コラム

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【東本貢司のFCUK!】エヴァートンから始まるドラマ

▽「デイヴィッド・モイーズ」に「デイヴィッド・アンズワース」、「ウェイン・ルーニー」に「サム・アラダイス」・・・・よくもまあこれだけ“役者”が揃ったものだと思う。新監督に就任して間もないモイーズの“栄光の古巣”グディソン帰還と、ケアテイカー(暫定監督)アンズワースの“お疲れ様”采配ラストマッチに、新監督就任が内定したアラダイスの“お披露目観戦”が重なった11月29日のエヴァートン-ハマーズ戦でのことである。そこで「この場の主役はオレだ」とばかりに、見せ場尽くしのハットトリックを決めたのがルーニーだ。ちなみに、つい最近「ウンスワース」なる奇怪な読みも散見されたアンズワースだが、1995年にイングランド代表として唯一の出場を果たしている。筆者の記憶が正しければ、当時日本代表キャプテンを務めていた井原正巳が歴史的な対イングランド初ゴールを記録した試合である。目前に控えたユーロ96・強化試合の一環での“事件”だった。 ▽大柄で屈強な左SB/CBとして最も輝いていたアンズワースが三十路を過ぎてポーツマスに放出されたときのエヴァートン監督が、当時“国産指導者”としてトップクラスの評価を得て飛ぶ鳥を落とす勢いだったモイーズだ。そして、そのモイーズが不成績でマンチェスター・ユナイテッドの将の座を追われてからしばらくして、アンズワースはエヴァートン・ユースのコーチ陣に迎えられている(2004年初夏)。さらに、その直前までの彼の肩書をひもとくや、これが「プレストン・ノース・エンド」の“ケアテイカー監督”。プレストンは、モイーズが指導者としての経験を積み上げ、名門エヴァートンに“昇格”する土台となったクラブだ。あくまで推測に過ぎないが、その過程で“交流”なり“推薦の労”などがあったのは十分に考えられる。翻ってアンズワースはクラブ生え抜きにして通算出場歴300試合超の、文字通りのエヴァトニアン。現にアンズワースの下でトム・デイヴィーズやカルヴァート=ルーウィンら新世代の逸材が続々と育っている。ならば・・・・。 ▽そう、筆者にもピンとくるものがあった。クーマン解任とアンズワースの“必然”のケアテイカー抜擢は、エヴァートンにとってもはや取るべき「道は一つ」を予感させた。実際、それを推奨する識者(主に元プレーヤー筋)も少なくなかった。それなのに、メディアが最終的に嗅ぎ付けた第一候補は、現ワトフォードのマルコ・シルヴァ。ダメだと直感した。よしんば、仮にプラス効果が出たところで長持ちする保証もない。そもそもワトフォードがウンと言うわけがない。それに誰かがどん底状態に近いエヴァートンを引き受けるにしても、“現役”のヘッドハンティングには時期が悪い。「しばらくアンズワースのまま」ではダメなのか・・・・。そこではたと思い当たった。アンズワースは「とっておきの将来」なのだ。今、彼に託すにしても壁が高すぎる。おそらく、良くて残留がせいいっぱい、よもや降格したりすれば、立て直しにとんでもない労力を強いられるのは必定。そして、アンズワース自身に取り返しのつかない傷がつく恐れもある。唯一名乗りを上げたと言われる(モイーズのユナイテッドでの後任の)ファン・ハール? 今更「論外」だろうに・・・・。 ▽そして落ち着いた先が「アラダイス」だった。イングランド代表では想定外のアヤがついて“排除”されたが、クラブレベルに限ればアラダイスの履歴は“ピカいち”だ。降格の危機から救い出すことにかけてならビッグ・サムの右に出る者はいない。ボルトンに始まり、ニューカッスル、ブラックバーン、ウェスト・ハム、サンダランド、そして“直近”のクリスタル・パレス・・・・。落ち目の名門に活を入れて一息入れさせる歴代の第一人者。それに、エヴァートン首脳陣が“考慮の一端”に数えたかどうかはいざ知らず、アラダイスは実質的に「ルーニーにとっての最後の(代表)監督」である。相性という点でいいかもしれない。事実、その次期エヴァートン監督の目の前でルーニーは水を得た魚のごとく、全盛期を彷彿とさせる大活躍で門出を祝した(それを遠まわしに認めさせられたモイーズというおまけつきで)。しかも、これでアンズワースへの禅譲にも無理なく道筋がつく。 ▽なあに、たったの一試合。たまたま“こじつけの符号”がいくつか思い当たるだけ。懐疑論者はそううそぶくだろう。ビッグ5~6にしか関心を惹かれない、結果本位の野次馬ファンにとっては、エヴァートンなんぞ端から目じゃないんだし・・・・? だが、ひとまずはドカンと花火を打ち上げてみせた。エヴァートンにとって、いわばこれからが開幕に等しい、えも言えぬ手ごたえと“主役”登場(ルーニーとアラダイス)。遅ればせながらの大暴れの期待はぐんと膨らむ。そしてその“火花”がまた、モイーズとそのチームにも“伝染”するとなお嬉しい。忘れまじ、サンダランド。アラダイスで持ちこたえ、モイーズで屈したノースイーストの大古豪を。今、2部の底辺で足掻いているサンダランドをあえて引き受けた「前ウェールズ代表監督」の勇気、そのハートを。優勝して何ら不思議じゃないチームにしかなびかない、どこかの誰かさんは、この雄々しき心意気にぞ何思う?!【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.12.01 12:00 Fri
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【倉井史也のJリーグ】今度こそ川崎の逆転優勝を示すデータが揃ってるぞ?! の巻

▽やっぱ予想どおり最終節までもつれ込んでるわけでしょ。となると、1シーズン制で最終節まで優勝がもつれ込んだときってどうだったか調べたくなっちゃいますよね。 ▽じゃあまずJリーグが1シーズン制を採用していたシーズンはいつかというと、1996年、2005年から2014年、そして今年なのです。 ▽1996年は残り1節の時点で鹿島が名古屋に逆転勝利し、横浜フリューゲルスも負けたために鹿島が優勝。逆転ならずでした。逆転じゃないけど懐かしいから載っけときます。 ▽では2005年以降、最終節まで優勝がもつれたのは、まずその2005年。33節を終わった時点で、首位C大阪(58)+8、2位G大阪(57)+22、3位浦和(56)+24、4位鹿島(56)+18、5位千葉(56)+13と5チームに優勝の目がある大混戦。最終節では勝点56で並ぶ浦和が新潟を4点差で下し、鹿島も柏に4-0と快勝。千葉は名古屋に2-1と辛勝して、C大阪とG大阪がこけたら、一気に浦和が抜いちゃうぞって状態になったのでした。 ▽で、2位のG大阪はアウェイで川崎を4-2と撃破し、首位のC大阪はFC東京に引き分けてしまったため、G大阪が逆転で初優勝を決めたのでした。 ▽その2年後の2007年、一時は独走しかけていた浦和は最後に来て調子を落とし、33節では2位の鹿島に敗れて、両者の勝点差は1に。ところが浦和の最終節は降格が決まっていた横浜FCで、鹿島は4位の清水との戦い。そう言えば、このときの鹿島の記者の数は少なかった。 ▽ところが何と浦和が敗れ、鹿島が清水を3-0で下して大逆転。これで勢いに乗った鹿島はこの年からリーグ3連覇を果たしちゃったわけです。 ▽続いて2013年、最終節を前に優勝は3チームに絞られて、首位横浜FM(62)+19、2位広島(60)+20、3位鹿島(59)+10。得失点差を考えると実質上位2チームに絞られておりました。 ▽んでもって最終節で広島が鹿島をアウェイで2-0と破ったにもかかわらず、横浜FMはアウェイで川崎に0-1と敗れ、広島が逆転。等々力スタジアムでは中村俊輔がガックリ膝をつくシーンが痛々しくてね~。 ▽もちろん混戦になったシーズンはこれまで山のようにありました。だけど逆転優勝が起きたのは、過去11シーズン中で3回だけ。 ▽それでもね、これまで散々運に見放されていた川崎ですから、ここで一発劇的な初優勝を飾れば、今後は華々しい王道を突き進む気がしませんか。2007年鹿島が優勝したことで、その後3連覇するきっかけをつかんだように。 ▽あ、でもね、こんなときサッカーファンって悪い方ばっかり考えちゃうんですよね。「こんなとき負けてきたのが我が愛するフロンターレだ」とか。いやいや、いつもは強気な鹿島のファンも、もしかしたらかつてのナショナルダービーの相手、磐田とはチャンピオンシップで3勝1分2敗9得点8失点と、なかなかの互角ってことを思いだしてるかも。ちなみに磐田ホームだと、1勝1分1敗6得点6失点なんだよなぁ。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.11.30 20:00 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】国内組で選手層に不安を抱えるポジションとは

▽今週末はJリーグが熱い! まずJ1は、12月2日に首位の鹿島が磐田に引き分けるか負けて、2位の川崎Fが大宮に勝ったら、川崎Fの初優勝がきまる。そして15位の清水が神戸に引き分けるか敗れ、16位の甲府が仙台に勝ったら、清水のJ2降格と甲府のJ1残留が決まる。鹿島、清水とも引き分けた場合は川崎F、甲府と同勝点ながら、得失点差で後者がリードしているという痺れるようなシチュエーションだ。 ▽翌3日にはJ1昇格プレーオフで名古屋と福岡が激突する。こちらは年間勝点で名古屋が1点上回っているので、名古屋は勝てばもちろん引き分けでも昇格できる。さらに3日はJ3リーグの最終戦が行われ、首位の栃木は2位の沼津と直接対決。3位の秋田にも優勝の可能性があるものの、沼津と秋田はJ2昇格のライセンスを保持していないため、この2チームが1位と2位になったら、J2の22位・草津と21位・熊本は残留が決まる。栃木が優勝した場合のみ、草津がJ3へ降格となる状況だ。 ▽そして翌週からはE-1選手権に向けた代表キャンプがスタートする。ハリルホジッチ監督いわく「最終ストレートに入る前の最後のテスト」と語った大会のメンバーが11月29日に発表された。今回は国内組の選手で、5人が初招集となった。23人の顔ぶれを見た正直な感想は、「サイドバックがいないな」というものだった。 ▽今回招集されたサイドバックで、右SBの西(鹿島)は「攻撃面で面白い選手」、初瀬(G大阪)は「いいキックを持っていて、守備よりも攻撃で面白い選手」、左SBの車屋(川崎F)は「試合のたびに成長が感じられ、代表には左利きの選手があまりいない」、山本(鹿島)は「特徴は守備にあり、空中戦も強い」と指揮官は招集理由を述べたものの、いまひとつ説得力に欠ける。 ▽日本代表のSBは、長らく長友と酒井宏が務め、彼らのバックアッパーとして酒井高と槙野が選出されてきた。10月と11月のテストマッチでは、槙野はCB(センターバック)としても起用されるなどプレーの幅が拡がったのは歓迎すべき事態だ。しかしながら、SBの層の薄さは依然として解消されていない。 ▽それは元技術委員長の霜田氏も懸念を示していた。リオ五輪のチームに招集した右SBファン・ウェルメスケルケン際は代表レベルではないことがわかり、室屋(FC東京)に落ち着いた。左はOA枠の藤春(G大阪)が務めたように、1つ下の年代でもSBは日本のネックだった。霜田氏は「室屋あたりが代表に入ってきて欲しい」と話していたが、FC東京の不振が響いたのか、ハリルホジッチ監督からは一度も声がかかっていない。 ▽長身GKとCBの育成に加え。攻守にアップダウンできるSBの育成と発掘も日本代表の急務と言えるだろう。 ▽今回招集されたメンバーで、最終選考に残りそうなのは、GK東口(G大阪)、DF車屋、昌子(鹿島)、MF井手口(G大阪、倉田(G大阪)あたりの“常連組"で、今大会が“追試"となる清武(C大阪)、金崎(鹿島)、杉本(C大阪)は活躍次第といったところだろう。今野(G大阪)はアウェーのUAE戦での評価が高いだけに、ブラジルW杯の大久保(FC東京)のようなサプライズ選手があるかもしれない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.11.30 19:30 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】同じ5ゴールでも違う…

▽「そろそろヒートテックの出番かな」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜。ここ数日前から一気に真冬モードに入ったマドリッドの夜間気温を調べていた時のことでした。いえ、最初はこのブラック・フライデー期間中、あまりにお手頃価格だったため、つい衝動買いしてしまったジーンズとセーターで行くつもりだったんですけどね。マドリッドの両雄がホームゲームとなるコパ・デル・レイ32強対戦2ndレグは平日だからなのか、どちらもキックオフが午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)と遅い時間。気温は5度ぐらいが予想されるんですが、暖房のあるサンティアゴ・ベルナベウはともかく、荒野の真ん中に立つワンダ・メトロポリターノで風でも吹いた日には相当、覚悟を決めておかないと辛そうに思えたから。 ▽ただ、このラウンドのコパにもいいことがあって、何せ相手が2部Bと格下ですからね。チケットがまだ大分、残っているため、火曜はマドリーvsフエンラブラダ戦を15~40ユーロ(約2000~5300円)、VIP席150~350ユーロ(約2万~4万7000円)、水曜はアトレティコvsエルチェ戦を5~10ユーロ(約700~1400円)、VIP席も50ユーロ(約7000円)からという、格安値段で見られてしまうとなれば、たまたまマドリッド観光に来ているサッカーファンも行ってみない手はない? ちなみに1カ月前に行われた1stレグでレアル・マドリーはエスタディオ・フェルナンド・トーレス(マドリッド近郊にあるフエンラブラダのホーム)で0-2と勝利。相手は2部Bグループ1首位とはいえ、先週末の土曜にはRMカスティージャ(マドリーのBチーム)ともゴールレスドローだったそうですからね。 ▽普通なら、ジダン監督も控え選手プラス、カンテラーノ(ユースチームの選手)で迎えるところですが、今回は丁度、GKケイロル・ナバスとコバチッチが負傷明けの足慣らしをするのと同時に、9月のCLドルトムント戦以来、ミステリアスな左足のケガに苦しんでいたベイルもいよいよ招集リスト入り。「La idea es que juegue ya mañana, pero veremos cuánto/ラ・イデア・エス・ケ・フエゲ・ジャー・マニャーナ、ペロ・ベレモス・クアントー(明日はプレーさせるという考えだが、どのぐらいかは様子を見ながら)」(ジダン監督)だそうですし、1stレグで退場したバジェホが出場停止のため、CBコンビもヴァバランとナチョになるかも。鼻骨を骨折したセルヒオ・ラモスのマスク姿はまだ見られませんが、U-21スペイン代表で大活躍ながら、なからなか使ってもらえないセバージョスやW杯行きが確実視されているアセンシオなど、ファンが楽しめる要素はいっぱいあるような。▽一方、初戦をエルチェと1-1で引き分けているアトレティコは試合が水曜なこともあり、どんな陣容で挑むかはまだ不明。月曜には背筋痛だったヴルサリコがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場グラウンドでチームに合流したため、本職右SB不在問題は解決しそうですけどね。何せ今季、彼らが大得意の0-0でも勝ち抜けできるとなれば、最初はシメオネ監督も控え選手中心でいくかもしれません。 ▽え、でも先週末のリーガ戦を見れば、そんないかにもアトレティコが景気悪そうな物言いはもうしなくてもいいんじゃないかって? そうですね、この13節、マドリッドの兄貴分たちの試合ではどちらもゴールを5本ずつ見ることができたんですが、その内容は大違い。まずはベルナベウにマラガ戦を見に行った私だったんですが、とりあえず9分にマルセロのクロスをクリスティアーノ・ロナウドがヘッド、枠に当たって跳ね返ったボールをベンゼマが押し込んで先制したところまでは良かったんですけどね。それがまさか、17分にはあの精密機械のようなクロースがパスミス、ボールをケコに奪われて、そのクロスをロランに決められ、同点にされてしまうんですから、誰もが呆気に取られたの何のって。 ▽この時は幸い、3分後にCKでカゼミロのヘッドをアシストして、クロースも面目を保てたんですが、どうもここ最近のマドリーはダービーでもスコアレスドローでしたし、いつの間にか、お隣さんの悪癖が伝染ってしまったんでしょうかね。ロナウドがGKロベルトに2度もパラドン(パラドン/スーパーセーブ)されてしまったのはともかく、後でジダン監督も「Lo inhabitual son las perdidas de balon que tuvimos/ロ・インアビトゥアル・ソン・ラス・ペルディーダス・デ・バロン・ケ・トゥビモス(ボールの失い方が普通じゃなかった)」と言っていたように、さっぱりパスが続かないのは一体、どうして?▽まさか、アトレティコを見ている時と同じイライラを感じるようになるとは想像だにしませんでしたが、少なくともツキはあったようですね。ええ、前半最後のプレーでマラガのバイセにFKから見事なヘッドを決められたものの、「voy a saltar, me pone los brazos y creo que es falta/ボイ・ア・サルタル、メ・ポネ・ロス・ブラソス・イ・クレオ・ケ・エス・ファルタ(ジャンプするつもりだったところに腕をかけられた。ファールだと思う)」というカルバハルの主張通り、得点を認められなかったため、マドリーは何とかリードを保って折り返すことに。 ▽うーん、これにはマラガの選手たちも「クリスティアーノだって先制点の時には体を支えていたし、バイセは身長の差でカルバハルにジャンプで勝っただけだ」(チョリ)と抗議していましたが、それも57分、当人のエリア外からのシュートが直前でバウンド、GKカシージャが止められず、アウェイでの今季2得点目が入ったとなれば、その悔しさも半端じゃなかったかと。おまけに彼らにとって悪いことはさらに続き、最後は75分、またしても引き分けで首位バルサとの差が拡大するんじゃないかという恐れにベルナベウのスタンドが包まれていた頃、ルイス・エルナンデスが途中出場のモドリッチを倒してペナルティを献上。ロナウドのPKは一旦、ロベルトが弾いたものの、その跳ね返りを押し込まれ、マドリーに3-2で屈することになりましたっけ。 ▽え、その日のfondo sur(フォンド・スール)では12節までPKを1本ももらえず、審判に逆ひいきされていると感じていたマドリーサポーターたちがレッドカードを掲げる抗議行動などもあったけど、試合後のミチェル監督は「前半の2-2となるゴールは有効に見えたが、結果は変えられない。Arbitrar es complicado/アルビトラール・エス・コンプリカードー(ジャッジするのは難しいからね)」とそれ程、根に持っていなかったみたいじゃないかって? そうですね、マドリーは当人の古巣ですし、降格圏でもがいているチームにしては、前半にはフアンカルがヒザの靭帯断裂で早期交代、後半もキャプテンのレシオが足を引き摺ってプレーしていたにも関わらず、拮抗した試合ができたことに満足していたのかも。 ▽まあ、そんなミチェル監督ですから、丁度、プレスルームに降りるエレベーターで一緒になった、今はレアル・マドリーTVで解説者として働いている元同僚のロベルト・カルロスなども「マラガは1部に残らないといけないよ。あそこにはいいビーチもあるし、監督も好きだからね」と言っていたんでしょうが、そんなことはともかく。年内のリーガはアスレティック戦、セビージャ戦と強敵が続き、最後はクラシコ(伝統の一戦)で締めないといけないマドリーなんですから、あまり不安定な試合が続くと、先行きが思いやられますよね。 ▽そして一旦、家に戻った後、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にアトレティコを見に行った私でしたが、いやあ、もしやあのダービーが厄払いに役立ったんでしょうか。先週のCLでローマに2-0で快勝していた彼らですが、この日は5分から、幸運の女神が微笑むことに。だってえ、ガビのロングボールに抜け出したガメイロのラストパスをレバンテのロベルがクリアしようとして、オウンゴールで先制ですよ。その後、GKオイエルとの1対1を2度共失敗したガメイロだったんですが、28分にはコレアのシュートをチェマがゴール前で止めながら、自分は勢いでピッチの外に出てしまうという大失態。完璧ガラ空きのゴール50センチ前であれば、彼だって失敗しようがありませんって。 ▽おかげで2点リードという滅多にない好スコアで後半に入ったアトレティコでしたが、意外なことにそれでもチームは後退せず、ハーフタイム後も攻撃精神を維持したのが効を奏します。ええ、58分にはグリーズマンのスルーパスをガメイロが3度目の正直でGKの脇を通すシュートを成功させ、3点目をゲット。「Con Antoine tengo una buena relacion dentro y fuera del campo/コン・アントワン・テンゴ・ウナ・ブエナ・レラシオン・デントロ・イ・フエラ・デル・カンポ(アントワーヌとはピッチの中でも外でもいい関係だよ)」(ガメイロ)というフランス人FWコンビは64分にも連携し、この時はガメイロのアシストでグリーズマンがゴール、67分にもガメイロはGKに弾かれたものの、跳ね返りに突っ込んだグリーズマンのおかげで5点目が入るなんて…これまでとは打って代わった効率のいいgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を目の辺りにして、逆にこの先、反動で途方もなく悪いことが起きそうで心配になるって、もしや不幸体質が染みついているのは私だった? ▽結局、その後、ピッチに入ったフェルナンド・トーレスは「チームはゴールまでの数メートル、より落ち着いてプレーできるようになったし、no se sabe por que, pero nos entusiasma/ノー・セ・サベ・ポル・ケ、ペロ・ノス・エントゥシアスマ(何故かはわからないが、ウチはスピリッツが高揚している)」(シメオネ監督)というムードには乗れず、今季初得点を挙げることはできなかったんですが、0-5にもなれば、もういいですよ。自分など、ケチ臭い考えで次の試合にゴールを取っておくべきだなんて思ってしまったぐらいですが、運のいい日ってそういうものなんですかね。これまでは必ず敵に渡っていたリバウンドのボールなどもこの日は味方に行くというラッキーな面もあり、これまで2分け3敗と1度もシュタット・デ・バレンシアで勝ったことのなかったシメオネ監督が初勝利、チームとしても10年ぶりの白星を挙げてくれたとなれば、何の文句がありましょう。 ▽いえ、レバンテのムニス監督に「Nos hemos enfrentado a un rival de mucho nivel. Nos hemos encontrado un gran Atletico de Madrid/ノス・エモス・エンフレンタードー・ア・ウン・リバル・デ・ムーチョ・ニベル。ノス・エモス・エンコントラードー・ウン・グラン・アトレティコ・デ・マドリッド(ウチは高いレベルの相手に当たった。偉大なアトレティコ・デ・マドリーに出会った)」なんて褒められてしまうと、私もちょっとくすぐったいんですけどね。実際、この日は「彼らの全てのカウンターが凄い打撃だった」とモラレスも言っていたように、今季は不発が多かったクラブの伝統芸が大きな武器に。実際、こういう試合がもっと早くからできていれば、11月末にCLほぼ敗退、リーガ首位との差もこれ程、開いていなかったとはずなんですが…。 ▽そして翌日曜にはバルサがメスタジャでメッシのゴールがラインを割りながら、スコアボードに挙がらなかったせいもあり、ジョルディ・アルバの1点でロドリゴの先制点を帳消しにしただけに。1-1の引き分けで終わったため、得失点差で3位になったアトレティコと4位マドリーの差は2位バレンシアと勝ち点4、首位とは8に縮まったんですが、まあこれだけあると、そう簡単には近づけませんからね。12月のバルサの相手はセルタ、ビジャレアル、デポルティボと、あまりポイントを落とすこともなさそうですし、やっぱり年内最終戦のクラシコに期待するしかないでしょうかね。 ▽え、それで月曜にエスパニョールに挑んだマドリッドの弟分、ヘタフェはどうなったんだって? いやあ、土曜には私も練習を偵察に行って来たんですが、相変わらず柴崎岳選手は1人でリハビリトレーニングと、フットバレーを楽しんでいるチームメートの輪には加わらず。サッカーシューズも履いておらず、ボルダラス監督も「ガクはまだ馴らしているところ。Hay que esperar días para que entrene con el grupo/アイ・ケ・エスペラール・ディアス・パラ・ケ・エントレネ・コン・エル・グルッポ(グループ練習に加わるには何日か、待たないといけない)」と言っていたため、バルセロナ遠征に行かないのはわかっていたんですけどね。 ▽それでも9月から試合に出ていない彼を練習見学に来たヘタフェファンが忘れておらず、グラウンドを引き揚げる際に囲まれていたのは喜ばしい限りでしたが、残念ながら、RCDEスタジアムでの一戦は後半、ジュラール・モレノに決められた1点を返せず、4節ぶりにヘタフェは敗戦。お隣さんのレガネスと勝ち点1差の12位のままで、次は木曜、アラベス戦のコパ2ndレグに挑みます。何せ、彼らはマドリッド勢で唯一、1stレグで0-1と負けており、しかもアウェイでの逆転が必要ですからね。丁度、相手はその試合でデビューしたデ・ビアージ監督が月曜に解任され、今季3番目の指揮官を探している最中とはいえ、ここはかなり頑張って逆転突破してくれないと、年明けに柴崎選手が試運転できる試合がなくなってしまうかも。 ▽そして水曜午後7時30分から、2部のバジャドリッドをブタルケに迎えるレガネスは、1stレグでの1-2勝利を突破につなげたいというのがガイターノ監督の考えですが、いや、今の彼らはリーガ4連敗中。しかもシオバス、エセキエル・ムニョス、マントバーニとCBが3人も当分、負傷で出場できないとなれば、あまりコパ勝ち上がりはお勧めしないんですが、さて。ちなみにこの次のラウンド、16強対決は年明け早々の3日から予定されているため、お正月休みにマドリッド訪問を予定されている方などはこまめに日程をチェエクしておくといいかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.28 18:16 Tue
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【日本代表コラム】今見たい! EAFF E-1サッカー選手権に呼んで欲しい国内組日本代表23名を選出

