「これだけ長いとケガ人だって出るわよね」そんな風に私が納得していたのは木曜日、スペイン代表に3人目の離脱者が出たという報を聞いた時のことでした。いやあ、新設の9月10月合体大型各国代表戦週間もようやく半分が終わり、残すところ、あと2試合となったんですけどね。まずはネーションリーグ・グループリーグ1節のイングランド戦のアップ中にエリック・ガルシア(バルサ)がヒザを痛めて離脱となり、翌日にはル・ノルマン(アトレティコ)が追加招集となったのを皮切りに、2節のクロアチア戦前にはグリマルド(アトレティコ)も太もも痛を起こし、貴重な先発出場の機会を逃すことに。
その彼に代わって、水曜にはフラン・ガルシア(ベティス)が久々の招集を受けたんですが、何と木曜には太ももの痛みが引かなかったニコ・ウィリアムス(アスレティック)も離脱。彼の代わりの追加招集はないって、もしやデ・ラ・フエンテ監督も考えるのが嫌になってしまった?いえまあ、まだparon(パロン/リーガの停止期間)明けまでには1週間以上ありますし、クラブに戻った選手たちも本格的なケガに発展するのを恐れての予防措置だったため、3人共、来週末の試合に出られる可能性は大いにあるんですけどね。
同時にこの長期代表戦週間は負傷で招集されていない選手たちにとっても有難いキャッチアップタイムとなっていて、ええ、アトレティコなど、プレシーズンのケガがなかなか治らなかったセルロート、そしてバリオスも回復。8節のアラベス戦に出場できそうなんですが、まあ、それでも出向中の16人にはまだ試合がありますからね。とりわけ大西洋の反対側でプレーしているフリアン・アルバレス、ジュリアーノ、クティ・ロメロ、ムッソらアルゼンチン勢、カナダ代表でプレーするジョナサン・デイビッドらは親善試合でも様子が気になるところかと。
その一方でいきなりCB不足に陥ってしまったのがお隣さんのレアル・マドリーで、そう、木曜にはアセンシオが年初から悩まされていた、ひびの入った脛骨の修復手術を受けることになったんですよ。全治2、3カ月というのも痛いんですが、この代表戦期間にはとうとう、長期リハビリ中だったミリトンもバルデベバス(バラハス空港の近く)でのチーム練習に加わるようになったとはいえ、到底、10月10日のビジャレアル戦に間に合うようには見えませんからね。コナテもフランス代表の試合が始まる前に離脱して、時間との闘いになっていますし、加えて最後のリーガ戦だったマドリーダービーではハイセンが退場。次節出場停止になるため、CBがリュディガー1人だけって、もしやまたチュアメニにジョブチェンジしてもらうしかない?
まあ、マドリッド勢のクラブについてはこの先、また状況が変わる可能性があるため、おいおいに話していくことにしますが、今はスペイン代表の2戦目がどうだったか、お伝えしていかないと。先週土曜にウェンブリーでのイングランド戦に2-3で勝利した後、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に直帰したチームは2日間、そちらで練習して、月曜夜にセビージャに移動。火曜にサンチェス・ピスフアンでクロアチア戦となったんですが、何せ、W杯に優勝してから、これがスペインの地で初めての試合でしたからね。
ベティスとのダービーかと見まごうばかりの大きな幕をバックスタンドに広げてチームを歓迎していたかと思えば、もちろん、キックオフ前には2024年ユーロ優勝時のキャプテン、ヘスス・ナバスからロドリ(マンチェスター・シティ)がトロフィーを受け取り、ファンに披露。国家吹奏もマーチングバンドの生演奏という力の入り具合だったんですが、デ・ラ・フエンテ監督はこの試合、イングランド戦から5人スタメンを変更して挑むことに。でも幕開けはまったく同じだったんですよ。
そう、開始1分とちょっと、ウェンブリーでも目覚ましゴールを挙げていたジャマル(バルサ)が、うーん、この日はククレジャ(マドリー)、バエナ(アトレティコ)、そしてフェルミン(バルサ)が連携して、最後に彼がクラブ同僚のGKリバコビッチを破ったんですけどね。すでに月曜にはバロンドールの投票は閉め切られていたんですが、ジャマルの得票アピール期間には終わりはない?いえ、メッシだって初めてバロンドールを獲ったのは22才の時だったというのに、19才で受賞してしまったら、この先、何を目標にしていくのかなんて思うのは、私の余計なお節介かもしれませんけどね。
