「これが今年、半袖短パン、サンダル、生足で行ける最後の試合になりそう」そんな風に私が呟いていたのは土曜日、メトロポリターノでの本家マドリーダービーに備えて、気温をチェックしていた時のことでした。いやあ、最近、夜はかなり涼しくなってきたマドリッドなんですけどね。日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)という早い時間帯に始まる兄貴分対決では30℃を越える見込みで、ええ、その後は各国代表戦の新設、長期paron(パロン/リーガの休止期間)に突入。スペイン代表のプレーするネーションズリーグ4試合もマドリッド外での開催となるため、この先、3週間は私ものんびり自宅でTV観戦するだけでいいから。
え、シメオネ監督とモウリーニョ監督の13年ぶりのダービー対決となるとちょっと、緊張しないかって?まあ、そうなんですが、実はその最後の試合は2013年のコパ・デル・レイ決勝で、アトレティコがサンティアゴ・ベルナベウで延長戦の末、1-2で優勝したのは未だにファンの間で語り継がれるレジェンドですからね。それ以前の14年間、ダービーで勝てていなかったというのは何ですが、以降は両者の勝敗はそこそこ、イーブンとなっているような(CL対決を除く)。
加えて、今週ミッドウィークにあったリーガ戦の様子を見ても、結構、アトレティコにいい風が吹いているような気がするんですが、「No entiendo que nuestrs partidos anteriores o los suyos tengan que ver con el partido/ノー・エンティエンドー・ケ・ヌエストロス・パルティードス・アンテリオーレス・オ・ロス・スジョス・テンガン・ケ・ベル・コン・エル・パルティードー(ウチのこれまでの試合、彼らのこれまでの試合がこの対戦にどう関係するのかわからない)」(シメオネ監督)という意見もなきにしろあらず。そこでまずはリーガ7節を振り返りながら、ダービー前の両チームの状況をお伝えしていくことにすると。
今週は一足早く火曜にレアル・マドリーがマルティネス・バレロでエルチェ戦に挑んだんですが、前半はかなりサクサク行っていたようで、26分にはギュレルの蹴ったFKがGKディトロの後ろ手に当たり、オウンゴールを誘発した後、33分には2試合連続の先発出場となったディオマンデがエリア内右からエムバペにアシスト。あっさり2点リードしたんですが、まさか41分、バルベルデの自陣からのスルーパスを追ったエムバペの自身2点目がオフサイドで認められなかったのを後々、悔やむことになろうとは!
後半もエムバペやビニシウスが撃っていったものの、うーん、今季のマドリーがいきなりリラックスタイムに入ってしまうのは恒例ですからね。ゴール日照りが続くビニシウス、そしてローテでギュレルがベリンガムとブライムに代わった後の26分、セパダがエリア左奥から上げたクロスをオソリオにヘッドで決められて1点差に。おまけに37分、ホサンのラストパスをフェル・ニーニョが撃ち込んで、2-2の同点にされてしまったから、さあ大変。
ええ、バルサが開幕から全勝を続けていることを考えると、引分けイコール負けのようなマドリーですから、これにはモウリーニョ監督も即断。チュアメニ、トレントを下げ、エスピ、エンドリックを入れて、FW4人+ベリンガムの超攻撃体制を取ったんですが、いやあ、本当にレバンテから来た21才のFWは頼りになりますよね。最初のシュートは外したものの、ロスタイム1分、エムバペのアシストを空のゴールに流し込み、エスパニョール戦に続く自身マドリー2本目で、再び土壇場の勝利をもたらしてくれるんですから、まさに掘り出し物じゃないですか(最終結果2-3)。
翌日、ラシング・サンタンデール戦に臨んだバルサも7-2というgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝ったため、おかげで何とか命拾いをしたマドリーだったんですが、ここまで4得点勝利を続けるホームゲームと比べ、アウェイゲームの方は接戦ばかりでねえ。先日のベティス戦など、切り札エスピの投入も空しく、1-0で負けているとなると、もしやメトロポリターノでプレーするアトレティコの分は決して悪くはない?
