コラム

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【J1クラブ中間評価】ロケットスタートも急失速…救世主ポルディに大きな期待《ヴィッセル神戸》

▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回はヴィッセル神戸編をお届けする。 ◆開幕4連勝も2度の3連敗で失速 勝ち点23/7勝2分8敗(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズン、クラブ史上最高位となる年間7位でフィニッシュした神戸。シーズン前の積極補強によってクラブ史上最高位の更新および悲願の初タイトル獲得が期待された今季は、開幕4連勝を飾る見事なロケットスタートを見せた。だが、前半戦で2度の3連敗を喫し、急失速したチームは、一時ネルシーニョ監督の解任報道が出るなど、厳しい前半戦となった。 ▽チーム失速の大きな要因となったのが、1試合平均1点止まりとパンチを欠いた攻撃面。清水エスパルスとの開幕戦で主砲FWレアンドロが全治6カ月の重傷を負う大誤算に加え、鹿島アントラーズに旅立ったFWペドロ・ジュニオールの後釜候補がことごとく期待を裏切った智将ネルシーニョ監督は、システム変更や選手の組み合わせで改善を試みるも、得点力不足解消は今夏の補強に委ねられることになった。また、前半戦で気になったのは、首位鹿島にこそ勝利したものの、トップハーフにいる強豪との直接対決で2勝1分け6敗と大きく負け越している点。また、得点力不足と関連し、先制を許した試合の戦績が1勝1分け8敗と反発力に欠けた戦いぶりだった。 ◆ポジション別採点(C)CWS Brains,LTD. 【GK&DF】50点/100点満点 ▽17試合で22失点。昨シーズンの同時期の25失点から改善傾向にあり、前半戦最終戦の川崎フロンターレ戦で喫した5失点がなければ、より評価できる数字となったはずだ。Jリーグ2年目の守護神キム・スンギュが相変わらずの安定感を誇り、新加入のDF渡部博文と若きディフェンスリーダー、DF岩波拓也のセンターバックコンビの連係も上々。サイドバックに関してはDF高橋峻希とDF橋本和の昨季レギュラー組を軸に、MF松下佳貴とDF伊野波雅彦のマルチロール、若手DF藤谷壮がきっちりバックアップした。 【MF】50/100点満点 ▽[4-4-2]を基本に複数のシステムを使い分けた中、大黒柱のMFニウトンと新加入のMF大森晃太郎の攻守両面に渡る奮闘が光った。その一方で、MF藤田直之が離脱を強いられたボランチと右サイドハーフに関してはメンバーを固定できず、前者はMF高橋秀人、MF三原雅俊ら、後者はMF中坂勇哉、FW小川慶治朗らが出場機会を分け合っており、後半戦に向けては新加入組の多い、前線とのバランスを考慮し、最適なメンバーの組み合わせを見つけたい。 【FW】30/100点満点 ▽17試合で17ゴールと1試合平均でちょうど1点と迫力不足だった攻撃陣。もちろん、昨シーズンの得点王である主砲レアンドロの長期離脱が響いたことは間違いないが、チーム最多タイの3ゴールを挙げたFW渡邉千真以外のパフォーマンスが今一つだった。とりわけ、FW田中順也とMFウエスクレイ、FW大槻周平の新加入組はいずれもノーゴールに終わり、後半戦から加入するFWルーカス・ポドルスキ、FWハーフナー・マイク、終盤戦の復帰が見込まれるレアンドロらからポジションを奪うのは難しい情勢だ。 ◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー(c)J.LEAGUE PHOTOSMFニウトン(30歳/No.7) 明治安田生命J1リーグ:16試合(先発16回)/1ゴール ▽大森や渡部の新加入組の活躍も印象的だったが、攻守両面で存在感を放ったニウトンを選出した。アジリティや運動量に優れているわけではないが、卓越した戦術眼を生かした気の利いたポジショニングと圧倒的なフィジカルを武器に中盤の守備に安定をもたらした。加えて、攻撃では巧さと強さを兼ね備えた持ち上がりや得意の空中戦で多くの決定機に絡んだ。 ◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー FW田中順也(29歳/No.21) 明治安田生命J1リーグ:15試合(先発9回)/0ゴール ▽ルヴァンカップでチーム最多の4ゴールを奪ったものの、リーグ戦ではノーゴールと期待外れの前半戦となった。2列目での起用も見込まれたものの、レアンドロの長期離脱を受けて、2トップの一角で起用されたが、渡邉との連係に難を抱え、得意の左足のパワフルシュートも影を潜めた。和製ポドルスキと評される田中だが、後半戦からは本家ポドルスキの加入によって厳しい立場に立たされることになる。 ◆救世主ポルディにハーフナー&主砲レアンドロ! J屈指のFW陣に期待 ▽前半戦終了時点で首位と勝ち点13差という状況を考えれば、今シーズンの最終目標はクラブ史上最高位の更新およびAFCチャンピオンズリーグ出場権獲得に下方修正せざるを得ないところだ。それでも、後半戦に向けてはクラブだけでなくJリーグ待望のスタープレーヤーであるポドルスキ、Jリーグとエールディビジで実績十分のハーフナー・マイクという、得点力不足解消の切り札となる2選手が加入する。加えて、シーズン終盤には主砲FWレアンドロの復帰も見込まれており、期待感に満ち溢れている。 ▽後半戦巻き返しのポイントは、百戦錬磨の指揮官がポドルスキの起用法やシステムを含め、早い段階で最適な攻撃の組み合わせを見い出せるか、という部分に尽きる。加えて、やや手薄となっている最終ラインに関しては、レギュラー陣を脅かす控え選手や若手の突き上げにも期待したいところだ。 2017.07.17 17:00 Mon
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【J1クラブ中間評価】堅守崩壊に平山の誤算…積極補強も実らず残留争いへ《ベガルタ仙台》

▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回はベガルタ仙台編をお届けする。 ◆クリスランが躍動も堅守崩壊で苦しい前半戦 勝ち点21/6勝3分8敗(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは渡邉晋政権下で最高となる12位でシーズンを終えた仙台は、今シーズン開幕前に大型補強を敢行。1桁順位を目指すべく開幕を迎えた中で、FC東京から加入した期待のFW平山相太が早々に負傷離脱するも開幕2連勝を飾る好調な出だしとなった。ところが4月7日に行われた第6節の浦和レッズ戦で、突如としてストロングポイントであった守備が崩壊。0-7という屈辱的な大敗を喫し、第7節の鹿島アントラーズ戦でも1-4と大敗。第8節のサンフレッチェ広島戦では引き分けに終わるも3失点を喫するなど、わずか3試合で14失点と、前半戦だけで昨季の1stステージ(25失点)を上回る32失点を喫している。 ▽その後は、新加入のFWクリスランがチームにフィットし、チーム最多の7ゴールをマーク。徐々に白星も積み重ねていったが、最後まで守備の再構築はできず。第16節のセレッソ大阪戦、第17節のガンバ大阪戦に連敗して前半戦を終えた。さらに、そのG大阪戦ではルーキーながらも全試合に出場し、キーマンとなっていたDF永戸勝也が負傷し、今シーズン絶望。後半戦も苦しい戦いが続きそうな気配が漂っている。 ◆ポジション別採点(C)CWS Brains,LTD. 【GK&DF】10点/100点満点 ▽開幕から2戦連続でクリーンシートを達成するも、上記にあるように浦和戦の大敗を境に守備が崩壊。17試合で32失点は、最下位のアルビレックス新潟(37失点)に次いでワースト2の記録となった。今シーズンから取り組む3バックは安定感を欠き、両サイドや裏のスペースを簡単に使われた結果、ラインを下げる場面が多く見られた。良い形で進んでいた戦術変更が、結果に繋がらず裏目に出た形となった。 【MF】30/100点満点 ▽永戸勝也や中野嘉大といった新戦力が台頭してきた中盤だが、全体的なパフォーマンスは低かった。特に球際での弱さが目立ち、相手にポゼッションを奪われてからシンプルに3バックの裏を狙われる攻撃から失点を重ねた。守備改善には、中盤のアプローチから変える必要がある。またボランチで不動のコンビを組む富田晋伍、三田啓貴も守備に追われることが多く、攻撃に力を使えていない。一方でオフェンシブハーフは新加入の石原直樹が4ゴール。梁勇基、奥埜博亮、西村拓真らが揃って2ゴールを奪うなど最低限の仕事はした。 【FW】50/100点満点 ▽期待された平山の負傷はあったものの、クリスランが躍動。14試合の出場でチームトップとなる7得点をマークする活躍で攻撃陣をけん引した。また平山の負傷でセンターフォワードを務めていた石原も、本来のポジションで起用され存在感が増すなど、クリスラン効果が表れている。 ◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー(c)J.LEAGUE PHOTOSFWクリスラン(25歳/No.20) 明治安田生命J1リーグ:14試合(先発8回)/7得点 ▽仙台のMVPは文句なしのクリスランを選出。太もも肉離れの影響で出遅れるも、第4節の柏レイソル戦でJリーグデビューを果たすと、初のスタメンとなった第7節の鹿島戦で初ゴールをマーク。さらに第13節の新潟戦で決めた「左からのクロスを左足でトラップして左足で合わせる」ワールドクラスのプレーは、J1の月間ベストゴールに選出された。チームトップとなる7ゴールを奪う活躍で、残留圏内での折り返しに大きく貢献している。 ◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー FW平山相太(32歳/No.9) 明治安田生命J1リーグ:0試合(先発0回)/0得点 ▽「無事之名馬」という言葉がある。能力で多少劣っていても、ケガなく走り続ける馬は名馬であるという意味だ。得点力不足を補うために加入した平山だが、開幕前に左腓骨筋腱脱臼により12週間の離脱となった。チームとしては軸に据えていた平山が離脱したことで、戦い方の変更を余儀なくされた。平山自身も新天地でのスタートで躓いてしまい悔しさがあるだろう。前半戦のワーストプレーヤーに選出するが、後半戦の巻き返しに期待したい。 ◆地に足を付けて残留を ▽前半戦の戦いから見ても、当面の目標は早期の残留決定だ。そのためにも守備の再整備は必須条件といえる。幸いにもリーグ戦は約1カ月の中断期間に入るため、今シーズンから取り組む3バックシステムにもう一度向き合うことができる。新システムでもかつての堅守を取り戻すことができるかが残留を大きく左右する。また、オフェンス面では速攻の精度が重要だ。ここ数年は遅攻の取り組みをしてきたが、現状をシビアに見て効果的に勝ち点を奪える“堅守速攻”が有効。原点回帰してフィニッシャーのクリスランに繋げるまでのパターンを作り出したい。 2017.07.16 16:30 Sun
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【J1クラブ中間評価】誤算に悩まされ堅守速攻体現できず《清水エスパルス》

▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回は清水エスパルス編をお届けする。 ◆負傷者と低調な新戦力で安定を欠いた守備 勝ち点18/4勝6分7敗(C)CWS Brains,LTD. ▽昨シーズンのJ2で圧倒的な攻撃力を見せつけた清水は、2年ぶりのJ1でも攻撃力を発揮。2枚看板のFW大前元紀が大宮アルディージャに移籍したことで得点力不足が懸念されたが、大エースFW鄭大世、10番を継承したMF白崎凌兵、そしてシーズン途中加入のFWチアゴ・アウベスの活躍もあり、前半戦で19ゴールを記録した。 ▽攻撃陣が一定の結果を残した一方で、守備陣は不安定さを露呈。DF犬飼智也、DF角田誠でスタートしたセンターバックコンビを固定できず、ボランチも開幕前にMF竹内涼、開幕戦にMF河井陽介が相次いで離脱。守備組織の構築に定評のある小林伸二監督の手腕をもってしても、安定感を生み出すことができなかった。 ▽さらに、新加入のDFフレイレ、DFカヌもチームにフィットせず、守備の強度を欠くことに。メンバーを固定できないことで攻守のバランスを保つことができず、第7節から第15節までの9戦で6分け3敗、先制しながらも勝ち切れずに多くの勝ち点を取りこぼした。 ◆ポジション別採点(C)CWS Brains,LTD. 【GK&DF】30/100点満点 ▽日本代表経験のあるGK六反勇治を最後尾に据えたものの、J1クラブの攻撃力に守備陣が対応できず25失点。特に試合終盤での失点に悩まされた。果敢な攻撃参加で相手の嫌な存在になりつつあるDF松原后と守備面でバランスがとれるDF鎌田翔雅の両サイドバックが好調なだけに、センターバック2枚の固定は急務だ。その中で、新加入のカヌが徐々に良さを発揮。第15節から採用されているDF二見宏志とのコンビが安定への兆候を見せている。 【MF】30/100点満点 ▽序盤からボランチで負傷者を抱える中、新戦力のフレイレとMF野津田岳人もポジションを確保するだけのパフォーマンスを見せられず、指揮官の頭を悩ませた。竹内の復帰後は、MF六平光成とボランチを組んだものの、バランサータイプの2人では小林伸二監督が掲げる「堅守速攻」を体現できず。特に、守備での力強さ、攻撃での展開力に欠けた印象だ。MF枝村匠馬、白崎、FWミッチェル・デュークと両サイドハーフが献身的なプレーで攻守に奮闘していただけに、中央で攻守両面のサポートができなかったのは痛い。屈強なフィジカルと低い位置からの組み立てを得意とするフレイレを中断期間でフィットさせ、安定感をもたらせたい。 【FW】60/100点満点 ▽個人技に長けたチアゴ・アウベスの加入で、攻守において存在感が大きい鄭大世のマークを分散させた。不動の2トップを形成し、2人で11ゴールを記録。後半戦に向けては好連携を築き、得点力により磨きをかけたい。一方で、ベンチに控える前線のメンバーは、運動量に長けているもののFW金子翔太(2得点)、FW北川航也(0得点)、FWミッチェル・デューク(1得点)と得点力に欠けた。2枚看板に次ぐ存在がいないことが不安材料となる。 ◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー(c)J.LEAGUE PHOTOS FWチアゴ・アウベス(24歳/No.8) 明治安田生命J1リーグ:10試合(先発7回)/4ゴール ▽加入直後から鄭大世と共にオレンジ軍団の前線を牽引。果敢なドリブルと高精度かつ強烈な左足のキックで攻撃にアクセントを加え続けた。清水が専守防衛を取らずに済んだのは彼の存在が大きく、後半戦にかけては連携面や判断力を高めていきたい。貴重な戦力には変わりなく、噂される全北現代への移籍が気になるところだ。 ◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー MF野津田岳人(23歳/No.14) 明治安田生命J1リーグ:11試合(先発8回)/0ゴール ▽攻撃の強化に期待を寄せられて加入したレフティーモンスターだが、右サイドでは左足のシュートも空砲に終わり、ゴールという形で結果を残せなかった。また、負傷者を抱えたボランチの位置で起用されるも、チャンスメイク力と展開力が息を潜め、速攻の起点になりきれなった。起用の問題もあったが、本来のパフォーマンス見せられず、苦しい前半戦となった。 ◆守備改善で勝ち点上積みへ ▽前半戦は勝ち点の取りこぼしが目立ったが、J1復帰元年をひとまず残留圏内の13位でシーズンを折り返すことができた。目標である「9位以内」も射程圏内に捉えており、まずは守備面の改善に手をつけたい。そのためには、センターバックの固定とボランチの守備力向上が必要となる。 ▽さらに、ゲームメイクも改善が必要となり、中盤での支配率を高めて自分たちの攻撃の時間を増やしていきたい。戦いも安定させ、不用意に勝ち点を落とす試合を減らしたいところだ。 ▽攻撃面ではチアゴ・アウベスに移籍の噂が挙がっており、チームを去ることとなれば、新たな得点源が必要となる。控え選手が現状のパフォーマンスに終われば、一気に降格圏内へ巻き込まれる可能性も十分にあり得る。鄭大世のマークが再び厳しくなるだけに、控え組の奮起に期待したい。 2017.07.15 22:30 Sat
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【J1クラブ中間評価】順位は想定内も深刻な得点力不足で不安残す折り返しに《ヴァンフォーレ甲府》

▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回はヴァンフォーレ甲府編をお届けする。 ◆課題の守備改善も深刻な得点力不足に… 勝ち点16/3勝7分7敗(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンは年間14位で終え、4年連続のJ1残留を決めた甲府。今シーズンは5年連続のJ1残留を最大使命に、柏レイソルやアルビレックス新潟で指揮を執りポゼッションスタイルのフットボールを志向する吉田達磨新監督を招へい。より攻撃的なスタイルへの転換を目指したものの、蓋を開けてみれば、実質5バックに近い[3-3-2-2]の守備的な布陣でいかにも甲府らしい堅守を軸としたスタイルで前半戦を戦った。 ▽ガンバ大阪との敵地での開幕戦を1-1のドローでスタートした甲府は、第3節で浦和レッズに1-4の大敗を喫するも、大宮アルディージャ(1-0)と北海道コンサドーレ札幌(2-0)に連勝を記録するなど、第9節のヴィッセル神戸戦までは真骨頂である堅守を軸とした戦いで順調に勝ち点を積み重ね、余裕の残留圏内をキープ。だが、その後は深刻な得点力不足に陥り、第10節のジュビロ磐田戦から前半戦最終戦の第17節サガン鳥栖戦まで8戦未勝利(4敗4分け)と急失速し、降格圏と2ポイント差の14位で前半戦を終えた。とりわけ、直近4試合で無得点という内容は後半戦に向けて大きな不安を残す。 ◆ポジション別採点(C)CWS Brains,LTD.【GK&DF】70点/100点満点 ▽17試合で18失点。昨シーズン前半戦の31失点から大幅な改善を見せており、今シーズンのJ1でも失点数に関しては8位タイと上々の数字だ。攻守両面で存在感を放つDFエデル・リマ、守護神に抜擢されたGK岡大生、ここにきて調子を上げるDF新里亮を中心に粘り強く守れている印象だ。また、自身の理想をひと先ず脇に置き、現実的な守備重視の戦術を採用する吉田新監督の采配も失点減の大きな要因だ。 【MF】40/100点満点 ▽アンカーポジションで優れた戦術眼と高精度の左足を武器に“レジスタ”としてプレーするMF兵働昭弘、インサイドハーフで持ち味のボール奪取や守備センスを遺憾なく発揮するMF小椋祥平のベテラン新加入組の活躍が目立った。また、J1屈指のスプリント回数を誇る右ウイングバックのMF松橋優、MF田中佑昌と豊富な運動量とアグレッシブさを誇る2選手の貢献も大きかった。ただ、守備面が機能した一方、攻撃面に関しては前線との連係に問題を抱えており、厳しい前半戦となった。 【FW】10/100点満点 ▽前半戦でわずか10ゴールと深刻な得点力不足に陥った中、ストライカー陣が奪ったゴールはわずかに「5」。前線からの守備や起点作りなど、得点以外の貢献を考慮に入れても、評価に値しない体たらくだ。もちろん、守備的スタイルの弊害や後方からのサポート不足が得点力不足の一因だが、主力として起用されながらも2人でわずかに2ゴールのFWドゥドゥとFWウイルソンの不振が痛恨だった。また、2年ぶりの復帰を果たしたMF堀米勇輝はチーム最多の2ゴールを記録もインパクトを欠き、FW河本明人や途中加入のFWジュニオール・バホスもバックアッパーの域を出なかった。 ◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー(c)J.LEAGUE PHOTOSDFエデル・リマ(31歳/No.6) 明治安田生命J1リーグ:15試合(先発14回)/1ゴール ▽攻守両面で異彩を放つ左利きのブラジル人センターバックを選出。プレシーズンの負傷で出遅れたものの、第4節の大宮アルディージャ戦から左ストッパーとして先発を飾ると、以降のリーグ戦全試合でスタメン出場を継続中だ。187cmながら痩身の31歳は、快速とリーチの長さを生かした見事な対人守備で最終ラインに安定をもたらせば、攻撃の場面では豪快な持ち上がりや左足の正確な球出しで存在感を放った。第5節の北海道コンサドーレ札幌戦では利き足とは逆の右足で圧巻のボレーを決め、初ゴールも記録。 ◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー FWウイルソン(32歳/No.9) 明治安田生命J1リーグ:14試合(先発13回)/1ゴール ▽待望の点取り屋としてベガルタ仙台から今シーズン新加入も、前半戦で決めたゴールはPKによる1ゴールのみと大きく期待を裏切った。前線で基準点となるプレーや後方の味方を助けるプレスバックなど、全体的な貢献度が著しく低かったわけではないが、開幕から一向にコンディションが上がってこないのは気がかりだ。また、競り合いでの消極的な姿やプレッシャーが少ないサイドに流れる場面が目立つなど、決定機での慌てぶりに加えて、自信を失っている印象。同じく不調のFWドゥドゥと共に後半戦に向けて心身共にコンディションを整えられるかが、クラブの5年連続J1残留のカギとなるはずだ。 ◆戦術転換と助っ人コンビの覚醒で停滞感を振り払えるか ▽順位と勝ち点を考えれば、いずれも残留を果たした過去4シーズンとあまり変わらない想定内の立ち位置と言える。だが、残留を争うライバルが監督交代や積極補強を起爆剤に心機一転を図る中、予算的に限りがあるクラブは、後半戦も継続路線でチームとしての上積みを図っていくしかない。 ▽その中で一番に改善すべき点は、深刻な得点力不足の解消だ。元々、攻撃的なポゼッションスタイルを志向する吉田監督にとって、攻撃的なスタイルへの転換は得意とするところ。その一方で、ここまで勝ち切れなかったものの、決して大崩れしていたわけではない現状からのスタイル転換は、これまで積み上げてきた堅守を崩壊させる、リスクも孕んでいる。そのため、理想を言えば現状のスタイルをベースに少ない手数で攻め切る中、FWウイルソンやFWドゥドゥといった個人の覚醒、前半戦で機能しなかった連係面の擦り合わせで得点力を向上させたい ▽しかし、前半戦のように助っ人コンビの状態が上がらなければ、ボールを保持してより前に人数をかけて攻める、よりリスキーな攻撃スタイルへの転換も必要となるかもしれない。堅守を維持しつつ、得点力を伸ばせるかが残留へのカギを握るだろう。 2017.07.14 20:30 Fri
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【倉井史也のJリーグ】連休中に楽しむのは埼玉のあの試合とJ2のこのゲーム?! の巻

