雄(34)→テゲバジャーロ宮崎/完全 MF高橋秀人(30)→サガン鳥栖/完全 MFウエスクレイ(26)→セアラ(ブラジル)/期限付き MF小林成豪(24)→モンテディオ山形/期限付き MF松村亮(23)→AC長野パルセイロ/完全 MF大森晃太郎(25)→FC東京/完全 MFニウトン(30)→ECバイーア(ブラジル)/完全 FW向井章人(19)→MIOびわこ滋賀/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手 Getty ImagesMF三田啓貴(27) 2017シーズン(J1) 33試合出場5得点▽キープレーヤーは、アクションサッカーを標榜したベガルタ仙台の中心となった、MF三田啓貴だ。三田は、長短のパスを組み合わせてのゲームの組み立てができる選手であり、プレースキックを担当することも。神戸がバルセロナスタイルを目指すのであれば、彼が輝きを放つことは必須。また、仙台時代にチームスタイルの過渡期を過ごした経験も、神戸にとって大きな助けとなる。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:キム・スンギュ DF:高橋峻希、那須大亮、渡部博文、橋本和 MF:小川慶治朗、藤田直之、三田啓貴、渡邉千真 FW:ポドルスキ、ウェリントン▽フォーメーションは[4-3-3]も考えられるが、昨シーズンも機軸としていた[4-4-2]を継続する可能性は高い。最前線にはフィジカル能力に優れるFWウェリントン、新キャプテンとなった大物FWポドルスキがコンビを組むだろう。FW田中順也やFWハーフナー・マイクは状況に応じた起用となる。 ▽中盤には、得点能力に優れるFW渡邉千真が左サイドを務め、右サイドには精力的なアップダウンから裏を取る動きが魅力のFW小川慶治朗の存在が欠かせない。また、中盤ではMFチョン・ウヨン、MF三原雅俊など実力者がひしめく中、よりチャンスに与するMF藤田直之とMF三田啓貴を配して監督の標榜する“攻撃的なサッカー”を形作っていくだろう。 ▽また、最終ラインについては昨シーズンの堅い守備を基盤とするならば大きな変更を加えることは考え難い。DF岩波拓也の抜けた穴に、そのままDF那須大亮をはめ込む形が確定的だろう。DFティーラトンについては、パフォーマンスやリーグへの適応具合を考慮しつつ、DF橋本和との競争となる。 2018.02.21 18:10 Wed
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【J1開幕直前クラブガイド】“ジンクス“連破”で桜軍団黄金期構築へ《セレッソ大阪》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第14弾はセレッソ大阪を紹介する。 ◆継続&発展で真価証明を【ノルマ:優勝争い】(C)CWS Brains,LTD.▽J1復帰初年度の昨シーズンは明治安田生命J1リーグで3位と躍進。さらに、YBCルヴァンカップと天皇杯を制覇してクラブ初タイトル獲得と共に、2冠を達成した充実したシーズンを送った。規律とハードワークを重んじる尹晶煥監督の下、魅せるサッカーから勝つサッカーへ変貌を遂げて、J1昇格プレーオフ覇者の1年での降格というジンクスも破った。 ▽最高の1年を過ごして迎える新シーズンのテーマは「継続」と「発展」。その一つとして尹晶煥監督は「ポゼッションの向上」を掲げており、先日行われたFUJI XEROX SUPERCUPの川崎フロンターレ戦(3-2)、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)開幕戦となった済州ユナイテッドFC戦(1-0)では早くもその兆候が見られ、その仕上がり具合に期待は高まるばかりだ。 ▽しかし、C大阪にはもう一つ破らなくてはいけないジンクスがある。それは「優勝争いした翌年の低迷」だ。4年ぶりに参戦するACLを含め、昨シーズンよりも試合数が増加。さらに、ワールドカップイヤーということもあり、序盤戦は過密日程が組まれている。C大阪としては真価が問われるシーズンとなるが、築き上げた堅守速攻を発展させ、タイトル獲得によって得た勝負強さを発揮することができれば、2つ目のジンクス破りももちろん、さらなるタイトル獲得で黄金期の到来も期待できる。 ◆充実した補強で選手層拡充【補強達成度:A】Getty Images▽海外移籍が噂されたエースFW杉本健勇の残留に加え、右サイドを活性化させ続けたMF水沼宏太を完全移籍で確保し、昨季の主力全員の慰留に成功。さらにACLを並行する戦いに向けて、DF片山瑛一、MF田中亜土夢、FW高木俊幸、そして尹晶煥監督の教え子でもあるFWヤン・ドンヒョンといった上積みを期待できる実力者を獲得して厳しい戦いを乗り切るための陣容を整えた。 ▽若手ではU-23タイ代表のチャウワット・ヴィラチャードの他に、大卒のGK永石拓海、ユース出身のFW中島元彦やFW山田寛人、高卒の高校No.1FW安藤瑞季といった年代別日本代表の逸材も獲得。当面はU-23チームでのプレーがメインとなりそうだが、将来を見据えた充実したメンバーを揃えている。【IN】 GK永石拓海(21)←福岡大学/新加入 DF片山瑛一(26)←ファジアーノ岡山/完全 MF田中亜土夢(30)←HJKヘルシンキ(フィンランド)/完全 MFチャウワット・ヴィラチャード(21)←バンコク・グラス(タイ)/期限付き MF水沼宏太(27)←FC東京/期限付き→完全 MF魚里直哉(22)←関西国際大学/新加入 FW中島元彦(18)←セレッソ大阪ユース/昇格 FW山田寛人(17)←セレッソ大阪ユース/昇格 FW安藤瑞季(18)←長崎総合科学大附属高校/新加入 FW高木俊幸(26)←浦和レッズ/完全 FWヤン・ドンヒョン(31)←浦項スティーラース(韓国)/完全 【OUT】 GKアン・ジュンス(20)→鹿児島ユナイテッドFC/期限付き GK圍謙太朗(26)→アビスパ福岡/期限付き GK武田博行(34)→東京ヴェルディ/完全移籍 DF温井駿斗(21)→栃木SC/完全 DF庄司朋乃也(20)→ツエーゲン金沢/期限付き延長 DF池田樹雷人(21)→愛媛FC/完全 DF椋原健太(28)→ファジアーノ岡山/完全 MF関口訓充(32)→契約満了 MF阪本将基(21)→鹿児島ユナイテッドFC/完全 MF前川大河(21)→徳島ヴォルティス/期限付き延長 MF丸岡満(22)→レノファ山口FC/期限付き MF清原翔平(30)→ツエーゲン金沢/完全 FW岸本武流(20)→水戸ホーリーホック/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手 (C)CWS Brains,LTD.MF山口蛍(27) 2017シーズン(J1) 32試合出場2得点▽昨季に続くタイトル獲得のキーマンになるのは日本代表MF山口蛍だ。昨季は明治安田生命J1リーグ32試合に出場して2ゴールを記録。リーグ最多となるインターセプト数を誇り、幾度となく攻撃を加速させた。また、日本代表としてはアジア最終予選8試合に出場してロシア・ワールドカップ出場に貢献。厳しいアジアの戦いを潜り抜けてきただけに、ACLでの活躍にも期待がかかる。 ▽そして今季は3年ぶりにキャプテン就任。「去年と一昨年に(柿谷)曜一朗くんがやって結果が出ているのでプレッシャーはある」と語るように、一昨年のJ1昇格、そして昨季の2冠を達成して大躍進を見せたチームを引っ張るのはかなりの重責だ。それでも4年前にキャプテンを務めながら負傷でシーズン後半を棒に振り、チームもJ2降格となった苦い思い出があるだけに、主将を託された今季に懸ける思いは強いはずだ。 ▽10日に行われたFUJI XEROX SUPERCUPの川崎F戦では精力的なプレーで存在感を発揮し、先制点を記録するなど個人としても好スタートを切った今季の活躍は、期待せずにはいられない。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:キム・ジンヒョン DF:松田陸、マテイ・ヨニッチ、木本恭生、丸橋祐介 MF:水沼宏太、山口蛍、ソウザ、清武弘嗣 FW:杉本健勇、柿谷曜一朗▽ここまでの公式戦2試合から今年も[4-4-2]がベースとなり、スターティングメンバーも変化がないことを予想する。最終ラインではDFマテイ・ヨニッチがセンターバックの一角に当確で、相棒はベテランDF山下達也と昨季台頭したDF木本泰生が争うことになりそうだ。前線では川崎F戦で得点を奪った高木俊幸とアシストを記録したヤン・ドンヒョンが済州戦にも出場。すでにレギュラー争いに参戦している。19日にMF清武弘嗣が全治6週間のケガを負ったことからも、開幕序盤の左MFは高木が務めることとなりそうだ。 ▽昨季の尹晶煥監督は、「リーグ戦組」と「ルヴァン組」にチームを二分した戦略でシーズンを戦った。今季の戦い方にも注目が集まるが、新加入を含めて多種多様な選手が存在しており、対戦相手や試合状況、コンディションに応じて様々な入れ替えが行われそうだ。 2018.02.21 18:05 Wed
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【J1開幕直前クラブガイド】テーマは攻撃のガンバ復活…名伯楽レヴィー・クルピの下、奪還を《ガンバ大阪》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第13弾はガンバ大阪を紹介する。 ◆新章へ【ノルマ:ACL出場権争い】(C)CWS Brains,LTD.▽2017シーズン、常勝を至上命題とするチームとして許されない失態を晒したG大阪。昨年限りで5年間の長谷川健太政権に終止符を打ち、今シーズンからかつてセレッソ大阪を率い、「若手育成」と「攻撃的スタイル」に定評のあるレヴィー・クルピ監督に命運を託す。チームとして再建段階だが、目標は『奪還』というチームスローガンのとおり、タイトルの獲得。とはいえ、確信を持てる要素が少ない現状だけに、AFCチャンピオンズリーグ出場圏内が当面の目標になりそうだ。また、「優勝するチームは最後まで攻撃の姿勢を貫く」と新体制発表会見で語ったブラジル人名伯楽が、前任の色に染まった守備偏重のチームに攻撃的な自身の色をどう落とし込んでいくかも見どころの1つ。プレシーズン期間の対外試合で3分け1敗という成績からもわかるとおり、手探り状態でのシーズンインだが、レヴィー・クルピ新監督と共に新章を始めることになる。 ◆不安多き補強動向【補強達成度:D】(C)CWS Brains,LTD.▽レヴィー・クルピ監督の招へいを早々にまとめ、MF矢島慎也やDF菅沼駿哉といった実力者を獲得するまで順調だったが、それ以降で即戦力級の加入者はなし。将来を見据えた補強だけを考えれば、複数クラブの関心を集めたFW中村敬斗の争奪戦を制するなど上々の出来だが、トップチームにおいて心許ないのが実情だ。中でも、昨年も改めて課題を露呈した絶対的な点取り屋の確保に未だ至っていない点はイメージが悪く、海外に旅立ったMF井手口陽介に代わる守備的MFの補強もなければ、センターバックの控えも一抹の不安を抱える。ただ、チームは指揮官が選手の見極めに充てるとしたキャンプ始動後、DFペ・スヨンを期限付きで放出して外国人枠を確保。今後、どのタイミングで、どのようなアクションを起こすのか注目が集まる。【IN】 GK谷晃生(17)←ガンバ大阪ユース/昇格 DF山口竜弥(18)←東海大相模高校/新加入 DF松田陸(18)←前橋育英高校/新加入 DF菅沼駿哉(27)←モンテディオ山形/完全 MF福田湧矢(18)←東福岡高校/新加入 MF芝本蓮(18)←ガンバ大阪ユース/昇格 MF矢島慎也(24)←浦和レッズ/完全 FW白井陽斗(18)←ガンバ大阪ユース/昇格 FW中村敬斗(17)←三菱養和SCユース/新加入 【OUT】 GK藤ヶ谷陽介(36)→引退 GK田尻健(24)→ツエーゲン金沢/期限付き延長 DF金正也(29)→ベガルタ仙台/完全 DFペ・スヨン(19)→ギラヴァンツ北九州/期限付き MF嫁阪翔太(21)→グルージャ盛岡/完全 MF井手口陽介(21)→リーズ・ユナイテッド(イングランド)/完全 MF中原彰吾(23)→北海道コンサドーレ札幌/期限付き満了 MF内田達也(26)→東京ヴェルディ/完全 MF二川孝広(37)→東京ヴェルディ/期限付き延長 FW郡大夢(20)→東京ヴェルディ/期限付き満了 FW赤崎秀平(26)→鹿島アントラーズ/期限付き満了 FW呉屋大翔(24)→徳島ヴォルティス/期限付き FW平尾壮(21)→アビスパ福岡/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手Getty ImagesDF初瀬亮(20) 2017シーズン(J1) 19試合出場0得点▽キープレーヤーは、キャンプから好アピールが続くDF初瀬亮だ。G大阪ユース出身の初瀬は、両足から遜色なく繰り出されるキック精度が魅力のサイドバック。だが、キャンプ中における練習試合でのプレーエリアを見る限り、レヴィー・クルピ監督の下、サイドバックに加えて、インサイドハーフでの出場も増加しそうだ。ブラジル人名伯楽は、既に「重要な選手になってくる」と初瀬をキーマンに指名済み。かつてC大阪でMF香川真司らの才能を見いだしたレヴィー・クルピ監督の下、どう“クルピ・チルドレン”の仲間入りを果たしていくか刮目しておきたい存在だ。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-2-3-1](C)CWS Brains,LTD.GK:東口順昭 DF:オ・ジェソク、三浦弦太、ファビオ、藤春廣輝 MF:矢島慎也、今野泰幸、ファン・ウィジョ、遠藤保仁、倉田秋 FW:長沢駿▽今シーズンからの新任ということで選手の起用法を含めて読めない部分が多く、フォーメーションにおいても[4-3-2-1]、[4-2-3-1]を基本線に試行錯誤の段階だ。中でも、激選区はストライカーの位置。グロインペイン症候群で出遅れるFWアデミウソンの状況もあり、争いは混沌と化している。また、井手口の退団に伴い、手薄な守備的MFの位置においても、年齢的にフル稼動の厳しいMF今野泰幸に続く選手を擁立できていない。さらに、MF遠藤保仁の起用法においても気になるところ。一方で、今シーズンからU-23との線引きがなく、キャンプで好アピールが続いた17歳の中村や、MF市丸瑞希ら有望株の起用法もポイントに。即戦力級の加入者が少ない状況だけに、チームの今シーズンを占う上で、若手の台頭は必須事項になるに違いない。 2018.02.21 18:00 Wed
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【J1開幕直前クラブガイド】“18番目のチーム”とは思えない豪華陣容! 風間体制2年目でJ1に旋風巻き起こすか《名古屋グランパス》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初の金曜開催となる23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第12弾は名古屋グランパスを紹介する。 ◆目指すは昨季のセレッソ大阪【ノルマ:上位争い】(C)CWS Brains,LTD.▽風間八宏新監督の下、昨季J2を3位で終えたチームはJ1昇格プレーオフを制して最低限のノルマであった1年でのJ1復帰というミッションをコンプリートした。風間体制2年目で戦う今季に向けてはFWジョー、GKランゲラックと大物助っ人を確保したうえ、現有戦力の残留にも成功しており、クラブの定める目標はひと桁順位でのフィニッシュおよびACL出場権獲得となる。 ▽その目標を達成するうえで良き手本となるのが、一昨季のJ1昇格プレーオフ覇者であり、いわゆるJ1“18番目のチーム”としてシーズンに臨みながらも、リーグ戦3位にルヴァンカップ、天皇杯の二冠という偉業を成し遂げた昨季のセレッソ大阪だ。尹晶煥新監督を迎えて新たなスタートを切ったC大阪と、風間監督の下で継続路線を図る両者のアプローチは異なるものの、豊富な資金やブレないチーム作りという点で共通点は少なくない。 ▽昨季、J2を席巻した魅力的な攻撃スタイルが今季もチームのストロングポイントではあるが、プレシーズンマッチのFC東京戦では中央のスペースを徹底的に消す相手守備の攻略、ロングボールを使った相手のカウンターアタックに対してハイプレスが空転するなど昨季から継続する課題を克服できていない。そのため、要改善の守備面と共に戦術面でのアップデートが求められるところだ。 ◆昨季ブラジル得点王の大物ジョーが電撃加入【補強達成度:A】Getty Images▽豊富な資金力を武器に1年での復帰を果たしたJ1で戦うための戦力をきっちり整えてきた。昨季、自動昇格を逃す最大の要因となった脆弱な守備面に関しては、ドルトムントやシュツットガルトでもプレー経験があるオーストラリア代表GKランゲラックをレバンテから獲得できたことが最大の補強だ。 ▽加えて、開幕直前に新レギュラー候補のDFウィリアン・ホーシャをグアラニから、バックアッパー候補のDF畑尾大翔をヴァンフォーレ甲府から補強。また、昨季特別指定選手としてデビュー済みのMF秋山陽介にも左サイドバックの即戦力として期待が懸かる。さらに、昨季の主軸を担ったDF櫛引一紀、DF宮原和也を完全移籍やレンタル期間延長で残留させられた点も大きい。 ▽中盤では昨季からの“風間スタイル”の体現者として中央に君臨したMF田口泰士のジュビロ磐田への流出が痛恨となったが、その後釜にはタイプは異なるものの、Jリーグ屈指のユーティリティープレーヤーのMF長谷川アーリアジャスールを大宮アルディージャから獲得している。ただ、長谷川以外に目立った補強はなく、風間監督得意のコンバートや現有戦力で賄う構えだ。 ▽前線は元ブラジル代表FWにして、昨季ブラジル全国選手権で得点王と最優秀選手賞のダブル獲りを果たした大物FWジョーの獲得に成功し、今冬の移籍市場最大のサプライズとなった。また、昨季すでに特別指定選手としてベンチ入りも果たしている逸材FW大垣勇樹(興國高等学校)の加入も好補強となっている。【IN】 GKランゲラック(29)←レバンテ(スペイン)/完全 DF櫛引一紀(25)←北海道コンサドーレ札幌/レンタル→完全 DF新井一耀(24)←横浜F・マリノス/レンタル→完全 DF宮原和也(21)←サンフレッチェ広島/レンタル延長 DF畑尾大翔(27)←ヴァンフォーレ甲府/完全 DFウィリアン・ホーシャ(28)←グアラニ(ブラジル)/レンタル DF秋山陽介(22)←早稲田大学 MFガブリエル・シャビエル(24)←ヴィトーリア(ブラジル)/レンタル延長 MF長谷川アーリアジャスール(29)←大宮アルディージャ/完全 FWジョー(30)←コリンチャンス(ブラジル)/完全 FW大垣勇樹(17)←興國高等学校 【OUT】 GK荻晃太(34)→ヴィッセル神戸/完全 DFイム・スンギョム(22)→大分トリニータ/レンタル DF酒井隆介(29)→FC町田ゼルビア/期限付き MF田口泰士(26)→ジュビロ磐田/完全 FWフェリペ・ガルシア(27)→ゴイアス(ブラジル)/レンタル FW杉森考起(20)→FC町田ゼルビア/レンタル FW永井龍(26)→松本山雅FC/完全 FWロビン・シモヴィッチ(26)→大宮アルディージャ/完全◆超WS編集部イチオシ選手Getty ImagesMF青木亮太(21) 2017シーズン(J2) 26試合出場11得点▽昨季ブラジル全国選手権得点王のFWジョー、ドルトムントなどヨーロッパトップレベルを経験したGKランゲラックと2人の大物助っ人に注目が集まる中、昨季J2を席巻した万能型アタッカー、MF青木亮太を推したい。 ▽2014年に加入した名古屋では大ケガの影響もあり加入3年間はほぼ出場機会がなかった。しかし、ケガから完全復活を遂げた昨季は智将・風間監督の下でそのあり余る才能が完全開花。両サイドを主戦場に姿勢の良さが際立つ推進力ある縦への突破、トリッキー且つ相手の逆を取る変幻自在のドリブルで昨季J2を席巻した。 ▽加えて、冷静に味方を使うチャンスメークにオフ・ザ・ボールの動き出しやシュート精度にも優れており、近い将来のサムライブルー入りも期待される万能型のアタッカーだ。昨季阿吽の呼吸を見せたMFガブリエル・シャビエルに加え、今季新加入のFWジョーとの連係が深まれば、二桁ゴールも十分に狙えるはずだ。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-3-3] (C)CWS Brains,LTD.GK:ランゲラック DF:宮原和也、櫛引一紀、ワシントン、秋山陽介 MF:長谷川アーリアジャスール、小林裕紀、和泉竜司 FW:青木亮太、ジョー、ガブリエル・シャビエル▽昨季は中盤フラットの[4-4-2]をメインに、[4-2-3-1]や[3-4-2-1]の複数システムを使い分けてきたが、ここまでのプレシーズンマッチでは[4-3-3]をメインシステムとして採用しており、一先ず[4-3-3]でシーズンをスタートする見込みだ。昨季は主軸を担ったバンディエラ、GK楢崎正剛を中心にGK武田洋平、GK渋谷飛翔の3選手が併用されたGKは新加入のランゲラックと武田がポジションを争う構図となる。 ▽最終ラインでは昨季フィールドプレーヤーとして最長の出場時間を誇ったDF宮原和也と、DF櫛引一紀が現時点でレギュラーポジション当確だ。櫛引の相棒に関してはボランチが本職ながら昨季センターバックでも多くの出場機会を得ていたMFワシントン、開幕直前に加入したDFウィリアン・ホーシャのブラジル人2選手の争いとなる。左サイドバックは大卒ルーキー、MF秋山陽介の起用が濃厚だ。 ▽中盤ではアンカーにMF小林裕紀、インサイドハーフにいずれも超ユーティリティープレーヤーとして知られるMF和泉竜司、新加入のMF長谷川アーリアジャスールがレギュラー候補として君臨。バックアッパーにMF八反田康平やFW押谷祐樹、FW玉田圭司らが控える。 ▽前線はセンターフォワードにFWジョー、左右のウイングにMFガブリエル・シャビエル、MF青木亮太の3人が鉄板だ。そして、FW佐藤寿人や玉田、押谷がセンターフォワード、FW杉本竜士、FW大垣勇樹らがウイングのバックアップを担う。ただ、前線で高さと強さという特長を持つ唯一の存在であるジョー不在時には[4-2-3-1]や2トップのオプションも考慮すべきところだ。 2018.02.20 13:10 Tue
