「1週間先まで監督も補強も待たないといけないんだ」そんな風に私が退屈していたのは金曜日、今週からレアル・マドリー会長の選挙キャンペーンが始まったせいで、最近は毎日のようにペレス会長と対立候補のエンリケ・リケルメ氏の公約談話をスポーツ紙で読まされていたんですけどね。それがまた、最後の選挙が20年前だったため、私のおぼろげな記憶では当時、サンティアゴ・ベルナベウ周辺がお祭りのようになっていたのとは大違い。6月7日にバルデベバス(バラハス空港の近く)のバスケットボールチーム用体育館に行って、投票するのはおよそ10万人のソシオ(協賛会員)だけのため、その待遇改善がメインになるのはまあ、仕方ないことかと。
実際、リケルメ氏が「バルデベバスにホテル、運動設備、プール付きのシュダッド・デ・ソシオを作る」というのを聞いた日には、昔、ペレス氏にはバルデベバスにアミューズメントパークを併設する計画があると言われていたことを思い出したんですが、いやいや。全世界にいる6億5000万人ものSNSフォロワーであるファンにとって、一刻も早く知りたいのは、ここ2シーズンのメジャータイトル無冠に終止符を打ってくれる次期監督や補強選手で、両者共、未だに特定の名前は口にしていませんからね。
ええ、選挙キャンペーンのオープニングイベント翌日の木曜にはTVE(スペイン国営放送)のインタビューを受け、更にはトレドなどに遊説に行く予定もあるペレス会長も、「監督候補は2人程考えているが、まだモウリーニョ監督とは話していない」そうで、その間にビニシウスやエンドリック(今季後半はオリンピック・リヨンにレンタル移籍)らはブラジル代表、エムバペ、チュアメニもフランス代表の合宿がスタート。その一方で、マドリーの選手がW杯史上1人もいないとはいえ、私の関心のあるスペイン代表のラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会施設集合はこの土曜日とちょっと遅めでねえ。
その夜はファビアン(PSG)、ダビド・ラジャ、スビメンディ、ミケル・メリーノ(アーセナル)らが出場するCL決勝を、6月4日にラ・コルーニャ(スペイン北西部のビーチリゾート)でプレーするイラクとの親善試合までのヘルプメンバーとして招集されたゴンサロ(マドリー)、マルク・ベルナル(バルサ)ら、9人の選手も一緒に皆で観戦し、日曜には恒例の公開練習もあるため、次回はその辺のお話しもしていけるかと思いますが…コンフェレンスリーグの決勝も済んだ今、私も長いシーズンがやっと終わったことに脱力感を覚えてないと言ったらウソになる?
え、それでラージョはバジェカスにトロフィーを持って来られたのかって?いやあ、それが私も水曜夜には普通のマッチデー以上にエスタディオ・バジェカス周辺の道にファンが溢れ、スタンドも満員となったパブリックビューイングに行ってきたんですけどね。その日のお昼のニュースでは、テレ・マドリッド(ローカルTV局)もアサンブレア噴水広場(スタジアムから15分程歩いたところにある)でのお祝いから、翌日の祝賀行事まで完全密着中継すると勢い込んでいたため、安心していたんですが、それがまさか、アトレティコのコパ・デル・レイ決勝同様、完全にスカされることになるとは!
