コラム

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【原ゆみこのマドリッド】奮闘空しく…

▽「じゃあ、こっちは3位決定戦?」そんな風に私が皮肉に思っていたのは金曜。この週末のリーガの予定を見直していた時のことでした。いやあ、昨季はアトレティコを破りながらも準決勝でセビージャに負け。今季もレアル・マドリーを退けるもアラベスに敗れて2年連続で決勝進出の夢が消えたセルタの選手も、似たようなことを考えながらマドリッドに来るんでしょうけどね。その対戦相手であるアトレティコの予定が狂ったのは、来季からワンダ・メトロポリターノにホームを移すため、最後のお勤めをコパ・デル・レイ決勝の舞台で飾りたいと、昨年中からビセンテ・カルデロンが会場候補に名乗りを上げていながら、どちらのファイナリストも違うスタジアムを希望しているから。 ▽そう、毎年のことながら、スペインのカップ戦は日付こそ5月27日とシーズン当初に決まっていながら、どこでやるかは未定。理想は対戦するクラブから等距離にある中立地ですが、なかなかすんなりとは決まらず、今回もバスク(スペイン北東部)地方のアラベスとカタルーニャ(西部)のバルサということで、もちろん3年連続決勝に進出している後者は毎度の嫌がらせで、最初はサンティアゴ・ベルナベウを口にしていたんですけどね。そこは先手を取って、レアル・マドリーのペレス会長はスタジアム改装工事がリーガ終了直後からあると、最大のライバルが自分たちのホームでトロフィーを掲げる可能性を却下。 ▽一方、初のコパ決勝進出とあって、メンディソローサでセルタ戦2ndレグ終了の笛が鳴った直後には花火まで上がり、選手たちはファンの声援に応えて場内一周。まるで優勝したかのような祝賀ムードになっていたアラベスなど、スタンドでもロッカールームでも皆、「Si, si, si, nos vamos a Madrid!/シー、ノス・バモス・ア・マドリー(オレたちはマドリッドへいくぞ!)」と唱和していたため、てっきりビセンテ・カルデロンで異論はないと思ったんですけどね。どういう訳か、先週末も選手たちは予定通りプレーしたいと言っていたにも関わらず、サン・マメスでの決勝開催をリクエストしているんですよ。 ▽うーん、確かに同じバスク地方のビルバオにあるアスレティックのホームスタジアムなら、新しいし、収容人数もビセンテ・カルデロンと大して変わらず。さらに毎年のように決勝に出るバルサより、一生に一度あるかないかのアラベスファンが応援に行きやすい近場にしてほしいという気持ちは何となくわかりますけどね。それがどうにも通らなさそうなのは折しも、サン・マメスでは決勝から3日後にガンズ・アンド・ローゼスのコンサートが開催。それもスペインだからなのかは知りませんが、ステージやら音響設備やら、会場の整備に1週間は必要とのことで、日程的に無理なのだとか。 ▽え、アトレティコファンだって、自分の応援するチームが出ない試合でビセンテ・カルデロンに別れを告げたいとは思わないだろうって? そうですね、どちらかというと、セレソ会長を始め、クラブ経営陣が予定通りに決勝をやりたいという感じですが、その一方でベルナベウが使用できないことを知ったバルサは、今度は自身のスタジアム、カンプ・ノウでの開催を主張。これも2年前のアスレティックとの決勝の例があるため、ないとは言えませんが、当時、負けたチームのメンバーだったトケロなど、それだけは絶対に避けたいのだそう。となると、マドリッドはビトリア(アラベスのホームタウン)からも、バルセロナからも行きやすいため、やはり最後はビセンテ・カルデロンで落ち着きそうですが…はい、一番悪いのは準決勝で負けたアトレティコだというのは、私もわかっていますって。 ▽ただ、火曜のカンプ・ノウでの2ndレグは序盤から、冗談のように彼らが優勢で、いえ、もちろん前半、カラスコのGKシレッセンと1対1のシュートや、サビッチやゴディンのヘッドがゴールにならなかったんですから、試合を見てない人にはあまりわからないかもしれないんですけどね。おまけに42分にはメッシのシュートはGKモヤが弾いたものの、こぼれたボールをルイス・スアレスに押し込まれ、総合スコアをバルサに3-1と広げられているのでは、いくら「前半のボクらはいい感じがしなかった。Ellos han tenido protagonismo con el balon/エジョス・アン・テニードー・プロタゴニスモ・コン・エル・バロン(相手はボールを持って主導権を握っていたね)」とベンチにいたイニエスタに言ってもらえたとて、結果にはまったく反映されません。 ▽それでも「Sabiamos que si nos marcaban daba igual, teniamos que hacer dos goles de todas formas/サビアモス・ケ・シー・ノス・マルカバン・ダバ・イグアル、テニアモス・ケ・アセル・ドス・ゴーレス・デ・トーダス・フォルマス(得点されても、とにかくウチが2ゴールを入れないといけないのが変わらないのはわかっていた)」(コケ)ため、ハーフタイム後にも気落ちせずにピッチに出て来たアトレティコでしたが、またいきなり不運に襲われるんです。そう、再開2分でガイタンが打撲のため、コレアに代わったかと思えば、その1分後には守備の要、ゴディンまで太ももを痛めて交代になってしまった日にはもう私など、目の前が真っ暗に。 ▽でも、大丈夫。ここは先日の彼女に対するDV容疑でバルサファンに激しいpito(ピト/ブーイング)を浴びながらもリュカが奮闘。更に56分には丁度、ルイス・エンリケ監督が「lo iba a cambiar por la tarjeta que tenia/ロ・イバ・ア・カンビアル・ポル・ラ・タルヘタ・ケ・テニア(イエローカードをもらっていたから、代えるつもりだった)」というセルジ・ロベルトが、フィリペ・ルイスへ激しいタックル。2枚目をもらい、退場となってくれたって、もしや前半に当人がエリア内でフェルナンド・トーレスを倒したのをペナルティに取らなかったことを内心、主審も後悔していた? ▽でもやっぱりアトレティコは不幸体質の方が強いようで、その2分後にグリーズマンが決めたゴールは脚の分、ピケが前にいたんですけどね。オフサイドで認められず。その上、68分にはカラスコが出場停止のネイマールの代理を務めていたアルダ・トゥランを吹っ飛ばし、こちらも2枚目のイエローカードをもらっているんですから、困ったもんじゃないですか。ええ、本人が抗議していたように、直前で滑って止まれなかったのはリプレーを見れば明らかですが、大体がして、その日のアルダはアトレティコ時代とは違って、全然、存在感を示せず。なので、そんなところで突っ込まなくても良かったのに、これでせっかくの数的優位もオジャンとはいかにもアトレティコ的展開です。 ▽そしていよいよ、悲劇のクライマックがやってきます。そう、77分にはメッシのFKが枠に弾かれ、命拾いしたすぐ後、フェルナンド・トーレスから代わっていたガメイロがピケにエリア内でファールを受け、今度はPKが与えられたんですけどね。何とこれを最近、PK7回中5回失敗していたグリーズマンに代わって、キッカーを引き受けた当人がゴールバーに当ててしまうって、ああ、このチームって一体、どこまでファンを失望させたら気が済むんでしょう。 ▽うーん、マドリッドに戻った翌日、マハダオンダ(マドリッド近郊)での練習では、ガメイロもよっぽど悔しかったのか、居残りでPKを蹴っていたそうなんですけどね。その時も3本中1本をポストに当てていたとかで、これってシメオネ監督になってから、チームがもらったPK46本中失敗14本、30%はゴールにできていない彼らの実態をまさに証明していない? ただそれはもう、キッカーが誰とかという問題ではなく、アトレティコは元々、PKが苦手なようで、クラブ通算でも432本中119本(28%)は失敗しているのだとか。 ▽おかげで昨季のCL決勝など、PK戦で決められなかったファンフランはともかく、90分内でもグリーズマンがGKケイロル・ナバスに止められていて、後悔してもしきれない程の損をしているため、言わせてもらえれば、全員に週1ぐらいでPKだけのセッションを課していいぐらいですが、こればっかりはねえ。ちなみにマルカ(スポーツ紙)の行ったウェブアンケートでファンの選んだキッカー、一押しはトーレスなんですが、ピッチにいないこともありますし、以前の在籍時代から、彼も結構、外したりしているため、シメオネ監督も決めかねるところでしょうか。 ▽え、それでもPK失敗後、2分もしないうちにガメイロはグリーズマンからパスをもらって、同点ゴールを決めているじゃないかって? 加えて、45分にはルイス・スアレスが「No me doy cuenta de que el jugador del Atleico esta ahi/ノー・メ・ドイ・クエンタ・デ・ケ・エル・フガドール・デル・アトレティコ・エスタ・アイー(アトレティコの選手がそこにいたなんて、気がづかなかった)」と、コケの顔に肘が当たった接触プレーで、3分前に続いて2枚目のイエローカードをゲット。とうとう9人になったバルサ相手に、お隣さんのremontada(レモンターダ/逆転)精神を見習えとばかりに、最後はセットプレーにモヤまで上がっての全員攻撃でロスタイムの5分を戦ったアトレティコでしたが…。 ▽1-1のまま、延長に持ち込むゴールは奪えずタイムアップです。いやあ、試合後はシメオネ監督も「Si fuera hincha del Atletico estaria muy orgulloso/シー・フエラ・インチャ・デル・アトレティコ・エスタリア・ムイ・オルグジョーソ(アトレティコのファンなら、とても誇りに思っているはずだ)」と言っていましたし、ここまで彼らがバルサを圧倒するところは見たことがなかったため、それはその通りなんですけどね。とはいえ、問題は「ボクらは全力を尽くした。El partido de ida sobre todo el segundo tiempo y el partido de hoy/エル・パルティードー・デ・イダ・ソブレ・トードー・エル・セグンド・ティエンポー・イ・エル・パルティードー・デ・オイ(1stレグのとりわけ後半と今日の試合でね)」(コケ)だったとしても、1stレグ前半にまったく精彩がなく、ルイス・スアレスとメッシにゴールを許してしまったのが、そもそもの敗因だったかと。 ▽それ故、「En los 90 minutos no hemos merecido este resultado/エン・ロス・ノベンタ・ミヌートス・ノー・エモス・メレシードー・エステ・レスルタードー(90分間、ウチはこの結果に値することをしていない)。しかしこの大会でやってきたことから、決勝でプレーするのにふさわしい」(ルイス・エンリケ監督)ということになってしまうのでは? うーん、もちろんこの2ndレグではその日、コケとのダブルボランチで出場停止のキャプテン、ガビの役割をしっかり補ったサウールなども「Hemos hecho todo lo que estaba en nuestras manos/エモス・エチョー・トードー・ロ・ケ・エスタバ・エン・ヌエストラス・マノス(自分たちにできることは全部やった)」と残念がっていたように、グリーズマンのゴールがオフサイドにされていなければといったタラレバはありますけどね。 ▽かといって、シメオネ監督がスペイン人の審判への皮肉を込めて、「Tengo claro por que en Champions tenemos mas opciones que en Liga o en Copa/テンゴ・クラーロ・ポル・ケ・エン・チャンピオンズ・テネオス・マス・オプシオネス・ケ・エン・リーガ・オ・エン・コパ(ウチにはリーガやコパ・デル・レイより、CLでの方が、オプションがある理由ははっきりわかっている)」と言うのは正しいかどうか。とりあえず、彼らのCL16強対決レバークーゼン戦は21日の火曜。どうやら木曜にはゴディンも全治10日程と診断され、戻って来られるようですから、2年前の同じラウンドではPK戦で何とか下した相手ということを忘れず、今は地道にPK練習に励んでほしいかと。 ▽その傍らで、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からは、コパに全身全霊を注いでいただけにショックも大きく、そのせいか、やはりローテーションをしてくるというセルタとの試合に勝って、リーガでもCLグループリーグ出場権が獲得できる3位争いに後れを取らないようにするのが肝要。バルサ戦で見せた、どこまで不幸が降りかかってもメゲずに立ち向かう姿勢を維持できれば、大丈夫かとは思いますが、予想はあまりアテにならないのがアトレティコですから、やっぱり心配ですよね。 ▽そしてそのセルタ戦が順延したため、この土曜が12日ぶりの試合となるマドリーはどうしていたかというと。うーん、水曜には25歳のバースデーパーティ第2弾をチームメート全員招いて開いたネイマールと違い、32歳になったクリスチアーノ・ロナウドには表立ったお祝いの席がなかったため、今週はマスコミ露出がかなり低下していた選手たちですが、いつの間にか、バルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションが賑やかになっていたのには私もちょっとビックリ。というのもセルタ戦で復帰予定だったマルセロやペペに加え、ハメス・ロドリゲス、カルバハルやモドリッチまで全体練習でアクセル全開だったから。 ▽実際、金曜のジダン監督の会見によると、足首の手術をしたベイルだけ、復帰がCL16強対決ナポリ戦2ndレグになる予定ではあるものの、他は全員、完全に回復したよう。土曜午後8時45分からのオサスナ戦に出られないのは累積警告のクロースだけだとか。この予期せぬparon(パロン/休止期間)で体力満々な上、何より相手は最下位ですしね。同日、近隣でアラベスとコパ決勝の予行演習をする2位バルサとの差が現在、勝ち点1しかなく、試合までは抜かれてしまう可能性があるとはしても、エル・サダル(オサスナのホーム)で日が変る前に順位は元に戻っているのでは? ▽一方、マドリッドの新弟分、レガネスは翌日曜にブタルケに残留の直接ライバル、スポルティングを迎えるんですが、いよいよ本腰を入れて勝ち始めないといけないということで、サポーターはhimno(イムノ/クラブ歌)をアカペラで歌ってチームを迎え、選手たちを励ますよう。まあ一応、降格圏にいる相手とは勝ち点差5あるとはいえ、まだ18ポイントしか貯めていないのでは心もとないですからね。冬の移籍市場で獲った新戦力7人もそろそろ馴染んだ頃でしょうし、早くファンを安心させてあげられるといいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.11 13:11 Sat
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【倉井史也のJリーグ】今こそこっちにスポット当てたほうがいいんでねぇの?!の巻

▽先日、知り合いの知り合いの知り合いから連絡があったんです。Jリーグのことでお願いがありますって。なんかすごい深刻そうだったから話を聞いてみたら、ガックリきちゃいましたよ。だって、「マスコット総選挙」投票してくれって話だったんだから。 ▽13日(月)23:59までやってるんですってよ。で、これの中で何が問題になってるかって、下克上! ディビジョンが上のチームが下のカテゴリーのチームに負けてるって、結構ヤバいことらしくて。だって、あんまり注目されてないぞってことになっちゃうでしょ? そうすると商品展開なんかにも影響しちゃうんじゃないかって心配してるらしいんです。 ▽調べてみると、J3のクラブよりも得票数が少ないJ2のクラブがあり、J1なのにJ2よりも人気がないマスコットがいる! というか、長野のライオー、強い! 大分のニータン、長崎のヴィヴィ、松本のガンズ、すごすぎ。名古屋のグランパス、J1だったとしても上位です。そして札幌のドーレ、魔王的な強さ誇ってます。 ▽だけど確かにこの投票数じゃ、J1のクラブのマスコット商品は、ほとんど開発できないじゃないか! みたいな。子供向けかもしれないけど、Jリーグが解決しなきゃいけない問題に、新規観戦者層の開拓と、若年ファンの獲得があるんだから、この投票って大事かもしんないです。え? 僕ですか? そりゃもちろん、9日正午現在J1でぶっちぎり最下位の浦和、レディアに入れましたとも。 ▽まぁこれで人気があったとしても、クラブと安定度とは何の関係もないわけですが。てなことで、一番心配なのはヴィヴィを擁する長崎なワケですよ。サポーターミーティングでいきなり社長、専務、GMの3人が辞任したことが明らかに! って、開幕もうすぐなんですけど!! 13日には「キックオフカンファレンス」開催されるんですけど!! つーか、期限付移籍満了を合わせて16人が出て行って、17人が入ってきて選手全員で29人。マスコットよりもこの選手たちにスポット当ててあげた方が良い気がするんですけどね……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.02.09 18:00 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】Jリーグの「強化分配金」の金額が決定。リーグ連覇すれば2年で30億円の強化費

▽Jリーグは2月9日、優勝賞金の変更と同時に「強化分配金」を新設し、その金額を明らかにした。今シーズンからイギリスの大手動画配信会社のパフォーム社(映像配信はダ・ゾーン)と、10年で約2100億円の大型契約を結んだが、これらの原資が「強化分配金」に充てられる。 ▽まず優勝賞金は、年間1位が1億円から3億円に、以下2位は2000万円から1億2千万円に、3位は2000万円から6000万円に引き上げられた。そして「強化分配金」は、1位が翌年に10億円、2年目は4億円、3年目は1億5000万円と分割して計15・5億円が支払われる。2位は翌年が4億円、2年目が2億円、3年目が1億円の計7億円。3位は翌年が2億円、2年目は1億5000万円、3年目はなし。4位が翌年は1億8000万円で、2年目と3年目はなしとなっている。 ▽単純計算で今シーズンの優勝チームは来シーズンに13億円を手にすることができる。そしてリーグ連覇を達成すれば、翌年には優勝賞金3億円に加え2年目の4億円と1位の10億円の計17億円、2年間合計で30億円もの巨費を獲得できるのだ。ただし、「強化分配金」を受け取るには、①Jリーグの理念・活動方針に沿った目的に拠出しているか、②クラブライセンスにおいて当該年度のJ1ライセンスを保有しており、かつ当年度のリーグ戦に参戦していること、③当年度の配分金予算執行に関して理事会において決議されており、かつJリーグ内で支払い決議が下りていること、が配分条件とされている。 ▽要は、「強化分配金」がクラブ運営の補填費用などではなく、クラブの「強化」に使われる予定かどうか。それをクラブ側も明確にしなければならないということだ。金額を明かす必要はないが、どのような「強化」に使うのか、クラブは使途をファン・サポーターに説明して欲しい。 ▽今シーズンは優勝した鹿島がGKクォン・スンテ、MFレオ・シルバ、FWペドロ・ジュニオール、MFレアンドロを始めとした大型補強を敢行。FC東京はGK林彰洋、DF太田宏介、MF高萩洋次郎、FW永井謙佑、FW大久保嘉人とこちらも即戦力を獲得した。その他にもMF中村俊輔とMF家長昭博はそれぞれ磐田と川崎Fに新天地を求めるなど、これまでチームの“顔"だった大物選手が移籍市場を賑わせ、近年になり活況を呈した。 ▽巨額の「強化分配金」を想定しての移籍ではなく、たまたま契約が切れるなどのタイミングが重なったり、家庭の事情等もあったりしたのだろう。それでも当該チームのファン・サポーターにしてみれば、2月25日の開幕戦を楽しみにしていると思う。“新鮮力"がなければチームはマンネリ化するだけに、こうした活発な移籍は歓迎したいし、中国のCリーグに及ばないまでも、「強化分配金」を有効活用してヨーロッパで活躍するスター性のある選手を獲得して欲しい。 ▽2月25日は大型補強同士の鹿島とFC東京が激突するし、家長の抜けた大宮が、家長を獲得した川崎Fと対戦する因縁のカードも組まれている。個人的に残念なのは、試合をライブ配信するダゾーンは録画できないということ。現状では「見逃し配信」に頼るしかなさそうだ。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.02.09 10:00 Thu
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【東本貢司のFCUK!】歴史が培ってきたクラブカラー

▽ふ~ん・・・・「ヴェンゲル解任を求めるプラカードにツイート」? アレックス・オクス=チェンバレンが“誤って”「いいね」を押したとかどうしたって? ま、メディアが「事実」を報道するのは致し方ないとしても、こんなこと日常茶飯事なんですよ、皆さん。ファンたるもの、熱ければ熱いほど、何かしなきゃという強迫観念にとらわれて、一時の激情、それも最も“過激でわかりやすい”文言を吐き散らしたくなるのが世の習い。要するに欲求不満のはけ口、その発露なのであって、それ以上でもそれ以下でもない。昨年末辺りじゃ「今シーズンこそ(優勝まで)行けるぞ」と、期待に胸を膨らませていたはずだろうから、悔しさ、やり切れなさのほどはよ~くわかる。しかし、そんな彼ら自身とて、今この現状を確実に好転させる監督交代などあり得ないことも、よ~くわかっている。仮にもしそうなってしまったら、今度は「アーセナル理事会解散」を叫び出すに違いない?! ▽「ミラクル」から一転、残留争いのアリジゴク(の穴)でもがいているレスターの上層部はこのほど、クラウディオ・ラニエリに引き続き全幅の信頼を置く、と明言した。そもそも昨シーズンが出来過ぎだったこともあるだろうが、ならばなおのこと、解任させる根拠がないからだ。初年度で望外の結果を出して次年度に揺り戻しが来たという、まともな神経の持ち主なら当然、「想定内」と受け取ってしかるべきであり、つまり、ラニエリを評価する材料など、まだ何ひとつと言っていいほど見当たらない。もし仮に、プレーヤーサイドからの“要請”なりがあれば、レスターの理事会も「動く動かない」の議論を持つだろうが、それも一切聞こえてこない。さもありなん、非のほとんどはプレーヤーたちの方にこそある。動きが緩慢、パスミス続出、何をやっても思い切りが悪い・・・・二つ三つゲームを眺めていればすぐ、それがわかる。どこぞの訳知り顔(大抵は戦術論を振りかざす輩)が「カンテがいなくなったのがね・・・・」? 失礼にもほどがある。5人6人が抜けたのならいざ知らず、たった一人のせいでプレミアを制したチームがガタつくなんてあるものか。 ▽それでも、彼らはまだチャンピオンズで生き残っている。大したものではないか。何年か前のエヴァートンに比べれば、超のつく快挙と言ってもはばからない。クラブ史上初、本人たちも夢か幻か、てな心境だったに違いないのだから。(グループリーグの)相手に恵まれた? またしても失礼千万。こういう、一握りの“常連強豪”ばかりをもてはやす通気取り(実際、こういう手合いは“それら以外”のチームについてロクに知っている節もなければ、勉強した跡すらない!)が、年々フットボール観戦の面白さを台無しにし、純粋なファンの楽しみを矮小化している・・・・違うと言い切れますか? ごくごく要約して言うなら、やることなすこと上手くいってプレミアの王者になってしまった、実にむずがゆくてどうやってもどんと構えてなどいられない重圧と、ここだけは失うもののない格下チャレンジャーとしてぶつかっていける解放感の対比が、今季のレスターなのである。だからこそ、レスターは今後もラニエリを全力でバックアップする意志をあっさり更新した。 ▽さて、ここで考えていただきたい。では、アーセナルの経営陣、理事会は、ヴェンゲル支持を改めて確認する何らかの言動をものしたか。していない。多分、今後もする“予定”はない。なぜなら、彼らはヴェンゲルの方から辞任の意思を伝えてこない限り、何もするつもりはないからだ。いや、ヴェンゲルが辞めたいと言ったとしても、全力で翻意を促すだろう。この世界には、成績が悪くなると監督のクビをすげ替えるのを当たり前と考える人々がうようよしている。クラブ経営陣のお歴々も、専任ジャーナリストも、元プレーヤーの評論家も、元プレーヤーで評論家経験も持つ監督経験者も、例外ではない。率直に言おう。そういう方々、手合いからは、歴史についてロクに(本心は「これっぽちの」と言いたいところだが)知識も、理解も、リスペクトも感じられない。ざっと10年ほど前、ある高名なコーチ経験者の評論家が、筆者に向かって「ファーガソン、まだ辞めないんですか?」と呆れ顔で問いかけたときは、正直唖然とし、内心ひどくがっかりしたものである。 ▽そして、本来なら「わかっているはずの」オーナーサイドですら、最近はしびれを切らすのが早くなったきらいがある。無論、そのほとんどが異邦の投資家グループだという事実と密接にリンクしている。つまり、クラブの歴史、言い換えれば、当クラブならではの伝統に基づくスピリット、優に百年以上をかけて培ってきた“カラー”に対する敬意など、多分、彼らはもはや何の役にも立たないと見切っている節がある。が、現実は正直だ。ファーガソン勇退後のユナイテッドがどんな行く末をたどってきたかを振り返れば、言葉を尽くす必要もないだろう。そして、アーセナルもアーセン・ヴェンゲルあっての“今そこにある”アーセナルなのである。もし、ヴェンゲルが去った日には、アーセナルもそっくり別物になり果ててしまうだろう。このざっと20年間、見続け、それなりに理解してきたアーセナルではなくなってしまうだろう。それでも「結果オーライ」なら良しとするかどうかは“彼ら”の問題だ。いや、いずれはそんな日も必ず訪れる。そして「ヴェンゲル解任」を叫んだあの熱血ファンが、いざその日が来て失望に暮れ、あのときの“暴言”を後悔するのも目に見えている。ひょっとしたら、それを“予見”してしまったからこそ、その“恐怖”に怯えたからこそ、彼は思わず“逆噴射”してしまったのだろうか・・・・。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.02.08 13:25 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】もっと前に直しておけばいいのに…