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【J1開幕直前クラブガイド】大躍進の昨季超えで強豪復活へ《ジュビロ磐田》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第11弾はジュビロ磐田を紹介する。 ◆更なる競争と育成でトップ5入りへ【ノルマ:上位争い】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは安定した守備組織を構築し、リーグ最少失点の堅守を築いた磐田。順位もJ1復帰初年度となった2016シーズンの13位(年間順位)から6位と大きく躍進し、ベテランMF中村俊輔の加入によるチーム内意識の向上や、豊富な経験の還元で日本トップリーグでも戦える自信を掴んだ。 ▽名波浩監督就任5年目を迎える今シーズンの目標は「トップ5」。そこに向けた補強では、引き続きテーマとして掲げる「競争」、「育成」を見据えた新戦力を6名獲得している。昨シーズン作り上げた守備組織をベースに、強豪復活へ足元を固めていきたいところ。更なる強化と選手層に厚みを加えることができれば、AFCチャンピオンズリーグ出場圏内も十分見えてくるはずだ。 ◆現実と将来を見据えた好バランス補強【補強達成度:A】Getty Images▽異例とも言える3年間の期限付き移籍を終えた堅守速攻の旗手MF川辺駿の退団は致し方なし。これに対して、前任者を経験で上回る元日本代表MF田口泰士を名古屋グランパスから獲得。また、力強さに欠けたSB・WBには個人技と高い戦術理解度を兼ね備えたブラジル人DFギレルメ、高齢化が進むCB陣には、J2降格となったヴァンフォーレ甲府で堅守の一翼を担ったDF新里亮を加え、課題解消への補強を敢行した。 ▽一方で、未来への投資も順調。年代別日本代表では常に飛び級で選ばれてきた下部組織出身のMF伊藤洋輝が満を持してトップチーム昇格。天皇杯での活躍が記憶に新しい大学No.1FW中野誠也(筑波大学)、未知数だが名波監督の琴線に触れたFWモルベッキ(ロアッソ熊本)と心躍らせる人材ばかりだ。昨季の中村のようなビッグネーム獲得はなかったものの、実力者やポテンシャルを秘めた選手の加入で昨季以上の競争・育成を狙う。【IN】 DF新里亮(27)←ヴァンフォーレ甲府/完全 DFギレルメ(30)←トンベンセ/期限付き MF伊藤洋輝(18)←ジュビロ磐田U-18/昇格 MF田口泰士(26)←名古屋グランパス/完全 FW中野誠也(22)←筑波大学/新加入 FWモルベッキ(20)←ロアッソ熊本/完全移籍 【OUT】 GK牲川歩見(23)→アスルクラロ沼津/期限付き DF中村太亮(28)→大宮アルディージャ/完全 DF石田崚真(21)→ツエーゲン金沢/期限付き延長 MF川辺駿(22)→サンフレッチェ広島/期限付き満了 MF上田康太(31)→ファジアーノ岡山/完全 MF田中裕人(27)→愛媛FC/完全 MF清水貴文(25)→退団 FW齊藤和樹(29)→ファジアーノ岡山/完全 FW岩元颯オリビエ(21)→引退◆超WS編集部イチオシ選手Getty ImagesMF田口泰士(26) 2017シーズン(J2) 34試合出場9得点▽注目選手は、高卒で入団して以来9年間過ごした名古屋に別れを告げて加入した田口だ。J2に降格した2016シーズン終了後には複数のJ1クラブからの関心が囁かれた中で残留を決断。昨季は明治安田生命J2リーグで34試合9得点を記録し、1年でのJ1復帰に貢献した。 ▽これまでの経験値や実績を考えれば、チームの欠かせない存在になりつつあった川辺以上の貢献が求められるだろう。正確なパスからの組み立てや得点力が発揮できればチームに新たなバリエーションも増加させることができるはず。名波監督自らが直接口説き、自身が現役時代に着用していた背番号「7」を与えたことからも大きな期待が窺える。 ▽天才レフティーの中村や名古屋時代の元同僚FW川又堅碁とどんなコンビネーションを見せるのか。この男の活躍が、サックスブルーが強豪に復活するためのカギを握っていると言っても過言ではない。 ◆2018シーズンの予想布陣[3-4-2-1] (C)CWS Brains,LTD.GK:カミンスキー DF:高橋祥平、大井健太郎、森下俊 MF:櫻内渚、田口泰士、ムサエフ、ギレルメ MF:中村俊輔、アダイウトン FW:川又堅碁▽今オフは名波監督が新システムの採用を示唆したり、2トップを試したりもしてきたが、当面は昨シーズンの「3-4-2-1」がベースになると予想。新加入選手では田口がムサエフの相棒を務め、攻撃面で厚みを加えることが期待されるギレルメが左WBに入りそうだ。 ▽前線では昨季チーム内得点王の川又が1トップに当確で、全治8カ月の重傷から復帰を目指す東京五輪のエース候補FW小川航基、中野、モルベッキがバックアッパーもしくは2トップの1角を争う形となる。 ▽しかし、キャンプで名波監督は複数ポジションへの対応も要求しており、示唆している新システムや昨季併用した4バックシステムの使い分けによって多くの選手達にチャンスがある状況だ。 2018.02.20 13:05 Tue
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【J1開幕直前クラブガイド】新監督ヨンソンの手腕に期待も現実目標は残留か《清水エスパルス》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第10弾は清水エスパルスを紹介する。 ◆新指揮官ヨンソンに期待【チームのノルマ:残留】(C)CWS Brains,LTD.▽J2リーグ85得点という攻撃力を武器に1年でJ1リーグに返り咲いて臨んだ昨シーズンだったが、負傷者に悩まされたこともあって勝ち点を積み重ねることに苦労し、最終節の勝利で辛くも残留。シーズン後に小林伸二監督と袂を分かち、新シーズンは前サンフレッチェ広島指揮官のヤン・ヨンソン監督と共に再出発する。昨シーズン途中の7月から広島を率いて短い期間ながらもチームを立て直して残留させたスウェーデン人指揮官の手腕に期待だ。 ▽目標は高く設定したいところだが、オフシーズンの動きも考慮すると、チームのノルマは残留になるだろう。昨シーズンは得点数が「36」だった一方、失点数も「54」と攻守両面において満足いく数字を残せなかった。その大きな理由として、補強でのチーム強化失敗と新戦力が期待に応えることができなかった点が挙げられるだけに、今シーズンは新戦力のパフォーマンスが非常に重要になるだろう。 ◆レギュラークラスの補強少なく…【補強達成度:C】Getty Images▽前述したように補強が残留に向けて重要なファクターとなるが、達成度としてはもうひとつの印象だ。とりわけ、柱だったDF犬飼智也の鹿島アントラーズ移籍の影響は小さくない。DFファン・ソッコを引き入れることには成功したが、連係面と選手層という観点から昨シーズンに引き続き懸念材料となる。 ▽中盤ではMF石毛秀樹とMF兵働昭弘の復帰に加え、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズで海外修行を行ったMF楠神順平を引き入れたことで枚数としては充実しており、彼らがレギュラー組を脅かすパフォーマンスを見せることができれば戦力アップと言える。 ▽前線では、1月の下旬になって決定した万能型FWクリスランの期限付き移籍加入がチームの浮沈を左右する補強になり得る。ルーキーは、神村学園高のFW高橋大悟ら6選手と例年より多いが、即戦力とまではいかないだろう。【IN】 GK新井栄聡←流通経済大/新加入 DFファン・ソッコ←天津泰達(中国)/完全 DF伊藤研太←清水エスパルスユース/昇格 MF西村恭史←興國高/新加入 MF滝裕太←清水エスパルスユース/昇格 MF石毛秀樹←ファジアーノ岡山/期限付き移籍復帰 MF清水航平←サンフレッチェ広島/期限付き MF兵働昭弘←ヴァンフォーレ甲府/完全 MF楠神順平←ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ/完全 MF水谷拓磨←FC今治/期限付き移籍復帰 FW平墳迅←清水エスパルスユース/昇格 FW高橋大悟←神村学園高/新加入 FWクリスラン←ベガルタ仙台/期限付き 【OUT】 GK櫛引政敏→モンテディオ山形/完全 GK碓井健平→沖縄SV/完全 DF 村松大輔→退団 DF犬飼智也→鹿島アントラーズ/完全 DFキム・ボムヨン→水原FC(韓国)/完全 DFビョン・ジュンボン→ヴァンフォーレ甲府/完全 DF福村貴幸→FC岐阜/完全 DFカヌ→スパンブリーFC(タイ)/完全 MF杉山浩太→引退 MF枝村匠馬→アビスパ福岡/期限付き MF宮本航汰→FC岐阜/期限付き MF光崎伸→退団 FW瀬沼優司→モンテディオ山形/完全 FWチアゴ・アウベス→アル・ヒラル(UAE)/期限付き満了◆超WS編集部イチオシ選手 (c)J.LEAGUE PHOTOSFWクリスラン(25) 2017シーズン(J1) 29試合出場8得点▽ベガルタ仙台から期限付き移籍で加入した25歳のブラジル人FWに注目する。昨シーズンは明治安田生命J1リーグで29試合8得点、Jリーグカップで7試合5得点を記録した。リーグ戦での得点数はもうひとつだが、前線からのチェイシングやポストワークなどを献身的にこなすことができるチームプレーヤーで、既存の選手の中ではFW鄭大世に近いタイプの選手だ。とはいえ、お互い気が利くタイプでスピードも水準のため、共存は可能だろう。クリスランが早めにフィットすれば、清水の攻撃力は侮れないものになりそうだ。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2] (C)CWS Brains,LTD.GK:六反勇治 DF:飯田貴敬、ファン・ソッコ、フレイレ、松原后 MF:金子翔太、竹内涼、増田誓志、ミッチェル・デューク FW:北川航也、鄭大世 ▽新監督ということもあって、現時点でレギュラーポジション確約級の選手は少ない。当確に近い存在なのはGK六反勇治とDF松原后、DFファン・ソッコ、MF竹内涼か。最終ラインでは、8日に行われたFC岐阜との練習試合(45分×3本)で1本目(0-0)と2本目(4-0)にフル出場したDFフレイレ(CB)とDF飯田貴徳(右SB)がポジション争いで一歩リードしているとみていいだろう。 ▽中盤の底では、新キャプテンに就任した竹内と誰がコンビを組むか。開幕はMF増田誓志と予想するが、MF河井陽介やMF兵働昭弘という選択肢もある。右サイドのアタッカーは、FW金子翔太が軸となりそうだが、左サイドのポジション争いはMFミッチェル・デューク、MF白崎凌兵に加えて、ドリブラーのMF楠神順平が加入したことで熾烈となっている。 ▽前線は基本的に3選手で回すことになりそうだ。FWクリスランが加わったことにより、FW鄭大世のポジションも安泰ではない。ヨンソン監督が組み合わせのバランスを重視するならば、裏抜けとパス出しができるFW北川航也が軸になっていくだろう。 2018.02.20 13:00 Tue
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【J1開幕直前クラブガイド】実績ある“オールドルーキー”の補強でJ1定着のシーズンに《湘南ベルマーレ》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第9弾は湘南ベルマーレを紹介する。 ◆5度目のJ1挑戦、定着へ【ノルマ:残留】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンはクラブ史上2度目のJ2優勝を果たし、1年でのJ1復帰を果たした。就任7年目となる曺貴裁監督の下で3度目のJ1昇格を果たした湘南としては、J1定着への布石にしたい新シーズンとなる。毎シーズン、主力を引き抜かれて戦力ダウンを強いられる湘南だが、今シーズンは主力だったFWジネイ、MF山田直輝がクラブを離れたものの、MFミキッチ、MF梅崎司、DF大野和成とJ1で実績十分の選手を獲得。さらに韓国代表FWイ・ジョンヒョプ、元セルビア代表FWアレン・ステバノヴィッチを獲得し、チーム力をむしろ上げた印象だ。曺監督の戦術も十分に浸透しており、残留は現実的な目標となる。 ◆経験値が高い“オールドルーキー”を補強【補強達成度:B】(C)CWS Brains,LTD.▽今シーズンは期限付き移籍の期間延長を含め18名がチームに加わった。J2優勝の立役者であるジネイと山田がクラブを離れたのは痛いが、サンフレッチェ広島でJリーグ優勝を3度経験したミキッチや浦和レッズでリーグカップやACL優勝を経験したタイトル獲得経験者の梅崎らが加入したことは、若い選手が多い湘南にとってプラスに働きそうだ。 ▽新外国人選手であり、Jリーグ初挑戦となる長身の韓国代表FWイ・ジョンヒョプと、インテルにも在籍経験のある元セルビア代表FWアレン・ステバノヴィッチがチームにどれだけ早くフィットできるかがポイントとなりそうなところ。J1で戦う湘南の課題は得点力であり、この2人を含めた前線のメンバーがどれだけ得点に絡むかが、残留という目の前の目標達成には必要だ。【IN】 GK真田幸太(18)←湘南ベルマーレユース/昇格 GK富居大樹(28)←モンテディオ山形/完全 DF坂圭祐(22)←順天堂大学/新加入 DF高橋諒(24)←名古屋グランパス/期限付き→完全 DF大野和成(28)←アルビレックス新潟/完全 MF新井光(18)←長野高校/新加入 MF松田天馬(20)←鹿屋体育大学/新加入 MF小林祐介(23)←柏レイソル/期限付き MF梅崎司(30)←浦和レッズ/完全 MFミハエル・ミキッチ(38)←サンフレッチェ広島/完全 FW和田響稀(18)←湘南ベルマーレユース/昇格 FW山口和樹(22)←国士舘大学/新加入 FW鈴木国友(22)←桐蔭横浜大学/新加入 FWイ・ジョンヒョプ(26)←釜山アイパーク(韓国)/期限付き FWアレン・ステバノヴィッチ(27)←パルチザン・ベオグラード(セルビア)/完全 【OUT】 GK伊藤剛(23)→福島ユナイテッドFC/完全 GK梶川裕嗣(26)→徳島ヴォルティス/完全 GKタンドウ ベラピ(30)→ウェリントン・フェニックス(ニュージーランド)/契約満了 DFパク・テファン(20)→天安市庁(韓国)/期限付き DF広瀬健太(25)→アルビレックス新潟/完全 DF坪井慶介(38)→レノファ山口FC/完全 MF神谷優太(20)→愛媛FC/期限付き MF安東輝(22)→松本山雅FC/完全 MF田村翔太(23)→福島ユナイテッドFC/完全 MF下田北斗(26)→川崎フロンターレ/完全 MF山田直輝(27)→浦和レッズ/期限付き満了 MF武田英二郎(29)→横浜FC/完全 MF奈良輪雄太(30)→東京ヴェルディ/期限付き FWドラガン・ムルジャ(34)→NKオリンピア・リュブリャナ(スロベニア)/完全 FWジネイ(34)→ヴァンフォーレ甲府/完全 FW藤田祥史(34)→ブラウブリッツ秋田/完全◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.MF梅崎司(30) 2017シーズン(J1) 10試合出場▽右サイドで違いを生み出せるミキッチと共に注目したいのが梅崎だ。シャドーとウイングの両ポジションをこなせる梅崎は、曺監督にとって重宝する存在となるはずだ。[3-4-2-1]の特殊なシステムは、浦和時代にミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下で熟知しており、戦術的な違いはあれど大きな戸惑いはないはずだ。幾度も大ケガに打ち勝ってきた不屈の闘志で、湘南を高みに導きたい。 ◆2018シーズンの予想布陣(C)CWS Brains,LTD.GK::秋元陽太 DF:岡本拓也、アンドレ・バイア、大野和成 MF:ミキッチ、小林祐介、秋野央樹、高山薫 MF:菊地俊介、梅崎司 FW:イ・ジョンヒョプ▽システムは曺監督が重用している[3-4-2-1]で固定されている。ジネイの代わりにイ・ジョンヒョプが、山田の代わりに梅崎かステバノヴィッチがそれぞれ主力として活躍することが期待される。 ▽さらに柏レイソルから期限付きで加入したMF小林祐介が、MF秋野央樹とボランチでレイソルコンビを形成すると予想。3バックは、昨シーズンの主力である岡本拓也、アンドレ・バイア、そして5年ぶりに復帰した大野が務めるものと思われる。 2018.02.19 19:55 Mon
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【J1開幕直前クラブガイド】ポステコグルーの戦術をどこまで体現できるか、トリコロールが5年ぶりのACL出場権を狙う《横浜F・マリノス》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第8弾は横浜F・マリノスを紹介する。 ◆昨季の堅守にどこまでポステコグルー色を組み込めるか【ACL出場権争い】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは終盤に取りこぼしが目立ち、最終的に5位に終わった横浜FM。試行錯誤の末に見えた形は、確かな土壌となって新シーズンに光を照らした。しかし、その土壌を作り上げたエリク・モンバエルツ前監督が退任し、オーストラリア代表を史上初のアジアカップ制覇に導いた実績を持つアンジェ・ポステコグルー監督が就任した。 ▽戦力にも変化が起きている。攻撃の中心を担っていたMF齋藤学を放出した一方で、経験豊富なFW大津祐樹や、韓国代表FWユン・イルロクらを獲得した。「攻撃的なサッカーを目指す」と宣言したオーストラリア人指揮官が望む補強を着々と進めた。 ▽昨シーズン、前半戦でリーグ最少失点を誇った主力メンバーは軒並み契約延長。モンバエルツ前監督が培った土壌に、ポステコグルー色を出した攻撃の種を植え、上手く成長させることができれば、ACL出場権、はたまたタイトルという花を咲かせる可能性も見えてくる。 ◆攻撃陣は充実の補強も守備に不安残る【補強達成度:B】(C)CWS Brains,LTD.▽今回のストーブリーグでは、攻撃的サッカーを指向するポステコグルー監督の下、アタッカーの獲得に重きを置いた補強となった。大津やユン・イルロクといった実力者を新たに迎えたほか、アビスパ福岡からFW仲川輝人、レノファ山口からFW和田昌士をレンタルバック。獲得した9選手のうち、5人がFWという陣容となった。 ▽一方で、浦和レッズに完全移籍したMFマルティノスや柏レイソルに完全移籍したDFパク・ジョンスの後釜となり得る即戦力の獲得は達成できていない。「まだ外国人枠が1つ空いている。できれば、そこは埋めたい」とポステコグルー監督が語るように、残り1カ月半の移籍期間で、どこまで補強できるかが2018シーズンを戦う上でカギとなってくるに違いない。【IN】 DF西山大雅(18)←横浜F・マリノスユース/昇格 MF生駒仁(18)←鹿児島城西高校/新加入 MF堀研太(18)←横浜F・マリノスユース/昇格 MF山田康太(18)←横浜F・マリノスユース/昇格 FW町野修斗(18)←履正社高校/新加入 FWユン・イルロク(25)←FCソウル(韓国)/完全 FW大津祐樹(27)←柏レイソル/完全 FW仲川輝人(25)←アビスパ福岡/期限付き復帰 FW和田昌士(20)←レノファ山口FC/期限付き復帰 【OUT】 GK田口潤人(21)→アルビレックス新潟/完全 DFパク・ジョンス(23)→柏レイソル/完全 MF中島賢星(21)→FC岐阜/契約満了 MFマルティノス(26)→浦和レッズ/完全 FW齋藤学(27)→川崎フロンターレ/完全 FW富樫敬真(24)→FC東京/期限付き◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.FWユン・イルロク(25) 2017シーズン(韓国1部) 30試合出場4得点▽新加入の韓国代表FWユン・イルロクは、齋藤に似たタイプのウインガーだ。左サイドからカットインし、得意の右足で攻撃の起点になれる点、味方とのコンビネーションでチャンスに繋げられる点は、ポステコグルー監督の言う「違いが生み出せる選手」として大いに期待できる。 ▽昨シーズンはFCソウルでリーグ戦30試合に出場し4得点11アシストを記録。チームが挙げた得点のおよそ4割に絡んでいるというデータもあり、新シーズンは韓国代表FWが攻撃のカギを握るかもしれない。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2](C)CWS Brains,LTD.GK:飯倉大樹 DF:松原健、中澤佑二、ミロシュ・デゲネク、山中亮輔 MF:ダビド・バブンスキー、喜田拓也、天野純 FW:イッペイ・シノヅカ、ウーゴ・ヴィエイラ、ユン・イルロク▽ポステコグルー監督が望む攻撃的サッカーから予想するに、キャンプで起用された[4-3-3]を基盤に考えていいだろう。バックラインは昨シーズンから固定。横浜FMで16年目を迎えるキャプテン・中澤佑二を筆頭にミロシュ・デゲネクや松原健、山中亮輔が、昨シーズン前半のような強固なディフェンスを築く。 ▽予想が難しいのは前線だが、ワントップは昨季10ゴールのウーゴ・ヴィエイラと予想。FW伊藤翔や大津も候補だが、伊藤は決定力で劣り、大津はプレシーズンでケガを負ってしまった。齋藤が抜けた左ウイングにはユン・イルロク、右ウイングにはキャンプで調子が良かったイッペイ・シノヅカが入る。監督の掲げるポゼッションサッカーにおいて、インサイドハーフは1つのカギとなるが、昨シーズン、トップ下へのポジションチェンジで真価を発揮した天野純とダビド・バブンスキーが最有力だ。 ▽17日に行われたFC東京とのプレシーズンマッチを見ても、ハイラインを敷き、両サイドを使った攻撃を仕掛け、ポゼッションでは上回っていた。オーストラリア代表がワールドカップ予選で見せていた形、また5レーンを形成してサイドに厚みを持たせ、インサイドハーフが高い位置で攻撃に関わることが完成形と予想される。昨シーズンからの戦術的な切り替えにどれだけ早く対応できるかに注目が集まる。 2018.02.19 19:40 Mon
