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コラム

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【原ゆみこのマドリッド】信念だけでは足りない…

▽「器物破損罪って、スペインにはないのかな」法律に疎い私がそんな風に首を捻っていたのは金曜。ビセンテ・カルデロンで最後のヨーロッパの大会の試合となったCL準決勝2ndレグでスタンドのシートを引き剥がし、持って帰ったアトレティコファンが部屋に飾った戦利品をTVで自慢しているのを見た時のことでした。いやあ、AS(スポーツ紙)などには、試合終了間際に突如として降り始めた大雨に、とりわけ500席程が被害にあったfondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)では備えのなかったファンが傘替わりに利用。その場を動かず、応援を続けていたなんて美談的に書いてあったものの、まあ、その日はパソコンを持っていたため、とてもじゃないけどタイムアップの笛が鳴るまで待っていられず、プレスルームに逃げ込んでしまった自分ですから、気持ちはわからなくもないんですけどね。 ▽今季でお役御免となるスタジアムの思い出にそのままシートをお持ち帰りしようとしたファンの大多数は出口で係員に没収され、ほとんどは内部に留まったとも聞いていますが…。いや、ちょっと待って! 私が非力なせいもあるものの、まずはどうして、あのしっかり固定されている席を外してやろうなんて発想が出てくる? その昔、今季は2部で昇格プレーオフを目指して戦っているマドリッドの弟分、ヘタフェがUEFAカップで、GKオリバー・カーンも現役だったバイエルンをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えた際、ビジターチームのウルトラ(過激なサポーター)たちがシートを引き剥がして暴れたと聞いた時には、体格のいいドイツ人ならではの蛮行かと思ったこともあったもの。 ▽試合後、その件について訊かれたウルグアイ人のヒメネスが、「Yo tambien me hubiera llevado un asiento/ジョ・タンビエン・メ・ウビエラ・ジェバードー・ウン・アシエントー(ボクだって、シートを持っていったよ)」と言っていたのはあくまで冗談で、決してお国柄ではないことを祈りたいんですが、ビセンテ・カルデロンでもポルトガルのクラブか何かが来た時、相手方のファンが座るfondo norte(フォンド・ノルテ/北側ゴール裏席)2階のシートが被害にあったこともありましたしねえ。でもいくら、移転が決まっているとはいえ、まだこの先、リーガ最終戦のアスレティック戦、アトレティコは出ないけど、コパ・デル・レイ決勝、お別れOB戦だってあるんですよ。 ▽それまでに座席を元通りにしないといけない整備の人たちにしてみたら、いくら最後のご奉公とはいえ、あまりに心ない仕打ち。運良く私はかち合わなかったものの、キックオフ1時間程前にスタジアム周辺でアトレティコのウルトラたちと警官隊が衝突。ビール瓶や石が飛び交い、25人の負傷者が出た騒動もありましたし、選手たちが「la mejor aficion del mundo/ラ・メホール・アフィシオン・デル・ムンド(世界一のサポーター)」(ガビ)と絶賛するファンの中にも素行の悪い者たちが混じっているのは、こちらのサッカーの本当に嘆かわしい側面かと。 ▽まあ、そんなことはともかく、肝心の試合の話をしないといけません。火曜の夕方はその最高のサポーターたち700人余りがホテル・モンレアルの前に集合。1stレグの前は午後11時に応援を始め、選手たちにわざわざ部屋から出て来させたのを反省したか、この日はビセンテ・カルデロンでの最終練習を終えたチームがバスで到着する時間だったんですが、「Hasta la ultima gota de sangre/アスタ・ラ・ウルティマ・ゴタ・デ・サングレ(最後の血の1滴まで)」という横断幕とカンティコ(節のついたシュプレヒコール)で元気づけられた彼らもその夜、先週のホームゲームを0-2で落としていたモナコがかつてのアトレティコのエース、ファルカオの奮闘も空しく、ユベントスに2-1と再び敗北。総合スコア4-1で姿を消したのにはさぞかし、remonatada(レモンターダ/逆転劇)の難しさを噛み締めることになったのでは? ▽え、それでもアトレティコは奇跡を起こしかけたじゃないかって? その通りで、最初は満員のスタンドも試合がどうあれ、とにかく応援することが目的になっていた感もあったんですけどね。立ち上がりから、お隣さんに怒涛の攻勢を仕掛けた彼らは開始4分、コケがゴール左脇から撃ったシュートこそGKケイロル・ナバスに弾かれてしまったものの、12分にはそのコケの蹴ったCKを頼りになるカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の後輩、サウールがヘッドで決めて早々に先制。さらに16分には先輩のフェルナンド・トーレスがエリア内でヴァランに倒され、PKをゲットしてくれた時には、どんなに我が目を疑ったことか。 ▽アトレティコにとっては大鬼門、そのPKもこの日はグリーズマンがナバスの手を弾いてゴールにしてくれたため、これで総合スコアは2-3に。いよいよ、これはもしかするとファンも湧きたったんですが、後でジダン監督も「ウチは序盤の20~25分、問題があったが、no habia que preocuparse porque ibamos a tener ocasiones/ノー・アビア・ケ・プレオクパールセ・ポルケ・イバモス・ア・テネール・オカシオネス(チャンスは来るはずだったから、心配する必要はなかった)」と言っていた通りになったのは、シメオネ監督がここでチームを後退させてしまったせいもあったかも。いえ、もちろん「Es dificil sostener los primeros 25 minutos que se hicieron/エス・デフィシル・ソステネール・ロス・プリメーロス・ベイテンティシンコ・ミヌートス・ケ・セ・イシエロン(最初の25分にやっていたことを維持するのは難しい)」(シメオネ監督)という意見も、ローテーションすら満足にできず、選手たちにシーズン終盤の疲れが溜まっているチームならでの事情もわかりますけどね。 ▽その時点でのレアル・マドリーはいくら、マルセロが「No hemos tenido miedo en ningun momento/ノー・エモス・テニードー・ミエードー・エン・ニングン・モメントー(ウチは一瞬だって怯えを感じたりはしなかった)」と言い張ろうと、勢いに任せて攻めていくアトレティコに押されていたのは事実。それを利用して、早々に総合スコアをイーブンにする3点目、更に4点目、5点目、6点目…と取っていれば、あとはヘロヘロでも守り倒すぐらいはできただろうにと、自分の素人考えでは思ってしまうんですが…現実は常に非情。それみたことかというプレーが、もうすぐハーフタイムという43分に生まれます。 ▽ええ、クリスチアーノ・ロナウドが急いでスローインしたボールを受けたベンゼマがサビッチ、ゴディン、その日左SBとして入ったヒメネスに囲まれながらも左奥のライン際を突破。エリア内に折り返したパスをシュートしたクロースの一撃はGKオブラクが弾いてくれたものの、ひょっこりゴール前にいたイスコに押し込まれ、致命的な失点をしてしまうんですから、もうどうしたらいいものやら。 ▽うーん、ジダン監督も「le pregunte como ha salido de ahi y el no lo sabia tampoco/レ・プレグンテ・コモ・ア・サリードー・デ・アイー・イ・エル・ノー・ロ・サビア・タンポコ(どうやってあそこから抜けたのか訊いたが、彼も知らなかった)」と説明できなかった程だったベンゼマのjugadon(フガドン/スーパープレー)には、両CBがすでにイエローカードをもらっていて、足をかけたりできなかったのも幸いしたんですけどね。イスコなども「Despues del 2-0 hemos entrado en el partido por fin/デスプエス・デル・ドス・セロ・エモス・エントラードー・エン・エル・パルティードー・ポル・フィン(2-0とされた後、とうとうボクらも試合に没頭した)」と言っていたように、寝た子を起こすようなアトレティコの戦略も失敗だったのは確か。 ▽これで再び3点が必要になったアトレティコだったんですが、後半も決して「Creíamos que la remontada era possible/クレイアモス・ケ・ラ・レモンターダ・エラ・ポシーブレ(逆転は可能だと信じていた)」(フィリペ・ルイス)という態度は変わりませんでした。でも哀しいかな、選手たちのタレントの差は如何ともしがたし。ええ、そのことはこの試合のチーム走行距離計が片や113.1キロ、相手は103.4キロと10キロも違いながら、パスの成功率では70%対86%と、クロースやモドリッチのような選手がいないアトレティコが大きく劣っていたことでもわかるんですが、せっかく65分につかんだカラスコとガメイロの連続シュートもナバスに弾かれてしまう有様ではねえ。 ▽結局、どちらも後半は点を取れず、試合は2-1で終了。久々にマドリーに勝てたものの、総合スコア2-4で敗退となれば、「Nosotros dependemos del equipo y ellos de las individualidades/ノソトロス・デペンデモス・デル・エキポ・イ・エジョス・デ・ラス・インディビドゥアリダーデス(ウチはチーム頼りだが、彼らは個人技次第)。ベンゼマのようなプレーをされたら厳しい」というシメオネ監督のコメントに同意するしかありません。ただ昨季のミラノでのCL決勝後と打って変わって、彼はチームのその日の戦いぶりに「Soy feliz/ソイ・フェリス(自分は幸せだ)」と満足していることを開口一番で強調。 ▽お隣さんの選手との質的量的な差でさえ、「Un paso chico, pero que es muy grande. Ojala lo demos/ウン・パソ・チコ、ペロ・ケ・エス・ムイ・グランデ。オハラ・ロ・デモス(ほんの小さな一歩だが、それがとても大きい。ウチが前進できることを願っている)」と、この敗退を来季に向けての重点補強をフロントにアピールする機会にすることにしたよう。いえ、それも6月に出るCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の判定でFIFA処分が解けるか解けないか次第ですけどね。あの豪雨の中、シートを引っぺがすかどうかは別として、敗退が決まってもスタンドに留まり、再びピッチに現れた選手たちをずっと励ましていた忠実なファンたちには、クラブだって応えない訳にはいかないはずですよ。 ▽一方、2年連続での決勝行きとなったマドリーの選手たちもその後、カルデロンに駆けつけた4000人余りのファンに感謝するため、ピッチに出て来たんですが、ちょっとミソをつけてしまったのは、カルバハル負傷中で空きのあった右SBをダニーロに取られ、出番のなかったナチョ。芝の上にマドリーの旗を広げたため、挑発行為と取られてしまったんですが、おかげで翌日の商業イベントで当人が、「Si hubiera querido provocar, la hubiera puesto en otra parte del campo/シー・ウビエラ・ケリードー・プロボカール、ラ・ウビエラ・プエストー・エン・オトラ・パルテ・デル・カンポ(もし挑発したかったのなら、ピッチの別のところに置いただろう)」と釈明する破目に。 ▽大体がして、2013年に当時、若干21歳だったコケがサンティアゴ・ベルナベウで宿敵マドリーを倒してのコパ・デル・レイ優勝に舞い上がり、アトレティコの旗をセンターサークルに置いたのと比べるのも27歳のナチョに失礼かと思いますが、その日ではゴールではなく、殊勲のスローインで貢献したロナウドも「Somos el Real Madrid y demostramos tener mas experiencia/ソモス・エル・レアル・マドリッド・イ・デモストラモス・テネール・マス・エクスペリエンシア(ボクらはレアル・マドリー、ウチにはより経験があることを示した)」と試合後、いかにも余裕たっぷりだったのも何ともねえ。 ▽勝てば官軍なのは当然ですが、それでも6月3日の決勝で当たるユーベには要注意。セルヒオ・ラモスなどは「al Pipa no le voy a regalar cacahuetes/アル・ピパ・ノー・レ・ボイ・ア・レガラル・カカウエテス(ピパにピーナッツを贈るつもりはないよ)」と言っていたものの、相手には2年前、そちら側でマドリーの準決勝敗退に繋がるゴールを挙げたモラタに続いて、古巣への恩返しを虎視眈々と狙っているイグアインや、モナコとの2試合で1ゴール3アシストを決め、バルサに放出したことを後悔させようと決意しているダニエル・アウベス、1年だけでもアトレティコにお世話になった恩を返そうとしている(いや、していないって?)マンジュキッチといった旧知のライバルがゴロゴロしている上、GKブッフォン、新鋭FWディバラ、ユーベ版BBC(ボヌッチ、バルザーリ、キエッリーニの頭文字)までいて、まったく一筋縄ではいきそうにありませんからね。 ▽これまでCLを連覇したチームがないのも気掛かりですが、当面の彼らの課題はリーガ優勝を決めること。いえ、現在2位のバルサとは勝ち点差がないため、マドリーがミッドウィークのセルタ戦で木曜にはオールド・トラフォードでやはり、ヨーロッパリーグ準決勝逆転突破の夢をマンチェスター・ユナイテッドに阻まれ、失意のドン底にいる相手を倒すのも含め、どちらも連勝を続ければ、21日の最終節に決着なんですけどね。まずはこの日曜にホームでセビージャを破り、敗退のショックと疲労がピークに達しているお隣さんに来季CLグループリーグ出場権の手に入る3位確定をプレゼントするなんていうのはどうでしょう。順番から言って、今度はBチームの出動になるかと思いますが、その強さはもうお墨付きですし、バルサがラル・パルマスに負ける確率も低いので、どちらにしても勝利は必須かと。 ▽ちなみにアトレティコは前節、新弟分のレガネスに4-0と惨敗して、すでに残留確定しているにも関わらず、ビクトル・サンチェス監督を解任したベティスとのアウェイ戦。右SB全滅という事態を受け、マドリーとの2ndレグに出場しようとリハビリを急いだファンフランが再び負傷、もう今季は絶望とか、先週のエイバル戦で退場したゴディンが3試合の出場停止処分を受け、こちらもシーズン終了といった悪いニュースもありますが、自力でもあと勝ち点1で3位は決まりますからね。最終節のアスレティック戦ではビセンテ・カルデロンとのお別れを満喫できるよう、ひと踏ん張りしてくれるといいんですが。 ▽そして土曜の2試合以外、順位が懸かっている試合だけ日曜午後8時(日本時間翌午前3時)に設定された今週末のリーガ、やはりあと勝ち点1ないと残留が確定しないレガネスも兄貴分と同様、この時間帯にサン・マメスでのアスレティック戦を迎えるんですが、こちらもエイバルに挑むスポルティング、ビジャレアルを訪問するデポルティボを睨みながらの展開になるかと。できれば自力で1部の椅子は勝ち取ってもらいたいものですが、相手もEL出場権が懸かっていますからね。アシエル・ガリターノ監督のチームも余力はあまりないため、何とかいい目が出てくれませんかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.13 11:50 Sat
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【倉井史也のJリーグ】なんかすっかり暑くなって、いやいや熱くなってきましたね、下は?! の巻

▽そりゃ確かに納得はできました。残念だけど。7日に休養を発表した三浦文丈監督は11日に辞任。残念ながら1勝しかできなかったので、これはもう仕方がない。 ▽先週の川崎戦を見た限りでは、引いて相手を誘い出したい守備ラインと、前線をフォローしたいという中盤との間がぽっかり空いてしまって、バイタルエリアに相手が侵入しまくり! ちゅう状態でしたからね。カウンターを仕掛けたいだろうDFの意識と、攻撃力を補完しなければというMFの気持ちが一致してないように見えたんですけど、この時期にそのレベル統一ができてないって、かなり危機的だと思ったんですよ。 ▽だけどね、マジで呂比須ワグナー監督で大丈夫? って思ってる人も多いと思うんですよ。呂比須、大好きですよ。最初に日産自動車にプレーヤーとしてやって来たときから。と、一応フォローしといてから言うけど、Jリーグから離れていた人を、今連れてきてすぐ成果出るの? コーチも一緒に連れ来るのもわかるけど、ここしばらくは片淵浩一郎暫定監督の指示を仰いで、ちょっと様子を見たほうがいいんじゃないの? つーか、去年も残り4試合という難しい時期にチームを引き継いで残留させたのに、片淵暫定監督としてまた使って、すぐ交代させるってずいぶんひどい人事じゃないの? 17位の新潟のほうが、18位の大宮よりも心配なんですけど。 ▽で、呂比須ワグナー監督誕生は13日予定ということで、14日の試合は指揮を執らないと思うんですけど、もしかするとこの日、最下位に落ちちゃう可能性もあるんです。ホームゲームとはいえ、なんせ相手は浦和。ホーム大宮の相手は仙台ですからね〜。 ▽新潟が14時キックオフ、大宮が17時キックオフってコトは、新潟の試合結果を受けて大宮は張り切って試合ができるってコトでしょ? 別に最下位脱出争いをしてるわけじゃないと思うんだけど、心理的にはイヤなのは間違いないと思うんですよ。選手はよく「いや、今の時点で順位は関係ないですから」なんて言うけど、残留した後で聞くと「やっぱりあのときはキツかった」って言う選手が多いから。 ▽と、下2チームがすでにデッドヒートを繰り広げている感がある中で、実は16位広島も新潟とは勝ち点1、大宮とは勝ち点1差なのです。15時キックオフのアウェイC大阪戦、もし新潟が勝ってたりすると、むっちゃ焦るゲームになるのかも……。 ▽と、まぁ今だからほんの少しだけ心のゆとりを持って残留争いを見られますからね。あ、すべてのJ1の試合が14日の日曜ですからお間違いなく!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.05.12 10:59 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】G大阪に200万円の制裁金。再発防止には勝点の剥奪を検討すべきか否か

▽Jリーグの村井チェアマンは、4月16日のC大阪対G大阪戦で、G大阪のサポーターによるナチス親衛隊の「SS」を想起させる不適切なフラッグ掲出について、裁定委員会に諮問し、G大阪に対して「けん責(始末書を取り、将来を戒める)」と「制裁金200万円」の制裁を課すことを決定した。 ▽5月11日にJFAハウスで行われた会見に、村井チェアマンはAFCとFIFA総会出席のためバーレーンに出張中のため、インターネットを使ったテレビ会議で参加。冒頭に、差別的な発言をした浦和の森脇や、ボールパーソンに乱暴な行為をした徳島の馬渡ら、ピッチ上で起こった行為に関しては規律委員会に権限があるため、チェアマンは介入できないことを説明。しかしピッチ外の行為に関してはチェアマンが介入する権限があるため、今回、裁定委員会に諮問し、上記の結果になったことを報告した。 ▽200万円の制裁金に関しては、2010年の仙台対浦和戦で、浦和のサポーターが仙台の外国籍選手に対して差別的な行為をしたことと、ペットボトルを投げつけて負傷者を出したことに対し、前者の行為に200万円、後者の行為に300万円の制裁金を課した。2014年の浦和対鳥栖戦では浦和のサポーターが差別的な横断幕を掲げ、チームも試合終了まで外さなかったとして、浦和には無観客試合1試合の制裁が課された。そして同年にはニッパツ三ツ沢で行われた横浜FM対川崎F戦で、横浜FMのサポーターが川崎Fの黒人選手にバナナを振った行為が人種差別に当たるとして500万円の制裁金が課された。 ▽以上のケースを踏まえ、浦和の差別的な行為がベンチマークとなり、今回G大阪には200万円の制裁金が課されたことを説明した。 ▽今回の件を受け、村井チェアマンは、「【1】予防と啓発努力をする。【2】管理体制とモニタリングをしっかりする。【3】危機管理とトラブル発生時に迅速な対応ができたか。【4】再発防止、の4点により今後、量刑は変わってくる」とし、G大阪はサポーターが「SS旗」を使用していることを2014年以前から知りながら「再発防止を徹底できなかった」ものの、「発生後の対応(サポーターの特定と解散、今後のあり方の協議など)には努力は見られた」と一定の評価を下した。 ▽これまでにもサポーターは同じような問題を何度も繰り返してきた。当該サポーターは永久追放となり、チームにはけん責処分や制裁金が課されるものの、なかなか後を絶たない。今回の「SS旗」事件はサポーターの通報やSNS等の拡散によって発覚したが、一番の監視役になるのは、そばにいるサポーター仲間ではないだろうか。 ▽制裁金はチームが支払うため、当事者であるサポーターに金銭的な負担はない。であるなら、かつて浦和に課した無観客試合や、これまで例はないものの勝点の剥奪の方がサポーターにとってはより深刻であり、サポーター同士が抑止力になる可能性が高い。 ▽この点を村井チェアマンに質問したところ、「1つ1つの事実に基づきながら判断するので、(勝点剥奪は)私の判断だけではできない。浦和は事後処理の対応が遅れたために、無観客試合という判断になった。各クラブが改善努力をすればいいと思うし、私の判断だけで量刑は決められないと思います」と話すにとどめた。実際に深刻な問題が起こらないと、軽々に発言できないからでもあるだろう。 ▽しかし、コトが起こってからでは遅いと思う。チェアマンという組織のトップが厳格な罰則の可能性を示唆するだけでも抑止力になると思うが、チェアマンがあまりに出しゃばると、それはそれで弊害があることを初代チェアマンの時に経験しているので、やはり難しい問題かもしれない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.05.11 19:28 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】落ち込んでいても仕方ない…