そう、翌水曜、4試合ぶりにホームに戻って来た彼らだったんですが、とうとう、チームはFalso nueve(ファルソ・ヌエベ/シャドーCF)体制を卒業。直前のレアル・ソシエダ戦で移籍後、初ゴールを挙げたジョナサン・デイビッド(ユベントスからレンタル)がスタメンとして、このオサスナ戦でメトロポリターノに初お目見えしたからですが、まさか早速、前半24分に先制点を決めてくれるとは!いえ、どうして左SBのグリマルドが敵エリア内右奥に出現したのかは私もよくわからないんですけどね。その折り返しのパスを2度撃ちでGKアイトル・フェルナンデスを破ってくれたから、帰還を心待ちにしていたファンもどんなに喜んだことか。
残念ながら、ミッドウィーク節とあって、「Las rotaciones había que hacerlas para darle aire a los jugadores/ラス・ロタシオネス・アビア・ケ・アセールラス・パラ・ダールレ・アイレ・ア・ロス・フガドーレス(選手たちに一息つかせるため、ローテーションは必要だった)」(ラミス監督)とメンバーを落としていたオサスナが受け身なのをいいことに、攻め続けたアトレティコながら、前半は追加点を奪うことはできなかったんですが、後半9分には再びデイビッドが覚醒。エリア前からラストパスをイ・ガンインに送り、そのシュートで2点目が入ることに。
2点差となった後、相手はブドミル、キケ・バラハ、ルーベン・ガルシアらのレギュラーを投入してきたんですが、時すでに遅し。18分には一度はクリアされたCKをル・ノルマンが撃ち込み、37分にもカルドーソのスルーパスからバエナが決めて、最後は4-0の大勝となれば、ダービーを前にして、アトレティコサイドの気が大きくなっても仕方ない?いえ、「El otro día ganamos 0-3 y hoy 4-0. Esa es la línea a seguir/エル・オトロ・ディア・ガナモス・セロ・トレス・イ・オイ・クアトロ・セロ。エサ・エス・ラ・リネア・ア・セギール(先日は0-3で勝って、今日は4-0。これこそが進むべき道だ)」(コケ)っていうのは少々、盛り過ぎですけどね。
もちろん昨季、シャビ・アロンソ監督(現チェルシー)率いるお隣さんに5-2と大勝した試合のリピートができれば、それはそれで結構ですが、たとえ、1-0でもファンは大満足するはずですからね。唯一、気懸りというか、ジレンマになっているのは、先日のCLリバプール戦フル出場で筋肉痛となり、ここ2試合、休場していたフリアン・アルバレスが戻ってくることで、ええ、今季、彼がプレーした3試合は1つも勝てておらず。引き分けたビジャレアル戦も、この夏の移籍騒動の余波でメトロポリターノのスタンドがpito(ピト/ブーイング)の嵐となっていたため、ここはシメオネ監督も彼の使い方を熟考する必要があるかと。
その他のメンバーでは相変わらず、セルロートとバリオスがリハビリ中で、逆にマドリーの方はもう、ミリトン、ロドリゴ、メンディの長期離脱組以外、全員出られるよう。どちらのチームもホームでは内弁慶、アウェイでは弱者傾向があるため、土曜にバルサがセビージャ戦にも1-3で勝ったため、首位と勝ち点8差になってしまったアトレティコが勝ってくれればいいんですが…予想がつかないのもダービーならではの醍醐味なんですよね。
そしてマドリッドの弟分チームたちはどうしていたかというと、いやあ、火曜には西日照り付けるブタルケ(レガネスのホーム)の正面スタンドで、眩しくてよく見えなかったものの、前半2分にはアルバロ・ガルシアが、26分にもペドロサがゴールを決めて、エスパニョールに2-0と先行。相手の反撃を後半9分のロベルトの1点だけに抑え、ラージョは仮の宿での成績を2勝1分けで終えたんですけどね。土曜に挑んだエル・サダルでのオサスナ戦では、ローテで休養十分だったブドミルに前半16分にchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で先制点を奪われてしまうことに。
それでも後半5分には、うーん、丁度、前日に発表があった9月のスペイン代表戦招集リストで、エスパニョール戦でのノーゴールが祟ったか、ロベルトに先を越されてしまったカメージョが発奮。ペドロサの折り返しパスをvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて、追いつくことはできたんですけどね。おかげで彼はロベルトに1点差をつけ、再び得点王レースで2位のエムバペ、ジャマルと7得点で並んだんですが、そこは今季まだ、アウェイで1勝もしていないラージョ。
そのまま1-1で分けるので精一杯となりましたが、大丈夫。代表戦明けの10月10日のアスレティック戦はとうとう、エスタディオ・バジェカスで開催できますし、その間、カメージョも含め、3週間の長い2度目のプレシーズン練習にチームの大半の選手が参加できるのはとても有難いことかと。ええ、その頃にはイシやエヌテカ、現在リハビリ中のメンバーも復帰できるはずですしね。1カ月以上、バジェカスで応援ができなかったファンたちもきっと、その日を待ちわびているはずです。
一方、木曜にカルトゥーハでベティス戦となり、前半終了直前にアブデに決められた1点を最後まで返せず、負けてしまったヘタフェはというと。いやあ、このゴールでも起点となるパスを受けたアブデにハンドの疑いがあったり、後半42分にはマリオ・マルティンが2枚目のイエローカードをゲット。今季8試合で4人目の退場者を出すという、ツイていないボルダラス監督のチームだったんですが、この日曜にはファイナルと言ってもいいぐらい、大事な試合をコリセウムで迎えることに。
それは昇格組のマラガとの一戦で、ええ、先日はホームでのガリシア勢2連戦でセルタとデポルティーボと引き分けてしまいましたからね。こちらもアウェイでは今季まだ、勝てていないため、現在、降格圏と勝ち点差1しかないというのは、ちょっとマズいかと。各国代表戦期間後はカンフェレンスリーグ・リーガフェーズも始まって、ハードスケジュールとなるのも辛いんですが、そんな中、サトリアーノがW杯でグループリーグ敗退をした後、ビエルサ監督からフォルラン監督に代わったウルグアイ代表に2022年以来、2度目の招集を受けたというのは朗報?それとも悲報?
というのもW杯には誰1人参加せず、しっかりプレシーズン練習ができたヘタフェですが、今回、ウルグアイは日本、韓国、インドのアジア親善試合ツアーを開催。マジョラルがまた負傷してしまった今、大事なFWに余分な負荷はかけたくないからですが、何はともあれ、マラガ戦には勝っておかないと。丁度、キックオフが午後2時で、次の時間帯にダービーを控える私は応援には行けないんですが、ヘタフェにはできるだけいい形でお休みに入って、仕切り直しをしてくれることを祈るばかりです。

