取ったら取り返す作戦は機能しなかった…/原ゆみこのマドリッド
2025.04.11 20:00 Fri
「たった1週間なのは助かった」そんな風に私が少し気を楽にしていたのは木曜日、レアル・マドリーのCL決勝トーナメント根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)ギャンペーンがマスコミで始まったのを確認した時のことでした。いやあ、火曜にショッキングな準々決勝アーセナル戦1stレグを近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見た後、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況が、「レモンターダが十八番なのは、その状況に陥るミスを犯すから」と言っていたのが、妙に耳に残っていたんですけどね。確かに水曜のドルトムント戦1stレグで圧倒的な力の差を見せつけ、4-0の大勝をしたバルサの方がイロイロ、都合はいいのは事実かと。
だってえ、来週水曜の2ndレグまで、頭がレモンターダで一杯になってしまったマドリーに対して、フリック監督のチームは火曜のジグナル・イドゥナ・パルク訪問がお散歩状態に。おかげで土曜午後9時(日本時間翌午前4時)のリーガ、ブタルケでのレガネス戦で、12月にモンジュイックで喰らった0-1の敗戦を倍どころか、4倍返しにしてやろうと企む余裕ができたんですよ。何せ現在、当の弟分チームは前節もホームでラバのPKゴールで追いついて、オサスナと1-1と引き分け、ようやく3連敗を脱出。とにかく降格圏の18位をなかなか脱出できずにいるため、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)に勝ち点2差の17位のアラベスと当たる兄貴分の援護射撃が欠かせないというのに、首位バルサと勝ち点4差のリーガのことを考えているマドリー勢がほとんどいないなんてこと、あっていい?
まあ、そんなことはともかく、先にエミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦1stレグがどうだったか、お話ししていくことにすると。右にバルベルデ、左にアラバと両SBに本職でない選手を置いてスタートしたマドリーだったんですが、開始4分には敵のFKをクリアした後、カウンターでビニシウスが抜け出すという絶好のチャンスを迎えることに。それがエリアに入ったところで、エムバペに繋ごうと出した横パスを敵にカットされてしまったのが、まずはケチのつき始めだったんでしょうか。その後もビニシウスやエムバペのシュートは決まらず、31分など、ベリンガムがセンターから出したスルーパスを追ったエムバペが1対1で狙った一撃もGKダビド・ラジャに止められてしまう始末でねえ。
それどころか、ハーフタイム間際にはデクラン・ライスのヘッド、マルティネッリの至近距離シュートをGKクルトワが連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)してくれなければ、リードを奪われて折り返していたところでしたが、何とか0-0で前半は終了。まあ実際、そこまではアルテタ監督のチームにそれ程、怖さも感じなかったため、後半にはエムバパなり、CLの申し子であるロドリゴなりがゴールを決めてくれるんじゃないかと思っていた私でしたが、それがまさか、あんなとんでもない展開になるとは!
そう、サプライズがあったのは後半13分のことで、サカを深追いしたアラバが相手を倒し、エリア正面からのFKを与えてしまったのが原因なんですけどね。「最初はクロスを上げるつもりだったんだけど、敵の壁とGKの位置を見たら、狙ってやれって思った」という、キッカーのライスが蹴ったFKが壁の右端にいたバルベルデを迂回。横っ飛びしたクルトワの長い手も届かず、ネットに突き刺さったから、ビックリしたの何のって。
そう、そのちょっと前にはマルティネッリのシュートをクルトワが弾き、その跳ね返りをミケル・メリーノがvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んだボールもアラバがゴールライン上でクリア。更にメリーノの撃ち直しもクルトワが弾くという、心臓バクバクもんのトリプルピンチがあった後、CKからのライスのシュートをこれまた、ベリンガムがゴールライン上で弾いて、何とか2失点目を免れたマドリーだったんですけどね。またしてもファールで先ほどより、ちょっと左側のエリア正面でのFKを与えてしまったのが運の尽き。
いくら何でも二匹目のドジョウはないだろうと誰もが思ったものの、再びライスが蹴ったところ、今度は壁の間に入ったアーセナルの選手たちが二手に分かれて隙間が生まれ、またしてもボールがゴールに入ってしまうって、一体、どうなっているんでしょう。これにはアルテタ監督まで、「ウチは2021年以来、直接FKを決めていないのに、hoy un jugador que nunca había marcado de falta ha colado dos goles en 12 minutos/オイ・ウン・フガドール・ケ・ヌンカ・アビア・マルカードー・デ・ファルタ・ア・コラードー・ドス・ゴレス・エン・ドセ・ミヌートス(今日は1度もFKでゴールを入れたことのない選手が、12分間で2本も決めた)」と驚いていましたが、いやいや。マドリーの大殺界はこれで終わりではなかったんです!