▽「これもローテーション政策の賜物かな」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、これまでにもイロイロ、噂はあったものの、アトレティコからレンタル移籍でアラベスに修行に出ているテオがとうとうレアル・マドリーのメディカルチェックを受けたというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、本来なら19歳の彼は来季、年子の兄ルカスと一緒にまたアトレティコでプレーする予定だったんですけどね。自身の左SBというポジションを考えれば、あと数日で29歳になるマルセロより、この夏でもう32歳、ブラジル代表でもマドリーの同僚の控えを務めているフィリペ・ルイスの方がレギュラー争いに勝ち目があるような気はするものの、お隣のジダン監督と違って、シメオネ監督はそれ程、頻繁にスタメンを入れ替えず。 ▽しかも昨夏、入団した右SBのブルサリコを見てもわかる通り、いくらアラベスでは不動のレギュラーの座を獲得、前節のアスレティック戦で見事な決勝ゴールを挙げるなどの大活躍をしていても、監督が納得できるレベルのプレーができるまで、アトレティコではほとんど使ってもらえませんからね。CBのルカスも左SBとしてプレーできるため、兄弟で争うのもイヤだったのかもしれませんが、いやいや、ちょっと待って!一番の疑問は何でまだシーズンが終わっていないこの時期、しかも2日後の水曜にはビセンテ・カルデロンで最後のマドリーダービーとなるCL準決勝2ndレグを控えているという今、とりわけアトレティコのファンが嫌がる、同じ街のライバルへの移籍話が脚光を浴びないといけない? ▽ただ、マルカ(スポーツ紙)によると、テオの契約解除金は2400万ユーロ(約30億円)であるものの、アトレティコ経営陣は慰謝料込みなんでしょうか、3000ユーロ(約37億円)を要求。交渉は試合が終わった後の木曜から始まるそうですけどね。実はテオにはバルサも触手を伸ばしていて、マドリーよりいい年棒条件を提示したものの、そこは兄のいるマドリッドから離れたくない気持ちが優先したなんて話も読みましたが…うーん、これじゃ、月曜にはCLがなくなって、ヒマになった平日、テニスのマドリッド・オープンを見にカハ・マヒカに姿を現したバルサのピケではありませんが、すでに余裕で1部残留を達成しているアラベスも27日のコパ・デル・レイ決勝しか目標はなし。だからといって、このヨーロッパ・ダービー、テオがスタジアムのパルコ(貴賓席)に来て応援する(どっちを?)なんてことは、できなくなってしまいましたね。 ▽まあ、そんなことはともかく、いよいよシーズン日程も僅かとなり、こちらも目が離せない週末のリーガ戦がどうだったかというと。マドリッドの2強はCL準決勝の狭間だったため、双方共、土曜にプレーしたんですが、先にキックオフしたのはアトレティコ。ええ、もうビセンテ・カルデロンではあと3回しか、ひいきのチームを応援できる機会がないとあって、その日も満員御礼だったんですが、「Combato y me levanto/コンバト・イ・メ・レバントー(戦うぞ、立ち上がるぞ)」というfondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)の大きな垂れ幕と共に始まった、水曜のremontada(レモンターダ/逆転劇)に向けての応援予行演習はエイバル戦の前半、時間が経過していくにつれ、徐々に尻つぼみになることに。 ▽いえ、その日、サビッチも出場停止だったため、先週のCL準決勝1stレグで即興右SBを務めたルカスがゴディンとCBペアを組まねばならず、思い切った策を取らなければならなかったシメオネ監督に抜擢された、ボランチのトマスがそのポジションにいたせいではなかったんですけどね。そこはまあ、序盤から丁度、マッチアップした乾貴士選手を潰してみたり、次にはかわされてシュートを撃たれてみたりと少々、波乱含みだったものの、だんだん落ち着いてきたため、良かったんですが、スタンドを盛り下げたのは、アトレティコの悲しいまでの決定力のなさ。ええ、コケを筆頭にカラスコ、サウルと前半だけで3人もフリーのシュートを枠外に飛ばしているのでは、とにかく最低でも3本はゴールが必要な水曜に向け、ファンが悲観的になってしまったのも仕方ないかと。 ▽そんな雰囲気を察したか、後半頭からはガイタンに代わり、フェルナンド・トーレスを投入したシメオネ監督でしたが、暗雲を吹き飛ばしてくれたのはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の後輩でした。ハーフタイム間際の大失敗に頭を抱えながらロッカールームに向かい、その反省が実ったか、24分、このままではいけないと男気を発揮して、珍しく敵陣をボールを持って上がって行ったゴディンからのパスをトーレスがスルーすると、サウルがエリア前からシュート。マドリーのイスコやクロースにも負けないゴールポストギリギリのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてしまったから、驚いたの何のって! ▽このゴールに活気づいたのはファンも同じで、それからはこれでもかというように大音量の応援が始まったんですが、残念ながら、その後、アトレティコが追加点を奪うことはできず。幸い、勝てば、コパでバルサが優勝した場合、リーガ7位に回ってくるヨーロッパリーグ出場権に届くかも程度の薄い期待しかなかったエイバルもあまり熱心には反撃はせず、そのまま試合は1-0で終わったんですが、おかげでグリースマンを引っ込められたのはようやく残り5分いなってからというのは痛いですよね。 ▽その上、もうあとロタイムだけという頃になり、些細な判定に抗議したゴディンが続けざまにイエローカードをもらい、退場となってしまったのはいかがなものかと。いやあ、審判の報告書によると、「ponte gafas/ポンテ・ガファス(眼鏡をかけろ)」、「sois muy malos/ソイス・ムイ・マロス(お前らはひどい審判だ)」といった言葉が咎められたようですけどね。下手をすると3~6試合の出場停止処分を喰らいかねず、もう今季のリーガには出られないかもしれないというのはまったく、余計なおまけでしたっけ。 ▽そんなことはあったものの、その日のクライマックスはタイムアップの笛が鳴った後で、というのも席を立たずに歌っていたファンに応えて、選手たちがまた、ピッチに出て来てくれたから。え、そんなのコパ準決勝2ndレグ、逆転が必要なバルサとのアウェイ戦の前にもあったけど、結果はそれみたことかだったんじゃないかって?まあ、そうなんですが、アトレティコの選手のいいところは素直にムードに乗ってくれることで、試合後のサルルなど、「先週の結果にも関わらず、ファンは今日、スタジアムに来てボクらを応援してくれた。感動的だよね。Vamos a intentar remontar, es lo unico que podemos hacer/バモス・ア・インテンタール・レモンタール、エス・ロ・ウニコ・ケ・ポデモス・アセール(逆転を目指すよ。それが自分たちにできる唯一のことだ)」と決意表明。 ▽とはいえ、ミックスゾーンでフィリペ・ルイスが、「Por supuesto, mira el Barcelona si pudo y tuvo un resultado mas complicado/ポル・スプエストー、ミラ・エル・バルセロナ・シー・プド・イ・トゥボ・ウン・レスルタードー・マス・コンプリカードー(もちろんできるさ。バルサを見なよ。もっと難しかったのにやったじゃないか)」と言っていたのには、いや、アトレティコにはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)がいないし、16強対決では4-0を引っくり返してPSGに逆転した彼らだって、どんどん相手も強くなっていく準々決勝ではユベントス相手に3-0を覆せなかったなんて思いもチラと私の頭をよぎったんですけどね。 ▽シメオネ監督が「El miercoles tenemos un partido dificilisimo, para algunos imposible, pero para nosotros no/エル・ミエルコレス・テネモス・ウン・パルティードー・ディフィシリシモ、パラ・アルグーノス・インポシーブレ、ペロ・パラ・ノソトロス・ノー(水曜にウチは最高に難しい試合を控えている。ある者にとっては不可能だろうが、我々にとっては違う)」と断言していたのも一体、何をもって、そんなにも確信しているのだろうといぶかってしまった私でしたが、とにかくまずは信じることが大事なんですよね。そう、元々、選手の質で劣るアトレティコがまかり間違ってもお隣さんに逆転勝ちできる訳がないとウジウジしていても、していなくても試合があるのは水曜日。せめてその時ぐらいまでは、希望を持ち続けていた方がいいに決まっていますって。 ▽実際、リーガだけ見れば、3位争いのライバル、セビージャが金曜にレアル・ソシエダと引き分けてくれたため、この勝利でアトレティコは勝ち点5差をつけ、あと1ポイントあれば、来季もCLグループリーグから出場できることが確定することになりましたしね。それだけに私も比較的、明るい気分で帰宅して、土曜最終試合のグラナダvsマドリー戦を近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に見に行ったところ…。 ▽いやあ、相手がすでに降格が決まっているチームというせいもありましたが、マドリーBチームの強いことと言ったら。ええ、開始2分にはルーカス・バスケスのラストパスをゴール前でハメス・ロドリゲスが押し込んで先制したかと思いきや、10分にはまた、久々にプレーできるようになったコエントランのクロスをハメスが今度はヘッドで2点目ゲット。29分と34分にはモラタが2ゴールを挙げ、今季19得点として、AチームのCFを務めているベンゼマより2点も多いって、もしかしてアトレティコは水曜の試合に前者が先発しないのを喜ぶべき? ▽これで0-4としたマドリーは後半、アセンシオをベンゼマ、カセミロをイスコ、ルーカス・バスケスをマリアーノへと更にローテーションを実施。追加点が入ってもおかしくはなかったんですが、すでに矢折れ刀尽きた敵をそれ以上、痛ぶっても仕方ありませんからね。そのままのスコアで試合は終了し、前の時間帯でビジャレアルに4-1で勝利していた首位バルサと同じ勝ち点に戻ったんですが、やっぱり羨ましいなと思うのは、ジダン監督も「partidos fuera de casa son mas descanso/パルティードス・フエラ・デ・カサ・ソン・マス・デスカンソ(アウェイ戦はより休養になる)」と認めていたように、この日もクリスチアーノ・ロナウドがマドリッドでお留守番だったこと。 ▽うーん、このところ、彼はずっとそうですからね。リーガの遠征には同行せず、体力を温存して、CL戦になるとゴールを入れまくっていますし、他の選手たちも皆、プレー時間を配分しているため、「nosotros podemos decir que fisicamente estamos todos bien/ノソトロス・ポデモス・デシール・ケ・フィシカメンテ・エスタモス・トードス・ビエン(ウチは皆、フィジカル的にいい状態だと言える)」(ジダン監督)というのは今のマドリーの大きな強みでしょう。これだと残り3試合、セビージャ、セルタ、マラガ戦のどれかで勝ち点を落としてくれるという、あと2試合、ラス・パルマス、エイバル戦しかないバルサの願望が成就するのもかなり難しいかと。 ▽そして月曜、ベティスをブタルケに迎えたレガネスもようやく4-0と、これまでの鬱憤を晴らすかのようなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝利。週末にラス・パルマスに勝って一旦は距離が縮まり、残留の希望が再燃したスポルィングとの差を6ポイントに戻したため、あと勝ち点1で1部残留が確定することに。今季が昇格1年目の彼らだけに、最終節のホームゲーム、アラベス戦で残留祝いができれば、盛り上がること間違いありませんって。 ▽そうそう、丁度、その日の夕方、マハダオンダ(マドリッド近郊)の施設でセッションを行っていたアトレティコは、「Necesitamos precision y tranquilidad para llegar al partido del miercoles/ネセシタモス・プレシシオン・イ・トランキリダッド・パラ・ジェガール・アル・ミエルコレス(水曜の試合には正確さと落ち着きが必要)」とシメオネ監督も言っていた通り、とにかくなかなかゴールが決まらない欠点を克服しようとシュート練習に特化。それもセルヒオ・ラモスやバランに邪魔されても力負けしないためなんでしょうかね。各人が重り入りのベストを着たり、腰にゴムを付けたりして、シュートやヘディングに励んでいたそうですが、何かそれって、余計疲れが溜まらない?ついでに思い出してほしいのはもし、相手に1点取られたら、アトレティコは5点が必要になるということなんですが、どうやらファンフランとヒメネスが戻って来られられそうだとはいえ、万が一に備えて一応、守備練習も一生懸命やっておいた方がいいかも。 ▽まあ、その辺はシメオネ監督の考えなので、私には何も言えませんけどね。そんな今季、スペインの地で最後となるCLの試合は水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)にキックオフ。常識的に考えれば、火曜にモナコとの2nレグに挑むユベントスも初戦で0-2と勝っていますし、6月3日の決勝はマドリーvsユーベということになるんでしょうが、私も今はただ、試合が始まるのを待つしかありません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.09 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】質の高さには敵わない…

▽「1つぐらいは先に片付いてくれてもいいな」順位表を眺めながら、そんな風に私が呟いていたのは金曜日、リーガの残りがあと3試合となったため、計算の苦手な自分でも今節、18位のスポルティングがラス・パルマスに負け、レガネスが月曜にベティスと引き分け以上であれば、1部残留が確定することに気づいた時のことでした。いやあ、たった勝ち点31で、また来季もレアル・マドリーやバルサをブタルケで見ることができるなんて、レガネス(マドリッド近郊の衛星都市)市民も本当にラッキーだと思うんですけどね。現在、2部でプレーオフ圏内の3位につけ、すでに1部Uターンを確定させたレバンテに続こうとしている、同じマドリッドの弟分チーム、ヘタフェだって、初めて兄貴分たちと肩を並べた2004-05シーズンはキケ・サンチェス・フローレス監督(現エスパニョール)の下、残留にはそこそこ苦労していましたからね。 ▽それを鑑みれば、レガネスも頑張っているとは言えるものの、今週末、悪い目が出てしまった時には要注意。何せ、あと2試合はビジャレアル、レアル・ソシエダとヨーロッパリーグ出場権が絶対得られる5、6位の座を争っているアスレティックと、5月27日にバルサとのコパ・デル・レイ決勝を控え、特別誂えのユニフォームも発売(http://www.tiendabknda.com/index.php?id_product=2&controller=product)。ここにきてギアを挙げてきているアラベスですからね。すでに目標がなく、バケーション状態に入っているのはベティスだけなので、スポルティングの結果いかんに関わらず、平日でありながら、サポーター総動員体制でスタンドを埋めるというクラブの心遣いを選手たちもムダにしないでほしいものですが…。 ▽え、いきなりリーガの残留争いの話なんて、もしや私は本題に入るのを避けていないかって?うーん、実際、火曜にサンティアゴ・ベルナベウから呆然として帰って以来、ここ数日はずっと鬱っぽくて、何をするのも億劫だったんですが、そうも言っていられません。とりあえず、CL準決勝1stレグで起こったことをお伝えすると、いやあ、前日合宿のホテル入りの時には連休の中日だったせいか、いつものビッグマッチ前のようにチーム到着時に詰めかけず、午後11時近くになってサポーターが集合。発煙筒と大音量のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)に、すでに部屋で休んでいた選手たちがエントランス前に出て来ざるを得なかったというのを聞いた時もちょっと間の悪さを感じたものですけどね。 ▽ピッチへ入場する時も、Fond sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)に「Decidme que se siente/デシッドメ・ケ・セ・シエンテ(どう感じるか、言えよ)」というメッセージと共にCLトロフィーの大きな垂れ幕、ご親切にもリスボンとミラノ、因縁の地名入りという迎え方をされ、無意識にトラウマを思い出してしまったんでしょうか。どうやらキックオフ前に円陣を組んでゲキを飛ばし合った際、2試合制の対戦なのだから、「せめて(今季シーズン前半リーガ戦のように)3-0で負けるのだけは避けよう」という打ち合わせをするのを忘れてしまったか、たった開始10分でカセミロのシュート失敗でバウンドしたボールをクリスチアーノ・ロナウドにヘッドされ、先制点を奪われてしまうのですから、困ったもんじゃないですか。 ▽それからもアトレティコはお隣さんの怒涛の攻勢に遭い、バランやベンゼマのシュートはGKオブラクが弾いてくれたものの、自らのチャンスはコケのスルーパスに抜け出したガメイロがシュート目前でGKケイロル・ナバスにボールを取られてしまったぐらい。おかげでシメオネ監督も焦ったか、後半10分を経過した時点で早くもガメイロ、サウルをフェルナンド・トーレス、ガイタンに交代、肩のケガが治ったばかりのカラスコもその5分後にはコレアに代えるという、性急な手段に訴えたのも逆効果だったのかもしれませんね。 ▽特に敵ゴールが近くなる訳でもなく、結局、28分にはフィリペ・ルイスがエリア前でロナウドを逃し、弾丸シュートで2点目を決められると、とうとう40分にはマドリーの得意技、高速カウンターが炸裂。ルーカス・バスケスの折り返しをPKマーク辺りで受けたロナウドの周りに誰もいない光景にはもう、呆れて物も言えないとはまさにこのこと?これで先日の準々決勝バイエルン戦に続き、ロナウドがハットトリックを達成したマドリーが3-0で勝利って、これじゃ来週の2ndレグの意味がまったくなくなってしまったじゃないですか。 ▽え、アトレティコはこの試合前にケガ人が続出、とりわけ右SBなど、左利きの本職CBのカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)、ルカスが務めていたぐらいなんだから、仕方ない面もあったんじゃないかって?まあ、そうなんですが、皮肉なのは同じく、ベイルを負傷欠場で欠いていたマドリーはそれが逆に吉と出たこと。ええ、クロースなども後で「ウチは相手よりMFが1人(この日はイスコが先発)多かった。普通は3人なんだけど、それがいい戦術だったよ」と認めていたように、主力が揃わなくても彼らは機能してしまうだけでなく、その控え選手たちのレベルが非常に高いため、合間の試合ではローテーションが可能なんですよ。 ▽となれば、いえ、走るだけはチーム計110.5キロと102.9キロのマドリーを上回ったアトレティコですけどね。それでもグループリーグでは1試合118キロも走ったことのある彼らですから、いつも出づっぱりな選手たちが、休養十分なマドリーに1対1のボール争いに負け続け、強烈なプレスに「No podiamos seguir tres pases/ノー・ポディアモス・セギーウ・オレス・パセス(パスを3回繋ぐこともできなかった)」(コケ)状態だったのもムリはなかったかと。前半終了間際、右太もものケガでカルバハルが交代しても、マドリーはマルチDFのナチョが出て全然、問題ありませんでしたしね。唯一自慢の体力で上回れないため、個々の選手の質の差が浮き彫りになってしまったのは、かなり私もショックを受けたんですが…。 ▽これは一体、どこからくる空元気なんでしょうか。試合後は絶望して現れるかと思ったアトレティコ勢は、「El futbol es maravilloso porque suceden cosas inesperadas/エル・フトボル・エス・マラビジョーソ・ポルケ・スセデン・コーサス・インエスペラーダス(予期しないことが起きるから、サッカーは素晴らしい)。ウチは可能性の最後の一滴まで戦うだろう。Que como nos llamamos Atletico de Madrid, seguramente podamos ser capaces/ケ・コモ・ノス・ジャマス・アトレティコ・デ・マドリッド、セグラメンテ・ポダモス・セル・カパセス(我々はアトレティコ・デ・マドリーなのだから、絶対にそれができる)」というシメオネ監督を筆頭に、いえ、仏頂面でミックスゾーンを足早やに通り過ぎてしまったガビやゴディンの代わりに敗戦言い訳コメントの任を担わされた第3キャプテン、コケの言葉は多分に、上司の受け売りだった感もあったんですけどね。 ▽曰く、アトレティコにはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)もいないのに「これはサッカー、何なら(今季のCL16強対戦でバルサに4-0から逆転された)PSGに訊いてみればいい」に始まって、「con Cristiano en el Calderon ganamos con 4-0/コン・クリスチアーノ・エン・エル・カルデロン・ガナモス・コン・クアトロ・セロ(クリスチアーノがいてもウチはカルデロンで4-0で勝った)」というのは確かに、アンチェッティ監督時代の2015年2月にあったことではありますが、当時の私など、こんな試合は生きている間、もう2度とお目にかかれないだろうと思ったもの。サビッチも「Por que no podemos pensar en la remontada?/ポル・ケ・ノー・ポデモス・ペンサル・エン・ラ・レモンターダ(何でボクらが逆転できると考えてはいけない?)」と強気だったものの、いや、そういう奇跡を夢見るのはお隣さんの専売特許じゃなかった? ▽もちろんそれは実績の裏付けもあるからですが、今季だって、バルサとのコパ・デル・レイ準決勝、1-2の1stレグの負けすら、2ndレグ1-1の引き分けがせいぜいで、覆すことができなかったアトレティコの選手たちが何を根拠にそこまで虚勢を張れるのか。いえ、この日、惨敗で終わった後、それでもずっとスタンドで応援歌を歌い続けていた4000人のサポーターの姿などを見ると、サウルじゃありませんが、「Vosotros matariais por nosotros, nosotros moriremos por vosotros!/ボソトロス・マタリアイス・ポル・ノソトロス、ノソトロス・モリレモス・ポル・ボソトロス(君たちはボクらのために死ぬ程、尽くしてくれる。ボクらも君たちのため、死ぬ気でやるよ)」(https://twitter.com/saulniguez/status/859847943473565697)と、彼らが心を奮い立たせるのもわかりますけどね。 ▽正直、いくらロナウドなどに「Es una buena ventaja este resultado, pero no es definitivo/エス・ウナ・ブエナ・ベンタハ・エステ・レスルタードー、ペロ・ノー・エス・デフィニティボ(これはいいアドバンテージだけど、決定的ではない)」と言われても、水曜にもう1つのCL準決勝でユベントスのイグアインに2ゴールを決められ、0-2で負けたモナコより、木曜にヨーロッパリーグの準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに0-1で負けたセルタより、無茶苦茶ハードルが高いのは事実。唯一の慰めはその2チームと違って、彼らの2ndレグがホームのビセンテ・カルデロン開催で、これがヨーロッパの試合の最終戦になるため、ファンもあらん限りの力で応援してくれることですが、結局、プレーするのは選手たちですからねえ。 ▽金曜にはリーガのエイバル戦を控えて、前日記者会見に臨んだシメオネ監督も少しは頭が冷えたのか、「ウチはマドリーやバルサ、バイエルンといった世界一のチームではない。ここ6年で進歩してきたが、彼らのような怪物に近づくにはまだ時間が足りない。Pero para conseguirlo el unico camino es seguir trabajando de esta manera/ペロ・パラ・コンセギールル・エル・ウニコ・カミーノ・エス・セギール・トラバハンドー・デ・エスタ・マネラ(だが、それを達成するにはこのやり方で努力し続けるのがただ1つの道だ)」と足に地をつけた発言をしていましたが…やっぱりこの試合でもローテーションは望めないようですよ。 ▽ええ、ファンが来週水曜、最後のマドリーダービーでの奇跡に向けて、応援の予行演習をする土曜午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からの一戦ではサビッチこそ、累積警告で強制休養になりますが、ファンフラン、ベルサリコ、ヒメネスの誰もまだ戻ってこられず。今度は右SBがマジにトマスになるか、アトレティコBの選手という緊急事態にもなっていますからね。 ▽ただ金曜に3位争いのライバル、セビージャがソシエダと1-1で引き分け、前節に続いて勝ち点を落としてくれたため、ベルナベウでは1度もシュートができなかったグリースマンなど、前半は温存して様子を見てもいい気はしますが、中盤なんて、とても替えの効く状況ではなし。それどころか、エイバルも、アラベスがコパ決勝で負ければEL出場権が与えられる7位のソシエダまで、あと勝ち点8とギリギリで希望が残ってしまったため、乾貴士選手を筆頭に勝利を目指して乗り込んでくるというのは厄介なところかと。 ▽翻って同日午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、すでに降格の決まっているグラナダとのアウェイ戦に挑むマドリーからは、ロナウドが遠征に参加しない予定なんて聞くと、もう本当にどうしたらいいものやら。いえ、現在、消化試合が1つ少ないものの、バルサに首位に立たれている彼らにしても、先に相手のビジャレアル戦の結果はわかるものの、勝っておかないといけないのは同じなんですけどね。 ▽もう、マドリーはBチームが出てもモラタ、ハメス・ロドリゲス、アセンシオ、ルーカス・バスケス、イスコ、コバチッチらは信頼できることを証明していますし、いざとなれば17日(水)の開催が決まったセルタ戦でAチームを投入、マンチェスター・ユナイテッドとの激戦でボロボロになった相手を叩けばいいんですから、もう今は優秀な人材を持て余しているジダン監督を羨むばかり。そんなやるせなさに浸っている私ですが、せめてこの週末は気分を切り替えて、マドリッド勢の好結果を喜ぶことができるのいいんですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.06 08:45 Sat
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【倉井史也のJリーグ】決して担当編集者の肉体をあげつらっているのではないGW対応原稿!? の巻

▽まぁ今週の原稿ってのは「足が短い」って言われるヤツでして、つーのが、今週末のJ1をテーマに書くって事になってるのに、この原稿が掲載される前に、もうJ1やってるし! でもって掲載されたらすぐに試合だし! もしかすると試合の後にこの原稿に気がついて「何言ってんの? コイツ」的な扱いをされちゃうんだし! そんな賞味期限の短い原稿のことを担当編集者に引っかけて「足が短い」って言うんですよ。あ、いや担当編集関係なかったっす。 ▽つーことで、あんまり試合と関係ないことを書いておかないと、ヒジョーに悲しいことになってしまいますので、このGWで一番話題になったことは何かって調べますと、あ! FC東京の久保建英選手のデビュー! でも、これって久保選手がバルセロナに目を付けられてたから話題になってるんであって、果たしてあのまま日本で育って、ちゃんとみんなから注目してもらえたかな? ってところが一番大事じゃないんですかね。そうじゃないと、今現在日本にいる幼い「NEWスシボンバー久保」を誰も発見できないってコトでしょ? だったら久保選手を発見した人物の話を聞くほうが、「デビュー」ってことより重要じゃないかと思うのです。 ▽ってことで、この話題をすっ飛ばして、次に有名になったのが徳島のボールボーイ(ボールパーソン)事件。ま、徳島でやったわけじゃなくて、ボールボーイが事件を起こしたわけでもないんですけど。 ▽徳島DF馬渡和彰選手への2試合出場停止という処分が発表され、他にもボールボーイに水をかけたファンが出禁にもなり、一件落着したようにも見えましたが、さにあらず! いやいや、みんなもうちょっと考えましょうよ。 ▽このボールボーイに精神的な傷が残らないよう、千葉DF近藤直也選手が選手全員のサイン入りユニフォームを渡したって? それだけじゃ足りないでしょ? それに傷が残らないようにするって、Jリーグの傷になってもいけないと思うわけですよ。となると、処分の内容が違いすぎ! ▽いいですか、まず徳島はボールボーイを徳島のホームゲームに招待すべきです。で、ボールボーイをやってもらう。さらに座った席の横に、出場停止中の馬渡選手をボールボーイとして配置するんです。そして馬渡選手が相手チームの選手にボールをトスした後、ボールボーイが馬渡選手を小突きながら「遅ぇよ!」と言ってくれると、場内大爆笑間違いなし! 笑いでこの事件を昇華してくれると、なんかみんなもうちょっと気分を変えて終われるんじゃないですかね。 ▽ただね、今の世の中「~離れ」が流行っちゃって、こんなふざけたことを書いてると「アホ離れ」した人たちが怒ってしまうわけです。ま、こんな失言だらけのコラムに怒る人はいないと思いますけどね。あ、誰だ! 「徳島でよかった!」とか言ってるサポーターは! え? 大臣経験者じゃないよね(汗)。※画像はイメージです 【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.05.04 18:30 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】久保健英がJ1デビュー。末恐ろしい15歳でもある

▽昨日のスポーツニュースは、森本貴幸(15歳10ヶ月6日)に次ぐ若さでJ1(ルヴァンカップ)にデビューした久保健英の話題で持ちきりだった。味の素スタジアムで行われた札幌戦には1万9123人の観衆が詰めかけ、報道陣は231人と異例の多さだった。 ▽広報によると、例年GW(ゴールデンウィーク)期間中は連休のため集客力も落ちるとのこと。まして、関係者には気の毒だが、ナビスコカップの時代からグループリーグは平日のナイターということもあり、リーグ戦ほどファン・サポーターも足を運ばない。まして対戦相手は遠隔地の札幌。800人ほどのファン・サポーターが駆けつけたそうだが、「1万人も入れば御の字」(広報担当者)だったのが、前売りで1万8千枚も売れたそうだ。 ▽それもこれも、久保がデビューする可能性が高いと告知したからだろう。そして実際に2万人近い観衆を集めるのだからたいしたものだ。そして久保は66分に永井と交代で出場すると、直後のFKのこぼれ球をすかさず左足でシュート。これはDFにブロックされたものの、その後も果敢にドリブル突破を仕掛け、FKキッカーとしてゴールを狙った。 ▽今さら久保の非凡さを説明する必要はないと思うが、対戦相手の小野伸二の久保評を紹介しておこう。 「久保君は非常に堂々としていた。見ていてゴールしてしまうのではないかというオーラを感じた。今日は少し遠慮もあったのでしょう。U-23やU-20になればもっと堂々とプレーするでしょう。FKもあそこで蹴らしてもらえるのはチームも信頼しているから。僕とは全然比較にならない。ケガなくワールドユース(U-20W杯)に行って、いい結果が出ることを祈っています」 ▽小野ら“黄金世代”がワールドユースで準優勝したのが1999年。久保が生まれたのは2001年と、小野らの快挙を知らない世代でもある。それでも久保は「小野さんのプレーはYouTubeで見たことがあったし、トラップは足に吸い付くよう。これが一流選手かと思った。W杯とかに出ているし、オーラがあった。(小野に褒められたことを伝え聞くと)光栄です」とはにかんでいた。 ▽その久保の凄いところがもう1つある。普段のFC東京は、試合後にメインスタンド下のホールに柵を置いて、両チームの選手は呼び止められたら報道陣の質問に答える。いわゆるミックスゾーンというやつだ。しかし昨夜は、両チームの全選手が消えてから久保が登場し、報道陣の質問に答えた。その際に、いつもなら背景にはFC東京のメインスポンサー数社のロゴが入ったボードが設置される。しかし久保の背後には大手飲料メーカーのロゴだけのボードに変えられていた。 ▽たぶん札幌戦は『○○○デー』と銘打たれた試合だったのだろう。そして思い出したのが、昨年11月5日に駒沢陸上競技場で行われたJ3リーグの長野戦、久保がJデビューを果たした試合も『○○○デー』だった。その時も、テレビ取材の際は久保の背後にボードがあったと記憶しているが、メーカー名までは覚えていない。15歳にして、すでに久保には公にできないものの、スポンサーがついているのかもしれない。だとしたら末恐ろしい15歳でもある。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.05.04 16:00 Thu
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【東本貢司のFCUK!】サンダランド、明日への降格

