コラム

thumb

【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢には準決勝がある…

▽「こんなんならいっそ、試合を延期しておけば良かったかも」そんな風に私が愚痴っていたのはワンダ・メトロポリターノからの帰り道、2夜連続で日付が変わった時間にメトロ(地下鉄)に乗っていた時のことでした。いえ、土曜のミッドナイドは車中、まだコパ優勝の余韻が覚めていないか、いきなり床に置いたビニール袋から手づかみで氷を取り出し、プラスチッテクのカップにお酒を注いでbotellon(ボテジョン/戸外でやる酒盛り)を始めたスペイン人ギャル集団が、乗り合わせた高齢者に快く席を譲るというシーンを目撃。日本人感覚ではマナーがいいのか、悪いのか、判断に困っていたところ、そのアスルグラナ(青と紫)の小旗を持ったお爺さんまで、息子に開けてもらった缶ビールを飲みだす始末と、まあこの日はバルサファンにとって、最高の憂さ晴らしになりましたからね。 ▽セビージャファンが静かだったのと対照的に翌晩は、晴れやかなベティスファンが目についたのはともかく、肩を落とし気味だったのはアトティコファン。うーん、確かにワンダのエレベーターで一緒になった売店のお兄さんなども、業務用マヨネーズの大袋を抱えながら、「セレソ会長が2日続けて試合ができると言ったからね。そりゃあできるけど、こっちは夜2時に終わって、朝10時にまた出勤だよ」と過重労働を嘆いていましたしね。ええ、今季の全てが懸かった木曜のヨーロッパリーグ準決勝、アーセナル戦1stレグを前にあんなチームのプレーぶりを見せられるぐらいなら、水曜にCL準決勝バイエルン戦1stレグを控えるお隣さん同様、34節は休んで、いっそ5月半ばのミッドウィークにやることにしておいた方が、ファンも余計な不安に襲われなかったような気がしないでもないんですが…。 ▽いえ、話は順番にしていかないといけません。レガネスがデポルティボとスコアレスドローで終わった金曜のリーガ戦から始まった先週末、マドリッド勢で唯一、朗報を伝えることができるのはもう1つの弟分ヘタフェ。いえ、日本のTVゴールデンタイムを意識した土曜午後1時からのキックオフというのは、エイバルの乾貴士選手もヘタフェの柴崎岳選手もピッチに立つ機会がなく、後半の出場を期待して近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に見に行った私もガッカリだったんですけどね。試合の方も前半22分にオリベイラのヘッドでヘタフェが1点を取っただけで、そのまま0-1で終了という淡泊なものだったんですが、大事なのはこの勝利で彼らが7位のセビージャと同じ勝ち点で並んだこと。 ▽そう、つまりその夜のコパ・デル・レイ決勝でバルサが優勝すれば、来季のEL出場権がリーガ7位に回るため、私も少し早めに出かけた会場のワンダでは若干、それを望んでいなかった訳ではありませんでしたけどね。何せヘタフェの残り試合にはジローナ、ラル・パルマス、アトレティコ、マラガと、すでに2部降格が決まったチームとの対戦が2つもありますからね。とりあえず、今週土曜正午からのコリセウム・アルフォンソ・ペレスで直接ライバルの9位ジローナを叩くことができれば、たとえセビージャの消化試合が1つ少なくても、ギリギリでヨーロッパの大会に滑り込むことができるかも。それともやはり、昇格1年目で残留を達成したばかりのチームとあって、来季はまだ足場固めに専念した方がいいんでしょうか。 ▽え、いくら外様のサポーターで埋め尽くされたとはいえ、先週末の注目試合だったコパ決勝の様子も知りたいって?そうですね、当日はさすが決勝だけあって、スタジアムへのアクセスも厳しく、ゲートに辿り着く前にも持ち物チェックのため、行列ができていたんですが、幸いながらファン同士や警官隊との大きないざこざは起こらず。スペイン国王フィリペ6世をパルコ(貴賓席)に迎え、懸念されていたカタルーニャ(バルセロナのある州)から来たバルサファンのhimno(イムノ/国歌)へのpito(ピト/ブーイング)にもワンダ自慢、最新鋭の音響システムが抜群の効果を発揮してくれます。ええ、リング状の屋根の内側に設置されたスピーカーから降り注ぐ大音量にかき消され、私にはあまり聞こえませんでしたが、後で胸も張り裂けんばかりの声で「ロ、ロ、ロ…」と合唱したセビージャファンを称える報道も。 ▽それもまた、スペイン国歌には歌詞がないための苦労だったりするんですが、気の毒にも彼らの威勢が良かったのは短い時間だったかと。だってえ、先日のCL準々決勝ローマ戦での逆転敗退で二冠達成が義務となっていたバルサの強さが、その試合では半端なかったんですよ。前半13分にはGKシレッセンのゴールキックから、コウチーニョが敵エリア奥まで突き進むと、GKダビド・ソリアの上を越えてボールを出し、ルイス・スアレスが先制ゴール。30分にはジョルディ・アルバのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)をメッシが決めて2点目を取ると、40分にはメッシのスルーパスに突撃してきたルイス・スアレスが自身2本目って、え、これじゃあまりに一方的すぎない? ▽後半も後半で、せめて一矢を報いたいセビージャの先手を取って、7分には「Esta semana haré pública mi decisión, está un poco clara/エスタ・セマーナ・アレ・プブリカ・ミ・デシシオン、エスタ・ウン・ポコ・クラーラ(今週には自分の決定を公けにするけど、もう大体わかっているよね)」という、今季限りで退団予定のイニエスタがバルサで最後にプレーする決勝のスコアシートに自分の名を残すべく、4点目をゲット。24分にもPKでコウチーニョに5点目を追加されていては試合前、「Messi es un extraterrestre. Ojalá mañana no esté en la Tierra/メッシ・エス・ウン・エクストラテレストレ。オハラ・マニャナ・ノー・エステ・エン・ラ・ティエラ(メッシは宇宙人。明日は地球にいませんように)」と言っていたモンテッラ監督が、「Sus jugadores son extraterrestres/スス・フガドーレス・ソン・エクストラテレストレス(あちらの選手は宇宙人だ)」と、バルサ全員を大気圏外の生き物にしてしまっていたのも仕方なかったかと。 ▽結局、そのバルサに手も足も出ず、0-5というコパ史上、2回目という大敗を喫してしまったセビージャだったんですが、まあ、アトレティコなんて、その彼らに5-2で準々決勝敗退しているため、私も批判なんてできないんですけどね。決勝前はあんなに応援していたセビージャファンたちが試合終了後、スタンドに頭を下げに来た選手たちに怒りをぶつけていたり、翌日、AVE(スペインの新幹線)で到着したサンタ・フスタ駅でも罵倒されているシーンなどを見ると、サッカー選手も難儀な職業だと思ってしまいますが…だからって、敗戦後のマドリッド泊中、深夜のディスコで目撃されたエンゾンジを庇える訳もありませんよね。 ▽そして翌日曜は私もいつもの風景に戻ったワンダを再訪、アトレティコvsベティス戦を見たんですが、ピッチ上でのギャップには驚くばかり。いえ、アルゼンチンに快勝したスペインの親善試合の後も似たような気分は味わったんですけどね。アーセナル戦を見据えて、シメオネ監督がグリーズマン、コケ、ゴディンを温存したのも、相手の3バックを打ち消すべく、自らもサビッチ、ヒメネス、リュカの3CBにフアンフラン、サウールをサイドに置いたのも結構なんですが、前節3-0で負けたレアル・ソシエダ戦から続く、「パスが3回と繋がらない」病は一体、どうしたものか。 ▽ただこれには、2月から、ずっと超少数精鋭でプレーしているため、選手の疲労を記者たちが心配。シメオネ監督も「Es normal, como los trabajdores en sus empleos/エス・ノルマル、コモ・ロス・トラバハドーレス・エン・スス・エンプレオ(普通のこと。勤め人と同じことだ)。皆、夏のバケーション前の6月7月が近づくと疲れるもの」と答えていましたが、アトレティコの場合、まだ元気なはずのシーズン前半でも、言ってしまえば毎シーズン、そういう試合が必ずありますからね。狭いスペースでのパスをビシバシ通すメッシや体を捻って敵をかわしてしまうイニエスタなどを前日、見たばかりの私としては、生まれつきの才能が違うんだと嘆くしかなかったんですが、せめても慰めはその日もGKオブラクがブデスやテージョのシュートを的確にセーブ。ヒヤリとするピンチにも向こうが勝手に外してくれたため、失点もせずに済んだことだったかと。 ▽いえ、アトレティコも前半にはフェルナンド・トーレスのvaselina(バセリーナ/ループシュート)がGKダニ・ヒメンスの頭は越したものの、ゴール前でマンディにクリアされてしまったり、後半半ばにはようやくグリーズマンとコケが出場。普段の4-4-2に戻り、「Si hay uno incómodo es mejor a que haya cuatro/シー・アイ・ウノ・インコモドー・エス・メホール・ア・ケ・アヤ・クアトロ(やりにくい選手が1人の方が4人よりいい)」(シメオネ監督)という理由で、本職ではない左SBに回されていたサウールが右中盤に上がった途端、ゴールバーを直撃するシュートを撃つなど、チャンスがなかった訳ではないんですけどね。 ▽ベティスもベテラン、ホアキンを投入して終盤の決勝点を求めたんですが、最後までどちらも無得点で試合は終了。EL出場圏5位の座を安泰にしたベティス、レアル・マドリーがお休みだったため、3位との差を勝ち点4に広げたアトレティコと、おかげで来週末のレガネスとのミニダービーでお隣さんが、アラベス戦でアトレティコが揃って引き分け以下だと、バルサのリーガ優勝が日曜最後のデポルティボ戦を待たずに決まってしまうというのはともかく、それ以外、順位的には問題はなかったんですが…。 ▽うーん、トーレスなど、「No sirve de mucho pensar más en este partido/ノー・シルベ・デ・ムーチョ・ペンサール・マス・エン・エステ・パルティードー(この試合のことを考えてもあまり意味はない)。攻撃も守備も改善しないといけないけど、アーセナルに立ち向かうにはウチは最高の状態でないといけないんだから」と言っていましたけどね。どうやら木曜午後9時5分(日本時間翌午前4時5分)からの一戦では、リハビリ中の「Diego Costa tiene pocas opciones de jugar en Londres/ディエゴ・コスタ・ティエネ・ポカス・オプシオネス・デ・フガール・エン・ロンドレス(ジエゴ・コスタがロンドンでプレーする可能性は少ない)」(シメオネ監督)上、このベティス戦でもフアンフランがハムストリングを痛めて、全治2、3週間という新たな逆境が月曜に判明。 ▽このままだと、先日、22年間チームを率いてきたヴェンゲル監督の退団が発表され、日曜にもウェスト・ハムに4-1と快勝。ELのタイトルを獲って、有終の美を飾らせてあげようと勢い込んでいるアーセナル相手に、「El jueves es mejor marcar y no encajar/エル・フエベス・エス・メホール・マルカル・イ・ノー・エンカハール(木曜は点を取って、失点しないのが何よりいい)」という、オブラクのささやかな希望を叶えることができるのかどうか。月曜は休養に充て、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で火曜に1回だけセッションをした後、水曜にはエミレーツ・スタジアムで前日練習となる彼らですが、せめてそれまでにどの選手も体力ぐらいは回復していてほしいですよね。 ▽え、それで試合のなかったマドリーのミュンヘン遠征に向けての準備は進んでいるのかって?そうですね、先週は水曜にアスレティックと1-1で分けた彼らでしたが、ジダン監督は予定を変えることなく、金土と練習をお休みにして、日曜からセッションを再開。こちらで負傷中なのはナチョだけで、まだ全体練習に合流していませんが、他は全員、元気ですからね。すでにブンデスリーガ優勝が決まり、尚且つ7人もローテーションしながら、土曜にはハノーファーを0-3と一蹴したバイエルンとはいえ、怖がる必要はないかと。 ▽何せ昨季、CL準々決勝で対戦した際には2ndレグを延長戦に持ち込まれ、ドキドキさせられたものの、終わってみれば、2試合でクリスチアーノ・ロナウドが5ゴール。総合スコア6-3でバイエルンを圧倒していますからね。今年もCLにおける彼の好調ぶりは準々決勝ユベントス戦1stレグで2得点、3点差を追いつかれる逆襲を喰らったサンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグでも土壇場のPK弾でチームを救ってくれたことからも明らかとなれば、水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのアリアンツ・アレナでも大いに頼りになる? ▽一方、リベンジに燃えている相手もレバンドフキを筆頭にロッベンやリベリ、ミュラー、そしてレンタル移籍中でもヨーロッパの大会での対戦では出場できるハメス・ロドリゲスらが手ぐすね引いて待っているようで、ヒザを手術して今季絶望となったアレックス・ビダルの欠場は痛そうですが、何はともあれ、今季有数の熱戦になることは間違いなし。とはいえ、1stレグはどちらが勝っても、勝負は来週火曜の2ndレグ、サンティアゴ・ベルナベウでつくんじゃないでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.24 13:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】同じミッドウィークでもちょっと気が抜ける…

▽「まさか、ワンダで2日連続バルサの優勝が決まるの?」そんな風に私がおののいていたのは木曜日、ミッドウィーク開催のリーガ33節でアトレティコがレアル・ソシエダに手も足も出ず、3-0と1年以上ぶりの大敗を喫した直後のことでした。というのもTVのアナウンサーが「優勝までバルサはあと勝ち点3になった」と言うのを聞いたからで、今週末は土曜にコパ・デル・レイ決勝があるため、34節のバルサvsビジャレアル戦が先送りに。となれば、日曜にはもう、頭の中にはすでに来週木曜のヨーロッパリーグ準決勝アーセナル戦1stレグのことしかないアトレティコが、来季のEL出場圏を争っている5位のベティスに午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合で負ければ、その条件が満たされるんじゃないかと思ったんですけどね。 ▽どうやらそれは早合点で、当然ながら、コパ決勝の相手であるセビージャとレアル・マドリーの試合も延期。3位のお隣さんにも数字的には僅かに可能性があるため、リーガ優勝決定は早くとも来週末になるとわかったんですが、まったくねえ。どうもここ数年、コパではいつもバルサがトロフィーを掲げているような気がするという私の感覚は間違ってなくて、現在、彼らは3連覇中。今季は丁度、両者ともCLを準々決勝で敗退したばかりという状況でコパ決勝に臨むんですが、火曜のリーガでデポルティボと0-0で引き分けてすぐ、フェリア・デ・アブリル(春祭り)で湧く地元を避け、マルベジャ(地中海沿岸のビーチリゾート)で合宿入り、マンチェスター・ユナイテッドやバイエルン相手に慣れていないビッグマッチで全力を振り絞ったセビージャの方が、疲れが溜まっているのでは? ▽となると、CL準々決勝ローマ戦2ndレグで不覚の逆転敗退を喰らい、三冠の夢が消えたリベンジとして、二冠獲得に燃えているバルサがコパ4連覇を達成する方がありそうですが、そこは何が起こるかわからないサッカー。マドリッド勢からすると、セビージャ優勝の場合、コパ王者が来季ELグループリーグ出場権獲得となり、リーガの7位に回らず。そこまであと勝ち点3に迫っている弟分、ヘタフェなどにはちょっと残念なことにもなりますが、結局は、コパでバルサに負けてもセビージャがリーガ経由で6月末に始まる予選2回戦から、EL本大会出場への長き道をたどることになるかもしれませんしね。とりあえず土曜午後9時30分(日本時間翌午前3時30分)からのコパ決勝は今季、オープンしたワンダ・メトロポリターノ初の大舞台として、私も素直に試合を楽しみたいところです。 ▽まあ、ヨソ様のチームが争うコパ決勝の話はともかく、このミッドウィークのリーガ戦の様子もお伝えしておかないと。またしても先陣を切ったのは弟分のレガネスで、火曜の夜にエスタディオ・セラミカでビジャレアルに挑んだんですが、やはり前節で残留がほぼ確定していたというのが気の緩みに繋がったんでしょうか。ええ、もう少しでハーフタイムという前半42分にCKから、ビクトル・ルイスに先制点を決められると、後半10分にもバッカにエリア外から撃ち込まれてしまう始末。37分にはブラサナツのゴールでようやく1点を返したんですが、今季コパ16強対決2ndレグと同じスコアとはいえ、その時は1stレグの1-0勝利がモノを言って、アウェイゴール差による準々決勝進出というご褒美があったのとは大違い。リーガではただの敗戦にすぎないなのは残念だったかと。 ▽一方、もう1つの弟分、ヘタフェは翌水曜、こちらもアウェイでバレンシア戦だったんですが、いやあ、5位のベティスに勝ち点差10をつけて、ほぼ来季は3年ぶりのCLグループリーグ返り咲きが決まっている相手でもローテーションすると、意外と力が落ちるものですね。ボルダラス監督のチームもアンヘルが出場停止でいなかったものの、この日はエースのホルヘ・モリーナとペアを組んだレミが大当たり。前半15分にはダミアンのパスが先制ゴールを挙げると、後半3分にもモリーナの横パスを見事なワンタッチでGKジャウメ・コスタを破り、2点差にしてくれるんですから、嬉しいじゃないですか。 ▽これを機にバレンシアは15分、「creo que debo potenciar el ataque, las bandas, y tener un centro del campo más creativo/クレオ・ケ・デボ・ポテンシアール・エル・アタケ、ラス・バンダス、イ・テネール・ウン・セントロ・デル・カンポ・マス・クレアティーボ(攻撃と両サイドを強化して、クリエイティブな中盤にするべきだと思った)」というマルセリーノ監督の考えで、一気にビエット、マクシモビッチ、アンドレス・ペレイラをロドリゴ、ソレル、フェランに代える大技に出たんですが、幸いにも反撃は24分のロドリゴの一発止まり。残り5分にはキャプテンのパレホがモリーナにやり返してレッドカードを出されたことなどもあり、そのままヘタフェは1-2で逃げ切ることに成功します。 ▽まあ、この辺が来季は試合数がぐっと増えるバレンシアの課題で何せ、CLとリーガを同時に戦い抜くにはとにかく、上質で厚い選手層が必要ですからね。このオフシーズンの動きが注目されますが、残留を達成しても万が一の7位のご褒美、EL出場権を目指して気を抜いていないヘタフェの健闘も称えてあげないと。唯一、気になるのはこの日も前節のエスパニョール戦に続き、出場機会のなかった柴崎岳選手ですが、この土曜午後1時(日本時間午後8時)からは乾貴士選手との日本人対決となるエイバル戦も控えていますしね。丁度、3連戦最後の試合となるだけに今度は先発を期待してもいいかも。 ▽いやあ、実を言うと、私がオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況に耳を澄まし、ヘタフェの白星を喜ぶことができたのはサンティアゴ・ベルナベウのスタンドでのことで、というのもその直後にレアル・マドリーとアスレティックの試合がキックオフ。先週末のマラガ戦にはお休みをもらったクリスチアーノ・ロナウドやモドリッチ、マルセロらも復帰して、メンバー的には来週水曜のCL準決勝バイエルン戦1stレグの予行演習だったような感じでしたが、後でマルセロも「Esta complicado pero tenemos que jugar/エスタ・コンプリカードー・ペロ・テネモス・ケ・フガール(難しいけれど、プレーしないといけない)」と認めていた通り、優勝の可能性がほぼない状況では、選手たちにリーガ戦に真剣に取り組む意欲が起きないのは仕方なかったかと。 ▽そのせいもあったんでしょうねえ、開始から7分にはサン・ホセの至近距離シュートをGKケイロル・ナバスがparadon(パラドン/スーパーセーブ)しなければならなかったと思えば、13分にはコルドバのスルーパスをウィリアムスがvaselina(バセリーナ/ループシュート)。「Aritz me suele decir que contra el portero hay que picarla/アリツ・メ・スエレ・デシール・ケ・コントラ・エル・ポウテーロ・アイ・ケ・ピカールラ(アドゥリスはボクによく、対GKではボールを突っつけと言うんだ)」とその日はベンチスタートとなった、37歳の大先輩FWのアドバイスがゴールに繋がったと当人は打ち明けていましたが、マドリーにとって誤算だったのはそのたった1点がなかなか返せなかったこと。 ▽原因はアスレティックのGKケパで、ロナウドもバランもアセンシオもことごとくシュートを弾かれてしまったんですよ。何せ彼はこの冬、マドリー移籍が本決まりと言われていながら、最後はジダン監督の意向で破談に。結局、契約延長をして、ビルバオ(スペイン北部、アスレティックのホームタウン)に留まることを選んだんですが、まさか初めて立つサンティアゴ・ベルナベウの舞台で逃した魚は大きかったことを見せつけてくれるとは!それどころか、後半にはコルドバとラウール・ガルシアのダブルチャンスで相手がリードを広げかねなかったため、23分にはジダン監督もその日も期待に沿う働きができていなかったベンゼマ、そしてアセンシオをベイルとイスコに交代。いよいよ根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)態勢に入ったところ…。 ▽やっぱり最後はロナウドです。ええ、かなり長い時間、アスレティックのエリアを取り巻いて攻撃していたマドリーでしたが、いよいよタイムアップが迫ってきた41分、モドリッチが撃ったシュートをゴール前で彼がtaconazo(タコナソ/ヒールキック)。コースの変わったボールにケパは届かず、土壇場で同点に追いついているんですから、ジガンダ監督が「Es una pena que tan cerquita del final nos hayan empatado/エス・ウナ・ペナ・ケ・タン・セルキータ・デル・フィナル・ノス・アジャン・エンパタードー(あれだけ最後が近づいてきた時に追いつかれたのは残念だ)」と嘆くのも当然だったかと。いかにも、ちょっと本気になれば、点が取れるタレント満載のチームなればこその所業ですが、優勝が懸かっていなかったためか、奇跡の93分弾は生まれず、試合は1-1の引き分けで終わりましたっけ。 ▽そしてアスレティック戦後のジダン監督の記者会見でも大活躍だったケパの件を除けば、ほとんどの質問がバイエルン戦についてだったことからもわかるようにもう、この先のマドリー話題はCL準決勝一色。いえ、日曜夕方に練習が再開される前、セルヒオ・ラモスやセバージョスらはおめかししてセビージャに帰郷、フェリア・デ・アブリルのお祭り気分を満喫する機会を逃していませんでしたが、中には休日返上でバルデベバス(バラハス空港の近く)に通いつめ、リハビリを急ピッチで進めているナチョのような選手も。水曜の1stレグに間に合うかはわかりませんが、相手にも主力のアレクッス・ビダルが半月板手術で一足早く今季を終えるなど、負傷者が出ているため、まだその辺の選手情報は試合が近づくのを待って、お伝えすることになりましょうか。 ▽え、怖いもの見たさじゃないけど、アトレティコ惨敗の詳細も知りたいって? いやあ、実は水曜、マドリー戦の前にマハダオンダ(マドリッド近郊)に彼らの練習を見に行った私だったんですが、選手たちがグループに分かれてパス&ゴーのエクササイズをやっている最中、驚かされたのはシメオネ監督が「パスは受け手のことを考えて出すこと。もらう方がいい感じで受けられるように」とやたら強調していたこと。いえ、だって少年サッカーじゃあるまいし、彼らはプロなんですよ。そんなの言うまでもないことなんじゃないかと思っていたところ、そのソシエダ戦ではまず、「パスは何もないところでも敵めがけてでもなく、味方に向けて出す」という指示から必要だったのかと考えさせられる破目に。 ▽ええ、前半にはゴディンのヘッドが、アトレティコから2月に移籍したモヤが負傷したのに代わり、復帰してきたGKルリに上手くセーブされてしまうなんてこともあったんですが、全体的に動きの鈍かった彼らは26分、トマスのボールロストから、ジャヌザイに右サイドから折り返しノクロスを入れられ、ウィリアム・ホセに先制点を奪われてしまったんですよ。おまけに後半34分にはトマスから代わったガビのミスから、フアンミの独走に繋がって、またしても失点してしまったから、3季連続でのサモラ(リーガ1失点率の低いGKに与えられる賞)獲得に向け、バルサのテア・シュテーゲンと熾烈な争いを繰り広げているオブラクが気の毒だったの何のって。 ▽うーん、その頃には総攻撃態勢を発動したシメオネ監督がフアンフランに代え、ビトロを投入していたため、累積警告のリュカを補ったベルサイコの後を継いで、サウールが不慣れな左SBにポジションチェンジ。間が悪くもオフサイドラインを乱してしまうという不運もあったんですけどね。更にガメイロが抜け出したチャンスは2度とも、不当なオフサイドと怪しげなフェルナンド・トーレスのハンドを取られてシュートまで行きつけずと、ジャッジとの相性も悪かったんですが、ロスタイムにもデ・ラ・ベジャのクロスをフアンミにヘッドで3点目を入れられていてはもう開いた口も塞がらないとはまさにこのこと? ▽いえ、後でサビッチなど、「No jugamos tan intenso porque hay veces que el rival no te lo permite/ノー・フガモス・タン・インテンソ・ポルケ・アイ・ベセス・ケ・エル・リバル・ノー・テ・ロ・ペルミテ(ウチはいつもように激しいプレーはしなかった。時に相手がそれを許してくれないこともある)」と弁解していたんですけどね。もうずっと、少数精鋭での週2試合ハードスケジュールが続いている彼らだけに疲労が溜まっているのもわかりますが、おかげでどんなに来週木曜のア-セナル戦が心配になったことやら。 ▽とはいえ、目前に迫るは日曜のベティス戦で、まだこの時点ではジエゴ・コスタは回復していない見込み。それどころか、ロンドンでの1stレグに間に合うかもわからないんですが、ここは彼らを信頼してあげないと。同日、木曜には遅い試合でロスタイムにレバンテに決勝点を取られてマラガの降格が数字的に決定、同様にベティスに負けたラス・パルマスもほぼ2部行きが確実となり、早くも始まった金曜の34節では弟分のレガネスがデポルティボとスコアレスドローを演じ、更に相手を崖っぷちに追い落とすなど、上下ともにカタがつきかけているリーガですが、次に注目となるのは現在、スポルティングと同勝ち点で2位にいる2部のマドリッド弟分、ラージョの昇格がいつ決まるかでしょうかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.21 19:30 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】4チーム共、勝ってくれたけど…

▽「お預け喰わされている気がするわよね」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、今週の予定と見たところ、ヨーロッパの大会がなく、ミッドウィークにリーガ戦が入っているのに気がついた時のことでした。いやあ、これがシーズン半ばであれば、先週末の節も含めて勝ち点9が動くとあって、オチオチしていられなかったんですけどね。優勝争いといった言葉が世間から、聞こえなくなったのはもう随分と前。首位バルサと2位アトレティコの差が勝ち点11、3位のレアル・マドリーは15ともあって、残りは6試合、いつ戴冠が決まるのかの方にもう焦点が移っているのは当然のことだったかと。 ▽実際、5位のベティスとアトレティコとの差も先週末で19ポイントとなり、数字的に来季のCL出場権ゲットが確定。マドリーも15差ありますし、今回から4位だとプレーオフを戦わないとグループリーグに出られないという制約もなくなったため、それこそ2位も4位も変わりないですしね。加えてマドリッドの弟分チームたちも残留をほぼ達成、かといって、10位のヘタフェは7位のセビージャまで5ポイントと、ヨーロッパリーグ出場圏入りまで望むのは少々、難しいとなれば、こちらも消化試合に付き合わされているような倦怠感に陥っても仕方なかった? ▽それだけに早く見たいのはCL、ELの準決勝で、何せマドリーはバイエルン、アトレティコはアーセナルとどちらも決勝と言ってもおかしくないような好カードになっていますからね。その前に毒にも薬にもならないような試合をして、自在にローテーションをかけられるお隣さんはともかく、超少数精鋭主義のシメオネ監督のチームから、更にケガ人発生といった事態になるのは困るんですが…いえ、先のことを慮っていても始まりせん。とりあえず、マドリッド勢の前節リーガ戦がどうだったか、お伝えしていくことにすると。 ▽4チームに先立って土曜試合となったのはレガネスで、このところバレンシア、バルサと強敵に連敗していた上、アムラバットやガブリエル・ピレス、ボービューらが出られないと聞いていたため、このセルタ戦はちょっと心配していたんですけどね。それでもチームへの全幅の信頼を失わず、ブタルケのスタンドを埋め尽くしたファンに力づけられ、レガネスは前半からゲレロのシュートやシオバスのヘッドでゴールを積極的に狙っていきます。その努力が実ったのは後半になってからで17分、エル・ザールが入れたラストパスをゲレロが押し込み、とうとう先制してくれたから、ホッとしたの何のって。 ▽スタンドの一角にはセルタの応援団も駆けつけていたんですが、この日はイアゴ・アスパスにチャンスが回らなかったせいでしょうか。相手はこの1点が返せず、そのまま1-0でレガネスが勝利を手に入れることに。これで勝ち点39、降格圏と13差となったため、ガリターノ監督も「A seis jornadas la salvación está prácticamente hecha/ア・セイス・ホルナーダス・ラ・サルバシオン・エスタ・プラクティカメンテ・エッチャ(6節残して実質上、1部残留は達成できた)」と試合後、満足そうだったんですけどね。週が明けて月曜日、次節のビジャレアル戦を控えての会見では、「matematiamente(マテマティカメンテ/数字的に)残留を確定するまで戦わないといけない」と新たな目標ができていたんですよ。まあ、今週は金曜にデポルティボ戦も入っていますし、4月からチーム全体にバケーション気分が広まっても困りますからね。それでもセルタ戦で決勝点を挙げたゲレロを始め、6月で契約の終わる選手が大半とあって、そろそろクラブも来季を見据えて動き始めるんじゃないでしょうか。 ▽そして翌日曜、まだ日の高い午後4時頃、ちょうど毎年恒例のel Dia del Nino(エル・ディア・デル・ニーニョ/子供の日)のイベントに当たったため、スタジアム周辺に設けられたトランポリンやミニサッカー場、フットボリン(サッカーゲーム)などのアトラクションを楽しむ家族連れで賑わうワンダ・メトロポリターノに着いた私でしたが、この日は場内の演出もバッチリ。キックオフ前には大弾幕がバックスタンドに広がり、他は一面、rojiblanco(ロヒブランコ/赤と白)の旗でさざ波かえる美しい光景を楽しめることに。ええ、これにはジエゴ・コスタが負傷中なのに加え、金曜早朝にリスボンから戻って来たばかり、土曜など45分ぐらいしか練習をしなかったというアトレティコの選手たちも大いに勇気づけられたのでは? ▽実際、相手はパコ・ロペス新監督になってから、勝ち点12中10を獲得しているレバンテとあって、その辺もあの、大雨のジョゼ・アルバラーデでパスが3回とが続かない、恐ろしいEL準々決勝2ndレグを見た後だけに、私も不安だったんですが、応援の効果やてきめん。意外と大丈夫だったんですよ。そう、ここ3試合連続の先発出場を仰せつかい、ようやくスペイン代表でも常連だったセビージャ時代の自分のサッカーを思い出したか、この日はビトロがキープレーヤーに。前半32分には敵DF数人をかわしてエリア内でバトンタッチ、ここ数試合の悪いパフォーマンスを反省していたコレアがシュートを決め、アトレティコが先制点を挙げてくれたから、ファンも喜んだの何のって。 ▽更に40分にはリュカのスルーパスにグリーズマンが抜け出したんですが、GKオイエルに倒されてシュートできず。ペナルティをもらうどころか、逆にpiscinazo(ピシナソ/ダイブ)とされて警告を受けてしまったため、後でゴディンなど、「時々、プレーのスピードのせいで、相手に触らなくても向こうが切り返そうとしたりして、バランスを崩すことがある。Por eso la amarilla me parece excesiva/ポル・エソ・ラ・アマリージャ・メ・パレセ・エクセシーバ(だからイエローカードは過剰に思えるよ)」と意見していたんですけどね。後半3分にはコケのサイドチェンジからベルサイコがクロス。エリア内からvolea(ボレア/ボレーシュート)でグリーズマンが撃ち込み、無事に2点目を取ってくれたため、「por suerte no lo hemos tenido que necesitar por los tres puntos/ポル・スエルテ・ノー・ノ・エモス・テニードー・ケ・ネセシタール・ポル・ロス・トレス・プントス(幸いウチは勝ち点3のためにPKを必要としなかった)」(フェルナンド・トーレス)のは良かったですよね。 ▽え、この日、スタジアムが最高に盛り上がったのは後半13分、グリーズマンに代わって、トーレスがピッチに入った瞬間だったんじゃないかって?そうですね、折しも彼は先週、今季限りでのアトレティコ退団を表明。ファンも事情を汲んでか、お馴染みの「Torres quedate/トーレス・ケダテ(トーレス、残って)」というカンティコ(節のついたシュウレヒコール)こそ、聞こえなかったものの、スタンドは「Fernando Torres lo lo lo lo/フェルナンド・トーレス、ロロロロー」の大合唱となります。そこへ32分にはコレアからのパスをネットに沈めて、El Nino(エル・ニーニョ/子供、トーレスの愛称)がチームの3点目を取ってくれるのですから、まさに最高の“子供の日”だったかと。 ▽いえ、シメオネ監督は「Fernando es un icono haciendo goles o no, ganando titulos o no/フェルナンド・エス・ウン・イコノン・アシエンドー・ゴーレス・オ・ノー、ガナンドー・ティトゥロス・オ・ノー(フェルナンドはゴールを決めても決めなくても、タイトルを獲っても獲らなくても偶像だ)」と言っていましたけどね。できれば、「Para mi, cada partido hasta el final va a ser una fiesta/パラ・ミー、カーダ・パルティードー・アスタ・エル・フィナル・バ・ア・セル・ウナ・フィエスタ(自分にとって、最終戦まで全ての試合がフィエスタになるだろう)」という当人には、この日達成したアトレティコでのリーガ1部100得点を少しでも上積みして、有終の美を飾ってほしいですよね。 ▽おかげで、いつもながらGKオブラクが完璧なセーブを見せたこともあり、3-0で快勝したアトレティコでしたが、バルサも前日、バレンシアに2-1と勝利していたため、差が縮まることはなし。次は木曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からアノエタでのレアル・ソシエダ戦で、トマスに代わって、今度はリュカが累積警告となるため、トップチームの頭数に変わりはありません。その後、ホームで彼らを再び見られるのは日曜のベティス戦になるんですが、実はこの週末にワンダで開かれるのはこの試合だけではないんです! ▽そう、土曜にはコパ・デル・レイ決勝のセビージャvsバルサ戦が開催されますからねえ。実はこの日付が決まった折、セレソ会長を始め、2日連続で試合があっても対応可能なクラブの運営力を自慢したかったか、アトレティコはベティス戦を先送りにするのを望まず。とはいえ、3月の各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間)以来、毎週木日と試合が続いているだけに選手たちも若干、お疲れ気味ですし、セビージャ戦が延期となったお隣さんのように、EL準決勝の前にお休みがあった方が、今となっては良かったかもしれませんね。 ▽そしてこの日は続いてヘタフェがコリセウム・アルフォンソ・ペレスでエスパニョール戦をキックオフ。いやあ、今季は梯子観戦もよくした私なんですが、さすがに直後の時間帯となると、公共交通機関を使っての移動はムリで、何せメトロ(地下鉄)のエスタディオ・メトロポリターノ駅から、イロイロ乗り継いで、ヘタフェまで行くのは1時間以上かかりますからね。よって、後でサマリーを見るだけになりましたが、いい結果が出てくれました。ええ、後半8分にFKをショートでもらったダミアンが撃ち込んだgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で先制した彼らは、その10分後にはフラミニが2枚目のイエローカードをもらって退場となったものの、最後まで耐え抜いて1-0で勝利。こちらもレガネス同様、2連敗の不調を乗り越えることができたんですが、残念ながら、柴崎岳選手の出場機会はありませんでしたっけ。 ▽そんなヘタフェは水曜午後7時30分からアウェイでのバレンシア戦、週末もコリセウムには戻って来ず、土曜午後1時(日本時間午後8時)から、乾貴士選手のいるエイバルのホームで試合となります。この先、彼らのコリセウム開催ゲームもあと4月29日のジローナ戦、5月2週目の週末の兄貴分、アトレティコとのミニダービーだけなので、今季中にマドリッドで柴崎選手のプレーを見たいファンは要注意。日付が合わなければ、ヘタフェのオフィシャルページの予定表(http://getafecf.com/PrimerEquipo/Entrenamientos.aspx、スペイン語のみでもgoogle翻訳などで大体わかる)をチェックして、スタジアムの右奥にある練習場に行ってみるのもいいかもしれません。 ▽え、それで日曜最後のカードでラ・ロサレダでマラガと対戦したマドリーはどうだったのかって?いやあ、当日移動したジダン監督のチームだったんですが、予想通り、クリスチアーノ・ロナウドは機上の人とはならず。更にモドリッチとベイルが休養ローテーションに入っただけでなく、クロースやマルセロまでベンチ見学とは、選手が多いチームはまったく羨ましい。ただ、今季はCFのベンゼマが極端なゴール日照りに見舞われているため、無得点のまま、前半も30分近くになると、本当にゴールが入るのか、いささか懸念が出て来たものの、そこに救世主として現れたのはご当地選手のイスコ。 ▽エリア近くでゲットしたFKに古巣の選手たちから、苦労してボールを返してもらった後、キャプテン権限でキッカーをやろうかと申し出たセルヒオ・ラモスも断ると、彼の蹴ったボールが弧を描いてスッポリ、ゴールに収まったから、驚いたの何のって。後でマラガがFKを得た際にもスタンドから、「Isco tiralo/イスコ・ティラロ(イスコが蹴って)」というカンティコが湧いていたぐらいだったんですが、実はイスコがマドリーで直接FKからゴールを決めたのはこれが初めて。いえ、もちろんロナウドやベイルがいたら、キッカーをやらせてもらえないせいもあるでしょうけどね。 ▽むしろこの才能は夏のW杯スペイン代表で役立ててもらいたいものですが、後半にもマドリーはイスコのアシストでカセミロが追加点を挙げ、リードが2点に。その後はセバージョスやマジョラルら、これまでほとんど出番がなかった若手をピッチに送り、アセンシオとイスコを休ませたジダン監督でしたが、何せ相手はもう、残り全勝したとて、降格が避けられそうもない最下位のマラガですからね。ロスタイムにバジェホがクリアできなかったボールをロランが決めて1点は返したものの、そこでゲームセット。ええ、ホセ・ゴンサレス監督も「Nadie tiene dudas de que el Malaga volvera a Primera/ナディエ・ティエネ・ドゥーダス・デ・ケ・エル・マラガ・ボルベラ・ア・プリメーラ(マラガが1部に戻って来ることに疑いを持つ者はいない)」と2部落ち前提で話していましたし、この1-2の敗戦も淡々と受け止めているようでしたっけ。 ▽おかげでバレンシアを追い越し、3位に復帰してマドリーは帰京したんですが、今週の予定は水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)から、サンティアゴ・ベルナベウでのアスレティック戦。当面、ケガ人はナチョしかおらず、ジダン監督もCL準決勝バイエルン戦1stレグまで週末を挟んで丸々1週間空くため、「ローテーションをして、休めるようにしたい。でもno pueden descansar todos/ノー・プエデン・デスカンサール・トードス(全員は休めないだよね)」とどこか余裕でしたが、まあ、相手もすでにブンデスリーガ優勝済みとあって、直前のリーグ戦に主力は使わないでしょうしね。やっぱり私がドキドキするのは25日(水)まで、とっておくことになりそうです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.17 08:35 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢だけが生き残った…

▽「もしやこの週ってゴールデンウィーク?」そんな風に私が日本のカレンダーを確認していたのは金曜日、UEFA本部でのCL準決勝抽選が終わり、試合日程が決まった時のことでした。いえ、すでに1時間前に先行していたEL準決勝抽選ではアトレティコとアーセナルと対戦することが決定。こちらの大会は2カードとも木曜開催となるため、3日の2ndレグではワンダ・メトロポリターノでプレミアリーグの老舗を見られるのがすぐわかったんですけどね。奇しくもバイエルンを引いたレアル・マドリーも2ndレグが1日にサンティアゴ・ベルナベウって、要は5月の第1週にマドリッド滞在を予定している観光客には、ヨーロッパの2大クラブ大会のファイナリストが決まる大一番をまとめて観戦する機会があるってことじゃないですか。 ▽え、でもどちらもチケットをゲットするのは難しいんだろうって?まあ通常、大会のこの辺りになると、相手に関わらず、即日完売することも多いんですが、意外にもこの水曜のCL準々決勝2sdレグ。先週の1stレグが0-3と大勝だったせいか、ユベントスというネームバリューでは決して引けを取らない相手だったにも関わらず、80~300ユーロ(約1万1000~4万円)ぐらいで、当日売りのチケットが出ていましたからね。いよいよ、コペンハーゲン、ロコモティブ・モスクワ、スポルティングCPとは一線を画す強敵、アーセナルを迎えるワンダもここまでのEL戦が満員御礼にならなかったという先例があるとなれば、結構、スタジアム窓口で買えてしまったりするかも。 ▽その辺はまだ3週間も先の話なので、情報が入り次第、お伝えしていくことにしますが、まずは今週の準々決勝2ndレグがどう決着したかを語っておかないと。いやあ、火曜は1stレグに4-1と快勝していたバルサが一体、何がどうしたんでしょうかね。スタディオ・オリンピコでは序盤にジェコに決められると、後半にはデ・ロッシがPKで、残り8分にはマノラスがセットプレーからヘッドで、両者共にカンウ・ノウで献上したオウンゴールの無念を晴らされて、総合スコアが4-4に。まさに先週末のリーガ、レガネス戦でハットトリックを挙げたメッシが1本でもこのローマ戦にゴールを取っておけばと思わせる展開で、結局、無得点に終わったバルサはアウェイゴール差による大逆転負けって、こんな奇跡があっていい? ▽おかげで翌水曜のお昼のニュースでは、宿敵のCL敗退に溜飲を下げているマドリー・サポーターの姿を何度も見たものですが、彼らもこの先、何が待っているのか知っていたら、きっとあんなに有頂天にはならなかったかと。というのもその夜、いえ、私も前日にドシャ降りの中、見学に行ったバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でのジダン監督とバランの会見や夕方、ベルナベウであったアッレグリ監督とブッフォンの会見でもほとんど、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)の可能性は話されていなかったため、むしろ恐れていたのは再び、ぶり返してきた寒さの方だったんですけどね。それが何と、同じイタリア勢でも4位のローマとは勝ち点差21をつけて、優勝が間近に迫っているユベントスだからでしょうか。前日の先制点より、全然早い開始1分18秒にはケディラのクロスから、カルバハルを軽々超えて、長身のマンジュキッチがヘッドで決めてしまったから、意表を突かれたの何のって。 ▽ただ、それでもまだ2点差ありましたし、13分にはイスコのゴールが怪しいオフサイドで認められないなんてこともあったため、じきに相手の攻勢も収まるだろうと私など、楽観視していたんですが、いえいえ、とんでもない。37分には再び、マルセロの守る左サイドからクロスを上げられ、またしてもマンジュキッチに頭で得点されてしまっては心落ち着かず、ハーフタイムに定番のボカディージョ(スペイン風バゲットサンド)を食べることもできないファンがいても仕方なかったかと。さすがこれにはジダン監督も「Hay que cambiar algo/アイ・ケ・カンビアール・アルゴ(何かを変えないといけない)」と思ったそうで、マドリーは後半頭から、ベイルとカセミロを下げ、ルーカス・バスケスとアセンシオを投入したものの…。 ▽悪夢が現実になったのは後半15分、この日、ユベントスの攻撃を牽引していたドグラス・コスタが入れたクロスをGKケイロル・ナバスがしっかり掴めず、詰めていたマトゥイディに押し込まれてしまったんですよ。いえ、バルサとは違い、これで総合スコアは互いにアウェィゴールでの3-3ですから、あくまでユベントスはprorroga(プロロガ/延長戦)に持ち込める権利を得たに過ぎないんですけどね。おそらく、それで安心してしまったのでしょうか。その後の彼らは4点目を奪いに行くことより、失点を避けることを優先したのを大いに悔やむことに。 ▽ええ、いよいよ試合も後半ロスタイムに入り、その頃には出場停止でこの試合に出られず、ソンブレロ(帽子)を被ってパルコ(貴賓席)で優雅に観戦していたセルヒオ・ラモスも危ないと思ったか、ベンチ脇にあるトンネルから檄を飛ばしていたんですけどね。私も厚めのヒートテックを着てきた先見の明に感謝しながら、更なる30分の長丁場に耐える覚悟を決めていたところ、何と48分、クリスチアーノ・ロナウドが頭で落としたボールをゴール前に受けに行った身長172センチ、体重70キロのルーカス・バスケスが190センチ、92キロのベナティアに後ろから足を回されて転倒。ペナルティの笛が吹かれるって、こんなラッキーな出来事があっていい? ▽というのもこのプレー、専門家でも意見が分かれる程、判断が微妙で、アッレグリ監督などはCLにVAR(ビデオ審判)がないのを嘆いていましたけどね。もちろんルーカス・バスケスは「Es penalti claro/エス・ペナルティ・クラーロ(明らかにペナルティだ)。ボールをコントロールしようとした時、敵CBに倒されたんだからね」と正当性を主張、対するベナティアは「自分の太ももが触れたけど、接触は最小限で、これはサッカーの一部」と互いの言い分が相反するのは当然で、ユベントスの選手たちも主審を取り巻いて猛抗議をしたところ、何とGKブッフォンがレッドカードで退場させられてしまったから、逆転突破の夢もここでジ・エンドに。 ▽だってえ、どの選手が蹴ってもPKが入らない弟分のヘタフェじゃあるまいし、キッカーはあのロナウドですよ。代わりのGK、シュチェスニーが用意する時間も含め、4分程、間があったため、当人も「Los minutos antes de tirar el penalti se hicieron eternos・ロス・ミヌートス・アンテスデ・ティラール・エル・ペナルティ・セ・イシエロン・エテルノス(PKを蹴るまでが永遠に感じられた)」と言っていたものの、大丈夫。ドサクサに紛れ、ユベントスの選手たちが入れ替わり立ち替わり、PKマーク付近をスパイクで荒らしていたのもモノともせず、しっかり総合スコア4-3で準決勝進出を決めるゴールを挙げているのですから、歓喜の余り、またユニフォームを脱いで、自身の筋肉を見せつけていたって、ここはもう褒めるしかないかと。 ▽え、ロナウドは昨夏、スペイン・スーパーカップ1stレグでもユニを脱いで、それが2枚目のイエローカードだったために退場。更に5試合の出場停止処分を受けていなかったかって?いやあ、そこは少し学んだようで、この日はまだカードをもらっていませんでしたし、大会通算でも2枚目。累積枚数にはならない上、準決勝では全員ゼロからスタートになるって知っていたんでしょうね。おかげで心いくまでゴールを祝うことができたんですが、ラモスの方もスタッフが必死に止めて、ピッチレベルまで上がらなかったため、UEFAのお咎めがなかったのは幸い。何せ、バランとバジェホのCBコンビではその日のように、大物相手では頼りないのが発覚してしまいましたからね。準々決勝こそ、2ndレグは0-0で、セビージャのオウンゴール2本で勝った1stレグのおかげで突破したバイエルンとはいえ、レバンドフスキを前にラモス抜きで戦うなんて、想像したくもありませんって。 ▽そして試合後は、「Si hay penalti, lo hay. Pasamos y estamos contentos/シー・アイ・ペナルティ、ロ・アイ。パサモス・イ・エスタモス・コンテントス(ペナルティがあると言われればある。ウチは突破して満足だ)」(ジダン監督)というマドリーだったんですが、マルセロなどからは「no nos iba a pasar como al Barcelona porque somos el Real Madrid/ノー・ノス・イバ・ア・パサール・コモ・アル・バルセロナ・ポルケ・ソモス・エル・レアル・マドリッド(バルサみたいにはならないよ。ウチはレアル・マドリーだからね)」なんて、ちょっと調子に乗ったコメントも聞かれたんですが、ミックスゾーンで誰より吠えていたのはブッフォンだったかと。 ▽ええ、最初は放映権のあるTVカメラ、次になしのTV、イタリアのラジオ、最後は新聞記者たちの前で、「93分にあんなペナルティを取るなんて、人間のやることじゃない。彼はキラー、アニマルだ。ハートの代わりにゴミバケツを持っている」と各所で主審批判をリピート。うーん、世間から、CLの試合はこのマドリー戦が最後となるだろうと言われていた彼ですから、有終の美を飾れなかったのが悔しいのはわかりますけどね。あの手のジャッジは時の運ですし、昨季もバイエルン相手の準々決勝2ndレグ、延長戦にもつれ込みながらも勝ち抜けを決めたマドリーですから、やっぱり残り30分に畳かけず、120分勝負に懸けたユベントスの戦略にこそ、敗因があったんじゃないかと私など、思ってしまうんですが…。 ▽え、それで木曜にスポルティングとの2ndレグを戦ったアトレティコはどうしたんだって?うーん、リスボンは大雨だったからですかねえ。1週間前のワンダとは違い、相手にガンガン攻めてこられた上、パスが3回と繋がらない惨状にとうとう、普段は見て見ぬ振りをしている番記者たちも試合後は「就任して以来、最低の試合だったのでは?」と記者会見で尋ねざるを得ない始末。それには「この6年間、もっとひどい試合はあったが、comparto que estuvimos tremendamente imprecisos en el primer tiempo/コンパルトーケ・エストゥビモス・トレメンダメンテ・インプレシソス・エン・エル・プリメール・ティエンポー(ウチが前半、恐ろしく正確さを欠いていたという意見には同意する)」と答えていたシメオネ監督ですけどね。 ▽もうホント、私だって、視界が悪くてスポルティングの緑のユニと芝生の区別がつきにくいのだろうとか、濡れた髪でヘディングすると滑って狙いが狂うんだろうとか、TVを見ながら、自分で自分に言い訳するのがどんなに苦しかったことか。どうやらコケなどに言わせると、「相手もプレーしているんだから、hay veces que no es culpa tuya/アイ・ベセス・ケ・ノー・エス・クルパ・トゥジャ(自分たちのせいじゃない時もある)」そうですが、何せ、1stレグでは2-0で勝利しているとはいえ、バルサやマドリーの先例がありましたからねえ。GKオブラクの奮闘も空しく、とうとう前半27分、彼が弾いたクロスをノーマークだったモンテロに決められてしまった時にはどんなに背筋が凍ったことか。 ▽おまけにリュカは前半の接触プレーで顔を強打され、後半からはベルサイコが出場していたのに加え、5分にはダッシュをかけた際にジエゴ・コスタが左太ももを痛め、交代要請って一体、どこまでアトレティコは祟られている?それでも幸い、この時は先日、今季限りのアトレティコ退団宣言をしたフェルナンド・トーレスがアップなしで入り、更にスポルティングも「70分までウチは素晴らしい試合をしていたが、リスクを犯して点を取りにいかないといけない時間帯になり、アトレティコがスペースを得てチャンスを作った」(ジェズス監督)という状態になったため、そのまま試合は1-0で終了。総合スコア2-1で逃げ切りましたが、30分過ぎにグリーズマンが迎えたGKルイ・パトリシオとの1対1の好機にシュートを決めていてくれれば、あそこまでファンをヒヤヒヤさせることもなかったはずでよ。 ▽まあ、内容はともかく、今はアトレティコがリヨンへの道から外れなかったことを喜んでいればいいんですが、気になるのはコスタのケガがいつ治るのか。一応、全治2週間という報が金曜の検査の後、出ていましたが、4年前は負傷から復帰の後、リーガ優勝が決まった最終戦でもCL決勝でもすぐ再発させて、序盤で交代という黒歴史の持ち主ですからね。今週末、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、ワンダ初のDia del Nino/ディア・デル・ニーニョ(子供の日)が祝われるレバンテ戦はもちろん、アーセナルとの2試合もあまり期待しない方がいいかも。ちなみにもう1つのEL準決勝はオリンピック・マルセイユvsザルツブルクで、前者にはライプツィヒとの準々決勝2ndレグでチームの5点目を挙げた酒井宏樹選手、ラツィオを大逆転で退けた後者には南野拓実選手がいるため、どちらが勝っても決勝に必ず日本人選手が参加するっていうのは楽しみですね。 ▽そして他のマドリッド勢の週末の日程は土曜にレガネスがセルタとブタルケで対戦。日曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにエスパニョールを迎えるヘタフェ同様、残留をほぼ達成してしまったため、このところ2連敗とモチベーションを奮い立たすのが難しいようですが、せめてホームゲームではいいプレーをして、サポーターを喜ばせてあげてほしいかと。兄貴分のマドリーは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、降格決定が秒読みに入っている最下位マラガとのアウェイ戦ですが、ユベントス戦で負傷したモドリッチ共々、金曜のセッションでグラウンドに姿を見せなかったカルバハル辺りはお休みしそうです。 ▽実際、バルサとは勝ち点差15とすでにリーガ優勝の望みは失くしている彼らですが、一応、前節にバレンシに奪われてしまった3位の座は取り戻したいですからねえ。来週はミッドウィークの水曜にアスレティック戦をこなした後、週末21日にコパ・デル・レイ決勝が開催。そのファイナリストであるセビージャとの対戦が先送りにされているため、バイエルン戦1stレグまでの丸々1週間、調整に使えるのは羨ましい限りですが、ジダン監督がどんな風にロナウドやクロース、カセミロらをローテーションしてくるのか、ちょっと興味が湧くところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.14 21:45 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】2位争いは盛り上がらない…