ええ、今季は相手に先制されることが決して珍しくなかった彼らでしたが、最近は特に取ったら取り返せばいいという開き直りが顕著でしたからね。逆境に燃え上がるチームの習性を利用して、残り時間でせめて1点ぐらいは返して、2ndレグで辻褄を合わせるのがアンチェロッティ監督の計画だったのかもしれないんですが、予想できなかったのは選手たちのリアクションがなかったこと。それどころか、先週末のバレンシア戦でも1時間程プレーしたモドリッチをルーカス・バスケスに代えた後の30分、まさかルイス=スケリーが繋いだボールから、メリーノに3点目のゴールを奪われてしまっては、もう絶対絶命では?
うーん、昨季までいたレアル・ソシエダやスペイン代表では中盤でプレーしているイメージのあるメリーノがまさかマドリー相手に得点して、あまりプレミアリーグを見ないスペイン人ファンにアーセナルでCFを務めているというのが、ガセではなかったのを証明できたのは良かったかもしれないんですけどね。3-0とされた後のマドリーはほとんどチャンスを作ることもなく、あろうことか、ロスタイムにはカマビンガが2枚目のイエローカードをもらって退場するおまけ付きで試合は終了。これにはバルを満員にしたマドリーファンたちもカンカンだったんですが、こんな大敗にも決してタオルを投げないのが、マドリーがマドリーたる所以。
ええ、アンチェロッティ監督も最初は2ndレグでのレモンターダについて、「Las posibilidades son muy pocas pero hay que intentarlo/ラス・ポシビリダーデス・ソン・ムイ・ポカス・エロ・アイ・ケ・インテンタールロ(確率はとても低いが、やってみなければ)」と言っていたのが、会見の最後では、「Muchas veces en el Bernabéu ocurren cosas así/ムーチャス・ベセス・エン・エル・ベルナベウ・オクレン・コーサス・アシー(ベルナベウでは何度もそういうことが起きる)」という論調に。
まだマドリー2年目のベリンガムも「もし逆転できるチームがあるとしたら、それはレアル・マドリー」と断言していましたしね。クルトワに至ってはご丁寧にも、「Si metemos uno o dos goles rápidos el tercero vendrá solo y creo que es possible/シー・メテモス・ウノ・オ・ドス・ゴーレス・ラピドス・エル・テルセロ・ベントラ・ソロ・イ・クレオ・ケ・エス・ポシーブレ(ゴールを1本か2本素早く決めたら、3本目は勝手に入るし、可能だと思う)」とレモンターダのシナリオまで披露って、まったくどこまで自信があるのか。
ただ、注意しておくと、マドリーがかつてアウェイでの1stレグに3点差で負けたヨーロッパの大会の決勝トーナメント6回のうち、逆転突破ができたのは半分の3度だけで、1975年のダービー・カウンティ戦(4-1、5-1)、1985年のアンデルレヒト戦(3-0、6-1)、1986年のメンヘングラッドバッハ戦(5-1、4-0)と、かなり昔のことなんですよね。