▽しかるべくしてサンダランドの降格は決まった。シーズン第二戦、昇格組のミドゥルズブラに敗れた直後、デイヴィッド・モイーズが“予言”した「残留争いに明け暮れる見通し」がほんの一時でさえ覆される予感すら見せないままに。思えば大胆極まりない“賭け”だった。仮に、そのネガティヴなヴィジョンがプレーヤーたちの反骨を誘うと期待したとしてもである。しばし時計を巻き戻してみよう。2011年以降、このノースイーストの名門がたどってきた綱渡りの軌跡を。2012年、プレミア創設以来の最高位に当たる10位に導いた“功労者”スティーヴ・ブルースの“威光”をもってしても、降格の瀬戸際に追い込まれたブラック・キャッツはそのブルースを見切ってマーティン・オニールを招き、残留にこぎつけた。だが翌2012-13シーズンも同様の末路をたどり、パオロ・ディカニオへの乗り換えで降格を阻止するも、まるでこのスクランブル修復が定番と化したかのように、ディカニオ→ポジェ、ポジェ→アドフォカート、アドフォカート→アラダイスと、実に5季連続で“リフレッシュ式”監督交代作戦によって薄氷を踏む生き残りを果たしてきたのだ。 ▽さて、監督/マネージャーの力量・手腕がチーム成績に重大な影響を及ぼすという理屈が、いかに当てにならないかはもはや明白だろう。いまだにそんな“幻想”をまことしやかに語る向きがいること自体、信じられないのだが、ここでいったん、イングランド代表監督に指名されたアラダイスを継いだモイーズの“思い”を推し量ってみたい。過去5年間のサンダランドの“うんざりするような綱渡り”を踏まえて、モイーズは就任に際して「確約」を要求したに違いない。たとえ「シーズンを通して残留争いに明け暮れる」事態が続こうと、仮にも(実際にそうなってしまったように)降格に甘んじる結果になろうと、身分を脅かされることのなきように! そう、3年なら3年、じっくりこのチームを作り上げていく保証を求めたうえでの就任に違いなかった(と、筆者は確信する)。クラブ側も、エヴァートンでの11年間で証明して見せたモイーズの実績を踏まえて「得たり、そのためにあなたを呼んだ」と諸手をあげたはずだ。だが、そんな相思相愛も、モイーズが期待した補強体制にクラブが応えられなかったために、不安でいっぱいの見切り発車を強いられ、その鬱屈が、ミドゥルズブラ戦敗退後のネガティヴな発言を引き出してしまったのだろう。 ▽だとしても、今更ながらに取り返しのつかない失言だったと認めざるを得ない。サポーターは何事かと目を剥いただろう。それ以上に、プレーヤーたちはがっかりしたはずだ。開幕してわずか2戦を消化したに過ぎないのに? いや、それでも好意的に受け止めてみようじゃないか、エヴァートンの11年間を、ユナイテッドとソシエダードの我慢の無さを。モイーズはそもそも補強に慎重で、名前ばかりを追って無闇にカネをばらまくリクルーターではなかった。ティム・ケイヒル、フィル・ジャギエルカ、ジョリオン・レスコット、ミケル・アルテータらは、今なら考えられないような安値で仕入れてみせ、プレミア有数の戦士に仕立て上げたではないか。きっと、サンダランドでもその“眼力”を発揮してくれるに違いない、ならばたった1年や2年で実りがないのも覚悟しなくては。クラブはもとより、現有戦力もサポーターも、そう腹をくくる気になったはず・・・・が、何かが違った。しばらく離れていたプレミアに肌で触れて、ひと昔前のエヴァートン時代とは勝手が違うことを体感したのかもしれない。サンダランドのアカデミーの実態に世を儚んだのかも? ▽先日、あるインタヴューに応えたモイーズの口ぶりと表情を目にした、かつての教え子、リオン・オズマンが証言する。「あんなに憔悴して打ちひしがれた彼を見た記憶がない。まるで解任されたかのように」果たしてそれは、奇しくもあの2戦目後の“失言”を引き出すきっかけになったミドゥルズブラに再び敗れて(4月26日)降格に王手がかかってしまったときだったからなのだろうか。「エヴァートン時代のデイヴィッドは真性のファイターだった。燃え上がる炎のオーラを常にまとい、その両眼からも発散させていた。それが今は・・・・見る影もない」。とはいいつつも、もはやモイーズは後には引けない崖っぷちの心境だろう。ここで身を引けば、それは“完全敗北”を意味し、あの性格からして引退を決意する可能性すらある。いかなる事情、経緯にせよ、ユナイテッド、ソシエダードで失格の烙印を押されて、今また・・・・では、彼を引き受けるクラブなど(少なくともしばらくは)どこを見渡しても覚束ないだろう。ここで踏ん張るしか道はない(と、筆者は推察する)。むろん、その崖っぷちのプライドと決意がサンダランドに通じるかは不透明だが。 ▽もっとも、どう転んでも茨の道は同じだ。ボーンマスとワトフォードの躍進、善戦を前にしては、言い訳の種は一切、間違っても拾えない。プレーヤーたちのヴァイタリティーに差があったと言われても仕方がない。そして、その責任は監督が負うことになる。一つ、忘れないように付記しておくなら、早くからオーナー権譲渡の希望を公言していたアメリカ人のエリス・ショートにも多きに責任がある。そして、ショートはそのことを認め、先日謝罪もし、善処(“再考(=資金の自己調達)”なのか、良き買い取り先の選択なのかはまだわからない)を確約した。モイーズ解任については一切、ほのめかしすらしていない。ファンの方も、少なくともヴェンゲルに対するアーセナルファンほどには、モイーズ不信をあからさまに叫んではいない。あらゆる事象が「再起」を望み、指示しているのだ。サンダランド降格決定とほぼ時を同じくして、宿敵ニューカッスルがプレミア復帰を確定させた。そのことも「ここでモイーズのクビを叫んでいる場合ではない」前向きな反骨に火をつけた節がある。めげるなモイーズ、そしてサンダランド。今こそ“そのとき”だ。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.05.03 18:07 Wed
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【編集部コラム】“さいたまダービー”で感じた渋谷監督の想い…大宮プライドを懸けた采配

▽試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、スタンドをオレンジ色で埋め尽くした大宮アルディージャサポーターは歓喜の渦に包まれ、タッチライン際で戦況を見つめていた渋谷洋樹監督の表情は安堵の感情を含んだ笑顔に包まれた。 ▽4月30日、明治安田生命J1リーグ第9節の大宮アルディージャvs浦和レッズの“さいたまダービー”が大宮の本拠地であるNACK5スタジアム大宮で行われた。ここまでリーグ戦8試合で開幕6連敗を喫するなど1分け7敗で最下位の大宮が、6勝1分け1敗で首位に立つ浦和を迎えたが、63分に生まれたMF茨田陽生のゴールで大宮が1-0と勝利を収め、シーズン初白星を飾った。 ▽喉から手が出るほど欲しかったシーズン初勝利を、首位・浦和との“さいたまダービー”で掴んだ大宮。前節のガンバ大阪戦で0-6と大敗を喫し、チームが崩れていくようにも思えたが、浦和戦は一枚岩となり、闘う集団が戻ってきた印象を受けた。チームが一枚岩になれたのは、渋谷監督の存在が大きかったように思う。 ◆ダービーへの“想い”を感じる采配(c)CWS Brains,LTD.▽「34分の1とは考えていません」とダービー前日に力強く語った渋谷監督。今シーズン初となる非公開練習を実施した後、囲み取材でコメントした。結果が出ないことに対し「私の責任」と試合後にコメントを重ねており、今回のダービーに関しても「(苦しい状況で)残念だし、申し訳ないです」と囲み取材で何度も口にした。誰よりもこの“さいたまダービー”への想いが強かったのは、渋谷監督だったのかもしれない。 ▽その想いは、スターティングメンバーからも感じられた。ボランチの一角に3試合ぶりの出場となるMF金澤慎を起用。G大阪戦でボランチコンビを組んだ、MF岩上祐三、MF茨田陽生とともに、ボランチでプレーする3選手をピッチに並べた。さらに、チームのキャプテン、副キャプテンではない金澤にキャプテンマークを託したことも、“ダービー”への想いの強さを感じるものだった。 ▽金澤は大宮ユースの第1期生であり、東京ヴェルディへの2年間の期限付き移籍期間以外は大宮でプレー。渋谷監督とはユース時代の師弟関係でもあり、これまでもチームを立て直すタイミングでは、必ずと言っていいほど金澤がピッチに立っていた。試合後には「慎もずっと大宮を背負ってきている。彼が発信することによって何かが変わるかなと思って、彼に託しました」とキャプテンマークを託した理由を語っており、厚い信頼を感じさせた。 ◆期待に応えた教え子・金澤、監督の“想い”を体現 ▽ハードなマークが持ち味の金澤は、この試合でFW興梠慎三のマンマークを担当。その采配は見事に的中した。[4-4-2]を標榜する渋谷監督にとって、相手選手1人にマンマークをつかせる決断は容易ではなかったはず。しかし、チームが置かれている状況、G大阪戦の大敗、そしてダービー。「プライドを持って戦いたい」と語っていた渋谷監督は、理想である“ポゼッションサッカー”を捨て、プライドを懸けて勝負に徹した。 ▽マンマークを託したことにより、興梠のポジショニングに合わせるため、金澤が最終ラインに吸収され、[5-3-2]の形になったシーンが多く見られた。「レッズさんの攻撃力を考えた上での対応だった」と試合後に語ったように、渋谷監督はリスクを犯すことを避け、徹底して強力な攻撃力を誇る浦和対策を遂行。[4-4-2]へのこだわりを捨てたのも、“ダービー”という特別な試合への想いが影響したのかもしれない。 ◆生え抜き3選手を交代カードに ▽また、交代カードも“ダービー”への想いを感じさせるものだった。後半開始から左サイドのMF長谷川アーリアジャスールに代えてMF大山啓輔を起用。さらに、72分にはFW瀬川祐輔に代えてFW清水慎太郎、87分にはFW江坂任に代えてDF高山和真を投入した。大山は大宮のジュニア第1期生であり、清水は浦和ジュニアユースから西武台高校を経て大宮に加入した生え抜き、高山もジュニアユースから大宮に所属している。 ▽大山はフレッシュな状態でもあったが、ハードなプレスと豊富な運動量で中盤の守備を締めた。金澤がより興梠のマークに集中できたことも、大山の動きが影響しただろう。また、清水は前線でのターゲット役を遂行した。リードしている状況において、ロングボールを収める役を担っていた。また、高山もクローザーとして投入され、最終ラインで体を張り浦和の攻撃を封じた。 ▽前述の金澤に加え、右サイドバックに入ったDF渡部大輔も下部組織出身。試合終了のホイッスルが鳴った時には、4名の下部組織出身選手がピッチに立っていた。同じ街のライバルである浦和との“ダービー”において、より想いが強い選手を起用したのも、渋谷監督からのメッセージだったのかもしれない。 ◆まずは第一歩、次に繋げられるか(c)J.LEAGUE PHOTOS▽1-0で浦和を下し、今シーズンの公式戦初勝利を挙げた大宮。しかし、渋谷監督は「今日勝ったからといって何かが変わったわけでもありません」と気を引き締めた。「勝って兜の緒を締めよ」とは言ったもの。浦和対策を講じ、何とか掴んだ1勝に過ぎず、最下位というポジションに変化はなかった。 ▽しかし、大きな1勝であることも変わりない。たかが1勝、されど1勝。今の大宮にとって、首位であり同じ街のライバルである浦和からの1勝は、勝ち点3以上の価値を生み出すキッカケになるはずだ。 ▽渋谷監督は「今日の勝ちを次につなげられるように、全員でまた準備して向かっていきたいと思います」ともコメントしている。この1勝を弾みに、ゴールデンウィーク期間中に開催されるYBCルヴァンカップのベガルタ仙台戦(3日)、リーグ戦の札幌戦(6日)と結果を残し続け、本当の意味で“ダービー”での勝利を価値あるものにできるのか。ここからの大宮の巻き返しに期待が懸かる。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.05.02 22:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】CLダービーは胃が痛い…

▽「何か意地が悪いわよね」そんな風に私がイラッとしていたのは月曜。お昼のスポーツニュースでCL準決勝1stレグの話をしているのを聞いた時のことでした。いえ、確かに私もアトレティコはてっきりマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でいつも通りのセッションだろうと思っていたため、オフィシャルサイトで試合前日にはサンティアゴ・ベルナベウでシメオネ監督が記者会見、続いて練習もするとあったのには驚いたんですけどね。どうして、したり顔したアナウンサーに「2年前の準々決勝の時は相手のスタジアムで練習をせず、監督もビセンテ・カルデロンで会見して勝ち抜けられなかったから、今回は変えたんだろう」なんて言われないといけない? ▽うーん、実際、シメオネ監督にはアウェイで負けると、次は同じホテルを使わないといった、ちょっとマニアックな面あるんですけどね。どんなに猛練習したって、選手たちの限りある才能が格段にアップすることはない上、ここ3年間、お隣さんに負けた決勝2回を含むCLでの対戦は内容では拮抗。人生でもサッカーでも最も大切なツキが大事なところで欠けていただけという見方もできるとなれば、幸運を呼び込む方法はわからなくても、監督も会見で「Entendíamos que era lo que mejor nos venía para este partido/エンテンディアオス・ケ・エラ・ロ・ケ・メホール・ノル・ベニア・パラ・エステ・パルティードー(この試合にはこれが一番いいと思った)」と言っていたように、何かをしてみないではいられないのが人間というものでしょう。 ▽まあ、その辺の話はまた後ですることにして、とりあえず先週末の両チームのリーガ戦がどうだったか、お伝えしておくと…。先にスタートしたのはレアル・マドリーで、もちろん相手のレベルや今季残り試合に対するモチベーションの違いもありますけどね。ミッドウィークにデポルティボに圧勝したBチームに代わり、その日、先発したAチームの方が迫力に欠けたという感はあったかも。いえ、試合開始直後、サンティ・ミナの2つのシュートはまずGKケイロル・ナバスに、次はゴールポストに当たり、2月のメスタジャ(バレンシアのホーム)での対戦のように、早々とリードを奪われずに済んだのは、その時の主役、ザザが出場停止でいなかったおかげもあったんでしょうけどね。すでに残留を達成し、消化試合体制に入っているバレンシアから、先制点を挙げたのは26分のこと。ええ、カルバハルのクロスが見事にはまり、クリスチアーノ・ロナウドがヘッドを決めて、ようやくスタンドのファンを安心させてくれます。 ▽追加点のないまま入った後半も55分にはパレホがモドリッチをエリア内で倒したとして、マドリーはPKをゲット。キッカーはもちろんロナウドですし、その辺はPKを入れるより外す方が得意な、どこぞのチームとは違って、信頼できたはずだったんですが…この日は相手が悪すぎました。うーん、バレンシアのGKジエゴ・アウベスが名高いパラペナルティ(PK止め屋)であることはマドリーの選手たちもわかっていたため、同じブラジル人であるマルセロを筆頭にナチョ、モドリッチらがロナウドに話しかけさせまいと懸命に努力したんですけどね。この日もあっさりアウベスに弾かれてしまい、これでロナウドは彼に対してPK4本中3本を失敗って、超相性が悪くない? ▽実際、アウベスはリーガで52本蹴られうち25本を阻止という、脅威のGKなんですが、それでも当人には悩みもあるようで、「Ahora la gente espera que pare todos los penarutis/アオラ・ラ・ヘンテ・エスペラ・ケ・パレ・トードス・ロス・ペナルティス(今では皆、ボクが全てのPKを止めるように期待している)」のだとか。まあ、世の中、そんなものですが、せっかくのチャンスでリードを増やせなかったマドリーは終盤、予期せぬしっぺ返しを喰らうことに。それはマドリー育ちのパレホの古巣恩返し弾で81分、直接FKを決められて、同点にされているんですから、さあ大変! ▽え、それまではまったく試合が盛り上がっていなかったんだから、逆境の到来は願ったり叶ったりだったんじゃないかって?そうですね、後でマルセロも「El Bernabéu cuando el Valencia nos ha empatado nos ha llevado a conseguir el segundo gol/エル・ベルナベウ・クアンドー・エル・バレンシア・ノス・ア・エンパタードー・ノス・ア・ジェバードー・ア・コンセギール・エル・セグンド・ゴル(バレンシアが同点に追いついてから、ベルナベウがボクらを2点目のゴールに導いてくれた)」と言っていましたが、確かに季節外れの氷雨にうんざりしていたスタンドも、それまでとは打って変わって熱狂的に応援を開始。丁度、アセンシオやモラタといったチームBの選手たちが投入されていたおかげもあって、マドリーは伝統芸の1つ、epica(エピカ/英雄譚)モードに切り替わります。 ▽そしてお約束の決勝ゴールが生まれたのは85分、スローインからモラタがエリア内右奥に持ち込むと、そこから出したパスをマルセロが受け、彼のシュートが敵DF陣の間を通ってネットに収まったから、どんななに場内も沸いたことか。結局、この1点がモノを言って、マドリーは2-1で勝利。またしても土壇場で状況を引っくり返した訳ですが、何せこれでもう、今季は80分以降のゴールで勝ち点17も手に入れていますからね。ジダン監督も「No puedo explicar lo de los goles al final, sólo sé que es excitante/ノー・プエド・エクスプリカル・ロ・デ・ロス・ゴレス・アル・フィナル、ソロセ・ケ・エス・エクシタンテ(終盤に得点する理由は説明できないが、エキサイトするってことだけはわかる)」と苦笑するしかなかったのも当然だったかと。 ▽ただ、それもあまり調子の乗りすぎると、先日のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)では勢い余って、せっかく追いついたのにカウンターを喰らい、それこそマルセロがセルジ・ロベルトの独走を止められなかったため、結局勝ち点1も残らず。おかげで残り試合数は1つ多いながら、同じ勝ち点でライバルに並ばれ、直接対決の結果で首位を奪われてしまったなんて例もありますからね。できれば、もっと早いうちに追加点を奪って、勝負を決めておくに越したことはないかと。 ▽そして試合後はしばらく、ミックスゾーンにいた私だったんですが、次の時間帯ではアトレティコのラス・パルマス戦がキックオフ。もうスタンドにいる間に、ほぼ間違いなく火曜のサンティアゴ・ベルナベウのピッチでもお目にかかるであろうスタメンも確認していたため、ドキドキしながら、ラジオにかじりついていたところ、案ずるより産むがやすしとはまさにこのこと。だって、前節のビジャレアル戦ではとにかく何をしてもゴールが入らない、決定力に非常に不自由しているチーム感ありありだった彼らだというのに、開始2分も経たないうちにオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のアトレティコ番実況から、「Gooool!!!Gol del Atletico!/ゴル・デル・アトレティコ(アトレティコのゴール)」の絶叫が届いたんですよ! ▽これは足の付け根のケガから復帰以来、初めて先発したガメイロがようやく本領発揮。「アトレティコでプレーするには走らないといけない」と本人も言っていた通り、サウールが左から出したラストパスにゴール前へ突っ込んで決めたんですが、おかげで55日間に渡る自身のゴール日照りも解消できることに。ラス・パルマスの選手も「El Atlético salió mucho más enchufado que nosotros/エル・アトレティコ・サリオ・ムーチョ・マス・エンチュファードー・ケ・ノソトロス(アトレティコはウチよりずっと試合に没頭してピッチに出た)」(ビガス)と言っていましたが、4月下旬から再び、冬に戻ってしまったマドリッドと違って、グラン・カナリア島(大西洋にあるリゾート地)は日光がさんさんと降り注ぐ、ポカポカ陽気だったのも選手たちに影響したのでしょうか。 ▽その後も彼らの攻勢は止まらず、16分にはCKから、「Me ha sorprendido la pasividad de Las Palmas/メ・ア・ソルプレンディードー・ラ・パシビダッド・デ・ラス・パルマス(ラス・パルマスが受け身だったのには驚かされた)」というサウールがヘッドで2点目を追加。更に18分にも今度はガイタンのスルーパスからガメイロが再び決めて、私がスタジアムを出る前に勝負がついてしまうなんてこと、あっていい? いえ、ちょうどその時、インタビューに答えていたモドリッチなどは「4-0で勝つのも最後の瞬間にゴールを入れて勝つのも自分にとってはほとんど同じ。Lo importante es ganar y seguir adelante/ロ・インポルタンテ・エス・ガナール・イ・セギール・アデランテ(大事なのは勝って先に進むこと)」と言っていましたけどね。 ▽アトレティコのDNAには奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質は組み込まれていませんし、第一、次の試合がCL準決勝1stレグであることを考えたら、Aチーム、Bチームを持たない彼らが早めに試合にカタをつけておいて、悪いことなんか何にもありませんって。おかげで前半終了近くにはグリーズマンがカウンターからフリーで敵ゴールに向かう途中、敵選手が倒れているのに気づき、ボールを外に蹴り出してゲームを止めるといった、紳士的なプレーをする余裕もあったようですが、丁度、後半に殊勲のガメイロがフェルナンド・トーレスと交代する頃に近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に着いた私だけに、すでに0-3で勝っているアトレティコが何かしてくれるという期待はほとんど抱いておらず。 ▽でも、それは単なる早とちりで、この日は交代出場組もハッスル。54分にボアテングが2枚目のイエローカードをもらって退場になったおかげでもあるんですが、74分にはコレアとの息の合った連携でトーマスが4点目を挙げたかと思えば、90分にはフィリペ・ルイスのラストパスが敵DFの鼻先をかすめ、トーレスまでが76日ぶりのゴールを決めてくれるとは、どんなに心強く感じられたことか!結局、0-5の大勝となったんですが、だったら前節0-1で負けたビジャレアル戦に2ゴールぐらい回しておけば良かったのにと思ったのは私だけではなかった? ▽いえ、シメオネ監督は「cuatro días después de esa derrota, hoy resolvieron el partido en dieciocho minutos/クアトロ・ディアス・デスプエス・デ・エサ・デロータ、オイ・レソルビエロン・エル・パルティードー・エン・ディシオチョ・ミヌートス(あの敗戦から4日後の今日、選手たちは18分で試合を決めた)」と大満足だったようですけどね。何せ、これと同じ結果が火曜にも出せれば、どんなにライバルの売りが根性のレモンターダだろうと、今季はバルサがCL16強対戦でPSGに4-0の敗戦から逆転した前例があろうと、来週水曜の2ndレグに比較的、安心して臨めるかと。 ▽ただ、そこは全てがメデタシメデタシで終わらないのがアトレティコで、実はボアテングの退場の原因となったプレーの時、ファールを受けたヒメネスが左太ももの筋肉を痛め、その場で交代となっていたんですよ。もうその時は3点差がついていましたし、ラス・パルマスも反撃してこなかったため、シメオネ監督も大丈夫と踏んだんでしょうね。フアンフラン、ベルサリコの負傷で臨時に右SBを務めて3試合目、ようやく板についてきたヒメネスの代わりにMFのトーマスが入ったんですが、何せマドリー戦ではマルセロとマッチアップしないといけないポジションですからね。 ▽一応、リーガ次節は累積警告で出場停止となるCBのサビッチがモンテネグロ代表で経験があるようだとはいえ、これで全DFがスタメンで出払うというのはかなり不安かと。月曜にはシメオネ監督も誰に右SBを任せるか、決断できていたようですが、「el que juegue de lateral o carrilero nunca lo ha hecho /エル・ケ・フエゲ・デ・ラテラル・オ・カリレーロ・ヌンカ・ロ・ア・エッチョー(普通のSBか攻撃参加をするSBは1度もやったことのない選手)」と言っていたのは、もしや意外な人選への布石かもしれない? ▽その会見後のベルナベウでの練習では、開始前にコケなどを始め、数人の選手たちがベンチでやたらくつろいでいたのはともかく、肩を痛めていたカラスコが回復していたのを目撃できたのが収穫でしたが、丁度、ニヤミスで前日合宿のため、スタジアムに到着したマドリーの選手たちはベイル、ペペ、コエントラン以外、全員プレーできる状態と言いますからね。スタメンは基本、チームAで、ベイルの代理はバレンシア戦でプレーしなかったイスコになる線が強いようですが、どちらにしろ、誰が出てきても強い相手なのは間違いないんですから、当日、スタンドに駆けつける4000人のアトレティコファンも相当の覚悟を持って応援してあげないと。 ▽そんなCL準決勝ダービー1stレグは火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。キャプテンのガビも「Con el corazón no se ganan las copas, hay que hacer un partido casi perfecto/コン・エル・コラソン・ノー・セ・ガナン・ラス・コパス、アイ・ケ・アセール・ウン・パルティードー・カシー・ペルフェクトー(ハートだけではトロフィーは獲得できない。ほぼ完璧な試合をする必要がある)」と言っていたように、ミスも失点も最小限、できればアウェイゴールを奪えるような展開になってくれるといいのですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.02 13:30 Tue
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【編集部コラム】G大阪の絶対的司令塔・遠藤保仁に迫り来る世代交代

▽ガンバ大阪に所属する元日本代表MF遠藤保仁に世代交代の波が押し寄せている。G大阪は4月30日、日産スタジアムで行われた明治安田生命J1リーグ第9節で横浜F・マリノス戦と対戦。この試合、長谷川健太監督は主将の遠藤を前節の大宮アルディージャ戦に続きスターティングメンバーから外すことを決断した。 Getty Images▽リーグ戦において、遠藤がキックオフから試合終了まで監督からお呼びがかからなかったのは、ケガを含めたコンディション不良を除けば、1998年の横浜フリューゲルス時代以来。また、2試合連続で先発メンバーから外されたのは、1999年以来のことだ。その遠藤は、1998年に鹿児島実業高校から入団した横浜フリューゲルスでプロキャリアをスタート。37歳の誕生日を迎えた今年は、遠藤にとってプロ20年目、G大阪の選手としても在籍17年目のシーズンにあたる。しかし、周囲からの遠藤に対する見方が変わりつつある。 ▽遠藤といえば、精度の高いパスと高度な戦術眼でゲームを司る日本を代表するレジスタ。今年、その遠藤が出場した公式戦は13試合だが、現時点で「司令塔・遠藤、ここにあり」と言える試合が限りなく少ない。加えて、ボールロストやPK失敗など不安定なプレーが目立ち、例年以上に精彩を欠いている印象だ。もちろん、37歳という年齢を考慮すれば、衰えがあるのは仕方がない。その点を踏まえた長谷川監督は、遠藤の負担を軽減すべく、新たな居場所としてトップ下やアンカー起用を提案してきたが、フィットできずにいるのが現状。頭打ちの状況に陥っていると言えるだろう。 Getty Images▽そうした状況の中、チーム内では日本代表メンバーにも選出されているMF井手口陽介やMF倉田秋が、今や欠かせない選手にまで成長。さらに、MF今野泰幸においても、34歳ながら得点力という部分で新たに才能を開花させ、3月には日本代表復帰を果たすなど、負傷離脱するまでチーム随一の輝きを放っていた。それらの現状を考えると、チーム内で置かれた遠藤の立場は厳しく、個よりも常勝を最優先に求められている長谷川監督が2試合連続ベンチスタートという決断に至ったことも理解できるところだ。 ▽そして、チームは遠藤に追い打ちをかける。4月30日、G大阪が2010年以来勝利から遠ざかっていた日産スタジアムで、横浜FM相手に1-0の完封勝利を収めた。加えて、世代交代を象徴するかのように、決勝ゴールを決めたのは直近の公式戦2戦連発中だった18歳のユース出身MF堂安律。6-0で大勝した前節の大宮戦に続きクローザー役を託されるかと思われた遠藤だったが、1点リードの緊迫した展開の中で長谷川監督が最後の交代枠としてピッチに送り出したのは、守備固め要員として控えていたDF丹羽大輝だった。 Getty Images▽戦術的な理由や試合の流れで仕方がない面も否めないが、常に自身の存在価値をピッチ上で示してきた遠藤が、この状況に居心地の良さを感じるわけがない。他チームでは、MF中村俊輔(ジュビロ磐田/38歳)や、DF中澤佑二(横浜FM/39歳)、MF小笠原満男(鹿島アントラーズ/38歳)ら遠藤より年上の選手も若手の突き上げに遭いながら、日々の激しい定位置争いに身を置いている。「脱・遠藤」を推し進めるチームの中で、どのようなリアクションを見せるのか。かつて本人が語ったように、世代交代の波に逆らう姿に期待したい。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2017.05.01 20:00 Mon
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【U-20日本代表特集】U-20W杯代表メンバー発表直前! 超WS選定の「7名の若きサムライたち」