▽「ここまで冷遇されるなんて」そんな風に私が呆気に取られていたのは月曜日、マドリーダービーで見逃したシーンでもないかと、楽しみお昼のニュースをつけたところ、最初に始まったのはMotoGP、アルゼンチンGPで走行中、ヴァレンティーノ・ロッシにぶつかって転倒させたマルク・マルケスとの度重なる諍いの件。続いてはバレンシアの闘牛場で開催されたデビスカップ準々決勝第2戦でフェレールが熱闘の末、コールシュライバーに勝利、スペインがドイツを破って準決勝進出を遂げた件で、いえ、このテニスの国別対抗戦には金曜にバルサのピケが見学に来ていたなんて話もあったんですけどね。 ▽いよいよ次こそは身構えていたところ、マスターズで4位になったスペイン人ゴルファーのジョン・ラームの映像が流れた日には、どうしたらいいものか。だってえ、サッカー至上主義のこの国で番組開始から15分以上、ほっておかれるなんて、バルサとエスパニョールのカタルーニャダービー、アスレティックとレアル・ソシエダのバスクダービー、セビージャとベティスのアンダルシアダービーと、スペインにはライバル意識の強いお隣さん同士の対決はいくつかあるものの、天下のマドリーダービーなんですよ。それがこの扱いって、どこまでレアル・マドリーもアトレティコもリーガで影が薄くなってしまったんだと、私も嘆くしかなかったんですが…。 ▽まあ、そこは気を取り直して、先週末のマドリッド勢を振り返っていくことにすると。トップバッターは土曜の午後1時という早い時間から、メンディソローサでアラベスと対戦したヘタフェだったんですが、やっぱり残留ほぼ確定という立場になってしまうと、今季は再昇格1年目のチームというのもあって、それ以上の野心を持つのが難しいんでしょうか。前半は両者無得点だったものの、後半3分にはラグアルディア、30分にもムニルと、2本のヘッドで点を奪われた彼らはそのまま2-0で敗戦。終盤にもらったPKもアントゥネスが外してしまい、とうとう今季9本中5本目のPK失敗って、ちょっと情けない感じがしますが、数年前には兄貴分のアトレティコも延々と入らない時期があったりしましたからねえ。 ▽こればっかりは練習不足を責めても仕方ないんですが、この日は前節のベティス戦でPKを弾かれてしまったポルティージョが累積警告で出場停止だったため、先発に抜擢された柴崎岳選手も後半17分で交代。あまり見せ場がなかったのも残念ですが、ボルダラス監督も「せっかくここまで素晴らしいシーズンを送ってきたのに、終盤で失速するのは痛ましい」と言っていたように、今週末日曜のエスパニョール戦を含めて、あと7試合、せめて半分ぐらいは勝てると、ファンもいい気分で夏を迎えられるんじゃないでしょうか。 ▽そして同じ土曜、夜の試合でカンプ・ノウのピッチに立ったのはレガネスだったんですが、いえ、普段はスルーしているバルサ戦を見に近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に入ったところ、顔馴染みのcamarero(カマレーロ/ウェイター)に「何しに来たの?」と驚かれてしまったなんてこともあったんですけどね。やはりアトレティコにもムリだったことを弟分に期待した自分が愚かだと前半から、思い知らされることに。ええ、相手もCL準々決勝ローマ戦の谷間ということで、イニエスタやジョルディ・アルバがベンチ待機だったですが、あの選手さえ、いればいいんですよ。まずは前半27分、CBシオバスが絶対、やってはいけないエリア前右側でファールを犯し、そのFKをメッシが直接決めてバルサが先制。丁度、1カ月前、首位との直接対決に張り切って乗り込んだアトレティコもこれでやられたっけと、悔しさを反芻していたところ…。 ▽ええ、後でガリターノ監督も「Nuestro error ha sido no saber dar dos pases seguidos/ヌエストロ・エロール・ア・シードー・ノー・サベール・ダール・ドス・パセス・セギードス(ウチのミスはパスが2本と続かなかったこと)」と反省していたんですけどね。レガネスは32分にもコウチーニョからパスをもらったメッシに再びゴールを奪われてしまったんですよ。それでも後半、リードして相手の気が緩んだのか、少しは攻められるようになってきたため、しばらく様子を伺っていると、何と23分にはエル・ザールがGKテア・シュテーゲンを破ってくれたから、期待度が再び上昇。でもねえ、最後はやっぱりメッシでした。残り3分、GKクエジェルの体をヒョイと超えるチップキックで3点目を取られてはどうしようもありませんって。 ▽結局、3-1と負けてしまい、ハットトリックを挙げた好調メッシの引き立て役で終わってしまったレガネスでしたが、まあこちらも降格圏とは勝ち点13と残留はほぼ確定していますからね。ヘタフェ同様、この土曜のセルタ戦からまた気を取り直して、いい試合を見せてくれればいいんですが、ボルダラス監督共々、ガリターノ監督も今週は契約更新の交渉が進展しそうな雰囲気です。 ▽そして翌日曜はお昼を食べてから、サンティアゴ・ベルナベウへ向かった私でしたが、確かにスタジアム周辺にもいつもの宿敵対決の盛り上がりは見られず。もちろんアトレティコファンも一定数、応援に駆けつけていたものの、fondo norte/フォンド・ノルテ(北側ゴール裏)3、4階のスタンドが赤白で埋め尽くされることはなく、マドリーが用意したモザイクもfondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏)限定だったため、初めてマドリーダービーを見た人はちょっと肩透かしを感じたかも。加えて、フィールドプレーヤーが15人しかおらず、ローテーションする余裕のないアトレティコはともかく、ジダン監督など、水曜のCL準々決勝ユベントス戦2ndレグを見据えて、ベンゼマ、イスコ、モドリッチ、カセミロを先発させませんでしたしね。 ▽とはいえ、そこはシメオネ監督も「Creo que el Madrid tiene la mejor plantilla del mundo/クレオ・ケ・エル・マドリッド・ティエネ・ラ・メホール・プランティージャ・デル・ムンド(マドリーは世界一の選手層を持っていると思う)。PSGより、マンチェスター・シティより、バルサよりもいい」と認めていたマドリー。おかげで前半から、GKオブラクはクリスチアーノ・ロナウドの2本やカルバハルのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)しなければならなかった上、アセンシオやマルセロらの試みはゴール枠に助けてもらう羽目に。対照的にアトレティコ唯一のチャンスはジエゴ・コスタが作ったんですが、こちらもGKケイロル・ナバスが見事なセーブを披露。惜しむらくは41分、トマスのパスから、ビトロが1人で抜け出し、シメオネ監督も思わずテクニカルエリアを一緒に走り出す程、最高のカウンターが発動しながら、自陣からスタートしたのを気づいてもらえず。オフサイドの笛を吹かれてしまったため、敵エリアまで行きつけなかったことでしょうか。 ▽そんな調子で0-0のまま始まった後半は、うーん、ジダン監督と約束した60分が迫ってきたからですかね。8分にはベイルが左サイドから上げたクロスをリュカがクリアできず、そのボールをロナウドがしっかりvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めてしまったから、場内のマドリーファンは大喜びすることに。するとその途端、アトレティコが豹変したんです。ええ、「Tras su gol tuvimos que subir nivel y el ritmo/トラス・ス・ゴル・トゥビモス・ケ・スビール・ニベル・イ・エル・リトモ(彼らのゴールの後、ウチはレベルとリズムを上げた)」(グリーズマン)そうで、4分後には敵エリアに迫ると、ビトロのシュートは弾かれたものの、そのこぼれ球をグリーズマンがシュートして同点に。得意満面で娘のミアちゃん、2歳のバースデーを祝うダンスを踊っていたから、私もホッとしたの何のって。 ▽え、だったら最初から積極的にやっていれば、点だってもっと早く取れていたんじゃないかって?うーん、そうなんですが彼らにも事情というものがあって、火曜にCL戦を済ませたマドリーと違い、木曜にEL準々決勝1stレグがあったアトレティコは翌日など、自転車漕ぎぐらいで、前日土曜も練習はたった30分。いつもはファンのため、必ず車を止めてくれるコケですら、直帰してしまう程、体力に余裕がありませんでしたからねえ。その彼のエリア内から撃った渾身のシュートもナバスに阻止されて間もなく、一気呵成の攻撃も終了。シメオネ監督は満足していませんでしたが、ロナウドがベンゼマに交代したものの、モドリッチやイスコを投入してきたマドリーに2点目を許さず、ロスタイムのセルヒオ・ラモスのFKも「es un cancerbero que da puntos/エス・ウン・カンセルベーロ・ケ・ダ・プントス(勝ち点を稼いでくれるGK)」(サウール)であるオブラクがはじき出し、引き分けただけでも褒めてあげないといけないかと。 ▽その一方でアトレティコもコスタを早々に引っ込め、ガビを入れて守備態勢に移行していたため、こちらも木曜のスポルティング戦2ndレグを優先したと言えなくはないんですが、どちらにしろ、この結果でリーガ首位との差は11にまた拡大。ええ、およそ4試合分で、サルールも「今季は1度も負けていないバルサがこれだけの試合を落とすのは変だろう」と言っていたように、逆転優勝を考えるのは完全な夢物語になってしまいましたが、少なくともお隣さんとの4ポイント差を維持できたのは良かったかと。ただし、今度はマドリーに代わってバレンシアが3位に浮上、3ポイント差と近づいていますからね。あと7試合、2位をキープするのも結構、大変かもしれません。 ▽そして今週はマドリーが過密日程に苦労する番で、水曜のユベントス戦まではたったの中2日。幸い、ダービーで足首を捻ったルーカス・バスケスは軽傷のようですが、土曜の練習で筋肉痛を起こし、せっかくの先発出場の機会をフイにしたバジェホの容体が気遣われています。何せ、今回はラモスが出場停止、ナチョは全治1カ月のケガとあって、使えるCBが減っていますからね。実を言うと、あまりバランの連投もお勧めじゃないんですが、バジェホが出られない場合、カセミロが代役という緊急事態も想定されるかと。 ▽とはいえ、1stレグはアウェイで0-3と快勝、シメオネ監督も「cuando se le prende la luz de la Champions tienen una fuerza diferente/クアンドー・セ・レ・プレンデ・ラ・ルス・デ・ラ・チャンピオンズ・ティエネン・ウナ・フエルサ・ディフェレンテ(CLのライトがつくと違う力を発揮する)」と太鼓判を押していたマドリーですからね。相手はセリアA前節のベネベント戦でハットトリックを挙げ、2-4の勝利に貢献したディバラも出場停止となれば、ジダン監督は「Vamos a sufrir mucho, nos jugamos la temporada/バモス・ア・スフリール・ムーチョ、ノス・フガモス・ラ・テンポラーダ(苦労するだろう。ウチはシーズンを懸けているのだから)」とあくまで慎重だったものの、水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのサンティアゴ・ベルナベウではあまり心配しなくてもいいかも。 ▽アトレティコの方は木曜午後9時5分(日本時間翌午前4時5分)から、リスボンでスポルティング戦2ndレグとなるんですが、メンバー的にはもういつも同じとしか言えなくて、唯一、回復を待たれているのはヒメネス。ベルサイコはすでにマドリー戦でベンチに戻っています。一応、1stレグでは2-0で勝っていますし、向こうはその試合の後、会長がやる気のないことを理由に19人の選手を業務停止処分にしたり、それが日曜のパソス・デ・フェレイラ戦では解除されて、2-0で勝ったものの、何だかゴタゴタしているみたいですしね。その試合でゴールを決めたエースのドン・バストも出場停止ですし、真面目に守って0-0でもいいアトレティコには有利なはずではあるんですが…。 ▽それをいい機会と思ったか、月曜になって、いきなり出たんです。LG(韓国の携帯メーカー)のコマーシャルイベントに出席したフェルナンド・トーレスから、「今季限りで退団」のコメントが。そう、極限人数になっているアトレティコですが、FWだけは多いため、ダービーでもプレーする機会がなく、最近は出番がめっきり減っていたというせいもありますが、シーズンが終わるのを待たずに当人が意志を表明したのは、「Me sentía en la obligación de decírselo a la afición/メ・センティア・エン・ラ・オブリガシオン・デ・デシールセロ・ア・ラ・アフィシオン(ファンに言う義務を感じたから)」だからだとか。まだ来季の行き先は決まっていないそうですが、2007年にリバプールに移籍する前も2016年にミランからレンタルで戻って来てからも、アトレティコでは1つもタイトルを獲得できていない彼ですからね。 ▽寝耳に水だったクラブもこの報を聞いて即、5月20日の週末にあるリーガ最終節のエイバル戦をトーレスのお別れ記念試合にすることを発表したんですが、折しもその直前の16日にあるのはリヨンでのEL決勝。2年前のCL決勝では涙を呑んだものの、せめてここで優勝杯を掲げ、それを置き土産に愛するチームを去ることができれば、最高だと思いますが、さて。ええ、トーレスはCLもELもチェルシー時代にゲット、スペイン代表でも2008年から2012年までのユーロ、W杯、ユーロ3連覇メンバーでしたからね。最後のお勤めとして、きっとこの先、佳境に入ったELではその経験を生かしてくれると私も信じています。 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.10 19:15 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】もう準決勝のことを考えてもいい?

▽「痛いところを突かれてしまった」そんな風に私が反省していたのは木曜深夜、すでに日付の変わったワンダ・メトロポリターノのミックスゾーンでのことでした。いえ、今回の相手は冬休みを終えたばかりの北国のチームではなく、よく見れば2016年ユーロで優勝したGKルイ・パトリシオまでいるポルトガルの名門。試合前にはクリスチアーノ・ロナウドが宿泊先のユーロスターホテルを訪れ、レアル・マドリー時代から仲の良いコエントランのいる古巣を鼓舞したなんて話も伝わっていただけに、不安も少しだけあったんですけどね。 ▽それも幸い杞憂となり、アトレティコはスポルティング戦を無事に切り抜けたため、私もホッとして、ジエゴ・コスタやグリーズマンが母国語で話しかけてきた新聞記者たちに答えていたのに合わせ、各局のTVカメラもそちらに移動。間が悪くも時同じくして、映像メディア用のお立ち台に現れたコケの前は閑散としていたなんて出来事もあった後、ようやく登場したのは、帰り支度の遅さではマドリーのセルヒオ・ラモスといい勝負のフアンフランだったんですが、やはり外せない質問はこの日曜のマドリーダービーについて。 ▽現在、アトレティコはマドリーに勝ち点差4をつけているものの、「No podemos salir al Bernabeu pensando que si perdemos seguimos segundos/ノー・ポデモス・サリール・アル・ベルナベウ・ペンサンドー・ケ・シー・ペルディモス・セギモス・セグンドス(負けても2位のままだなんて考えて、ベルナベウのピッチに出ることはできない)」とは随分、頼もしいじゃないですか。ええ、リーガは2位でも3位でも、それこそ今季からは4位でもCLグループリーグ直接出場権をもらえるため、実利的な面ではどうでもいいんですが、そこはお隣さんの上で終わりたいというライバル意識からでしょうか。私など、結果に関わらず、順位は変わらないというのを負けた時の慰めに取っておいたぐらいだったんですが、そうですよ。やっぱりダービーとなれば、絶対、勝つ気で挑まないと。 ▽まあ、その辺はまた後でお話ししますが、今週はいよいよヨーロッパの大会も佳境に入り、準々決勝1stレグが行われたミッドウィークはまず、火曜にマドリーがアウェイでユベントスと対戦。折しも昨季のCL決勝で1-4と下して2連覇を遂げた相手だったせいか、ジダン監督もゲンを担いだんでしょうかね。そのカーディフでの一戦と同じメンバーをリピートしたんですが、これがまさに大当たりすることに。ええ、開始3分にはイスコのラストパスをロナウドが押し込み、早々にGKブッフォンを破ってしまったから、驚いたの何のって。 ▽とはいえ、ユーベもそこで気落ちすることなく、前半残りは追加点を奪われこそしなかったものの、後半19分にはクライマックスが訪れます。起点はロナウドで、ルーカス・バスケスが撃ったシュートはGKブッフォンに弾かれてしまったんですが、カルバハルがクロスを上げて、ボールがエリア内に戻ったところ、ゴールに背を向けていたロナウドが飛翔。打点2メートル21センチという高みから、chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)を見事に決めた日には、敵側のファンまでが拍手を送ってしまったのはムリもない?ええ、これには念願のオーバーヘッドでのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)をゲットした当人も、「ユベントスのファンにお礼を言わないと。自分のキャリアの中でこんな素晴らしいことがあったのは初めてだ」といたく感動していたようですけどね。 ▽ユーベにとって、泣きっ面に蜂だったのはその2分後、ディバラが2枚目のイエローカードをもらって退場してしまったことで、うーん、せめて1点でも返して、1-2で2ndレグを迎えるのだったら、まだremontada(レモンターダ/逆転)の目もありながら、この時点で2ndレグでも貴重なアタッカーを失ったのは大打撃だったかと。そこへ、27分にはロナウドのアシストでマルセロがGKの上を越えるチップキックで3点目を入れてしまったとなれば、40歳のブッフォンが「CL優勝というボクの夢を果たすのは不可能だ。世界一の選手が邪魔するのだから」と嘆いていたのも当然だった?「ウチには必要なツキがなかった」というアッレグリ監督の意見もありますが、やはり今季、唯一、残ったタイトル獲得のある大会でのマドリーは別格。リーガと違い、惜しむところなく、実力全開でプレーするのが強さの秘訣でしょうか。 ▽え、ツキなさといえば、同日、サンチェス・ピスファンにバイエルンを迎えたセビージャに並ぶものはないんじゃないかって?そうですね、0-3という余裕のあるスコアで先勝したため、来週水曜の2ndレグではラモスが累積警告で出場停止になってしまったのもあまり痛くはないマドリーに比べると、せっかくサラビアのゴールで先制しながら、ヘスス・ナバス、エスクデーロのオウンゴールで1-2と逆転負けてしまったモンテッラ監督のチームは気の毒な面がなきにしもあらず。ただ、同様のことは翌水曜にも起きて、カンプ・ノウでローマもデ・ロッシとマノラスが味方のGKアリソンを破って、バルサに2点を献上、最後は4-1で負けてしまうことに。その日はリバプールもマンチェスター・シティに3-0と予想外の快勝をしたため、セビージャにはアリアンツ・アレナでの奇跡を祈るものの、どうやらCL準決勝はマドリー、バイエルン、バルサ、リバプールという面々になりそうな気配が濃厚かと。 ▽こうなると遅かれ早かれ、CLクラシコ(伝統の一戦)が実現しそうですが、もしCL準決勝で対戦となると1stレグが4月24、25日、2ndレグが5月1、2日。丁度、その直後の週末がリーガのバルサvsマドリー戦となるため、クラシコ祭りを避けるには5月26日のキエフで顔を合わせるというのが、シナリオ的にベストかもしれませんが、さて。2014年、2016年とダービー決勝ではお隣さんに連勝したマドリーとはいえ、クラシコ決勝は私もまだ見たことがないですしね。アッレグリ監督が「今、最強のチームはマドリーとバルサ。ロナウドとメッシがいるからで、それは大きなアドバンテージだ」と称えていた両選手だって、もうどちらも30歳越えしているため、今季はCLで雌雄を決する最後のチャンスになるかもしれませんよ。 ▽そして翌木曜はワンダでアトレティコのEL準々決勝1stレグを見た私ですが、少し早めに行ったところ、ようやくスタジアム周りの下段、オフィシャルストア並びにレストランがオープンしたのを発見。これまで試合前に飲食をするにはメトロ(地下鉄)7号線の最寄り駅、エスタディオ・メトロポリターノ駅の1つ手前、ラス・ムサス駅からスタジアムに向かう道の途中にあるバル(スペインの喫茶店兼バー)に寄るか、マッチデーだけオープンするフードトラックを利用するしかなかったんですが、このGradona(グラドナ)というお店は年中無休だそうで、スタジアムツアーに来た際などに喉を潤すのに便利かと。 ▽一方、ポルトガルからスポルティングファンが3600人程駆けつけ、ELには冷たかったホームのサポーターもかなり増えた試合では、もしや火曜のお隣さんの速攻に刺激されたんですかね。こちらは何と、キックオフからたった24秒、CBコアテスのエリア前での横パスをコスタが奪い、そこからスペースに走り込んだコケがゴールを挙げて、アトレティコがあっという間に先制したから、呆気に取られたの何のって。どうやら、「una buena predisposicion para presionar en campo rival, algo que teniamos preparados/ウナ・ブエナ・プレディスポシシオン・パラ・プレシオナール・エン・カンポ・リバル、アルゴ・ケ・テニアモス・プレパラードス(敵陣でプレスをかけようと、ウチは準備していた)」というシメオネ監督の作戦が上手くはまったおかげだったようですが、でもねえ。 ▽39分に追加点が入った時もキッカケはもう1人のCB、マチューがサウールのパスをカットミス。今度はグリーズマンがボールを拾い、「Nosotros disfrutamos con los errores del rival/ノソトロス・ディスフルタモス・コン・ロス・エローレス・デル・リバル(ボクらは敵のミスを満喫している)」と2点目を入れてくれたのはいいんですが、こう太っ腹な相手にはなかなか出会えませんからね。むしろ、後半序盤、ルイ・パトリシオと1対1になったコスタが判断を誤り、3点目を奪えなかった方が問題かと思いますが、それにつけても有り難いのはGKオブラクの存在。ええ、前半もジェルソンのエリア内からのシュートを弾いて、同点のピンチを防いでくれましたし、後半ロスタイムにも同選手の強烈な一撃をparadon(パラドン/スーパーセーブ)って、救いの神とはまさにこのこと?こぼれ球はモンテーロが天に撃ち上げてくれたため、敵にアウェイゴールを与えず、アトレティコは2-0で試合を終えることができましたっけ。 ▽ただ、マドリーの3-0と比べると、ちょっと心もとない感じもあって、何せ来週木曜の2ndレグはリスボンのジョゼ・アルベラーデでの開催ですしね。シメオネ監督も「El 2-0 es importante/エル・ドス・ア・セロ・エス・インポルタンテ(2-0の結果は大きい)。今日と同じ態度であちらでもプレーするならね」と言っていた通り、スポルティングはエースのドン・バストとコエントランが出場停止になるとはいえ、まだまだ油断は禁物かと。おまけに勝負を決める3点目が取れなかったため、コスタもグリーズマンも残り数分までピッチにいたんですが、この日も終盤、選手たちの疲れが目立っていたように、今やフィールドプレーヤーはたったの17人。今季絶望のフィリペ・ルイス、代表戦での負傷がまだ治らないヒメネス、ベルサイコを除き、更に14人の超少数精鋭になっているアトレティコにはローテーションという単語はありませんからね。 ▽当然、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのダービーでも同じ選手がプレーする他なく、逆にジダン監督のチームは休養日も2日多い上、ユベントス戦でベンチだったベイルや先発しなかったアセンシオ、ルーカス・バスケスら、体力満々のメンバーを使えるのはかなり不利かと。ケガ人もあちらはナチョしかいませんしね。余裕でマルセロやカルバハルが温存され、テオとリュカの兄弟対決が実現したりするのも微妙に悔しい感じがしますが、ダービーで消耗した選手たちが再び、EL準々決勝2ndレグでリピートするのはもっと怖い? ▽だってえ、コケなど「Es normal que nos den por favoritos por todo lo que hemos hecho en Europa estos anos/エス・ノルマル・ケ・ノス・デン・ポル・ファボリートス・ポル・トードーロ・ケ・エモス・エッチョー・エン・エウロッパ・エストス・アーニョス(ここ数年、ヨーロッパの大会でやってきたことから、ウチが優勝候補と見られるのは当たり前)」なんて、ひょうひょうとした顔で言っていましたが、同日はアーセナルがCSKAモスクワに4-1、ラツィオはザルツブルクに4-2で勝利と、得点力の高いチームはまだ残っているんですよ。32強対決はコペンハーゲン、16強対決はロコモティブ・モスクワに大勝したアトレティコでしたが、この先、厳しい試合が待っているとなると、彼らのスタミナがいつまでもつのか、憂鬱になってしまうんですが…。 ▽まあ、それはそれとして、この土曜にはマドリッドの弟分、レガネスがバルサに挑みますからね。実は今回、痛み止めを注射してローマ戦に出たブスケツが招集外、メッシもアルゼンチン代表合宿からの筋肉痛を引きずっていて本調子でなく、ベンチ待機となるかもしれないと聞いているため、こっそり首位との差が勝ち点9から縮まることを期待しているのは私だけ?お隣さんのヘタフェが今年、同じカンプ・ノウでの試合でスコアレスドローを勝ち取っているだけに現在、降格圏と15差と、まだ勝ち点は36ながら、ほぼ残留を達成しているレガネスだって、負けていられないっていうのは好材料になるかもしれません。 ▽そしてヘタフェの方は同じ土曜、午後1時(日本時間午後8時)から、ビトリア(スペイン北部の町)でアラベスと対戦なんですが、こちらも降格圏とは18差の11位と最低限の目標には達しているんですが、あと8試合あるとなれば、来季のEL出場権を得られる7位までの7差を詰める時間はまだあるかと。彼らの場合、アンヘルが当たってくれないと、なかなか勝利に結びつかないという傾向があるものの、ようやくボランチのベルガラも復帰。前節ベティス戦でとった不覚を挽回すべく、そろそろ柴崎岳選手の活躍も見たいところです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.07 13:30 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】夢はヨーロッパの大会で果たす…

▽「きっと火曜はマドリーファンで商売大繁盛ね」そんな風に私が想像していたのは月曜日、レアル・マドリーのトリノ入りはこの日の午前中とあって、先乗りレポーターもまだネタがなかったんでしょうね。マルカでもAS(スポーツ紙)でも、更にはお昼のニュースでも市内にある「ジダン監督がユベントス時代に行きつけだったレストラン」、Da Angelino(ダンジェ゛リーノ)を紹介。コックに扮した姿や産後間もない長男のエンツォ君を抱いた、まだ黒髪だった当人の写真、ユニフォーム、グッズなどのコレクションが沢山、飾られた店内に加え、当時、彼がよく注文していたというトマトソースとバジルのパスタ、リガトーニ・ア・ラ・ジダンなんて見せられた日には、あらやだ、何だか私まで行きたくなってしまったじゃないですか。 ▽そう、要はチームもファンも心待ちにしていたCL準々決勝ユベントス戦1stレグがいよいよ、やって来たということなんですが、まあ、首位と先週末、ちょっとは縮まったとはいえ、勝ち点差13のリーガでこの先、何がある訳もなし。となればもう、マドリーはCLに、勝ち点差が9になったアトレティコだって、キャプテンのガビが逆転優勝への展望を聞かれて苦笑していましたしね。こちらもヨーロッパリーグに懸けるのは当然ですが、折しも来季のCLとELの出場権を分ける4位と5位の差も15ポイントまで拡大。降格圏も該当3チームと残留ラインであるレバンテの差が7、その上は11差のアラベスですらから、ほぼ決まったようなものとあって、残り8試合ではELの3席を争う7チームはともかく、他はかなり焦点のぼやけた戦いになりそうなんですが…ええ、予兆はもうこの30節でも十分、見ることができましたっけ。 ▽とりあえず、マドリッド勢の前節を順番にお伝えしていくと、せっかくのセマナ・サンタ(イースター週間)ということもあり、私もセントロ(市内中心部)にプロセシオン(キリストやマリアの像が乗せられたスペイン風お神輿)を眺めに行った帰り、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で向かった土曜はマドリーがトップバッターとしてラス・パルマスとグラン・カナリア島でアウェイ戦。先週半ばまで各国代表でお勤めしていた選手も多かったため、出場停止のカルバハルに加え、クリスチアーノ・ロナウド、セルヒオ・ラモス、イスコ、クロース、マルセロらはお留守番と、火曜のCLを見据えて、ジダン監督は大幅なローテーションを実施したんですが、今回はあまり影響なかったかと。 ▽いえ、相手もまだ残留を諦めていないため、開始からしばらくは拮抗していたんですけどね。前半26分、モドリッチのスルーパスを見事な走りで追ったベイルが先制点を挙げると、39分にはラス・パルマスのFWカレリがルーカス・バスケスをエリア内で倒し、PKを献上してしまうんですもの。このPKは、うーん、ロナウドがいない時の担当はラモスかベイル、更にラモスもいなければ、ベイルが蹴るのが常道だと思うんですが、マルセロもいなかったため、この試合のキャプテンを任されたベンゼマがキッカーを務めるって、やっぱりキャプテン権限は絶大? ▽おかげでマドリーが2点リードしてハーフタイムを迎えることになりましたが、彼らは再開後も7分にルーカス・バスケスがチモ・ナバロに引っ掛けられて2つ目のPKをゲット。今度はベイルが決めて、0-3になったところで、あとは省エネモードに入ってしまったものの、何せ相手は実力的に「Al menos hemos tirado más que otras veces, y eso también es una buena noticia/アル・メノス・エモス・ティラードー・マス・ケ・オトラス・ベセス、イ・エソ・タンビエン・エス・ウナ・ブエナ・ノティシア(少なくともウチは他の試合より枠内シュートを撃った。それもいいニュースではある)」(パコ・ヘメス監督)という程度で満足しないといけない、18位のチームですからね。 ▽むしろ2点はPKで、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を喰らわなかったことが、次節レバンテとの直接対決に挑む自信になったようでしたが、実は思わぬアクシデントに見舞われたのはマドリーの方だったんですよ。そう、前半途中、これまでのプロ生活、1度もケガをしたことがなかったナチョが太ももを痛めて交代。「Ha salido del campo por precaución/ア・サリードー・デル・カンポ・ポル・プレカウシオン(用心のためピッチを出た)」とジダン監督は言っていたものの、マドリッドに戻って検査したところ、全治3、4週間の重傷であることが判明しから、さあ大変! ▽彼はCBですが、両サイドのSBとしても常にカウントされている控えですからね。Aチームではカルバハル、バラン、ラモス、マルセロら、一流DFたちによるラインを形成できるマドリーとはいえ、このCL準々決勝中、誰かに何かあったら、一気に不安の種が増しかねないかと。そんなマドリーはそのナチョも連れて、トップチームメンバー全員でトリノに乗り込んだんですが、火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのユベントス戦1stレグで唯一、スタメン予想が立てられないのは1人のみ。いえ、前日記者会見で喋ったモドリチなどは、「Si juega Gareth o Isco, para mí es lo mismo/シー・フエガ・ガレス・オ・イスコ、パラ・ミー・エス・ロ・ミスモ(ベイルがプレーしてもイスコがプレーしても、ボクにとっては同じだよ)。どちらもチームの大きな戦力だ」と言っていましたけどね。 ▽実際、「代表でプレーする時の彼はおそらく違うのだろう。あちらでは8試合、ウチでは60試合あって、3日おきにプレーしないといけないのだから」というジダン監督のコメントもありますが、同じユベントスと戦った昨季の決勝で先発、マドリーのCL2連覇達成に大きく貢献したイスコも捨てがたいですし、ベイルもラス・パルマス戦で2得点挙げたばかりですからね。他にもアセンシオ、ルーカス・バスケスと候補はいるんですが、監督が「ウチはいい試合をするつもりだが、no tiene nada que ver con lo que pasó hace diez meses/ノー・ティエネ・ケ・ベル・コン・ロ・ケ・パソ・アセ・ディエス・メセス(10カ月前に起きたこととはまったく関係ないよ)」とも言っていたのは何かのヒントになる? ▽ちなみにユベントスのアッレグリ監督の予想はベイルでしたが、あちらではこの試合、ベナティア、ピアニッチが出場停止。ベルナルデツキはヒザの負傷、マンジュキッチは回復したものの、ベンチ待機となり、イグアインやディバラ、ドグラス・コスタらが前線を担うよう。マドリーサイドとして心配なのは、これまで決勝では2度、倒してきた相手ですが、2試合制の決勝トーナメントとなると、勝ち抜けたことがないことで、更には昨季、バルサが準々決勝でユベントスに負けてしまったなんて前例もありますからね。決して油断せず、すでにチケット完売となっている来週水曜、サンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグでファンが奇跡のremontada(レモンターダ/大逆転)を願わなくてもいい結果を持って帰ってくれるといいのですが。 ▽そしてまた、話をリーガに戻すと、翌日曜は私も久々のダブルヘッダー。まずお昼を食べてすぐ向かったのはマドリッド近郊にあるブタルケで、その日は風も弱く、夏時間になったこともあって、午後4時頃はまだ陽光が燦々と降り注いでいたため、ようやく寒い思いをせずに済んだんですけどね。バレンシアとの一戦は後半17分、ロドリゴがエリア外から撃ち込んだシュートにより、レガネスが0-1で惜敗してしまうことに。 ▽いえ、ガリターノ監督も「アウェイで取られたカウンターでの2ゴールを避けたかった」という理由で、彼らにしては珍しい5人DF制を採用。これには相手のマルセリーノ監督も「ellos jugaron con 5-4-1 y nos impedia progresar/エジョス・フガロン・コン・シンコ・クアトロ・ウノ・イ・ノス・インペデイア・プログレサール(彼らは5-4-1のシステムでプレーして、ウチが前に行くのを妨げた)」と戸惑ったのを後で告白していたんですけどね。ただ、そんな逆境も先日、スペイン代表のドイツ親善試合でゴールを挙げ、脚光を浴びたばかりのロドリゴの才能溢れる一発で解決してしまうんですから、やはりそこはCL出場を目指して作られたチームと残留すればOKのチームの差? ▽おまけにどちらもすでに目標をほぼ果たしていたため、ゲームの展開もそこはかとなく、倦怠感が漂っていない気もしなくはなかったんですが、次節のレガネスは来週土曜にカンプ・ノウでのバルサ戦。折しも相手はCL準々決勝ローマ戦の谷間とあって、前日は残り30分で登場、2点差を追いついて、セビージャと2-2で引き分ける原動力となったメッシもお休みするかもしれませんしね。「No nos vamos a relajar, iremos a muerte en cada partido/ノー・ノス・バモス・ア・レラハール、イレモス・ア・ムエルテ・エン・カーダ・パルティードー(ボクらはリラックスしない。どの試合も全力で行くよ)」(ディエゴ・リコ)という言葉通り、レガネスが勝ち点1でも取ってくれれば、兄貴分たちから先々、感謝されることになるかも…いや、むしろクラシコ(伝統の一戦)でバルサ戴冠を見せられる方が迷惑とか、マドリーからは言われちゃいますでしょうか。 ▽そしてブタルケを後にした私はセルカニア(国鉄近郊路線)のサラケマダ駅からセントロに戻り、メトロ(地下鉄)を乗り着いで1時間10分程。ワンダ・メトロポリターノに無事到着したんですが、そういえば、先週はここで、アルゼンチンに6-1と大勝した夢のようなスペイン代表の親善試合を見たのよねと思い出す暇もあらばこそ。その時、先制点を挙げたジエゴ・コスタが大事をとって、デポルティボ戦では控えだったのもあるんですが、まさか19位のチームにアトレティコが攻め込まれる破目になろうとは。それでも幸い、ルーカス・ペレスのシュートは2本ともGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)。無失点のままでいたところ、どうやら最近は彼らのPK運も変わったんですかね。 ▽前半33分にはFKからのボールを争った時、サウールが「Primero me agarra el a mi/プリメーロ・メ・アガラ・エル・ア・ミー(最初、彼がボクを引っ張った)。それで自分も引っ張り返したんだけど」(モスケラ)という状態で倒れ、ペナルティを吹いてもらえたため、ガメイロがPKを決めて、先制点を奪っているんですから、驚いたの何のって。ただそれ以降、チャンスらしきものも、後半15分過ぎにフアンフアン、ベルサイコの右SB同時負傷のため、トップチームデビューしたカンテラーノ(アトレティコBの選手)のイサークがポジションをトマスに譲り、コスタと交代。その彼のシュートがゴールポストをかすめたぐらいしかなかったんですが、逆に心臓に悪いシーンはいくつもあったんです! ▽ええ、もうその頃にはボールを受けるたび、即効ロストするコレアに対するpito(ピト/ブーイング)もだんだんボリュームが上がっていたんですが、23分など、ボルハ・バジェがアトレティコ陣内を独走。オブラクと1対1となる寸前、爆走で追いついたリュカのタックルで間一髪、ピンチを脱した時なと、またドローになるのかと予感したファンはきっと、私だけではなかったはず。そこへトマスまでふくらはぎがつってしまい、コスタとフェルナンド・トーレス以外、Bチームの選手しかいなかったベンチから、20歳のモヤまで駆り出されたため、ロスタイムの3分など、永遠のように感じられたものでしたが…。 ▽大丈夫、最後は崖っぷちにいるデポルティボに余裕がないのが有利に働いたか、彼らの反撃は実を結ぶことなく、アトレティコはそのまま1-0で逃げ切りに成功。いやあ、試合後、シメオネ監督は「ボールロストは別として、誰よりリスクを取って、ドリブルとか仕掛けていた。Creemos mucho en el/クレエエモス・ムーチョ・エン・エル(彼のことは大いに信頼している)」とその日、散々だったコレアを庇っていたんですけどね。あんなではワンダでの開催にも関わらず、スペイン戦でアルゼンチン代表のサンパオリ監督が、ご当地選手の彼をベンチ見学に留めていたのも仕方なかったかと。 ▽そうは言っても、アトレティコもタイトル獲得の望みが唯一、残った木曜午後9時5分(日本時間翌午前4時5分)からのEL準々決勝スポルティング戦1stレグでは、デポルティボ戦で出場停止だったグリーズマンがプレーできますからね。おそらくファンフラン、ベルサイコのどちらかも出られるはずなので、リーガではもう、お隣さんの上で2位になるぐらいの野望しかない彼らもちょっとはマシなプレーを見せてくれるはずですが、はあ。試合をすればまた、ケガ人が出るかもしれませんし、正直、日曜のマドリーダービーが怖いですよ。 ▽え、前節は月曜夜の日程に当たったもう1つの弟分、ヘタフェはどうしたんだって?いやあ、こちらもレガネス同様、残念なことになってしまって、実はこのベティス戦、序盤にアンヘルが2度もチャンスを失敗したのを見た時から、イヤな予感はしたんですけどね。ハーフタイム前、セットプレーから入った当人のゴールもオフサイドで認めらえなかったものの、やはり明暗を分けたのは後半19分、エリア内でのアマトのハンドによりもらったPKをポルティージョがGKアダンに弾かれ、その跳ね返りを押し込もうとしたシュートも体で防がれてしまったプレーでしょうか。 ▽更にアントゥネスのFKがゴールポストに阻まれた後、43分にはおそらく、ポゼッション主体でスピードのない相手に油断してしまったんですかね。カウンターからバラガンにエリア奥まで持ち込まれ、折り返しのパスをセルヒオ・レオンに決められてしまうんですから、平日の遅い時間、しかも雨が降りだしたにも関わらず、応援を続けていたファンがどんなにショックを受けたことか。うーん、ロスタイムにはCKからカブレラのヘッドが炸裂し、アダンが掻き出したものの、実はゴールラインを越えていたという疑惑のプレーもあったんですけどね。 ▽審判が認めてくれず、リーガにはまだVAR(ビデオ審判)もホークアイもないため、スコアは0-1のまま、試合は終了。ええ、残り10分に「PK失敗を悔んで、no paraba de mirar al cielo/ノー・パラバ・デ・ミラール・アル・シエロ(天を見上げてばかりだった)」というポルティージョと交代で入った柴崎岳選手の見せ場もなく、これで7位と勝ち点差7となったヘタフェはEL出場権争いから一歩後退してしまうことに。どうやら残り8試合、ダレずに来季に繋がるような試合をするのがマドリッドの弟分たちの課題になりそうです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.03 13:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】でも過信は禁物…