例えば、レモンターダラッシュで優勝した2022年のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)も16強対決のPSGに1-0負けから、ホームで3-1の勝利。準々決勝チェルシー戦など、ロンドンで1-3と勝っていながら、ベルナベウで追い越され、最後は2-3の負けで突破。準決勝のマンチェスター・シティも4-3の負けから、3-1の勝利と、どれも3点差を覆す程の難易度ではなかったのはちょっと気になるかと。
加えて、エミレーツ・スタジアムでは守備の弱さだけでなく、エムバペ、ビニシウス、ロドリゴ、ベリンガムら攻撃陣がまったく効率的でなかったこともありますし、2ndレグには出場停止となるカマビンガだけでなく、セバージョスとメンディも間に合わないようだとなると、正直、私も逆転突破には懐疑的なんですが…あのアーセナルの強さを見る限り、16強対決でお隣さんに負けたアトレティコかなんて、3点どころか、5点ぐらい取られていたかもしれませんしね。今回、レモンターダを成し遂げられたら、私のマドリーを見る目も変わってくるかもしれませんね。
え、それで待望のミッドウィークフリーを満喫しているアトレティコの次のリーガ戦はいつなのかって?いやあ、前節は弟分のラージョとレガネスが平日試合に当たったんですが、この31節はメトロポリターノで月曜午後9時にバジャドリー戦が開催されることになってねえ。後半ロスタイムにバリオスがゴールを挙げて、土壇場の逆転勝利をした前節セビージャ戦は日曜だったため、中7日と更に余裕なんですが、今のところ、負傷でサンチェス・ピスファンに行かなかったデ・パウルとリノはまだチーム練習に合流していません。
代わって、負傷から前節に復帰したコケが中盤のスタメンを務める準備をしているようで、まあ何と言っても、相手は先週末も弟分のヘタフェに0-4の大敗を喰らった最下位チーム。おまけにその試合中、ベンチでルイス・ペレスがラタサに殴りかかろうとするシーンが見られた程、現在、残留ゾーンから勝ち点14差と刻一刻と降格確定が近づいているバジャドリーの内部崩壊ぶりはかなりのよう。となると、アトレティコの勝利は堅そうですが、今季はレガネスやヘタフェに負け、最近も残留争いグループのエスパニョールと引き分けた彼らですからね。この試合では前節のバレンシア戦の負けで勝ち点3となった2位のお隣さん、ベティスと引き分けて7差となった首位バルサを本気で追撃する意欲があるのかないのか、問われることになりそうです。
そしてこの週末土曜、ブタルケでのレガネスvsバルサ戦の前座を務めるのがヘタフェで、こちらはコリセウムにラル・パルマスを迎えることに。ちなみにボルダラス監督のチームは前節の勝利で勝ち点39に到達し、この降格圏19位の相手を倒せば、ほぼほぼ残留が確定するんですが、実は来季のヨーロッパの大会出場権が回ってくる7位、8位ともそれぞれ、4差、2差と手の届く範囲にいるんですよ。まあ、彼らは11位ですから、間にいくつもチームがあるのが難点とはいえ、残り7試合、ファンに夢を見させてあげるため、頑張ってみるのも一興では?