▽5月2日、FIFA U-20ワールドカップ(W杯)韓国2017に向けた代表メンバー21名が発表されるU-20日本代表。2007年のカナダ大会以来5大会ぶり9度目の世界大会出場というだけでなく、この世代が2020年の東京オリンピック世代であることを考えると、期待を抱かないわけにはいかない。超WS編集部は独断により、オススメの若きサムライをピックアップ。選出した7名を紹介する。 ◆FW安部裕葵(鹿島アントラーズ)・生年月日:1999年1月28日(18歳) ・2017シーズンの実績 明治安田生命J1リーグ:2試合/先発1回(0得点) AFCチャンピオンズリーグ:1試合/先発0回(0得点)【短評】 ▽FW本田圭佑がプロデュースしたジュニアユースチーム出身のプロ1号。キープ力や優れた得点感覚だけでなく、強気な発言などメンタル面にも“本田魂”が宿る ◆MF黒川淳史(大宮アルディージャ)・生年月日:1998年2月4日(19歳) ・2017シーズンの実績 明治安田生命J1リーグ:2試合/先発1回(0得点) 2017JリーグYBCルヴァンカップ:2試合/先発2回(0得点)【短評】 ▽大宮アルディージャユース出身のテクニカルなアタッカー。1人でボールを運べるドリブルスキル、展開を変えるパス、前線からのプレスもいとわない豊富な運動量を持ち合わせる ◆MF吉尾海夏(横浜F・マリノス)・生年月日:1998年6月28日(18歳) ・2017シーズンの実績 明治安田生命J1リーグ:0試合/先発0回(0得点) 2017JリーグYBCルヴァンカップ:3試合/先発2回(0得点)【短評】 ▽身長167cmの小柄を生かした生え抜きミッドフィルダー。ユース時代には2013年に日本クラブユース選手権U-15、2015年に日本クラブユース選手権U-18の優勝に貢献。ドリブルスキルに秀でたタレントだ ◆MF中坂勇哉(ヴィッセル神戸)・生年月日:1997年8月5日(19歳) ・2017シーズンの実績 明治安田生命J1リーグ:4試合/先発2回(2得点) 2017JリーグYBCルヴァンカップ:1試合/先発1回(2得点)【短評】 ▽プロ2年目にして才能の片鱗を見せつつあるヴィッセル神戸の新鋭。すでに公式戦4ゴールをマークするなど、ゲームメーカータイプながらシュート精度も高い ◆FW田川亨介(サガン鳥栖)・生年月日:1999年2月11日(18歳) ・2017シーズンの実績 明治安田生命J1リーグ:6試合/先発0回(1得点) 2017JリーグYBCルヴァンカップ:2試合/先発1回(0得点)【短評】 ▽スピードとドリブルを武器とするサガン鳥栖の下部組織で育った身長181cmの若きアタッカー。18歳1カ月28日のクラブ最年少得点記録を持つ ◆FW前田大然(水戸ホーリーホック)・生年月日:1997年10月20日(19歳) ・2017シーズンの実績 明治安田生命J2リーグ:7試合/先発5回(3得点)【短評】 ▽風貌に似つかわない50m5.8秒の快速を武器とするストライカー。今シーズンはここまで3ゴール。J2注目の若き点取り屋だ ◆MF高橋壱晟(ジェフユナイテッド千葉)・生年月日:1998年04月20日(19歳) ・2017シーズンの実績 明治安田生命J2リーグ:9試合/先発9回(2得点)【短評】 ▽2000年のMF阿部勇樹(浦和レッズ)以来となる17年ぶりの高卒開幕スタメン。青森山田高校時代から鳴らしたスコアリングミッドフィルダーとしての能力は折り紙つき 2017.05.01 17:00 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】人材の余っているチームは羨ましい…

▽「その気持ち、わかるわぁ」そんな風に私が頷いていたのは金曜。サンティアゴ・ベルナベウでのレアル・マドリー戦を控えたバレンシアのボロ監督が、このミッドウィークのリーガの試合でデポルティボを圧倒したことにより、ますます世間で論争が過熱。いわゆるマドリーA、マドリーBのどちらと対戦したいと訊かれた際、「Prefiero el Real Madrid C, el filial/プレフィエロ・エル・レアル・マドリッヂ・セー、エル・フィリアル(レアル・マドリーC、ユースチームがいいね)」と答えているのを聞いた時のことでした。いやあ、本当にRMカスティージャ(2部B)が出てきて、万が一、うっかり負けてしまったりしたら、お助け臨時監督として出動ではなく、正式な指揮官となったボロ監督の功績にケチがつきかねないなんて、私が余計な心配をしても仕方ないんですけどね。 ▽ちなみにマドリーAというのはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)以下、先日のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)で先発した面々で、CL準々決勝のバイエルン戦など、手ごわい相手に挑む時のベストメンバー。ただ、ジダン監督も極端で、この水曜はベイルがふくらはぎのケゲで結局、全治1カ月となってしまったり、セルヒオ・ラモスが出場停止処分だったりという不可抗力はあるものの、クロース、モドリッチ、カセミロ、カルバハル、ケイロル・ナバスもスタメンに入れず。コエントランが万年体調不良のため、代わりがいない左SBはマルセロ、CB4人のうち2人が使えないせいで連続出場となったナチョ以外、メンツが9人も変わっていたため、マドリーBと呼ばれることになったんですが、それでも全然、強いって、まったくもって贅沢な選手層をしているじゃないですか。 ▽うーん、せっかく敵がローテーションしてくれながら、まったく歯が立たなかったデポルティボのペペ・メル監督など、「El Madrid B me gusta mucho mas que el Madrid A/エル・マドリッド・ベー・メ・グスタ・ムーチョ・マス・ケ・エル・マドリッド・アー(私はマドリーBの方がマドリーAよりずっと好きだ)」と言うしかなかったでしょうけどね。来週火曜、お隣さんとのCL準決勝1stレグに出てくるのは休養十分なAチームの方であるのは火を見るよりも明らか。逆にアトレティコにはAチームしかないものの、最近はケガ人のせいもあって、スタメンがAマイナス、ダブルマイナスといった状態な上、出づっぱりな選手たちには疲労が見え隠れしていますからね。そう思うと、やっぱりまだ6月3日の決勝に向けて、カーディフ旅行の手配をするには気が早すぎるという結論になるんですが…。 ▽え、その理由には今季最後のミッドウィーク開催リーガがあった今週、自分が久々に重苦しい気分でビセンテ・カルデロンから帰ることになったからっていうのもあるんだろうって? その通りで、ここ数年、ビジャレアルには相性が良くなく、ほとんど勝ててないというのは知っていたものの、最近はツキもあるから何とかなるだろうと過信していた私も悪いんですけどね。平日にも関わらず、スタジアムを満員にしたファンたちも一生懸命応援してくれたんですが、その日の彼らはまったくゴールに縁がなし。前半はサウールのヘッドもグリーズマンとガイタンのダブルチャンスもGKアンドレス・フェルナンデスに弾かれ、後半序盤もガイタンとの一対一をparadonn(パラドン/スーパーセーブ)されてしまっては、シメオネ監督だって、せっかく一息つかせてあげようとしていたカラスコを投入せざるを得ませんって。 ▽ただ、そのカラスコは15分程でルカビナとの接触プレーで肩を痛めてしまい、フェルナンド・トーレスと交代。結果的に誰の休養にもならず、ケガ人をムダに増やしただけに終わったんですが、それでもせめてスコアレスドローで勝ち点1でも稼いでくれていれば、ちょっとは救われたんですよ。ところがこの日は最近にしては珍しい大ポカが81分に発生。何とフィリペ・ルイスが自陣でボールを失い、エリア内に突入したバカンブの出したパスにソリアーノがゴール前で合わせ、GKオブラクが破られてしまったから、さあ大変! ▽その後も懸命に点を取りに行ったアトレティコでしたが、「Hoy la pelota no quiso entrar/オイ・ラ・ペロータ・ノー・キソ・エントラール(今日はボールがゴールに入りたがらなかった)」(シメオネ監督)という巡り合わせだったんですかね。最後の最後、アディショナルタイムにガビが敵エリア内に放り込もうとした遠くからのFKが地上に落ちる前に終了の笛が無情にも響き、それこそ「いつも自分たちがしていることをやられた」(ガビ)彼らは、2月末のバルサ戦以来となる、公式戦12試合ぶりの負けを喫してしまうことに(最終結果0-1)。 ▽試合後、コケなどは「Seguimos terceros haga lo que haga el Sevilla/セギモス・テルセーロス・アガ・ロ・ケ・アガ・エル・セビージャ(セビージャが何をしてもウチが3位なのは変わらない)」と強がっていましたけどね。大抵、悪いことは続くもので、木曜に試合をした相手は目下のところ、来週のヨーロッパリーグ準決勝マンチェスター・ユナイテッド戦1stレグしか見えていないセルタに2-1で勝利。またしても勝ち点で並ばれてしまったため、マドリーとのCL決戦を控えた土曜のラル・パルマス戦に、より一層のプレッシャーが懸かってしまったのは否めないかと。うーん、ゴディンが累積警告で出場停止になるのはある意味、いいお休みの機会なのかもしれませんけどね。 ▽カラスコは全治2週間、ファンフラン、ベルサリコの両右SBもまだ回復していませんし、何よりこの状態だと、唯一の命綱であるグリーズマンがとても休めそうにないのは不安。それ以外のFWはトーレスなど、木曜に自身のプレミアリーグ体験から、サッカーを通じて英会話を学ぶ本を出版。そのお披露目イベントでも「Estan las ganas de que esta vez si podemos dar a la gente algo que perseguimos desde hace 100 anos/エスタン・ラス・ガナス・デ・ケ・エスタ・ベス・シー・ポデモス・ダール・ア・ラ・ヘンテ・アルゴ・ケ・ペルセギエンドー・デスデ・アセ・シン・アーニョス(今回こそ、ファンが100年前から追っている夢を現実にしてあげたいという意欲がボクらにはある)」と、CL初優勝に向けて嬉しいコメントはしてくれるんですけどね。 ▽問題はその彼もガメイロもコレアも随分、ゴールから遠ざかっていることで、皆、もう少し、マハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションでシュート練習に力を入れてくれるといいのですが、こればっかりはねえ。そうそう、ビジャレアル戦の終了直後に第4審判の肩に手をかけ、「que hijo de puta sos; que hijo de puta!/ケ・イホ・デ・プータ・ソス、ケ・イホ・デ・プータ(お前ら、何て最低な奴らだ)」と悪口を言い、ベンチ入り禁止処分が懸念されていたシメオネ監督は、競技委員会が2試合の処分を科した数時間後に上訴委員会がそれを取り消してくれたため、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのラス・パルマス戦に影響はないことに。 ▽うーん、彼には2014年のスペイン・スーパーカップで退場させられた後、ベンチ裏のスタンドから堂々、指揮を執っていたせいもあって、8試合もの処分を受けた黒歴史もありますからね。もうリーガも今季はあと4節、ビセンテ・カルデロンでのお別れ試合をパルコ(貴賓席)で見ることになるのも外聞が悪いですし、そろそろ新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノでのデビュー戦のことも考えて、金曜に47歳になったシメオネ監督には自重してくれるよう、強くお願いしますよ。 ▽そして翌水曜は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でマドリーの試合を見た私でしたが、序盤はオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継も大忙し。まずは開始52秒で、イスコからラストパスをもらったモラタが日頃、あまり出番がない鬱憤を晴らすかのように速攻ゴールを決めたのにも驚かされたんですけどね。この節は平日だったせいで、夜に3カードやるため、このデポルティボ戦の前半はマドリッドの新弟分、レガネスがラス・パルマスをブタルケに迎えた試合の後半と丸かぶり。普段の彼らなら、そんなにレポーターが報告することもないんですが、54分のルチアーノの先制点を皮切りにゲレーロが続き、最後はPKでルチアーノが自身2点目と、たったの6分間で3点を挙げてしまったから、ビックリさせられたの何のって! ▽いえ、3連戦の真ん中ということで、相手のラス・パルマスもBチームを出していたんですけどね。そこへすでに残留達成しての気の緩み加わったのが、直近7試合に勝てておらず、だからと言って、降格圏の3チームも勝たないので大丈夫そうではあったものの、このままだと勝ち点27で残留という超恥ずかしい記録を作ってしまいかねなかったレガネスに幸いしたよう。そのまま3-0で快勝したため、同日、バルサに7-1と大敗していた最下位オサスナの降格が数字的に決まることにもなりましたっけ。 ▽それと同時進行して、マドリーも14分にはハメス・ロドリゲスが2点目を追加。34分にはアンドネに1点を返されたものの、44分にはイスコが特異な粘り強さを発揮してボールをキープした末、最後はルーカス・バスケスが決め、前半だけで1-4という余裕のスコアに。後半も再びハメス、イスコ、途中出場のカセミロとgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は続き、デポルティボはホセルが意地のヘッドで1点を入れたものの、最後は2-6の大勝で決着です。ええ、おかげでこちらも再び、首位バルサと同じ勝ち点に戻ることができました。 ▽え、試合後はイスコなど、「Es la grandeza de un club como el Madrid, tenemos 23 titulares en el equipo/エン・ラ・グランデサデ・ウン・クルブ・コモ・エル・マドリッド、テネモス・ベインティトレス・ティトゥラレス・エン・エル・エキポ(マドリーみたいなクラブの偉大さは、チームに23人のレギュラーがいるっていうこと)」と胸を張っていたけど、この土曜のバレンシア戦ではA、B、どちらのバージョンでプレーするのかって?いやあ、そこはジダン監督も頭の絞りどころで何せ、CL準決勝が中2日で来るため、30歳越えしているロナウドやモドリッチらは温存してもいいかと思うんですが、2試合連続で出ないと当人が気を悪くするかもしれませんしね。 ▽Aチームでいくにしてもベイルがいない分、イスコ、アセンシオ、ハメスの誰か1人は入れなければならないでしょうし、そうすると連続先発したその誰かはアトレティコとの1stレグでベンチかスタンド観戦になるのは確実。選手的にはそれもイヤかもしれませんが、幸いチーム内は「No hay equipo A o B, todos somos importantes y es gracias al mister/ノー・アイ・エキポ・アー・オ・ベー、トードス・ソモス・インポルタンテス・イ・エス・グラシアス・アル・ミステル(ウチにAチーム、Bチームはないよ。全員が重要なんだ。監督のおかげでね)」(ナチョ)と波風は立っていないよう。まあ、相手のバレンシアももう今季の目標はクリアしていますし、ザザとカンセロが出場停止でいませんからね。 ▽それだけに土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのこの一戦は比較的、穏やかに見られるかと思いますが、その日最後の試合はエスパニョールとバルサのカタルーニャダービー。少しは取りこぼしも期待できますし、まずは勝っておくのが無難でしょう。一方、レガネスは日曜にアウェイで乾貴士選手のいるエイバルと対戦ですが、金曜には18位のスポルティングがビジャレアルに敗戦。更にキックオフ前にグラナダがレアル・ソシエダに負けて降格2チーム目が決まるということもあるかもしれませんが、ここは心を惑わされず、1部に残るチームとしてふさわしい勝ち点の獲得に尽力してもらいたいところかと。うーん、アトレティコの3位争いのライバル、セビージャは月曜試合でマラガ戦なんですけどね。その頃にはきっと誰もリーガのことなんか、考えていませんよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.29 17:28 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】差別的なフラッグで川崎Fは2試合の無観客試合か

▽Jリーグは4月27日に第4回の理事会を開催し、今年7月にボルシア・ドルトムントとセビージャを招いて、浦和と鹿島が対戦する「明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017」を開催することなどを発表した。浦和対ドルトムントが7月15日に埼玉スタジアムで、鹿島対セビージャが7月22日にカシマスタジアムで開催される。時間は未定ながら、夏場の試合のためナイトゲームが予想される。 ▽そして今回の理事会で1時間半に及ぶ議論を費やしたのが、すでに新聞等でも報じられている、G大阪のサポーターが起こしたナチス親衛隊(SS)をイメージする旗を掲げたことと、ACLの水原戦で川崎Fのサポーターが旭日旗を掲げた件だった。 ▽事件があったのは、4月16日に長居スタジアムで行われたC大阪対G大阪のダービーマッチだった。長居駅からG大阪のサポーターがSSを模した旗を掲げ、試合中もゴール裏で旗が揺れていた。G大阪の説明によると、試合中は認識できなかったものの、夜の19時過ぎにHPに問い合わせがあり、19日にはJリーグにもメールでの問い合わせがあったという。 ▽事実を確認したG大阪の山内隆司社長は、4月21日の大宮戦からフラッグの掲出を控えるようサポーターに求め、その後は今シーズンの公式戦のすべてでフラッグ等の掲出を禁止。そしてSS旗を作成したサポーターグループの代表者と協議した結果、グループの解散と同グループに所属するサポーターを無期限で入場禁止の措置をとったことをJリーグに報告した。 ▽今後、G大阪は応援に関するプロジェクトチームを作り、コンセプト、要項作りなどをクラブとサポーターでアイデアを出して共同で考える、定期的に意見交換して議論を進めるなどの対応策を取ることも報告。理事会では啓発をサッカー界が率先して行うとの意見で一致し、G大阪の考え方をJクラブで共有することになった。 ▽今後はG大阪を処分するかしないかも含めてJリーグは検討するという。一方、予断を許さないのが川崎Fに対する処分である。Jリーグでは旭日旗の使用は「政治的、差別的な意図はないと認識している」(村井チェアマン)ものの、韓国では戦前の日本による侵略の象徴ととらえられている。このためJFA(日本サッカー協会)は、国際試合での使用について相手が不快に思う場合は自粛をお願いすることもあるそうだ。 ▽こちらの件で難しいのは、ACLはAFC(アジアサッカー連盟)の主管試合であること。Jリーグが独自の判断や制裁を加えることはできず、昨日の段階でもAFCからJリーグには何の連絡もない。村井チェアマンによると、AFCが何らかの制裁を科す場合は、直接、川崎Fにコンタクトを取るか、JFAを通じての制裁になる可能性が高いらしい。 ▽そして27日の午後、AFCは旭日旗を掲げた件で、規律倫理規則の第58条にある「差別禁止規定に抵触」するとして、川崎Fの処分を検討するとHPで発表した。AFCは倫理規定でスタジアムでの尊厳を傷つける差別や政治的な意見を禁止している。どのような処分になるかはAFCの規律委員会で協議されるが、最低2試合の無観客試合と1万5千ドル(約167万円)以上の罰金を科される可能性もある。 ▽AFCが制裁を科せるのは、当事者の川崎Fと、場合によっては日本代表も含まれただけに、川崎Fへの処分を検討していることは、被害が日本代表に及ばずに済んだだけに、言葉は悪いが一安心といったところ。 ▽ACLでは浦和と鹿島が好スタートを切っただけに、川崎Fのサポーターと、Jリーグでの出来事だがG大阪のサポーターが起こした、差別的ともとられかねないフラッグの掲出は残念だし、配慮を欠いた事件でもある。今回の一件を他山の石としてサポーターは共有するべきだろう。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.04.28 12:15 Fri
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【東本貢司のFCUK!】4月最終週ミッドウイークの乱

▽三日間で5試合、すべてキックオフからファイナルホイッスルまでみっちり見届けたのは久しぶりのことだ。それだけ、それぞれが重要なカードであり、またそれがゆえに結果のみが“残った”とも言える。無論、この期に及んで“スペクタクルな好ゲーム”を期待する方が欲をかいている。昨シーズンを例にとると、4月最終週のミッドウイーク時点で、各チーム残り3試合。今季はばらつきもあるが平均してその倍を残している。アーセナルにいたっては26日のレスター戦を含んで7試合。そのうえ、FAカップ決勝も控えている。ヴェンゲルの去就、頼みのサンチェス、エジルのはっきりしない行く末も絡んで、息つく暇もない。だからこそ、オウンゴールであれ何であれ、終了間際にもぎ取った虎の子の1点の価値は千金どころではない。ヴェンゲルは言う。「自分(が残るか去るか)のことなど二の次。クラブが残す、手にする結果がすべてだ」・・・・自らへの不満分子をなだめすかす意味もあるとすれば、ファンも目を開かねばならない。何を最優先すべきなのかを。 ▽スパーズことトテナム・ホットスパーは目に見えて強かに成長している。ちょうど1年前の今頃、ウェスト・ブロムの痛恨のドローを強いられ、ミラクル・レスター追撃の芽を摘まれたのみならず、“持病”のごとく最後の追い込みでずるずると星を落として結局3位で終えた二の舞はもうなさそうだ。つい先日、ヤング部門で年間最優秀プレーヤーに選出され、シティーからレアル、バルサまで熱い視線を送るデレ・アリがさほど目立たなくとも、エリクセンやソン・フンミンが十分すぎるほどカバーしてくれる。チェルシーも最後まで気を抜けそうにない。その意味でも、チェルシーやアーセナルに一泡吹かせてきたばかりのクリスタル・パレスに挑んだ一戦は注目の試金石だったが、苦戦しながらも勝ち切ってみせた。アーセナル-レスター戦が総体的に流れの悪い消耗戦だったのに引き換え、同じ最終スコアでも、パレスとの一戦は見応え十分だった。そんなこんなを感じ取ったバルサやレアルが、ポチェッティーノ略奪に色目を使っているとかには笑止千万。いまだに監督が変われば何やらと考える短絡思考にはうんざりする。プレーヤーをもっと信じよだ。 ▽今では忘れている、というよりも、そもそも気が付いていない人も多いようだが、ミラクル・レスターの真の“メンター”は、一昨シーズン終了後になぜか電撃解任されたナイジェル・ピアソンなのだ。そして、クラウディオ・ラニエリの第一の功績は、そのピアソンが築いたベースをほぼ損なうことなく、いや、そのまま継続して“敬意”を示し続けた点にある。しかも、“第三の男”クレイグ・シェイクスピアも、成功に行き着いた色気なのか欲目なのか、ラニエリが少しばかりいじりかけた感のある戦術的変更を、今一度原点(=ピアソン流)に立ち返って再び勝ち運を呼び込んだのである。監督が変わって何かが変わったのではない。プレーヤーたちへの信頼を今一度確かめ、その信頼にプレーヤーたちが迷いを吹っ切ることができたからに相違ない。おそらく、ヴェンゲルはそのことを感知して「プレーヤー・ファースト」にこだわっているのだと考えられる。なにしろ、彼らのほとんどが、自らの目で見極め鍛え上げた秘蔵っ子たちなのだ。カネにあかせて揃えたオレ様たちの寄せ集め軍団ではない。そこに、アントニオ・コンテの皮肉がエコーする。 ▽グアルディオラが「チェルシーだって・・・・」と反論したくなる気持ちもわからないではないが、冷静に振り返ってみればコンテの言い分はほぼ「正当」だと思う。中国マネーに走ったラミレスやオスカーも、ファブレガスも実体はアタッカー志向。回転軸となる不動のアンカーがどうしても欲しかった。そこでカンテを獲った。さらに、テリーの衰えを看て取ってダヴィド・ルイスを“呼び戻した”。意外な掘り出し物の“ディフェンダー”アロンソはそれまでほぼ無名の存在。つまり、カネがかかるかどうかは二の次の“結果論”で、ピンポイントで必要な補強を名前よりも実力本位で施した。イングランド史上最も成功した指導者、サー・アレックス・ファーガソンの手法そのものではないか。何度でも繰り返したくなるが、たとえ大半がアカデミー上がりであろうと、グアルディオラが率いたバルサはその時点で世界的スターがひしめいていた。そこから移ったバイエルンはそれこそ、“強奪”同然に狩り集めた国際的スターの巣窟。シティーはそれ以上にふんだんにカネを使ってきたうえに、出入りも激しい。“戦術”だけで何かを変えるという話は通じそうにない。意地の悪い(?)メディアも早速クサしている。ペジェグリーニは偉大だった、と。 ▽そしてそして、ユナイテッドはまだまだ修復途上。ファン・ハール時代のツケ、というよりもデイヴィッド・モイーズをたった10か月で見限ったツケから、大変な無駄遣いを続けてきて、いまだ先行きは不透明。ラシュフォード、リンガードの登場、成長で“兆し”は見えてきたが、ルーニーの処遇も含めて、少なくともモウリーニョ体制2年目の帰趨を見極めてからでないと何とも言い難い。個人的にはポグバ獲得は余計だったのではないかと思っている。幸い、エレーラが一本立ちした様子で、あとはミヒタリアンとバイリーが定着すれば落ち着いて戦えるベースはできるだろう。ヴァレンシアとフェライニをあえて重用して成果まずまずなのは、さすがはジョゼ君。アシュリー・ヤングを干したままにしない方針も好感が持てる。グリーズマン獲得にあまりこだわらない方がいいかとも思うが、少なくとも大型補強はそこでいったん打ち止めとするのがベター。新顔導入が続くとチームは地に足がつかないのは、十分に懲りたはず。リーグカップ獲得で一応の顔は立った。ヨーロッパリーグ制覇に的を絞ってじっくりと改造を進める。ヴェンゲル式、レスター式、あるいはコンテ流に学ぶべし。願わくば、アカデミーの充実を改めて土台とする再認識を。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.04.28 12:10 Fri
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【倉井史也のJリーグ】今週はちょっと拗ねてまともな原稿を書いてやるぜ?! これでも! の巻

▽先週一番話題になったゴールって、やっぱあれですかね? 興梠慎三の浦和トップ独走を決める決勝点。とても重要な得点だったと思うんですけど、でもどうやら違うようで。一番ニュースで目にしたのって、中村俊輔のズドンと一発だったんじゃないでしょうか。 ▽その中村のゴールって、本当はその前のトラップのところで打ちたかったんだろうけど、戻ってきたところをビシッと当てたシュートから生まれてるわけです。だからあのゴールを見ながら「あぁ、昔の俊輔だったら」という思いを持った人もいるだろうし、中村がまだ活躍していることにホッとした人も多かっただろうし。 ▽一度は失敗しても次のチャンスを生かすって、なんか挫けるなっていうメッセージみたいでよかったなぁ。なんて、サッカーのライターが書いたら編集担当から「何それ? 情緒過ぎるじゃん? バカなの? どっか行くの?」って言われるとこなんですけど、まぁこうやって書いてるんですけどね。 ▽と、中村が活躍したのなら、こっちもやってほしい! って選手は26日のルヴァンカップでやってくれました。ホームの大宮戦で小野伸二が正確にミートして流し込む小野らしいボレー。これまたむっちゃノスタルジックな風景まで思い出して感激した人たちも多かったんじゃないですかね。 ▽中村にしろ小野にしろ、これは次の試合も期待できるかも。だって、ゴールって一度生まれると、続いたりするじゃないですか。昔、本田圭佑が「詰まってたケチャップが出始めるとドバドバ」と言ってた感じで。でもって、今週末はこの2人が所属する磐田vs札幌なんですよ。ゴールデンウィーク突入のカードとしては、これはいい前振りを持ってる対戦なワケです。 ▽……といいつつ、ちょっと寂しいってのもありませんか? 確かにベテランの活躍は大いに結構。だけど、それを凌駕する若手が出てきてこそ、リーグが本当に盛り上がるんです。そんな若手が久保建英だけじゃ、なんて寂しい! ちゅうことで、実は大の仲良し、鈴木優磨と鎌田大地が対決する(だろう)鹿島vs鳥栖にも注目なのでした。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.04.27 19:30 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】十八番を奪われた…