▽今週末と来週末はJ1リーグがお休み! と思ったら、来週末はC大阪vs浦和があるわけですけど、それ以外のチームはここで夏休み企画入れたり、戦力整えたり、傷の回復を待ったりという感じなワケです。 ▽その間にあるゲームで、ワタクシが一番おもしろそうだと思うのは、浦和vsドルトムント——もそうだけど、それじゃなくて、鹿島vsセビージャ——でもなくて、17日に開催される鈴木啓太氏引退試合だったりするんですよ。何気に出場予定選手のメンツがすごくないですか? 引退してずいぶん日は経っちゃいましたけど、この選手たちがプレーするんだったら、これは見ておかないとダメかなって。それにホノボノした雰囲気が、いつものリーグ戦とはまるで違っていいんですよ。いやぁ、楽しそうだなぁ。 ▽え? 暑くてイライラしてるんだから、もうちょっと緊張感のあるゲームが見たい? これがね、J2はほとんどのチームが昇格か降格に関わっていて、えらい緊張感があるんですよ。特に下のほう。22位の群馬と21位の讃岐は勝点が13、20位の山口は勝点16、19位熊本は勝点19って、あっという間に入れ替わっちゃう感じなワケです。 ▽で、九州地方って去年の熊本大地震もあったし、先日の大豪雨被害もあったし、社長交代劇があったチームもあるし、鹿児島でも地震があったし、いろいろ苦難がある感じに見えちゃうんですよ。だからつい、この中じゃ熊本の動向が気になるんです。元日本代表の人見知り、巻誠一郎選手が苦手の人前で話してるところも映像で見ちゃったりしたんでね。 ▽だから今週は熊本の試合に注目かな、って思ってたら16日(日)19時という今週末のJ2の大トリに登場するじゃないですか。しかも相手はその巻選手の古巣、千葉。こりゃ熊本のホームゲームが余計に盛り上がりますって。 ▽ちなみに5月21日の千葉ホームの試合は1対1の引き分け。熊本が先行し、千葉が残り7分で追いつきました。ただ、そのころに比べるとちょっと千葉の勢いが増してるだけに、熊本は苦戦しそう。となると、なんか余計に熊本目線になる人、多いんじゃない? ▽もちろん昇格争いも激烈だから楽しそうで、12位までのチームにはこの節でプレーオフ圏内に入る可能性があるんです。だからまぁどれを見ても、緊張感があることは間違いなし。ただし、それだけ順位が入れ替わったりするので、J2はいろいろ調べてから見に行きましょうね。え? その情報を提供するのがこのコラムの役じゃないかって? じゃあ最後に1つだけ。松本は得失点差を稼いでいるので、最後グッと上がってくると思いますよ〜!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.07.14 00:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】久保建英がトップチームの練習に合流。期待されるJ1デビュー

▽7月12日の天皇杯の3回戦は、筑波大学の快進撃が続いている。2回戦の仙台に続き、3回戦では福岡にも完勝した。その12日は、天皇杯の2回戦で長野にPK負けを喫したFC東京の取材で小平グラウンドを訪れた。 ▽午前中にもかかわらず、うだるような暑さの中で、8対8のゲームを3グループで繰り返していた。昨日は新外国人選手の張賢秀(チャン・ヒョンス)と、リッピ・ヴェローゾの加入が正式発表されるからだ(発表は午後5時以降)。チャン・ヒョンスは韓国代表DFで、3年半前にもFC東京に在籍した。大学卒業後、初めてプロのキャリアをスタートさせたのがFC東京だった。 ▽リッピは20歳のブラジル人で、かつてFC東京やG大阪で活躍したルーカスの紹介で、6月から練習生としてプレーしていたが、晴れてプロ契約を結ぶことができた。縦はハーフコートで、横幅を狭めたピッチで、チャン・ヒョンスは3DFのCBでプレー。キャプテンの森重が足首の負傷で離脱しているだけに、彼の加入はチームにとっても心強いことだろう。 ▽そんなチャン・ヒョンスと同じ白いビブスを着て、中盤で俊敏に動いている選手がいる。いったい誰だろうと確認したら、久保健英だった。トップチームの選手に混じっても、当たり負けせず、プレースピードも遜色はない。チームメイトの足を引っ張るどころか、互角にプレーするあたり、並の16歳ではないことが伺い知れる。 ▽そしてゲーム中は、彼独特の、ボールが欲しい時に手の平を上に向け、指を内側に「来い」という合図を味方に送る。無駄に動かず、ほんの一瞬の間にポジションを変えることでフリーになる巧さは相変わらずだ。 ▽篠田監督は「久しぶりにトップチームに入ってきても、いいプレーを見せた」と褒めつつ、「ボールを失う回数が目立ったので、一緒に練習すれば馴染んで行くだろう」と、今後もトップチームで練習させることを示唆していた。 ▽このままトップチームで練習すれば、もしかしたら今シーズン中にJ1デビューがあるかもしれない。11人対11人の紅白戦ではどのポジションに入るのかも楽しみだ。久保のプレーを見たいファンは、小平での練習見学をお勧めする。ただし、まだ握手やサイン、記念撮影といったファンサービスには対応していない。 ▽練習後の久保は、クラブハウス2階の食堂で、一人アクエリアスのペットボトルを飲みながら、スマホに夢中になっていた。そんな姿を見ると、やはり普通の高校生なんだなと実感させられる。同僚の記者によると、先輩の石川直宏から「身長は何センチ伸びた」と聞かれると、「171センチですが、まだまだ伸びます」と答えていたそうだ。 ▽あらゆる意味で久保の成長を心待ちにしているサッカーファンは多いのではないだろうか。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.07.13 20:52 Thu
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【J1クラブ中間評価】内弁慶ぶり露呈で苦戦も後半戦は2人の“ジェイ”に期待《北海道コンサドーレ札幌》

▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回は北海道コンサドーレ札幌編をお届けする。 ◆内弁慶ぶりが露呈 勝ち点15/4勝3分け10敗(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズンJ2を制覇した札幌は、「北海道とともに、世界へ」のチームスローガンを掲げて5年ぶりのJ1参戦。しかし、第17節終了時点では4勝3分け10敗の16位と苦戦している。2連敗スタートとなった今シーズンは、これまで連勝が一度もなし。また、第11節からは得点力不足に陥り6連敗。やや負け癖がついてしまった点も気がかりだ。特に、アウェイではここまで獲得した勝ち点がわずかに1ポイントと苦しんでいる。負傷者続出にも泣かされたが、後半戦は何とかムードを変えたい。 ◆ポジション別採点(C)CWS Brains,LTD.【GK&DF】30/100点満点 ▽GKでは、札幌で3シーズン目となるク・ソンユンが上々のプレーぶりを見せており、ここまで全18試合に出場している。大宮アルディージャから期限付き移籍で加入のMF横山知伸、DF福森晃斗が中心となっている守備陣は、4月中旬にDF田中雄大がハムストリングの肉離れで負傷離脱したこともあり、なかなかメンバーを固定できなかった。守備陣だけの責任だけではないが、本職が中盤のMFキム・ミンテ、スピードに難があるDF河合竜二らがセンターバックに入ったこともあり、前半戦では最終ラインが安定せず、無失点試合がわずか2試合と苦しんだ。 【MF】30/100点満点 ▽横浜F・マリノスから加入したMF兵藤慎剛が早くもチームに馴染んでおり、ここまで全18試合に出場するなど、豊富な運動量を生かしてチームを支えている。兵藤と共に中心となっているが、札幌の象徴でもあるMF宮澤裕樹で、ここまで17試合で先発出場している。ほかでは、4月上旬にMF深井一希が左ヒザ前十字じん帯断裂、さらに左ヒザの内側と外側の半月板を損傷して離脱したことが大きく響いた。ルーキーのMF菅大輝がJ1のフィジカルやスピードに対応し、さらなる活躍ができればチームにとって心強いところだ。 【FW】30/100点満点 ▽ここまでチーム内トップの5ゴールを挙げているFW都倉賢が今シーズンも軸。チームとして流れに乗っていないため都倉自身も昨シーズンのような躍動感を欠いているが、それでも持ち前のガッツ溢れるプレーで毎試合全力を尽くし、得点だけでなく前線からの守備やポストワークでもチームに貢献している。FWジェイの加入により層が厚くなる後半戦は、都倉自身はもちろん、復帰してきたFWヘイス(2得点)やFW金園英学(0得点)といったパートナーたちも得点数を伸ばしたい。 ◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー(c)J.LEAGUE PHOTOSDF福森晃斗(24歳/No.24) 明治安田生命J1リーグ:16試合(先発16回)/1ゴール ▽2015年に川崎フロンターレから加入し、3シーズン目となる福森が攻守にわたってチームを支えている。今シーズンは前半戦で16試合に出場。左センターバックとして、守備だけでなく、ビルドアップでもチームに貢献。持ち味である左足のキックを生かし、流れの中からのクロスのほか、FKやCKといったプレースキッカーとしても良質なボールをチームメートに供給している。第8節の浦和レッズ戦では、距離のある位置からGK西川周作を相手に鮮やかな直接FKでゴール。記憶に新しいところでは、8日の第18節大宮アルディージャ戦で見事な直接FK2発。J1史上7人目となる離れ業を見せて2-2のドローに貢献した。 ◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー FW金園英学(28歳/No.22) 明治安田生命J1リーグ:11試合(先発6回)/0ゴール ▽ベガルタ仙台から今シーズン札幌入りした金園だが、インパクトを残せていない。ここまで11試合に出場してノーゴール。もちろん、前線からのチェイシングやポストワークなどチームプレーを怠らない選手だけに得点だけが望まれているわけではないが、それでも不満が残る数字だ。後半戦は、訪れたチャンスを着実に生かして結果を残したい。 ◆ジェイ&“タイのメッシ”チャナティップ効果に期待 ▽前述したとおり、第17節までに獲得した勝ち点15ポイントうち、14ポイントがホームでのもの。まずは、この内弁慶ぶりを改善したいところだ。期待がかかるのは、後半戦から参戦し母国では“ジェイ”の愛称で親しまれる“タイのメッシ”ことチャナティップ・ソングラシン。確かなテクニックと鋭いドリブル、クイックネスを兼備するチャナティップとジェイがすんなりとフィットすれば、エースである都倉へのマークも緩くなり、より攻撃力と得点パターンが増えるはず。現実的な 目標である残留に向けて、新加入選手の効果に期待だ。 2017.07.13 17:00 Thu
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【J1クラブ中間評価】積み上げたものが形にならずも新体制で見えた光明《大宮アルディージャ》

▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回は大宮アルディージャ編をお届けする。 ◆形なき序盤戦…監督交代でベクトルを変え上向きに 勝ち点14/4勝2分け11敗(C)CWS Brains,LTD.▽昨シーズン、クラブ史上最高の5位という好成績でJ1復帰シーズンを終えた大宮。攻撃の軸であったMF家長昭博(川崎フロンターレ)、MF泉澤仁(ガンバ大阪)がチームを去った穴は大きかった。戦力的だけでなく戦術的な穴が大きく、新加入選手をハメた戦いが機能せず、能力を発揮させることができなかった。これまでどおり守備をベースに戦うも、失点を減らすことができず、1得点10失点で開幕6連敗と最悪のスタートを切った。 ▽第9節の浦和レッズとの“さいたまダービー”でシーズン初勝利を飾るも、その後が続かず第13節の柏レイソル戦終了後に渋谷洋樹監督、黒崎久志ヘッドコーチを解任。伊藤彰コーチが新監督に昇格したことでシステムのベースを[4-1-4-1]に変更。これが奏功し、残留を争う直接のライバルであるアルビレックス新潟(1-2)、サンフレッチェ広島(0-3)と連勝。望みを繋いで前半戦を終えることとなった。 ◆ポジション別採点(C)CWS Brains,LTD.【GK&DF】10点/100点満点 ▽17試合で30失点。昨シーズンの年間36失点を考えれば最悪の出来だ。守備陣の陣容が大きく変わらない中、キャプテンであるDF菊地光将の負傷離脱は誤算だったが、攻守にわたって単純なミスが多く、失点をすると立て続けに繰り返してしまう悪癖を繰り返した。守備をベースにチーム作りをしていただけに、評価はできない。 【MF】40/100点満点 ▽序盤戦は試合ごとに組み合わせが変わる中、新加入組ではMF茨田陽生が15試合に出場。メンバーを固定しなかったことが、不安定さを生んだ要因の1つとも言える。伊藤監督就任後は、アンカーにMF大山啓輔、インサイドハーフにMF横谷繁、茨田、右サイドにMF岩上祐三、左サイドにFW大前元紀と固定。連係も上がり、監督の描くサッカーを体現しはじめている。 【FW】30/100点満点 ▽昨シーズン加入したME江坂任がチーム唯一の全試合出場とフル稼働。シーズン序盤はなかなか得点を挙げられなかったが、役割が明確になった第14節から3試合連続得点を記録し、前半戦で5得点をマークした。また、今シーズン無得点のFWドラガン・ムルジャが湘南ベルマーレに移籍。済州ユナイテッドFCからブラジル人FWマルセロ・トスカーノを獲得し、競争を生み出しながら得点力向上を目指し、後半戦の巻き返しを狙う。 ◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー MF江坂任(25歳/No.7)(c)J.LEAGUE PHOTOS明治安田生命J1リーグ:17試合(先発17回)/5ゴール ▽名実ともに大宮のエースになりつつある江坂を選出。昨シーズンに続き、トップ、右サイド、左サイドと複数ポジションを試合中にこなす中、ゲームメイクに終始していた序盤戦から一転、システム変更により1トップに固定され、本来の得点能力が復活。伊藤新体制ではチームの連勝に大きく貢献した。後半戦はよりマークが厳しくなることが予想されるが、ゴール、ゲームの組み立てに加わりならがらも2ケタ得点を記録できれば、チームのJ1残留は果たされるだろう。 ◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー GK塩田仁史(36歳/No.21) 明治安田生命J1リーグ:9試合(先発8回)/20失点 ▽失点はGKだけの責任とは言えないものの、9試合で20失点は多すぎた。昨シーズンはGK加藤順大とポジションを争いながら15試合に出場。今シーズンは開幕スタメンを勝ち取るも、判断ミスや処理ミスなど、ベテランらしからぬプレーが散見。防げる失点を与え、戦況を悪化させた試合も多く、勝ち点を取りこぼした印象が強い。監督交代後は3番手に降格し、厳しいシーズンとなった。 ◆変幻自在のシステムでJ1残留へ ▽1ケタ順位を目標に掲げてスタートしたシーズンと考えれば、期待を大きく裏切っている現状といえる。しかし、伊藤新監督の下、チームが見せるサッカーは変貌。特に攻撃面での可能性が以前より増し、試合の主導権を握る時間帯が増えている。 ▽課題はプレー精度と連携、そしてフィニッシュまでの道筋を確立させること。攻撃サッカーを標榜する伊藤監督の下、約1カ月のリーグ戦中断期間でどこまで細部を詰められるかで、J1残留だけでなく、より上の順位でフィニッシュすることが見えてくるだろう。伊藤監督が描くゲームビジョンが間違わなければ、結果は自ずとついてくるはずだ。 2017.07.12 17:00 Wed
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【J1クラブ中間評価】過渡期を迎える中、チームバランス崩壊で最悪の前半戦に《サンフレッチェ広島》

▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回はサンフレッチェ広島編をお届けする。 ◆期待外れの新加入組、チームの歯車かみ合わず監督辞任という結末へ 勝ち点10/2勝4分け11敗(C)CWS Brains,LTD.▽森保一体制6年目を迎えた今シーズン。MF森崎浩司の現役引退や、バンディエラ・FW佐藤寿人の退団など転換期を迎えている広島は、注目のFW工藤壮人らの新戦力をチームに迎え、覇権奪還に向けてスタートした。 ▽しかし、チームの重鎮たちが抜けた穴は大きかったのか、前半戦を終えた時点で2勝4分け11敗(勝ち点10)と散々な結果に。新加入組も若手も新たな風を吹かすことができず、森保体制発足後最悪の不振に陥った。そして、ついには森保監督が辞任。2012年の就任以降リーグ制覇を3度成し遂げ、“ポイチ”の愛称でもサポーターに親しまれた森保監督は、シーズン半ばにして広島を後にすることになった。 ◆ポジション別採点(C)CWS Brains,LTD.【GK&DF】10/100点満点 ▽慣れ親しんだ[3-4-2-1]という形は、相手チームに研究し尽くされた。DF陣の加齢による衰えもあるだろうが、セットプレーや連係ミスから失点を重ね、前半戦だけで30失点。比較的失点の多かった去年の前半戦の18失点と比べてもその差は歴然だ。この失点数の多さも広島が降格圏に沈んでいる要因の1つと言え、ガンバ大阪から日本代表も経験しているDF丹羽大輝を補強した。 【MF】20/100点満点 ▽中盤は負傷者が続出し、試合の組み立てに苦労した印象が残った。最終ラインからのビルドアップで丁寧にボールを前に運んでいくやり方の広島にとって、中盤で如何に気持ちよくボールを回し、流動性のある攻撃を展開していくかが主題なのだが、前半戦はなかなかうまくいかず。また、2シャドーの一角を担ったアンデルソン・ロペスが個の力に頼ることが多く、広島の流動性を損なった感は否めなかった。だが、高い技術力を持つアンデルソン・ロペスはここまで5ゴールを記録し、チーム内得点王。後半戦はこの得点力を落とさず、いかに攻撃の組み立てに関与できるかに注目したい。 【FW】10/100点満点 ▽前半戦わずか15得点という記録は、クラブ史上ワースト2位の数字だ。佐藤に代わって加入した工藤はここまで3ゴールと不完全燃焼に終わり、期待されたFW皆川佑介やFW宮吉拓実らの若手組はインパクトを残せなかった。そんな結果を受け、今夏にはガンバ大阪でプレーしていたFWパトリックを獲得。前線の活性化を図り、後半戦での巻き返しを期待したいところだ。 ◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー MF柴崎晃誠(32歳/No.30)(c)J.LEAGUE PHOTOS明治安田生命J1リーグ:16試合(先発14回)/2ゴール ▽攻撃にも守備にも顔を出していた柴崎が前半戦GOODプレーヤーに。今シーズンも2シャドーの位置でプレーする柴崎は、工藤やアンデルソン・ロペスといった新加入組を豊富な運動量で上手くカバーしながら、持ち前のテクニックで2ゴール3アシストの貢献。また、元々ディフェンシブMFを本職としていただけに、守備の意識が高く、攻守にわたって低迷する広島を支えていた。 ◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー FW工藤壮人(27歳/No.50) 明治安田生命J1リーグ:14試合(先発11回)/3ゴール ▽開幕前の期待値の高さから工藤を挙げた。シュートセンスやゴールへの嗅覚、ディフェンスラインの裏への抜け出しを得意とする工藤は退団した佐藤との共通項は少なくない。また、柏レイソルには2012シーズンから2年連続で2桁得点していることもあり、佐藤の後継者として多くの期待が集まっていた。しかし、蓋を開けてみれば前半戦を終えた時点でわずか3ゴールと、その期待を大きく下回る結果に。良質な援護射撃がなかったこともあり、前半戦は持ち味を生かせず、チームスタイルのフィットに苦しんだ。 ◆新加入選手と監督交代で再スタートへ ▽全く良いところなしに終わった前半戦。15得点30失点と、前にも後ろにもテコ入れが必要となる中、UAEのアル・アインへ移籍したDF塩谷司の代わりに丹羽、前線の得点不足を受け、パトリックをそれぞれG大阪から獲得した。そして、辞任した森保監督の後任として、かつて広島にも在籍したスウェーデン人のヤン・ヨンソン氏を招へい。後半戦も引き続き厳しい戦いとなりそうだが、新監督の下、全選手がもう一度奮起し、新たな気持ちで再スタートを切らないことには、広島の上昇は見えてこないかもしれない。 2017.07.11 16:30 Tue
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【J1クラブ中間評価】ダブル・シルバ流出で不安的中の最下位《アルビレックス新潟》

▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回はアルビレックス新潟編をお届けする。 ◆懸念通りの大苦戦 勝ち点8/2勝2分け13敗(C)CWS Brains,LTD.▽昨年は最終節でぎりぎり残留を決める薄氷のシーズンを送った新潟が、シーズン前半戦を終えて最下位ともがき苦しんでいる。MFレオ・シルバ(鹿島アントラーズ)とFWラファエル・シルバ(浦和レッズ)の両主軸が流出したチームは、攻守に大きな問題を抱え、開幕前の懸念通り大苦戦を強いられている。 ▽ダブル・シルバの代役として獲得した俊足のFWホニ、パサーのMFチアゴ・ガリャルドはいずれも非凡な攻撃センスを見せたが、目に見える結果を出すには至っていない。MFジャン・パトリックに至っては全く戦力にならず契約解除に至っている。 ▽また、ダブル・シルバ以外にもMF小林裕紀(名古屋グランパス)、DF舞行龍ジェームズ(川崎フロンターレ)、DF松原健(横浜F・マリノス)、DFコルテース(グレミオ)ら昨シーズンまでの主力を失った影響は大きく、チーム力は格段に低下した。そんなチームをJ1初采配の三浦文丈監督が率いたが、10試合でわずか1勝に終わり、辞任に追い込まれた。そして、後任の呂比須ワグナー監督もチームを立て直すことができず、18試合を終えて2勝と後半戦に向けても厳しい戦いが待ち受けていること必至だ。 ◆ポジション別採点(C)CWS Brains,LTD.【GK&DF】10/100点満点 ▽第4節以降、GK守田達弥に代わって浦和から獲得した大谷幸輝を正GKに据えたが、軽率なミスが多く、開幕3連敗を喫したチームを立て直す原動力になることはできなかった。また、ディフェンスリーダーと目されたDF大野和成が負傷し、DFソン・ジュフンとDF富澤清太郎の組むセンターバックは不安定さを露呈。唯一、サイドバックを務めたMF原輝綺が安定感あるプレーを見せたが、リーグ最多の39失点と守備が崩壊した。 【MF】10/100点満点 ▽レオ・シルバと小林の抜けた穴が予想通り大きかった。心臓を失ったチームはジャン・パトリックがフィットしなかったことから小泉慶と原の両若手で乗り切ろうとしたものの、攻守両面での物足りなさは否めなかった。攻撃面ではチアゴ・ガリャルドのパスセンスを活かそうとしたが、ホニ以外と連係が合わず崩しのバリエーションを欠いた。 【FW】10/100点満点 ▽ラファエル・シルバを失った前線は深刻な得点力不足に陥った。代役のホニは俊足ではあるものの、フィニッシュの局面で冷静さを欠き、3得点と思うような結果を残せていない。FW山崎亮平、FW鈴木武蔵に関しても際どいシュートまでは持ち込めるものの、ゴールを奪いきることはできず、得点源不在が大いに響いた。 ◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー MF原輝綺(18歳/No.34)(c)J.LEAGUE PHOTOS明治安田生命J1リーグ:14試合(先発14回)/1ゴール ▽暗い話題の多いチーム状況の中、市立船橋高校出身のルーキーが開幕からスタメンとしてピッチに立ち続けた。決して派手なプレーヤーではないが、18歳とは思えない沈着冷静なプレーと、ボランチと両サイドバックをこなせる器用さを併せ持ち、三浦監督、呂比須監督いずれも原を重宝している。U-20ワールドカップでも主力としてプレーし、低調なチームの中で唯一と言っていい明るい材料となっている。 ◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー MFジャン・パトリック(25歳/No.6) 明治安田生命J1リーグ:0試合 ▽多くの選手が期待外れに終わった前半戦だったが、レオ・シルバの代役として期待されたものの、全くフィットせず半年でチームを去ったブラジル人MFを選出。リーグ戦出場はなく、チームにとっては取り返しのつかない大きな誤算となった。 ◆現状的にJ1残留は至難の業 ▽残留に向けての見通しは非常に厳しい。守備が不安定な上に得点力が乏しく、攻守に課題山積の状況だ。監督交代も効果を見せることなく残留圏内の北海道コンサドーレ札幌とは8ポイント差と、奇跡に近い残留を果たした昨季以上に厳しい状況となっている。2004年から戦ってきたJ1の座を死守するのは至難の業となりそうだが、新戦力のストライカーであるタンケの働きに命運が懸かっていると言えそうだ。 2017.07.10 16:30 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】まだまだ試合はないけれど…