▽「まったく取り越し苦労もいいところというか」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。延期になったセルタvsレアル・マドリーが下手したら、最終節直前のミッドウィーク開催になるかもとマスコミが騒いでいるのを見た時のことでした。いやあ、先週末はガリシア地方(スペイン北西部)を暴風雨が襲ったため、リアソルの屋根が破損。それでまず、金曜のデポルティボvsベティスが延期になったんですけどね。当然のことながら、そのデポルティボのあるコルーニャから電車で1時間ぐらいのビゴも同様の悪天候、バライドスの劣化度も同じぐらいだったらしく、こちらも屋根がはがれて観客、選手に危険が及ぶ恐れがあるということで、セルタ戦は日曜夜の予定だったんですが、土曜にはもう延期の決定がなされることに。 ▽そこに至るまでもビゴ市長の中止勧告に始まって、LEP(スペイン・リーガ協会)が延期を正式に決定するまでに7時間もかかり、その間、アウェイに移動する側が振り回されたとか…。今週水曜にコパ・デル・レイ準決勝アラベス戦2ndレグを控えているセルタがせっかく控え選手で迎えてくれるんだから、試合をしないのは損とばかりにマドリーが開催を迫り、屋根の落ちそうな場所には観客を座らせなければいいとか…。同じガリシア地方の違うスタジアム、でなければ同じスペイン北部のエル・モリロン(スポルティングのホーム)や隣接するポルトガルでやったらどうだなんて代案を出してきたとか…。イロイロ悶着はあったようですけどね。 ▽結局、一番の問題は延期した試合を過密日程のどこに組み込むのかで、週明けに屋根の修理がすぐできたとしても今週のミッドウィークはセルタのコパでダメ、来週はヨーロッパの大会でセルタもマドリーも試合があり、その次はマドリーがクラブW杯のため、延期していたバレンシア戦があるといった具合で2月中は不可能。では3月はと見れば、セルタがヨーロッパリーグの32強対決でシャフタール・ドネツクに負ければ、チャンピオンズリーグの16強対決でナポリとの2ndレグの後はマドリーにも空き週があるため、15日頃にできないこともないんですが…。万が一、そこを越えて、どちらかが準々決勝、準決勝と進んでしまったら、最悪5月17日まで引きずることになるのだとか。 ▽逆に両者が早い段階でヨーロッパの大会から脱落すれば、4月や5月にやることができるんですけどね。セルタがELでどこまで進むかは未知数とはいえ、マドリーのCLがいつも3月で終わっていたのはすでに遠い過去の話。2010-11シーズン以来、最低でもずっと準決勝まで進んでいるとなれば、もしかしてリーガ優勝が決定した後にセルタ戦をプレーするなんてケースだってありうる? それとは対照的にデポルティボvsベティスの方はどちらも余計な試合がないため、あまり問題なく適当なミッドウィークに設定できそうですが、首位を狙っているバルサやセビージャなんかにとっては、時に順位表で上に行っても、相手に勝ち点6も上積みのチャンスがあるというのは厳しいところですよね。 ▽え、それでも先週末はリーガ優勝をすっぱり諦めたアトレティコの試合はあったんだろうって? その通りで土曜にはマドリッドの新弟分、レガネスをビセンテ・カルデロンに迎えてのミニダービーだったんですが、スコアレスドローだったシーズン前半戦での対決と違って今回は先輩としての貫禄を示すことができました。ただ、後でシメオネ監督も「Vi ráfagas buenas en el primero y en el segundo tiempo/ビ・ラファガス・ブエナス・エン・エル・プリメーロ・イ・エン・エル・セグンド・ティンポ(前半と後半に閃光のようないいプレーを見た)」と言っていましたが、決して最初から最後まで相手を圧倒していた訳ではありません。 ▽それでもこのところの途中出場での発奮ぶりを買われ、先発したフェルナンド・トーレスがこの日はチームを牽引。開始1分、エリア内からのフリーのシュートを思いっきり外した時はどうしようかと私も頭を抱えたもんでしたけどね。14分には、そのトーレスがレガネスの新加入CBシオバス(オリンピアコスから移籍)に倒されてPKを獲得。キッカーはグリーズマンだったんですが、やはりここ6回のPK中、4回を失敗しているのを彼は覚えていたんでしょうね。GKエレリンが弾くのを予測していたか、脱兎のごとく飛び出すと、そのままボールを押し込んで、アトレティコが先制することに。 ▽前半はそれ以外、ほとんどチャンスらしいものがなかったため、ハーフタイムにシメオネ監督は「Me pareció que no estaba haciendo un buen partido/メ・パレシオ・ケ・ノー・エスタバ・アシエンドー・ウン・ブエン・パルティードー(いい試合をしているように見えなかった)」というサウールを下げてコレアを投入。するとこの交代がバッチリ当たって、後半早々、50分にはそのコレアのスルーパスがトーレスへ。シュートを防ごうと出て来たエレリンのすぐ前で、まるで2008年ユーロ決勝ドイツ戦で見せたようなvaselina(バセリーナ/ループシュート)を放って2点目を決めてくれたから、驚かされたの何のって! ▽もうそれ以降はスタンドのファンも安心して、「Echare huevo!/エチャレ・ウエボス(根性見せろ)」と火曜のコパ準決勝2ndレグでremontada(レモンターダ/逆転突破)を目指すチームへの応援をスタート。確かにレガネスもシーズン前半戦の時のように、「en Butarque no nos dejó ni tirar/エン・ブタルケ・ノーノス・エホ・ニ・ティラール(ブタルケでウチはシュートさえ撃たしてもらえなかった)」(アシエル・ガリターノ監督)という程。守ってばかりではなかったんですが、やはり頼りが冬の移籍市場最終日に加わったブエノ(グラナダから移籍)やサム(同ルビン・カザン)では難しかったかと。残り時間のアトレティコもパッとしなかったものの、これは「ウチは3日前に試合をして、また3日後にプレーする。No es excusa, es realidad/ノー・エス・エスクーサ、エス・レアリダッド(これは言い訳ではなく現実だ)」(シメオネ監督)という事情があるため、仕方なかったかもしれません。 ▽結局、そのまま2-0で4試合ぶりの勝利を挙げたアトレティコでしたが、ゴディンなど「2点差になって、監督も火曜の試合に備えて交代を考えることができた」と言っていたものの、不満が残るとすればその交代に意外と手間取ったこと。その前の時間帯でアスレティックを3-0で下したコパ準決勝の相手であるバルサがルイス・スアレスを丸々温存。メッシも64分にはベンチに下がったのに対し、シメオネ監督がグリーズマンを交代させたのは71分でしたからね。バルサ戦に強いと見られているトーレスなど、2015年1月にアトレティコに戻って来てから、3度目の1試合2得点を達成したせいか、カンプ・ノウでの先発も視野に入ってきましたが、最後までピッチにいたのはちょっと配慮に欠けるかと。 ▽それだけに中2日の試合でどこまで体力が回復するか心配されますが、アトレティコの場合、もちろんケガ人が多いという事情もあるものの、相手がコパ初戦のギフエロ(2部B)のように、よっぽど格下でないとローテーションできないため、仕方ないところも。となれば、ここはトーレスが今季末で切れる契約を延長すべきとクラブに納得させて、新スタジアムのワンダ・メトロポリターノでプレーできるよう、「Afronto cada partido como si fuera el ultimo/アフロントー・カーダ・パルティードー・コモ・シー・フエラ・エル・ウルティモ(毎試合、それが最後であるかのように立ち向かう)」という姿勢でバルサ戦に立ち向かってもらうしかありません。 ▽そんな彼らは月曜夕方にはもう、出場停止のガビ、負傷中のチアゴ、冬の市場で行き先が見つからず、残留したものの員数外とされているチェルチも伴ってバルセロナ入りしているんですが、朗報はアフリカ・ネーションズカップのガーナ代表で準決勝まで進出。その日の朝に帰国したトーマスと、やはり月曜午前中に裁判所に出頭し、DV容疑で7カ月の実刑を求刑されたリュカも招集リストに入ったこと。いやあ、金曜に逮捕されたリュカの事件はどうやら、やっぱり痴話喧嘩だったか…。9歳年上の彼女の方もDVで4カ月の求刑をされているようで、2週間以内にまた裁判があるんですけどね。土曜のレガネス戦こそ、カルデロンには応援に来ず、自宅にこもっていた当人ですが、日曜月曜と練習はしていたのでプレーするのに問題はないとか。 ▽一方、1stレグで1-2の勝利を得ているバルサでは、アスレティック戦で筋肉痛を訴えてピケがハーフで代わったと聞いた時にはラッキーと思ったんですけどね。どうやら軽症で先発出場に支障はないような。ケガからの復帰が見込まれているイニエスタとブスケッツはスタメンに入るか定かでありませんが、試合中にGKテア・シュテーゲンの拳が顔に当たり、12針縫ったラフィーニャは欠場。ルイス・エンリケ監督は「Creo que va a ser un partido muy atractivo/クレオ・ケ・バ・ア・セル・ウン・パルティードー・ムイ・アトラクティボ(とても魅力的な試合になると思う)。アトレティコが2点を取らないといけないという、慣れていない状態でプレーするのだからね」なんて言っていましたが、いやいや。火曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのこの一戦は私も本当に気が重いですよ。 ▽え、それでセルタ戦がなくなって、週末が暇になったマドリーはどうしたんだって? もちろん仕方ないのでバルデベバス(バラハス空港の近く)で練習を続けていましたが、おかげでマルセロやペペ、ハメス・ロドリゲス、モドリッチら、負傷から回復しつつある選手たちにはもっと体調を完璧にする、いい時間稼ぎになったよう。累積警告でセルタ戦出場停止だったクロースは次のオサスナ戦で出られなくなってしまいましたけどね。エル・サダルでの試合とはいえ、相手は降格圏にいますし、最近はコバチッチも成長著しいため、それ程、心配することはないかと。 ▽ただこの日曜がバースデーだったクリスチアーノ・ロナウドなど、セルタ戦が元々、アウェイの夜遅い試合で手配ができなかったか、さすがに男性でも32歳になるというのはイヤなんでしょうか。自宅で家族と祝っただけに留まったようですが、実は当人、試合でハットトリックでも決めて自分へのプレゼントを贈るつもりだった? 一方、同日に25歳になったネイマールは、コパは出場停止のため、チームメートや母国から彼女や友人を招いて、バルセロナの流行りのお店でパーティを開いてしまうのもわかる? ▽ただ、コパも準々決勝で敗退しているため、ここ2週間はマドリーがプレーする姿をサンティアゴ・ベルナベウでもTVでもまったく見ないというのはかなり違和感が…。その分、来週は待ちかねていたCL決勝トーナメントも始まって、ファンも早起きする日が増えると思いますが、さて。すでにチケット完売のナポリ戦にはイタリア人サポーターが大挙してマドリッドに駆けつけるようですし、向こうもセリエAで2位と好調ですから、きっと盛り上がりますって。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.07 12:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】希望を持ってもいいのだろうか…

▽「この大事な時に何やってんだか」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、いつものように朝、新聞を買うため、家の前の売店に寄ったところ、アトレティコファンの店主のお兄さんから「ルカスがDVで逮捕された」と聞いた時のことでした。いやあ、ネットで詳しく調べてみると、木曜深夜、チームメートとの食事から、酔って帰宅した20歳のDFは彼女と議論になった挙句にケガをさせ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の警察署で一晩過ごしたそうなんですけどね。後で病院に行ったものの、彼女の方も同時に暴力行為で逮捕されていたとかって、要はこれって痴話喧嘩では? ▽うーん、1度こんな話が出ると、後追いのように、実はルカスは1年前にもカラオケ店でお酒を飲んで煙草を吸っていたところを他の客に注意され、相手を殴って現在、訴訟中だなんて記事も出てきたりもするんですけどね。今回の件で何とも情けなかったのは折しも丁度、その木曜の夜はアトレティコからレンタルでアラベスに修行に出ているテオがバライドスでドシャ降りの雨の中、セルタとのコパ準決勝1stレグで奮闘。まさか、その兄ルカスが1歳年下の弟がアウェイで0-0と引き分けたことを祝って遊びに出た訳もないと思いますが、何よりこの1週間、自分のチームは水曜の結果を引っくり返すべく、死に物狂いで努力しなければならない苦境にありますからね。 ▽それもせっかく、お隣さんの専売特許のような奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を少しは信じられそうな雰囲気になってきたところで、こういう事件が起きると、ファンの気分が削がれてしまうかもしれないのが怖いんですが、さて。あ、金曜午後3時頃に保釈されたルカスは月曜に裁判所に出頭予定、彼女とは500メートル以内の接近禁止令が出ているそうですが、とりあえず、当人はベンチで応援していたバルサとのコパ準決勝1stレグがどうだったかをお伝えしていくことにすると…。 ▽それがリーガ前節のアラベス戦で見せた目を覆うような惨状からすれば、序盤はまともに見えたアトレティコだったんですが、化けの皮が剥がれるのも早かったんですよ。そう、前半6分にはグリースマンが自陣でマスチェラーノにボールを奪われたのをキッカケにルイス・スアレスがゴール目指して猛ダッシュ。サビッチもゴディンも簡単にかわして、GKモヤを破った時には前夜、合宿先のモンテ・レアル・ホテルに到着したチームを昨季のCL準決勝バイエルン戦以来でしょうかね。盛大にbengala(ベンガラ/発煙筒)を炊いて迎えた300人余りの疑うことを知らない熱烈なファンも、試合前、「この5年間で6回目の準決勝を戦うウチの選手たちを心から誇りに思う」と話していたシメオネ監督もただただ、呆れるしかなかったかと。 ▽1点リードを許した後のアトレティコはここ数試合のダメダメ気質が前面に出てしまい、いえ、バルサがある程度、引いてくれたため、追加点は32分まで取られなかったんですけどね。今度はメッシにエリア前から弾丸シュートでgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまうとは、ちょっとお。もしやアトレティコの選手たち、ここ9試合で計12得点されているMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)の恐怖を忘れてしまった?ええ、こうなったら次はネイマールだろうと私が覚悟したのと同様、その時点ではオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナたちも「こりゃ0-5ぐらいになると思った」、「fin de ciclo/フィン・デ・シクロ(サイクルの終わり)という言葉が頭に浮かんだよ」と、試合後のミックスゾーンで話していましたっけ。 ▽でもそうじゃなかったんですよ!後半頭からベルサリコ下げ、フェルナンド・トーレスを入れたアトレティコはまったく違うチームになっていたんです。再開早々、ガビがワンツーでGKシレッセンの前に躍り出たチャンスはジョルディ・アルバにシュート直前でボールをカットされて実らなかったものの、どうやらそれが反撃の狼煙だったようで、急に攻め始めたものだから、こちらもビックリしたの何のって。前半のひどい出来に意気消沈していたスタンドもしばらくは息を潜めて見守っていましたが、とうとう13分、ガビの出したFKをゴディンが頭で流し、ゴール左前にいたグリースマンがマークについたマスチェラーノを高々と上回ってヘッドをお見舞い。1点を返すことに成功したため、一気にスタジアムを満員にしたファンが盛り上がることに。 ▽え、でもその時、ゴディンをフリーにするのにコケがルイス・スアレスを引き留め、倒してしまったのは明らかにファールで、本来なら、このゴールはスコアボードに上がらないものじゃなかったのかって?まあ、そうなんが、幸い審判もお目こぼししてくれましたし、元々、そういう形のセットプレーだったようですからね。それより感心したのはシメオネ監督の先見の明で、ファンフランによると、「Al descanso nos dijo que si metiamos el primer gol se crearia en el Calderon un aura especial/アル・デスカンソ・ノス・ディホ・ケ・シー・メティアモス・エル・プリメール・ゴル・セ・クレアリア・エン・エル・カルデロン・ウン・アウラ・エスペシアル(ハーフタイムに、もし最初のゴールを入れれば、カルデロンに特別な雰囲気が生まれると言われた)」のだとか。 ▽実際、お隣さんのジダン監督同様、やはり現役時代から知っているクラブで監督をしているだけあって、ファンの気質をよくわかっているのはありがたいことで、以降は「Tiene una aficion increible, que le anima aunque vayan perdiendo/ティエネ・ウナ・アフィシオン・インクレイブレ、ケ・ラ・アニマ・アウンケ・バジャン・ペルディエンドー(信じられないようなファンを持っている。負けているにも関わらず、応援するんだから)」と後でジョルディ・アルバも羨んでいた場内の声援を受けて、アトレティコは更なる攻勢に。ええ、バルサの方は30分にメッシのFKをモヤが弾いたボールが枠に当たったぐらいだったのに対し、シメオネ監督のも後で「en el segundo tiempo nos acercamos al equipo que siempre hemos sido/エン・エル・セグンド・ティエンポー・ノス・アセウカモス・アル・エキポ・ケ・シエンプレ・エモス・シードー(後半はウチが常にそうだったチームに近づいた)」と認めていたように、グリースマン、トーレス、そしてカラスコから代わったガメイロと何度も危険なシュートを撃ったんですが…。 ▽残念ながら、同点には至りませんでした。ただ、1-2で負けてしまったアトレティコとはいえ、やはり優勢で試合を終えたのは自信回復につながったようで、「No tengan ninguna duda de que estamos vivos/ノー・テンガン・ニングーナ・ドゥーダ・デ・ケ・エスタモス・ビボス(ウチがまだ生きていることに少しでも疑いを持たないでくれ)」というシメオネ監督を始め、選手たちも「La eliminatoria esta abierta y vamos a ir a morir a Barcelona/ラ・エリミナトリア・エスタ・アビエルタ・イ・バオス・ア・イル・ア・モリール・ア・バルセロナ(対戦は終わっていないし、ウチは死ぬ気でバルセロナに行く)」(ファンフラン)と来週火曜の2ndレグに向けて気合満々。 ▽いやあ、だったら前半あんなにオタオタしないで、最初からやる気を見せていれば良かったんじゃないかと言うのは正論ですが、バルサの選手たちと彼らには明らかに天賦の才に差がありますからね。「En el descanso hemos recordado quienes somos/エン・エル・デスカンソ・エモス・レコルダードー・キエネス・ソモス(ハーフタイムにボクらは自分たちが何者かを思い出した)」とトーレスも言っていましたが、諦める前に才能では劣っていても、意志と体力を総動員した密度の高いプレーをすれば、バルサやレアル・マドリーとも互角にやり合えることを思い出してくれただけでもありがたいじゃないですか。 ▽え、でもそのせいで、トーレスと共に後半、生え抜きのアトレティコ魂を見せてくれたガビがイエローカードをもらい、累積警告で2ndレグに出られなくなってしまったじゃないかって?うーん、バルサもネイマールが同じ憂き目にあっていますが、片や「Si hay un equipo en el mundo que no debe lamentarse de las ausencias es el Barcelona/シー・アイ・ウン・エキポ・エン・エル・ムンド・ケ・ノー・デベ・ラメンタールセ・デ・ラス・アウセンシアス・エス・エル・バルセロナ(世界に選手の不在を嘆くべきでないチームがあるとしたら、それはバルセロナ)」(ルイス・エンリケ監督)と自負している相手ですからね。もちろん個人的には、「Me pierdo el partido de vuelta, pero asi estoy en la final/メ・ピエルド・エル・パルティードー・デ・ブエルタ、ペロ・アシー・エストイ・エン・ラ・フィナル(自分は2ndレグを逃すけど、おかげで決勝には出られる)」というキャプテンの台詞を信じたい気持ちもありますが、こればっかりはねえ。 ▽おまけに向こうはビセンテ・カルデロンでの試合には間に合わなかったイニエスタが復帰しそうだとか、これまでアトレティコはホームでの初戦を1-2で負けて、逆転突破したのは4回中1回しかないとか、逆にバルサは14回全部勝ち抜けているとか、更にはこの結果は先日、準々決勝で敗退したマドリーがセルタ戦1stレグで喫したのと同じだなんて、ネガティブな面を考え始めると決して楽観はできないんですけどね。とはいえ、リーガと違って、確かに「Siempre digo que la Copa es rara/シエンプレ・ディゴ・ケ・ラ・コパ・エス・ラーラ(コパは奇妙だと私はいつも言っている)」(シメオネ監督)という意見も一理ありますから、今はあまり悩まない方がいい? ▽というのも彼らにはもう、レガネスとのミニダービーが迫っているせいで、始めに書いた事情でルカスは招集されず。前節に肉離れを起こしたヒメネスもいないため、ますますDF陣が手薄になってしまったアトレティコはとうとうトップチームのフィールドプレーヤー自体、15人しかいないという事態に。対照的に1月31日の駆け込み補強も含め、この冬の市場で7人を獲得したマドリッドの新弟分はブエノやティト(どちらもグラナダから移籍)といったラージョ(今季は2部)でお馴染みだった選手やエル・ザール(ラス・パルマス)なども加わって少々、得点力が増した感が。 ▽いえ、もちろん現在、17位と降格圏ギリギリにいる彼らにも頑張ってはもらいたいんですけどね。一応、すぐ下のスポルティングとは勝ち点差5ありますし、ここでまた、シーズン前半戦のように引き分けるようなことになると、アトレティコはミニマムマストのCL出場権獲得順位すら危うくなってきますから、やはり背に腹は変えられないかと。そんなアトレティコvsレガネス戦は土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)キックオフ。アフリカ・ネーションズカップ参加中のトマスがいるガーナも準決勝で敗退したそうですが、帰って来るにはまだ日数がいりそうですしね。中盤はチアゴやアウグストがリハビリ中とあって、シメオネ監督がコパに備えてローテーションできるのはせいぜい、前線ぐらいでしょうか(ただしグリースマンを除く)。 ▽一方、今週からコパがないマドリーはずっとバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニング三昧の日々だったんですが、どうやらこの節は首位固めに最高の環境が揃っている気配が。だってえ、木曜にアラベスと準決勝1stレグでアドバンテージを取れなかったセルタのベリッソ監督がまた、「Para nosotros es prioritario el partido del próximo miércoles. El domingo, rotaciones/パラ・ノソトロス・エス・プリオリタリオ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス。エル・ドミンゴ、ロタシオネス(ウチにとって、優先されるのは次の水曜の試合。日曜はローテーションする)」と宣言しているんですよ。つまり、イアゴ・アスパスやバス、ボンゴンダといった、マドリーをコパから追い落としたメンバーが出て来ないってことじゃないですか。 ▽となると、ジダン監督が狙うは、16強対決でのセビージャのようにコパでは苦杯をなめながら、続くリーガ戦で勝利して鬱憤を晴らすという道ですが、唯一の難点は今回、クロースが出場停止ということ。ただ、それ以外は朗報が多くて、負傷者が続々と戦列復帰に近づいているのは心強いかと。ええ、左右順番にふくらはぎを痛めていたハメス・ロドリゲスはこのセルタ戦で戻れそうですし、もう全体練習に参加しているマルセロも秒読み段階。モドリッチも次のオサスナ戦には準備ができる見込みな上、何とカルバハルや足首の手術をしたベイルまで予定を繰り上げて、15日のCLベスト16、ナポリ戦1stレグに出場できそうだとなれば、もう怖い物などない? ▽ちなみにそのサンティアゴ・ベルナベウで行われるそのナポリ戦はもうチケット完売だそうですが、まだ先のことなのでともかく、今週末は土曜に2位バルサがアスレティックと、日曜には3位セビージャがビジャレアルといった難敵と顔を合わせるだけに、取りこぼしも十分見込めますからね。その上、22日にはクラブW杯参加のため、延期されていたバレンシア戦もあるとなれば、この1カ月で現在、勝ち点4の差がもっともっと開く可能性も。まずはその第一歩となるセルタvsマドリー戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からですが、それまでにライバルたちの試合が終わっているのも選手たちの励みになるかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.04 10:00 Sat
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【倉井史也のJリーグ】今年こそはと思ってるけど、そんなレベルじゃないんじゃね?!の巻

▽毎年、毎年、期待しては裏切られてることがあるんです。「今年こそは」って密かに思っているのに、全然達成できないこと——。禁酒じゃありません。宿命的独身主義者同盟からの脱退でもありません。したいけど。 ▽それは、J2から3チームが昇格するようになり、J2で一番下の成績だったチームが翌年J1に残留すること。2010年湘南、2011年福岡、2012年札幌、2013年大分、2014年徳島、2015年山形、2016年福岡と、すべて1年でJ2に逆戻りしてるんです。 ▽でもね、今年もしかしたら奇跡が起きるかもしれません。だって去年J2の4位ながらプレーオフを制して昇格してきたのはC大阪。現代表選手の山口蛍、ケガから戻った柿谷曜一朗に加えて、清武弘嗣まで帰ってきたじゃありませんか。なにこれ、この大変な布陣。11月の日本代表で、同じクラブに代表選手が2人いるチームって、浦和(西川周作、槙野智章)、FC東京(森重真人、丸山祐市)、G大阪(東口順昭、井手口陽介)だけなんですけど。もしかしてこれで柿谷が代表に復帰したら、代表チームの中の一大勢力に躍り出るんですけど。 ▽いやいや、それでも今までのジンクスがあるから、というアナタ! 言いたいことはわかります。C大阪って昔から攻めるのはいいけど、守りがちょっとね、なんて声がありますから。 ▽だけど、今年厳しく指導してるのは尹晶煥監督ですよ。鳥栖を率いていたとき、リードした途端、5バックにして30分以上守り一辺倒を続け、それでも勝っちゃったという、守らせたらもう大変な人物。勝つためのなりふり構わなさはJリーグの中でもピカイチ。ってことは、圧倒的な攻撃力に加えて、やたらめったら固い守備が身につくんじゃないでしょうか。ってことは、降格候補というより、優勝候補的な? いやむしろ優勝しなければおかしいみたいな? ▽ええ、もちろんリスクはあるでしょう。尹晶煥監督の言うことに選手が素直についてくるか。あるいは代表選手たちは今年の予選で消耗しちゃうんじゃないかとか。 ▽でもね、それでも望みがあるんです。いざとなったら夏の補強でもう1人呼び戻しちゃって……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.02.03 12:00 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】Jリーグに戻った高萩への期待