一方、一足先に勝ち点40に到達したラージョは前節、エスタディオ・バジェカスでエスパニョールに0-4の大敗を喰らい、いえ、まだ8位と勝ち点1差の9位ですから、全然、ヨーロッパの大会行きを諦めることはないんですけどね。ただ、この日曜の相手は4位のアスレティックで、しかもサン・マメスで開催とあって、かなり勝利のハードルは高いんですが、バルベルデ監督のチームは木曜にELレンジャース戦1stレグをアウィでプレーして、スコアレスドローで決着。その疲労も溜まっているはずですし、要は来週木曜の2ndレグをまったくゼロの状態から始めないといけないため、もしかしたら、気が散ってくれたりする?今は3位のアトレティコと勝ち点6差ついているアスレティックとはいえ、ちょっと弟分の援護射撃を期待したいところです。
だってえ、来週水曜の2ndレグまで、頭がレモンターダで一杯になってしまったマドリーに対して、フリック監督のチームは火曜のジグナル・イドゥナ・パルク訪問がお散歩状態に。おかげで土曜午後9時(日本時間翌午前4時)のリーガ、ブタルケでのレガネス戦で、12月にモンジュイックで喰らった0-1の敗戦を倍どころか、4倍返しにしてやろうと企む余裕ができたんですよ。何せ現在、当の弟分チームは前節もホームでラバのPKゴールで追いついて、オサスナと1-1と引き分け、ようやく3連敗を脱出。とにかく降格圏の18位をなかなか脱出できずにいるため、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)に勝ち点2差の17位のアラベスと当たる兄貴分の援護射撃が欠かせないというのに、首位バルサと勝ち点4差のリーガのことを考えているマドリー勢がほとんどいないなんてこと、あっていい?
まあ、そんなことはともかく、先にエミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦1stレグがどうだったか、お話ししていくことにすると。右にバルベルデ、左にアラバと両SBに本職でない選手を置いてスタートしたマドリーだったんですが、開始4分には敵のFKをクリアした後、カウンターでビニシウスが抜け出すという絶好のチャンスを迎えることに。それがエリアに入ったところで、エムバペに繋ごうと出した横パスを敵にカットされてしまったのが、まずはケチのつき始めだったんでしょうか。その後もビニシウスやエムバペのシュートは決まらず、31分など、ベリンガムがセンターから出したスルーパスを追ったエムバペが1対1で狙った一撃もGKダビド・ラジャに止められてしまう始末でねえ。
そう、サプライズがあったのは後半13分のことで、サカを深追いしたアラバが相手を倒し、エリア正面からのFKを与えてしまったのが原因なんですけどね。「最初はクロスを上げるつもりだったんだけど、敵の壁とGKの位置を見たら、狙ってやれって思った」という、キッカーのライスが蹴ったFKが壁の右端にいたバルベルデを迂回。横っ飛びしたクルトワの長い手も届かず、ネットに突き刺さったから、ビックリしたの何のって。
これには後でクルトワも「Puedo tomar la responsabilidad de que en la primera falta podría haber puesto un hombre más/プエド・トマール・ラ・レスポンサビリダッド・デ・ケ・エン・ラ・プリメーラ・ファルタ・ポドリア・アベール・プエストー・ウン・オンブレ・マス(最初のFKで壁にもう1人、置くこともできたという責任はボクにある)」と通常より、人数が少なかったことを反省していたんですけどね。それより恐るるべきはライスで、ベッカムに憧れていた当人が日々、FKの腕を磨いていた成果が25分にも再び、現れることに。
そう、そのちょっと前にはマルティネッリのシュートをクルトワが弾き、その跳ね返りをミケル・メリーノがvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んだボールもアラバがゴールライン上でクリア。更にメリーノの撃ち直しもクルトワが弾くという、心臓バクバクもんのトリプルピンチがあった後、CKからのライスのシュートをこれまた、ベリンガムがゴールライン上で弾いて、何とか2失点目を免れたマドリーだったんですけどね。またしてもファールで先ほどより、ちょっと左側のエリア正面でのFKを与えてしまったのが運の尽き。
いくら何でも二匹目のドジョウはないだろうと誰もが思ったものの、再びライスが蹴ったところ、今度は壁の間に入ったアーセナルの選手たちが二手に分かれて隙間が生まれ、またしてもボールがゴールに入ってしまうって、一体、どうなっているんでしょう。これにはアルテタ監督まで、「ウチは2021年以来、直接FKを決めていないのに、hoy un jugador que nunca había marcado de falta ha colado dos goles en 12 minutos/オイ・ウン・フガドール・ケ・ヌンカ・アビア・マルカードー・デ・ファルタ・ア・コラードー・ドス・ゴレス・エン・ドセ・ミヌートス(今日は1度もFKでゴールを入れたことのない選手が、12分間で2本も決めた)」と驚いていましたが、いやいや。マドリーの大殺界はこれで終わりではなかったんです!