▽日本代表にとって、2017年の最終戦となるEAFF E-1サッカー選手権2017。ロシア・ワールドカップに出場する日本代表にとっては、貴重なテストの場であり、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督にとっては新戦力発掘の場となる。 ▽今大会は、中国、韓国、北朝鮮と東アジアの3カ国と対戦するが、日程の関係により海外組を招集することはできない。国内組で編成される今回の日本代表。29日にそのメンバーが発表されるが、その前にJリーグでのプレーを参考に23名をポジション別に選出してみた。 ▽なお、浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグで優勝した場合、同時期にUAEで開催されるクラブ・ワールドカップに出場するため、浦和の選手は選外としている。 GK 東口順昭(ガンバ大阪/31) 権田修一(サガン鳥栖/28) 中村航輔(柏レイソル/22) Getty Images▽まずは守護神だ。東口順昭、権田修一、中村航輔の3名を選出した。日本代表にも招集され続けている東口、11月の欧州遠征からは外れたがそれまで呼ばれていた中村は順当だろう。中村に関しては、日本代表でもプレーを見たいところだ。 ▽そして本来であれば、西川周作(浦和レッズ)が入ると考えられるが、前述の通り選外とし、アルベルト・ザッケローニ監督の下では日本代表に選出され続けていた権田を呼んでもらいたい。鳥栖に復帰した今シーズンは、幾度となくチームを救うプレーを見せ、ショットストップは衰えていないはずだ。 DF 松原健(横浜F・マリノス/24) 小池龍太(柏レイソル/22) 車屋紳太郎(川崎フロンターレ/25) 吉田豊(サガン鳥栖/27) 昌子源(鹿島アントラーズ/24) 植田直通(鹿島アントラーズ/23) 三浦弦太(ガンバ大阪/22) 中谷進之介(柏レイソル/21) Getty Images▽続いてDF陣。サイドバックは左右で2名ずつを呼んでもらいたい。右サイドバックには松原健、小池龍太、左サイドバックには車屋紳太郎、そして吉田豊を推薦したい。 ▽松原は今シーズンから横浜FMでプレーし、リーグ戦25試合に出場。シーズンが進むにつれて守備面での改善も見られ、スプリントも問題ない。また、今シーズンから柏でプレーする小池も気になる存在だ。ポジション取り、オーバーラップのタイミング、そしてクロスと攻撃センスは抜群。守備面でも対峙するサイドアタッカーを封じる試合も多く、初のJ1挑戦にして結果を残している。 ▽また、左サイドバックには10月、11月と日本代表に招集されている車屋、そして豊富な運動量と不屈のメンタルを持つ吉田を推したい。車屋は長友佑都(インテル)の控えとして計算されており、このタイミングで国際舞台での経験値を積みたいところだ。そして吉田は、長友と同タイプのサイドバックとして計算が立つ。攻撃センスも申し分なく、鳥栖で見せているプレーを代表で見せて欲しい。 ▽その他、サイドバックの候補としてはリオ五輪代表の室屋成(FC東京/23)、U-20W杯に出場した20歳の初瀬亮(ガンバ大阪)といった両サイドができる若手もいる。初瀬は両足で蹴ることができ、G大阪ではキッカーも務めるほどの精度を誇っている。室屋も一列前での起用が可能で、スプリント力とスタミナは示している。代表入りの可能性もゼロではないだろう。 Getty Images▽センターバックは、日本代表に招集されている昌子源、植田直通、三浦弦太の3枚に加え、新戦力として中谷進之介を推したい。昌子、植田、三浦の3選手は、本大会のメンバー入りをかけた大事な大会となるだろう。槙野智章(浦和レッズ)が2番手に浮上してきた中、ここでアピールをしっかりしたいところだ。 ▽これまで招集歴がないところでは、中谷を推薦したい。柏で最終ラインを統率し、20歳の中山雄太をリードしている。吉田麻也(サウサンプトン)という絶対的な存在がいる現状、相棒として組めば、中谷のコントロール能力とカバー能力は日本代表でも生かされるはずだ。中山は左利きという利点もあったが、個人的に中谷を推したい。 ▽その他、左足の高精度キックを持つ福森晃斗(北海道コンサドーレ札幌/24)、右サイドバックとしても計算が立ち、“デュエル”の強さを持つ高橋祥平(ジュビロ磐田/26)、そして高橋と同じ磐田で出色のパフォーマンスを見せている大井健太郎(33)も気になる存在だ。 MF 山口蛍(セレッソ大阪/27) 三竿健斗(鹿島アントラーズ/21) 井手口陽介(ガンバ大阪/21) 倉田秋(ガンバ大阪/28) 原川力(サガン鳥栖/24) 清武弘嗣(セレッソ大阪/28) Getty Images▽続いて中盤。現状の日本代表のシステムを考え、アンカーとインサイドハーフ2枚という観点で選出した。アンカーとしては山口蛍と三竿健斗の2名を選出した。 ▽山口はすでにその能力も計られており、あえて招集しないという選択肢もあるかもしれない。しかし、チームを作ることを考えれば、長谷部誠(フランクフルト)の代わりにアンカーを務める可能性もある山口は外せないだろう。チームの軸として、今大会を過ごして欲しい。 ▽そして、もう1人が昨シーズンから鹿島でプレーする三竿だ。東京ヴェルディユース出身の三竿は、今シーズン途中からダブルボランチの一角としてプレー。大岩剛監督は、三竿を軸にレオ・シルバ、小笠原満男、永木亮太を使い分けている状況だ。まだ21歳と将来性も高く、“デュエル”の強さはある。攻撃面での迫力不足はあるが、アンカーとしての働きはU-23日本代表でも見せていただけに、このタイミングで招集してみるのもプラスと考えた。 ▽その他、アンカー候補には堀孝史監督就任後に本領を発揮し始めている青木拓矢(浦和レッズ)なども挙げたいところ。クラブ・ワールドカップに出場しないとなれば、ぜひ呼んでもらいたい選手の1人だ。 Getty Images▽インサイドハーフには井手口陽介、倉田秋のガンバコンビに、清武弘嗣、原川力を選出した。井手口、倉田は言うまでもなく、日本代表としての経験を積ませたいところ。よりチームの中心となってプレーすることで、1ランクアップを目指したい。 ▽そして、ケガで長らく日本代表から遠ざかっていた清武の復帰を希望したい。ゲームを作れ、流れを変えられる清武。C大阪での最近のプレーを見ると、本来のパフォーマンスを取り戻していることが見て取れる。元海外組として、今大会の中心となる活躍を期待したい。 ▽さらに、リオ五輪代表では主力だった原川を呼んでもらいたい。今シーズンは鳥栖でプレーする原川だが、走力がついただけでなく、攻撃センス、流れの中での組み立ての参加など、試合を積むことで伸びている印象だ。さらに、プレースキックの精度も抜群。直接FKで3ゴールを挙げており、ハリルホジッチ監督が苦言を呈する「FKからのゴール」も久々に誕生する可能性は高い。 ▽その他には、左利きのゲームメーカーである天野純(横浜F・マリノス)や運動量、カバーリング、攻撃参加と持ち味はハリルホジッチ監督好みの福田晃斗(サガン鳥栖)、福田よりもより攻撃面での違いが出せ、ボック・トゥ・ボックスのプレーが可能な川辺駿(ジュビロ磐田)も見てみたい選手だ。 FW 杉本健勇(セレッソ大阪/25) 都倉賢(北海道コンサドーレ札幌/31) 伊東純也(柏レイソル/24) 遠藤康(鹿島アントラーズ/29) 金崎夢生(鹿島アントラーズ/28) 江坂任(大宮アルディージャ/25) Getty Images ▽最後は前線だ。センターフォワードには杉本健勇と都倉賢を推したい。センターフォワードには強さ、高さ、ゴールに向かう意識を考え2人を選出した。 ▽杉本は今シーズンのJ1で得点王を争っており、日本代表としても経験を積んでいる。今大会でよりその得点力に磨きをかけてもらいたい。そして都倉も同様だ。身体の強さはもちろんのこと、想像を超えたシュートを放つことはチームでも見せているもの。日本人離れしたスケールを感じる。同じ左利きという点では川又堅碁(ジュビロ磐田/28)も考えられるが、よりチームに入り込めそうな都倉を推したい。 Getty Images ▽そして右ウイングには、快足で相手DFを翻弄する伊東純也、そして日本人らしからぬプレーが持ち味の遠藤康を推したい。伊東のスピードは言わずもがな。シュート精度も悪くなく、仕掛けのタイミングも良いものを持っている。そして遠藤。まるで南米の選手かと思わせるようなテクニック、そしてアイデアはJリーグの中でも随一。左利きという点もあり、日本代表に入ることでどのような化学反応を見せてくれるのかが気になる。南米やアフリカに弱い日本だが、遠藤のイマジネーションがあれば相手を翻弄することも可能だろう。 Getty Images ▽左ウイングに推したい金崎夢生は、ゴールへの執着心、そして前線でタメを作ることができるタフさだ。センターフォワードとしても計算が可能で、泥臭くボールを追いかけ、ゴールを奪う姿勢はこのタイミングでもう1度見たいところだ。もう1人の江坂任は、卓越した運動能力の高さに期待したい。175cmと上背はないものの、跳躍力に秀でており、ヘディングで合わせる能力が高い。ラインの裏に抜ける動きもでき、サイドハーフながらもゴールが狙え、ゲームメイクも大宮では見せている。より得点を獲ることに集中できれば、大化けする可能性も秘めており、似たタイプとしては小林悠(川崎フロンターレ)か。今シーズンゴールを量産している小林も候補には入るだろう。 ▽今回は23名に絞り、さらに浦和の選手は除いた中でメンバーを選考した。現時点ですでに日本代表のベースは作られており、より上の相手と対戦した時に戦える、通用する可能性がある選手を見出したいはずだ。Jリーグで気になった選手を実際に手元に置くことで、直接判断が下される今大会。選出される選手は、最後のチャンスだと考え、持っているものを全て出して欲しい。日本代表のメンバー発表は、29日に行われる。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.11.25 20:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】勝利に浮かれはしても現実は厳しい…

▽「ホントにここって何もないよね」そんな風に私が嘆きながら、IFEMA(イフェマ/マドリッドにある大型展示場施設)の横を歩いていたのは木曜日、バルデベバス(バラハス空港の近く)にあるレアル・マドリーの練習場に向かっている時のことでした。いえ、選手たちの出入りを見たいのであれば、セルカニアス(国鉄近郊路線)C1線のValdebebas(バルデベバス)駅で降りて徒歩1分、関係者用ゲート前で待てばいいだけなんですけどね。練習見学などで内部に入る場合、そちらからだと、広大な施設の敷地外周をグルリと回らないと入り口がないため、メトロ(地下鉄)8号線のFeria de Madrid(フェリア・デ・マドリッド)駅から徒歩30分の方が、乗り継ぎの関係で楽という面も。 ▽実際、まだ今のマドリッドは天気の良い昼間は寒さも厳しくなく、そこここで黄色に色づいた街路樹や高速道路を超えた後、野っぱらに生えているススキのような雑草に秋の情緒を感じながら歩くのも悪くないんですが、難点は猛暑の時に水が買える売店や、極寒に耐えかねた時に熱いコーヒーが飲めるバル(スペインの喫茶店兼バー)などが、練習場の付近一帯にまったくないこと。おかげで思い出してしまったのは、いえ、アトレティコのマハダオンダ(マドリッド近郊)のシュダッド・デポルティバ・ワンダのように、お隣に飲食店の並んだブロックがあるなんて環境は珍しいんですけどね。弟分のヘタフェもそういう意味ではかなり恵まれているかと。 ▽というのもコリセウム・アルフォンソ・ペレス右脇の道を下って行くと着く練習場では、トップチームのグラウンドの少し手前にバルがあるため、まだ誰もいない時はここでお茶をして待っていればいいし、毎回、2時間以上ある長いセッションをずっと見ているのに飽きてもテラスに座っていれば、柴崎岳選手を含め、引き揚げてくる選手たちを見逃す心配はゼロ。更にチームが朝食を取るスタジアム内のバルは試合のない日も開いており、Menu del dia(メヌー・デル・ディア/本日の定食)もあるため、セントロ(市内中心部)に戻る前に腹ごしらえしていくこともできます。 ▽他にも最寄のメトロ・スールの駅、Los Espartales(ロス・エスパルタレス)の出口前ある、カーニャ(グラスビール)やコーラなど、コールドドリンクを頼むとtapita(タピータ/おつまみ)をつけてくれる(ただし試合前は混雑しているためか、出ない)バルも重宝しますし、セルカニアスC4線のLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅へ向かう途中、大通りより1本外側のEmilia Prado Bazan(エミリオ・プラド・バサン)通りにも数軒、テラスで食事のできるレストランバルが並んでいるため、ランチをする場所に事欠かないのがいいところ。その辺は一番近いお店がショッピングセンターながら、そこまでスタジアムからも練習場からも10分以上歩かないといけない同じ弟分のレガネスより、立地がいいと言えますね。 ▽まあ、そんなことはともかく、木曜の私はスポンサーのアウディが恒例の選手への車の貸与式をやると聞いてバルデベバスへ向かったんですが、なかなか面白かったのはプレイベントのカーレースゲーム。バスケチームが練習に使うバビリオン内に作られた舞台で、F1レーサーのようなつなぎを着た選手たちがオンラインで繋がれた運転席に座り、8人ずつの予選を戦った後、決勝レースという運びでしたが、贅沢なカーコレクションが自慢のクリスチアーノ・ロナウドが最下位で予選落ちしてしまったのはかなり意外だったかと。もちろん普段、どんなに高性能の車に乗っていようが、自宅と練習場の往復では超高速を出す機会などある訳ないということでしょうが、この日、チーム一の器用さを発揮したのはカルバハル、以下、セルヒオ・ラモス、アセンシオと続いて表彰台に立つことに。 ▽その後、パビリオンの外に移動して1人ずつ、車を受け取ったんですが、ジダンの息子さん、第3GKのリュカを始め、セバジョス、アクラフ、マジョラル、コバチッチら、一番安い物でも7万5000ユーロ(約1000万円)、最高額はケイロル・ナバス、ロナウドのRS7の15万ユーロ(約2000万円)を超える、ラモスの選んだスポーツカー、R8スパイダーで21万ユーロ(約2800万円)だったそうですが、どれにしても一般人にしてみれば、何とも羨ましい限り。ええ、このイベントにはレースはベンゼマ、マルセロと共に欠場したものの、久方、ピッチでご無沙汰しているベイルもしっかり出席しています。 ▽え、彼らが呑気に新しい車をもらって喜んでいられるのも火曜のCLアポエル戦で今季初めて、トレードマークのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を達成したからじゃないのかって?そうですね、その試合、イスコやカセミロをベンチに置き、アセンシオとルーカス・バスケスでローテーションしたマドリーでしたが、前半23分に敵がエリア内からクリアしたボールをモドリッチが見事なvolea(ボレア/ボレーシュート)で決め、口火を切るともう止まらず。39分にはクロースのスルーパスからベンゼマが2点目を挙げると、その1分後にはCKからナチョが3点目、ロスタイムにもロナウドがベンゼマにアシストして、前半だけで0-4になるなんて一体、いつ以来のことでしょう。 ▽後半も序盤にロナウドの2ゴールで、とうとう0-6としたマドリーは勝ち点3を積み上げて、グループリーグ突破を決めたんですが、同日、トッテナムもドルトムントのホームで2-1と勝ったため、最終節に何をしても2位で変わらないことも確定。いえ、昨季もトップ通過できずにCL2連覇を果たしたジダン監督のチームですしね。12月6日にサンティアゴ・ベルナベウを訪れるドルトムントにはアポエルと3位を争って、ヨーロッパリーグ出場権を得るという目標があるため、香川真司選手も出場すれば、真剣に向かってきてくれると思いますが、実はキプロスでの試合の後、大勝にも関わらず、不機嫌だった選手が約1名。それは今季のCL5試合で8得点として、ランキングトップを走るロナウドでした。 ▽というのも前節、ウェンブリーでトッテナムに3-0と負けた際、「ペペ(ベシクタシュ)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)、モラタ(チェルシー)のいた昨季程、経験の足りない選手の多い今季のウチは強くない」と発言したせいで揚げ足を取られ、キャプテンのラモスに「今、そういうことを言うのはご都合主義」と批判されたことを根に持ったんでしょうかね。「Digo una cosa y poneis otra... ?como quereis que hable con la prensa?/ディゴ・ウナ・コーサ・イ・ポネイス・オトラ…コモ・ケレイス・ケ・アブレ・エン・ラ・プレンサ(自分が何か言うと、他のことを書かれる。何で自分がプレスにコメントしないといけない)」とインタビューなしで行ってしまうから、まったくもって気難しい。 ▽ただ、後でマルセロなども「Paz no vamos a tener nunca, la gente no esta acostumbrada a eso/パス・ノー・バモス・ア・テネール・ヌンカ、ラ・ヘンテ・ノー・エスタ・アコストゥンブラダ・ア・エソ(ウチが平穏になることはない。皆、そういうのには慣れていないからね)」と言っていたように、この決勝トーナメント進出決定で来年2月まで、CLのことは考えなくて良くなったからとて、心配事がなくなった訳じゃないのがマドリーの辛いところ。ええ、すぐに週末にリーガ戦が来てしまうため、再び首位バルサとの勝ち点差10という、ジダン監督もシーズン前には「No me lo imaginaba, para nada/ノー・メ・イマヒナバ、パラ・ナーダ(まったく想像もしなかった)」逆境に立ち向かわないといけないんですよ。 ▽うーん、相手は前節、ようやくデポルティボに勝って最下位を脱出したマラガですが、リーガでのロナウドはベンゼマと共にまだ1ゴールで全然、調子が出ていませんからね。ベイルはもちろん、アセンシオも全治10日のケガを左足に負ってしまったそうで、マドリーダービーで鼻骨を骨折したラモスも木曜には1個300ユーロ(約4万円)相当のカーボンファイバー製フェイスマスクが完成し、インスタグラム(https://www.instagram.com/p/Bb33pdVjhzL/?taken-by=sergioramos)で披露していたものの、招集リストには入らず。この試合ではナチョが累積警告で出場停止になっているため、CBにバランとバジェホしかいないというのはちょっと心配かと。 ▽朗報はとうとう、GKナバスとコバチッチが復帰したことですが、今季はホームでベティスに負け、レバンテとバレンシアに引き分けるという失態をすでに犯している彼らですからね。日曜の頂上決戦、バレンシアvsバルサ戦がどういう結果になるにしても、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのマラガ戦では絶対、勝ち星を落とすことは許されないかと。そうそう、その永遠のライバル、バルサは水曜のCLユベントス戦で前節オリンピアコス戦に続いてスコアレスドロー。それでもメッシを後半まで温存しつつ、グループ首位通過が決まっているんですから、今季はヨーロッパの大会に参加していないバレンシア同様、ここ当分、リーガに集中できるのが怖いですよね。 ▽え、それで火曜には後半に劇的な追い上げを見せ、リバプールと3-3で引き分けたセビージャが最終節にマリボルと引き分け以上なら、グループ突破ができることになっていたけど、カラバフとの2連戦を両方共ドローで終えた時点で勝ち点がたったの3。CLスペイン勢4チーム目、今季最後のCLホームゲームになる可能性が限りなく高かったアトレティコはどうだったのかって?いやあ、アゼルバイジャンで当日、先に試合をしたチェルシーが0-4とカラバブに大勝、もうこれじゃ、選手もやる気にならないんじゃないかと放心して、ワンダ・メトロポリターノのスタンドに座っていた私でしたけどね。その上、ローマ戦のキックオフ前にフアンフランの負傷離脱が発覚、元々、ベルサイコも背筋痛で欠場が決まっていたため、右SBがトマスになると聞いた日にはもう一体、何を期待していいのやら。 ▽代わりに招集リスト外だったアウグストが中盤に入ったものの、トマス共々、序盤は何度も自陣でボールを失う始末。アポエル戦で面目躍如をしたベンゼマが、「No tengo derecho a fallar cuatro pases, uno ya puede ser un problema/ノー・テンゴ・デレッチョー・ア・ファジャール・クアトロ・パセス、(ボクにはパスを4回失敗する権利はない。1度でも問題にされかねないからね)」なんて言っていたのに比べ、何て寛容なチームだろうと苦い思いもしたものでしたが、幸い相手も鋭い攻撃を繰り出すことはできず、今季恒例の0-0でハーフタイムに入ります。でも…後半はいつもとちょっと違ったんです! ▽いえ、シメオネ監督がアウグストをコレアに、ダービーで引き分けた翌日、落ち込みもせずに彼女のベアトリスさんにプロポーズなんてしていたせいでしょうかね(https://www.instagram.com/p/BbwmNQXg_rr/?taken-by=beatrizespejel)。珍しくコケもガビにと、早々に交代カードを切ったのもグッジョブだったんですが、24分、ピッチにいたFWたちが久々に完璧な連携を見せてくれたから、ビックリしたの何のって。 ▽そう、フェルナンド・トーレスの浮き球のパスを追ったコレアがゴールラインぎりぎりからクロスを上げると、反対側にいたグリーズマンがchile(チレナ/オーバーヘッドシュート)で先制点が決まるって、我が目を疑ってしまったのはきっと、私だけではないはず。だってえ、「En los entrenamientos y en la seleccion si que entraba, pero con el Atletico no/エン・ロス・エントレナミエントス・イ・エン・ラ・セレクシオン・シー・ケ・エントラバ、ペロ・コン・エル・アトレティコ・ノー(練習や代表では入るんだけど、アトレティコではゴールにならない)」と本人も言っていた、ここ8試合無得点だったグリーズマンですよ。 ▽いくら試合前、先日のダービーではpito(ピト/ブーイング)を浴びせながら、かといって、他に頼る者のないファンが当人の応援歌を歌って励ましていてくれたとはいえ、話が出来過ぎではないかと思ったんですが、その日のアトレティコはリードした後もいつもように後退せず。それどころか、ローマのブルーノ・ペレスが2枚目のイエローカードをもらって退場した後の40分、カラスコの代わりに入っていたガメイロがグリーズマンのスルーパスを受け、GKアリソンをかわすと、角度のないところから2点目のゴールを決めるという嬉しいおまけまでつくことに。うーん、確かにフランチェスコ監督も「アトレティコの方が試合に勝ちたいというハングリー精神があった」と言っていた通りだったんですが、はあ。その気概、カラバフ戦の時に見せてくれていたらなんて、今更言っても仕方ありません。 ▽結局、そのまま2-0で勝ったアトレティコは紙一重で数字上、グループ勝ち抜けの可能性を残したんですが、何せ、その日、1位通過を決めたチェルシーにスタンフォード・ブリッジでの最終節で勝ったとしても、木曜にアディダスのイベントに出演したコケも「necesitamos que el Qarabag haga algo/ネセシタモス・ケ・エル・カラバフ・アガ・アルゴ(カラバフが何かしてくれることが必要)」と口にした後、苦笑を抑えられず。ローマがホームで最下位の決定したチームに遅れを取るとは思えませんからね。ここは腹を決めて、もう年明けは5年ぶりのEL優勝に懸けるしかない? ▽まあ、シメオネ監督も「最後の90分が終わるまで、ネガティブなことは考えない。La vida esta para pensar positivamente/ラ・ビダ・エスタ・パラ・ペンサル・ポシティバメンテ(人生はポジティブに考えるためにある)」と言っていたように、世の中にはたまに奇跡もあるため,その辺は12月5日の試合が終わるまで私も気に病まないようにしようと思いますが、やっぱり心配しない訳にはいかないのは土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレバンテ戦。何せ、彼らの条件はお隣さんとまったく同じ、首位と勝ち点10差ですからね。ハムストリングを痛めたフアンフランはもちろん出られず、今度の右SBはヒメネスになりそうですが、さて。 ▽とにかく1度、ゴールが入り始めたら、調子の波に乗るはずという定説を今は信じたいところですが、一足早く、金曜夜にセルタ戦に挑んだレガネスはここ3連敗という流れを変えられず、イアゴ・アスパスに決められたPKゴールで1-0とまた敗戦。ヘタフェの方は月曜にエスパニョール戦となるため、その前に私も柴崎選手のリハビリがどのくらい進んだのか、偵察してこようと思いますが、来週はコパ・デル・レイ32強対戦2ndレグもありますし、どこのチームも忙しくなりますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.25 11:01 Sat
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【東本貢司のFCUK!】エヴァートン“ブランド”の迷走

▽胸騒ぎがした。そのために一日“間”を取った。まさかと思ったが悪い予感は当たった。この負けはこたえる。ホーム、相手はアタランタ、むごい大敗・・・・しかも、セカンドキーパーのロブレスが早々にPKを止めたのに? 期待外れの新ストライカー、ラミレスの初ゴールが生まれたのに? そもそも、現状ではほぼベストの布陣を組んで臨んだのに? クラブをよく知る識者やファンの反応ももはや自虐の域。「かのシェイクスピアでもこんな悲劇は書く気にもなるまい。“ウィリアム”のことだ、クレイグ(前レスター監督)じゃない。いや、彼ならまだましな結果に導いていたかもな」「実に深刻な事態。溺れかけている」「正監督がいないならいないで、この際つなぎの監督を新調しないとね」・・・・つまり、怒りを通り越して苦笑も出ないといった惨状。エヴァートンは立ち直れるだろうか。 ▽近年のプレミアファンにとって「エヴァートン“ブランド”」とはいかほどの重みをもつのだろうか。ジェラール・ウリエ時代に史上めったにない「カップ・トレブル」を果たした当時のリヴァプールを指して、ある知人は「リヴァプールって結構やるじゃないですか!」とニヤつきながら驚いていたくらいである。少し遡ってみれば、リヴァプールが我が物顔にヨーロッパを席捲した時代にすぐ気が付きそうなものなのだが。いや、今の若いファンにエヴァートンの低迷を嘆いたところで、“響く”はずもないか。フットボール(サッカー)というスポーツがポピュラー化した頃からの長い歴史において、エヴァートンは5傑に列する実績を誇り、そもそもその“5強(マン・ユナイテッド、リヴァプール、アーセナル、スパーズそして“トフィーズ”ことエヴァートン)”の中では古豪度でダントツ、それに、昔からこのクラブはどこよりも国産の主力率が常にトップクラスなんですが・・・・。 ▽それでも“方向”は間違っていないはずだった。実績重視の著名外国人監督招聘の轍を踏んで、冷徹で実利主義のロナルト・クーマンに託してから何もかもが上昇気運に乗りかけているように見えた。しかも、この夏の補強では手堅さと質量でプレミア随一の成果を手にしたように・・・・見えた。が、その中身といえば・・・・絶対的得点源たるルカクを失った穴埋めに失敗した。新ミスター・エヴァートンだったはずのバークリーを全力で引き留めるかわりに曖昧な態度に終始して結局腐らせるだけのままで“放置”している。加えて、そのポスト・バークリー対策が無計画もいいところで、ルーニーの筆頭にクラーセンとシグルドソンまで獲って、ファンや識者から「ナンバー10を新規で3人も?」と首を傾げさせた。おまけに、そのせいでせっかく大成の兆しをみせていた期待の生え抜きトム・デイヴィーズを準レギュラーに格下げするもったいなさ。さて、これすべてクーマンのプラン通りだったのか。ひょっとしてインド人オーナー筋のごり押し・横槍などがなかったか? ▽例えば、アンリが抜けたあとのアーセナル、クリスティアーノが去ったあとのユナイテッドと比較してみると何かが見えてくるかもしれない。あえて言うなら、誰(と誰)が主導したにせよ、エヴァートンは“目先を焦りすぎた”ようにも見える。これは穿ちすぎかもしれないが、2、3年先の“ビッグクラブ転身”を目指すクーマンの“功の焦りすぎ”という線も。ビッグクラブ? ほう、また誰かさんみたいに「優勝候補筆頭を渡り歩いて名を残す」のが狙いだったのかな? どうやら「ビッグ」という表現の価値基準というやつが違っているのかも。ごく普通に公平に考えれば、世界最古のリーグの“チャーターメンバー”であり、以後もほぼトップリーグの地位を維持し続け、現在も(仮に低迷することが何度もあったとしても)そのステイタスを堅持しているクラブこそが、最も「ビッグ」の形容にふさわしいと思うのである。少なくとも、そういう優勝するにはまだまだ足りないものが多いチームを率いる方にこそ、指導者たる矜持と喜びを見いだせるのでは、と。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.11.25 11:00 Sat
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【倉井史也のJリーグ】優勝争いにばっかり目がいってるけど!? の巻

