日本代表はどこにいる?
早朝から車でダラス・スタジアムへ向かった。日本代表のオランダ戦の前日練習と前日会見があるからだ。
スタジアムに着くと、少し違和感があった。日本のメディア関係者らしき人が、全然いないのだ。とはいえ、開始30分前だし、もしかしたら、みんなもうスタジアムの中に入っているのかもしれない。そう思って、ゲートへ向かった。
だが、入れない。メディアADを読み込んでも「ブー」と弾かれてしまう。スタッフには「メディアの入り口は、ここじゃない」と言われた。
「ロット10へ行け」と言われて、スタジアムの周りを歩き始めた。6月のダラスは、とにかく暑い。少し歩いただけで汗がぶわっと吹き出し、どんどん体力が削られていく。
途中で、日本人の女性と外国人の旦那さん、その息子さんの家族に会った。話を聞くと、日本人女性はアメリカのスポーツチームでスタッフとして働いているという。たまたまスタジアムを見に来ていたそうで、僕らが入り口を探していると、一緒に歩いて探してくれた。
ただ、歩いても歩いても、入り口が見つからない。ダラスのスタジアムは大きい。30分以上かけて2周したが、それらしい入り口がない。
さすがにおかしい。改めてメールを確認した。日本代表の広報スタッフの方から来ていた案内をよく見ると、そもそも場所が違うではないか!
前日練習は、スタジアムではなく、別の大学の敷地内にある練習場で行われることになっていた。
日本国内での強化試合のように、前日練習はスタジアムで行われるものだという先入観があった。完全に、その思い込みによる勘違いだった。
山手線のラッシュ並みの人口密度
慌てて車に戻り、練習場へ向かった。
練習自体は冒頭15分以外は非公開で、練習後の選手のコメントを取る時間にはなんとか間に合った。
ホッと胸を撫で下ろす。
遠藤航が大会前にメンバーから外れ、追加招集された町野修斗も合流していた。前日練習後のミックスゾーンで、選手たちのコメントを取ることができた。
新聞、テレビ、フリーランスのメディアで、ミックスゾーンは朝の山手線のラッシュ並みの人口密度になっていた。炎天下での選手取材は、もはやトレーニング並みに強度が高い。
取材終了後は、「ABEMA TIMES」の記事用に明日のスタメン予想や見どころをまとめる。そのあとは、今度こそスタジアムへ移動した。森保監督の前日会見を取材するためだ。
スタジアムの中に入ると、まず目に映ったのは巨大なモニターだった。明日は、このピッチの上に吊るされているモニターに、森保ジャパンの選手たちのプレーや表情が映し出されるのだろう。
ようやく、明日ここで日本代表が試合をするんだという実感が出てきた。
W杯がつなげてくれた縁
夜、宿に戻ってから、横山幸平さんが来てくれた。
横山さんは、2006年のドイツワールドカップで出会った人だ。当時、僕はストライカー編集部にいたけど、メディアADは持っていなかったので、自分でチケットを買って試合を見に行っていた。
たまたま電車で知り合った横山さんが、決勝トーナメント1回戦のフランス対スペインのチケットを譲ってくれた。その試合は、ジネディーヌ・ジダンが活躍してフランスが勝った。僕にとっては、ドイツワールドカップで最後に観戦できた試合だった。
そこから、横山さんとはゆるくつながりが続いている。
連絡手段はメールからFacebookに変わり、今も大会のたびにどこかで会う。前回のカタールワールドカップでも、試合前に少しだけお茶をした。
今回も、宿まで来てくれて、1時間ぐらい話した。とりとめのない内容だけれども、それでいい、それがいい。
横山さんはUberを呼んで、自分のホテルへ帰っていった。
日本代表の初戦が、いよいよ近づいていた。

