だんだん試合が増えてきた…

「今日はダムフリース(インテルから移籍)の番なのね」そんな風に私がニュースをチラ見していたのは金曜日、今季は入団プレゼンの形式を変えたレアル・マドリーで、ペレス会長とトロフィールームでユニフォームを掲げてポーズ、続いてクラブのメディアによるインタビューという個別プレゼンのビデオが流れるのもすでに4日目になった時のことでした。いやあ、火曜にモウリーニョ監督から始まったこのシリーズ、ベルナルド・シウバ(マンチェスター・シティと契約満了)、コナテ(同リバプール)と毎日、続いているんですけどね。おそらく来週にはククレジャ(チェルシーから移籍)、ディアマンデ(同ライプツィヒ)、エスピ(同レバンテ)が登場するかと思うんですが、これって、要はマドリー番記者の仕事がまったくないってことじゃない?

そのせいか、マドリーのリーガ開幕戦となる、土曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)からのエスパニョール戦を前にして、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でこの夏、初めて開かれたモウリーニョ監督の記者会見が大盛況に。質疑応答が43分も続いたらしいんですが、まあ、公式戦はこれからで、試合がなければ、ジャッジなどの問題も起きませんしね。その場は穏やかに済んだようで、マドリーがロドリ(マンチェスター・シティからバルサに移籍)を獲りに行かなかった理由、「そのポジションにはチュアメニ、バルベルデ、ベルナルド・シウバ、アルダ・ギュレルがいるのだから、不足はない」というのを聞いたり、長期リハビリ組のミリトン、ロドリゴ、メンディ、アセンシオを除けば、バルセロナ遠征に参加しないのは筋肉痛のエンドリックだけということが判明して終了。

実際、先週末のラストプレシーズンマッチ、シャルケ戦ではエムバペ、ベリンガム、ククレジャ、ディオマンデら、最後にチームに合流した選手たちもプレーしていますしね。たとえ、リーガ1節でレバンテに3-0と快勝したマノロ・ゴンサレス監督のチームが勢いをつけていても、心配することはあまりなさそうですが、こればっかりはねえ。ちなみにマドリーのホーム開幕戦は来週水曜の順延1節レアル・ソシエダ戦で、ええ、未だにメトロ10号線の区間運航停止は終わってないんですよ。サンティアゴ・ベルナベウ駅を挟むヌエボス・ミニステリオスからプラサ・カスティージャ間は動いていないため、夏休みで観戦旅行に来たファンも、前者から徒歩なり、代替バスなりでスタジアムへ行くのに、ちょっと多めに移動時間を見積もっておいた方がよいかと。

まあ、そんなことはともかく、マドリッドで今季初の公式戦があったこのミッドウィークがどうだったか、お伝えしていくことにすると。まずは水曜にW杯準決勝出場選手がいるチームとして、リーガ1節を順延したアトレティコがお隣さんより一足早く、メトロポリターノにマラガを迎えて開幕となったんですが、早めた理由が来週にはコンサートが入っているからって、ちょっとセコくない?

おまけにこちらもメトロ恒例の夏季補修工事で7号線が8月28日まで、ピティスからグレゴリオ・マラニョンまで運航停止となっているせいで、私も回り道をして行くことになったんですが、これって、辛いのは帰りなんですよ。とりわけ午後11時を過ぎると、メトロの本数が減るため、2つの乗換駅で10分以上待たされて、家に着いたら午前1時半。これってコパ・デル・レイやCLで延長戦、PK戦になった時とまったく変わらないじゃないですか。

そんな私の小さな不満は置いておいて、試合の方はどうだったかというと、ええ、チームに4人ものW杯王者がいるアトレティコですからね。キックオフ前にはピッチにスペインとアトレティコの大きな旗を広げて、バエナ、ジョレンテ、プビル、グリマルド(レバークーゼンから移籍)がトロフィーをファンに披露。スペイン初優勝時のエース、現在はクラブ役員も務めるビジャが先導し、パルコ(貴賓席)にはデ・ラ・フエンテ監督とゲストも豪華だったんですが、悠長にスペイン国歌が流れたりしたため、試合開始が8分も遅れることに。