▽J1も残り2試合ってことで、やっぱり鹿島強いですよねってとこばっかり目がいってると思うんだけど! ここでは入れ替え戦がなくなった2009年から、どんな残留争いがあったかを調べてみましたよ。するとこんなことが! 括弧の中は勝点で、2シーズン制のところは通算の節数です。 【2009年】 32節 15位大宮(37)16位 柏 (33)17位千葉(27)18位大分(26) 33節 15位山形(38)16位 柏 (34)17位大分(29)18位千葉(27) 34節 15位山形(39)16位 柏 (34)17位大分(30)18位千葉(27) 【2010年】 32節 15位F東(35)16位神戸(32)17位京都(16)18位湘南(16) 33節 15位F東(36)16位神戸(35)17位京都(16)18位湘南(16) 34節 15位神戸(38)16位F東(36)17位京都(19)18位湘南(16) 【2011年】 32節 15位浦和(33)16位甲府(30)17位福岡(22)18位山形(21) 33節 15位浦和(36)16位甲府(33)17位福岡(22)18位山形(21) 34節 15位浦和(36)16位甲府(33)17位福岡(22)18位山形(21) 【2012年】 32節 15位神戸(39)16位G大(37)17位新潟(34)18位札幌(14) 33節 15位神戸(39)16位G大(38)17位新潟(37)18位札幌(14) 34節 15位新潟(40)16位神戸(39)17位G大(38)18位札幌(14) 【2013年】 32節 15位甲府(35)16位湘南(25)17位磐田(20)18位大分(14) 33節 15位甲府(36)16位湘南(25)17位磐田(20)18位大分(14) 34節 15位甲府(37)16位湘南(25)17位磐田(23)18位大分(14) 【2014年】 32節 15位清水(35)16位大宮(32)17位C大(31)18位徳島(13) 33節 15位清水(35)16位大宮(32)17位C大(31)18位徳島(13) 34節 15位清水(36)16位大宮(35)17位C大(31)18位徳島(14) 【2015年】 32節 15位新潟(33)16位松本(27)17位山形(24)18位清水(21) 33節 15位新潟(33)16位松本(27)17位山形(24)18位清水(24) 34節 15位新潟(34)16位松本(28)17位清水(25)18位山形(24) 【2016年】 32節 15位新潟(30)16位名古屋(30)17位湘南(21)18位福岡(19) 33節 15位新潟(30)16位名古屋(30)17位湘南(24)18位福岡(19) 34節 15位新潟(30)16位名古屋(30)17位湘南(27)18位福岡(19) ▽で、今年がどうなってるかっていうと、 【2017年】 32節 15位広島(30)16位甲府(28)17位大宮(24)18位新潟(22) ▽つまり今年は過去に比べると2009年、2011年、2015年的な激烈な残留争いがあってるわけです。特に似ている2015年は、残留ラインが勝点34。あれ? 残り2試合に甲府が勝つとピッタリ。つうことで、まだまだ広島も安心できないってデータが出たのでした。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.11.23 14:00 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】ブラジル戦の後半とベルギー戦で指揮官が日本を褒めた理由とは

▽今週は先週に引き続き、日本代表の欧州遠征について気になったことを指摘したい。まずハリルホジッチ監督だ。これまでは、負けた試合や引き分けた試合はもちろんのこと、勝った試合であっても苦言を呈すことが多かった。 ▽ところがリールで行われたブラジル戦は、「純粋な気持ち、改善点もあるし、満足できる部分もあった。後半は1-0で、2点目、3点目のチャンスもあった。前半は残念だが、後半は満足できる部分もある試合だった」と、彼にしては珍しく褒めていた。 ▽後半のブラジルはマルセロやネイマール、ウィリアン、ジェズスといった主力を下げたため、ベストメンバーとは言い難い。それも当然で、3-0とリードしたら、W杯では次の試合に備えて体力の温存を図る。そうした“格落ち"のブラジルだからこそ、後半は日本も善戦したように見えたという報道にも、ベルギー戦の前日会見で改めて否定した。 ▽指揮官いわく、ブラジル戦の後半は「杉本、浅野の決定機もあった。それはブラジルが力を落としたからだという人もいるようだが、私は日本の後半を評価している。ブラジルの試合を何ゲームも見たが、日本のようなチャンスはアルゼンチンも作れなかった。日本を過小評価しているようだが、私には満足できるものがあった」そうだ。 ▽ここまで日本を褒めるのは、監督就任以来、初めてのことだ。そしてベルギー戦後も「ブラジルよりいい試合をした。ゲームをコントロールできたし、チャンスがありながら得点できないのは残念。いい結果を求めて戦ったので残念だった。このような結果でも、ロッカールームでは『君たちは大きなライオンを倒しそうになったのだよ』と話した」と選手を称えた。 ▽その真意はどこにあるのか。当初は、監督自身の自宅がある、いわばホームの試合で、ヒステリックな姿ではなく、寛大な姿勢を見せたかったのではないかと推測した。ブリュージュもリールからはクルマで1時間弱と、ほとんどホームと変わらない。アジアの弱小国をここまで善戦(と言えるかどうかは別にして)させたことを、アピールしたかったのかと邪推したものだ。 ▽そして、もう1つの理由もあるのではないかと考えてみた。それは、今回は選手のテストだったため、このメンバーなら「この程度が限界だろう」というものだ。今回の遠征では本田、岡崎、香川の3人はコンディションに問題があるとして招集が見送られた。これまで所属チームで出場機会を失っていながら3人を招集することに、メディアから批判の声があがっていた。 ▽それなら「彼らを外したらどんなチームになるのか、どんなサッカーができるのか」を、ハリルホジッチ監督は証明したかったのではないだろうか。3人がいれば結果が変わったとまでは言えないものの、もう少し締まった試合になったような気がする。 ▽例えば右FWの浅野は決定機を外しても笑っていたし、久保もほとんど見せ場を作れなかった。杉本も惜しいヘディングシュートがあったものの、前線で機能していたとは言い難い。もしもタメを作れる本田がいたら、あるいはガムシャラに飛び込んでいく岡崎がいたら、もう少し攻撃の形ができていたのではと思ってしまう。原口も守備では健闘したし、乾も得意のドリブル突破を披露したが、香川なら違う選択肢で攻撃の幅を広げられたのではないだろうか。 ▽キャプテンの長谷部が万全のコンディションではないため、チームリーダーとしても本田の必要性を改めて感じた欧州遠征の2試合だった。 ▽これは余談だが、元日本代表で現在はテレビ解説者を務める川勝氏は、日本の不甲斐ない戦いぶりにベルギー戦は途中で見るのを止めたという。「決定機を外しながら浅野は笑っているし、久保もミスをすると照れ笑いをしていた。杉本は試合中、髪の毛が気になるのか何度も触っていた」と憤慨する。 ▽自身が読売クラブ時代、試合前のロッカーは殺気だっていたそうだ。白い歯を見せようものなら、「カリオカ(ラモス瑠偉)や哲二さん(柱谷)に殴られた。それだけ試合に集中していた」と振り返る。そんな川勝氏にとって、試合中にヘラヘラ笑っているのは許せないのだろう。 ▽杉本はかつての教え子でもあり、「サッカーをやめてしまえ」とまで言って厳しく指導した。そんな教え子には「髪の毛が気になってプレーに集中できないなら、剃るかワックスで固めてプレーに集中しろ」と指摘する。せっかくブラジルやベルギーという列強と対戦できる機会なのに、国内で行うテストマッチと同じモチベーションで臨んでいることが許せなかったようだ。 ▽それは、もしかしたらハリルホジッチ監督も同じなのではないだろうか。怒りを通り越して呆れている。「まだまだ日本の選手は子供だな」――それが、試合後に選手を褒めた一番の理由かもしれない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.11.23 14:00 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】勝って負けて引き分けた…

▽「こうも首位決戦が縁遠いものになるとは」そんな風に私が嘆いたのは月曜日。今週末の日曜にあるバレンシアvsバルサの話題でTVのスポーツニュースが盛り上がっているのを見た時のことでした。確かにこの日曜、エスパニョールに0-2と快勝したリーガ2位の前者が勝てば、1位との差はたったの勝ち点1に。退場したマルセリーノ監督はメスタジャのベンチに入れないものの、ピッチでの影響が大きいのはピケが累積警告で出場停止になる相手の方でしょうし、大体、その前にバルサは水曜のCLでユベントスとのアウェイ戦に挑まないといけませんからね。今季はヨーロッパの大会に参加していないバレンシアにとって、願ってもないチャンスかと思いますが、それにしても寂しいのは両者があまりに高みにいすぎるため、マドリッド勢にしてみれば、どっちが勝とうが、どうでもいいような状態になっていること。 ▽だって、レアル・マドリーもアトレティコも首位とは勝ち点10、2位とも6ポイントも差があるんですよ。こうなるともう、直接ライバルとも言えなくて、そりゃあ、ジダン監督もリーガは長いと言っていた通り、先々を考えると、シーズン後半戦での息切れがありそうなバレンシアより、バルサとの差が縮まった方がいいのかもしれませんけどね。ただ、現在のマドリッドの両雄の調子が続くなら、10差が7差になったって焼け石に水。この先はCLグループリーグ直接出場権のある3位争いとなるのか、後ろにつけているセビージャやビジャレアルといったチームに追いつかれないようにするのが先決なのか、何にしろ、はなはだパッとしない未来が待っていそうにない気がするのは私だけではない? ▽いえ、まずはその原因となった先週末のリーガについて、話さないといけませんね。珍しく、マドリッドの4チームが揃って試合となった土曜日は私も忙しいスケジュールをこなすことに。ええ、まず午後1時から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにアラベスを迎えるヘタフェを見に行ったんですが、こちらはメトロ(地下鉄)10番線終点Puerta de Sur(プエルタ・デ・スール)でメトロ・スールに乗り換え、Los Espartales(ロス・エスパルタレル)下車、徒歩1分と、セントロ(市内中心部)から1時間ぐらいかかるのを別にすれば、慣れた道ですから、まったく大したことはありません。 ▽実際、試合も先日のコパ・デル・レイベスト32 1stレグでは同じ相手に終盤、サントスのヘッドでゴールを奪われ、0-1で負けていたヘタフェでしたが、この日はベストメンバーを並べたのが奏功。5分から、アランバリのクロスをベルガラが頭で押し込んで先制したのを皮切りに、8分にはホルヘ・モリーナがPKを決めて追加点を挙げると、後半にはアンヘルの2ゴールで、30分を残して4点差になっていたから、デイゲームに駆けつけたファンもどんなに喜んだことか。うーん、ここまでリードすると、今季の彼らの悪い癖、ラスト10分間での失点も致命傷にはなりませんからね。その日も35分にサントスに1点を返されていたものの、4-1での勝利なら、誰も文句を言いやしませんって。 ▽え、ここリーガ4試合を2勝2分けと調子に乗ってきたヘタフェだけど、このままガンガン、行かれると、柴崎岳選手が回復してもスタメンに入るのが難しくなってしまうんじゃないかって? そうですね、ボルダラス監督も「モリーナとアンヘルは正直、上手くやっているよ。互いにわかり合っていて、チームはその成果を享受している」と言っていましたしね。アマトやポルティージョもだんだん1部の水に馴染んできたようで、おまけに11月30日のコパ2ndレグでアラベスに逆転し損ねると、年明けの試合数がめっきり減ってしまうのは辛いかと。まだ次の月曜、エスパニョール戦には間に合わなさそうな柴崎選手ですが、早く万全の状態になって、ヘタフェの更なるレベルアップに貢献できるといいのですが。 ▽そして勝利の余韻に浸ったまま、次は午後4時15分からバルサを迎えるレガネスを応援しにブタルケへ向かった私でしたが、実は同じマドリッド近郊で町同士が並んでいる弟分同士ながら、移動が便利とは言えないのが難点。いえ、車なら簡単なんですけどね。地図で事前に調べた通り、メトロ・スールで数駅引き返し、Julian Besteiro(フリアン・ベルテイロ)駅から10分程歩いてバスを捕まえたところ、運転手さんから「本当に乗るの?」と問われてしまうことに。そのオチは次の停留所で下車しても、そこから徒歩で向かっても、バスは下の道を通るため、丘の上にあるスタジアムまでは同じぐらいの道のりだったからなんですが…何でも初めてには失敗がつきものです。 ▽まあ、どちらにしても40分もあれば着くので、またヘタフェとレガネスが同じ日に試合する節があれば、マドリッド観光で訪れるサッカーファンも簡単に梯子が楽しめるということがわかったのは良かったかと。ただ、ホームのレガネスがViolencia de genero/ビオレンシア・デ・ヘネロ(異性間暴力)防止運動を後押しするため、その日は紫色のユニでプレー、対するバルサも水色の第2ユニだったため、一見、どことどこの対戦かわからず。おまけに夕日が落ちて行く時間帯だったため、逆境となる正面スタンドからは非常に見づらかったこの試合、いえ、キックオフ前のサポーターたちは大いに盛り上がっていたんですけどね。▽結果はまさに、後でガリターノ監督も「Hemos generado ocasiones, pero ahi esta la diferencia/エモス・ヘネラードー・オカシオネス、ペロ・アイー・エスタ・ラ・ディフェレンシア(ウチはチャンスを作ったが、差が出たのはそこだった)」というもので、序盤から決して首位チームに引けを取っていなかった彼らだったんですが、29分、パコ・アルカセルのシュートを弾いたGKクェジェルがこぼれたボールに反応できず。すかさずルイス・スアレスに蹴り込まれ、まさか先制点を喰らってしまうなんて一体、誰に予想できる? うーん、その日はクェジェルが大殺界だったのか、60分にもまたしてもアルカセルのシュートを弾いたところ、スアレスに決められてしまっていましたけどね。逆にアムラバトやエル・ザールが撃ってもGKテル・シュテーゲンに止められてしまうのでは、「Ellos con nada nos hicieron los goles/エジョス・コン・ナーダ・ノス・イシエロン・ロス・ゴーレス(彼らは何でもないところからゴールを挙げた)」(エル・ザール)と、レガネスの選手たちが嘆いていたのも仕方なかったかと。▽最後は90分、ゴール右脇で地面に倒れたメッシが押し出したボールをパウリーニョが決め、0-3でバルサが勝ったんですが、これにはバルベルデ監督も「このスコアはちょっと大袈裟だね。ウチは決定力が高くて相手は違った」と苦笑。それでも「Le reconozco al Leganes el esfuerzo que ha hecho/レ・レコノスコ・アル・レガネス・エル・エスフエルソ・ケ・ア・エッチョー(レガネスのやった努力は認めるよ)」と言ってくれていたため、ホームチームはかなり頑張ったんだと思いますが、「La diferencia en Primera son las areas/ラ・ディフェレンシア・エン・プリメーラ・ソン・ラス・アレアス(1部での差はエリア内での違い)」(ガリターノ監督)というのも事実ですからね。このセビージャ、バレンシアと続く強豪3連戦、全敗したのを見てもわかるように、こればっかりはお金のないレガネスにはどうしようもない? ▽でも大丈夫、上位候補チームには敵わなくても数時間前、降格圏のアラベスに快勝したヘタフェのように下位の相手から着実に勝ち点を奪っていけば、シーズン序盤は強敵続きで苦労していた弟分の同僚だって、今ではヨーロッパリーグ出場圏の6位にあと5ポイント。いきなりユーロ・ヘタ復活の期待を懸けられ、ボルダラス監督が「Europa? Eso da mucho vertigo/ヨーロッパ?エソー・ダ・ムーチョ・ベルティーゴ(そんなのは凄い眩暈を感じるよ)」と言っていたように、巡りあわせ次第ですからね。いつの間にやら、勝ち点差1で10位のヘタフェと1つ違いの9位になってしまったレガネスもこの金曜のセルタ戦から、白星を稼いでいってくれればいいですよ。 ▽そして土曜のクライマックスはもちろんマドリーダービーで、何せワンダ・メトロポリターノへはマドリッド南部から東部への大移動とあって、今度は私も速度を重視してセルカニアス(国鉄近郊路線)を選択。ええ、幾つか経路はあるんですが、まずはブタルケの最寄駅、Zaraquemada(サラケマダ)からC5線でAtocha(アトーチャ)駅へ。C2もしくはC7線に乗り換えて、Coslada(コスラダ)駅で降りた後、メトロで2駅なんですが、まさかそこまで来て券売機前に長蛇の列ができているとは! うーん、丁度今、メトロが紙の切符を廃止して、カード(金額のデポジットではなく、買った切符が記憶される)に切り替えている最中なため、マドリッド住民でさえ、勝手がよくわからず、駅員のアドバイスを受けないと切符が買えない状態なのも困ったもんなんですけどね。 ▽幸い私は手持ちのセントロとメトロ・スール乗り継ぎ回数券がここでも使えたため、並ばずに済んだんですが、この現象はワンダやサンティゴ・ベルナベウで試合が終わった後にメトロに乗る時も同じ。よって、試合観戦の際は着いた時に帰りの切符も買っておくことをつとにお勧めしますが、まあ、順調に行けばレガネスーワンダ間はヘタフェーワンダ間同様、1時間半というところでしょうか。次の時間帯に1試合が入る場合はこちらも十分、梯子が可能ということがわかりましたが、すでにバルサの勝利で勝ち点差が12に開いていたのを知っていた3位、4位で並ぶマドリッドの兄貴分、どちらが最悪の状態を回避できたかというと…。 ▽双方共倒れだったんですよ。いやあ、新スタジアムで最初のダービーを迎えたアトレティコはコケが先発に戻ったこともあり、開始から積極的にプレーしていたんですけどね。3分に誰もが「ゴール!」と叫びかけたシュートをコレアが外した後も気落ちせず、「En los 25-30 minutos se vio el equipo que somos/エン・ロス・ベインティシンコ・トレインタ・ミヌートス・セ・ビオ・エル・エキポ・ケ・ソモス(25~30分までウチがどういうチームか見せた)」(シメオネ監督)という状態を維持していたんですが、徐々に相手に主導権を奪われてしまうことに。それでもサビッチがクロースの足首を踏むようなタックルをしても、セットプレーでリュカが頭で合わせようとしてきたセルヒオ・ラモスの顔面を蹴ってしまっても、誰もレッドカードで退場させられることはなく、アトレティコはいつもの0-0でハーフタイムを迎えます。 ▽後半もラモスがナチョに交代したものの、マドリーの優位は揺るがず、もういつ点を取られるか、取られるかと、私など、生きた心地もしなかったんですが、どうやら今季は両チーム共、「falta de gol/ファルタ・デ・ゴル(ゴール不足)」に苦しんでいるせいですかね。加えて、「falta de futbol/ファルタ・デ・フトボル(サッカー力不足)」もあるアトレティコから、グリーズマンが完璧に消えていたのに歩調を合わしてくれたのか、いえ、マドリーにもチャンスはあったんですけどね。前半にはモドリッチのパスで1人抜け出しながら、何とフアンフランに先回りされてしまったクリスティーノ・ロナウドが得意のFKもGKオブラクに弾かれるわ、ゴディンやサビッチ、とりわけフィリペ・ルイスの代わりに抜擢されたリュカの奮闘に阻まれるわで、ゴールを決めることができず。 ▽75分にはシメオネ監督もグリーズマンとコレアを見限り、フェルナンド・トーレスとガメイロを投入。後者のvaselina(バセリーナ/ループシュート)がゴール前でバヴァランにクリアされてしまったのは残念でしたが、ベンゼマをアセンシオに代えた後、あちらのベンチにはルーカス・バスケスやセバジョスら、アタッカーがまだ残っていたにも関わらず、ジダン監督が3人目の選手を入れなかったのもアトレティコにはラッキーだったのでしょう。後でマルセロが「Tres o cuatro penaltis, yo que se/トレス・オ・クアトロ・ペナルティス、ジョ・ケ・セ(3つか4つのペナルティがあったかもしれないけど、ボクは知らないよ)」と言っていたように、エリア内でのハンドなども審判の注意を引くことなく、93分の奇跡の男、ラモスもピッチにいなかったため、結局、どちらもネットを揺らせないまま、試合は0-0で終了です。 ▽おかげで両者共、首位との差が絶望的に開いてしまったんですが、何せまだマドリーにはCLの希望が残っていますからね。ええ、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのアポエル戦に勝てば、彼らはグループ突破が決定。「Volveria a sangrar una y mil veces mas por este escudo y esta camiseta/ボルベリア・ア・サングラール・ウナ・イ・ミル・ベセス・マス・ポル・エステ・エスクード・イ・エスタ・カミセタ(この紋章とユニフォームにためなら、1000回でも血を流す)」と試合後のツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/932253732284321798)では威勢が良かったものの、鼻骨を折ったラモス、リハビリ中のGKナバス、ベイル、コバチッチがまだ出られないとはいえ、ここまでリーガでシュートを55回撃ちながら、1得点しかしていないロナウドもCLでは4試合6得点と好調なので、ほとんど問題はないかと。▽一方、ダービー後の質問が交代の時、スタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛んだグリーズマンのことに集中していたアトレティコは、いえ、サウールやコケ、フアンフランら、チームメートたちは皆、当人を庇っていたんですけどね。この水曜のCLローマ戦で勝たないとグループ敗退してしまうんですよ。しかも最終節に希望を残すには、アゼルバイジャンのカラバフがチェルシーのホームで負けないことを祈るしかないという藁をも掴む状況となれば、誰もがCL話題を避けているのも当然だったかと。いえ、とりあえず、3位で来年ELに回るためにも自身が勝ち点を稼いでおくのにこしたことはないんですけどね。シメオネ監督は「trabajo, trabajo, trabajo y despues talento/トラバッホ・イ・デスプエス・タレント(まず努力、努力、努力、才能はその次)」と信念を失っていなかったものの、とにかくゴールが入らないと良くて引き分けにしかならないのは悲しいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.21 12:00 Tue
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【東本貢司のFCUK!】夢のハイパーヤングライオンズ

▽私事ながらゆえあってしばらく“休養”をいただくことになり、気が付けばかなり時間が経ってしまった。その間、プレミア新シーズンが始まった。ひとしきりここまでの成績や戦いぶりを振り返ってそれなりに評価の要素を引き出すのは吝かではないが、やはりまだたかだか11試合の消化、ひと波乱もふた波乱もあってしかるべきだ。例えば、とりあえず一騎抜け出した感のあるマンチェスター・シティーについて、「今後の展開有利」「独走気配」と、誰でもできそうな解説をするだけでは能がない。スポーツを「結果」のみで語るべきではない。ダイジェストのニューズ映像やポストマッチ・インタビュー、勿体付けた解説などは、あくまでも“サシミのツマ”いやそれ以下にどどめておきたい。肝心かなめは目の前のゲームそのもの。無論、ビッグチームがそこに絡む必要性などさらさらない。 ▽それに、今気になるのはどうしても「代表チーム」だ。本大会出場32チームが出そろい、来月のグループリーグ組合せ抽選の結果から吹き出す「あーだこーだ」の“井戸端会議”にこそむしろそそられる。意地悪な言い方をすれば、そこでいわゆる「事情通」の濃淡がわかってくる。有体に言うなら、参加32チームすべての「今」を熟知している御仁がこの世界にいるとはとても思えない。ならば、よく知らないなりにあえて思い切り“絵空事”を交えてストーリー(の断片でも可)を構築できる“話し上手”を見つけ出したい。知ったかぶりのオーソリティー気取りの話が一番つまらないし“残らない”。ちなみに、筆者はよく言ってヨーロッパの「半数」も語れそうにないが、それでも請われたら、前回、前々回の「印象、思い出、雑多なエピソード、体験話」をふんだんに盛り込んで、虚々実々に聞き手をけむに巻いて“楽しみたい”。ワールドカップというお祭りにはそれが一番お似合いではないか。目当ては実際の「鬼が出るか蛇が出るか」のゲームなのだから。 ▽そのうえで、少しばかり“自慢げに”ご存知スリーライオンズことイングランド代表チームについての“事前情報”を、思いつくままに並べ立ててみよう。実はこれが、かつてないほどに一味も二味を違うのである(少なくとも今回は)。世界の最新フットボール事情に知悉している方なら当然「釈迦に説法」だろうが、イングランド代表はこの夏に順次行われた「ワールドカップ・U20」および「同U17」を制した。どこかピンとこないかもしれないからもう一度言う。「20歳以下」と「17歳以下」のワールドカップで、ヤングスリーライオンズは現在世界の頂点に立って「最強を証明」したばかりなのだ。それがどうしたって? そう、確かに彼らがどんなに強かろうが、そっくりそのまま来年夏のロシアをプレーするわけでもないし、仮にそうしたところで他国代表のシニア世代に敵うわけでもあるまいに? 確かに。通常、アンダーエイジ代表はシニア代表とほとんどリンクしない。 ▽つまり、ひょっとしたら一人や二人、10代の“精鋭”がシニア代表に招集されることもある。ただし、彼らが実戦に起用されることはほとんどないし、よもや主力と見なされることもめったにない。ところが今回のイングランド代表に限ってはその「まさか」が現実になるかもしれないのだ。夏以降、監督ギャレス・サウスゲイトはワールドカップ本大会出場が確定したあとの代表戦で、U20代表のエースたちをまるで当然のように使ってそれなりの手ごたえを得たという。折しも“シンボル”のルーニーが代表引退を表明、しかもそれ以前からケイン、アリ、ダイアー、ラシュフォード、ストーンズらは事実上“レギュラーに定着”していた。そこへ、ウィンクス、ピックフォード、ロフタス=チークらをはじめ、国際的にどころかプレミア通の間でさえ無名同然のソランキー、カルヴァート=ルーウィン、クック、エイブラハム、ガンらを続々とシニアに組み入れ、実際に彼らの大半を対ブラジル、ドイツのフレンドリーに投入し、しかも本番での起用も示唆している・・・・。 ▽是非、以上の面々の年齢を資料などで確かめていただきたい。そして想定フォーメーションに当てはめたうえで「平均年齢」を出してみる。たぶん「22歳」前後に収まるはずだ。可能性は五分五分としても、ケインら現役組をベースとすると“夢”が叶う余地は十分にある。もちろん、彼らに経験を積ませるためではない、勝つためにだ。そしてそれすら、すなわち、20歳そこそこで固めた前代未聞の若い代表チームが栄冠に手が届くことも決して夢ではない、という手ごたえと自信を秘めて。先日、マンチェスター・ユナイテッドの監督ジョゼ・モウリーニョがあるインタビューでドキッとするような、こんなコメントをさりげなく述べていた。「(ロシアでの)イングランドの優勝、うん、あるかもしれない」それはほんのジョゼ流リップサービスに過ぎなかったのかもしれない。しかし、もしも彼がサウスゲイトの“野望”にそそられ、なにげなく“後押し”したくなる気になり始めているとしたら・・・・。この件はいずれ改めて突っ込んで触れよう。無性にわくわくしてきた。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.11.19 13:00 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】どちらも崖っぷちだった…