▽「毎節、ハラハラすることになりそう」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、クラシコ(伝統の一戦)から一夜明け、レアル・マドリーとバルサのこの先のカードを見た時のことでした。いやあ、いくら勝ち点で並んだ後者が直接対決の結果、この週明けは首位の座にいようとも、順延となったセルタ戦の分、残り試合が1つ多いマドリーが切り札を握っているのは変わらないと思うんですけどね。ただし、お隣さんとCL準決勝を戦うことになった彼ら同様、ヨーロッパリーグ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに立ち向かうセルタも暇な週がまったくないため、その試合は5月17日、リーガ最終節直前のミッドウィーク開催になりそうだというのはともかく、バルサが残り5試合に全勝した場合、マドリーに許されるのは7試合で6勝1分けのみ。 ▽その間、アウェイでデポルティボ、グラナダ、セルタ、マラガ、ホームでバレンシア、セビージャと戦う訳ですが、バルサだって、カンウ・ノウでのオサスナ、ビジャレアル、エイバル戦、スパニョールのホームでのカタルーニャダービー、ラス・パルマス遠征とくれば、なかなかどうして、全部に勝つというのは難しいかと。うーん、向こうにとって、災い転じて福となすのは先週、CL準々決勝2ndでユベントス相手に逆転突破が叶わず、5月からのミッドウィークがポッカリ空くこと。逆にマドリーには頭の痛いヨーロッパ・マドリーダービーがあるため、その分、体力の消耗が激しいんですけどね。更にシーズン終盤にありがちなことで、途中でポツポツとどちらかが負けたり、引き分けたりする可能性も捨てきれないため、そうなると状況も変わっていくはずで…ええ、これってリーガ戦があるたび、時間刻みに一喜一憂しなきゃいけないってことじゃないですか。 ▽まあ、そんなことはともかく、先週末、一足先にプレーしたのはアトレティコで、土曜にバルセロナに乗り込んでのエスパニョール戦。うーん、こちらはファンフラン、ブルサリコの負傷欠場による本職右SB不在を補ったのがCBのヒメネスで、CL準々決勝2ndレグでのボランチに続いて、マルチタレントぶりを発揮していたぐらいしか、双方無得点だった前半について報告することはないんですけどね。そのままでは前日、グラナダに勝利して、勝ち点で並ばれたセビージャに差をつけられないと、シメオネ監督も思ったんでしょうね。後半頭からFWのフェルナンド・トーレスに代え、MFのトマスを投入。「Buscaba mas gente llegando de segunda linea/ブスカバ・マス・ヘンテ・ジェガンドー・デ・セグンダ・リネア(2列目から敵ゴールに迫る選手を探した)」そうですが、え、それってこのところ、中盤まで降りて来てプレーしていることの多いグリースマンのことだった? ▽だってえ、後半27分、レスター戦で学んだか、敵エリア内にボールを放り込むヒメネスのロングスローインをキッカケにして、サウルのシュートが逸れたところ、最後にそれをゴールに蹴り入れてくれたのはグリースマンだったんですよ。その2分後には、前節は後半ロスタイムにシュートを決めて、マドリッドの新弟分、レガネスを0-1の敗戦に追い込んだレオ・バチストンの至近距離からの一撃をGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)。「スペイン語で上手い言い方を知らないけど…digamos que la pare con el corazon/ディガモス・ケ・ラ・パレ・コン・エル・コラソン(ハートで止めたといったところかな)」(オブラク)というプレーのおかげもあって、アトレティコはそのまま0-1で勝利することに。 ▽実際、自慢できるような華々しい試合ではありませんでしたが、先週はイングランド遠征をしたせいもあって、彼らも疲れていましたからね。勝ち点3は勝ち点3なので、別にいいんですが、やっぱりその翌日、あのクラシコのような一戦を見せられると、アトレティコにメッシはいないという現実がひしひしと迫ってくるばかり。いえ、ヒメネスなど、「ロナウドは他と違う選手。Sabemos lo que es, de su potencial fisico, pero tambien sabemos como pararlo/サベモス・ロ・ケ・エス、デ・ス・ポテンシアル・フィシコ、ペロ・タンビエン・サベモス・コモ・パラールロ(どんなに凄いか、フィジカルが強靭なのも知っているけど、止め方もわかっている)」と、来週からのCL準決勝にまったく引け目を感じていないようでしたが、繰り返します。いくら相手を零点に抑えても、アトレティコにはメッシのような点の取り方ができるFWはいないんです! ▽そう、先日のCLバイエルン戦に続き、スタジアム周辺に集結した大勢のサポーターのお出迎えを受けたマドリーは開始2分、ウムティティにクリスチアーノ・ロナウドがエリア内で倒されながら、ペナルティをとってもらえないという不運から始まりましたが、前半28分にはクロースのCKがクリアされたボールが戻ってきて、最後はカセミロがゴールを決めて先制点をゲット。ただそのリードはたった5分しか続かず、序盤にマルセロのcodazo(コダソ/肘打ち)を喰らい、しばらく止血のため、ガーゼを口にくわえてプレーしていたメッシが人間離れした個人技で同点に。ええ、前をふさぐカルバハルを問題にせず、易々シュートを決めているのですから、まったく恐ろしいじゃないですか。 ▽その後、38分にはここ2試合、ふくらはぎ痛でお休みしていたベイルが故障を再発。代わりにアセンシオが入るというアクシデントはありましたが、前半は1-1のまま終了します。そして後半しばらく、ケイロル・ンバスとテア・シュテーゲンが互いに好セーブを競い合っていましたが、それだけに27分にラキティッチがエリア前から撃ったシュートがいきなりゴールになった時には誰もが呆然することに。ええ、丁度、バルサの選手が祝っているのと同じでサイドでアップ中だったモラタなど、よっぽど悔しかったでしょうか。口に含んだ水をジョルディ・アルバに向かって吐きかけるなんて真似をしていて、双眼鏡でたまたま見ていた私も我が目を疑ったんですが、ここはremontada(レモンターダ/逆転劇)の殿堂、サンティアゴ・ベルナベウですからね。残り15分以上もあるとなれば、何があってもおかしくないと思っていたところ…。 ▽根性のレモンターダ精神の体現者である、奇跡の後半ロスタイム3分ヘッドという特技を持つ男、セルヒオ・ラモスが一発レッドで退場しちゃったんですよ!それは34分、いえ、当人は後で「Lo he visto ya 70 veces antes de salir aqui a hablar/ロ・エ・ビストー・ジャー・セテンタ・ベセス・アンテス・デ・サリール・アキー・ア・アブラル(出て来て話す前にもう70回はビデオを見たよ)。ボクのタックルはタイミングが遅かったのは確かだけど、相手に触ってない。メッシが跳んだんだから。自分の解釈ではイエローカードだ」と言い張っていましたけどね。 ▽その一方で、「se ha ido cabreadisimo porque queria ayudar al equipo/セ・ア・イドー・カブレアディシモ・ポルケ・ケリア・アジュダール・アル・エキポ(チームを助けたかったから、カンカンになってピッチから出て行った)」(マルセロ)際、積りに積もっていた不満をラモスが爆発させ、「Habla, habla ahora!/アブラ、アブラ・アオラ(今、言えよ)」と、これまでの誤審疑惑発言にせいで八つ当たりされていたピケなどは,「la roja es clara, va con los dos pies por delante/ラ・ロハ・エス・クラーラ、バ・コン・ロス・ドス・ピエス・ポル・デランテ(レッドカードは明らか。両足を上げてタックルしたんだから)」と断言。ただ、あのファールが退場にふさわしいかどうかは、専門家の間でもマドリディスタかバルセロニスタかによっても意見が分かれるところなので、私には何とも。 ▽でもねえ、逆境に燃え上がるのはラモスだけでなく、マドリーに深く染み付いた習性のようなもので、その後の彼らは怒涛のカウンターの攻勢を発動。ボールが行ったり来たりする目まぐるしい展開になりましたが、白いユニフォームが敵ゴールのfondo sur/フォンド・スール(南側スタンド)に向かって行く時の速いことといったらもう!そんな時に「アトレティコにこれが止められるんだろうか」と考えていた私も自分でどうかと思うんですが、その集大成は40分。マルセロのクロスをベンゼマと交代で入っていたハメス・ロドリゲスが流し込み、今回のクラシコでのマストだった同点に持ち込んでしまったとなれば、もう感嘆するしかないじゃないですか。 ▽え、でも結局はそのレモンターダ精神が仇となったんじゃないかって?そうですね、後でジダン監督も「Cuando logras el 2-2 con diez hay que tener un poco mas de cabeza/クアンドー・ログラス・エル・ドス・ア・ドス・コン・ディエス・アイ・ケ・テネール・ウン・ポコ・マス・デ・カベッサ(10人で2-2に持ち込んだ時、もうちょっと頭を使うべきだった)」と反省していましたけどね。「3点目が取れると思い、危険は承知で高い位置でプレスをかけ続けた」マドリーは最後の最後で超強烈なしっぺ返しを喰らうことに。ええ、すでに時間はロスタイム、敵ゴール近くでのスローインから、速攻を許し、セルジ・ロベルトがバルサのカンテラーノ(ユース組織出身の選手)の意地を見せるがごとく、ピッチを全力疾走で縦断。 ▽もちろん、後でロナウドも「Haz falta!/アス・ファルタ(ファールしろよ)」と怒っていたように、ムザムザ行かせてしまったモドリッチやマルセロもいけないんですが、アンドレ・ゴメス、ジョルディ・アルバと繋がれたボールが最後にメッシに渡ってしまったのが、それこそ運の尽きだったかと。そう、自身その日2点目、バルサで通算500得点目となるゴールが決まり、当人がユニフォームを脱いでマドリーファンが座っているスタンドにネームを掲げている間に試合は終わってしまいましたっけ。いやあ、「Hemos ganado 2-3 y a su estilo/エモス・ガナードー・ドス・ア・トレス・イ・ア・ス・エスティーロ(ウチは彼らの流儀で2-3にして勝った)」とルイス・エンリケ監督は試合後の会見で胸を張っていましたけどね。 ▽私なども逆の光景は見慣れているものの、マドリーが土壇場に負けてしまうなんてのはまったくの想定外。これまでサンティアゴ・ベルナベウで奇跡のレモンターダの犠牲者になったチームの気持ちがようやくわかったような気がしましたが、それにしたって、心配なのは午前零時近くになって、やっとミックスゾーンに姿を現したラモスとピケの舌戦がこれまで以上にエスカレートしていたこと。いえ、前にもつつき合いはあったんですが、さすがにクラシコ5回目の退場は堪えたんでしょうかね。「En el Bernabeu estan acostumbrados a arbitrajes muy permisivos/エン・エル・ベルナベウ・エスタン・アコストゥンブラードス・ア・アルビトラヘス・ムイ・ペルニシーボス(ベルナベウでは寛容なジャッジに慣れているからね)」と皮肉を言い、先に帰っていたピケに対し、「Permisivo fue lo del PSG/ペルミシーボ・フエ・ロ・デル・ペーセーヘー(寛容だったのはPSG戦だろ)」ってそれ、違う大会混ぜてるし。 ▽曰く、「文句を言うのは審判にプレッシャーを与える方法。それがジャッジする時に影響することもある。別にピケと仲が悪い訳じゃないけど、クラシコの後で抱擁をかわすなんてことは頼まないでほしい」そうですが、いや、今日のあなたはもうピッチにいなかったでしょ。いやあ、どうにもここまでこじれると、この先のスペイン代表が心配されますが、それはまた6月に考えればいいこと。今は、結局マドリッドには来ず、似たような仕草を退場後にして課された3試合の出場停止、2試合目をおとなしく済ますことにしたネイマール同様の処分がラモスに出るかどうかはわかりませんが、次節の出場停止は確実で、バルサ戦の終盤同様、マドリーのCBがナチョ1人になってしまった現状を憂いるべきかと。 うーん、これってアトレティコなど昨今、各所の人手不足でピッチにCBが4人いることも珍しくないのとは真逆ですけどね。肋骨骨折のペペはともかく、ここは水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)からのデポルティボ戦までに、せめてバランがプレーできるようになるのを祈るばかりかと。ベイルのケガの程度はまだわかりませんが、そちらはアセンシオやイスコ、ハメスといった質の高い代替要員には欠かないため、やっぱりマドリーの課題は前節もレアル・ソシエダに0-1で惜敗して、残留争いからなかなか抜け出られない相手の必死の攻撃をどうかわすかでしょうか。 ▽そしてアトレティコの方は火曜の午後9時30分、ビセンテ・カルデロンにビジャレアルを迎えるんですが、どうも最近、このパターンが常態化していますよね。相手は土曜にバカンブが手で入れた後半ロスタイムのゴールが決勝点として認められ、レガネスに2-1で勝利。またしても兄貴分の貫録を示さないといけないんですが、エスクリバ監督が「Como equipo, el Atletico es el mejor de Espana/コモ・エキポ、エル・アトレティコ・エス・エル・メホール・デ・エスパーニャ(チームとして、アトレティコはスペインで一番いい)」と褒めてくれていたのは、メッシのタレント満開の活躍を目の当たりしたばかりの身には嬉しい限りだったかと。 ▽ようやくガメイロやチアゴら、負傷で離脱していた選手たちも少しずつ戻ってきていますしね。取り柄の堅い守備力を最大限に発揮して、最少得点差の地味なゲームでも、とにかく今週は3位死守に尽力してほしいものです。一方、レガネスは水曜にラス・パルマス戦ですが、いくら降格圏のオサスナ、グランダ、スポルティングがほとんど勝ち点を増やしてこないと言っても油断は禁物。もし残留できたとしても、たったの27ポイントではあまりに情けないですし、もちろんツキもありますが、せめて土壇場では負けないという意地を選手たちが持ってくれませんかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.25 12:50 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】避けては通れない…

▽「どっちが良かったとは言えないのだけど」そんな風に私が複雑な心境に陥っていたのは金曜日、CL準決勝の抽選会であっさりレアル・マドリーとアトレティコの対戦が決まった時のことでした。いえ、もう残りはたったの4チームですから、たとえここでヨーロッパ・マドリーダービーを免れても、その先でまたお隣さんと戦う可能性はかなり高し。それこそ今年はカーディフで開かれる決勝で3度目の正直とならなかったら、いくらカンテラ(ユース組織)育ちのフェルナンド・トーレスなどは「ウチのクラブは小さい時から、決して後悔しないということを教えてくれる。Nos caemos, nos levantamos y volvemos a buscar otra oportunidad/ノス・カエモス、ノス・レバンタモス・イ・ボルベオス・ア・ブスカル・オトラ・オポルトゥニダッド(転んでも起き上がる、そしてまた次のチャンスを探すんだってね)」と言っていたものの、とてもじゃないけどアトレティコファンは立ち上がれないかも。 ▽だからって、ida(イダ/1stレグ)とvuelta(ブエルタ/2ndレグ)の2試合ある準決勝で当たった方がマシなのかと言えば、そうでもなく、実際、2015年の準々決勝ダービーは、先日、アトレティコが16強対決で倒したレバークーゼンに今はいるチチャリートのゴールが唯一の得点となって敗退。いえ、14年間続いた暗黒の「何をやってもマドリーには勝てない」時代が終わり、ここ近年はリーガやコパ・デル・レイでは破ったこともあるんですけどね。シメオネ監督も「CLに優勝するためにはただ1つの道しかない。Insisitir, insistir, insistir y seguir insistiendo/インシスティール、イ・セギール・インシスティエンドー(強く求めて、求め続ける)」と力説していましたが、最近、更に憂鬱にさせてくれるのは、準決勝だって、PK戦にもつれ込むケースを考えないといけないということ。 ▽ええ、レスター・シティから早朝に戻って来た水曜にはトーレスと一緒にアディダスのイベントに出演。ミニゴールへのPKをカンテラーノの先輩が枠に当てて失敗した後、リベンジどころか、自身は素人少年のGKに止められてしまう有様でありながら、コケなど「No estamos teniendo mucha suerte. Ya entraran/ノー・エスタモス・テニエンドー・ムーチャ・スエルテ。ジャーエントララン(ボクらはあまりツイてないね。そのうち入るさ)」と、まったくわびれる風もありませんでしたしね。一応、「もしマドリーに当たったら、ウチには2回の決勝の経験があるから、勝てなかった原因をよく考えて、できるだけいい方法で立ち向かうよ」とは言ってはいたものの、何かやっぱり、とても大船に乗った気にはなれませんよね。 ▽まあ、そんなことはともかく、今週のマドリッドの両雄のCL準々決勝2ndレグがどうだったかをお伝えしておかないと。いやあ、その試合があった火曜は午後7時にサンティアゴ・ベルナベウ周辺に集合、チームバスのお迎えをしてくれるようにと、セルヒオ・ラモスがSNSを使って呼びかけたと前日に聞いた時には、1stレグでは1-2と勝って、アウェイゴールも2本もあるというのにちょっと大袈裟じゃないかと思ったものでしたけどね。 ▽結果としてはCL決勝トーナメントでは恒例のfondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)を覆いつくす巨大なモザイクと共に、そうやってファンに応援してもらえたのが、効いたっていうのもあったんでしょうか。実際のところ、キックオフ前など、先週の1stレグとは違い、運悪くも近くで裏カードの放送をパソコンで見ている記者もいなかったため、私など、たった1-0のリードでキングパワー・スタジアムに乗り込んだアトレティコが、レスターの青と白の旗で埋め尽くされたスタンドに圧倒されているんじゃないかと、序盤など心ここにあらずだったんですけどね。 ▽朗報はまず、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継から届きました。そう、前半25分、フィリペ・ルイスのクロスをサウルがヘッドで決めて、アトレティコが先制したというから、どんなに安心できたことか。それでようやく、バイエルンがガンガン、攻めてきている目の前のマドリーに意識が行ったんですが、前半はGKケイロル・ナバスがそれ程、脅かされることもなく、マドリーもラモスのシュートがボアテングにライン上でクリアされるなど、両チーム共、無得点で終了。そのまま0-0ならば、試合として面白くはないけど、私がマドリッドに来た頃には毎年3月の16強対決で終わっていた彼らなのに、もう準決勝進出も7年連続になるんだなあと、感慨深く思っていたところ…。 ▽いえいえ、とんでもない!転じて後半は目まぐるしい展開となり、早くも7分にはカセミロがロッベンをエリア内で倒してしまい、バイエルンがPKをゲット。うーん、これが、エースがピッチにいるといないのとの違いでしょうかね。1stレグでは肩の負傷でレバンドフスキがスタンド見学していたため、カルバハルの疑惑のハンドで得たPKをアルトゥーロ・ビダルが蹴り、失敗していたバイエルンでしたが、この日は、アトレティコのPKシーンではついぞ感じたことのない自信をポーランド人の大型ストライカーは放出。難なくボールをネットに収め、バイエルンが1点を挙げます。とはいえ、もちろんこれでもアウェイゴールがあるため、マドリーの勝ち抜けになるんですが、そんなつまらない結果では決して満足しない選手が約1名。 ▽それはクリスチアーノ・ロナウドで、後で当人も「Lo unico que pido al Bernabeu es que no me silbe/ロ・ウニコ・ケ・ピド・アル・ベルナベウ・エス・ケ・ノー・メ・シルベ(ただ1つ、ベルナベウのファンに頼むのはボクをブーイングしないでくれということ)。自分は全ての試合で常に最高のパフォーマンスを見せようとしている」と言っていましたが、パスなどでミスした折にスタンドからpito(ピト/ブーイング)が数回、聞こえてきたことがよっぽど、気に入らなったんでしょうね。バイエルンはリベリをドグラス・コスタに代え、古巣のサポーターからのオベーションを味わう間もなく、シャビ・アロンソも急ぎ足でミュラーと交代、勝利へのあと1点を求めて総攻撃体制に入っていた30分、カセミロのクロスをヘッドで決め、この試合の同点ゴールを挙げてしまったから、場内がどんなに沸いたことか。 ▽ただしこの喜びはあまり長く続きません。というのもその2分後、マドリーのエリア内に入ったボールがミュラーとレバドフスキに当たり、更にラモスに当たってゴールを割ってしまったから、驚いたの何のって!実はリプレーを見ると、この時、レバドフスキがオフサイドの位置にいたため、この1点はスコアボードに挙がるべきじゃなかったんですけどね。今のCLにはVAR(ビデオ審判)が導入されていないため、この2点目で少なくともバイエルンは延長戦に入る権利を獲得。実際、後半ロスタイムにお馴染みのラモスの救世主ヘッドが炸裂することもなく、試合は120分の勝負になったんですが…。 ▽いやあ、その頃の自分は再びラジオに耳を澄ましていて、何せ後半10分にはファンフランが太ももを痛めてルカスに代わり、ポジションチェンジに右往左往しているうちにレスターのバーディが得点。それ以降もハーフで岡崎慎司選手と交代で入ったウジョアを始め、敵が「han metido gente grande para los centros/アン・メティードー・ヘンテ・グランデ・パラ・ロス・セントロス(クロスを生かすために大きな選手を入れてきた)」(コケ)ため、気が気ではなかったんですけどね。ええ、16強対決2ndレグでセビージャが逆転された記憶もありますし、「En la segunda parte ellos han jugado como siempre juegan, al balon largo/エン・ラ・セグンダ・パルテ・エジョス・アン・フガードー・コモ・シエンプレ・フエガン、アル・バロン・ラルゴ(後半、彼らは普段のプレーをしてきた。ロングボールを放り込むというね)」(サウル)状態ではいつ、また失点するかわかったもんじゃありませんって。 ▽おまけに29分には右SBに続いて、左SBのフィリペ・ルイスまで手を踏まれ、指を骨折して交代に。シメオネ監督も「Es central, y lo seguira siendo/エス・セントラル、イ・ロ・セギラ・シエンドー(彼はCB、そしてそうあり続けるだろう)」と言うものの、その日はボランチで空中戦に奮闘していたヒメネスを最終ラインに戻すなど、またCB4人で守っているって、そんなにレスターの攻勢は激しかった?それでもアトレティコは1-1のまま、規定の時間で終了して、総合スコアでは2-1と、ここ4年で3度目の準決勝進出を確定。お手柄のサウルも「parece que estabamos jugando en casa con el apoyo de nuestra gente/パレセ・ケ・エスタバオス・フガンドー・エン・カサ・コン・エル・アポジョ・デ・ヌエストラ・ヘンテ(ウチのファンの応援で、ボクらはまるでホームでプレーしているみたいだったよ)」と言っていたように、ロンドンから100キロ程離れたレスターまで、1600人の熱いサポーターが遥々応援に行った甲斐はあったようですねね。 ▽その後は私もマドリーの延長戦に集中できるようになったんですが、実は後半38分にビダルが2枚目のイエローカードを出され、そこからバイエルンは10人でプレーしていたんですよ。そこからして、もう結果は見えていましたが、ただ延長前半14分にラモスのパスからロナウドが決めた自身2点目や後半3分のカウンター、マルセロからのボールをもらってのハットトリック達成、CL個人最多の100得点目となったゴールはどちらもオフサイドって、そんな上手い話があっていい?さすがに途中出場したアセンシオがその3分後に独走、敵DFをかわして挙げた4点目は真っ当だったようですけどね。これでは後で、あの温厚なアンチェロッティ監督が「En cuartos de final de la Champions hay que poner arbitros de mas calidad/エン・クアルトス・デ・フィナル・デ・ラ・チャンピオンズ・アイ・ケ・ポネール・アルビトロス・デ・マス・カリダッド(CL準々決勝にはもっと質の高い審判をよこさないといけない)」とカンカンだったのも無理はないかと。 ▽うーん、だからって4-2で試合が終わり、総合スコア6-3でマドリーの突破が決まった後、ビダルとチアゴ・アルカンタラ、レバンドフスキまでが審判控室に抗議に行って、警官が来るまでの騒ぎになったというのもあまり感心しませんけどね。マドリー側に言わせると、「El segundo de ellos tambien esta en fuera de juego/エル・セグンド・デ・エジョス・タンビエン・エスタ・エン・フエラ・デ・フエゴ(彼らの2点目もオフサイドだった)」(ジダン監督)ですし、「Alli les pitaron un penalti que no era/アジー・レス・ピタロン・ウン・ペナルティ・ケ・ノー・エラ(あっちじゃ、ペナルティじゃないのにPKをとられた)」と、1週間前の恨みを忘れていないイスコのような選手もいるため、これはこれで仕方ないんじゃないでしょうか。 ▽そして翌日は、PSG戦に続いて2度目の奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)はさすがに荷が勝ち過ぎましたかね。ユベントスとカンプ・ノウで0-0と引き分けて、総合スコア0-3でバルサの敗退が決定。並行して行われたモナvsドルトムント戦ではムバッペに続き、アトレティコ時代のゴール嗅覚を取り戻したファルカオも得点し、前者が2連勝でベスト4に入りました。ええ、こちらが準決勝のもう1つの対戦ですが…。 ▽なんて話をしているうちに週末が来て、またリーガ戦なんですよ。33節のマドリッド勢の予定は土曜にレガネスがビジャレアルにアウェイで挑んだ後、午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、アトレティコが前節、試合終了間際にレオ・バチストンが挙げたゴールで新弟分を破ったエスパニョールとあいまみえます。うーん、レスター戦の後遺症で、フィリペ・ルイスは手にプロテクターをはめてプレーすればいいだけなんですが、問題は太ももを痛め、全治3週間となってしまったファンフランの代役。何せ、ヒザの靭帯を部分断裂したブルサリコもまだリハビリ中ですしね。 ▽シメオネ監督も心を決めかねていたか、「」tres atras, Savic a la derecha, Koke como lateral, Gimenez.../トレス・アトラス、サビッチ・ア・ラ・デレッチャ、コケ・コモ・ラテラル、ヒメネス(CB3人制とか、サビッチが右とか、コケがSBやるとか、ヒメネスでも)」と、前日記者会見では適当なことを言っていましたけどね。健脚自慢はいいんですが、とうとうレスター戦では今季CLで通算素行距離ダントツ1位に120キロのコケが、2位にはFWなのに111キロも走ったグリースマンが入ってしまうなど、選手たちの疲労も心配ですしね。4位セビージャが金曜にグラナダに勝って、勝ち点で並んできているため、このビジャレアル、ラス・パルマス戦と続く、リーガの3連戦も疎かにはできないとなると、さて。 ▽そして日曜には世界中のサッカーファンが楽しみにしているクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)がやはり、午後8時45分からあるんですが、まだ先が読めないのはこれが3試合の出場停止の2試合目となるはずのネイマールがプレーできるのかどうか。うーん、CL敗退して、コパの決勝は残っていますが、ビッグタイトルを獲るにはリーガに懸けるしかなくなったせいか、バルサの法務部があざとく、金曜午前中のTAD(スポーツ調停法廷)が終わった後、上訴委員会の処分に異議を申し立てる書類を送付。調停員たちが土曜に臨時会合を持つのをイヤがるのを逆手にとって、それが裁かれるまで選手には出場する権利が法的にあると主張しているようですが、そんな無茶苦茶な話、あっていい? ▽まさに藁にもすがる気分なんでしょうが、2nレグでは一矢も報えずユーベに敗退した直後だけに、イニエスタでさえ、「De los Clasicos me quedo con el 2-6 o el 5-0/デ・ロス・クラシコス・メ・ケド・コン・エル・ドス・セイス・オ・シンコ・セロ(クラシコでは2-6のか、5-0の試合がいい思い出だね)」と過去の大勝の記憶に慰めを求めないと、元気が出ないようですからね。もちろんピケを始め、メッシやルイス・スアレスは意地を見せるでしょうが、メンタル的には今回、マドリーがかなり優勢なようです。 ▽そのジダン監督のチームでもギリギリまでベンチに入れるかわからないのが、ふくらはぎの軽度の故障が意外と長引いているベイルで、ただこのチーム、ローテーションしても全然、強いですからね。ロナウドも来週のデポルティボ、バレンシア戦、どちらかではCL準決勝を見据えて、お休みをもらうかもしれませんが、ここで2位バルサを叩けば、未消化試合も1つあって、リーガ優勝がかなり近づくこの一戦は欠かす訳にはいきませんって。それでも今季前半のクラシコでは、お馴染み土壇場のラモスのゴールで1-1と引き分けているだけに、油断は禁物。バイエルン戦に続いて、盛り上がること間違いないサンティアゴ・ベルナベウのファンを喜ばせる好ゲームになってくれるといいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.22 10:15 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】タイ代表の監督にドゥンガ氏とともに意外な日本人が候補に浮上