▽「具合が悪いんじゃ仕方ないけどね」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、paron(パロン/リーガの停止期間)明けのラス・パルマス戦を控え、久々にレアル・マドリーのジダン監督の会見を聞いた時のことでした。いやあ、先日のスペイン戦の前にはアルゼンチンのサンパオリ監督が、これでもかというようにメッシについて質問されていたんですけどね。今度はその親善試合のヒーローにお鉢が回り、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場プレスルームではやたら、イスコの名前ばかりが聞こえてくることに。 ▽そして、その当人はというと、まあ、もちろん最近はクラブの方で2試合連続先発など、ずっとなかったことなので、ドイツ戦、アルゼンチン戦に続けて出たのが堪えたのか、水曜からジムごもり。ジダン監督よると、180分間フル出場し、丁度、この30日に32歳のバースデーを迎えたセルヒ・ラモス同様、体に痛みがあるため、土曜のグラン・カナリア(ラス・パルマスのホームがあるカナリア諸島)遠征には同行しないそうなんですけどね。スペイン代表に比べ、マドリーでのプレゼンスが低いのは、「No es un problema de Isco/ノー・エス・ウン・プロブレマ・デ・イスコ(イスコの問題ではない)。問題はウチには25人の選手がいて、プレーできるのは11人だけということ」(ジダン監督)とはいえ、折しもポルトガル代表のお勤めを果たしてきたクリスチアーノ・ロナウドはミッドウィークのCLユベントス戦を見据えてお休み予定。こんなチャンスを利用できないのはやっぱり、自己責任と言えなくもない? ▽まあ、週末のリーガについてはまた後でお話しすることにして、そのイスコが大活躍したワンダ・メトロポリターノでのアルゼンチン戦がどうだったかというと。実はスペインが薄い水色のモザイク模様が入っているため、パンツの白と微妙にトーンが違うW杯用の第2ユニを披露したこの試合、お昼のニュースではその前2日間、マドリーの練習場を借りてのセッションに参加。サンパオリ監督もアテにできると確信していたメッシの状態が急変し、結局、最初の親善試合、イタリア戦に続いて、休場することになったのが報道され、応援に駆けつけた1万人のアルゼンチン・サポーターもいきなり、鼻先に水をかけられたような状態でキックオフを迎えたんですけどね。 ▽それに輪をかけたのがCFの決定力の差で実際、先にGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を破るチャンスを得たイグアイン(ユベントス)が見事に撃ち損ねてしまったのと対照的に前半12分、アセンシオ(マドリー)からスルーパスをもらったジエゴ・コスタ(アトレティコ)は先日のドイツ戦でこそ、ロドリゴ(バレンシア)にスタメンを譲ったものの、ロペテギ監督がホームスタジアムで花を持たせてくれたのも嬉しかったんでしょうか。ブストス(インディペンディエンテ)のタックルも、目の前に迫るGKロメロ(マンチェスター・ユナイテッド)もものともせず、先制ゴールをねじ込んでしまうって、いかにも彼らしいじゃないですか! ▽いえ、正直に言えば、その時、ロメロにぶつかってヒザを痛めた当人を見て、「また戦力が減るかも」と心配になったのは私だけでなく、パルコ(貴賓席)で観戦していたシメオネ監督も同じだったんじゃないかと思うんですけどね。結局、この衝突で大きなダメージを受けたのは相手の方で、22分には控えのカバジェーロ(チェルシー)と交代。コスタはピッチに戻り、26分には再びアセンシオがイスコをアシスト、39分にはバネガ(セビージャ)のCKからオタメンディ(マンチェスター・シティ)がヘッドで1点を返すのを見て、ハーフタイムでようやく退くことに。 ▽うーん、ここまでは2-1とまだ逆転の可能性もあったアルゼンチンだったんですけどね。代わって入ったイアゴ・アスパス(セルタ)がこれまた、敵DF陣にとって悪鬼のような存在だったようで、後半は「Espana nos golpeo por todos los lados/エスパーニャノス・ゴルペオ・ポルトードス・ロス・ラドース(スペインはウチをそこら中から打ちのめした)」(サンパオリ監督)という状態になったんですよ。もちろん、それには本来であれば、前も後ろも全員でメッシを止めることに集中しているはずの選手たちが、当人はパルコで見学、おまけにアグエロ(マンチェスター・シティ)やディ・マリア(PSG)まで、負傷で離脱していたため、攻撃に専念できたおかげもあると思うんですが、早くも7分にはgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まったから、さあ大変! ▽ええ、まずはエリア内からアスパスにパスをもらったイスコがこの試合2本目のゴールを決めると、その3分後には当人がアスパスにラストパスをお返し。その場は上手くホールドできなかったアスパスがチアゴ・アルカタラ(バイエルン)に繋ぎ、スペインの4点目が入ったなれば、満員のスタンドがどれ程、歓喜したことか。おかげで試合開始からpito(ピト/ブーイング)を受けていたピケ(バルサ)ですら、jugadon(フガドン/ナイスプレー)を称えられ、拍手でアスピリクエタ(チェルシー)に交代することができましたが、28分にはパスサッカーが基調の彼らには珍しい光景も発現。モウリーニョ監督の下でロングフィードを磨いてきたデ・ヘアがゴールキックを蹴ったところ、アスパスが素早くこれに追いついて、今度は自分でゴールを決めてしまったから、こちらもただただ、驚くしかなかったかと。 ▽そして最後はまたしてもアスパスがイスコにアシストして6点目が入ったんですが、いやあ、やっぱりアトレティコではハットトリックを目撃することが滅多にないせいか、それともお隣さんの選手だからですかね。サンティアゴ・ベルナベウでお馴染みの「Hattrick de Ronaldo!/ハットトリック・デ・ロナウド」のイスコバージョンをスピーカーに期待したんですが、ただの「Gol de Isco/ゴール・デ・イスコ」だったのはちょっと拍子抜けだったかも。これでスコアが6-1となったため、ロペテギ監督も余裕を持って、マルコス・アロンソ(チェルシー)やパレホ(バレンシア)を代表デビューさせたりできたんですが、終盤のアルゼンチンはちょっと頂けませんでしたね。カルバハル(マドリー)やコケ(アトレティコ)が荒いタックルを受け、時折、tangana(タンガナ/小競り合い)になっていましたが、幸いながらケガ人は出ていません。 ▽え、W杯まではまだ3カ月もあるのにいきなりこんな大勝ちして、スペインの選手たちが調子に乗ったら困るんじゃないかって? まあ、その辺は「Argentina sin Messi es otra cosa/アルヘンティーナ・シン・メッシ・エス・オトラ・コーサ(メッシ抜きのアルゼンチンは別物)」とコスタも言っていた通り、彼らもわかっているようですしね。むしろ、6点目を取られてすぐ退席、ロッカールームで「Levanten la cabeza. Esto lo vamos a sacar adelante juntos/レバンタン・ラ・カベッサ。エストー・ロバモス・ア・サカール・アデランテ・フントス(頭を上げて、この事態を皆で乗り切ろう)」と、チームメートにメッシがキャプテンとして檄を飛ばしたというアルゼンチンより、ずっとムードがいいのは確かかと。 ▽実際、この2試合ではデ・ヘア、カルバハル、ラモス、ピケ、ジョルディ・アルバ(バルサ)、イニエスタ(同)、チアゴ、コケ、イスコら、9人がリピートと、本大会の先発メンバーもかなり固まったとはいえ、とりわけFW陣など、モラタ(チェルシー)やロドリゴら、リスト入り当確線上にいる選手もいますしね。ロペテギ監督のポゼッションだけには頼らない戦法もいい感じになってきたようですし、今のところは程ほどの期待を懸けておくぐらいが丁度いい? 彼らが6月、W杯直前に挑むテストマッチはスイス戦とチェニジア戦ですが、それまでのシーズン残りに負傷者が出ないかだけが懸念の種になるでしょうか。 ▽え、それにしても国際メジャートーナメントでの復権を狙うスペイン代表で、これだけお役立ちのイスコがマドリーでは控え扱いなのは、このままだと当人だって調子の維持が難しいだろうし、納得いかないって? そうですねえ、彼自身は殊勝気に「Julen me demuestra la confianza con minutos/ユーレン・メ・デムエストラ・ラ・コンフィアンサ・コン・ミヌートス(ロペテギ監督はボクへの信頼をプレー時間の形で示してくれる)。マドリーではサッカー選手に必要な信頼がなくて、悪いのはそれを勝ち取れていない自分だろう」とピッチインタビューで言っていましたが、何せ、あのチームはスペシャルなタレントの持ち主ばかりですからね。 ▽イスコのサッカーのテンポがマドリーには合わないとかいう意見はともかく、そういう場合は「La confianza no se la da el entrenador, sino el jugador al entrenador/ラ・コンフィアンサ・ノー・セ・ラ・ダ・エル・エントレナドール、シノ・エル・ウガドール・アル・エントレナドール(信頼は監督が選手に与えるものではなく、選手が監督に与えるもの)」(ロペテギ監督)を実践するのも難しいかと。逆にとりわけこの冬、選手を4人も放出してフィールドプレーヤーがたった17人に、フィリペ・ルイスの腓骨骨折で今は16人と極めて少人数でスタメン争いをしているコケなどにしてみれば、「イスコは最高だよ。あっちでレギュラーになれなくても、アトレティコならなれるかも」という次元のようですが、まあ実際、世の中、そんなものかもしれません。 ▽そして19人の各国代表参加メンバーもイスコとラモス以外、特に問題もなく戻ったマドリーは水曜から3日間、バルデベバスで練習。金曜夕方には飛行機で移動となりましたが、いやあ、ジダン監督も思いきりましたねえ。リーガは首位と勝ち点差15と、もう今季のタイトル獲得可能性はCLしかないため、来週火曜の準々決勝ユベントス戦1stレグを睨み、ローテーションがあるのは予想できましたが、最初に言ったロナウド以外にもクロース、マルセロをお留守番に。そこへカルバハルの出場停止まで重なるとなると、もしや現在18位、何とか17位のレバンテとの勝ち点差6を縮めようと必死なパコ・ヘメス監督のラス・パルマスにもチャンスがある? ▽とは言っても、ベイルはウェールズ代表の中国戦でハットトリック、マジョラルもU21スペイン代表のユーロ予選2試合で計5得点と当たっていますし、フランス代表と縁が切れてしまったベンゼマも休養十分ですからね。ジダン監督も「Para preparar el martes hay que estar bien mañana/パラ・プレパラール・エル・マルテス・アイ・ケ・エスタ^ル・ビエン・マニャーナ(火曜の準備をするには明日の試合でいい状態でないと)」と自信を見せていたように、やはり土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からの一戦はマドリーの勝利に賭ける人が多いでしょうね。 ▽一方、GKオブラク(スロベニア)が臀部の痛みで2試合目を免除されて戻ったり、ヒメネス(ウルグアイ)がチャイナカップ決勝で足を打撲。ブルサイコ(クロアチア)もメキシコ戦の序盤で交代、加えてコスタの件があったアトレティコは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、ワンダ・メトロポリターノにデポルティボを迎えるんですが、こちらも相手は降格圏の19位だけに実力的には勝っているものの、何せ人出不足が心配でねえ。私も水曜の午後セッションにはポカポカ陽気にも誘われて、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に偵察に行ってしまいましたが、思った通り、代表帰りの選手たちの大半は、スペイン戦では馴染みのベンチをアルゼンチン代表のユニで温めることになったコレアや途中出場だったサウール以外、グラウンドに現れず。 ▽だからかどうかは知りませんが、シメオネ監督など、バーベル上げなど、フィジカルトレに励む選手たちをよそにカンテラーノ(アトレティコBの選手)たちにポジショニングの指導をしているって、もしやそれって、緊急事態を想定してのもの?その一方でフランスの2試合目、ロシア戦では30分程の出場にとどまったグリーズマンの元気な姿も見られたものの、彼はビトロと一緒に今週末は出場停止ですからね。いくら、フェルナンド・トーレスやガメイロと並んでシュート練習、おまけに柵の外から覗くギャラリーを意識してか、ゴールが決まった後のパフォーマンス練習までしてくれてもまったく、助けにならないんですが、幸い翌日の練習ではヒメネスを除いて皆、普通にセッションに参加できたとか。ただシメオネ監督は2トップをガメイロとコレアでリハーサルと、コスタを外していたため、こちらも来週木曜のヨーロッパリーグ準々決勝スポルティング戦1stレグを視野に入れているのかもしれません。 ▽そしてようやく春が来たのが嬉しくて、翌日の午前中にはヘタフェの様子を探りに行った私だったんですが…いやあ、周辺が荒野のため、風吹きすさぶシュダッド・デポルティバ(練習場)の寒かったの何のって。おまけにその日から、セマナ・サンタ(イースター週間)の祝日に入ったせいか、同じ敷地内で普段は週末にあるユースチームのリーガ戦が開催。ゲートで入場料10ユーロ(約1300円)と言われてしまったせいで、裏からグラウンドの反対側に回ってみたところ、辺りは一面、菜の花満開ながら、ええ、ボルダラス監督の練習は2、3時間と他より長いこともありますよ。ヒートテックを着て来なかったことを激しく後悔する破目に。 ▽そのセッションにはベルギーでの日本代表親善試合に参加、2試合目のウクライナ戦で先発した柴崎岳選手も普通に混じっていたんですが、実はこの代表戦期間中、ヘタフェには今季、3番目の中足骨骨折患者が発生。それはボランチのアランバリで、最初は柴崎選手、次はベルガラとどちらも回復に2、3月かかっていますからね。今季は絶望ということで、入れ替わりでそのベルガラが戻って来るんですが、当人は先週、鼻中骨骨折をしてマスクをつけてプレーって、何ともツイていない。ただ月曜午後9時(日本時間翌午前4時)にコリセウム・アルフォンソ・ペレスにベティスを迎える彼らは1部残留をほぼ達成。あとは勝ち点差4を覆して、来季のEL出場権をもらえる7位に喰いこめるかどうかぐらいが焦点になるため、ムリをしないでいいのは助かります。その辺は土曜にバレンシアをブタルケに迎えるもう1つの弟分、12位のレガネスも同じと言ったところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.31 12:00 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】W杯はまだ遠い…

▽「別に隠す程のこともないのにね」そんな風に私が文句を言っていたのは月曜日、アルゼンチン代表のサンパオリ監督がワンダ・メトロポリターノで会見すると聞いたため、スペイン代表の公開練習より早めに行ってみたところ、いえ、当人は30分以上、母国やカタルーニャ(バルセロナのある州)のメディアから、次から次へと飛び交う質問に淡々と応答。その半分以上が先週金曜、エティハド・スタジアムのパルコ(貴賓席)でアグエロ(マンチェスター・シティ)と一緒にイタリアに2-0と勝った試合を眺めていたメッシが、「火曜の親善試合でプレーできるのかどうか」だったのはともかく、肝心のチームの方はこの日もバルデベバス(バラハス空港の近く)にあるレアル・マドリーの練習場で非公開セッションだった上、記者会見で話す選手を1人も連れて来ていなかったから。 ▽おかげでこちらも当てが外れてしまったんですが、とりあえず、スペイン代表の試合は11月の親善以来、久しぶりということで、先週のドイツ戦の様子から話すことにすると。この日のロペテギ監督は大方の先発予想を大きく外してくれて、ええ、アトレティコのFIFA処分が明けて、この1月からプレーを再開。おかげで代表招集は9カ月ぶりながら、今回はモラタ(チェルシー)が呼ばれず、当人は双子を妊娠中のイタリア人モデルの彼女、アリス・カンペッロさんと一緒にバケーションに行ってしまったこともあり(https://www.instagram.com/p/BgvW-lFHTYP/?hl=ja&taken-by=alvaromorata)、ジエゴ・コスタのスタメンCF起用という説が多かったんですけどね。ドュッセルドルフのエスプリット・アレナのピッチでイニエスタ(バルサ)、イスコ(レアル・マドリー)、シルバ(マンチェスター・シティ)らと並び、himno(イムノー/国歌)を聞いたのはロドリゴ(バレンシア)。 ▽でもこれがバッチリ当たったんです!そう開始5分、スローインからボールを持ったイニエスタがエリア内のロドリゴにスルーパス。そのまま、フンメルス、ボアテングのバイエルンCBコンビの裏を取った彼がシュートを決め、あっさり先制点をゲットしているんですから、ビックリしたの何のって。ただねえ、その後も軽快にパスを繋いでいたスペインでしたが、チャンスはほとんど生まれず、前半34分にはトマス・ミュラー(バイエルン)にエリア前から、いえ、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)がまだW杯用のマッチボール、テルスター18に慣れていなかったせいもありますよ。あの長い腕でも届かないgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められて、同点に追いつかれてしまうことに。 ▽1-1のまま始まった後半、スペインはバルベルデ監督の下でも今季は時間限定で妙技を見せてくれるイニエスタに代え、サウール(アトレティコ)を投入。チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)から、現在、負傷中で参加していないブスケツ(バルサ)の役割を引き継ぐことになったんですが、同じボランチでもシメオネ監督のチームとスペイン代表では勝手が違ったよう。具合の悪くなったピケ(バルサ)がナチョ(マドリー)に代わったことも重なって、幾度かDFラインに混乱を巻き起こした後、ケガをしたケディラ(ユベントス)がギュンドガン(マンチェスター・シティ)と交代する間にロペテギ監督から注意を受けていましたが、とにかく相手は強豪ドイツですからね。 ▽この日、代表150試合出場の節目に達した百戦錬磨のキャプテン、セルヒオ・ラモス(マドリー)も「Alemania es la actual campeona del mundo y se palpa en cada acción/アレマニア・エス・ラ・アクトゥアル・カンペオナ・デル・ムンドー・イ・セ・パルパ・エン・カーダ・アクシオン(ドイツは現W杯チャンピオン、1つ1つのプレーにそれを感じる)」と言っていたぐらい高レベルのチームとなれば、サウールでは時に対応できないのも仕方なかったかと。ええ、残り10分にはビジャレアルで同職を務めるロドリが代表デビュー、一番無難にこなしたと言われているものの、本大会のここ一番でブスケツの代わりとなるボランチはいないというのは、この日の試合でもわかりましたっけ。 ▽まあ、それはさておき、この後半には両チームのGKが活躍。片や10分にはゴール前からのイスコのシュートをテア・シュテーゲン(バルサ)がparadon(パラドン/スーパーセーブ)したかと思えば、その1分後にはデ・ヘアがギュンドガンの一撃をそらし、更にフンメルスのヘッドもセーブ。それこそ後でロペテギ監督が、「El partido ha sido bonito para el espectador, de juego abierto y con oportunidades/エル・パルティーオー・ア・シードー・ボニートー・パラ・エル・エスペクタドール、デ・フエゴ・アビエルトー・イ・コン・オポルトゥニダーデス(観客にとって楽しい試合だった。オープンなプレーとチャンスがあって)」と言っていた通りだったんですが、残念だったのはせっかく20分にはロドリゴと交代でピッチに入りながら、コスタが降って湧いた絶好機をモノにできず。シュートをフンメルスに当ててしまい、勝ち越し点を取れなかったことかと。 ▽うーん、ここ2試合程、彼はアトレティコでも目立つ働きをしていませんしね。丁度、そういう調子の波に当たったのがアンラッキーでしたが、このところ、マドリーのプランBからAに昇格したアセンシオ&ルーカス・バスケスの両翼を終盤には採用しながらも、スペインに成す術はなし。結局、そのまま1-1の引き分けで終了したのには、レーブ監督もロペテギ監督もいいゲームだったと互いに満足感を表明し、ラモスも「Hoy hemos hecho cosas al alcance de muy pocas selecciones/オイ・エッモス・エッチョー・コーサス・アル・アルカンセ・デ・ムイ・ポカス・セレクシオネス(今日のウチは僅かな代表にしかできないことをやった)」と胸を張っていましたが、でもお。ロシアでのW杯を勝ち抜いていくと、ドイツとは準決勝で当たる可能性が大。その折には引き分けだと延長戦、PK戦で勝負になりますからね。 ▽できれば、本番ではもうちょっと攻守にレベルアップして、90分で勝てるようになっていることを祈っていますが、さて。前回のブラジル大会はグループリーグ敗退、2016年のユーロもベスト16で敗退したスペインとなれば、今から「Vamos al Mundial para ganarlo/バモス・アル・ムンディアル・パラ・ガナールロ(W杯には優勝するために行くつもり)」なんて、コケ(トレティコ)のようにあまり大風呂敷は広げない方がいいかも。まずはポルトガル、イラン、モロッコと当たるグループリーグを突破することに専念しないといけませんよ。 ▽そしてその夜のうちにマドリッドに戻ったチームは翌土曜、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設のグラウンドで今合宿、初めての公開セッションを実施したんですが、晴れてこそいたものの、この日は歩いていて飛ばされそうになる程の強風が吹いていたのが災いしたんでしょうかね。意外とスタンドに詰めかけたファンも少なめだったんですが、前日先発組のイニエスタやピケ、ラモス、ジョルディ・アルバ(バルサ)らはグラウンドに姿も見せず、シルバなんて、最近、低体重で生まれたお子さんの様子を見るため、すでに代表を離脱していたことが発覚。 ▽おまけにコケやサウール、イスコ、ロドリゴらもピッチの横幅を一往復しただけですぐにジムに直行してしまい、コスタ、アセンシオ、ルーカス・バスケス、加えて現在、リーガでスペイン人中、最多得点となる16ゴールを挙げているイアゴ・アスパス(セルタ)などが1/4ピッチのpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)でビシバシ、ネットを揺らしているのは見られたものの、ちょっとメンバー的に寂しかったのは否めないかと。そのセッション終了後には24時間のデイオフをもらい、選手たちは三々五々、休日を楽しんだんですが、日曜の午後1時半には再び協会施設内のホテルに集合。例外はラモスで、芸能人の彼女、ピラル・ルビオさんもセルヒオ・ジュニア君、マテオ君に続いて3人目ともなると、上手くタイミングを合わせることができるんですかね。 ▽その日曜の午後に3男のアレハンドロ君を出産するのに立ち会ったため(https://www.instagram.com/p/BgwiCa_nfTX/?hl=es&taken-by=sergioramos)、彼だけは午後7時頃の遅い合宿帰還となったとか。まあ、今回は親善試合オンリーですし、チームメートも翌月曜、午後7時半からのアルゼンチン戦に向けて、スタジアム練習をするまで、W杯期間に流すCM撮りなどで明け暮れていたため、別に不都合はなかったんでしょうが、私が驚かされたのはその公開セッション見学の整理券を協会が当日、朝から配布したところ、スタジアムの窓口に長蛇の列ができていたこと。いやあ、試合のチケットの方も金曜に窓口販売が始まった途端、売り切れてしまったそうですしね。どうやら強敵イタリアを退けて、予選グループ首位でW杯出場を勝ち取ったのが良かったのか、再び国内での代表人気が回復しつつあるのは喜ばしい限りかと。 ▽そしてサンパオリ監督が「Hoy entreno normal, con el grupo. Esta bien para jugar/オイ・エントレノ・ノルマル、コン・エル・グルッポ。エスタ・ビエン・パラ・フガール(今日は普通にグループに入って練習した。プレーできる状態にある)」と、筋肉痛が心配されていたメッシが出場できることを明言。続けて、「スペインは2014年のW杯で自分が率いたチリに負けた頃より、均質的なチームになっている。今は他のところよりずっと上だ。Demasiada superioridad al resto de selecciones/デマシアダスペリオリダッド・アル・レスト・デ・セレクシオネス(その他の代表に比べて優位すぎるぐらい)」と火曜の対戦相手に賛辞を贈るのを聞いた後、ワンダのプレスルームではロペテギ監督やデ・ヘア、チアゴ・アルカンタラらが会見することに。 ▽元アトレティコのGKなど、一応、古巣の新しいホームで初めてプレーすることになるためか、「Como portero enfrentarme a Messi es un reto/コモ・ポルテーロ・エンフレンタールメ・ア・メッシ・エス・ウン・レトー(GKとして、メッシと対戦するのはチャレンジ)」と勇敢なところを見せていましたが、果たしてどうなることやら。およそ2万人のファンの前で行われた公開セッションでのミニゲームは先発組と控え組を混ぜたチーム編成だったため、あまりスタメン予想には自信がないんですが、顔馴染みの代表番ラジオ記者によると、ロペテギ監督はあまりドイツ戦からメンバーをいじらないだろうとのこと。シルバが抜けた穴はアセンシオで埋め、CFをロドリゴからコスタに代える程度じゃないかと言っていましたが、ピケには練習中からpito(ピト/ブーイング)が飛んでいたため、CBはナチョ先発の方が好ましいかも。 ▽一方のアルゼンチンはすでにアグエロとディ・マリア(PSG)が負傷でチームを離れており、いえ、土曜の会見でサウールなどは、「Si no esta Messi estara Correrita/シー・ノー・エスタ・メッシ・エスタラ・コレリータ(メッシがいなくてもコレアがいる)」と、クラブの同僚を立てていたんですけどね。コレアのことはサンパオリ監督も交代要員のオプションと考えているようなので、やはりメッシとイグアイン(ユベントス)頼みになる?何にせよ、まだW杯までは3カ月ありますしね。火曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分、スペインは今週から夏時間)からの試合では勝敗より、来週にはCLやヨーロッパリーグの準々決勝1stレグを控えているチームも多いため、選手たちがケガなくプレーしてくれることが一番ですよね。 ▽え、それってやっぱり、月曜のチャイナカップ決勝で、先週は中国戦でハットトリックを挙げたベイル(マドリー)のいるウェールズにカバーニ(PSG)のゴールでウルグアイが勝ったものの、アトレティコのヒメネスが左足を打撲してしまったから言っているんじゃないのかって?まあ、そうなんですが、実は彼、準決勝のチェコ戦でも傷を負ってしまい、根性ですぐ復帰しているため、週末のデポルティボ戦に影響するかはまだわからないんですけどね。代表によっては、スロベニアのように最近、臀部の痛みに悩まされているGKオブラクを2戦目免除で返してくれたところもあるため、アメリカで親善試合中のクロアチアがモドリッチだけを解放。マドリーの後輩、コバチッチはいいとしても、「少人数精鋭チーム」のアトレティコの貴重な右SB、ベルサイコが水曜の2試合目、メキシコ戦にも付き合わないといけないというのはちょっと、不安な気がしないでもないかと。 ▽更にマドリーにとって朗報なのは、クリスチアーノ・ロナウドが月曜に一足先に2つ目の親善試合を終え、帰って来られることなんですが、最初のエジプト戦こそ、ロスタイムに2ゴール挙げて、ポルトガルの逆転勝利に花丸貢献したものの、オランダ戦ではノーゴールでチームも3-0と完敗。あまり当人の機嫌は良くないかもしれませんが、バルデベバスでのメッシとのニアミスも避けられましたしね。火曜からは1週間、寂しかったジダン監督のセッションを賑わせてくれることかと。ただし、お隣さんのマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場も同様ですが、各国代表に招集されている選手の大多数が戻って来るのは水曜となるため、現地に行ってサインや写真ゲットを狙うファンは気をつけた方がいいですよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.27 16:45 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】親善試合は気楽だけど…

▽「食べ歩きに来たんだろうか」そんな風に私が笑っていたのは代表戦週間の真っただ中、アルゼンチン代表に呼ばれなかったユベントスのディバラが月曜にはマドリッドのレストラン、Los Arroces de Segis(ロス・アロセス・デ・セヒス/パエジャ専門店)で、火曜にはKabuki(カブキ/創作日本料理店)で目撃されたというニュースを読んだ時のことでした。いやあ、ネットで調べたところ、前者はメニュー(定食)35ユーロ(約5000円)と、高給取りのサッカー選手にしてはリーズナブルなお店だったのはともかく、後者の方ではアトレティコのシメオネ監督と一緒だったそうで、この夏の入団を勧誘しているのではなんて憶測も飛んだものでしたけどね。もしや、4月11日のCL準々決勝2ndレグでチームと一緒に来る前にマドリッドを偵察しておきたかった? ▽まあ、そんなことはともかく、シメオネ監督も翌日にはマハダオンダ(マドリッド近郊)で負傷中のフィリペ・ルイス、フアンフランを除き、各国代表に招集されなかった6人(ガビ、トマス、フェルナンド・トーレス、ビトロ、ガメイロ、GKベルネル)だけが細々と練習を続けているチームを”モノ”・ブルゴス第2監督に任せ、ブエノスアイレスに帰郷。paron(パロン/リーガの停止期間)明け、4月1日(日)のデポルティボ戦の準備を本格的に始めるのは来週、大半の親善試合が火曜に終わった後、選手たちが戻って来る水曜からということになりますが、いえ、南寧市で開催されているチャイナカップに参加しているウルグアイの2戦目は月曜なので、ゴディンとヒメネスは余裕で着くんですけどね。 ▽折しもクラブの筆頭株主であるヒル・マリン氏が同市を訪問、中国にサッカースクールとオフィスを開く提携をワンダ(大連万達グループ)と結んだ調印式に両選手も呼んで花を添えているぐらい、自由のきく親善試合のようですが、唯一、心配なのはクロアチア代表でアメリカまで行っているベルサイコ。ええ、ダラスでのメキシコ戦が水曜とあって、マドリッド到着は金曜になる上、右SBはフアンフランの回復予定もギリギリですからね。この冬にアウグスト、ガイタン、カラスコ、モヤが移籍して以来、頭数が少ないだけでなく、前節のビジャレアル戦で退場したビトロが出場停止。「何日も圧力をかけた」と、リュカのスペイン代表入り希望を翻して、フランス代表に連れて行ってしまったグリーズマンも累積警告で出られずと、逆境も重なっているアトレティコのため、とにかく今は誰もケガをしないで戻って来るのを祈るばかりなんですが…。 ▽え、マドリッド留守番組放置状態はお隣さんも同じじゃないかって?そうですね、アトレティコに輪をかけて、24人のトップチームメンバー中、大量20人が各国代表に出向いているレアル・マドリーもやはり、4人(GKカシージャ、マルコス・ジョレンテ、テオ、ベンゼマ)だけでは練習にならないとあって、ジダン監督は水曜から再開する今週のセッションをグティ監督率いるフベニルAと合同で行うことにしたとか。ええ、当人もリモージュへ出かけて、1998年W杯優勝のフランス代表メンバーを集めたチャリティマッチに参加したりしていましたが、木曜にはウェールズ代表でチャイナカップの中国戦に出場したベイルがハットトリックを挙げたなんて嬉しいニュースも。 ▽何せ、最近ではBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)ともてはやされていたのもいつのことやら、CL16強対決の大一番、PSG戦でもスタメン落ちと、全盛時代からは隔世の感もあるベイルは木曜のマルカ(スポーツ紙)でも、「チームに溶け込んでおらず、ロッカールームではスマホが友達。身の振り方を考えられるシーズン終了を心待ちしている」なんて、ひどいことを言われていた程でしたしね。それでも今季の残り、とりわけマドリーがタイトル獲得に懸けているCLもまだ、準々決勝ユベントス戦を始め、準決勝、キエフでの決勝と彼の活躍が望まれるシーンもあるでしょうし、チーメートが頼りにしてくれるウェールズ代表での活躍で気分が上を向いてくれれば、ジダン監督にとっても喜ばしいかと。 ▽ちなみにマドリーも最後に戻って来るのはモドリッチとコバチッチのクロアチア組で、他は月曜のオランダ戦が2試合目になるポルトガル代表のロナウドを始め、マルセロ、カセミロ(ブラジル)、ケイロル・ナバス(コスタリカ)らも皆、ヨーロッパ内の親善試合。火曜までにはお勤めが終わるため、31日(土)のラス・パルマス戦に向けての準備には問題がなさそう。いえ、彼らにとっては首位バルサと勝ち点差15のリーガより、4月3日(火)のユベントス戦1stレグが赤丸付きの試合なんですけどね。現在、負傷している選手がいないとはいえ、FIFAウィルスの被害はもっとも受けたくない時期ではありますよね。 ▽そして弟分チームたち、ヘタフェとレガネスは各国代表に招集されている選手はそれぞれ、数人しかいないんですが、丁度、1部残留がほぼ確定したこともあり、今週は一息つけるいい機会。ええ、実際、シマノフスキが恥骨炎の手術で今季残りを欠場することが決まったレガネスなどは金土日が3連休だったり、負傷明けのベルガラが全体練習に戻ったヘタフェもミッドウィークに試合がない週は恒例だったダブルセッションなしで週末を休みに。前者は4月1日のバレンシア戦、後者は2日(月)のベティス戦でリーガ再開と、シーズン終盤に向けて英気を養う時間がたっぷりあるのはいいことです。 ▽え、クラブサッカーがない今週、そろそろ6月のW杯メンバーも見えてきたスペイン代表はどんな様子なのかって?そうですね、私がモンクロア(マドリッド市内のバスターミナル駅)から628/629番のバスに乗って、ラス・ロサスにあるサッカー協会施設のグラウンドに寒風吹きすさぶ中、見学に行ったのは練習初日の火曜だったんですが、スタンドにいられたのはたったの15分だけでしたからね。アップだけでは何とも言えなくて申し訳ないんですが、この日は代表初招集となったマルコス・アロンソ(チェルシー)とロドリ(ビジャレアル)が記者会見に登場。とりわけ後者はすでに来季のアトレティコ入団が決まって言われているため、ちょっと気になったんですが、どうやら今回はブスケツ(バルサ)が負傷中により、U21代表から昇格したよう。 ▽よって、本大会に行けるかどうかも微妙なんですが、木曜にドュッセルドルフ入りしての前日練習によると、ドイツとの親善試合でボランチの代理を務めるのはどうやら、いえ、ラス・ロサスでの午後からのラジオインタビュータイムで「イスコ(マドリー)は凄いタレントがあって、アセンシオ(同)も何でも上手くやっているけど、サウールには大きな潜在能力がある。De los tres, me quedo con Saúl/3人のうちだったら、ボクはサウールを選ぶよ」とコケが褒めていたのは、多分に身内びいきも混ざっていたと思うんですけどね。ロペテギ監督に抜擢されたのはそのアトレティコの後輩のようでしたが、まあそれも試合が親善のため、詳細な情報がなく、確かとは言えず。 ▽ラス・ロサスでは火曜も水曜も筋肉痛と風邪のための発熱でグラウンドに姿を現さなかったピケ(バルサ)も復活していたのはいいニュースでしたが、CBはこれが代表150試合目の節目となり、「Mi objetivo es ser el que mas veces vista la camiseta de Espana/ミ・オブヘティーゴ・エス・セル・エル・ケ・マス・ベセス・ビスタ・ラ・カミセタ・デ・エスパーニャ(ボクの目標はスペイン代表最多出場選手になること)」と現在、167試合でトップにいる大先輩、カシージャス(ポルト)を超えるのを狙っているセルヒオ・ラモスとナチョのマドリーコンビになる可能性が高いかと。 ▽ちなみに今回の代表にはマドリーの選手が6人おり、クラブ別としては最大勢力。おまけにブスケツはともかく、水曜にはやはりラジオ出演したイニエスタが「Por momento y por naturaleza posiblemente sea mi ultima aparicion con la Seleccion/ポル・モメントー・イ・ポル・ナトゥラレサ・ポシブレメンテ・セア・ミ・ウルティマ・アパリシオン・コン・ラ・セレクシオン(時期的にも体力的にもおそらく代表でのプレーは最後)」と、この夏のW杯を区切りにすることを告げたため、結構、前から代表引退を表明していたピケも含め、来季からはバルサ勢が少数派に転じる恐れも。いえ、ラモスに言わせると、「以前はバルサ流サッカー哲学が代表で強調されていたけど、ahora esta mas equilibrada/アオラ・エスタ・マス・エキリブラードー(今はもっとバランスが取れている)。色々なチームの選手がいるのはスペイン・サッカーにとっていいこと」だそうですけどね。 ▽金曜には敵として対戦するクロースなど、その先を行って、「マドリーには質の高い選手がいるから、スペイン代表に6人もいる。バルサやアトレティコの選手もいるけど、ベースはマドリーだよ」と言っていましたが、いやいや。人数的にはともかく、マドリーって、特に哲学的なものはないものの、ロナウドやベンゼマ、モドリッチ、カセミロ、それこそクロースら外国人選手が中心で機能して、見栄えのいいサッカーを構築しているのかと思っていましたが、私、ひょっとして思い違いをしていた?まあ、レーブ監督は「アトレティコはフィジカル的に凄い展開をするし、マドリーにはダイナミックさがあり、バルサには高いポゼッションと、それらのミックスがスペイン代表だ」と言っていましたけどね。 ▽そこまで行くと、逆にスペイン代表のサッカーって一体、何なのかという疑問が湧いてきますが、前回のW杯勝者に挑むこの金曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのドイツ戦では、9カ月ぶりにジエゴ・コスタ(アトレティコ)も先発予定。ブラジルではオランダ、チリに連敗してグループリーグ敗退、2016年のユーロでは16強対決でイタリアに敗退と、2008年から2012年の黄金期を体験できず、「Espero que hagamos un gran Mundial y, por que no, ganarlo/エスペロ・ケ・アガモス・ウン・グランムンディアウ・イ、ポル・ケ・ノー、ガナールロ(W杯で凄いことができるのを期待している。優勝することだってね)。ボクなんか、1回しか出たことなくて、それもすぐ帰って来たんだから」と、今度こそはと期待に胸を膨らませているコケなども少しは貢献できるといいのですが、さて。 ▽そして試合後のスペイン代表の予定も話しておくと、チームはその夜のうちにマドリッドに戻り、翌土曜にはラス・ロサスで12時30分から一般公開練習を実施。慣例からいくと、次のアルゼンチン戦の前日、月曜も会場のワンダ・メトロポリターノでオープンのセッションとなると思うんですが、まだ時間などはわかっていません。丁度、金曜からはスタジアムの窓口で入場券販売も始まるため、メッシ(バルサ)やイグアイン(ユベントス)、アグエロ(マンチェスター・シティ)ら、豪華絢爛なFW陣を揃えた前回W杯準優勝チームとスペインの親善試合を見てみたいというファンは早めにチケットを手に入れておく方が安心かも。そうそう、金曜にはマンチェスター・シティのホーム、エティハド・スタジアムでイタリアとの親善試合をするアルゼンチンは土曜から、バルデベバスで練習予定。ただ、マドリッドでの滞在ホテル、ユーロスターズ・マドリッド・タワーとの往復はチームバスとなるため、練習場入口で待っていても選手を見るのは難しいと思いますよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.23 13:20 Fri
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】1つだけ足並みを乱したチームがある…

▽「もうそこまで考えないといけないの?」そんな風に私が呆気に取られていたのは日曜日の夜、サンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンでラジオ・マルカ(スポーツ専門ラジオ局)のレポーターの質問を聞いた時のことでした。いやあ、「クラシコでバルサにpasillo(パシージョ/花道)ってどう思う?」とルーカス・バスケスに訊いていたんですが、今季のクラシコ(伝統の一戦)は遅めで、シーズン後半分は第36節。その日は第29節が終わったばかりだったので、6試合あと、日付にして5月最初の週末の話なんですけどね。そこで私が、これはアトレティコのせいだと肩身が狭く感じてしまったのは現在、首位と2位の差は勝ち点11。つまり今後、この差が変わらなければ、第35節にバルサのリーガ優勝が確定するため、次の試合で対戦するチームは入場時、花道を作ってチャンピオンをお迎えするという慣習があったから。 ▽え、8差のままだったら、カンプ・ノウでの試合で永遠のライバルの優勝決定シーンに自らが立ち会うこともありえたのだから、だったら花道の方がマシじゃないかって? まあ、そうなんですが、あまり先回りして物事を考えると、ならいっそ、4月8日のマドリーダービーでお隣さんを叩き、更に首位との差を広げてやれば、バルサはもっと前倒しで戴冠。心おきなく5月26日、キエフでのCL決勝の準備に専念できるなんて、レアル・マドリーの選手たちが思いついてしまうかもしれませんからね。あまり寝た子を起こすようなことには触れてほしくなかったんですが、ちょうど第35節前の2週間はCL準決勝。この日程がいきなりクラシコ祭りになったりしたら、面白いかもしれませんよね。 ▽まあ、4月5月のことはまだいいんですが、ここで先週末のリーガを振り返ってみることにすると、マドリッド勢で土曜にプレーしたのは1チームだけ。ええ、雨がザーザー降る中、弟分のヘタフェがアノエタでレアル・ソシエダと対戦したんですが、相手がこのところ不調だったのが幸いしましたかね。前半23分にはウィリアム・ホセにヘッドで先制されてしまったものの、ハーフタイムに入る直前にCKからジェネが撃ち込んで同点に。すると後半5分、アンヘルがエリア前からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてくれたから、驚いたの何のって。 ▽いやあ、前節のレバンテ戦では前半のチャンスに彼の照準が合わず、結局、0-1と惜敗してしまったヘタフェだったんですけどね。このクラスのチームには常勝義務はないですし、アンヘルは今季ここまでチーム内最多の12ゴール。全ての試合で得点していたら、それこそクリスチアーノ・ロナウドかメッシかという話になってしまうとなれば、決まった時には喜んでおかないと。後半33分には殊勲のアンヘルも柴崎岳選手と交代で退き、この1点を守って、1-2で逆転勝利したヘタフェでしたが、おかげで9位になった彼らは来季のヨーロッパリーグ出場権が得られる7位まで勝ち点4差に接近。4月2日の次節は1つ上のベティスとの直接対決ですから、月曜開催でもコリセウム・アルフォンソ・ペレスにファンが応援に駆けつけてくれるといいですね。 ▽まあ、余談として、翌日曜にはELも32強対決で敗退、現在15位の不成績のせいでソシエダのエウセビオ監督が解任。エスクリバ監督(ビジャレアル)、デ・ビアージ監督(アラベス)、ミチェル監督(マラガ)に続き、ヘタフェ戦の直後にクビとなった今季4人目の指揮官となったなんてこともあったんですが、これは単なる偶然かと。今週のヘタフェは水曜からセッションを再開しますが、柴崎選手はベルギーで合宿している日本代表へ行ってしまったので、来週火曜のウクライナとの親善試合が終わるまで、練習場で会えないのは残念です。 ▽そして日曜は正午からの試合を見にブタルケへ向かった私でしたが、いやあもう、久々にいい天気だったにも関わらず、スタジアムが周りに建物のない丘の上にあるせいか、強風が吹きつけて寒かったの何のって。それでも試合はレガネスが前半19分、CKからブスティンサのヘッドで先制すると、後半23分にもディエゴ・リコのパスをエラソが撃ち込んでリードが2点に拡大。相手のセビージャは、後でモンテッラ監督も「疲労が出たようだ。メンタル的にも身体的にも落ち込みが見られた」と言っていたように、火曜にオールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドを下したCL16強対決2ndレグの大一番が堪えていたみたいでしたっけ。 ▽実際、サラビアが2枚目のイエローカードをもらって退場した後、終了間際に1点を返したのもCLにメンバー登録されていないラユンでしたしね。それでもまだ、彼らには準々決勝バイエルン戦というお楽しみがあるんですから、ここは初めてのコパ・デル・レイ決勝進出という夢を砕かれたレガネスの面々が、同大会の準々決勝でやはりセビージャに敗れた兄貴分、アトレティコが第4節前に2-5と大勝したのに続き、2-1の勝利でリベンジできたのは良かったかと。おかげでしばし、停滞していた勝ち点も36に増え、キャプテンのガブリエル・ピレスなどは「No nos damos por salvados virtualmente/ノー・ノス・ダモス・ポル・サルバードス・ビルトゥアルメンテ(ボクらは残留を実質上、達成したとは思わない)。安心するのは数字的に決まってからさ」と言っていましたが、降格圏とは15ポイント離れていますからね。 ▽何はともあれ、これでレガネスも代表戦週間後にバレンシア、バルサと続く、強豪との試合をプレッシャーなしに迎えられると思いますが、私が信じられない経験をしたのはその日、一旦、家に戻って休んでから、もう1度、コートを着込んで出かけた夜の部のことでした。だってえ、サンティアゴ・ベルナベウへ行く前、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた間、前半19分にグリーズマンがゲットしたPKを当人が決めたアトレティコは0-1でずっと勝っていたんですよ。コケのシュートがゴールポストに阻まれ、追加点が取れなかったり、後半になって、ビジャレアルに押され気味になっていたのは気に入らなかったものの、試合の残りはたった15分。バルを出てメトロ(地下鉄)に乗り、地上に戻ってラジオをつけたら、2-1で負けていたって一体、何がどうなっている? ▽え、あと10分守り切ればというところでビジャレアルがセットプレーを利用。後半38分にはアルバロのクロスからウナルがヘッドで、46分にはゴディンのクリアしたボールを戻したボネラのパスからゴール前でウナルが再び決めて逆転されたんだろうって?まあ、そうなんですけど、後でサウールも「No tiene explicacion/ノー・ティエネ・エスプリカシオン(説明がつかない)。ウチはあの2度のセットプレーでもっと集中していないといけなかった」と言っていたんですが、やっぱりそれって、EL16強対決ロコモティブ・モスクワ戦2ndレグの後、金曜明け方にマドリッドについたせいで疲れていたから?ええ、私も土曜にマハダオンダ(マオリド近郊)に練習を見に行ったところ、たった40分でセッションが終わってしまったのにビックリしたんですが、加えて彼らは現在、フィールドプレーヤーがたったの17人。更にフィリペ・ルイスとファンフランのケガでマイナス2人ですからね。 ▽となれば、いくらシメオネ監督が「25人いたって、6人ケガをすることもある。Tengo un plantilla corta pero importante/テンゴ・ウナ・プランティージャ・コルタ・ペロ・インポルタンテ(ウチは少ないが強力な選手層だ)」と言い張ったって、ローテーションもままならないのは自明の理かと。イエローカードで次節の累積警告が決まったグリーズマンをガビに代えた途端、同点にされたり、ロスタイムにはビトロが退場になってしまったりと、試合終盤はツキもありませんでしたしね。「自分のせいで試合に負けたような気がする。選手たちは物凄い努力をしてくれたが、私の決断で助けてやることができなかった」(シメオネ監督)というのもあったんでしょうが、どうやらラ・セラミカ(ビジャレアルのホーム、エル・マドリガルから改称)はアトレティコにとって、とことん相性の悪いスタジアムのようです。 ▽そして私がまだ呆然としているうちにマドリーvsジローナ戦が始まったんですが、いやあ、ベイルやモドリッチ、カセミロをベンチに置き、ジダン監督はアセンシオ、ルーカス・バスケス、コバチッチらの第2陣を先発させたんですが、ロナウドがノッている時の彼らは簡単にgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)ができるんですよ。ええ、前半こそ、10分にクロースのパスからロナウドが決めたゴールを29分、FKからストゥアニのヘッドで帳消しにされてしまったものの、後半だけで5点を挙げているんですから、忙しいったらありゃしない。まずは2分、ベンゼマのアシスストでロナウドが勝ち越し点を入れると、14分にはベンゼマからのパスを彼がルーカス・バスケスに送って3点目。その4分後はベンゼマが1対1で狙ったんですが、GKボノに弾かれ、こぼれ球はまたしてもロナウドのゴールになります。 ▽更に40分には揃って途中出場したモドリッチがベイルにスルーパスを送って5点目が入ると、最後はロスタイム、またしてもクロース、ロナウドのコンビで決めて、とうとうpoker(ポケル/1試合4得点のこと)達成って、あらやだ。その日はメッシもアスレティック戦でゴールを挙げ、2-0でのバルサの勝利に貢献していたため、ランキングトップが25得点になっていたんですが、これでロナウドも22ゴールとして2位に浮上。たった3点差しかないとなれば、残り9試合でピチチ(得点王)ゲットも決して夢ではありませんって。うーん、今季は前半戦で4得点しかできなかった彼なんですけどね。後半戦9試合で18ゴールって、この驚異の追い上げはまさに、「Es lo que tiene este senor, es de otra galaxia, sin palabras/エス・ロ・ケ・ティエネ・エステ・セニョール、エス・デ・オトラ・ガラクシア、シン・パラブラス(これがこのセニョールが持っているもの、別の銀河のものだね。言葉もないよ)」(ジダン監督)という通りでしょうか。 ▽え、だから前半戦でのロナウドの不調がなければ、マドリーも今頃、首位と勝ち点15差で、2位との差が4に縮まったことなんか、ちまちま喜んでいることもなかったんだろうって?それは結果論で、覆水盆に返らずですからね。今は「ウチはシーズン前半に欠けていた、recuperamos algo de confianza/レクペラモス・アルゴ・デ・コンフィアンサ(何がしかの自信を取り戻した)」(ジダン監督)ことに感謝して、唯一、残ったタイトル、CL優勝に邁進するしかないと思いますが、でもご用心。というのもこの日はセルヒオ・ラモスがお休みをもらっていたせいもあるんですが、マドリーは後半にもセットプレーから、22分にはストゥアニに、43分にはフアンペに頭で決められて、最終スコアは6-3だったから。 ▽そう、準々決勝の相手はユベントスで、守備もジローナよりずっと堅いため、そういうミスは命取りになりかねませんからね。4月3日の1stレグまでにはジダン監督もセットプレー時のマーカー調整など、イロイロ練習しておきたいところですが…当面は望むべくもなし。ええ、月曜にはチームの19人が各国代表に向かったため、水曜から始まるバルデベバス(バラハス空港の近く)のセッションにはGKカシージャ、ベンゼマ、テオ、マルコス・ジョレンテの4人しか来ないんですよ。中でも中国でウェールズが国際親善カップを戦うベイル、新大陸でクロアチアがペルー、メキシコと親善試合というモドリッチ、コバチッチらは長距離移動になるため、代表戦明けの疲れが気になりますが…。 ▽まあ、それは同じクロアチアのベルサイコがいるアトレティコも出向組が総勢11人と、ただでさえ選手が少ないため、心配なのは同じですって。それと並行して、月曜夕方にはラモス、カルバハル、アセンシオ、イスコ、ナチョ、ルーカス・バスケスらのマドリー勢、そしてコケ、サウール、ジエゴ・コスタのアトレティコ勢もラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設で合宿入りしたスペイン代表の予定を伝えておくことにすると。木曜にドュッセルドルフに移動する前、火曜と水曜の午前11時からのセッションは15分のみマスコミに公開で、クロースがいるドイツとの親善試合は金曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。一応、一般のファンも練習見学できる公開セッションが帰国したその日、土曜の12時30分から予定されています。 ▽2試合目はワンダ・メトロポリターノで来週火曜、メッシはもちろんのこと、ファンへの配慮かもしれませんが、アトレティコのコレアも招集されたアルゼンチンとの親善試合で、こちらは金曜からスタジアムのチケット売り場(11時~19時)でも入場券購入ができるよう。ここ最近はあまり、スペイン国内での代表戦で満員御礼は聞きませんし、ワンダはキャパも大きいため、その頃、マドリッド訪問の予定がある方は立ち寄ってもいいかと。ちなみに今回、ロペテギ監督の招集したメンバーで変わったのはパレホ(バレンシア)、ロドリ(ビジャレアル)、マルコス・アロンソ(チェルシー)が初めて呼ばれたのと入れ違いで、モラタ(チェルシー)、ビトロ(アトレティコ)らが外れたこと。まあ、FWではコスタやルーカス・バスケスが戻りましたしね。W杯前最後のリストとなるため、ここで外れた選手は焦っているかもしれませんが、本番は6月。まだまだこの先、返り咲きのチャンスはあるんじゃないでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.20 13:01 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】同じ準々決勝でも何か違う…