▽「そっか、勝ち点は同じなんだっけ」。そんな風に私が思い出していたのは金曜日、今節はマドリッドの4チームが全て土曜にプレー、しかも最後を飾るのがワンダ・メトロポリターノで初となるマドリーダービーというビッグデーを前に順位表を確認していた時のことでした。いやあ、この代表戦週間、スペインは親善試合だけだったとはいうものの、さすがparon(パロン/リーガの停止期間)で2週間も空くと、前節の出来事も遥か記憶の彼方へ。 ▽そこでスポーツ紙の各クラブ試合結果ページをチラ見して、そういえば、アトレティコは2試合連続のトマスのゴールで辛くも引き分けを逃れ、0-1でデポルティボに勝ったんだっけとか、レアル・マドリーは3-0とラス・パルマスに快勝したものの、待望のクリスチアーノ・ロナウドの今季リーガ2得点目は出なかったんだっけとか、おさらいしていたんですが、よく見ると、首位バルサとの差はどちらも勝ち点8。つまり双方共、すでに逆転がかなり難しい状況の中、このダービーで負けて、差が11ポイントに広がった暁にはシーズン3分の1経過時点で優勝戦線脱落どころか、今季は優勝絶望という扱いをされる悲しい未来が待っているってことじゃないですか。 ▽まあ、その辺はまた後で語っていきますが、とりあえず、スペイン代表今年最後となったロシアとの親善試合がどうだったのか報告しておくことにすると。先週土曜のコスタリカ戦ではかつての黄金時代を彷彿させるポゼッションサッカーを披露して、5-0と大勝。W杯に向けて、ファンの期待を高めてくれた彼らだったんですが、サンクトペテルスブルクでのこのロシア戦はかなり異なった展開に。いえ、開始9分でアセンシオ(マドリー)のクロスをジョルディ・アルバ(バルサ)がヘッドで決め、35分にも怪しいハンドでペナルティの判定をゲット。キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)が「Hoy es cumpleanos de mi hijo/オイ・エス・クンプレアーニョス・デ・ミ・イホ(今日はボクの息子の誕生日なんだ)」という、かなり個人的な理由でPKキッカーをイニエスタ(バルサ)に譲ってもらい、それが無事に決まったため、リードも2点に広がったんですけどね。 ▽そこに加え、相手がW杯開催国として、この1年間、公式戦をしていないロシアだったせいもあって、気が緩んだんでしょうか。41分にはピケ(バルサ)を切り返してスモロフ(クラスノダール)が放ったシュートで1点差に迫られてしまいます。更に「Cuando perdemos el control no nos sentimos comodos/クアンドー・ペルデモス・エル・コントロル・ノー・ノス・センティモス・コモドス(試合のコントロールを失い、ウチは落ち着かなく感じた)」(ロペテギ監督)スペインは、前半のうちに同点にされてもおかしくない程、攻められていたんですが、それが現実になったのは後半間もなくのこと。ええ、エリア内左奥からジルコフ(ゼニト)が出したボールがナチョ(マドリー)に当たり、ゴール前からミランチュク(ロコモティフ・モスクワ)に押し込まれてしまうとは、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)もとんだ外れクジを引かされたもんですよ。 ▽ただその2分後、今度はセットプレー時にラモスを倒したとして、普通は見過ごされるペナルティをもらえたため、再び当人がPKを決めて、2-3とまたリードしたスペインだったんですけどね。イスコが打撲で代表を離脱、シルバ(マンチェスター・シティ)も後半途中に投入という事情もあり、コスタリカ戦のような優位性を見せられなかった彼らはそれ以降、追加点を奪うことができず。実際、守備の方もロペテギ監督がCB3人制とか、慣れないことを試してみたせいで、選手たちも混乱したんでしょうかね。 ▽25分にスモロフがエリア前から自身2ゴール目を入れて、ロシアに再度同点にされた後は、最後のチャンスもロスタイムにロドリゴ(バレンシア)がGKルネフ(ゼニト)と衝突して、頭を打った相手が担架退場。交代枠がもうなかったため、急遽、グローブをはめたMFグルシャコフ(スパルタク・モスクワ)が活躍する時間もなく、終了の笛が鳴ることに。何せ、せっかく盛り上がりかけていたスペイン代表ですからね。3-3の引き分けは大いに不満の残る結果。それでもロペテギ監督などは、「ウチはW杯にグループ首位として出場を決めた。イタリアやチリが出られないんだから、la nota es alta/ラ・ノタ・エス・アルタ(高成績と言っていいよ)」と就任以来、1敗もしていないこの予選の道のりを評価していましたけどね。 ▽とはいえ、彼らが3点も取られたのは、それこそ2014年W杯ブラジル大会グループ初戦のオランダ戦で1-5と負けて以来だそうですから、やっぱりかつての強さを取り戻した気になるのはまだ早い? 12月1日にはいよいよ、本大会グループリーグ組み合わせ抽選もありますし、ほぼ18~19人は決まったと言われているW杯用招集メンバーも、残りの席を懸けて争っている選手たちもこの先、しっかり精進を続けて、来年6月には最高のチームでロシアに乗り込めるといいのですが…。 ▽そして話をリーガに戻すと、実は今週は天気も良かったため、マドリッドのチームの練習見学にせっせと足を運んでいた私だったんですけどね。まずは火曜、今節はバルサをホームのブタルケに迎えるとあって、兄貴分の期待を一身に背負っているレガネスを偵察。ロッカールームやジムなどがある新しいクラブハウス前にオープンしたインスタラシオン・デポルティボ・ブタルケの新グラウンドは、以前のように四方から丸見えでは訳ではないものの、ファン見学用のスペースもちゃんと用意されていました。丁度、モロッコがW杯出場を決めた後だったのもあって、国旗を持ってアムラバットの応援に来ていた男性などもいましたが、ちょっと厄介なのはまだ施設で工事が続いているせいで、よく出入り口が変わることでしょうか。 ▽ちなみにこの土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのバルサ戦、1つ嬉しいニュースがあって、昨季は1部昇格後のホーム2試合目というタイミングだったため、チケットが早くに完売していたのが今回、試合当日午前10時から600枚が売り出されるということ。値段は50~80ユーロ(約7000~1万円)だそうですが、マドリッドにいるものの、ダービーのチケットが手に入らなかったというファンにはお勧めかも。エスタディオ・ブタルケへはアトーチャ駅から、セルカニアス(国鉄近郊路線)C5でZaraquemada(サラケマダ)駅下車して徒歩20分、もしくはメトロ(地下鉄)5号線のAluche(アルーチェ)駅から、482、491、492、493番のバスに乗って、セントロ(市内中央)から1時間ぐらいで行けますよ。 ▽え、でも相手はメッシがアルゼンチン代表から早帰り、今季無敗の首位だけにマドリッドの弟分チームには難しい相手なんじゃないかって? うーん、確かにガリターノ監督も「去年は前方でプレスをかけるという思い切った策を試して、1-5で負けた。Si vamos con la intencion de disfrutar nos meteran cinco o seis/シー・バモス・コン・ラ・インテンシオン・デ・ディスフルタール・ノス・メテラン・シンコ・オ・セイス(ウチが試合を楽しもうという気持ちで挑めば、5、6点取られるだろう)」と言っていましたけどね。ここ2試合、セビージャに2-1、バレンシアに3-0と上位チームにはとても歯が立たないことも判明してしまったんですが、このバルサ戦で彼らはホームながら、Violencia de genero/ビオレンシア・デ・ヘネロ(異性間暴力)撲滅運動に賛同する紫色の第2ユニフォームを着てプレー。せっかく社会の意識改革に貢献するんですから、ここは何とか、意地を見せてくれることを祈るばかりでしょうか。 ▽そして水曜はアトレティコの夕方練習を見学にマハダオンダ(マドリッド近郊)に行った私ですが、何せあそこはお隣さん同様、ファンが入れる一般公開練習がない上、マスコミも開始から15分しか見られないという徹底ぶりですからね。運良く下のグラウンドでのセッションならば、敷地の外から覗くという手が使えるんですが、ミニスタジアムだとアップで参加選手の顔を確認するぐらいがせいぜい。それだけにモンクロア(市内のバスターミナル駅)から653、654、655番のバスに払う運賃がもったいない気もしないではないんですが、そんな日の私の楽しみは施設のすぐ横にあるカフェテリア、アトゥエルでお茶をすること。 ▽こちら、最近はあまりないんですが、以前はアグエロやコケなどにも店内で遭遇。小腹が空けばサアンドイッチやキッシェなども食べられますし、ケーキ類も充実しているのがウリです。午前11時とかの昼間のセッションであれば、テラスに陣取って、真向かいにある駐車場出口を見張りながら、練習を終えて車で出て来る選手たちを待つにもいい位置かと。ビールの方が嬉しい人には横にバル(スペインの喫茶店兼バー)、ラ・ラソンもありますし、このブロック、裏側もハンバーガーや食事の取れるレストランが鈴なり。ただし、たまにシメオネ監督も姿を見せるデ・マリア(アルゼンチン風肉料理店)も含め、スペインでは午後1時半を過ぎないとキッチンが開かないことが多いため、ランチするなら選手たちのサインをゲットした後の方がいいかもしれませんね。 ▽続いて木曜には土曜午後1時からアラベを迎えるヘタフェを覗きに行ったんですが、通常の午前10時半の開始時間、グラウンドにトップチームの姿はなし。30分程、Bチームの練習を眺めていたところ、ようやく用具係のスタッフが現れたため、訊いてみると、ビデオセッションをコリセウム・アルフォンソ・ペレスでやっていて、開始が1時間程遅れているのだとか。まあ、そんなこともありますが、ラッキーだったのはおかげで日本での治療を終え、負傷後、初めてグラウンドに降りて来る柴崎岳選手に会えたこと。うーん、その日はサッカー・バレーがメインの軽いメニューながら、まだグループには加われず、当人はコーチと2人でずっとリハビリだったんですけどね。 ▽金曜に記者会見したボルダラス監督も「練習はしているが、特別な中敷きが届くのを待っていてサッカーシューズが履けない。復帰までの時間も正確にはわからないし、todavia es pronto/トダビア・エス・プロントー(まだ早いよ)」と言っていたため、今週末の試合に出ないことは確かなんですが、練習姿だけでも見たいファンには朗報かと。こちらはレガネスと違い、メトロ・スールのLos Espartales(ロス・エスパルタレス)駅から徒歩1分にあるスタジアムの右脇の道を下りて行くだけで施設に着けるため、マドリッド観光ついでに訪問するハードルが低いのがいいところでしょうか。 ▽え、それでダービー直前情報はどうなっているのかって? いやあ、まず戦力から言うと、アトレティコはコケ、カラスコ、そしてフィリペ・ルイスにも全快通知が出て、ケガ人が皆無に。ただ、木曜にはシメオネ監督が11人だけを集めてビデオセッションを行ったそうで、そのメンツによると、左SBはリュカ、カラスコもベンチ待機になるよう。一方、マドリーではウィルス性の心膜炎で休んでいたカルバハルが復帰、イスコは水曜から練習に参加しており、クロアチアのW杯予選プレーオフ、ギリシャ戦でお疲れだったモドリッチも金曜には回復したようで、負傷欠場はベイル、コバチッチ、GKケイロル・ナバスの3人だけだとか。 ▽その他、トピック的にはこの代表戦週間中、フランスのTV番組に出演して、「ネイマール、ムバッペとの前線を夢見ることはある?」と訊かれ、またしれっとして「Oui/ウィ(イエス)」と返答。おかげでまた、批判が集まっていたグリーズマンをワンダ・メトロポリターノでのスポンサー契約延長発表のイベントに出席したコケが、「Yo le veo comprometido/ジョ・レ・ベオ・コンプロメティードー(ボクは彼がチームに集中していると思う)」と言いながら、「アトレティコに100%集中していない選手はそう言って、出て行くだけさ」とドライなところも示したため、同僚にクギを刺したなんて報じられていましたけどね。 ▽とはいえ、シメオネ監督も「マスコミがいじりたくなるのもわかるが、es el jugador mas desequilibrante que tenemos/エス・エル・フガドール・マス・デセキリブランテ・ケ・テネモス(彼は我々が持つ一番、均衡を崩せる選手)」というのも事実。ジエゴ・コスタがFIFA処分で来年1月からしかプレーできないため、今はとにかく「Estamos teniendo problemas/エスタモス・テニエンドー・プロブレマス(ウチには問題がある)。練習ではシュートが全部決まるのに、試合になると入らない」(グリーズマン)という逆境を打破していけるよう、当人のご機嫌を損ねないのが大事かと。 ▽その傍らでマドリーにもスペイン代表合宿中にラモスが、「ペペ(ベシクタシュ)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)、モラタ(チェルシー)らに比べて今季の新しい選手には経験がない」というロナウドの言葉を「今、そういうことを言うのはご都合主義的」と反論したなんて騒動も。ただ、ジダン監督によると「Dentro las cosas se arreglan y ya esta arreglado/デントロ・ラス・コーサス・セ・アレグラン・イ・ジャー・エスタ・アレグラードー(内部で片づけることだし、もう解決した)」そうなので、チーム内不和は期待するだけムダというものでしょう。 ▽何より、この2週間、ポルトガル代表にも行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっとシュート精度を磨いてきたロナウドですからね。軽く見たら、痛い目に遭うのはアトレティコの選手たちもわかっているはず。フランス代表でゴールを決め、これをツキを変えるキッカケにしたいグリーズマンとの7番対決にも興味を持たれますが、そんなマドリーダービーは土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。果たしてどちらに軍配が挙がるのか、いやあ、今から私も胸がドキドキしています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.18 13:00 Sat
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【倉井史也のJリーグ】今週はヤマ張って見に行きますよ。優勝? 残留? いやいや?! の巻

▽はっと気づくと残り3節。で、1試合少ない首位の鹿島が2位の川崎と勝点差7なので、今週末の川崎がG大阪に敗れたら、もうそれで優勝が決定。いや、それはないでしょ! だって川崎、こんなに諦めが早いはずがないよ。ルヴァンカップを獲れなかった無念さで、きっとパワーが増したはず! だから今週優勝は決定しないと読んだ! え? 先々週は川崎の優勝を予想してた? いやぁ代表戦の前のことはすっかり忘れてしまってまして。 ▽だから今週は、もしかすると決まってしまうかもしれない残留レース……はちょっと前にやったから、ACL出場争いに焦点を絞りましょ! ▽現在、ACL出場が決定しているのは鹿島だけ。あとのチームの今後は、 2位 川崎(勝点63) G大阪(H・10位)浦和(A・7位)大宮(H・17位) 3位 C大阪(勝点57) 横浜FM(A・5位)神戸(H・8位)新潟(A・18位) 4位 柏 (勝点55) 磐田(H・6位)鹿島(A・1位)広島(H・16位) 5位 横浜FM(勝点55) C大阪(H・3位)仙台(A・12位)浦和(A・7位) 6位 磐田(勝点54) 柏 (A・4位)鳥栖(A・9位)鹿島(H・1位) ▽ってことで、ホームとアウェイの試合数を考えると、川崎と柏が有利。で、対戦相手の順位を全部足しちゃうと、川崎が34、C大阪が31、柏が23、横浜FMが22、磐田が14ってなわけで、これ数字が少ないチームはそれだけ順位が上のチームと当たるってことなんですよ。で、これもやっぱり川崎が有利。まぁこれは順当に川崎がACLじゃないですかね。 ▽で、もう1チームはホーム数で柏、対戦相手の順位でC大阪が有利ってことになっちゃいません? ▽ならば、今週見に行く試合は、柏vs磐田か、C大阪vs横浜FMがベストってことにしちゃいます。順位で考えても上位対決ってことでいいでしょ? ▽とか言いつつ、やっぱり残留争いの直接対決、新潟vs甲府って見ちゃうんだよぁ……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.11.16 19:45 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】収穫多い欧州遠征もベルギー戦には不満が残る

▽ハリル・ジャパンの欧州遠征はブラジルに1-3、ベルギーに0-1と2連敗に終わった。FIFA(国際サッカー連盟)ランクでW杯の組み分けでは第1ポッドの両国だけに、当然の結果とも言える。と同時に、日本の弱点が改めて浮き彫りになった、貴重な2試合だった。 ▽まずブラジル戦。過去1勝もできていない相手に今回も1-3と完敗した。開始直後にネイマールにドリブル突破からウィリアンに決定的なシュートを許したように、日本は1対1の勝負で劣勢に立たされるとボールホルダーに複数の選手がアタックに行くため、フリーの選手を作りやすい。加えて現ブラジルは自陣からのボールカットでカウンターを狙うなど、かつての“サンバのリズム”は過去のものになり、「守」から「攻」への切り替えの速さが最大の武器になっている。そのことを実感させられたブラジル戦だった。 ▽日本はもともと個人技で突破を図る南米勢や、加えてフィジカルの強さがあるアフリカ勢を苦手にしてきた。この差を埋めるのは簡単なことではない。だからこそ、ハリルホジッチ監督はデュエルを日本に求め続けているのだろう。攻守において1対1で負けないベースがあることで、勝負はチーム戦術に移行できる。その前提がまだ日本には欠けているだけに、1対1のデュエルで日本は成長する必要がある。 ▽このため、ロシアW杯で南米勢と同居したら、勝点1を獲得することが最大の目標と言ってもいい。そのためには、なりふり構わず守備に徹し、隙があれば、今回対戦したブラジルや、J1リーグでは磐田のように、カウンター狙いで行くべきだろう。 ▽そしてベルギー戦である。過去2勝2分けと相性は良かった。それというのもベルギーはチームとして攻めてくるからだ。日本がプレスを掛ければ無理して個人で突破を図らない。欧州らしいパス・サッカーではあるが、スペインほどの緻密さはなく、ドイツやオランダのような強引さもない。 ▽今回は初黒星を喫したが、「1人が3~4人も突破してくるのは予想外だった」とハリルホジッチ監督が指摘したように、ナセル・シャドリのドリブルに後手に回ってルカクに決勝点を許した。これも想定外のプレーに対する対応力の未熟さかもしれない。 ▽残念だったのは、その後の試合運びだ。W杯を想定するなら、第1ポッドのベルギーと初戦で対戦し、引き分けられればグループリーグ突破の可能性は残される。それでも今回のようなゲーム展開なら、1-1のドロー狙いでリスクを冒して攻めるのか、あるいは2戦目以降の得失点差を考えて0-1のまま傷口を広げずに試合を締めるのか。その点が明確ではないように感じられた。 ▽今回の欧州遠征はテストマッチに過ぎない。だからこそ、第1ポッドであるベルギー相手に勝つチャンスがあるなら、攻撃の姿勢をもっと強めて欲しかった。ハリルホジッチ監督は杉本、乾、久保、森岡と攻撃的なカードを切ったものの、機能したとは言い難い。交代選手は奮闘したかもしれないが、DFラインの押し上げやパワープレーなど、チームとして波状攻撃を仕掛ける意欲は感じられなかった。 ▽この点については指揮官に問題があったのかもしれない。そのことは、来週のこのコラムで指摘したい。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.11.16 19:30 Thu
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【日本代表コラム】“世界”で戦うために必要なもの

▽ブラジル代表に続き、世界トップクラスの力を持つベルギー代表を相手に善戦した日本代表。「大きなライオンを倒すところまでいった」とヴァイッド・ハリルホジッチ監督が語ったように、ブラジル戦に比べれば前半から戦えていた。 ▽しかし、欧州遠征2試合を見れば2連敗。仮にこれがワールドカップの本大会だったとするならば、日本のグループステージでの敗退は限りなく濃厚になったと言える。運良く3チームが1勝ずつで並ぶ可能性はなくはないが、厳しい状況には変わらない。手放しでは喜べない結果だ。 ◆前半からハイプレスが機能Getty Images▽ブラジル戦は前半から押し込まれる展開となり、「蛇に睨まれた蛙」とでも表現できるパフォーマンスだった。気がつけば3失点と試合の大勢を決められてしまった。 ▽しかし、ベルギー戦は立ち上がりからプレスがハマり、決定機も作れていた。失点シーンはシュートを警戒しすぎたのか、ボックス付近で簡単に突破を許してしまったが、それ以外は水際で体を張ってブロックするなど、守備面での改善は見られた。 ▽特にメンタル面で崩れることが少なく、「選手たちはブラジル戦の後、ブラジルと対等とまではいかないが、戦えるということに気付いた」とハリルホジッチ監督が明かしたように、最後まで戦う姿勢を見せていた。 ▽1試合を通してのハイプレスは難しいが、プレス強度をベルギー戦では使い分けていた。しかし、選手の距離感はまだ怪しい部分も多い。さらに、先発したメンバーと途中出場のメンバーでは、プレスのクオリティに大きな差が出たように感じた。ハイレベルの相手との試合では、途中から試合に入る難しさはあるだろう。しかし、その力は本大会で必ず必要になるだけに、守備面での意思統一はこの先も強化しなければいけない。 ◆一瞬の隙が命取りにGetty Images▽前半を何とか無失点で終え、後半も無失点で試合を進めていたが、一瞬の隙を突いてやられた。ボックス手前でボールを持ったシャドゥリが一気にスペースを突いて4人を置き去りに。クロスに対し、ルカクが飛び込んで先制点を許した。 ▽シュートを打たれる意識があったからか、このシーンではプレスがかかっていなかった。突破されても…という考えがあったのかは分からないが、深くえぐられてのクロス。そして決め切るルカク。一瞬の判断ミスが、失点を招いた。 ▽DF槙野智章を中心に、守備面で粘り強さを見せられていただけに、もったいない失点でもあった。ただし、W杯になれば一瞬でも隙を見せると命取りになる。そのことをこの2試合で体感できたことは、少なからずプラス材料だろう。 ◆足りないのは「スピード」Getty Images▽その他にも気になったポイントは横パスだ。1点ビハインドとなってから、日本は選手交代も含めてギアチェンジ。全体的に攻撃に比重をかけていく。ベルギーは自陣に引いて守備をする場面もあったが、横パスや緩いパスを常に狙い続け、インターセプトから一気にゴール前まで持ち込むシーンも見られた。 ▽また、交代直後のFW杉本健勇が粘って独走し、シュートまで持ち込んだシーンも同様だ。抜け出しまでは良かったものの、最後のところでのスピードアップができなかった。そして、ストライカーとしてシュートの判断は悪くなかったが、より判断のスピードが上がれば、並走していた原口元気も見えたはずだ。W杯本大会ではより少なくなる可能性がある決定機。それを逸することの大きさを感じただろう。 ▽Jリーグが悪い、レベルが低いという訳ではない。しかし、ヨーロッパのトップリーグと比べれば、1つ1つのプレーのスピード、判断のスピード、局面が展開するスピードは大きく違う。「普段なら問題ないプレー」がW杯で戦うのであれば、「問題あり」になってしまう。様々な面で、日本サッカー界全体としての「スピードアップ」はこの先の大きな課題だろう。 ◆12月は世界で戦える選手の選考Getty Images▽「この12月の中で国内組から代表に入るかどうかの決断をする」とハリルホジッチ監督は試合後に語った。12月に国内で開催されるEAFF E-1サッカー大会。国内組で構成される日本代表は、本当の意味でのサバイバルになる。 ▽ハリルホジッチ監督の下で合宿を経験している選手、国内組として常に代表に招集されている選手、そして日本代表としては未知数な選手…。Jリーグでのパフォーマンスを下に、新たな顔ぶれも少なくは無いはずだ。しかし、そこで求められるのは“世界”で戦えるかどうか。国内だけで通用する選手では、本大会のメンバー入りは難しいかもしれない。 ▽今回の欧州遠征には、これまで日本代表を支えてきたMF香川真司やFW岡崎慎司、MF本田圭佑は招集されなかった。ある程度計算できる部分もありながら、満足行くパフォーマンスでないことはそれぞれの選手も理解しているだろう。 ▽しかし、ヨーロッパのトップリーグでの経験値は高い。フィジカル面、テクニック面もさることながら、メンタル面ではより“世界”で戦えるはずだ。その部分も上回れる選手が国内組から現れるならば、日本代表としては本大会に向けて明るい材料になるだろう。基準は“世界”。その点を踏まえ、12月の大会を楽しみに待ちたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.11.15 21:45 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】久しぶりにゴールを沢山見た…