ただ、この先制点もイングランド戦同様、28分にはペルシッチ(PSV)のクロスをハイセンとクバルシ(バルサ)が見守る中、ベーリョ(ディナモ・ザグレブ)にヘッドで決められ、一旦は同点にされてしまったスペインだったんですが、大丈夫。31分にはエリック・ガルシア離脱のおかげで、右SBとして2試合連続先発となったプビル(アトレティコ)がジャマルのクロスを頭でジャストミート。残念ながら、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)のゴールはオフサイドで認められず、フェルミン(バルサ)のシュートもゴールポストを直撃してしまったため、2-1という僅差でハーフタイムに入ることに。
後半15分前には両チーム共、選手交代が始まり、ええ、スペインはミケル・メリーノ(アーセナル)やペドリ(バルサ)、クロアチアもブドミル(オサスナ)やパサリッチ(アタランタ)が入ったんですが、やっぱり同じチームの選手が多いと連携もスムースに行きますよね。18分にはペドリがエリア内にラストパスを送り、プビルが邪魔しちゃ悪いと賢くスルーしたボールをジャマルが角度のない場所からシュート。当人も後で「Ya lo conozco de los entrenos/ジャー・ロ・コノスコ・デ・ロス・エントレーノス(彼のことは練習でもう知っていた)。それを考えて撃ったら、入ってくれた」と言っていたんですけどね。そのボールがGKとポストとの狭い隙間を破って3点目になってくれるって、ライコビッチも本当に気の毒だったかと。
その後はデ・ラ・フエンテ監督も時間調整を考えたか、バエナとジャマルがお役御免となり、グリマルド同様、W杯では出場機会のなかったビクトル・ムニョス(リバプール)とニコ・ウィリアムスがピッチに入ったんですが、何より場内が沸いたのは36分、スシッチ(インテル)に代わって、モドリッチ(ミラン)が登場した時でした。ええ、1節のチェコ戦ではゴールを挙げて、チームの勝利に貢献した彼ももう41才ですからね。この日はここまでベンチ待機していたんですが、やっぱりクロアチアの顔と言ったら、マドリーのレジェンドである彼しかありませんって。
そして44分にはメリーノのパスを受けたニコが4点目を決めて、4-1で試合を締め括ったスペインだったんですが、当人、イングランド戦での雪辱を晴らしたのは良かったものの、それでケガしていてはねえ。試合後には、「Como dice el míster, da igual quien juegue, que somos jugadores con mucha Calidad/コモ・ディセ・エル・ミステル、ダ・イグアル・キエン・フエゲ、ケ・ソモス・フガドーレス・コン・ムーチャ・カリダッド(監督も言っているように誰がプレーするのかは重要じゃない。ボクらはとても質の高い選手たちなのだから)。ウェンブリーではバエナが素晴らしい仕事をして、今日はボクに当たっただけ」と言っていたんですが、うーん。ニコの離脱後はデ・ラ・フエンテ監督がバエナ一択になって、疲れ果ててアトレティコに戻るなんて破目にならないといいのですが…。
おかげでネーションリーグ・グループリーグ2連勝とし、単独首位で土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、オビエドでのチェコ戦に挑むことになったスペインだったんですが、まあ、マドリッドは丁度、中間地点でもありますからね。試合後すぐ、チームはセビージャからまたラス・ロサスの施設に戻り、水曜を休養日に当てることに。これまでであれば、ここで解散となっていたところが、エキストラであと2試合もあるため、選手たちも合宿生活が長すぎて嫌になってしまう心配もあるんですが、幸いハイセン、フェルミン、今回が初招集のロベルト(エスパニョール)、GKジョセップ・マルティネス(インテル)以外は皆、50日以上続いたW杯の長期合宿を経験済み。
今のところ、2試合フル出場が続いているのはプビル、クバルシ、ククレジャ、GKウナイ・シモン(アスレティック)の4人ですが、グループ内で一番組み易そうなチェコ戦ではもっと大規模なローテーションがあるかも。セビージャでも、オビエドでも前日スタジアム公開練習がないのは現地のファンにとっては悔しいでしょうが、とにかく今は選手の体力温存が大事ですからね。よってこのチェコ戦も、来週火曜のスプリトでのクロアチア戦も練習を協会施設で済ませてから、移動となるんですが、何かこうまでつけいる隙のないスペインを見せられると、本当に2008年ユーロから、2010年W杯、2012年ユーロの3連覇を遂げた黄金期の再来を期待しちゃいますよね。