ええ、今季は相手に先制されることが決して珍しくなかった彼らでしたが、最近は特に取ったら取り返せばいいという開き直りが顕著でしたからね。逆境に燃え上がるチームの習性を利用して、残り時間でせめて1点ぐらいは返して、2ndレグで辻褄を合わせるのがアンチェロッティ監督の計画だったのかもしれないんですが、予想できなかったのは選手たちのリアクションがなかったこと。それどころか、先週末のバレンシア戦でも1時間程プレーしたモドリッチをルーカス・バスケスに代えた後の30分、まさかルイス=スケリーが繋いだボールから、メリーノに3点目のゴールを奪われてしまっては、もう絶対絶命では?
うーん、昨季までいたレアル・ソシエダやスペイン代表では中盤でプレーしているイメージのあるメリーノがまさかマドリー相手に得点して、あまりプレミアリーグを見ないスペイン人ファンにアーセナルでCFを務めているというのが、ガセではなかったのを証明できたのは良かったかもしれないんですけどね。3-0とされた後のマドリーはほとんどチャンスを作ることもなく、あろうことか、ロスタイムにはカマビンガが2枚目のイエローカードをもらって退場するおまけ付きで試合は終了。これにはバルを満員にしたマドリーファンたちもカンカンだったんですが、こんな大敗にも決してタオルを投げないのが、マドリーがマドリーたる所以。
ええ、アンチェロッティ監督も最初は2ndレグでのレモンターダについて、「Las posibilidades son muy pocas pero hay que intentarlo/ラス・ポシビリダーデス・ソン・ムイ・ポカス・エロ・アイ・ケ・インテンタールロ(確率はとても低いが、やってみなければ)」と言っていたのが、会見の最後では、「Muchas veces en el Bernabéu ocurren cosas así/ムーチャス・ベセス・エン・エル・ベルナベウ・オクレン・コーサス・アシー(ベルナベウでは何度もそういうことが起きる)」という論調に。
まだマドリー2年目のベリンガムも「もし逆転できるチームがあるとしたら、それはレアル・マドリー」と断言していましたしね。クルトワに至ってはご丁寧にも、「Si metemos uno o dos goles rápidos el tercero vendrá solo y creo que es possible/シー・メテモス・ウノ・オ・ドス・ゴーレス・ラピドス・エル・テルセロ・ベントラ・ソロ・イ・クレオ・ケ・エス・ポシーブレ(ゴールを1本か2本素早く決めたら、3本目は勝手に入るし、可能だと思う)」とレモンターダのシナリオまで披露って、まったくどこまで自信があるのか。
ただ、注意しておくと、マドリーがかつてアウェイでの1stレグに3点差で負けたヨーロッパの大会の決勝トーナメント6回のうち、逆転突破ができたのは半分の3度だけで、1975年のダービー・カウンティ戦(4-1、5-1)、1985年のアンデルレヒト戦(3-0、6-1)、1986年のメンヘングラッドバッハ戦(5-1、4-0)と、かなり昔のことなんですよね。
例えば、レモンターダラッシュで優勝した2022年のDecimocuarta(デシモクアルタ/14回目のCL優勝のこと)も16強対決のPSGに1-0負けから、ホームで3-1の勝利。準々決勝チェルシー戦など、ロンドンで1-3と勝っていながら、ベルナベウで追い越され、最後は2-3の負けで突破。準決勝のマンチェスター・シティも4-3の負けから、3-1の勝利と、どれも3点差を覆す程の難易度ではなかったのはちょっと気になるかと。
加えて、エミレーツ・スタジアムでは守備の弱さだけでなく、エムバペ、ビニシウス、ロドリゴ、ベリンガムら攻撃陣がまったく効率的でなかったこともありますし、2ndレグには出場停止となるカマビンガだけでなく、セバージョスとメンディも間に合わないようだとなると、正直、私も逆転突破には懐疑的なんですが…あのアーセナルの強さを見る限り、16強対決でお隣さんに負けたアトレティコかなんて、3点どころか、5点ぐらい取られていたかもしれませんしね。今回、レモンターダを成し遂げられたら、私のマドリーを見る目も変わってくるかもしれませんね。