▽「たった18人になるってこと?」そんな風にギョッとして、私がアトレティコのオフィシャルウェブで選手の数を確認していたのは金曜日、ヨーロッパリーグ16強対決ロコモティブ・モスクワ戦でエデルのシュートを止めようと足を出して負傷。零下3度のRZDスタジアムで半袖のユニの上に毛布もかけてもらえず、担架退場したフィリペ・ルイスの腓骨骨折がわかり、全治8週間と今季中の復帰がほぼ絶望なだけでなく、下手したら6月のW杯出場も危ういというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、1月にはアウグスト、2月にもカラスコとガイタンの中国行きが決まり、GKモヤにまでレアル・ソシエダへ移籍することを認めたクラブとシメオネ監督は、少数精鋭で残りのシーズンを乗り切れると踏んだんでしょうけどね。 ▽確かにリーガはあと10試合、ELもリヨンでの決勝含めて5試合しかありませんから、決して不可能とは言いませんが、フィールドプレーヤーが16人しかいないって、前代未聞の少なさかも。おまけにサウールが去年の夏に卒業して以来、カンテラーノ(アトレティコBの選手)にはまったくU21スペイン代表から声がかからずと、最近の後輩たちはあまり出来が良くないみたいですしね。3月半ばになっても荒れ模様が続き、気温が上がらないこの折、誰かが風邪でも引いたら一体、どうするっていうんでしょう。 ▽え、それでもロコモティブ戦2ndレグでのアトレティコは再び、格の違いを見せつけ、その強さには同日、ミランを総合スコア5-1で破って準々決勝に進出したアーセナルのベンゲル監督でさえ、「この大会で最強の優勝候補」と認めていたぐらいだったんだろうって?まあ、その通りで、スペインでは夕方の午後5時という早い時間に始まったモスクワでの試合にはジエゴ・コスタとガメイロがケガで遠征に参加しておらず、一応、同行したGKオブラクも臀部の筋肉痛を悪化させないため、スタンド観戦となったんですけどね。念のため、ベンチではグリーズマンが待機と、1stレグで3-0と快勝していたことを考えると、シメオネ監督も用心深いっちゃありません。 ▽だってえ、逆転が必要だったロコモティブは負傷明けのエース、ファルファンを先発させ、1週間前のワンダ・メトロポリターノよりは攻める気でいたんですが、前半16分にはコケとのワンツーでエリア内に入ったコレアのゴールであっさり先制しているんですよ。その3分後には続けざまのシュートを2発防ぎながら、最後はリブスのミドルシュートが人垣で見えず、これが2試合目のオブラクの代役となったベルネルが失点してしまったんですが、それでも4-1ですからね。この試合は省エネを優先して、1-1で終わってもいいんじゃないかと私など、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でカフェ・コン・レッチェ(カフェオレ)をすすりながら、お気楽に眺めていたんですが、とんでもない。後半開始すぐにはフィリペ・ルイスのアシストをコケがスルー、後ろにいたサウールがワンタッチで撃ち込んで、勝ち越しているんですから、見上げた心がけじゃないですか。 ▽ただ、その後に起こったのがフィリペ・ルイスの事故で、丁度、ファンフランもハムストリングを痛めてハーフタイムでベルサイコに代わっていましたしね。「Admiro a mis jugadores, juegan de la misma manera todos los partidos alla donde van/アドミオ・ア・ミス・フガドーレス、フエガン・デ・ラ・ミスマ・マネラ・トードス・ロス・パルティードス・アジャー・ドンデ・バン(どこに行っても全ての試合に同じ姿勢で立ち向かう選手たちを尊敬している)」というシメオネ監督ですが、いやいや。左SBとしてリュカが入るのと同時にグリーズマンもピッチに立ち、スルーパスを追ってエリア内に駆け込んだところ、GKコチェンコフにすっ飛ばされてしまうなんて、どれ程、私の心臓に悪かったことか。 ▽でも大丈夫、こちらは一回転しただけで無事だったようで、ゲットしたPKもフェルナンド・トーレスが危なげなく決めて更にリードは拡大。おまけにその4分後にはコレアのパスから再びトーレスがゴールを挙げると、39分にはこの日、一番のgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)がお目見えしたんですよ。そう、リーガの試合では敵DFに邪魔されてしまうことが多いコレアですが、リブスをsombrero(ソンブレロ/ボールを相手の頭上に上げて突破する技)でかわすとグリーズマンにパス。こちらもコチェンコフに届かないゴール右上隅に見事なvaselina(バセリーア/ループシュート)で決め、とうとう5点目を取ってしまったとなれば、ロコモティブのセミン監督が「アトレティコはELに優勝する。彼らの前に他のチームはチャンスがないだろう」と太鼓判を押していたのも当然だった? ▽最後は総合スコア8-1で圧勝、私なんかに言わせれば、次の機会に少しゴールを取っておけばいいのにと言いたくなるぐらいのgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で準々決勝進出を果たしたアトレティコでしたが、金曜の対戦組み合わせ抽選の結果もラッキー。いえ、ここ数年、CL慣れしていたため、ベスト8に残ったチームはアーセナルを除けば、どこも大きな実力差はなさそうだったんですけどね。16強対決に残っていたもう1つのスペイン勢、サン・マメスにオリンピック・マルセイユを迎えたアスレティックは3-1の敗戦という1stレグの結果を逆転できず、2ndレグにも1-2で負けて、総合スコア2-5で敗退したのはともかく、32強対決のスパルタク・モスクワ戦に続き、相手チームのウルトラ(過激なファン)集団がビルバオ(スペイン北部の町)に襲来。今度は警官2人が刺されたそうで、スタンドも厳しい身体検査をすり抜けて持ち込まれたbengala(ベンガラ/発煙筒)で真っ赤に燃えていましたしね。 ▽マルセイユは数年前にビセンテ・カルデロンでも騒ぎを起こしてくれましたし、リヨンでもCSKAモスクワとのウルトラ対決があったそうなので、ポルトガルのスポルティングと当たったアトレティコは近くて、暖かくて運が良かったんじゃないかと思いますが、どちらにしろ、試合は代表戦週間が終わった後の4月5日と12日。準々決勝とはいえ、ワンダ・メトロポリターノは1stレグですし、カード的に満員になるとは思えないため、丁度、その頃、マドリッド来訪を予定しているファンは覗いてみてもいいかと。ちなみに32強対決ではカザフスタンのアスタナ、16強対決ではチェコのビクトリア・プルゼニを破ったスポルティングには元レアル・マドリーのコエントラン、元バルサのマチューなど、リーガで見知った顔もいるんですが、それより今、目前に迫っているのは日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのビジャレアル戦。 ▽ええ、金曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションではジエゴ・コスタが復帰、サビッチも回復しているようですが、何せ相手は前ラウンドでELを敗退していて、休養十分ですからね。首位とは勝ち点差8がついているリーガとはいえ、アトレティコにはバルサにこれ以上、離されないよう、尚且つ、負傷者を増やさない試合をしてほしいかと。実際、来週はスペイン代表でのプレーを一時、希望していながら、彼女へのDV騒動やその後の接近禁止令を破り、ラスベガスで挙式。新婚さんとして戻って来たところ、バラハス空港で逮捕されるといった前科から、スペイン国籍取得が遅れて今回、デシャン監督の招集が渡りに舟に。グリーズマンと共にフランス代表に行くことにしたリュカなど、各国代表に呼ばれている選手も多いのは心配ではありますよね。 ▽え、世間的に注目を浴びていた金曜のビッグイベントは正直、CLの準々決勝組み合わせ抽選会の方だったんじゃないかって?もちろんそうなんですが、こちらはELとは真逆で、どこと当たっても大変なのはお約束。その中でも比較的、楽な相手を引いたと言われているのはバルサで、ローマはベスト8の常連ではありませんからね。それこそ火曜にオールド・トラフォードでマンチェスター・ユナイテッドに1-2と勝利。元アトレティコのGKデ・ヘア相手に殊勲の2ゴールを挙げたベン・イェデルがやはり、フランス代表に初招集されたセビージャが当たっていれば、伝説のスポーツディレクター、モンチ氏(長くセビージャで務めた後、現在はローマ)も大喜びする好カードになったんじゃないかと思うんですが、こればっかりはねえ。 ▽結局、セビージャは今度はドイツの名門、バイエルンに挑むことになり、水曜のチェルシーとの16強対決2ndレグではメッシの2発とデンベレのゴールで、こちらもアトレティコOBのGKクルトワを破り、3-0とチェルシーに完勝したバルサが4月4日と10日にローマと対戦になります。そうそう、カンプ・ノウの試合で敗退したチームの選手では今回、ドイツ(ドュッセルドルフ)とアルゼンチン(ワンダ・メトロポリターノ)で親善試合をするスペイン代表招集にも吉凶があって、モラタがリスト落ちした傍らでマルコス・アロンソが初招集の栄誉に。まあ、モラタは今季、レアル・マドリーから移籍してまだtitular(ティトラル/レギュラー)にはなれてないようですしね。1月からアトレティコでプレーできるようになったジエゴ・コスタが好調なため、今回、代表復帰したというのもありますし、W杯行き最終リストに入るためにはこの先、かなり頑張らないといけないようですよ。 ▽そして一足先にPSGにパリでも1-2と勝利、総合スコア2-5でCL準々決勝進出を決めていたマドリーはユベントスと顔を合わせることになったんですが、実はこれが曲者。というのも、昨季のカーディフでのduodecima(ドュオデシマ/12回目のCL優勝)を含め、決勝では2度倒している相手ですが、2試合制の対戦では勝ったことがないのだとか。ええ、3年前の準決勝でもそれこそ、当時はユーベにいたモラタのゴールもあって敗退しているんですが、まあ、今度はイグアインが古巣への恩返しを狙っているとは言ってももうCLしか、タイトル獲得の可能性のない彼らですからね。4月3日、ユベントス・スタジアムでの1stレグ、11日、サンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグ、どちらもチケット早期完売が予見される中、きっと根性で勝ち抜いてくれるのでは? ▽うーん、残り1組のイングランド勢対決、リバプールvsマンチェスター・シティにしてもCLはどれもこれもゴージャスなカードばかりで、私も楽しみなんですが、それだけに週末のリーガ戦が色褪せて見えてしまうのは仕方ない?日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)にジローナをベルナベウに迎えるマドリーにしても首位とは勝ち点差15ですからね。そこへモドリッチはふくらはぎ痛、ベイルもウェールズ代表の中国遠征を控えてムリさせられないとなると、またジダン監督が大幅なローテーションをする可能性もありそうな。スペイン代表に再招集されたルーカス・バスケス辺りはW杯行の切符が懸かっているため、発奮してくれると思いますが、さて。相手のジローナもシーズン前半でマドリーに勝利したとはいえ、もう1部残留も確定。モチベーションを見つけにくいというのはお互い様かもしれません。 ▽一方、マドリッドの弟分チームたちは、あまり各国代表から招集される選手がいないとはいえ、ヘタフェなど、柴崎岳選手を始め、ファジル(モロッコ)、ジェネ(トーゴ)、マノイロビッチ(セルビア)、メルヴァイユ(コンゴ)と5人程、出向が決まっているんですけどね。土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのレアル・ソシエダ戦では、ここ2連敗という悪い流れを払拭して、2週間のparon(パロン/リーガの停止期間)に入りたいところ。現在、11位で降格の危険はほぼないヘタフェですが、ボルダラス監督も「どっちつかずの順位で終わるのはいいシーズンでなかったという印象を与える。No podemos caer en ese error, no lo voy a permitir/ノー・ポデモス・カエール・エン・エセ・エロール、ノー・ロ・ボイ・ア・ペルミティル(そういう過ちを犯す訳にはいかないし、許すつもりもない)」と言っていましたし、残り10試合、勝ち点7差のEL出場権をもらえる7位の座に少しでも近づけるよう、勝てるといいですよね。 ▽そしてレガネスは日曜正午、ブタルケにセビージャを迎えるんですが、相手がCL準々決勝進出を決めたばかりなのはいいのか悪いのか。モンテッラ監督もリーガでは4位バレンシアまで勝ち点差11と離れているため、来季CL出場圏の獲得は難しいと考えているはずですが、7位のジローナもたったの2差とEL出場圏死守はしたいはずですからね。ガリターノ監督も「Estamos bien pero creo que con treinta y tres puntos no te salvas/エスタモス・ビエン・ペロ・クレオ・ケ・コン・トレインタ・イ・トレス・プントス・ノー・テ・サルバス(ウチの状態はいいが、勝ち点33では残留できないと思う)」と言っていたレガネスが、あと少しの上積みを狙うにはちょっと、難しいライバルなのは確か。代表戦明けもバレンシア、バルサと上位チームとの対戦が続くため、今は辛抱の時期なのかもしれません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.17 14:30 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】決めるべき人が決めて勝ったけど…

▽「控えになってもいいんだろうか」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、スポーツ紙のウェブページでグリーズマンが「アトレティコとの契約延長を拒否、来季はもう仮契約をしているバルサに移籍予定」という記事を見つけた時のことでした。いやあ、この系統では前日にも奥さんのエリカさんが先週、カンプ・ノウでアトレティコの試合があるのを利用してバルセロナを訪問。メッシやルイス・スアレス、コウチーニョらが住む、地中海沿岸の近郊にあるカステルダフェルスや、テア・シュテーゲンが住む市内のパセオ・デ・ガルシア近辺の家を見て回ったという報道がカタルーニャ・ラジオからあったんですけどね。 ▽どちらの地区も彼女が満足するには至らなかったというのはともかく、ここ数日は中足骨骨折でCL16強対決レアル・マドリー戦2ndレグに出場できずに、PSGも敗退。現在、母国ブラジルで手術後の静養中のネイマールにも、昨年の夏に出て行ったばかりのバルサに復帰を希望しているという噂があったから。 ▽いえ、ネイマールの不在を補おうと、デンベレ(移籍金1億6000万ユーロ/約211憶円)、コウチーニョ(1億2000万ユーロ/158億円)に大枚をはたいたのに加え、グリーズマン(1億ユーロ/約132億円)、再びネイマール(4億ユーロ/約528億円)もの出費をどうクラブが賄うかなんて、下々の者には想像もつかないんですけどね。それより気になるのは来季のバルサの前線で、だってえ、メッシやルイス・スアレスが出て行く訳ないじゃないですか。となれば、アトレティコでは上にも下にも置かない扱いをされているグリーズマンとて、彼らの中ではワン・オブ・ゼム。 ▽正直言って、ネイマールとポジション争いをして勝てるのかという疑問もありますし、アトレティコから移籍してからの2年間、ほとんど白紙で過ごした上、現在は故郷のイスタンブール・バシャクシェヒルにレンタル移籍しているアルダ・トゥランの例もありますからね。MSN(メッシ、スアレス、ネイマールの頭文字)再結成となれば、それこそ昨夏、BBC(同ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウド)優先にうんざりして、レアル・マドリーからチェルシーへ行ってしまったモラタのような破目にもなりかねない? ▽おまけに先週末は奥さんのアントネッラさんが第3子を出産したため、メッシがお休みをもらっても、ルイス・スアレスとコウチーニョのゴールで0-2と簡単にマラガを退けてしまったバルサですよ。今季はすでにコパ・デル・レイで決勝進出、リーガも2位に勝ち点差8と独走状態、CLだけはまだ16強対決で、チェルシー戦1stレグを1-1で引き分けた後の2ndレグがこの水曜に控えているため、ちょっと先行き不透明な感はあるものの、上手くいけば21世紀になって、4度目のtriplete(トリプレテ/リーガ、コパ、CLの三冠優勝)もできるとなれば、そうまでクラック収集にこだわらなくてもと思うんですが…シメオネ監督も「憶測よりも現実について話さないといけない。Mañana es mañana/マニャーナ・エス・マニャーナ(明日は明日)」と言っていたように、今は下手に気を揉まない方がいいのかも。 ▽まあ、その辺は私も忘れて、先週末のマドリッド勢のリーガ戦がどうだったのかをお伝えしていくことにすると、土曜のアジアン・ゴールデンタイムに先陣を切ったのはマドリー。もちろんこれは相手に乾貴士選手がいるための配慮なんですが、残念ながら、「Ellos fueron mejores, hicieron un gran partido/エジョス・フエロン・メホーレス、イシエロン・ウン・グラン・パルティードー(彼らの方が良かった。素晴らしい試合をしたよ)」と後でジダン監督に褒められていたエイバルも今年になって、ゴール量産態勢に入ったロナウドを止めることはできませんでした。ええ、先日のPSG戦ではベンチ待機をしていた、負傷明けのモドリッチが調子に乗ってきた前半33分、その彼のロングパスから決められて、先制を許してしまうことに。 ▽いえ、エイバルも後半5分には、今季はずっとケガに悩まされてきたペドロ・レオンの蹴ったCKからラミスがヘッドを叩き込み、同点に追いついたんですけどね。マドリーには珍しい昼の時間帯開催の試合だったためか、急に便意をもよおしたセルヒオ・ラモスがピッチを外していた30分には乾選手も頭で勝ち越しゴールを狙ったんですが、ボールは枠を外れてしまいます。そうこうするうち、39分にはカルバハルのクロスをドンピシャのタイミングでロナウドがネットに送り込んだため、最後は1-2でマドリーが勝ち点3を持ち帰ることになりましたっけ。 ▽え、後でエイバルのメンディリバル監督も「Otros equipos no te meten gol con un fallo, pero estos sí/オトロス・エキポス・ノー・テ・メテン・ゴル・コン・ウン・ファジョ、ペロ・エストス・シー(他のチームなら、1回のミスでゴールを奪われることはないが、こういう相手はそうだ)」と言っていたけど、本当に最近のロナウドはチャンスに失敗しなくなったって?そうですね、当人が出場したここ5試合のリーガ戦で計10得点しているおかげで、とうとう得点ランキングでもトップのメッシと6本差の18ゴール、3位まで追い上げてきたんですが、後悔先に立たず。 ▽そう、シーズン前半戦でも彼が今と同じ頻度で決めてくれていたら、首位と勝ち点差15という絶望的な状況にはなっていなかったはずですからね。それを思うと、素直に喜べないマドリーファンもいるかもしれませんが、まだCL決勝への道は遠し。この金曜に対戦相手が決まる4月の準々決勝までチームの調子を維持するため、日曜に好調ジローナをサンティアゴ・ベルナベウに迎える試合を含め、足慣らしは続けていってもらわないといけません。 ▽そして同じ土曜、夕方からの試合だったのは弟分のヘタフェで、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにレバンテを迎えたんですが、こちらはダブルの意味で残念。というのも前半はアンヘルやホルヘ・モリーナにチャンスが再三あったものの、決めきれず。15試合白星がないため、降格圏が近く、先週はムニス監督をパコ・ロペス監督に代えていた相手も必死だったため、何度もピッチでtangana(タンガナ/揉み合い)が起きたり、イエローカードが飛び交ったりしていたんですが、まさか後半33分、レバンテが唯一、チャンスを作れていたCKから、コケにヘッドを決められてしまうとは! ▽おまけに柴崎岳選手はカンテラーノ(下部組織の選手)のメルヴェイユ、久々にベンチ入りをしたアルバロ・ヒメネスの後、残り3分からの出場でしたしね。結局、そのまま0-1で試合は終わり、「Hemos errado ocasiones claras y lo hemos pagado/エモス・エラードー・オカシオネス・クラーラス・イ・ロ・エモス・パガードー(ウチは絶好機にミスして、そのツケを払った)」(ボルダラス監督)という結果になってしまいましたが、実はこれ、彼らにとって10試合ぶりのホーム敗戦だったとか。うーん、すでに勝ち点36あって、1部残留はほぼ確定しているヘタフェですが、このままだと、tierra de nadie/ティエラ・デ・ナディエ(誰のものでもない場所)の順位で締まらないシーズン終盤になってしまうこともありえますからね。次のレアル・ソシエダ戦では気合を入れてくれるといいんですが。 ▽え、翌日曜にはお隣さん同様、リーガ逆転優勝の目がほぼなくなったアトレティコも頑張ったじゃないかって?その通りで、前節はバルサに1-0と負け、勝ち点差が8に広がったにも関わらず、ワンダ・メトロポリターノでのセルタ戦ではベストメンバーを並べてスタート。もちろん先週のヨーロッパリーグ16強対決ロコモティブ・モスクワ戦1stレグで3-0の快勝と、この木曜の2ndレグでは楽ができそうだったからもありますが、何より驚かされたのは絶対ムリと言われていたGKオブラクが手と臀部の負傷を超特急で乗り越えて、ゴールを守ってくれたことでしょうか。 ▽ただこの日も試合はなかなか動かず、セルタがオブラクを煩わすことも前半のうちはなかったんですが、恒例の0-0でハーフタイムを迎えなくて済んだのは44分、ガビのCKをヒメネスが落としたボールを拾ったグリーズマンのおかげ。ええ、前を塞いだジョニーとGKルベンを見事な切り返しで座らせて、ゴール右上隅に決めてくれるんですから、チームメートだって、「彼に頼むのは、ウチにいる間は全力でプレーして違いを見せてほしいということ、porque es de los pocos de este equipo que lo puede hacer/ポルケ・エス・デ・ロス・ポコス・デ・エステ・エキポ・ケ・ロ・プエデ・アセール(それができるこのチームの少ない選手だからね)」(ガビ)と持ち上げない訳にはいかないかと。 ▽おまけに後半11分にもグリーズマンはその才能を発揮して、ビトロにアトレティコ移籍後リーガで初となるゴールをプレゼント。その直後、ビトロと交代したコレアも24分にはコケのスルーパスから2度撃ちして3点目を入れてくれたんですが、うーん、返す返すも惜しいのは、この日の効率の良さがカンプ・ノウでは見られなかったこと。まあ、だからこそバルサは首位で、アトレティコは2位なんでしょうけどね。とりあえずは、「Mi deseo es llegar con opciones a las ultimas cinco jornadas/ミ・デセオ・エス・ジェガール・コン・オプシオネス・ア・ラス・ウルティマス・シンコ・ホルナーダス(自分の望みはオプションを持って残り5節を迎えること)」とシメオネ監督も言っていたように、1試合1試合、勝っていけば、何かいいこともあるかもしれませんよ。 ▽そんなアトレティコはマドリッド勢で唯一、今週のミッドウィークに試合があるチームで、いやあ、木曜のロコモティブ戦は時差のあるロシアで開催のため、キックオフが午後5時(日本時間翌午前1時)とイレギュラー。妙に早い時間とあって、私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で流してくれるか、ちょっと心配なんですけどね。次の日曜はアウェイでビジャレアル戦と油断はできないため、セルタ戦の終盤はゴールキックをヒメネスに頼んでいたオブラクなどは気温零下のモスクワでまた風邪を引かないようにお休み、若いベルネルに任してみてもいいかと思いますが、カラスコ、ガイタン、モヤ、アウグストの退団で、今のアトレティコは総勢たったの19人。うちサビッチだけ、まだケガから復帰していないため、おそらく全員、飛行機には乗せられるんでしょうね。 ▽一方、日曜の遅い時間にはアトレティコとは真逆の状態、ELオリンピック・マルセイユ戦1stレグで3-1と負けて帰ってきたアスレティックにサン・マメスでレガネスが挑んだんですが、remontada(レモンターダ/逆転突破)で頭がいっぱいの相手の状況を利用することはできず。ええ、前半10分と16分にラウール・ガルシアにゴールを決められ、まったく反撃できずに2-0で負けるって、やっぱり未だにコパ準決勝敗退の影響が続いている? ▽うーん、こうなるとこの日曜の相手、セビージャが火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのCLマンチェスター・ユナイテッド戦2ndレグ(1stレグは0-0)に負け、念願の準々決勝初進出を逃してショックを受けたとしても、レガネスが優位に立つことは難しいそうですが、さて。ちなみにコパ準々決勝でセビージャに敗退したアトレティコは3節前のリーガで2-5勝利とリベンジに成功。きっとレガネスファンも兄貴分に倣って、初のコパ決勝の夢を砕いてくれた相手にブタルケで一泡ふかせてやりたいと思っているんじゃないでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.13 12:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】タイトルはもうヨーロッパにしかない…

▽「違うってば」そんな風に私がチェックを入れていたのは金曜日、メンディリバル監督の試合前日記者会見をネットで読んだ時のことでした。いやあ、エイバルが土曜に迎えるのはレアル・マドリーなんですが、首位バルサから勝ち点15離れている相手にとって、リーガは決して気合の入る大会じゃないんですけどね。それでも彼は、「あと2週間はCLをプレーしないのだから、マドリーは勝ちに来るだろう」と言っていたんですが、いえいえ。計8カードを4つずつ2週間に分け、更に火水で1日2試合開催にしたCL16強対決2ndレグが全て終わるのは来週の水曜。その2日後の抽選会で準々決勝の相手は判明するものの、3月下旬には国際代表戦週間が入るため、その1stレグは4月3、4日まで待たないといけないんですよ。 ▽そう、要はCLが戻って来るまでにエイバル戦、ジローナ戦、そしてparon(パロン/リーガの停止期間のこと)明けのラス・パルマス戦をこなさないといけないマドリーなんですが、それらのリーガ戦は3年連続CL制覇という偉業を果たすための調整試合扱い。おかげでこちらもテンションを上げるのが難しいんですが、一応、ジダン監督も「Mi mensaje a la plantilla es que no vamos a bajar los brazos/ミ・メンサヘ・ア・ラ・プランティージャ・エス・ケ・ノー・バモス・ア・バハール・ロス・ブラソス(選手たちへの私のメッセージは諦めないということ)」と言っていましたしね。エイバル(スペイン北部)にはBBC(ベンゼマ、ベイル、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)を始め、ベストメンバーを率いて乗り込んだため、現在、この6月で終わる契約の延長を交渉中。ここ数日、ベティス移籍の可能性も浮上してきた乾貴士選手のプレーも楽しみにしつつ、この土曜午後1時(日本時間午後9時)からの試合を待ちたいところですが…。 ▽え、それでも火曜のPSG戦2ndレグが無事、終わってくれたのはありがたかったじゃないかって? いや、そうなんですけど、元々この対戦は1stレグに3-1とマドリーが余裕を持って勝利。そこへネイマールも第5中足骨骨折で欠いた相手がいくら、クラブ公認でウルトラ(過激なファン)たちがパルク・デ・プランスを何度も真っ白に煙らせる程のbengala(ベンガラ/発煙筒)を炊いて応援したとて、逆転の目は始めから薄かったですからね。実際、試合の方もジダン監督がベイルをベンチスタートにして、ルーカス・バスケスとアセンシオを先発に抜擢。「Buscaba al final tener dos lineas de cuatro, defendiendo bien con sus jugadores de fuera/ブスカバ・アル・フィナル・テネール・ドス・リネアス・デ・クアトロ、デフェンディエンドー・ビエン・コン・スス・フガドーレス・デ・フエラ(最後は4人で2列を作るようにした。サイドの選手で上手く守りながらね)」という作戦が見事に当たります。 ▽そう、前半は0-0で折り返した彼らでしたが、スタンドが赤くなりすぎて試合が一時中断した後半、6分には「Zidane me pidio trabajo en defensa y soltura en ataque/ジダン・メ・ピディオ・トラバッホ・エン・デフェンサ・イ・ソルトゥーラ・エン・アタケ(ジダン監督から守備で働くことと、ノビノビ攻撃することを頼まれた)」アセンシオがダニエウ・アウベスの足の間を抜いて、エリア内に入り込むルーカス・バスケスへパス。そこからのクロースがロナウドの先制ヘッドを呼び込みましたしね。26分にはゴール前でカセミロが弾いたボールがカバーニのヒザに当たって同点にされてしまったものの、35分にはそのカセミロがアンラッキー返し。ええ、今度は彼のシュートがマルキーニョスに当たってゴールとなり、2ndレグも1-2で勝って、総合スコア5-2で準々決勝進出となれば、ケチのつけようもありませんって。 ▽うーん、この16強対決、2試合で計3得点挙げたロナウドはもちろんのことながら、マドリッドでも残り15分から出場、2アシストで3-1の逆転勝利を導き、パリでも先制点の起点となったアセンシオが影のヒーローだったかと思いますが、PSGのもろさは予想外。いえ、ウナイ・エメリ監督は「Caer eliminado con el Madrid no es una decepcion, caer en octavos, si/カエール・エリミナードー・コン・エル・マドリッド・ノー・エス・ウナ・デセプシオン、カエール・エン・オクタボス、シー(16強対決で敗退するのはそうだが、マドリー相手に敗退するのは幻滅ではない)」と、あくまで相手が悪かったという姿勢でしたけどね。試合後は、「去年の夏、ウチは4億ユーロ(約530億円)を費やしてチームを補強したけど、結局、CL決勝トーナメント最初のラウンドも突破できなかった」(ドラクスラー)という声が内外共に一般的だったかと。 ▽おかげでエメリ監督の今季限りの退陣が確定的になってしまったため、次期指揮官候補にはシメオネ監督も挙がっているとか、お隣さんにも飛び火してきたり、早くもネイマールの移籍金4億ユーロでの来季マドリー入りの噂が聞こえてきたりと、何かとかしましいんですが、何せ、マスコミも次のCLマッチデーが来るまで間をもたせないといけませんからね。ここしばらくはイロイロ、あることないこと出て来るんじゃないかと思いますが、とりあえず、エイバル戦ではPSG戦に交代出場したクロース、ベンチ待機だったモドリッチら、負傷明けのメンバーに実戦のリズムを取り戻してもらいたいところです。 ▽そして1stレグを0-0で終えたセビージャがマンチェスター・ユナイテッドのホーム、オールド・トラフォードに乗り込むのは来週火曜、スタンフォード・ブリッジで1-1と引き分けてきたバルサがチェルシーをカンプ・ノウに迎えるのはその翌日なため、この水曜にはスペイン勢のCLはなく、ええ、もちろん悪いのは恥ずかしいグループリーグ敗退をしたアトレティコなんですけどね。別にその罰ゲームじゃないんですが、グループ3位でヨーロッパリーグに回った彼らはコペンハーゲンとの32強対決をあっさり通過。いよいよ木曜には16強対決1stレグでロコモティブ・モスクワをワンダ・メトロポリターノに迎えたところ…やっぱりこの大会では勿体ないチームであることを立派に示してくれたから、嬉しかったの何のって。 ▽いえ、当日券も十分あったため、2月末からオープンしたチケットオフィス(地下鉄エスタディオ・メトロポリターノ駅を出て、オフィシャルショップのある遊歩道の並び、スタジアムの正面左手奥。試合日前に購入したい時はすぐ横のインフォメーション・オフィスへ/月~木:9時から19時、金:9時から15時、土:10時から14時オープン)も賑わっていたワンダながら、満員にはならなかったんですけどね。おまけに前日にはGKオブラクが臀部を負傷して出場できないことが発覚。モヤがレアル・ソシエダに緊急移籍してしまったため、22歳のアルゼンチン人GK、ここまで親善試合経験しかないベルネルが急遽、先発デビューすることになっただけでも不安だったのに加え、合宿先のホテルでゴディンが急性胃腸炎にかかり、こちらもベンチ入りできずと、実は逆境に襲われていたアトレティコだったんですが、もしや今回は相手に恵まれた? ▽ええ、ロシアのチームは冬休みが明けてまだ間がありませんからね。先週末のスパルタク・モスクワとのダービーも雪まみれでスコアレスドローと、いい足慣らしにはならなかったようですし、組み合わせ決定から2週間とあって、その試合で壮大に発煙筒を炊いていたウルトラたちが大挙して応援に駆けつけられなかったのは吉だったかと。実際、アトレティコだって、先週はメッシのFKゴールでバルサに1-0と負け、首位との勝ち点差5が8に拡大。リーガ逆転優勝の夢が雲散霧消してしまったため、もうこの大会しかないのは誰もが認めるところですからねえ。その思いを最初に具現化してくれたのはカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)のサウールで前半22分。いくらパスする相手が見つからなかったからって、いきなり30メートル離れたところからシュートを放ち、それがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)になってしまうんですから、こちらも呆気に取られたの何のって。 ▽それからハーフタイムまでは追加点が入らず、ヤキモキさせられたものですが、おそらくロッカールームでチームは「よくあることだから1-0でもいいけど、2-0ならもっと安心」という確認をしたんでしょうかね。後半開始直後にはサウールのクロスから、グリーズマンのシュートはGKギジェリュメに弾かれたものの、ジエゴ・コスタが押し込んで2点目をゲット。更にその2人が温存の意味もあったのか、ベンチに退いた後も「Una ventaja de dos goles tampoco es que sea corta, pero el equipo ha tenido ambicion/ウナ・ベンタハ・デ・ドス・ゴーレス・タンポコ・エス・ケ・セア・コルタ、ペロ・エル・エキポ・ア・テニードー・アンビシオン(2点リードが少なすぎるということもないけど、チームは野心的だった)」とサウールも言っていた通り、45分にはファンフランが右サイドでボールを奪うと、敵エリア脇まで持ち上がってラストパス。駆け込んで来たコケのシュートが決まり、ガビもベンチだったため、回ってきたキャプテン役に恥ずかしくない貢献ができたんですが、3-0なら来週木曜の2ndレグはもう大船に乗った気でいていい? ▽え、主力FWのファルファン、アリをケガで欠いたロコモティブがあまりに撃ってこなかったため、注目のベルネルの実力は未だに不明なんだろうって? いやあ、後でシメオネ監督など、「Ha crecido mucho desde que ha llegado/ア・クレシードー・ムーチョ・デスデ・ケ・ア・ジェガードー(ここへ来てから、彼はとても成長した)。だから、モヤに移籍のオファーがあった時、彼を信頼することにしたんだ」と言っていましたけどね。以前は第3GKだったベルネルは招集リスト落ちすることも度々。それでも「レバンテ、バレンシア、セビージャにも自分でAVE(スペインの新幹線)に乗って、試合を見に来た。誰に来いと言われた訳でもないのにね」(シメオネ監督)というのは当人の意欲の証明にはなっても、さすがに本職での才能まで保証するにはムリがあったかと。 ▽そこへモスクワでのネックとして、マイナス気温ともしかしたら降雪という悪天候が加わるんですが、何より今怖いのはオブラクの回復が絶対に間に合わないとされている、この日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのセルタ戦。相手はヴァスが椎間板ヘルニアでダウン、エースのイアゴ・アスパスもヒザの痛みで出場が微妙と、ちょっと攻撃力的には弱っている感がありますが、マキシ・ゴメスやシストら、油断のならないアタッカーがまだいますからね。優勝戦線から遠ざかっても、来季CL出場権を得られる4位以上を確定するまでは、アトレティコもリーガで勝っていかないと。 ▽そして今週はミッドウィークに試合なしと、平常運転に戻ったマドリッドの弟分チームたちにも触れておくと、前節、サンティアゴ・ベルナベウで3-1と兄貴分に一蹴されてしまったヘタフェは土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにレバンテを迎えることに。すでに勝ち点36を溜め、降格圏から16ポイントも離れている彼らだけに、あとはボツボツ勝っていくだけで1部残留の目標達成はできるんですが、ホームではここ2試合、セルタ、デポルティボに3-0で連勝と景気がいいですからね。アンヘルの体調に少々、不安があるため、今度は柴崎岳選手も加わって再び、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を披露してくれると嬉しいかと。17位と降格圏ギリギリのところにいるレバンテはムニョス監督を解任して、Bチームを率いていたパコ・ロペス監督が昇格したばかりというのもありますし、ホームのサポーターの前でいい試合ができるといいですね。 ▽一方、レガネスは日曜にサン・マメスでアスレティック戦に挑むんですが、ある意味、難所であるスタジアムを攻略するにはいい巡り合わせに。というのも相手はこの木曜、アトレティコと同じEL16強対決1stレグで3-1と敗戦。来週ホームでの2ndレグでオリンピック・マルセイユを2-0以上で倒し、逆転突破するのに頭がいっぱいですからね。前節、ようやくコパ・デル・レイ準決勝敗退ショックから脱出。マラガに勝利して、とうとう6試合連続白星なしにピリオドを打ったレガネスにとっては残留達成へ、もう一歩前進するいいチャンスになりそうな。ちなみに現在、彼らは勝ち点33の13位。ここも7位のジローナまで、7ポイント差だけですから、このシーズン終盤、もしからしたら弟分同士のEL出場権争いが見られるかもしれませんよ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.10 08:40 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】もうヨーロッパしかない…

▽「ようやく本番が来たわ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、ジダン監督がチーム全員を引き連れてパリ入りした映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、3週間前のCL16強対決1stレグでは3-1とPSGに快勝したレアル・マドリーだったんですけどね。何せ、リーガでは首位バルサに逆転優勝を夢見るのもおこがましい二桁の勝ち点差をつけられていたため、その間の5試合は全て調整扱い。先週末の弟分、ヘタフェとのミニダービーでEnsayo general/エンサジョ・ヘネラル(総合リハーサル)を終え、今季唯一、獲得の可能性が残っているCL戦、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時25分)からのスタッド・ド・プランスでの2ndレグに挑むんですが、いや、スコアからして勝ち抜けは楽勝に見える対戦に普通、ここまで大騒ぎする? ▽それこそマドリーの方がremontada(レモンターダ/逆転突破)が必要なのかと思える程、スポーツ紙やTVの報道が盛り上がっているのはちょっと、私も不思議なんですが、おまけにこの試合では昨季、バルサがPSGに1stレグで4-0と負け、カンプ・ノウで6-1と勝って準々決勝進出という奇跡を成し遂げた際の主役の1人、ネマールが中足骨骨折で出場できず。今季はPSGの側でその偉業をリピートしてほしいというエメリ監督の願いを早々に打ち砕いただけでなく、ムバッペも足首のケガでヒヤリとさせてくれましたからね。カバーニとディ・マリアだけでは心もとないのか、クラブも昨今は眉をひそめられる存在であるウルトラ(過激なファン)たちに応援を頼んだなんて話もありますし、確かにそれだとピッチ外は別の意味でかなり賑やかになりそうですが…。 ▽え、今となってはアトレティコもお隣さんと同じ立場だろうって?まあ、そうですけど、彼らのヨーロッパの大会がELだからでしょうか。こちらもワンダ・メトロポリターノ開催の16強対決、ロコモティブ・モスクワ戦1stレグが木曜午後7時(日本時間翌午前3時)に迫りながら、いえ、まだ昨日の今日でバルサ戦のショックが抜けないせいもありますけどね。せいぜい週末のロシアリーグでスコアレスドローに終わったスパルタク・モスクワとのダービーでは、ウルトラたちの炊くbengala(ベンガラ/発煙筒)でスタンドが真っ赤に染まっていたとかぐらいで、相変わらず、対戦チームの情報はほとんど伝わってこず。それでもうっかり油断して、同じロシア勢のルビン・カザンを前にEL32強で敗退した5年前の悪夢の再現になったら困るため、なるたけファンには応援に来てもらいたいとはいえ…まだチケットはかなり残っているようですよ。 ▽まあ、それはともかく、先週末のリーガの様子も話しておかないといけません。マドリッド勢では土曜、先にレガネスがマラガをブタルケに迎えていたんですが、次の時間帯がマドリー戦だったため、私もそちらへは行けず、サンティアゴ・ベルナベウに着いてから、後半のエラソとアムラバットのゴールで2-0と快勝。コパ・デル・レイ準決勝敗退後の5試合連続白星なしというスランプにようやく終止符を打ったと知って、胸をなでおろしたんですが、ガリターノ監督によると、「Creo que los 33 puntos no nos garantizan la permanencia/クレオケ・ロス・トレインタイトレス・プントス・ノー・ノス・ガランティサン・ラ・ペルマネンシア(勝ち点33では1部残留は保証されないと思う)」とのこと。幸いこの日曜に当たるアスレティックもあまり調子のいいチームじゃないため、セビージャ、バレンシア、バルサと続く強豪対決が始まる前にできるだけ、勝ち点を上積みしておいてもらいたいところです。 ▽そしてミニダービーが始まったんですが、この日の私はベルナベウでピッチかぶりつきの席での観戦を初体験。冗談でなく、選手たちが立っているのと同じ高さだったため、まるで自分まで一緒にプレーしているような気分になってしまったんですが、遠い方のゴールで得点が決まってもまったく詳細がわからないのも本当だったかと。ええ、よくペナルティのシーンなどを尋ねられ、監督や当該エリアと反対にいたGKが「見えなかった」と答えているのは決してウソじゃなかったとわかったんですが、大丈夫。前半24分、カルバハルのクロスがイスコに当たり、そのこぼれ球をベイルが決めて1点目、45分にはベンセマのスルーパスからクリスチアーノ・ロナウドがGKエミを破って2点目が入ったということは後々、映像で確認しなければならなかったものの、ファンに混ざってゴールを祝うのも時には、テンションが上がっていいですよね。 ▽そう、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)が先発したマドリーに対し、「今日のウチは自分たちじゃなかった。No hemos defendido como el equipo pequeno que somos/ノー・エモス・デフェンディードー・コモ・エル・エキポ・ペケーニョ・ケ・ソモス(ウチは本来、そうである小さなチームのように守らなかった)」と後でボルダラス監督も嘆いていたヘタフェはその日、前半はほとんどバックスタンドにいた私から遠いところでプレー。つまり攻められっぱなしだったんですが、後半2分にはレミが2枚目のイエローカードをもらって退場と、更に情勢が悪化してしまったから、さあ大変!それでもホルヘ・モリーナや柴崎岳選手が交代で入ると、20分にはナチョにエリア内で後ろから倒されたエースがPKをゲット。2節前のビジャレアル戦でアンヘルに続き、モリーナもGKアセンホの前にPKを止められていたため、この日はキッカーとして抜擢されたポルティージョが決め、何とか1点差に持ち込んだんですが…。 ▽アタッカーである柴崎選手が私の目の前の自陣でボールを奪おうと、イスコを突き飛ばしているようじゃ、ダメですよね。実際、23分にはジェネへのファールでゴールを認められず、続いてエミのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に遭っていたロナウドが33分にはとうとう、PSG戦への足慣らしとして途中出場したマルセロのクロスをヘッドで叩き込み、マドリーの3点目を取ってしまったとなれば、もう勝負はあったかと。その直後、ジダン監督はロナウドを下げて、火曜の大一番に備えて温存したんですが、残り10分程をプレーしたアセンシオ、そしてその日はベンチで過ごしたルーカス・バスケスがパリでスタメン入りするのか、負傷が治り、日月と普通に練習に参加したモドリッチとクロースはプレーできるのか、その辺がPSG戦を前にしての疑問になりますでしょうか。 ▽まあ、3-1で負けたヘタフェにはちょっと気の毒でしたが、彼らには次節のレバンテ戦で1部残留確定ライン目安である勝ち点40にあと1つと迫ってくれるのを願うばかり。勝ち点4差の、おそらく来季のEL出場権をもらえる7位を狙う時間も十分、あるかと思いますが、翌日曜には私もガッカリな午後を過ごすことに。うーん、首位決戦と浮かれていたのが仇になったんですかね。カンプ・ノウでバルサに挑んだアトレティコでしたが、結局、前半27分に決まったメッシの、ここ3試合連続となる直接FKゴールによる1点を返せず、1-0で負けてしまうことに。 ▽いえ、後でヒメネスが「El equipo dudó un poco en ver cómo iba a salir el Barça, qué hacía/エル・エキポ・ドゥド・ウン・ポコ・エン・ベル・コモ・イバ・ア・サリール・エル・バルサ、ケ・アシア(チームはバルサがどんな風に出て来るか、何をするのか見るのに躊躇してしまった)」と言っていたように前半、何もしなかった彼らも悪かったんですけどね。でもそれって実はここ2試合、大勝しているセビージャ戦、レガネス戦も同じで、その時も30分頃に先制点を奪うまで守っていることが多かったんですが、何せ相手はotro mundo/オトロ・ムンド(別世界)から来たメッシ。エリア近くの絶好の位置でトマスがつい足を出して相手を倒してしまったのも、GKオブラクの手がボールに触れながら、FKがネットに入ってしまったのも、シメオネ監督も前日から、「No hay estrategias que puedan controlar a Messi/ノー・アイ・エストラテヒアス・ケ・プエダン・コントロラール・ア・メッシ(メッシをコントロールする作戦はない)」と達観していたように、仕方ない面はあるんですが、そんな中、とりわけ残念だったのはグリーズマンだったかと。 ▽だってえ、この2試合で7得点と大当たりだったにも関わらず、この日は大外れのシュートを1本撃ったぐらいだったんですよ。だから余分なゴールは入れずにバルサ戦にとっておけば良かったんだと、今更ながら私も思ってしまうんですが、こればっかりはねえ。実は2月末になってカラスコ、ガイタン、モヤが移籍、シーズン残りをたった19人の小所帯で乗り切りことにしたのもグリーズマンのお給料を少しでも上げるための企業努力だそうですが、こういう大事な試合で結果を出せないと、ファンの彼を見る目もちょっとシビアになってしまいそうです。 ▽そして後半はコレア、ガメイロも投入され、4人FW体制で攻めたアトレティコでしたが、イニエスタが前半途中で太ももを痛め、アンドレ・ゴメスに代わっていたせいもあったんでしょうかね。極めて珍しくポゼッション52%でバルサを上回りながら、40分にガメイロが決めたゴールもそのアシストをしたジエゴ・コスタがオフサイドだったとして認められず、そのまま負けてしまいましたっけ。うーん、こうなると「メッシがバルサのユニでなく、アトレティコのユニを着ていたら、ウチが0-1で勝っていた」というシメオネ監督のコメントもあながち、笑えないんですが、ここで突きつけられたのはバルサとの勝ち点差が8に開いてしまったという厳しい現実。 ▽何せ、「el Barcelona lo normal es que no pierda cuatro o cinco partidos/エル・バルセロナ・ロ・ノルマル・エス・ケ・ノー・ピエルダ・クアトロ・オ・シンコ・パルティードス(普通なら、バルサが4、5試合も負けることはない)」 (シメオネ監督)というのはまったくの正論ですからね。ここはもう、潔くリーガ逆転優勝は諦めて、お隣さんの上の2位で終わることを目標にしないといけないのかもしれませんが、はあ。ELの決勝は5月16日、リヨンまでの道のりが何だか、とっても遠くに感じられるのはきっと私だけではないはずです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.06 12:15 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】首位決戦になるらしい…