逆に負け組のジュリアーノやムッソ、スタンド見学だったフリアン・アルバレスにとっては辛かったセレモニーだったかもしれませんが、W杯決勝組がスタメンに入らず始まった試合の前半はあまり目立ったアクションは見られなかったかと。まあ、前線がルックマン、メンドーサ、トップチームに昇格したアルナウ・オルティスでは元々、大した期待はしていなかったんですが、相手のマラガも久々の1部の試合ですからね。リーガ戦では珍しいぐらい、大勢のビジターファンが駆けつけていたものの、ロスタイムのチャンスもチュペのシュートはGKオブラクに阻まれ、しかもオフサイドだったというオチで、0-0のまま、ハーフタイムに入ります。

ようやくゲームが動いたのは後半12分に3人一斉交代をした後で、アルナウ、メンドーサ、カルロス・マルティンがお役御免となり、バエナ、イ・ガンイン(PSGから移籍)、ジュリアーノがピッチへ。これは「コンディションのいい選手をまず出して、相手を疲れさせる。Con los cambios entraron jugadores con más calidad que pudieron resolver/コン・ロス・カンビオス・エントラロン・フガドーレス・コン・マス・カリダッド・ケ・プディエロン・レソルベル(交代によって、試合に決着をつけられる質の高い選手たちが入った)」というシメオネ監督の作戦だったんですが、何とそれがバッチリ当たったんですよ。

そう、メトロポリターノデビューを果たすなり、積極的に撃ってきたイ・ガンインが25分、エリア前からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてくれたからですが、これにはその日、かなりスタンドで目にした韓国人ファンも大喜びだったかと。残念ながら、その3分後、彼が出した絶妙なスルーパスからのルックマンの一撃はGKエレロに弾かれてしまったんですが、大丈夫。40分には、「Gracias al Mundial pude recuperar la confianza/グラシアス・アル・ムンディアル・プデ・レクペラル・ラ・コンフィアンサ(W杯のおかげで自信を回復することができた)」というバエナが直接FKを見事に沈め、アトレティコは2-0の完勝で開幕戦を飾ることに。

これもまさにニコ・ウィリアムス(アスレティック)が負傷明けで、バエナをスペインのレギュラーに抜擢してくれたデ・ラ・フエンテ監督のおかげとも言えますが、この新生バエナとイ・ガンインがいれば、グリーズマン(現オーランド・シティ)の抜けた穴はもう心配することない?ただそれでもやっぱりCFは必要で、ええ、リハビリ中のセルロートはあと2週間ぐらいはかかりそうですからね。

とうとう水曜から熱波が収まり、無事に開催できそうな日曜午後5時(日本時間翌午前0時)からのホーム連戦、昨季最終節でコロッと負けて、3位を奪えなかったビジャレアルにリベンジする試合ではいい加減、フリアンに戻ってほしいものですが、移籍市場が開いている間は彼自身がアトレティコに集中できないかも。木曜に入団プレゼンのあったクティ・ロメロ(トッテナムから移籍)もW杯準優勝組のため、少々、準備に時間がかかりそうなんですが、初戦を昇格組のラシン・サンタンデールと2-2で引き分けた、イニゴ・ペレス新監督率いる相手を倒すことはできるのでしょうか。

そして翌木曜にはマドリッド近郊南部で2試合があって、いえ、私が行けたのはヘタフェのカンフェレンスリーグ・プレーオフのパルチザン戦1stレグだけだったんですけどね。ブタルケ(レガネスのホーム)を借りて開催されたラージョvsアラベス戦も、火曜の公開練習で久々に訪れ、スタジアムの工事現場化の著しさに目を瞠ったコリセウムも、8月はバケーションシーズンなのもあって、どちらも客の入りが5000人以下だったんですが、いや、これってほぼ満員に近かったメトロポリターノの方が異常?