▽「男子ならではできる技ね」そんな風に私が頷いていたのは土曜日、アスレティックの選手全員が高校球児のように頭を丸め、リハビリトレーニングに来たジェライを迎える映像を見た時のことでした(https://www.youtube.com/watch?v=4sgRFoFBa5E)。いやあ、彼は6月のU21ユーロのスペイン代表に選ばれながら、ポーランドに経つ直前、2月に完治していた精巣ガンの再発が発覚し、無念のリタイアをすることに。その後は抗がん剤や放射線療法を受けていたため、坊主頭になっていたんですが、リーガ1部20チーム一番乗りの早さで先週からプレシーズンを開始していたチームメーートたちが当人を励ますため、ロッカールームで互いにバリカンで刈り合って、連帯感を示すことにしたのだとか。 ▽これには1人として例外はなく、U21ユーロに参加していたため、まだ休暇中のウィリアムスとケパ・アリサバラガも日付を合わせてスキンヘッドにしていましたけどね。ああも皆さん、同じ容貌になってしまうと試合の時、ファンには誰が誰なのか、なかなか区別がつかないかも。ジガンダ新監督の下で臨むアスレティックの新シーズン、最初の公式戦は7月27日のヨーロッパリーグ予選3回戦1stレグ。どこのスペインのクラブより早いんですが、その頃にはそれぞれ、特徴のある髪型ができるぐらいまで毛が伸びていてくれる?とりあえず、8月末に復帰するジェライのため、少なくともELプレーオフまでは勝ち抜いて、グループリーグ出場権をプレゼントできるといいですよね。 ▽まあ、そんなことはともかく、このところ何かと話題が多いのはそのU21ユーロに出場していた選手たちで、いえ、スペインは決勝でドイツに1-0で負け、惜しくも準優勝に終わったんですけどね。それにも関わらず、大会MVPに選ばれたベティスのセバジョスをレアル・マドリーとバルサが獲り合っているというニュースが日々、マスコミを賑わせていたんですが、とうとうこの土曜には当人が前者のオファーを受けることを決断したという報が。契約破棄金額1500万ユーロ(約19億円)を超える1800万ユーロ(約23億円)の移籍金で、6年契約を月曜に結ぶ予定だそうですが、あれ、その日は先週水曜にマドリー移籍が公式に発表されたテオのプレゼンが組まれてなかった? ▽うーん、アトレティコのカンテラーノ(Bチーム出身の選手)で、昨季はアラベスにレンタル移籍して活躍した19歳の彼は休暇でアメリカに滞在中、先日、契約延長をしたばかりの年子の兄、ルカスの立場も思いやらずに「マドリーでプレーすることが子供の頃からの夢だった」とTVカメラの前で告白。クラブ関係者がこれに気分を害したせいもあってか、オフィシャルウェブでの移籍決定のお知らせ(http://www.atleticodemadrid.com/noticias/theo-hernandez-traspasado-al-real-madrid)でも、当人は「nunca llego a debutar en partido oficial con el primer equipo/ヌンカ・ジェゴ・ア・デブタル・エン・パルティードー・オフィシアル・コン・エル・プリメール・エキポ(トップチームの公式戦でデビューするには至らなかった)」と嫌味に強調されたりしていたんですけどね。 ▽ええ、U21ユーロ後はお兄さんのジョナタン(2部Bのアルコジャノ)やアーロン(2部テネリフェから同オビエドに移籍)らと共にニゲス・カンプス(少年少女向け夏のサッカースクール)で指導に当たり、金曜に上京。この夏はFIFA処分で新規選手登録ができず、当然、華々しい入団プレゼンもできないせいか、6月のコケに続いて契約延長プレゼンをビセンテ・カルデロンのVIPルームで開いてもらったカンテラの先輩、サウルも「ウチのユース出身なのに育ててもらったクラブにリスペクトの気持ちを示せないなんて。El que no quiera estar con nosotros no nos importa/エル・ケ・オー・キエラ・エスタル・コン・ノソトロス・ノー・ノス・インポルタ(ボクらといたくない選手のことなんか、どうでもいいよ)」と、テオにはかなり冷たかったですからね。 ▽その上、これからプレーするクラブでもお披露目の日を、モドリッチの後継者と目されているセバジョスの移籍契約のタイミングにぶつけられてしまうとなれば、マルセロと競う左SBのポジション争いもこの先、思いやられてしまいますが、まあそれも自身が選んだ道。残念ながら、サンティアゴ・ベルナベウの特設ステージでのプレゼン時、兄のルカスはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプに参加しているため、立ち会うことはできないでしょうが、もう翌日には当人もチームと一緒に本場のロサンジェルスへ出発ですからね。意外とこういうちょっとした(?)差に憧れて、リッチなマドリーに行ってしまう選手もいるのかもしれませんよ。 ▽え、金曜にサウルを私が見に行ったということは、U21代表の同僚であるバジェホの方はすっぽかしたのかって?その通りで、最初は私もマドリーのこのプレシーズン、初の入団プレゼンを楽しみにしていたんですけどね。これもまた、テオのことだけでなく、FIFA処分もお隣さんのようにCAS(スポーツ仲裁裁判所)に移籍市場1回分に減刑してもらえなかったアトレティコがまさか、計算してぶつけたんでしょうか。 ▽どちらも午後1時スタートのイベントだったとなれば、いえ、夏ごとにどこかの路線が整備で運休となるマドリッドのメトロ(地下鉄)が今年は5号線を選択。おかげでせっかくピッチに芝も戻り、7、8月はまだスタジアムツアーもできるビセンテ・カルデロンへは、セルカニアス(国鉄近郊路線)を使わないとたどり着けないというのはわかっていましたけどね。何せ、バジェホの移籍が決まったのは2年前。ここ2シーズンは古巣のサラゴサ(2部)、アイントラハト・フランクフルトにレンタル中だったいうこともありますし、大体、彼はまだ20歳なんですよ。 昨季で契約が切れ、先日にはベシクタシュ加入が決まったCBペペの後釜として、すぐにジダン監督に使ってもらえるのか疑問がありますし、となれば、やっぱり私がユーロ大会でお隣さんのアセンシオを上回るゴールを挙げ、ボタ・デ・オロ(得点王)に輝いたサウルを選んでしまったとしても仕方なかったかと。ちなみにそのプレゼンでは先輩のコケ程の大泣きではありませんが、アトレティコの少年チームでプレーしていた時代の思い出写真や2012年に17歳でトップチームデビューをした試合のビデオを見せられた当人が壇上で涙ぐむシーンも。 ▽2026年までという、超長期契約になったのには「ミゲール・アンヘル(筆頭株主)が契約延長の話を持ってきた時、向こうの好きなだけの期間、サインすると言ったよ。Yo quiero mejorar, crecer y hacerlo con el Atletico de Madrid/ジョ・キエロ・メホラル、ウレセル・イ・アセールロ・コン・エル・アトレティコ・デ・マドリッド(ボクは上手くなって成長したい。それをアトレティコでやりたいんだ)」と言っていましたが、そうですね。当面はユーロ決勝のようにプレーのレベルが落ちる試合を減らすことを課題にしてくれることを望みます。 ▽そんなサウルはプレゼン後、再びバケーションに戻り、今月末までチームに合流はしないんですが、実はアトレティコのプレシーズン練習はこの木曜にスタート済み。ええ、前日にフェルナンド・トーレスの契約1年延長も正式に決まったため、初日は私も頑張ってマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場まで見学に行ったんですが、いやあ、こんなこともあるんですねえ。例年なら、猛暑の中のセッションとなるはずが、たまたまその日から、スペイン中で気温が急激に下がったから、私もビックリしたの何のって。おかげで過去にはビエット(昨季はセビージャにレンタル)やメンサー(同ビトリア)らがオルテガ・フィジカルコーチの厳しいメニューについていけず、途中で吐いたりしていたものですが、やはり20度ぐらいしかなく、練習の後半は雨混じりともなると、選手たちもバテなくて済む? ▽ただ翌日からは、別にまた暑くなった訳ではないものの、セッションが午前8時開始と非常に早い時間に設定。さすがに私も金曜、土曜は付き合うことはできなかったんですが、まだこの段階では昨季リーガ終了後に各国代表戦に参加していたメンバーが欠けていますからね。その間、ビエットがpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)中にchilena(チレア/オーバーヘッドシュート)を試み、ヘルプ要員で参加しているカンテラーノの額を蹴って、流血騒ぎなっていたなんてこともあったんですが、大丈夫。大きなケガではなかったようで、その彼も日曜夕方に揃って移動するキャンプには同行できるようです。 ▽そして週明けからはゴディンやヒメネス、フィリペ・ルイスら中南米組、オブラク、サビッチ、カラスコらが加わり、水曜にはコケとグリースマンも合流。21日まで1日2セッション、3セッションとある猛練習をこなした後、親善試合も始まります。そうそう、来年1月加入予定の選手候補だったビトロは契約破棄金額の4000万ユーロ(約52億円)をセビージャに払い、シーズン前半は古巣のラス・パルマスでプレーする方向でほぼ固まったようですが、試合に出ずにアトレティコで練習していてもらうと言われているジエゴ・コスタについてはまだ、チェルシーとの交渉も始まっていないとか。うーん、そろそろコンテ監督のチームもプレシーズンが始まりますしね。その空きを待っている選手もいるため、早いところ話を進めてもらいたいものですが、というのも…。 ▽そう、モラタの移籍先としてほぼ確定とされていたマンチェスター・ユナイテッドが土曜にはルカクをエバートンから1億ユーロ(約130億円)で獲得したことを発表。ポジションもかぶりますし、更にマドリーに移籍金8000万ユーロ(約104億円)を払うことはないだろうという話になっているんですが、これには6月にベネチアでイタリア人モデルのアリス・カンペッロさんと結婚式を挙げてから、熱々のハネムーン写真を披露(https://www.instagram.com/alvaromorata/?hl=ja)してばかりだった当人も一気に現実に引き戻された? ▽何せ、マドリーも来週の月曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)に集合して、翌日にはアメリカへ出発ですからね。モラタもそのメンバーに入っているんですが、モウリーニョ監督もUCLAの施設がお気に入り。あちらでは一足先に200メートル離れたグラウンドでマンチェスター・ユナイテッドが練習を始めているため、移籍が決まればすぐさま歩いて新天地となるチームに合流できると思っていたかもしれませんが、そうは問屋が卸さないことに。ちなみにジダン監督はモラタの残留を望んでいますが、そうなるとモナコからエムバペが来られなくなってしまうかもしれませんしね。 ▽ここまでのところ、セバジョスは全然、高額ではありませんし、その他、この夏のプレゼンが移籍金2600万ユーロ(約34億円)のテオ、無料のバジェホに、同じくRMカスティージャ出身で昨季はアラベスにレンタルに出ていたスペインU21代表の同僚、マルコス・ジョレンテだけなると、選手獲得に大枚をはたくのが好きなペレス会長がちょっと欲求不満になってしまう可能性もなきにしろあらず。 ▽もちろん同じく来週月曜に始動するマドリッドの弟分チーム、今のところ、降格したスポルティングからGKクェジェルの入団が決まったぐらいのレガネスや昇格プレーオフの死闘を戦い抜いた後、まだ昨季のレンタル移籍選手の買い取りオプションを行使した程度。練習開始も17日からと遅いヘタフェなどから見たら、本当に羨ましい話なんですけどね。 ▽ただ、土曜のマルカ(スポーツ紙)にインタビューが掲載されたモドリッチなども「Yo solo ficharia si alguien te puede mejorar bastante lo que hay/ジョ・フィチャリア・シー・アルギエ・テ・プエデ・メホラル・バスタンテ・ロ・ケ・ハイ(自分なら、今のチームを相当、良くすることができる選手だけを獲得するだろう)」と言っていましたが、確かに2年連続CL優勝を果たし、昨季はリーガも制覇したチームをもっと強くできる選手を見つけるのは難題中の難題。そういう意味ではマドリーにも苦労はあるんですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.09 11:00 Sun
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【倉井史也のJリーグ】すっかり浦和の監督問題にばかり注目が行ってますが?! の巻

▽まずは今回の大雨で被災された方々にお見舞いを申し上げます。どうかみなさまが一刻も早く元の生活に戻れますようにお祈りいたします。 ▽さて、浦和の監督がサポーターの前で連勝できなかったら辞めるだの何だの言った話をちょっと。 ▽いや、そりゃ次の浦和の対戦相手の新潟はビックリですよ。「え?ウチとの試合ってそんなん懸かってるの?」って。ついでに次の天皇杯の相手、熊本も「え?ウチの試合もそんなん?」的な気持ちになってるんじゃないかと。でもって、もしかしてリーグ戦のその次の相手のC大阪は「ウチ、関係ないよね、頼むよ」って心配してるんじゃないかなと。実は15日に対戦するドルトムントも心中穏やかじゃなかったり——ってワケないか。 ▽ただ浦和のおかげで、リーグ全体に緊張感が走ったところで! なんと今週が終わるとリーグ戦はちょっと中断。うーん、クライマックス的なところまでに時間をかけるなんて、なかなか演出、あるじゃないですか。あ、そう書くと新潟が負ける前提じゃないのって思われそうだけど、新潟が勝っても、そっからどうするのかってことで、今季の浦和のクライマックスの一つが来ちゃうんですよ。 ▽だって、まだACL残ってるのに、今なの? こんなに突発的に監督を変えたら次、どうすんの? あ、もしかしてあの監督が辞任したから……いやいや、それは流石に浦和のプライドが許さないでしょ。でも、路線を引き継いで優勝させられる監督ってことで実績があるんだよなぁ。 ▽ってことで、その浦和vs新潟ってのに注目集まりますけど、他にも長谷川健太監督が日本平に乗り込む清水vsG大阪だったり、森重真人の負傷で代表DF対決がなくなったFC東京vs鹿島だったり、広島がどの路線を進むのか注目される横浜FMvs広島だったり、上位対決のC大阪vs柏だったり、ポドルスキのコメントが聞きたい神戸vs仙台だったり、いろんな注目カードがあるわけです。浦和の話のインパクトがデカかったから、ちょっとみんな目を奪われがちだけど、Jリーグ、いろんな話題がありますからね〜。 ▽あ、そう言えば神戸の監督の件ってどうなったんでしたっけ?【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.07.07 12:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】コンフェデ杯やはり最後に勝つのはドイツだった

▽ロシアで開催されたコンフェデ杯は、世界王者のドイツが南米チャンピオンのチリを1-0で下して初優勝を飾った。結果こそ順当だが、ドイツは平均年齢24歳と“代表Bチーム"の布陣。リーグ戦が終わったばかりの開催とあって、主力抜きでの快挙だった。 ▽ドイツといえば、96年のEUROで優勝した際に、開催国の解説者を務めたガリー・リネカーが「サッカーは11人でやるスポーツだが、最後に勝つのはドイツだ」と名言を残した。それだけ強さの際立つ国でもあった。 ▽古くは66年イングランドW杯で準優勝すると、70年メキシコW杯は3位。74年に自国で開催したW杯で2度目の優勝を遂げる。78年アルゼンチン大会でベスト8に終わると、フォクツ監督は批判にさらされた。それでも82年スペインW杯と86年メキシコW杯は準優勝。そして90年イタリアW杯では3度目の優勝を果たす。 ▽94年アメリカW杯と98年フランスW杯は、いずれもベスト8で敗退。さらに00年のEUROはグループリーグで敗退すると、サッカー大国の威信をかけて「自国選手の育成プログラム」を立ち上げ、長期的な強化に取り組んだ。 ▽とはいえ、2年後の日韓W杯で準優勝すると、06年の自国開催となったW杯でも3位となりクローゼが得点王を獲得。10年南アW杯も3位でトーマス・ミュラーが得点王と、それなりに安定した成績を残している。 ▽それでもドイツにとって、W杯やEUROでベスト8や3位では満足のできる成績ではなかったのだろう。日本だけでなく、ブラジル以外の国からすれば羨ましくなるほど高い目標設置だ。そして14年ブラジルW杯では王国を粉砕して4度目の世界王者に輝く。コンフェデ杯優勝はW杯連覇への“足慣らし"といったところだろうか。 ▽さて、そのコンフェデ杯だが、今大会を最後に大会方式の見直しが検討されている。夏の開催だと今回のドイツのように、“2軍"チームを送り込んでくる可能性が広まるのと、次回のW杯はカタール開催のため、コンフェデ杯もW杯同様に11月~12月開催になることが予想されているからだ。 ▽国内リーグの日程を2年連続して秋春から、春秋開催に変更することへの抵抗感。それにともなうCLやELの日程調整など、ヨーロッパの国々からすれば大きな負担になる。一番手っ取り早い解決策は、最近もFIFAの内部調査で招致に疑惑のあったカタール開催を取りやめ、招致に手を上げた日本やアメリカで開催すること。 ▽しかし、それも早く決めないと代替国の準備は間に合わない。さらに現在のカタールは、政治的・宗教的な対立からサウジアラビアを始めUAEなど中東5カ国から国交を断絶され、人的にも物資的にも交流が滞っていると聞く。まだ22年のW杯まで5年の猶予があるものの、果たして間に合うのか。最近のFIFAは民主的になったものの、以前のような強力なリーダーシップを発揮できていない印象があるだけに、こちらも気になるところだ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.07.06 13:08 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】もう練習している…

▽「ちょっと早すぎじゃないかしら」そんな風に私が驚いていたのは月曜。前日にメディカルチェックの様子がTVに流れていたアスレティックに続き、ここ数日は猛暑も影を潜めてはいるんですけど、夏の殺人的な暑さには定評のある地元でセビージャがベリッソ新監督に率いられ、朝8時半からプレシーズンのトレーニングを開始したというニュースを見た時のことでした。いやあ、確かに昨季のリーガは5月21日に終わり、その前は3期連続してあった恒例のヨーロッパリーグ決勝もなかったため、選手たちもそろそろ体を動かしたい気分になっていたかもしれませんけどね。 ▽7位で終わったアスレティックの場合、今月27日にEL予選3回戦1stレグが待ち受けていますし、バルサに行ってしまったバルデベルデ監督の後を継いだジガンダ新監督が張り切っているため、納得もできるんですが…。セビージャはCLで決勝トーナメントに進出してしまい、EL4連覇とはいかず、この夏のUEFAスーパーカップはありません。さらに、彼らの今季最初の公式戦は8月15、16日のCLプレーオフ1stレグなんですよ。また、UEFAスーパーカップに2連連続のCL王者として、EL王者のマンチェスター・ユナイテッドと対戦するレアル・マドリーでさえ、プレシーズン開始は11日だというのに…。セビージャは異例の早期始動。もしやこれって、今季こそアトレティコの定位置であるCLグループリーグ出場権のある3位奪取を果たしてやるという、セビージャの意気込みの表れだった? ▽いえ、そういうアトレティコもこの木曜には炎天下のマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で選手たちの体力テストがスタート。9日の夕方にはロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)に移動して、月曜から地獄のキャンプとなりますから、別にそれ程、後れを取っている訳ではないんですけどね。22日の土曜には毎年恒例のメモリアル・ヘスス・ヒル杯でヌマンシア(2部)と対戦して、翌日にはメキシコへ行き。25日にトルーカとの親善試合をこなしてすぐ帰国すると、8月1、2日はミュンヘンでアウディ・カップに臨み、初日のナポリ戦の後、バイエルンかリバプールと決勝or3位決定戦をプレーすることに。さらに6日にもイギリスに飛んで、今季からプレミアリーグで戦うブライトンと親善試合となかなか密な予定が組まれていますが、公式戦が8月19、20日のリーガ1節までないというのは結構、有難いことかも。 ▽というのも昨季など、お隣さんはジダン監督のローテーション政策が効を奏して肝心な試合で息切れすることはなし。未成年選手獲得における規則違反で受けたFIFA処分もCAS(スポーツ仲裁裁判所)のおかげで、新規選手登録できないのは今年の1月の1回だけに減ったため、放出予定の左SBコエントランの代わりに早速、テオ(昨季はアトレティコからのレンタルで、アラベスでプレー)を獲るなど、穴埋めも滞りなく行えるのとは違い、この夏もシメオネ監督は新戦力をアテにできませんからね。 ▽ジエゴ・コスタ(チェルシー)だ、ビトロ(セビージャ)だと騒いでいるのはあくまで来年1月に向けてで、それまでは一応、負傷離脱が長期に渡ったアウグストやヴァルサリコらは帰って来るとはいえ、リーガ前半戦とCLグループリーグは昨季とほぼ同じAチームメンバーで賄わざるをえず。となれば、出ずっぱりとなる選手たちには極めて高い体力をつけてもらう必要があるから。とりわけ先週の金曜まで、誰よりも長いシーズンを過ごしたサウールなど、恥骨炎の症状も出ていることから、この月末に遅れてプレシーズンに参加したあと、まだ開幕まで間があるのは大いに助かるかと。 ▽え、それでそのサウールの今季最終戦となったU21ユーロの決勝はどうだったのかって? いやあ、私もまた彼の活躍をお伝えしたいと腕まくりをしていたんですが、もしかしてアトレティコ勢は決勝に勝てないというジンクスでもあるんですかね…。去年の夏もCL決勝でマドリーに負けた悔しさをバネにグリーズマンがフランスをユーロ決勝まで牽引していったんですが、最後はクリスチアーノ・ロナウドのポルトガルに敗北。同じシーズンに2つの国際ビッグトーナメントの決勝で負けるという不名誉な記憶を作っていたように、サウールもあと一歩が及ばなかったんですよ。もちろん彼だけの責任ではないのは確かですが、スペインU21代表の同僚、アセンシオ(マドリー)など、6月にカーディフでCLトロフィーを掲げていますからね。ダメージも少なくて済んだのでは? ▽ちなみにドイツとの試合の方は、「En la primera parte no hemos sido nosotros/エン・ラ・プリメーラ・パルテ・ノー・エモス・シードー・ノソトロス(前半のウチは自分たちでなかった)」とセラデス監督も後で言っていたように、チームにいつもの活発な攻める姿勢が見えず。そうこうするうち、40分にはジョニー(スポルティング)が自陣エリア近くで失ったボールが起点となり、トルヤン(ホッフェンハイム)のクロスをバイザー(ヘルタ)にヘッドで決められて、先制点を奪われてしまったから、驚いたの何のって。それでも準決勝のイタリア戦だって、前半は決して優勢だった訳じゃないのだからと、後半に私も期待を懸けていたところ…。 ▽その日はダメでしたね。8人もU21常連メンバーをコンフェデレーションズカップのレーブ監督率いるドイツBチームに引き抜かれ、決して知名度は高いと言えない選手たちで構成されたCチームの団結した守りにスペインは突破口が開けず。うーん、サウールやセバージョス(ベティス)もシュートは試みたんですが、とりわけ前者はイタリア戦のハットトリックで運を使い果たしましたかね。GKポラースベック(2部のカイザースラウルテンからハンブルクに移籍)を破ることはできず、サンドロ(マラガ)からウィリアムス(アスレティック)に、ボランチのマルコス・ジョレンテ(昨季はマドリーからレンタルで、アラベスでプレー)からFWのボルハ・マジョラル(同ボルフスブルク)とアタッカーを増やしても全然、得点できないんだから困ったもんじゃないですか。 ▽結局、そのまま試合は1-0で終わり、U21ユーロはドイツの優勝で幕を閉じたとなれば、実際、大会MVPに選ばれ、トロフィーとポーズさせられたセバージョスも少しも嬉しそうじゃありませんでしたしね。計5得点で大会得点王となったサウールなど、ゴールデンブーツを受け取るのを忘れてしまい、チームバスに乗っているところをわざわざ、中まで取りに行かされたなんて逸話も。これにはさすがにアトレティコも可哀想に思ったから、クラクフからバラハス空港に到着した翌朝、サウールの2026年までの契約延長を発表する気の遣いようでしたが、同時に契約破棄金額も8000万ユーロ(約103億円)から1億5000万ユーロ(193億円)とアップ。 ▽先日、一足早く延長のサインしたコケと同額になった当人は、クラブのオフィシャルサイトに上がったビデオで「Estoy muy contento porque en el Atleti somos una familia y no hay un sitio mejor en el que pueda estar/エストイ・ムイ・コンテントー・ポルケ・エン・エル・アトレティ・ソモス・ウナ・ファミリア・イ・ノー・アイ・ウン・シティオ・メホール・エン・エル・ケ・プエダ・エスタル(アトレティコは家族だし、自分がいられるこれ以上の場所はないから満足だよ)」と言っていましたが、2013年のU21ユーロ優勝チームの一員だったカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の先輩とタイトルでも肩を並べられなかったのは、ちょっと後悔が残るところかと。 ▽まあ、サウールの場合はこの大会を最後にU21から卒業する11人の1人で、GKケパ(アスレティック)、アセンシオ、ベジェリン(アーセナル)、デウロフェウ(決勝当日にバルサがエバートンから買戻しオプションを行使)らと共にA代表でもロペテギ監督のお覚えめでたいメンバーでもあることから、このリベンジは来年のW杯で果たせるかもしれませんけどね。できれば、その前にアトレティコで何かタイトルを獲れるよう、丁度、1日からはオフィシャルショップの看板も新しい紋章に衣替え。すでに物議を醸している新ユニフォームはまだ発売されていませんが、ワンダ・メトロポリターノにホームが移転する今季はツキが変わってくれるといいんですが。 ▽おかげで翌土曜は私もお祝いすることがなくなったため、丁度始まったrebaja(レバッハ/セール)巡りを兼ねて、ワールド・プライド2017(LGBTの権利を主張するフェスティバル)の最終日で賑うセントロ(市内中央部)を散策。主義主張を表明したい人々もきっといるんでしょうが、観光客も含め、コスプレやボテジョン(広場など屋外でやる酒盛り)のいい口実になっていたような。何せ、あのロエベのショーウィンドウまでがレインボーカラー(多様性を示すゲイ・プライド運動の象徴)でデコレーションされていましたからね。フィエスタの中心となるチュエカ地区に入る道では必ず警官が荷物チェック、グラン・ビア(市内中心の大通り)も全面通行止めにして、中央には鉄柵を並べている辺り、テロ対策も近頃は大規模にやっているんだなという感じでしたが、まあご時世柄、それも仕方ないのかも。 ▽そんなことはともかく、サッカーの話を続けると、日曜にあったコンフェデ3位決定戦ではポルトガルが後半アディショナルタイム、マドリーとの契約が終わっても、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)魂は持っていくつもりのペペのゴールでメキシコと同点に。延長戦では前半、アドリエン・シウバ(スポルティングCP)がリベンジPKに成功し、2-1で勝利。双子が生まれたばかりというのを理由に、クリスチアーノ・ロナウドのチーム離脱を認めたフェルナンド・サントス監督を安心させることになりましたが、マドリッドに一旦、戻ったはずの当人からは今もSNSでの写真以外、何の音沙汰もないため、移籍したいのか、チームに残留するのかの結論はまだ出ていません。 ▽うーん、この調子だと、31日にロナウドが脱税容疑でマドリッドの裁判所に出廷した後、ロスアンジェルでキャンプ中のチームに合流するまで、白黒つかない気もしますが、それに応じて、早々にリヨン行きが決まったマリアーノはともかく、モラタやハメス・ロドリゲスの移籍を許可するかどうか、ムバッペ(モナコ)やセバージョスを獲得すべきなのかどうか、クラブの方針も変ってきますからねえ。できれば、早めに答えを出してもらいたいところですが、さて。そうそう、ジダン監督の長男で昨季はたまにベンチに入っていたエンソはアラベスへのレンタル移籍が決定。U21ユーロで実力を示したマルコス・ジョレンテやバジェホのように外のクラブで修業して、トップチーム入りを勝ち取れということのようです。 ▽そしてコンフェデ決勝はドイツがマルセロ・ディアス(セルタ)のミスを利用、バーナーが奪ったボールをシュティンドルが決めて奪った1点で、アレクシス・サンチェス(アーセナル)やアルトゥロ・ビダル(バイエルン)のいるチリに0-1と勝利して優勝。もうBチームとCチームでdoblete(ドブレテ/ダブル優勝のこと)なんてこと、あっていい? どうもこのまま行くと、来年のW杯でスペインが復権するのは難しいように思えてしまうんですが、まあ、それはかなり先の話。来週の月曜にはマドリッドの弟分、レガネスも始動しますし、昇格プレーオフで国内では誰より、長く戦った末、1部Uターンを果たしたヘタフェも17日には練習を始めるため、私もそれまでに英気を養っておかないといけませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.07.04 12:00 Tue
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【倉井史也のJリーグ】この戦いが低レベルだったらJリーグはもうお終いですわ?! の巻