え、それで待望のミッドウィークフリーを満喫しているアトレティコの次のリーガ戦はいつなのかって?いやあ、前節は弟分のラージョとレガネスが平日試合に当たったんですが、この31節はメトロポリターノで月曜午後9時にバジャドリー戦が開催されることになってねえ。後半ロスタイムにバリオスがゴールを挙げて、土壇場の逆転勝利をした前節セビージャ戦は日曜だったため、中7日と更に余裕なんですが、今のところ、負傷でサンチェス・ピスファンに行かなかったデ・パウルとリノはまだチーム練習に合流していません。
代わって、負傷から前節に復帰したコケが中盤のスタメンを務める準備をしているようで、まあ何と言っても、相手は先週末も弟分のヘタフェに0-4の大敗を喰らった最下位チーム。おまけにその試合中、ベンチでルイス・ペレスがラタサに殴りかかろうとするシーンが見られた程、現在、残留ゾーンから勝ち点14差と刻一刻と降格確定が近づいているバジャドリーの内部崩壊ぶりはかなりのよう。となると、アトレティコの勝利は堅そうですが、今季はレガネスやヘタフェに負け、最近も残留争いグループのエスパニョールと引き分けた彼らですからね。この試合では前節のバレンシア戦の負けで勝ち点3となった2位のお隣さん、ベティスと引き分けて7差となった首位バルサを本気で追撃する意欲があるのかないのか、問われることになりそうです。
そしてこの週末土曜、ブタルケでのレガネスvsバルサ戦の前座を務めるのがヘタフェで、こちらはコリセウムにラル・パルマスを迎えることに。ちなみにボルダラス監督のチームは前節の勝利で勝ち点39に到達し、この降格圏19位の相手を倒せば、ほぼほぼ残留が確定するんですが、実は来季のヨーロッパの大会出場権が回ってくる7位、8位ともそれぞれ、4差、2差と手の届く範囲にいるんですよ。まあ、彼らは11位ですから、間にいくつもチームがあるのが難点とはいえ、残り7試合、ファンに夢を見させてあげるため、頑張ってみるのも一興では?
一方、一足先に勝ち点40に到達したラージョは前節、エスタディオ・バジェカスでエスパニョールに0-4の大敗を喰らい、いえ、まだ8位と勝ち点1差の9位ですから、全然、ヨーロッパの大会行きを諦めることはないんですけどね。ただ、この日曜の相手は4位のアスレティックで、しかもサン・マメスで開催とあって、かなり勝利のハードルは高いんですが、バルベルデ監督のチームは木曜にELレンジャース戦1stレグをアウィでプレーして、スコアレスドローで決着。その疲労も溜まっているはずですし、要は来週木曜の2ndレグをまったくゼロの状態から始めないといけないため、もしかしたら、気が散ってくれたりする?今は3位のアトレティコと勝ち点6差ついているアスレティックとはいえ、ちょっと弟分の援護射撃を期待したいところです。
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トッテナムのジョゼ・モウリーニョ監督が現役引退を表明した元スペイン代表GKのイケル・カシージャス氏との関係性について言及した。スペイン『アス』が伝えた。 昨年5月に所属するポルトでの練習中に心臓発作を起こしたカシージャスは、事実上の引退状態だった中、4日に現役引退を正式に発表。22年間の現役生活に幕を下ろした。 そんなカシージャス氏はマドリーで公式戦通算725試合の出場を誇るも、モウリーニョ監督の下では守護神の座を外されることに。その結果、両者には軋轢が生じていたとされた中、ポルトガル人指揮官はカシージャス氏の引退について言及した。 「彼の知性と完成度はに対し、常に互いをリスペクトしてきた。