▽Jリーグは各チームとも沖縄や九州でのキャンプでテストマッチを重ねている。といったところで、今シーズンは大型補強を敢行したFC東京の練習を小平グラウンドで取材した。お目当ての選手は、1月中旬に急きょ加入したMFの高萩洋次郎だ。広島時代はクラブ史上初のプロの高校生Jリーガーとしてデビュー。2012年は広島の初優勝に貢献すると、活躍を海外に移しAリーグ(オーストラリアリーグ)のウェスタン・シドニーやKリーグ(韓国)のFCソウルで活躍。トップ下のファンタジスタとしてKリーグ優勝にも貢献した。 ▽FC東京にしてみれば、昨シーズンはボランチの米本と橋本が相次いで負傷。シーズン終盤は負傷を抱える梶山と、田辺をコンバートしてなんとかしのいだ。しかし橋本は1月31日にやっと全体練習に合流したものの、米本の復帰にはまだ時間がかかる。そこで、FCソウルではトップ下でプレーしていた高萩をボランチ候補として獲得したという訳だ。 ▽183センチの長身にもかかわらず、しなやかなプレースタイルから長短のパスで攻撃を組み立てる高萩は、個人的には現代サッカーでは希少種と言ってもいいクラシカルなファンタジスタだと思うし、正直好みのタイプだ。ただし、攻守に運動量が求められる現代サッカーで生き残る場所があるのかどうか。それは指揮官が求める、あるいは“許す”役割によって替わってくるだろう。高萩と同じことは磐田に移籍した中村俊や、スペインリーグ2部のテネリフェへ移籍した柴崎にも当てはまる。R・バッジョを外した歴代監督が示すように、ファンタジスタが生息できる場所は年々減少している。 ▽そんな状況にもかかわらず、高萩は「日本のJリーグとは違うプレースタイルや激しさを肌で感じてきた」とAリーグやKリーグでの体験を元に、「このチーム(FC東京)でも引き続き厳しさを持って、チームにいい影響を与えたい。攻撃の起点になるパスや、1本でゴールにつながるパスをゲームで出して行きたい」とファンタジスタ宣言をした。 ▽歌舞伎役者の中村獅童に似た風貌(と個人的に思っている)の高萩が、3シーズン振りのJリーグでどんな活躍をするのか。そしてFC東京に復帰した太田やC大阪への移籍が決まった清武など、今シーズンは海外から逆流入した選手に注目したいと思う。彼らが海外でどれだけの経験値を重ねたのか。それがJリーグに活性化につながれば言うことはない。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.02.02 17:15 Thu
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【東本貢司のFCUK!】迫りくる「最後のチャンス ?!」

▽これは痛い! ホームでのまさかの敗戦。ワトフォードがトップフライト(1部)でアーセナルに勝ったのは1988年以来のことになるが、そんなことはこの際どうでもいい。アーセン・ヴェンゲルは敗因についてこう述べている。「前半、ことごとく一対一で敗れ、動きも総体的に緩慢だった。我々は精神的にゲームへの気構えを欠いていた」。つまり、事実上の完敗。さては3日前のFAカップ戦(対サウサンプトン)大勝のマイナス反動? だとしても、対エヴァートン、マン・シティーの連敗からすっかり立ち直ったに見えて、このセットバックには危機感に苛まれてしかるべし。よくよく振り返れば、その後の(このワトフォード戦直前まで)7戦は、どれをとってもほぼ実力的に“組しやすい"相手ばかりだった。とはいえ、この1月だけで7試合の超強行軍。12月も6試合。これで疲労のせいにはできないなどとはとても言い難い。とはいえ、それはどこも同じなのだが・・・・。 ▽某ガナーズファンは、同日後刻、首位チェルシーがリヴァプールと引き分けて「助かった」と宣った。が、本当にそうか? 確かに、チェルシーは「勝てるゲームを引き分けた」点も指摘されるかもしれない。すなわち、ディエゴ・コスタのPK失敗・・・・。ここで、リヴァプールの将、ユルゲン・クロップは、いかにもといったトーンでコスタを激賞するコメントを出して“混ぜっ返して"いる。クロップ一流の“マインドゲーム"・・・・? とか何とかはさておいて、一つ視点を変えてみれば、「助かった」のではなく「せっかくのチャンスをふいにした」とは考えられないか? 一つは、ライバルが軒並み“複数ポイント"を逸してくれた恩恵を生かせなかったこと。もう一つは、もし勝てる試合を勝てなかったのだとしたら、チェルシーは次なるゲームにまなじりを決して臨んでくるに違いないだろうこと(コンテはいつになくえらく悔しがっていた。なんとなれば、その次戦、今週土曜日の相手こそまさにアーセナルなのだ。これはとんでもない一大決戦になりそうな・・・・。 ▽そのココロとは・・・・このざっと10年前後の経緯を振り返っても、ヴェンゲル・アーセナルの十八番の一つともいえるのが「危機感に苛まれたときほど一丸となって結果を出す」ことであり、おかげで幾度となく「大逆転」あるいは悪くとも「最低限」の成果を収めてきたことだけは思い出しておきたい(是非、過去をひもといていただきたい)。つまり、だからこそ、今週末の直接対決はおそらく、後々語り種になってしかるべき今シーズン最大のイベントになること必至なのである。すなわち、コンテ・チェルシーが(幸便にもホームで)勝てば、さしもの筆者も「優勝は九分通り・・・・」と推定せざるを得なくなる。ああ、もちろん、試合はまだそこそこ残っているのだから、この“業界"の決まり文句通り「何が起きるかわからない」。だが、このめぐり合わせなのだ、ここでアーセナルの反発が実らない事態になれば、以後残りの日程で終始、ガナーズの面々の心理には拭い去りようのない“負い目"が染みついてしまう。反骨の志がどうやっても萎んでしまいかねない・・・・。 ▽とはいえ逆に(週末のチェルシー戦に)勝てば、勝ち点差6がひどく“軽く"見えてくるはずのアーセナルに比べれば、同じホームで同率最下位だったハルと引き分けたマン・ユナイテッドの“絶望感"たるや、ほぼヤケッパチになっても仕方のないレベルだろう。ジョゼ・モウリーニョが、ポストマッチ・インタヴューを途中でうっちゃってさっさと引き上げてしまったほどに。さもありなん、ユナイテッドにとってはそれこぞ「最後のかすかなチャンス」だったのだから。残り15試合で首位チェルシーとの差15は、さすがにほぼ白旗宣言。しかも、お隣のシティーが“ネイマール二世"ガブリエル・ジェススのデビューゴールで圧勝したとあっては、ここでも心理的に凹む。寝覚めが悪い。もっとも、インタヴュアーが「レフェリーの判定云々」を切り出したものだから、それがモウリーニョの癇にさわったために、ぷいっと“ウォークアウト"したのは否めなかったのだが・・・・。どうやら今後のプレミア覇権争い、各指揮官のアタマがどれだけクールダウンして“再起"にもっていけるかにかかっているような気がしなくもない・・・・。 ▽おや、ペップ殿だけは「相変わらず」他人事のような冷静さ。「トップの3人の平均年齢20歳」を自慢げに語って、どこ吹く風の「未来志向」とはまた剛毅な。よくぞ言ったものである。「ウェスト・ハムはマンチェスター・シティーにとってパーフェクトなチーム。なぜなら(いまどき?)4-4-2でやってきてくれたから、中盤で(相手を)ぶっ壊すのは楽だったよ」? ふーん、これはどうも、悪い“憑き物"でも落ちたのかな?【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.02.02 13:58 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】あれはサッカーじゃなかったかも…

▽「一応、ボールはあるみたいだけど」、バカバカしいとは思いつつも目を皿のようにして、アトレティコのビデオを見入っていたのは月曜日。彼らが練習を再開した日の午後のことでした。いやあ、トレーニングセッションにボールが登場しないプロのサッカークラブなんて、体力作りメインのプレシーズンでさえ、ほとんどないとは思うんですけどね。ただシメオネ監督になってからのアトレティコは基本、マスコミに公開されるのは練習開始からたったの15分のみに限定。よって、スポーツ紙のサイトやTVニュースで見られるのはほぼ、ロンド程度で終わるアップの部分だけとなれば、もしやその後、ちゃんとボールを使ってパスや連係の練習をしているのかどうか、知る術はないってことにならない? ▽ちなみに何故、私がこうも懐疑的になってしまったのかというと、それはもちろん先週末の試合のせいで…。いえ、いろいろと幸運が続いて、シーズン開幕戦同様、アラベスに勝てなかったにも関わらず、アトレティコの順位は4位のままで変わらなかったんですけどね。その日は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)では子供連れ家族数組が集まって、お誕生日会が開催中。余った隅のスペースでその団体越しに観戦していた私ですが、彼らがまったくTV画面に興味を示していなかったのがどんなにありがたかったことか。 ▽その理由は土曜日の午後だというのに、よりによってアトレティコの試合なんか見ている自分が何年かぶりに恥ずかしくなったせいだったんですが…。だって、序盤から、「Alavés fue superior, sobre todo, en intensidad/アラベス・フエ・スペリオール、ソブレ・トードー、エン・インエンシダッド(アラベスの方が上だった。とりわけプレーの激しさで)」(シメオネ監督)だったんですよ。それだけでなく、その日、キャプテンのガビが累積警告で出場停止だったという事情はあるものの、代わって中盤を担ったコケ、サウールら、カンテラーノ(アトレティコB出身選手)の後輩を始め、カラスコ、ガイタン、ガメイロ、グリーズマン、さらにDFラインまでパスミスのオンパレード。選手によっては満足にトラップもできない状態となれば、前半終了間際、とうとうオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナまで、「アトレティコはサッカーの練習をしてないんでしょうか」と言い出したとしてもまったく不思議はない? ▽いやまあ、その点に関してはここ数試合、私もこっそり疑っていたんですけどね。当然、何かの偶然でボールを取り戻しても、次のパスが敵目掛けて真っ直ぐ出ていくため、30%という惨めなポゼッションで前半を終えた彼らでしたが、幸い序盤に至近距離からシュートを放ったイバイ・ゴメスがGKモヤのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に防がれたのを始め、総じてアラベスの選手たちに決定力がなかったのはラッキーだったかと。おかげでスコアは0-0のまま、ハーフタイムに入ることができます。 ▽後半も変らず、ダメダメなプレーを続けていたアトレティコですが、得点チャンスが1度もなかった訳ではなく、71分にはガイタンがサビッチのロングパスに抜け出して、敵エリアまで独走するシーンも。でもねえ、いくらサッカーの神様は不公平だとしても、ここで点が決まって、どこを取っても最低だった彼らが勝ってしまうのはあんまりだと思ったんでしょうかね。実際、シュートを撃つ直前、ガイタンはGKパチェコにボールを取られてしまい、ゴールを決めることはできませんでしたっけ。 ▽結局、交代で入ったフェルナンド・トーレスやコレアも状況を改善することはできず、あとはモヤがエドガルや、テオのシュートも弾き、試合はスコアレスドローで終了。いえ、ペレグリーニ監督など、「Merecimos ganar, ha sido uno de los mejores partidos de la temporada/メレシモス・ガナール、ア・シドー・ウノ・デ・ロス・メホーレス・パルティードス・デ・ラ・テンポラーダ(ウチは勝利に値した。今季最高の試合の1つだった)」と残念がっていましたけどね。 ▽誰より目立ちながら、ゴールは奪えなかったカマラサを筆頭に、何度も何度もシュートを外し、フラストレーションが溜まったんでしょうか。あろうことか、ゴディンにツバを吐きかけ、自身も同じ方法でリベンジされていたデイベルソンなど、アトレティコの守備陣にほとんど邪魔されなかったにも関わらず、ああも点が取れないのではねえ。自業自得なところもありますが、一方のシメオネ監督はもう、あまりに反省するべき点が多すぎたか、「Fue un partido malo en general/フエ・ウン・パルティードー・マロ・エン・ヘネラル(全判的に悪い試合だった)」と簡潔な評価をしたのみ。 ▽うーん、こんな悲惨なプレーを続けていたら、コパ準決勝1stレグでバルサの選手たちに笑われてしまうんじゃないかと、私なんかは心配でたまらないんですけどね。まあ、今になって、いい年をした部下たちに「パスは味方に向かって出すように」なんて言えるはずもなし。それに加えて、彼らには人員的に深刻な問題も発生して、このアラベス戦では後半序盤にヒメネスが右太ももの肉離れで交代。ピッチに座り込んだ当人が泣いていたことから、重傷なことは察せられたんですが、マドリッドに戻ってからの検査では全治に4週間程かかるのだとか。 ▽結果、チアゴ、アウグストが負傷中、ガーナがコパ・アメリア準決勝に進出したため、まだ戻って来られないトーマス、そしてチェルチは員数外なため、しばらくフィールドプレーヤーが15人しかいなくなってしまったアトレティコですが、さて。翌日曜日の正午試合でバルサが幻のゴールのせいもあって、ベティスと1-1でドロー。イニエスタ、ブスケッツがケガでいない中盤はかなり残念だったなんて記事を読むと、ちょっとは慰めになるんですが、先週ミッドウィークのコパ準々決勝レアル・ソシエダ戦では5-2と余裕で勝っている相手ですからね。水曜日午後9時(日本時間翌午前5時)から、おそらくまた極寒であろうビセンテ・カルデロンのスタンドで見る一戦が、心まで凍り付かせるようなものにならないことを今は祈るしかありません。 ▽え、そのバルサ引き分けに加え、午後にはセビージャがエスパニョールに3-1で負けたという報もあった後、お隣さんは日曜日最後の試合に挑んだんだろうって? その通りで、雨混じりの夜だったため、私がサンティアゴ・ベルナベウへ向かう足取りは重かったんですけどね。ジダン監督など、「ライバルが勝ち点を失うのを見ると、上手くやろうという意志がより強くなる。Lo comentamos en Valdebebas y vimos todos los partidos/ロ・コメンタモス・エン・バルデベバス・イ・ビモス・トードス・ロス・パルティードス(そのことはバルデベバスの合宿所で話して、試合も全部見たよ)」と後で打ち明けていましたから、「Me gusta tener una siesta larga/メ・グスタ・テネール・ウナ・シエスタ・ラルガ(自分は長い昼寝をするのが好き)だから、見る機会がなかった」なんていう、ケイロル・ナバスのような例外はあるものの、レアル・マドリーの選手たちも同じ思いだったかと。 ▽ただ先週、セルタにコパ準々決勝敗退に追いやられてから、最初のホームゲームを迎える彼らのレアル・ソシエダ戦前の優先事項は“antisilbato(アンティシルバートー/反ブーイング)"で、キャプテンのセルヒオ・ラモスを始め、ルーカス・バスケス、ナチョ、クリスチアーノ・ロナウドらがベルナベウのサポーターにpito(ピト/ブーイング)でなく、応援をお願いするキャンペーンを張っていたんですけどね。ジダン監督は「Él no se borra, tiene personalidad/エル・ノー・セ・ボラ、ティエネ・ペルソナリダッド(彼はバックレたりしない。強い性格をしている)」と言っていたものの、負傷者多発の関係で先発せざるを得なかったダニーロなどが温かく迎えられたかどうかはまた別の話。 ▽ええ、実際、同様にファンの批判の的になっているベンゼマも試合の前半はあまりいいリアクションはもらっていなかったんですが、何せ私など、昨日の今日で見るソシエダが、アトレティコと同じ勝ち点で5位と、ヨーロッパの大会出場圏内にいるチームであれば、当然のことなんですけどね。あまりに普通にパスを繋いでいるのに感嘆していたため、ブーイングの方はそれ程、気にならなかったんですが、それでもサッカーとは何とも奥深い。ええ、「Jugar bien no es sólo tener el balón y controlar el partido, sino generar problemas al rival/フガール・ビエン・ノー・エス・ソロ・テネール・エル・バロン・イ・コントロラール・エル・パルティードー、シノ・ヘネラル・プロブレマス・アル・リバル(いいプレーをするというのはボールを持って、ゲームをコントロールすることではない。敵に問題を起こすこと)」とエウセビオ監督も後で反省していましたが、敵陣でボールを奪って先制したのはマドリーの方だったんですよ。 ▽それは37分のことで、少し前にボールを失ってブーイングを受けていたロナウドが敵DF間を通す絶妙なスルーパス。これに反応したコバチッチが高いドリブル力を見せつけ、GKルリを破ってくれたから、スタンドの重苦しくなりかけていた雰囲気を一掃するのにどんなに役立ったことか。前半はこの1点だけだったマドリーですが、50分にはこの2人が役目を取り替えて2点目をゲット。ええ、コバチッチのパスから、ロナウドがvaselina(バセリーナ/ループシュート)で決めてくれます。うーん、今季はゴール量産ペースが落ちて、昨今では度々、スタンドからピーピーされるようになっていたせいで、その日もピッチでは悪態をついていた当人ですけどね。これでちょっとは機嫌を直して、再びgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を見せてくれるといいのですが。 ▽そして73分にはソシエダのイニゴ・マルティネスが2枚目のイエローカードで退場となったおかげもあり、ベンゼマに代わって途中出場したモラタが82分、GKナバスから始まり、ロナウド、ダニーロ、ルーカス・バスケスを経て14秒でピッチを縦断した速攻で3点目を奪ったマドリーは3-0で快勝。アトレティコなどに比べると、計ったようなパスの繋がりぶりは雲泥の差ですが、まあそれは以前からわかっていたことですからね。才能の明らかな差に、より私が落ち込むということもなかったんですが、この勝利でマドリーはお隣さんが5位に落ちることを助けてくれた代わりに、とうとう両者の差は勝ち点10に。 ▽同様に2位3位に勝ち点で並ぶバルサとセビージャとも4ポイント離れ、更にクラブW杯参加のため、延期しているバレンシア戦の分、消化試合が1つ少ないとなれば、もしやここからのリーガはマドリーの独走状態に入る? 何せ、今の彼らはスケジュール的にも恵まれていて、コパがなくなったおかげで今週は試合がありませんしね。次節は木曜日にアラベスとの準決勝1stレグを戦うセルタと日曜日に対戦。そのベリッソ監督の率いるチームは土曜の夜にレガネスを0-2で破り、「Los menos habituales han demostrado ser importantes/ロス・メノス・アビトゥアレス・アン・デモストラードー・セル・インポルタンテス(控え選手たちが重要になれると示した)」という指揮官の言葉通り、コパの合間となるマドリー戦でもレギュラーは温存されるはずですからね。 ▽さらにミッドウィークの空いた次の試合も19位のオサスナと、組みし易い相手となれば、丁度、モドリッチやハメス・ロドリゲスが戻って来るのも重なって当分、マドリーの天下は脅かされることがないかも。いえ、先のことはわからないのがサッカーですけどね。ちなみに前節、降格圏ギリギリの17位に落ちてしまった弟分のレガネスですが、18位スポルティングとの差は勝ち点5のままキープ。もうシーズン後半戦が始まっているだけに早くまた、勝てるようになってほしいんですが…この土曜日はビセンテ・カルデロンでのミニダービーなんですよ。とりあえず、負けてもまだレッドゾーンには入りませんから、まあその次からということでどうでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.01.31 13:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】コパとリーガが交錯して…

▽「またこの時期が来たのね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、翌日に迫ったチャイニーズ・ニューイヤーを祝うマドリッドの両雄のビデオをニュースで見た時のことでした。そう、ここ数年はバルサなども含めて、リーガのチームで流行っているようなんですけどね。片や、中国人家族との食事という設定でクリスチアーノ・ロナウド、セルヒオ・ラモス、マルセロ、ペペの4人がワンフレーズずつ中国語を話していたレアル・マドリーに対して、アトレティコは資本参加しているワンダ・グループからサッカー研修で受け入れている中国人の子供たちを総動員。 ▽マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場を舞台に、いえ、まさかこのビデオを撮影するため、コパ・デル・レイ準々決勝2ndレグ参加を免除されたとは思いませんでしたけどね。1人、主役を張ったグリースマンがお馴染みのゴールパフォーマンスを子供たちに指導って、いえ、最後は彼も中国語でちゃんと挨拶していましたが、もしやこれって、複数の選手に台詞を覚えてもらうのは大変だから?ちなみにそのワンダ・プロジェクトで来ている中国人少年たちはアトレティコの試合の日、よくビセンテ・カルデロンのスタンド最前列で揃いのジャージを着て見学しているんですが、そういう提携が日本企業との間にもあれば、もっと日本のアトレティコファンも増えてくれるかもしれませんね。 ▽え、その前に彼らはサッカーでファンを魅了しないといけないんじゃないかって?そうですね、今週はコパ準決勝進出が決まったアトレティコですが、エイバル戦2ndレグでもどこかフラストレーションが溜まるプレーぶりは変わらず。近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた前半が0-0で終わった時には、「1stレグが3-0で大勝だったし」、「フェルナンド・トーレスとガメイロのツートップは初めてだって言うし」と、私も自分で自分を慰めるしかなかったんですが、それでも後半開始すぐの3分にはガイタンのCKからヒメネスのヘッドが決まり、先制点が入ってくれたから、ホッとしたの何のって。 ▽でもねえ、この日も最近の悪癖は直らなかったんですよ。後でファンフランも「Nos relajamos un poco despues de marcar el 0-1/ノス・レラハモス・ウン・ポコ・デスプエス・デ・マルカル・エル・セロ・ウノ(ボクらは0-1にした後、少しリラックスしてしまった)」と言っていたんですが、追加点も狙わず、うだうだやっていれば、いくら「ウチのコパでの目的はリーガでプレーしていない選手たちをプレーさせること」というメンディリバル監督だって色気を出しますって。ええ、残り15分程になったところで、主力アタッカーのエンリッチとペドロ・レオンを投入。そこから1分もしないうちに後者のシュートがGKモヤを強襲し、弾かれたボールを前者が器用なvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んで、エイバルに同点にされているのですから、困ったもんじゃないですか。 ▽その後も敵の攻勢が続き、35分にはルベン・ペニャのクロスを今度はペドロ・レオンがすくってネットに収め、リードまでされてしまったアトレティコでしたが、まあこの日はツイていましたね。39分には途中、ベルサリコが入ったため、中盤にポジションを上げていたファンフランがガビのロングボールに合わせて見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)!これがゴールとなってくれたため、スコアは2-2となり、そのまま試合は引き分けで終わることに。総合スコアも4-2ですから、2ndレグで終盤に2-3とされ、総合スコア4-3でかろうじて逃げ切った16強対決ラス・パルマス戦よりはマシだったんですが…もうちょっと教訓を生かせないもんでしょうかね。 ▽そして続いてのマドリーの2ndレグは急いで家に帰り、オープン放送のGolTVで見た私だったんですが、こちらはまだ獲得したことのないコパのタイトルが近付いているとあって、セルタのサポーターの気合の入れようが違ったの何のって。ええ、半分ぐらい空席だったイプルア(エイバル)と対照的にバライドスのスタンドは満員、聞けばキックオフ1時間半前には“Gran Quedada/グラン・ケダダ(大結集)”と銘打って、ファンがスタジアム入りするチームバスをお出迎えしたのだとか。そのbengala(ベンガラ/発煙筒)が盛大に燃えまくっている様子は、マドリーがremontada(レモンターダ/逆転劇)を必要とする際、サンティアゴ・ベルナベウ近辺で見られる風景とかぶりましたが、いやいや、お間違えなく。1stレグで1-2と勝っていたのはセルタの方です。 ▽実際、試合も逆転が必要だったマドリーが勢いよくスタートしたんですが、「El Madrid es favorito en cualquier partido contra cualquier rival del mundo/エル・マドリッド・エス・ファボリートー・エン・クアルキエル・パルティードー・コントラ・クアルキエル・リバル・デル・ムンド(マドリーはどんな試合でも、相手が世界のどこのチームであっても本命)」と、1stレグに続いて、ベリッソ監督の慎重姿勢は変わらぬまま。トレードマークの攻勢には出ず、「La defensa de tres nos obligo a cambiar de tactica/ラ・デフェンサ・デ・トレス・ノス・オブリゴ・ア・カンビアール・デ・タクティカ(DF3人体制には戦術変更を余儀なくされた)」(ベリッソ監督)という割にはよく守っていましたが、だからって前半25分、イスコのクロスをロンカリアと一緒にロナウドがヘッドしたボールがゴールバーを叩いてしまったのはともかく、当人が跳ね返りをただ押し込むだけのシュートをポストに当ててしまったのは、決して相手のせいにはできなかったかと。 ▽え、でもマドリーにはそれ以上に間の悪い選手がいなかったかって?その通りで、いえ、試合前日にいきなりバランの負傷欠場が決まったため、急遽、ラモスとナチョと共にCBをやることになったカセミロがクリアボールをエリア内のイアゴ・アスパスに送ってしまったりとか、その前にもピンチはあったんですが、ダニーロはちょっとお祓いにでも行った方がいいかも。だってえ、どちらも無得点のままだった前半43分、あと少しでハーフタイムというところでセルタのカウンターがはまり、グィデッティがフリーで撃ったシュートはGKカシージャがparadon(パラドン/スーパーセーブ)。そこへ彼がタイミングバッチリで突っ込んで、オウンゴールにしてしまったんですよ。 ▽それもリーガ前節のセビージャ戦でオウンゴールをしながら、次のマラガ戦では2得点してヒーローになったラモスとは真逆で、ダニーロの場合は16強対決セビージャ戦2ndレグに続いての先制点献上。うーん、サンティアゴ・ベルナベウではpito(ピト/ブーイング)の標的になってしまったため出せず、だからといってアウェイではオウンゴールではジダン監督も彼のこれからの処遇に困ってしまうかと思いますが、もちろんこの程度の逆境でギブアップするマドリーではありません。ええ、後半16分にはロナウドが直接FKを決めて、逆転まであと2点に再び戻したんですが…。 ▽まさか39分になって、昨季ラージョ(今季は2部)で活躍し、夏にフラムに移籍。イギリスでは日の目を見ず、この冬からセルタに加わったホサベドが戻したボールをバスにエリア外から決められてしまうとは!この辺も彼を始め、多くの主力選手を先週末のリーガ戦で温存したベリッソ監督の思惑が当たったことになりますが、44分を過ぎてから、ルーカス・バスケスのヘッドで同点にされた時は相当、ヒヤリとしたことかと。何せ、相手には後半ロスタイムに奇跡を起こす選手がいましたからね。とはいえ、いつも起きる訳ではないから奇跡と呼ばれるのは当然のことで…。 ▽その日、セットプレーから2度のヘッドを失敗したラモスも「Hoy la he tenido mas facil que nunca y la he echado fuera/オイ・ラ・エ・テニードー・マス・ファシル・ケ・ヌンカ・イ・ラ・エ・エチャードー・フエラ(今日は今までにない程、簡単だったのに外してしまった)」と嘆いていましたが、結局、アウィエゴールでの勝利が叶うあと1点は取れず、マドリーは総合スコア4-3で準々決勝敗退に。うーん、それでもジダン監督は「感触的にはポジティブ。ウチがいい試合をしたという意味ではね。Hay que pelear Liga y Champions/アイ・ケ・ペレアル・リーガ・イ・チャンピオンズ(リーガとCLを争わないといけない)」と、スペイン新記録の公式戦40試合無敗を続けていた頃には公然を言われていた、クラブ史上初の“toriplete(トリプレテ/3冠優勝)”の夢が早くも消えてしまったのにはそれ程、落胆している風には見えませんでしたけどね。 ▽ただ、いきなり負傷禍に襲われたという不運はありますが、先日負けたリーガのセビージャ戦に続いて、この試合では影の薄かったベンゼマを最後まで代えなかったり、ルーカス・バスケスやモラタを入れるのが遅かったり、終盤はマリアーノも入れてFW4人状態だったにも関わらず、成果が出なかったりと、イロイロその采配に批判はなきにしろあらず。逆に敗退の利点はこの先、2週間ミッドウイークが空いて、2月中旬のCLベスト16、ナポリ戦1stレグに余裕を持って備えられることですが、でもねえ。リーガの方もこの週末のレアル・ソシエダ戦が分岐点になりかねない危険性が。 ▽まあ、今は2位セビージャとの勝ち点差が1しかないマドリーとはいえ、クラブW杯参加で延期したバレンシア戦が残っていますから、そこまで身構えなくてもいいんですけどね。とはいえ、長期離脱中のベイルはもちろん、バランやモドリッチもまだ間に合わず、マルセロ、カルバハルは復帰目標がCL戦、12月初旬以来、欠場が続くペペ、筋肉痛が左ふとももから右に移ったというハメス・ロドリゲス、ビゴ(スペイン北西部の海辺の街、セルタのホームタウン)遠征には同行したものの、出場できる状態なのかどうか定かでないコエントランと内実は複雑なようですが、当面、人手不足が続くのは辛いかと。 ▽そこへブーイングを恐れてダニーロやベンゼマの起用も考えなければならないといった条件が加われば、いくら相手が木曜にカンプ・ノウでバルサに5-2と叩きのめされ、総合スコア6-2でコパを敗退したショックと疲労が残るソシエダだとしても、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)の一戦はかなりハードになりそうな。ええ、ここ5試合で1勝しかできていないジダン監督も今が踏ん張りどころかもしれません。 ▽一方、アトレティコはこの週末、リーガでバスク地方3連戦最後のアラベス戦なんですが、いやあ、できればこれが4連戦になってくれればいいと願っていたファンがどんなに多かったことか。というのも金曜にはコパ準決勝組み合わせ抽選があったんですが、実はアラベスは火曜にマドリッド2部の弟分、アルコルコンとの準々決勝2ndレグを0-0で終え、総合スコア2-0で先陣を切って突破を決定。その瞬間から、敵を討つのはアトレティコと、私なんか勝手に決めていたんですが、そうは問屋が卸しませんでした。そう、当たっちゃったんですよ、バルセロナが。 ▽え、でも昨季のアトレティコはCL準々決勝で彼らを破っているじゃないかって?そうなんですが、2年前はコパ準々決勝で負けていますし、シメオネ監督は「優勝するには常にマドリーかバルサを倒さないといけないことにウチは慣れている。Nos lo tomamos como algo normal/ノス・ロ・トマモス・コモ・アルゴ・ノルマル(普通のこととして受け止めているよ)」と言っていたものの、このところのプレーぶりではとても太刀打ちできるようには思えず。MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)が本調子になっているのも憂鬱ですし、それより何よりアトレティコの選手たちの頭がアラベス戦を通り越して、来週水曜にバルサをビセンテ・カルデロンに迎えることでいっぱいになってしまったら、どうしましょう! ▽うーん、それは準決勝をセルタと戦うことになったアラベスも同じ、ひいてはコパのために再び主力温存する予定のセルタと土曜にリーガで当たるレガネスにとってもラッキーなんですが、よくわからないのはアラベスのペジェグリーノ監督がここまでのローテーション策を変えてくるかどうかということ。ええ、彼らはエイバル型で、今季アトレティコからレンタルで修業に出ているルーカスの年子の弟、左SBのテオなど、リーガではレギュラーなんですが、コパにはほとんど出ていなかったりと、かなり両大会でのメンバーが違うよう。ただし、セルタ同様、アラベスも準決勝出場経験はあってもまだ優勝はしたことはありません。 ▽しかも両チームとも今季のリーガ前半戦でバルサに勝っているとなれば、ますますコパ決勝進出に全精力を懸けたくなると思いますが、こればっかりはねえ。とりあえず、土曜のアラベスvsアトレティコ戦は午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からキックオフ。アトレティコの方は現在、3位と勝ち点差6の4位とまったく余裕がありませんし、相手は第1節にホームで1-1と不覚を取り、イレギュラーなシーズンを過ごすキッカケになったチームですからね。加えて、今も12位と調子を維持しているため、エイバル戦で休んだグリースマン、ゴディンら、ベストメンバーを揃えて挑むのは当然ですが、先もあることですから、とにかくケガ人だけは出さないでくださいね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.01.28 09:45 Sat
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【倉井史也のJリーグ】やっと移籍が決まったあの選手について今週は語らせてもらおうかの?!の巻