▽先週はお休みして申し訳なかったのだ。季節外れの風邪でぶっ倒れてしまった。医者から「何かストレスになることはありましたか?」って言われたんだけど、日本のサッカーファンならわかってくれるはずですよね? ▽で、実は鎌田大地の「第一章日本編 最後のゲーム」を見に行こうと思ってたのに、そっちもすっ飛ばしてしまった。すると、エライことになってたじゃないですか! ▽まぁでもやっぱり浦和はすごいなぁって。だってリーグ戦3連敗でしょ? 3連敗するともうこの世の終わりですよ。ハルマゲドンですよ。カタストロフですよ、ホメオスタシスですよ、ストロガノフですよ。 ▽だってそんなこと言ったら、札幌は6連敗中、新潟も4連敗中、広島だって3連敗中なのだ。補強力がすごい神戸だって連敗中だし、FC東京も連敗で今週末を迎えるのですよ。 ▽……って考えると、もしかして連敗以下で今節を迎えるチームって、この6チームだけ? ま、そりゃ浦和が焦るわけもわかるってもんでして(汗)。 ▽じゃ、この連敗チームの中でどの試合が一番面白そうかというと、もうこりゃ浦和vs広島じゃないですか。知った顔がお互いにたくさんいる相手だし、さすがの広島もG大阪から丹羽大輝とパトリックを獲得して、戦力整え始めましたからね。 ▽そりゃ広島は現在17位ですけど、ワタシゃ悪いサッカーしてるとは思ってません。積極的にボールを保持して自らアクションを起こしていて、あれ? 何か指揮官変わった? みたいに思うこともあるけど、広島の選手の質の高さも相まって、これがなかなか面白いんですよ。 ▽あとはどうやって点を取るかだけ。最も難しくて最もお金がかかるとこなんですけど、そこが解決できれば広島のサッカーって、Jリーグを代表してもおかしくないくらいじゃないのかなって。あ、持ち上げすぎた。 ▽でも、こ、こ、これは浦和の大ピーンチ! つーか不思議なもんで、埼玉のチームって「ヤバイよ、ヤバイよ」って言ってるときのほうが余裕持ってるときよりもよかったりすんですよね。 ▽ともかく、お互いに連敗脱出というか、相手を4連敗にさせちゃうというか、そんなこと書くとすごく低レベルに聞こえるけど、きっと楽しいだろう試合は1日19時、埼玉スタジアムなのでした〜。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.06.30 11:51 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】成長が著しすぎて…

▽「これはもしや渡りに舟?」そんな風に私がポジティブに考えようとしていたのは木。ガメイロが恥骨炎の手術を受け、全治2カ月。その間、前線でグリーズマンとペアを組める選手がフェルナンド・トーレスとコレアしかいないという状態で、アトレティコはリーガ開幕を迎えるという記事を読んだ時のことでした。いえ、FIFAからの処分で新規加入選手は望めないものの、7月6日に始まるプレシーズンにはビエット(昨季はセビージャにレンタル)が戻って来ますけどね。 ▽他にも昨季のレンタル先であるポルトで活躍していたらしいジオゴ・ジョタ、さらにテネリフェで1部昇格プレーオフ決勝まで頑張ったカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)のアマトら、幾人かFWのアテがない訳ではないんですよ。 ▽ただ、、ズラタン・イブラヒモビッチ(マンチェスター・ユナイテッドを退団)はまあないかと思いますし…。ジエゴ・コスタ(チェルシー)やビトロ(セビージャ)がやって来られる1月まで、シメオネ監督も腹をくくるしかないかと。その期間は、U21ユーロのスペイン代表を率いるセラデス監督同様に、サウールをもっと上の位置で使って、チームの得点力アップに役立てようと思ってくれるかもしれませんね。 ▽ちなみにどうしてそういうことになったのか、お話ししていくことにすると…。先週、3連勝でグループリーグを突破したスペインはこの火曜、準決勝で強豪イタリアと対決。といっても相手には大人の代表程、有名な選手はいなかったんですが、前半は拮抗した展開が続きます。それどころか、GKケパ(アスレティック)がペッレグリーニ(サッスオーロ)のシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)して救われるという危ない場面もあったんですが、大丈夫。このRojita(ロヒータ/U21スペインの愛称)には優れた人材が溢れているんです。 ▽その中でも、「Llevaba bastante tiempo esperando este momento/ジェババ・バスタンテ・ティンポー・エスペランドー・エステ・モメントー(この瞬間をずっと待っていた)。自分の人生にとって最も大事な試合の1つで、それを利用することを知っていた」と意気込むセバジョスが52分にも敵エリア前で何人ものDFをかわしてサウールにラストパス。すると、初戦のマケドニア戦、2戦目のポルトガル戦でも先制点を決めていたアトレティコのカンテラーノはこの日も的を外さなかったんです! ▽おまけにその5分後にはガリアルディーニ(インテル)が一発レッドで退場し、これでスペインは決勝に向かってそのまま突っ走るかに思われたんですが、もちろん世の中、そんなに簡単には行きません。ええ、イタリアでは1人、図抜けて存在感があったベルナルデスキ(フィオレンティーナ)が守備陣の乱れを突くと、62分にエリア前からシュート。このボールがバジェホ(昨季はアイントラハトにレンタル、マドリーに復帰予定)に当たり、同点ゴールになってしまうとは、まったく油断ならないじゃないですか。 ▽そこですぐさま流れをスペインに引き戻したのがサウールで、その3分後に今度はエリア外からGKドンナルンマ(ミラン)を破ってしまったから、私も呆気に取られたの何のって。いえ、それどころか、74分にもアセンシオが折り返したボールをネットに収め、とうとうハットトリック達成って、ちょっと!! そんなクリスチアーノ・ロナウドやメッシ、アトレティコならファルカオ(現モナコ)やグリーズマンら、スーパーFWだけの専売特許技ができるなら、何でMFなんて名乗っている? ▽いえ、グループ1節のマケドニア戦で3ゴールを挙げたアセンシオもMFですけどね。彼はジダン監督のBチームメンバーでプレー時間もそれなり。となると、恐るべきは「El hambre que tiene cada vez que viene con nosotros es tremenda/エル・アンブレ・ケ・ティエネ・カーダ・ベス・ケ・ビエネ・コン・ノソトロス・エス・トレメンダ(ウチに来る時、毎回の彼のハングリー精神は凄まじい)」(セラデス監督)のもありますが、あれだけシーズン中、人手不足のアトレティコで出ずっぱりだったにも関わらず、この時期になっても衰えないサウールの体力だったかも。ええ、これには先週末の1部昇格プレーオフ2ndレグに柴崎岳選手との交代で出場。最後はヘタフェに及ばなかったものの、そのテネリフェで2部の超ロングシーズンを過ごしたお兄さんのアーロンもビックリしていたんじゃないでしょうか。 ▽そのままスペインが3-1で勝利、決勝進出を果たした後には、「Es el primero que consigo y lo voy a cuidar muy bien/エス・エル・プリメーロ・ケ・コンシーゴ・イ・ロ・ボイ・ア・クイダル・ムイ・ビエン(初めてのハットトリックだから、よーく面倒看るよ)」と、いそいそと試合球をお持ち帰り。そんな素晴らしい活躍を見せているサウールについて、アトレティコのセレソ会長は「サウールはアトレティコと長期契約をしているから、no se va a ir a ningun sitio/ノー・セ・バ・イル・ア・ニングン・シティオ(どこにも行かない)」と断言してくれましたし、契約破棄金額も今の8000万ユーロ(約103億円)から、グリーズマンやオブラク並の1億ユーロ(約128億円)に上げるようですしね。できれば、新スタジアムのミックスゾーンで私も来季、お目にかかりたいかと。 ▽え、これでドイツと王座を懸けて戦うことになったスペインだけど、他の選手たちが目標だった決勝進出を叶えて喜ぶのに留めているのと対照的に、サウールだけが「Este equipo se merece ser campeon/エステ・エキポ・セ・メレセ・セル・カンペオン(このチームはチャンピオンになるに値する)」と強気だったのは印象に残らなかったかって? まあ、アトレティコではあと一歩というところで、なかなかタイトルが獲れませんからね。その分、彼も周りに上手な選手の多い代表では貪欲になってしまうんだと思いますが、今回、スペインがツイているのは、相手のドイツは現在、コンフェデレーションズカップにも出場中。 ▽そちらにはクロース(マドリー)やエジル(アーセナル)、ケディラ(ユベントス)、ミュラー、ノイアー(バイエルン)といった、来年開催のW杯予選を戦っている主力メンバーを呼ばず、大会最少の平均年齢23.8歳という若手チームで挑んでいるため、U21に出ている選手たちなど、輪をかけて、馴染みのないメンバーになっていることですが、まあ決勝は決勝で結果の読めない試合ですからね。木曜にコンフェデ準決勝でメキシコを4-1と圧倒したドイツBチームも相当、強かったですし、今回のCチーム、U21ドイツの選手たちも「スペイン相手には汚いプレーをしないといけない。小さなファールから始めて、楽しくサッカーする気分を失わせないと」(メイヤー、シャルケ)とか、「ちょっとホットな戦いをしてやれば、彼らは嫌がるだろう」(ポーラースベック、2部のカイザースラウルテンからハンブルクに移籍)なんて、物騒なことを言っているため、用心は必要かと。 ▽一方、予定が大きく変わってしまったのはその前日、水曜のコンフェデレーションズカップ2017準決勝でプレーしていたロナウド。いやあ、チリと0-0で延長戦に突入したまでは良かったものの、まさか続くPK戦でクアレスマ(フェネルバフチェ)、モウチーニョ(モナコ)、ナニ(バレンシア)がGKクラウディオ・ブラボ(マンチェスター・シティ)を前に次々と失敗。相手はアルトゥーロ・ビダル(バイエルン)、アランギス(レバークーゼン)、アレクシス・サンチェス(アーセナル)が3人とも成功したため、当人まで順番が回らず、0-3で負けるって、ほとんどありえないシナリオじゃない? うーん、確かに彼には2012年ユーロ準決勝のスペイン戦でも最後のキッカーを買って出て、結局、蹴る前に負けが決まった経験がありますけどね。 ▽昨年のCL決勝ではそれこそ、ファンフランがポストに当てた後、マドリーの5本目を決め、ウンデシマ(11回目のCL優勝のこと)を引き寄せた記憶の方が、2012年のCL準決勝バイエルン戦で第1キッカーを務め、見事にノイアーに弾かれたことより新しい出来事となれば、この順番を選んだのも決して責められないかと。まあ、日曜にはコンフェデ決勝観戦を楽しむつもりだった私もマドリッド勢のいないチリvsドイツになってしまった不運を嘆くしかありませんが…。また、開催時間も午後2時(日本時間午後9時)と丁度いいし、3位決定戦でのリベンジを期待していたロナウドファンには残念なお知らせが。 ▽というのもこの試合の直後、ポルトガルサッカー協会は彼の代表離脱を許可。子供が生まれたばかりなのに参加していたからだそうですが、え、そうだったんですか? 丁度、当人もこれがいい機会だと思ったのか、自身のフェイスブックで「ようやく息子たちと初めて一緒にいられることになって嬉しい」と公表していましたが、でもまた代理母出産なんですよね。 ▽実はすでにその噂は3月頃からあって、サン(イギリスのタブロイド紙)などでは双子の男女でマテオ君、エバちゃんと名前まで出ていたんですが、どうやら6月8日には無事出産が済んでいたよう。7歳になる長男のクリスチアーノ・ジュニア君同様、ロナウドの母、マリア・ドロレスさんがアメリカまで迎えに行ったとかで、うーん、これって、かつての彼女、ロシア人モデルのイリーナさんもそうでしたが、現カノのジョルジーナさんもまったく立つ瀬がないんじゃないかと思ってしまう女性はきっと、私以外にもいるかと。 ▽まあ、それはともかく、木曜の夕方には2人の赤ちゃんを抱いているロナウドの写真も投稿されている状況なので、マドリッドで待っているペレス会長がロナウド慰留のため、話す機会を設けるのもまた、ちょっと先になってしまうかもしれませんが…。幸い、水曜夜にラジオ出演した会長は「Estoy convencido de que va a seguir/エストイ・コンベンシードー・デ・ケ・バ・ア・セギール(彼が残留することを確信している)」と楽観的。何せ、ロナウドが動けば、「Si traemos a Mbappe, quien sale?/シー・トラエモス・ア・ムバッペ、キエン・サレ(もしムバッペ獲ったら、誰が出て行く?)」と彼が言っていた、モナコの18歳を1億3000万ユーロ(約167億円)出して、本当に獲っちゃうかもしれませんし、そしたらイロイロ玉突きで強豪チームのFW大移動が始まる可能性も…。 ▽その一方で、7月11日になれば、ジダン監督もチームを率いて、こちらは本家、アメリカのロサンジェルスキャンプに出発しないといけませんし、23日のユナイテッド戦を皮切りにプレシーズンマッチではバルサ戦、カカやビジャ、シュバインシュタイガーといった大物も出場するかもしれないMSL選抜戦と、面白そうなカードが幾つもあるとなれば、できれば7月上旬ぐらいは静かであってほしいと願ってしまうんですが、さて。とりあえず一時の猛暑は収まり、ここ数日は涼しすぎるぐらいになってしまったマドリッドなだけに、私もバケーションの計画を練るのに最適な環境をゲット。その間には大きな移籍騒ぎは起きないでほしいものです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.30 11:50 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】障がい者サッカーの日本代表ユニが完成。第一陣は電動車椅子の日本代表が着用

▽障がい者サッカーの日本代表統一ユニフォームの発表会が6月29日にJFAハウス1階のヴァーチャルスタジアムで開催された。これまで障がい者サッカーは独自路線を歩んできたが、昨年4月に7つの障がい者サッカー競技団体が「日本障がい者サッカー連盟(JIFF)」を設立し、JFA(日本サッカー協会)の加盟団体となった。北澤豪JIFF会長によると「新年度はパートナー企業8社で資金面をサポートしてくれた」そうだ。 ▽各団体はそれぞれ日本代表として国際大会に参加してきたものの、ある1つの願いがあった。それは「SAMURAI BLUEと同じユニフォームでワールドカップやパラリンピックに出たい」というものだった。 ▽今回、日本代表の統一ユニフォームが発表されるということで、彼らの願いが実現するのか期待したものの、残念ながら希望は叶わなかった。その理由を出席した田嶋JFA会長は「選手はSAMURAI BLUEのユニフォームを着たいとの希望があったが、実現できなかった。それは今まで協賛してきた企業の歴史があるため」と話し、「それでも半歩進んだ」と将来に含みを持たせた。 ▽新しいユニフォームは、フィードプレーヤーがオールブルーとオールホワイトの2種類で、GKはオールグリーンとオールイエローの2種類。いずれもアディダス製で、2021年の3月までサプライヤーとしてサポートすることが決まっている。 ▽では、なぜSAMURAI BLUEのユニフォームを着ることができないか、田嶋会長の言葉をもう少し詳しく説明すると、日本代表にはオフィシャルサプライヤーとしてアディダス ジャパンが、オフィシャルパートナーとしてキリン3社がある。さらにサポーティングカンパニーとしてセゾンカード、トヨタ、日本航空、みずほフィナンシャルグループ、KDDI(au)など8社がつき、オフィシャルタイムキーパーとしてタグホイヤーがある。 ▽ところが、冒頭で北澤会長が述べたように、JIFFにもavexや城南信用金庫、東京海上日動、三菱商事、日本マクドナルドなど8社のスポンサーがいる。さらに各連盟にも、例えば一番スポンサーの多いブラインドサッカーには、アクサ生命保険、全日空、SMBC日興證券、味の素、参天製薬など12社のスポンサーがついている。 ▽「簡単に言えばスポンサーバッティングです」と言うのはJIFFの松田専務理事だ。各スポンサーとの契約にもよるが、SAMURAI BLUEを広告に使えるのは日本代表をスポンサードしている企業に限られる。このため、おいそれと「障がい者サッカーもSAMURAI BLUEと同じユニフォームを着ていいですよ」とは言えないのだ。 ▽前出の松田専務理事によると「JFAで関連部署が集まり、ユニフォームについて話し合いをしたが、そんなに簡単なものではなかった。7団体と議論して、時間はかかるが、だからといって待ち続けることはできない。統一しようと去年の8月にまとまり、アディダスと相談・交渉し、今年3月に合意した。条件面を交渉し、7団体13チーム全体のユニフォームを作る。このことで7団体は1つになって世界と戦える」ことになった。 ▽来月には電動車椅子サッカーの第3回W杯がアメリカで開催される。なんとか完成が間に合って、29日のお披露目となった。日の丸の下には各競技団体のロゴマークが入る。SAMURAI BLUEの八咫烏(やたがらす)の使用に関しても、アディダスとは細かい契約事項があり、現在も契約期間中のため使うことができない。 ▽最後に、障がい者サッカーにはどんな競技があるのか簡単に説明しておこう。 ・アンプティサッカー(足や手に切断障がいのある人が行う7人制サッカー。義足・義手を外しロフトストランドクラッチで体を支えながらプレー)。 ・CPサッカー(脳の損傷によって運動障がいがある人が行うサッカー)。 ・ソーシャルフットボール(精神障がいのある人が行うフットサル、サッカー)。 ・知的障がい者サッカー(知的障がいのある人が行う11人制のサッカー)。 ・電動車椅子サッカー(自立歩行のできない障がいを持った人が行うサッカー)。 ・ブラインドサッカー(視覚障がいのある人が行う5人制のサッカーで、GKは健常者が務め、音の出るボールとコーチの声を頼りにプレー。唯一パラリンピックの正式種目)。 ・ろう者サッカー(聴覚障がいのある人が行うサッカー。審判は笛ではなくフラッグなどを使用し、視覚情報を頼りにプレーする)。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.06.29 18:14 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】終わり良ければすべて良し…