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【J1開幕直前クラブガイド】4冠を狙う王者が常勝軍団の仲間入りへ《川崎フロンターレ》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第7弾は川崎フロンターレを紹介する。 ◆常勝軍団になれるか勝負のシーズン【ノルマ:優勝争い】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは最終節で首位に立っていた鹿島アントラーズを逆転し、悲願の初タイトルを獲得。リーグ王者として臨む新シーズンの目標は、リーグ連覇を含む国内3冠+AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の4冠となる。 ▽昨シーズンの主力を維持し、鬼木達監督2年目となるシーズン。シーズン中盤に見せた不安定さをなくすため、各ポジションに即戦力級の選手を補強。また、DF舞行龍ジェームズやDF武岡優斗らケガでシーズンを棒に振った選手も復帰が見込まれ、戦力としても整えられている。 ▽あとは、勝負強さを身に着けることができるかどうか。王者として初めて挑むシーズンながら、鬼木監督や小林悠が揃って口にする「チャレンジャー」精神が大事となる。川崎F包囲網を潜り抜けることができるかが、連覇、4冠へのカギとなるだろう。 ◆守備に不安を残す補強【補強達成度:B】 (C)CWS Brains,LTD. ▽4冠を目指す川崎Fは、ストーブリーグを賑わせた。2017シーズンにFC東京へと完全移籍した元日本代表FW大久保嘉人が1年で復帰。また、同じ神奈川県のライバルである横浜F・マリノスのエースである日本代表MF齋藤学、鹿島アントラーズのFW赤崎秀平を獲得。昨季リーグ最多得点を記録した攻撃陣のさらなる強化に成功した。 ▽一方、攻撃陣とは対照的に守備陣では、大型補強は敢行せず。前述の武岡や舞行龍ジェームズの復帰を補強と換算。中盤は、大学時代にも獲得に乗り出していた湘南ベルマーレのMF下田北斗、左サイドを主戦場とするモンテディオ山形のMF鈴木雄斗、さらに、MF守田英正(流通経済大学)、MF脇坂泰斗(阪南大学)とルーキーも名獲得した。【IN】 MF齋藤学(27)←横浜F・マリノス/完全 MF鈴木雄斗(24)←モンテディオ山形/完全 MF下田北斗(26)←湘南ベルマーレ/完全 MF守田英正(22)←流通経済大学/新加入 MF脇坂泰斗(22)←阪南大学/新加入 FW大久保嘉人(35)←FC東京/完全 FW赤崎秀平(26)←鹿島アントラーズ/完全 【OUT】 DF井川祐輔(35)→イースタンSC(香港)/完全 MF板倉滉(21)→ベガルタ仙台/期限付き MF三好康児(20)→北海道コンサドーレ札幌/期限付き MF可児壮隆(26)→ガイナーレ鳥取/完全 MF狩野健太(31)→未定 FWハイネル(27)→ポンチ・プレッタ(ブラジル)/期限付き満了 FW森本貴幸(29)→アビスパ福岡/完全 FW大塚翔平(27)→未定◆超WS編集部イチオシ選手 (C)CWS Brains,LTD.MF大島僚太(25) 2017シーズン(J1) 25試合出場1得点▽今シーズンのキープレーヤーは未来担うゲームメーカーの大島僚太だ。昨シーズンは細かなケガに悩まされながらも、リーグ戦25試合に出場し優勝に貢献すると、2年連続のJリーグ優秀選手賞を獲得。攻撃のスイッチを入れる縦パスだけでなく、鬼木監督就任後は守備面でも攻から守への切り替えの早さを徹底し、チームに欠かせない選手へ成長した。 ▽また、今年1月には昨年9月に結婚していたことを事後報告で発表。公私ともに充実する川崎Fの背番号10が、クラブをリーグ連覇に導くだろう。 ◆2018シーズンの予想布陣 (C)CWS Brains,LTD.GK:チョン・ソンリョン DF:エウシーニョ、奈良竜樹、谷口彰悟、車屋紳太郎 MF:大島僚太、エドゥアルド・ネット MF:家長昭博、中村憲剛、阿部浩之 FW:小林悠▽主力メンバーが全員残留していることを考えると、昨年同様の[4-2-3-1]が基本フォーメーションとなるだろう。そして、現状ではスターティングイレブンに立つメンバーも昨シーズンと変わらないだろう。古巣復帰となったFW大久保嘉人は、主に2列目のポジションを任されることとなり、1トップには昨季得点王でリーグMVPにも輝いたFW小林悠が起用されることになる。 ▽また、新戦力で確実にレギュラーに割って入ってきそうなのがMF齋藤学だ。しかし、昨年9月に負ったケガの影響で現在は長期離脱中。早くても春以降の復帰となる見込みで、その後のレギュラーポジション争いが待っている。独特な川崎Fのスタイルに慣れるのも、多少なりとも時間かかるだろうが、齋藤の本格的な復帰となる夏以降、川崎Fの2列目争いは激戦必至となる事は確かだ。 ▽その他の新戦力では、流通経済大から加入した守田英正が出場機会を増やすだろう。セレッソ大阪とのFUJI XEROX SUPERCUP、AFCチャンピオンズリーグと公式戦2戦連続で途中出場している。守備固めとしての起用となるが、シーズン終盤にはレギュラー争いをするかもしれない。 2018.02.19 19:35 Mon
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【J1開幕直前クラブガイド】長谷川体制始動、心機一転を図る新シーズン《FC東京》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初の金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来を先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第6弾はFC東京を紹介する。 ◆“3冠監督”の下でのリスタート【ノルマ:ACL出場権争い】(C)CWS Brains,LTD.▽2017シーズンはリーグ屈指の大型補強を行い優勝候補に名乗りを上げたが、最後までポテンシャルを発揮することなく、終わってみれば13位。仕切り直しを図る新シーズンに向けては、ガンバ大阪時代に2014シーズンの3冠を含む6度のタイトル獲得にチームを導いた長谷川健太監督を招へいし、新体制発表会でも優勝を掲げていた。とはいえ、昨シーズン終盤の状態を考えれば攻守ともに課題は多い。特にリーグ13位の37得点に留まった得点数について、長谷川監督は「50得点以上を目指す」、「そういった数字をクリアしなければタイトルには手が届かない」と口にしており、優勝を目指すには劇的な改善が求められる。FW大久保嘉人、FWピーター・ウタカと、昨シーズンそれぞれ8得点でチーム内得点王となった2選手が退団していることもあり、攻撃の構築には時間がかかるだろう。まずは長谷川監督が基軸とする守備組織を熟成させた上で、一歩ずつ着実に前進していくことが必要だ。 ◆長谷川体制構築に向けた補強【補強達成度:C】(C)CWS Brains,LTD.▽即戦力としての補強はMF大森晃太郎、FW富樫敬真、FWディエゴ・オリヴェイラに留まった。しかし、長谷川監督が「ポテンシャルの高い選手が多い」と口にしていた通り戦力的に十分と考えたために、昨シーズンのような派手な補強は控えたのだろう。逆に監督のスタイルに合致した、求める選手のみをピンポイントで補強したとも表現できる。とはいえ、FW大久保嘉人、FWピーター・ウタカといったスコアラーや、MF石川直宏、DF徳永悠平の両ベテランが抜けた精神的な穴は大きい。特にDF徳永悠平の放出に際して、右サイドバックのバックアッパーを獲得しなかったことは、不安要素となりそうだ。【IN】 MF大森晃太郎(25)←ヴィッセル神戸/完全 MF品田愛斗(18)←FC東京U-18/昇格 FW富樫敬真(24)←横浜F・マリノス/期限付き FWディエゴ・オリヴェイラ(27)←柏レイソル/期限付き FW原大智(18)←FC東京U-18/昇格 FW矢島輝一(22)←中央大学/新加入 【OUT】 DF徳永悠平(34)→V・ファーレン長崎/完全 MFユ・インス(23)→アビスパ福岡/期限付き MF野澤英之(23)→愛媛FC/期限付き MF佐々木渉(21)→カマタマーレ讃岐/完全 MF石川直宏(36)→引退 FW大久保嘉人(35)→川崎フロンターレ/完全 FWピーター・ウタカ(34)→サンフレッチェ広島/期限付き満了◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.MF大森晃太郎(25) 2017シーズン(J1) 26試合出場4得点▽キープレーヤーは、ガンバ大阪時代に長谷川監督の指導の下でタイトル獲得に貢献したMF大森晃太郎だ。中盤でのダイナミックな動き、攻撃に推進力を持たせられる点が魅力な選手であり、監督も「ああいうタイプの選手はいなかった」と述べている通り、FC東京に変化を持たせることができる。恩師が直々に補強を持ち掛けたことも伝えられており、飛躍を遂げるためにはこの選手の活躍が鍵となることは間違いない。 ◆2018シーズンの予想布陣(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズン用いていた[3-1-4-2]ではなく、[4-4-2]もしくは[4-4-1-1]を基軸とする可能性が高い。最前線には、自ら仕掛けてチャンスを作ることができるFWディエゴ・オリヴェイラがファーストチョイスとなり、相方にFW前田遼一、FW富樫敬真、FW永井謙佑の候補が挙がる。相性を考えれば、衛星のような動きができ経験にも秀でているFW前田遼一が有力だ。 ▽中盤に関しては、サイドハーフの一枚はMF大森晃太郎に。逆サイドにはMF東慶悟とFW永井謙佑が競合するが、プレシーズン中の試合ではより推進力のあるFW永井謙佑を右に置き、MF東慶悟はボランチで起用されていた。中盤中央の2枚には、ゲームをコントロールするためにもMF高萩洋次郎は欠かせない。ボール奪取から積極的に最前線に顔を出すMF橋本拳人がその相方となり、MF東慶悟は状況に応じた起用となるだろう。 ▽バックラインに関しては、両サイドバックのDF太田宏介、DF室屋成は固い。センターバックには負傷から回復したDF森重真人、その相方にはDF丸山祐市ではなく新キャプテンに任命されたDFチャン・ヒョンスが収まる可能性は高い。 2018.02.18 15:10 Sun
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【J1開幕直前クラブガイド】熟した太陽王、充実補強でタイトルに挑戦《柏レイソル》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第5弾は柏レイソルを紹介する。 ◆昨年以上の期待感【ノルマ:ACL出場権争い】(C)CWS Brains,LTD.▽指揮官の積極起用に応えた若手の独り立ちにより、躍進の2017シーズンを過ごした柏。下平隆宏体制3年目の今シーズンは、より強者としての立ち位置を確立するために、発足時からチームの成長と共に手にしてきた自信を確信に挑む1年となる。その今年は、3年ぶりの出場となるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と国内リーグ戦の二兎を追う難しいシーズンになるが、今オフに11名の新戦力を獲得。しかも、ビッグネームというより、求める人材に求めるタイプの選手を補強する充実の内容だ。躍進を遂げた昨年からの継続と共に、新戦力が順調に現有戦力と融合となれば、昨シーズン以上の好成績に期待が高まる。 ◆充実のオフシーズン【補強達成度:S】(C)CWS Brains,LTD.▽昨年のJ1リーグで9得点を挙げたMF武富孝介の退団こそ痛かったが、上述のとおり、充実のオフシーズンを過ごした。DF亀川諒史や、DFパク・ジョンス、MF江坂任、MF小泉慶、MF澤昌克、FW山崎亮平、FW瀬川祐輔ら実力者を獲得し、攻撃力アップを狙う前線を含めた各ポジションの戦力アップはもちろん、ボランチやセンターバック陣に厚みをもたらす補強にも成功。ACLと並行しても、国内リーグ戦の上位を十分に狙えるだけの陣容を整えた。【IN】 GK猿田遥己(18)←柏レイソルユース/昇格 DF宮本駿晃(18)←柏レイソルユース/昇格 DF中川創(18)←柏レイソルユース/昇格 DF亀川諒史(24)←アビスパ福岡/完全 DFパク・ジョンス(23)←横浜F・マリノス/完全 MF田中陸(18)←柏レイソルユース/昇格 MF小泉慶(22)←アルビレックス新潟/完全 MF澤昌克(35)←デポルティボ・ムニシパル(ペルー)/完全 MF江坂任(25)←大宮アルディージャ/完全 FW瀬川祐輔(24)←大宮アルディージャ/完全 FW山崎亮平(28)←アルビレックス新潟/完全 【OUT】 DF橋口拓哉(23)→FC町田ゼルビア/期限付き DF輪湖直樹(28)→アビスパ福岡/完全 DF湯澤聖人(24)→ヴァンフォーレ甲府/完全 DF増嶋竜也(32)→ジェフユナイテッド千葉/期限付き MF小林祐介(23)→湘南ベルマーレ/期限付き MF武富孝介(27)→浦和レッズ/完全 MF秋野央樹(23)→湘南ベルマーレ/期限付き延長 MF安西海斗(19)→モンテディオ山形/期限付き延長 FW大島康樹(21)→未定 FWディエゴ・オリヴェイラ(27)→FC東京/期限付き FW大津祐樹(27)→横浜F・マリノス/完全◆超WS編集部イチオシ選手(c) J.LEAGUE PHOTOS◆FW伊東純也(24) 2017シーズン(J1) 34試合出場6得点▽注目選手は、昨シーズン以上にやってくれそうな感を漂わせるMF伊東純也だ。今年で柏在籍3年目のサイドアタッカーは、ここまで消化したACLプレーオフのムアントン戦で1得点2アシスト、続くジェフユナイテッド千葉とのちばぎんカップで1得点3アシストと大暴れ。プレー面においても、昨年までのドリブラー色をそのままに、今年からより内側でフィニッシュワーカーとしての仕事ぶりを際立たせ、生まれ変わった姿を見せつけている。その躍動ぶりに下平監督も「レイソルの看板選手になってくれれば」と期待十分。ケガなくシーズンを送ることができれば、良くも悪くもFWクリスティアーノに頼りがちな近年の攻撃陣に新風を吹き込む存在になるに違いない。今夏にロシア・ワールドカップを控える日本代表入りの道筋も見えてきそうだ。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-2-3-1](C)CWS Brains,LTD.GK:中村航輔 DF:小池龍太、中谷進之介、中山雄太、亀川諒史 MF:大谷秀和、キム・ボギョン、伊東純也、江坂任、ハモン・ロペス FW:クリスティアーノ▽ACLプレーオフの兼ね合いもあり、既にどのチームよりも早くキャンプインした後、公式戦を消化。シーズンが進むに連れて、選手間の序列が上下することもあるだろうが、先の全北現代戦の顔ぶれ、フォーメーションが基本軸になってきそうだ。現時点で、新加入組においてスタメン当確とされるのが江坂。そのほかの面々は、主力というよりもバックアッパーの底上げ、あるいはオプションとしての位置付けが強い。注目は、やはり新たなホットラインになりそうなクリスティアーノ、江坂、伊東、MFハモン・ロペスの攻撃陣。彼らが多士済々の個性を生かして機能してくるようであれば、指揮官が掲げる「総得点60ゴール」、そして、その先のタイトルも現実味を帯びそうだ。 2018.02.18 15:05 Sun
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【J1開幕直前クラブガイド】国内集中で優勝争いを《浦和レッズ》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第4弾は浦和レッズを紹介する。 ◆リーグ優勝に照準【ノルマ:優勝争い】Getty Images▽昨季は4冠を目指した中、10年ぶりにアジア王者に輝いた浦和。しかし、Jリーグでは優勝争いに絡めず、シーズン途中に5年半指揮を執ったミハイロ・ペトロヴィッチ監督を解任。凡庸な7位に終わった。新シーズンは崩壊していた守備を立て直し、ACL優勝に導いた堀孝史監督の下、Jリーグ優勝に照準を絞った戦いが求められる。堀監督が構築した守備組織と、ペトロヴィッチ監督の遺産である最後尾から繋ぐ攻撃サッカーが融合すれば、国内の戦いに集中できるアドバンテージもあり、12年ぶりのリーグ優勝が見えてくるはずだ。 ◆マルティノス&岩波獲得もラファ移籍が想定外【補強達成度:B】(C)CWS Brains,LTD.▽横浜F・マリノスからMFマルティノス、ヴィッセル神戸から2年越しのラブコールが実ってDF岩波拓也の両即戦力を獲得。さらに湘南ベルマーレをJ1昇格に導いたMF山田直輝が4年ぶりに復帰し、浦和出身のMF武富孝介が柏レイソルから加入した。レギュラークラスを獲得した一方でキャンプ始動後、ACL優勝の原動力となったFWラファエル・シルバが中国へ電撃移籍することになり、既にクラブを離れていたFW高木俊幸、MF駒井善成、MF梅崎司と一気にウインガー不足に陥った。攻撃陣の駒不足が否めない中、背番号9を背負うFW武藤雄樹は当然ながら、キャンプでゴールを量産したユース出身のDF荻原拓也のブレイクに期待が懸かる。【IN】 DF橋岡大樹(18)←浦和レッズユース/昇格 DF岩波拓也(23)←ヴィッセル神戸/完全 MF井澤春輝(18)←浦和レッズユース/昇格 MF荻原拓也(18)←浦和レッズユース/昇格 MF柴戸海(22)←明治大学/新加入 MFマルティノス(26)←横浜Fマリノス/完全 MF武富孝介(27)←柏レイソル/完全 MF山田直輝(27)←湘南ベルマーレ/復帰 【OUT】 DF茂木力也(21)→モンテディオ山形/期限付き延長 DF岡本拓也(25)→湘南ベルマーレ/期限付き延長 DF田村友(25)→アビスパ福岡/期限付き満了 DF那須大亮(36)→ヴィッセル神戸/完全 MF井澤春輝(18)→徳島ヴォルティス/期限付き MF伊藤涼太郎(20)→水戸ホーリーホック/期限付き延長 MF斎藤翔太(21)→契約満了 MF矢島慎也(24)→ガンバ大阪/完全 MF駒井善成(25)→コンサドーレ札幌/期限付き MF梅崎司(30)→湘南ベルマーレ/完全 FWオナイウ阿道(22)→レノファ山口/期限付き FWラファエル・シルバ(25)→武漢卓爾(中国)/完全 FW高木俊幸(26)→セレッソ大阪/完全 FW石原直樹(33)→ベガルタ仙台/完全◆超WS編集部イチオシ選手(c) J.LEAGUE PHOTOSMF長澤和輝(26) 2017シーズン(J1) 8試合出場1得点▽注目選手は、昨季のACL優勝の原動力となったMF長澤和輝だ。堀監督就任によって見いだされた中盤のダイナモは攻守の要としてチームを牽引する存在だ。球際の強さと推進力あるドリブルで、新キャプテンに就任したMF柏木陽介と共に中盤を支えることが求められる。日本代表でも一躍レギュラーの座を掴めるチャンスを得ている中、浦和の勝利に繋がる説得力のあるプレーを続けることで更なる飛躍の年としたい。 ◆2018シーズンの予想布陣(C)CWS Brains,LTD.GK:西川周作 DF:遠藤航、マウリシオ、槙野智章、宇賀神友弥 MF:柏木陽介、青木拓矢、長澤和輝 FW:マルティノス、興梠慎三、武藤雄樹▽堀監督就任後[4-3-3]にシステムを固定しており、新シーズンも同様のシステムを採用する。DF槙野智章がワールドカップに向けてセンターバックに専念することを希望しており、DFマウリシオとコンビを組むことが予想される。その影響で新戦力の岩波がベンチに回る可能性が高く、センターバックはハイレベルなポジション争いが展開されそうだ。一方でラファエル・シルバの移籍によって攻撃陣が手薄となり、左ウイングのポジションが空いた。ここは武藤や武富、若手の荻原らがレギュラー奪取のチャンスを窺う。 2018.02.18 15:00 Sun