▽「あと4日って言ってもまだリーガ戦があるのに」そんな風に私が白けていたのは金曜日、というのもこのところ、レアル・マドリー関連のニュースはネイマール情報に特化。AS(スポーツ紙)など、早くもパリ入りしている特派員から、先週末のリーグ1のオリンピック・マルセイユ戦で負ったケガは足首のネンザだけでなく、第5中足骨の骨折も判明、結局、当人はW杯を優先して母国ブラジルのベロオリゾンテで手術を受けることに。要はCL16強対決PSG戦2ndレグには出られないということを仔細に渡って伝えてきたかと思いきや、土曜にヘタフェとのマドリーミニダービーを控え、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場であった監督記者会見内容もほとんど、来週火曜の対戦についてだったから。 ▽いえ、一応、ジダン監督は「Yo sigo pensando que hay Liga para nosotros/ジョー・シゴ・ペンサンドー・ケ・アイ・リーガ・パラ・ノソトロス(自分はウチにもまだリーガ優勝の目があると考えている)。難しいが、不可能ではない」と言っていましたけどね。確かに彼らと首位バルサの勝ち点差15がずっとこのままなら、33節まで夢を見ていることはできますが、選手たちも人間ですからねえ。残り12試合でライバルが5敗、もしくは8分けもするなんて、天地がひっくり返りでもしない限り、ありえないと思っていても仕方ないですし、この先、降格やヨーロッパの大会出場権を懸けて真剣に挑んでくるチームと当たり、CLしか目に入っていない自身が足元をすくわれることだってあるかもしれませんし…そう、まさにそれが今週のミッドウィーク開催リーガのエスパニョール戦だったんですよ。 ▽いえ、キケ・サンチェス・フローレス監督の率いるチームにはアトレティコも昨年12月、1年余り続いていたリーガのアウェイ無敗記録を破られましたし、バルサも1月のコパ準々決勝1stレグで敗戦。全てRCDEスタジアムで終盤にゴールを奪われ、1-0の負けと、決して火曜の対戦で同じ轍を踏んだマドリーを責められはしないんですけどね。ただ、この日もジダン監督は先週のブタルケでのレガネス戦に続いてクリスチアーノ・ロナウドにお休みを与え、週1試合ペースをキープ。その時は1-3と快勝したのに安心したか、ベンゼマもベンチスタート、ベイルをCFに置くという奇策に出たのが裏目に出たんでしょうかね。クロース、モドリッチ、マルセロが負傷欠場、カセミロも急性胃腸炎で遠征に参加できずというのもあったんですが、イスコ、ルーカス・バスケス、アセンシオ、ジョレンテ、アクラフらで構成されたチームは、コパ準々決勝2ndでレガネスに逆転勝ち抜けを許した汚名を返上することはできませんでしたっけ。 ▽うーん、前半はエスパニョールの堅い守りに阻まれ、後半には何度もカウンターのチャンスを許していた彼らだっただけに、私もロスタイムにとうとうセルヒオ・ガルシアのパスから、ジェラール・モレモがゴールを挙げた時にはいつぞやのデジャブを見ているような気がしたものですけどね。イスコなど、後半まだ0-0の時にベンゼマと交代させられ、まるで引き分け狙いかのようにピッチをノロノロ歩いて戻ってきたり、終盤にセルヒオ・ラモスがCFとして攻撃に参加して、守りが手薄になっていたのが仇になったり、試合後は試合後でバランが「A veces somos capaces de lo mejor y de lo peor/ア・ベセス・ソモス・カパセス・デ・ロ・メホール・イ・デ・ロ・ペオール(ボクらは時に最上なことと最低なことが可能)」とかつてのお隣さんみたいなことを言っていたりと、どうにもリーガのマドリーには突っ込みどころが多すぎ。 ▽こうなると、翌水曜、ドシャ降りの雨の中、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでデポルティボと対戦。降格圏にドップリ浸り、セードルフ新監督の下でもまったく改善の兆しを見せない相手のミスに乗じ、前半終了間際にはアンヘルがゴールライン上から押し込んで先制すると、続いてそのアンヘルのラストパスをボベダがオウンドールして2-0とリードして折り返すことに。後半にも敵DFのバックパスを追ったホルヘ・モリーナがvaselina(バセリーナ/ループシュート)で3点目を挙げ、3-0と完勝した弟分のヘタフェが勢いづいてサンティアゴ・ベルナベウに乗り込んで来る、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのミニダービーもどうなることやら。 ▽実際、今度はロナウドがスタメン復帰予定、マルセロも負傷が治ってベンチに入るとはいえ、マドリーにとってはあくまでCL戦に備えての足慣らしという位置付けの試合ですからね。何だか、誰もが1stレグでは3-1と快勝しているのを忘れているみたいですが、たとえネイマールがいなくても、カバーニやムバッペ、そして水曜のクープ・ド・フランス準々決勝でも2得点と、マルセイユを下す原動力となったディ・マリアのいるPSGの攻撃力には用心しないといけない?一方、シーズン前半は1-2で惜敗したヘタフェは丁度、アマトが5枚目のイエローカードをもらったため、このマドリー戦で出場停止。おかげでデポルティボ戦では後半19分からピッチに入った柴崎岳選手の先発見込みが高まっていますし、まだチケットも3000枚程残っているそうなので、折よくマドリッド訪問中の日本人ファンにも観戦のチャンスがありそうですよ。 ▽え、そんなお隣さんと対照的にアトレティコの調子が劇的に良くなってきたのはCLの重荷がないせいもあるんじゃないかって?そうですね、来週木曜にはヨーロッパリーグ16強対決、ロコモティブ・モスクワとの1stレグが迫っている彼らですが、コペンハーゲンとの32強対戦の時同様、ロシアからのウルトラ(過激なファン)集団がワンダ・メトロポリターノに襲来するかもしれない懸念を除いたら、相手の話は一向に聞こえてこず。その脇で中国スーパーリーグに行ったカラスコ、ガイタンに続き、前日には控えGKのモヤまでレアル・ソシエダ(1月末にイニゴ・マルティネスがアスレティックに契約破棄金額で移ったため、1カ月の補強猶予期間があった)に電撃移籍、とうとうチームに19人しか選手がいなくなってしまったというショッキングなニュースがあったにも関わらず、ようやく雨が止んだ水曜夜のレガネス戦では滅多にお目にかかれない光景を目撃することに。 ▽それはグリーズマンのpoker(ポケル/1試合4得点のこと)で、だってえ、彼は前節のセビージャ戦でもハットトリックを挙げていたんですよ。もちろんその流れで調子はいいのだろうとは思っていたものの、まさかあそこまでだったとは!ええ、序盤はエラソや、グンバウとガブリエル・ピレスのダブルチャンスなどでレガネスが気を吐いたんですが、「No vale solo con tener ocasiones/ノー・バレ・ソロ・コン・テネール・オカシオネス(チャンスを作るだけでは価値がない)」とガリターノ監督も後で反省していた通り、前半26分にワンマンショーが開幕。まずはコケが自陣から出したスルーパスを追ってエリア内まで走ると、GKクエジェルの下を抜いて1点目を決めます。 ▽続いては35分、その日は最初のFKでもバーを直撃していた彼が2度目の正直で直接ネットに収めてくれたため、とりわけ今季は1点死守のケチ臭い試合に慣れていた私など、もう前半だけでグリーズマンとジエゴ・コスタを引っ込めて、バルサ戦に備えて温存すればいいのにと思ったぐらいでしたけどね。当人はまだ飽きたらなかったのか、後半も11分にはフィリペ・ルイスのクロスをヘッドで、22分にはコスタのクロスを利き足でない右で半ば打ち損じながらもゴールに。計4点を1人で挙げてしまったとなれば、2人同時に交代となった27分の直前、1対1をクエジェルに弾かれてしまったコスタがプリプリしながらベンチに戻って行ったのも、気持ちはわからなくはない? ▽結局、そのまま4-0で快勝したアトレティコでしたが、ここ2試合で7得点と尋常でないゴール数を記録したグリーズマンは丁度いい機会だと思ったか、ピッチでのフラッシュインタビューで「コメントやファンに黙るような仕草をしたりして間違うことはあるけど、en el campo no me equivoco/エン・エル・カンポノー・メ・エキボコ(ピッチで自分は間違えない)」と、2月のバレンシア戦でカウンターのチャンスにパスを後ろに出してファンからpito(ピト/ブーイング)を受けた際のリアクションについて言及。まあ、今更ながらですが、先日はシメオネ監督も「自分がファンなら、グリーズマンが来季も残ってくれるよう、何でもする」と全面的にバックアップ、それに応えてスタンドも応援してくれたのは本人も嬉しかったんでしょうね。 ▽その後、「Primero que no se acostumbren a que meta tres y cuatro goles/プリメーロ・ケ・ノー・セ・アコストゥンブレン・ア・ケ・メタ・トレス・イ・クアトロ・ゴーレス(最初に言うけど、3つも4つもゴールを入れるのに慣れちゃダメだよ)」と始めた記者会見では、コスタと一緒にプレーできるようになったのを「Me da mucha libertad/メ・ダ・ムーチャ・リベルタッド(自分が大いに自由を与えてくれる)」と高く評価。曰く、「サイドに流れたり、中に入ったり、好きなことができるし、前線での対象もできた。彼が敵DFとぶつかって、ボクはリバウンドにスタンバイ」だそうですが、何より頼もしいのはグリーズマンのシュート精度が上がってきたことだったかと。 ▽そんな好調極まりないアトレティコを見てしまっただけに、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時45分)からのカンプ・ノウでもいい試合をしてくれることを期待してしまった私でしたが、いやあ、天は自ら助くる者を助くってこと、本当にあるんですねえ。翌木曜には再び、首位バルサとの勝ち点差が7に戻るのを覚悟していたところ、パコ・ヘメス監督のラス・パルマスがジャッジにイロイロ議論はありながら、カレリのPKゴールで1-1の引き分けに持ち込んでしまったから、ビックリしたの何のって。これで1位と2位の差は勝ち点5。もしももしも、この直接対決にアトレティコが勝ったら、たったの2差って、つまりあとは5月のクラシコ(伝統の一戦)でお隣さんが協力してくれさえしれば、逆転優勝できるかもしれない? ▽いや、彼らにだってベルナベウでのダービーがありますし、木曜のベティス戦を零封して、GKモヤが立派にソシエダデビューをしてしまったため、オブラクはもう風邪すら引けないなど、もちろんまだ取らぬ狸の皮勘定にしかすぎませんけどね。1カ月前は11ポイント差と全然、つまらなかったリーガ優勝戦線が俄然、興味深いものになってきたのはきっと私だけではないはず。ちなみにその試合、バルサではあとイエローカード1枚で累積警告だったルイス・スアレスが難を逃れ、出場できるんですが、そこは「En la cancha no hay amigos/エン・ラ・カンチャ・ノー・アイ・アミーゴス(ピッチでは友達はいない)」(ヒメネス)という、ゴディンとのウルグアイ代表CBコンビを信頼するしかないかと。うーん、本当に怖いのはラス・パルマス戦でも見事なFKゴールを決めたメッシなんですけどね。こればっかりはどうしようもないため、当日、ツキが味方してくれることを祈るしかありません。 ▽そしてアトレティコにも負けてしまったため、とうとう6試合白星なしとなってしまったレガネスは土曜に最下位のマラガをブタルケに迎えるんですが、何せその後はアスレティック、セビージャ、バレンシア、バルサと手ごわい相手との対戦が続きますからね。順位が16位になってしまったのは、勝ち点30で降格圏にまだ勝ち点差10あるため、あまり気にしなくてもいいかと思いますが、ガリターノ監督も「Las diferencias en Primera entre unos equipos y otros es abismal/ラス・ディフェレンシアスエン・プリメーラ・エントレ・ウノス・エキポス・イ・オトロス・エス・アビスマル(1部でのチーム間の差は深淵のように大きい)」と言っていたように、とにかくこの試合が踏ん張り時。とりあえず、弟分ライバルのヘタフェのように勝ち点36ぐらい貯めれば落ち着くはずですが、残留確定にはあと3勝ぐらいは必要でしょうかね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.03.03 10:00 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】今の強さを信じていいの?

▽「最後はこの2人になったんだ」そんな風に私が頷いていたのは月曜の夕方、大連一方にカラスコとガイタンの移籍が正式に決まったという報をスポーツ紙のネット版で見つけた時のことでした。いやあ、前者については先週木曜のヨーロッパリーグ32強対決コペンハーゲン戦2ndレグ前から話が始まり、先発予定だった当人もベンチ入りもせず。代わって1月の市場で移籍が叶わなかったガイタンが途中出場したため、残留するんだと思っていたんですけどね。時期を同じくして、シメオネ監督の発言から、今期末で契約が終わるフェルナンド・トーレスの来季残留に疑問が持ち上がったため、こちらがカラスコと中国スーパーリーグにご一緒するんじゃないかと言われていたんですが、結局は落ち着くところに落ち着いたということ? ▽いえ、当日の午前中にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場を訪ね、チームメートに別れを告げたというカラスコとガイタンが抜けると、先月にはアウグストも北京人和に行っているため、アトレティコは残りのリーガとELをフィールドプレーヤー、たったの17人で戦わないといけないというのはちょっと、心配なんですけどね。シメオネ監督としては、専門のサイドアタッカーはビトロだけで十分。FWのコレアやグリーズマンも融通が利きますし、あとはコケ、サウール、トマスらの一応、本職はボランチながら、左右でもプレーできるカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)を使い回していけばいいというスタンスなんでしょうけど、やっぱり怖いのはケガや出場停止といったハプニングが重なった折かと。 ▽まあ、それも今は問題になっていないため、思い悩んでも仕方ないんですが、とりあえず、マドリッド勢が先週末のリーガでどうだったか、順番にお伝えしていくことにすると。まずは土曜、午後4時15分からのレアル・マドリーvsアラベス戦のため、サンティアゴ・ベルナベウに向かった私でしたが、用心してツバ付きUVカット帽を持って行って大正解。まただんだん、日が伸びてきたため、この時間の正面スタンドは西日が直撃、5時半頃まで眩しくてピッチがよく見えないのはともかく、冬でもスペインならではの強い紫外線をずっと顔に浴びていたら、いくらベースに日焼け止めを塗るのが1年中デフォとはいえ、日本人女子にはたまったもんじゃありませんって。 ▽そんなことはともかく、久々にBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)が揃い踏み先発したその試合は前半15分頃までアクシデント続き。ええ、ふっと気づくとアラベスの選手が10人しかおらず、ペドラサがライン外で手首の治療中だったり、エルナン・ペレスがテオにぶつかられ、担架退場寸前になったり、マドリー側でもカルバハルやGKケイロル・ナバスが接触プレーで倒れていたりと、先行きが思いやられたんですが…ハーフタイムに入る直前、ようやく最初のゴールが生まれることに。17分にはエリア内からのシュートを撃つ際、足が滑って失敗、早速スタンドのpito(ピト/ブーイング)を浴びていたベンゼマがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で繋いだボールをロナウドが体を回しながら決めて、今年に入っての好調が持続しているところを証明してくれたから、頼もしいじゃないですか。 ▽これで1-0とリードして後半を迎えたマドリーは再開直後、またしてもベンゼマのスルーパスからこの日は左サイドに入ったベイルが得点。更に16分にはロナウドが自身2点目を決めて、後でアラベスのアベラルド監督も「Hemos pillado al Madrid en su mejor momento/エモス・ピジャードー・アル・マドリッド・エン・ス・メホール・モメントー(マドリー最良の時期に当たってしまった)。ウチもベティスやレガネスにいい勝ち方をしていたんだが」と嘆いていたように、ほとんど勝負はついたんですが、何より意表を突いたのは残り2分、ベイルがラグアルディアにエリア内で倒されたゲットしたPKをロナウドが躊躇せず、ベンゼマに託したこと。 ▽うーん、これについてはジダン監督など、「Cristiano ha tenido un detalle precioso con Benzema/クリスティアーノ・ア・テニードー・ウン・デタジェ・プレシオーソ・コン・ベンゼマ(ロナウドはベンゼマにいいプレゼントをした)。それがチームのムードの良さを示している」と言っていましたけどね。アラベスがまだ戦闘意欲を失っていなかった前半、ペドラサやアレクシスのシュートを弾き、後半のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)に繋げたGKケイロル・ナバスも「ボクらは驚らかなかったよ。クリスがどんな類いの人か知っているからね」と話していたものの、何せ、数年前には同僚のシャビ・アロンソやセルヒオ・ラモスから頼み込まれ、渋々譲っている姿も目撃されたロナウドですからね。 ▽おまけにここで決めればハットトリック達成という場面でしたから、ここまでリーガで3得点と、天下のマドリーのCFとしてはあまりにゴール数が少ないため、批判の的になることが多いチームメートに華を持たせたのは当人の好感度アップに役立ったかも。その信頼に応え、ベンゼマがPKをしっかり決めてくれたため、最後は4-0という大勝で終わったマドリーでしたが、聞くとBBC3人が揃ってゴールを決めたのは2016年4月のヘタフェ戦以来のことだったとか。いえまあ、今のところ、リーガ首位との勝ち点差は14と大きいですし、この火曜午後8時(日本時間4時)からのエスパニョール戦、弟分をベルナベウに迎える土曜のヘタフェ戦にしてもこのところ、20ゴール挙げて5連勝と自慢の得点力が爆発している彼らですから、それ程、心配することはないと思うんですけどね。 ▽そろそろ気にしないといけないのは来週に迫った、3月6日のCL32強対決PSG戦2ndレグので、1stレグでは3-1勝利という余裕のスコアながら、何せ、今季はタイトルゲットの最後の希望となっている大会ですからね。先発はBBCでいくのか、アラベス戦でもいいプレーを披露したルーカス・バスケスや親知らずを抜いたばかりでお休みしたアセンシオを入れるのか、ジダン監督も大いに迷うところかと。その間、マルセロ、クロース、モドリッチのケガ治るのを待ちながら、今週のリーガ2試合では適度にローテーションして、選手たちの様子を見ていくはずですが、さて。一方のPSGは週末のオリンピック・マルセイユ戦でネイマールが足首をネンザしたとはいうものの、決して油断はできませんよね。 ▽そして続いてブタルケにラス・パルマスを迎えたレガネスはまだ、コパ・デル・レイ準決勝敗退から始まった不調から抜け出せないようで、得点のチャンスは何度か作ったものの、全てGKチチソラに阻まれてスコアレスドロー。いえ、まだ13位のままですし、この1ポイントで勝ち点30の節目に達したとあって、そこまで悲観したもんじゃないですけどね。ここ5試合白星のない彼らにとって気の毒なのは次節、水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)にはワンダ・メトロポリターノに兄貴分を訪ねないといけないことで、いや何というか、先週末のアトティコは妙に強かったんですよ。 ▽そう、翌日曜はまず、正午からビジャレアルvsヘタフェ戦がキックオフしたんですが、ネットで先発をチェックしたところ、ボルダラス監督もこの3試合あるミッドウィークリーガ開催週を乗り切るため、ローテーションしてみたんでしょうかね。ホルヘ・モリーナとアマトがベンチでレミと柴崎岳選手がスタメン入りしていたため、大急ぎで近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に駆けつける破目に。おかげで開始3分にウナルが決めたビジャレアルの先制点は見ることができなかったものの、35分にヘタフェに到来したチャンスには間に合いました。ええ、ジェネがハビ・フエゴにエリア内で倒され、PKが与えられたんですが、まさかアンヘルがGKアセンホに弾かれてしまうとは! ▽そのボールを柴崎選手が上げ、ジャウメ・コスタのクリアがハンドっぽかったのも見逃されたヘタフェは後半、頭からエースのホルヘ・モリーナを投入。その効果はすぐ現れて、3分にはそのモリーナがPKをゲットしたんですが、キッカーを務めたその当人もアセンホに弾かれてしまうって、もしやデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、クルトワ(チェルシー)に続いて、恐るべしは元アトレティコのGK?結局、そのまま1-0で負けてしまい、前節快勝したセルタ戦での勢いを持続できなかったヘタフェですが、大丈夫。今週は水曜午後7時30分(日本時間3時30分)から、セードルフ新監督になってから、まだ1勝もしていない18位のデポルティボをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えますからね。この日はハーフで交代となった柴崎選手も今度こそ、チームに貢献する働きを披露して、土曜のマドリー戦出場に繋げてくれるといいんですが。 ▽え、それでアトレティコが強いって一体、何が起きたのかって?いやあ、夜になって再び馴染みのバルに足を向けた私でしたが、キックオフから、セビージャにガンガン攻められているのを見て、最初はコパ準々決勝2ndレグのように開始28秒でゴールを入れられたらどうしようとビクビクするばかり。それでもこの日はピッチ入場時に真っ暗になり、照明塔が点滅する中、himno del centenario(イムノー・デル・センテナリオ/クラブ創設100周年の歌)がファンのアカペラで響き渡る独特なサンチェス・ピスファンの雰囲気に選手たちも免疫ができていたようで、モヤでなく、GKをオブラクが務めていたのも助けになったんでしょうかね。2分にはムリエルに至近距離から撃たれながら、しっかり弾いているって、やっぱり彼も近い将来、お隣さんかプレミアのビッグクラブに行ってしまうかも。 ▽そんなアトレティコが守勢一辺倒だった試合の流れが変わったのは17分、右SBのヘスス・ナバスがふくらはぎを痛めてラユンに代わったことで、ええ、1月半ばのコパ準々決勝1stレグから、モンテッラ監督はほとんどローテーションをしていませんからね。力尽きるメンバーが出てきても仕方ないんですが、27分頃から始まった一連の出来事には困惑するばかり。だってえ、ラユンの入った敵エリア左側でラングレとボールを争っていたジエゴ・コスタにイエローカードが出たため、TVはそのシーンをリプレー、ああコスタが顔に肘打ちを喰らった恥ずかしいteatro(テアトロ/芝居)をしてひっくり返ったのがバレたのかとわかった直後、その当人がゴールを入れて喜んでいるんですよ。アトレティコは何か、マジックの類いでも使ったのかと、キョトンとしてしまったのはきっと私だけではないはず。 ▽いえ、もちろんそんなことはなく、コスタがカードを受けた場所から、セビージャはFKでGKセルヒオ・リコに戻し、そこからエリア前にいたバネガにパスが出ただけなんですが、あらやだ。反省にも落ち込みにも無縁なのか、いきなりガッと詰めたコスタがボールを後ろから奪い、そのままエリア内に入ってシュート。見事に決まって先制って、ああ、だから、コパ2ndレグの時のようにこの人にはケガをしていてほしくないんですよ。これで気勢を上げたアトレティコは43分にもラングレがヘッドでクリアしたボールをグリーズマンが拾い、敵3人をすり抜けて右足を一閃。ゴール左上に決まった2点目を携えてロッカールームに戻ります。 ▽そして奇跡は後半も続いて何と、5分にはセルヒオ・リコがコスタを倒したとして、リーガ20チーム中、唯一彼らだけが今季ここまで24試合、1度ももらえなかったペナルティをゲット。マルカ(スポーツ紙)の取材によると、どうやら金曜日の練習では他の選手たちが引き揚げた後、コスタとグリーズマンが第1キッカーを賭けて第3GKヴェルネルとPK対決したそうで、後者が勝って、その座を手にした時にはまさか、こんなに早くチャンスが巡ってくるとは思いもしなかったでしょうけどね。備えあれば憂いなしとはまさにこのこと。グリーズマンがネットを揺らし、とうとう3点差になったとなれば、大抵1-0とかで勝っているアトレティコ。私が大船に乗った気になったのも当然だったんですが…。 ▽よっぽどコパ敗退が悔しかったんでしょうかね。止まらなかったんですよ、この日は。そう、後でシメオネ監督も「No es casualidad robar pelotas donde se robaron/ノー・エス・カスアリダッド・ロバール・ペロータス・ドンデ・セ・ロバロン(あの場所でボールを奪ったのは偶然じゃない)。相手がミスするようにプレスをかけてないと」と言っていた通り、攻撃体勢を解かなかったアトレティコは20分にもグリーズマンがメルカードのバックパスをカット。リコの前でコケに踵で送り、最近不調で叩かれ気味だったチームメートに4点目のゴールを贈ったかと思えば、いえ、次の自身のシュートはゴールポストに嫌われてしまったんですけどね。38分にはエリア内左奥からサウールの折り返しを受け、とうとうアトレティコで2度目のハットトリックを達成しているんですから、もうビックリ。 ▽何せ相手は先日、CL32強対決1stレグでマンチェスター・ユナイテッドとも互角に戦ったセビージャですからね。さすがにその後、気が緩んでサラビアとノリートに2点を返されたのも2-5のスコアでは苦笑いで済む話ですが、3期連続のサモラ(リーガで失点が一番少ないGKに与えられる賞)を狙っているオブラクはイヤだったかも。ただ、ここまで頑張っても前日、バルサもジローナに6-1と大勝していたため、首位との2位アトレティコの勝ち点差7は縮まらず。確かに「Es dificil que el Barca pierda 3 o 4 partidos/エス・デフィシウ・ケ・エル・バルサ・ピエルダ・トレス・オ・クアトロ・パルティードス(バルサが3、4試合負けるのは難しい)」とコスタも言っていたんですが、いやいや。もしももしも、次のラス・パルマス戦に相手が負けて、アトレティコがレガネス戦に勝てば、日曜のカンプ・ノウでの勝ち点差は4。そこで打ち負かすことができれば、たったの1差ですから、あとはお隣さんに5月のクラシコ(伝統の一戦)で引き分けてもらえばいい? ▽まあそんなの所詮、調子のいい私の白日夢ですし、グリーズマンも「Sonamos con ganar todos los partidos y luego a ver que pasa/ソニャノス・コン・ガナール・トードス・ロス・パルティードス・イ・ルエゴ・ア・ベル・ケ・パサ(ボクらは残り試合全てに勝つことを夢見ていて、それからどうなるか見てみよう)」と言っていたぐらいですからね。正直、これまで2度しかバルサに勝ったことのないシメオネ監督が3勝目を挙げられるかも疑問ですが、相手にはジローナ戦でルイス・スアレスは失敗したものの、ジョルディ・アルバが故意に5枚目のイエローカードをもらい、次節で累積警告を済ませて直接対決に備えるなんて動きも。それだけ用心されているというのは、少しは自信を持っていいのかもしれませんが…いえ、 「el partido a partido/エル・パルティードー・ア・パルティードー(1試合1試合)」を忘れてはいけません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.27 12:50 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】わざわざ暴れに来ないでほしい…

▽「もう人事じゃないわね」そんな風に私がおののいていたのは金曜日、UEFAの抽選会でアトレティコがヨーロッパリーグ16強対決で顔を合わすのがロコモティブ・モスクワに決まった時のことでした。いやあ、前日の32強対決2ndレグではビジャレアルとレアル・ソシエダが敗退。無事に次のラウンドに進めたのはアトレィコとアスレティックだけと、一挙に参加チームが半分になってしまったスペイン勢でしたけどね。翌日のEL関連報道は勝敗より、ビルバオに襲来したスパルタク・モスクワの準軍事的組織とまで言われるウルトラ(過激なファン)800人とアスレティックのウルトラ、そして警官隊800人の衝突についてばかりだったから。 ▽実際、その日は試合の結果に関わらず、騒ぎが起こることを心配して、サン・マメス(アスレティックのホーム)側の小学校は休校。近隣のバル(スペインの喫茶店兼バー)も武器として利用されないよう、テラス席を撤去するなど、用心はしていたようですが、恐れていた通り、キックオフ前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)やビール瓶が飛び交い、三方入り乱れて殴るわ蹴るわの乱闘状態に。途中、機動隊員の1人が心臓発作で命を落としたこともあり、懸念はロシアで開催される6月のW杯にまで広がっていましたが、名前こそ違えど、3月6日にワンダ・メトロポリターノを訪れるのも危険なフーリガンがいるモスクワのチーム。こちらは立地的にスタジアム周辺300メートル程が更地と、住宅や商業地区とは隔たりがあるものの、フレンテ・アトレティコも好戦的ですからねえ。今はただ、一般のファンが騒ぎに巻き込まれないことを祈るしかないんですが、果たしてどうなるんでしょうか。 ▽まあ、その辺はまた試合が近づいたら話すことにして、今週のマドリッドでは月曜にヘタフェがセルタに3-0で快勝した試合に続き、水曜には昨年12月のクラブワールドカップで延期されていたレガネスとレアル・マドリーのミニダービーも開催。丁度、その日はCL16強対決1stレグ最後の2試合もあったため、時間をずらして午後6時45分からという、平日にしては早い始まりとなったんですが、1部2年目の弟分チームにとっては、兄貴分をブタルケに迎える試合は一大イベントですからね。正面ゲート前に止まったマドリーのチームバスとセルフィーを撮っているファンなども多く、当然ながらチケット完売でキックオフとなりましたっけ。 ▽ちなみに試合の方は、ジダン監督にお休みをもらったクリスチアーノ・ロナウドが自身のインスタグラムに彼女のジョルジーナさんとプライベートジェットでお出かけの写真(https://www.instagram.com/p/Bfa_LA0FgJS/?hl=ja&taken-by=cristiano)を投稿。加えてベイルはベンチスタート、クロース、モドリッチ、マルセロも負傷中とあって、メンバー的には1月のコパ・デル・レイ準々決勝のような感じだったマドリーに対し、レガネスが前半6分、CKからの混戦で最後は倒れこんだブスティンサが地上スレスレでヘッドを押し込んで先制しているから、ビックリしたの何のって。ええ、コパではサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転でマドリーから準決勝を奪い取った記憶もまだ新しいですからね。この先制点には寒風吹きすさぶ中、応援に駆けつけたファンも大いに期待を膨らませたんですが…。 ▽当時とはマドリーBチーム、とりわけルーカス・バスケスとアセンシオの調子が段違いなのが致命的だったんですよ。そう、早くも11分にはカセミロのパスをルーカス・バスケスが決めて同点に持ち込んだ彼らは、29分には役割を逆転してカセミロが勝ち越しゴール。ただこれには、後でガリターノ監督も「No ayuda tener tantos partidos y tan pocos entrenamientos/ノー・テネール・アジュダ・テネール・タントス・パルティードス・イ・タン・ポコス・エントレナミエントス(これ程試合が多くて、練習回数が少ないのは助けにならない)」と言っていたように元々、週1ペースを想定して組まれたチームが年明けからの負荷に耐えられず、息切れしてしまったせいもあるんですけどね。 ▽え、でも後半にはボービューが至近距離からのシュートをGKカシージャに弾かれてしまうなど、レガネスにも追いつくチャンスがあったんじゃないかって?まあ、そうだったんですが、当人も「ああいうのは運次第で、できるところに撃つだけだからね」と語っていたように、彼らには兄貴分のような決定力の高いFWがいないのが悲しいところ。この1年半、降格圏に落ちることなくやってこられたのはひたすら、「Hay que ser intensos, para defender major/アイ・ケ・セル・インエンソス、パラ・デフェンデール・メホール(より良く守るために激しくプレーしないといけない)」というガリターノ監督の信条を忠実に守ってきたおかげだったかと。 ▽それももちろん、体力あっての話ですから、終盤にはディエゴ・リコがコバチッチをエリア内で倒してPKを献上。その頃にはベイルもピッチに入っていたんですが、「Siempre que no esta Cris, si no es Gareth soy yo, nos alternamos/シエンプレ・ケ・ノー・エスタ・クリス、シー・ノー・エス・ガレス・ソイ・ジョ、ノス・アルテルナモス(ロナウドがいなくてベイルじゃなかったら、ボクが担当。交代でやっている)」というセルヒオ・ラモスがキッカーに立ち、自身のマドリー公式戦550試合出場を祝うチーム3点目を決められてはもう、どうしようもありませんって(最終結果1-3)。 ▽これで3試合連続の逆転勝利とあって、ジダン監督も「序盤の失点が集中力の欠如からなのは明白だが、firmaria que el rival marque uno y nosotros cuatro o cinco/フィルマリア・ケ・エル・リバル・マルケ・ウノ・イ・ノソトロス・クアトロ・オ・シンンコ(敵が1点を取って、ウチが4、5点取るならいい)」と言っていたように、おかげでバレンシアを追い越し、マドリーは3位に上昇。ただ、どうにも後味良く終われなかった選手が約2人いて、いや、それは試合後ブタルケのロッカールームでラモスが撮った記念写真(https://twitter.com/SergioRamos/status/966411958584053760)に当人たちだけが写ってなかったせいではありませんよ。 ▽それは先日の大一番、CL16強対決PSG戦1stレグでも先発を外れ、早くもこの夏の放出まで噂され始めたベイルとラモスのPKが決まった後、ピッチに入ったもののプレー時間がたった26秒しかなかったセバージョス。いやあ、後者は前節のベティス戦で古巣のベニト・ビジャマリンを訪れた際にもファンから、「Comepipas/コメピパス(ひまわりの種を喰っている奴)」とか、「Chupabanquillo/チュパバンキージョ(ベンチ要員)」といった酷い野次を受けて心痛めていたこともあり、ジダン監督もこの試合ではとにかく、出してやらなければという思いが強すぎたんですかね。 ▽おかげで時計を見るのを忘れたようで、金曜の記者会見では「Me senti muy mal y lo siento mucho/メ・センティ・ムイ・マル・イ・ロ・シエントー・ムーチョ(とても悪かったと思う。本当にすまない)」と選手に謝罪していたんですが、肝心のベイルの方は「大事な選手、100%でいてもらいたいだけ」と相変わらず、曖昧の域を出ず。要は3月6日のPSG戦2ndレグ前にケガをしてほしくないということのようですが、今季は永遠のライバルのMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)時代が終わったのに続き、マドリーもBBC(同ベイル、ベンゼマ、ロナウド)時代が終焉を迎えつつあるんでしょうか。 ▽まあ、それはまだ先の話とはいえ、リーガに関しては今でも2位のお隣さんとは勝ち点差7、首位バルサとは14もありますからね。いくらラモスが「Vamos a seguir luchando y metiendo presion en la Liga/バモス・ア・セギール・ルチャンドー・イ・メティエンドー・プレシオン・エン・ラ・リーガ(ウチは戦い続けてリーガ優勝戦線にプレッシャーをかけていく)」と張り切ろうとあまり現実味はないですし、それは土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのアラベス戦でも同じ。 ▽むしろ今季、4人目の指揮官となったアベラルド監督が大当たりして、現在、降格圏から勝ち点10離れた堂々15位を張っている相手に冷や汗をかかされることにならないようにと思うんですが、向こうは最近好調なFWムニルが出場停止に。マドリーでは木曜に親知らずを抜いたアセンシオの出場が危ぶまれていますが、ここ6試合で10得点挙げているロナウドが戻ってくるのは頼りになりますね。 ▽一方、順位は13位と変わらないもの、これでリーガ3連敗となったレガネスは土曜に「Es una final para ellos y para nosotros/エス・ウナ・フィナル・パラ・ジョス・イ・パラ・ノソトロス(これは相手にとってもウチにとっても決勝のようなもの)」(ガリターノ監督)というラス・パルマス戦にブタルケで挑むんですが、向こうには先日、降格圏で苦しんでいるチームを残し、司令塔のジョナタン・ビエラが北京国安に移籍してしまうというショッキングな出来事も。でもねえ、実は2月28日まで開いている中国スーパーリーグの脅威はマドリッドのチームにも及んでいたんですよ。 ▽というのも木曜にはもう1つの弟分、ヘタフェのカラが河南建業に引き抜かれたというニュースが入ったからで、ボルダラス監督によると、「Si por mi hubiera sido no habria salido/シー・ポル・ミー・ウビエラ・シードー・ノー・アブリア・サリードー(自分の判断だったら、決して出しはしなかったろう)。急なことで本人とも話してなくて、メッセージをもらっただけ」という電撃移籍だったようなんですけどね。大体がして、補強もできないこの時期、今季ほとんどの試合で先発を務めていた選手を放出して、残り3カ月以上をCB3人で賄うなんて、とても正気の沙汰とは思えませんでしたが、ヘタフェは選手のお給料も控えめですからね。今季で契約が終わる当人、緊縮予算でやりくりしているクラブ、それぞれ事情があったんでしょうが、それがまさかアトレティコにまで飛び火するとは! ▽いやあ、カラスコの大連一方への移籍交渉が進んでいるのは同クラブを買収したワンダグループとの絡みもあるものの、シメオネ監督の元、なかなか実力を開花できない当人が中国で一稼ぎした後、第2のパウリーニョ(バルサ)を狙っているとも考えられますけどね。ついでに冬の市場で移籍先が決まらなかったガイタンもどうかとクラブが勧めたところ、向こうはフェルナンド・トーレスを狙っているって、ちょっとお。いくら水曜の記者会見でシメオネ監督が「グリーズマンの残留を実現するためと同じだけの努力をトーレスについてもするつもりか」と尋ねられ、「No」と答えたからって、あまりに話が飛躍しすぎじゃない? ▽うーん、翌日のELコペンハーゲン2ndレグの後、新規オープンしたワンダの映画館のようなプレスコンファレンスルームでは、「El y yo desde nuestro lugar queremos lo mejor para el club/エル・イ・ジョ・デスデ・ヌエストロ・ルガール・ケレモス・ロ・メホール・パラ・エル・クルブ(彼も私もそれぞれの立場から、クラブにとって一番良いことを望んでいる)」(シメオネ監督)というフォローは一応、あったんですけどね。大方のマスコミはたとえ、この6月で終わるトーレスの契約を延長しないことに監督が決めていたとしても今、そんな発言をするのは大きな間違いだったんじゃないかという意見なんですが、まあそれはともかく。前夜のレガネスでの失敗に懲り、再び厳寒冬装備で私も向かったその試合ではつつがなくトーレスが先発。 ▽何せこの対戦、1stレグでは1-4でアトレティコの圧勝。その割にはファンも結構、見に来てくれていたんですが、開始7分には、かつてセビージャで前人未踏のEL3連覇を達成したガメイロが威厳を見せて、エリア外からシュート。ここ3試合連続となるゴールを奪って呆気なく勝負がついてしまったため、後はラジオ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継も延々とトーレスやカラスコの話ばかりしているというオチだったんですけどね。スタンドからは「Ole, ole, ole, Cholo Simeone/オレ、チョロ・シメオネ」と「フェルナンド・トーレス、ロロロ」のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)が同じぐらいの頻度で聞こえていましたっけ。 ▽そのため、サポーターを分断する騒ぎになっていないことがわかり、私もホッとできたんですが、この日は1500人来ていたコペンハーゲンのファンも唯一、覚えてきたらしいスペイン語で「Puta Atletico!/プータ・アトレティコ」と試合中、繰り返すぐらいで、実に穏やかなもの。結局、チェルシー時代にはEL優勝経験もあるトーレスがゴールでアピールする機会もなく、1-0のまま試合は終わり、総合スコア5-1で勝ち抜けたアトレティコはELグループリーグでコペンハーゲンを抑え、首位突破。このラウンドではニースを破ったロコモティブと当たることになったんですが…言うまでもなく、心配は相手チームの実力ではなく、ロシア人ウルトラたちの振る舞いですよね。 ▽そして今週末のアトレティコは日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイでセビージャ戦なんですが、何せ向こうはこの水曜、マンチェスター・ユナイテッドとの激戦をスコアレスドローで乗り切ったばかりですからね。その前日はチェルシーがスタンフォード・ブリッジでバルサと1-1で分け、両CL戦で元アトレティコのGK、デ・ヘアとクルトワが活躍していたのはともかく、現職のオブラクも3回目のサモラ(リーガで失点が最も少ないGKに与えられる賞)に向かってなく驀進中。ELではジエゴ・コスタやグリーズマンを温存と、楽することができた彼らがコパ準々決勝の敵を討つのに願ってもないチャンスかと。 ▽ちなみに同じ日曜は正午(日本時間午後8時)からヘタフェもビジャレアル戦で、逆にこちらはオリンピック・リヨンに総合スコア1-4でEL敗退というショックを利用できそうですが、まあ勝負は時の運ですからね。前節セルタ戦でのホルヘ・モリーナ、アンヘルのFWコンビの活躍ぶりを見ると、柴崎岳選手の先発復帰があるかどうかも微妙ですが、今季の残り試合もだんだん少なくなってきましたし、途中出場でもいいので、何とかチームの勝利に貢献する働きを見せてもらいたいところです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.24 11:30 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】いい試合ができるようになってきた…

▽「せっかく盛り上げてくれているのに」そんな風に私が肩透かしを喰らったのは火曜日、クラブワールドカップで延期されていたリーガ16節のレガネス戦を翌日に控え、どうやら今回もクリスチアーノ・ロナウドはお休みとなりそうなことがわかった時のことでした。そう、日程の妙で今季、レアル・マドリーがこのマドリッドの弟分チームと試合をするのはコパ・デル・レイ準々決勝に続いて3回目。その際はジダン監督のローテーション政策により、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)がベンチ入りすらせず、ブタルケでの1stレグにはアセンシオのゴールで0-1と先勝したものの、サンティアゴ・ベルナベウで1-2と逆転突破され、赤っ恥をかくことに。 ▽その経験に懲りていないばかりか、いつも捻ったジョークで笑わせてくれるレガネスのオンライン対戦ポスター(https://twitter.com/CDLeganes?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.deportivoleganes.com%2F )では、折しもCL16強対決1stレグ最後の2試合と同じ日付となっていることと、マドリーが同2ndレグでPSGのホーム、Parc de Princes(パルク・デ・プランス、直訳すると王子たちの公園でスペイン語はParque de los Principes)を訪れることをかけて、「Jornada de Champions en el 'Butarque de los Príncipes’/ホルナーダ・デ・チャンピオンズ・エン・エル・’ブタルケ・デ・ロス・プリンシペス’(CLの節、王子たちのブタルケ)」と銘打ってくれたにも関わらず、ジダン監督は「llega un momento que es necesario de vez en cuando no jugar/ジェガ・ウン・モメントー・ケ・エス・ネセサリオ・デ・ベス・エン・クアドー・ノー・フガール(時々はプレーしないことが必要な時期が来ている)」とロナウドの出場に否定的だったから。 ▽昨季のリーガ戦でも地元のスタジアムで生ロナウドを見ることができなかったレガネスサポーターをガッカリさせてくれましたが、それもねえ。確かにマドリーはこの先、土曜にアラベス戦、来週火曜にはミッドウィーク開催リーガのエスパニョール戦、更に3月3日の土曜にはベルナベウでもう1つの弟分、ヘタフェにいる柴崎岳選手も楽しみにしているはずのミニダービーと試合が途切れず。切り札にはできるだけ、体力を温存させたいのはわかりますけどね。ただコパ準決勝でセビージャに敗退したショックから立ち直れず、2連敗中のレガネスとはいえ、この水曜午後6時45分(日本時間翌午前2時45分)からの一戦ではシオバス、ティト、ガブリエル・ピレス、オマール・ラモス、マウロ・ドス・サントスら、出場停止やケガでジローナに3-0と完敗とした金曜の前節に出られなかった選手たちが復帰。うっかりコパの時のようにBチームを当てると、痛い目に遭う可能性もなきにしろあらずなんですが、その辺はあまり考えないんでしょうか。 ▽まあ、それはともかく、レガネス以外のマドリッド勢の前節の様子もお伝えしておかないと。久々にまだお日様の出ている時間にワンダ・メトロポリターノに私が向かったのは日曜日。先週のアトレティコはコペンハーゲンで、アスレティックはモスクワで雪の降りしきる中、ヨーロッパリーグ32強対決1stレグを戦い、どちらもそれぞれ1-4、1-3で余裕のある先勝と、互角のコンディションだったんですが、その日の大きな違いはコペンハーゲン戦には筋肉痛で参加しなかったジエゴ・コスタが先発に戻った前者に比べ、後者はエースのアドゥリスとラウール・ガルシアを出場停止で欠いていたこと。そのせいか、風邪が治ったGKオブラクの手をほとんど煩わすこともなく、前半を今季のリーガ24試合中13回目の0-0で終えたアトレティコでしたが、コスタがエリア内でムニョスに倒され、明らかにペナルティのように見えながら、PKをもらえないところも今季恒例と言ってよかったかと。 ▽だってえ、もう2月にもなるというのに彼らには1本もPKがないんですよ。シメオネ監督など、もう「このテーマはあまり触れない方がいい。審判も記事を読んで考えるから、cuanto mas hablemos, menos penaltis nos van a dar/クアントー・マス・アブレモス・メノス・ペナルティス・ノス・バン・ア・ダール(話せば話す程、ウチにPKをくれないだろう)」と半ば、諦め気味でしたけどね。このままではいざその時が来ても一体、誰がキッカーだったのか、選手たちも忘れてしまわない? ▽でも大丈夫、相手の攻撃力は恐れるに足らずと気づいたか、後半の彼らは一歩、前に出ることに。いえ、リュカがゴディンに代わっていたのはウィリアムスに足をぶつけ、打撲を負ってしまったせいで、まだバレンシア戦で折れた3本の前歯治療のため、口内にプロテクターをつけているCBの頭を当てにした訳ではなかったんですけどね。試合前、アスレティックのジガンダ監督が「El Atleti tiene ocho o nueve delanteros de primer nivel/エル・アトレティコ・ティエネ・オチョー・オ・ヌエベ・デランテーロス・デ・プリメール・ニベル(アトレティコは8、9人、一流のFWを持っている)」というのはちょっとサバの読みすぎなんですが、13分にはコケをガメイロに代え、元からピッチにいたコスタ、グリーズマン、コレアと合わせてFW4人体制で畳みかけるんですから、感心したの何のって。 ▽それが実ったのは22分、グリーズマンのパスをガメイロが撃ったところ、敵守備陣の隙間を縫って先制点が入ります。その直後にはコレアからガビにしている辺り、1-0なら逃げ切れるというシメオネ監督の信条なんでしょうが、その日は34分に追加点という嬉しいおまけも。この時は最近、先日のコペンハーゲン戦でもパス成功率91%を記録するなど、成長著しいトマスが中盤でボールを奪い、ガメイロに繋ぐとそこからコスタへ絶妙なスルーパス。いえ、GKとの1対1を毎試合数回は失敗というのも彼らの十八番だったりするんですけどね。コスタは見事にケパの脇を抜き、とうとう2-0となったとなれば、もう安心です。おかげで前日、エイバルに0-2で勝利した首位バルサが勝ち点10に広げていた差を7に戻すことができましたっけ。 ▽まあ、「Tenemos que atacar tan bien como defendemos/テネモス・ケ・アタカール・タン・ビエン・コモ・デフェンデモス(ウチは守備同様、上手く攻撃しないといけない)」とフィリペ・ルイスも言っていたように、攻守に渡って相手を上回ったアトレティコが快勝したため、これなら木曜午後7時(日本時間午前3時)からのELコペンハーゲン戦2ndレグも観客の入りはともかく、心配することはないだろうと、私も気分良く家路を辿ったんですが、お隣さんの試合を見るため、その夜は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に出向くことに。ええ、マドリーがベティスとのアウェイ戦に挑んだんですが、先週水曜のPSG戦でのベイルに続き、この日はベンゼマがベンチスタート。代わって、CL16強対決1tstレグで終盤2点を挙げての3-1逆転勝利に大きく貢献したアセンシオとルーカス・バスケスが先発しているとは、何ともわかりやすい。 ▽ただ実際、前半11分にはロナウドのシュートをGKアダンが弾いたところ、アセンシオが抜け目なくヘッドでゴールを決め、先制点を奪った彼らだったんですが、そのせいで「Nos echamos atras y les dejamos jugar demasiado/ノス・エチャモス・アトラス・イ・レス・デハモス・フガール・デマシアドー(ウチは後ろへ引いてしまい、敵にプレーさせすぎた)」(ルーカス・バスケス)だなんて、これって今季はアトレティコだけの悪癖じゃなかったんですね。29分にはマルセロが負傷、テオに代わったのも響いたのか、33分にはホアキンのクロスをマンディに頭で押し込まれて同点にされたかと思えば、その10分後には再び36歳のキャプテンが今度はジュニオールにラストパス。彼のシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、運悪く目の前にいたナチョに当たってしまい、オウンゴールで逆転されているですから、困ったもんじゃないですか。 ▽え、それでも後でアセンシオも「El plan que hablams en el desanso salio bien/エル・プラン・ケ・アブラモス・エン・エル・デスカンソ・サリオ・ビエン(ハーフタイムに話し合ったプランが上手くいった)」と言っていたように、最近のマドリーにはremontada(レモンターダ/逆転)体質が戻って来つつあるんじゃないかって?そうですね、気合を入れ直した彼らは後半5分に早速、CKからセルヒオ・ラモスが自慢のヘッドを決めて同点にすると、13分にはカルバハルのパスをアセンシオがワンタッチでシュートして勝ち越し点をゲット。更に20分にはロナウドも続くと、いえ、40分には途中出場のセルジ・レオンに1点を返され、ちょっとベティスが盛り返したんですけどね。最後はロスタイムにベンゼマが仕上げの5点目を挙げ、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)の完成です(最終結果3-5)。 ▽いやあ、今季のベティスはセティエン監督のポゼッションサッカーが浸透してよく点を取るんですが、5点以上失点をしている試合もこの日で5回目。しかも「今週、ずっと改善しようと練習してきて、試合前にも注意した場所でボールを失った」(セティエン監督)のではどうしたものやらですが、本音を言えば、マドリーが3失点もしたのは決して褒められたもんではないかと。それこそパリでの決戦でこうも守備ミスが出ては、余裕の準々決勝進出が悪夢に変わってしまう恐れもあるんですが、こればっかりは。今はロナウドを始め、チームとして打ち負けなくなったことを喜ぶべきかと。 ▽ただ懸念は他にもあって、まだ時間はありますが、先週のPSG戦でヒザを痛めたクロース、この試合で太ももを負傷したマルセロに加えて、月曜にはモドリッチも太もものケガを再発。このAチームメンバー3人が3月6日までに回復するかどうか、ギリギリのところと言われている点で、何せマドリーはその前にリーガ戦4試合をこなさないといけないですからね。大事な選手をプレーさせればケガするかもしれない、かといって、ずっとお休みにしても実戦の勘が鈍るとあって、この2週間はジダン監督も頭が痛いですよね。 ▽そして土曜に3位のバレンシアもマラガに勝っていたため、マドリーの順位は勝ち点差1の4位のままだったんですが、翌月曜には前節最後の試合がコリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催。ええ、ヘタフェがセルタを迎えたんですが、平日の夜ながら、スタンドがかなりの盛況だったのは2年前、2部降格するまでの数年間、閑古鳥が鳴きまくりだったのを知っている私などには嬉しい限りだったかと。そんなファンたちの応援のおかげもあってか、いえ、残念ながら、先週カンプ・ノウでスコアレスドローを勝ち取ったバルサ戦で先発した柴崎選手は控えだったんですけどね。 ▽あまり覇気のなかったセルタを前にこの日はアンヘルが爆発。前半37分、自身の1対1では天高く撃ち上げてしまったアマトからもらったパスをエリア外からシュートして、ヘタフェに先制点をもたらしてくれます。続いて後半7分にも彼はホルヘ・モリーナにラストパスを送り、チームの2点目に貢献すると、クライマックスは40分。早帰りの習慣ある観客が引き揚げていく中、ブルーノが押し戻したボールが落ちてきたところを完璧なタイミングでvolea(ボレア/ボレーシュート)、3-0で勝利って、ここ4試合引き分けの停滞状態から脱出するのに最高の形じゃないですか。 ▽え、これで勝ち点33となったからって、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のアナのように「昨季18位で降格したスポルティングは31ポイントだったから、もうヘタフェはこの先、全部負けても残留できるかも」なんて安易な考え方はしてほしくないって?そうですね、今季も現在、降格圏にいるマラガ、デポルティボ、ラス・パルマスはまだ20ポイントにも届いておらず、ボーダーラインは低くなりそうなんですが、殊勲のアンヘルも「今はウチの目標を達成するのにいい時期。勝ち点40を貯めるというね」と言っていましたし、最低、そのくらいは軽く超えてほしいかと。 ▽それよりボルダラス監督に見てもらいたいのはもっと上の順位で、コパ・デル・レイ決勝がバルサvsセビージャになったため、今季もご褒美のコパチャンピオンのEL出場権がリーガ7位に回ってくる可能性が高いですしね。現在9位ながら、7位のエイバルとは勝ち点2差となれば、ヘタフェにもまだ十分チャンスがあるかと思いますが、さて。ちなみにこの日は冬の移籍市場で加入したレミ(ラス・パルマスからレンタル)、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のメルヴェイユ、セルヒオ・モラが交代出場、柴崎選手にはピッチに立つチャンスがなかったんですが、日曜にはアウェイでビジャレアル戦がありますからね。来週は水曜にデポルティボ戦も控えているため、必ずチャンスは巡ってくるはずですが…最近はチーム内のポジション争いが激化しているため、ここは気合を入れないといけません。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.21 09:30 Wed
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】勝てば何でも微笑ましく見える…