▽ま、今週は前半の日程が発表されたからそのことにも触れたかったけど、ちょっといつもとは趣を変えてやってみようかと思ってるわけです。 ▽このコラムで個人のことを取り上げるのは滅多にないんですけど、実は気にしてる選手や監督が結構いて、そんな人たちが一向に名前出てこないと焦ったりしてるわけですよ。どうするんだろうって。そんな勝手に心配してる1人が今週契約したわけです。 ▽もうチームは始動してるし、ちょっと遅れたけど、そこはこっからの根性で取り戻すしかないっしょ。いつものコラムならここで名前を焦らすけど、今週はあっさり言っちゃいます。鳥栖に行くことになった水野晃樹! よかった、よかった。 ▽いや、そんなに仲がいいってワケでもないんですよ。そりゃ何度か話はしたけど、まぁ距離はあるというか。それでも、いつも気になっちゃったのです。だって、オシムジャパンの最初のころの扱いから考えると、今の感じはないんじゃ無いのって? ▽2006年ドイツワールドカップで日本が惨敗して、イビチャ・オシム監督が就任したとき、みんないろんな変革を期待したわけですよ。オシム監督はメンバー発表で思いっきり少ない人数しか明らかにしなかったり、千葉勢を多用して驚かせたり。その中で水野も代表に入ってきたんですな。しかもものすごく期待されて。 ▽だけど、オシム監督は「ボールと遊ぶ」と結構厳しい評価をしたりして、巻誠一郎、阿部勇樹や羽生直剛、山口智なんかに比べると「見習い」的なことを言ってたりしたんです。それでも才能は認められてたから、中村俊輔と同じセルティックに移籍して、2009年はハーフライン付近からの独走シュートなんか決めちゃったりして。 ▽ところがなかなか出場機会がなくて、日本に帰ってきたけど柏じゃ前十字靱帯ケガして、その後甲府、千葉、仙台とやっぱりケガなんかで大変な選手生活送ってるんです。 ▽で、鳥栖ってとこがいいじゃないですか。かつて鳥栖から神戸に移籍した藤田直之は「神戸より鳥栖のほうが練習は厳しかった」と語っていたし、今年札幌に移籍した早坂良太も「鳥栖出身だから走れます」と言ってたし。鎌田大地が「フィジカルが弱いと言われてたから鳥栖を選んだ」と言ってたのと同じで、水野が鳥栖に入ったらバリバリ走れるようになるのは間違いなし! もしかして、ムキムキになってヘディングも強くなるかも!! ▽と、すごく心配してたし気にしてるので、ハードトレーニングでのケガだけは止めてくださいね……。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.01.27 00:21 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】J1移籍&戦力展望②

▽先週のコラムではJ1リーグの簡単な展望を紹介した。神戸に加入の噂があるルーカス・ポドルスキについては進展がなく、2月25日の開幕戦に間に合わないという報道も出てきた。移籍話が表面化したことで、ドイツメディア『エクスプレス』によると、神戸は移籍金300万ユーロ(約3億6000万円)を提示したものの、ガラタサライは400~500万ユーロ(約4億8000万~6億円)もの上乗せを求めているという。ここらあたりが移籍交渉の難しいところでだろう。 ▽逆にFC東京は、FCソウルから元日本代表MFの高萩洋次郎を完全移籍で獲得した。石井強化部長は「攻守のバランスを考えるとMFの補強を、より高いレベルの選手を考えている」と話していた通り、これで大型補強は完了したようだ。ただ、高萩はFCソウルではトップ下でプレーしていた。FC東京にはMF東慶悟という昨シーズンはトップ下にコンバートされたことで復活した選手がいる。高萩と東を併用するのか。それともケガを抱えながらプレーしているボランチ梶山陽平のバックアッパーとなるのか。改めて篠田監督の手腕が注目される。 ▽といったところで、J1リーグの開幕カードが決定した。注目カードは、昨シーズンは年間5位と躍進しながら、主力のMF家長昭博と泉澤仁の抜けた大宮が、同じく得点源のFM大久保嘉人を失った川崎Fとの一戦だ。家長の移籍先が川崎Fということもあって注目を集める開幕戦だが、家長は大久保のような純粋なストライカーではない。このためFW小林悠にかかる負担は増すだけに、今後はFW齋藤学(横浜FM)を獲得できるかどうかも焦点になる。 ▽対する大宮は清水からFW大前元紀を、湘南からMF長谷川アーリアジャスール、柏からMF茨田陽生を補強したものの、家長のキープ力と泉澤の突破力を補えたかといえば疑問が残る。FWドラガン・ムルジャの残留は好材料とはいえ、彼が生きたのも家長がいたからこそ。大宮は川崎Fに続き、大型補強を敢行したFC東京、MF中村俊輔とFW川又堅碁を獲得した磐田と対戦する。この3連戦をいかに乗り切るかで今シーズンの行方を占うことができるだろう。 ▽次に注目したいのが、MF中村俊輔やDFファビオとDF小林祐三を失った横浜FMだ。DF陣には新潟から松原健、柏から山中亮輔を補強し、前線にはレッドスターからFWウーゴ・ヴィエイラを獲得した。しかしながら、これで中村の穴が埋まったとは思えない。モンバエルツ監督が選手任せのサッカーから進化しなければ、J1残留争いに巻き込まれる可能性もある。 ▽開幕まではまだ1カ月近くあるため、今後もアッと驚く移籍があるかもしれない。キャンプ地でのテストマッチも含め、面白い話題があったら紹介したいと思う。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.01.26 10:00 Thu
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【東本貢司のFCUK!】モード、セリフ、ムード

▽ユルゲン・クロップの顔から笑顔が消えた。気が付けばセットバックモードに入っている。その序曲は、マン・シティーを葬った直後、中二日のサンダランド戦ドローだった。つまり「2017年」というキーワード。以後5試合、勝ったのはFAカップ3回戦(対プリマス)のみ。その、弱小相手ですら、ホームで無得点ドロー、敵地でやっと1-0の辛勝だ。とどめが、悪夢のようなスウォンジー戦の競り負け。苦悩の訳は歴然としている。サンダランド、プリマス、スウォンジー…一体、どこの誰が、この“3弱”に、チェルシー追撃の一番手を走っていたレッド・マージーサイダーズが手こずるなどと思ったろうか。そんな最中のレジェンド帰還。スティーヴン・ジェラードのお出まし、コーチ就任発表。大歓迎? それはそうだろう…いや、そうなのか? ジェラードは早速チクっと(クロップの戦術に)やったではないか。おまけに補強の目論見も思うように運んでいない。だめだクロップ、ここで弱音を吐いていては。少なくとも余裕の笑顔はキープしなきゃ。 ▽残り16試合。ディエゴ・コスタ問題がクリアになった(らしい)チェルシーのこれからをざっと俯瞰してみよう。今月末、そのリヴァプール戦がある。アウェイだ。ここで弱り目のクロップにさらに塩をなすりつけようものなら、ライバルを一つ(形而上)蹴落とせる。続いて、中三日でガナーズとの天王山。ここでも、今度はホームの地の利で乗り切れば、優勝マジック(そんなものはないが、いわば心理的な意味で)が見えてくる。3月末のストーク戦(アウェイ)は注意を要するとしても、残る目立った障壁は、4月初旬のシティー戦(ホーム)と、同中旬のユナイテッド戦(アウェイ)くらいだ。ただし、たぶんFAカップも絡んでくるだろうから、一番の敵は過密日程。ただでさえ、4月はリーグ戦だけで6試合も詰め込まれている。その締めにやってくるのが、やはりただでは済まないアウェイのエヴァートン戦。その時点でいくつかポイントを落としていた日には、プレッシャーが心身に“圧って”くる。グディソンのエヴァートンは、チェルシー最大の鬼門なのだ。 ▽そこでふと、奇妙なひらめきが頭をよぎる。もしも、コンテ・チェルシーに引導を渡す主役の座に躍り出るかもしれない、最大の敵となり得るのは、一応曲がりなりにも、いや、ぎりぎりタイトルレースにひっかかっていて、「6強」のうち最も遠いところにいるユナイテッドではなかろうか、と。一種の“魔法的”インスピレーションが、突然降って湧いたからだ。今シーズンに入ってまったくと言っていいほど沈黙を守り続けてきたサー・アレックスが、ジョゼ・モウリーニョの古巣チェルシーにはまったく縁起でもないセリフを公にしたのである。「モウリーニョはやっと“解答”を見つけたようだ」。おそらくは、ウェイン・ルーニーのクラブレコード更新について、メディアから意見を求められたついで辺りだったのだろうが、仮にお世辞めいたニュアンスが少しは含まれていたとしても、ジェラードよりどんと“格上”のレジェンドが、軽くない口調で言い切った事実は、モウリーニョの因縁渦巻くスタンフォード・ブリッジに、鬱陶しくもこだましたはずである。 ▽賢明なる読者諸兄なら、きっとひらめいたのではあるまいか。そう、これはまさに、サー・アレックス・ファーガソンの十八番の一つ、あの「マインドゲーム」(の引退後版)に違いない? いや、さしもの彼も、まさか奇跡的逆転優勝があるとは思ってもいまい。ここまでユナイテッドが何度も“喫してきた”1-1のドローゲームを「悔やんで」、「それらさえ勝ち切っていたら」などと、当たり前の算盤勘定を開陳しているくらいだから。しかし、蜂の一刺しくらいならあるぞ、と“冷やかして”いるのだ。ユナイテッドを勝ち運に乗せた最大の要因は、センターバックコンビの固定・安定。復活したフィル・ジョーンズとサイドから中に入ったロホが、思わぬ相性の良さで堅守を象徴している。ファーギーはそのことをあえて口にしてはいないが、“現役”時代の彼を振り返れば、きっとこの点に「モウリーニョが見つけた解答のキモ」を見出しているはずである。唯一の不安、ポグバのセレブ気取りさえ抑制が利いていけば、現在のユナイテッドには穴らしいものがない。心機一転のルーニーを思い切って先発から使える“本チャン・モード”もプラス要素だし。 ▽とか何とかの一方で、一番“カヤの外”ムードに落ち込みつつあるのが、開幕10連勝だったシティーとは、皮肉なものである。先日の「白旗宣言」もそうだが、ペップ・グアルディオラがめっきり(クロップよりもはるかに)弱気モードで、ほとんど目も当てられない。「自分は(シティーに、プレミアに)合っていないのかもしれない」?「自分は言うほど(監督として)良くないのかも」? この期に及んでそれを言っちゃぁおしまいだろう。それを「合わせる」のが「名将」の矜持、仕事じゃないんですか? 百歩譲って、絶対に口にしてはいけない、指揮官にあるまじきセリフ。はっきり言って、これでプレーヤーたちがシラけモードに入らないと考えるほうが不思議だ。あえて意地の悪い表現を取るならば、独りよがりの言い訳、自分ファーストの身勝手さ暴露、ではないか。案の定、ホーム・スパーズ戦の快勝ムードを台無しにする、負けに等しいドロー。これは、その前の対エヴァートン惨敗よりもタチが悪い。さあどうするペップ、このまま負け犬で去るわけじゃ?【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.01.25 10:30 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】どのチームも悩みはある…

▽「困っていても補強はできないのよね」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、リーガのシーズン前半戦が終わったマドリッドの2強に多々、問題が発覚しているのがわかったときのことでした。いえ、クラブW杯のため、2月に延期されたバレンシア戦を済ますまでもなく、“Campeon de Invierno/カンペオン・デ・インビエルノ(冬のチャンピオン)”となったレアル・マドリーは、成績的には文句のつけようがないんですけどね。最悪なのは人手不足で、元々、ベイル、ペペ、カルバハルを負傷で欠き、コエントラン、ハメス・ロドリゲスも容体が定かではないものの、体調不良でしばらくベンチ外が続いている上、前節の試合でマルセロとモドリッチもケガしてしまうことに。 ▽後者は筋肉痛ということで、1週間程で治りそうなんですが、とりわけ左太ももの肉離れを起こしたマルセロに至っては全治1カ月。しかもマラガ戦ではベンチにいたものの、ダニーロもヒザを痛めているとなれば、いえ、チームには「もうずっとポジションを変えてプレーしている。同じ試合の中でもね。Es importante jugar y hacerlo bien/エス・インポルタンテ・フガール・イ・アセールロ・ビエン(プレーして、そして上手くやるのが大事なのさ)」というスーパーマルチDF、ナチョがいますけどね。とはいえ、SBは左右2人必要なため、彼が両方やる訳にはいきませんし、となると当分、右SBはルーカス・バスケスにお願いするしかない? ▽うーん、本人は「Es fácil jugar en cualquier posición en este equipo/エス・ファシル・フガール・エン・クアルキエル・ポシシオン・エン・エステ・エキポ(このチームなら、どこのポジションでプレーするのも易しい)。チームメートが凄いから、どこでも快適だよ」と言っていましたけどね。ベイルが足首の手術のリハビリ中でいない今、右の前線でも頼りにされていた彼だって、同時に上と下にいる訳にもいかないのでは?だったら、こういう時こそ、お金持ちクラブの強みを生かして緊急補強すればいいのにと思いますが、あいにくこの冬のマドリーは未成年選手獲得に対するFIFAの処分で選手の新規登録ができず。 ▽これはお隣さんも同じなんですが、アトレティコの場合はとにかくこのままだと、またB級チームに戻ってしまいそうだから。だって、シーズン前半戦の獲得勝ち点が今季はシメオネ監督の5年間で最少、たったの35ポイント(19試合全勝だと57)しかないんですよ。昨季より9、優勝した2013-14シーズンより何と15も少ないそうですし、得点数は34と昨季と変わらないものの、失点数が16と2倍に。現在、負傷者はGKオブラクとチアゴ、ヒザの靭帯断裂で長期離脱のアウグストだけですが、これって要はゴール数をガンガン増やしてくれるアタッカーか、守備力を上げるDFが必要ってことじゃない? ▽何せ、先週末の結果では上位3チームが勝利して、アトレティコは引き分け。4位のままではあったものの、勝ち点差がそれぞれ8、7、6と大きく開き、更にはレアル・ソシエダにも同勝ち点で並ばれてしまいましたからね。もうこうなると、ビセンテ・カルデロンでの最後の試合がCLプレーオフになるかもというのはまだしも、下手したら、9月にオープンする新しいホーム、ワンダ・メトロポリターノでの最初のシーズンは収容人数が大きく増えたのが逆に仇になり、スタンドすかすかのヨーロッパリーグを見ることになるかもしれないという、私の冗談が本当になってしまう恐れもなきにしろあらず。 ▽いえ、コケなど「queda una segunda vuelta ilusionante/ケダ・ウナ・セグンダ・ブエルタ・イルシオナンテ(期待の持てる後半戦が残っている)」と言っていましたし、組み合わせの妙で、今季ここまで7位以上の6チームの対戦で勝ち点2しか取れていない彼らですが、後半戦はマドリー以外、セビージャ、バルサ、ソシエダ、ビジャレアル、アレティック全てをビセンテ・カルデロンで迎え撃つという地の利はありますけどね。もっと非現実的な夢を言えば、CLに優勝すれば、来季のグループリーグ出場は保証されるんですが、はあ。取らぬ狸の皮勘定をしていても仕方ないので、とりあえず、先週末の試合の様子をお伝えすることにすると…。 ▽寒波の名残りはあったものの、まだ明るい午後4時過ぎのキックオフだったのに助けられ、サンティアゴ・ベルナベウの暖房の下で比較的快適に私も観戦できた土曜のマドリーvsマラガ戦では、先制点が入る前にアクシデントが発生。そう、開始25分にマルセロがケガしてしまったんですが、ダニーロでなく、イスコが代わりに入ったため、ここから右SBだったナチョが左に移り、ルーカス・バスケスが右SBを務めるように。ただ、それはあまり勝敗に関係なかったんですよね。というのも、クリスチアーノ・ロナウドもベンゼマも不調の今日この頃、キャプテンのセルヒオ・ラモスがチームをしょって立ってくれたから。まず35分にはクロースのCKをヘッドで叩き込み、先日のセビージャ連戦で散々、サンチェス・ピスファンのサポーターから貶められた自分の母親に捧げると、42分にも再びクロースの放ったFKを流し込んで1人で2ゴールをゲット。 ▽この2点目は、後半18分にはファンカルのシュートをGKケイロル・ナバスが弾いたボールを落ち着いてシュート、マラガに期待を持たせる1点を決めたファンピも、後で「ここで勝ち点を稼ぐ可能性は最小というのはわかっていたけど、un gol en fuera de juego fastidia/ウン・ゴル・デ・フエラ・デ・フエゴ・ファスティディア(オフサイドのゴールはムカつく)」と言っていた通り、スコアに上がったのは審判のミスだったんですけどね。実際、マラガの選手たちも十分、用心しながら、「A veces Ramos es imposible de frenar/ア・ベセス・ラモス・エス・インポシーブレ・デ・フレナル(時々、ラモスは阻止不可能)」(“ガトー”・ロメロ監督)であるこのセットプレー力は恐るべし。ええ、これで今季リーガ通算6得点としたラモスは、ベンゼマやモラタの5本を抜いて、12本のロナウドに次ぐチーム2番目のストライカーになってしまいましたよ。 ▽結局、ファンピに続くチョリのシュートがナバスに弾かれてしまったため、そのまま2-1で勝利。先週末のセビージャ戦、ミッドウィークのコパ・デル・レイ準々決勝セルタ戦1stレグと続いた黒星を2で止めることができたマドリーですが、実はスタジアムの雰囲気はあまり良くなくて、何度かチャンスに失敗したロナウドやベンゼマにはpito(ピト/ブーイング)も飛ぶ始末だったんですけどね。それには試合終了から約1時間半後、ロッカールームのジャグジーで長湯をしているから、いつも出て来るのが遅いんだろうという私の想像とは逆に、冷水浴で筋肉の疲れを癒してからミックスゾーンに登場したラモスも「En los momentos difíciles uno necesita cariño no más palos/エン・ロス・モメントス・ディフィシレス・ウノ・ネセシータ・カリーニョ・ノー・マス・パロス(困難な時には棒で叩かれるのではなく、愛情が必要)」と苦言を呈していましたが、これはいわば、サンティアゴ・ベルナベウの伝統のようなものですからね。 ▽またgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まれば、ファンの不満も静まると思いますが、さて。何せ、彼らは今週、1-2で負けたコパ1stレグの結果をバライドスでremontada(レモンターダ/逆転)しないといけませんからね。それもマラガ戦の後半、交代となったモドリッチは抜きで、月曜にはまだ足の甲を痛めたロナウドも、軽傷と言われているダニーロもハメス・ロドリゲスも全体練習に加わっておらず、試合に間に合うかわからない状態で果たさないといけないのは辛いところかと。 ▽おまけに相手のセルタはコパを至上優先課題にし、日曜のソシエダ戦ではワス、マルセロ・ディアス、ジョニーをベンチに入れず、エースのイアゴ・アスパスもプレーは数分間だけと、思いっきり主力メンバーを温存。同じ1stレグでバルサに0-1で負けただけ、まだ理論的には突破の可能性もあるソシエダがリーガの方に全力を注ぎ、勝利をもぎ取ったのとは対照的でしたが、奇しくもマドリーの次節の相手はそのソシエダなんですよ。しかもまたホームゲームなので、うっかり水曜午後9時15分(日本時間翌午前5時15分)からのセルタ戦でコパ敗退が決まったりすると、日曜の試合でもファンの愛情は感じづらくなるかもしれませんね。 ▽そして土曜の次の時間帯ではレガネスがアラベスとメンディソローサで対戦。2度リードを奪われたものの、その度にゲレロ、インスアのゴールで追いつき、最後は2-2で分けるという熱戦を演じてくれたため、火曜にコパ1stレgでの0-2の負けを引っくり返すべく、同スタジアムに乗り込むマドリッド2部の弟分、アルコルコンに少しは協力してあげられた?いえ、実際はアラベスもコパとリーガでローテーションをしているため、むしろこの日プレーした選手たちは土曜の兄貴分との一戦でリピート、アトレティコの面々が顔を合わすことになるんでしょうけどね。ヨーロッパの大会でミッドウィークにプレーするのに慣れているビッグチームと違い、相手は昇格組だけにそろそろ、息切れもあるかと。レガネスも今週末はセルタ戦なので、体力的には有利になりそうです。 ▽え、それでアトレティコはここ4年間、連勝していた新しいサン・マメスでどうして勝ち点を落とすようなことになったのかって?うーん、開始2分には「Yo he centrado y parece que él le había dado/ジョ・エ・セントラードー・イ・パレセ・ケ・エル・レ・アビア・ダードー(ボクはクロスを出して、彼が蹴ったように見えた)」というコケのボールが、前をグリースマンが通ったせいで、GKイライソスを幻惑。そのままネットに入って先制点となった時には、今季も行けると私も思ったんですけどね。でもまさか、それだけで選手たちが満足してしまうとは、これ如何に! ▽ええ、後でサウルも「Creo que cometimos el error de irnos atrás con el 0-1, teníamos que haber ido a por el segundo/クレオ・ケ・コメティモス・エル・エロール・デ・イルノス・アトラス・コン・エル・セオ・ウノ、テニアモス・ケ・アベール・イドー・ア・ポル・エル・セグンド(ウチは0-1で引いてしまうというミスを犯したと思う。2点目を取りに行かなきゃいけなかった)」と反省していたんですが、ボールを敵に渡してカウンター狙いも作戦のうちとはいえ、せっかくグリースマンがロングパスで作ったチャンスもカラスコが枠を外しては。そうこうするうち、勢いがついてきたアスレティックに41分、レクエのエリア外からのシュートで同点にされているんですから、本当に学ばない人たちじゃないですか。 ▽それどころか、後半10分にはラウール・ガルシアに古巣へ恩返しクロスを上げられて、エリア内には5人もアトレティコの選手がいながら、デ・マルコスに悠々、ヘッドで2点目を決められる始末。これにはシメオネ監督も焦ったか、フェルナンド・トーレス、コレア、ガイタンと次々アタッカーを投入したんですが、事態を打開してくれたのはソシエダからアトレティコに移籍してきたシーズン、前年までのライバルのホームでハットトリックを挙げて以来、調子に乗っているグリースマンでした。ええ、敗色濃厚となっていた35分、地を這うミドルシュートをゴール左端ギリギリに撃ち込んで、「Una genialidad de Antoine nos ha dado el empate/ウナ・ヘニアリダッド・デ・アントワーヌ・ノス・ア・ダードー・エル・エンパテ(グリースマンの天才的才能がボクらに引き分けを与えてくれた)」(コケ)のですから、どんなにありがたかったことか。 ▽これには当人も「C'est ma maison ici!(ここはボクの家だ)」と叫びながら、大喜びしていましたが、うーん、それにつけても悲しいのはアトレティコにもっと沢山、天才的な選手がいないこと。やはりグリースマンだけでは逆転までには及ばず、そのまま2-2で引き分けてしまいましたが…シメオネ監督は「Me voy satisfecho porque vamos creciendo/メ・ボイ・サティスフェッチョー・ポルケ・バモス・クレシエンドー(ウチは成長し続けているから、私は満足して帰れる)」と言っていたものの、この結果じゃねえ。上位に離されるばかりなんですから、きっとまだまだ成長が足りないんでしょう。 ▽そんなアトレティコはこの水曜午後7時15分(日本時間翌午前3時15分)から、エイバルとのコパ2ndレグに挑むんですが、リーガがこの調子ですからね。同日、相手がバルサに0-4の大敗を喫したのは何の参考にもならないんですが、先週の1stレグに3-0で勝っているのは心の支えになるかと。ええ、クラブ史上初の準々決勝進出だったにも関わらず、控えメンバーを並べてきたエイバルのメンディリバル監督となれば、これだけ差がついている2ndレグに主力メンバーを投入するとは考えにくいですしね。だったら、グリースマンを温存しても準決勝の切符は何とか手に入れられるのでは?うーん、ここまで来れば、もうコパ獲得は現実的な目標ですが、これに優勝してもヨーロッパリーグ出場権しか手に入らないというのは冷たいけど、厳しい現実です。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.24 09:45 Tue
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【東本貢司のFCUK!】土壌の差、性格の差