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【J1開幕直前クラブガイド】内田篤人復帰の一昨シーズン王者、勝負強さを取り戻しタイトル奪還へ《鹿島アントラーズ》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初の金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来を先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第3弾は鹿島アントラーズを紹介する。 ◆Jタイトル奪還が最優先【ノルマ:優勝争い】Getty Images▽J1リーグと天皇杯を制した一昨シーズンの成功継続を狙った昨シーズンだが、終わってみれば主要タイトル無冠という屈辱を味わった鹿島。昨シーズン途中に石井正忠前監督からバトンを引き継いだ大岩剛体制2年目の今シーズンは、復権が求められる。ファーストプライオリティはもちろん、最終節で川崎フロンターレに掻っ攫われたJリーグ王者のタイトル奪還だ。 ▽注目ポイントは、昨シーズンに影を潜めた“勝負強さ”を取り戻せるかどうか。昨シーズンはラストの7試合で3勝2分け2敗と勝ち点を取りこぼし、さらに川崎とのシックポインターではシーズンダブルを喫したことが優勝争いに大きく影響した。 ▽鹿島の“勝負強さ”を体現する選手は小笠原満男だが、38歳という年齢もあって頼りきりになることはできない。DF昌子源を中心にDF植田直道、DF西大伍、MF遠藤康、FW土居聖真らクラブを知る選手らのより一層の奮起、そして昨シーズンに期待に応えきれなかったMFレオ・シルバとFWペドロ・ジュニオールら2年目となる外国人選手のパフォーマンスが鍵となりそうだ。 ◆懸念の最終ラインを的確補強【補強達成度:A】(C)CWS Brains,LTD.▽オフシーズンの補強は的確だったと言える。昨シーズン、不安視されながらも開幕前の補強がなかった最終ラインに関してはレギュラー勢を欠くとクオリティ低下が否めない状況が続いた。 ▽しかし今シーズンはその最終ラインに、経験豊富で精神的支柱にもなれるDF内田篤人を筆頭に、空中戦に強い正統派CBのDF犬飼智也、そして高い攻撃性能が売りのDF安西幸輝の3選手を補強。安西は右でも左でも起用できるため、特にサイドバックは盤石の態勢となっている。 ▽中盤から前線では昨シーズンに期限付きで加入していたMFレアンドロを完全移籍で獲得した以外に目立った補強がなかったが、既に質と量ともに十分な戦力が揃っている。前述したように、昨季加入のMFレオ・シルバとFWペドロ・ジュニオールがシーズン通して活躍できれば問題ないだろう。伝統的に攻撃は“個”への依存度が高いが、大幅な入れ替えがないアタッカー陣の連係向上も見込め、崩しの精度は昨季よりも高まりそうだ。【IN】 GK山田大樹←鹿島アントラーズジュニアユース/2種登録 GK沖悠哉←鹿島アントラーズユース/昇格 DF安西幸輝←東京ヴェルディ/完全 DF犬飼智也←清水エスパルス/完全 DF内田篤人←ウニオン・ベルリン(ドイツ)/完全 FWレアンドロ←パルメイラス(ブラジル)/期限付き→完全 FW山口一真←阪南大学/新加入 【OUT】 GK小泉勇人→水戸ホーリーホック/完全 DFブエノ→徳島ヴォルティス/期限付き MF梅鉢貴秀→ツエーゲン金沢/完全 MF平戸太貴→町田ゼルビア/期限付き MF杉本太郎→徳島ヴォルティス/期限付き FW垣田裕暉→ツエーゲン金沢/期限付き FW赤﨑秀平→川崎フロンターレ/完全 FW豊川雄太→KASオイペン(ベルギー)/完全◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.DF内田篤人(29) 2017-18シーズン(ドイツ2部) 2試合出場▽8年ぶりに古巣復帰を果たした内田を注目選手として挙げる。主戦場である右サイドバックにはDF西大伍とDF伊東幸敏という日本代表クラスの選手がおり、ポジション争いを制することは簡単ではない。しかし、豊富な経験に裏打ちされたポジショニングや最終ラインにもたらす落ち着きという面では一日の長がある。 ▽特に序盤は昨季のレギュラーである西が負傷で離脱するだけに、良いスタートから定位置を確保したい。鹿島で好パフォーマンスを続ければ日本代表復帰も現実味を帯びてくるだろう。「サッカー選手とは何かを傷の数だけわかってきたつもり。若い選手もいるので自分ができることを練習からやっていきたい」と入団会見で語った男が鹿島にどのような影響を与えるか注目だ。 ◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2](C)CWS Brains,LTD.GK:曽ヶ端準 DF:内田篤人、昌子源、植田直通、山本脩斗 MF:遠藤康、レオ・シルバ、三竿健斗、レアンドロ FW:ペドロ・ジュニオール、金崎夢生▽14日にAFCチャンピオンズリーグ2018のグループステージ第1節の上海申花戦を消化しており、1-1で引き分けた。この試合の先発メンバーが序盤戦の軸になっていくとみていいだろう。 ▽GKは引き続きGK曽ヶ端準がGKクォン・スンテを一歩リード。右サイドバックは内田、西、伊東と国内最高の選手層と質を誇り、左サイドバックもDF山本脩斗と安西がレベルの高い定位置争いを繰り広げそうだ。センターバックは昌子と植田が引き続きコンビを形成し、隙あれば犬飼が虎視眈々とレギュラーを狙う。 ▽中盤から前線も豊富な人材が揃う。中盤の底はMFレオ・シルバと昨季に飛躍したMF三竿健斗を軸に、鹿島3年目となるMF永木亮太とベテランの小笠原が脇を固める。左右のどちらでもプレー可能な選手が多いサイドアタッカーでは、キックが魅力の遠藤とレアンドロが欠かせない存在。果敢な仕掛けが魅力の19歳FW安部裕葵、ユーティリティな万能型MF中村充孝らがポジションを争う。 ▽FW金崎夢生が中心となる前線には、独力でゴールに直結するプレーを特長とするペドロ・ジュニオールがおり、同選手は左サイドでも起用可能。やや下がり目の位置からお膳立てだけでなくゴールも狙えるFW土居聖真も昨シーズンに引き続き多くの出番を与えられるだろう。プレシーズン中に好調だったFW鈴木優磨も勢いに乗れば一気にポジションを奪取できるポテンシャルを秘める。 2018.02.17 21:10 Sat
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【J1開幕直前クラブガイド】形づく攻撃サッカーで東北の地に栄冠もたらせるか《ベガルタ仙台》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初となる金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来に先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第2弾はベガルタ仙台を紹介する。 ◆昨季の手ごたえを確信に【ノルマ:ひと桁順位】(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンはこれまでのカウンタースタイルを捨てて、能動的かつ流動的な攻撃を仕掛けるサッカーへの切り替えに挑戦。フォーメーションも慣れ親しんだ[4-4-2]から[3-4-2-1]に変更するなど転換期となった。順位こそ前年と同じ12位だったが、内容は格段に飛躍したシーズンとなった。 ▽迎える新シーズンは、渡邉晋監督にとっても5シーズン目を迎え集大成となる。メンバー構成を見ると昨シーズンのレンタル移籍組の買い取りや期間延長に成功。数名の主力が抜けたものの大幅な戦力ダウンは免れた。昨シーズン見せた戦いぶりの継続を考えると、一桁順位は達成しなければいけないノルマとなる。 ◆戦力維持も、上積みなく不安は残る【補強達成度:C】Getty Images▽ストーブリーグ最大の目標は期限付き移籍組の残留だった。そんな中、DF古林将太(名古屋グランパス)、MF中野嘉大(川崎フロンターレ)、FW石原直樹(浦和レッズ)が完全移籍に移行。MF野津田岳人(サンフレッチェ広島)も期限付き移籍期間を延長するなど引き止めることに成功した。中盤をコントロールしていたMF三田啓貴がヴィッセル神戸に移籍したことは痛手だが、FC岐阜から庄司悦大を獲得したことでボランチのゲームメーカーは穴埋めができたと言える。 ▽一方で、センターバックはDF金正也をガンバ大阪から完全移籍で獲得したものの、DF増嶋竜也が退団。昨シーズンから懸念されていたバックラインの駒不足は解消されておらず、シーズンを戦っていくなかでケガや累積の状況によっては苦しい戦いとなる。【IN】 GK 川浪吾郎(26)←アルビレックス新潟/完全 DF 古林将太(26)←名古屋グランパス/期限付き→完全 常田克人(20)←大分トリニータ/復帰 金正也(29)←ガンバ大阪/完全 板倉洸(20)←川崎フロンターレ/期限付き MF 中野嘉大(24)←川崎フロンターレ/期限付き→完全 野津田岳人(23)←サンフレッチェ広島/期限付き延長 庄司悦大(28)←FC岐阜/完全 FW ジャーメイン良(22)←流通経済大学/新加入 阿部拓馬(30)←蔚山現代FC(韓国)/完全 石原直樹(33)←浦和レッズ/期限付き→完全 ラファエルソン(20)←ヴィトーリア(ブラジル)/期限付き 【OUT】 GK 石川慧(25)→栃木SC/完全 DF 増嶋竜也(32)→柏レイソル/期限付き終了 ヴィニシウス(22)→未定/退団 小島雅也(20)→FC町田ゼルビア/育成型期限付き MF 藤村慶太(24)→ツエーゲン金沢/期限付き 差波優人(24)→カターレ富山/期限付き 三田啓貴(27)→ヴィッセル神戸/完全 佐々木匠(19)→カマタマーレ讃岐/育成型期限付き 野沢拓也(36)→ウーロンゴン・ウルブス(オーストラリア)/完全 FW クリスラン(25)→ブラガ(ポルトガル)/復帰 平山相太(32)→現役引退◆超WS編集部イチオシ選手(c) J.LEAGUE PHOTOSMF庄司悦大(28) 2017シーズン(J2) 41試合出場5得点▽ベガルタ仙台のイチオシ選手は新加入のMF庄司悦大だ。アクションサッカーへの切り替えを行ったチームにおいて、中盤の底でゲームを組み立てられる選手の存在は不可欠。神戸に移籍した三田が退団した穴は大きく、チームの根幹を揺るがしかねない事態に陥りそうだったが、新加入の庄司にその穴埋めを期待したい。 ▽J1初挑戦となる庄司だが、レノファ山口FC、FC岐阜時代からも強弱、長短を織り交ぜたパスで攻撃のタクトを振るうなどゲームメーカーとして定評があり、昨シーズンは4101本のパスを通してJ2でトップ。仙台でもそのパスセンスを生かせるかに注目だ。 ▽仙台の前線には、裏抜けを得意とする石原直樹や阿部拓馬が構えており、彼らとタイミングを合わせることでチームに深さが生まれる。またポゼッションを重視するチームスタイルだけに、両ウイングバックを使った幅のある攻撃も求められる。庄司のパスで、攻撃の起点となるところに上手くボールを配給できるかに期待だ。 ◆2018シーズンの予想布陣[3-4-2-1](C)CWS Brains,LTD.GK:シュミット・ダニエル DF:平岡康裕、大岩一貴、金正也 MF:古林将太、庄司悦大、富田晋伍、永戸勝也 MF:野津田岳人、阿部拓馬 FW:石原直樹▽昨シーズンから取り組む[3-4-2-1]のフォーメーションを継続すると予想。増嶋が抜けた穴には金正也がそのまま入り、バックラインのメンバーが大きく変わることはないだろう。中盤も三田が抜けたボランチに庄司が入ることで大きな変化はない。また、今キャンプでは野津田をボランチで起用するなど試行錯誤を行っており、庄司の相方は相手次第で変わることが予想される。 ▽激戦区となる2シャドーは、野津田と新加入の阿部が堅い。しかし、昨シーズンの主力であるFW西村拓真や新加入のFWジャーメイン良、ボランチで試されているMF奥埜博亮などもおり、様々な組み合わせが考えられる。一方で、1トップの候補は石原と、新加入で未知数のFWラファエルソン。阿部やジャーメインが入る形も想定されるが、不測の事態がない限りは石原がシーズンを通して起用されるだろう。 2018.02.17 21:00 Sat
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【J1開幕直前クラブガイド】ミシャ政権1年目、“世界”を見据え1ランク上へ《北海道コンサドーレ札幌》

▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初の金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来を先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第1弾は北海道コンサドーレ札幌を紹介する。 ◆J1定着に向けた新章【ノルマ:ひと桁順位】(C)CWS Brains,LTD.▽2017シーズン、クラブの目標であったJ1残留を果たしたことで、さらなる上を目指すべく、新監督にサンフレッチェ広島、浦和レッズを率いたミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招へいした。現行システムの[3-4-2-1]は、ペトロヴィッチ監督が得意とする形。そこに戦術要素が加わることで、より攻撃的な試合展開が望めるだろう。 ▽残留を果たしたからには、目標は高く。ひと桁順位争いを目指していきたいところだ。主力選手の退団は最小限に留めており、これまでの戦い方のベースは守られている状況。その中で、ペトロヴィッチ監督はポゼッションサッカーを志向している。 ▽MF荒野拓馬は「最初は戸惑う部分や戦術に対して難しい部分があった」としながらも、「今はだいぶしっかりと理解している」とキャンプを通じて戦術理解が深まったことに自信を見せていた。シーズン中もどれだけ上積みさせられるかが、最終的には結果を左右するだろう。 ◆中盤から前線は充実の戦力【補強達成度:B】Getty Images▽今シーズンの札幌は、2017シーズンを戦った主力選手の放出を抑え、期限付き移籍ながら主力として活躍したMF横山知伸(大宮アルディージャ)、MF菊地直哉(サガン鳥栖)を完全移籍で獲得。さらに、守護神候補に京都サンガF.C.の正守護神であったGK菅野孝憲を期限付き移籍で獲得した。守備陣は、J1で戦う戦力をしっかりと上積みできた印象だ。 ▽中盤は、U-21日本代表としてもプレーするMF三好康児をJ1王者の川崎フロンターレから期限付きで獲得。また、ペトロヴィッチ監督の教え子でもあるMF駒井善成を浦和から期限付き移籍で獲得した。2シャドーに誰を配置するかにもよるが、枚数は足りている。ただし、ケガへの耐性が低い選手も多く、主力選手が1年間フル稼働しないという前提であれば、シーズンを戦い抜ける戦力が揃ったと言える。 ▽前線は昨シーズン途中加入のFWジェイに加え、FW都倉賢が君臨。ここまでのプレシーズンマッチでは、2人を同時起用する形を考えているとは考えにくい。2シャドーとの連携面を優先しつつ、浦和時代のように前線の3枚で2セットを組む可能性もあるだろう。 【IN】 GK阿波加俊太(23)←愛媛FC/復帰 GK菅野孝憲(33)←京都サンガF.C./期限付き MF横山知伸(32)←大宮アルディージャ/期限付き→完全 MF菊地直哉(33)←サガン鳥栖/期限付き→完全 MF三好康児(20)←川崎フロンターレ/期限付き MF白井康介(23)←愛媛FC/完全 MF駒井善成(25)←浦和レッズ/期限付き FW藤村怜(18)←北海道コンサドーレ札幌ユース/昇格 FW宮吉拓実(25)←サンフレッチェ広島/完全 【OUT】 GK杉山哲(36)→東京ユナイテッドFC/完全 GK金山隼樹(29)→ファジアーノ岡山/完全 DF増川隆洋(38)→退団 DF上原慎也(31)→愛媛FC/完全 DF前貴之(24)→レノファ山口/期限付き→完全 DF櫛引一紀(25)→名古屋グランパス/期限付き→完全 DF永坂勇人(23)→水戸ホーリーホック/期限付き延長 MF前寛之(22)→水戸ホーリーホック/期限付き MFマセード(30)→ブラガンチーノ(ブラジル)/完全 MF石井謙伍(31)→サムットサコン(タイ)/完全 MF中原彰吾(23)→V・ファーレン長崎/期限付き FW金園英学(29)→ヴァンフォーレ甲府/期限付き ◆超WS編集部イチオシ選手(C)CWS Brains,LTD.FWジェイ・ボスロイド(35) 2017シーズン(J1) 14試合出場10得点▽今シーズンの札幌の命運を握っているのは、やはりジェイしか考えられない。2017シーズン終盤の追い上げを見れば、ジェイが何点取ることができるのかで、チームの順位は大きく変わるだろう。 ▽また、ジェイにはゴール以外の魅力もある。それは、試合を読む力、そして周りを生かす力だ。ジェイは必然的にマークを集めることになると予想されるが、そのことでシャドーに入る選手が生きるはず。“タイのメッシ”ことMFチャナティップ・ソングラシンやFW宮吉拓実、三好らのゴール数が増加することも、チームの成績を左右するはずだ。 ◆2018シーズンの予想布陣[3-4-2-1]Getty ImagesGK:ク・ソンユン DF:菊地直哉、横山知伸、福森晃斗 MF:早坂良太、駒井善成、兵藤慎剛、菅大輝 MF:三好康児、宮吉拓実 FW:ジェイ▽これまでのトレーニングマッチを見る限り、ペトロヴィッチ監督の代名詞でもある[3-4-2-1]の布陣となることは間違いない。GKには足元の技術が求められることになり、その点ではGKク・ソンユンよりも菅野が有利と見る。しかし、これまで札幌のゴールを守ってきたことを考えれば、最初はク・ソンユンがゴールマウスを守ると見る。 ▽3バックは昨シーズンの3名と予想。菊地、横山、そしてDF福森晃斗が並ぶだろう。DFキム・ミンテがどこまで割って入るか。また若手のDF進藤亮佑の成長も期待される。 ▽中盤は戦力補強により、ポジション争いが激化。監督が交代したことも影響し、どの選手が重視されるかは動向を見守る必要がありそうだ。その中でも、浦和時代に師弟関係だった駒井はボランチの一角に入るだろう。また、昨シーズンの主力であったFW菅大輝、MF早坂良太はウイングバックとして起用されると見る。ボランチのもう一角は、バランスを考えるとMF兵藤慎剛になるだろう。その他にも、MF小野伸二、MF稲本潤一、MF宮澤裕樹、MF深井一希、荒野と枚数は揃っている。ペトロヴィッチ監督のチョイスが気になるところだ。 ▽前線も枚数が揃っているだけに難しいところ。それでもトップはFWジェイが1stチョイスになるだろう。シャドーは、三好、宮吉の新加入コンビが当面は務めると見る。それでも、チャナティップやヘイス、内村も控えており、兵藤や宮澤、駒井もプレーはできる。様々な配置を試しながらも、早い段階で固めることができるかが、浮沈のカギを握るはずだ。 2018.02.17 18:00 Sat
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【レジェンドチーム回顧】ペップ・シティでも無理だった…アーセナル “インビンシブルズ”〜2003-2004〜

▽14日、プレミアリーグ第23節のリバプールvsマンチェスター・シティが行われ、リバプールが4-3で勝利した。この結果、首位シティの今季リーグ戦無敗がついにストップ。2003-04シーズン以来2チーム目のプレミアリーグ無敗優勝の可能性が潰えた。 ▽圧倒的な強さを誇るペップ・シティでも達成できなかったプレミア無敗優勝の壁。現在とはリーグ全体のレベルが異なるとはいえ、2003-04シーズンのアーセナルはこれから語り草として歴史に残り続ける。 ▽そこで今回は、当時のアーセナル黄金期のチームを過去の特集から再掲して紹介。2003-2004シーズンにプレミアリーグ無敗優勝を成し遂げた“インビンシブルズ”を紹介する。 【2003-2004シーズン】〜インビンシブルズ〜 ◆基本布陣◆ [4-4-2](C)CWS Brains,LTD.GK:イェンス・レーマン DF:ラウレン、コロ・トゥーレ、ソル・キャンベル、アシュリー・コール MF:フレデリク・リュングベリ、パトリック・ヴィエラ、ジウベウト・シウバ、ロベール・ピレス FW:デニス・ベルカンプ、ティエリ・アンリ 監督:アーセン・ヴェンゲル(53)※当時攻撃力8:★★★★★★★★☆☆ 守備力9:★★★★★★★★★☆ タレント8:★★★★★★★★☆☆ 連係10:★★★★★★★★★★ 選手層8:★★★★★★★★☆☆【シーズン実績】 ◆プレミアリーグ史上初の無敗優勝Getty Images▽このシーズン、ヴェンゲル監督の下で、アンリやピレス、ヴィエラ、ヴィルトールなど多くのフランス人選手を擁したアーセナルは、26勝12分0敗という素晴らしい成績でプレミアリーグを制覇。勝ち点90を獲得し、2シーズンぶりとなる優勝を見事に無敗で達成した。その圧倒的な強さから、当時のチームは “インビンシブルズ”(=無敵の集団)と呼ばれた。 ▽前シーズンから続けていたリーグ戦無敗記録は結局、翌2004-05シーズンまで継続。10月にマンチェスター・ユナイテッドに敗れるまで、実に49試合にわたる無敗記録を樹立した。なお、この記録は現在でもプレミアリーグレコードとして燦然と輝いている。ちなみに、無敗記録が途絶えた試合でゴールを奪われたルーニーはアーセナルにとって天敵。アーセナルは2002年にも、当時の記録だった30試合無敗をルーニーのプレミアリーグ初弾でストップさせられていた。 ▽プレミアリーグでは2位チェルシーに勝ち点11差を付ける圧倒的な強さを披露したアーセナルだったが、FA杯とリーグ杯は惜しくも準決勝で敗退。また、CLでも準々決勝でチェルシーに2戦合計2-3で敗れ、ダブル達成とはならなかった。 【チーム紹介】 ◆完璧な流動性 ▽システムは一貫して、中盤がフラットなイングランド伝統の4-4-2を採用。特長は、何といっても攻撃陣の流動性だ。左サイドハーフを務めるピレスは右利きのテクニシャン。そのため、カットインしながらゲームメークを担当した。ピレスに縦の力がない分、左サイド深くのスペースを活用したのは、2トップの一角を務めるアンリだった。元々、左ウイングだったアンリはピレスがカットインすると左サイドに流れてボールを受け、縦突破からクロスを送るのが得意の形だった。 ▽また、ゲームメークを担当するピレスとは対照的に、右サイドではリュングベリが激しいオフ・ザ・ボールの動きでアクセントを付けた。とりわけ、飛び出しの能力は秀逸で、巧みなラインブレイクから幾度もゴールに迫った。そして、アンリとコンビを組んだベルカンプも、熟練のボールコントロールで相手DFを翻弄。ポストプレーやダイレクトプレーでアンリやリュングベリを巧みに操った。 ▽攻撃陣ばかりに注目がいくチームだったが、守備陣も安定していた。ヴィエラとジウベルト・シウバがコンビを組むセントラルMFは攻守のバランスが抜群で、フィジカルとテクニックを高いレベルで兼ね備えていた。また、キャンベルとコロ・トゥーレが組むセンターバックもソリッド。アシュリー・コールとラウレンを擁するサイドバックに関しても隙はなかった。シーマンの後継者となったドイツのレーマンは、ときおり見せる大胆なプレーが少し不安ではあったが、気迫のこもった好守が非常に目立っていた。 【ピックアップ・プレーヤー】 ◆ティエリ・アンリ(25)Getty Images▽キャリア絶頂期に突入しつつあったアンリはこのシーズン、プレミアリーグで30ゴールを記録。公式戦では51試合に出場して39ゴール14アシストと、まさにチームの中心だった。また、2年連続でPFA年間最優秀選手賞、FWA年間最優秀選手賞をダブル受賞。PFA年間最優秀選手賞を2シーズン連続で受賞した初めての選手となった。なお、アンリは2001シーズンから5シーズンにわたって、アーセナルで公式戦30ゴール以上を記録し続けた。 2018.01.15 13:00 Mon
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【特集】成人の日、サッカー界で活躍する2018年の新成人は!?