▽「これは気が抜けないわね」そんな風に私が呟いていたのは月曜。スペイン代表のロペテギ監督がポーランドで開催中のU21ユーロに準決勝から、弟分チームの応援兼視察で駆けつけるという記事を見つけた時のことでした。いやあ、大多数のリーガの選手たちは現在、バケーションの真っ只中。ふと気づくと、セルヒオ・ラモスが水色の海にダイブするビデオなどを見たり、スポーツ紙に載るインタビューがイビサ(地中海のリゾートアイランド、夏はサッカー選手のメッカになる)発ばかりだったりに気がつくと、自分も暑いだけのマドリッドでゆだってないで、ビーチでノンビリしたいと夢想する毎日なんですけどね。 ▽それでもまだお仕事中の選手たちもいない訳ではなく、その1つがスペインU21代表で、1戦目はアセンシオ(レアル・マドリー)のハットトリックなどでマケドニアに5-0、2戦目はポルトガルに3-1で勝利。この2試合でサウール(アトレティコ)が連続ゴールを挙げたおかげもあって、グループリーグ突破を2節目で早々に決定しました。そのため、先週の金曜に行われる最終節、セルビア戦ではスタメン総入れ替えとなったんですが、やはりここは、リーガ3強の残り1チームの選手も存在感を示しておかねばと思ったんですかね。38分にオドリオソラ(レアル・ソシエダ)のラストパスをデニス・スアレス(バルサ)が決めて、1-0と勝利することができましたっけ。 ▽ただ、MVPとなった彼などは「Hemos ganado y hemos mantenido la puerta a cero/エモス・ガナードー・イ・エモス・マンテニードー・ラ・プエルタ・ア・セロ(ボクらは勝って、失点ゼロに抑えた)」と胸を張っていたんですが、その当人を始め、ボルハ・マジョラル(ボルフスブルク)やソレル(バレンシア)らが他にもあったゴールチャンスに次々失敗。セルビアは41分にレッドカードでジョルジュビッチ(パルチザン)を失い、その後ずっと10人で戦っていたことも考えると、なかなか「Hemos tenido oportunidad los que veniamos jugando menos para demostrar que todos podemos cumplir/エモス・テニードー・オポルトゥニダッド・ロス・ケ・ベニアモス・フガンドー・メノス・パラ・デモストラル・ケ・トードス・ポデモス・クンプリール(あまり出ていない選手でも、全員がやり遂げられることを示すチャンスだった)」というミケル・メリノ(ドルトムント)のように大きなことは言えないと思いますが、まあ、グループ3連勝だったのはスペインだけですしね。 ▽その辺は自信を持っていいところかもしれません。ただ、これは本当に短い大会で、土曜にはポーランド北部のグィドゴシュチェから、7時間かけて南部のクラクフに電車で移動。彼らが次に挑むのは火曜午後9時(日本時間翌午前4時)から、イタリアとの準決勝です。大人のチーム同士の対戦ともなると、予断を許さないカードなんですが、U21のイタリアは最終節にドイツに1-0と競り勝って、何とか4強入りを果たした状態ですし、アセンシオやサウール、デウロフェウ(昨季はミランでプレー)、ベジェリン(アーセナル)ら、頼りになるA代表経験者も多いスペインに比べると、注目されている選手もGKドンナルンマ(ミラン)ぐらいしかいませんからね。大いに勝算はあるかと。 ▽そして勝ち上がれば、金曜にイングランドvsドイツの勝者と対決して優勝できるというのが最高のシナリオですが、この2試合でいい働きをすれば、9月からのW杯予選招集、引いては来年の夏にロシアへ行ける芽も大きくなると思えば、5月下旬からずっと合宿している選手たちも最後の力を振り絞ってくれるはず。まだ皆、若いため、バケーションだってそんなに長くはいらないでしょうしね。2013年、それこそロペテギ監督の下で最後にユーロ優勝を果たしたU21チームから、今ではイスコ、モラタ、カルバハル(マドリー)、コケ(アトレティコ)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)らが、A代表常連になっているのもいい励みになると思います。 ▽え、それより土曜にはマドリッドのチームにとって大事な試合があったんだろうって? その通りで、私が家を出る前に見たコンフェデレーションズカップのグループA最終戦は33分にクリスチアーノ・ロナウドがPKで先制点を挙げると、その後、ベルナルド・シウバ(モナコからマンチェスター・シティに移籍)、アンドレ・シウバ(ポルトからミランに移籍)、ナニ(バレンシア)が続き、予想通り、ポルトガルが4-0の圧勝でニュージーランドを下して首位通過を決定。この試合では後半途中に退き、昨季のマドリー同様、フェルナンド・サントス監督にお休みをもらいながら、3試合連続MVPをゲットしたため、ロナウドも幾分、機嫌を直したかと…思いきや。やはり脱税容疑で訴えられたことに関してはまだ怒りが静まっていなかったよう。翌日には当人のスポーツ・ディレクターから、「クリスチアーノはよく考える時間が必要と言っていた」とのコメントが。 ▽マドリーのペレス会長も、別に慌ててはいないでしょうけどね。まあこのところ、とにかく訳わからない移籍関連記事が溢れている状態なため、とりあえずコンフェデレーションズカップが終わって、ロナウドと話す機会を持つのを待っているようです。まず水曜の準決勝でポルトガルはチリと対戦。その結果がどう出ても、ベスト4入りしたチームは日曜の3位決定戦、決勝のどちらかを戦わないといけないため、彼が本当にスペインに戻りたくないのか、来季もジダン監督の下に留まるのか、白黒はっきりするのは当分、先になりそうですね。 ▽よってそちらは気長に構えるしかありませんが、その土曜にはようやくヘタフェが今季の戦いに決着をつけたんですよ。いやあ、先週の昇格プレーオフ準決勝ウエスカ戦2ndレグにも増して超満員となったコリセウム・アルフォンソ・ペレスにテネリフェを迎えた彼らだったんですが、何せ水曜の決勝1stレグでは0-1で敗戦。remontada(レモンターダ/逆転劇)が必要だったため、私も結構、緊張して試合が始まるのを待っていたところ、キックオフ前には2003年に初の1部昇格を達成した時のメンバー、パチョンやジカ・クライオベアヌ、ナノ、ドラドらがピッチに上がり、その場をますます盛り上げてくれることに。ええ、今の選手たちもそれにしっかり応えてくれて、早くも9分にはダミアンのCKからのボールをファウウリンが蹴り込んで、総合スコアでタイに戻してくれたから、どんなにホッとできたことか。 ▽これで調子に乗ったヘタフェは13分にもチュリが折り返したパスをパチェコが正確に決め、一気に逆転に成功。それから4分後、今度は柴崎岳選手のラストパスをロサナがゴール前で押し込み、テネリフェに1点を返されてしまったから、さあ大変! そう、これはアウェイゴールになるため、このまま2-2で終わった場合、ヘタフェが負けてしまうんですよ。 ▽でも大丈夫。1年ぶりに会った顔馴染みのヘタフェ番の女性記者がチャンスの度に声を枯らして応援している横でじっと待つこと20分。ウエスカ戦同様、2部では十分、得点力を持っていることを彼らは証明してくれました。今度はホルヘ・モリーナのシュートが敵GKに弾かれたところにパチェコが再び登場、確かにこれも周りには誰もいない状態でしたが、さすがにここ2シーズン、ベティスとアラベスで連続して昇格している経験者だけありますね。来季こそ、1部でのプレーを楽しむんだという決意でボールをネットに収め、チームを3-1のリードに導いてくれたんですから、本当に有難いじゃありませんか。 ▽結局、51分には柴崎選手に代えてサウールのお兄さんであるアーロンを送り出して反撃を試みたテネリフェでしたが、何度か観客席に恐怖のどよめきが走ることはあったものの、勝利に必要だったあと1点は最後まで取れず。うーん、アトレティコからレンタルで修業に出ている20歳のアマトなどには惜しいチャンスもあったんですけどね。あの決定力のなさでは、やはりまだ、この夏もFIFA処分のせいで補強のできないシメオネ監督の前線に加わるには力不足であることが露呈してしまったかも。「後半、そういう予定ではなかったが、instintivamente el equipo se metio atras/インスティンティバメンテ・エル・エキポ・セ・メティオ・アトラス(チームは本能的に引いてしまった)」(ボルダラス監督)というヘタフェもそれ以上、追加点を挙げることはなかったため、試合は3-1のまま終了。総合スコア3-2で1年ぶりの1部復帰が決まりました! ▽いやあ、それにしても準備万端とはまさにこのことで、まあ終了直後はピッチにファンが押し寄せ、しばらく混乱していたんですけどね。実は私など、帰りのメトロ(地下鉄)の駅でスタジアムのシートを持っている人を見て、兄貴分のファンが最終戦でビセンテ・カルデロンの座席を引き剥がしていたのを真似しているのかと思ったものですが、この時にはどこのチームより長いシーズンを戦いながら、報われなかったのに逆上したテネリフェのファンがピッチ内のヘタフェサポーター目掛け、シートを投げつける騒ぎがあったのだとか。まあ、ヘタフェサイドにも「Africano que no vote/アフリカーノ・ケ・ノー・ボテ(跳ねないのはアフリカ人)」と、テネリフェのあるカナリア諸島の位置にかこつけて、挑発するようなカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を歌っていた品のないファンたちもいたようですしね。 ▽それでも騒ぎがその程度で済み、群衆はすみやかにピッチから退去、クラブが用意した昇格セレモニーを恙なく行えたのは良かったかと。ええ、先月は残留を達成してブタルケでお祝いするレガネスを見ていた私ですが、やはり1部では先輩のヘタフェ。もちろん兄貴分のマドリーがサンティアゴ・ベルナベウでドゥオデシマ(12回目のCL優勝のこと)の後、開催したメガフィエスタには敵いませんが、選手が呼ばれて登場する時に吹き上がる炎の演出も檀上に全員揃った後の紙吹雪、豪快な打ち上げ花火もお隣さんよりずっと豪華だったのは否定できなかったかと。 ▽そして時刻はもう午前零時、それからチームはオープンデッキバスに乗って、シベリーナ(ヘタフェがファンとお祝いする広場)に向かい、翌日の午前中には市庁舎表敬訪問と、凄い勢いで祝賀行事を済ませたヘタフェでしたが、もしや関係者一堂、少しでも早くバケーションに入りたかった? まあ、休めてせいぜい1カ月ですが、ちなみに来季は、「Tiene contrato, si quiere entrenar en Primera yo le voy a dar la oportunidad/ティエネ・コントラトー、シー・キエレ・エントレナール・エン・プリメーラ・ジョ・レ・ボイ・ア・ダール・ラ・オポルトゥニダッド(契約があるから、もし1部で指揮したいならチャンスを与える)」とアンヘル・トーレス会長がお祝いの最中に確約していたため、昨季はアラベスを昇格させながらペジェグリーノ監督と交代。今季の8節に21位にいたチームをエスナイデル監督から引き継いで見事、目標を達成したボルダラス監督が続投する模様。 ▽ただ選手たちについてはレンタルで来ている人も多いため、まだどうなるかよくわからないんですが、ちょっと心配なのは以前、1部にいた頃はボール扱いの上手いチームを目指していた彼らだったというのに、今季は2部で一番ファール数が多い、荒っぽいプレーをするようになっていたこと。いやあ、プレーオフなんてそれこそ、そのぐらいの気合がないと勝ち抜けないんだと思いますが、ウエスカ戦でもテネリフェ戦でも両チームの選手がすれ違う度、必ずどちらが地面に転がっているというのはねえ。 ▽1部の審判はその辺、厳しいため、来季はイエロカード禍に襲われないよう、プレシーズンの間に調整していってほしいものかと。でもでも、これでまたマドリッドには1部4チーム体制が復活。ヘタフェファンには、これまで前例のないレガネスとの1部ダービーを楽しみにする向きも多いようですが、またマドリーやアトレティコら、兄貴分を迎えて賑わうコリセウム・アルフォンソ・ペレスを見られるのは私もとっても嬉しいですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.27 11:40 Tue
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【東本貢司のFCUK!】ドイツに「追いつけ追い越せ」?

▽日本語で「司令塔」、英語なら「プレーメイカー」。この“肩書”に相当するプレーヤーが複数いる、それもポジションを問わず4人、5人もーーーこの4、5年、主にヨーロッパのクラブフットボールシーンを俯瞰してきて、これこそが現代フットボールの最も顕著な特徴ではないかと思っている。つまり、攻撃態勢に入る際などでほぼ決まってボールが集まる“起点プレーヤー”が、大げさに言えばフィールドのあちこちにいて敵に息つく暇を与えない。先ほど終了したコンフェデレーションカップ、チリ対ドイツを見届けて、そのことを改めて再確認する思いだ。それぞれ攻守の“性格的”スタイルは違うとしても、誰が、どこから、キラー効果満点の攻撃の起点を演じるのか、高見の視点(放送メインカメラの位置)からでも、予測がつきにくい。無論、ここではショート、ロング、いずれのパスワークに主体を置くなどという“悠長”な議論は通じない。文字通りの臨機応変。それを効率よく使い分けられなくてはもはや時代遅れの感も。それでこそ「チーム一体、一丸」が充当する。当然「体力、走力が落ちる落ちない」などの外野解説も時代遅れなのだ。 ▽さすがは二期連続南米チャンピオンと世界チャンピオンーーーと形容するのは当たり前のようでいて、実は「二流、いや素人解説の象徴的文言」にすら聞こえてしまうのは、ドイツがこの大会にぶつけた陣容が「え?」と思うくらい「若い」から・・・・ではない。相手にサンチェスがいるのだから、エジルやメルテザッカーがいたら面白い(解説の際の話ネタにもなる)のに、というのもピント外れ。確かにヨアヒム・レーヴは明らかに「若返り、世代交代」を意識しているように見えるが、ゲームをじっくり追っていけば、いかにこの「若い」チームの組織力とコミュニケーションの習熟度が高いかがよくわかるはずだ。一つ気づいたこと。中盤の運動量の多さと目まぐるしいポジションチェンジ(これは“百戦錬磨”のチリも同じ)のせいで見極めにくいかもしれないが、ドイツは実に柔軟な「3バック」を敷いているように受け取れたのだがどうだろうか。思えば、このドイツに(インスピレーションの点で見劣りするとしても)通じるパフォーマンスで、結果はともかく善戦中のニュージーランドも3バックなのだが、ひょっとしてこれは静かなブームなのか? ▽ふと、今年、足並みがよれかけたシーズン半ば過ぎから3バックに切り替えて復調気運に乗ったアーセナルのことが頭をよぎる。それに確か、プレミアの半数近いチームでも同じ“傾向と対策”が見え隠れしていた。しかも、そこには従来の「中盤を厚くする」とかの数的理論を超えた何か(の新機軸)を感じる。物理的には、足の速い両サイドバック(→ウィングバック)の攻撃参加を生かし、アンカー(中盤の底のいわゆるホールディングプレーヤー)が3バックディフェンスの“前面の盾”を役割をより意識する、という筋になりそうだ。戦術理論的にはそんな辺りなのだろうが、いずれにせよ、より柔軟に幅広くどこからでも、という、攻守のオプション増幅効果が念頭にあるのだと思う。そうなると、快速両ウイングバックとポジションにとらわれないスキルを持つアンカーがいるといないとで違いが歴然としてくるだろう。その点で、現在のチリと“若返った”ドイツはなるほど、一日の長がありそうだ。裏を返せば、彼らに対抗するには「どこをどう」強化すべきかも見えてくる。かなり短絡的見方になるが、突出したタレントの豊富なアルゼンチンがもう一つ突き抜けられないのは、やはり個人技主体のチーム構成になっているからでは? ▽話を少々巻き戻す。これだけ“次世代型”ドイツが急速に完成に近づいているとしたとき、我らがイングランドの場合はどうなのか。折しも、U21ワールドカップで歴史的優勝を遂げ、同時期に行われていたU20トゥーロントーナメントでも優勝、さらに現在進行中のU21ユーロでラスト4(準決勝)進出しているからには、十分に対抗し得る? 以前にも述べたように、U21代表監督のギャレス・サウスゲイトを昇格させた辺りにも、FA(イングランド協会)の明らかなヴィジョンがうかがえることだし? あえて(贔屓目の)結論から言えば、少なくとも希望はある、いや、膨らむ。無論、がらりと入れ替えるのは無謀だろうし、詳細は後に譲るが欠点もまだ見える。が、チームの一体感、“ツーカー度”を重視するべきなら、二人や三人程度の“抜擢”ではおそらく逆効果。ドイツだって来夏の本番では当然、エジルやノイアー、ケディーラ辺りを外すはずもなかろう。ならイングランドも・・・・おや、存在が怪しくなってきたルーニーを除けば、すでに相当若返っているじゃないか。ケイン、アリ、ダイアー、スターリング、ラシュフォード、ストーンズそしてひょっとしたらピックフォード! これはしたり。どうやらドイツの先を行っている? ▽ところが、哀しいかな、さきほど目撃したドイツほどの底力はまだ感じられない、もしくは、証明されるまでに至っていない。なぜか。上にあげた中の数名を除いて、肝心のリーグで必ずしも定位置を確保していないからだ。言うまでもなく、U21世界王者のメンバーから繰り上げられる誰かがいたとしても、経験はもっと浅い。その点を、母国の識者はこぞって指摘し、不安視する。有力外国人に頼らず“彼ら”をもっと実戦に起用せよ、と叫んでみたところで、現実的に“聞く耳”はまだまだか細い。スパーズの台頭が少しは刺激になった節もなくはないが、U21世代を確実なトップ戦力とみなす傾向が見えてきているのは、有力クラブではそのスパーズとエヴァートンくらい。皮肉なことに、ドイツの若手台頭を陰に陽に肌で感じてきているはずのユルゲン・クロップには、現時点ではまだ希望的観測ではあるが、リヴァプールに国産の若い血を吹き込もうとする“意気”のようなものを感じはするのだが・・・・。とどのつまりはサウスゲイトの決断次第。この際、ロシアW杯を「テスト」と割り切るくらいの冒険をしてみる価値はあるはずだ、2020年を照準に!【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.06.23 10:14 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】正念場はここから始まる…

▽「1番乗りはテオじゃないのか」そんな風に私が呟いていたのは木曜日、AS(スポーツ紙)でU21ユーロが終わった後、7月早々にレアル・マドリーがバジェホのプレゼンをするという記事を見つけた時のことでした。いやあ、今週の月曜には対抗馬がおらず、選挙もなかったため、あまり話題にもならなかったんですが、5期目の就任が決まったペレス会長がサンティアゴ・ベルナベウのパルコ(貴賓席)前ホールで挨拶。これ幸いと、このところ、あまりの猛暑に耐えきれず、午後は常にどこかクーラーのある場所を探していた私も見に行ってきたんですけどね ▽ちょうどその折、もうスタンドにお馴染みの仮設ステージがあるのに気づき、この夏、最初にそこに立つ新入団選手は誰かと訝っていたところ、顔馴染みのラジオ記者にすでにアトレティコからお隣さんへの移籍が決まっているテオじゃないかと言われ、ああそうかと頷いたもの。ただ、その当人は今季のレンタル先だったアラベスのシーズンが終わった後、フランスU20代表に行かず、マラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)でバケーションを過ごしているのを目撃されて以来、音沙汰がないですよ。いえ、年子のお兄さんでアトレティコとの契約延長が決まったルカスの方は先週、今年初めに起きたDV事件のせいで500メートル以内の接近禁止令が出ていた彼女とバハマから一緒に帰国。おかげでバラハス空港の入管で逮捕され、拘置所に一泊したとか、実はその彼女とラスベガスで挙式してきたなんて話もあったんですけどね。 ▽それだけに兄と一緒にいないのはわかっていましたが、やっぱりクラブとしても外様のテオより、自分のところのカンテラ(下部組織)で育ち、今季はレンタル先のアイントラハト・フランクフルトで成長。先日のU21ユーロのグループリーグ2節でMVPに選ばれたばかりのバジェホを先にお披露目したいと思うのは当然だったかと。ちなみに彼は今季限りで退団したペペの代わりに入るCBなんですが、他にもボヌッチ(ユーベ)のようなベテランも念のため、マドリーは獲るかもしれないなんて噂もなきにしろあらず。ファン的には早く、ムバッペ(モナコ)やディバラ(ユーベ)、ドンナルンマ(ミラン)といった大型選手のプレゼンを見たいものですが、とりわけアタッカーに関してはハメス・ロドリゲスやモラタの行き先がまだ決まっていませんからね。ジダン監督もようやくバカンス先のイビサ(地中海にあるリゾートアイランド)から戻って来たばかりですし、しばらく気長に待つしかないようです。 ▽え、そのバジェホが賞をもらった試合ではサウルも活躍しなかったかって?その通りで、火曜のポルトガル戦では前半21分、またしてもアトレティコから1人参加の彼が先制点を挙げたから、驚いたの何のって。いやあ、初戦のマケドニア戦ではchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で彼が決めた後、アセンシオ(マドリー)のハットトリックが生まれたため、影が薄くなってしまったんですけどね。今季のCL準々決勝バイエルン戦で見せたような、敵DF陣を何人もかわしてのゴールの後、この日は後半19分、センターからロングパスを出し、それを追ったデウロフェウ(今季はミランでプレー)のアシストでサンドロ(マラガ)が2点目を挙げるのにも貢献とは、頑張っているじゃないですか。 ▽うーん、こんな働きぶりを見ると、当人も「A mi tambien me gusta mas tener mas libertad y poder llegar sin la preocupacion de quedarme atras/ア・ミー・タンビエン・メ・グスタ・マス・テネール・マス・リベルタッド・イ・ポデール・ジェガール・シン・ラ・プレオクパシオン・デ・ケダールメ・アトラス(ボクもより自由に動けて、後ろに残ることを気にしないで敵エリア内に行く方が好き)」と言っていたように、シメオネ監督ももっと前でプレーさせてあげられれば良かったんですけどね。今季のアトレティコはチアゴやアウグストらが長期のケガでボランチに慢性的な人手不足が発生。 ▽それだけにバジェホ同様、来季はマドリーのトップチーム入りが噂されているマルコス・ジョレンテ(今季はアラベスにレンタル移籍)がDFライン前でしっかり踏ん張ってくれる、このU21スペイン代表では思う存分、サウルにも自身のゴール嗅覚を披露してもらいたいものかと。ただ、セラデス監督は「nos da un gran rendimiento y puede jugar en cualquier parte del campo/ノス・ダ・ウン・グラン・レンディミエントー・イ・プエデ・フガール・エン・クアルキエル・パルテ・デル・カンポ(ウチに大きなパフォーマンスを提供してくれるし、ピッチのどこでもプレーできる)」と買ってくれてはいるものの、「今は攻撃に行っても後ろに人がいるから、ボクがパスを失敗してもカウンターを受ける心配がないのさ」と、当人が開き直るのはちょっとねえ。 ▽ええ、そんな、いかにもパスがあまり得意でないアトレティコの選手らしい発言をしていると、U21を卒業して迎える来年、W杯ロシア大会参加を予定するロペテギ監督のA代表に呼ばれず、本当に「El ano que viene tendre vacaciones/エル・アーニョ・ケ・ビエネ・テンドレ・バカシオネス(来年はバケーションがあるよ)」(サウル)という破目になりかねませんが、まあそれは先の話。今はこの試合の続きをお伝えすることにすると、32分にはブルーマの豪快なvolea(ボレア/ボレーシュート)でポルトガルに1点を返されたスペインだったんですが、ロスタイムには途中出場のウィリアムス(アスレティック)が1人抜け出し、ダメ押しゴールを決めて最後は1-3で勝利することに。この2連勝でグループリーグ突破が決まったため、金曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのセルビア戦では大幅なローテーションもありそうですが、それより何より、来週火曜の準決勝の相手がどこになるかが気になりますよね。 ▽そして翌水曜、夕方にはコンフェデレーションズカップ・グループリーグでポルトガルがロシアと対戦。先日発覚した1470万ユーロ(約18憶円)の脱税容疑で、7月31日に出廷を求められたクリスチアーノ・ロナウドが、いえ、再任プレゼンでは彼について、何も言わなかったペレス会長ですけどね。その夜、出演したラジオ番組で「今は大会に集中しているだろうから、話してないが、ロナウドとは会わないといけない」と、スペインには戻らないと代表のチームメートに漏らしたと伝えられていた件に関しても前向きな対処を約束したため、当人の機嫌も少し良くなったんでしょうか。8分にはラファエル・ゲレイロのクロスをヘッドで決めると、そのまま試合にも0-1で勝利。2試合連続でMVPを獲得して、順調に準決勝進出に近づいています。 ▽最後のグループリーグは土曜のニュージランド戦と、基本的に格下相手の試合ですしね。同じ勝ち点のメキシコはロシアと潰し合いをしますから、よっぽどのことがない限り、来週も試合があるはずですが、私にとって、計算外だったのはその日の夜、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)を何軒も巡ってもリーガ1部昇格プレーオフの試合を流しているお店が1つもなかったこと。うーん、先週はまだ準決勝だったから、想像できたんですけどね。せっかくマドリッド勢のヘタフェが1年ぶりにマドリーやアトレティコら、先輩チームと肩を並べる舞台に戻って来られるかどうかの大事なゲームだというのにこの始末、やっぱりマドリッド市民は郊外のチームにあまり関心がないのかも。 ▽よって、テネリフェとのプレーオフ決勝1stレグはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)で聴いているしかなかったんですが、そんな日に限って、実況アナが一番繰り返していたのが柴崎岳選手の名前。ええ、前半21分など、とうとう彼のCKからホルヘ・サエンスがヘッドを決め、先制点を取られたとなればもう、悔しさ倍増だったのも仕方なかったかと。うーん、柴崎選手はプレーオフ準決勝2ndレグでもゴールを挙げ、カディスと総合スコア1-1に持ち込んで、チームが決勝進出を果たす原動力になっていましたからね。ヘタフェの守備陣も重々の注意を払って然るべきでしたが、まさに後悔先に立たず。彼らはそのまま1-0で負けて、本土に戻って来ることに。 ▽え、準決勝2ndレグはヘタフェが土曜、テネリフェが日曜でしかも延長戦だったのに、フィジカルでも相手が劣っていなかったのは意外じゃなかったかって?そうなんですけどねえ、何度も繰り返して申し訳ありませんが、このところマドリッドは連日の酷暑続き。これじゃ練習するだけでも消耗して当然ですし、逆にテネリフェがホームとするカナリア諸島(大西洋上にあるリゾートアイランド)は気温が10度程低くて過ごしやすいんですよ。ヘタフェはウエスカとの2ndレグで退場処分を受けたパチェコが出場停止だったという事情もありましたしね。更にはこの試合でフステルとファン・カラが負傷交代しているとなれば、土曜の2ndレグでremontada(レモンターダ/逆転劇)を起こすのは難しい? ▽いえ、ボルダラス監督は「mis jugadores tienen experiencia y calidad/ミス・フガドーレス・ティエネン・エクスペリエンシア・イ・カリダッド(ウチの選手たちには経験と質がある)。そこにファンの応援があれば、どうして引っくり返せないことがあろう」と自信を失ってはいませんでしたけどね。カディス戦では同じ1-0負けから逆転突破をしたテネリフェのマルティ監督も「Alli tendremos que hacer un gol/アジー・テンドレモス・ケ・アセール・ウン・ゴル(向こうでもウチはゴールを挙げないといけないだろう)。ヘタフェに得点機を作らせないというのは難しいから」と慎重でしたが、確かにその通り。13年前、ヘタフェが奇しくもテネリフェで初の1部昇格を決めた時にはラジオを聴きながら、伝説の4ゴールを挙げたパチョンの名前を耳に刻んだものでしたが、この土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの決戦、コリセウム・アルフォンソ・ペレスのスタンドで見守る予定の私の心に残るのは一体、どの選手になるんでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.23 10:13 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】Jと提携を結ぶラ・リーガの狙いは…テバス会長が日帰り来日