▽「もしかして産休だったんだろうか」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。クリスティアーノ・ロナウドがSNSに挙げた第4子誕生報告の投稿を見た時のことでした(https://www.instagram.com/p/BbaImIfFr0h/?hl=es&taken-by=cristiano)。いやあ、この国際代表戦週間、フェルナンド・サントス監督からポルトガル代表の招集免除をされていた彼ですけどね。確か、この夏のコンフェデレーションズカップでは準決勝でチリに負けた後、3位決定戦は出ずに、到着したばかりの双子のエバちゃんとマテオ君の顔を見るのを楽しみに帰国した当人だったかと思いますが、今度は現在の彼女、ジョルジーナさんが出産とあって、7歳になった長男のクリスティアーノ・ジュニア君と一緒にアラナ・ビクトリアちゃんに病院で面会って、何かあまりにタイミングが良すぎない? ▽まあ、それもポルトガルが先月、W杯出場をグループ1位で決めており、今回は親善試合しかないのと、当人が2008年ユーロ、2010年W杯と続けて制覇したお隣の国を見習い、2016年ユーロチャンピオンとして、国際メジャートーナメント連覇を狙うべく、来年6月にロシアの地に乗り込むチームの先頭に立つことは保証されているため、まったく問題はないんでしょうけどね。逆に2008年から2012年までの黄金期が終わり、W杯ブラジル大会、フランスでのユーロでは低迷しているスペイン代表などにとって、この11月の親善試合はチームの復権を託す本大会メンバーを選ぶための大事なテストマッチ。それだけに、この土曜の試合でいい結果が出たのは私もどんなに嬉しかったことか! ▽そう、満員のラ・ロサレダ(マラガのホーム)にコスタリカを迎えたスペインはカルバハル(レアル・マドリー)が負傷でおらず、GKこそ初出場のケパ(アスレティック)だったという点を除けば、ほぼベストメンバーを並べてスタート。早くも開始5分には今季、リーガで注目の成長株。先月のアルバニアとのW杯予選で代表デビューした右SBのオドリオソラ(レアル・ソシエダ)がエリア内のシルバ(マンチェスター・シティ)に繋ぐと、そのゴール前へのラストパスはモラタ(チェルシー)もイスコ(マドリー)も撃てなかったんですけどね。ノーマークで反対側にいたジョルディ・アルバ(バルサ)が決めて、先制点が入っているんですから、何とも幸先がいいじゃないですか。 ▽続いて22分、今度は自身で直接ゴールを狙ったシルバでしたが、そのシュートはGKが阻止。こぼれ球に素早く詰めたモラタが2点目をゲットすることになります。うーん、この夏、マドリーからロンドンのチームに行ってしまったため、リーガファンが活躍を目にする機会が減ってしまった彼ながら、CLでワンダ・メトロポリターノを訪れた時もしっかり同点ゴールを挙げていましたしね。しばらく絶対的CFの不在で悩んでいたスペインですが、その好調ぶりが続く限り、ロペテギ監督も大船に乗った気でいられる? アトレティコがFIFAの処分を受けているため、来年1月からしかプレーのできないジエゴ・コスタもしっかり、シーズン後半でゴール量産をしないと、本大会メンバーに呼んでもらえないかもしれませんね。 ▽え、それにしても2008年ユーロ優勝から始まったスペイン全盛期からのメンバーで、今年はもう31歳になるベテランながら、シルバの衰えを知らないプレーぶりには驚かされなかったかって? そうですね、前半は2点止まりで終わったスペインですが、55分にはコスタリカDFのクリアミスを拾って、彼が3点目のゴールを入れただけでなく、64分には敵陣エリア近くで果敢にタックルしてボールを奪うと、シュートも決めて自身2得点目って、いやあ、最近は私もマドリッドの両雄クラブのFWたちが次から次へと、失敗するのばかりを見慣れていたせいでしょうかね。 ▽こうもあっさりネットを揺らしているのには…。ラミレス監督が「tiene una lesion de alto riesgo y tuvo una recaida importante/ティエネ・ウナ・レシオン・デ・アルト・リエスゴー・イ・トゥボ・ウナ・レカイダ・インポルタンテ(重度の再発で、高い危険のあるケガをしている)」と言っていたケイロル・ナバス(マドリー)でなかったせいかもしれませんけどね。ゴールってこんなに簡単なものだったのかと、ちょっと目が覚めるような気分になったなんてこともなきにしもあらず。 ▽そして最後は72分、同じくベテラン、33歳のイニエスタ(バルサ)がエリア外からのミドルシュートを決め、とうとう5-0としたスペインでしたが、この大勝にもロペテギ監督は相手を立てることを忘れていません。曰く、「コスタリカはいいチーム。Si nos encontramos en el Mundial, el partido sera muy diferente/シー・ノス・エンコトラモス・エン。エル・ムンディアル、エル・パルティードー・セラ・ムイ・ディフェレンテ(W杯で当たったら、全然違う試合になるだろう)」と、ええ、確かに相手にもブライアン・ルイス(スポルティング・リスボン)やキャンベル(ベティス)といった主力アタッカーが欠けていたというハンデがありましたけどね。 ▽おかげでケパなど、アディショナルタイムにボルヘス(デポルティボ)のシュートを弾くぐらいしか、見せ場が作れなかったんですが…。それでもこの日はほぼボールを独占、スムースにパスを繋ぐ彼らのサッカーを見ていると、何だか、ティキタカ時代のスペインが戻って来たようで、これなら来年の夏に期待してもいいかと。そうそう、毎回、話題になるピケ(バルサ)へのpito(ピト/ブーイング)もこの日はそれをかき消す拍手と半々ぐらいだったそうで、当人もセルヒオ・ラモス(マドリー)と共にハーフでナチョ(マドリー)、バルトラ(ドルトムント)に代わっていますからね。これから次の代表戦がやって来る3月まで、余計なことを言わなければ、だんだんこの現象も沈静化していくんじゃないかと思います。 ▽え、それでご当地出身選手で前日練習では終了後にピッチで息子さんと遊んで、ギャラリーの視線を釘付け。今季はマドリーでもプレゼンス(価値)がどんどん上がっているイスコの活躍ぶりはどうだったのかって? うーん、cano(カーニョ/股抜き)をしたり、器用なボール扱いを披露したりして、スタンドから何度もイスココールを受けていましたが、64分にはDFワストン(バンクーバー)に強烈なタックルを見舞われてダウン。左太ももを痛めたようで、アセンシオ(マドリー)と交代することに。 ▽いえ、試合終了直後のピッチインタビューを受けた、昨季までクラブの同僚だったモラタも「Poca cosa, lo de Isco tiene un golpe /ポカ・コーサ、ロ・デ・イスコ・ティエネ・ウン・ゴルペ(大したことじゃない。イスコは打撲しただけだよ)」と言っていたように重傷ではないんですけどね。次も親善試合のため、日曜にマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)からサンクトペテルスブルクに向かう飛行機には乗らず、マドリッドに帰還しています。 ▽それでもイスコは週末土曜のマドリーダービーまでに復帰できるようですが、どうやらナバスの方は間に合わないようで…。いえ、だからといって、アトレティコがスペイン同様、お隣さんをgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)できるかと言えば、そんなことはまったくないんですけどね。とはいえ、先週はふくらはぎのケガがもう治るはずだったベイルが今度は左太ももに肉離れを起こし、全治1カ月となってしまったマドリーに対し、フランス代表に行っているグリーズマンが奇しくもウェールズ戦でゴールを挙げたアトレティコ。実は彼、10月のW杯予選最終戦以来、クラブでは得点していないため、これはぬか喜びに終わる可能性もありますが、コケもカラスコも代表に行かずにケガを完治。、微妙なのはフィリペ・ルイスぐらいというのは実行戦力という面において、ちょっとシメオネ監督のチームが有利かもしれませんね。 ▽まあ、そんなダービーに関しては日曜にクロアチアがプレーオフ2ndレグでギリシャと0-0と引き分け、総合スコア4-1でW杯出場を決定。モドリッチもベルデベバス(バラハス空港の近く)でリハビリ最終段階に入った後輩のコバチッチを安心させてあげることができましたし、ヴルサリコもアトレティコではなかなか実現しない2試合連続フル出場で貢献したとか、土曜にはアフリカ予選最終節でアクラフが弟分チームのアムラバット(レガネス)、ファイル(ヘタフェ)らと協力してコートジボワールを2-0で撃破したなんてことも。こちらもロシア行きを決めていますし、とにかく代表でのお勤めを果たして帰って来る選手たちが揃わないことにはどうにも予想が立て辛いため、また次回にでもお話しますが、月曜夕方にはスペインの選手たちもサンクトベテルスブルクのペトロフスキー・スタジアム(ゼニトの旧ホーム)で練習。 ▽火曜午後7時45分(日本時間翌午前3時45分)からのロシア戦はW杯用に新築されたクレストフスキ・スタジアムで開催されるんですけどね。芝を荒らさないためのようですが、そのセッションに参加しなかったのはシルバだけで、コスタリカ戦で首を痛めたため、当日まで様子見だとか。それでも今回の代表には、ルイス・アルベルト(ラツィオ)こそ、マラガで代表デビューの夢が叶いましたが、他にもカジェホン(ナポリ)、ビトロ(ラル・パルマス)、スソ(ミラン)、ロドリゴ(バレンシア)と攻撃のオプションはかなり豊富。GKだけはデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)で決まりと言われていますが、それ以外の先発がどうなるかは見てのお楽しみになりそうな。 ▽一方、相手のロシアは先日、アルゼンチンとの親善試合でアグエロ(マンチェスター・シティ)のゴールで0-1と敗れていますが、開催国代表として気合が入っているでしょうからね。いくら現地が気温零度近くと、極寒の気候であることを言い訳にせず、ロペテギ監督下で再生したスペインの強さをこの試合でも思う存分、見せてもらいもの。12月1日にはいよいよ、本大会のグループリーグ抽選もありますしね。トップシードの組に入れなかったため、万が一、スペインがドイツ、ブラジル、アルゼンチンといった強豪国と一緒になることがあったとしても、ロシアまで追いかけるファンのため、2014年のグループリーグ敗退の悪夢の再現など、無用な心配をしないでいいぐらいのチームになってくれると嬉しいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.14 19:09 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】親善試合が終わったら…

▽「W杯前の力試しには最適ね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、というのも相手がブラジルだったおかげでしょうか。こちらでは滅多に見られない日本代表の親善試合がオープン放送で中継されたため、私もTV観戦していたんですけどね。序盤からVAR(ビデオ審判)により、ブラジルにPKが与えられ、ネイマール(PSG)に先制されたのはともかく、それから5分もしないうちにまたペナルティ。2度目のPKは川島永嗣選手が弾いてくれたものの、マルセロ(レアル・マドリー)にエリア前からの弾丸シュートを決められて2点目、36分にも今季はマドリーを離れてマンチェスター・シティでプレーするダニーロが同僚のガブリエル・ジェズスをアシストして3点目。そんな圧倒的な強さを発揮していた相手が、3月の国際代表戦週間にスペインと親善試合をするかもしれないと聞いたから。 ▽幸い後半には槙野智章選手のヘッドで一矢を報いることができた日本でしたが、1-3という結果を見れば、やはりW杯優勝候補の1つに挙げられるサッカー大国と実力的に互角とは言えないのが現実。だったら、先日はアルゼンチン代表参加中のメッシ(バルサ)も「Prefiero evitar a Espana en la fase de grupos/プレフィエロ・エビタル・ア・エスパーニャ・エン・ラ・ファセ・デ・グルッポス(グループリーグではスペインを避けたい)」と言っていたロペテギ監督のチームとなら、いい勝負になると思ったんですが…何より、今度こそ会場がワンダ・メトロポリターノになりそうだとなれば、他にもカゼミロ(マドリー)やフィリペ・ルイス(アトレティコ)ら、お馴染みの選手も多いですからね。対戦相手に私がブラジルを激しく希望してしまったのも仕方なかった? (C)CWS Brains,LTD.▽え、どうやら代表戦デビューも遅かれ早かれ決まりそうなワンダ・メトロポリターノだけど、最近はとうとうスタジアムツアーも始まったというのは本当なのかって?その通りで実は先日、私も見学してきたんですが、行ったのは試合のない日曜の午前中。それでもメトロ(地下鉄)7号線のEstadio Metropolitano(エスタディオ・メトロポリターノ)駅を降りると、スタジアム前の遊歩道はそこそこファンや観光客で賑わっていたため、そろそろここもマドリッド訪問定番メニューに加えてもいいかも。入場券(大人16ユーロ(約2300円)/子供8ユーロ)はオフィシャルメガストアで販売、ツアー入り口は10番ゲートになります。 (C)CWS Brains,LTD.▽今のところ、始まったばかりとあって、ガイドなしで順路もVIPルーム、パルコ(貴賓席)、プレス・コンファレンスルーム、天井の大きな紋章が美しいホームチームのロッカールームを廻ると、それからピッチへ。選手たちの座るベンチやシメオネ監督が立っているテクニカルエリアを体験できる程度なんですが、印象的だったのは試合の時、選手たちが出て行くホールの壁にあったアトレティコのレジェンド2人の名言。ええ、故ルイス・アラゴネス氏の「君たちはアトレティコ・マドリーの選手で外には5万人、君らのために死ねる者がいる。それ故にこのユニフォーム、その誇りのためにピッチに出て、チャンピオンは1人だけ、それは赤と白をまとったチームだと言わないといけない」なんていうのを読むと、結構じわっとくるアトレティコファンは多いかも。 (C)CWS Brains,LTD.▽もう1つはシメオネ監督のもので、こちらは2014年の「これはただのリーガ優勝ではない。この選手たちがあなた方、皆に伝えるのはもっと重要な何かだ。Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(人は信じて努力すれば、実現できる)」という、私もリアルタイムで感激したフレーズだったんですが、うーん、今季のアトレティコは少々、その信念が薄れてきている兆しもなきにしろあらず。ワンダでプレーする時はそれこそ、選手たちもこの言葉を読み直して、気合を入れてプレーしてもらいたいところですが、さて。もしかして、あまりに新スタジアムが壮大すぎて、まだピッチで足が縮こまってしまっているのだとしたら、ちょっと情けないですよね。 ▽まあ、このツアーは現在、金土日の3日間のみ(開催時間はクラブのオフィシャルページ、http://www.atleticodemadrid.com/でTour Wanda Metropolitanoのタイトルのついた記事から確認)、試合のある日はないとのことなので、それこそ博物館も併設されていそうな来年3月の代表戦週間頃を狙って行ってみるというのでもいいかと思いますが、今回、ラ・ロサレダ(マラガのホーム)でコスタリカと親善試合を行うスペイン代表の近況もお伝えしておかないと。火曜からラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿を始めたチームでしたが、初日は午後7時半からの練習を一般公開。いえ、この時期のその時間帯はスペインでも真っ暗なんですけどね。もうこれで今年は代表も見収めとあって、スタンドには大勢のファンが詰めかけることに。 ▽ただちょっと残念だったのは、アップとロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)を終えた後、日曜にクラブの試合があったチーム半数余りの選手たちがロッカールームに引き上げてしまったことなんですが、まあ今回は親善試合しかありませんからね。残ってpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていた選手の中にはピケ(バルサ)がいたものの、その日は10月の公開練習では嵐のように浴びせられていたpito(ピト/ブーイング)がすっかり影を潜めていたのは不思議。うーん、それこそ喉元過ぎれば熱さも忘れるというか、昨今はあまりにカタルーニャ独立問題が大事になりすぎて、ファンもピケ1人に関わりあっていられなくなったんでしょうか。どちらにしろ、代表チームにとってはありがたいことです。 ▽とはいえ、合宿中にラジオのインタビューを受けていたセルヒオ・ラモス(マドリー)も「Esta muy tranquilo, no sabemos lo que le va a durar/エスタ・ムイ・トランキーロ、ノー・セベモス・ロ・ケ・レ・バ・ア・ドゥラール(とても静かだよ。いつまで続くかはわからないけど)」と言っていましたが、何せ、彼には人が予想もしていない時に爆弾発言する悪い癖がありますからねえ。今年の3月、私も現地観戦したスタッド・ド・フランスの0-2と快勝した親善試合の後もいきなり、ミックスゾーンで演説会。その時はサンティアゴ・ベルナベウのパルコでスペインの政治が動くと仄めかし、聞いていた記者たちもポカンとしていたものですが、そんな前例を考えると、このコスタリカ戦、そして来週火曜のロシア戦の後などは要注意かと。 ▽そして水曜、15分間だけのマスコム向け公開練習前にW杯用の新しいユニフォームを着て集合写真を撮ったチームだったんですが、どうやら今回のデザインのダイヤ柄のazul petroleo(アスール・ペトロレオ/石油のような濃い青)が見ようによってはmorado(モラードー/紫色)に映るということから、スペイン内戦前にあった共和国の旗を彷彿させると言われ、マスコミで針小棒大な議論になっていたせいですかね。元々は前回2015年時のような舞台を組んで、アディダスがメガプレゼンを予定していたのが、全員が並んでグラウンドでポーズするだけになってしまったのは残念。おまけに寒かったせいか、皆、すぐジャージを羽織ってしまいましたしね。選手たちが気に入っていたのはラモスのツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/928268541048119298)などからわかりますが、ピッチでどんな風に映えるのかといったことは、土曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコスタリカ戦を待つしかないよう。 ▽ちなみにその日のラス・ロサスでは、初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)と共にビトロ(ラス・パルマス)が記者会見に登場。「彼らの試合は見ているけど、espero que cambie la dinamica/エスペロ・ケ・カンビエ・ラ・ディナミカ(流れが変わることを期待している)」と、1月からプレーすることになっているCLグループリーグ敗退目前のアトレティコに立ち直ってもらいたいようでしたが、もう確率的にかなり厳しいですからね。少なくともヨーロッパリーグ優勝を狙うには、セビージャで前人未到のEL3連覇を果たした彼の経験が頼りになるんじゃないかと思いますが、まあそれは置いておいて。 (C)CWS Brains,LTD.▽その後、協会の本部ビル内にある、サッカー博物館に併設された代表オフィシャルショップ(火曜から土曜10~19時オープン)にも立ち寄った私でしたが、あいにく新ユニフォームは売り切れ。やはりマドリッド市内のメトロ、グラン・ビア駅前にあるアディダスの大型店の方などが品揃えも充実している上、マドリーのユニなども取り扱っているため、イロイロ見たい人には便利でしょうか。そう言えば、そちらではドイツやコロンビア、ロシアなどに混じって日本代表の新ユニも見かけましたが、スペインで売れるのかはちょっと不明。90ユーロ(約1万円)と、値段は国内で買うのとあまり変わらないみたいですね。 ▽そして金曜にはマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)に移動したスペインはスタジアムで前日練習を実施。土曜の試合が早々にチケット完売になったのに加え、このセッションのために無料配布した入場券もあっという間になくなったそうで、中でもご当地選手のイスコ(マドリー)への声援が一際、大きかったとか。実際、彼の好調ぶりはバレンシアのカンテーラ(ユース組織)で一緒だったジョルディ・アルバ(バルサ)も試合前の記者会見で、「Es de los mejores del mundo, aunque no me gusta verlo asi en su club/エス・デ・ロス・メホーレス・デル・ムンド、アウンケ・ノー・メ・グスタ・ベルロ・アシー・エン・ス・クルブ(彼は世界一の選手の1人、そういうプレーを彼のクラブで見るのはイヤだけどね)」と言っていた程ですからね。 ▽ロペテギ監督も「何もなければW杯にも招集されるだろう」と言っていたため、本大会でもチームに大きく貢献してくれることを私も期待していますが、ちなみにその日の練習を見たAS(スポーツ紙)の番記者の予想スタメンを伝えておくと、GKは背筋痛を抱えているレイナ(ナポリ)ではなく、マドリーが来夏の獲得を狙っているという噂が最近、激しくなってきたケパ(アスレティック)がA代表デビュー。DFはオディオソラ(レアル・ソシエダ)、ラモス、ピケ、ジョルディ・アルバ、ボランチにブスケツ(バルサ)、その前にイスコ、イニエスタ(バルサ)、ルイス・アルベルト、シルバ(マンチェスター・シティ)で、ワントップはモラタ(チェルシー)とありましたが、何せ、この代表戦明けにはマドリーダービーが待っていますからね。今回は先輩コケが招集されなかったため、ちゃっかり背番号8をゲットしたアトレティコから1人参加のサウールも適当なところで使ってもらって、サンクトペテルスブルクのロシア戦ではプレーしないで済むといいんですが。 ▽え、金曜にはそのコスタリカ戦にはGKケイロル・ナバスは呼ばれず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっと続けていた負傷のリハビリが最終フェーズに入ったという朗報とは真逆のニュースが、マドリーから発表されたんじゃないかって?そうなんですよ、それは同様にウェールズ代表に行かず、9月末のCLドルトムント戦以来、欠場する原因となった左ふくらはぎのケガの完治を目指していたベイルで、いよいよダービーで復帰かと言われていたんですけどね。練習中に今度は左太ももの肉離れを起こしたそうで、全治には1カ月ぐらいかかりそうな感じだとか。 ▽これでますます、イスコに活躍の機会が増えそうなのはともかく、お留守番組もクリスチアーノ・ロナウドなどにはいい調整期間になっているようですし、ウィルス性の心膜炎を患っていたカルバハルも全快。代表出向選手では先の日本戦で活躍したマルセロを始め、ヴァラン(フランス)、クロース(ドイツ)らは親善試合、W杯プレーオフを戦っているモドリッチ(クロアチア)とアフリカ予選のアクラフ(モロッコ)だけがちょっと心配ですが、前者など、木曜にギリシャ戦でPKゴールを挙げ、1stレグに4-1と快勝したという嬉しい知らせも。 ▽一方のアトレティコもコケとカラスコは全体練習に戻っていますし、フィリペ・ルイスだけがちょっと回復が微妙な程度で、招集組もベルサリコ(クロアチア)以外、ゴディンやヒメネス(ウルグアイ)にしてもヨーロッパ内での親善試合と、今回は長旅をせずに済みますからね。おそらく双方、似たようなチーム状況で18日のダービーに挑むことになるかと思いますが…それはまだ先の話。今はまだどう転がるか、まったくわかりません。 ▽そうそう、マドリッドの弟分チームに関しては火曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレス前にオフィシャルショップがオープン、記念イベントでアンヘル・トーレス会長が、「ガクはあと20日ぐらいで復帰できるだろう。コパ・デル・レイ32強対戦アラベス戦2ndレグかリーガのエスパニョール戦ぐらいにね」と発言したとの情報を得て、木曜には私も練習見学に。ただ、ヘタフェの広報部長によると前日、日本から戻ったと言うものの、グラウンドで柴崎岳選手の姿を見ることはできませんでした。 ▽まだジムで左足中足骨手術からのリハビリをしているそうですが、何せ、その日もボルダラス監督のチームは午前10時半から午後1時近くまで続く、超長いセッションでしたからね。寒風吹きすさぶ中、ずっと見ているこちらも泣きそうでしたが、当人もこれに合流するには相当、体力をつけないと大変かと。また来週辺りには様子を見に行くつもりですが、日本人ファンも応援に来られるよう、なるたけ早く治ってくれるといいですね。。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.11 17:30 Sat
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【日本代表コラム】痛感させられた差、ブラジルが見せた日本に必要なもの

▽結果を見れば1-3と敗戦。内容を見ても、レベルの差を痛感させられた一戦となったブラジル代表戦。しかし、日本代表にとって意味のない試合だったかと言われれば、それは大きな間違いだ。 ◆流れを断ったVARだが…Getty Images▽日本は前半に流れを寸断されるVAR(ビデオアシスタントレフェリー)の判定により、PKが与えられ、ネイマールに先制ゴールを許した。レッドカードに相当するシーンや、得点に直接関与するシーンの判定で用いられることが通例だったが、時間をおいてのビデオ判定。そして、吉田麻也にはイエローカードが提示され、PKもブラジルに与えられた。出鼻をくじかれた感は否めない。 ▽しかし、VARは今後さらに導入され、こういった場面は増えてくるだろう。時には、理不尽な使われ方が起きる可能性もある。しかし、それでも対応していかなくてはいけない。日本代表の選手の心情に“揺らぎ”が生まれ、浮き足立ってしまったのは残念だった。 ▽それは守備面で特に見られた。この試合は、立ち上がりから相手陣内も含めて日本はプレスの強度を高めた。しかし、ブラジルの選手はそのプレスを回避。レベル差を感じさせられる場面は多かったが、日本がプレス強度をより強めれば、ファウルとなった。その結果、2度目のPKを献上。これはGK川島永嗣が見事に防いだが、その流れのCKから最後はマルセロに強烈なミドルシュートを叩き込まれ、あっという間にリードを2点に広げられた。浮き足立つことの恐ろしさを、選手たちは体感したはずだ。しかし、ここで体感できたことはプラスだと考えられる。 ◆バランス、チームとしての規律Getty Images▽日本が苦しめられた点を他にも挙げるなら、前線の強力なパワーもあるが、最も差を感じたのはバランス感覚だ。フェルナンジーニョ、カゼミロ、ジュリアーノの3枚で構成されたブラジルの中盤、マルセロ、ダニーロの両サイドバックは特にだ。攻守におけるブラジルのバランス感覚、そして規律を持ったプレーは、日本を苦しめた。 ▽カゼミロがアンカーのポジションでバイタルエリアを封鎖すれば、フェルナンジーニョとジュリアーノは機を見て前線の3枚と絡み、日本のボックス内にまで侵入した。両サイドバックも左のマルセロが攻撃に比重を置く中、ダニーロは守備を重点に。前線の3枚も流動的に動き、日本を翻弄した。 ▽ブラジルは個人技に優れている部分が目立ち、実際にペースを落とした後半は日本が主導権を握る場面も多く見られるようになった。しかし、チッチ監督によりチームが規律を持ち、ブラジルらしからぬ守り方も前半は見せていた。個に頼る部分が随所に残されているものの、規律まで身につけられてしまっては歯が立たなくなってしまう。 ◆お手本のようなサッカーGetty Images▽もう1つ挙げるとすれば、ブラジルが日本のやりたいことを体現している場面が多く見られたことだ。プレス回避の仕方、中盤のバランスの取り方、そして後方からの追い越し…攻守の切り替え、そして縦に早いサッカーが見られた。 ▽長谷部誠、山口蛍、井手口陽介とボールを奪え、攻撃に転じられる3枚で中盤を構成した。しかし、ブラジルは井手口、山口のプレスを上手くいなし、それによりできたスペースを使った。その後の攻撃は、後方の選手が前線を追い越し、数的有利を作って日本ゴールを脅かした。日本も本来であれば、中盤の高い位置でボールを奪い、後方から追い越す縦に早い攻撃を仕掛けたいはず。しかし、ブラジルに見事にやられてしまった。 ▽特に3点目のガブリエウ・ジェズスのゴールが良い例だろう。左サイドから中央にパス。そのまま右サイドに展開されると、ダイレクトのクロスをファーサイドに走りこんだガブリエウ・ジェズスに決められた。日本も似たようなシーンを作ることは多いが、枚数の不足や展開の遅さ、クロス精度の低さなど基礎能力の面での差も大きい。フィニッシュの部分は、やはり精度を上げなくてはいけない。 ▽前半は攻守の切り替えを早くすれば精度が落ち、精度を上げれようとスピードを落とせばすぐに対処されるというシーンが続いた。両方を一度に上げることは簡単ではないが、ハリルホジッチ監督が当初から掲げていたスタイルは、世界で戦う上では必要だということをまざまざと見せつけられていた。 ◆後半には収穫もGetty Images▽前半は苦戦した日本だったが、後半は手応えを感じられるシーンが増えた。ブラジルが3点リードしたことでパフォーマンスが落ちたことは大いにあるが、スペースを使い、サイドをずらし、危険なシーンを何度も作った。 ▽浅野拓磨が後半開始から起用されると、マルセロの裏のスペースを活用。右サイドから崩しにかかったが、ネイマールとの対峙に奔走していた酒井宏樹のサポートが少なかったこと、アタッキングサードでの精度が低かったことでゴールが生まれなかった。 ▽また、途中から起用された乾貴士、森岡亮太は違いを見せた。2人が入ることで中盤と前線の連動性がより高まり、ブラジルのバランスを崩すことができた。攻撃センスの高い両選手は結果こそ出せなかったものの、光るものは見せた。 ▽特に後半アディショナルタイムのワンプレーは見事。森岡が中盤でダイレクトスルーパスを送ると、高い位置を取っていた酒井宏樹に渡り、深い位置からの折り返しがフリーの浅野に。ゴールには繋がらなかったが、崩しという点ではこの試合で1番の出来だった。浅野に冷静さが加われば、後方に構えた乾がダイレクトで…というタラレバはあるが、ポジショニング、スピード、そしてイメージの共有があれば、ブラジル相手でも崩すことが可能であるという一面を見せられたことは大きい。 ◆ベルギー戦でもチャレンジをGetty Images▽日本がアジアとの対戦で見せるプレーとは異なっていた試合。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が求める“デュエル”の勝率こそ高くなかったが、チーム全体としてボールホルダーへのプレスの強度は悪くなかった。しかし、バランスが崩れたこと、そしてブラジルが何枚も上手だったことで、今回の結果に繋がったと思う。 ▽ワールドカップは格上の相手ばかり。日本が戦えないことはないが、戦い方を間違えれば大敗もあり得る。しかし、相手に対しての有効な策を見出すことができれば、十分に勝機はあるのも事実だ。それだけに、“デュエル”と“縦に早いサッカー”というハリルホジッチ監督が掲げるものは残りの8カ月で高めなくてはいけない。 ▽次の相手は格上であるベルギー。ホームでの開催であり、現チーム初となるブルージュでの試合となる。川島、森岡、久保裕也とベルギーとも関わりある選手が居る日本代表。これまでの対戦成績では勝ち越しているが、今のベルギーは別物だ。目標はワールドカップで勝ち上がること。そのためにも、ブラジル戦を生かし、現在地をしっかりと測る試合をしてもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.11.11 12:57 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】ブラジル戦で秘策を使うのはまだ早い