「可愛いと言えばそうかもしれないけど」そんな風に私が首を傾げていたのは金曜日、チャイニーズ・ニューイヤーを祝うアトレティコのビデオを見た時のことでした。いやあ、昨今はどこのクラブも中国人ファンを増やそうと熱心で、この時期は選手たちが中国語で新年おめでとうと言っている映像が沢山出るんですけどね。今回のアトレティコ版は、いえ、先日、大連万達(ワンダ)グループがスタジアムのスポンサー契約は続けるものの、持ち株をイスラエルの企業に売却。そのせいで制作費が減ったなんてことはないと思いますが、戌年にちなんだ企画として、サウール、カラスコ、ヒメネスがペットのワンちゃんたちを紹介って、あまりに安易すぎる企画な気がしたから。 ▽え、今週はヨーロッパの大会が再開したせいで、選手たちに中国語を覚えてもらう時間がなかったんじゃないかって?そうですね、お隣さんなども現在、解説者をしているロベルト・カルロスが主役。さり気にCLトロフィーが神々しく12個並んだクラブ博物館内の風景も入れ、こういうのを見て駆けつけたファンがまた、サンティアゴ・ベルナベウ前のツアーチケット売り場の行列を長くするんだなと思いましたが、まあそれはそれ。まずはレアル・マドリーの今季全てが懸かった水曜のCL16強対決PSG戦1stレグがどうだったか、お伝えすると。 ▽セルヒオ・ラモスの呼びかけにファンが応え、その日はチームバスがスタジアム入りする午後7時15分頃には周辺の道路が人で溢れんばかりに。予想通り、bengala(ベンガラ/発煙筒)が何本も赤々と燃え上がっている光景を近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で眺めてから、観戦に向かった私でしたが、何せフランスからPSGの応援に来るサポーター4000人中、1割ぐらいウルトラ(過激なファン)が混じっていると聞いていましたからね。ビジターファン区画に繋がるTorre D(タワーD)の入り口もボディチェックが厳しいせいか、物凄い渋滞ぶりでしたが、幸い大きな騒ぎはなかったよう。私も無事にスタンドの席に着くことができたんですが…。 ▽fondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側席)に巨大垂れ幕がかかり、ビッグマッチ特有の華々しさで幕を開けた試合の方は、いえ、ジダン監督の「Jugamos cuatro en el medio contra tres de ellos/フガモス・クアトロ・エン・エル・メディオ・コントラ・トレス・デ・エジョス(相手の3人に対し、ウチは4人を中盤に入れてプレーした)」という作戦でイスコがトップ下を務めたため、BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)対MCN(ムバッペ、カバーニ、ネイマール)のガチンコ対決にならなかったせいではないんでしょうけどね。最初のゴールが決まったのは前半33分と遅めで、しかも今季のベルナベウでは珍しいことではないんですが、ムバッペのクロスをネイマールが戻し、フリーだったラビオが撃ち込んで先制されてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫。ハーフタイムに入る前にクロースがロ・セルソにエリア内で倒されてPKをゲットすると、ロナウドがしっかり決めて、1-1の同点で折り返したんですが、後半、両チームの明暗を分けたのはそれぞれの交代策でした。そう、アウェイゴール付きの引き分けを良しとしたか、PSGのエメリ監督が20分にはカバーニをムニエに代え、ダニエウ・アウベルとの右サイドダブルSB制を敷いたのとは違い、ジダン監督はまずはベンゼマをベイルに。とはいえ、最後の最後にモノを言ったのは30分過ぎ、カセミロとイスコを引き上げ、ルーカス・バスケスとアセンシオをサイドに投入したことで38分、後者のラストパスをGKアレオラが弾いたところ、詰めていたロナウドのヒザに当たり、勝ち越しゴールが入るとは何てラッキーなんでしょう。 ▽つまりこういうことがあるから、「Esto es la Champions y el Madrid tiene experiencia/エストー・エス・ラ・チャンポンズ・イ・エル・マドリッド・ティエネ・エクスペリエンシア(これはCLでマドリーには経験がある)」(ロナウド)と威張れるんだと思いますが、これで当人はマドリーに来てからのCL得点記録を101ゴールに更新。その3分後にも再びアセンシオが違いを見せつけ、今度はマルセロにアシストすると、とうとう3-1という、かなり安全なスコアで勝利したとなれば、私も含め、もしやこの日で今季のCLナイトは終わりかもしれないと恐れていたマドリーファンたちがどんなに喜んだことか。 ▽いえ、後で帽子をかぶった粋な姿でミックスゾーンに現れたラモスは、「Al Real Madrid no se le puede dar por muerto/アル・レアル・マドリッド・ノー・セ・レ・プエデ・ダール・ポル・ムエルトー(レアル・マドリーは死んだものと見なすことはできない)」と言ってはいたものの、この手の終盤のremontada(レモンターダ/逆手劇)は今季、珍しいんですけどね。やはり「Este club tiene 12 Champions por algo/エステクルブ・ティエネ・ドセ・チャンピオンズ・ポル・アルゴ(このクラブがCLに12回優勝しているには理由がある)」(ジダン監督)ということなのか、前評判は高かったPSGですが、ここぞという時のマドリーの強さには私も感心するばかりだったかと。 ▽ただ、エメリ監督を始め、相手側からはクロースへのペナルティや、逆にエリア内でラモスの腕にボールが当たったプレーでPKをもらえなかったことなど、ジャッジに対する文句が山積みで、いえ、結局、せっかくこの冬獲ったラス・ディアラではなく、若いロ・セルソを先発させたり、今年になって絶好調のディ・マリアを最後まで投入せず、交代枠を余らせたりした采配が災いした面もあると思うんですけどね。時折、個人技で光っただけのネイマールなど、3月6日の2ndレグで逆転突破を期して、「El ano pasado tuvimos una situacion mas dificil para poder pasar/エル・アーニョ・パサードー・トゥビモス・ウナ・シトゥアシオン・マス・デフィシル・パラ・ポデール・パサール(昨季は突破にもっと難しい状況だった)」と強気でしたが、いや、それ、バルサがパリで4-0と大敗して、カンプ・ノウで6-1と逆転した16強対決のことですか? ▽うーん、その時は2得点した当人が大逆転の立役者になっていましたが、今回は横にメッシもルイス・スアレスもイニエスタもいないとなると、さてどうなることやら。一方、マドリーも嬉しいことばかりではなく、金曜にはクロースが試合中にムバッペとぶつかった際、左ヒザを痛め、その日は走行距離13キロとチーム一の健脚ぶり、ミックスゾーンでもドイツ人記者にたちと楽しそうに話していたものの、2ndレグまでに回復できるか、ギリギリのところだとか。いえ、それまでのリーガ戦5試合はこの日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのベティス戦を含め、首位のバルサとの差も縮まったとはいえ、勝ち点17と凄まじいものがあるため、生ぬるく来季CL出場圏内の4位維持に努めてくれればいいんですけどね。セバージョスのケガも治り、コバチッチやマルコス・ジョレンテら、出場したい中盤の選手には事欠かないとはいえ、クロースのプレーが見られないのは残念なファンも多いかと。 ▽そして翌木曜には、キラキラしたCLの舞台と昨季中に縁を切ったアトレティコがヨーロッパリーグ32強対決1stレグでコペンハーゲンと顔合わせ。それでもパルケン・スタディオンのサポーターがキックオフ前、大弾幕やスモークで場を盛り上げてくれたおかげもあったんですかね。あれだけ前夜、マドリーが注目された後、ワンランク下の大会で戦う肩身の狭い思いを忘れられたか、序盤からグリーズマンやサウールがチャンスを迎えていた彼らだったんですが、前半14分、エリア内でアンケルセンのシュートをフィッシャーがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で軌道を変え、当日、オブラクの風邪で先発を任されたGKモヤを破ってしまったから、驚いたの何のって。 ▽いやあ、この遠征にはふくらはぎの筋肉痛でジエゴ・コスタも参加しておらず、CLグループリーグではアゼルバイジャンのカラバフに1度も勝てなかったアトレティコですからね。もうこの時点で、1-1で帰って来てくれたら御の字と気弱になった私だったんですが、どうやら彼らを見損なっていたよう。ええ、早くも21分にはグリーズマンのクロスをサウールがヘッドで叩き込み、スコアが同点に。37分にはグリーズマン、リュカが連携し、最後はゴール前からガメイロが決めて見事に逆転って、もしやコペンハーゲンは本当に格下だった? ▽おまけにピッチに激しい雪が降り注ぐ中、後でトマスも「Hacia frio, pero corriendo no hace tanto/アシア・フリオ、ペロ・コリンドー・ノー・アセ・タントー(寒かったけど、走っているとそうでもなかった)」と言っていたように前線から、勤勉に全員がプレスをかける作戦が成功したんでしょうかね。後半にもアトレティコは得点してくれたんです。ええ、26分にはコレアから代わったカラスコからスルーパスを受けたグリーズマンが3点目を挙げ、32分にはガメイロ同様、セビージャで前人未踏の3連覇を達成と、この大会のスペシャリストと言っていいビトロが相手にとって、ほぼ死刑宣告に等しい4点目をゲット。最後は1-4の勝利で終わり、いえ、相手のソルバッケン監督が「アトレティコはウチが当たった最高のチームの1つ。誰も休まず、ずっと働き続けているし、マドリッドの隣人に勝ち点差10つけているのもわかる」と褒めていたのは、多分にお世辞も混じっていたんでしょうけどね。 「マドリッドでは違うメンバーが出るかもしれない」ともう逆転を諦め、ローテーションに出ることも仄めかしていたため、来週木曜午後7時からのワンダ・メトロポリターノでの2ndレグは大船に乗ったつもりでいいかも。ただちょっと気になるのはアトレティコファンの反応で、AS(スポーツ紙)ではすでに1万2000枚売れて、残りのチケットは4000枚程と、満員近くなるような記事が出ていましたけどね。私の経験から言うと、最後に戦った2013年EL決勝トーナメントなどもそうでしたが、32強対決辺りではスタンドはガラガラ。1月のコパ・デル・レイでのエルチェ(2部B)戦やジェイダ(同)戦のように当日券も出るんじゃないかと思いますが、さて。来週は水曜にブタルケで延期されていたリーガのレガネスvsマドリー戦もあるものの、そちらはチケット完売が見込まれているため、ミッドウィークにマドリッドを訪れるファンにはいいサッカー観戦の機会になるんじゃないですかね。 ▽ちなみに今週末のアトレティコは日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、アスレティックをホームに迎えるんですが、実は相手も同じ木曜、雪の降るロシアでスパルタク・モスクワとのEL32強1stレグを戦ったばかり。リヨンに3-1で負けたビジャレアル、アノエタで後半ロスタイムに南野拓実選手にゴールを決められ、ザルツブルクと土壇場で2-2と引き分けたレアル・ソシエダなどとは違い、この11日に37歳となったアドゥリスの2得点などで1-3と快勝してきたものの、この試合では彼と共にラウール・ガルシアも出場停止になるのはラッキーだったかと。金曜にはジエゴ・コスタも練習に合流し、土曜のエイバル戦の結果次第ではバルサとの差を勝ち点7から更に縮めるチャンスと、アトレティコファンも意気込んでいるんですが…うーん、そう上手く事が運ぶのかどうか。 ▽そしてマドリッドの弟分チームは金曜と月曜の平日開催という気の毒な扱いを受けている今節のリーガなんですが、まだコパ酔いが抜けていなかったか、レガネスはジローナに3-0で先程完敗したばかり。何せ、年明けから準決勝まで、ずっと週2試合のハードスケジュールをこなしたせいで負傷者が続発していますし、まだ降格圏までは勝ち点差10以上とちょっと余裕があるのも油断に繋がった可能性はありますけどね。来週はミッドウィークのマドリー戦、そして土曜にはラス・パルマス戦と続くため、後悔する前に早く調子を取り戻せるといいのですが。 ▽一方、月曜午後9時(日本時間翌午前5時)からセルタをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えるヘタフェも前節、カンプ・ノウでバルサからスコアレスドローをもぎ取った直後なだけに別な意味での二日酔いが心配なんですが、そこはよく考えて。何せ、首位相手から勝ち点1ゲットはお手柄ですが、その前から彼らは引き分けが続き、ここまで4連続ドローですからね。そろそろ毎試合きっちり勝ち点3を溜めて、速やかに1部残留ライン突破に漕ぎつけてもらいたいかと。前節では先発に返り咲いた柴崎岳選手が再び、スタメンに入れるのかもファンには気になるところでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.17 14:30 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】戻って来たのはCLだけじゃない…

▽「今度こそホントよね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、スペイン・サッカー協会理事会の会合でようやく、4月21日に開催されるコパ・デル・レイ決勝の会場がワンダ・メトロポリターノに決定したという記事をスポーツ紙のネット版で見つけた時のことでした。いやあ、FAカップはウェンブリー、クープ・ド・フランスはスタッド・ド・フランス、DFBポーカルはオリンピアシュタディオンといったように、ヨーロッパの主要リーグでは決勝のスタジアムが固定されているのとは違って、スペインは毎シーズンどこになるかわからず。それでも丁度、今季はアトレティコの新しいホームが華々しくオープンしたとあって、誰もがその任を授かるとつい最近までは疑っていなかったんですけどね。 ▽それが、いえ、別にアトティコが準々決勝であっさり敗退してしまったせいではありませんよ。ファイナリスタがセビージャとバルサに決まった後、前者のホセ・カストロ会長が決勝は地元のサンチェス・ピスファンかエスタディオ・オリンピコがいいと主張。後者は後者でコパ5連覇を永遠のライバルのお膝元で果たしたいという、嫌味な願いもあって、サンティアゴ・ベルナベウを希望する声もあったものの、その週末に重なるリーガ34節のベティス戦をコパ決勝翌日の日曜にプレーすることになっても準備は滞りなくできると、クラブが請け合ったのが効いたんでしょうか。結局、アトレティコの望み通り、会場はワンダと決まったんですが、そのベティス戦の方も同じ節のセビージャvsレアル・マドリー戦、バルサvsビジャレアル戦と一緒に5月9日に延期されることに。 ▽実際、これはまだ取らぬ狸の皮勘定ですが、ありがたいことにパルケン・スタディオンはすでにチケット完売。スペインからも勇気あるアトレティコファン400人が応援に駆けつけると言われている、この木曜午後9時5分(日本時間翌午前5時5分)からの32強対決コペンハーゲン戦1stレグから始まるヨーロッパリーグ決勝トーナメントを順調に勝ち上がっていったとしたら、その頃は準決勝間近と佳境に入っているはずですからね。もちろんコパ決勝でトロフィーを掲げ、初年度からワンダに歴史を刻む夢が無残に砕けた後ですし、参加チームにドルトムントやアーセナル、ナポリ、ミランといった老舗もある中、5月16日のリヨンでのEL決勝に出ようなんて、昨今のプレーぶりからすれば、高望みもいいところなのかもしれないんですが…どういう訳か、最近アトレティコにリーガ優勝争いの目が戻って来たみたいなんですよ。 ▽え、先週末はマドリッド勢のトップバッターとしてマラガ戦に挑んだ彼らだったけど、開始41秒、ベルサイコのスローインを敵がクリアしたところ、サウールがエリア前からシュート。ケコに当たってエリア内にこぼれたボールをグリーズマンが素早く拾って先制点を挙げてから、後は何もなかったじゃないかって? まあ、そのゴールの後、当人が用具係の渡してくれたユニフォームをかざし、先日、サッカーをプレー中に急死した15歳のアトレティコファン、ナチョ・バルベラ君に哀悼の意を捧げていたのは感動的だったんですけどね。その日もパスが3回と続かないせいで、ジエゴ・コスタにボールが届かなかったのもありますが、せっかくリーガ初先発を飾ったビトロも実力を示すことができず。 ▽結局、その後、枠内シュートが1本もなかったチームで目立ったのは、「lo de hoy fue extraordinario, estando en todos los sitos, arriba, abajo, cortando centros/ロ・デ・オイ・フエ・エクスラオルディナリオ、エスタンドー・エン・トードス・ロス・シティオス、アリバ、アバッホ、コルタンドー・セントロス(今日は格別に素晴らしかった。クロスをカットしたり、前線でも後方でも全ての場所にいた)」とシメオネ監督も褒めていたグリーズマンの攻守に渡る獅子奮迅ぶりと、いつもながらのGKオブラクの安定感。後半43分にはコスタと代わったフェルナンド・トーレスにラセン(冬の市場でヘタフェとの契約を解除してマラガに移籍)が頭をぶつけ、担架退場となったこともあり、最後は10人で戦った相手にそのまま0-1で勝利したんですが、いやはや。 ▽いえ、シメオネ監督自身も「Tenemos que mejorar, pero ganando es mas facil hacerlo/テネモス・ケ・メホラール、ペロ・ガナンドー・エス・マス・ファシル・アセールロ(ウチは向上しないといけないが、勝ちながらの方がやりやすい)」と言っていたものの、ここ2週間、コパ敗退のおかげで週1試合ペースになったにも関わらず、最下位のマラガにも最少得点差勝利しかできない有様ですからね。いくらゴディンとサビッチの負傷のおかげで先発が回ってきたヒメネスが、「Lo importante es ganar, nadie se va a acordar de como jugaste contra el Malaga/ロ・インポルタンテ・エス・ガナール、ナディエ・セ・バ・ア・アコルダール・デ・コモ・フガステ・コントラ・エル・マラガ(大事なのは勝つこと。マラガにどんな風に勝ったかなんて誰も思い出しはしない)」と開き直っていたとて、90分間、いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)でイライラしながら、じっと見ているこちらの身にもなってくださいって。 ▽ただそんな勝利でも実になったのは多分に翌日曜、弟分のヘタフェがカンプ・ノウで頑張ってくれたおかげで、まず驚かされたのはキックオフ前、顔なじみのオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の記者が、まあ私にしてくれたバルサ戦の先発予想が外れたせいもあったんでしょうかね。柴崎岳選手のスタメン出場を伝えてきてくれたことなんですが、いやいや。まさかボルダラス監督がエースのホルヘ・モリーナを外してくるなんて、誰も予想できませんって。その日の前線を担ったアンヘルや柴崎選手もシュートを撃って得点を狙ったんですが、まあそれはともかく、何より助けになったのは先週木曜にバレンシアとコパ準決勝2ndを戦っていたバルサには、「Nos falto chispa para hacer algo mas/ノス・ファルト・チスパ・パラ・アセール・アルゴ・マス(ウチはもっと何かをするための火花が欠けていた)」(バルベルデ監督)ということ。 ▽幸い前半終了間際のルイス・スアレスのゴールもオフサイドを取ってもらえましたしね。そこへ「Hemos hecho un gran partido a nivel defensivo, alternando marcas a Messi/エモス・エッチョー・ウン・グラン・パルティードー・ア・ニベル・デフェンシボ、アルテルナンドー・マルカス・ア・メッシ(ウチは守備のレベル的に素晴らしい試合をした。交代でメッシをマークしながらね)」(ボルダラス監督)というヘタフェの堅守が功を奏し、GKグアイタのparadon(パラドン/スーパーセーブ)にも助けられた彼らは終了の笛が鳴るまで、相手を無得点に抑えることに成功。スコアレスドローで勝ち点1をマドリッドに持ち帰って来るんですから、何て頼りになる弟分なんでしょう! ▽おかげでここ2節連続の引き分けとなったため、バルサと2位のアトレティコとの差が勝ち点11から7に縮小。いえ、まだ世間は本気にしていないからか、お隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転優勝)体質がアトレティコに備わっていないせいか、リーガ23節から、この差をひっくり返した前例があるのかといった情報はまだ出ていないんですけどね。楽観的なファンからは「直接対決とクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点1差になる」なんて意見も聞かれたんですが、いや、アトレティコもマドリーもカンプ・ノウで勝てるんですか? ▽まあその辺は何ですが、とりあえずリーガ次節はアトレティコが日曜にワンダでアスレティック戦、バルサは土曜にアウェイのエイバル戦ですから、今度は乾貴士選手の力を借りることができるかも。一方、ヘタフェもホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでセルタ戦なんですが、こちらは月曜午後9時からの設定。終わる時間が遅いのは気になりますが、徒歩1分のLos Espartales(ラス・パスパルタレス)駅から、メトロスールと10号線でセントロ(マドリッド市内中心部)に戻れる地下鉄は午前1時過ぎまでありますし、15分歩いてLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)を捕まえるにしても、終電の午後11時40分には間に合うと思うので、チケットの取りやすそうな試合としてお勧めはできます。 ▽え、コパ疲れが出たのは準決勝でセビージャに敗退したレガネスも同じじゃないかって?そうですね、先週末はアトレティコの次の時間帯にブタルケにエイバルを迎えた弟分の片割れだったんですが、こちらは最後の最後までゴールが生まれず。それでもミッドウィークに試合がなく、体力満々で攻めてくる相手の攻撃を凌いでいたものの、後半ロスタイム4分、CKからラミスがヘッドを叩き込み、土壇場で勝ち点3を持っていかれることに。とはいえ、それでも彼らは12位ですし、消化試合が1つ少ないという状態ですから、別に悲観することはないんですけどね。今週は金曜にジローナ戦をプレーした後、いよいよ来週水曜にはその延期されていたマドリー戦が到来。その後は日程も楽になるため、少しずつコパ酔いを解消して、1部残留ライン確定に早く近づけたらと思います。 ▽そして土曜の夜、サンティアゴ・ベルナベウに足を運んで私が見た、マドリーの今季が懸かったCL16強対決PSG戦のensayo general/エンサージョ・ヘネラル(総合リハーサル)、レアル・ソシエダ戦はどうだったのかというと。いやあ、それが前半は完璧な出来で、お隣さんに対抗するかのように開始50秒、クリスチアーノ・ロナウドのクロスをルーカス・バスケスがヘッドして、先制点が決まっているんですから、驚いたの何のって。逆にまたその後、何も起きないのだろうかと私も先行き不安に駆られたものでしたが、いえいえ、とんでもない。29分にはマルセロの折り返しをゴール前でロナウドがコースを変えて2点目、33分にもクロースがエリア前から決めると、その3分後にはロナウドがCKを頭で叩き込み、前半だけで4点差をつけているんですから、心強いじゃないですか。 ▽うーん、この日のジダン監督はベイル、カセミロ、ナチョを温存していたんですけどね。ルーカス・バスケスとアセンシオを入れた4-4-2のシステムが良かったのか、「Claro que estaba presente el partido del miercoles en la segunda parte.../クラーロ・ケ・エスタバ・プレセンテ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス・エン・ラ・セグンダ・パルテ(後半、水曜の試合が頭にあったのは当然)」(セルヒオ・ラモス)というハーフタイム後は、ブスティンサとイジャラメンディに守備のミスからGKケイロル・ナバスが破られ、2点を返されていただけに、PSG戦ではBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)の揃い踏みにあまり、固執しない方がいいんじゃないかとも思ったんですが…。 ▽いえ、CL再開が目の前に迫ってきたためか、その日は傍目でも明らかな程、ハングリー精神に満ち溢れていたロナウドが35分、3本目のゴールを挙げ、今季初のハットトリックを達成できたのは途中出場のベイルのシュートをGKルリがこぼしてしまったせいというのは否定できませんけどね。どうにも間が悪かったのはベンゼマでまさか、最後のプレーでベイルのゴール前へのラストパスを天高く撃ち上げてしまい、場内から大きなpito(ピト/ブーイング)を浴びて試合を終えることになるとは。結局、この日は5-2の大勝、ジダン監督も「Tengo claro quien va a jugar el miercoles/テンゴ・クラーロ・キエン・バ・ア・フガール・エル・ミエルコレス(水曜にプレーするメンバーは決めている)」と屈託なく言っていたものの、ちょっとこのベンゼマの状態は、「es importante que equipo y aficion esten unidos/エス・インポルタンテ・ケ・エキポ・イ・アフィシオン・エステン・ウニドス(チームとファンが一体になることが大事)」(ルーカス・バスケス)なビッグマッチを前に気になるかと。 ▽そこへ加わるのがマドリーには昨年12月のセビージャ戦以来、リーガで無失点に終わった試合がないということで、このPSG戦には3月6日に2ndレグもあるんですよ。昨季は同じラウンドでバルサに4-0とホームで先勝しながら、2ndレグで6-1と大逆転負けを喰らった相手ですが、今年はネイマールやエムバペでかなりパワーアップしているとなれば、たとえ大勝してもアウェイゴールを奪われるのは怖いような。ええ、グループリーグ5節のドルトムント戦でわざとイエローカードをもらい、最終節のアポエル戦で累積警告を済ませようとしたとして、これが2試合目の出場停止となっているカルバハルなども、「右SBをやるナチョもアクラフもわかっているだろうけど、向こうが絶好調でなくて、自分が最高の状態の日でないと、ネイマールと対峙するのは難しい」と認めていましたっけ。 ▽そんなPSG戦1stレグは水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。もうとうにチケットは売り切れで、ネットやスタジアム周辺に出没するダフ屋からは1万ユーロ(約140万円)越えなんて法外な値段が聞こえてくるんですが、丁度、マドリッドに旅行に来ているファンでしたら、ラモスがソシエダ戦直後、自身のツイッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/962462712788930561)で呼びかけたように、サンティアゴ・ベルナベウの角にあるlos Sagrados Corazones(ロス・サグラードス・コラソネス)広場で午後6時30分にチームバスのお出迎えをしてもいいかも。 ▽いえ、人が多すぎてバスが見えないかもしれませんし、側でbengala(ベンガラ/発煙筒)とか炊かれたら怖いですし、実際、まだ16強対決、しかも1stレグの時点でやることじゃないんですけどね。とはいえ、ここで躓いてしまってはかつて6シーズン程、続いた3月でマドリーのCLが終わるという10年以上前の悪夢が蘇ってしまいますからね。アトレティコもいない折、私もまだしばらくはヨーロッパ最高のクラブが見られる大会がマドリッドで続いてほしいんですが…。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.13 11:30 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】ようやくコパが終わって…

▽「これって最高の旅程よね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、週明けの降雪から始まって連日、朝晩の気温はマイナスに。そこへ北風まで吹いて全然、外出する気にならなかった今週のマドリッドだったんですが、その日は少し寒さが和らいだため、ヘタフェの練習場を訪ねてみたところ、日本から来たという女子2人に遭遇。フットテニスやロンド(輪になって中にいる選手がボールを奪うゲーム)などの軽い試合2日前のセッションを終え、グランドから上がって来る柴崎岳選手のサインやツーショットの写真をゲットした彼女たちは明日にはバルセロナに移動して観光、日曜にはカンプ・ノウでバルサvsヘタフェ戦を見ることになっていると聞いた時のことでした。 ▽いやあ、最近はリーガの時間割が出るのも結構、早まって、1カ月ぐらい前には予定が組めますからね。地中海沿いのバルセロナはマドリッド程、寒くはならないですし、今季はカンプ・ノウの観客が減っていて、チケットが手に入りやすいというのも旅行で来る日本人ファンには嬉しいニュースですが、ただ1つ難なのはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでボルダラス監督の記者会見を待つ間、顔なじみの記者たちに訊いたところ、前節のレガネスとの弟分ダービーで控えだった柴崎選手がバルサ戦で先発復帰する可能性はかなり薄いんじゃないかという意見が多かったこと。 ▽オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の番記者など、「ケガでブランクがあった後、ほとんど貢献していないし、彼は守れないから。そういった面では同じにゴールやアシストがなくても、チームのために汗をかくアマトとかの方が監督の評価は高い。ヘタフェはガクを守備のために獲ったんじゃないけどね」と言っていましたが、まあ確かに。おまけに今回の相手にはメッシやルイス・スアレスら、点を取ることに秀でた選手が多いため、ベルガラが負傷中、新加入のフラミニ(昨季クリスタル・パレスを退団後、フリーだった)はまだ調整に時間がかかるという事情もありながら、中盤で使えるMFを総動員。アランバリ、モラ、ファジルによるtrivote(トリボテ/3人ボランチ)起用の可能性まで、マルカ(スポーツ紙)で論じられていましたからね。 ▽それでもバルサにも木曜のコパ・デル・レイ準決勝2ndレグにヒザのケガを押して出たピケが休養見込み、ベルマーレンはまだリハビリ中、そしてウムティティは出場停止。CBが1月に入ったジェリー・ミナ(パルメイラから移籍)しかおらず、DFに駒が足りないという弱点が今回はありますから、何とか無失点を終盤まで保ち、今季シーズン前半の対戦でゴールを挙げている柴崎選手が途中出場から決勝点を奪うなんて展開になったら、練習場で遭った彼女たちには一生記憶に残るラッキーな旅行になるかと思いますが、さて。そんなバルサvsヘタフェ戦は日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からキックオフ。ちなみにこういう流れでスペイン観光定番のマドリッドとバルセロナを回る予定のあるファンにお勧めの次の日程は3月の第1週で、3日の土曜にサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリーvsヘタフェ戦、日曜はカンプ・ノウでバルサvsアトレティコ戦なんていうのはおいしいと思いますよ。 ▽え、いきなり週末の話になっているってことは、やっぱりレガネスはコパ決勝に行けなかったのかって?そうなんですよ、準々決勝では大先輩のマドリーにサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転突破を果たしていた彼らは今回、1stレグで1-1という拮抗した状態でセビージャに挑んだんですけどね。一応、ガリターノ監督も「Queríamos evitar el arranque fuerte que suele tener el Sevilla/ケリアモス・エビタルエルアランケ・フエルテ・ケ・スエレ・テネール・エル・セビージャ(セビージャがよくやる序盤の猛攻を避けたかった)」と言っていたように兄貴分の片割れ、アトレティコが準々決勝2ndレグ開始23秒で失点したような大ポカはしなかったんですが、何せ先週、ブタルケで私が観戦した時も両チームのレベルの差と言いますか、全般的に押され気味でしたからね。 ▽選手たちがキックオフ前の「Volver a ser campeon es lo que mas quiero/ボルベル・ア・セル・カンペオン・エス・ロ・ケ・マス・キエロ(自分が一番したいのは再びチャンピオンになること)」といった垂れ幕や、サンチェス・ピスファン恒例の暗くした場内に響き渡るhimno del centenario/イムノ・デル・センテナリオ(クラブ創設100周年歌)アカペラ合唱に気を飲まれることはなかったものの、前半15分にはエリア内右奥に入りこんだムリエルをシオバスが止められず、ゴール前にラストパスを出されてコレアに先制点を決められてしまうことに。それでも1点を取れば延長戦に入れることから、決して気落ちせず、アムラバットやガブリエル・ピレスを中心にゴールを挙げようと頑張ったんですが…終盤、最後の切り札として投入されたのがCBマントバーニだった辺りがやはり、チームとしての限界だったかと。 ▽うーん、後でガリターノ監督は「延長戦に入った場合、ゲレロを入れていたら、バランスが崩れていただろう」と言っていましたけどね。クロスを放り込んでキャプテンのヘッドで何とかしてもらうという算段もあったのかもしれませんが、とにかく負けているですから、ここは先を考えずにFWを入れた方が良かった?そうこうするうち、セビージャのカウンターがはまり、残り1分にフランコ・バスケスが2点目をゲット。これで総合スコア3-1と完全に息絶えてしまったレガネスでしたが、無料バス6台を連ねて応援に駆け付けたファン400人もスタンドでチームを称えていたように、このコパでビジャレアル、マドリーと強豪を倒してきた彼らの健闘は立派としか言いようがありませんって。 ▽年明けからずっと続いた週2試合ペースにも絶妙のローテーションで息切れしなかったですしね。選手たちにも自信がついたことでしょうし、木曜朝にセビージャ(スペイン南部)からAVE(スペインの新幹線)で帰京した彼らにはなるたけ早く、気持ちを切り替えて、チームの根本目標である1部残留を速やかに達成してほしいかと。ちなみに今週末、レガネスは土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、ホームに先日、近々契約延長が決まりそうだ報じられた乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎えるんですが、奇しくも前節、セビージャに5-0と大勝した相手とはいえ、幸いガリターノ監督のチームにはコパ準決勝による負傷者は発生しておらず。 ▽リーガでは現在、お隣さんのヘタフェと同じ勝ち点数29で、どちらも降格圏までは12、来季のヨーロッパリーグ出場権をもらえる6位まで4と、これだとどちらのチームも残留決定後、更に上を目指す余裕がありそうな。加えて、忘れてはいけないのはここ12年で17回目の決勝進出、コパでは8回の決勝で5回優勝しているセビージャですが、翌木曜にはサンチェス・ピスファン同様、大勢のファンがメスタジャ入りするチームバスをお出迎え。声を限りに応援したものの、バレンシアはコウチーニョとラキティッチにゴールを許し、総合スコア0-3で準決勝敗退に。 ▽おかげで誰もがワンダ・メトロポリターノで行われると思っていたにも関わらず、その週末がベティス戦と重なるため、新たにメスタジャやサンティアゴ・ベルナベウが開催スタジアムとして浮上してきた4月21日のコパ決勝では2年前にも負けているバルサと対戦するんですよね。となると、かなり分が悪そうですが、もしここでバルサがコパ4連覇を遂げると、うーん、リーガ独走は勝ち点差9で2位のアトレティコも何とか止めたいと努力はしているものの、彼らの来季CL出場権獲得はまず確実。その場合、コパ優勝チーム用のEL出場権がリーガ7位に回るとなれば、マドリッドの弟分チームが揃ってヨーロッパの大会に参加なんてこともありうるかもしれない? ▽おっと、そんな絵に描いた餅のような話は置いといて、試合のないミッドウィーク2週目を終えた兄貴分たちについても触れておかないと。月曜に練習場を覆った雪も火曜にはすっかりキレいになっていたため、どちらも4日間じっくりトレーニングに励めたんですが、やっぱり首位まで勝ち点19ともなると、マドリーファンも来週水曜のCL決勝トーナメント16強対決PSG戦1stレグの方が気になっているはずと各紙も判断したんでしょうね。ただ、ネイマールの連日バースデーパーティや雪の中でサンタ帽をかぶってパンツ一丁でポーズをとるツイート(https://twitter.com/neymarjr)などばかりではさすがにネタがもたないためか、木曜にはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)の復活により、控えに戻ってからの態度の悪さに失望して、ジダン監督はこの夏、イスコを放出する意向を固めたという噂なども現れることに。 ▽まあ、これは金曜の試合前日監督会見に出た当人が「自分はイスコが好きだ。マドリーにずっといてほしい。Todo lo dicho es mentira/トードー・ロ・ディッチョー・エス・メンティーラ(言われていることは全て嘘だよ)」と否定していましたので、そんなに気にしないでもいいかと思いますが、ちょっと心配なのはあまりにCLが近づきすぎて、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレアル・ソシエダ戦で選手たちが上の空にならないかということ。何せ、今回はウィリアム・ホセとジャヌザイがケガで出られないとはいえ、相手は前節デポルティボに5-0と大勝して、調子を取り戻しつつありますからね。今季のマドリーはサンティアゴ・ベルナベウでの試合でも勝ち点を落とすことが多いため、うっかり選手を温存もできないって、なんだか大変そうですが、とりあえず、現在5位のビジャレアルと勝ち点差2の4位の座だけは死守しないと面目が立たないかと。 ▽そして土曜の午後4時15分から、4試合ぶりのアウェイゲームで最下位のマラガに挑むのがアトレティコなんですが、こちらもバルサ程ではありませんが、前節のバレンシア戦でサビッチとゴディンが全治3週間見込みのケガを負ってしまったため、今週の練習ではシメオネ監督がCBコンビを務めるヒメネスとリュカに居残りまで命じて鍛えていたとか。いえ、ゴディンなど、金曜には失くした前歯3本の治療を終え、マハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドで元気な姿を見せていたんですけどね。やはり当分は頭を使うようなプレーは避けた方がいいようで、招集リストには入らず。相手のマラガはミチェル監督がヘタフェ戦の後に解任され、ホセ・ゴンサレス新監督となってから、2分け1敗とまだ白星がないんですが、窮鼠猫を噛むといったことわざもありますしね。アトレティコとしても油断は禁物ですが…こちらも来週木曜にはEL32強対決コペンハーゲン戦1stレグなのにまったく盛り上がってないのはやっぱり大会柄、仕方ないんでしょうか。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.10 10:15 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】もうすぐヨーロッパの大会なのに…

▽「嬉しいもんなのかしら」そんな風に私が首を傾げていたのは月曜日、前夜ワンダ・メトロポリターノから自宅に着いたのが午前1時過ぎだったため、遅めに新聞を買いに出たところ、外は激しく雪が舞い踊る状態。道にも積もり始めているのに閉口して、おっかなびっくり歩いていたんですが、途中でセルフィーを撮っているスペイン人を何人も見かけたから。いえ、幸いスタジアムに試合観戦に行かないといけなかった日曜はまだみぞれとかで、レバンテ戦を終えて帰京したイスコが、雪がちらつくマドリッド郊外にある家の庭で上半身裸になって犬と戯れるビデオ(http://espndeportes.espn.com/video/clip/_/id/3954321)などが話題にもなったんですけどね。 ▽それが月曜になると、ジエゴ・コスタはまだ服を着ていたからいいものの(https://twitter.com/diegocosta/media)、21歳のリュカなど、半裸で雪の上にダイブ(http://www.marca.com/futbol/atletico/2018/02/05/5a786f96468aebcf048b4617.html)なんて映像も出てきたため、思わず、「また当分、出づっぱりが続くんだから、風邪だけは引かないで」と祈ってしまったものの、幸いながらアトレティコは火曜午後5時まで練習がなし。ええ、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場なんて凄い積雪になっていたと思うんですが、おかげで月曜午後からトレーニングを予定していたお隣さんなど、バルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドが雪まみれ(https://www.realmadrid.com/noticias/2018/02/la-nieve-cubre-la-ciudad-real-madrid-y-el-santiago-bernabeu)でセッション中止になったとか。 ▽まあ、それでもレアル・マドリーは今週土曜のリーガ、レアル・ソシエダ戦しかないからいいものの、気の毒だったのは、その大先輩をコパ・デル・レイ準々決勝で破り、水曜にはセビージャとの準決勝2ndレグを控えるレガネス。前日もみぞれの降りしきる中、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで行われたヘタフェとの弟分ダービーを戦ったんですが、いえ、私もその正午からの試合をスタンドで寒さに震えながら見ていたんですけどね。丁度、コパの谷間ということもあり、9人もローテーションしながら、後半序盤にはアントゥネスのFKがゴールポストに当たったり、ホルヘ・モリーナのシュートもGKクェジェルが弾いて何とかピンチを脱出。新加入のロイク・レミ(ラス・パルマスからレンタル)や柴崎岳選手が交代でピッチに入っても最後まで無失点をキープしているんですから、頑張るじゃないですか。 ▽ただ、自分たちのチャンスも終盤、キャプテンのマントバーニのヘッドが際どく枠をそれたぐらいしかなかったため、「El punto es muy bueno para nosotros/エル・プント・エス・ムイ・ブエノ・パラ・ノソトロス(この勝ち点1はウチにとって非常にいいもの)」(ガリターノ監督)というスコアレスドローを勝ち取るにとどまったんですが、次の試合まで中2日しかないとなれば、雪が降ろうが槍が降ろうが、トレーニングをしない選択はないですからね。それも1-1だった1stレグから勝ち抜けるには1点以上、サンチェス・ピスファンで挙げないといけないため、たとえ先週末はエイバルに5-1と大敗した相手とはいえ、月曜午前11時にはインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケでセッションを強行することに。クラブのツイッターの映像(https://twitter.com/CDLeganes/status/960472663369158656)によると、ホントにこれで練習になるのかという気はしますが、レガネスの選手たちにとってはコパ決勝に出られるチャンスなど、一生に一度あるかないか。 ▽もうそうなると、今回スペインのかなりの地方を襲った降雪も決戦の地、セビージャ(スペイン南部)には無縁、快適な気温でプレーできることを期待して、ここは歯を喰いしばって立ち向かうしかないと思いますが、さて。うーん、ヘタフェ戦の後、年明けからは週2試合でかなりのハードワークになっているエル・ザールなどは、「La carga de minutos la llevamos bien/ラ・カルガ・デ・ミヌートス・ラ・ジェバモス・ビエン(ボクらはプレー時間の多さを上手くこなしている)」と言っていましたけどね。ガリターノ監督に「Esta enfermo/エスタ・エンフェルモ(/病気中)」と言われ、日曜の試合に出なかったトップ下のガブリエル・ピレスが回復するのかも気にならなくはないとはいえ、今週の土曜午後6時30分、乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎える試合でコパ決勝進出祝いができたら、私も嬉しいんですけど。 ▽そしてヘタフェの方は次節、カンプ・ノウでバルサと日曜に対戦。セントロ(マドリッド中心部)でも夕方には雪が雨に変わったため、こちらは天候が落ち着いた頃を見計らって偵察に行ってくるつもりですが、その一方で先週末、マドリッドの兄貴分チームたちの出来はどうだったのかというと。いやあ、それが土曜に一足早く試合をしたのはマドリーだったんですが、このところ、リーガでデポルティボとバレンシアに連勝して、調子が戻ったのかと思っていたんですけどね。実際、前節に続いて同じバレンシア(スペイン西部にある地中海沿岸のリゾート都市)でのレバンテ戦でも前半11分にはクロースのCKをセルヒオ・ラモスがヘッドで決め、早い時間に先制。 ▽相手は昨年11月から勝ってないし、順位も降格圏ギリギリだったため、その日もgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を期待したファンも多かったかもしれませんが、気を抜くのが早すぎたんでしょうかね。ハーフタイムまであと3分というところでカウンターを喰らい、モラレスのシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、こぼれたボールをエリア前からボアテングに撃ち込まれ、1-1で前半を折り返すことに。おまけに後半は拮抗してしまったため、とうとうジダン監督はベイルを諦めて、20分にはイスコを投入。それが功を奏したのは36分、ベンゼマがエリア内右奥から送ったパスをその彼がシュートして、ようやく再びリードを奪ったんですが…。 ▽え、大体がしてその直後、ジダン監督が、当人は不満の表情を浮かべたにも関わらず、クリスチアーノ・ロナウドを下げてしまったのが一番いけないんじゃないかって?いやあ、「代えたのは中盤に選手を入れたかったから。Más fuerza en el centro del campo/マス・フエルサ・エン・エル・セントロ・デル・カンポ(ピッチのセンターをもっと強化できるようにね)」(ジダン監督)という考えは悪くはないんですが、アセンシオは半分FWみたいなもんですからね。この辺はアトレティコなどとは感覚が違っていて、おそらくシメオネ監督だったら、ナチョやテオでDFを厚くして、なりふり構わず1点差を守りにいったと思いますが、そこは天下のマドリー。 ▽それまで何度もモラレスの独走を招いていた守備が44分に再びほころびを見せ、ジェイソンのスルーパスから、移籍市場クローズの日にベローナから加入したばかりのパッツィーニに同点ゴールを決められ、痛恨の引き分けと終わった後、キャプテンのラモスも「あと5分という時に引き分けにされるなんて普通じゃない」と怒っていましたけどね。「経験を生かして、プレーを遅らせて時間を稼いだり…Pero el Madrid está obligado a jugar bien y queremos dar una buena imagen/ペロ・エル・マドリッド・エスタ・オブリガードー・ア・フガール・ビエン・イ・ケレモス・ダール・ウナ・ブエナ・イマヘン(でもマドリーはいいプレーをすることを義務付けられていて、ボクらもいいイメージを見せたいから)」とも言っていたように、きっとジダン監督の頭も追加点を取りに行く方に向いていたのかと。 ▽うーん、この結果、翌日にバルサがエスパニョールとのダービーに勝っていたら、勝ち点差が21ポイントに広がってしまうところだったんですけどね。それでもまだ、「Yo siempre voy a decir que la Liga no está sentenciada/ジョ・シエンプレ・ボイ・エ・デシール・ケ・ラ・リーガ・ノー・エスタ・センテンシアーダ(自分は常にまだリーガの行方は決まっていないと言うよ)」と主張するジダン監督はある意味、凄いんですが、心配なのは事あるごとにカウンターを受けて失点してしまうマドリーの守備の弱さ。昨季とかなら、自慢の点取り屋たちのおかげでそんなの何てことはなかったんですけどね。一応、バランなどは「No nos afecta, la Champions es diferente/ノー・ノス・アフェクタ、ラ・チャンポンズ・エス・ディフェレンテ(影響はないよ、CLはまた違うんだから)」と強気でしたが、レバンテに2点取られるなら、果たしてネイマール、カバーニ、エムバペを擁するPSGにはどれだけゴールを奪われることになるのやら。 ▽ええ、CL16強対決1stレグも来週水曜と迫ってきただけに不安も尽きないかと思いますが、折しもこの2月5日の月曜はロナウドが33歳、ネイマールが26歳の誕生日。さすがにこの年にもなると、日曜夜にはパリのディスコを借り切った後者のメガバースデーパーティがTV画面を賑わせても、自分も30歳になった時などやっているし、今は静かに家族とアットホームに祝うのがいいみたいな感じにロナウドもなってしまうんでしょうが(https://www.instagram.com/p/Be0ZuuuFs9Y/?hl=ja&taken-by=cristiano)、向こうはフランス・リーグ1でも18得点と、PSGの独走に大いに貢献していますからね。それでも今季、マドリー唯一の命綱となってしまったCLでは8得点のリーガと違い、6試合9得点で大会トップを走っている彼に期待を預けるしかないんですが…まずはこの土曜のリーガ、レアル・ソシエダ戦で上手く助走をつけられるといいですね。 ▽そして日曜、ヘタフェ(マドリッド近郊の衛星都市)で冷え切った体を一旦、家に帰って温め、今度は体感温度マイナス1度との予想にヒートテックを1枚余分に着込み、ホッカイロを大量持ちしてワンダ・メトロポリターノに向かった私でしたが、同じように覚悟してスタンドに足を運んだファンは約5万人。相手のバレンシアがバルサとのコパ準決勝1stレグの疲労or2ndレグに備えての体力温存もあったのか、前半、鬼のように守備を固めてきたため、せいぜいサウールのミドルシュートとCKからのジエゴ・コスタのヘッドぐらいしかチャンスを作れなかったアトレティコでしたが、どちらもGKネトのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に阻まれてしまっては。とはいえ、前半0-0で終わるのはよくあることだったため、むしろ28分にサンティ・ミナにタックルされたサビッチが左太もも裏を痛め、アップもせずにヒメネスがピッチに入ったことの方が私としては心配だったんですが、何と後半5分には先発CBの片割れ、ゴディンまでもケガで交代なんてことあっていい? ▽いえ、彼の場合、CKで攻撃参加した際、クリアにジャンプしたネトの腕で顔面を強打。あとから空中に白い物が飛んでいるショッキングな映像も出てきたように、前歯3本を折る大変な目に遭ったんですけどね。シメオネ監督も「si la de hoy de Godín no lo es... Nos van a matar uno para que se penalti/シー・ラ・デ・オイ・デ・ゴディン・ノー・ロ・エス…ノス・バン・ア・マタール・ウノ・パラ・ケ・セ・ペナルティ(今日のゴディンのがそうでないなら、ウチがペナルティを取ってもらうには誰かが殺されないと)」と言っていたようにこの災難も今季のリーガで初PKゲットには繋がらず。ここは急遽、右SBのフアンフランが入り、CBはヒメネスとリュカ、左SBにベルサイコを回して窮地を凌ぐことに。 ▽そんな不運続きでしたから、すでに守備固めに入るつもりでガビがライン際で交代を待っていた後半13分、コケのパスを受けたコレアがハーフタイムに「バレンシアはエリア外からなら撃たしてくれる」とロッカールームで話し合ったのを生かし、エリアの左前から斜めにシュート。それが決まった時にはビックリしたの何のって。1-0となって、カラスコに代わって入ったガビは反撃を始めたバレンシアに対し、しっかり中盤を支えてくれましたし、いやまあ、コスタとグリーズマンのFWコンビはアトレティコ最強ですからね。追加点を狙うなら、そのままの方がいいのもあったんでしょうが、残り15分には今季はビジャレアル、バルサ、ジローナなど、終盤の失点で引き分けられてしまったのを反省したんですかね。そうそうに逃げ切りの姿勢に入ります。 ▽その方法はそれまで40%を切っていたポゼッションを上げることで、危険なパスを避けて、後半30分以降は60%に、最後の5分など、70%以上になっていたそうですが、おかげでせっかくのカウンターのチャンスにグリーズマンがボールを戻してしまい、スタンドからpito(ピト/ブーイング)が飛ぶ一幕も。怒った当人が指を唇の前に立てるポーズでファンを批判するのも大人気ないんですが、後でシメオネ監督も「no atacó innecesariamente cuando no había que atacar/ノー・アタコ・インネセサリアメンテ・クアンドー-・ノー・アビア・ケ・アタカール(攻撃すべきでない時、不必要に攻めていかなかった)」と褒めていましたしね。ファンにしてみれば、もっとガンガン行くチームを見たいのはわかりますが、そのまま1-0の勝利で勝ち点3が手に入ったとなれば、文句を言ってはバチが当たるかと。 ▽だってえ、丁度、その日はバルサがエスパニョールと1-1で引き分けていたため、これで首位との勝ち点差が9になったんですよ。ただ11差になったのは2節前、彼らがジローナに追いつかれ、引き分けてしまったせいなので、元に戻っただけなんですが、サルールなども「Tenemos que pensar en nosotros e ir partido a partido/テエモス・ケ・ペンサール・エン・ノソトロス・エ・イル・パルティードー・ア・パルティードー(ウチは自分たちのことだけを考えて、1試合1試合やっていかないと)」と言っていましたしね。月曜にはゴディンもサビッチも全治3週間と診断されてしまいましたし、もしやバルサは木曜のコパ準決勝、バレンシアとの2ndレグ(1stレグは1-0で先勝)で力を使い果たし、リーガの次戦では弟分のヘタフェが手助けしてくれるかもしれないなんて夢は見るだけ時間の無駄というもの。それより早く練習場のグラウンドをしっかり雪かきして、土曜のマラガ戦に備えるべきですが、何だか来週木曜のヨーロッパリーグ32強対決、アウェイのコペンハーゲン戦もデンマークだけに寒さとの戦いになりそうですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.06 12:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】今熱いのはマドリッド南部のチームかも…