▽2018年1月8日は、成人の日。新成人のみなさん、おめでとうございます。各地では成人式が行われる中、今年成人を迎える世代は東京五輪世代でもあり、森保一監督率いるU-21日本代表は、AFC U-23選手権中国2018に臨みます。 ▽今回、2018年に成人式を迎える方々と同じ世代(1997年4月2日〜1998年4月1日生まれ)の選手を紹介。すでに世界で活躍を見せる選手や、Jリーグ、今後の日本代表で活躍が期待される選手をピックアップしています。 ◆FWガブリエウ・ジェズスGetty Images[マンチェスター・シティ/ブラジル] 誕生日:1997年4月3日(20) ▽マンチェスター・シティでもセンターフォワードの座を争い、今シーズンはすでにプレミアリーグで18試合に出場し8ゴールを記録。ブラジル代表でもポジションを掴み、13キャップ8ゴールを記録している。 ◆FWウスマーヌ・デンベレGetty Images[バルセロナ/フランス] 誕生日:1997年5月15日(20) ▽2017年夏、ドルトムントから移籍金1億4500万ユーロ(約192億円)でバルセロナへと加入した鬼才。しかし、シーズンスタート直後に負傷し、リーガエスパニョーラでわずか3試合の出場にとどまっている。リバプールからブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョが加入しただけに、出場機会をしっかり得られるか。ポジション争いにも注目が集まる。 ◆FWマーカス・ラッシュフォードGetty Images[マンチェスター・ユナイテッド/イングランド] 誕生日:1997年10月31日(20) ▽18歳で衝撃のデビューを果たしたラッシュフォード。マンチェスター・ユナイテッドでもコンスタントに試合に出場し、ウイングのポジションで今シーズンもすでにプレミアリーグで4ゴールを記録している。2016年のユーロにも出場し、イングランド代表の今後を担う存在になることが期待。 ◆MFレナト・サンチェスGetty Images[スウォンジー/ポルトガル] 誕生日:1997年8月18日(20) ▽かつては天才とも言われ、世界で最も期待されたポルトガルの宝。しかし、バイエルンでポジションを掴めないと、今シーズンはスウォンジーへとレンタル移籍。しかし、新天地でも輝けず…。復活を期待したい。 ◆MFロドリゴ・ベンタンクールGetty Images[ユベントス/ウルグアイ] 誕生日:1997年6月25日(20) ▽2017年7がつにボカ・ジュニアーズからユベントスへと加入したウルグアイの逸材。今シーズンはセリエAで10試合、チャンピオンズリーグで3試合に出場している。ウルグアイ代表としてのキャリアは少ないが、ワールドカップ出場の可能性もある司令塔だ。 ◆FWドミニク・ソランケGetty Images[リバプール/イングランド] 誕生日:1997年9月14日(20) ▽昨年行われたU-20ワールドカップでゴールデンボール(MVP)を受賞。世代別のイングランド代表を経験し、2017年11月にはブラジル代表との親善試合でA代表デビューを果たしている。今シーズンはチェルシーからリバプールに完全移籍し、途中出場を中心にプレミアリーグで14試合に出場。さらなる飛躍が期待される。 ◆FWイ・スンウGetty Images[エラス・ヴェローナ/韓国] 誕生日:1998年1月6日(20) ▽バルセロナのユースで育った、“韓国のメッシ”と呼ばれる韓国の逸材。しかし、バルセロナの未成年者の移籍に関するFIFA条項違反によりプレーできず。今シーズンからセリエAのヴェローナへと完全移籍した。今シーズンは途中出場でセリエA7試合に出場。 ◆MF遠藤渓太Getty Images[横浜F・マリノス/日本] 誕生日:1997年11月22日(20) ▽マリノス下部組織出身のサイドアタッカー。2016年にトップチームへ昇格すると、J1で23試合に出場。2年目の2017シーズンも14試合に出場し、J1初得点を含む2得点を記録した。U-20日本代表としてU-20ワールドカップにも出場し、決勝トーナメント進出に貢献した。 ◆FW前田大然Getty Images[松本山雅FC/日本] 誕生日:1997年10月20日(20) ▽2017シーズンに期限付き移籍先の水戸ホーリーホックで大ブレイクを果たしたスピードスター。プロ2年目の2017シーズンは、J2で36試合に出場し13得点。一瞬の加速で相手DFを振り切り、豪快にゴールを奪い、古巣の松本山がFCへの復帰が決まっている。 ◆DF初瀬亮Getty Images[ガンバ大阪/日本] 誕生日:1997年7月10日(20) ▽両サイドでプレーできる両利きのサイドバック&ウイングバック。ガンバ大阪の下部組織出身で、J1でも出場機会を増やしている。12月にはEAFF E-1サッカー選手権に臨む日本代表にも選出。出場機会はなかったが、将来のA代表入りが期待される。 ◆FW伊藤達哉Getty Images[ハンブルガーSV/日本] 誕生日:1997年6月26日(20) ▽柏レイソル下部組織出身で、ブンデスリーガのハンブルガーSVでデビューも果たした東京五輪世代の隠し球。今シーズンはブンデスリーガで9試合に出場すると、チームとの契約も2021年まで延長。小柄ながらドリブルで相手を翻弄する姿は、現地ファンの心を掴んでいる。 2018.01.08 15:00 Mon
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【レジェンドチーム回顧】プレミアを席巻したオレアリー率いる“ヤング・リーズ”〜2000-2001〜

▽4日、ガンバ大阪の日本代表MF井手口陽介(21)がチャンピオンシップ(イングランド2部)のリーズ・ユナイテッドへと完全移籍した。 ▽リーズといえば、1990年代に黄金期を迎え、1990年代後半から2000年代前半までは「ヤング・リーズ」として一躍その名を知らしめた。2003-04シーズンにプレミアリーグから降格すると、その後は昇格することなく、チームは財政難で勝ち点剥奪、リーグ1(3部リーグ)への降格と暗黒期に入った。 ▽しかし、その後はイタリアのカリアリを保有するマッシモ・チェリーノが買収しチームは復活。現在はプレミアリーグ昇格を目指し、チャンピオンシップを戦っている。本稿では、井手口陽介が移籍加入するリーズについて、黄金期のチームをピックアップして紹介。2000-2001シーズンの“ヤング・リーズ”を紹介する。 【2000-2001シーズン】〜ヤング・リーズ〜 ◆基本布陣◆ [4-4-2](C)CWS Brains,LTD.GK:ナイジェル・マーティン DF:ダニー・ミルズ、リオ・ファーディナンド、ドミニク・マッテオ、イアン・ハート MF:リー・ボウヤー、オリビエ・ダクール、デイビッド・バッティ、ハリー・キューウェル FW:アラン・スミス、マーク・ヴィドゥカ 監督:デイビッド・オレアリー(43)・タイトル実績:プレミア4位、CLベスト4 攻撃力7:★★★★★★★☆☆☆ 守備力7:★★★★★★★☆☆☆ タレント7:★★★★★★★☆☆☆ 連係8:★★★★★★★★☆☆ 選手層6:★★★★★★☆☆☆☆【シーズン実績】 ◆ヤング・リーズの集大成Getty Images▽1998年にデイビッド・オレアリー監督が就任したリーズは、若い選手たちが躍動する魅力的なサッカーでプレミアリーグに旋風を巻き起こした。プレミア制覇こそならなかったものの、幾度も優勝争いに絡み、1999-2000シーズンは3位という好成績を残す。 ▽そのリーズの集大成が2000-01シーズン。CLに初参戦したチームは、この大舞台で躍進する。ミランやバルセロナと同居したグループステージ1次リーグを2位で通過。2次リーグでは前年のCL覇者であるレアル・マドリーやイタリア王者のラツィオと同組に入ったが、再び2位で決勝トーナメント進出を決めた。 ▽決勝トーナメント準々決勝では、リーガ王者の“スーペル・デポル”ことデポルティボ・ラ・コルーニャと対戦し、2戦合計スコア3-2で準決勝に勝ち進む。準決勝ではバレンシアの前に屈して決勝進出を果たせなかったが、大会を大きく盛り上げる活躍を見せ、多くのフットボールファンを虜にした。 ▽しかし、このシーズン以降は財政難に陥り、DFリオ・ファーディナンドなどの主力選手を手放さざるを得なくなる。そして、2003-04シーズンにはチャンピオンシップに降格し、現在までプレミアリーグの舞台に舞い戻れていない状況だ。 【チーム紹介】 ◆若さ溢れる勢い ▽主に20代前半から半ばまでの選手で構成されたチームは、攻守においてダイナミックなパフォーマンスを披露した。その若さを存分に生かしたスタイルは、躍進を遂げる大きな原動力だった。 ▽最後尾に構えたベテランのGKナイジェル・マーティンは安定したゴールキーピングに加えてコーチング能力が高く、若いチームの中で重要な存在だった。最終ラインは、若かりしころのファーディナンドが中心。時折ミスはあったものの、スピードとビルドアップ能力に長けたセンターバックとして将来が嘱望されていた。さらに、精度の高い左足のキックを装備する左サイドバックのDFイアン・ハートは、オーバーラップから好クロスを供給し、直接FKでゴールを陥れた。 ▽中盤はMFオリビエ・ダクールらが地味な働きながらも献身的なプレーでチームを助けた。右サイドのMFリー・ボウヤーは精力的な動きで攻守に大きく貢献。左サイドのMFハリー・キューウェルは切れ味鋭いドリブル突破からチャンスに絡んだ。 ▽前線は、弱冠20歳のFWアラン・スミスが豊富な運動量を見せてチャンスメイクに奔走。大型FWマーク・ビドゥカとともに抜群の補完性を見せ、2人でゴールを量産した。その他、スミスと同じく20歳のFWロビー・キーンも少ない時間の中でしっかりと結果を残した。 【ピックアップ・プレイヤー】 ◆ハリー・キューウェル(22)Getty Images▽リーズ・ユース出身のキューウェルは、躍進する若いチームの象徴としてヨーロッパで暴れまわった。全盛期のギグスを彷彿とさせるドリブル突破や正確な左足でチャンスを演出するなど攻撃の中心を担い、プレミアリーグを代表するウインガーとして地位を確立した。また、同じオーストラリア出身のビドゥカとの連係も見事だった。 2018.01.04 20:30 Thu
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【編集部コラム】最悪の休暇に突入したレアル・マドリー…エル・クラシコで打ち崩されたジダン監督のマネジメント

▽レアル・マドリーは、本拠地サンティアゴ・ベルナベウに宿敵バルセロナを迎えた“エル・クラシコ”で0-3と大敗。一試合を未消化であるものの、勝ち点14差をつけられて、最悪のクリスマス休暇を迎えることとなった。 ▽「バレンシアやアトレティコ・マドリーといったライバルがいる」、とは試合後のルイス・スアレスの言だ。もはやマドリーをライバルと認識していないことを思わせるコメント。ストレートに気持ちを伝える選手からこういった発言が飛び出すほどに、失った試合の価値は計り知れない大きさを持っていた。その重要な一戦にマドリーはどのようなプランを持って臨み、戦ったのだろうか。 ◆前半に現れたバルセロナの変Getty Images▽ボール支配率51%vs49%、シュート総数7本vs4本、枠内シュート数3本vs2本、パス総数320本vs297本、パス成功数231本vs208。これはハーフタイムまでのスタッツであり、いずれの数字も前者がマドリー、後者がバルセロナのものとなっている。 ▽さらに、バルセロナのパス成功率は70%。エルネスト・バルベルデ監督体制のバルセロナがポゼッション戦術に固執し過ぎないという柔軟性で強さを身に着けているとはいえ、90%以上のパス成功率を記録することが珍しくないチームにおいて、この数字は“異常事態”と言えよう。 ▽マドリーとバルセロナ、まるで逆に感じられるようなこのスタッツ。その背景には、バルセロナの“ボール・ポゼッション”に真っ向から勝負した、ジネディーヌ・ジダン監督の選手を全面的に信頼したプランが作用している。 ◆“オールコート・マンツーマン”から読み取れるジダン監督の信頼Getty Images「もし私たちが良いプレーをするなら、どんなチームも打ち破ることができるはずだ」(ジダン監督) ▽ジダン監督はこの試合のスタメンに、攻撃の核として期待されるMFイスコではなく、運動量豊富でダイナミックなMFマテオ・コバチッチをサプライズ起用。大方の予想を裏切る先発起用の中で試合が始まると、すぐに“奇妙な”動きが観察された。 ▽前半からボールを回してリズムを作ることが習慣となっているバルセロナは、この試合でもDFジョルディ・アルバ、MFセルヒオ・ブスケッツ、DFセルジ・ロベルトらを経由しつつボールに触ろうとする。バルセロナのキックオフから始まったファーストプレー、いつも通りにジョルディ・アルバが最終ラインでボールを持つと、対面のDFダニ・カルバハルがハーフウェイライン付近から猛然とダッシュしていく。 ▽プレスのかかったジョルディ・アルバはフリーになっている味方を探そうとするが、ブスケッツにはコバチッチが、アンドレス・イニエスタにはルカ・モドリッチが、トーマス・ヴェルメーレンにはカリム・ベンゼマがマークについていた。そのシーンでは、最終的にジョルディ・アルバが前線に大きく蹴り出し、マドリーボールとなった。 ▽この試合の前半では同じようなシーンが散見。リオネル・メッシとスアレスにもそれぞれラファエル・ヴァランとセルヒオ・ラモスが対応しており、まさにピッチ全域を使ったマンツーマンディフェンス、“オールコート・マンツーマン”をジダン監督は採用した。 ▽しかし実のところ、バルセロナがこういった対策を受けることは初めてではない。印象的なものが、2011-12シーズンのリーガエスパニョーラ第12節アスレティック・ビルバオvsバルセロナだ。当時ビルバオを率いていたマルセロ・ビエルサ監督は、ジョゼップ・グアルディオラ監督の下で“ポゼッションサッカーの完成形”とも言われたチームを相手にオールコート・マンツーマンを採用。真っ向勝負を挑んだ。 ▽驚異的な采配に苦しんだグアルディオラ監督は、パスで崩して数的優位を作る理想を一時封印。各所で一対一のシチュエーションが頻発していたため、突破力に秀でた選手を投入して、個々のデュエルで上回る展開を量産し、試合終了間際にメッシが得点して辛くも2-2のドローに持ち込んでいた。 ▽ジダン監督の今回のクラシコでの入りは、上記の試合と酷似している。であれば、最終的に一対一の局面が重要となることは明らかだ。しかし、ジダン監督が前日会見で語っていた、「もし私たちが良いプレーをするなら、どんなチームも打ち破ることができるはずだ」という発言を本心からのものだと信じるとすれば、むしろ一対一の局面こそ待ち望んでいたのかもしれない。それこそ、マドリーの選手たちは個々の能力でバルセロナの選手を上回っている、という信頼の証だからだ。 ◆間受けの絶対阻止Getty Images▽とはいえ、バルセロナの強さは相手のマークを混乱させるパス回し、そして狙いたいスペースがかなりの精度で共有されている部分にもある。その舵取り役となっているのがメッシ、スイッチを入れるのがブスケッツだ。 ▽バルセロナの攻撃の中で、多くみられるパターンは主に3つ。まず1つが、ジョルディ・アルバのオーバーラップを生かした、左ワイドのスペースを使った崩し。次に挙がるのが、相手の左CBがメッシに食いついた際に多い、ボックス内右へのスアレスやパウリーニョの抜け出しを狙うパターン。そして最も警戒しなくてはならないのが、左ワイド、右のニアスペースを警戒した際に生まれる、最終ラインと中盤の間のゾーンを狙うケースだ。 ▽そのスペースを使われる、いわゆる“間受け”をメッシに許してしまえば、バルセロナの攻撃を止めることがノーチャンスとなる場合も多々あるため、絶対にケアしなければならないポイントだ。 ▽ジダン監督は、選手にマンツーマンを指示しながらも、中盤の4枚を常に相手選手の内側に配置。マドリーの選手が密集する中央のスペースになかなかパスを当てられないバルセロナは、次第に幅を広く取ったサイドへ流れるか、パウリーニョ、スアレスをターゲットにするようになっていった。 ▽さらに、マドリーが守備から攻撃に移る瞬間、バルセロナは必然的にどちらかのサイドに寄ることに。これを逆手にとるためか、この試合のマドリーの攻撃は、奪ったサイドに近いモドリッチかトニ・クロースが逆サイドに展開し、オーバーラップしたサイドバックがシンプルにクロスを上げる、といったものが基本となっていた。 ▽これも、モドリッチやクロースの素晴らしいキックの精度、ダニエル・カルバハルやマルセロの機動力があってこそ取れるものだ。このように、前半のマドリーは非常に効率的にバルセロナ対策を実践。惜しむらくは、良い時間帯にベンゼマやクリスティアーノ・ロナウドが得点を奪えなかったことか…。 ◆2010-11シーズン、コパ・デル・レイ決勝クラシコの再現を画策Getty Images▽後半に入ると、ジダン監督は戦術を変更。ピッチ全体でのマンツーマンを解除し、2010-11シーズンのコパ・デル・レイ決勝で、ジョゼ・モウリーニョ監督(現マンチェスター・ユナイテッド)がセンターバックであるペペをボランチで起用してメッシに張り付けたように、コバチッチをメッシの担当に。全体としては、カウンターを意識したやや引き気味のゾーンディフェンスに変えた。このプランを採用したのは、前半のペースで試合を運用するには疲労面で懸念があったためだろう。 ▽当時モウリーニョ監督は、ペペのボランチ起用により、今よりも得点に特化していた当時のメッシを試合から追い出すことに成功。バルセロナのキーマンを除く10人vs10人の戦いに持ち込み、1-0での勝利を手にしていた。 ▽その再現を画策したジダン監督だったが、結果から言えばこの采配が裏目に出た。現在のバルセロナでは、2010-11シーズンの頃とは違い、メッシは出し手としても脅威になっている。その役割の中で、フィジカル色の強いパウリーニョとは印象的なホットラインを形成。バルセロナの選手としては異質な直線的な動きができるパウリーニョを、メッシがシンプルに使う形をよく目にする。バルセロナの哲学に沿う崩しではないが、今シーズンはそのパターンから得た勝ち点も多い。 ▽後半から、パウリーニョは左右のワイドで精力的に顔を出すようになっていく。さらに、コバチッチのマークがついているメッシは、無理に受ける動きはせず、ディフェンスライン際をウォーキング。すると、両者を警戒するマドリーは、中央にスペースを空けていくことになった。 ◆狙われたマンツーマンとゾーンディフェンスの境目Getty Images▽そして、先制点の場面。起点となった部分では、ブスケッツが卓越したボールコントロールから、強度の落ちている中央のスペースにパスを送る。そして、ゾーンディフェンスに戻っているモドリッチはラキティッチに走り負け、中央に位置していたコバチッチにマークを受け渡す。一方で、マンツーマンを意識していたコバチッチは、近くをランニングするメッシに付くという仕事を守るため、ラキティッチのチェックにはいかず。最も危険なスペースへの侵入を許し、先制点を奪われることとなった。 ▽自身の判断から痛恨の失点を喫することとなったコバチッチは、それ以降、中途半端な対応を続けてしまう。2失点目の場面では後方のスペースを意識したためか、引いて受けに来たメッシにチェックしきれず。最前線へ高精度のパスを供給され、その流れからカルバハルが退場。PKから追加点を許した。 ▽数的不利となると、マドリーは防戦一方に。試合終了間際にも、自由を得たメッシの突破からアレイシ・ビダルにトドメを刺され、大敗のままクラシコは幕を下ろした。 ◆責を問われるべきはエースの働きGetty Images▽巷では、敗戦の原因としてイスコ外し、メッシを恐れたが故のコバチッチ起用や、ベンゼマの決定力不足が挙げられている。しかし、ここではC・ロナウドに最大の責があると主張したい。 ▽ジダン監督のマネジメントから、前半中に得点を目指していたことは明らかだろう。モドリッチやクロースの運動量を考えれば、後半も同じペースを保つことは困難なものであることは判然としていた。 ▽ただ前半のシュート数は7本と、それに見合うだけのチャンスを創り出しており、イスコを起用しなかったことでチャンスに欠けていた、と述べられる内容ではない。さらに後半に関して、攻撃の駒として投入したマルコ・アセンシオやガレス・ベイルはいずれもシュートに秀でている選手であり、試合の展開としてもイスコが周囲と連携を図りつつ崩して1点を決めるという展開ではなかった。 ▽整理すると、「チャンスを作れなかった」、「守備的な入りをした」といった部分ではなく、「チャンスを作ったが、決め切れなかった」というところに問題があったことが浮かび上がってくる。バルベルデ監督が試合後に「ジダンとの戦いに勝利したとの感覚はない。フットボールというゲームは多くの場合、ディテールに依存している」とコメントしたように、今シーズン当初から騒がれている“決定力不足”が、ここでも大きな課題として現れた形だ。 ▽欧州各紙から最大のバッシングを受けているベンゼマについては、一定の評価はしたい。彼の最大の魅力は得点力ではなく、中盤に関与する動きにあるからだ。惜しいシュートは放ち続けているだけに批判を免れることはできないが、ベンゼマが居ることで手にできたチャンスも多くあった。 ▽一方で、そのベンゼマと最前線でコンビを組むC・ロナウドは、言わずもがな驚異的な得点力が売りの選手だ。逆に、得点を決めることができないのであれば、彼を起用する理由の大部分は失われる。この試合でも絶好の場面でシュートを空振りするなど、その期待値からはほど遠いパフォーマンスとなった。 ▽マドリーでの公式戦通算416試合で422ゴールを記録しているC・ロナウド。ベンゼマでもコバチッチでもなく、マドリーのエースたるC・ロナウドの本来の実力を考えればこそ、チャンスを生かし切れなかった責任は甚大なものだ。 《超ワールドサッカー編集部・上村迪助》 2017.12.31 12:30 Sun
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【イケメンアンケート番外編】J1初制覇の川崎フロンターレ、HUB川崎店に集まるサポーターが選んだイケメンは!?