▽日本代表は11月10日にフランスのリールでブラジル代表と対戦する。日本が初めてブラジルと対戦したのは1989年、横山ジャパンのブラジル遠征だった。当時は当然ながらテレビ中継などなく、0-1という結果が報道された程度だった。 ▽その後、日本はコンフェデ杯やW杯、テストマッチなどで10回対戦したものの、通算成績は2分け9敗と、一度も“サッカー王国”の牙城を崩せていない。唯一、公式戦での勝利は1986年アタランタ五輪のグループリーグでの勝利、いわゆる「アタランタの奇跡」の1回のみだ。 ▽その点はハリルホジッチ監督も織り込み済みで、ブラジルとベルギーの強さを認めた上で、「前回の2ゲームのようではダメで、より相手に近く、それぞれのゾーンで守備を受け持たないといけない。オフェンスでは相手の背中でフリーになること。ボールのあるなしにかかわらず、しっかりスプリントすること。1人でスペースを作り、使うこともあれば、誰かがスペースを作り使用する。しっかり阿吽の呼吸でやらないといけない」とブラジル戦でのテーマを語っていた。 ▽もしも来年のロシアW杯で日本がブラジルと同じグループになったら、参考になるのが昨夏のリオ五輪でのコロンビアの戦い方だ。日本はコロンビアとグループリーグで戦い、2-2のドローに終わった。グループBの首位は初戦で日本を5-4で破ったナイジェリア。コロンビアに2位で決勝トーナメントに進出し、準々決勝で地元ブラジルと対戦した。 ▽コロンビアにはハイメ・ロドリゲスという好選手がいたものの、彼らがブラジル戦で採用したのは8人で守備を固め、前線の中央と左に2人の選手を残すという徹底した堅守速攻だった。そしてブラジルの選手がボールを持ったら、ひたすら肉弾戦を挑んだ。それは、もはやサッカーと言えるプレーではなかった。 ▽そしてクリアは左サイドのハーフライン付近にいる味方FWに蹴り、あとは2人のコンビによるドリブル突破でブラジル・ゴールに迫るという、「運を天に任せる」ような場当たり的な攻撃だった。 ▽しかし、コロンビアは知っていたのだろう。ブラジルを倒すにはこれしか方法がないことを。それでも0-2で敗れた。そして状況は日本も同じだろう。ミラクルを起こすには何かを犠牲にしなければならない ▽ただし、それは11日のブラジル戦ではない。最後の手は来年のW杯に残しておいた方がいい。11日の試合では、攻守において日本のデュエルがどこまで通じるかを試すべきだし、直近の2試合(14年の親善試合と13年のコンフェデ杯)では、ほんの一瞬の隙、マークの甘さ、ゴール前での寄せの甘さを突かれて失点しているだけに、集中力が90分間続くか、駆け引きで後手を踏まないかがブラジル戦では試される。 8日の練習後、井手口は「個人の能力も凄いですけど、組織的なサッカーもしてくるので、こっちも組織で守れるようにしたい」と抱負を語れば、原口は「攻守にパーフェクトな試合をしないといけない。90分間、苦しみますからね。でも、苦しまないと勝ちにつながらない」と決意を口にした。 ▽“ブラジル”という名前に臆することなく、ネイマールやジェズス、ウィリアンらに果敢に挑んで欲しい。現時点で失うものは何もないし、得るものの方が大きいことを選手らも理解しているだけに、11日の試合が楽しみだ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.11.09 18:00 Thu
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【倉井史也のJリーグ】こっちの戦いはよりリアルに楽しめそうですぞ?! の巻

▽ブラジル戦の後ですからね、週末はちょっとみんなボーッとしてJ2の試合を見るんじゃないですか? でも、とってもぼんやり見られるような試合じゃないんですけど。 ▽現在激烈な争いをしてるのは、自動昇格の2位争い。現在2位の長崎が勝点74、3位名古屋と4位福岡は勝点72。で、得失点差で言えば、長崎がプラス13、名古屋がプラス21、福岡がプラス18と、長崎が一番不利なのです。 ▽そんな3チームの足を今週引っ張るのは、長崎が19位讃岐、名古屋が9位千葉、福岡が5位松本。ってことは長崎が一番有利かも。 ▽ではね、ここでそれぞれのカードの対戦成績を調べてみると、 長崎vs讃岐 長崎 2勝4分1敗 得点6失点5 名古屋vs千葉 名古屋 26勝3分12敗 得点80失点53 福岡vs松本 福岡 1勝2分4敗 得点8失点11 ▽で、なんと名古屋が圧倒的に有利。もし過去のデータどおりになったりしたら、名古屋が2位、長崎3位、福岡4位って可能性も。あ、ただし名古屋は今年の対戦で千葉に0-2と敗戦を喫しているし、これはなかなかわからない。 ▽で、もう1つヒートアップしてるのはプレーオフ圏争い。こちらは5位松本が65、6位徳島が64で、ここに7位東京Vの64、8位横浜FCと9位千葉が62、10位大分が61って、残り2試合なのに5チームに可能性がある大接戦。 ▽松本と千葉以外のカードは、京都vs東京V、徳島vs大分、横浜FCvs岡山で、やっぱり直接対決の徳島vs大分って、徳島の得失点差26に対して大分は8だから、たとえ勝点が並んでも不利だけど、こんな混戦なら最後に何があるかわかりませんからね。 ▽で、この徳島vs大分は、なんとJ2での対戦しかなくて、しかも徳島の2勝3分4敗、得点6失点13と、思い切り大分有利という過去の対戦データがあるのです。 ▽あー、そうなってくるともう何が何やら。つーか、たぶん今はJ1よりもJ2のほうが順位予想って難しくないですか? だってJ1って序盤は○○や××が調子よくて、中盤は△△や◎◎が上がってきて、終盤は●●や□□が粘るけど、最後は鹿島って感じですからね。 ▽そういう意味じゃ、いろんなカードが昇格に絡んでるから、今週のJ2はとってもお勧め。ゆめゆめブラジル戦でボーッとしたまま行くんじゃないですぞ。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.11.08 22:45 Wed
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【イケメンアンケート番外編】C大阪&川崎Fの美女サポーターが選ぶイケメンは?! ルヴァン杯決勝で行われた”もう1つの決戦”

▽埼玉スタジアム2002で4日に行われ、劇的な展開でセレッソ大阪が川崎フロンターレに勝利して幕を閉じた2017JリーグYBCルヴァンカップ決勝。その会場の裏では、両軍の誇る美女サポーターによる、“もう1つの決戦”が行われていた…! ▽ルヴァン杯決勝のカードとなったC大阪vs川崎F。その両クラブはイケメン揃い! ということはサポーターも美女揃いに違いない、という完全無欠な理論を組み立てた編集部のNとHが、決戦の地である埼玉スタジアムに足を運んで、美女探し&イケメンアンケートを敢行して参りました! ▽今回は、両クラブからそれぞれ5名ずつをピックアップした計10名を候補者として、サポーターの方に両クラブから1名ずつの計2名を選んでいただきました! 編集部が選定した候補者は以下の通り。 ◆セレッソ大阪(5名) MF山口蛍 27歳 MF清武弘嗣 27歳 MF山村和也 27歳 FW杉本健勇 24歳 FW柿谷曜一朗 27歳 ◆川崎フロンターレ(5名) DFエドゥアルド 24歳 MF谷口彰悟 26歳 MF家長昭博 31歳 MF大島僚太 24歳 FW小林悠 30歳 ▽それでは、突撃取材の模様をお伝えしていきます! (C)CWS Brains,LTD.[左からめいさん、かほさん]◆川崎フロンターレ めいさん:家長昭博 かほさん:エドゥアルド めいさん:「この中だと家長選手ですね!ダンディな感じ!こんなパパだったら嬉しい!」 かほさん:「顔がカッコイイ!外国人ですし!」 ──この中以外に好きな選手が? めいさん:「憲剛…。 イケメンじゃないけど(笑)」 ◆セレッソ大阪 めいさん:杉本健勇 かほさん:杉本健勇 めいさん:「川崎Fにいた時はまあまあカッコよかった(笑)」 かほさん:「今は敵対心もあってカッコよく見えない(笑)」 (C)CWS Brains,LTD.[ 左からさきんちょさん、あいかぴーさん]◆セレッソ大阪 さきんちょさん:山口蛍 あいかぴーさん:山口蛍 さきんちょさん:「顔がもろタイプ~!」 あいかぴーさん:「猿っぽい顔が良いです!」 ◆川崎フロンターレ さきんちょさん:家長昭博 あいかぴーさん:谷口彰悟 さきんちょさん:「もう顔ですね」 あいかぴーさん:「セレッソ大阪にいた時からカッコよすぎて好きです」 (C)CWS Brains,LTD.[ 左からゆきさん、ゆかさん]◆川崎フロンターレ ゆきさん:谷口彰悟 ゆかさん:家長昭博 ゆきさん:「とにかくイケメン!フロンターレのイケメン担当なので(笑)」 ゆかさん:「大人の色気があって~!大人の安心感と余裕感があるので良いです!」 ◆セレッソ大阪 ゆきさん:柿谷曜一朗 ゆかさん:清武弘嗣 ゆきさん:「カッコイイです!」 ゆかさん:「大好きなので!」 (C)CWS Brains,LTD.[ 左からりほさん、まこさん]◆セレッソ大阪 りほさん:山口蛍 まこさん:清武弘嗣 りほさん:「笑った時の笑顔!こんなイカつい顔してても笑った時がめっちゃ可愛いねん」 まこさん:「プレーも素敵やけど子供大事にしているとことか…」 りほさん:「そこ!?」 まこさん:「いやそこやろ~!あと雰囲気がいっちゃん優しそう!どう見ても!」 りほさん:「優しいな(笑)」 まこさん:「人の感じから滲み出てるやん」 ◆川崎フロンターレ りほさん:谷口彰悟 まこさん:エドゥアルド りほさん:「こいつめっちゃ好きやねん!」 まこさん:「うちこの人が良い!」 りほさん:「ほんま外国人好きやな(笑)」 まこさん:「普通に顔がカッコイイ!彫りも深いし」 りほさん:「そこ!?」 りほさん:(谷口選手は)「ただただカッコ良い」 (C)CWS Brains,LTD.[左からさきさん、ゆうこさん、ゆきさん]◆セレッソ大阪 さきさん:山口蛍 ゆうこさん:山口蛍 ゆきさん:山口蛍 さきさん:「男らしい!」 ゆうこさん:「クールなカッコよさ!」 ゆきさん:「同じなんだけど…(笑)」 ◆川崎フロンターレ さきさん:谷口彰悟 ゆうこさん:大島僚太 ゆきさん:家長昭博 さきさん:「世間一般的なカッコよさ!」 ゆうこさん:「可愛いタイプやな!弟みたい」 ゆきさん:「ワイルドでカッコイイ!」 (C)CWS Brains,LTD.[ 左からなっちゃんさん、めぐちゃんさん]◆川崎フロンターレ なっちゃん:エドゥアルド めぐちゃん:大島僚太 なっちゃん:「もう顔が本当にカッコイイと思います」 めぐちゃん:「カッコイイカッコイイって感じなんですけど、可愛らしさもあって一番タイプです」 ◆セレッソ大阪 なっちゃん:柿谷曜一朗 めぐちゃん:柿谷曜一朗 なっちゃん:「笑顔が好き!笑った顔がめちゃくちゃカッコイイ!」 めぐちゃん:「ワイルドもあって、ちょっと可愛さもあるしオールマイティな気がします!」 (C)CWS Brains,LTD.[ 左からまちゃみさん、あっきーさん]◆セレッソ大阪 まちゃみさん:清武弘嗣 あっきーさん:杉本健勇 まちゃみさん:「プレーも好きですし、海外から帰ってきた時のセレッソ愛がとても共感できてカッコ良いと思います」 あっきーさん:「プレースタイルも含めて好きです!普段の私服もカッコ良いですし、一度フロンターレに行って帰ってきてから人間としても一回りイケメンになったなと思います!」 ◆川崎フロンターレ まちゃみさん:谷口彰悟 あっきーさん:家長昭博 まちゃみさん:「もうただのイケメンなので(笑)」 あっきーさん:「チームに馴染むのが早くてフロンターレの顔になりつつあるのを感じます!顔も好きです」 (C)CWS Brains,LTD.[左からカルピスさん、Aさん、Kさん]◆川崎フロンターレ カルピスさん:谷口彰悟 Aさん:大島僚太 Kさん:谷口彰悟 カルピスさん:「プレーもイケメンで万能な感じが!」 Aさん:「ずっと応援しててプレーも全部かっこいいので!」 Kさん:「もう王道です!」 ◆セレッソ大阪 カルピスさん:柿谷曜一朗 Aさん:杉本健勇 Kさん:山村和也 カルピスさん:「チャラい感じが良いです」 Aさん:「今得点めっちゃ決めててカッコイイなと思います」 Kさん:「身長が高いのとちょっと可愛い感じが…お茶目な感じが見受けられるので」 (C)CWS Brains,LTD.[左からAさん、NAHさん]◆川崎フロンターレ Aさん:小林悠 NAHさん:エドゥアルド Aさん:「カッコイイです!」 NAHさん:「顔が本当にイケメン!」 ◆セレッソ大阪 Aさん:山口蛍 NAHさん:清武弘嗣 Aさん:「もうすごいイケメン!言うことないです!」 NAHさん:「キヨは可愛い!」 (C)CWS Brains,LTD.[ 左からのんさん、しいちゃんさん]◆川崎フロンターレ のんさん:大島僚太 しいちゃん:家長昭博 のんさん:「フロンターレになくてはならない存在ですし、プレーがイケメン!」 しいちゃん:「走る姿がカッコイイですし、ボールを全然奪われない!めちゃくちゃカッコイイです!」 ◆セレッソ大阪 のんさん:山村和也 しいちゃん:清武弘嗣 のんさん:「セレッソは今年山村くんの貢献があってのことだと思います!鹿島に居た時とは全然違う活躍ぶりで監督もすごいなと! あとカッコイイです」 しいちゃんさん:「顔が好きです!」 (C)CWS Brains,LTD.[左からANさん、AMさん、ARさん]◆セレッソ大阪 ANさん:清武弘嗣 AMさん:柿谷曜一朗 ARさん:柿谷曜一朗 ANさん:「清武きっかけでセレッソが好きになったので!」 AMさん:「全部が好きです」 ARさん:「同じです」 ◆川崎フロンターレ ANさん:大島僚太 AMさん:谷口彰悟 ARさん:エドゥアルド ANさん・AMさん:「この人が一番カッコイイ!」 ARさん:(エドゥアルドを指しながら)「いや!この人でしょ!絶対!!!」 ANさん:「いきなり入ってきた(笑)」 ARさん:「鼻高いしカッコよくない?」 AMさん:「なんで敵チームなのにテンション上がってんだよ!(笑)」 AMさん:(谷口彰悟を選んだ理由は)「顔です!三浦春馬っぽい!」 ANさん:(大島僚太を選んだ理由は)「結構好きなの!」 AMさん:「てか知ってんのかよ(笑)」 ANさん:「ずっと言ってたよ~!」 AMさん:「あれ?この人だっけ?でも今日出ないって言ってたよね」 ANさん:「そう!ケガしてて!」 ──先ほどスタメンが発表されて復帰しましたよ ANさん、AMさん、ARさん:「ヤバイじゃん!!(笑)」 ▽緊迫の決勝の直前にご協力いただいた皆様、ありがとうございます! 「全員好きだから悩む・・・」「今日は相手のクラブからは選べません! 」といったお声がチラホラとありつつも、ノリ良く笑顔でお応えいただけました。それでは、サポーターから選ばれたイケメン選手ベスト5を発表します! ◆5位 (得票率10.7%) Getty imagesDFエドゥアルド(川崎フロンターレ) ▽5位に入ったのは甘いマスクが魅力のエドゥアルド選手! エドゥアルド選手を選ぶ方は、脇目を振らずに即決で票を投じる傾向が高かった印象です。彫りの深さに端正な顔立ちと、もはや嫉妬をする気にもなりません! ◆同率5位 (得票率10.7%) Getty images MF清武弘嗣(セレッソ大阪) ▽続きましては、同率で日本代表に待望論も多い清武選手がランクインしました! 「優しそう」「可愛い」といった意見が多く、C大阪のみならず川崎Fサポーターの方々からも満遍ない人気を誇っております。 ◆3位 (得票率12.5%) Getty images MF家長昭博(川崎フロンターレ) ▽3位に入ったのは、潜在能力は日本人選手ナンバー1とも噂される家長選手! 特徴とする抜群のキープ力を場外まで延長し、ボール同様ファンの方々のハートもがっちりと掴んでいるようです。 ◆同率3位 (得票率12.5%) Getty images MF山口蛍(セレッソ大阪) ▽これまた同率で3位となったのは、豊富な運動量でC大阪&日本代表の中盤を支える山口選手! 今回ランクインした山口選手は、なんと獲得票のほとんどがC大阪サポーターによるもの。対戦相手に緊張を走らせる存在となっている一方で、キンチョウでは愛されております! セレ女票ナンバー1! ◆2位 (得票率14.3%) Getty images FW柿谷曜一朗(セレッソ大阪) ▽同率5位、同率3位、と続いて単独2位に躍り出たのは“伝統の8番”を着用する柿谷選手です! 柿谷選手はそのプレーぶりを表すように、「可愛い」「笑顔が素敵」「かっこいい」など様々な理由で女性のハートを射抜いた、まさに万能型イケメン! 敵味方問わずそのトラップに溜息が出てしまうよう、票も両サポーターから均等に集まりました。 ◆1位 (得票率16.1%) Getty images MF谷口彰悟(川崎フロンターレ) ▽そして、栄えある1位に輝いたのは谷口選手! やはりこの男か・・・! 「とにかくイケメン」「顔が整っている」など、ぐうの音も出ない意見が多く、票の内訳は川崎Fサポが3割、C大阪サポが6割といった割合。相手サポーターですら虜にするその魔性の魅力・・・1%でいいから分けていただきたい・・・! ▽今回のイケメンアンケートは以上のような結果に。上位6名の内、5位と3位が同率でお互い譲らなかったものの、頂上決戦で谷口選手が柿谷選手を上回り、“もう1つの決戦”では川崎Fが勝利を収める形となりました。今回ランクインした選手以外では、大島選手や杉本選手が惜しくも選外に。主に一般の方を対象に行っていた10月中アンケートでは、2名とも高い人気を誇っていただけに、今回の激戦具合がうかがえました。 ▽番外編として行った今回のアンケートは、いかがでしたでしょうか? C大阪のサポーターの方、川崎Fのサポーターの方、それぞれが応援するクラブへの愛情をたっぷりに伝えていただけましたので、編集部Hなどは決勝でどちらを応援していいか分からない状態に(笑)。そして、そんな編集部Hが私見を一言。「美女サポーター対決はどちらも優勝です! 」 2017.11.08 19:45 Wed
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【編集部コラム】“勝利”を知る石井正忠監督を招へいした大宮、指揮官の熱き想いに応えられるか

▽失意のJ2降格、J2優勝、クラブ史上最高のJ1・5位フィニッシュ── 2004年のJ1初挑戦からほぼ毎シーズンのように残留争いを繰り広げてきた大宮アルディージャ。ここ数年は浮き沈みが激しいシーズンを過ごし、今シーズンは再びJ2降格の窮地に迫っている。 ▽そんな中、大宮はクラブをよく知り、約3年間指揮を執ってきた渋谷洋樹監督を5月に解任。後任にはコーチを務めていた伊藤彰監督を据えたが、11月5日、シーズン3試合を残して突然の解任を決断した。そして、後任に招へいしたのは、今年5月まで鹿島アントラーズを率いていた、石井正忠監督だった。 ▽突然の発表に、大宮サポーターだけでなく、鹿島サポーター、その他のJクラブサポーターも驚いた方は少なくないはずだ。事実、石井監督就任のリリースを目にした時は、私も驚きの声を挙げてしまった。 ◆窮地に立たされる“古巣”を救うために立ち上がる(C)CWS Brains,LTD.「このチームへの思い入れもあり、今回はこの状況をどうにか脱したい。リーグ戦残り3試合、勝利で終わりたい。そういった気持ちで、監督のオファーを受けました」 ▽監督就任発表から2日後、7日に石井監督は就任会見に臨んだ。午後からの初練習を終え、大宮アルディージャ仕様のネクタイ、クラブのピンバッチをつけ、報道陣の前に登場した石井監督は、冒頭に力強く語った。 ▽順天堂大学から1989年にNTT関東へ入団した石井監督は、1990年まで2年間所属。1991年に鹿島アントラーズの前身である住友金属工業へと移籍し、Jリーグ開幕からは鹿島でプレー。1998年にアビスパ福岡で現役を引退した。 ▽アマチュアでありながら新卒として2年間プレーした大宮アルディージャへの想いは、石井監督の心の中に眠っていたようだ。 ◆期待される勝者のメンタリティの伝播Getty Images▽石井監督は、現役時代に6年間、指導者として約19年間、“常勝軍団”鹿島アントラーズで“勝利”を目指すメンタリティを培ってきた。 ▽2015シーズンにはトニーニョ・セレーゾ監督の解任に伴い、監督に就任すると、同年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)を制覇。2016シーズンは明治安田生命J1リーグの1stステージを優勝。年間勝ち点で3位になったものの、チャンピオンシップを制しリーグ優勝。さらに、天皇杯も制し、2シーズンで国内3タイトルを獲得した。 ▽J1残留争いをし続けてきた大宮に足りないものは、ずばり“勝利”。そして、石井監督がサッカー人生で追い求め続けてきたものは、その“勝利”だ。残り3試合でJ1逆転残留を目指す大宮にとって、最も必要なものをもたらせてくれるかもしれない。 ▽「勝負に対する執着心を伝えていきたいと思います」。石井監督は鹿島アントラーズで培ってきたものの中で一番伝えたいことを聞かれて答えた。残り3試合で残留を掴むために必要なもの。それはまさに「勝負に対する執着心」だろう。 ◆石井監督が訴えた大きなもの(C)CWS Brains,LTD.▽就任会見で受け答えている石井監督は1つのことを何度も主張していた。それは「クラブ」のあり方だ。 「クラブが一体となって1つの方向に向いていることが一番大きな部分だと思います」 「クラブ全体が現場をサポートして行くべきだと感じています」 ▽鹿島で石井監督が培ったものは、この「クラブ」という考え方だろう。鹿島のタイトル数は、当然ながら選手、監督、コーチングスタッフの努力があったからに違いない。しかし、ファン・サポーター、フロント、その他、地元住民も含めてクラブに関わる多くの人が、同じものを求めたからこそとも言える。そして、それが大宮アルディージャには欠如しているとも感じたのかもしれない。 「今までの大宮アルディージャは、それぞれの選手が非常に頑張っていると思いますが、チームの一体感という部分が少し欠けているなと感じました」 ▽選手の能力の高さ、大宮の長所についても敵将として把握していた石井監督。そして、足りていない部分も当然ながら見えていた。だからこそ、自身がそこに変化をもたらせ、クラブの大きな目標である「J1残留」を掴むべく、厳しいミッションに挑むことを決断したのだろう。 ◆熱き想いに大宮アルディージャは応えられるかGetty Images▽残り3試合となったJ1だが、次節にも降格が決定してしまう可能性がある。そんな難解なミッションに挑むことになる石井監督は、会見中に思わず言葉に詰まり、目に光るものを浮かべながら決意を口にした。 「本当に厳しい状況で、大変な仕事だと思いますが、それを今までやってきた選手、コーチ、指導者、監督、そういった私の経験をこの短期間でもクラブに何か残すことができればという思いもあって、この状況でも引き受けることを決断しました。最大限の努力をしたいと思います」 「本当に言葉で言うのは簡単ですが、この状況を短い期間で、クラブ全体で勝ち取りたいと思います」 「そういった気持ちでやらないと、この3試合は絶対に勝ちきれないと思うので、その気持ちを全面に出して3週間、4週間を過ごしていきたいと思います」 ▽その姿から、改めて大宮を残留させるための強い決意を持ち、窮地の古巣を救うべくオファーを受けたのだと感じさせた。そして、その熱い想いを持つ指揮官に対し、残り3試合となったシーズンで選手、クラブは応えなくてはいけない。そして、ファン・サポーターもそれは同じだ。 ▽勝者のメンタリティを持つ指揮官に率いられ、残り3試合での逆転残留。それは、石井監督と親交が深い渋谷元監督、そして志半ばで解任の憂き目にあった伊藤前監督のためにも、果たさなくてはいけない使命とも言えるだろう。クラブに関わる全ての人が1つになり、勝利を求めることが必要だ。 ▽来週末から再開するJ1リーグ。残留争い百戦錬磨の大宮が、降格圏からの大逆転を果たすストーリー。石井監督の就任によって、その筋は描かれたように思う。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.11.07 23:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】このままダービーを迎えるのは怖い…