▽「ファンだって、これに懸けるしかないものね」そんな風に私が呟いていたのは金曜。14日にサンティアゴ・ベルナベウであるCL決勝トーンメント16強対決のPSG戦1stレグで一般チケットが売り出しからたったの37分間でソールドアウト。ネット上のreventa(レベンタ/ダフ屋)では300ユーロ(約4万2000円)から、果ては2万4000ユーロ(約330万円)の高値で取引されているという記事をマルカ(スポーツ)紙)で見つけた時のことでした。いやあ、コパ・デル・レイ準決勝1stレグが行われた今週、すでにマドリッドの両雄は敗退済みとあって、各紙のクラブページもミニマムに。だからといって、翌15日にヨーロッパリーグ決勝トーナメント32強対決1stレグを戦うアトレティコの相手、コペンハーゲンの情報など、皆無に等しかったんですけどね。 ▽ネイマールやムバッペにレアル・マドリー移籍の噂があったことや、スペイン人のエメリ監督が率いているのも話題を作りやすかったんでしょうか。ここ数日、マドリーページの半分がPSG関連で埋まっているのにうんざりしていた私でしたが、まあ確かに。いくらリーガのレバンテ戦を土曜に控え、前日記者会見で久々に話したジダン監督が、「La Liga dices que está sentenciada y yo no lo creo/ラ・リーガ・ディセス・ケ・エスタ・センテンシアーダ・イ・ジョ・ノー・ロ・クレオ(君はリーガの結果はもう決まっていると言うが、私はそうは思わない)」と主張しても、首位バルサとの間には厳然たる勝ち点19の壁が。どこから見ても逆転優勝はムリそうとなれば、来季はUEFAの規則が変わって、スペインは2位から4位まで直接CLグループリーグに出場できますからね。 ▽となれば、4位から落ちないことさえ気をつけていれば、「Tenemos que terminar la Liga lo más alto posible/テネモス・ケ・テルミナール・ラ・リーガ・ロ・マス・アルトー・ポシーブレ(ウチはできるだけ高い順位でリーガを終えないといけない)」(ジダン監督)ということもなさそうですが、それより大事なのはCLで3連覇できる可能性をシーズン終盤まで残しておく方。万が一、決勝トーナメントの最初で躓いたりしたら、マドリーファンは残りの3カ月、夢も希望もない日々を送る破目になるとなれば、とにかくPSG戦はスタジアムに駆けつけて、チームを応援しようという心理もチケット高騰の原因になっているんでしょうか。 ▽まあ、マドリーについてはまた後で話すことにして、今週の主役はその兄貴分を逆転で準々決勝敗退に追いやって堂々、マドリッド唯一のコパ生き残りとなったレガネスで、水曜にはブタルケで準決勝1stレグが開催。その相手は同じ兄貴分のアトレティコを連勝で破ったセビージャだったんですが、さすがここまでの高みまで来たのはクラブ史上初とあって、マドリー戦同様、平日の午後9時30分という遅いキックオフだったにも関わらず、スタジアムから人が溢れんばかりの盛況ぶりでしたっけ。正面スタンドとfondo norte/フォンド・ノルテ(北側ゴール裏席)の間の角に陣取ったセビージャ応援団から開始直前、発煙筒が投げ入れられたり、爆竹の煙でそのエリアが真っ白になったりと、ちょっと過激な雰囲気もあったんですが、大丈夫。他の席にホームサポーターに混じって座っていたセビージャファンはまったく問題を起こしていませんって。 ▽試合の方は序盤から優勢だったビジターアウェイチームが20分、サラビアのパスをムリエルがシュートしたところ、ボールがポストに当たってゴールとなり、レガネスは先制点を奪われてしまうことに。それからもGKシャンパンの連続セーブなど、危険なシーンもあったんですが、後半頭から、イエローカードをもらっていたブラサナツに代わり、先日、ベルナベウでエリア外から殊勲の同点弾を決めたエラソが入ったのがいい刺激になったんでしょうか。しばらくの間、攻勢に転じたレガネスは55分、彼の放ったCKをファーポストでブスティンサが敵DFと争いながらヘッド、高く上がって落ちてきたボールをGKセルヒオ・リコがパンチングでクリアしようとしたんですが…何と空振りしてしまったから、さあ大変! 丁度、その下にいたシオバスの頭にボールがミートして同点ゴールになるなんて、目が点になるとはまさにこのこと? ▽いやあ、実はそのセルヒオ・リコは先週末のリーガ戦でも後半アディショナルタイムに似たようなハイボールのクリアミスを犯し、お隣さんのヘタフェがアンヘルのゴールで勝ち点1をゲットと、ラッキーボーイになってくれていたんですけどね。その後は辛くも守り切り、1-1で「hemos conseguido el empate y mantenemos viva la eliminatoria/エモス・コンセギードー・エル・エンパテ・イ・マンテネモス・ビバ・ラ・エリミナトリア(ウチは引き分けをもぎ取り、対戦を生きたものに保った)」(ガリターノ監督)レガネスは、初戦に1-2と負けたアトレティコよりいい状況で来週の水曜の2ndレグに挑むことに。ただ、怖いのはサンチェス・ピスファンの雰囲気で、いえ、ほとんど観客がセビージャファンになるため、発煙筒や爆竹の数が比べものにならないなんてこと、まったくありませんよ。 ▽そうではなく、私もアトレティコとの2ndレグをTVで見た時、感じたんですが、キックオフ前、暗くした場内にレーザー光線が飛び交う中、ファンが合唱するhimno de centenario(イムノー・デ・センテナリオ/クラブ生誕百周年記念の歌)が響き渡る光景は鳥肌が立たんがばかり。そのせいかどうかは知りませんが、ボヤッとしてゲームを始めたアトレティコなんて、開始23秒でゴールを喰らっていましたからねえ。おまけに相手はコパ5回、EL5回に優勝と準決勝慣れしていますし、やはりこの日の押し込まれぶりを見ると、レガネスが勝ち抜けて4月21日、兄貴分ご自慢の新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノで翌木曜の準決勝1stレグでは好カードにも関わらず、ガラガラだったカンプ・ノウでバレンシアに1-0と先勝。来週木曜のメスタジャは満員御礼でremontada(レモンターダ/逆転突破)を後押しするようですが、このままだとコパ4連覇を果たしそうなバルサと晴れの決勝の舞台に立つのは難しいような気がしますが、いえいえ、諦めてはいけません。 ▽そう、相手にアキレス腱があるとすれば、まあ、これはブタルケで一緒になった顔見知りのガーディアン(イギリスの一般紙)の記者の冗談でしょうが、「マンチェスター・ユナイテッドとのCL16強対決に勝つのを諦めて、コパに懸けているのかもしれない」と言っていたように、セビージャはモンテッラ新監督になってから、トップのムリエルとベン・イェデル以外、選手のローテーションがほとんどないということ。実際、同じベストメンバーでずっとリーガもコパも戦っているのは諸刃の剣で、土曜のエイバル戦も選手を変えず、2ndレグまで来るようだと、いい加減、疲労が半端ないと思うんですが、さて。それとも冬の移籍市場で補強したFWサンドロ(エバートン)、右SBラユン(ポルト)、ロケ・メサ(スワンジー)らが、いよいよ登場となるんですかね。 ▽え、そんなセビージャに比べればかなりローテーションをしているレガネスだけど、さすがにこの日曜のマドリー郊外ダービー、ヘタフェ戦では体力の限界に近いんじゃないのかって? そうですね、ガリターノ監督は「Si no jugamos un buen partido, no será por el cansancio/シー・ノー・フガモス・ウン・ブエン・パルティードー、ノー・セラ・ポル・エル・カンサンシオ(いい試合をしなかったとしてもそれは疲労のせいじゃない)」と言っていたものの、ケガが治ったのはルーベン・ペレスだけ。補強もLEP(スペイン・プロリーガ協会)がサウジアラビアからスポンサー料付きで連れて来たアル・シェーリ(アル・ナセル・リヤド)だけと、フル出場はしなくても皆勤しているガブリエル・ピレスやアムラバットら、かなりしんどいところはありそうですけどね。 ▽そこはもう、選手たちの根性で頑張ってもらうしかないんですが、一方のヘタフェはコパ早期敗退のおかげで新年からずっと週1ペースで試合。だからって訳ではないものの、丁度、今週は寒さも少し緩んだため、私も木曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスの側にあるシュダッド・デポルティバに偵察に行ってみたところ、いやあ相変わらず、このチームはセッションが長いこと。その日は午前11時に始まり、終わったのは午後1時近くで、やれやれと私も引き上げようとしたんですが、あら? 居残って、CKを蹴り始めた選手が2人いて、その片方が柴崎岳選手だったとなれば、動けないじゃないですか。 ▽いやあ、ヘタフェに来てからはセットプレーのキッカーを務める姿を1回ぐらいしか見かけたことのない彼だったんですけどね。昨季後半から入団したテネリフェ(2部)でも担当するようになったのは2カ月ぐらい経ってからだったため、そろそろボルダラス監督もアントゥネス、ダミアン以外のキッカーを試してみたくなった? 最初はファジルがエリア内のフィニッシャーを務め、後は交互にCKを蹴って、コーチ2人がシュート役。何度もいいところに来たと褒められていましたが、とうとう最後にはファジルも帰ってしまい、柴崎選手だけ更に数分、FKにもトライ。結局、全体練習終了後、30分も追加特訓って、もしやこれはレガネス戦で彼の蹴ったセットプレーから得点が生まれるのを期待してもいい? ▽ちなみにヘタフェは契約解除をしたラセンに代わるMFを移籍市場クローズまでに獲れず、ようやくこの金曜にフリーだったフラミニ(昨季はクリスタル・パレス)が入ったんですが、その日の練習のpartidillo(パルテディージョ/ミニゲーム)では柴崎選手がボランチに入る時間も。同日、入団プレゼンだったFWロイク・レミ(ラス・パルマス)はシーズン前半5得点という実績もありますし、すぐベンチに入れるかもしれませんが、アーセナルやミランで活躍したベテラン33歳のフラミニにはブランク期間が結構、ありますしね。これまでは第2FWやトップ下で使われていた柴崎選手にも時にはポジションを下げて、ベルガラが負傷で全治2、3カ月と手薄になったゾーンを助けてもらいたいという意図が監督にはあったのかも。そんなヘタフェvsレガネス戦は日曜正午(日本時間午後8時)からコリセウム・アルフォンソ・ペレスでキックオフ、前半戦の対決ではアランバリとアンヘルのゴールで1-2とヘタフェが勝っていますが、今回はどんな結果になるでしょうかね。 ▽そして「Hemos tenido semana larga y es el momento para echar gasolina/エモス・テニードー・セマーナ・ラルガ・イ・エス・エル・モメントー・パラ・エチャール・ガソリーナ(ウチは長い1週間を過ごして、今は給油する時)」(ジダン監督)というお隣さん同様、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)から、とんでもない寒波到来の予想が出ているワンダにバレンシアを迎えるのがアトレティコなんですが、こちらも私が水曜にマハダオンダ(マドリド近郊)の練習場に見学に行ったところ、やっぱりミッドウィークに試合がないせいでしょうね。いつもは1時間で終わるセッションが1時間半あったのには驚いたんですが、取材陣用にある敷地内の高台から見ていた15分間はゴムでできた半球のクッションを使ったエクササイズとパス回しだけ。 ▽外に出された後、敷地をグルリと回って金網のフェンス越しに眺めていたメインの方は選手たちを2班に分け、仮想先発組、仮想控え組がそれぞれカンテラーノ(下部組織の選手)のチームと対戦するというものでしたが、そのお題の開き直りぶりはあっぱれの一言。ええ、まず前線がボールを敵陣で失ったところからプレーが始まり、GKオブラクの近くで取り戻して速攻カウンターというのが筋書きなんですが、まあゴディンやヒメネスのロングパスの狙いが外れ、すぐに敵が戻って来るのは昨今のアトレティコでは日常茶飯事ですから、批判はできませんよね。かといって、後方から几帳面に繋いでいく器用さもない彼らとなれば、この週末はケガが完治したジエゴ・コスタもグリーズマンとコンビを組めそうともあって、シメオネ監督がカウンターに懸けるのは正解だったかも。 ▽その上、相手はコパで疲労困憊、ガライ、ゲデス、コンドグビア、そしてバルサ戦でセルジ・ロベルトのレッド相当、でもイエローカードだった足を上げてのタックルで打撲したペレイラもケガで出られないバレンシアとなれば、かなりアトレティコの勝率は上がるんじゃないかと思いますが、こればっかりはねえ。とりわけ気になるのは前節のラス・パルマス戦でもハーフで交代させられたコケの目に余る不調ぶりで、いえ、丁度、帰りがげに敷地の横にあるパステレリア(パンやケーキの食べられるカフェ)前の駐車場出入り口から出て来た当人はいつものように愛想良く、サインや写真を頼むファンに応じていましたけどね。 ▽この冬の移籍市場でGKモヤがヘタフェに戻ることはなかったものの、MFはアウグストが中国の北京人和に行ってしまったため、ボランチがガビ、コケ、サウール、トマスら、ゲームメーカーの概念とは程遠いカンテラーノの独壇場になってしまうのがちょっと心配なんですが、長年アトレティコファンをやっている、私の家の前にあるキオスクのお兄さんによると、「昔からチームの司令塔なんていなかった」のだとか。要はバルサやマドリーとはまったく別次元のサッカーだと思って見るしかないんですが、何はともあれ、ELが始まるまで、できるだけ沢山ゴールを挙げて勢いをつけるのと共に、勝ち点差11で逆転優勝の目はお隣さん同様、ほとんどなくても現在、3位バレンシアと6差の2位の座は死守してほしいかと。 ▽そして最後に土曜午後8時45分から、アウェイでのレバンテ戦に臨むマドリーについてですが、ジダン監督は前節、バレンシアを1-4と破ったことを良しとして、再びBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)をリピートするよう。うーん、最初の2点はPKでしたし、終盤の2点はベイル、ベンゼマが退いて、ルーカス・バスケス、アセンシオが入ってから決まったんですけどね。リーガ20チーム中、この1月に補強を一切しなかったのがマドリーだけだったのを見てもわかるように、看板アタッカーへの信頼は絶大とはいえ、レバンテも今は降格圏まで勝ち点2の16位とあって、必死ですからね。シーズン前半戦にはベルナベウで1-1の引き分けと健闘していますし、この冬、7人も加入したとあって、油断は禁物。そうそう、マドリーでは前節お休みしたセルヒオ・ラモスとイスコが復帰するようですが、PSG戦まであと2週間を切りましたし、今はまだ、あまりムリして長い時間プレーさせない方がいいかもしれませんね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.03 13:30 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】勝っても順位は変わらないけど…

「ここで休んでおくのも悪くはないのかも」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、先週の準々決勝でコパ・デル・レイを敗退したアトレティコの練習が水曜までないと知った時のことでした。いえ、お隣さんも状況は同じで、ここ2週間は週末のリーガしか試合がないんですけどね。どちらも2月の第3週からヨーロッパの大会の決勝トーナメントが始まるとはいえ、レアル・マドリーのPSGとのCL16強対決は14日の1stレグの後、2ndレグが3月6日と間が長く空くのに比べ、ヨーロッパリーグの方は15日にコペンハーゲンとの32強対決1stレグを皮切りに翌週は2ndレグ、次は16強対決の2試合とハードスケジュール。その前に一息つければ、選手たちもリフレッシュできて助かるんじゃないかと思ったから。 ▽まあ、そうは言っても少しは期待もあっただけに4月21日、ワンダ・メトロポリターノでの開催が予定されている決勝でまたしてもバルサが優勝、コパ4連覇を達成するシーンを目撃する破目になるのは決してマドリッド市民にとって、喜ばしいとは言えないんですけどね。とはいえ、逃した魚を悔んでいてもキリがなし。せめて今はリーガでいいプレーを見せてくれれば、ファンも決勝は5月と、まだかなり先なヨーロッパ制覇の夢に向けて、少しは前向きでいられるんですが、果たして先週末の試合がどうだったかというと。 ▽この21節、先陣を切ったのはマドリーで、メスタジャで3位のバレンシアと対決。偶然にも先週、コパ準々決勝2ndレグをプレーしている相手だったのが、幸いしたか、何せ、あちらはアラベスと延長戦にもつれ込み、PK戦を制してようやく勝ち抜けという苦労をしていますからね。その割にはローテーションした選手もあまり多くなかったのとは真逆で、マドリーはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)を擁したAチームを投入。Bチームがプレーしたレガネスとのコパ2ndレグから続けて先発したのはナチョだけだったとなれば…え、モントーヤが2回もペナルティを犯さなければ、前半16分と38分にロナウドにPKを決められて、バレンシアが2点ビハインドで折り返すこともなかったんじゃないかって? ▽そうですね、実際、最初にロナウドをエリア内で倒したプレーはともかく、空中戦でベンゼマを押したとされた2度目の方は、後半13分にパレホのCKから、ヘッドでゴールを挙げ、点差を縮めたサンティ・ミナも後で「Si pita un penalti como ese habria que pitar muchos penaltis en todos los partidos/シー・ピタ・ン・ペナルティ・コモ・エセ・アブリア・ケ・ピタール・ムーチョス・ペナルティス・エン・トードース・ロス・パルティードス(ああいうのをペナルティにするんだったら、全ての試合で沢山、ペナルティを取らないと)」と文句を言っていましたけどね。ジャッジにツキがない時はありますって。 ▽その後、バレンシアの猛反撃をGKケイロル・ナバスのファインセーブにも助けられ、何とか凌いだマドリーはルーカス・バスケス、アセンシオ、コバチッチの投入が、「終盤、選手たちはそこまでの大きな努力と水曜の試合からの蓄積が堪えた」(マルセリーノ監督)というバレンシアの落ち込みに重なって功奏。38分にはマルセロがアセンシオとのワンツーから、44分にもコバチッチのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)を受けたクロースがゴールを挙げて、最後は1-4で快勝することに。おかげで試合後、モドリッチなどからは、「No me puedo creer que se cuestione al mister despues de todo lo que ha conseguido/ノー・メ・プエド・クレエル・ケ・セ・クエスティオネ・アル・ミステル・デスプエス・デ・トードー・ロ・ケ・ア・コンセギードー(あれだけのことを達成した監督を疑問視するなんて信じられない)」とコパ敗退で昨今、世間からの批判が高まっていたジダン監督を擁護する発言も聞かれたのですが…。 ▽いや、だって先週、弟分チームのレガネスに1-2で負け、逆転敗退したのはBチームですからね。いくらジダン監督が「Nosotros fisicamente estamos bien/ノソトロス・フィシカメンテ・エスタモス・ビエン(ウチはフィジカル的にはいい)。良くない時があるのはむしろメンタルのせいで、そっちの方が影響する」と言っても、Aチームはリーガ前節デポルティボ戦でも7-1のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で爆発。すでに問題はなかったはずなんですが、実際、問われているのは、負けたら後のない大事なトーナメント戦でBチームを出すという選択の過ちの方ですからねえ。とはいえ、その控えメンバーの彼らだって、バレンシア戦のように途中出場で貢献することもありますし、大体がして現在、リーガで首位バルサと勝ち点差19という惨状になったのは大方、Aチームの選手たちのせいだったなんてことも考えると、何とも言えませんが、とりあえず、来季CL出場圏の4位をキープして、3位との差も勝ち点2に詰められたのは良かったかと。 ▽そんなマドリーは次は土曜、今度もアウェイとなるレバンテ戦でAチームの復調ぶりを見せつけていくことになりますが、翌日曜の私はディゲームのブタルケで、勢いに乗っている時はツキも味方してくれるということを実感することに。ええ、兄貴分を倒して栄えあるsemifinalista(セミフィナリスタ/準決勝進出チーム)となったレガネスが、同じくコパ準々決勝でバルサに1-0と先勝しながら、カンプ・ノウで2-0と負けて逆転敗退したエスパニョールを迎えたんですけどね。戦力的に余裕のある訳ではないにも関わらず、ガリターノ監督が何とも上手に選手たちをローテーションしていたのはお見事。それも兄貴分のカンテーラ(ユース組織))出身のCB、エルモーソの協力があってこそだったんですが、まずは前半11分、オマル・ラモスのシュートがゴールポストに弾かれた後、サルドゥアが撃ち込んだボールに当たってオウンゴールを献上してくれることに。 ▽それでも後半4分にはマルク・ナバーロに同点にされてしまったレガネスでしたが、23分にはリーガの先発CF、ゲレロがラウール・ガルシアのクロスを頭で決めて再びリードすると、何と37分には交代出場のアムラバットのクロスをクリアしようとしたエルモーソが2度目のオウンゴール。これで2点差になったから、寒風吹きすさぶ中、キックオフからずっとお祭りムードだったスタンドがどんなに盛り上がったことか。場内を何周もするウェーブまで始まっていましたが、いやあ、ゴールづいた選手ってそういうもんなんですかね。43分、FKをGKクエジェルがパンチングでクリアしたところ、真正面にいたエルモーソの顔に当たり、ようやく自分のチームのために得点していたんですが、時すでに遅し。そのままレガネスが3-2で勝利です。 ▽うーん、こんな風に運が味方してくれると、水曜午後9時30分にセビージャを迎えるコパ準決勝1stレグも何とかなりそうな気がするんですけどね。それに輪をかけたのは同じ日曜、サンチェス・ピスファンでそのセビージャと対戦したお隣さん、ヘタフェもツキに恵まれたせいで、後半26分にムリエルに先制点を奪われながら、ロスタイム3分、アントゥネスの蹴ったFKをジャンプしてクリアしたGKセルヒオ・リコにカラがぶつかり、そのこぼれ球をシュートしたアンヘルが同点ゴールをゲット。相手方の抗議も空しく、1-1の引き分けをもぎ取ったとなれば、後半15分には交代していた柴崎岳選手も大いに喜んだのでは? ▽おかげでヘタフェは9位、レガネスは11位ながら、同じ勝ち点28となったため、この日曜正午からの弟分ダービーでは両者、完全に互角な状態でコリセウム・アルフォンソ・ペレスで顔を合わせることになりますが、月曜にはラス・パルマスからFWレミの加入も決まったものの、ヘタフェはヒサの半月板の負傷が治ったベルガラが今度はシーズン前半の柴崎選手のように左足中足骨を骨折。また2カ月程休場になるというハンデが。とはいえ、水曜にコパのあるレガネスの方が大変なのは否定できませんが、まずはエスパニョール戦を打撲でお休みしたシオバスやルーベン・ペレス、風邪を引いたエラソ、エル・ザールらが回復してくれないと。 ▽ちなみにセビージャはアトレティコを破ったコパ準々決勝2ndレグから、ヘタフェ戦でもほとんどメンバーを変えておらず、そろそろ疲労が出てきそうですが、MFロケ・メサ(スワンジーシティからレンタル移籍)やSBミゲール・ラユン(同ポルト)など、ガンガン新戦力が加わっているのがちょっと気掛かり。対照的にLEP(スペイン・プロリーガ協会)の肝いりでサウジアラビアから受け入れた9人の選手の1人、MFアル・シェーリ(アル・ナサル・リアドからレンタル移籍)で登録枠がいっぱいになってしまい、必要な補強ができていないレガネスは、エスパニョール戦で唯一、真っ当なゴールを挙げたゲレロなど、「Se ha demostrado que somos una plantilla amplia/セ・ア・デモストラードー・ケ・ソモス・ウナ・プランティージャ・アンプリア(ウチは選手層が厚いことを示した)」と言っていましたけどね。ガリターノ監督は中盤に誰か獲れないか、クラブと方法を探している最中のようですよ。 ▽え、それでこのところ、3試合勝っていないアトレティコはラス・パルマス戦で悪い流れを断ち切ったのかって? いやあ、今回はブタルケを出て徒歩20分、Zaraquemada(サラケマダ)駅からセルカニアス(国鉄近郊路線)に乗り、Mendez Alvaro(メンデス・アルバロ)駅でメトロ(地下鉄)にチェンジ。6号線と7号線を乗り継いで、1時間20分程でワンダ・メトロポリターノに着いた私も道中は、前日練習では回復したように見えていたとはいえ、シメオネ監督も2014年の優勝が懸かったリーガ戦やCL決勝の序盤で無念の交代となった黒歴史に懲りたんでしょう。用心のため、ジエゴ・コスタが招集リストに入らなかったこともあり、気が重かったんですけどね。 ▽強風でスタジアム前にあるトレードマークの大きなbanndera(バンデラ/旗)がその日はしまわれていたのもあまり幸先良くは思えなかったんですが、いつも通り、彼らは前半を0-0で終えることに。いえ、パコ・ヘメス新監督になって、再び高いポゼッションを目指すようになった相手にガビの1対1のシュートがGKチチソラに弾かれたり、グリーズマンの器用なヒールでのフィニッシュが枠に当たるといったチャンスがなかった訳じゃないんですけどね。相変わらず、パスもようよう続かないサッカーに、トイレに行く時、すれ違ったファンからは「Koke necesita 5 partidos en banquillo/コケ・ネセシータ・シンコ・パルテイードス・エン・バンキージョ(コケは5試合、控えでベンチにいてもらわないと)」という、このところダメダメの一応、チームの司令塔であるはずのMFへ厳しい言葉なども聞こえてきて、私もこっそり頷いたりしていたんですが…いやはや、まさかホントにシメオネ監督がハーフで彼を代えてしまうとは! ▽でもそれが当たったんです。いえ、「Buscabamos mas velocidad/ブスカバモス・マス・ベロシダッド(よりスピードある選手を求めた)」(シメオネ監督)という理由で入ったカラスコの活躍は終盤近くだったんですけどね。「もう1歩前に出て、相手に前半のようにボールを持たせず、攻撃するように言われた」(フアンフラン)という選手たちが早々に敵の守備のほころびを見つけてくれたから、ありがたかったの何のって。ええ、後半16分、フアンフランが自陣から放ったパスを追いかけたグリーズマンがGKのすぐ前で絶妙なチップキックを放ち、先制点を挙げてくれたんです。とはいえ、最近は1点では逃げ切れない傾向のあるアトレティコですから、追加点がなかなか入らないのを不安に思って眺めていたところ、28分、丁度、中盤を固めるべく、トマスがピッチ際で待っていた時のことでした。当日朝の腹痛でガメイロがベンチを外れ、代わって先発していたフェルナンド・トーレスが喉から手がほしかった2点目を入れてくれたんですよ。 ▽これもまたカウンターでコレアからパスをもらったトーレスはエリア内で敵をかわして、対角線上にGKの頭の上を超すシュート。やはり年齢からくる衰えは隠せず、今は「Cada partido para mi en el club es especial, porque puede ser el ultimo o el ultimo gol(カーダ・パルティードー・パラ・ミー・エン・エル・クルブ・エス・エスペシアル、ポルケ・セル・エル・ウルティモ・オ・エル・ウルティモ・ゴウ(自分にとって、このクラブでの試合は全て特別だ。最後の試合、最後のゴールかもしれないからね)」という気持ちでやっている当人ですが、やっぱり彼が得点すると、ファンのテンションも一気に上がりますって。更に43分にはボールを持ってエリア内に入ったカラスコがトマスにゴールをプレゼントして、試合は3-0で終了。いえ、夜にはバルサもコパ準々決勝敗退組のアラベスに2-1と逆転勝ちして、結局、勝ち点差は11のままなんですけどね。 ▽パコ・ヘメス監督も「Cuando nos hemos equivocado el Atletico ha sido capaz de sacar su mejor cara/クアンドー・ノス・エモス・エキボカードー・エル・アトレエィコ・ア・シードー・カパス・デ・サカール・ス・メホール・カラ(ウチが間違えを犯した時、アトレティコは最良の部分を発揮できた)」と言っていたように、この週末、日曜に彼らがワンダ3連戦最後に迎えるバレンシアもバルサとのコパ準決勝でマドリー戦以上に疲弊してきますしね。せめて3位との差をもっと開くことぐらいは期待していいかと。まあ何にしろ、彼らもヨーロッパの大会の試合が来るまで、今は調子を上げることに専念しているだけですが、ELはお隣さんともバルサとも当たることがなし。それなら優勝できるかもしれないって、ちょっと私は楽観的すぎでしょうか。 2018.01.30 22:50 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】意外なチームがコパに残った…

▽「つまり大一番は2月の3週目まで来ないってことか」そんな風に私が溜息をついていたのは金曜日、コパ・デル・レイ準決勝の組み合わせが決まり、来週ミッドウィークのお出かけ予定はできたものの、マドリッドの両雄の顔を拝むのは週末までないことに気づいた時のことでした。いやあ、それでもまだ来月、CL16強対決PSG戦に挑むレアル・マドリーとヨーロッパリーグ32強対決コペンハーゲン戦に挑むアトレティコにはタイトルを獲る可能性が残されているんですけどね。クリスチアーノ・ロナウドなど、丁度、木曜に中国のスポーツメディアから表彰を受けた席で「Si al final ganamos la Champions sera un año increíble/シー・アル・フィナル・ガナモス・ラ・チャンピオンズ・セラ・ウン・アーニョ・インクレイブレ(最終的にCLに優勝すれば信じられない程いい年になる)」と話していましたが、まあ確かにCL3連覇なら威張れる記録と言えなくはなし。 ▽翻って、アトレティコファンからコパ敗退の埋め合わせはEL優勝でという声はあまり聞こえてこないんですが、実際、シメオネ監督はジダン監督のように責められてはいませんからね。もちろん、このミッドウィークのコパ準々決勝2ndレグに関しては同様に、足りないところもありましたが、それがない袖は振れなかったのと、原因不明の出し惜しみをしてしまったせいだったのは彼岸の差。おかげで就任以来、トロフィーを8つも獲ってきた指揮官が、あれよあれよという間に進退を問われる騒ぎになってしまう辺り、やっぱり世間からの要求が高いマドリーなればこそと気の毒になってしまったんですが…。 ▽とりあえず、順番にコパ準々決勝の顛末を話していくことにすると、1stレグで1-2と負け、火曜にサンチェス・ピスファンに乗り込んだアトレティコは見事にremontada(レモンターダ/逆転勝ち抜け)に失敗。まあ元々、お隣さんと違って得意分野ではありませんでしたし、頼りのジエゴ・コスタがリーガ前節のジローナ戦で負傷して、お留守番だったため、期待もあまりできなかったんですけどね。まさか自分たちがキックオフしてからたったの26秒、サラビアのクロスをエスクデーロに決められて、先制点を奪われるとはもしや、伝説の悪癖、「眠ったままピッチに出る」が復活した? ▽ただ幸い、この時はすぐにアトエティコもショックを克服し、12分にはリュカのロングパスをガメイロが落とし、そのボールをグリーズマンがエリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)にして同点に追いつくことに。あと1点を取れば、少なくとも延長戦に入れるため、その後も再三、ベルサリコがクロスを入れてチャンスを作ったんですが、フィニッシュを担当したフランス人FWコンビは追加点を挙げることができず。1-1のままハーフタイムに入ったところ、またしても後半開始早々、不運が降りかかります。それは3分、エリア内に入ったセビージャのコレアをサウールが倒し、ペナルティを献上しているってもう、シメオネ監督が来る前の悪しき慣習、「Falta de concentracion/ファルタ・デ・コンセントラシオン(集中力不足)」(ヒメネス)に加え、生来のツキのなさが戻ってきたとしか思えないじゃないですか。 ▽GKモヤはバネガのPKを止められず、2-1とされたアトレティコは3分後、コレアがGKセルヒオ・リコと1対1のシュートを撃つも当然のごとく弾かれて、得点できませんでしたしね。交代でカラスコ、フェルナンド・トーレスが入るも敵ゴールには近づけないまま、逆に33分にはカウンターからサラビアに3点目を決められたとなれば、その数分後、シメオネ監督が審判への抗議で退場してしまったのもこれ以上、まともにプレーも繋げないチームを見ているのがイヤになったから?ええ、最後は総合スコア5-2と、モンテッラ監督に「セビージャとの契約にサインした時から夢見ていたような夜」をプレゼントしているんですから、呆れたもんじゃないですか。 ▽いえ、シメオネ監督は「Tengo la responsabilidad de caer eliminados de la Champions y de la Copa/テンゴ・ラ・レスポンサビリダッド・デ・カエール・エリミナードス・デ・ラ・チャンピオンズ・イ・デ・ラ・コパ(CLとコパで敗退したのは自分の責任)」と言っていましたけどね。CLグループリーグはFIFA処分でまだコスタがプレーできず、この日もケガでいなかったのは仕方ないんですが、それ以外のFWがほとんどゴールを決められないのは監督にはどうしようもありませんし、コケ、サウールといったMFたちも最近はパスをまともに送れない状態となれば…そうそう、次は日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)に降格圏にいるラス・パルマスをワンダ・メトロポリターノに迎える彼らですが、金曜のマハダオンダ(マドリッド郊外)での練習には予想外に早く回復したコスタが参加。 ▽おかげで先週のジローナ戦から始まった3CBプラス2SBのシステムが、通常の4-4-2に戻ったというニュースもあったため、ワンダでのコパ決勝でアトレティコを応援する夢が消えたファンにお詫びする意味でもいい試合をしてくれることを期待。年明けからパコ・ヘメス新監督を迎えた相手は前節、バレンシアに2-1と勝利して、ちょっと勢いをつけているようですが、幸いセビージャ戦での退場によるシメオネ監督の3試合ベンチ入り禁止処分も来季のコパで済ませればいいようですしね。首位バルサとの勝ち点差も今や11にもなりますし、2位をキープできれば、後はゆっくり、EL決勝トーナメントのために調子を整えてくれればいいですよ。 ▽そして翌水曜は早い試合でアラベスvsバレンシア戦が延長戦にもつれ込み、結局、PK戦で後者がコパ準決勝の切符を手に入れたんですが、その頃にはすでにサンティアゴ・ベルナベウでもマドリーvsレガネス戦がスタート。先週の1stレグでは終了間際にアセンシオがゴールを決め、兄貴分が0-1で先勝していたため、優勢と見られていたんですが、何と前半31分、アムラバットのプレスに驚いたか、アクラフが後ろに送ったパスをナチョが取り損ね、そのボールを奪ったエラソがエリア外から豪快なシュート、これで先制点を挙げたレガネスが総合スコアをタイに持ち込んでしまったから、さあ大変! ▽そのままマドリーに得点がなく、前半が終わった時にはパルコ(貴賓席)にいたペレス会長も「心配して、周りの人にベンチに誰がいるのか訊いていたわ」と、レガネスのビクトリア・パボン会長が後日、AS(スポーツ紙)のインタビューで暴露していましたが、いやいや。コパではここまで格下のフエンラブラダ(2部B)、ヌマンシア(2部)双方共、ホームでの2ndレグで2-2と引き分けていた彼らですし、曲りなりにもこの日の相手は同じ1部ですからね。リードも1点しかなかったため、キックオフ前、メンバー表が出た時から、控えにクロースやマルセロはともかく、前節のデポルティボ戦でそれぞれ2ゴールと活躍したロナウドもベイルもいないのを不安に思わなかったのは、「Yo tenia un equipo competitivo ante el Leganes/ジョ・テニア・ウン・エキポ・コンペティティボ・アンテ・エル・レガネス(自分はレガネス相手に競争力のあるチームを持っていた)。少なくとも紙の上ではね」というジダン監督だけだったかと。 ▽それでも後半2分にはルーカス・バスケスのアシストでベンゼマが同点ゴールを決め、危機は去ったかと思われたんですが、10分のCKでテオがガブリエル・ピレスのマークに失敗、ヘッドを決められて再びリードされてはねえ。元々、守備が堅いことに定評があるレガネスですし、点を取るべくピッチに入ったのがまずはカルバハルとモドリッチ。30分を過ぎてようやくFWのマジョラルが加わったものの、交代したのがイスコとあって、スタンドからはpito(ピト/ブーイング)が響き渡ることに。ふくらはぎのケガが治り、今年初出場を果たしたセルヒオ・ラモスも終盤、CFとして頑張ったんですけどね。デポルティボ戦では3人目のdoblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を果たしたナチョもこの日は不発とあって、結局、試合は1-2でレガネスが勝利。そう、総合スコア2-2、アウェイゴールによる弟分の逆転勝ち抜けです。 ▽え、これじゃ試合後の場内は凄いブーイングだったろうって?そうですね、スピーカーからはいつものように大音響でクラブ歌が流れてきたものの、隠しきれなかった程だったんですが、そんなのことはピッチで歓喜を爆発させていたレガネス陣営には知ったことじゃなし。ガリターノ監督などは、「まだ祝うことは何もない。Salir de Segunda B a Segunda fue lo mas importante para este Leganes/サリール・デ・セグンダ・ベー・ア・セグンダ・フエ・ロ・マス・インポルタンテ・パラ・エステ・レガネス(このレガネスにとって、一番重要だったのは2部Bから2部に昇格した時だった)」とクールだったんですが、後でTVで見たロッカールームの光景や応援に駆けつけたファンに呼ばれて再びピッチに出て来た選手たちの喜びよう、バスでインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに戻った夜中の2時にファンがお出迎えしていた様子など、まるで優勝でもしたかのような騒ぎでしたっけ。 ▽一方、まさかの敗退を喫したマドリーでは、いえ、試合終了の笛が鳴ったすぐ後、このBチームの中では唯一、昨季と同じ働きを披露していたルーカス・バスケスが「Que puta verguenza todo esto!/ケ・プータ・ベルグエンサ・トードー・エスト(全てが最悪の赤っ恥だ)」と吐き捨てていたのはともかく、「Es un fracaso y lo asumo, soy el responsable/エス・ウン・フラカソ・イ・ロ・アスモ、ソイ・エル・レスポンサブレ(これは失態だと受け入れているし、自分の責任だ)」というジダン監督を始め、ミックスゾーンに現れたカルバハルやラモスもコパ優勝の目標が道半ばにして潰えてしまったのを嘆くことに。ええ、実際、もうリーガも首位と勝ち点差19では望みはほとんどありませんし、だったら、どうして週末に備えて、ロナウドやベイルを温存したんだという疑問は湧くものの、後悔先に立たず。 ▽それこそ「Solo nos queda la Champions/エオロ・ノス・ケダ・ラ・チャンピオンズ(ボクらにはCLが残っているだけ)」(カルバハル)となれば、もう後はPSG戦が来るまで力を蓄えて、土曜午後4時15分からのメスタジャではコパ準々決勝で力を使い果たしている上、来週は木曜にエスパニョールを2-0と勝利、総合スコア2-1で逆転突破を果たしたバルサと準決勝を戦うことになり、気もそぞろなバレンシアを前にマドリーらしい試合を見せてくれることを期待するしかありません。そうそう、金曜にはラモスがケガを再発、イスコも練習で腰を痛めて遠征に参加できなくなったなんて悪い知らせも入ってきましたが、向こうもベソとパウリスタが出場停止。ガライしかCBがいませんからね。久々に先発で揃い踏みするBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)には、CL出場圏のライバル相手にゴールを稼ぐいい機会になるかもしれません。 ▽そしてレガネスは日曜にこちらは、コパ逆転敗退で落ち込んでいるエスパニョールをブタルケに迎えた後、水曜のコパ準決勝1stレグでセビージャとホームで対戦することになったんですが、偶然にも今回、週末のリーガでそのセビージャと当たるのはお隣さんのヘタフェ。何せ、こちらは早くにミッドウィークの戦いから敗退しているため、休養十分で体力がありますからね。エースのホルヘ・モリーナが累積警告、左SBのダミアンがケガで出場できませんが、ここは柴崎岳選手にも頑張ってもらって、サンチェス・ピスファンで兄貴分の敵討ちプラス、同じ弟分のため、できるだけ相手を消耗させてほしいかと。そんなセビージャvsヘタフェ戦は日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からキックオフ。シーズンが折り返して、また強敵相手の試合が続くヘタフェなんですが、実は今節、そして次のレガネスとのダービー、そしてバルサ戦と、コパにどっぷり浸っているチームとばかり当たるのは、ちょっとラッキーな偶然ですよね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.27 10:00 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】コパの方が大事になってる…