うーん、張り切って決勝の2日前、月曜にはライプツィヒに乗り込んだイニゴ・ペレス監督のチームだったんですが、スタジアム練習のあった火曜には選手たちがファンゾーンを訪れたりと、市内を自由に散策。試合当日もホテル前の街路にあるテラス席で家族とくつろいでいたりと、私の知っているマドリー、アトレティコらの決勝前では絶対にありえないシーンをTVで見せられていたのも気に懸かってはいたんですけどね。まあ、ヨーロッパの大会の決勝に初めて挑むラージョだから、何が常識かわからなかっただけかもしれませんが、クリスタル・パレスとの試合ではまったく彼ららしさが見られなかったんですよ。
いえ、メトロポリターノでのコパ決勝は巨大スクリーン8台、2年前のサンティアゴ・ベルナベウでのCL決勝も複数のスクリーンがピッチにあり、更に天井吊り下げスクリーンでも見られる贅沢さだったため、バジェカスではピッチの中央にボックス型のスクリーンがたったの一体。3面のスタンドにそれぞれ、画面が1つしかなく、しかも私の視力では双眼鏡を使わないとタイムが見えないというのもちょっと、試合に没頭できない原因でもあったんですけどね。
前半のラージョは、相手はプレミアリーグ王者兼CLファイナリストのアーセナルでも、先週、ヨーロッパリーグ王者になった、来季はCLに出場するアストン・ビラでもないプレミアリーグ15位のクリスタル・パレスだというのに、もしや所属選手の市場価値トータルが5倍もあるというのに恐れをなしてしまったんでしょうかねえ。「感情的な要素が普段、ウチのチームがやってきたノビノビしたプレーを阻害した」と後でイニゴ・ペレス監督も言っていたんですが、結局、チャンスはチャバリアのクロスをアレモンがゴール前からvolea(ボレア/ボレーシュート)して外したのと、ウナイ・ロペスのエリア前からのシュートぐらいに留まることに。
それでもバジェカスのファンたちは、レッドブル・アレナでも大幕を広げていたブカネーロス(ラージョのウルトラグループ)を始め、アボナードー(年間チケット保有者)の80%が現地に応援に行ってしまったため、スタジアムDJの声に先導されて、ずっと応援していたんですけどね。0-0のまま後半が始まり、片方のゴール裏にスタンドがないため、なかなか繋がらなかったOla(オラ/ウェーブ)がようやく成功するようになった5分、敵が先制ゴールを挙げたから、さあ大変!
そう、それまでほとんどシュートのなかったクリスタル・パレスだったのが、ウォートンのエリア前からの一撃をGKバタジャが弾いてくれたのは良かったものの、ボールがマテタの正面に行ってしまったのが運の尽き。軽く押し込まれて1点を取られたのがよっぽどショックだったか、その5分後にはジェレミー・ピノが蹴ったFKがポストに当たった後、バレンティンがクリアしようとして、それがまたポストに当たって難を逃れるという恐ろしい光景にファンも戦々恐々する破目に。
マテタの2度目のシュートをバタジャが防いだ後、イニゴ・ペレス監督もペドロ・ディアス、メンディ、カメージョ、パチャ、そして最後はイリアスと戦力をリフレッシュしていったんですが、何せ、この日のラージョはアレモンもカメージョも決定力を発揮できなくてねえ。枠内シュートなど1本だけで、3本の相手にそのまま1-0で負けてしまったんですが、はあ。いえ、試合後、負けたにも関わらず、現地に行った1万1000人のファンは「Vida de pirata/ビダ・デ・ピラータ(海賊人生)」を唱和して、チームを労ってくれたんですけどね。
バジェカスではスタジアムではなく、人が溢れんばかりだったポルタスゴ駅のホームで唱和していたんですが、これで今季はマドリッドで何の祝いもなしで終わってしまったのは寂しかったかと。実際、バレンティンなど、「ボクらは決勝前の過程を大いに楽しんだ。Es un regalo haber llegado a la final/エス・ウン・レガーロ・アベール・ジェガードー・ア・ラ・フィナル(決勝進出は贈り物のようなもの)だから、ファンや家族と楽しみたかった」と言っていましたし、もしや絶対、初のヨーロッパの大会のトロフィーを獲得してやるという執念に欠けていたんじゃないかと思ってしまうのは私だけ?