▽「今はあまり練習する必要もないのよね」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、スペイン代表がいつもより1日遅く、火曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合することを知った時のことでした。そう、10月のW杯予選でグループ首位として、来年6月のロシア大会に参加することが決まった彼らの今回の国際代表戦週間は親善試合のみ。2位でプレーオフに回ったイタリアがスウェーデンと命運を懸けて戦うのを高みの見物と洒落込んで、土曜にマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)でコスタリカと、そして来週火曜にサンクトペテルスブルクでロシアとプレーする際には、久々に呼ばれたアルベルト・モレーノ(リバプールの左SB)や初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)ら、ロペテギ監督も思う存分、選手を試すことができるっていうことです。 ▽どちらにしろ、火曜の午後7時半からあるこの合宿、唯一の一般公開練習にはモンクロア(マドリッド市内のバスターミナル)から628/629番のバスに乗って行ってみるつもりですが、今、私がちょっと気になっているのはこの月曜に発表されたW杯用の新ユニフォーム(http://www.sefutbol.com/sabes-donde-puedes-comprar-ya-nueva-camiseta)。協会によると、来週月曜まではラス・ロサスの施設内にある代表オフィシャルショップとアディダス直営ショップのみでの限定販売だそうですが、まあ練習の日に見られなくてもグラン・ビア(市内の中央大通り)にはアディダスの大型店もありますからね。コスタリカ戦では選手がそれを着てプレーしてくれるそうですし、そんなに焦ることはないんですが…1994年W杯アメリカ大会のバージョンを模した右側に黄色と紺の菱形ストライプが入ったこの新ユニ、同大会での準々決勝敗退という結果以上を出せるラッキーアイテムとなってくれるんでしょうか。 ▽まあ、代表戦のことはまた後で話すとして、先に先週末のリーガがどうだったのかをお伝えしておかないと。今節はマドリッドの弟分にはいい目が出ず、ベティスとのアウェイ戦に挑んだヘタフェが2-2と引き分けた翌日、レガネスも土曜のお昼のバレンシア戦でパレホ、ロドリゴ、サンティ・ミナにゴールを入れられて完敗。いやあ、確かにガリターノ監督も「この3-0というスコアを見れば、誰でも何がああいったチームとの差なのかわかる。Ni aun jugando bien eres capaz de sacar nada/ニ・アウン・フガンドー・ビエン・エレス・カパス・デ・サカール・ナーダ(ウチがいいプレーをしていたって、何も得ることはできない)」と、前節のセビージャ戦からの連敗にリーガ上位候補との実力の違いを痛感していたようですけどね。 ▽実際、ローコストの選手で構成されているレガネスの目標は1部残留のため、今も9位ですし、これからも同等チームとの対戦でしっかり勝ち点を稼いでいけば問題はないんですが、paron(パロン/リーガの停止期間)明けにはバルサ戦が控えていますからね。やはり3連敗ともなると選手たちの士気に良くありませんし、それこそ先日は昇格組のジローナが兄貴分のレアル・マドリーに勝つという僥倖があったばかり。となれば、月火の練習休みの後、新グラウンドもオープンしたというインスタラシオン・デポルティボ・ブタルケで水曜から再開される練習では、各国代表に出向する選手がアムラバット(モロッコ)1人しかいないという強みを生かし、気合も新たにトレーニングに励んでもらいたいものです。 ▽そして同じ土曜、やはりアウェイでデポルティボ戦となったのがアトレティコで、うーん、最近は私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に彼らの試合を見に行くたび、あんなチームを応援している自分が変な奴に思われていないかと恥ずかしくなる、何年かぶりの肩身の狭さを感じているんですけどね。その日も先週ミッドウィークのCLカラバフ戦からプレーが向上した気配がまったくなく、中盤でパスがまったく続かないわ、ロングボールは必ず敵選手のものになるわ、グリーズマンのシュートはGKにセーブされるわと、とにかく頭が痛くなる一方だったんですが、デポルティボにも決定力が欠けていたのが幸い。 ▽よって90分が0-0で終わり、またドローかと溜息をついていたところ、いやあ、たまにはツキが回ってくることもあるんですね。いえ、ロスタイムにリュカがエリアすぐ前で倒されてFKをゲットした時には、別にアトレティコにはメッシやクリスティアーノ・ロナウドのように直接狙って成功するキッカーがいる訳じゃないしと、あまり期待はしていなかったものの、何とガビが短く横に出したボールをトーマスが弾丸シュート。GKパンティリモンは一歩も動けず、土壇場で1点をもぎ取った彼らが0-1で勝利って、まったく冗談みたいじゃないですか。 ▽ただ、「ガビとボクで決めたんだ。Hemos trabajado en los entrenamientos el pegarle asi/エモス・トラバハードー・エン・ロス・エントレナミエントス・エル・ペガールレ・アシー(練習でああいう風に蹴るってね)」と後で打ち明けていたトーマスでしたが、実を言うと、先日のカラバフ戦同様、それまではミスのオンパレード。見ているのが辛くなる程の酷さでありながら、その時も彼がエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパードール)で1-1の同点に持ち込み、驚かせてくれたんですが、要はパスやボール扱いとシュート能力にはまったく関係がない? ▽というか、両方とも秀でていたなら、アトレティコなどにはおらず、それこそお隣さんの選手になっていたりするんじゃないかと思いますが、これで今季4ゴールでチームの得点王となったからって、この先もトーマスの決定力だけにチームの命運を預ける訳にはいかないですからね。その日はグリーズマンを後半35分で下げ、代わりにCBのヒメネスをボランチとして入れることで「buscaba fortalecer el medio campo, buscamos el gol con Saul, Gameiro y Gaitan/ブスカバ・フォルタレセル・エル・メディオ・カンポ、ブスカモス・エル・ゴル・コン・サウル、ガメイロ・イ・ガイタン(中盤を強化して、サウール、ガメイロ、ガイタンで得点を目指そうと思った)」とシメオネ監督は言っていましたが、このFW陣のゴール日照りぶり、いくらここまでリーガ11試合無敗、昨季の同時点より勝ち点2多いとはいえ、かなり心配ですよね。 ▽え、せっかくアトレティコが勝ったのに私が喜べないのは次の試合がマドリーダービーだからじゃないかって?そうですね、デポルティボ戦でも相変わらず、ひどいサッカーをしていた点についてはこの火曜、マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場で午前11時から始まるセッションから改善に取り組んでもらうしかないんですが、今回の各国代表戦ではすでに予選敗退の決まったオブラク(スロベニア)やサビッチ(モンテネグロ)は試合がなく、トーマス(ガーナ)も出場停止なので行く必要はなし。負傷中のコケ(スペイン)とカラスコ(ベルギー)、フィリペ・ルイス(ブラジル)もこの2週間で全快する見込みと、不在なのはグリーズマン(フランス)、ゴディンとヒメネス(ウルグアイ)、リュカ(フランスU21)、そしてギリシャとのW杯予選プレーオフに挑むクロアチアのヴルサリコと極少数に留まったこともありがたいんですが、同様にcrisis(クリシス/危機)状態と言われていたマドリーが翌日曜のラス・パルマス戦で何だか、立ち直ってしまったみたいなんですよ。 ▽いえ、ジローナ戦、CLトッテナム戦の連敗を経て、大胆なローテーションをするんじゃないかと言われていたその試合、ジダン監督はW杯出場の懸かった代表戦の待っているモドリッチ(クロアチア)を控えに、アクラフ(モロッコ)をベンチ外にしただけで、アセンシオやCBバジェホが先発に入った程度のメンバーチェンジだったんですが、前半はまるでお隣さんに憑依されたようにボールが繋がらず。40分にようやくCKからカセミロのヘッドが決まり、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドからの一斉pito(ピト/ブーイング)を避けた彼らだったんですけどね。ハーフタイムに「監督からllevaramos el balon de lado a lado con circulaciones rapidas/ジェバラモス・エル・バロン・デ・ラードー・ア・ラードー・コン・シルクラシオネス・ラピダス(素早くボールを回してサイドチェンジをするように)と言われた」(バジェホ)のが功を奏したんでしょうか。 ▽後半10分にはGKラウールがパンチングしたボールをエリア外でアセンシオが待ち受け、25メートルの距離から狙い澄ました一発を決めたため、会場の雰囲気が一変。ラス・パルマスも前半こそ、器用にパスを回していたものの、時間の経過と共に疲れが出たか、28分にはとうとうマドリーのお家芸、高速カウンターにはまってしまってはどうしようもありませんって。ええ、この日はロナウドがドリブルで右サイドを上がり、ゴール前にラストパス。ピッチ中央を一緒に全力疾走してきたイスコがこれに合わせ、3点目をゲットしたとなれば、もう勝利は安泰です(最終結果3-0)。 ▽ただ、こちらもいい話ばかりではなくて、この試合でも今季まだリーガ1得点のコンビ、ロナウドとベンゼマのゴール日照りは続行。いえ、後者などは序盤、GKとの1対1を失敗し、交代時にもブーイングを受けながら、特に表情に変わりなかったんですが、「Cris es cierto que se va a casa molesto cuando no mete/クリス・エス・シエルトー・ケ・セ・バ・ア・カサ・モレスト・クアンドー・ノー・メテ(ロナウドはゴールを入れないとムクれて家に帰る)」とセルヒオ・ラモスも言っていた通り、前者はイスコのゴールが決まった時もまったく喜ばず。ジダン監督は「アシストして彼は満足しているよ」と一応、フォローしていましたけどね。今月はフェルナンド・サントス監督からポルトガル代表参加も免除されているため、サウジアラビアとアメリカ相手の親善試合でゴールを量産する機会を逃し、逆にこの2週間、当人がフラストレーションを溜め続けることにならない? ▽加えて、10月の代表戦直前から負傷で欠場が続いているベイルも今回、ウェールズ代表には行かず、ダービーで復帰予定ですし、ベンゼマはずっとデ・シャン監督に呼ばれていませんからね。18日のワンダ・メトロポリターノにはBBCが勢揃いというのも怖いんですが、他にもカルバハル(スペイン)がそろそろ実戦に戻れそうだとか。ヴァランも元気になってフランス代表に行きましたし、唯一、コバチッチだけはまだ時間がかかりそうで、今回も先輩モドリッチが何とか母国をロシアに導いてくれるよう、マドリッドで応援。ブラジルの親善試合に参加するマルセロ、カゼミロも日本戦はリールで、イングランド戦はロンドンでと短い旅程ですし、スペイン代表もラモス、ナチョ、アセンシオ、イスコの4人だけと最近は少ないんですよ。 ▽となると、あまり代表疲れしてダービーに臨む選手もいないかと思いますが、こればっかりはねえ。ちなみにマドリーのバルデベバス(バラハス空港近く)でのセッションは水曜午後4時から再開されますが、この代表戦週間は有名選手が結構、残っているため、マドリッド観光に来ているファンなら、クラブのオフィシャルページ(http://www.realmadrid.com/)でentrenamiento(エントレナミエントー/練習)の予定をチェックして、セルカニアス(国鉄近郊路線)C-1号線Valdebebas(バルデベバス)駅から歩いてすぐの関係者用車両出入り口前で選手を待つなんてしても楽しいかも。 ▽彼らの車が止まってくれるのは帰りの方が多いんですが、目安として、セッションは1時間程。それから着替えやマッサージをして、それぞれ三々五々、出て来ることや、最近のマドリッドは急激に気温が低下している上、現地は吹きっさらしでお店も何もないため、しっかり防寒していった方がいいというのがアドバイスになりますでしょうか。そうそう、代表戦週間中は大抵、どのクラブも週末は練習休みになるのも覚えておいた方がいいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.07 12:21 Tue
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【編集部コラム】17年越しのリベンジを果たした尹晶煥がC大阪にもたらした変革

▽「私自身の歴史も、新しいものが始まりました」。試合後に笑顔で語ったのは、セレッソ大阪の尹晶煥監督。積年の想いを、自身が作り上げ、変革をもたらした古巣のセレッソ大阪で果たすことに成功した。 ▽現役時代に韓国代表としても活躍した尹晶煥監督は、2000年に桜色のユニフォームに袖を通した。選手として3シーズンを過ごしたセレッソ大阪の指揮官に就任した尹晶煥監督は、チームの改革に動く。 ◆J2仕様からJ1仕様へ(C)CWS Brains,LTD.▽2014年にJ2へと降格したセレッソ大阪は、2015年に昇格を争いながらもプレーオフで敗退。2016年は、バーゼルからFW柿谷曜一朗、川崎フロンターレからFW杉本健勇、シーズン途中にハノーファーからMF山口蛍が復帰し、J1昇格プレーオフを制してJ1復帰を果たした。 ▽3年ぶりのJ1挑戦となったセレッソ大阪の指揮官に就任した尹晶煥監督は、J1で戦うべく古巣に改革をもたらす。サガン鳥栖時代にも見せていた“ハードワーク”を選手たちに植え付け、各個人の守備意識に変化をもたらした。 ▽テクニックに秀でた選手が多く、攻撃で違いを生み出せる選手が揃っていただけに、シーズン当初は噛み合わない時期もあった。それでも、選手たちに意識が芽生え、チームは安定した成績を残し、ルヴァンカップの決勝でも破壊力のある川崎フロンターレ相手にその成果を見せつけた。 ◆植え付けられた守備の意識(C)CWS Brains,LTD.「まずは失点しないことが大事ですが、やっぱりどうやって守備をするかが大事です。それを今選手たちは凄く良くやっていると思います」 ▽尹晶煥監督のサッカーは、守備をベースに置きながらも、ただ守るだけではなく、相手の長所を消すスタイルを用いている。「(長所を)出せなくすることが良く当たっていた試合だと思います」。尹晶煥監督は、自身が植えつけた戦い方に満足感を見せていた。 ▽また、選手たちの口からも、守備のことが語られる。清武は「相手が明らかに僕のサイドを押し込んできていたので、そこで割り切って、守備に専念して、カウンターを狙うことにした」とコメント。攻撃面で違いを出せる清武でさえも、MF家長昭博、DFエウシーニョと対峙した左サイドでは、ピッチ内で判断し守備に奔走。最終ラインに吸収されてまで守備を遂行した。 ◆川崎フロンターレへのリベンジ(C)CWS Brains,LTD.▽尹晶煥監督は優勝決定後の会見で過去の出来事を回想した。 「川崎といえば、17年前のことを思い出します。優勝を目の前にして、優勝を逃した記憶が蘇ります。17年たって、やり返すことができたと思います」 ▽尹晶煥監督の現役時代、セレッソ大阪に加入した2000年のJ1は2ステージ制だった。セレッソ大阪は、1stステージの第14節を終えた時点で首位。最終節の川崎フロンターレ戦に勝利すれば、ステージ優勝が達成できた。 ▽J2から昇格1年目だった川崎フロンターレは、1stステージで15位と苦戦。セレッソ大阪としては勝利が濃厚と思われていたが、試合はホームで1-2と敗戦。横浜F・マリノスに首位の座を奪われ、タイトルを逃していた。 「歴史というものは、こういう風に勝って歴史を書き換えられると思います。今日の勝利で、セレッソの新しい歴史が加わると思います」 ▽現役時代にセレッソ大阪で成し遂げられなかったタイトル獲得。タイトルに近づいた当時を知る尹晶煥監督にとって、この日は待ち遠しかったに違いない。冒頭にも書いた「私自身の歴史も、新しいものが始まりました」というフレーズ。尹晶煥監督は現役時代にタイトルと縁がなく、自身にとっての初タイトルがセレッソ大阪にとっての初タイトルとなった。 ◆再びカップをピンクに染められるか(C)CWS Brains,LTD.▽晴れて無冠から脱出したセレッソ大阪。今シーズンのリーグ優勝はなくなったが、2冠の可能性は残されている。2018年の元日に行われる天皇杯決勝。再び、カップをピンクに染めるチャンスが待っている。 ▽「メンバーだけを見れば、優勝という言葉も出てくるでしょうが、全てが揃っているとは思わないです」とシーズン前の尹晶煥監督はコメントしていた。下馬評の高さに踊らされない芯の強さを感じたコメント。しかし、ルヴァンカップを制した後は「これが決して終わりではありません」と更なる結果を残す意欲を口にした。 ▽準決勝、決勝と残されているが、天皇杯は自分たちの力で掴むことができる状況に立っている。「全選手を信じて起用し、選手たちがそれに応えてくれたので、信頼感が高くなったと思います。その結果、こういったチームになったと思います」。尹晶煥監督は、自身が作り上げたチームに自信を持っている。 「大勢の方々がスタジアムに足を運んでもらって、我々に声援を送っていただければ、その力で後押しに走る姿をお見せします」 (C)CWS Brains,LTD.▽シーズン前に尹晶煥監督はこう口にしていた。そして、開幕から約8カ月が経った11月4日、その約束を果たし、ファン・サポーターの後押しを受けたチームは、悲願のタイトルを獲得した。 ▽ファン・サポーターを含め、レギュラー組、ベンチメンバー、ベンチ外のメンバー、さらにはスタッフなどクラブ一丸となって初タイトルを獲得したセレッソ大阪。チームはまだ途上にあるが、尹晶煥監督がクラブにもたらしている変革は、大きなものになるに違いない。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.11.06 21:50 Mon
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【編集部コラム】自信に満ちた鬼木フロンターレでも乗り越えられなかった壁

▽タイトルに手が届きそうで届かない。川崎フロンターレはまたしても壁にぶち当たった。 ▽11月4日に埼玉スタジアム2002で行われた2017JリーグYBCルヴァンカップ決勝のセレッソ大阪戦。川崎Fは0-2で負け、クラブ史上初のタイトル獲得を逃した。 「勝てなかったことは本当に悔しいですし、自分の力不足を感じています。何が何でも選手たちにタイトルを獲らせてあげたいという思いがありましたけど、なかなかそういう結果に結びつけることができず残念であります」 ▽今シーズンから川崎Fを率い、「クラブに初載冠を!」との重責を託された鬼木達監督はC大阪との決勝戦後、そう敗戦の弁を絞り出した。 ◆自信に満ちた決勝前日(C)CWS Brains,LTD.▽それもそのはずで、過小評価するわけではないが、決勝の相手は、自分たちと同じようにタイトルに無縁だったC大阪。Jリーグ最多タイトル数を誇る鹿島アントラーズでなければ、次点のガンバ大阪でも、浦和レッズが相手でもなかった。それだけに、悔しさは一入だったはずだ。 ▽さらに付け加えれば、近年に経験したタイトルマッチという場数の面においても、C大阪よりも川崎Fの方に分があった。両クラブの監督と選手を交えた前日記者会見でも、鬼木監督はある程度の手応えと自信に満ちていた。 「今年、『絶対にタイトルを獲ろう』という思いの下、キャンプをスタートさせた。なので、タイトルの懸かった試合を戦えることを本当に幸せに思う。選手全員の力でここまで上がってきたので、是非ともタイトルを獲って、フロンターレの歴史を変えたい」 ◆充実感と成熟度が自信に(C)CWS Brains,LTD.▽鬼木監督は、今シーズンから前任の風間八宏監督(現名古屋グランパス監督)の後任として川崎Fの監督に就任。風間監督の下で良くも悪くも“攻撃偏重”のチームに、キャンプ時から“激しさ”と“守備意識”の植え付けに着手した。 ▽その頑張りは、シーズンが進むに連れて、選手の戦いからも見て取れるようになっていった。さらに、新加入のMF阿部浩之、MF家長昭博もフィットの兆しを見せ、鬼木監督自身も試合を追うごとに采配の部分で指揮官らしさに磨きがかかっていった。 ▽充実感と成熟度が増した中で、チームとして掴み取ったC大阪とのタイトルマッチ。内容を追うばかりに2007年と2009年の決勝で涙を呑んできた川崎F一筋15年のMF中村憲剛の前日コメントからも、“鬼木イズム”の浸透度具合が感じ取れた。 「ここで勝つために1年間やってきたので、良い試合というよりも勝つ試合をしたい」 ◆改めて痛感させられた力不足(C)CWS Brains,LTD.▽しかしながら、夢はまたしても儚く散った。結果は0-2で、チームにとって通算4度目の準優勝。試合後のミックスゾーンで取材陣のインタビューに応じた中村自身も、「正直、自分の中でもわからない」と何が足りなかったのか首をかしげるほどだ。 ▽記者席から試合を見ていると、川崎Fの面々は動きが硬かった。その中で、DFエドゥアルドの処理ミスから大会史上最速となる47秒での失点。前日の取材対応で「一発勝負なので、立ち上がりはすごく大事になる。気合が入りすぎてもダメだし、テンションが高すぎてもダメ」と話していた中村の言葉が悪い形で的中した。 ▽早々の失点は、リード後のベタ引きで守備に徹してきたC大阪の対応にも乗じて、川崎F陣営に焦りの気持ちを助長させた。ボールポゼッションを高めて相手の狭いスペースに鋭くパスを入れるが、一向にゴールをこじ開けられない。シュートチャンスが巡ってきたかと思えば、ボールは枠の外か、甘いコースにしか飛ばなかった。 ▽その中で、鬼木監督は、3つの交代カードで流れを変えようと知恵を振り絞った。だが、MF阿部浩之を投入する際には、MF大島僚太を下げるのか、MFエドゥアルド・ネットを下げるのか、テクニカルエリアでやや迷う姿も。チーム全体で迷いが生じていた感が否めなかった。 ▽そして、後半アディショナルには前がかりに出た隙を突かれ、カウンターからMFソウザにトドメを刺される一発を被弾。川崎Fのタイトルを懸けた戦いは、終戦を告げられてしまった。 ▽改めて痛感させられた力の足りなさ。鬼木監督は試合後、「力不足」の具体性を求められると、「やはり1つは交代の部分も含めて、もっともっとパワーを出せたのではないかという思いがあります」と考えられる範囲で敗戦理由をそう導き出した。 ◆真価が問われる今季残り3試合(C)CWS Brains,LTD.▽川崎Fには、明治安田生命J1リーグ優勝というタイトルの可能性が残されており、戦いを終えるにはまだ早い。首位に立つ鹿島との勝ち点差は「7」。残り3節ということを踏まえると、厳しい状況に変わりはないが、まだ逆転優勝の可能性がないわけではない。 ▽代表ウィーク明けにホームで行われる第32節では、ガンバ大阪と対戦する。あとは、選手たちがこの敗戦を受けて、どう立ち直り、どう糧にして真の強豪へとのし上がっていくかが大事になる。鹿島だって、G大阪だって、浦和だって、あらゆるタイトルを簡単に手にしてきたわけではない。強豪にのし上がる背景には必ずタイトルマッチでの敗戦がある。 ▽「今日の負けで全てが終わったわけじゃない。自分たちがやってきたことがなくなるわけでもない」と、自身に言い聞かせるように語気を強めた中村の言葉は正しく、C大阪とのタイトルマッチに敗れたからといって、チームとして築き上げてきたものが一瞬にしてリセットされるわけではない。 ▽継続は力なり――シルバーコレクターという汚名を返上する時はまた必ずやってくるはず。このチームは既に他クラブのファンをも魅了する攻撃的なサッカーを体現している。足りないのは、壁にぶち当たった後のリアクション。今シーズンの残されたリーグ戦3試合の戦いぶりでチームとしての真価が問われそうだ。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2017.11.06 21:00 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】いきなりクライシス流行りになった…

「ホントに観光名所よねえ」。そんな風に私が感心していたのは木曜日、用事ついでにサンティアゴ・ベルナベウの近くを通ったところ、ツアー入り口のあるPaseo de Castellana(パセオ・デ・カステジャーナ)側の駐車場に大型観光バスが7、8台横付けされているのを見た時のことでした。いやあ、世界で唯一、11個もの神々しいCLトロフィーがズラリと並んでいるのを目にできるこのスタジアムツアー、レアル・マドリーがホームゲームをやる日はキックオフの何時間か前で入れなくなったり、巡回コースが制限されたりするため、あまりお勧めしないんですけどね。 ▽それでちょっと思いついたのが、マドリーがアウェイゲームの日の方が楽しめるんじゃないかということで、例えば、先日のCLトッテナム戦のように夜に試合がある場合。ツアーは平日午後7時、日祝は午後6時半までなので、閉館ギリギリまで楽しんで、あとは最終出口にもなっているスアジタム併設オフシャルメガストアで買い物三昧、お店も平日午後9時、日祝午後7時半とクローズが遅いですし、午後8時45分のキックオフが迫ってきたら、近場のレストラン・バルに入って夕食をとりつつ、試合観戦するのもいいかと。 ▽ちなみに周辺にTVのあるバルはいくつかあるんですが、お勧めはオフィシャルショップを出て、右へ歩いてすぐのショッピングセンター、La Esquina de Bernabeu(ラ・エスキーナ・デ・ベルナベウ)内にあるFriday(フライデー)。ちょっとファミレスっぽいチェーン店ですが、席数も多く、TVがいくつもあるため、見やすい位置を確保しやすのがウリです。北側カステジャーナ大通り近くにあるVolapie(ボラピエ)はワンダ・メトロポリターノの近くにもあるバルで気軽に入れる雰囲気ですし、スタジアムを回ってメトロ(地下鉄)の駅に向かう道、Avenida de Concha Espina(アベニダ・デ・コンチャ・エスピーナ)には信号を渡ってすぐのところに並んだ2軒、El Almacen Argentina(エル・アルマセン・アルヘンティーナ)とCafe & Tapas(カフェ・アンド・タパス)は壁掛け大型スクリーンを設置、迫力あるプレーが楽しめるところがいいですね。 ▽ただ、これらのお店、マドリーのアウェイゲーム時にはゆっくり座って食事もできるんですが、ホーム戦の前後はファンで大混雑なんですよ。私もすぐ続いてお隣さんの試合がある時など、利用させてもらっていますが、それがバルサvsアトレティコ戦のようなビッグカードだったりすると超満員。空席待ちするぐらいなら、いっそ自宅近くまで帰った方が、後半だけでも落ち着いて見られていいという気分になったこともあったため、立ち寄るかどうかはケースバイケースかと。日本から来るファンの方々も自分の予定に合わせて、上手くこういったバルを使えるといいのですが…。 ▽え、昨今、マドリッドでは“crisis/クリシス(危機)”という言葉が飛び交っているのに、そんな呑気な話をしている場合かって? そうですね、実はこのミッドウィークは惨々で、いやあ、もう私なんて、火曜のCLカラバフ戦が引き分けに終わった時点でボロボロで、その翌日にはマドリーまでがウェンブリーであんな目に遭うとは予想もせず。とりあえず、順番に話すことにすると、CLでの生き残りを懸けてワンダ・メトロポリターノにアゼルバイジャンのチームを迎えたアトレティコはまた、サッカーをすることを忘れてしまったんですよ。 ▽ええ、序盤こそ攻めて行ったんですが、15分もしないうちに軽快にパスを回すのは敵の方になり、何と前半39分にはCKからスペイン人選手のミチェルにヘッドを決められて、先制を許すとは一体、どうなっている? 冗談ではなく、今季はサイドからのクロスで失点するのが定番になってしまった彼らですが、それでも後半10分にはトマスが名誉挽回の一撃をネットに突き刺してくれたから、ひとまずホッとできることに。そう、何度も恐ろしいパスミスを繰り返しながら、決して下を向かないアトレティコのカンテラーノ(下部組織出身の選手)の芯の強さをエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で示してくれたんですが、どうやら今の彼らは1点を取るのが精いっぱいのよう。 ▽ええ、トマスの同点弾の前にもガメイロが空のゴールを前に外していましたし、フィリペ・ルイスが撃ったシュートも枠を捉えられず。相手が13分に退場者を出した後、終盤などはガビやフアンフラン、ゴディンら、ベテランがチームを引っ張って、総攻撃体制に入っていたんですが…ロスタイム、最後にガイタンが至近距離から放ったシュートも敵GKに弾かれ、ここ数年、すっかり姿を消していたホームチームへのpito(ピト/ブーイング)がワンダ・メトロポリターノのスタンドから初めて聞こえたとあっては、かつてあの「Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(信じて努力すれば、可能になる) 」という名言を残したシメオネ監督まで、「En el segundo tiempo hicimos meritos, el destino no quiere.../エン・エル・セグンド・ティエンポー・イシモス・メリトス、エル・デスティーノ・ノー・キレ(後半のウチはよくやったが、運命が欲してくれないのでは…)」と嘆いていたのも仕方なかった? ▽結局、試合は1-1で終わり、同グループのローマがチェルシーに3-0と勝ったため、この4試合で勝ち点3しか溜まらなかったアトレティコはほぼ敗退が決定。ほぼというのは残り2試合、彼らが連勝して、カラバフが勝ち点1でも取ってくれれば、2位通過できるからですが、何せアトレティコが次のローマ戦に勝つ姿も、チェルシーがスタンフォード・ブリッジでポイントを落とす姿も同じぐらい想像できませんからね。そのせいもあってか、これまで運の悪さを努力で変えてきたという自負のあるキャプテンのガビなど、試合後、「A dia de hoy, la Liga Europa es una mierda/ア・ディア・デ・オイ、ラ・リーガ・エウロッパ・エス・ウナ・ミエルダ(今日の時点ではヨーロッパリーグなんてクソみたいなもの)」とか、「1月までこの調子が続いたら、ジエゴ・コスタが来ても何の役にも立たない」なんて極論に走っていたんですが、まあ理解はできますって。 ▽そんな彼らはもうこの土曜、午後4時15分(日本時間翌午前零時15分)から、リーガのデポルティボ戦に挑むんですが、とにかくあまり朗報がなくってねえ。ここ数試合休場中のコケとカラスコもまだ回復せず、加えてフィリペ・ルイスが太もものケガで出られない上、「No tenemos un jugador que el solo gane un partido/ノー・テネモス・ウン・フガドール・ケ・エル・ソロ・ガネ・ウン・パルティドー(ウチには1人で試合を決められる選手はいない)」というシメオネ監督の言葉から察するに、とうとうグリーズマンもtitular indiscutible/ティトゥラル・インディスクティブレ(不動のレギュラー)ではなくなってしまったようなんですが、だからって代わりがいる訳でもなし。 ▽よって、メンツは同じまま、2節前にペペ・メル監督を解任、現在はBチームを率いていたクリストバル監督が昇格したデポルティボにうっかり頭でのゴールを入れられないように用心、あとは何かの間違えでもいいから、1点を取れることを祈るしかありません。うーん、木曜夜にはガビ、ゴディン、コケ、モヤら、チームの重鎮が集まって決起ディナーを開いたというアトレティコですが、どうせなら来週の国際代表戦週間を利用して、paron(パロン/リーガの停止期間)明けのマドリーダービーに勝てるよう、チーム全員でお祓いにでも行く方がいいんじゃないかと思ってしまうのはきっと、私だけではないはずです。 ▽え、いくらトッテナムには負けたとはいえ、水曜にはドルトムントがアポエル2試合目でも引き分けたため、グループ2位で突破は順調に決まりそうなお隣さんなのに、クライシスという声がアトレティコどころではなく高まっているのはどうしてなのかって? いやあ、それは世間の反響の大きさが違うせいもありますが、彼らの場合は先週末のリーガ、ジローナ戦に続いての黒星。しかもCLグループリーグで負けるのは5年ぶりともなれば、騒がれるのも当然なんですけどね。 ▽ただ実際、その試合のマドリーはまるでアトレティコが憑依したかのような状態で、ジローナ戦同様、マルセロ、クロース、モドリッチ、カセミロが次から次へとパスをミス。それが前半27分に敵のカウンターを招き、ウィンクスのロングパスを受けたトリッピアーはオフサイドだったんですが、見咎められずにデル・アリがフィニッシュして、トッテナムに先制されてしまったから、さあ大変! 再び、カセミロを下げての3CB制に入った後半も11分にはデレ・アリのシュートがセルヒオ・ラモスに当たって2点目を奪われると、20分にはエリクセンにも決められて、とうとう3点差って、我が目を疑うとはまさにこのことだったかと。 ▽うーん、どういう訳か、最後にエリクセンを追う役目になっていたモドリックなど、後で「Tenemos que hacer todo para recuperar nuestro juego/テネモス・ケ・アセール・トードー・パラ・レクペラル・ヌエストロ・フエゴ(ウチは何としても自分たちのプレーを取り戻さないといけない)。フィジカルやメンタル的に問題はないんだから」と言っていましたけどね。今季はお隣さん程ではないものの、効率的に得点するのにも苦しんでいるマドリーは結局、35分にはエリア内の混戦からクリスティアーノ・ロナウドが決めて1点を返したんですが、3-1なんて、トッテナムのポチェッティーノ監督も「Me esperaba la mejor version del Madrid/メ・エスペラバ・ラ・メホール・ベルシオン・デル・マドリッド(最高のバージョンのマドリーを期待していた)」と拍子抜けしていたように、まったく2年連続CLチャンピオンにあるまじき惨状と言っていいでしょう。 ▽ただ、マドリーのゴールが減ったのには、ロナウドによると、どうやら選手の控え層の変化も影響していたようで、「ペペ(現ベシクタシュ)、モラタ(チェルシー)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)はチームを強化してくれたけど、los de ahora son mas jovenes/ロス・デ・アオラ・ソン・マス・ホベネス(今の選手たちはもっと若い)。その分、経験が少なくて、それは大事なことだからね」とのこと。まあ、確かにアセンシオ、セバジョス、マジョラル、テオ、バジェホと控えはほとんど皆、20代前半ですからね。このところ、カルバハルの代理で右SBを務めているアクラフに至っては18歳となれば、比べるのも気の毒なんですが、え、その前にロナウドは今季、CLでこそ6得点とランキング首位とはいえ、リーガでまだ1ゴールしか挙げられていない我が身を振り返った方がいいんじゃないかって? ▽そうですね、CLは次のアポエル戦で勝てば、決勝トーナメント進出が決まるため、別にいいんですが、先日、ジローナ戦で1-2と負けた後、ラモスも「No es la primera Liga en la que se remontan ocho puntos/ノー・エス・ラ・プリメーラ・リーガ・エン・ラ・ケ・セ・レモンタン・オチョ・プントス(勝ち点差8を覆したリーガは初めてじゃない)。ボクは勝ち点8以上を逆転して優勝したことがあるよ」とラジオのインタビューで言っていたように、ちょっと誤解があるんですよ。というのも過去、リーガで8差以上から追い上げて優勝したチームはバルサ、バレンシアだけで、マドリーの最大記録は7差。ジダン監督初年度の2015-16シーズンこそ、バルサに4試合で11ポイント詰めたりしたんですが、結局、1差で優勝はできていないから。 ▽そう考えると、ジダン監督も「No estamos en crisis/ノー・エスタモス・エン・クリシス(ウチはクライシスにある訳じゃない)」なんて悠長に構えている場合ではないはずですが、この日曜のラス・パルマス戦、それぞれウェールズ代表、フランス代表に招集されたものの、トッテナム戦は負傷欠場しているベイルとバランが復帰できるのかどうかはまだ不明。カルバハルも一緒でもう、今はバルデベバス(バラハス空港の近く)での全体練習に参加しているんですけどね。気がせいてまたケガされても困りましますし、いくら昨季は2引き分けを演じた相手とはいえ、ここは慎重になった方がいい? ▽そんなラス・パルマス戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)にサンティアゴ・ベルナベウでキックオフ。火曜にオリンピアコスとスコアレスドローながら、相変わらずCLグループ首位のバルサはスパルタク・モスクワに2-1と勝ったセビージャを土曜にカンプ・ノウに迎えるため、下手したら、試合前に勝ち点11差になっていることもありえますが、12月23日午後1時と決まったホームでのクラシコ(伝統の一戦)までは、少なくとも現状を維持してほしいですね ▽おっと、マドリーの両雄の話をしているうちに金曜試合だったヘタフェのベティス戦が終了。いやあ、せっかく前半にベルガラとポルティージョのゴールで2点リードしながら、後半23分にはサナブリアに決められ、更に残り3分にブアデスに同点弾を許す辺り、やっぱり終盤に弱いという弟分の今季の宿命、前節のレアル・ソシエダ戦で逆転勝利したぐらいでは変わっていなかったのは残念だったかと。まあ、それでも2-2でアウェイのベニト・ビジャマリンで勝ち点1をゲットとしたとなれば、健闘したと褒めるべきなんでしょうが、こういう勝ち切れない試合を後で悔やむことがないよう、この代表戦週間はみっちり練習に集中してもらいたいところです。 ▽そしてもう1つのマドリッドの弟分は土曜にメスタジャでバレンシア戦ですが、何せ現在、2位のこの相手は唯一、勝ち点差4でバルサを追っているチームですからね。とりわけ、今季はヨーロッパの試合がないだけに、もしかしたらこのままかなり長い間、高みを維持しかなないとなれば、ここは無理は承知でレガネスに一肌脱いでもらうしかない? 前節はセビージャに負けて7位に後退してしまった彼らとはいえ、勝ち点は6位のビジャレアルと同じ17とあって、きっと選手たちもEL出場圏内復帰を目指して張り切っているはずですが…そうそう兄貴分たちにいいようには転がらないような気がします。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.04 12:00 Sat
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【倉井史也のJリーグ】風雲急を告げる川崎F躍進の謎を解き明かせ の巻(笑)