ちなみに6年ぶりにヨーロッパの大会出場となったヘタフェの方は、いやあ、正面スタンドには記者席しかなく、それもまさにヘタフェベンチの真後ろのかぶりつきというのには私も感動したんですけどね。今はスタンド以外の建物部分がほとんどなく、応援団の陣取るゴール裏スタンドの外にプレハブのロッカールームを設置。選手たちの入場もそのスタンドの階段を下りてくるという目新しさだったんですが、開始9分には、新人左SBのモヒカ(マジョルカから移籍)のクロスを出戻りCFエネス・ウナル(同ボーンマス)がゴール前からvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて、あっさり先制することに。

ただ43分にはパルチザンの逆襲に遭って、ゴール右前からのセックのシュートをGKダビド・ソリアが弾ききれず、1-1の同点にされてしまったんですけどね。それだけに同時刻開催のブタルケでの後半序盤にとうとう、カメージョがラージョに先制点をもたらしたという朗報が入った後、せっかくモヒカがゲットしたペナルティがVAR(ビデオ審判)モニター判定でなしにされてしまったのは残念だったかと。

だってえ、ヘタフェと来たら、先週末のリーガ1節アラベス戦同様、後半23分にはアブカルが2枚目のイエローカードをもらい、また1人少なくなっちゃったんですよ。それでもウナルなどが積極的に撃っていったんですが、勝ち越し点はなかなか入らず、いよいよ、これは引分けのまま、ベオグラードに乗り込むことになるのかと思われた終盤…まさか42分、ウナルのエリア内侵入から、サトリアーノのtakonaso(タコナソ/ヒールキック)を経て、アンドレス・ガルシア(アストン・ビラから移籍)がフィニッシュ。あまりにスムースにゴールが入ったから、ビックリしたの何のって。

おまけにロスタイムに入る直前にも、今度はモヒカがエリア外から決めて、あっという間にリードが2点になっているんですから、もしかしたら、これってセルビアとスペインのリーグの実力差?いやまあ、まだ来週木曜には、この日もバックスタンドの一部に陣取って、存在感を放っていたパルチザンファン一色になる敵地での戦いを乗り越えないといけないんですけどね。その前にも日曜にラシン・サンタンデール戦があって、シーズン開始早々、スケジュールがタイトなボルダラス監督のチームなんですが、さて。W杯参加者が1人もおらず、フルにプレシーズン練習をできた選手が多いとはいえ、先週着いたばかりの補強選手も少なくないため、連携など、ぶっつけ本番で試行錯誤していかないといけないのは辛いところかもしれません。

え、パルチザン戦の終盤が怒涛の展開だったせいで、ラージョもヘタフェが1節でやられた復活マリアーノ弾を後半39分に喰らい、1-1で引き分けていたのを私が知ったのはかなり後のことだったんだろうって?いやあ、その通りで、実は彼ら、前半17分にはイシを、後半15分にもGKバタジャをケガで失い、かなり大変なようだったんですけどね。それでも何とか、今季の初勝ち点はゲットできたんですが、やはりエスタディオ・バジェカスでプレーできないのはかなりの痛手のよう。

試合後には、ベニャト・サン・ホセ監督も「Por favor pido que el siguiente partido se juegue en Vallecas/ポル・ファボール・ピド・ケ・エル・シギエンテ・パルティードー・セ・フエゲ・エン・バジェカス(お願いだから、次の試合はバジェカスでプレーできるように頼みたい)」と言っていたんですが、31日(月)のアウェイでのバルサ戦の後、9月5日(土)のラシン・サンタンデール戦をどこでプレーするのかは未だに不明。うーん、アラベス戦のブタルケ開催が決まったのも先週半ばでしたしね。これって、ビジターファンにも迷惑をかけますし、ラージョファンも混乱するばかりなので、早急に解決してくれるといいのですが…。

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原ゆみこ
マドリッド通信員。南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。 遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。 今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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