数年後には良い友人になれたことを意味していた」 「素晴らしいGKであり、素晴らしい男だ。レアル・マドリーの歴史、スペインの歴史、サッカーの歴史の中でも最も偉大なGKの1人だ。彼とともに、我々は全ての記録を破ってリーグ戦を優勝した」 「私が下した判断により、我々の間には難しい時期もあった。他の選手を守護神に指名したのは個人的な決定ではなく、プロとしての決定だった」 また、カシージャスが心臓発作で倒れた際にもメッセージを送っていたというモウリーニョ監督。当時は衝突していたことを認め、その関係は修復していると強調した。 「誰もが知っている。私がチームから彼を外すと決めた時に対立していた。それは自我の衝突ではなく、マドリーのキャプテンとマドリーの監督としての対立だった。この決定をするのは簡単ではなかった」 「彼もまたこれを受け入れるのに簡単ではなかった。しかし、我々の関係はポジティブだ。多くの人が考えているようなものではない」 2020.08.05 16:00 Wed4
カシージャスの心臓発作後に最初に連絡を入れたのはモウリーニョ! 「最初に心配してくれた人」
かつてレアル・マドリー、スペイン代表で活躍したイケル・カシージャス氏が、昨年の心臓発作後にジョゼ・モウリーニョ監督から最初に連絡を受けていたことを明かした。 これまでマドリー、スペイン代表で多くのトロフィーを獲得した世界屈指の名GKだったカシージャス氏は、自身最後の所属先となったポルト時代の昨年5月に心臓発作を起こした。その後、同年11月に練習復帰を果たしたものの、実戦復帰を果たせぬまま、今年8月に現役引退を発表した。 <div id="cws_ad"><br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiI4VVVPckFSTCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> また、カシージャス氏によると、自身に心臓発作が起こった数週間後には妻であるサラ・カルボネロさんにも卵巣がんが見つかり、治療を受ける必要があり、同時期はカシージャス一家にとって非常に困難な時期だったという。 そういった苦境の中、カシージャス氏には世界中のフットボールコミュニティから多くの励ましの声が届いていたが、いの一番に連絡をくれたのは、マドリー時代に確執が公のものとなっていたモウリーニョ監督という意外な人物だった。 モウリーニョ監督はマドリーを率いた時代に、当時“アンタッチャブル”と思われていたカシージャス氏から守護神の座をはく奪し、実績で大きく劣るGKディエゴ・ロペスを起用。だが、その数年後には両者の関係は修復され、良好な関係を築けている。 今回、スペイン『ESPN Deportes』のインタビューに応じた元スペイン代表GKは、自身と妻に対するポルトガル人指揮官からの思いやりある行動を明かしている。 「(病気を経験して)以前は親しくなかった人たちとも親しくなれる」 「多くの人は知らないだろうけど、例えば、私の昔の監督であるモウリーニョが最初に私の身に起こったことを心配してくれた人だった。その後、彼は私の妻のことも心配してくれたんだ」 また、カシージャス氏は心臓発作を経験したことにより、自身の人生観にも大きな変化が生まれたことを認めている。 「長い間会っていなかった人たちと再会したよ。これまでよりも普通の日常を大切にしていると思う」 「明日や来週に何をすべきかを考えるのに悩まされることはないよ。今日が何をもたらすのかを考え、その瞬間をより楽しむことが重要なんだ」 「私は多くの部分でとても幸運だったと思っているが、多くの人はそうではない。あの日は絶対に死ぬと思っていたし、あの経験が私に多くのことを考え直させた。自分が特権を与えられている幸運な人間であることを思い知らされたよ」 2020.10.11 14:50 Sun5