▽果たして「名将」とは何か、その条件とは? 俗に「名プレーヤー、名将ならず」という言葉がある。例えば、フィールドの“鬼将軍”ドゥンガとロイ・キーンは名将たり得なかった。現役時代、ピッチ上であれほどチームメイトが委縮してしまわないかと心配になるほど吼え、怒鳴りつけては叱咤激励し、傍目にはそれが勝利のメンタリティーを増幅したように見えたとしても、おそらくそれは、怒鳴りつけられた相手に才と力があってこそだった。我々は、ヨハン・クライフがバルセロナで何を成したのかは知っていても、勝てないチームを勝てるようにしたのか、そのために彼が何を“変えた”のかと振り返ると、はたと答えに窮してしまうだろう。ごく普通の(知識先行の)ファン(および一部評論家すら)、「名将」といわれてすぐに指を数える名前を冷静に分析してみれば、ほぼ100%、そのチームには、優勝して何ら不思議ではないスターが揃っていたことに気が付くはずだ。 ▽だとしても、あえて「考え得る名将の条件」を思いつくままランダムに数え上げてみようか。まず「実績」は不可欠だ。それも「ありそうにない“土壌”から引き出して見せた実績」が。アレックス・ファーガソンは、辺境の弱小アバディーンを率いてグラスゴウ二大巨象の天下を打ち破って名を上げた。ジョゼ・モウリーニョの場合、多分誰でも「ポルトにトレブル制覇をもたらして・・・・」と話し出すだろうが、彼の「ありそうにない土壌」は、プレーヤーとしても指導者としてもほぼ無に等しいバックグラウンドを有していたことに尽きる。「どこの誰なんだ、この聞いたこともないポルトガル人の若僧は?」。そう、アーセン・ヴェンゲルだってそうだった。彼がアーセナルに舞い降りたそのとき、プロもアマチュアも、老いも若きも、コアなファンも一般人すらも、こぞって鼻で笑いながら首を傾げた。「アーセン・・・・誰?」。少なくとも当時の(いや多分、今も)極東の小さな、プロ化なって間もない国の「天皇杯」とかの価値どころか、名称すら覚束なかった時代なら。 ▽その辺りから引き出してみるとすると、第二の条件は「器」ということになろうか。ファーガソン、モウリーニョ、ヴェンゲル、そして多分クライフには、「名将足り得る器」があった。そこには、その器を“事前に”見抜いて登用、抜擢する誰かがいなければならなかった。ファーガソンにはボビー・チャールトン、ヴェンゲルには当時アーセナルの服チェアマン、ディヴィッド・ディーンがいた。チャールトンには、アフリカを中心に比較的後進のフットボール世界での豊富な見聞の蓄積があり、ディーンにはマニアックで近未来的フットボール観を発散する無名のフランス人に感銘するすばらしき直感が、あった。モウリーニョの場合はいささか逆説的だが、通訳身分でボビー・ロブソンのそばを片時も離れず、その、悪童ガスコインでさえ首を垂れるほどの計り知れない包容力とカリズマに打たれ、学び取ったものを自己流に法則化した。以上の分析はあくまでも筆者の“穿った要旨”だが、当たらずとも遠からずと少しは胸を張りたい。ストーリーは必ず存在するのだ。 ▽つい先日、もはやプレミア降格争いが定着したサンダランドのデイヴィッド・モイーズは「この(1月の)移籍ウィンドウでどれだけ補強できたところで、事態が劇的に好転するとはとても思えない。そもそも、それだけの資金もない」と厭世的弱音を吐いた。その通りだろう。ただし、一年前もほぼ同じ苦境に立っていたサンダランドが、2月以降、怒涛の反攻で残留を果たしたとき、助っ人マネージャーとして到来したサム・アラダイスが何をしたのかも忘れるわけにはいかない。アラダイスは悠々と、その反攻の直接の原資となった、しかも無名に等しい異邦の助っ人(ヤン・キルチョフ、ラミーン・コネ、ワハビ・ハズリ)を発掘補強し、最低限の仕事を成功させた。そう、何も名の知れた出来合いの大物を連れてくるだけが能ではない。おそらくは「見聞」と「直感」、そしてビッグ・サムならではの「思い切り」も作用したのではなかったか。せっかくのイングランド代表監督職を棒に振るほどの「おおらかな脇の甘さ」の所以・・・・それもまた、一つの「器」である。 ▽アラダイスもモイーズも、少なくともトップフライトでの優勝経験はない。だとすれば両名の差は、やはり性格の差。あえて言うならば、後者のユナイテッドとスペインで失敗を続けた負い目からくる生真面目な重さと、前者の「ま、しゃあないわな」と笑い飛ばしてしまえるほどの腰の軽さ。お忘れなきよう。ビッグ・サムはああ見えても戦術志向にけっこう辛く、グアルディオラ並とはいかずともプレーヤー管理の手綱さばきも辛いことで、知る人ぞ知る存在なのだ。どこか中途半端な印象を与えるモイーズの“正統志向”では、どこまで行っても付け焼き刃的梃入れしか望めそうにない。多分、彼自身、それに気づいている。だから、哀しきかな「少々補強できたとしても大きな違いは生まれそうにない」のだろう。もっとも、今回、アラダイスがクリスタル・パレスで同等の魔法を行使できるかどうかは神のみぞ知る。それは、モイーズほどくよくよ考え込まないタチで、アラダイスほどは呑気を気取れるとは思えない、クラウディオ・ラニエリにも同じ事が言えそうだ。 ▽ただ、レスターにはチャンピオンズ参入のおかげで少しは(少しどころじゃない?)カネがあるし、わずかながらサンダランドやパレスよりは立場に余裕がある。おそらくラニエリはすでに来シーズンを見越しているはず。それに、少なくともリーガで今、のし始めているセヴィージャと2試合できる余禄もある。ひょっとしたら“次”もあるかもしれない。失いそうなものよりも得るもの、いや、楽しめるものの方がはるかに多い。痩せても枯れてもプレミアのディフェンディングチャンピオン、腐っても鯛のオーラはさすがに捨てたものじゃない、というべきか。ところで、チャンピオンシップ(イングランド2部)では早、ニューカッスルとブライトンの一騎打ち模様。よほどのアクシデントでもない限り、いいや、3位以下の一進一退状況とを見れば、この2チームが来季のプレミアに上がってくる確率はかなり高いだろう。おや、その3位にリーズがいる。こちらこそまだまだ予断は許さないとはいえ、プレーオフ経由でやっとこさヨークシャーきっての名門の復活があるかもしれない。プレミア優勝争いよりもこちらの方が、より手に汗握ってしまいそう?【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.01.21 13:49 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】この気候は辛い…

▽「来週はもうあんな思いしなくていいのね」そんな風に私がホッとしていたのは金曜日。コパ・デル・レイが行われる水曜日にはこの大寒波も和らぎ、気温が少しは上がっているのを週間天気予報で確認した時のことでした。マドリッドの両雄、ついでに言えば、火曜日に試合となる弟分のアルコルコンも揃って準々決勝2ndレグはアウェイ戦。自分は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でぬくぬくして見ていればいいんですけどね。3チームとも北方面に行くという懸念はあるものの、とりわけremontada(レモンターダ/逆転劇)が必要とされるアトレティコ以外の2チームは、少しでも暖かい方がプレーしやすいんじゃないかと思ったから。 ▽水曜日に行われた準々決勝1stレグでアルコルコンが0-2と負けてしまったのは悔しいものの、リーガ2部では18位と降格圏のすぐ上。もうコパなどで道草をしないで、早々に順位を上げることに専念するべきじゃないかって? まあ、その通りですが、奇しくも相手のアラベスはこの土曜日に、すでにミッドウィークはフリーとなっているレガネスと対戦。 ▽ここでコパをプレーしたツケが出て、マドリッドの兄弟分に7試合ぶりのリーガ勝利をプレゼント。さらにその疲れから、アルコルコンに逆転勝ち抜けを許してしまうなんていうのは、私が勝手に書いた都合のいいシナリオなんですが…。後者はともかく、なかなか16位から上昇できないレガネスにはようやくルビン・カザニから、以前はマラガで活躍していたFWサム・ガルシアも到着しましたしね。シーズン前半戦ラストとなるこの試合、何とか勝ち点3を獲得して、後半戦での残留確定に弾みをつけてほしいところです…。 ▽一方、気温零度近辺という極寒の中、私がこの水曜日、木曜日と、上下でヒートテックを重ね着してスタジアムに行ったレアル・マドリーとアトレティコのコパの試合はどうだったかというと。結果から言うと、両者の明暗は分かれてしまったんですが、天井に暖房があるため、幾分、寒さがマシだったサンティアゴ・ベルナベウにセルタを迎えたマドリーは、後でカゼミロも「La derrota de Sevilla nos ha hecho daño/ラ・デロータ・デ・セビージャ・ノス・ア・エッチョー・ダーニョ(セビージャでの敗北がボクらに打撃を与えた)」と言っていたように、日曜日のリーガ戦で40試合連続無敗が途切れたショックから抜け切れていなかった様子。 ▽ええ、キックオフからバライドスでの2ndレグを考えていたセルタはずっとスローなテンポでプレーしていたんですけどね。それに対してマドリーも「ウチは準備していたようにやらなかった。とりわけスタート時に激しいプレーをすることをね」とジダン監督も言っていましたが、相手に合わせてしまったのか、その日の彼らは目が回りそうになったセビージャ戦とはまるでスピードが別物。ベンゼマやモラタをベンチに置き、2015年1月にアトレティコに敗退して以来のコパ出場となったクリスチアーノ・ロナウドをCFにした布陣も当たらなかったか、前半は両チームとも無得点に終わることに。 ▽ゲームが動いたのは後半の半ばで、最初の45分は相手のボール回しに苦しんだというセルタが「en la segunda ajustamos el marcaje/エン・ラ・セグンダ・アフスタモス・エル・マルカヘ(後半はマークを調整した)」(ベリッソ監督)が良かったんでしょうかね。64分、左サイドを疾走したボンゴンダがクロスを入れたところ、マルセロが踵でクリアしたボールがPKマーク付近にいたイアゴ・アスパスの正面へ。ここ12試合で12得点を決めている絶好調のFWがそんなおいしいチャンスを失敗するはずもなく、そのシュートで易々セルタに先制されたとなれば、スタンドで寒さに耐えていた観客の体感温度が一気にマイナスまで下がったのは間違いない? ▽でもそんなのは序の口です。いえ、70分にはモドリッチのクロスがマジョに跳ね返されたのをマルセロがvolea(ボレア/ボレーシュート)。ボールがロンカリアの背中に当たり、汚名返上の同点ゴールとなったんですけどね。その直後、セルタのキックオフからほとんど間を置かず、ルーカス・バスケスがアスパスにボールを奪われてしまったから、さあ大変!「Era una contra, tenía que elegir entre seguir o dársela a Jonny, y vi que Ramos dudó/エラ・ウナ・コントラ、テニア・ケ・エレヒル・エントレ・セギール・オ・ダールセラ・ア・ジョニー、イ・ビ・ケ・ラモス・ドゥド(カウンターで、自分はそのまま行くか、ジョニーにパスするか選ばないといけなかったんだけど、ラモスが迷うのを見てね)」という当人は後者を選択。小柄な左SBの一撃が勝ち越しゴールとなってしまった日には、勇気を振り絞って、家から出て来たファンも後悔していたかも。 ▽いやあ、その後も同点ゴールを求めてジダン監督がダニーロをベンゼマと交代したところ、ブラジル人右SBの働きに不満だったスタンドからpito(ピト/ブーイング)は飛ぶわ、セビージャ戦で相手の決勝点のキッカケとなるボールロストをしたFWはゴール前からのシュートを天高く撃ち上げてしまうわ、もう散々だったんですけどね。結局、引き分けることもできずに1-2で負けて、マドリーが2連敗とはまったく珍しいこともあるじゃないですか。 ▽ただ問題は、セビージャに負けてもリーガ首位の座に影響はなかった彼らですが、コパの2試合制の対戦で1stレグにホームでこのスコアで負けた場合、これまで逆転勝ち抜けしたことがないということで、いえ、ベリッソ監督も「Tendremos que jugar en Vigo mejor que hoy/テンドレモス・ケ・フガール・エン・ビーゴ・メホール・ケ・オイ(ビーゴでは今日よりいいプレーをしないといけないだろう)。どんな大差の結果でもマドリー相手には落ち着いてはいられないのだから」と、あまり強気ではありませんでしたけどね。 ▽その上、昨季もセルタはアトレティコを準々決勝で破り、久々の快挙に沸いたものの、準決勝ではセビージャにあっさり負けてしまったなんてこともあったため、「Si eliminamos al Madrid, pensaremos en el título/シー・エリミナモス・アル・マドリッド、ペンサレモス・エン・エル・ティトゥロ(マドリーを敗退させたら、タイトルのことを考えるよ)」(ボンゴンダ)という訳にもいかないのは百も承知でしょうが、ここに来て、マドリーにはカルバハルが太ももの負傷で3、4週間の離脱という逆境も発覚。ジダン監督は「ベルナベウのファンは誰でもブーイングするが、マスコミの書いていることは公平じゃない。No estoy al 100%, sino al 1.000% con Danilo/ノー・エストイ・アル・シエン・ポル・シエントー、シノ・アル・ミル・ポル・シエントー・コン・ダニーロ(自分は100%でなく、1000%ダニーロの味方)」と言っていましたけど、現実的には辛い面もありそうな。 ▽とはいえ、すぐ次の試合はリーガのマラガ戦ですからね。昨年最後の日程が終わった後、ファンデ・ラモス監督を解任、“ガトー”・ロメロ監督が率いて2戦目となる彼らはデミチェリスが出戻りでエスパニョールから加入したものの、まだ調子が上向いてきた兆しは感じられず。順当ならば、土曜日午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのベルナベウでは、キックオフ時間がコパより早い恩恵もあって、ファンもずっと気分良く過ごせるのでは? 幸い、セルタ戦で右手をロンカリアに踏まれ、痛みで途中交代したアセンシオも骨折はなく、無事回復したようですし、ロナウドだってそうそう、不調が続く訳でもないでしょうから、水曜日のレモンターダに向けて、勢いがつくゲームができればいいですね。 ▽そして翌木曜日、ビセンテ・カルデロンに暖房がないことを鑑みて、裏起毛160デニールタイツをボトムに追加した私が観戦したエイバル戦は、プレー的には決してアトレティコが上手になったとは言えないんですけどね。凍えるピッチで足がかじかんでいたか、またしてもパスミスは多かったんですが、どうやら相性のいいチームだったのが良かったよう。そう、エイバルのメンディリバル監督も「アトレティコは敵のミスを誘い、それを利用する。En Liga pasó lo mismo/エン・リーガ・パソ・ロ・ミスモ(リーガでも同じことが起きた)」と言っていましたが、リーガ2節前の対戦同様、最後は快勝のスコアになってしまったから、何ともありがたいじゃないですか。 ▽いえ、私も19分まで、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)の応援団が来季からのクラブ紋章のデザイン変更に反対する抗議行動で、ただでさえ、観客の少なかったスタジアム中に静けさが漂っていた時はどうなることやらと気が気ではなかったですけどね。24分にコケのFKから入ったサビッチのゴールがオフサイドで取り消された3分後、今度は同様のFKからヒメネスがヘッド。これに飛び出したGKジョエルのミスを突いて、グリーズマンが頭でゴールをゲットしてくれます。後半は後半で、第2FWとして先発したカラスコが59分に疾走、ゴール左前まで来ていざシュートとなった時、ガルベスとピニャに軌道を塞がれて、2度も失敗していたのには呆れましたが、こぼれ球をコレアが素早く押し込んでくれたため、無事に2点目もゲットすることに。 ▽さらに67分にはまたしてもセットプレーが成功したんですが、この時はコケのCKをヒメネス、グリーズマンと頭で繋いで、最後はコレアから代わったガメイロがやはりヘッドでフィニッシュ。これでもう3-0ですからね。ヒメネスなどは「No está cerrado, cualquier equipo en LaLiga te puede hacer tres goles/ノー・エスタ・セラードー、クアルキエル・エキポ・エン・ラ・リーガ・テ・プエデ・アセール・トレス・ゴーレス(まだ勝負はついていない。リーガのどのチームでもウチから3点取れるんだから)」なんて、ちょっと情けないことを言っていましたが、シメオネ監督はもう十分と踏んだんでしょう。 ▽その後はカラスコやガイタンに代え、ガビやゴディンをピッチに入れて、通常以上に攻撃的だった布陣を引き締めていましたが、アウェイゴールを与えなかったのは大正解。おかげで乾貴士選手は出ていたものの、負傷者が多く、あまり反撃に人員をかけられなかったメンディリバル監督も「Es muy difícil hacerles un gol, más, tres/エス・ムイ・デフィシル・アセールレス・ウン・ゴル、マス、トレス(彼らから1点を取るのは大変、まして3点なら)」とどこか、諦めモードになってくれていましたし、彼らには週末にバルサ戦も控えていますからね。イプルア(エイバルのホーム)での2ndレグは、あまりアトレティコが体力を使う必要ない試合になってくれる? ▽だって、この日曜日にはサン・マメスでアスレティックに挑まないといけないシメオネ監督のチームなんですよ。しかもミッドウィーク中は努めて忘れるようにしてはいますが、現状は首位のお隣さんと、消化試合が1つ多い状態で勝ち点差6の4位。2位のバルサとも5差、3位のセビージャとも4差、その上、5位には2差でレアル・ソシエダ、6位には3差でビジャレアルが迫っているとなれば、決して落ち着いていられる事態ではないのは明白でしょう。うーん、木曜日にコパ1stレグでバルサに0-1で負けたソシエダはメッシに2枚目のイエローカードが出なかったことなどもあって、2ndレグでのリベンジに燃えているでしょうから、セルタと当たる今節は気にしなくてもいいかもしれませんけどね。 ▽プランデッリ監督が昨年末、いきなり辞めてしまった後、再び暫定監督を務めていた、本職、チーム付き役員のボロ氏が正式にシーズン末まで引き継ぐと決まったバレンシアと対戦するビジャレアルは勝つかもしれませんし、それより何より、アスレティックは今週、試合をしていませんからね。たとえ、エースのアドゥリスと司令塔のベニャトが出場停止でも、決して軽視していい相手ではないかと。そんなアスレティックvsアトレティコ戦は日曜日午後4時15分キックオフ。金曜日のレサマ(アスレティックの練習場)は雪に覆われて、チームも室内トレーニングしかしていませんでしたが、この週末もまだ寒波が続くスペイン。積雪で延期になる試合がないといいのですが。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.21 12:55 Sat
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【倉井史也のJリーグ】なんかすでに心配なチームあるんですけど大丈夫? あそこじゃないよ?! の巻

▽なんかさぁ、もう1月も3週間が過ぎようとしてるわけでしょ? だから各チームとも始動してて、入団選手も大体固まって、いよいよ新シーズンだなって感じじゃないですか。だけど、まだ開幕までは1カ月もあるんですよね。 ▽むちゃ活発な選手の移籍があったし、1シーズン制に戻るし、いろんな戦い方が変わるんだろうなぁなんて思いつつ、やっぱゲーム、しかも真剣勝負が見られないとつまらなぃよぉと思っているアナタ! 実はもう2週間ちょっとで見られるんですよ! ▽2月7日19時、吹田スタジアムでG大阪vsバンコク・ユナイテッドかジョホール・ダルル・タクジムという、ACL東地区プレーオフが開催されるんです。で、G大阪の急ピッチでの仕上げってちょっと心配じゃないですか? ▽え〜、プレーオフって普通に勝ちそうじゃん、と思っているアナタ! いやいやG大阪の現在進行形ドラマって、そらもう大変なことになってないスか。 ▽G大阪って去年はちょっと悲劇で、パトリックはケガするし、宇佐美貴史は移籍するしってFWの2枚看板が欠けながら、よくぞ年間4位まで持ってきた! でもって12月24日の天皇杯準々決勝まで勝ち残ってたんだから、あんまり休みもない! ▽だけど、今季もここまでド級ストライカーの加入はなし。つか、阿部浩之と大森晃太郎はいなくなっちゃったんですけど。それなのに長谷川健太監督は文句も言ってないし、やっぱり肝が据わってるというか。 ▽ま、そんな意味で今年のG大阪は要注目なのであります。だって、去年プレーオフに出たFC東京はシーズン途中で監督代わっちゃったし、2015年はシーズン後に吉田達磨監督辞めちゃったし、このままじゃ3年連続監督のせいにされて……。汗。 ▽ところで、1月15日にJリーグの父親の1人、木之本興三さんがお亡くなりになりました。この方の偉大な功績は申すまでもないところ。謹んでご冥福をお祈りいたします。どうや安らかにお休みください。【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.01.19 17:01 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】2017J1リーグ展望①

▽昨シーズンのACL王者の全北現代(韓国)のスカウト担当者が、審判に賄賂を贈って八百長を工作したとして、AFC(アジアサッカー連盟)は今シーズンのACLの出場権を剥奪すると発表した。疑惑は今から4年間の2013年だったが、あれだけの強豪チームが八百長を仕掛けるとは何とも理解できない。チームはスポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服を申し立てるとしているが、果たして結果はどう出るのか注目されるところだ。 ▽さてJリーグは多くのチームが先週末に始動を迎え、早くもキャンプに突入している。今シーズンから優勝チームには多額のボーナスが出るものの、オフの移籍市場は穏やかで、これといった“目玉”はなかったのは残念だ。鳥栖がGKブッフォンの獲得を表明したものの実現せず、あとは神戸がオファーを出している元ドイツ代表FWのルーカス・ポドルスキが来るのかどうか。神戸は柏からFW田中順也、FC東京からMF高橋秀人、仙台からDF渡部博文と即戦力を補強。FWペドロ・ジュニオールを鹿島に引き抜かれたのは痛手だが、あとはレアンドロとコンビを組む新外国人を補強できれば面白い存在になりそうだ。 ▽その補強で相変わらずの“手堅さ”を感じたのがJリーグ王者の鹿島だ。FW金崎夢生というエースストライカーに加え、前線にはFW赤崎秀平、FW土居聖真やFW鈴木優磨とタレントはいるものの、神戸からペドロ・ジュニオールを引き抜いた。ACLとのターンオーバーを見据えつつ、金崎がシーズンを通じてフル稼働できない可能性もあるため、その保険も兼ねているのだろう。MF柴崎岳の海外移籍が噂されているが、ミスター新潟とも言えるレオ・シルバを獲得と抜かりはない。唯一の不安はCBファン・ソッコの抜けた穴だが、そこはDF植田直道の成長に期待したい。 ▽このJリーグ王者に挑むのが年間勝点1位の浦和ということになるのだろうが、即戦力候補は新潟から獲得したFWラファエル・シルバくらいだろう。千葉から獲得したFWオナイウ阿道やレンタルバックのMF長澤和輝、岡山からレンタルバックのMF矢島慎也らは将来的な若返りを見据えてのことだろう。それだけスタメンはほぼ決まっている。逆に不安材料を上げるとすれば、固定されたスタメンと6年目を迎えるペトロヴィッチ監督の“マンネリ感”ではないだろうか。2月25日、鹿島とのゼロックス杯は今シーズンの浦和を占う意味でも注目したい。 ▽移籍市場で大胆な動きを見せたのがFC東京だ。川崎FからベテランFWの大久保嘉人、J2に降格した名古屋からFW永井謙佑、フィテッセから左SB太田宏介、GKに鳥栖から林彰洋と代表クラスを獲得するなど、1月15日のチーム始動日には約2000人のファンが練習場に集まり、期待の高さをうかがわせた。さらにFCソウルのブラジル人MFの獲得を狙っているとの噂もある。問題は、新加入選手により出場機会を争うことになるFW前田遼一やMF河野広貴、阿部拓馬、DF徳永悠平といった“功労者”のメンタル・マネジメントだろう。昨シーズンと違いACLはないだけに、リーグ戦に集中できるとはいえ豊富な戦力をどうコントロールするのか。篠田善之監督の手腕が問われることになる。【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.01.19 15:45 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】熱いプレーで勝つのが最高だけど…