▽明治安田生命Jリーグも全ての日程が終了し、優勝チームや昇格チーム、降格チームが決定いたしました。 ▽J1リーグでは、川崎フロンターレが最終節で大宮アルディージャ相手に見事大勝を収めると、首位の鹿島アントラーズがアウェイでジュビロ磐田にゴールレスドロー。この結果、逆転での優勝が決まり、悲願のクラブ初タイトル獲得となりました。川崎Fに関わるみなさま、本当におめでとうございます。 ▽そんなことを予期?したか、してないかはさておき、編集部のUとKが見事優勝を果たした川崎Fサポーターが集まるHUB川崎店様に潜入取材。敗れればタイトルを逃していた11月18日のガンバ大阪戦の日に突撃し、お店に集まった川崎Fサポーターや女性店員さんに両クラブからそれぞれ5名ずつをピックアップした計10名を候補者として、両クラブから1名ずつの計2名を選んでいただきました! 編集部が選定した候補者は以下の通り。 ◆川崎フロンターレ(5名) DFエドゥアルド 24歳 MF谷口彰悟 26歳 MF家長昭博 31歳 MF大島僚太 24歳 FW井川祐輔 35歳 ◆ガンバ大阪(5名) DF米倉恒貴 29歳 DF西野貴治 24歳 MF井手口陽介 21歳 FWアデミウソン 23歳 FW呉屋大翔 23歳 ▽それでは、突撃取材の模様をお伝えしていきます! と言いたいところですが、先にお詫びが。みなさんにそのお顔をお見せしたい方がたくさんいらっしゃったのですが、思った以上に写真NGという展開に…ということで、ダイジェストでお伝えさせていただきます。 ▽まずは、HUB川崎店で働く「ともさん」。試合日は毎回お店で観ているとのことで…つまり、試合開催日にHUB川崎店を訪れるとお会いすることができます!そんな、ともさんが選んだのは… (C)CWS Brains,LTD.◆川崎フロンターレ 家長昭博選手 「かっこいいです。推しメンです」 ◆ガンバ大阪 井手口陽介選手 「ヒゲが好きでして…(笑)」 ▽ということで、イケメン家長選手、日本代表での活躍も目覚ましい井手口選手が1票ずつを獲得しました。 ▽そして、普段は指定席で観戦されているものの、この日はチケットを手にすることができず、HUB川崎店での観戦を選択された女性にアタック。 (C)CWS Brains,LTD.◆川崎フロンターレ 大島僚太選手 「最初に観に行った時に好きになりました」 ◆ガンバ大阪 井手口陽介選手 「顔が好きですね。テレビでもよく見るので」 ▽なんと、2人続けて井手口選手が選ばれる事態に!川崎Fサポーターにとっては好みなのでしょうか? そして、異色の組み合わせ。川崎Fサポーターと、お友達の方にも調査。川崎Fサポーターの女性は… ◆川崎フロンターレ 大島僚太選手 「恥ずかしがり屋な感じが良いです。あとは、笑顔が良いのにストイックなところも好きです」 ◆ガンバ大阪 西野貴治選手 「顔が良いですね」 ▽大島選手が2票目を獲得しました!そしてお友達の方は… ◆川崎フロンターレ 大島僚太選手 「笑顔が良いです」 ◆ガンバ大阪 井手口陽介選手 「プレースタイルが好きですね。でも、本当は赤崎秀平選手が…」 ▽なんと、お友達の方は、候補に挙げていなかった赤崎選手がお好みだったようです…ん?本当は赤崎選手…川崎Fの試合を観に来ていて赤崎選手が好きということは…なんと、鹿島サポーターという事実。スタジアムにはいけない理由がありました。 ▽その他にも、カップルで来店されていた方や、女性店員さんにも調査を続行。緊張感ある試合のハーフタイムにご協力いただきましてありがとうございました。今回HUB川崎店に来店された理由としては、「仕事があって行けなかった」など、本来ならスタジアムで観戦される熱いサポーターの方ばかりでした。それでは、サポーターから選ばれたイケメン選手ベスト5を発表します! ◆5位(得票率9.1%) Getty imagesFWアデミウソン(ガンバ大阪) ▽5位に入ったのはSNSでもオシャレ感満載の投稿を繰り返すアデミウソン選手! アデミウソン選手を選んだ方は、「オシャレ」の一点張り。「プライベートの私服もカッコイイ」とSNSをチェックされている方も居ました。中には、「川崎に欲しいんです!ハマると思います」とクラブに獲得を進言される方も。 ◆3位タイ(得票率13.6%) Getty imagesMF大島僚太(川崎フロンターレ) ▽3位が同率で2名!まずは、川崎Fの10番を背負い、日本代表にも選出されている大島僚太選手! 笑顔やキュートな反応が皆さんのお気に入りポイントとのこと。選手として好きという方もいらっしゃいました。 Getty imagesMF家長昭博(川崎フロンターレ) ▽唯一両チームでプレーしたことがある家長昭博選手も同率で3位です。女性店員さんの推しの強さも去ることながら、やはり整った顔立ちを評価する方が多くいらっしゃいました。 ◆2位(得票率18.2%) Getty imagesMF井手口陽介(ガンバ大阪) ▽惜しくも優勝を逃したのは、日本代表としても活躍が期待され、G大阪でも中心的存在になりつつある井手口陽介選手でした。プレーが好きという声や、ヒゲの感じが好きという意見もある中、時折見せる笑顔がカワイイという意見が多く集まりました。プレーでヴァイッド・ハリルホジッチ監督の心を掴んだように、その笑顔で女性の心まで鷲掴みにしたようです。 ◆1位(得票率22.7%) Getty imagesDF谷口彰悟(川崎フロンターレ) ▽言うまでもなく、1位は谷口彰悟選手でした。超WS編集部が行ってきたイケメンアンケートで、国内組では敵なしの谷口選手。「ザ・イケメン」や「背が高いのに小顔」「目鼻立ちがハッキリしている」と、やはりその顔立ちの良さには誰も敵いません。 ▽番外編としてお送りさせていただいた今回のイケメンアンケート。川崎Fから3名、G大阪から2名という結果になりました。谷口選手の強さは異常とも言える状況で、もはや、殿堂入りさせないと企画が成り立たない様な…。イケメンバロンドールがあれば、連続受賞まちがいなしです。 ◆HUB川崎店ではJリーグ以外のサッカー中継も!(C)CWS Brains,LTD.▽今回、取材にご協力頂きましたHUB川崎店様は、見事にJ1初優勝を達成した川崎フロンターレを応援されています。(C)CWS Brains,LTD.▽店内には、選手の写真やスパイク、ユニフォームなども飾られており、入り口には川崎フロンターレのフラッグも掲示されているほど。順位表なども店内に掲示されているため、川崎フロンターレサポーターの方は、試合日以外に来店されても必ずや楽しめるでしょう。(C)CWS Brains,LTD.▽来シーズンは連覇、そして3冠を目指す川崎F。スタジアムに行けない時や、アウェイゲームを楽しみたい方は、ぜひHUB川崎店で観戦しましょう! 【HUB川崎店 イベント情報】 ◆12月23日(土) 21:00〜 レアル・マドリー vs バルセロナ ◆12月31日(日) 2017⇛2018 COUNT DOWN! HUB川崎店の情報はコチラ! 2017.12.18 20:15 Mon
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【J1クラブ通信簿】粘り強さが加わった新生フロンターレが悲願のリーグタイトルを獲得!《川崎フロンターレ》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第18弾はクラブ創設21年にして悲願のJリーグタイトルを獲得した川崎フロンターレを総括する。 ◆シーズン振り返り(C)CWS Brains,LTD【主なトピック】 ●5年間監督を務めた風間八宏監督が退任。鬼木達コーチが昇格で新監督に就任。 ●長年獲得を熱望していた家長昭博&阿部浩之の加入。 ●9年ぶりのルヴァンカップ決勝進出も準優勝に終わる ●最終節で奇跡の逆転優勝! 10度目の正直で初タイトルを獲得!! ●新主将FW小林悠がJリーグMVP&得点王のダブル受賞▽5年間の指揮を任され、川崎Fにパススタイルを確立した風間八宏監督が退任。アシスタントコーチを務めていた鬼木達氏を新監督に迎えた新シーズンは、キャンプから守備意識の変革が行われ、ポゼッション一辺倒で行われてきたこれまでの攻撃的サッカーから攻守を考えた新スタイルが確立された。 ▽ストーブリーグでは、3年連続得点王を獲得したFW大久保嘉人やリオ五輪に出場したMF原川力、MF中野嘉大、DF小宮山尊信ら8選手を放出。一方で長年獲得を熱望していた元日本代表MF家長昭博や2年連続で獲得に動いたMF阿部浩之の獲得に成功。また、最終ラインのバックアッパーとしてアルビレックス新潟から舞蹴龍ジェームズなど的確な補強を行った。 ▽そして、迎えた新シーズンは開幕戦の大宮アルディージャ戦を勝利で飾ると、開幕5節終了時点で3勝1分け1敗とまずまずの立ち上がりを見せたが、日程が過密になると負傷者が続出。第6節のヴァンフォーレ甲府戦から第8節の清水戦までは、下位相手の試合が続いたが、ここを3分け終わるなど勝ちきれない試合が続いた。 Getty Images▽それでも、試合を追うごとに鬼木監督の下で磨かれた守備意識が浸透し始めると、徐々に調子を取り戻し5月以降の8試合を6勝1分け1敗で切り抜け、首位のセレッソ大阪に3ポイント差の5位で後半戦を迎えた。 ▽負傷者が続々と復帰して迎えた後半戦では、川崎Fの攻撃スタイルに新加入の阿部や家長がフィット。また、鬼木監督の求める守備意識が新たな色としてチームに浸透すると、YBCルヴァンカップで9年ぶりに決勝に進出。決勝では惜しくもC大阪に敗れ、 “シルバーコレクター”の汚名返上はならなかった。 ▽それでも、リーグ戦終盤は失速することなく勝ち点を積み重ねると、第29節のベガルタ仙台戦や第31節の柏レイソル戦では、2点のビハインドから同点または逆転勝利をもぎ取るなど、粘り強い戦いを披露。8月以降の15試合で11勝4分けと躍進を続けたチームは、最終節までもつれた鹿島アントラーズとの熾烈な優勝争いを制して、悲願のリーグタイトルを獲得した。 ◆チームMVPGetty ImagesFW小林悠(30) 明治安田生命J1リーグ34試合出場(先発33試合)/23得点▽Jリーグ年間MVPにして初の得点王に輝いたFW小林悠を外すことはできない。例年はシーズン途中に約1カ月の離脱を繰り返してきた小林だが、今シーズンは食事や水分の摂り方、マウスピースの着用やヨガを始めるなど、様々なコンディション調整に取り組んだ。 ▽この変化が実を結び、自身初のリーグ戦全試合に出場。11月に行われた第33節の浦和レッズ戦では、J1リーグ通算200試合出場を達成した。 ▽また、昨シーズンまで所属していたFW大久保嘉人(現FC東京)の移籍により得点力不足が心配された中、その穴を埋める活躍を披露。最終節の大宮アルディージャ戦では自身初のハットトリックを達成するなど、自己最多となる23ゴールを記録して得点王も獲得した。 ▽エースストライカーとしてだけでなく、今シーズンからは中村憲剛からキャプテンマークも引き継ぎ、小林個人にとっても最高のシーズンとなった。 ◆補強成功度「A」(評価:S~E)Getty Images▽長年獲得を希望していたMF家長昭博やMF阿部浩之の獲得に成功。序盤こそスタイルの違いから適応に時間を要した両者だが、徐々にフィットすると阿部は自身初の2ケタ得点を記録。負傷もありフィットに時間がかかった家長も第22節の鹿島戦で移籍後リーグ初ゴールを記録すると、類い稀なるサッカーセンスとフィジカルを活かし、後半戦躍進のキーマンとなった。 ▽しかし、的確に行われた2列目の補強に比べ、FC東京に移籍したFW大久保嘉人の後釜となるFWの確保には失敗。小林の奮闘があったためにその穴は気にならなったが、新シーズンに向けては補強が必要となる。 ▽また、最終ラインの強化としてアルビレックス新潟から獲得したDF舞蹴龍ジェームズは長期離脱を強いられリーグ戦での出場はなし。期限付き移籍で獲得したFWハイネルもリーグ戦でわずか5試合の先発で14試合の出場に終わるなど、失敗に終わった補強もあった。それでも、家長、阿部の活躍の大きさで「A」評価とする。 ◆総合評価 「S」(評価:S~E)Getty Images▽悲願のリーグ制覇を果たしたことが大きいが、YBCルヴァンカップでは準優勝、天皇杯ではベスト16、ACLではベスト8と一定の結果を残したシーズンだったと言えるだろう。その要因として挙げられるのは攻守のバランスの良さだ。攻撃面は、これまで通り巧みなパスサッカーでリーグトップの71得点を記録し、鬼木新監督の浸透させた守備面では、ジュビロ磐田、鹿島アントラーズに次ぐリーグ3位の31失点と大きな手応えを掴んだ。 ▽今シーズンは、最終節まで優勝を争った鹿島にシーズンダブルを達成。10年ぶりにACLを制した浦和レッズにもリーグ戦では負けなしと、強豪クラブとの戦績は悪くなかったが、下位に沈んだFC東京やヴァンフォーレ甲府から勝ち点の取りこぼしが目立った。タイトル争いが至上命題となる来季以降は、常勝軍団を目指す上で下位からの取りこぼしをなくしていかないといけない。 ▽悲願のタイトルを獲得し、来季から新たな時代に突入する川崎F。最大22億円とも言われる「DAZN」マネーを手にした初のクラブとして、ストーブリーグではより的確な補強を行い、来季はリーグ連覇だけでなく国内3冠、ACL制覇を目標としてスタートする。 2017.12.11 22:40 Mon
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【J1クラブ通信簿】勝負強さを失い主要タイトル無冠…大岩体制2年目への糧に《鹿島アントラーズ》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第17弾は今シーズンのJリーグで長期間リーディングを走りながらも最終節で連覇を逃した鹿島アントラーズを総括する。 ◆シーズン振り返り(C)CWS Brains,LTD【主なトピック】 ●ACL敗退で石井正忠監督解任 ●クラブOBの大岩剛氏に白羽の矢 ●最終節で2年連続の戴冠逃す ●失った勝負強さ…主要タイトル無冠▽J1リーグと天皇杯を制した昨シーズンの成功継続+αを狙った鹿島アントラーズは、開幕前にMFレオ・シルバやFWペドロ・ジュニオールといったJリーグで実績のある外国人選手を引き入れてシーズンイン。開幕からの5試合で4勝を記録するなど上々のスタートを切ったものの、5月の半ばから2連敗を喫し、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)でベスト16敗退となると、クラブは石井正忠監督の解任を決断した。 ▽ACL敗退の責任をとっての退任ということで賛否両論あったものの、白羽の矢を立てられたクラブOBの大岩剛監督は就任から5連勝を記録するなど結果を残し、前半戦首位ターンを実現。MFレアンドロ、MF中村充孝といった石井体制では結果が出なかった選手も起用され、チームは結果を残していった。 ▽後半戦も比較的安定した戦いを続けていたが、第22節に行われた川崎フロンターレとのシックスポインターでは1-3で敗戦し、シーズンダブルを喫した。第23節からは5連勝を達成するなど首位をキープしてきたが、最後の7試合で3勝2分け2敗と勝ち点を取りこぼす。それでも、最終節で勝利すれば自力優勝だったものの、ジュビロ磐田にゴールレスドローで終わり、川崎Fに優勝をさらわれた。 ▽とりわけ、シーズン中に計3引き分けだったうちの2引き分けがラスト2戦など、伝統の勝負強さが影を潜めてのV逸はファンにとってショックだったはず。チームの精神的支柱であるMF小笠原満男を終盤戦で起用しなかった点は疑問が残る。 ▽ルヴァンカップで仙台に合計スコアで1点差負け、そして天皇杯でもPK戦の末にヴィッセル神戸に屈するなど、試合巧者ぶりが影を潜めたチームが最終的に獲得したタイトルは『FUJI XEROX SUPER CUP』のみ。結果的に、主要タイトル無冠という屈辱のシーズンとなった。 ◆チームMVPGetty ImagesDF昌子源(24) 明治安田生命J1リーグ34試合出場(先発34試合)/1得点▽リーグ11得点のFWレアンドロ、クォン・スンテからポジションを奪い首位浮上の立役者にもなったGK曽ヶ端準も捨てがたいが、シーズン通してのパフォーマンスという点で昌子を選出した。全試合フル出場でイエローカード2枚というのは見事な数字。最終ラインの統率力はもちろん、今シーズンは持ち味のカバーリングに加えて対人能力も向上し、不動のストッパーとして君臨した。 ▽昨年のクラブ・ワールドカップでの経験や日本代表でも中心メンバーになりつつあることで自信をつけている様子が感じられ、チームにとって最も欠かせない選手と言えるほどまでに成長。センターバックの層が薄いチームにおいて、リーグ戦では試合に出続けられた点も大きく評価したい。 ◆補強成功度「C」(評価:S~E)Getty Images▽FWペドロ・ジュニオールとMFレオ・シルバという確実に計算できるとみられていた外国人2選手だが、今シーズンのペドロ・ジュニオールはパフォーマンスにムラがあり、ケガの影響もあり不本意な成績に。とりわけ前半戦は精彩を欠いた。 ▽一方、レオ・シルバは5月に行った左ヒザ半月板手術の影響で離脱する時期もあり、復帰後もパフォーマンスにも影響。MF三竿健斗の台頭があったために大きな穴にはならなかったが、両者共に期待値より下回った。 ▽また、言葉の問題からか最終ラインとの連係に難が見られたGKクォン・スンテも、前述の通りシーズン途中にGK曽ヶ端準にポジションを奪われ、最も活躍したのは期限付き移籍で獲得したFWレアンドロという結果に。FW金森健志やFW安部裕葵、DF三竿雄斗らは来シーズンに期待だ。控え選手の質という意味では、開幕前に最終ラインを補強することも必要だったといえる。 ◆総合評価 「B」(評価:S~E)Getty Images▽勝ち点72は決して悪くない数字。ラスト7試合で6勝1分けと圧力をかけ続けた川崎フロンターレの執念を褒めることもできるだろうが、ファンは主要タイトルなしの今シーズンには全く納得していないはずだ。 Getty Images▽大岩監督にバトンタッチ後は、FWレアンドロやFWペドロ・ジュニオール、MF中村充孝、そして日本代表にも招集されたMF三竿健斗らが台頭してきたが、特に攻撃面はやはり伝統的に選手に拠るところが大きいチーム。もちろんそれは鹿島の良い部分でもあるが、チームとしての意思統一がはっきりしていた川崎Fの一貫した戦いぶりを見ると、今シーズンの終盤はその点で差が生じたと言えるかもしれない。 ▽とはいえ、大岩監督は指揮官初挑戦のシーズンであり、主力が順を追って離脱する時期もあり、攻撃陣はなかなか形を固定できなかったというエクスキューズもある。来シーズンに向けては、レギュラー勢を欠くとクオリティ低下が否めない最終ラインの選手層アップは必要だが、大岩監督を含め2年目となる今季加入の外国人勢の巻き返しが見込める。 ▽“勝負強い鹿島”を体現するMF小笠原の出場機会が減っていく中で、改めて常勝軍団である鹿島に必要なものはなんなのか。DF昌子やDF植田直道、DF西大伍、MF遠藤康、FW土居聖真ら鹿島というクラブを知る選手たちが、今シーズンの悔しさを糧にしてチームに還元していけば、来シーズンは成功を収めることができるはずだ。 2017.12.11 22:30 Mon