▽海外から朗報が届いた。JFA(日本サッカー協会)の元技術委員長だった霜田正浩氏が、タイ代表の監督候補にあがっていると、同国のメディアが4月19日に報道したのだ。タイ代表は同国のレジェンドともいえるキャティサック監督が、ロシアW杯アジア最終予選の日本戦に敗れたことで辞任。すでにW杯出場の可能性は消えたものの、代表監督が空位になっていた。 ▽そこで監督候補として白羽の矢が立ったのが、元ブラジル代表監督のドゥンガ氏と並び、霜田氏もその1人に選ばれたのだった。20日午前、霜田氏に連絡したところ、つい先ほど成田に着いたということで、「現地では面談しただけで新聞に顔写真入りで掲載されて困りました」と明るい声で話していた。 ▽霜田氏はS級ライセンスを保有しているものの、京都で下部組織の監督経験こそあるが、強化担当がメインの仕事で、FC東京時代も強化部で若手選手の発掘や外国人選手の獲得で手腕を発揮してきた。その経験を高く評価されて2009年に原技術委員長に請われてJFAの技術委員となった。 ▽その後はザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと3人の日本代表監督の交渉と招へいに尽力。しかし昨年3月、田嶋幸三のJFA会長就任により技術委員会は再編され、新たに西野朗氏が技術委員長に就任。霜田氏はナショナルチームダイレクターという名の降格人事を受け入れざるを得なくなった。 ▽そして迎えたW杯アジア最終予選は、初戦でUAEに逆転負けする不安なスタートとなった。それでもタイとイラクに勝ち、オーストラリアとは引き分け、11月のサウジアラビア戦にも勝ったことで、霜田氏は自身の役割は終わったと辞意を決断した。その理由は、もしも成績不振でハリルホジッチ監督を途中解任することになれば、それをハリルホジッチ監督に伝えるのは招へいした自身の役目である。その時は一緒に身を引くつもりでいた。 ▽しかしW杯予選の前半戦のヤマ場であるサウジアラビアに勝ったことで予選突破に見通しが立った。そしてハリルホジッチ監督は霜田氏に全幅の信頼を置いているものの、監督の人事権はもう霜田氏にはなく、西野技術委員長にある。その西野技術委員長は「途中から就任したので、現場に口を挟む気はない」と霜田氏の職務を尊重していたが、霜田氏は自身が代表スタッフにいることで、ハリルホジッチ監督と西野技術委員長とのコミュニケーションが円滑ではないことを危惧した。 ▽ハリルホジッチ監督に対し、『お前のボスは自分ではなく、西野技術委員長だ。生殺与奪の権限は西野技術委員長が握っている。だからW杯の後半戦と本大会は西野技術委員長と命運を賭けて欲しい』というメッセージが、霜田氏の辞任の真相でもある。 ▽ただ、これまでJリーグの監督経験のない霜田氏に、タイのサッカー協会が監督のオファーを出したのは意外だった。霜田氏は、「いつかはプロチームの監督をしたい」と夢を語っていた。それが、いきなりタイ代表の監督候補である。 ▽過去には、元大宮などの監督を務めた三浦俊也氏がベトナム代表の監督を務めたことがある。クラブチームでは岡田武史氏が中国甲級リーグの杭州緑城の監督を務めたし、JFAの指導者海外派遣でネパールやブータン、チャイニーズタイペイ、北マリアナ諸島へ監督を送り出したことはある。それが今回は、W杯アジア最終予選に残り、急激な発展途上にあるタイの代表監督就任のオファーだ。 ▽プロの監督経験のない霜田氏のどこを評価してのオファーなのか。機会があったらタイ協会に取材したいし、何よりも霜田氏がタイ代表の監督に就任することを願わずにはいられない。見ている人は見ているのだろう。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.04.21 22:45 Fri
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【倉井史也のJリーグ】いつもテキトーだから許してもらってるんですね?!の巻

▽えー、先週の記事を読んだ方で「あれ? これオチないんじゃね?」と思った方。実はそーなんです。つーか、それって途中まででアップされてたんです。夜中には残りも全部アップされてます。 ▽これで判明したのは、編集部のKさんって、こっちの原稿読んでない! いくらワタクシでも、まさかあそこで原稿全部を終わりにするなんてことはありません!はっ!! もしかして、あんなところで原稿を終えても、編集部的にはオッケーって感じ? ▽え? 今見直してみても、どこも変わってないし、オチもない? えっと、もしかしてそれは最初から完全版を読んでいただいて、で、オチがなかった……的な? ▽と、先週の原稿をお詫びしつつ、今週の見所をば!! 今週は金曜日からJ1やってるよ! だって来週またACLだよ! 金曜日は川崎vs清水の鄭大世ダービー、土曜日はかつてのナショナルダービー、鹿島vs磐田があるよ! 楽しみなのは、先週88分に失点したのに、89分、90+4分で逆転した磐田だよ! じゃ、今週はこのへんで! ▽あぁ、今週はやっぱり許してもらえませんでした。では仕方がないので、先週いろいろなチームの人と話したこそこそ話をちょっとだけ。まず浦和。「いつも出だしはいいんだよね」と後半戦の失速があってもいいくらい、今年は飛ばして行く感じのお話がありました。続いて大宮の関係者。「いつも大宮は前半戦か後半戦のどっちかだけがいいんだよね」と言うと、「今が悪い方だと願ってます」って、これ以上悪いことはないはずだよ!! ▽FC東京は某選手と「なんで縦にパスが入らないの? 高萩洋次郎がいないだけの問題じゃないよね」とこそこそ話をしていたら、後ろからいきなりマイクを突っ込まれて録音されだして、選手が逃げていきました。うーん、残念。つーか、空気読めよ。あ、ワタクシはそんなこと言えないか。 ▽仙台はいろんな話をしたんだけど、まだまだ元気たっぷりあるから、ちょっと明るい感じで話し終わってます。あとのとこの話は、チーム名わかるといろいろ困っちゃうことがあるので、というかネタ切れしちゃうので(笑)、ここまで。 ▽ってことは、やっぱりG大阪vs大宮あたりがおもしろいんじゃないですかね。不安定なG大阪がいきなり大宮を覚醒させちゃうかもしれないし。 ▽そしてもう1つの今週のポイントは、J2も11試合中8試合が土曜日に開催されるってコト。そしてJ3は今週末開催されないから、日曜はJ2の3試合だけなのです。さて、こんな重要な情報を今週はちゃんと載っけてもらえるでしょうか。あ、いつもながら原稿そのものはオチてないんですけどね(汗)。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.04.21 10:10 Fri
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【東本貢司のFCUK!】ミラクルの看板、いまだ健在

▽かくてレスターのヨーロピアン・アドヴェンチャーはひとまず終止符が打たれた。とはいえ、天晴の賛辞を贈っても罰は当たるまい。そもそも、ファーストレッグのPK(グリーズマン)は誤審だった。ホームでのリターンマッチでも先制ゴールを奪われ、もはや希望の火もふっつりと消えたも同然の中、逆襲の同点弾をかっさらい、最後の1分まであきらめず攻め続けた。今大会、ホームゲームをただの一度も落とさずに乗り切ってきた事実だけをとっても、ファイナルホイッスル後、キング・パワーの観衆が万雷の拍手と総スタンディングオヴェーションの喝采を贈ったのは当然だった。何よりも、敵将ディエゴ・シメオネが(あの、シメオネが!)、レスターイレヴンの一人ひとりを健闘をたたえる熱っぽいハグで労ったことがすべてを物語っている。おそらく、このアトレティコ以下、レスターと戦ったヨーロッパのチームの全メンバーも同じ思いに違いない。自分たちは確かにイングランドのチャンピオンを相手にした、あのミラクルは決してフロックではなかったと。 ▽以前にも書いた。チャンピオン・レスターが(皮肉なことにラニエリ解任直前まで)すっかり勝てなくなった理由。「ミラクル」の大パレードを席捲させるにまかせてしまったビッグクラブの意地、二匹目のドジョウはさすがに甘くないぞと引き締めた気が落としどころを見つけられないまま道に迷ってしまった自縛の罠、レスターができたのなら我々だってと目の敵にしてかかってきた“同輩”のチームの気迫。それらが混然となって、彼らに立ち直りのきっかけすら許さなかったがため・・・・。言っておくが、今でもラニエリ解任は世紀の大失態だったと断じたい。しかし、何度でも繰り返すが、皮肉にも、その世紀の大失態が「自縛の罠」から抜け出す引き金になった。それも、ある意味ではミラクルだ。つまり、ミラクル・レスターの看板は健在、少々趣を変えて凛として誇り高く掲げられている。ホームのアトレティコ戦の観戦者なら覚えているはずだ。ゴール裏に広げられたどでかいバナーの中で爛々と敵を射すくめるキツネの両眼を。そして、クレイグ・シェイクスピアの「これは手始め、改めての挑戦を目指す。今はまずはプレミア残留確保」の意気を。 ▽なんとなれば「敗れてもなお強し、その誇りは見紛うことなし」以上に、ファンをときめかせるものはない。「勝てばすべて良し」はその場限りの慰撫、感傷でしかなく、気が付けば明日への不安を掻き立てる要因にもなる。例えば「半分以下のパフォーマンス」(アーセン・ヴェンゲル)で、辛うじて降格ゾーンのミドゥルズブラを退けたアーセナルのファンは、まさにそのレスターとのゲームを目前にして今、戦々恐々としているかもしれない。無論、セヴィージャをうっちゃり、アトレティコを苦しめたレスターに完勝でもすれば、トップ4フィニッシュへの首の皮一枚が二枚に格上げされる期待の方を膨らませるべきなのだが、筆者の目にもやはり「不安」の二文字がちらついて消えそうにない。肝心の二枚看板、エジルとサンチェスについてである。直近のボロ戦でも、一つ前の完敗を喫したクリスタル・パレス戦でも、二人に絡む連携がどうもぎこちなく見えて仕方がないからだ。いや、その前の(スコア上は快勝の)ワトフォード戦ですら、スコアラー3名のゴール直後の表情は冴えなかった。それは単にパフォーマンスの内容だけのゆえなのだろうか? ▽彼らの胸の裡にも「不安」の種が芽を吹いているからではないのか、シーズン終了直後からの“見えない将来の闇”にとらわれてはいないか? ならば、不肖の身で恐縮至極ながら、あえて提案しよう。ムッシュー、もとい、ミスター・ヴェンゲル、もはや躊躇うことはない、今こそ契約延長更新に首を縦に振ろうではないか。それで“彼ら”にも一つの踏ん切りがつく。ファンの“もやもや”にもはや“忖度”することはない。たとえ不遜と謗られようが続投を宣言すべきではないのか。仮にその結果、オフに誰彼が移籍を申し入れようがかまわないではないか。それはそれで、大手を振って補強市場に乗り出す正当な口実にもなる。あるいは、むしろヴェンゲルの方から“粛清”を決行したっていい。「粛清」とは“役立たず”を追放することにあらず。クラブのため、当該プレーヤーの将来のための、つまりは前向きな「改善策」としてだ。今一度、自身の原点に立ち返って「改造」に着手する。それに首をかしげるガナーズファンなどいないはず。そう、例えば“心機一転”を画策中のルカクや、それこそ宙に浮いているルーニーに目を向けてもいいではないか。 ▽可能不可能の問題ではない。すでに“できる”ことが証明されているプレーヤーに新たなチャンスを与え、ヴェンゲル・アーセナル流の術を施す。そこで、敢然と「ネオ・インヴィンシブルズの再現」を掲げ、意気に感じる勇者たちを、有名無名を問わず、呼び寄せるのだ。それでこそ不満をかこつファンも目を開く、わくわくする。そのうえで、いくつか具体的な提案をしよう。狙うべきは、まず古巣モナコの人呼んで「アンリの再来」キリアン・ムバッパ。ただし、モナコとの交渉において「一年間の“Uターン”ローン貸出し」を提示して相手にウンと言わせる。その一方で、即戦力として期待したい“隠れた逸材”ワトフォードでプレーするミラン所属のムバイェ・ニアンを獲る。まだ22歳、粗削りだが大化けする可能性を秘めていると見る。ヴェンゲルの薫陶を受けて鍛えられ自信をもてば、ひょっとすればこちらもアンリ並みの戦力にならないとも限らない。もう一人は(エヴァトニアンの端くれとして内心は辛いのだが)エヴァートンのシュネデルラン(現地プレミア解説陣は概ね「シュナイデリン」と発音)。このスタイリッシュで視野の広いフランス人なら必ずや「新・ミスターアーセナル」として攻守の軸となってくれるはず。いかが? 2017.04.20 12:50 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】一番簡単に点が取れる方法なのに…

▽「PK戦は考えちゃいけないわよね」そんな風に私が納得していたのは月曜。夕方にキングパワー・スタジアムであったシメオネ監督の記者会見の一節を読んだ時のことでした。いやあ、質問は単純に「2ndレグがアウェイなのは不利なのか、得なのか」といったものだったようなんですけどね。それに対して彼は「en caso de empate cuenta con 30 minutos más para marcar un gol que vale doble/エン・カソ・デ・エンパテ・クエンタ・コン・トレインタ・ミヌートス・マス・パラ・マルカル・ウン・ゴル・ケ・バレ・ドブレ(引き分けになった場合、倍の価値のあるゴールをマークする延長の30分間がある)。こういう拮抗した対戦でそれは大きいとUEFAの人は言っている」と返答。 ▽要は90分で1-0とレスターに1stレグと同じスコアで負けて延長戦に入り、更に2点目を取られても、アトレティコは1点を取れば勝ち抜けられるということでしょうが、もしもその30分が0-0だったら、勝負は恐怖のPK戦に突入。何せここ近年、16強対決ではレバークーゼンやPSVにそれで勝ってきた彼らでしたが、一番大事だった昨季のミラノでのCL決勝では最後にファンフランが失敗して、リスボンに続いて、トロフィーをお隣さんに持ち帰られていますからね。その上、今季のPKにおける惨状を目の当たりにしていては、私が延長戦なんてダメ、PK戦なんてもってのほかという気分になってしまうのも仕方なかった? ▽まあ、その辺はまた後でお話しするとして、マドリッドの両雄が、どちらも火曜にCL準々決勝2ndレグを控えている中、土曜のリーガ戦はどうだったかというと。先にキックオフとなったレアル・マドリーでまず、驚かされたのはあまりにも徹底した先発ローテーションぶりで、いえ、CL準々決勝の谷間の試合ということで、ベイルのみ負傷ですが、クリスチアーノ・ロナウドもベンゼマもマドリッドでお留守番と、BBCメンバーが1人も招集リストにいなかった時点から、思い切ったことするなあという感じはあったんですけどね。 ▽エル・モリロン(スポルティングのホーム)のピッチに立つスタメンが近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)のTV画面に紹介された時には、後ろにいたお客さんからも「Vaya, sale Coentrao!/バジャ、サレ・コエントラン(おいおい、コエントランが出るのか)」と呆気に取られたような声が聞こえていましたが、まさか、キャプテンのセルヒオ・ラモス以外、中盤の3人も含めて全員suplente(スプレンテ/控え選手)でスタートするなんて、もしやこれって2部Bのチームと当たるコパ・デル・レイ最初のラウンドの1stレグだった? ▽おそらくそれには相手のスポルティングも、たとえ自分たちが降格圏に長らく沈んでいる身分であっても、ちょっとモヤッとしたんでしょうね。地元のサポーターの大声援の後押しも受けて13分、ビガスの浮き球パスにチョップが早々と反応。vaselina(バセリーナ/ループシュート)で見事に先制点を決めてしまったから、意表を突かれたの何のって。でもねえ、マドリーは普通のチームと違って、セカンドバージョンでも才能溢れる選手ばかりなんですよ。そのわずか3分後、イスコが敵DFの密集したエリア内を自力ですり抜け、同点ゴールを撃ち込んでくれたため、前半は1-1と、キックオフ時と同じ状態でハーフタイムを迎えることに。 ▽ところが後半開始直後、マドリーは今季、ありがちな過ちを犯してしまいます。それは後でジダン監督も「Es un despiste, porque nos hemos quedado hablando/エス・ウン・デスピステ、ポルケ・ノス・エモス・ケダードー・アブランドー(うっかりミス。ウチは話し続けていたから)」と認めていたように、スポルティングのFKのチャンスの時に発生。ヴァバンが頭で繋いだボールをビガスに山なりのヘッドでネットに送られ、GKカシージャをまたしても破られてしまったから、たまったもんじゃありません。それでも58分にはダニーロのクロスをモラタがこちらもヘッドで決め、またしても追いついたマドリーでしたが、そこからなかなか勝ち越し点が奪えず。 ▽何せ、いつもなら窮地に応援に赴くメンツが最初からピッチにいたため、その日の控えFWはカンテラーノ(RMカスティージャ出身の選手)のマリアーノしかいませんでしたからね。私も先行きが気になったんですが、その頃にはもうビセンテ・カルデロンに向かわないといけない時間になっていたため、バルを出て、メトロ(地下鉄)へ。途中、スコアは動かないまま、残すところ数分、ピラミデスの駅を出て、ラジオを急いでつけてみると、折しもCKからラモスのヘッドは枠を捉えられずとの報が。これはいよいよ引き分けかなと覚悟したところ…。 ▽ラモスだけじゃないんですよ、土壇場のゴールを決められるのは! それは再びイスコで、今度はペナルティエリア手前からシュート。地面を真っ直ぐ転がったボールがゴール右隅決まり、マドリーの3点目になったというんですから、本当に最後の最後まで油断のならないチームじゃないですか。うーん、こんな選手が控え扱いで、BBCに何か理由がある時にしか先発できないというのは、まさに贅沢の極み。羨んでしまう向きも多いかと思いますが、ちなみに彼が決勝ゴールを挙げた後、見せていた親指と人差し指、小指を立てて、両手をヒラヒラさせたポーズは前日の夜、アウェイ時のファンサービスとして、チームが滞在するNHヒホン・ホテルでのサイン会で、両親に連れられたろう者の少女に応対した際、教わった手話。「Te quiero/テ・キエロ(君が好き)」の意味だとか。 ▽試合でゴールを挙げたら、その仕草をする約束をしたそうですが、自身1点目の時にはしないで、2点目でやったっていうのはもしや、最初から2ゴール入れる自信があったから? まあ、その辺の事情はわかりませんが、当人はこのところ、契約延長交渉がなかなか進まないため、引きも切らない移籍の噂に対して、「Hay muchos bocazas por ahí, yo hablo en el campo/アイ・ムーチョス・ボカサス・ポル・アイー、ジョ・アブロ・エン・エル・カンポ(その辺にはイロイロ言う人が沢山、いるけど、ボクはピッチで喋るよ)」とのこと。マドリーに残りたい意志は強いようですが、それだと彼のプレーを見る機会が限られてしまうのは残念ですよね。 ▽そんなマドリーの劇的勝利があったため、カルデロンに入るまで、私もつい忘れていたんですが、実はアトレティコも珍しく、シメオネ監督が大幅なローテーションを決行。いやあ、コケが出場停止、ガビが休養でベンチ入りしていなかったのは知っていたんですけどね。最初にオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況担当から、「グリーズマン、サウール、サビッチもベンチスタート。ボランチはヒメネスとトーマスです」と聞いた時には、あまりの大胆さに頭がクラクラしてしまったぐらいだったんですが、幸いそれは杞憂に終わります。ええ、何より30分、カラスコがエリア外から放ったシュートが先制点となったのが、元々、どこか諦め気味だった相手の最下位オサスナの抵抗力を完全に砕いてくれたから。 ▽おかげで守備の方ではほとんど苦労もせず、49分にはガイタンのクロスをカラスコが今度はヘッドで決めてくれて、リードは2点に。更に61分にもコレアからラストパスをもらったフィリペ・ルイスがリーガここ4試合で3点目となるゴールを入れ、とうとう3-0になってくれたとなれば、その日はクラブが“El Dia del Nino/エル・ディア・デル・ニーニョ(子供の日)”と銘打って、スタジアム近隣に設置した数々のアクティビティを午前中から満喫。ちょっとお疲れモードで試合にやって来た親子連れだって、元気を取り戻しますって。 ▽え、用心深いシメオネ監督は2点では心細く、3点目が入る寸前にはあろうことか、エースを投入するつもりだったんだろうって? その通りで、丁度、支度を整えて待っていたグリーズマンとフィリペ・ルイスが2人でNBAプレーオフ開催にちなみ、ヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデンのパフォーマンスを真似するなんてシーンもゴールの後には見られましたが、さすがにこのリードなら、もう大丈夫だと踏んだんでしょうね。そのままグリーズマンはベンチに戻り、70分にはフェルナンド・トーレスを昨年11月以来となる、負傷明けのチアゴに交代。ただ、場内が温かい拍手に沸いた後にガイタンを、マドリーダービーでは寸前のところで今季のリーガデビューをし損ねたチェルチに代えていたのにはちょっとビックリさせられたかと。 ▽うーん、あとでシメオネ監督は「Está trabajando muy bien/エスタ・トラバハンドー・ムイ・ビエン(彼はとてもよく練習している)」と本来なら、冬の移籍市場でチームを出るはずだったため、ずっと員数外扱いされていたチェルチの起用を説明していましたけどね。やはり、お隣のコエントラン同様、アトレティコファンも彼のことは笑いのネタと捉えているようで、妙な大喝采を浴びていたのはちょっと気の毒だったかも。そんな余裕の温情交代策もあったため、そのまま試合は無事に終わるかと思いきや、そうはいかないのがアトレティコ。88分にはコレアがGKシリグに倒されて、90分にはトーマスのパスがエリア内でミゲール・デ・ラス・クエバスの手に当たって、別に必要もないのに2回もPKを与えられたんですが…。 ▽スコアは5-0にはならなかったんです! というのも、最初のPKはハットトリックを狙ったカラスコが蹴って止められ、2本目は「quería hacer un gol en ese momento, no estaba escuchando nada/ケリア・アセール・ウン・ゴル・エン・エセ・モメントー、ノー・エスタバ・エスクチャンドー・ナーダ(あの時は自分がゴールを入れたかった。何も聞いちゃいなかった)」と、スタンドが「Circi tiralo!/チェルチ・ティラロ(チェルシ、PKを蹴って)」と合唱する中、ヒメネスもそう助言したにも関わらず、トーマスがキッカーを譲らず。やはりシリグに弾かれているんですから、もうどうしたらいいのか。 ▽いえ、先日のCLレスター戦1stレグでPKをようやく決めてくれたグリーズマンはその日、ハーフタイムのアップ中、スポンサーが主催するファンのPK合戦に飛び入り参加。そこでもしっかり決めて、スタジアムDJに「Gol de Antoine Griezmann!/ゴール・デ・アントワーヌ・グリーズマン」と叫ばれていたぐらい、見かけによらず、練習熱心なんですけどね。 ▽試合が3-0で終わって、カラスコの話を聞けば「Puede ser que no entrenemos demasiado los penaltis/プエデ・セル・ケ・ノー・エントレネモス・デマシアドー・ロス・ペナルティス(ボクらは十分にPKを練習していないのかもしれない)。ツキもある」ですし、トーマスに至っては「GKが上手く止めた。Son cosas que pasan en el fútbol/ソン・コーサス・ケ・パサン・エン・エル・フトボル(サッカーでは起きることさ)」ですもの。シメオネ監督は「説明はできない。個人がやることだしね。Pero no es mala suerte/ペロ・ノー・エス・マラ・スエルテ(だが、運が悪いせいではない)」と、これでリーガ戦6連続のPK失敗、今季は13本中8本も失敗していることに対して話していましたが、もうこうなるとホントに超迷惑ですよ。彼らがPKをもらうのって。 ▽こんな調子ですから、この火曜のCL準々決勝2ndレグも心配でしようがないんですが、日曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)のセッションでもPKを練習していたのはグリーズマンとチェルチだけだったとか。おまけにレスターではフートは出場停止になるものの、しばらく負傷していたキャプテンのCBモーガンが復帰できるようで、1stレグより、アトレティコはチャンスを作りにくい可能性も。好材料としては3月のフランス代表戦以来、太もものケガで出場していなかったガメイロと控えGKモヤが招集リストに戻ったことですが、16強対決の2ndレグでうっかり敵のカウンター戦略にはまり、逆転敗退を喫したセビージャの二の舞だけはしないでくださいね。 ▽そして同じ火曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からは、マドリーもサンティアゴ・ベルナベウで2ndレグに挑むんですが、最近は日が長いこともあって、私もお散歩気分でバイエルンのスタジアム練習を見学してきたところ、どうやら肩を痛めていたレバンドフスキは完全復活した模様。懸念のあったボアテングやフンメルスも普通に全体練習に参加していたため、ドイツ語は一切、使わず、質問も答えもほとんどスペイン語だったせいもありますが、ジャージの色さえ違えば、今もマドリーの監督と言われても全然、違和感のなかったアンチェロッテ監督も結構、remontada(レモンターダ/逆転劇)に自信を持っていた印象がありましたっけ。 ▽いえ、もちろん先週、1-2で負けた彼らは0-2以上のスコアを挙げないと、準決勝に進むことはできないんですけどね。アンチェロッテ監督も「el Madrid marca todos los partidos pero también encaja en casi todos los partidos/エル・マドリッド・マルカ・トードス・ロス・パルティードス・ペロ・タンビエン・エンカハ・エン・カシー・トードス・ロス・パルティードス(マドリーは全ての試合で得点するが、同時にほとんど全ての試合で失点する)」と、ここ公式戦54試合連続得点しているジダン監督のチームに皮肉を言うことも忘れていませんでしたしね。 ▽ドイツ語でも英語でも流暢に応対するシャビ・アロンソと一緒に記者会見に出ていたキャプテンのラームも、未だに2012年の準決勝でPK戦にもつれ込み、最後はセルヒオ・ラモスが天高く撃ち上げてくれたおかげで、勝ち抜けた対戦をベルナベウでのいい思い出として話していましたが、いやあ、やっぱりマドリーの試合でもPK戦なんて、ドキドキするからイヤですって。ちなみに午前中にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で会見したジダン監督は欠場するベイルの代役を訊かれても、「Lo tengo decidido pero no lo voy a decir/ロ・テンゴ・デシディードー・ペロ・ノー・ロ・ボイ・ア・デシール(決めてあるけど、言わないよ)」と、イスコが先発するかどうかは明言せず。まあ、アセンシオやハメス・ロドリゲスというカードもありますし、何はともあれ、まずは週末にゆっくり休養が取れたクリスチアーノ・ロナウドやベンゼマが頑張ってくれることが先決ですかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.18 12:07 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】決着は来週までお預けに…