▽「そうか、もうコパがないのは楽よね」そんな風に私が納得していたのは月曜日。週末のリーガが終わった後、世間がこぞって優勝候補に祭り上げていたセビージャの先の予定を見ていた時のことでした。いやあ、確かに順位表の上では首位と勝ち点1差になったとて、レアル・マドリーはクラブW杯参加で延期したバレンシア戦が未消化のため、実質4ポイントあるようなものなんですけどね。この2週間~4週間もリーガの上位4チーム中、セビージャだけがミッドウィークを休めることに。その上次は最下位のオサスナと対戦となれば、今週末の日曜日からの7日間で3度もバスク(スペイン北部)遠征に駆り出されるアトレティコなど、どんどん差をつけられてしまう危険すらある? ▽ファン心理では、ビルバオ近辺でミニキャンプでも張って、アウェイへの移動時間を節約し、最近のパッとしない試合内容を改善する練習をしてほしいのですが…。選手たちだって、1週間も家族の待つ自宅に帰れないのは辛いだろうと、シメオネ監督は2日おきに3往復、計2344キロメートルを走破することを決定。おまけに良いんだか、悪いんだか、このところ勝つだけは勝っているため、今以上の努力は必要ないと思ってしまうのも人情なんですが…。ただ、このままセビージャに突っ走られたら、目標の3位フィニッシュが危うくなってしまうかも。 ▽まあ、その辺はまだ心配するには早いので今は置いておいて。先週末のマドリッド勢がどうだったかをお伝えしないといけません。土曜日は午後1時からの早い時間帯でマドリッドの新弟分、レガネスがブタルケにアスレティックを迎えたんですが、ベネズエラ人MFのマチスが4回程、GKイライソスと1対1のチャンスを掴みながら、その全てに失敗。おかげで最後まで点を取ることはできなかったのですが、相手も水曜日のコパ16強2ndレグでバルサに逆転負けを喫したショックがあったかのか、そのまま最後はスコアレスドローで終わることに。 ▽いえ、それでもアスレティックのエース、アドゥリスと司令塔のベニャトにイエローカードを出させて、次のアトレティコ戦に累積警告で出場停止という貢献はしてくれたんですけどね。結局、これで昇格1年目の今季前半はレガネスのホームで1勝止まり。降格圏との差は勝ち点5差になったものの、すぐ下の17位につけているバレンシアとはたったの1差になっていまいましたっけ。 ▽そして同日の夕方にはビセンテ・カルデロンに向かった私でしたが、その間にバルサがラス・パルマスに5-0と大勝。それだけに、8分にこぼれ球を拾ったガイタンの足から先制点が生まれた時には場内のファンも大いに沸いたんですけどね。以降はただただ、気温の低下に合わせるように冷え込んでいくばかり。だって、アトレティコはほとんどチャンスを作れないどころか、時間が経つにつれてパスさえまっとうに繋がらなくなっていくんですよ。後半など、もうほとんど最初から1点差での逃げ切りを考えているように、プレーのリズムが落ちていく一方で、シュートなど、ガイタンと交代したカラスコがGKアダンの正面を突いた1本ぐらいだったかと。 ▽幸い相手のベティスに決定力がなく、数日前に髪をプラチナブロンドに染めたセバージョスは活発だったものの、ルーベン・カストロの数度に渡るシュートはGKモヤが処理して失点は免れていました。ただ、どんどん消極的になっていくホームチームには、とうとうpito(ピト/ブーイング)もスタンドからチラホラ聞こえるように。その件に関してシメオネ監督は、「とりわけ89分のコケのプレーだろう。敵エリア前でゴールに向かわず、クロスを上げないでボールをキープすることを選んだ。Me parecio fantastico/メ・パレシオ・ファンタスティコ(私には素晴らしく思えたね)」と言っていましたけどね。時間稼ぎのため、アディショナルタイムにグリーズマンをヒメネスに代えていた辺りからも、今のアトレティコは上位ではないチームが相手でさえ、なりふり構わずいかないと勝てないというのはちょっと悲しかったかと。 ▽そのおかげもあって1-0で試合は終了。リーガ3連勝とした彼らでしたが、どうやら開き直ってしまったようで、アトレティコの不遇時代にも詳しいキャプテンのガビなど、「A la gente le gusta que juguemos bien, pero sobre todo que ganemos/ア・ラ・ヘンテ・レ・グスタ・ケ・フゲモス・ビエン、ペロ・ソブレ・トードー・ケ・ガネモス(ファンはボクらがいいプレーをするのが好きだが、何より勝つのが好きなんだ)。2回続けてパスをミスると、イライラしたファンからブーイングも受けるけど、自分たちは慣れているよ」とコメント。 ▽いや、そこはパスミスに慣れたらダメでしょと、私も突っ込みたくなったんですけどね。「Lo más importante es ganar, el fútbol lindo ya llegará/ロ・マス・インポルタンテ・エス・ガナール、エル・フトボル・リンドー・ジャー・ジェガラ(一番大事なのは勝つこと。美しいサッカーもそのうちできるさ)」と言う、すでにアトレティコ2年目でスペイン語がペラペラになったモンテネグロ人のサビッチのように、楽観的に考えることも必要ですよね。 ▽そして翌日、シメオネ監督の「Alguna duda de que lo que importan son los resultados? Mira quién gana el Balón de Oro/アルグーナ・ドゥーダ・デ・ケ・ロ・ケ・インポルタン・ソン・ロス・レスルタードス?ミラ・キエン・ガナ・エル・バロン・デ・オロ(結果が大事だということに何か疑問があるかい? 誰がバロンドールを獲ったか、見てみればいい)」という言葉ももっともだなという思いに駆られました。というのも、この1月にコパ16強の2試合に続いての同カードとなったお隣さんのセビージャ戦を見たせいで…。最初は「Nos sorprendió la línea de tres de ellos/ノス・ソルプレンディオ・ラ・リネア・デ・トレス・デ・エジョス(相手の3人のラインにウチは驚かされた)」というサンパオリ監督同様、私もスタメンを知って、呆気に取られたんですけどね。 ▽そう、ジダン監督は「Había que cambiar después de jugar tres partidos en 10 días/アビア・ケ・カンビアール・デスプエス・デ・フガール・トレス・パルティードス・エン・ディエス・ディアス(10日間で3度目の対戦だから、変える必要があった)」と、今季はリーガでも多くのチームで見られるCB3人プラスSBのDF5人体制を採用。うーん、そこまで4人DFでコパ1stレグ3-0、2ndレグ3-3と負けていないのですから、素人目には別にヴァラン、セルヒオ・ラモス、ナチョを並べるまでもないかと思ったんですけどね。それにも関わらず、前半のマドリーの動きは美しかったことと言ったらもう。 ▽どの選手もワンタッチでスムースにボールを繋いでいくのに、私が前日の誰かさんのお寒いサッカーとは雲泥の差を感じてしまったのはともかく…。逆に「CBを1人減らし、ボランチを増やして、中盤の人数的優位を狙った」サンパオリ監督のセビージャも、「Increíble. En mitad de la cancha fue un pulpo tanto para recuperar como para jugar/インクレイブレ。エン・ミタッド・デ・ラ・カンチャ・フエ・ウンプウポ・タントー・パラ・レウペラール・コモ・パラ・フガール(信じられないほどだ。ピッチの真ん中ではボールを取り戻すのにもプレーを組み立てるにもタコのようだった)」とお褒めの言葉を賜ったエンゾンジを中心に、レベル的に負けていなかったのは凄いんですが。どちらも得点チャンスにはあまり結び付けられずにハーフタイムを迎えることに。そういう意味では、マドリーにはルーカス・バスケスが、セビージャにはCFがいないのが響いていたのかもしれません。 ▽後半もしばらくは同じ展開だったのですが、形勢がマドリーに傾いたのは65分のこと。エスクデーロのミスからボールを奪ったカルバハルがエリア内に突入したところ、GKセルヒオ・リコが彼を倒してPKを宣告されてしまったから、セビージャの選手はもとより、サンチェス・ピスファンのスタンドがどんなに抗議したことか…。そのPKをラモスではなく、その日はもちろんクリスチアーノ・ロナウドが蹴る前に、「ちょっとバランスを崩してやろうと思って」と、ビトロがPKマークの辺りの芝を足で荒らしていたため、怒ったロナウドがボールを相手の背中にぶつけるという珍しい光景もあったんですが、当人への心理的に影響はまったくなし。キックはしっかり決まって、マドリーが先制点を奪ったんです…。 ▽でも、本当にこの試合は“逆”という言葉が相応しい出来事が多かったんですよ。木曜日のコパでは3-1にされても諦めなかったのはマドリーでしたが、その日の彼らは「después del gol nos hemos relajado/デスプエス・デル・ゴル・ノス・エモス・レラハードー(ゴールの後、ウチは気を緩めてしまった)」(マルセロ)ようで。中には「no hemos sabido menejar los tiempos del partido/ノー・エモス・サビードー・マネハル・ロス・ティエンポス・デル・パルティードー(ボクらは試合の時間をコントロールすることを知らなかった)」(ラモス)という意見もありますけどね。そこは天下のマドリーですから、恥ずかし気もなく1点を守り倒すお隣さんとは心構えが違っていても仕方ない? ▽実際、それ以上に失点にも気落ちせず、ヨベティッチ、サラビアとアタッカーをつぎ込んだサンパオリ監督のチームの熱意が勝ったとも言えますが、85分には先日の試合で同じような時間帯に物議を醸すPKゴールを決めたラモスが再び得点。ただし、この日は方向が逆で、サラビアのFKを小柄なイェデルに先んじてヒットしようと、ヴァランを押しのけてジャンプした弾みにGKケイロル・ナバスを破ってしまったから、さあ大変! いやもう、キックオフ前から悪口のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)やブーイングを彼に浴びせるのに余念のなかったセビージャファンたちも、これには拍手喝采するしかなかったかと。 ▽そしてさらにマドリーの専売特許である奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)はアディショナルタイム2分のことですよ。今度はカルバハルからスローインを受け取ったベンゼマが、ビトロにボールを奪われそのパスがヨベティッチの下へ。するとエリア外から撃ったシュートがナバスの手を弾いてネットに突き刺さり、土壇場でセビージャに決勝点が入るなんて!! いや、マドリーがそれをやるのは私も見慣れているんですけどね。まさか、逆に敵にやられる日が来るなんて、思ってもみませんでしたっけ。 ▽うーん、確かに2-1で負けてしまえば、せっかくの無敗試合もスペイン新記録となった40となった途端に終わりですし、あれだけいいプレーをしたのも意味なく思えてしまえなくはないんですけどね。マドリーに「Le ha faltado cinco minutos/レ・エ・ファルタードー・シンコ・ミヌートス(足りなかったのは5分間)」というジダン監督は、「Sabíamos que iba a pasar un día de estos/サビアモス・ケ・イバ・ア・パサール・ウン・ディア・デ・エストス(こういう日の1つでは起こるだろうことはわかっていた)」と、記録が途絶えたことには達観していたものの、せっかくベンチにはルーカス・バスケス、モラタ、アセンシオ、マリアーノと強力なアタッカーが揃っていながら、クロースをコバチッチに代えただけで、交代枠を使い切らなかったのにはちょっと後悔が残るかと。 ▽まあ、彼らにはあまり悔やんでいる時間もないんですけどね。というのもこの水曜日午後9時15分(日本時間翌午前5時15分)にはコパ準々決勝1stレグのセルタ戦が控えているからで、相手もこの週末はアラベスを1-0で破り、コパ16強対決のバレンシア戦含め、今年になっての4試合全勝中と好調を維持。昨季など、うっかり者のマドリッドのライバルが同じ準々決勝で後れを取ったなんて前例もあるため、絶対的に彼らの方が格上だとしても油断は禁物です。ただ、月曜日のバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習では、前節のグラナダ戦で打撲を受けてこのセビージャ2連戦にはお休みしたイスコも合流していたようですし、ローテーション好きのジダン監督はまた前線のメンバーを変えてくるかもしれませんね。 ▽一方、木曜日午後7時15分(日本時間翌午前3時15分)から、同じコパでエイバルをカルデロンに迎えるアトレティコも日曜日を休養日にした後、月曜日の夕方から練習を再開。しかしセッション開始から20分でマハダオンダ(マドリッド近郊)の施設がapagon(アパゴン/停電)に見舞われるという逆境が…。その後、数分だけ復旧したようですが、またグラウンドの灯りが消え、ジムも同様だったため、選手たちは真っ暗なロッカールームで着替えて、家路をたどることになったとか。うーん、これでまた、火曜日と水曜日の練習だけでやはり、前節はスポルティングに2-3と勝利。セルタに続く9位と、そこそこのところに付けているチームを相手にするのは気が重いんですが、今は辛抱の時。いくら寒いスタンドで彼らのプレーを見るとますます寒くなっても、何とか勝ってくれれば、応援する甲斐はあるってもんですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.17 13:20 Tue
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【東本貢司のFCUK!】真のフットボール人、その死

▽1994年はワールドカップ本大会の舞台が史上初めてヨーロッパ・南米から飛び出した、いわば、その後のグルーバリゼイションの先駆けとなった歴史的大会だった。しかし、ワールドカップ通の記憶に最も色濃く刻まれているのは、ひょっとするとヨーロッパ予選が見た予想外のドラマの方だったかもしれない。確かに、カントナ、パパンら時代を席捲する精鋭を揃えて前評判の高かったフランスが、最終戦終盤、ブルガリアの奇襲に逆転負けを喫した事件は鮮烈だった。そしてそれ以上にショッキングだったのが、“母国”イングランドの無残な予選敗退。なんとなれば、世にいうヘイゼルの悲劇の“後遺症”で長らく国際舞台からの撤退を余儀なくされ、それが解けたばかりの前回イタリア大会で堂々のベスト4、PK戦にもつれ込んだ準決勝・西ドイツ戦の死闘は今も語り種、かつ、超新星ポール・ガスコインが流した涙が、停滞模様のイングリッシュフットボール再生の象徴ともなった。そんな復権の希望が、アメリカ大会予選でものの見事に吹き飛んでしまったのだ。 ▽そんな失意のスリーライオンズを率いていたのが、この12日、72歳で急逝したグレアム・テイラーである。おかげで、テイラーには「史上最悪のイングランド代表監督」なるレッテルがつきまとうことになってしまったのだが、その一方で彼ほどブリテン島で愛され、敬意を集めた指導者もそうはいない。そもそも代表監督に抜擢された所以というのが、1977年から指揮を執ったワトフォードにおいて、わずか5年で4部から1部(=現在のプレミアリーグ)準優勝まで駆け上った功績、さらにその後アストン・ヴィラに転身してここでもミッドランズの名門を2部からの復活に導いたことにあった。ワトフォードとヴィラはともに、彼が現役時代を過ごしたクラブであり、この土曜日(14日)、ミドゥルズブラを迎えたホーム、ヴィカレッジ・ロードは「クラブ史上最高の監督」テイラーの追悼一色だった。愛着の深い、てしおにかけて育て上げたクラブチームでの成功が、寄せ集めの精鋭をほんの一時手なずけるだけの代表での仕事には“そぐわない”典型だとも言える。 ▽筆者もよく知らなかったが、テイラーに対する敬愛の念は、単にワトフォードやヴィラのファン層にとどまってはいなかったようだ。その根拠は、彼のフットボールに対する深甚な愛情や博識のみならず、彼の知己を得た誰もがほだされてしまう人間的魅力にあったという。ワトフォード時代、同僚およびコーチとして長年付き添ったジョン・マレイが「できることなら彼に成り代わりたかった」と証言するほどに。「温厚で人懐こく気取りのまったくない」テイラーはまた、話好きで、誰彼分け隔てなく年来の友人同然に交流し、何ら隠し事もせず、裏表の一切ない愛すべき人格の持ち主だった。マレイによると、一面識もなかったテイラーの妻子について、いつの間にか長年家族ぐるみの付き合いをしてきたかのような錯覚に陥ったほどだという。代表監督としての失敗後、大手TV局のコメンテイターとして招かれたテイラーは、その溢れんばかりの愛情と博識、的確な分析でもって、一躍評論家として人気を博した。それもこれも、策士たるイメージの強い監督像とは一線を置く“人間味にあふれた指導者”として皆から敬愛されてきた証ではなかったろうか。 ▽彼が無類のフットボール好きだった一つのエピソードを、前出のマレイが明かしてくれている。「TVの仕事を何度か断ってまで、彼は3部、4部のゲームに自費でアテンドしていたが、その様子は本当に熱心で頭が下がる思いだった。それが、当時のスリーライオンズそれぞれのエゴやプライドを御し切れなかった真の理由だったのかもしれない」。また、ワトフォードでは副チェアマン(後にチェアマン)を任じていたエルトン・ジョンも「あれほどの人物はめったにいない。生涯で一、二の親友を亡くしたことはわが身のように辛い」と漏らしている。思うに、生き馬の目を抜くプロフットボール界が、90年代以降カネ太りの商業化を加速させていったことに、テイラーは内心、喜びながらも忸怩たる思いだったのではなかろうか。それこそ今、中国発のあられもない“爆買い”ブームには、苦い思いに苛まれつつ、「良き時代遠かりし」と黄昏れ、自らの命が消えてゆくのを悟っていたのではないかとの感傷にとらわれたりもする。「人間グレアム・テイラー」の喪失は、真の意味で一時代の終わりを象徴しているのだろうか。心からその死を悼んでやまない。 ▽そう思うと、ワトフォードファンの万感の思いが込められたボロ(ミドゥルズブラの通称)戦がスコアレスドローに終わったのは、あの世のテイラーにとっては納得ずくの「しかるべく」だったかもしれない。とどのつまりは勝ちも負けも時の運、双方力を尽くしての結果に愚痴も言葉も何も要らない―――そんなつぶやきが、あの人懐こい微笑から聞こえてくるような気がすると言えばいがかだろうか。何を甘ったるいことを? いいやそれは、何かと言えば、不振に監督交代を叫ぶファンや、投機狙いで参入してくる外資オーナーシップ、あるいはいかにもこれ見よがしに「わが身優先」でダダをこねるプレーヤーたちこそが、今一度立ち返って噛みしめるべき、一つの指標、その拠り所になり得ないだろうか。テイラーの時代以前に、古き良きフットボールに肌で触れる機会をたまたま得た身にとっては、わずかなりとも昨今の現実にその名残を見出したいという詮無い感傷だとしても、また新たにその思い、願いが湧き上がってくるのである。さあ、目を覚ませ、とばかりに。【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.01.15 17:31 Sun
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【原ゆみこのマドリッド】ヒヤヒヤさせられたものの…