▽Jリーグは6月22日、スペインプロサッカーリーグ(ラ・リーガ)との戦略的連携協定の締結のため、村井チェアマンと来日中のラ・リーガのテバス会長が調印式を行った。Jリーグはこれまでタイ、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、シンガポール、インドネシア、イラン、マレーシア、カタール、オーストラリアと協定を締結しているが、ヨーロッパとは初めてで、11リーグ目の締結となる。 ▽村井チェアマンによると、「世界22のリーグのチェアマン会議で(テバス会長と)知り合った。会議では一番活発な意見を述べていた。テバス会長がリーガの放映権の一括管理を進めた」と紹介し、今後は「オンザピッチではトップチーム間の交流と若手選手の育成、オフザピッチではインテグリティ(差別の撤廃や八百長の撲滅など)とクラブマネジメントを学びたい」とし、7月にはセビージャが来日してC大阪と鹿島と対戦。さらにJ3のクラブがラ・リーガの小さなクラブの運営を視察に訪れることになっている。 ▽一方、今朝来日し、夜には帰国の途につくテバス会長も「Jリーグだけでなく日本から学ぶことになると思う。Jリーグはダ・ゾーンと契約したことに注目している。スペインにとってもそのコラボレーションの将来に注目している。テレビだけでなくインターネットで見られるのは窓を開けたように大きな可能性を秘めている」と、今年スタートしたパフォーム社との契約に興味を示していた。 ▽具体的な活動は今後の話し合いになるが、ラ・リーガはすでに先月、日本に駐在員を配置。日本のマーケットにおいてラ・リーガの認知度を上げるなど、日本におけるラ・リーガのすべての活動をコーディネートする予定でいる。 ▽そんなラ・リーガの狙いを、テバス会長は次のようにストレートに語った。 「イングランドのプレミアリーグのような立場に立ちたい。スポーツ界では(スペインは)世界1だと思うし、(レアルやバルサのような)クラブも世界1だが、産業としてのサッカーはまだプレミアリーグ及ばないと思っている」 ▽タイのタクシン前首相が一時期マンチェスター・シティのオーナーだったように、東南アジアの多くの国々でイングランドのプレミアリーグ人気は高い。当然、ユニフォームを始めとするグッズ類の販売など、アジアのマーケットを拡大するためにも日本と提携を結んだのだろう。彼らが日本を通じて見ているのは、もしかしたら約14億人の人口を誇る中国かもしれない。 ▽なお、Jリーグは17シーズンよりパートナーシップ協定を提携する国の選手は日本人選手と同じ扱いにしているが、戦略的連携協定対象国のオーストラリアとスペインは、これには含まれない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.06.22 22:34 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】一生懸命な選手たちもまだいる…

▽「もうバケーション中の人はいいわよね」そんな風に私が溜息をついていたのは日曜日、この週末はやたら結婚式のニュースが多いのに気がついた時のことでした。いやあ、始まりは金曜のことで最近、熱波に襲われているスペインでも特別、暑いことで有名。観光客泣かせのトレド(マドリッドから1時間の世界遺産都市)にある古城、パラシオ・デ・ガディアーナでグリースマンが披露宴というのはTVのスッパ抜きでわかったんですけどね。気温40度はあろうかという中、アトレティコの同僚、コケやゴディン、ファンフランらに加え、火曜にあったフランス代表今季最後の親善試合、イングランド戦まで一緒だったウムティティ(バルサ)やラガゼット(リヨン)まで、スーツ着用で駆けつけていたんですが、幸い、すでに一女をなす仲のエリカさんとの決めの写真はしっとり写っていて良かったかと(https://twitter.com/AntoGriezmann/status/875992015011549184)。 ▽そして翌土曜には、こちらはスポーツ紙などで予定もわかっていたんですが、お隣さんのモラタが彼女のイタリア人モデル、アリス・カンペッロさんとベネツィアで挙式(https://www.instagram.com/p/BVcrJKwnocf/?taken-by=alvaromorata)。当人はすでにマンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ監督からラブコールをもらっているということで、もうチームメートでいられる時間も少ないかもしれませんが、レアル・マドリーからはイスコ、ヤニス、ナチョ、RMカスティージャ時代の仲間だったナチョの弟のアレックス・フェルナンデス(エルチェ)、サラビア(セビージャ)、モスケラ(デポルティボ)らが出席しています。ただこの日、式を挙げたマドリーの選手はモラタだけでなく、コバチッチも母国のクロアチアで学生時代からの彼女、イサベラさんと結婚。こちらはマルセロがお祝いに行っていますが、地球の反対側ブラジルでもダニーロの披露宴があったり、続いて日曜はルーカス・バスケスって、もしや6月のマドリーではご祝儀貧乏に陥る人が多発しているのでは? ▽まあ、そんなことはともかく、私もスペイン代表のワールドカップ予選マケドニア戦が終わったら、勝手にもうバケーションだと思い込んでいた口だったんですが、実はまだあったんですよ。この殺人的な猛暑の中、マドリッドで真剣にサッカーをやっているチームが。それに気づいたのは金曜で、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設のグラウンドでは、スペインでは夏はシエスタ(昼寝、昼休み)後で、決して外へ出てはいけない時間帯、午後5時と7時からコパ・デル・レイナ(女子のカップ戦)準決勝が開催。リーガでも最後まで優勝を争ったバルサがバレンシアに勝った後、アトレティコ女子がリーガ6位のグランディージャ・テネリフェと戦ったんですが、こちらは昨季のコパ女王の余裕で2-0と快勝することに。 ▽いやあ、相手には今年の2月頃、男子のリーガ2部のテネリフェに移籍したばかりの柴崎岳選手が適応に苦しんでいた際、エールを送った件で話題になった堂園綾乃選手が在籍。その日もフル出場したことにまったく気づかなかったため、せっかくオープン放送で中継があったにも関わらず、私も試合自体は見逃してしまったんですけどね。日曜午前11時30分からあった決勝をTV観戦したころ、やっぱり一枚上手だったのはバルサ。そう、準決勝で暑さに苦しんだことから学んだか、前後半両方の半ばに設けられた水分補給タイムには袋詰め氷を用意して、選手たちの首や頭を冷やしていたんですが、アトレティコなんて本当に水を飲むだけなんですよ。ちょっとお、もう少し女子の体を心配してあげられない? ▽おまけに男子チームの悪いところが伝染したか、最初にもらったPKをエースのソニアが外してしまうんですから、困ったもの。その後はリーガ得点女王ジェニに2ゴールを奪われるわ、せっかくソニアが1点を返しても、守備ミス続出でアレシア、アイタナに追加点を許すわで、結局、4-1で敗戦です。うーん、彼女たちが2冠を達成したら、今季はタイトルなしで終わったシメオネ監督率いるチームの励みになるかもしれないという、私の目論見は見事に外れてしまったんですけどね。意外と肩身が今以上に狭くならず、こっそりホッとしていたアトレティコ男子もいるかもしれませんね。 ▽そして変わらず暑かった翌土曜には、先日のマドリーとローマのOB戦、コラソン・クラシック・マッチでは途中で直射日光に耐えられなくなった私も午後9時という遅い開始時間に勇気づけられ、1部昇格プレーオフ準決勝2ndレグを戦うヘタフェを応援に。1年ぶりに訪れたコリセウム・アルフォンソ・ペレスがここ数年、1部のリーガ戦ではまず、お目にかかれなかった活況を呈していたのに驚いたの何のって。チームバスのスタジアム入りにも大勢のファンが集まって、派手なお出迎えがあったようですしね。同じく昨季に2部降格した同じマドリッドの弟分、ラージョがどのカテゴリーにいようと常に熱い地元サポーターに支えられているのとは違い、うつろいやすいヘタフェファンが昇格プレーオフを機にまた戻って来てくれたのは何とも喜ばしい限りかと。 ▽すると試合ではチームの方もスタンドの期待にしっかり応えて、いえ、水曜にあった1stレグでは終盤にウエスカに追いつかれ、2-2と引き分けていたため、その日はスコアレスドローでも全然、突破に問題なかったんですけどね。前半36分にはモラのケガで急遽、スタメン入りをしたベテラン、ラセンの浮かしたFKをホルヘ・モリーナが繋ぎ、ゴール前でファン・カラが押し込んで先制点をゲット。後半にもパチェコとフステルがエリア外からゴールを決め、リーグ3位と6位の差はこんなところに出るのかと感心させてくれることに。 ▽ただ、スタジアム中が歓喜していた3-0の勝利、総合スコア5-2での決勝進出も全てがハッピーで終わった訳ではなく、うーん、元々、1stレグからファール数でウエスカが19、ヘタフェが28、イエローカード計9枚。その日の2ndレグもそれぞれ25、16、計10枚と、1部に比べてフィジカルと言われる2部の試合にしてもとかく荒っぽさの目立つ展開ではあったんですけどね。残り3分にはウエスカのイニゴ・ロペスがカラの顔に唾を吐きかけ、両チームが揉み合う事態に。その時、何やら抗議した交代済みのパチェコがレッドカードを受けるって、どこから見ても理不尽では? ▽ええ、昨季はアラベスを1部昇格に導き、今季は9月にスナイデル監督からチームを降格圏で引き継いで以来、3位まで躍進させたボルバラス監督も「Estoy enojado porque con 3-0 no nos pueden expulsar a un jugador del banquillo/エストイ・エノハードー・ポルケ・コン・トレス・セロ・ノー・ノス・プエデン・エクスプルサール・ア・ウン・フガドール・デル・バンキージョ(3-0なのにベンチにいる選手を退場させられたんだから、自分はとても怒っている)」と、完全に枯れた声で言っていましたけどね。スタンドで最初、アウェーで2点を挙げていたモリーナへのカードかもしれないとオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナが言っているのを聞いた時、私が味わった思いに比べれば、まだ良かったんでしょうが、パチェコもその日は殊勲の2点目を挙げていますし、このままだと決勝1stレグに出場停止なのは辛いところかと。 ▽一方、聞き覚えのある名前だと思っていたウエスカのアンケラ監督は実は2009年、未だにマドリーの黒歴史となっているアルコルコナソ(コパ・デル・レイ16強対戦で当時、ペレグリーニ監督の率いていたチームを2部Bのアルコルコンが総合スコア4-1で敗退させた事件)があった時の監督で、そのシーズンに昇格を果たしたマドリッド勢の末っ子は今季を含め、それからずっと2部を維持。そんな所縁のある監督だったんですが、「Ha sido superior en todo, nos han superado desde el inicio al final/アシードー・スペリオール・エン・トードー、ノス・アン・スペラードー・デスデ・エル・イニシオ・アルフィナル(最初から最後までウチを圧倒して、相手が全てにおいて上だった)」とヘタフェの強さに脱帽していたよう。 ▽うーん、彼らは水曜の1stレグの後、夜にホームスタジアムの事務所が強盗に遭い、当日のチケットやプレーオフ出場記念グッズの売り上げ等、7万ユーロ(約900万円)がなくなってしまうという不運にも見舞われていますからね。ちょっと気の毒な感じもしましたが、このプレーオフで1部に上がれるのはたった1チーム。それだけ大変ということで、昇格を目指してモリーナやフステル、カタ・ディアスら、1部経験の長い選手を揃えて戦ってきたヘタフェだって、今週の水曜と土曜にある決勝でうっかりしていたら、今季一番長く戦って、骨折り損のくたびれ儲けだったクラブとなってしまうのですから、甘いことは言っていられませんって。 ▽ちなみにもう1つの準決勝の勝者は日曜にテネリフェに決定。1stレグではカランサ(カディスのホーム)で1-0と負けたものの、テネリフェ(大西洋のカナリア諸島のリゾートタウン)のエリオドロ・ロドリゲスでは前半34分、柴崎選手がゴールを挙げ、そのまま勝負は延長に。そのまま総合スコア1-1のまま終わったんですが、プレーオフルールでPK戦にはならず、リーガ終了順位が上のテネリフェが勝ち抜けました。 ▽え、私がヘタフェにいた間、スペインのU21代表もユーロ大会の初戦に挑んでいなかったかって?その通りで、先週中は2月に完治していた精巣ガンの再発が発覚、ジェライ(アスレティック)が合宿を離脱したり、開催国のポーランド入りしてもグリマルド(ベンフィカ)のケガが治らず、こちらもグダニスクから帰国。代わりにディエゴ・ゴンサレス(セビージャ)、ロドリ(ビジェレアル)が繰り上がるなんてこともあったんですけどね。5月末からのラス・ロサスでの合宿には、A代表に応援に行くメンバーもいることを考えて、彼らも加わっていたため、チームとして問題はなかったよう。 ▽いえ、それどころか、これはたまたまなんですが、先日のワールドカップ予選の相手でもあったマケドニアは普段はA代表にいるものの、U21にも該当する選手8人を使わずに温存。満を持して挑んだU21ユーロのグループリーグ初戦でありながら、スペインに5-0と惨敗を喫していたから、ビックリしたの何のって。ちなみに突破口を作ったのはアトレティコから1人参加のサウルで前半10分、ガヤ(バレンシア)のクロスをchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)して先制点を挙げたんですが、その後はお隣さんの注目株、アセンシオ(マドリー)の独壇場になりました。 ▽何せ、デウロフェウ(今季はミランでプレー)のPKゴールを挟んで、前半に1点、後半に2点を入れてハットトリックですからね。セラデス監督に自由に動くことを許されているという当人は、「Me atrevo mas a disparar y soy mas agresivo arriba/メ・アトレボ・マスア・ディスパラール・イ・ソイマスアグレシーボ・アリーバ(思い切ってシュートする気になるし、前線だとボクはアグレッシブなんだ)」と言っていましたが、ちょっと振り返れば、先日のCL決勝ユベントス戦でマドリーの4点目を入れたのも彼。FWではないとはいえ、これからもゴールを連発してくれるようなら、クラブもクリスチアーノ・ロナウドの退団要望という非常事態にパニックに陥らないで済む? ▽ええ、そうなんですよ。実は先週はスペイン検察局から2011~14年の肖像権収入をタックスヘイブン経由にして、1470万ユーロ(約18憶円)の脱税があると告発されたことに端を発し、一応、マドリーは選手を信じる旨の公告をオフィシャルウェブに出したものの、当人はクラブのバックアップが不十分と感じたよう。それにここ数年のサンティアゴ・ベルナベウでのpito(ピト/ブーイング)に対する不満も相まってか、金曜にはア・ボラ(ポルトガルのスポーツ紙)に「スペインには戻らないと代表仲間に話している」という記事が出ることに。うーん、だからって、ロナウドの契約破棄金額は10憶ユーロ(約1240億円)という、常識外れの額ですし、そこまで行かずとも、マドリーは4億ユーロ(約500億円)が最低交渉スタートラインと言っているようなので、そう簡単に移籍できる訳でもないんですけどね。 ▽現在、ポルトガル代表でコンフェデレーションズカップに参加している当人からの意思表示コメントもないため、実際は何を考えているのか不明なんですが、脱税容疑の方はたとえ、プレーする国を変えても、ちょっと前にはディ・マリア(PSG)がマドリッドの裁判所に出頭していたように逃れることはできず。万が一、有罪となれば、罰金込みで2950万ユーロ(約37億円)の支払いプラス、執行猶予付きながら21カ月の刑事罰を受けたメッシのようになりかねませんし、何と言ってもイメージダウンは免れないかと。ちなみに日曜にはロシアでの初戦に先発したロナウドはメキシコ戦でクラレスマ(ベシクタシュ)に先制ゴールをアシストをしたものの、自身に得点はなく、試合も2-2のドローで終了。それでもMVPだったため、プレーに影響はないようですが…水曜のロシア戦を横目に当分、マドリーファンのヤキモキは続くかもしれません。 ▽おっと、話が逸れてしまいましたが、スペインU21代表の次戦は火曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からで、またややこしいですが、相手はポルトガルとなります。ただし、こちらは大人の代表と違って、ロナウドはいませんし、スター選手もレナト・サンチェス(バイエルン)ぐらいなんですが、彼らもセルビアとのグループ初戦に2-0と勝っていますからね。この大会、3グループあって、次ラウンドの準決勝に進出するためには首位か、成績最高の2位になるしかないため、スペインも決して気を抜くことはできないかと。日本ではTV中継がないようですが、you tubeのUEFA.tvのライブ配信を見るといった手もあるので、若い選手の活躍をチェックしたい向きにはお勧めです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.19 09:30 Mon
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【東本貢司のFCUK!】プロアスリートの熱き友情

▽済州-浦和戦終了直後の“事件”がまだ尾を引いている。ただ、奇跡的という飾り文句がつく逆転劇といえばあのバルセロナ-パリSG戦がまだ記憶に新しいところだが、そこで何等かの“穏やかならざる醜態”が演じられたわけでもない。それよりも“数字的に見劣りする”このゲームの結末に際して、予期せぬ異常なヒートアップと激高した暴力が噴出してしまった裏には、やはり歴史的な“民族敵対”の意識がなかったとはいえまい。似たような感情の迸りは、ロイ・キーンが現役時代のマン・ユナイテッドとアーセナルの間にもあったが、こちらはもちろん民族云々とは別次元の話である。そもそも、当事者のプレーヤー同士が我を忘れたように試合直後に怒りと悔しさをぶつけ合うことなど、言われるほど多くはない。ラグビーでいう「ノーサイド」の精神はフットボールとて本質的に違いはない。特に同じスポーツのピッチにおいて切磋琢磨する個人間の敬意、友情、仲間意識は、敵味方を問わず強く深い。それが嘘偽りのない(特に)プロアスリートの真実である。 ▽例えば、ジョーイ・バートン。これまで数々の“悪名”を轟かせてきたイングランド有数の悪童だが、実はプレーヤー仲間の世界では意外なほど人望があるらしい。最近のエピソードで印象深いのは、後輩のロス・バークリーに対するいかにもプロらしい思いやりと接し方だ。ひょっとしてご存知ない方もいるだろうか、あるリヴァプールのベテランジャーナリストが唐突にバークリーの血筋に絡んで悪質な人種差別的揶揄記事を書いた事件。父型の祖父がナイジェリア人だというだけで、この記者はバークリーを「ゴリラ」と同類に扱い、プレーヤーとしても下劣だと言わんばかりにこきおろしたのだ。無論のこと、多方面から批判が相次ぎ、しばらくして当のジャーナリストは所属メディアから解雇された。バートンも口汚く罵りの言葉をツイッターにアップしたが、そこから先が一味違う。奇しくもそれからまもなく巡ってきたエヴァートン-バーンリー戦で、バートンはバークリーの厳しいマンマークに徹し、反発の闘志を掻き立てさせるかのごとく、プロとしての“激励”を施したのである。筆者はそれを見て本心で感動した。おそらくはバークリー本人も。 ▽実に残念なことに、このことに気づいて指摘した記事は筆者の知る限りどこにもなかった。なぜだろうか。おそらくは、バークリーが被った謂れのない侮辱を蒸し返すこともない、と自粛したのかもしれない。そして、バートンのプレーもポジション柄、珍しくもないとスルーした・・・・。だが筆者の感触は少々違う。つまり、ジョーイ・バートンという人格を多くの人がまだ(ジャーナリズム界を含めて)誤解したままなのではないか、と。平たく言えば、バートンは“嫌われ者”で彼を美化したような記事やコメントをものするのに、多くの人々がためらいを感じている・・・・。以前にも別の機会に触れたことだが、バートンは知られざる努力家であり、その範囲は実際のプレーやスキルに限られていない。数年前のオフには大学の講義を受講したりしながら、フットボール理論の研究に努め、同時にコーチングライセンス取得の勉強も始めている。あの面構えで類を見ないインテリ志向なのだ。このような範疇の出来事について、かの国ではその途上でむやみに持ち上げたりしない。“成果”もしくはその現実的兆候を確認してから評価の素材として取り上げる。もちろんジョーイ・バートンという男の性格もあろう。が、筆者は期待していいと思っている。 ▽どんな世界、業界でもそうだが、人間関係において「性格」が及ぼす効果は非常に大きい。端的に言えば「とにかく気に入らない、虫の好かないヤツ」は、どんなに成果を上げ、他人のために尽くしても、評価される度合いが、あるいは“スピード”が落ちてしまう。もちろん、そうなってしまうのは不幸なことであり、我々もそうあってはならないと肝に銘じるべきだ。逆に、俗にいう「気のいいヤツ」はそれだけでぐんと得をする。性別を問わず「愛される人格」とは、一緒にいるだけで和み、前向きにさせてくれる。先日、中国スーパーリーグ2部のクラブに所属する、元ニューカッスルなどでプレーしたコートジヴォワール代表、シャイク・ティオテが練習中に昏倒して急死した。この世界でごくまれに起きる予期せぬ不幸だったが、その死は想像を絶するレベルで悲しみの輪を広げた。その理由は、ティオテがまれにみる「いいヤツ」だったからである。事実、数多の同輩、特に彼と一度でも“同じ釜の飯を食った”経験のある元同僚から発せられた悲嘆と追悼と言葉は、若くして逝った者に対して通常捧げられる“決まり文句”にはない、真実の響きを感じる。 ▽ベルギー、アンデルレヒトでチームメイトだったヴァンサン・コンパニー(マン・シティー)は「これまで出会った中で最高に気立てが良く、最高にタフな友人を失ってしまった」と天を仰ぎ、ニューカッスルで肩を並べてプレーしたパピス・シセは「おやすみ、兄弟。もう会えないなんて信じられない」と言葉を失った。他にも、現レスターのダニー・シンプソン:「本当に辛い。君と知り合えたことを神に感謝する」、現ニューカッスル監督のラファ・ベニテス:「本物のプロにして常に全力を惜しまなかった以上に、人としてすばらしい男だった」、オランダのトゥウェンテでティオテを擁して史上初のリーグ優勝を遂げたスティーヴ・マクラーレン:「シェイク・ティオテの笑顔は、フットボール界一すばらしかった」、同チームメイトだったシエム・デ・ヨンク:「ドレッシングルームで彼と一緒にいるだけで楽しい気分になれた。友よ、安らかに眠れ」と、枚挙の暇もない。もちろん中国のチームメイトも彼の大ファンだったとか。すでに近く彼の追悼試合が行われることも決まっている。史上有数の「いいヤツ」の魂に捧げんために。ただ、よりによってそんな「いいヤツ」が早逝してしまう、残酷な理不尽さも恨めしく思わずにはいられない。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.06.16 13:16 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】豪州は恐れる相手ではないが日程に問題あり