「余裕があるチームはいいわね」そんな風に私が羨ましがっていたのは金曜。CL準々決勝の合間にあるスポルティング戦に向けた、レアル・マドリーの招集リストを見た時のことでした。いやあ、午前中にジダン監督の記者会見があったため、水曜のバイエルン戦1stレグでふくらはぎをケガしたベイルが出られないことはわかっていたんですけどね。蓋を開けてみれば、出場停止のカルバハルや負傷中のヴァランやペペは仕方ないものの、クリスティアーノ・ロナウドもベンゼマも、GKケイルロ・ナバスまでがマドリッドでお留守番。こんな思い切った真似、消化試合が1つ少ない状態でバルサと勝ち点差3をつけている首位でなければできないのでは? いえ、同じくレスターとのCL準々決勝2ndレグを来週、火曜に控えるアトレティコの場合、お隣さんとは正反対で守備陣は控えGKモジャ以外、皆健康で頭数は揃っているんですが、負傷者多発でボランチから上はここ3試合、選びようのない状態に。ようやくガイタンが水曜の試合でベンチに戻って来たため、メンバー表から馴染みのないカンテラーノ(アトレティコBの選手)の名前こそ一時、消えたものの、この土曜のオサスナ戦ではコケが累積警告になるという逆境も。 ガメイロの復帰がまだとなると、FW陣もグリーズマンとフェルナンド・トーレスが先発すれば、リフレッシュ要員はコレアしかいない今、シェイクスピア新監督下でのプレミアリーグ5連勝で降格圏から遠く離れることに成功。かといって、現在の11位では来季のヨーロッパリーグ出場圏を目指すのも非現実的なレスターが土曜のクリスタル・パレス戦で再び、大ローテーションをかけるのを横目に、アトレティコは同じメンツで乗り切るしかないって、何だか不公平じゃない?うーん、彼らには前節のマドリッド・ダービーで引き分けてしまったため、4位セビージャとの差が勝ち点1に縮小。CLグループリーグ直接出場権をもらえる3位を死守しないといけないという火急の事情もありますしね。 ただ、ビセンテ・カルデロンでの試合後、リーグ前節のエバートン戦でも主力5人をローテーションしていながら、「チームは疲れているようだった」とレスターの岡崎慎司選手が言っていたのは対照的に、その日も相手より合計7キロメートル多く走ったアトレティコの選手たちは体力だけはまだ余裕があったよう。それでも今季の彼らのCL1試合平均より6キロ程少なかったため、帰宅前にはフィジカルコーチに命じられて、ロッカールームで自転車漕ぎをさせられていましたしね。ミュンヘンでマドリーの救世主となったロナウドも「He hecho un cambio radical en los entrenamientos para llegar a tope al final de temporada/エ・エッチョー・ウン・カンビオ・ラディカル・エン・ロス・エントレナミエントス・パラ・ジェガール・ア・トペ・アル・フィナル・デ・テンポラーダ(シーズン終盤にトップコンディションになるため、練習方法を大きく変えた)。ここ数年は限界が来て、ケガとかもしていたからね」と言っていましたし、やっぱり体力があるというのは何物にも代えがたいことかと。 まあ、そんなことを再確認させられることになった今週のCL戦の様子をお伝えしていくことにすると、バルサがトリノでユベトス相手に3-0負けと、16強対決のPSG戦に続いて、2ndレグで奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を目指すことが決まった翌日の水曜、マドリーとアトレティコはそれぞれミュンヘンとマドリッドで同じ時間にプレー。もちろん私はビセンテ・カルデロンに行ったんですが、キックオフ前にはバックススタンドを埋め尽くすモザイクでアトレティ、垂れ幕で「Nada mas que tu/ナーダ・マス・ケ・トゥ(君以外にはいない)」という、熱いメッセージを送ったファンたちもお隣さんの様子は気になっていたよう。ええ、開始4分でコケのエリア外からのシュートがゴールポストを直撃して以来、ずっと攻め続けながら、なかなか得点が入らなかったじれったさもあったんでしょうが、25分、最初に大歓声が場内が沸いたのは、アルトゥーロ・ビダルがヘッドでバイエルンの先制点を挙げた時でしたっけ。 それが呼び水になったんでしょうかね。折も折、私が隣に座った記者がパソコンで見ていた数分遅れの中継画像で、ビダルのゴールシーンを確認している時のことでした。ふっと視線をピッチに戻すと、グリーズマンがボールを持って敵陣を全力疾走。エリアに入るか入らないかの辺りでオルブライトンに倒されてしまったから、驚いたの何のって。いえ、後でシェイクスピア監督も「あれはエリア外だった」と言っていたように、すんなりPKをもらえたのも意外でしたけどね。まさか、4度連続してPKを失敗し、ここ数回はキッカーをしていなかったグリーズマンが密かに特訓。その成果を3月のフランス代表W杯予選、ルクセンブルク戦に続いて披露してくれたとなれば、スタンドの盛り上がりが最高潮に達したのも無理はありませんって。 前半はそれ以降、チャンスもなかったため、リベリのシュートを胸に当てたカルバハルがハンドと判定され、PKを蹴ることになったビダルが失敗に終わったせいでの溜息に包まれて、試合はハーフタイムに入ったんですが、ここで岡崎選手はアンディ・キングと交代。「ウチはボランチから後ろの押し上げができなかったから、中盤を1枚増やすため、自分が45分で交代になった」そうですが、だからといってレスターが最後まで優勢になることはなかったような。ただアトレティコも、トーレスが絶好のシュートチャンスに足を滑らせてしまったり、カラスコと代わったコレアも枠を捉えられなかったりと、追加点を挙げることはできません。 いえ、後でコケなどは「Nos vamos contentos porque el 1-0 lo firmábamos/ノス・バモス・コンテントス・ポルケ・エル・ウノ・セロ・ロ・フィルマバモス(ボクらは満足だよ。だって1-0でも良かったんだから)」と負け惜しみを言っていましたけどね。「アトレティコはウチが引いていると後半、困っていた感じもあった」(岡崎選手)なんて意見も聞かれたため、ボールを持ち過ぎると、何をしていいかわからなくなるという欠点はまだ直ってないのかと。ちなみに岡崎選手は「リーガのチームはプレミアと違って、サッカーが上手い。ボールの出し入れとか、ワンタッチパスとかの差があるね。あっちだったら、引いてもやられることはないんだけど」とアトレティコを褒めてくれていましたが、何せ16強対決では2-1と先勝したセビージャがキングパワー・スタジアムの2ndレグで2-0、逆転敗退した例がありますからね。 もちろん、彼らはサンパオリ監督のチームと違い、アウェイゴールを許すこともなく、与えられたPKもちゃんと決めて勝ちましたし、「nosotros somos el Atlético de Madrid, sabemos a lo que jugamos y lo que tenemos que hacer/モソトロス・ソモス・アル・アトレティコ・デ・マドリッド、サベモス・ア・ロ・ケ・フガモス・イ・ロ・ケ・テネモス・ケ・アセル(ボクらはアトレティコ。何を懸けて戦っているかも、やらなければならないこともわかっている)」(コケ)と、勝ち抜ける自信はあるみたいですけどね。私事で恐縮ではありますが、来週の火曜はサンティアゴ・ベルナベウでバイエルン戦を見ながら、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継で展開を追うことになる自分としては、もっと安心できるスコアの方が有難かったかと。 え、そうは言ってもマドリーだって、1stレグに大勝した訳じゃないんだろうって?その通りで、後半は2分にカルバハルのクロスをロナウドが決めて同点にすると、15分にはハビ・マルティネスが2枚目のイエローカードをもらって退場。相手が10人になったおかげで、そこから俄然、優勢になった彼らは32分、ベイルと交代したアセンシオのラストパスを再びロナウドが押し込んで、とうとう逆転に成功します!いえ、他にも惜しいシュートは何本かあったんですけどね。GKノイアーにparadon(パラドン/スーパーセーブ)を連発されてしまい、ロスタイムにFKからセルヒオ・ラモスが入れたゴールも「Me han pitado fuera de juego por milésimas/メ・アン・ピタードー・フエラ・デ・フエゴ・ポル・ミレシマス(数ミリのオフサイドを取られてしまった)」(ラモス)というのは少々、誇張ですが、スコアには上がらず。最後は1-2という最少得点差での勝利に。 それでも彼らは2ndレグがホームだけに圧倒的に有利ですからね。その上、肩を痛めていたレヴァンドフスキがプレーしなかったおかげもあって、出場停止目前だったラモスがイエローカードをもらわずに済んだというのは大きかったかと。そうそう、殊勲の2ゴールを挙げたロナウドはこれで、初のUEFA主催大会で100得点を記録した選手になったんですが、ジダン監督に言わせると、当人は「Estaba contento, pero no contento porque ha tenido el tercero también/エスタバ・コンテント、ペロー・ノー・コンテントー・ポルケ・ア・テイードー・エル・テルセーロ・タンビエン(満足していたけど、3点目も決められたかもしれなかったから、満足していないところもある)」そう。それだけにベルナベウでの2ndレグでもdoblete(ドブレテ/2得点のこと)を目指しているとなれば、マドリーファンは大船に乗った気でいていい? おまけに最初に言ったように、この土曜、午後4時15分(日本時間翌午前11時15分)からのスポルティング・ヒホン戦には出ずに、自宅で英気を養いますからね。最近、5キロの減量に成功して、プレーに磨きがかかっているベンゼマと一緒にバイエルン戦には体力十分で挑めるとなれば、鬼に金棒とはまさにこのこと。実際、今では「Ya no sé ni en qué posición juega./ジャー・ノ・セ・ニ・エン・ケ・ポシシオン・フエガ(もうどこのポジションでプレーしているかもわからない…)。どこの場所でも守って、CFのようにゴールを決め、MFのようにアシストする」(シメオネ監督)とまで言われている、アトレティコのエースとはそれこそ雲泥の差じゃないですか。 その結果、エル・モリロン(スポルティングのホーム)では、モラタやイスコ、アセンシオ、ルーカス・バスケス、ハメス・ロドリゲスらが先発のチャンスを得ることになりますが、Bバージョンのマドリーでも普通に強いですからね。それでも、さすがに降格圏にいる相手には荷が重いとはいえ、何が起こるかわからないのがサッカーのいいところ。同日、最後の試合でレアル・ソシエダをカンプ・ノウに迎えるバルサも、マラガ戦で退場したネイマールは次のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)を含む3試合の出場停止処分を受けていますが、勝敗の如何によっては、一気にモチベーションが上がるかもしれませんね。 一方、その次の時間帯、午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からオサスナに挑むアトレティコは金曜の夕方練習の後に1つだけ朗報が。それは昨年の12月のビジャレアル戦以来、ずっと負傷で休んでいたチアゴが招集リストに復帰したことですが、それと交代でキャプテンのガビが休養って、とうとうシメオネ監督もローテーションを実施するつもり?いやあ、確かにオサスナはダントツの最下位ですが、前節はレガネスを破って少々、運気が変ったようですからねえ。こんなところでうっかり火傷をしないよう、私も祈るしかありません。 そしてそのオサスナに負けて、ショックを受けている新弟分、レガネスは日曜にエスパニョールをブタルケに迎えるんですが、今も降格圏とは勝ち点差5あるものの、ここ5試合白星なしと、なかなか残留確定ラインに近づけず。あと残りは7試合、ちょっと気合を入れていかないと、昨季のラージョやヘタフェのように最終節まで、ファンをドキドキハラハラさせる破目になりかねない?ちなみに今季は2部でプレーしているマドリッドのチームで昇格に最も近いのは現在、6位のヘタフェ。ただこれも今は柴崎岳選手のいるテネリフェが占めている3位から6位までの4チームでのプレーオフという試練があるため、リーガ1部の試合がマドリッドの近場で沢山、見られるという利点を保つ意味でも、ここはどうしてもレガネスに頑張ってもらわないといけないですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.15 19:28 Sat
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【倉井史也のJリーグ】重いと思いながらもやってくれるのを待ってるわけです?!の巻

▽ちょっとね、愚痴らせてもらいますよ。最近、JリーグのPC版ホームページ、重くないですか? 確かに動画がたくさんアップされてリッチコンテンツ感満載なんですけど、重くて重くて、ちょっと今の流行とは違うかも。日程の確認をしようと思っても、なかなか出てこないんですよね〜。 ▽まぁただその中でも評価しなきゃいけないかと思うのは、トップページからリンクされてる、「2017シーズン競技規則スタンダード映像」ってヤツ。これ、去年のJリーグの実際のプレーを使って、どうしてこういう判定になるのかという基準を説明した動画なんです。確か、実際の映像を使うと選手に非難が集まるんじゃないかという危惧があって、内部研修では使っても、ずっと一般公開しなかったんじゃなかったでしたっけ? ▽ところがこれを見ると、確かにレフェリーのおっしゃるとおりってよくわかる。一般公開にいろいろ問題はあっても、こういう試みはいいんじゃないかと思うんです。サッカーの理解が深まらないと、普及はしないんですから。でもね、こんな大事なコンテンツが文字だけリンクになってたりして、やっぱJリーグ、サイトどうにかしたほうがいいですよ。 ▽と、壮大な愚痴で字数を稼いだように思われるかもしれませんが(ドキッ)! 大事なのはここからです。いいですか、今週は日曜日がJ1ですからお間違いなく!!! ▽はい、みんな憶えましたね。これ、テストに出ますから。ま、これだけ憶えてれば楽勝です。それではまた来週! 【関連URL】シーズンの競技規則スタンダード https://www.youtube.com/watch?v=EKI5p11vrSo2017 ▽えー、原稿突っ返されましたので、今週の見所なんかをちょっと書いておこうかなっと(涙)。 ▽今週、いろいろ「ダービー」と称されるような、ドラマのある戦いがあるわけですよ。C大阪vsG大阪の「久しぶりでんがなダービー」、いやいや、大阪ダービーや、清水vs大宮のオレンジダービー、あ、神戸vs柏ってネルシーニョダービーだし。 ▽そんな中で、ちょっと今でも厳粛な気持になるのが、今週末のカードの中で最後に行われる、16日19時からの仙台vs鹿島という被災地対決なワケです。仙台は前節の浦和戦に大敗したし、鹿島はACLでブリスベンに負けて帰ってきたし。 ▽もしかしたら、みんなちょっと暗い感じでの対戦かもしれないんです。でも、そんなときこそチームの活躍でみんなを明るくしてほしいッス。そうやって立ち直っていこうとしてるんですから。 ▽重いのは気持ちじゃなくて、Jリーグのホームページだけにして! あ、そっちも軽くなってほしいなっ!! え? ウチの回線が遅いだけだって……?!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.04.13 18:23 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】ドルトムントのチームバス襲撃事件に思うコト

▽ドルトムントのチームバスが襲撃された事件で、スペイン代表DFマルク・バルトラが右手を負傷したものの、彼以外の選手が無事だったのは不幸中の幸いと言える。翌日に延期された試合ではモナコに2-3と敗れたものの、1点差に留められたことはセカンドレグに向けて好材料だろう。 ▽スポーツにおけるテロ行為は、古くは1972年の西ドイツ五輪でパレスチナの武装組織がオリンピック村に侵入し、敵対するイスラエルの選手を人質にとって立てこもった事件が有名だ。西ドイツ当局は人質の救出作戦を強行したものの、人質9人全員が死亡するなど痛ましい結果となった。 ▽当時は、政治的な対立から五輪がテロ行為のターゲットになったものの、「サッカーで同じことをしたら全世界を敵に回すことになる。だからW杯を標的にするテロリストはいないだろう」と言われたものだ。 ▽しかし、それも昔の話。1996年にはEUROを開催中のイングランドで爆破事件が発生。こちらも政治的に対立するアイルランド共和軍(IRA)の犯行と見られた。そして2002年には、レアル対バルサのCL準決勝の数時間前に、サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアム付近で車に仕掛けられた爆弾が爆発。こちらもバスク地方の分離独立を目指す民族組織「バスク祖国と自由」(ETA)の犯行とみられ、17人が負傷した。 ▽サッカーを標的にしたテロは、最近では2010年にウガンダの首都カンパラで、W杯を観戦する飲食店で爆破事件が起こり、死者は50人にも及んだ。国際テロ組織アルカイダの関与が疑われたものだ。そして記憶に新しいところでは、2015年にEUROが開催されたフランスで、パリ同時多発テロ事件が起き、フランス対ドイツの行われていたサン・ドニ・スタジアムの入り口付近で3度の爆発があり、劇場や料理店なども含めると130人近くの人が亡くなった。こちらはイスラム国(IS)の犯行とされ、彼らは様々な国でテロ行為に及んでいる。 ▽もはや「サッカーだから標的にされない」という時代は過去のものとなり、「サッカーだからこそ狙われる」時代になっているようだ。過去2回のW杯は南アフリカとブラジルという、ムスリム(イスラム教徒)とはあまり縁のない国だったため、テロよりも強盗に注意を払ったものだ。しかし来年W杯を開催するロシアはイスラム教徒も多く、1990年代以降はテロ事件も増加しているだけに、ターゲットにされる可能性も少なくはないだろう。 ▽そしてドルトムントである。W杯やEUROといった国際大会ではなく、1クラブが狙われる事件が起きた。神戸に加入の決まったルーカス・ポドルスキは、トルコ(ガラタサライ)では常にテロの危険があるため日本行きを決断したという噂もあるほどだ。欧州でのサッカー観戦は、特にムスリムの多いフランスやベルギーでは十分な警戒が必要になるだろう。といっても、スタジアム周辺は人混みが多いため、どう警戒すればいいのか分からないのが実情だ。 ▽香川については、FC東京のGK林が事件直後にメールで「大丈夫か?」と送信したところ、すぐに「大丈夫」との返信が来たことを明かしていた。続けて林は「ちょっと世界ではいろんな、ボクらの予測外のことが起きる状況で、死者が出ないで不幸中の幸いだった。どういう価値観なのか分からないので口のはさみかたがないけど、サッカーがどうのこうのではなく、人の命は尊いもの。容認できないことが多すぎるし、国内じゃないからいいやじゃなく、なくなるように願うしかない」と話していた。 ▽林の言う通り、テロが「なくなるのを願うしかない」現実に無力感を抱かざるを得ないと思っているサッカーファンも多いことだろう。コトは宗教的な対立と貧困が根底にあるだけに、根の深い問題でもある。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.04.13 18:22 Thu
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【東本貢司のFCUK!】胸騒ぎのミステリー/3題

▽ミステリー・アライジング。いよいよレスターが大敵アトレティコとの決戦に臨もうとするこのタイミングで飛び出した、クラウディオ・ラニエリの“問題発言”、「クラブのある人物がわたしを追い出す後押しをした」。実名をあぶり出すのは本意ではない。ラニエリ本人も明かすことを拒否し「言いたいことがあれば直接本人と差しで話をする」。つまり、彼には“当たり”がついている。気になるのは、その人物がレスターFC内のどんな地位、役職にいるかだ。推理小説でいう「最も得をする誰か」・・・・という線はもう一つぴんとこない。実際“後釜”に座ったクレイグ・シェイクスピア? あくまでもつなぎであって昇格に至る保証はどこにもない。解任直後に可能性を取り沙汰された後継候補(たとえば、元イングランド代表監督、ロイ・ホジソン)の誰かと“利益を共有する”人物がクラブ内にいるという説も論外だろう。となると、それは「ラニエリの成功を快く思わない誰か」に容疑の目が・・・・だとすれば由々しき問題ではないか。その人物は今もクラブにいるはずなのだから。プレーヤーたちの胸にどす黒い疑心暗鬼が淀むことがないと切に願う。 ▽ユヴェントスが“鬼門”のはずのバルセロナをホームで大破したのをあえてミステリーとは呼ばない。しかし、ドルトムント-モナコの開催を延期させたバス爆破事件の方は実に怪しい、いや大問題と言うべきだろう。仮に、ごくありきたりに一部の過激なモナコファンの仕業だと疑ってみるのは多分筋違いだろう。速報のニュースからその節が浮かんでこない。地元警察の初動捜査によると「サポーターによる攻撃の証拠はどこにも見られなかった」という。ふと頭をよぎるのは「テロ」だ。2年前の11月に発生したあのパリ同時多発テロ事件(パリ市街および郊外サン・ドニのスタッド・ドゥ・フランス)、および、昨年クリスマスのベルリンで起こったトラック暴走テロ事件。サン・ドニ事件の標的になったのは「フランス-ドイツ」の親善試合だった。フランスとドイツ、モナコとドルトムント。“符号”はぴったり当てはまる。元バルサのマルク・バルトラが手を負傷しただけで済んだとはいえ「3発の爆破物」(警察調べ)は大惨事もあり得た。シリア空爆問題で騒然となっている国際情勢の中、搦め手からの“(テロの)ジャブ”という線は十分にある。 ▽ミステリー、というよりも“行く末”が気が気でない案件といえば、われらがアーセン・ヴェンゲルの“近未来”。まさかの対クリスタル・パレス惨敗は、せっかく5日前にウェスト・ハムを沈めて少しは鎮火したはずのヴェンゲル批判論を、また一気にぶり返させる憂鬱の“蕾”となってしまった。なぜなら・・・・問題の根っこにあるのは、クラブ側がすでに提示している「2年契約更新」に対して、ヴェンゲルが返事を保留している事実だからだ。つまり「言い訳の利かない状況」になってしまった場合、ヴェンゲルは自ら身を引く覚悟を温めている可能性がある(と察せられる)のだ。「言い訳の利かない状況」とは、唯一残ったタイトルのFAカップ、そして、チャンピオンズリーグ出場権がかかるトップ4フィニッシュを取り逃がしてしまう事態。それでも「アーセナルの監督を続ける」と言い張ることは、さすがにファンを納得させられるものではない、いや、そもそも彼自身のプライドが許さないに違いない。パレス戦敗退はその後者に著しく現実味を帯びさせることになった。文字通りの崖っぷち。だが、その“背水の陣”は吉を呼び寄せられるのか。 ▽最大の不安がそこにある。パレス戦は言うに及ばずだが、実はスコアこそ3-0の快勝に見えるウェスト・ハム戦すら、ガナーズイレヴンのパフォーマンスは決して褒められた内容ではなかった。実際、メディアの評価も負けチーム並みに低く、相前後して伝えられた元プレーヤーたちも重い疑問が引きも切らない。一言でいえば「覇気が感じられない」とばっさりなのである。ウェスト・ハム戦をご覧になった方ならきっと思い起こすはずだ。苦戦の中でようやくもぎ取った先制ゴール、そして“ダメ押し”の3点目・・・・いずれもファインゴールに数えていいはずのそれぞれのスコアラー、エジルとジルーの、見るからに喜びも半ば以下と言わんばかりの、浮かない表情を。まるで、だめだこんなことじゃ、きっといずれ“しっぺ返し”を食らうんじゃないかとの不安をぬぐえない・・・・。そして、それは“すぐ”に(パレス戦で)現実化した。ムードは最悪、しかも、不倶戴天の仇敵スパーズが、トップ4争いではるか彼方の優位にあり、FAカップでも勝ち残っている。その若きエース、デル・アリはデータ上からも史上最高クラスのMFとしてもてはやされ・・・・。 ▽いや、逆風ばかり憂いていても何もならない。まだ“可能性”が残っている限り、首を垂れていても仕方がない。“修正点”、巻き返しへの課題克服は、パレスにしてやられたゲームから学べるはずだ。パレスのサム・アラダイスが「してやったり」と自慢した対アーセナル対策を教訓として逆手に取るのである。ボールを速く、何よりも「前」に動かす。「横」にではなく、そして、あえてポゼッションに安住しないこと。ある元プレーヤーはいみじくもこう述べた。「アーセナルのプレーヤーたちはヴェンゲルのポリシー、指示を実践していない」。もし、この指摘にエジル以下が今後もどうやっても「応えられない」のだとすれば話は“早い”。ヴェンゲルが去るか、エジルたちが去るか、二つに一つ。いや、最悪「両方」ということも? いずれにせよ、そのときはアーセナルが良くも悪くも根底から生まれ変わる運命に直面しなければなるまい。そんな「一寸先の闇」に、クラブは、サポーターたちははたして耐えられるのか。少なくとも運命の残り8試合、エジルたちが死力を尽くす「覇気」を示さなければ、「闇」が晴れる日などいつまでたっても・・・・。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.04.12 13:35 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】長所が戻ってきた…