まあ、その逆でグラナスナー監督にラツィオからクリスタル・パレスに引き抜かれ、2022年にフランクフルトでヨーロッパリーグに優勝した時の恩師の下で2度目のヨーロッパの大会タイトルをゲットした鎌田大地選手には最高の結果となった訳ですが、ラージョは木曜にマドリッドにひっそり帰還。翌日には練習場で早速、イニゴ・ペレス監督の退団会見となり、いえ、これは決勝に負けたせいではないですよ。すでにその前から決断はしていたようで、来季はビジャレアルの指揮官となる可能性が濃厚だとか。ええ、リーガ8位で来季のコンフェレンスリーグ出場権を取れなったラージョと比べ、向こうはCL出場チームですからね。
それ以外にも2022-23シーズンにイラオラ監督の第2監督を務め、一緒にボーンマスに行く予定だったのが、ビザが下りず、浪人していたところ、23-24シーズンに赴任したフランシスコ監督が2月に途中解任に。そこから2期目のラージョ務めとなった彼もこれまで散々、バジェカスや練習場の芝トラブルや施設の不備などの問題に見舞われましたからね。その辺りはしっかりしていそうなビジャレアルに惹かれてしまうのもわかるんですが、まあそれはそれ。
とりあえず、7位となった弟分仲間、ヘタフェがコンフェレンスリーグに行ってくれるため、来季もマドリッドのミッドウィークは充実していますしね。ちなみに5年ぶりにヨーロッパの大会に戻ったヘタフェの方は、未だにボルダラス監督が続投するかがわからず。一説によると、セビージャのオファーを待っているとかで、それがあちらはセルヒオ・ラモスが現経営陣からクラブを買収する話が進んでいたものの、色々、難航しているようでねえ。実際、今週はマリオ・マルティンとボセッリの完全移籍も決まりましたし、定期的にELに優勝していた時代ならともかく、ここ2シーズンはギリギリまで残留争いをしているチームに行くより、ヘタフェでヨーロッパ遠征を楽しむ方が良くない?
そしてアトレティコでは相変わらず、フリアン・アルバレスのバルサ移籍が取り沙汰されているんですが、一足早くバケーション入りした本人が何も言わないため、未だに進展も鎮火もしなくてねえ。木曜には、メノルカ島でのバケーションを切り上げ、ラ・リーガのイベントに出席したコケなども、「ウチに来た時から、皆がバルサに行くって言っていた。Y ahora mismo es jugador del Atlético/イ・アオラ・ミスモ・エス・フガドール・デル・アトレティコ(それでも今はアトレティコの選手だ)」と言うしかなかったんですが、そうこうするうち、とうとう、スカローニ監督がアルゼンチン代表招集リストが発表。フリアン、ジュリアーノ、アルマダ、ニコ・ゴンサレス、モリーナ、ムッソの6人がW杯に行くことに。
いやあ、チームのアルゼンチン人選手全員が呼ばれるというのも凄いんですが、とりわけGKムッソの場合はシーズン終盤、スロベニアがW杯に行かないオブラクとローテーションして、シメオネ監督が使ってあげたのが大きいかと。他はスペインのジョレンテ、バエナ、プビルの3人、ウルグアイのヒメネスがW杯でアトレティコを代表してくれることになっています。
え、勝手に終わった気になっているけど、実はマドリッドではまだ試合があるんじゃないかって?その通りで、日曜にはリーガ2部最終節でレガネスがブタルケにミランデスを迎えるんですが、実はこれが残留最後の一席の懸かった大一番になってしまったんですよ。それも今週火曜には12月にパコ・ロペス監督を引き継いだ、レガネスBから昇格したオカ監督が解任されてしまい、OBのカルロス・マルティンス監督が1試合だけ見ることとなり、引分け以上ならいいとはいえ、最近は不調のドツボにはまっているだけに心配でねえ。RMカスティージャとアトレティコ・マドリレーニョが2部昇格プレーオフに出場しているため、レガネスがRFEF2部(実質3部)に落ちても、2部のマドリッド勢はゼロにはならないかもしれないんですが、果たして2年連続降格は避けられるのでしょうか。