▽「またお客が集まらなさそうな対戦になって可哀想」そんな風に私が同情していたのは金曜日、コパ・デル・レイ準々決勝の組み合わせ抽選の結果を知った時のことでした。いえ、今年は珍しく、この段階になってもマドリーダービーもクラシコ(伝統の一戦、レアル・マドリーvsバルサ戦のこと)も生まれず、4試合のどれもビッグマッチとは言えないんですけどね。12月には1部のエスパニョールを破って16強に進出したマドリッドの2部の弟分、アルコルコンは先週の1stレグでスコアレスドローだった後、この水曜にはアウェイで2-1と同じカテゴリーのコルドバを破って、初の8強入りという大手柄を達成。次こそ、人気チームをサント・ドミンゴ(マドリッド近郊にあるアルコルコンのホーム)に迎えてチケット完売と、フロントも意気込んでいたはずなんですけどね。 ▽それが今回もクジ運に見放されたか、昨季まで一緒に1部昇格を争っていたアラベスと当たってしまうとは、いえ、その分、突破の可能性は高まったのは決して否定しませんよ。と言ったって、他の組み合わせがレアル・ソシエダvsバルサ、マドリーvsセルタ、アトレティコvsエイバルとなれば、一発勝負の決勝はともかく、それこそマドリーと当たって、アルコルコナソ(2009年のコパ32強対決でペレグリーニ監督率いるマドリーを総合スコア4-1でアルコルコンが破った大番狂わせのこと)の再現でもあれば別ですが、ほとんど準決勝を勝ち抜ける可能性はないかと。だったら、ファンも選手も望んでいたであろう、スター選手たちと対戦ができた方が良かったんじゃないかと思ったんですが、なかなか上手い具合にはいってくれないようです。 ▽まあ、それは来週の話なので、今は置いておくことにして、先にマドリー2強の16強対決2ndレグがどうだったかをお伝えしておかないと。先週に続き、火曜に試合をしたのはアトレティコで、実を言うと、こちらも1stレグで0-2と勝っていたせいもあったのか、ビセンテ・カルデロンのスタンドはかなり寂しい様相を呈すことに。ただ、ゲームの方は前半こそ地味だったものの、後半はかなり忙しい展開で、いえ、4分にガイタンがエリア内右奥から出したラストパスをグリースマンがシュート、本人3試合連続となるゴールを決めた時には完全に勝負がついたと誰もが思ったんですけどね。 ▽12分にリバヤにゴディンが後れを取り、同点ゴールを入れられても、その4分後にはコレアがGKとの1対1を制して2点目ゲットと、順調だったアトレティコでしたが、試合終了間際に事態が急変。ええ、すでに勝負の行方が見えていたせいで、選手たちが油断してしまったのもいけなかったんですが、残り1分にリバヤが自身2点目を挙げたラス・パルマスはロスタイムにもビエラのクロスをマテオが決め、その試合のスコアを2-3に。おかげでステイン監督も「si llegamos a evitar los suyos podía haber estado más abierto/シー・ジェガモス・ア・エビタル・ロス・スジョス・ポディア・アベール・エスタードー・マス・アビエルト(相手のゴールを避けられていたら、もっと可能性があったろう)」と後で嘆くことになったんですが、何はともあれ、結果を引っくり返される前に審判が終わりの笛を吹いてくれたのは助かりましたっけ(総合スコア4-3)。 ▽え、それでもシメオネ監督は「Es mas positivo estar en cuartos que lo negativo de la derrota/エス・マス・ポシティボ・エスタル・エンクアルトス・ケ・ロ・ネガティボ・デ・ラ・デロータ(準々決勝にいられることの方が、敗戦によるネガティブな面よりポジティブ)」と、あまり失点を気にしていなかったようじゃないかって?そうですね、途中、左SBで先発したルーカスが太ももの筋肉痛で交代を余儀なくされ、ガビを入れて、中盤の右サイドでスタートしたファンフランを回すといったアクシデントもありましたしね。ゴディンやこの日はCBに戻ったヒメネスらの守備ミスもあったものの、とりあえず、ここを凌いだことで、準々決勝ではリーガの前節で0-2と勝ったばかりのエイバルが相手となりましたし、今週末もリーガの相手はベティスと、それ程の難敵ではなし。 ▽更にその土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からの試合では、このコパ2ndレグを風邪で欠場したガメイロやアキレス腱の負傷がようやく治ったカラスコも戻ってきますし、最近はガイタンもいい働きを見せてくれますからね。トマスがアフリカ・ネーションズカップのために不在、チアゴもまだヒザを故障中と中盤の人材が不足しているのは変わりませんが、せっかく先週末は4位まで上がったリーガですから、ベティス戦でも手堅く勝ち点3を稼いで、3位のバルサにこれ以上、離されないようにしてもらいたいものです。 ▽そして木曜にはお隣さんの試合だったんですが、1stレグではマドリーが3-0で勝っていたものの、興奮度ではこちらの方が遥かに上だったかと。だってえ、サンチェス・ピスファンを満員にしたファンを背に、前半9分にはもうセビージャが1点目を入れているんですよ。実はそれってオウンゴールで、サラビアのクロスをイボラの前でクリアしようとしたダニーロが見事なヘディングで決めたんですが、その後もまったく敵は攻撃の手を緩めず。1-0のままでハーフタイムに入ったのが奇跡のようでしたが、大丈夫、後半開始すぐにセビージャのCKから、GKカシージャのパンチングを拾ったアセンシオが敵エリアまで83メートルを13秒で疾走。最後は1人、追いついたビエットもかわし、そのシュートがGKソリアに当たって同点ゴールになってくれるのですから、有難いじゃないですか。 ▽相手にとっては致命的なマドリーのアウェイゴールでしたが、その日のセビージャは後ろを振り返らないことに決めていたんでしょうかね。9分にはエスクデーロがクロスを上げると、前半終了間際に負傷交代したホアキン・コレアの代わりにピッチに送り込まれた、インテル・ミラノからレンタル移籍してきたばかりのヨベティッチがvolea(ボレア/ボレーシュート)でゴールに。夢のようなデビューを飾りましたが、32分にも彼らはイェデルのシュートをカシージャがこぼしたところをイボラが押し込んで、スコアが3-1になったから、こちらも緊張したの何のって。 ▽だってえ、その日のマドリーは先週の結果に自信を持ったか、クリスチアーノ・ロナウドとモドリッチを連れて来ず、ハメス・ロドリゲスやイスコもケガでお休みだったんですよ。そのすぐ前に、パッとしなかったモラタに代わってベンゼマが入っていたとて、サンパオリ監督も後で「Tuvimos entre 13 y 15 ocasiones claras de gol/トゥビモス・エントレ・トレセ・イ・キンセ・オカシオネス・クラーラス・デ・ゴル(ウチには13から15回のはっきりしたゴールチャンスがあった)」と言っていたように、セビージャの勢いがこのまま続けば、あと2点ぐらい平気で取っちゃうかもしれないじゃないですか。 ▽その最悪のケースに到った場合、誰が逆転のゴールを決めてくれるんだと心配になったんですが、いえいえ、他の選手たちも侮ってはいけません。まず38分には、ビエット同様、アトレティコからレンタルでセビージャにお世話になっているクラネビテルがエリア内でカセミロを倒し、PKを献上。うーん、この時、セルヒオ・ラモスがベンゼマからボールをもらっていたのには、ロナウドもベイルも、ハメスすらいないのをいいことに、またキャプテン権限で主役を張るつもりなのかなと思った私でしたけどね。 ▽どうやら当人にはそれ以上の思惑があったようで、パネンカ風のPKを決めた後のパフォーマンスの凄かったことといったら、もう!ええ、ゴールを入れた側に陣取るビリス(セビージャのウルトラグループ)に向かって、自分の背中のネームを指したり、耳に手を当てて挑発したかと思えば、他の方向には両手を頭上で合わせてお詫びのポーズ。ラモスによると、「En ningún momento falté respeto a la afición/エン・ニングン・モメントー・ファウテ・レスペト・ア・ラ・アフィシオン(ファンに対しては一瞬もリスペクトを欠いていない)。実際、正面席とゴール裏南側には謝った。ボクを侮辱したり、もめたりしない人たちだからね」というのが、そのジェスチャーの理由だったそうですが、何ともややこしかったせいでしょうかね。正直、セビージャファンの大部分は怒っていたように見えましたよ。 ▽それでもビリスのスタンドから、飛んできたペットボトルが彼に当たらなかったのは幸いでしたが、どうやら同じビッグクラブへの移籍組ながら、ラモスには「A Rakitic o Alves se le reciben como dioses. Conmigo, insultan a mi madre/ア・ラキティッチ・オ・アラベス・セ・レ・レシベン・コモ・ディオセス。コンミーゴ・インスルタン・ア・ミ・マドレ(ラキティッチやダニエウ・アウベスはまるで神様のように迎えられるのに、ボクは母親を侮辱される)」という不満もあったよう。うーん、ラモスの時は当時のデル・ニド会長に悪く言われたり、契約破棄金額を払っての移籍だったりしたのもありますが、アウベスとラキティッチはセビージャにタイトルをもたらしてからの栄転だったという背景もありますからね。 ▽自分だけが悪役にされているという被害者意識もいかがなものかとは思いますが、優しいジダン監督は「No estoy contento y Ramos tampoco, no es agradable que te insulten/ノー・エストイ・コンテントー・イ・ラモス・タンポコ、ノー・エス・アグラダブレ・ケ・テ・インスルテン(自分もラモスも満足はしていない。侮辱されるのは気分のいいものではないよ)」と部下をフォロー。ただ、こうなると心配なのはこの日曜、リーガでのセビージャ戦で、マドリーはまたサンチェス・ピスファンに来ないといけませんからねえ。ラモスも毎回、ゴールを入れる訳ではないですが、イボラも「Lo bueno es que dentro de tres días hay revancha/ロ・ブエノ・エス・ケ・デントロ・デ・トレス・ディアス・イ・レバンチャ(3日後にはリベンジできるのはいいことだ)」と言っていたように、きっとまた激しいブーイングに耐えないといけないんでしょうね。 ▽え、この時点で試合のスコアは3-2、総合スコアでは勝っているけど、マドリーの無敗記録は39試合で途絶えてしまったのかって?いやあ、それがあのチームの凄いところで、remontada(レモンターダ/逆転劇)の主役の常連、ラモスはPKパフォーマンスで満足したか、その後は静かだったんですが、ロスタイム2分にベンゼマが得点。それもマルセロとtaconazo(タコナソ/ヒールキック)ワンツーをして、エリア内に持ち込むと、最後はやはり、この日セビージャデビューをしたCBレングレに当たって軌道が変るシュートで同点ゴールを決めてしまったから、ビックリしたの何のって。 ▽ええ、これでスコアは3-3。そのまま試合が終了したため、ジダン監督は40試合の連続無敗スペイン新記録を達成することに。いやあ、まったくその辺は伝統のレモンターダ根性はダテではないというか、アトレティコに比べて、しっかりしているというか、感心するしかないんですけどね。日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からの試合では、今度はロナウドを含めたベストメンバーで挑むことになると思いますが、果たしてこの記録、どこまで伸びるのやら。うーん、セビージャもお休みしたエンゾンジやマリアーノ、”ムード”・バスケスらが出て来るはずですが、常識的には消化試合のはずだったコパでさえ、このエキサイトぶりとなると、勝ち点差は4ながら、1位と2位のガチンコ対決となるリーガ戦はどんな凄い有様になるのか、誰にもわからないかと。 ▽何だか、私も見るのが怖くなってきますが、順位的にはコパは敗退済みで、今週はずっと練習に励むことができたレガネスがアスレティックをブタルケに迎える土曜の試合もかなり重要。というのも、前節で引き分けたバレンシアが勝ち点3に迫っていて、下手をすると、レガネスは降格圏ギリギリの17位まで落ちてしまう恐れがあるから。いえ、相手は水曜にカンプ・ノウでバルサとコパ16強対戦の2ndレグを戦い、しかも3-1で負けて、総合スコア3-4の逆転敗退という精神的ショックも受けているんですけどね。とはいえ、エースのアドゥリスは後半まで温存されていましたし、まだそんなに冬期市場での補強が進んでおらず、得点力の低いマドリッドの弟分には厳しい戦いになるかと。 ▽それでも彼らは幸いGKだけは獲得していて、12月に緊急加入したエレリンがレンタル元との契約条項で出場できなくても、前節のベティス戦に続いて、これが2試合目となるアルゼンチンから来たシャンパネが頑張ってくれるはずですが、いい結果が出せるかどうか。何せ、あと2試合でシーズン前半戦もお終いですからね。できれば、今週こそ、1部でのホームゲーム2勝目を挙げて、なるたけ危険なゾーンから離れた位置で折り返してくれると、私も嬉しいんですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.14 09:30 Sat
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【倉井史也のJリーグ】ここはいっそのこと世界規模のお祭り騒ぎにしちゃおう?!の巻

▽え〜、今週もやって来ました、サッカーニュースのコーナーです。またまたいろいろありましたね。では最初のニュース、行ってみましょう。「FIFA、ワールドカップ出場数を48チームに拡大」から。 ▽なんか、すごいことになってきましたね。1次リーグは3チームで上位2チームがトーナメントに進むなんて、日程的に不利なチームも出てくるし、1試合負けたらほぼ終わりだし、南米とヨーロッパに挟まれたチームは常に死の組だし、ま、それが面白いっちゃあ面白いのですが。でも中途半端! ▽だって、200ちょっとの国と地域から構成されるFIFAで、その四分の一が出場できるんですよ。アジアで言うと、あれ? 2次予選が終わったらもう本大会出場っぽい? 的な。ドーハの悲劇って、アジア枠が2チームしかなかったから起きたドラマで、本大会出場できるチームが増えたら、日本ではもう予選にドラマなんて生まれそうにないんですよ。 ▽だったら、いっそのこと全部でやっちゃう!! 半年ぐらいかけてトーナメントで絞り込んでいくってのはどうでしょ? 負けた国の人から帰ってって、自分のチームのリーグ戦、みたいな。4年に1回、それくらい見られればもうお腹いっぱいでしょ。文字通り世界中の人と会えるから、世界平和間違いなしだし。というか、全世界規模で民族の大移動が起きて、地球の重心がずれて時空がゆがむんじゃないかと心配してるんですけど。 ▽いやいや、そんな冗長な試合が増えても困るって気持ちはよくわかります。よし! だったら、各大陸から1チームずつ! でもって開催国を加えて……。うむむ。それもいろいろドラマはありそうだけど、問題もありそうな。 ▽おっと、もう時間が無くなってしまいました。このへんで……え? 中村俊輔の磐田移籍のニュースを無視するのかって? いやいや、そんな気持ちはないのですが、ここは立場ってもんがあるんで、長いコメントは控えておきますが、最後に一言だけ。 ▽ヨーロッパのサポーターの言葉に「我がクラブは決して敗れず。ただ時折、自ら足を滑らせるのみ」という言葉があるんですけど、マジで日本で2年連続でずっこけるところ見るなんて思いませんでしたね。日本の根幹産業、大丈夫なんですかね? とういことで、また来週!! 【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.01.12 22:50 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】W杯の増枠は疑問

▽今月9日のことだったと思う。元日本代表の中田英寿氏がFIFAのFootball Advisory Panel(サッカー諮問委員)の一員として、W杯の参加国数の増加について好意的な意見を述べていた。正直、将来的な展望と想っていたところ、FIFAのインファンティノ会長は2026年のW杯から、現行の32チームから48チームに出場枠を拡大することを決定したのには驚かされた。 ▽狙いは単純。選手の負担を考慮して、1次リーグは3チームによるリーグ戦と試合数を減らし、その後はトーナメント戦にするものの、門戸の拡大によりトータルの試合数は現行の64から80に増える。開催国は入場料収入が増え、FIFAはテレビ放映権料の増加や、クラブW杯のスポンサーになった中国のアリババ・グループなど新たなスポンサーの獲得にもつながるメリットが予想される。 ▽それに対し、早くもヨーロッパからは否定的な声が出ている。それもそうだろう。選手の年俸を負担して生計を支えているのは各クラブだからだ。決勝戦まで勝ち進んだ場合の試合数は変わらないものの、そのしわ寄せは日程に来ることが予想される。そもそも、48チームに拡大する必要性がどこにあるのか、その必然性が分からない。 ▽2020年に東京五輪を控え、大会をコンパクトにし、必要経費を削減することが東京のテーマとして議論されている。IOCにしてみれば、経費の膨張は立候補国の減少につながるだけに死活問題と捉えているのではないだろうか。同じことはW杯にも当てはまる。決勝まで勝ち進んだチームの試合数こそ変わらないとはいえ、同じ期間で64試合から80試合を消化するためには、FIFAの規格に適合したスタジアムが必要になる。 ▽問題はスタジアムだけではない。48チームの練習場の確保。48チームのファン・サポーターが訪れた際の宿泊施設(ホテル)の確保など、課題は山積だ。日本より広大な面積のブラジルでさえ、W杯の際はホテルが不足して通常の5倍から(リオは)10倍の値段に高騰した。W杯は都市開催ではなく国開催だと言われるのは、それだけ五輪よりも規模が大きい大会だからでもある。 ▽すでにW杯は2018年のロシア、2022年のカタール開催と決まっている。その次の2026年は北米が有力だが、逆説的にも48チームを受け入れられるのはアメリカしかないだろう。同じことは2030年にも言えて、W杯が48チームで開催されるなら、招致できる国も限られる。W杯の共催は日韓両国で実績があるとはいえ、欧州選手権の共催は必ずしも成功したとは限らない。もはや限られた国しか開催できないW杯にする参加国増の今回の決定だ。 【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.01.12 15:00 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】今は地道に勝っていくしかない…

▽「このまま独走されたら、たまらないなあ」そんな風に私が愚痴っていたのは月曜日、リーガ第17節後の順位表を見てのことでした。いやあ、クラブW杯のせいでバレンシア戦を延期したレアル・マドリー以外、全ての上位チームが白星で揃い踏みした去年最後の節とは違い、先週末はレアル・ソシエダやビジャレアルが勝てなかったため、アトレティコも何とかヨーロッパリーグ出場圏の6位から、CLのプレーオフに出られる4位まで上がることができたんですけどね。首位に君臨しているお隣さんもしっかり勝ったため、結局、消化試合が1つ多い状態で勝ち点差9という根本はまったく変わりがないんですから、ちょっと私が空しくなってしまっても仕方ない? ▽とはいえ、そのマドリーが珍しく午後1時という、昼間の時間帯に当たった土曜の試合の相手は降格圏にいるグラナダでしたからねえ。ちょうどその前日はDia de los Reyes Magos(ディア・デ・ロス・レジェス・マゴス/東方三賢人の日、スペインでは子供たちがプレゼントをもらう習慣がある)だったため、サンティアゴ・ベルナベウを訪れた家族連れも選手たちが贈り物をしてくれるのを期待していたかと思いますが、お愉しみはキックオフ前にクリスチアーノ・ロナウドが昨年、受賞したバロンドールのトロフィーを披露しただけに留まらず。ジダン監督も先週ミッドウィークのコパ・デル・レイ16強対戦1stレグと打って変わって、ロナウドとベンゼマを惜しげもなく先発で起用したんですが、ただし、前半13分に先制点で早くもスタンドを沸かせてくれたのは、BBCの負傷メンバー、ベイルの代わりに前線に入ったイスコでした。 ▽ええ、ベンゼマからパスを受けて、エリア内から撃ったシュートがGKオチョアを破ったんですが、これなどはまだ序の口すぎず、続いて21分にも、今度はモドリッチのシュートが弾かれたところをベンゼマが押し込んで2点目をゲット。更に27分にはマルセロのクロスをロナウドがヘッドで叩き込んだかと思えば、それから4分後には再びイスコがモドリッチのキラーパスにゴール前で合わせ、気が付けば、30分強で4点差のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)になっているとなれば、2シーズン前、やはりお昼の試合で9-1の大敗を喫した悪夢を思い出していたグラナダ関係者も多かったかも。 ▽それでもハーフタイムの後は、グラナダが「Los segundos 45 minutos teniamos que competir como si fueramos 0-0/ロス・セグンドス・クアレンテアイシンコ・ミヌートス・テニアモス・ケ・コンペティール・コモ・シ・フエラモス・セロ・ア・セロ(後半45分間、ウチは0-0であるかのように競わなければならなかった)」と意地を見せたため、追加点は13分、クロースと交代で後半から出場したハメス・ロドリゲスの蹴ったFKをカセミロが決めた1点だけに留まったんですが、最終スコアは5-0ですからね。おかげで昨年から続いている公式戦無敗も39試合となり、ルイス・エンリケ監督がバルサで作ったスペイン最長記録に並んだとなれば、ジダン監督が「Es nuestro mejor momento desde que soy entrenador/エス・ヌエストロ・メホール・モメントー・デスデ・ケ・ソイ・エントレナドール(自分が監督となって以来、ウチの最高の瞬間)」と喜んでいたのも当然だったかと。 ▽え、先日のコパ・デル・レイ16強対戦1stレグ、セビージャ戦もそうだったけど、今年のマドリーは前半から、随分、飛ばすようになったじゃないかって?そうですね、「El mister nos pide que presionemos arriba y como estamos bien fisicamente podemos/ル・ミステル・ノス・ピデ・ケ・プレシオネモス・アリバ・イ・コモ・エスタモス・ビエン・フィシカメンテ・ポデモス(監督は高い位置でのプレスを頼んでいて、ボクらもフィジカルがいい状態だから、それができるんだ)」とモドリッチも言っていたように、クリスマスのバケーション後、ミニプレシーズンとして、ピントゥス・フィジカルコーチに課された体力アップメニューがいい結果を出しているのだとか。 ▽それだけでなく、そのセビージャ戦で2ゴールを挙げたハメス・ロドリゲスに続き、この日も同じ控え組のイスコが2得点と、どちらもベイルの長期離脱で回ってきたチャンスをしっかり生かしてくれているとなれば、ジダン監督も笑いが止まらないかと思いますが、次に控えているのは木曜にはコパの2ndレグ、そして日曜にはリーガでサンチェス・ピスファンに乗り込むセビージャ2連戦。何せ、相手は年明け最初の試合で3-0とマドリーに一蹴された悔しさをバネにしたか、同じ土曜にはレアル・ソシエダを0-4で粉砕。実のところ、彼らは昨年12月からハットトリックラッシュで、イボラ、ビトロと続いた後、3部のフォメンテラとのコパ32強対決2ndレグでビトロと共に3得点を挙げたイェデルがソシエダ戦でまたハットと、固め撃っているため、カシージャ、ケイロル・ナバスの両GKも決して油断はできないかと。 ▽そこへ加えて、日曜にはバルサがビジャレアルとメッシのFKゴールで1-1と引き分けるのに留まったため、セビージャがリーガ2位に上昇し、勝ち点差は4あるものの、今やマドリーに一番近いライバルとなったとなれば、日曜は大いに盛り上がること間違いなしなんですが、まあ、木曜午後9時15分(日本時間翌午前5時15分)キックオフのコパ2ndレグはねえ。よっぽどのことがない限り、1stレグの3点差が引っくり返されることはないはずですし、どちらもリーガの決戦に備えての予行演習みたいになるかもしれませんね。 ▽一方、そのマドリーの次の時間帯でエイバルに挑んだアトレティコはどうだったかというと。うーん、こちらもまだ日の出ているうちの試合だったんですが、スペイン北部のためか、イプルアのピッチが半分凍結。それは元々、ボール扱いに長けている訳ではないアトレティコの選手たちには関係なかったようですが、前半は地の利のある相手に圧倒されてしまうことに。このところ、シメオネ監督が実験を続けていたヒメネスがボランチとして先発デビューしたため、実質、CB3人状態となり、何とか失点こそ免れていましたが、この日、ガメイロに代わってCFに入ったフェルナンド・トーレスもチャンスには恵まれず、両チーム無得点のまま、ハーフタイムに入ります。 ▽後半の頭からは、「Veia que Inui estaba bien/ベイア・ケ・イヌイ・エスタバ・ビエン(乾選手が良かった)し、イエローカードをもらっていたから、退場で選手を失う危険を犯したくなかった」(シメオネ監督)という理由でブルサリコをファンフランに代えたアトレティコでしたが、ようやく8分には先制点を奪うのに成功。そう、コケの蹴った短いCKから、フィリペ・ルイスが上げたクロスをサウルがヘッドしてゴールに。リプレーではオフサイドの位置にいた彼ですが、線審に見咎められなかったため、スコアボードに上がってくれたのは幸運でしたっけ。 ▽おかげで少し余裕のできたアトレティコは29分にもカウンターから、グリースマンがトーレスの代わりに入ったガメイロとの連携で2点目を追加。先日のコパ16強対戦1stレグ、ラス・パルマス戦に続いての得点ですが、これでリーガでも去年の10月2日以来となるゴール日照りから脱却となれば、試合後、「Dependemos mucho del estado de forma de Griezmann/デペンデモス・ムーチョ・デル・エスタード・デ・フォルマ・デ・グリースマン(ウチはグリースマンの状態に大きく頼っている)」と認めていたシメオネ監督もどんなに安心したことか。 ▽結局、そのまま失点はせず、0-2で手堅く勝利したアトレティコは目標の3位まであと一歩と迫ったんですが、2017年を1分け1敗で始めたバルサもそうそう、不調のままではいないでしょうからね。勝ち点差も4あるため、ここを逆転するには少々、時間がかかるかもしれませんが、まあ、こればっかりは気長に勝ち続けていくしか、手立てはありません。何にせよ、今週はまず、火曜の午後9時15分からラス・パルマスとのコパ16強対戦2ndレグが控えている彼らなので、先週、0-2で勝利した1stレグの成果をムダにせず、しっかり準々決勝進出を決めてもらいたいものです。 ▽そして週末には土曜にベティスをビセンテ・カルデロンに迎えて、再びリーガ順位の改善を目指す彼らですが、残念なことに、今季のカレンダーでは常に兄貴分の相手に先んじて当たるレガネスは日曜の試合で2-0と負けてしまうことに。いえ、出場停止のエレリンの代わりに移籍早々、スタメンに入ったGKチャンパネはまずまずの出来だったんですけどね。後半にルーベン・カストロとピッチーニにゴールを浴び、味方の反撃も実らなかったため、デビュー戦を白星で飾ることはできませんでしたっけ。ただ、彼らはマドリッドの先輩たちと違い、すでにコパの重荷からは解放されているため、次の試合は土曜のアスレティック戦。 ▽世間の目がコパに向いているミッドウィークを心おきなく練習に費やせますし、相手は水曜にバルサとのコパ16強2ndレグ、しかも1stレグで2-1と勝利しているため、突破を決めようとカンプ・ノウで全精力を使い果たすはずですから、ホームで彼らを迎え撃つレガネスにも勝つチャンスはあるかも。何せ、現在16位で降格圏の外にいる彼らとはいえ、勝ち点差は4と、それ程余裕がある訳ではありませんからね。昨年中はブタルケで1勝しかできず、初のリーガ1部の晴れ舞台に張り切って応援に駆けつけているファンをあまり喜ばせてあげられなかったのも気の毒ですし、この新しい年は何とか運気が変ってくれるといいですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.10 12:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】忙しい月が始まった…