▽「要はまた同じメンツなのね」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で午前中に行われたアトレティコのトレーニングには、ガメイロもガイタンも姿が見えなかったというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、もうこの状態は先月の代表戦週間が明けて以来、変わっていなくて、水曜のCL準々決勝レスター戦1stレグでスタメンがリピートするのも3試合目。別に彼らには体力もあるため、それはいいんですが、とにかくシーズンも今が正念場。コパ・デル・レイの初期ラウンドでもないため、ベンチ入り18人の枠を満たすため、回り持ちで呼んでいるカンテラーノ(アトレティコBの選手)のFWやMFをおいそれと入れる訳にもいきません。結果、点が欲しい展開で投入できるのがコレア以外いないというのにはちょっと、心細い気がしてしまうのは決して私だけではなかったかと。 ▽え、それでも先週末のマドリーダービー、アトレティコは何とかこのメンバーで乗り切ることができたじゃないかって? そうですね、前回、午後4時15分からのサンティアゴ・ベルナベウでのアラベス戦で、正面から西日を1時間以上浴びたのに懲りた私がしっかり、UVカット帽子持参で挑んだ土曜。アップ中には数日前に近所の駐車場で7万ユーロ(約800万円)相当の腕時計を盗られたコケに、「Koke, ?que hora es?/コケ、ケ・オラ・エス(今、何時だ?)」なんてカンティコ(節のついたシュプレヒコール)がレアル・マドリーファンから飛んでいたなんて、心痛むこともあったんですけどね。fondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)を大きく覆った「El trono es nuestro/エル・トローノ・エス・ヌエストロ(王座は我々のもの)」という、含蓄のある垂れ幕にも臆せず、彼らはお隣さんに立ち向かったんですが…。 ▽うーん、前半はどちらも用心していたんでしょうかね。散発的なチャンスがあるだけで、時間が経つにつれ、両者共にパスミスが激増。いえ、アトレティコの場合は元々、そんなシーンはお馴染みですし、その日は「Estuvimos imprecisos, pero no es facil el ritmo al que se juega/エストゥビモス・インプレシーソス、ペロ・ノー・エス・ファシル・エル・リトモ・アル・ケ・セ・フェガ(ウチは正確性に欠けていたが、あのリズムでプレーするのは簡単ではない)」(シメオネ監督)という理由があったようなので、私も驚きはしませんでしたけどね。30分近くにはGKオブラクがベンゼマのシュートを弾き、さらにそのオブラクも飛び出してしまった後、クリスチアーノ・ロナウドの一撃をサビッチがライン上でヘッドクリアするなど、ドッキリさせられる場面も…。 ▽これには後でオブラクも同じバルカン半島仲間のサビッチにお礼を言っていたそうですが、後半に入ってすぐ、至近距離からベンゼマに撃たれた時には当人が圧巻のparadon(パラドン/スーパーセーブ)を披露。あまりに強い日光に当たっていたこともあって、私も目の前がクラクラしてしまった程でしたが、どうやらこれは相手を前半無得点に抑えたのをいいことに、アトレティコがハーフタイム後のピッチに「Hemos salido como dormidos/エモス・サリードー・コモ・ドルミードス(ボクらは眠っているかのように出て行った)」(グリーズマン)せいだったよう。当然、そのツケは回ってきて、今度は52分、クロースのFKからペペにヘッドを決められ、マドリーに先制されてしまったから、さあ大変! ▽いやあ、この時、すがすがしいぐらいペペがノーマークだったのは、未だに2回のCL決勝のトラウマを抱えるアトレティコの選手たちが、セルヒオ・ラモスばかりに目が行ってしまったせいだと思いたいんですけどね。加えて、滅多にないチャンスでは59分、フェルナンド・トーレスが1対1になりながら、GKケイロル・ナバスに向けてシュート。そしてその2分後にサウールの代わりに入ったコレアがアトレティコ最初で最後の弾丸だったとなれば、この先一体、何を期待したらいい? いえ、マドリー側にもクロースがボールをクリアしようとした際、同僚にヒザ蹴りを喰らわせ、鋤骨を2本骨折したペペがナチョに代わるというアクシデントはあったんですけどね。 ▽それでもグリーズマン、会心のchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)もナバスに弾かれ、75分を過ぎてもゴールが入らず、その上、シメオネ監督は「Era instinto de lo que necesitabamos/エラ・インスティントー・デ・ロ・ケ・ネセシタバモス(ウチが必要としているものを直観した)」とトーレスを下げ、ボランチのトーマスを投入。不可解なFW削減策に出ただけでなく、お隣さんと違って、アトレティコのDNAには根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)は刷り込まれていませんからねえ。終盤、最後の交代を今季、移籍先が決まらず仕方なく残留。リーガでまだ1度もプレーしていないチェルチがピッチ際で待っているのを見た暁には、私もほとんど絶望していたんですが…あったんですよ! 彼らにも自慢できるものが! ▽え、それはシメオネ監督も「いい選手である以上に働いて、走って、エリア内にも入り込む。才能のある選手が献身的にプレーするのを見るのは喜びが倍増する」と褒めていたグリーズマンのことだろうって? うーん、そうでもありますが、いよいよ85分、コレアのスルーパスが通って、彼が3度目の正直でナバスを破り、先日は下に着たTシャツに彼女のエリカさんへの誕生日祝いメッセージを書いて披露、後付で罰金を喰らったせいで頭を絞り、今度は娘のミアちゃんの1歳のバースデーのお祝いをテープに書いて足首に装着。念願通り、TVカメラにアップしてもらえたのは、1にも2にもアトレティコの選手たちが「Fisicamente hemos acabado mejor que el Madrid/フィシカメンテ・エモス・アカバードー・メホール・ケ・エル・マドリッド(フィジカル的にウチはマドリーを上回って終わった)」(グリーズマン)おかげ。 ▽いえ、ジダン監督は「No creo que nos haya faltado algo fisicamente/ノー・クレオ・ケ・ノス・アジャ・ファルタードー・アルゴ・フィシカメンテ(ウチが体力的に何か欠けていたとは思わない)」と否定していましたけどね。実際、カゼミロなども「Ellos han presionado mas en esa fase/エジョス・アン・プレシオナードー・マス・エン・エサ・ファセ(その時間、彼らはますますプレスをかけてきていた)」と証言していますし、キャプテンのラモスも「el partido en cinco minutos por no achicar y por dejar tantos espacios/エル・パルティードー・エン・シンコ・ミヌートス・ポル・ノー・アチカル・イ・ポル・デハール・タントス・エスパシオス(試合残り5分で敵に詰めないで、あんなにスペースを与えてしまった)せいで勝利を逃がした」と言っていましたからね。 ▽それも疲労があったからだとしたら、納得いくんですが…。残念ながら、この試合は4年前にアトレティコが延長でマドリーを下したコパ・デル・レイ決勝にあらず。ええ、もちろんアディショナルタイムで終わりというのはわかっていたため、記者会見では「ウチは勝利に近かった」と言っていたシメオネ監督もスコアが同点になった途端、チェルチのリーガデビューを撤回、CBヒメネスをボランチとして投入して、勝ち点1を守り抜きましたが、いやあ、本来なら土壇場に得点するのはマドリーの十八番ですからね。その後の短い時間に再び勝ち越されなくて本当に良かったですし、2014年にリーガを制した時の古き良き長所は、次回のCL決勝の時にでも発揮されてほしいですね(最終結果1-1)。 ▽ただ、その日はマドリーにもツキはあったんですよ。というのもサンティアゴ・ベルナベウを出た私は柴崎岳選手のいるテネリフェが来ると言うので、久々にエスタディオ・デ・バイェカスを訪問。開始3分でアマトに速攻で先制された、今季から2部で戦っているラージョが23分にはエンバルバのゴールで同点に。柴崎選手は残り10分程。試合はダービーと同じスコアで決着と、何とか今節も降格圏外で終わることになったのはまあ、嬉しいんですけどね。同じ時間にプレーしていたバルサが、こちらはマドリーが古巣のミチェル新監督が指揮するマラガに2-0で負けたという報をラジオで知って、驚いたの何のって。 ▽おかげで順位を逆転されるどころか、2位との差を勝ち点3に広げられたとなれば、ダービー引き分けの痛みも少しは和らぐというもの? 実際のところ、マドリーには未消化のセルタ戦も残っていますしね。丁度、私が移動中の試合でセビージャがデポルティボに4-2と勝利、4位との差を勝ち点1に縮められてしまったアトレティコの方がまた、来季のCLグループリーグ直接出場権死守を懸けて、この先大変な思いをしそうですが、さて。実際、今週末、彼らが当たる最下位オサスナにはマドリッドの新弟分、レガネスが日曜に2-1で競り負けているだけに決して、油断はできませんよね。 ▽え、今はそれより、マドリッドの2強は水曜に差し迫ったCL準々決勝1stレグの準備で大わらわなんだろうって? そうですね、昨季のグループリーグじゃあるまいし、どうして同じ曜日に振り分けてくれるんだと、ちょっとファンとしては噴飯ものなんですが…。バイエルンとのアウェイ戦となるマドリーは火曜にはミュンヘンに移動。こちらはメンバー的にはペペはもちろん、肉離れのヴァランもまだ戻って来ませんが、その他には負傷者がいないため、最初の試合はCBが人手不足になる心配はありません。 ▽そうは言っても、ラモスがあとイエローカード1枚で累積警告なので、ここは要注意。幸い今回は先週末のドルトムント戦で肩を痛めたエース、レバンドフスキや2週間前に手術をしたばかりのGKノイアーの状態が心配な相手の方が悩みも多そうですし、やはりマドリーとしてはその2人が本調子になる来週の2ndレグに攻守で頼りになるラモスが出られるよう、気をつけてプレーするのが最優先? 懸念としては、ダービーであまりいいところを見せられなかったロナウドとベンゼマ、まったく存在感がなかったベイルがアリアンツ・アレナで主砲として名誉挽回してくれるのかといった辺りですが、アンチェロッテ監督のチームはアトレティコとは全然、タイプが違いますからね。いよいよ大物同士の対決とあって、火曜のユベントスvsバルサ戦同様、期待のできるカードなのは間違いないかと。 ▽一方、同じ水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)にレスター・シティをビセンテ・カルデロンに迎えるアトレティコは最初に言った通り、ダービーとまったく同じメンバーで挑むしかないんですが、気になるのは16強対決1stレグでセビージャに負け、ラニエリ監督を解任してシェイクスピア監督に代わって以来、相手はプレミアリーグ5連勝。それでもこの日曜にはエバートンに負けたと聞いたのはいいものの、実は岡崎慎司選手を含む主力5人を温存して、アトレティコ戦に備えていたというのはかなり不気味じゃないですか。 ▽ヴァーディ、スリマニといったFWたちも好調のようですしね。向こうは休みが1日少ない上、CLではあまり馴染みのないチームと侮ったりすると、いよいよセマナ・サンタ(イースター週間)が始まり、月曜にはセビージャ(スペイン南部の街)のバルコニーから、本場のプロセシオン(キリストやマリアの像を立てた神輿が街を練り歩くスペインの習慣)を優雅に見学していたサンパオリ監督のように、シメオネ監督も2週間後にはこの先、ミッドウィークの予定がなくなってしまうという目に遭いかねないかと。一応、私はこちらの方を観戦に行きますが、自分のパソコンで並行カードの中継を見ている記者も多い昨今。マドリーも気になるため、席運に恵まれるといいのですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.11 13:07 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】ツキはいつまで続くのか…

▽「随分、近くにいたのねえ」そんな風に私がビックリしていたのは金曜日、アトレティコのコケがマドリッド市内の地下駐車場で強盗に遭い、7万ユーロ(約800万円)相当の腕時計を奪われたというニュースをお昼のTVで知った時のことでした。いやあ、現場の風景にもしやと調べてみると、その駐車場は私の家から徒歩数分の場所。時刻は午後7時だったそうで、丁度、自分も春めいてきた陽気に浮かれ、ダービーに着て行けるような明るい色の服をやはり、その近くにあるMANGO(スペインのファストファッションブランド)のお店で探していた頃だったんですけどね。別にこの地区は治安の悪いところでなく、というか、近年、マドリッドで選手自宅の空き巣被害の話はたまに聞くものの、ピストルを突きつけられてホールドアップって、もしやコケって、とっても運が悪いんじゃない? ▽いえ、同日には彼のU21時代からのスペイン代表仲間、レアル・マドリーのイスコも友人とテラスで食事中の写真を自身のインスタグラムに載せたところ、テーブルの上にアスルグラナ(青と紫)色のポテトチップの袋が置いてあったことが問題に。慌てて違う写真に代えたて、後の祭りで(http://www.marca.com/futbol/real-madrid/2017/04/07/58e6bde546163f41508b45d8.html)、SNSでの反響は止まらず。結局は削除する破目になったものの、最近の彼は契約を延長するしないで、イロイロ話題となっていましたからね。 ▽おかげでバルサ移籍の噂を混じえて面白おかしくいじられたため、とうとう本人も「Que no me voy al Barça pesados!/ケ・ノー・メ・ボイ・ア・バルサ・ペサードス(ボクはバルサには行かないよ、しつこい奴ら!)」と自身のツイッター(https://twitter.com/isco_alarcon/status/850107273397633026)で逆切れする事件なども発生。その上、「ちなみに自分はそのポテチを味見してもいないよ。友達がボクにゲキを飛ばすために置いたんだ(https://twitter.com/isco_alarcon/status/850108105060954112)」と付け足していましたが、それってやっぱり、健康第一のサッカー選手でありながら、カロリーの高いスナックをバリバリ食べていると思われるのはイヤだったから? ▽まあ、そんなことはともかく、マドリーダービー直前の節だった今週、ミッドウィークのリーガがどうだったかをお話ししておかないと。先に試合があったのはアトレティコの方で、火曜にほんの少し前まで4位争いの手ごわいライバルだったレアル・ソシエダをビセンテ・カルデロンに迎えたんですけどね。序盤のプレーも先週末のマラガ戦より、平日の夜だというのに場内を満員にして応援してくれるサポーターの前ではあまり恥ずかしいことはできないという程度ぐらいにしか、改善はしておらず、ボールはほぼ相手に支配されっぱなし。それでも前半27分、グリースマン、フェルナンド・トーレスとパスが繋がり、最後はフィリペ・ルイスが決めて先制してくれたから、助かったの何のって。 ▽え、ここまで最も多いシーズンでも3得点しかしていないフィリペ・ルイスがマラガ戦に続いてゴールだなんて、珍しいこともあるじゃないかって?そうですね、ただ本当にその1点は貴重で、何せその後、チャンスを迎えたトーレスはゴール左すぐ前からのシュートをポストに当ててしまうし、撃ち直しもサイドネットへ。GKルリと1対1だったカラスコも相手の正面に蹴って追加点にならないんですから、まったく困ったものです。おまけに後半になると、シメオネ監督も次の永遠のライバルとの対戦を考えたんですかね。相変わらず1-0というあやういスコアだったにも関わらず、ソシエダがイエローカードを連発する展開に怖くなったか、26分にはグリースマンをコレアに交代。ベンチに避難させることに。 ▽これでガメイロもガイタンも負傷でいないため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)以外のアタッカーが尽きたアトレティコは36分、トーレスもヒメネスに代え、CBの彼をボランチにして守り倒す体制に入ったんですが、この頃からだったでしょうか。シメオネ監督が激しい身振りで、「Estan dormidos? Alenta, que pareces del Real!/エスタン・ドルミードス?アレンタ、ケ・パレセス・デル・レアル(眠っているのか?まるでマドリーのファンみたいだぞ。応援してくれ)」とスタンドを鼓舞。いやあ、その日は遅いスタートでもう午後11時を回っていましたし、一応、リードしていましたし、ソシエダもエリア外からのシュート程度で「No hemos llegado al area con peligro ni ocasiones/ノー・エモス・ジェガードー・アル・アレア・コン・ペリグロ・ニ・オカシオネス(ウチは危険を伴って敵エリアに入ることもチャンスもなかった)」という状態でしたからね。 ▽何というか、ほとんど攻めていかないチームにどう対応していいか、ファンも考えあぐねていたところもあったと思うんですが、シメオネ監督の指示に忠実なのは選手もファンも同じ。ええ、終盤、数度のCKでコケとカラスコが時間稼ぎするのやら、ヒメネスがミドルシュートを飛ばすのを見守りながら、声の限りカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を大合唱。うーん、ほとんどはダービーに向けて、お隣さんを落とす類いでしたけどね。そうこうするうちにタイムアップとなり、アトレティコは1-0で勝利をゲット。これで翌日のバルサvsセビージャ戦を待つことなく、2節連続の3位を死守することができました! ▽ちなみにミックスゾーンではソシエダ側から、「Termina el partido y ves el equipo visitante cuatro tarjetas amarillas y el local ninguna/テルニマ・エル・パルティードー・イ・ベス・エル・キポ・ビシタンテ・クアトロ・タルヘタス・アマリージャス・イ・エル・ロカル・ニングーナ(試合が終わってみれば、ビジターチームはイエローカード4枚でホームチームはゼロ)。信じられない。ベラへのエリア前でのファールには出なくて、ラウール・ナバスがカラスコを倒したらもらった。おまけにガビなんて、審判に抗議しまくりだったのに」(ジュリ)なんて文句も出ていたんですが、いや、アトレティコも結構、ファールをスルーされていましたからね。そういうこともあるということで、何よりあと1枚で出場停止だったコケとサビッチが難を逃れたのは有難かったかと。 ▽だって、水木金と過ぎてもガメイロもガイタンも回復せず、更にはブルサリコもモヤもアウグストもチアゴもリハビリ中のアトレティコには戦力的にまったく余裕がないんですよ。そうなると、リーガ5連勝で「Llegamos al Bernabeu en un muy buen momento/ジェガモス・アル・ベルナベウ・エン・ウン・ムイ・ブエン・モメントー(とてもいい時期にベルナベウに乗り込める)」(ゴディン)ぐらいは言っても良くても、とても「Llegamos al derbi en un momento inmejorable/ジェガモス・アル・デルビ・エン・ウン・モメントー・インメホラブレ(ウチはこれ以上ない時にダービーを迎える)」(フィリペ・ルイス)なんて、恐れおおいかと。 ▽いえ、中にはグリースマンのように「Me veo favorito, confio en mis companeros y en el entrenador/メ・ベオ・ファボリート、コンフィオ・エン・ミス・コンパニェロス・イ・エン・エル・エントレナドール(ボクらが本命だと思う。チームメートと監督を信頼しているよ)」と強気な選手もいますけどね。サンティアゴ・ベルナベウでのリーガ戦ではここ3連勝中とはいえ、できれば、彼には試合前にPK練習の時間も作ってほしいかと。ここ5試合1失点と、堅固さを取り戻した守備陣にもマラガやソシエダのアタッカーとBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)は格が違うことを今一度、思い出してもらいたいと私が願っていたところ…。 ▽翌日のプチダービーではその誰1人、ブタルケのピッチに現れなかったんですよ!ええ、今季から1部で頑張っているマドリッドの新弟分、レガネスとの試合ではロナウド、ベイルが招集外だっただけでなく、ベンゼマも控え、ご当地出身選手であるカルバハルまで累積警告の瀬戸際にあるということでベンチ見学に。前節のアラベス戦から7人も先発を変えたものの、ジダン監督も後で「Para mi no ha sido una apuesta atrevida, ha sido normal/パラ・ミー・ノー・ア・シードー・ウナ・アプエスタ・アトレビーダ(自分にとっては思い切った賭けではなかった)。ウチは全員いい状態で、多くの選手を変えることができる」と言っていた通り、やはりチーム力に差がありすぎたようです。 ▽実際、マドリーはキックオフから落ち着きのなかったレガネスのミスを利用して、前半15分にはアセンシオが敵陣をドリブルで走破。そのラストパスをハメス・ロドリゲスが決めてあっさり先制すると、その3分後にも今度はハメスのCKをナチョが繋ぎ、モラタの山なりのヘッドが2点目に。更にモラタが22分にコバチッチのアシストで3点目を入れ、早くも勝負はついたかと思われたものの…そこからいきなり、「con el 0-3 nos hemos relajado un poco/コン・エル・セロ・トレス・ノス・エモス・レラハードー・ウン・ポコ(0-3になって、ウチはちょっとリラックスしてしまった)」(ナチョ)はどうにもいただけません。ええ、31分にはディエゴ・リバスが右サイドを抜け出し、ガブリエウにゴール前から1点を返された上、その2分後にはCKからシオバスが繋いだボールをルチアーノに決められ、あっと言う間に1点差になっているんですから、スタンドを埋め尽くした地元サポーターもどんなに喜んだことか。 ▽でもねえ、気合も新たに同点を目指すはずだった後半開始直後、キャプテンのマントバーニがハメスのFKをバレーボールのトスもどきで自陣ゴールに入れてしまっては元も子もありません。いえ、主審はその前でジャンプしたモラタが大きくてよく見えなかったのか、得点者を彼にしていましたけどね。それをいいことにハットトリック達成と、いそいそ試合球を持ち帰り、チームメート全員にサインしてもらっていた当人にモヤッとした気持ちは微塵もなかった?この4点目があまりにショックだったか、エル・ザールもおたふく風邪で休んでいる、その後のレガネスは得点を増やすことができず。 ▽おかげで注目どころになってしまったのが、25分に最初の交代となったハメスが「La concha de tu madre, no me pone un partido completo/ラ・コンチャ・デ・トゥ・マドレ、ノー・メ・ポネ・ウン・パルティードー・コンプレトー(バカ野郎、ボクは試合丸々プレーされてもらえないのか)」と激怒。移動式で簡素な造りのブタルケのベンチの壁を力任せに叩いて、器物破損の罪になりかねなかったことですが、その日、大活躍だったアセンシオも、彼と交代にピッチに入ったイスコも、少ないプレー時間内にできるだけアピールしようと頑張っている仲間同士なんですから、あまり悪目立ちするのもどうかと。 ▽結局、終盤はアシエル・ガリターノ監督もこの日曜の最下位オサスナとの残留を懸けた大一番に備え、主力を温存していましたしね。2-4で試合は終わり、直前にセビージャに3-0と快勝していたバルサに一時、抜かれていた順位も元に戻ったマドリーは満足して家路を辿ることに。ちなみにこちらはレガネス戦でも負傷者が増えることはなく、先週末に今季3度目となる左太ももの負傷で全治3週間となってしまったバラン以外は皆、コンディションに問題なし。ジダン監督も金曜には元気な選手全員をバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習施設内にある宿泊所に合宿させていましたしね。 ▽実際、あれだけレガネス戦で働いたアセンシオレベルでも当日のベンチに入れるのかどうか、定かでない辺り、本当に贅沢なチームなんですが、スポーツ紙などによると、縁起を担いでか、昨年5月CLミラノ決勝で先発したメンバーをリピートするとか。そんな今シーズン後半戦のマドリーダービーは土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)キックオフ。11月はカルデロンで0-3と完敗してしまっただけにアトレティコも今回はリベンジに燃えているはずですが、心配なのは当人は普通の顔で練習していたんですが、あのコケの強盗事件被害のせいで、せっかくこのところ、ツキに恵まれている運気が下がってしまわないかということ。 ▽何せ、どの試合でも守備で気が抜ける時間があるお隣さんでも、ダービーとなると気合が入りますからね。勝ち目があるとすれば、そのぐらいしか思いつかない私も悪いんですが、3位確定まではアトレティコもまだ努力が必要。もちろん勝って、首位との差が勝ち点7になれば、セビージャとの9差を4試合で引っくり返したような棚ボタもあるかもしれないとはいえ…いやいや、2位のバルサも好調ですし、いくら私でもそこまで夢を見てはいませんって。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.08 10:00 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】高倉ジャパンの国内初陣。ポスト澤は出現するか

▽今週末の9日は、熊本地震復興支援マッチとして開催される、日本女子代表vsコスタリカ女子代表の試合を取材に行く予定だ。昨年の4月に監督に就任した高倉麻子氏にとって、この試合が国内初戦となるのはちょっと意外だった。昨年3月、地元で開催して出場権を逃したリオ五輪アジア最終予選以来の国内マッチということになる。 ▽チームもだいぶ様変わりした。2011年ドイツW杯と2015年のカナダW杯で優勝、準優勝、そして2012年のロンドン五輪で銀メダルを獲得した“なでしこジャパン”から、MF澤は引退して結婚。彼女以外にもMF宮間やFW永里(大儀見)、FW大野、MF川澄、DF岩清水、GK福元らはチームを去った。 ▽変わって現在の主力は、106試合の最多出場記録を持つMF阪口(日テレ・ベレーザ)、94試合のMF宇津木(シアトル・レインFC)、DF熊谷(オリンピック・リヨン/85試合)、DF鮫島(INAC神戸/76試合)といったこれまでのメンバーに、今年3月のアルガルベカップに出場した選手に加え、3人の初招集選手を含むフレッシュな顔ぶれとなった。 ▽その3人だが、FW上野(愛媛FCレディース。20歳)は昨年のU-20女子W杯で5ゴールを決めて得点王に輝いた。MF大矢(愛媛FCレディース。22歳)はU-23日本女子代表からの昇格組。そしてMF隅田(日テレ・ベレーザ。21歳)は、なでしこリーグを連覇中の日テレでレギュラーとして活躍しているなど、将来が楽しみな選手でもある。 ▽彼女たち以外にも、なでしこリーグ得点王のFW田中(日テレ・ベレーザ)や、やっと代表で結果を出せるようになったFW横山(AC長野パルセイロ・レディース)らが名を連ね、現時点でのフルメンバーと言っていい顔ぶれだ。 ▽高倉ジャパンの当面の目標は、来年に控えているフランスW杯(2019年開催)のアジア予選となる。もちろんW杯は通過点であり、その先に待つ2020年の東京五輪でメダル獲得が期待されている。その第1歩となるのが、今回のコスタリカ戦でもある。 ▽澤という不世出の偉大な選手を失った日本女子代表ではあるが、今回のメンバーからポスト澤が育つことを期待したい。そして高倉ジャパンはどんなサッカーをするのか。こちらも興味の尽きないところである。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.04.07 12:18 Fri
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【倉井史也のJリーグ】6日に残りの日程が発表されたけど、どうなんだこれは?!の巻

▽まぁ一つ言っておきますとね、今年はJ1とJ2が同じ日に開催されちゃうし、土日にまたがって混在するから、あれ? これってJ1だっけJ2だっけってメッチャ迷うことないですか? だって日曜の好カード、首位・東京Vvs4位・湘南って、なんか1994年のニコスシリーズを思い出すんですけど。あぁ、そう言えばあのときは、V川崎と平塚だったかなぁ。 ▽で、どうしてこんな話題から始まったかというと、これが編集部には熱心なヴェルディファンがいらっしゃいまして。きっと仕事が手に付いていないだろうし、この原稿を読んでさらにポーッとするでしょうから、その間に原稿料値上げの交渉を……ウシシ。てな感じなのですが、ホントはこうやって混在することでみんなの興味を掻き立てているのか、あるいは混乱を招いているのか、ワタクシは微妙かななんて思ってるのです。モード切替ちょっとうまくいかない的な。6日に後期分の日程が発表されたから、もういろんな調整はできないんですけど、こういう部分にもみんなの声を寄せてったほうがいいんじゃないかなと。 ▽そんな中で、やや肌寒いぐらいのこの時期だからこその楽しみってものがあるんですよ。それが試合のハシゴ! もうちょっと気温が低いとナイトゲームは少ないし、もう少し暑くなるとナイトゲームだけになるのです。実はここ数年、なかなか実現できない楽しみだったのですが、今回は3月18日の日産スタジアムから味の素スタジアムという強行移動に比べて楽! しかもそのうちの1試合では、今Jリーグで最も楽しみな男、小林悠が見られるはず。 ▽14時、いそいそと等々力に赴き、川崎vs甲府を観戦しましょう。16時に終わり、ゆったりとした気分で武蔵小杉に歩いて行っても16時30分。菊名まで東急東横線に乗り、菊名から横浜線で1駅行くと、なんともう新横浜なのです。所要時間はだいたい20分ぐらい。 ▽どうすか、これ。たっぷり堪能できる土曜日になりそうでしょ? で、このままの流れで日曜14時、駒沢の東京Vvs湘南見たら、そりゃもうオツム一杯に疲れてて余計にJ1かJ2かなんてわからないでしょ。それ、困りませんか。 ▽それにしても一日に2試合見られる日程、万歳! いやぁ、今年の改革のおかげですかね?! あ、ホントはディヴィジョンがわからないからって文句付けようと思ってたんですけど!!【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.04.07 12:16 Fri
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