▽日本人は、というよりサッカーファンは、ペシミスト(悲観主義者)が多いような気がする。ロシアW杯アジア最終予選でイラクと引き分けたことで、本大会に行くためにはホームのオーストラリア戦かアウェーのサウジアラビアでの勝利が必要になった。 ▽2チームとも楽な相手ではない。しかしながら現在のオーストラリアは、ボールポゼッションを高めたパスサッカーを展開してくる。「オレたちも以前のキック・アンド・ラッシュではなく、バルセロナのようなサッカーができるんだぜ」といった感じでボールを回して来る。そんな相手に昨年10月のアウェーでは、意図的にオーストラリアにパスを回させながら、ショートカウンターから先制した。 ▽残念ながらPKから追いつかれたものの、日本にとってはフィジカルを前面に出したキック・アンド・ラッシュの方が怖い。日本の失点パターンのほとんどは、ロングボールやドリブル突破からのカウンターが多いだけに、オーストラリアがパスサッカーをやってくれれば勝機も広がるというもの。 ▽そんなに恐れる相手ではないと思う。 ▽ただし、気になるのは日程だ。オーストラリア戦は8月31日だが、UAE対サウジ戦は8月29日、そしてサウジ対日本戦は9月5日。サウジは中6日で、なおかつ移動距離も短く時差もない。それに対し日本は中4日で時差や長距離移動を強いられる。 ▽JFA(日本サッカー協会)としては日程の変更も視野に入れているそうだが、FIFA(国際サッカー連盟)の設定した、選手を拘束できるインターナショナルウインドーは8月28日から9月5日まで。サウジと同じように8月29日にオーストラリア戦を迎えるとしたら、海外組は招集翌日に本番だし、国内組もJ1リーグが26日にあるため、中2日の強行軍となる。 ▽理想的なのは、海外組の招集を早めてもらうよう各クラブと交渉し、J1リーグの日程は変更した上での29日開催だ。そのための交渉やネゴシエートを誰がするのかというと、西野技術委員長になるのだろうが、リオ五輪で久保や南野の招集に尽力した霜田元NTDの辞任は痛いと言わざるを得ない。 ▽さらに9月5日のサウジ戦にも懸念材料はある。サウジは初戦のタイ戦を首都リアドのキング・ファハド国際スタジアムで開催したが、その後の3試合をジェッダのキング・アブドゥラ・スポーツシティで開催している。もしもジェッダで日本戦が行われるとなると、オシム・ジャパン時代の06年のアジアカップ予選以来(0-1)だが、問題は開催日時だ。 ▽というのもイスラム教徒にとって最大の儀式である聖地メッカへの大巡礼である「ハッジ」が、今年は8月30日夕方から9月4日に掛けて開催される。昨年は世界から200万人が訪れたそうだが、ジェッダはメッカへの玄関口となっているため、かなりの混乱が予想される。 ▽サウジ戦がロシアW杯への大一番となったら、多くのサポーターが観戦を希望するかもしれないが、試しに8月31日から9月5日までジェッダのホテルをチェックしたら、すでに多くのホテルが予約で埋まっていた。そして一番安いアパートメントホテルで6泊したら、約7百20万円という値段。1泊100万円以上の出費を覚悟しなければならない。これは、かなりハードルの高い試合と言わざるを得ない。開催都市がリアドになることを祈るしかないだろう。 【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.06.15 23:30 Thu
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【日本代表コラム】結果はドローも、新世代のプレーに見えた光明

▽灼熱のピッチ、ケガ人に悩まされるスクランブル状態の中、日本代表はロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のイラク代表戦に臨んだ。残り2試合の相手がオーストラリア代表(グループ3位)、サウジアラビア代表(グループ2位)ということを考えれば、勝ち点3を持ち帰りたかったはずだ。しかし、結果は1-1のドロー。最低限の勝ち点1を持ち帰るに留まった。 ▽この試合に向けては、7日に行われたシリア代表とのキリンチャレンジカップ2017で左肩を脱臼したMF香川真司(ドルトムント/ドイツ)を始め、追加招集されたFW宇佐美貴史(アウグスブルク/ドイツ)が離脱。さらに、シリア戦で負傷したMF山口蛍(セレッソ大阪)が全体メニューをこなせないなど、ケガに悩まされた。 ▽その結果、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は3月のUAE代表戦やシリア戦で試した[4-3-3]ではなく、[4-2-3-1]を採用。システムの変更だけでなく、ダブルボランチにMF遠藤航(浦和レッズ)、MF井手口陽介(ガンバ大阪)のリオ・デジャネイロ五輪コンビを起用。トップ下にFW原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)を配置し、右にFW本田圭佑(ミラン/イタリア)、左にFW久保裕也(ヘント/ベルギー)、1トップにFW大迫勇也(ケルン/ドイツ)を配置した。 ▽厳しい環境に加え、新たな布陣を試した日本代表。試合中にも負傷者が続出するエクスキューズもあり、引き分けに終わったことは残念ではあるが、光明も見えたように思う。 ◆本来のパフォーマンスを見せた昌子源 ▽シリア戦では久々の代表戦、DF吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)との初コンビなど、イレギュラーな要素もあり不安定な立ち上がりとなったDF昌子源(鹿島アントラーズ)。しかし、イラク戦では鹿島で見せているパフォーマンスに近いものを発揮することができていた。 ▽持ち味である一対一の強さは試合中に何度も見せ、ロングボールで裏を狙ってくるイラクに対し、しっかりと対応していた。また、同サイドのDF長友佑都(インテル/イタリア)や久保、そしてボランチの遠藤、井手口に対しても試合中に声をかけ、ポジショニングの修正を図っていた。まだまだ代表キャップは少ないものの、今回招集外となったDF森重真人(FC東京)のポジションを脅かす存在になることは間違いないだろう。センターバックの序列が変わる可能性を感じさせた。 ◆ダブルボランチを務めた遠藤航&井手口陽介のリオコンビ ▽今回のメンバーには遠藤、井手口、さらにGK中村航輔(柏レイソル)、FW浅野拓磨(シュツットガルト/ドイツ)とリオ五輪メンバーが招集。また、同世代のDF三浦弦太(ガンバ大阪)も招集されており、新たな世代がA代表に関わるようになった。 ▽遠藤は、2006年6月のキリンカップサッカーのボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦以来1年ぶりの出場。井手口はシリア戦に続き出場となり、初先発を果たしたが、両選手が見せたパフォーマンスは結果以上にポジティブに捉えても良いだろう。 ▽互いに守備を意識した入りとなり、遠藤は後方に構えてバランスを、井手口は豊富な運動量でボールを奪いにピッチを走り回った。序盤は2人のポジショニングが安定せず、バイタルエリアを空けてしまうシーンも見られたが、徐々にアジャスト。井手口が攻撃面でも良いプレーを見せ始めた矢先に、脳震とうで交代となってしまったことは残念だった。遠藤は失点シーンでパスを回されてしまった部分はあったものの、90分戦い切ったことは評価していいだろう。 ▽チームの安定剤だったMF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)がケガで戦列を離れ、2番手だった山口も負傷欠場。MF今野泰幸(ガンバ大阪)も負傷離脱から復帰したばかりと、ボランチのポジションが手薄となっていた。そんな中での2人のプレーぶりは、世代交代を含めてこの先の日本代表にとっては光明と言えるだろう。 ◆2カ月半後の決戦へGetty Images▽昌子、遠藤、井手口と新たな世代に起用の目処が立ったものの、残り2戦は総力戦で臨むことが必須だ。2カ月半後ともなれば、選手の状態やパフォーマンスなどは全く想像できない。海外組は移籍している選手も居るだろうし、国内組でも海外移籍を実現させている選手がいるかもしれない。ケガから復帰する選手もいれば、ケガをしている選手がいるかもしれない。どんな状況が待っているかは分からないが、新たな選手が計算できることはプラスだ。あとはハリルホジッチ監督がどの様な判断を下すのか。オーストラリア戦までの選手の状態を把握し、ロシアW杯出場権を掴むためにもしっかりとした決断を下してもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.06.14 19:15 Wed
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【倉井史也のJリーグ】今週末は逆恨みを晴らすってコトになりそう?! の巻

▽つーかね、私は経験不足だと思うわけですよ。だって中東って暑いに決まってるじゃないですか。の中で両翼に運動量を求めるサッカーをしてたら、そりゃバテバテですって。だから中東では自分たちはあんまり動かずにボールだけポンポン走らせるサッカーのほうが効率的なんですけどね。縦の距離を短くしておいて。だけどやろうとしてることが、かなり違ったような。 ▽だいたいホームでも山口蛍の奇跡的な一発で勝利した相手なんですよ。だったらアウェイで苦労しても当たり前。なのにいつも強気なヴァイッド・ハリルホジッチ監督ったら、もう! ▽ところで今回シリア戦も合わせて使わなかったフィールドプレーヤーは、槙野智章、宇賀神友弥、三浦弦太、加藤恒平、宇佐美貴史。宇賀神、三浦、加藤が初招集で、宇佐美が追加招集だったことを考えると、槙野ってかわいそうじゃないですか? ▽ってことで、5月28日の日本代表海外組合宿スタート以来、関連記事がグッと減ってしまったJリーグのおさらいを、槙野所属の浦和にちょっとだけフォーカスを当ててやっておきましょ。 ▽えっと、今首位は柏です。で2位は今年昇格してきたC大阪です。ACL組のG大阪、鹿島、浦和、川崎って消化試合が1試合少ないんだけど、もしその1試合を勝ったとしても、柏には届きません。 ▽だけど、実は浦和って7節から9節までは首位だったんです。9節の大宮に負けて、10節の鹿島に連敗して、それでも11節に新潟に大勝したおかげで首位に返り咲いていたんです。口さがない人たちは「浦和ってシーズン前半戦はいいんだよね」なんて言ってましたけど、なんとその後2試合勝ってない。で、現在は1試合少ないながらも首位と勝ち点7差の6位。いやいや、これってヤバイでしょ。 ▽その浦和が今週末のJ1最後の試合を18日の日曜日、18時30分からホームで磐田と戦います。他のチームよりも1日遅い日曜日ってことで、槙野の休養も十分なはず! でもって、今回出られなかった気持ちを、磐田相手に逆恨みってことで出してくれるはず! と期待しているのでした。 ▽だいたいハリルホジッチ監督も、そんなに走るサッカーがしたいのなら、延長戦で120分間の試合を終えてもなお、誰も寄せ付けないくらいのスプリント力を持っている槙野をなぜ使わないのか……(怒)。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.06.14 07:45 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】まだ真剣に戦っているチームもある…

▽「これなら最後にまたフィエスタが見られるかもしれない」そんな風に私がほくそ笑んでいたのは月曜。リーガ2部の昇格プレーオフの日程表を見ていた時のことでした。いやあ、いつだか思い出せないぐらい前に1位で直接昇格を決めたレバンテ、数節前に2位確定してそれにジローナが続いた後、先々週にはマドリッドのチーム3番手復活を狙っているヘタフェもプレーオフ出場を決めていたんですけどね。3位で終わるか、4位で終わるかだけ、土曜の最終節を待たないといけなかったんですが、幸い自身が何とか追いついて、マジョルカと3-3で引き分けたおかげで3位をキープ。同日、レバンテ戦に勝利して、バジャドリッドとオビエドとの差を保ち、6位の座を確保したウエスカとプレーオフ準決勝で激突することに。 ▽いやあ、まだ1部の試合のあった頃はなかなか、2部で頑張っているマドリッドの弟分たちに目を配る暇がなかったんですけどね。準決勝1stレグはこの水曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレス(ヘタフェのホーム)で迎える2ndレグは土曜で、勝ち上がれば、彼らは3位の柴崎岳選手がいるテネリフェと4位のカディスの準決勝勝者と対戦。また水曜、土曜と決勝を戦わないといけないものの、リーガ終了順位が上のチームが2ndレグをホームで戦うという規則からいくと、24日にはヘタフェが1年ぶりの1部回帰を地元のファンと一緒に祝えるという計算にならない? ▽ただ、懸念もちょっとあって、この昇格最後の1席をプレーオフで決める方式は2011年から始まったんですが、その6回中、3位のチームが目的を達成したのは2回だけ。おまけに1部より多いシーズン42節に加え、プレーオフ4試合と6月終盤まで公式戦をした後、ようやく昇格が決まるチームは夏休みが短くなりますからね。今季もプレーオフ経由で昇格してきたオサスナなんて、チーム力が整わないまま開幕を迎え、真っ先に2部Uターンが決まってしまいましたし、それを考えると、たとえヘタフェが来季、お隣りのレガネスと肩を並べることができるようなったとしても難題が山積みしそうですが、まあそれはそれ。 ▽今はまず、ウエスカに勝利することを考えるだけかと。そうそう、最終節には他にもいいニュースがあって、1節前まで降格圏にいたアルコルコンがルゴに3-0で勝利を収め、UCAMを追い越して残留を達成。12位で終わったラージョと共に来季も2部での戦いを続けられることになりました。ちなみに今季の2部B降格チームはそのUCAMの他にマジョルカ、エルチェ、ミランデス。数年前までは普通に1部でプレーしていたチームでも一旦、歯車が狂うとどんどん落ちて行くばかりというのは、スペインリーグの怖いところでもありますね。 ▽そんなことはともかく、先週末、お話しすべき試合があったのは日曜で、夕方からはサンティアゴ・ベルナベウでコラソン・クラシック・マッチが開催。ええ、レアル・マドリーが毎年開くチャリティマッチで、今回はローマOBとの対戦だったんですが、マドリッドはここ数日、まだ6月だというのに真夏モードに突入しているんですよ。おかげで直射日光の当たるスタンドで私も頭をクラクラさせて観戦していたんですが、出場した往年のスターの中でも著しく大型化していたブラジル人のロナウドにとっては、かなりの苦行だったよう。29分、ロベルト・カルロスのクロスをモリエンテスが自慢のヘッドで決めた後、交代一番手となっていましたが、それから間もなくのことでしたっけ。現役時代の鋭さを思わせるFKをフィーゴが直接捻じ込んで、マドリーの2点目を取ったのは! ▽実際、フィーゴやこの試合2点目を挙げたモリエンテス、ロベルト・カルロス、ラウール、サルガドらは今はもう懐かしい、マドリーのギャラクティコ時代のメンバーですからね。5~15ユーロ(約600~1900円)というお手頃値段もあって、スタジアムをほぼ満員にしたファンもノスタルジーを感じたか、うだるような暑さにも関わらず、大いに盛り上がっていました。しかし残念だったのはそこにジダンやベッカムの姿がなかったこと。いえ、今季限りでポルトを退団したものの、GKカシージャスはまだ現役を続けるようなので呼べなかったのはわかりますけどね。ジダンもマドリー監督に就任する前はこういう試合の常連だったんですが、丁度、1週間前にドゥオデシマ(12回目のCL優勝)を同じピッチで盛大に祝ったばかりとあって、今はノンビリ休暇を取りたかったのかも。 ▽どちらにしろ、ローマは最後まで1点も返すことができず、試合は4-0でマドリーの完勝と結果も申し分なかったんですが…。いえ、私は後半開始と同時にスタジアムを出てしまったんですけどね。これは別に日焼けを恐れたせいではなく、夜に控えていたスペイン代表戦を見るためだったんですが、まさに正解でした。何故なら、W杯予選でスコピエに赴いた彼らはその日のマケドニア戦で先日の親善試合とは異なり、Aチームを投入。序盤から圧倒的にボールを支配して、14分にはイニエスタ(バルサ)からジョルディ・アルバ(同)と繋がり、最後はシルバが半回転してシュートと、水曜のコロンビア戦同様、先制点を挙げてしまうんですから、熱中症になる危険を避けたのは賢かったかと。 ▽さらに畳みかけたスペインは26分にも、今度はイスコ(マドリー)が敵DFをかわしてエリア内に入り込むと、ゴール前にキラーパス。ドンピシャの場所にいたジエゴ・コスタ(チェルシー)が押し込んで2点目ゲットとなれば、この先のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は保証されたかと思ったんですが…。その後、ハーフタイムまでにあった2度程のチャンスはどちらもイスコがゴールを決めきれず。おかげで後半、マケドニアがカウンター攻撃を発動、センターから抜け出したリストフスキ(リエカ)を「Quizá he podido hacer un poco más pero había riesgo de tarjeta en esa jugada/キサ・エ・ポディードー・アセル・ウン・ポコ・マス・ペロ・アビア・リエスゴー・デタルヘタ・エン・エスタ・フガダ(多分、もう少し何かできる余地はあったかもしれないけど、あのプレーにはイエローカードをもらう危険があった)」というセルヒオ・ラモス(マドリー)が止められなかったのも響きましたよね。デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)もそのシュートを止められなかったため、スペインは1点差に迫られてしまうことに。 ▽そこでロペテギ監督はチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)をコケ(アトレティコ)に代え、守備の強化を図ったんですが、実際、相手も別に攻撃的に優れたチームという訳ではありませんからね。ピケ(バルサ)のヘッドが外れたり、コスタのシュートが敵GKに止められたりと、追加点は入らなかったものの、最後は1-2でスペインが逃げ切って試合は終了。ええ、ロスタイムにはイニエスタに代わり、U21から応援参加しているサウール(アトレティコ)が出場と、ご褒美A代表公式戦デビューまでさせてもらえるなんて、実は意外と余裕だった? ▽まあ、あくまでこれは予選ですから、スペインのような本大会常連は勝って当然なんですが、何より喜ばしいのはロペテギ監督になってから、コスタがちゃんとゴールゲッターとしての役目を果たせていること。ええ、これでもう5得点として、このW杯予選フェーズではシルバと並んでチームの得点王ですからね。デル・ボスケ監督時代とは随分、変わったものかと。ちなみに当人はこの試合後もミックスゾーンでチェルシー退団の意志を強調。「Fichar por el Atlético no significa estar sin jugar. Podría irme cedido a otro equipo/フィチャール・ポル・エル・アトレティコ・ノー・シグニフィカ・エスタル・シン・フガール。ポドリア・イルメ・セディードー・ア・オトロ・エキポ(アトレティコに移籍するのはプレーしないでいるってことじゃない。他のチームにレンタルで行くこともできるんだから)」と言っていましたが、この口ぶりだと、本当に来年1月まで新規選手登録をできない古巣に戻って来てくれるかもしれませんね。 ▽そして同日、グループのライバル、勝ち点が同じイタリアは予想通り、リヒテンシュタインに5-0と圧勝。それでもまだ得失点差が4あるため、スペインが1位のままなんですが、こうなるとますます9月2日にサンティアゴ・ベルナベウで行われる直接対決から目が離せないことに。幸い、ロペテギ監督が試合中に何度も注意してくれたため、マケドニア戦はコスタを含め、累積警告が迫っていたラモス、ピケ、ブスケツ、チアゴ、ビトロは誰もイエローカードをもらいませんでしたしね。ピケに限っては会場の雰囲気重視のため、出場停止で、ラモスとナチョで馴染みのマドリーCBコンビでも良かったような気がしないでもありませんが、バケーションを挟んだ後のことなので、今の段階ではpito(ピト/ブーイング)を警戒するのも気が早いかと。 ▽実際、8月のスペイン・スーパーカップの結果次第では、場所的に絶対マドリーファンの多いだろう観客も彼に寛容になれるかもしれませんしね。ちなみに試合後、スコピエからスペインに戻った選手たちはそれぞれ、休暇の予定をこなしに散って行ったんですが、例外はサウール、アセンシオ(マドリー)、デウロフェウ(今季後半はミランでプレー)、GKケパ(アスレティック)の4人。月曜には再び、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会に戻り、今度はこの金曜に始まるU21ユーロ大会参加の準備を始めることに。うーん、イスコ同様、ジダン監督の下で今季はあまり出場時間がなく、今が一番波に乗っているようなアセンシオなんかはいいんですけどね。負傷者続発による頭数不足のせいもあって、シーズンフル稼働だったサウールはちょっと疲労が心配なところですが、彼はまだ22歳。若い選手ですから、大丈夫なんですかね。 ▽そしてこのW杯予選期間、今季終盤を絶好調で終えたクリスチアーノ・ロナウドはポルトガル代表でもラトビア戦で2ゴールを挙げて勝利に貢献。土曜から始まるコンフェデレーションズカップにも期待を持たせてくれた他、ヴァランとグリーズマンが先発したフランスは2-1でスウェーデンに不覚、モドリッチとコバチッチが出たクロアチアもアイスランドに1-0で負けるなど、波乱もあったようですが、マドリー勢の中には出場停止でウェールズのセルビア戦に出られなかったベイルやレーブ監督にコンフェデレーションズカップも含め、参加を免除されたクロースなど、一足先にバケーション入りしている選手も。 ▽こうなると後はモウリーニョ監督からラブコールを受けているモラタのマンチェスター・ユナイテッド移籍がいつ決まるのかとか、火曜にヘタフェで行われるカメルーンとの親善試合のため、驚いたことに現在、バルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場でコロンビア代表のトレーニングしているハメス・ロドリゲスが彼とご一緒するのかといった選手の出入りの話題ばかりになってしまいますが、そうそう月曜にはアトレティコファンに朗報が1つ。グリーズマンと2022年まで、1年間の契約延長に合意に達したそうですが、契約破棄金額は1億ユーロ(約123憶円)のままで、先日、2024年まで延長したコケの1億5000万ユーロ(約185億円)より少なくてもいいよう。それもあってか、当人はアトレティコが選手登録できるようになる1月の移籍を考えているのではと穿つ向きもありますが、その時はその時。マドリーが9000万ユーロ(約111億円)と言っているモラタが本当にその値段で決まったら、私もちょっと心配になるかもしれません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.13 12:03 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】ちょっと調子が良すぎるかも…