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【J1クラブ通信簿】J1復帰初年度に桜旋風…守備意識改革でルヴァン制覇&リーグ3位の大躍進《セレッソ大阪》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第16弾はJ1復帰初年度で桜旋風を巻き起こした3位のセレッソ大阪を総括する。 ◆シーズン振り返り(C)CWS Brains,LTD【主なトピック】 ●MF山村和也のアタッカーとしての覚醒 ●FW杉本健勇が本格派ストライカーに ●ルヴァンカップ制覇で初タイトル獲得 ●守備意識改革で4年ぶりのACL出場権獲得 ●J1昇格POチームの1年での降格ジンクス破る ●天皇杯で6年ぶりベスト4進出▽J1昇格プレーオフを勝ち抜いて迎えたJ1復帰初年度に桜旋風を巻き起こした。明治安田生命J1リーグではプレーオフ昇格チームの1年での降格というジンクスを破ると、4年ぶりのAFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得。YBCルヴァンカップでは、リーグ戦組とルヴァン組にチームを二分した戦略で制覇し、チーム初のタイトルを獲得するという最高のシーズンを送った。 ▽3年ぶりのJ1復帰を決めたC大阪は、シーズン開幕前に“知将”尹晶煥監督を招へい。DFマテイ・ヨニッチやMF清武弘嗣ら実力者に加えて、尹晶煥監督のサガン鳥栖指揮官時代の教え子であるMF水沼宏太を獲得して久々のJ1の舞台に挑んだ。 ▽どちらかといえば綺麗なサッカーを志向してきたタレント集団は、序盤こそハードワークを重んじる尹晶煥監督の泥臭いスタイルに戸惑っていたが、第4節のサガン鳥栖戦(○1-0)でのシーズン初白星を皮切りに3連勝を飾るなど徐々に適応。その中で、FW杉本健勇の本格派ストライカーへの変貌、トップ下に抜擢されたMF山村和也の覚醒など明るいトピックがチームを飾り、首位の鹿島アントラーズにわずか1ポイント差の2位でシーズンを折り返した。 ▽第18節には躍進著しい柏レイソル(○2-1)を破り、シーズン初の首位に浮上。しかし、直後にシーズン最大の不振に陥る。敗れた第21節の清水エスパルス(●2-3)戦以降、山村の負傷離脱も影響して7試合を1勝1分け5敗。31節の時点で優勝争いから脱落した。それでも、今シーズン幾多の負傷に悩まされた清武の復調に呼応するかのように、チームは第29節のサガン鳥栖戦から5連勝。4年ぶりのACL出場権を手にした。 ▽そして、J1復帰初年度に大躍進を遂げたC大阪は、天皇杯のベスト4に勝ち進んでおり、2冠目に向けてまい進中。同一シーズンでチーム初載冠のルヴァンカップ制覇に続き、天皇杯をも制することになれば、これ以上にない最高の形でのシーズン締めくくりになりそうだ。 ◆チームMVPGetty ImagesFW杉本健勇(25) 明治安田生命J1リーグ34試合出場(先発34試合)/22得点▽チームの躍進の中には、杉本のストライカーとしての成長があった。昨シーズン明治安田生命J2リーグで14ゴールを奪うと、今シーズンはJ1の舞台で22ゴールを記録。得点ランキングでも終盤には一時首位に立つなど、J1の猛者たちを脅かした。 ▽ルヴァンカップ決勝でチームを優勝に導くゴールも挙げた杉本は、ゴールゲッターとしてだけでなく、新指揮官の求めるファーストディフェンダーとしての働きにも見事に回答。まさに獅子奮迅の活躍だった。 ▽そんな杉本は、今年日本代表にも初招集。10月10日に行われたハイチとのキリンチャレンジカップでは初先発で初ゴールをマーク。現在開催されているEAFF E-1サッカー選手権にはケガのため離脱したが、今シーズン大きな飛躍を遂げたストライカーのロシア・ワールドカップへの生き残りにも注目だ。 ◆補強成功度「A」(評価:S~E)Getty Images▽3位と躍進したC大阪において、貴重な戦力となったDFマテイ・ヨニッチは大きな補強となった。仁川ユナイテッドFCでKリーグ・ベストイレブンに選出された実力は本物。リーグ戦34試合に出場しセットプレーからゴールを量産。6得点はチーム3位タイの数字だ。守備だけでなく、攻撃でもチームに貢献したヨニッチには最大の評価をしたい。 ▽また、サガン鳥栖時代以来となる尹晶煥監督とのタッグを組んだ水沼も、シーズンが進むにつれてポジションを確保。持ち前の高精度パスやシュート、クロスを武器に、リーグ戦24試合に出場し3得点8アシストをマーク。右サイドのポジションで、チームの攻撃を活性化させた。 ▽一方で、一番の注目度であった清武は、度重なるケガでシーズンを通して戦うことができず。シーズン終盤には復調したものの、結果としてはリーグ戦18試合に出場し6得点と期待外れに終わった感は否めない。MF福満隆貴に関しても、ルヴァン組としてチームの初タイトル獲得に貢献したが、レギュラーメンバーを脅かすほどには至らず。リーグ戦では5試合出場と物足りない結果となった。 ▽明治安田生命J3リーグを戦うU-23チームを保有するC大阪としては、ユースからの昇格組であるDF舩木翔や高卒ルーキーのMF大山武蔵、サンフレッチェ広島ユースから獲得したFW山根永遠ら将来への投資も積極的に実行。J3リーグで経験を積んだ選手も多く、投資という点を踏まえても補強はプラスと考えられる。 ◆総合評価 「S」(評価:S~E)Getty Images▽開幕前のリーグ目標であった「1桁順位」を大きく上回る成績に加え、ルヴァンカップを初制覇。J1復帰初年度となった今シーズン、ここまでの大躍進を遂げることを想像する人は多くなかったはずだ。 ▽昨シーズンはJ2リーグで苦戦し、自動昇格が叶わず。J1昇格プレーオフをなんとか勝ち抜いてJ1昇格を決めたものの、タレントが揃いながらも技術に頼りすぎるスタイルに幾度となく「勝負弱い」と言われ続けてきた。 ▽今シーズン就任した尹晶煥監督は、新加入の大型DFマテイ・ヨニッチを最終ラインに組み込んだ上、タレント軍団に守備意識を要求。また、MF山村和也をトップ下にコンバートして新たな一面を引き出した他、本来の持ち味を生かして試合のクローザーを務めさせるなど、手堅く勝利を手にするためのオプションを用意することができた。 ▽規律と才能の融合で“上手い”から“強い”チームへと変貌を遂げさせ、J1復帰シーズンでリーグ2位の65得点。失点こそ「43」と少なくはないものの、戦いの舞台がJ1に変わったことを考えればまずまず出来といえる。Getty Images ▽また、「リーグ戦組」と「ルヴァン組」と2チーム形成することでモチベーション維持に成功。FWリカルド・サントスや福満は数字で貢献し、舩木やMF秋山大地、MF斧澤隼輝ら若手も経験を積むことができ、最終的にタイトルまで獲得できた。 ▽シーズンを通して「ルヴァン組」から主力に定着したのはプロ2年目のMF木本恭生のみだが、チームのベースが20代の選手で構成されていることを考えれば、より尹晶煥監督のサッカーを体現することで、来シーズン以降の飛躍が期待される。 ▽今シーズンのリーグ戦でフル稼働した杉本に続くスコアラーが出てこなかったことは不安材料ではあるが、継続路線を進むことができれば、2つ目、3つ目の星がエンブレムの上につくことになるだろう。 ▽C大阪のシーズンはまだ終わっていない。天皇杯でベスト4に残っており、2冠の可能性を残している。しかし、日本代表を離脱した杉本不在の中で戦わなくてはならず、さらには海外移籍の噂まで浮上している。まずは2冠達成で最高のシーズンにすることができるか。そして、来シーズンに向けた準備を的確に行うことが、黄金期の到来に一役買う可能性は高い。 2017.12.11 22:20 Mon
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【J1クラブ通信簿】中村航輔ら若手の成長曲線と共に躍進《柏レイソル》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第15弾は4位でフィニッシュした躍進の柏レイソルを総括する。 ◆シーズン振り返り(C)CWS Brains,LTD. 【主なトピック】 ●ハイプレス的中 ●太陽王のDNAを継ぐ若手に確かな成長曲線 ●2000年以来17年ぶりの8連勝 ●目標を「勝ち点60、ACL出場権獲得」から「J1優勝」に上方修正 ●成長の跡を示す4位フィニッシュ▽昨年に引き続き「柏から世界へ」のスローガンを掲げた下平隆宏体制2年目の柏。太陽王のDNAを受け継ぐ若手の活躍と共に、優勝争いにも絡む充実したシーズンを送った。 ▽序盤戦は、開幕から6試合で2勝4敗とスタートダッシュに失敗。だが、ここからの巻き返しが凄まじく、ポゼッションサッカーの中にハイプレス戦術を取り入れ、第7節から続いた8連勝を含む10戦無敗で一時は首位に立ち、優勝争いに名乗りを上げた。 ▽その中で、GK中村航輔らアカデミー育ちの若手が急激に成長を遂げ、首位の鹿島アントラーズを2ポイント差で追う11勝1分け5敗の3位で前半戦を終了。若手の著しい成長曲線が柏の躍進の原動力となり、前半戦の大きなトピックを飾った。 ▽だが、目標を当初の「勝ち点60、ACL出場権獲得」から「J1優勝」に上方修正した後半戦は、課題とする勝負どころの詰めの甘さを露呈。第17節から19節の1分け2敗、第28節から31節の2分け2敗が響き、優勝争いから脱落した。 ▽それでも、最終的には天皇杯の結果次第でACL出場権が転がり込んでくる4位締め。2011年以来のJ1制覇とはならなかったが、天皇杯でベスト4まで勝ち残っており、元日決勝を制するとなれば、より実り多き1年になる可能性がある。 ◆チームMVPGetty ImagesGK中村航輔(22) 明治安田生命J1リーグ34試合出場(先発34試合)/33失点▽躍進の中心にいたのが中村だ。ホームの日立台を煌々と照らし続けたユース出身の若き守護神は、武者修行先のアビスパ福岡から復帰して2年目の今シーズン、自身初の全試合フルタイム出場。神がかったショットストップもさることながら、ポジショニングや反射神経にも磨きがかかり、GKの評価を左右する失点数においても試合数以下にとどめる充実のシーズンを過ごした。 ▽また、その活躍により、Jリーグベストイレブンを初受賞を果たしただけでなく、日本代表としてもデビュー。この調子でいけば、日本代表の正守護神の座を射止める日はそう遠くないかもしれない。 ◆補強成功度「B」(評価:S〜E)Getty Images▽今シーズンの補強も申し分なかった。チーム内に無駄な不満分子を生むことのない適材適所を確実に埋めるピンポイント補強で、チームの底上げに成功。FWハモン・ロペスに関しては、結果的に物足りなさこそあるものの、DF小池龍太が泣きどころだった右サイドバックのレギュラーを掴み、フロント陣の期待に応えた。 ▽また、MF細貝萌やDFユン・ソギョンにおいては、若手が多く在籍するチーム内の競争意識を高めたという面で一定の成果を挙げた。さらに、今夏加入のMFキム・ボギョンに至っては、チームの心臓として才能の片鱗を見せつつあったMF手塚康平の長期離脱をカバーする働きを披露。フロント陣の見極める力が際立った。 ◆総合評価 「A」(評価:S〜E)Getty Images▽優勝争いを演じていただけに、悔やまれるところもあるが、チームとしての成長曲線を考えれば、来シーズンの布石となる成功の1年だった。堂々たるパフォーマンスでチームをリードし続けた中村の圧倒的な活躍により、他の選手の頑張りが薄れて見えるが、DF中谷進之介とDF中山雄太の若きセンターバックコンビを筆頭に、若手多きチームの精神的支柱であるMF大谷秀和、FWクリスティアーノとFW伊東純也の両アタッカーといった各ポジションにおける軸の働きも見逃すことはできない。 ▽来シーズンに向けては、今シーズンの戦いをベースに、チームとしてまだ余りある伸び代をどう伸ばしていけるかがポイントになるだろう。リーグタイトルにあと一歩届かなかった今シーズンを踏まえると、成熟度を高めていく必要がありそうだ。Getty Images▽今シーズンは、地に足をつけた戦いで確実にポイントを積み上げたが、鹿島アントラーズや川崎フロンターレといった強敵の戦いに比べると、試合運びの面で劣る。勢いだけでなく、悪い内容でも勝ち切れる自力を身に付けたいところ。若手の台頭と共に迎えつつある新たな時代をより確固たるものするためにも、チームとしての完成度を極めたい。 2017.12.10 22:02 Sun
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【J1クラブ通信簿】試行錯誤の末に辿り着いた形…リーグ制覇に向け新たな船出へ《横浜F・マリノス》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第14弾は5位フィニッシュの横浜F・マリノスを総括する。 ◆シーズン振り返り (C)CWS Brains,LTD. 【主なトピック】 ●MF中村俊輔ら主力の大量放出 ●DFミロシュ・デゲネクやMFダビド・バブンスキー、FWウーゴ・ヴィエイラら3人の外国人選手の獲得 ●DF山中亮輔、DF松原健、MF扇原貴宏ら若手の獲得 ●DF中澤佑二がJ1通算連続フル出場記録更新 ●MF齋藤学の長期離脱▽昨シーズン、失意の10位に終わった横浜FMはチーム改革を行った。長年チームを支えてきたMF中村俊輔をはじめ、GK榎本哲也、DF小林祐三、MF兵藤慎剛らを放出。一方で、MFダビド・バブンスキー、DFミロシュ・デゲネク、FWウーゴ・ヴィエイラの3人の外国人選手を獲得し、さらにDF山中亮輔、DF松原健、MF扇原貴宏ら有望な若手の迎え入れも成功させた。 ▽エリク・モンバエルツ体制3年目を迎えた今シーズン、主力を大量に放出したチームは周りの予想に反して開幕から2連勝を飾ると、一時調子を崩したものの、その後は引き分けを挟んで6連勝を飾るなど、6位でシーズンを折り返す。 ▽後半戦に入っても勢いは衰えず、第19節からは6戦4勝無敗の好スタートを切った。一方で、ひとたび崩れると立て直しに時間がかかる脆さも露呈。一度負けると決まってその後の2戦も勝利できないという奇妙なジンクスが1年を通して付きまとった。 ▽シーズン終盤では攻撃をけん引してきたMF齋藤学が右ヒザ前十字じん帯損傷で長期離脱。さらに、チーム内得点王のウーゴ・ヴィエイラが負傷のため一時帰国するなどアクシデントに見舞われたが、うまくポジションを入れ替えたことで大崩れせずシーズンを乗り切った。 ▽最終的に5位という成績で終えた今シーズン。昨季の10位と比べれば上々の結果だが、2004年以来の悲願のリーグ優勝に向けて、クラブはモンバエルツ監督と袂を分かつことを決断。これから新シーズンに向けて新たな船出を切ることになった。 ◆チームMVPGetty ImagesDF中澤佑二(39) 明治安田生命J1リーグ34試合出場(先発34試合)/1得点▽改革を進めるチームにあって変わらずバックラインから支え続けてきたのがこの男だ。39歳という年齢でありながら第17節の大宮アルディージャ戦でJ1通算140試合フル出場の歴代最多記録を樹立。その後も記録を更新し、今シーズンの全34試合にフル出場を果たした。 ▽ミロシュ・デゲネクやパク・ジョンスとコンビを入れ替えながらも前半戦は横浜FMのゴール前に鉄壁を築き、最小失点に貢献した。終盤戦にかけては、疲労のせいか、全体で失点が増えたものの、新戦力が増えたチームがここまで戦えたのも中澤のキャプテンシーがあってこそ。年齢を重ねても知性と経験値で補って余りあるベテランの姿がそこにはあった。 ◆補強成功度「A」(評価:S~E)Getty Images▽補強は成功と言っていいだろう。ミロシュ・デゲネクはパク・ジョンスと入れ替わりながらも中澤の隣できっちりと役割をこなした。ウーゴ・ヴィエイラは一時離脱はあったがチーム最多の10ゴールを記録。ダビド・バブンスキーも後半戦では出場機会は減ったものの、開幕2戦連続ゴールを決めるなど、バルセロナのカンテラ育ちとあって今後の成長に期待できる。 ▽また、松原は右サイドバックでレギュラーを獲得。山中は後半戦から左サイドバックでチャンスを掴んだ。扇原もMF天野純がトップ下にポジションを移してから本職のボランチで起用されるようになり、齊藤やウーゴ・ヴィエイラの負傷離脱によってポジションチェンジを強いられたチームが大きく崩れなかったのも新加入選手の活躍が大きく影響していた。 ◆総合評価 「B」(評価:S~E))Getty Images▽惜しくも来季のACL出場を逃してしまう結果となったが、昨季の順位を考えれば、今シーズンの5位という成績は上々だったと評価できる。なにより、軒並み30歳を超えたベテランたちを放出し、代わりに獲得した外国人選手や若手がチームにフィットしたことで、及第点以上の活躍を残せたことが何よりの収穫だ。 ▽しかし、シーズン中に散見された“脆さ”から目をそらすことはできない。前述のような不安定さは昨シーズンにも見られ、一度崩れると立て直すのに時間がかかってしまっていた。それでも、勝ち始めたときの勢いは凄まじく、リーグ中盤戦の14戦無敗、しかも10勝という記録は優勝した川崎フロンターレに引けを取らない。いかに敗戦から上手くバウンスバックできるかが来シーズンの課題となるだろう。 ▽試行錯誤を繰り返していた前半戦とは打って変わり、後半戦に入って土台はできてきた。選手やポジションを入れ替えることで見えてきた課題と武器は来季以降の横浜FMにとってプラスとなるだろう。” 齋藤やウーゴ・ヴィエイラが負傷離脱していなければ”という思いもあるが、そこはポジティブに捉えるしかない。また、新加入のミロシュ・デゲネクやパク・ジョンスらが、中澤に代わるCBに成長することを期待したい。 ▽モンバエルツ監督の辞任が決定し、来シーズンの横浜FMを誰が指揮するのかは不透明なままだが、今季積み上げたものを崩さず進化させることが出来れば、リーグ制覇も夢じゃないはずだ。 2017.12.10 22:01 Sun
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【J1クラブ通信簿】的確補強によるリーグNo.1堅守への変貌で躍進《ジュビロ磐田》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第13弾は的確補強により躍進を見せたジュビロ磐田を総括する。 ◆シーズン振り返り(C)CWS Brains,LTD【主なトピック】 ●安定した守備組織の構築でリーグ最小失点 ●4バックシステムと3バックシステムの併用 ●FW小川航基、全治8カ月の重傷で早々に今季終了 ●MF松井大輔のポーランド2部のオドラ・オポーレ移籍 ●ドイツ2部カールスルーエからMF山田大記が3年ぶり復帰 ●J1復帰2年目でACL出場権を争うチームに▽名波浩監督就任3シーズン目を迎えた今シーズン、チーム内得点王のFWジェイが退団。一方で、DF高橋祥平やMFムサエフ、MF中村俊輔、FW川又堅碁といった実力者を獲得して、J1復帰2年目を迎えた。 ▽シーズン開幕からDF大井健太郎とDF森下俊ら既存メンバーの安定や高橋、ムサエフといった新加入選手の早期フィットで強固なディフェンスを形成。一方で、ジェイという得点源がいなくなったことやセンターラインが大きく変わったことが響き、序盤こそ不安定な戦いを見せた。しかし、4バックから3バックシステムに変更すると、チームで得点を目指すスタイルの浸透と共に、第7節のサガン鳥栖戦(○2-1)、第8節の鹿島アントラーズ戦(○3-0)と今シーズン初の連勝。さらに第14節のガンバ大阪戦から浦和レッズ、FC東京、アルビレックス新潟を連破して、11年ぶりの4連勝でシーズンを折り返した。 ▽後半戦に入っても、ヴァンフォーレ甲府(○1-0)、川崎フロンターレ(○5-2)を下して好調を維持。第20節のサンフレッチェ広島戦(●2-3)でこそ、連勝が「6」でストップしたものの、昨シーズン残留争いに巻き込まれた一因でもある苦手の夏場をこの黒星のみで乗り越えた。シーズン終盤には開幕当初に採用していた4バックシステムも併用し、チーム事情や対戦相手を加味した戦いで着々と勝ち点を蓄積。わずかにAFCチャンピオンズリーグ出場圏内の3位には届かなかったものの、最終節では連覇に向けて高いモチベーションを持っていた鹿島アントラーズも抑え込み、優勝を阻止する底力も披露した。14度のクリーンシートを達成して、昨シーズンのリーグワースト5位だった50失点をリーグ最小の30にまで減らし、昨シーズンの13位を大きく上回る6位という成績を残した。 ◆チームMVPGetty ImagesDF大井健太郎(33) 明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発32試合)/5得点▽リーグ最小失点の堅守を見せたチームの中心にいたのが、今シーズンからゲームキャプテンに就任したベテランの大井だった。併用された4バックと3バックの両システムにも適応力を披露。ディフェンスラインを統率し、身体を張った守備で幾度となく相手攻撃陣の前に立ちはだかった。 ▽また、守備だけでなく、中村俊輔という最高のキッカーを味方につけ、セットプレーでも相手の脅威になり続けた。優れた動き出しと181cmの身長を生かしたヘディングでキャリアハイの5ゴールを記録。攻守において闘志溢れるプレーでチームの躍進を支えた。 ◆補強成功度「S」(評価:S~E)(C)J.LEAGUE PHOTOS▽高橋とムサエフ、中村俊輔、川又の新加入組が主力として躍進を支えた。中でも、中村俊輔は、堅守速攻のスタイルに持ち前のゲームコントロールとセットプレーで攻撃の幅を増加させただけでなく、豊富な経験をチームの意識に還元し、自信を植え付けた。 ▽また、MF松本昌也は18試合出場、MF針谷岳晃はリーグ戦での出場はなかったものの、YBCルヴァンカップで経験を積み、U-20日本代表にも選出。未来への投資も順調で、フロント陣の的確な補強が光った。 ◆総合評価 「A」(評価:S~E)Getty Images▽昨シーズンを上回る成績でシーズン前に掲げた「一桁順位」という目標を達成できたこと高評価。その主因である守備面では、リーグ最小失点と14度のクリーンシート達成で大きな手応えを掴んだはずだ。また、攻撃面でも攻撃陣にも前線からの守備を要求する中で、昨シーズンの37得点を50得点にまで増加。攻守において1ランク上のチームへと進化を遂げた。 ▽また、全体で見ればDF小川大貴や松本、MF上原力也といった若手の突き上げにより、選手層は厚みを増したが、苦しい試合展開時に流れを変えられるようなジョーカー的な存在がいなかった。結果、引き分けは、最多11回を記録したヴァンフォーレ甲府に次ぐ10回。その部分で、上位勢に遅れをとった感が否めない。Getty Images▽来シーズンに向けては名波監督も育成への注力を目指しており、小川航の復帰や筑波大学のFW中野誠也も加入する。リアリストの名波監督がどのようにして選手層を厚くし、チームに上位勢と張り合えるだけの反発力を植え付けるかが来シーズンのカギを握るだろう。 2017.12.10 22:00 Sun