▽「主力が揃い踏みすればいいってもんでもないらしい」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日。コパ・デル・レイ16強対戦1stレグの結果を眺めていた時のことでした。いやあ、ようやく2週間のクリスマス休暇が終わり、年明け最初の試合ではどのチームの選手も体力気力が十分に回復。元気満々で挑むものと思ったんですけどね。意外だったのは、年末最後のコパ32強対戦2ndレグ前からお休み入りしていたMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)プラス、ピケを並べて、サン・マメスでアスレティックと対戦したバルサで、ラウール・ガルシアとイトゥラスペの退場で9人となった相手にアドゥリス、ウィリアムスに先制された2点を最後まで返せず。メッシのFKゴールによる1点だけで、2-1と負けてしまうとは一体、どうしたことしょう。 ▽それと対照的だったのはレアル・マドリーで、長期離脱中のベイルはともかく、ジダン監督は元気なBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)のメンバーも温存。こちらはライバルが現在、リーガ3位と好調なセビージャですし、去年の公式戦は12月18日のクラブW杯決勝で終了。そこから即休暇入りと、他のチームより日数が空いていたため、titular(ティトゥラル/レギュラー)を並べても全然、おかしくはなかったんですが、前線をsuplente(スプレンテ/控え)だけで構成してもまったく差し障りがないのが、今のマドリーの凄いところかと。 ▽ええ、この結果なら、来週の2ndレグでも主力は次の週末、しかもそれがまた、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦というのは皮肉ですが、リーガの試合に向けてお休みさせることができますし、今週末の彼らは降格圏19位にいるグラナダと対戦ですからね。となると、昨季バルサが作ったスペイン勢の公式戦無敗記録39試合を抜いても、まだ当分、記録更新となりそうですが、もしかしたら、まだ対戦相手がわからないコパの準々決勝が山場になる? うーん、と言ってもまだ突破が確実そうなのはマドリー以外、1stレグでボロ暫定監督率いるバレンシアに1-4で勝ったセルタ、オサスナを0-3で破ってカパロス監督の解任を引き起こしたエイバルぐらいなんですけどね。ここにバルサとアトレティコが混じれるかは来週、ミッドウィークの試合を待たないといけないんですが…。 ▽え、それでもアトレティコはラス・パルマス戦の1stレグにベストメンバーを並べて、そこそこ満足いく結果を出しただろうって? まあ、その通りで、火曜日の一戦では24分にベルサリコのクロスを敵DFにクリアされたボールをコケがシュート、混雑したエリア内を通り抜けて決まった1点で先制。50分にはそのコケが起点となって、センターから放ったロングパスがブルサリコに届き、そのクロスをガメイロ、グリーズマンが頭で繋いで2点目を挙げてくれます。コケも後で「Nos ha venido muy bien este paron, a mi y a todos, para descansar/ノス・ア・ベニードー・ムイ・ビエン・エステ・パロン、ア・ミー・イ・ア・トードス、パラ・デスカンサール(ボクにも皆にも休息を取るのに、このお休みはとても良かった)」と言っていたように、これでようやく、去年の11月23日から続くグリーズマンのゴール日照りが解消されたのはありがたかったんですが、中にはガメイロのように相変わらず、チャンスをムダにし続けているFWもいたのはちょっと心配だったかと。 ▽それでも2週間前のリーガでの対戦同様、相手が「al final toda esa posesion no la hemos convertido en acciones de peligro/アル・フィナウ・トーダ・エサ・ポセシオン・ノー・ラ・エモス・コンベルティードー・エン・アクシオネス・デ・ペリグロ(結局、このボールポゼッションの全てをウチは敵に危険なプレーに繋げられなかった)」(ステイン監督)ため、前回よりは少しだけ進歩した0-2で勝利を収めたアトレティコでしたが、点を取った後もあまり気を緩めずに、「El equipo ha vuelto a ser solido, intenso/エル・エキポ・ア・ブエルトー・ア・セル・ソリドー、インテンソ(チームに堅固さとプレーの激しさが戻った)」(フィリペ・ルイス)のは褒めてあげないといけません。 ▽実際、昨年のコパ32強対決ギフエロ戦2ndレグや12月30日のサウジアラビアのアル・イテハドとの親善試合から、シメオネ監督が始めたファンフランを右中盤に上げ、右SBのブルサリコと併用、CBヒメネスの守備的ボランチとしての起用といった実験的布陣も上手くいっているようですしね。この調子でグリーズマンにゴールが戻ってきてくれれば、とりあえず来週火曜日の16強対戦2ndレグは無事乗り切れる? ちなみにそんなアトレティコは翌水曜日にビセンテ・カルデロンで公開練習を実施。スタンドに駆けつけた5000人のファンに胸を張って新年の挨拶をしたんですが、この週末には再び、厳しい現実を突きつけられることに。 ▽ええ、クリスマス期間は努めて忘れるようにしていましたが、現在彼らのリーガ順位はヨーロッパリーグ出場権しかもらえない6位。首位のお隣さんとは消化試合が1つ多い状態で勝ち点9差、2位のバルサとも6差ですからね。この土曜日午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのエイバル戦でも総力を挙げて、勝ち点3を獲っていかないといけないんですが、今のところ、まだアキレス腱を痛めて別メニューで調整しているカラスコは復帰できるか不明のよう。その他ではガメイロの代わりにフェルナンド・トーレスが先発CFとして入りそうですが、相手はコパのオサスナ戦でローテーションをかけているだけに、体力満々で出てくるだろうペドロ・レオンや乾貴士選手には気をつけないといけませんよね。 ▽そして水曜日の夜にはマドリーがサンティアゴ・ベルナベウにセビージャを迎えたんですが、最初にお話ししたようにロナウドは招集外、ベンゼマもベンチで待機させて、ジダン監督はモラタ、ハメス・ロドリゲス、アセンシオの3人のアタッカーで試合をスタート。それでも先制点を挙げるのに大して時間はかからず、開始10分にはカゼミロがエリア前でエンゾンジから取り戻したボールをハメスがゴール左端に決めて、あっさりゴールを奪ったかと思えば、その4分後にはモドリッチのchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)がポストを直撃する惜しいチャンスも生まれることに。 ▽更にこの日は今週になって左ふくらはぎを痛めたペペに加え、セルヒオ・ラモスもクラブW杯決勝こそ、無理をして出場したものの、その前から痛めていた筋肉の負傷のため、休んでいたんですが、29分にはクロースのCKをヴァランが頭で叩き込み、攻守両面でキャプテンの不在を感じさせない働きをしてくれたとなれば、続く絶好のチャンスでモラタがGKセルヒオ・リコに弾かれてしまったとて一体、何の不足がある? ▽逆に「En el primer tiempo fuimos sorprendidos por la intensa presión del Madrid/エン・エル・プリメール・ティンポ・フイモス・ソルプレンディードス・ポル・ラ・インテンサ・プレシオン・デル・マドリッド(前半、ウチはマドリーの強烈なプレスに驚かされた)」(サンパオリ監督)というセビージャはイボラやビトロのシュートが決まらず、ハーフタイム直前にはマリアーノがモドリッチをエリア内で倒してPKまで献上。これもハメスが決めて、3-0としたため、ジダン監督曰く、「Hicimos un partido casi perfecto, 45 minutos espectaculares/イシモス・ウン・パルティードー・カシー・ペルフェクトー、クアレンタイシンコ・ミヌートス・エスペクタクラーレス(ほぼ完ぺきな試合をした。スペクタクルな45分だった)」前半で、ほとんど勝負がついてしまいましたっけ。 ▽え、前線にはベイルがケガをして以来、代役を務めていたルーカス・バルケスも負傷していたため、あまりプレー時間の多い選手はいなかったものの、これは中盤をクロース、モドリッチ、カゼミロのベストトリオで固めたジダン監督の作戦勝ちだったんじゃないかって? そうですね、結局、セビージャは後半もチャンスは作ったものの点を取ることはできず、試合はそのままのスコアで終わったんですが、まだ年明け1戦目のため、「Hicimos uno de los mejores partidos del año/イシモス・ウノ・デ・ロス・メホーレス・パルティードス・デル・アーニョ(今年最高の試合の1つだった)」(カゼミロ)というのはちょっと気が早いような気がしますが、やはりこの3人が揃っていいプレーをしてくれたのは大きかったかと。 ▽ただ、この一戦で誰よりアピールに成功したのはハメスで、いえ、当人がピッチに出る機会のなかったクラブW杯決勝後に移籍を仄めかすようなコメントをしたため、元から注目の的ではあったんですけどね。それでもdoblete(ドブレテ/2得点のこと)で気分を良くしたか、試合後には「No, no, me quedo, me quedo/ノー、メ・ケド(いや、自分は残る)」とこの冬の退団を強く否定。「今のボクはいい感じだし、誰だって悪い時を過ごすことはあるさ。Pero es un año nuevo y una nueva vida/ペロ・エス・ウン・アーニョ・ヌエボ・イ・ウナ・ヌエバ・ビダ(でも今は新しい年だし、新しい人生だ)」とのことですが、そうですね。ジダン監督のローテーション政策を見る限り、コパの続く1月はプレー機会が増えそうですし、ハメスも不満を溜めることはないかも。 ▽それも土曜日午後1時(日本時間午後9時)からのグラナダ戦から、先発復帰を指揮官に保証されたロナウドやベンゼマ、すでにボールを使った練習を始めているルーカス・バルケスらが戻って来て、再びベンチ生活が続くとまた、その気がどう変わるかわからないんですが、FIFA処分のせいでこの冬の移籍市場では選手の新規登録ができないマドリーですからね。これから負傷者が増える可能性もありますし、まだ先の長いシーズン後半、今いる選手たちにはやる気を失わずに続けてもらうことが肝心。そういう点においても上手くチームを操縦しているジダン監督の手腕は評価されるべきですよね。 ▽そして新弟分のレガネスがベティスとアウェイ戦で日曜日に対戦して、マドリッド勢の年明け最初のリーガ戦が終わるんですが、コパでは32強対戦でバレンシアに敗退して、これが今年最初の試合となるアシエル・ガリターノ監督のチームには新年早々、新しいGKが加わるという朗報が。ええ、去年最後のエイバル戦でエレリンが退場となり、このベティス戦に出られないのがずっと懸念されていたんですが、正GKセランテスの長期離脱でアスレティックから緊急レンタルとなった彼同様、アルゼンチン1部リーグのオリンポ・デ・バイア・ブランカから加わった31歳のチャンパンもこの週末、到着早々のデビューとなるようです。現在、16位とまだ降格圏に近いレガネスですが、この試合に勝てば、14位の相手を追い抜くことも可能ですからね。幸先いい1年を始めるためにも白星を掴めるといいんですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.01.07 08:45 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】選手権の持つ役割

▽全国高校選手権は1月5日に準々決勝4試合が行われ、夏冬連覇を逃した市立船橋に続き、大会連覇を狙った東福岡も敗れる波乱があった。ベスト4に駒を進めたのは東福岡を破った東海大仰星、佐野日大、青森山田、前橋育英で、どこが勝っても初優勝となる。何が起こるか分からない一発勝負のトーナメントならではのベスト4と言えるだろう。 ▽今大会では、卒業後に川崎Fへ加入する桐光学園の左SBタビナス・ジェファーソンや、正智深谷のベスト8進出に貢献したオナイウ阿道(千葉から浦和へ移籍)の弟の、オナイウ情滋らハーフの選手が大会を彩った。タビナス・ジェファーソンはガーナ人の父とフィリピン人の母、オナイウ兄弟はナイジェリア人の父と日本人の母の間に生まれた。しかし、高校サッカー通の知人によると、ハーフの選手が活躍するのも今年で最後だろうと予測する。 ▽それというのも、彼らの両親のいずれかは、日本経済がバブル絶頂期に日本に仕事を求めて来たものの、その後はバブル崩壊により日本を訪れる機会が減ったからだという。バブルがスタートしたのは1986年と言われ、1985年当時は1ドル250円だったのが、同年のプラザ合意により急激な円高が進み、1988年には1ドル120円まで高騰した。その後1993年頃からバブル景気に陰りが見られ、1998年には大手金融機関が破たんするなどバブル景気は崩壊した。 ▽イラン人の父と日本人の母の間に生まれた大リーガーのダルビッシュ有は1986年生まれ。ジャマイカ人の父と日本人の母の間に生まれた鈴木武蔵は1994年生まれだし、オナイウ阿道は1995年生まれ、タビナス・ジェファーソンは1998年生まれと、偶然の一致かもしれないが、知人の指摘にも一理あるようだ。 ▽そういえば、2005年にドイツW杯予選でイランのテヘランを訪れた時のことだった。アリ・ダエイの兄が経営しているサッカーショップの近くにある食料品店で買い物をした際、店主は10年間、千葉県の館山市で働いてお金を貯めたと流暢な日本語で話していた。イスラム教徒には禁じられているお酒と女性も楽しんだそうだ。またタクシーの運転手は宇都宮で働いたがお金を貯めることはできなかったと、こちらも日本語で話しかけてきたし、街中で出会ったイラン人男性は神奈川県の追浜で働いていたという。いずれもバブル最盛期に日本へ仕事を求めて来た人々だ。 ▽前述の鈴木武蔵やオナイウ阿道と情滋、タビナス・ジェファーソンは日本国籍を取得し、すでに鈴木とオナイウ阿道はU-23日本代表に選出され、近い将来は日本代表を目指している。プロへの登竜門――これも高校選手権の持つ役割の1つであり、彼らの活躍が、後進への道を開くことにつながるよう願わずにはいられない。 【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.01.05 20:00 Thu
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【倉井史也のJリーグ】“念頭”ですから今一番願ってることを発表しちゃいます?! の巻

▽え~もう仕事が始まってから時間経ってますけどね。せめて今週中くらいはお正月気分でいたいじゃないですか。だって他のサービス業の人たちと同じで、まだ全然正月休み取ってないんですもん。このまま行ったら正月セールが終わったころにお休み? ▽ま、そんなボヤキから始まっちゃいましたけど、とりあえず新年おめでとうございます。うまくいけばね、今年は1ステージ制に戻って、豊富な資金を使ってリーグが盛り上がる年だし、うまくいけばワールドカップ出場も決まるし、12月に開催される東アジアサッカー選手権では新戦力も台頭してくるし。いいことづくめの年になるはずですよ。 ▽そんな明るい年ですから一つ、明るい結末を願っていることを! それはラモス瑠偉さんの回復! 去年12月29日に脳溢血で倒れたラモスさんですが、早く元通りに復帰してほしい! ってことです! ▽なんか、気合いと根性の人のように思われてますけど、実際の指導を見に行ったらそんなことなかったんですよ。割と丁寧? というか斬新? な考え方も多くて。起用方法も各ポジションに3人いたら、順番を付けていて、決定的なミスをしたら1番の選手が外されて2番、2番だったら3番、みたいな。 ▽この3番目にチャンスがあるって実は重要で、普通は1番から2番になって、また1番に戻る感じで、3番の若手にはなかなかチャンスが来ないんです。だけどラモスさんのチームでは3番の選手が一生懸命やってたら出場機会が来るっていう。 ▽キャラクターが濃いと、どうしてもそっちの印象が強くなっちゃうんですけど、しっかり練習見てるとおもしろいという、そんな監督やってる姿をまた見せてほしいなと。 ▽ただ、一つあるとすると、選手に気を遣いすぎ。そんな気の優しいところがストレスになったんじゃないかと思うんです。 ▽前園真聖さんも謹慎期間中にラモスさんが仕事を代わってくれて、しかもその報酬を渡してくれたとテレビで言ってました。けど、ラモスさんがそうやって人のフォローをしたという話、僕が知ってるだけでもまだまだ複数ありますからね。 ▽19歳で日本に来て以来、ずっと忙しかったでしょうから、ここでちょっと休んでいただいて。で、この明るい未来が待ってそうな年に、ぜひ復活してください!! ▽ということで、今年もよろしくお願いします。はい。 【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.01.05 17:30 Thu
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【東本貢司のFCUK!】初夢は「伝統の一騎打ち」

▽昨年末、本稿から数えて3本前の末尾で、柄にもなく(?)アーセナルへの“希望”に触れた。開幕戦でリヴァプールに敗れて以来、あの「インヴィンシブル(=無敵)2003-2004(無敗優勝)」を彷彿とさせる快進撃で「これは」と思わせ、ところが12月に入ってエヴァートン、マン・シティーに連敗・・・・つまり、柄にもなく(繰り返す)同情してしまったガナーズへのエール。そして2016年最後のゲームを1-0(対ウェスト・ブロム)で締めくくり、元日にはクリスタル・パレスをきれいに片づけたそのとき、筆者はついひとりごちたものだった。試練(対エヴァートン、シティーの連敗)は絶妙のタイミングで訪れたのかもしれない、ここからアーセナルはトップギアを入れて突っ走る、そのためには、ホーム連戦を乗り切った今、中一日で迎えるアウェイのボーンマス戦こそが、いずれ今シーズンの軌跡を振り返るときのハイライトになるはずだ、と。ただし、その前日(2日)、アーセン・ヴェンゲルがつぶやいた“愚痴”に一瞬、不吉なものを感じてしまったのだが。 ▽「過去20年間で最も不公平なクリスマス期間だった。大金を投じている衛星放送テレビに(スケジュールをいじる)特権があるのは仕方がない。が、これほど(チームによってゲームとゲームの間に差にばらつきがあるのは)とはさすがにひどい」・・・・。「中一日」がよほど腹に据えかねたのだろうか。確かに、ホームのボーンマスは上位のライバルたちに匹敵する厄介な相手だ。多分、その辺りをぜ~んぶひっくるめての“アラーム信号”だったのだろう。フォックスとプレミアリーグに対する嫌味に“託して”、ボーンマス戦に臨むプレーヤーたちへの「ぬかるなよ!」という警告と激励ーーー。果たして、三が日の浮ついた気分を振り払いながら、その首尾のほどを見届けようと勇んでいたところが・・・・あれは逆効果だったのかと、呆れ半分で気が沈むばかり。開始から1時間が経ってスコアは3-0、ホームサイド快勝、いや圧勝で、ガナーズの命運も・・・・と、実はそのとき、モニタースクリーンの前を離れ、どうしようか、このまま一寝入りしてしまおうか、“仕事”はそれから気を取り直して筋立てを練り直すのがよかろう、とまで思い悩んだのである。 ▽ひとまず、お湯を沸かしてお茶を淹れている間、ふとぼんやりモニターに目をやる・・・・70分、サンチェスのダイヴィングヘダーが決まって「おやっ?」と、マグカップ片手に座り直す・・・・5分後、60分過ぎに交代でピッチに出たルーカス・ペレスが左足のボレーで1点差ーーー「これはひょっとしたら?」そして・・・・終了間際、タイムにして90+2分、ジルーのヘディングゴールが炸裂して・・・・さすがに大逆転とまではいかなかったが、これはもう勝利に等しい勝ち点1をもぎ取ってみせたのだ。ボーンマスのサイモン・フランシスが一発レッドで退場(63分:キッチンでお茶の用意をしていて見逃した)、一人多いアドバンテージも利いたようだった。3点目献上までのちぐはぐさと生ぬるさは十分に反省の余地はあろうが、逆境を跳ね返したこの底力は今後にも大いに糧として生きてくるだろう。かくて、昨年末の予感(予言?)も息を吹き返した。格別ガナーズファンでもない筆者が覚えた、そんな衝動が“実を結ぶ”保証はまだどこにもないが、チェルシーがこのまま負けないという保証もない。ライバルはざっと5チーム。前途はつとに厳しい。しかし・・・・。 ▽少なくとも、プレミア創設以来、最も激烈なタイトルレースが繰り広げられることは必至。そして、アーセナルが最後まで食いついて希望をつなぐ図も、今なら描けそうだ。プレミアファンにとってはなんと喜ばしい、すばらしい近未来図ではないか。チャンピオンズリーグ、FAおよびリーグカップの「あるなし」はこの際、勘定に入らない、いや、入れたくない。願わくば、このまま6強が僅差のまま最後の、そう、残り5試合前後まで鎬を削っていって欲しい。それでこそ、最後に笑うどこかの価値も輝き渡る。そして、今、視界を過るその勝者は、あくまでもただの直感に過ぎないが、赤と白の染め分けシャツのような気がするのだ。おわかりいただけると思う。あの「インヴィンシブル」に導いた頃から、変わっていたいのは、アーセン・ヴェンゲルただ一人なのだから。贔屓目は一切抜きの、一種の初夢のようなものだと思っていただきたい。それに、なぜか最後に立ちはだかる最大の強敵は「インヴィンシブル」時代以前からの宿敵、6連勝中のユナイテッドになる予感もする。6強のうちどこが優勝したってかまわない。が、こうなったら最後の最後で“オールド・ライバル”同士の歴史的一騎打ちを見てみたい。さて、この初夢、当たるかな?【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.01.04 09:45 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】ようやく休暇が終わった…

▽「まったく年の瀬だっていうのに忙しい」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日、バレンシのプランデッリ監督辞任の報を知った時のことでした。いやあ、クリスマスのparon(パロン/休止期間)が始まって早々にはマラガのファンデ・ラモス監督が、コパ・デル・レイ32強対戦で2部のコルドバに2連敗、総合スコア3-6で敗退してしまったせいだったんでしょうかね。いきなりアル・タニ会長からツィッターで別れを告げられた後、この木曜には後任が同監督のスタッフを務めていたマラガOBでもある”ガトー”・ロメロ氏に決まったというニュースにも驚かされたんですけどね。 ▽予算的に期待通りの補強が叶わないと見て、ピーター・リン会長に辞表を出したプランデッリ監督の方はいよいよ、バケーションも終わってチームが練習を再開する直前の話だったとなれば、年明けは心機一転、レガネスを倒して進出したコパ・デル・レイ16強のセルタ戦1stレグも3日には控えていますしね。現在降格圏落ちをギリギリで免れているリーガ順位も改善しようと意気込んで、パテルナ(バレンシア郊外にある練習場)に出勤するつもりだった選手たちもどんなにショックだったことか。 ▽いえ、今季、4節でアジェスタラン監督が解任された時も中継ぎ役を務め、今回も後釜が決まるまで、緊急出動することになった本職、チーム付き役員のボロ監督は前回、担当した3試合を2勝1敗で乗り切り、過去にも同様の状況で常にいい成績を残しているため、再び彼が戻ってきてくれて、ファンがホッとしている面もあるはあるんですけどね。 ▽ただ、今季は早くも2度目の監督交代となったバレンシアは極端としても、グラナダ(パコ・ヘメスからルーカス・アルカラス)、オサスナ(エンリケ・マルティンからカパロス)、ベティス(グスアボ・ポジェからビクトル・サンチェス)、そしてマラガとまだシーズンも折り返していないのに、指揮官の首をすげ替えるチームはすでに5つ越え。私もようやくTV映像などで顔なじみなった頃、いつの間にか違う監督になっているのには当惑させられたりもしたものですが、未だにグラナダやオサスナが降格圏から脱出できてないように、上が代わったとて、選手たちは同じですし、なかなか即成績向上という訳にはいかないのは気の毒ですよね。 ▽まあ、そんなことはともかく、今週はマドリッド勢も休暇が終わり、火曜からは先陣を切ってレアル・マドリーがバルデベバス(バラハス空港の近く)でセッションをスタート。バケーション前最後の試合が18日のクラブW杯決勝鹿島アントラーズ戦と、その次のミッドウィークにコパ32強対戦2ndレグを戦ったアトレティコやレガネスより早かったためですが、選手たちの中には、足首の手術をして、復帰予定が2月のベイルは当然としても、ペペやルーカス・バスケス、コバチッチら、まだ休暇前からの負傷が治りきっていないメンバーもいたとか。 ▽とりわけ後者2人は全治に2週間程かかるそうで、年明け4日の水曜日午後9時15分(日本時間翌午前5時15分)、リーガの上位陣対決となったセビージャとのコパ16強対決1stレグには間に合わないのが確定。まあ、といってもベイルの代わりのアタッカーにはイスコやアセンシオ、ハメス・ロドリゲスら、中盤も今はモドリッチ、クロース、カセミロが戻っているため、人材には事欠いていないマドリーですからね。2016年はCLとユーロ大会で優勝、バロンドールも受賞して最高の年になったと認めているクリスチアーノ・ロナウドも、自身のインスタグラムにクリスマソングをセミヌードで歌う姿を掲載(https://www.instagram.com/p/BOp9PdXAF9R/?taken-by=cristiano&hl=ja)したりして、相変わらずご機嫌なようですし、ジダン監督の無敗記録更新にはそれ程、支障ないような。 ▽ちなみに金曜の彼らは恒例のクリスマス期間に行う年1回の公開練習を実施して、バルデベバスの敷地内にあるアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムに5000人のソシオ(協賛会員)を招待。ピッチにジダン監督が獲得した3つのトロフィー(CL、UEFAスーパーカップ、クラブW杯)を展示したり、選手たちもスタンドにボールを投げ込むなど、ファンサービスに努めていたようですが、セッション後は全員がサンティアゴ・ベルナベウに移動すると、今季は日本行きがあったせいでしょうかね。例年より遅めのComida de Navidad(コミーダ・デ・ナビダッド/クリスマス昼食会)に参加することに。 ▽そしてクラブ幹部、マドリーのバスケットチームメンバーらも参加したパルコ(貴賓席)前ホールでのランチの後にはジダン監督、ラソ監督を始め、各選手が市内の病院を訪問し、病気の子供たちにプレゼントを配っていましたが、練習は大晦日も続行。ここ毎年そうなんですが、年明けすぐに試合があるため、元旦こそお休みしても、それ以外はずっとトレーニングというのは、コパを勝ち上がっていくと、1月中全てのミッドウィークが潰れるハードスケジュールに備えるためとはいえ、本当に大変ですよね。 ▽え、それで水曜夕方からマハダオンダ(マドリッド近郊)で練習を始めたアトレティコの方は何をやっているのかって?実はこちらは早くも試合をしていて、いえ、その28日はDia de Inocente(ディア・デ・イノセンテ/スペインのエイプリルフール)ということで、グリースマンがRNE(スペイン国営ラジオ)のドッキリ番組の犠牲者になったなんてこともあったんですけどね。おまけにアトレティコはマドリッド州政府のinocentada(イノセンターダ/嘘)の対象にもされ、「新スタジアムへの引っ越し手続き認定が間に合わず、来季はサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリーと交代でホームゲームを行う」なんて公告がまことしやかにアップされていたりしたんですが、どうやらワンダ・メトロポリターノ・スタジアムから一番近いメトロ(地下鉄)の駅、7番線のエスタディオ・オリンピコ駅がエスタディオ・メトロポリターノ駅に8月から改名されるというのは本当のよう。 ▽それはともかく、翌木曜にも練習を続けた彼らは夜にはサウジアラビアに向けて出発。ジッダのキング・アブドゥラー・スタジアムを満員にして、創設90周年記念を祝うアル・イテハドと金曜に親善試合を行ったんですが、この休み明けの足慣らしではチームのいいところと悪いところがくっきり現れてしまうことに。 ▽ええ、バケーション入り直前のコパ、ギフエロ(2部B)戦に続き、再び右の中盤に入ったファンフランが前半23分、ガビのループパスを右足外側で浮かせてシュート。2試合連続のゴールで先制点を挙げてくれたのは、「Ha jugado toda la vida ahí/ア・フガードー・トーダ・ラ・ビダ・アイー(彼はずっとあそこでプレーしていた)し、常に攻撃的にいい選択肢を与えてくれる。今のブルサリコの好調と共にウチの右サイドに新しい可能性が生まれた」とシメオネ監督が言う通りなんですが、その1点で安心してしまうという、ここ最近のチームの悪癖は変わらず。 ▽うーん、年明けの連戦を鑑みて、ゴディンをこの遠征に連れて来なかったのも悪かったのかもしれませんけどね。前半終了直前、ケガから復帰したフィリペ・ルイスを含めて、ヒメネス、サビッチのCBコンビが敵に後れを取り、モハムド、アカイチに連続ゴールを許してしまうんですから、たまったもんじゃありません。それでも6人を入れ替えた後半には、今度はポジションをボランチに移したヒメネスが発奮。18分にはエリア内で敵のハンドを誘い、フェルナンド・トーレスのPKゴールのお膳立てをしたかと思いきや、26分にはコレアの放ったFKに頭で合わせ、とうとう逆転ゴールを奪ってくれたとなれば、シメオネ監督の実験も悪い結果ばかりではなかった? ▽結局、これで2-3として勝ったアトレティコでしたが、気になるのはこの日もグリースマンのゴールは見られなかったことで、もう無得点が2カ月近く続いていますからね。年明けには運気が変わって、また以前のようにガンガン、ゴールを入れてくれるようになるといいんですが、こればっかりはわかないのが辛いところかと。試合後、すぐ帰りの飛行機に乗ったチームは5時間のフライトを経て、早朝5時にバラハス空港に到着。大晦日も練習して、3日午後9時45分(日本時間翌午前5時45分)からのコパ16強対決、アウェイでのラス・パルマス戦1stレグに備えることになりますが、ジッダといい、カナリア諸島といい、暖かいところでの試合が続くのは、選手たちもちょっと嬉しいかもしれませんね。 ▽そして最後にコパの重荷から逃げることがマドリッドの新弟分、レガネスなんですが、こちらは年明け最初の試合が8日のリーガ、ベティス戦ということで、練習再開も木曜と遅め。ただその間もフロントは活発に動いていたようで、金曜にはオリンピアコスからレンタルで28歳のギリシャ人CBシオバスを獲得しています。更にGKの補強にも動いているようで、何せヒザの靭帯断裂で今季絶望となってしまった正GKセランテスの代わりに、12月にはアスレティックから来てくれたエレリンが年内最終節のエイバル戦で退場。ベティス戦は出場停止となってしまうばかりか、その次のアスレティック戦も契約条項でプレーできないんですよ。 ▽そのため、控えがリーガ1部初体験のバリオスだけでは不安ということでしょうが、まあ、それを言ったら、昇格組のレガネスだけにキリがないですからね。ここまでの戦いを見る限り、FWや攻撃的MFを増やして、課題の得点力も上げておきたいところですが、予算も限られているクラブだけにどうなることやら。幸い、年越えは降格圏から嬉しい勝ち点差4でできたことですし、何とかこのまま残留を勝ち取ってもらいたいものですが、2017年は彼らにとって、果たしてどんな年になるのでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2016.01.01 09:44 Sun
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