▽「これもかなり絵に描いた餅よね」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、前日のAS(スペインのスポーツ紙)が「ラガゼット(リヨン)は1月まで寝かせるつもりで獲る計画」と報じたのに続き、マルカ(同競合紙)に至っては「ジエゴ・コスタ(チェルシー)は6カ月のプレシーズンキャンプ」と、どう考えても冗談としてか思えない記事を載せていたのを見つけた時のことでした。いやあ、先日、CAS(スポーツ仲裁裁判所)がFIFAの処分を肯定する裁定を下した際には自分もいささか動転して、グリースマン40得点、フェルナンド・トーレス、ガメイロは20得点、サウルやコケにまで身の丈に余るだろう期待を懸け、来季のアトレティコのゴール数を計算。今年の1月に続いて、この夏も戦力補強ができない不安から、無理矢理目をそらそうとしたりもしたんですけどね。 ▽コスタ自身も「来年はW杯があるから」と言っていた通りで、いくらスペイン代表のロペテギ監督がレアル・マドリーのローテーション政策大成功を目の当たりにしたばかり。CL決勝でのクリスチアーノ・ロナウドの働きはともかく、今季はジダン監督にあまりプレー時間をもらえなかったアセンシオもGKブッフォンからマドリーの4点目を挙げるなど、シーズン終盤に体力に裏打ちされた才能を遺憾なく発揮しているため、この6月の国際代表週間ではA代表でプレーした後、U21ユーロ大会にも参加してもらえる程、お役立ちになっているなんて例もありますけどね。1月から試合に出始めれば、疲労蓄積のない状態でロシアに行ってもらえるはずというのも、やっぱり獲らぬ狸の皮勘定すぎないような。 ▽だってえ、2年前、バルサが同様のFIFA処分を受け、シーズン半分、ムダにすることを承知で入団したアルダ・トゥラン(アトレティコから移籍)やアレイチェ・ビダル(同セビージャ)みたいにならないなんて保証、どこにもないんですよ。いえ、先日、アルダが随行記者を罵倒して、その結果、トルコ代表引退宣言に繋がってしまったというのまで、そのせいだったと言うつもりはありませんけどね。両者ともプレーが解禁となっても、すでに出来上がっていたスタメンに割って入ることはできず、ビダルには足首の脱臼という長期離脱もありましたが、今季もその状況は変わらなかったのは周知の事実。 ▽それを思うと、同じく補強選手候補に挙がっているビトロ(セビージャ)やサンドロ(マラガ)など、前者はラス・パルマスへの半年レンタル、後者は来季前半までミチェル監督のチームで過ごすという段取りをアトレティコは画策中。できれば、コスタにもCLに出ないどこかのチームで待機してもらいたものですが、当人もラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でサウルと再会して、満更でもなさげだったですし(https://twitter.com/saulniguez/status/871814114833727488)、中国などに行って言葉や生活習慣で戸惑うより、意外と半年間の充電期間は悪くないと思っているかも。 ▽あ、チェルシーに留まるのはコンテ監督から、「一緒に過ごした今季はありがとう。Buena suerte para el proximo ano, pero no estas en mis planes/ブエナ・スエルテ・パラ・エル・プロキシモ・アーニョ、ペロ・ノー・エスタス・エン・ミス・プラネス(来季の幸運を祈る。でも君は私の構想には入っていない)」という携帯メッセージをもらったことをコスタ自らが激白。まずありえないので、それこそチェルシーは「Me tienen que vender en las rebajas.../メ・ティエネン・ケ・ベンデル・エン・ラス・レハッハス(値下げしてボクを売らないといけない)」(コスタ)というのはアトレティコにとって、願ったり叶ったりなんですが、うーん、その発言あったのが、自身は出場しなかったスペインの親善試合後のミックスゾーンだったとは…何か、国際メジャー大会予選中はあんまりサッカー自体の話題が注目されない傾向にありますよね。 ▽まあ、もう1人のお騒がせ常連のことはまた後程、お伝えしますが、とりあえずここで水曜のコロンビア戦がどうだったか、振り返ってみることにすると。ムルシア(スペイン南部)のヌエボ・コンドミニナで行われたこの試合、昨年夏からの宿題になっていたマドリー移籍がケイロル・ナバスの復調で今年も叶いそうになくなったせいかどうかは知りませんが、急性胃腸炎でホテルに残ったGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)はともかく、ロペテギ監督は日曜のマケドニアとのW杯予選を考えながらスタメンを選択。そんな中、スペインの攻撃を牽引したのはシルバ(マンチェスター・シティ)で、前半9分に連続して3度もシュートを放ちながら、全て弾かれてしまった時には頭を抱えたものですが、大丈夫。21分にはペドロ(チェルシー)のラストパスをゴール前から押し込んで、しっかり先制点を挙げてくれます。 ▽ただ、その後は今季、マドリーであまりチャンスがない分、代表を心の拠り所としてきたハメス・ロドリゲス率いるコロンビアが発奮。強いプレスをかけたのが効を奏したか、39分には数日前のCL決勝ではイエローカード2枚で退場、12分しかプレーしていないため、先発に入ったクアドラード(ユーベ)が入れたクロスにピケ(バルサ)とアスピリクエタ(チェルシー)のどちらも足を出さず、GKレイナ(ナポリ)のすぐ前でカルドーソがvaselina(バセリーナ/ループシュート)して、同点ゴールとなってしまったから、驚いたの何のって!ええ、ピケがゴールラインで試みたクリアも空しく、コロンビアのTV実況アナから、「No pudiste Shakiro!/ノー・プディステ・シャキーロ(シャキーロも防げなかった)」と絶叫されてしまうんですから、まったく困ったもんじゃないですか(http://www.marca.com/futbol/seleccion/2017/06/08/5939a319ca47413e7b8b45c6.html)。 ▽まあ、スペイン語ではマリオ、マリアのように、語尾がオなら男子、アなら女子になるため、同国の誇る世界的シンガー、シャキーラの彼氏であるピケがコロンビア人たちからシャキーロと呼ばれてしまうのはわかるんですけどね。どうにもこの日は守備陣がレギュラーメンバーでなかったのが、後半9分にも災いしたよう。ええ、今度はハメスのCKをファルカオ(モナコ)が、まるでアトレティコ時代を思わせるような激しいヘッドでゴールにしてしまったから、さあ大変。試合前日、「Me lo encontre hace 5 minutos y me alegro mucho de su estado de forma/メ・ロ・エントントレ・アセ・シンコ・ミヌートス・イ・メ・アレグロ・ムーチョ・デ・ス・エスタードー・デ・フォルマ(5分前に会ったけど、彼が好調でとても嬉しいよ)」なんて言っていたコケ(アトレティコ)なども、これにはあまり喜べなかったかもしれません。 ▽それでロペテギ監督も勇断を下すことになったんですが、すでに後半頭からは打撲を受けたシルバ、イニエスタ、ジョルディ・アルバ(バルサ)に代えて、サウル、アセンシオ、モンレアル(アーセナル)を投入していたのに加えて、更にイアゴ・アスパス(セルタ)とピケに代わって、モラタ(マドリー)とデウロフェウ(今季後半はミランでプレー)がピッチに入ることに。ええ、ここからスペインは3バックで反撃に行ったんですよ。ただ、なかなか得点はできなくて、試合終了が近付くにつれ、ロペテギ監督就任後、初めての敗戦は免れないかと思われたところ…。 ▽まさか、こんなところで、どこぞのチームの伝統芸が見られるとは一体、誰が予想できたでしょう。そう、43分、モラタのヘッドが決まって、土壇場でスペインは追いついたんですよ。え、そのプレーの起点となるパスを出したのはコケ、左サイドからクロスを上げたのはサウルとアトレティコ勢が混ざっていたため、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)まで行かなかったんじゃないかって?そうですね、ここにまだCL決勝の後、代表に合流していなかったセルヒオ・ラモスやイスコら、もっとマドリー勢が多くいたら、残り時間は少なくても勝てていたかもしれませんが、試合は2-2の引き分けで終了。コロンビアもファルカオやハメスは最後までプレーしませんでしたから、助かったようなところもありましたっけ。 ▽そんな展開だったため、ピッチサイドでのインタビューではモラタが喋ったんですが、彼もマドリーからの移籍が噂されていますからね。「Quien sabe, igual somos companeros el ano que viene/キエン・サベ、イグアル・ソモス・コンパニェロス・エル・アーニョ・ケ・ビエネ(誰にわかる。来季もボクらはチームメートかもしれない)」と、ハメスのことを尋ねられてそう答えたのは、2人揃って、マンチェスター・ユナイテッド入りかなんて深読みされたりもしたんですが、そんなのまだまだ可愛い方。ミックスゾーンでその日の主役を見事にかっさらって行ったのはお馴染みの彼でした。 ▽いやあ、私も先週末、ラス・ロサスに練習見学に行った時から心配していたんですが、やはりムルシアの地元ファンも試合中、ピケにpito(ピト/ブーイング)を浴びせていたんですよ。そのことについて、しつこく訊かれた当人が、「Por que os interesa tanto lo de los pitos?/ポル・ケ・オス・インテレサ・タントー・ロ・デ・ロス・ピトス(どうして君たちはそんなにブーイングに興味があるんだ)。マスコミがコトを大袈裟にしている。2016年のユーロの後はもう誰もブーイングしなかったのに、それでまた始まった」と大爆発。でもねえ、その原因には、コロンビア戦の前にも彼がマドリーファン挑発発言をしていたせいもありませんか? ▽というのも、代表合宿中のインタビューでピケは「バルサがコパ・デル・レイ優勝でパレードをする時は、マドリーが絶頂期にあるっていうこと。Nosotros conseguimos que el Madrid hiciera una rua por ganar una Copa del Rey/ノソトロス・コンセギモス・ケ・エル・マドリッド・イシエラ・ウナ・ルア・ポル・ガナール・ウナ・コパ・デル・レイ(ウチはマドリーにコパ優勝でパレードをやらせた)」と、2011年にモウリーニョ監督時代のマドリーが決勝でバルサを破って戴冠した時、シベレス(マドリーがファンと優勝を祝う市内の広場)でイベントを開いたことを揶揄。ラモスがオープンデッキバスからトロフィーを落とし、潰してしまったせいで、世間の記憶にもまだくっきり残っている曰くつきのパレードのことですが、え、でも翌年の2012年、バルサもカンプ・ノウにファンを集めて盛大にコパ優勝を祝っていませんでしたか? ▽うーん、今季のバルサは確かに何もしなかったため、要は前人未到のCL2連覇、今季はリーガとの2冠といえど、ここ近年で3冠(CL、リーガ、コパ)を2度も成し遂げている彼らが羨む程の差がついている訳ではないと、ピケは言いたかったのかもしれませんけどね。こうも口が減らないのでは何せ、スペイン人の観客には人がやっているから、面白がって一緒にブーイングするという傾向もあるため、余計に面倒。とりわけ次の代表ホームゲーム、9月のW杯予選イタリア戦はサンティアゴ・ベルナベウで開催されることが決定しているだけに、この件はまだまだ尾を引くかと。もちろん、そんな状況は他の選手たちにもいい影響を与えませんから、たとえ8月のスペイン・スーパーカップでバルサがマドリーに圧勝したとしても、ここは少し、当人も物議を醸すようなコメントや行動は控えた方がいいんじゃないでしょうか。 ▽そして最初に話したコスタのコンテ監督メッセージ暴露などもあった後、チームはマドリッドに戻り、木曜は午前練習してから、夜まではフリータイムを満喫。金曜のセッションからは最終合流組のラモス、イスコ、カルバハルも特にピケと問題はないようで、和気藹々と汗を流すと、夕方にはスコピエに向けて出発しています。どうやらケガを心配されたシルバも大したことはなかったようで、デ・ヘアも体調を回復。今回のメインディッシュであるマケドニア戦ではベストメンバーで挑めそうですが…むしろ気になるのは同グループで勝ち点で並ばれているイタリアがリヒテンシュタイン戦を利用して、現在の1位と2位を分けるスペインとの得失点差8を縮めるため、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を計画しているという辺り、予選というもののレベルが知れるかと。 ▽あとイエローカード1枚でラモス、ピケ、ブスケツ(バルサ)、チアゴ(バイエルン)、ビトロ、コスタがイタリアとの直接対決で出場停止になってしまうというのも結構、懸念の種ですが、試合の方はまあ、スペインが普通に勝つことを期待していいはず。そんなマケドニア対スペイン戦のキックオフは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)。今度はモラタにしろ、コスタにしろ、大型CFを据えてのスタートになりますから、もっとシュートが増える展開になるのは確実かと。その日は夕方から、マドリーとローマのOBの対決するチャリティマッチ、コラソン・クラシック・マッチを見にサンティアゴ・ベルナベウに行く私ですが、ロナウドやラウール、フィーゴら、往年の名選手に気を取られず、早めに家に帰らないとゴールを見逃してしまいそうですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.10 10:30 Sat
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【東本貢司のFCUK!】ヤングライオンズ2017年夏の乱

▽韓国で行われているU20ワールドカップにて、イングランドは同大会史上初めて決勝に進出した。昨夜の準決勝でイタリアを下した戦いぶりには、少なからず近い将来をまぶしく照らす手応えと興奮がにじみ出ていたようで、ギャリー・リネカー、フィリップ・ネヴィルらから届いた賞賛のコメントも、いつになく“簡潔で控え目”な、どこか込み上げてくる喜びをあえてぐっと抑えつけているような響きを感じてしまう。まだ「新たな黄金世代」と持ち上げるのは気が早すぎるとしても、きっと単なる快勝で終わらない底深い印象をもたらしたからだろう。チームメンバーの現所属をざっと眺めて目立つのは、エヴァートン、チェルシー、ニューカッスル、リヴァプール。クーマンの積極的な若手起用が進むエヴァートンや、晴れて復活昇格を果たしたニューカッスルの来シーズン、彼らがプレミアで躍動する機会もそこそこ期待できそうだが、大物感で突出して一気のブレークにありそうなのは大会直前にチェルシーからリヴァプールへの移籍が内定したドミニク・ソランキーだ。 ▽「ソランキー」と書いたがこれは英語読み。フルネームはドミニク・アヨデレ・「ソランケ」=ミッチェル、身長185センチのFW。チェルシー監督時代に彼を見止めたジョゼ・モウリーニョは「ドミニクは間違いなく将来のイングランド代表、それもエースに育つめったにない逸材」と褒めちぎっていたらしい。そんなホープをチェルシーが手放してしまったのは、アントニオ・コンテにそこまで見極める余裕がなかったからなのか・・・・。また、モウリーニョはモウリーニョで、この突然のリヴァプール移籍に舌打ちしている? そして、ユルゲン・クロップの、イングランドにおけるリクルートネットワークは想像を越えて目敏いのかも・・・・。いやいや、まだ煽り立てるのはそれこそ気が早い。当面はクロップの腹一つ、エヴァートンのトム・デイヴィーズばりに使われてこそである。とはいえ、このU20W杯がソランキーの株を上げたのは紛れもない事実で、準々決勝では貴重なアシスト、イタリア戦では面目躍如の2ゴール(同点弾と勝ち越し)、存在感は他を圧している。俊足でスキルも柔軟、左右ウイング、トップ下もできるモダンアタッカーの資質も十分だ。 ▽ソランキーの話ばかりでは礼を失するというもの。せめてあと二人くらいは持ち上げておこう。まずはアデモラ・ルックマン。チャールトンのアカデミー出身。すでに先シーズン、エヴァートンのファーストチーム入りして数試合出場を経験している。デビュー戦、マン・シティーを4-0で粉砕したメモリアルゲームで4点目を決めたのはまだ記憶に新しい。もう一人のリヴァプール所属シェイ・オジョは、ミルトン・キーンズ・ドンズのアカデミーを経て2011年11月11日(!)、チェルシーを含む有力クラブ入り乱れての争奪戦を制したリヴァプールの一員となり、昨年3月にプレミアデビューを果たしている。順調に運べば、いつの日かこの19歳トリオが居並ぶスリーライオンズの前線は、ちょっとした見ものとして衆目を集めるに違いない。U20チームの監督、ポール・シンプソン(マン・シティー、ダービーなどでウインガー)は「あいつらが(今大会の)優勝トロフィーを掲げる様子が今から目に浮かぶよう。それだけの実力とオーラがある」とやや浮かれすぎ気味に「これほどの素材が揃ったのはかつて記憶にない。とんでもなく楽しみだ」と手放しだ。 ▽実はこれに先立って、現在開催中のトゥーロン・トーナメントでも、イングランドは首尾よく決勝にコマを進めている。明日10日に対決するのは準決勝でチェコを退けたアフリカの雄、アイヴォリーコースト。ヤングライオンズのエースはレスター所属のハーヴィー・バーンズで、同僚のジョージ・ハーストと仲良くここまで4得点をマーク。この二人も今後、要注目だ。ちなみに、日本も参加していて同じグループAに入り、キューバ、アンゴラと引き分け、イングランドに1-2で敗れた。また、“開催国”のフランスはアイヴォリーコーストと同じグループBで3位敗退、もう一つのグループCではブラジルがスコットランドに敗れ、そのスコットランドをイングランドが準決勝で下している。各国の詳しい状況がもう一つ定かでないため、実力および将来性などを測るわけにはいかないが、現21歳以下レベルでの戦力層と勝負強さにおいて、ヤングライオンズは少なくとも世界トップクラスにあると言えるだろう。そこからどれだけ“成長”が望めるのか楽しみにしたい。 ▽なお、最新のニューズによると、マン・ユナイテッドがズラタン・イブラヒモヴィッチとの契約更新を見送る公算大とか。こうなるといよいよ、レアルのアラヴァロ・モラタ獲得へまっしぐら? また、レスターではクレイグ・シェイクスピアの正式監督就任が発表された。マーレズ(アーセナル?)に続いてヴァーディー(エヴァートン?)の退団も噂されているが、チルウェルや上記のバーンズを中心にあえて若手主軸に切り替えていくのか、それとも、あっと驚く大物リクルートに乗り出すか(チャンピオンズ参入で資金の方はそこそこ“がんばれる”)。意外に、オフの台風の目の役割はレスター辺りが演じることになるのかもしれない。あとはムバッパとラカゼットの仏大物ストライカーコンビ、その行方、はたまたルカクはやはりチェルシー入りなのか、バークリーはどうする、そしてルーニーの去就・・・・気になること満載の2017年夏の乱。うまく収まればいいのだが・・・・。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.06.09 11:40 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】後半の戦いに可能性の広がったハリル・ジャパン

▽シリア戦にスカッと快勝して国外・国内組のコンディションを上げて、万全の体勢でイラク戦に臨む。そんな思惑を吹き飛ばすシリアの素晴らしい戦いぶりだった。ロシアW杯2次予選で日本は3-0、5-0と快勝したものの、それは2年前の話。当時、ゴールを決めた本田と岡崎もいまは三十路を超えた。日本が衰えたと言うよりも、シリアの実力が上がったと見るべきだろう。 ▽ハリルホジッチ監督は、度重なる視察と要望にもかかわらず、イラク戦の行われるイランのピッチはデコボコの状態と判断し、試合では「ロングボールによる空中戦とこぼれ球を拾う」ことを攻撃の課題に挙げ、守備ではイラクが「ドリブル突破で攻めてくる」と予想し、「ボールを奪える選手、戦いの好きな選手を選んだ」と記者会見で話していた。 ▽そして仮想イラクと選んだシリアは(Aグループ4位で13日にマレーシアで中国戦がある)、前線の3選手(4-3-3)だけでなく、両サイドバックもボールを持ったら強引なまでのドリブル突破を仕掛けてくる、もってこいの相手だった。 ▽特にボールを奪ってからのドリブル突破によるカウンターは迫力満点。前半30分まではシリアのハイペースな攻守に後手に回り、日本はボールを持っても落ち着いてさばくことができず、バタバタした印象しか残らなかった。 ▽ボールを奪いに行ってもデュエルとスピードで負けてドリブル突破を阻止できない。前半16分に左SBアルアジャンがカットインで簡単に酒井宏と吉田をかわしてシュートまで持って行ったシーンには頭を抱えたほどだ。 ▽救いは、やはりアジアレベルなのかシュートの精度を欠いたこと。しかしW杯アジア最終予選7試合で3失点という堅守は健在で、前半は日本にチャンスらしいチャンスを作らせなかった。というのも、日本は前半7分に香川が接触プレーで左肩を負傷し、倉田と交代していたこともあったからだ。 ▽ハリルホジッチ監督は、時として大胆な起用をする。最終予選の初戦で大島をスタメンで起用したり、オーストラリア戦では丸山を左MFで投入したりした。シリア戦でもCBに代表歴2試合の昌子を起用。他に呼んだCBは初招集の三浦しかいないため昌子のスタメンは十分に予想されたが、負傷の香川に代わって倉田という交代策も意外だった。 ▽もしかして指揮官は、特定のプレーメーカーを置かず、どこからでも攻められ、守れるチーム作りを目指しているのかと期待したものの、そう簡単にはいかなかった。日本は前線で大迫が巧みなボールキープから孤軍奮闘し、原口も果敢にドリブル突破からシュートを狙ったものの決定機を作るまでにはいたらない。 ▽日本が攻勢に出られたのは後半開始から久保に代え本田を、そして山口に代え井手口を投入してからだった。本田は、最初は右ワイドな攻撃的なポジションで、今野が浅野と交代してからは右インサイドハーフでプレーしたが、持ち前のキープ力、空中戦など体幹の強さ、そして広い視野は相変わらず健在で、サイドチェンジで乾の持ち味を引き出していた。 ▽そして代表デビューの井手口と、原口と交代で久々の代表復帰となった乾は、この試合における一番の収穫と言っていい。井手口は中盤の底でタメを作ったり、緩急の変化に富んだパスで攻撃にリズムを生み出したりした。 ▽そして乾は、原口のカットインとは対照的に、スペースがないように見えてもタテへの突破でシリアの脅威となっていた。右足首にケガを抱え、出場が危ぶまれた乾がここまでやれたのも意外だったし、活躍を見てしまうと、当然この試合はイラクも視察しているだろうから、秘密兵器として隠しておきたかったという気持ちもある。 ▽ただ、逆にイラクは原口なのか乾なのか、スタメン予想に悩むかもしれない。香川の離脱は痛いものの、井手口の活躍により、井手口をアンカーに置き、今野と山口をその前に配置する守備重視の逆三角形の中盤、もしくは今野と山口のダブルボランチで、その前に井手口を置く三角形の中盤など可能性は広がった。 ▽あとは、テロ事件の起きたイランで無事に試合が開催されることを祈るばかりだ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.06.08 22:32 Thu
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