▽あれ? 今週からリニューアルじゃなかったでしたっけ? 確かにアプリはアップデートされてる感じですけど、コラムのタイトルはそのまま? それって原稿料上げないよっていう編集部の強い意志の現れ? ▽でも、今週からますます汗の臭いがプンプンするような原稿にしたいと思ってんですけど、根が軟弱だからなぁ。いろいろフラフラしそうじゃないスカ、おれ。 ▽で、フラフラしてるってハリルホジッチ監督もそうじゃないですか? 今回せっかくヨーロッパに行くんだから、ばっちりヨーロッパ組を確認するのかと思えばさにあらず! 小林祐希、武藤嘉紀を外して、ケガが心配されている長谷部誠を呼ぶなんて、またまたあんまり意味わかんない。 ▽で、興梠慎三と杉本健勇を連れて行くんだけど、いやいやいや。アレ以来、金崎夢生を忘れちゃいませんか? それから、監督がお好きな「データ」を考えると、一番大事な選手を置いてってませんか? ▽なぜなら、今季の川崎Fがどうしてここまで追い上げてきたかって考えたら、小林悠は外せないでしょ。チームメイトの車屋紳太郎を連れて行くんだったらなおさらね。 ▽だって、過去5年の成績と比べてみたら一目瞭然。今季は31節を終えた時点、残りはフルシーズンで比べると――。 ◆2017年(?位) 出場31試合(2682分) 19得点 得点16試合(敗戦0) ◆2016年(1st:2位、2nd:3位、総合3位) 出場32試合(2818分) 15得点 得点14試合(敗戦1) ◆2015年(1st:5位、2nd:7位、総合6位) 出場18試合(1153分) 5得点 得点4試合(敗戦0) ◆2014年(6位) 出場30試合(2515分) 12得点 得点9試合(敗戦2) ◆2013年(3位) 出場23試合(1563分) 5得点 得点5試合(敗戦1) ▽で、今季川崎Fでリーグ戦全試合出場を果たしているのは、谷口彰悟、車屋と小林悠の3人だけ。つーことは、今季の川崎Fの躍進は小林のおかげって言えないですか? 中村憲剛や大島僚太のコメントばっかり溢れるけど、実は小林悠が決めてるから、ここまで川崎Fはやってきてるんですよ。 ▽ケガに弱いっていうイメージをハリルホジッチ監督が抱いているなら「ノン、ノン」(笑)。すっかり調整力を付けてるのを見逃してる感じですよ。監督の大好きな「コミュニケーション」をもっと取らないと。 ▽てことで、4日13時5分、埼玉スタジアムのC大阪vs川崎Fって、小林悠の出来と、リーグ戦でのC大阪vs川崎の結果と、意地ってことを考えると、やっぱり川崎F有利じゃないでしょうかね。ここでついに川崎Fが初タイトル!! ▽あ、何年かごとにこんなこといってる気がしてんですけど……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.11.03 12:30 Fri
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【イケメンアンケート総集編】投票総数約200票! 女性が選ぶ「イケメン選手」は?!

▽10月中に4回に渡ってお送りしてきた『イケメン選手アンケート』も、気付けば投票総数は延べ182名に! 各地で美女の施しを受けてランキングを作成してきた我々ですが、このタイミングでこれまでの結果を振り返りつつ、総合結果を発表! 最も“モッテる選手”の座は誰の手に?! ▽まずは例によって、編集部の独断と偏見で選出した数名の候補者をご紹介いたします。 【編集部選定のイケメン候補】 ◆国内組(10名) DF宮原和也(名古屋グランパス):21歳 MF酒井宣福(アルビレックス新潟):24歳 MF細貝萌(柏レイソル):31歳 MF大島僚太(川崎フロンターレ):24歳 MF谷口彰悟(川崎フロンターレ):26歳 MF増田誓志(清水エスパルス):32歳 FW都倉賢(北海道コンサドーレ札幌):31歳 FW田中順也(ヴィッセル神戸):30歳 FW江坂任(大宮アルディージャ):25歳 FW杉本健勇(セレッソ大阪):24歳 ◆海外組(8名) GK川島永嗣(メス/フランス):34歳 DF内田篤人(ウニオン・ベルリン/ドイツ2部):29歳 MF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ):33歳 MF柴崎岳(ヘタフェ/スペイン):25歳 FW大迫勇也(ケルン/ドイツ):27歳 FW南野拓実(ザルツブルク/オーストリア):22歳 FW武藤嘉紀(マインツ/ドイツ):25歳 FW本田圭佑(パチューカ/メキシコ):31歳 ▽それでは、『東京ゲームショウ(TGS)2017』でキャンペーンガールの方々を目当てに…ではなく対象に行った、幕張メッセでのアンケートからおさらいしていきます! (C)CWS Brains,LTD. [投票結果~幕張メッセで聞き取りマッセ! 編~] ◆国内組 1位(得票率25.0%):MF谷口彰悟(川崎フロンターレ) 2位(得票率20.8%):DF宮原和也(名古屋グランパス) 3位(得票率16.7%):MF増田誓志(清水エスパルス) ◆海外組 1位(得票率33.3%):DF内田篤人(ウニオン・ベルリン/ドイツ2部) 2位(得票率16.7%):MF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ) 3位(得票率12.5%):FW大迫勇也(ケルン/ドイツ) ▽幕張メッセでは以上のような結果に。国内組3位に入った増田選手はこの回でのみ、ベスト3にランクイン! 「優しそう! 」「黒髪がいい」などプレースタイル同様、硬派な印象が票を集めていたようです。 ▽お次は、キリンチャレンジカップ2017の日本代表vsハイチ代表が行われた日産スタジアムで行ったアンケート! 日本代表の女性サポーターの方々に、選んでいただきました。 (C)CWS Brains,LTD. [投票結果~ハイチ戦の前に「ハイチーず! 」編~] ◆国内組 1位(得票率33.3%):MF谷口彰悟(川崎フロンターレ) 2位(得票率27.8%):DF宮原和也(名古屋グランパス) 3位(得票率22.2%):FW杉本健勇(セレッソ大阪) ◆海外組 1位(得票率28.6%):DF内田篤人(ウニオン・ベルリン/ドイツ2部) 2位(得票率19.0%):GK川島永嗣(メス/フランス) 2位(得票率19.0%):MF柴崎岳(ヘタフェ/スペイン) 4位(得票率14.3%): MF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ) ▽注目はなんといっても、この日に代表初ゴールを決めた杉本選手が3位に入っていることです! また、海外組で同率2位に入っている川島選手には「ゴールが決まった時に見えていない所で喜んでいるところがかわいい」など、試合を観ているサポーターの方ならではのコメントが目立ちました。 ▽続いては、お仕事帰りのお姉さま方にご意見を伺った、新橋での突撃取材! 「サッカーに詳しくないお仕事帰りのお姉さんなら、今までとは違った結果になるかも」という内田選手&谷口選手の3連覇阻止を狙って行ったこの回、どのような結果に? (C)CWS Brains,LTD. [投票結果~内田篤人&谷口彰悟ノ3連覇ヲ阻止セヨ編~] ◆国内組 1位(得票率30.0%):MF谷口彰悟(川崎フロンターレ) 2位(得票率25.0%):FW杉本健勇(セレッソ大阪) 3位(得票率20.0%):MF大島僚太(川崎フロンターレ) ◆海外組 1位(得票率50.0%):DF内田篤人(ウニオン・ベルリン/ドイツ2部) 2位(得票率25.0%):MF長谷部誠 (フランクフルト/ドイツ) 3位(得票率15.0%):MF柴崎岳(ヘタフェ/スペイン) ▽内田選手&谷口選手の3連覇阻止を狙って行った結果・・・得票率増えちゃいました! 内田選手の50%ってどういうことですか、半数に好かれるって反則ではありませんかね? しかし、よくよく考えてみれば、プレーを知らないなら正統派イケメンが選ばれる率は上がるのは当たり前・・・自らメンタルを抉りに行った回でした。 ▽さて、内田選手&谷口選手の人気が揺ぎないことを確認したところで、気を取り直して代々木公園での模様を振り返ります! 正統派イケメンが好まれるのならせめて、緑に囲まれた中で若くて可愛い女性に癒されたい・・・そんな極めて純粋な動機で、アンケートを行って参りました。 (C)CWS Brains,LTD. [投票結果~可愛い女子を求めて編~] ◆国内組 1位(得票率33.0%):MF大島僚太(川崎フロンターレ) 2位(得票率24.0%):FW杉本健勇(セレッソ大阪) 3位(得票率19.0%):DF宮原和也(名古屋グランパス) ◆海外組 1位(得票率52.0%):DF内田篤人(ウニオン・ベルリン/ドイツ2部) 2位(得票率19.0%):MF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ) 3位(得票率14.0%):GK川島永嗣(メス/フランス) ▽内田選手52%って・・・とウッチー人気の凄さにドン引きしていましたが、よくよくみると3連覇していた谷口選手が陥落! 「よし、これで正統派イケメンではない我々にも希望の光が・・・! 」とテンションの上がった編集部男子一同でしたが、直後に誰かが一言「大島選手も正統派イケメンだよね? 」。あの衝撃は忘れません・・・。 ▽現実を突きつけられた我々ですが、もうここまできたら現実を直視しましょう! 以下、ここまでの4回のアンケートを通して、全ての票を合算したランキングをお伝えします。まずは、国内組から! ◆国内組3位(得票率17.4%)Getty Images MF大島僚太(川崎フロンターレ) ▽まずは、川崎フロンターレのMF大島僚太が3位を獲得! 総得票率でサンフレッチェ広島のMF宮原和也に0.1%差で競り勝ってのランクインです。前半2回では影を潜めていたものの、後半2回で見事な立て直し。3連覇中だったチームメイトMF谷口彰悟の牙城も崩すことにも成功したキュートなゲームメイカー大島の今後の戦いぶりにも期待です。 ◆国内組2位(得票率18.0%)Getty Images FW杉本健勇(セレッソ大阪) ▽続いて、2位にランクインしたのはセレッソ大阪のFW杉本健勇! スタートこそ躓いたものの、その後は安定した票の蓄積で上位をキープ! プレー面でも絶好調なこの男、日本代表でアピールすることができれば一気に知名度も向上するだけにこのイケメンランキングに桜旋風を巻き起こす可能性を無限に秘めていることでしょう。 ◆国内組:1位(得票率21.9%)Getty imagesMF谷口彰悟(川崎フロンターレ) ▽見事、総集編国内組1位に輝いたのは、川崎フロンターレのMF谷口彰悟! 3度の首位獲得に文句なしの受賞です! しかし、4回目の代々木公園編ではまさかのランク外だったこともあり油断は禁物。次回、首位奪還なるか注目です。 ▽というわけで、国内組では川崎Fの谷口選手&大島選手にC大阪の杉本選手が挟まれるような構図に。まるで実際の試合のようなポジショニングとなりました。今月4日に行われるルヴァン杯決勝を待たずして、バチバチにやり合っております! そして、続きまして海外組の総合ランキング発表です! ◆海外組:3位(得票率10.7%)Getty imagesMF柴崎岳(ヘタフェ/スペイン) ▽日本人選手の鬼門・リーガエスパニョーラで挑戦を続けるヘタフェのMF柴崎岳が3位にランクイン! 9.5%と迫っていた日本代表の守護神・川島選手をクールにかわしました。人気の高まりと同時に、今後の更なる活躍にも期待です! ◆海外組:2位(得票率20.0%)Getty imagesMF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ) ▽全ての回で安定の結果を残した長谷部選手が総合2位に! 今回の候補者の中では最年長でしたが、「爽やか」「良い人そう」など蓄積された内面からの魅力がドバドバと出まくっていたようです。うーん、さすがキャプテン! ◆海外組:1位(得票率41.6%)Getty imagesDF内田篤人(ウニオン・ベルリン/ドイツ) ▽そして、海外組のトップに輝いたのはもちろんこの男、内田選手です! 2位の長谷部選手(20.0%)にダブルスコアをつける快走っぷり。他の候補者もイケメン揃いなはずですが、恐るべし…これだけの人々に愛されているわけですから、是非また日本代表でもプレーして欲しいものです。 ▽海外組では、4回のアンケート全てで入賞を果たした内田選手&長谷部選手が当然のようにワンツーフィニッシュ。2度ずつランクインした柴崎選手&川島選手がそれに続く形となりました。幕張メッセでのみ3位に入った大迫選手は、後半は尻すぼみになり選外に。それでも、キャンペーンガールに「可愛い」「愛嬌がある」なんて印象を抱かれていたのは羨まし過ぎます! ▽そんなこんなで、総合結果は内田選手の人気を再確認する形に。正統派イケメンの手堅さに肩を落としていた我々ですが、それでも1つ分かったことがあります。杉本選手が急激に票を伸ばしたのは、日本代表に選出された後…つまり、「モテたかったら日本代表に選出されるべし! 」ということ! これを見ているサッカー少年よ、夢は君たちに託した…。 2017.11.02 18:00 Thu
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【編集部コラム】レヴィー・クルピ、ガンバらしさを取り戻すにはうってつけの人材

▽長谷川健太監督が今シーズン限りで退任することが決定しているガンバ大阪。次期監督人事に関して、以前から筆頭とされてきたレヴィー・クルピ氏の就任の可能性が極めて高まっている。 ▽クルピ氏は10月28日、シーズン途中でのサントス監督の退任が決定。かねてより長谷川監督の後任として一本化したとみられてきたクルピ氏の招へいに向けた障害がなくなり、スムーズに交渉できるシチュエーションが整った。あとは契約の詳細を詰めるのみとみられており、11月中にも“クルピ・ガンバ誕生”の一報が届いてもおかしくない情勢だ。 ▽事前の報道によれば、G大阪がクルピ氏に提示した年俸は推定1億7000万円。Jリーグ史上監督最高額の2億円という説もある。長谷川監督の推定年俸が1億円であることを考えると、G大阪上層部のクルピ氏に対する期待感は、その額だけでも一目瞭然だ。 ▽クルピ氏は来年2月で65歳になる。長期政権を築くには高齢ではあるが、クラブ首脳陣は以前から選手のみならず、監督やコーチもユース出身者で固める構想を長らく温めてきた。そういった背景を踏まえると、G大阪U-23で指導者キャリアをスタートさせているクラブOBの宮本恒靖監督に、良い形でバトンタッチする橋渡し役にも期待しているのだろう。 Getty Images▽クルピ氏は、1997年、2007〜2011年、2012年8月〜半年間の計3度にわたり、G大阪にとってはライバルでもあるセレッソ大阪を指揮。個々の特性を生かしたフォーメーション構築と、ボールのイニシアチブを握った創造性溢れるアタッキングフットボールを信条とし、2010年のJ1リーグでクラブ史上最高位の3位、AFCチャンピオンズリーグ出場権をもたらした実績の持ち主である。 ▽そのクルピ氏の売りは、何といっても若手の育成だ。過去3度指揮したC大阪時代には、MF香川真司(ドルトムント)、MF乾貴士(エイバル)、MF清武弘嗣(C大阪)、MF南野拓実(ザルツブルク)ら錚々たる面々を指導。いずれも現在の日本代表に絡む選手たちばかりであり、若手の潜在能力を見極める力と引き出す力は確かである。 ▽また、躍進著しい現在のC大阪でプレーするFW柿谷曜一朗や、FW杉本健勇、MF山口蛍らの主軸もクルピ氏の息がかかった選手。中でも、やんちゃだった若手時代にクルピ氏の逆鱗に触れた柿谷は、期限付き移籍で徳島ヴォルティスに放され、プロとしての自覚と責任感を養わされた逸話がある。褒めて伸ばすだけではなく、刺激を与えて伸ばす術もクルピ氏の指導法の1つだ。 Getty Images▽育成力は、現在のG大阪にとって魅力的だ。現在、DF初瀬亮、MF市丸瑞希、FW高木彰人のU-20代表組に加えて、U-17日本代表GK谷晃生、DF野田裕喜、MF高江麗央、MF妹尾直哉、FW食野亮太郎ら有望な若手が多数在籍。そういった状況は、若手育成に定評のあるクルピ氏の手腕を実に発揮しやすい環境といえるだろう。 ▽また、長谷川監督が志向してきた選手に激しさと献身性を求める守備的な戦術により、失いつつあるG大阪らしい攻撃的なスタイルを取り戻すという面でも、アタッキングフットボールを好むクルピ氏の招へいは理にかなう。C大阪時代のようなサイクルで指揮を執ることができれば、G大阪でも攻撃的かつ将来性溢れるチーム作りが期待できる。 ▽クルピ氏の志向するアタッキングフットボールの特長を挙げるとすれば、主に「相手陣内での攻撃時間が長い」「両サイドバックの高い位置取り」「奪われたら瞬時に前から圧力をかける守備」だ。[4-2-3-1]の布陣を用いて好成績を収めた2010年は、より試合を支配することを求めるクルピ氏の思惑が良い形で表れたシーズンだった。 ▽ただ、当時は選手たちに攻めの姿勢を求めるあまりに“攻撃偏重”で、カウンターの餌食になる試合も多々。それでも、守備の綻びを補う創造性溢れた攻撃面は魅力的であり、G大阪にとっても長谷川体制下のここ2年間でチームに漂う停滞感を払しょくするにはうってつけの人材といえそうだ。 Getty Images▽気がかりな点といえば、クルピ氏はC大阪時代、タイトルに無縁だったということ。2014年以降、同年の国内三冠達成を含む計4つの主要タイトルを獲得してきたG大阪を率いるとなれば、タイトルの味をしめたサポーターとうまく付き合っていくことが必要であり、若手の育成と並行して結果を追い求めるマネジメント力も求められてくる。 ▽決して色褪せることのない成功に満ちた5年間の長谷川監督とのサクセスストーリーに終止符を打ち、新たな監督の下、新たな章に突き進むことを決断したG大阪。まだ正式に発表はされていないが、クルピ・ガンバ誕生となれば、西野朗体制、長谷川体制に続く第三次黄金期到来に向けた礎の構築に期待せざるを得ない。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2017.11.02 16:00 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】日本代表ユニフォームのエンブレムと日の丸変遷史

▽日本サッカー協会(JFA)は11月1日、JFブランドの再構築のため、ビジュアル・アイデンティティーを刷新した。具体的には、2016年3月にデザインを刷新したJFAのロゴとシンボルに続き、日本代表のエンブレムとロゴ、審判ワッペンなども刷新。そしてサッカー、フットサル、ビーチサッカー、アンダーカテゴリーの大会なども統一されたロゴと大会名を採用した。 ▽さらに全国9地域と47都道府県の協会のマークとシンボルである八咫烏(やたがらす)も統一された。例外は天皇杯と皇后杯、高円宮杯の3大会で、こちらは「浸透度が高い」(岩上事務総長)ということで、従来のデザインを継続して使用する。 ▽会見にはゲストとして、日本代表とフットサル、ビーチサッカーと3つの代表ユニフォームを着たラモス瑠偉さんや、アジア人初のFIFA最優秀選手賞に選ばれた澤穂希さんも登壇。ラモスさんは日本国籍を取得して日本代表になると、ユニフォームに日の丸を入れるよう都並敏史さんらと提案。その結果、胸にはエンブレム、左袖に日の丸が入るようになった。 ▽ラモスさんは当時を振り返りつつ、日本代表のユニフォームについて「このユニフォームは誰でも着られるわけではない。日本代表をワールドカップに連れて行けなかったのは残念。ワールドカップでベスト4という岡田さんの約束を実現したい。私のできなかったことをやって欲しい。いつかワールドカップで優勝、少なくともベスト4を目指し、誇りと自覚を持って欲しい」と思いを熱く語った。 ▽この日本代表のユニフォームだが、『日本サッカー75年史』で振り返ると、1953年の西ドイツ(当時は東西ドイツに分かれていた)遠征の写真でも左胸に日の丸が着いている。その後の1964年の東京五輪、1968年のメキシコ五輪でもサイズの変更はあっても左胸には日の丸が着いていた。 ▽それがJFAのエンブレム(八咫烏)に変わったのが、1988年に監督に就任した横山謙三氏の時代だった。ユニフォームの色も、それまでは白か青が基調だったのを、横山監督は世界各国が国旗のカラーをユニフォームに採用していることから、日の丸の『赤』か『白』を採り入れ、ユニフォームだけでなくパンツやストッキングも赤か白で統一した。 ▽これは余談だが、赤のユニフォームは長続きしなかった。というのも、アンダーカテゴリーの大会で、アウェーで韓国と対戦したとき、日本はオール赤、韓国は第2ユニフォームの青を着用した。そしてこの試合を視察したJFA幹部が、「日本も強くなったね。一方的に攻め立てている」と感想を漏らしたそうだ。 ▽そこで代表スタッフが小声で、「攻めている青が韓国で、押されている赤が日本です」と訂正した。これ以来、日本は再び『青』を基調にしたユニフォームを着用するようになった。 ▽話をエンブレムに戻すと、オフト・ジャパンで臨んだ1992年のアジアカップから、選手の意見を採り入れ、左胸にはエンブレム、左袖に日の丸を着け、見事初優勝を飾った。このスタイルは続くファルカン・ジャパン、加茂ジャパンでも踏襲されたが、1996年のアトランタ五輪では日の丸が右袖に移っている。 ▽それは98年のフランスW杯や00年のアジアカップ、02年の日韓W杯でも変わらない。ところが06年のドイツW杯では再び左胸のエンブレムだけとなり、日の丸は消えてしまう。どのような事情があったのか、その経緯と推移は分からないが、10年の南アW杯では現行のような左胸にエンブレムで、その上に日の丸というスタイルに落ち着いた。 ▽新ユニフォームのお披露目は11月6日に行われる予定で、10日のブラジル戦が新ユニフォームのデビュー戦となる。どんな『青色』を採用するのかも楽しみだが、個人的には同じ『青』を基調にするフランスのような、“お洒落な"ユニフォームにして欲しいと願わずにはいられない。※画像は旧エンブレムです 【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.11.02 12:30 Thu
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