▽「聞いた? ジエゴ・コスタが全治10日だってさ」そんな風に私が話しかけられたのは日曜日、金土日とマドリッドにあるスタジアムで試合が続いた20節、毎日顔を合わせていたオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のレポーターとサンティアゴ・ベルナベウのプレス用スタンドで遭った時のことでした。いやあ、もうその情報は家を出る前、スポーツ紙のウェブページで見て呆然、自宅前のキオスクでも店仕舞い中だったアトレティコファンの販売員さんからも言われていたんですけどね。年が明けてようやくCLグループリーグ敗退のショックも薄らぎ、FIFA処分が済んで、コスタとビトロの新戦力もプレー解禁。リーガは首位との勝ち点差は大きいものの、堂々2位だし、コパ・デル・レイも準々決勝まで来たしと浮かれていた日々がこんなにも早く終わってしまうとは一体、誰が想像したことでしょう。 ▽いえ、レポーターのお兄さんは「大丈夫、まだヨーロッパリーグがあるよ。決勝はリヨンだし」と慰めてくれたんですけどね。そりゃあ確かにお隣さんともバルサとも当たらないELなら、アトレティコにも優勝の可能性はあるでしょうし、今季のCL決勝はウクライナのキエフですから、フランスの方が行きやすくて好都合。とはいえ、決勝トーナメントが始まるのは2月の中旬、それもワンダ・メトロポリターノで閑古鳥が鳴くのが容易に想像できる32強対決のコペンハーゲン戦から始まって、組み合わせによってはドルトムントやナポリ、アーセナルといったビッグネームとも当たりかねない8試合もの長い道のりを経ないと、5月16日の決勝には出られないんですよ。 ▽それだけに私もあまり楽観的にはなれないんですが、まあ、それはそれ。とりあえず、先週末のマドリッド勢がどうだったか、お伝えしておかないと。先陣を切ったのは弟分のヘタフェで、2週連続の金曜試合でコリセウム・アルフォンソ・ペレスにアスレティックを迎えたところ、2回リードされながら、ホルヘ・モリーナのPKとアンヘルのゴールで追いついて、最後は2-2の引き分けに。この試合も実況を担当していたオンダ・マドリッドのお兄さんは、「ガクはもっとピリッとしないと」と柴崎岳選手のプレーに注文をつけていましたが、次節、日曜のセビージャ戦ではエースのモリーナが累積警告で出場停止になりますからね。先発の座は保証されているんじゃないかと思いますが、アマトがレクエとの接触プレーで歯を4本折ったという知らせもあり、モンテッラ新監督の元、調子が上がってきた相手だけにサンチェス・ピスファンでの対戦はちょっと心配ではあります。 ▽そしてご近所さん同様、日曜正午にアウェイでアラベスと対戦したレガネスも2点をリードされた後、ガブリエル・ピレスのPKと終了間際に生まれたサルドゥアのゴールで2-2と引き分けたんですが、何せ、先週ミッドウィークのコパ準々決勝1stレグでバレンシアに2-1と敗れたアラベスもですが、レガネスもレアル・マドリーとのブタルケでの一戦に0-1と敗れ、今週の2ndレグでは総力を挙げてremontada(レモンターダ/逆転)に取り組まないといけないですからね。とりわけ現在、降格圏まで勝ち点9と比較的、リーガでの状態が落ち着いているため、ガリターノ監督など、サンティアゴ・ベルナベウではレギュラー陣を投入、大先輩を驚かせるべく、秘策を練っているはずかと。次節は同じくコパ準々決勝1stレグで1-0とバルサに先勝、この木曜にはカンプ・ノウでこの僅差を守れても守れなくても精根尽き果てることは確かなエスパニョールが相手なのも、レガネスがマドリー戦に集中できる理由になりますかね。 ▽一方、コパ日程の関係でリーガの開催日をお隣さんと入れ替えたアトエティコは土曜日、ワンダでジローナ戦となったんですが、実はこの相手には、いきなりストゥアーニが2点を挙げ、最後は2-2で勝ち点2をもぎ取られたというシーズン開幕戦の苦い思い出が。それだけにシメオネ監督も「No podemos repetir el primer tiempo que hicimos allí/ノー・ポデモス・レペティル・エル・プリメール・ティエンポー・ケ・イシモス・アジー(あそこでの前半を繰り返す訳にはいかない)」と、選手たちに言い含めていたのが効いたのか、この日は逆にハーフタイム前に得点することに成功。ええ、34分にエリア内でグリーズマンが地面から押し出したボールをトマスが上げ、コスタが頭で落としたところ、今度はゴール右前に来ていたグリーズマンがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めてくれます。 ▽ただ前回、手こずった敵の5バックに対抗するため、自らもサビッチ、ヒメネス、リュカの3CBにカラスコとベルサイコを左右にカリレーロ(長い距離をカバーするSB)として配置したのも功を奏し、ストゥアーニが出場停止だったジローナの攻撃を抑えていたのもあって、「en el segundo con el correr de los minutos nos empezamos a confiar de la situación/エン・エルセグンド・コン・エル・コレール・デ・ロス・ミヌートス・ノス・エンペサモス・ア・コンフィアール・デ・ラ・シトゥアシオン(後半、時間が経つにつれ、ウチは戦況を過信してしまった)」(ヒメネス)のが悪かったんですかね。15分にコスタがガメイロに代わったのは、シメオネ監督も「内転筋に痛みがあって、ケガを避けたかった」と言っていた通り、というか、翌日には時すでに遅しだったことが判明したんですが、25分にはグリーズマンまで下げ、早々と守りの態勢に入ってしまったのが、この日は裏目に出ることに。 ▽え、でもまさか、監督にも「uno de los mejores futbolistas del futbol espanol/ウノ・デ・ロス・メホーレス・フトボリスタス・デル・フトボル・エスパニョル(スペインサッカーで最高の選手の1人)」と評価されているコケがピッチに入るなり、先週のセビージャ戦1stレグで失点のキッカケとなったボールロストに続いて、あんな大ポカをするなんて一体、誰に予想できただろうって? ですよねえ、それは27分、ジローナのアダイが放ったFKはGKオブラクが弾いたものの、コケが2度に渡り、クリアボールを敵に贈っているんですから、開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。実際、エリア内右奥から蹴り上げた方はどう見ても完璧なクロスで、ベルナルドが頭で落とし、ポルトゥのフィニッシュで1-1の同点になってしまった時はもう、当人だってスペイン代表を辞退したくなったのでは? ▽結局、そのままジローナとは今季2度目の引き分けに終わったアトレティコでしたが、いえ、昇格したばかりの向こうが、「凄いチーム相手に難しいスタジアムで、勝利の味のするnos llevamos un punto importantisimo/ノス・ジェバモス・ウン・プント・インポルタンティシモ(重要極まりない勝ち点1をボクらは奪った)」(ポルトゥ)と胸を張っていたのは当然なんですけどね。何とも解せないのは、やはり1点リードしながら、追いつかれ、逆転までされたセビージャ戦に続き、得意の逃げ切りに失敗したにも関わらず、シメオネ監督が「Nosotros segun ustedes estamos muy mal y segun yo, estamos bien/ノソトロス・セグン・ウステデス・エスタモス・ムイ・マル・イ・セグン・ジョ、エスタモス・ビエン(君たち、記者によるとウチの状態はとても悪いが、自分にとってはいい)」と開き直っていたこと。 ▽うーん、確かにあのコケのミスさえなければ、勝てていたのかもしれませんけどね。これで首位バルサとの差が勝ち点11と更に開いたのは元々、9ポイントだって、ほとんど逆転優勝の目はないため、別にいいとはいえ、決してセビージャ戦2ndレグを前に勇気づけられる結果ではなかったかと。そこへ、「Esta claro que siempre que Costa no esta en el terreno de juego afecta/エスタ・クラーロ・ケ・シエンプレ・ケ・コスタ・ノー・エスタ・エン・エル・テレーノ・デ・フエゴ・アフェクタ(コスタがピッチにいないのはいつだって明らかに影響がある)」とリュカも言っていた、すでに復帰して3ゴールを挙げている頼りの点取り屋が、チケット完売のサンチェス・ピスファンで最低でも2点は取らないと逆転突破できない、火曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からの試合に出られないとなったら、もう何を期待したらいいのか。 ▽いえ、それでも棄権はできないため、月曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)のシュダッド・デポルティバ・ワンダではシメオネ監督がGKモヤ、ベルサイコ、ヒメネス、ゴディン、リュカ、コケ、サウール、ガビ、カラスコ、コレア、ガメイロ、フェルナンド・トーレス、グリーズアンら、13人を集めて、作戦を練っていたようですけどね。セビージャは土曜のエスパニョール戦でも0-3で勝利と攻守共に回復してきたようですし、何よりベリッソ監督が去って、中盤にエンゾンジが復帰したのが脅威。また3回もパスが続かないようなアトレィコだったりすると、思いっきり返り討ちに遭いそうなのは怖いですよね。 ▽そして、そんな彼らとまったく好対照なリーガ戦を披露したのがマドリーだったですが、日曜のサンティアゴ・ベルナベウでは私も久々のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を目撃。うーん、前半23分、スローインからアンドネが繋ぎ、ルーカス・ペレスのラストパスをアドリアンが決めて、デポルティボが先制した時には昨年最終戦のクラシコ(伝統の一戦)以来の悪いホームゲームの流れがまだ、続いているように見えたんですけどね。この日は伏兵、今季は同僚が代わる代わる負傷するせいもあって、不動のレギュラーと化しているナチョが反撃の狼煙を上げます。32分、同点を求めて、デポルティボのエリアを包囲していたマドリーだったんですが、彼がマルセロの折り返しを撃ち込んだところ、ボールがゴール前の密集陣を抜けてネットに突き刺さったから、昨今、フラストレーションを溜めていいたスタンドのファンもどんなにホッとしたことか。 ▽続いて42分にはマルセロが上げたクロスをベイルが美しい弧を描くシュートで決め、勝ち越してハーフタイムに入った彼らでしたが、本当のショウが始まったのは後半のこと。ええ、13分にクロースのCKを誰より高く跳んだベイルがヘッドで沈めると、「a partir de su tercer gol nos hemos venido abajo/ア・パルティル・デ・ス・テルセール・ゴル・ノス・エオス・ベニードー・アバッホ(3点目以降、ウチは下を向いてしまった」(アドリアン)と言うように、デポルティボが諦めてしまったせいもあるものの、その10分後にはクリスチアーノ・ロナウドのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)を受けたモドリッチがエリア前から決めてくれます。そのロナウドも33分にはカセミロのクロスをワンタッチで叩き込み、ゴール祭りに参加。ただ彼の場合、その6分後にもルーカス・バスケスの送ったボールに頭を合わせ、自身2点目を奪ったんですが…。 ▽気の毒にもクリアしようと足を出したシェルに蹴られ、左目の横に1センチ以上あろうかという切り傷を負ってしまったんですよ。おかげで顔面血まみれになった当人もチーム医のスマホのカメラで自分でも確認していましたが、婦女子のファンには映像的にあまりにショッキングすぎると思ったんでしょうかね。すでにチームは交代枠を使い果たしていたものの、点差も点差ですし、そのままロッカールームに戻ることに。そちらで3針程、縫う破目になったそうですが、大丈夫。10人しかおらずとも43分にはCKからナチョが締めのゴールを決めて、マドリーは7-1の大勝です。 ▽いやあ、これにはジダン監督も「Los jugadores necesitaban un partido asi/オス・フガドーレス・ネセシターバン・ウン・パルティードー・アシー(選手たちにはこういう試合が必要だった)」と満足を表していましたが、実は1人だけ、この日はワリを喰ったメンバーがいて、それはクラシコでのケガが治って、久々に出場したベンゼマ。マジョラルに代わり、後半19分にピッチに入ったんですが、まさか何もしないうちからpito(ピト/ブーイング)を受けるとはこれいかに。今週は契約更改の約束をペレス会長に果たしてもらえず、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍希望が報じられていたロナウドがチャンスに失敗した時すら、拍手で励まされていたのとは対照的でしたが、まあ、マドリーファンにも好き嫌いはありますからね。その辺は今週、先発となるであろうコパのレガネス戦2ndレグで名誉挽回を図るべく、ベンゼマ自身に努力してもらう他ないかと。 ▽え、「感触はいいけど、まだ100%じゃない。少しずつ最高のフォームを取り戻していくつもりだよ」と試合後、言っていたベイルの2得点は当然の活躍のような気もするけど、DFながら、今季これで4ゴールとしたナチョには脱帽してもいいんじゃないかって? そうですね、当人も「Si es muy dificil para los de arriba, imaginate para los de atrás/シー・エス・ムイ・ディフィシル・パラ・ロス・デ・アリバ、イマヒナテ・パラ・ロス・デ・アトラス(前線の選手でも難しいんだから、後ろのボクらがどうだか想像してみてよ)」と笑っていましたが、もしやこの先、マドリーではリーガ次節のバレンシア戦で復帰予定のセルヒオ・ラモスと熾烈なDF得点王争いが繰り広げられることになるかも。 ▽何にしろ、水曜午後9時30分からのレガネス戦ではバジェホが1stレグで太ももを負傷、全治4~6週間になってしまったため、ナチョの皆勤状態も続くはずですが、その他ではこのデポルティボ戦に出場しなかったイスコやアセンシオらがスタメン入りする可能性が高いかと。残念ながら、セバージョスは練習中に足首をネンザして出られませんけどね。何はともあれ、リーガはマドリーも4位をキープしたものの、首位とは勝ち点差19ですし、どちらが勝ち抜けることになってもマドリッド勢が1つはコパ準決勝に残るのは、私にとってありがたいことです。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.23 12:30 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】こうまで試合が続くのは珍しい…

▽「お昼時に見たい映像じゃないのに」そんな風に私が眉をしかめていたのは金曜日、ラス・ムサス駅前のベンチから、清掃員が血まみれの衣服を拾ってゴミ袋に入れているシーンがどのチャンネルのスポーツニュースでも映るのにうんざりしてのことでした。というのもワンダ・メトロポリターノでコパ・デル・レイ準々決勝1stレグがあった水曜日、メトロ(地下鉄)7号線エスタディオ・メトロポリターノ駅の1つ手前、スタジアムに至る道のりにお店が並んでいる通りがあり、こちらから歩いて行くファンも多いエリアで傷害事件が発生。キックオフ20分前にとあるバル(スペインの喫茶店兼バー)にいた22歳のスペイン人がナイフで3カ所を刺され、助けを求めて警察に保護されたのがそこだったから。 ▽被害者の方は一命を取りとめたそうなので、不幸中の幸いだったんですが、すぐに捕まった犯人は元フレンテ・アトレティコ(過激なファングループ)の一員。それも1998年にビセンテ・カルデロン周辺でレアル・ソシエダのファンが殺害された時にも容疑者の1人とされ、2005年に不振を極めていたチームに抗議するため、当時、リバプール移籍前のフェルナンド・トーレスもいたマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に柵を破って侵入した集団にもいた人物だったとか。おまけにここ10数年、強盗などの罪で服役し、釈放されてたったの6カ月しか経っていなかったというのには言葉もありませんが、おかげでまたしてもウルトラたちの蛮行がクローズアップされてしまったのは何とも嘆かわしいかと。 ▽ええ、同じ水曜遅くに行われたコパ、エスパニョールvsバルサ戦でもRCDEスタジアムへの入場を断られた一団がスタジアム外でbengala(ベンガラ/発煙筒)を炊いて大騒ぎ、警官隊と揉み合っていましたしね。アトレティコが迎えたセビージャも先日には練習場にビリス(過激なファングループ)の訪問を受けて、どうにも落ち着きませんが、いくら取り締まってもこういう類いの人たちはサッカー周辺から消えないよう。自分としてもできるのは、そういう騒動にぶつからないことを祈るぐらいしかないんですが、それも運次第としか言えなくって…スペインに試合観戦に来るファンにとって、何のアドバイスにもならないのが申し訳ないです。 ▽まあ、そんなことはともかく、今週のミッドウィークは私もコパ三昧。マドリッド勢が3チームも準々決勝に残っているため、連夜のスタジアム通いとなったんですが、格下相手だった16強対決とは違い、どちらも大勢の観客を集めての試合となりました。ちなみに水曜のアトレティコvsセビージャ戦は5万1000人とかつてのビセンテ・カルデロンなら、ほぼ満員になる数字で、木曜のマドリーミニダービーとなったレガネスvsレアル・マドリー戦は1万1000人と、こぶりなブタルケはスタンドから人が溢れんばかり。結局、ソシオ(協賛会員)に先行販売した後、当日券が80枚ばかり出たそうですが、やはり一般のファンにとっては狭き門だったかと。 ▽ただ、どちらも結果から言うと、残念なもので、アトレティコなど、グリーズマンとFIFA処分明けで1月からプレーできるようになったジエゴ・コスタ、ビトロ、シメオネ監督待望の黄金コンビが初めて揃い踏みしたんですけどね。期待たがわず、前半13分にはCKからコスタがヘッドでゴールを決めたんですが、残念ながら、グリーズマンがGKセルヒオ・リコにぶつかったとして、ファールでゴールが認められず、続くコスタの一撃もリコにparadon(パラドン/スーパーセーブ)される始末。更に彼にはゴール前の揉み合いでメルカドにユニフォームを破られながら、ペナルティを取ってもらえない不運もあったんですが、セビージャもコレアの1対1やエスクデーロの意表を突くロングシュートをGKモヤに阻まれ、先制点を奪うことはできません。 ▽それでもスコアレスドローで迎えた後半28分、クリアされたCKをカラスコが撃ったボールが敵DFに当たって逸れ、そのこぼれ球をコスタがゴールしてとうとうアトレティコが1点を入れたんですよ! ところが35分、途中出場のヘスス・ナバスのクロスがリュカに当たって軌道が変わったため、モヤも慌ててしまったんでしょうかね。ボールは枠の外に向かっていたにも関わらず、手を伸ばして弾こうとして、オウンゴールにしてしまったから、場内も呆気に取られたの何のって。 ▽ええ、これにはサウールなども「El gol del empate fue muy doloroso, de rebote, nos hizo mucho dano moralmente/エル・ゴル・デル・エンパテ・フエ・ムイ・ドローロ、デ・レボテ、ノス・イソ・ムーチョ・ダーニョ・モラルメンテ(同点ゴールはとても痛かった。リバウンドだったし、士気的に凄く影響した)」と言っていたんですが、だからって、「Hemos perdido la cabeza/エモス・ペルディードー・ラ・カベッサ(ボクらは考える頭を失ってしまい)、やみくもに2点目を取りにいった」なんて、ちょっとお。コパは180分間で決着がつくのを忘れていた? ▽うーん、思うにこれにはこの日のアトレティコが先発のアタッカートリオに加え、ベンチにはコレア、カラスコ、トーレス、ガメイロとやたらFW人口が多め。おかげでハーフにはビトロをコレアに、後半22分にはグリーズマンをカラスコへと太っ腹に代えたシメオネ監督は更に、同点になった後もコケに代えてトーレスを投入し、攻めに出たんですが、これまでのパターンだったら、ここはヒメネスで中盤の守備強化だったかと。ついつい豊富な攻撃陣に誘惑され、コケ、サウール、ガビらMFたちがまったく役に立っていなかったことに目をつむってしまったというところでしょうが、そんな彼らを最悪の災難が襲ったのは43分。 ▽それは昨今のアトレティコには珍しいCB陣のダブルミスからで、センターからバネガが頭で戻したボールをゴディンがベン・イェデルに競り負け、落ちた先でサビッチもクリアし損ねてセビージャのコレアがゲット。最後はモヤも破られて、2点目を取られてしまったとなれば、もうどうしたらいいものやら。残り時間もなく、そのまま1-2で逆転負けしてしまったんですが、いやあ、まさか昨季最後のリーガ戦後、ベリッソ監督を解任。モンテッラ監督をイタリアから呼んだものの、ベティスとのアンダルシアダービーにホームで3-5とやられ、続くアラベス戦にも負けて、絶不調と言われていた相手が息を吹き返す勝利を与えるとは、まったくお人よしにも程があるってもんじゃありませんか。 ▽まあ、嘆いても後の祭りで、こうなったら来週火曜の2ndレグ、すでにチケット完売のサンチェス・ピスファンでremontada(レモンターダ/逆転劇)を目指すしかないんですが、ファンフランは「No es la primera vez que hemos ido a Sevilla y hemos ganado tanto en Liga como en Copa/ノー・エス・ラ・プリメーラ・ベス・ケ・エモス・イドー・ア・セビージャ・イ・エモス・ガナードー・タントー・エン・リーガ・コモ・エン・コパ(ウヒがセビージャで勝ったのはリーガもコパも初めてじゃない)」とは言っていたものの、ホームで1-2負けからの逆転突破はクラブ史上、これまで1回のみ。それを考えると、かなり厳しそうですが、今はもう土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのジローナ戦に頭を切り替えないと。何せ、ワンダのオープンが遅れ、開幕からアウェイが3試合続いたシーズン序盤と逆にここから、リーガはホーム3連戦ですからね。フィリペ・ルイスにまたケガが見つかり、リュカが出づっぱりというのもちょっと心配ですが、首位バルサとの勝ち点差9を少しでも縮められるよう、全力を尽くしてほしいものです。 ▽そして木曜、午後9時30分という遅いキックオフだっただけに、帰りはセルカニアス(国鉄近郊路線)の終電に間に合わず。それでもグーグルマップを見ながら、サン・ニカシオ駅まで20分程歩けばメトロスール(地下鉄南線)はまだあるからと、観念してブタルケに向かった私でしたが、マドリーのBチームも相変わらずパッとしませんねえ。いえ、開始14分でCBバジェホが負傷、コパ32強対決フエンラブラダ(2部B)で退場したのに続き、せっかくのチャンスを利用できず、ナチョと代わる破目になったのは気の毒でしたけどね。レガネスは元々、しっかりした守りに定評のあるチームなんですが、ボールは支配していたマドリーだったものの、先発したマジョラル、アセンシオ、ルーカス・バスケス、セバジョスらでは上手く攻め込むことができず、前半のチャンスなど、コバチッチがGKシャンパンとの1対1で不可思議にも枠を外してしまった時ぐらいでしたっけ。 ▽だからといって、お隣さんとは対照的にケガの直ったベンゼマも含め、BBCを招集しなかったジダン監督のチームの控えにはFWが1人もいませんでしたしね。さすがに0-0のまま、後半半ばにもなると、セバジョスをモドリッチにしてみたんですが、すると対するガリターノ監督も勝負に出ます。そう、24分には現在、チームで一番調子のいいアムラバットを入れ、攻勢をかけたところ、ボービューが至近距離からvolea(ボレア/ボレーシュート)。残念ながら、これはGKカシージャに弾かれてしまったため、勝負は来週水曜のサンティアゴ・ベルナベウに持ち越されるかと、スタンドを埋めたサポーターたちも思ったんですが…いやあ、才能ある選手というのは本当に油断がなりませんよ。 ▽そう、残り1分、途中出場したイスコが始めたプレーから、左SBのテオがクロスを上げると、アセンシオがゴール右前、ティトに先んじてボールのコースを変えてゴール。これで0-1と、マドリーが土壇場で勝利をモノにしたんですが、ガリターノ監督も「ベルナベウでチャンスを探す。Allí daremos todo lo que tenemos/アジー・ダレモス・トードー・ロ・エ・テネモス(そこで我々の持つ全てを出すつもりだ)」と言っていた通り、安心とは程遠い結果だったのも事実だったかと。 ▽いえ、ジダン監督は「Este triunfo es un punto de inflexión para seguir y sacar dos, tres o cuatro partidos adelante/エステ・トリウンフォ・エス・ウン・プント・デ・インフレクシオン・パラ・セギール・イ・サカール・ドス、トレス・オ・クアトロ・パルテイードス・アデランテ(この勝利が先の2試合、3、4試合に勝ち続ける分岐点になるだろう)」と楽観的でしたけどね。バランなども「他の日より劣ったプレーをしたけど、今日は勝った。ボクは悪いプレーでも勝つ方がいいね」と認めていたように、年が変わって以来、1部の相手には引き分け、敗戦と白星がなかったことを考えると、弟分チームとはいえ、レガネスに勝てたのは選手たちの自信回復にもなって良かったかと。 ▽まあ、そんな彼らは日曜午後4時15分から、ホームサポーターの前で今度はデポルティボ相手に復調したことを証明しないといけないんですが、まあ、首位のバルサとは勝ち点差19ありますからね。焦っても仕方ないんで、1ポイント差で5位のビジャレアルに来季のCL出場圏順位の4位を奪われないように気をつけながら、グループリーグに直接参加できる3位のバレンシアとの8差を少しずつ詰めていくことが当面の目標でしょうか。 ▽ちなみにこの試合の注目は今週、メッシやネイマールに年棒で激しく抜かれながら、ペレス会長が一向に契約更改をしてくれないことに業を煮やしてか、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍を望んでいると大々的に報じられたクリスチアーノ・ロナウドに対するスタンドのリアクション。うーん、これまでならあっさりハットトリックでも挙げて、ファンの恩寵を取り戻すのに苦労はなかった当人ですが、今季はリーガでなかなかゴールが入らず。まだ、たったの4得点という悪い流れを変えないと、pito(ピト/ブーイング)が飛んできたりもするかもしれませんね。 ▽え、コパ生き残り勢の様子はわかったけど、初ラウンドで敗退したため、ミッドウィークはカヤの外となっているマドリッド勢、ヘタフェのことも知りたいって? いやあ、実はそうでもなくて、今週はCBカブラル(クロトーネからレンタル移籍)の入団プレゼンがあったり、水曜には私も練習を見て来たんですけど、ここ2週続けて金曜に試合というのはもしや、彼らに疎外感を与えたくないというスペイン・プロリーガ協会の思いやりだったりする?おかげで私もとうとう、3夜連続でスタジアム通いをしてしまったんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにアスレティックを迎えた一戦はペナルティが3つも吹かれる珍しい展開に。 ▽いえ、前半12分には落ちてきたクロスをウィリアムスがすくい上げ、ファーサイドの味方に合わそうとしたところ、今年になって負傷中だか、プレミアリーグへの移籍を待っているのだか、よくわからないGKグアイタに代わり、ゴールを守っているエミ・マルティネスが掻き出しきれず、アスティックにリードを許してしまったヘタフェだったんですけどね。21分にはホルヘ・モリーナがGKエレリンに倒され、そのPKを自ら決めて1-1に追いつきながら、後半序盤にはケガをしたダミアンの代わりに入ったモリネーロがセットプレー中にラポールを倒してしまい、こちらはラウール・ガルシアがPKを沈めて再び、ヘタフェは1-2の劣勢に陥ります。 ▽するとその3分後、またしてもエレリンがホルヘ・モリーナにペナルティを犯してしまったんですが、ここはボルダラス監督もキッカーを変えても良かったかもしれませんね。度重なるファールの影響もあったか、今度はPKをエレリンに弾かれてしまい、ヘタフェは同点に追いつけず。そんな逆境時、チームに勢いを与えてくれたのはアンヘルで、いえ、代わって退いた柴崎岳選手も頑張っていたんですけどね。「ケガが治って前節初めて先発で、今日はリズムの激しい試合だった。No estaba cómodo, lo ha intentado y no encontraba esa posición para recibir y participar/ノーエスタバ・コモドー、ロ・ア・インテンタードー・イ・ノー・エンコントラバ・エサ・ポシシオン・パラ・レシビール・イ・パルティシパール(いい感じがつかめず、試みはしたものの、ボールを受けて、プレーに加わるポジションが見つからなかった)」(ボルダラス監督)だったようで、何にしても28分にはそのアンヘルが、ポルティージョが頭で落としたボールをゴールに流し込み、待望の同点弾を決めてくれたとなれば、まさに的確な交代策だったと言わざるをえないかと。 ▽ただ残念ながら、アンヘルも勝ち越し点のチャンスには決めることができず、結局、2-2の引き分けで終わったんですが、暫定7位で、ヨーロッパリーグ出場圏の6位セビージャにも少し近づきましたしね。次節はそのセビージャと直接対決、続いてお隣さんのレガネスとの弟分ダービー、バルサ戦としばらく茨の道が続く彼らには、悪くないシーズン後半戦のスタートになったはず。そうそう、こちらも午後9時の遅い試合だったんですが、嬉しいのはブタルケと違い、コリセウム・アルフォンソ・ペレスはすぐ側にメトロスールのロス・エスパルタレス駅があること。マドリッド中心部に戻るには1時間ぐらいと、ちょっと時間はかかるんですが、暗い道を延々と歩かなくて済むのはありがたいですね。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.20 14:31 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢はコパに懸ける…

▽「前代未聞のハードスケジュールだわ」そんな風に私がおののいていたのは月曜日、今週の観戦予定をチェックしていた時のことでした。いやあ、リーガ後半戦開始となる20節は珍しく、マドリッドの3チームがホームゲームとなるのはすでにわかっていたんですけどね。それもヘタフェが金曜、アトレティコが土曜、レアル・マドリーが日曜とバラけてくれた時には今週末、スペインの首都に滞在するサッカー好きの観光客は毎晩試合が見られてラッキーだなぐらいにしか思わなかったんですが、よくよく見てみれば、ミッドウィークにはコパ・デル・レイ準々決勝1stレグが開催。水曜にアトレティコがセビージャをワンダ・メトロポリターノに迎えた後、木曜にはブタルケ(レガネスのホーム)でマドリーミニダービーのコパ版って、もしかして私、5日連続でスタジアムに通うことになる? ▽ちなみにコパのいいところはチケットの値段がリーガ戦より安いことで、アトレティコの場合は一般25ユーロ(約3400円)から。相手が近年、ライバル意識の強いセビージャだけにすでに7000枚売れたと言われていますが、リーガより手に入れやすいのは確かかと。前売りはビセンテ・カルデロンの窓口かクラブのオフィシャルウェブのEntradas(エントラーダス/入場券)セクション(http://www.atleticodemadrid.com/entradas/entrada/atletico-de-madrid-sevilla-12)で、当日もワンダのスタジアムに向かって左手前にあるチケット売り場で買うことができます。 ▽一方、マドリッドの大先輩の胸を借りることになるレガネスは40ユーロ(約5500円)からなんですが、何せ、あそこは収容人数が1万人ちょっとと少ないですからね。月曜のベティス戦では今年初めて2得点しながら、アムラバトのハンドで与えたPKをルベン・カストロに決められ、3-2と負けてしまったものの、コパ16強対決ではビジャレアルを破ったというのもあって、先行販売されているソシオ(協賛会員)たちが駆けつけないはずはなし。もし余ったら木曜の試合当日に一般用チケットが出るとはいえ…あまり期待はしない方がいいかもしれませんね。 ▽まあ、コパについてはまた後で話すことにして、まずは先週末のリーガ戦がどうだったかお伝えしておかないと。先陣を切ったのは弟分のヘタフェで金曜にマラガをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたんですが、ようやく柴崎岳選手が負傷から復帰後、初先発となったものの、得点はかなり遅くまで生まれず。そんな時、切り札となったのはセットプレー。何せ彼らは最初のラウンドでコパを敗退しているため、練習時間が沢山ありますからね。後半26分、ファジルのFKから途中出場のアンヘルがクロスを上げ、カラが頭で決めて待望の先制点をゲットすることに。 ▽相手が降格圏で低空飛行しているマラガだったこともあり、その後、攻撃陣の一角だった柴崎選手をボランチのモラに代え、そのまま1-0で勝利。シーズン前半戦を勝ち点26の8位という好成績で終えたヘタフェでしたが、ボルダラス監督によると、「(2年前)降格したシーズンも勝ち点は同じだったのだから、tenemos que seguir trabajando con mucha humildad/テネモス・ケ・セギール・トラバハンドー・コン・ムーチャ・ウミルダッド(謙虚さを忘れずに努力し続けないといけない)」のだとか。クラブもそのための用心は怠らず、今週はCBのゴロシートがアルバセテ(2部)に移籍するのと入れ替わりでカブラル(カントーネからレンタル移籍)を獲得。プレミアリーグ行きの噂があったGKグアイタも残留することになったようですしね。再び金曜午後9時(日本時間翌午前5時)に振られた、ホーム連戦となるアスレティックとの試合でもいい結果を出せば、ヨーロッパリーグ出場圏入りも夢ではないというのはきっと、選手たちの励みになるはずですよ。 ▽そして土曜は兄貴分たちの番で先に試合をしたのはマドリー。サンティアゴ・ベルナベウでのビジャレアル戦でしたが、氷雨が降る中、いえ、このスタジアムだけは客席に暖房があるため、凍えることは滅多にないんですけどね。ファンに寒気を与えたのは試合内容の方で、前半にはベイルのゴールがオフサイドで認められなかったり、クリスチアーノ・ロナウドのシュートがゴール枠を叩いたりしたものの、ジダン監督も後で「Hemos tenido muchas ocasiones y no quiere entrar/エモス・テニードー・ムーチャス・オカシオネス・イ・ノー・キエレ・エントラール(ウチには沢山チャンスがあったが、ボールが入りたがらなかった)」と嘆いていたように、待てど暮せど、ゴールが決まらないんですよ。 ▽すると後半、それまで押し込まれるばかりだったビジャレアルが少しずつ攻撃を繰り出し、残り3分にとうとうそれが実ってしまったから、さあ大変! マドリーのCKをクリアすると、チェリシェフがドリブルで抜け出してカウンターをスタート。バッカから代わっていた20歳のウナルのシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、フォルナルスのカバーを誰もしていなかったため、vaselina(バセリーナ/ループシュート)で虎の子の1点を奪われてしまうって、あんまりじゃないですか。すでにイスコとベイルをアセンシオとルーカス・バスケスに代えていたマドリーですが、その後もめぼしいリアクションはなく、FWマジョラルも投入も見送られ、そのまま0-1で負けてしまうことに。 ▽いやあ、ビジャレアルにとって、これがベルナベウ初勝利で、殊勲の決勝点を挙げたフォルナルスが試合後、「実は金曜の練習でまったく同じシチュエーションがあって、その時のシュートはバーに当たっちゃったんだけどね」と嬉しそうにしていたのは別にいいんですけどね。問題はカジェハ監督も「No veo imposible llegar a la Champions/ノー・ベオ・インポシーブレ・ジェガール・ア・ラ・チャンピオンズ(CL出場圏に入るのは不可能には見えない)」と言っていたように、これで4位マドリーと5位に上がったビジャレアルの差がたったの勝ち点1になってしまったことで、え、翌日、レアル・ソシエダに逆転勝ちした首位バルサとの19差になったのはいいのかって? ▽まあ、こうまで離されると、カンテラーノ(ユース組織出身選手)のナチョなどは「No vamos a tirar la Liga hasta el ultimo minuto/ノー・バモス・ガ・ティラール・ラ・リーガ・アスタ・エル・ウルティモ・ミヌート(ボクらは最後の1分までリーガ優勝を諦めたりしない)」と建前を貫いたものの、「ウチは来季のCL出場権獲得に集中すべき。それが今季残りの目標だ」というクロースの意見の方がずっと現実的ですからね。昨年最後の試合だったクラシコ(伝統の一戦)でバルサに負けて以来、セルタとの引き分けを挟んでここ3試合、リーガで白星なし、ホームでのコパ2ndレグもフエンラブラダ(2部B)、ヌマンシア(2部)の格下に続けて2-2のドローという体たらくでは、その日もファンが試合終了と共に大音響のpito(ピト/ブーイング)をチームに浴びせたのも仕方なかったかと。 ▽よってもう、この木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのレガネスとの今季まだタイトル獲得の可能性があるコパ準々決勝1stレグ、日曜のリーガ、ホームでのデポルティボ戦はマドリーにとって、まさに背水の陣と言っていいかと思いますが、悪い時には悪いことが重なるのは人生の常。ええ、月曜にはAS(スポーツ紙)が「ロナウド、ユナイテッド移籍を希望」報道を開始してしまったんですよ。その理由は昨季、カーディフでの決勝で2ゴールと活躍、ユベントスを倒してDuodecima(ドゥオデシマ/12回目のCL優勝のこと)に貢献した際に契約更改をペレス会長が約束しながら、まだ果たされておらず。その間にメッシやネイマールらに年棒で大きな差をつけられてしまったのが不満だというのですが、何せ今季の彼はリーガで4得点ですからね。いくら先日は自身5度目のバロンドールを受賞したとはいえ、今はそうそう、強気には出られないんじゃないのでは? ▽ただどちらにしろ、それはこの夏のことで、今はロナウド引き止めより、緊急補強でも何でもして、シーズン前半戦18試合(クラブW杯でレガネス戦が未消化)でたったの32得点という、2006-07シーズンの26得点に次ぐゴール日照りを解消すべきだと思うんですが、相変わらず、ジダン監督の意見は今のメンバーで十分というもののよう。いえ、バルサがここまで52得点というのが異常で、前半終了時点でお隣さんに勝ち点差10をつけた2位のアトレティコなど、たったの28得点ですから、要は守備との兼ね合いなんですけどね。まだ今週は負傷のリハビリ中のベンゼマもセルヒオ・ラモスも戻って来ませんし、いざとなれば、今季のCLに優勝すれば来季のグループリーグに出られるとはいえ…本当にどうするつもりなんでしょうかね。 ▽え、ということは、その土曜はジエゴ・コスタが出場停止でいなかったにも関わらず、アトレティコはエイバルに勝ったのかって? いやあ、私も試合の前半はまだベルナベウのミックスゾーンにいたため、彼らがガンガン押していた前半は見ることができなかったんですけどね。コレアやコケのシュートが外れた後、27分にはコケのパスを追ったグリーズマンがエリア内でガメイロにアシスト。そのシュートが決まって先制してくれたため、自宅近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)に駆け込んで、後半が始まるのを楽しみに待っていたところ…ちょっとお、「Ellos crecian y nosotros elegimos refugiarnos/エジョス・クレシアン・イ・ノソトロス・エレヒモス・レフヒアールノス(相手が強くなってきたので、ウチは避難することにした)」(シメオネ監督)って、どういうこと? ▽おかげで私が見たのは自陣にこもって守る一方のアトレティコで、いえ、乾貴士選手の強烈な一撃を弾いたのを始め、7回にも及ぶGKオブラクの奮闘にはいつもながら、感動させられたんですけどね。チャンスと言えば、グリーズマンが1対1でGKドミトロビッチに弾かれたシュートぐらいなもので、フラストレーションもかなり溜まったとはいえ、この日はコスタ以外にもガビやサビッチが累積警告で不在。おまけにエイバルは3連勝中と絶好調だったのを考えると、「Despues de ver la segunda parte creo que hemos merecido mas/デスプエス・デ・ベル・ラ・セグンダ・パルテ・クレオ・ケ・エモス・メレシードー・マス(後半を見た後のウチはもっと報われても良かった)」(メンディリバル監督)という相手を零封して、0-1で渋い勝利をもぎ取ったんですから、不満を言ったらバチが当たりますって。 ▽まあ、「Estamos un poco cansados de jugar cada tres dias/エスタモス・ウン・ポコ・カンサードス・デ・フガール・カーダ・トレス・ディアス(ボクらは3日ごとにプレーするのにちょっと疲れていて)」というガメイロの言葉は、イプルア(エイバルのホーム)でもゴディンが5枚目のイエローカードをもらい、土曜のリーガ次節、ジローナ戦で出場停止になったように、すでに強制ローテーションも始まっていますし、コパもEL決勝トーナメントも勝ち続けて、3月の各国代表戦週間までノンストップで行く予定となれば、今は聞かないふりをしておいた方がいいんですけどね。 ▽それより喜ばしいのは今年になって、彼を始め、グリーズマン、フェルナンド・トーレス、コレアとFW陣が全員得点していること。何せ、あのコスタだけにまた退場による出場停止があるかもしれませんし、実際、出ずっぱりという訳にもいかないですしね。となれば、シーズン前半は決定力不足に悩まされた前線にゴールが戻ってきたのは現在、勝ち点9差で唯一、リーガ優勝戦線でバルサの対抗馬と言われている彼らにとっては心強いかと。 ▽いえ、もちろんこの先、バルサが3敗もするとは私も思えないため、アトレティコの現実的な目標もELはまだ先が長いですし、4月21日にワンダ・メトロポリターノで開催することが決定したコパで優勝することなんですけどね。そのためには水曜午後7時(日本時間翌午前3時)からの準々決勝1stレグでセビージャを叩いておかないといけないんですが、昨年最後のレアル・ソシエダ戦で敗れた後、ベリッソ監督を解任、イタリア人のモンテッラ監督が引き継いだ相手が未だに復調していないのはツイている? ええ、年明け最初のアンダルシアダービーで宿敵ベティスに3-5と負けた後、この日曜にもアラベスに1-0と惜敗し、翌朝には練習場にビリス(セビージャの過激なサポーターグループ)のメンバーが詰めかけ、選手たちと話すことを要求。そういうのはリバプールに移籍する前にトーレスがいた時代、アトレティコでもあったんですが、これってかなりヤバい状態ですよ。 ▽とりあえず、月曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習でシメオネ監督はグリーズマンとコスタのコンビで前線を試していたそうですが、今度は私も威勢よく攻めていくアトレティコをワンダで見られることを期待。ただビセンテ・カルデロンに負けず劣らず、周囲が荒野のあのスタジアムは風が通って非常に寒いんですよね。ここしばらくはマドリッドも夜は低温が続くため、もし水曜からの5連戦、スタジアムに行こうと思っているファンはできるだけ暖かい恰好をしていくのがお勧め。ええ、今はマドリッドもrebaja(レバッハ/バーゲン)のシーズンということもあり、私も裏フリースのニット帽をつい買ってしまいましたっけ。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.16 12:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】消化試合にもイロイロある…

▽「せめて勝つぐらいはしてくれないと」そんな風に私が愚痴っていたのは水曜。今週マドリッドで行われたコパ・デル・レイ16強対決2ndレグ、2日目の試合がサンティアゴ・ベルナベウで終わった時のことでした。いやあ、確かに格下のヌマンシア(2部)相手に0-3で先勝していたとあれば、レアル・マドリーの選手たちのやる気がそげるのも無理はないんですけどね。それを言ったら、前夜のワンダ・メトロポリターノなど、リーガ前節のヘタフェ戦同様に雨。アトレティコも1stレグでジェイダ(2部B)に0-4と大勝していため、観客数もたったの2万8000人と今季最低の入りだったものの、スタンドで寒さに耐えた甲斐のある内容だったのとはかなり、対照的だったから。 ▽とりあえず順番にお話ししていくことにすると、アトレティコはマドリーミニダービーで累積警告や退場となったガビ、サビッチ、ジエゴ・コスタが次節に出場停止となるため、シメオネ監督は彼らをコパで先発に使うことに。それ以外はグリーズマン、ゴディン、サウール、コケ、トーマス、ヴルサイコ、ヒメネス、GKオブラクら、リーガのtitulares(ティトゥラレス/レギュラー)を招集しなかったんですが、前半が0-0で終わったのはいつもの習慣のようなものだったかと。実際、CKからリュカがシュートをゴールポストに当てたり、フェルナンド・トーレスのラストパスで敵GKと1対1になったコスタが弾かれたりと、チャンスはあったんですが、待望のゴールは57分まで生まれませんでしたっけ。 ▽とはいえ、彼らの得点は十分、見ごたえのあるもので、今は9月に復帰しながら、アトレティコの受けたFIFA処分のせいで年明けまでプレーできなかったコスタが張り切っていますからね。先制点のキッカケも彼で、自陣でボールを取り戻すと、一気にカウンターが始まり、最後は当人がエリア内から出したパスからカラスコが決めてくれます。ええ、シメオネ監督も「No tengo ninguna duda de que ha sido el jugador más importante que ha llegado al Atlético en los últimos años/ノー・テンゴ・ニングーナ・ドゥーダ・デ・ケ・ア・シードー・エル・フガドール・マス・インポルタンテ・ケ・ア・ジェガードー・アル・アトレティコ・エン・ロス・ウルティモス・アーニョス(ここ数年でアトレティコに来た一番重要な選手であることに自分はまったく疑いを持っていない)」とベタ褒めしていましたが、とにかくコスタがピッチにいるだけで何かが起こるような気がするのはきっと、私だけではないかと。 ▽そして2点目は72分、今度は途中出場組のコレアとガメイロの連携で、とりわけ彼らの場合は新戦力がプレー解禁されたせいで、チーム内競争激化の影響をモロに喰らっていますからね。スローインからのボールを前者が持ち込むと、ゴールライン際から出したパスを後者が流し込んでゴールに。何せ、このコパづくめの1月に続き、2月もヨーロッパリーグ32強対決コペンハーゲン戦を皮切りにはずっとミッドウィークの試合が続く(予定)のアトレティコ。この日、ワンダデビューしたビトロ(昨夏セビージャから移籍して、シーズン前半はラル・パルマスにレンタル)も11月に負傷して以来、1カ月間、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でリハビリしながら、横目でチームメートのトレーニングぶりを見学していたのが早い適応に繋がったんでしょうかね。 ▽78分にはトーレスのロングフィードを追いかけ、3点目のゴールを決めたとなれば、当人も「No podía pedir más en mi debut en casa/ノー・ポディア・ペディール・マス・エン・ミ・デビュー・エン・カサ(自分のホームデビューにこれ以上のことは頼めない)」と喜んでいたように、選手層の厚さを試す最高な消化試合だったと言っていい? 結局、そのまま3-0で勝利したアトレティコは総合スコア7-0で準々決勝進出を決めたんですが、うーん、それでもやっぱり気になるのは土曜の午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのエイバル戦。相手はコパ敗退組で1週間、十分休養を取っているというのもありますが、一応、クラブもヘタフェ戦でスタンドのファンに揉みくちゃにされてゴールを祝ったコスタに出されたイエローカードの取り消しを協議委員会に申請。 ▽それが木曜には却下されてしまったため、今月になって初めて彼抜きで戦わないといけないというのはちょっと不安ですが、今度は週中にお休みをもらった選手たちが頑張ってくれる? そうそう、同日行われたラス・パルマスとのコパ2ndレグでバレンシアの一員として、レンタル移籍デビューしたビエットは今季前半のゴール入らない病がいきなり全快したようで、ハットトリックで4-0の勝利に貢献。チームも総合スコア5-1で準々決勝に進んでいますが、その相手は現在、リーガ3位、2位のアトレティコとはCL出場権争いのライバルっていうのは当人にとっては喜ばしくても、ちょっと敵に塩を送るみたいな形になってしまいましたかね。 ▽そして翌水曜、一足先にコパ16強2ndレグに挑んだのはマドリッドの弟分、レガネスでこちらはアウェイでのビジャレアル戦。先週はブタルケで1-0の最少得点差勝利だったため、危ういところもあったんですが、31分にナランホのスルーパスからエル・ザールが見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めて1点を取ってくれたため、ラバとチェリシェフのゴールで後半、2-1と逆転されながら、アウェイゴール差で勝ち上がることができました。ええ、ガリターノ監督も「Es lo que tiene la Copa, a pesar de haber perdido, pasamos de ronda/エス・ロ・ケ・ティエネ・ラ・コパ、ア・ペサール・デ・アベール・ペルディードー、パサモス・デ・ロンダ(これがコパにはある。負けたのにウチは次のラウンドに進んだ)」と言っていましたが、とにかく感心するのは年明けからの3試合、どれも1点しか取ってないにも関わらず、彼らが最大限の効率を上げていること。 ▽さすがに来週になると、リーガ次節ベティス戦が月曜、コパ準々決勝は金曜の抽選で相手が決まりますが、これも間違いなく1部のチームとで1stレグは木曜、そして日曜にはアウェイでのアラベス戦と超ハードスケジュールになるため、息切れが心配ですけどね。ちなみに今のところ、コパ8強進出組で一番勝ち目がありそうなのは、お隣さんのヘタフェは32強対決で後れを取ったものの、そのアラベス(2部Bのフォルメンテラに総合スコア3-0で勝利)ですが、謙虚なレガネスファンは1-0の辛勝でも決して文句を言わないものの、さすがに3連戦とかなると、それはそれで観客動員数に影響が出るかもしれませんね。 ▽え、そんな弟分とは真逆で、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)でないとpito(ピト/ブーイング)が飛ぶサンティアゴ・ベルナベウのファンの要求度の高さにも問題ななきにしろあらずだけど、水曜のヌマンシア戦では仕方ないところもあったんじゃないかって? そうですね、リーガでは前節のセルタ戦で2-2と引き分け、とうとう首位バルサとの差が勝ち点16に開いてしまったマドリーだったんですが、前日にはジダン監督がバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習前に30分間、反省ミーティングを開きながら、その鬱憤をコパで晴らすには至らず。もちろんクリスチアーノ・ロナウドを始め、モドリッチやクロース、GKケイロル・ナバスらはローテーションでお休み、ベイルも実戦のリズムは戻ったとして、ベンチに入らなかったせいもあったんでしょうが、結果は2試合連続となる引き分けとなれば、もうAチームもBチームも違いはない? ▽いえ、確かに1stレグで3点リードしていたところに10分、カルバハルのクロスをノーマークでルーカス・バスケスが頭で決め、すでについていた勝負が序盤から更についてしまったという巡り合わせはあったんですけどね。こういう試合でこそ、アピールして出場機会を増やさないといけないマジョラル、アセンシオ、セバージョス、コバチッチ、ジョレンテらが揃って精彩なく、追加点は一向に奪えず。それどころか、前半終了間際にはカウンターから、負傷で交代したヒヒニオに代わって入っていたギジェルモに同点ゴールを決められているのでは、ハーフタイムでロッカールームに戻る時から選手たちがブーイングを浴びていたのも仕方なかったかと。 ▽後半も53分にはアセンシオのクロスをマジョラルが落としたところをルーカス・バスケスが押し込み、再びリードしたマドリーだったんですが、その後、積極的に攻めているのがヌマンシアばかりでは。おかげで「al final nos faltó gasolina/アル・フィナル・ノス・ファルトー・ガソリーナ(ウチは最後、ガソリンが足りなかった)」とジダン監督も残り15分、唯一のFWだったマジョラルを下げ、ボランチのカセミロを入れることになったんですが、36分には再びギジェルモに決められて、同点に追いつかれてるって一体、このマドリー、守備も攻撃もどうなっている? ▽いえ、それでも総合スコアは5-2ですから、いくらヌマンシアのアラサーテ監督が「Vimos la posibilidad incluso de ganar/ビモス・ラ・ポシビリダッド・インクルソ・デ・ガナール(勝利の可能性さえウチにはあった)」と胸を張っても逆転突破される心配はなかったんですけどね。この日の引き分けで今季のホームゲーム15試合中、勝ったのはたったの8試合だけって、うーん、これじゃ、いくら2得点を挙げて満足していたルーカス・バスケスに「La afición tiene que ilusionarse en los cinco títulos que ganamos el año pasado/ラ・アフィシオン・ティエネ・ケ・イルシオナールセ・エン・ロス・シンコ・ティトゥロス・ケ・ガナモス・エル・アーニョ・パサードー(ファンはボクらが去年獲った5つのタイトルに夢を抱かないといけない)」と言われたって、フラストレーションが溜まるのは当然でしょう。 ▽そんなマドリーはこの週末、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、またしてもベルナベウでビジャレアル戦に挑むんですが、今の時点ではあまりリーガの優勝戦線に復帰することを考えても空しいばかりなので、まずは12月9日のセビージャ戦以来となるホームでの白星をファンにプレゼントすることに専念するべきかと。バルサと違って、即戦力となる戦力補強の話もありませんし、木曜に残っている16強対決2ndレグ3試合が終わって、相手が決まらないことにはコパの先行きもわからず、このところ1試合1試合進むごとに2月のCL決勝トーナメントPSG戦が到来するのが怖くなってくるというのも非常に悪い傾向ですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、2月にクラブW杯のせいで延期されたリーガのレガネス戦を迎える頃までには現在、勝ち点3しかない5位との差を広げてくれていると安心なんですが、才能にはまったく問題がないはずの選手たちがまずは90分間、集中してプレーできるようになるのが最優先でしょうか。 ▽そうそう、最後にコパの話題がまったくなかったヘタフェについてですが、彼らはこの週末のリーガ、金曜試合で午後9時(日本時間翌午前5時)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに19位の降格圏にいるマラガを迎えることに。前節は先輩のアトレティコに2-0と軽くひねられてしまったんですが、今回は再び、夢のEL出場圏に近づくいいチャンスかと。ちなみにそのワンダの試合で控えとなったGKグァイタにはクリスアル・パレスへの移籍の噂があったせいで、何かと注目されていたんですが、ボルダラス監督が言うには単に身体的に問題があったからだとか。マラガ戦にもまだ出られるかわかりませんが、このシーズン前半最終戦を過ぎると、また強豪との対戦が始まる彼らですからね。そろそろ柴崎岳選手の先発などもあるかもしれませんし、ここはマドリッド勢唯一、週1試合ペースでいられるメリットを生かして、リーガで健闘してくれることを期待しています。【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.12 12:31 Fri
twitterfacebook


ACL

ACL

ACL

欧州移籍情報
Jリーグ移籍情報
hikari

アクセスランキング

@ultrasoccerjp