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【J1クラブ通信簿】リーグ戦の低迷でペトロヴィッチ体制に終止符も10年ぶりのACL優勝《浦和レッズ》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第12弾は10年ぶりにACLを制した浦和レッズを総括する。 ◆シーズン振り返り (C)CWS Brains,LTD. 【主なトピック】 ●6年目でペトロヴィッチ監督解任 ●MF関根貴大がインゴルシュタットへ完全移籍 ●MF長澤和輝が初の日本代表入り ●堀監督就任でACL優勝 ●FW興梠慎三が自身初の20ゴール達成で初のベストイレブン入り▽全タイトル獲得を目標に掲げたシーズンだったが、クラブ最長となる6年目の指揮を任されたミハイロ・ペトロヴィッチ監督が、リーグ優勝が厳しくなった第20節終了後に解任の憂き目に遭った。その要因は、失点の多さに他ならなかった。攻撃に比重を置くあまり、昨シーズン28失点の堅守が崩壊し、リーグワースト3の54失点を数えた。 ▽また、メンバーの固定による勤続疲労も顕著だった。ペトロヴィッチ監督の愛弟子たちは軒並み30歳を超え、シーズン序盤を過ぎるとパフォーマンスが落ちていった。そんな 中で新戦力として機能したのはFWラファエル・シルバのみで、戦力の上積みがなかったことも響いた。 Getty Images ▽ペトロヴィッチ監督の解任でチームは崩壊の一途を辿るかとも思われたが、後任の堀孝史監督が守備をテコ入れ。リーグタイトルが難しい状況だったこともあり、ACLに照準を絞ったことが奏功した。 ▽逆転優勝の望みがほぼないJリーグと国内カップ戦で一部主力を温存しつつ、ACLで最大限のパワーを発揮できるような選手起用を継続。システムもペトロヴィッチ監督の代名詞でもあった[3-4-2-1]から[4-1-4-1]に変更。これがハマり、見事に10年ぶりにACLを制覇。リーグ戦ラスト3試合の上位陣との対戦では、全て0-1で敗れたものの、後半戦の巻き返しで7位フィニッシュ。新シーズンへの方向性も見せた。 ◆チームMVPGetty ImagesFW興梠慎三(31) 明治安田生命J1リーグ33試合出場(先発33試合)/20得点▽昨シーズン記録した14ゴールのキャリアハイをさらに上回る大台の20ゴール乗せを達成した。得点王こそ逃したが、エースストライカーとしての役割を十分に果たした。 ▽シーズン序盤はラファエル・シルバとの好連係で得点を量産し、2度のハットトリックを達成。堀監督就任後はチームが守備に比重を置いたことからゴールが減ったが、それでも持ち前のポストプレーでチームに貢献していた。 ▽出場機会はなかったが日本代表にも招集され、自身初のベストイレブンにも選出。まだまだスコアラーとしての伸びしろを感じさせるシーズンとなった。 ◆補強成功度「C」(評価:S~E)Getty Images▽各ポジションにバックアッパーを補強した印象の今シーズンは、ペトロヴィッチ監督の下でラファエル・シルバがすんなりチームにフィットした。そして、堀監督就任後に途中加入のDFマウリシオ、そしてペトロヴィッチ体制下ではチャンスがなかったMF長澤和輝がレギュラーに定着した。 Getty Images▽生え抜きでファジアーノ岡山から復帰のMF矢島慎也は堀監督の下でチャンスが与えられたものの、活かせず。FWオナイウ阿道、MF菊池大介、DF田村友、GK榎本哲也らは国内カップ戦でチャンスが与えられたが、実力不足だった感が否めない。 ◆総合評価 「C」(評価:S~E)Getty Images▽11年ぶりの優勝を目指したJリーグでは7位と凡庸な成績に終わったが、ACLで10年ぶりの優勝を果たしたことからこの評価とした。ACLでは済州ユナイテッド戦と川崎フロンターレ戦で劇的な逆転劇を見せ、準決勝の上海上港戦、決勝のアル・ヒラル戦と劣勢ながらも粘り強い戦いを見せて優勝をもぎ取った。 ▽とはいえ、過去2年は70を超えていたリーグ戦での勝ち点が49にまで激減したことと、YBCルヴァンカップ、天皇杯といずれも(出場した)初戦敗退に終わったことはいただけない。 ▽ACL王者でありながら、来シーズンは出場できず、国内3大会に絞られる。リーグ戦は2006年、天皇杯は2006年から優勝できていない。ルヴァンカップも昨シーズン13年ぶりに制しただけに、アジア王者としての力を国内で発揮できるか。自ずと目標は国内3冠になるだろう。 2017.12.09 19:00 Sat
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【J1クラブ通信簿】積極補強で昨季以上の成績も躍進ならずの中位フィニッシュ《サガン鳥栖》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第11弾は積極補強に動くも波に乗り切れなかったサガン鳥栖を総括する。 ◆シーズン振り返り (C)CWS Brains,LTD. 【主なトピック】 ●GK権田修一、FW小野裕二を筆頭に積極補強 ●コロンビア代表FWビクトル・イバルボがレンタルで加入 ●イバルボがシーズン中に退団するもその後完全移籍で復帰 ●MF鎌田大地がシーズン途中にフランクフルトへ移籍 ●第13節の札幌戦で『値段のないスタジアム』チケット販売を実施▽ストーブリーグではこれまで鳥栖を支えてきたGK林彰洋やMF早坂良太らが退団。一方でFWビクトル・イバルボ、FW趙東建、GK権田修一、FW小野裕二、MF小川佳純、DF小林祐三ら実力者を補強し、期待が懸かるマッシモ・フィッカデンティ体制2年目の船出となった。 ▽しかし、開幕戦の柏レイソル戦では1-3で敗戦すると、続く川崎フロンターレ戦でも1-1のドローに終わるなど、序盤から暗雲が立ち込める。第4節のセレッソ大阪戦で初勝利を挙げるが、その後も連敗こそないものの連勝できず。それでもシーズンが進むにつれて調子を上げていくと、第13節の北海道コンサドーレ札幌戦から第17節のヴァンフォーレ甲府戦まで2勝3分けと5試合を無敗で乗り切った。 ▽復調傾向にある中、夏に攻撃のタクトを振るっていたMF鎌田大地がフランクフルトへと移籍。ビクトル・イバルボも契約の問題で一時的にチームを離れるなど、チームの核を失う。また、エースFW豊田陽平も調子が上がらず、小野や水野ら新加入の攻撃陣も結果を残せずに苦しい時期を過ごした。 ▽それでも、夏の移籍市場でビクトル・イバルボが完全移籍で復帰。さらに鎌田の穴埋めとして河野広貴を獲得。また、最終ラインにも韓国代表DFチョン・スンヒョンを迎え入れ、立て直しを図る。 ▽しかし、後半戦も波に乗り切ることができず、連勝は第19節のサンフレッチェ広島戦(1-0〇)、第20節の清水エスパルス戦(2-1〇)のみ。出入りの激しい星取表となった結果、勝ち点を効果的に積み上げることができずにシーズンを終えた。昨シーズンよりは3つ順位を上げたが、もう少し上を目指せた感は否めない。 ◆チームMVPGetty ImagesMF原川力(24) 明治安田生命J1リーグ33試合出場(先発31試合)/7得点▽後半戦で攻撃陣を牽引したFWビクトル・イバルボは結果以上の貢献度はあったと考えられるが、シーズンを通してのMVPはMF原川力にあげたい。今シーズンレンタル移籍で加入した原川は、攻守にわたってチームに貢献。得点は7とチーム最多であり、数字も残すことに成功した。 ▽特筆すべきはキック精度。今シーズンは直接FKを3本沈めた他、クロスやパスの精度も高く、前線でパワーをもたらす豊田やビクトル・イバルボ、趙東建を上手く使っていた印象だ。また、FW田川享介のスピードも生かすパスを連発。サイドを使った攻撃にも彩りを添えた。 ▽川崎フロンターレからの完全移籍も決定した来シーズンは、更なる核となることが期待される。司令塔として鳥栖を牽引し、ACL出場権獲得、優勝争いへのキーマンになる可能性も秘めている。 ◆補強成功度「C」(評価:S~E)Getty Images▽ストーブリーグでの大型補強は、今シーズンの躍進に期待できる内容だった。実際に川崎Fからレンタル移籍で加入した原川は中盤で代えの利かない選手として33試合に出場し、チームトップの7得点をマーク。ビクトル・イバルボも途中は登録を外れる期間がありながらも25試合5得点を奪った。さらに守護神・林が抜けた穴はGK権田修一がしっかりと埋めた。 ▽活躍が期待された小川は夏の移籍市場で、FW富山貴光とともに新潟へ期限付き移籍。小林は19試合に出場にとどまり、FW趙東建、FW小野裕二もそれぞれ17試合5得点、18試合2得点と結果を残せなかった。DFフランコ・スブットーニは身体の強さこそ見せたが、途中退団となり、総合的には“外れ”が多かった。 ▽また、夏の移籍で獲得した河野も後半戦で7試合の出場に終わり、力を発揮できたとは言えない。チョン・スンヒョンはディフェンスラインの一角に収まったが、全体としてはプラスに働いた補強とは言い難い。 ▽それでも、ユースから昇格した田川には、将来性を感じさせられた。持ち前のスピードを生かし、24試合に出場して4得点。リーグ戦では1試合の出場に終わったが、同じユースからの昇格組であるMF石川啓人もこの先の飛躍が期待される。 ◆総合評価 「C」(評価:S~E)Getty Images▽フィッカデンティ体制2年目として昨シーズンよりも上位でシーズンを終えたことは評価したい。しかし、大型補強を敢行したにも関わらず、成績は安定せず。好不調の波が激しく、目標に掲げていた「継続性のある戦い」はできなかった印象が強い。中でもホームでは11勝1分け5敗とある程度の結果を残しながらも、アウェイでは2勝7分け8敗と内弁慶ぶりを露呈した。 ▽連敗に関しては第24節のG大阪戦(1-3)と第25節の仙台戦(1-4)、第33節の磐田戦(0-2)と第34節の札幌戦(2-3)の2度のみと大型連敗は喫していない。しかし連勝についても第19節の広島戦(1-0)、第20節の清水戦(2-1)の1度だけと、波に乗り切れなかった。 ▽ゴール数に関しては昨シーズンが36ゴールだったのに対して今シーズンは41ゴールと増加。しかしエース・豊田は不調に陥り5ゴールに留まる。原川がチーム内得点王であることを考えると、前線のさらなる奮起があればACL出場権争いに食い込めていた可能性は高い。 Getty Images ▽守備に関しては昨シーズンの37失点から44失点に増加。特にセンターバックはDFキム・ミンヒョクの相方が定まらず、DFチョン・スンヒョン、DF青木剛、DF谷口博之の中で固定できる選手が出てこなかった。特にセットプレーからの失点が目立っただけに、新シーズンの課題の1つとなるだろう。継続した戦いをするのであれば、ある程度メンバーの固定が必要。そういう意味では今シーズンは前線、トップ下、センターバックとチームの軸の部分でメンバーの入れ替わりが激しかったシーズンだったと言える。 ▽それでも、2シーズンを戦いチームのベースは出来上がったといえる。MF高橋義希、MF福田晃斗のハードワーク、DF吉田豊、DF小林祐三、DF藤田優人のサイドバックの攻撃参加、FKやCKからの得点力。更なる上積みができれば、来シーズンはさらに飛躍も可能だろう。 2017.12.09 18:15 Sat
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【J1クラブ通信簿】ポドルスキ加入に沸くもネルシーニョ体制終焉…積極補強実らず厳しい1年に…《ヴィッセル神戸》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第10弾はビッグネーム獲得を実現したヴィッセル神戸を総括する。 ◆シーズン振り返り (C)CWS Brains,LTD. 【主なトピック】 ●昨季得点王のFWレアンドロが長期離脱 ●元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキが加入 ●今季3度目の3連敗でネルシーニョ監督解任 ●東北楽天ゴールデンイーグルス球団社長の立花陽三氏が新社長就任 ●吉田孝行監督の続投発表▽世界的なスタープレーヤー、FWルーカス・ポドルスキの加入で日本国内だけではなく、世界的な注目を集める1年となったが、ネルシーニョ体制3年目で更なるステップアップが期待された今シーズンは期待外れの9位という結果に終わった。 ▽ストーブリーグの時期からポドルスキ獲得報道で沸いた中、指揮官の教え子であるFW田中順也やDF渡部博文、MF大森晃太郎、MF高橋秀人など、各ポジションに実力者を迎え入れ、開幕4連勝と最高の滑り出しを見せた。だが、シーズンが進むにつれて開幕戦で重傷を負った昨季得点王のFWレアンドロの不在が響き攻撃陣が得点力不足に陥った。 Getty Images▽その後も度重なる負傷者の影響で守備を含めた全体の歯車が狂い始め、8月中旬には今季3度目の3連敗を受けて、ネルシーニョ監督の解任および吉田孝行ヘッドコーチの暫定指揮官就任が発表。吉田暫定政権では徐々に復調をみせ、ネルシーニョ監督解任時の11位から2つ上の9位でフィニッシュしたものの、開幕前の期待と費用対効果を考えれば、失望の1年だったと言わざるを得ない。 ▽今シーズンの低迷の要因に関しては、2度の離脱を強いられたエースFWレアンドロを筆頭に度重なる負傷者、3年目を迎えたネルシーニョ監督の求心力の低下なども一因に挙げられるが、ポドルスキやFWハーフナー・マイクをはじめ、期待外れに終わった攻撃陣の不調が一番の要因だ。とりわけ、守備面や組み立て、動き出しの部分で貢献が少ないアタッカー陣が要の決定力を欠き、チーム全体にマイナスの影響を与えていた印象だ。 ◆チームMVPGetty ImagesDF渡部博文(30) 明治安田生命J1リーグ33試合出場(先発33試合)/3得点▽新加入ながらシーズンを通して安定したパフォーマンスを継続し、最終ラインを支えてきた渡部が文句なしのMVPだ。今シーズン、ポドルスキやハーフナー・マイク、大森ら攻撃陣の補強が目立った神戸だったが、蓋を開けてみれば最も効果的な補強となったのが渡部だった。柏時代の恩師ネルシーニョ監督の解任を防ぐことはできなかったものの、持ち味の空中戦の強さ、堅実な守備を武器に得点力不足のチームを粘り強い守備で支えた。 ◆補強成功度「D」(評価:S~E)Getty Images▽Jリーグ屈指の潤沢な資金を惜しげもなく使い、年俸6億円と言われるスーパースター、ポドルスキを始め、ハーフナー・マイク、MF大森晃太郎、FW田中順也、MFウェスクレイら攻撃陣に多くの実力者を獲得した。 Getty Images▽しかし、補強の目玉となったポドルスキは7月加入というエクスキューズがあったものの、わずか5ゴールと期待外れの結果に終わり、攻撃陣の新戦力は一様に苦戦を強いられた。その一方で、DF岩波拓也の相棒として獲得した渡部は期待以上の活躍を見せた。 ◆総合評価 「D」(評価:S~E)Getty Images▽ネルシーニョ体制3年目で昨シーズンの7位を上回るクラブ最高順位更新と初タイトルを目指して大型補強を敢行したことを考えれば、9位という順位は大いに不満が残る。とりわけ、ストロングポイントになると思われた攻撃陣は、昨季得点王のFWレアンドロの長期離脱があったものの、昨季から16得点も少ない40得点と見かけ倒しの低調ぶりだった。 ▽それでも、渡部、岩波、GKキム・スンギュを中心とした守備陣が粘り強い守備をみせるなど、吉田孝行監督代行の下でやや復調傾向を見せたチームは、最終盤に3連敗を喫したものの、まずまずの形でシーズンを終えた。 ▽吉田監督続投となる来シーズンに向けては、より自由を与えられて調子を取り戻してきたポドルスキを中心とした攻撃陣の整備に加え、やや選手層に不安を抱える最終ラインや中盤に効果的な補強を行い、捲土重来のシーズンとしたい。 2017.12.09 18:00 Sat
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【J1クラブ通信簿】2年連続無冠、ブーイングに包まれながら長谷川体制終焉《ガンバ大阪》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第9弾は長谷川体制のラストイヤーを10位でフィニッシュしたガンバ大阪を総括する。 ◆シーズン振り返り (C)CWS Brains,LTD. 【主なトピック】 ●U-20日本代表MF堂安律が今夏、フローニンヘンに期限付き移籍 ●主力に故障者続出 ●FWアデミウソンが絶不調 ●シーズン途中に長谷川健太監督の今季退任を発表 ●クラブワースト記録を連発 ●2012年以来の二桁順位で終了▽ホーム最終戦でのサポーターの大ブーイングが長谷川体制ラストイヤーの評価を物語る。最終成績は11勝10分け13敗(勝ち点43)の10位。2013年に長谷川健太監督が就任以降、2014年に国内三冠(J1、天皇杯、Jリーグカップ)を達成するなど、毎年のように終盤のタイトル争いに絡んできた“西の雄”だったが、今年は2012年以来の2桁順位に終わり、一時代の終焉を告げるシーズンとなった。 ▽序盤戦こそ苦手の春先を乗り越え、一時は首位に立つなど4位でターンしたが、後半戦によもやの大ブレーキ。成長をチームの結果に還元しつつあったMF堂安律の途中退団や、守備の要として出色ぶりが際立ったDFファビオら主力の相次ぐ故障離脱、FWアデミウソンの絶不調といった数々のエクスキューズがあるにせよ、クラブのブランド力や歴史、総タイトル数を鑑みても、あまりにも酷すぎた。 ▽後半戦の獲得勝ち点数は、総合順位で最下位の大宮アルディージャと並び18チーム中最低の11ポイント。9月の長谷川監督退任発表後は、「公式戦13試合未勝利」、「リーグ戦10試合未勝利」、「リーグ戦19試合連続失点」とクラブワースト記録を連発。結果的に、クラブ上層部のシーズン中盤での監督交代発表という決断は、“早過ぎた”と言わざるを得ない。チーム全体で迷走ぶりを極めた。 ◆チームMVPGetty ImagesMF井手口陽介(21歳) 明治安田生命J1リーグ30試合出場(先発29試合)/4得点▽チームが混迷を極めた中、個人として煌々と輝き続けたのがMF井手口陽介だ。今シーズンから背番号8を背負った21歳の怪物は、30試合に出場して4ゴールをマーク。序盤こそ負傷離脱した時期もあったが、無尽蔵のスタミナと攻守の積極性を武器に、G大阪でMF遠藤保仁とMF今野泰幸による聖域を奪っただけでなく、代表でも「欠かせない選手」に成長を遂げた。その結果、今年ベストイレブンを初受賞。今冬の海外移籍にも注目が集まる自身のサッカー人生にとって、大きな意味を持つシーズンになったに違いない。 ◆補強成功度「C」(評価:S~E)Getty Images▽日本代表に選出されたDF三浦弦太は、その事実が示すとおり、期待値以上の活躍を披露。ファビオに関しては、シーズン途中の故障が痛かったが、離脱前まで三浦と共に身体能力を生かしたセンターバックの一角としてフル回転していただけに好印象だ。また、終盤にトップチームで出番を増やしたMF中原彰吾の台頭も来シーズンに向けて評価すべきだろう。 ▽一方で、MF泉澤仁とMF井出遥也の両アタッカーは、前線にも守備のタスクを求める長谷川監督の下、持ち場を固めることに苦戦。シーズン前に噂されながら今夏に加入がずれこんだFWファン・ウィジョにおいては、戦術を理解し切れていない中でも潜在能力を示していただけに、13試合3ゴールという成績でも「開幕前に加入していれば」と同情の余地がある。 ◆総合評価 「E」(評価:S~E)Getty Images▽毎シーズンの優勝争いが義務付けられたクラブであることを考えると、今シーズンの戦いぶりは不甲斐なさ過ぎた。その要因の1つとして、長谷川監督の偏りすぎた堅守速攻スタイルにも今シーズンの低迷を引き起こした責任がありそうだ。 ▽長谷川監督が指揮して以降、G大阪は西野朗前監督時代の「取られたら取り返す」攻撃的なスタイルを一新。チーム全体にハードワークを求める守備的なスタイルを落とし込み、4つのタイトルを獲得した。だが、それはFW宇佐美貴史とFWパトリックのスペシャルな存在が前線にいたからこそ成り立ち、彼らを失った今、そのスタイルは反発力を失い、ボヤけて映る。 Getty Images▽そのなかで、長谷川監督の信頼を勝ち取ったFW長沢駿が全34試合に出場してチームトップの10ゴールと奮闘。だが、周囲を生かすプレーでの貢献度が低く、タイトルを狙うクラブのストライカーとしては物足りない。ポテンシャルを秘めたファン・ウィジョがいるが、頼りになるストライカーの獲得が今オフの最大のテーマになるだろう。 ▽また、今シーズンの低迷を引き起こした要因として、フロントを含む上層部の働きにも問題がありそうだ。MF阿部浩之とMF大森晃太郎のように生え抜きで働き盛りだった主力が引き抜かれる事態は、Jトップクラスの実績と資金力を有するG大阪としては異例。逆に、補強においても、今オフに噂された数名のストライカーの獲得にことごとく失敗しており、そういったフロントの空回りが現場の足を引っ張ったように感じてならない。 ▽来シーズンからレヴィー・クルピ氏が監督に就任するが、上層部は新時代を迎えるにあたり、今シーズンの失敗をどう糧にしていくのか。ただ、監督の首をすり替えただけだと、何も変わらない。かつてセレッソ大阪でMF香川真司やMF山口蛍らの才能を見出した名伯楽であり、攻撃的なサッカーの志向者でもあるブラジル人指揮官の下、来シーズンは失った立ち位置とスタイルを再確立する旅に出る。チームとして一体感を作り、新時代の幕開けを迎えたい。 2017.12.08 22:20 Fri
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